プログレ/ドイツ・オランダ・スイス・オーストリア・ベルギー・ルクセンブルク
~PROGRESSIVE ROCK/GERMANY,NETHERLAND,SWISS,Austria,Belgium
                by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

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M QR VW XYZ

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

音楽ページTOP   *ジャーマンロック傑作特集
 




aksak maboulUn Peu De L'ame Des Bandits
ベルギーのチェンバーロック、アクサク・マブールの1980年作
クラムド・ディスクレーベル創設者でシンセのマーク・ホランダーを中心に、
Henry Cow~ART BEARSのクリス・カトラー、フレッド・フリスなどが参加
エキセントリックな女性ヴォーカルの歌声に、鳴り響くヴァイオリンやオーボエ、
サロンミュージックのポップ性にアヴァンギャルドな毒気を注入したようなサウンドで
軽やかな優雅さと偏執的な狂気を同居させたような感触はとても個性的。
演奏面ではやはりHenry Cowや、Univers Zero風味を感じさせるところもあり、
ポップなチェンバーロックとしても、アヴァンギャルドなレコメン系としても楽しめる。
クラシカル度・・7 優雅な毒気度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ALEX MACHACEK 「[SIC]」
オーストリア出身のギタリスト、アレックス・マカチェクの2006年作
アラン・ホールズワースの再来とも評され、UKZなどにも参加したギタリストで、
本作には、テリー・ボジオをはじめとした技巧派ミュージシャンがゲスト参加としている。
なめらかで流麗なフレーズを奏でるギターを中心に、フュージョン、ジャズなどの要素を含んだ
高度でテクニカルなアンサンブルは、ボジオのドラミングも含めてもはや名人芸の域だろう。
女性ヴォーカルを加えた、優雅なジャズロック的なナンバーも、適度にアヴァンギャルドな感触に包まれた
スリリングなインストパートが際立っている。ギターに関しては単なる上手いを通り越しているので、
つい聴き流してしまう部分でも、おそらく超絶技巧。ギターとドラムの間の取り合いにしびれる一枚です。
テクニカル度・・9 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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ALEX MACHACEK 「Improvision」
オーストリア出身のテクニカル系ギタリスト、アレックス・マカチェクの2007年作
本作は、アメリカ人ベースのマシュー・ギャリソン、ドイツ人ドラマーのジェフ・サイプによるトリオ編成の作品で、
のっけからヘヴィなギターが、手数の多いドラムに乗り、スリリングなアンサンブルを描き出す。
存在感あるベースに絡みつくテクニカルなギターフレーズは、ときにシンセのようにも、ヴァイオリンのようにもなり、
まさしく変幻自在の表現力である。単なるフュージョンロックの枠を超えたレベルの演奏であり、
技巧のみならず楽器の表現力そのものへ挑戦するかのような、迫力と緊張感が伝わってくる。
即興的な要素も感じさせつつ、結果としてカッチリと合わさるところは、さすがテクニック集団ですな。
テクニカル度・・9 プログレ度・・8 技巧の表現度・・9 総合・・8
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ALEX MACHACEK 「24 Tales」
オーストリア出身のテクニカル系ギタリスト、アレックス・マカチェクの2010年作
UKZでもメンバー同士であるマルコ・ミネマンのドラムをフィーチャーした作品で
変則リズムまくりのドラムの上に、さらりと超絶技巧なギターフレーズが乗り、
シンセなどで味付けされた聴き心地は、優雅なハードフュージョン的に楽しめる。
1、2分台の小曲が連なる形式で、場面ごとに弾むような軽やかさや緊張感がやってきて、
なかなか息つく暇がない。テクニカルでありながらフリーなジャズ色も強く、マカチェクのギターは
ホールズワースの再来と言われるように、天才肌の奔放なセンスとクールな知的さを感じさせる。
テクニカル度・・9 プログレ度・・8 ジャズ的優雅度・・9 総合・・8



Amberlinn 「Chasing Shadows」
オランダのシンフォニックロック、アンバーリンの2007年作
美しい女性ヴォーカルの歌声に、シンフォニックなアレンジでしっとりとした叙情を描くサウンド。
6曲入りのミニアルバムで、楽曲自体も3~4分とわりとコンパクトな聴き心地であるが、
メランコリックな物悲しさのゴシック風の感触や、アコースティック、アンビエントの要素も含んだ、
繊細な叙情美が楽しめる。All About Eveをシンフォ寄りにしたというような倦怠感と、
美しくはかなげな世界観は悪くないので、ぜひともフルアルバムで聴きたいものだ。
繊細度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5


Amenophis
ドイツのシンフォニックロック、アメノフィスの1983年作
80年代のジャーマン・シンフォニック系では、Anyone's Daughterがその筆頭であるが、
ISKANDER、ANABIS、ROUSSEAUといった、いわゆるマイナー系バンドもけっこう活動していた。
本作は、そうしたB級シンフォ系の中でも完成度の点ではひとつ抜けている好作品である。
やわらかなシンセのイントロから、メロウなギターの旋律が加わり優美なシンフォニックロックが広がってゆく。
ヴォーカルの弱さも、ここでは繊細なサウンドにはむしろマッチしていて、美麗なシンセアレンジとともに
ときにフルートも加わって、しっとりとした幻想的な聴き心地を作り出す。24分の大曲もなかなか素晴らしい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優美度・・9 総合・・8
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Amenophis 「Time」
ドイツのプログレバンド、アメノフィスの2013年作
80年代に活動していたバンドがまさかの復活。かつての1作目は叙情シンフォの傑作であったが、
本作もその流れを受けた作風で、メロウなギターワークと美しいシンセアレンジで聴かせる、
古き良きプログレ感触を残した正統派のシンフォニックロック。楽曲はあくまで叙情的で、
クラシカルな優雅さとロマンあふれる美意識が散りばめられた雰囲気にウットリとなる。
一方では、キャッチーな歌もの曲や、女性声も加わったしっとりとした小曲など、
アルバムを通してのメリハリもあり、ラストは11分の大曲で、ドラマティックなシンフォが炸裂する。
メロディック度・・8 ロマン度・・9 優美度・・9 総合・・8
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AMON DUUL ⅡPhallus Dei
ドイツのサイケロックバンド、アモンデュール2の1st。1969作/邦題は「神の鞭」
AMON DUULから分派したのがこのAD2であるが、アヴァンギャルドなフリーロックを目指したAD1に比べて、
こちらはより演奏志向のサウンドなので、むしろ純粋なプログレリスナーにはAD2の方が受けるだろう。
ただ、この1stにおいては、インプロヴィセーション的な反復が多用されていて、3rd以降の構築性よりは
まだずっとフリーな雰囲気がある。ギターの中近東的なフレーズも特徴的で、
呪術的なパーカッションの響きに、女性スキャットなども加わり、神秘的なサイケロックを聴かせる。
メロディアス度・・7 神秘度・・8 構築度・・6 総合・・7.5
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AMON DUULⅡ「Yeti」
ドイツのサイケロックバンド、アモンデュール2の2nd、1970作/邦題は「地獄!」
AD2はAMON DUULから派生した別バンドで、フリーロック的な混沌を目指したAD1よりは楽曲性が高い。
今作はLP時には2枚組で、後半はすべてがインプロヴィセーションになっている。
1曲目は13分の大曲で、サイケロックとしての自由度を荒々しさを失わないくらいの
構築性でまとめていて、次作でのスケール感に比べればややチープであるものの、
ドラッグカルチャー全盛の時代を考えれば、この整合感は立派である。繰り返しを多用するギターのフレーズに
粗野なヴォーカルが乗り、東洋的な音階や神秘的な女性コーラスなどで味を付けるという、
いわば具現化されていない壮大なヴィジョンのとっかかり的なアルバムだ。
シンフォニック度・・7 壮大度・・8 構築度・・7 総合・・8
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AMON DUULⅡ「Tanz der Lemminge」
アモンデュール2の3rd、1971作/邦題は「野ネズミの踊り」または「ロック共同体」
LPでは2枚組だった本作は、15分、19分、18分という大曲で聴かせる力作だ。
うっすらとしたシンセに包まれて、ヴァイオリンが鳴り渡り、楽曲は荘厳に始まる。
ゆるやかなアコースティックギターをシンフォニックですらあるキーボードが包み、
ときに薄暗い静謐感をもって、ときに東洋的な雰囲気でもって長曲が綴られてゆく。
サイケロック的な浮遊感と、なにか壮大なヴィジョンが目の前に現れるような感覚、
インプロ的な解放感と楽曲性とが見事なパランスで調和して、すべての音に緊張感をもたらしている。
おそらくドイツという国からしか出て来ないだろう、シンフォニック・サイケロックの傑作である。
シンフォニック度・・8 壮大度・・10 構築度・・8 総合・・9
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AMON DUULⅡ「Carnival in Babylon」
アモンデュール2の4th、1972作/邦題は「バビロンの祭り」
ぐっとメロディ志向が強まり、楽曲の構築性も高まったアルバム。
普遍的なロック色が増したリズムに、ギターとシンセ、そして男女のヴォーカルが乗る。
もちろんただのロックではない、彼らならではの独特の雰囲気は健在で、
メロディアスロックとサイケの中間的なほんわかとした叙情性が心地よい。
また、レナーテ・クナウプの歌声が一番美しく聴けるアルバムでもあるだろう。
次作への橋渡し的なアルバムであるが、やはり質は高い。
メロディアス度・・8 壮大度・・7 構築度・・8 総合・・8
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AMON DUULⅡ「Wolf City」
アモンデュール2の5th、1972作/邦題は「狼の町」
AMON DUULというとドラッグから生まれたフリーロックというイメージがあっただけに、
このアルバムの聴きやすさ、ある種メロディアスなドラマティックさがあるのには驚いたし、
これが自分にとってのAD2のとっかかりで良かったと思う。
プログレというにはなかなかハードなギターに東洋的なシタールの音色、
紅一点、レナーテ・クナウプの中性的な歌声に、鳴り響くヴァイオリンの叙情。
サイケロックの浮遊感は残しつつも、しっかりとした楽曲構成で聴かせてくれる。
現在もっとも好きなのは3rdだが、まず初めに聴くならこれをお勧めしたい。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 構築度・・8 総合・・8
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AMON DUULⅡ「Vive La Trance」
アモンデュール2の6th、1973作/邦題は「恍惚万歳」
コアなファンからはポップになったと揶揄された作品であるが、
聴きやすくなった中にも、サイケロックとしての美しさはちゃんと残っている。
3分台のコンパクトな曲が中心で、キャッチーでポップなアレンジが耳につくが、
囁くようなヴォーカルとともに、ピアノやヴァイオリンの音色が混ざり合い、
今のUKロックにも通じるほのかな薄暗さと叙情をかもしだしている。
レナーテの妖艶な歌声が聴ける3曲目などもじつによろしい。
メロディアス度・・8 ほの暗度・・8 構築度・・9 総合・・8
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AMON DUULⅡ「Live in London」
アモンデュール2のライブアルバム。1973作/1972年のロンドンでのライブを収録。
先に1996年の来日記念のライブアルバムを聴いていたが、こちらの全盛期の音には勢いがあってよいですね。
ドカドカとした手数の多いドラムに、二本のギターとシンセが絡み、音には厚みと攻撃性がある。
2nd「Yeti」からの3曲でたたみかけ、インプロを挟んで3rd「Tanz der Lemminge」の大曲を抜粋で演奏。
アルバム以上の迫力で聴かせてくれる。AD2ファンとしては外せないライブ作である。
なお、再発にあたってジャケが変更されている(元はロドニー・マシューズ)。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・8 ドカドカ激しめ度・・9 総合・・8
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Amon Dull Ⅱ「Hijack」
ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2の1974作
初期の壮大な作風からしだいにポップさを増し、前作「恍惚万歳」に続く本作も
分かりやすい歌メロを基調としたロックサウンドとなっている。
サックスなども入ってきてコミカルな味わいもありつつ、
シンセの使用法などにはいくぶんサイケ的な質感が残っている。
また、レナーテの歌う曲はアシッド・フォーク的なおもむきがあって、
アルバム全体的には統一感があまりないが、ゆったりとして聴きやすい佳作である。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 サイケ度・・7 総合・・7.5
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AMON DUULⅡ「Made In Germany」
ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2の1975作
オーケストラによる壮麗なイントロからスケールを感じさせる本作は、世界各国の歴史上の人物をテーマにした長大な作品だ。
初期のような幻想性は薄まって、力の抜けたガレージロック的な雰囲気だが、レナーテ嬢の美しい歌声や
バックの雄大なオーケストレーションとともに、どこか奇妙だがある種キャッチーなサイケロックが楽しめる。
のんびりと聴けるという点では、彼らの作品中で一番かもしれない。
メロディアス度・・7 エセ壮大度・・8 サイケ度・・8 総合・・7.5
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Amon Dull Ⅱ「Pyragony」
ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2の10th。1976作
前作「Made In Germany」を最後に紅一点のレナーテ・クナウプが脱退、
サウンド的にはいくぶんモダン化のきざしが聴かれるが、オリエンタルなギターフレーズに
美しいシンセが絡む、ある意味メロディアスで浮遊感のあるサイケロックを展開している。
脱力的なヴォーカルの歌声と、キャッチーなポップ感覚でソフトに聴きやすい。
初期の怪しさ、得体のしれない壮大さは影も形もないが、これも新しいサイケの形か。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 サイケ度・・7 総合・・7.5
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ANABIS「Heaven on Earth」
ドイツのシンフォニックロックバンド、アナビスの1st。1981作
16分、13分という2曲の大曲を中心にしっとりと聴かせるシンフォ作。
GENESIS系のゆるやかなメロディと、ゆったりとしたシンセワークが耳に優しい。
ときおりフルートなどが出てくると、同郷のROUSSEAUあたりを思わせる、
やわらかでローカルな叙情性が聴けるのがドイツらしい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・7

ANABIS 「Theatre」
ドイツのプログレバンド、アナビスの1989年作
1stの頃のGENESISルーツのスタイルから、もう少しキャッチーな80年代感覚が加わったサウンドで、
いわば抜けのよいIT BITES的なアプローチは、単なるマイナー系以上のセンスを感じる。
随所に聴かせるメロウなギターに美しいシンセもよろしい。音質面での弱さが残念だが、
これでリズムセクションの技術が高く、音が良ければ、かなりの評価を得ていただろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 音質・・6 総合・・7.5


Anyone's Daughter 「Adonis」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの1st。1979年作
ジャーマンシンフォニックの最高峰とされるこのバンドのデビュー作が、オリジナルジャケで再発!
ヨーロピアンなロマンの香りに彩られたサウンドは、CAMELばりの甘いギターメロディと
美麗なシンセワークを中心に、その巧みな構築力と優美さにおいてNOVALISをも凌駕する。
優雅な叙情性とテクニックを含めて、24分におよぶタイトル組曲はまさに圧巻の仕上がりで、
起伏に富んだ展開とドラマ性、やわらかなメロディとともに、感動的な大団円へとつながってゆく。
3作目の「Piktors Verwandlungen」と並んで、バンドの代表作たるにふさわしい傑作だ。
リマスター盤のボーナスには1977年のライブ音源に、1978年のビデオ映像を収録。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 幻想ロマン度・・9 総合・・8.5
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Anyone's Daughter

ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの2nd。1980年作
1st「アドニス」、3rd「ピクトルの変身」は、ドイツ最高のシンフォニック作品として知られるが、
残りの作品もめでたくリマスター再発された。可愛らしいジャケが印象的なこの2作目は、
より洗練されたメロディアスなサウンドが楽しめる好作品。美しいシンセワークと甘いヴォーカル、
メロウなギターワークとともに、ロマンティックな叙情美を描いてゆく。1stのような大曲はないものの、
耳心地の良さでは前作以上といえる。2012年盤のボーナスには1980年のライブ音源を3曲追加収録。
メロディック度・・9 叙情度・・9 ロマン度・・9 総合・・8
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ANYONE'S DAUGHTERPiktors Verwandlungen
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの3rd。1981年作
「ピクトルの変身」のタイトルで知られる、ヘルマン・ヘッセの詩をモチーフにした作品で
ライブ録音ながらも、その抜群の演奏と叙情美で、本作はバンドの最高傑作ともされている。
イントロからもう、泣きのギターとシンセが合わさった、まさにドイツのロマンが集約されたような
シンフォニックサウンドが炸裂。曲間にドイツ語によるヘッセの詩の朗読を挟みつつ
その見事なメロディセンスと演奏力で、何度も盛り上がりを迎えながら組曲は進行してゆく。
ドラマーをはじめ、ギターもシンセも、ライブ録音とは思えない巧みな演奏がまったく素晴らしく、
リマスター盤ではさらに音質もダイナミックになっている。ボーナスにはこの組曲の貴重なデモ音源を収録。
美しいジャケも含めて、ドイツのみならず欧州シンフォニックの語り継ぐべき名盤である。必聴。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 ロマン度・・10 総合・・9
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Anyone's Daughter「In Blau
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの4th。1982年作
本作からドラムが代わっていて、前任者のコノ・コノピックのプレイが好きだったので少し残念ではあるが、
彼ら特有のキャッチーなシンフォニックロックは健在。ジャケの美しさも素晴らしいのだが、
ドイツ語による優しい歌声と、やわらかなシンセワークで聴かせるサウンドもじつに耳に優しい。
静かなイメージの曲が多いので、作品としてのインパクトは前作に比べると強くないのだが、
ラストの15分の組曲などは、ダイナミックな展開とメロウで優雅な美しさが同居して素晴らしい。
2012年リマスター盤のボーナスには1982年のライブ音源を2曲追加収録。
メロディック度・・9 叙情度・・9 ロマン度・・8 総合・・8
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Anyone's Daughter「Neue Sterne
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの5th。1983年作
サウンドの方は80年代的なポップな感触が強まっているが、楽曲がコンパクトになった分
このバンドのキャッチーなメロディセンスが前にでていて、プログレハード的にも楽しめる好作。
もちろんメロウなギターの旋律や、ドイツ語の歌声などには欧州的な叙情が感じられ、
洗練されたシンセワークを含めてアレンジの上手さも光っている。80年代エニワンのラスト作品。
2012年リマスター盤のボーナスには1982年のライブ音源を3曲追加収録。
メロディック度・・9 叙情度・・9 ロマン度・・8 総合・・8
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Anyone's Daughter「Live」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターのライブアルバム。1983年作
かつては1枚ものとしてCD化されていたが、2枚組の完全版として本作もめでたく再発。
演奏力にも定評のあったバンドであるが、このライブにおいてもアルバムの楽曲を完璧に再現していて、
安定感あるリズムの上にのるオルガンやムーグなどの美しいシンセワークにドイツ語による甘い歌声で
繊細かつダイナミックなアンサンブルを構築している。バンドとしての集大成的な音源と言えるだろう。
2012年盤のボーナスには1983年のライブ映像を各Discに2曲ずつ追加収録。
メロディック度・・9 ライブ演奏・・9 ライブ音質・・9 総合・・8
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ANYONE'S DAUGHTER「REQUESTED DOCUMENT LIVE 1980~1983」
ドイツ最高のシンフォニックプログレバンド、エニワンズドウターの2枚組ライブアルバム。
シンフォ不作といわれたのドイツの、70~80年代に燦然と輝きを放った彼ら。そのライブ音源の登場だ。
喜びの悲鳴を上げるほど嬉しい。私にとってこの世でもっとも感性に合うシンフォバンドの一つだからだ。
その徹底したロマン主義、メロディアスかつ繊細な楽曲群は20年後の現在聴いてもまったく色あせない。
もともとスタイリッシュな構築センス、甘いメロディを重視しながらも独自のポップ感覚を有していたバンドなだけに
曲、演奏ともタイトで長曲においても無駄を感じさせない。1stの組曲「ADONIS」完全再現は劇的な感動を呼ぶ。
個人的にはGENESISPFMと同列に扱うべきほどのクオリティをもったバンドだったと思う。
メロディアス度・・9 ロマン度・・10 演奏・・9 総合・・9プログレ名作選入り
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ANYONE'S DAUGHTER「REQUESTED DOCUMENT LIVE 1980-1983 VOL.2」
ドイツ最高のシンフォニックバンド、エニワンズ・ドウターの未発表ライブアルバムの第二弾。CD+DVDの2枚組。
私にとって最高のシンフォニックバンドのひとつ。CAMEL以上にメロディアス、PENDRAGONばりのロマンティシズム、
HAPPY THE MANに匹敵する切れのよい演奏と、欠点はない。全体的に「甘すぎる」という見方もできるが、
しかしそのメロディへのこだわりやロマンへの傾倒など、叙情派のプログレリスナーは絶対に聴くべきバンドであることは間違いない。
CDはバンド後期の音で、ややポップになりつつある時期の楽曲が中心であるが、安定した演奏力とメロウな楽曲はやはり素晴らしい。
DVDは1981年母国フランクフルトでの映像で、こちらはマスターの状態が悪かったのか、音質、画像ともにあまり良いものではないが、
ファンには映像が見られるだけでも価値があるだろう。なにより、ヘッセの詩の朗読と一体になった40分の組曲
「PIKTORS VERWANDLUNGEN」がライブ映像で見れるのが嬉しい。Vol.1とともにファンは必携だろう。
メロディアス度・・9 CD音質・・9 DVD音質・・6 総合・・8
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ANYONE'S DAUGHTER「WRONG」
エニワンズ・ドウターの再結成作2枚目。2004作
オリジナルメンバーはギターとキーボードだけとなって、サウンド的にもかつての繊細でやわらかみのある音とはやや異なり、
ややヘヴィになっているのだが、曲によっては、かつてを思わせるシンフォニックな面も覗かせてくれ、
一概に「変わってしまった」と落胆するようなアルバムでもないかと思う。
プログレというよりは、年輪を深めたメンバーによる大人のメロディックロックという雰囲気。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 エニワン度・・7 総合・・7.5
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Anyone's DaughterCalw Live」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターのライブアルバム。2011年作
1978~84年までに5枚のアルバムを出し、その後解散、そして2001年に復活をとげアルバム2枚を発表する。
本作は2002年にヘルマン・ヘッセの故郷カルフで行われた、ヘッセ生誕125周年イベントでのライブを収録、
Disc1は2ndの1曲め“Swedish Nights”からスタート、美しいシンセワークにメロウなギター、マイルドな歌声で
かつてのリリカルなサウンドが甦るようだ。同じく2ndからの“Between The Rooms”に続き、
いよいよ名作「Piktors Verwandlungen」の完全再現。ヘッセの詩の朗読をはさみながら、メロディアスかつ
ダイナミックに展開してゆく演奏に聴き惚れます。そういえばあのアルバムもライブ録音だった。
Disc2は2001年の復活作「Danger World」からの楽曲を中心に、いくぶんポップさを増した感触だが、
これはこれでキャッチーなメロディックロックとして充分楽しめる。ラストは何故かイマジンのドイツ語バージョン。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 エニワン度・・9 総合・・8
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Aranis 「Roqueforte」
ベルギーのチェンバーロック、アラニスの2009年作
フルートにピアノ、アコーディオン、ヴァイオリン、ヴィオラを含む編成で、室内楽的な優雅さを
スリリングなアンサンブルで構築する、クラシカルかつアカデミックなチェンバーロックサウンド。
同郷の先達である、UNIVERS ZEROのダークでミステリアスな空気感を受け継ぎつつ、
アコースティック楽器の旋律を前に出した軽妙なサウンドで、ほどよい緊張感も備えている。
アコーディオンの音色にフルート、ピアノが絡む哀愁あるナンバーや、ドラムが入らないアンプラグドなナンバーなど、
暗黒性やスリリングな部分はユニヴェル・ゼロほどはないが、攻撃性がない分優雅な感触に包まれていて、
むしろチェンバーロックの本質を分かりやすく表現している。結果として、初心者にも楽しめるだろう好作品かと。
チェンバー度・・9 プログレ度・・7 スリリング度・・8 総合・・8
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Aranis 「Made in Belgium」
ベルギーのチェンバーロック、アラニスの2012年作
UNVERS ZEROPRESENTを含む、ベルギーの作曲家が手掛けた楽曲のカヴァー集で、
ヴァイオリン、ヴィオラの音色にフルートが絡み、ピアノを加えたクラシカルなアンサンブルで、
アカデミックな室内楽を先鋭的に昇華したサウンドを聴かせる。基本、ドラムが入らないので、
ロック色というのはほとんど感じさせない。純粋なチェンバー・ミュージックというべき作風であるから、
カヴァー作品ということも含めて、やや聴き手を選ぶ内容かもしれない。全体的にも現代音楽や
クラシック寄りのナンバーが多いのだが、ラストのプレザンのカヴァーは素晴らしい。
チェンバー度・・9 プログレ度・・7 スリリング度・・8 総合・・8
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Armed Cloud 「Obsidian Desert」
オランダのハードプログレ、アームド・クラウドの2015年作
シンセを含む5人編成で、適度にハードなギターにうっすらとしたシンセアレンジ、
中性的なヴォーカルの歌声を乗せ、シアトリカルな雰囲気をかもしだす、プログレハード的なサウンド。
楽曲は4~6分前後が中心で、複雑すぎずシンプル過ぎずという感触。わりとメロディアスなのだが、
そこそこダークな妖しさもあり、どうにも盛り上がり切らないところは、良く言えば玄人好みというべきか。
ヴォーカルの雰囲気も含めて、かつてのCRIMSON GLORYあたりに近い感触もあったりするのだが、
悪く言えば、フログレとしてもメタルとしてもやや中途半端なので、今後は方向性を絞っていってもらいたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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ASH RA TEMPEL
ジャーマンロックバンド、アシュ・ラ・テンペルの1st。1971作
クラウス・シュルツとマニュエル・ゲッチングの二人を中心にしたサウンドは、
原初的な混沌と神秘的な暗さを有した、妖しいまでのスケール感がある。
TANGERINE DREAMを思わせるうっすらとしたシンセに、ドカドカと手数の多いシュルツのドラムと
ゲッチングのギターが加わると、フリーキーで呪術的な雰囲気とともに、サイケロックとしての生々しさが現れる。
19分、25分という2曲の大曲は、無秩序なフリーロック的でもありながら、どことなく人間的な土着性が感じられて、
不思議な緊張感に包まれている。本作のみでシュルツは脱退、シンセを手にソロ活動へと移行してゆく。
サイケ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・8 総合・・8
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ASH RA TEMPELSchwingungen」
アシュ・ラ・テンペルの2nd。1972作
シュルツの脱退とともに、ゲストを迎えて制作された本作は、
前作のアヴァンギャルドさがやや薄まり、比較的聴きやすい歌入りの曲で始まる。
2曲目からは前作の延長の混沌としたフリーキーなサイケロックになるが、得体の知れない勢いは薄れており、
叫びたてるヴォーカルとともにアヴァンギャルドなサウンドはやや形式化されてしまっている気がする。
ゲッチングのギターはむしろ普遍的なフレーズを弾いていて、この方向性での限界を感じていったこともうなずける。
サイケ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・7 総合・・7
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ASHRA「Belle Alliance plus」
ジャーマンロックバンド、アシュラの1980年作
マニュエル・ゲッチング率いるこのバンド、1976年の「New Age of Earth」が有名だが、
本作はモダンなギターワークとビート感覚で聴かせる作風で、初期とはずいぶん印象が異なる。
メロディックなギターフレーズはむしろポップで、プログレ云々を別にしてギターインスト的に楽しめる。
後半には13分の大曲もあり、初期のうっすらとしたシンセサウンドも匂わせる。バンドの総括的な作品。
紙ジャケ再発盤は、ボーナスDiscの加わった2枚組で、かつて削られてしまったという音源を収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ギターインスト風度・・8 総合・・7.5
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The Aurora Project 「...Unspoken Words」
オランダのシンフォニックロック、オーロラ・プロジェクトの2005年作
トレーディング・カードゲーム「MAGIC THE GATHERING」の愛好者が集って結成されたというバンドで、
本作もおそらくそれに基づくコンセプト作。うっすらとしたシンセにメロウなギター、マイルドなヴォーカルで聴かせる
ドイツのSylvanあたりに通じるほの暗い叙情性に包まれたサウンド。随所に効かせるギターの泣きのフレーズもよろしく
随所に語りなどを含んだドラマティックな構成力も含めて、ネオプログレ系/薄暗系シンフォの力作と言える出来だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Autumnal Blossom 「Against the Fear of Death」
ドイツのシンフォニックロック、オータムナル・ブロッサムの2013年作
POOR GENETIC MATERIALにも参加する女性フルート奏者を中心にしたユニットで、
やわらかなフルートの音色にオルガンなどを含んだシンセ、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
どことなく魔女めいた妖しい雰囲気とゴシック的な耽美さも感じさせるサウンド。
ピアノに絡むチェロやハープの優雅な美しさに、うっすらとしたシンセに女性声が重なった幻想的な世界観は、
DUNWICHやORDO EQUITUM SOLISなど、イタリア系のゴシックバンドにも通じるだろう。
シンフォニック度・・7 ゴシック風度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Birth Control 「Plastic People」
ジャーマンロックバンド、バース・コントロールの1975年作
60年代から活動する、ドイツを代表するハードロックバンド。6作目となる本作は、オルガンが鳴り響き、
メロディックなキャッチーさを備えた70'sハードの感触に、ムーグシンセを含むプログレ的な感触が合わさった聴き心地。
マイルドなヴォーカルによる大人の雰囲気に、しっかりとした演奏力がハードロックとしての説得力を付加している。
ときにヴァイオリンも加わったシンフォニックな感触もあり、全体的にもギター以上にシンセの存在感が前に出ているので、
往年のハードプログレとしても普通に楽しめる。ドラマティックな世界観を感じさせるコンセプト的な雰囲気も見事だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ハードロック度・・8 総合・・8
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Birth Control「Backdoor Possibilities」
ジャーマンロックバンド、バース・コントロールの1976年作
70年代ドイツを代表するハードロックバンドとして知られる存在だが、7作目である本作は
前作からさらにプログレ的になったスケールの大きなコンセプトアルバムである。
オルガン、ムーグなどのシンセをたっぷりと使いながら、70'sブリティッシュ・ハードロックに、
クラウトロックのエキセントリックさを足したような作風で、いくぶん唐突な展開も含めて飽きさせない。
この独特のセンスとスケール感は、Grobschnittなどが好きな方にも楽しめると思う。
2011年リマスター盤、ボーナスのDisc2には1976年のライブ音源を収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・8
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The Black Codex「Episodes 1-13」
オランダのシンフォニックロック、ブラック・コーデックスの2014年作
SKY ARCHITECTでも活躍するマルチミュージシャン、Chrisによるプロジェクトで、幻の魔法大陸を舞台にしたストーリーを描く、
壮大なコンセプト作品の第1作目。本作はCD2枚組、壮麗なシンフォニック性と繊細な叙情を同居させたシンフォニックロックで、
インストパートがメインながら、やわらかなヴォーカルの歌声が加わると、キャッチーで優美な聴き心地も素晴らしい。
映画サントラ的なパートも含ませつつ、ストーリーの流れを感じさせる構成力に、やわらかなフルートやヴァイオリンの音色なども
随所にサウンドを美しく彩っている。スリリングな部分は希薄ながら、初期Genesisルーツのファンタジックな叙情性が
シネマティックな雰囲気と融合した優雅なシンフォニックロック作品。この後エピソード52まで、合計CD8枚で完結するという超大作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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The Black Codex「Episodes 14-26」
オランダのシンフォニックロック、ブラック・コーデックスの2014年作
マルチミュージシャン、Chrisこと、Christiaan Bruinによるプロジェクトで、壮大なコンセプトストーリーの第二章というべき2枚組。
ギター、ベース、ドラム、シンセ、ヴォーカルをすべて一人でこなし、メロディックでキャッチーな感触はKAYAKあたりにも通じる
やわらかな雰囲気であるが、モダンプログレとしてのクールな構築力を感じさせる点では、ProgMetal的でもあるかもしれない。
本作では、ヴァイオリンやチェロ、トランペット、トロンポーンなどによるオーケストラルなアレンジも入っていて、
クラシカルな優雅さと壮大なスケール感が加わった、繊細な美意識と気品を感じさせるサウンドに仕上げている。
雄大にトランペットが鳴り響くラスト曲などは、ひとつのドラマの終わりと、次章へと続く物語の流れを描くようだ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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The Black Codex「Episodes 27-39」
オランダのシンフォニックロック、ブラック・コーデックスの2015年作
マルチミュージシャン、Christiaan Bruinによる、壮大なコンセプトストーリーを描くシンフォニック絵巻の第三章。
ヴァイオリンやチェロ、クラリネットが絡むクラシカルなテイストを乗せた優雅なシンフォニック性で、
本作もじつにやわらかな聴き心地のサウンドだ。今作にはチェンバーロック的な感じもある薄暗い楽曲が多く、
物語の中の場面のせいもあるのだろうが、とくにDisc1には静か目の曲が続くのでやや長尺感があるのだが、
Disc2になると、テクニカルなパートも含んだスリリングなパートも出てきて、緊迫したストーリーの流れを感じさせる。
12分、13分という大曲が続く後半は、ドラマティックな盛り上がりとともに、次の最終章への期待も膨らんでゆく。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優美度・・8 総合・・8
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The Black Codex「Episodes 40-52」
オランダのシンフォニックロック、ブラック・コーデックスの2015年作
幻の魔法大陸を舞台にした壮大なコンセプトストーリーの最終章。のっけから勇壮なトランペットが鳴り響き、
ストーリーのクライマックスが近いことを告げるかのようだ。オーケストラアレンジが緊迫感を漂わせつつ、
物語を語るようなヴォーカルとともに、シネマティックな雰囲気に包まれながら、楽曲はゆるやかに盛り上がりを見せる。
Disc1の後半からは、スリリングな展開を見せるドラマティックなナンバーもあって、ハードシンフォ的な感触とともに、
幻想的で雄大な世界観を描いてゆく。グレゴリアンチャント風の厳かなナンバーから、13分、17分という大曲への流れは、
CD8枚に渡る長大な作品のラストを飾るにふさわしい。まさに映画サントラばりのスケール感をともなったシンフォニックロック大作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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BONFIRE「BONFIRE GOES BANANAS」
オランダのメロディアスプログレバンド、ボンファイアーの1975作。
本作1枚みを残して消えたが、そのサウンドはオランダらしい情熱的なメロディアスロックである。
同郷の名バンドFINCHをややジャジーにしたとの印象もあり、
やや荒削りな部分もあるが叙情性も伴ったなかなかの好作品。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・7 総合・・7

Brainticket 「Psychonaut」
スイスのサイケロック、ブレインチケットの1972年作
オルガンが鳴り響き、やわらかなフルートの音色に怪しげなパーカッションのリズム、シタールのつまびきに、
マイルドなヴォーカルが重なる、東洋的な世界観を含んだサイケロック。Popol Vuhあたりに通じる
繊細な叙情とミステリアスな空気感も覗かせつつ、一方ではブルージーなギターにオルガン入りの
わりと普通のサイケハード的なノリも含んでいる。曲によっては女性ヴォーカルも加わったりして、
魔女系サイケの雰囲気も垣間見せる。スイスというお国柄かアヴァンギャルド性は薄めなので、
サイケ初心者にも聴きやすいだろう。ジャーマン・クラウトロックとして紹介されていたのがうなずける力作である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情サイケ度・・8 総合・・7.5
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BREEZE 「The King of The Forest」
ドイツのシンフォニックロック、ブリーズの2015年作
G&B&KeyとDr&Voという二人組のユニットで、フォーク風味の牧歌的なイントロ曲から始まり、
美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せた、ゆったりとしたシンフォニックロックが広がってゆく。
物語的なコンセプト作なのだろう、ファンタジックな世界観に包まれた空気感が耳心地よい。
ドラムもヴォーカルもいくぶんアマチュア臭いのだが、演奏のつたなさを幻想の空気で補えるのが
シンフォニックロックの美点でもあり、ファンタジーを描き出す作り手の意気込みはしっかりと伝わってくる。
プログレ的な技巧や展開美は希薄だが、物語的な空気感で70分に及ぶシンフォニックロックの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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CAN 「Monster Movie」
ジャーマンロックバンド、カンの1st。1969作
様々な音楽をひとつの「缶」にぶち込むというコンセプトがバンドの名前の由来らしい。
ときおりノイジーにもなるギターサウンドを中心に、比較的まともなドラムとベース、
そしてマルコム・ムーニーの怪しいヴォーカルが混然一体となった、奇妙なフリースタイルのロック。
ダモ鈴木が加入する次作以降に比べると、アヴァンギャルドではあってもガレージ的な粗さではなく、
クラウトロックとしての分かりやすいノリと、先の読めない奔放な感触が魅力的だ。
20分を超えるラスト曲は、得体の知れない壮大なスケール感も含んだユルさが素晴らしい。
アヴァンギャル度・・8 プログレ度・・7 ロック度・・8 総合・・8
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CAN「TAGO MAGO」
ジャーマンロックバンド、カンの3rd。1971作
当時ヨーロッパを放浪中のダモ鈴木をド素人ながらヴォーカルに据えるのも、このバンドだからこそできたことだろう。
本作はLP時代は2枚組の大作ながら、サウンドは壮大なものではなく、荒々しさの残るフリーなガレージロックだ。
セッション録音の生々しさを感じさせる音は、方向性や楽曲うんぬんといった論議を軽々と吹き飛ばし、
好き勝手な演奏をしたら凄いのが出来た…というものだ。ダモ鈴木の日本語を使ったいい加減なヴォーカルも、
どこか味があって許せてしまう。演奏陣はドラムをはじめとしてテクニックがあり、即興であってもそう散漫な音ではない。
アヴァンギャルド過ぎる後半はさすがに聴き疲れてくるのだが…力作なのは間違いないだろう。
アヴァンギャル度・・8 プログレ度・・7 ロック度・・8 総合・・8
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CAN「Ege Bamyasi」
ジャーマンロックバンド、カンの4th。1972作
前作のガレージロック的な破天荒さを徐々に聴きやすく収束させてゆく過渡期の、
いわば、次作「FUTURE DAYS」へとつながるような作品といえる。
ダモ鈴木の適当なヴォーカルも相変わらずいい味を出しているが、
バックの演奏が荒々しさよりも、むしろ自然体で軽妙なスタイルなので、
それに合わせてかやや控えめな感じもする。うるさくない分聞き流せるような音だ。
メロディアス度・・6 プログレ度・・7 ガレージロック度・・7 総合・・7.5
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CAN「FUTURE DAYS」
カンの5th。1973作
一般的には最高作とされ、とても聴きやすいアルバム。
ほんわりとした意外なほどに美しいシンセに、適度にロックしていながらも
3rdの頃のようなガレージ色は抑え目で、耳心地がよいまとまった演奏を聴かせる。
ポストロック的な内的広がりを描くこのサウンドでは、ダモ鈴木の歌声もおとなしめで、
これを最後にバンドを去ることになったというのも、ある意味うなずける。
即興性よりも構築へ近づいた本作は、プログレとして普通に楽しめるものになっている。
ジャーマンロックの混沌がどうも苦手という方にも勧められる作品だ。
メロディアス度・・7 ロック度・・7 幻想度・・8 総合・・8
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CAN 「Rite Time」
カンの1989年作
結成20周年記念ということで、解散後10年ぶりに作られたアルバムで、
ダモ鈴木に代わって初代ヴォーカルのマルコム・ムーニーが復帰している。
80年代的なモダンな感触のリズムに、枯れた味わいのヴォーカルを乗せたサウンドは
かつてのようなフリーキーな混沌さというものは薄まって、はっちゃけたコミカルさもどこか大人の哀愁を感じさせる。
メロディアス度・・7 ロック度・・7 アヴァンギャル度・・6 総合・・7


CASUAL SILENCE 「Vertical Horizon」
オランダのプログレバンド、カジュアル・サイレンスの2011年作
結成は90年代というバンドで、オルガンを含むシンセワークに適度にハードなギター、
マイルドなヴォーカルで聴かせる、キャッチーな味わいのハードプログレサウンド。
ProgMetal的なドラマティックな展開力も覗かせつつ、ギターのメロディアスなフレーズや
ヴォーカルメインでじっくりと叙情を聴かせる楽曲もあって、メロウな耳心地の良さに包まれている。
派手なインパクトはないものの、伸びやかな声質のヴォーカルとともに、爽快なメロディックサウンドが楽しめる好作。
ドラマティック度・・8 適度にハー度・・8 叙情度・・8 総合・・7.5
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Central Park 「Reflected」
ドイツのプログレバンド、セントラル・パークの2011年作
適度にハードエッジなギターとオルガンを含むシンセワーク、女性ヴォーカルの艶やかな歌声で聴かせる、
姐さん系ハードプログレサウンド。デジタリィなモダンさと古き良きロック感触が合わさった雰囲気で、
歌もの主体ながら、随所に叙情的なギターフレーズやシンフォニックなアレンジも覗かせる。
紅一点、ヤニーネさんの歌声は、トレイシー・ヒッチングに少し似ていてハスキーなところも魅力的。
21分におよぶ組曲では魔女めいた妖しさとアヴァンギャルドな世界観が楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CHIRIS 「A Glimpse Inside」
オランダのミュージシャン、Christiaan Bruinことクリスのソロ、2009年作
SKY ARCHITECTにも参加するマルチミュージシャンで、美麗なシンセワークと
メロウなギターとともに聴かせる、オランダらしいキャッチーなシンフォニックロック。
やわらかな叙情性という点ではKAYAKあたりにも通じ、泣きを含んだ豊かなメロディには
アーティストとしての彼の才能を感じさせる。スリリングな展開というのはあまりないが、
やわらかなヴォーカルとともに、メロディックな叙情がたっぷり詰まったサウンドが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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CHRIS 「CITY OF LIGHT」
オランダのミュージシャン、クリスティアン・ブラインのソロ。2012年作
美しいシンセアレンジとメロディックなギターワークで聴かせる、泣きのシンフォ路線はそのままに、
本作ではモダンなデジタル感覚が加わって、キャッチーな現在形シンフォプログレが楽しめる。
8~10分の大曲も多く、叙情豊かでありながら軽妙なポップセンスを取り入れた構築性は素晴らしい。
キャッチーな聴き心地とメロディックなフックという点では、FROST*あたりにも通じる質の高さである。
ヴォーカルのメロディにはポストプログレ的な雰囲気もあり、シンフォニックな美しさと合わさって、
思わずぐっとくる場面もしばしば。メロディ派は必聴のアーティストといってよいでしょう。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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CHRIS 「Days Of Summer Gone」
オランダのシンフォニックロック、クリスの2013年作
SKY ARCHITECT、The Black Kodexでも活動するマルチミュージシャン、Christiaan Bruinのソロ作品。
ヴァイオリン、チェロなどの優雅なストリングスに導かれ、美しいシンセアレンジがかぶさり、
壮麗なコーラスにフルートが鳴り響くメロディックな耳心地の良さと、スタイリッシュで軽快な展開力で、
繊細かつダイナミックなサウンドを描いてゆく。自身のヴォーカルも含めて、やはりGenesisルーツの幻想的な美学が
随所にちりばめられていて、10分を超える大曲も4曲あるなど、プログレとしての大作志向っぷりも嬉しい。
全体的には、音が濃密になりすぎず、あくまで優雅なセンスに包まれていて、リリカルな耳心地で楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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CIRCUS 「MOVIN' ON」
スイスのプログレバンド、サーカスの2nd。1977作
フルートとサックスが優雅に鳴り響くジャズロック的なサウンドは
さほど派手さはないが、軽快でテクニカルなアンサンブルが見事。
同じくスイスのISLANDなどにも通じる部分もあるが、こちらはもっと軽妙な質感で、
ヴォーカルで聴かせる分かりやすい質感もある。クラシカルな上品さを感じさせるところは、
チェンバーロック的でもあり、タイトル曲である22分の大作はとくに見事な出来だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8


CLEPSYDRA「HOLOGRAM」
スイスのポンプ/シンフォニックロックバンド、クレプシドラの1st。1997作
日本盤発売にあたって新たにミックスをしたようで、実質的には1991年の録音とのこと。
かつてのPENDRAGONあたりにも通じるポンプロック的な軽快さと、内省的な叙情性とを有した聴きやすいもので、
ときおりメロウなフレーズを奏でるギターや繊細なピアノ、キーボードがなかなか耳に心地よい好作品。
2nd発表後、ギタリストのレレ・ホフマンは脱退しSHAKARYを結成する。
メロディアス度・・8 繊細度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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CLEPSYDRA 「Fears」
スイスのプログレバンド、クレプシドラの1997年作
3作目となる本作ではギタリストが交代しているが、サウンド自体は美麗なシンセアレンジに、
メロディックなギターワークで聴かせる、前作までのポンプ/シンフォ路線を引き継いでいる。
やわらかなヴォーカルに、随所に泣きの旋律を奏でるギター、繊細でメロウな美意識に包まれた楽曲は
現在のポーランド系バンドにも通じる薄暗い叙情性とともに、モダンシンフォの先駆けというような雰囲気もある。
適度なハードさもありつつ、繊細な部分はしっとりとというメリハリもついていて、むしろ完成度では2ndよりも上か。
2014年のリマスター再発盤にはデモやライブ音源を3曲追加収録。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 美意識度・・8 総合・・8
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Cluster 「II」
クラスターの1972年作
いかにも電子的なシンセを無機質に重ね、ギターの残響音が不気味に鳴り響く1曲目は、
まさにシンセミュージックの極北であろう。ヨレ気味のギターにシンセがかぶさり、
展開という展開もないままに、インプロヴィゼーション的に重ねられる音の渦。
スペイシーで内的な世界話描く、クラウス・シュルツェやタンジェリン・ドリームに比べて、
より冷たい、非人間性を感じさせるという点では、「音楽以前の何か」を音で表現しているようでもある。
決して万人に薦められる作品ではないが、即興的なシンセ作品を好む方には一聴の価値ありだ。
無機質度・・8 ロック度・・1 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Cluster 「Sowiesoso」
クラスターの1976年作
初期のクラスターといえば「II」に代表されるように、無機質なシンセサウンドを標榜していたが、
本作では、人間味のあるジャケのイメージのように、メロディを感じさせるシンセの重ねが、
やわらかな耳心地で広がってゆく。シーケンサーによるリズムとサウンドスケープ的なギターも入って、
アンビエント音楽としても鑑賞でき、ジャーマンロックのコアなリスナー以外でも楽しめるだろう。
自然派であるレデリウスの色が強い作品という点では、のちのイーノとのコラボ作にも通じてゆく味わいである。
アンビエント度・・8 ロック度・・2 やわらか度・・8 総合・・8
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Cluster & Eno
ジャーマンエレクトロバンド、クラスターと、ブライアン・イーノのコラボ作。1977年作
「ゾヴィゾーゾー」にてアンビエント・テクノの新たな地平に到達したかれらが
Roxy MusicBrian Enoとドッキングして作り上げられた本作は、
まさにドイツとイギリスの融合という新たなるシンセミュージック描いている。
基本はエレクトロ作品でありながら、自然との融和をはかるような静謐感に包まれ、
爽やかな風を思わせるエレピのつまびきに、耳心地よくまどろむことができる。
アンビエント度・・8 ロック度・・1 静謐度・・8 総合・・8
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CODA 「Sounds of Passion」
オランダのシンフォニックロックバンド、コーダの1986年作
80年代を代表するシンフォニックロックの傑作と言われるアルバムながら、以前に聴いたときには
あまりピンとこなかった。しかし、あらためてじっくり聴いてみると、いくつものことに驚かされる。
まずは自主制作同然ながら、サウンドの質の高さ。それから、効果音の取り入れ方。
風の音やシンセによる効果音、それに語りなどが、有機的に曲の一部として機能しているのだ。
タイトル曲である29分の組曲の構成も、インストによる演奏をメインとしながら、
起伏に富んでいて、聴き込むごとにじわじわとプログレとしてのこだわりが随所に感じ取れる。
繊細なピアノに、美しいフルートなど、アコースティカルな部分もとても耳に優しい。
おそらくメンバーたちのマニアックな気質と、シンフォニックロックへの愛情が生み出した
奇跡的な作品なのだと思う。押しつけがましくない、大仰すぎないセンスもまた良しだ。
ボーナスのDisc2には、貴重なデモバージョンなどを63分も収録。こちらもファン必聴である。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 構成度・・9 総合・・8.5
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CODA「WHAT A SYMPHONY」
オランダのシンフォニックロックバンド、コーダの1996年作
80年代に「SOUNDS OF PASSION」というシンフォニックの傑作を作り上げたバンドが、10年後に突如本作を発表。
メンバーはみな金持ちなのか、機材やメンバーも前作以上にゴージャスで、ソプラノ&アルトヴォーカル、ヴァイオリン、チェロ、
サックス、アコーディオン、マリンバ、その他…という大勢の奏者を集めての大作となっていて聴き応え充分。
シリアスでクラシカルな部分などは、AFTER CRYINGあたりにも通じる部分があるが、
一転、分かりやすいシンフォニック性が現れるとギターの奏でる哀愁ただようクサメロが心地よい。
アカデミックさの中にもキーボードの音などにプログレオヤジ的な愛情が感じられる点がマニア好みか。
インナーには何故か地元の市長のお墨付き推薦文なども添えられている。ともかく壮大な傑作です。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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Cosmic Jokers「Galactic Supermarket」
マニュエル・ゴッチング、クラウス・シュルツェらによるセッションユニット、コズミック・ジョーカーズの1975作
Ash Ra Tempelのセッション版ともいうべきスタイルで結成され、これが3作目となる。
18分、19分という大曲2曲という構成で、即興をまじえた浮遊感のあるサイケロックを展開。
初期アシュラのアヴァンギャルドさに加え、スペイシーなシュルツェのシンセワークも合わさって、
かつてドラマーだったシュルツェがシンセになっての新しいAsh Ra Tempelという感触もある。
サイケ度・・8 アシュラ度・・8 スペイシー度・・8 総合・・7.5
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Crystal Breed「Place Unknown」
ドイツのハードプログレバンド、クリスタル・ブリードの2011年作
キャッチーなメロディで聴かせる、IT BITESタイプのハードプログレサウンド。
モダンなシンセアレンジと適度にヘヴィなギターで、ときにProMetal的な質感も含んだ
知的な構築センスが光る。哀愁を含んだ泣きの叙情はSYLVANあたりにも通じるか。
全体的にはこれといった新鮮味ないものの、メロディックでクオリティの高いアルバムだ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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CYRIL 「Gone Through Years」
ドイツのシンフォニックロック、シリルの2013年作
元STERN-COMBO MEISSENのVoに、SEVEN STEPS TO THE GREEN DOORのシンセ奏者などが参加するユニットで、
美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せ、ゆったりとした叙情を描く、メロウでキャッチーなサウンド。
歌もの的なプログレハード質感に、コンセプト風味を感じさせるドラマティックな構成に包まれた雰囲気もよろしく、
随所にオルガンを含んだ古き良きプログレ風味も加わって、全体的に派手さはないがなかなかクオリティは高い。
MAGELLAN、IT BITESなどのファンにも楽しめるのではないかと思う。シンフォニックなプログレハードの好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 メロウな叙情度・・8 総合・・7.5
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DAAU 「Tub Gurnard Goodness」
ベルギーのチェンバーロック、Die Anarchistische Abendunterhaltungの2004年作
クラリネット、チェロ、アコーディオン、ヴァイオリンという4人編成で、不穏なチェロの音色に
クラリネット、ヴァイオリンの響きが重なり、スリリングな空気を優雅な音で表現するサウンドは、
ロック色を排したUNIVERS ZEROという雰囲気もある。ストリングスの強弱によるダイナミクスが
迫りくるような緊迫感を描き出し、ダークなクラシカル性が耳心地よくもおどろおどろしい。
一方では、アコーディオンとクラリネットが前に出た、とぼけた味わいと哀愁も感じさせ、
アコースティック主体ながら、メリハリのある聴き心地で飽きさせない。曲によってはドラムも入って
女性ヴォーカルを乗せたジャズやタンゴ風味のナンバーもあったりする。本格派チェンバーの好作品。
スリリング度・・8 チェンバー度・・9 ロック度・・3 総合・・8
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DAAU 「HINEININTERPRETIERUNG」
ベルギーのチェンバーロック、Die Anarchistische Abendunterhaltungの2017年作
アコーディオン、クラリネット、ベース、ドラムの4人編成を基本に、ヴァイオリン、チェロ、フルート、
複数のヴォーカルなど多数のゲストを加えてのアルバムで、クラリネットとアコーディオンを中心とした牧歌的なナンバーから、
落ち着いた歌声を乗せたわりとモダンなアンビエント調のナンバーなど、幅の広いアレンジのサウンドが楽しめる。
艶やかなヴァイオリンやフルートによる優美なクラシック性も耳心地よく、アコースティックを主体にした
ミニマムなアンサンブルを中心に、ドラムが入ったロック色も取り入れつつ、チェンバーロックとしての優雅さと、
適度に薄暗い自然体の味わいには、バンドとしての成熟を感じさせる。まさに大人のためのチェンバーミュージックである。
スリリング度・・8 チェンバー度・・9 ロック度・・5 総合・・8
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Dagmar Krause 「Commuters」
ドイツ人女性ヴォーカリスト、ダグマー・クラウゼの1982年作
SLAPP HAPPY、HENRY COW、ART BEARSなどのメンバーとして知られる彼女だが、
本作はRonald HeilooのピアノをバックにHarold Schellinxの詩を独唱するという作品。
1~2分前後の小曲が10曲で全17分というミニアルバムであるが、
ピアノの単音をバックに、ダグマーの歌声は淡々とした冷たさとエキンセントリックな情感を表現してゆく。
ミニマムな音数によるスリリングさが楽しめる方はチェックしていただきたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ダグマーの声度・・8 総合・・7.5
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Dagmar Krause 「Radio Session」
ドイツ人女性ヴォーカリスト、ダグマー・クラウゼの音源集
1985年のBBCラジオ出演時のセッション音源で、のちの作品「Tank Battles」へとつながる、
作曲家Hanns Eislerの楽曲を歌った音源集。ほとんどが1~2分前後の歌もので、
音質もさほど良くはないが、ダグマーのドイツ語なまりの歌声と、サックスやクラリネット、
ピアノの音色などが合わさり、チェンバーロック的なスリリングな世界観がしっかりと伝わってくる。
クラシカル度・・8 音質・・6 ダグマーの歌度・・8 総合・・7.5
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Dagmar Krause 「Supply & Demand」
ドイツ人女性ヴォーカリスト、ダグマー・クラウゼの1986年作
SLAPP HAPPY、HENRY COW、ART BEARSなどのメンバーとして知られるシンガーで、
本作はドイツの劇作家ブレヒトが作詞、ワイルとアイスラーが作曲を手掛けた歌曲のカヴァー集。
ピアノに管楽器を使用したチェンバーロック風味に、ドイツ語による彼女の歌声がシアトリカルに響きわたる。
1~3分前後の小曲ながら、ダグマーの表現力ある歌唱がたっぷり楽しめる。次作「Tank Battles」も併せて聴きましょう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ダグマーの声度・・9 総合・・8
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Dagmar Krause  「Tank Battles」
ドイツ人女性ヴォーカリスト、ダグマー・クラウゼの1988年作
SLAPP HAPPY、HENRY COW、ART BEARSなどのメンバーとして知られる彼女だが、
本作は作曲家Hanns Eislerの楽曲を取り上げた歌曲集で、ほとんどが1~3分の小曲ながら、
社会的なメッセージ性の強い歌詞とドイツ語なまりのダグマーの表現力ある歌声が合わさって、じつに濃密な聴き心地。
ドイツ語の曲では、さらにゲルマンなパワーに溢れた、艶やかでヨーロピアンな空気を表現する歌唱が素晴らしい。
随所にサックスやバスーンなども入ったチェンバーロック風味も含めて、プログレリスナーにもかなり楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ダグマーの声度・・9 総合・・8
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dAWN 「Loneliness」
スイスのシンフォニックロックバンド、ダウンの2007年作
メロトロンやハモンドが鳴り響くレトロなヴィンテージ色と薄暗い叙情美を聴かせるサウンド。
11分、17分という大曲も、繊細な感性に彩られたゆったりとした聴き心地で楽しめる。
初期GENESIS的な幻想性も感じられる雰囲気に、泣きのギターも入ってきて、
全体的にはインパクトは薄いものの、しっとりとしたメロウな気分で聴ける好作品。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5

Dawn 「Darker」
スイスのプログレバンド、ドーンの2014年作
正直、前作の印象はさほど残っていないのだが、本作はのっけからメロトロンが鳴り響き
オルガンやムーグなどヴィンテージなシンセをたっぷりと使った作風となった。
マイルドなヴォーカルとともに薄暗い叙情をゆったりとに描いてゆくところは
AnglagardやAnekdotenなどを思わせる。18分の大曲を含め10分前後の長曲を中心に、
適度にスリリングな感触をまじえて構築してゆくところには、バンドとしての成長が窺える。
ヴィンテージ系プログレファン、メロトロン好きはぜひチェックしてください。
ドラマティック度・・8 プログレ度・8 メロトロン度・・8 総合・・8
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DRAGONFLY
スイスのプログレバンド、ドラゴンフライの1981年作
美しい点描のジャケや内容の素晴らしさで、マイナーながらも隠れた傑作とされている。
以前に聴いた時は、まあ悪くはないな…という程度の認識だったのだが、
今になって改めて聴きなおしてみると、これがえらく良かったりする。
まずこの手の単発ものにしては録音がよく、曲のアレンジが細かい。
ロックとしての躍動感とキャッチーなメロディセンスとが上手くまとめられていてとても聴きやすく、
大曲におけるシンフォニックな叙情もYESGENESISあたりに引けをとらない。
陽性のセンスの良さでは、今でいうSPOCK'S BEARDあたりにも通じるところもある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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Drum Circus 「Magic Theatre」
スイスのサイケロック、ドラム・サーカスの1971年作
のちにBrainticketに加入するJoel Vandroogenbroeckを中心に、ドラマーが3人も参加という異色の編成で、
オルガンにフルート、サックスが鳴り響き、ドラムやパーカッションのリズムとともに、フリーキーな演奏を繰り広げる、
アヴァン・サイケ・ジャズロックというサウンド。男女ヴォーカルの歌声や語りを乗せたシアトリカルな妖しさは、
いかにも混沌としたサイケであるが、演奏自体にはフリージャズの要素も強く、シタールなどの東洋的な感触も覗かせながら、
ときに叙情的にときにアヴァンギャルドな展開で21分の大曲を描いてゆく。2曲目以降はジャズとサイケの中間のような小曲や
8分を超えるジャズロックナンバーなど、わりと優雅に楽しめる内容になっている。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
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EARTH AND FIRE
オランダのポップロックバンド、アース・アンド・ファイアの1st。1969年作
紅一点、ジャーネイ・カーグマンの歌声を中心に聴かせる、プログレ以前のキャッチーでポップな
アートロックというようなサウンド。3、4分台が中心の楽曲は、のちのアルバムに比べると
ドラマティックな雰囲気は薄いのだが、オルガンの音色や随所にしっとりとした叙情も含んでいて、
初期の代表曲“Seasons”をはじめとして、女性声によるメロディックなダッチロックとしてはとても楽しめる。
ブリティッシュロックに通じる牧歌的なおおらかさと、オランダらしいやわらかなメロディが魅力的だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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EARTH AND FIRE「Song of The Marching Children」
オランダのプログレバンド、アース・アンド・ファイアの2nd。1971年作
「アムステルダムの少年兵」と題された本作は、このバンドのおおらかな牧歌性と
プログレッシブなアレンジのバランスのとれた、繊細にして優美な好作品。
ジャーネイ・カーグマンの美しい歌声にオルガンやメロトロン、ムーグなどのシンセ、
メロウなギターとともに、素朴な牧歌性に包まれたやわらかなサウントが楽しめる。
タイトル曲である18分の組曲は本作のハイライトで、随所にオーケストラの入ったアレンジとともに
繊細にしてドラマティックに構築される。次作と並んでバンドの代表作というべきアルバムです。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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EARTH AND FIRE「Atlantis」
オランダのプログレバンド、アース・アンド・ファイアの3rd。1973年作
なにやらサイケデリックなジャケに包まれた本作は、のっけから16分のタイトル組曲で、
3拍子のリズムに乗る泣きのギターメロディが叙情的に響きわたる。美しいシンセアレンジに、
ジャーネイ・カーグマンの歌声がやわらく包み込み、緩急のついた楽曲展開も見事な大作だ。
2曲め以降は、キャッチーなポップ性も含んだコンパクトな曲もあるが、メロトロンが鳴り響きながら
あくまで叙情的な聴き心地で、シンフォニックロックとしてのバンドの最高傑作というべき作品だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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EARTH AND FIRE「3ORIGINALS」
オランダのプログレバンド、アース・アンド・ファイアの3rd~5thのカップリングアルバム。
Disc1には、3rd「Atlantis」(1973)、4th「To the world of the future」(1975)、Disc2には、5th「Gate to infinity」(1977)に加え、
シングル曲などを多数収録。3rd「Atlantis」は16分のタイトル組曲をメインに、シンフォニックかつ叙情的に聴かせるバンドの最高傑作。
4thになると、楽曲にややポップな色合いが出てくるが、11分のタイトル曲など、プログレ的なアプローチも充分健在で、
美しいシンセワークにジャーネイ・カーグマンの歌唱が映える。5thではさらに曲は短くコンパクトになり、
落ち着いた大人のポップロックという雰囲気になる。ただメロディの美しさは変わらず、プログレとして考えなければ普通に楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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EDEN 「Erwartung」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エデンの1978年作
美しいフルートにヴァイオリンの音色、繊細なピアノとやわらかなシンセアレンジに包まれて、
ドイツ語のヴォーカルが歌を乗せる、曲によっては女性ヴォーカルも加わった優雅な美意識にうっとり。
ドイツ語よる朗読が入るとAnyone's Daughterを思い出したりもするが、メロウなギターのセンスも含めて、
70年代のジャーマンシンフォとしては傑作というべき出来だ。ラストは16分の大曲でラストへと続くドラマティックな展開が圧巻だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・9 総合・・8
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EDEN 「Perelandra」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エデンの1980年作
美しいシンセアレンジに、メロウなギターを乗せ、女性ヴォーカルの歌声を乗せた
優美なシンフォニックロックサウンド。艶やかなヴァイオリンも加わった優雅な叙情性は
Renaissanceあたりに通じる感触もあるが、ドイツ語による響きはどこかミステリアスだ。
男性ヴォーカルがりーどをとるフォークロック的な感触や、曲によってはサイケ寄りの幻想的な浮遊感も現れる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・9 総合・・8
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EDEN「HEIMKEHR」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エデンの未発表曲集。1980作
78~80年にかけて「Erwartung 」「Perelandra」という2枚のアルバムを残したバンド。
男女Voを配した優美なサウンドで、ドイツ産のシンフォニックロックとしてはかなりのクオリティだった。
これは彼らの1st以前のマテリアルを集めたもので、上記の2作に比べるとやや荒削りで
完成度としては落ちるものの、随所にきらびやかなシンセによるクラシカルなテイストが聴かれ
そこに重なるドイツ語による美しい女性コーラスにはやはりうっとりする。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7


EELA CRAIG「SYMPHONIC ROCK」
オーストリアのシンフォニックロックバンド、イーラ・クレイグの2nd/3rd。
1976年発表の2nd「ONE NITER」と、1977年の3rd「HATS OF GLASS」をカップリングしたもの。
EELA CRAIGといえば、この後の4th「MISSA UNIVERSALIS」が有名であるが、この2nd、3rdの時点で
すでに彼らの持ち味は確立、スペイシーなシンセを中心としたゆったりとたゆたうようなサウンドは、
ヨーロピアンな情緒に満ちている。静か目のパートがメインながら、時折泣きまくるギターも、
いかにもドイツ圏のバンドらしいロマンティシズムに溢れていて、ここぞと楽曲を盛り上げている。
シンフォニック度・・8 スペイシー度・・8 しっとり繊細度・・9 総合・・7.5
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Egdon Heath 「Nebula」
オランダのシンフォニックロック、エグドン・ヒースの1996年作
二人のシンセ奏者を含む6人編成で、メロウなギターワークに美麗なシンセアレンジと、
中音域やや高めのヴォーカルを乗せた、ポンプロックルーツのシンフォニックロック。
ツインギターにシンセが重なり、適度に翳りを含んだ叙情性とモダンなキャッチーさは、
ARENA
など英国のハードプログレにも通じる感触もある。8分、10分という大曲を構築する力量も含めて、
90年代の正統派シンフォニックロックの中でも、なかなか高品質な内容だと思う。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5

EKSEPTION
オランダのクラシカルロック、エクセプションの1969年作
TRACEのリック・ヴァン・ダー・リンデンが在籍していたキーボードロックバンドのデビュー作。
のっけからベートベンの「運命」から始まって、「月光」などの有名フレーズを盛り込んだ
じつにベタなクラシカルロックを展開。ピアノにオルガンが鳴り響き、サックスやトランペットも加わった、
元気のいいブラス・キーボードロックという趣でたたみかける。何故かJethro Tullのカヴァーも挟みつつ
その後もハチャトゥリアン「剣の舞」、バッハ「G線上のアリア」、ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」、
サン・サーンス「死の舞踏」といった有名曲を、ときに優雅にときにファンキーにアレンジ。楽しいクラシカルロックです。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 ベタです度・・9 総合・・7.5
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EKSEPTION「3」
オランダのクラシカルロック、エクセプションの1970年作
3作目となる本作は、1曲目はバッハの「バディネリ」のアレンジだが、その後はバンドのオリジナル曲が続き、
朗々としたバリトンヴォーカルを乗せた、キャッチーなポップロックといった趣だが、
リック・ヴァン・ダー・リンデンのピアノやチェンバロなどのクラシカルな鍵盤アレンジに、
サックス、トランペットが絡んだ、なかなかゴージャスな聴き心地である。
オーケストラルなアレンジを取り入れた、元祖シンフォニックロックというようなナンバーもあり、
のちのTRACEに通じるような構築性もすでに感じさせる。ラストはベートーベン「ロンド」の大胆なアレンジ。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 ベタです度・・8 総合・・8
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Ekseption「5」
オランダのクラシカルロック、エクセプションの1972年作
リック・ヴァン・ダー・リンデン率いるバンドのラスト作で、1作目と同じくベートーベン「運命」のフレーズから始まるというのは、
すでに本作をラスト作とすることを決めていたからなのか。優雅なオルガン、ピアノの音色に、トランペット、サックスなどが絡む、
ブラス入りの鍵盤ロックは、よりスタイリッシュなアレンジになっていて、サウンドの完成度では最高作と言える内容だろう。
バッハ、ベートーベン、モーツァルト、さらにはNICEのカヴァーなども含みつつ、10分を超えるオリジナル曲では、
のちのTRACEにも通じる展開力と、ファンキーな楽しさが合わさったサウンドが楽しめる。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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EKSEPTION「THE VERY BEST OF」
後にTRACEを結成するリック・ヴァン・ダー・リンデンが在籍したエクセプションのベスト作品。
1968~1973年の間に残した6枚のアルバムからの選曲。鍵盤メインのクラシカルロックとしてはNICEELPが代表格だが、
彼らはそれよりもストレートに、クラシック曲のシンプルなメロディアス性を強調している。
サックスやトランペットといったブラスセクションが加わった、ジャズ色の濃いナンバーもあり、
そのあたりが好みを分けるところだが、クラシカルな曲でのたおやかな美しさは、むしろNICE以上のものがある。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・8

EKSEPTION「GREATEST HITS Ekseption Classics」
オランダのクラシカルロックバンド、エクセプションのベスト作品。
こちらはクラシック曲ばかりを集めたアルバムで、ベートーベンやバッハなどの名曲を
バンドアレンジで演奏している。のっけからジャジャジャジャーン♪と“運命”ですよ(笑)
その後も聴いたことのあるクラシック曲が、ときにかろやかなピアノタッチ、ときに典雅なハープシコード、
ときにプログレ的なハモンドオルガンを響かせて、ドラマティックに演奏されてゆきます。
しかつめらしいクラシックファンからは罵声を浴びそうですが、これは愉快で好きですね。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・9 キーボー度・・8 総合・・8


ELOY「Power and Passion」
ドイツのプログレバンド、エロイの4th。1975年作
ジャーマンメタルのプロデューサーとしても知られるフランク・ボーネマンが在籍するバンドで、
サイケロックがかった浮遊感のあるハードプログレサウンド。ブリティッシュロック的なオルガンの音色に
やわらかなヴォーカルの歌声で、いくぶんチープな感触とともにゆるやかに聴かせる作風。
うっすらとしたシンセをバックにのんびりと耳を傾けられのは、70年代ジャーマンロックの感触で、
このサイケ気味のユルさを心地よいと思うか、退屈と思うかで評価が分かれる作品かもしれない。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ゆるやか度・・8 総合・・7.5
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ELOY「Dawn」
ドイツのプログレバンド、エロイの5th。1976年作
リーダーのフランク・ボーネマン以外のメンバーががらりと変わり、サウンドの方も前作のユルい路線から
いくぶんソリッドになったハードシンフォニック的な感触を強めている。美しいシンセアレンジと、
メロディックなギターフレーズ、そしてマイルドなヴォーカルで聴かせる、ドラマティックなサウンドだ。
随所にストリングスや女性による語りなども加わって、物語的でコンセプチュアルな壮大さも感じさせる。
適度にユルめの浮遊感とやわらかな叙情を含ませた、スケールの大きな力作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ゆるやか度・・8 総合・・8
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ELOY 「Ocean」
ドイツのプログレバンド、エロイの6th。1977年作
11分、8分、8分、15分という、全4曲からなる作品で、前作と並び70年代エロイの代表作である。
うっすらとしたシンセアレンジとメロウなきギターが鳴り響き、サイケ気味の浮遊感も残しつつ、
今作ではメロディの輪郭がはっきりしたことで、ぐっとドラマティックな雰囲気が強まっている。
シアトリカルな雰囲気のヴォーカルとともに、コンセプト的なスケール感を感じさせるのもいい。
美麗なシンセが包み込む壮大なシンフォニックロックとしても楽しめる傑作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ゆるやか度・・8 総合・・8
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ELOY 「Live」
エロイのライブ作品。1978年作
1977年の傑作「Ocean」の大曲を中心にしたセットリストで、アルバム以上に躍動感のある演奏が楽しめる。
オルガンを含んだ美しいシンセワークに、サイケロック的でもあるギターのリフレイン、
ドイツ語なまりの英語ヴォーカルを乗せて、ゆるやかで壮大なシンフォニックが広がってゆく。
同郷のAnyone's Daughterにも通じるような幻想的なロマンティシズムをに包まれた空気感と、
おおらかなスケール感はとても魅力的で、技巧的なところはなくてもシンセを中心にしたスペイシーな美しさに浸ることができる。
76年作「Dawn」からも3曲取り上げ、ラストは「Ocean」収録の20分の組曲。77分たっぷりの濃密ライブ作品。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 幻想度・・8 総合・・8
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ELOY 「Silent Cries and Mighty Echoes」
エロイの7th。1979年作
次作以降はしだいにポップな感触をまとってゆくのだが、本作の時点ではまだプログレらしいシンセアレンジに
前作からの流れである壮大な浮遊感というべき、スケールの大きさを感じさせるシンフォニックロックが楽しめる。
美しいシンセアレンジとメロウなギターワークとともに、幻想的な世界観で描かれる15分近い組曲もなかなか圧巻。
派手な展開というのはないのだが、スペイシーなシンフォサイケというか、PINK FLOTDのシンフォ版というか、
ゆるやかな耳心地が気持ち良いのである。前作、前々作とともに、70年代エロイの傑作というべき作品であろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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ELOY「COLOURS」
ドイツのプログレバンド、エロイの8th。1980作
1971年のデビューから現在まで20作近くも出しているベテラン。本作はポップになり始めた時期の作品で、
厚みのあるシンフォニックなキーボードによるモダンなアレンジが加わったなかなかの好作だ。
やわらかなヴォーカルも含めて後期のANYONE'S DAUGHTERをさらに今風にしたような質感もあるが、
ドイツ特有の湿りけのある雰囲気もしっかりと感じられて、前作よりもシンプルにはなったがこれはこれで悪くない。
プログレとしてよりは、むしろキーボードを多用したハードロックとして聴いても案外楽しめるかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5
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ELOY 「Ocean2 The Answer」
ドイツのプログレバンド、エロイの1998年作
1971年のデビューのベテランで、本作は1977年作の続編となるコンセプト作。
壮大なイントロから、美麗なシンセアレンジに包まれてマイルドなヴォーカルに適度にハードなギターを含んで、
ベテランらしい構築力で、10分前後の大曲をじっくりと描いてゆく。ときにキャッチーなノリを覗かせたり
メロウな湿り気を含んで、ゆったりと展開する楽曲は、かつての頃のサイケ感触は薄れているが、
混成コーラスを含んだラストの大曲なども含めて、スペイシーな雄大さを感じさせる世界観はこのバンドならではだろう。
スリリングな起伏や、メロディのフックという点では、やや物足りなさと長尺感はあるものの、彼ららしい力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 雄大度・・8 総合・・7.5
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EMTIDI「saat」
ドイツのサイケ・フォークプログレ、エムティディの1972年作
邦題は「芽生えの時」。男女のデュオで、ピアノやメロトロン、オルガンを含むシンセに、
アコースティックギターとたゆたうような女性ヴォーカルが歌を乗せる、しっとりとしたサウンド。
英国のサイケ、アシッドフォーク的な質感もあり、いくぶんSPIROGYRAあたりにも通じるが、
こちらの方がよりロマンティックで儚げな雰囲気に包まれた、茫漠とした幻想的な味わいである。
ジャーマン特有のシンセミュージック的な自由度と、たおやかなロマンが交差した素朴な作風だ。
10分を超える大曲もあり、夢見がちなシンフォニックロックとしても楽しめる好作品です。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 夢見度・・9 総合・・7.5
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Epidaurus「Earthly Paradise」
ドイツのシンフォニックロック、エピダウラスの1977年作
自主制作のアルバムながら、これがなかなか素晴らしい叙情派シンフォの傑作。
オルガンやメロトロン、ムーグといった多彩なキーボードが鳴り響き、
そこに美しい女性ヴォーカルの歌声が重なると、もううっとりするほどに優美なサウンドになる。
キーボードの奏でる旋律は、我々日本人が好むメロディアスさで、随所にフルートの音色も入るなど
その繊細な美意識は素晴らしい。Anyone's Daughterにも引けをとらないシンフォニック作品です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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EPITAPH
ドイツのハードロックバンド、エピタフの1971年作
イギリス出身のメンバーがドイツに渡ってバンドを組んだというのは、NEKTARと同じパターンであるが、
こちらはプログレというよりは、ツインギターによるハードロック色が濃いサウンドで、
Three Man Armyあたりに通じる、ブルージーなブリティッシュロック色のある聴き心地である。。
一方ではメロトロンやオルガンなどが加わった、プログレファン受けする叙情性もあり、
8分、10分という大曲では牧歌的なおおらかさも感じさせ、Wishborn Ashあたりのファンにも楽しめるだろう。
後のメタルバンドDOMAINの前身としても知られるバンド。英国とドイツの混合バンドの好例であろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 英国ロック風度・・8 総合・・7.5
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EPITAPH 「Stop Look & Listen」
ドイツのハードロックバンド、エピタフの1972年作
前作のブルージーな英国ロック風味をいくぶん洗練させた印象の2作目。
哀愁の叙情を含んだ雰囲気と、マイルドなキャッチーさが同居したサウンドは、
NEKTARなどに接近したようなやわらかな聴き心地である。8分、9分という大曲も、
ツインギターにオルガンも加わった知的でドラマティックな構築センスが光っている。
ブルーズ色が薄れた分、むしろプログレファンには前作以上に楽しめるかもしれない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 英国ロック風度・・8 総合・・8
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EPITAPH 「Outside the Law」
ドイツのハードロックバンド、エピタフの1974年作
アメリカツアー後に、アメリカで制作されたアルバム。サウンドはよりキャッチーになり
カントリー調のロック色が強まっている。いわばアメリカンなツェッペリンという感じの感触で
プログレ的な要素はずいぶん減っている。楽曲的にはこれといって特筆すべきものはなく、
ツインギターによる音の厚みのおかげでそこそこ楽しめるのだが、前作に比べるとやはり印象が弱い。
オルガンの使用も味付け程度である。ラストの9分の大曲はかろうじてプログレ風味を残した好曲ですな。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・5 英国ロック風度・・7 総合・・7
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Eskalationdifferent music for bassoon,wind synthesizer and sampled percussion
ドイツのチェンバーロックユニット、エスカレーションの2000年作
バズーン、コントラバス、シンセを使いこなすステファン・コール氏による個人作で、
UNIVERS ZEROを思わせるダークめのクラシカルなチェンバーサウンドをやっている。
ゲストによるヴァイオリンもアクセントになっており、シンセと打ち込みによるリズムで
緊張感の表現としてはややあざといものの、モダンなセンスの良さも感じさせる。
むしろUZよりもシンフォニックでメリハリが分かりやすい音なので、
チェンバー初心者や若いリスナーにもアピールするかもしれない。
クラシカル度・・8 チェンバー度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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Eureka 「Shackleton's Voyage」
ドイツのマルチプレイヤー、Frank Bossertを中心にしたシンフォニックロックユニット、エウレカの2009年作
1914年、南極横断を目指す航海の途中で漂流の末に奇跡の生還を果たしたアイルランドの探検家、
アーネスト・シャクルトンの冒険をテーマにした作品。IONAのトロン・ドノックリー、RPWLのシンセ奏者らも参加。
雄大なシンセワークを中心に、随所にバグパイプなどによるケルティックなメロディを盛り込むあたりは、
どことなくMIKE OLDFIELD的であったりもする。楽曲自体はインストなのだが、曲間にナレーションを入れることで、
航海の記録的なシリアスさが生まれ、それぞれの曲ごとに描かれる場面を想像することができる。
ただ、派手さはなく、最後まで淡々と進むので、シンフォニックロックとしての盛り上がりにはやや欠けるか。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・7.5
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EVERONParadoxes」
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの1st。1993年作
きらきらとしたシンセワークにメロディアスなギター、キャッチーなヴォーカルで聴かせる
耳心地のよいシンフォニック・プログレサウンド。楽曲に難解さはまったくなく
いうなれば、カナダのSAGAをさらにまろやかに、メロウにしたという印象。
アルバムを重ねるごとにハードな重厚さを増してゆくが、キャッチーなプログレハードとしては本作が最高だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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EVERONFlood」
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの2nd。1995作
美麗なイントロから、哀愁を帯びた歌メロが始まり、ゆるやかに美しい展開美で聴かせる。
楽曲は前作以上にダイナミズムが増し、本格派のシンフォニックプログレとなった。
曲は5、6分台がメインで難解さはなく、キャッチーさとハードさのバランスも見事。
アメリカのMagellanなどと同じように、高品質シンフォニックハードのお手本のような一枚だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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EVERON「FANTASMA
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの4th。2000作
このアルバムからギターが変わったらしいが、音の方は相変わらず聴きやすい、
プログレ・ハードで、シンフォニックかつ重厚にたたみかける1曲目からして耳を惹きつける。
やわらかみのある歌メロにしろ、華麗なキーボードアレンジにしろ非凡なものを持っているのだが、
全体を通して聴くと「これだ」という部分が意外に少ないのもこのバンドの特徴か。
メタルファン、プログレファンの両方にアピールする代わりに、私のような両刀聴きには
どっちつかずの音に聴こえなくもない。「いっそのこともっとメタルになったら?」とも思う。
5~9にかけてのタイトル組曲はなかなかの力作。時折入るヴァイオリンが美しい。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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EVERON「BRIDGE」
ドイツのシンフォニックハードバンド、エヴェロンの5th。2002年作
地道に活動を続けるこのバンドだが、アルバム毎に聴かせる、高品質な完成度と
メロディアスでファンタジックなサウンドに比べて、知名度がさほど上がらないのが残念である。
これは次作「Flesh」と対をなすアルバムとなっていて、全体的に以前よりもややヘヴィな作風となっているが、
曲は5分前後のものがメインなので難解さはまったくなく、綺麗な歌メロやメロディアスなギターなど、
じつにドラマティックな雰囲気に包まれている。これならプログレが苦手というメタルリスナーでも聴けるだろう。
現時点でのバンドとしての最高作であり、これはいわば重厚なメロディックシンフォの傑作といってもいい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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EVERON「FLESH」
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの6th。2002作
サウンドは、重厚な1曲目以降はややおとなしい感じのしっとりとしたものが多く、
前作に続きヴァイオリンを効果的に用いたり、女性Voを導入したりとけっこう手が込んでいる。
4曲目の14分のタイトル曲は良いね。シンフォニックかつダイナミック、泣きのギター炸裂。
ただ毎回のことながら全体的に「あと一歩」感がどうしてもあるのは、単に私の好みのせいなのか?
シンフォニック度・・8 メタル度・・6 楽曲・・7 総合・・7.5
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EVERON「North」
ドイツのハード・プログレバンド、エヴェロンの7th。2008年作
毎作質は高いものの、どうしてもマニア好みのバンドに甘んじてきた地味さがあったが、
本作では4~6分台の比較的コンパクトな楽曲が並ぶ、キャッチーで分かりやすい作風だ。
軽すぎず、重すぎずといったプログレハード的なバランス感覚と、叙情的なメロディラインでシンフォニックかつ
雄大に聴かせるサウンドは相変わらず質が高く、プログレ好きのメタルリスナーなどにも対応の好作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 雄大・・8 総合・・8
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Faithful Breath 「Back on My Hill」
ドイツのプログレバンド、フェイスフル・ブレスの1980年
1973年作に続く2作目で、やわらかなヴォーカルとうっすらとしたシンセアレンジに包まれた
牧歌的な素朴さを感じさせるサウンド。次作以降でメタルバンド化するとは想像もつかない。
Anyone's DaughterやNOVALISなどに比べると、いくぶんあか抜けない野暮ったさがあって、
メロトロンが鳴り響くリリカルな泣きの叙情も含みつつ、ギターの音やヴォーカルの歌唱には
ときおりハードロック的な部分も見え隠れしている。プログレハード的な16分の大曲もなかなか見事。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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FAUN 「Wondrous End」
ドイツのプログレバンド、ファウンのライブ音源。1998年作
ドイツには同名のトラッドゴシック系バンドがいるが、こちらは別バンド。1998年の解散ライブのステージをCD2枚に収録。
シンセに女性フルート奏者を含む編成で、ジャケのイメージのような魔術的な薄暗さに包まれた世界観。
フルートの音色が美しいイントロから、しっとりとしたシンセにメロウなギターが絡み、マイルドなヴォーカルとともに聴かせる
Genesis + Marillionルーツのシンフォニックロックが広がってゆく。10分を超える大曲も多く、CD2枚で合計150分弱のボリュームはやや長尺だが
アコースティカルな叙情も含め、同じドイツのSylvanや、ポーランドのSATELLITEなど、薄暗系シンフォが好きな方にもオススメできる。
シンフォニック度・・7プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5


Fauns 「Awaiting the Sun」
ドイツのフォーク・プログレバンド、ファウンズの2010年作
うっすらとしたシンセにアコースティックギター、男女Voのやわらかな歌声で聴かせる
幻想的なフォークロックサウンド。随所にドラムやエレキギターも加わったロック色もあり、
オルガンが鳴り響くところなどはプログレリスナーにも対応。序盤は男性声メインだが、
中盤以降の女性ヴォーカル曲の方にやはりうっとりで、アシッド・フォーク的にも楽しめる。
一方で、10分を超える大曲などは、シンフォニックロック風味の構築力もあって、懐の深さも感じさせる。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・8 総合・・7.5




Faust
ジャーマンロックバンド、ファウストの1st。1971年作
ヴュンメという町の廃校にコミューンを形成し、そこでレコーディングされた作品。
このバンドは、その特異な個性においてジャーマンロックの中でも謎多き存在だ。
テープの切り貼りでつなげられコラージュされた楽曲は、不思議な薄暗さをかもしだしつつも、
部分部分の演奏自体は決して難解なものでなく、案外感覚で聴いて楽しめる。
ドラムに乗せるギターと管楽器のフレーズはサイケロックとしてはむしろシンプルであるが、
効果音や意味不明の語りなど、予測のつかない曲の編集によって聴き手を不安にさせる。
ただ決してダイレクトに混沌を表現したものではなく、アヴァンギャルドさの中にも
作品としての整合感を覗かせており、それがある種の静謐感や美しさを作り出している。
今でいうところのポストロック的な内的壮大さもある。ジャーマンロックのひとつの金字塔だろう。
アヴァンギャル度・・10 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8.5
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Faust 「So Far」
ファウストの2nd。1972年作
1曲目はしごくシンプルで、前作よりもロックとしての演奏志向が増している。
2曲目はアコースティック。部分部分の切り貼りで長曲をなしていた1stに比べ、
今作では曲ごとに雰囲気の異なるテーマを聴かせるという作風になっている。
もちろん彼らの描こうとする得体のしれないビジョンと静謐な薄暗さは健在で、
シンセにトランペットが美しい3曲目などはポストロック的だ。途中から曲調が変わり
サイケでドラッギーな緊張感が現れるのがまた面白い。前作が芸術作品ならこちらは混沌ロックといったところか。
アルバム後半の力の抜け具合はやや物足りないが、つかみ所のなさも味になっている。
アヴァンギャル度・・8 ロック度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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Faust 「Tapes」
ファウストの3作目。1973年作
2作の傑作を残した後、バンドはヴァージンレコードと契約。本作はバンドのプロモーション用に作られた作品で、
1971~72年にレコーディングされた音源を、プロデューサーのウーヴェ・ネッテルベックが編集したアルバムだ。
43分全1曲という構成で、フォークタッチの牧歌的なパートなども入りつつ、怪しげに叫ぶヴォーカルに、
管楽器が鳴り響き、唐突なSEなどを含む、アヴァンギャルドなミクスチャー感覚は、
ポリドール時代の流れをくむサウンドコラージュ的な手法で、バンドの本質をよく表現している。1stの不穏な空気感と、
2ndでのロック色を同居させつつ、スリリングな流れで編集しているのも見事。前2作を気に入っている方なら必聴だろう。
アヴァンギャル度・・9 ロック度・・6 サイケ度・・8 総合・・8
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Faust 「IV」
ジャーマンロックバンド、ファウストの1973年作
ヴァージンレコード移籍後に録音された最初のアルバムであり、70年代ファウストのラスト作でもある。
アヴァンギャルドな1st、ロック的な感触を強めた2ndと、どちらもがジャーマンロックの傑作として名高いが、
本作は10分を超える一曲目、その名も「クラウトロック」からシンセの重なりによるスケール感に包まれて
ノイなギターにドラムも加わった、ポストロック的でもある不穏なトリップ感に浸ることができる。
シンプルなリズムに乗せたリフレインによる浮遊感はサイケ的でもあり、2曲目以降は歌入りのキャッチーなナンバーや、
メロディックなフレーズを鳴らす牧歌的なユルさも含めて、初心者にもわりと聴きやすい作品だろう。
再発盤のボーナスDiscには、1973年英BBC用ライブ音源と未発曲を合計57分収録。ファンは必聴ですな。
アヴァンギャル度・・7 ロック度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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Faust 「C'est Com...Com...Complique」
ジャーマンロックバンド、ファウストの2009年作
1999年作以来となるアルバムで、ややノイジーなギターリフに、ベルの音が重なり、
ドラムのリズムに乗せて単調に反復する、9分のナンバーで幕を開けるのが、いかにも「らしい」。
ドイツ語の語りのような歌声に、シンセも加わった、どっしりとしたナンバーなども、
ポストロック的でもある空間的なスケール感に包まれていて、冷たい美しさを感じさせるのも、
うっすらとしたシンセアレンジによるところが大きい。全体的には、適度なアヴァンギャルド性とともに、
ほどよいロック性がブレンドして、わりと聴きやすい作風なのだが、極端さに欠ける分物足りなさも。
アヴァンギャル度・・7 ロック度・・7 サイケ度・・7 総合・・7.5
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Faust 「Something Dirty」
ファウストの2011年作
今作はジャケの雰囲気からしてダークだが、サウンドの方も、ノイジーなギターにシンセを乗せ、
無機質な暗がりを感じさせる、インダストリアルなナンバーで始まる。その後もポストロック的な、
静謐な空間性と不穏な空気を、サウンドスケープ的なギターとシンセの重ねで描いてゆく、
初期の作品にも通じる、音楽の定型にとどまらないアーティスティックな世界観に包まれている。
ゲストによる女性ヴォーカルを乗せた、しっとりとした倦怠的なナンバーなども魅力的で、
誤解を恐れずに言えば、ポストロック化したクリムゾンのようなサウンドに聴き惚れる。
サイケ要素が減退し、代わりにスリリングな緊張感と、冷徹な暗がりを感じさせる力作である。
アヴァンギャル度・・8 ロック度・・7 ポストロック度・・8 総合・・8
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Faust 「Just Us」
ファウストの2014年作
闇に包まれたジャケのイメージ通り、前作でのダークで不穏な路線を継承した作風で、
生々しいドラムとドゥーミィなベースに、ヘヴィでノイジーなギターを乗せ、
クリムゾンの実験性をよりアヴァンギャルドに推し進めたようなサウンドを展開。
シンセやヴァイオリンなどを、上質のノイズというか、パーツのように使いながら、
前作の作風をさらに無機質化したというべき、愛想の無さが不気味で心地よい。
一方では、サイケなユルさを前に出したナンバーや、ピアノをメインにしたチェンバー風味と、
振り幅の大きさもこのバンドらしい。静謐な暗闇を感じさせる、じつに先鋭的な作品です。
アヴァンギャル度・・9 ロック度・・7 無機質度・・8 総合・・8
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FINCH「Glory of the inner force」
オランダのプログレバンド、フィンチの1st。1975年作
オランダを代表するプログレといえば、まずはFOCUSであるが、このFINCHもお忘れなく。
10分前後の4曲の大曲という構成で、クラシカルな美意識とテクニカルな構築に富んだサウンドで、
ヤン・アッカーマンにも決してひけをとらないヨープ・ヴァン・ニムヴェーゲンの巧みなギターと、
オルガンやメロトロンなどのシンセワークを中心に抜群のインストプログレを聴かせる。
泣きの叙情とダイナミックな表現力が合わさったギタープレイはじつに見事。2nd以降に比べると
荒々しい演奏だが、その分勢いがあって濃密。クラシカルなクサメロ炸裂のボーナス曲もGood。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 泣きのギター度・・8 総合・・8
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FINCH「Beyond Expression」
オランダのプログレバンド、フィンチの2nd。1976年作
20分、8分、14分という、さらなる大作志向を追求したアルバムで、
1stに比べるとサウンドがいくぶんソフィスティケイトされたという印象。
名手ヨープのメロウなギターフレーズを軸にした軽やかなサウンドを構築している。
フュージョン風味が加わったともいえるが、反面にロック的な荒々しいキダーも随所に効かせ
それがピアノ、オルガンなどの繊細な鍵盤ワークとコントラストを描いている。
大曲におけるリリカルな引きの叙情とダイナミックな高揚感のメリハリもついた傑作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 泣きのギター度・・8 総合・・8
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FINCH「Galleons Of Passion」
オランダのプログレバンド、フィンチの3rd。1977年作
バンドのラスト作であり、最高傑作ともされる本作は、前の2作よりもぐっとメロディの洗練度が増し、
リリカルな美しさが全面に溢れている。シンセとドラムが交替したこともあってか、これまでのロック的な情熱的な演奏から、
シンフォニックなフュージョンプログレ風のスタイリッシュな柔らかさに包まれている。
ヨープ・ヴァン・ニムヴェーゲンの泣きのギターはいっそう叙情的に奏でられ、聴き手の涙腺を刺激する。
Yesの“Your is no Disgrace”を思わせるラスト曲まで、FOCUSの最高傑作にも匹敵するクオリティの高いアルバムだ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 泣きのギター度・・9 総合・・8.5
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FINCH 「Passion on Stage」
オランダのプログレバンド、フィンチのライブ作品。2012年作
かつて「熱情の記録」というタイトルで発売されていたDisc2のライブ音源に新たな未発音源を加えた、
いわば日本独自の完全版ライブ作品である。オランダのバンドとしてはFOCUSと並び称されるほどであるが、
70年代に3枚の作品を残して消滅、ここに収録されているのは1975~76年の音源で、
きらびやかなシンセと絶品のギターワークによる生々しく、躍動的なアンサンブルが楽しめる。
とくにヤープ・ファン・ニムヴェーヘンのギターは、ヤン・アッカーマンにも劣らないセンスとテクニックで、
メロディックなフレージングを乗せてサウンドの核を担っている。75年の未発音源は音質はさほど良くないが、
ファンには貴重なテイクだろう。1996年の音源は音質が良くなり、より熟成されたアンサンブルが素晴らしい。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・8
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FINCH「Mythology」
オランダのプログレバンド、フィンチのアンソロジー。2013年作
70年代に3枚の作品を残したこのバンド、本作はその3作のリマスター音源にライブ音源とデモを収録した3枚組作品。
ヨープ・ヴァン・ニムヴェーゲンの絶品のギターワークを中心に、美しいシンセアレンジと叙情メロディで聴かせる
軽快な曲調のインストサウンドは、同郷の先輩であるFOCUSをよりメロディックにしたという雰囲気で
いま聴いても、楽曲、演奏ともに一線級レベルである。Disc1、2には、1st~3rdの全曲+未発のライブ音源を収録。
曲順がアルバムとは違うのでけっこう新鮮に楽しめ、やや粗削りながら勢いのある1st、大曲の構築力に磨きのかかった2nd、
そして最高作というべき3rdのメロディアスな泣きと、各作品がやはりそれぞれに魅力的だ。Disc3のデモ音源もファンには嬉しい。
なお、ライブ音源は別作の「Passion on Stage」とかぶるので、完全盤を聴きたい方はそちらも手に入れるべし。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 ギターメロ度・・9 総合・・8.5
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Fish on Friday 「Airborne」
ベルギーのプログレハードユニット、フィッシュ・オン・フライデーの2012年作
メジャー感のあるAOR的なポップ性で聴かせるキャッチーなサウンド。
美しいシンセアレンジに適度なハードさを含んだギターと、
アダルトな味わいのヴォーカルとともに、80年代的な雰囲気を描いている。
3~5分台の楽曲は、シンプルなプログレハード的で、あくまで耳心地の良さが光る。
これという派手さはないのだが、じっくりと楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 AOR度・・8 総合・・7.5



Fish on Friday 「Godspeed」
ベルギーのプログレハード、フィッシュ・オン・フライデーの2014年作
前作はメジャー感のあるAOR的なポップ性の好作であったが、本作はのっけから10分を超える大曲で
ぐっとシンフォニックな質感が増している。透明感のあるシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せて
繊細なメロディアス性で描かれるサウンドは、YesAsiaをより美麗にしたという感触で、しっとりと味わえる。
2曲目以降も、厚みのあるシンセによるシンフォニック性と、Moon Safariを思わせる美しいコーラスなども含んだ
キャッチーなやわらかさで、とても耳心地がよい。プログレ的な展開やテクニカル性というのはあまりないのだが、
とにかく繊細にして優美な作風には心が和まされる。ゆったりとメロディックな叙情美が好きな方にはマスト。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 繊細で優美度・・9 総合・・8
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Fish On Friday 「Quiet Life」
ベルギーのプログレハード、フィッシュ・オン・フライデーの2017年作
前作も絶品のメロディで聴かせる傑作であったが、本作はのっけからオルガン鳴り響くオールドな感触に、
マイルドなヴォーカルを乗せた繊細な叙情に、メロウなギターを乗せた優しいシンフォニックロックが広がる。
女性声も加わった優美なメロディアス性は、ときにKAYAKなどにも通じる雰囲気もありつつ、
キャッチーなプログレハード風味をより繊細かつメロウに仕立て上げたというサウンドだ。
アコースティックギターやフルートも鳴り響く、しっとりとしたパートも含みつつ、泣きのギターフレーズや
Moon Safariばりのコーラスでじわじわと盛り上げる、シンフォニックロックとしての王道もしっかりと聴かせる好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優美な叙情度・・9 総合・・8 
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5bridgeS「The Thoas Tracks」
オランダのプログレバンド、ファイブ・ブリッジズの2008年作
シンセを含む5人編成で、一聴してガブリエルちっくなヴォーカルと美しいシンセアレンジ、
さらにはモダンなエレクトロ感覚も取り込んだ、メロディアスかつキャッチーな耳心地のサウンド。
GENESISルーツの叙情プログレを現代的なセンスで再構築したというべき雰囲気で、古臭さは感じさせないし、
随所にメロウなギターフレーズもよい感じで、軽妙かつ優雅な味わいは、オールドなプログレファンも唸らせるだろう。
10分を超える大曲もダイナミックな展開力で聴かせてくれる。結果としてオランダらしいメロディックな傑作に仕上がっている。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8


FLAIRCK「LIVE IN AMSTERDAM」
オランダのアコースティックバンド、フレアークのライブアルバム。CD2枚組。1980作
アートな感性を前面に押し出した演奏で、アコースティックとはいえプログレッシブな質感の作品を多く作り出すこのバンド。
これはバンドの顔であったフルート奏者、ピーター・ウィーカースが在籍した頃のライブ音源で、
基本はフルート、ヴァイオリン、アコギ×2という4人編成で演奏している。
アコースティック楽器でありながら、ときに恐るべき早弾きや曲芸的な演奏を繰り広げ、
フルートとヴァイオリンが縦横無尽に美しき音色を奏で、アコギの音色がそれを優しく包む。
上手いだけでなく、ゆったりとした楽曲での繊細な表現力もさすがである。
アコースティックプログレ度・・9 繊細度・・9 技巧度・・8 総合・・8

FLAIRCK「The Parade」
オランダのアコースティックバンド、フレアークの1992年作
ボッシュの絵画をテーマにした作品で、超絶なフルートの音色にマンドリンやアコースティックギター、
艶やかなストリングスの音色や厳かなチャントが加わって、中世のロマン香り漂う世界が広がってゆく。
プログレ方面からの評価の高い作品で、フレアーク初心者にもお薦めできる1枚です。
アコースティックプログレ度・・9 繊細度・・9 技巧度・・8 総合・・8
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FLAIRCK「THE CHILEAN CONCERTS」
オランダの技巧派アコースティック集団、フレアークのライブ。1995作
超人的演奏と同時に叙情性が同居し、そこに旅芸人的な奔放さを内包したサウンド。
アコギ、チェロ、フルートにパーカッション、コーラスも加え繰り出される躍動の芸術。
単なるトラッドの域には到底収まらぬその演奏は、全てのジャンルを超えている。
バンドはいまだに現役。孤高の音楽を創作し続けている。
メロディアス度・・8 大道芸人度・・10 演奏力・・10 総合・・9
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FLAIRCK「Oeuvre」
オランダのアコースティカルプログレバンド、フレアークの22枚組みBOX。
彼らのCDは希少なものが多く、コンプリートは不可能…と思っていただけに、これは嬉しい。
FLAIRCKはアコースティック楽器を超絶な技術で弾きこなす、芸術性と大道芸人根性に溢れる、まるでサーカスのようなバンド。
アコースティックギターに、ヴァイオリン、フルートなどによるアンサンブルはあまりに上手すぎて、
BGMのように聴き流すことも可能なくらいなめらかですが、よくよく聴くと唖然とする…という類。
とくに、超速吹きフルートを聴かせるPETER WEEKERSが脱退するまでの作品は
軽やかな中にも緊張感をたたえた、素晴らしき演奏のサーカスが堪能できます。
このBOXでしか聴けない、完全版のライブ音源などもあり、これは値段の安さも考えると
買わずにはおれない必携のセットかと。下手なプログレを聴くよりはよほど幸せになれます。
曲はバンドのオフィシャルサイトのディスコグラフィーにて試聴可能です。
メロディアス度・・8 アコースティカル度・・9 さらりと超絶演奏度・・10 総合・・9
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FLAIRCK & CORPUS「CIRCUS HIERONYMUS BOSCH」
オランダの超絶技巧アコースティック集団、フレアークのDVD。2002年作
アルバム「THE PARADE」においてもボッシュの絵画をモチーフにした音楽を発表していた彼らだが、
今回も新たにそのテーマを取り上げて、見事にライブ作品と融合している。
CORPUSというのは舞台パフォーマンスグループで、DVDの特性を生かして、バンドの映像の他に、
ボッシュの絵画に合わせた芸術的な人体パフォーマンスを見ながら音楽を鑑賞出来る仕様になっている。
音楽の方は、アコースティックギターにフラメンコギター、アコーディオン、フルート、チェロ、などによるもの。
難曲もあるのだろうが、流れるように楽器を弾きこなす彼らには技術に裏打ちされた余裕すら感じられ
各パートのソロや小曲をはさみながら、曲はゆるやかにテンションを高めてゆき、
ジプシーか大道芸人風の衣装を身にまとったメンバーが、一糸乱れぬ演奏を繰り広げてゆく。
視覚的にも聴覚的にも、音楽の芸術とはこういうものか、と感心出来る作品。
演奏・・9 映像美・・9 芸術度・・10 総合・・8
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FLAIRCK 「The Lady's Back」
オランダの技巧派アコースティックユニット、フレアークの2014年作
1978年にデビュー、その超絶技巧というべき軽やかなアコースティック・アンサンブルで、
通好みのプログレファンも虜にするこのバンド。本作は2014年オランダでのライブを収録。
オリジナルのフルート奏者、PETER WEEKERSが復帰し、アコースティックギター、女性ヴァイオリン、
ベースという編成で、過去作品のナンバーを再現。パンパイプやサンポーニャ、ティンホイッスルといった
多彩な笛を優雅に吹き鳴らし、技巧的なアコースティックギターに艶やかなヴァイオリンが合わさった
見事なアンサンブルは、4人編成であっても圧倒的な存在感である。名曲“East West Express”、
“Sofia”といった初期のナンバーも含めた素晴らしい演奏が堪能できる。フレアーク健在である。
アコースティック度・・10 テクニカル度・・9 優雅度・・9 総合・・8.5 
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FLAMBOROUGH HEAD「UNSPOKEN WHISPER」
オランダのシンフォニックロックバンド、フラムポロウ・ヘッドの1st。1998年作
次作2nd「DEFINING THE LEGACY」は新世代シンフォを代表するような傑作となったが、
この1stの方も同様に、なかなかに素晴らしい王道のシンフォニックロックが楽しめる。
まずなんといっても魅力なのは、ツインキーボードによる厚みのあるシンセワーク、
そしてそこに乗るデイブ・ギルモアを思わせるようなメロウなギターフレージングである。
大曲を中心に、楽曲はゆるやかに盛り上がってゆき、聴き手をうっとりとさせながら、心地よい感触を残してくれる。
2ndに比べればいくぶんマイナー臭さも残しているが、わりとそこらへんも魅力になっていて、
歌心のある男性ヴォーカルも含めて、この手の「ゆったり系叙情シンフォ」としてはかなりの高品質なアルバムだ。
シンフォニック度・・8 ゆったりメロウ度・・9 楽曲・・7 総合・・8
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FLAMBOROUGH HEAD「DEFINING THE LEGACY」
オランダ出身のシンフォニックバンド、フラムボロウヘッドの2nd。2000年作。
基本はジェネシス的なシアトリカルでシリアスな壮大系シンフォニックサウンド。
90年代以降この手のバンドは各国から頻出しており、大半が過去の焼き増しか、
曲の質が付いていってないバンドばかりなのだが、それらに比してこのバンドのクオリティは凄い。
まず静と動の対比がダイナミック。そしてメロディセンスも抜群。泣きのパートは徹底的に叙情的。
ゆるやかなピアノ、メロウなギターフレージングで夢うつつ。一転、クライマックスでは大盛り上がり。
この吹っ切れは凄い。ここまでやったバンドは最近ではPENDRAGON意外には知らない。
ジャケ絵が無骨なのが惜しまれる。内容は完璧というシンフォ傑作。分厚い音の洪水にうっとりである。
シンフォニック度・・10 爽快度・・9 楽曲度・・8 総合・・9◆プログレ名作選入り
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FLAMBOROUGH HEAD「ONE FOR THE CROW」
オランダのシンフォニックバンド、フラムボロウ・ヘッドの3rd。2002年作
最近の叙情系シンフォ作において、頭一つ抜けるくらいの泣きとメロディをもったバンド。
傑作であった前作に続く今作は、Voに女性を起用し、よりしっとりとした情感を描こうとしている。
前作にあったダイナミズムと楽曲のメリハリが若干減っているのが残念。
女性ヴォーカルの実力もさほどではないので、「歌で聴かせる」までには至っていない。
しかし曲の「引き」のリリカルな情感はやはり見事で、そこからゆるやかに盛り上げてゆく
センスなどはその辺のバンドとは比べ物にならない良さがある。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo・・7 総合・・8
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FLAMBOROUGH HEAD「TALES OF IMPERFECTION」
オランダのシンフォニックロックバンド、フラムボロウ・ヘッドの4th。
美しいキーボードにメロウなギター、たおやかなフルート、そして女性ヴォーカルによる
ゆるやかシンフォニックサウンド。GENESISタイプの典型的なスタイルだが、叙情性という点では
昨今のバンドの中でも群を抜いておりテクニカルな部分よりはあくまでしっとりとした質感を大切にしている。
スリリングさは無いが、安心してゆったり聴けるシンフォニックサウンドだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Flamborough HeadLive in Buda Pest」
オランダのシンフォニックロックバンド、フランボロウ・ヘッドのライブアルバム。2007作
現在までにアルバムを4枚出し、その質の高い本格派シンフォニックサウンドで、
人気を博しているこのバンド。これはハンガリーのブダペストで行われた2007年のライブを収録。
ややもったりとしたリズムに乗る、メロウな泣きのギターとたおやかなフルートを、
美しいシンセが包み込む。女性ヴォーカルのやや垢抜けない歌声も含めて、
ローカルな味わいを感じさせる音は、テクニックよりもあくまで叙情志向。
メロトロンの音色とともにゆったりと聴かせるシンフォニックロックのライブである。
シンフォニック度・・8 ゆったり叙情度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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FLAMBOROUGH HEAD「Looking For John Maddock」
オランダのシンフォニックロックバンド、フランボロウ・ヘッドの2009年作
いまやオランダを代表するシンフォバンドとなったこのバンド、5作目となる本作は、
美しいフルートの音色に70年代風味のシンセワーク、アコースティックギターなどで
ゆったりと聴かせる繊細さが耳に優しい。もちろんGENESISルーツのメロウな泣きのギターと
ドラマティックな展開力も健在で、女性ヴォーカルの歌声とともに、優美でやわらかな
シンフォサウンドを聴かせてくれる。叙情性の点ではここ数作で最高の出来ですね。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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Flamborough Head 「Lost in Time」
オランダのシンフォニックロック、フラムボロウ・ヘッドの2013年作
1998年にデビューした、蘭シンフォではすでに中堅バンド、本作は6作目となる。
10分以上の大曲3曲を含め、これまで以上に大作志向となっているが、
美麗なシンセアレンジとメロディックな泣きのギター、やわらかなフルートの音色に、
女性ヴォーカルの歌声も加わって、じつに叙情的でドラマティックな楽曲を聴かせてくれる。
メリハリのあるアレンジに、これまでよりひと皮向けたようなキャッチーな抜けのよさも手伝って、
随所にはっとするメロディやフレーズが入ってくると、その度にシンフォ好きでよかった…とウットリとなる。
どこを切っても優美な音の洪水で、まさにバンドとしての最高傑作というべき内容だ。
シンフォニック度・・9 優美度・・9 叙情度・・9 総合・・8.5
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FLYTE 「Dawn Dancer」
オランダ、ベルギーの混合バンド、フライトの1980作
のっけから演歌泣きのギターでつかみはOK。その後もCAMELを思わせる甘いメロディと
メロトロンやストリングスシンセなどがシンフォニックに彩りを添えるサウンドで、
ゆるやかなメロディに包まれた好作。ギタリストの奏でるフレーズには
SEBASTIAN HARDIEあたりを思わせる泣きがあるのもGood。
このアルバム1枚のみで消えたのが実に惜しいバンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 泣きメロ度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「IN AND OUT OF FOCUS」
オランダのプログレバンド、フォーカスの1st。1970年作
デビューアルバムということで、後の作品よりはゆったりとした作風で、
牧歌的な質感にはどこかブリティッシュロック風の雰囲気も漂っている
「Moving Waves」「Ⅲ」に比べると確かにいくぶん地味ながら、
独自のクラシカルな雰囲気はすでにあり、ヤン・アッカーマンのギターの音色、
タイス・ファン・レアーのフルートなど、バンドとしての個性は存在している。
この後続いてゆく、バンド名を付けたインスト曲“Focus”もこれが最初の登場。
全体的にも力を抜いて聴ける、なかなかいいアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「MOVING WAVES」
オランダのプログレバンド、フォーカスの2nd。1971年作
フォーカスの初期の代表作として名高い本作は、ハードロック的なギターで幕を開け
オルガンの音色とともに響きわたるヨーデルの歌声があまりにもインパクト大。
その“Hocus Pocus”をはじめ、タイスのフルートが美しい小曲“Janis”、
ヤン・アッカーマンの甘美なギタートーンが魅力的な“FocusⅡ”
そして、23分を超える組曲“Eruption”と、聴きどころたっぷりの傑作アルバム。
個人的にはよりバンドとして脂の乗った次作「3」が最高傑作であるとは思うが、本作は
躍動するロック的な部分と、クラシカルな美意識が融合した個性的なサウンドの最初の成功である。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 ロックの躍動度・・8 総合・・8
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FOCUS「FOCUS 3」
オランダの名バンド、フォーカスの3rd。1972年作
クラシックの素養をもつオルガン&フルート奏者タイス・ファン・レアーの作曲能力と
ジャズとロックのテクニックを兼ね揃えた名ギタリスト、ヤン・アッカーマンのセンスが合わさり
奇跡的な均衡をなしながら、クラシカルかつ躍動感のあるサウンドを作り続けたこのバンド。
本作は、アッカーマンのメロディアスなギターが光るキャッチーな名曲“SYLVIA”をはじめ、
たおやかな叙情で聴かせる“FOCUS Ⅲ”、クラシカルとジャジーな要素が見事に融合した
大曲“ANSWERS? QUESTIONS! QUESTIONS? ANSWERS!”、“ANONYMUS Ⅱ”など、聴きどころが多く、
67分間濃密な演奏がたっぷり楽しめる。タイスのピアノ、オルガン&フルートが美しい小曲も、
効果的に導入され、全体的に格調のあるクラシカルでメロディアスなアルバムとなっている。
一般的には2nd「MOVING WAVES」が名盤とされているが、内容の濃さでは本作が最高だろう。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 熱き演奏度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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FOCUS「AT THE RAINBOW」
オランダのプログレバンド、フォーカスのライブ作。1973年作
叙情的な“FOCUSⅢ”“FOCUSⅡ”、シングルにもなった名曲“SYLVIA”に
組曲の“ERUPTION”等、彼らのベストなナンバーが絶品の演奏で楽しめる。
即興もまじえたアッカーマンのギターのセンスはやはり素晴らしく、
やわらかなハモンドの響きとともに、バンドとしての絶頂期を感じさせる。
リマスターで音質も向上。FOCUS入門用にも最適だろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ギター&ハモン度・・9総合・・8
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FOCUS「HAMBURGER CONCERTO」
オランダのプログレバンド、フォーカスの4作目。1974年作
3作目の「FOCUS 3」でバンドとしての絶頂期を迎え、続くライブ作「AT THE RAINBOW」で、
オランダ最高のバンドという地位を不動のものにした彼らだが、この4th制作の時点では、
ギターのヤン・アッカーマンとバンドとの関係はどうも上手くいっていなかったらしい。
本作はのっけからリュートによる小曲で幕を上げるのも異色だが、全体的には「3」のような
荒々しい熱い演奏よりではなく、優雅でやや大人しめの雰囲気に包まれている。
一番の聴き所である20分のタイトル曲は、クラシカルかつシンフォニックな要素が強く
タイスの美しいフルートにオルガンワークなどを堪能できる見事な組曲だ。
逆にアッカーマンのギターはやや抑えぎみなのだが、むしろそれも本作の味になっている。
クラシカル度・・8優雅度・・8 タイス>アッカーマン度・・9 総合・・8
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FOCUS「Mother Focus」
オランダのプログレバンド、フォーカスの1975年作
タイスとアッカーマンという双頭コンビを含んだラストアルバムで、前作のクラシカルな雰囲気から一転、
2~3分台のコンパクトな楽曲を連ねた作品となっている。いくぶんアメリカナイズされたポップな感触もあって
プログレリスナーからすると拍子抜けの聴き心地であるが、プログレとポップロックのクロスオーヴァー的な感触で
これはこれとして肩の力を抜いて楽しめる。もちろん随所にタイスの繊細な鍵盤とフルート、
アッカーマンの巧みなギターも聴くことができる。パット・メセニーのようにフュージョンロック的にも楽しめる好作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 コンパクト度・・8 総合・・8
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FOCUS「Ship of Memories」
オランダのプログレバンド、フォーカスの1976年作
オランダを代表する名バンドであるが、1972年の「FOCUS 3」を頂点に、
4作目の「HAMBURGER CONCERTO」以降は、しだいにリーダーであるタイス・ファン・レアーと
ヤン・アッカーマンの音楽的な相違が表面化し、1975年の「MOTHER FOCUS」を最後に
バンドは解散の道をたどることになる。本作は1973~75年までの未発マテリアルを収録した作品であるが
単なるデモテイクというには、音楽的に魅力のある楽曲が多数。1曲めからして優雅なフルートの音色と
ジャジーでメロウなギターが合わさって、すでに唯一無二の輝きを放っている。いかにもデモテイク的な曲もあるが、
繊細なメロディの“FOCUS Ⅴ”やアッカーマンのギターにうっとりの“Red Sky at Night”など、聴きどころは多い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 意外と曲良い度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「OUT OF FOCUS」
オランダの名バンド、フォーカスのライブブートCD。2枚組。
1972年のロンドンBBCスタジオでの音源に、DIAC2にはリーディングフェスティバルでの音源。
BBCの方は音質はとても良好で、代表曲である“FOCUSⅡ”“FOCUSⅢ”あたりに加え、
即興演奏的なプレイも聴けて、全盛期のバンドの勢いをそのまま感じられる。
ヤン・アッカーマンの叙情的なフレーズとロック的なノリを併せ持ったギタープレイに、
軽やかなタイスのオルガンとフルート、アルバム以上に手数の多いドラムなど、熱い演奏が楽しめる。
DIAC2の方はBBCに比べるといかにもブート的で音質もやや落ちるが、
演奏は素晴らしいので、バンドのファンであれば問題なく楽しめる内容だ。
ライブ演奏・・8 音質・・7 フォーカス好きなら買い度・・8 総合・・7.5

FOCUS「The Greatest Hits 」
オランダのプログレバンド、フォーカスのベストアルバム。2004年作
オランダ最高のプログレバンドである彼らの代表曲をCD2枚に収録しているが、
正規のアルバム音源ではなく、ライブ音源が中心という少々変則的なベストアルバム。
Disc1はおそらく当時のライブ録音で、ハモンドとフルートが鳴り響くイントロで始まる
“Hocus Pocus”から、大作の“Hamburger Concerto”に“Focus”メドレーなどを収録。
往年の素晴らしき名演がたっぷり堪能できる。Disc2は近年のメンバーによるライブ音源。
“FocusⅠ”から最新の“Ⅶ”までを含め、16分の大曲“Eruption”、“Sylvia”などを収録。
アッカーマン不在のためかつてのような勢いはないが、それでもファンなら充分楽しめる。
大人になった演奏に時の流れを感じるとともに、フォーカスというバンドの昔と今を感じられる。
メロディアス度・・8 演奏・・9 フォーカスの昔と今・・9 総合・・8
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FOCUS「Focus 8」
オランダのプログレバンド、フォーカスの8th。2003年作
1曲目からヨーデルが炸裂し、あの頃のFOCUSが耳の奥に甦る。
タイス・ファン・レアーのフルートが鳴り響き、落ち着いたハモンドの音色が彩りを添える。
ヤン・アッカーマンはいないものの、このギタリストの実力もなかなかのもので違和感はない。
いくぶんモダンになり、さすがに往年のような大曲はないが、フォーカスサウンドは不変だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 うっとりフルート度・・9 総合・・8
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FOCUS「Focus 9/New Skin」
オランダのプログレバンド、フォーカスの9th。2006年作
2002年に「FOCUS 8」で復活、続く本作も一聴して、なつかしさを感じさせるハモンドオルガンの音色と、
かつてを思わせるメロディでまるで70年代のフォーカスが戻ってきたような錯覚におちいる。
ヤン・アッカーマンはいないものの、ギタリストのフレーズにも泣きが満載で
タイスのフルートとヨーデル節も健在。クラシカルかつジャズ的なアンサンブルで聴かせつつ
全体的にはたおやかなしっとりとしたムードが漂う、往年のフォーカスファンをしっかり涙させる全73分の力作。
メロディアス度・・8 たおやか度・・8 フォーカス度・・9 総合・・8
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FOCUS「X」
オランダのプログレバンド、フォーカスの10th。2012年作
2003年に活動を再開してから3作目で、前作から6年ぶりとなるアルバム。
のっけから、かつての“悪魔の呪文”を思わせるようなノリのよいナンバーで、
ハードなギターにフルートの音色がかぶさり、往年のフォーカスサウンドを感じさせる。
メロウなギターとオルガンでしっとりと聴かせる恒例のシリーズ曲“Focus 10”をはじめとして、
ラストの“Crossrods”まで、タイス・ファン・レアー節というべき大人の味わいの佳曲が揃っている。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 フォーカス度・・8 総合・・8
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FOCUS「MASTER FROM THE VAULTS」
オランダ伝説のプログレバンド、フォーカスのDVD。
タイス・ファン・レアーのインタビューからの回想にかつてのバンドの演奏の映像を織り込んだ作りで、
演奏場面は完全なライブ作品ではなく、スタジオでのセッション風景やスタジオライブなどだが、
年代を考えれば音質も良く、当時の全盛期のバンドの姿を垣間見ることができる。
プログレ界最高のギタリストの一人である、ヤン・アッカーマンのギターはやはり素晴らしく
そのテクニックもさることながら、決して前に出すぎず、曲を活かす姿勢が彼の性質を表している。
映像からは楽曲面でイニシアチブをとっていたのは、タイスの方であることが察せられ、
オルガンを弾き鳴らしつつ、時々フルートに持ちかえる彼が、曲にクラシカルな要素をもたらし、
ときにジャジーなアッカーマンのギターとの対照こそがこのバンドの持ち味であったと再認識できる。
SYLVIAやFOCUSⅡ、HUMBURGER CONCERTOなど、名曲の演奏が楽しめ、ファンにはもちろん、
FOCUSというバンドを知りたい方にもお薦めできる。
映像・・7 演奏・・9 もっと曲聴きたい・・8 総合・・8
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Frequency Drift 「Personal Effects (Part One)」
ドイツのプログレバンド、フリクエンシー・ドリフトの2008年作
デビュー作にして、シリアスなコンセプトストーリーを描く力作で、女性ヴォーカルの歌声と
やわらかなシンセアレンジで、ゆったりとしたメロウな薄暗さに包まれたサウンド。
曲間にSEなどを入れたドラマ性を感じさせる構成で、全体的にはプログレというよりは、
しっとりとした女性Voで聴かせる、SYLVANあたりに通じる繊細系メロディックロックというべきだろうか。
おそらくストーリー的なものが関係しているのだろうが、爽快な盛り上がりというのはほとんどなく、
淡々としたアンニュイな翳りに包まれているので、薄暗系が苦手な方にはややきついかもしれない。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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FREQUENCY DRIFT 「...Laid to Rest」
ドイツのプログレバンド、フリクエンシー・ドリフトの2012年作
女性Vo、ヴァイオリン、ハープ奏者を含む7人編成で、適度にハードなギターと艶やかなヴァイオリンの音色、
しっとりとしたシンセとアンニュイな浮遊感を漂わせる女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンド。
どこかけだるげでゴシック的な耽美さも含んだもの悲しい叙情と、クラシカルな美意識が合わさって、
エキセントリック一歩手前というような緊張感も漂わせた、なかなか個性的な作風である。
10分を超える大曲3曲に、9分台が2曲という大作志向も意欲的で、派手な盛り上がりがあるわけでもないが、
単なるシンフォ系とは一線を画するアーティスティックな構築センスに包まれた力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8


Frequency Drift 「Over」
ドイツのプログレバンド、フリクエンシー・ドリフトの2014年作
前作「...Laid to Rest」の完成度はひとつ皮が剥けたという感があったが、5作目となる本作は、
しっとりとした女性ヴォーカルに適度にハードなギターとうっすらとしたシンセアレンジで、
PAATOSあたりに通じるアンニュイな翳りを含んだ叙情を聴かせる。空間的な静謐感と妖しげな空気感に、
ヴァイオリンやチェロなどが鳴り響くクラシカルな要素と、ポストプログレ的な繊細な泣きの感触が合わさった、
じつにセンスのよいサウンドを描いている。10分の大曲も、やわらかな女性声にフルートが鳴り響き、
優美でほの暗い叙情性に包まれていて、全体的にも耳心地の良さが光る傑作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 空間美度・・9 総合・・8
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Frequency Drift 「Last」
オランダのプログレバンド、フリクエンシー・ドリフトの2016年作
女性Vo、女性ハープ奏者を含む6人編成で、しっとりとした翳りのある叙情性と
いくぶんハード寄りのギターが加わった、重厚な世界観も含んだシンフォニックロック。
アンニュイな繊細さをかもしだす、新たに加わったMelanie嬢の歌声もやわらかに耳心地よく、
随所に響くハープの優雅な音色も、浮遊感ある幻想性に包まれて聴こえる。
メロトロンが鳴り響く北欧プログレ的な涼やかさと、メランコリックな情感で構築される、
美意識あふれるサウンドだ。PaatosWhite Willowなどが好きな方にもお薦めできる。
一方でモダンなハードプログレの側面としては、Riversideなどに通じる部分もあったりする。
ドラマティック度・・8 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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FUCHS 「Unity of Two」
オランダのシンフォニックロック、フックスの2014年作
WMMSのオーナーであり、INESのシンセ奏者であった、Hans-Juergen “Hansi” Fuchsのソロプロジェクト。
のっけからPガブリエルのようなヴォーカルを乗せたかつてのGENESIS風味の雰囲気で始まり、
メロディックなギタートーンと美麗なシンセアレンジで、叙情豊かなシンフォニックロックが広がってゆく。
メロトロンの響きに包まれつつ、歌もの的なメロディック性で聴かせるサウンドは、INESにも通じるもので、
スリリングな展開はさほどないのだが、PENDRAGONなどにも通じる泣きメロのラスト曲まで、
じわじわとした聴き心地のメロディアス色に包まれた優美なサウンドが楽しめる逸品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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GANDALFGallery of Dreams-Plus Live!」
オーストリアのアーティスト、ガンダルフの1991/2012年作
Disc1にはオリジナルアルバムのリマスター、Disc2、3にはライブ音源を収録した3枚組再発盤。
近年の作品はヒーリング系寄りになってきているが、Steve Hackettと共演した1991年の本作は、
個人的にはガンダルフの最高傑作だと思っている。MIKE OLDFIELD的でもある自然との融合感覚と、
モダンなアレンジセンス、美麗なシンセに包まれながら繊細なギタートーンが鳴り響く。
クラシカルな美意識と優雅な静謐感に包まれたサウンドはシンフォニックロックと言ってもよい。
当然ながらハケットのギターもこの音楽性にじつにマッチしていて、二人のメロウな感性が見事に融合し
ひとつの世界観を作り上げている。過去曲を取り混ぜた1992年のライブ音源もじつに美しい。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8.5
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GANDALF「Into the Light」
オーストリアのアーティスト、ガンダルフの1999/2005作
1980年代から、自然との調和を感じさせるヒーリング系のシンフォサウンドで
多くの作品を作り続けてきたアーティスト。最近の作品ではシンセを中心とした作風で
ますます環境音楽的な色合いを増してきているが、このあたりのアルバムではまだ
彼の奏でるギターの音色とともに、MIKE OLDFIELD的な音楽を聴くことができる。
アコースティックな12弦ギターの響きに、ゆるやかにシンセが重なり、
ときにフルートやパーカッションなどによる民族色もほのかに感じられる。
美しい森や湖などの自然が眼前に浮かぶような、雄大かつ優しい作品である。
シンフォニック度・・7 ロック度・・5 しっとりゆったり度・・9 総合・・8
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GANDALF「VISIONS 2001」
オーストリアのマルチミュージシャン、ガンダルフの2001年作
活動20周年を記念して制作した2枚組作品で、1枚目は自身の名前の由来ともなったトールキンの「指輪物語」をテーマに、
キーボード、ギターの他、チャランゴ(フォルクローレで使われる10弦の楽器)なども使用し、ゆるやかに聴かせる
シンフォニックトラッド的な作風。ギターの音色なども昔に比べてこの20年でぐっと深みを増したように感じられる。
2枚目は過去のアルバム群から曲を集めた集大成的なCDになっていて、貴重なライブテイクなど、
長年にわたる彼の活動のを改めて知ることができる。彼の目指すサウンドの核は、「自然との調和、融合」であり、
キーボード、ギターなどによる所謂シンフォニックロックとしての基盤をもちながら、フルート等の生楽器を用い、
素朴さと静寂の情緒を音に表現しているところにある。ロック、プログレというカテゴライズよりはむしろ
ヒーリング系の音楽として聴くべきなのだろう。暖かなユートピア思想と、川のせせらぎのような心地よいサウンドは
新世紀が始まってゆく今において、かつてよりも大きな意味を持って耳に響くかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・5 ヒーリング度・・10 総合・・8◆プログレ名作選入り

GANDALF「Between Earth and Sky」
オーストリアのミュージシャン、ガンダルフの2003作
80年代から、数多くの作品を作り続けているアーティストだが、近年の作品は
癒し系のシンセものが多く、アルバムとしてはインパクトに欠ける印象であった。
本作も美しいジャケのように、MIKE OLDFIELDを思わせる自然との融合感覚と、
Tangeline Dreamのような美しいシンセサウンドでしっとりと聴かせるもの。
やわらかなシンセやハープの音色に男女のスキャットヴォイス、そしてフルートが優しく鳴り響く。
これはまさに、スピリチュアルなヒーリング音楽ともいうべき癒しのサウンドである。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・9 自然度・・9 総合・・8
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GANDALF「COLORS OF A NEW DAWN」
オーストリアのミュージシャン、ガンダルフの2004作。
すでに何作めなのか見当もつかない。映画「ロード・オブ・ザ・リング」のヒットのおかげで
名が売れるようになったのかは分からないが、ここ数年でいっそう多作になっている気がする。
やわらかなシンセを響かせる、「ヒーリングシンフォ」といったサウンドは今回も変わらず、
そこにアコースティックギターがゆったりと鳴り響き、気付けばいつのまにか眠く……
…いやいや(^^;)、今作も大自然との調和のようなうっとり、しっとりとしたサウンドです。
シンフォニック度・・8 ゆるやかヒーリング度・・10 ロック度・・1 総合・・8
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GANDALF「Sacred River」
オーストリアのマルチミュージシャン、ガンダルフの2006作
すでにキャリア20年以上の大ベテランで、アルバム数も相当であるはず。
そのシンフォニック系ヒーリング音楽ともいうべき、大自然との融合を思わせるサウンドは
さらなる円熟の境地にあり、今作でもその音楽的理想郷の追求を聴かせてくれる。
プログレ度は薄いが、ゆるやかなシンセとアコースティカルなギターをメインに、
美しくしっとりと、まさに川の流れのような広がりを感じさせるネイチャーシンフォ作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・5 ヒーリング度・・9 総合・・7.5
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GANDALF
「Earthsong & Stardance」
オーストラリアのマルチミュージシャン、ガンダルフの2011年作
デビューから30年のキャリアを誇る彼の、変わらぬビジョンである大自然との融合を
オーケストラを加えて、5パートに分かれた組曲方式で表現した優美なる力作。
しっとりとしたピアノのつまびきに、美しいストリングスが重なり、ゆるやかなシンフォニーを奏でてゆく。
ときに大いなる大地の崇高なる魂を表すように詠唱のようなコーラスが響き、
初期のMIKE OLDFIELDを思わせるメロウなギターの旋律も含んだ繊細なサウンドだ。
SAGRADOのマルクス・ヴィアナと並ぶ自然派アーティストの集大成的な自然讃歌である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 自然派度・・9 総合・・8
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GILA 「Bury My Heart at Wounded Knee」
ジャーマンロックバンド、ギラの1973年作
Popol Vuhの名作「ホシアンナ・マントラ」に参加していたギタリスト、コンラッド・フェイト率いるバンドで、
本作にはそのポポル・ヴーのフローリアン・フリッケ、ダニエル・フィッヒェルシャーが参加している。
アコースティックギターの牧歌的な感触に、フォーキーな雰囲気とサイケ的な浮遊感が合わさった
英国のオリジナル・ルネッサンスにも通じるような、クラシカルなフォークロックという趣もあり、
やわらかな女性ヴォーカルの歌声やピアノの音色も心地よい。ポポル・ヴーに比べると神秘的な感じが薄いので、
むしろ、AMON DULL2あたりを、よりアコースティック寄りにしたという言い方もできるかもしれない。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・7 牧歌的度・・8 総合・・8
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GREEN VIOLINIST 「More Thrill And Never Ending Blessings」
ベルギーのプログレバンド、グリーン・ヴァイオリニストの2013年作
ツインギターに男女Voを含む6人編成で、美麗なシンセアレンジにジェントルな男性ヴォーカルを乗せ、
ときに女性ヴォーカルが絡みつつ、ゆったりとしたエモーショナルな叙情を描くシンフォニックロックサウンド。
メロウなギターワークも耳心地よく、かつてのCOLLAGEなど、ポーランドのバンドにも通じるような
薄暗い空気感に包まれた聴き心地。アコースティックなやわらかさに美しいシンセが重なり、
ポストプログレ寄りの繊細さも含ませつつ、ときにオルガンが鳴り響くオールドな感触も覗かせる。
基本的にはヴォーカルがメインの作風なので派手な展開力はないものの、13分の大曲ではゆるやかに盛り上がる
シンフォニックロックが味わえる。あるいはMarillionなどの薄暗系メロディックロックとしても楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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Grobschnitt
ドイツのプログレバンド、グロープシュニットの1st。1972作/邦題は「冥府宮からの脱出」
13分、17分という2曲の大曲を軸にした本作は、シンフォニックというよりは
AMON DUULⅡなどにも通じるような壮大なビジョンと、展開に富んだ楽曲で、
過剰なまでにドラマティックであります。手数の多いドラムは無駄にカッコよく、
泣きのギターやオルガン、シンセによる叙情美もあって飽きさせません。
ツインギターも含めて音は厚く、演奏力も抜群。シアトリカルなヴォーカルも
やや暑苦しいながらもじつに濃密ですな。ボーナスには29分の大曲をライブ音源で収録。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5
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Grobschnitt「Ballermann」
ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの2nd。1974作
シアトリカルな語りで幕を開ける本作は、大道芸人的なコンセプトを感じさせる力作。
クセのあるヴォーカルがやや耳障りだが、演奏的には哀愁の叙情も入った泣きのギターに、
ハモンド、ムーグなどが加わって、後のシンフォニック路線へとつながるメロディアスな印象だ。
たとえば、フランスのANGEをハードにしたような作風であるが、濃密さではこちらが上。
とくに33分にもおよぶ“Solar-Music”組曲はドラマティックに聴かせる圧巻の大曲で、
ドイツらしいロマンティシズムを感じさせる叙情性が見事。1stと並んでバンドの代表作。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8
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Grobschnitt 「Jumbo」
ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの3rd。1975作
2ndまでの雑多な大仰さから、シンフォニック寄りの作風へと変化したアルバム。
メロトロンを含めた美しいシンセワークを中心に、コンセプト的な幻想性で聴かせつつ、
シアトリカルなヴォーカルとともに独特の濃密な作風は健在だ。
エロックのソリッドなドラムはやはり見事で、演奏においてはバンドの核をなしており、
きれいなだけのシンフォニック系バンドとはスケールの点でも一線を画している。
後半には同曲のドイツ語バージョンも収録。こちらも違った雰囲気で楽しめる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Grobschnitt「Rockpommel's Land」
ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの4th。1977作
なんとなくロジャー・ディーン風のファンタジックなジャケからそそるものがあるが
内容的にも彼らの作品中もっともシンフォニックロック的な作風となっている。
Yesを思わせる繊細なギターワークと美しいシンセが絡み、やわらかに歌が乗る。
そこにやはりドイツ特有の土臭さも含んで、ファンタジックなストーリーが広がってゆく感じは
このバンドならではの濃密な雰囲気だ。全4曲でラストは20分近い大曲。
2007年リマスター盤にはラストの大曲のライブ音源をボーナス収録。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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GROBSCHNITT「2008 Live 2010」
ドイツのプログレバンド、グローブシュニットのライブアルバム。2010年作
以前に出ていた「Live 2008」と「Live 2010」のCD2枚組カップリング盤で、
2008年のドイツ公演を収録したDisc1は、1985年のライブ盤に収録された40分を超える大曲、
“Sonnentanz”の2008年バージョンを中心に、ダイナミックなシンフォニックサウンドを繰り広げる。
70年代の大道芸人的な怪しい濃密さは薄れたが、キャッチーなメロディ感覚が強まったことで
ある種、「ドイツ版YES」というような聴きやすさが増している。Disc2の方は2009年のライブ音源で、
1977年の名作「Rockpommel's Land」から全曲を演奏、10分、20分を超えるドラマティックな大曲は
緩急のついた構成が光る素晴らしいもの。ジャケのようなシアトリカルなステージングを映像で見てみたくなる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ドイツ度・・8 総合・・8
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GROBSCHNITT「Kapelle Elias Grobschnitt」
ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの未発音源集2CD。2010年作
1972年のデビュー作はジャーマンロックの傑作として名高いが、Disc1にはそのデモ音源を収録。
怪しさたっぷりのイントロから、曲が始まるとシアトリカルかつ乱雑なスケールに包まれた、
異色のジャーマンプログレが炸裂。存在感あるヴォーカルと、エキンセントリックでどこかとぼけた展開により、
結果としてドラマティックきわまりないサウンドを描き出す、このバンドのセンスは唯一無二のものといっていい。
Disc2には1971年のライブ音源を収録。当時にしては音質もなかなか良好で、迫力ある演奏が楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 デモだが素晴らしい度・・9 総合・・8
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GURU GURU 「UFO」
ジャーマンロックバンド、グル・グルの1970年作
ハードロック寄りの歪んだギターが、生々しい奔放なドラムの上でフリーキーに弾き鳴らされる。
ガレージロックのアナログ感覚と、サイケ的でもある混沌とした怪しさを含んだインストサウンドは、
楽曲というほどの整合性はないのだが、NEU!などと同様に、演奏の迫力と自由度に引き込まれ、
ある種のスリリングなアンサンブルを楽しむことができる。アルバム後半になると、ノイジーな音の塊となって
とてもアヴァンギャルドなのだが、音自体は、存在感あるベースとノリのあるドラム、ヘヴィでフリーキーなギターを乗せた、
ハードロックをルーツにしたもので、異色のサイケハードとしても楽しめる。もちろんアヴァン・ミュージックとしても強力な一枚だ。
ロック度・・8 サイケ度・・7 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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GURU GURU 「Hinten」
ジャーマンロックバンド、グル・グルの1971年作
前作のノイジーなアヴァンギャルド性から、今作ではハードロック的な整合性を強めた感触で、
マニ・ノイマイヤーの叩き出す激しいドラムに、テクニックのあるギターフレーズを乗せてたたみかける
フリーキーなロックが楽しめる。ドイツ語による語りなども入ったり、随所にアヴァンギャルドなパートも含ませて、
重厚なロックでジョークを表現するという、かれらの個性が現れ始めた作品ともいえるだろう。
ジャケがドイヒーなので、わりと敬遠される方も多いだろうが、ダイナミックなアヴァンロックが味わえる逸品ですぞ。
ロック度・・9 サイケ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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GURU GURU 「KANGURU」
ジャーマンロックバンド、グル・グルの1972年作
前作までのハードロック感はいくぶんおとなしくなり、サイケな浮遊感が強まった感触であるが、
マニ・ノイマイヤーのドラミングを含めて、メンバーの確かな演奏力が巧みに表現されている。
もちろんフリーキーなギターのセンスも抜群で、程よいロック感触をアヴァンギャルドに溶け込ませ、
ヴォーカルを乗せた部分では、わりと普通にロックとして楽しめたりもする。混沌とした中庸感から、
キャッチーに展開するアルバム中盤あたりも魅力的だ。ロックとしての躍動感とサイケなアヴァンロックがミックスした好作品。
ロック度・・8 サイケ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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GURU GURU 「Wah Wah」
ジャーマンロックバンド、グル・グルの1995年作
1970年にデビュー、フリーキーなギターを乗せた混沌としたサウンドで、ジャーマンロックの代表するバンドのひとつ。
「UFO」、「Hinten」といった初期作品が代表作として有名だが、90年代後半に発表された本作は、
ゆったりとしたリズムに渋いヴォーカルメロウなギターを乗せた、大人のサイケ・ブルーズロックという趣、
と安心しているとハード寄りのギターが加わって、ドイツ語のヴォーカルもシアトリカルになり、怪しげな空気感に包まれる。
どっしりと安定したドラムも含めて、アヴァンギャルドな展開力というものはあまりないので、初心者にも聴きやすいかもしれない。
初期ほどのたたみかける迫力はないが、適度なハードさを取り戻した大人のアヴァンロック好作品だ。
ロック度・・8 サイケ度・・7 アヴァンギャル度・・7 総合・・7.5
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GURU GURU 「In The Guru Lounge」
ジャーマンロックバンド、グル・グルの2005年作
1970年デビュー、ジャーマンロックを代表するバンドのひとつ。アヴァンギャルドなハードロックという趣の初期から、
メンバーを替えながら、ウィットに富んだ大人のサイケロックへと進化。「導師の社交部屋」と邦題が付けられた本作は、
ぼやけた東京タワーのジャケのように、山手線のアナウンスから始まり、シンプルなベースのリフレインに、
渡辺悦子さんの艶めいた日本語の台詞と、恋人のようなマニさんのデュエットを乗せた異色のナンバー。
その後は、ほどよくサイケで民族色やジャズ色を含んだナンバーが続き、アルバム後半は組曲形式になっていて、
サックスの音色に妖しい女性スキャットが絡む、即興的なサイケ・ジャズロックというサウンドを描いてゆく。
ロック度・・7 サイケ度・・8 アヴァンギャル度・・7 総合・・7.5
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Hardscore 「Methane」
ベルギーのチェンバープログレ、ハードスコアの1999年作
クラリネットの優雅な音色にサックス、コロコロとしたマリンバの響きを、変則リズムに乗せた、
コケティッシュな可愛らしさとスリリングなリズムアンサンブルが合わさった聴かせるチェンバーロック。
エレピを含むシンセの美しさ、キュートな女性ヴォーカルの歌声も加わった、キャッチーな耳心地と、
テクニカルで偏屈な楽曲展開の妙が対照的でとても面白い。暗黒性はほとんどないのだが、
ひねくれた味わいが優雅な無邪気さと合わさった、可愛らしい変態というべきサウンドにニンマリである。
一方では、サックスがゆったりと鳴らされ、マリンバにエレピが優しく絡む叙情的なパートから、
エキセントリックに展開するアヴァンギャルド性にもプログレらしい知性とセンスが感じられる。
チェンバー度・・8 プログレ度・・8 軽妙で軽妙度・・9 総合・・8
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HARDSCORE「Surf, Wind & Desire」
ベルギーのチェンバープログレバンド、ハードスコアの2nd。2000作
前作「Methane」が良かったので、ずっと気になっていたが、ようやく2ndを発見して購入。
コロコロとしたマリンバや可愛いクラリネットの音色に、どこか浮遊感のある女性ヴォーカル、
しかしリズムはかなり偏屈な変拍子という、ザッパ系のチェンバーロックは相変わらず。
しかし、このバンドの場合、音にしっとりとした湿り気と整頓された聴きやすさがあるので、
この手の初心者でもかなり楽しめると思う。ある種のポップセンスを伴いながら、
ゆるやかなテクニカルサウンドをさらりと聴かせてしまうセンスがなんとも心憎い。
舞台劇風のシアトリカルな大曲なども含めて、軽妙で洒落たサウンドが耳に楽しい作品。
メロディアス度・・8 軽妙度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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HARLIS「Night Meets the Day」
ジャーマンロックバンド、ハーリスの1976年作
元JANEのギターとベースが結成したバンドで、うっすらとしたシンセに叙情的なギターフレーズ
そしてブルージーな哀愁も含んだ、耳心地の良いプログレ・ハードロックという作風。
ベースとドラムが曲ごとにそれぞれリードヴォーカルをとるのも個性的であるが、
プログレ的な展開美や意外性はあまりなく、じっくりと味わえる大人のサウンドである。
70'ブリティッシュロックの質感に、ドイツらしい泣きの叙情を加えたという好作品。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 哀愁度・・8 総合・・7.5
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HARMONIA
ジャーマンロックバンド、ハルモニアの1974年作
Clusterのディーター・メビウス、ハンス・ヨアヒム・レデリウス、NEU!のミャエル・ローターによって結成されたバンドで、
エレクトロなアプローチとノリのあるポップ性を融合した、まさにノイとクラスターを合体させたサウンドを聴かせる。
シーケンサーを使用せず人力の演奏によるリフレインは、機械的でありながらもどこか有機的な即興性も感じさせ、
クラスター寄りのシンセ中心のナンバーから、東洋的な旋律を乗せた、2ndにつながるようなサイケナンバー、
ノイに通じる明るめでポップなナンバーや、BRIAN ENO的なアンビエントまで、それぞれに違った楽曲が味わえる。
トリップ感のある新しいエレクト・サイケという、ジャーマンロックの可能性を押し広げたアルバムだ。
サイケ度・・8 ロック度・・5 エレクトロ度・・8 総合・・8
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HARMONIA 「DELUXE」
ドイツのエレクトロ・サイケユニット、ハルモニアの2nd。1975年作
CLUSTERNEU !のメンバーによるユニットで、スペイシーなシンセの重ねによるサイケ感触と、
適度にハードなギターが加わった、まさにノイをクラスター化したようなサウンドを聴かせる。
レデリウスによるシンセワークは随所に優美なメロディを奏でて、じつに耳心地よく、
そこに絡むギターもメロウなフレージングで、詠唱的な歌声とともに東洋的な空気感もただよう。
GURU GURUのマニ・ノイマイヤーがドラムで参加したナンバーはロック感もあって、クラスターがグルグル化したという雰囲気に。
美しいシンセのアンビエントな叙情にギターサウンドを足して、サイケ的な浮遊感が合わさったという、優雅な聴き心地の逸品です。
サイケ度・・8 ロック度・・5 ふんわり叙情度・・9 総合・・8
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HIGH WHEEL「Remember The Colours」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールの1st。1994作
EVERONがややハードエッジなタイプなのに対しこちらは正統派のGENESISMARILLION系のサウンドで、
やわらかなキーボードに、メロウなギター、そこにやや牧歌的な歌メロが乗ると、どことなく田舎臭さのある、
ぼんやりとしたメロディアスシンフォとなる。10分以上の大曲もいくつかあるが、展開力や演奏を聴かせるというよりは、
もわっとした感じの曖昧さが音にあり、そこが退屈に感じるとダメかもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 もわっと度・・8 総合・・7

High Wheel 「Back From The Void」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールの2001年作
おそらくこれが4作目で、以前に聴いた2作目はさして印象に残らなかったのだが、
本作は12分、31分という大曲の入ったなかなかの力作。キャッチーなヴォーカルメロディと
いくぶんヘヴィなギター、どこかとぼけた味わいのシンセワークと、よくよく聴くと案外個性的で、
GENTLE GIANTルーツのひねくれた雰囲気などもあって、むしろアメリカのバンドに近い雰囲気。
そして31分の大曲は、起伏に富んだ先の読めない展開で、フルートなどの叙情性に
オルガンも含めたレトロなシンセワークで聴かせる、ある種壮大なハードシンフォニック。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ひねくれ度・・8 総合・・8

HIGH WHEEL「Live Before the Storm」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールのライブアルバム。2006作
バンド歴は優に10年を超え、ドイツではEVERONとともにハードシンフォニックの中堅バンドといっていいだろう。
ドイツ版PENDRAGONという感じのメロディックなシンフォサウンドに、
年季を感じさせるライブ演奏は、ハードエッジな部分と、たおやかなフルートなどによる
ゆったりとした美しいパートが合わさった、なかなかドラマティックなもの。
CD2枚組で14分~26分という大曲もスムーズに聴かせるだけの実力はあるが、
楽曲のインパクトや突き抜けるまでの叙情まではもうひとつといったところ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5


HOELDERLINHoelderlin
ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの2nd。1975作
1stは女性Vo入りのアシッドフォーク風だったが、緊張感のあるピアノから始まる本作は
クラシカルなテイストのあるシンフォニックロックとなっている。
美しいシンセにヴァイオリンが絡み、やや土着的なパーカッションが加わって、
サイケロック的な質感と優しいフォーク風味を混ぜこんだような独特の味がある。
アコースティックギターとフルートの絡む美しさには、詩的な繊細さがあり
詩人ヘルダーリンの名をバンド名にしているのがうなずける。ロマン溢れるサウンドだ。
2007年リマスター盤には、ボーナストラックにラストの大曲のライブ音源を収録。
シンフォニック度・・7 繊細度・・8 幻想度・・8 総合・・7.5
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HOELDERLIN「Clown & Clouds」
ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの3rd。1976作
アシッドフォーク風だった1stから、2ndではいくぶんシンフォニック色を増し、続く本作も
淡い水彩ジャケの美しさとともに、その延長上にあるメロディアスな作品になっている。
艶やかなヴァイオリンの音色とともに、牧歌的な歌声でのんびりと聴かせるサウンドは、
ソフトなファンタジーロックという趣であるが、アルバム後半ではインストをメインに
ほの暗く幻想的な静謐感をただよわせながら、クラシカルなプログレを展開している。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・8 総合・7.5
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HOELDERLIN「Rare Birds」
ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの4th。1977作
美しいジャケが印象的だが、サウンドの方はポップな質感が増していて、
やわらかみのある牧歌的なメロディアスロックという雰囲気だ。
曲は6~8分と、このタイプのサウンドにしてはコンパクトさに欠け、やや間延びした印象。
ポップだが売れセンを狙いきれていない…というもどかしさを感じる。かと思うと、
後半にはプログレっぽい曲もあって、バンドの方向性を模索しているような感じのアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・7
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HOELDERLIN「EIGHT」
ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの2007作
1972年から1981年までに6枚のアルバムを出したバンドの復活作、
本作のタイトルは、ライブ盤を含めると8作目になるということなのだろうか。
サウンド的には新たに加わった女性ヴォーカルのしっとりとした歌声で聴かせる
フォーク・プログレといった趣で、かつての面影はほとんどないが、これはこれで悪くない。
アコースティカルな部分とシンセ入りのシンフォニックさが程良く溶け込み、
聴きようによっては北欧のWHITE WILLOWのような薄暗く幽玄な雰囲気もある。
笛やヴァイオリンの音色などがフォーキーで土着的な質感をかもしだしつつも、
モダンなアレンジがされた楽曲には古めかしさはない。いい意味で期待を裏切られた好作。
シンフォニック度・・7 幽玄度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Holger Czukay「Good Morning Story」
CANのメンバー、ホルガー・シューカイの1999年作
テクノ、トランス的なリズムと独自の浮遊感、サンプラーを使いながらも
完全にデジタルな音になるのではなく、ロック的な質感も残しているのが絶妙。
20分の大曲などはklaus Schulzeにも通じる静謐なシンセサウンドを聴かせる。
メロディアス度・・7 ロック度・・6 トランス度・・8 総合・・7.5
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I

ICE「THE SAGA」
オランダのシンフォニックロックバンド、アイスの2005年作
かつてMARYSONというバンドで活動していたメンバーによる新バンドで、
イントロに続くのっけからきらびやかなハードシンフォニックサウンドが全快。
基本はGENESIS以降のメロディック作だが、そこにAYREONあたりに通じるドラマティックさと、
現代シンフォのきらびやかさとキャッチーさを付加したような雰囲気で、序盤からぐいぐい聴かせる。
Voもガブリエルかコリンズかという声質で、その筋のファンならにやりとするだろう。コンセプト作ということで
中盤はゆったりとした曲も入りややまったりとなるが、最近の正統派シンフォ系の中ではこれはかなりの出来だろう。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Ines「Eastern Dawning」
ドイツの女性シンセ奏者、イネスのソロ2作目。1996年作
繊細なシンセワークとメロディアなギターを中心に聴かせるやわらかなシンフォニックロック。
男性ヴォーカルをメインに、女性コーラスなども入って、キャッチーな叙情が耳に優しいサウンドだ。
派手さはないが、牧歌的なアコースティカルな要素とモダンなシンフォニック感覚が同居した好作です。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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INES 「THE FLOW」
ドイツのキーボード奏者イネスのソロ3作目。1999年作
ジャケからはどう見ても女性Voものとか思えないが、Voは男性でイネスは作曲とKey演奏のみ。
1st、2ndはポンプ&シンフォニックの現代風アレンジ、というなかなか高品質な出来だったが、
今作ではさらになにかがふっきれたのか、コンパクトな楽曲はメロディ中心で分かりやすく、
キャッチーな聴きやすさとシンフォニック性の同居に成功している。
パーカッションなどの民族色も濃すぎない範囲で絶妙だし、総じて爽やかな耳に心地よいサウンドだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ポップ度・・8 総合・・7.5



Ines Project 「Slipping into the Unknown」
ドイツのプログレユニット、イネス・プロジェクトの2002年作
女性シンセ奏者、イネスを中心にしたユニットで、過去のソロ作もなかなかよい感じであったが、
本作も美しいシンセワークに、マイルドな男性ヴォーカルで聴かせる、シンフォニックロック。
メロトロンやオルガンなど、古き良き感触のシンセと、メロウなギターワークとともに、
やわらかな叙情性を感じさせつつ、一方では随所にモダンでポップなアレンジも含んでいる。
女性アーティストらしいやわらかな感触の楽曲が楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5



INTENTIONS 「Place in Time」
オランダのプログレバンド、インテンションズの2009年作
シンセを含む5人編成で、憂いを含んだマイルドなヴォーカルの歌声とメロウなギターワークを中心に
翳りのある叙情を描いてゆく、Marillionなどにも通じるようなやわらかな聴き心地のサウンド。
ポストプログレ的なモダンな感触も含みつつ、コンセプト的なドラマ性に包まれた作風で
うっすらとしたシンセに叙情的なギターフレーズが重なると、薄暗いシンフォニックロックとしても鑑賞できる。
派手な盛り上がりや展開は薄いものの、じっくりと落ち着いて楽しめる好作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5


InVertigo 「Next Stop Vertigo」
ドイツのシンフォニックロック、インヴァーティゴの2010年作
シンセを含む5人編成で、メロウなギターワークと美しいシンセにマイルドなヴォーカルで聴かせる叙情的なサウンド。
泣きのギターフレーズはしっとりと耳心地良く、適度なハードさも覗かせつつ、あくまでメロディックに楽曲を描いてゆく。
キャッチーでありながらも、ドイツらしい湿り気を感じさせる世界観で、オルガンなどの古き良き感触を巧みに取り入れている。
12分の大曲を含め、インストパート、ヴォーカルパートがバランスよく配置された構築センスも見事。叙情的な力作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Invertigo 「Veritas」
ドイツのプログレバンド、インヴァーティゴの2012年作
シンセを含む5人編成で、適度にハードなギターとやわらかなヴォーカルを中心にした
ゆったりとした聴き心地のサウンド。ピアノやオルガンを含んだシンセワークに、
随所にメロウなギターフレーズも顔を出しつつ、古き良きプログレの暖かな感触と、
モダンな構築性を合わせたような雰囲気が楽しめる。10分を超える楽曲も濃密すぎない
むしろ優雅なアンサンブルでさらりと聴かせるのがポイント。ラストは21分の大曲で本作のハイライト。
アルバム前半のなんとなく物足りない感じが解消されるような、爽快でキャッチーなメロディに浸れる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8



ISKANDER 「Another Life」
ドイツのプログレバンド、イスカンダルの1990年作
ANABIS、ROUSSEAUなどとともに80年代のジャーマンシンフォ系としてひそかに知られたバンド。
メロウなギターにうっすらとしたシンセ、そしてドイツなまりの英語によるマイルドなヴォーカルで聴かせる、
正統派のシンフォ/ポンプロックスタイル。あまり抜けのよろしくないところは、
いかにもヨーロピアンなB級シンフォという趣だが、あくまでメロディアスでやわらかな聴き心地は悪くない。
たとえば、WANIYETULAやIVORYあたりに比べて、泣きメロの度合いが多いので楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 マイル度・・8 総合・・7.5


ISLAND 「Pictures」
スイスのプログレバンド、アイランドの1977年作
ギーガーのジャケが印象的な、バンドの唯一の作品にして伝説的な名盤。
キーボード、ドラム、ヴォーカル、サックス&フルート奏者という4人編成で、
ギターもベースもいない特異なスタイルであるが、むしろそれがチェンバーロック的なアプローチと
ジャズロック的なアンサンブルが融合させた、非常に個性的なサウンドを描き出している。
ミステリアスな緊張感と、サックスやクラリネットを含めた軽妙な優雅さに、シンセによるプログレ感覚と、
クラシック的な構築性が奇跡的に合わさった聴き心地は、まさにこの作品ならではのものだろう。
ヴォーカルも入った聴きやすさはELP的でもあり、10分を超える大曲を中心にしながらも、
濃密すぎない音の空間性を有しているのも稀有なセンスである。プログレ中級者以上は必聴の作品だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8.5
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IVORY「sad cypress」
ドイツのシンフォニックロックバンド、アイボリーの1980作
Zommerlatte親子を中心に作られたこの作品は、80年代ドイツの隠れた傑作としても知られる。
サウンドの方はあまり派手ではなく、落ち着いた感じの大人のシンフォニックロック。
ギターにしろシンセにしろ前に出すぎることなく、ゆるやかなメロディをつむいでしっとりと聴かせる。
このアルバム録音時にすでに60歳を過ぎていたZommerlatte父のクラシックの確かな素養もあってか
全体的にマイナー臭くはあるものの、楽曲のアレンジ、構成にそこはかとない説得力もある。
80年代ドイツのシンフォとしてはAMENOPHISなどとともに聴くに値する作品だろう。
ボーナスには1983、1987年のマテリアルが30分も収録されている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 しっとり大人のシンフォ度・・8 総合・・7.5
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Ixion 「Talisman」
オランダのプログレユニット、イクシオンの2006年作
魔石をめぐるコンセプトーストーリに基づいたアルバムで、美麗なシンセアレンジと
適度にハード寄りのギターで聴かせるシンフォニックサウンド。男性ヴォーカルの濃密な雰囲気や
シアトリカルなドラマ性も含めて、イギリスのARENAや、スイスのSHAKARYあたりにも通じる感触で、
ストーリーの流れにそった重厚なコンセプトプログレが展開される。中盤以降は女性ヴォーカルも入ってきて、
メロウなギターフレーズを聴かせる叙情パートなどもあり、10分を超える大曲もドラマティックに描かれる。
全体的にスリリングな展開というのはあまりないが、じっくりと楽しめる力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8

J

Jack Yello「Thorns of Anger」
ドイツのプログレハード、ジャック・イエロの2003年作
適度にハードなギターに美しいシンセアレンジとキャッチーなメロディで聴かせる、
IT BITESやPALLAS、EVELONなどを思わせる高品質なプログレハードサウンド。
ギターの叙情フレーズとともにドラマティックな聴き心地で、プログレ的な展開力とともに
9分を超える大曲なども巧みに構築してゆく。テクニカルなリズムチェンジなどProgMetal風味もありつつ、
あくまでメロディックな感触が前に出ているのも好感が持てる。なかなかクオリティの高い好作品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8




Jan Akkerman
FOCUSのギタリストとして知られる、ヤン・アッカーマンのソロ。1977年作
「寛ぎの時」と題された本作は、フォーカス脱退後では2作目となるソロ作品で、
わりとストレートなリズムに、エレピなどのシンセとメロウなギターを乗せた、
優雅なフュージョンロック。2曲目は10分近い大曲で、ストリングスも加えたシンフォニックな感触に、
繊細な叙情を奏でるギターにうっとりと聞き惚れる。しっとりと優美な3曲目も耳に心地よい。
リュートなどのアコースティック主体だった「流浪の神殿」に比べて、プログレ寄りの感触も残していて、
ファンが求めるアッカーマンの技巧的なギタープレイが、たっぷり楽しめるのも嬉しいところ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 フュージョンロック度・・8 総合・・8
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Jan Akkerman「Live」
元FOCUSのギタリスト、ヤンアッカーマンのライブ作品。
1978年、スイスで行われた「モントルー・ジャズ・フェスティヴァル」での音源を収録。
2人のシンセ奏者にサックスを含む7人編成で、テクニックのあるドラムを中心にした
軽妙なアンサンブルに、美しいシンセが重なり、アッカーマンのギターが流麗に奏でられる。
それでいて繊細なギターワークは決して前に出すぎず、サックスが加わったジャズ風味と、
オルガンが鳴り響くロック要素を、軽快なフュージョンに仕立てたというサウンドが楽しめる。
全6曲34分と、長さとしてはやや物足りないが、卓越した演奏によるライブ作品です。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 フュージョンロック度・・8 総合・・8
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Jonathan & Corentin Aussems・François Schuiten「Idegael」
ベルギーのレーベル、Home RecordingsのスタッフであるAussems兄弟と、
ベルギーの画家&漫画家のFrançois Schuitenのコラボ作品のサントラ音源。2011年作
管弦楽器やピアノを含んだオーケストラルなアレンジと、男女混声コーラスも加わった
雄大なチェンバーロック的サウンドで、ストーリー性を感じさせる空間的な広がりには、
どこかなつかしいような優しい聴き心地もある。サントラ的でありつつも、クラシカルな優雅さと
適度な緊張感を含んだ構築性により、ひとつの音楽作品として楽しめる力作です。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 空間度・・8 総合・・8
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JULVERNE「emballade...」
ベルギーのチェンバーロックバンド、ジュルベルヌの3rd。1983年作
まるでヴィクトリア朝のイギリスのような、レトロな雰囲気のジャケだが、
サウンドの方も郷愁に満ちあふれた、たおやかでクラシカルなアンサンブル。
ピアノ、フルート、ヴァイオリン、サックス、クラリネット、といった室内楽の楽器を中心に
ロック的なリズムを極端に排した、クラシックとジャズの優雅さを漂わせる演奏だ。
シャンソン風の女性ヴォーカルやそれに絡む男性コーラスなどもどこか大時代的で、
いわば「なりきり度の高い懐古主義」を思わせるヨーロピアンなセンスとユーモアが垣間見える。
ゆったりとした時間の流れと、古き良き時代にトリップできる、不思議な味わいの作品だ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・6 懐古度・・10 総合・・8
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JULVERNE 「Le Retour Du Captain Nemo」
ベルギーのチェンバーロックバンド、ジュルベルヌの1992年作
1980年の2nd「A Neuf」、1986年の4th「Ne Parlons Pas De Mahleur」からのセレクトに、
1983年の3rd「Emballade...」からの楽曲の新録音源を収録した、変則的なベストアルバム。
ヴァイオリン、バスーンが重厚に合わさり、クラリネットやフルート、ピアノの音色が優雅に奏でられる、
クラシカルで上品な室内楽サウンドがこのバンドの持ち味だ。ロック要素というのはほとんどなく、
ほとんどクラシックを鑑賞するような感じで楽しみつつ、各楽器の優美な重なりを味わいたい。
ラスト曲である4th収録の11分を超える大曲は、ヴァイオリンとチェロが絡まり合うスリリングなナンバーだ。
クラシカル度・・9 プログレ度・・6 優雅度・・9 総合・・8
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KAYAK「SEE SEE THE SUN」
オランダのメロディアスロックバンド、カヤックの1st。1973年作
今やオランダ最高のプログレ/シンフォニックバンドとして広く認知されている彼らだが、
これが記念すべきデビュー作。後のアルバムのようなコンパクトなスタイリッシュさよりも、
どことなく北欧シンフォ的な質感のメロウなギターフレーズや美しいピアノなどは、
いかにも70年代シンフォニックの音像で、やや古めかしいながらもこれが楽しめる。
もちろん彼ららしいキャッチーな歌メロも聴かせてくれるが、これが80年代に入って
ポップ化してゆくことを考えると、シンフォニックロックとしての出来は本作が一番かもしれない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAK「KAYAK」
オランダのメロディアス・プログレバンド、カヤックの2nd。1974年作
1stに比べて曲がコンパクトになり、メロディはよりキャッチーになっているが、
しっとりとしたピアノやストリングスなどによるシンフォニック性も残っていて
アルバムとしての出来には遜色がない。9分の大曲も聴きどころとなっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK「Royal Bed Bouncer」
カヤックの3rd。1975年作
軽快な1曲目から、一聴してキャッチーなノリが増している。3、4分の曲を中心に
比較的シンプルに聴かせるメロディックロックといった趣であるが、
ピアノの音色でしっとりと聴かせる曲や、泣きのギターも効果的に入ってきたりと、
よりフックのメリハリの効いた楽曲が光っている。プログレ的な質感は薄まったが、
爽快な分かりやすさが増した分、一般のロックリスナーなどにも受け入れられる好作品だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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KAYAK「The Last Encore」
オランダのメロディアス・プログレバンド、カヤックの4th。1976年作
曲は2~4分台とよりシンプルになり、歌もの的な色合いが増しているが、
カヤック節ともいうべきやわらかなメロディラインはいよいよ本領発揮。
美しいピアノ、シンセと、コーラスによるしっとりとした曲も耳心地がよく、
次作以後のポップな作品への架け橋的なアルバムと言えるだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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KAYAKStarlight Dancer
オランダのプログレバンド、カヤックの5th。1977年作
単体としては初CD化となる。サウンドは初期のプログレ路線からよりキャッチーになり、
QUEENにも通じるようなやわらかなメロディとコーラスハーモニーが聴き心地よい。
タイトル曲や“Irene”での叙情性はヨーロピアンなシンフォニックの感触で、
メロウなギターのフレーズなどはいかにもオランダらしい。曲は2~4分台とシンプルで、
プログレハード的な明快さは万人向けといえる。現在のKAYAK節が確立した中期の好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK「PHANTOM OF THE NIGHT」
オランダのプログレバンド、カヤックの6th。1978年作
単体としては、前作Starlight Dancerとともに初CD化となる。
キャッチーなメロディック路線はより洗練されてきており、やわらかなヴォーカルメロディと、
シンセによる美しいアレンジ、ポップでありながらも泣きもあるというバランス感覚は、
まさに現在まで続くKAYAKサウンドの完成形というべきものだろう。中期の代表作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK 「Merlin」
オランダのメロディックロックバンド、カヤックの8th。1981年作
70年代からの活動に一区切りをつけるアルバムで、「アーサー王伝説」をテーマにしたコンセプト作。
とはいっても楽曲に難解さはなく、キャッチーなメロディで聴かせる良質のプログレハードであり、
やわらかなコーラスワークに、美しいピアノ、シンセワークなどが素晴らしい。
シンフォニックロックとしての完成度では、本作を最高傑作としてもよいだろう。
バンドはこの後、2000年に復活し、2003年には本作の完全版となる作品を発表する。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAK「Eyewitness」
カヤックの9th。1981作
スタジオライブにより過去曲を再現した変則的なアルバムで、
本作を最後に、2000年の復活までバンドは長い休止状態に入るのだが、
アルバム「Starlight Dancer」「Phantom Of The Night」からの曲を中心に、
ポップ性とメロディアスな叙情を併せた、さすがという演奏を聴かせてくれる。
80年代の産業ロック的なキャッチーなプログレハード質感を漂わせながら、
CAMELばりの泣きを聴かせる“Irene”や、ドラマティックな名曲“Starlight Dancer”なども
オリジナル以上に見事な出来で、バンドとしての成熟度を感じさせる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・8
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KAYAKClose to the Fire」
オランダのメロディック・プログレバンド、カヤックの2000年作
70年代から活動し、そのキャッチーでやわらかなメロディセンスで人気を博したが、
80年代に入り活動を停止。本作は約20年ぶりとなった彼らの復活作だ。
かつてを思わせるメロディセンスと、シンフォニックな壮麗さのバランスがとれた傑作。
この後、「NIGHT VISION」「MERLIN-BARD OF THE UNSEEN」
順調にアルバムを発表してゆくが、復活後の入門作として本作が最適だろう。
彼ららしいメロディとしっとりとした叙情の詰まったサウンドを、たっぷり13曲楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 カヤック度・・9 総合・・8
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KAYAK「CHANCE FOR LIVE TIME」
オランダのメロディックロックバンド、カヤックのライブアルバム。CD2枚組
「CLOSE TO THE FIRE」のツアーでの音源で、70年代のアルバムからも選曲されており、
往年のファンにも楽しめる内容となっている。難解なところのまったくない、
メロディと聴きやすさにこだわった楽曲群は、古めかしさを感じさせず、良質のメロディックロックとして耳になじむ。
キャッチーさとポップセンスとを兼ね揃えたバンドとして、昔も今も変わらず価値ある存在であろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲度・・8 総合・・7.5

KAYAK「NIGHT VISION」
オランダのメロディック・シンフォニック・ロックバンド、カヤックの再結成二作目。2001作
前作「CLOSE TO THE FIRE」で見事に復活をとげたこのバンド、
それに続く今作も同様にメロディック、シンフォニックロックの好作だ。
このバンドの場合「プログレ」とういうよりは、やはり「メロディックロック(ポップ)」と言うのが適当だろう。
同じオランダのVALENTAINにも通じるような、やわらかなポップフィーリングが存在し、
そこに大人の洒落た感覚を混在させて、70年代的キーボードワークで味付けした、という感じ。
「落ち着き過ぎ」なのが退屈な部分もあるが安心して聴ける一枚だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ポップ度・・7 総合・・7.5
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KAYAK「MERLIN-BARD OF THE UNSEEN」
オランダのメロディアス(プログレ)ロックバンド、カヤックの復活後の3作目。2003作
なんと今回は彼らが1981年に発表した「マーリン」の続編、というか完全版(?)となっている。
ポップでキャッチーなアルバムが多いなか、私自身このバンドの異色作にして最高作は
「MERLIN」に他ならない、思っていたので、その再録版が聴けるとは。とても興奮。
タイトル通りアーサー王伝説をコンセプトにしたものだが、もともとはアナログのA面のみ
だった楽曲を今回は新たに曲を書き起こし、全70分の作品に仕上げている。
そういえばメンバーは同郷のシンフォニックプロジェクトAYREONなどにも参加したことがあり、
そうしたシリアス系のコンセプト作に触発されたのかどうか、内容も妥協のないものになっている。
元曲のイメージを崩さぬままに、効果的な女性Voやキーボードの重ね
それにオーケストラも加わり、優雅にしてメロディアス、そして壮大な世界観を描いている。
もちろんメロディには彼ららしい人懐こさがあり、難解さよりは爽快さが前にでて聴きやすい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 壮大度・・8 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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KAYAK「NOSTRADAMUS-THE FATE OF MAN」
オランダのメロディック/シンフォニックロックバンド、カヤックの2005年作
今回はCD2枚組みの大作で、やや時期外れな気もするが、テーマはノストラダムス。
サウンドの方はいつものメロディアスなカヤック節がたっぷりで、時にシンフォニックに盛り上がりつつも、
あくまでキャッチーでやわらかなメロディがじつに聴きやすい。配役ごとに男女Voを配するこだわり方はAYREONあたりとも同様か。
全体的にスリリングな要素は希薄だが、安心して楽しめるシンフォニック作だ。CD1枚にまとめたバージョンもあり。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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Kayak 「Kayakoustic - Live」
オランダのメロディックロック、カヤックの2007年作
1973年にデビューしてから、35年を超えるキャリアで活動を続ける、オランダを代表するベテランバンド。
本作はアコースティック編成でのライブを収録した作品で、初期のナンバーなども牧歌的にアレンジ、
キャッチーなコーラスに男女ヴォーカルの歌声を乗せた、繊細でポップなメロディックサウンドを聴かせてくれる。
渋みのある男性ヴォーカルと美しい女性ヴォーカルの対比もよろしく、大人の叙情と優雅さとを感じさせる。
Ton Scherpenzeelは、グランドピアノをメインにしつつ、ときにアコーディオンも奏でたりと、
楽曲ごとのアレンジセンスもさすがというところ。カヤックらしい雰囲気もしっかりと残した好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・6 大人の叙情度・・8 総合・・8
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KAYAK「Coming Up for Air」
オランダのシンフォニックロックバンド、カヤックの2008年作
2000年の復活以降、順調にアルバムを発表し続け、そのどれもが充実の内容であったが、
本作も実に見事なアルバムだ。美しいシンセワークとメロディは、もはやカヤック節ともいうべき
耳心地のよいもので、シンフォニック性とキャッチーさのバランスは職人の域である。
そこに乗るハスキーな女性ヴォーカルの歌声もサウンドにマッチしていて、
いくぶんモダンになった楽曲アレンジとともに、いわばお洒落な風情をかもしだしている。
もちろん、従来のKAYAKらしい繊細なメロディック曲もあり、男女Voの使い分けが
サウンドの幅をより広げている印象だ。買って損なしの安心、充実のクオリティ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲・・9 総合・・8.5
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KAYAK「Letters from Utopia」
オランダのプログレバンド、カヤックの2009作
今作は2005年の「NOSTRADAMUS」以来となる2枚組みのアルバムとなっている。
Disc1は比較的キャッチーなナンバーが多く、男女ヴォーカルの歌声と、繊細なシンセワークとともに
彼らの持ち味であるポップセンスが発揮されたメロディアスでコンパクトなサウンドが楽しめる。
Disc2は、ややシリアスな雰囲気となっていて、シンフォニックな美しさとドラマティックさで聴かせる、
かつての「Starlight Dancer」のナンバーを思わせるような曲もあり、往年のファンも満足だろう。
35年もの歴史を誇るオランダ随一のメロディックロックバンド。その質の高さはやはり折り紙付きだ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAKAnywhere But Here」
オランダのプログレバンド、カヤックの2011年作
ドラマーでソングライターでもあった、ピム・コープマンの休止からバンドは活動中止を発表したが、
新メンバーを入れてここに復活。美しいシンセワークと男女ヴォーカルの歌声で、メロディックに聴かせる
カヤック節は健在で、3~4分大の曲を中心にしたシンプルな味わいのプログレハードが楽しめる。
ポップでキャッチーながらも欧州的な哀愁を含んだそのメロディはデビューから40年近く過ぎても変わらない。
目新しさはないものの、クオリティの高さはさすがのベテラン。愛すべき叙情ロック作品です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 総合・・8
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KAYAK「Cleopatra - The Crown of Isis」
オランダのプログレバンド、カヤックの2014年作
1973年にデビューしてから、何度かの活動休止をはさみつつも活動を続ける、オランダを代表するベテラン。
今作はタイトルのように古代エジプトをテーマにしたCD2枚組の大作。美しいシンセアレンジに包まれて、
艶やかなヴァイオリンの音色にメロウなギターのトーンが重なるイントロからして、もうウットリである。
女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるところは、初期のQUIDAMのように優美な雰囲気で、
マイルドな男性ヴォーカルも、今回は壮大な物語を語るようなイメージだ。いつもの歌もの路線から、
本格派のシンフォニックにシフトしたという作風であるが、持ち味であるキャッチーな感触もしっかり残している。
小曲主体のDisc2を聴くと、2枚組にする必要があったのかと思うが、壮麗でゴージャスなアレンジと
優雅なメロディアス性で描かれる、ドラマティックな力作であるには違いない。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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KAYAK「MERLIN - BARD OF THE UNSEEN」
復活したオランダのメロディアスロックバンド、カヤックのライブDVD。2枚組。
アーサー王物語を題材にしたアルバム「MERLIN」のリメイク作をライブで完全再現。
メンバーは皆中世風の衣装に包み、ライティングやカメラワークにもこだわっている。
ゲストの女性Voとの掛け合いや、ダンサーなどが舞台を彩り、ほとんどロックオペラである。
オーケストラアレンジのシンフォニックな楽曲も壮大でありながら分かりやすいメロディで、
演奏的には突出した部分はないものの、非常に大衆受けする聞きやすさがある。
メンバーは皆いい歳のおっさんなので、絵的には見栄えはたいして良くないが、
女性Voはなかなかの美女で、物語に基づいた演技も含めてステージに華をもたらしている。
disc2の方は過去のアルバムからの選曲で、こちらは皆普通の衣装に戻っている。
その他、メイキングなども入っており、時間たっぷり楽しめる作品である。
ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 シンフォニック度・・8 総合・・8
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Ken's Novel「Domain of Oblivion」
ベルギーのプログレバンド、ケンズ・ノヴェルの2004年作
シンセを含む5人編成で、テクニカルな展開とキャッチーなメロディで聴かせる
ハードシンフォニックサウンド。コンセプト的なドラマ性をもった世界観で、
10分以上の大曲を構築する実力はなかなかのもの。楽曲はメロディ志向なので難解さはなく、
随所にDREAM THEATER以降のProgMetal的な質感も垣間見える。歌メロの耳触りの良さは
MAGELLANやNEAL MORSEなどにも通じる聴き心地で、メロディアスなハードプログレが楽しめる。
作品として長尺感はあるが、バンド名のように物語的で冒険の旅へ出るようなファンタジックな力作。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 構築度・・8 総合・・7.5



King Eider「Somateria Spectas」
オランダのシンフォニックロックバンド、キング・エイダーの2005作
北極圏に生息するケワタガモをテーマにしたコンセプトアルバムで
メロウなギターワークと美しいシンセでゆったりと聴かせるシンストメインのシンフォ作。
CAMELを思わせる繊細な美意識と、ときにThe Flower Kingsあたりにも通じる
ギターによる涼やかな叙情メロディが素晴らしい。ときどきヴォーカルも入るが、
GANDALFなどを思わせるゆるやかな自然描写が耳に心地よく、インストだけでもイケる。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 自然派シンフォ度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Irrlicht」
ジャーマン・シンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの1st。1972作
元はTANGERINE DREAMASH RA TEMPELのドラマーであったクラウス・シュルツが
シンセによる多重録音でここまでの世界を作り上げたのは驚嘆すべきことだ。
POPOL VUHの初期作という手本はあったにせよ、自然との同調を目指したフリッケに対して
シュルツの世界観はあくまで深い闇に沈み込むような濃密な落下の感覚がある。
キリストの生誕をテーマにした本作は、シュツルがシンセに初めて触れてから
たった3週間後に作られたという作品ながら、すでに後のアルバムと同等の完成度を誇る。
どこまでも暗く、一条の光すらも見えない世界ながら、奥深い空間性を感じさせるサウンドには
シンセ楽器に無限の可能性を求めた、シュルツの内的志向の冒険心を感じとれる。
ここからジャーマンシンセミュージックの巨匠としての彼のキャリアが本格的にスタートする。
2006年リマスター盤には、24分におよぶ大曲がボーナスに追加されている。
暗黒度・・9ロック度・・0 幻想度・・10 総合・・9
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Klaus Schulze「Cyborg」
ジャーマン・シンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの2nd。1973作
この後40年あまたりにわたって、アルバムを作り続けてゆく彼であるが、
本作の時点ではまだシーケンサーによるリズムは使っておらず、1st「Irrlicht」の延長上の、
シンセのみによる多重録音で聴かせる20分以上の大曲4曲という構成。
浮遊感と広がりを表現するようなスペイシーなシンセワークが素晴らしい。
1st以上に音としての粒が立っていて、電子楽器としての特性を活かした音響である。
吸い込まれるような幻想性もある。リマスター盤のボーナスには50分を超える大曲を収録。
暗黒度・・8 ロック度・・1 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Picture Music」
クラウス・シュルツの3rd。1974作
本作からシンセによるシーケンサー的なリズム感覚を取り入れ、後のテクノなどに通じる使用法を確立する。
うっすらとしたシンセと、そのバックにパーカッション的なシンセがデジタリィに重なり
薄暗さの中にもリズムとしての存在が、作品を聴き安いものにしている。
旧A、B面全てを使った23分ずつという大曲志向は相変わらずだが、
2曲目“MENTAL DOOR”は、翳りの中にも温かみが感じられる美しい作風で、
後半はパーカッションとドラムが加わってロック的な質感が高まる。
2005年リマスター盤には、33分の大曲がボーナスに追加されている。
暗黒度・・8 ロック度・・5 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Blackdance」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの4th。1974作
シンセによる幻想的な音空間に、12弦ギターなども取り入れたアコースティックな質感もある。
同時期に発表された「Picture Music」がシーケンサーによるリズムを取り入れているのに対して
こちらは人間的な叙情が強いように感じる。17分、8分、22分とシュルツェにしてはコンパクトな楽曲の中に、
タイトルのような暗がりの中の躍動のようなイメージが凝縮されている。パーカッションの響きもどこか人間的で
ただシンセを重ねただけの作品にはない、肉感をともなった荒涼というべきものが鬼火のように浮かび上がる。
暗黒度・・8 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Timewind」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの5th。1975作
シュルツェの代表作として知られ、ワーグナーの死をテーマにした幻想的な傑作。
美しくも静謐感を漂わせたシンセミュージックで、その荒涼とした薄暗さは
1st「Irrlicht」にも通じる世界観があるが、シンセやシーケンサーの使用については
より計算された質の高さがあって、ぼやけた楽曲の中にも構築性のようなものが感じられる。
全2曲という構成も、深い闇の世界にいざなわれるような、壮大さを味わうにうってつけだ。
リマスター再発盤のボーナスディスクには本作の曲と同時期に収録された別テイク等を収録。
暗黒度・・8 ロック度・・2 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Moondawn」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの6th。1976年作
本作では美麗なシンセワークとともに、元Wallensteinのドラマーがシーケンサーのリズムと絶妙にリンクするドラムを叩き出し、
これまでシンセ一辺倒だったサウンドに不思議な奥行きを生み出している。まさにシュルツェ黄金期の傑作と言えるだろう。
うっすらとしたシンセが永遠と続くかと思われた2曲目の中盤あたりから、ドラムが加わると、
サウンドは荘厳なドラマティックさに包み込まれる。リマスターに際し、20分超のボーナスマテリアルを追加収録。
暗黒度・・7 ロック度・・6 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Mirage」
クラウス・シュルツの7th。1977年作
初期の作品に比べると暗黒性が薄れ、シンセの美しさが引き立ったアルバム。
28分、29分という長大な大曲2曲という構成は変わらないが、幻想的なシンセの重なりは、
かつての闇の世界から抜け出してきらきらした音には光を思わせるような調和性が感じられるようになった。
暗黒シュルツェのファンにはやや物足りないかもしれないが、むしろ一般向きには聴きやすい作品といっていいだろう。
暗黒度・・6 ロック度・・2 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze 「Body Love」
クラウス・シュルツェの1977年作
エロティック映画のサントラとして作られた作品で、前作「Mirage」での光を感じさせる調和的な作風の延長にあり、
官能的なシンセの重ねにシーケンサーによるリフレインと、ドラムを含んだリズム感が加わった、
シュルツェの作品としてはむしろ聴きやすいサウンドに仕上がっている。27分の大曲では、
絶頂にいざなうようなアッパーなトリップ感とともに、カラフルなシンセミュージックが楽しめる。
サントラながら、しっきりシュルツェ印の押された好作品。リマスター再発盤には、22分の大曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze「BODY LOVE VOL.2」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの8th。1977年作
映画のサントラとして作られた「ボディ・ラブ」の続編であるが、こちらはサントラではなく、
ジャケはエロティックながら、28分、14分、13分という大曲揃いのいつものシュルツェの作風。
シンフォニックといってもよい美しいシンセの重ねと、ドラムも入ったサウンドは、
初期の作品よりもむしろメロディの輪郭がはっきりしている分とっつき安いだろう。
シーケンサーのリズムが入るとテクノ的な質感も加わるが、幻想的な世界観もいくぶん残している。
同時期に出された「Mirage」の方が評価が高いようだが、本作も決して劣らない出来である。
シンフォニック度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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Klaus Schulze「X」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの1978年作
タイトルの「X」は10作目という意味であるようだ。CD2枚組で150分におよぶ大作で、
シーケンサーのリズムに乗る反復するシンセのフレーズが延々と続きながら、それが
しだいにゆるやかに変化してゆくという作風は、初期のような濃密なダークさはあまりない。
ぼんやりとしながら楽しむトランスミュージック的な聴き方ができる一方で、生のドラムも入っているので、
それがシンセとのいいアクセントになっている。オーケストラも加わった雄大でクラシカルな美しさも素晴らしく、
包み込むようなシンセとともにうっすらとした幻想美が存分に味わえる力作だ。
暗黒度・・7 ロック度・・3 幻想度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze「Dune」
ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェの1979年作
70年代シュルツェの作品はどれも素晴らしい名作ばかりであるが、本作もまた然り。
「砂の惑星」の名で知られる小説「デューン」をコンセプトにした作品で、30分のタイトル曲は
想像力をかきたてるSEのような音の連なりから、シンセの重ねによる荘厳で神秘的な
いつものシュルツェサウンドが広がってゆく。ストリングスなどの響きなどクラシカルな要素と
コンセプトのおかげだろうか、よりダイナミックに展開してゆくサウンドがまた素晴らしい。
26分の2曲目にはThe Crazy WorldKingdom Comeのアーサー・ブラウンが参加、
シーケンサーによるリズムパターンとチェロの音色をバックに即興ぎみの歌を聴かせる。
前作「X」に勝るとも劣らぬ傑作といえるだろう。ボーナスに23分のライブテイクを収録。
荘厳度・・9 幻想度・・8 シンセ度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Live」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの1980年作
76年作「ムーンドーン」発表期のベルリン公演と、79年作「デューン」発表期のアムステルダムとパリ公演をCD2枚に収録
シーケンサーのリズムに乗る、スペイシーなシンセワークがゆったりと広がりのあるサウンドを描き出す。
50分の大曲ではドラムも加わって、反復するフレーズの中にもライブならではの緊張感を覗かせた
スタジオアルバム以上にダイナミックな演奏が楽しめる。Disc2の方では、アーサー・ブラウンがゲスト参加、
シュルツェのシンセの上に怪しげなヴォーカルを乗せて、独自の世界観を作り出している。
ドラマティック度・・8 緊張感度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Dig It」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの1980年作
「アナログの死」をテーマに、初のデジタル機材で録音された作品。
コーラスなどのエフェクトにはデジタルな香りを漂わせているが、
全体的にはこれまでのシュルツェの作品とそう変わることはなく、
シンセの重ねによる静謐な雰囲気に、無機質なドラムが重なったサウンド。
以前のような荘厳さは薄れたものの、いくぶんモダンになった空気の中に、
もの悲しい情景が浮かび上がる。70年代から80年代への橋渡し的な作品といってよいだろう。
リマスター盤のボーナスDVDには貴重な1980年のライブ映像を収録。
シンセ度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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Klaus Schulze 「Trancefer」
クラウス・シュルツェの1981年作
前作「Dig It」で、デジタルサウンドへの移行をはたし、それに続く本作も、デジタルなシンセを中心にした作品。
トリップ感のある反復フレーズと、ドラムによる演奏で、80年代的なテクノ風味を含んだ、
空間美の漂うトランスミュージックとなっている。ストリングスの響くオーケストラルなアレンジも含めて、
全体的にも綺麗な音作りの作品で、初期のようなダークな色合いは薄いが、安心して鑑賞できる。
18分、19分という大曲2曲という構成で、再発盤にはプレス用に作られた別バージョンを追加収録。
ドラマティック度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「Dziekuje Poland Live '83」
ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェのライブ作品
1983年のポーランドのツアーを収録したCD2枚組。ライブ作品としては1980年の「LIVE」に続く2作目で、
美しいシンセの重なりと、シーケンサーによるリズムで聴かせるシュルツェサウンドは
輪郭のはっきりしたメロディ志向の演奏となって、より洗練されてきている。
緩急をつけながら25分前後の大曲を描いてゆくセンスはさすがという貫祿である。
Disc2やボーナス曲はデジタルなシーケンス色が強いのだが、Disc1の2曲だけでも聴くに値する出来だ。
ドラマティック度・・8 緊張感度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Audentity」
クラウス・シュルツェの1983年作
80年代のシュルツェ作品を代表するとも言われる2枚組の大作アルバム。
サンタナのM.シュリーヴをはじめ、「X」や「デューン」にも参加したW.ティーポルトなどが集まり
バンド的な4人編成で作られたアルバムで、シーケンサーのリズムとデジタリィなシンセに
クラシカルなチェロの音色が絡み、80年代的なモダニズムを全面に出したような作風。
Disc1には、24分、21分、28分の大曲を、Disc2には小曲を3曲に、58分のデモ作品を追加収録。
ドラマティック度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「ANGST」
クラウス・シュルツェの1984年作
本作は映画のサウンドトラックであるが、先に音楽を基にして映像を作り上げたという異色の映画であったらしい。
80年代に入ってから、シンセのデジタル化にともない、その作風をいくぶん変化させてきたシュルツェであるが、
ここで聴けるのは薄暗く、幻想的な世界観につつまれたかつてのシュルツェサウンドである。
打ち込みのドラムによる無機質なリズムと、シンフォニックといってよい美しいシンセの重ねが、
いま聴くと不思議なコントラストとなっていて、80年代的なデジタル性を己の作風に大きく取り入れた
シュルツェの懐の大きさがうかがえる。リマスター盤には31分におよぶ未発曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・7 幻想度・・8 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「INTER*FACE」
クラウス・シュルツェの1985年作
リズムマシンによる軽快なビートに、多重録音のシンセが美しく鳴り響く1曲目から、
キャッチーで爽快な印象のサウンド。やはり80年代的なビート感を意識しているのだろう、
いつになくユーロビート的なノリが感じられ、アルバム前半は従来の薄暗い雰囲気は薄いのだが、
後半のタイトル曲は24分の大曲で、シンフォニツクなシンセの重なりによる幻想的な世界観が広がってゆく。
ボーナストラックには、アルバム収録曲のオリジナルバージョンを含む2曲の大曲を収録。
ドラマティック度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「DREAMS」
クラウス・シュルツェの1986年作
「夢」と題された本作は、オーケストラルな感触のシンフォニックなシンセの重ねで美しく始まる。
80年代らしいデジタルなモダンさと、欧州らしいクラシカルな雰囲気が合わさったサウンドで、
随所にドラムやベースも入ってきて、適度にロック色も感じさせるという点では、
シュルツェにしては珍しい作品かもしれない。もちろん従来の幻想的な浮遊感も健在で、
ラストの24分の大曲は、繊細な構築性とやわらかな叙情性に、後半にはヴォーカルも加わった
シンフォニックかつドラマティックな聴き心地が素晴らしい。シュルツェ80年代の傑作でしょう。
再発盤のボーナスには、ALESIS製シンセ“アンドロメダ”のプロモCDに収録されていたという23分の大曲が追加されている。
ドラマティック度・・8 幻想度・・8 シンセ度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze 「Entrance」
クラウス・シュルツェの1988年作
16~18分という大曲4曲という構成で、LP時代は2枚組であった作品。
今作はシンセのみによる多重録音で、かつての幻想性を取り戻したような作風となっている。
ただデジタルシンセによるサウンドであるから、70年代のアナログ的なやわらかさはなく、
ラウドな音質もあいまって、どうしても薄っぺらく聞こえてしまうのが惜しい。
今後90年代に入っても変わることなく、自らの世界を描きつづけてゆくシュルツェだが、
この80年代は、いくぶん迷いながらもその基盤ともなった時期であったのかもしれない。
ドラマティック度・・7 幻想度・・8 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「Miditerranean Pads」
クラウス・シュルツェの1990年作
90年代に入り、テクノロジーの進歩とともに、多重的なシンセの録音技術が向上。
本作では、厚みのある音の重なりでスケール感のある広がりを表現している。
いわば映画サントラ的な雰囲気とともに、クラシカルな優雅さとシンフォニックな感触も含んで
ランドスケープ的に大曲を描いてゆく。美しさの中にほのかにミステリアスな空気を漂わせるところは、
かつての傑作「Mirage」や「Dune」の90年代的解釈というところか。シュルツェ円熟の力作。
荘厳度・・8 幻想度・・8 シンセ度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Le Moulin De Daudet」
クラウス・シュルツェの1994年作
「ドーデの水車小屋」と題された本作はフランス映画のサウンドトラック作品で、
シュルツェの作品としては珍しく1~4分前後の小曲を中心とした内容になっている。
場面ごとに作られた楽曲は、ゆったりとしたものから緊張感ただようものまで幅広く、
ストリングスアレンジの曲や、女性スキャット、パーカッションなど、いつになく多彩な曲調が楽しめる。
ただ、どれも雰囲気はとてもいいのだが、もっと聴きたいと思う前に終わってしまうのが物足りない。
ドラマティック度・・7 幻想度・・8 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze「Das Wagner Desaster Live」
クラウス・シュルツェのライブ作品
1994年のパリとローマでの公演を収録したCD2枚組。
ニーチェの生誕150周年記念のイベントでの録音で、オペラティックなボイスや
ストリングスを含んだオーケストラルな感触にデジタルなシーケンスリズムが合わさった、
まさにワーグナーのオペラをシンセ音楽で解釈したようなサウンドである。
1曲め“Wagner”、2曲め“Nietzche”で合わせて57分…これだけでお腹いっぱいである。
DIsc2には、上記の曲のミックス違いを収録。こちらはソフトアレンジでちょっと物足りないか。
荘厳度・・8 幻想度・・8 シンセ度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Are You Sequenced?」
クラウス・シュルツェのライブ作品
1996年のイギリスでのライブ音源をシュルツェ自身がリミックスした作品。
単音による鋭角的なシンセ音の重ねが火花のように響くモダンな雰囲気で
デジタリィな側面を強くしたサウンド。延々と続くシーケンスのリズムがやや単調で
美しさや緊張感という点では、以前の作品に比して物足りないが、これもまたシュルツェの音楽。
珍しく10分以内の曲がたくさんあるのも本作の特徴だろうか。全体的に力の抜けた大人の作風。
ボーナスのDisc2には、93年のライブテイク(1曲で77分!)を収録。
荘厳度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5

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Klaus Schulze 「Dosburg Online」
クラウス・シュルツェの1997年作
ドイツ、デュースブルクでの1997年のライブステージを収録。デジタルなテクノロジーは90年代半ばに入り、
ますます発達したことで、シュルツェもこの90年代に多くのライブ音源を残している。
きらきらとした美しい多重のシンセ音に包まれた冒頭の曲から、幻想的な世界観に引き込まれる。
前年のライブ作品「Are You Sequenced?」に比べると、より欧州の香り漂うロマンティシズムを感じさせ、
オペラティックな男性テナーヴォーカルの歌声も加わって、じつに優雅な作風である。
一方ではサンプリングやシーケンサーによるモダンな感触も融合させたアレンジセンスが冴える好作品。
ドラマティック度・・8 幻想度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Vanity of Sounds」
クラウス・シュルツェの2000年作
2000年に発売された10枚組BOX「CONTEMPORARY WORKS I」に収録されていたものを単体CD化した作品。
17分、23分、14分、23分という大曲4曲という構成で、包み込むようなシンセに、デジタリィなシーケンスを重ねた、
いかにもシュルツェらしいサウンド。かつての作品よりもシンセサウンドの硬質な冷たさが際立っていて、
新世紀へ向かう近未来的なヴィジョンが垣間見えるようだ。2曲目ではギターの音色にドラムも加わって、
ロック色の強い作風も聴かせる。モダンさの中にもふっと、暗がりの幻想性を感じさせるところもさすがである。
ドラマティック度・・7 幻想度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Klaus Schulze 「Ballett 2」
クラウス・シュルツェの2000年作
こちらも10枚組BOX「CONTEMPORARY WORKS I」に収録されていたものを単体CD化した作品。
バレエというタイトル通り舞踏用に作られた作品であるが、シュルツェらしいダークな浮遊感は健在で、
妖しげな男性スキャットヴォイスが入ったり、随所にフルートやチェロ、ヴァイオリンなども加わった
クラシカルな優雅さとシンセサウンドが融合した幻想的な美しさに包まれる。30分、24分という大曲を中心に、
デジタリーなシンセミュージックをフルートなどの音色で彩ったサウンドは、さすがのセンスと言える。。
ドラマティック度・・7 幻想度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze「Moonlake」
ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェの2005年作
2003年のポーランドでのライブ音源を基にした作品であるがライブ感はほとんど感じない。1曲目は30分の大曲で、
シーケンサーによるリズムとデジタルなアレンジをバックに、わりと聴きやすい旋律を乗せたモダンなサウンドで、
スペイシーな世界観を描いてゆく。かつての薄暗い幻想性は薄まっているが、中東的なスキャットヴォイスを乗せた浮遊感と
ヴァイオリンが鳴り響く優雅な感触に、デジタルなビートによるシンプルなノリ融合した、独自のシンセミュージックが楽しめる。
ドラマティック度・・6 デジタル度・・8 シンセ度・・7 総合・・7.5
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Klaus Schulze/Lisa Gerrard 「FARSCAPE」
ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェと女性シンガー、リサ・ジェラルドによる2008年作
7パート、それぞれ20~30分からなるCD2枚組の大作で、うっすらとしたシンセの重ねに
元DEAD CAN DANCEのリサ・ジェラルドの表現豊かな歌声を乗せた幻想的なサウンド。
バックのシンセは、ときにシーケンサーのリフレインも加わりつつもおおらかな感触なのだが、
彼女の妖しい歌声がときに即興的な響きとともに、このサウンドの主役となっていて、
単なるBGM以上の情感をかもしだしていて、ゆったりとした世界観に引き込まれる。
2CDで合計150分を超えるボリュームなので、これを通しで集中して聴くのは大変だが、
互いの魅力を引きたてた作風という点で、ユニットとしては成功した力作と言えるだろう。
ドラマティック度・・8 シンセ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze/Lisa Gerrard 「Rheingold: Live at the Loreley」
ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェと女性シンガー、リサ・ジェラルドによる2008年作
ドイツのライン川の名所ローレライ近くで行われた、2008年のライブステージをCD2枚に収録。
ワーグナーの「ニーベルングの指輪」をコンセプトに、スタジオアルバム 「FARSCAPE」の流れを汲みつつ、
よりシュルツェらしい即興的な演奏スタイルでシンセを重ね、10分から30分を超える大曲を描いてゆく。
リサ・ジェラルドの歌声もローレライの妖精さながらに、シンセサウンドに溶け込むような幻想的な響きで、
ときにワーグナーのオペラを物語るようである。Disc2では、デジタル調のナンバーも挟みつつ、
女性声を活かすしっとりとした大曲から、ラストのアッパーなナンバーと案外メリハリのある聴き心地。
ボーナストラックの「ニーベルング」こそやや単調な感触だが、リサの歌声とのバランスのとれたライブ作品である。
ドラマティック度・・8 シンセ度・・9 幻想度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze/Lisa Gerrard 「Dziekuje Bardzo」
ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェと女性シンガー、リサ・ジェラルドによる2009年作
2008年ポーランドでの2公演を3CDに収録。シュルツェ御大はよほどリサとのコラボが気に入ったのだろう、
40分におよぶ大曲をそれぞれ2公演のメインに配し、CD3枚で180分を超える大ボリュームのライブ作品である。
詠唱のような男性声と女性声が絡まり、東洋的な旋律を乗せたナンバーから始まり、シーケンサーのリフレインを加えた
シュルツェサウンドが広がってゆく。前回のライブ作品に比べても、シュルツェとリサの二人の表現力が互いを高め合っていて、
より深い部分での世界観の融合を感じさせる。ときに妖しく語るように、ときにオペラティックに響き渡るリサの歌声は、
曲によっては完全にサウンドの主役となっていて、しっとりとした静寂パートを含む40分の大曲を描く音の説得力も素晴らしい。
ドラマティック度・・8 シンセ度・・9 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze 「La Vie Electronique 1」
クラウス・シュルツェの未発音源集その1。2009年作
1970~72年までの音源をCD3枚に収録。いまやジャーマンシンセミュージツクの巨匠の
デビュー前の音源を含む若き日の演奏が楽しめる。シンセの多重録音でスペイシーな世界を描いてゆく、
シュルツェ節はすでに確立していて、初期の代表作「Irrlicht」を思わせるような、薄暗い幻想的な作風にうっとり。
20分、30分超の組曲や、2nd「Cyborg」の原型となるような実験的な曲や、Disc3では64分の長大な組曲もあり、
静謐感ただよう初期シュルツェの世界観がたっぷり堪能できる。未発ながらもファンならば必聴レベル。
ドラマティック度・・8 幻想度・・9 シンセ度・・10 総合・・8
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Klaus Schulze 「La Vie Electronique 2」
クラウス・シュルツェの未発音源集その2。2009年作
1972~74年までの音源をCD3枚に収録。シンセサイザー奏者のシュルツェの最初の黄金期というべき時期の音源で、
多重録音されたスペイシーなシンセサウンドが神秘的な浮遊感覚を描き出す。10分20分の大曲は当たり前。
シーケンサーを取り入れる前なので、リズム的なアプローチが希薄な分、ゆったりとその薄暗い荒涼感に浸れる。
珍しくギター入りの楽曲もあり、素朴で叙情的な聴き心地が楽しめる。Disc2では、41分、27分という長大な組曲を収録。
Disc3ではドラムによるリズムも入ったダイナミックな大曲もあり、「Blackdance」、「Timewind」あたりに通じる雰囲気もある。
ドラマティック度・・8 幻想度・・9 シンセ度・・10 総合・・8
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Klaus Schulze 「La Vie Electronique 3」
クラウス・シュルツェの未発音源集その3。2009年作
主に1975年に録音されたマテリアルをCD3枚に収録。名作「Timewind」が作られた前後の録音であるから
当然ながら未発であっても出来が悪かろうはずはない。Disc1と2には1975年のライブ録音を中心に収録。
シーケンサーによるリフレインを使いつつ、シンセの重ねによる美しくも荒涼とした世界観を描き出すシュルツェ節は、
この時期においてまさに完成の域にある。20~30分の長大な組曲も、適度な緊張感を漂わせながら
その世界に浸るように鑑賞できる。Disc3前半の32分の組曲も幻想的な素晴らしい出来です。
ドラマティック度・・8 幻想度・・9 シンセ度・・10 総合・・8
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Klaus Schulze 「La Vie Electronique 6」
クラウス・シュルツェの未発音源集その6。2010年作
1976~77年にかけてのマテリアルをCD3枚に収録。時期としては「Moondawn」~「Mirage」あたりのライブ録音で
シーケンサーによる音の重ねと、単音の旋律が合わさって、きらきらとした万華鏡のようなサウンドである。
初期のダークな世界観からはやや脱却した、メロディ重視の時期に差し掛かっている頃かもしれない。
スペイシーで壮大な音空間の中には、即興的な偶然性をともなったスリリングなところも感じ取れる。
Disc2では50分の、Disc3では60分を超える大作で、シーケンサー主体のゆったりとした聴き心地ながら、
ときにドラムが入る曲などもあって、ライブならではの即興的な演奏が楽しめます。
ドラマティック度・・8 幻想度・・8 シンセ度・・10 総合・・8
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KNIGHT AREA「THE SUN ALSO RISES」
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイト・エリアの1st。2004作
ゆったりとしたメロウな泣きのギターにシンフォニックなキーボードという、
まったく類型的なサウンドではあるが、音のまとまりがよくなかなか心地よい。
聴き易くなったARENAという感じで、シリアスすぎず軽すぎず、ときにハードエッジな部分もあるので、
メタル畑メインのシンフォニックファンなどにも十分対応するだろう。
突き抜けた個性はないが、万人受けするシンフォニックロック作品といっていい。
しかし、ブックレットにはメンバーが11人も載っているが、誰がゲストで誰が正規メンバーなのかは不明。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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KNIGHT AREAUnder a New Sign
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイトエリアの2nd。2007作
デビュー作がオーソドックスなシンフォ作ながらなかなかのクオリティだったこのバンド、
メロトロンをバックにメロウなギターが鳴り響く感じは、まさに70年代のGENESISだし、
キャッチーな歌メロはYES的な部分もあり、前作よりもやわらかなサウンドになっている。
もったりとした古めかしさもあるが、あくまで泣きのメロディにこだわる姿勢は素晴らしい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 泣きメロ度・・9 総合・・8
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KNIGHT AREARealm of Shadows
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイト・エリアの3rd。2009作
過去2作もクオリティの高いアルバムで、一躍オランダのシーンのトップにきたか
という印象もあるこのバンド。本作も泣きの叙情をたっぷり聴かせる素晴らしい作品だ。
メロウなギターフレーズに美しいシンセが絡み、北欧のバンドを思わせるような
涼やかなシンフォニックロックサウンドで、あくまで王道の美学を貫いているのがよい。
楽曲自体にはさほど意外性はないが、安心して楽しめるドラマティックなアルバムだ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 王道シンフォ度・・9 総合・・8
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KNIGHT AREA「Nine Paths」
オランダのシンフォニックバンド、ナイト・エリアの2011年作

ヨーロッパの中でも、シンフォニック大国のひとつであるオランダの中でも
安定したクオリティのアルバム作りで、すでに中堅というべき存在のこのバンド。
4作目となる本作も、きらびやかなシンセワークとメロディックなギタートーンで、
じつに正統派のシンフォニックロックを聴かせてくれる。マイルドなヴォーカルの歌声と
ゆるやかな叙情パートから、ドラマティックに盛り上げてゆく。この安定感いうのは、
一時期のPENDRAGONを思わせる。意外性は少ないが安心して楽しめる高品質作だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 安心度・・9 総合・・8
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KNIGHT AREA 「Hyperdrive」
オランダのシンフォニックロック、ナイトエリアの2014年作
2004年のデビュー作からクオリティの高いハードなシンフォニックを聴かせるこのバンド、
5作目となる本作は、さらにメタリックなハードさが増した感触で、美麗なシンセアレンジと、
メロディックなテイストを含んだハードプログレを聴かせてくれる。適度にテクニカルな展開力と
ProgMetal的でもあるクールな構築性に、ドラマティックなスケール感をまとわせた作風には、
バンドとしての堂々たる自信が感じられ、楽曲自体は4~5分台中心なので難解さや長尺感はなく、
コンパクトかつスタイリッシュなセンスと力強さに溢れている。一方ではメロウなギターフレーズを含んだ
叙情的な部分もしっかり残していて、質の高さという点ではARENAあたりに匹敵するだろう。見事な力作だ。
ドラマティック度・・8 ProgMetal風度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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KNIGHT AREA 「Heaven and Beyond」
オランダのシンフォニックロック、ナイトエリアの2017年作
2004年にデビューし、質の高いシンフォニックハードを聴かせるこのバンド。6作目となる本作は
美麗なシンセアレンジにメロディックなギターが重なり、ハードエッジなリズムを加えたサウンドで、
伸びやかなヴォーカルを乗せたキャッチーな聴き心地が楽しめる。適度にメタリックな硬質感と
テクニカルな展開力も含んだ感触は、ProgMetal的でもあり、抜けの良いメロディのフックと
重厚なスケール感を描くところは、さすが中堅バンドである。シンフォニックロックとしての優雅さを
ヘヴィに包み込んだサウンドの説得力は、音質の良さも含めて、ここにきてひとつ突き抜けた印象だ。
ドラマティックな音の洪水…まさにメタルとシンフォプログレの垣根を超えるような傑作です。
ドラマティック度・・9 ハードプログレ度・・8 重厚度・・9 総合・・8.5 
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KRAFTWERK「AUTOBAHN」
ジャーマンエレクトロバンドの代表、クラフトワークの4th。1974作
クラシックを学ぶ二人の学生がエレクトロニクスを駆使した実験的な音楽を目指し結成された。
しかし初期作においては彼らの志向にまだテクノロジーが追いついておらず、
そのビジョンを明確に描き出すことに成功した最初のアルバムが本作だろう。
ジャケのイメージ通り、シンセ音を中心に高速道路の風景を音楽として描き出したサウンドは
後のテクノへとつながるデジタリィな感覚とともに、ギターやフルートの音色も使われており、
ほのぼのとした温かみをまだ残している。この後しだいにデジタルな無機質さを表面化させ
コンピューターロックというべきサウンドを作り上げてゆく彼らの、ひとつの分岐点というべき傑作だ。
シンセ度・・7 ほのぼの度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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KRAFTWERK「RADIO-ACTIVITY」
クラフトワークの5th。1976作。邦題は「放射能」
ラジオをテーマに飛び交う電波をイメージして作られたアルバム。
前作よりもシンセの音色に深みが増し、スケール感が高まった。
モーリス信号などを織り込みながら、薄暗くも美しいシンセの響きと
物憂げなヴォーカルが重なり、不思議と叙情的なサウンドを描き出している。
次作「ヨーロッパ特急」からはよりポップなエレクトロ色を増してゆくので、
個人的には、前作「アウトバーン」と本作こそがバンドの代表作だと思う。
シンセ度・・8 薄暗度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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LA DUSSELDORF「Viva」
ジャーマンロックバンド、ラ・デュッセルドルフの1978年作
NEU!にも参加していたクラウス・ディンガーが、同じくノイのメンバーでもあった弟のトーマス・ディンガーと、
ドラムのハンス・センペを率いて結成したのがこのバンド。本作は最高作とされる2作目で、
ドイツ語の歌声に、シンセとギターが重なり、ノリのよいドラムとともに、キャッチーなポップ性に包まれた
楽しげなサウンドを聴かせる。叙情的なギターフレーズとエレピなどのやわらかなシンセワークも耳心地よく、
難解とされるジャーマンロックの中でも、最もメロディックな部類で、一般のリスナーにも薦められる作品と言ってもよいだろう。
後半は20分に及ぶ大曲で、美しいシンセの重ねにエフェクトのかかった歌声を乗せ、祝祭的な華やかさに包まれる。
メロディック度・・8 ロック度・・8 楽しげ度・・9 総合・・8
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LAKE「LAKE/PARADISE ISLAND」
アメリカ出身、ドイツで活動していたプログレハード、レイクの1st+3rdのカップリング。1977/1979年作
BURRN!の1991、6月号のプログレ特集で和田誠氏がおすすめの3枚に挙げていたやつです。
音の方はシンセ入りのアレンジでキャッチ-に聴かせる、いわゆる産業ロック系プログレハード。
ドイツというよりはやはりアメリカのバンドに近い感触であるが、メロディには適度にウェットな感触もあり、
3分前後のコンパクトな楽曲はなかなか完成度が高い。10分の大曲を含めプログレ色を残している1stに比べて
3rdになるとよりスタイリッシュになり、オルガンやピアノなどを含むシンセとやわらかなヴォーカルで耳心地く楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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Last Turion 「Seduction Overdose」
ドイツのプログレバンド、ラスト・トゥリオンの1996年作
伸びやかな歌声と適度にハードエッジなギター、90年代以降の美麗なシンセアレンジで聴かせる
メロディックで爽快なハードシンフォニックロック。同じドイツではEVERONが先にデビューしているが、
このバンドもキャッチーな抜けの良さとメロウな旋律を併せ持つ、クオリティの高いサウンドである。
歌唱の説得力も含めて確かな演奏力とともに、ダイナミックな雄大さを感じさせる楽曲は、
イギリスでいえば、PENDRAGONやARENAあたりにも引けをとらないだろう。一方では随所にやわらかで
繊細な叙情を覗かせるアレンジセンスもなかなか見事。ハードさとメロウな叙情のバランスのとれた好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Leap Day「Awaking the Muse」
オランダのシンフォニックロックユニット、リープ・デイの2010年作
FLAMBOROUGH HEADやKing Eiderなどのメンバーによるユニットで、
ツインキーボードによる美麗さとソフトな叙情性で聴かせるシンフォ作。
プログレハード的なキャッチーさと、古き良きプログレを思わせるシンセワーク、
ギターの泣きのメロディもよろしく、インパクトはないが安心して楽しめるサウンドだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 叙情度・・8 総合・8
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Leap Day 「Skylge's Lair」
オランダのシンフォニックロック、リープ・デイの2011年作
Flamborough headのメンバーも在籍するバンドで、ツインキーボードを含む6人編成で
GENESISルーツの正統派シンフォニックロックを聴かせる。やわらかな歌メロを含めて
マイルドかつキャッチーな聴き心地で、随所にメロウなギターフレーズもよい感じだ。
スリリングな迫力はないのだが、9分、11分という大曲をゆったりと構築してゆく、
いうなれば、「のんびり系シンフォニックロック」として、とても和めるサウンドですね。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5



Leap Day 「From The Days Of Deucalion: Chapter 1」
オランダのシンフォニックロック、リープ・デイの2013年作
前作はいくぶん地味な印象だったが、3作目となる本作もゆったりとした叙情美で
ハケットを思わせるメロウなギターに、ムーグやメロトロンを含んだ古き良き感触の
プログレ/シンフォニックロックが楽しめる。決して派手になりすぎない中庸感はよくも悪くも相変わらずで、
ヴォーカルの野暮ったさも含めて、この抜けきらない聴き心地は、ある意味、マイナー系バンドの典型だが、
むしろ耳疲れしない大人の叙情作品ともいえるのかも。GENESISルーツのやわらか系シンフォ好作品。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8



Leap Day 「From the Days of Deucalion Chapter 2」
オランダのシンフォニックロック、リープ・デイの2015年作
前作の続編となるアルバムで、ムーグやオルガンを含んだやわらかなシンセワークと、
Genesisルーツのメロウなギターで聴かせる、王道のシンフォニックロックスタイル。
いくぶん地味に思えた前作に比べて、輪郭のはっきりしたメロディとフックが爽快で
ぐっとキャッチーな聴き心地となっている。枯れた味わいのヴォーカルがいくぶん爺くさいのだが、
そこも含めて大人のシンフォプログレというべき、落ち着いた叙情が持ち味となっている。
後半には10分前後の大曲も続き、聴きごたえのある力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Life Line Project「distorted memories」
オランダのシンフォニックロック、ライフ・ライン・プロジェクトの2010年作
女性ヴォーカルに女性ギタリスト、女性ベーシスト、女性ヴァイオリニストを擁し、
おばさまのオーボエ奏者、フルート奏者もいるという、なんとも大所帯な編成。
90年代から活動しているらしいが、サウンドを聴くかぎりは、ヘタウマ感が漂う
B級のシンフォニックロックという感じ。いかにもプログレ好きですというムーグなシンセワークや
かつてのJAP'Sプログレを思わせるような、さびれた叙情をかもし出すギターメロなどに、
思わずにやりとさせられる。9分、13分という大曲も含む65分超の力作なのだが、
むしろ完成度の高くなさに親しみを覚える。女性Voのキュートな歌声はよいですね。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7

Life Line Project「The Journey」
オランダのシンフォニックロック、ライフ・ライン・プロジェクトの2011年作
参加メンバーはさらに大所帯になり、アルバムとしてもCD2枚組の力作になった。
美麗なシンセとクサメロのギターで構築する楽曲は、前作同様ヘタウマ感のある感触ながら、
より展開にメリハリがついた分、ダレずに楽しめるようになってきている。
女性ヴォーカルの美しい歌声に、やわらかなフルートやクラリネットの音色、
繊細な叙情パートとシンフォニックハードなきらびやかさの対比も効果的で、
シアトルカルなミュージカル風味のドラマ性とともに、トータルに楽しめる力作だ。
Disc2はシンセをメインにしたインスト主体の軽やかなプログレで、フルートの音色が美しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5

Life Line Project 「20 Years After」
オランダのシンフォニックロック、ライフ・ライン・プロジェクトの2012年作
80~90年代の未発マテリアルを再構成して作られたというアルバムで、
じつに60分の組曲を含む力作。本作もオルガンやムーグといったレトロなシンセに、
フルートやオーボエ、クラリネットなどのクラシカルな優雅さと女性ヴォーカルの歌声で、
相変わらず素人臭いシンフォニックロックを聴かせてくれる。メロディ自体はキャッチーで悪くないのだが、
大曲においてもスリリングな盛り上がりや迫力というものはなく、軽めのドラムなども含めて、
のんびりゆったりと作られた、いわば趣味の同人シンフォプログレという雰囲気に包まれている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7

Life line Project 「Armenia」
オランダのシンフォニックロック、ライフ・ライン・プロジェクトの2013年作
90年代から活動しているバンドで、オルガンやムーグを含むシンセに、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、キャッチーなシンフォニックロック。
どこかB級感が漂うサウンドはそのままで、悪く言えばローカルな感触が抜けきらないのだが、
よく言えば、プログレ愛、シンフォ愛がひしひしと伝わってくる、偉大なるアマチュア魂というべきか。
随所に泣きのメロを奏でるギターやプログレ大好き的なコテコテのキーボードを含め、
B級シンフォ好きの方ならけっこう楽しめるかと思う。テクニックや完成度は求めてはいけない。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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LIGHT DAMAGE
ルクセンブルクのプログレバンド、ライト・ダメージの2015年作
美麗なシンセに適度にハードかつメロウなギターワーク、マイルドなヴォーカルで聴かせる、
ドイツのSylvanあたりにも通じる、しっとりとした薄暗い叙情性に包まれたシンフォニックロック。
繊細なギターのトーンは泣きのメロディを奏で、うっすらとしたシンセアレンジがサウンドを優しく包み込み、
翳りを含んだポストプログレ的な歌ものパートなど、ヴォーカルはときにシアトリカルな表現力を覗かせる。
愛想のないジャケに騙されず、モダンな叙情派シンフォニック好きはチェックです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Lucifer's Friend 「...Where the Groupies Killed The Blues」
ドイツのハードロック、ルシファーズ・フレンドの1972年作
後にURIAH HEEPに加入するジョン・ロートンが在籍していたバンドで、本作は2作目となる。
伸びやかな歌声を乗せた軽快なノリのハードロックをベースに、ピアノやメロトロンによる
叙情的な味付けと知的な展開力を含んだサウンドは、単なるハードロック以上にドラマティック。
ブルージーな味わいは、ブリティッシュロック的ながらも、どこかマイナー臭いアレンジセンスは、
ドイツ版アートロックというべきか。程よくアヴァンギャルドな風味に、にやりとさせられる。
7分、8分という長めのナンバーも含めて、本作はプログレファン向けの1枚と言えるだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 アートなハードロック度・・8 総合・・8
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Lucifer's Friend 「Banquet」
ドイツのハードロック、ルシファーズ・フレンドの1974年作
1stのオルガン入りハードロックから、2ndのプログレッシブ路線とアルバムごとに雰囲気を変えているのだが、
4作目となる本作は、のっけから12分を超える大曲で、やわらかなエレピにメロディックなギターが絡み、
優雅なアンサンブルを描きながら、前作にもあったブラスセクションをより大胆に取り入れている。
ストリングスも加わった厚みのあるアレンジは、ときにシンフォニックですらあって、プログレファン向けの聴き心地。
ヴォーカルメロディのキャッチーなフックはQUEENを思わせたりと、確信犯的なアレンジ力の高さも素晴らしい。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Lucifer's Friend 「Mind Exploding」
ドイツのハードロック、ルシファーズ・フレンドの1976年作
以前は貴重だったバンドのアルバムが2015年リマスター再発。5作目となる本作は、ジョン・ロートン在籍の最後のアルバム。
前作のゴージャスな路線から打って変わり、比較的シンプルな楽曲で、80年台へと通じるようなキャッチーで
スタイリッシュなサウンドになっている。マイルドかつ伸びやかな歌声をメインにしたメロディックな叙情性に、
フルートやブラスなどを含んださりげないアレンジも気が利いている。ときにQUEENのような繊細なポップ性も垣間見せるなど、
多くのロックファンが楽しめる作風で、もともと高かった演奏力にもさらに磨きがかかっていて、
英米のメジャーバンドと比較してもまったく遜色ないレベルである。バンドのひとつの到達点だろう。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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Machiavel 「Jester」
ベルギーのプログレバンド、マキャベルの1977年作
70年代後半のドイツ、オランダ周辺のバンドというのは、しだいにキャッチーなポップ要素をまとわせてゆくのだが、
このバンドも、そうしたモダンなポップ要素を、プログレ/シンフォニックロック要素とセンスよく融合させている。
デジタリィなシンセアレンジにそれは顕著なのだが、ヴォーカルはときおりがなるようなハードロック寄りの歌唱で、
そのギャップというのが面白い味わいにもなっている。随所にギターはメロウなトーンで泣きを描いていて、
叙情的なシンフォニック性も覗かせつつ、80年代のポンプロックへとつながるキャッチーな軽快さを融合させている。
7~9分という長めの曲であっても、スタイリッシュな聴き心地で、決して野暮ったくならないのが魅力といえるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・8 総合・・7.5
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MANGROVE「TOUCH WOOD」
オランダのシンフォニックロックバンド、マングローブの2nd。2004作
やわらかみのあるメロディとゆったりした曲調のシンフォニックロック。
楽曲のメリハリやダイナミズムは薄く、音の緊張感に欠けるのがいかにもマイナー系で
これだという個性も薄いので、とくに長い曲になると、なかなかにつらいものがある。。
たゆたうような雰囲気は悪くはないので、もう少しこのディープな方向性を突き詰めてみるとよいかも。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・7

Mangrove 「Coming Back to Live」
オランダのプログレバンド、マングローヴのライブ作品。2006年作
2004年の1stを聴いたときには、いまひとつぱっとしない印象だったのだが、
本2枚組のライブでは、オルガンを含んだシンセワークと、ガブリエルタイプのヴォーカルで聴かせる、
英国ポンプロックルーツのサウンドがなかなか楽しめる。随所に泣きのメロディを奏でるギターもよい感じで、
全体的に叙情的でありながらも、甘すぎないクールさを漂わせているところが魅力となっている。
10分を超える大曲も、適度な薄暗さを含んだ構成力で描いてゆくところは、ARENAあたりにも通じるだろう。
ドラマティック度・・7 ライブ演奏・・8 叙情度・・8 総合・・8
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MANUEL GOTTSCHING 「E2-E4」
ドイツのミュージシャン、マニュエル・ゲッチングの1984年作
ASH RA TEMPELのリーダーとして知られるアーティストのソロ作品で、
のちのテクノブームへの火付け役とも言われる作品。58分全1曲という構成で、
エレクトロなシンセのリフレインとエフェクトのかかったドラムが合わさった、
独自のテクノロックが広がってゆく。感触としては80年代以降のKlaus Schulzeにも
通じるスタイルなのだが、こちらはよりミニマムな反復によるトリップ感が強い。
単調なようでいて、やがてギターも加わると、しだいに変化してゆくサウンドに、心地よく浸れるようになるだろう。
プログレ度・・7 エレクトロ度・・9 リフレイン度・・9 総合・・8
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MARYSON「MASTER MAGICIAN 1」
オランダのキーボーディスト、マリソン率いるシンフォニックロックバンドの1st。1996作
ファンタジー物語のコンセプトらしく、アコースティックな小パートなどを織り交ぜたつながりのある進行で、
大仰に盛り上がるのではなくどちらかというと繊細でほのぼのしたシンフォニックロック。
たとえばPENDRAGONのナイーブでやさしい部分を抽出した感じ、といえばいいか。
同作の続編も聴いたが、伸びやかなギターメロディの煽情度ではこの1作目が上だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ファンタジー度・・9 総合・・7.5


Metamorphosis「Dark」
スイスのプログレバンド、メタモルフォシスの2009年作
渋みのあるヴォーカルとメロウなギター、うっすらとしたシンセで聴かせる、
PINK FLOYDなどの70年代風味にモダンな薄暗さを融合させたようなサウンド。
たとえば、英国のPALLASのようなハードプログレ風味とキャッチーさがあり、
ぱっと聴きの派手さは薄いものの、じっくりと楽しめる雰囲気の作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダンで薄暗度・・8 総合・・7.5
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MICHAEL RIESSLER「MOMENTUM MOBILE」
ドイツ出身のサックス&クラリネット奏者、ミヒャエル・リースラーの1994年作
ハーモニカ、バレルオルガン、ベ-ス、ドラムというメンバー編成での、1993年ドイツのライブ音源を収録。
テクニカルなドラムとベースが、スリリングなグルーブを生み出し、手回しオルガンによる素朴な音色に、
サックスやクラリネットがフリーキーに重なる技巧的なアンサンブルで、アーティスティックなジャズロックを聴かせる。
ときにゆったりとした叙情的な味わいもかもしだしつつ、トランペット、トロンボーン、チューバというブラスに、
ヴァイオリン、ビオラ、チェロのストリングスも加えて、クラシカルなチェンバー風味の優雅さも含んだ聴き心地。
一糸乱れぬ演奏はライブとは思えないほどで、とぼけた大人の味わいも含んだアヴァン・ジャズロックが楽しめる。
テクニカル度・・9 ジャズロック度・・8 スリリング度・・9 総合・・8
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Michael Riessler「HONIG UND ASCHE -HONEY AND ASH」
ドイツ出身のサックス&クラリネット奏者、ミヒャエル・リースラーの1998年作
L'Orchestre National de Jazz Parisにも参加していたミュージシャンで、本作はエキセントリックな女性声を乗せた
チェンバーロック的な怪しさに包まれた作風で、変則リズムまくりの緊張感の中を、クラリネットやトロンボーン、
トランペットなどが吹き鳴らされる。恐ろしくアヴァンギャルドなジャズロックなのだが、先の読めないスリリングな空気感と
得体の知れないダークなチェンバーロックが交差して、結果としてこれは…とてもプログレだろうという聴き心地なので、
MAGMAなどが好きな方にも対応。ドラムが躍動する激しいジャズロック感触に、ときにアコーディオンやヴァイオリンも加わった
一種、土着的な感触も覗かせつつ、トランペットが盛大に鳴り響き、女性ヴォーカルがフランス語の声を妖しく乗せる、
じつにアヴァンギャルドかつダイナミックな演奏が繰り広げられる。ううむ…コレはもの凄い作品ですね。
プログレ度・・8 スリリング度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8.5
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MICHAEL RIESSLER「ORANGE」
ドイツ出身のサックス&クラリネット奏者、ミヒャエル・リースラーの2000年作
L'Orchestre National de Jazz Parisにも参加していたミュージシャンで、ソプラニーノ(リコーダー)の素朴な音色に
技巧的なクラリネットが絡み、女性声のスキャットを乗せた、ミニマムなフリージャズ的サウンドを聴かせる。
基本は、クラリネットとリコーダーが綿井ながら、曲によってはアコーディオンやパイプオルガンが加わり、
女性声を前に出したナンバーなどもあって、エキセントリックなチェンバー、アヴァン・ジャズ的にも楽しめる。
オールアコースティックなので、チェンバー・ジャズロック的な名作「HONIG UND ASCHE」のような怒涛の迫力はないのだが、
スリリングな演奏には、クラリネット奏者としての彼の才能がしっかりと感じられる。Elise Caronの表現力ある女性声も素晴らしい。
スリリング度・・8 フリージャズ度・・8 アヴァン・チェンバー度・・8 総合・・8
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MICHAEL RIESSLER「Big Circle」
ドイツ出身のサックス&クラリネット奏者、ミヒャエル・リースラーの2011年作
サックス、トランペット、トロンボーンがけたたましく鳴り響く、冒頭の迫力から圧倒されるが、
技巧的なドラムとベースによるジャズロック的なアンサンブルに、素朴なバレルオルガンの音色が重なり、
クラリネットがフリーキーに響き渡る。厚みのあるブラスセクションとテクニカルなリズムのバトルという様相から、
バレルオルガンとクラリネットによるシンプルな音数による優雅な技巧ナンバーまで、どれも圧巻の演奏である。
随所にアヴァンギャルドなチェンバーロック風味も覗かせるところは、やはりプログレリスナー向きのアーティスト。
テクニカル度・・9 ジャズロック度・・8 スリリング度・・9 総合・・8
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MICHAEL'S STATEMENT 「Beauty of Sadness」
ドイツのミュージシヤンによるソロプロジェクト、マイケルズ・ステイトメントの2012年作
物語的なコンセプトアルバムのようで、適度にハードなメタル要素とシンフォニックなアレンジで
ファンタジックでダークな世界観を描いてゆく。シアトリカルなヴォーカルの歌声が異色の雰囲気をかもし出し、
オペラティックというか、宗教的というか、なかなか濃密な聴き心地。楽曲はやや唐突な展開がB級臭かったり、
演劇的な野暮ったさが鼻に付くところもあるが、11分、17分という無駄に長い大曲も含めて、いかにもソロ作品らしく
好きなことをやっている感が味わえる。SPOCK'S BEARDのギター、ベースをはじめ多数のゲスト参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 シアトリカル度・・8 総合・・7




MINDGAMES「Actors in a Play」
ベルギーのプログレバンド、マインドゲームスの2006年作
メロウで叙情的なギターワークに、ムーグやオルガンを含むきらびやかなシンセアレンジで、
正統派のシンフォニックロックを聴かせる。軽やかなアンサンブルとメロディックな泣きのバランスもよく、
ほとんどが10分以上の大曲であるが、フックのあるメロとメリハリのついた展開でじっくりと構築される。
繊細なヴォーカルの歌声もサウンドによくマッチしていて、ロマンティックな世界観を描いてゆく。
スリリングな緊張感はないが、ゆるやかな聴き心地が楽しめるシンフォニックロックの好作だ。
ドラマティック度・・8 メロディック度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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Mindgames 「MMX」
ベルギーのプログレバンド、マインドゲームスの2010年作
美麗なシンセアレンジに、適度にハードでメロウなギターと伸びやかなヴォーカルを乗せた、
正統派のシンフォニックロック。PENDRAGONあたりを思わせる泣きの叙情美と、
ARENAにも通じるダイナミックな展開力で、ポンプロックルーツのサウンドを重厚に描く。
オルガンやミニムーグを使ったとオールドなテイストも覗かせつつ、扇情的なギターフレーズが、
ウェットなメロディを奏でる、あくまで優美な作風だ。ラストは15分におよぶ大曲でじっくりと盛り上げる。
キャッチーな耳心地の良さも含めて、ヨーロピアンなプログレハードとしても楽しめるシンフォ好作。
ドラマティック度・・8 プログレハー度・・8 メロウな叙情度・・8 総合・・8
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Mindspeak 「Pictures」
オーストリアのハードプログレ、マインドスピークの2013年作
女性Voにシンセを含む若手の5人組で、ProgMetal的でもあるテクニカルな構築力と
シンフォニックなアレンジで聴かせる、適度にモダンでハードなサウンド。
キュートな女性ヴォーカルの歌声に男性声が絡み、メロウなギターワークとともに、
ドラマティックに叙情性を描いてゆく。10分を超える大曲や6パートに分かれた30分におよぶ組曲など、
聴きごたえ十分で、Riversideのようなメタルとプログレのボーダーレスという感触に、
TRANSATLANTICにも通じるやわらかなメロディを含んだセンスの良さが光る。期待の新鋭である。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 構築度・・8 総合・・8


Minor Giant 「On The Road」
オランダのシンフォニックロック、マイナー・ジャイアントの2014年作
美しいシンセアレンジと適度にキャッチーなメロディで聴かせる、
英国ポンプルーツを感じさせる正統派のシンフォニックロックサウンド。
随所にPENDRAGONなどを思わせる泣きのギターフレーズもよい感じで、
ムーグシンセの音色なども含めて、コテコテすぎてにんまりしてしまう。
やわらかなメロディ作りはNeal Morseなどにも通じる感触もある。
ラストの15分を超える大曲も素晴らしい。叙情豊かな好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 正統派シンフォ度・・8 総合・・8
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MODEST MIDGET 「The Great Prophecy of a Small Man」
オランダのプログレバンド、モデスト・ミッドゲットの2010年作
アメリカのバンドに近いキャッチーなポップ性を、エキセントリックなセンスで仕立て上げたというスタイルで、
サックスやヴァイオリンなどが加わったアレンジに、ときにカントリーやファンクなどの要素も合わさった、
とぼけた味わいの聴き心地だ。メロディックなギターフレーズを含んだ、優雅で叙情的なインストパートや、
アコースティカルな哀愁を描くナンバーなど、楽曲は2~5分前後とわりとコンパクトなのだが多様な感触を覗かせる。
艶やかなストリングスを乗せたやわらかな歌ものナンバーなどは、プログレというよりもQUEENのような繊細な耳心地。
かと思いきや、アヴァンプログレ風の軽妙なインストナンバーも現れてなかなかあなどれない。優雅でポップな異色作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 優雅なセンス度・・8 総合・・7.5
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Neo-Prophet 「Monsters」
ベルギーのプログレバンド、ネオ・プロフェットの2008年作
美しいシンセアレンジに抜けのいいヴォーカルを乗せて、キャッチーなメロディアス性で聴かせるサウンド。
Neal MorseTRANSATLANTICなど、アメリカ系のバンドにも近い爽快なシンフォニックハードで、
ピアノやオルガン、ムーグなどの古き良きプログレ感触も耳心地よく、メリハリのある展開もなかなかのもの。
ラストは20分を超える組曲で、メロディックな叙情を含ませながら適度なハードさとともに、ドラマティックに構築してゆく。
演奏、楽曲ともどもマイナー臭さはほとんどなく、無名の存在にしておくには惜しいレベルのクオリティだ。
2015年作「T.I.M.E.」はさらなる成長を遂げた傑作なので、そちらもチェックすべし!
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Neo Prophet 「T.I.M.E.」
ベルギーのプログレバンド、ネオ・プロフェットの2015年作
まったく知らないバンドだったが、これがなかなかの力作。ムーグやオルガンなどプログレらしいシンセに、
適度なハードさを含んだギターワーク、マイルドなヴォーカルを乗せた本格派のシンフォニックロック。
ProgMetal的でもあるテクニカルな構築力と、TRANSATLANTICばりの抜けの良いキャッチーなメロディアス性で、
魅力的なフックとダイナミックな展開美を聴かせてくれる。コンセプト的な流れのある楽曲の並びも見事で、
それでいてあくまでメロディを大切にした聴きやすさが素晴らしい。プログレハード的な雰囲気もあるという点では
PALLASのようなドラマティックな世界観が好きな方にも楽しめるだろう。これは大穴的な傑作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8
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NEU!
ジャーマンロックバンド、ノイの1st。1972作
ジャーマンロックは難解で…というリスナーにも気軽に楽しめる1枚。
KRAFTWERKに参加していた、ミヒャエル・ローターとクラウス・ディンガーにより結成。
ハンマービートと呼ばれるリズムからもテクノ方面の元祖として扱われるようだが、
テクノ=ピコピコという感じはまったくしない。むしろ人の手による暖かさも感じる。
反復するリズムの上に、ギターやシーケンサーなどによるフレーズの断片が乗り
テープのコラージュなどによるエフェクト処理などはFaustも使っていた手法だが、
この作品の場合は暗さや芸術性というよりは、むしろ遊び心と「こんなんやっちゃえ」的な
ノリがあるように思う。アヴァンギャルドな味わいもどこかとぼけた感じで楽しめる。
エレクトロ度・・7 アヴァンギャル度・・7 軽やか度・・8 総合・・8
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NEUSCHWANSTEIN「Battlement」
ドイツのシンフォニックロック、ノイシュヴァンシュタインの1979年作
ルートヴィヒ二世が建てたノイシュヴァンシュタイン城をバンド名にしているように、
じつにロマンにあふれたメロディアスなシンフォニックロック作品である。
やわらかなシンセワークに繊細なフルートの音色、アコースティカルな優しさも含んだサウンドは、
80年代的なポンプロックの先駆けのような優雅な聴き心地である。6~7分台の楽曲はプログレ的な複雑さはなく
あくまでメロディアスでキャッチーだ。いくぶん野暮ったいヴォーカルの歌声が、B級臭さをかもしだしてはいるが
それ以上にロマンティックでメロウな世界観にうっとりとなる。優美なるロマン派シンフォが好きなかたはぜひ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ロマン度・・9 総合・・8
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Neuschwanstein「Alice in Wonderland」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノイシュヴァンシュタインの未発音源。2008作
1979年に唯一のアルバム「Battlement」を発表して消えたこのバンド、
本作はデビュー前の1976年の音源で、後のアルバム同様じつに美しいシンフォニックロックをやっている。
ドイツ語の語りから始まるところなどは同郷のAnyone's Daughterを思わせるが、フルートなども含めて
より繊細な叙情美が光っている。未発音源なので録音はあまりよくはないが、
名作「Battlement」へとつながるバンドの美意識のきらめきを感じられる。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 音質・・7 総合・・7.5
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Nice Beaver 「the time it takes」
オランダのシンフォニックロック、ナイス・ビーヴァーの2015年作
Leap Dayのメンバーらによるバンドで、ジェントルなヴォーカルとメロウなギターワーク、
うっすらとしたシンセで聴かせる、メロディックなサウンド。プログレ的な展開力よりは、
歌を中心にMarillionのようにやわらかな叙情を描く、メロディックロックという趣で、
ARENAのように翳りのあるハードシンフォとしても楽しめる。楽曲は6分前後を主体に、
比較的コンパクトで、ときおりはっと現れる泣きのメロディにはうっとりとなる。
いくぶん枯れた味わいを含んだ、大人の叙情シンフォというべき好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Nine Stones Close「Traces」
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイン・ストーンズ・クロースの2011年作
ギター、ヴォーカル、ベース、シンセという4人組で、メロウなギターにうっすらとしたシンセが重なる
叙情的なシンフォニックロック作品。10分、14分という大曲を軸に、ゆったりと聴かせるサウンドだ。
派手な盛り上がりや展開がないので、のんびりと楽しめるが、気の短い方には退屈かもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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NINE STONES CLOSE「One Eye Onthe Sunrise」
オランダのプログレバンド、ナイン・ストーン・クロースの2012年作
前作は正直、インパクトに欠ける内容だったのだが、2作目となる本作は、美しいシンセワークにメロウなギター、
マイルドなヴォーカルとともに聴かせる、薄暗い叙情性も含んだシンフォニックロックとなっている。
ピアノも含んだうっすらとしたシンセとともに、ポストプログレ的な繊細さと、一方ではハードなギターを含んだ部分もあり、
10分を超える大曲なども、案外メリハリのついた展開である。ときにドイツのSylvanのような泣きのギターフレーズも入って、
前作以上にドラマティックな聴き心地が楽しめる。メロウな翳りに包まれたやわらかな叙情の好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5




NOVALIS
ドイツを代表するメロディアス派プログレバンド、ノヴァリスの2nd。1975年作/邦題「銀河飛行+1」
シンフォ系の少なかった70年代のドイツで、GROBSCHNITTとともに活躍したこのバンド、
代表作としてはジャケットの美しい次作の「SOMMERABENT」が有名であるが
このアルバムも彼らのロマン主義的な哀愁とメロディが感じられる好盤。
とくに8分代のラスト2曲における叙情はいかにもドイツロマン派といった様相。
後のANYONE'S DAUGHTERに比べると、テクニック的には物足りないが、
その分素朴な味わいがある。ボーナストラックのライブ音源もなかなか素敵な演奏が聴ける。
メロディアス度・・7 素朴なシンフォ度・・8 ロマン度・・9 総合・・7.5
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NOVALIS「SOMMERABENT」
ドイツのロマン派シンフォニックロックバンド、ノヴァリスの3rd。1976作
ANYONE'S DAUGHTER以前のドイツのシンフォニックシーンでの代表格であるこのバンド、
その最高傑作とされているのが本作、かつての邦題は「過ぎ去りし夏の幻影」
音の方もジャケット同様に、いかにもドイツらしいロマンティックなメロディを盛り込んだ
哀愁漂うシンフォニックロックで、9分、10分、18分の全3曲という構成もいかにも大作的。
メロウなギターに、うっすらとしたシンセワーク。技巧的な部分は少ないが、
秋から冬にかけてゆったりと楽しみたいような、そんな雰囲気の楽曲が詰まっている。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 ロマン度・・9 総合・・7.5
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NOVALIS「BRANDUNG」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの4th。1977作
ドイツを代表するロマン派シンフォバンド4作目。このバンドはどれもジャケが美しい。
前作「Sommerabend」に比べ、曲がコンパクトになりキャッチーで軽快になった感がある。
反面、彼らの魅力であった文学的なロマンティシズムはやや薄れており、
聴きやすいアルバムであるが、シンフォニックロックとしてはやや物足りなさもある。
それでもメロウなギターのフレーズ、しっとりとしたキーボードワークにはなお魅力がある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ロマン度・・7 総合・・7.5
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NOVALIS「Konzerte」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスのライブアルバム。
Anyone's Daughterよりも前に、ドイツのシンフォニックシーンを牽引していたこのバンド、
本作の録音は1977年というから、時期的にはおそらく3rd「Sommerabent」発表後の、
まさにバンドの全盛期だろう。4th以降は徐々にコンパクトなサウンドへ変わってゆくのだが、
本ライブの演奏は2ndと3rdからの大曲を中心に聴かせる、シンフォニックロックの王道のスタイルだ。
メロディアスなフレーズを奏でるギターと、ハモンド、メロトロンを含むうっすらとしたシンセを中心に、
やややぼったいながらも、欧州のロマンティシズムを体現するような叙情性が耳に優しい。
とくに2ndからの代表曲“Impression”、18分にも及ぶ3rdのタイトル曲“Sommerabent”では
このバンドの魅力が詰まった美しく幻想的なシンフォニックロックを楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ロマン度・・9 総合・・8
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NOVALIS「Vielleicht Bist Du Ein Clown」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの5th。1978作
ドイツを代表するロマン派シンフォニックロックバンド、いくぶんキャッチーになった
前作「BRANDUNG」に続くアルバムであるが、今作では美しい叙情美が戻ってきている。
メロトロンを含めたやわらかなシンセに、ドイツ語の歌声が合わさった哀愁溢れるメロディと
GENESISを思わせる展開力も加わって、むしろAnyone's Daughterに近い感触になった。
初期のやぼったさを好むファンもいるだろうが、完成度としては最高傑作だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ロマン度・・8 総合・・8
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NOVALIS「Flossenengel」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの6th。1979年作
ドイツを代表するロマン派バンド、傑作だった前作に続きリマスター再発された。
美しいシンセワークと、メロウなギタートーンで聴かせる繊細な作風は
初期の作品よりもスタイリッシュになり、その優美さはCAMELのような聴き心地だ。
ドイツ語の歌声とともに、ゆるやかなロマンを描くような雰囲気で、
しっとりとした叙情の中に、ときにドラマティックな盛り上がりも見せる好作。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ロマン度・・8 総合・・8
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NOVALIS「Augenblicke」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの7th。1980年作
黒猫の目が穴あきになっているお洒落なジャケだが、サウンドの方もコンパクトで
ポップな雰囲気が少し強まった。もちろん美しいシンセやドイツ語の歌声とともに
哀愁を漂わせたメロウな質感は不変で、キャッチーなプログレハード風味を
ヨーロピアンな情感で包み込んだという作風だ。優雅な小曲や泣きのギターで聴かせる
しっとりとしたシンフォニック曲など、これもやはり完成度の高い好作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ロマン度・・8 総合・・8
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NOVALISLetztes Konzert 1984
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスのライブアルバム。2009年作
1984年、「BOOMERANG」発表期のハンブルグでのライブ音源をCD2枚に収録
70年代までのシンフォニックな作風からはいくぶんポップになっていて、
ドイツ語のヴォーカルとシンセによる美しさが目立っているが
楽曲そのものはわりとストレートなメロディックロックという趣だ。
一方ではフルートが鳴り響く繊細な一面もあって、いかにもヨーロッパのバンドらしい。
音質はややラウドで、上質のブートというレベルだが、臨場感はたっぷりで、
80年代プログレハードのドイツ版として聴けば、それなりに楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
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OCTOPUS 「The Boat of Thoughts」
ドイツのプログレハード、オクトパスの1977年作
美しいシンセアレンジとハードロック風味もあるギターで聴かせるサウンドは、
女性ヴォーカルの歌声とともに、ドイツらしい湿り気を帯びた叙情性に包まれている。
2作目以降に比べて、統合されきれていない楽曲アレンジが、よりプログレ的であり、
そういう点では本作を最高作としてもよいかもしれない。オルガンやメロトロンを含んだシンセと
随所に泣きのフレーズを聴かせるギターのセンスもよいですな。あか抜けなさが魅力。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Octopus 「An Ocean of Rocks」
ドイツのプログレハード、オクトパスの1978年作
ハードロック的なギターにオルガンを含んだシンセアレンジで聴かせる、
初期のNEKTARなどにも通じる、プログレハードサウンド。紅一点、ジェニファー嬢の歌声は
アダルトなハスキーさがあって、楽曲にブルージーな情感をもたらしている。
ギターは随所に泣きのフレーズを奏でたり、プログレ的なムーグシンセが活躍したりと、
曲によって方向づけがしっかりしていて、叙情的であっても甘すぎないすぎない作風は、
プログレ風味のメロディックロックという感じだろうか。もう少しシンフォ寄りだと好みなのだが。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5


Octopus 「Rubber Angel」
ドイツのプログレハード、オクトパスの1979年作
前作に比べて楽曲はよりシンプルになり、プログレ風味はぐっと薄まっている。
女性ヴォーカルで聴かせるハードポップという作風であるが、オルガンを含んだ
ブリティッシュロック的な感触は残っているので、ポップであるが普通に楽しめる。
なにげに存在感のあるベースや、適度にハードで、ときにメロウなギターのセンスもよい。
ハスキーな女性声の魅力が引き立ったという点では、バンドとして洗練された形といえるだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・7 総合・・7.5




ODYSSICE「IMPRESSION」
オランダのシンフォニックロックバンド、オディッシスの1st。2000作
G、B、Dr、Keyの四人組で全編インストのシンフォニックロック。
爽やかなギターとキーボードをメインにした、難解なところのないメロディ重視のサウンド。
最近のPENDRAGONPALLASなどの定型の英国風ポンプ/シンフォニックの音にも近い。
新しさがないのでインパクトは弱いが、安心して聴けるサウンドではある。
普通のシンフォ好きにはもってこい。最近初期のデモ音源が再発されたらしいが、
とりあえずメジャーデビュー作ということでこちらを1stとしておく。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・6 総合・・7

ODYSSICE「Silence」
オランダのシンフォニックロックバンド、オディッシスの2010年作
なんと10年ぶりとなるアルバムで、メンバー写真を見るとみんなもういいオッサンだ。笑
たしか前作は古き良きメロディックシンフォという感じの普通の作品だったが、
本作も基本的にはなにも変わらず。泣きのギターと美麗なシンセで聴かせる、
しごく正統派のシンフォニックサウンド。TRIONとメンバーがかぶるが作風もほぼ同じ。
年季をへた分だけと音の説得力が増している。技術よりも叙情重視のインストシンフォ好作。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 泣きの叙情度・・8 総合・・8
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PANTHEON「ORION」
オランダのプログレバンド、パンテオンの1st。1972作
やわらかなフルートと、ギター、ハモンドによるサウンドは一聴してFOCUSを思い出させる。
メンバーは当時20歳ほどだったということで、テクニック的にはさほどではなく、
ジャズロック色を抜かしてマイルドになったフォーカス、という印象か。
10分、19分という二つの大曲を中心に、ゆったりと心地よく聴かせてくれるが、
全体的にメロディや楽曲のインパクトはやや弱い気がする。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 FOCUS度・・8 総合・・7.5
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Parzival 「Legend」
ドイツのフォークロック、パルツィヴァルの1971年作
ヴァイオリン、チェロ、フルートの音色にアコースティックギターが絡み、
マイルドな男性ヴォーカルとドラムが加わって、優雅な古楽ロックを聴かせる。
オルガンも加わったプログレ的な感触もあって、クラシカルなヴァイオリンと、
やわらかなフルートの奏でる繊細な耳心地に、ときにエレキギターも加えたロック色を
絶妙に融合させていて、年代を考えれば、非常にスタイリッシュなミックスセンスと言えるだろう。
16分の大曲では、パーカッションも加わったサイケ的な浮遊感も漂わせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フォークロック度・・8 総合・・8
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Parzival 「Barock」
ドイツのフォークロック、パルツィヴァルの1973年作
アコースティックギター、マンドリンのつまびきに、うっすらとメロトロンが重なり、
マイルドな男性ヴォーカルに女性コーラスも加わって、牧歌的な聴き心地でありながら、
ヴァイオリンやフルートも加わった、音の厚みも感じさせるフォークロックサウンド。
中世を思わせる優雅な世界観は英国のGRYPHONなどにも通じるが、キャッチーなノリの良さと、
いくぶん田舎臭いおおらかさがこちらは強いかもしれない。バンドはこの2作目を最後に消滅。
長らく貴重な作品だったが、2016年に日本盤SHM-CD仕様でめでたく再発された。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 フォークロック度・・8 総合・・7.5
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PassportPassport-Dolidinger」
ドイツのジャズロックバンド、パスポートの1st。1972作
サックス/シンセ奏者、クラウス・ドルディンガーを中心にしたプログレッシブなジャズロックバンドで、
ロックとジャズのクロスオーヴァーという点ではMahavishnu Orchestraなどにも通じるサウンド。
クリムゾンの“21世紀の精神異常者”を思わせるような、サックスが鳴り響くプログレとしても聴け、
オルガンやムーグシンセも含めて、やはり西洋的な方法論を取り入れた作風と言えるだろう。
オールインストながら、存在感のあるベースとどっしりしたドラム、サックスとオルガンの絡みや
ときに美しいフルートなども顔を覗かせ、全体的にも非常に構築された印象だ。
メロディアス度・・7 ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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PassportSecond Passport」
ドイツのジャズロックバンド、パスポートの2nd。1972作
前作よりも、シンセとサックスの融合が自然になり、よりメロディアスなサウンドとなった。
いわばフュージョン的ともいえる軽やかさだが、ドラムとベースの存在感の大きさから
ロックとしてのダイナミックさも失われていない。一方では変則リズムを含めた
プログレ的なアヴァンギャルドさも加わっていて、新たな方向性を模索しているという印象もある。
サックスとシンセをメインにした叙情的なナンバーなど、楽曲の幅が広がった力作である。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・7 プログレ度・・8 総合・・8
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PBII「Plastic Soup」
オランダのプログレバンド、プラックバンドの2010年作
元はPLACKBANDという名前で70年代後半から活動していたが、PBIIと名前を変えてのデビューアルバム。
IT BITESSPOCK'S BEARDなどを思わせるキャッチーなメロディと軽妙なアレンジで聴かせるサウンドは、
むしろアメリカのバンドっぽいか。シンセの入れ方などはいかにも年季のあるメンバーらしく、プログレ度を高めていて、
あるいはスウェーデンの、A.C.Tあたりにも通じる、メロディックなプログレハードとしても楽しめる。
ゲストに、ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、ジョン・ジョウィット(IQ)などが参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽妙度・・8 総合・・8
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PB II 「1000 Wishes」
オランダのプログレバンド、PB IIの2012年作
ファンタジックなストーリーをコンセプトにした作品で、映画のようなナレーションから始まり、
オーケストラを含んだ優美なアレンジとともに、やわらかで叙情的なシンフォニックロックが広がってゆく。
スリリングな展開よりも、とにかくメロディックで優しげな作風は、KAYAKなどにも通じる感触で、
メインヴォーカルのかすれ気味の声質はGenesis的でもある。ロックオペラ的な構成ではあるが、
楽曲自体には大仰なところはさほどなく、全体的にキャッチーな聴き心地で身構えずに楽しめる。
後半にはオペラティックな女性ヴォーカルの歌声も入ってきて、壮麗な美しさに浸れます。Steve Hackettなどがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・8 総合・・8



Plackband 「After the Battle」
オランダのプログレバンド、プラックバンド2002年作
シンセを含む5人編成で、現在はPBIIの名前で活動しているバンド。
美しいシンセアレンジとメロウなギターで聴かせる、GENESISルーツの叙情サウンド。
のちのPBIIに比べると、素人くさいヴォーカルなども含め、もったりとした垢抜けなさがあるが、
繊細でやわらかなメロディには、Anyone's Daughterなどを思わせる感触もあって、
メロディ派のシンフォ系リスナーなら充分楽しめるだろう。ある意味、オランダらしい作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5


POOR GENETIC MATERIAL 「A Day in June」
ドイツのプログレバンド、プアー・ジェネリック・マテリアルの2013年作
マイルドなヴォーカルと美しいシンセワークとともに聴かせる、繊細でドラマティックなシンフォニックロック。
ドイツのバンドらしいキャッチーなメロディアス性に包まれた楽曲は、随所に効かせる泣きのギターフレーズや
やわらかなフルートの音色とともに、コンセプト的な曲の流れにそって、じっくりと優美なサウンドを描いてゆく。
元BEGGARS OPERAのマーティン・グリフィスがゲスト参加、息子であるフィル・グリフィスはこのバンドのVoなので
親子の葛藤を描くコンセプトに合致して親子でヴォーカル共演を果たしているというのも本作のポイントだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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POPOL VUH「AFFENSTUNDE」
ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1st。1971作。邦題は「猿の時代」
シンセとパーカッションのみによる多重録音の作品で、後のKlaus schulzeにも
大きな影響を与えただろう、静謐感と浮遊感のただようエレクトロサウンドである。
フローリアン・フリッケは、この後2ndまではシンセをメインにした作品を作るが
それに限界を感じたのか3rd以降は生楽器による静謐感の実現を選んだ。
この作品は、ムーグシンセをメインにした画期的なアルバムであり、
太古の世界を思わせる世界観と、水や土を感じさせる自然感の再現という点でも
ひとつの芸術作品と言い得るだろう。音楽…「音」世界の可能性を広げた作品だ。
静謐度・・9 ロック度・・1 エレクトロ度・・9 総合・・7.5
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POPOL VUH「In Den Garten Pharaos」
ジャーマンプログレの名バンド、ポポル・ヴーの2nd。1972作/邦題「ファラオの庭にて」
17分、19分という大曲2曲という構成で、水音や鳥の鳴き声などのSEと
広がりのあるシンセワークを駆使して、自然のうつろう光景を描いている。
TANGERINE DREAMKlaus Schulzeなどに通じる手法であるが、
フローリアン・フリッケが描くのは、宗教や古代文明などの神秘性で、
そのメロディは滔々と流れる時のようにゆるやかで、静かに奥深い。
打ち鳴らされるパーカッションに乗って、ゆるやかなシンセ音が続いてゆくそのサウンドは
ゆったりとまどろみながら聴いていると、古代エジプト王の静謐な庭園が脳裏に浮かんでくるようだ。
ロック度・・1 崇高度・・8 神秘度・・10 総合・・8
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POPOL VUH「HOSIANNA MANTRA」
ジャーマンプログレの名バンド、ポポル・ヴーの3rd。1972作
プログレファンであれば一度は目にしたことはあろう名作「ホシアンナ・マントラ」
紙ジャケリマスターを機に、改めて聴き直してみると、そのなんと美しいこと。
前作まではムーグシンセをメインにしたいわゆるエレクトロ系のサウンドだったが、
今作からはしっとりとしたピアノを中心に聴かせる、自然体の音へと変化している。
ゆるやかなピアノに神秘的な女性Voが絡み、そこに巧みにギターの音色を配した楽曲は
宗教的な荘厳さを秘めながらも、とても耳馴染みがよく、まどろむようにして聴ける。
ジャーマンロックのバンドたちの中でもひときわ異彩で、はかないほど繊細で美しい音だ。
ロック度・・2 崇高度・・9 神秘度・・8 総合・・8
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POPOL VUH「Seligpreisung」
ジャーマンプログレバンド、ポポル・ヴーの4th。1973作/邦題「聖なる賛美」
前作「HOSIANNA MANTRA」で、静謐な神秘性を極めたフローリアン・フリッケは
今作からAMON DUULⅡのダニエル・フィッヒェルシャーをメンバーに加えたことで
ロック要素を高めた作風へとその音楽性を移行させてゆく。美しいピアノにギターが重なり
そこに東洋的なタブラのリズムがドラムと合わさると、不思議な静謐感とロックが融合された
とても個性的なサウンドとなる。アコースティカルな作風にグルーブ感が加わった
このアプローチは、次作「Einsjager & Siebenjager」への橋渡しとなる。
ロック度・・6 崇高度・・8 神秘度・・7 総合・・8
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POPOL VUH「Einsjager & Siebenjager」
ポポル・ヴーの5th。1974作/邦題「一人の狩人と七人の狩人」
前作からAMON DUULⅡのダニエル・フィッヒェルシャーがメンバーとなり、
それまでの音にギターとドラムが入ることで、よりロック的なアプローチを取りはじめている。
ピアノに絡む美しいフルート、そこにロック的なギターフレーズが加わって、
音に厚みが増し、一般のプログレファンにも普通に聴きやすいサウンドになっている。
インストの比重が多いので、ときおり入る女性Voはあくまでおまけ程度だが、
サウンドの美しさは不変で、このバンドの入門用としてもお勧めできる。
ラストの19分の大曲も聴きごたえがある。中期の代表作といえるだろう。
ロック度・・7 崇高度・・8 神秘度・・7 総合・・8.5
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POPOL VUH「Das Hohelied Salomos」
ポポル・ヴーの6th。1975作/邦題「雅歌」
聖書の一節をモチーフにした作品で、ジャケからしてすでに美しい。
インスト主体だった前作に比べて楽曲構造はややシンプルになり、
このアルバムが最後となる女性Vo、ディヨン・ユンの歌声がより前に出てきている。
サウンドにはブリティッシュのサイケロックに通じる普遍性が入り込み、
神秘的な薄暗さはなくなった。東洋的なフレーズなどに聴ける無国籍感と自然思想的な
おおらかさが全体をやわらかくしていて、ソフトなAMON DUULⅡという雰囲気もある。
ロック度・・6 崇高度・・7 神秘度・・7 総合・・8
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POPOL VUH「LETZTE TAGE-LETZTE NACHTE」
ポポル・ヴーの7th。1976作/邦題最期の日、最期の夜」
芸術家肌のアーティスト、フローリアン・フリッケにより、Tangeline Dreamに通じる
実験的なシンセ音楽からスタートしたこのバンドだが、3rd「HOSIANNA MANTRA」において
アコースティックな神秘性を音楽で表現し、以降はしだいにロック色を増してゆく。
本作は、前作までのたおやかな優雅さに比べると、一聴してサウンドのダイナミズムが増し、
それとともに原初的な神秘性と不穏なサイケデリック要素が音に現れてきている。
いくぶんこもり気味の音の中に、壮大さを詰め込んだ作り方はやはりAMON DUUL2的で、
そのAD2のレナーテ・クナウプが加わってこれまでにない妖艶な歌声を聴かせながら、
明確なフレーズを奏でるギターの重ねによりスケール感のあるサウンドが構築されてゆく。
神秘的なサイケロックとして聴けば、ドイツ屈指の名作と言っても過言ではないだろう。
ロック度・・7 崇高度・・8 神秘度・・8 総合・・8.5
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POPOL VUH「AGUIRRE」
フローリアン・フリッケによるドイツの静謐系バンド、ポポル・ヴーの1976作
本作はウェルナー・ヘルツォーク監督「アギーレ、神の怒り」のサントラで、実際の制作時期は
1971年前後と思われる。うっすらとしたシンセを中心とした静謐感漂う神秘的なサウンドだ。
2nd以降はデジタルなシンセを捨てピアノとギターを中心にした作風となってゆくフリッケだが、
このサントラ作では、1stに通じるシンセによる静謐で空間的な広がりを聴かせてくれる。
土着的なパーカッションとともに、桃源郷を思わせるような神秘性の表現が見事だ。
静謐度・・9 ミステリアス度・・10 シンセ度・・9 総合・・7.5
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POPOL VUH「coeur de verre」
ポポル・ヴー
による映画「ガラスの心」のサントラ作。1977作
本作はサントラとはいえ、ドラムとギター、フルートなども入っていて、
バンドとしてのPOPOL VUHの作品とみなしてよい出来だ。
サウンドには独特の静謐感と幻想美、ノスタルジックな情緒もあり、
またAMON DUULⅡあたりにも通じるオリエンタルなサイケロック色もある。
静謐度・・8 ミステリアス度・・8 ロック度・・7 総合・・7.5
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POPOL VUH「Nosferatu」
ポポル・ヴーによるヴェルナー・ヘルツォーク監督の同名映画のサントラ作。1978作
こちらはピアノとシンセをメインにした、いかにもサントラ的な作風で、
たゆたうような静けさの中に薄暗さとミステリアスな雰囲気とが感じられる。
美しいピアノにオリエンタルなシタールやタブラなどがゆるやかに絡み、
音数は少ないながらも、やはりフリッケらしさの表れた作品といえるだろう。
静謐度・・9 ミステリアス度・・9 ロック度・・1 総合・・7.5
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POPOL VUH「Bruder des Schattens-Sohne des Lichts」
ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1978年作。邦題は「影の兄弟、光の子供達」
本作はサントラ「ノスフェラトゥ」の別バージョンとも言うべき作品で、
曲の方も大半はジャケ違いの同作とかぶるのだが、
タイトル曲である1曲目は18分に拡大された大曲となっていて、
うっすらとしたシンセに、素朴なオーボエと宗教的なコーラスが合わさり、
シタールの音色が鳴り響く、初期を思わせる神秘的な雰囲気で聴かせる。
静謐度・・9 ミステリアス度・・9 ロック度・・1 総合・・7.5
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POPOL VUH「Die Nacht Der Seele」
ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1979年作。邦題は「魂の夜」
「ガラスの心」「ノスフェラトゥ」といったサントラ作を経過し、サウンドは音数を絞った静謐感と、
太古への回帰を思わせるような土着的な世界観を感じさせる。アコースティックギター、ピアノ、
パーカッションを主体に<そこに女性スキャットを乗せ、しっとりと神秘的に聴かせるサウンドだ。
崇高度・・8 神秘度・・9 ロック度・・1 総合・・8
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POPOL VUH「Sei Still, Wisse Ich Bin」
ポポル・ヴーの1981年作。邦題は「静謐の時」
中東の死海で撮影されたというイメージビデオのサントラとして作られた作品。
アプローチとしては前作からの流れを押し進めた、ギターとピアノを主体に、
土着的なパーカッションとコーラスが重なる、神秘的で秘教めいたサウンドである。
崇高度・・9 神秘度・・10 ロック度・・2 総合・・7.5
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POPOL VUHAgape-Agape/Love-Love
ジャーマンプログレバンド、ポポル・ヴーの1983年作
80年代に入って映像とのコラボ作品の方に力を入れていったフリッケだが、
本作ではレナーテ・クナウプ、ダニエル・フィッヒェルシャーら、かつてのメンバーが集まり
厳かさと静謐感のある宗教的な作風に戻っている。アコースティックギターのつまびきと
パーカッションのリズム、そして太古の儀式を思わせるような男女コーラスが響きわたる。
音質がややこもり気味な分、むしろ内省的で神秘的な雰囲気が味わえる。
崇高度・・8 神秘度・・9 ロック度・・2 総合・・8
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POPOL VUH 「Shepherd's Symphony」
ポポル・ヴーの1997年作。邦題は「羊飼いの交響曲」
デジタリィなリズムの上を、シーケンサー的なシンセの反復フレーズが乗るサウンド。
かつてのような神秘性と静謐感は薄くなったが、スキャット的な女性声も入ったり
ミステリアスな雰囲気をモダンさの中に溶け込ませた独特な感触がある。
これがフリッケ最後のスタジオ作品となった。鬼才の冥福を祈りたい。
静謐度・・5 ミステリアス度・・7 ロック度・・6 総合・・7.5
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POPOL VUH「Messa Di Orfeo」
ポポル・ヴーの1999年作。邦題は「オルフェオのミサ」
音と映像を融合させたイタリアでの1998年のライブを収録した作品。
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声は、ときにセリフの朗読のようでもあり、
シンセやシーケンサーなどによる効果音などとともに、音楽というよりは
演劇的な雰囲気である。おそらく映像を一緒に見ればもっと楽しめるのだろう。
はからずも本作が鬼才フローリアン・フリッケの遺作となってしまった。
芸術度・・9 神秘度・・8 ロック度・・0 総合・・7.5
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PRESENTTriskaidekaphobie/Le Poison Qui Rend Fou」
ベルギーのチェンバーロック、プレザンの1st/2ndカップリング盤。1980/85年作
UNIVERS ZEROのロジェ・トリゴーを中心に結成されたバンドで、
1stは、美しいピアノの音色にギターが絡み、静かな緊張感を漂わせつつ、
ドラムも入った軽やかなアンサンブルは、Univers Zeroに比べるとロック的で
むしろ分かりやすい。19分、15分の大曲を中心に、クラシカルな構築性と
エキセントリックな芸術性を盛り込んで、室内楽的な空間性を漂わせる。
2ndになると、ドラムとピアノのコンビネーションに磨きがかかり、緊張感あるアンサンブルの中に
ときに女性スキャットも加わって、ダークな優雅さというべき気雰囲気を演出している。
クラシカル度・・8 芸術度・・8 ダークな優雅さ度・・9 総合・・8
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PRESENT「Triskaidekaphobie」
ベルギーのチェンバーロック、プレザンの1980年作
UNIVERS ZEROのロジェ・トリゴーを中心に結成されたバンドで、かつては1st、2ndのカップリングでCD化されていたが、
2014年にそれぞれ単体CDでリマスター再発された。「13恐怖症」という邦題のこの1stは、クラシカルなピアノの旋律に、
不穏なコード進行によるベースが絡み、変則的なリズムによるアヴァンギャルド性と知的な構築力で聴かせる、
ポスト・ユニヴェル・ゼロというべきサウンド。ときにフリーキーに鳴り響くギターやドラムを含めた攻撃性という点では、
UNIVERS ZEROよりもさらに明快なロック志向が感じられ、ミステリアスかつ優雅なプログレとしてもとても楽しめる。
19分、15分という2曲の大曲を軸にした圧巻の力作だ。ボーナストラックに1981年のライブ音源を2曲追加収録。
チェンバー度・・8 プログレ度・・9 ミステリアス度・・9 総合・・8.5
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PRESENT「Le Poison Qui Rend Fou」
ベルギーのチェンバーロック、プレザンの1985年作
「精神崩壊誘発剤」と題された本作は、軽やかなドラムと不穏なベースラインによる変則リズムにクラシカルなピアノの旋律を乗せ、
巧みなアンサンブルを描く前作からの流れに加えて、1曲目では女性ヴォーカルの歌声を乗せた優雅な美しさが加わって、
サウンドはよりスタイリッシュなダークさへと昇華されている。ギターによるフレーズも、ときにメロディックな感触であったり、
ロック的な聴きやすさも健在で、音圧的にもいくぶんソフィスティケイトされたことで、多くのチェンバーロックリスナーに楽しめる。
前作に比べるとたたみかける迫力は薄まったが、空間性に包まれたアヴァンギャルドかつテクニカルな展開力というのは大きな魅力である。
ボーナスDiscには1982年のライブ音源を収録、音質はそれなりだが、1st収録の大曲も含めて、たっぷり79分のライブに満腹です。
チェンバー度・・8 プログレ度・・8 ミステリアス度・・8 総合・・8
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PRESENT「High Infidelity」
ベルギーのチェンバーロック、プレザンの2001年作
ツインギターにチェロ、サックス、トランペット奏者を含む編成で、モダンなシンセアレンジに、
チェロやブラスが鳴り響き、重たいベースを乗せたインダストリアルな硬質感で聴かせるサウンド。
のっけから6パートに分かれた27分の組曲で、重厚なインストパートを中心に、随所にヴォーカルも入りつつ、
サックス、トランペットが吹き鳴らされ、不穏でスリリングな空気感に包まれた世界観を描いてゆく。
リズム的にはどっしりとしていて、軽妙な変拍子というものは少ないのだが、たたみかける圧殺感が
単なるBGM以上の重たい迫力で襲い掛かる。初期の作品に比べるとプログレらしさは薄まったがこれも力作。
チェンバー度・・8 プログレ度・・7 ミステリアス度・・8 総合・・8
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PROFUNA OCEAN「In Vacuum」
オランダのプログレバンド、プロフナ・オーシャンの2016年作
適度にハードなギターとオルガンを含むシンセアレンジに、マイルドなヴォーカルを乗せた、
キャッチーなプログレハードサウンド。ときにProgMetal的な重厚な感触も含みながら、
メロディックな叙情を前に出した作風は、アメリカのシンフォニックハード系にも通じるか。
ギターはときにハードロック寄りになったり、ときにメロウな旋律も奏でつつ、
うるさすぎないシンセアレンジとともに、ドラマティックにサウンドを彩っている。
一方では、HAKENなどを思わせるスタイリッシュなモダンさが前に出たナンバーなどもあり、
10分を超える大曲も濃密すぎない聴き心地で、バンドとしてのセンスの良さを感じさせる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・8 総合・・8
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QR

QUANTUM FANTAY 「Terragaia」
ベルギーのサイケロック、カンタム・ファンタイの2014年作
ギター、ベース、ドラム、シンセの4人編成を基本にした、OZRIC TENTACLESタイプのサイケロック。
エレシトロでスペイシーなシンセアレンジに包まれた、アッパーなノリの良さで聴かせるアンサンブル、
そこにフルート、ハープ、バグパイプ、マンドリンなどのゲストによる、民族的な叙情性も加わった
カラフルなサウンドが楽しめる。完全なオズテン・フォロワーと言ってしまえばそれまでなのだが、
こちらの方がよりプログレらしさというか、ときにシンフォニック系のようなメロディアス性も感じさせる。
サイケというとイギリスかスウェーデンというイメージだったが、ベルギーにもこんな素晴らしいバンドが現れた。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 オズテン度・・8 総合・・8
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RAK「Lepidoptera」
スイスのシンフォニックロックバンド、THOKのキーボード奏者のソロ名義作。2004作
変形見開きの美しいジャケに描かれたファンタジーストーリーをもとにしたコンセプト作で、
ゆるやかで繊細なキーボードが美しいシンフォアルバム。
全体的にはPAR LINDH PROJECTあたりの雰囲気に近いものがあるが
ややハードめなギターが加わると、Voの声質もあいまって、PALLASなどのハードシンフォに近い音像になる。
全20曲のトータル作で、物語的なシンフォ作品が好きな方にはお勧め。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7

RAK 「Lepidoptera II : The Book of Flight」
スイスのシンフォニックロック、ラクの2012年作
2004年作の続編となるコンセプト作。のっけから17分の大曲で、美麗なシンセアレンジと
適度にハードなギターを中心にした、正統派のシンフォニックロックを聴かせる。
その後も11分、12分、10分という大曲が並び、スケールの大きさは感じるのだが、
いくぶん奇妙でシアトリカルな展開や、かすれた声質のヴォーカルがやや好みを分けるだろうし、
ちょっと弾きすぎな感じのギターが興をそぐところもあって、濃密さがかえって粗野な印象になってしまっている。
こういうB級っぽさは前作からあまり進歩していない気がする。まだマニア向けを脱しきれていない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・7 総合・・7.5


RAVANNA「BILDER AUS MITTELERDE」
ドイツのシンフォにクロックバンド、ラヴァーナの1984作
80年代にEDENという名前で2枚のアルバムを残したバンドが、その後改名して発表したのが本作。
ややポップな感触になりつつも、伸びやかな男女Voにヴァイオリン、ピアノによる典雅な雰囲気は、
やはりかつてのEDENそのもの。オーケストラと女性Voによる感動的な曲もあれば、
やや軽い曲調のポップなナンバーもありで、そのあたりのギャップが気になるといえば気になるが。
シンフォニック度・・8 ポップ度・・7 楽曲・・7 総合・・7


RICOCHERCathedral of Emotions
オランダのシンフォニックロックバンド、リコチャーの2nd。2002作
先に3rdを聴いていたが、IQタイプの王道のポンプ/シンフォサウンドで、
オランダにはこの手のタイプのバンドがまだまだいるのだなと思った。
この2ndの方も、メロウなギターにシンフォニックなキーボードが耳に心地よく、
かすかに翳りを含んだ雰囲気がしっとりとしてなかなかよろしい。
目新しさはないが、同郷のFLAMBOROUGH HEADなどが好きなら気に入るだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・6 総合・・7

RICOCHER「CHAINS」
オランダのシンフォニックロックバンド、リコチャーの3rd。2004作
ゆったりとした聴きやすいシンフォニックロックで、厚みのあるキーボードの使い方や
ヴォーカルの声質などは、いわよるネオ・プログレ、ポンプ系のサウンドで、
かつてのIQとか、ARENAとかJADISとか、あたりに通じるサウンド。
曲の展開の起伏がさほど大きくなく、ややもったりとした雰囲気なので、
PENDRAGONほどの情感は感じられず、個性という点でもこのバンドならではのものは薄いか。
全体の出来は悪くない。ARENAあたりの聴きやすいシンフォものが好きな方はいかが。
シンフォニック度・・8 ゆったりポンプ度・・8 楽曲・・7 総合・・7


Rigoni/Schoenherz「Victor」
ドイツのミュージシャン、マニュエル・リゴーニと、リチャード・ショーンヘルツによる作品。1975年作
スペイシーなシンセワークに、ハードめのギター、どこかくぐもったような緊張感を描き出すイントロからただごとでない。
本作は「シンフォニック・ポエム」とも題された壮大なコンセプト作品で、たとえばThe WHOの「トミー」などにも通じる
いわばロックサイドからのプログレへのアプローチである。鳴り響くオルガンにロック的な輪郭のギターワーク、
随所にオーケストラも導入した極端なまでのスケール感は、この時代においては異色の大作と言えるだろう。
ドラマ性の中に英国的なロック風味を含ませつつ、シリアスな空間的な広がりに包み込んだ、4部構成の74分。大変な傑作だ。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8.5
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RPWL 「God Has Failed」
ドイツのモダンプログレ、RPWLの2000年作
泣きのギタートーンにマイルドなヴォーカルを乗せた、薄暗い叙情に包まれたサウンドで、
シンフォニックな美しさと浮遊感が同居したような聴き心地は、今でいうポストプログレの先駆けか。
メロウで繊細な薄闇は、あるいはPINK FLOYDをシンフォに仕立て上げたという雰囲気もあり、
アコースティカルなパートやメロトロンが鳴り響いたりと、牧歌的なやわらかさが耳に優しい。
マイルドなヴォーカルで聴かせる歌ものナンバーにはキャッチーな感触もあって、
薄暗系ソフトロックとしても楽しめる。デビュー作にしてすでに方向性を確立した好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・9 総合・・8
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RPWL「world through my eyes」
ドイツのオルタナ・シンフォニックロックバンド、RPWLの4th。2005作
PORCUPINE TREEの台頭以後、プログレなのかシンフォなのかハードロックなのか、
カテゴライズ不可のバンドが増えてきているが、このバンドはかつて90年代に活動していた
GENESIS系ポンプロックバンド、VIOLET DISTRICTを母体として結成された。
PINK FLOYD的なゆったりとした内的世界にシンフォニックな味付けがなされ、基本的には歌ものながら、
メロトロンなどによる懐古主義とかすかなサイケ風味も加わった質感が耳に心地よい。
PINK FLOYD、GENESIS、MARILLION、最近でいうと、PORCUPINE TREEKINOあたりにも通じる
やわらかみと、倦怠、ほの暗い叙情、内的世界観、現代的なモダンさ、そしてどこか懐かしい質感、
そうした要素が絡まり合い、とても聴きやすいが、どこかもの悲しく、哀愁があるサウンドである。
ゆったりとした哀愁シンフォニックロックとしても、モダンユーロロックとしても楽しめる。オフィシャルサイトはこちら
メロディアス度・・8 ゆったり叙情度・・8 シンフォ・ピンクフロイ度・・8 総合・・8
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RPWLLive: Start the Fire
ドイツのプログレバンド、アルピーヴェエルのライブアルバム。2005作
Porcupine Tree以降の薄暗系オルタナシンフォとして、ドイツでは中堅どころのバンド。
本作は4th「world through my eyes」発表後のライブを収録した2枚組。
うっすらとしたシンセにメロウなギターワーク、そしてマイルドなヴォーカルで聴かせる
耳心地のいいサウンドは、ライブではいっそうPINK FLOYD的な浮遊感をともなっている。
10分以上の長曲もけっこうあるのだが、ゆったりとした叙情とともに聴き通せてしまう。
メロウ度・・8 薄暗度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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RPWLthe rpwl experience
ドイツのオルタナ・シンフォプログレバンド、RPWLの5th。2008作
PORCUPINE TREEの登場以後、薄暗い叙情を聴かせるバンドが増えているが
このバンドもPINK FLOYDあたりにも通じる浮遊感と、翳りのあるメロディが特徴。
前作よりもさらにモダンなアレンジを取り入れたサウンドは、
ゆるやかなシンセワークとメロウなギターフレーズとともに耳に心地よい。
もはやプログレうんぬんではなく、普遍性のあるメロディックロックとして聴ける。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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RPWL 「Gentle Art of Music」
ドイツのモダンプログレ、RPWLの2010年作
繊細な薄暗系シンフォとしてSYLVANとともにキャリアを重ねてきたこのバンド、
Disc1はこれまでの5枚のアルバムから選ばれたベスト的な11曲を収録、
泣きの叙情ギターとマイルドなヴォーカルで聴かせる、ゆったりとしたメロウなサウンドがたっぷり味わえる。
Disc2には新たにレコーディングされたアコースティックアレンジを収録、
こちらはのんびりとしたソフトロックという感じで、シンセなどが入らないので
叙情的ではあるが、プログレやシンフォとはちょっと離れた聴き心地かもしれない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・6 叙情度・・8 総合・・7.5
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RPWL「Beyond Man and Time」
ドイツのモダン・プログレバンド、RPWLの6th。2012作
SYLVANと並んでドイツのネオ・ブログレシーンを代表するこのバンド、
PINK FLOYDあたりにも通じる浮遊感でゆるやかに聴かせるサウンドには、
本作ではさらにポストロック的な壮大なテーマを感じさせる雰囲気が加わっている。
16分の大曲も含めて、楽曲の配置やつながりのある構成はコンセプチュアルで、
静かな盛り上がりを繰り返しながら、聴き手をしだいに音の世界に引き込んでゆく。
美麗なシンセワークをはじめ、プログレとしての感触も前作以上にあって、
アルバムとしての起伏のつけ方も見事。バンドとしての最高作というべき内容である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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RPWL「A Show Beyond Man and Time」
ドイツのプログレバンド、RPWLのライブ作品。2013年作
SYLVANと並び、ドイツの繊細系ポストプログレの代表というべきこのバンド、
本作は2013年ポーランドでのライブステージを収録したCD2枚組。
うっすらとしたシンセアレンジにマイルドなヴォーカル、メロウなギターとともに
2012年の傑作「Beyond Man and Time」を曲順通りに完全再現している。
浮遊感の中にシンフォニックな叙情を含んだやわらかな聴き心地は、
Kscope系、あるいはANATHEMAあたりが好きな方にもオススメです。
レイ・ウィルソンがヴォーカルでゲスト参加。同タイトルのDVDもあり。
プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 繊細度・・9 総合・・8 
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Sally French 「Other Side」
オランダの女性シンガー、サリー・フレンチの1994年作
美麗なシンセアレンジに、しっとりとした歌声を乗せた、わりとまっとうなシンフォニックロック。
サリー嬢の歌声は、中音域から高いソプラノまで、いくぶんヘタウマな感じもあるものの、
トレイシー・ヒッチングのように艶っぽい魅力があって、フィメールヴォーカル好きの耳をくすぐる。
曲によってはギターも入ったわりとノリのいいロック感触もあって、女性声ロックとして普通に楽しめる。
レーベルがSI MUSICというシンフォ系レーベルなので、参加ミュージャンもそちら系のメンツなのかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SCARAMOUCHE
ドイツのプログレバンド、スカラモウクの1981年作
オルガンを含む美しいシンセアレンジに、やわらかなヴォーカルとともに聴かせる
Anyone's Daughterなどにも通じるサウンドあるが、こちらはもう少しシンプルで
キャッチーな感触が前に出ている。随所にメロウなフレーズを含んだギターや
甘い歌声で描かれる繊細さは、オランダのTAURUSあたりにも通じるだろう。
これだという派手さやインパクトはないものの、じっくりと楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5




Seven Day Hunt「file this dream」
オランダのプログレバンド、セブン・デイ・ハントの2008年作
かつてEGDON HEATHというバンドで活動していたメンバーによるバンドで、
適度にヘヴィさのあるギターワークと、浮遊感のあるシンセアレンジで聴かせるモダンな感触のサウンド。
うっすらとしたシンセにメロウなギター、ほのかな翳りを漂わせた雰囲気で、これというインパクトはないものの、
ドイツのSYLVANあたりにも通じるゆるやかな聴き心地で、オルタナシンフォ的に楽しめる好作だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 モダンな翳り度・・8 総合・・7.5



Seven Steps to the Green Door「Step in 2 My World」
ドイツのプログレバンド、セブン・ステップス・トゥ・ザ・グリーン・ドアの2008年作
女性Vo+男Vo2人を含む7人編成で、シンセ入りの美しさとキャッチーなメロディで聴かせる
軽やかなシンフォニックロック。男女ヴォーカルのやわらかな歌声を中心に、
5~7分の比較的コンパクトな楽曲で、軽妙に楽しめるセンスはIT BITESあたりにも近いか。
モダンなプログレ感覚にあふれたメロディアスな好作だ。じっくりゆったり楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽妙センス度・・8 総合・・8
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Seven Steps to the Green Door「The? Book」
ドイツのプログレバンド、セブン・ステップス・トゥ・ザ・グリーン・ドアの2011年作
男女ヴォーカルを含む6人編成で、前作もメロディアスな高品質作であったが、
本作ではコンセプトアルバム的なストーリーを感じさせる作風となっている。
キャッチーなヴォーカルメロディとやわらかなシンセワークでゆったりと聴かせつつ、
IT BITESACTのようなプログレハード的な耳心地の良さが随所に光っている。
今作ではスクリームヴォイスの激しさや、女性ヴォーカルメインのしっとりとした曲もあり、
全体的にも前作以上にメリハリのついた作風で、ドラマティックなハードプログレが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・8 総合・・8
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Seven Steps to the Green Door 「Fetish」
ドイツのプログレバンド、セブン・ステップス・トゥ・ザ・グリーン・ドアの2015年作
男女ヴォーカルを含む5人編成で、過去2作は、IT BITESなどに通じるメロディアスな高品質な作品であったが、
本作もまた充実の内容だ。変拍子を含んだテクニカルな展開力と、優雅な叙情性が混ざり合った聴き心地で、
男女ヴォーカルの歌声を乗せた、オペラティックな空気感とシアトリカルなドラマ性を感じさせる。
キャッチーなメロディアス性をしっかりと残しながら、起伏に富んだ展開で7~9分という長めの楽曲を構築する、
その巧みな演奏力と軽妙なセンスは、ときに「シンフォ化したGENTLE GIANT」という感じもある。
ラストは16分の大曲で、適度なハードさと抜けの良いメロディをドラマティックな流れの中に詰め込んで、
モダンなスタイリッシュ性で昇華したという作風で、多くのプログレリスナーを楽しませるに足る。全78分という力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8
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Schicke・Fuhrs・Frohling「The Collected Works of」
ドイツのテクニカルプログレバンド、SFFのアルバム。1976~1978年に発表された
1st~3rdをCD2枚に収録。Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで、
インスト主体のミステリアスなシンフォニックロックを聴かせるこのバンド。
ブックレットの写真にあるギター&ベースのダブルネックを弾きこなす姿からして特異だが
それだけトリオ編成での演奏に強いこだわりがあったのだろう。
楽曲にはクールな構築性とともに、メロトロンを含んだ薄暗い叙情性も感じられ、
スイスのISLANDあたりにも通じるシリアスな緊張感があるのが特徴的だ。
ジャズロック風味が増した2ndは、やや地味ながらもまとまりのある演奏を聴かせ、
3rdではHAPPY THE MANを思わせるカラフルなフュージョン風味が前に出てきている。
70年代ドイツの構築派シンフォとしては頭ひとつ抜けた存在だったといっていい。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 トリオバン度・・9 総合・・8
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SFF「Symphonic Pictures」
ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingの1976作
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで3枚のアルバムを残した彼らだが、
やはりもっとも出来がいいのが本作1stだろう。これはその2010年のリマスター再発盤である。
サウンドはインスト主体の軽妙なシンフォニックロックで、ギターとシンセがメロディアスに絡みつつ、
楽曲にはクールな構築性とともにどこか薄暗い叙情性も含んで、シリアスな緊張感があるのが特徴的。
クラシカルな美意識やテクニカルな軽やかさの裏側にある、メロトロンを響かせる幻想的な雰囲気もまたよい。
そして旧B面すべてを費やした“Pictures”は、スイスのIslandばりの展開を聴かせるミステリアスな大曲だ。
リマスターによる音質向上も嬉しい。ボーナスDiscには1975年のライブ音源を収録している。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優雅な構築度・・9 総合・・8.5
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Schicke Fuhrs & Frohling「Sunburst」
ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingの2nd。1977作
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで70年代後半に3枚のアルバムを残したこのバンド、
1stはクールに構築されたシンフォニックロックであったが、本作ではコミカルなフレーズとともに、
軽妙なフュージョン風味が加わっている。テクニカルなギターとシンセの絡みは、
HAPPY THE MANを思わせるようにクオリティが高く、1stにあった大曲のようなものはないが、
4~5分台にまとまったコンパクトな楽曲は非常に聴きやすい。軽快系シンフォの好作である。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 優雅な構築度・・9 総合・・8
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SFFTicket to Everywhere
ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingの3rd。1978作
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで70年代後半に3枚のアルバムを残したこのバンド、
本作は事実上のラスト作であり、3作の中ではもっとも洗練されたメロディアスな作品だ。
きらびやかなシンセワークを中心に、クラシカルな美意識と軽妙なモダンさが同居していて、
HAPPY THE MANあたりにも通じる優雅なシンフォニックロックを展開している。
2010年リマスター再発盤にはボーナストラックに1978年のライブ音源を3曲収録。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優雅な構築度・・9 総合・・8
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Shades of Dawn 「Graffity's Rainbow」
ドイツのプログレバンド、シェイズ・オブ・ダウンの2011年作
結成は90年代というベテランで、ツインキーボードによる厚みのあるアレンジで聴かせる、
王道のシンフォニックサウンド。ヴォーカルの声質も含めて、いかにもGENESISルーツの雰囲気と
いくぶんのやぼったさも感じさせるが、随所に奏でるメロウな泣きのギターフレーズはとても日本人好み。
11分、13分、15分、25分という大曲をじっくりと構築してゆく、ドラマティックな力作だ。
ドラマティック度・・8 王道シンフォ度・・8 メロウ度・・8 総合・・7.5




SHAKARY 「ALYA」
スイスのシンフォニックロック、シャカリーの2000年作
元CLEPSYDRAのメンバーを中心としたバンドで、CD2枚組のコンセプト大作。
ヴァイオリンが鳴り響くイントロから、なにやらただごとではない雰囲気だが、
物語的なSEを含ませながら進んでゆくシアトリカルな雰囲気と、90年代以降のポンプロック的な感触が
音質面も含めて高いクオリティで合わさったことで、とても迫力あるサウンドを生み出している。
荘厳なシンセアレンジにメロウなギターがかぶさり、重厚なインストパートを描き出しながら、
この手のシンフォとしては珍しくヴォーカルの表現力も加わって、長尺ながら最後まで飽きさせない。
ダイナミックかつ壮麗なるドラマティック・シンフォニックロックの一大傑作というべき内容だ。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・10 壮大度・・9 総合・・8.5

SHAKARY「THE LAST SUMMER」
スイスのシンフォニックユニット、シャカリーの2002年作
2枚組大作の前作「ALYA」は、壮大さとキャッチーな感触が合わさった見事な傑作だったが、
本作もやはりコンセプト的な作風のようで、物語にそうようにして曲が進んでゆくスタイル。
確かな演奏力とともに、シンフォ系バンドにしてはヴォーカルも力強く、ギターのメロディは叙情に溢れている。
楽曲にはハードロック的なダイナミックさもあり、重厚なサウンドはその辺のマイナー系バンドとは一線を画する。
やはりコンセプト的なものとして、序盤はゆったりと進行してやや煮え切らない感もあるが、
ラスト近くでのじわじせわとくる感動的な盛り上がりには、ぐっと引き込まれる。
メロディアス度・・8 ハードシンフォ度・・9 壮大度・・8 総合・・8

SHAKARY 「2006」
元CLEPSYDRAのメンバーを中心としたユニットで、本作は過去に発表された2作を2CDに再編集し、
新たに、MANFRED MANN'S EARTH BANDのNoel McCallaのヴォーカルに差し替えられている。
2000年作「ALYA」は元々はCD2枚組のコンセプト大作であったが、今回はCD1枚にまとめられた。
90年代のポップロック質感を残しつつ、コンセプト的なスケール感とドラマティックな展開力で、
見事なハード・シンフォニックロックを聴かせてくれる。随所にヴァイオリンも加わった音の厚みに、
泣きのギターフレーズも耳心地よく、ノエル氏のマイルドな歌の表現力も含めて、新たな傑作として甦った。
何故だか、アルイエン・ルカッセン(Ayreon)、そしてスティーブ・ロザリーがゲストで1曲参加している。
2002年作「THE LAST SUMMER」は曲順が変更されていて、前に聴いた時は少し単長にも思えた流れが
よりドラマ性をともなってきて、叙情的かつ重厚な聴き応えのあるサウンドに感じられる。必聴のシンフォニック大作。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8.5
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SILHOUETTE 「MOODS」
オランダのシンフォニックロック、シルエットの2009年作
CLIFFHUNGERのドラムを中心に結成されたバンドの2作目で、美しいシンセに包まれて
メロウなギターワークが鳴り響く、かつてのPENDRAGONタイプの優美なシンフォニックロック。
CAMELやGENESISから受け継がれるロマンあふれる叙情美を凝縮したようなサウンドで、
メロトロンやムーグなど古き良きシンセの音色も含めて、オールドなプログレ好きにはたまらないだろう。
キャッチーなメロディの流れはオランダらしい爽快感で、繊細な美意識とドラマティックな盛り上がりが
力みなく融合されているのも素晴らしい。どこを切っても美しい叙情があふれ出す傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Silhouette 「Across The Rubicon」
オランダのシンフォニックロック、シルエットの2012年作
元CLIFFHUNGERのドラムを中心に結成されたバンドの3作目。美麗なシンセワークにメロウなギター、
マイルドなヴォーカルの歌声で聴かせる、しっとりと繊細で叙情豊かなシンフォニックロック。
ムーグシンセやオルガンなど、じつにプログレらしいシンセも素晴らしいが、ギターの泣きメロもまたよろしく、
PENDRAGONばりの叙情美が何度も襲いかかって来て、これを嫌いになれるシンフォファンはいまい。
メロディにはキャッチーな優雅さと湿り気を帯びたロマンが同居していて、90年代以降のディープなシンフォ感触を
巧みに残しながら、よりドラマティックに構築しているセンスが見事。すべてのシンフォ好きへ捧ぐ傑作だ。
シンフォニック度・・8 泣きメロ度・・9 叙情度・・9 総合・・8
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SISYPHOS「Paraphernalia」
スイスのプログレバンド、シシフォスの2nd。2004作
ギター、ベース、ドラム、キーボード、という4人編成のテクニカルなメロディアスシンフォ。
YES的なキャッチーなコーラスハーモニーを聴かせつつも、“いかにもプログレ”的な音作りと
テクニカルでひねくれた部分は、YEZDA URFAあたりを思わせるものがある。
曲によってはブルージーなロック要素も前に出てくるのは国柄か。大曲の出来がとくにいい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5


Sky Architect「Excavation」
オランダのプログレバンド、スカイ・アーキテクトの2010年作
ツインギターにシンセ入りの若手5人組で、ハードエッジなテクニカルさと、
ドラマティックな構築性で聴かせる、なかなか質の高いサウンドだ。
センスのあるギターの重ねとシンセワーク、マイルドなヴォーカルの歌声とともに
ほのかに翳りのある叙情性は、Riversideなど、ポーランドのバンドも思わせる。
インストパートを中心に、うるさすぎない耳心地のよいサウンドで、
適度な緊張感を生み出すセンスは、新人とは思えない器の大きさを感じさせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ほの暗叙情度・・8 総合・・8
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Sky Architect 「Dying Man's Hymn
オランダのプログレバンド、スカイ・アーキテクトの2011年作
ツインギターにシンセ入りの5人組で、前作もドラマティックな力作であったが
本作は10分超の大曲を4曲含め、インストパートをさらに充実させた傑作。
アナログ感のある繊細なシンセワークにメロウなギターフレーズを中心にした
古き良きシンフォニックロックの質感に、ゆったりとした叙情をまぶしながら
コンセプチュアルに構築してゆくセンスは見事。派手さはないがじっくり楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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SKY ARCHITECT 「A Billion Years of Solitude」
オランダのプログレバンド、スカイ・アーキテクトの2013年作
ツインギターにシンセ入りの5人組で、過去2作もなかなかドラマティックな力作であったが、
3作目となる本作はのっけから18分の大曲で幕を開け、スペイシーなシンセアレンジとともに
スケール感のある世界観が広がってゆく。ProgMetal的なテクニカルな展開力もありつつ、
マイルドなヴォーカルによるキャッチーな感触が同居した高品質のハードプログレが楽しめる。
今作ではさらに、ポストプログレ的な薄暗い叙情や、反対にTRANSATLANTICばりの軽妙なメロディアス性まで
振り幅の大きなメリハリある切り返しがドラマティックな構築性を作っている。知的なセンスに包まれた力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 知的センス・・8 総合・・8
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SubsignalBeautiful and Monstrous
ドイツのハードプログレバンド、サブシグナルの2009年作
SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、IT BITESあたりにも通じる
キャッチーなメロディと軽やかな聴き心地のサウンド。ときにテクニカルな展開力も含みつつ、
難解さはなく、あくまでメロディアスなやわらかさが前に出ている。センスのよいシンセアレンジに
適度にヘヴィでありつつも爽快なフレーズを奏でるギターワークもなかなか絶妙だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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SubsignalTouchstones
ドイツのハードプログレバンド、サブシグナルの2011年作
SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、シンセを含んだ美しいアレンジと
キャッチーなメロディが光る高品質なサウンド。IT BITESあたりにも通じる軽妙さと確かな演奏力で、
随所にProgMetal的なテクニカルな展開も織り込みつつ、あくまでメロディアスに聴かせる。
5、6分の曲を中心にしながら、11分の大曲も含んで知的な構築センスも抜群だ。
メタル的なヘヴィさはあまりないので、モダンなハードシンフォニックとしても楽しめる傑作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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Subsignal 「Paraiso」
ドイツのハードプログレ、サブシグナルの2013年作
元SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、本作ではのっけからいくぶんメタリックな感触を増し、
これまでのキャッチーな聴き心地の中にも、薄暗いモダンな叙情性を織り込んだという印象である。
美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカルで聴かせる優しいシンフォニック性と、
確かな演奏力で描かれる構築センスが合わさって、適度に硬質なのだがメロウな感触が味わえ、
IT BITESやASIAなどにも通じる王道プログレハードのメジャー感を含ませながら、
どこか玄人受けする知的な展開美も見事である。さすがというべき高品質な傑作ですな。
ゲストにStreama of Passionの女性シンガー、Marcela Bovioが参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・8 総合・・8
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SUPERSISTERIskander
オランダのプログレバンド、スーパーシスターの1973年作
一般的にバンドの代表作とされる作品で、アレキサンダー大王をテーマにしたコンセプト作。
ギターレスで、サックスとシンセがリードをとるジャズロック風味のサウンドで、
CARAVANなどに通じる軽やかな作風であるが、技巧的に変化する曲調が個性的。
オルガンやピアノのつまびきにはクラシカルな感触もあり、ジャジーなサックスの音色との
コントラストにもなっている。コンセプト的な流れとともに、ミステリアスなスケール感も漂わせるところは、
Marsupilamiの名作「Arena」なども思わせる。2008年リマスター盤にはシングル曲など4曲を追加収録。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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SURVIVAL 「CRUSADER」
オランダのシンフォニックロック、サバイバルの2008年作
シンセ奏者を中心にしたユニットで、オルガンやメロトロンを含んだ
古き良きプログレ的なシンセワークで聴かせるインストサウンド。
テクニカルなギターを含んだ1曲めは、プログレ・フュージョン的な軽快さもありつつ、
シンセはあくまでELP的という、ややミスマッチな聴き心地もなかなか面白い。
その後は、シンセを主体にしたメロディックなシンフォニックロックとなり、
曲によっては、日本のGERARDなどにも通じる、ドラマティックなキーボードプログレが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5


Sylvan 「Deliverance」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの1998年作
いまやドイツのポストプログレ系の代表格ともいえるバンド、入手困難だったデビュー作の2010年再発盤。
メロウな泣きのギターとうっすらとしたシンセアレンジで聴かせる、叙情豊かなサウンドはすでに本作で確立していて、
いくぶんシアトリカルなヴォーカルとともに、のちの作品よりも、より正統派シンフォの流れを汲んだ雰囲気である。
10分を超える大曲をメリハリに富んだ展開で構築するセンスは、すでにバンドとしての実力を十分に感じさせ
モダンなハードエッジと薄暗い叙情性、繊細な美意識を同居させた、かれらの持ち味が随所に散りばめられている。
再発盤のボーナスDiscには本作に合わせて新たに作られた12分の大曲を収録。こちらも素晴らしい叙情曲です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Sylvan 「Encounters」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの2000年作
2作目となる本作は、のっけからヘヴィでモダンなメロディックロックというナンバーで意表を突かれるが、
いくぶんシアトリカルなヴォーカルと、うっすらとしたシンセに叙情的なギターを乗せたシンフォ感触も覗かせる。
なんといっても聴きどころは、10パートに分かれた40分におよぶタイトル組曲で、適度なハードさを保ちつつ
美麗なシンセによるシンフォニックロックの叙情美と、メリハリある知的な構築力が合わさって、
のちのトータル作「Posthumous Silence」へとつながるような聴き心地である。
完成度では5th以降に及ばないが、バンドのファンであればチェックすべき作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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SYLVAN「Artificial Paradise」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの3rd。2002年作
美しいシンセ、エレピをバックにギターがメロウなフレーズを奏で、ヴォーカルが叙情的に歌い上げる、
ゆるやかで薄暗いシンフォニックロックサウンド。このモダンな叙情美ともいうべき、憂鬱な浮遊感は、
同郷のRPWLなどを含めて、いわゆるポストプログレという21世紀のトレンドになりつつあるようだ。
一方でメロウなだけでなく、ヘヴィな部分はメタルリスナーなどにも聴けるだろうし、
ラストの20分の大曲では、ゆるやかな構築性でじっくりと感動的に盛り上げて締めくくる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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SYLVAN「X-Rayed」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの4th。2004年作
前作よりもいくぶんシャープな質感が増し、叙情性とヘヴィなギターの対比がくっきりしている。
うっすらとしたシンセをバックにメロウなフレーズを奏でるギターの魅力は健在で、
倦怠を含んだヴォーカルの歌声とともに、このバンドのサウンドの核となっている。
全体的にはモダンな雰囲気が前に出て、シンフォニックなテイストはやや薄れたが、
ラストで聴かせる盛り上がりはやはりさすが。これが傑作と呼ばれる次作へとつながる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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SYLVANPosthumous Silence
ドイツのプログレロックバンド、シルヴァンの5th。2006年作
ストーリーにそったコンセプト作品で、サウンドは、PORCUPINE TREE系といえる、薄暗いシンフォニックロック。
しっとりとしたピアノ、キーボードが美しく、ヴォーカルもゆったりとした力まない歌を重ねてゆく。
全体的には、ARENAあたりに近いモダンシンフォの感じで、ゆるやかな盛り上がりを繰り返しながら、
楽曲は翳りに包まれたほの暗い雰囲気で淡々として進んでゆき、優雅でもの悲しい叙情を表現している。
ときおりメタリックなギターが効果的に加わったりもするが、シンセにしろギターにしろ、決して押しつけがましくはならず、
挿入される映画的なSEなどとともに繊細なドラマ性と空間美を構築する。流れるように味わえる力作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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SYLVANPresets
ドイツのプログレロックバンド、シルヴァンの6th。2007年作
トータル作品だった前作に比べて、3~4分台の比較的コンパクトな曲を中心に
今作も哀愁を漂わせた質の高い薄暗系シンフォサウンドを聴かせてくれる。
泣きの叙情と盛り上がりは前作ほどではなく、むしろ素朴な感触であるが、
ラストには12分の大曲でドラマティックに締めくくるのはさすがというところ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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SylvanLeaving Backstage
ドイツのモダンプログレバンド、シルヴァンのライブアルバム。2008年作
2007年ドイツでのステージを収録したCD2枚組。うっすらとしたシンセとマイルドなヴォーカル、
薄暗い叙情に適度なヘヴィさを含んだ、オルタナ系シンフォともいうべきサウンドは、
ライブにおいても同様で、安定した演奏力で聴かせてくれる。メロウなギターの旋律と
シンフォニックな美しさが合わさったゆるやかな盛り上がりは、このバンドならではの感触だろう。
Disc1は2006年の傑作「Posthumous Silence」の完全再現で、トータルなドラマ性が素晴らしい。
全24曲トータル150分に及ぶ長さだが、耳心地のよさで聴き疲れしない。見事なライブ作品。
メロディック度・・8 薄暗叙情度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Sylvan「Force of Gravity」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの7th。2009年作
RPWLとともにドイツの薄暗系シンフォとしては双璧というべきこのバンド、
本作ももの悲しいピアノや、美しいシンセとメロウなギターで聴かせるしっとりと叙情的な作品だ。
ヴォーカルの歌唱は悲しみの情緒をたたえつつ、UKロック的でもあるマイルドな質感とともに、
ときに激しいまでの感情を表現している。シンフォニック/プログレ的な要素に、モダンロックとしての
エッジの付いたアレンジにこのバンドのバランス感とセンスを感じる。歌と演奏の濃密さでは前作以上の出来。
ラストの14分の大曲も含めて、繊細さとドラマティックさがかみ合った見事な傑作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 繊細な叙情度・・9 総合・・8.5
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Sylvan「Sceneries」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの2011年作
RPWLとともに、ドイツの薄暗系プログレの代表格というべきこのバンド、
8作目の本作は5部構成で、15~20分の組曲を中心にしたCD2枚組の大作。
やわらかなヴォーカルとうっすらとしたシンセアレンジ、メロウなギターで聴かせる
翳りを含んだサウンドはこれまで通りで、優しい叙情の中にもキャッチーな味わいを感じさせる。
このバンドの持ち味である、シアトリカルで繊細なドラマ性も存分に発揮され、
ゆるやかな盛り上がりとともに、泣きのメロディで聴き手をうっとりとさせてくれる。
前作「Force of Gravity」も素晴らしかったが、本作も叙情派リスナーには必聴の傑作です。
ドラマティック度・・8 繊細度・・9 泣きの叙情度・・9 総合・・8.5
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Sylvan 「Home」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの2014年作
1998年にデビューし、ポストプログレ寄りのシンフォニックロックとして地位を確立したこのバンド、
9作目となる本作も、物悲しい叙情を繊細に描き出す、しっとりと美しい作品となっている。
ヴァイオリンやチェロなどストリングスを使ったクラシカルな優雅さと、優しいヴォーカルの歌声で
あふれるような情感をあくまでやわらかに聴かせてくれる。随所にモダンなアレンジも取込みつつ
10分前後の大曲も含めて、泣きの叙情を織り込みながらゆったりとしたドラマを構築する作風は、
15年以上のキャリアを誇るだけの安定感である。突出したところはないが、さすがの完成度だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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T 「Anti-Matter Poetry」
ドイツのプログレユニット、ティーの2010年作
SCYTHEのリーダーThomas Thielenによるソロユニットで、うっすらとしたシンセアレンジに
メロウなギターを乗せた、ポストプログレ的な薄暗さと浮遊感に包まれたサウンド。
ヴォーカルが入ると、わりとキャッチーなノリも前に出て来るが、モダンな感触の中にも
翳りを帯びた叙情を覗かせるという点では、スティーヴン・ウィルソンあたりにも通じる
繊細でアーティスティックなものを感じさせる。シンフォニックなメロディアス性を随所にちりばめながら、
10分前後の大曲をじっくりと構築してゆくセンスも素晴らしい。全体的に派手さはないものの
耳心地の良さでゆったりと味わえる、玄人好みのモダンプログレの好作品だ。
ドラマティック度・・8 モダンプログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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t 「psychoanorexia」
ドイツのプログレユニット、ティーの2013年作
SCYTHEのリーダーThomas Thielenによるソロユニットで、やわらかなシンセアレンジに
デイブ・ギルモアばりのメロウなギタートーン、マイルドなヴォーカルの歌声で聴かせる、
Noosoundあたりにも通じる繊細な叙情サウンド。20分前後の大曲3曲を中心に、
全体的にはゆったりとした耳心地であるが、ポストプログレ的なモダンな翳りを含ませながら、
ときにギターによるラウドな感触やエモーショナルロック風味も現れるなど、
意外とメリハリもある構成力が光っている。ラスト曲9分過ぎからのあふれ出る叙情は白眉。
メロウ度・・8 モダンプログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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Taliesyn「When silence will be unbearable」
ドイツのシンフォニックロックバンド、タリエシンの1996年作
ややハードめなギターと、ヘタウマな感じの女性ヴォーカルをメインに、
ロマンティックなハードシンフォニックをやっている。サウンド面に漂うB級っぽさは、
英国のLEGENDあたりを思わせる。一般的にはイモ臭いマイナーバンドという評価だろうが、
ドイツらしいメロディのクサさも含めて、自分はけっこう好きです。
ロマンティック度・・8 イモクサ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Tangeline Dream「Electronic Meditation」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの1st。1970作
2nd以降の幻想的なシンセサウンドとは異なり、本作はAmon Duulなどを思わせる
混沌としたジャーマンロック作品となっている。後にASH RA TEMPELを結成する
クラウス・シュルツェのドカドカとしたドラムの上に、即興ぎみのギターが鳴り響く。
フルートやオルガンの音もどこか怪しげで、得体の知れないアヴァンギャルドさには
無限の可能性を感じる。ジャーマンロック黎明期の火花のような作品だ。
シンセ度・・5 ロック度・・7 混沌度・・9 総合・・8
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TANGERINE DREAMAlpha Centauri
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの2nd。1971作
実験音楽的だったアヴァンギャルドな1stから、クラウス・シュルツらが脱退し、本作では宇宙をイメージした作風へと変わっている。
メロトロンに加えて、ヒュルヒュルとしたシンセ音でスペイシーな星々の様子を表現しようとする試みは
次作以降にくらべるとまだやぼったく、垢抜けないものだが幽玄な美を感じさせる内省的な響きはすでに存在している。
吹き鳴らされるフルートにパーカッションも加わってきて、完全なシンセミュージックへと移行する前のサウンドが聴ける。
ノイズまじりのシンセ音が時代的でやや古めかしいながらも、今後の方向性を決定づけることとなった黎明期のアルバムといえる。
シンセ度・・8 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8
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TANGERINE DREAMZeit
タンジェリン・ドリームの3rd。1972作
POPOL VUHのフローリアン・フリッケが参加していることでより幽玄な雰囲気となった初期の傑作。
LP当時は2枚組だった大作で、シンセの重ねによる表現力と音の強度がぐんと増して、聴き手を包み込むような重厚さがある。
暗く沈み込むような音ながら、宇宙空間に放り出されるような感覚で、怖いながらもじわじわと引き込まれる魅力がある。
シンセ度・・9 ロック度・・1 暗黒度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAM「atem」
タンジェリン・ドリームの4th。1973作
人間の内的宇宙をテーマにした今作は、前作での暗黒の世界からやや温かみのある美しいサウンドへと変化している。
シンセの重ねによるオーケストラルな効果とともに、原初的なパーカションのリズムとうっすらとしたコーラスが重なり
神秘的な音世界を描いてゆく。また、静謐感と盛り上がりという楽曲におけるメリハリもついてきて、
幽玄さを保ちながらも音楽としての聴きやすさも増してきた。完成度の点では次作と並ぶアルバムだろう。
シンセ度・・9 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAMphaedra
タンジェリン・ドリームの5th。1974作
3rdZeitの茫漠とした暗闇の世界が好きなのだが、最高作をひとつだけ挙げるとするなら、本作ということになるだろう。
ムーグシンセの導入により、表現的にもサウンドに奥行きが増し、リハーサルテープの編集で作られたという楽曲には
音楽としての起承転結の流れのようなものが感じられる。シーケンサー的なリズムを聴かせるシンセ音は
Klaus Schulzeにも近い質感で、それまでのイメージを音に投影するような作風から、
よりデジタリィなシンセサウンドへと変化が見られるが、それでいて奥深い幻想空間をちゃんと残しているのが素晴らしい。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAMrubycon
タンジェリン・ドリームの6th。1975作
前作で聴かせたムーグシンセの可能性をそのまま広げたサウンド。
初期の作品よりもより綺麗なシンセ音にこだわったような質感で、耳触りはよいが薄暗い幻想性は若干薄まった感がある。
悪くいうと、成功を治めた前作を踏襲した模倣的な作品とも言えるだろう。
この方向性としては今作でやりつくしたということだろうか、この後ライブ作を挟んで、バンドのサウンドはまた変化してゆくことになる。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAMricochet
タンジェリン・ドリームの7th。1975作
ギター、シンセ、ドラムという編成でのライブ録音を編集したアルバムで、スタジオ作に比べるといくぶんロック色が強い。
とはいえ、ライブ音源にさらに厚みが加えられたシンセ音にはスペイシーな幻想美があり、
このバンドならではの独自の浮遊感が味わえる。16分、21分という大曲2曲の構成であるが、
演奏の緊張感もあって飽きさせない。ダイナミックなサウンドという点ではお勧め出来る作品だ。
シンセ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAMStratosfear
タンジェリン・ドリームの8th。1976作
より明確なメロディで一般的には聴きやすく評価の高いアルバム。
シーケンサーのリズムに乗るはっきりとしたメロディフレーズが初期の彼らのサウンドを考えると分かり安すぎる気もするが、
これもバンドとして必然の変化だったのかもしれない。シンセとギターによる叙情美はずいぶん爽やかに聴こえる。
むしろメロトロンやフルートなどのしっとりとした味わいが心地よい作品だ。
メロトロン度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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TANGERINE DREAM「ENCORE」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームのライブ作。1977作
ジャケ通り、アメリカでのツアーの模様を収録したライブ作品で当時はLP2枚組みであったもの。
LPの片面を使った大曲4曲という構成で、複数のシーケンサーとシンセが絡み、
アルバム以上に生々しい空間構築で幽玄なサウンドを作り出している。
かつてのような暗さは控えめで、むしろメロディには分かりやすさが増している。
3曲目になるとテクノ的なリズムまで入ってきて、このピコピコ音はやや興ざめながら、
4曲目では逆に初期のような薄暗いスペイシーなシンセサウンドを聴かせてくれて満足。
なお、本作をもってシンセの片翼をになってきたPeter Baumannがソロ活動のため脱退する。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAMCyclone」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの9th。1978作
本作にはヴォーカル、ベース、フルート、シンセをこなすSteve Jollifeが参加し、
なんと歌が入った曲をやっている。ドラムも入っているのでサウンドはぐっとロック寄りになり、
いい意味で聴きやすくなった。シンセによる幻想性はが薄れたというわけではなく、
むしろシンフォニックロック的な味わい方ができるアルバムと言っていいかもしれない。
シーケンサーによるテクノ的なデジタル感覚と、フルートなどの生楽器の音色が
ミスマッチ気味に重なってくるのも面白い。個人的には歌も含めてとても楽しめるアルバムだ。
シンセ度・・8 ロック度・・7 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAMForce Majeure」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの10th。1979作
今作ではドラマーが正式に加わり、いよいよロックバンド的になってきている。
美しいピアノの響きにゆるやかなシンセ、そこにギターまで加わって、
耳触りのよいメロディアスなシンフォニックロックが広がってゆく。
シーケンサーによるリフレインはテクノポップ化への兆しを感じさせつつも
生のドラムの感触がデジタル色を緩和させているのが、微妙な均衡であろうか。
80年代へ向かう手前の、最後の幻想的なTD作品と言えるかもしれない。
シンセ度・・8 ロック度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAMTangram」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの11th。1980作
20分におよぶ大曲2曲という構成で、ドラムが入ってロック色が強かった前作に比べ
シンセオンリーによる、ぐっとアンビエントな作風になっている。デジタルなシンセのきらびやかな美しさと
繊細な叙情が混じり合った聴き心地は、同時代のKlaus Schulzeの世界観にも通じるが、
こちらの方がメロディの輪郭がはっきりとしていて、いうなればキャッチーなサウンドである。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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TANGERINE DREAMExit」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの12th。1981作
打ち込みによるリズムの上に、シーケンサー的なシンセをで聴かせる、テクノ色も漂うサウンド。
語りのような女性声を乗せた1曲めは、なかなか幻想的な雰囲気だが、
その後は比較的コンパクトな曲調で、プログレ耳にはやや物足りないが、
デジタルなビートポップ風味の曲もあったりと、一般的には重すぎずに鑑賞できる作品。
シンセ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・7 総合・・7.5
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TANGERINE DREAMWhite Eagle」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの13th。1982作
前作同様に、打ち込みのリズムの上にシーケンサー的なシンセを乗せた作風であるが
1曲めの20分の大曲の前半は、Klaus Schulzeを思わせるような、なかなか幻想的な作風。
その後はビートポップ的な曲調のコンパクトなサウンドが続き、やはり物足りなさは残る。
シンセ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・7 総合・・7.5
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TANGERINE DREAMLogos」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームのライブ作品。1982作
Part1、2に分かれたタイトル曲は、計45分の大曲で、幻想的なシンセが重なり鳴り響く。
ムーグシンセも含めて、前半はいくぶん70年代のアナログ風味も感じさせる雰囲気で、
それがデジタル機材と上手く融合された演奏が楽しめる。この路線で全編いって欲しかったが、
後半はやはり80年代的なモダンさが前にでていて、プログレとして聴くにはあまり面白くはない。
ただラストの小曲は、爽快感のあるプログレポップ/AOR的なキャッチーな聴き心地で、
初期のタンジェリンとは別物としてとらえれば、80年代のシンセミュージックとしてそれなりに楽しめる。
シンセ度・・9 ロック度・・6 幻想度・・7 総合・・7.5
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TANGERINE DREAMHyperborea」
ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの14th。1983作
東洋的なメロディを取り入れた楽曲は、これまでのタンジェリンにはなかった雰囲気で
軽やかに飛び跳ねるようなシンセの旋律がリフレインされ、トリップ感のあるサウンドを描いてゆく。
たとえば、MIKE OLDFIELDのように、大自然の情景を音で表現するというようなイメージで、
エレクトロなネイチャーサウンドというべき聴き心地である。
シンセ度・・9 ロック度・・6 幻想度・・6 総合・・7.5
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Tangerine Dream 「Great Wall of China」
ドイツのエレクトロ系ユニット、タンジェリン・ドリームの2000年作
1970年にデビュー、Klaus Schulzeと並ぶシンセサイザーミュージックの大御所である。
本作はタイトルのように万里の長城をテーマにしたドキュメンタリーのサウンドトラック作品。
エレピによる美しい旋律ををうっすらとしたシンセの重ねが包み込む、雄大なシンセミュージック。
かつての作品のようなスペイシーな幻想性はさほど感じられない、いかにもサントラらしい聴き心地であるが、
楽曲は4~7分前後と、わりとしっかりと長さがあって、全62分でエレクトロなシンセサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 シンセ度・・8 総合・・7.5
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Tangerine Dream 「Silver Siren Collection」
ドイツのエレクトロ系ユニット、タンジェリン・ドリームの2007年作
過去の音源をセルフカヴァーしたアルバムで、80~90年代の楽曲を中心にしたセレクトで、
透明感のあるデジタルなシンセの重ねと、シーケンサーによるリフレインによる、
新たなアレンジでモダンなシンセミュージックを聴かせる。打ち込みによるドラムも加わった
デジタルなビート感と、美しいシンセサウンドが融合した聴き心地で、現在形のTDらしさを表現している。
個人的にはやはり、70年代のリメイクアルバムなども聴いてみたい気がする。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 シンセ度・・8 総合・・7.5
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TAURUS「Illusions of a Night」
オランダのメロディアスプログレバンド、タウラスの1981作
軽めのリズムにメロディアスなギターフレーズとキャッチーなヴォーカルが乗るサウンドは
KAYAKなどと同様に難解なところのない、ポップなメロディックロックという感触でもある。
バックに鳴るうっすらとしたシンセも控えめで、いかにもオランダらしいソフトなサウンドだ。
鮮やかな蝶の化石のジャケも美しい。正規アルバムとしては本作「夜間飛行」が唯一の作品だが、
未発集「Works 1976-1981」の出来もいい。メロディアス系愛好者ならオススメできるバンドです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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TAURUS「WORKS 1976-1981」
オランダのプログレバンド、タウラスの未発曲集。「夜明けの歌」
唯一の正規アルバムである1981年の「夜間飛行」はキャッチーなやわらかさが光る好作であったが、
未発のマテリアルをまとめた本作は、メロディアスな魅力の点ではむしろ上回っている。
美しいシンセにメロウなギターが重なり、優しげなヴォーカルの歌声で聴かせる、
とても耳触りのよいシンフォニックロックサウンドが楽しめる。メロディアスでも決して重たくならない
軽快な感触はオランダのバンドならではのセンスだろう。8分、9分という大曲もあり、聴き応えがある好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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THIRTEEN 「A Shot in the Dark」
オランダのプログレユニット、サーティーンの2014年作
ODYSSICEのシンセ奏者と女性Voを中心にしたユニットで、美しいシンセアレンジに適度にハードエッジなギター、
そして伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、いくぶんゴシック風味もあるハードシンフォニック。
アンドレイ嬢の歌声は、しっとりとしたバラード曲ではやわらかに優しく、魅力的に楽曲を彩っている。
泣きの叙情メロとハードロック的なリフをこなす、ギターのセンスもなかなかのもの。
女性声のハードシンフォという点で、Kingfisher Skyあたりが好きな方にも楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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TNNE 「The Clock That Went Backwards」
ルクセンブルクのシンフォニックロック、TNNEの2014年作
美しいシンセアレンジにメロウなギター、そして爽やかな味わいのヴォーカルとともに聴かせる、
GENESISルーツのシンフォニックロック。キャッチーなメロディアス性はIT BITESやBig Big Trainにも通じるか。
地味なジャケに反して、内容は爽快にしてメロディアス。アレンジのセンスやヴォーカルの確かな力量に
ハケットばりの叙情ギターも含めて辺境性はほとんど感じさせない、とても高品質なサウンドである。
雰囲気としてはむしろ最近の英国のネオプログレ系に近いかと思う。これは掘り出し物的な好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・8 総合・・8
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Ton Scherpenzeel 「The Lion's Dream」
KAYAKのシンセ奏者、トン・スケルペンツェルのソロ。2013年作
中世音楽のテイストをシンフォニックに味付けしたというサウンドで、
男女ヴォーカルのやわらかな歌声に、チェンバロの音色、フルート、ホイッスルなどが重なり
メディーヴァルな世界を優雅に描いてゆく。ストリングスの入ったクラシカルな美しさと
素朴な味わいが同居した聴き心地に、随所にKAYAKを思わせるキャッチーな感触もある。
2~3分前後の小曲主体ながら、繊細な美意識に包まれた楽曲の流れが心地よく、
作品を幻想的に彩っている。SILHOUETTEやFLAIRCKのメンバーなどがゲスト参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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TRACE
オランダのプログレバンド、トレースの1st。1974年作
EKSEPTIONで活躍したリック・ヴァン・ダー・リンデン率いるクラシカル・キーボードロックバンド。
これでもかとばかりにクラシカルに弾き鳴らされるオルガンにメロトロンがかぶさり、
素朴でありつつもコテコテという、聴いていて思わずにやにやしてしまうサウンド。
オランダのバンドらしいメロディへのこだわりと、良い意味での分かりやすい大衆感覚があり、
ELPのストイックさに比べて肩肘張らすに楽しめます。ドイツのTRIUMVIRATと並ぶ鍵盤プログレの代表。
2nd「鳥人王国」も素晴らしい傑作ですが、まずは熱きクラシカルロックの本作から。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 キーボー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TRACE「BIRDS」
リック・ヴァン・ダー・リンデン率いる、トレースの2nd。1975年作
モロにクラシック的な1stの路線から、バンドとしてのアンサンブルが強化され、
より躍動感に満ちた鍵盤プログレが楽しめる傑作。バッハのカヴァーで始まりつつ
楽曲はよりスタイリッシュになり、EKSEPTION時代を含めてより熟成されている。
鳴り響くオルガン、クラシカルなチェンバロ、ときにジャズタッチのピアノまで、
リック・ヴァン・ダー・リンデンの怒濤の鍵盤さばきがたっぷり楽しめます。
そして22分におよぶ組曲はまさに圧巻。バンドは続く「ホワイト・レディース」を最後に解散。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TRACE 「White Ladies」
リック・ヴァン・ダー・リンデン率いる、トレースの3rd。1976年作
一般的には前作「鳥人王国」の方が有名だが、バンドのラスト作である本作はトータルなコンセプト作としての
完成度では決してひけをとらない。2~3分の小曲を連ねた作風は、1st、2nd以上にキャッチーな聴き心地であるが、
オルガンに重なる典雅なチェンバロの音色など、クラシカルな鍵盤の旋律はじつに優雅で美しい。
随所に女性ヴォーカルやオーケストラなども入ってきて、作品としてのメリハリある構成も見事だ。
濃密なクラシカルロックであった1stに比べると、本作はたとえばEnidなどにも通じる優美な傑作に仕上がっている。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5
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TRAUMHAUS 「Die andere seite」
ドイツのプログレバンド、トラウムハウスの2008年作
メロトロンやムーグを含んだいかにもプログレらしいシンセワークと、
メロウなギターにドイツ語によるヴォーカルで聴かせるシンフォニックロック。
ギターには適度にハードに感触もあり、変拍子を含んだテクニカルなリズムも含めて、
いくぶんProgMetal的な雰囲気もありつつ、10分を超える楽曲を構築してゆく。
知的なモダンさを感じさせるメロトロン入りハードシンフォニック・プログレの好作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・7.5
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TRAUMHAUS 「Das Geheimnix」
ドイツのプログレバンド、トラウムハウスの2013年作
メロトロンを含んだうっすらとしたシンセアレンジに、適度なハードさをともなったギターで、
ヨーロピアンな湿り気ある叙情を感じさせるシンフォニックロック。ドイツ語によるマイルドなヴォーカルや
随所にメロウなギターのフレーズもよい感じで、モダンな薄暗系プログレの香りをまぶしつつ
繊細さとハードさのバランスで、27分の大曲をゆるゆかに構築してゆくセンスはなかなか見事だ。
印象的なメロディがもう少しあれば凄い傑作を作りそう。Riversideなど薄暗系ハードプログレが好きな方もチェック!
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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TRILOGY 「Here It Is」
ドイツのプログレバンド、トリロジーの1979年作
オルガンを含むツインシンセ編成で、やわらかな叙情を聴かせるシンフォニックロック。
オールインストであるが、Triumviratからの流れを引き継ぐような優雅なメロディと展開美で、
とても耳心地がよい軽やかなサウンドだ。メンバーにはギター奏者もいるのだが、
あくまで主旋律を奏でるのはシンセがメイン。9分、12分という大曲を構築するセンスもあり、
70年代ドイツのキーボードプログレの隠れた傑作といってもよい出来だろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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TRION「TORTOISE」
オランダのシンフォニックロック、トリオンの2003年作
FLAMBOROUGH HEADのKey、G、 ODYSSICEのDrを中心にしたバンドで、
このロジャーディーンもどきのジャケからして、色使いといい、70年代風の雰囲気がプンプン。
サウンドは、バンド名通り(笑)、メロトロン使いまくり、ギター泣きまくりの王道シンフォプログレです。
全編がインストのゆったりメロディアス系なので、スリリングな緊迫感はないものの、
上記FHのクオリティをご存じの方なら安心して手を出せるだろう。プログレ愛に溢れた力作。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 スリリング度・・7 総合・・8
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Trion「Pilgrim」
オランダのシンフォニックロックユニット、トリオンの2nd。2007作
FLAMBOROUGH HEADのKeyを中心とした3人編成のスタイルで、
前作もレトロな質感のサウンドだったが、今作ものっけからメロトロンが鳴り響く
ゆったりとしてメロウなシンフォニックロックをやってくれている。
たおやかなピアノやハモンドの音色などに、メロディアスなギターも重なって
じつに耳心地のよい繊細なインスト作品に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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TRION 「Funfair Fantasy」
オランダのシンフォニックロック、トリオンの2013年作
古き良き感触のシンフォニックロックとして過去2作もかなりの出来であったが、
6年ぶりとなる本作も、オルガンやムーグが鳴り響き、メロウなギターフレーズを、
うっすらとメロトロンが包み込む、じつに叙情的なサウンドを聴かせてくれる。
インストながらも、輪郭のあるメロディアスと、流れのある展開美で飽きさせない。
メロトロン好きはもちろん、すべてのシンフォリスナーにオススメの逸品です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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TRITONUS「Tritonus/Between The Universes」
ドイツのプログレバンド、トライトナスの1st、2ndカップリング。1975/1976年作
ドイツのELPなどとも言われたバンドであるが、こちらはもっとスペイシーな感じのシンフォニックロックで
ムーグやオルガンを鳴り響かせながら、キャッチーなヴォーカルで聴かせるサウンド。
1stはややドタバタとしたクラシカルプログレで悪くないが、2ndになるとややソフトな感じになり
10分前後の大曲も、テクニカルな緊張感よりは、ゆったりとした叙情的な作風である。
TRIUMVIRATなどに比べると、スタイリッシュな構築センスの点ではやや聴き劣りするが、
70年代ドイツのマイナーシーンおいては、クオリティの高い部類であったと思われる。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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TRIUMVIRAT「MEDITERRANEAN TALES」
ドイツのELPと呼ばれた、トリアンビィラートの1st。1972作
クラシカルなキーボードを中心とした、キーボードプログレで、
この1stでは、まだクラシカルな部分と、楽曲の展開がやや強引で、
2nd以降の絶妙のポップセンスと流麗なアレンジがさほど感じられない。
Voには荒々しい部分もあり、バンドしてまだ未完成であるものの
アグレッシブなキーボードサウンドはELPあたりの影響が強い。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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TRIUMVIRAT「ILLUSION ON A DOUBLE DIMPLE 」
ドイツのキーボードプログレバンド、トリアンヴィラートの2nd。1973年作
ELP的を思わせるキーボード弾きまくりのなかにも、独特のポップ感があり聴き疲れしないのが特徴。
この2ndアルバムは23分と21分の大曲2曲という構成で、歌メロはたまに顔を出すがほぼインストメイン。
たたみかけるキーボードパートとクラシカルで典雅な部分のバランスが見事で、
キーボードロック好きには必聴のバンドのひとつ。代表作としてはこの2nd~4thまで。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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TRIUMVIRAT「SPARTACUS」
ドイツのELPといわれたトリアンヴィラートの3rd。1975作
「スパルタカス」をテーマにした作品で、美しいキーボード、ピアノたっぷりのアルバム。
ELPと比較される彼らだが、もっとずっとやわらかくポップ寄りのサウンドだと思う。
軽やかに疾走する中に、アメリカンプログレハードにも通じる陽性の歌メロなど、
ELPよりもぐっと大衆向け。明るめのキーボードプログレが聴きたい人にはうってつけの作品だ。
あるいはのちのRUMBLIN ORCHESTRAの原点はこのバンドだったのでは、とも思う。
メロディアス度・・8 キーボー度・・9 明るめ度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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TRIUMVIRAT「OLD LOVES DIE HARD」
ドイツのELPといわれたトリアンヴィラートの4th。1976作
代表作とされる3rd「SPARTACUS」に続く本作では、もうELP的な雰囲気はほとんどなくなり、
シンセの弾きまくりを抑えめの、じつに美しくメロディアスなシンフォニック作品になっている。
個人的にはむしろこちらのほうがこのバンドにとっては自然な感じでよろしいのではとも思う。
ギターがないのに音の薄さを感じさせないのは、キーボードの重ね方のセンス、無駄のない楽曲によるものだろう。
キャッチーな曲、繊細なピアノ曲、壮大なシンフォニック曲とそれぞれに焦点が絞り込めている。
繊細でポップ、しかもシンフォニックという点では、もしかして当時のドイツでは
ANYONE'S DAUGHTERと並び立つクオリティであったかもしれない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 繊細かつキャッチー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TRIUMVIRAT「POMPEII」
ドイツのキーボードプログレバンド、トリアンヴィラートの5th。1977作
火山で滅んだ伝説の都市ポンペイをテーマにした作品。プログレバンドとしての全盛期はやや過ぎた時期のアルバムで、
たたみかけるような演奏よりは、メロディアスさとキャッチーなポップさが前に出ている印象。
美しいピアノをバックにした歌もの曲や、女性Voが加わった曲など、どれもとても聴きやすく、
それでいて、ときおり垣間見せるきらびやかなキーボードワークはさすが。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・7 総合・・7.5
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Twenty Sixty Six and Then「Reflections!」
ドイツのプログレバンド、2066・アンド・ゼンの1972作
ハモンドが鳴り響く、やや古めかしいハードプログレサウンド。たたみかけるような曲調に、
ハードロック風のややダーティなヴォーカル、鳴り響くフルートも叙情というよりもアグレッシブな質感で聴かせる。
10分以上の曲も多く、大作志向のスケールを感じさせる点ではGrobschnittなどにも通じるものがあるが、
押すだけではなくアコースティックなパートもあり、構成力の点でもあなどれない。
全体的にはやはりハードロックの人たちがプログレ風味のアルバムを作ってみましたという感じで
むしろ70'sブリティッシュロックのリスナーに受けそうな音である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・7.5
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UlyssesThe Gift of Tears」
オランダのハードシンフォニックロック、ユリシーズの2008年作
シンセを含む5人組みで、なかなかドラマティックな正統派のシンフォニックロックをやっている。
ヴォーカルの歌声は好みを分けるが、ムーグの音色などを使ったキーボードは、
いかにもプログレリスナー受けするサウンドだ。ドラムはツーバスがドコドコしていて、
ギターの奏法もときおりメタリックになので、ProgMetal一歩手前という雰囲気もある。
12分、14分という大曲を含む力作であるが、アレンジ面でのつたなさがやや惜しいか。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ProgMetal度・・8 総合・・7.5
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UNIVERS ZERO
ベルギーのチェンバー・プログレ、ユニヴェル・ゼロの1st。1977年作
ヴァイオリン、オーボエ、バスーンといったの室内楽的でクラシカルな音色を、
暗黒性を漂わせる不穏なサウンドに仕立て上げるこのバンドの特徴というのは、
すでにこの1作目にして完成されている。タテノリのドラムによる硬質感あるリズムに、
ヴァイオリンが鳴り響き、優雅であるが緊張感に包まれた聴き心地というのは、ちょっと真似ができない。
アンサンブル志向が強まる3作目以降に比べ、雰囲気ものとしてのおどろおどろしさが感じられる傑作だ。
この暗黒路線は、次作「Heresie」で頂点を迎えるが、歴史的なバンドの原点という意味では本作の意義は深い。
リマスター盤のボーナスにはその2ndからの大曲のライブ音源を収録。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・7 ダークな緊張感・・9 総合・・8
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Univers Zero「Heresie」
ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴェル・ゼロの2nd。1979年作
本作はかつての2ndアルバムをリミックス、リマスターし、ジャケも新しくなった2010年新装盤。「異端」というタイトルや、
以前のジャケも含めて3rd以降のテクニカルなアプローチとは一線を画した、おどろおどろしさを押し出した作風で、
かつて聴いたときにはとても怖かった印象がある。呪術的なヴォイスや、緊張感を漂わせた不穏な空気は、
むしろイタリアのJACULAなどを思わせるもので、室内楽の管弦楽器をここまでダークに鳴らすバンドはいない。
新たなリミックス効果か、アンサンブルにおける各楽器の輪郭がはっきりして、より緊張感あふれる音になっている。
25分、13分、12分という大曲構成も含めて、バンドの実験色がもっとも色濃く出ている作品とも言えるだろう。
クラシカル度・・8 ロック度・・6 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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UNIVERS ZERO「Ceux du Dehors」
ベルギーのチェンバー・プログレ、ユニヴェル・ゼロの3rd。1981年作
ジャズロック的でもあるテクニカルなリズムの上を、ピアノやシンセ、ヴァイオリン、オーボエなどが鳴り響く、
室内楽的な優雅さとともに、不穏な緊張感に包まれたサウンド。ストリングスが鳴り響くクラシカルな美しさと
スリリングなアンサンブルの絶妙な融合が、メリハリのあるインストパートを描き出す。一方では前作で見せた
おどろおどろしげな暗黒性も垣間見せる、適度にアヴァンギャルドな空気感も含めて、バンドの本領がよく発揮されている。
ミステリアスなダークさを残しながらも、次作「UZED」へと至るアンサンブル志向が巧みに融合された傑作だ。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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UNIVERS ZERO「UZED」
ベルギーのチェンバー・プログレバンド、ユニヴェル・ゼロの4th。1984年作
初期の頃の暗黒性はやや薄まり、純粋に演奏で聴かせられるテクニカルな側面を押し出したことで、
構築性という点ではバンドの最高作ともいうべき内容になっている。
冷やかなシンセに絡むピアノ、サックス、オーボエなどの室内楽的なアンサンブルと、
ほのかな暗がりを感じさせる静謐感、そして張りつめた緊張感を漂わせて、
アカデミックでありながらもロックとしてのダイナミズムも持ち合わせたサウンドだ。
あるいは暗めのジャズロックとしても鑑賞可能で、これまでコアなリスナー向きだったものを
もう少し間口を広げたことで、バンドの評価を高めた一作とも言えるだろう。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8
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UNIVERS ZERO「THE HARD QUEST」
ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴェル・ゼロの1999作
初期の暗黒性はやや薄れ、ある意味聴きやすい作品となっている。
クラリネットにオーボエ、ホーンなどによる室内楽的なサウンドは、
ほのかな薄暗さと硬質感をともないながら、クラシカルに構築されてゆく。
テクニカルな要素よりも、うっすらとしたシンセワークとともに、
雰囲気で世界観を聴かせるアルバムといってよいだろう。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・7 暗黒度・・7 総合・・8
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UNIVERS ZERO 「Crawling Wind」
ベルギーのチェンバーロック、ユニヴェル・ゼロの2001年作
1983年に発売されたミニアルバムに未発音源、ライブ音源を加えたアルバム。
3rd「Ceux du Dehors」と4th「UZED」の間くらいの録音なので、1曲目はダークさよりもわりとスタイリッシュな作風へと
変化している時期だからか、ヴァイオリンとピアノによるクラシカルな優雅さと、リズムアンサンブルとの優雅なバランス感覚で、
チェンバーロックとしてのスリリングな空間性を生み出している。2曲目は2ndの頃のダークで不穏な空気を描くナンバー。
4曲目のやわらかなクラリネットの響きにヴァイオリン、ギターが重なる優雅な緊張感は、このバンドの本質を示した1曲。
ライブ音源は、1982年ベルギー、1984年ドイツ、1979年ベルギーでの音源を収録。当時の貴重なライブ音源が楽しめます。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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UNIVERS ZERO「rhythmix」
ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴェル・ゼロの2002作
1999年の「THE HARD QUEST」に続く、新生UNIVERS ZEROの2作目。
やや聴きやすいアルバムだった前作の流れを引き継ぎつつも、よりディープでクラシカルになり、
オーボエ、ホーン、マリンバ、チェロ、フルートなどを室内楽的に使用しながら、
変拍子リズムを叩き出すドラムとともに、持ち味であるダークな緊張感を漂わせている。
アコーディオンやフルートの音色でここまで張りつめた空気を作れるというのは、
クラシックでいうとバルトーク的な方法論とも言えるだろうか。前作以上の傑作だ。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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Univers Zero「Implosion」
ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロの2004年作
前作「rhythmix」が素晴らしい傑作であったので期待していたが、今作もダークな空間美に
クラシカルな優雅さを封入した独自の暗黒チェンバーサウンドを聴かせてくれる。
有機的に叩かれるドラムと存在感のあるベースのヘヴィさに、ヴァイオリンが絡み、
チェロやサックス、オーボエなどとともに、室内楽的アンサンブルを構築、
スケールの大きな浮遊感と、アヴァンギャルドな不可思議さを濃密に作り上げている。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8
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Univers Zero「LIVE」
ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロのライブアルバム。2006作
ダークでクラシカルなチェンバーロックとして、強固な世界観が魅力の彼らだが、
このライブ作でも、同様にダークかつ緊張感漂う演奏を繰り広げている。
ときに激しく叩かれるドラムと重々しいベースの上に、オーボエやクラリネット、
ヴァイオリンが重なり、軽やかな重厚さともいうべきサウンドを描き出す。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・8 総合・・8
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Univers Zero「Clivages」
ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロの2010年作
1987年の5作目を最後に沈黙していたバンドが、1999年に復活、以後再び作品を生み出し続ける。
シンセとクラリネット、ヴァイオリンが絡み流麗に始まる本作は、一聴して従来のダークさは控えめに思えるが、
むしろ3作目あたりの作風をソリッドに仕立て上げたという感触で、スリリングなアンサンブルが際立っている。
クラシカルな美しさが前に出ているものの、本質的なダークな世界観は変わらず。音数を絞ってきたことで
静けさの中での張りつめた緊張感はむしろむしろ高まっている。2002年作「rhythmix」以来の大傑作である。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・7 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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Unwritten Pages「Noah」
オランダのシンフォニックロックバンド、アンリトゥン・ページスの2010年作
男女Voを含む6人組で、本作は2枚組のコンセプト作。なかなかハードエッジのギターに
美麗なシンセを加えた正統派のシンフォニックロックスタイルで、ほのかに薄暗い叙情性と
男女ヴォーカルの歌を乗せた雰囲気には、ときにゴシックメタル風味の世界観も感じられる。
ジャケなどを含めたSF的な物語性などはAYREON的でもあり、曲自体のインパクトはあまりないが、
ドラマティックな構築性で重厚に聴かせるハードシンフォニックの力作。マイスペはこちら
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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UNWRITTEN PAGES 「Fringe Kitchen」
オランダのハードプログレ、アンリトゥン・ベージズの2012年作
前作は男女Voを擁したハードシンフォの力作であったが、本作ではヴォーカルは男性のみになり、
よりハードで重厚な作風へとシフトしている。ヘヴィでメタリックなギターと浮遊感のあるヴォーカル、
うっすらとしたシンセに包まれたモダンな感触とともに、ぐっとProgMetal的な構築力を強めたサウンドだ。
シンフォニックな要素やメロディックな愛想は薄いので、とっつきはあまりよくないかもしれないが、
ハードなモダンプログレとして、より若者受けしそうな作風ではある。もう少しキャッチーな叙情が加われば。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 モダン度・・8 総合・・7
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US「THE YOUNG AND RESTLESS」
オランダのシンフォニックロックバンド、USの2006年作
70年代に活動したSAGA(オランダ)のメンバーが結成したバンドで、本作はすでに4作目らしい。
サウンドは、GENESIS系といってよいレトロな質感のあるシンフォニックロックで、
昨今のバンドのようなスタイリッシュなきらびやかさはまったくない。
やややぼったいリズムや、アマチュア臭さの残る曲アレンジなどには不満もあるが
やわらかみのあるメロディや70年代風の素朴な感触には、どかこなつかしい温かみがある。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・8 楽曲・・7 総合・・7

US「Climbing Mount Improbable」
オランダのシンフォニックロックバンド、USの2008年作
時代に流されない牧歌的なシンフォニックロックを作り続けるこのバンド。
今作もテクニックという言葉とは無縁の、ゆったりとしたおおらかなサウンドで、もったりのんびりと聴かせてくれる。
ややヨレ気味の泣きのギターや素人臭いヴォーカルが気になるような方にはまったく向かないだろう。
つたないながらもシンフォニックロックへの暖かな愛に満ちたサウンドです。
メロディアス度・・8 ゆったり度・・8 もったり度・・8 総合・・7

US 「Everything Changes」
オランダのシンフォニックロック、USの2009年作
2002年の1作目から、変わらず古き良き王道のシンフォニックロックを描き続けるこのバンド、7作目となる本作も
メロウなギターと美しいシンセに、マイルドなヴォーカルとともにいかにも初期Genesisから受け継がれた
やわらかな叙情性のサウンドを聴かせてくれる。テクニックやスタイリッシュとは無縁の方向性は微笑ましくもあり、
16分を超える大曲を1曲目とラストに持ってくるところなども、なかなか今作は気合が入っている。
突き抜けきらない煮え切らさも、ゆったりとした味わいに感じられ、優美なB級シンフォが好きならけっこう楽しめる好作かと思う。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・8 総合・・7.5


VW

The Vow 「Another World」
ドイツのシンフォニックロック、ボウの2000年作
Vo&Key、G&Bの2人組ユニットで、美しいシンセワークとメロディックなギターで聴かせる、
ゆったりとした正統派のシンフォニックロックサウンド。ヴォーカルの歌声も含めて、
どことなく英国のバンドのような雰囲気で、オルガンやムーグなどのシンセもコテコテながら、
古き良きプログレの感触を残していて、メロディックなフックは初期ARENAあたりにも通じる聴き心地。
全体的に突出したインパクトというのはないのだが、どこを切ってもメロディックな感触で楽しめる。
12分の大曲で幕を開け、ラストは17分の大曲という構成力もなかなかのものですな。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・7.5
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Walpurgis 「Queen Of Saba」
ドイツのプログレ・フォークロック、ワルプルギスの1972年作
美しいジャケが印象的な作品だが、サウンドの方はオルガンやピアノによるアレンジと
メロウなギターワーク、渋みのあるヴォーカルで聴かせる、シンフォニックなフォークロック。
ポーランド系ギタリストの奏でるセンスあるメロディは、どことなくFOCUSを思わせたり、
クラシカルなピアノを含めた、Procol Harumのような素朴な味わいもいい感じだ。
一方では、ブルースルーツのアダルトなロック感触や、フルートが加わったフォーキーな感触も楽しい。
派手な展開はないものの、やはり泣きのギターフレーズによる哀愁の叙情が、サウンドの魅力を高めていて、
ラストの11分の大曲では、サイケロック風味も垣間見せるなど、方向性は煮え切らないが、わりと楽しめます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 哀愁度・・8 総合・・7.5
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WANIYETULA「A DREAM WITHIN A DREAM」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ヴァニエチュラの1983年作
80年代に唯一のアルバムを残したこのバンド、かつて「ヨーロピアンロック集成」で
ANYONE'S DAUGHTERに匹敵する出来」と書かれていたので、ずっと気になっていたのだが、ついにCD化された。
いざ聴いてみると、この時期のドイツにしてはメロディアスな、いわゆるGENESIS系サウンドでなかなか聴きやすい。
テクニック的にも安定していて、ときにメロウにときにジャジーなギターのセンスも良い。
ANYONE'S DAUGHTERほどのメロディの魅力はないが、雰囲気的には接近している部分もあり、
80年代ドイツのメロディック・ポンプ系としては出来のよい方だと思う。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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WELCOME
スイスのプログレバンドウェルカムの1976作
G&B、Key、Drという変則のトリオ編成で、音的にはELPに近いものがある。
Voは三人全員がとり、ギターは曲によってベースに持ち替えたりしている。
切れの良い演奏とメロディはこの時期のプログレとしてはかなりの高水準。
クラシカルなKeyメロはオランダのTRACEを思わせ、キャッチーなヴォーカルハーモニーは
Yes
などをも想起させる。キーボードメインのプログレとして持っていて損のない作品だ。
メロディアス度・・8 キーボー度・・8 演奏・・8 総合・・7.5
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WIND「Morning」
ドイツのシンフォニックロックバンド、モーニングの1972年作
元はポップロックであったバンドらしく、プログレというよりはオルガンやメロトロン入りの素朴な作風。
全体的にもゆったりとした雰囲気で、ジャケのような中世風味や童話的な世界観も感じさせる。
ときに語りもまじえた素朴なヴォーカルの歌声に、アコースティックギター、メロトロンが合わさり、
じつに耳に優しい繊細なサウンドが味わえる。英国のKestrelあたりが好きな方なら、とても楽しめるだろう好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 素朴度・・9 総合・・7.5
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XYZ

YWIS「LEONARDO'S DREAM」
オランダのメロディック・シンフォニックロックバンド、イウィスの2nd。1995作
以前1stがZEROコーポレーションから出ていたが、これは久しぶりの2nd、
結成は1982年ということらしいので、相当の寡作バンドということになる。
清涼なキーボードをバックにしたキャッチーでプログレハード的な曲は悪くない。
オランダというと大御所KAYAKあたりが復活して頑張っているが、
このバンドももう一皮剥ければ良いものを作りそうな気配がある。
メロディセンスはあるものの、曲がやや一本調子で新鮮味と迫力に欠ける。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7


ZENGA
オランダのトラッドロック、ゼンガの1996年作
FLAIRCKのフルート奏者、PETER WEEKERSらが中心となって結成されたバンドで、
やわらかなフルートにアコーディオンの音色、うっすらとしたシンセと女性声を乗せたしっとりとした聴き心地で、
アコースティック主体のフレアークに比べると、こちらはややモダンなニューエイジ風のアプローチ。
ドラムも入った適度なロック色もありつつ、優美なフルートの表現力はさすがに素晴らしく、
トラッド的な素朴さと躍動感のあるアンサンブルが同居した説得力のある演奏で優雅なサウンドを描いてゆく。
10分を超える組曲形式のナンバーなど、シンフォニックで幻想的な味わいはフレアークにはなかったものだろう。
ドラマティック度・・8 アコースティック度・・7 優雅度・・9 総合・・8

ZENGA「De Sfinx」
ゼンガの2000年作
2作目となる本作は、のっけからモダンなビート感に乗せたポップな味わいで始まり、
美しいシンセアレンジに女性ヴォーカルを乗せ、オリエンタルな空気感に包まれたサウンドを聴かせる。
もちろん、フレアークをルーツにしたサーカス的な雰囲気とともに鳴り響くフルートは健在だ。
全体的には、ゆったりとした曲が多いのでアンサンブル的な物足りなさもあるが、スフィンクスというコンセプトなのだろう。
ゆったりとしたアラビックな世界観のなかで、ダンサーが妖しく踊る姿が目に浮かぶようだ。
ドラマティック度・・7 アコースティック度・・7 優雅度・・8 総合・・8

ZENGA「DE ERVARING」
ゼンガの2001年作
シーケンサーによるシンセを含むエレクトロなビートにパーカッションが鳴り響き、優雅なハープの音色に
女性スキャットを乗せ、とぼけた味わいの優雅さと、哀愁を含んだジャンル分け不能のサウンドは健在。
FLAIRCKでは、アコースティック楽器による超絶技巧を聴かせていたが、こちらのバンドはもっとモダンでコンセプチュアル、
そしてアーティスティックな空気感を漂わせる。舞台上ではダンサーも含めて視覚的にも楽しませるパフォーマンスもやっているのだろう。
どこか演劇的な味わいも感じさせながら、フレアーク時代のような高度なフルート演奏も随所に聴かせてくれる。
ドラマティック度・・7 アコースティック度・・8 優雅度・・8 総合・・8


ZENIT
「The Chandrasekhar Limit」
オランダのシンフォニックロック、ゼニトの2012年作
元CLEPSYDRA、SHAKARYなどのメンバーを中心にしたバンドで、
メロウなギターと美しいシンセアレンジで聴かせる、わりと正統派のシンフォニックロック。
いくぶん弱めのヴォーカルの歌声に、初期MARILLIONにも通じるやわらかな叙情美と
もったりとした単長さも含んだ楽曲は、かつてのポンプロックを思わせる優雅な耳心地だ。
12分、17分という長曲に、ラストは24分の大曲と、気の短い方には向かない力作である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 もったり度・・8 総合・・7




ZOUNDWORKS 「2014」
オランダのシンフォニックロック、ザウンドワークスの2014年作
LIFE LINE PROJECTのErik de Beerによるバンドの初期マテリアル集で、全パートを自身の手で再レコーディング。
のっけからムーグシンセが鳴り響き、メロディックなギターとともにCAMELやKAYAKなどを思わせる軽快なサウンドが広がってゆく。
音質はいかにも自主制作らしくチープなのだが、どこを切っても爽快なメロディアス性とやわらかな叙情美に包まれていて
シンフォ系プログレが好きな方ならにんまりすること請け合い。インストが中心であるが、一部女性ヴォーカル入りの曲もあり。
それにしても、ギター、ベース、ドラム、シンセをすべて一人でこなすマルチミュージシャンぶりは凄いですな。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・7.5
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