〜PROGRESSIVE ROCK CD REVIEW 2022 by 緑川 とうせい

★2022年に聴いたプログレ(フォーク/トラッド・その他含む)CDレビュー
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6/24
英国&イタリアンプログレ!(195)


CLIVE NOLAN/OLIVER WAKEMAN「DARK FABLES」
イギリスのミュージシャン、クライヴ・ノーランとオリヴァー・ウェイクマンによる2021年作
2人のユニット作としては、1999年作「ジャバーウォック」、2002年作「バスカヴィル家の犬」とあるが、
本作は、3作目に予定していた「フランケンシュタイン」用に作られた未発音源を収録している。
きらびやかなシンセアレンジを中心にしたシンフォニックロックで、元Twelfth Nightのアンディ・シールズ、
元ARENAのポール・マンズィがヴォーカルでゲスト参加。女性シンガーが参加したしっとりとしたナンバーなど、
幻想的な翳りを帯びた世界観と、二人の奏でる優美な鍵盤プレイで、全体的にはゆったりと楽しめる内容。
楽曲自体は2〜4分前後の小曲が多く、ドラマティックな盛り上がりがもう少し欲しかったが、そこは未発曲なので。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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TIGER MOTH TALES 「THE DEPTHS OF WINTER」
イギリスのシンフォニックロック、タイガー・モス・テイルズの2017年作
全盲のミュージシャン、ピート・ジョーンズによるプロジェクトで、2014年にデビュー、本作は3作目となる。
タイトル通り、冬をテーマにしたコンセプト作で、優美なシンセワークを中心にマイルドなヴォーカルと、
随所にホルンやトロンボーンなどのブラスも加えて、物悲しい精細な叙情美に包まれたサウンドを描く。
メロウなギターの旋律による泣きの叙情とともに、GENESISルーツのシンフォニックな美意識に包まれ
10分を超える大曲もしっとりと優美に聴かせる。MOON SAFARIあたりに通じるキャッチーな味わいも覗かせつつ、
軽やかなアンサンブルで耳心地の良いサウンドが楽しめる。うるさすぎない優雅なシンフォプログレの逸品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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TIGER MOTH TALES 「A VISIT TO ZOETERMEER」
イギリスのシンフォニックロック、タイガー・モス・テイルズのライブ。2019年作
CAMELのツアーキーボードとしても活躍するミュージシャンで、本作は2019年オランダでのライブをCD+DVDに収録。
ギター、ベース、ドラムにRED BAZARのメンバーが参加してのバンド編成、2016年作「Story Tellers Part Two」
デビュー作「Cocoon」からのナンバーを中心にしたセットで、やわらかなシンセワークにジェントルな歌声で、
優美なシンフォニックロックを聴かせる。ピアノをメインにした弾き語りのような繊細なナンバーなども含め、
全体的にも自然体な力みのなさで、スリリングな部分は希薄であるが、1st収録の14分超えの大曲なども、
丁寧な演奏でじっくりと構築している。DVDには同ライブの映像に加え、PVを5曲収録。
ライブ演奏度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8
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JADIS 「AS DAYLIGHT FADES」
イギリスのプログレバンド、ジャディスのライブ。1998年作
1992年にデビュー、本作は1996年のイギリスでのライブを収録。流麗なギターのメロディに
きらびやかなシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、優雅なシンフォニックロックを聴かせる。
デビュー作「More Than Meets The Eye」からのナンバーを主体に、2nd、3rdの楽曲も披露、
アルバム以上に躍動的な演奏で、ゲイリー・チャンドラーの奏でる叙情的なギターがたっぷり味わえる。
同時期のARENAPENDRAGONとともに、90年代英国シンフォの魅力が詰まったライブ作品だ。
ライブ演奏・・8 プログレ度・8 叙情度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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SYNDONE 「KAMA SUTRA」
イタリアのプログレバンド、シンドーネの2021年作
1992年にデビュー、いまやイタリアを代表するプログレバンドのひとつ。8作目の本作は、タイトル通り、
インドの性愛論書「カーマ・スートラ」をテーマに、オリエンタルなイントロから、オルガンが鳴り響く、
ヴィンテージなロック感触と、ジェントルなヴォーカルを乗せた歌もの的なキャッチーな雰囲気が同居したサウンド。
軽やかなピアノやストリングスを加えたクラシカルな優雅さに、ジャズロック的な軽妙なリズムチェンジ、
艶めいた女性ヴォーカルも加わった、しっとりとした叙情美など、変幻自在のアレンジはさすがというところ。
3〜5分前後の小曲を連ねた構成で、派手な盛り上がりは薄いが、流れのあるドラマ性でじっくりと鑑賞できる。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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IL BACIO DELLA MEDUSA「ANIMACUSTICA」
イタリアのプログレバンド、バシオ・デッレ・メデューサの2020年作
2008年にデビュー、本作は、2019年イタリアでのアコースティックライブを収録。
女性フルート奏者を含む6人編成で、優美なピアノとシンセにアコースティックギターのつまびき、
やわらかなフルートが鳴り響き、イタリア語のヴォーカルを乗せて、繊細な叙情美を描いてゆく。
ピアノの旋律にサックスも加わった、軽やかなアンサンブルのジャズタッチのナンバーも含め、
バンドとしての演奏力の高さを聴かせてくれる。11分という大曲では、クラシカルな美意識も覗かせ
アコースティックであるが、繊細なシンフォニックロックとしても楽しめる、全78分の好ライブ作品。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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ALTARE THOTEMICO「SELFIE ERGO SUM」
イタリアのプログレバンド、アルターレ・トーテミコの2020年作
2009年にデビュー、本作は7年ぶりとなる3作目で、いくぶんダークなイントロから、
イタリア語による野太いヴォーカルと、ハードなギターにシンセを重ねた重厚なサウンドを描く。
女性ヴォーカルも加わった妖しく耽美な雰囲気に、ときに優雅なサックスも鳴り響きつつ、
ヴィンテージなハードロック感触と、ゆったりとした浮遊感が現れる、振り幅の大きな作風だ。
9分の大曲では、プログレらしい展開力も覗かせる。異色のイタリアン・ハードプログレです。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 耽美でハード度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Il Castello Di Atlante「Siamo Noi I Signori Delle Terre A Nord - 25th Anniversary Edition」
イタリアのプログレバンド、イル・カステッロ・ディ・アトランテの2018年作
1993年のデビュー作「我こそは北の大地を支配するものなり」を、25周年記念でリメイクした作品で、
優美なシンセとメロウなギターを乗せた軽やかなアンサンブルに、イタリア語のヴォーカルを乗せ、
やわらかなピアノにヴァイオリンも鳴り響く、優雅でキャッチーなシンフォニックロックが楽しめる。
年を経たことでヴォーカルにも味わいが出ていて、いくぶん軽めのB級シンフォだったオリジナルに比べ、
哀愁を含んだ繊細な叙情美が際立ってきている。聴き比べるもよし、新作としても普通に楽しめる出来ですね。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Il Rovescio Della Medaglia 「Tribal Domestic」
イタリアンロックバンド、ロヴェッショ・デッラ・メダーリャの2016年作
1971年にデビュー、2011年の復活作以来、5年ぶりの作品で、のっけから15分という組曲で幕を開ける。
艶やかなストリングスに流麗なギターが絡み、クラシカルな優雅さとヴィンテージなロックが融合、
オリジナルギタリストであるエンツォ・ヴィタのギタープレイをたっぷり盛り込んだ、ハード・シンフォニックロックを展開。
オルガンやメロトロンなどのシンセに、ピノ・ヴァラリーニによるイタリア語の伸びやかなヴォーカルも加わり、
クラシカルなオーケストラパートを含むダイナミックな構築力が素晴らしい。2曲目からは、初期のRDMを受け継いだ
70年代ハードロック風味の作風ながら、巧みなギターにオルガンを重ねたベテランらしい濃密なイタリアンロックである。
クラシカル度・8 プログレ度・7 イタリア度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Goblin 「Four of a Kind」
イタリアンロックバンド、ゴブリンの2015年作
GOBLIN REBIRTH、CLAUDIO SIMONETTI'S GOBLINなど、分派バンドもあるが、こちらは、本家によるオリジナルアルバム。
黄金期のギター、ベース、ドラムに加え、New Goblinにも参加した、マウリツィオ・グアリーニをシンセに迎えた編成で、
ほどよくハードにして叙情的なギターと、雰囲気のあるシンセワークを中心に、往年のゴブリンを受け継ぐ、
ミステリアスなシネマ性のあるインストサウンドを展開。ときにサックスも鳴り響き、やわらかなピアノとシンセに、
マッシモ・モランテのメロウなギターワークがじつに良いのです。全体的にゆったりと優雅に楽しめつつ、
古き良きプログレ感触もしっかりと残しているのが素晴らしい。シモネッティなしでもここまでの作品が作れるとは。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 ゴブリン度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Goblin 「Austinato」
イタリアンロックバンド、ゴブリンのライブ。2016年作
2014年の活動40周年ツアーから、アメリカのライブを2CDに収録。TITANのスティーヴ・ムーアをサポートシンセに迎えた5人編成で、
きらびやかなツインキーボードを適度にハードなギターに重ねて、ゴブリンらしいスリリングなインストサウンドを聴かせる。
2005年作「BACK TO THE GOBLIN」から、「サスペリア2」、「ローラー」、「マークの幻想の旅」など、往年の作品のナンバーも披露、
スタイリッシュにアレンジしすぎることなく、70年代の香りを残した空気感を再現していて、オールドなファンにも嬉しい耳心地だ。
Disc2では、「ローラー」からの大曲「ゴブリン」や、「ゾンビ」からのナンバーも聴かせてくれ、バンドのキャリアを総括するような好ライブです。
ライブ演奏度・8 プログレ度・8 ゴブリン度・9 総合・8
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MAURIZIO GUARINI 「A GOBLIN'S CHAMBER」
イタリアのミュージシャン、マウリツィオ・グアリーニの2019年作
GOBLINのシンセ奏者で、本作はストリングスカルテットを迎えて、「ゾンビ」や「サスペリア」など、ゴブリンの代表曲に
自身のソロ楽曲を室内楽アレンジでリメイク。優美なピアノの旋律に艶やかなヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが絡む、
クラシックのような優雅なサウンド。ロック感触は薄めなので、ゴブリンの曲と言われなければ気づかないものもあるが、
曲によってはドラムも入って、とくに「ゾンビ」あたりは艶やかなストリングスがスリリングな味わいになっている。
ダークなイメージの楽曲も多いので、わりとチェンバーロック的にも鑑賞できて、これはこれで楽しめますな。
クラシカル度・9 ロック度・2 ゴブリン度・7 総合・7.5
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Banco Del Mutuo Soccorso 「En Concierto Mexico City」
イタリアのプログレバンド、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソのライブ。2000年作
PFMとともに、イタリアンプログレを代表するバンド、1999年メキシコでのステージを2CDに収録。
1994年作「13」収録曲でゆったりと始まり、フランチェスコ・ジャコモの伸びやかな歌声とともに、
優雅な大人のサウンドを聴かせる。1976年作「最後の晩餐」収録曲や、デビュー作から「R.I.P.」、
1972年作「ダーウィン」収録「征服者」など、往年の代表曲も取り入れていて、ファンには嬉しい限り。
Disc2では、1979年作「春の歌」収録の2曲で、しっとりと優雅に聴かせつつ、「ダーウィン」収録「革命」の
スリリングなプログレ感はいかにもバンコらしい。1983年作「Banco」からも2曲を披露するなど、
70〜90年代のナンバーをまんべんなく取り入れたセットで、濃密なライブ演奏が楽しめる。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 音質・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Gruppo 2001「L'alba Di Domani」
イタリアンロックバンド、グルッポ2001の1972年作
「新世代の夜明け」という邦題で日本盤も出ていたが、イタリアンロックの中では比較的マイナーな存在。
フルートが鳴り響き、アコースティックを含む軽やかなギターの旋律を巧みなアンサンブルに乗せて、
詩情を感じさせるイタリア語のヴォーカルとともに、IL VOLOなどにも通じる叙情豊かなサウンドを描く。
アコースティックをメインにしたフォーク寄りの感触とともに、全体的にも牧歌的な繊細さに包まれていて、
プログレ的な展開はさほどないのだが、ときにミステリアスな空気をかもしだし、メロトロンをバックにした
優美な叙情性にはウットリとなる。確かな演奏力も含め、本作のみ残して消えるには惜しい存在であった。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 叙情度・8 総合・7.5
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Marathon 「Impossible Is Possible」
イタリアのプログレバンド、マラソンの1993年作
イギリスやオランダにも同名バンドがいるが、こちらはイタリアのバンド。ジャケはいかにもB級だが、
サウンドの方は、わりとテクニカルなリズムに優美なシンセと適度にハードなギターを重ね、
ハイトーンのヴォーカルで聴かせる、GENESISルーツの優雅なシンフォニックプログレ。
メロウなギターの旋律とやわらかなシンセアレンジが耳心地よく、いくぶん弱めのヴォーカルも、
サウンドにほどよくマッチしている。リズムチェンジを含む展開力には、90年代以降のネオプログレらしい
構築センスも覗かせていて、マイナーな翳りには包まれているが、優雅な叙情性が味わえる好作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 叙情度・8 総合・7.5
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6/10
ベテランも、新鋭も(180)

Yes 「The Quest」
イギリスのベテランバンド、イエスの2021年作
7年ぶりとなるアルバムで、スティーヴ・ハウ、アラン・ホワイト、ジェフ・ダウンズ、ビリー・シャーウッド、ジョン・デイヴィソンという
前作と同様のラインナップ。きらびやかなシンセに味わいのあるハウのギターを重ね、デイヴィソンの伸びやかなヴォーカルとともに、
イエスらしい優雅でキャッチーなサウンドを展開。アコースティックも含めたハウのギタープレイの繊細さが際立つ部分も多く、
シャーウッドの巧みなベースプレイとともにサウンドの核を担っている。ときに壮麗なオーケストラアレンジも加わりつ、
ゆったりとした叙情美がじつに耳心地よく、琴を使った意外なアレンジなども覗かせて、全体的にもスリリングさよりも、
大人の優雅さに包まれて、インストパートの細部まで楽しめるのはさすが。優美なコーラスとデイヴィソンの歌メロの美しさは、
しっかりとイエスしているので、安心して鑑賞できる出来栄えだ。アラン・ホワイトは今作を最後に、2022年に死去している。
メロディック度・8 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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MOSTLY AUTUMN 「GRAVEYARD STAR」
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムの2021年作
1998年にデビュー、本作は14枚作目となる。のっけから12分という大曲で美麗なシンセアレンジに
男女ヴォーカルを乗せたやわらかなシンフォニックロックサウンドで、英国らしい牧歌的な叙情性は、
初期の頃に回帰したようなイメージもある。オリヴィア嬢のなよやかな歌声もしっとりと魅力的で、
メロウなギターフレーズに、ときにヴァイオリンも鳴り響き、アコースティックギターのパートも含めて、
フォーク的でもあるおおらかな優雅さに包まれる。全体的には派手なインパクトは薄いものの、
キャリアのあるバンドらしい自然体の作風で、じっくり楽しめる。ラストも12分の大曲で、全74分の力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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TEXEL 「Metropolitan」
イギリスとデンマークのメンバーによるプログレバンド、テクセルの2021年作
2018年のデビュー作は、FOCUS愛に満ちた好作であったが、2作目となる本作もオルガンが鳴り響き、
ヤン・アッカーマンばりのギターを乗せた、フォーカス風味たっぷりのプログレサウンドを聴かせる。
やわらかなフルートの音色にメロウなギターが重なる優雅な叙情性は、まさにあの頃のFOCUSに通じる
ヴィンテージな味わいで、マルコ・ミンネマンが巧みなドラムを叩く、ジャズロック寄りの軽妙なナンバーや
ピーター・ジョーンズ(Csmel、Tiger Moth Tales)が参加した、キャッチーな歌入り曲などもアクセントになっている。
日本からはキクラテメンシスの鈴木和美もゲスト参加している。まさにポスト・フォーカス的な傑作です。
優雅度・9 プログレ度・7 フォーカス度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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CHIMPAN A 「THE EMPATHY MACHINE」
イギリスのプログレユニット、チンパン・エーの2020年作
MAGENTAのロバート・リードと、THE STORYSのシンガー、スティーヴ・バルサモによるユニットで、
美しいシンセを中心にしたモダンでエレクトロなアレンジに、繊細なアコースティックギター
ジェントルな男性ヴォーカルに女性ヴォーカルも加えた、ポストロック風味の優雅なサウンド。
楽曲は7〜9分とわりと長めながら、あくまでしっとりとした優しい耳心地で、スペイシーなシンセと
男女Voの歌声でゆったりと楽しめる。MAGENTAのクリスティーナ・ブースが参加していて、
女性声の入ったパートが多いのも嬉しい。ロック感触は薄めの、癒し系モダンプログレです。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美度・9 総合・8
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THE NEAL MORSE BAND 「THE GREAT ADVENTURE」
アメリカのプログレバンド、ニール・モーズ・バンドの2019年作
John Bunyanの宗教書「THE PILGRIM'S PROGRESS(天路歴程)」をテーマにした、2016年作の続編となる作品で、
前作同様、マイク・ポートノイ、ランディ・ジョージ、エリック・ジレット、ビル・ヒューバウアーを含む5人編成。
テクニカルなドラム流麗なギターワーク、オルガンを含むカラフルなキーボードとともに、緩急自在のアンサンブルで、
ドラマティックなサウンドを構築。ストリングスなども加えた厚みのあるシンフォニック性にキャッチーなコーラスも含めて、
ときにハードに重厚に、ときに繊細な叙情性も覗かせて、ストーリー性を感じさせる流れとともにじっくりと盛り上げてゆく。
エリック・ジレットのギターも冴えを見せ、渋みのあるニールの歌声がエモーショナルに響く。これぞシンフォプログレの理想郷。
ドラマティック度・9 プログレ度・8 壮大度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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In Continuum 「Acceleration Theory Part Two: Annihilation」
アメリカのプログレバンド、イン・コンティニュームの2019年作
Arc Of LifeMantra Vegaのシンセ奏者、デイヴ・カーズナー率いるバンドで、アルゼンチンのシンガー、ガブリエル・アグド、
Lo-Fi Resistanceのランディ・マクスタイン、ドラムにはニック・ディヴァージリオ(Big Big Train)、マルコ・ミンネマンが参加。
ゲストには、フェルナンド・ペルドモ、ジョン・デイヴィソン(YES、GLASS HAMMER)、マイケル・サドラー(SAGA)
ジョン・ウェズリー(元Porcupine Tree)、レティシア・ウルフ(The Dead Deads)など多数のミュージシャンが参加し、
きらびやかなシンセワークにギターを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、壮麗でキャッチーなサウンドを描く。
ときに女性ヴォーカルも加えた優美な叙情や、近未来をテーマにしたモダンでスタイリッシュな空気感に包まれて、
20分という大曲では、壮大なスケール感とともにドラマティックなシンフォニックロックを構築する。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 壮大度・8 総合・8
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AUDIOPLASTIK 「IN THE HEAD OF A MANIAC」
イギリスのモダンプログレ、オーディオプラスティックの2015年作
元Frost*のDec Burke、Thresholdのシンセ奏者らによるバンドで、硬質なギターにうっすらとしたシンセを重ね、
マイルドなヴォーカルとともに、翳りを帯びたポストプログレ寄りのモダンなサウンドを聴かせる。
涼やかに美しいシンセとDec Burkeの優しいヴォーカルも耳心地よく、繊細な叙情美に包まれながら、
キャッチーなノリのハードプログレとしても楽しめる。楽曲自体は4〜5分前後とほどよくコンパクトで、
派手な展開はないものの、優美な叙情に包まれた、スタイリッシュなモダンプログレの逸品です。
ドラマティック度・8 モダンプログレ度・8 叙情度・8 総合・8
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GENTLE GIANT 「LIVE IN STOCKHOLM '75」
イギリスのプログレバンド、ジェントル・ジャイアントのライブ。2009年作
1975年スウェーデンでのラジオ放送用のライブを収録。1975年作「The Power and the Glory」、
同年「FREEHAND」からのナンバーを主体に、1974年作「In a Glass House」のメドレーや
1971年作「Acquiring The Taste」からのナンバーも披露。音質もまずまず良好で、
巧みで軽やかなアンサンブルに、とぼけた味わいのヴォーカルメロディで描かれるサウンドは、
当時としてはおそろしく斬新なスタイルだったろう。即興を含む余裕ある演奏が楽しめる発掘ライブ音源。
プログレ度・8 ライブ演奏・8 音質・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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GENTLE GIANT「LIVE AT THE BICENTENNIAL 1776-1976」
イギリスのプログレバンド、ジェントル・ジャイアントのライブ。2014年作
1976年のアメリカツアーを2CDに収録。1975年作「FREEHAND」、1976年作「IN'TERVIEW」からのナンバーを主体に
1974年作「In a Glass House」、1975年作「The Power and the Glory」からのメドレーなども披露。
音質も良好で、巧みなアンサンブルとキャッチーなヴォーカル&コーラスハーモニーで、どこかとぼけた味わいの
軽妙なサウンドを聴かせる。優雅なフルートやヴァイオリンなど、アコースティックパートを取り入れつつ、
客席からの大歓声や、MCなども含めた、ライブならではの臨場感もあって、GGファンにはとても楽しめる。
Disc2では「Octopus」からのメドレーも披露するなど、全盛期の発掘音源としては必聴級の内容だろう。
プログレ度・8 ライブ演奏・9 音質・8 総合・8
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PALLAS 「LIVE OUR LIVES」
イギリスのプログレバンド、パラスのライブ。2000年作
1984年にデビュー、PENDRAGONやMARILLION、IQとともに英国ネオプログレを牽引するバンド、
本作は、1999年のヨーロッパツアーの音源を2CD収録。きらびやかなシンセと叙情的なギター、
アラン・リードの味のあるヴォーカルとともに、ドラマティックなシンフォニック・ハードを聴かせる。
1998年の復活作「Beat The Drum」からのナンバーを中心に、デビュー作「The Sentinel」や、
2作目「The Wedge」からのナンバーも披露。音質も良好で、ライブならではの躍動的な演奏が味わえる。
Disc2のラストは、1stの大曲「Atlantis」で締めくくる。これぞパラスという優美なライブ。Web販売限定CDなので希少です。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 音質・8 総合・8 過去作のレビューはこちら

National Health 「Playtime」
ナショナル・ヘルスの未発ライブ音源2001年作
バンド活動末期の1979年の、フランスとアメリカでの発掘ライブ音源を収録。脱退したデイブ・スチュワートに替わり、
シンセにはアラン・ゴウエンが参加、ドラムにはゲスト扱いでピップ・パイルが参加している。
やわらかなエレピに、フィル・ミラーの巧みなギターを重ね、ジャズ色の強い軽やかなアンサンブルを聴かせる。
音質もまずまず良好で、ソロパートを含む即興的な演奏の優雅さは、さすがの実力者たちである。
2ndからのナンバーがないのが残念だが、1stからは数曲を披露していて、ファンには嬉しい。
バンドの晩年の貴重なライブ音源が味わえる、コアなファン向けのアイテムだろう。
ライブ演奏・8 ジャズロック度・8 音質・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Simon Apple 「River To The Sea」
アメリカのプログレハード、サイモン・アップルの2004年作
1997年にデビューし、2作目となる。優美なシンセアレンジに叙情的なギター、マイルドなヴォーカルで
優雅でシンフォニックなメロディックロックを聴かせる。アメリカらしいキャッチーな叙情性と
軽やかなドラムや巧みなギタープレイを含めた演奏力の高さは、TOTOをルーツにしたような、
ポップなプログレハードとしても楽しめる。美しいエレピやシンセの重ねも耳心地よく、
キャッチーなポップ性と、繊細な優美さがバランスよく同居している。小曲を盛りこみつつ、
4〜5分前後のナンバーを主体に、あくまでメロディアスな味わいだ。トニー・レヴィン、
バック・ダーマ(BLUE OYSTER CULT)らがゲスト参加。全70分の優美な逸品です。
メロディック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8
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CHON 「GROW」
アメリカのプログレバンド、チョンの2015年作
ツインギターの四人編成によるバンドで、メロディックで流麗なギターフレーズを
テクニカルなドラムに乗せ、フュージョン風味の優雅なアンサンブルを聴かせる。
変則リズムによるキメをたっぷり織り込みつつ、メロディックでポップな感触もあって、
BGMとして心地よく聴き流せつつも、テクニカルロックとしてじっくり鑑賞もできる。
いわば力みのない自然体で、軽妙なアンサンブルの妙を味わうというサウンドだ。
インスト主体ながら、歌も入ったエモーショナルロック風味もあり、最後まで心地よく楽しめる。
メロディック度・8 テクニカル度・8 優雅で軽妙度・9 総合・8
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CHON 「Homey」
アメリカのプログレバンド、チョンの2017年作
2作目の本作は、ギターのエリックがベースも担当しているが、基本的なサウンドは変わらず。
メロディックなギターとテクニカルなリズムで、フュージョン風味の軽やかなインストを聴かせる。
中盤には歌入りのポップなナンバーもあって、ジャケのイメージのような南国を思わせる、
ゆるやかで陽性のサウンドは、プログレというよりはお洒落なテクニカルポップというべきか。
アンサンブルが巧みなぶん、BGMとして軽やかに聴き流せてしまうので、フックのある展開や
ドラマティックなものを期待するリスナーには物足りないかもしれないが、この耳心地の良さは特筆もの。
メロディック度・8 テクニカル度・8 優雅で軽妙度・9 総合・8
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CHON
アメリカのプログレバンド、チョンの2019年作
3作目となる本作も、軽やかなドラムに流麗なギタープレイを乗せたフュージョン風味のアンサンブルに、
テクニカルなキメを盛りこんだ、優雅でスタイリッシュなインストサウンドを聴かせる。
2〜3分前後の小曲を主体に、テクニック抜群のドラムとギターのプレイも見事で、
今作では随所にシンセによるアレンジも加わっていて、よりプログレらしい作風になった。
ギターのメロディにはキャッチーな優しさがあるので、耳心地の良さという点でも多くのリスナーが楽しめる。
軽妙でポップながら、しっかりテクニカルというのも心憎い。3作目にして最高作でしょう。
メロディック度・8 テクニカル度・8 優雅で軽妙度・10 総合・8
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6/3
ネオフォークに癒される(165)


Wyndow
イギリスのアシッドフォーク、ウインドウの2021年作
TREMBLING BELLSのLAVINIA BLACKWALLと、女性SSW、LAURA J MARTINによるユニットで、
うっすらとしたシンセにピアノ、アコースティックを含むギターに、透明感のある女性ヴォーカルを重ねた、
しっとりとした美しいサウンド。優美なピアノをバックに、コケティッシュな二人の歌声が重なると、
爽やかな空気に包まれて、妖しさよりもむしろキャッチーな清涼感が前に出る。随所にやわらかなフルートや
チェロなども加えた、優雅なアレンジも耳に心地よく、単なるフォークにとどまらないモダンなセンスは、
UNTHANKSなどにも通じるだろう。美しい女性声にウットリできる、コンテンポラリーな好品です。
アコースティック度・7 優雅度・9 女性Vo度・8 総合・8
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The Moon and The Nightspirit 「Aether」
ハンガリーのゴシック・フォーク、ムーン・アンド・ナイトスピリットの2020年作
男女2人組のユニットで、2005年にデビューし、7作目となる。うっすらとしたシンセとピアノに
アコースティックギター、優美なハープの音色に、モリン・ホール(馬頭琴)なども加え、
女性のスキャットヴォイスに男性声が絡む、幻想的なネオフォークを聴かせる。
ヨーロッパやバルカン、ときに中近東的な空気が混在した異国的性に、ドラムも加わった
ロック的なアレンジも覗かせて、スタイリッシュな民族的なフォークに仕上げたという作風であるが、
ほどよいダークな翳りを含んだ耳心地の良さはさすが。全40分というのが本作は少し短いですかね。
民族度・7 幻想フォーク度・8 女性Vo度・7 総合・8 過去作のレビューはこちら
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FAUN 「MARCHEN & MYTHEN」
ドイツのゴシック・フォーク、フォウンの2020年作
2001年にデビュー、10作目となる本作は物語的な妖精譚をコンセプトにした作品で、
ドイツ語による語りで幕を開け、アコーステッィクギターやマンドリン、ヴァイオリンやホイッスルの音色に
うっすらとしたシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルに男性声が絡む、幻想的なネオフォークを聴かせる。
バウロンなどパーカッションのリズムとともに、バグパイプが鳴り響くケルティックなテイストと
キュートな女性声で聴かせるメディーヴァルな優雅さが合わさり、ほどよくモダンなシンフォニック性が
サウンドを華やかに彩っている。初期に比べるとずいぶん垢抜けた分、神秘的な翳りは薄まったか。
ドラマティック度・8 幻想フォーク度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Loreena McKennitt 「Live At The Royal Albert Hall」
カナダ出身の女性シンガー、ロリーナ・マッケニットのライブ。2019年作
1985年にデビュー、ケルト系シンガーのベテラン。英国ロイヤル・アルバートホールでのライブを2CDに収録。
ヴァイオリン、チェロ、などを含むバンド編成でのステージで、伸びやかで表現豊かな歌声を中心に、
自身の奏でるハープやアコーディオンの音色に、アコースティックギターやブズーキ、艶やかなヴァイオリンに、
うっすらとしたシンセも加えた、しっとりと優雅なサウンドを描いてゆく。パーカッションやドラムのリズムとともに、
ライブらしい躍動感あるアンサンブルと、優しく豊かな情感に包まれたロリーナの歌声をゆっくりと味わえる。
楽曲ごとに、中近東的なテイストや、ストリングスとピアノによるクラシカルな味わいなど、ケルトのみならず
アラブやバルカン、ヨーロッパなど世界各地を旅するように鑑賞できる。まさに円熟のステージである。
ライブ演奏・8 優雅度・9 女性Vo度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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West of Eden 「Safe Crossing」
スウェーデンのフォークロック、ウエスト・オブ・エデンの2012年作
1997年にデビューし、6作目。アコースティックギターのつまびきに、男女ヴォーカルの歌声を乗せ、
艶やかなフィドルが鳴り響く、北欧らしい素朴で涼やかなフォークサウンドを聴かせる。
バウロンのリズムにアイリッシュ寄りのフィドルの旋律、歌詞が英語であることもあって、
英国ルーツの牧歌的なフォークとしても楽しめる。曲によっては、エレキギターにドラムも加えた
ロック色もいくぶんあって、カントリー調のキャッチーなノリから、女性ヴォーカルをメインにした
優雅なナンバーなども耳心地よい。わりとメジャー感のある作風なので、北欧らしさは薄めかな。
アコースティック度・7 英国風味度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Moon'shee
イギリスのフォークバンド、ムーンシーの2011年作
女性ハープ奏者、女性ヴァイオリン、女性ギター、女性パーカッションを含む6人編成で、
アコースティックギターとシタールのつまびきに、パーカションのリズム、優雅なヴァイオリンの音色に
美しい女性ヴォーカルの歌声で、異国的でコンテンポラリーなフォークサウンドを聴かせる。
女性メンバーが4人いるので、女性声のコーラスによる華やかさがキャッチーな味わいになっていて、
優しいハープの音色とともに、やわらかな耳心地で楽しめる。アジアンや中近東的な雰囲気も覗かせつつ
歌声は英国フォーク寄りなので、多国籍感もありつつ、全体的にはストレートな聴きやすさがある。
アコースティック度・9 多国籍度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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InChanto 「Le Stanze Di Ambra」
イタリアの古楽フォーク、インチャントの2011年作
艶やかなヴァイオリンにリコーダーの優美な音色、ハーディ・ガーディが鳴り響き、
イタリア語による女性ヴォーカルとともに、優雅でクラシカルなフォークサウンドが広がる。
アコースティックギターやハープのつまびきに、ホイッスルのケルティックな音色、
美しい女性声とともに、しっとりとした耳心地に包まれて、異国的なバウロンのリズムが
メディーヴァルな空気をかもしだす。物語を語るようなシアトリカルな歌声も含めて、
プログレ寄りの世界観も感じさせ、アコースティック主体ながらも幻想的な味わいで楽しめる。
アコースティック度・9 優雅度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Fleur 「Awakening (Пробуждение)」
ウクライナのゴシック・ポップ、フルールの2012年作
2002年にデビューし、7作目となる。優美なシンセに母国語によるなよやかな女性ヴォーカルを乗せ、
ギターやドラムによる適度なロック感触に、ピアノやストリングスも加わった優雅なサウンドを聴かせる。
東欧らしいアンニュイでメランコリックな翳りに包まれながら、美しい女性声のしっとりとした耳心地の良さで、
ほどよくキャッチーな感触でも楽しめる。単なるゴシックポップという以上のクラシカルで優雅な美意識は、
ときにシンフォニックでもあり、プログレリスナーの心を捉えるだろう。うっとりとなるような傑作である。
クラシカル度・8 優雅度・8 女性Vo度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら


Alizbar & Ann'Sannat 「Welcome in the Morning 」
ロシアのハープ奏者擁するモルドバのネオフォーク。2010年作
アコースティックギターのつまびきにパーカッションのリズム、優美なハープの音色にヴァイオリンを重ね、
ホイッスルの音色とともに、ケルティックなサウンドを聴かせる。美しい女性ヴォーカルも加わった
しっとりとした耳心地で、あくまでアコースティックをメインにした素朴で繊細な味わいだ。
シンセなどを使っていないので、シンフォニックな幻想性を期待すると少し物足りないが、
アイルランド民謡の「シューラ・ルーン」といった伝統的なケルトナンバーなどは味わいがあり、
キュートな女性声入りの、アコースティックなケルト系トラッドが好きな方にはお薦めです。
アコースティック度・9 ケルティック度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Aiste Smilgeviciute ir Skyle 「Povandenines Kronikos」
リトアニアの女性シンガー、アイステ・スミルジェヴィッチュテとスカイルの2007年作
2010年にデビューし、2作目となる。優美なアコースティックギターにシンセを重ね、
ドラムやエレキギターも加えて、美しい女性ヴォーカルを乗せたシンフォニックロックを聴かせる。
アイステ嬢の母国語によるなよやかな歌声が非常に魅力的で、フルートやチェロなども加えた
クラシカルな優雅さと壮麗なシンセを重ねた、東欧系トラッドロックとしても楽しめる。
曲によっては男性声も加わったり、アコーディオンの音色がフォーキーな哀愁をかもしだす。
KORMORANのようなプログレ寄りの優雅な女性声フォークロックというべき逸品です。
優雅度・9 プログレ度・7 女性Vo度・9 総合・8
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DONIS 「Kas Tave Saukia... 」
リトアニアのネオフォーク、ドニスの2010年作
90年代から活動するリトアニアを代表するポストアンビエント系バンドで、うっすらとしたシンセをバックに
叙情的なギターにリュートのつまびき、民族的なバグパイプの音色に、母国語の女性ヴォーカルも加えて、
異国的でコンテンポラリーなトラッド・フォークを聴かせる。やわらかなフルートの音色に、優美なピアノとシンセ
エレキギターやドラムなどのを加えたロック感触もいくぶんあって、幻想的なフォークロックとしても楽しめる。
カンテレやハープなどの繊細な音色も織り込みつつ、ギターにシンセが重なると厚みのあるサウンドになり、
雄大なシンフォニック・トラッドという趣もある。アコースティックとエレクトリックの同居した幻想ネオフォークの逸品。
ドラマティック度・8 幻想度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Somnare 「Bellum Esse」
スペインのゴシック・ネオクラシカル、ソムナーレの2016年作
うっすらとしたシンセに美しい女性ヴォーカルを乗せ、物悲しいチェロの響きとともに、
耽美で秘教的なゴシックアンビエントを聴かせる。オーケストレイテッドなシンセに、
クラシカルなピアノ、オペラティックなソプラノを主体に、ときに詠唱のような男性声も加わって、
ELENDあたりにも通じるダークな妖しさを描いてゆく。いくぶんインダストリアルに香りも含みつつ、
全体的には雰囲気モノに近いので、楽曲というよりはサウンドの空気に浸るというような作品だろう。
幻想度・8 ゴシック度・8 女性Vo度・7 総合・7.5

NARSILION 「ARCADIA」
スペインのゴシック・ネオフォーク、ナルシリオンの2006年作
2004年にデビュー、本作は2作目で、美麗なシンセにアコースティックギター、ヴァイオリンが絡み
美しい女性ヴォーカルにやわらかなフルートの音色も加えた、幻想的なネオフォークを聴かせる。
男性声による語りもあって、ほどよく土着的でゴシック寄りの耽美な空気も感じさせるあたりは
DAGAARDなどに通じる部分もある。ときおりドラムやパーカッションによるリズムも入るので、
うっとりと聴き入りつつ、わりとメリハリもあるので、ネオフォーク初心者にも楽しめるだろう。
ユニコーンのジャケのイメージ通り、幻想の叙情美に包まれた逸品です。
幻想度・8 ゴシック度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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Collection D'Arnell Andrea 「La Nuit Des Fees - Live」
フランスのゴシック・ネオクラシカル、コレクション・ド・アルネール・アンドレアの2008年作
1989年デビューというベテランで、本作は2007年のフランスでのライブを収録。
男女Voに2人のピアノ、ヴィオラ、チェロという6人編成で、クラシカルなピアノに
艶やかなストリングス、なよやかな女性ヴォーカルに男性声が絡む優雅なサウンド。
楽曲は3〜4分前後なのでわりとあっさりしていて、濃密な妖しさがさほどないぶん、
アコースティックなクラシカルサウンドといった趣だ。聴き心地は優雅なのだが、
ライブならではの迫力や、生々しさというものがもう少し欲しかったような。
アコースティック度・8 ライブ演奏・7 女性Vo度・7 総合・7
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Daemonia Nymphe 「The Bacchic Dance of the Nymph」
ギリシャのゴシック・ネオフォーク、ダエモニア・ニンフェの2004年作
2002年にデビュー、本作は2作目で、ハープのような弦楽器のつまびきに、パーカッションのリズムが重なり、
詠唱のような男性声を乗せた、秘教的な民族ゴシックサウンドを聴かせる。やわらかなフルートの音色に、
妖しい女性ヴォーカルも加わりつつ、ときにロックなドラムも入って来るなど、単なるゴシックフォークという以上の
神秘的な個性を本作の時点ですでに感じさせる。のちのアルバムに比べるとまだ雑多な感触であるが、
それがかえって原初的でトライバルなおどろおどろしさも感じさせるという。辺境系ゴシックフォークの異色作。
ドラマティック度・・6 耽美度・・7 神秘的度・・8 総合・・7 過去作のレビューはこちら
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PINKNRUBY 「The Vast Astonishment」
スロベニアとイギリスのメンバーによるデュオ、ピンクンルビーの2003年作
アコースティックギターにコケティッシュな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、しっとりとしたフォークサウンド。
ドラムによるリズムも入るが、シンセなどはあまり使わず、バックは基本的にはギターのみなので、
歌をメインにしたわりとシンプルな聴き心地ながら、女性声の美しさで、ゆったり夢見心地に味わえる。
スロベニア出身という、ミハエラさんの歌唱の繊細な表現力も魅力的。夢見系幻想ネオフォークの好作。
アコースティック度・8 幻想度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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5/14
プログレで5月病知らず(149)


Kimmo Porsti  「Past & Present」
フィンランドのミュージシャン、キンモ・ポルスティの2021年作
PAIDARIONやSAMURAI OF PROGでも活躍するドラマーで、マルチプレイヤー。本作は「過去と現在」というタイトル通り、
過去曲のリメイクと新曲を収録した作品。スペイン人ギタリストのラファエル・パシャ、KAYAKのトン・スケルペンツェルなどが参加、
叙情的なギターの旋律にシンセを重ねた、優美なシンフォニックロックを聴かせる。繊細なピアノとやわらかなフルートの音色で、
クラシカルな優雅さに包まれつつ、随所にオルガンなどのヴィンテージなプログレ感触も覗かせる。
ゲストによるエモーショナルなヴォーカルを乗せたナンバーや、フュージョン風味の軽妙なアンサンブルなど、
楽曲ごとの統一感がない分、バラエティ豊かな聴き心地で楽しめる。今作はフルートが活躍する曲も多く、
ケルティックなホイッスルにギターが絡む、ケルトロック風味のナンバーなども味わいがある。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Blacksmith Tales 「The Dark Presence」
イタリアのプログレバンド、ブラックスミス・テールズの2021年作
美麗なシンセ、ピアノを叙情的なギターに重ね、マイルドなヴォーカルを乗せた、シンフォニックロックで、
オルガンなどのヴィンテージな味わいと、わりと唐突なリズムチェンジを含むハードな展開力も覗かせる。
コンセプト的な楽曲の流れとともに、ドラマティックな世界観を描いてゆき、変拍子などのプログレらしさと
ときにスペイシーなスケール感にも包まれる。後半には、17分の大曲もあり、優美なシンセワークに包まれて、
KaledonTemperanceでも活躍するミケーレ・グアイトーリのエモーショナルな歌声に、Moonlight Hazeでも活躍する、
マルコ・ファランガのギターも随所に流麗なメロディを奏でつつ、じっくりと構築してゆく。全76分の力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・8 総合・8
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LOGOS 「Sadako E Lemille Gru Di Carta」
イタリアのプログレバンド、ロゴスの2020年作
90年代から活動するバンドで、本作は「原爆の子の像」や「千羽鶴」で知られる佐々木禎子を題材としたコンセプト作。
きらびやかなシンセを乗せたイントロ曲から、すでにドラマティックなプログレ感触に包まれているが、
変拍子を含むスリリングなアンサンブルに、イタリア語によるマイルドなヴォーカルを乗せて、
ときにサックスの音色も加えた優雅な味わいとともに、10分を超える大曲を構築してゆく。
オルガンやムーグなどのヴィンテージなシンセワークをメインに、ラストは21分という大曲で、
ゆったりとした叙情パートから、優美なシンセとギターを重ね、これぞシンフォプログレという叙情美を描く。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Aurora Lunare 「Translunaggio ...Nove Tributi Al Rock Progressivo」
イタリアのプログレバンド、オーロラ・ルナーレの2018年作
2013年作は優雅な好作であったが、本作はメンバーが影響を受けたバンドのカヴァーを収録した作品。
PROCOL HARUM「青い影」は、優美なシンセにフルートで、キャッチーなシンフォプログレ寄りのアレンジ。
俳優としても活躍したクラウディオ・シモネッティの父である、故エンリコ・シモネッティのナンバーは、
女性スキャットを加えた優雅な味わい。BANCO「最後の晩餐」収録のシングル曲もなかなかハマっていて、
AREA「1978」収録の軽妙なナンバーや、YES「トーマト」収録曲は、男女ヴォーカルでキャッチーに聴かせる。
GOBLINは「エイリアンドローム」からのマニアックな選曲で、MARILLIONは「Holidays in Eden」から、
THE FLOWER KINGSは「The Sum of no Evil」からと、わりと新しめのナンバー。マニア好みのカヴァー集です。
ドラマティック度・7 プログマニア度・8 アレンジセンス・8 総合・7.5
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EGOBAND 「Tales From The Time」
イタリアのプログレバンド、エゴバンドの2016年作
1991年にデビュー、本作は2000年以来、16年ぶりとなる作品で、美しいシンセと叙情的なギターに
英語歌詞のヴォーカルを乗せた、キャッチーなプログレハード寄りのサウンドを聴かせる。
オルガンを含むシンセやブルージーな味わいのギターなど、ヴィンテージな感触も覗かせつつ
8〜10分前後の大曲を主体に、歌もの的なゆったりとした叙情パートから、プログレらしい展開力の
スケール感のあるインストパートをじっくりと構築する。アコースティックギターが響く繊細な味わいから、
ゆるやかな叙情の大人のシンフォプログレを聴かせるラスト曲まで、さほど新鮮さはないが優美な好作品。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 大人の叙情度・8 総合・7.5
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Notturno Concertante 「The Hiding Place」
イタリアのプログレバンド、ノットゥルノ・コンセルタンテの1990年作
80年代から活動するバンド、シンセにフルート奏者を含む6人編成で、本作がレーベルデビュー作。
きらびやかなシンセワークに叙情的なギター、ジェントルなヴォーカルで聴かせる、王道のシンフォプログレ。
ヘタウマ感のあるヴォーカルは英語なので、イタリア臭さはあまりなく、優美なシンセとメロウなギターで
耳心地の良いサウンドを構築する。アコースティックギターを用いた繊細な小曲も味わいがあり、
泣きのギターや美しいシンセ、フルートの音色とともに、GENESISや初期MARILLIONを受け継ぐような、
叙情豊かなシンフォプログレが楽しめる。90年代初頭のシンフォ系作品としてはかなり出来が良い作品だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・9 総合・8

Fuchs 「Station Songs」
ドイツのシンフォニックロック、フックスの2018年作
INESの夫であるミュージシシャン、ハンス・ヨルゲン・フックスによるプロジェクトで、本作は3作目。
前作「Unity of Two」GENESIS系の好作であったが、本作はのっけから11分という大曲で、メロトロンを含む優美なシンセに
メロウなギター、ジェントルなヴォーカルで大人の叙情に包まれたシンフォプログレを聴かせる。妻であるINESも参加していて、
随所に女性コーラスやオルガンなどのやわらかなシンセを披露。スリリングな展開はないが、ゆったりとした耳心地の良さで、
あくまで優雅で繊細な美意識に包まれたサウンドが味わえる。全65分、まさに大人のシンフォニックロックという力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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KAYAK 「Seventeen」
オランダのプログレバンド、カヤックの2017年作
1973年デビュー、本作はタイトル通り、通算17作目となるアルバムで、トン・スケルペンツェル以外のメンバーが一新、
Pain Of Salvationのダニエル・ギルデンロウの弟である、クリストファー・ギルデンロウなどが新たに加入している。
サウンドは、きらびやかなシンセワークとメロディックなギター、キャッチーなヴォーカルハーモニーで聴かせる、
「KAYAK節」は健在で、むしろ80〜90年代に回帰したような優しい味わいだ。10分を超える大曲なども、
あくまで優雅なメロディアス性に包まれて、ほどよいハードさを含んだプログレ的な構築力も覗かせる。
Galaxyというバンドでも活躍する、バート・シュワートマンの味のある歌声もサウンドによくマッチしていて、
往年のファンも満足の出来でしょう。CAMELのアンディ・ラティマーがゲスト参加。DIsc2にはデモ音源を4曲収録。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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RIKARD SJOBLOM 「THE UNBENDABLE SLEEP」
スウェーデンのミュージシャン、リカルド・ショーブロムの2016年
BEARDFISH、GUNGFLY、BIG BIG TRAINでも活躍するアーティストで、オルガンを含むシンセに
ロックな味わいのギター、自身のジェントルなヴォーカルを乗せて、キャッチーなオールドロックを聴かせる。
牧歌的な大人の叙情性は、BIG BIG TRAINにも通じる雰囲気であるが、ブルージーなギタープレイなど、
より70年代ロックへの憧憬を感じさせる内容になっていて、かつてのBEARDFISHを思わせる部分も多い。
全体的には肩の力の抜けた作風で、プログレというよりはわりとストレートなロックナンバーもあったりと
もう少しフックも欲しい気がするが、ラストの11分の大曲は、叙情性を含んだ緩急ある展開力で構築する。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 オールドロック度・8 総合・7.5
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Brother Ape 「III」
スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2008年作
2003年にデビューし、3作目となる。適度にハードなギターにモダンなシンセアレンジを重ね、
マイルドなヴォーカルで聴かせる、キャッチーでスタイリッシュなプログレハード寄りのサウンド。
2作目までに比べると、いくぶんオルタナ寄りの翳りとともに、ポストプログレ的な深化を感じさつつ、
優美なシンセと叙情的なギターによる、優雅なシンフォプログレ風味も随所に残している。
楽曲も5〜7分前後と長すぎず、ほどよくコンパクトな耳心地の良さで、爽快な味わいだ。
軽やかでメロディアス、モダンなセンスと涼やかな北欧プログレ感触が合わさった逸品です。
メロディック度・8 プログレ度・7 スタイリッシュ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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MOLESOME 「Are You There?」
スウェーデンのエレクトロプログレ、モールソムの2021年作
ANGLAGARDのドラマー、Necromonkeyなどでも活躍するマティアス・オルソンのプロジェクトで、
本作はすでに5作目となる。メロトロンをはじめとしたヴィンテージなシンセを、エレクトロに鳴り響かせ、
ときに日本語による語りを取り入れるなど、ストリーリー風のミステリアスな雰囲気に包まれる。
ドラムが加わったインダストリアル調のロック感触から、女性ヴォーカルを乗せたアンビエントなナンバー、
ストリングスを取り入れつつ、ポップなビート感で聴かせるナンバーなど、バラエティ豊かな作風である。
うっすらとしたシンセをバックにした、女性声入りポストプログレという趣もある。エレクトロ・ヴィンテージな好作。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 エレクトロ&ヴィンテージ度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Morild 「Time To Rest」
ノルウェーのプログレバンド、モリルドの2010年作
CD2枚組の大作で、オルガンやムーグシンセが鳴り響き、ジェントルなヴォーカルを乗せ、
北欧らしい涼やかな叙情美に包まれた、ヴィンテージなシンフォプログレを聴かせる。
くぐもったような翳りとマイナーな空気感は、KERRS PINKあたりにも通じる雰囲気で、
アコースティックギターやフルートの音色など繊細な叙情性と、随所に泣きのギターフレーズも加え、
10分を超える大曲をじっくりと構築してゆく。Disc2の後半は、3パート、28分におよぶ組曲になっていて、
展開力のあるサウンドで聴かせる。2CDで全100分、これぞ北欧プログレという優美な味わいの逸品。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 北欧度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DRUCKFARBEN
カナダのプログレバンド、ドラックファーベンの2011年作
軽やかにオルガンが鳴り響くイントロから、ヴィンテージなプログレ感触がたっぷりだが、
リズムチェンジを含むテクニカルなアンサンブルは、Spock's Beardあたりにも通じる、
知的なスタイリッシュ性で、ハイトーンのヴォーカルが乗ると、YESを思わせる雰囲気も。
流麗なギタープレイをはじめとして、演奏力の高さはいかにもカナダのバンドらしく、
オールドなプログレ感触を、センスある構築力で巧みに料理。キャチーなメロディアス性と
テクニカル性の同居という点では、近年のバンドではピカイチ。続く2作目も見事な出来です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 構築センス・9 総合・8
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SAGA 「Contact: Live In Munich」
カナダのプログレハード、サーガのライブ。2009年作
2007年ドイツでのライブを2CDに収録。1981年作「Worlds Apart」をはじめとした初期のナンバーから、2007年作「10,000 Days」まで、
新旧織り交ぜたセットリストで、ほどよくハードなギターにシンセを重ね、マイケル・サドラーのヴォーカルを乗せた、
キャッチーでノリの良いサウンドを聴かせる。巧みなドラムやきらびやかなシンセワークなど、ベテランらしい確かな演奏力で
非常に安定感はあるが、本作を最後にいったん脱退するサドラーの歌声に関しては、いくぶん物足りないような気もする。
楽曲的には、1993年作「The Security Of Illusion」などからもけっこう選曲されていて、コアなファンにも嬉しいだろう。
後半には、1978年のデビュー作や、1980年の3rd「Silent Knight」からのナンバーも続けて披露。2枚組で120分の好ライブ。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 キャッチー度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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4/30
GWはプログレで(135)


The Samurai of Prog 「The White Snake」
フィンランドのシンフォニックロック、サムライ・オブ・プログの2021年作
前作に続くグリム童話をコンセプトにした作品の続編で、The Tripのカルミネ・カパッソ、Il Tempio Delle Clessidreのエリサ・モンタルド、
Ubi Maiorのマルセラ・アルガネッセ、元Latte E Mieleのオリヴィエロ・ラカグニア、MAD CRAYONのアレッサンドロ・ベネデッティ、
HOSTSONATENのルカ・シェラーニ、La Maschera Di Ceraのアレッサンドロ・コルヴァギラ、La Coscienza Di Zenoのアレッシオ・カランドリエロ、
Museo Rosenbachのステファノ・ガリフィ他、多数のゲストが参加。艶やかなヴァイオリンが鳴り響く、優雅なナンバーで幕を開け、
ピアノやオルガンを含むやわらかなシンセや叙情的なギター、フルートの音色で、しっとりと繊細なシンフォニックロックを展開する。
中盤は10分を超える大曲が続き、男女ヴォーカルを乗せたストーリー性のある世界観で、あくまで優美なサウンドを描き出す。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Himmellegeme 「Variola Vera」
ノルウェーのプログレバンド、ハイメレジェーメの2021年作
2017年にデビューし、2作目となる。叙情的なギターに優美なシンセを重ね、
マイルドなヴォーカルを乗せた、涼やかでモダンな感触のポストプログレサウンド。
北欧らしい翳りやサイケ風味に加えて、本作では、わりとポップな感じのナンバーもあり、
とらえどころがない作風であるが、ゆったりとしたメロウな部分はPINK FLOYD風だったりする。
7曲目あたりのシンフォプログレ寄りの泣きの叙情はよろしく、このあたりを伸ばしてもらいたい。
楽曲は3〜5分前後と、わりとあっさりしているので、もう少し濃密な大曲があってもよいような。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 北欧度・8 総合・7.5
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MATS/MORGAN「35th Anniversary Collection」
スウェーデンのアヴァン・ユニット、マッツ&モルガンの2016年作
結成35周年を記念して、1996年のデビュー作から、2014年までの作品から選ばれた全42トラックを収録した
2枚組のベストアルバム。やわらかなシンセに味わいのあるマッツの歌声を乗せた牧歌的な1曲目から、
モルガンの巧みなドラムにエレクトロなシンセを重ね、テクニカルにたたみかけるアッパーなナンバーへ、
軽やかなポップ性をアヴァンギャルドに溶け込ませた、まさに「火星のヒットソング」というべき異色のサウンドを展開。
ときにライブでのMC音源も加えた遊び心や、MESHUGGAHのフレドリック・トーテンデルを迎えてのメタル感触に、
軽やかなジャズタッチのナンバーなど、単なるフリーミュージック以上のセンスと卓越した演奏力が随所に現れる。
入門用にしてはあまりに濃密であるが、この超絶ユニットの全貌を味わえるCD2枚、全152分である。
テクニカル度・8 プログレ度・8 アヴァンギャル度・9 総合・8.5
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MATS/MORGAN 「Live With Norrlandsoperan Symphony Orchestra」
スウェーデンのアヴァン・ユニット、マッツ&モルガンのライブ作品。2018年作
マッツ・エーベリ(キーボード)とモルガン・オーギュレン(ドラム)に、ベースとキーボードを加えたバンド編成で
2016年の結成35年イベントとして行われた、ノールランド歌劇場交響楽団との共演ライブをCD+DVDに収録。
美しいストリングスにブラスが鳴り響く、壮麗なオーケストラと軽やかなドラムが合わさり、エレクロなシンセを重ねた、
優美なチェンバーロックが広がってゆく。アヴァンギャルドな味わいは希薄であるが、ほどよくスリリングでありながら、
とぼけたようなセンスも随所に感じさせる。DVDの映像では、フルオーケストラを含む豪華なステージのもと、
モルガンの巧みなドラムや、ハーモニカとシンセを自在にこなす、盲目のマッツの楽しげなプレイぶりが見られる。
CD2には、本作のデモである、モルガン・オーギュレン名義での「Through The Eyes Of Morgchestra」を収録。
シンフォニー度・8 プログレ度・7 ライブ演奏・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Simon Steensland 「25 Years of Minimum R&B」
スウェーデンのミュージシャン、サイモン・スティーンスランドの2017年作
1994年にデビュー、UNIVERS ZERO + MATS/MORGANというような異色のアヴァンロックを生み出すアーティストで、
本作は、初期作品から、KAMIKAZE UNOTED名義を含む6作からセレクトしたベストというべきDisc1に、
Disc2には未発音源とライブを収録した、まさに北欧の鬼才のキャリアを俯瞰できる2枚組となっている。
アルバム「Led Circus」収録のダークなチェンバーロック曲から、とぼけた味わいの「The Zombie Hunter」収録曲では、
MATS/MORGANの2人が参加、マリンバやアコーディオンの優雅な音色を聴かせつつも、妖しいダークさを漂わせる。
舞台音楽である「The Phantom Of The Theatre」収録曲は、女性ヴォーカルも加わった優雅な味わいで、いいアクセント。
モルガン・オーギュレンによるリマスターで音の迫力も増している。Disc2の未発集は全19曲入りで、小曲が多いのだが、
生々しい演奏と楽曲の断片を垣間見る感じで、なかなかスリリングに楽しめる。ラストは15分のSE入りサントラ風ナンバー。
アヴァンギャル度・8 プログレ度・8 ダークでおとぼけ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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STEN SANDELL & SIMON STEENSLAND 「UNDER OKNAR (Ranko Redn)」
スウェーデンのミュージシャン、ステン・サンデルとサイモン・スティーンスランドの共演作。1996年作
詠唱のような歌声と民族的なパーカッションにベースを重ねた、怪しくフリーキーなサウンドで
シンセやハルモニウムも加わって、チェンバーロックとしての優雅なダークさに包まれる。
MATS/MORGANのマッツ・エーベリ、モルガン・オーギュレンが参加、随所に巧みなドラムやエレクトロなシンセで
楽曲に華を添えている。全体的には、つかみどころがない民族風アヴァンミュージックという趣で、
アコーディオンや軽やかなマリンバの音色もどこか恐ろし気だ。スティーンスランドの作品の中でも異色の部類なので、
まずは傑作である、「Led Circus」「Fat Again」「A Farewell to Brains」あたりから入ることをお薦めします。
アヴァンギャル度・8 プログレ度・7 怪しげ度・9 総合・7.5
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Hidria Spacefolk 「Symbiosis」
フィンランドのサイケロック、ハイドリア・スペースフォークの2002年作
2001年にデビューし、2作目となる。アコースティックを含むギターの、オリエンタルな旋律に、
シンセアレンジを差ね、OZRIC TENTACLESにも通じるスペイシーなサイケロックを聴かせる。
オルガンを含むシンセワークやフルートも鳴り響いて、プログレ寄りの感触もわりと強めなので、
オールインストながら、カラフルなサウンドとほどよくアッパーなノリの良さで楽しめる。ラストは11分の大曲で、
これぞスペーストロックという味わいだ。オズテン系サイケロックが好きな方はチェックすべし。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 サイケ度・8 総合・8
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Hidria Spacefolk「Balansia」
フィンランドのサイケロック、ハイドリア・スペースフォークの2004年作
フリーキーなギターにスペイシーなシンセを重ねた、アッパーなノリのサイケロック。
グルーヴィなアンサンブルや、叙情的なフレーズを巧みに奏でるギターとともに、
OZRIC TENTACLES
をややハードした感触もあり、よりロック的な勢いで楽しめる。
優美なシンセアレンジも随所に引き立っていて、オズテンほどエレクトロ寄りでないので、
いわば、北欧シンフォニック・サイケ的な聴き方もできる。ラストには14分という大曲もあり、
パーカッションのリズムも入った民族的な怪しさから、スリリングなアヴァン・サイケを展開する。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 サイケ度・8 総合・8
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QUANTUM FANTAY 「Tessellation Of Euclidean Space」
ベルギーのサイケロック、クアンタム・ファンタイの2017年作
2005年にデビュー、本作は6作目となる。きらびやかなシンセにやわらかなフルートが鳴り響き、
グルーヴィなアンサンブルとエレクトロなアレンジで、OZRIC TENTACLES系のサイケロックを展開。
シンセとフルートが重なる優美な味わいは、シンフォプログレ寄りの幻想的な雰囲気もあって、
随所に叙情的なギターも旋律も耳心地よい。ドラムをはじめとした演奏力もしっかりしていて、
単なるオズテン系サイケという以上に、優雅な構築性も感じさせる。オールインストであるが、
プログレ的な叙情性とスペイシーな浮遊感が同居した、高品質なサイケロックの逸品です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 サイケ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Ryszard Kramarski Project 「Music Inspired By The Little Prince」
ポーランドのアーティスト、リシャルト・クラマルスキ・プロジェクトの2017年作
MILLENIUMのシンセ奏者として知られるミュージシャンで、本作は「星の王子さま」をテーマにしたコンセプト作。
メロウで叙情的なギターの旋律にうっすらとしたシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルの歌声とともに、
優美なシンフォニックロックを展開。派手な展開はさほどないものの、女性声のシンフォプログレとしては、
英国のLANDMARQなどにも通じる優雅でキャッチーな味わいで、随所にギターの泣きのメロディが心地よい。
アコースティックによる繊細な小曲なども味があり、ラスト曲もゆったりとした翳りを含んだ叙情美に包まれる。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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VESPERO 「THE FOUR ZOAS」
ロシアのサイケプログレ、ヴェスペロの2020年作
2007年にデビューし、すでにアルバムは軽く10作を超える多作バンド。本作はのっけから11分の大曲で
ミステリアスなシンセにギターを重ねた、ゆったりとしたアンサンブルに艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、
展開力のあるプログレ・サイケロックを聴かせる。エクスペリメンタルな静寂感からアッパーなパートへの流れや
スペイシーなスケール感は、キャリアのあるバンドらしい確かな演奏力とアレンジセンスの妙であるだろう。
フリーキーなギターを乗せたガレージロック風味や、きらびやかなシンセをメインにしたナンバーなど、
オールインストながらも、様々な顔を覗かせる。ラストは21分の大曲で、軽妙なアンサンブルでたたみかける。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 サイケ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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ETERNAL WANDERERS 「THE MYSTERY OF THE COSMIC SORROW」
ロシアのプログレバンド、エターナル・ワンダラーズの2016年作
2008年作にデビューし3作目となる。ほどよくハードで叙情的なギターにシンセを重ね、
緩急ある展開とともに、ドラマ性のあるスタイリッシュなハード・シンフォプログレを構築する。
インストによる序盤から、3曲目からは女性ヴォーカルも加わって、しっとりとしたパートも覗かせつつ、
MAGENTAなどにも通じる軽妙なアンサンブルで、優雅でキャッチーなサウンドが楽しめる。
8〜10の大曲を主体にも、Disc2では、23分という組曲もあって、オーケストラルなアレンジに
メロウなギターの旋律も加えて、THE ENIDにも通じる壮麗なシンフォニックロックを構築する。
SFサイバー的なモダンな雰囲気も漂わせる、2CDで合計90分の優雅なシンフォプログレの力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8
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OLIVE MESS 「CHERDAK」
ラトビアのチェンバーロック、オリーヴ・メスの2008年作
2002年にデビューし、2作目となる。のっけから15分の大曲で、10分を超える大曲4曲という構成。
前作は女性ヴォーカルがいたが、今作はジェントルな男性ヴォーカルがフロントをつとめている。
軽妙なリズムに優雅なシンセとギターの旋律を乗せ、ときおり牧歌的なバグパイプも鳴り響く、
とぼけた味わいのサウンドで、スレリリングでありながら脱力したアンサンブルが面白い。
全体的にダークな部分はさほどなく、エレピを含む優美なシンセや、朗々とした男性ヴォーカルで
オペラティックな雰囲気を描くパートなど、クラシックをルーツにした優雅さが前に出ている。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅で軽妙度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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EXODUS 「Supernova」
ポーランドのプログレバンド、エクソダス1982年作
1作目の「The Most Beautiful Day」はポリッシュ・プログレの傑作とされているが、2作目の本作は、美麗なイントロから、
ほどよくハードなギターが加わり、東欧らしい涼やかな空気感に包まれたシンフォプログレを展開する。
母国語によるヴォーカルが加わると、YESのようなキャッチーな味わいとともに、優美なシンセアレンジと
叙情的なギターを乗せた軽やかなアンサンブルで、1stに負けないきらびやかなサウンドが楽しめる。
しっとりと聴かせる繊細な味わいの小曲や、わりとオールドロック風のナンバーもありつつ、
透明感のあるシンセが楽曲を彩っていて、中性的な歌声も含め、優美な幻想性も感じさせる。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Alina Skrzek / Jozef Skrzek 「SLONE PERLY」
ポーランドのベテラン、SBBのヨゼフ・スカルツェクと娘であるアリナ・スカルツェクによる2001年作
優美なシンセにフルートが鳴り響き、叙情的なギターの旋律も加えたシンフォニックな味わいと、
母国語によるヴォーカルを乗せた、キャッチーな歌もの感触が同居したサウンド。
ほどよくエレクトロ寄りのアレンジや、ときにスラヴ的な民族感も漂わせていて、
単なるポップロックでもない、さすがのゼンス。美しい女性スキャットを乗せた優雅さや
シンセをメインにしたアンビエントな質感なども含めて、シンフォニックなポストプログレとしても楽しめる好作品
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5


4/15
フランス&イタリアのジャズロック&アヴァンプログ(120)


LE GRAND SBAM 「Le Vaisseau Monde」
フランスのアヴァンロック、レ・グランド・スバムの2019年作
POILのメンバーに女性シンカー2人とヴィヴラフォン奏者を加えた編成で、軽やかなヴィヴラフォンの音色に
重たいペースとシンセを重ね、2人の女性ヴォーカルが、コバイヤ風のエキセントリックな歌声を乗せる、
アッパーなアヴァンロックを聴かせる。たたみかけるドラムも含めた激しさは、MAGMA的というよりは、
むしろ高円寺百景のフランス版というべきか、ヘヴィなベースとドラムが描く重厚なアンサンブルに、
フリーキーなシンセと女性スキャットが神秘的な空気をかもしだし、スペイシーな異色のサウンドを描きだす。
とっつきはあまりよくないが、女性声とアヴァンロックの組み合わせは好き者にはたまらない。
ドラマティック度・7 アヴァンギャル度・8 高円寺マグマ度・9 総合・8
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LE GRAND SBAM 「Furvent」
フランスのアヴァンロック、レ・グランド・スバムの2021年作
2作目の本作は、のっけから18分を超える大曲で、エキセントリックな男女ヴォーカルを変則リズムに乗せて、
優雅なマリンバやシンセとともに、前作の続編というような、異色のアヴァン・ジャズロックを展開する。
前作以上にフリーキーなアンサンブルに拍車がかかり、長尺になった分、ヘンタイ性が薄まった感もあるが、
静かめのパートでも、妖しい女性スキャットに吉田達也(高円寺百景)ばりのドラムがスリリングな空気を描いている。
後半は8パートに分かれた、32分におよぶ組曲で、中国語のような語りを挿入しつつ、よりアヴァンギャルドな作風で
ときにテクニカルにたみかけるところは、POILにも通じる聴き心地だ。ヘンテコと優雅とヘンタイが合致した強力作。
ドラマティック度・7 アヴァンギャル度・9 高円寺マグマ度・8 総合・8
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PINIOL 「Bran Coucou」
フランスのアヴァンロック、ピニョールの2017年作
POILNiの合体バンドで、ハードエッジなギターとエレクトロなシンセをテクニカルなリズムに乗せ、
詠唱めいたヘンテコな歌声とともに、アッパーなサイケ感を含んだ、フリーキーなアヴァンロックを聴かせる。
トリップ感のあるリフレインにカラフルでピコピコのシンセと、わりと重厚なギターがミスマッチな味わいながら
得体の知れない迫力に変わる瞬間があって、ヘンタイ系バンドが結束したさすがの演奏力というところ。
10分を超える大曲を、なし崩し的にたたみかける、怒涛のアヴァンギャルドセンスが素晴らしいのである。
インストパートをメインに、先の読めないスリリングさで、ハードなマスロックとアヴァンプログレが合致した異色の傑作だ。
ドラマティック度・7 アヴァンギャル度・9 ヘンタイ度・9 総合・8
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ELEPHANT TOK PROJECT 「Sitting With Bull」
フランスのジャズロック、エレファント・トク・プロジェクトの2018年作
ONE SHOTのメンバーを中心に、2016年にデビュー、本作は2作目となる。3つの組曲からなる構成で、
巧みなドラムとうねるベースに、スキャット的な歌声を乗せた、MAGMAルーツのジャズロックを展開。
優美なエレピも加わるが前に出すぎることはなく、基本はドラムとベースのアンサンブルなので、
全体的にあまり派手さはなく、モノトーンのような空気に包まれた、わりと玄人好みの印象である。
ダウナーなパートも多いのだが、ラストの組曲では、クリムゾン的なスリリングな硬質感も現れる。
ミステリアスな聴き心地の、マグマ系ジャズロックがお好きな方はいかが。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 ミステリアス度・8 総合・7.5
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ARNAUD BUKWALD 「La Marmite Cosmique」
フランスのミュージシャン、アーノルド・バクワルドの2017年作
軽やかなドラムにピアノにサックスを乗せた、SOFT MACHINEに通じる軽妙なジャズロック風味から、
やわらかなフルートにメロトロンを含むシンセ、ストリングスなども加えたシンフォプログレ風味も覗かせつつ、、
どこかとぼけた味わいの優雅なインストサウンドを展開する。後半氏、10分、9分、16分という大曲が並び、
EL&Pの「タルカス」を思わせるキーボードプログレから、SEをはさんでヴァイオリンがスリリングに鳴り響き、
アヴァンギャルドなチェンバーロック風に展開するなど、なかなかつかみどころがない。17分におよぶラストの大曲は、
民族的なパーカッションにスペイシーなシンセとストリングス、サックスも鳴り響く、混沌としたプログレ・ジャズロックになる。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 優雅度・8 総合・7.5
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Chardeau 「In Terra Cognita?」
フランスのミュージシャン、チャルドーの2019年作
Brian Auger、Jerry Goodman、元JETHRO TULLのMartin Barre、ANGEのChristian Decamp、SAGAのMichael Sadler、
元CHICAGOのメンバーや、DOOBIE BROTHERSのJohn McFee、SUPERTRAMPのJohn Helliwellなど、多数のメンバーが参加、
ロシア、インド、チベット、北朝鮮、日本、メキシコ、ペルー、イスラエル、アフリカ、北極など、地球環境や国際、歴史問題を含むテーマを、
壮大なロックオペラに仕立て上げた作品で、クラシカルなストリングスやピアノに、枯れた味わいのヴォーカルを乗せ、
ブラスやシンセによるゴージャスなアレンジとともに壮麗なサウンドを描いてゆく。ムソルグスキー「はげ山の一夜」を取り入れたり、
東洋的なシタールやタブラの音色、ときにジャズロック風だったり、メロウなギターも加わって、楽曲ごとにカラーの違うサウンドが楽しめる。
全体的に明快な盛り上がりがさほどないのが惜しいが、世界各地をコンセプトにしたスケールの大きな、全69分の力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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ANAID 「Libertad」
フランスのプログレ・ジャズロック、アナイドの2016年作
デビューは80年代で、本作は1991年以来、25年ぶりとなる作品。優雅なピアノにオペラティックな女性ヴォーカルを乗せ、
OPUS AVANTRAのような妖しさに、ロック寄りのギターも加えた、ジャズロック風のアヴァンロックを聴かせる。
プログレというよりは、艶めいた女性声を中心にした歌ものパートが多いのだが、10分を超える大曲では、
やわらかなシンセ叙情的なギターの旋律を乗せた優美な味わいから、ハード寄りのギターを乗せた、
ノリのよいロックパートへと極端に展開し、はっちゃけた女性声とともにどことなくMAGMAっぽい勢いも感じさせる。
全体的にはしっとり優雅に楽しめる、エキセントリックな女性声アヴァンジャズロックの好作品。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅でアヴァンギャル度・8 総合・7.5
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MAGMA「Theusz Hamtaahk - Trilogie」
フランスのプログレジャズロック、マグマのライブ。2001年作
2000年のフランス公演、名曲「Theusz Hamtaahk」組曲、全3楽章を二日に渡って完全生再現したライブを3CDに収録。
Disc1には「THEUSZ HAMTAAHK/トゥーザムターク」、Disc2には「WURDAH ITAH/トリスタンとイゾルテ」、
Disc3には、「MEKANIK DESTRUKTIW KOMMANDOH/MDK」を収録、巧みなドラムを中心としたアンサンブルに
コバイヤ語による男女混声ヴォーカルを乗せて、優雅で躍動的なマグマ流ジャズロックを展開してゆく。
Disc3「MDK」ではブラスセクションも加わったゴージャスなアレンジに、ギターが弾きまくるインプロパートも含んだ、
壮大な組曲を作り上げてゆく。豪華ボックス入りで、ブックレットにはコバイヤ語の歌詞も完全掲載、まさにファン必聴のライブです。
ライブ演奏・8 優雅度・8 再現度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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MAGMA 「CONCERT BOBINO 1981」
フランスのプログレジャズロック、マグマのライブ。1995年作
1981年フランス、パリで3週間におよぶコンサートを行ったライブステージの一部を2CDに収録。
サックスやトランボーンが鳴り響き、軽快なリズムとともに、男女コーラスもファンキーな感触で、
随所にきらびやかなシンセワークも重なって、華麗でゴージャスなジャズロックを展開してゆく。
初期に比べると、明るめのサウンドであるが、手数の多いクリスチャン・ヴァンデのドラムを中心に、
巧みなアンサンブルとマグマらしい神秘性も健在で、即興的なパートも含めて楽し気な演奏である。
Disc2ではファンキーな歌ものナンバーから、30分を超える壮大な未完の大曲「Zess」も披露。
未発曲なども多数演奏していて、本ライブでしか聴けない楽曲もあるという点では、必聴の内容だろう。
ライブ演奏・9 ジャズロック度・9 コバイヤ度・8 総合・8
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Wrupk Urei 「Koik Saab Korda」
エストニアのプログレ・ジャズロック、ウラプク・ウレイの2014年作/邦題「結果オーライ」
女性サックス奏者、トロンボーン奏者を含む編成で、歪ませたベースにエレピやマリンバの音色を重ねた、
優雅な反復系サウンドを描きつつ、トロンボーンが鳴り響く、フリーキーな味わいのアンサンブルから、
ノリのよいストレートなリズムにロックギターやエレピを乗せた、わりとキャッチーなナンバーなど、
とぼけたセンスと、SOFT MACHINEなどの古き良きジャズロックが交差するという聴き心地。
オールインストで、2〜4分前後の小曲を主体に、さらっと聴けつつも、なんとなくヘンテコ感に包まれ、
エフェクトのかかったシンセなどがスペイシーなサイケ風味をかもしだしているところも面白い。
遊び心あるアヴァンギャルド性を、優雅なジャズロックで包み込んだというような逸品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 優雅でヘンテコ度・9 総合・8
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THE SIRKIS/BIALAS IQ 「OUR NEW EARTH」
イギリスのジャズバンド、シルキス・ビアラス・インターナショナル・クインテッドの2019年作
イギリス人メンバーを主体に、ポーランド人女性シンガーを擁する編成で、CD2枚組の大作。
軽やかなドラムとベースに、優美なピアノやシンセを重ね、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
優雅なジャズロックサウンド。シンセをバックにゆったりとした女性声を乗せたアンビエントな味わいから、
正統派のジャズナンバーまで、美しい女性スキャットとともに耳心地よく楽しめる。サックスなどは入らず、
あくまでドラムとベース、ピアノがメインの演奏なので、ロック色は薄めでスリリングな部分もさほどないが、
7〜10分という長めの楽曲も含む、やわらかなエレビと女性声による、繊細で優雅な味わいの好作品です。
ジャズ度・9 ロック度・4 優雅度・9 総合・7.5
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HOMUNCULUS RES「Andiamo In Giro Di Notte E Ci Consumiamo Nel Fuoco」
イタリアのプログレバンド、ホムンクルス・レスの2020年作
2013年にデビュー、4作目となる本作は、牧歌的なイタリア語のヴォーカルにサックスを重ねて、
ゆったりと始まりつつ、シンセも加わって、とぼけた味わいの優雅なジャズロックサウンドを展開。
変則リズムによる屈折感と、軽妙なキャッチーさが合わさった、独自のスタイルはよりマイルドに深化、
エレピやオルガンを含むシンセと叙情的なフレーズを奏でるギター、ジェントルなヴォーカルとともに、
ソフトなアヴァン・ジャズロックが楽しめる。3〜4分前後の小曲も多く、プログレ的なフックは希薄で
あくまで軽やかなアンサンブルでライトに聴かせる。濃密すぎない、おとぼけ系プログ・ジャズロックです。
ジャズロック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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ZAAL 「Homo Habilis」
イタリアのジャズロック、ザールの2020年作
2004年にデビュー、本作は10年ぶりとなる3作目。ヴァイオリンやフルートの音色に、シタールのつまびき、
エレピを含むシンセにトランペットなども加わった、AREAなどにも通じる民族色のあるジャズロックから、
静寂感に包まれたアンビエントなチェンバーロック風味の2曲目から、フリーキーにトランペットが鳴り響く、
とらえどころのないアヴァン・ジャズロックへ展開し、艶やかなヴァイオリンや優雅なサックスの響きに、
パーカッションのリズムや東洋的なシタールの旋律とともに、バルカン、中近東的な民族色も覗かせる。
オールインストで、これという盛り上がりもないので、ゆったり系チェンバー・ジャズロックが好きな方はどうぞ。
ジャズロック度・7 プログレ度・7 民族チェンバー度・8 総合・7.5
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Risonanza Magnetica 「Andante」
イタリアのジャズロック、リゾナンツァ・マグネティカの2009年作
軽やかなピアノにサックスが絡み、コケティッシュな女性ヴォーカルを乗せた優雅なジャズロック。
ギターなどは入らないので、全体的にロック感触は薄めで、大人のジャズ寄りの作風であるが、
英語やイタリア語、フランス語を使い分けるキュートな女性声は魅力的で、軽妙なアンサンブルに
ピアノにオルガンなども加えた、肩の力を抜いてワインでも片手にして楽しめるようなサウンドだ。
プログレ的な部分はあまりないが、美しい女性ヴォーカルとともにしっとりと聴かせる好作品。
ジャズ度・8 ロック度・5 女性Vo度・8 総合・7.5
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Furio Chirico 「Furiosamente」
イタリアのミュージシャン、フリオ・キリコの2004年作
ARTI E MESTIERIのドラマーで、本作にはペッペ・クロヴェッラ、ジジ・ヴェネゴーニ、マルコ・クリミノ、マルコ・ガレッシ、
といったアルティのメンバーも参加して、フリオの軽妙なドラムをたっぷりと楽しめる優雅なジャズロックを聴かせる。
サックスが鳴り響き、優美なシンセを手数の多いドラムに乗せながら、アルティよりはもっと肩の力の抜けたサウンドで、
やわらかなエレピやサックスの音色を乗せた、ゆったりとした大人のジャズ風味のナンバーなども味わいがある。
フリオ・キリコの巧みなドラムはちろんのこと、マルコ・ガレッシのベースも随所に存在感を覗かせていて、
ゲストによるクラシカルなピアノや艶やかなヴァイオリンの音色も加えた、優雅なナンバーにも聴き惚れる。
ジャズ度・8 ロック度・6 優雅度・8 総合・8
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4/1
桜とプログレ(105)


CICCADA 「HARVEST」
ギリシャのプログレバンド、シッカーダの2021年作
2020年にデビュー、本作は6年ぶりたなる3作目。2人の女性Vo、女性サックス奏者を含む、7人編成となり、
アコースティックギターにやわらかなフルートが重なり、オルガンやレピを含むシンセにサックスも加わり、
美しい女性ヴォーカルを乗せて、優雅で牧歌的なサウンドを描く。フォークロック寄りの繊細な叙情性と
軽やかなアンサンブルによるカンタベリー風の雰囲気が合わさって、これまで以上に典雅な聴き心地。
フルートとサックスの絡みが増えたことで、インストパートでは、優美なシンフォプログレ風味とともに、
チェンバーロック寄りのミステリアスな部分も覗かせる。ラストは12分の大曲で、しっとりとした優雅に包まれながら、、
プログレらしさたっぷりの展開美が見事。この大曲の存在こそが、バンドとしての成熟と深化を示している。
ドラマティック度・・7 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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AMAROK 「El Ojo Del Mundo」
スペインのトラッドプログレ、アマロックの2021年作/邦題「世界の眼」
1994年にデビュー、カタルーニャのトラッドをプログレと融合させた独自のサウンドで、本作は9作目となる。
カーヌーンやサズ、サントゥールなどのアラビックな旋律にパーカッションのリズムで、中近東的な空気感に包まれ
艶かなヴァイオリンやフルート、アコーディオンも鳴り響き、女性ヴォーカルの歌声を乗せた、優雅なサウンドを構築。
随所にシンセによるプログレ風のアレンジも加わりつつ、全体的にはアコースティックをメインにした作風で
4th「スパイスの大地」あたりに通じる、エスニックな味わいが強まった印象。中盤には17分という大曲もあり、
優美なシンセにフルート、トランペットも加わって、プログレ的な展開力で聴かせる。優美で土着的な仕上がりです。
エスニック度・9 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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A Presenca Das Formigas 「Pe De Vento」
スペインのフォークロック、プレセンカ・ダス・フォーミガスの2014年作
2011年にデビューし2作目。アコースティックギターに艶やかなヴァイオリンの音色、女性ヴォーカルの歌声を乗せ
優雅なアコースティックサウンドを聴かせる。ドラムによるリズムが加わるので、ロック的な軽快さもいくぶんあり、
スパニッシュな歌声やアコーディオンの音色とともに、フォルクローレ風味の哀愁と叙情も感じさせる。
ときにマイルドな男性ヴォーカルも加わりつつ、あくまで女性声がメインなのも嬉しい。
あるいは、AMAROKからプログレ要素を薄めたイメージで楽しめるかもしれない。
アコーステッィク度・8 トラッド/フォーク度・8 優雅度・9 総合・8
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Gazpacho 「Fireworker」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパチョの2020年作
2003年にデビュー、本作は11作目で、人間の根源的本能、精神性をテーマにした深遠なコンセプト作品。
のっけから19分という大曲で、しっとりと美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せ、
翳りを帯びた物悲しい叙情と、静寂の空間性を含んだ、ドラマティックなサウンドを構築する。
ときに壮麗な混声コーラスや、ヴァイオリンなどもを加えた、優雅で涼やかなシンフォニック性と
繊細なピアノをバックにしたゆるやかな歌パートなど、メランコリックな空気感を描きながらも、
メリハリある展開が合わさった聴き心地。中盤にはポストプログレらしい優しい小曲をはさみ、
ラストは15分の大曲で、美しいシンセにメロウなギターを重ねて、じわりと泣きの叙情で盛り上がる。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 しっとり優美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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NAD SYLVAN 「SPIRITUS MUNDI」
スウェーデンのミュージシャン、ナッド・シルヴァンの2021年作
Agents Of MercyUnifaun、スティーブ・ハケットのGENESISツアーなどで活躍するシンガーで、
本作には、カナダのギタリスト、アンドリュー・ライトレスを迎え、ベースにはトニー・レヴィンが参加。
優美なシンセアレンジにアコースティックを含むギターと、ナッドの独特の味のある歌声を乗せた、
しっとりとしたキャッチーなサウンド。プログレ的な展開はさほどなく、牧歌的な大人の叙情性に包まれた
繊細な耳心地で、12弦ギターの響きとともに、ときにGENESISにも通じる幻想的な空気も感じさせる。
派手さはないが、優雅な味わいの好作品。ボーナストラックのナンバーにはスティーブ・ハケットもゲスト参加。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美な叙情度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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NEPHILA
スウェーデンのサイケロック、ネフィラの2021年作
女性ツインVoを擁する7人編成で、オールドなギターにオルガンを重ね、やわらかな女性ヴォーカルを乗せた、
70年代ルーツのヴィンテージなサウンドを聴かせる。二人の女性声が重なる、艶めいた妖しさとともに、
キャッチーなポップ感触もあり、アナログ感たっぷりの耳心地は、PURSONSIENA ROOTあたりに通じる。
楽曲は3〜5分前後とわりとシンプルで、インパクトのある展開はないのだが、サイケ寄りの浮遊感やほどよいユルさも含めて、
全体的にものんびりと楽しめる。ちなみにツインギターの片割れも女性で、うるさすぎないギターの重ねも良い感じだ。
ラストは9分の大曲で、スウェーデン語による歌声が土着感をかもしだす。全35分というのも、アナログ時代っぽい。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・9 女性Vo度・8 総合・7.5
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RUPHUS 「Flying Colors」
ノルウェーのプログレバンド、ルーファスの1978年作
1973年にデビュー、本作は5作目で、ブルージーなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた1曲目から、
3作目以降のジャズロック色を受け継いだ軽やかなアンサンブルで、クロスオーバーなサウンドを聴かせる。
その後は、北欧らしい涼やかなギターフレーズにエレピを含むシンセと、女性ヴォーカルの歌声を重ねた、
優美なフュージョンロックを展開。楽曲は4分前後のシンプルな味わいであるが、ジャズロックとしての優雅さと
シンフォプログレのやわらかな叙情が同居した耳心地の良さで、初期に比べるとぐっと洗練されたという印象だ。
ラストは9分の大曲で、美しいシンセに女性声を乗せた、ゆったりとしたシンフォニックナンバー。優雅な好作品です。
メロディック度・8 優雅度・8 北欧度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Marco Minnemann 「Schattenspiel」
ドイツのミュージシャン、マルコ・ミンネマンの2016年作
The AristocratsやU.K.、UKZなどで活躍するドラマーとしても知られる、多彩なマルチミュージシャンである。
テクニカルなドラムにやわらかなシンセ、フルートを乗せた、優雅なジャズロック風のサウンドで、
ときにゲストによる女性声や語りを乗せて、シアトリカルでアヴァンギャルドな空間性を描いてゆく。
自身のヴォーカルを乗せた、わりとキャッチーなナンバーなど、難解になり過ぎない聴き心地で、
音数的にもシンプルなので、ミンネマンの巧みなドラムプレイにフォーカスして楽しむこともできる。
チェンバーロック的でもある優雅なスリリング性も覗かせつつ、ギターも加えたロック感触もあって、
ジャズ、クラシック、ポップ、プログレなどの要素が混在した、まさにボーダーレスをゆく内容だ。
ドラマティック度・6 プログレ度・7 優雅でアヴァンギャル度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Klaus Schulze 「La Vie Electronique 4」
ジャーマン・シンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの未発音源集その4。2010年作
Disc1は、1975年の音源で、全73分におよぶ長大なマテリアル。時期としては「TIMEWIND」〜「MOONDAWN」の頃で、
アナログシンセをメインにしたスペイシーで幻想的なサウンドを描いている。シーケンサーによるリフレインの上に、
単音の旋律も重ねるなど、ときにスリリングなパートも含めた展開力で、スケールの大きな空間美が味わえる。
Disc2は、1975〜76年のライブ音源で、重なるシンセの音がより生々しく響き、49分の組曲を含む聴きごたえのある内容。、
Disc3は、1976年のライブ音源で、41分、28分という2つの大曲をメインに、この時期のシュルツェらしい幻想の翳りを含んだ、
薄暗くも優雅な世界観に包まれたシンセミュージックが堪能できる。70年代シュルツェが好きな方はチェックすべき出来です。
ドラマティック度・7 幻想度・9 シンセ度・10 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Amon Duul 「Experimente」
ドイツのサイケロック、アモン・デュールの1995年作
1969年作「Psychedelic Underground」は、ジャーマンサイケの金字塔として名高いが、本作は同時期の未発音源集。
トライバルなパーカッションに、ギターとフリーキーな歌声や喚きを乗せた、デビュー作の流れの作風で、
愉快でヨレ気味のドラッギーなサイケを繰り広げる。1〜2分前後の短いマテリアルも多く、ブツ切れで終わったりと、
いかにも寄せ集め感が強いが、バンドの本質であるフリーキーな酩酊感はしっかりと味わえる。
ノリノよいリズムに、ユルめの歌声を乗せる部分は、ダモ鈴木在籍時のCANなどにも通じる味わいで、
リフレインによるトリップ感も含めて、これぞサイケである。全24曲、66分を収録。コアなファンはどうぞ。
ロック度・6 サイケ度・9 フリーキー度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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The Aurora Project 「Shadow Border」
オランダのプログレバンド、オーロラ・プロジェクトの2009年作
トレーディングカードゲーム「MAGIC THE GATHERING」愛好者が集って結成され、2005年にデビュー、本作は2作目。
ハードなギターとシンセを重ね、マイルドなヴォーカルを乗せた、薄暗い叙情に包まれたシンフォニックロック。
硬質感と適度なヘヴィネス、エモーショナルな歌声で、翳りを帯びたドラマを描くところは、ARENAあたりにも通じる。
随所にメロウなギターの旋律も覗かせながら、モダンなシンフォプログレのどっしりとした重厚な聴き心地で、
ドラマティックな展開力とキャッチーな抜けの良さ含めて、ProgMetalのリスナーにも楽しめるだろう。
ラストは16分という大曲で、ほどよくスリリングな構築力で、シリアスなハードプログレを描いてゆく。これは力作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 翳りと叙情度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Jane Getter Premonition 「Anomalia」
アメリカの女性ギタリスト、ジェーン・ゲッターによるユニット。2021年作
2015年作から6年ぶりとなる2作目。夫でもある、シンセ奏者のアダム・ホルツマンをはじめ、アレックス・スコルニック(TESTAMENT)、
ランディ・マクスタイン(THE FRINGE)、スチュアート・ハム、チャド・ワッカーマン、ジェーン・レイク、マーク・エガンなど、メタルやプログレ、
ジャズ畑からのメンバーも参加、みなギタープレイにシンセ重ね、優雅な大人のアンサンブルで聴かせるフュージョン的なサウンド。
インストパートをメインに、ジェーン自身の歌声を乗せたナンバーもあり、優美なシンセとともにしっとりとした味わいで楽しめる。
全体的に派手さやテクニカルにたたみかける部分はあまりなく、わりとゆったりとした落ち着いた作風なので、
プログレとして聴くには物足りないのだが、確かな演奏力で奏でられる耳心地の良いサウンドではあります。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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A Triggering Myth 「The Remedy of Abstraction」
アメリカのプログレバンド、トリガリング・ミスの2006年作
1990年にデビュー、チェンバーロックのクラシカル性をシンフォプログレに融合させるこのバンド。
本作は6作目で、バンドのラスト作。軽やかなドラムに巧みなベースとピアノ、シンセを重ねた、
ジャズロック的な優雅なアンサンブルで、軽妙でスリリングなインストサウンドを聴かせる。
KBBの壷井彰久がゲスト参加していて、優美なヴァイオリンの旋律を随所に響かせていて、
シンフォニックロックとしての叙情性と、アコースティックを含む大人のジャズロックが同居した味わい。
一聴したインパクトは薄いが、巧みな演奏とうるさいすぎないセンスが見事な、玄人好みの逸品です。
クラシカル度・7 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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THE LIFELINE 「WHERE THERE IS LIFE, THERE IS HOPE...」
アメリカのプログレ・エモーショナルロック、ライフラインの2004年作
全7曲、29分というデビュー作で、ほどよくハードなギターに艶やかなヴァイオリンを重ね、
ハイトーンヴォーカルを乗せた、モダンでキャッチーなプログレ・ハードロックを聴かせる。
4〜5分前後の楽曲は比較的シンプルで、ときにスクリームも加えたメタル感触も覗かせるなど、
プログレというよりは、本作の次点ではヴァイオリン入りのエモーショナルロックという趣のナンバーも多い。
2010年作「Reflections of Hope」では、よりスタイリッシュに深化したモダン派プログレの好作品となる。
ドラマティック度・7 プログレ度・6 ヴァイオリン度・8 総合・7
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Lasting Weep 「Le Spectacle De L'Albatross 1976」
カナダのプログレバンド、ラスティング・ウィープのライブ。2007年作
MANEIGEの前身バンドによる1976年のライブで、「アルバトロス」と題された未発表の大作を
マネイジュのメンバーを含む17人で演奏するステージ。フルートやサックス、トランペットが鳴り響き
軽やかなドラムにパーカッション、フランス語のヴォーカルもまじえ、ジャズやチェンバーの要素も含んだ
優雅でアヴァンギャルドなサウンドを展開する。随所にフルートの音色が土着的な優雅さをかもしだし、
語りのような怪しい歌声とともにシアトリカルな空気に包まれながら、手数の多いドラムを中心とした
緊張感あるアンサンブルに優美なピアノやシンセを乗せるところは、MANEIGEに通じる部分もある。
クラシカルな優雅さと、エキセントリックな芸術性に富んだアーティスティックなライブが味わえる。
ライブ演奏・8 プログレ度・8 優雅でアヴァンギャル度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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3/18
英国プログレの春(90)


Dyble Longdon 「Between a Breath and a Breath」
英国の女性シンガー、ジュディ・ダイブルとBIG BIG TRAINのデヴィッド・ロングドンによるユニット。2020年作
初期FAIRPORT CONVENTION、TRADER HORNなどへの参加で知られる、ジュディのやわらかな歌声を中心に、
美しいシンセアレンジや叙情的なギターに、デヴィッドのジェントルな歌声も加わり、しっとりと優美なサウンドを聴かせる。
アコースティック含む英国フォークルーツの牧歌性に、シンフォニックロックとしての味わいが同居し、ときにフルートの音色や
ヴァイオリン、トランペットなどが加わった、優雅な大人のアレンジがじつに耳心地よい。うっすらとしたメロトロンをバックに、
二人の歌声が優しく響くナンバーや、3拍子のリズムとともに哀愁の叙情に包まれる、11分の大曲も素晴らしい。
リカルド・ショーブロム、ニック・ディヴァージリオといった、BIG BIG TRAINのメンバーや、ISLDURS BANE、GONG、
JADE WARRIORのメンバーなども参加。ジュディは本作の完成を見る前に、2020年7月に逝去している。
ドラマティック度・8 ジュディの歌声度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Tom Newman 「Dance Of The Stems」
イギリスのミュージシャン&コンポーザー、トム・ニューマンの2021年作
1975年作「FINE OlLD TOM」収録曲、1977年作「FAERIE SYMPHONY」収録曲のニューミックスに、
MAGENTAのRobert Reed、ホイッスル奏者のLes Penningを迎えて作られた新曲を含む、6曲入りのEP。
アメリカ民謡の「シェナンドー」の雄大な牧歌性から、「妖精交響曲」収録「Dance Of The Daonie Sidhe」の
ケルティックなギターにヴァイオリンを加えた、MIKE OLDFIELD的な優雅な叙情性にウットリとなる。
デビュー作収録曲は、カントリー的なポップな味わいで、「シェナンドー」の別ミックスをはさみ、ラストは2曲目「Dane Of〜」、
20分に及ぶ拡大バージョンで、のんびりとしたドリーミィな幻想に包まれる。EPながら、全45分と聴きごたえがある内容だ。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Tom Newman 「A Faerie Symphony II」
イギリスのミュージシャン&コンポーザー、トム・ニューマンの2021年作
1977年作「妖精交響曲」から、じつに44年ぶりとなる続編で、EPに引き続き、MAGENTAのロブ・リードが参加。
アコースティックを含む繊細なギターのつまびきにベースを重ね、奇妙なボイスやシンセの味付けと共に、
静謐感のあるエキセントリックでドリーミィなサウンドを描きだす。曲というよりは、奇妙なサントラ的な感じもあり、
プログレらしさや構築性を求める方には向かないだろうが、アーティスティックな感性で、映像を描くような作風は、
70年代の英国らしさを残した、イマジネーション豊かなサウンドである。中盤には、叙情的なギターやフルートとともに
Mile Oldfield的な雰囲気の繊細な優雅さに包まれつつ、Anthony PhillipsGANDALFともまた異なる、
独自の内的世界観を作りだしている。霧の向こうにある、かつての幻想の続きを楽しみたい方にはお薦めだ。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅でエキセントリック度・8 総合・7.5
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GENESIS 「THE LAMB LIES IN ROCHESTER」
イギリスのプログレバンド、ジェネシスのライブ音源。2CD/2020年作
1974年、アメリカ、ニューヨークでのライブで、「THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY」の完全再現を含むステージ。
70ンダイジェネシスのブート音源の中ではわりと音質が良く、何度かタイトルが変わって再版されてきているが、
この2020年版では、サウンドがよりダイナミックになっていて、全盛期のジェネシスの演奏として聴く価値がある。
ピーター・ガブリエルの歌声に、スティーブ・ハレーケットの叙情的なギター、トニー・バンクスの優美なシンセ、
そしてフィルコリンズの巧みなドラムが織りなす、ドラマティックな世界観が、躍動的な演奏で楽しめる。
ラストの「The Musical Box」まで、2CDで約110分、サウンドボード録音の臨場感あるライブ音源です。
ライブ演奏・8 音質・7 往年のジェネシス度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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CASTANARC 「Sea Of Broken Vows」
イギリスのプログレバンド、キャスタナルクの2021年作
1984年にデビュー、1998年までに4作を残して消えるも、2020年に復活。本作は復活2作目となる。
オリジナルメンバーは、ヴォーカルとシンセのみであるが、優美なシンセワークにメロウなギター、
味わいのあるヴォーカルを乗せたキャッチーな1曲目は、1984年作「Journey To The East」を思わせる。
その後は、歌ものナンバーを主体にに、4〜5分前後とシンプルな楽曲が続くが、メロディックロックとしての
純粋な耳心地の良さで、インストパートには凝った展開はさほどないものの、優雅な味わいで楽しめる。
ベテランらしい確かな演奏と歌唱力で、英国らしいウェットなプログレハードとしても鑑賞できる好作品。
メロディック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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FLUANCE 「LUNACY」
イギリスのプログレユニット、フルーアンスの2020年作
ジェーン・レーン、フィリップ・レーンという夫妻?によるユニットで、ダンカン・マッケイが全面バックアップ、
やわらかなシンセとピアノを中心にした、しっとりとしたサウンドに、味わいのあるヴォーカルを乗せた、
大人の叙情ロックというような聴き心地。オルガンなどのシンセは、さすがダンカン・マッケイらしい
プログレ的な雰囲気をかもしだしているが、楽曲自体はプログレというよりは、AOR風の落ち着いた印象。
ポップな歌メロがビートルズ風だったりしつつ、ときに叙情的なギターによる哀愁の泣きが現れて、
オールドな英国ロックの優雅さに包まれる。メロウなギターの旋律は、PINK FLOYD的といえなくもないが、
全体的にはキャッチーなポップ感を優美に包み込んだという作風で、もう少し深みのあるアレンジがあれば。
メロディック度・8 プログレ度・7 優美度・8 総合・7.5
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Fragile 「Beyond」
イギリスのプログレバンド、フラジャイルの2021年作
TANTALUS、AQUAPLANAGEなどで活躍したシンセ奏者、マックス・ハントを中心にしたバンドの2作目。
のっけから22分におよぶ組曲で、優雅なギターの旋律にオルガンやピアノなどのシンセを重ね、
クレア・ハミルの美しいヴォーカルを乗せた、YESルーツの優美なシンフォニックロックを聴かせる。
ピアノをバックにしっとりとした女性ヴォーカルが優しく響く部分は、RENAISSANCEにも通じる雰囲気で、
わりと軽めの音質なども含めて、今作はさらに70年代寄りのサウンドになった印象。2曲目、3曲目ともに、
14分という大曲で、ゆったりとした叙情パートをメインに、あくまで優雅な流れでじっくりと聴かせる。
YESタイプのシンフォプログレとしては、GLASS HAMMERとはまた違った繊細な味わいの好作品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Curved Air 「Alive 1990」
イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアのライブ。2019年作
デビュー、20周年記念となる、1990年の英国、ロンドンでのライブを収録。ダリル・ウェイを含む往年のメンバ―編成で、
1970年のデビュー作「AIR CONDITIONING」から、1972年作「PHANTASMAGORIA」まで、初期3作からのセットリスト。
1曲目のイントロ曲はモノラル音質で、ブートかと思いきや、2曲目すぐからステレオの音質になるのでご安心を。
艶やかなヴァイオリンをギターに重ね、ソーニャ・クリスティーナの妖艶な歌声が乗ると、そこはカーヴド・エアの世界観。
サイケとロックに女性声の妖しさを加えたという独自のサウンドには、70年代の瑞々しさから時を重ねた大人の味わいも加わっていて、
ソーニャの歌声も、いくぶん年季が入った感じになっているが、ダリルの奏でる優雅なヴァイオリンの音色は変わらず素晴らしい。
ライブ演奏・8 音質・7 優雅度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Curved Air 「Live at Under the Bridge: The 45th Anniversary Concert」
イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアのライブ。2019年作
デビュー40周年を記念した、2015年イギリス、ロンドンでのライブを2CDに収録。
Disc1は、2014年作「NORTH STAR」からのナンバーを中心にしたセットで、優美なシンセに艶やかなヴァイオリン、
ソーニャ・クリスティーナの熟女風ヴォーカルを乗せ、キャッチーな優雅さとともに、軽妙な展開力で聴かせる。
随所にメロウなギターの旋律と、オルガンを含むシンセワークも効いていて、演奏面では往年以上の出来である。
Disc2では、ダリル・ウェイをゲストに迎えて、1970年作「AIR CONDITIONING」全曲を含むセットを披露。
ツインヴァイオリンで再現される初期ナンバーは優雅な味わいで、オールドファンにも嬉しい好ライブ作である。
ライブ演奏・8 音質・8 優雅度・8 総合・8
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Steven Wilson 「To the Bone」
イギリスのミュージシャン、スティーヴン・ウィルソンの2017年作
PORCUPINE TREEでの活動はもとより、ソロ活動や、プログレ作品のリミックスなど、多彩な才能を発揮し続けるミュージシャン。
本作は、80年代のニューウェイブや、ピーター・ガブリエルなど、わりとポップ路線から影響を受けたという作品で、
軽やかなリズムに、ロックなギターとマイルドなヴォーカルを乗せ、女性コーラスも絡んだ、キャッチーなサウンドを聴かせる。
80年代的なほどよいポップ感に包まれつつ、翳りを帯びた繊細な叙情性は、やはりスティーヴンらしい世界観で、
優美なピアノやシンセアレンジも含めて、しっとりとした耳心地の良さで楽しめる。比較的コンプクトな楽曲が中心で、
プログレとして聴くには物足りなさもあるのだが、サウンドメイキングの質の高さはさすが。センスの光る一枚です。
キャッチー度・8 プログレ度・7 優美で繊細度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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RICK WAKEMAN 「NO EARTHLY CONNECTION」
イギリスのシンセ奏者、リック・ウェイクマンの1976年作/邦題「神秘への旅路」
「ヘンリー八世〜」、「地底探検」、「アーサー王〜」という文芸三部作に続く作品で、アシュリー・ホルト、トニー・フェルナンデスら、
English Rock Ensembleとのバンド編成。フランスのウルヴィル城で録音されたという作品で、オーケストラは用いずに、
オルガンやクラヴィネット、ムーグ、メロトロンなど多彩なシンセをたっぷりと使った、優雅なシンフォニックロックを展開。
味わいのあるヴォーカルに、クラシカルなピアノ、ときにトランペットやホルンなども加えて、ゆったりとした耳心地の良さと、
キャッチーなメロディアス性に包まれる。バンド編成という点ではロックとしてのプログレらしいノリも感じられる。
三部作の陰に隠れた逸品だろう。2016年の再発盤は、Disc2に、1976年のBBCライブを収録した2枚組仕様。
シンフォニック度・8 プログレ度・8 キーボー度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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THE CRIMSON PROJEKCT 「LIVE IN TOKYO」
エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィンらによる、クリムゾン・プロジェクトのライブ。2014年作
2013年の来日公演のステージを収録。パット・マステロットとトビアス・ラルフによるツインドラムに、
トニー・レヴィンと女性奏者のツインベースを含む編成で、「ブルーム」や「スラック」、「ディシプリン」など、
KING CRIMSON
の80年代以降のナンバーを主体に演奏、ツインドラムのリズムと歪んだベースを重ねた、
スリリングで硬質なサウンドを描いてゆく。エイドリアン・ブリューのギターにヴォーカルも加わると、
「クリムゾンのあの曲だ」とやっと認識できるのだが、これも新たなクリムゾンの実験精神の形というべきだろう。
後半には「太陽と旋律Pt2」や「レッド」も披露。ツインドラムによる迫力ある演奏はなかなか圧巻である。
ライブ演奏・9 重厚度・9 クリムゾン度・8 総合・8
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Peter Gabriel 「UP」
イギリスのミュージシャン、ピーター・ガブリエルの2002年作
前作「US」から10年ぶりとなるアルバムで、前作のポップ性に比べると、ぐっとシリアスな空気をまとい、
インダストリアルなデジタルさをロックサウンドに融合させつつ、味わいのある歌声を乗せた、
ふわりとやわらかな叙情に包まれる。モダンでエレクトロな雰囲気や、ポップなビート感の中にも
ときおりプログレッシブな香りが感じられ、優雅な構築力とともに独自の世界観を描いている。
繊細な歌ものナンバーは、シンセやピアノのアレンジとともに、ポストプログレ的な聴き心地で、
翳りを含んだ空気にしっとりと浸れ、ストリングスを加えて壮麗に盛り上がるナンバーなども見事。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Raphael Rudd 「The Awakening」
イギリスのシンセ奏者、ラファエル・ラッドの1991年作
RENASSANCEに在籍していたキーボード奏者のソロで、1984年作「Reflections」の曲順を変えて再編集された作品
ピート・タウンゼント、フィル・コリンズ、アニー・ハズラムという名だたるメンバーが参加、優美なシンセとクラシカルなピアノに
自身のやわらかなヴォーカルを乗せた繊細なシンフォニックロックを聴かせる。アニー・ハズラムがヴォーカルをとるナンバーは
まるでルネッサンスのような優雅なクラシカルロックで、フィル・コリンズの巧みなドラムも光っている。
自身が演奏する美しいハープによる小曲なども味わいがあり、ジャケのイメージとは異なる、しっとりとした美しさの好作品だ。
クラシカル度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8
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MCCULLY WORKSHOP「BUCCANEER」
南アフリカのアートロックバンド、マコーリー・ワークショップの1998年作
1970〜75年に3作を残したバンドの復活作で、過去曲のリメイクをメインにした12曲を収録。
オールドな味わいのギターに渋めのヴォーカル、キャッチーなコーラスを重ねて、
哀愁を感じさせる70年代ルーツのロックを聴かせる。リメイクはシングル曲が主体なので、
70年代のサイケな雰囲気よりは、よりポップでアダルトな渋みを増した作風であるが、
オルガンが鳴り響き、叙情的なギターとともにフックのある歌メロを乗せるところは、かつての雰囲気も覗かせる。
キャッチー度・8 プログレ度・5 大人のロック度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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3/4
イタプロ、ドイツ、フランスも(75)


La Maschera di Cera「S.E.I.」
イタリアのプログレバンド、ラ・マスケッラ・ディチェッラの2020年作
2002年にデビュー、古き良きイタリアンプログレのマインドを現代に蘇らせるこのバンド、
本作は、2012年以来となる6作目。のっけから21分という大曲で、オルガンが妖しく鳴り響き、
メロトロン、ムーグというヴィンテージなシンセにフルートが絡む、いかにもオールドスタイルのサウンドで、
イタリア語による味のあるヴォーカルとともに、あっという間に鈍色の幻想の世界観に包まれる。
2曲目も10分近い美麗なシンフォプログレナンバー、ときにサックスも加えた、緩急あるリズム展開も含め、
スリリングなドラマ性もたっぷり味わえる。ラストは13分の大曲で、やわらかなフルートに優美なシンセ
サックスも重なり、軽妙な展開からヴォーカルも加わえて、繊細な叙情に包まれながら幕を閉じる。
全3曲、香り立つようなヴィンテージプログとは、まさに本作のことだろう。ロマン派イタリアンプログレの傑作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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MINDANCE 「COSMICALLY NOTHING」
イタリアのプログレバンド、マインダンスの2020年作
わりとハードなギターにシンセを乗せ、英語歌詞のヴォーカルとともに、独特の浮遊感に包まれたサウンドを描く。
オールドロック寄りのギターとオルガンの音色によるヴィンテージな味わいと、モダンなエレクトロ感が同居し、
スペイシーなサイケ風味や、牧歌的なユルさ、メロウな叙情も覗かせて、なかなかつかみどころがない。
9分の大曲でも、あくまでゆったりとした、PINK FLOYD的な味わいに、ヴィンテージ感を漂わせていて、
ラストの12分という大曲は、フリーキーにギターが鳴り響く不穏な雰囲気から、ほどよい叙情をまとわせつつ、
シンフォプログレになりそうで、そうでもないという、やはりつかみどころのなさが個性といえなくない。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 イタリア度・7 総合・7.5
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Annie Barbazza & Max Repetti 「Moonchild」
イタリアの女性シンガー、アンニ・バルバッツァと鍵盤奏者、レペッティによる2018年作
故グレッグ・レイクの楽曲のトリビュート作品で、クラシカルなピアノをバックにしっとりとした女性ヴォーカルを乗せ、
KING CRIMSONEL&Pなどの楽曲を優美に聴かせる。「クリムゾンキングの宮殿」〜「21世紀の精神異常者」
「トリロジー」「ムーンチャイルド」「石を取れ」「セ・ラ・ヴィ」「エピタフ」「悪の教典#9」「将校と紳士の回顧録」
「ポセイドンの目覚め」「ラッキー・マン」「キエフの大門」など、クリムゾンやEL&Pのファンには馴染みの名曲も多数。
バックはシンプルなピアノのみなので、まるでジャズやシャンソンのようだが、表現豊かなヴォーカルが、
ときに優美に、ときにエモーショナルにプログレナンバーを歌い上げるところは、なかなか感動的である。
もともとがクラシカルなEL&Pのナンバーは、女性Vo&ピアノという優雅なアレンジがよくマッチしている。
優雅度・・9 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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BARO PROG-JETS 「Lucillo & Giada / Topic Wurlenio」
イタリアのプログレユニット、バロ・プログ・ジェッツの2019年作
MARYGOLDで活躍した、Alberto “Baro” Molesiniを中心にしたプロジェクトで、本作は、70〜80年代に活動していた、
LA SINTESIというバンドのマテリアルを元にしたコンセプト作をDisc1に、1983年のソロ作を元にした音源をDisc2に収録。
「Lucillo & Giada」は、美麗なシンセワークにメロウなギター、イタリア語のジェントルなヴォーカルを乗せた、
シンフォニックロックを聴かせる。プログレらしい軽快な展開力に、ときにアコースティックパートを含む
優美な叙情性に包まれた、4パートに分かれた流れのあるドラマティックなシンフォプログレが楽しめる。
Disc2は、よりキャッチーな作風で、優雅なアンサンブルとともに大人の叙情プログレとして鑑賞できる。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・9 総合・8
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Paolo Nannetti 「Cronache Dalla Zona Est」
イタリアのミュージシャン、バオロ・ナンネッティの2019年作
SITHONIAのシンセ奏者として活躍したミュージシャンで、本作はアコースティックギターのつまびきから
美しいシンセワークにイタリア語によるマイルドなヴォーカルを乗せて、しっとりとした優美なサウンドを描く。
ときにやわらかなピアノやフルート、ヴァイオリンなども加わった繊細なアレンジに、メロウなギターの旋律で
耳心地よいシンフォニックロックが楽しめる。キャッチーなビート感のナンバーもありつつ、全体的にはシンセをメインに
ゆったりと聴かせる作風で、SITHONIAのようなプログレ的なフックはないが、のんびりと楽しめる好作品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美度・8 総合・7.5
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UNREAL CITY 「FRAMMENTI NOTTURNI」
イタリアのプログレバンド、アンレアル・シティの2017年作
2013年にデビューし3作目。女性ギタリストを含む4人編成で、オルガンにヴァイオリンが鳴り響き、
サイケなギターを乗せたイントロから、ミステリアスで混沌としたプログレサウンドが展開してゆく。
クラシカルなピアノにイタリア語のヴォーカルも加え、ゆっりとした叙情パートも含め、5パートに分かれた13分の大曲を、
緩急ある流れで構築。随所に女性ヴォーカルや叙情的なギターで、シンフォプログレとしての優雅さも覗かせる。
続く2曲目も11分という大曲で、ヴィンテージ感のあるシンセとともに、イタリアンロックらしい濃密な味わいに包まれる。
古き良きプログレらしさと、イタリアならではの妖しさを、若手らしい瑞々しいセンスで仕上げたという逸品だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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PFM 「CELEBRATION - LIVE IN NOTTINGHAM 1976」
イタリアのプログレバンド、ブレミアータ・フォルネリア・マルコーニののライブ音源。2019年作
1976年のイギリス、ノッティンガムでの音源で、「CHOCOLATE KINGS」2010年再発盤のDisc2に収録されていたものを
2CDに全10曲収録した完全版。当時のMCから始まる臨場感とともに、技巧的なアンサンブルにヴァイオリンも乗せた、
優雅な叙情が一体となった見事な演奏が楽しめる。「甦る世界」収録の名曲「Four Holes In The Ground」や
アコースティックギターによる優雅なソロも聴かせつつ、マウロ・パガーニのフルートとヴァイオリンが鳴り響く、
「Mr.9 'Till 5」、「Celebration」といったノリのよい代表曲も、バンドの全盛期らしい勢いある演奏が素晴らしい。
ドラムソロを含めて14分に拡大された「ハンスの馬車」、ラストの「ウイリアムテル序曲」まで、躍動感あふれるライブが味わえる。
ライブ演奏・9 プグレ度・8 音質・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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CELESTE 「FLASHES FROM ARCHIVES OF OBLIVION」
イタリアのプログレバンド、チェレステの2020年作
70年代の未発音源集で、1972〜73年のデビュー前の音源12曲に、1st発表後の音源7曲、新曲1曲を収録。
アコースティックギターにたおやかなフルート、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる初期の音源は、
ロック色はほとんどない優美なフォークサウンドで、RENAISSANCEなどにも通じる優雅で繊細な味わい。
2〜3分前後の小曲が多く、前半はプログレというよりはフォーク寄りの牧歌的な作風であるが、ときにシンセを加えた
シンフォニックな雰囲気もあり、ファンであればウットリと楽しめる。中盤にはエレピにサックスを乗せたジャズロック感触や
1976〜77年「CELESTE II」期の音源では、アコースティックギターやフルートの優雅さに、軽快なドラムも加えたアンサンブルで、
ヴァイオリンの音色とともにプログレらしいサウンドが聴ける。全体的に音質はややぼやけ気味だが、大変貴重な音源集である。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優美で繊細度・9 総合・8
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CAMERA ASTRALIS 「I SUPPLICANTI」
イタリアのプログレバンド、カメラ・アストラリスの1998年作
アコースティックギターのつまびきにイタリア語のヴォーカルを乗せ、やわらかなシンセやピアノとともに
しっとりとした叙情に包まれたシンフォニックロックを聴かせる。ハケットばりのメロウなギターも加わって
かつてのGENESISを思わせる優雅なサウンドを展開。メトロンを含む優美なシンセワークも含めて、
耳心地の良いジェネシス系シンフォという点では、SUBMARINE SILENCEなどが好きな方にも薦められる。
全体的にスリリングな展開はさほどなく、繊細で牧歌的な耳心地ながら、優しい叙情美に浸れる好作品。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8

Apogee 「Endurance of the Obsolete」
ドイツのシンフォニックロック、アポジーの2020年作
1995年にデビュー、 Versus Xでも活躍するミュージシャンのプロジェクトで、本作は9作目となる。
メロウなギターの旋律に、オルガンやメロトロンなどのやわらかなシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、
優美なシンフォプログレを構築する。軽めのドラムの音や、90年代ルーツの牧歌的なシンフォ感触が、
ほどよくマイナーな雰囲気をかもしだしていて、10分を超える大曲を中心に、プログレらしいリズム展開も含めて
あくまで優雅に聴かせながら、突き抜けきらならい微妙な盛り上がりが、わりと微笑ましくもあるという。
スタイリッシュとは真逆の拡散タイプなのはよいが、だらだらと長いだけでは、聴き手は飽きてしまう。
印象的なメロディや盛り上がりが随所に欲しい。TRANTATLANTICにはなり切れない佳作という印象です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 楽曲度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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US 「LINDISFARNE」
オランダのプログレバンド、USの2018年作
2002年にデビューし、本作は10作目あたり。やわらかなオルガンに叙情的なギターを重ねて、
ほどよく緩急あるリズムとともに、古き良き感触の優美なシンフォプログレを聴かせる。
素人臭いヴォーカルも含めて、野暮ったさは相変わらずなのだが、すべてが10分前後の大曲で、
女性ヴォーカルも加わった優雅なパートなどもあり、なかなかドラマティックな構築力が光っている。
ラストは19分におよぶ大曲で、キャッチーな軽快さも覗かせつつ、王道のシンフォニックロックを展開する。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら

Amon Duul II 「Flawless」
ドイツのサイケロック、アモン・デュール2の1997年作
過去曲のリレコーディングやリミックスを含む、バンド結成30周年を記念してのアルバム。
1995年作「ナダに輝く月」からの再録曲で幕を開け、男女ヴォーカルにフルートが鳴り響く、
アラビックなサイケロックを展開、2曲目は、傑作「WOLF CITY」からのナンバーで、
やわらかな女性ヴォーカルを乗せた、スペイシーなアレンジでキャッチーに聴かせる。
4曲目も「WOLF CITY」から。ヴァイオリンが鳴り響く優美なサウンドにウットリしつつ、6曲目は「Yeti」からのナンバーで、
アコースティックギターにパーカッションが重なる、妖しいサイケフォークから、歪んだギターが加わって迫力を増してゆく。
レナーテ・クナウプの艶めいた歌声を乗せた曲も多いので、往年のファンにも嬉しいだろう。
「ナダ〜」からの再録5曲に未発曲などを含む、全71分。AD2のファンであれば充分楽しめる内容だ。
ドラマティック度・7 サイケ度・8 AD度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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NITS「WOOL」
オランダのポップロック、ニッツの1999年作
1978年デビューのベテラン、やわらかなシンセにジェントルな男性ヴォーカル、女性ヴォーカルも加えて、
随所にヴァイオリン、サックスなども絡んで、落ち着いた大人の味わいのサウンドを聴かせる。
ロック的な躍動感というよりは、哀愁を含んだしっとりとした作風で、プログレ的な展開力はほとんどなく、
やはり大人のポップロックというところ。ヴァイオリンやチェロなどの美しいストリングスアレンジや、
オルガンやピアノを使ったところにはプログレの香りもあるものの、全体的には退屈に思える。
メロディック度・7 プログレ度・5 大人の哀愁度・8 総合・7
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ANGE 「La Gare De Troyes」
フランスのプログレバンド、アンジュの1983年作
80年代のアンジュは、70年代の黄金期や、90年代以降の新生アンジュに比べて影が薄かったが、
再発リマスター盤で、改めて聴いてみると、これがなかなか悪くない。80年代らしいポップなビート感に
スタイリッシュなシンセアレンジと、クリスチャン・デカンのフランス語の歌声を乗せたサウンドは、
フレンチらしい優雅なプログレハードという趣。楽曲は3〜4分前後が主体で、わりとシンプルではあるが、
アダルトなAOR風味の中にも、ヨーロピアンな翳りのようなものは感じられ、随所にメロディックなギターや
優美なシンセやピアノ、ときにサックスも加わるなど、繊細なアレンジセンスはさすがというところ。
ラストは9分の大曲で、起伏に富んだ展開でドラマティックなシンフォプログレが広がってゆく。
キャッチー度・8 プログレ度・7 フレンチ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Halloween「Part One」
フランスのプログレバンド、ハロウィーンの1988年作
クラシカルなヴァイオリンが鳴り響き、うっすらとしたシンセにシアトリカルなヴォーカルを乗せて、
ヨーロピアンな翳りを帯びたシンフォニックロックを聴かせる。歌詞は英語ながら、どこなくフランス語なまりの発音で、
マイルドな歌声の中に幻想的な空気を感じるのはやはりフレンチらしい。艶やかなヴァイオリンがシンセに絡むところは、
優雅な味わいながらも、どこか怪奇ロマンのような妖しさがあって、ワインを片手に味わいたいサウンドである。
叙情的なギターの旋律も随処に耳心地よく、10分の大曲では、演劇的な語りや静寂感に包まれたパートを含む、
流れのある展開力で、じっくりと独自のシンフォプロクレを構築する。2001年までに5枚のアルバムを残して消えるが、
そのシアトリカルな世界観は一貫していて、90年代フレンチプログレを代表するバンドであった。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 フレンチ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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2/18
北欧プログレ特集(60)


Trettioariga Kriget 「Till Horisonten」
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2021年作
1974年にデビュー、1981年までに5作を残して消えるも、2004年に復活、本作は5年ぶりとなる作品で、
前作までの大人の哀愁路線に加えて、よりプログレッシブな作風へと回帰してきた会心の出来。
叙情的なギターの旋律にメロトロンが重なり、スウェーデン語による枯れた味わいの歌声を乗せて、
涼やかな土着性とともに、70年代ロックルーツの渋さも含んだハードプログレを展開する。
ほどよくキャッチーな味わいと、ときにシンフォニックロック的な優美なシンセワークも覗かせつつ、
牧歌的な小曲をはさんで、アルバム後半には14分におよぶ大曲を、ドラマティックに構築する。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 北欧度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Trettioariga Kriget 「WAR YEARS」
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットのライブ。2008年作
Disc1には、1971〜81年のライブを収録。Disc2には、復活後、2004年、2007年のライブを収録した2枚組。
70年代の音源(PAST)は、アルバムデビュー前のステージも含めて、未発のナンバーも多く披露している。
ハードロック然とした演奏の中にも、母国語によるヴォーカルや涼やかな土着性はすでに個性的である。
70年代中期の音源になると、演奏力や楽曲の構築性も高まって、よりプログレッシブな演奏が味わえる。
Disc2(PRESENT)は、近年の作品からに加え、1974年のデビュー作からのナンバーも披露。より深みを増した
大人の哀愁を感じさせる演奏だ。2CDで合計138分、バンドの過去と現在を振り返ることができる2CDライブ。
ライブ演奏度・8 プログレ度・7 バンドの歴史度・9 総合・8
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Tillison Reingold Tiranti 「Allium: Una Storia」
THE TANGENTのアンディ・ティリソン、THE FLOWER KINGS、KARMAKANICのヨナス・レインゴールド、
NEW TROLLS、LABYLINTHのロベルト・ティランティによるユニット。2021年作/邦題「ネギ物語」
17分、14分という大曲を含む全3曲で、やわらかなシンセにイタリア語にるヴォーカルを乗せた優雅なサウンド。
PFMや後期OSANNAなど、往年のイタリアンプログレの雰囲気を織り込んだ、大人の叙情に包まれた作風で、
ときにサックスも加わったジャズロック的な軽妙さと、地中海的な牧歌性が同居したという味わい。
全体的に派手さはないがのんびりと楽しめる。後半には、ヨナス・レインゴールドによる別ミックス音源を収録。
より輪郭がはっきりしたダイナミックなサウンドになっていて、個人的にはこちらのミックスが好みかも。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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MATS GLENNGARD 「KOSTENLAGE」
スウェーデンのミュージシャン、マッツ・グレンガードの1972年作
Kebnekajseのヴァイオリン&ギターとして知られるミュージシャンで、70年代唯一のソロアルバム。
アコースティックギターに母国語による歌声を乗せた牧歌的なナンバーから始まりつつ、
土着的な旋律を奏でるヴァイオリンとともに、北欧らしい涼やかな空気を描いてゆく。
フリーキーなギターが加わると、サイケな浮遊感に包まれ、初期のケブネカイゼを思わせつつ、
バンジョーのつまびきやピアノの旋律も加わって、優しく牧歌的な聴き心地が楽しめる。
ラストは10分を超える大曲で、オルガンも加えたアンサンブルでプログレ風味も覗かせる。
牧歌的度・9 プログレ度・7 北欧度・9 総合・7.5
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LARS HOLLMER 「Siberian Circus」
スウェーデンのミュージシャン、ラーシュ・ホルメルの1993年作
サムラ・マンマス・マンナの中心人物として知られるアコーディオン&キーボード奏者で、
本作は、1981〜88年までソロ作品からの楽曲を収録したベストアルバム的な作品。
やわらかなアコーディオンの音色に母国語の歌声を乗せた、北欧の土着的な哀愁と、
とぼけた味わいが同居する。2〜3分前後の小曲主体なので、プログレ的なところはさほどないが、
1983年以降の楽曲にはシンセも使い始めていて、インストパートを優美に彩っている。
全体的には、アコーディオンをメインにした牧歌的なサウンドになごめます。全22曲、74分を収録。
アコーディオン度・・8 プログレ度・・6 北欧度・・8 総合・・7.5
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VIOLENT SILENCE 「TWILIGHT FURIES」
スウェーデンのプログレバンド、ヴァイオレント・サイレンスの2020年作
2002年にデビュー、本作は7年ぶりとなる4作目。デジタルなイントロに続くのは16分という大曲で、
テクニカルなリズムに優美なシンセアレンジ、なんとなくロック寄りのヴォーカルを乗せたクールで軽妙なサウンド。
ギターが入らないので、シンセをメインにした優雅な感触であるが、力みぎみの歌声がミスマッチなコントラストになっていて、
ときにシンフォニックな叙情性も覗かせつつ、メリハリある展開力で聴かせる、単なるフュージョンロックとも異なる味わいだ。
10分前後の大曲を主体に、涼やかでスタイリッシュなサウンドを描く、北欧テクニカルプログレの力作です。
ドラマティック度・7 テクニカル度・8 クールで優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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PIXIE NINJA 「COLOURS OUT OF SPACE」
ノルウェーのプログレバンド、ピクシィ・ニンジャの2020年作
元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加するバンドの2作目。エレクトロな感触もある優美なシンセの重ねに
ギターとドラムを加えて、北欧プログレらしいクールな空気感に包まれた、インストによる音響サウンドを展開。
エレクトロな雰囲気がアナログ感につながっているという点では、むしろヴィンテージといってよい聴き心地で、
ときにチェロやホルンなども加えた、わりとチェンバープログレ風味のスリリングな優雅さも覗かせる。
前作以上にギターがヘヴィにうなる部分もあって、シンセとの重なりとハードなドラムサウンドが合わさって
重厚なスケール感を描いている。10分前後の大曲を主体に、涼やかな景色を音で表現するような傑作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 北欧度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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Mollmaskin 「Heartbreak in Stereo」
ノルウェー出身のミュージシャン、アンダース・ベルムレランドによるプロジェクト、モルマスキンの2015年作
ギター、ベース、ドラム、シンセ、サックス、フルートなどを一人でこなすマルチミュージシャンで、
うっすらとしたシンセとギターに、マイルドなヴォーカルを乗せた、ジャズロック的な軽やかなアンサンブルに、
翳りを帯びたポストプログレ風味を加えたようなサウンド。あえて25分ずつのCD2枚組となっていて、
Leftサイドは、サックスが鳴り響くフリーキーなジャズ色も覗かせつつ、比較的キャッチーな聴き心地。
Rightサイドの方は、より繊細な歌もの感に包まれていて、やわらかなシンセアレンジやピアノが美しい。
巧みなドラムによる優雅なリズムとともに、涼やかなポスト・プログレ・ジャズロックが楽しめる好作。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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Motorpsycho 「The All Is One」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、モーターサイコの2020年作
1990年代初頭にデビュー、プログレッシブな知性とガレージロックが同居したノルウェーを代表するロックバンド。
本作は2枚組で、42分におよぶ組曲を含んだ大作。オールドなギターにマイルドなヴォーカルを乗せた
LED ZEPPELINなどに通じる、70年代ルーツのヴィンテージロックに、北欧らしい涼やかな空気を含ませた、
自然体のロックサウンドは健在。メロトロンやオルガンなどのシンセがプログレ寄りの叙情を描いていて、
メロウなギターの旋律とともに、単なるロック以上のスケール感を聴き手に感じさせる技量は素晴らしい。
2CDにまたがる長大な組曲「N.O.X.」は、ヴァイオリンも鳴り響き、混沌としたフリーキーなパートから、
メロディアスな叙情、そしてスペースサイケ風のリフレインまで内包した異色のナンバーである。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 壮大度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Motorpsycho 「Kingdom of Oblivion」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、モーターサイコの2021年作
2019年からの3年間でアルバム3枚という、多作ぶりを発揮するノルウェー最高のロックバンド。
今作は、オールドなハードロック風のギターにマイルドなヴォーカルを乗せた、渋いノリで始まり、
これまで以上にギターのエッジが立った、ツェッペリン風の70年代ハードロックを受け継ぐ味わい。
もとろん、シンセを重ねた涼やかな空気感も随所に覗かせつつ、今作ではアナログ感あるギターをメインに、
ヴィンテージなロック感触が際立っている。一聴してシンプルなノリから、ふわりとキャッチーなフックが現れたり、
メロトロンを用いてゆったりとした叙情に包まれた、プログレ寄りのナンバーも心地よい。全70分の力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 ヴィンテージ度・9 総合・8
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OCTOPUS 「Thaerie Wiighem」
ノルウェーのプログレバンド、オクトパスの1981年作
アルバム1枚のみを残して消えた、幻の北欧プログレ作品が、2021年にCD化された。
繊細でメロウなギターの旋律に優美なシンセを重ね、母国語によるマイルドなヴォーカルで、
北欧らしい涼やかなシンフォプログレを聴かせる。初期のKAIPAなどに比べてもさらに牧歌的で、
翳りを帯びたマイナー感たっぷりの雰囲気であるが、これぞ北欧プログレというサウンドである。
メロディ自体はキャッチーで耳心地よく、随所にプログレらしいリズムチェンジを含んだ展開と、
流れのある構成で楽しめる。ジャケの雰囲気は辺境系そのものであるが、全45分の好作品です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 北欧度・9 総合・8
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NOVA 「ATLANTIS」
フィンランドのプログレバンド、ノヴァの1976年作
北欧プログレの隠れた逸品とされるバンドの唯一のアルバム、40周年記念で、2017年に2枚組で再発された、
優美なピアノの旋律に導かれ、オルガンを含むやわらかなシンセに母国語によるヴォーカルを乗せた、
優雅なサウンドが広がってゆく。15分、10分という大曲を主体にしながら、さほど派手な展開はなく
フィンランドの歌声による素朴な響きが牧歌的な味わを描きつつ、ときにジャズロック的な感触も覗かせる。
ラストの10分の大曲は、北欧らしい涼やかな空気に包まれた物悲しいシンフォニックロックが味わえる。
Disc2には、2016年ミックス音源と未発のシングル曲を収録。新たなミックスはよりクリアなサウンドで良いですね。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 北欧度・9 総合・8
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KOSMOS 「Ajan Peili」
フィンランドのプログレバンド、コスモスの2019年作
2005年にデビュー、本作は6年ぶりとなる5作目。メロトロンが幻想的に鳴り響き、繊細なギターを重ねて
母国語による女性ヴォーカルの歌声とともに、涼やかな叙情に包まれたサウンドを描く。
フォークロック寄りのキャッチーな牧歌性も覗かせるなど、楽曲自体に派手な展開はないが
北欧らしい物悲しい翳りを帯びた空気と、素朴な土着性はとても耳心地よく、魅力的だ。
ラストは11分の大曲で、メロトロンをたっぷり使いながら、アコースティックギターに乗せる
やわらかな女性ヴォーカルでしっとりとしつつ、後半は神秘的なサイケ感も加えてじわりと盛り上げる。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 北欧度・9 総合・8
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DAI KAHT 「DAI KAHT II」
フィンランドのプログレバンド、ダイ・カートの2020年作
2017年にデビューし、2作目となる。軽やかなギターの旋律にシンセを重ね、独自の架空言語によるヴォーカルを乗せて
とぼけた味わいの軽妙でキャッチーなサウンドを描く。MAGMAからの影響を感じさせるジャズロック風味と
プログレらしいテクニカルなリズムに、メロディックなギタープレイによる優美なフュージョン感触が合わさって、
序盤はわりと爽快に楽しめる。アルバム中盤には、アヴァンロックとしての怪しげな雰囲気も漂わせ、
11分、12分という大曲では、緩急ある展開力とスリリングなアンサンブルで、異様なスケール感に包まれる。
全体的には、難解さよりも優雅なノリで楽しめる部分が多いので、アヴァンプログレ初心者にも薦められる。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8
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2/4
英国系プログレはよいものですね(46)


RICK WAKEMAN 「THE RED PLANET」
イギリスのキーボーディスト、リック・ウェイクマンの2020年作/邦題「火星探検」
YESやソロ作品など、手掛けた作品は膨大な数に及ぶ、まさにプログレ界きってのシンセ奏者。
本作は火星をテーマにしたコンセプト作で、自身のバックバンド、English Rock Ensembleが参加、
往年を思わせるきらびやかなシンセワークをメインに、優雅でクラシカルなサウンドを描いてゆく。
アスクレウス山、オリンポス山など、楽曲ごとに火星の地名を使って、聴き手に雄大なイメージを膨らませる。
プログレらしい軽妙なリズムとともに、オルガンやムーグ、メロトロンなどのヴィンテージなシンセを使いつつ、
随所にギターが加わったロック感触も覗かせる。ウェイクマンの往年のソロ作に近い味わいの逸品だ。
ブックレットには、火星の探査機やクレーターなど、マニアックな写真やCGでの解説があって興味深い。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 キーボー度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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RICK WAKEMAN 「IN THE NICK OF TIME - LIVE 2003」
イギリスのキーボーディスト、リック・ウェイクマンのライブ。2012年作
自身のバックバンド、THE NEW ENGLISH ROCK ENSEMBLEを率いて行われた2003年英国ツアーの音源を収録。
のっけから名曲「Catherine Parr」で、オルガンやムーグを含む、ウェイクマンの華麗な鍵盤メロディが溢れ出す。
2003年作「Out There」、1976年作「神秘への旅路」、1999年作「地底探検・完結編」、1977年作「ホワイト・ロック」など、
わりとマニアックな選曲なので、コアなファンには嬉しいだろう。手数の多いトニー・フェルナンデスのドラムも含めて、
演奏陣も充実しており、アシュレイ・ホルトのヴォーカルも力強い。ラストはYES「Starship Trooper」から「WURM」で幕を閉じる。
音質も良好なので、ウェイクマンのファンなら聴いて損のないライブ音源だろう
ライブ演奏・8 音質・8 キーボー度・8 総合・8
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JON ANDERSON 「1000 HANDS - CHAPTER ONE」
イギリスのミュージシャン、ジョン・アンダーソンの2019年作
YES脱退後は、ソロ活動を主体に、リック・ウェイクマンやロイネ・ストルトなどとコラボ作なども発表していたが、
純粋なソロ名義としては2011年以来となる。アラン・ホワイト、クリス・スクワイア、スティーヴ・ハウ、トレヴァー・ラヴィンといった
YES関連メンバーから、イアン・アンダーソン、スティーヴ・モーズ、チック・コリア、ボビー・キンボール、ラリー・コリエル、
パット・トラヴァース、ロビー・スタインハート、ジェリー・グッドマン、ビリー・コブハム等々、名だたるミュージシャンが参加して、
まさに1000の手で作られたというアルバム。聴いた瞬間にそれと分かる、ジョンのハイトーンヴォーカルは健在で、
わりとポップでキャッチーな感触ながら、ヴァイオリンなどのストリングスやフルートも入った優雅なパートも多く、
やわらかなジョンの歌声がたっぷりと楽しめる。プログレ度はさほど高くないが、イエスのファンなら聴いて損のない出来だ。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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GNIDROLOG 「LIVE 1972」
イギリスのプログレバンド、ニドロローグのライブ音源。1972/1999年
1972年に2作を残した、英国プログレの知られざる実力派バンド、本作は1stと2ndの間の時期に行われたライブで、
デビュー作「...In Spite Of Harry's Toe-Nail」からの楽曲に、2nd「Lady Lake」からのナンバーや未発曲も披露。
MCによるイントロから、サックスが鳴り響き、ジャズロック色とインプロヴィゼーション色の強い演奏が繰り広げられる。
やわらかなフルートが鳴り響く、初期クリムゾン的な叙情とともに、混沌としたサイケな雰囲気も感じさせつつ、
全体的にフリーキーなユルさのアートロックという趣で、当時の生々しいステージがそのまま封じ込められている。
ボーナスに同年、別会場で行われたライブからの未発楽曲を収録。全70分の貴重音源です。
プログレ度・7 ライブ演奏・7 音質・7 総合・7 過去作のレビューはこちら
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GREENSLADE 「Live in Stockholm-March 10th 1975」
イギリスのプログレバンド、グリーンスレイドのライブ音源。2013年作
1975年、スウェーデンでのラジオ放送用スタジオライブを収録。同年発表の「Time And Tide」から4曲、
2nd「Bedside Manners Are Extra」から3曲、3rd「Spyglass Guest」からの2曲を演奏。全56分。
デイヴ・グリーンスレイドのオルガンを中心に、メロトロンも加わったツインキーボードで、
デイヴ・ローソンの味のあるヴォーカルとともに、軽やかなアンサンブルの鍵盤プログレを聴かせる。
音質もまずまず良好で、全盛期の貴重なライブとしてファンであれば十分楽しめる。
ライブ演奏・8 音質・8 キーボー度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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ROBERT REED 「CURSUS 123 430」
イギリスのミュージシャン、ロバート・リードの2020年作
MAGENTAのシンセ奏者でもある彼の、本作はシンセをメインにしたエレクトロニクス作品。
ストリングスシンセやコルグのアープ、ローランドSH-2000などを使った、スペイシーなシンセの重ねを
打ち込みによるリズムに乗せた、Tangerine Dreamなどにも通じる優美なサウンドを描いてゆく。
ヴィンテージ感としては、80〜90年代あたりの古臭すぎないシンセミュージックという趣で、
耳心地の良いBGMのようにも楽しめるのだが、プログレ感触はさほどないので、電子音楽好き向け。
DVDには5.1chミックスを収録していて、音響環境のある方なら、より広がりのあるサウンドが味わえる。
ドラマティック度・6 プログレ度・7 シンセ度・9 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Simon McKechnie 「Retro」
イギリスのミュージシャン、サイモン・マッケチーニの2021年作
クラシックやジャズ、ラテンミュージックにも造詣のあるミュージシャンで、本作は全パートを一人で演奏。
のっけから20分を超える組曲で、やわらかなシンセの重ねに叙情的なギター、マイルドなヴォーカルで
キャッチーなシンフォニックロックを展開。アコースティックな繊細さを含むしっとりと雄大な叙情美と
ほどよくテクニカルな展開力が合わさり、GENTLE GIANTのような陽性の偏屈さも覗かせつつ、
しっかりとメロディックな抜けもあるところは、ECHOLYNなどのファンにも楽しめるだろう。
ポップ寄りのナンバーも挟みつつ、後半の12分の大曲では、クラシカルなシンセとメロウなギターで、
THE ENIDのような優雅なシンフォプログレを構築。オッサンのジャケに騙されず聴いて欲しい傑作。
メロディック度・8 プログレ度・8 キャッチーで優雅度・9 総合・8
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BRAM STOKER 「NO REFLECTION」
イギリスのアートロックバンド、ブラム・ストーカーの2019年作
1972年に1作のみを残して消えるも、2014年に復活し、本作は復活後の2作目となる
オリジナルメンバーは、トニー・ブロンストンのみで、前作に参加していたトニー・ロウは不参加。
美しいシンセワークに叙情的なギターが絡み、ジェントルなヴォーカルを乗せたキャッチーなサウンドで、
オルガンを含むヴィンテージな味わいは、70年代英国アートロックを、現在形で構築とたという聴き心地。
曲によっては女性ヴォーカルを乗せたやわらかな優雅さに包まれ、軽やかなプログレハード的にも楽しめる。
ロバート・ロウのESPに比べると、楽曲にはやや野暮ったい所もあるが、ほどよいB級っぽさも魅力である。
ヴァイオリン鳴り響くケルティックなナンバーや、ラストのAOR風味など、新たな方向性も感じられる。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 英国度・9 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Jan Schelhaas 「Living On A Little Blue Dot」
イギリスのミュージシャン、ヤン・シェルハースの2017年作
CAMELCARAVANで活躍するシンセ奏者で、本作にはCAMELのアンディ・ラティマー、CARAVANのパイ・ヘスティングス、
ダグ・ボイルなどが参加、優美なシンセワークにメロウな叙情を奏でるギターに、自身のマイルドなヴォーカルを乗せた、
キャッチーでスペイシーなシンフォニックロックを聴かせる。ジミー・ヘスティングスによるサックスも味わいがあり、
ほぼ全曲に参加するダグ・ボイルによるギターワークも素晴らしい。哀愁に包まれた大人のメロディックロックという趣に、
やわらかなシンセが包み込むという、じつに優しいサウンドが味わえる。80年代ルーツのプログレハード好きにもぜひ。
2021年のリマスター再発盤には、アンディ・ラテイマーが参加する未発のボーナスを3曲追加収録。
メロディック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8
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Jan Schelhaas 「Ghosts」
イギリスのミュージシャン、ヤン・シェルハースの2018年作
ソロとしては3作目で、前作にも参加していたジミー・ヘスティングスによるサックスの音色に美しいシンセを重ね、
マイルドなヴォーカルとともに、ゆったりとした優美なメロディックロックを聴かせる。スペイシーだった前作よりは、
キャッチーな英国ロック風の作風であるが、繊細なピアノを含むやわらかなシンセアレンジが素晴らしく
わりとポップなヴォーカルメロディとともに、ASIAを大人のシンフォニックロックにしたような趣でも楽しめる。
元CARAVANのダグ・ボイルのギターも数曲でメロウな旋律を乗せて、9分の大曲などもしっとりとした味わいだ。
2021年のリマスター再発盤には、アンディ・ラテイマーが参加する未発曲を含むボーナスを3曲追加収録。
メロディック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8
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Eddie Jobson 「Live」
イギリスのミュージシャン、エディ・ジョブソンのライブ作品。2020年作
エディ率いるU-Z Projectのポーランド、ロシア、アメリカ、日本での公演からセレクトされた音源で、
ジョン・ウェットンをはじめ、サイモン・フィリップス、マルコ・ミンネマン、マイク・マンジーニ、トニー・レヴィン、トレイ・ガン、
ビリー・シーン、アレックス・マカチェク、グレッグ・ハウ、マーク・ボニーラ、リック・フィエラブラッチ、T.J.ヘルメッチといった
錚々たるメンバーが参加。「In The Dead of Night」などU.K.のナンバーを中心に、自身のソロ作からのナンバーも披露。
きらびやかなシンセワークに卓越したメンバーたちのギター、メロディアスでテクニカルな楽曲の数々は、時代を超えて輝いている。
Disc2では、EL&P「Bitches Crystal」やKING CRIMSON「Red」「Starless」、さらにはビル・ブルーフォードのソロからのナンバーも演奏。
音質的にはレンジが狭く物足りなさもあるが、一流の演奏陣によるライブのスリリングな臨場感は伝わってくる。
ライブ演奏・9 音質・7 名曲度・・8 総合・8
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IQ 「SEVEN STORIES INTO NINETY EIGHT」
イギリスのプログレバンド、アイキューの1998年作
本作は、1981〜82年にかけて録音しながら発表されなかった作品を、1998年に再録したもので、
Disc2にはそのオリジナルバージョンを収録した2CD。マーティン・オーフォードのきらびやかなシンセワークに
叙情的なギターを乗せた軽やかなアンサンブルで、翳りを帯びた英国らしいシンフォニックロックを聴かせる。
全体的にはインストパーが中心であるが、随所にピーター・ニコルズのヴォーカルも加わって、
じわじわとドラマティックに盛り上げる構築性は素晴らしい。リレコーディングの音質の良さも含めて、
正規アルバムとして数えてもよいくらいの出来である。Disc2のオリジナルは、デモ程度の音質であるが、
楽曲としての魅力は随所に感じられる。アイキューのファンであればチェックすべき音源ですな。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 叙情度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DAVID MINASIAN 「THE SOUND OF DREAMS」
アメリカのミュージシャン、デヴィッド・ミナシアンの2020年作
80年代から活動するアーティストでプロデューサーとしても活躍。本作は、2010年以来となるソロアルバムで、
ジャスティン・ヘイワード(The Moody Blues)、スティーブ・ハケット、アニー・ハズラム、ビリー・シャーウッド、
さらにはGeof O'Keefe(PENTAGRAM)などがゲスト参加、優美なシンセアレンジに叙情的なギターを重ね、
ジェントルな歌声にやわらかなフルートなども加え、ゆったりとした繊細なシンフォニックロックを聴かせる。
アニー・ハズラムの歌声にハケットのギターを乗せたナンバーなどは、初期GENESISばりの美しさ。
どの曲も泣きのギターフレーズや甘美なシンセアレンジが、シンフォプログレとしてのツボをしっかり押さえていて、
13分という大曲を含めて、全74分の大作ながら、最後まで耳心地よく味わえる。これは傑作ですね。
シンフォニック度・8 優美度・9 豪華ゲスト度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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Cirrus Bay 「The Slipping of a Day」
アメリカのシンフォニックロック、シラス・ベイの2008年作
やわらかなシンセアレンジに叙情的なギターと男女ヴォーカルの歌声を乗せた優美なサウンドで、
英国フォークルーツの靄のかかったような幻想性とともに、しっとりとした耳心地の良さに包まれる。
女性声の美しさと優雅な牧歌性という点では、RENAISSANCEなどにも通じる味わいで、
19分という大曲も、派手に盛り上がるわけでもなく、アコースティックを含んだ繊細なアレンジで、
ゆったりとしたフォークロックという趣。後半の12分の大曲では、やわらかなシンセワークを中心にした
叙情たっぷりのサウンドにウットリ。のちの作品に比べると、素朴な空気が耳に優しい。全77分という力作。
シンフォニック度・7 優美度・9 牧歌度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Daryl Stuermer 「Rewired - The Electric Collectio」
アメリカのギタリスト、ダリル・ステューマーの2006年作
GENESISのツアーギタリストとして知られるミュージシャンで、本作は1998〜2004年までのソロから編纂されたベスト。
テクニカルで流麗なギターフレーズにシンセを重ね、軽やかなフュージョン風味のインストサウンドを聴かせる。
巧みなギタープレイは、ときにトニー・マカパインのような優雅さで、わりとストレートなリズムに乗せるメロディは
あくまでキャッチーかつ爽快なので、CABなどのハードフュージョン系が好きな方にも楽しめるだろう。
一流のギタリストらしい存在感あるギターサウンドで、巧みなプレイがたっぷり詰まった好アルバムだ。
メロディック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8
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ジャパニーズプログレを聴こう(31)


静かの海
新月の北山真、花本彰によるユニット、しずかのうみの2019年作
オルガンやメロトロンを含むやわらかなシンセに、北山氏の独特の歌声を乗せて、優しい日本語歌詞とともに、
昭和のロマンをかもしだしてゆく。新月のギターである、津田治彦も参加していて、随所にメロウなギターを聴かせる。
ピアノとアコースティックギターをバックにした繊細なナンバーなども、味わいあるヴォーカルが独自の空気を描いていて、
サステインの効いたギターのトーンやメロトロンの音色とともに、かつての新月の幻想的な世界観が甦るようだ。
全体的には、プログレというよりは、北山真のソロにも通じる、昭和の歌もの感に包まれたサウンドであるが、
花本氏のキーボードと北山氏の歌声というだけで、往年のファンにはたまらないだろう。
40年の歳月をへて、新●月の空気をそっと甦らせたという、宝物のようなアルバムです。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 新月度・8 総合・8
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Haco 「Nova Naturo」
日本の女性アーティスト、ハコの2021年作
After Dinnerのヴォーカルとして知られる、エキセントリックなエレクトロミュージックの作り手。
うっすらとしたシンセに透明感のある女性ヴォーカルを乗せた、ドリーミィなサウンドを聴かせる。
松尾哲治がピアノとドラムで参加していて、ときにドラムも入ったポップロック風の質感や、
フランスのギタリスト、Manuel Adnotなども参加して、エレクトロ一辺倒にならないアレンジで、
素朴で暖かみのあるサウンドを描いている。シンセにSEなどを重ねた幻想的なサウンドを、
プログレ寄りのアンビエントに仕上げるセンスはさすがで、日本語による詩的な言葉の断片も
聴き手のイメージを掻き立てる。ふんわり夢見心地の音に、疲れた心が癒される逸品です。
ロック度・3 プログレ度・7 夢見度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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MOONSTONE 「Laying」
日本のプログレバンド、ムーンストーンの2020年作
スターレスで知られる堀江睦男の巧みなドラムに、きらびやかなシンセとほどよくハード寄りのギターを重ね、
日本語歌詞によるハイトーンのヴォーカルとともに、かつてのNOVELAなどにも通じるプログレハードを聴かせる。
流麗で叙情的なギターの旋律と、オルガンなどを含むシンフォニックなシンセワークがサウンドを彩りつつ、
Max氏の中性的な歌声が独特の浮遊感となって、ジャパニーズプログレの幻想的なロマンを描いている。
音質面もしっかりとしていて、堀江氏のテクニックのあるドラムが、サウンドの説得力を高めており、
疾走するハードロックナンバーでは、ALHAMBRAなどにも通じる、激しくも優雅な味わいが楽しめる。
ノヴェラルーツのキャッチーなロマン派プログレハードが好きな方はチェックすべし。捨て曲無しの力作です。
メロディック度・8 プログレハー度・8 ロマン度・9 総合・8
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Ivory Tower 「The Earth」
日本のプログレバンド、アイヴォリー・タワーの2019年作
ハードなギターにオルガンが鳴り響き、変拍子のリズムとともに、テクニカルなハードプログレを展開。
イグアスの滝や、スリランカの王、古代エジプト、モン・サン・ミッシェル、サモア、モンマルトルなど、
楽曲ごとに世界各地の風景や神話、伝承をモチーフにしていて、インストパートをメインにしながら、
ときに女性ヴォーカルを加えた優雅なナンバーも聴かせる。メロトロンなどヴィンテージなシンセにピアノ、
叙情的なギターが重なるところは、シンフォニックロックとしてのやわらかな美しさにも包まれる。
日本語歌詞とともに、ジャパニーズプログレらしさを残しつつ、テクニカルなインストナンバーは、
GERARDのような巧みなアンサンブルでたたみかける。ヴァイオリン鳴り響くラスト曲もじつに優雅です。
メロディック度・8 プログレ度・8 優雅度・8 総合・7.5
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金属恵比須 「ハリガネムシ」
日本のプログレバンド、きんぞくえびすの2015年作
2001年にデビュー、本作は自主制作を入れて3作目となるアルバムで、メロトロンやオルガン、ムーグといったシンセに
ハード寄りのロックなギターと女性ヴォーカルの日本語の歌唱を乗せた、ヴィンテージなハードプログレを展開。
日本的な郷愁を含んだエキセントリックな歌詞の世界観とともに、クリスマスをテーマにした11分という大曲や、
メロトロンが鳴り響く、日本的な叙情美のナンバー「紅葉狩り」など、シンフォプログレ的な優雅さも感じさせる。
ジャケの「Yebis」のロゴは、まるでイエスのようだが、どちらかというとクリムゾン的…というか、日本らしいプログレという点では
美狂乱などが好きな方にも楽しめるだろう。入江陽氏がヴォーカルをとるラストナンバーも日本的な哀愁に包まれる。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 日本度・9 総合・8
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金属恵比須 「武田家滅亡」
日本のプログレバンド、きんぞくえびすの2018年作
タイトルのように、戦国時代の武田家の盛衰を描いた伊東潤氏の小説「武田家滅亡」のサウンドトラックというコンセプトで
メロトロン鳴り響くイントロから、ギターにオルガンを加えたスリリングなアンサンブルに、やわらかな女性ヴォーカルが
歴史を語るように歌詞を紡いでゆくところは、さしずめ戦国武家物語のテーマソングという趣である。
2〜3分前後の小曲を主体にしつつ、後藤マスヒロの巧みなドラムがダイナミックなグルーブを描き、
メロトロンとピアノをバックに女性ヴォーカルが美しい、しっとりとしたナンバーなど、メリハリのある流れで
歴史的なドラマ性を構築。ラストは10分の大曲で、ゆったりとしたエンディング的な叙情で幕を閉じる。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 日本度・9 総合・8
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Romanesco! 「ロマネスコの世界」
日本のプログレバンド、ロマネスコの2017年作
金属恵比須のキーボーディストとシンガーソングライター、櫻井ススムを中心としたアートロックバンドで
「1969年にアトランティックからリリースされた架空のファーストアルバム」というコンセプトで作られたという。
CD盤面の印刷デザインもATLANTICレコードのような感じで、ブックレットの写真もレトロな雰囲気のこだわりよう。
アナログ感たっぷりのギターに、日本語歌詞のヴォーカルやオルガンを乗せ、昭和フォーク的な哀愁に包まれたサウンドで、
プログレ以前のユルめのアートロックを再現。うっすらとメロトロンが鳴り響き、叙情的なギターを加えた耳心地の良さは、
ヴィンテージロック好きにはたまらないだろう。メロディはわりとポップなので、のんびりと楽しめる好作品です。
メロディック度・7 プログレ度・6 ヴィンテージ度・9 総合・7.5
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BIBLE BLACK
日本のプログレバンド、バイブル・ブラックの2012年作
モローの絵画ジャケからして良いセンスだが、サウンドの方もメロトロンが鳴り響くイントロから、
ヘヴィなギターにオルガンを乗せて、クリムゾン的な緊張感あるアンサンブルが広がってゆき、
美しいピアノや叙情的なギターの旋律とともに、インストによる幻想的なシンフォニックロックを聴かせる。
メロトロンなどの優美なシンセとの対比で、ギターはわりとラウドに聴こえるところもあるのだが、
それがスリリングなプログレ感になっていて、12分近い大曲を緩急ある流れで構築するところは
美狂乱あたりに通じるところもある。ラスト曲ではフリーキーなギターの旋律が不穏な迫力となって、
鳴り響くオルガンを加えたテクニカルな展開で、ミステリアスなインストプログレを聴かせる。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 緊張感と叙情度・8 総合・8
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玲里 「OPEN WORLD」
日本の女性SSW、れいりの2016年作
3作目となる本作も、難波弘之、そうる透、土屋昌巳、織田哲郎、北島健二といった名だたるメンバーが参加。
彼女の伸びやかなヴォーカルを中心に、キャッチーなポップさと、ロックやジャズなどの要素も含んだ、
コケティッシュなサウンドを聴かせる。難波氏のオルガンなどが、いくぶんのプログレ感をかもしだし、
日下部"BURNY"正則氏をはじめ、ゲストによる巧みなギターの旋律がロックな雰囲気を加えていて、
単なるJポップとは異なるところがミソだろう。シンガーとしての表現力もアルバムごとに増していて、
楽曲ごとのイメージをエモーショナルに表現、バックの演奏も含めて、メジャー感のある堂々たる仕上がりだ。
反面、プログレリスナーが楽しむには、やや物足りなさも。マニアックな楽曲が少しあってもよいかな。
キャッチー度・8 プログレ度・5 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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BLUE MARBLE 「VALERIE」
日本のプログレ・ポップロック、ブルー・マーブルの2010年作
やわらかなシンセワークに日本語歌詞の女性ヴォーカルを乗せた、どこかなつかしさを感じさせる、
ふんわりと童話的なサウンド。CMソングソングで知られる女性シンガー、オオノマサエの歌声は、
コケティッシュで夢見がちなやわらかさで包み込む。ゴージャスで厚みのあるシンセアレンジと
リズム面を含めたセンスの良さは、プログレファン向けのストレンジポップとしても魅力充分だ。
ボサノヴァ風のナンバーなども、巧みなアレンジでさらりと聴かせ、楽曲は4分前後ながら、
厚みのあるシンセと表現力ある歌声で、わりと濃密な味わいである。
メロディック度・8 プログレ度・7 女性Vo度・9 総合・8
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J・A・シーザー「天井棧敷音楽作品集」
寺山修司率いる“演劇実験室”天井桟敷の音源集、5枚組ボックスセット。2008年作
Disc1と2には1973年の「J・A・シーザーリサイタル 国境巡礼歌」完全版を収録。合135分におよぶ濃密なステージで、
ロックと演劇、サイケとアングラが混在した、まさにシーザーの真骨頂というべき内容。のちに単独で再発されている。
Disc3には、1971年の演目「青少年のための無人島入門」を収録。オルガンにサイケなギターが鳴り響き、
妖しい女性スキャットに男女ヴォーカルを乗せ、呪術的な土着性に包まれた世界観には、粗削りながら原初的な魅力がある。
Disc4には1972年、ミュンヘンオリンピックの企画演目「走れメロス」、NHKラジオ青森の番組用「恐怖の音楽」を収録。
音質がラウドなこともあって荒々しい曲が多いが、叙情的なギターと壮大なコーラスの「国境哀歌」、「大鳥の来る日」あたりは、
「シーザー・リサイタル」にも収録されるなじみのあるナンバー。ラジオ用音源の報はややこもり気味だが、貴重なテイクだろう。
Disc5には、1979年、東京児童演劇祭の演目「こども狩り」を収録、子供のためのロックミュージカルというコンセプトで、
のちのウテナにも通じるキャッチー合唱曲から、たわいのない小曲まで、ライトでヘンテコな演劇サントラが楽しめる。
リサイタル度・9 アングラ度・10 サイケ演劇ロック度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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J・A・シーザーと悪魔の家 「異郷巡禮歌」2018年作
シーザーのソロ作品としては、じつに初のスタジオ録音作品で、公式サイトのファン投票から選ばれた楽曲と新曲を含む全14曲。
アルバムタイトルからしてかつての「国境巡礼歌」を彷彿とさせるが、ほどよくハードなギターにオルガンを含むシンセ、
フルートやヴァイオリンも重なり、そこに渋みのあるシーザーの歌声が乗ると、一気に昭和感に包まれたサウンドになる。
演奏陣はライブにも参加する若手メンバーで、シーザーの歌唱と楽曲を引き立てつつ、ヴィンテージな雰囲気も残していて
女性コーラスも加えた妖しい酩酊感は、往年の独自の世界観をそのままアップデートしたようなイメージで楽しめる。
ノリの良いロックナンバーでは、70年代ハードロック的な巧みなギターとともに、シーザーのヴォーカルも輝いていて、
ゆったりとしたサイケ風味の浮遊感や、ときにジプシー風の無国籍感に、日本的な望郷や情感を同居させながら展開する、
メリハリのある構成も心憎い。ジェントルなシーザーの歌声を、たっぷり味わえる全79分、お腹いっぱいの力作だ。
シーザー度・9 昭和風度・9 アングラ度・8 総合・8.5
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J・A・シーザー「バルバラ矮星子黙示録」2017年作
かつてシーザーが音楽を手掛けた、幾原邦彦監督のアニメ「少女革命ウテナ」の世界観をテーマにした作品で、
副題は「アルセノテリュス絶対復活光とオルフェウス絶対冥府闇」。
打ち込みのリズムとシンセにロックなギターを乗せ、万有引力のメンバーを含む混声合唱が歌を乗せると、
まさしくウテナの劇中合唱曲の奇天烈な雰囲気が甦る。バックがほぼ打ち込みなので、サウンドがやや平坦で、
ギターの入らないインスト部分はゲームミュージックのようではあるが、かつての合唱曲アレンジ作品
「薔薇卵蘇生録ソフィア」から、20年近くたって、その続きが聴けるのだから、ファンには嬉しいだろう。
かつての代表ナンバー「絶対運命黙示録」の完全版も収録していて、新曲の中にもしっかり溶け込んでいる。
ドラマティック度・7 ロック度・6 ウテナの合唱曲度・8 総合・7.5
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J・A・シーザー「少女錬金術師 卵・バラモノガタリ」2019年作
アニメ「少女革命ウテナ」の世界観をテーマにした前作を引き継いだ作品、副題は「万象億光年より自鳴幻想論へ」。
クラシカルなシンセアレンジに、オペラティックな女性ヴォーカルと男性テノールの歌声を乗せて、
随所に語りを含んだ演劇的な歌詞とともに、不可思議で華やか、そして耽美な世界観を描き出す。
ソプラノ女性ヴォーカルをメインにしたナンバーも多く、美しくもエキセントリックな毒気も匂わせつつ、
鳴り響くヴァイオリンとギターが重なった、シンフォニック・ゴシックという雰囲気も味わえる。
楽曲は5〜6分前後とわりと長めで、かつての合唱曲のイメージを受け継ぐナンバーもありつつ、
全体的には「耽美派オペラ」というような雰囲気が強まっている。打ち込みのリズムの軽さはあるが、
声優風のキュートなシンガーの可愛らしさも含め、曲のバラエティと濃密さという点では前作を凌ぐ内容だ。
ドラマティック度・8 ロック度・5 演劇度・8 総合・8
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J・A・シーザー「チェンチ一族」2019年作
1982年に公演され、シーザーが音楽と演出を手掛けた演劇作品の当時のサントラ音源を収録。
シンセに重なるフルートが妖しく鳴り響くイントロから、各曲は、1〜3分前後で、シンセを主体にした小曲や、
いかにもサントラ的なBGMや効果音のようなものから、ドラムやギターを加えたバンド編成の楽曲もあって、
オルガンが鳴り響きヴォーカルと合唱の入ったナンバーなどは、シーザーらしい土着的な世界観が味わえる。
演劇自体が全員男性によるものだったので、女性声が一切入らないのは、シーザー作品では珍しい。
全体的には、場面ごとの断片的な背景音楽という雰囲気が強いので、純粋に音楽作品として楽しむには
ややもの足りなさもあるのだが、貴重な音源がCD化されたという点では、マニアや収集家には嬉しいだろう。
ドラマティック度・6 ロック度・3 演劇度・8 総合・7.5
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明けましてイタリアンプログレ(16)


I Pooh 「Dove Comincia Il Sole」
イタリアンロックバンド、イ・プーの2010年作
デビューは1966年という、まさにイタリアンロックの大御所中の大御所で、アルバムは優に30作以上。
本作は見開きジャケの豪華な仕様にもバンドとしての気合が感じられるが、サウンドの方も素晴らしい。
彼らにしてはわりとハード寄りのギターにオーケストレーションを重ねたシンフォニックに感触で、
ジェントルなイタリア語のヴォーカルとともに、壮麗な叙情に包まれたサウンドが広がってゆく。
キャッチーなコーラスに泣きのギターメロディ、優美なピアノとやわらかなシンセアレンジで、
大人のシンフォニックロックとしても鑑賞できる。もちろんキャッチーなイ・プーらしさも残していて、
優雅なアコースティックナンバーなどもアクセントになっている。歌もの系イタリアンロックの最高峰。
シンフォニック度・8 プログレ度・7 優美度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Rovescio Della Medaglia 「Contaminazione 2.0」
イタリアのプログレバンド、ロヴェッショ・デッラ・メダーリャの2020年作
RDMによる、1973年の傑作、3rd「汚染された世界」を完全再現した2018年シエーナでのライブを収録。
オリジナルメンバーはギターのエンツォ・ヴィータのみであるが、ツインギター、ツインキーボードの編成に
ストリングスカルテットも加え、クラシカルなシンフォニックロックをさらにダイナミックに甦らせている。
優美なピアノにエモーショナルなイタリア語のヴォーカル、オルガンなどのシンセにギターを重ね、
軽やかなアンサンブルとともに、バッハの楽曲をモチーフにした優雅なシンフォプログレを聴かせる。
艶やかなストリングスにウットリとなりつつ、フルートも鳴り響くイタリアンプログレらしさも含んだ、
見事な再現ライブが味わえる。ボーナスに、1st「La Bibbia」からの3曲を収録しているのもファンには嬉しい。
ライブ演奏・8 プログレ度・8 クラシカル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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GOBLIN REBIRTH 「ALIVE」
イタリアのプログレバンド、ゴブリン・リバースのライブ。2016年作
本家GOBLINのベース、ドラムを中心に結成された別働バンドによる、2011年イタリアでのライブで、
ゴブリンの黄金期の作品中心にセレクトされたナンバーを、2CDに全18曲収録。同タイトルのDVDも出ている。
軽やかなドラムと存在感のあるベースに、オルガンやエレピを含むツインキーボードとギターを乗せ、
Disc1は、2000年作「スリープレス」や、往年の代表作である「ローラー」、「サスペリア2」、「シャドー」、
さらには「BUIO OMEGA」などからのレアなナンバーも披露。Disc2は、「ローラー」収録の大曲「Goblin」から
おなじみ「ゾンビ」、プログレの傑作「マークの幻想の旅」、日本未公開作「CONTAMINATION」からのナンバーも披露。
シモネッティのゴブリンとはやや異なる感触ながら、ファンにとっては往年の楽曲がたっぷり味わえるライブ作品である。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 ゴブリン度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Il Paradiso Degli Orchi 「Samir」
イタリアのプログレバンド、イル・パラディソ・デグリ・オルチの2020年作
2016年にデビューし、2作目となる。前作はレトロとモダンが同居したスタイリッシュな作風であったが、
本作は、のっけからフルートが鳴り響き、ヴィンテージな妖しさに包まれる。叙情的なギターに
メロトロンも鳴り響き、緩急あるインストパートから、イタリア語のヴォーカルを乗せて、
混沌とした味わいのプログレサウンドを展開する。中盤には、10分の大曲が2曲続き、
シアトリカルな歌声とともに怪しさっぷりの雰囲気で、吹き鳴らされるフルートも効果的。
往年のヘヴィプログレの空気をかもしだしつつ、カッチリしすぎないユルさもあるのが面白い。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Choruscant 「A Christmas Carol」
イタリアのプログレバンド、コーラスカントの2020年作
「クリスマス・キャロル」をコンセプトにした、CDR仕様の2枚組作品。1曲目からクリスマスキャロルのメロディを盛り込みつつ、
ハード寄りのギターにシンセやピアノ、艶やかなヴァイオリンを重ねた、ゴージャスなシンフォプログレを展開。
変則リズムにエモーショナルなヴォーカルを乗せ、メタリックなギターも加えたスリリングな展開力には、
ProgMetal的な感触もありつつ、22分という大曲では、優雅な叙情性に女性ヴォーカルも加わって、
シンフォプログレらしい展開力を見せる。Disc2では、MOON SAFARIばりのキャッチーなナンバーから、
メタル寄りのナンバーまで、ドラムを含めた確かな演奏力もあって、カラフルなハードプログレが楽しめる。
ジャケはチープだが、ドラマ性に包まれたサウンドは濃密な味わい。マイナー系シンフォプログの力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・7 総合・7.5
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QIRSH 「ASPERA TEMPORA Parte 1」
イタリアのプログレバンド、キルシュの2020年作
2013年にデビューし、2作目となる。ツインギター、ツインドラムという7人編成で、優美なシンセに
イタリア語によるジェントルなヴォーカルを乗せて、のっけから17分の大曲を構築する。
インストパートにやや長尺感はあるのだが、オルガンなどのヴィンテージなシンセに、
コンセプト的なロマンを感じさせる世界観で、ドラマティックなシンフォプログレが味わえる。
演奏力は並程度でリズム面なども意外性が少ないので、スリリングな展開はさほどないが、
優美なシンセワークは、ときにLE ORMEのようなイメージで、幻想的なサウンドを描いている。
ラストは詠唱めいたチャントを乗せた曲で、やや意味不明だが、センスの面白さは感じさせる。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 イタリア度・8 総合・7.5
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Banda Belzoni
イタリアのプログレバンド、バンダ・ベルゾーニの2019年作
シンセ奏者のサンドロ・ベルゥとARTI E MESTIERIのジジ・ヴェゴーニを中心にしたバンドで、
OSANNAのリノ・ヴィレッティ、FINNISTERREのファビオ・ズファンティがヴォーカルで参加している。
エジプト遺跡の発掘で知られるイタリアの探検家、ジョバンニ・バティスタ・ベルゾーニをテーマに、
優美なシンセワークに叙情的なギターを重ね、イタリア語のジェントルなヴォーカルとともに、
大人の哀愁に包まれたシンフォプログレを聴かせる。アコースティックギターによる優雅な牧歌性や、
オルガンなどのヴィンテージな感触も含んだ作風で、全体的にもゆったりとしたサウンドなので、
スリリングな部分はあまりないが、イタリアンな叙情美をじっくりと鑑賞できる逸品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 イタリア度・9 総合・8
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LA BATTERIA 「II」
イタリアのプログレバンド、ラ・バテリアの2019年作
2015年にデビューし、2作目となる。オルガンやムーグ、メロトロンなどのヴィンテージなシンセに
適度にハードで叙情的なギターを重ね、Goblinのようなミステリアスなインストサウンドを聴かせる。
アコースティックギターにやわらかなフルートが重なる、しっとりと優美なナンバーから、
ファンキーでキャッチーなナンバーまで幅広く、メロウなギターの旋律にオルガンも重なり、
3〜4分前後の小曲を連ねた流れで、一本の映画を構築するような味わいで楽しめる。
インストなので濃密な盛り上がりは薄いが、ゴブリン系のサントラ風プログレが好きな方はいかが。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 サントラ風度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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CORPORESANO
イタリアのプログレバンド、コルポレサノの2019年作
やわらかなシンセにメロウなギター、イタリア語による優しいヴォーカルを乗せて、
ジャケのイメージ通りの幻想的な叙情美に包まれたシンフォプログレを聴かせる。
全体的にもゆったりとした味わいで、スリリングな展開は希薄であるが、
繊細なギターのトーンとうっすらとしたシンセにより、どこを切っても優美で叙情的で、
耳心地の良いサウンドであるが、気の短い方には、全74分の長さはちと退屈かもしれぬ。
90年代シンフォのもっさりとした煮え切らなさを継承したような、Mellowレーベルらしい好作。
繊細シンフォ度・8 プログレ度・7 イタリア度・8 総合・7.5
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I VIAGGI DI MADELEINE
イタリアのプログレバンド、イ・ヴィアージ・ディ・マデレイネの2019年作
わりとハードなギターにシンセ重ね、イタリア語のヴォーカルで聴かせる、70年代ルーツのイタプロサウンド。
緩急ある展開力は、ときにいくぶんアヴァンギャルドで、イタリアンプログレ特有の妖しさに包まれる。
8〜12分という大曲をメインに、叙情的なギターにオルガンやピアノが重なる優美なインストパートなど、
ほどよいハードなノリとプログレらしさが同居していて、新鋭ながら堂々たるサウンドが味わえる。
楽曲間にイタリア語による語りを挟みつつ、ラストの大曲では、往年のイタリアン・ハードプログレらしい
ドラマティックな展開力で聴かせる。同郷のPANDORAなどにも通じる濃密な力作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・8 総合・8
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SYNCAGE 「UNLIKE HERE」
イタリアのプログレバンド、シンケージの2017年作
テクニカルなリズムに硬質なギター、エモーショナルなヴォーカルを乗せ、エキセントリックな展開力と、
ときにDjent風味も含んだモダンなハードプログレを聴かせる。歌詞は英語なので、イタリアらしさは希薄で、
HAKENあたりをややスタイリッシュにした作風は、モダン派のProgMetalが好きな方などにも対応。
随所に叙情的なギターの旋律も覗かせたり、ヴァイオリンなどのストリングスを取り入れた優雅なアレンジや
アコースティックなパートから、ピアノやオルガンなど、プログレらしいシンセも加えた耳心地のよさも光っている。
14分という大曲では、先の読めない展開力でハードなモダンプログレを構築しつつ、後半はキャッチーに仕上げ、
ラスト3曲の流れるような構成には、クールなドラマ性を感じさせる。全68分、モダン派プログレの力作である。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 スタイリッシュ度・8 総合・8
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STRANAFONIA 「PER UN VECCHIO PAZZO」
イタリアのプログレバンド、ストランフォニアの1997年作
叙情的なギターの旋律にオルガンなどのシンセを重ね、イタリア語のヴォーカルを乗せた、
緩急ある展開力のシンフォプログレを聴かせる。わりと唐突なリズムチェンジなども含め、
イタリア特有の怪しい空気感もかもしだしつつ、メロウな泣きのギターが哀愁の叙情で包み込む。
オルガンやムーグ系シンセをメインにしたプログレらしいインストナンバーも良い感じで、
全体的にも、70年代ルーツのイタプロをスタイリッシュな90年代型に仕立て上げたというサウンド。
90年代の隠れた好作品のひとつである。本作の後、2005年に自主制作で2作目「Acrobazie」を発表する。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・8 総合・7.5
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STRANAFONIA 「Il Nuovo Rinascimento」
イタリアのプログレバンド、ストランフォニアの2014年作
1997年にデビュー、本作は9年ぶりとなる3作目。ジャケの地味さは相変わらずだが、
メロトロンやオルガン、ピアノなどの優美なシンセに、マイルドなヴォーカルを乗せて、
イタリアらしい優雅な叙情を描くサウンドは、より大人の深みを増した味わいになった。
もちろん70年代ルーツのイタリアンプログレの怪しさも残していて、屈折感のあるリズムチェンジや
シアトリカルなイタリア語の歌声とともに、初期のLA MASCHERA DI CERAなどに通じる雰囲気もある。
一方では、ジャズロック風味の軽妙なアンサンブルも覗かせるなど、バンドとしての成長を感じさせる好作品だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・8 総合・8
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LAVIANTICA 「Clessidra」
イタリアのプログレバンド、ラヴィアンティカの2013年作
やわらかなシンセにほどよくハードで叙情的なギター、イタリア語のジェントルなヴォーカルで、
優美なシンフォプログレを聴かせる。ピアノやオルガンなどのシンセワークも耳心地よく、
随所に変拍子を含む軽やかなアンサンブルも覗かせつつ、ゆったりと大人の叙情を描いてゆく。
ギターのフレージングのセンスが良いので、ロックな質感を残しつつ、泣きのメロディも織り込ませ、
優美なシンセが絡むインストパートはなかなか魅力的。ラストは11分の大曲で、ヴァイオリンが鳴り響き、
繊細なピアノやオルガンも重なって、メロウなギターとともに優雅なシンフォニックロックが味わえる。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅な叙情度・8 総合・8
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EUTHYMIA 「L'ultima Illusione」
イタリアのプログレバンド、ユーセイミアの2010年作
イタリア語の語りによるコンセプト的なイントロから、オルガンなどを含むきらびやかなシンセと
クラシカルなピアノを乗せた軽やかなアンサンブルで、優雅なシンフォプログレを展開する。
コケティッシュな女性ヴォーカルが加わると、NARROW PASSのような優雅な味わいになり、
しっとりとした叙情性とともに、ときに語りによる小曲を挟みつつ、物語的な流れで進行してゆく。
中盤は語りや小曲が多く、楽曲自体の方に、もう少し明快なフックが欲しいと思いつつ、
ラスト3曲の流れはなかなかドラマティックで、これぞシンフォプログレという展開で盛り上げる。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅な叙情度・8 総合・7.5
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Fiaba 「XII L'Appiccato」
イタリアのプログレバンド、フィアバの1992年作
ほどよくハードなツインギターにイタリア語のシアトリカルなヴォーカルを乗せて、
どことなくヘンテコな怪しさに包まれたサウンドを聴かせる。シンセを使っていないので、
シンフォプログレ的な優雅さはなく、ギターをメインにしたわりとハードロック寄りの感触で、
インストパートにはこれといってメロディもなく、クセのあるヴォーカルによる歌ものロックという感じで、
正直あまり面白くないのだが、後半は14分という大曲で、アコースティックパートを含む叙情性と
演劇的なヴォーカルによる、ドラマティックなシアトリカルロックという趣で多少は楽しめます。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 イタリア度・8 総合・6.5
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