プログレ/フランス・スペイン・ポルトガル
PROGRESSIVE ROCK/FRANCE,SPAIN,PORTOGAL
              by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

B
M TU XYZ

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

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AKELARRE「1972 - 2005 Zuzenean」
スペインのロックバンド、アケラレのライブ作品。2009年作
ERROBIやENBORのメンバーも在籍するバスク地方のベテランバンドの結成25周年記念のライブ作。
ハードロック的なギターとプログレ的なシンセに、スペイン語のヴォーカルで聴かせる
と゜っちかという陽気なスパニッシュロックというサウンド。ドラムはツーバスなのでハードロック色が強いが、
「ホテル・カリフォルニア」のスペイン語カヴァーや、随所にスパニッシュな叙情も含んだ素朴さもあって、
英語圏のバンドとは異なるバスク雰囲気のロックが楽しめる。同ライブDVDも付属した2枚組仕様もあり。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・5 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5




ALAMEDA「Misterioso Manantial」
スペインのプログレ・ポップバンド、アラメダの2nd。1980作
いかにもスパニッシュなギターに、哀愁漂うスペイン語の歌声、たおやかなピアノや、プログレ的なシンセが絡むサウンドは、
TREANAにも通じる雰囲気だが、それよりも軽やかで淡いイメージ。ジャズやフュージョンタッチの質感に、
ボサノバのようなパーカッション、フランメンコロックというよりは、もっとポップな大衆感覚がある。
プログレとして聴くには軽いのだが、スパニッシュポップとして気軽に楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・9 総合・・7.5

ALAMEDA「AIRE CALIDO/NOCHE ANDALUZA」
スペインのプログレバンド、アラメダの3rd+4th。1981/1982作
フュージョンタッチだった2ndに比べ、3rdでは哀愁度が増しており、美しいピアノにストリングスをバックに
叙情的な歌声が響きわたる。前作よりもギターの比重も増え、シンフォニックロックとしても充分楽しめる。
4thはさらにシンフォ度が上がり、ピアノとストリングスの絡みとメリハリのついた楽曲で、
哀愁に満ちたスパニッシュの空気をドラマティックに聴かせてくれる。
また、フラメンコロック的な熱情も感じられ、濃密な叙情の点では本作が一番か。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・9 総合・・8

Alan Simon 「Excalibur II:The Celtic Ring」
フランスのアーティスト、アラン・サイモンのケルティックロック・プロジェクトの第2弾。2007年作
アーサー王伝説をテーマに、アラン・パーソンズ、ジョン・ウェットン、ジョン・アンダーソン、カラン・ケイシー、FAIRPORT CONVENTION、
マディ・プライア、ジャッキー・マクシー(PENTANGLE)、ジャスティン・ヘイワード(The Moody Blues)、BARCLAY JAMES HARVEST、
カルロス・ヌヌス、といった、名だたるアーティストが参加、バウロンのリズムにアコースティックギター、ホイッスルが鳴り響き
トラディショナルなケルトサウンドから、モダンなバンドサウンドを融合させたナンバーまで、なかなか色彩豊かな聴き心地。
アコースティカルな牧歌性に包まれたサウンドを描いてゆく。マディ・プライアの歌を乗せたしっとりとしたナンバーや、
フェアポート・コンヴェンションが参加した本格派のナンバー、ジャッキー・マクシーの歌うフォークロックナンバーなども素敵です。
BJH参加のナンバーは繊細なシンフォニックロックとしても楽しめますね。豪華ゲスト参加の、ケルトロックがたっぷり詰まった力作。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・8
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Anne de Bretagne:Le Rock Opera D'Alan Simon
フランス人ミュージシャン、アラン・サイモンによるケルティック・ロックオペラ。2009年作
タイトル通り、フランス王妃、アン・ド・ブルターニュをテーマにしたCD2枚組作品。
クリスチャン・デカン(ANGE)をはじめ、トリ・ヤン、フェアポート・コンヴェンション、レス・ホルロイド(Barclay James Harvest)、
セシル・コルベル他、多数のゲストが参加、優雅なオーケストレーションと、叙情的なギターとシンセによるシンフォニックロック的なアレンジに、
アコースティカルな牧歌性を同居させたサウンドを描いてゆく。デカンのフランス語の濃密な歌声や、やわらかなホイッスルの音色、
バグパイプ、艶やかなヴァイオリンなどがロック的なギターと絡んで、壮麗なアレンジとともに厚みのあるケルティックロックを形成。
配役ごとに分かれたヴォーカルパートも魅力の一つでセシル・コルベルの美しい歌声とハープの音色にはやはりうっとりとなる。
適度なロック色とアコースティカルな素朴さのバランスも見事で、物語的な流れを感じさせるドラマティックな流れで
CD2枚の大作を描いてゆく。フォーク、トラッド、ケルトの優雅さをダイナミックに仕立てた壮大なるケルティック・ロックオペラ作品です。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・8 ロックオペラ度・・9 総合・・8
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Alan Simon 「Excalibur III: The Origins」
アラン・サイモンによる、アーサー王伝説をテーマにしたケルティックロック・プロジェクトの第3弾。2012年作
FAIRPORT CONVENTION、BARCLAY JAMES HARVEST、セシル・コルベル、ジョン・ウェットン・ジェフ・ダウンズ、
ジョン・ヘリウェル(SUPERTRAMP)、ジャッキー・マクシー(PENTANGLE)、マーティン・バレ(JETHRO TULL)、
モイヤ・ブレナン(CLANNAD)、さらにはロバート・ティランティ(LABRYNTH)といった顔ぶれが参加、
今作はオーケストラアレンジを含むシンフォニックな美しさと、前作よりもバンドサウンドを強めた感触で、
ダイナミックでスケール感のあるケルティックロックが楽しめる。ホイッスルやバグパイプ、ハープにヴァイオリンなど、
アコースティックなパートを取り入れつつ、全体的にはプログレ、シンフォニックロックのリスナーに楽しめる作風だ。
前作に比べるとよりトータルな流れでストーリーを感じさせる内容になっている。全19曲67分の大作です。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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Alan Stivell「Symphonie Celtique」
フランスのトラッドミュージシャン、アラン・スティーベルの1979/2005作
ケルティックハープの奏者であり作曲家である彼の代表作というべき作品で、
ハープをはじめフルート、バグパイプ、ギター、マンドリン、ヴァイオリン、オーボエ、サックス、パーカッション、
それにシンセといった、20名以上の演奏者と、男女ヴォーカル、コーラス隊も参加した壮大なアルバムだ。
3つのパートに分かれた組曲的な構成で、アコースティカルな美しさと土着性、そこに多くの楽器が絡み、
ときにしっとりと美しく、ときに雄大な、まるで伝説を語るように、幻想的なサウンドを描き出している。
シンセやピアノの味付けなどによるシンフォニックな壮麗さと、ケルティックな神秘性が同居していて
フランス語によるアランの歌声も味わいがある。タイトル通り、シンフォニックなケルティックの傑作。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 雄大度・・10 総合・・8.5
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Alan StivellTerre Des Vivants
フランスのケルト系アーティスト、アラン・スティーベルの1981/2007作
ハープ奏者として名高いアーティストだが、本作ではシンセやギターの入った
シンフォニックロック的な作風で、意外とプログレリスナー向きのサウンドだ。
やや泥臭いフランス語の歌唱に、フルートやハープ、ピアノなどの音色が連なると
ケルティックというよりも、土着的なチェンバー・ジャズロックというような質感もある。
メンバーにはMAGMAのClaude Engel、Jannick Topをはじめ、David Roseらも参加。
バグパイプ、ハープが奏でる素朴な音の中にもクラシカルな優雅さがかいま見える。
途中なにやらファンキーなナンバーもあったりして、時代的なごった煮感も面白い。
ケルティック度・・7 プログレ度・・7 フレンチトラッ度・・8 総合・・7.5
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ALBATROS 「MUNDO BOSQUE」
スペインのプログレバンド、アルバトロスの2014年作
繊細なギタートーンにやわらかなシンセアレンジ、スペイン語によるマイルドなヴォーカルを乗せたサウンドで、
ポストプログレ的でもあるモダンな叙情性に、オルガンが鳴る古き良きロック感触が合わさったという聴き心地。
スリリングな展開はさほどないが、キャッチーな歌メロとともにやわらかな味わいに包まれた好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5


Alco Frisbass
フランスのプログレユニット、アルコ・フリスバスの2015年作
2人のマルチミュージシャンによるユニットで、やわらかなエレピの音色に艶やかなヴァイオリンが絡み、
テクニカルなアンサンブルとともに、ジャズロック的でもある軽妙なチェンバーロックサウンドを展開。
YUGENあたりにも通じるスリリングな雰囲気とクラシカルな優雅さに、エキセントリックなセンスをまぶした
緊張感と軽やかな同居したインストサウンドが楽しめる。オルガンなどを含むプログレ的な質感に
随所にメロウなギターフレーズもまぶし、10分前後の大曲も多いが、巧みな演奏力と構築力で聴かせる。
WHITE WILLOW、YUGEN、MINIMUM VITAL、STORMY SIXなどのメンバーがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 軽妙度・・8 総合・・8
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Alfredo Carrion「Los Andares del Alquinmista」
LOS CANAIOSの「CICLOS」でも知られるスペインの作曲家、アルフレド・カリオンの1976年作
アコースティックギターの素朴な音色とオペラティックな女性Voの歌声で始まり、そこにシンセや
ストリングスが加わると、クラシカルな趣と、異国的な情緒が合わさった独特のサウンドとなる。
繊細な曲調の中に芸術的な香りを含んだセンスは、GUALBERTOのアルバムなどにも通じる。
イタリアでいうとOPUS AVANTRAか。中世を思わせるチェンバロの音色やフルートも美しい。
タイトル曲でもある「錬金術師」は、オーケストレーションも入ったクラシカルな大曲。
艶やかなピアノに絡むストリングス、混声コーラスも加わったスケールの大きなサウンドを聴かせる。
クラシカル度・・8 芸術度・・8 素朴な妖しさ度・・8 総合・・8
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AMAROK「ELS NOSTRES AMICS」
スペインのトラッドロック、アマロックの1st。1994作
美声の女性ヴォーカルの歌声をメインに、アコースティカルなトラッドメロディと
シンフォニックなシンセを合わせた極上のサウンドはこの1stからすでに健在。
3rdあたりからエスニック風味を取り入れるなど幅を広げてゆく彼らだが、
この1stではむしろ純粋なシンフォ系トラッドがというべき作風で、もうっとりと楽しめます。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8


AMAROK「Canciones de los mundos perdidos」
スペインのトラッドロックバンド、アマロックの2nd。1995作
トラッドとしてもなかなか本格派で、そこにたおやかな女性ヴォーカルの歌声、
美しいシンセにつややかなピアノが加わり、聴き手を幽玄の世界へといざないます。
アコースティカルな繊細さがしっとりとしていて、実に耳に心地よいサウンドです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・9 総合・・8

AMAROK 「gibra' ara」
スペインのトラッドロック、アマロックの3rd。1998年作
ラテンを感じさせるパーカンションのリズムに、女性ヴォーカルの歌声、
素朴なフルートの音色にヴァイオリンの音色が重なってゆく、
まさに「カタルーニャの宝石と呼ばれる」ような聴き心地である。
今作ではバンドのアコースティック面でのアンサンブルを前面に押し出しつつ、
うっすらとしたシンセによる味付けもうるさすぎず、繊細なピアノによるクラシカルな感触も素晴らしい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 トラッ度・・9 総合・・8.5
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AMAROK「TIERRA DE ESPECIAS」
スペインのトラッドロック、アマロックの4th。2000年作/邦題「スパイスの大地」
シンセや女性Voを取り入れた、独自のシンフォニックトラッドというな作風を定着させたバンドが
今作では前作以上にエスニック風味を付加し、異国情緒漂うアルバムを完成させた。
たおやかなフルートの音色にヴァイオリン、美しい女性ヴォーカルが作り出すサウンドは
夢見心地でありながらロック色も失わず、トラッドとロックの素晴らしい融合に成功している。
シンフォニック度・・8 エスニックトラッ度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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AMAROK「MUJER LUNA」
スペインのトラッドロック、アマロックの5th。2002年作/邦題「月の女」
今作では3rd以降の中近東的アプローチに加え、よりキーボードを効果的に使ったサウンドになった。
2nd以前の繊細なシンフォニック・トラッドも捨てがたいのだが、こうしたプログレ寄りの楽曲の中にも、
エスニックテイストとトラッド要素を絶妙に組み込むそのセンスの良さは相変わらず素晴らしい。
また、アコースティックパートや女性ヴォーカルの歌唱は、曲の中でしっとりと映えていて実に美しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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AMAROK 「Quentadharken」
スペインのトラッドロック、アマロックの6th。2004作
民族的要素とプログレ感覚を融合させた、クオリティの高い作品を毎回発表しているこのバンド。
本作もじつに素晴らしい。たおやかなフルートにサックス、ヴァイオリンにアコギ、そこにキーボードが絡み、
プログレ的なドラムが加わると、ある種、摩訶不思議なトラッドロックサウンドとなる。
音には嘘臭さがなく、本物のバスクの香り漂うトラッドとプログレとの驚嘆すべき完全なる融合を成し遂げている。
スパニッシュで歌われる女性Voの歌唱も素晴らしく、曲によってはエレキギターも加わり、スペイシーなシンセワークも現れる。
一方ではピアノ、フルート、アコーディオンなどの音色が実に繊細で、一筋縄ではいかない器の大きさを感じさせる。
たおやかにして大胆、そして異国的で優美なシンフォニックプログレトラッド最高の1枚。これぞ必聴作!
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 トラッ度・・8 総合・・9.5
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AMAROK「Sol De Medianoche」
スペインのトラッドプログレバンド、アマロックの7th。2007年作
今作もやはり期待を裏切らない出来。たおやかなフルートにヴァイオリンが鳴り響き、
軽快なアンサンブルにプログレ的なリズム、そしてスパニッシュな女性ヴォーカルが歌い上げる。
前作ほどは派手な展開が少なくなり、感触的にはよりトラッド要素に比重が置かれているが、
その分スムーズに聴けるかもしれない。もちろん随所に聴かせるELP的なキーボードも健在だし、
ゆるやかなトラッドとプログレ的なマニアックな要素を絶妙に融合させる手法は円熟の境地。
これぞまさしくプログレトラッドの至宝。ラストにはELPの“奈落のボレロ”のトラッドカヴァー(?)も収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8.5
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AMAROK 「Retrospectiva」
スペインのトラッド・プログレバンド、アマロックのベストアルバム。2007作
これは初期の4作から選ばれた10曲に、未発曲5曲、ライブ音源を加えた
企画ものアルバム。初期のサウンドは、アコースティックを基本にゆったりとしたシンセと
女性Voによるたおやかな癒し系であったのが、3rdあたりからアラビックな要素を取り入れ、
よりプログレッシブに深化してゆくその過程が分かる。未発曲の出来も遜色なく、
土着的すぎないトラッド色を含んだセンスがやはり見事だ。
ラストのライブ音源は何故か途中からPFMの“Celebration”になる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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AMAROK「Canciones de los mundos perdidos」
スペインのトラッドプログレバンド、アマロックの2009作
ケルティックなトラッドとプログレを絶妙に融合させ、これまでに7作+ベストを出しているこのバンド、
本作は1995年の2ndを、オリジナルテープから新たにミックスし直したアルバムだ。
美しい女性ヴォーカルの歌声と、アコースティカルなトラッド色、繊細なストリングスの音色が混じり
じつにたおやかなサウンドを描き出している。リミックスにより、いっそう空間的な広がりが感じられ、
シンフォニックな美麗さが強まった一方で、素朴なケルト風味もとても魅力的だ。未発音源も4曲追加収録。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細トラッ度・・9 総合・・8.5
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Amarok 「Gouevia 2005」
スペインのトラッド・プログレバンド、アマロックのライブ作品。2011年作
トラッドとプログレを融合し、これまでに7作の素晴らしい作品を残したこのバンド、
バンドはすでに解散したようだが、ここにライブ音源が届けられた。2005年ポルトガルでのステージで、
フルートやサックスのたおやかな色に、ギターとドラム、スペイン語の女性ヴォーカルが合わさり、
哀愁を漂わせる叙情的なトラッドロックを聴かせてくれる。プログレ色の強いシンセワークにギターが絡むと
シンフォニックロックとしても普通に楽しめるのが素晴らしい。つくづく絶妙のバランスを感じるバンドであった。
トラッ度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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AMAROK 「Hayat Yolunda」
スペインのプログレ・トラッドロック、アマロックの2015年作
1994年にデビュー、優雅なトラッドロックとプログレを絶妙に融合させたサウンドで、
これまでに7枚のアルバムを発表、2009年のリミックス作、2011年のライブを最後に解散したかと思われていたが
本作はアルバムとしては2007年以来となる復活作。アコースティックギターのつまびきに、やわらかなフルートの音色、
スペイン語による美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せたサウンドは繊細にして優美。うるさすぎないシンセにピアノ、
シンフォニックロックの美麗な感触と、ロックとしての躍動感が絶妙に合わさった、まさにこのバンドでしかなしえないサウンドだ。
オルガンの音色が加わるととたんにプログレ色が強くなるが、一方ではアコースティカルな素朴さもしっかりと残していて、
「カタルーニャの宝石」と謳われる優雅な美意識に包まれた空気感にはうっとりとなること請け合いだ。哀愁と情熱を兼ねそろえた
マルタ嬢の歌唱の表現力も素晴らしい。これぞトラッドプログレの大傑作。ボーナスDiscには未発音源を収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細で優雅度・・10 総合・・8.5
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AMARTIA 「Delicately」
フランスのシンフォニックハード、アマルティアの2009年作
女性ヴォーカルの歌声と、シンセを含んだ美しいアレンジで聴かせるサウンドは、
いくぶんゴシックメタル的なヘヴィさもありつつ、全体的にはしっとりとした感触。
楽曲自体にはさほどのインパクトはないのだが、ブリタ嬢のやわらかな歌声が魅力となっていて、
メロウなギターフレーズも含めてキャッチーな聴き心地で楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5

AMARTIA 「IN A QUIET PLACE...」
フランスのシンフォニックロック、アマルティアの2011年作
女性ヴォーカルのキュートな歌声に美しいピアノ、シンセアレンジ、アコースティカルな繊細さを含んだ優しい耳触りのサウンド。
ブリタ嬢の伸びやかな歌声が大きな魅力となっていて、しっとりとした曲でも飽きずに楽しめる。
ヴァイオリなども入ってくると、フォークロック、ケルトロック的な牧歌性も感じさせる。
元々はゴシックメタル的な作風であったらしいが、この女性声シンフォ路線は大当たりですな。
メロディック度・・8 繊細度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8


Ange 「Caricatures」
フランスのプログレバンド、アンジュの1972年作
のちにフレンチプログレを代表する存在となるバンドのデビュー作。
オルガンやメロトロンが妖しく鳴り響き、クリムゾンを思わせるヘヴィプログレの質感もありつつ
フランスらしい優雅で芸術的なセンスを感じさせる楽曲は、過剰なまでの極端なドラマ性と
クリスチャン・デカンの絡みつくような歌声と共に本作の時点ですでに十分個性的である。
のちの作品に通じる夢見がちな叙情性も随所に感じられ、やわらかなフルートの音色なども美しい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE「Le Cimetiere Des Arlequins」
フランスのプログレバンド、アンジュの2nd。1973年作
サイケデリックなジャケが印象的だが、サウンドは牧歌的な叙情性と
クリスチャン・デカンの濃密なフランス語のヴォーカルが合わさって、
演劇的なドラマ性に包まれたアンジュ節が確立されたという感じである。
メロウなギターやメロトロンを含む美しいシンセアレンジ、やわらかなフルートの音色もよい感じで、
繊細かつエキセントリックなフレンチプログレの魅力が随所に感じ取れる。
薄暗い翳りに包まれた芸術性という点では、PULSARの「Halloween」に通じるような雰囲気もあり、
ラストの9分弱の大曲ではヘヴィプログレ的なスケール感も味わえる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE 「Au-Dela Du Delire」
フランスのプログレバンド、アンジュの3rd。1974年作
「新ノア記」のタイトルで知られるバンドの代表作。農夫ゴドフィンが時空を超えて旅をするというコンセプト作で
美しいヴァイオリンとチェンバロの音色から、クリスチャン・デカンの歌声とシンフォニックなシンセが加わると、
ファンタジックな雰囲気に包まれて広がりのあるスケール感が素晴らしい。いくぶんハードなギターワークとともに
音の厚みという点でも前作以上で、ドラマティックなシンフォニックロックとしても楽しめる。
ときに力みがちなデカンの歌唱のメリハリも含めて、緩急に富んだダイナミズムもじつに演劇的。
ラストは9分の大曲で、オルガンやメロトロンを含むシンセとともに、幻想的な叙情で盛り上げる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE「Emile Jacotey」
フランスのプログレバンド、アンジュの4th。1975年作
老人が語る物語をコンセプトにした作品で、いつになくロックンロール調に始まったと思いつつ、
やはり一筋縄ではいかない、エキセントリックな感性で、シアトリカルなアンジュ節に包まれる。
随所に語りを含んだストーリー的な流れとともに、デカンの情感的な歌声と美しいシンセアレンジで
叙情的なドラマ性を描いてゆく構成力はさすが。このバンドの繊細な側面が前に出た好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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ANGEPar lesfils de Mandrin」
フランスのプログレバンド、アンジュの5th。1976年作。邦題「マンドランの息子たちの誓い」
前作の物語志向をさらに進めたというような作品で、クリスチャン・デカンの演劇的な歌声とともに、
サーカス的な哀愁を感じさせる牧歌的な世界観が描かれてゆく。ときにコミカルな雰囲気もまじえつつ、
語りを含んだ歌声とともに、ゆるやかに物語が語られる。フランス語が理解できたらより楽しめるのだろう。
音楽のみで楽しむには厳しいが、これはテアトリカルロックのひとつの究極系ともいえる作品かもしれない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 シアトリカル度・・9 総合・・7.5
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ANGE「Guet-apens」
アンジュの6th。1977年作。邦題「異次元への罠」
歌詞による語りがメインだった前作よりも、ぐっと音のダイナミズムが増している。
シンフォニックなキーボードをバックにデカンのフランス語のヴォーカルが乗ると、
まさにこれぞフレンチロックという濃密で優雅な独特の高揚感が押し寄せる。
一方では、しっとりとした叙情性も備えていて、オーケストラルなシンセにフルートの音色も美しく、
サウンドの完成度で言うならばこれぞバンドの代表作というべきアルバムかもしれない。
もちろんデカンのシアトリカルな歌唱も健在で、ラストの大曲ではその劇的さが炸裂する。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8
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ANGE 「TOMEVI」
アンジュのライブ作品。1977年作
美しいシンセアレンジに叙情的なギター、そして若き日のクリスチャン・デカンのフランス語の歌声が響き渡る。
スタジオ盤以上にダイナミクスの付けられたロックとしての躍動感と欧州の空気を含んだ優雅な美意識に、
物語を語るようなデカンのヴォーカルは唯一無二の個性だろう。繊細にして叙情的なロマン、
そしてシアトリカルな聴き心地…まさに全盛期のバンドの魅力を封じ込めたライブ作品だ。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE「Les Larmes du Dalai Lama」
フランスのプログレバンド、アンジュの1992年作
本作は再び70年代のメンバーが集った作品で、1曲目からいかにも暑苦しいフランス語の歌声とともに、ダライ・ラマのテーマが描かれる。
曲はどれも比較的キャッチーなメロディで、明快なギターフレーズと美しいシンセもさすがにいい仕事をしている。
そしてなによりクリスチャン・デカンの歌の存在感。繊細さと濃密さが同居する。これぞアンジュというアルバムだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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ANGELa Voiture a Eau
フランスのプログレバンド、アンジュの1999年作
クリスチャン・デカンのソロ活動がそのまま新生ANGEの活動開始に移行したというべき作品で、
メンバーは若手中心となり、サウンドの方もリフレッシュされたような力強さに満ちている。
フランス語のデカンの濃密な歌声を中心に、美しいシンセアレンジと壮大な叙情とともに、
ダイナミックなサウンドを描いてゆく。持ち味であるシアトリカルなドラマ性もしっかりとあり、
シンフォニックな聴き心地とアートロックとしての豊かな感性を含んだ力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE「Culinaire Lingus」
フランスのプログレバンド、アンジュの2001年作
本作はフランスらしく「食の芸術」をテーマにした作品ということであるが、
どことなくインダストリアルなモダンさも含ませつつ、クリスチャン・デカンの歌声が濃密に響きわたると、
それはもうアンジュでしかないのである。女性コーラスも含めてなんとなく艶めいた色気を漂わせ、
人間の欲望を語りあげるデカンのシアトリカルなヴォーカルはやはり素晴らしいという他にない。
演奏の方もじっくりと聴かせるアンサンブルはじつに玄人好みで、劇半のように重厚でドラマティック。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フレンチ度・・9 総合・・8
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Ange 「?」
フランスのプログレバンド、アンジュの2005年作
クリスチャ・デカン以外のメンバーががらりと変わった前作、「Culinaire Lingus」に続く、
2000年代アンジュとしての2作目となる。シンフォニックなアレンジと適度にモダンな感触の楽曲に、
フランス語のデカンの歌声が濃密に重なってゆく。バックの確かな演奏力もあってサウンドとしての説得力も十分。
美しいシンセワークも抜群で、随所にメロウなギターの旋律と重なって、シンフォニックロックとしての出来もすこぶるよい。
歌もの主体かとおもいきや、9分を超える大曲などでは、ドラマティックなプログレぶりを発揮。なにげに傑作でしょう!
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE 「Le Tour de La Question」
フレンチプログレを代表するバンド、アンジュのライブ作品。
2005年作「?」ツアーでのライブステージを収録したCD+DVD。トリスタン・デカンをシンセに迎えての6人編成で、
ややハード寄りのギターに美しいシンセアレンジ、そしてクリスチャン・デカンのフランス語の歌声を乗せた、
濃密なシンフォニックロックが繰り広げられる。シアトリカルな語りを含む、クリスチャン・デカンの歌声は
衰え知らずの存在感で、これぞアンジュという世界観を描き出す。息子のトリスタンのシンセワークも美しく、
女性コーラスも加わった優雅な空気感と、ここぞと盛り上げる泣きのギターとともに、緩急のある楽曲展開で聴かせる。
ドラマティックな演劇性をシンフォニックロックに融合した、ベテランバンドらしい説得力あるサウンドはさすがで、
過去のナンバーも厚みのある演奏で生き生きと蘇る。DVDのステージ映像では、シンセやギターも弾きながら歌う
デカン御大の堂々たるお姿や、妖艶な女性コーラスも含めたシアトリカルなステージが楽しめる。ファン必携のライブ作品です。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 フレンチ度・・10 総合・・・8.5 過去作のレビューはこちら
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ANGESouffleurs De Vers
フランスのプログレバンド、アンジュの2007年作
仏シンフォ界きっての大御所、メンバーは変わってもクリスチャン・デカンの歌声さえあれば、
それはまぎれもなくANGEサウンドなのだ。今作でも濃密なフレンチシンフォをたっぷりと聴かせてくれるが、
当然ながら70年代の頃よりもサウンドは重厚になっていてギターとシンセの絡みによるシンフォニックな音の上に
フランス語によるデカンの濃〜い歌声が乗る。数曲で聴ける女性Voも良いアクセントだし、
独特のシアトリカルな雰囲気と、ドラマティックな世界観を描き出す音像の勢いが素晴らしい。
曲によってはヴォーカルにエフェクトをかけたり、ややモダンなアレンジも聴かれるが、時代とともに変化をしながら、
息子と一緒に同じバンド…しかもプログレをやっているというのは、なかなかに凄いことだと思う。
シンフォニック度・・8 濃密シアトリカル度・・9 フレンチ度・・9 総合・・8
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ANGE「Le bois travaille, meme le dimanche」
フランスのプログレバンド、アンジュの2010年作
結成40周年で40枚目のアルバムという、まさに大御所中の大御所。
本作もクリスチャン・デカンのフランス語の歌声を中心に、このバンド以外のなにものでもない
シアトルカルな世界観とともに、スケール感のある濃密なサウンドを描いている。
モダンなビート感覚の中に、美しいストリングスや優雅な叙情性を織り込んで、
現代的なアンジュの進化系を構築する、そのアプローチは非常に高品質だ。
タイトル曲である12分の大曲は、女性ヴォーカルも含むやわらかな美しさもありつつ、
ドラマティックな展開美で楽しませてくれる。これぞアンジュという力作です。
シンフォニック度・・8 濃密度・・9 フレンチ度・・9 総合・・8


ANGE「Moyen-Age」
フランスのプログレバンド、アンジュの2012年作
フランスプログレ界きっての大御所バンド、もはや何作めなのか分からないのだが、
本作は中世をテーマにした作品で、のっけからいつになくシンフォニックなシンセアレンジがよい感じです。
そこにクリスチャン・デカンの濃密な歌声が加われば、それはもう変わらぬアンジュの世界。
フレンチな芸術感性とシアトリカルな物語性にどっぷりと浸れます。ロック的なノリの良さもありつつ
まるで芳醇なワインのように、じわじわとにじみ出る味わいの深さはさすがという他はない。
シンフォニック度・・8 シアトリカル度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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Ange 「Emile Jacotey Resurrection」
フランスのプログレバンド、アンジュの2014年作
1975年作「エミール・ジャコティのお伽噺」を新たに再録した作品で、正直なところオリジナルの方は
音楽としては少し地味なイメージであったのだが、本作はのっけからクリスチャン・デカンの濃密な歌声が
全盛期を超えるような迫力をともなって聴こえてくる。息子であるトリスタン・デカンのシンセワークが
シンフォニックな味わいを付加し、適度にハードなギターとともに、よりダイナミックで重厚になったサウンドを描く。
物語が語られてゆくようなコンセプト的なスケール感が、現代の音像によって映画的なまでの広がりを感じさせ、
哀愁を含んだ繊細な叙情を表現し、緩急のある流れを生み出している。オリジナルよりも拡大された73分の大作、
ドラマティックなシアトリカルロック…アンジュというバンドの演劇的な真骨頂が存分に発揮された傑作である。。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8.5 
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ANGEL ONTALVA「Mundo Flotante」
OCTOBER EQUUSのギタリスト、エンジェル・オンタルヴァのソロ。2012年作
変則リズムに乗る、オルガンムーグなどのやわらかなシンセアレンジに、メロウなギターを乗せ、
ときにサックスやヴァイオリンなども加わったジャズロック的な優雅さで聴かせるサウンド。
OEのメンバーも参加しつつ、こちらはより軽妙なカンタベリー要素を強めた感触で、
インスト主体ながらも意外とメロディックに楽しめる。いくぶんエキセントリックなセンスを含めて
16分の組曲なども、難解過ぎずに構築するセンスというのは、彼の才能なのだろう。
ジャケのイメージほどにはダークではないのでご安心を。軽妙にして優雅な好作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Angel Ontalva 「Tierra Quemada」
スペインのチェンバーロック、OCTOBER EQUUSのギタリスト、エンジェル・オンタルヴァのソロ。2015年作
軽やかなリズムに乗せる、ベースとギターに、美しいシンセアレンジを加えた優雅なインストサウンドで、
サックス、クラリネットの音色による、チェンバーロックらしい聴き心地は、さすが現代R.I.Oの申し子である。
ベースに重なるチェロの響きが、シリアスな重厚さを描きつつも、全体的にはダークさは控えめで、
シンセやメロディかの音色など哀愁を含んだ叙情性が前に出ている。一方で、エレピを乗せた優雅な質感は
カンタベリー的でもあって、ジャズロック寄りの耳でも楽しめるだろう。全体的には小曲主体なので、
わりとあっさりと聴き通せるが、ラストは9分近い大曲で、メロウなギターも鳴り響き、叙情豊かに締めくくる。
ドラマティック度・・7 チェンバー度・・8 哀愁の叙情度・・8 総合・・8
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APHELANDRA
フランスのシンフォニックロックバンド、アフェランドラの1976年作
詳細は不明なバンドだが、クレジットにCLEARLIGHTのCrille Verdeauxの名前もある。
クラシカルなピアノやシンセをメインにしたインストメインのシンフォニック作で、
確かに雰囲気といい、さほど媚びのない曲調といい70年代の音作りである。
しっとりとした雰囲気の17分の大曲から、続くAではエレクトリックヴァイオリンが鳴り響く
ジャズロック的なアンサンブルも聴かせてくれ、なかなかあなどれない。
最近のシンフォ系のバンドよりも、ずっとストイックでジャズやクラシック寄りの匂いがする。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 しっとり度・・8 総合・・7.5


ARACHNOID
フランスのヘヴィシンフォバンド、アラクノイの1978年作
プログレ衰退期の70年代後半にアルバム1枚のみを残して姿を消したというパターンはけっこう多い。
いくらいいものを作っても時代が悪ければ評価をされないというのは悲しいことだ。
さて、このアラクノイのサウンドはひと言でいうなら「ヘヴィシンフォ」ということになる。
メロトロンを使用し、初期〜中期のクリムゾン的なイメージで、叙情性と攻撃性が同居したサウンドだ。
そこにフランスらしく、少々ヒネた展開と、ダークな雰囲気で構築される楽曲はなかなかの迫力。
荒々しい歌が耳障りに感じる部分もあるが、それを含めてKCタイプのヘヴィシンフォとしてはクオリティの高い作品だ。
メロディアス度・・7 ヘヴィシンフォ度・・8 クリムゾン度・・8 総合・・7.5
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ARRAKEEN「MOSAIQUE」
フランスのシンフォニックバンド、アラキーンの2nd。1992年作
清涼感のある女性ヴォーカルの歌声が実に美しいシンフォニックロック作。
メロウなフレーズを奏でるギターは、Prog Metalファンには名の知れたシリル・エイチャード
ギターの音色にはメタル色もあるのでプログレハードとしても案外楽しめます。
それにしても、この女性Voはとても私好みの声質で、透明感のある綺麗な歌声にうっとりです。
美しいフランス語の響きに、メタリックなギターフレーズが印象的な、90年代フランス屈指の傑作。
シンフォニック度・・8 けっこうメタリック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8


ART ZOYD 「Symphonie Pour Le Jour Ou Bruleront Les Cites」
フランスのチェンバーロック、アール・ゾイの1976年作
「都市が燃える日の為の交響曲」と題されたデビュー作。自主制作による音源で、「隠蔽する都市」
「幽閉する都市」「死をもたらす都市」「人々を鈍化せしめる都市」をテーマにした交響曲で、
ヴァイオリンやヴィオラ、トランペット、フルートといった室内楽的な音色を、スリリングかつダークに、
そしてアヴァンギャルドに構築してゆくスタイルは、UNIVERS ZEROにも通じるだろう。
マスターテープ消失のためアナログ盤などからの盤起こしのため音質はいまひとつであるが、
優雅でフリーキーな感触と得体のしれないスケール感は、本作の時点でもすでに迫力たっぷり。
異色のバンドのデビュー音源という点でも大変意義深い内容だ。後のリレコーディング作と聴き比べるもよし。
クラシカル度・・8 スリリング度・・8 暗黒度・・7 総合・・8
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ART ZOYD 「Symphonie Pour Le Jour Ou Bruleront Les Cites」
フランスのチェンバーロック、アール・ゾイの1980年作
「都市が燃える日の為の交響曲」と題された1976年作を新たに再録したバージョン。
フランス語による絶叫のような語りから始まり、艶やかなヴァイオリンにトランペットの音色が重なり、
優雅でありつつダークでスリリングなサウンドを描いてゆく。オリジナルバージョンに比べると、
より研ぎ澄まされたような演奏と音の厚みが増していて、ダイナミズムを強めた聴き心地である。
キレのよいヴァイオリンが鳴り響くクラシカルな空気感を、ここまでミステリアスに昇華するセンスは素晴らしい。
一方ではとぼけたような味わいのコミカルな曲調もあったりと、バンドとしての成熟の余裕も感じさせる。
ボーナストラックには、「フェイズIV/不吉な空間」に収録されていた未発音源をリマスター収録。
クラシカル度・・9 スリリング度・・9 暗黒度・・7 総合・・8.5
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Art Zoyd 「Generation Sans Futur」
フランスのチェンバーロック、アール・ゾイの1980年作
空間的な暗黒性を感じさせる、冷たい空気感に包まれたサウンドで、
ピアノ、ヴァイオリン、サックス、トランペットなどがひっそりと不穏に響き渡る。
やがて静けさの中から、突如としてけたたましく鳴り響く、管弦楽と野卑なヴォイスが、
緊張感となって聴き手に襲い掛かる。アヴァンギャルドミュージックの権化というべき内容だ。
1曲目の17分におよぶ大曲がとにかく圧巻だが、ストリングスによるクラシカルなナンバーもあって、
ロック色は薄いもののスリリングなアンサンブルと、優雅なクラシック性が共存した逸品である。
ドラマティック度・・6 チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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ART ZOYDLes Espaces Inquiets/PhaseW/ArchivesU」
フランスのチェンバーロックバンド、アート・ゾイドの1982/1983作
ベルギーのUnivers Zeroと並ぶ暗黒系チェンバーの大御所で、本作は1982年の「フェイズW」
1983年の「不吉な空間」、そして1984-87年の未発音源をCD2枚に収録したもの。
「不吉な空間」はシンセを大幅に取り入れ、サンプリングやSE的な使用方法とともに、
ダークなチェロの響きが不穏な緊迫感を感じさせるサウンド。管楽器とシンセが合わさると、
クラシカルなプログレとしても美しい。アヴァンギャルドでダークな世界観にうっとりだ。
「フェイズW」はもともとが2枚組の大作で、こちらはまだシンセではなくピアノと管楽器による
いかにもチェンバーロックというサウンド。生音であるぶん、いくらか素朴な雰囲気であるが、
Univers Zeroにも通じる優雅なダークさともいうべき空気が場を支配している。
クラシカル度・・8 ロック度・・6 ダーク度・・9 総合・・8
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ART ZOYD「uBIQUe」
フランスのチェンバーロックバンド、アート・ゾイド(アール・ゾイ)の2001年作
40人を超えるオーケストラとの競演作で、不穏な空気をかもしだすダークな世界観を淡々と描くサウンド。
生オケといえどもこのバンドにとっては単なる表現手段としての道具にすぎないようで、
決して大仰にはならない、いわば冷たい暗闇をともなった音をミニマムに作り出している。
ロックとしての質感はあまりないが、オケによるスペイシーなスケール感が随所に現れて
クラシカルな優雅さをサントラ寄りの静寂の空気感と融合させたような聴き心地が味わえる。
クラシカル度・・7 ロック度・・3 ダーク度・・9 総合・・7.5
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ASGARD「TRADITION & RENOUVEAU」
フランスのプログレ・トラッドバンド、アスガールの2nd。1978作
「アスガルド」と読みたい気はするが日本盤の表記が「アスガール」なのでそれに習おう。
アコースティックギターにキーボード、そこに男Voが田舎臭い歌メロを乗せるというサウンド。
70年代ではありそうでなさそうなスタイルかも。今でいうヴァイキングメタル的発想か?
この少々イモ臭い叙情が心地よく感じられるかがミソ。Voの声ははあまり好みでない。
フランス語というのも、どうなんだろう。この手にはマッチしていない気も・・。
たまに聴くにはなごめるし、田舎くさいトラッドシンフォ好きなら聴いて損はないかな。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 田舎叙情度・・8 総合・・7
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ASIA MINOR 「Crossing the Line」
フランスのプログレバンド、アジア・ミノールの1979年作
トルコ系のフランス人によるバンドで、涼やかなフルートが鳴り響き、キレのよいリズムと、
ミステリアスなクールさを漂わせたサウンドはテクニカルでありつつとても叙情的。
どこかエキゾチックなメロディをうっすらとしたシンセアレンジで包み込み、
美しいフルートの音色とともにどこか不思議な幻想性も感じさせる。
むしろ北欧的な聴き心地もする好作品だ。完成度としては次作に譲るものの、
当時のヨーロピアンプログレにおいては、高い演奏力と構築センスを有したバンドだった。
次作「Between Flesh and Divine」も必聴の出来栄えです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 クール度・・8 総合・・8
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ASIA MINOR 「Between Flesh and Divine」
フランスのプログレバンド、アジア・ミノールの2nd。1980年作
本作ではベース&シンセが加入して四人編成となり、一聴してアンサンブルがさらに強固になっている。
テクニカルなクールさが際立ちながら、美しいフルートが鳴り響く、CAMELばりの叙情は健在。
シンセによるシンフォニックなテイストも増し、アレンジには静と動のダイナミズムが強まっていて、
緊張感を含んだ心地よい叙情美が素晴らしい。随所に覗かせる中近東的なエキゾシズムも
個性的な味わいになっている。80年代初頭のシンフォ系プログレとしては、名作といえる作品だろう。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 クール度・・9 総合・・8.5
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ATILA「INTENCION+REVIURE」
スペインのプログレバンド、アッティラの2nd。1976/1999年作
本作は2ndのリマスターに3rdの楽曲を1999年にライブで再現した音源のカップリング。
スペインのハードシンフォニックロックというと、まず思い浮かぶのはBLOQUEであるが、
このATILAも同様にさほどスペイン臭を感じさせないサウンドである。ブロッケに比べキーボードの活躍が多く、
そこにややブルージーでHR色のあるギターがかぶさり、全体的にドラマテイックで哀愁漂う楽曲を構築している。
10分を超える大曲も多いが、とくに3rdのライブ再現においては、演奏のテンションに加え、
楽曲のドラマティック性と緊張感から中だるみせずに最後まで聴き通せる。まさに隠れた傑作である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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ATOLLMusiciens Magiciens」
フランスのプログレバンド、アトールの1974年作
幻想的なジャケが印象的なアルバムで、サウンドは2ndや3rdに比べると、まだいあか抜けない牧歌性があり、
初期のYesを思わせるやわらかな叙情に、フランス語による優雅さとこもり気味の音質もあいまって、
霧に包まれたような幻想的な味わいになっている。キレ味のある展開や構成力の点では次作「組曲 夢魔」には
到底およばないものの、ANGEとはまた違ったスタイルのメロディ志向のプログレバンドの誕生という点では、
とても意義深い作品であると思う。もっさりとした、いわば煮えきらない聴き心地が楽しめる方ならぜひ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 フランス度・・8 総合・・7.5
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ATOLL「L'AraignUE-Mal」
フランスのプログレバンド、アトールの1975年作
その昔、プログレ初心者の頃に本作を聴いたのだが、当時は難解な作風があまり理解できず、
むしろ「サードアルバム」の方が好みだったのだが、こうしてあらためて聴いてみると、
よりアーティスティックで、いかにもフランスらしいシアトリカルな魅力を発見できる。
浮遊感のあるシンセワークにフランス語による歌声、メロウなギターとヴァイオリンの優雅な響きが
幻想的なサウンドを描き出す。躍動的なリズムセクションを中心に、ジャズロック的なテクニカルさも覗かせつつ、
後半の22分におよぶ“組曲「夢魔」”ではヨーロピアンなセンスと構築美が合わさった圧巻のサウンドを展開する。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フランス・・8 総合・・8.5
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Atoll「Tertio」
フランスのプログレバンド、アトールの3rd。1977作
タイ・フォンとともにフランスプログレを代表するこバンド、2ndの「組曲・夢魔」が前衛的な傑作だとするなら、
こちら「サードアルバム」の方はシンフォニック寄りのメロディアスな傑作というべきだろう。
クリスチャン・ベアの伸びやかなギターフレーズとともに始まる1曲目“パリは燃えているか”は
フランス語による歌声とサビでの「パリ〜!」の叫びが印象的な佳曲。美しいシンセでしっとりと聴かせる“神々”、
いかにもメロディアスなプログレ曲“天翔ける鹿”、そしてハイライトは2パートに分かれた“トンネル”で
シンフォニックな叙情とフランスらしい湿りけを感じさせるサウンドが素晴らしい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フランス度・・8 総合・・8
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ATOLL「Rock Puzzle」
フランスのプログレバンド、アトールの4th。1979作
傑作だった前作、前々作に比べ、サウンドはいくぶんポップになり、キャッチーなビート感覚で聴かせる
比較的シンプルなスタイルであるが、美しいシンセアレンジや、クリスチャン・ベアのギターワークは
さすがという冴えを見せている。ブラスアレンジも含んだファンキーなノリは80年代的な、
ポップな楽しさがあって、プログレハードとして聴けば、全体的にもかなり出来はいいと思う。
ボーナストラックにはジョン・ウェットンが参加した1981年の音源などを収録していて、
むしろそちらが話題に上がることも多いだろう。「夢魔」と「サード」を聴いてからどうぞ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フランス度・・7 総合・・8
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ATOLL 
「L'Ocean」
フランスのプログレバンド、アトールの5th。1989年作
70年代に4作を残して消えたバンドが10年ぶりに、新生アトールとして復活した作品。
クリスチャン・ベア以外のメンバーはがらりと変わっていて、サウンド的にもシンプルになり
しっとりと優雅でメロウな味わいとなっている。フランス語によるマイルドな歌声と、
メロディックなギターフレーズがたっぷりと楽しめる、聴き心地の良さはなかなか捨てがたい。
80年代らしいモダンなビート感覚を含んだキャッチーな感触とともに、ゆったりと楽しめる好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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ATOLL「LLLIAN,J'ENTENDS GRONDER LA TERRE」
フランスの名バンド、アトールの2003年作
オリジナルメンバーは、ギターのクリスチャン・ベアのみで、1987年の際結成後は「新生アトール」、
いわゆる「ヌーヴェル・アトール」と呼ばれる。方向性としては1989年の「オーシャン」に通じるような
やわらかみのあるメロディアスロックで、往年のファンからするとややもの足りないだろうが、
「L'OCEAN」でのしっとりとした雰囲気がけっこう好きだった私にはこちらも充分楽しめる。
クリスチャン・ベアのギターはときにジャジーにそしてメロウなフレーズを奏で、
シンフォニックなシンセと女性コーラス、そしてフランス語の歌唱は、じつに優雅な響きで耳に心地よい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとりフレンチ度・・9 総合・・8
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CHRIS BEYA ATOLL「ILLIAN-I HEAR THE EARTH」
フランスのプログレバンド、アトールの2015年作
2003年作の復活作「ILLIAN」を新たに英語歌詞にしてリアレンジしたリメイク作品で、
クリスチャン・ベアのメロウなギターをたっぷり盛り込みつつ、マイルドなヴォーカルを乗せた叙情的な作風。
やわらかなフルートの音色も含んだ繊細な聴き心地から、アコースティックなフォルクローレ要素、
オルガンやブルージーなギターを乗せたオールドなロック風味まで、現在形アトールの優雅なサウンドが味わえる。
ただ録音面での弱さがいかにも自主制作的で、個人的にもフランス語のオリジナル版の方が好みかも。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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ATRIA 「Boulevard of Broken Dreams」
フランスのプログレバンド、アトリアの1992年作
きらびやかなシンセワークにメロディックなギターとハイトーンのヴォーカルを乗せて、
PALLASあたりにも通じるキャッチーで爽快なプログレハードサウンドを聴かせる。
90年代のシンフォニックロックバンドらしいロマンティシズムとポンプロックルーツのメロディアス性で
8分、9分という大曲をじっくりと構築する。フランスというよりは英国のバンドに近い雰囲気で、
泣きの叙情美とダイナミックな展開力も含めて、正統派のシンフォプログレとしてはクオリティも高い部類だろう。
シアトリカルでドラマティックな幻想性も魅力で、濃密でありながら抜けの良いサウンドが楽しめる力作だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 正統派シンフォ度・・8 総合・・8
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AZABACHE「dias de luna」
スペインのシンフォニックロックバンド、アザバチェの1979作
タイトなリズムにメロディアスなギターと、メロトロンをはじめ美しいキーボードワーク。
歌唱はスペイン語ながら、サウンドにはあまり土臭さははないので、スパニッシュロック初心者でも普通に聴けるだろう。
音の中のかすかな田舎臭さにはジャーマン系のシンフォを思わせる雰囲気もあり、
ピアノやキーボードのやわらかみのあるメロディが素晴らしい。70年代スパニッシュシンフォの傑作と言えるだけの内容だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・8
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AZAHAR「ELIXIR」
スペインのプログレバンド、アザールの1977年作
ドラムレスの4人組で、メロトロンをたっぷりと使ったシンフォニックロック。
ドラムがいない分ロック的な躍動感は希薄だが、その分スペイシーな質感で、シンセとギターを中心に聴かせる。
インスト曲ではスペイン臭さはあまりないが、力のこもった歌声が加わってくると、やはりスパニッシュな哀愁があふれ出す。
美しいシンセをメインにした幻想的な雰囲気はオーストリアのEELA CRAIGあたりも思い出させるが、
そこに哀愁と泣きのギターフレーズが加わったという感じか。全体的にも聴き心地の良い好作品。
シンフォニック度・・7 スペイシー度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AZAHAR
スペインのプログレバンド、アザハルの1979年作
ドラムレスながら叙情的な好作であった1作目に続く2ndで、本作ではドラムが加入したことで
ぐっとロック寄りの聴き心地が強まっている。美しいシンセによるシンフォニックなアレンジは健在で
ギターのメロウな泣きのフレーズとともに、厚みのあるサウンドを描いている。
歌入りの曲では、スペイン語による濃密さとともに土着的な哀愁があふれ出す。
ドラマティックな味わいは前作以上で、TRIANAやBloqueにも負けない傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Bloque El Hijo Del Alba」
スペインのプログレバンド、ブロッケの3rd。1981年作
2nd「人類,地球そして心」はかつてキングから日本盤が出ていたのだが、
トータルな完成度ではむしろ本作が最高作だろう。美しいシンセと繊細なギターのつまびきで、
Camelばりの叙情を聴かせつつ、ツインギターによるハードロック的な質感も入ってきて、
随所にスペイン語の歌声とシンフォニックな要素が合わさったサウンドは、なかなかドラマティック。
随所にフラメンコ的な旋律もまじえつつ、メロディックな泣きのフレーズを聴かせるギターが魅力的だ。
HRファンにも楽しめるスパニッシュ・ハードプログレの傑作である。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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CAI「Noche Abierta」
スペインのプログレバンド、カイの2nd。1980作。邦題は「無限の夜」。
クラシカルなピアノの音色と、哀愁を漂わせつつもキャッチーなメロディを歌うヴォーカル。
あまりスパニッシュ臭さのないスタイリッシュなサウンドは、適度にテクニカルな構築性があり
むしろPFMなどのイタリアのバンドに近い感触があって、なかなか質が高い。
曲は軽やかなインストを中心に、ときおり歌ものもあるが、どれもスペイン的な押しの強さよりは
繊細で比較的あっさりとした控えめなものなので、インパクトの点ではやや弱いかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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CAMEMBERT 「Schnoergl Attahk」
フランスのチェンバー・ジャズロック、カマンベールの2011年作
プラグが貫通したカマンベールチーズのジャケからしておちゃらけているが、なにやらスペイシーなイントロから、
トランペット、トロンボーンが鳴り響き、コロコロとしたマリンバの響きにギターを加え、軽妙なアンサンブルが広がる。
優雅なテクニカル性ととぼけた味わいに、ときおりスペイシーなスケール感が加わるところが面白く、
美しいハープの音色など、やわらかでメロディック味わいが前に出ているので難解な印象はない。
オールインストなので聞き流してしまいがちだが、しっかりとしたアンサンブルとほどよいヒネくれ方もあって、
MAGMAのような緊張感はないが、ディープなリスナーでも楽しく聴ける。チェンバー・ジャズロックの好作品だ。
ドラマティック度・・7 ジャズロック度・・8 優雅なおとぼけ度・・9 総合・・8
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Canarios 「Ciclos」
スペインのロックバンド、カナリオスの1974作
もともとこのLos Canariosは、60年代にBeat Pop/Rockバンドとして結成されたのであるが、
いったいどういう経緯があったのか、突如ヴィヴァルディの「四季」をロック化した驚異の名作を生み出した。
なにやらたたごとではないイントロから、オペラティックな女性声が歌いだし、まるで生まれ落ちるかのように
“春”のテーマが始まると、壮麗にしてクラシカルなサウンドがすべてを支配する。
きらびやかなシンセにオーケストラルなストリングスが合わさり、ギターが叙情メロディを重ねる。
この躍動感、ダイナミズムといったら、冬眠していた動物たちもいっせいに目を覚ますに違いない。
クラシックのロック化という点でも歴史的な作品であり、完成度という点でも奇跡的なアルバムだ。
クラシカル度・・10 シンフォニック度・・9 大仰度・・9 総合・・9
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Carlos Gallego . Robert Santamaria「El Estigma de Cain:1.Observaciones Del Sr.Fantasia」
スペインのトラッドプログレAMAROKのシンセ奏者とギターのユニット。2001年作
美しいシンセワークを中心に、スペイン語による男女ヴォーカルの歌声で
素朴に聴かせるサウンドは、トラッド色の薄まったAMAROKという雰囲気。
アコースティックギターが響くフォルクローレ風味の牧歌的な感触に、物語性を感じさせる
シアトリカルな作風とともに、ゆるやかな流れに包まれた耳心地のよさが味わえる。
ときにMIKE OLDFIELDのような、メロウなギターフレーズも覗かせ、のんびりと楽しめる。
プログレというよりはフォルクローレ・オペラというように鑑賞すべき優しい好作品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 素朴度・・8 総合・・8


CARPE DIEMEn Regardant Passer le Temps
フランスのプログレバンド、カルプ・ディアンの1st。
まずこの美しい点描画のジャケに惹かれるが、内容もなかなかのもの。
サックス、フルートのメロディを中心に、やや薄暗いジャズロックを展開するが
カッチリとした硬質感よりも、10分台の大曲を幻想的な雰囲気で聴かせるのが個性的。
しっとりしたたおやかな部分はむしろシンフォニックといってもよい感触で
やわらかなヴォーカルにフルートが重なるとじつに美しい。
サウンドにはどこかミステリアスな翳りがあり、泣きのギターにしろシンセにしろ
テクニックを聴かせるよりは、たゆたうような儚い世界観を聴き手にイメージさせてくれる。
シンフォニック度・・8 ジャズロック度・・7 儚い幻想美度・・8 総合・・7.5
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CARPE DIEM「Cueille le Jour」
フランスのシンフォニックロックバンド、カルプ・ディアンの2nd。1977年作
サックスを中心にしたジャズロック風のシンフォニックロックという個性的なバンド。
のっけから21分の組曲で、1stをより洗練させた叙情美でしっとりと聴かせる。
インストをメインにしながら決してうるさすぎない演奏で、ハモンドなどの音色も
どこか薄暗い雰囲気で、サウンドにヨーロピアンな幻想美をまとわせる。
点描のジャケが美しい1stの方が有名だが、全体の完成度ではこちらだろう。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 しっとり薄暗度・・8 総合・・8
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CHANCE「Dunes」
フランスのシンフォニックロックユニット、チャンスの1994年作
シンセ奏者、ローラン・シモネッティ氏のソロユニットで、美しいシンセアレンジに、
メロウな叙情ギターが加わった、インストによるシンフォニックロック。
ギターがわりと自由にメロディを奏でているので、オールインストであるが、
なかなかダイナミックな聴き心地で、ムーグシンセなどのきらびやかなシンセもよい味わいだ。
スリリングな展開というのはあまりないが、美麗なシンセに包まれた叙情的なギターワークが堪能できる好作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 美麗度・・8 総合・・7.5
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CHANCE「ESCAPE TO HORIZON」
フランスのシンフォニックロックユニット、チャンスの2nd。2000年作
KEY、B、Drをこなす、ローラン・シモネッティ氏のソロユニットで、7年ぶりとなる2作目。
広がりのあるシンセサウンドをメインにした、ゆったりとしたシンフォニックサウンドは健在で
GANDALFあたりにも通じる作りだが、こちらの方がややマニア受けするシンフォプログレ寄り。
ゲストの奏でるメロウなギターも、ときに華麗に弾きまくるキーボードに乗って曲に彩りを添えている。
全編インストであるが、シンフォパートの後にはゆるやかな静寂パートも多く、展開にメリハリが効いていて
なかなか楽しめる。ちなみに四人のゲストギタリストのうちの一人はロイネ・ストルトである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 流麗度・・8 総合・・8
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CLEARLIGHT「SYMPHONY」
フランスのプログレバンド、クリアライトの1st。1975年作
フランスのMIKE OLDFIELDとも言うべき、20分の組曲が2曲という大作志向のこのアルバム。
@はまず、ソリーナの音色に導かれて、効果音や即興的なサックス、そこにギターが加わり、
アヴァンギャルドに響きわたる。リズムパートはなく、どこか怪しげな雰囲気ものといった様相。
いわゆるシンフォニックロックというものではなく、どちらかというとジャーマン系の
サイケ、エレクトロニクスサウンドに通じるようなイメージだが、そこはフランスというお国柄か、
美しいピアノの音色がたおやかに場を彩りふんわりとした繊細な浮遊感が存在している。
Aになると、リズムが加わり、シンフォジャズロック的な演奏にサイケ色が加わった雰囲気で
トータル的にインスト作でありながら、不思議な世界観と質感を持ったサウンドとなっている。
あるいはこれはフランスからの「チューブラーベルズ」への回答だったのかもしれない。
シンフォニック度・・7 ロック度・・5 しっとり浮遊度・・9 総合・・7.5
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CLEARLIGHT「FOREVER BLOWING BUBBLES」
フランスのシンフォニックロック、クリアライトの2nd。1975年作
大作だった1stに比べ比較的コンパクトな楽曲を連ねた作風となっている。
Cyrille Verdeauxのシンセに絡む、デビッド・クロスのヴァイオリンが美しい。
全体的にややジャズロック風のインスト演奏を感じさせつつも、独特の浮遊感と、
シンセミュージックとしてのプログレッシブな雰囲気はさすがで
緊張感よりはむしろ空間的な叙情美を感じさせるサウンドだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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CLEARLIGHT「Les Contes Du Singe Fou」
フランスのシンフォニックロック、クリアライトの3rd。1976年作
「狂った猿の物語」というタイトル通り、カラフルな衣装をまとったチンパンジーのジャケが
やや異色な感じを与える。サウンドとしては、前2作よりもヴォーカルの頻度が高く、
GENESIS的な質感の分かりやすいシンフォニックロックサウンドになっている。
MAGMA LIVEにも参加したDidier Lockwoodが奏でるヴァイオリンが
Cyrille Verdeauxのピアノと絡まりあい、美しいコントラストを描きつつ曲を盛り上げる。
しっとりとしたクラシカルさとメロディアスな歌メロのバランスがとれた好作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8
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CLEARLIGHT「Crille Verdeaux-VISIONS」
クリアライトの4th。1978年作
タイトル表記からするとシリル・ヴェルドーのソロ的扱いなのだろうか。
鳥のさえずりや美しいフルートから始まるこのアルバムはたおやかな安らぎに満ちたメロディアスな作品。
艶やかなヴァイオリンとキーボートとの掛け合いも楽しく、そして流麗なピアノがクラシカルな格調高さを付加している。
サイケ色のあった1stよりは構築された聴きやすさがあって安心できる。ピアノの音色でしっとり、フルートの音色にうっとり。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 たおやか度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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CLEARLIGHT MOSAIQUE「In Your Hands」
フランスのシンフォニックロックバンド、クリアライト(モザイク)の5th。1994年作
内容は3rd「狂った猿の物語」のリメイクということらしいが、詳しいことは不明。
キーボードのCyrille VERDEAUXと、ヴォーカルのGunnar AMUNOSONの二人を中心に、
ヨーロピアンなクラシカルさと東洋的な質感がミックスされたような雰囲気で、
サウンドにはかつてよりもモダンなアレンジ、アプローチがなされている。
シンセ、ピアノを中心に、ギター、ヴァイオリンなどが美しく絡む浮遊感のある楽曲は、
Voの声質もあってかやや重厚さには欠けるが、その分平和的なたおやかさがあり
プログレというよりも、空間的なスピリチュアルミュージックとしても聴けるかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 スピリチュアル度・・8 総合・・7.5

CLEARLIGHT「Infinite Symphony」
フランスのシンフォニックロック、クリアライトの2003年作
事実上Cyrille Verdeauxのソロ作と言ってもよいだろう。1975年作「Clearight Symphony」の続編ともいうべき内容で
6楽章からなる長大な作品。たおやかなピアノの上をヴァイオリンとサックスが交わる第一楽章は、
いうなればクラシカルなジャズロックともいうべき軽やかなサウンド。変わってしっとりとした第二楽章では
繊細なフルートの音色が美しく、楽曲は徐々にシリアスに盛り上がってゆく。第三楽章ではガブリエルのようなVoも入って、
シンフォニックさを増し、THE ENIDを思わせる第五楽章では、まさにクラシカルシンフォニーという優雅さが包み込む。
昨今のシンフォバンドのようなキャッチーさはないが、構築美としてのシリアスなシンフォニックロックが楽しめる傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 構築美度・・9 総合・・8
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Clearlight 「Impressionist Symphony」
フランスのプログレバンド、クリアライトの2014年作
1975年作「Symphony」でデビュー、何度かの活動休止をへて、2003年には続編となる「Infinite Symphony」を発表、
その10年後に、さらに続編となる本作が完成した。艶やかに鳴り響くヴァイオリンに美しいピアノとシンセ、
クラシカルな優雅さに包まれたサウンドは、まさにクリアライトのサウンドである。メロウな叙情ギターが随所に入るのは
やはりMIKE OLDFIELD的でもあり、フルートやサックスなどのやわらかな音色も、楽曲に繊細な彩りを添えている。
楽曲ごとにルノワールやモネ、ピサロなど、印象派の絵画をテーマにしたセンスも素晴らしい。
曲によってはモダンな感触も織り込みつつ、フレンチらしい芸術性と美意識を感じさせる優美なる傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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Cyrille Verdeaux「Rhapsodies Pour La Planete Bleue」
フレンチシンフォの代表格、CLEARLIGHTを率いるシリル・ヴェルドーのソロ作。1988年作
KUNDALINI OPERA組曲と題されたソロ作シリーズの第五部で、
ゲストにChristian Boule(g/synth)、Don Lax(vln)等を迎え、シリアスなシンフォニックスタイルを展開。
リズムセクションは最小限で、基本はスペイシーでクラシカルなシンセワークを軸にした、
雄大かつ優美な音空間が構築されている。地球全体を見つめながら、大自然との融合、
人間の内的なパワーなどを、ある種の宗教観をともなって、ミニマムなサウンドで表現。
スペイシーなシンフォニックサウンドは、ときにトリップミュージック的でありながらも、
クラシックに裏打ちされたピアノ、シンセによるオーケストレーションなどは壮麗で耳に心地よい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 内的度・・9 総合・・8

Spirits Burning & Clearlight「Healthy Music In Large Doses
アメリカのサイケロック、スピリッツ・バーニングとフランスのプログレ、クリアライトの合体ユニットの2013年作
エレクトロ的なモダンさとオリエンタルな雰囲気を、サイケ風味の浮遊感で包み込んだというサウンドで、
ピアノやヴァイオリンなどのクラシカルなエッセンスや、随所にスキャット風味の女性ヴォーカルも加わった、
優雅で神秘的な感触は、やはりCLEARLIGHT(Cyrille Verdeaux)に通じる世界観を感じさせる。
これというインパクトはないのだが、ゆったりとしたメロウな聴き心地で楽しめる作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 クリアライト度・・8 総合・・7.5


Cloverseeds「Cloverseeds」
フランスのハードプログレバンド、クローバーシーズの2010年作
ジャケの雰囲気などから、ポーランドか、もしくはイギリスのバンドかと思ったら、
この手のモダンな薄暗系ハードプログレがフランスからも出てくるとは。
いくぶんメタリックなギターとともに、ゴシックメタル風味のメランコリックな翳りある世界観で、
やはりRiversideあたりに通じる聴き心地もありながら、ロックとしてのモダンなセンスは
案外COHEED AND CAMBRIAなどにも近いか。現時点では、メロディにしろ楽曲にしろ
インパクト不足な感もあるが、メタルとプログレの垣根を超えるような存在として今後に期待。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダン派薄暗系度・・8 総合・・7.5
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The Daedalus Spirit Orchestra 「Ampulla Magnifying」
フランスのモダンプログレ、ダイダルス・スピリット・オーケストラの2009年作
シンセ奏者にフルート&ヴィブラフォン奏者を含む編成で、アヴァンギャルドな雰囲気と、
キャッチーなコーラスハーモニーとともに、モダンなセンスで聴かせる個性的な作風。
変則リズムたっぷりのアンサンブルにフルートが鳴り響き、ジャズロック的な軽妙さと、
チェンバーロック風味のスリリングな感触が強引に合わさったような聴き心地である。
ときにフランス語のヴォーカルによる優雅さもありつつ、適度なハードなギターが加わると、
カオティックコア系に通じる激しさも垣間見せる。若手らしいボーダーレスなセンスに包まれた異色作。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
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DANIEL VEGA「La noche que precede a la batalla」
スペインのアーティスト、ダニエル ヴェガの1976作。邦題は「嵐の前の静かな夜」
たおやかなアコースティックギターにフルート、そして異国的なパーカッションにエレキも加わり、
単なるアコースティカルというだけではない、一種独特なサウンドとなる。
スパニッシュ風味のアコギは素晴らしいテクニックで見事な音色を聴かせ
ジャズロック的なピアノにサックスなども現れて、合計25分ほどの短い作品の中にも
さまざまな表情を覗かせる。歌パートではイタリアンロック的な叙情をかもしだしつつも、
どこかにうす暗さと哀愁を感じるのもポイント。人間的で奥深い世界観のある作品だ。
メロディアス度・・7 スパニッシュ度・・8 哀愁度・・9 総合・・7.5
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David RoseDistance Between Dreams
フランスのジャズロックバンド、TRANSIT EXPRESSのヴァイオリニスト、デヴィッド・ローズのソロアルバム。1977年作
トランジット・エクスプレスのメンバーが参加していることで、ソロ名義ながらも、実質的にはトランジットの4作目ともいわれる本作は、
美しいピアノとデヴィッド・ローズの艶やかなヴァイオリンの音色で聴かせる優雅なジャズロック作品。
緊張感をただよわせる部分は、Mahavishnu Orchestraにも通じるもので、
プログレッシプロックとジャズ、クラシックのクロスオーバー的な味わいがある。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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DAYMOON 「All Tomorrows」
ポルトガルのプログレバンド、デイムーンの2011年作
The Tangentのアンディ・ティリソンがプロデュースした作品で、1曲目はオルガンやムーグを含んだシンセに
適度にモダンかつキャッチーな感触を融合させた、Riversideなどにも通じるサウンドながら、
2曲目以降は、フォルクローレ風味のアコースティカルな要素や、エレクトロなアレンジなども出てきて、
なにやら、とらえどころがないトボけた味わいである。ラテン系のポストプログレというべきか。
ボーダーレスで玄人好みの作品と言える。FACTORY OF DREAMS、ISILDURS BANEのメンバーなどがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 モダン度・・8 ラテン度・・8 総合・・7.5


Debora Seffer
フランスのヴァイオリニスト、デボラ・セファーの2004年作
ZAOなどに参加したYochk'o Sefferの娘で、自身のキュートなフランス語の歌声を乗せ、
艶やかなヴァイオリンを弾きならす、コケティッシュなジャズロックサウンドを聴かせる。
父親譲りの優雅で軽妙な楽曲センスも覗かせつつ、女性らしいきらびやかなポップ感も併せ持ち、
プログレ寄りの構築性というよりは、センシティブな軽やかさで、お洒落な香りを漂わせている。
楽曲は3〜4分台で、わりとコンパクト。もう少し濃密な感じだとよりプログレリスナーに受けると思う。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 優雅で軽妙度・・8 総合・・7.5
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Delired Cameleon Family
Clearlightのメンバーを中心にしたフランスのサイケユニット、デライアド・カメレオン・ファミリーの1975作
「錯乱したカメレオン一家」という奇妙なバンド名であるが、サウンドはむしろジャーマンロック的な浮遊感を感じさせるもの。
クリアライトのシリル・ヴェルドーによるシンセワーク、ピアノを中心に、女性スキャットなども加わり、
POPOL VUHあたりを思わせる静謐感と、東洋的な世界観を描き出している。後半は、サックス、ギターにリズムも入った
MAGMAっぽいジャズロックになり、その移り身の早さはさすがフランス。
浮遊度・・8 静謐度・・7 ジャズロック度・・7 総合・・7.5
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Delusion Squared
フランスの女性Voシンフォロックバンド、デリュージョン・スカーレッドの2010年作
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と、ゆるやかに聴かせる繊細な楽曲は、
WISHING TREEあたりにも近い感触。そこにモダンなロック感覚とプログレ性を盛り込んで
スタイリッシュなサウンドを描いている。一聴してシンプルながらもじつは計算された音である。
ときおり覗かせるアンニュイなけだるさもフランスっぽくてよろしい。マイスペはこちら
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Delusion Squared「II」
フランスの女性Voシンフォニックロック、デリュージョン・スカーレッドの2012年作
ゆったりとした叙情とキュートな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる作風は前作同様で、
北欧のPaatosあたりも通じるメロウな聴き心地。モダンな薄暗さをまとわせつつ、
うるさすぎないシンセアレンジや、アコースティカルなギターなどもセンスがよく、
しっとりと心地よく楽しめる。どこかアンニュイではかなげなロレイン嬢の歌声もけっこう好みで、
ALL ABOUT EVEあたりを思わせる部分もしばしば。派手さはないが前作以上の好作品。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Delusion Squared 「The Final Delusion」
フランスの女性Voメロウロック、デリュージョン・スカーレッドの2014年作
前作はPaatos+ALL ABOUT EVEというような好作だったが、3作目となる本作は
美麗なシンセアレンジと適度にハードなギターとともに、モダンな感触が強まっているが
ロレイン嬢の美しい歌声は楽曲にキュートな華やかさとアンニュイな香りを加えている。
いくぶん翳りをおびた叙情とともに、曲によってはゴシックロック的にも楽しめるかもしれない。
プログレ的な派手さはさほどないが、ゆったりと楽しめる女性声メロウ・ロックの好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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DEMIANSBuilding an Empire
フランスのミュージシャンNicolas Chapel氏の個人ユニット、デミアンズの2008年作
うっすらとしたシンセにいくぶんヘヴィめのギターとともに、メランコリックな叙情を描く
いわゆるPorcupine Tree系のサウンド。PTに比べるとシンフォニックな要素が強く、
暗すぎない程度のメロウさや、ストリングスなどのアレンジも入った泣きもよろしい。
16分の大曲も含めて、ゆったりと聴かせる耳心地の良さがいい感じですね。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 薄暗メロウ度・・8 総合・・8
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Demians「Mute」
フランスのミュージシャンNicolas Chapel氏の個人ユニット、デミアンズの2010年作
ほの暗い翳りを含んだポストロック風味のモダンプログレ作品で、Porcupine Tree的な叙情とともに、
キャッチーなヴォーカルメロディはRPWLなどにも通じるサウンド。前作よりもギターが前に出ていて、
オルタナ的な雰囲気がやや強まっていて、ロック的な躍動感とともに厚みのあるサウンドを描いている。
一方ではうっすらとしたシンセアレンジがもの悲しい繊細さをかもしだしていて、シンフォニックな味わいもある。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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]U ALFONSO(DOUZE ALFONSO)「THE LOST FRONTIER」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの1st。1996年作
クラシカルなピアノの音色が響き、時にシンフォニックに盛り上がり、時に静謐なシンセアレンジが美しい。
雄大なオーケストレーションを用いながらも、フルートやアコーディオン等の素朴な音色も上手く取り入れた、
じつにセンスのよいサウンドだ。インスト中心ながら、数曲あるしっとりとした女性ヴォーカル曲も美しい。
自然と人間、そして世界とを、音に感じられる「自然派タイプ」のシンフォニック作品である。
シンフォニック度・・8 ロック度・・6 雄大度・・9 総合・・8
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]U ALFONSO「Odyssees」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの2nd。1999作
しっとりとしたシンセで聴かせるゆるやかなシンフォ作。
フランス語で聴かせる男女ヴォーカルも優雅な味わいがあり、
GENESIS的なメロウなギターワークとともに、やわらかなサウンドを生み出している。
過剰な盛り上がりやドラマティックさがなく、自然体でじつに耳に優しいシンフォ作品だ
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・8 しっとり優雅度・・9 総合・・8
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]U ALFONSO(DOUZE ALFONSO)「THIS IS」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソのライブアルバム。1998年作
現在のフランスシンフォでは筆頭級のバンド。1998年のライブ音源。
アルバム同様、ナチュラルな壮大さを感じるシンフォニックロックをやっている。
女性Voの美しい歌唱や、典雅なピアノの響き、たおやかなアコースティックギターなど
いわゆる英国あたりのポンプ派生のシンフォとは正反対のサウンド。
しっとり、ゆるやかで耳にしみ入るようなやわらかみのあるシンフォサウンドだ。
方向性としてはGANDALFあたりにも近い大自然との融合を感じる。
シンフォニック度・・8 しとりゆるゆか度・・10 雄大度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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DOUZE (DOUZE) ALFONSO「Claude Monet, Vol.1 1883-1889」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの2001年作
印象派を代表する画家、クロード・モネの生涯をテーマにしたコンセプト作。
ゆるやかなアコーディオンとフランス語の語りで始まる、ロマンティックな美しさに包まれた作品。
クラシカルなピアノ、12弦ギターのアコースティックな響き、ゲストも含めた男女ヴォーカルの歌声、
どれもがしっとりと優雅な雰囲気で、フランスからしか出て来ないやわらかなサウンドを描いている。
ハープやフルートも美しい。エスプリの効いた洒落た味わいが、繊細なシンフォニックと絶妙に融合された傑作だ。
モネの絵画をたっぷりとあしらったブックレットも素晴らしい。2005年には続編となるアルバムを出している
シンフォニック度・・8 フランス度・・9 しっとり繊細度・・9 総合・・8.5
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XII ALFONSO(DOUZE ALFONSO)「Claude Monet Vol.2 1889-1904」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの4作目。2005作
クロード・モネの生涯をテーマにしたコンセプト作の続編。
マイルドかつエレガントな空気を漂わせるサウンドは、フランス語の語りを入れたシアトリカルな雰囲気で、
クラシカルなピアノやアコースティカルな美しさも前作同様にさすがの説得力がある。
こうなるとANGEなどと同様、フランス語が理解できればいっそう楽しめる作品なのだと思うが、
演奏自体のセンスも現代のフレンチシンフォ界ではピカイチのバンドであるから、
優雅な音だけを聴いてもうっとりとできる。モネの絵画がちりばめられたブックレットも大変美しい。
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・9 たおやか優雅度・・9 総合・・8
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XII Alfonso「Under」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの5作目。2008作
今やフランスのシンフォニック系の代表ともいうべき存在であるこのバンド、
クロード・モネをテーマにした大作に続く本作は、人類の歴史や進化などをテーマにした
シリアスなコンセプト作である。アコースティカルな質感を聴かせるゆったりとした叙情性は
じつに繊細で、むしろMIKE OLDFIELDのような自然との融合を感じさせるサウンドである。
映画的な音声を取り入れたり、メロディにオリエンタルな旋律を使ったりと、多様なアレンジが光る。
中でもキング牧師の演説が曲のリズムに乗って、「歌」に聴こえるのはすごいアイディアである。
一聴しての派手さはないが、バンドとしての知性と芸術的なセンスを存分に感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 繊細芸術度・・9 総合・・8
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XII Alfonso 「Charles Darwin」
フランスのシンフォニックロック、ドゥーゾ・アルフォンソの2012年作
イギリスの生物学者、ダーウィンの生涯と研究をテーマにしたCD3枚組の大作。
繊細なシンセワークにメロウなギター、フルートや多数のアコースティック楽器、
そして随所にゲストヴォーカルもまじえて、耳触りのよいやわらかなサウンドを描きながら、
1809〜1882年までの、彼の人生と研究をたどるように、ゆるやかに楽曲が進んでゆく。
派手な盛り上がりやスリリングな部分は薄いのだが、Mike Oldfieldなどにも通じる民族的な要素や、
なにより歴史上の人物を音楽で表現してゆくという、芸術的な試みはこのバンドならではの探求心だろう。
マギー・ライリーをはじめ、フランシス・ダナリー、ジョン・ハケットなど多数のゲストが参加。
ダーウィンにまつわる多数の写真やイラスト、本作に使用した楽器群の写真などを含む豪華なブックレットも素晴らしい。
シンフォニック度・・7 繊細度・・8 探求度・・9 総合・・8
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Drama
フランスのプログレバンド、ドラマの1996年作
美麗なシンセワークにメロディックなギターを乗せた、インストによるシンフォニックロック。
軽快なアンサンブルとメロウなギターフレーズは、初期のMinimum Vitalにも通じる感触で、
90年代らしいおおらかな叙情に包まれている。オールインストながら、きらびやかなシンセと
メロディセンスの良いギターワークに、リズムチェンジを含む起伏に富んだ構築力で、わりと飽きずに楽しめる。
ラストは10分を超える大曲で、ロマンあふれる美意識がシンフォニックな泣き叙情となってウットリとなる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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DRAMA「STIGMATA OF CHANGE」
フランスのシンフォニックロック、ドラマの3rd。2005年作
美しいシンセアレンジにハケット風のメロウなギターがかぶさる、ゆるやかでしっとりとしたサウンド。
同郷のSAENSのような大仰なハードさはないので、さほど高揚感はないのだが、
優しく繊細な朝の空気のような心地よさがある。組曲方式のタイトル曲にしても、
濃密に盛り上がるのではなく、あくまで涼しげな叙情性に包まれていて、ゆったりと味わえる。
コテコテ好きにはやや物足りないかもしれないが、繊細なシンフォサウンドが楽しめる好作品。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 しっとりメロウ度・・8 総合・・7.5
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Dry River 「El Circo de la Tierra」
スペインのプログレバンド、ドライ・リヴァーの2011年作
QUEENやMOON SAFARIを思わせる美しいコーラスハーモニーで幕を開け、
メロディックなギタートーンにオルガンやムーグシンセ、メロトロンが重なる、
きらびやかなシンフォ・プログレサウンドが広がってゆく。優雅だが濃密な展開を見せつけ、
そして高クオリティという点では、ロシアのLittle Tragediesなどにも通じるかもしれない。
ヴォーカルがスペイン語であることが、いくぶんの辺境性になっているのだが、
80年代プログレハード的でもあるキャッチーな感触がそれを中和しているという。
優美なフルートも含んだやわらかな叙情性に、いきなりプログレメタル的にハードになったりと、
若手らしいボーダーレスのセンスに包まれながら、あくまでメロディアス性にこだわった力作である。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 優雅で濃密度・・9 総合・・8.5
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ECLAT 「II」
フランスのプログレバンド、エクラの1992年作
Minimum VitalTiemkoなどとともに、90年代初頭のフランスのネオプログレシーンを盛り上げたバンド。
繊細なシンセアレンジに、フュージョン的でもある軽妙なアンサンブル、フランス語のヴォーカルを乗せた、
スタイリッシュなシンフォニックロックで、前に出すぎないメロディックなギターワークも含めて、
耳心地のよいサウンドを描いている。3〜5分前後の楽曲を主体に、大仰になりすぎないコンパクトなセンスというのは
このバンドの特徴だろう。優雅なシンフォプロクレが好きな方にはたまらない逸品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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ECLAT「Volume3」
フランスのプログレバンド、エクラの1997年作
日本のKENSOあたりにも通じるキレのよいアンサンブルで聴かせるインストプログレ。
メロディックなギターのフレーズやシンセアレンジなどは、シンフォニック系の感触もありつつ
軽快なノリはフュージョン的な耳心地でも楽しめる。フランスらしい優雅さとともに
キャッチーな感触で聴かせつつも、どこか底の知れないアレンジセンスは、
このバンドの懐の深さだろう。玄人好みの好作品だ。1998年には来日も果たしている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽やかひねくれ度・・8 総合・・8

eclat「Le Cri de la Terre」
フランスのプログレバンド、エクラの2002作
テクニカルなアンサンブルと、巧みなシンセワークによるシンフォニック要素が合わさり
知的な混沌ともいうべき、浮遊感のあるインストプログレは、本作で完成の域に到達した。
一筋縄ではいかないひねくれた質感はいかにもフランス的で、大人の叙情的を聴かせる
メロディアスなギターワークと軽やかなフュージョン・ジャズロック的な聴き安さの中に、
不思議なスケール感をかもしだしている。クラシカルなシンセの入れかたもさりげなく見事だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽やかひねくれ度・・8 総合・・8
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ECLAT「L'esprit Du Cercle」
フランスのプログレバンド、エクラの2012年作
90年代から活動するバンドで、2001年作「Le Cri de la Terre」以来、10年ぶりとなる5作目。
流麗なギターワークと、オルガンなどを含む古き良きシンセアレンジで軽妙なアンサンブルを描く、
オールインストのサウンド。フュージョンロック的でもある軽やかな優雅さとメロディアス性に、
随所にゆったりとした大人の叙情を感じさせるセンスは、活動20年以上のベテランならでは。
9分の大曲もジャズロック的なやわらかな聴き心地で、決して派手さはないものの、
耳心地の良さでわりとのんびり楽しめる。個人的にはもう少し偏屈な展開力なども欲しいのだが。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 軽妙度・・8 総合・・8
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ECLIPSE SOL-AIR 「Schizophilia」
フランスのシンフォニックロック、エクリプス・ソル・エアーの2012年作
男女Voにシンセ、ヴァイオリン奏者を含んだ6人編成で、やわらかなフルートの音色にヴァイオリンが絡み、
男女ヴォーカルの歌声で聴かせる、しっとりとした優雅なサウンド。ヴォーカルは英語やフランス語、
ときにドイツ語も混じるのが独仏混成バンドらしい。いくぶんハードめのギターにオルガンの音色が合わさる
アグレッシブな部分もあって、楽曲事自体はそう長くはないものの、メリハリに富んだ聴き心地が楽しめる。
演劇的なドラマ性も含めて、濃密ながらも優雅な雰囲気と、ヨーロピアンな感性が詰まった力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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EDEN ROSE 「On The Way to Eden」
フランスのジャズロック、エデン・ローズの1970年作
のちのSANDROSEの前身となるバンドであるが、本作のサウンドはオルガンを主体にした
インストのジャズロックで、そこにジャン・ピエール・アラルサンのメロウなギターが加わると、
FOCUSあたりを思わせる感触にもなる。あるいは初期のCARAVANにも通じる素朴なジャズロック色に
フランスらしい優雅な感触をまとわせたというところか。楽曲は3〜4分の小曲が中心で、
全体的にはオルガンが主役のスタイルなので、プログレとして聴くには少し物足りなさもあるが、
古き良きオルガンロックが好きな方にはとても楽しめるだろう。アラルサンのギタープレイもさすがです。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・9 総合・・7.5
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EDHELS 「Still Dream」
モナコのプログレバンド、エデルスの1988年作
80年代にしてはモダンなセンスのシンセアレンジと、メロディックなギターワークを中心にした
インストによるシンフォニックプログレ。CAMELやJEAN PASCAL BOFFOあたりにも通じる聴き心地で、
次作のようなスリリングな展開力というのはないが、その分メロディアスな感触をゆったりと楽しめる。
アレンジには決してクドくなりすぎないクールさが感じられて、そういう点ではコテコテシンフォ好きには物足りないが、
むしろMike Oldfield的でもある繊細な感性とセンスの良さが耳心地よいのである。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8

EDHELS 「Astro Logical」
モナコのプログレバンド、エデルスの1991年作
結成は80年代と、ネオプログレムーブメントのバンドではわりあい古参といってもよいだろう。
本作は3作目で、星座をテーマにした作品のようで、各曲ごとに星座名のタイトルが付けられている。
どことなくエレクトロなシンセアレンジと、フリップ風のディレイの効いたギターが鳴り響き、
スペイシーでアンビエントな質感を醸し出しつつ、ときにクリムゾン的なクールな構築性も覗かせる。
音の厚みよりも空間性を描くようなアプローチで、類型的なプログレよりもずっとモダンな感触だ。
とくに奔放なメロディを奏でるギターのセンスはかなりのもので、オールインストながらも
不思議な緊張感に包まれたサウンドが楽しめる。スペイシーで個性的な好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 空間度・・8 総合・・7.5
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EDHELS「ANGEL'S PROMISE」
モナコ公国出身のシンフォニックロックバンド、エドルスの4th。1997作
当時はフランスのバンドとして紹介されていた記憶があるが、初期の作品は80年代のシンフォ系としてはなかなかの出来だった。
本作では、インスト曲においてはデジタルなモダンさの中にも、幻想的なシアトリカルさをイメージさせる音作りで
音の隙間を上手く聴かせる大人のアレンジがなかなか心憎い。一方、ヴォーカル曲ではシンプルな聴きやすさがあり、
全体的には、派手さはないが空間美を覗かせるセンスの良い作品になっている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 空間センス・・8 総合・・7.5
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EDHELS「SALTIMBANQUES」
モナコのプログレバンド、エドルスの5th。2004作
タイトルからしてサルティンバンコ(大道芸人)をテーマにしているのだろうか。
前作からさらに力が抜けて、ダークめのプログレフュージョンになっている。
メンバーは3人。シンセとギターをメインに、3〜5分前後のインスト曲中心の演奏で、
翳りのあるメロディアスなサウンドには若干の屈折感があるのがやはりお国柄か。
盛り上がったり展開する場面はほとんどなく、総じてゆったりとした大人のフュージョンロックといった趣。
初期のMINIMUM VITALをさらに静かにしたような雰囲気で、聴きようによっては退屈かもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フランス度・・8 総合・・7


EIDOLON「Dreamland」
フランスのプログレバンド、エイドロンの2009年作
7パートに分かれた組曲形式のコンセプト作で、物語的な語りから始まり、
サイケなシンセアレンジと素人臭いヴォーカル、そしていくぶん唐突な展開で描かれるサウンド。
ヴァイオリの美しい響きにうっすらとしたシンセとギターがかぶさると、

不思議なスケール感を感じさせるシンフォニックロック風味にもなる。
随所に語りをはさんだ演劇的な構成とともに、全体的には粗削りながらも
型にはまらない懐の大きさは感じさせる。フランスらしい異色の力作です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
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Emmanuel Booz「Le Jour Ou Les Vaches」
フランスのシンガー、エマニュエル・ブーズの1974年作
フレンチロックの異色の名作とされる作品で、フランス語の語りから始まり、
サックスやストリングスなどを含んで描かれるチェンバーロック的な緊張感と
シアトリカルや怪しさをただよわせた、エキセントリックな世界観が展開される。
演劇的なブーズの歌声と、それを包み込むダークな不穏感、そこにクラシカルな優雅さも加えた
フランスらしい芸術性が楽しめる。オーケストラルな壮大さも含んだ個性的な力作である。
ドラマティック度・・8 怪しげ度・・9 シアトリカル度・・8 総合・・8
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Emmanuel Booz「Clochard」
フランスのシンガー、エマニュエル・ブーズの1976年作
前作のシアトリカルな怪しさは本作ではいくぶん薄まったようにも思えるが、
歌ものでありながらも、どこか芸術的な先鋭さを感じさせるセンスはさすが。
官能的なサックスにギターが絡み、うるさすぎないシンセで味付けされたサウンドの、
その軽妙にして得体の知れない感じというのは、やはりプログレといってもよいものだろう。
そして、フランス語によるそのシアトリカルな歌声は、完全に個性として確立している。
ドラマティック度・・7 怪しげ度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8

Emmanuel Booz「Dans Quel Etat J'erre」
フランスのシンガー、エマニュエル・ブーズの1979年作
4作目である本作は、3つの大曲からなるもっともプログレッシブな大傑作。
ムーグシンセが鳴り響き、スペイシーでサイケな浮遊感と屈折した展開は
エキセントリックなヴォーカルともに非常に濃密かつ異様な迫力をもって迫ってくる。
ヴァイオリンが響きわたるクラシカルな大仰さを、宇宙的な壮大さでサイケに包み込んだというべきか、
この圧倒される感じというのは、方向性は異なるがアルテミエフの名作にも通じるかもしれない。
振り幅の大きさ、劇的なパワーを詰め込みながら、奔放な優雅さも失っていない。すごい作品です。
ドラマティック度・・8 怪しげ度・・9 シアトリカル度・・8 総合・・8.5



ENBOR
スペイン、バスク地方のフォークロック、エンボルの1979年作
アコースティックギターとエレキギターにドラムを含んだロック色のあるアンサンブルに、
サックスやフルート、クラリネットなども加わり、やわらかなヴォーカルを乗せた聴き心地の良いフォークロック。
ときに女性声も加わって男女ヴォーカルの美しさにうっとりしつつ、全体的に優雅な叙情性が前に出ていて、
この手のバスク系のバンドの中では土着性が控えめなので、初心者にも聴きやすいだろう。
アコースティカル度・・7 優雅な叙情度・・8 バスク度・・8 総合・・7.5
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ESKATON「Ardeur」
フランスのプログレバンド、エスカトンの1980年作
オルガンを含んだシンセワークと、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
軽やかなシンフォニック・ジャズロックというようなサウンド。
スキッャト的な女性Voは、MAGMAをぐっと爽やかにしたような感触もあり、
疾走感のあるドラムに乗るベースのうねり具合などもけっこうマグマ的なのだが、
本家に比べると重厚感というのはあまりなく、随所にクラシカルなヴァイオリンが入ったり、
シンセによるメロディアスな聴き心地が前に出る部分も多いので、とても聴きやすい。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 明るいMAGMA度・・9 総合・・8
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Eskaton 「4 Visions」
フランスのプログレ・ジャズロック、エスカトンの1981年作
1980年作「Ardeur」を先に聴いていたが、本作はデビュー前の1979年に録音された音源。
スペイシーなシンセに存在感あるベースを乗せたアッパーなアンサンブルに、
妖しい女性ヴォーカルが響き渡る、MAGMAを思わせる神秘的なジャズロックサウンド。
ほとんどの曲が10分前後という大作志向で、本家マグマに通じるスケール感ととともに、ときにムーグシンセや
オルガンなどを加えたプログレらしさも覗かせる。フランス語による女性ヴォーカルがミステリアスな優雅さをかもしだし、
サイケな浮遊感にチェンバーロック色も混ざったような、単なるMAGMAフォロワー以上の濃密な聴き心地だ。
ドラマティック度・・8 神秘的度・・8 MAGMA度・・9 総合・・8
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Evidence 「Heart's Grave」
フランスのプログレバンド、エヴィデンスの1996年作
VDGGのピーター・ハミルを思わせるような情感的なヴォーカルと、美しいシンセアレンジで聴かせる、
哀愁の叙情とシアトリカルな詩情を感じさせる作風。鳴り響くティンパニの低音やクラシカルなヴァイオリン、
ハープシコードの音色も含めて、優雅な格調高さと、エキセントリックなドラマ性が交差する。
まるで演劇を見ているような面白さがある。ラストの曲以外はドラムやギターなどがほとんど入らないので
ロック色はあまりないのだが、アーティスティックな感性と繊細なドラマ性を感じさせる異色作である。
ドラマティック度・・8 ロック度・・3 優雅でシアトリカル度・・8 総合・・8
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Eye 2 Eye「After All...」
フランスのシンフォニックロックバンド、アイ・トゥ・アイの2nd。2008作
美しいピアノにシンセワーク、ギターの奏でるメロウなフレーズ、
10分台の曲をメインにした大作志向やロマンティックな雰囲気も含めて
かつてのPENDRAGONを思わせるような王道のシンフォニックロックである。
翳りある叙情はポーランドなどのバンドにも近いイメージであるが、
フランスの優雅なアンニュイさとも通じているのかもしれない。
メロディの良さという点でも近年のフランスシンフォではトップクラスだろう。
シンフォニック度・・8 優雅な翳り度・・8 総合・・8
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Eye 2 Eye 「The Wish」
フランスのシンフォニックロック、アイ・トゥ・アイの2011年作
前作もかなりの出来であったが、本作もフランスらしい優雅な叙情に包まれた力作だ。
美しいシンセワークとメロウなギター、シアトリカルなヴォーカルで、コンセプト的な流れとともに
ドラマティックな展開美を描いてゆく。正統派のシンフォニックロックでありつつ、
随所にモダンな感触も含んだ重厚な聴き心地は、ARENAあたりにも通じるだろうか。
しっとりとしたドラマ性はよいのだが、楽曲ごとのインパクトはさほどなく、メロディの抜け具合の点では
やや物足りないのが惜しい。むしろトータルなアルバムとして鑑賞するべき作品なのだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フランス度・・7 総合・・7.5





Framepictures「Remember It」
ポルトガルのハードプログレバンド、フレイムピクチャーズの2010年作
女性シンセ奏者を含む5人組で、キャッチーなメロディのハードプログレサウンド。
適度にテクニカルなリズムに爽やかなギターフレーズと美しいシンセワークが絡み、
陽性のヴォーカルが歌を乗せるスタイルは、むしろSPOCK'S BEARDあたりに通じる
アメリカのバンド的な抜けの良さがある。演奏力や長曲における構成力なども
新人にしてはなかなかレベルが高い。ラストは26分におよぶドラマティックな大曲を聴かせる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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FRANCIS BERTHELOT 「L'inaccessible」
フランスの小説家、フランシス・ベルセロットによるプロジェクト。2015年作
中世の作曲家の生涯を描いた同名小説を、独自のオーケストラサウンドで描いたコンセプト作品。
基本的には打ち込みによるシンセとデジタルなオーケストラアレンジを駆使した作風で、
クラシカルな優雅さと映画サントラ的なイメージが合わさった聴き心地。ロック色はないので、
どうしてもBGMになってしまいそうなのだが、ほのかにドラマ性を感じさせる雰囲気はあって、
シンセの重ねによるシンフォニックなサントラという風には味わえる。全72分の力作。
クラシカル度・・8 プログレ度・・6 優雅度・・8 総合・・7
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FUSIOON「MINORISA」
スペインのプログレバンド、フシオーンの3rd。1975作
スパニッシュプログレの名作の一枚に数えられる作品。
基本はジャズロック的なアンサンブルと、やや唐突でアヴァンギャルドな曲展開に、
メロトロン、キーボードによるメロディアスさが組み合わさったサウンド。
GRANADATRIANAなどに比べると、スペイン臭さはあまりなく、
どちらかというとむしろイタリアっぽい叙情性がそこはかとなく漂っている。
18分、10分、8分という大曲3曲という構成で、技巧的なアンサンブルを聴かせる。
前衛的な曲調のみならず、軽やかなピアノや、ときにゆるやかなシンセの質感も魅力的。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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GALADRIELCalibrated Collisino Course
スペインのシンフォニックロック、ガラドリエルの2008年作
1988年の1st、91年の2ndは聴いた記憶があるが、まだ活動していたとは。
のっけからデジタリィなシンセアレンジを使ったモダンな作風に面食らうが、
よく聴けば、いかにもスペイン的なギターや素朴な情緒を織り込んでいて、
古さと新しさの融合という質感が面白い。歌唱がスペイン語ではなく英語なのが残念だが、
センスのあるギターとさりげなく絶妙のシンセワークも含めて、レベルの高い作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・7 総合・・7.5
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GANBARA「Banan-Banan」
スペインのプログレトラッドバンド、ガンバラの2nd。1985年作
バスク地方のトラッドを基盤に、ロック的なアプローチを取り入れた聴きやすいサウンドに、
美声の女性ヴォーカルのスペイン語の歌唱が異国情緒を誘う。
アコースティックギターに、ヴァイオリン、フルート、それにバクパイプなどの
温かみのある音色と、シンセ、ドラムなどのモダンなロックとが融合し
どこか懐かしいが、今の音楽としてもちゃんと楽しめるところが魅力だ。
メロディアス度・・8 トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GANBARA「Buhamien Balleta」
スペインのプログレ・トラッドバンド、ガンバラの4th。1992作
素晴らしかった5thと同様、リリカルでシンフォニックなモダントラッドをやっている。
アコーディオンにヴァイオリン、ハープなどが絡み合い、素朴でありながらも
しっかりとしたアンサンブルを聴かせるところは、AMAROKなどにも近いものがある。
そこに美声の女性ヴォーカルによるスペイン語の歌唱が入ると、もううっとり…。男Voはいらない(笑)
アコースティック楽器をメインにしつ、うっすらとシンセを取り入れているのもセンスがよい。
メロディアス度・・8 トラッ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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GANBARA「Itsas Zabalean」
スペインのプログレトラッドバンド、ガンバラの5th。1995作
美しいシンセにフルート、アコーディオンにマンドリン、そして清涼な女性ヴォーカルの歌声。
トラッド的な素朴さと現代的な聴きやすさを融合させたシンフォニックトラッドは、
同じくスペインのAMAROKにも通じる質の高さで、じつに心地よく聴かせてくれる。
とくにスペイン語で歌われる女性ヴォーカルの歌唱はうっとりとするほど美しく<
ポーランドのQUIDAMもかくやというほど。アコースティックとシンセのバランスも良く
素朴でありながらも、やわらかでシンフォニックな質感がとても耳に優しい。
メロディアス度・・8 しっとりやわらか度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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GERARD MANSET「LA MORT D’ORION」
フランスのシャンソン歌手で作曲家、ジェラール・マンセの1971年作
クラシカルなヴァイオリンの音色、フランス語の語りに、オペラティックな女性ヴォーカル
薄暗く、どこか不安感をともなった世界観とアヴァンギャルドな芸術性…
24分のタイトル曲は、シアトリカルな構築と先の読めない展開に、
内的な狂気をはらみながら、どこか醒めた冷たさが恐ろしげな先鋭的な組曲。
クラシカルな作風はイタリアのOPUS AVANTRAに通じる美学も感じさせる。
フルートやピアノのたおやかな響きと、フランス的な倦怠の美意識、
繊細な叙情と張りつめたような不安な空気が同居する、異色の傑作である。
クラシカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 芸術度・・9 総合・・8
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GERARD MANSET 「Le Langage Oublie」
フランスのミュージシャン、ジェラール・マンセの2004年作
1971年作「La Mort D'Orion」は、クラシカルで芸術的なまでの名作として名高いが、
本作は、ロック寄りのギターにオルガンが鳴り響き、フランス語による味わい深い歌声を乗せた、
渋めのフレンチロックというサウンドを聴かせる。美しいピアノにストリングスなども加わったナンバーは、
しっとりと優雅な感触で、クラシカルな美意識という点では、NEW TROLLSあたりにも通じる感触もある
哀愁を感じさせるアコーディオンの音色や、ストリングスと女性声を含んだ薄暗い叙情のナンバーなど、
なかなか幅のあるアレンジでじっくりと楽しめる。プログレ的な要素は薄めだが、フレンチな味わいの好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 フランス度・・8 総合・・7.5
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GLAZ「Escalibur」
フランスのケルトロックバンド、グラッツの1st。1993作
美しいホイッスルの響きと、フランス語の女性ヴォーカルの歌声、
シンフォニックなシンセアレンジとともに聴かせるゆるやかなサウンド。
メロディックな感触にはポップな聴き心地もあって、土着的なクセがないので、
女性声ポップロックとしても普通に楽しめる。鳴り響くパイプにメロウなギターワークが重なり、
ケルティックシンォという点ではKARNATAKAなどにも通じる幻想的な好作だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GLAZ「AR GEST」
フランスのケルトロックバンド、グラッツの2nd。1996作
鳴り響くヴァイオリンの音色がケルティックな雰囲気をかもしだしつつ、
キュートな女性ヴォーカルの歌声も入って、メロディは実にキャッチーでポップ。
シンセやギターによるロック的なアレンジと適度なトラッド風味が絶妙に融合して、
聴きやすく爽快なサウンドを作り出している。ときにパイプなども鳴りながら、適度な土着性と
ファンタジックな世界観で聴かせる。普通に女性声のメロディックロックとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GLAZHolen AR Bed/Le Sel De La Terre」
フランスのケルトロックバンド、グラッツの3rd。1998年作
1stの頃から、ファンタジックなジャケや、素敵な女性ヴォーカルの歌声が好みで、
とても気に入っていたバンドなのだが、残念なことにこの3作目がラスト作となってしまったようだ。
サウンドの方は、キャッチーだった前作「Ar Gest」よりもぐっとメロウになり、トラッド風味が増している。
フランス語による女性ヴォーカルの歌声も美しく、シンセをバックにしたバグパイプの響きとともに、
しっとりと聴かせてくれる。ピアノやフルートなども効果的に使われ、ギターとドラムが入ってくると、
シンフォニックロックとしても爽やかに楽しめる。派手さはないがずっと愛聴したいアルバムだ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GLAZZ「CIRQUELECTRIC」
スペインのプログレ・ジャズロック、グラッツの2011年作
アンダルシア地方のバンドで、基本はギター、ベース、ドラムというトリオ編成で、
ときにムーグを含むプログレ的なシンセやピアノ、スパニッシュギターなどを加えた、
軽妙で優雅なアンサンブルを聴かせる。本作はサーカスをテーマにしたアルバムで
随所にSEやナレーションを含んだ、コンセプト的な空気感と哀愁の叙情も感じさせる。
クラシカルなヴァイオリンにピアノが絡み、技巧的なギターがまじわる味わいは、
テクニカルなジャズロックにフュージョン、室内楽を合わせたような上品な聴き心地である。
一方ではハード寄りのギターを乗せたロック感触や、ミゲル・リオスがゲスト参加した、
スペイン語によるヴォーカル入りのナンバーなど、バラエティに富んだ21曲、78分の力作だ。
メロディック度・・8 ジャズロック度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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GLAZZ 「The Jamming Sessions Take II」
スペインのプログレ・ジャズロック、グラッツの2014年作
ギター&シンセ、ベース&シンセ、ドラムというトリオ編成でのライブセッションを収録。
それぞれ29分、12分、38分という3パートに分かれた、78分に及ぶ即興的なライブで、
随所にムーグシンセが鳴り響き、生々しいドラムにフリーキーなギターとベースを乗せた、
アヴァンギャルドなフュージョンロック的なアンサンブルを聴かせる。即興的に叩きまくるドラムに
ブルージーなロック色も含んだ奔放なギタープレイで、ジャズ色は中盤あたりから現れる。
いかにもセッションという雰囲気であるから、スタジオアルバムとの違いにけっこうびっくりする。
メロディック度・・5 ジャズロック度・・6 セッション度・・8 総合・・7.5


GONGCamembert Electrique」
ゴングの2nd。1971作
オーストラリア出身の流浪のヒッピー、デイヴィッド・アレンはイギリスに渡り、
ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズなどと交流、SOFT MACHINE誕生にも関わるが、
やがてバンドを離れたアレンはフランスを拠点に活動をはじめ、ゴングを結成、
独自のユートピア思想に基づいたサイケなジャズロックを作り出してゆく。
本作のサウンドは、ジャズロックを主体にしたフリーキーな音楽性で、のちの作品に比べると
楽曲としての構築性は薄く、その分自由度の高いこのバンドの本質が感じられる。
プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 ゆる度・・8 総合・・7.5
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GONGFlying Teapot」
ゴングの3rd。1973作
本作はデイヴィッド・アレンのヒッピー的なユートピア幻想を物語化したというべき、
ラジオ・ノーム・インヴィジブル(電波の精の物語)三部作の幕開けを告げる作品である。
サウンドはジャズロックというよりはサイケがかったゆるやかな展開で聴かせる、
幻想的な作風がずっと強まってきた。また音階に東洋的なものを取り入れ出していて、
奇妙なオリエンタル感覚が耳心地がいい。むしろソフトロック的な感触でも楽しめる。
プログレ度・・7 サイケ度・・8 ゆる度・・9 総合・・8
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GONG「Angel's Egg」
ゴングの4th。1973作
前作「Flyng Teapot」でのゆるいサウンドから、さらにトリップ感を強めつつも
演奏自体のアンサンブルはずいぶんテクニカルになってきている。
サイケな世界観の強度が強まったことで、作品としての説得力も増した。
ストーリーにそった妖しい展開と、やわらかな浮遊感が存分に味わえる。
プログレ度・・8 サイケ度・・9 ゆる度・・9 総合・・8
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GONG「YOU」
ゴングの5th。1974作
ラジオ・ノーム・インヴィジブル三部作の完結編で、初期GONGを代表する傑作。
優雅なフルートの音色と、物語を語るようなナレーションで幕を開ける本作は、
サウンド面でのメリハリがいっそうついて、サイケなストーリーものでありながら
音楽作品としての完成度がぐっと高まった。中近東的なテイストで聴かせる
サイケプログレとしてのノリはOZRIC TENTACLESの原型ともいえるだろう。
そして壮大な(?)ストーリーの完結となる10分を超えるラストの2曲は圧巻だ。
プログレ度・・8 サイケ度・・9 ゆる度・・8 総合・・8.5
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GONG 「Live 2 Infinitea」
フランス&イギリスのサイケロック、ゴングのライブ。2000年作
1974年作「YOU」を最後に、デヴィッド・アレン、ジリ・スマイス、スティーヴ・ヒレッジが脱退、
ドラムのピエール・ムーランを中心に、ジャズ/フュージョンロックバンドとして活動再開し、
その後は「ピエール・ムーランズ・ゴング」の名前で活動を続けてゆく。一方のデヴィッド・アレンは、
オリジナルなGONGとしての再編を繰り返しながら、2000年に復活作「Zero to Infinity」を発表する。
本作は2000年の英国公演を収録。復活作からのナンバーを中心に、サックスが鳴り響き
安定したリズムセクションとノリの良いアンサンブルに、アレン&ジリの歌声を乗せた、
サイケなゴングサウンドが楽しめる。さすが二人の歌声は老年の雰囲気であるが、
この復活がのちの傑作「2032」へとつながることを思えば、感慨深い復活のライブである。
ライブ演奏・・7 サイケ度・・8 ゴング度・・8 総合・・7
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GONG 「2032」
1969年の結成から40周年を迎えるサイケデリックロックバンド、ゴングの2009年作
「Flying Teapot」、「Angels Egg」、「YOU」と続いてきたラジオノーム・インビジブルの物語を継承した
シリーズ完結作となる作品だ。すでに70代となったデイヴィッド・アレン、ジリ・スマイスを中心に
復帰したスティーブ・ヒレッジとミケット・ジローディのギターとシンセワークがサウンドを構築する。
ふわふわとした浮遊感あるアレンの歌声に、ジリのコーラスが絡みながら、かつてのヒッピー性と
現代的なモダンなアレンジを巧みに重ね合わせながら、ゆるやかなサイケロックを描いてゆく。
サックスも入った軽やかなジャズ風味に、テクノ風味もあり、スペイシーな広がりを聴かせる音作りは
まさにゴングならではの聴き心地である。さあ2032年、地球と惑星ゴングとの交信は成ったか?
ドラマティック度・・8 サイケ度・・9 ゴング度・・9 総合・・8
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GOTIC「Escenes」
スペインのプログレバンド、ゴティックの1978作
CAMELを思わせる繊細なメロディが素晴らしいインストプログレの傑作。
たおやかなフルートの音色にクラヴィネットやムーグなどのシンセ類が絡み
軽やかなアンサンブルで美しい叙情を聴かせる。スペイン特有の土臭さはなく、
ジャケのイメージのように全編メロディアスでやわらかなシンフォニックサウンド。
これが唯一のアルバムというのが残念でならないくらいの完成度だ。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 スペイン度・・7 総合・・8
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GRANADA「Hablo de una Tierra」
スペインのプログレバンド、グラナーダの1st。1975作
ギター、ピアノ、ヴァイオリン、ヴォーカルをこなすカルロス・カルカモを中心にした、
TRIANAとともに70年代スパニッシュロックを代表するバンド。
メロディアスなギターに艶やかなヴァイオリンの音色、吹き鳴らされるフルートなど、
アコースティカルな叙情性もあって、スペイン語の歌唱とともにしっとりと聴かせる。
メロトロンによるシンフォニックな質感に、スパニッシュギターが絡む様も美しい。
TRIANAに比べるとクセの強さは薄いので、スパニッシュ初心者にも聴きやすいだろう。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Green Windows 「a arte e a musica」
ポルトガルのフォークロック、グリーン・ウインドウズの1977年作
Quarteto 1111解散後に、Jose Cidが参加したユニットらしい。サウンドは美しい女性ヴォーカルの母国語の歌声に
男性ヴォーカルも加わり、やわらかなエレピの音色などを含んだ、おおらかなフォークロック。
楽曲は2〜3分台とシンプルで、プログレらしさというものはほとんどないのだが、
ジョセ・シッドが弾くムーグシンセの音色などは耳に残る。歌もののポップロックとしては普通に楽しめる。
メロディック度・・7 プログレ度・・3 女性Vo度・・7 総合・・7

Gualberto「La A La Vida, Al Dolor」
スペインのアーティスト、グアルベルトの1st。1975作
名作として知られる2ndは優雅でアコースティカルなサウンドが素晴らしい作品であったが、
この1stの方も基本的には方向性は同じで、ゆるやかなアコースティックギターを中心に、
フルート、ヴァイオリンなどで素朴な音色をゆったりと聴かせる作品だ。
インスト指向の2ndに比べて、前半は歌もの的な雰囲気で耳に優しい音であるが、
アルバム後半になるとシタールの音色とともにアラビックな曲もあったり、
エレキギター入りのプログレ色のある曲などもあって、意外と多彩な引き出しが楽しめる。
アコースティカル度・・8 スパニッシュ度・・8 牧歌的度・・8 総合・・8
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GUALBERTOVericuetos
スペインのアーティスト、グアルベルトの2nd。1976作
スパニッシュプログレの名作の一枚に数えられるアルバム。全編インストで
基本はジャズロック的なサウンドなのだが、ヴァイオリン入りのクラシカルなアンサンブルが素晴らしく、
即興的でありながらも、優雅で芸術的な構築性も感じられる。
異国的なシタールの音色、シンセと絡むヴァイオリン、フルートにも独自の美学が見える。
30分ほどの短いアルバムながら、たおやかさと音楽の芸術が詰まった作品だ。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 クラシカル度・・8 総合・・8
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GUILLAUME DE LA PILIERE 「Requiem Apocalyptique」
フランスのミュージシャン、ガイラウム・デ・ラ・ピリエレのソロ2008年作
1990〜98年までに4作を残したシンフォニックロックバンド、VERSAILLESの&ヴォーカルのソロ。
クリムトの絵画をあしらった見開きの特殊デジパック仕様もなかなかのインパクトであるが、
内容も全1曲45分という構成で、やや唐突な展開力にフランス語の歌声を乗せた、
ANGEにも通じるシアトリカルなフレンチロックを聴かせる。ギターはときにノイジーに鳴り響き、
アヴァンギャルドなシンセアレンジとともに、エキセントリックな不思議さをかもしだす。
意気込みは買うのだが、いかんせん楽曲としての盛り上がりや叙情が少ない分、
独りよがりの大曲に聞こえてしまう。シンフォ色も薄めのヘンテコなフレンチプログレです。
ドラマティック度・・7 アヴァンギャル度・・8 フレンチ度・・8 総合・・7
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GWENDAL「GLEN RIVER」
フランスのトラッドロックバンド、グウェンダルの1989作
たおやかなフルート、ヴァイオリン、ハープ等によるゆったりと流れるようなサウンド。
繊細な曲調ながらも、ときにエレキギターやロックドラムが入り、ただのトラッドではない。
全編インストで、ある意味GANDALFなどにも通じる桃源郷的幻想作品でもある。
まどろみながら自然体で聴きたい作品。ただし演奏の質はとても高い
メロディアス度・・8 シンフォニックトラッ度・・9 素朴度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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Haizea
スペインのトラッドバンド、アイセアの1977年作
ITZIAR、IZUKAITZなどバスク地方のバンドで、やわらかなアコースティックギターに
美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、素朴で優雅なトラッド・フォークサウンド。
優しげな男性ヴォーカルが重なり、フルートの音色にパーカッションも加わって、
適度な土着性と牧歌的な味わいが楽しめる。男性声メインの曲は個人的にはさほどいらないかな。
アコースティック度・・8 素朴度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Halloween 「Laz」
フランスのプログレバンド、ハロウィーンの1989年作
H.P.ラブクラフトの作品をテーマにしたコンセプト作で、うっすらとしたシンセアレンジに
ときに変則リズムを含んだ構築力で聴かせる、90年代型のシンフォニックロックサウンド。
ヴォーカルは、シアトリカルな雰囲気を漂わせたややフレンチなまりの英語で、
インストパートでのミステリアスな薄暗さとともに、怪しげな世界観を描いている。
ヴァイオリンの使い方もクラシカルというよりは、静寂の緊張感を表現するようで、
プログレとしての躍動感やメロディックな部分は希薄なので、雰囲気もの作品として聴くのがよいかと。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ミステリアス度・・8 総合・・7.5
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Halloween「Merlin」
フランスのプログレバンド、ハロウィーンの1994年作
90年代フランスのシンフォニックロックシーンを代表するバンド。
本作はタイトル通りアーサー王伝説に登場する魔術師マーリンをコンセプトにしたアルバム。
ヴァイオリンが鳴り響くクラシカルな質感と、フランスらしいどこかとぼけたシアトリカルなサウンドで、
フランス語による女性ヴォーカルの歌声も、どこかミステリアスで、ほの暗い叙情と不思議な緊張感が漂う。
MINIMUM VITALTIEMKOなど、90年代フランスには質の高いシンフォ系プログレバンドが多かった。
シンフォニック度・・7 シアトリカル度・・8 フランス度・・8 総合・・8
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HALLOWEEN 「Silence...au dernier rang!」
フランスのプログレバンド、ハロウィーンの1998年作
1998年フランスでのライブ音源。傑作アルバム「Merlin」に続く作品で、バンドとしての絶頂期というべき
濃密なサウンドを聴かせてくれる。フランス語による女性ヴォーカルのシアトリカルな歌声に、
艶やかなヴァイオリンの音色、クラシカルな優雅さと涼やかな緊張感と芸術性を同居させ、
演劇的に仕立て上げたというべき、独自のフレンチ・シンフォニックロックのライブ演奏が楽しめる。
女性ヴォーカルで聴かせる、Van Der Graff Generatarのカヴァーもハマっています。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8



Halloween 「Le Festin」
フランスのプログレバンド、ハロウィーンの2001年作
フランス語による女性ヴォーカルの歌声に、艶やかなヴァイオリンの音色が絡み、
ミステリアスな世界観を描いてゆく、いかにもフレンチらしい優雅な空気感の中に、
芸術的な狂気をはらんだ演劇性が垣間見える。かつてのAngeの過剰なまでのドラマ性を
よりアーティスティックに構築したというような、匂い立つようなヨーロピアンな美意識に圧倒される。
一方では、パーカッションが鳴り響く中近東的な雰囲気の曲もあったり、バンドとして芸術への探求心と
拡散志向がかろうじて保たれているという緊張も感じ取れる。本作を最後にバンドは沈黙。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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HARNAKIS 「numb eyes ,the soul revelation」
フランスのシンフォニックロックバンド、ハルナキスの1990作
90年代初頭のフランスのシンフォニックロックといえば、MINIMUM VITALTIEMKOECLATあたりが思いつくが、
他にもこうしたマイナー系バンドがひっそりと活動していたのである。幻想的な色合いのジャも美しいが
サウンドの方も、当時のフランスにしては出来がいい部類のシンフォニックロックで、メロディアスなギターに、
プログレ的にカラフルなキーボード、女性ヴォーカル、起伏に富んだ軽やかなリズムなど、なかなか聴かせてくれる。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・7 総合・・7.5
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HELDON 「Agneta Nilsson」
フランスのプログレバンド、エルドンの1976年作
ギタリストにしてシンセもこなし、哲学者の顔も持つ、鬼才、リシャール・ピナス率いるバンドの4作目。
Klaus SchulzeTangerine Dreamを思わせる涼やかなシンセに、ディレイの効いたギターを乗せ、
サウンドスケープ的な感触をインダストリアルな硬質感で包み込んだようなサウンドを聴かせる。
フリップ&イーノからの影響を感じさせたかつての作風から、よりモダンな作風へと深化していて、
シーケンサーのリフレインに、クリムゾン的なギターが鳴り響く、即興的なセンスも含めて、
冷徹なアヴァンロックとしての個性が明確になってきている。ラストは22分におよぶ大曲で、有機的なギターと
エレクトロな無機質感が絶妙に合わさり、唯一ドラムも加わったロック色とともに近未来的なサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 シンセサウン度・・8 総合・・7.5
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HELDON「Un Reve Sans Consequence Speciale」
フランスのプログレバンド、エルドンの1976年作/邦題は「結末のない夢」
5作目となる本作は、エレクトロなシンセにノイジーで不穏なギターが鳴り響き、
即興的なインダストリアル感触を強めた、硬質なアヴァンロックが広がってゆく。
二本のギターが有機的に絡み、溶鉱炉や鍛冶を連想させるようなシンバルの金物が鳴り響き、
やがてドラムのビート感が合わさると、重厚かつ躍動的なヘヴィプログレの味わいになる。
ときにKING CRIMSON的な雰囲気もありながら、ムーグシンセを使ったスペイシーな感触や、
エレクトロなシーケンサーによるラストの15分の大曲などには、ジャーマンロックからの影響も感じさせる。
バンドの作風が固まり、存在感を強めたアルバムといえるだろう。MAGMAのヤニック・トップがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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HELDON 「Interface」
フランスのプログレバンド、エルドンの1978年作
6作目となる本作は、シーケンサーとドラムによる、エレクトロ・ロックというべき小曲から始まり、
2曲目は、凶暴でノイジーなギターを乗せたダークなヘヴィプログレとなって聴き手を圧倒する。
シンセをメインにしたエレクトロなナンバーも、ドラムが入ることでロックな感触が前に出ていて
4作目のようなインダストリアル感はさほどない。ピナスのギターをメインにした2分弱の小曲から、
ラストの19分の大曲への流れはアルバムのハイライト。エフェクトのかかったたドラムによる無機質な序盤から、
シーケンサーが加わったエレクトロなロックになり、中盤からギターが乗ると、とたんにクリムゾンぽくなるという。
全体的にドラムの手数が増したことで、本作はエレクトロな要素とロック感のコントラストでも楽しめる作風といえる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 エレクトロ・ロック度・・8 総合・・8
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HELDON 「Stand By」
フランスのプログレバンド、エルドンの1979年作
7作目にしてラスト作は、のっけから22分の大曲から始まる。ヘヴィなドラムとスペイシーなシンセ、
そしてピナスによるクリムゾンライクなギターサウンドで、これまでになくドラマティックなスケール感とともに、
独自のエレクトロなアヴァンプログレを展開する。Klaus SchulzeTangerine Dreamを思わせる
シーケンサー・ロックとしての浮遊感と、フリーキーなギターフレーズが延々と続く即興的なセンスが融合した
このバンドの個性がスタイリッシュに凝縮した作風である。ラストのタイトル曲は、バンドアンサンブルを全面に出し、、
重厚なベースにロバート・フリップばりのギターワークを乗せた、まさにKING CRIMSON的なサウンドを聴かせる。
プログレファン、クリムゾンファンを喜ばせるこの1曲の存在が、一般向けには本作を最高作に押し上げているともいえる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 エレクトロでクリムゾン度・・8 総合・・8
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Richard Pinhas「IceLand」
HELDONのリシャール・ピナスのソロ。1980年作
エルドンのラスト作「Stand By」と同時期に制作されたアルバムで、シーケーンサーを使用した
シンセサウンドの重なりで、無機質でありながらも、叙情的なサウンドスケープを描いている。
ドラムが入らないのでロック色はほとんどないのだが、世界観そのものはエルドンに通じるところから、
即興的な凶暴性を除いたという雰囲気で、むしろジャーマンロック的なアプローチが明確に表れている。
茫漠としたシンセサウンドという点では、Klaus Schulzeの作風にも通じるのだが、
曲によってはギターも加わって、やはりクリムゾン風味になる。殺伐とした叙情が楽しめる好作品。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・7.5
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I

iBiO「CUEVAS DE ALTAMIRA」
スペインのプログレバンド、イビオの1978作
先史時代の壁画が残るスペインにある「アルタミラ洞窟」をコンセプトとしたアルバム。
ソリーナ、メロトロンなどの美しいシンセとアコースティックギター、そしてスペイン語の歌唱による
シンフォニックサウンドで、繊細な音の中にはイタリアンロックにも通じる叙情性がある。
たおやかなピアノにかぶさる泣きのギターや、軽やかなジャズロック風味もあり、
全体的にインパクトや派手さはさほどないもののじっくりと聴け、飽きさせない作品だ。
スペイン臭さも薄いので初心者にも勧められる。なおバンドは2006年に28年ぶりとなる2ndを発表。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 スペイン度・・8 総合・・8
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iBiOEl Regreso
スペインのプログレバンド、イビオの2006年作
1978年に「アルタミラ洞窟」という傑作1枚を残して消えたバンドの復活作。
メロウなギターワークと美しいシンセアレンジで聴かせるサウンドは、
70年代的ないくぶんの野暮ったさとスペインらしい叙情性にあふれており、
かつてを思わせる幻想的な世界観にファンは納得だろう。牧歌的なコーラスや
バグパイプ、チェロなどの音色も含みつつ、メロディにはキャッチーな可愛らしさもあり
シンフォニックロックとしても充分楽しめる。ラストは“Cuevas de Altamira”のリメイク。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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ICEBERG「Sentiments」
スペインのジャズロックバンド、アイスベルグの3rd。1977作
基本はテクニカルなジャズロックだが、軽やかにたたみかける演奏の中にも
美しいシンセと泣きのギターがたっぷりとちりばめられたサウンドは、
シンフォニックですらある。歌がないせいもあってかスペイン臭さはあまりなく、
哀愁のメロディを奏でるギターは、ときにまるでセバスチャン・ハーディのようだし、
たおやかなピアノとプログレ的なシンセワークを使い分けるKey奏者のセンスもかなりのもの。
ジャケは不気味だが、内容はシンフォニック・プログレ・ジャズロックの傑作といえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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IRIS 「Crossing the Desert」
フランスのシンフォニックロック、イリスの1996年作
元ARRAKEENのギタリストとMarillionのピート・トレワヴァス、イワン・モズレーによるバンド。
ハケットばりのメロウなギターワークを中心に聞かせるインストによるシンフォニックロック。
うるさすぎないシンセアレンジとともに、躍動するリズム隊がハードなアンサンブルを描いてゆく。
一方では、随所に繊細な叙情も含んでいて、適度にモダンなアレンジで楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 泣きのギター度・・9 総合・・8
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ITOIZ
スペインの叙情派ロックバンド、イトイスの1976年作
オルガンを含む美しいシンセアレンジにフルートの音色、そしてバスク語によるやわらかな歌声で、
しっとりと聴かせるサウンド。いわば70年代ブリティッシュロックのバスク解釈というような聴き心地で、
多くの叙情派に愛好されるべき質の高さがある。メロディには人懐こいキャッチーさがあって、
耳疲れしないあくまで繊細な作風。随所にメロウなギターもよろしく、GOTICなどを好む方にも聴いていただきたい好作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 バスクの魂度・・8 総合・・8
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ITOIZ「EZEKIEL」
スペインのメロデッィクロック、イトイスの2nd。1980年作
1stはハモンドオルガンを多用したシンフォニック・プログレの感触に近い作風だったが、
続くこの2ndでは、サックスやフルートが加わり、いくぶんジャズロック的な印象が増している。
独特の哀愁の叙情派はそのままで、アコースティックギターややわらかなヴォーカルの歌声には
都会をはなれた素朴な温かみを感じる。これこそがバスクのロックということなのだろう。
ピアノやオルガンによる美しいアレンジに、アンサンブル的にもまとまりがあり、
プログレとして楽しむこともできる。優雅な耳心地で聴き疲れしない好作品である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 やわらかな叙情度・・8 総合・・8
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ITOIZ 「Alkolea」
スペインの叙情派ロックバンド、イトイスの3rd。1982作
アコースティックギターに、美しいピアノの音色、サックスも絡みつつ
スペイン語の歌声とともに素朴な叙情を聴かせるサウンド。
代表作とされる2nd「EZEKIEL」よりもさらに洗練された小曲が光る。
どこかイタリアのバンドのようなやわらかな味わいも魅力だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらかな叙情度・・9 総合・・8
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ITOIZ 「...EREMUKO DUNEN ATZETIK DABIL」
スペインの叙情派ロックバンド、イトイスのライブ作品。1987年作
ポップに洗練された85年以降の作品からの曲を中心にしたライブで、
プログレというよりはノリのよい軽快なメロディックロックという趣であるが、
キャッチーなメロディとバスク語の歌声を含めて、随所に覗かせる叙情性はやはりこのバンドならではだろう。
3〜5分台の楽曲を中心に、安定した演奏力でコンパクトに聴かせるポップなスパニッシュロック。音質も良好です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ライブ演奏度・・8 総合・・7.5
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ITZIAR
スペインのプログレ・トラッドバンド、イツィァールの1978作
ケルト/トラッド音楽が盛んなバスク地方のバンドで、これが唯一のアルバム。
アコースティックギター、フルートを中心に、うっすらとしたシンセが重なり、
そこに絶品の美しさの女性ヴォーカルが幻想的な歌声を乗せる。
ドラムのリズムが加わるとプログレとしても聴け、ジャケのようなしっとりとした夜の情感を楽しめる。
数曲で男性Voが入るのが気に入らないが、女性Voものスパニッシュトラッドとしては屈指の作品だ。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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IZUKAITZ
スペインのトラッドバンド、イスカイスの1978年作
ITZIARなどと同様バスク地方出身のバンドで、アコースティックギターとマンドリンの素朴な音色に、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる牧歌的なフォークサウンド。ホイッスルやフルート、ヴァイオリンが
やわらかに響きつつ、随所にシンセも使っていて、いくぶんプログレ的な味わいもある。
途中、男性ヴォーカルも加わって、男女Voのゆったりとした耳心地でまどろめる。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Jean-Claude Vincent 「Lettre Au Passe」
フランスのフォークロック、ジャン・クラウデ・ヴィンセントの1977年作
ジャケのイメージはいかにもプログレ的なのだが、サウンドの方は、わりと派手やかなシンセに
フランス語によるシアトリカルなヴォーカルを乗せた、素朴でキャッチーなフォークロック。
Angeのクリスチャン・デカンが楽曲を手掛け、自身もシンセやピアノ、チェロなどで参加していて、
なるほど、演劇的な雰囲気はアンジュをフォークロック化したようなイメージでもある。
12弦ギターのつまびきに、やわらかなフルート、シンセが重なる繊細な叙情も耳心地が良く、
曲によっては女性ヴォーカルの歌声も加わって、男女Voによる優美な味わいも楽しめる。
ドラムやシンセも入るので、普通にプログレとしても聴ける。フレンチらしい優雅さを封入した好作品♪
プログレ度・・7 優雅度・・8 フレンチ度・・9 総合・・8
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Jean Pascal Boffo「Jeux de Nains」
フランスのミュージシャン、ジャン・パスカル・ボフォの1st。1986作
童話的なジャケ通りの、繊細かつたおやかなサウンドを聴かせるボフォ。
アルバムとしては2ndCarillonsの絶品のメロディアスさが白眉だが、
このデビュー作では、さらに純粋でアコースティカルなサウンドを聴かせる。
エレキギターの叙情的なフレーズにうっすらとかぶさるシンセも嫌味がなく
オーストリアのGANDALFあたりにも通じる耳に優しい音が広がる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 たおやか度・・9 総合・・7.5
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JEAN PASCAL BOFFO「Carillons」
フランスのギタリスト、ジャン・パスカル・ボフォの1987年作
このファンタジックなジャケからして惹かれるものがあるが、サウンドの方も素晴らしい。
まるで、Steve Hackettの叙情性とGANDALFの幻想性を合わせたような傑作である。
メロウなギターを中心にしたインストサウンドは、爽やかにしてファンタジックな聴き心地で、
どこを切っても優しい叙情にあふれている。メロディ派のリスナーは必聴ですな。
1stの素朴さも捨てがたいが、完成度の点では、やはり本作が彼の最高傑作だろう。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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JEAN PASCAL BOFFO「Ritual」
フランスのギタリスト、ジャン・パスカル・ボフォの1988/1991年作
フランスのハケットというべきアーティスト。本作ではフルートやヴァイオリン、クラリネットなど、管弦楽器を含んだ
クラシカルなサウンドになっている。持ち味である繊細な美意識とよりアーティスティックな構築センスで、
ロック色の薄いしっとりとした作風は、幻想的な世界観も含めてGANDALFなどにも通じるかもしれない。
前作のような分かりやすいメロディックなギターフレーズを聴かせるところが少ないのでインパクトは弱いかもしれないが、
アコースティカルな要素も含めて、ヨーロピアンな情緒と繊細な優雅さにじっくりと浸れる好作品である。
メロディック度・・9 クラシカル度・・8 ファンタジック度・・7 総合・・8
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Jean-Pascal Boffo 「Nomades」
フランスのギタリスト、ジャン・パスカル・ボフォの1993年作
1986年にデビュー、初期の3作までは幻想的なシンフォニックロックというべき作風であったが、
本作ではアコースティックな繊細さとともに内省的な素朴さを強め、ヴァイオリンが鳴り響き、
パーカッションなども加わった、アラビックでオリエンタルな空気感を描いている。
サックスの音色が大人の哀愁を感じさせつつ、メロウなギターが加わった優雅な感触は、
さすがのセンスである。民族的なトラッド質感と適度なプログレ感覚を同居させながら、
落ち着いた味わいの叙情を描く、自然体で作られた好作品といえる。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 大人の叙情度・・8 総合・・7.5
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jean pascal boffo 「Vu Du Ciel」
フランスのミュージシャン、ジャン・パスカル・ボフォの2001年作
80年代から活動するアーティストで、その精細な作風は「フランスのハケット」と呼びたくなるほど。
アコースティカルな素朴さを含んだ自身のメロウなギターワークを中心に、
うるさすぎないドラムとベースによるアンサンブルで、随所にフルートやサックスも加わった
やわらかな叙情性に包まれたサウンド。エレギターによる泣きの旋律はハケットかラティマーかという
繊細で優雅なセンスに溢れていて、メロディにはケルティックな民族的テイストも覗かせ、
ときに女性声によるスキャットなども入ってくる。やわらかな美意識とうっとりと浸れる好作品です。
メロディック度・・8 繊細度・・9 叙情度・・9 総合・・8
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Jean-Paul Prat 「MASAL」
フランスのミュージシャン、ジャンポール・プラットのソロ。1982年作
MAGMAに影響を受け70年代より活躍するマルチミュージシャンで、本作は42分の大曲を中心にした大胆な構成。
手数の多いドラムに、わりとハードなギター、サックス、トランペット、ホルン、フルートといった管楽器が絡んで、
いかにも怪しげで大仰なジャズロックを描いてゆく。まさにMAGMAを思わせるダークな世界観と重厚な演奏で、
プラット氏のドラムもクリスチャン・ヴァンデ並みに叩きまくっている。優雅なピアノが響くゆったりとしたパートから、
ときに3本のギターが重なり、ブラスセクションを加えたぶ厚いアンサンブルで、ダイナミックに構築されるサウンドは圧巻だ。
MAGMAファンならずとも圧倒されるスケール感に包まれた異色の力作である。CD化に際し、1985年に録音された15分、9分の大曲と、
1990年録音の2曲をボーナストラックとして追加されている。こちらは、もう少しソフトなプログレジャズロックである。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 重厚度・・9 総合・・8
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Jean-Pierre ALARCEN「TABLEAU N 1 + Same」
フランスのSANDROSEのギタリスト、ジャン・ピエール・アラルサンのソロ作。1978/1979年作
3つの楽章からなる「タブロウ 1」は本格的なロックシンフォニーになっていて、
自身のギターをモチーフにしながらオーケストラ風にアレンジされた壮大な組曲。
クラシカルでシリアスな緊張感は英国のTHE ENIDなどに通じるものを感じさせる。
3曲目以降は1stソロ作の曲で、こちらはギターを中心としたジャジーなロックアンサンブル。
どちらもクラシックに裏打ちされたジャンのギターワークが堪能できる逸品。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・9 総合・・8
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JEAN PIERRE ALARCEN「TABLEAU 2」
フランス伝説のシンフォバンド、サンドローズのギタリスト、J.P.アラルサンのソロ。1998作。
全5曲75分という長大作。ギタリストのくせに楽曲にはギターは使用されておらず、
おそらくリズムも打ち込み。ピアノ、キーボード、オーケストラのみのシリアスな音像。
一聴したところでは、まるで雄大な映画サントラか、純クラシック作品のようだが、
静寂パートからやがてゆるやかに押し寄せるダイナミズムには
荘厳なる孤高さがあり、英国のENIDを思わせる部分もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 静謐度・・8 総合・・7


JEAN YVES TOURBIN 「Gayan」
フランスのアーティスト、ジャン・イヴェス・トールビンの1981年作
デンマークで録音したという本作は、80年代アシッド・サイケ・フォークの隠れた傑作とされる。
アコースティックギターに、パーカッションのリズム、フルートの音色、フランス語の男性ヴォーカルが、
素朴な牧歌性とともに、どこか妖しげな香りをかもしだす。やはり英国のフォークバンドとは異なる
辺境的なミステリアスさを漂わせていて、随所にアラビックな雰囲気も感じさせたり、一方では、
ハープやヴァイオリンなどの優雅な叙情は中世音楽的でもある。まさに異色のアシッドフォーク作品。
アコースティカル度・・8 妖しげ度・・8 素朴度・・8 総合・・7.5


Jose Carballido「Requiem」
スペインのギタリスト、ホセ・カルバリドの2010年作
人間の生死をテーマにしたCD2枚組のコンセプト作で、いくぶんメタル色もあるハードめのギターに
オルガンやフルートが鳴り響く、イタリアンヘヴィプログレ的な雰囲気で始まり、濃密に聴かせる。
男女8名の混成コーラスが荘厳に響き渡り、オペラティックなドラマ性を描いてゆくスケール感とともに
メタル的なドラムにギター、スペイン語の男性ヴォーカルが加わると、シンフォニックメタル的な感触にもなる。
フルートが大活躍の優雅な叙情と、演劇的な構成で流れをつむぐ、オペラティック・ハードシンフォの力作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8






KC 「Les Chants De Maldoror」
フランスのプログレバンド、KCの2004年作
バンド名がキング・クリムゾンの略称みたいであるが、サウンドの方はツインギターが鳴り響き、
ミステリアスかつ重厚な緊迫感に包まれたインストプログレで、モダンなアレンジを取り入れた感触は
なるほど90年代クリムゾン的といえなくもない。全6曲すべてが10分超の大曲で、オールインストであるので
正直、盛り上がりに欠けるし、バランス的にはギターの音が前に出すぎていて、やや耳疲れがするのだが
エレクトロな感触も取り入れながら構築されるハードプログレは、なかなか個性的で面白い。
ドラマティック度・・7 モダンプログレ度・・8 ツインギター度・・8 総合・・7
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KFK (Kant Freud Kafka) 「No tengas miedo」
スペインのプログレユニット、カント・フロイト・カフカの2014年作
マルチプレイヤー、Javi Herreraによるプロジェクトで、多重シンセによるシンフォニックな感触と、
メロウなギターワークに、オルガンやムーグなどのプログレ要素が合わさったサウンドで、
繊細なピアノの旋律にヴァイオリンが鳴り響く、クラシカルな優雅さはThe Enidのようでもある。
派手な盛り上がりやテクニカルなプログレ性は希薄ながら、やわらかなフルートやオーボエの音色に、
チェロやヴィオラなどのストリングスの美しさ、泣きの叙情ギターなど、繊細な美意識に包まれた作風で
全体的には上品な味わいであるが、一方ではわりとハードなギターも含んだパートなどもあったりして、
なかなか油断ができない。12分、16分という大曲も、ゆるやかな展開であくまで優雅に構築する。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 繊細で優雅度・・9 総合・・8
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KOTEBEL「STRUCTURES」
ヴェネズエラ出身、スペインのシンフォニックバンド、コテベルの1st。1999作
全編インストで、繊細できらびやかなシンセを中心としたしっとり系のシンフォサウンド。
フルートもかなりの頻度で活躍しており、CAMELの美しい部分を抽出したような印象。
楽曲は壮大な盛り上がりがあるわけではなく、比較的おとなしめなので、
聞き疲れすることはないが、熱情派シンフォファンにはやや物足りないか。
しっとりゆるやかシンフォが好きな方にはお薦めできる。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
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KOTEBEL「MYSTICAE VISIONES」
ベネズエラ出身、現在はスペイン在住という、コテベルの2nd。
本作は35分の大曲をメインに、美しいピアノ、たおやかなフルート、チェロなどによる
クラシカルな静寂感から、キーボードによるTHE ENIDばりのシンフォニックパートまで
流れるような構成が見事。シリアスでありながら硬質感はなく、女性スキャットを用いたり、
アコースティックの温かみを感じさせてくれるパートもあり、しっとりと聴ける。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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KOTEBEL「FRAGMENTS OF LIGHT」
ヴェネズエラ出身、スペイン在住のシンフォニックロックバンド、コテベルの3rd。2003年作
美しいピアノ、キーボードに、フルートが舞い、そこに女性ソプラノがスキャットを載せると不思議な浮遊感が感じられ、
インストメインでありながらも音にはかすかな緊張感がある。とくに、何に似ているというバンドはないが、PFME&LP
それにTHE ENIDあたりのシリアスさを再構築して煮詰めたという印象か。クラシックギターの音色が異国情緒をかもしだしている。
ときにCAMELにも通じるような軽快な叙情と、THE ENIDばりの繊細なシンフォニック性をも垣間見せる、
シリアスな感触にしっとりとした叙情美を併せ持った、見事なクラシカル・シンフォプログレ作品です。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 シリアス度・・9 総合・・8
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KOTEBEL「Omphalos」
スペイン在住のシンフォニックロックバンド、コテベルの4th。2006作
たおやかで格調高いクラシカルシンフォの傑作。美しいピアノにオペラティックな女性ヴォーカル、
やわらかなフルートにかぶさるメロトロン、気品すらあるクラシカルな雰囲気と、シリアスな静謐感が一体となり、
かつてのイタリアンロックにあったような懐の深さも感じさせる。フルートが舞う躍動的でメロディアスな部分は、
CAMAL
FOCUSをも思わせ、ときに嫌味でない程度に弾き鳴らされるキーボード、そしてメロウなギターワークも聴きもので、
ゲストによるチェロも加わってゆるやかに盛り上がってゆく30分の組曲などはじつに圧巻だ。
この手のクラシカルシンフォとしてはうるさすぎない、見事に調和のとれたサウンドが光る大傑作!
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 クラシカル度・・9 総合・・8.5
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Kotebel 「Ouroboros」
スペインのシンフォニックロックバンド、コテベルの2009年作
本作は「死と再生」、「不老不死」の象徴であるウロボロス(尾を飲み込む蛇)をテーマによりシリアスさを増した力作となった。
軽やかなアンサンブルを聴かせる1曲目は序の口で、続く16分のタイトル組曲は、彼らのクラシカルな構築センスが発揮される
圧巻の出来。キレのよい変拍子を叩き出す鉄壁のリズム隊に、クラシカルなピアノ、シンセワークと
メロウなギターワークが重なり、螺旋を描くように絡みながらサウンドを織り上げてゆく。
シリアスな硬質感の中にもメロディの美しさがあるので、オールインストであっても飽きずに楽しめるし、
このシンセを来日公演で見たあの美女奏者が弾いていると思うだけでも聴き入ってしまう。笑
構築型のクラシカルシンフォとしては世界最高レベルの完成度である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8.5
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KOTEBEL「Concerto for Piano & Electric Ensemble」
スペインのシンフォニックロック、コテベルの2011年作
前作「Ouroboros」は素晴らしい完成度の傑作であったが、6作目となる本作はタイトル通りグランドピアノ含んだ
43分におよぶ長大な組曲で幕を上げる。一聴してクリムゾン風でもあるヘヴィプログレ的なアンサンブルに、
クラシカルなピアノがかぶさり、テクニカルかつ優雅なサウンドを構築。適度にアヴァンギャルドなセンスは
チェンバーロック風でもあり、巧みな演奏力による緊張感と、ただようミステリアスな空気感も素晴らしい。
アコースティックギター、スパニッシュギターとピアノが合わさる繊細なパートも説得力十分で、
音楽家としての磨かれた技量と美意識がスリリングなサウンドとなって耳に広がってゆく。
たんなるクラシカル・プログレの壁を突き破りそうな、音楽としての芸術性が垣間見える大傑作だ。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8.5
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KOTEBEL 「Live at Prog-Resiste 2013」
スペインのシンフォニックロック、コテベルのライブ。2016年作
1999年にデビュー、クラシカルな美意識を追及したサウンドで見事な傑作を作り続けるこのバンド、
本作は2013年ベルギーでのライブを2CDに収録。2003年作「FRAGMENTS OF LIGHT」からのナンバーで幕を開け、
女性シンセ奏者を含むツインキーボードによるシンフォニック性と、変拍子を多用した巧みなアンサンブルで、
クラシカルな美意識に包まれた格調高いインストサウンドを構築。濃密でありながら流麗な美しさという点では、
THE ENIDANGLAGARDが合体したような感触か。2011年作「Concerto for Piano & Electric Ensemble」からの
43分におよぶ長大な組曲の再現も圧巻で、クラシカル化したクリムゾンというべきスリリングで優美なサウンドに聴き惚れる。
Disc2には、2009年作「Ouroboros」からのナンバーに、ボーナストラックとして、2007年、2011年のライブ音源も収録。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8.5 
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KOTEBEL 「COSMOLOGY」
スペインのシンフォニックロック、コテベルの2017年作
ライブ作品を挟んで、7作目となるスタジオアルバムで、美しいフルートの音色にツインキーボードが重なり、
壮麗なシンフォニック性に包まれつつ、今作ではタイトルのようなスペイシーなミステリアス性も感じさせる。
ときに日本のKENSOにも通じる軽妙なアンサンブルで、起伏に富んだ構築力と知的なセンスで、
優雅なインストサウンドを描いてゆく。ハイライトである32分を超えるタイトル組曲も、従来のクラシカルな優美さに
フルートが鳴り響く繊細な叙情性も含ませながら、どことなく日本的な情感を匂わせているのが特徴的だ。
クリムゾン的でもある緻密なアンサンブルを、シンフォニックロックとしての端麗な味わいに溶け込ませる作風は、
まさに円熟の域にまで到達している。オールインストでここまでの構築性を描けるバンドというのはなかなかいない。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 優雅な叙情度・・9 総合・・8
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Labanda 「no todo es Seda」
スペインのトラッド・フォーク、ラバンダの1995年作
牧歌的なアコーディオンの音色にアコースティックギター、ヴァイオリンなどが絡み、
スペイン語のヴォーカルが歌を乗せる、素朴なフォークロックサウンド。
ドラムやシンセ、随所にエレキギターも使っているので、Amarokあたりにも通じる
プログレ風味のあるトラッドロックとしても楽しめる。やわらかなフルートの音色も耳に優しい。
スパニッシュな哀愁を感じさせる、おおらかな叙情性に包まれた好作品です。
トラッドロック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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LAZULI 「En Avant Doute」
フランスのポストプログレ、ラズリの2006年作
やわらかなフランス語の歌声に、モダンなシンセやストリングスによるアレンジを乗せて、
薄暗い叙情を描く、ポーキュパイン系サウンドのフランス版という雰囲気という聴き心地。
メロディックロックとしてのキャッチーなノリも含みつつ、ポップとまではいかないという絶妙さと
フランス語のヴォーカルが優雅な味わいになっていて、新しさはないのにどこか新鮮な感じの作風である。
ベースに聴こえるのはレオーデという独自の楽器で、ウォーギターを使用していたりと個性的な編成も面白い。
精細な叙情と適度にハードなダイナミズムを同居させた、モダン系ポストプログレの好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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LAZULI 「Tant Que L'herbe Est Grasse」
フランスのプログレバンド、ラズリの2014年作
90年代から活動していたキャリアのあるバンドで、本作はおそらく5作目となる。
美麗なシンセアレンジにフランス語のヴォーカルを乗せ、エレクトロでモダンなアレンジに包まれた、
ポストプログレ寄りのサウンド。シンセの音も出せるという独自の弦楽器「Leode」奏者を含む編成も面白いが、
適度にハードなギターも加わって薄暗い叙情を描くところは、Porcupine Treeのフランス版というような感じもある。
一方では、オルガンが鳴り響くプログレ感触やキャッチーな抜けの良さも垣間見せ、メロウなギターフレーズを重ねた
シンフォニックロックとしての味わいもある。楽曲は長くても6分ほどと比較的コンパクトで、スリリングな展開はない分、
フランス語の優雅な味わいとともに、繊細や優しさに包まれた大人のモダンプログレとして楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・8 総合・・8
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Lazuli 「Nos Ames Saoules」
フランスのプログレバンド、ラズリの2016年作
90年代から活動するバンドで、本作は6作目となる。繊細なモダンプログレという趣だった前作に続き、
ピアノを含むシンセにフランス語によるやわらかなヴォーカルを乗せた、優雅なポストプログレ・サウンドを聴かせる。
ベースレスであるが、独自の弦楽器レオーデ奏者によるシンセベース的な音色も含んだ浮遊感に包まれた感触で、
美しいシンセに二本のギターも加わった厚みのあるサウンドは、モダンなシンフォニックロックとしても楽しめる。
楽曲は4〜5分前後と、わりとシンプルで濃密になりすぎないところも、スタイリッシュな感覚だろう。翳りのある重厚さと、
涼やかな叙情性、クリアな音質なども、既存のスタイルにとらわれない新たなプログレの音を示している。
ドラマティック度・・8 モダンプログレ度・・8 フレンチ度・・8 総合・・8
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Loomings 「Everyday Mythology」
フランスのアヴァン・チェンバーロック、ルーミングスの2015年作
YUGEN、EMPTY DAYS、NOT A GOOD SIGN、FACTOR BURZACOなどにも参加するミュージシャン、
Jacopo Costaを中心にしたバンドで、ヴィブラフォンの優雅な音色に、エフェクトのかかった男ヴォーカルに
美しい女性ヴォーカルが絡み、フランスらしいエキセントリックな妖しさと軽妙なアンサンブルで聴かせる。
ミステリアスな静寂感と先の読めない展開も面白く、ときにシアトリカルな演劇性も匂わせながら、
軽やかなユーモアを含んだ聴き心地は、適度にダークながらも重すぎず、さほど難解な感じもしない。
女性ヴォーカルが前に出る部分が多いので、異色のアヴァンロックながらも、全体的には優雅な印象だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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MAGMA 「KOBAIA」
フランスのプログレ・ジャズロック、マグマの1970年作
バンドの記念すべき1stで、2枚組のコンセプト大作。当たり前のようにヴォーカルはコバイヤ語で歌っている。
サウンド自体はホーンセクションを含んだファンクな感触の、奇妙なジャズロックという印象で、
のちのアルバムに比べると重厚なスケール感というのは希薄ながら、独特のシアトリカルな妖しさは、
すでに十分マグマらしさを垣間見せている。10分を超える大曲での起伏のある展開と、迫力を増してゆくドラムプレイは
さすがというべきか。むしろ、圧倒される感じがない分、ジャズロックサイドのプログレとしての聴きやすさがある。
フルートが鳴り響き、美しいピアノ、トランペットなどがチェンバーロック的でもある優雅さをかもしだす、
一方で、コバイヤ星をめぐる壮大なSFストーリーが含まれた異色の力作であろう。
ドラマティック度・・8 ジャズロック度・・8 妖しさ度・・8 総合・・8
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MAGMA 「Mekanik Kommandoh」
マグマの代表作というべき「M.D.K.」のプロトタイプとなる音源で、38分全1曲を収録。
妖しく鳴り響くピアノに演劇的な語りで幕を上げ、男女混声コーラスを乗せて、
重厚かつアヴァンギャルドなジャズロックを展開。音質がややこもり気味のことも含めて、
妖しく野卑な空気感がたちこめている。オルガンの音色などはプログレ的で、完成版に比べると、
スタイリッシュな勢いは薄いが、その分、得体のしれない迫力に包まれている。
ドラマティック度・・8 ジャズロック度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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MAGAMA「.M.D.K.」
マグマの1973年作
正式なタイトルは「Mekanik Destructiw Kommandoh」、邦題は「呪われし地球人たちへ」
壮大なコンセプトストーリー「トゥーザムターク」の第三楽章で、マグマの最高作といえば本作だろう。
軽やかなジャズロックを基盤にしながらも、コバイヤ語による呪術的なヴォーカルと男女混声コーラスが、
宇宙的で異色の世界観を形成し、脅迫的に盛り上がってゆくという、そのサウンドには圧倒される。
多くのバンドにも影響を与えたであろう、ブラスの使い方などもサウンドに壮大な効果を与えていて、
チェンバーロック系バンドのような優雅でクラシカルな質感も有している。妖しさとスケール感とアンサンブルの融合…
なにせ文章のみでは解説のしようがない音楽であり、その芸術的な音のうねりに触れていただくのが一番だろう。
個人的には代表作である「ライブ」よりも、こちらの方がコンセプトとしての凄さが分かりやすい。
ドラマティック度・・8 ジャズロック度・・8 壮大度・・10 総合・・9
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MAGMA「Kohntarkosz」
マグマの4th。1974年作
鬼才、クリスチャン・ヴァンデの描く壮大な世界観は前作「MDK」とともにまさに絶頂期。
2つのパートに分かれた「コンタルコス」は、歌とコーラスが主導だった前作よりも、
アンサンブルの緊張感が増していて、シリアスな硬質感がサウンドを構築してゆく。
より迫力を増したヴァンデのドラムを中心に、ヤニック・トップのベースの存在感も強まった。
得体の知れない壮大さで押し寄せてきた「MDK」よりは、むしろ静謐感の中での
静かなアンサンブルの掛け合いが増したことで、バンドとしての演奏の質は高まっている。
とくに“Kohntarkosz Part Two”の後半部でのたたみかけるサウンドは圧巻だ。
ジャズロック度・・7 アンサンブル度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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MAGMA 「LIVE」
マグマの1975年作
マグマの代表作ともされるライブ作品で、1曲目の30分を超える「Kohntark」からしてすでにぶっ飛んでいる。
クリスチャン・ヴァンデの迫力あるドラミングを軸に、スタジオ盤以上の躍動感あるアンサンブルが炸裂。
コバイヤ語による妖しい男女声に、唸りを上げるベース、艶やかなヴァイオリンが加わり、
ときにゆるやかに、そしてクライマックスでは異様なテンションでダイナミクスを作り出す。
反復するフレーズの、リフレインによるトリップ感は、ライブならではの生々しさによるところだろう。
わりと優雅な小曲を挟みつつ、ラストの18分の「Mekanik Zain」では、うねりのあるベースにエレピが絡み、
ヴァイオリンの旋律とともに、スペイシーなスケールと緊迫感のあるアンサンブルでたたみかける。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・9 テンション度・・9 総合・・8.5
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MAGMA 「Udu Wudu」
マグマの1976年作
本作ではのっけからこれまでにないキャッチーな感触で、コバイヤ語を乗せた妖しいジャズロックではあるが、
1曲目はわりと軽快な聴きやすさが前に出ている。ジャズタッチのピアノにトランペットも加わった軽妙さに、
ベースにヤニック・トップが復帰したことで、ボトムの重厚さを失わずに優雅な聴き心地を作り出している。
アルバム前半はわりとドラムはおとなしめなのだが、ラストの17分を超える大曲「DE FUTURA」は
うねりのあるベースにギターとシンセがかぶさり、ヴァンデのドラムもときに激しくなり、
重厚にしてミステリアスな世界観を構築している。このヘヴィ・ジャズロックというべき感触は、
MAGMAの作品の中でも異色のインパクトを誇るナンバーだろう。玄人好みのアルバムである。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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MAGMA 「Attahk」
マグマの1978年
ギーガーによるジャケが印象的な70年代のラスト作品。1曲目はノリのよいギターを乗せた
わりとスタイリッシュなジャズロックで、クリスチャン・ヴァンデのヴォーカルは
自らの叩くタイトなドラムとシンクロするように、ときにファンキーな感触になったりと面白い。
優雅なピアノの旋律に女性コーラスも加わりつつ、かつてのような妖しいスケール感が減退している分、
風変わりなジャズロックとして、より多くの人が楽しめるサウンドになっているともいえる。
一方では、善と悪の二面性を描くというコンセプトによる、シアトリカルな歌声はらしい濃密さを描いていて、
軽快なアンサンブルとの対比という意味でも特徴的だ。これまでのような大曲はないが、まぎれもなくマグマの作品である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・8
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MAGMAK.A (Kohntarkosz Anteria)
フランスの大御所バンド、マグマの2004年作
スタジオアルバムとしては20年ぶりの作品ということで、タイトルからして往年の名作「Kohntarkosz」の続編と思わせるが、
実際のところは70年代の未発曲を再編成したものらしい。全3曲で、それぞれ11、15、21分という大曲構成で、
音の方もかつてを思わせるマグマファンにはたまらないサウンド。反復する変則リズムと男女コーラスで、
ゆるやかな盛り上がりを繰り返してゆく、あのマグマ節は健在だ。マグマ初心者にも勧められる力作といってもよいだろう。
プログレ度・・8 壮大度・・9 コバイヤ度・・9 総合・・8
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MAGMA 「Emehntehtt-Re」
フランスのプログレバンド、マグマの2009年作
2004年作「K.A (Kohntarkosz Anteria」に続く本作は、70年代から構想されていたという作品で
古代エジプトをテーマにした、ミステリアスで壮大なサウンドが描かれる。神秘的な女性コーラスと
美しくも不穏に奏でられるピアノ、そしてクリスチェン・ヴァンデの縦横無尽のドラムによって、
唯一無二という宇宙的なスケールを感じさせる世界観が広がってゆく。22分、13分の大曲を中心に、
ジャズロック的な軽やかさと、フランスらしい洒落た優雅さを含んだ、適度にメロディックな聴き心地は
前作よりもぐっとスタイリッシュな感触である。もちろんマグマらしい緊迫感も健在で、さすがの力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 スタイリッシュ度・・8 総合・・8
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Stella VanderD'Epreuves D'Amour
MAGMAのメンバーでもあるステラ・ヴァンデのソロ作。1991作
クリスチャン・ヴァンデの妻としても知られる彼女だが、このアルバムで聴けるのは、
プログレでもジャズロックでもなく、たおやかなピアノをバックにした歌ものである。
フランス語による美しいステラの歌声をメインにしつつ、クラシカルなほの暗さは、
ほのかにMAGAMAに通じる部分もあり、フレンチらしい優雅さもなかなか耳に心地よい。
しっとり歌もの度・・9 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Fusion 「Paris 80」
MAGMAにも参加したベーシスト、ヤニック・トップ率いるユニット、フュージョンのライブ音源。2001年作
MAGMAのクリスチャン・ヴァンデをはじめ、そうそうたる顔ぶれのメンバーによる、1980年フランス公演のステージを収録。
クリスチャン・ヴァンデの激しいドラムをバックにうなりを上げるベースと、艶やかなヴァイオリンが鳴り響くフリーキーなジャズロック。
MAGMAに比べると怪しさがない分、純粋にアンサンブル重視なのでとっつきやすい。後半にはピアノとベースの超絶な掛け合いもあり、
音質的はややこもり気味だが、テンションの高い演奏が楽しめる。10分を超えるナンバーを中心にラストは29分の大曲。マグマ系ファンはチェック!
ライブ演奏・・9 フリーキー度・・8 音質・・7 総合・・8
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STS 「PARIS 98」
MAGMAのベーシストとして知られる、ヤニック・トップ率いる、エス・ティー・エスのライブ音源。2001年作
1998年のフランス公演のライブ音源で、57分を超える組曲を収録。奔放なベース演奏を中心にした
うねりのあるリズムの上をフリーキーなサックスが鳴り響く、チェンバー的なジャズロックサウンド。
ベース、ドラム、サックスというミニマルな編成で音の厚みはそうないのだが、ゲストによるギターも加わって、
空間的な緊張感をかもしだす演奏力はさすが。上質なブート程度の音質もむしろ臨場感を高めている。
アヴァンギャル度・・8 空間度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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Magnesis 「L'immortel Opera」
フランスのプログレバンド、マグネシスの2006年作
結成は80年代というベテラン、本作は5部構成のストーリー的なコンセプト作で、美しいシンセにメロウなギターで聴かせる
いわゆるGENESISタイプの王道のシンフォニックロック。フランス語の語りを含んだシアトリカルな雰囲気は、
やはりANGEを思わせる世界観で、クラシカルなピアノや泣きのギターフレーズなど、メリハリのある構成も楽しめる。
15分、9分、11分、9分という大曲揃いなので、どうしても長尺感があるのだが、完成度というよりはこのフランスらしい
空気感を味わうバンドなのだと思う。叙情的ではあるがメロディックな抜けは良くないというのもいかにもフランス的である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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MagnesisRoyaume D'Oceanea
フランスのシンフォニックロック、マグネシスの2010年作
結成は80年代というベテランらしい。フランス語による語りから始まり、メロウなギターと美しいシンセとともに、
王道のシンフォニックロックを聴かせる。野太い男性ヴォーカルの歌声はANGEなどを思わせる
シアトリカルな感触で、随所に女性声も加わったりと、繊細でやわらかなサウンドを描いてゆく。
20分の大曲も含めて、ゆるやかな構築センスで、耳心地のよい作品に仕上がっている。
Raison de Plusなどと同様に、90's以降のフレンチ・シンフォニックロックの好作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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MAGNESIS「Faits D Hiver...」
フランスのシンフォニックロック、マグネシスのライブ作品。2012年作
結成は80年代というベテランバンド、本作は2006年のフランス公演を収録している。
写真を見ると、派手なメイクをしたメンバー達による演劇的なステージであったことが分かる。
サウンド自体は、美しいシンセとメロウで叙情的なギター、そしてフランス語のヴォーカルによる
正統派のシンフォニックロックで、曲間のフランス語のMCも含めてなかなか芳醇な味わいである。
ANGE、MONA LISA、Halloweenに次ぐ存在といえるのはこのバンドかもしれない。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・7 フレンチ度・・9 総合・・7.5

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MALAGUERO「LATITUDES」
スペインのトラッド・ロックバンド、マラグエロの1st。2001年作
ヴァイオリンやマンドリン、フルートに、エレキギターとロックドラムを融合し、
美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、キャッチーなトラッドロックサウンド。
曲によっては純トラッド的で、確かな演奏力もあってトラディショナル音楽としても本格派だが、
やはりそこにピアノやギターなどが絡まると、なんともいえぬ素敵な音楽になる。
女性ヴォーカルの歌唱も伸びやかで力強く、スペイン語の歌が実によく映えている。
トラッ度・・9 ロック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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MALICORNE「LE BESTIAIRE」
フランスのトラッドロックバンド、マリコルヌの7th。1979作
フランスのトラッドグループとしては大御所とされているバンドで、
このアルバムは初期よりもロック色を濃くし、プログレファンにも人気の作品である。
男女ヴォーカルによるフランス語の歌唱をメインにしつつ、アコースティック楽器だけでなく
エレキギターやシンセも使用し、トラディショナルなテイストとモダンな質感が融合している。
ヴァイオリンやフルートの素朴な音色とは対照的な前衛的なシンセも加わり個性的なトラッドロックを形成している。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 トラッ度・・7 総合・・7.5
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Manu Ribot 「CA」
フランスのミュージシャン、マニュ・リボーの2015年作
Xレッグド・サリーでも活躍したピエール・フェルヴルーセムの作品にも参加したギタリストで、
本作は、ベース、ドラム、ギターを中心にした、アヴァン・フュージョンロック的なインスト作品。
わりとポップなフレーズを奏でつつも、どこかヒネくれた偏屈さを感じさせるセンスはさすがで、
ノイジーで奔放なギターをかき鳴らし、適度なハードさも含ませつつ、あくまで軽妙な聴き心地で、
トランペットやトロンボーンも加わった、スカやフリージャズ的な雰囲気もいくぶん覗かせる。
アヴァンギャルドなチェンバー・ポップという点では、MATS/MORGANあたりにも通じる部分もあるが、
こちらはそこまで逸脱しきれておらず、楽曲ごとのインパクトという点でも少し物足りないか。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・7 総合・・7.5
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MASAL 「GALGAL」
フランスのプログレ・ジャズロック、マサルの2010年作
1984年にソロ作「MASAL」を発表したマルチミュージシャンJean-Paul Pratを中心とするユニットで、
サウンドの方はかつてのようなMAGMA直系のスタイルではなく、優雅なピアノの旋律にギターが絡み、
モダンなテクニカル性を軽妙に聴かせる、プログレッシブなジャズロック。軽やかにサックスが鳴り響き、
そこにギターのフレーズがメロディックにかぶさる、フュージョン的でもある爽快な感触に
プログレらしいエキセントリックな切り返しやリズムチェンジなどのアレンジもなかなか楽しい。
どことなく、PEKKAあたりを思わせるユーモアを感じさせる大人のアンサンブルも含めて、
成熟したミュージシャンのみが作れる知的なプログレ・ジャズロック作品である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 軽妙度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARAPaseando por la Mezquita
スペインのハードロックバンド、メディナ・アザーラの1st。1980作
今やスペインきっての大御所バンドとなった彼らだが、その記念すべきデビュー作がこれ。
やや時代を感じさせるシンセの音色にアラビックなフレーズのギター、
そしてややのんびりとしたスペイン語の歌唱でゆったりと聴かせる。
後のアルバムのような劇的な叙情はまだなく、牧歌的なプログレハードといった雰囲気。
これはむしろメタルリスナーよりもプログレファン向けかもしれないが、ともかくも
アラビックなスパニッシュロックという独自の音楽性を誕生させた1枚であろう。
メロディアス度・・7 メタル度・・6 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA「...en Al-Hakim」
メディナ・アザーラの5th。1989作
アラビックなメロディと美しいシンセワークで聴かせる、彼ら独自のサウンドが確立した1枚。
後のアルバムのようなダイナミックで雄大な雰囲気はまだ薄いが、スペイン語のヴォーカルとともに、
やわらかな質感が耳に心地よい。フラメンコギターが入ってくると、いかにもアンダルシアの空気がただよう。
なお同ジャケットの日本盤はベスト盤なので間違わぬようご注意を。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA「En Directo」
メディナ・アザーラのライブアルバム。1990作
初期の5作からまんべんなく選曲されたライブステージで、スペイン語の歌声による哀愁ただようメロディアスな楽曲が素晴らしい。
たっぷりと使われるキーボードはときにプログレ的ですらあり、それが泣きのギターと合わさるとスパニッシュな叙情が溢れだす。
なかなか手に入りづらい彼らの初期作のベストとしても聴ける。
メロディアス度・・8 スパニッシュ度・・9 ライブ演奏度・・8 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Sin Tiempo」
メディナ・アザーラの6th。1992作
すでに活動20年を超える大ベテランで、日本でももっと評価されてもいいバンド。
うっすらとした美しいキーボードと、古き良きハードロックを思わせるギター、
そして異国情緒たっぷりのスペイン語の歌詞が歌い上げる。メタリックな勢いよりも
叙情とメロディで聴かせるサウンドは、プログレハードリスナーなどにも受けるのではないかと思う。
スパニッシュメタルの代名詞たるにふさわしい完成度を、すでにこの時点から造り上げていたのだと
感心しきり。泣きのギターを聴かせるバラードなども実に美しい。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 スペイン度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Donde Esta la Luz」
メディナ・アサーラの7th。1994作
日本デビュー作となるこのアルバムは、シンフォニックなキーボードとキャッチーなメロディをふんだんに盛り込んだ力作だ。
哀愁ただようスペイン語の歌唱には異国情緒が漂っているがメロディそのものは実に人懐こく、
プログレハード的な聴き方も可能。スパニッシュメタル入門用にも勧められるとても聴きやすい作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Arabe」
メディナ・アサーラの8th。1995作
本作の日本盤は2枚組の海外盤をまとめ、後半5曲がカヴァーという構成になっている。
サウンドのは、哀愁のスペイン語に泣きのギターで聴かせるこのバンドの持ち味が
いかんなく発揮された、まさにアンダルシアハードロック。メタル的な硬質感よりも
シンセ入りでやわらかみある叙情が耳に心地よい。アラビアをテーマにしているということで
アラビックなメロディがいつもよりもいっそう際立っている。カヴァーの方は、ミゲル・リオスや
ローリング・ストーンズのスペイン語バージョンなどを収録。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「a toda esa gente」
メディナ・アサーラのライブアルバム。1996作
CD2枚組にわたって過去からの曲をたっぷりと聴かせてくれるライブ作。
さすがにベテランだけあって、ステージでも安定した演奏と歌唱で盛り上げる。
濃密かつメロディアスなスパニッシュハードロックが楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8

MEDINA AZAHARA「tanger」
メディナ・アザーラの11th。1998作
1980年のデビューから現在まで、名実共にスペインのロックシーンの頂点に立つこのバンド。
アンダルシアの哀愁をスペイン語の歌唱にまとわせ、やわらかなメロディで聴かせてくれる。
メタリックな硬質感はあまりなく、むしろキーボード入りのプログレハードとして鑑賞可能。
スパニッシュメタル入門用にもよいだろう。バンドのディスコグラフィーはこのページが詳しい。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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Medina Azahara「Baladas」
メディナ・アザーラのバラード集。1999作
スパニッシュハードロックの大ベテラン。この1999年の段階で、アルバム、シングル含めると
28枚という膨大なディスコグラフィーとなる。本作はその中から選ばれたバラードを15曲収録。
スペイン語の歌声と哀愁のメロディ、泣きのギターも素晴らしい絶品のバラード曲をたっぷり堪能できる。
シンセによるシンフォニックな味わいもあって、あるいはプログレリスナーにも楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・9 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「]]」
メディナ・アザーラの12th。2000作
デビュー20周年となる節目のアルバムで、内容もその通り力が入っている。
これまでよりもギターが前に出たパワフルさを増したサウンドに、キャッチーなメロディに乗せるスペイン語の歌唱が響きわたる。
長い活動を続けてきた自信と存在感が音にも表れており、ダイナミックかつシンフォニックな雰囲気は、
もはやスペイン産うんぬんというレベルを超えている。クラシカルなシンセワークも素晴らしく、
やわらかみのあるメロディラインが実に心地よい。これぞスパニッシュ・シンフォニックメタルの傑作だ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8.5
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MEDINA AZAHARATierra De Libertad
スペインのベテランバンド、メディナ・アサーラの13th。2001作
スパニッシュメタルの立役者であるこのバンド、デビューから25年あまりたっても
いまだコンスタントにアルバムを出し続けている姿勢が素晴らしい。
今作も、独特のやわらかみのあるメロディにスペイン語の歌唱が合わさって、
とても聴きやすいのだが、それでいてアンダルシアの空気を強く感じさせてくれる。
美しいシンセアレンジも含めて、メタル的無骨さよりはマイルドなメロディアスさと哀愁が前にでていて
むしろプログレ系のリスナーにも勧められるサウンドだ。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「aixa」
メディナ・アザーラの14th。2003作
今作はシンフォニックなシンセに加え、オーケストラまでも使用した壮麗なサウンドを聴かせてくれる。
美しいピアノをバックにアンダルシアの哀愁を感じさせるヴォーカルが歌い上げ、
キャッチーなメロディとスペインの土着性が合わさった、独特の叙情が素晴らしい。
今作ではいつになくプログレ的なシンセワークを聴かせる場面も多く、
メタリックな勢いよりも、やわらかみのあるメロディアスさが光るアルバムだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8.5
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MEDINA AZAHARALa Estacion de los Suenos
メディナ・アザーラの15th。2005年作
哀愁ただようメロディに、情感たっぷりのスペイン語の歌唱は今作も健在。
そしてシンフォニックなキーボードの重ねにより壮大さも増している。
ややくどいながらもサビでの盛り上がりはじつにドラマティックで、
ときおり挿入されるフラメンコ風のギターにも、母国の伝統を愛する彼らの魂が感じられる。
メタル的な硬質感は少ないが、聴きやすさとメロディにこだわった良質の作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・5 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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Medina AzaharaSe Abre La Puerta
メディナ・アザーラの16th。2006作
1980年から活動を続けるスペインきっての大ベテラン。やわらかな叙情とスペイン語の歌声による、
マイルドなハードロックサウンドは本作も変わらず。オルガンの音色など、レトロさをかもしだすシンセワークが
ときにプログレ的でもあり、スパニッシュの哀愁をゆったり楽しめる作品に仕上がっている。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「La Historia Continua」
メディナ・アザーラの2011年作
1980年から活動を続けるスペインきっての大ベテラン、その30周年を記念しての作品。
未発曲の再録音8曲にビートルズのカヴァー1曲という構成で、スペイン語の歌声と
シンセによるきらびやかなアレンジでキャッチーに聴かせる、スパニッシュ・ハードロック。
楽曲はどれも3〜4分という比較的コンパクトなもので、彼らのプログレハード的な部分が好きな自分としては
やや物足りない聴き心地ではあるが、アンダルシアの哀愁を感じさせる後半のナンバーは白眉。
メロディック度・・8 スパニッシュ度・・8 濃密度・・7 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA 「La Memoria Perdida」
スペインのベテランハードロックバンド、メディナ・アザーラの2012年作
美麗なシンセとツインギターが絡むメロディックなやわらかさと
スペイン語の歌声による哀愁を漂わせる叙情が合わさったサウンドは、
メタルというよりはスパニッシュなシンフォニック・ハードという趣で、
とにかく、その泣きのメロディと大人の情感に、たっぷりと浸ることができる。
全体的にもキャッチーな聴き心地で、バックでオルガンが鳴っていたりと、
プログレハード的にも楽しめる。強いインパクトはないが、メロディ充実の傑作です。
メロディック度・・9 哀愁度・・9 スパニッシュ度・・9 総合・・8



Mezquita「Recuerdos De Mi Tierra
スペインのプログレバンド、メズギータの1979年作
スペインのプログレといえば、いかにもスパニッシュな雰囲気のTRIANAGRANADAなどが有名だが、
このバンドはBloqueなどと同様、いくぶんハードロック的な要素があるので聴きやすいかもしれない。
スペイン語の歌声とスパニッシュギターを含んだ哀愁と土着的な叙情性に、
ストリングス入りのアレンジも加わっての、いくぶん唐突な曲展開も魅力的。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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MICHEL AUMONT 「Le Grant Orchestre Armorigene」
フランスのクラリネット奏者、ミシェル・オーモンの2012年作
ピアノ、ヴァイオリン、チューバ、ヴィエレ・ア・ルー(ハーディ・ガーディ)、ドラムを含む7人編成で、
ブルターニュ地方のトラッドをモチーフにした楽曲を、ジャズオーケストラの編成で演奏。
軽やかなドラムの上に、チューバの低音とヴァイオリンが鳴り響き、優美なピアノの旋律に、
エレクトリック・ヴィエレ・ア・ルーも加わって、素朴なブルターニュの空気感に包まれた
技巧的なジャズロックが楽しめる。土着的なトラッド感触を軽妙に表現するという点では、
FLAIRCKにも通じるスタイルだろう。ジャズ、クラシック、トラッドの要素を絶妙に溶け込ませた傑作だ。
テクニカル度・・9 トラッド・ジャズ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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MIGUEL RIOS「La Huerta Atomica」
スペインの歌手、ミゲル・リオスの1976作/邦題は「原子の果樹園」
スペインでは有名な歌手であるらしいが、本作は彼のディスコグラフィー中、最もシンフォニックな作品で
スペイン語による情熱的な歌唱を中心にしながら、オルガンやムーグシンセのプログレ的な音色に
たおやかなピアノによる叙情から、シンフォニックな盛り上がりまで、なかなか美しい。ただの歌もの曲もあったり、
ファンキーなノリのものやDでのどんどんと高まってゆく女性の喘ぎ声にはつい照れてしまうが、
ラストの組曲などは壮大で、なかなか聴きどころのあるアルバムである。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・7.5
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MINIMUM VITAL「Envol triangles/les saisons marines」
フランスのプログレバンド、ミニマム・ヴァイタルの1985年のデモと1987年の1stのカップリング
フランス90'sシンフォニックロックの先駆けというべきバンド。メロウなギターにきらびやかなシンセが絡み、
ときにフルートが鳴り響く、ミステリアスな雰囲気のプログレサウンドは、デモの段階でもすでに質が高く、
GENESISやANGEなどを独自のセンスとともに軽やかに昇華したという作風を構築している。
叙情と土着性の融合という点では、日本のKENSOなどにも通じる感触もある。1stアルバムになると
よりメロディックなシンフォニックロック風味のスタイルになって、ぐっとスタイリッシュな聴き心地。
妖しい雰囲気は薄まって、テクニカルな軽快さに包まれたインストプログレサウンドが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 スタイリッシュ度・・8 総合・・8
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MINIMUM VITAL「Ssrabandes」
フランスのプログレバンド、ミニマム・ヴァイタルの1990年作
メロディックなギターの旋律に、美しいシンセによる味付けにフルートの音色が加わり、
より洗練された叙情的なインストプログレを聴かせる傑作。のちの作風へとつながる
アコースティカルな優雅さも随所に垣間見せるなど、演奏力の高さも光っていて、
いわば80年代のからのポンプ勢とは一線を画す、クールな構築センスを持っている。
本作を持って、TIEMKOと並び、90年代フランスのネオプログレを代表するバンドとなった。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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MINIMUM VITAL「La Source」
フランスのプログレバンド、ミニマム・ヴァイタルの1993年作
前作でのクールな構築センスをさらにスタイリッシュにして、軽やかなアンサンブルが前に出たというサウンドで、
シンフォニック・フュージョンというような優雅なサウンドになってきている。随所にしっかりとプログレ的なシンセも入りつつ
男女ヴォーカルの歌声がお洒落な軽妙さを付加していて、ポップな味わいの中に知的な美意識を覗かせる。
たとえば、Mike Oldfieldのように繊細な優雅さを巧みなアレンジ力でキャッチーに仕上げたというべきスタイルで、
90年代のモダンプログレのひとつの形を提示するかのようだ。現在聴いても古さを感じさせない傑作といえる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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MINIMUM VITAL「Esprit d'Amor」
フランスのシンフォニックロックバンド、ミニマム・ヴァイタルの5th。1997作
初期は正統派のシンフォニックロックをやっていたが、サイドプロジェクトのVITAL DUOからもうかがえる通り
しだいにトラディショナルなメロディにモダンなアレンジとポップセンスを取り入れた作風に変化してきている。
このアルバムでは、プログレというよりは、むしろフレンチポップ的なキャッチーなテイストが前に出ていて、
軽やかなリズムと小洒落たシンセアレンジで、いわゆるプログレ的な要素はもはやほとんどない。
フランス語の女性Voにしてもメジャーなポップテイストを感じさせ、ときおり聴かせるギターのフレーズなどに、
かつてのシンフォバンドの面影を残す。全体的にも突き抜けたセンスと新たな形がはっきりと出ており、
プログレ/シンフォうんぬんを意識しなければ、これはこれで質の高い作品だと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 フレンチポップ度・・8 総合・・7.5
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Minimum Vital 「Au Cercle De Pierre」
フランスのプログレバンド、ミニマム・ヴァイタルの1998年作
1997年作「Esprit d'Amor」は、フレンチポップ的なテイストを含んだ軽妙な作品であったが、
本作では初期の楽曲も演奏していて、シンフォニックロックとしてのこのバンドの魅力があらためて再確認できる。
一方では女性ヴォーカル入りの優雅さもライブにおいても映えていて、高い演奏とともに楽曲を構築しつつ
それを軽やかでキャッチーに聴かせるセンスも素晴らしい。メロディックなギワークも冴えを見せていて
随所にプログレ的なシンセを響かせるアレンジも見事。じつに優雅で軽妙なライブ作品です。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 優雅度・・9 総合・・8
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Minimum Vital 「Capitaines」
フランスのプログレバンド、ミニマム・ヴァイタルの2009年作
90年代初頭から活動するベテランで、本作はライブ作品を入れた7作目のアルバム。
軽妙でスタイリッシュなアンサンブルに、トラッド的要素を含んだサウンドは、
キャッチーなポップ性とアーティスティックなセンスの良さに包まれていて、
随所に入るメロウなギターフレーズやうるさすぎないシンセアレンジも相変わらず絶妙。
雰囲気としてはMike Oldfieldにも通じる方向性ながら、よりシンフォ受けするバンドだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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MONA LISA「AVANT QU'LL NE SOIT TROP TRAD」
フランスのシンフォニックロックバンド、モナ・リザの1978作
以前「限界世界」という邦題で日本発売もされた彼らの代表作。
語り口調のVoといい、同郷のANGEを手本としたようなシアトリカルなサウンド。
しかしただ濃いだけでなく、クラシカルなピアノなどの引きのパートもあり、
70年代のフレンチシンフォとしてはなかなか質が高いと思われる。
同時代のイタリアやイギリスのバンドと比べるとシンセの音がややチープに思えるが
そうしたエセ華麗さ、ともいうべきものもフレンチシンフォの醍醐味なのだろう。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・8 総合・・7
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MORRIGAN「CHRONIQUES D'LCI-BAS」
フランスのシンフォニックプログレバンド、モリガンの1999作
ややショボいカンジのヴァイキングチックなジャケなどから察するに、中世をモチーフにした作風のようで、
音はなかなかハードなギターやドラムに、男臭いVoが歌い上げるというもの。
シンセの頻度はさほど高くなく、ギターのメロディとこのアクの強い野郎Voがメイン。
曲の盛り上がりではそれなりにドラマティックだしシンフォニックではあるが、どこかに野暮ったさがあり、
それはやはりこのヴォーカルに起因するところが大な気がする。
シンフォニック度・・7 野郎Vo度・・9 楽曲・・7 総合・・7


MOTISPrince Des Hauteurs
フランスの古楽プログレバンド、モーティスの3rd。2005作
MOTIS氏を中心にした3人組みで、アコースティックギターやマンドリンの音色に、
美しいシンセワークを加えたという、ゆるやかなシンフォニック・トラッドロロックサウンド。
土着的なメロディを歌うフランス語の歌唱も特徴的で、ブズーキやフルートなどの古楽器と、
効果的なエレキギターの使用でただのトラッドではないモダンなロック感覚が同居しているのが面白い。
バックで響くメロトロンなどもいかにもプログレファン好みである。
シンフォニック度・・7 古楽度・・8 フレンチ度・・8 総合・・7.5
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MOTIS「L'homme」
フランスのトラッドプログレバンド、モーティスの4th。2007作
ギター、ベース、マンドリンにシンセもこなすMOTIS氏を中心にした3人組みのユニット。
アコースティックギターにたおやかなフルートが鳴り、そこにドラムが加わると、
古楽ロック的な質感とともに、軽快かつ優雅に聴かせるサウンドとなる。
フランス語の歌唱に、メロトロン、ムーグ、ハモンドなどのシンセ類が重なって
レトロなプログレ要素を併せてかもし出している。なかなか個性的な雰囲気だ。
フランスにはASGARDGWENDALWURTEMBERGといったトラッド寄りのバンドがいたが、
このバンドも質の高さの点で引けをとらない。古めかしさを現代のアンサンブルでよみがえらせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 古楽トラッ度・・8 総合・・8
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MoTis「Live Crescendo」
フランスのトラッドプログレバンド、モーティスのライブアルバム。2007作
古楽とプログレを巧みに融合させた彼らのサウンドがライブでどう再現されるのかと興味津々。
ヴォーカルでギターにシンセも弾くリーダーと、ドラム、フルート奏者の三人組で、
さすがに音の方は薄いが、アコースティックギターにフルートの音色が絡み、
フランス語によるヴォーカルが合わさると、トラッドな雰囲気がぷんぷんだ。
アルバムのようなプログレ/シンフォ度は高くないが、むしろこのサウンドには
彼らの本質が聴け、ジャケ写真の中世風の衣装とともにその世界観を感じ取れる。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5
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Moving Gelatine Plates
フランスのプログレ・ジャズロック、ムーヴィング・ゼラチン・プレーツの1970年作
バンド名もジャケも風変わりな感じだか、サウンドの方はフルートやサックスが鳴り響き、
軽妙なアンサンブルとエキセントリックなセンスが融合した、アヴァン・ジャズロック。
ギターはときにハードな感触になったり、シアトリカルなヴォーカルが入ったりと、
どこかコミカルな展開力も楽しく、トランペットが吹き鳴らされ、シリアスとユーモアが交差する
起伏に富んだダイナミズムもなかなか見事だ。イギリスのカンタベリー系の優雅さとは少し異なる濃密さで、
年代を考えれば、プログレ系ジャズロックとしてはかなりの傑作と言えるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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MURDER IN THE CATHEDRAL 「Afraid of」
フランスのサイケロック、マーダー・イン・ザ・カテドラルの1999年作
かつてアナログ限定で500枚のみ流通していた幻のバンドの音源が、2007年にCD化された。
メロディックなギターの旋律にヘタウマなヴォーカルを乗せ、ややフォークロック的でもある
おおらかな牧歌性に包まれたサウンド。叙情的でユルめの浮遊感は、なかなか耳心地が良く、
70〜80年代を引きずったようなオールドな味わいは、90年代では見向きもされなかったことだろう。
歌の入らないインスト曲もけっこうあって、奔放に弾き鳴らされるギターのセンスの良さとともに、
サイケロックとしての自由な空気感が楽しめる。ボーナスに1998年の1stを全曲収録。こちらもレアですな。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ユルめの叙情度・・8 総合・・7.5
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NeBeLNeST「NoVa eXPReSS」
フランスのヘヴィプログレバンド、ネベルネストの2nd。2002作
マグマを思わせるスペイシーな雰囲気のジャズロック風味と、
クリムゾン的な叙情とヘヴィネスを合わせたようなインストサウンド。
10分を超える曲もあり、鳴り響くメロトロンの響きとともに、ミステリアスな世界観と
テクニカルな演奏とが一体となった、スケールの大きなサウンドを描いている。
クリムゾン好きはもちろん、ANEKDOTENなどのリスナーにも楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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NeBeLNeST「ZePTO」
フランスのプログレバンド、ネベルネストの3rd。2006年作
重厚なジャズロック風味をミステリアスに聴かせる「マグマ+クリムゾン」というべき
壮大なサウンドは本作も健在。随所にメロディックなギターの旋律も含みながら、
うっすらとしたメロトロンの響きも美しく、うねりのあるベースとともに抜群のアンサンブルで構築する楽曲は、
インストでありつつも、張りつめた緊張感を漂わせていて実に素晴らしい。スペイシーなスケール感を
アヴァンギャルドかつフリーキーな表現力で描き出すセンスは見事。硬派なる傑作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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NEMO「Presages」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモの2nd。2003作
長い曲を展開力のある楽曲でぐいぐい聴かせる王道のシンフォニックサウンドで、
この手のバンドにありがちなもったりとした感触はなく、むしろギターにしろリズムにしろ
ハードめのアプローチもなされているのが特徴的。ピアノやアコースティックギターによる
しっとりとした優雅な部分もあり、フランス語のヴォーカルもなかなかはまっている。
のっけから13分の大曲に、その後も13分、17分という組曲で、バンドのドラマティックな大作志向がうかがえる。
この時点では曲アレンジにやや無駄が多い部分もあるので、そのあたりが成長しているか
3rd以降の作品も聴いてみたい。フレンチシンフォの若手としては非常に有望株。
シンフォニック度・・8 フランス度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

NEMO「Prelude a la ruine」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモの3rd。2004作
2ndの時点から、大曲指向のドラマティックなハードシンフォスタイルがなかなかだったが、
今作はのっけからモダンなProgMetalのような雰囲気で攻めてきた。
フランス語の歌唱や、クラシカルなピアノの響きにはヨーロピアンな叙情が感じられ、
7〜9分台の長曲をメインにしながらも、力みすぎずにエレガントに聴かせる。
メタリックなギターによる硬質感と、フランス的なやわらかさが同居したサウンドだ。
シンフォニック度・・7 ProgMetal的度・・8 フレンチ度・・7 総合・・7.5

NEMO「Barbares」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモの2009作
2001年にデビューしてから、これがすでに7作目となるハードシンフォの中堅。
本作は過去から近未来までの戦争をテーマにしたトータル作で、
いくぶんメタリックな要素もあるドラマティックなシンフォニックロックを聴かせる。
美しいシンセークとモダンなアレンジ、ときにProgMetal的な展開美と
フランス語の歌唱で構築されるサウンドは、シアトリカルな質感も含めて
非常に高品質。7〜9分の曲が主体で、ラストは26分の大曲という力作。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 フランス度・・8 総合・・7.5
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NEMO「Le Ver Dans Le Fruit」
フランスのシンフォニックロック、ネモの2013年作
2002年にデビューしてからすでに9作目となる。本作は2枚組の大作で、おそらくコンセプト作なのだろう、
フランス語のヴォーカルに適度にハードなギター、うっすらとしたシンセアレンジで、いくぶんダークな香りをまとった
サウンドを描いてゆく。ときにオルガンが鳴り響くヴィンテージな感触や、Echolynばりの屈折感のある変則リズムなど
プログレ的な密度は以前の作品よりもぐっと高まっている。反面、印象的なメロディのフックや盛り上がりという点では、
これだというものがなく、7〜9分という長めの楽曲を主体にしながらも、ドラマティックな高揚感に欠けるのが惜しい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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NEMO「COMA」
フランスのプログレバンド、ネモの2015年作
2002年にデビューしてからすでに10作目となる。メタル寄りのハードなギターと美麗なシンセを乗せ、
テクニカルなリズムとともに、知的な展開力のハード・シンフォニックロックを聴かせる。
フランス語の歌声を乗せたリリカルな叙情性も持ち味で、本作ではProgMetal的な感触と
優雅なシンフォニック性が自然体に融合されている。8〜12分という大曲を主体に、
緩急の付いたメリハリある構築性を描くところは、さすがキャリアのあるバンドである。
メロウなギターフレーズやメロトロンにオルガンといった、王道のシンフォとしての魅力もしっかりと残し、
フレンチらしいシアトリカルなドラマ性も覗かせる。これは見事なシンフォニックハードの力作です。
ドラマティック度・・8 ProgMetal度・・8 優雅な叙情度・・8 総合・・8
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NIL「QUARANTE JOURS SUR LE SINAI」
フランスのプログレバンド、ニルの2002作
詳細は不明だが、音の方は初期クリムゾン的なヘヴィシンフォといってもいいもので、
自主レーベルからのアルバムだが、演奏、楽曲ともなかなかセンスがある。
基本はややダークなギターとシンセを中心にしたインストサウンドで、
時折女性Voの美しくも妖しい歌声が入り、曲としてのアクセントになっている。
引きの部分では北欧っぽい薄暗さもあり、唐突な切り返しなどには
ANGLAGARDあたりを思わせる部分もあって、ダークなシンフォ好きにはお薦めできる。
シンフォニック度・・7 妖しげ度・・8 薄暗度・・9 総合・・8
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NIL「novo sub sole」
フランスのヘヴィシンフォニックバンド、ニルの2nd。2005作
前作も初期クリムゾン的なヘヴィシンフォサウンドでなかなか面白かったが、
今作はのっけから女性ヴォーカルの比重が増し、妖しいスキャットヴォイスに耳を奪われる。
ある種ゴシックふうな、たゆうたようなほの暗さと美しさが増していて、
サウンドを通してエキセントリックで芸術的な雰囲気が感じられる。
北欧のPAATOSあたりに通じる浮遊感と倦怠の魅力がある。なかなかの傑作。
メロディアス度・・7 ほの暗シンフォ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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October Equus 「Saturnal」
スペインのチェンバーロック、オクトーバー・イクースの2011年作
本作は3作目で、物悲しくチェロが鳴り響き、サックスにドラムも加えて、スリリングなアンサンブルを描く、
Univers Zeroを思わせるダークなチェンバーロックサウンド。変則リズムによる唐突な展開は、
ときにジャズロック風味になったり、室内楽的な優雅さとフリーキーな緊張感を巧みに融合させた、
軽妙かつテクニカルなインストサウンドは、この手のチェンバー系プログレの愛好家にはたまらないだろう。
アンサンブル志向の展開力で聴かせるタイプなので、難解な世界観というものはあまり感じさせず、
偏屈な技巧派プログレが好きな方にも対応。暗すぎないダークさも含めて初心者から玄人まで楽しめます。
チェンバー度・・8 プログレ度・・8 スリリング度・・8 総合・・8 
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October Equus 「Permafrost」
スペインのチェンバーロック、オクトーバー・イクースの2013年作
あえてエレキ楽器を用いた、ダークなチェンバーロックを描くこのバンドは、現代R.I.O.(ロック・イン・オポジション)シーンの代表格とされる。
本作は4作目で、「永久凍土」のタイトルのように、18世紀の英国北極探検隊の悲劇を描いたコンセプト作。エレキギターによる不穏な旋律と
オルガンやエレピなどのシンセが、緊張感あふれるリズムに乗せられる、UNIVERS ZEROをよりロック寄りにしたというべきスタイル。
随所にジャズロック的なテクニカル性も感じさせつつ、整合感とフリーキーなアヴァンギャルド性が絶妙に融合されている。
ときにはっとするような、シンセとギターによる美しい叙情パートもあったりと、ミステリアスなシンフォニック性も素晴らしい。
カンタベリー風味のエレピなど、ロック寄りでダーク過ぎない点も、むしろチェンバーロック初心者にも楽しめそう。
ミステリアス度・・8 プログレ度・・8 ダーク度・・7 総合・・8
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October Equus Quartet 「Isla Purgatorio」
スペインのチェンバーロック、オクトーバー・イクース・カルテットの2013年作
October Equusのギター、女性ベース、ドラムにサックス奏者を加えた編成で、
シンセではなくサックスが活躍する分、本作ではジャズロック色が増したという印象だ。
楽曲は3〜5分台と短めなのだが、変則リズムをたっぷり盛り込んだスリリングなアンサンブルは、
チェンバー系ジャズロックが好きな方にはたまらないだろう。いくぶんクリムゾン的でもある実験性と、
オールインストながらも、サックスやギターが奏でるフレーズを楽しみながら聴き入れる。
ジャズロック度・・8 チェンバー度・・7 スリリング度・・9 総合・・8
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OMNI「solo fue un sueno」
スペインのシンフォニックロックバンド、オムニの3rd。2007作
CAMELを思わせるメロディアスなギターにたおやかなフルートの音色、
インスト主体ながら、9分、10分という大曲も聴かせてくれる。
うっすらとしたシンセもうるさすぎず、スペインの名作GOTICにも通じる
やわらかみのあるメロディと軽やかさで最後まで心地よく聴き通せる。
アンダルシアの風を運んでくるような泣きの叙情を奏でるギターは、
我々日本人の琴線に触れてやまないだろう。オフィシャルサイトはこちら
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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OORT
フランスのプログレバンド、OORTの2010年作
シンセを含む5人編成で、美しいフルートの音色に美麗なシンセアレンジ、
中性的なハイトーンヴォーカルで聴かせる、モダンなシンフォニックロック。
軽妙なリズムに適度にハードなギターとフランス語の歌声が乗るスタイルは
これまでありそうでなかった感触で、10分を超える大曲も含めた知的な構築センスもある。
優雅な聴き心地が楽しめる、ゆるやかなモダンシンフォニックの好作。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5




PARTHENON「Mare Tenebris」
スペインのプログレバンド、パルテノンの2005年作
トラッドプログレバンドAMAROKのシンセ奏者を中心にしたバンドで、
ここではトラッド色のない、シンセを主体にしたELPタイプのサウンドをやっている。
クラシカルなセンスのシンセワークは、派手さよりもしっとりとした美しさと優雅さがあって、
そこにギターが絡みながらインスト主体のシンフォニックロックを形成してゆく。
またAMAROKの女性Voも参加していて、何曲かで美しい歌声を聴かせてくれる。
全体的にはサウンドがやや平坦なので単長に感じるところもあるが、まずは優雅な好作品。
シンフォニック度・・7 キーボー度・・8 しっとり優雅度・・8 総合・・7.5
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PEARLS OF SWINES
フランスのアヴァンプログレ、パールス・オブ・スウィネスの2013年作
エドガー・アラン・ポーの詩をコンセプトにした作品で、変則リズムを含むアンサンブルに、
女性ヴォーカルの歌声を乗せ、浮遊感のあるアヴァンギャルド性で聴かせるサウンド。
適度なテクニカル性とともに、チェンバーロック的でもあるミステリアスで不穏な空気感も描き出し、
手数の多いドラムやダークなフレージングを奏でるギタリストのセンスもなかなかのもの。
曲によってはHenly Cow的なキュートな毒気や、フランスらしい優雅な闇を感じさせつつ、
全体的にはまだ実力を出し切っていないような、得体の知れないセンスも匂わせる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Phaesis 「Reminiscence」
フランスのプログレバンド、ファエシスの1989年作
美しいシンセアレンジとともにフレンチらしいシアトルカルな妖しさを漂わせたサウンド。
やわらかなヴォーカルも含めてふわふわとした幻想的な浮遊感に包まれていて
メロウなギターも入ったシンフォ系でありながら、どことなくサイケデリックな匂いもある。
8、9分の大曲を軸に、、明確な盛り上がりや展開というよりも、いわば未完成な絵画のような
アーティスティックな世界観を描いてゆく。雰囲気としてはPULSARにも近いかもしれない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 フレンチ度・・8 総合・・7.5
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Phaesis 「Labyrinthe」
フランスのプログレバンド、ファエシスの1991年作
前作はPULSARを思わせるサイケ感のあるシンフォ作品だったが、2作目の本作もうっすらとしたシンセに包まれた
スペイシーな空間性に、フランス語のマイルドなヴォーカルを乗せた、やわらかなシンフォニックロックを聴かせる。
叙情的なギターフレーズにはいくぶんつないないヘタウマ感触を残していて、90年代のマイナー系シンフォ特有の
ローカルで幻想的な味わいが楽しめる。7〜9分前後の長めの曲は、ややもったりとしていてスリリングさには欠けるのだが、
フレンチらしいくぐもったような叙情性は耳心地がよい。ラスト曲の美しさは、WAPASSOUあたりを思い出した。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・8 総合・・7.5
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PI2「Tomorrow's Another Day (Dema sera un altre dia)」
スペインのシンフォニックロック、パイツーの2001年作
シンセにフルート奏者を含む7人編成で、やわらかなピアノに美しいシンセアレンジ、メロウなギターを乗せて
CamelGoticなどに通じる、しっとりとした優美な叙情を描くサウンド。マイルドなヴォーカルが加わると、
ウェットでキャッチーな感触が広がり、繊細なフルートのも色なども含めて、25分の組曲をゆったりと描いてゆく。
基本はインストがメインながら、叙情豊かなギターとシンセを中心に、繊細なシンフォニックロックが楽しめる好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・7.5

π2 (PI2) 「THE ENDLESS JOURNEY」
スペインのシンフォニックロック、パイ・ツーの2005年作
シンセ奏者Pito Costa氏を中心にしたユニットで、おそらくこれが3作目。
いかにもプログレ的なムーグシンセの音色に、ハケットのようなメロディアスギター、
ヴォーカルは英語なのでスペイン臭さというのはほとんどない。ジャケの雰囲気もそうだが、
サウンドからもプログレ/シンフォニック愛好家的な微笑ましさが感じられ、
完成度というよりも非商業的なファンタジー音楽を楽しめる向きにはお勧めだ。
25分のタイトル曲も含めて、牧歌的でほのぼのとした作品。オフィシャルサイトで試聴可
ドラマテイック度・・8 シンフォニック好きぃ♪度・・8 ほのぼの度・・8 総合・・7.5

π2(PI2)「Silent Running」
スペインのシンフォニックロック、パイ・ツーの2009年作
シンセ奏者Pito Costa氏を中心にしたユニットで、オルガンやムーグを含むシンセにメロウなギター、
英語によるマイルドなヴォーカルを乗せ、キャッチーなメロディアス性で聴かせるサウンドは、
Neal Morseあたりに通じるやわらかな感触だ。随所に泣きのメロディを奏でるギターも含めて
CAMELやGOTICなどを思わせる、繊細で優雅な耳心地というのはなかなか日本人好みと言えるだろう。
ラストは25分を超える大曲で、ゆったりとした展開の中に叙情的なギターフレーズを盛り込み、
優しいヴォーカルを乗せた繊細な美意識は、むしろイギリスや北欧のバンドのようだ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅な叙情度・・9 総合・・7.5

Poil 「Brossaklitt」
フランスのアヴァンロック、ポアルの2014年作
2008年にデビューしたフレンチ・アヴァンロックの新鋭。本作は3作目となる。ジャケからしてすでにカオスだが、
サウンドの方も、アヴァンギャルドの極地。重ためのドラムがフリーキーなリズムを叩き出し、
シンセとギターが螺旋のように絡みつく。怪しげなヴォーカルとコーラスが加わって、
おちゃらけと毒気が混じり合った異様な感触は、「ダークになったサムラ」というべきか。
テンションの高さとスリリングな緊張感と、それを笑い飛ばすような脱力感を同居させた無茶なサウンドは、
完全なヘンタイで、その迫力には圧倒される。曲によってはデジタルなテクノ的アプローチもあったりとなんでもあり。
崩壊しそうでしっかりと構築されているという不思議なセンスは見事。ホイリー・コーンも真っ青の傑作です。
ドラマティック度・・7 アヴァンギャル度・・10 ヘンタイ度・・10 総合・・8.5
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Priam「3 Distances/Irregular Signs」
フランスのプログレバンド、プリアムの1st。1997年作
ギター、シンセ、ベース、ドラムの4人組で、清涼感のあるシンフォニックなフュージョン/ジャズロックをやっている。
オールインストながらギターの奏でるメロディや美しいシンセのおかげで耳触りがよく、テクニカルであっても案外聴きやすい。
そういう点ではかつてのKENSOあたりに通じるセンスもあり、モダンなプログレ感覚を嫌味なくさらりと聴かせられる演奏力も見事だ。
中盤の26分の組曲は、繊細なシンフォニックロック風のパートから、ギターを中心にテクニカルに展開してゆき、見事な構築センスで聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築センス度・・8 総合・・8
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PRIAM 「Diffraction」
フランスのプログレバンド、プリアムの2001年作
オールインストの軽妙な好作だった前作から4年ぶりとなる2作目で、
モダンなシンセアレンジとメロディックなフレージングのギターを乗せた
プログレフュージョン風味もあるテクニカルなアンサンブルを聴かせる。
オールインストながら、10分を超える大曲も多く、サツクスが加わったジャズロック風味や、
どこかトボけた味わいのセンスとミステリアスな雰囲気も加わって構築される、なかなか面白いサウンドだ。
同郷のNeBeLNeSTをジャズロック寄りにしたという感じもある。あるいはやはり、フランスのケンソーか。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Progression By Failure
フランスのシンフォニックロック、プログレッション・バイ・ファイラーの2009年作
マルチミュージシャンNicolas Piveteauによる個人ユニットで、きらびやかなシンセアレンジと
ProgMetal的な感触もあるテクニカルな展開力で描かれる、ハード・シンフォニックロック。
オールインストで、10分、20分という大曲もあるので、どうしても長尺感はあるのだが、
オルガンやムーグなどを含む多彩なシンセアレンジを中心に、全体的にメロディックな質感で楽しめる。
ただ、ドラムのテクに関しては普通なので、ソロにこだわらず良いメンバーを入れてやって欲しい気も。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 美麗度・・8 総合・・7.5
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PSICOTROPIA
スペインのプログレバンド、サイコトロピアの2003年作
ギター、ベース/シンセ、ドラムという3人編成で、ミステリアスなイントロから
曲に入ると、ハードめのギターを含んだ攻撃的なアンサンブルと、
シアトリカルなヴォーカルの歌声で聴かせる、いわゆる偏屈系のサウンド。
クリムゾン系のヘヴィプログレの感触もあるのだが、よりアヴァンギャルドで
唐突な展開が面白い。変則リズムと切り返しの上をフルートが鳴り響き、
ヘヴィなギターリフが荒々しくたたみかける。楽曲ごとにもう少し盛り上げがあれば。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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PULSAR「Pollen」
フランスのプログレバンド、ピュルサーの1st。1975年作
PULSARといえば、名作「Halloween」が思い浮かぶが、本作はスペイシーなシンセとともに、
くぐもったような薄暗さで聴かせる、幻想的で静謐感のある作風だ。うっすらとしたメロトロンにギターのつまびき、
けだるげなヴォーカルにフルートの音色が響く、妖しい浮遊感と、サイケ的でもあるユルさもまた
本作の魅力といっていいだろう。むしろWAPASSOUなどにも近い聴き心地かもしれない。
うっすら度・・8 プログレ度・・7 静謐度・・8 総合・・7.5
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PULSAR「Strands Of The Future」
フランスのプログレバンド、ピュルサーの2nd。1976年作
本作はのっけから22分という大曲で、美しいシンセに包まれたスペイシーな感触と、
ゆったりとした繊細な叙情性とともに、幻想的なシンフォニックロックを描いてゆく。
ときにアコースティカルなパートを含んで、ときにゆるやかにときにダイナミックに展開する楽曲は、
前作以上にプログレとしての魅力が増していて、オルガンやムーグ、メロトロンといったシンセも
ここぞとばかりに鳴らされる。薄暗い翳りと知的な物語性を感じさせる作風は、ある意味とてもフランスらしい。
歴史的傑作となる次作「Halloween」へとつながる好作品である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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PULSAR「Halloween」
フランスのプログレバンド、ピュルサーの3rd。1977年作
女性Voによる“ダニーボーイ”で幕を開ける本作は、フランスプログレ史上においても5指に入るべき名作。
美しいフルートに幽玄なメロトロンの響き、アコースティックギターのつまびきに包まれて、
ゆったりと曲は進んでゆく、ヘヴィーなギターが加わりダイナミックなリズムとともに、
薄暗い叙情とエクセントリックな夢見心地の狂気のようなものが交差してゆく。
メロウなギターワークとメロトロンの重なりは絶品で、たとえば初期のGENESISの叙情をフランス的な
アートな感性で仕立て上げたという感じか。A、B面をいっぱいに使った全2曲の構成も思い切っているが、
カッチリとした展開というものではなく、むしろ広がりのある幻想的感性を楽しむ作品だと思う。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・9 総合・・8.5
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PULSAR「GORLITZ」
フランスの叙情派バンド、ピュルサー(パルサー)の1989作
PULSARといえば3枚目の「HALLOWEEN」がユーロロック史上の傑作として有名だが、
それ以外のアルバムは意外と知られていない。このアルバムもさして話題にはならなかったようだが、
ヨーロッパの古めかしい鉄道列車が映ったジャケがなんだか旅愁を誘う。
サウンドのほうはゆるやかなキーボード、ギターによる静か目の叙情曲で、
1曲目の19分の大曲からして思わず眠りそう・・・いやいや、繊細で情緒的。
壮大さや刺激を求める方には正反対の音楽。たまにはこういう大人のシンフォもいいか。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 静寂の叙情度・・9 総合・・7.5
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PULSARMemory Ashes」
フランスのシンフォニックロックバンド、ピュルサーの2007年作
1977年にフレンチシンフォニックの金字塔というべき傑作「Halloween」を発表、
その後1989年の「GORLITZ」以降音沙汰がなかったが、じつに18年ぶりとなる復活作。
サウンドはしっとりとしたシンセに包まれて、美しいピアノやメロウなギターワーク、
そして女性コーラスなどを含めた、ゆったりとした叙情的な聴き心地。
25分を超えるタイトル組曲をはじめとして、かつてを思わせる幻想的な世界観とともに、
ゆるやかに音が重ねられてゆく。派手さはないがうっとりとなる情緒的な傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Qantum 「Le Passage」
フランスのプログレバンド、クァンタムの2016年作
美麗なシンセにメロウなギターが重なり、フランス語によるマイルドな歌声を乗せた、
ANGE影響下にあるシンフォニックロック。リズムチェンジによるドラマティックな展開力と、
シアトリカルな空気感に包まれた、いかにもフランスのバンドらしい優雅な聴き心地。
ヴォーカルの野暮ったさが好みを分けるかもしれないが、クラシカルなシンセワークに、
ときにフルートの音色も加わったやわらかな叙情は耳に優しく、プログレらしい変則リズムも含め
どことなく90年代の香りを残したローカルな味わいもまた魅力。ANGEVersaillesなど、
フレンチ・シンフォの濃密な優雅さが好きな方にはお薦めの逸品です。
ドラマティック度・・8 フレンチ度・・9 優雅度・・9 総合・・8
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QUARTETO 1111「ONDE QUANDO COMO PORQUE CANTAMOS PESSOAS VIVAS」
ポルトガルのプログレバンド、カルテット1111の1974作
Jose Cidが在籍したことでも知られるバンドで、これが3作目であるらしい。
2曲の大曲による30分弱というアルバムながら、全編にわたってメロトロンが鳴り響き、
やわらかなヴォーカルが心地よい、しっとりとしたアコースティカルな作風だ。
おおらかな叙情性が耳に優しい。やはりJose Cidのシンセワークは素晴らしく、素朴なサウンドを豊かに彩っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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Raison de Plus「Au Bout du Couloir」
フランスのシンフォニックロックバンド、レイソン・デ・プラの1st。1995年作
このありえないほどのB級っぽいジャケからは想像もつかないが、
これはリリカルなメロディ満載のシンフォニックの好作である。いやホントに(笑)
いかにも派手やかなシンセワークに、技術的にはいま一つながらクサメロを奏でるギター、
たおやかなフルートに、ヘナチョコながらときにシアトリカルに歌うフランス語のヴォーカル。
楽曲はマイナー臭さを残しつつ、ドラマテイックに華麗に盛り上がったりします。
総じて弱いんですが…好きなんです。これぞ王道フレンチシンフォという好作。
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・9 B級度・・8 総合・・7.5
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RAISON DE PLUS「ICI EST AILLEURS」
フランスのシンフォニックバンド、レイソン・デ・プラの2nd。2002年作。
1sはクサメロのシンフォニック作品だったが、今作も同傾向のリリカル系シンフォニック全開の逸品だ。
レトロなツインキーボードの音色は80年代を思わせ、メロウなギターもつぼを押さえてセンスが良い。
曲には適度な疾走感と展開のメリハリがあり、盛り上がりではあくまでメロディアス&シンフォニック。
引きの叙情パートではやさしいフルートの音色でうっとりとなる。フランス語によるヴォーカルの力弱さも、
むしろこの繊細でソフトなシンフォサウンドにはマッチしている。やっぱりいい感じの好作です。
シンフォニック度・・9 リリカル度・・9 フレンチ度・・9 総合・・8
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RC2「Future Awaits」
スペインで活動するシンフォニックロックバンド、RC2の2008年作
テクニカルな展開力とさわやかでキャッチーなメロディが合わさったシンフォニックロック。
ヴェネズエラ出身ということだが、歌詞が英語のため南米的な雰囲気はあまりなく、スタイリッシュなサウンドは
むしろアメリカ的という感じもする。クラシカルなピアノ、シンセワークにヴォーカルの優しい歌唱が重なり
しっとりと聴かせる繊細さもあって、曲は長いのだが聴き疲れはしない。
また、メロディアスなだけでなく、SPOCK'S BEARD的なとぼけた風味や、あるいは
ProgMetal的な構築性も感じられて、新世代の若手らしい貪欲な吸収力もありそうだ。
ただ、現時点ではまだサウンドの焦点を絞るまではいっておらず、いくぶんの散漫さも残る。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲センス・・8 総合・・7.5
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Remi Orts Project & Zara Angel 「State of Souls」
フランスのミュージシャン、レミ・オルツとベルギーの女性Voによるユニットの2013年作
美しい女性ヴォーカルの歌声と、キャッチーなメロディで聴かせる爽やかなサウンドで、
うっすらとしたシンセアレンジにメロウなギターフレーズも耳心地がよい。
初期のQUIDAMあたりにも通じるしっとりとした聴き心地であるが、
ときにシンフォニックメタル的な疾走パートもあったりして飽きさせない。
サウンドプロダクション的に物足りなさはあるが、キリスト教的なヨーロピアンで、
幻想的な世界観はよい感じで、女性声の美麗系シンフォとして楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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RHUN 「Fanfare Du Chaos」
フランスのプログレ・ジャズロック、ルーンの2013年作/邦題「混沌のファンファーレ」
サックスが鳴り響き、コバイヤ語を思わせる男女コーラスの歌声を乗せた、まさにMAGMAタイプのサウンド。
サックス、クラリネット、バスーン、フルートなどがチェンバーロック的にときに優雅にときにシリアスに吹き鳴らされ、
変則リズムを含んだテクニカルなアンサンブルとともに、アヴァンギャルドな展開を大仰に描いてゆく。
特徴としてはノイジーなギターによる不協的な緊迫感が、スリリングな危うさをかもしだしていて、
フルートなどが美しいゆったりとしたパートとの強烈なコントラストとなっている。暴れん坊のマグマというか、
むしろシアトリカルな妖しさでは、本家マグマを凌駕するかもしれない。これは強力なアルバムだ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 マグマ度・・9 総合・・8
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Riviere「Heal」
フランスのプログレ・ポストロック、リヴィエーレの2016年作
うっすらとしたシンセアレンジに、存在感あるベースと適度にハードなギターを乗せて、
モダンな硬質感と繊細な叙情性を同居させ、ProgMetal的な感触も含んだサウンド。
マイルドなヴォーカルを乗せたエモーショナルな聴き心地とやわらかな浮遊感も含めて、
ドイツのSYLVANをメタル寄りにしたという雰囲気もあり、プログレなエモロックとしても楽しめる。
2本のギターが複雑に絡む厚みのあるアレンジや、リズム面でのテクニカルなセンスにも
知的な構築性を感じさせる。スタイリッシュなプログレ風モダンロックの好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・8
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RJALZ 「U Rigiru」
フランス、コルシカ島出身のプログレバンド、リアルズの2008年作
「コルシカのマグマ」とも呼ばれ1978年に1000枚のみのプレスでLPが出回っていたレアな音源がCD化された。
オルガンやピアノの音色にヴァイオリンが鳴り響き、優雅で軽やかなアンサンブルを聴かせるサウンドで、
基本はジャズロックでありながらも、どこか辺境的な妖しさと湿り気を含んだ土着的な空気感が特徴的。
フランス語による男性ヴォーカルはときに詠唱のようで、女性声のスキャットとともに神秘的な雰囲気を描いている。
16分、11分という大曲を、ときに即興的な演奏を含んだセンスも面白く、MAGMAの妖しさにTerpandreの優雅さを合わせた、
濃密なサウンドが味わえる。このままバンドが活動を続けていたらものすごい作品を作ったのではないかという気もする。
CD化のボーナスとして、1977年に録音されたライブ音源と、76年の未発音源を追加収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 神秘的度・・8 総合・・8
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Saelig Oya 「Chaos - Chaos」
フランスのプログレバンド、サエリング・オヤの2015年作
重々しいチェロの音色にフランス語の女性ヴォーカルの歌声が妖しく響き、
ハード寄りのギターが加わって、メタリックな感触を含んだダークなサウンドが描かれる。
ゴシック的な耽美な空気感と、ときにチェンバーロック的でもあるエキセントリックなセンスが合わさって、
独特の浮遊感に包まれたアンニュイな世界観が味わえる。派手な展開というのはほとんどないのだが、
けだるげな女性ヴォーカルの歌声に、うっすらとしたシンセに包まれた涼やかな感触で、
Paatosなどの、倦怠のプログレ・フィメールロックが好きな方にはけっこう楽しめるのではなかろうか。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SAENS「ESCAPING FROM THE HANS OF GOD」
フランスのシンフォニックロックバンド、サエンスの1st(SENSから改名)。2001作
壮大なシンセワークにメロウなギターが絡み、女性の合唱コーラスが加わって、のっけからやたら大仰極まりないサウンド。
歌が入ると一気に濃度が上がり、少々力んだ演劇的な男性ヴォーカルの歌唱が耳につくが、
ポーランドのABRAXASあたりを思わせる、静寂パートでのピアノやアコギがなかなか美しい。
ギターのフレージングはむしろメタル的で、部分的にはプログレメタルの音像にもなる。
曲が長く、壮大で重厚なシンフォが好きな者にはそこそこお薦めできるアルバムだろう。
欠点は、6曲中5曲が10分以上で全73分という気合の入りすぎようだろうか。
シンフォニック度・・8 壮大度・・9 大作度・・9 総合・・7.5
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SAENS「PROPHET IN A STATISTICAL WORLD」
フランスのシンフォニックロックバンド、サエンスの3rd。2004年作
今作はSF的コンセプトなのか近未来的な雰囲気のキーボードワークに包まれ、メロウなギターフレーズと
シアトリカルな男性ヴォーカルで聴かせる、かつての英国シンフォニックロックの流れにあるサウンド。
ムーグシンセが鳴り響く古き良きフログレ感触に、ヴォーカルをメインにしたキャッチーな聴き心地もありつつ、
10分を超える大曲をゆるやかに構築してゆく。フランスなまりの英語がいくぶん野暮ったさを感じさせるものの
混声合唱などをが壮麗に盛り上げるスケール感もよろしく、73分のシンフォニック大作というべき内容である。
ボーナスDISCには1sからの再録等を収録した全3曲50分。こちらはもう少し分かりやすいハードシンフォ路線。
ドラマテイック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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SANDROSE
フランスのプログレ・ロックバンド、サンドローズの1972作
ジャズやクラシックの素養をもつJean-Piere Alarcenを中心に、EDEN ROSEを母体に結成される。
オルガンを基調にした70'sロックサウンドに、表現力豊かな女性ヴォーカル、ローズのソウルフルな歌声が重なると
プログレというよりはむしろ、SAVAGE ROSEなどに通じる女性声R&Bという質感に包まれるが、
ここぞと鳴り響くメロトロンなどはシンフォニックな叙情性を付加しており、思わずうっとりとなる。
アラルサンのメロウなギターワークもやはり見事で、この時代にしか作り得なかったであろう
熱情と美学がアルバムの中には溢れている。フレンチロックの名盤というに足る作品だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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SARAQUSTA 「Injusta Condena」
スペインのハードロック、サラクスタの2015年作
アンダルシア地方のバンドということで、偉大なる先輩であるMEDINA AZAHARAが思い浮かぶが
このバンドもスペイン語による濃密なヴォーカルに、美麗なシンセアレンジを含んだキャッチーなサウンドで、
スパニッシュな哀愁を漂わせたメロディラインが耳心地よい。叙情的な泣きのギターフレーズに、
ときにプログレ的なきらびやかなシンセワークも覗かせる。メディナ・アザーラに比べるともう少しライトで、
モダンな感触もあるのだが、やはりヴォーカルのスパニッシュな歌いまわしは独特の味わいがあり、
土着的なスパニッシュハードとしての魅力が勝っている。アンダルシアロックを受け継ぐ新鋭として期待したい。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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SCHERZOO「01」
フランスのチェンバーロック、スケルズーの2011年作
マルチ・ミュージシャンFrancois Thollotを中心にしたバンドで、サックスがフリーキーに鳴り響き、
クラシカルなピアノを乗せた、テクニカルなアンサンブルで聴かせる、チェンバー・ジャズロック。
程よく即興的なアヴァンギャルド性と、ダークなチェンバー色が合わさった、静と動のメリハリある展開と
知的で空間的な構築力もさすがである。全体的にサックスがフレーズをとるパートが多いので、
チェンバーというよりはやはりジャズロック寄りの感触で、「MAGMAをクリムゾン化」させたという雰囲気もありつつ、
ミステリアスな怪しさという点では、「ジャズロック化したUNIVERS ZERO」という楽しみ方もできるだろう。
6〜8分前後の楽曲を中心に、スリリングな緊張感で描かれるラストの19分におよぶ大曲も圧巻だ。
ドラマティック度・・7 ジャズロック度・・8 チェンバー度・・7 総合・・8
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Scherzoo 「02」
フランスのチェンバー・ジャズロック、スケルズーの2012年作
マルチ・ミュージシャンFrancois Thollotを中心にしたバンドの2作目で、サックスが鳴り響きやわらかなエレピを乗せて、
クリムゾン的な硬質感と優雅さを同居させたアンサンブルで、スリリングなチェンバー・ジャズロックを描き出す。
リズム面での遊びや、展開力の面白さは前作以上で、トロ氏の標榜する軽妙かつ芸術的なサウンドは完成の域に近づいた。
ダーク過ぎない程度に、UNIVERS ZERO風味も感じられ、ベースとギターの存在感がサックスと対峙することで、
とぼけた味わいと緊迫感の同居という、絶妙のバランス感覚を生み出している。さらに今作ではエレピのみならず、
オルガンなども含むシンセアレンジも曲によってマッチしていて、よりプログレ感をかもしだしている。
チェンバー・ジャズロック度・・8 スリリング度・・8 優雅で軽妙度・・9 総合・・8 
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Scherzoo 「03」
フランスのチェンバーロック、スケルズーの2014年作
マルチ・ミュージシャンFrancois Thollotを中心にしたバンドの3作目。1作目はドラムだったフランソア・トロは、
本作のではベースとシンセを担当している。美しいエレピの音色にサックスが絡み、優雅なアンサンブルの中に、
ほのかな翳りを含んだ、玄人好みのチェンバー・ジャズロック。1作目のようなMAGMA色はやや薄れて、
アッパーなノリが控えめな分、一聴しての派手さはないのだが、ジャズ色を増したやわらかな聴き心地で、
アンサンブリーなインストを描いてゆく。曲によってはチェンバー寄りのスリリングな空気もしっかり感じられ、
ギター、ベース、サックスが対位法的な旋律で絡んでゆく、優雅な大人のチェンバーロックが味わえる。
ラストの14分の大曲もスリリングな展開力が見事。ボーナスにはF.トロの別バンド、DISSONATAの楽曲を収録。
優雅度・・8 プログレ度・・7 スリリング度・・8 総合・・8
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SEAMUS 「Zealotry Sterblichen Schizophrenia」
フランスのプログレバンド、シームスの2006年作
ヴァイオリンやフルートが鳴り響き、女性スキャットや語りを含むヴォーカルとともに、
不穏な緊張感を漂わせる、チェンバーロック的なサウンドを聴かせる。
先の読めないエキセントリックな展開とミステリアスな雰囲気に包まれながら、
コンセプト的なドラマ性を壮大に描き出そうとする作風は、なかなか面白い。
アヴァンギャルドではあるが、シンセアレンジを含んだ適度にやわらかな聴き心地もある。
個人的には徹底的にダークにするのか、より大仰にするのか、もっと極端でもよいと思った。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5


Senogul
スペインのプログレバンド、セノガルの2007作
詳細は不明だが、アストゥーリアス地方のバンドらしい。メンバーはギターにベース、シンセなどの5人だが、
そこにトランペットや各種ホーン、パイプ、アコーディオンなどが多様に加わってくる。
たおやかなピアノでしっとりと聴かせながらも、その実、曲展開はかなり凝っていて
先の読めないような雰囲気がある。クラシカルな美しさを基本にしつつ、ときにタンゴ調になったり、
ジャズやファンク色あればバグパイプが鳴り出して、またチェンバロが優雅に奏でられたりと、
じつにとりとめがないのだが、そこに不思議と整合感があるのである。
決してうるさい音ではないのに楽曲は複雑という、ある意味個性的なシンフォ作だ。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 民族度もあり度・・8 総合・・8
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Senogul「III」
スペインのプログレバンド、セノガルの3rd。2011年作
妖しげなイントロから始まる本作は、優美なピアノに軽やかな変則リズムの嵐、
クラシカルなチェンバーロック風味とアヴァンギャルドな感性を取り込んだ、
ひと筋繩ではいかないサウンドを聴かせる。ときに哀愁を含んだギターフレーズに
コロコロとしたムーグシンセ、ファゴット(バスーン)やアコーディオン、ヴァイオリンも鳴り響き、
やわらかな叙情を漂わせつつ、予測のつかない展開はとてもスリリングだ。
ジャズやクラシック、タンゴまでも取り入れた独自のアレンジセンスで描かれる、
いわば優雅なるおヘンタイ。Hoyry-KoneやAlamaailman Vasarat などが好きな方もぜひ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・9 優雅なヘンタイ度・・9 総合・・8
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SENSITIVE TO LIGHTAlmost Human
フランスのシンフォニックロックバンド、センシティブ・トゥ・ライトの2006作
SAENSのメンバーによるニューバンド。ミステリアスで荘厳なイントロから始まるのは、
ハケットばりのメロウなギターに壮大なシンセワークの一大シンフォニックサウンド。
女性ヴォーカルの歌声に導かれながら、曲はあくまでメロディアスかつドラマティックに進行してゆく。
かつてのSAENSよりもサウンドにはダイナミズムが増していて、楽曲構成も自然になり
肩の力が抜けた分だけ、ひとつずつのメロディ、音の重ねに説得力が加味されている。
長い曲においても、しっとりとしたパートからの盛り上がりが聴き手に高揚感を与えてくれ、
繊細でありながら壮大さとダイナミックさを有した見事なシンフォニック作だ。
曲によってはKARNATAKAあたりを思わせる質感も良い。マイスペにて試聴可能。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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SENSITIVE TO LIGHT「From the Ancient World」
フランスのシンフォニックロックバンド、センシティブ・トゥ・ライトの2nd。2008作
前作Almost Humanは女性ヴォーカルで聴かせる壮大なシンフォニック傑作だったが、
今作もその延長上の出来。美しいシンセにヘヴィシンフォニック風のギターが絡み、
そこにトレイシー・ヒッチングあたりを思わせる女性ヴォーカルが歌を乗せるサウンド。
のっけから30分の組曲というのもすごいのだが、SAENSE時代から大作指向であったので、
慣れたものなのだろう。巧みに楽曲にメリハリを付けながら盛り上げてゆく手法はさすが。
また今作ではシンフォニックさだけでなく、ややアヴァンギャルドな緊迫感や、ケルト/トラッド的な要素、
あるいはサックスなどを取り入れたジャジーな風味などを織りまぜて、よりカラフルに聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 フランス度・・7 総合・・8
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SETNA 「Guerison」
フランスのプログレバンド、セトナの2013年作
2007年作に続く2作目で、やよらかなエレピの音色に重たいベースを乗せた優雅なアンサンブルに、
中性的な男性ヴォーカルが妖しく歌声を響きかせる。MAGMAをルーツにしたジャズロックながら、
オルガンなどを加えたカンタベリーなテイストが合わさった感触には、どこか素朴な牧歌性も感じさせる。
シンセの重ねによるシンフォニックなパートや、12弦ギターによる繊細な叙情性も含んで、
26分の大曲もメリハリある流れでじっくりと構築してゆく。哀愁のギターフレーズにエレピが重なる辺りは、
単なるマグマ系とは異なる優美なプログレ・ジャズロックという趣だが、ときにフリーキーにドラムが叩かれる、
おどろおどろしさも覗かせる。いわば「カンタベリーなマグマ」というべき優雅で叙情的な好作品。
ドラマティック度・・8 優雅度・・8 マグマ度・・8 総合・・8
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Seven ReizhStrinkadenn'Ys
フランスのトラッドプログレバンド、セブン・レイズの2001作
エレキギターとシンセを基調とした、シンフォニックロック的な華麗さと、
パイプやフルートなどによるトラッド要素が混ざり合ったサウンド。
アコースティックな部分でのしっとりとした叙情に、美声の女性Voによる歌声も耳に心地よく、
バックのうっすらとしたシンセとともにケルティックミュージック的な爽やかさもかもし出している。
インスト曲での幻想的な雰囲気は、雰囲気ものとしても楽しめ、呪術的な男Voも出てきたり
けっこうシアトリカルな質感もある。全体的なまとまりには欠けるが質の高いトラッドシンフォ作だ。
シンフォニック度・・7 トラッ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Shub-Niggurath 「Les Morts Vont Vite」
フランスのチェンバーロック、シュブ・ニグラスの1986年作
MAGMAをルーツに暗黒世界を突き詰めたようなサウンドで、かつて聴いた際には、WHENの「THE Black Death」のように、
恐ろしい心地がしたものだが、その異端の作品が「死せる暗黒の騎士」のタイトルで2015年紙ジャケで再発された。
不穏なギターフレーズにクラシカルなピアノが鳴り響き、妖しい女性スキャットが重なってゆく冒頭の雰囲気からして、
すでにUNIVERS ZEROクラスの強烈な暗黒性を感じさせる。トロンボーンを加えたチェンバーロック的な優雅さと、
ミステリアスな闇の気配…フリーキーに聴こえながらも、実は計算された音の重ねで構築されたサウンドが素晴らしい。
うねるようなベースの存在感と緊張感のあるドラムがアンサンブルを引き締める。重厚にしてアヴァンギャルド、
暗黒と優雅が同居したまさに異色の傑作。次作「C'etaient De Tres Grands Vents」も負けず劣らずの出来である。
ドラマティック度・・7 チェンバー度・・8 暗黒度・・9 総合・・8
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Shub-NiggurathC'etaient De Tres Grands Vents
フランスのチェンバーロック、シュブ・ニグラスの1991年作
クトゥルー神話の邪神の名をバンド名に持つ異色の暗黒チェンバー系バンド。
ジャケのインパクトでは前作「Les Morts Vont Vite」に譲るが、内容は本作も負けていない。
静謐感を漂わせた闇のような緊張…ノイズのようなギターとトロンボーンが鳴り響き
ブレイクを含んだ無音の息苦しさの中にギターの残響が妖しくこだまする。
即興的なフリーキーさと、空間を含めた構築が交互に襲いかかり、油断していると
得体のしれない怪物に突如襲われるようにハッとなる。ドラムの叩き出すアクセントが
張りつめた緊迫感を作り出し、妖しい女性スキャットなども効果的に響いてくる。
不気味さという点ではUnivers Zero以上のものがあるだろう。異色の力作だ。
ドラマティック度・・7 暗黒度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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Shylock 「Gialorgues」
フランスのプログレバンド、シャイロックの1977年作
70年代に2作のアルバムを残したこのバンド、シンセにギター&ベース、ドラムという3人編成で、
オルガンやメロトロンを含むシンセに、メロウな泣きのギターを乗せて、優美な叙情を描く
ヨーロピアンな翳りを感じさせるシンフォニックロック。サステインの効いたギターのトーンなど、
初期のクリムゾンにも通じる幻想的な雰囲気で、湿り気を含んだ空気とロマンの香りは、
ドイツのAnyone's Daughterあたりを思わせるところもある。オールインストながら、
13分、18分という大曲を描く構築センスは、70年代フランスのシンフォ系ではレベルの高い部類だろう。
CDのボーナスには1981年の未発音源を収録。こちらはリリカルな小曲といった趣だ。
ドラマティック度 フログレ度・・8 翳りと叙情度・・8 総合・・8
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SILVER LINING「The Inner Dragon」
フランスのシンフォニックロックバンド、シルバー・リニングの2004年作
案外ハードめのギターと、ゆるやかなシンセをバックに、女性奏者の弾くヴァイオリンが艶やかに鳴り響く、
なかなかドラマティックなサウンド。曲調はややもったりとしていて、ドラムやヴォーカルの弱さを気にならなければ
日本のOUTER LIMITSあたりを聴くような感じで、ファンタジックな世界観に浸れる。
どことなく音に漂うマイナー(田舎)臭さも、シンフォニックファンには受けるかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったりファンタジック度・・8 総合・・7.5
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SKEEM
フランスのシンフォニックロックバンド、スキームの2001作
まったく知らないバンドだったのだが、聴いてみてこれはなかなかのシンフォニックぶり。
美しいシンセワークを中心に、メロウなフレーズを奏でるギターもいい感じで、
曲は7〜9分台で、比較的ゆったりとした展開で聴かせるシンフォサウンドだ。
同郷のバンドでいうとCHANCEあたりに近い感じだろうか、じつに耳心地がいい。
ヴォーカルが英語なのであまりフランス臭さはない。ジャケに比べて内容は高品質。
シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 フランス度・・7 総合・・8
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Spleen Arcana 「Field Where She Died」
フランスのシンフォニックロック、スプリーン・アルカナの2009年作
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセをこなすマルチミュージシャン、Julien Gaullierのソロユニットで、
いくぶんメタル寄りのギターにうっすらとしたシンセと、マイルドなヴォーカルを乗せて、
ゴシック的でもある耽美な世界観を描く、モダンなシンフォニックロックというサウンド。
10分前後の大曲を中心に、ゆったりとした薄暗い繊細な叙情を聴かせるところは、ポストプログレの感触もあり、
結果としてAnathemaなどにも通じる部分があるかもしれない。ときどきゲストの女性ヴォーカルが加わって、
男女Voになったりするが、正直歌声は微妙。ぜひバンド編成になって、いいヴォーカルを見つけてください。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・5 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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STEP AHEAD
フランスのプログレバンド、ステップ・アヘッドの1982年作
美しいピアノの旋律から、曲が始まると軽快なリズムとともにキャッチーなシンフォニックロックが広がってゆく。
よくYesタイプとも言われるように、英語によるハイトーンの繊細なヴォーカルとともに、
あくまでメロディアスで叙情的な聴き心地で構築された、優雅なサウンドが楽しめる。
随所にメロウなギターの旋律もセンスがよく、美麗なシンセとともにアレンジのセンスも素晴らしい。
1枚のみで消えるには惜しいバンドだったが、本作は80年代のシンフォとしてはフランス屈指の一枚だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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TU

TAAL「MISTER GREEN」
フランスのシンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2000年作
のっけからけっこうヘヴィなメタル風ギターサウンド、かと思いきや女性声のコーラス、
オーケストラ曲風に展開する壮大調の楽曲、テクニカルなのにおちゃらけたメロディなど、
なんといえばいいのか一言では言い表せない音楽をやっている。変態気味チェンバーだが、
要は曲を大げさにしてメタルギターを弾きまくったらこうなる、という感じか(笑)。
しかし引きの部分で意外に繊細な部分もあり、そこが彼らの本気度なのだと思われる。
管弦楽器をゲストに大仰に盛り上がる様はある意味シンフォニーとさえいってよい。
プログレ度・・8 いろんな意味で壮大度・・9 何故かメタルギター度・・9 総合・・8
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TAAL「SKYMIND」
フランスのシンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2nd。2002作
1stの方も強引なメタルギターに管楽器をフィーチャーした、エセ壮大系の無茶なサウンドだったが、
この2ndにして、さらに楽曲のアレンジの細やかさが増し、サウンドのクオリティが高まった。
相変わらずのこけおどしメタルサウンドと管楽器、ストリングスの合体は素晴らしく、
時折聴かせるしっとり(?)とした叙情クラシカルパートも本物に聴こえるし、
おちゃらけたメロディや無茶な展開も、馬鹿にできずに、むしろシリアスに聴き通せる。
「本物」なのだ。本物の音で壮大な「悪ノリ」をしているのがこのバンドの魅力なのだ。
結果、まったくもって、シンフォニックでありながら、手の込んだいたずら心満載の
大仰なシンフォニーロックに聴こえてしまう。びっくりでニヤリ。オペラチックな女性Vo曲もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 本気だから度・・10 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TAI PHONG
フランスのメロディックプログレバンド、タイ・フォンの1st。1975年作
「恐るべき静寂」のタイトルと日本の武士をあしらった美しいジャケが魅力的。
サウンドの方も、キャッチーなコーラスハーモニーに日本人好みの繊細な叙情で、
絶妙のアンサンブルとともにメロディアスに聴かせる。メロウなギターに美しいシンセワークも
あまりプログレ、プログレしていない点で、一般のリスナーにも聴きやすいメジャー性がある。
2曲め“SisterJane”の美しさにはうっとり。2nd「ウインドウズ」も甲乙つけがたい傑作。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 叙情美度・・9 総合・・8.5
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TAI PHONG「Windows」
フランスのメロディックプログレバンド、タイ・フォンの2nd。1976年作
このバンドの1st「恐るべき静寂」は、日本の武士をデザインした美しいジャケのインパクトとともに、
絶品の叙情とメロディにあふれた名盤として知られるが、2ndとなる本作もまた素晴らしい。
1曲目の“憧憬と失意の季節”でのダイナミックな叙情へのメロディアスな展開美は、
個人的にはタイ・フォンの曲の中でももっとも好きなものだ。センスあるギターワークとシンセが絡み、
そこに哀愁を感じさせるヴォーカルが重なると、プログレうんぬんというよりも絶品のメロディックロックとして
一般の方にも大いに楽しめるはず。しっとりとしたピアノなど、やわらかで繊細な叙情も胸をうつ。
なお、紙ジャケリマスター盤ではこのジャケがエンボス仕様でさらに美しくなっているのも素晴らしい。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 叙情美度・・9 総合・・8.5
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Tai Phong 「Sun」
フランスのプログレバンド、タイ・フォンの2000年作
1979年作「Last Flight」を最後に解散したバンドの、じつに20年ぶりとなる復活作。
Vo&Gのカーン・マイと、Drのステファン・コーサリューを中心に再結成された4作目で、
マイルドなヴォーカルとメロウなギターを乗せ、繊細な叙情に包まれた聴き心地はまさしくタイフォンである。
いくぶんポップにはなったが、キャッチーなメロディアス性はそのままに、美しいシンセアレンジに
ときにサックスも加わった大人の哀愁も匂わせつつ、やわらかなコーラスハーモニーを含んだ優雅なサウンドが味わえる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 タイフォン度・・8 総合・・8
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TANGERINE「De l'Autre Cote de la Foret」
フランスのフォークロックバンド、タンジェリンの1975作
ゆるやかなアコースティックギターに優しいフルートの音色、
そして美しい女性ヴォーカルで聴かせる、正統派のフォークロック。英語で歌われる曲などは、
ほとんどブリティッシュフォークの質感で、はかなげな叙情と浮遊感が耳に心地よい。
メロディアス度・・8 アコースティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TANTRA 「Misteriosos E Maravilhas」
ポルトガルのプログレバンド、タントラの1978年作
ムーグシンセが鳴り響き、メロウなギターに母国語のヴォーカルを乗せた、
初期GENESISのくぐもったような幻想性を辺境寄りにしたという雰囲気のサウンド。
10分を超える大曲では、いくぶん唐突な展開とともになかなかドラマティックな感触で
翳りを含んだ叙情性が味わえる。アコースティックギターやピアノによる優雅な雰囲気に、
軽やかなパートは初期のYes的でもある。音質はリマスターされてもいくぶんラウドな感じで、
とくにドラムのシンバル類が耳障りなのが惜しい。70年代ポルトガルを代表するバンドの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5
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TANTRAHolocausto
ポルトガルのプログレバンド、タントラの2nd。1979年作
サウンドはGENESIS的なシンフォニックサウンドに辺境的な味を付加した雰囲気で、
ドラマティックな展開と、8分、10分といった大曲にシアトリカルな壮大さが感じられる。
母国語の歌唱もあいまって異国的な味わいもあるが、音の軽さもあってか、
どこかB級的な匂いも漂わせている。近年復活しアルバムを2枚出している。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 異国度・・8 総合・・7
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TANTRA「TERRA」
ポルトガルのプログレバンド、タントラの4th。2003年作
1970年代から活動していたバンドらしいが、これは20数年ぶりとなる復活作らしい。
基本はGENESIS系のシンフォニックサウンドだが、部分的にはハードめだったり
母国語のVoや濃いめの雰囲気などにはエキゾチックなものを感じる。
繊細さと少々無骨さのあるハードシンフォな要素が合わさった不思議な壮大さがあり、
この怪しいジャケも含めて、辺境ものシンフォとしてはかなりの力作である。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 異国情緒度・・8 総合・・7.5

TANTRA 「DELIRIUM」
ポルトガルのプログレバンド、タントラの2005年作
70年代から活動するバンドで、2003年の復活作「TERRA」に続く、復活2作目のアルバム。
なまりのある英語歌詞による濃密なヴォーカルとメロウなギターに美しいシンセアレンジで、
辺境的な不思議なスケール感を描く、シンフォニックロックサウンド。どこかヘンテコなセンスと
無理やり感のある展開が面白いのだが、叙情的なところはしっかりとメロディアスなので、
わりとちゃんとプログレとしても楽しめるのである。メロウな泣きのギターに、美しい女性コーラスやスキャットなども入って来て、
スペイシーな壮大さとともに辺境プログレの荒削り感が合わさったという、なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5


TERPANDRE
フランスのプログレバンド、テルパンドルの1980年作
二人の鍵盤奏者にヴァイオリンを含む6人編成で、ジャズロック的でもある軽快なリズムに
シンセやピアノが重なり、そこに艶やかなヴァイオリンが加わると、じつに優雅なサウンドになる。
「叙情と技巧が鳴り渡る時」という日本盤タイトル通り、変拍子を含んだ軽やかなアンサンブルと、
メロトロンを含むメロディアスな叙情が合わさった、とても優美なシンフォニックロックである。
しっとりと聴かせる小曲や、クラシカルな優しさにあふれた13分の大曲など、アルバムとしての構成も見事で、
80年代初頭の作品としては世界的に見てもレベルの高い逸品である。本作のみを残して消えるには惜しいバンドであった。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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THOLLOT「Contact」
フランスのアーティスト、フランコイス・トロのソロアルバム。2002作
MAGMA関連メンバーのPhilippe BussonnetとDanieel Jeand'heurが参加し、MAGMAを思わせる雰囲気もありつつ、
UNIVERS ZEROPRSENTなどベルギー系のチェンバーロック風味もあるダークめサウンド。
音の愛想はよくなく、ギターにしろベースにしろどこか淡々としていて、いわば濃密な闇ではなく、もっと乾いた薄闇という印象を感じる。
オールインストで曲調も似ているので、この手が好きなリスナーでないと途中で退屈になるかもしれない。
メロディアス度・・6 暗黒度・・7 硬質度・・8 総合・7.5
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TIEMKO「PARADE」
フランスのプログレバンド、ティアンコの1992年作
ややとっつきが悪かった前作に比べて、3作目となる本作はいくぶんメロディアスな聴き心地になった。
とはいっても、変拍子まくりのクリムゾン的な屈折感と、先の読めないミステリアスな展開は
このバンドの知的なアレンジセンスを感じさせ、ギターとシンセが対位法的に絡んだりと
チェンバーロック的でもあるクールなサウンドがじつに見事。シンセのきらびやかなアレンジが、
偏屈な作風に優雅な聴き心地をもたらしていて、ヘンテコなシンフォ系としても楽しめる。
とぼけた味わいはペッカのようで、奇妙な屈折感はイエッダ・ウルファを思わせる。傑作です。
メロディック度・・7 プログレ度・・9 アレンジセンス・・9 総合・・8.5
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TIEMKO「Clone」
フランスのプログレバンド、ティアンコの4th。1995年作
3rd「Parade」はフレンチプログレ史上に残るシンフォニック系の傑作なのであるが、
本作も3人編成による巧みなヒネくれ系のプログレサウンドを聴かせてくれる。
シンフォニックといってもいいシンセワークを中心に、どこかミステリアスな雰囲気で
あるいはチェンバーロック的なミニマムな音空間を作り上げてゆくセンスはさすが。
この大仰さのないすっとぼけた感じがいかにもフランス的であり、リズムとシンセの重ねに
デジタルがかったアレンジを取り入れるなど、プログレというにはお洒落ですらある。
ラストの大曲のどこか得体のしれない壮大さは、後のTAALなどにもつながるものがある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 フランス度・・9 総合・・8
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TRIANA「EL PATIO」 
スペインのプログレバンド、トリアーナの1st。1975作
土着的なフランメンコロックにキーボードを取り入れてプログレ化させ、
熱いスパニッシュの歌唱がはじける濃密なサウンドは彼らならでは。
アコースティカルな叙情性もあり、いかにもフラメンコ的な手拍子も雰囲気を出している。
案外メタルなどでスペイン臭さが耳になれたリスナーにも心地よく聴けるかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・10 総合・・8
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TRIANA 「Hijos Del Agobio」
スペインのプログレバンド、トリアーナの2nd。1977年作
暑苦しいまでのスパニッシュロックを見せつける異色の傑作だった1stに比べ
シンセの活躍が増えたことで、音の厚みとともにシンフォニックさがぐんと増している。
フラメンコギターの頻度はやや減ったが、それとともにギターには泣きのフレーズが増した。
スペイン語による歌唱は哀愁を漂わせ、アンダルシアの風をドラマティックに運んでくる。
スパニッシュロックとしては前作であるが、シンフォニックとしてなら本作だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・8
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TRIANA「sombra y luz」
スペインのプログレバンド、トリアーナの3rd。1979年作
1st、2ndに比べて聴きやすくなった本作は、人によっては最高傑作との評価もあるらしい。
ややハードめのギターを中心に、スペイン語の男ヴォーカルが歌い上げる。
キーボードは案外控えめなので、プログレというよりはブルージーな質感が濃く、
土着的な雰囲気が少ない代わりに、演奏には男っぽい力強さがある。
ときにスパニッシュなギターが鳴り響き、フラメンコ独特の哀愁をかもしだしている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・7.5
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TRICANTROPUS 「El sueno de Arsinoe」
スペインのプログレバンド、トリカントロプスの2011年作
うっすらとしたシンセアレンジにメロウなギターを乗せた、ラテン系らしい柔らかみのある繊細なサウンド
基本的にインスト主体で、優雅なアンサンブル志向はCAMELあたりにも通じる雰囲気もあって、
オルガンをバックにギターの泣きのフレージングが耳に優しい。派手な展開やインパクトというのはないものの、
女性ヴォーカルを乗せた優美なナンバーなども含め、ゆったりとした叙情で楽しめる作風だ。
11分を超える大曲なども、適度なプログレらしさを含ませつつ、あくまで優雅で力み過ぎない。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Tristan Decamps 「Le Bruit des Humains」
Angeのクリスチャン・デカンの息子、トリスタン・デカンのソロ。2014年作
ヴォーカル、ギター、シンセ、ドラムをこなすマルチミュージシャンで、
シンフォニックなシンセに父親譲りの濃密なフランス語の歌声を乗せた作風は
やはりANGEに通じるようなシアトリカルなドラマ性を感じさせる。
一方ではデジタリィでモダンなアレンジも取り入れていて、インダストリアルな感触と
フレンチロックの優雅さを巧みに融合させている。Angeの遺伝子を受け継ぐモダン・プログレロックの好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 Ange風味度・・8 総合・・7.5

U I BLUE 「Songbird's Cry」
フランス出身のマルチ・ミュージシャンJon Paulと女性ヴォーカルによるユニット、ユー・アイ・ブルーの2004年作
女性Vo、Laura Lindstrom嬢はGLASS HAMMERのサポートメンバーとしてライブやアルバムに参加しており、
本作にはそのグラス・ハマーのメンバーもゲスト参加している。日本盤タイトルは「歌姫の嘆き」
サウンドの方は、打ち込みのリズムの上に、アコースティックギターやシンセによるアレンジに
やわらかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、シンフォニックな歌ものアンビエントポップという雰囲気。
デジタルなアレンジにメロウなギターを合わせた作曲センスはモダンでなかなか悪くないし、
楽曲によってはメロトロンが鳴り響き、ヴァイオリンなどのストリングス、ピアノによる美しいナンバーにはうっとりである。
ときおり、フランス語による男性ヴォーカルも加わるが、個人的にに女性声だけでよいですね。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Vak 「Aedividea」
フランスのチェンバー・ジャズロック、ヴァクの2015年作
シンセにフルート奏者を含む編成で、躍動的なドラムと存在感あるベースを軸にしたアンサンブルに、
女性声のスキャットにエレピを含むシンセを重ねた、MAGMAルーツのアヴァン・ジャズロック。
程よいダークさと軽妙な優雅さのバランスで、いかにも「Zeuhl系」を地でゆくようなサウンドを聴かせる。
フルートによる叙情性やヘヴイでありながらも空間的なアプローチには、クリムゾン的な雰囲気も漂わせるが、
結局はマグマへと回帰するような作風は、やはり同郷の偉大な存在への憧れが強いのだろう。
10分前後の大曲も多いが、わりあいゆったりとした叙情パートも多いので、聴き疲れせずに楽しめる。
一方では、アヴァン・プログレ的なスリリングなナンバーもあり、バランスのとれた高品質な作品といえる。
ドラマティック度・・8 マグマ度・・8 ミステリアス度・・7 総合・・8
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Versailles 「La Cathedrale du Temps」
フランスのプログレバンド、ヴェルサイユの1990年作
ANGEから受け継がれたシアトリカルな濃密さとGenesisルーツのロマンティシズムを融合させたような
コテコテのフレンチ・シンフォニックロック。フランス語で歌い上げるいくぶん弱弱しいヴォーカルと、
ムーグなどを含んだ派手めのシンセワーク、随所にハケット風のメロウなフレーズを聴かせるギターとともに
緩急のある楽曲を展開してゆく。メロディをつないでゆくドラマテイックな構築センスは、90年代的といえるだろう。
録音の甘さも含めてB級の域は出ないですが、匂い立つようなロマンの香りに惹かれるじつにフレンチらしい好作品。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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VERSAILLES 「Don Giovanni」
フランスのプログレバンド、ヴェルサイユの1991年作
なんとなく「ベルバラ感」を感じさせるチープなジャケからして、ロマン溢れる音の雰囲気が想像されるが、
サウンドの方も前作の路線をさらに演劇的に仕上げたというような感触で、曲も10分以上の長曲が増えた。
シアトリカルなフランス語のヴォーカルと、メロウなギター、優美なシンセアレンジに、フルートも鳴り響く
そのドラマティックな展開力には磨きがかかり、バンドとしてのシンフォニックロック愛がより強く感じられる。
かつてのGenesisやわらかな幻想美に、フレンチロックの優雅なドラマ性を注入したというような力作です。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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VERSAILLES 「Le tresor de Valliesres」
フランスのプログレバンド、ヴェルサイユの1996年作
いうなればANGEをよりGENESIS寄りにしたようなサウンドで、シアトリカルなフランス語のヴォーカルと
いかにもプログレ的なシンセワークに泣きのギターを配した、90年代的なシンフォニックロック。
軽めのドラムサウンドはいかにもB級プログレ風なのだが、いかがわしいジャケとともに、妖しげな幻想性と
狂気めいた芸術性を含んだような世界観は、なんというか、じつにヨーロッパらしいテイストなのである。
12分、13分、20分という大曲も含めて、濃密な味わいのケバい演劇を鑑賞するように楽しめる。これぞフレンチ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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Versailles 「Blaise Et Benjamin」
フランスのプログレバンド、ヴェルサイユの1998年作
ANGEをよりGENESIS寄りにしたようなサウンドで、過去3作もなかなか濃密な味わいの力作であったが、
本作はのっけから15分の大曲で、オルガンなどを含むシンセにややハード寄りのギター、
フランス語のヴォーカルを乗せて、起伏のある楽曲展開とともにドラマティックに描かれる。
演奏力という点では並程度なのだが、演劇的な大仰さと妖しいロマンに包まれた世界観で、
これぞフレンチ・プログレという味わいに思わずにんまり。単なるB級シンフォの枠にとどまらない迫力というか、
強固な幻想性がどろどろとした濃密さとなって、聴き手に迫ってくるのである。爽快さの無い力作というべきか。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 フレンチ度・・9 総合・・7.5
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VICTOR ESTRADA「Lo Divino En Lo Grosero」
AMAROKのリーダーである、ヴィクター・エストラダの2001年作
クラシカルなピアノにチェンバロのつまびき、フルートやヴァイオリンが鳴り響くトラッドな感触を
現代的にスタイリッシュに構築するサウンドは、やはりAMAROKを思わせるものだ。
ときにドラムも加った充分プログレッシブな作風で、たとえば、オランダのFlairckや
MIKE OLDFIELDなどにも通じるアーティスティックなスリリングさもある。
随所に女性スキャットなども加わった優雅な聴き心地は素晴らしい。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8.5
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Victor Estrada 「Continuo Despertar」
AMAROKのリーダーである、ビクター・エストラダの2003年作
アコースティックギターに絡むやわらかなフルートの音色、クラシカルなピアノとシンセに
エレキギターのメロディが加わると、初期のMIKE OLDFIELDを思わせるような、優しいトラッドロックとなる。
スペイン語の女性ヴォーカルも含めて、やはりAMAROKに近い雰囲気で、
民族調のシンフォニックロックとしても楽しめる曲もある。素朴な音に癒される好作品。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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V Imperio 「Mar De Folhas」
ポルトガルのクラシカルシンフォ、V インペリオの1997年作
打ち込みのリズムに美しいシンセアレンジと、母国語の女性ヴォーカルで聴かせるサウンド。
ストリングスを含んだシンフォニックなアレンジで、ここにギターやドラムが入れば
クラシカルなシンフォものとしても楽しめただろう。しっとりとした雰囲気にはゴシック的な耽美さもいくぶんある。
ロック色はほとんどないのだが、魅力的な女性声にもうっとりの好作品です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VISITORS
フランスのプロジェクトユニット、ヴィジターズの1974年作
宇宙人やUFOをテーマにしたコンセプト作で、総勢20名におよぶ多数のメンバーが集結したプロジェクト作
時代を考えればけっこうヘヴィなギターとオルガンやムーグを含んだシンセアレンジで、
かなり厚みのあるサウンドを形成。多数のヴォーカルによる怪しげなコーラスなどとともに、
スペイシーでミステリアスな雰囲気を描いてゆく。ハードロック風味のギターはブリティッシュロック的でもあり
フランス語のハイトーンヴォーカルもなんとなくHR風だったりと、全体的にプログレというよりはロックオペラ風。
ときにヴァイオリンが加わったり、スペースサイケ的な浮遊感もあったりと、統一感のなさも面白い力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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VITAL DUO「EX TEMPORE」
MINIMUM VITALのメンバーによるユニット、バイタル・デュオの2002作
ヴォーカル曲もあるがほとんどはインスト中心のアコースティカルな中世トラッドプログレ。
古楽を取り入れたアコースティカルなメロディは優雅でたおやかな質感。
マンドリンやアコギの響きでゆるやかに聴かせつつ、曲によってはシンセも入り、
内省的な雰囲気で聴かせる部分はMIKE OLDFIELEDの世界観に通じるものもある。
GRYPHONほどはロック色はないので、14曲聴き通すにはやや飽きるところか。
メロディアス度・・8 アコースティカル度・・8 古楽度・・8 総合・・7.5
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WAPASSOU
フランスのプログレバンド、ワパスーの1974年作
序盤はドラムを含んだアンサンブルによるサイケな浮遊感に包まれていて、うっすらとしたシンセに、ヘタウマなヴァイオリンと
ユルめのギターフレーズが絡むという、いかにもB級バンド的なな感じなのだが、3曲目からは、ドラムレスになって、
神秘的でクラシカルな感触がぐっと強くなる。フランス語による女性ヴォーカルも加わって、アンニュイで妖しげな世界観は、
次作以降のような構築性はないものの、このバンドの個性と美意識を感じさせる内容である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 妖しげ度・・8 総合・・7.5
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WAPASSOU
「Messe En Re Mineur」
フランスの静寂系シンフォバンド、ワパスーの2nd。1976年作
「ミサ・ニ短調」と題された本作は、全1曲40分の組曲からなる、異色の傑作である。
ドラム、ベースというリズムセクションはおらず、オルガンを含む美しいシンセとギター、
そして艶やかなヴァイオリンが鳴り、女性ヴォーカルがスキャット的な歌声を乗せる、神秘的な世界観が広がってゆく。
ドイツのPOPOL VUHにも通じるアプローチであるが、こちらはより優雅なクラシカル色と、シンフォニックな味わいがあり、
優しい浮遊感とともに崇高な幻想世界を感じさせる。ゆったりとまどろむように楽しめる、どこまでも繊細で美しい作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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WAPASSOU「SALAMMBO」
フランスの静寂系シンフォバンド、ワパスーの3rd。1978年作
ギュスターヴ・フロベールの小説「サランボー」をテーマに、それぞれ18分、19分という大曲2曲という構成。
クラシカルなピアノのつまびきに歴史を語るようなナレーション、そして映画的な効果音も入り、
幽玄な女性スキャットと古めかしいキーボードの音色か鳴り渡りに、そこに優雅なヴァイオリンが絡んでゆく。
ドラムレスのためロック的な要素はほとんどなく、クラシカルでほの暗い、雰囲気ものシンフォというべき作品である。
バンドは次作でロマンティシズムの極致ともいうべき最高作、「ルートヴィヒ二世」を発表する。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 幽玄度・・9 総合・・7.5
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WAPASSOU「Ludwig,Un Roi Pour L'Eterni」
フランスのシンフォニックロック、ワパスーの1979年作
ルートヴィヒ二世をテーマにした34分の大曲は、チェンバロやヴァイオリンの音色が優雅に響きわたる、
バンドの最高傑作。ひたすら静謐感をただよわせていた「ミサ・ニ短調」、やや散漫な印象だった「サランボ」に比べ
本作では、このバンドのロマン主義が、強固に結実したというべき幻想美に溢れていて、
ワーグナをこよなく愛したというルートヴィヒ王の、クラシカルな美意識が、そのままメロディとなって
ちりばめられたように感じられる。ドラムレスのサウンドであるが、決して退屈にはならない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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Wolfspring
フランスのハード・プログレバンド、ウルフスプリングの2010年作
フランスのシンフォバンド、NEMOのメンバーらによるユニットで、
メロウな叙情性と、ドラマティックな展開美が光るハードなシンフォニック作。
適度にメタリックでテクニカルなギターワークを中心に、美麗なシンセと
ストリングスアレンジなどもサウンドに空間的な厚みを与えている。
ゆるやかな叙情が耳心地がよく、ProgMetal的にもじっくりと聴ける好作品だ。
シンフォニック度・・7 メロウ度・・8 ProgMetal風味度・・8 総合・・7.5
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WURTEMBERG「Rock Fantasia Opus 9」
フランスのトラッドロックバンド、ウルタンベールの1980年作
フランスのトラッド系プログレというと、GWENDALなどが思い浮かぶが、
このバンドの特徴は、ジャケにもあるように古楽ハープのプサルテリオンの導入で、
その雅な音色には中世的な(それでいて日本の琴のような)なんともいえぬ趣がある。
全体的にアコースティックな質感ながら、ときにロック的なアンサンブルもかいま見え、
たおやかなピアノやフルートも美しく、格調高く典雅な気分にひたれる。
ラスト2曲はそれぞれバッハとベートベンをモチーフにしたクラシカルなシンフォ曲でこれも白眉。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 古楽トラッ度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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WURTEMBERG「Rock Fantasia Opus 10」
フランスのトラッドロックバンド、ウルタンベールの2008年作
古楽とプログレをクラシカルに融合させたサウンドで、1980年に唯一のアルバムを出したバンドの、
本作は1985〜'86年に録音されていた未発表音源を収録した2作目となる。
メンバーのうち3人がシンセをこなし、かつての作品にくらべるといくぶんモダンになった感触で
古楽というよりは優雅なクラシカルロックというおもむきである。流麗なピアノ、ストリングスの音色を含めた
シンセワークにメロディアスなギターで聴かせる、インストによる聴き心地のいいシンフォニックロック作。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 流麗度・・8 総合・・7.5


XYZ

XANG「DESTINY OF A DREAM」
フランスのシンフォニックロックバンド、クサングの1st。
G、B、Key、Drの四人組で、全編インスト作品(なのに何故かブックレットには歌詞が載っている)。
サウンドは随所にメタル色もある軽やか、メロディアスなシンフォニックロック作品。
叙情的なギターフレーズに、バックではいかにもシンフォ的なキーボード、時にドラムがツーバスだったり、
ギターがメタリックなことをやり始めたりと、シンフォ好きのプログレメタルリスナーにもお薦めできる。
クオリティは非常に高く、ギタリストのセンスの良さも非常に魅力的。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレメタル度・・7 総合・・8
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XANGThe Last of the Lasts
フランスのシンフォニックロックバンド、クサングの2nd。2006年作
G、B、Key、Drの四人組で、前作は全編インストのハードシンフォニック作だったが、
本作では第一次大戦をテーマにしているようで、アコースティックなイントロから幕を開け
シンセとギターを中心にしたいくぶんダークな雰囲気のシンフォニックロックを展開。
随所にテクニカルでメタリックな質感も覗かせつつ、インストながらも起伏に富んだ作風だ。
きらびやかでありつつも、プログレ的な音色を使い分けるシンセワークもなかなか見事。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 ハードシンフォ度・・8 総合・・8
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YACINE SYNAPSAS「Akala Wa Chariba」
フランスのミュージシャン、ヤシン・シナプサスの2016年作
優雅なエレピの音色に朗々としたヴォーカルを乗せ、ロック的なギターがかき鳴らされる。
先の読めないアヴァンギャルド性と、サロン系チェンバーのとぼけた味わいが同居した作風で、
歌いまわしにはどこかアラビックな中近東色も感じさせる。14分、16分という大曲でも、
構築性とは無縁の即興的な感性で、フリーなリズムと歌声を連ねてゆく。悪く言うと自己満足感に包まれた異色作だ。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7


YOCHK'O SEFFERGhilgoul」
フランスのミュージシャン、ヨシコ・セファーの1978年作
ZAOやMAGMAにも参加していた、ピアニストにしてサックス奏者で、
どことなくユーモラスなサックスの音色にシリアスなピアノの旋律が絡み、
ストリングスカルテットによる美しい叙情性もあって、クラシカルな美意識が
ミニマムな空間表現に直結したような抜群のセンスに引き込まれる。
ドラムも入ったジャズロック的な曲にしても、バルトークなど現代クラシックを下地にした
硬質な浮遊感と、即興性の上にある構築性が音を引き締めている。
クラシカル度・・8 ジャズロック度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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YOLE「LEAD US AWAY」
フランスのプログレトラッドバンド、ヨレの2006作
サウンドはトラッドとプログレの中間のような雰囲気で、シンセやエレキギターも使用していて、
ギターとフルートが軽快にメロディを奏でるあたりはCAMELあたりの影響も感じさせる。
一転して、ミステリアスなシタールの音色にはエスニックな響きもあるが、
歌もの曲ではキャッチーな質感もありと、やや節操がない感じがする。
男女Voである点や、たおやかなフルートの音色など、好みの部分もあるので、
シンフォニックにするのかトラッドでいくのか、もう少し曲の世界観をしぼって構築して欲しい。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 たおやかフルート度・・8 総合・・7


ZAO「Z=7L」
フランスのジャズロックバンド、ザオの1973年作
MAGMAを脱退したFrancois"Faton"CahenとYochk'o Sefferを中心に結成されたバンドのデビュー作。
優雅なジャズロックと、緊迫感のあるアヴァンギャルドさが融合したようなサウンドで、
そこに個性的な女性ヴォーカルが加わると、やはりMAGMAを思わせる雰囲気にもなる。
ときにエキセントリックになる女性声も含めて、アートな作風の個性派ジャズロック作品。
ジャズロック度・・8 マグマ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ZAO「Osiris」
フランスのジャズロックバンド、ザオの1974年作
前作でのMAGMAを思わせる雰囲気もいくぶん残しつつ、よりスタイリッシュな優雅さを強めた2作目。
艶やかなヴァイオリンにサックスが絡み、軽妙なアンサンブルのジャズロックを聴かせつつ、
妖しい女性スキャットを加え、ピアノがエキセントリックに弾きならされる、スリリングな感触も楽しめる。
一方では次作へとつながる、大人の味わいのジャズロックテイストもときおり匂わせつつ、
エジプト神話をテーマにしているらしく、ミステリアスな空気感も漂わせる。プログレ・ジャズロックの力作です。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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ZAO 「SHEKINA」
フランスのジャズロックバンド、ザオの3rd。1975年作
女性ストリングスカルテットを迎えて作られた作品で、サックスやクラリネットが軽やかに鳴り、
艶やかなヴァイオリンの音が響く、優雅なジャズロックサウンド。1stの頃のMAGAMA色は薄まったが、
19分の大曲などは、ときに怪しげな緊張感も漂わせたチェンバーロック的な味わいもある。
大人のジャズロックという雰囲気を強めつつ、感性豊かなサウンドが楽しめる好作品だ。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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ZAO 「KAWANA」
フランスのジャズロックバンド、ザオの4th。1976年作
バンドの代表作ともされる作品で、美しいピアノと緊迫感のあるヴァイオリンの音色が絡み、
フリーキーなサックスが鳴り響く。クラシカルな優雅さとジャズロックとしての軽やなアンサンブルに、
奔放と緻密が同居したような聴き心地で、ときに緊張感を漂わせつつ、ときにコミカルであったりもする。
プログレ的なシンセワークも随所に光っていて、軽妙なプログレ・ジャズロックというべき傑作に仕上がっている。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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ZAO「AKHENATON」
フランスのジャズロック、ザオの1994年作
1977年作「TYPHARETH」以来、17年ぶりとなる作品で、ヨシコ・セファーがバンドに復帰している。
たおやかなピアノにサックスが絡む、優雅なサウンドはかつてのまま、初期の頃のクラシカルな部分は薄まり、
よりジャズロック志向のアンサンブルになっている。艶やかなヴァイオリンにフリーキーなサックスが絡む、
スリリングな即興性も垣間見せつつ、リズム的なアプローチはあくまでジャズロックとしての構築性を保っている。
70年代の作品に比べると、瑞々しさの点では少し物足りないが、セファーの奏でるクラリネットがヴァイオリンやエレピと
バトルするようなノリのよいナンバーなども含めて、じっくりと大人の演奏で味わえるジャズロックサウンドである。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5
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ZNR 「Barricade 3」
フランスのチェンバーロック、ゼッデンネールの1976年作
ピアノ&シンセのジョゼフ・ラカイユ、エクトール・ザズー、ベース&クラリネットのパトリック・ポルテラという三人編成で、
優雅なピアノが鳴り響くエリック・サティ的な雰囲気に、ビープ音的なアナログシンセが合わさり、
随所にクラリネットやサックスが加わった、アヴァンギャルドでミニマムなチェンバーロック。
1〜3分前後の小曲を主体に、飾り気や展開というものを無視した、唐突感とアンニュイな倦怠、
抽象絵画的なエキセントリックな感性は、聴き手を突き放したような冷たさも感じさせる。
9分の大曲では、ギターも加わっていくぶんロック的な香りも匂わせ、フランス語のヴォーカルを乗せた歌ものナンバーなど、
次作に比べるといくぶん拡散志向の方向性で、アヴァンミュージックとしてはむしろ、こちらの1作目が分かりやすいか。
ともかく、サロン的な優雅さとフランスらしい毒気が同居した、室内楽の抽象芸術というべき異色作である。
ドラマティック度・・2 チェンバー度・・8 優雅でアヴァンギャル度・・9 総合・・8
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ZNR「Traite De Mecanique Populaire」Traite De Meccanique Populaire
フランスのチェンバーユニット、ZNRの2nd。1979年作
エレクトール・ザズーとジョゼフ・ラカイユの二人を中心にしたユニットで、
ピアノ、ヴァイオリン、管楽器によるクラシカルでジャズ風味のある小品集であるが、
「一般機械論」という謎のタイトルや、曲名にしてもいちいちこまっしゃくれた題名が付けられ、
優雅なサウンドとは裏腹に、知的なひねくれ加減と、アンニュイな醒めた視点がうかがえる。
ひとことで言えば、上品で軽やかなダークさ…とでもいうべき精神性だろうか。
エリック・サティからの影響をさらに時代的に落としこんで表現したようなサウンドは、
表装のやわらかさの奥に、フランスからしか出て来ないアイロニカルな薄闇が垣間見える。
クラシカル度・・8 ロック度・・1 アンニュイ度・・9 総合・・8
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VA/PROGLIVE 97 「CORBIGNY」
フランスMUSEAレーベル主催のシンフォニック系バンドのライブアルバム。1997作
参加バンドは、MINIMUM VITAL、JEAN PASCAL BOFFO、QUIDAM、CYRIL ACHARD、FINISTERRE。
MINIMUM VITAL…2nd「SARABANDES」からの曲が嬉しい。女性Voのマイルドなシンフォニックロックという印象。フルート入り。
JEAN PASCAL BOFFO…MUSEA系ゲタリスト。アコースティックギターのインスト。落ち着いたヒーリング系のアコースティックサウンド。
QUIDAM…ポーランドの女性Voシンフォバンド。メロウなギターに、シンセそして、美しい女性Voによる王道シンフォサウンド。
この中ではこのバンドが実は一番MUSEAっぽかったりして…。そういえばポーランド語の語感はフランス語に通じるものがある。
CYRIL ACHARD…シリル・エイチャードといえば、「MORBID FEELING」なのだが、ここでは、彼の1stソロ「CONFUSION」からの曲を演奏。
テクニカルなギターによるインストで、様式美的なフュージョンメタルな部分とジャズやプログレメタルな部分とが交差していて、なかなか楽しめる。
FINISTERRE…イタリアのプログレバンド。たおやかなフルートに、やや懐古主義的なキーボードがいかにもMELLOW系のシンフォサウンド。
シンフォニック度・・7 バンドクオリティ・・7 マイナー度・・8 総合・・7
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VA / Treasure Island
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの冒険小説をテーマにしたMUSEAレーベルのオムニバス。2005年作
アルゼンチンのNEXUS、フィンランドのVelvet Desperados、イタリアのFLOATING STATEといった、
マニアックな3バンドが参加、「宝島」をテーマにした、それぞれが20分以上の組曲を披露。
ヴェルベット・デスペラトスは、オルガンを含んだシンセとメロディックなギターにサックス、
マイルドなヴォーカルで聴かせるやわらかなサウンド。適度なヴィンテージ感もまたよろしい。
フローティング・ステートは、イタリアのマイナー系らしいどこかヒネくれた怪しさと
オルガンやサックスが鳴り響く軽妙な展開で聴かせる、いかにもなプログレ曲。
ネクサスは、もうさすが…シンセ鳴りまくり、ギター泣きまくりの濃密シンフォニックで、
じつにコテコテな作りがら、これが素晴らしい出来。これを聴けただけで価値があるCDです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・8 総合・・7.5

VA/ODYSSEY “THE GREATEST TALE”
古典作「オデュッセイア」をコンセプトにした、フィンランドの雑誌企画のオムニバス・シリーズ第4弾。
全9バンド、CD3枚組みとなる一大シンフォニック大会である。参加バンドは以下の通り
NATHAN MAHL(CANADA)NEXUS (ARGENTINA)GLASS HAMMER (USA)XII ALFONSO(FRANCE)
SIMON SAYS(SWEDEN)C.A.P.(ITALY)TEMPANO(VENEZUELA)MINIMUM VITAL(FRANCE)AETHER(BRASIL)
それぞれのバンドが20分以上という大曲を書き下ろし、メロトロン、ハモンド、ムーグ等を駆使した古典的シンフォサウンドを奏でる。
弾きまくりELPスタイルのネイサン・マール、ドラマティックなネクサス、女性ヴォーカルを乗せたYES的構築美のグラス・ハマー、
たおやかでセンスのよいドゥーゾ・アルフォンソ、キャッチーなサイモン・セッズ、イタリアンらしい叙情のCAP、
南米らしいメロを聴かせるテンパノ、たおやかなピアノが美しいエーテル、バランスのとれたミニマム・ヴァイタル、
それぞれにバンドのカラーを上手く出していて、この手の企画ものとしては成功した作品だろう。
CD3枚、全220分…という超大なボリュームで、まさに“シンフォニックお腹一杯”!!
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 濃密度・・9 総合・・7.5
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VA/INFERNO“Dante's Divine Comedy-PART1
MUSEAレーベル主催の企画アルバム、2008年作
ダンテの「神曲」をテーマにしたCD4枚組の作品で、参加アーティストは…Nuova Era、Yesterdays、Little Tragedies、Nemo、Nexus、
Trion + Flamborough Head、Willowglass、Brighteye Brison、Ars Nova、Il Castello Di Atlante、Groovector、CAP、Viima、Entrance、
Advent、Tempano、Nathan Mahl、Simon Says、他というマニアックなメンツ。濃密なシンフォニックロックが4時間以上にわたって繰り広げられる。
Disc1では、女性ヴォーカルが美しいハンガリーのイエスタデイズや、ロシアのリトル・トラジディーズのコテコテの濃密シンフォニック曲、
男女Voが美しいイタリアのグリーンウォールあたりが印象に残った。Disc2では、メロトロン鳴り響くイギリスのウィローグラスの美しさ、
そして日本のアルス・ノヴァの壮麗かつ耽美な大曲はじつに見事。Disc3ではイタリアのベテランCAPや北欧のシンカドゥスってまだいたのね。
Disc4ではヴェネズエラのRaimundo Rodulfoがクラシカルでとても良い。どのバンドもシリアスでドラマティックな作風がお腹一杯楽しめる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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Va/ DANTE'S PURGATORIO: THE DIVINE COMEDY PART II
MUSEAレーベル主催のオムニバス。ダンテの「神曲」をテーマにした壮大なプロジェクトの2作目。2009年作
SIMONS SAYS、GROOVECTOR、Mist Seasonといった北欧勢から、NUOVA ERA、MAD CRAYONなどのイタリア勢、
NEMO、FLAMBOROUGH HEAD、LITTLE TRAGEDIES、Yesterdaysといったヨーロピアンシンフォの中堅どころに加え、
NEXUS、Entlance、EQUILIBRO VITAL、JINETES NEGROSも、Raimundo Rodulfoなどの南米のバンドまで多数が参加。
CD4枚組で、それぞれのバンドがドラマにそった流れで楽曲を綴ってゆく。オルガンやムーグシンセにメロトロンと、
どのバンドも王道のシンフォニックロックスタイルでよい感じだなのだが、さすがに4CDで4時間超は聴くのが大変。
1作目に比べても、全体的にやや魅力的なナンバーが少ないような気もするが、ロシアのLITTLE TRAGEDIESや
チリのENTLANCE、オランダのFLAMBOROUGH HEADあたりはさすがのコテコテシンフォまくりでよいですな。
それと、アメリカのMaxwell's Demonがこの中では異色のアヴァン・プログレで面白かった。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・7.5
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VA/PARADISO: THE DIVINE COMEDY PART III
MUSEAレーベル主催のオムニバス。ダンテの「神曲」をテーマにした壮大なプロジェクトの3作目。2010年作
本作は、イタリアのピアニストMarco Lo Muscioの繊細なピアノによるイントロで幕を開け、続くLITTLE TRAGEDIESが
クラシカルなキーボードプログレでたたみかける。NUOVA ERA、GREENWALL、DAALといったイタリア勢をはじめ、
BRIGHTEYE BRISON、GROOVECTOR、SIMON SAYS、MIST SEASONなどの北欧勢、FLAMBOROUGH HEAD、
NEMO、YESTERDAYS、KOTEBELというヨーロッパ勢に、NEXUS、ECHOES、Jaime Rosas、JINETES NEGROS、
Raimundo Rodulfoという南米勢を加えた、ラスト作にふさわしい濃密なメンツが集結。CD4枚合計260分の内容だ。
個人的には、美しい女性ヴォーカルの叙情が素敵なGreenWall、メロウな泣きのギターで聴かせるNEXUS、
キャッチーな抜けの良さのSIMON SAYS、涼やかで繊細な叙情のMist Season、これぞシンフォニックというLady Lakeなど、
最終章にふさわしい充実の内容でした。1作目からCD12枚、これを一気に聴いたら相当な満腹感でしょうな。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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