プログレ/ 北欧スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド
~PROGRESSIVE ROCK/SCANDINAVIA~Sweden,Norway,Finland,Iceland
                 by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

 
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Ache「De Homine Urbano」
デンマークのプログレバンド、エイクの1970年作
オルガンが鳴り響く古き良きブリティッシュロック風味の雰囲気に、
北欧らしい涼やかな叙情が合わさった、どこかミステリアスなサウンド。
19分、18分という2曲の大曲からなるオールインストの作品であるが、
起伏に富んだ展開とともに適度に緊張感があって最後まで飽きさせない。
やや粗削りながらオルガンロック好きにはたまらない好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・8
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Ache「Green Man
デンマークのプログレバンド、エイクの1971年作
前作同様、ほの暗いミステリアスな雰囲気とともに聴かせるオルガンロックサウンドだが、
より演奏のキレが増したことで、プログレ的な構築力がより強まっている。
鳴り響くオルガンはもちろん、随所にチェンバロやピアノの音色も入ったり
ときにヴォーカルパートも加わったりと、サウンドのメリハリとスケール感が増した。
オルガンロックとしてはもちろん、初期の北欧プログレを代表する傑作と言ってよい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 オルガン度・・8 総合・・8
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A.C.T 「Today's Report」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハード、アクトの1st。1999年作
この作品を初めて聴いたときの衝撃というのは、それはもう凄いものだった。
ただのメロハーかと思いきや、1曲目のイントロでもう「これはプログレだ!」と直感的に感じると、
そのキャッチーでやわらかなメロディと優雅な変則リズム、そして細かなアレンジの妙にすっかり魅了されたのです。
いつ聴いても素晴らしい宝石のような楽曲…透明感のある優しいメロディはもちろん、その抜群の演奏力。
とくにドラムを中心にしたリズム面でのアプローチなどは、ProgMetal好きにもぜひ聴いてもらいたい。
どのアルバムも素晴らしいですが、まずはやはりこの驚異のデビュー作から。必聴というのはまさにこのこと。
メロディアス度・・9 隠れプログレ度・・9 楽曲センス・・10 総合・・9
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A.C.T「IMAGINARY FRIENDS」
スウェーデンのプログレハード、アクトの2nd。2001年作
このバンドの凄いところは、楽曲は一聴してキャッチ-でポップなメロディアスハードなのだが、
その実、非常にプログレ受けするサウンドなのだ。クイーンやヴァレンタインを想起させる歌メロとコーラスハーモニーを
起伏のある緻密なアレンジで構成、リズム面も非常によく練られており、この自然な変拍子はプログレファンを唸らせるもの。
全曲作り込まれ高密度な上に今作では生のストリングスも導入し、さらに壮大さも増している。
純粋にメロディを楽しめ、なおかつ複雑音楽としても高得点、というまったく恐ろしいバンドである。
メロディアス度・・10 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・9 ◆メタル名盤特選入り
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A.C.T「LAST EPIC」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハード、アクトの3rd。2003年作
今作からドラムが交代したことで多少心配されたが、内容はやはり期待通りだ。
QUEENにも通じるやわらかな歌メロ、コーラスワークを現代的な楽曲アレンジで作り込み、
リズム面にもこだわりと意外性を盛り込んで、緩急自在に展開する楽曲はもはやACT節といっても良い。
今回はギターのリフ、メロディにメタリックな部分が増した印象で、その分、むしろ硬質な部分と
ピアノを含むやわらかなメロディとの対比がくっきりとした。歌入りのメロディアスさ、キャッチーさとは対照的に
インストパートの部分には一瞬「プログレメタル」とさえいってよいところもあり、そこがこのバンドの大きな魅力となっている。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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A.C.T「SILENCE」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハード、アクトの4th。2006年作
技巧的な音楽を作り出せる知性とテクニックがありながら、難解さよりもあえて分かりやすさと
キャッチーなメロディを前に出すというやり方はかつてのIT BITESの精神性を継承するバンドといえる。
3年ぶりの新作となったこのアルバムは、まさしく彼らのそうしたセンスが爆発した傑作となった。
前作から参加のトーマス・レヨンも、楽曲の方向性を完璧に理解したプレイぶりがさすがである。
キャッチーでありながら哀愁の叙情を感じさせるメロディはいっそう引き立ち、ちょっとした細かなアレンジにも、
その類まれな知性を感じさせるのがやはり素晴らしく、歌メロにかぶさる絶品のストリングスアレンジなども、
泣きのつぼを刺激しまくりだ。ラストの9パートに分かれた20分の組曲は、ドラマティックでそしてしっかりとプログレしており、
これまでの彼らの大曲では最高の出来映え。メロディの充実という点でまさに傑作アルバムに仕上がっている。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 楽曲センス・・10 総合・・9
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A.C.T 「CIRCUS PANDEMONIUM」
スウェーデンのプログレ・ハード、アクトの2014年作

前作から8年ぶりとなる5作目で、サーカスを舞台にしたミュージカル仕立てのコンセプト作。
きらびやかなアレンジと軽妙なアンサンブル、そしてキャッチーなメロディで聴かせる
そのサウンドはまったく変わっておらず、長いこと待たされたファンもひと安心だろう。
もちろん、随所にプログレ的な知的なセンスを垣間見せる、緻密な構築センスとともに、
シンフォニックな美麗さと、優雅かつユーモラスなパートを含めて、緩急自在に描かれる楽曲は
変化に富んだエンターテイメントを見せつける、まさにサーカスの舞台のようである。
壮麗にしてゴージャス、やさしくメロディックな、期待通りの傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 きらびやか度・・9 総合・・8.5
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A.C.T 「Trifles and Pandemonium」
スウェーデンのプログレハード、アクトのライブ作品。2016年作
1999年にデビュー、現在までに5作のアルバムを発表。キャッチーなメロディアス性と知的な展開力で、
ProgMetalのリスナーからも支持されるこのバンド。本作は2014年、スウェーデンでのライブ音源を収録。
2014年作「CIRCUS PANDEMONIUM」からのみならず、1stを含む初期のナンバーもたっぷりと演奏。
美麗なシンセアレンジとマイルドなヴォーカルによるシンフォニックな感触に、随所に変則リズムを含んだ
プログレッシブな構築美が冴えていて、ライブにおいてもその演奏力の高さと、楽曲アレンジの妙が楽しめる。
1st収録“The Wandering”、“Waltz With Mother Nature”あたりは、15年以上前の楽曲なのだが、その豊穣なメロディと
緻密なアレンジにあらためて聴き惚れる。バンドのファンはもちろん、初めて聴く方にもオススメしたい素晴らしいライブ作品だ。
メロディック度・・9 ライブ演奏・・9 楽曲センス・・9 総合・・9
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Adventure 「Beacon of Light」
ノルウェーのプログレハードユニット、アドヴェンチャーの2009年作
適度にハードなギターワークとムーグやオルガンを含んだプログレ的なシンセアレンジ、
男女コーラスなどを配した、ダイナミックな厚みのあるシンフォニックハードサウンド。
組曲形式の大曲を中心にしたドラマティックな聴き心地は、Ayreonあたりにも通じる壮大さで、
物語的に進行してゆく流れもスケールを感じさせる。やわらかなフルートが美しい小曲もあったり、
ラストの組曲では北欧らしい土着的なメロディも覗かせる。メリハリのついた構成で描かれる力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Adventure 「Caught In The Web」
ノルウェーのプログレハードユニット、アドヴェンチャーの2014年作
前作から5年ぶりとなる3作目で、オルガンやムーグシンセが鳴り響く古き良きスタイルに
北欧らしい土着的なメロディとキャッチーな聴き心地を併せ持ったハードプログレサウンド。
美しいピアノパートやフルートが鳴り響く優雅さと、ロック的なダイナミズムが同居して
コンセプト的な流れとともにドラマティックな構築が光る。ときに女性ヴォーカルが加わった
やわらかな叙情性も耳心地が良い。新鮮なインパクトはないが、やはり北欧ハードプログレの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
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AGENESS「Rituals」
フィンランドのプログレバンド、アジェネスの1995年作
90年代の北欧プログレというとスウェーデンというイメージなのだが、珍しいフィンランド産のバンド。
本作は2作目で、シンフォニックなシンセアレンジと、適度にハードなギターを乗せた軽快なサウンド。
ハイトーンのヴォーカルが入ると、初期Marillion的など、Genesisルーツの80年代ポンプロック風味も出てくるが、
こちらはよりキャッチーでモダンな聴き心地で、北欧というよりは、むしろアメリカ的な抜けの良さというべきか。
テクニカルな部分も含めてRUSHを思わせる部分もある。ラストは10分近い大曲で、知的な構築力がなかなか見事。
地域性を感じさせないセンスと、ドラムも含めて演奏のレベルも高いので安心して聴ける好作品である。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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Agents of Mercy「The Fading Ghosts Of Twilight」
The Flower Kingsのロイネ・ストルト率いる、エージェンツ・オヴ・マーシーの2009年作
メンバーには、GENESIS系シンフォバンド、UnifaunのヴォーカルにTFKのヨナス、レインゴールド、
ドラムにはゾルタン・チョーズ(元TFK、KARMAKANIC)、Pat Mastelotto(KING CRIMSON)などが参加。
楽曲は、ガブリエルそっくりのヴォーカルの歌声に、フラキンのやわらかな部分が合わさったような雰囲気で、
ぱっと聴きの派手さはないが、じっくりと作り込まれた大人のシンフォニックロックという趣だ。
往年のGENESISの質感を、ロイネのセンスで色付けしたという感触の好アルバム。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フラキン度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCY「Dramarama」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、エージェンツ・オブ・マーシーの2010年作
TFKのロイネ・ストルトとヨナス・レインゴールド、Unifaunのナッド・シルヴァンに加え、
本作ではシンセにラレ・ラーションらが加わった。前作はいかにも往年のGENESISを思わせる
ゆったりとした作風で案外地味であったのだが、今作では古き良き70年代風味に加えて
よりダイナミックなシンフォニック路線…つまりはThe Flower Kingsのイメージに近づいている。
一方では、牧歌的でゆるやかな叙情曲も素晴らしく、ロイネのギターワークはもちろんのこと、
ラレのシンセワークもなかなか見事で、まんまGENESISなVoの歌声がなにやら微笑ましいが、
ただレトロなだけではないセンスを感じさせる力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCYThe Black Forest
スウェーデンのシンフォニックロックユニット、エージェンツ・オブ・マーシーの2011年作
ロイネ・ストルト、ナッド・シルヴァン、ラレ・ラーションらによるGENESIS懐古風サウンドというべき
このバンドもすでに3作目となる。本作はこれまで以上にミスティックな雰囲気とシアトリカルな作風になっていて、
メロトロンを含んだ表情豊かなシンセワークと叙情たっぷりのギター、P.ガブリエルばりのヴォーカルで、
物語的なコンセプトを感じさせるほの暗いミステリアスさとともにゆったりと楽曲を盛り上げてゆく。
まさに、The Flower KingsGENESISを合わせたような、ドラマティックなシンフォニックの傑作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ミスティック度・・8 総合・・8
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AGUSA 「Hogtid」
スウェーデンのサイケプログレ、アグサの2014年作
レトロなオルガンの音色に、サイケ寄りのギターがかもしだす浮遊感と、北欧らしい土着性で聴かせる
かつてのKEBNEKAJSEを思わせるようなサウンド。随所にクサいフレーズを含んだギターもよろしく、
インスト主体でありながら、やわらかなオルガンと耳心地の良いメロディでゆったりと楽しめる。
My Brother the Windなどに比べると、より素朴な空気感で、フォーキーな牧歌性が前に出ている。
11分、14分という大曲も、劇的に盛り上げるわけでもないユルめのダイナミズムでのんびりゆきます。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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AGUSA 「Agusa 2」
スウェーデンのサイケプログレ、アグサの2015年作
2作目となる本作では、女性フルート奏者が加わっての5人編成になり、やわらかなフルートにオルガンの音色、
フォーク風味の土着的メロディで聴かせるサウンドは前作の延長線上。20分、18分という大曲2曲の
アルバム構成であるが、展開を急ぐことなくのんびりゆったり聴かせるスタイルは、まさにユル系バンド。
相変わらずこれという盛り上がりはないのだが、オルガンにフルートが重なる優雅な浮遊感はじつに耳心地よく、
北欧からしか出てこないKebnekajseタイプのサウンドという点では、Kame Lokaなどと同様に愛聴したいバンドですな。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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AGUSA
スウェーデンのサイケプログレ、アグサの2017年作
かつてのKEBNEKAJSEを思わせる、土着的なサイケプログレで過去2作もじつによかったが、
3作目となる本作も、妖しいフルートの音色にオルガンが響き、土着的なギターの旋律を乗せた、
にんまりするほどに北欧らしい空気感に包まれた、トラッド・サイケプログレを聴かせる。
10分前後の大曲を中心に、オールインストであるが、フルートやオルガンの奏でるメロディは、
とても叙情的な味わいで、北欧プログレ好きならば飽くことなくゆったりと鑑賞できるだろう。
オルガン鳴り響くオールドなロック感触も含めて、70年代のSilenceレーベル発掘音源と言われても
信じてしまいそう。ケブネカイゼの後継者として今後ともこのヴィンテージすぎるサウンドを追及して欲しい。
ドラマティック度・・7 ヴィンテージ度・・9 北欧度・10 総合・・8
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Airbag 「Greatest Show on Earth」
ノルウェーのプログレバンド、エアバッグの2013年作
本作はすでに3作目で、サウンドの方はドイツのSylvanあたりに通じる薄暗系のモダンプログレ。
Pink Floydルーツの浮遊感ある繊細な叙情性に、美しいシンセアレンジによるシンフォ要素もあって、
随所にメロウなギターの旋律も覗かせる。11分、16分という大曲をじっくりと構築するセンスも見事で、
マイルドなヴォーカルで聴かせる歌パートに、ギルモアばりの泣きのギターでうっとりとなるインストパートと、
濃密すぎず薄すぎないバランスのよさが光る。新鮮味は薄いが、この手の薄暗系シンフォが好きな方にはたまらないだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Airbag「Disconnected」
ノルウェーのプログレバンド、エアバッグの2016年作
前作はドイツのSylvanあたりに通じる薄暗系の好作であったが、4作目となる本作もメロウなギターワークに
うっすらとしたシンセアレンジで、Pink Floydルーツのモダンな翳りを含んだ空気感に包まれたサウンドだ。
ますます「Kscope化」したというか、Gazpachoなどにも接近したような、薄暗い叙情と耳触りの良さで、
ポストプログレ的な繊細な聴き心地にゆったりと浸れる。随所にギターの泣きのフレーズもよろしく、
シンセによる適度にシンフォニックな味付けが、プログレとしての魅力もしっかり残している。
もはや新鮮味はないものの、このバランス感覚とマイルドな心地よさで、じわじわと染み入るように味わえる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「VASARAASIA」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラメイルマン・ヴァサラットの1st。2000年作
サックス、トロンボーン、チェロを中心にフリーキーな旋律を奏でつつ、けっこう激しめのドラムに、
オルガン、ピアノなどが加わった面白いサウンド。メロディにはどこかサーカス的な愉快さと哀愁があり、
土着性も感じられる。変態系チェンバーロックバンド、Hoyry-koneのメンバーが結成しただけあって、
楽曲的にも一筋縄ではいかないアレンジで、ときに唐突に展開する。
そしていきなりヘヴィなギター入りの曲もあったりでびっくり…と思いきや、これは歪ませたチェロであるらしい。
むしろAPOCALYPTICA状態?ともかく、個性的なバンドが好きな方、激しめのチェンバーが好きな方はぜひ。
メロディアス度・・7 変態度・・8 サーカス度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「KAARMELAUTAKUNTA」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラメイルマン・ヴァサラットの2nd。2003年作
本作も基本は前作からの延長ながら、チェロ奏者が一人増えて音に厚みが増した。
サックス、クラリネットの音色に絡むトロンボーンやチェロの響きにオルガンも加わり、
哀愁をただよわせたトラッド的な味わいの独自の音楽性はより深みを増してきている。
ゆったりとしたピアノを聴かせる曲など、前作よりも叙情性が増したぶん、
いくぶん落ち着いてきている印象もあるが、ザクザクとした歪ませチェロも健在で、
全体的には静と動のメリハリがついた力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 変態度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARATMAAHAN
アラメイルマン・ヴァサラットの3rd。2007年作
一聴してアンサンブル重視となった今作は、Hoyry-koneに近い雰囲気をただよわせる。
重々しいチェロの響きを土台にしつつ、軽やかなクラリネットにオルガンの音色を乗せ
土着的で薄暗くも、そこに浮遊感のあるサウンドを作り上げている。
ときにチェンバー/タンゴ的なノリの良さも加わり、サックスの演奏力も増している。
リズム面でのかっちりとしたロック的な整合性が増したことで、聴きやすさの面ではこれまでの作品で一番か。
メロディアス度・・8 変態度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「HUURO KOLKKO」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラマーイルマン・ヴァサラットの4th。2009年作
トロンボーン、サックス、チェロといった楽器を激しく鳴らして独自の音楽を追求してきたこのバンド
2009年にはついに来日公演も果たし、ますます勢いに乗ってきている。「消えた冒険家」という
意味不明なタイトルの今作でも、のっけから重厚なチェロの音色にサックス、トロンボーンが愉快に絡み、
もはやこのバンドでしか描き出せない、ユーモア溢れるダンディズムといったようなものを匂わせた
独自のサウンドを聴かせる。アヴァンギャルドな天然ポケ的感性の中に、哀愁をにじませているのがいかにも
フィンランド的な情緒であり、メロディカなどの使用も含めて前作以上に音のメリハリがついているのもよろしい。
メロディアス度・・7 変態度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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Alamaailman Vasarat 「Kinaporin Kalifaatti」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラマーイルマン・ヴァサラットの2009年作
Tuomari Nurmioとの競演名義であった2005年作品の再発盤で
ヘヴィなチェロの音色にトロンボーンやサックスが絡み、母国語によるヴォーカルとともに、
シアトリカルな異色のタンゴというようなサウンドを展開、土着的な怪しさたっぷりである。
いわばサーカス的な哀愁を含んだ奇妙なチェンバーロックでもあり、
ヘンタイを本気でやるというジェントルなマジメさすら漂わせたサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・ 7 プログレ度・・7 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Alamaailman Vasarat 「Valta」
フィンランドのチェンバー・プログレ、アラマーイルマン・ヴァサラットの2012年作
Hoyry-Koneを前身に2000年にデビュー、本作は5作目となる。トロンボーン奏者は脱退してしまったようだが、
サックス、トランペット、ホルン、チューバックスなどのブラスサウンドを、大胆にロックに融合させた作風は本作も不変。
歪んだチェロがヘヴィに鳴り響き、ロックなドラムの上に管楽器を乗せた独特の聴き心地に加えて、
ときに哀愁を含んだアコーディオンやメロディカの音色が、ユーモラスな響きで楽曲を彩ってゆく。
ヘヴィなタンゴ調のナンバーなども、ギャグではなく本気のそれで、ある意味では、チェロでメタルをやっている
Apocalypticaなどにも通じるセンスかもしれない。ギターもベースもおらずとも、どっしりと重厚なのがすごい。
ドラマティック度・・ 7 プログレ度・・8 ブラスロック度・・9 総合・・8 
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ALGARNAS TRADGARD「Framtiden ar ett svavande skepp, forankrat I forntiden」
スウェーデンのプログレバンド、エルヤーナス・トレッゴードの1972年作
ボッシュの悦楽の園をジャケにあしらった本作は、北欧の初期サイケの傑作とされる一枚。
うっすらとしたシンセにシタールなどの中近東的な旋律をまじえて、静謐感を漂わせた作風は
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などにも通じるもので、ヴァイオリンやチェロなどが鳴り響く中世音楽的な呪術性を漂わせている。
ドラムが入ってロック感触があるぶん、そう難解すぎるような印象はなく、
チェンバーロック風味の妖しげなトリップミュージックとしても楽しめる。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 妖しげ度・・9 総合・・8
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ALGARNAS TRADGARD 「DELAYED」
スウェーデンのプログレバンド、エルヤーナス・トレッゴードの2nd。2001年作
1973~74年に録音されていたが、未発表のままとなっていた音源のCD化で、
メロトロンやムーグが鳴り響き、妖しい女性スキャットを乗せたサイケロックに、
ヴァイオリン、フルート、シタールなどが加わった、チェンバーロック的な質感を加えたサウンド。
ロック的な躍動感は1st以上のテンションで、ときに土着的なギターのメロディも含ませながら、
得体のしれぬスケール感もまとわせた、怪しげなトリップサイケが楽しめる。異色の力作。
メロディック度・・7 サイケ度・・8 妖しげ度・・9 総合・・8
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All Traps On Earth 「A Drop Of Light」
スウェーデンのプログレバンド、オール・トラップス・オン・アースの2018年作
ANGLAGARDのメンバーを中心にしたバンドで、メロトロンやムーグ、オルガンといったヴィンテージなシンセに
やわらかなフルートの音色、妖しい女性ヴォーカルを乗せて、北欧らしい翳りを帯びたプログレサウンドを展開。
ハードなギターにサックスやトランペットが鳴り響き、クリムゾンを思わせるスリリングなアンサンブルとともに、
ときにチェンバーロック的なシリアスなクラシカル性も感じさせる。10分を超える大曲4曲を中心にした構成で、
優美なピアノやフルートなどの涼やかな叙情美を内包した、静と動の緩急ある展開力も素晴らしい。
まさに、かつてのアングラガルドを神秘的に深化させたような作品だ。あらたな傑作の誕生である。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・8 アングラガル度・・9 総合・・8.5
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Alwanzatar 「Heliotropiske Reiser」
ノルウェーのエレクトロ・プログレ、アルワンザターの2017年作
TUSMORKEのKristoffer Momrakによるソロプロジェクト。フルートが妖しく鳴り響き、
シーケンサーによるデジタルなリズムとシンセの重ねで、神秘的なエレクトロプログレを聴かせる。
一聴して、Tangeline Dreamあたりを思わせるサウンドながら、ムーグやメロトロンを使った
ヴィンテージなシンセとともに、涼やかな翳りを帯びた北欧らしい土着性が感じられる。
10分、16分という大曲では、シンプルなフレーズのリフレインで、気の短い方には向かないが、
美しいメロトロンにフルートが重なる北欧プログレ風味に、オリエンタルなサイケ感触が融合した好作品。
ドラマティック度・・7 エレクトロ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ALWANZATAR 「Fangarmer Gjennom Tid Og Rom」
ノルウェーのエレクトロ・プログレ、アルワンザターの2018年作
TUSMORKEのKristoffer Momrakによるソロプロジェクトの2作目で、エレクトロなシンセに、
フルートやギターによる東洋的な旋律を乗せた、サイケでスペイシーなサウンドを描いてゆく。
シーケンサー的なリズムに乗る、やわらかなフルートの音色や詠唱のようなヴォイスは、
神秘的な浮遊感をかもしだし、デジタルとアナログが同居したような不思議な感触が味わえる。
曲が長くてリフレインが多いので、普通のプログレを楽しむ向きには薦められないが、
怪しくスペイシーなエレクトロ・サイケがイケるという奇特な方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 スペイシー度・・8 総合・・7.5
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ALWANZATAR 「Helsfyr Terminal Ekspress」
ノルウェーのエレクトロ・プログレ、アルワンザターの2019年作
TUSMORKEのKristoffer Momrakによるソロプロジェクトの3作目で、エレクトロなシンセをメインに、
スペイシーで妖しげなインストサウンドを描く。今作では随所にフルートが鳴り響いて、
サイケな浮遊感の中にも、北欧らしい涼やかな叙情性を覗かせる。ロック要素は薄いものの、
シーケーサー的なリフレインによるデジタルトなトリップ感と、アナログなフルートの音色が、
よいあんばいでコントラストになっていて、ゆったりと耳心地よく鑑賞できる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 浮遊感・・8 総合・・7.5 
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AMPERA 「A Vulcanized Mingle」
ノルウェーのプログレバンド、アンペラの2006年作
けだるげな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、サイケ気味の浮遊感と、ゴシック的な薄暗さに
メロトロンが鳴り響く、WHITE WILLOWなどに通じる北欧プログレ感触が合わさったサウンド。
随所に叙情的なフレーズを奏でるギターのセンスもよく、リズムチェンジも含むプログレ的な展開と
妖しげな空気感がバランスよく融合されている。全体的な雰囲気は悪くないので、
あとは楽曲ごとのフックや、インパクトのある展開がもう少しあればと思う。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Anders Helmerson 「End of Illusion」
スウェーデン出身のシンセ奏者、アンダース・ヘルメルソンの1982年作
変拍子を含む軽妙なリズムにムーグやオルガンを含むきらびやかなシンセを乗せ、
1~3分前後の小曲を主体にしたインストサウンドを聴かせる。随所にギターも入ったり、
いくぶん唐突な展開やアヴァンギャルドなセンスもあり、そこにクラシカルな美意識が合わさった、
流れのある構成でキーボード組曲ふうに楽しめる。北欧らしい涼やかなメロディも感じさせる、
80年代キーボードプログレの逸品だ。本作を残した後、活動をブラジルに移して、2002年には、20年ぶりの作品を発表する。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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Anderson/Stolt 「Invention of Knowledge」
Yesのジョン・アンダーソンとTHE FLOWER KINGSのロイネ・ストルトによるユニットの2016年作
まさかという組み合わせのユニットであるが、内容もまさしくジョン・アンダーソンの透明感のある歌声を活かした
繊細なシンフォニックロックサウンドで、トム・ブリスリンとラレ・ラーションによる美しいシンセアレンジに、
ロイネのメロウなギターワークが重なる優雅な聴き心地。ヨナス・レインゴールドとフェリックス・レーマンという、
フラキン組のリズム隊に、ダニエル・ギルデンロウ(Pain of Salvation)、ナッド・シルヴァンらがコーラスに参加。
ようするに、バックはほとんどTFK関連の北欧プログレ状態。キャッチーで涼やかな叙情性をジョンの歌声で包み込み、
ロイネの抜群のギターワークも楽しめるという。まさにYes+TFKという、プログレファンには桃源郷のような作品だろう。
10~20分ずつ4パートに分けられたアルバム構成も見事で、実力者たちが結集したジョンのための傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 繊細度・・9 ジョンの歌声度・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN 「vemod」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの1st。1993年作
のっけからメロトロンの音色で始まり、続いてクリムゾン的なギターの重ねで
レトロな質感とともに、ヘヴィシンフォニックサウンドが始まってゆく。
この薄暗さと、ある種の終末的な雰囲気は、この後のバンドに大きく影響を与え、
懐古主義的な70年代へのオマージュとともに、北欧プログレの叙情性の指針ともなった。
バンドは2nd、3rdと、そのサウンドの密度を高めながら深化してゆき、現在では
もっとゆるやかな叙情美を追求してゆくことになるが、一聴してのインパクトの点では、
本作を最高作と挙げるファンも多いだろう。90年代北欧シーンの原点となる1枚だ。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANEKDOTEN「NUCLEUS」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの2nd。1995年作
1st「VEMOD/暗鬱」はリフの繰り返しの多さも含めて、いくぶん粗削りな作風であったのだが、
この2ndになると、楽曲アレンジが緻密になり、展開にドラマティックな起伏がついてきた。
ほとんどスタジオ一発録りだったという1stに比べて、計算されたダイナミズムにより、
メタルファンにも聴けるヘヴィパートがあるかと思うと一転、北欧的な静寂パートへの切り返しが見事。
そして、ここぞとばかりに盛り上がるメロトロンパートでは、「北欧のクリムゾン」と呼ばれる
面目躍如たる寒々しい叙情が襲いかかってくる。次作と並んでバンドの代表作である。
北欧叙情度・・8 重厚度・・8 メロトロン度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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ANEKDOTEN「From Within」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの3rd。1999年作
ANGLAGARDに続いて現れたこのバンドは、北欧のクリムゾンとも呼ばれるそのサウンドで
コアなリスナーからの支持とともに90年代プログレの復興に大きな存在感を示した。
本作は、傑作だあった2nd「NUCLEUS」のドラマティックさに加え、1st「vemod」の
ヘヴィなダークさを併せたような最高傑作。鳴り響くメロトロンによる寒々しい叙情美と、
ゆるやかなダイナミズムが融合され、これぞアネクドテンというサウンドが展開される。
4th以降はゆったりとした薄暗系シンフォニックになってゆき、それはそれで好きなのだが
ぐいぐいと押し寄せてくる音のインパクトの点では、本作が絶頂期だったとも言えるだろう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「Official Bootleg Live in Japan」
スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのライブ作。
1997年の初来日公演の模様を収録。1st「Vemod」からの曲を中心に、
2nd「Nucleus」そして、この時点での新作「From Within」からの曲も先行演奏。
肝心のメロトロンは残念ながら空輸の関係からサンプリングとなっているが、
それでも北欧の寒々しい叙情を配した彼らならではのサウンドが堪能できる。
現在の彼らよりはややラフな荒々しさがあるが、それもむしろ魅力的で、
北欧のクリムゾンとも謳われるヘヴィシンフォニックサウンドが炸裂している。
CD2枚組で長尺感があり、音質的にも最高ではないのでファン向けのアイテムではあるが。
ヘヴィシンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 音質(臨場感)・・7 総合・・7.5
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ANEKDOTEN「GRAVITY」
スウェーデンのヘヴィシンフォバンド、アネクドテンの4th。2003作
初期~中期クリムゾン的ヘヴィネスに北欧的な寒々しい叙情を付加し、独自の地位を築いてきたこのバンド。
来日やアメリカでのライブなど、精力的な活動を続け、一時は休止状態だったらしいが、
こうして無事4thアルバムが完成した。結論から言うと、非常に聴きやすいアルバムである。
かつてのヘヴィさ、ダークさをやや抑え目に、バンドとして自然体で作り上げたという印象で、
いつも以上に心地よい歌メロは、プログレファンのみならず一般のリスナーにもアピールできるはず。
もちろん、彼らの最大の持ち味であるメロトロンもここぞという時には盛大に鳴らされ、
楽曲の叙情性に拍車をかけている。ヘヴィで暗鬱さを求めるリスナーには肩すかしだろうが、
純粋に気持ちよく聴けるという点で、評価できるアルバムであると思う。
シンフォニック度・・8 ヘヴィ度・・6 メロトロン度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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ANEKDOTEN「Waking The Dead Live In Japan 2005」
スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのライブ作。2005作
2005年2月の二度めの来日公演のベストテイクを収録したというだけあって、
その音の迫力と演奏のテンションは彼らのディスコグラフィー中でも最高のもの。
鳴り響くメロトロンの美しさ。北欧らしい薄暗いサウンドの中に聴きやすいメロディを封じ込め、
クリムゾン的なヘヴィさと、サイケロック的な浮遊感を同居させたこのバンドの神髄が味わえる。
曲は「From Within」「Gravity」からのものを中心にしており、ステージ全体の統一感もあるので
アネクドテンをこれから聴くという方の入門用にもうってつけ。見事なライブ作品だ。
ヘヴィシンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「A Time Of Day」
スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンの2007作
5作目となる本作は、前作の延長上の音作りで、マイルドな薄暗さのあるメロトロン入りロックという趣だ。
プログレ的な要素はさらに減少していて、初期のファンからするとおとなしすぎるサウンドに思えるだろうが、
むしろ独特の内的な叙情美はさらに深まっているとも言え、このモダンさとゆるやかな音が心地よい人にはたまらないだろう。
ハモンドやピアノ、フルートなども効果的に使われ、暗がりのなかに漂う哀愁と、うすもやのような耽美な質感が巧みに表現されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 メロトロン度・・8 総合・・8
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ANEKDOTEN「Chapters」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンのベストアルバム。2009作
1993年の衝撃のデビューから15年がたち、今や名実共に北欧のプログレシーンを代表する存在となったこのバンド。
これはバンドの歴史を綴る2枚組みのベストで、Disc1には3rd「From Within」以降のアルバムから11曲を収録。
メロトロンが鳴り響くレトロな感覚を北欧的な叙情性と合体させたサウンドは、これ以後の多くのバンドに大きな影響を与えることとなった。
Dusc2には未発音源や別バージョン、初期のデモなどの貴重なテイクを収録。
現在よりもクリムゾン色の強かった、初期の楽曲がまた違った雰囲気で楽しめる。
このバンドの入門用にはもちろん、コアなファンにも対応したベストである。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANEKDOTEN 「Until All the Ghosts Are..」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの2015年作
1993年にデビュー、メロトロンを鳴り響かせるヴィンテージなスタイルで、LANDBERK、ANGLAGARDらとともに
北欧の新たなプログレシーンを活性化させた。今作は8年ぶりとなる6作目で、のっけからメロトロンの響きとともに
1stの頃のようなヘヴィな浮遊感に包まれたサウンドでにんまり。4th以降のマイルドな薄暗さをいくぶん凶暴にしたイメージで、
そこにサイケロック的な怪しさをたっぷりとまぶしたという聴き心地。70年代ハードロック的なギターリフもじつに確信犯的で、
1曲目は最近のOPETHあたりに接近したような感じもある。一方では、パンドとして熟成されたゆったりとした叙情性も耳に心地よく、
聴き手に世界に浸らせる強度がさらについてきた。フルートが鳴り響くゆるやかなパートは夢の中の桃源郷のごとし。見事な傑作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 薄暗浮遊感・・9 総合・・8
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ANGLAGARD「Hybris」
スウェーデンのプログレバンド、アングラガルドの1st。1992年作
当時、ANEKDOTENに先駆けて現れたこのバンドが、90年代北欧プログレの
活性化の一端をになったことは間違いがない。個人的にも、当時「ザ・シンフォニック組曲」という
邦題で店頭に並んでいた本作を聴いたときには、かなりの衝撃を受けたものだ。
クリムゾン的な緊張感に北欧の土着メロディを加え、そこに鳴り響くメロトロン、フルートと
好事家にはたまらないサウンドで、北欧の薄暗い森を思わせる神秘的な雰囲気も素晴らしい。
10分台の曲が3曲もあるという大作志向にもしびれたし、ANEKDOTENのヘヴィネスに比べると
こちらはずっとトラディショナルで、メロディに素朴な土の香りが感じられるのも魅力的だ。
バンドはこの後2nd「Epiloge」、ライブ盤「Buried ALive」を発表後にいったん解散する。
彼らの残した2枚のアルバムは、これからも北欧プログレの遺産として語り継がれるだろう。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・9 北欧度・・10 総合・・9
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ANGLAGARD Epilog
スウェーデンのプログレバンド、アングラガルドの2nd。1995年作
90年代の北欧プログレの先駆けとして、2枚のアルバムを残したこのバンド。
繊細でメロウな叙情美という点では、1st「Hybris」の方を挙げますが、
クリムゾン的なメロトロンにハモンドが鳴り響くヘヴィプログレとしてはむしろこちらか。
90年代以降のバンドらしいテクニカルな展開力とともに、後のANEKDOTENへと継承される
ヴィンテージな感触の懐古主義的味わいもある。また繊細なフルートの音色など、
静寂パートの美しさは息をのむほどで、本作もやはり名作といえるだけの出来ばえです。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 北欧度・・9 総合・・8.5
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ANGLAGARD「Viljans Oga」
スウェーデンのプログレバンド、アングラガルドの2012年作
1992年、95年に、二作の傑作を残し消えたこのバンドが、なんと17年ぶりとなる復活作を出した。
10分以上の大曲4曲という構成は、名作である1st「Hybris」を思わせるが、サウンドもかつてのまま。
やわらかなフルートの音色に導かれ、うっすらとしたメロトロンを響かせつつ、北欧らしい薄暗い叙情に包まれた、
「これぞアングラガルド!」という世界観である。変拍子を含んだ起伏に富んだ展開力、静と動のダイナミクス、
じわじわと聴き手のイメージを広げてゆくような作風、そのセンスは相変わらず素晴らしいという他にない。
随所にギターによるメロウなフレーズも効いていて、シンフォニックロックとしてもしっかりツボを押さえている。
初期クリムゾンから受け継がれる空間的スケール感をじっくりと構築、体現してゆくその姿勢は、
いわばポップ化における「収束」とは真っ向から対立する格好よさだ。1st、2ndを超えようかという傑作である。

ドラマティック度・・8 北欧度・・9 アングラガル度・・10 総合・・9
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ANGLAGARD 「Prog pa Svenska : Live in Japan 」
スウェーデンのプログレバンド、アングラガルドのライブ作品。2014年作
2012年に復活作「Viljans Oga」を発表、その後2013年に来日を果たした、そのステージをCD2枚に収録。
やわらかなフルートの音色に包み込むようなメロトロンの響き、クリムゾン的なヘヴィネスを
北欧らしい薄暗い叙情に溶け込ませた、見事なアンサンブルがライブにおいても再現されてゆく。
ほとんどの曲は10分以上ながら、緊張感漂う展開力と、随所に美しいメロディを盛り込んだ楽曲は、
他のバンドには真似のできない高い芸術性とともに土着的な香りも内包している。
1st~3rdまでのアルバムからまんべんなく選曲されているのも嬉しい。ファンは必聴のライブ作品。
ドラマテイック度・・9 プログレ度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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Anglagard 「23YEARS OF HYBRIS」
スウェーデンのプログレバンド、アングラガルドの1992年作「ヒブリス」23周年記念ボックスセット。2015年作
90年代北欧プログレを代表する名作の最新リマスター音源に、アルバム制作前後のデモ、ライヴ等の未発表音源、
さらにはリリース後のラジオインタビューを収録した、3CDボックスという豪華な商品である。500セット限定ナンバー入り。
アルバム自体の出来に関しては、薄暗い叙情性とセンスあふれる展開力で聴かせる問答無用の大傑作。別途レビューを参照。
Disc2には1993年のライブ音源4曲に、1991~92年録音のデモを4曲収録。番組用の音源なのか、宣伝ナレーションが入ってきて
少々わずらわしいのだが、「Buried Alive」以外での当時のライブ音源ということでファンはよしとしよう。その他、グレッグ・プットマンなる
人物の語りに曲ともいえない即興的な演奏のナンバーや、TRETTIOARIGA KRIGETのカヴァーなど、ある意味では貴重なテイクも収録。
デモ音源の方は、瑞々しい感性に彩られたアルバム収録曲のプロトタイプで、これだけでも本ボックスの価値があるかもしれない。
すでにアルバムを持っている方には高額なボックスだろうが、本作に幻想のロマンを描くような方ならば入手して損はない。
名作度・・9 アングラガル度・・9 お値段・・5 総合・・8.5
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Anima MorteFace the Sea of Darkness
スウェーデンのシンフォニックロック、アニマ・モルテの2007年作
北欧らしい薄暗い叙情とミステリアスな雰囲気で聴かせるシンフォニックロック。
たおやかなフルートの音色に、美しいシンセとメロウなギターがかぶさり
かつてのANGLAGARDに通じるような質感と、レトロなヴィンデージ風味も感じられる。
キーボードたっぷりで、MORTE MACABLEをより美しくしたという言い方もできるか。
オールインストなので濃密さの点ではやや物足りないが、メロディの豊穣さで飽きさせない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Anima Morte「The Nightmare Becomes Reality」
スウェーデンのプログレバンド、アニマ・モルテの2011年作
前作はANGLAGARD+MORTE MACABLEというような薄暗い世界観の好作であったが、
本作もメロトロンが鳴り響き、メロウなギターとともに、ミステリアスな雰囲気を描くサウンド。
ダークな感触のヘヴィシンフォという点では、むしろANEKDOTENにも近づいたかもしれないが、
一方では美しいピアノやフルートの鳴る優雅な耳心地は、やはりANGLAGARD的でもある。
前作よりも、アーティスティックな思い切りが感じられることで、スケール感が増している。
北欧プログレ好きはぜひチェックすべし。ANGLAGARDのMattias Olssonがゲスト参加している。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8


Anima Morte 「Upon Darkened Stains」
スウェーデンのプログレバンド、アニマ・モルテの2014年作
ANGLAGARDやANEKDOTENなどを思わせるサウンドで過去2作も力作だったが、3作目となる本作も、
優雅なピアノの音色にムーグシンセやメロトロン、オルガンといったヴィンテージなシンセが重なり、
適度にハードめのギターとともに、薄暗系のインストシンフォサウンドが広がってゆく。
フルートも鳴り響く北欧らしい涼やかな叙情と、ミステリアスな緊迫感も含んだ聴き心地は、
やはりMORTE MACABREにも通じるだろう。オールインストなので、ここぞという盛り上がりはないのだが、
このバンドらしい世界観が確立しているという点では、安心して浸れる作品と言ってよいだろう。
ドラマティック度・・8 薄暗度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ANJA 「Leaving The Alley Of The Dead Trees」
スウェーデンの女性SSW、アンジャの2007年作
アコースティックギターのつまびきに、いくぶんハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、
随所にドラムにシンセも加えた、涼やかな味わいのフォークロックを聴かせる。
パル・リンダーが参加していて、メロトロンやオルガンなどを使ったプログレ寄りの感触もあり、
翳りを帯びた北欧らしい叙情性も味わえる。ANJA嬢の歌声は、しっとりと落ち着いた感じで
華やかさはないが、素朴な土着性を感じさせる。楽曲は3~4分前後とわりとシンプルで、
牧歌的なフォークと北欧風味が合わさった、ユルめのアシッド・フォークロックとしても楽しめる。
北欧度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ANNOT RHUL 「LEVIATHAN」
ノルウェーのプログレバンド、アンノット・ルールの2014年作
のっけから14分におよぶ大曲で、ミステリアスなイントロから、メロトロンやオルガンを含むシンセに
メロウなギター、マイルドな男性ヴォーカルに女性ヴォーカルを加えた、幻想的なサウンドを聴かせる。
北欧らしい涼やかな叙情性とサイケ的でもある浮遊感が同居したサウンドは、ゆったりとした味わいながら、
ほどよい展開力とヴィンテージな空気感を含んでいて、同郷のD'accord あたりにも近い感触で楽しめる。
スペイシーなシンセとギターによるインストパートを中心に、随所に歌を乗せたユルめの叙情とともに、
まったりと鑑賞でき、ラストの12分の大曲では、女性コーラスやストリングスを加えた優美な叙情に浸りつつ、
うっすらとしたメロトロンにいくぶんハード寄りのギターが重なって、プログレらしいスリリングな展開も覗かせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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Anssi Tikanmaki 「Pizza A La」
フィンランドのミュージシャン、アンシ・ティカンマキの1994年作
牧歌的なアコーディオンの音色に軽やかなピアノ、PEKKAを思わせる北欧らしい繊細さと
軽妙なアンサンブル、随所にオーケストラルなアレンジも加わったサウンドは、
アカデミックで優雅でありながらも、どこか人懐こい温かみを感じさせる。
男女ヴォーカルの母国語の歌声が入ると、北欧トラッド的な感触も加わってなごめます。
ティカンマキ・オーケストラ名義になる前の、90年代の作品も素晴らしいんですね。ペッカのファンもぜひ。
メロディック度・・8 クラシカル度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Anssi Tikanmaki Orchestra「TUNTEMATON MAA」
映画音楽なども手がけるフィンランドのアンシ・ティカンマキによる2006作
ペッカ+エニドというタタキにつられ購入。北欧的な素朴なメロディにフルート、アコーディオンの
音色がからまり、そこに管弦楽隊が加わると、壮麗なオーケストレイションが現れる。
映画音楽的な1曲めから、続く2曲めは人を食ったようなユーモラスなメロディが確かにペッカ的。
しかしそこから泣きのギターが加わり、シンフォニックに展開する様はかなり極端だが面白い。
オールインスト作品ながら聴き所は多く、オーケストラの緻密なアレンジはもちろん
ときにはメタリックなギターも出てきたり、シリアスな重厚さとモダンな軽さとのギャップが楽しい。
現代クラシックの優雅さとシンフォニックロックのダイナミズムを融合させ、そこに
北欧トラディショナルの雰囲気をユーモアをまじえてセンスよく取り入れた大胆な作品だ。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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ANSSI TIKANMAKI ORCHESTRA「H2O」
フィンランドのミュージシャン、アンシ・ティカンマキの2009年作
映画音楽なども手がける才人ということであるが、前作「TUNTEMATON MAA」
現代クラシックをプログレ化させたような素晴らしい作品であった。「知られざる国」シリーズの3作目である
本作もまた、美麗なオーケストレーションをたっぷりと取り入れ、それを北欧的な素朴な叙情と融合、
結果としてENID+ペッカ・ポーヨラというような、温かみのあるクラシカルシンフォになっている。
アコーディオンの音色などのユーモラスな雰囲気は、チェンバーロック的でもあり、
単なるシンフォニックロックとは異なるベクトルで生み出された、とても北欧らしい作品だ。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Tikanmaki Attack「Anthems」
フィンランドのミュージシャン、アンシ・ティカンマキによるプロジェクトの2012年作
Anssi Tikanmaki Orchestraの方ではアカデミックなシンフォニックロックを聴かせてくれるが
本作は、フィンランド、スウェーデン、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカ、イギリスの国歌と
フィンランディア賛歌をハードロックアレンジしたという異色の内容で、シンフォニックなシンセと
ハードめのギターにより、激しい疾走も含んだメタル風味の勇壮なサウンドに仕上がっている。
なじみのあるメロディが随所にあるので難しくなく楽しめ、クラシカルなアレンジセンスもさすが。
CHILDLEN OF BODOMのローペ・ラトヴァラがギターで参加している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 勇壮度・・8 総合・・8
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ANSSI TIKANMAKI 「MAISEMAKUVIA SUOMESTA」
フィンランドのミュージシャン、アンシ・ティカンマキの2016年作
70年代から活動する作曲家で、1981年のデビュー作「フィンランドの風景」に、2004年のライブを加えた2枚組。
壮麗なオーケストラにサックスが鳴り響き、叙情的なギターの旋律が加わって涼やかな空気を描く、
北欧版THE ENID、あるいはMIKE OLDFILEDというような優美でシンフォニックなサウンド。
北欧らしい土着的なギターフレーズや、繊細なピアノにフルートの音色、美しいストリングスにうっとりしつつ、
軽妙でジャズロック的なとぼけた雰囲気もあり、TRIBUTEPEKKAなどが好きな方にも楽しめるだろう。
Disc2のライブは、デビュー作全曲に5曲を加えた構成で、原曲を忠実に再現しつつ、オーケストラをツインシンセに変えて
サックスを加えたジャズロック寄りの軽快なアンサンブルで、エニド+ペッカというような優雅な演奏が味わえる。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANTI-DEPRESSIVE DELIVERY「FEEL MELT RELEASE ESCAPE」
ノルウェーのハードプログレバンド、アンチ・デプレッシブ・デリバリーの2004作
面白いことに、このバンドメンバーは皆デスメタル関係でバンド活動をしていた経緯をもつ。
したがってサウンドの方は、いわゆるDREAM THEATER系のProgMetalとも、
シンフォニック系のプログレハードとも異なり、変拍子リズムを使用したギターリフに
時々デスチックになるドラミング、そこにヴィンデージ調のキーボードが重なり
目新しくないようでいて、意外にこのタイプはいない、というものになっている。
時に古めかしいハモンドや、まるでANEKDOTENのようなメロトロンが盛大に鳴り響き、
メロディにはキャッチーさをかいま見せつつも北欧のバンドらしいさびれた風情をかもしだす。
難解さよりはプログレ・ロック的なノリがあるので、複雑すぎる変態系が苦手な人にも聴けるだろう。
ACT、ANEKDOTEN、PAIN OF SALVATION、MATS/MORGANあたりに通じる要素も感じられる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
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Antidepressive Delivery「Chain of Foods」
ノルウェーのプログレバンド、アンチデプレッシブ・デリバリーの2009年作
前作はレトロなプログレ感覚をプログレメタル的な演奏に融合させた力作であったが、
今作ではぐっと肩の力の抜けたヴィンテージなロックをやっている。鳴り響くオルガンの音色に
マイルドなヴォーカルの歌声で、古き良きブリティッシュロック的でもある演奏を聴かせる。
楽曲におけるメロディの盛り上がりもごく自然体なので、プログレうんぬんを考えずに聴き通せる。
前作のミスマッチProgMetalのヘンタイ感覚が好きだったリスナーには肩すかしかもしれないが、
これはこれと割り切って楽しめるのは、さすが技量の高いメンバーのやる音楽である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 レトロロック度・・8 総合・・8
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aquaplan 「Old Waves New Seas」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、アクアプランの2007作
変拍子入りの軽やかなアンサンブルに母性的な女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンド。
メロウなギターフレーズなども含めて初期のQUIDAMなどを思わせる作風で、
そこに北欧らしい爽やかさと牧歌的な叙情を加味したようなアルバムである。
優雅なピアノで聴かせるジャズタッチの感触もあり、全体的に派手さよりも
繊細でやわらかなサウンドが耳心地よく、ゆったりと楽しめる。
シンフォニック度・・7 繊細叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

ARABS IN ASPIC 「Pictures in a Dream」
ノルウェーのプログレバンド、アラブス・イン・アスピックの2013年作
70年代ロックのヴィンテージなアナログ感覚に包まれたサウンドで
メロトロンやオルガンを含んだシンセに、北欧的な叙情とサイケ風味の浮遊感が同居した
ゆるやかな聴き心地。牧歌的なヴォーカルの味わいとともにのんびりと楽しめる作風と、
70'sブリティッシュハードロックのブルージーな要素が前に出てきて、オールドなロックファンもにやり。
70年代ノルウェー伝説のバンド、RUPHUSのヴォーカルがゲスト参加しているのも興味深い。
ドラマティック度・・8 ヴィンテージ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Arabs in Aspic 「Syndenes Magi」
ノルウェーのプログレバンド、アラブス・イン・アスピックの2017年作
妖しいジャケもいい感じだが、のっけからメロトロンが鳴り響き、ハード寄りのギターを乗せて
クリムゾン的な緊張感とサイケな浮遊感を同居させた、ヴィンテージなサウンドを聴かせる。
オルガンをバックにブルージーなギターを重ねた、古き良き70年代英国ロック風味に、
どことなく、グレッグ・レイクを思わせるマイルドなヴォーカルの味わいも確信犯的だ。
12分、9分、20分という全3曲で、ラストの大曲の後半はさすがに長尺感があるが、
のんびりとしたサイケ感が楽しめる方には、ヴィンテージプログレの力作となるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・9 総合・・8
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ARSTIDIR 「NIVALIS」
アイスランドのポストプログレ、アルスティディアの2018年作
うっすらとしたシンセにやわらかなギター、マイルドなヴォーカルを乗せた繊細なサウンドで、
Sigur Rosあたりにも通じる涼やかな叙情性に包まれたゆったりとした耳心地。
ヴァイオリンやチェロなどのストリングスが優雅に重なるシンフォニックな質感に
キャッチーな歌もの感が同居したソフトな聴きやすさもある。楽曲は2~4分前後と
わりとシンプルなのでプログレ的な展開力というのはさほどないが、北の大地を思わせる
涼やかな空気感とともに、ストリングス入りのポストプログレとして楽しめる好作品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Art Deco 「Syvaan Uneen」
フィンランドのプログレバンド、アート・デコの2013年作
女性ヴォーカルの母国語の歌声と、やわらかなシンセアレンジ、メロディックなギターとともに聴かせる
いくぶんの土着性を含んだキャッチーなサウンド。変則リズムを含んだ軽妙なアンサンブルと、
北欧らしい叙情性はKAIPAあたりにも通じるが、こちらりはよりスタイリッシュでお洒落な雰囲気。
つまりライトなポップ性があるのだが、それを北欧のトラッド的旋律と融合させているのが絶妙のセンス。
13分を超える大曲では、アヴァンギャルドな展開とともにエキセントリックな側面も垣間見せる。
なかなかあなどれないセンスと懐の深さを感じさせるバンドである。今後の活動にも注目したい。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ARTTU TAKALO 「Protocols of Dancing」
フィンランドのアーティスト、アトゥ・タカロのソロ、2008年作
XLのメンバーとして活躍したミュージシャンで、MIDIヴァイブ、シンセを操り、
モダンなエレクトロ風味に軽妙なフュージョンロックを融合させたというサウンド。
美しいストリングスをバックにコロコロとしたヴァイブの音色やサックスが鳴り響くなど、
クラシックやジャズなどの要素をミニマムに取り入れるセンスも心憎い。
一方では、PEKKAにも通じるやわらかな叙情性も垣間見せる。モダンな軽妙さと、
繊細な優雅さが同居した好作品。XLのヤルモ・サーリがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・8
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ARTTU TAKALO「Truth in Dark Phrases
元XLのアトゥ・タカロのソロ、2010年作
どっしりとしたドラム、ベースのリズムに、エレクトロなシンセやヴァイブ、シロフォンの音色を乗せた、
モダンなチェンバーロックサウンド。今作ではロック寄りのギターがより活躍していて、
メロウな旋律を奏でる部分では、美しいシンセアレンジも相まってシンフォニックな感触になる。
今作でもストリングスによる味付けがサウンドに優雅な厚みを与えていて、北欧らしい人懐こいメロディや
繊細な美意識というのは、やはり偉大なる先人、ペッカ・ポーヨラ譲りのセンスと言ってよいだろう。
スリリングな部分は少ないが、ジャズ色も含んだ優雅なサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・8
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Arttu Takalo 「Songsofsadpeople」
フィンランドのプログレバンド、元XLのアトゥ・タカロの2012年作
たおやかなピアノにストリングスが絡む1、2曲目は、まるでペッカのような美しさだが、
3曲目からはお得意のミディ・ヴァイブを使った、軽やかでモダンなナンバーが楽しめる。
コロコロとした軽妙な聴き心地の中にも知的な構築力を覗かせるところは、やはりかつてのXLを思わせ、
Pekka Pohjolaのアーティスティックな優雅さを現在に受け継ぐようなサウンドとも言えるだろう。
叙情的なギターも随所によい感じで、派手さはないがじわじわと繊細な感性が溢れ出す好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 軽妙度・・8 総合・・8
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ARTTU TAKALOSept.Naif」
アトゥ・タカロのソロ、2014年作/邦題「7つの純真」
XLの解散後は旺盛なソロ活動をしている印象であるが、本作はエレクトリック・ヴィブラファンの音色に
アコーディオンが重なり、ストリングスの響きとともに哀愁の叙情をより感じさせる作風になっている。
2~4分台の小曲を中心にしつつ、渋みのある男性ヴォーカルの歌声を乗せたタンゴ調のナンバーや
MIDIヴァイブの透明感のある響きを前に出したジャズ調のナンバーなど、それぞれに味わいがある。
ペッカ的なシンフォニックな美しさは薄れたが、内省的な大人の情緒を強めた好作となっている。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 哀愁度・・8 総合・・7.5
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ASOKA 「36 Years Later」
スウェーデンのプログレバンド、アソカの2007年作
1971年に唯一のアルバムを残したバンドの、なんと36年ぶりとなる作品。
ブルージーな味わいの古き良き70年代風味と、やわらかなエレピとオルガンが鳴り響き
スウェーデン語のヴォーカルで聴かせる、大人の味わいに包まれたサウンド。
随所にメロウなギターフレーズも入ってきて哀愁を含んだ叙情も感じさせる。
ジャジーな渋さもあるヴィンテージロック、オルガン入り北欧ロックとしても楽しめる好作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 70's度・・9 総合・・7.5






BABY GRANDMOTHERS 「MERKURIUS」
スウェーデンのサイケロック、ベイビー・グランドマザーズの2018年作
Kebnekajseのメンバー3人によるバンドで、1968年のEP以来、じつに50年ぶりとなる作品。
わりとハードなギターを乗せたロック感触に、サイケな浮遊感とヴィンテージな味わいで、
アナログ感たっぷりのアンサンブルを聴かせる。ときおり覗く北欧らしい土着的な雰囲気は
やはりケブネカイゼに通じるような感触もあり、随所にオルガンなどのシンセを加えた、
フリーキーなユルさに包まれた聴き心地は、Dungenなどのファンにも楽しめるだろう。
これという展開もなく、全35分のスタジオセッション的な内容ですが、これぞサイケです。
サイケ度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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BALTIK
スウェーデンのジャズロックユニット、バルティックの1973年作
ジャズ系のギタリスト、Jan Schafferを中心に、Bjorn Jason Lindh、LIFEのAnders Nordh、Paul Sundlin
さらには元QUATERMASSのJohn Gustafsonなど、多数のミュージシャンが参加、
ハード寄りのギターを乗せたインストナンバーから始まるが、その後は美しいピアノに女性ヴォーカルの
しっとりとしたナンバーや、男性ヴォーカルのフォーク風味のナンバーなど、ジャズタッチの優雅さや
アコースティックな牧歌性に包まれた味わいながら、ブルージーなギターが入ったノリのよいロックナンバーも現れて、
なかなか楽しめる。男女Voの歌唱力も含めて演奏陣のレベルも高く、一級品の作品に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 ジャズ&ブルーズロック度・・8 総合・・8
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Barracuda Triangle 「Electro Shock Therapy」
スウェーデンのプログレバンド、バラクーダ・トライアングルの2014年作
The Flower Kingsのヨナス・レインゴールド、トマス・ボディーン、フェリックス・レーマンによるトリオバンドで、
のっけからメロトロンの音色を乗せて、KING CRIMSONを思わせるヘヴィなアンサンブルが広がる。
キーボードトリオの編成ながら、ヨナスがベースとギターを兼任しているので、インストながらも重厚な聴き心地で、
随所に北欧らしい叙情性を覗かせるのは、やはりトマスの美しいシンセワークによるところが大きいだろう。
リズム関しては空間を重視したフリーな感触もあって、その辺も含めてクリムゾン的な実験性も感じさせる。
いわば「クリムゾン化したTFK」というような作風であるが、一方ではヨナスのベースをじっくりと聴かせるパートや、
手数の多いフェリックスのドラムがタイトに躍動するパート、そしてトマスの繊細なシンセをメインにした小曲などもあり、
各メンバーの技巧とそれぞれのセンスをたっぷり味わえるのも嬉しい。フラキンファンはもちろん必聴ですよ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アンサンブル度・・8 総合・・8
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BEARDFISH「fran en plats du ej kan se...」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ビアードフィッシュの1st。2003作
メンバーは皆若そうであるが、音のほうは70年代テイスト溢れるレトロなロックサウンド。
シンフォニックというよりは、かつてのブリティッシュロックを思わせるブルージーな部分もあり、
そこに北欧的なメロディセンスをまぶしたという印象。ハモンド、ムーグなどのシンセワークは
いかにもプログレ的であるが、ギターやヴォーカルには古き良きロックの枯れた味わいがあり、
全体的に新人らしからぬ感性を感じる。最近の北欧ではレトロとモダンの融合がトレンドなのか。
ラストは15分の大曲で、これは北欧シンフォニック好きなら膝を叩く、なかなかの出来。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 70'sロック度・・8 総合・・7

BEARDFISH 「The Sane Day」
スウェーデンのプログレバンド、ベアードフィッシュの2005年作
本作は2作目で、CD2枚組の大作。ブルージーなレトロロックという印象だった1stから、
オルガンを含むシンセが前に出て来て、ぐっとプログレ寄りの作風になっている。
マイルドなヴォーカルを乗せた北欧らしい涼やかな叙情性とキャッチーなフックもありつつ、
サイケな感じのジャケが示すように、構築的すぎない適度なユルさがとぼけた味わいになっている。
巧みなインストパートは、ときにThe Flower Kingsを思わせる部分もあるが、こちらはさらに70年代ルーツの
ヴィンテージロック感漂わせていて、ブルージーなアンサンブル感を北欧プログレで解釈したというべき力作である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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BEARDFISHSleeping in Traffic:Part One
スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの3rd。2007年作
1stを聴いた時点ではブルージーでレトロな70'sロック風という印象だったが、本作では一聴して音のダイナミズムが増している。
70年代を思わせる懐古的なロックを基盤にしているのは同じだが、北欧的な叙情が増し、メロトロンなどもより効果的に使われている。
曲におけるメリハリのつけ方や、聴かせ所をしっかりと盛り上げることで楽曲の説得力が増して、聴いていてぐいぐい引き込まれる。
ブリティッシュハードロック的なヘヴィさと、ブルージーでサイケな質感を上手に北欧プログレの要素にくるめたセンスが光っている。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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BEARDFISH「Sleeping in Traffic:Part Two」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ビアードフィッシュの2008作
前作の続編ということだが、どんなコンセプトなのかは詳細は不明。今作もハモンドなどを掻き鳴らし、
70's英国ロック風の演奏はより深みを増しており、やわらかなメロディをまじえながら、ほんのりと北欧風味も忘れないのが見事。
しかし、このレトロなセンスは、その本気ぶりもさることながら、ロックとしてのグルーブ感がしっかり曲を支えているのもなかなか素晴らしい。
これはもはやオルガンロックの傑作といってもよいほどだが、よくよく聴けば、ちゃんと現代的な構築性を持っているので、
決して古くさいだけではないのである。最後には35分の大曲が待ち構えていて、本作が大変な力作であると知れる。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・10 オルガン度・・8 総合・・8
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BEARDFISH「Destined Solitaire」
スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの2009年作
前作でやりすぎなまでの70年代懐古的なプログレサウンドを確立したこのバンド、
インパクトのある三面開きのジャケとともに内容もまた濃い濃い。鳴り響くハモンドの音色に、
70年代的なロックギターと唸るベース、一聴して音の存在感と説得力が一回り増したことを感じさせる。
今作ではそのレトロなサウンドに、The Flower Kings的なシンフォニックの構築性を加えて
緩急とメリハリを付けながらじっくりと盛り上げてゆく手法がなんとも心憎い。
グルーブ感たっぷりのシンプルな躍動感と、変拍子やシンセなどプログレとしてのお約束も
しっかりと盛り込みつつ、ときにユーモアある軽い脱力感や映画的な効果音なども含めて、
過去と現在、未来をリンクさせるようなコンセプチュアルなビジョンもかいま見える。大変な傑作。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・8 濃密度・・9 総合・・8.5
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BEARDFISHMammoth
スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの2011年作
70年代的なヴィンテージ感覚を有したサウンドで、密かに北欧プログレの筆頭格にまで
上がりつつあるこのバンド、本作は大傑作となった2009年作に続く6作め。
いかにも70年代英国調のアナログ感覚で鳴り響くギターで、よりロック色が強くなった。
もちろんバックではメロトロンが鳴る、北欧プログレの質感もちゃんとあるが、
より自然体の飾らなさがこのバンドの本質を浮き彫りにしているようだ。
一方では15分の大曲ではプログレファンにんまりの展開力を聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 ヴィンテージ度・・9 北欧度・・7 総合・・8
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Beardfish 「Void」
スウェーデンのプログレバンド、ベアードフィッシュ2012年作
ヴィンデージ色ただようレトロな北欧プログレ・ロックを追求し続けるこのバンド、
アンディ・ティリソンによる語りから始まる本作は、いきなりヘヴィなギターを含んだアンサンブルで、
最近のPAIN OF SALVATIONやOPETHあたりにも通じる、アナログ風味のHRという雰囲気がある。
一方ではオルガンなどを含んだ、レトロな70年代プログレ風味も残っていており従来からのファンも安心。
15分のプログレ大曲もあり、これまで以上のダイナミズムがアナログ的ロック愛と融合したというべき力作だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アナログHR風度・・8 総合・・8
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Beardfish 「+4626 Comfortzone」
スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの2015年作
2003年にデビューしてから、オールドな香りの漂うヴィンテージロックを作り続けるこのバンド、
前作ではハードロック的なヘヴィさが増していたが、8作目となる本作ではマイルドな路線へと戻っている。
70年代スタイルのギターワークに、オルガンにメロトロンを含むシンセとマイルドなヴォーカルで、
確信犯的なレトロなサウンドを描き出す、オールドでやわらかな耳心地の良さは健在だ。
今作はこれまで以上にキャッチーな小曲やハードロック風味の曲まで、バラエティに富んだ作風で、
全体的にはキャリアのあるバンドらしい落ち着いた聴き心地。派手さはないが、じっくりと楽しめる力作だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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BJORN JOHANSSON「DISCUS URSIS」
スウェーデンのマルチミュージシャン、ビヨルン・ヨハンソンのソロ作。1998年作
自身でピアノ、キーボード、ギター、ベースを始め、マンドリンやリコーダー、フルートなどの
トラディショナルな古楽器まで演奏。音は北欧の寒々しい叙情性をもったシンフォニックロックで、
ギターとキーボードによるマイナーなメロディで曲を盛り上げる手法は、いかにも北欧らしい。
精神的には初期のMIKE OLDFIELDや、オーストリアのGANDALFに近いものを感じるが、
やはり地域的な違いか、より土着的で冬めいた北欧の自然を音を通して感じる。
メジャー思考とは無縁の作風だが、「北欧の空気」を肌で感じたい人にはうってつけのシンフォ作品。
個人的には傑作といいたい。ラスト曲はほとんど北欧版「オマドーン」。ゲストでパル・リンダーが参加。
シンフォニック度・・9 マイナー美旋律度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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BJORN J:SON LINDH「Svensk Rapsodi」
スウェーデンのミュージシャン、ビヨルン・J:SON・リンデの1989年作
Bo Hanssonと並ぶ、スウェーデンのジャズ/トラッド系ミュージシャンであり
フルート奏者でもある彼が、北欧シンフォニック的な叙情に接近した傑作。
繊細なピアノのつまびきも、どこか北欧の風を思わせるような涼しさがあり、
ジャケットのイメージ通りの世界観が広がる。メロディックなギターやシンセが加わると、
シンフォニックロック的な情感があふれる。美しすぎる北欧の感性の結集。うっとりです。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・9 北欧度・・10 総合・・9
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Bjorn Lynne 「Witchwood」
ノルウェーのミュージシャン、ビョルン・リンの1996年作
ファンタジックな世界観で多数の作品を作っているアーティスト、本作はギタリストを招いて作られた作品で
シンセ中心にした幻想的なサウンドに、メロウなギターの旋律が重なる、GANDALFなどを思わせる作風。
フォーキーなメロディを取り入れた牧歌的な聴き心地は、プログレ的なスリリングさはないのだが、
映画かゲームサントラのように想像力をかきたてる雰囲気でゆったりと楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・7
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Bjorn Riis 「Lullabies in a Car Crash」
ノルウェーのミュージシャン、ヨルン・リースの2014年作
Airbagのギタリストであり、本作もうっすらとしたシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せ、
やはりポストプログレ寄りの薄暗く繊細な叙情と、空間的な静謐感に包まれたサウンド。
メロウなギターを含むウェットな感触は、ギルモア期のPINK FLOYDルーツの翳りと浮遊感を描いていて、
10分を超える大曲もじっくりと味わえる。北欧らしい涼やかな空気感は、GAZPACHOあたりにも通じるだろう。
メロトロンが鳴り響き、適度にハードなギターを乗せたインストナンバーなどもじつに味わい深い。
ギタリストとしてのセンスはもちろん、しっとりとした叙情作品を構築するアーティストとしての実力も感じさせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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BLACK BONZO
スウェーデンのプログレハードバンド、ブラック・ボンゾの1st。2005年作
ユーライア・ヒープ、ディープ・パープルや、70年代のヴァーティゴ・レーベル系などを彷彿とさせる
レトロなプログレ・ハードロックサウンド。鳴り響くハモンドに、古き良き…というコーラスワーク。
URIAH HEEP的な英国然とした音と、北欧独特の時間の止まったような叙情性が合わさって
古くさいのだが間違いなく現在のサウンド…というなんとも不思議な雰囲気が楽しめる。
思い入れのあるヒープファンなどよりはむしろ、こだわりのない最近のリスナーに受けるかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 レトロ&懐古度・・9 総合・・8
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BLACK BONZO「Sound of the Apocalypse」
スウェーデンのレトロ・プログレバンド、ブラック・ボンゾの2nd。2007年作
のっけからムーグとハモンドの音色が襲ってくるぅっ!!今作も70年代懐古主義をつらぬくレトロなサウンド炸裂している。
モロURIAH HEEP的な70'sブリティッシュサウンドを聴かせた1stから
基本的には同一路線ながら、今回はJETHRO TULLっぽい雰囲気も取り入れている。
やたらとキャッチーな歌メロに、わざわざ古くささをかもしだすかのようなギターフレーズ、
そして鳴り響くハモンドオルガンには、おじさんロッカーはたまらないものがあるだろう。
ここまでくると、いっそ紙ジャケで英ヴァーティゴレーベルから出してほしい気さえする(笑)
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 たまらなくレトロ度・・9 総合・・8
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BLACK BONZO「Operation Matnual The Guillotine model DRAMA」
スウェーデンのヴィンテージロックバンド、ブラック・ボンゾの3rd。2009年作
メロトロンやハモンドオルガンを掻き鳴らし、かつてのDEEP PURPLEURIAH HEEPなど
70年代ブリティッシュロックを思わせるレトロなプログレハードサウンドで、マニアの心を掴んだ彼ら、
3作目となる本作はタイトル通り、ギロチン…つまり断頭台をテーマにしたアルバムであるらしい。
もちろんサウンドの方は、ヴィンテージなオルガンの音色に、古き良きギターリフで聴かせる
相変わらず70's懐古主義的な香りがぷんぷん。聴いていて思わずにんまりである。
今回はアコースティカルな要素も取り入れるなど、肩の力が抜けたより自然体の作風といえ、
前2作に比べるとややインパクトの点では薄いものの、よりやわらかみのあるレトロロックとなっている。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 レトロ&懐古度・・9 総合・・8
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Bo Hansson 「Sagan om Ringen/Lord of the Rings」
スウェーデンのミュージシャン、ボ・ハンソンの1970/1972年作
トールキンの「指輪物語」をコンセプトにした作品で、オルガンを含むシンセにギターを重ね、
サックスやフルートの音色とともに、ゆったりとした牧歌的な味わいのサウンド。
オールインストながら、物語の場面ごとを描くような幻想的な聴き心地で、
北欧らしい土着的な叙情性と、サイケ気味のユルさが合わさったような好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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BO HANSSON「MAGICIAN'S HAT」
スウェーデンのミュージシャン、ボ・ハンソンの2nd。1972年作
ソロ2作目の今作は、「楽しいムーミン一家」を題材にした作品で、演奏陣にKEBNEKAISEのメンバーを加え、
優雅で素朴なサウンドを聴かせる。やわらかなサックスやフルートの音色に、パーカッション等が加わって、
ジャズ的な優雅さやサイケな浮遊感をかもしだしつつ、ケブネカイゼにも通じる土着的なギターの旋律が重なってゆく。
ボ・ハンソンのオルガン、シンセワークはゆったりとして決してうるさすぎず、むしろ他の楽器との調和を大切にしている。
全体としては、のんびりと聴ける北欧土着プログレといった幻想的な雰囲気の好アルバムに仕上がっている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Bo Hansson 「Attic Thoughts」
スウェーデンのミュージシャン、ボ・ハンソンの1975年作
「指輪物語」を題材にした「LORD OF THE RINGS」、「楽しいムーミン一家」を題材にした「MAGICIAN'S HAT」に続く
ソロ3作目で、引き続きKEBNEKAISEのメンバーが参加、牧歌的なフルートにアコースティックギター、
オルガンやピアノが絡み、ゆったりと土着的なインストサウンドを描く。メロウなギターフレーズは
やはりケブネカイゼを思わせる部分もあり、北欧らしい優雅なトラッドロックとしても楽しめる。
美しいシンセワークと叙情的なギターで聴かせるシンフォニックロック的なナンバーの一方で、
パーカッションにサックスが鳴り響くジャズ風味もあったり、ほどよいユルさと幻想性も魅力です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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BO HANSSON「MUSIC INSPIRED BY WATERSHIP DOWN」
スウェーデンのミュージシャン、ボ・ハンソンの1977年作
ソロとしては4作目で、本作は日本でも知られる「WATERSHIP DOWN(のうさぎたち)」をテーマにしている。
今作でも北欧のトラッド系プログレバンド、KEBNEKAISEのメンバーも参加していて、
ボ・ハンソンのKeyを中心に、トラッドメロディを奏でるギターや、たおやかなフルートなど
ほのぼのとした幻想的なインストサウンドを描く。まどろみながらゆったりと聴けるような好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 幻想度・・8 総合・・7.5
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THE BOLLENBERG EXPERIENCE「If Only Stones Could Speak」
スウェーデンのアーティスト、John 'Bo Bo' BollenbergBJORN JOHANSSONを中心としたプロジェクト、ボーレンバーグ・エクスペリエンスの2002年作。
参加メンバーがものすごく、リック・ウェイクマン(YES)、ジョーダン・ルーデス(DREAM THEATER)、ロイネ・ストルト(THE FLOWER KINGS)、
パル・リンダー
(PAR LINDH PROJECT)、ビヨルン・ヨハンソン、ブライアン・ジョシュ、ヘザー・フィンドレイ(Mostly Autumn)他、という大変豪華なメンツ。
サウンド自体はゆったりと牧歌的なシンフォニックロックで、フランス中世の都市、ボレンベルグテーマにしたコンセプト作らしい。
ウェイクマン、ルーデスによるシンセはさすがに華麗で、それがB.ヨハンソンの北欧的な土着系のギターメロなどと合わさって、
なかなか面白い味になっている。ドラムを叩くのは意外にもパル・リンダーで、シンセで参加するはずが、メンバーが豪華すぎて押し出されたのか(笑)
ヘザー嬢が歌をとる曲は実に美しく、いっそ彼女に全曲歌って欲しい。あまり派手さはないが中世的な世界観でロマンティックに聴かせる。
シンフォニック度・・7 ゆったりロマン度・・9 しっとり叙情度・・8 総合・・7.5
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Brighteye Brison「Stories」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの2nd。2006作
やわらかみのある歌メロ、コーラスワークはQUEENあたりをも思わせ、プログレというよりは
しっとりとしたメロディアスロックとして鑑賞すると良いかもしれない。
FLAGSHIPにも参加しているKEY奏者によるたおやかなピアノ、メロトロンに
メロウなギターのフレーズ、そしてマイルドなヴォーカルとどこにも押しつけがましいところはなく、
ゆるやかに、うっとりと楽しむことができる。もちろん楽曲アレンジのセンスも見事で、
ときおりACTあたりを思わせる、ちょっとしたアクセントや洒落た展開があるので飽きることもない。
とても優しいメロディアスシンフォ作。紅茶でも飲みながらいかが。マイスペで試聴可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 たおやか度・・9 総合・・8
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BRIGHTEYE BRISON「BELIEVERS & DECEIVERS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの3rd。2008年作
ツインキーボードを含む5人組で、キャッチーでやわらかなコーラスワークと、ピアノとメロトロンが絡む、
レトロめのプログレ感覚が組合わさったサウンドで、前作同様にメロディアスなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
圧巻なのは20分、34分という大曲で、これが素晴らしい出来。心地よいヴォーカルメロディと適度にテクニカルな展開力で、
あくまでキャッチーな叙情を大切に構築される楽曲は、かつてのGENESISTHE FLOWER KINGSなどを思わせるものもありつつ、
さらに明快で抜けがよい。インスト部分の充実は前作以上で、力作というにふさわしいアルバムだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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Brighteye Brison「The Magician Chronicles -Part I」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの4th。2011年作
前作は大曲を含んだ力作であったが、今作もいきなり23分の大曲から始まる。
オルガンやムーグを含んだ古き良きプログレの香り漂うシンセワークと
キャッチーなヴォーカルメロディとともに、軽やかに展開するシンフォニックロックサウンドで、
これまで以上に肩の力の抜けた、大人の余裕を感じさせる曲展開が光っている。
インパクトの点ではやや薄まったが、安心して楽しめる北欧シンフォニック作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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BRIGHTEYE BRISON「V」
スウェーデンのプログレバンド、ブライトアイ・ブライソンの2019年作
2003年にデビュー、本作は8年ぶりとなる5作目。12分、17分、36分という大曲3曲の構成で、
きらびやかなシンセワークに伸びやかなヴォーカルを乗せた優雅なアンサンブルで、
キャッチーなメロディアス性とともに、ダイナミックなシンフォプログレを展開する。
やわらかなコーラスハーモニーに、オルガンなどを含むオールドなプログレ感触と、
TRANSATLANTIC以降のスタイリッシュな構築センスに爽快な抜けの良さも魅力的。
そして、前作「The Magician Chronicles」の続編となる、36分の長大な組曲は、
MOON SAFARIばりのキャッチーな感触で、緩急に富んだドラマティックな聴き心地です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8 
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BRIMSTONE「Mannsverk」
ノルウェーのプログレロック、ブリムストーンの2014年作
モダンなジャケのイメージ通り、サウンドの方もプログレ風味のあるエモーショナルロックという感触。
手数の多いドラムに乗るゆったりとしたギターは、ときにサイケロック的な浮遊感をかもしだし、
うっすらとしたシンセにけだるげなヴォーカルの歌声とともに、キャッチーなポップさと知的ロックの構築性を
巧みに同居させたというスタイリッシュな聴き心地である。前半はわりとコンパクトな作風だが、
後半は、12分、9分という大曲が待っていて、ポストプログレ的なゆるやかな叙情と、
モダンロックのデジタル感に、北欧らしいやわらかな繊細さが合わさったサウンドが楽しめます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 知的センス度・・8 総合・・8
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BROTHER APE「On the other side」
スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2005年作
北欧というよりは、むしろアメリカ寄りのキャッチーな抜けのよさがあるサウンド。
ほとんどが5分前後のコンパクト曲で、無用な大作志向に走っていないのも聴きやすい。
KANSASあたりのメロディアスさに、A.C.Tなどにも通じるさりげないテクニカル性を盛り込んだ
センスのよい現代風のメロディックロックで、ヴォーカルの爽やかな歌唱もあいまって、
SAGAあたりにも通じるプログレハード的な聴き方も可能。メロディ派は必聴の好作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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BROTHER APE「SHANGRI-LA」
スウェーデンのメロディアス・シンフォニックロックバンド、ブラザー・エイプの2nd。2006作
前作はその素晴らしいメロディとキャッチーで爽快なサウンドが素晴らしかった。
本作も同路線で、基本はKANSASあたりに通じるプログレハード系のキャッチーさに
北欧らしい繊細なシンフォ感覚を取り入れたというような、とてもクオリティが高いものだ。
楽曲は5分前後と比較的コンパクトで、難解さはなく分かりやすいメロディにあふれている。爽快な好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽快&キャッチー度・・8 総合・・8
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Brother Ape「Turbulence」
スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2009年作
過去2作はKANSASなどを思わせるキャッチーなメロディのプログレハードという作風であったが
本作ではそこにエモ的なヴォーカルメロディが加わって、よりスタイリッシュなサウンドになった。
メロウなギターとシンセの絡みには、うっすらともの悲しい叙情も含み、
いわば「Porcupine Tree以降」のモダンプログレの感触が強まってきている。
軽やかさの中にもシンフォニックな音像がしっかり残っているのも嬉しい。
これは新たな北欧プログレのひとつの形というべき、じつに完成されたサウンドだ。
メロディアス度・・8 モダンプログレ度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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BROTHER APE「A Rare Moment Of Insight」
スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2010年作
キャッチーなメロディをモダンなアプローチで聴かせた前作に続き、本作もスタイリッシュなセンスを押し進めた作風となっている。
キレのよいリズムに、まるでUKロック的な感触のほの暗い叙情が、ぱっと聴きにはプログレ離れしているかに思える。
あるいは、オルタナ風のアレンジが、かすかに残っている北欧シンフォ風味と合わさったというべきか、
完全に脱プログレしているわけではない絶妙さに思わずほくそ笑む。お洒落ですらあるサウンドは、
これみよがしなシンフォ系が苦手なリスナーにも一聴の価値あり。ハイセンスなプログレロックの傑作!
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンセンス度・・9 総合・・8
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Brother Ape 「Force Majeure」
スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2013年作
モダンかつハイセンスのサウンドを聴かせた前作に続き、6作目となる本作も
エレクトロ的でもあるスタイリッシュなアレンジに、ポストプログレ的な繊細な感触を乗せた
まったくもってセンス抜群の作風である。メロディには分かりやすいキャッチーさがあるので、
シンフォ系リスナーの耳を裏切ることはなく、北欧らしい涼やかな優しさが感じられる。
楽曲は5、6分台中心で、知的な構築力を覗かせつつも、あくまでメロディックな聴き心地。
Moon Safariとは異なるモダン派のバンドだが、クオリティでは匹敵するような傑作である。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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The Carpet KnightsLost & So Strange Is My Mind
スウェーデンのプログレバンド、カーペット・ナイツの2005年作
70年代風のヴィンテージロックながら、ハモンドやメロトロンは入らず、
ギターメインのサウンドながら、JETHRO TULLを思わせるフルートも美しく、
ゆるめのサイケロック的に楽しめるサウンドだ。ギターはときおりヘヴィになり、
URIAH HEEPなどにも通じるブリティッシュハードロックの質感もある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロ度・・9 総合・・8
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The Carpet Knights「According to Life」
スウェーデンのプログレバンド、カーペット・ナイツの2009作
ヴィンデージロックの盛んなスウェーデンからまたしてもレトロなバンドが登場。
鳴り響くフルートに、70年代的なギターで聴かせる、サイケロック風味のサウンドは
JETHRO TULLを思わせるブルージーな味わいもあり、シンセがない分だけ生々しさがある。
曲によってはメロトロン抜きのANEKDOTENという雰囲気もあり、レトロロック好きはもちろん、
サイケやストーナー好きの方にも楽しめるだろう。じつは結成は1998年で本作はもう6作目らしい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロ度・・9 総合・・8
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CARPTREE
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの1st。2001作
中期以降のMARILLIONのうす暗い叙情性をシンフォ化したようなサウンドで
密かに人気の高いこのバンド。この1stの時点では、後の作品ほどの音の厚みはなく、
どちらかというと牧歌的でおおらかな雰囲気の音作りとなっている。
メロトロンやピアノなどの美しさと、キャッチーなヴォーカルメロディで、
比較的シンプルに聴かせるスタイルで、まだ北欧シンフォ的な味わいは薄い。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 素朴度・・8 総合・・7
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CARPTREESuperhero
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの2nd。2003作
先に3rdを聴いていたが、この2ndは自主制作ということもあってか、
GENESISMARILLIONからの影響をもろに感じさせるサウンドと
そのくぐもったような薄暗さが、よりディープに発揮されている。
ガブリエルかフィッシュかという、やや情感過多のヴォーカルときおりがうざったいものの、
この手の湿りけのあるほの暗いシンフォサウンドが好きなら浸れるだろう。
全体的にはやはり北欧というよりは、ブリティッシュの音に近いか。
シンフォニック度・・7 マリリオン度・・8 ほの暗度・・8 総合・・7.5
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CARPTREE Man Made Machine
スウェーデンのシンフォニックロック、カープトゥリーの3rd。2005年作
MARILLION+PORCUPINE TREEという雰囲気のサウンドは、薄暗い叙情とともに
ほのかにゴシック調の耽美さもあって、とくに美しいシンセワークの繊細なセンスが光る。
ヴォーカルの歌い方には、GENESISなどに通じる感触もあり、北欧というよりは、むしろ
かつてのブリティッシュプログレのウェットな翳りを感じることができる。
ポストプログレ的な繊細さとシンフォニックロックを自然に融合したという好作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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CARPTREEInsekt
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの4th。2007作
今作では純粋にメロディと雰囲気に磨きがかかり、音の説得力がぐっと増している。
ゆるやかなシンセを中心にゆったりと聴かせる楽曲は、決して派手に盛り上がるわけではなく、
薄暗い叙情美をともなって、じわじわと耳に優しくしみこんでくるという印象だ。
北欧版ポストプログレというイメージだが、もっとやわらかな幻想の空気に包まれているのが良い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったり薄暗度・・9 総合・・8
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CARPTREE「Nymf」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの5th。2010年作
美しいピアノ、シンセワークにマイルドなヴォーカルを乗せて、
北欧らしい薄暗い叙情を聴かせるサウンドは本作でも同様ながら、
Porcupine Tree的でもあるモダンで適度なヘヴィさも強まっている。
楽曲やメロディ自体に新鮮さはないものの、シンセを中心としたアレンジで
ドラマティックな雰囲気を味わう作品だ。個人的にはもう少しキャッチーさが欲しい。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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CARPTREE 「EMERGER」
スウェーデンのシンフォニックロック、カープトゥリーの2017年作
2001年にデビュー、本作は6作目で、オルガンやムーグを含むプログレなシンセアレンジに
マイルドなヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのシンフォニックロックサウンドに、
Porcupine Tree以降の薄暗い翳りを含ませた、ほどよくハードな質感も絶妙だ。
いくぶん中途半端に思えた前作よりも、楽曲自体のドラマティックな空気感が強まって、
北欧プログレ的なキャッチーな叙情も残しつつ、ゆったり、どっしりとしたダイナミズムで
繊細かつ重厚に構築されるサウンドはここにきてついに完成をみたか。
ナッド・シルヴァンを思わせるような、ヴォーカルの表現力も見事な傑作です。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Carptree 「Subimago」
スウェーデンのシンフォニックロック、カープトゥリーの2018年作
2001年にデビュー、本作はすでに7作目となる。オルガンやメロトロンを含むヴィンテージなシンセに、
マイルドなヴォーカルを乗せて、薄暗い翳りとモダンな構築性が同居したサウンドは健在。
本作ではこれまで以上に、ANGLAGARD以降の北欧らしい涼やかな叙情性に包まれていて、
それを濃密すぎないスタイリッシュなセンスで描くところは、さすがキャリアのあるバンドである。
メロウなギターフレーズや女性コーラスなどを加えた優雅な感触もあり、繊細な歌ものパートは、
「北欧化したMarillion」という雰囲気でも楽しめる。北欧シンフォの現在系というべき傑作。
ドラマティック度・・8 薄暗度・・8 北欧度・・8 総合・・8 
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CATWEAZLEArs Moriendi」
スウェーデンのプログレバンド、キャットウィーズルの1996作
邦題は「死の芸術」。アヴァンギャルドなジャケのせいでスルーしていたが、聴いてみたらしごくまっとうなシンフォニックロックでした。
レトロなシンセワークと、北欧らしい叙情を感じさせつつSEや語りなどを挿入してシアトリカルに盛り上げようとしているが、
いかにも自主制作然としたローカルな雰囲気が微笑ましい。
シンフォニック度・・7 北欧度・・8 ローカル度・・8 総合・・7
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circles end「Hang on to That Kite」
ノルウェーのプログレ系ロックバンド、サークルズ・エンドの2nd。2004作
北欧のプログレシーンで期待の若手とされる7人組。オフィシャルサイトで試聴可能
プログレといってもコテコテのタイプではなく、今で言うPT系のオルタナシンフォの質感で
北欧らしいメロトロンなどによる味付けと、比較的軽快でキャッチーなメロディが同居している。
曲は3~5分台でどれもコンパクトで、難解さや鬱な部分はなく、モダンで洒落たセンスがあり、
プログレ/シンフォうんぬんというよりも、むしろただのロックとして聴けば、より味わい楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 北欧度・・7 総合・・7.5
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Contemporary Dead Finnish Music Ensemble 「Land of Hope」
フィンランドのハードプログレバンド、コンテンポラリー・デッド・フィニッシュ・アンサンブルの2009年作
ギター&シンセのアンティ・ぺソネン、元HÖYRY-KONEのシンセ奏者マティ・ヤラヴァを中心に、
KATAJAINEN KANSAのエーロ・ウーティモ、元STRATOVARIUSのトゥオモ・ラシラをドラムに迎えた編成で、
女性ヴォーカルのやわらかな歌声に、メロウなギターとオルガンが重なり、適度なハードさを含んだサウンドで
北欧らしい涼やかな叙情を描き出す。いくぶん屈折したアヴァンギャルド性も垣間見せつつ、
メタリックなハードさと女性声を乗せた浮遊感が交差する、なかなか個性的な聴き心地である。
ストリングスが艶やかに鳴り響くナンバーや、ラストの10分を超える大曲では、ドラマティックなな展開力が楽しめる。
一方では、プログレなのかシンフォなのかハードロックなのか、方向性的な曖昧さをもう少し突き詰めて欲しい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Contemporary Dead Finnish Music Ensemble 「Dark Matters」
フィンランドのプログレユニット、コンテンポラリー・デッド・フィニッシュ・アンサンブルの2014年作
2004年にデビュー、本作は5年ぶりとなる3作目。ギター&シンセのアンティ・ぺソネンを中心に、
男女4人のVoにサックス、ウォーギターなどを含む編成で、ジェントルな男性声に艶めいた女性ヴォーカル、
適度にハードなギターに美麗なシンセを重ねた、ドラマティックなシンフォニックロックを聴かせる。
10分を超える大曲を主体に、女性声によるオペラティックな優雅さを含んだ起伏のある展開力に、
メロウな叙情を奏でるギターに、メロトロンなどを含む優美なシンセアレンジも随所に魅力的だ。
翳りを帯びた北欧らしいシンフォニックロックから、エキセントリックなジャズロック風の大曲も素敵です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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CORVUS STONE
フィンランドのプログレバンド、コーヴス・ストーンの2012年作
ムーグやオルガンを含んだシンセに、70年代ブリティッシュロック的な質感のギターワークとともに聴かせる、
80分にも及ぶコンセプト的な大作。ときにサイケ気味の浮遊感や、エキセントリックな雰囲気も垣間見せつつ、
インスト主体のユルめのサウンドを展開。演奏力はさほどでもないし、メロディアス性やドラマ性の点では、
いまひとつ煮え切らないのだが、ヘンテコなセンスで無理やりつなげてゆくようなアルバムの流れが新鮮で面白い。
Black Widowのカヴァーもよい感じです。古き良きロック感触の北欧サイケプログレというべき力作です。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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CROSPlaygrounds
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、クロスの2004作
ドラム以外は全てこなすクロス氏の個人プロジェクト的なバンドらしい。
サウンドは北欧というよりは英国ポンプからの影響が強いもので、
ゆったりとしたシンセの上をメロウなギターと優しげなヴォーカルが乗るスタイル。
耳触りの良さは、PENDRAGONPALLASあたりにも通じる雰囲気があり、
楽曲のメリハリの少なさがやや退屈だが、この手が好きな向きには受け入れられる音だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7




D'Accord「Helike」
ノルウェーのプログレバンド、ダッコルドの2011年作
伝説の古代都市ヘリケをテーマにしたコンセプト作で、20分を超える2つの大曲で構成されている。
フルートが鳴り響き、まるでOSANNAの「Palepoli」を思わせるような妖しげな雰囲気で幕を開け、
オルガンやメロトロン、ムーグの音色にシアトリカルに歌うヴォーカルを含めて、
70年代を思わせる雰囲気を漂わせる。モダンさではなく、牧歌的なやぼったさが魅力で
初期のKAIPAなどにも通じる垢抜けないメロウな聴き心地は、オールドファンの耳に優しいだろう。
英国や北欧、イタリアのバンドの感触を覗かせながら、次々に展開してゆく大曲はなかなか圧巻だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンデージ度・・8 総合・・8
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D'accord 「D'accord III」
ノルウェーのプログレバンド、ダッコルドの2013年作
前作はオザンナの「パレポリ」を思わせるような力作であったが、2作目となる本作もオルガンが鳴り響く
レトロなヴィンテージ感に包まれた古き良き感触のサウンド。1曲目の大曲は、マイルドなヴォーカルに
叙情的なフレーズを奏でるギターとともに、前作以上に北欧プログレとしての魅力を感じさせる。
ゆったりとしたおおらかな聴き心地にはサイケ的なユルさも感じ取れるが、そこを適度な構築力で展開させる、
そのバランス感覚もなかなか絶妙だ。前作がイタリア的な妖しさとすると、本作は70'sブリティッシュロック寄りか。
モダンさや派手さとは正反対の、アナログ感ただようバンドが好きな方へお薦めのバンドです。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・8
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DEATHORGAN「9 to 5」
スウェーデンのオルガンロックバンド、デスオルガンの1st。1995年作
ギターレスのオルガントリオ+2人のVoという特異な編成が物語る通り、
レトロなハモンドオルガンの上にアグレッシブなVoが乗るという個性的なサウンド。
ヴォーカルは比較的ノーマル声と、低音デス声という割り振りで、
暴虐さをかもし出しつつも、やはりバックがオルガンなので音に硬質感はなく
愉快な雰囲気とともに、70'sブリティッシュ風のレトロな質感をかもし出している。
まるで1発ギャグ的なインパクトであるが、バンドはこの後2ndを出している。
メロディアス度・・7 ハモン度・・8 インパクト・・9 総合・・7.5
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Den FuleLugumleik
スウェーデンのトラッドロックバンド、デン・フューレの1993年作
フィドルにサックス奏者を含む6人編成で、土着的な北欧メロディを
ロック的な躍動感と融合して聴かせるスタイル。 とくに叙情的なフィドルの音色は
KEBNEKAJSEにも近い雰囲気で、北欧的な音が好きな方ならにんまりだろう。
一方では、エレキギターを含んだ軽妙なジャズロック/フュージョン的感触もある。
メロディアス度・・8 トラッ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Den Fule「Skalv」
スウェーデンのトラッドロックバンド、デン・フューレの1995年作
やわらかなフルートの音色にアコースティックギターやマンドリン、サックスの音色も加わって、
軽妙なドラムとベースがジャズロック色のあるアンサンブルを描きだす。
アコースティックをベースにしつつも、ときにエレキギターも入ってきて、
土着的なフレーズを奏でるフィドルの音色や母国語の歌声とともに、濃密なトラッド・ロックを聴かせる。
前作に比べて、土着性とジャズ、ロックなどの融合が深化したと思える好作品。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「The Butcher's Ballroom」
スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの1st。2006作
女性Voにチェロ奏者を含む6人組で、バンド名のようにスイングジャズを取り入れつつ、
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声とともに、ゴシックメタル的な雰囲気を融合させた
とてもユニークな音楽性。一聴して思い出すのはフィンランドのALAMAAILMAN VASARAT
彼らのような「ユーモア溢れる本気」というような、大人の遊び的な強固な姿勢を感じさせる。
さらにこのバンドの場合、ジャズの素養がしっかりとしていることで、楽曲が嘘くさくなく
そこにメタリックなギターやチェロなどが割と自然に融合しているのがまた凄いところである。
ジャズメタル度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs for the Damned & Delirious」
スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2nd。2009年作
今作はジャケからしてユーモアたっぷりだが、サウンドの方もさらなるジャズとメタルの自然の融合がなされている。
ハネるリズムの上にザクザクとしたギターとサックスが絡み、そこに男女ヴォーカルが絡む濃密な作風で、
演奏自体のレベルも上がってきており、メタリックなスウィングジャズとしての完成度が無駄に高まっている。
軽やかなピアノの音色やら、ヴイヴイいわせるベースの巧みさやら、部分ごとの説得力が大変素晴らしく、
本気ジャズ的メタル遊び…ともいうべき強固な世界観に磨きがかかっているばかりか、
低音の男声とオペラティックな女性声という対比がコントラストとなって、作品としてのテンションも増している。
変態…というにもあまりに高い完成度と天晴れなまでの真摯な遊び心。敬服するしかない強力作である。
ジャズメタル度・・9 スウィング度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
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Diablo Swing OrchestraPandora's Pinata
スウェーデンのプログレ・ジャズメタル、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2012年作
メタルとスウィングジャズを融合させたような、遊び心たっぷりのサウンドで過去2作も素晴らしかったが、
今作もハジけてます。鳴り響くホーンセクションにヘヴィなギターが合わさり、女性ヴォーカルの歌声が
エキセントリックに響きわたる。お洒落で優雅でアダルトな濃密さに包まれて、メタリックなハードさと
軽やかなミクスチャー感覚が本気で合体。ときにオペラティックなアリアのようなナンバーもあって、
クラシカルな要素も楽しめます。極端さはやや薄まったが相変わらず素敵なバンドです。
ドラマティック度・・7 ジャズメタル度・・8 優雅なヘンタイ度・・8 総合・・8

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DIABLO SWING ORCHESTRA 「Pacifisticuffs」
スウェーデンのプログレ・ジャズメタル、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2017年作
メタルとスウィングジャズを大胆に融合した、遊び心たっぷりのサウンドを描くバンドの4作目。
トロンボーン、トランペット、チェロ奏者を含む8人編成で、今作はのっけからノリのよいファンキーなロック感触で、
ハードなギターにブラスが重なり、男女ヴォーカルを乗せた勢いのあるサウンドを聴かせる。
チェロを加えたクラシカルな感触に、とぼけた味わいのカントリー風味などを唐突に盛り込みつつ、
シアトリカルな壮大さとともに「本気のギャグ」を構築するようなセンスはこのバンドならではだろう。
曲によってはモダンなビート感とともに、確信犯的なポップ性も盛り込んだ振り幅の大きなアレンジも凄い。
女性Voの交替によりオペラティックな雰囲気は薄まったが、むしろ深化した「ごった煮系」の異色傑作である。
ドラマティック度・・8 ジャズメタル度・・7 アヴァン度・・9 総合・・8.5
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Dice
スウェーデンのプログレバンド、ダイスの1977年作
KAIPAとともに、北欧プログレの入り口となったのがこのバンドである。
「北欧の夢」という日本盤タイトルや幻想的な色合いのジャケットも印象的だった。
土着的な叙情のカイパに比べると、こちらはもっとスタイリッシュなサウンドで
Yesタイプといってもよい軽妙な演奏力と、人懐こいキャッチーなメロディが魅力。
2曲め“Annika”のメロウなギターの旋律は、ハケットかセバスチャン・ハーディかというほど。
22分の組曲“フォリーズ”も圧巻で、70年代の北欧の作品としては、素晴らしい完成度の作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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DICE「The Four Riders of the Apocalypse」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ダイスの1978年作
「北欧の夢」と題された1st以前に録音されたマテリアルで、 「黙示録の四人の御使い達」というタイトル通り
“戦い”、“疾患”、“貪欲”、“死”というテーマにそった、オールインストの組曲を作り上げている。
北欧らしい叙情を聴かせるギターフレーズと、オルガンやメロトロンなどのシンセワーク
そして軽やかに展開する楽曲構成は、土着的なKAIPAに比べて、YESEL&Pに近い感触だろうか。
緩急を織りまぜた演奏の中に、涼やかメロディとファンタジックな雰囲気が楽しめる好作だ。
本作がメタルコーナーに偶然中古が置いてあって、ジャケ買いしたという、個人的にも思い出の1枚。
ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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DICE
「LIVE 1977」
スウェーデンのプログレバンド、ダイスのライブ音源。2013年作
KAIPAと並び70年代北欧プログレを代表するバンドの、デビュー前1977年のラジオ出演時の音源。
「黙示録の四人の御使い達」からの全曲に、「北欧の夢」から2曲を収録。音質も良好で、
メロトロンやオルガンを含んだシンセワークに、メロウなギターと、Yesを思わせる軽やかなアンサンブルで、
インスト中心の大曲を構築してゆくセンスはやはり素晴らしい。純粋に音楽を楽しむリスナーには
曲間のインタビュー音源は余計かもしれないが、北欧プログレファンなら垂涎ものの音源だろう。
プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8
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Discordia 「Season Changes」
フィンランドのプログレ、ディスコーディアの2014年作
詳細はまったく不明だが、メンバーの名前の感じからしておそらくフィンランドのバンドと思われる。
母国語のヴォーカルと適度にヘヴィなギター、随所に土着的なトラッドロック質感を含んだサウンドで、
キャッチーなメロディアス性が前に出ているのだが、曲によっては70年代ロック的な風味やサイケ的なユルさもあったり、
ときに女性ヴォーカルが加わったりと、なかなか面白い。反面、どこに着地したいのかよく分からない散漫さもあるのだが、
12分の大曲などのチェンバーロック的でアヴァンギャルドな芸術性にはバンドとしての可能性を感じさせる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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DIVINE BAZE ORCHESTRA
「Once We Were Born」
スウェーデンのプログレバンド、ディヴァイン・ベイズ・オーケストラの2007年作
メロトロンが鳴り響く、古き良きアナログな感触で聴かせるKING CRIMSONを思わせる
ヘヴィプログレサウンド。一方では枯れた味わいのブルージーなナンバーもあって、
オルガンの音色も含めて、ヴィンデージロックとしての強度はなかなかのものだ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンデージ度・・8 総合・・7.5
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DIVINE BAZE ORCHESTRA「Dead But Dreaming」

スウェーデンのプログレバンド、ディヴァイン・ベイズ・オーケストラの2010年作
KING CRIMSON風味の薄暗い叙情に、チェンバーロック的なミニマム感覚を合わせた
個性的なシンフォニックプログレ。オルガン、メロトロンが鳴り、レトロめのギタートーンに
どこかとぼけた味わいのヴォーカルで、適度に力の抜けたシリアスとユーモアの境をゆく。
うっすらとした寂寥感は、クリムゾンの“Epitaph”的な世界観で、ANEKDOTENなどとはまた
異なるアプローチでそれをやっているのが面白い。ダークなシンフォニックが好きならチェック。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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dungen「1999-2001」
スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの2005年作
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、フルート、ヴァイオリンをこなすマルチプレイヤー、
グスタフ氏をを中心にしたバンドで、本作は1999年から2001年までの初期のマテリアルを集めた作品。
70年代的なアナログ感と牧歌的なフォーク風味を含んだユルめの北欧サイケサウンドで、オルガンやフルートが鳴る
70'sプログレ風味に北欧らしい土着的な雰囲気が合わさり、例えればウマグマの頃のPINK FLOYDにも通じるような
ヒッピーな奔放さと、日だまりのようなキャッチーな叙情が同居した、のんびりと楽しめるサウンドだ。
14分、18分、11分という全3曲を収録。鳥の声も入っていて耳心地よくまどろめます。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧サイケ度・・9 総合・・8
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DUNGENTio Bitar」
スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの2nd。2007年作
今作は3~5分という比較的コンパクトな楽曲で、初期のユルさに比べると
1曲めなどはずいぶんロック的な激しさが増した、といっても2曲め以降は
やはり70年代風味のレトロさとサイケな感触は健在で、やわらかなオルガンや
ヴァイオリンの音色とともに、牧歌的なプログレロック風味が楽しめます。
ロックとしてのノリの良さが増した分、一般的には前作よりも聴きやすいかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・7 北欧サイケ度・・8 総合・・8
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DUNGENTa Det Lugnt
スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの3rd。2007年作
自然派北欧サイケロックというべき、ユルくてプログレ的な歓声を有したこのバンド、
本作も70'sロックのフリーキーなアナログ感覚と、北欧らしい牧歌的な叙情で
センスの良いサウンドを描き出す。ときにヴァイオリンやサックスなども入って、
ゆるやかでありながらも多様性のあるアレンジと作り込みが素晴らしい。
優しいピアノのつまびきにフルートも加わると、ほとんどプログレの感触で楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧サイケ度・・8 総合・・8
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DUNGEN「4」
スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの4th。2007年作
ヴァイオリンが鳴り響き、北欧的な叙情を含んだギターの旋律がじつに美しい。
前作に比べて、繊細な叙情美が前に出ており、やわらかなフルートの音色とともに、
これはスウェーデンのCAMELか?というような、うっとりとする聴き心地です。
曲によっては中近東的なサイケ質感も織り込みつつ、コンパクながらも味わいが深い。
プログレロックとしてもいくぶん洗練されてきた感触で、素敵な好作品に仕上がっています。
メロディアス度・・9 プログレ風味度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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DUNGENSkit I Allt
スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの5th。2010年作
前作のしっとりとした流れを受け継ぎ、フルートの音色を優しく響かせつつ
やわらかなヴォーカルとともに古き良き感触の北欧ソフトロックが楽しめる好盤。
今作ではキュートな女性ヴォーカルも一部に加わったり、優雅なヴァイオリンや
ピアノの響きにうっとりしつつ、ロックとしての躍動感もしっかり残しているのが見事。
サイケなユルさをキャッチーに、北欧の自然の中に溶け込ませたようなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Dungen 「Allas Sak」
スウェーデンのサイケロック、ドゥンエンの2015年作
2002年にデビュー、ユル系サイケと北欧らしい叙情を合わせたサウンドで、じわじわと人気を上げている。
6作目となる本作も、アナログ感あるギターにやわらかなシンセが重なる、プログレ寄りのサイケが楽しめる。
母国語によるヴォーカルもマイルドな味わいで、オールドスタイルのロック感触とともに、
3~4分前後の小曲をのんびりと聴かせる作風だ。アコースティックギターにパーカッションが鳴り響く、
フォーキーな牧歌性は、モダンに敢然と背を向けた「これでいいのだ」とばかりのユルさである。
吹き鳴らされるフルートもどこかけだるげで、プログレ的な展開をしそうでしない楽曲もある意味で確信犯的だ。
北欧らしい叙情をしっかりと含ませながら、「やわらかで涼やか」という独自の空気感を描く好作品である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ユル度・・9 総合・・8 
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DUNGEN 「HAXAN」
スウェーデンのサイケロック、ドゥンエンの2016年作
2002年にデビュー、ユル系サイケと北欧らしい叙情を合わせたサウンドで、プログレファンにも人気のバンド。
7作目となる本作は、なんと世界初の長編アニメとして知られる「アクメッド王子の冒険」をコンセプトにしたインストアルバム。
うっすらとしたシンセに、サウンドスケープ的なギターサウンドを乗せて、ゆったりと聴かせる作風ながら、
メロトロンが鳴り響く北欧プログレ風味や、サイケロックとしての生々しいアナログ感も残していて、
アコースティックギターやフルートなども加わった、ユルめの叙情性と浮遊感はやはり絶妙だ。
1分前後の小曲を挟んだ構成で、オールインストながらも、曲によって空気感の変化があるので飽きずに楽しめる。
アルバム後半、優雅なピアノにメロトロンが重なり、ラスト曲のダイナミックなサイケになだれ込む展開も見事。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 北欧サイケ度・・8 総合・・8 
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El Doom & The Born Electric
ノルウェーのプログレ・ドゥームロック、エル・ドゥーム・アンド、ボーン・エレクトリックの2012年作
ドゥーム/ストーナー的なアナログな感触とプログレッシブな構築性をもったサウンドで、
随所にオルガンやメロトロンなども使っていて、サイケな浮遊感も感じさせるところは、
MOTORPSYCHOなどにも通じる雰囲気がある。9分、11分という大曲もあり
古き良きロックの生々しいアンサンブルとプログレ的な聴き心地が合わさった力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ドゥーム・ストーナー度・・8 総合・・7.5
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ELEPHANT PLAZA 「Momentum」
ノルウェーのプログレバンド、エレファント・プラザの2017年作
MAGIC PIEのシンセ奏者を中心にしたバンドで、厚みのあるキーボードアレンジにメロウなギター、
マイルドなヴォーカルで聴かせる、スタイリッシュでメロディックなシンフォニックロックサウンド。
いくぶんモダンな味わいを含んだ適度にハードな感触に、一方ではMARILLIONなどにも通じる、
ゆったりとした繊細な叙情も感じさせる。ヴォーカルのジェントルな雰囲気とウェットなメロディには、
PALLASあたりを思わせる部分もあり、随所に女性ヴォーカルも加わったキャッチーな優雅さも魅力的だ。
アルバム後半は20分におよぶ組曲で、きらびやかなシンセアレンジと優美な叙情でドラマティックに構築する。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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ENSEMBLE NIMBUS 「Key Figures」
スウェーデンのチェンバーロック、アンサンブル・ニンブスの1994年
ヴァイオリン、クラリネット奏者を含む5人編成で、案外ロック色のあるギタートーンに
素朴なクラリネットの音色が絡み、コミカルさと薄暗さを同居させたようなサウンドが広がる。
サムラあたりに比べるともっと整合感が強いので、チェンバー初心者にも聴きやすいだろう。
キャッチーなおちゃらけの中にクラシカルで優雅なセンスも覗かせる。Hoyry-Koneなどよりも分かりやすいかも。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5

ERIK WOLLO 「GUITAR NOVA」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォーロの2000年作
TERJE RYPDALの後継者と言われるギタリストで、本作はタイトルのようにギターをメインにした作品。
アコースティックギターの優雅なつまびきで、ゆったりとした繊細な叙情を描きながら、
ときにエレキギターも使って北欧らしい涼やかなメロディを奏でる。楽曲は3~4分前後とシンプルながら、
民族的な雰囲気の旋律や、クラシック、ジャズの素養も覗かせる、そのセンスはさすが。
おおらかな自然を感じさせる繊細な雰囲気は、GANDALFあたりにも通じるかもしれない。
繊細度・・9 プログレ度・・5 ギター度・・8 総合・・7.5 
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Erik Wollo 「Elevations」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォーロの2007年作
広がりのあるシンセサウンドに、ディレイの効いたギターが幻想的なフレーズを奏でる。
涼やかで荒涼とした空気感に包まれながら、繊細な美意識と空間性を感じさせるサウンドだ。
翳りを帯びた静謐感は、Klaus Schulzeをシンフォニック寄りにしたような雰囲気もあるが、
こちらはゆったりとしたメロディの流れがあって、ネイチャーな音で雄大さを描くようなところは、
GANDALFなどの世界観にも通じるだろう。ヒーリング系シンフォとしても、ゆったりと鑑賞できる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 幻想度・・8 総合・・8 
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STEVE ROACH/ERIK WOLLO「Stream of Thought」
アメリカとノルウェーのミュージシャン、スティーブ・ローチとエリク・ウォーロのユニット。2009年作
シーケンサーを含むエレクトロでスペイシーなシンセに、繊細なギターのつまびきが重なり、
涼やかな叙情性に包まれた、静謐感のある空間的なインストサウンドを描いてゆく。
これという展開はなく、シンセの重ねによるサウンドスケープ的な音響が連なってゆく感じなので、
気の短い方には向かないが、Klaus Schulzeなどの世界観が好きなら、それなりに楽しめる。
シンセによる曲がメインなので、もう少し、エリク・ウォーロのギターを活かしたパートがあれば嬉しかった。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 空間度・・8 総合・・7
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Erik Wollo 「Gateway」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォロの2010年作
北欧のジャズロック&ニューエイジ界では、TERJE RYPDALの再来とも言われるギタリストで、
うっすらとしたシンセに包まれて、叙情的なギターがやわらかに響き渡る、涼やかで幻想的なサウンド。
曲によっては打ち込みのドラムも加わったロック色も覗かせて、ギターが奏でる旋律の美しさとともに、
GANDALFのようなニューエイジ、ヒーリング的なシンフォニックロックとしても楽しめる。
重ねられたシンセサウンドやシーケンサーのリフレインは、Klaus Schulzeを思わせるが、
そこにギターが加わると、ぐっと北欧シンフォ寄りになる。全70分の幻想ニューエイジ・シンフォ作品。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・9 総合・・8
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Erik Wollo 「Blue Radiance」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォーロの2015年作
1983年にデビュー、北欧ニューエイジ系を代表するアーティスト。本作もシーケンサーを含むシンセの重ねで、
Tangerine DreamKlaus Schulzeなどにも通じる、幻想的でスペイシーなサウンドを描き出す。
シンセを主体にしたアンビエントな作風なのでロック感触は薄いものの、ギターを加えたナンバーもあり、
うっすらとしたシンセや優美なピアノの音色とともに、涼やかで物悲しい叙情に包まれる。
単なるニューエイジよりは楽しめるが、もう少しダークな空気や、奥行きのある世界観が欲しい気も。
シンセ度・・8 ロック度・・1 幻想度・・8 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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Erik Wollo 「Star's End 2015」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォロの2016年作
北欧のニューエイジ界ではすでにキャリアのあるアーティストで、本作はスタジオライブを収録した60分全1曲という大作だ。
Klaus Schulzeあたりに通じるスペイシーで空間的なシンセサウンドに、サウンドスケープ的なギターを乗せた、
アンビエントな叙情性がゆったりと耳に心地よい。のんびりとまどろみながら聴き入りつつ、気付けば暖かな日差しが差し込むような
美しい音の渦に飲み込まれている。あるいは水中から、きらきらとした頭上の陽光を眺めているという感じだろうか。
ロック色は皆無ながら、単なるニューエイジとも異なる繊細で深みのある世界観が、プログレ向きな一枚であろう。
ドラマティック度・・7 ロック度・・1 ヒーリング度・・8 総合・・7.5
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Erik Wollo 「Different Spaces」
ノルウェーのミュージシャン、エリク・ウォーロの2017年作
北欧のジャズロック&ニューエイジ界では、TERJE RYPDALの再来とも言われるギタリストで、
うっすらとしたスペイシーなシンセに繊細なギタートーンを重ねた、サウンドスケープ的な作風。
シンフォニックといってもよい美しさと空間的な静謐感は、単なるニューエイジの枠を超えた幻想性に包まれていて、
シーケンサーによるデジタルなアレンジも含めて、Klaus Schulzeなどにも通じるサウンドが楽しめる。
2CDで合計147分という大作なので、途中、さすがに長尺感はあるのだが、美しいシンセの重ねと
ゆったりとしたギター、ときにエレクトロな感触も加わったスペイシーなBGMとしてのんびりと聞き流せます。
スペイシー度・・8 シンセ度・・8 ギター度・・7 総合・・7.5
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ESA KOTILAINEN 「Perhosniitty」
フィンランドのミュージシャン、エサ・コティライネンの2012年作
TASAVALLAN PRESIDENTTIのシンセ奏者として活動し、WIGWAMやJukka Tolonenの作品にも参加している。
本作はやわらかなアコーディオンの音色を中心に、タンゴを基調にした哀愁を感じさせるインストサウンドを聴かせる。
3~4分台の楽曲は、プログレ的な展開というのはあまりなく、リズム的にもゆったりと優雅な耳心地で、
これという盛り上がりやフックは希薄なのだが、北欧らしいそこはかとない土着性と哀愁の翳りに包まれている。
ときにミニムーグやメロトロンなども覗かせるが、メインはアコーディオン系なので、少し単調と言えば単調か。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 哀愁度・・8 総合・・7
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Espoo Big Band with Pekka Pohjola「Yesterday's Games」
フィンランドのジャズロック、エスプー・ビッグ・バンドの1986年作
楽曲はペッカ・ポーヨラが手掛け、サックス、トランペット、トロンボーンで14名におよぶブラスセクションに、
ギター、ベース(ペッカ)、キーボード、ドラムが2名という大掛かりな編成。それぞれ4パートに分かれた、
7~10分の大曲で、ブラスが鳴り響くスウィングジャズを基本に、ギター、ドラムのロック色が加わったサウンド。
プログレとして聴くには、ブラスバンド色が強いのだが、そんな中でもペッカのベースの存在感はさすがで、
ソロパートでの巧みなプレイも含めて、スウィングジャズのノリとバンドアンサンブルを優雅に融合させている。
CD化にあたって、1998年のライブ音源(こちらはペッカは不参加)がボーナス収録されている。
ドラマティック度・・7 ロック度・・6 ジャズ度・・9 総合・・8
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ETCETERA「FIN DE SIECLE」
デンマークのシンフォニックロックバンド、エトセテラの1999作
おそらく1stだと思われるが詳細は不明。サウンドの方はゆったりとしたメロディを聴かせる
叙情タイプのシンフォニックロックで、雰囲気的にはTHE FLOWER KINGSを思わせる。
技巧的な部分は少ないが、たおやかなサウンドの中にもキーボードやギターには
なかなかのセンスの良さを感じる。しっとり、じっくりと聴ける北欧シンフォニックの好作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ゆったりたおやか度・・9 総合・・7.5

ETCETERA「Tales of Ardour and Deceit」
デンマークのシンフォニックロックバンド、エトセテラの2003年作
ギター&ベース&シンセというマルチプレイヤーとドラムによる二人組ユニットらしいが、これがなかなか素晴らしい出来。
やわらかなメロトロンをはじめ、広がりのある北欧らしいキーボードワークでメロディアスに聴かせつつ、
どこかヒネた演奏と、先の読めない曲展開がなかなか個性的で、ダイナミックな聴き心地となっている。
10分以上の大曲を中心にじっくり聴かせるタイプの曲が多く、派手さよりも玄人好みの構築力が見事。
そして普通の北欧シンフォ系バンドとは一線を画す不思議なスケール感があり、しだいに引きこまれてゆくのである。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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Fantasia
フィンランドのプログレバンド、ファンタジアの1975年作
オルガンやムーグを含んだ古き良きシンセと、フィンランド語のヴォーカルで聴かせるやわらかなサウンド。
キャッチーな部分はCAMEL的な雰囲気もあるが、むしろプログレ以前のアートロック的な感触もあって、
どこかユルくておおらかな展開が微笑ましい。楽曲は3~5分前後と、比較的あっさりしているが、
同時期のKAIPAなどに通じる土着的な質感や、しっとりとした素朴な叙情はなかなか魅力的だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・7.5
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FARMERS MARKET「MUSIKK FRA HYBRIDENE」
ノルウェーの変態民族ロックバンド、ファーマーズ・マーケットの2nd。1997作
世界最強の馬鹿(笑)・・・もとい、馬鹿テク・民族ロック炸裂のバンド。本作は、007やインディージョンズなどの映画音楽や、
ポップソング、ロックの名曲、あげくの果てにはルパン三世あたりまでを取り込んだ、抱腹絶倒メドレー!!
それも打ち込みなどは使わずすべて人力の生楽器でやっているのが凄い。素晴らしい演奏力をこんなことに使ってしまっていいのか(笑)。
他の曲も変拍子と馬鹿テク炸裂で、ある意味MATS/MORGANにも通じるどこかおちゃらけたユーモアとともに、
ジャンル分け不能の曲が並ぶが、それでも何曲かはバルカン音楽を基本とした比較的まともなトラッドロックをやっていて、
こちらも一線級の出来なのでよけいギャップがおかしい。ジャケに書かれているのはヨーロッパの地図だが、よく見ると国や都市の場所が変。
タイトルの「ハイブリッド諸島」という架空の地域の音楽という設定らしく、ジャケの地図にもその諸島がちゃんと記されている。これもセンスのあるギャグ。
テクニカル度・・10 すっとぼけ度・・10 トラッ度・・7 総合・・8
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Stian Carstensen Farmers Market
ノルウェーのアヴァン・トラッド/ジャズロックバンド、ファーマーズ・マーケットの3rd。2000作
アコーディオン奏者、スティアン・カシュテンセンを中心に、国籍にとらわれないフリーキーな
トラッドロックを追求するこのバンド。ブルガリアの音楽からの影響を覗かせつつ、
本作ではよりシリアスなバルカントラッドに接近した作風となっている。土着的な女性コーラスに
ガドゥルカ(弦楽器)、タパン、カヴァル(笛)、ガイダ(パイプ)といったブルガリアの民族楽器、
サックス、クラリネット、トランペットなども取り入れながら、牧歌的なバンジョーの音色や、
異国的なタブラやタンブーラの響きなども面白い。もちろん曲によってはこのバンドらしい
テクニカルなアンサンブルが聴け、その軽妙さとトラッドの融合具合が絶妙という。
プログレ度・・7 トラッ度・・8 変態度・・7 総合・・8
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Farmers MarketSurfin' USSR
ノルウェーのアヴァン・トラッド/ジャズロックバンド、ファーマーズ・マーケットの4th。2008作
Stian Carstensenのソロ的な色合いが強かった前作から8年ぶりとなる本作は、
タイトルからして“サーフィンUSA”をもじった強烈なブラックジョークなのだが、サウンドの方は
ハネるリズムの上に、アコーディオンとサックスが鳴り響き、そこに異国的なタブラなども加わって、
相変わらず一種奇妙なアヴァン・ジャズロックを展開。おちゃらけたギャグに本気で取り組む姿勢は
ALAMAAILMAN VASARATなどに通じるものがあり、どことなく哀愁があるのもまた同様。
プログレ度・・8 軽妙度・・9 変態度・・8 総合・・8
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FATAL FUSION 「Land of the Sun」
ノルウェーのプログレバンド、フェイタル・フュージョンの2010年作
シンセを含む5人編成で、ムーグやオルガンの音色が鳴り響く、古き良き北欧プログレの香りを感じさせるサウンド。
かすれたヴォーカルの歌声とともに、70年代ハードロック的な感触もあり、
シンセ奏者のスペイシーなセンスや叙情的な泣きのギター入ったりと、これだという派手さはないが、
バンドとしてのキャリアを感じさせる渋い聴き心地の好作だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5




Fatal Fusion 「The Ancient Tale」
ノルウェーのプログレバンド、フェイタル・フュージョンの2013年作
古き良き70年代ハードロック的な要素を含んだ前作からの流れで、
どこかブルージーなテイストのギターにオルガンが絡むサウンドであるが、
今作では、10分以上の大曲をメインにした壮大な雰囲気が強まっている。
野太い系の男性ヴォーカルの歌声とともに、ときに牧歌的なやわらかな叙情も含ませて
コンセプト的なドラマ性を含んだ70年代英国ルーツのハードプログレが楽しめる。
ドラマテイック度・・8 プログレ度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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FATAL FUSION 「TOTAL ABSENCE」
ノルウェーのプログレバンド、フェイタル・フュージョンの2016年作
前作は古き良き英国テイストのハードプログレであったが、3作目となる本作もハード寄りのギターに
朗々としたヴォーカルの歌声とオルガンやムーグを含むシンセアレンジで、どっしりとしたサウンドを聴かせる。
ヴォーカルの枯れた味わいの声質は、MAGNUMなどの英国プログレハードを思わせるところもあり、
ハードロック、ヴィンテージロックのファンにも受けそうな感触だ。メロディックなインストナンバーや、
メロトロンが鳴り響き、メロウなギターとともに北欧らしい哀愁の叙情に包まれたナンバーなども味わいがある。
11分、15分というアルバム後半の大曲は、オルガン、メロトロンとともに適度なハードさを含んでじっくりと盛り上げる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 哀愁の叙情度・・8 総合・・8 
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Fervent Mind 「Tranquilize」
ノルウェーのプログレ・ポストロック、フェルヴェント・マインドの2019年作
ドラム、ベース、ギターのシンプルなバックにうっすらとしたシンセ、美しい女性ヴォーカルを乗せた
翳りを帯びた北欧らしい涼やかなサウンドを聴かせる。ゴシックメタル的な雰囲気もいくぶんありつつ、
型にはまらないエクスペリメンタルな空間性に包まれた、しっとりとした雰囲気でも楽しめ、
一方では、オルガンを含むシンセとともに、プログレ寄りの感触もあるので、あなどれない。
キャッチーな味わいの叙情ナンバーや、クリムゾン風のスリリングなインスト、トレモロのギターのポストロックと
幅広い曲調でボーダーレスの味わい。女性声の美しさを活かしたシンフォニックな曲もいいですね。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Finn ArildSerendipity
ノルウェーのアーティストによる個人ユニット、フィン・アリルドの2005年作
キャッチーなヴォーカルメロディのプログレハードというサウンドで、
うっすらとしたシンセアレンジにやわらかなコーラスハーモニーで
じつに爽やかな聴き心地。プログレ的な展開やテクニカル性は薄いが、
このポップな耳触りの良さは、ACTIT BITES、さらにはTOTOなどのファンにも
楽しめるだろう。個人的にはもう少しプログレかシンフォ寄りだと嬉しいんですが。
メロディック度・・8 プログレ度・・6 ポップ度・・8 総合・・7.5
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Finn Arild「Testament」
ノルウェーのプログレユニット、フィン・アリルドの2010年作
前作はポップな雰囲気の作品であったが、本作はのっけから16分の組曲を持ってくるなど
ぐっとプログレ寄りの力作に仕上がっている。曲名通り、GENESISルーツのシンセアレンジに、
メロディックなギターのフレーズを含ませて、古き良きプログレの質感を再構築している。
歌メロを含んだキャッチーさも含めて、MOON SAFARIあたりに接近したというような感触もあり、
センスのある明快なアレンジに好感が持てる。メロディ派のリスナーには必聴級の傑作だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 GENESIS度・・8 総合・・8
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FLAGSHIP「maiden voyage」
スウェーデンのメロディアスプログレバンド、フラッグシップの2005年作
一聴してKANSASからの影響を感じさせる、キャッチーなプログレハードサウンド。
難解な部分は微塵もなく、メロディに抜けの良さと哀愁が同居していて、
美しいピアノの音色やヴォーカルの歌い方もどこか古き良きロマンを感じさせる。
ヴァイオリン的なシンセの音色とギターの絡みもなかなか確信犯的で、
KANSASをはじめ70年代のアメリカ系プログレハードを現代に甦らせたかのようなサウンド。
クオリティも高いです。そして当のKANSASのケリー・リヴグレンもゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 KANSAS度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Back in the World of Adventures」
Roine Stoltのソロ名義の作品「The Flower King」からバンド名をとり、
新たにフラワー・キングスとしてのバンド体勢となっての1作目。1995年作
1曲目の13分のタイトル曲がまず素晴らしい。希望に満ちたキャッチーなメロディと
ロイネ・ストルトの泣きの叙情ギターが合わさった、まさにユートピア的なシンフォニックロック。
トマス・ボディーンによる温かみのあるシンセワークも随所に光っていて、北欧らしいメロディを盛り込んだ“Thema For A Hero”や、
美しい叙情が詰まったラストの大曲“The Big Puzzle”まで、大人の構築センスと深みのあるメロディの流れが楽しめる。
新たなバンドのスタートを感じさせる、まさに爽快な傑作に仕上がっている。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「Retropolis」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの2nd。1996年作
前作とともに初期のフラキンを代表する傑作。ロイネ・ストルトのメロウなギターワークと、
トマス・ボディーンのシンセを中心に、ファンタジックな香りとともにゆるやかに構築されるサウンドで、
北欧的な素朴さとシンフォニックな質感が合わさった楽曲は、ゆったりと楽しめる聴き心地。
とくにタイトル曲を含め10分を超す大曲が素晴らしく、全体的には地味に思えるものの、
やわらかな叙情という点においては、フラキンの作品中でも屈指の出来だと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「STARDUST WE ARE」
北欧を代表するシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの3rd。1997年作
本作ではCD2枚組の大作となって、そのサウンドにはさらに雄大さが増している。
トマス・ボディーンの華麗なシンセワークにロイネ・ストルトのメロディアスなギターも全開。
とくにDisc2の楽曲がいい感じで、キャッチーなメロディとじわじわくる盛り上げ方が心憎い。
ラストを飾る25分のタイトル曲まで、トータルな流れで楽しめる見事なシンフォニック作品である。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Scanning the Greenhouse」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのベスト。1998年作
1995年のロイネ・ストルトのソロ名義「The Flower King」から、1997年作「Stardust We Are」までの4作から選曲された、
いわば初期フラキンのベスト。ロイネの叙情的なギターワークとトマス・ボディーンのプログレらしいカラフルなシンセを軸に
キャッチーなメロディアス性に包まれたシンフォニックロックが詰まっている。10分を超える大曲揃いであるが、
「World Of Adventures」での優美な叙情性はやはり白眉。ソロ名義での名曲「The Flower King」と、
「Stardust We Are/Part3」は本作にあたってのリレコーディング音源で、原曲と比べるなどして楽しめる。
「Retropolis」もなにげに良い曲ですな。初期フラキンの魅力をしっかりと感じ取れるベストアルバム。バンドの入門用にもぴったりだろう。
ドラマティック度・・8 フログレ度・・8 初期フラキン度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Flower Power」
スウェーデンのシンフォニックロック、フラワー・キングスの4th。1998年作
のっけからなんと59分の組曲“Garden of Dreams”で幕を開けるCD2枚組の大作。
1995年の1作目から毎年のように作品を作り続けるのも凄いが、それも内容の質あってのこと。
18パートに分かれた長大な組曲は、流れるような展開の中で、シンフォニックな美しさと
クラシカルな華麗さ、ときにジャズ的な軽やかさも含みながら、じわじわと盛り上がってゆく。
ロイネ・ストルトの絶品のギタートーンはもちろん、トマス・ボディーンの繊細なシンセワークも素晴らしく、
メンバーたちの伸びやかなアンサンブルは、確かな音の説得力と適度な緊張感を生み出している。
Disc1が68分、Disc2が73分という、相当な大作だが、心地よいサウンドに浸って聴き通せてしまう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大作度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「ALive On Planet Earth」
スウェーデンのシンフォニックロック、フラワー・キングスのライブ。2000年作
初の公式ライブ音源で、Disc1には1998年アメリカでのステージを、Disc2には1999年日本でのステージを収録。
アメリカの音源では、トマス・ボディーンの代打として、ロバート・エングストランドがシンセを担当。
アルバム「Retropolis」収録の大曲で幕を開け、「Stardust We Are」からの叙情ナンバーでは、
美麗なシンセにロイネ・ストルとのメロウなギターが重なる、優美なシンフォニックロックが楽しめる。
再びレトロポリスからの大曲に、GENESIS「The Lamb Lies Down On Broadway」のカヴァーも披露。
Disc2では、「Back In The World Of Adventures」収録の大曲から、「Stardust We Are」からの代表曲に、
ソロ時代の傑作ナンバー「The Flower King」まで、初期フラキンの優美なサウンドがたっぷり楽しめる。
トマス・ボディーンの優しいシンセワークに、ロイネの哀愁のギターは絶品。総じてDisc2の出来がよいですな。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「SPACE REVOLVER」
スウェーデンのシンフォニックロック、フラワー・キングスの5th。2000年作
前作「フラワー・パワー」が濃密なる大作だったのに対し、本作はゆったりとしたメロディアスなシンフォ作。
一聴するとやや地味な印象ながら、トマス・ボディーンのシンセワークがいつも以上に美しく、
アルバムの冒頭と最後に分けられた“I'am The Sun”をはじめ、ゆったりとした歌もの系のシンフォニックナンバーが楽しめる。
本作から加入のヨナス・レインゴールドのベースもアンサンブルの中に上手く溶け込んでいて、
ロイネのギターはいつもより控えめに思えるのだが、むしろ美しいシンセワークでゆるやかに聴ける好作だといえる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 トマス・ボーディン度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「THE RAIN MAKER」
スウェーデンのシンフォニックロック、フラワー・キングスの6th。2001年作
2枚組の大傑作「The Flower Power」、ゆったりとしたメロディックな好作「Space Revolver」をへて、
6作目となる今作は、一言で言うと自然体なアルバムで、そのサウンドにはなんの気負いも感じられない。
1曲目冒頭のダークなメタリックなリフに驚くが、その後は適度に余裕のある楽曲がバンドの年季を感じさせる。
メロディの流れ、流麗な楽曲アレンジには無理や誇張がなく、演奏者の楽しさが伝わってくるようだ。
アルバムを重ねるごとに、アレンジとメロディの洗練度を上げて、ついにここまでの質に到達した。
現在シンフォニックの大作をここまでさらりと作ってしまえるバンドは、この「花王」をおいていまい。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲アレンジ・・9 総合・・9
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The Flower Kings 「Live in New York」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのライブ。2002年作
2002年ニューヨークでのステージを収録したオフィシャル・ブートレグで、メンバーは、
ロイネ・ストルト、トマス・ボディーン、ヨナス・レインゴールド、ハッセ・フレベリに、
ドラムはこの時点で新加入のソルタン・チョース。のっけから「FlowerPower」収録の大曲
“Garden of Dreams”を45分にわたって披露。軽やかなソルタンのドラミングに乗るロイネの奔放なギターワークも素晴らしく、
ブートレグならではのライブの生々しい躍動感が伝わってくる。フラキンファンならとても楽しめる全74分のライブ音源です。
シンフォニック度・・7 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「UNFOLD THE FUTURE」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの7th。2002年作
CD2枚組の大作で、いかにもプログレらしい、ある意味では玄人好みの作品といえるかもしれない。
CD1枚目の冒頭から堂々と30分の大曲をもってくるあたり、円熟の極みにあるこのバンドらしい。
楽曲自体は自然体の弾きまくりアンサンブルと構築性とが融合した、いつものフラキン節だが、
2枚目の方はよりジャズ風味の演奏で(今回ベースがとても効いている)、いくぶん評価が分かれるかもしれない。
とにかくも、やりたいことをやっているというロイネ・ストルトの奔放な音楽創造の楽しさが伝わってくるような作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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The Flower KingsMeet the Flower Kings
フラワー・キングスのライブ作品。2003年作
同タイトルのDVDと同じく、2003年のスウェーデン、ウプサラでのステージを収録した2枚組。
アルバム 「Unfold the Future」収録の大曲“The Truth will Set You Free”で幕を開け、
トマス・ボディーンのきらびやかなシンセワークとロイネ・ストルトのギターワーク、
ソルタン・チョースの巧みなドラムとヨナス・レインゴールどの存在感あるベースが合わさり、
見事なアンサンブルを聴かせてくれる。「Flowerpower」収録の組曲“Garden of Dreams”では、
ハンス・フローベルグのマイルドな歌声とともに、起伏に富んだ展開力が楽しめる。
Disc2はソロ名義でのデビュー作「The Flower King」収録の“Humanizzimo”から始まり
ラストの“Stardust We Are”まで、大曲ばかりの素晴らしい演奏が楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「MEET THE FLOWER KINGS」
フラワー・キングスのライブDVD。2003作
ライブにおいても見事なロイネのギターは当然として、改めて素晴らしいと思えるのがZ・チョースのドラムで、
手数の多さと確かなテクニックに加え、独自のセンスを持ったドラミングは楽曲の核を担っている。
また、もう一人のG/Voであるハンス・フレベリは、歌のみならずフロントマンとしてのルックス的にもバンドの「顔」となっている。
そしてツアー参加しているダニエル・ギルデンロウ(PAIN OF SALVATION)も、曲によってギター・キーボード・パーカッションと器用にこなし
裏方で大活躍。とにかく、この演奏とバンドアンサンブルを見ていれば、いかに彼かの音が緻密な重なりと
心地よい空間の構築で構成されているのかが再確認できるはず。まだフラキンを知らない方にも、
このDVDを見ることでこのバンドの素晴らしさがどこにあるかが理解できよう。必見のライブ作品。
ライブ映像・・9 ライブ演奏・・9 シンフォニック度・・8 総合・・9
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The Flower Kings 「Betcha Wanna Dance Stoopid!」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのライブ。2004年作
2003年、ニューヨークでのファンクラブでのセッションギグで、即興的なナンバーを主体にしたセットリスト。
ダニエル・ギルデンロウを加えての6人編成で、ソルタン・チョースの叩き出す軽やかなドラムに、
トマス・ボディーンのやわらかなシンセ、肩の力の抜けたロイネ・ストルトのギターを乗せて、
ジャズロック的でもある優雅な演奏が聴ける。ハッセ・フレベリのヴォーカルも即興的で、
アコースティックギターにオルガンを重ねた、18分の大曲など、通常のライブでは聴けない
バンドのリラックスした側面を覗かせる。ボーナスも含めて77分。フリーなフラキンが楽しめます。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 即興度・・8 総合・・7.5 
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THE FLOWER KINGS「ADAM & EVE」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの8th。2004年作
今作は「世界の始まり、ときの流れ」といった壮大なテーマを組み入れた80分近い大作。
前回から加わったドラマー、ゾルタン・チョースの支える抜群のリズムはしっかりとサウンドの重心を支え
ロイネのメロウなギターフレーズと、トマス・ボディーンの多彩なKEYワークがいつも以上にしっとりと心地よい。
ライブのツアーメンバーであったPAIN OF SALVATIONのダニエル・ギルデンロウも引き続き参加。
また、DVDでも感じたがハッセ・フロバーグのVoの表現力も格段に増していて、楽曲のドラマ性を高めている。
全体的に力の抜け具合が落ち着いた印象のアルバムで、スリリングな要素は希薄ながらじっくりと聴ける。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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CIRCUS BRIMSTONE LIVE「BRIMSTONE IN EUROPE」
バンド名は違うが内容はれっきとしたTHE FLOWER KINGSのライブ作です。2005作
Voなしのインスト曲のみということで、あえてTFKの名前を使わずに
わざわざ別バンドのようにしているのがなんとも彼ららしいシャレだが、
音の方はかつてのフラキンのなつかしの楽曲が楽しめるなかなか美味しい内容。
新ドラマーのプレイは前任者に比べれば取り立てて凄くはないが、無難にバンドに溶け込んでいる。
そして過去曲でのロイネのメロディアスなギタープレイはファンには嬉しいかぎり。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8

THE FLOWER KINGS「PARADOX HOTEL」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの2006年作
今作はジャケからしてコミック調であるが、架空のホテルを舞台にしたファンタジックなコンセプト作品。
全体的にゆったりとした優雅なサウンドで、ロイネ・ストルトのメロウなギターフレーズに
トマス・ボディーンの包み込むような優しいキーボードワークで、優美なシンフォニックロックを聴かせる。
CD2枚組みの大作ながら、かつての「RETROPOLIS」のような自然体のやわらかさで、
Disc2ではブルージーな大人の哀愁も覗かせる。たたみかけるような派手さはないが、
メロディアスな質感という点では、ここ数作では一番のアルバムといってよいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGSInstant Delivery
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのライブDVD。2006年作
今回はメンバー5人による純粋なバンドサウンドで、「Paradox Hotel」からの曲を中心に、
ときおりブルーズロック色を感じさせるのは、現在のロイネの趣味なのだろうか、
ベテランとしての枯れた味わいをかもしだしつつも、ハンス・フローベルグのやわらかな歌声や
トマス・ボディーンのキーボードとともに、聴かせるところでは感動的に盛り上げる。
音の厚みやサウンドの厚みでは前作DVDよりもやや落ちるものの、 演奏は以前よりも自然体で、
バンドとしての成熟された境地を表している。新ドラマーのプレイもなかなかのものだ。
二度めのアンコールでは“Stardust We Are”を披露。MC入りのライブステージ完全収録。同タイトルのCD付き4枚組みもある。
シンフォニック度・・7 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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The Flower Kings「The Road Back Home」
フラワー・キングスのベストアルバム。2007年作
1994年のロイネ・ストルトのソロ名義「The Flower King」から、2006年の「Paradox Hotel」までから
セレクトされた2枚組で、合計153分という大ボリューム。比較的コンパクトな曲がセレクトされていて、
このバンドのキャッチーな軽やかさが味わえる内容となっている。GENESISのカヴァー“Cinema Show”などもじつに美しく、
Disc2ラストでの“The Flower king”~“Stardust We Are”という流れは、このバンドのドラマティックな側面を覗かせる。
ロイネ・ストルトがプロデュース、全曲リミックスしてあるので、アルバム盤よりも音質が良く、
大曲は入っていないが、そのぶんゆるやかな聴き心地で、フラキンファンならば楽しめる内容になっている。
メロディック度・・8 コンパクトな選曲度・・8 ある意味フラキンのユルさ度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGSThe Sum of No Evil
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの10th。2007年作
今回はやや原点回帰したような シンフォニックロックサウンドが復活している。トマス・ボディーンの絶品のシンセアレンジに
枯れた味わいも加わったロイネ・ストルトのギターワーク、そしてマイルドなハッセの歌声は、
バンドとしての一体感と、ゆるやかな希望的メロディを、陽光のように楽曲にもたらしている。
また、前ドラマーであったゾルタンの復帰も個人的には嬉しく、リズム面でのタイトさも素晴らしい。
13分の大曲から始まり、24分、13分、12分と、どれもシンフォニックロックとしての魅力を
詰め込んだ長曲を連ねた、まさにベテランバンドとしての充実ぶりを感じさせる力作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The Flower Kings 「Carpe Diem」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのライブ作品。2008年作
オフィシャル・ブートレグとして発表された、2006年のアメリカツアーの音源で、
「Paradox Hotel」からのナンバーから始まりつつ、「Flower Power」や「Stardust We Are」からの楽曲も演奏。
ラストは名曲“World of Adventures”、アンコールはカナダ公演からの「Adam & Eve」からの楽曲で締めくくる。
音質もおおむね良好で、正規ライブ作品に比べると少しラウドかなという程度。
なにより、脂の乗った演奏には、バンドとしての大人の余裕と表現力が感じられて、
軽妙にして優雅な聴き心地である。フラキンのファンならばチェックすべし。
ライブ演奏・・8 ドラマティック度・・8 音質・・7 総合・・8
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The Flower Kings 「“Tour Kaputt” Live」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスのライブ作品。2011年作
2007年のヨーロッパツアーの音源をCD2枚に収録。ドラムにはKING CRIMSONのパット・マステロットを迎えた編成で、
ヨナス・レインゴールドのベースとともに安定したリズムを形成、トマス・ボディーンのやわらかなシンセに
ロイネ・ストルトの味わい深いギターワークを中心に、ベテランらしい肩の力の抜けた演奏を聴かせる。
Disc1は「The Sum Of No Evil」収録の大曲“Love is the Only Amswer”で幕を開け、「Retropolis」からのタイトル曲や
Space Revolver」からの大曲“I Am The Sun”まで、叙情豊かなフラキン節がたっぷりと楽しめる。
Disc2は「The Sum Of No Evil」収録の大曲“Life In Motion”、“The Sum Of No Reason”を含む7曲を収録。
オフィシャル・ブートレグという扱いだが、音質もまず良好。同タイトルのDVDもあり、ファンはそちらも必見だ。
プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・8
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The Flower Kings「Banks of Eden」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの2012年作
ロイネ・ストルトはAgents of MercyTRANSATLANTICなどの活動もあって、
TFKをすっかり忘れていたのかと思ったら、こうしてしっかりと5年ぶりとなる作品を完成させた。
のっけから25分の大曲であるが、聴けば安心のフラキン印。マイルドなハッセの歌声に、
トマス・ボディーンの美しいシンセワーク、ロイネのメロウなギターで描かれる、
まさに桃源郷ともいうべき自然体のシンフォニックロックサウンドは不変である。
力みのない大人の余裕と豊穣なセンスで構築された、フラキン現在形の好作品。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン度・・9 総合・・8
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The Flower Kings 「Desolation Rose」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの2013年作
2012年の来日公演を成功させ、名実共に現代シンフォニック/プログレの代表となったフラキンである。
13分の(彼らからしたら比較的控えめな長さの)大曲で幕を開ける本作は、前作と同じメンバーで作られた安定感と
バンドとしての良好なパワーを感じさせる。いまやバンドのイメージとなったハッセ・フレベリの歌声と、
土台を支えるヨナス・レインゴールドのベースに、トマス・ボディーンの巧みなシンセアレンジ、
そして、ロイネ・ストルトの奏でる芳醇なワインのような味わい深いギターのトーンとともに、
自信に満ちた鉄壁のアンサンブルを描いている。いくぶん翳りを含んでいた前作よりも、
キャッチーなメロディパートが増えているのも個人的には嬉しい。ベテランとしての円熟の中にも
プログレ/ロックとしてのスリリングさを失わず、構築センスに磨きをかけた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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The Flower Kings 「Waiting For Miracles」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの2019年作
1995年にデビューし、本作は6年ぶりとなる13作目。長年シンセを務めてきたトマス・ホディーンが脱退し
ドラマーも交代して、バンドもリニューアル。やわらかなピアノとシンセに、ロイネ・ストルトのギターを重ね、
ハッセ・フレベリの味わいのあるヴォーカルを乗せて、ゆったりとした大人の叙情に包まれたサウンドを描く。
ロイネの豊饒なギターメロディにハッセの歌声があれば、そこはいつものフラキンの味わいになるので、
優美でキャッチーな安心の聴き心地。ストリングスアレンジを含んだシンフォニックなインストパートなど、
サントラのようなゆるやかなスケール感を含んだナンバーから優雅な歌ものまで、バランスのとれた作風で、
随所に名人ロイネの絶品のギターフレーズに聴き惚れる。2CDで合計84分。派手さはないが、大人の力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8 
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Folque 「Kjempene Pa Dovrefjell」
ノルウェーのフォークロック、フォルケの1975年作
「北欧のSPRIGUNS」とも呼ばれるバンドで本作は2作目となる。母国語の女性ヴォーカルの歌声に、
マンドリンやダルシマーの素朴な音色と、ドラムとギターが入ったロック要素を合わせたサウンド。
確かにスプリガンズを思わせる部分もあるが、フィドルが鳴り響き、母国語の歌声を乗せた空気感には
やはり北欧らしい涼やかな土着性が強く感じられる。男性ヴォーカルによる素朴なフォークナンバーもありつつ、
全体的にはロック的なノリがわりとあるので、アコースティック系が苦手なリスナーにも楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Folque 「Vardoger」
ノルウェーのフォークロック、フォルケの1977年作
3作目となる本作も、前作の延長上の作風で、母国語の女性ヴォーカルに男性声が絡み、
フィドルの音色にアコースティックギター、フルートなどによる土着的な叙情性が、
適度なロック要素と融合した聴き心地。英国のフォークバンドからの影響も感じさせつつ、
北欧らしい神秘的な空気感と素朴な味わいがこのバンドの魅力となっていて、
随所にKebnekajseあたりにも通じる親しみやすいトラッドメロディがよい感じだ。
北欧のスプリガンズ、というよりは、男女Voのトラッド風フォークロックの逸品ですな。
ドラマティック度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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THE FOUNDATION「DEPARTURE」
スウェーデンのメロディックプログレバンド、ザ・フォウンデーションの1984作
詳細は知らないが、メンバーが同郷のTRIBUTEとも関連があったらしい。
音の方は北欧らしい透明感のあるシンフォニックロックで、キーボード、ギターによるゆったりとしたメロディが心地よい。
CAMELGENESISあたりのマイルドな部分を北欧風にしましたというサウンドでここぞという盛り上がりやインパクトには欠けるが、
これはなかなかの好作。年代にしては機材も良く音質も上々。産業ロック風のきらびやかなキャッチーさも魅力だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 たおやか度・・8 総合・・7.5
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FreddeGredde 「Thirteen Eight」
スウェーデンのマルチプレイヤー、フレドリック・ラーソンによるプロジェクト、フレッディゲラダの2011年作
ギター、ベース、シンセにヴォーカルをすべて一人でこなす、期待の若手ミュージシャン、
美麗なシンフォニック性とキャッチーなメロディアスさで構築されるサウンドは、
聴き心地の良さと軽快な展開力を両立させていて、デビュー作にしては相当質が高い。
甘い歌メロとコーラスはMOON SAFARIあたりにも通じるような人懐こさがあり、アコーディオンなど
アコースティック要素も含め、北欧らしい叙情も素晴らしい。アレンジは凝っているのだが難解さは皆無。
精細さとダイナミック、性と動のメリハリという点では、プログレ化したQUEENともいうべきか。
あるいはACTなどのプログレハード好きにも楽しめるかと。今後に大期待のアーティストです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 プログレ度・・8 総合・・8
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Fredde Gredde 「Brighter Skies」
スウェーデンのマルチプレイヤー、フレドリック・ラーソンによるプロジェクト、フレッディ・ゲラダの2014年作
前作はMOON SAFARI + QUEENというような好作であったが、本作も美麗なシンセにメロディックなギター、
マイルドなヴォーカルを乗せた、キャッチーな抜けの良さに包まれたシンフォニック・プログレが楽しめる。
ギター、ベース、シンセ、ヴォーカルは自身が担当し、ドラムとフルートにはゲストを起用、
QUEENを思わせるコーラスにゴージャスな楽曲アレンジ、若手らしい適度にモダンな構築センスは、
オランダのCHRISや英国のTiger Moth Talesなどにも通じるだろう。11分、18分という大曲も、
あくまで優雅で壮麗な聴き心地。きらびやかな光に溢れる遊園地のような雰囲気の好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅で壮麗度・・9 総合・・8
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Fruitcake「Man Overboard
ノルウェーのプログレバンド、フルーツケーキの1997/2004年作
フルート奏者を擁するGENESISタイプのシンフォニックロックで、うっすらとしたシンセにたおやかなフルートの音色が重なり、
北欧らしい涼やかな叙情とともにやわらかみのあるサウンドを聴かせる。
スリリングな展開は希薄だが、ゆったりと楽しめる古き良き感触のシンフォニックロック作。
ボーナスDiscには旧作からの楽曲や、リーダーのPAL SOVIKのソロ・マテリアルを収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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GALLEON 「Beyond Dreams」
スウェーデンのプログレバンド、ギャレオンの2000年作
1992年にデビュー、本作は6作目。初期作はZEROレーベルから日本盤も出ていたのでご存知の方もいるだろう。
美しいシンセに叙情的なギターを重ね、マイルドなヴォーカルで聴かせる優美なシンフォニックロック。
北欧らしい涼やかな透明感と、ポンプロックルーツのキャッチーなメロディアス性に包まれていて、
繊細な美意識と適度にハードな質感が同居したところは、ドイツのEVERONあたりにも通じるだろう。
派手な展開やスリリングな部分はないが、うっすらとしたシンセが幻想的な味わいを生み出していて
メロウなギターフレーズが加わると、じつに耳心地がよい泣きの叙情がじわじわと広がってゆく。
まさに90年代の正統派シンフォニックロックを受け継ぐスタイルで、本作がバンドの最高作だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8 
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GALLEON「FROM LAND TO OCEAN」
スウェーデンのメロディック・シンフォニックロックバンド、ギャレオンの2003作
かつてはZEROレーベルから日本盤も出ており、名前だけは知っている方も多いと思う。
初期のころは北欧的土着メロディがなかなか田舎くさくて良いメロディックロックだった記憶がある。
現在まで地道に活動をしていたとは驚きだが、今回はなんと2枚組の大作となっている。
緊張感の薄いゆったりとした曲調とメロディアスな部分はかつてのまま、歌メロのキャッチーさや、
キーボード、ギターのアレンジなどには初期のフラキンなどを思わせる部分もあり、
全体としてはなかなか心地よいサウンドになっている。ゆったり系シンフォが好きなら楽しめる。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7
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GALLEONIn the Wake of the Moon
スウェーデンのメロディック・シンフォニックロックバンド、ギャレオンの2010作
90年代から活動するバンドでこれが9作目。聴くのは2003年作以来だが、
美しいシンセワークとキャッチーなヴォーカルメロディで、北欧らしい涼やかさを含んだ
メロディアスなサウンドは健在。盛り上がり切らない煮え切らなさも相変わらずだが、
全体的な聴き心地の良さはプログレハード的な楽しみ方もできるだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Gargamel 「Watch for the Umbles」
ノルウェーのプログレバンド、ガルガメルの2006作
チェロ奏者を含む6人組で、ハモンドやメロトロンなどが鳴り響くレトロなヘヴィプログレ。
ダークな部分はやはり初期のANEKDOTENからの影響が強いと思われるが、
こちらはギターの質感などに70's英国ロック的なものが感じられる。
全5曲のうち10分以上の大曲が3曲あり、多少歌も入るがインストパートが多いので
この手が好きでないと長尺感に聴き疲れするだろう。逆にいうと新人にしてはかなりの力作。
音にはサイケロック的な浮遊感もあり、チェロとフルートが絡むとチェンバーロック風味も顔を出す。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 レトロ度・・8 総合・・7.5
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Gargamel「Descending」
ノルウェーのプログレバンド、ガルガメルの2008年作
前作もANEKDOTENタイプのなかなかの力作であったが、本作もメロトロンや
ハモンド、ムーグなど、ヴィンテージな音色を響かせる70年代風の音作り。
ダークな緊張感をただよわせた作風はむしろMORTE MACABREにも近いか。
12分、18分という大曲を含む全4曲という構成で、さすがにやや長尺感があるが、
どこかサイケロック気味の浮遊感と、楽曲の盛り上げ方にメリハリがついたことで、
壮大な雰囲気に耳惹かれる。フルートやチェロ、トロンボーンなどの楽器も、
効果的に使われている。北欧ヴィンテージ系としてもなかなかの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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GATE「Jygri」
ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの1st。2003作
2nd「ISELILYA」は日本盤も出て話題になったバンドの1stの再発盤。
土着的なメロディを大胆に取り入れたサウンドは、モダンなトラッドロックという趣で、
いくぶんメタリックなギターとシンセが合わさり、そこに艶めいた女性ヴォーカルの歌声が乗る。
母国語の歌声がいかにも北欧の空気を感じさせるが、土臭さをヘヴィなアレンジで包み込んでいて
ラジカルトラッドのリスナーはもとより、メタル、ハードロックのリスナーにも違和感なく聴けるだろう。
より北欧トラッドに接近した2ndよりも、むしろこちらの方がフォークメタルに近いかもしれない。
ボーナスディスクにはデモやライブ音源など4曲を収録。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GATE「ISELILYA」
ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの2nd。2004作
正統的な北欧トラッドをモダンに構築し直したというような面白いサウンドで、1作目はむしろフォークメタル寄りに楽しめたが、
本作も、艶のある女性ヴォーカルをフロントに、フィドルが鳴り響く北欧らしいトラッドメロディをバンドサウンドで解釈している。
いうなれば、GARMARNAあたりにも似た質感であるが、そこにキーボードによるシンフォニック性や、
ときにゴシックメタル的な部分を加味したような雰囲気もある。寒々しい静寂感と同時に、
ロック的なノリの良さ(ときにサイケ調)も併せ持っていて単なる自己満足ではない聴きやすさがあるのがよい。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Gazpacho 「bravo」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパチョの2003年作
自主制作によるデビューアルバムの2016年再発盤。いまやポストプログレの第一人者となった感のあるバンドだが、
本作の時点では、わりとハード寄りのギターを含んだロック色と、プログレ的なシンセによる味付けで、
モダンで繊細な薄暗系プログレというサウンドである。マイルドなヴォーカルにアコースティックギター、
オルガンなどのシンセが絡む繊細な聴き心地と、キャッチーな歌もの感触が合わさった作風は、
Porcupine Treeなどからの影響も感じさせる。3~6分ほどの楽曲を知的にスタイリッシュに構築するセンスは、
デビュー作ながらも光っていて、のちの作品に比べるとノリのあるロック感触も強いので、初心者にも入りやすいだろう。
ゲストによるヴァイオリンや女性ヴォーカルも加わったナンバーもあって、ゆったりと優しい聴き心地で楽しめます。
ドラマティック度・・7 薄暗度・・8 繊細度・・8 総合・・8 
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Gazpacho 「When Earth Lets Go」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパッチョの2004年作
シンセを含む5人編成で、モダンでエレクトロなアレンジとマイルドなヴォーカルに
シンフォニックな要素も含んだ、繊細な叙情サウンドはフ作目の本作ですでに確立している。
メロトロンやオルガンなどの美しいシンセアレンジに包まれつつ、のちのアルバムに比べると、
いくぶんハードなギターも入ってきたり、楽曲も4~5分台中心でわりとシンプルなので、
プログレというよりは、Marillionのようなメロウな叙情ロックとしても楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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Gazpacho 「FIREBIRD」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパチョの2005年作
3作目となるアルバムの2016年再発盤。うっすらとしたシンセに包まれて、メロウなギターと
マイルドなヴォーカルを乗せた、薄暗系のポストプログレは、本作の時点で完成されたといえる。
前作でのMarillion的なスタイルから、北欧らしい涼やかで物悲しい空気感をまとわせ、
厚みのあるシンセアレンジやヴォーカルの表現力も含めて、ひとつモダンに推し進めたという感触。
アコースティックパートから、わりとハード寄りのギターや、女性コーラスを加えたパートなど
メリハリある構築センスも光っている。2パートに分かれた優美なナンバー「Orion」をはじめ、
楽曲ごとの魅力も十分。バンドとしては初期の傑作というべきアルバムだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Gazpacho 「Night」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパッチョの2007年作
本作は4作目のアルバムで、シンセにヴァイオリン奏者を含む6人編成となっている。
いきなり17分の大曲から幕を開けるが、難解なところはなく、うっすらとしたシンセに包まれて、
マイルドなヴォーカルと適度にードな質感を残したギターで聴かせるやわらかなサウンド。
ドイツのSylvanなどにも通じる叙情的な耳心地に、PINK FLOYD的な浮遊感も含んでいる。
夜をテーマにした物寂しい静謐感とともに、しっとりと味わえる好アルバムです。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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Gazpacho 「A Night at Loreley」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパッチョのライブアルバム。2009年作
薄暗い叙情のポストプログレ系バンドとしてはすでに中堅のキャリアのこのバンド、
このライブステージでは、スタジオ盤以上にロックとしての躍動感あるアンサンブルで、
Porcupine Tree以降のモダンなセンスのプログレ・ロックサウンドを聴かせてくれる。
うっすらとしたシンセアレンジにマイルドなヴォーカルの歌声、適度にハードなギターは
随所にメロウな旋律も含んでいて、安定した演奏力で楽曲を構築してゆく。
ヴォーカルの録音レベルが少し大きい感じもあるが、バンドのファンなら十分楽しめる内容だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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GAZPACHO 「TICK TOCK」
ノルウェーのポストプログレ、ガスパチョの2009年作
2003年にデビュー、本作は5作目の2016年再発盤。適度にハードなギターにうっすらとしたシンセを重ね、
マイルドなヴォーカルを乗せた、わりとキャッチーな感触ながら、ときにメロトロンの音色が鳴り響く、
涼やかな幻想性とともに、しっとりと繊細な叙情美に包まれた聴き心地。2パート、3パートに分かれた
それぞれ13分、22分という組曲もあって、MARILLIONのような翳りを帯びた美しさに浸れます。
美しいシンセにストリングスも加えたシンフォニックロック的な優美な空間性に、泣きのギターフレーズを乗せ、
ゆるやかに盛り上げるところなどは、多くのシンフォ系リスナーが涙腺を緩ませることだろう。傑作。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 叙情度・・9 総合・・8 
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GAZPACHOMissa Atropos」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパッチョの2010年作
ヴァイオリンにシンセ奏者を含む6人編成で、2002年にデビューし本作ですでに6作目となる。
サウンドは、薄暗い叙情でゆるやかに聴かせるアンビエントなシンフォニックプログレで、
Porcupine Tree+ANEKDOTENというような、しっとりとした聴き心地と、ポストロック、エモ的でもある
マイルドなヴォーカルが耳に優しい。泣きのギターとうっすらとした美しいシンセが合わさると、
まるでポーランドのバンドのような翳りあるシンフォニックロックとしても楽しめる。
レトロなバンドが目立つ北欧であるが、モダン派の叙情系バンドとして今後も期待の存在である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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GAZPACHO「London」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパッチョのライブアルバム。2011年作
ヴァイオリン&マンドリン奏者を含む6人編成のステージで、うっすらとしたシンセに包まれながら
案外ロック的なギターとドラムが加わって、そこにエモーショナルロック風のヴォーカルが乗ると、
最近のスタジオ作品よりずっと躍動感のあるアンサンブルとなる。随所に入るヴァイオリンやなども、
土着的なアクセントになっていて、浮遊感のあるポストプログレというべき演奏が楽しめる。
Disc2ではしっとりとした最近の作風も含んで、やわらかで薄暗い叙情美をじっくり味わえる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Gazpacho 「March of Ghosts」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパッチョの2012年作
ヴァイオリン、シンセ奏者を含む6人編成で、本作は7作目のアルバム。
うっすらとしたシンセに美しいヴァイオリンによるイントロ曲から始まり、
繊細な歌声とともに、ほの暗い叙情美に包まれたサウンドが広がってゆく。
今作はコンセプト的に進んでゆくようなドラマ性があり、ゆるやかなシンフォニック性の中にも、
さりげないドラムのリズムの入れ方など、細部のこだわりが感じられるアレンジで、
作品としての強度は前作以上に強まった。メロウな情感に心地よく浸れる傑作だ。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・8 総合・・8
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GAZPACHO「DEMON」
ノルウェーのボストプログレバンド、ガスパチョの2014年作
2003年にデビュー、本作は8作目のアルバムで、うっすらとしたシンセに物悲しいヴァイオリンの音色から始まり、
淡々としたヴォーカルにギターが重なり、薄暗い叙情に包まれた、繊細でシンフォニックなポストプログレサウンドが広がってゆく。
アコーディオンが鳴り響くフォーキーなナンバーもありつつ、アルバム後半は12分、18分という大曲で、
美しいピアノにヴァイオリンが絡み、ギターとシンセによる厚みのある音作りでゆったりと盛り上げる。
これまで以上にメリハリのある聴き心地で、涼やかな北欧シンフォニックロックとしても楽しめる。
ドラマティック度・・8 薄暗度・・8 繊細度・・9 総合・・8 
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Gazpacho 「Molok」
ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパチョの2015年作
いまやkscopeレーベルを代表するバンド、本作はおそらく9作目のアルバム。
ヴァイオリン、シンセ奏者を含む6人編成で、うっすらとしたシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せ
物悲しいヴァイオリンが鳴り響く、モダンで繊細なサウンドにはいっそう磨きがかかっている。
今作ではパーカッションによる民族的な味わいも随所にあって、ヴォーカルのシアトリカルな表現力とともに、
空間的な静謐感に吸い込まれるような薄暗く神秘的な世界観を描きながら、やわらかなピアノの音色に
メロウな泣きのギター、ときに美しい女性コーラスも入ってきたりして、サウンドを優美に彩っている。
20年近いキャリアを持つバンドらしい、細やかなセンスで構築された傑作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・9 総合・・8
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Gosta Berlings Saga「Detta Har Hant
スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2nd。2009年作
テクニカルなアンサンブルによるスリリングなインストプログレを聴かせる力作。
センス抜群のギターワークを中心にした、巧みに静と動の緩急のついた楽曲は、
うっすらとした叙情とともにANEKDOTENにも通じるミステリアスな懐の深さを感じさせる。
随所にメロトロンやムーグなどのシンセも鳴り響き、ヴィンデージなプログレ感覚を
知的なアレンジ力で再構築したという雰囲気もある。いかにも北欧らしい薄暗さも魅力的だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 アンサンブル度・・9 総合・・8.5
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Gosta Berlings Saga「Glue Works」
スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2011年作
ANGLAGARDのマティアス・オルソンがプロデュース、本作が3作目。
サウンドはムーグやメロトロンなどレトロなシンセが鳴る、ANEKDOTENなどを思わせる
いかにも北欧らしいシンフォニックロックにシリアスなチェンバーロック色が加わったもの。
そう派手さはないものの、じわじわと感じられる静かなダイナミズムと知的なアレンジ、
涼やかな叙情に含まれた硬質な意思のようなものが感じられる、これは通好みの作品だ。
アナログ的なギターサウンドとそのメロウなフレーズにもにんまり。オールインストです。
シンフォニック度・・7 ミステリアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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GOSTA BERLINGS SAGA 「Sersophane」
スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2017年作
シンフォニックとチェンバーロックを融合させたようなセンス抜群のサウンドで、本作が4作目となる。
どっしりとしたベースとドラムのリズムに、ムーグシンセやメロトロン、そしてアナログ感あるギターを乗せて、
ANEKDOTENのような北欧らしい空気感に、KING CRIMSONの緊張感を加えたようなサウンドを描き出す。
オールインストであるが、甘すぎない程度の叙情性と、リフレインするフレーズのサイケな浮遊感も含んで、
玄人好みの味わいがディープなファンを楽しませる。アルバム後半の15分の大曲もスリリングな迫力に引き込まれる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 知的センス度・・9 総合・・8
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GOSTA BERLINGS SAGA 「ET EX」
スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2018年作
2006年にデビュー、本作は5作目となる。エレクトロなシンセとメロトロンが幻想的な鳴り響くイントロ曲から、
不穏なギターが加わって、いくぶんヘヴィなアンサンブルとともにスリリングな空間性に包まれてゆく。
うねるようなベースと手数の多いドラムに、ハード寄りのギターを重ねた、クリムゾンばりの迫力に、
ダークな叙情性に包まれたスケール感が合わさった異色のヘヴィ・シンフォニックロックというべきか。
エフェクトがかったエレクトロなリズムに美しいシンセを乗せたナンバーやアコースティックな小曲など、
バンドとしてのアーティスティックなセンスが詰まった作風は、涼やかで荘厳な空気を描き出す。
北欧のクリムゾン…などという以上の壮大な迫力に包まれた、異色の傑作がここに誕生した。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 荘厳度・・9 総合・・8.5 
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GATE「Jygri」
ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの1st。2003年作
2nd「ISELILYA」は日本盤も出て話題になったバンドの1stの再発盤。
土着的なメロディを大胆に取り入れたサウンドは、モダンなトラッドロックという趣で、
いくぶんメタリックなギターとシンセが合わさり、そこに艶めいた女性ヴォーカルの歌声が乗る。
母国語の歌声がいかにも北欧の空気を感じさせるが、土臭さをヘヴィなアレンジで包み込んでいて
ラジカルトラッドのリスナーはもとより、メタル、ハードロックのリスナーにも違和感なく聴けるだろう。
より北欧トラッドに接近した2ndよりも、むしろこちらの方がフォークメタルに近いかもしれない。
ボーナスディスクにはデモやライブ音源など4曲を収録。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GATE「ISELILYA」
ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの2nd。2004年作
メタルコーナーなどに置いてあるので、てっきりゴシックメタルかと思いきや
メタル色はあまりなく、正統的な北欧トラッドを今風に構築し直したというサウンド。
艶のある女性ヴォーカルの歌声を乗せ、北欧らしいトラッドメロディをバンドサウンドで解釈している。
いうなればGARMARNAあたりにも似た質感でそこにキーボードによるシンフォニック性や、
ときにゴシックメタル的な部分を加味したような雰囲気もある。寒々しい静寂感と同時に、
ロック的なノリの良さ(ときにサイケ調)も併せ持っていて単なる自己満足ではない聴きやすさがあるのがよい。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Grand General
ノルウェーのロックバンド、グランド・ジェネラルの2013年作
シンセにヴァイオリン奏者を含む5人編成で、ドラムはMOTORPSYCHOでも活躍するメンバー。
アナログ感を感じさせるギターにヴァイオリンの音色が絡み、うねりのあるベースとドラムが
躍動的なグルーブ感を描き出す。ガレージロック的でもある生々しさとサイケな浮遊感、
プログレ的なスケール感が合わさった独自のサウンドありながら、結果してロックであるという、
説得力のある抜群の演奏は見事と言う他はない。オールインストであるが、どっしりとしたリズム隊が
重厚さと同時にノリのある緊張感わ作り出し、ヴァイオリンとギターが空間を彩る、その一体感に聴き惚れる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アンサンブル度・・10 総合・・8
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GRAND STAND 「Tricks of Time」
スウェーデンのプログレバンド、グランド・スタンドの2002年作
1998年デビューで、本作は2作目。VA「Kalevala」に参加していたことで知ったバンドであるが、
これがなかなか出来がいい。のっけから11分の大曲で、叙情的な泣きのギターにシンセを重ね、
北欧らしい涼やかな空気に包まれたシンフォニックロックを聴かせる。ヴォーカルはいくぶん野暮ったいが、
素朴な味わいを残したオールドスタイルの北欧シンフォという点では、DICEKERRS PINKにも通じるだろう。
とりたてて派手なところはないが、美しいシンセワークとメロウなギターによる耳心地の良さは素晴らしく、
ラストの16分の大曲は、GENESISの「CINEMA SHOW」のような優美な展開力で楽しめる。
このジャケでなければ、北欧プログレの逸品として、もっと知られていて良い作品ですな。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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Green CarnationThe Acoustic Verses」
ノルウェーのプログレ・ゴシックメタル、グリーン・カーネーションの2005年作
素晴らしいセンスとプログレッシブな知的さをただよわせたこのバンドのサウンドは、
OPETHの次に聴くならこれだといいたいほどのセンスの良さであるのだが、残念ながら知名度はまだ低い。
本作はアコースティックアルバムで、このバンドのゆるやかな叙情性を抽出したような作品となっている。
アコースティックギターにうっすらとしたシンセが絡み、そこにマイルドな歌声が乗ると
北欧の薄暗い幻想美をただよわせた、まるで耳心地のよいプログレ作品のように味わえる。
メロディアス度・・8 メタル度・・2 叙情度・・8 総合・・8
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groovector「ultramarine」
フィンランドのプログレバンド、グルーヴェクターの1st。2000作
キーボードにフルートを含む5人組で、曲はオールインスト。本作はハモンドオルガンが鳴り響く
レトロな質感と、リリカルなフルートの音色で聴かせる、ゆったりとしたシンフォニックロックだ。
涼やかな北欧の空気を描くような静寂感とともに、ハモンドオルガンとフルートが合わさった優美な感触に包まれて
10分以上の大曲であっても耳心地よく軽やかに聴かせてくれるる。しっとりとしたピアノもじつに美しい。
シンフォニック度・・8 フルート&ハモン度・・9 北欧度・・8 総合・・8

GROOVECTOR「ENIGMATIC ELEMENTS」
フィンランドのプログレバンド、グルーヴェクターの2nd。2003年作
涼やかなシンセワークを中心にメロウなギターを乗せた、北欧らしい涼やかな叙情性に包まれたサウンドで、
軽妙でスタイリッシュなアンサンブルと、オルガンが鳴り響く古き良きプログレ感触を同居させた、
優雅なシンフォニックロックが楽しめる。インストパートをメインにしつつ、ヴォーカルパートが加わると
やわらかな耳心地になって、アコースティックギターやサックス、ピアノなどの繊細な美しさも魅力的で、
ときおり聴かせるメロウなギターフレーズにもうっとりとなる。涼やかな美意識に包まれた北欧シンフォの逸品です
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8

Groovector 「Darklubing at Tavastia」
フィンランドのプログレバンド、グルーヴェクターのライブ。2003年作
2001~2002年のライブ音源で、美しいシンセワークにメロウなギターとやわらかなフルートの音色を乗せた
優雅なシンフォニックロックを聴かせる。北欧らしい涼やかな叙情のメロディを乗せたインストパートを主体に、
ときおりヴォーカルも加わったキャッチーな味わいもある。16分、19という大曲もあくまで優美な耳心地で、
ロイネ・ストルトばりの叙情的なギターとともに、どこか翳りを帯びた空気感も、北欧シンフォ好きにはたまらないだろう。
彼らの残した2枚のスタジオアルバム、「ultramarine」、「ENIGMATIC ELEMENTS」も傑作なのでチェックすべし。
ライブ演奏・・8 優雅度・・9 北欧度・・8 総合・・8 
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The Guardian's Office
ノルウェーのプログレバンド、ガーディアンズ・オフィスの2002年作
いくぶんハード寄りのギターで、ブルージーな味わいのヴィンテージサウンドを描きつつ、
ピアノやオルガン、メロトロンを含むシンセに、随所にメロウなギターフレーズも覗かせて、
マイルドなヴォーカルとともに、北欧らしい涼やかでくぐもったような空気感に包まれる。
派手な展開というものはないので、いささか地味な感触ながら、ヴィンテージなシンセが耳心地よく、
まるで70年代北欧プログレの生き残りのような聴き心地で、ゆったりと牧歌的に楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・7.5
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GUNGFLY 「Lamentations」
BEARDFISHのRikard Sjoblomによるソロプロジェクト、ギャングフライの2011年作
ビアードフィッシュの方も、ヴィンテージ色漂うプログレサウンドであったが、
本作ではその70年代ロックを前面に出した、LED ZEPPELINばりのハードロック。
オルガンやメロトロンといったシンセ類もときどき使われてはいるが、よりストレートな聴き心地で、
HR的なリフからブルージーなフレーズまでこなす巧みなギタープレイをバックに、
マイルドなヴォーカルを乗せたスタイルは、オールドロック好きにはなかなか楽しめる。
9分を超える大曲ではBEARDFISHばりの展開力も覗かせる。ライブ映像が収録したDVD付き。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 オールドロック度・・9 総合・・7.5

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Gungfly 「On Her Journey to the Sun」
スウェーデンのプログレバンド、BEARDFISHのリカルド・ソーブロムによるプロジェクト、ギャングフライの2017年作
Big Big Trainでも活躍するマルチミュージシャンで、やわらかなシンセにジェントルなヴォーカル、
渋みのあるギターワークとともに、しっとりとした叙情を含んだヴィンテージなサウンドを聴かせる。
オルガンやメロトロンなどの古き良きプログレ感触と、随所に泣きのギターフレーズや、サイケ的な浮遊感も覗かせつつ、
やはりBEARDFISHを思わせる、ほどよく屈折した知的な雰囲気に包まれながら、10分を超える大曲を構築してゆく。
軽妙で優雅な味わいのナンバーもよい味わいで、彼のミュージャンとしてのセンスが散りばめられた傑作といえる出来だ。
Disc2は、2009年作「PLEASE BE QUIET」、2011年作「LAMENTATIONS」からの14曲を収録したベスト的な内容。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅でヴィンテージ度・・9 総合・・8
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Gungfly 「Friendship」
スウェーデンのミュージシャン、リカルド・ソーブロムによるプロジェクト、ギャングフライの2018年作
BEARDFISHBig Big Trainで活躍するマルチミュージシャンで、オルガンを含むやわらかなシンセに
ジェントルなヴォーカルを乗せ、軽やかなリズムとともに優雅でキャッチーなサウンドを聴かせる。
古き良きロックの感触をシンフォプログレに包み込んだ、BEARDFISHの続編といってもよい作風であるが、
流麗なギターフレーズやスタイリッシュなアンサンブルは、単なるヴィンテージプログレという以上の構築力だ。
10分を超える大曲では、ストリングスアレンジも加えたシンフォニック性や、哀愁の叙情に包まれた
ヴォーカルパートにじっくりと聴き入れる。オールドなプログレファンも満足させつつ、ほどよくモダンな味わいもあり、
キャッチーなナンバーは、IT BITESなどのファンにも楽しめるだろう。北欧と英国がブレンドしたような傑作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8 
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HAGEN 「CORRIDORS OF TIME」
スウェーデンのフォークロック、ハゲンの1999年作
KAIPAのシンセ奏者、ハンス・ルンディンが参加、1曲目からからKAIPAの3rd「SOLO」からのカヴァーで、
美麗なシンセにフルートを重ねたゆったりとした叙情に包まれる。2曲目からはからはぐっとメタリックな感触になり、
美しいキーボードをバック疾走しつつ、北欧らしい土着的なメロディをたっぷり含みながら、
メタル的なヘヴィさとフォークメロディが一体になった優雅なサウンドを展開する。
これはSKYCLADの北欧版…いやむしろこちらの方が完成度は高いかもしれない。
フォーキーメタル好き、北欧の土着メロ好きにはぜひとも聴いてほしい作品だ。オフィシャルページで試聴できます
メロディアス度・・8フォーキー度・・9 北欧度・・10 総合・・8
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Haikara
フィンランドのプログレバンド、ハイカラの1972年作
サックスやトランペットなどの管楽器をメインにしたアンサンブルに母国語のヴォーカル、
民族的な土着性にユーモラスでとぼけた味わいを含んだ聴き心地はサムラにも通じるが、
こちらはオルガン入りの70年代ブリティッシュロック的な味わいも残している。
しっとりとしたフルートやチェロの音色も含みつつ、北欧の哀愁をただよわせたメロディが特徴的で、
10分を超える大曲も、むしろユルめのフリーな感触とともに構築されてゆく。70年代の北欧ロックとしては
とても個性派の作品だろう。傑作とされる2ndよりもプログレ風味ではこちらが強いと思われる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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HAIKARA「GEAFAR」
フィンランドのプログレバンド、ハイカラの2nd。1974作
本作のサウンドは、ジャズ、シンフォニック、ブルース、アヴァンギャルド、と色々な要素をもった
一筋縄では行かないもので、この年代の北欧プログレとしてはとても個性的な音といえる。
出色の出来の大曲を含むが、それ以外の楽曲にはむしろ、フリーキーでとぼけた要素が多く、
一般のプログレリスナーの耳からすると、アルバム全体としてはやや散漫な印象を受けるかもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 とぼけたセンス度・・8 総合・・7.5
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HANSSON & KARLSSON
スウェーデンの鍵盤奏者、ボ・ハンソンとドラムのジャン・カールソンによるユニット。
1967年のデビュー作から全曲に、69年作「Man at the Moon」の前半を収録したベストアルバム。
1967年といえば、英国ではPROCOL HARUMNICEがデビューした年であるが、
北欧の地にもそれに引けをとらないオルガンロックをやっている連中がいたのであった。
のちにソロ活動で有名になる、ボ・ハンソンの奏でるクラシカルなオルガンを中心に、
ロックやジャズの質感を含んだ作風は、ナイスを思わせる質の高いもので、
優雅さと北欧らしいメロウな聴き心地が楽しめる。オルガンロック好きならばたまらないだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・9 総合・・8
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Hasse Frberg & Musical Compation「Future Past」
The Flower Kingsハッセ・フレベリのソロプロジェクト。2011年作
TFKにおいても、ロイネ・ストルトと並ぶフロントマンであるから、本作のサウンドも当然のように、
随所にフラキン風味を感じさせる、メロディックなギタープレイとキャッチーな歌メロを中心に、
そこに古き良きハードポップ/ロック要素も付加した作風。オルガンを含むヴィンテージな感触と
シンフォニックなシンセアレンジ、しっとりと叙情的なパートも含みつつ、
10分台の大曲も4曲もあり、全体的にもフラキンクラスの力作というべき仕上がりだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン風味度・・8 総合・・8
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Hasse Froberg & Music Companion 「Powerplay」
The Flower Kingsのハッセ・フレベリのソロプロジェクト。2012年作
前作もそうだったように、本作もハッセの歌声を中心にフラキンをハードにしたような作風で、
オルガンが鳴り響く古き良きプログレ/ロックの感触と、大曲を含んだ展開力で聴かせる。
キャッチーなメロディラインはやはりフラキン的なので、これという新鮮さはないのだが、
むしろシンプルな曲での爽快な聴き心地が魅力的かもしれない。フラキンファンはもちろん、
メロディックな北欧プログレハードとしても普通に楽しめる高品質な作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 フラキン度・・8 総合・・8
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Hasse Froberg & Musical Companion「HFMC」
スウェーデンのミュージシャン、ハッセ・フレベリによるユニットの2015年作
The Flower Kingsのギター&ヴォーカルとして知られるミュージシャンで、
前作はプログレハード風味の好作だったが、3作目となる本作も適度にハードなギターと
オルガンを含むシンセアレンジに枯れた味わいのヴォーカルを乗せたサウンドで、
古き良きプログレハードの感触を描きつつ、今作ではよりTFKに接近したような
キャッチーで優雅なシンフォニックロック風味も強まっている。10分を超える大曲では、
プログレらしいドラマティックな展開力とともに、じっくりとメロウな叙情を描いてゆく。
フラキン好きはもちろん、新たにハッセ・フレベリの音楽を知る方にもお薦めの力作だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 TFK度・・8 総合・・8
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HIDDEN LANDS「In Our Nature」
スウェーデンのプログレバンド、ヒドゥン・ランズの2013年作
テクニカルプログレ系の、VIOLENT SILENCEから分派したバンドで、
こちらはもっとミステリアスでサイケプログレ的な浮遊感を含んだようなサウンドだ。
シンフォプログレ系に通じるシンセアレンジに、北欧らしい土着的なメロディも感じさせ
部分的にはKAIPAを思わせるようなところもある。70年代北欧プログレの薄暗い翳り…
辺境的でもある寒々しさを継承し、適度にテクニカルな構築力を付加したというような力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Hidden Lands 「Lycksalighetens O」
スウェーデンのプログレバンド、ヒドゥン・ランズの2014年作
前作はかつてのKAIPAをテクニカルにしたようななかなかの好作であったが、本作も軽妙なアンサンブルと
北欧らしい涼やかな叙情性で聴かせる高品質なサウンド。存在感あるベースワークを軸に、
美しいシンセアレンジ、マイルドなヴォーカルを乗せて、前身のViolent Silenceにも通じる軽やかなアンサンブルで、
古き良きプログレ性を現代的な構築美の中に巧みに溶け込ませている。一方ではじっくりと聴かせる
叙情的なヴォーカルパートもあって、10分を超える大曲を耳心地よく描くところは、ポストプログレ的でもある。
前作のような土着的な雰囲気は薄まったが、よりマイルドに洗練された好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Hidden Lands 「Halcyon」
スウェーデンのプログレバンド、ヒドゥン・ランズの2016年作
VIOLENT SILENCEから分派したバンドの3作目で、テクニカルなアンサンブルと、
やわらかなシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せた、軽妙なプログレサウンド。
古き良きヴィンテージ感とポストプログレ風味の繊細さが融合し、カンタベリー的でもある優雅な耳心地で、
10分を超える大曲なども、適度にスリリングでミステリアスな感触を含ませながらじっくりと構築される。
シンセ兼任のギター奏者も、随所に味のあるフレーズやハード寄りのプレイでインストパートを彩っていて、
決してシンフォすぎたり濃密にならないクールな部分が、ある意味ではとてもモダンで、
テクニカルなポストプログレとしても楽しめるところもある。センスの良さが魅力のバンドです。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8 
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HIIDENSOINTI
フィンランドのプログレバンド、ヒデンソインティの2010年作
オルガンを含むシンセにメロウなギターを重ね、女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
北欧らしい牧歌的な土着性を感じさせる、軽妙で優雅なサウンドを聴かせる。
母国語の女性Voがトラッド的な空気もかもしだしつつ、あくまで軽やかなアンサンブルは
ときにジャズロック的でもあり、オルガンやメロトロン、フルートなどの、ヴィンテージなアナログ感に、
ブルージーなギターのフレーズなどもなかなか魅力的。アコースティックなパートも含んだやわらかな土着メロディは、
素朴でありながら幻想的な聴き心地だ。いかにも北欧らしい空気に浸れる優雅な逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8

HIIDENSOINTI 「Ovia Ja Aikoja」
フィンランドのプログレバンド、ヒデンソインティの2013年作
2作目の本作は、わりとハードなギターにオルガンやフィドルの音色を重ねた、厚みのあるアンサンブルに、
フィンランド語の女性ヴォーカルを乗せたサウンドで、プログレらしい展開力とミステリアスな空気感も覗かせる。
楽曲は3~5分前後とコンパクトで、全体的にも前作に比べていくぶんスタイリッシュになった感じはあるが、
ジャズロック的でもある優雅な感触とともに、ギターの奏でる土着的な旋律などは随所に残している。
幻想的なまでの北欧感は薄まったが、コケティッシュな女性声プログレとして楽しめる好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Hidria Spacefolk 「Astronautica」
フィンランドのサイケロック、ハイドリア・スペースフォークの2012年作
すでにデビューから10年以上のキャリアで、本作は4作目。ジャケからしてすでに怪しさぷんぷん。
キレ味のよいリズムにスペイシーなシンセを乗せた、OZRIC TENTACLESを思わせるサウンドで、
オールインストながらも厚みのあるアンサンブルで、スケール感のあるスペース・サイケを聴かせる。
全5曲で45分という大曲志向はよいのだが、プログレ的に聴くと、リズムがストレートすぎるところが惜しい。
プログレ度・・6 サイケ度・・8 スペース度・・8 総合・・7.5





HILLS 「Master Sleeps」
スウェーデンのサイケロック、ヒルズの2011年作
いかにもサイケです!というようなヨレ気味のギターを乗せた、初期GONGのようなトリップ気味のサウンド。
ときおりエフェクトのかかった詠唱じみた歌声が遠くで聞こえてくる意外はほぼオールインストで、
ユルめの浮遊感に包まれながらも、なかなかパワフルなドラムとギターがそこそこ音圧をかもしだしているので
眠くなるというほどでもないのだが、これといった盛り上がりがないので、やはりぼんやりとトリップするしかない。
中近東的な音階が出てくると、同郷のIn the Labyrinthあたりを思わせたりもするが、幻想的な深みではあちらが上か。
ノリの良い曲はむしろオズテンっぽいのだが、やはりあそこまでアッパーではないので、いくぶん中途半端な印象。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケです!度・・8 総合・・7.5
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HIMMELLEGEME 「Myth of Earth」
ノルウェーのポストプログレ、ヒメレジェムの2017年作
二本のギターにうっすらとしたシンセを重ね、マイルドヴォーカルを乗せた繊細な叙情で、
スペイシーな空間性を描くようなサウンド。ツインギターの重ねはときにメタリックな重厚さもあって、
北欧らしい涼やかな感触とミステリアスな空気感が、モダンな味わいになっているところが個性的。
歌もの的なパートでも、PINK FLOYDのような浮遊感に包まれていて、なかなか幻想的な聴き心地。
ラストは10分の大曲で、メロウなギターを乗せた繊細な美しさと、ランドスケープ的なスケール感も描き出す。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 スペイシー度・・8 総合・・8
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HOLLOW EARTH 「Out of Atlantis」
スウェーデンのプログレバンド、ホロウ・アースの2017年作
ギター、ベース、ドラムのシンプルな構成に、オルガンの音色を乗せたヴィンテージなスタイルで、
いくぶんサイケロック寄りの浮遊感に、北欧的な涼やかさが合わさったという聴き心地。
ときおりヴォーカルも入るが、どちらかというとインストパートがメイン、シンセやギターが奏でる
メロディにはさほどフックがないので、全体的にぼんやりとした印象になっているのは確信犯的か。
16分を超える組曲は、アコースティックギターにオルガンが絡む妖しい空気から、メロトロンも鳴り響き、
マイルドなヴォーカルとともに、物悲しい叙情を描き出す。濃密すぎない北欧ヴィンテージプログレ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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HOLON 「The Time Is Always Now」
ノルウェーのミュージシャン、ロニー・ペデルソンによるソロプロジェクト、ホロンの2016年作
涼やかなシンセアレンジにギターリフを重ね、北欧らしい物悲しい叙情を描く、優美なサウンドで、
随所にマイルドなヴォーカルも加わる。Rhys Marshが全面参加する他、Wobblerのシンセ、Vo、フルート奏者、
女性シンガーのSilje Leirvikなどが参加。やわらかな男女ヴォーカルを乗せたポストプログレ的な繊細さと、
メロウなギターにメロトロンが重なる、White Willowなどにも通じる北欧シンフォ系の味わいも覗かせる。
10分前後の大曲も多く、全体的にゆったりとした味わいながら、北欧らしい涼やかな空気感に包まれて、
曲によってはプログレらしい展開力も現れる。ギタリストとしての自身のセンスも遺憾なく発揮された力作だ。
ドラマティック度・・8 優美度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Holy River Family Band 「Welcome to Riverhouse」
スウェーデンのサイケロック、ホーリー・リバー・ファミリー・バンドの1998年作
The Spacious Mindのメンバーによる別ユニットのようで、本作はCD2枚組の大作。
シタールやタブラなど、中近東的なフレイヴァーをたっぷりと含んだユル系のサイケと
オルガンを含むシンセアレンジが合わさり、浮遊感のあるミステリアスなサウンドを描いている。
ヴァイオリンやブズーキ、ハーディ・ガーディなど北欧トラッドの音色も顔を覗かせ、
やわらかにリコーダーが鳴らされる牧歌的な聴き心地とともに、ゆったりと楽しめる作風だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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HOLY RIVER FAMILY BAND 「EARTHQUAKE COUNTRY」
スウェーデンのサイケロック、ホーリー・リヴァー・ファミリー・バンドの2001年作
1996年にデビュー、本作は3作目。アコースティックギターにうっすらとしたシンセを重ね、
ジェントルなヴォーカルを乗せて、涼やかな土着性を含んだ北欧サイケロックを聴かせる。
ときに北欧フォークを思わせる素朴な味わいとともに、のちのDUNGENにもつながる、
繊細な叙情とロハスなユルさが同居していて、ゆったりとまどろむように鑑賞できる。
女性声を加えた妖しいアシッドフォーク風のナンバーから、パーカッションが鳴り響き、
東洋的なギターの旋律を乗せた、いかにもサイケらしい神秘的な大曲まで、全76分の力作です。
サイケ度・・7 プログレ度・・6 牧歌的度・・8 総合・・8
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HOYRY-KONE 「Hyoenteisiae Voi Rakastaa」
フィンランドのチェンバーロックバンド、ホイリーコーンの1995年作
ロックビートの上に、詠唱のような怪しげなヴォーカルを乗せ、シアトリカルでアヴァンギャルドな雰囲気をかもしだす異色のサウンド。
ヴァイオリンやチェロ、オーボエなどの音色が室内楽的に合わさりつつ、シリアスを装った中に冗談めいたシニカルな表情を覗かせる。
一方ではフィンランド語の歌声とともに哀愁を感じさせる叙情もあったりして、一筋繩ではいかない。
日本盤タイトルは「昆虫偏愛」。2作目の「偽理髪師」はさらに素晴らしきヘンタイまくりの傑作ですから。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヘンタイ度・・9 総合・・7.5
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HOYRY-KONE「HUONO PARTURI」
フィンランドのチェンバーロックバンド、ホイリーコーンの2nd。1997年作
のっけからいきなりグレゴリアンチャントみたく始まったかと思えば、続いてへヴィでノイジーな変拍子曲。
どの曲も途中から奇妙な展開をみせ、全体の音像としては非常にシリアスなのだが、
ねじくれた楽曲がこれがギャグであることを物語る。つまり大マジに変態をやったらこうなる、と。
しかし、ただの変なひと、ではなく「スーツを着た論理口調のインテリがキレたとき」、のような(笑)
抜群のテクニックと異常なセンスで聴かせる傑作。日本盤のタイトルは「偽理髪師」(なんなのコレ?)
ちなみに、後のALAMAAILMAN VASARATの前身となるバンドでもある。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
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I

In The Labyrinth「THE GARDEN OF MYSTERIES」
スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの1st。1996作
フルートに絡むアコースティックギター、マンドリンの音色が牧歌的な味わいをかもしだし、
異国的なパーカッションの響きとともに、不思議な静謐感を生み出している。
美しいピアノ、メロトロンなどがシンフォニックな質感も加えており、
連なるような22曲の小曲がミスティックでファンタジックな世界観をなしている。
「カナーンからの逃亡」、「ミノタウロスの瞑想」といった曲タイトルも想像力をそそる。
中近東的な要素を北欧の冷気と薄暗い叙情で包み込んだ作品だ。
意外とシンフォ度・・8 中近東度・・7 静寂サイケ度・・8 総合・・8
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In The Labyrinth「Walking on Clouds」
スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの2nd。1999年作
うっすらとしたシンセをバックに、異国的なシタールの音色が鳴り響き、
タブラのリズムにアコースティックギター、マンドリン、フルートなどが乗る。
中近東的雰囲気をかもしだすサイケロックでありつつ、どこか北欧的な叙情も垣間見える。
やはりメロトロンを含めシンセの使用が空間的なスケール感を生み出していて、
ヴァイオリンやギターフレーズとの絡みでシンフォニックに聴ける部分もしばしば。
これならサイケが苦手な人にも中近東シンフォニックサイケ北欧風という感じで楽しめるだろう。
意外とシンフォ度・・8 中近東度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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In The Labyrinth 「Dryad」
スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの3rd。2002作
今作は舞台を中近東から深い森の中に移し、このジャケのようにミスティックな雰囲気になっている。
夜を思わせるシタール、マンドリン、アコギの繊細な響きと、フルート、ヴァイオリンの音色、
そこにかぶさるゆるやかなメロトロンがどこか魔術的な妖しさをかもしだしている。
ヴォーカルの歌メロもぐっと素朴になって、普通に牧歌系のプログレとして聴ける。
雰囲気ものとしては前作以上に気に入った。オフィシャルサイトで試聴可
シンフォニック度・・8 薄暗度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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In The Labyrinth「One Trail To Heaven」
スウェーデンのサイケロック、イン・ザ・ラビリンスのベスト。2011年作
1996~2002年までに3作を出したバンドの、リマスター&ベストアルバム。
中近東的な民族風味を取り入れたミステリアスなサウンドは非常に個性的で
シタールが鳴り響き、パーカッシブなタブラがアラビックな雰囲気をかもしだす。
ヴァイオリンやシンセも入ったシンフォニックな味わいもありつつ、スケール感のある薄暗い世界観を描いてゆく、
独特の民族サイケである。The Moody Bluesのカヴァーや未発曲なども含む全13曲入り。
ドラマティック度・・7 中近東度・・8 サイケ度・・9 総合・・8
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IN THE LABYRINTH 「SAMAS ANTARAL」
スウェーデンのサイケロック、イン・ザ・ラビリンスの2018年作
1996~2002年までに3作を出したバンドの久々の復活作…と思いきや、どうやらデビュー前の初期音源を基にした作品らしい。
アコースティックギターにフルート、うっすらとしたシンセによる涼やかな叙情性で、牧歌的なサウンドを描きつつ、
タブラが鳴り響くアラビックな妖しさが合わさって、まさしくこのバンドならではの異国的なサイケロックを味わえる。
マイルドなヴォーカルが乗ると、キャッチーな優雅さに包まれて、サイケというよりは繊細なポストロック的にもなる。
小曲を連ねた構成も、過去マテリアルのつなぎ合わせという以上に、流れのある幻想的な雰囲気を感じさせる。
全20曲、76分という力作ながら、ゆったりと聴けるユルさがいいですね。北欧らしさと中近東の要素が合わさった逸品です。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 叙情度・・8 総合・・8 
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In These Murky Waters
スウェーデンのプログレユニット、イン・ズイーズ・マーキー・ウォータースの2019年作
ANGLAGARDNecromonkeyなどで活躍するマティアス・オルソンと女性シンガーによるユニットで、
うっすらとメロトロンが鳴り響き、女性ヴォーカルのアンニュイな歌声を乗せた、浮遊感に包まれたサウンド。
テープのノイズなどを含んだアナログ的な懐古主義が、はかなくも懐かしいような世界観を描いていて、
曲調はわりとシンプルなので難解さはまったくない。曲によってはポップな感触やジャズタッチのアレンジ、
エレクトロな要素なども覗かせつつ、あくまでドリーミーで物憂げな空気感で、繊細な音の重ねにゆったりと浸れる。
薄暗系のコケティッシッュな歌ものポストプログレとしても楽しめる逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 儚げ度・・8 総合・・7.5
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INTROITUS「Fantasy」
スウェーデンのシンフォニックロック、イントロイタスの2007年作
シンフォニックな美しさとどかこミスティックな世界観に、フィドルやバグパイプなどがかもし出す
北欧トラッド的な雰囲気もある1曲めから始まり、続いて女性ヴォーカルの歌声が加わると、
MAGENTAなどに通じるキャッチーな爽やかさが前に出てきて、とても聴き心地がよい。
アコーディオンやフルートなどのやわらかな音色や、アダルトなサックスの響き、女性コーラスの重なりに包まれて
ゆったりと優しげなサウンドが楽しめる。シンフォニックなシンセアレンジと随所に聴けるメロウなギターは、
やはりGENESISルーツのシンフォといってよいだろう。26分の大曲も含めて、ゆるやかな力作というべき内容だ。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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INTROITUS「Elements」
スウェーデンのシンフォニックロック、イントロイタスの2011年作
Genesisルーツのキャッチーな好作であった前作に続き、2作目となる本作はいきなり14分の大曲で幕を開ける。
きらびやかなシンセアレンジと適度にハードなギターワーク、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
正統派のシンフォニックロックサウンドで、やわらかなフルートの音色など、繊細な叙情も美しい。
ハケットばりのメロウなギターフレーズと、いくぶんあか抜けない展開力も含めて、シンフォ好きはにんまりだろう。
スリリングな要素や新鮮味は薄く、大曲ではいくぶんの長尺感もあるのだが、泣きのギターメロですべて許してしまいたくもなる。
全体的に安心して楽しめる力作なのは確か。どうでもいいが、ジャケの目玉オヤジがなにを意味しているのかは不明。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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INTROITUS 「Anima」
スウェーデンのシンフォニックロック、イントロイタスの2014年作
ベンダー夫妻と息子を含む、ファミリー型プログレバンドの3作目で、よほどシンフォ好きの一家なのだろう、
本作も、いかにもプログレ的な派手やかなシンセワークとともに、女性ヴォーカルの歌声を乗せて、
10分を超える大曲を中心に優美なシンフォニックロックを展開。MAGENTAあたりを思わせるキャッチーなテイストと
Genesisルーツのメロウなギターが合わさって、濃密でありながらも爽やかな聴き心地に磨きがかかっている。
楽曲アレンジと展開力という点でも、これまで以上にフックに富んだ聴き心地で、作品としてのレベルが上がった印象だ。
ドラマティック性と繊細な美意識が溶けあった力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Introitus 「Shadows」
スウェーデンのシンフォニックロック、イントロイタスの2019年作
ベンダー夫妻と息子を含む、いわばファミリー型プログレバンド。2007年にデビューし、本作は4作目となる。
きらびやかなシンセワークにメロウなギターを重ね、女性ヴォーカルで聴かせる優美なシンフォニックロック。
今作はジャケのイメージのように薄暗い叙情性も感じさせつつ、オルガンを含むヴィンテージな味わいに、
優雅でキャッチーな展開力とともに、MAGENTAMOSTLY AUTUMNなどにも通じる感触で楽しめる。
10分を超える大曲も、美しいピアノやフルートによる繊細な叙情パートなど、しっとりとウェットな感触も覗かせて
じっくりと構築してゆく。新鮮味はさほどないが、女性声の正統派シンフォプログレが好きな方はぜひ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・8 総合・・8 
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ISILDURS BANE「Sagan Om Den Irlandska Algen/Sagan Om Ringen
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの1st/4th。
1984年の1stと1988年の4thのカップリング盤。今でこそ北欧随一の知性派バンドとして
知られる彼らだが、初期の作品においては、よりファンタジックで繊細なサウンドを描いていた。
北欧神話をテーマにした1stは、美麗なピアノから、CAMELばりのメロディックなギター、
フルートの音色で聴かせる、じつに美しいインスト作品。素朴な暖かみと北欧的な爽やかさにうっとり。
4thは「指輪物語」をテーマに、シンフォニックな構築性を増した傑作。涼やかな叙情メロディがたまらない。
一方では、テクニカルなリズムを取り入れるなど後の作風の萌芽もかいま見える。初期の最高傑作。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ISILDURS BANE「Sea Reflections/Eight Moments of Eternity」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの2nd/3rd。1992年作
1985年の2ndと1987年の3rdのカップリング盤で、これまでになくサックスやトランペットなど
管楽器を取り入れた軽やかな作風。シンフォニック・ジャズロックとでもいうのか、
繊細な北欧らしさとともに、それを楽しげに聴かせるサウンドだ。テクニックある演奏と、
楽曲の構築力は80年代の北欧のバンドの中では最高レベルといってよいだろう。
3rdではよりスタイリッシュな作風になり、メロディックなギターとフルートが軽やかに合わさり
日本のKENSOなどを思わせるようなプログレッシブ・フュージョン風味とクラシカルな優雅さが同居している。
シンフォニック度・・7 軽快度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ISILDURS BANE 「Cheval」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの5th。1989年作
フェルディナンド・シェヴァルという一人の郵便配達員が長い年月をかけて独力で建設したという、
実在する芸術的建築物をテーマにしたコンセプト作。初期はいかにも北欧らしい繊細なシンフォニックロックだったが、
3rdあたりから管楽器を取り入れるなど、クラシカルなアプローチを加えだし、
本作においては、そうしたチェンバーロック的なシリアスさが前に出した傑作を作り上げた。
昨今のバンドのようにシンセに頼ることなく、オーケストラパートのように管弦楽を巧みに使い、
シンフォニックに構築してゆくサウンドは、静と動のメリハリとともにクラシカルな優雅さを漂わせる。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE 「The Voyage」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの6th。1992年作
前作のチェンバーロック風味をさらに強化させ、いっそうの緊張感溢れる構成力でたたみかける。
鳴り響くヴァイオリンの音色に、クラシカルなピアノが重なり、シンフォニーのように優雅でありながらも
現代音楽的な硬質さを併せ持ったサウンドは、凡百のバンドにも真似のできないほどの強度がある。
旅をテーマにした幻想的なコンセプト作で、オールインストながら楽曲のドラマティックさは
90年代初頭のバンドの中でも際立っていた。このクラシカル路線は本作でやり尽くしたということか、
次作「Mind vol.1」からはバンドとしての新たな深化が始まる。底知れぬポテンシャルを秘めたバンドである。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・8 シリアス度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE「MIND Volume 1」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの7th。1997年作
1989年のアルバム 「Cheval」から、よりシリアスでクラシカルなアプローチにシフトしてきたバンドが、
本作においてさらなる一歩を踏み出したというべき力作。ヴァイオリンやチェロにトランペット、トロンボーン、
ホルン、オーボエ、フルートといった楽器による室内楽的な優雅さと、テクニカルな構築性が一体となり、
じつに高度なアンサンブルを形成、そして楽曲の向こうにシリアスで壮大なビジョンがかいま見える。
まさしく新時代の北欧シンフォニック、そして新たなプログレの形を提示してみせた傑作です。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE「Mind Vol 2 Live」
北欧プログレの雄、イシルドゥルス・バーネのライブアルバム。2001年作
70年代から活動しているこのバンドだが、その音楽性はアルバムを重ねるごとに、どんどん細密化、そして深化を続けている。
今作は、CD2枚組のライブで、圧倒的高密度の楽曲群で音楽の芸術を冷徹に表現してゆく様は、まさに圧巻のひと言である。
オールインストの演奏ながらも、それを感じさせぬ生きた楽曲の数々に改めて感嘆し、そして圧倒されることしきり。
「シリアスかつアカデミックな北欧シンフォ」という呼び方はすでにこのバンドの代名詞であるだろう。
オーケストラ的な室内楽も導入しており、重厚にして緻密なサウンド…もはや全てが孤高の域に入った芸術音楽だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧芸術度・・10 総合・・8.5
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Isildurs Bane & Metamorfosi Trio
「Mind Vol 3」
スウェーデンのプログレバンド、イシルドゥルス・バーネの2003年作
イタリアのメタモルフォシ・トリオのが加わってのライブ作品で、
ギターにコントラバス、トランペット、シンセやテルミンなどを含んだ編成で、
緊張感を漂わせた即興的な演奏を聴かせる。チェンバーロック的な静かな空間性と
フリージャズのような奔放なインプロビゼーションを感じさせるアンサンブルで、
これまでのイシバネのイメージとはやや異なるが、型にはまらない創造性という点では
やはり素晴らしい。「The Octagon」、「L'evento」という二部構成になっている。
ライブ演奏・・8 空間性・・9 即興的緊張感・・9 総合・・8
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ISILDURS BANE「MIND Vol.4:PASS」
スウェーデンのプログレバンド、イシルドゥルス・バーネの2003年作
「MIND」シリーズの第4弾で、今回はスタジオ作として「vol.1」以来の純粋なバンド作となる。
のっけからなにやらアンビエントな女性ヴォーカルの歌声から始まって、これまでのチェンバー路線とのギャップに驚くが、
歌パート以外のサウンドには彼ららしい独自の硬質性と、シリアス系シンフォとしての構築センスさが感じられる。
ヴァイオリンが鳴り響き、ギターとの絡みでのスリリングかつクラシカルな優雅さを描きつつ、
男性ヴォーカルが入った、キャッチーな歌もの感というのはバンドとしての新たなオプションだろう。
全体としてやはり歌入りのおかげでここ数作の中では最も聴きやすい作品になっていると言ってよい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クールな構築度・・8 総合・・8
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ISILDURS BANE「MIND vol.5」
スウェーデンのプログレッシブロックバンド、イシルドゥルス・バーネのライブDVD。2005作
80年代から活動を続け、クオリティの高いアルバムを作り続けてきたこのバンド。
すでに彼らの一大コンセブトとなった「MIND」シリーズ。その映像作品がついに見られるときがきた。
個人的には「MIND vol.4」はあまりぴんとこなかったのだが、ライブ演奏で見るとまた感触が違う。
まずイントロから音楽と映像とが一体化した、まるで映画のような演出で引き込まれる。
メンバーは女性チェリスト、男女Voを含む8人組(女性Voはギターも弾く)。キーボードはテレミンも使い、
ドラムの他にパーカッションもいて音が厚い。重厚な演奏には北欧らしいクールさと硬質感をただよわせつつ
男Voと女性2人(チェロとギター)が歌を重ねる部分ではしっとりとした温かみもある。
曲間に挿入される映像はツアードキュメンタリーにもなっているのだが、この緻密になされた映像のコラージュが、
非常にプログレッシブで、場面場面に何かの意味を想像させるような、ただならぬアートなセンスを感じる。
途中、別ライブでの「THE VOYAGE」の楽曲も披露。歌なしの5人編成ながらこれぞ北欧のシリアスシンフォという、
たたみかける見事な演奏で、見どころのひとつ。こうしてみると、彼らはバンドというよりも、ビジョンを映し出す音楽集団という趣があり、
非常に知的で緊張感のあるサウンドを構築しながら、これからも前進を続けてゆくに違いない。
最後のクレジットにいたるまで、作品としての作り込みが感じられる必見のDVD作品。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 作品映像・・9 総合・・8.5

Isildurs Bane「Off The Radar」
スウェーデンのプログレバンド、イシルドゥルス・バーネの2017年作
1984年にデビュー、初期の優雅なシンフォニック路線から、チェンバーロック色を取り入れながら独自に深化をとげ、
孤高の北欧プログレ作品を構築してきたこのバンド、2005年以降はぷっつりと音沙汰がなかったが、
2016年にMarillionのスティーヴ・ホガースとの共演作を発表、それに続く純粋なバンド名義のアルバムである。
艶やかなストリングスにシンセが重なり、軽やかなマリンバの音色など、チェンバー・ジャズロック的なサウンドを、
モダンなアレンジで包み込んだという作風で、空間的なスケール感を構築するこのバンドらしい聴き心地である。
エレクトロなシンセの重ねは、フィンランドのXLなどにも通じる感触で、ほどよく実験的でありつつ
モダンなシンフォニック性とアカデミックな重厚さが同居している。新たなイシルドゥルスの深化の始まりだ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 チェンバー&エレクトロ度・・8 総合・・8 
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ISILDURS BANE & STEVE HOGARTH「COLOURS NOT FOUND IN NATURE」
スウェーデンのプログレバンド、イシルドゥルス・バーネとスティーブ・ホガースのコラボ作。2017年作
80年代から活動する北欧きっての知性派プログレバンドが、MARILLIONのシンガーを迎えてのアルバムを制作。
ホガースの表現豊かな歌声を、軽妙なアンサンブルに乗せたサウンドは、まさにイシルドゥルスとマリリオンの融合。
優雅なヴァイオリンにブラスサウンドも加わり、チェンバー系シンフォのスリリングな味わいと、繊細な歌もの感が同居して、
バンドとしての個性とヴォーカルの魅力も活かす、奇跡的な均衡をなしているのは、卓越した音楽センスというべきだろう。
ぱっと聴きにはキャッチーながら、各パートの緻密なアレンジに感心するという、玄人好みの味わいでも楽しめる。
クラシカルなピアノとストリングスをバックにホガースの歌声が響き渡る。歌ものチェンバー・シンフォというべき傑作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5 
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Isildurs Bane & Peter Hamill 「In Amazonia」
スウェーデンのプログレバンド、イシルドゥルス・バーネとピーター・ハミルのコラボ作。2019年作
MARILLIONのスティーブ・ホガースとのコラボに続き、本作はVAN DER GRAAF GENERATORのピーター・ハミルを迎えた作品。
ハミルの味わいのあるヴォーカルと、薄暗いバンドサウンドが絶妙に合わさり、エレクトロなモダンさとインダストリアルな硬質感に、
トランペットやヴァイオリン、マリンバなどを加えた、チェンバーロック的な芸術性を感じさせる異色のプログレを展開する。
メロトロンも加えての涼やかなシンフォニック性も覗かせつつ、シアトリカルなハミルの歌声を存分に活かした世界観で、
ときに濃密にたたみかけつつ、美しき静寂の叙情も含んだアレンジの妙が光る。まさにVDGGとイシバネの融合という、異色の傑作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ハミル度・・9 総合・・8 
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It's the End
ノルウェーのフュージョン・プログレ、イッツ・ジ・エンドの2009年作
変則リズムたっぷりの軽妙なアンサンブルで聴かせる、インストのフュージョンプログレ。
ジャズロック的なエレピなどを含む鍵盤ワークが、サウンドをきらびやかに彩りつつ、
ギターは奔放なフレーズを奏でつつ、随所に適度にハードなプレイも織り込んできて、
メリハリのある展開力が面白い。緊張感とメロディックな柔軟性のバランスもよく、
ときにメタリックな感触も顔を出したりと、オールインストながらも飽きずに聴かせる力がある。
CABPLANET Xなどのファンにも楽しめるだろう、テクニカルなフュージョンロックの好作だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Jarmo Saari Solu 「The Making of Love」
XLやZETABOOなどで活躍するギタリスト、ヤルモ・サーリのソロ2007年作
タイトル通り愛をテーマにした作品のようで、シーケンサーを使ったデジタルなアレンジと
ゆったりとしたギタートーンで聴かせるサウンドは、プログレというよりはむしろ
エレクトロなポストロックというような、つかみどころのない浮遊感に包まれている。
こうしたアプローチはやはりXLに近い感触もあるが、よりギターエフェクト的な要素が強く、
ロック色はあまりない分、退屈な人は退屈になるかもしれない。ギターエレクトロ作品。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・7.5



Jarmo Saari 「Trubamolli」
フィンランドのミュージシャン、ヤルモ・サーリの2011年作
XLのギタリストでもあったミュージシャンで本作は女性ハープ奏者とのデュオ作品。
たおやかなハープのつまびきにアコースティックギターが交わり、男性ヴォーカルが歌を乗せる
やわらかで繊細な耳心地。プログレ的な香りはほとんどしない、カントリーミュージック的な雰囲気で、
XLやARTTU TAKALOなどのセンスを想像するといささか物足りないのだが、母国語の歌声と共に、
曲によってはトラッド的な土着性も感じさせたり、ヴァイオリンとハープにフラメンコ的なギターが合わさったりと、
ゆったりとした作風の中にも、楽曲ごとのアイデアを感じさせる。アコースティカルな叙情に包まれた作品です。
アコースティック度・・8 プログレ度・・5 繊細度・・8 総合・・7
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Jeavestone「Mind The Soup」
フィンランドのサイケハードバンド、ジェーブストーンの2005年作
女性フルート奏者を含む5人編成で、70年代英国ロック的なアナログ感覚と
グルーヴィなノリで、サイケな浮遊感をかもしだす。鳴り響くオルガンとともに、
フルートの音色がプログレ的な感触もかもしだしているが、本作の段階では
プログレというよりは70'sハードロックのヴィンテージ感覚に包まれたサウンドだ。
確かな演奏力とプログレ、サイケなセンスの融合は、次作で全面開花する。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 レトロロック度・・9 総合・・8
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JEAVESTONE「Spices, Species & Poet」
フィンランドのサイケ・プログレバンド、ジェーブストーンの2008年作
フルートが鳴りながら、古き良きハードロック風味のギターにやや脱力気味のヴォーカルが絡み、
ときおりプログレらしいシンセも現れる。これは「北欧版GONG」かというようなヒッピーじみた感触であるが、
浮遊感がありながらも案外にしっかり構成させているという点では、OZRIC TENTACLESあたりにも近いか。
レトロな北欧プログレとしても楽しめるが、ぱっと聴きにはただのキャッチーなロックでもOK。
ともかく一筋縄ではいかない、ソフトな耳心地の向こうに玄人好みの奥深さがある。マイスペはこちら
メロディアス度・・8 隠れプログレ度・・9 遊び心度・・9 総合・・8.5
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Jeavestone1+1=OK
フィンランドのサイケ・プログレバンド、ジェーブストーンの2011年作
前作は「北欧版GONG」というようなレトロなサイケプログレの傑作だったが、
本作も70年代的なアナログ感覚に、メロディックな軽妙さを含んだセンス抜群のサウンド。
楽曲は3~5分台とコンパクトながら、うねりを効かせたギターとうっすらとしたシンセで
浮遊感のあるシンフォニック性をかもしだしつつ、そこに70年代ハードロックのフリーキーな要素と
得体のしれない妖しさを混ぜ合わせたような聴き心地であるのだが、力の抜け具合が素晴らしい。
BEARDFISHなどのリスナーにも楽しめるだろうし、ユルさを味わえる北欧プログレ風ロック作品です。
メロディック度・・8 サイケロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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JEAVESTONE 「Human Games」
フィンランドのプログレバンド、ジェーブストーンの2016年作
2005年にデビュー、本作は4作目で、やわらかなピアノにマイルドなヴォーカルを乗せたイントロ曲から、
軽妙なリズムに美しいシンセを乗せ、キャッチーな味わいとともに躍動感あるアンサンブルを描き出す。
メロディックで爽快な抜けの良さは、傑作であった2ndに戻ったような聴き心地で、レトロなアナログ感と
ときにストリングスなどを加えたシンフォニックな音の厚みが、センスよく同居したサウンドが素晴らしい。
やわらかなメロディに包まれたナンバーは、MOON SAFARIあたりをサイケ寄りにしたという雰囲気もある。
4~5分前後の楽曲は、プログレを意識せずとも楽しめるシンプルなノリの良さもあって、北欧ロックとしても普通に傑作。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅で軽妙度・・9 総合・・8.5
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Jordsjo
ノルウェーのプログレユニット、ヨルドシオの2018年作
自主制作のカセットで発表された2015年のデビュー作をDisc1に、Disc2には2016年に発表された2作をまとめて収録。
メロトロンやオルガン、ムーグといったヴィンテージなシンセが鳴り響き、いくぶんサイケ気味のギターを乗せて、
北欧らしい涼やかな叙情と土着的な空気に包まれたサウンド。母国語によるヴォーカルも味わいがあって、
古ぼけたようなローカルな味わいを感じさせつつ、妖しくフルートが鳴り響く、TUSMORKEなどにも通じるような、
神秘的な北欧プログレが楽しめる。Disc2の方は、サイケな浮遊感が増しつつも、ドラムとベースのリズムが強固になり
メリハリのあるアンサンブルによるサウンドの説得力が高まった。アコースティックギターにフルートが鳴り響く優美な叙情に、
響き渡るメロトロン、そして、Kebnekaiseや、Kama Lokaなどにも通じる土着メロディが心地よい。これぞ北欧のプログレです。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・10 総合・・8
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JORDSJO 「JORD」
ノルウェーのプログレバンド、ヨルドシオの2018年作
Norsk RakkOLAFLYといったバンドにも参加するマルチミュージシャンを中心にしたユニットで、
土着的な旋律を奏でるギターに、オルガンやメロトロンを含むシンセ、やわらかなフルートも加わって、
いかにも北欧らしい空気を感じさせる、ヴィンテージな味わいのサウンドを聴かせる。
ヴォーカルはオマケ程度で、ほぼインストが中心の作風であるが、叙情的なギターのメロディに
フメートの音色も耳に心地よく、ANGLAGARDを少しユルめのサイケ寄りにしたような雰囲気もある。
全体的に派手な展開はあまりないものの、翳りを帯びた北欧らしい空気に包まれた逸品です。
ドラマティック度・・7 叙情度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Jordsjo 「Nattfiolen」
ノルウェーのプログレバンド、ヨルドシオの2019年作
2015年にデビューし、4作目となる。メロトロンやオルガン、クラヴィネットなどヴィンテージなシンセに
やわらかなフルート、アコースティックを含むギターに母国語によるマイルドなヴォーカルを乗せ、
北欧らしい翳りを帯びた、叙情的なサウンドを描く。涼やかな幻想性に包まれた空気感と、
緩急ある展開力は、Anglagardにも通じる感触で、これぞ北欧プログレという聴き心地。
ギター奏でる土着的な旋律にオルガンが重なり、鳴り響くフルートの音色も含め、アナログ感ある音作りも
じつに確信犯的である。インストパートがメインで、濃密な盛り上がりはさほどないが、北欧プログレ好きはマスト。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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KAAMOS「Deeds and Talks」
フィンランドのプログレバンド、カーモスの1977年作
70年代のフィンランドのプログレバンドというと、WIGWAMHAIKARAあたりが有名だが、
Fantasiaなど、1作のみで消えてしまう幻のバンドもいた。本作もこのバンド唯一のアルバムで、
キャッチーなポップ性を含んだメロディに、70年代ロックのブルージーな感触をいくぶん残しつつ
やわらかなオルガンの音色で聴かせるサウンドは、軽やかな聴き心地で楽しめる。
CAMELあたりにも通じるギターのトーンも魅力的だが、野暮ったさのないアンサンブルは
ときにDiceを思わせるように軽妙でスタイリッシュ。たった1作で消えるには惜しい存在だった。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・8
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KAIPA
スウェーデンのプログレバンド、カイパの1st。1975年作
現在はTHE FLOWER KINGSで活躍する若き日のロイネ・ストルトの在籍したバンドで、
70年代に発表した1st~3rdはどれもが北欧プログレを代表する名作と呼べるものである。
2nが初期の最高作として名高いがこと北欧らしい叙情メロディという点では本作も甲乙つけがたい。
メロウなギターフレーズとうっすらとしたシンセ、そしていくぶん野暮ったいヴォーカルとともに、北欧からしか生まれない
やわらかな薄暗さと湿りけを帯びた叙情、土着的なメロディをたっぷり含んだサウンドにうっとりと浸ろう。
メロディック度・・8 メロウな叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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KAIPA「Inget Nytt Under Solen」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2nd。1976年作
21分の組曲を含む本作の完成度はバンドの最高傑作というにふさわしいものだ。
北欧らしい土着的なメロディに薄暗い叙情性を感じさせるメロウなサウンドは、
いくぶんの野暮ったさとともに、どこか我々日本人の琴線に触れるような温かみがある。
そしてロイネ・ストルトの奏でるギターフレーズは、組曲の盛り上がりとともに泣きの旋律を響かせる。
70年代の北欧のイメージを決定付けた一枚。すべての叙情派プログレファンに聴いてもらいたい。
メロディック度・・8 メロウな叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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KAIPA 「SOLO」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの3rd。1977年作
ファンタジックなジャケの可愛らしさでは本作が一番。サウンドの方も、北欧らしい叙情とメロディにあふれ
前作のような大曲はないものの、1曲ごとにコンパクトに聴かせる、むしろ洗練された明快さが魅力的な作品だ。
そして、若き日のロイネ・ストルトの瑞々しいギタープレイも随所に輝きを放っている。なんだかんだでこれも傑作です。
メロディック度・・8 メロウな叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8
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KAIPA 「Stockholm Symphonie」
スウェーデンのプログレバンド、カイパのライブ音源。
1974、76年に録音されたラジオ用のスタジオライブ音源で、おそらくオフィシャルブート的な作品。
若き日のロイネ・ストルトの叙情的なギターワークにオルガンを含むシンセを重ねた、
北欧らしいやわらかなサウンドで、音質はいくぶん平坦こもりこもり気味だがわりと良好。
1stアルバムの曲をメインに、後半には2ndからの楽曲も披露。スタジオライブということで、
生々しい躍動感はさほどないが、70年代カイパの貴重なライブサウンドが楽しめる。ファンの方はどうぞ。
ライブ演奏・・8 メロディック度・・8 音質・・7 総合・・7.5
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KAIPA「The Decca Years 1975-1978」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カイパの70年代作品のボックスセット。
1st「KAIPA」、2nd「INGET NYTT UNDER SOLEN」、3rd「SOLO」の3作に加え
1974年の未発表デモ集、さらには1976~1978年のライブ音源の入った合計CD5枚組み
やや土臭いが北欧トラッド的な叙情メロディが美しい1st、20分を超える組曲を収録した最高作と名高い2nd、
いくぶん洗練され聴きやすさを増した3rdと、どれもが70年代北欧シンフォ屈指の名作。
ROINE STOLTの瑞々しいギターメロディと、HANS LUNDINのたおやかなキーボードが美しい。
ライブ音源は音質も良好、1st~3rdまでの曲が楽しめる。未発表曲の方はデビュー前ということで、
やや粗削りながら情熱的なハモンドロックという感じで、サイケ色もありつつなかなか聴かせてくれる。
ロイネ・ストルトは、現在THE FLOWER KINGSで活躍中だが、彼の原点はやはりこの70年代の作品にある。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・10 総合・・8.5
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KAIPA 「HANDER」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの1980年作
KAIPAといえば、ロイネ・ロストルトが在籍した初期3枚がすべてだと思っていたが、
その後の80年代の2作が2015年になってようやくCD化された。本作はジャケのイメージもがらりと変わり、
サウンド的にもポップな感触が強まっているが、枯れた味わいのスウェーデン語のヴォーカルに、
ハンス・ルンディンによる美麗なシンセワークで、キャッチーなプログレハード的な聴き方が出来る。
楽曲は長くても6分ほどとコンパクトになり、シンフォニックな盛り上がりというのはさほどないのだが、
北欧らしい叙情的なナンバーは残していて、新加入のマックス・オーマンのクールで技巧的なギターは、
前任のロイネ・ストルトのメロウなプレイとはまた違ったモダンなテイストを楽曲にもたらしている。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8 
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KAIPA 「Nattdjurstid」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの1982年作
5作目となる本作は、ハンス・ルンディンによるきらびやかなシンセワークを前に出し、
80年代的なビート感とキャッチーなポップ性に包まれたサウンドである。
ヴォーカルは基本母国語なので、辺境感を含んだ感触が面白い味わいになっていて、
さほどプログレらしさを求めなければ、モダンなプログレハード的にも楽しめる。
アルバムとしては人気が出なかったのか、本作を最後にバンドは解散となる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 北欧度・・8 総合・・7.5
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KAIPA「NOTES FROM THE PAST」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2002年作
復活KAIPAの1作目で、往年のメンバーが集ったという形ではないが、キーボードのハンス・ルンディンが参加、
非常に北欧的な土着めいた温かみのある彼らしいキーボードワークを聴かせてくれる好作。
そこにからむロイネ・ストルトのギターはフラワーキングスでの活動を経て洗練された音であるせいか、
全体としてはかつてのKAIPAにあった「田舎めいた雰囲気」「湿り気のある薄暗さ」はさほど感じない。
ドラムがMATS/MORGANのモルガン・アグレンであることも手伝って非常にリズムの切れがよく、
70年代の叙情美よりは現代的シンフォニックの作りである。90年代以降の作品でロイネを知り、
このアルバムでカイパという存在を知った方は、次にはぜひ70年代のKAIPAのアルバムを聴いてみて欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「KEYHOLDER」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2003年作
前作と同じくドラムはMATS/MORGANのモルガン・アグレン、ベースはTHE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドという編成。
今回はロイネ・ストルトとハンス・ルンディンの融合度がより増した印象で、サウンド的にもよりしっくりと聴けるシンフォニックロックである。
メロトロンなどを多用したゆるやかなキーボードワークもあって、北欧らしさとシンフォ度はむしろフラキンの近作よりも上かもしれない。
全体的にゆったりと楽しめる作風で、叙情豊かなメロディに包まれた傑作である。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「MINDREVOLUTIONS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、復活カイパの2005年作
全79分、シンフォニックサウンドが目一杯詰まっている。初期のフラキンにあった陽性のメロディと聴きやすさを発揮しつつ、
決して古くさくならない現代風のポップセンスも取り込んでいるのもポイントであろう。モルガン・オーギュレンの巧みなドラムに、
存在感のあるヨナス・レインゴールドのベース、ロイネ・ストルトのメロアのギターも久しぶりにたっぷりと堪能出来る。
RITUALのパトリック・ランドストロムのヴォーカルに女性ヴォーカルが絡み、男女ツインVoによる壮麗な歌声は、
しっとりとした叙情パートではとても耳心地よく、ハンス・ルンディンのやわらかなシンセワークとともに楽曲を豊かに彩る。
ゆるやかな盛り上がりと爽やかさはまさに北欧プログレ特有の質感で、最近のフラキンより上かとすら思える会心のシンフォニックロック作品だ。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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KAIPAAngling Feelings
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カイパの2007年作
新生KAIPAとなって4作目のアルバムであるが、今回はロイネ・ストルトは不参加。他のメンバーはHans Lundin以下、
Dr.Morgan Agren(MATS/MORGAN)、Vo.Patrik Lundstorm(RITUAL)、女性Vo.Aleena Gibson、B.Jonas Reingold(THE FLOWER KINGS)という
おなじみの顔ぶれで、ギターにはハンスも参加していたフォークメタルバンドHAGENで弾いていたPer Nilssonが参加、
サウンドの方は、アレンジ面でややモダンになったかなという印象はあるが、クオリティ的にはロイネ不在を感じさせない出来。
ハンス・ルンディンのシンセワークに絡むパー・ニルソンのギターワークもなかなかよろしく、HAGENでも聴かせてくれた土着メロが心地よい。
モルガン・アグレンとヨナス・レインゴールドの鉄壁のリズム隊は強固なアンサンブルを作り出し、
ゆったりとしたパートにおいてもサウンドを適度に引き締めている。男女Voの絡み方も、アクセントを付けながら曲を引き立たせていて、
歌パートと演奏パートのメリハリがしっかりあって飽きさせない展開力となっている。メロディの充実度と内容の濃さという点で傑作といってよい出来だ。
メロディアス度・・8 意外とテクニカル度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「In the Wake of Evolution」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2010年作
70年代に3枚の傑作を残した北欧を代表するプログレバンド、2002年に復活してから5作目となる。
ヨナス・レインゴールド(The Flower Kings)とモルガン・アグレン(MATS/MORGAN)の鉄壁のリズム隊に乗る
ハンス・ルンディンの美麗なシンセワークに、メロウなギターフレーズと男女ヴォーカルの歌声で、
今作も質の高いシンフォニックロックを存分に聴かせてくれる。10分以上が5曲といつになく大作であるが、
カッチリとした展開力とメロディで、プログレ初心者にも安心して楽しめるサウンドである。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPAVittjar
スウェーデンのプログレバンド、カイパ2012年作
ハンス・ルンディンの美しいシンセワークを中心に、北欧らしい叙情メロディたっぷりのシンフォニックサウンド。
ヨナス・レインゴールド、モルガン・アグレンの安定したリズム隊に支えられながら、メロウなギターワークが重なり、
トリック・ルンドストルムの存在感あるヴォーカルが歌い上げる。メロディックな爽快さと北欧の土着的な感触が合わさり、
ときに女性ヴォーカルの歌声も含みつつ、12分、22分という大曲もあくまで叙情的に聴かせてくれる。
ゲストによるヴァイオリンやホイッスルの音色も美しい。これぞ北欧!というようなシンフォニックの力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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KAIPA「Sattyg」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2014年作
2002年に復活してからすでに本作で7作目。すっかり新たな北欧ネオプログレの代表のひとつとなった。
本作はいきなり15分の大曲から始まり、叙情的な泣きのギターとハンス・ルンディンの味わい深いシンセワーク、
モルガン・アグレンとヨナス・レインゴールドが支える鉄壁のリズム隊とともに、素晴らしいシンフォニックロックが広がる。
男女ヴォーカルの歌声を乗せた華麗でキャッチーな感触と、繊細さとダイナミズムに富んだ構築力、
初期のカイパから引き継いだ北欧らしい哀愁の叙情性は、本作では随所により強く感じられ、
ゲストによるリコーダー、ホイッスルの素朴な音色も含めて、その土着旋律がじつに耳に心地よい。
10分を超える大曲がいくつもあるが、どこをとっても叙情的でメロディック、これぞ北欧プログレという傑作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8.5
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Kaipa 「Children of the Sounds」
スウェーデンのプログレバンド、カイパの2017年作
ハンス・ルンディンを中心に復活した2002年からすでに15年、再結成カイパとしては本作で8作目となる。
今作もドラムにモルガン・オーギュレン(MATS/MORGAN)、ベースにヨナス・レインゴールド(THE FLOWER KINGS)が参加、
美麗なシンセワークに、女性ヴォーカルの歌声を乗せて優美に幕を開け、男性声にメロウなギターの旋律が加わって、
壮麗にして繊細な叙情美を描き出す。オルガンを含むやわらかなシンセアレンジに、ゲストによるヴァイオリン、
男女ヴォーカルの掛け合いとともに、物語的でもある幻想的な雰囲気に包まれていて、一方ではメリハリに富んだ楽曲は
いつも以上に弾きまくるペル・ニルソン(SCAR SYMMMMETRY)のテクニカルギターを乗せ、スタイリッシュな優雅さも感じさせる。
どちらかというとフラキン寄りの音で、綺麗に作られ過ぎている感じもなくもないが、10分前後の大曲を中心にした高品質な力作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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Kaipa Da Capo 「Darskapens Monotoni」
スウェーデンのプログレバンド、カイパ・ダ・カーポの2016年作
復活KAIPAとは別に、ロイネ・ストルトが70年代の古き良きサウンドを再現するべく、オリジナルメンバーである、
トーマス・エリクソン、インジマー・ベルグマンとともに立ち上げたバンドで、ロイネの弟、マイケル・ストルトも参加。
サウンドは、ロイネのメロウなギターの旋律をたっぷりとまぶし、美しいシンセワークで包み込んだ、
かつてのKAIPAの素朴さに、初期のThe Flower Kingsを合わせたような、叙情豊かなシンフォニックロック。
大人の哀愁を感じさせる、マイケル・ストルトのどっしりとした歌声に、オルガンが鳴り響く70年代風味のやわらかさ、
そして繊細かつ優美なギターワークとともに、これぞ往年の北欧ロックという味わいが楽しめる。
10分を超える大曲も多数で、派手な展開や新鮮味は薄いもののじっくりと鑑賞できる。さすがの傑作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA DA CAPO 「Live」
スウェーデンのプログレバンド、カイパ・ダ・カーポのライブ。2017年作
復活KAIPAとは別に、ロイネ・ストルトが70年代の古き良きサウンドを再現するべく結成したバンドで、
オリジナルメンバーである、トーマス・エリクソン、インジマー・ベルグマンに、ロイネの弟、マイケル・ストルトも参加。
さらにはシンセにラレ・ラーションを迎えた編成での、2017年ストックホルムでのライブを収録している。
のっけから2nd収録の大曲“Skent Bedrar”で、往年のカイパファンはたまらない。ロイネのメロウなギターと
オルガンを含むシンセに、渋い味わいのマイケルの歌声が重なり、湿り気を帯びたかつての空気感を再現してゆく。
2016年作「Darskapens Monotoni」からのナンバーも、違和感なくオールドなセットリストに溶け込んでいる。
ラレの美しいピアノソロ、シンセソロなどもアクセントになっていて、古さと新しさを融合させたライブが楽しめる。
ライブ演奏・・8 ドラマティック度・・8 カイパ度・・9 総合・・8 
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Kama Loka
スウェーデンとデンマークの混成バンド、カーマ・ロカの2013年作
母国語によるヴォーカルとフィドルの響き、ハーディガーディの素朴な音色とともに聴かせる
いかにも北欧らしい土着的なサウンド。サイケ気味のギターとともに、アシッドフォークの妖しさと
神秘的な懐古主義が凝縮されたような聴き心地は、プログレというよりトラッド・サイケロックというべきか。
これぞ北欧という寒々しい世界観と、かつてのKebnekajseばりの土着メロディににんまりすることしきり。
かのSILENCEスタジオで録音したというこだわりも含めて、北欧好きにはある種、たまらない怪作と思う。
トラッ度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・10 総合・・8
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KARMAKANIC「ENTERING THE SPECTRA」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの1st。2002年作
THE FLOWER KINGSヨナス・レインゴールドを中心に、ロイネ・ストルト、トマス・ボーディン、ソルタン・チョースらTFK組に
ヴォーカルにはヨラン・エドマンが参加。テクニカルなアンサンブルにオルガンを含むシンセワークとメロウなギターを乗せた、
ハード寄りのシンフォニックロックを聴かせる。銀河をテーマにしたコンセプト作らしく、雄大に包み込むようなシンセアレンジと、
随所にフラキン的なメロディラインを聴かせながら、シンフォニックハード/プログレメタル的な味わいも含んだ力作だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ProgMetal風味度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「WHEEL OF LIFE
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2nd。2003年作
THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心にしたバンドで、
軽快なジャズロックに、メロディアスなシンフォニックロックの味付けをしたという雰囲気で
ソルタン・チョース、ヨナス・レインゴールドのフラキンのリズム隊は、息の合ったアンサンブルで、
長い曲でもさらりとスタイリッシュに聴かせてくれる。メロディの新鮮味という点ではさほどのものはないが、
ヴォーカルが加わるとまるでフラキンのような叙情性に包まれる。テクニカルで軽妙なアンサンブルで楽しめる
北欧シンフォニック・ジャズロックの逸品だ。ロイネ・ストルト、トマス・ボーディンらもゲスト参加している。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KARMAKANIC「Who's the Boss in the Factory」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの3rd。2008作
THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心としたこのバンド、
1stはProgMetal風、2ndはジャズロック寄りのサウンドであったが、本作はよりメロディアスさを前に出して、
結果としてフラキンに近い雰囲気になった。少しレトロなプログレ的シンセワークにたおやかなピアノも美しく、
曲は適度にテクニカルでありつつ、じっくりと歌を聴かせる部分も多く、全体的にはやはりシンフォニック。
存在感あるヨナスのベースにソルタン・チョースのタイトなドラムも見事で、バンドの核をになっている。
テクニカルな演奏力と、メロディ聴かせるバランスのとれた高品質作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 演奏度・・9 総合・・8
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KARMAKANIC & AGENTS OF MERCY「THE POWER OF TWO」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックエージェンツ・オブ・マーシーのライブアルバム。
ヨナス・レインゴールド率いるKARMAKANICと、ロイネ・ストルトのAgents of Mercyの合体バンドによる
2009年アメリカLAでのライブを収録。前半がエージェンツ、後半がカーマの曲という構成で、
ドラムにはSPOCK'S BEARDのニック・ディヴァージリオが参加、しっとりと聴かせるGENESISタイプの
Agents of Mercyはまさにシンフォニックの王道という感じで、叙情豊かな聴き心地はライブでも素晴らしい。
一転してKARMAKANICでは、軽妙な躍動感とアンサンブルの妙で、実力者たちの演奏にじっくり聞き入る。
とくに、ラレ・ラーソンの絶品の鍵盤さばきは、クラシカルにしてテクニカルな驚嘆のプレイぶりである。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「In a Perfect World」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2011年作

THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心に、前作はよりフラキンに近いイメージの
傑作であったが、本作も美麗なシンセワークでしっとりと始まりつつ、ジャズロック的な軽やかさと
キャッチーなメロディも含んで、大人のシンフォニックロックというべきクオリティの高さで聴かせる。
楽曲のアレンジや盛り上げ方など、フラキンとの差別化が難しいくらいに相通ずるものがあるのだが、
そこも含めての雰囲気が好きな方なら、今作も充分楽しめる作品だろうとは思うし、
やはりジャスロック風味の軽妙さには、余裕とウイットに富んだ演奏が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC 「Live in the US」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックのライブ作品。2014年作
2012年アメリカ、ゲティスバーグでのステージをCD2枚に収録。
これまでに発表した4枚のスタジオ作品は、テクニカル性とメロディアスな要素を融合させた
高品質なサウンドであったが、ライブステージにおいても実力あるメンバーによるアンサンプルが楽しめる。
ヨラン・エドマンの存在感ある歌声に、古き良きプログレ性とモダンさを併せ持つラレ・ラーソンの巧みなシンセワーク、
ドラムには、モルガン・アグレンが参加し、ヨナス・レインゴールドとの鉄壁のリズム隊を構築する。
ジャズロック的な優雅さに、北欧シンフォの感触を溶け混ませたというべき、大人のプログレを聴かせてくれる。
モルガンの超絶ドラムソロも含め、スタジオアルバム以上の躍動感が味わえる、濃密なライブ作品だ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Karmakanic 「Dot」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2016年作
THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心にしたバンドで、ライブ作をはさんで、
スタジオアルバムとしては5年ぶりとなる5作目。ジャケはいつになく地味なのだが内容の方は、
テクニカルかつ軽妙なジャズロック風味と繊細なシンフォニック性が合わさった、いつも通りの質の高さ。
モルガン・アグレンの巧みなドラムに存在感のあるヨナスのベース、ラレ・ラーソンの美しいシンセワークと、
マイルドな情感に包まれたヨラン・エドマンの歌声を乗せ、大人の哀愁を含んだ叙情美をじっくりと描いてゆく。
The Tangentのアンディ・ティリソンがオルガンで参加、ゲストによるコーラスやフルート、サックスなども加わって
優雅な構築性とともに大人の味わいと、やはりフラキン的でもあるメロディックなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 大人の叙情度・・9 総合・・8 
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KATAYA 「Canto Obscura」
フィンランドのプログレバンド、カタヤの2008年作
やわらかなシンセアレンジと繊細なアコースティックギターのつまびき、
そして北欧らしい土着的な旋律を奏でるギタートーンがじつに耳心地良い。
エフェクトのかかった女性ヴォーカルによるスキャットやサックスの音色も加わりつつ
随所にポストプログレ的なモダンさも感じさせながら、PEKKAKebnekajseなどにも通じる
古き良き北欧のトラッド要素がセンスよく融合されている。楽曲自体は3、4分前後で、
プログレ的な展開美は物足りないものの、繊細な雰囲気ものとしてゆったり楽しめる。
繊細度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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KATAYA 「Voyager」
フィンランドのプログレバンド、カタヤの2010年作
2008年にデビュー、2作目となる本作は、組曲方式の3つのパートに分かれた作品で、
オルガンやメロトロンを含むやわらかなシンセに適度なハードさのギターワーク、
随所にアコースティックなパートも入りつつ、メロウな叙情を描くインストサウンド。
中盤には、ジェントルな歌声の入ったナンバーやポストプログレ的な繊細なインストなど、
派手さはないものの総じて耳心地の良い作風で、涼やかな北欧らしさと、大人の叙情をじっくりと味わえる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Kathinka
ノルウェーのメロウロック、カティンカの2018年作
サイケロック的な浮遊感あるアンサンブルに、けだるげな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
北欧らしい涼やかな空気感に包まれた、メランコリックなサウンドを聴かせる。
ガレージロック的でもあるアナログ感に、うっすらとしたシンセアレンジが加わると、
プログレリスナーにも楽しめるドリーミーな味わいで、のんびりと鑑賞できる。
アシッドフォーク的な雰囲気もある、ゆったりキャッチーな女性声北欧ロックの逸品です。
夢見度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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KATZEN KAPELL
スウェーデンのチェンバー・タンゴグループ、カッツェン・カペルの1st。1994年作
複雑さと難解さを増した2ndにくらべ、この1stではゆったりとした叙情が楽しめる部分が多い。
アコーディオンやヴァイオリン、マリンバなどによるメロディアスでありながら切れがよく、
キャッチーでしかも高度な演奏(ドラムが入るととたんにテクニカルプログレになる)は素晴らしい。
タンゴなのにプログレ。ハイセンスでしっとりの好アルバム。
メロディアス度・・8 タンゴ度・・8 さりげなく技巧度・・9 総合・・8
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KATZEN KAPELL「ALLA HATAR MIN MAN」
スウェーデンのプログレ・チェンバーロックバンド、カッツェン・カペルの2nd。1998作
タンゴや室内楽をベースにした優雅さと、プログレッシブな構成力で聴かせるこのバンド、
コロコロとしたビブラフォンの音色にアコーディオンなどによるやわらかな質感と
ピアノやヴァイオリンなどのクラシカルなシリアスさが合わさって、予測不能の展開で聴かせる面白さは
このバンドならでは。1stに比べてよりチェンバー的な複雑さが増したような傑作だ。
現在は、ジャケが変更されて再発されている。
チェンバー度・・8 クラシカル度・・7 ハイセンス度・・9 総合・・8
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KATZEN KAPELL「Maximalism」
スウェーデンのプログレ・チェンバーロックバンド、カッツェン・カペルの4th。2009年作
タンゴや室内楽をベースにした優雅さと、プログレッシブな構成力で品のよい音楽を聴かせるこのバンド、
本作も艶やかなヴァイオリンや、アコーディオンの音色を絡ませた、軽妙なサウンドが楽しめる。
しっとりとしたピアノの響きに、ヴァイオリンやビブラフォン、マリンバなどが合わさると
室内楽的な優雅さとクラシカルな情緒に包まれる。ドラムの入った変則リズムはプログレ的で、
相変わらずセンスの良いアレンシが絶妙だ。“上品な緊張感”ともいうべき面白さが漂う傑作。
クラシカル度・・8 軽妙プログレ度・・8 ハイセンス度・・9 総合・・8
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KAUKASUS 「I」
MOTORPSYCHOのケティル・ヴェストラム・エイナーソン、元ANGLAGARD~WHITE WILLOWのマティアス・オルソン、
そしてライス・マーシュという、ノルウェー、スウェーデン混合のユニット、コーカサスの2015年作
マティアス・オルソンといえば、NECROMONKEYを結成して話題を呼んだが、本ユニットの方はトリオ編成による、
アナログ感に包まれたシンプルなアンサンブルに、ライス・マーシュのマイルドな歌声を乗せた、
ダークな空気感に包まれたサウンド。メロトロンを含むスペイシーなシンセにフルートが妖しく鳴り響き、
モーターサイコのようなスケール感と、北欧らしい涼やかな聴き心地に、アヴァンギャルドなセンスも覗かせる。
クリムゾンやANEKDOTENなどを思わせる部分もありつつ、フルートとシンセをメインにしたアンビエントなナンバーや
モダンなポストプログレ風味も含んだ、古さと新しさを自然体で内包したような強力作です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KEBNEKAISE「KEBNEKAISE」
スウェーデンのトラディショナルプログレバンド、ケブネカイゼのベストアルバム。1973~1977作
1stから3rdまでの曲がセレクトされたベスト盤。内容はElectric Mountainと同じ。
音の特徴は、北欧らしい土着的なトラディショナルをそのままプログレさせたところです。
二本のヴァイオリンやフルートがギターとからみ、叙情的なメロディを奏でてゆく様は実に圧巻。
日本人の演歌的情緒にも通じる北欧トラッドメロディはとても親しみやすく、郷愁に包まれた空気がじんわりと胸にしみ込みます。
メロディアス度・・9 北欧トラッ度・・10 叙情度・・9 総合・・8

KEBNEKAJSE「RESA MOT OKANT MAL」
スウェーデンのトラディショナル・サイケバンド、ケブネカイゼの1st。1971作
この1stはまだトラッドメロディを導入する以前で、やや明るめのメロディアスサイケという雰囲気。
ヴァイオリン奏者も加入前なので、2nd以降の哀愁のトラッドメロディはあまり感じられない。
しかしギターの弾くメロディには北欧の田舎を想像させるような心地よさを持っている。
これがのちのサウンドへの下地になったのだろう。まず聴くのなら3rdあたりからどうぞ。
メロディアス度・・7 トラッ度・・2 サイケ度・・7 総合・・7.5
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KEBNEKAISE「Ⅱ」
スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの2nd。1973作
のっけから牧歌的なメロディでヴァイオリンが鳴り響き、北欧トラッド色全開。
楽曲的には次作ほどのダイナミックさはまだないのだが、ヴァイオリンに絡むギターのフレーズといい、
パーカッションの響きといいこのあまりに田舎くさく、土着的な音には思わず和んでしまう。
ラストの大曲もなかなか圧巻。ボーナスには貴重なライブ音源を収録。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・9 ヴァイオリン度・・8 総合・・8
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KEBNEKAISE「Ⅲ」
スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの3rd。1975作
ついにCD化!!以前はベストアルバムのみが出ていたのだが、こうして単体で聴ける日が来るとは。
このバンドの素晴らしいところはズバリ、北欧的トラッドメロディを、ロックフォーマットで聴かせる点だ。
ギターとヴァイオリンがときに優雅にときに情熱的にトラッドメロディをユニゾンするさまは圧巻。
そして、そこに絡むパーカッションが言い知れぬ郷愁を聴く者に感じさせる。
この日本人の演歌心にも通じるような土着的メロディには、一聴して心を鷲づかみにされた。
トラッドというにはあまりにダイナミックで分厚い音。シンフォニック・トラッドロックとでも呼ぶしかない。
こうなったら、バンド後期の傑作「Elefanten」などもぜひCD化を望みたい。
メロディアス度・・9 北欧トラッ度・・9 ヴァイオリン度・・8 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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KEBNEKAJSE
スウェーデンのトラッド・プログレバンド、ケブネカイゼの復活作。2009作
70年代に5枚のアルバムを残して消えた異色のトラッドロックバンドがまさかの復活!
初期KAIPAをさらにクサくしたような北欧の民族メロディを、そのままサイケロック化したような
このバンドのサウンドは、一聴して日本人の情緒を鷲掴みにするくらいのインパクトがあった。
個人的にも大好きなバンドなので感無量である。さて、30余年ぶりの作品である本作であるが、
のっけからかつてを思わせる、ギターとヴァイオリンを中心にした土着メロディに思わずにんまり。
メンバーは少なくなったが、バンドの本質はなにも変わっていない。田舎くさく、土くさく、
まさに北欧の山林を思わせるような牧歌的な情感で素朴でありつつも雄大に聴かせてくれる
ギターとヴァイオリンがユニゾンして奏でるトラッドメロディと、パーカッションの響き、
これぞ北欧の音楽である。これを聴いて気に入った方は、かつての名作「Ⅲ」もぜひ。
メロディアス度・・8 土着度・・9 北欧メロ度・・10 総合・・8
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KEBNEKAJSEIdioten
スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの2011年作
70年代に5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが2009年にまさかの復活をはたし、
本作は復活2作目である。北欧の土着トラッドのメロディとサイケ風味の浮遊感を合わせた
独自のサウンドは年月をへても健在。なごむようなギターの牧歌的フレーズとパーカッションの響き、
そしてヴァイオリンが重なり、まさに北欧の山林を思わせるような自然派の演奏がじつに耳心地よい。
オールインストでありながら歌うようなギターのメロディにのんびりと聴き入れる好作品です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・10 総合・・8
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KebnekajseAventure」
スウェーデンのトラッドプログレ、ケブネカイゼの2012年作

70年代から活動する、サイケ・トラッドロックバンド。2009年に活動を再開させてから3作目となる。
パーカッションを含んだリズムの上に、土着的な旋律を奏でるギターとヴァイオリンが重なる、
独自のスタイルは本作も健在。北欧の大地を感じさせる牧歌的な聴き心地にのんびりと浸れる。
前作以上に気負わないユルさというか、力の抜けた自然体の作風で、ぱっと聴きにはインパクトはないのだが、
これこそこのバンドの持ち味。暖かみのある土臭さをのんびりと楽しめる好作なのです。
ドラマティック度・・7 トラッドプログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・7.5
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KERRS PINK「A Journey on the Inside」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの3rd。1993年作
1980年にデビュー、本作は前作から11年ぶりとなる作品で、これまでにないスケール感を感じる
トータル的なコンセプトアルバムとなっている。北欧の土着性を感じさせるメロウなギターフレーズと
うっすらとしたシンセワーク、マイルドなヴォーカルで聴かせるシンフォニックロックはいよいよ完成され、
ゆるやかな叙情性とファンタジックな世界観とともに、優雅にしてドラマティックな聴き心地が楽しめる。
女性ヴォーカルやフルートのの入ったアコースティカルなパートなど、繊細な美しさにもうっとりです。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 繊細度・・9 総合・・8
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KERRS PINK「ART OF COMPLEX SIMPLICITY」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの4th。1997作
淡い水彩画のジャケのイメージ通り、繊細で透明感のある北欧らしいシンフォニックサウンド。
これまでのアルバムよりもややアコースティック色が強く、トラディショナルなメロディを奏でるヴァイオリンなどは
KEBNEKAISEにも通じる雰囲気で、北欧の土臭さと空気を運んでくれる。
派手な部分はまったくないが、ゆったりとなごめる北欧シンフォサウンド。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・7.5
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KERRS PINK「TIDINGS」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの5th。2002作
このバンドの魅力はいかにも北欧らしい清涼感とトラッドテイストのあるギターメロディ、
そしてなによりじつに繊細で淡い色彩を感じるその優しい音にある。
TFKやPLPなど、表舞台で活躍するメジャー級シンフォバンドの影で、
こうしたバンドが地道に活動を続けているというのは、なんともほっとする。
CAMELの繊細な部分を抽出して、北欧のメロディで淡く色付けしたサウンドは、
聴いていてなにか優しさに満ちた安らぎを感じさせてくれる。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Kerrs Pink 「Mystic Spirit」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの2013作
繊細系の叙情シンフォとして80年代に2作、90年代に2作、そして2002年作を最後に音沙汰のなかったバンドの、
じつに11年ぶりとなる6作目。音が鳴りだした途端、北欧らしい涼やかな風に吹かれたような錯覚にとらわれる。
オルガンやムーグ、メロトロンといったヴィンテージなシンセもそうだが、なにより土着的なメロディを奏でるギターは
初期のKAIPAのような感触で、北欧でしかありえない叙情旋律にウットリなのである。哀愁を帯びたアコーディオンや
やわらかなピアノの音色、そして枯れた味わいのヴォーカルもじつにいい味を出している。33年目の最高傑作。
ドラマティック度・・8 叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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Khatsaturjan 「Armed Forces of Simantipak」
フィンランドのプログレバンド、ハチャトゥリアンの2005年作
クラシカルなものを想像させるバンド名だが、サウンドはキャッチーメロディで聴かせるシンフォニックロック。
QUEENや初期のKAYAKなどにも通じるやわらかなサウンドで、北欧独特の涼やかな叙情性も有している。
4人のメンバーが全員シンセも弾けて、しかもヴォーカルもとる。演奏、アレンジ面ともにそつがなく、
曲中におけるアイディアの多さも素晴らしい。美しいピアノやヴァイオリンなど、随所にクラシックの素養を見せつつも、
それを自分達の表現方法に上手く取り入れていて、この手にしては古くささも感じさせない。
ギターとキーボードの重ね方も凝っているのだが、うるさすぎず、むしろスッキリとした感触で心地よく聴ける。
ややクセのあるヴォーカルが好みを分けるかもしれないが、北欧プログレとしてはなかなかの力作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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KhatsaturjanDisconcerto Grosso」
フィンランドのプログレバンド、ハチャトゥリアンの2010年作
前作もキャッチーなメロディで聴かせる良質のシンフォニックロック作品であったが、
本作もQUEENを思わせるようなやわらかなメロディで叙情たっぷりの好作だ。
16分、18分というふたつの大曲を軸に、適度にハードなドラマティックさと、
ハモンドなどの古き良き音色のシンセワークと爽やかなコーラスが重なった
いうなれば北欧版Magellanというようなメロディックなサウンドである。
いくぶん唐突な曲展開がマイナー臭さをかもしだしているが北欧らしい力作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Khatsaturjan 「Beast, Machine & Man」
フィンランドのプログレバンド、ハチャトゥリアンの2015年作
2005年にデビュー、本作は3作目で、シンセにストリングスを含んだシンフォニックな壮麗さに、
適度にハードなギターを乗せ、軽妙な展開力と優美なクラシカル性が同居したサウンド。
美しいピアノにキャッチーなコーラスなどは、MOON SAFARIなどにも通じる感触ながら、
こちらはよりマイナー寄りのくぐもったような空気感と、変化に富んだ展開の意外性が魅力的。
QUEENをルーツにしたオールドなロック感触を、シンフォプログレにしたという感じもあり、
10分を超える大曲も優雅な構築力で楽しめる。ジャケはイマイチだが内容は充実の傑作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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KLOTETEn Rak Hoger
スウェーデンのプログレバンド、クロテットの2008年作
オルガンの音色を含んだレトロさと、コロコロとした可愛いジャズロック風味で、
唐突に展開する楽曲は意外性たっぷりで面白い。アヴァンギャルドなセンスとともに、
古き良きロックの感触をポップに昇華したというような雰囲気で、難解さは感じない。
カンタベリー調の優雅さと、SAMLAのおちゃらけが合わさったようなインスト作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Klotet 「Det Har Aldrig Hant Och Kommer Aldring Handa Igen」
スウェーデンのプログレバンド、クロテットの2010年作
前作はなかなか強力な、サムラばりのおちゃらけ系アヴァン・ジャズロックであったが本作はさらにエスカレート。
女性シンセ奏者を含む4人編成で、いきなりメタルばりの激しい疾走が始まったかと思いきや、
ヘンタイ気味の唐突な展開と、とぼけたユーモアを散りばめた、無茶な楽曲に唖然とさせられる。
楽曲は2~3分前後が中心で、オルガン鳴り響くオールドなロック感触とテクニカルなアンサンブルによる
ジャズロック色も含んだインストサウンドで、理解不能なセンスはHoyry-Koneなどに通じるものがあるが、
一方ではわりとキャッチーなナンバーなどもあって、適度な脱力感とユルさも味わいとなっている。
捉えどころのなさが魅力ではあるが、個人的にはもっと徹底的にヘンタイ化してもらいたい気もする。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
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KOI 「In Tomorrow Hid Yesterday」
スウェーデンのポストプログレバンド、コイの2010年作
シンセを含む5人編成で、キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせるポストプログレサウンド。
Porcupine Tree以降のモダンプログレのセンスと、うっすらとしたシンセアレンジとともに
エモ的なやわらかな感触も含んだ耳心地のよさが光る。一方ではシンフォニックロックとしての
繊細な叙情も含んでいて、しっとりと楽しめる好作品。GAZPACHOなどが好きな方もぜひ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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Kong Lavring
ノルウェーのフォークロックバンド、コン・ラヴリングの1977年作
北欧のSPRIGUNSとも呼ばれるバンドで、男女ヴォーカルの歌声と
アコースティックギター、マンドリンなどによる牧歌的な叙情を聴かせる。
母国語による歌声とともに、メロディにはやはり北欧らしい土着性があって、
フォークとしてのやわらかさを、ドラムの入ったロック的なアレンジで表現しながら、
あくまでのんびりとした聴き心地が強い。異国的なフォークが好きな方もぜひ。
ドラマティック度・・7 牧歌的度・・8 北欧度・・9 総合・・7.5
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Kong Lavring 「Den 2den」
ノルウェーのフォークロックバンド、コン・ラヴリングの1978年作
北欧のSPRIGUNSとも呼ばれるバンドで、美しい女性ヴォーカルの母国語の歌声に、
ホイッスルなどが鳴り響く土着的なトラッド/フォーク感触に、エレキギターやドラムによる
ロック的なアレンジを取り入れた作風。2、3分前後の小曲ばかりなので、楽曲ごとは割とあっさりしているが、
前作以上に神秘的な北欧の空気感に包まれた、牧歌的フォークロックが楽しめる好作品です。
ドラマティック度・・7 牧歌的度・・8 北欧度・・9 総合・・7.5
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KULTIVATOR「Barndomens Stigar
スウェーデンのジャズロックバンド、カルティヴェイターの1981年作
跳ねるような変拍子リズムの上に、プログレ的なシンセが鳴り響き、土着的なギターフレーズに重なるのんびりした笛の音が可愛らしい。
北欧のアヴァンギャルド系というと、SAMLAがまず思い出されるが、こちらはもっとカンタベリー的な優雅さがあり、ある意味メロディックだ。
どこかヨレた感じのキュートな女性ヴォーカルの歌声もいい感じで、北欧トラッド的な牧歌性を上手く取り入れた、変則ジャズロックの傑作である。
プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Kvazar
ノルウェーのプログレバンド、クヴァザーの1999年作
先に聴いていた2005年の2nd「A GIANT'S LULLABY」はかなりの傑作であったが、ようやく1stをゲット。
メロウなギターとメロトロンを含んだ美しいシンセワーク、北欧らしい薄暗さをまぶしたサウンドは、
繊細にして精緻…この1stにおいても、やわらかな聴き心地の中に奥深い知的センスが光っている。
テクニックのある軽妙なドラムにしても、繊細なダイナミズムをサウンドにもたらしていて、
マイルドなヴォーカルの歌声に、決してうるさくはないが絶妙のギターワークが合わさり、
ANEKDOTENのような薄暗く幻想的な世界観を構築してゆく。じつに北欧らしい傑作だと思う。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8.5


KVAZAR「A GIANT'S LULLABY」
ノルウェーのプログレバンド、クヴァザールの2nd。2005年作
基本はインスト中心で、音にはさほど派手さはなく、むしろぱっと聴きには地味なのだが、
よくよく聴けば、このバンドの作る世界観に引き込まれる。70年代北欧的なレトロな質感と、
中世音楽的なメロディライン
が交わり、どこか靄がかかったような不思議な空間美を感じさせる。
女性ヴォーカルや、荘厳なチャント風なコーラス、あるいはジャズタッチのピアノ、
ANEKDOTENもかくやというメロトロンに、ANGLAGARD風の土着的なギターフレーズ、
それらが絶妙に顔を出し、決してうるさくならない程度に楽曲に彩りと深みとを与えている。
決して押しつけがましくない、派手すぎない、奥の深い北欧シンフォニックロックの傑作だ。
シンフォニック度・・8 しっとり薄暗度・・8 北欧度・・9 総合・・8.5
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KYTAJA 「II」
フィンランドのフォークプログレ、キタヤの2013年作
2006年にデビュー、本作は2作目。やわらかなフルートの音色にシンセを重ねたイントロ曲から、
北欧らしい涼しげな空気に包まれる。ドラムとベースを加えた2曲目は、男女ヴォーカルを乗せ、
ハーモニカの音色とともに哀愁の叙情を感じさせる、北欧らしいフォークロックが広がる。
ギターやサックスが入ると、かつてのKebneKajseにも通じるような雰囲気もありつつ、
うっすらとしたシンセが幻想的な味わいをかもしだす。楽曲は3~4分前後とシンプルで
基本はインスト中心であるが、曲によってはPEKKAのような繊細な優雅さも感じさせる。
北欧の涼やかな世界観にのんびりと浸れるような方にお薦めしたい好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Lalle Larsson's Weaveworld
スウェーデンのプログレバンド、ラレ・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2009年作
ヘンタイメタル系のELECTROCUTION 250や、KARMAKANICにも参加した才能豊かなシンセ奏者で、
Weaveworld名義でのデビュー作になる。ハードエッジなギターと適度な硬質感で聴かせる、
テクニカル・シンフォニックで、ときにジャズタッチのピアノなども含めて、センス抜群のシンセワークが素晴らしい。
フュージョンやジャズ、クラシックの素養を垣間見せつつ、クールな構築性をしっかりとメロディアスに聴かせる、
抜群のクオリティの高さが光る。ハードシンフォニックとしても、プログレフュージョンとしても楽しめる力作だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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LALLE LARSSON'S WEAVEWORLD「Infinity Of Worlds」
スウェーデンのプログレバンド、ラレ・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2010年作
かつてのU.K.を思わせるようなスタイリッシュなアンサンブルで聴かせるインストプログレの傑作。
軽やかなフュージョン/ジャズロック風味と、ときにメタリックさを匂わせる硬質な構築センスが冴え渡る。
ジャズタッチのピアノを弾くかと思えば、古き良きプログレ風味や、さらには壮麗でミステリアスな世界観も生み出す、
ラレ・ラーションのシンセワークは絶品である。たとえるならPLANET Xあたりにも通じる聴き心地もあり、
ProgMetalのリスナーなどにも楽しめる軽妙なセンスに包まれた傑作ですな。
限定盤には「室内オーケストラとメタル・バンドの為の“7つの大罪”組曲」と題された大曲のライブ音源と
未発曲などを収録したボーナスCD付き。こちらだけでもお腹いっぱいになるほどのボリュームだ。
メロディアス度・・8 スリリング度・・9 構築センス・・9 総合・・8.5
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LALLE LARSSON'S WEAVEWORLD「Nightscapes」
スウェーデンのプログレバンド、ラレ・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2012年作
前作はかつてのU.K.を思わせるようなスタイリッシュなインストプログレの傑作だったが
3作目となる本作もまたモダンな硬質感とテクニカルなアンサンブルで聴かせる強力作。
クールなシンセワークに技巧的なギターが絡み、 PLANET X的なメタルフュージョン風味の軽やかさと、
知的でミステリアスな緊張感を含ませたサウンドはじつに玄人好み。抜群のアンサンブルとともに構築される楽曲は、
随所にシンフォニックな叙情も覗かせながら、ゆるやかな盛り上がりを見せる。24分の大曲も含むハイセンスな力作。
メロディアス度・・8 スリリング度・・9 構築センス・・9 総合・・8
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LANDBERK「Riktigt Akta」
スウェーデンのプログレバンド、ランドベルクの1st。1992年作
実のところ、昔、英語バージョンの「Lonely Land 」(ケルベロスのジャケ)を聴いたときには、
まったくピンと来なかったのだが、この母国語バージョンは土着性があってよいですね。
のっけから古めかしいメロトロンの音が鳴り響き、やわらかでもの寂しい叙情が溢れてくる。
いかにも北欧的なギターフレーズも、繊細なピアノの音も、この70年風のレトロなサウンドを
作りあげる役割を果たすために存在し、決して派手に主張しすぎることはない。
ドラマティックな盛り上がりや展開力とは無縁だが、薄暗い北欧の雰囲気をゆったりと楽しめる点で、
ANGLAGARDANEKDOTENへとつながる90年代以降の北欧シンフォニックのスタイルを
地味ながらも確立した作品といってもよいだろう。レトロサウンドの標榜と懐古主義の先駆け。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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LANDBERK「Indian Summer」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ランドベルクの4th。1996年作
90年代北欧シンフォニック最初期に登場したこのバンド、本作はバンドの最終作にして、
ひとつの彼らの到達点を示している。ゆったりとした楽曲に、重すぎないギターが反復するコードを奏で
派手すぎないシンセワークと、そしてたゆたうような男性ヴォーカルの歌声。
もはやプログレというよりは、薄暗い質感のメロディックロックという感じのサウンドだが、
この時点ですでに後のPAATOSにつながる要素はある程度確立していると言っていい。
一聴して地味に思える音なのだが、その繊細な空気がじわじわと耳に心地よくなってくる。
プログレ度・・7 ゆったり繊細度・・9 うす暗度・・8 総合・・8
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Lars Hollmer 「Viandra」
スウェーデンのミュージシャン、ラーシュ・ホルメルの2007年作
Samla Mammas Mannaのアコーディオン奏者として知られるミュージシャンで、
やわらかなアコーディオンの音色にシンセを重ねた、心安らぐような優しいインストサウンド。
哀愁を感じさせる大人の叙情や、ときにサムラを思わせるユーモラスなノリも含ませつつ
クラシカルなピアノやヴァイオリンも加わった優雅なナンバーや、チェンバーロック的な感触など
1~4分前後の小曲を主体に、飽きずに楽しめるのは、アレンジとメロディのセンスの賜物だろう。
あくまでアコーディオンをメインにしながら、涼やかで優美な空気を作り出す、才人の音楽である。
アコーディオン度・・9 プログレ度・・6 哀愁の叙情度・・8 総合・・7.5
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Lauri Porra
STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリー・ポラーのソロ作。2006作
作曲家シベリウスを先祖にもつ彼は音楽院で学んだ才人でもある。
本作で聴けるのはメタルではなく、クラシカルなピアノやジャズテイストなどを織りまぜた
幅広い音楽性で、北欧的な涼やかな情緒も含めて、むしろプログレに近い感触である。
トランペットやサックスの音色などはいかにもジャズ調であるが、型にはまらない柔軟な感性と
フィンランドらしい土着性と哀愁を音に感じさせるあたりは、たとえばPEKKAあたりにも通じる
天才肌のセンスがあるかもしれない。彼の音楽的才能の豊かさを楽しめる一枚だ。
フィンラン度・・8 メタル度・・1 むしろプログレ度・・8 総合・・8
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LAURI PORRA「All Children Have Super Powers」
STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリ・ポラーのソロアルバム。2008作
2005年からストヴァリに加わったこのベーシストは、実は音楽院出身であのシベリウスを先祖に持つ、
ジャズやクラシックの素養もある才人であった。一見して地味なジャケットながら、このアルバムにおける音楽性はじつに幅広く、
薄暗い叙情を聴かせるしっとりとした曲調はPINK FLOYD的でもあり、アコースティカルな素朴さとメロディには
北欧的な土着性も感じられて耳に優しい。トランペットの音色やクラシカルなピアノ、美しいシンセにメロウなギターが加わると
北欧シンフォニックロックの質感にもなる。女性コーラスの入ったヒーリング調の曲などもあり、
プログレリスナーにも勧められる繊細でやわらかな作品である。
むしろプログレ度・・8 メタル度・・3 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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LIFE
スウェーデンのプログレバンド、ライフの1970年作
本作が唯一の作品で、2013年盤はスウェーデン語盤と英語盤の2枚組仕様になっている。
優雅なピアノのつまびきに、母国語の牧歌的なヴォーカルで聴かせる素朴にサウンドに、
ときにオーケストラアレンジが加わると、クラシカルロック的なスケール感に包まれる。
アートロック的な優雅さと、ロックとしての土臭いアナログ感覚が同居していて、
いわば、ブリティッシュロックの北欧的解釈というような聴き方でも楽しめる。
ブルージーでアートでクラシカルで素朴という、それぞれの要素を上手く融合させたセンスも、
年代を考えればじつに見事である。北欧初期プログレ、アートロックの大傑作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8.5
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Life on Earth! 「Look!! There Is Life on Earth!」
スウェーデンのサイケバンド、ライフ・オン・アースの2007年作
のっけからフルートが荒々しく吹き鳴らされ、パーカッションのリズムにどっしりとしたベース、
ユルめのヴォーカルが加わって、牧歌的な北欧サイケロックが広がってゆく。
70年代のヒッピー的なおおらかさと、東洋的な世界観を感じさせるスケール感が合わさって、
しっかりとしたアンサンブルを構築する演奏力とともに、ゆったりと聴き入れるサウンドだ。
同郷のDungenのプログレ寄りの叙情に比べると、こちらはよりフリーキーなセンスを覗かせつつ、
フォーク寄りの素朴さも含んでいて、ヴァイオリンが優雅に鳴り響きフルートの音色も美しい。
ラストの28分に及ぶ、シューゲイズ的なノイズにはサイケデリックバンドとしての矜持が感じられる。
ドラマティック度・・8 サイケ度・・8 ユルく深く度・・8 総合・・8
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Life on Earth! 「A Space Water Loop」
スウェーデンのサイケバンド、ライフ・オン・アースの2009年作
やわらかなシンセによるアレンジも加わった、ゆったりとした叙情で聴かせるサイケロックで、
初期Gongあたりを思わせるユルさに、いくぶんアッパーな感触もまじえたサウンドが楽しめる。
ドラム入りの曲が増えたことでロック色が増し、前作のフォーキーないかがわしさに比べると
ある意味、ずいぶん聴きやすくなったと言える。雰囲気としては、よりDungenに近づいたかもしれない。
曲によってはフォークルーツのアコースティカルな素朴さも残していて、男女ヴォーカルが入ってきたり、
フルートやヴァイオリンの音色になごみつつ、のんびりまったり耳を傾けられる好作品です。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・7 ユル叙情度・・8 総合・・8
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Lucifer Was 「Underground and Beyond」
スウェーデンのヴィンテージロック、ルシファー・ワズの1997年作
ブルージーなギターにフルートが鳴り響く、70年代テイストたっぷりのサウンドで、
JETHRO TULLを思わせるような、ブルーズロックとしても楽しめる。
なにせフルート奏者が二人にいるので、キーボードの代わりというように
叙情的なフルートが吹き鳴らされ、ギターとのよいアクセントになっている。
楽曲はほとんどが3~4分前後で、プログレというには少し物足りなさもあるが、
レトロなヴィンテージロックが好きな方にはたまらないサウンドだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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LUCIFER WASIn Anadi's Bower
ノルウェーのヴィンテージロックバンド、ルシファー・ワズの2000年作
二人のメロトロン奏者にフルート二人を含む8人編成で、70年代を思わせるレトロなロックをやっている。
ブルージーなギターに絡むフルートが鳴り響くと、やはりJETHRO TULLを思わせるような音だが、
そこにメロトロンが加わると北欧的な薄暗い叙情がほのかに加わるのが良い。
近作に比べるといくぶん大味ながら、フルート、メロトロン入りのレトロロックが好きな方はどうぞ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・7.5
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LUCIFER WAS「The Crown of Creation」
ノルウェーのヴィンテージロックバンド、ルシファー・ワズの2010年作
結成は70年代でありながらいったん解散し、1997年に復活したというこのバンド、
本作はフルートやハモンド、メロトロンなどを使用したレトロなサイケプログレに、
男女ヴォーカルとオーケストラ入りのロックオペラ的な壮大さを付加した、異色の力作だ。
2部構成に分かれたシアトリカルな大作主義と、決して嘘くさくないヴィンテージロック感覚、
そこに優雅なクラシカルさが盛り込まれているのだから、濃密なことこのうえない。
大仰なレトロ系プログレとしても懐古的なシンフォニックロックとしても楽しめる。
シンフォニック度・・8 レトロプログレ度・・8 ロックオペラ度・・9 総合・・8
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Lucifer Was 「Dies Grows」
ノルウェーのヴィンテージロック、ルシファー・ワズの2014年作
結成は70年代というベテランで、二人のフルート奏者にツインギター、キーボードを含む大所帯の編成。
70年代的なブルージーなギターに、やわらかなフルートの音色、オルガンやメロトロンが加わった、
オールドな北欧ロックというサウンド。サイケロック的な浮遊感に妖しげな雰囲気もいくぶん漂わせつつ、
ヴォーカルはそれなりに力量があって、ハードロック的でもあるキャッチーな聴きやすさもあるという。
今回は楽曲は3~4分台と比較的シンプルなこともあって、プログレ方面のリスナーにはやや物足りないかもしれないが、
かつてのBLACK WIDOWあたりが好きな方には、古き良きオルガン入りロックとしてけっこう楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 オールドロック度・・9 総合・・7.5
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LUCIFER WAS 「Morning Star」
ノルウェーのヴィンテージロック、ルシファー・ワズの2017年作
1997年にデビュー、本作は7作目となる。アナログ感たっぷりのハードなギターにオルガンを含むシンセ、
ジェントルなヴォーカルを乗せた、70年代英国ハードロックルーツのヴィンテージなサウンドを聴かせる。
やわらかなオルガンにフルートが鳴り響くところは、JETHRO TULLなどを思わせる感触もあり、
叙情的なギターフレーズを乗せた厚みのあるサウンドで、牧歌的なハードプログレとしても楽しめる。
チェンバロやピアノが優雅に鳴り響くナンバーはシンフォニックロック的でもあり、ラストの15分を超える大曲は、
オルガンに泣きのギターが重なり、朗々としたヴォーカルとともにドラマティックな味わいに包まれる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・9 総合・・8
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LUGNORO「Annorstades」
スウェーデンのヴィンテージロック、ルグノロの2012年作
レトロなオルガンの音色が鳴り響き、アナログ感たっぷりのグルーヴィな演奏で、
Black BonzoDiagonalあたりを思わせる、英国70'sロックを継承する古き良きスタイル。
サイケ気味の浮遊感と、プログレ、アートロック的な奔放な雰囲気もあって、
8分、9分、11分という大曲も、起伏に富んだリズムと演奏力で飽きずに楽しめる。
メロディック度・・7 プログレ度・・8 アナログ度・・9 総合・・8
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MAGIC PIE「Motions of Desire」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの1st。2005年作
オルガンなどの古き良きシンセに、現代風のややハードなギターが合わさった構築性のあるメロディアスなサウンド。
テクニカルな展開の後に現れる、キャッチーなメロディが実に爽快で、アレンジの思い切りの良さも大きな魅力。
懐古主義と現代的なウィットという点ではSPOCK'S BEARDにも通じるものがあり、
とくにギターの奏でるメロディはTRANSATLANTICでのロイネ・ストルトをも思わせる。
しょっぱなに20分の大曲をもってきたり、ラストには組曲方式と、およそ新人離れした
自信に満ちていて、このシンプルなりんごジャケからは想像もつかない満腹感が味わえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 キャッチーかつテクニカル度・・9 総合・・8
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MAGIC PIECircus of Life」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの2nd。2007年作
今作はのっけから45分の一大組曲で、人生のサーカスというテーマのもと、
メロディックな叙情を聴かせつつ、ときにテクニカルにたたみかける、濃密なサウンドを展開。
このバンドのサウンドには、美しいメロディの中にもどこかとぼけた味わいや哀愁があり、
人間味を感じさせる知的さと確かな演奏力、そしてセンスとが備わっているのが素晴らしい。
二人の専任ヴォーカルのやわらかな歌声や、キャッチーなコーラスワークも心地よく、
そこにハードシンフォニック的な構築性と展開力が合わさった、これぞまさに力作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
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MAGIC PIE「The Suffering Joy」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの3rd。2011年作
過去2作も素晴らしい内容の傑作だったが、本作も24分の組曲で幕を開け、
ProgMetal的なテクニカルな構築センスとドラマティックな展開美で聴かせてくれる。
適度にハードなギターのセンスあるフレーズや、しっかりとプログレしているシンセワークに
キャッチーなヴォーカル、コーラスハーモニーでメロディックな聴き心地と叙情性を描き出す。
緩急のついた構成力とメロディの魅力で、現在北欧シンフォニックの筆頭格といえるバンドです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8
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Magic Pie 「King for a Day」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの2015年作
過去三作はいずれもクオリティの高い傑作であったが、4作目となる本作も美しいシンセに
キャッチーなヴォーカルメロディを乗せて、爽快なフックと展開力で描かれる見事なサウンドだ。
適度なハードさと抜けの良いメロディアス性は、Neal Morseなどのアメリカ系プログレの感触であるが、
こちらはより起伏のある展開力と切り返しの多さで、知的な構築センスと緻密なアレンジが素晴らしい。
本作からシンセ奏者も替わっているようだが、ムーグシンセの音色など古き良きプログレ性がUPしていて、
バンドのカラーに上手く融合させている。ラストは27分を超える大曲で、テクニカルかつキャッチーな
このバンドの魅力がすべて詰まった軽妙な展開力が味わえる。濃密な傑作と言う他にない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8 
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Magic Pie 「Fragments of the 5th Element」
ノルウェーのプログレバンド、マジック・パイの2019年作
2005年にデビュー、過去作はいずれも高品質な傑作であったが、4年ぶり5作目となる本作も、
美しいシンセアレンジに適度にハードなギターとマイルドなヴォーカルを乗せ、優美な叙情に包まれた、
北欧らしいシンフォプログレを聴かせる。前半は比較的コンパクトに仕上げられたナンバーで、
キャッチーなコーラスハーモニーとともに、A.C.Tなどに通じるスタイリッシュな味わいで楽しめる。
随所に聴かせる流麗なギタープレイなども含めて、演奏力の高さもさすが。ラストは22分の大曲で、
テクニカルな構築力とシンフォニックロックとしての優雅なメロディアス性が結実した見事なサウンド。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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Magnolia 「Falska Vagar」
スウェーデンのロックバンド、マグノリアの2008年作
ギター、ベース、ドラムというトリオ編成で、ブルージーな味わいの
70年代的なハードロックを聴かせる。スウェーデン語の歌声も含めて
TRETTIOARIGA KRIGETにも通じる感触だが、こちらはよりシンプルなスタイルで
ときおりオルガンの音色も含みながら、ハード・サイケデリックな味わいもある。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 70's度・・8 総合・・7.5





Makajodama
スウェーデンのチェンバー・プログレバンド、マカジョダマの2009年作
バンド名も面白いが、「Post Rock meets Prpg Rock」といううたい文句通り、ポストロック的な世界観と
レトロなプログレ感覚が合わさったようなインスト主体のサウンドも、これがなかなか面白い。
ヴァイオリン、チェロ、サックスなどがギターやシンセと絡み、薄暗いチェンバーロックを基本にしつつ、
クリムゾン的なヘヴィプログレの質感もあるという。 どことなく日本の美狂乱っぽくもあったりする。
この妖しさと暗さは聴いていて引き込まれます。 メンバーが影響を受けたバンドとして、Dmitri Shostakovich、
King Crimson、Can、Univers Zero、Algarnas Tradgard、Godspeed You! Black Emperor、Third Ear Bandなどの名が。
ちなみにANEKDOTENのメンバーが数曲でミックスを担当しているとか。
メロディアス度・・7 チェンバー度・・8 薄暗度・・9 総合・・8
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Malady 「Toinen Toista」
フィンランドのプログレバンド、マラディの2018年作
2015年にデビュー、本作は2作目。メロトロンやオルガンなどヴィンテージなシンセに叙情的なギターの旋律、
母国語によるジェントルなヴォーカルを乗せて、北欧らしい涼やかな土着性に包まれたサウンドを聴かせる。
ときにヴァイオリンなどのストリングスや、やわらかなフルートの音色も加わった優雅な耳心地で
濃密すぎない素朴さを含んだ、Kerrs Pinkあたりにも通じる幻想的なシンフォニックロックが楽しめる。
後半は23分におよぶ大曲で、メロウなギターにエレピやハモンドなどを乗せて、ゆったりと構築する。
派手さはあまりないが、優しい味わいの北欧プログレが好きな方にはお薦めの逸品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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MANGROVE 「A Distant Dream Of Tomorrow」
スウェーデンのヴィンテージロックバンド、マングローブの2010年作
オランダのプログレバンドとは同名異バンド、こちらはギター、ベース、ドラムのトリオ編成で
いかにも70年代スタイルのレトロなサイケ・ハードロックをやっている。
アナログ感たっぷりのギターとノリのよいリズムアンサンブルでたたみかける
往年のツェッペリンばりのサウンドである。ここにオルガンが入るなど、個人的には
もう少しプログレ寄りだと嬉しいのだが。70'sスタイルが好きな方はチェックすべし。
メロディック度・・7 プログレ度・・6 レトロロック度・・9 総合・・7.5




MANTICORE 「Time to Fly」
スウェーデンのプログレバンド、マンティコアの1993年作
AnglagardやAnekdotenといったバンドが登場し、にわかに活気づき始めた北欧の90年代シーンにおいて、
続いて登場したのがこのバンド。いかにもファンタジックなジャケとマニア受けしそうなバンド名、
そしてサウンドの方もメロトロンやオルガンをたっぷりと使った、マイナー臭いシンフォニックロック。
古き良きプログレ復興のロマンを感じさせるという点では、イタリアのカリオペやイル・カステッロ・ディ・アトランテなどにも通じる、
つまりは上等なB級バンドであり、こうしたバンド登場こそがじつは厚みのあるムーブメントには必要だったわけだ。
随所にYesやELP風味も含みつつ、スリリングさの希薄な牧歌的な雰囲気は、まになってみるとなかなか心地よく聴ける。
このバンドを発掘したのがアメリカのレーベルLasers Edgeであったことも、時代的に考えるととても興味深い。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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Mantric Muse
デンマークのサイケプログレ、マントリック・ミューズの2013年作
シーケンサー的なエレクトロアレンジと、メロディックなギターを乗せて聴かせる、カラフルなサイケプログレ。
OZRIC TENTACLESあたりに通じる雰囲気であるが、スペイシーというよりは海の中を感じさせるような
どこかおおらかな聴き心地で、アッパーすぎないところがポイントか。10分を超える大曲もあり、
オールインストなのでいくぶん長尺感はあるが、オズテンスタイルのサイケロックが好きならば楽しめるだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・7.5
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Mater Thallium「Abandoned By the Sun」
ノルウェーのプログレバンド、マーテル・タリウムの2014年作
オルガンやメロトロンが鳴り響き、ハードなギターとともに聴かせる70年代回帰型のスタイル。
かつてのBlack Sabbathを受け継ぐドゥーミィでダークな世界観と、北欧らしい薄暗い叙情が合わさった聴き心地で
BLACK BONZOやLUCIFER WASなどに比べると、ホラーやオカルト的な匂いが強いという点では、
MORTE MACABREやGoblin、あるいはBlack Widowレーベル系のファンなどにはとても楽しめるだろう。
北欧のハードプログレシーンにまたしても期待の新鋭が現れた。ANEKDOTENやAnima Morteなどが好きな方もぜひ。
ドラマティック度・・8 ハードプログレ度・・8 妖しげ度・・8 総合・・8
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MATS/MORGAN「TRENDS AND OTHER DISEASES」
北欧の変態・・・もとい超絶コンビ、マッツ・アンド・モルガンの1st。1996年作
軽やかな変拍子をたたき出すモルガ・アグレンンのドラムに、全盲のキーボーディスト、マッツ・オーベリの奏でる
不思議な反復メロディが乗る、ポップな浮遊感とエキセントリックな感性に包まれたじつに新鮮な音楽をやっている。
楽曲はアヴァンギャルドであるが、人懐こいメロディも多く、本人たちの言葉を借りれば「火星のヒットソング」をやっているという通り、
常人離れしたセンスによるアヴァン・ポップが楽しめる。MESHUGGAHのフレドリック・トーテンダルがゲストも参加したナンバーは、
ザクザクのギターが加わった異様なメタル感で、ある意味異色の出来である。ちなみに再発盤では曲順も変更され、
楽曲も一部入れ替わりジャケも変更されていて、ずいぶん印象が変わっている。右はオリジナル盤のジャケ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN「LIVE」
スウェーデンの超絶テクニカルコンビ、マッツ・アンド・モルガンのライブ作、2001年作
ザッパと共演したことでも知られる彼らだが、このライブでも期待にたがわぬ圧倒的な演奏を披露。
テクニカルで高度な変拍子バリバリの楽曲を、ユーモラスに、余裕すら感じる演奏で突っ走る。
あえてジャンル分けするのなら、ジャズロックだが、メロディが前に出ているので退屈することなく聴け、
しかも真剣に聴けば聴くほどその驚愕の演奏力に腰を抜かす、という具合。
モルガンのドラムはマイク・ポートノイばりに手数が多く、正確で豊かな表現力は素晴らしい。
多様な音色を操るマッツのキーボードも歌がなくとも十分フロント楽器たりえている。
メロディアス度・・6 テクニカル楽曲度・・10 演奏力・・10 総合・・9
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MATS/MORGAN「ON AIR WITH GUESTS」
スウェーデンの変態アヴァンデュオ、マッツ・アンド・モルガンのライブアルバム。2002作。
彼らの作り出す異常にして人智を超えたような楽曲群はライブでこそ本領が発揮されるらしく
「本当にコレライブでやってんの?」と尋ねたくなるような演奏が繰り広げられている。
コロコロとした可愛らしいメロディをとんでもない変拍子に乗せたり、反復するリズムをずらし、
聴覚を麻痺させるようなアレンジをこなすかと思えばMESHUGGAHのフレドリック・トーテンダルをゲストに、
ゴリゴリギターの変態メタルまで「なんだコリャ」の連続で、聴き終える頃にはあっけにとられている。
とくにモルガンのドラムはものすごく、手数、切れ味ともに信じがたいレベル。
これを本当に曲として覚えて叩いているのなら、彼は宇宙人といってよいかもしれない。
変態音楽愛好家、テクニカルプログレ好きはまず聴くこと。悶絶してください。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・10 変態度・・10 総合・・9
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MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR A FLYNG WITH US」
スウェーデンのアヴァンプログレバンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドの2005作
今回から正式にギター、ベースが加わり、5人編成でのバンド名義のアルバムとなった。
サウンドの方はこれまでと変わらず、たたみかける変拍子リズムやコミカルなキーボードの音色、
反芻するメロディなどをまじえたほどよく変態気味のチェンバー、アヴァンロック。
ずっと聴いていると脳内トリップできそうな感覚にも陥る、どこかスペイシーなサウンドで
既成のロックの枠組みにはまったくとらわれない独創的な(異常な)音楽が楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN BAND「Heat Beats Live」
スウェーデンの超絶アヴァン・レコメンバンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドのライブ音源集。2008作
全盲のシンセ奏者マッツと、KAIPAなどでも活躍する凄腕ドラマー、モルガンのユニットとして
1996年にデビュー、アルバムを2作出した後、2005年バンド編成となり現在までに2作を発表。
本作はライブ音源としては3作目で2005、2007年のライブを収録。とぼけた味わいと緊張感が同居した、
曲になっているのか、なっていないのかと、一聴して理解に苦しむようなアヴァンギャルドさと
即興感たっぷりの演奏を繰り広げている。DVDには1991~2007年までのライブ映像などを収録。
モルガンの超絶的なドラムプレイを中心に、視覚的にもこの個性的な連中の演奏が楽しめる。
ライブ演奏・・8 即興度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8.5
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MATS MORGAN BAND「The Music or the Money」
スウェーデンのアヴァン(ポップ)ロックバンド、マッツ・モルガン・バンドの2010作
もともとが2枚組であった2ndにボーナス12曲を追加し、ジャケや曲順も変更した2010年新装盤。
全盲のシンセ弾きマッツの常人離れしたシンセワークと、モルガンの技巧的かつ軽妙なドラム、
そして、バンド編成になっての楽曲では、ベースを含めたアンサンブルにも磨きがかかり、
ただアヴァンギャルドなだけではなく、音楽的にもひとつ芯が通ってきたという印象がある。
本作では、マッツの曲とモルガンの曲、そしてバンド編成の曲がバラバラに入っていて、
アートな感性の宇宙人的奇妙さであったり、超絶でテクニカルかつコミカルであったりする…
一括りで言うなら「楽しいヘンタイ」というような、斬新なサウンドが目一杯詰まっている。
頭で理解しようとは思わず、ノリと感性、右脳で楽しむ、ワンダーなアヴァン・プログレ作品である。
テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・9
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Mats/Morgan 「Schack Tati」
スウェーデンのアヴァンデュオ、マッツ・アンド・モルガンの2015年作
ここ数作はバンド名義での作品だったので、純粋なユニットとしてはずいぶん久しぶりのアルバムとなる。
2~3分前後の小曲を中心に、きらきらとしたシンセにデジタリィなアレンジを含んだドラムを中心に聴かせるサウンド。
モルガン・オーギュレンはドラムだけでなく、ギターにベースも担当、息子のアルヴィン(10歳)もヴォーカルで参加、
可愛らしい歌声を披露している。いつものような軽快で、アヴァンギャルドなポップ性もありつつ、マッツのシンセとハーモニカで
しっとりと聴かせるアンビエントなナンバーなど、不思議にメロディアスな曲も多く、全体的にもメリハリのある曲構成と共に
成熟された大人の余裕が感じられる。Simon Steenslandが参加したナンバーでは、そのテクニックのあるギタープレイも楽しめる。
コロコロとしたポップなアヴァンロックの中に、北欧らしいゆったりとした空気感が感じ取れるような好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Maze of TimeTales from the Maze
スウェーデンのシンフォニックロック、メイズ・オブ・タイムの2006年作
メロディックなギターとシンセワークで聴かせる、GENESIS系のシンフォニックサウンド。
やわらかみのあるキャッチーな感触は、MOON SAFARIあたりにも通じるが、
こちらももっとやぼったく、洗練されきれないマイナーさが少々じれったいかもしれない。
曲は8~9分台と長めで、全体的にスリリングさは希薄ながら安心して楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Maze of TimeLullaby for Heroes」

スウェーデンのシンフォニックロック、メイズ・オブ・タイムの2009年作
いくぶんメタリックな感じもあるメロディックなギターと美麗なシンセワークで聴かせる、
シンフォニックサウンド。ときにGENESISを思わせるフレーズが出てきてにやりとさせられたり、
古き良きプログレのロマンを継承するようなスタイルで、なかなか楽しめる。
8分以上の曲が4曲、うち10分以上が2曲という大作指向であるが、音そのものに北欧らしさはあまりなく、
展開的にもスリリングさに欠ける点では、やや長尺感は否めない。ゆったりと聴ける叙情派の力作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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Merit & Dana「fran Orup till Bellman」
スウェーデンのミュージシャン、メリット・ヘミングソンとダナ・ドラゴミルによる1989作
トラッドをベースにした楽曲に、鍵盤奏者として名高いメリットのシンセワークと、
アコースティカルな笛の音や女性スキャットなどが合わさったサウンド。
単なるトラッドでもシンセ音楽でもない、モダンとレトロの同居した不思議な質感で
聴いていてしっとりと癒されます。プロデュースはあのBjorn J:son Lindh
メロディアス度・・8 シンセ度・・8 トラッ度・・7 総合・・7.5
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Merit「Queen of Swedish Hammond Folk Groove」
60年代末期から活動するスウェーデンの女性鍵盤奏者、Merit Hemmingsonのベストアルバム。2005作
サイケロック的な曲調や、民俗調、さらにはジャズなども取り込んだ70年代的なサウンドに、
やわらかなオルガンの音色が響く。そして土着的な北欧の空気を感じさせるサウンドは、
彼女自身のスキャット的な歌声も含めて、やわらかな優しい質感で楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 土着北欧サイケ風味度・・8 総合・・7.5
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Merit Hemmingson「TOUCH THE SOUND」
スウェーデンの女性鍵盤奏者、メリット・ヘミングソンの2006年作
60年代から活躍するアーティストで、写真を見ると立派なおばさまであるが、
サウンドの方は美しいシンセワークを中心にした、じつに優しいもので、
オルガンの音色が響くレトロな質感に温かみのあるメロディが合わさり、
ゆったりとコーラス風に歌う女性ヴォーカルに包まれて、ふんわりとした気分でまどろめる。
アコーディオンやフルートなども美しく北欧らしいトラディショナルな雰囲気もある。
プログレというよりは北欧のヒーリング系サウンドとして聴ける。そんなアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ふんわり温か度・・9 総合・・7.5
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METROGNOM「Twangyluck」
ノルウェーのヘヴィプログレバンド、メトロノームの2006作
若手の5人組で、メロトロンやハモンドオルガンを弾きならしながら、
初期ANEKDOTENをラフにしたような雰囲気で、レトロなプログレロックを聴かせる。
全4曲で64分という通り、楽曲は即興ぎみの演奏で押しと引きをまじえつつたたみかける。
手数の多いドラムをはじめ、演奏力もありバンドとしてのグルーブも感じられるので、
今後はさらに曲単位での聴かせ所を構築してゆくとよいだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロロック度・・8 総合・・7.5

Michael Stolt 「En Hedonist Utan Skam」
スウェーデンのミュージシャン、マイケル・ストルトの2016年作
ご存知、ロイネ・ストルトの弟であり、Kaipa Da Capoのヴォーカル&ギター。「破廉恥な快楽主義者」とと題された本作は、
そのロイネ・ストルトをはじめ、トマス・ボディーン、マーカス・リリークィストら、The Flower Kings関連のメンバーがゲスト参加、
渋みのあるアダルトな歌声で聴かせる、3~4分前後のシンプルな歌ものが中心であるが、美しいシンセによるアレンジに
ロイネによる泣きのギターが加わると、初期のフラキンを思わせる感触にもなる。2曲目以降は、キャッチーな雰囲気も含んだ
大人の叙情ロックという聴き心地で、プログレ的な要素は薄めだが、母国語による味わいのあるヴォーカルを乗せた、
メロウなサウンドが楽しめる。北欧らしい翳りと哀愁の空気感は、さすがへてきたキャリアを物語るような深みがあります。
メロディック度・・8 プロクレ度・・6 叙情度・・8 総合・・7.5
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MIKROMIDASBrennende Drommer
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ミクロミダスの1st。1999作
先に2ndの方を聴いていたかず、この1stもまるで70年代を思わせるレトロなサウンド。
鳴り響くハモンドにメロトロン、そこに北欧独特の土着的なメロディが乗る。
演奏のキレや楽曲のメリハリはあまりなく、もったりとした印象なのが惜しいが
レトロな感じの北欧プログレが好きな方なら、心地よく聴けるだろう。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・8 北欧度・・8 総合・・7
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MikromidasFaunus
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ミクロミダスの2nd。2004年作
ハモンドオルガン、メロトロンなどを使ったレトロな感触のシンフォニックロックで、
ANGLAGARDSINKADUSあたりに通じる、北欧特有の涼やかさを持ったサウンド。
派手な部分や意外性のある展開はなく、淡々としたヴォーカルと優しげなメロディが
全体的にしっとりゆったりとした流れを作っている。あまりに古めかしい音作りだが、
70's北欧プログレの風と土着性が感じられて、マニアには嬉しい作品だろう。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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Mist Season「Woodlands」
フィンランドのプログレ・フュージョンバンド、ミスト・シーズンの2006年作
軽やかなアンサンブルで聴かせる、インストによるフュージョン・プログレサウンド。
ジャズタッチの優雅なピアノの旋律にギターが絡み、ときにサックスやトランペット、
オルガンの音色も彩りをそえる。軽妙で繊細な演奏はメンバーの技量の高さだろう。
涼やかなイメージを感じさせる叙情的な聴き心地は、 かつてのTRIBUTEあたりにも通じるもので、
北欧らしい土着メロディも覗かせる。全15曲、優しく爽やかに楽しめるフュージョンプログレの好作です。
メロディック度・・8 優雅度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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MOLESOME 「SONGS FOR VOWELS AND MAMMALS」
スウェーデンのエレクトロプログレ、モレサムの2015年作
ANGLAGARDのドラマーで、Necromonkeyをはじめ多くのプロジェクトに参加するマティアス・オルソンのソロ。
1998~2001年に録音された物で、メロトロン、ムーグシンセのやわらかなメロディを、デジタルなリズムに乗せた、
エクスペリメンタルなエレクトロサウンドを聴かせる。曲によっては、ドラムやギターを使ったロック色も覗かせ、
無機質なサウンドの中に、素朴で涼やかなアナログ感を溶け込ませているのが、さすがのセンスというところ。
ビープ音のような古めかしいデジタル音が哀愁をともなって聴こえるというのも面白い。ネクロモンキーなどが好きな方もチェックすべし。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 デジタルでアナログ度・・9 総合・・8


Montgolfiere 「The Fall」
スウェーデンのプログレバンド、モントゴルフィエーレの2017年作
ジャケからしてブラックメタルかなにかかと思いきや、実際は女性Vo入りのサイケなプログレロックであった。
アナログ感あるギターにうっすらとシンセが重なり、70年代ルーツのブルージーなアンサンブルを聴かせつつ、
2曲目からはけだるげな女性ヴォーカルが加わって、男女Voにオルガンやメロトロンの音色を重ねた、
北欧らしい涼やかなヴィンテージプログレの感触になる。派手な盛り上がりはなく、わりと淡々とした印象で、
11分の大曲も、エレピを含む優雅なやわらかさと、オールドロックの味わいが合わさった、のんびりとした聴き心地。
個人的には、女性声のパートを増やすか、さらにシンセの重ねなどを強化してもらいたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・7.5
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MOON SAFARI「A Doorway To Summer」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2005年作
若手バンドのデビュー作。自主盤ながらもプロデュースはTHE FLOWER KINGSトマス・ボーディン
サウンドの方もそのTFKからの影響が大きく感じられる、メロディアスシンフォ作。
アコースティック色もけっこう強く、全体的にゆったり、しっとりとした作風で、
最近のフラキンよりも分かりやすく、純粋で素朴な雰囲気に好感がもてる。
若者らしからぬレトロな質感が叙情性とともに哀愁をかもしだしているのは、
最近のバンドの特徴かもしれない。フラキンのメロウな部分が好きな方にはオススメ。
シンフォニック度・・8 ゆったりメロディアス度・・9 フラキン度・・8 総合・・8
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Moon Safari「Blomljud」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2nd。2008年作
彼らの1stはThe Flower Kingsのメロディアスさを抽出したような、シンフォニックの好作だったが、
今作も牧歌的なコーラスや、 アコースティカルな素朴さを取り入れた、じつに美しく繊細なアルバムだ。
つややかなピアノの音色にオルガンが重なり、どこかなつかしいようなレトロさとともに
温かみのあるヴォーカルメロディが爽やかに響く。大曲の盛り上げ所では
ロイネ・ストルトばりのギターに思わずにんまりだし、Disc1のラスト曲などはじつに感動的だ。
派手さよりもフォーク的な素朴な情感で聴かせる、とても素敵なメロディアスシンフォ。
鳥の鳴き声を聴きながら日だまりでまどろむような、そんな優しい気分になれる作品です。
CD2枚組みで曲も長いが何度でも聴きたくなる。メロディ派は必聴。マイスペでチェックすべし!
メロディアス度・・10 繊細度・・9 素朴度・・9 総合・・9
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MOON SAFARI「Lover's End」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2010年作
前作の2枚組アルバムが泣くほど素晴らしかったのだが、3作目の本作も繊細な叙情美が素晴らしい傑作となった。
やわらかなヴォーカルハーモニーと、美しいピアノとシンセワーク、そして、ロイネ・ストルトかアンディ・ラティマーかという泣きのギターで、
涼やかな北欧の風を運ぶような、この耳心地の良さには、またしてもうっとりとなること請け合い。
誤解を恐れずにいえば、かつての70年代のヒッピー世代におけるユートピア志向を、感動的なまでの叙情性を込めて、
心温まる青春偶像ドラマに仕立て上げたというべき、ちょっぴり甘酸っぱい思い出を脳裏に甦らせるような、
どこかなつかしいメロディがたまらない。フラキンファンもきっと泣く。優しい叙情に感動。北欧繊細系シンフォニックの大傑作。
メロディアス度・・9 繊細度・・9 青春度・・9 総合・・9
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MOON SAFARI「Gettysburg Address」
スウェーデンのプログレバンド、ムーン・サファリのライブアルバム。2012年作
まるでThe Flower Kingsをより牧歌的にしたようなデビュー作から、2nd「Blomljud」
繊細なる絶品の叙情美、そして、それを押し進めた傑作「Lover's End」と、
3枚のアルバムで美メロ系シンフォニックファンの心を虜にしたこのバンド。
本作は2011年のアメリカRosfestでのライブステージを収録したCD2枚組。
やわらかなギターメロディと繊細なシンセワークで、しっとりと楽曲を組み立てる
そのサウンドは、ライブにおいても魅力充分で、30分を超える大曲においても、
あくまでメロディックな明快さを忘れないところが素晴らしい。インストパートでは、
よりギターフレーズに輪郭を当てた音作りでアルバムとはまた違った聴き心地で楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MOON SAFARI
「Lover's End Pt. III - Skelleftea Serenade」
スウェーデンのプログレバンド、ムーン・サファリのEP。2012年作
1曲24分というシングルであるが、このバンドの魅力が凝縮された素晴らしい作品。
美しいシンセアレンジとノスタルジーを感じさせる甘やかなヴォーカルメロディーで、
心洗われるような爽やかなサウンドが広がってゆく。きらびやかなキーボードとメロウなギター、
つまびかれるピアノの繊細さ、長曲を構築する起伏のある展開力とアレンジセンスで、
優しくドラマティックなシンフォニックロックを聴かせてくれる。アルバムを気に入った方なら必聴。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 爽やか度・・9 総合・・8.5
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MOON SAFARI 「Himlabacken Vol 1」
スウェーデンのシンフォニックロック、ムーン・サファリの2013年作
その素晴らしいメロディと構築美で、プログレリスナー以外も巻き込んで人気上昇中のこのバンド、早くも4作目が登場。
見事なまでの完成度であった前作からの流れはそのままに、美しいコーラスハーモニーとキャッチーなメロディで、
爽快なるシンフォニックロックが楽しめる。メロウなギターの旋律と、ピアノやオルガンを含むセンスある鍵盤アレンジ、
北欧らしい涼やかな叙情を感じさせる雰囲気を、ポップなテイストに溶け込ませた絶品のバランスはさすがという他はない。
QUEENをGENTLE GIANT風味にしたというような曲や、前作にはなかったヘヴィな部分やシンプルな小曲もあったりと、
多様性に富んでいるのも意図的だろう。過去2作ほどの感動はないが、なんにしてもメロディ充実の傑作ではある。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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MOON SAFARI 「Live in Mexico 」
スウェーデンのプログレバンド、ムーン・サファリのライブ作品。2014年作
いまやメロデイ派プログレの代表格となりつつあるこのバンドの、2014年メキシコでのライブステージをCD2枚に収録。
やわらかなシンセアレンジとメロウなギター、マイルドなヴォーカルにキャッチーなコーラスワークで聴かせる、
繊細かつ叙情的なサウンドは、すでに二度も来日しているのでご存じの通り、ライブ演奏でもじつに素晴らしい。
2010年の傑作「Lover's End」、現時点での最新作「Himlabacken Vol 1」からの楽曲を中心に、
Disc2では25分におよぶ大曲「Lover's End Pt III」を演奏。ファンならチェックのライブ作品でしょう。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MORGAN AGREN 「Batterie Deluxe」
スウェーデンのミュージシャン、モルガン・オーギュレンのソロ。2015年作
Mats/Morganのドラマーとして活躍する彼の初のソロアルバムで、本作ではドラムだけでなく、ギター、ベース、
ヴァイオリンなども演奏。デジタリィなシンセによるテクノロック的な感触に、エフェクトのかかったドラム、ヴァイオリン、
ときに怪しげな語りやヘヴィなギターも加わって、アヴァンギャルドなセンスに包まれた先鋭的なサウンド。
モルガンの超絶なドラムプレイを期待すると少々肩透かしなのだが、(もちろん曲によっては圧巻のプレイを披露)
あえてドラムにフォーカスするわけでなく、フランク・ザッパばりのアヴァンロックの極北を描くセンスというのは、
さすがマッツ/モルガンの片割れというべきか。その相棒であるマッツ・エーベリをはじめ、鬼才、サイモン・スティーンスランド、
デヴィン・タウンゼンド、フレドリック・トーデンダルなどがゲスト参加。鬼才は鬼才を呼ぶということか。Mats/Morgan好きはマスト。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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Morgan Agren 「Through The Eyes Of Morgchestra」
スウェーデンのミュージシャン、モルガンオーギュレンの2016年作
MATS/MORGAN結成35年イベントとして行われたノールランド歌劇場交響楽団との共演ライブのために書き下ろされた楽曲集。
クラシカルで優雅なアプローチと軽妙でとぼけた味わいを、巧みに融合されたチェンバーロックというサウンドで、
オーケストラパートをキーボード、ヴァイオリン、クラリネット、バスーンなどで過不足なく表現している。
モルガンのドラムは前に出すぎることなく、今作では作曲者としてのサウンドの構築を主眼に置いた感じで、
オケパートの旋律を引き立たせるアレンジは、彼の新たな才能を垣間見る思い。アヴァンギャルド性が薄めな分、
わりと初心者にも聴きやすいかもしれない。相方であるマッツ・エーベリ、サイモン・スティーンスランドも参加。
優雅度・・8 チェンバー度・・9 アヴァンギャル度・・7 総合・・8 
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Morild「Aves」
ノルウェーのプログレバンド、モリルドの2013年作
女性フルート奏者を含む6人編成で、やわらかなシンセとギターが絡み、
牧歌的なフルートの音色が優しく響く、古き良き感触のシンフォ/プログレサウンド。
アコースティカルな繊細さと北欧らしい土着的なメロディも含んだ聴き心地で、
20分を超える大曲をゆるやかに描いてゆく。派手な盛り上がりや濃密さよりも、
涼やかなメロディを素朴な叙情で包んだ作風は、KERRS PINKなどにも近いかもしれない。
ANGLAGARDの1stなどが好きな方にもお薦め。これぞ北欧プログレという好作品です。
ドラマティック度・・7 素朴な叙情度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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Moron Police 「A Boat on the Sea」
ノルウェーのプログレバンド、モーロン・ポリスの2019年作
2012年にデビューし、3作目となる。初期はメタル寄りのスタイルだったようだが、本作はきらびやかなシンセに、
マイルドなヴォーカルを乗せた、MOON SAFARIのような優雅でキャッチーなサウンドで、
ほどよくテクニカルな構築性が加わった聴き心地。サックスやヴァイオリンなどを加えた軽妙な味わいや、
プログレハード的なポップ感、日本のゲームミュージックにも影響を受けたというファンタジックな雰囲気も覗かせる。
楽曲は3~5分前後がメインで、わりとシンプルな爽快さで楽しめるが、とぼけたような唐突な展開や、
突然のメタル感触も現れたりと、いかにも若手らしいボーダーレスの詰め込み方にもニヤりとなる。
キャッチーなメロディアス性と適度にテクニカルなところは、A.C.T.あたりのファンにもアピールするだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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MORTE MACABRE「Symphonic Holocaust」
ANEKDOTENLANDBERKが合体したユニット、モルト・マカブルの1998年作
元はホラー映画のために作られたサントラということだが、のっけから壮大にメロトロンが鳴り響き、ほぼANEKDOTEN状態。
ヴォーカルのないインスト作ながら、薄暗い叙情と不穏な空気に包まれたサウンドは雰囲気ものとしてはなかなかのもの。
生々しいドラムと即興的なギターの音もなかなか恐ろしげで、メロトロンの音をこうも恐ろしく使っているのが面白い。
中盤はいかにもサントラ的な曲もあるが、17分を超えるラストのタイトル曲は圧巻の仕上がり
シンフォニック度・・7 薄暗度・・9 メロトロン度・・8 総合・・8
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MotorpsychoTrust Us
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの1998作
デビューは1991年というかなりのベテランバンド。日本での知名度はさほど高くないが
その個性派のロックバンドとしてのセンスと質の高さには驚異的なものがある。
本作はCD2枚組みで、ガレージロック的なラフな生々しさを感じさせつつ
随所にポストロック的な壮大さと知的な構築力が光る好作。「Phanerothyme」以降のような
やわらかなメロディアスさは希薄だが、その分ロックとしての純粋な躍動感が感じられる。
メロディアス度・・7 ロック度・・9 壮大度・・8 総合・・7.5
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Motorpsycho「Phanerothyme」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの8th。2001作
コアなファンの間ではポップすぎると論議を呼んだアルバムのようだが、
確かに全体的にメロディの良さが光る、これまでになく明快な雰囲気のサウンドだ。
曲によっては優雅なオーケストレーションを使用したり、あるいは北欧のバンドらしく
メロトロンの音色を鳴らしながら、やわらかでキャッチーな歌メロで聴かせる。
ある意味ポストロック的な難解さや長尺の楽曲が持ち味でもあった彼らだが
本作ではぐっと分かりやすい音楽をやっていて、これが純粋に楽しめるのだ。
演奏力については折り紙つきのバンドであるから、こうしたコンパクトなサウンドでも
その音の説得力はその辺の有象無象のバンドとは格が違う。よく聴くとアレンジも緻密。
メロディアス度・・8 ロック度・・8 壮大度・・7 総合・・8
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Motorpsycho「It's a Love Cult」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの9th。2002作
前作同様、キャッチーなメロディをしっとりとした叙情に包み込んだ耳心地のいいサウンドで、
70'sロック、プログレ、ポストロックという色々な要素取り入れた器の大きさを随所に感じさせる。
基本はあくまでも3ピースによる、グルーブのある演奏を聴かせるシンプルなものだが、自然体のやわらかさと、
知的なセンス、細やかなアレンジを楽曲の中で効かせていて、結果として非常に完成度の高い作品に仕上がっている。
今作ではアコースティカルな素朴さもあって、繊細で優しい歌メロとともに、叙情的な北欧ロックとして楽しめるのがよろしい。
メロディアス度・・8 繊細度・・8 壮大度・・7 総合・・8
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MOTORPSYCHO「Black Hole/Blank Canvas」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2006年作
2005年にドラマーのホーコンが脱退し、本作はベント(B,Vo,Dr)とハンス(G,Vo)の二人で作られた。
10作目のアルバムとなる本作はCD2枚組の大作であるが、1998年の「Trust Us」などに比べると
同じ2枚組でもより輪郭がくっきりとした、ロックとしてストレートな激しさが感じられる。
といっても、たんなるロックの範疇に入りきらないスケール感と、生々しい躍動感、
そして知的なセンスに包まれた、彼らならではのサウンドがたっぷり楽しめる。
Disc2の7曲目などは、泣きのギターのリフレインが北欧シンフォ的で感動的だ。
メロディアス度・・8 知的ロック度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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MOTORPSYCHO「Little Lucid Moments」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2008年作
デビューは1991年というキャリアの長いバンドながら、日本ではあまりメジャーでないのが不思議。
前作「Black Hole/Blank Canvas」は彼らの作品にしてはドライでストレートな作風であったが、
本作は正式にドラマーを迎えて作られたということもあり、再び心地よいアンサンブルの妙が聴ける。
サイケ、ガレージロック的な生々しさと、抜群の演奏力からくる余裕ある軽やかさで、
大曲におけるビジョンの描き方はプログレ、ポストロック的な深みを感じ取れる。
レイドバックしたような古き良きロックのたたみかける勢いの良さと、自然体の浮遊感が合わさり、
知性的な構築と即興のバランス、甘すぎない叙情を含んだ、一体感の感じられる傑作だ。
壮大度・・8 古き良きロックの塊度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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MOTORPSYCHO「Heavy Metal Fruit」
ノルウェーのベテランロックバンド、モーターサイコの2010年作
本作では、タイトルのように、よりヘヴィなアプローチを効かせた音作りになっている。
絡みつくようなヘヴィなギターに、メロトロンを含むシンセによるシンフォニックさが加わると
ANEKDOTENばりの重厚なシンフォニックサウンドに包まれる。もちろん彼らの持ち味である、
アンサンブルとしての一体感とサイケロック的な浮遊感覚もあり、自由度のある「ユルさ」を含めた
壮大さとメリハリも魅力となっている。大曲におけるじわじわくる盛り上がりは感動的ですらある。
北欧プログレ、北欧サイケ、北欧ポストロック…なんでもいいので、とにかく聴いていただきたい!
壮大度・・8 サイケ/プログレ度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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MOTORPSYCHOThe Death Defying Unicorn
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2012年作
91年から活動するベテランバンド、前作「Heavy Metal Fruit」も素晴らしい傑作であったが、
本作は、トロンドハイム・ジャズオーケストラをフューチャーした2枚組の大作となった。
サックスやトロンボーンが鳴り響くイントロから、バンドサウンドが合わさると、
オーケストラをバックにした壮大なロックオペラ風味の世界観が広がってゆく。
このバンドならではのスケールのあるグルーブ感はしっかりと残しつつ、
艶やかなストリングスやホーンセクションなどに彩られたゴージャスなアレンジは、
これまでになく壮麗だ。10分を超える大曲も多く、プログレ的な構築センスも見事。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8.5
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Motorpsycho 「Still Life With Eggplant」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2013年作
90年代初頭から活動するベテランバンド、オーケストラ入りの2枚組の大作であった前作から、
本作ではバンドアンサンブルに重点を置いた作風に立ち返り、重厚なギターリフを乗せた
どっしりとしたグルーヴィなヴィンテージロックの感触が楽しめる。ときにメロトロンが鳴り響き、
サイケロック的な浮遊感とプログレ的な知的な構築力も随所に覗かせつつ、
キャリアのあるバンドしか描くことのできない強力な音の説得力が素晴らしい。
バンドらしい躍動感の一方で、キャッチーな歌メロによる牧歌的な叙情性もあって、
17分という大曲も、適度なユルさとハードなノリを同居させて、ANEKDOTENばりの恰好良さ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 オールドロック度・・8 総合・・8
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Motorpsycho 「Behind the Sun」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2014年作
90年代初頭から活動するベテランバンド、オーケストラと組んだ前々作からは一転、
シンプルなバンドスタイルへと立ち返った本作は、マイルドなヴォーカルで聴かせる、
やわらかな叙情性を前に出したサウンドで、ポストプログレ的な繊細な耳心地である。
一方では70年代的な荒々しいロック感も随所に残していて、ハードロック、ポストロック、
プログレなどの要素を含みつつも、どれに偏ることもない、かれららしいグルーヴィなロックが楽しめる。
前作からの続編となる12分の組曲なども含め、あらためて器の大きさを感じさせる力作だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 グルーブ度・・9 総合・・8.5
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Motorpsycho 「here be monsters」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2016年作
90年代初頭から活動するベテランバンドで、すでに何作目なのかもわからないが、
2008年以降は圧巻の傑作を出し続けている。今作はピアノによるリリカルなイントロで幕を開け、
メロウなギター、うっすらとしたシンセアレンジを乗せて、ゆったりとしたサウンドが広がってゆく。
繊細なヴォーカルの歌声も含めて、前作から続くポストプログレ風の聴き心地であるが、
存在感のあるベースを中心にしたアンサンブルと、ひとつひとつの音の重ねが説得力のある
強力なスケール感を生み出していて、じわじわとその世界観に引き込まれてゆく。
ときにアッパーなノリのあるサイケ要素も覗かせつつ、アコースティックな小曲もさらりと入れてきたりと、
バンドの懐の深さには恐れ入る。プログレファンには普通にお薦めできる力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細で壮大度・・9 総合・・8
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Mr Brown「Mellan tre ogon med Mr Broun」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ミスター・ブラウンの1977作
これまでCD化されていなかったが、幻の傑作というにはいささか地味な内容。
北欧らしい繊細なメロディと、ピアノやハモンドなどが美しいサウンドで、
耳触りのよい雰囲気は初期のDICEなどに通じる質感もある。
これといった盛り上がりやひっかかりのあるメロディなどは少ないが、
アコースティックギターやフルートなどによるしっとりとした叙情はじつに美しい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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My Brother the Wind「Twilight in the Crystal Cabinet」
スウェーデンのプログレバンド、マイ・ブラザー・ザ・ウインドの2009年作
ANEKDOTENMAGNOLIAMAKAJODAMAなどのメンバーが集まったバンドで、

10分を超える大曲を中心に、インプロヴィゼーション的なサイケ・プログレを聴かせる。
うねりのあるベースの上に古き良きロックのフリーさをもった二本のギターが絡み、
ゆったりとした浮遊感をスケールの大きなグルーブで包み込んでゆく。
Amon Duul IIなどに通じるオリエンタル志向も感じさせるサイケ・ブログレの力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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My Brother the WindI Wash My Soul in the Stream of Infinity」
スウェーデンのプログレバンド、マイ・ブラザー・ザ・ウインドの2011年作
ANEKDOTENMAGNOLIAMAKAJODAMAなどのメンバーが集まったバンドで、
基本は2本のギターに、ベース、ドラムによるインスト演奏であるが、うっすらとしたメロトロンや
オルガンが鳴り響き、サイケロック風味のアナログ感覚と浮遊感とともに神秘的な叙情美を描いてゆく。
10分以上が3曲あり、スリリングさよりもゆったりとした味わいで、オリエンタルな世界感も含めて
Amon Duul IIASHRAなどに通じるような感触もある。70年代スタイルの北欧サイケの力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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My Brother the Wind 「Once There Was a Time When Time & Space Were One」
スウェーデンのサイケプログレバンド、マイ・ブラザー・ザ・ウインドの2014年作
ANEKDOTEN、MAGNOLIA、MAKAJODAMAなどのメンバーが集まったバンドで、
過去2作同様、本作もオリエンタルなイメージを取り入れたサイケプログレを聴かせる。
叙情的な12弦ギターの響きに、ユルくメロウなエレキギター、包み込むようなメロトロンで、
Amon Duul IIなどの古き良きジャーマンサイケ的な浮遊感をただよわせたアンサンブルが楽しめる。
70年代的なアナログ感覚と神秘的な世界観が合わさった、オールインストの見事なサイケプログレ作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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Nad Sylvan 「Courting the Widow」
スウェーデンのミュージシャン、ナッド・シルヴァンの2015年作
元々はUNIFAUNというバンドで活動していたが、ロイネ・ストルトとともにAGENTS OF MERCYを結成、
さらにはSteve Hackettバンドのツアーにも同行するなど、にわかに知名度が上がりつつある。
本作も、P.ガブリエルにそっくりというそのヴォーカルを存分に披露して、Genesisルーツの優美な
シンフォニックロックが存分に味わえる。ヴォーカルの他にも、シンセやギターなども自らこなしながら、
スティーヴ・ハケットや、ロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールドといった、名うてのミュージャンがゲスト参加、
キャッチーなメロディアス性と繊細や叙情を盛り込んだ、あくまでやわらかで優雅な聴き心地のサウンドだ。
22分におよぶ組曲を含め、難解なところはなく、BIG BIG TRAINなどにも通じる優雅なセンスに包まれている。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Nad Sylvan 「Bride Said No」
スウェーデンのミュージシャン、ナッド・シルヴァンの2017年作
AGENTS OF MERCYSteve Hackettバンドのツアーメンバーとしても活躍するヴォーカリストでもあり、
本作は2015年作に続く2作目のソロ作品。コンセプト的な雰囲気の幻想的なイントロから、わりとハード寄りのギターに
きらびやかなシンセアレンジ、そしてP.ガブリエルを思わせるヴォーカルを乗せた、シンフォニックロックを展開。
自身の歌声によるシアトリカルな雰囲気を前に出した歌もの的な作風と、冬を思わせる薄暗く物悲しい世界観で、
涼やかでメロディックな聴き心地。スティーヴ・ハケット、トニー・レヴィン、ガスリー・ゴーヴァンをはじめ、
盟友、ロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールド、ニック・ディヴァージリオなどがゲスト参加。
ラストは12分の大曲で、女性ヴォーカルの歌声も加わって、ゆったりと盛り上げる展開力も見事。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 冬の叙情度・・8 総合・・8 
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Nad Sylvan 「The Regal Bastard」
スウェーデンのミュージシャン、ナッド・シルヴァンの2019年作
Agents of Mercyや、Steve Hackettのツアーメンバーとしても知られるヴォーカリストで、
スティーブ・ハケット、ガスリー・ゴーヴァン、トニー・レヴィン、ヨナス・レインゴールド、ニック・ディヴージリオ、
ニック・ベッグスなどがゲスト参加。ピーター・ガブリエルを思わせるエモーショナルな歌声を乗せた、
かつてのGENESISIQなどをルーツにした、翳りを帯びたシンフォニックロックを聴かせる。
表現力あるヴォーカルをメインに、英国的な雰囲気のシアトリカルなドラマ性を描きつつ、
随所にメロウな泣きのギターを盛り込んで、ゆったりとしたウェットな叙情美に包まれる。
キャッチーなナンバーから、優美な12分の大曲まで、派手なインパクトはないがじっくりと楽しめる好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8 
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Necromonkey 「Necroplex」
スウェーデンのプログレバンド、ネクロモンキーの2013年作
ANGLAGARDのマティアス・オルソンと、GOSTA BERLINGS SAGAのシンセ奏者によるユニットで、
メロトロンを含むシンセの重ねに、エフォクトを加えたエレクトロなアレンジで、空間的なサウンドを描きつつ、
ドラムを加えたロック色と、トランペット、チェロなどのチェンバー風味が融合した、スリリングなインストを聴かせる。
アナログシンセであるメロトロンやオルガンを、デジタルなモダンさの中に存在させるという手法で、
KING CRIMSONにも通じるような実験性と、新たなプログレへの挑戦が感じられる作風だ。
クラシカルなピアノにフルートが重なる小曲や、重たいベースとドラムをメインにした曲など、
定型にとられれない自由度で、優美で混然としたノイズ(プログレ)を表現したというような傑作だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アナログとエレクトロ度・・8 総合・・8 
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Necromonkey 「A Glimpse of Possible Endings」
スウェーデンのプログレバンド、ネクロモンキーの2014年作
ANGLAGARDを脱退したマティアス・オルソンと、Gosta Berlings Sagaのシンセ奏者によるユニット編成で、
サントラ風のモダンな民族ポップ的な1曲目から、薄暗いポストプログレ風味の2曲目、小曲の3曲目と、
プログレというにはいささか物足りない聴き心地であるが、後半の15分の大曲は静謐感に包まれた始まりから
チェロやオーボエが加わったチェンバーロック的な展開と、ミステリアスな緊張感で構築されるアルバムのハイライト。
媚びのないそっけなさが好みの割れるところだが、エレクトロなモダンさと、無垢質な薄暗さを含んだ実験精神を感じさせる異色作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・8
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Necromonkey 「Live At Pianos,NYC」
スウェーデンのプログレバンド、ネクロモンキーのライブ作、2015年作
元アングラガルドのマティアス・オルソンと、GOSTA BERLINGS SAGAのシンセ奏者によるユニット、
2014年ニューヨークでのライブを収録。エレクトロな感触を含むシンセと、手数の多いドラムを中心に、
ギターとベースが加わったことでアルバム以上に、クリムゾン的なヘヴィな質感を強めている。
スリリングなアンサンブルに、北欧らしい薄暗い空気感を含ませながら独自のサウンドを描いてゆく様は、
じつにクールで、ややラウドな音質が生々しいライブ感を伝えてくる。150枚限定という希少盤につき早めにゲットすべし。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 クールでスリリング度・・9 総合・・8
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THE NEW GROVE PROJECT「FOOLS JOURNEY」
スウェーデンのプロジェクトバンド、ザ・ニュー・グローヴ・プロジェクトの1997年作
THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトパル・リンダー、さらにはENGLANDのドラマーが参加。
メンバーがメンバーなだけに物凄いシンフォニックな音かと思いきや、曲の雰囲気は意外と素朴で、
素直な流れるようなサウンド。無理に盛り上げようとはしていない分、さわやかさで自然体の雄大さに包まれた、
涼やかな耳心地の良さで楽しめる。ロイネのギター、ハル.リンダーのKeyはさすがに流麗かつハイセンス。
ENGLANDのドラマーもさすがに見事な腕前で、全体としてのびのびとした演奏で鑑賞できる好作品だ
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 のびのび度・・9 総合・・8
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THE NEW GROVE PROJECT 「BRILL」
ザ・ニュー・グローヴ・プロジェクトの2作目。2004年作
前作ではロイネ・ストルトも参加していて話題になったが、残念ながら今作は不参加。
美しいピアノや、北欧らしい清涼感のあるシンセによるインストをメインに決して大仰にならない、
どこか牧歌的な雰囲気がただようサウンドで、派手さはないが聴いていてなごめるようなアルバムだ。
PLPよりはやや控えめながらも、パル・リンダーの優美なシンセワークがやはり効いていて、
全体的な完成度では、ややラフな印象だった前作よりもしろ高いかもしれない。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 ゆったりなごめます度・・8 総合・・8
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Nordagust「In the Mist of Morning」
ノルウェーのシンフォニックロック、ノルダガストの2010年作
結成は90年代とけっこう古いらしいが、満を持してのデビュー作となった。
ギターにシンセ、ヴォーカルをこなすダニエル・ソルヘイムを中心にした3人組で
うっすらとしたシンセ、メロトロンなどをバックにゴシック的なダークな世界観で聴かせるサウンド。
ゲスト参加のMADDER MORTEMの女性Voがスキャット的な声を加えていて、
幻想的でミステリアスな雰囲気を盛り上げる。同郷のWHITE WILLOWあたりにも通じる作風で、
ギターの土着的な旋律はANGLAGARD的でもある。暗がりの叙情をまとった北欧ゴシック・シンフォだ。
シンフォニック度・・8 ダークな叙情度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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Octopie 「The Adventure of Harry and Walrus Kane」
ノルウェーのプログレバンド、オクトパイの2015年作
ムーグやオルガンを含むヴィンテージなシンセアレンジに、キャッチーなメロディアス性で聴かせる、
MAGIC PIEあたりに通じる軽快なプログレサウンド。Moon Safariあたりにも通じるやわらかな歌もの寄りの部分と
わりと唐突な展開もあったりするB級的な未完成感がなかなか面白い。コンセプト作らしいシアトリカルな雰囲気も随所に感じさせつつ、
裏声を使ったヴォーカルを乗せて、QUEENなどを思わせる優雅なメロディや、ときに70年代オールドロックの感触も覗かせたりと、
気づけばアルバム後半に差し掛かっているという楽しい作風であるが、メロディや楽曲そのものにもう少し魅力が欲しい気もする。
GENESISの「魅惑のブロードウェイ」あたりがお気に入りの方には、きっとお薦めできるキャッチーなトータル作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅でキャッチー度・・8 総合・・7.5
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OPETH「Heritage」
スウェーデンのプログレッシブメタル、オーペスの2011年作
1995年にアルバムデビューを果たしてから15年余り、その独自の美学を知的でプログレッシブな方法論で構築し、
激しさと静寂の同居ともいうべき個性的なサウンドを描き続けてきたこのバンド。
ちょうど10作目となる本作は、前作でも聴かれた70年代プログレの要素を前面に出した異色作となった。
やわらかなピアノの音色に導かれ、レトロなオルガンの響きをバックにアナログ的なギターリフが
リズミカルなアンサンブルを描き出す。ミカエルの歌声も70年代英国ロックを意識したような、
ジェントルでやわらかな感触だ。楽曲には70'sプログレ、サイケロックの怪しさもぷんぷん漂う。
静寂の中の張りつめた空気、メロトロンも鳴り渡る、KING CRIMSONもかくやという静かなダイナミズム…
とくにドラム、ベースはじつに生々しいサウンドで、70年代ロックを好む人間にはたまらないだろう。
このバンドの美意識とこだわりが、究極的なレイドバック作品を作り上げた。LPで聴きたくなる。
フルートでBJORN J:SON LINDHが参加しているのも北欧プログレマニアにはにやり。
ドラマティック度・・8 メタル度・・5 70'sプログレ風味度・・9 総合・・9
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OPETH 「Pale Communion 」
スウェーデンのプログレッシブ・ハードロック、オーペスの2014年作
70年代ロックに傾倒したような前作からの流れで、今作も古き良きプログレッシブロックの感触に包まれている。
アナログ的なドラムサウンドに鳴り響くオルガン、ミステリアスなピアノややわらかなフルートの音色に、
バックにうっすらと響くメロトロンもじつに美しい。前作が70'sブリティッシュロックのスタイルだとするなら、
今回はかつての北欧プログレの薄暗さと叙情性をたっぷり含んだ聴き心地で、思わずにやにやとしてしまう。
ミカエル・オーカーフェルドのジェントルな歌声もいよいよ含みを増して、繊細な楽曲をマイルドに彩っている。
デスメタル的な激しさはほとんどないが、案外緩急のついた展開と、しっかりとしたテクニックのアンサンブルは、
プログレメタル系のリスナーにも充分楽しめ、10分を超える大曲での美しいドラマ性は、このバンドのひとつの到達点だろう。
メタル云々を抜きにして、素晴らしい完成度の音楽作品だ。プログレファンはむろん必聴。スティーヴン・ウィルソンがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 メタル度・・5 プログレ度・・8 総合・・8.5
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Opeth 「Sorceress」
スウェーデンのプログレッシブ・ハードロック、オーペスの2016年作
1995年にデビュー、メロデス要素もあった初期からプログレッシブに深化し、2011年作からは大胆にメタル色を薄めた、
70年代回帰型のプログレッシブロック路線を追求し始めたこのバンド。12作目となる本作もアコースティックギターに
メロトロンが鳴るやわらかなイントロから、曲が始まるとオールドなサイケロック風味の浮遊感あるアンサンブルで、
マイルドなヴォーカルを乗せた、アナログ感に包まれたサウンドは、ほとんど70年代ブリティッシュロックというもの。
変則リズムを含んだプログレ質感もすでに堂に入ったもので、薄暗い妖しさと湿り気のある叙情をゆったりと描きつつ、
随所に切り返すような展開も覗かせる、その構築センスは素晴らしい。曲によってはJethro Tullのような土着的な味わいもあり、
フルートの音色などアコースティカルなフォーク風味も耳に優しい。濃密さの点ではなんとなく物足りないという、
この堂々たる中庸感こそ、自信とともにバンドが行きついた境地といえるかもしれない。
ドラマティック度・・8 ほぼプログレ度・・9 古き良き度・・9 総合・・8 
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Opium CartelNight Blooms」
スウェーデン&ノルウェーのシンフォニックロックバンド、オピウム・カルテルのアルバム。2009作
WHITE WILLOWのギター、Wobblerのシンセ奏者、元ANGLAGARDのドラマーらが参加、
北欧プログレの猛者が集結したものだが、サウンドの方はゆったりとした曲調にほの暗い質感で聴かせる、
いわゆるポストプログレ系といえるもの。牧歌的なアコースティックギターに、フルート、ほのかにメロトロンが鳴りつつ、
倦怠ぎみの男ヴォーカルが歌を乗せる。美しい女性ヴォーカルで聴かせる曲も含めて、
やはり北欧からしか出て来ないような、ロハスな叙情というものに包まれた作品だ。
ほの暗度・・8 プログレ度・・7 ゆったりメロウ度・・9 総合・・8
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The Opium Cartel 「Ardor」
スウェーデン&ノルウェーのポストプログレ系バンド、オピウム・カルテルの2014年作
WHITE WILLOW、Wobbler、元ANGLAGARD、RHYS MARSHといったメンバーが参加、男女ヴォーカルのやわらかな歌声で、
しっとりとした繊細な叙情を聴かせるサウンドは前作同様で、ムーグやメロトロンといったヴィンテージなシンセを使いつつ、
ポストプログレ的なモダンな翳りとともに、決して古臭くならないエレクトロなアレンジが合わさったセンスは実に見事。
基本的には歌ものでありながら、バックの細やかな一音一音にはじつに計算された構築美を感じさせる。
北欧らしい涼やかな雰囲気とうっすらとしたプログレ風味も含んだ傑作。なにやら妖しいジャケもじつによいですね。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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OPUS EST「OPUSⅠ」
スウェーデンのポンプロックバンド、オパス・エストの1983作
サウンドは北欧的な叙情よりは、むしろけっこうバタバタしているサウンドで、
80年代という微妙な時期ということもあり、やはりGENESIS系ポンプロックの質感が強い。
メロディアスでキャッチーな楽曲と、ややハードめの曲が混在しており、
全体の完成度としてはさほどでもないが、美しいシンセなどにはやはり北欧らしい透明感がある。
メロディアス度・・7 北欧度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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OPUS SYMBIOSIS「Nature's Choir」
フィンランドの女性Voプログレバンド、オパス・シンバイオシスの2012年作
童話的なジャケが可愛らしいが、サウンドの方は アンニュイな女性ヴォーカルの歌声と
キャッチーさの中にも薄暗い質感を含ませて、いくぶんモダンなアレンジも感じさせる。
サイケ的なギターのフレーズが、ときにポストロック的な浮遊感と幻想的な雰囲気をかもし出し、
北欧的な繊細な叙情という点ではPaatosあたりに接近する部分もしばしばある。
あるいは、女性声ではあるが、Porcupine Treeあたりのファンにも楽しめるかもしれない。
メロウ度・・8 北欧度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Orjan Strandberg 「The Saga of the Nordic Gods」
スウェーデンのミュージシャン、オルヤン・ストランドベルグのソロ。1993年作
Diceのギタリストとしても知られるが、本作はシンセを中心にしたサントラ的な作風で、
北欧神話をテーマに、静謐感に包まれた神秘的なサウンドを描いている。
オーケストラルなアレンジを含んだ壮麗なクラシカル性も含んでいて、
ロック色はほとんどないが、シンフォニックな味わいは随所に感じられる。
アルバム後半には、ドラムにオルガンを乗せたプログレ風味や、モダンなシンフォニック風味もあり、
ゆったりと気長に聴けば、それなりな楽しめる。全72分という大作です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 北欧度・・8 総合・・7.5
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ORNETree of Life
フィンランドのプログレバンド、オルネの2011年作
オルガンやメロトロンが響く古き良き質感に、マイルドな男性ヴォーカルの歌声で
素朴な叙情を聴かせるサウンド。いくぶんゴシック的でもある耽美な世界観と
サックス、フルートの音色なども含んだアコースティカルな牧歌性もあって、
フォークロック的なゆるやかな聴き心地の中にはサイケな幻想性も感じさせる。
プログレというよりは牧歌的なレトロロックというべきか。のんびり楽しめます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ゆるやか叙情度・・9 総合・・7.5
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THE OUTER SONICS 「VIOLET」
フィンランドのシンフォニックロック、アウター・ソニックスの2016年作
うっすらとしたシンセに美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、北欧らしい涼やかな叙情と
MAGENTAのようなキャッチーな優雅さに包まれたサウンド。エレピやオルガンなどのシンセに、
ときにヴァイオリン、チェロなども加わったクラシカルなアレンジ、なによりコケティッシュな
Ninaさんの歌声はとても魅力で、PAATOSあたりが好きな方にも薦められる。
楽曲は3~5分前後とわりとシンプルで、マニアックなプログレ感触がないので、
女性声の美麗系メロディックロックとしても普通に楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「ZUMANTHUM」
フィンランドのシンフォプログレバンド、オーバーヘッドの1st。2002作
基本はGENESIS系のシンフォサウンドだが、そこに北欧的な叙情とメロディセンス、
それにDREAM THEATER以後の構築性とリズムアプローチを付加した雰囲気。
メンバーはみな若そうだが、安定した演奏としっとりとしたメロディアスな部分には
まるでベテランバンドのような落ち着きと余裕とが感じられる(①からして20分の組曲だし)
ロックとしての陽性の跳ね方にはTRANSATLANTIC的なものもあり、
多くのシンフォニックファンが楽しめるサウンドだろう。バンドのサイトで試聴可能。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 軽快&北欧度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「METAEPITOME」
フィンランドのシンフォプログレバンド、オーバーヘッドの2nd。2004作
今作ものっけから19分の大曲。2作目にしてすでに音には自信と余裕すら感じられる。
レトロでありながらも現代的というTRANSATLANTIC(NEAL MORSE)系の感覚はいっそう顕著になり、
キャッチーなメロディセンスとGENESIS系のたおやかシンフォの要素を上手く融合させている。
楽曲におけるダイナミズムの付けかたがこなれてきたせいで、流れの中でドラマティックなメリハリがあり
もともと高かった演奏レベルでの表現力もぐんと上がっている。北欧のTRANSATLANTICという傑作。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「And We're Not Here After All」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、オーバーヘッドの3rd。2008年作
前作までは「北欧版TRANSATLANTIC」という雰囲気のキャッチーで軽快なサウンドだったが、
今作ではぐっとメロウな雰囲気が増し、ゆったりとした質感に包まれたほのかな薄暗さと
モダンな感触を折り込んだ音作りになっている。7分~11分の大曲をメインに
派手な展開よりは、むしろゆるやかに流れてゆく構成で、なかなか耳心地がよい。
シンフォニックロックとしての濃密さは薄まったが、スタイリッシュな聴きやすさと
北欧的な叙情性はそのままに、じつにセンスよくまとめられたアルバムである。
メロディアス度・・8 ゆったり叙情度・・8 スタイリッシュ度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「Live After All」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、オーバーヘッドのライブ。2009年作
本作は2009年のポーランドでのステージを収録。3rd「And We're Not Here After All」からの曲をメインに、
しっとりとしたシンセワークやフルートなどで、メロディアスでゆるやかな叙情を聴かせる演奏が楽しめる。
サウンド的には、最近のバンド特有の翳りのあるメロウなやわらかさが前に出ていて、
SATELLITERiversideなど、ポーランドのバンドにも通じる感触もあるが、
2nd以前の曲の方がキャッチーなシンフォニック性が残っていて好みだったりする。
ライブステージの映像が楽しめる、DVD付きの2枚組限定盤もあり。
シンフォニック度・・7 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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OVERHEAD 「Of Sun and Moon」
フィンランドのシンフォニックロック、オーバーヘッドの4th。2012年作
これまでもセンスのよいスタイリッシュなシンフォニックロックをやっていた彼らだが、本作はのっけから、
ポストプログレ的なモダンさがぐっと増していて、やわらかな叙情と重厚なハードさが合わさった聴き心地。
キャッチーなメロディアス性は残しつつ、ソリッドなモダンプログレに包み込んだその思い切ったアプローチは
バンドとしての前進力の強さを感じさせる。メロディの抜けの良さは健在。確かな演奏力で描かれた高品質なアルバムだ。
メロディック度・・8 モダン度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8







PAATOS「TIMELOSS」
スウェーデンのシンフォニックロック、パートスの1st。2002年作
LANDBERKのメンバーによるバンドで、ANEKDOTENを思わせるメロトロンがうっすらと鳴り響き、
いくぶんサイケ風の浮遊感とともに、はかなげな女性ヴォーカル(チェロ奏者兼)が歌い出す。
静寂パートでは、WHITE WILLOWにも通じる静謐感がただよっていて、この寒々しい雰囲気というのは、
やはり北欧からしか出て来ないサウンドだ。ラストの大曲ではジャジーかつアヴァンギャルドに暴れるのが
いくぶん好みの分かれるところかもしれないが、北欧プログレの新たな形を提示する完成度の高い作品だ。
シンフォニック度・・7 静寂叙情度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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PAATOS「KALLOCAIN」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パートスの2nd。2004年作
艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、うっすらとしたメロトロンにやわらかな女性ヴォーカルの歌声が重なる、
北欧らしい薄暗い叙情美に包まれたサウンド。今回はしっとりとした女性声の魅力をより前に押し出した、
アンビエントな空気感も強まっていて、プログレといわれるともの足りない気はするが、路線も悪くはない。
効果的に使用されるメロトロンも随所に美しく、ANGLAGARDWHITE WILLOWにも通じる北欧らしい涼やかな叙情がたままらない。
いまでいうところのポストプログレ的な繊細さも感じさせる傑作だ。限定版DVDではライブ映像も楽しめる。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PAATOS「silence of another kind」
スウェーデンの女性Voシンフォバンド、パートスの3rd。2006年作
ゆるやかなメロトロンの調べとたゆうたような女性ヴォーカル…北欧らしい寒々しさと倦怠を感じるサウンドは、
音数はシンプルで一聴して地味な印象だが、内的な強度…というか彼らの目指す「密度を減らした薄暗い叙情の表現」という意味では
いままでのアルバムよりもむしろ徹底しており、ほぼ完全に成功しているといっていい。
昨今のPORCUPINE TREE系サウンドにも通じるつかみ所のなさが、好きな者にはたまらず、
嫌いなものには退屈とも感じられるだろうが、この鬱屈した美意識を生み出せるのは北欧ならではなのは確かだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧的薄闇度・・9 総合・・8
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Paatos「SENSORS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パートスのライブアルバム。2007年作
元はLPのみでの販売だったもので、2006年のツアーからオランダ、ドイツ、フランスでの演奏を収録。
これまでにアルバム3枚を発表し、そのレトロな懐古性と北欧ロックの原初的な翳りを閉じ込めた作品で、
シンフォファンから注目されているこのバンド。このライブ作でも、アルバム以上に伸びやかな歌声を聴かせるペトロネラ嬢の歌唱と、
バックに鳴り響くメロトロンが幽玄な世界観を作り上げている。ゆるゆかな中にも内に秘めた情感を感じさせる演奏だ。CD盤はボーナス2曲入り。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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PaatosBreathing」
スウェーデンの女性ヴォーカル・シンフォバンド、パートスの2011年作
前作から5年ぶりとなる4作目で、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と
どこかアンニュイな薄暗さで聴かせる独自のサウンドはこれまで通り。
とことなく、後期のThe Ghateringを思わせるような倦怠感とともに、
メロトロンが鳴るANEKDOTEN風味の北欧プログレ要素がゆるやかに混ぜ合わさり、
さりとて決して濃い口にならないクールさもまたこのバンドの魅力だろう。
シンフォニック度・・7 薄暗叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Paatos「V」
スウェーデンのシンフォニックロック、パートスの2012年作
5作目となる本作は、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる薄暗いサウンドだが、
ANEKDOTENなどを思わせるヘヴィな感触もあって、よりプログレ的に楽しめる。
アナログ的なギターの響きにうっすらとしたシンセアレンジが重なり、
どこかミステリアスな女性声がアンニュイな浮遊感をかもし出す。
北欧らしいしっとりとした叙情と、古き良きアナログ感が合わさった好作です。
ドラマティック度・・7 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PaidarionHauras Silta」 
フィンランドのシンフォニックロックバンド、パイダリオンの2009年作
たおやかなフルートの音色に女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるシンフォニック。
母国語による歌唱も含めて、土着的な雰囲気がサウンドのやわらかさとなっていて、
メロウなギターにシンセを加えた幻想的な作風はとても耳心地がよい。
一転してサックス入りの曲では、ジャズロック的なアンサンブルを聴かせるなど
曲調にややとりとめがないのだが、男女ヴォーカルによる牧歌的なプログレという点では
なかなか楽しめる。ただ個人的には女性声を全面に出した作風を期待したいが。
シンフォニック度・・7 しっとり幻想度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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PaidarionBehind the Curtains」
フィンランドのシンフォニックロック、パイダリオンの2011年作
女性Voにサックス奏者を含む6人組で、前作もシンフォ、ジャズロックを合わせたような
好作であったが、本作ではゆるやかな叙情美と幻想的な世界観に磨きがかかっている。
うっすらとした優美なシンセにサックスの音色が絡み、軽快さと叙情性を併せ持った楽曲に
男女ヴォーカルの歌声が乗る、北欧らしい涼やかな聴き心地の優雅なシンフォニックロックである。
メロウなギターのフレーズもセンス良く、大仰にならないキャッチーな明快さがなかなか素晴らしい。
10分の大曲を構築するアレンジ力も含めて、知的な美意識に包まれたモダンシンフォニックの傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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PAIDARION Finlandia Project 「Two Worlds Encounter」
フィンランドのシンフォニックロック、パイダリオンの2016年作
2009年にデビューし、本作は3作目。前作「Behind the Curtains」は優雅なる好作品であったが、
本作ではドラムとベース以外のメンバーがゲスト扱いとなった、いわばプロジェクト的なユニットらしい。
シンセにはロバート・ウェッブが参加し、ENGLANDのカヴァーや未発曲なども演奏していて、
バンドの過去曲の再録や、オーストラリアのWINDCHASEのカヴァーなどもマニア好み。
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声に、やわらかなギターとメロトロンを含むシンセも美しく
どの曲も優美なアレンジで、シンフォニックロック好きにはとても楽しめる逸品です。
メロディック度・・8 フログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8 
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Paintbox「bright gold and red」
スウェーデンの女性Voロックユニット、ペイントボックスの2008作
ISILDURS BANEのFredrik"Gicken"Johanssonと、女性シンガーLinneOlsson嬢を中心にしたユニットで、
サウンドはアコースティカルでアンビエントな雰囲気の歌もの。ゆったりとした素朴な楽曲は
プログレでもシンフォでもないが、EPHEMERAあたりに通じるやわらかなロハスな感覚と、
うっすらとしたシンセやチェロなども加わった、北欧らしい翳りある叙情が耳に優しい。
ゆったりと心地よくまどろめる女性ヴォーカル作品です。
メロディアス度・・8 素朴度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Paintbox 「The Night」
スウェーデンのポップロックユニット、ペイントボックスの2011年作
ISILDURS BANEのFredrik"Gicken"Johanssonと、女性シンガーLinneOlssonを中心にしたユニットで、
前作はゆったりとしたアンビエントな歌ものポップであったが、3年ぶりとなる本作も
チェロの音色を響かせながら、女性ヴォーカルの歌声を中心にポップ&キュートな聴き心地。
お洒落な可愛らしさの中にも、やはりどことなく知的な構築センスも覗かせていて、
アコースティカルな要素もまじえつつ、コケティッシュな浮遊感を描いてゆく。
いわばプログレファンにも楽しめるフィメール・スウェディッシュ・ポップである。
ポップ度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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Pale ForestLayer One」
ノルウェーのゴシック・シンフォニックロック、ペール・フォレストの1998年作
4曲入りのデビューミニで、後のアルバムと同様に美声の女性ヴォーカルのコケティッシュな歌声をメインにした、
しっとりと優美なサウンド。ゴシック的な雰囲気は薄めで、アンピエントなフィメールロックとして楽しめる好作品。
メロディアス度・・8 メタル度・・3 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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PALE FOREST「TRANSFORMATION HYMNS」
ノルウェーのゴシック・シンフォニックロック、ペール・フォレストの1st。1998年作
キュートな女性ヴォーカルの歌唱で聴かせる、繊細にしてキャッチーなサウンドで、
美少女系フィメール・シンフォニックロックという、このバンドの魅力はすでに備わっている。
メンバー写真を見るとあまり柄は良さそうではないのに、音楽の方は清涼にして清純という。
2nd以降に比べて、曲のメリハリや効果的なメロディなどは少々控えめだが、
しっとりと心地よく聴ける音楽であることには違いない。後半に良い曲多いです。
メロディアス度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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PALE FOREST「OF MACHINES AND MEN」
ノルウェーのゴシック・シンフォニックロック、ペール・フォレストの2nd。2000作
キュートで清純なこの魅力的な女性ヴォーカルの歌唱だけでもう降参いたします(笑)。
曲のほうももちろんなかなかセンスがよく、メタル色も若干覗かせつつ、基本は女性声メインで
シンセアレンジも加えた叙情性は、北欧の森を思わせる清涼感をかもしだしています。
ゴシック的な耽美色はほぼ皆無ですが、幅広く女性Vo愛好者にアピールする傑作です。
メロディアス度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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PALE FOREST「EXIT WOULD」
ノルウェーのゴシック・シンフォニックロック、ペール・フォレストの3rd。2001年作
曲調はかつてのTHE GATHERINGをぐっとさわやかにしたような感じだが、
女性ヴォーカルの歌声がずっと「可愛い系」なこともあって、だいぶ印象は異なる。
とにかくこのキュートな歌唱、歌声だけで個性になっているのがまず素晴らしい。
曲はキーボード、ピアノなどを控えめに使いながら、アンニュイさと優しさを表現出来ていて
暗黒度はかなり薄いのだが(ゴシックよりはアンビエント寄りか)、決して軽いわけではない。
このまま成長してゆけばさらに素晴らしい女性Voバンドになるに違いない。
メロディアス度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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PALE FOREST「ANONYMOUS CAESAR」
ノルウエーの女性Vo、ゴシック・シンフォニックロック、ペール・フォレストの2003年作
キュートな女性ヴォーカルの歌声をメインにしたサウンドは、この5曲入りミニアルバムでも変わらずに一安心。
クリスティン嬢の歌声は("嬢"というよりは"ちゃん"と呼びたくなるな)ますます可愛く、
バックの演奏は、一応のロック感触度は保ちつつも、いっそうシンプルになっている。
新曲は1曲のみであとはライブ2曲にインスト曲が1、そしてもう1曲は、なんと
PINK FLOYDのカヴァー。これが意外とサイケな感じでハマッていて良いかも。
メロディアス度・・7 優美度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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PANZERPAPPA 「Pestrottedans」
ノルウェーのチェンバーロック、パンザーパッパの2016年作
結成は90年代というバンドで、ムーグなどのプログレ的なシンセにサックスが鳴り響き、
わりとメロディックなギターフレーズを乗せた、ジャズロック色もある軽妙なサウンドを聴かせる。
とぼけた味わいはSAMLA MAMMAS MANNAにも通じる雰囲気で、カンタベリー的な優雅さもある。
ベースとドラムの生み出すわりとストレートなノリの良さと、屈折感をほどよく同居させたセンスもなかなかで、
アヴァンギャルド過ぎずダークな要素も薄いので、チェンバー・ジャズロック初心者にも聴きやすい作風だろう。
オールインストで演奏が流麗なため、聞き流してしまいそうになるのだが、アンサンブルのレベルは高く、
メロディも分かりやすいためキャッチーな爽快さもあって、軽快なプログレ・ジャズロックとしても楽しめる。
メロディック度・・8 チェンバー度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・8
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Panzerpappa 「Summarisk Suite」
ノルウェーのアヴァンプログレ、パンザーパッパの2019年作
メロトロン、ムーグを含むシンセにギターを重ね、サックスが優雅に鳴り響く、叙情的なジャズロック風味に、
緊張感ある展開力でミステリアスな空気を描き出す。クリムゾンなどが好きな方にも楽しめそうなサウンド。
一方では、サムラのようなトボけた味わいもあって、肩の力が抜けたユルめのアヴァンプログレというべきか。
オールインストなので、明確な盛り上がりというのはないが、軽やかなアンサンブルをシンセが涼やかに包み込み、
曲によっては北欧らしいメロウな叙情性も含んだ作風で、チェンバー、アヴァンロック問わずゆったりと鑑賞できる好作品。
ドラマティック度・・7 アヴァンギャル度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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PAR LINDH PROJECT「GOTHIC IMPRESSIONS」
スウェーデンのシンフォニックロック、パル・リンダー・プロジェクトの1st。1994年作
90年代北欧シンフォニックの金字塔的作品というべきPLPの名作。
鳴り響くメロトロン、幽玄なるパイプオルガン、北欧独特のもの悲しいメロディと薄暗い叙情美、
混声合唱やゲストによるたおやかなフルートの音色などもじつに美しい。
タイトル通り、ゴシック的なほの暗い美しさに包まれた世界観にうっとりと浸れます。
北欧シンフォとしてはまず外せない一枚。世界的に見てもド級のシンフォニック作品である。
シンフォニック度・・9 荘厳度・・10 北欧度・・10 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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PAR LINDH PROJECT「MUNDUS INCOMPERTUS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの2nd。1998年作
1st「Gothic Impressions」は管弦楽、チャーチオルガン、合唱隊などを配したド級のシンフォニック作で、
初めて聴いたときは大変な衝撃だった。多数のゲストを集めたソロプロジェクト的な作品だった前作に比べ
本作では女性ヴォーカルを含む5人編成でのバンドサウンドとなって、前作の壮麗さに加えて
よりロックとしての躍動感が備わった。オルガンをメインにしたヴィンテージキーボードに、手数の多いドラム、
美しい女性ヴォーカルにヴァイオリンの音色も加えた、クラシカルな優雅さは、THE NICEを北欧プログレ化したようでもあり、
THE ENIDのような優美なロマンティシズムも感じさせる一方では、濃密すぎない清涼感はやはり北欧らしさというところ。
起伏に富んだ26分の組曲も圧巻だ。まさに1990年代を代表するシンフォニックアルバムのマスターピースのひとつである。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 キーボー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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PAR LINDH PROJECT「LIVE IN AMERICA」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトのライブアルバム。2002年作
やりすぎとも言えるド級の壮大キーボードシンフォを打ち鳴らすこのバンドだが、ライブにおいてもその志は変わらず。
スタジオ盤の重厚さに比べると音数はいささか減るが、それを補ってあまりあるメンバーのプレイは素晴らしい。
パル・リンダーの多彩なKEYワークはもちろんのこと、マグダレーナ嬢のVoもアルバム以上に魅力的。
そしてやかましいまでにハードロック的な手数の多いドラムと、各プレイヤー熱のこもった演奏が楽しめる。
コッテコテで大仰、クラシカル、ファンタジックー、なのにさほどくどさを感じないのは北欧というお国柄か。CD2枚組。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PAR LINDH PROJECT「VENI,VIDI,VICI」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの3rd。2001年作
荘厳なイントロに続くのは、かつてのE&LPもかくやという躍動的なキーボードサウンド。
クラシックの基盤に裏打ちされたパル・リンダーのシンセワークは、ただの物真似には終わらず、
フレーズの一つ一つに説得力がある。また、手数の多いドラムもメタル的なツーバスなどを使ったりと面白い。
毎回オーケストラやストリングスなどのゲストで分厚い音を作り出す彼らだが、
今回は基本的にはバンドでの演奏というものにこだわっているようで、音数は意外にシンプル。
ヴァイオリンも弾きこなすマグダレーナ嬢のヴォーカルが曲にアクセントをつけている。
全体としてクラシカル、シンフォニックでありながら北欧らしさを失っていないのが素晴らしい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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PLP「LIVE IN ICELAND」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、PAR LINDH PROJECTのライブアルバム。2002作
今やTHE FLOWER KINGSとともに北欧シンフォニックの第一人者、パル・リンダー率いるこのバンド。
3rd「VENI,VIDI,VICI」でハードかつバロック的なシンフォサウンドを確立させたが、
その演奏はライブにおいても熱情的なダイナミズムを損ねていない。パル・リンダーのキーボードは言うに及ばず、
手数の多いドラム(ツーバス)のプレイやツアーメンバーであるギターも効果的に曲に彩りを添えているし、
ヴァイオリンもこなすマグダレーナ嬢の歌唱は、北欧的なけだるげな情感を曲にもたらしている。
全盛期のELPのごとき攻撃性と、優雅なクラシカルさとを北欧テイストで包み込んだ音、である。
数々のライブをこなし、バンドとして円熟されてきたこの大仰シンフォバンドの現在系のライブ。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Par Lindh Project「In Concert-Live in Poland」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトのライブアルバム。2009作
ライブアルバムとしてはこれが2作目となり、2007年のポーランドでのステージを収録している。
一曲目から“はげ山の一夜”でELPばりのクラシカル・キーボードプログレを聴かせる。
パル・リンダーの鍵盤さばきは、エマーソンほどにテクニカルではないものの、
彼の奏でるメロディには北欧のアーティストらしい温かみが感じられる。
ただトリオのみでの演奏は、やはりアルバムのサウンドに比べると音が薄いのだが、
そこも含めてローカルなキーボードロックとして聴けば楽しめる。同タイトルのDVDもあり。
クラシカル度・・8 キーボー度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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PAR LINDH PROJECT「Time Mirror」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの2011年作
90年代にデビュー、The Flower Kingsとともに北欧のシンフォニックシーンを牽引してきたPLP、
Voのマグダレーナ嬢の死を乗り越え、スタジオアルバムとしては10年ぶりとなる復活作である。
いきなり17分の大曲で幕を開け、ムーグシンセを使用した時代的なキーボードプログレが全開、
クラシカルかつ荘厳なPLPサウンドに翳りなしである。チャーチオルガンの音色とともに、
1st「Gothic Impressions」に回帰したような雰囲気で、ヴォーカルが加わったことで聴きやすさも増した。
いまとなってはいくぶん古めかしさもあるが、北欧版TRACEというような鍵盤プログレが堪能できる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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PAR LINDH & BJORN JOHANSSON「Bilbo」
スウェーデンのミューシシャン、パル・リンダービヨルン・ヨハンソンによる1996年作
トールキンの「指輪物語」の一作「ホビットの冒険」をコンセプトにした作品で、北欧らしい寒々しい叙情美と
フルートやクラリネットなどのアコースティカルな繊細さに、シンフォニックな美しさが加わった傑作。
中世的なチェンバロの音色や、荘厳なパイプオルガンなど、PLPとしての1作目である「GOTHIC IMPRESSIONS」
通じる雰囲気もあり、薄暗い叙情性と幻想美にうっとりだ。また、北欧トラッド的なメロディを散りばめているところが
いかにもBJORN JOHANSSONらしい。PLPのマグダレーナ嬢がヴォーカルで参加、ファンタジックな世界観に華を添えている。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8
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PAR LINDH & BJORN JOHANSSON「DREAMSONGS FROM MIDDLE EARTH」
スウェーデンのアーティスト、パル・リンダービヨルン・ヨハンソンによるユニットの2004年作
前作「BILBO」に続き、今回もトールキンの「指輪物語」をテーマにしたコンセプト作で、
ギター、マンドリン、ブズーキ他、トラッド楽器もこなすビヨルン・ヨハンソンの作曲能力とマルチミュージシャンぶりは、
ソロ作「DISCUS URSI'S DUI」で証明済み。一方、 PLPでは弾きまくりのバロックシンフォをやっているパル・リンダーだが、
ここではやや抑え気味にしっとりとしたピアノ、キーボードを優雅に聴かせてくれる。
ストーリーにそって、曲はゆったりと、たゆたうように流れてゆき、ときに北欧トラディショナル的な
やわらかな土着メロディが耳に心地よい。アコースティカルで清涼感のあるシンフォサウンド。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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Pax Romana 「Trace of Light」
フィンランドのプログレバンド、パックス・ロマーナの2005年作
結成は70年代ながら作品を残さぬままに解散、本作は復活してからの作品となる。
うっすらとしたシンセとメロウなギターで聴かせる、いかにも北欧らしい叙情的な雰囲気で
ヴォーカルが入るとキャッチーでありながらも、物悲しく哀愁を感じさせる聴き心地だ。
とくにギターの泣きのフレーズは魅力的で、いわば北欧化したCAMELというか、
フルートやチェロなども入って繊細な叙情性でしっとりと描かれる大人の北欧プログレです。
メロディック度・・8 叙情度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Pekka Pohjola「B the Magpie」
フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの1974年作
WIGWAMのベーシストとしても知られるペッカの2枚めのソロアルバムで、
「Harakka Bialoipokku/ カササギ鳥の一日」という別題もついている。
クラシカルなピアノの小曲で幕を開け、WIGWAMに通じるジャズロック色と
優雅さを兼ね揃えた軽妙なサウンド。叙情的なサックスの音色が重なりつつ、
アカデミックな知的さと演奏力がありながらもどこかとぼけたような味わいはペッカならでは。
次作「The Mathematician's Air Display」に比べるといくぶんジャズ色の強い作品である。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Pekka Pohjola「KEESOJEN LEHTO (The Mathematician's Air Display)」
フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの1977年/邦題「数学家の空中広告」
WIGWAMのベーシストとしても知られるペッカの3枚めのソロアルバムで、
マイク・オールドフィールド、サリー・オールドフィールドが参加していることでも知られる。
右側のジャケはUKヴァージン盤のもので、タイトルも英語表記となっている。
北欧らしいメロウなギターと、シンセを中心にした、メロディックなジャズロックで、
素朴な叙情の中にも、どこかとぼけた味わいがあるのがいかにもペッカらしい。
土着的なメロディが美しいタイトル曲や、15分の大曲など聴きどころも多い傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLAUrban Tango
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1982年作
「都会のタンゴ」という、いかにも洒落っけのあるタイトルだが、サウンドの方も
クラシックやジャズなどの古き良き作曲理論と、ペッカ特有のとぼけた味わいも含んだ
現代的なモダンさを上手く融合させたもので、ボーナスを除く4曲は9分~15分という大曲。
プログレッシブな知的さを随所に覗かせつつ、派手さよりも繊細さとユーモアに富んだ楽曲は、
哀愁をただよわせたメロディと、ギターによるロック的な躍動感、アンサンブルが心地よい。
“New Impressionist”、“Heavy Jazz”といったペッカ自身も気に入っている曲を含んだ好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アンサンブル度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLASpace Waltz」
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1985年作
美麗なシンセに彩られた繊細な叙情でやわらかに聴かせる傑作。歌うようなペッカのベースに、
メロディアスなギターがかぶさり、しっとりとしたシンフォニックな聴き心地に思わずうっとりとなる。
独特のコミカルな味わいも含めて、力の抜けた自然体のサウンドはあくまで優しく、
プログレ/シンフォニックとしての要素なら、ペッカの作品中でも3本の指に入るだろう。
タイトル曲はもちろん、13分を超える“Risto”もじつに美しい。80年代の傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・9 総合・・8.5
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PEKKA POHJOLA「Flight of the Angel」
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1986年作
80年代の最後の作品で、1曲目はジャズロック風味のぐっと軽妙になったサウンドであるが、
続く2曲目は、ペッカらしい繊細な聴き心地で、美しいストリングスがシンフォニックに響き渡る。
メロウなギターのフレーズも随所に入ってきて、クラシカルなピアノ曲などもしっとりと心地よい。
後半は大曲2曲で、存在感のあるベースラインにギターが絡むスリリングなアンサンブルと、
ラスト曲ではサックスを含んだチェンバーロック的なパートから、ダイナミックに展開してゆく構築センスが見事。
全体的にはやや地味な印象だが、ジャズ、クラシック、ロックという要素がバランスよく組み合わさった好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLA 「New Impressionist」
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラのベストアルバム。1987年作
1979年作「Visitation」から1984年作「Everyman」までのアルバムから選曲された8曲入り。
美しいシンセアレンジや北欧らしい涼やかなメロディ、クラシックやジャズの素養を感じさせる、
ペッカならではの優雅なサウンドが楽しめる。80年代ペッカの入門用にもよい作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLA「Changing Waters
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1992年作
美しさと繊細さ、芸術性が極まった、ペッカを代表するというような傑作。
北欧の涼やかな風を感じさせる繊細なピアノで始まり、優しくやわらかな情感と、
ほのかなユーモアに包まれたサウンドには、ただうっとりと聴き入るのみ。
プログレ、シンフォニックなどという言葉ではとても表現しきれない、
人間ペッカの作品…その暖かく、はかなく、優美な旋律には感動を覚える。
静かな情緒がじわじわと心を満たしてくれる。これが芸術家の音楽である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 繊細度・・10 総合・・8.5
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PEKKA POHJOLA 「Heavy Jazz」
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1995年作
母国フィンランド、ヘルシンキでのライブを収録したCD2枚組で、「Space Waltz」、Urban Tango
「Changing Waters
」あたりからのナンバーを主体にしつつ、70年代の楽曲も取り上げていて、
年季を感じさせる優雅で軽妙なアンサンブルが繰り広げられる。メロウで叙情的なギターワークと
それを支えるペッカの優しく歌うようなペースプレイとともに、10分前後の大曲が即興を含んだ演奏で描かれてゆく。
ジャズタッチのピアノに寄り添うペッカのベースも絶妙で、ジャズとクラシック、ロックを自然に融合させた
北欧の才人の音楽をたっぷり楽しめる素晴らしいライブ作品である。
ライブ演奏・・9 プログレ&ジャズロック度・・8 優雅な叙情度・・9 総合・・8.5
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PEKKA POHJOLA「Pewit」
フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1997年作/邦題は「タゲリ島の不思議な旅」
WIGWAMのベーシストという肩書を持つ、ペッカは間違いなくフィンランド最高の音楽家の一人である。
ジャズ、クラシックをプログレッシブに解釈し、独自の人間哲学を自然なやわらかさで音に反映させるサウンドは、
優しく、人間的で、そして深い。決して派手ではないのだが、彼の作品には芸術の魂が存在している。
このアルバムも、前作「Changing Waters」、次作「VIEWS」と並ぶ傑作であり、代表作というべき一枚となった。
1曲めからして、シンフォニックな味わいと、どこか北欧の黄昏を感じるような叙情が絶品で、
メロウなギターと繊細なピアノ、キーボードにより、楽曲はゆるやかな盛り上がりを見せてゆく。
“平凡な音楽”などとシニカルに題されたラストは19分の大曲で、ときにアヴァンギャルドな側面を見せながら、
鳴り渡るドラムを空間的なシンセが包み込んでゆき、ラストはむせび泣くギターも加わってゆく。
シンフォニック度・・8 雄大度・・8 内的芸術度・・9 総合・・8
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PEKKA POHJOLA「VIEWS」
フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの2001年作
シンフォニックでジャズでプログレ…時代に流されない素敵な作品を生み出し続けている天才肌のアーティスト。
「CHANGING WATERS」
「タゲリ鳥の不思議な旅」といった素晴らしいアルバムたちと同様に、
今作もしっとりとした上品で繊細なアルバムだ。壮麗なオーケストラを配し、北欧らしい涼やかな叙情とともに
ゆるやかに盛り上がりを見せる楽曲はクラシックを素養にしたアカデミックさと、人間的な温かみの両方を内包し、
じわりと静かな感動を呼ぶ。本物の音楽家が作り出す音楽…そして人間ペッカの心の音楽がここにある。
ゆったりと自然体でありながら、ダイナミズムとリリシズムが合わさったシンフォニックアルバムだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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PETER BRYNGELSSON 「Wunderbaum」
スウェーデンのミュージシャン、ペーター・ブリンゲルソンの2011年作
RAGNAROKのギタリストで、本作はそのラグナロクに通じる、北欧らしい涼やかな土着性に包まれた、
フォークロック的でもあるゆったりとした牧歌的なサウンド。ギターの旋律は北欧特有の哀愁の叙情を描いていて、
随所にシンセやアコーディオンの音色も加わって、メロウな北欧サイケフォークとしても楽しめる。
2~4分前後の小曲によるインストを連ねた構成なので、楽曲ごとの盛り上がりというのはない分、
スローでロハスなBGM的にも聞き流せてしまうのだが、素朴な北欧の空気感が心地よく感じ取れる好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・7.5
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THE PHASE「REVIEWS」
フィンランドのプログレバンド、フェイズの2007作
詳細は不明だが、ギター/ヴォーカル、ベース、ドラムという3人組みで、
本作は1998年~2007年までに作られたマテリアルであるらしい。
堅実なアンサンブルと、キャッチーな歌メロで聴かせるサウンドは、
プログレというよりはややレトロなメロディアスロックという趣で、
白クマのジャケほどには音のインパクトはないが、ゆったりと楽しめる。
ときおり聴ける北欧的な透明感のある叙情もなかなか耳心地がよく、
むしろキャッチーなプログレハード的な曲がいい感じである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・7.5


PICTORIAL WAND 「A sleeper's awakening」
ノルウェーのシンフォニックロックユニット、ピクトリアル・ワンドの2006年作
チェロやフルート奏者や男女8人のVoを含む、大編成によるCD2枚組みのコンセプト大作。
のっけから、フルートとアコースティックギターの響きが美しく、物語的な語りから曲に入ると
シンフォニックなキーボードにややメタリックなギターも加わり、民族的なゴシックシンフォというサウンドになる。
WDのタタキでは「ゴシック版AYREONとも記されていたが、ナレーション入りのストーリーを配した壮大な作風と
ファンタジックな雰囲気は確かに重なる部分があり、それに加えて北欧フォークロワ的な要素も耳に心地よい。
メタリックな要素もうるさすぎない程なので、ハードめの北欧シンフォとしても聴け、
アコースティカルな静寂パートからシンフォニックパートへの切り返しなども効果的。
内ジャケのダークで幻想的なイラスト群も含めて、ファンタジー作品としての構築には相当気合が入っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Pictorial Wand「Face of Our Fathers」
ノルウェーのシンフォニックロックユニット、ピクトリアル・ワンドの2nd。2009作
前作はCD2枚組みの大作で、北欧版AYREONともいうべきドラマティックな作品であったが、
今作も物語的なストーリィのあるファンタジックなコンセプト作となっている。
ギター、ベース、シンセをこなすMattis Sorum氏を中心にして、フルート、チェロ、ヴァイオリン、
そして配役にしたがって男女2名ずつがヴォーカルをとるという大所帯の構成で、
北欧的な叙情とともにゴシック的な薄暗さもあるシンフォニックロックを展開する。
楽曲には前作以上にメリハリがあって、土着的でもったりとした部分と
プログレとしてハードに盛り上げる部分とが、上手く噛み合わさっている。
幻想的なシンフォニックロック、北欧的な世界観が好きならチェックすべし。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Pixie Ninja 「Ultrasound」
ノルウェーのモダンプログレ、ピクシィ・ニンジャの2017年作
ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加、スペイシーなシンセの重ねによる
ランドスケープ的な空間性に、シーケンサー的なエレクトロなアレンジを加えたサウンドで、
テクノ風の聴き心地の中にも、NECROMONKYにも通じるモダンで知的なセンスを感じさせる。
アナログなドラムにフルートが鳴り響き、メロトロンが加わると、一気に北欧プログレの感触が強まって、
オールインストながら、クリムゾンばりのミステリアスな緊張感を描き出して、思わずにんまりである。
美しいピアノの小曲や、薄暗い叙情とプログレらしい展開力で聴かせる11分の大曲など、
モダンとレトロが同居した、これぞ北欧の新時代プログレというべき逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Pluto and the Planets 「360 Degrees of Wonder」
ノルウェーのプログレバンド、プルト・アンド・ザ・プラネッツの2010年作
男女ヴォーカルの歌声と、メロウなギターワーク、うっすらとしたシンセアレンジで聴かせる、
わりと正統派のシンフォニックロックスタイル。楽曲は3~5分前後と比較的シンプルで、
歌もの中心なのでスリリングな展開などはあまりなく、しっとりとした聴き心地の中に
北欧らしいマイナーなローカルさも漂わせている。曲によってはキャッチーなポップ性や
土着的な素朴さもあり、つかみどころのなさも含めて、なんとなく微笑ましい好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo・・7 総合・・7.5




PORCELAIN MOON「...as it were.Here and there」
フィンランドのプログレバンド、ポルセライン・ムーンの2011年作
女性Vo、ツインギター、女性奏者を含むツインシンセを擁するの7人編成で、
オルガンが鳴り響くレトロな感触にハスキーな女性ヴォーカルの歌声とともに、
いくぶんサイケロック気味の浮遊感もあるサウンド。かっちりとした構築性よりも
古き良きロックのユルさ、アナログ感のある音なので、一聴したインパクトはないが、
Curved Airなど70'ブリティッシュロック的な聴き心地でゆったりと楽しめる。
メロディアス度・・7 オルガン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Positive Wave
フィンランドのプログレバンド、ポジティブ・ウェイブの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を中心に、70年代的なポップなレトロさで聴かせるサウンド。
ブルージーな味わいのギターとサイケ気味のヨレ加減がとても今のバンドとは思えない感じで、
それが北欧トラッド的な土着風味と合わさって、そのユルめの感触がなかなか面白い。
サックスが加わるとジャズロック的な雰囲気にもなったりと、ややとりとめがないが、そこが魅力か。
プログレ度・・7 ゆる系度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Procosmian Fannyfiddlers 「The Rolling Court Massacre」
ノルウェーのプログレバンド、プロコスミアン・ファニーフィドラーズの2001年作
ギター、ドラム、ヴォーカル、シンセをこなす、フィスト・アナル氏を中心にした4人編成で
本作はACT I、II に分かれたロックオペラ的な壮大なる(たぶん)コンセプト作品。
軽快なリズムにカントリー的なギターとアコーディオン、プログレ的なシンセが乗り、
アヴァンギャルドな展開に、男女ヴォーカルの歌声…女性Voメインの部分も多いです。
語りによる寸劇も含んだシアトリカルな雰囲気と、コミカルでありつつもどこか哀愁を感じさせる作風は
まぎれもなく本気のヘンタイである。メロトロンをバックに歌が重なるところは妙に感動的であったり、
おちゃらけとエキセントリックな感性が壮大に合わさった、一筋繩ではいかない異色の力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8

PROCOSMIAN FANNYFIDDLERS 「Return Of The Sweaty Owl」
ノルウェーのアヴァン・プログレ、プロコスミアン・ファニーフィドラーズの2003年作
ヘンタイ過ぎてのけぞった2001年作から、本作ではヴァイオリン、女性シンセ奏者を含む6人編成となり、
優雅なフルートの音色にアコースティックギター、美しい女性ヴォーカルを乗せてしっとりと始まりつつ、
変拍子にリズムチェンジを含むプログレ的な展開力とともに、のっけから20分の大曲を描いてゆく。
北欧らしい涼やかな叙情のシンセアレンジも含めて、マイナー臭くなったANGLAGARDという雰囲気もあり、
シアトリカルなドラマ性とともに妖しい垢抜けなさもかえっておもしろい。女性声の北欧アヴァン・プログレとして楽しめる力作だ、
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8

Professor TipTop 「Hybrid Hymns」
ノルウェーのプログレバンド、プロフェッサー・ティプトップの2019年作
オルガン、メロトロンを含むシンセに、メロウなギター、マイルドなヴォーカルを乗せ、
翳りを含んだ叙情に包まれたサウンドを聴かせる。いわゆるヴィンテージな北欧プログレではあるが、
ポストプログレ以降のスタイリッシュな雰囲気と、DUNGENのようなユルめの浮遊感が同居していて、
サイケ寄りの歌ものシンフォという感じでも楽しめる。楽曲は長くても6分と、わりとコンパクトなので、
プログレというよりは、サイケな北欧ポストロックという感じで、肩の力を抜いてのんびりと聴けます。
もう少しメロディやフックのある展開があればと思うが、ユル系の北欧サウンドが好きな方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ユル度・・8 総合・・7.5
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ProgAtom 「Spiral」
ノルウェーのプログレバンド、プログアトムの2018年作
2015年にデビュー、本作は2作目となる。アコースティックギターとフルートの音色によるイントロから、
母国語によるヴォーカルにメロウなギターを重ねた、涼やかなシンフォニックロックを展開。
ときに女性ヴォーカルも加わり、エレピやメロトロンを含む優美なシンセに叙情的なギターフレーズで
北欧らしい幻想的な空気を描き出す。一方では、キャッチーなヴィンテージロック的な味わいもあり、
かと思いきや、しっかりとプログレらしいシンセワークが現れるという、ツボの付き方も心憎い。
10分を超える大曲も優雅な構築力が光る。CDR仕様なのが惜しいが、北欧プログレ期待の逸材です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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PROGELAND 「Gate to Fulfilled Fantasies」
フィンランドのプログレバンド、プロゲランドの2014年作
オルガンを含むシンセにハード寄りのギターと、マイルドなヴォーカルを乗せた、オールドな味わいのサウンド。
Uriah HeepBlack Bonzoあたりに通じる、70'sブリティッシュルーツのヴィンテージなロックを、
北欧らしい涼やかな空気で包み込んだという雰囲気で楽しめる。楽曲におけるメロディや展開に、
さほど盛り上がりはないので、プログレやシンフォニックロックとしてはやや物足りなさもあるが、
渋めの叙情で聴かせる大人のヴィンテージ・ハードとして、のんびり鑑賞するのがよいかと。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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PROGELAND 「Harmony Of The Universe」
フィンランドのプログレバンド、プロゲランドの2018年作
2014年作に続く2作目で、やわらかなシンセにオールドなテイストのギターを重ね、
ジェントルなヴォーカルを乗せた、ゆるやかな叙情のシンフォニックロックを聴かせる。
メロウなギターの旋律にフルートの音色が、北欧らしい涼やかな空気を描き出しつつ、
オルガンが鳴り響く、70年代風味のヴィンテージロックの味わいにも包まれる。
マイルドなヴォーカルは、どことなく、Vintersorgにも通じる雰囲気があって、
ほどよくハードな感触ともに、哀愁を含んだ北欧らしい叙情に浸れる逸品です。
ドラマティック度・・7 ヴィンテージ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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QOPH「Pyrola」
スウェーデンのロックバンド、クォフの2004作
メンバーはG、B、Dr、Voのオーソドックスな4人組で、肝心の音の方は一筋縄ではいかない、
どちらかというとプログレというよりは、サイケやアシッドといった言葉が最初に浮かぶ。
古いのか新しいのか、一聴しただけでは判別しずらい音だ。ライブではインプロやジャムのノリで熱い演奏を繰り広げそうな、
そんな自然体のスタイルと楽しさとが伝わってくるようだ。曲によってはキャッチーでポップですらあるメロディも出てくるが、
多面性のある音の表情からはポストロック的な広がりも垣間見える。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 雑食度・・8 総合・・7.5
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Qoph 「Freaks」
スウェーデンのサイケ・ハードロック、クォフの2012年作
1998年にデビュー、本作は2004年以来、8年ぶりの3作目。ハードなギターを乗せたアナログ感あるアンサンブルで
LED ZEPPELINなどを思わせる、70年代ルーツのヴィンテージなロックサウンドを聴かせる。
ストーナーロック的なハードさとサイケな浮遊感が同居した感触で、シンセもさほど入らないので、
プログレ的な要素はさほどないがどことなく翳りを帯びた妖しい感じは、やはり北欧のバンドらしい。
個人的には、ラスト曲での牧歌的なユルさが、北欧サイケロックらしくてとてもよいと思うのだが。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 ヴィンテージ度・・8 総合・・7.5
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QUMMA CONNECTION 「Arabesque」
フィンランドのプログレバンド、クマ・コネクションの2011年作
アート・デザイナーでもあるRami "Qumma" Taljaを中心に、ALAMAAILMAN VASARATのチェロ奏者などが参加、
12弦のウォーギターの旋律にプログレらしいシンセワークが絡み、随所に北欧らしい叙情メロディも含んだ
ハードプログレサウンド。ベースレスながら、低音までカヴァーするウォーギターとチェロの響きで、
むしろ重厚な聴き心地である。オールインストながら、クリムゾン的でもあるアーティスティックな構築センスと、
堂々たる音の強度がなかなか見事だ。10分を超える大曲ではアヴァンギャルドな破天荒さも覗かせる。
いわばチェンバーロックの緊張感にシンフォの叙情性を加えたような、ダイナミックな力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5




Radiomobel 「Gudang Garam」
スウェーデンのプログレバンド、レディオモービルの1978年作
1975年にデビュー、本作が2作目でラスト作となる。メロトロンを含むうっすらとしたシンセに
メロウなギターのトーンを重ね、北欧らしい翳りを帯びた叙情に包まれたサウンドを聴かせる。
くぐもったような湿り気に、RAGNAROKあたりを思わせるユルさをまぶしたという聴き心地であるが、
美しいシンセに女性ヴォーカルの歌声も加わった優美な感触は、北欧シンフォ的にも楽しめるだろう。
KAIPAKEBNEKAISEなどにも通じる土着的なギターフレーズも魅力的で、この涼やかな空気感は、
まさに北欧からしか出てこない音だろう。15分という大曲もあり、サイケとプログレの狭間がよい感じ。
自主制作らしいマイナーな香りとともに、まさに北欧プログレの幻の逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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RAGNAROK「RAGNAROK」
スウェーデンのアコースティック系シンフォニック、ラグナロクの1st。1976年作。
アコースティック系といってもエレキギターも使っているが、要は雰囲気がたおやかなアコースティック風。
涼しげなフルートの調べに、透明感のある静かなメロディの曲に耳を傾けると、
バンド名同様、ゆったりとした暮れなずむ北欧の黄昏が目に浮かぶようだ。繊細なる好作品。
メロディアス度・・8 ゆったり度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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RAGNAROK「Well」
スウェーデンのプログレバンド、ラグナロクの1991年作
1976年~83年までに4作を残して消えたバンドの復活作で、うっすらとしたシンセの重ねに
シーケンサー的なリズムとエフェクトを加え、フリーキーにギターが鳴り響く、ランドスケープ的な1曲目から、
やわらかなフルートの音色を加えた繊細な叙情性も覗かせるナンバーは、北欧らしい涼やかな聴き心地。
オールインストで、デジタリィでモダンなアプローチを取り入れつつも、土着的な空気感は残していて、
モノトーンのジャケのように、愛想はないが淡々としたミステリアスな味わいが、むしろ個性的かもしれない。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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RAGNAROK「PATH」
スウェーデンのプログレバンド、ラグナロクの2008年作
70~80年代に活動していたこのバンドが、地味に復活。かつてと同様に、アコースティカルな素朴な叙情と
いかにも北欧的な土着性を感じるギターフレーズを乗せたゆったりとした作風で、
サイケ的なゆるやかな浮遊感なとともに、のんびりとしたインストサウンドを楽しめる。
プログレ的な展開や抜けの良さとは無縁の、自然体の「北欧スローロック」というべき好作品。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ゆったり北欧度・・8 総合・・7.5
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RAGNAROK 「Live in Tokyo」
スウェーデンのプログレ・フォークロック、ラグナロクの2012年作
2011年東京でのライブステージを収録。まさかこんなマイナーバンドが来日していたとは。
アコースティックを含んだ繊細な叙情を描き出すサウンドは、かつてのアルバムの雰囲気そのままで、
味わいのあるメロウなギタートーンに素朴なフルートの音色が重なり、哀愁を帯びた空気感とともに
北欧らしい涼やかな聴き心地にゆったりと浸れる。ラストは意外にもKing Crimson“21st Century Schizoid man”のカヴァー。
女性ヴォーカルの歌声を乗せた牧歌的なアレンジが素敵です。しかし、このジャケはなんとかならなかったんですかね。笑
ライブ演奏・・8 繊細度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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Raoul Bjorkenheim, Bill Laswell, Morgan Agren 「Blixt」
ノルウェーのアヴァン・ジャズロック、SCORCH TRIOのギタリスト、ラウル・ビョーケンハイムと
Mats/Morganのモルガン・オーギュレン、そしてアメリカの大御所ベーシスト、ビル・ラズウェルによるユニットの2011年作
それぞれが鬼才というべき強烈な個性を持ったプレイヤーによるトリオであるから、当然のように超絶なバトルと、
テクニカルなアンサンブルでたたみかける。フリーなジャズロックといえばそれまでだが、型にはまらない奔放なギターに、
軽やかにして攻撃的なモルガンのドラム、そしてどっしりとしたベースを響かせるビルによるインタープレイは、
息もつかせぬ緊張感で、もはやジャンル分け不能。アヴァンギャルドでフリーキーでありながら、不思議とアンサンブルの一体感が
楽曲に方向性を与えていて、決してごちゃごちゃな感じにはならないところは、各メンバーのセンスと素養の豊かさだろう。
演奏度・・9 テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Ravana 「Common Daze」
ノルウェーのプログレバンド、ラヴァナの1996年作
物悲しいチェロの音色に、うっすらとシンセが絡み、ややヘタウマなヴォーカルを乗せ
メランコリックな雰囲気に包まれた、ポストロック的でもある味わいのサウンドを聴かせる。
やわらかなフルートやメロトロンが加わると、北欧プログレらしい涼やかな聴き心地になるが、
ギターはわりとハード寄りだったり、一方ではエレピを乗せたジャズロック風味もあったりと、ややとりとめがない。
これという展開力がないので、薄暗系の叙情ロックというか、全体的な方向性も微妙なところ。
ラストの9分の大曲は、オルタナ系ポストプログレという雰囲気もある。バンドは本作のみで消えたらしい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・7
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REFORM 「Reveries of Reform」
スウェーデンのプログレバンド、リフォームの2011年作
CD2枚組で、エレピを含むやわらかなシンセにメロウなギターを乗せて、カンタベリー的な優雅さを感じさせる、
インストのシンフォニックロック。北欧らしい涼やかな叙情美に包まれたやわらかなメロディが心地よく、
CAMELをアンビエントなジャズロック寄りにしたという雰囲気もある。北欧を代表するシンセ奏者、
RALPH LUNDSTENがアレンジを務めていて、軽妙なアンサンブルと幻想的な空気が絶妙に同居。
ロイネ・スルトばりのギターフレーズもよろしく、まさに「カンタベリーな北欧シンフォ」というべき逸品です。
メロディック度・・8 優雅度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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RETROHEADS「Retrospective」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、レトロヘッズの2004年作
Vo、Key、G、Bを一人でこなすTore Bo Bendixenを中心としたバンドで、インストメインの流麗なシンフォサウンド。
CAMELのアンディ・ラティマーか、The Flower Kimgsのロイネ・ストルトかというようなメロウなギターが心地よく、
まるでフラキンのメロディアスな部分を取り出したような印象もある。北欧らしい涼やかな叙情とともに、
温かみのある少し素朴なメロディが耳に優しい。北欧シンフォ好きはツボを突かれることうけあいの一作。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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RETROHEADSIntrospective
ノルウェーのプログレバンド、レトロヘッズの2nd。2006年作
メロトロンやオルガン、ムーグを含むヴィンテージなシンセに、マイルドなヴォーカル、女性コーラスを乗せたサウンドで、
いかにも北欧シンフォ然とした1stに比べて、キャッチーで分かりやすいプログレハード的な感触が強まった。
レトロなハモンドの音色に、ややブルージーでハードめのギターが重なると、ロック的なノリの良さが前に出てとても聴きやすい。
もちろん北欧シンフォニック特有の涼やかな叙情美も残していて、軽やかな優雅さで楽しめるヴィンテージな好作品に仕上がっている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Rhys Marsh And The Autumn Ghost「Dulcima」
英国出身、ノルウェーで活動するアーティスト、リーズ・マルシュの2009年作
リズ・マルシュはヴォーカル、ギター、シンセ、プログラミングをこなすマルチミュージシャンで、
北欧系のミュージシャンが集ったプロジェクト、Opium Cartelにも参加している。
本作は、しっとりとしたメロトロンが響く、レトロで北欧プログレ的な質感に
男女ヴォーカルが歌を乗せるという、いわゆる薄暗系シンフォニックの作風。
アコースティカルな叙情は英国フォーク風味でもあり、やわらかな耳心地にうっとりだ。
ANGLAGARDのMattias Olsson他、多数のゲストが参加している。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Rhys Marsh & The Autumn Ghost「The Blue Hour」
英国出身、ノルウェーで活動するアーティスト、ライス・マーシュの2012年作
OPIUM CARTELやWHITE WILLOW、Wobbler関連のメンバーも参加した本作は
前作にも増してアーティスティックな繊細さと、骨董屋のような素朴な情緒で聴かせる
ほの暗い叙情ロックに仕上がっている。男女ヴォーカルの歌声はあくまでやわらかく、
オーボエやクラリネットのもの悲しい音色が、チェンバーロック的な味わいをかもしだす。
全体を通して淡々とした聴き心地なので、派手な盛り上がりというものはないのだが、
じわりとくる繊細な情感にうっとりと鑑賞できる。物憂げな秋や冬にはぴったりの作品だろう。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 繊細で素朴度・・9 総合・・8
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Rhys Marsh and The Autumn Ghost 「Trio」
ノルウェーで活動するアーティスト、ライス・マーシュの2013年作
自身のギターに、ドラムとシンセを迎えたトリオ編成でのライブをCD2枚に収録。
スタジオアルバムはポストプログレ的な繊細な作風であるが、ライブではより躍動感のあるアンサンブルと、
エモーショナルなヴォーカルを乗せたサウンドで、やわらかな叙情とロックとしてのダイナミズムが同居した聴き心地だ。
抑揚のついた巧みなドラムにジャズタッチのやわらかなピアノ、翳りを含んだ空間的な静寂が緊張感をかもしだし、
トリオ編成でありながら、一体となった演奏が音の迫力を生み出している。ゲストによるフルートが響き渡ると、
サイケな浮遊感にも包まれる。CD2枚で合計66分ほどなのだが、あえて2枚組にしたセンスも洒落ている。
薄暗度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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Rhys Marsh 「Sentiment」
英国出身、ノルウェーで活動するアーティスト、ライス・マーシュの2015年作
メロトロンを含むやわらかなシンセに、マイルドなヴォーカルとアコーステッィクギターを乗せて
アナログ感に包まれた温かみのある叙情と、薄暗い翳りに包まれた、ポストプログレ的なサウンド。
楽曲は3~5分前後とわりとコンパクトで、プログレ的な派手な展開というのはあまりなく、
ゆったりと聴かせる歌ものという印象だが、英国と北欧を合わせたような湿り気を含む空気感と、
メロトロンが鳴り響くと、ANEKDOTENあたりに通じるシンフォニックな聴き心地が楽しめる。
アーティスティックで繊細な感性にスタイリッシュなポストプログレ要素をまぶしたという好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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RING VAN MOBIUS 「Past The Evening Sun」
ノルウェーのプログレバンド、リング・ヴァン・モビウスの2018年作
シンセ、ベース、ドラムのトリオ編成で、ハモンドオルガンにムーグ、メロトロンが鳴り響き、サックスの音色に
ジェントルなヴォーカルも加わって、いかにも70年代を思わせるヴィンテージなサウンドを聴かせる。
21分という組曲をメインに、スペイシーな浮遊感とともに、どこか混沌とした雰囲気はサイケ感触もあるが、
クリムゾンの名曲「Starless」を思わせるような叙情曲など、アナログシンセが好きな方にはたまらないだろう。
全3曲のラストの11分のナンバーは、VDGGのようなシアトリカルな優雅さに包まれてにんまり。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・9 総合・・8
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RITUAL
スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの1st。1996年作
基本はG、B、Dr、Keyという4人組で、テクニカルでメロディアスなプログレをやっている。
KAIPAでも歌うPatrik Lundstormの歌唱を中心に、北欧的な牧歌的メロディとウィットに富んだキャッチーさをもちつつ、
ときにテクニカルにも聴かせるというサウンド。マンドリンやブズーキ、ハンマー・ダルシマー、リコーダーなど、
土着的な要素も織りまぜつつシンフォニックに盛り上げたかと思えば、軽やかな切り返しで着地したりと、
力の抜け具合も楽しい。バンドは2nd以後、若干ハードでラフな方向に行ってしまうが、そういう点では
バランスのとれた本作は、90年代北欧シンフォニックの新世代を象徴するようなアルバムといってよいかと思う。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Ritual 「Superb Birth」
スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの2nd。1999年作
テクニカルシンフォの傑作だった前作から、がらりと方向性を変え、ハードなモダンさに包まれたサウンドになっている。
ヴォーカルメロディはキャッチーな聴き心地ながら、エッジの効いたギターと硬質感のあるアンサンブルで、
そのミスマッチがなかなか面白い味わいになっている。いうなれば、RUSH風味のアプローチということなのかもしれないが、
前作から続けて聴いたリスナーは戸惑うだろう。モダンなハードプログレとして聴けば、けっこう楽しめます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5
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RITUAL「Think Like a Mountain」
スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの3rd。2003作
1996年に出たデビュー作は北欧のバンドらしいメロディセンスと高い演奏力が合わさった傑作だったが、
続く2ndではモダンな音楽性に方向を変え、それは今作でも同じ。普遍的なロック性を増したギター主導のスタイルは、
もはやシンフォニックとは呼べないが、現在はKAIPAでも歌うPatrik Lundstormの歌唱には、北欧らしい人懐こさがあり、
曲にはときおり民族的な色合いも感じられてこれはこれで悪くない。根っからのプログレファンには
評価の難しいアルバムかもしれないが、演奏力の高さと気取らない自然体の音楽性には好感が持てる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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RITUALHemulic Voluntary Band」
スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの2007年作
1996年デビューと、北欧プログレの中では中堅といってよいのだが、知名度的にはいまひとつのこのバンド。
本作はムーミンの関連作に登場するマーチングバンドテーマにした力作アルバムとなっている。
古き良きロックの躍動感とアナログ感覚のあるアンサンブルに、ユーモアのあるメロディラインを含んだ
いかにも北欧的な情緒で描かれるサウンドは、いわゆるシンフォニックロックとはひと味違う耳心地だ。
KAIPAのヴォーカルでもあるパトリック・ルンドストルムの伸びやかな歌声と、美しいシンセワークも含ませながら、
大人味わいのプログレを聴かせてくれる。ラストは26分の大曲で、哀愁を含んだ繊細な叙情でじわりと盛り上げる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ROINE STOLT「The Flower King」
スウェーデンのギタリスト、ロイネ・ストルトの1994年作
のちのThe Flower Kingsの原点がこのソロ名義のアルバムである。
かつてのKAIPAを愛していた自分にとっては、ロイネがシンフォニックロックへと帰って来たことが嬉しかったし、
それだけにこのアルバムの素晴らしさには当時いたく感激したものだ。とくに1曲めのタイトル曲の
泣きのギターフレーズとキャッチーなヴォーカルメロディは、この後のフラキンへの橋渡しをするような名曲である。
全体的にはプログレというよりはメロデックなロックという趣ではあるが、20分の大曲などには
後の作品につながる大作志向もあり、ともかく、ここに花王が誕生したという歴史的意義も大きな作品である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 ロイネのギター度・・9 総合・・8.5
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ROINE STOLT「HYDROPHONIA」
THE FLOWER KINGSのギタリスト、ロイネ・ストルトのソロ。1998年作
KAIPA解散後、長いブランクを経て、90年代に入りプログレ界に復活、フラワーキングスを結成しする。
これは彼がフラキンのアルバム発表の合間に制作したソロ作である。なんと多作な人よ。
内容は歌なしのインストアルバム。つまりはロイネのメロディアスなギタープレイが全編楽しめる。
自身ギター以外にベース、キーボードも弾きこなす。基本は盛り上がり形シンフォニックだが、
ときにジャジーに時に繊細に鳴り響くロイネのギターは、それだけでひとつの表現者たりえている。
北欧的叙情メロディは70年代彼自身か在籍したKAIPAの音を思わせ、また
パッショネイディブな時の熱いプレイは、オランダの名バンドFINCHをも想起させる。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲度・・8 総合・・8
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ROINE STOLT「WALL STREET VOODOO」
THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトのソロ作。2005作
ソロ名義のアルバムということでは1998年の「HYDROPHONIA」以来だと思うが、その間、
TFKの他、TRANSATLANTICTHE TANGENTと、まさにプログレ界では八面六臂の活躍ぶり。
さて、今作だがCD2枚組みの大作で、ウォール街を舞台にした物語的なコンセプト作らしい。
音のほうは、プログレでシンフォニックなものを期待すると肩すかしを食う、
肩の力が抜けたジャズロック風の雰囲気で、TFKの新ドラマーMarcus Liliequistや、
おなじみのNeal Morseも参加。全体的にリラックスした大人のコンセプトロック作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 大人のロック度・・8 総合・・7.5
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Roine Stolt's The Flower King 「Manifesto Of An Alchemist」
スウェーデンのシンフォニックロック、ロイネ・ストルトズ・フラワー・キングの2018年作
フラキンのロイネ・ストルトが「ロイネ・ストルトのフラキン」名義でアルバムを出すというのもややこしいが、
メンバーの方は、ドラムにマルコ・ミンネマンが参加、ベースはヨナス・レインゴールド、マイケル・ストルト
ヴォーカルはハッセ・フロベリ、ナッド・シルヴァン、シンセには、マックス・ロレンツ(Kaipa Da Capo)、ザック・ケイミンズが参加。
メロウなギターにオルガンを含むシンセとジェントルなヴォーカルを乗せ、ゆったりと優雅な叙情で聴かせる、
フラキンをよりレイドバックしたような聴き心地。ロイネ自身でギター、ベース、シンセをこなす12分の大曲や
軽やかなミンネマンのドラムにメロディックなギターと美麗なシンセ聴かせるインストナンバーなども素晴らしい。
大人の味わいの優しい叙情に溢れた、まさに1994年のロイネのソロ「The Flower King」の続編というべき傑作だ。
ドラマティック度・・8 フラキン度・・9 優雅度・・9 総合・・8.5 
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THE ROOTS OF ECHO「NOTHING BETWEEN YOU AND THE SUN」
スウェーデンのサイケロック、ルーツ・オブ・エコーの1997年作
1993年にデビュー、本作は3作目。シンセを含む5人編成で、ジャケからしてサイケ以外の何物でもないが、
初期PINK FLOYDをルーツに、ユルめのギターにジェントルなヴォーカルを乗せたスペイシーなサウンド。
オルガンを含むシンセに、ときにアコーステックギターや、女性コーラスなども加えて、
適度なプログレ感とともに、涼やかな叙情を含んだ幻想的なサイケロックが楽しめる。
随所に聴かせるメロウな泣きのギターの旋律も、フロイド感があって良いですね。
サイケ度・・8 プログレ度・・6 ユル度・・8 総合・・7.5
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RUPHUS「NEW BORN DAY」
ノルウェーのプログレバンド、ルーファスの1st。1973年作
KAIPADICEより古い作品にはあまり魅力を感じないのは、70年代前半の北欧シーンにおける機材や録音の厳しさと、
この時期のバンドの粗削りな演奏や曲アレンジが思い浮かぶからなのだが、このバンドは当時にしてはなかなか聴ける。
繊細なフルート、メロトロンと少々ジャジーなギターが合わさり、シンフォニック性とハードロック的要素が組み合わされたサウンドだ。
曲によってはハスキーな女性ヴォーカルが加わり、楽曲に華を添えている。素朴な味わいのハードシンフォの好作です。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Ruphus 「Let Your Light Shine」
ノルウェーのプログレバンド、ルーファスの1976年作
わりと貴重だったこのバンドの諸作が、2019年にリマスター再発された。1973年にデビュー、本作は3作目で、
エレピを含むシンセにギターを重ねた優雅なアンサンブルに、ハスキーな女性ヴォーカルを乗せたサウンド。
オルガン鳴り響くハードなサイケシンフォという趣の1作目に比べると、ジャジーな軽やかさに包まれているが、
どこかくぐもったような北欧らしい涼やかな味わいも残している。シンセとピアノによる叙情的な小曲や、
フュージョン風の優美なナンバーなど、ぐっとスタイリッシュな味わいで、メロウなギターの旋律も耳心地よい。
8~9分の大曲もうるさすぎない優雅さで、派手さはないが女性声入りの繊細なジャズロックとしても楽しめる好作品。
ドラマティック度・・7 優雅度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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Salva 「Thirst」
スウェーデンのプログレバンド、サルヴァの2011年作
ヘヴィなギターによるメタル的な感触と、美麗なシンセアレンジが合わさったハードプログレサウンド。
ヴォーカルの雰囲気は70年代ハードロック風で、オルガンの音色とともにヴィンテージな質感をかもしだす。
一方では、北欧らしい土着的なメロディも顔を覗かせるなど、いくぶん方向性が定まっていない感じもあるが、
適度にハードで適度に叙情的という聴き心地は悪くない。10分前後の大曲も多いが、カッチリとした構築というよりは
大味なロックのノリが持ち味といえば持ち味か。今後はヴィンテージ系プログレとしての強度をより高めていってもらいたい。
ドラマティック度・・7 ハードプログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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Samla Mammas Manna
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1971年作
北欧を代表する個性派バンドのデビュー作で、やわらかなエレピが鳴り響く、ジャズロック的な軽妙さと、
北欧らしい土着的な味わいが合わさったというサウンドで、のちの作品ほどのテクニカルな部分はないものの、
むしろ素朴な味わいで楽しめる。ときにおちゃらけた奇声を含むヴォーカルを乗せて、アヴァンギャルドな展開も覗かせつつ
オルガン入りのアートロックに遊び心を盛り込んで演劇的に仕立てたという、独自のスタイルはすでに確立されている。
フォーキーな味わいを含んだ叙情的な小曲など、インストナンバーの優雅な魅力というのも本作の特徴だろう。
プログレ度・・7 北欧度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Samla Mammas Manna 「Maltid」
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1973年作/邦題は「ごはんですよ」
1stの時点でも個性的であったが、本作ではアヴァンロックとしての奔放なセンスがさらに開花、
北欧らしい土着的なトラッドメロディを軽妙なアンサンブルに乗せつつ、ジャズロック的な優雅さと
とぼけた味わいの飄々とした自由さで聴かせる。素朴な暖かみを感じさせる哀愁のメロディと
おちゃらけたヴォーカルを含めた脱力感が、巧みな演奏力で描かれるのだから、楽しくないはずはない。
鳴り響くエレピにメロトロンを乗せたシンフォ感触もあるので、サムラの初心者にもわりと聴きやすいかと。
プログレ度・・8 北欧度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Samla Mammas Manna 「Klossa Knapitatet」
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1974年作
本作は3作目で、「踊る鳥人間」の邦題とジャケのインパクトが強烈な一枚。
優雅なピアノを乗せた軽快なインスト曲から、哀愁を漂わせた北欧らしい叙情とユーモラスなセンスを感じさせつ、
テクニカルな変則リズムの2曲目は、のちのMATS/MORGANなどにも通じるコロコロとした可愛らしさが楽しい。
フリーキーなギタープレイなど、即興的なアヴァンギャルド性も見事で、北欧的な土着性をジャズロック的でもある
軽妙なアンサンブルに溶け込ませたセンスは、このバンドならではの個性だろう。演奏力の高さも含めて素晴らしい傑作ですな。
プログレ度・・8 北欧度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ZAMLA MAMMAZ MANNA 「Sclagerns Mystik」
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1977年作
バンド名の文字をSからZに変えての1作目で、「親しみ易いメロディの神秘」「初老の新来者の為に」と
それぞれにタイトルが付けられた2枚組作品。1~3分前後の小曲主体で、オルガンやアコーディオン、
サックス、クラリネットなどを含んだ演奏に、母国語の歌声を乗せて、北欧らしい哀愁の叙情と
意味不明のSEや調子っぱずれのコーラスなど、陽気でいい加減なフリーキーさが合わさった作風。
肩の力抜き過ぎだろうと苦笑しつつも、ラストは17分におよぶアヴァン・プログレの大曲で締めくくる。
Disc2はライブ録音で、フリーキーでアヴァンギャルド全開の、とぼけた味わいと技巧が混在した演奏が味わえる。
プログレ度・・8 北欧度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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Zamla Mammaz MannaFamiljesprickor」
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1980年作
1976年まではSamla Mammas Mannaとして活動、その後バンド名の文字をSからZに変え、1977年に「Sclagerns Mystik」を発表、
本作はバンド第二期のラスト作にして最高傑作である。「家庭のひび割れ」と題されたタイトルやジャケも個性的だが、
サウンドの方も、土着的な民族色とテクニカルなアンサンブルが一体になった、他に類を見ない個性的なもの。
ユーモアに富んだアヴァンギャルドさは、チェンバーロック、ジャズロックなどの要素も含んでいるが、
ときに北欧的な叙情性をもかいま見せる本作は、バンドの作品中もっとも構築させた完成度の高いものだろう。
メロディアスなギターや美しいシンセワークなど、シンフォニック的な味わいもある名盤である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・7 総合・・8.5
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Samla Mammas Manna 「kaka」
スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1999作
「S」のSamla名義としては1974年の「踊る鳥人間」以来の作品。その後、頭文字を「Z」にしたZamla名義で、
傑作「家庭のひび割れ」を出して解散、1982年にVon Samlaとして2作を発表するが、それ以降の音沙汰はあまりなく、
これが久々の再結成作となった。まるでライブを思わせるようなアナウンスで始まり、相変わらずおちゃらけぶりににやりとなるが、
演奏の方はさすがに切れ味鋭く、タイトなリズムの上を、意外とエッジの効いたギターワークとピアノが絡み、
ラーシュ・ホルメルのアコーディオンがやわらかく重なる。哀愁のメロディや土着的な要素を折り込みながら、
ときに愉快に、ときに泣きを入れつつ、まるで年季の入ったメロドラマのような古き良き情感を聴かせてくれる。
馬鹿げたおちゃらけやアヴァンギャルドな即興を折り込みながら、ベテランらしい余裕と、かつてのサムラ節を満喫できるアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 哀愁度・・9 総合・・8
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Samla Mammas Manna「Dear Mamma」
スウェーデンの土着プログレバンド、サムラ・マンマス・マンナのライブアルバム。2002作
2002年スウェーデンでのステージを収録。日本の超絶ドラマー、吉田達也が参加していて、
その強力なドラミングとサムラの軽妙な土着的プログレサウンドが融合している。
故ラーシュ・ホルメルのキーボードに、ギター、ヴァイオリンがテクニカルに絡み、
GENTLE GIANTなどを思わせる絶妙の演奏と、北欧的な叙情とが合わさり、
野卑な歌声を絡めながら、一種アヴァンギャルドなサウンドを描き出している。
アヴァンギャル度・・8 ライブ演奏・・9 北欧度・・8 総合・・8
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The Samurai of Prog「Undercover」
フィンランドのファンジン「Colossus」の主催者らによるプログレ・ユニットの2011年作
GENESIS、YES、EL&P、PINK FLOYD、ARTI E MESTIERI、MARILLION、THE FLOWER KINGS
などの楽曲をカヴァーしていて、どの曲もやわらかな聴き心地のアレンジで楽しめる。
TFKのロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールド、ギー・ルブラン(Nathan Mahl)などがゲスト参加。
フラキンの名曲'World Of Adventures'なども原曲のキャッチーな良さを活かしながらアレンジしていて
どのカヴァーにもメンバーたちのプログレへの敬愛が感じられる。聴いて損のないカヴァー集です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 名曲カヴァー度・・8 総合・・8



THE SAMURAI OF PROG「SECRETS OF DISGUISE」
フィンランドのミュージシャンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2013年作
KING CRIMSON、YES、GENESIS、ENGLAND、GENTLE GIANT、PFM、SANDROSE、VDGG、RUSH、CRACKなどのカヴァーに
一部オリジナルを含む全15曲を2CDに収録。ロバート・ウェッブが自ら参加した、ENGLANDの大曲で幕を開け、メロウなギターに
オルガン、メロトロン、男女ヴォーカルで優美なアレンジを聴かせる。CRACKのMento Heviaがチェロで参加したセルフカヴァーに、
GENESIS「Dancing With The Moonlit Knight」、KING CRIMSON「One More Red Nightmare」、男ヴォーカルのSANDROSE
そして、元GLASS HAMMER、現YESのJon Davisonが参加しての、YES「Time And A Word」なども、なかなかハマっている。
Disc2では、ロイネ・ストルト、故ガイ・ルブラン(Nathan Mahl)などが参加した、Todd Rundgren's Utopiaの大曲から、
女性ヴォーカルの、RUSH「Jacob's Ladder」のカヴァーもよい感じだ。ラストはラブクラフトのオムニバス収録のオリジナル大曲。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 カヴァー度・・8 総合・・8 
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THE SAMURAI OF PROG「The Imperial Hotel」
フィンランドのミュージシャンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2014年作
過去2作のカヴァー路線から、本作ではついにオリジナルの楽曲による作品となり、ENGLANDのRobert Webbをはじめ、
JINTES NEGROSのOctavio Stampalia、BRIGHTEYE BRISONのLinus Kase、といったメンバーが楽曲を担当。
やわらかなシンセにキャッチーな歌メロを乗せたYesを思わせるナンバーから、KENSOの清水義央も参加して
メロウなギターを奏でつつ、艶やかなヴァイオリンも鳴り響く優雅なインストパートなど、なかなか濃密な聴き心地。
28分を超えるタイトル曲では、ガブリエル似のヴォーカルを乗せたGENESIS風の作風で、フルートやピアノも美しい
繊細な叙情にゆったり浸ることができる。どこを切っても、シンフォプログレ愛に溢れたサウンドが楽しめる逸品です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 優美度・・8 総合・・8
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The SAMURAI of Prog 「Lost And Found」
フィンランドのメンバーを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2016年作
本作はアメリカンプログレ黄金期の再現を目指すというコンセプトで、CD2枚組で濃密なサウンドが繰り広げられる。
1曲目はPAVLOV'S DOGの1stのナンバーを当時のギタリスト、スティーヴ・スコルフィナが参加してアレンジ、
美しいヴァイオリンにフルート、ピアノ、オルガン、ムーグシンセなどが合わさった、きらびやかに仕上がりだ。
アメリカのLIFTの未発曲では当時のシンセ奏者がアレンジ、メロトロンが鳴り響きメロウなギターで聴かせる、
20分を超える優美な大曲に。CATHEDRALの前身バンド、ODYSSEYの未発曲では、カテドラルのシンセ奏者が参加、
ヴォーカルにはYESのジョン・ディヴィソンが参加し、イエスばりのキャッチーな聴き心地が楽しめる。
Disc2には、QUILLの未発曲で、なんと57分に及ぶ全1曲。クイルのシンセ奏者とシンガーも参加して、
きらびやかなシンセとヴァイオリン、マイルドなヴォーカルを乗せてドラマティックな組曲が広がってゆく。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 往年のアメリカンシンフォ度・・9 総合・・8
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THE SAMURAI OF PROG 「On We Sail」
フィンランドのミュージシヤンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2017年作
LATTE E MIELE、LA CONSCINZA DI ZENO、SIMONS SAYS、WHITE WILLOW、ECHOLYN、PRESTO BALLET、
JINETES NEGROS、UNITOPIA、Michelle Youngなど、世界各国のメンバーが集結、楽曲ごとに作曲者を替えながら、
オルガンやメロトロンなどのシンセワークをたっぷりと盛り込み、伸びやかなヴォーカルにヴァイオリンも鳴り響き、
爽快なシンフォニックロックを展開する。プレスト・バレットやユニトピアのシンセ奏者が作曲のナンバーは、
Yesのようなキャッチーな感触で、ラッテ・エ・ミエーレのシンセ奏者作曲ナンバーは、美しいピアノにフルート、
ストリングスを加えた優雅でクラシカルなシンフォニックロックが楽しめる。9分、10分という大曲もあくまでメロディックで
叙情的な味わいに包まれている。スリリングな部分は少ないが、聴き心地の良いシンフォプログレを愛する方は必聴だろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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THE SAMURAI OF PROG 「ARCHIVIARUM」
フィンランドのミュージシャンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2018年作
過去作用マテリアルと新曲4曲から構成されたアルバムで、LATTE E MIELEのオリヴィエロ・ラカーニーナ、
MUSEO ROSEMBACHのステファノ・ガリフィをはじめ、LA TORRE DELL'ALCHIMISTAのミケーレ・ムッティ、
TAPROBANのステファノ・ヴィカレーリといったイタリア人脈に、ECHOLYN、PRESTO BALLETT、Michelle Young、
元UNITOPIA、NEXUS、SENOGUL、SOUTHERN EMPIREと、世界各国のバンドから多数のメンバーが参加。
オルガンにヴァイオリン、フルートが鳴り響く優美なインストナンバーから叙情的な歌ものまで、
ほどよいヴィンテージ感とともに大人のプログレが楽しめる。CAMELの名曲“Ice”のカヴァーは
サックスが鳴り響く大人の叙情に包まれた仕上がり。ラストはDavid Bowie“Heroes”のカヴァー。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 大人の叙情度・・8 総合・・8 
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THE SAMURAI OF PROG 「OMNIBUS:The Early Years」
フィンランドのミュージシャンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2018年作
2011年作「Undercover」、2013年作「SECRETS OF DISGUISE」2CD、2014年作「The Imperial Hotel」を収録したCD4枚組のボックス。
GENESIS、YES、EL&P、PINK FLOYD、ARTI E MESTIERI、MARILLION、THE FLOWER KINGSなどを比較的忠実にカヴァーした1作目、
KING CRIMSON、YES、GENESIS、ENGLAND、PFM、SANDROSE、RUSH、CRACKなどをよりマニアックにカヴァーした2作目では、
ロバート・ウェッブなど、自らが参加してのセルフカヴァーが楽しめる。ボーナスに、EL&P「悪の教典#9第二印象」などを追加収録。
3作目では、初のオリジナルに挑戦、多くのゲストとともに優美なプログレ/シンフォニックロックを作り上げた。ボーナスとして
HOSTSONATENのLuca Scheraniが作曲、MUSEO ROSENBACHのステファノ・ガリフィがヴォーカルを取るイタリアンなシンフォ曲や、
IL TEMPIO DELLE CRESSIDREのエリサ・モンタルド嬢がキーボード&ヴォーカルもとる優美なナンバー、さらには
LATTE E MIELEの名作「パピヨン」からのセルフカヴァーも追加収録。初期の作品は入手困難なのでファンには嬉しいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 お買い得度・・9 総合・・8.5
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THE SAMURAI OF PROG 「Toki No Kaze (時の風)」
フィンランドのミュージシャンを中心にしたプログレユニット、サムライ・オブ・プログの2019年作
2011年にスタートしたプロジェクトで、7作目となる本作は、宮崎駿とジブリアニメをテーマにした作品。
Jinetes NegrosのOctavio Stampalia、Mad CrayonのAlessandro Di Benedetti、LATTE E MIELEのOliviero Lacagnina、
KARFAGENのAntony Kalugin、HOSTSONATENのLuca Scherani、La Torre Dell'AlchimistaのMichele Mutti、
IL TEMPIO DELLE CRESSIDRE
のElisa Montaldo、などが参加し作曲を担当。「天空の城ラビュタ」をイメージにした1曲目から、
「風立ちぬ」をテーマにした3曲目、日本のSSW、富山優子さんが作曲、自ら日本語の歌声を乗せる優美なナンバーなどが続き、
美麗なシンセにヴァイオリンが鳴り響く、ファンタジックなシンフォニック・プログレが描かれる。「もののけ姫」をテーマにしたナンバーでは、
Interpose+
の田中ケンロウがギターで参加、イントロからそれと分かる「風の谷のナウシカ」では美しい女性ヴォーカルにうっとり。
エリサ・モンタルド嬢が日本語歌詞で歌うラスト曲まで、全74分の力作。プログレファンでないジブリ好きもにもぜひ聴いていただきたい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8 
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San Michael's
スウェーデンのサイケロック、サン・ミカエルズの1971年作
のちにKAIPAを結成する、トーマス・エリクソンとハンス・ルンディンが在籍したバンドで、
サウンドはオルガン鳴り響き、おおらかなヴォーカルを乗せたヒッピーなサイケロック風味。
プログレというよりは、60年代からの流れの素朴なアートロックという聴き心地なのだが、
随所に北欧らしい叙情的なメロディを含ませるところは、さすがカイパの前身と思える。
ハンス・ルンディンのオルガンワークがたっぷり楽しめる、70年代北欧ロックの好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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San.Michael's 「Nattag」
スウェーデンのアートロック、サン・マイケルズの1972年作
のちにKAIPAを結成する、トーマス・エリクソンとハンス・ルンディンが在籍したバンドで、
ピアノやオルガンが鳴り響き、キャッチーなヴォーカルで聴かせるアートロックを基本に、
本作では1曲目から、後のカイパへとつながる土着的な北欧メロディを随所に覗かせる。
ドラムとベース土台にしたリズム面での充実ぶりも前作以上で、ジャジーでブルージーな要素も含みつつ、
シンプルでノリのよい聴き心地は、英国のオルガンロックを北欧寄りに仕立て上げたという感触だ。
2~3分の小曲が多いので、プログレとしてはいくぶん物足りないかもしれないが、北欧プログレ黎明期の好作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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SAVAGE ROSE「Vi Kaemper For At Sejre!」
デンマークのブルース・フォークロック、サヴェージ・ローズの1984年作
フォークやブルース、民俗音楽などを取り入れた独自のサウンドで、
70~80年代のデンマークでは最も有名なバンドのひとつだった。
本作では初期の頃よりも楽曲はシンプルになり、アコーディオンの音色をバックに
歌姫、アニセッテの歌声が響きわたる。政治色の強まったメッセージ性があるようだが、
そのなにかをうったえかけるような魂の歌声は、それだけでインパクト充分。
ハスキーにして母性的、表現力豊かな感情表現、まさに天衣無縫の歌い手である。
メロディアス度・・8 哀愁度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・8.5
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Savsge Rose「Kejserens Nye Klader」
デンマークのブルース・フォークロック、サヴェージ・ローズの1986年作
デンマークのアイス・スケート協会の依頼で製作された楽曲を収めた作品で
哀愁漂うアコースティックの音色を聴かせるインスト曲が中心の異色作。
他の作品のような重い雰囲気ではなく、北欧らしい叙情が楽しめる1枚だが、
もちろんアニセッテのハスキーな歌唱が魅力的な歌ものも素晴らしい。
プログレ度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SAVAGE ROSE「GADENS DRONNING」
デンマークのブルース・フォークロック、サヴェージ・ローズの1990年作
キャリアのあるこのバンドがたどり着いた、究極ともいうべき必聴の作品がこれだ。
紅一点、アニセッテの歌唱をメインにした比較的シンプルな楽曲であるが、
オルガン、アコーディオンなどのバックにして、まさに魂を振り絞るような彼女の歌唱がとどろきわたる。
日本でいえば、カルメンマキか中島みゆきか…という、とにかくこの歌声は強烈なインパクトである。
ブルースなどからの下地を感じさせる表現豊かなその歌唱は、聴き手の魂に突き刺さり、
やさしさと強さ、すべてを飲み込んだ命の賛歌となる…人間的な命の叫びがここにある。
メロディアス度・・8 ノスタルジック度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・9◆プログレ名作選入り
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SAVAGE ROSE
デンマークのサヴェージ・ローズ、韓国版のBESTアルバム。
古くは60年代から活動していたこのバンド、基本はアニセッテの魂の熱唱をメインに
アコーディオン、オルガンなどが素朴でノスタルジックな音色をそえます。
それにしてもこの歌は一聴の価値有りです。まさに命の賛歌。
メロディアス度・・8 ノスタルジック度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・8.5

SAVAGE ROSE「Black Angel」
デンマークの女性ヴォーカルR&Bバンド、サヴェージ・ローズの1998作
70年代初頭からブルースを基盤に、ときにプログレファンにも受けるシリアスな世界観と、
素晴らしき歌姫アニセッテのヴォーカルで聴かせる作品を作り続けるこのバンド。
今作は1曲目がなにやらポップでファンキーな雰囲気で、「ありゃ」と思ったが、
2曲目以降は、ピアノやアコーディオンによるしっとりとしたバラードや、
サックスの入ったジャズナンバーなど、幅の広い作風だ。ポップな味わいの中でも、
年季をへてさらなる表現力をその声にまとわせるアニセッテの歌唱はやはり絶品だ。
メロディアス度・・7 ポップ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・7.5
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THE SAVAGE ROSE 「HOMELESS」
デンマークのブルースロック、サヴェージ・ローズの2017年作
デビューは1968年という大ベテランで、アルバムは優に20枚を超える。
トロンボーンやトランペットの音色に、オルガンやピアノ、メロトロンを含むシンセ、
そしてソウルフルな女性ヴォーカルを乗せた、味わいのあるプログレ・ブルースロック。
アニセッテ姐さんのかすれ気味のハスキーヴォイスは、往年に比べるとやや魔女めいてきてはいるが、
魂の叫びにも似た歌声のパワーは健在だ。アコースティックギターにアコーディオンの音色が響く、
哀愁に包まれたナンバーなどもいい感じで、アニセッテの歌の迫力に圧倒される。ベテラン健在の逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アニセッテ姐さんの歌声・・9 総合・・8 
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SCARLET THREADValheista Kaunein
フィンランドのシンフォニックロックバンド、スカーレット・スレッドの2nd。2005作
ツインギターにヴァイオリン入りの5人組で、全編インストの作品になっている。
ややブルージーなギターに絡むヴァイオリンの音色にはトラッド要素が強く
ときおりKEBNEKAISEを思わせるような北欧の土着性を感じられる。
楽曲は4~6分台で比較的コンパクト。全体的に派手な盛り上がりというものはなく、
トラッド音楽を現代的なロックフォーマットでアレンジしたという雰囲気だ。。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5
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Scarlet Thread 「Never Since」
フィンランドのプログレバンド、スカーレット・スレッドの2013年作
聴くのは2005年作以来なのだが、もしやそれ以来のアルバムなのかもしれない。
艶やかなヴァイオリンやフルートの音色とともに北欧トラッド的な土着メロディを聴かせつつ、
今作では美しい女性ヴォーカルが加わって、サウンドにリリカルな彩りを添えている。
ギターはいくぶんサイケ的な浮遊感をかもしだしているが、むしろ重厚なシンフォではなく
このユルさが女性声の美しさを引き立たせている。繊細にして北欧らしいシンフオ好作品。
ドラマティック度・・7 北欧度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Scorch Trio「Luggumt」
ノルウェーのテクニカル・ジャズロックバンド、スコーチ・トリオの2nd。2005年作
フィンランド出身のギタリスト、ラウル・ビューケンヘイムとノルウェーのベース、ドラムによるトリオで、
単なるフリージャズというには、あまりにアヴァンギャルドでテクニカルな演奏をやっている。
手数の多いドラムに、ジャズというよりは70年代ロック風のアナログ感覚をもったギタートーンで、
録音の生々しさも含めて、むしろ変態プログレ系のリスナーなどにも聴いて欲しいようなサウンドだ。
フリージャズロック度・・8 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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THE SEA WITHIN
The Flower Kingsのロイネ・ストルトに、Pain Of Salvationのダニエル・ギルデンロウ、
ベースはヨナス・レインゴールド、ドラムにマルコ・ミンネマン、シンセはトム・ブリスリンという、
名だたるメンバーが集結したスーパーバンド、シー・ウィズインの2018年作
ダニエルのヴォーカルでロイネがギターをとるという、ファンにはまさに夢のようなコラボである。
近年のPoSのようなオールドスタイルのロック感触に、翳りを帯びた叙情を加えたサウンドで、
ほどよくテクニカルなアンサンブルを聴かせる。ブルージーでメロウなロイネのギターに酔いしれつつ、
存在感のあるヨナスのベースや、トム・ブリスリンの繊細なシンセワークも随所に効いている。
北欧版MARILLIONというような、プログレ感のあるウェットなメロディックとしても楽しめる逸品だ。
ジョン・アンダーソン、ケイシー・マクファーソン(Flying Colors)、ジョーダン・ルーデスらがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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A Secret River 「Colours Solitude」
スウェーデンのシンフォニックロック、シークレット・リヴァーの2014年作
ピアノを含む美しいシンセにマイルドなヴォーカルを乗せた、繊細な味わいのサウンドで、
メロウなギターも加えた北欧らしい涼やかな叙情美に包まれた優しい聴き心地。
軽やかなアンサンブルの優雅な感触にオルガンなどを含む古き良き味わいと、
MOON SAFARIのようなキャッチーなメロディが聴き手の心を和ませてくれる。
ポストプログレ風の繊細さも感じさせつ、北欧シンフォの優美な旋律が合わさって、
スタイリッシュなセンスとともに、やわらかな耳心地の良さに包まれた逸品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Seven Impale 「CONTRAPASSO」
ノルウェーのプログレバンド、セヴン・インペイルの2016年作
2014年にデビューして本作が2作目になる。ハードエッジなギターなオルガンを乗せて、
サイケロック的なアッパーな浮遊感と、ヴィンテージなアナログ感に包まれたサウンドを描く。
ロックとしてのノリの良さはMotorpsycho的でもあるが、バリトンのヴォーカルが独特の味わいで、
シアトリカルな濃密さに加えて、フリーキーなサックスが吹き鳴らされるなど、アヴァンギャルドな異色さも匂わせる。
不思議なスケール感とテンションの高さの一方で、メロトロンを含んだシンフォニックな音の厚みも魅力的だ。
ラストの大曲は、インストによるスペイシーなサイケロックで、この路線から次回作がどうなるのか気になるところ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 サイケでアヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Siena Root「New Day Dawning
スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの1st。2004年作
いかにも70年代的なアナログ感たっぷりのアンサンブル、ブルージーな感触と
ときにオルガンも鳴り響かせる、サイケ気味の浮遊感で聴かせるサウンド。
北欧というよりは、まるで70年代の英国サイケ・ハードロックのような耳心地で、
第一期のDeep Purpleなどを思わせるような部分もしばしばある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Siena Root 「Kaleidoscope」
スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの2006年作
2作目となる本作も、70年代臭たっぷりのブルージーなサイケロックサウンドで、
女性ヴォーカルが加わったことで、ぐっと魔女系ロックの要素が強まっている。
アナログ感たっぷりのギターはときに大人の哀愁を感じさせ、ときにオルガンも鳴り響き、
ハスキーな女性声とともに、PURSONあたりに通じる、ヴィンテージなサイケハードが楽しめる。
妖しくフルートが鳴り響くオリエンタルな雰囲気もあったりと、前作よりも楽曲の幅が広がった。
9分、11分という大曲をユルめに構築しつつ、3分台のキャッチーなナンバーもあったりとバランス感覚も見事。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 ヴィンテージ度・・9 総合・・8 
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SIENA ROOT「Far from the Sun」
スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの3rd。2008年作
本作も70年代英国を思わせるアナログ感たっぷりのブルージーなロックサウンドで、
サイケ的な浮遊感をまじえた牧歌性をまじえて聴かせる懐古主義的作風だ。
ときおりオルガンなども使用しているがプログレ色は薄く、基本は70'sハードロックの感触。
そこにフルートなどが加わると妖しげなヘヴィサイケ風味になり、なかなかいい感じだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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SIENA ROOT「Different Realities」
スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの4th。2009年作
今作は25分の組曲が2曲という構成で、前作に比べてずいぶんプログレ風味が強まった。
70年代風味のアナログ感覚はそのままに、静かな叙情性とスケール感が増して
楽曲にはメリハリのあるダイナミズムがついてきた。そしてヴォーカルが女性となったことで、
メロウなやわらかみが北欧的な薄暗さとともに耳に心地よく響いてくる。
BEARDFISHあたりと比べると、よりサイケ気味の妖しい雰囲気が魅力である。
アルバム後半になると、パーカッションのリズムにフルートやシタールなどが乗る、
アコースティカルなトラッド&中近東サイケ風味も聴かせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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SIENA ROOT 「Root Jam」
スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートのライブ作。2011年作
2004年から現在までにアルバム4作を発表、アナログ感たっぷりのサイケハードで、
このライブ作でも70年代的なブルーズロックを基盤にした古めかしいサウンドを聴かせる。
基本はギター、ベース、ドラムのトリオ編成であるが、ときにシタールも弾き鳴らし
随所にオルガンの音がかぶさると、けっこうプログレ的な感触にもなる。
CD2枚組で、合計90分程度。10分以上の大曲もけっこうあるが、まったり楽しめる。
個人的にはゲスト扱いの女性Voをメインに据えてくれたら嬉しいのだが。
メロディック度・・7 古き良き度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・7.5


SIENA ROOT 「Pioneers」
スウェーデンのサイケロック、シエナ・ルートの2015年作
2004年にデビューしてから5作目。2014年作のジャケ変更の再発盤。オルガン奏者を含む5人編成になり、
ブルージーな感触のギターにやわらかなオルガンの音色が合わさり、これまで以上に音の厚みが増した印象。
70年代的なアナログ感と古き良きブリティッシュロックの雰囲気はますます強固になってきていて、
サイケやプログレ的な質感はやや薄まったが、むしろLED ZEPPELINやDEEP PURPLEばりのノリの良さで、
オールドロックファンはにんまりだろう。ラストの10分近い大曲はユルめのサイケ風味でよい感じです。
LED ZEPPELINの“Whole Lotta Love”のカヴァーをボーナス収録。さすがハマってます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 古き良き度・・9 総合・・8
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Siena Root 「A Dream of Lasting Peace」
スウェーデンのヴィンテージロック、シエナ・ルートの2017年作
2004年にデビューしてから6作目、ブルージーなオールドロック色を強めた前作から
本作もオルガンが鳴り響きブルージーなギターを乗せた、いかにも70年代的ブリティッシュロックの作風で
アナログな録音も含めて、とても現代の作品とは思えない。楽曲は3~4分前後のシンプルな聴き心地で、
ジェントルなヴォーカルにオルガンやピアノがやわらかに重なり、わりとキャッチーなサウンドが楽しめる。
まるで、LED ZEPPELINがオルガンロック化したようなという感じもあり、思わずにんまり。
やりすぎなまでの古き良きヴィンテージ感に浸れます。70's英国ロックファンは必聴かと。
ドラマティック度・・7 サイケ度・7 ヴィンテージ度・・10 総合・・8 
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SIMON SAYS「CEINWEN」
スウェーデンのプログレバンド、シモン・セッズの1995年作
先に2作目「PARADISE SQUARE」を聴いていたが、こちらは自主制作によるデビュー作。
録音のせいかサウンドが若干軽いものの、GENESISの叙情性とGentl Giantの軽妙なセンスを融合させた
キャッチーなポップセンスを含んだシンフォニックロックが楽しめる。バックに鳴り響くメロトロンはいかにも北欧的で、
唸るようなヘヴィなベースとともにかすかな薄暗さを楽曲にもたらしている。自主制作クラスとしてはなかなかの好アルバム。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽妙度・・8 総合・・7.5
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SIMON SAYS「PARADISE SQUARE」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シモン・セッズの2nd。2002年作
「いかにもGENESIS系です」というコテコテのメロディに、この手のシンフォ好きなら、たまらずにやりとせずにはおられない。
お約束のギターフレーズ、キーボードのシンフォな鳴り方に加え、ガブリエルを思わせるシアトリカルなヴォーカルの雰囲気も、
まさに中期GENESISタイプ。曲は割とテクニカルな部分もあり、そこが現代風なモダンな部分を感じさせる。
とにかくノリがよく音が適度に跳ねていて、コテコテシンフォになりすぎていないのがポイント。
総じて出来は良いが、前作と同じくさして個性的ではない。次作あたりで素晴らしい傑作を期待したい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SIMON SAYS 「Tardigrade」
スウェーデンのシンフォバンド、サイモン・セッズの3rd。2008年作
GENESIS系のシンフォニックロックとして、前作もなかなかの出来だったが、
今作では曲にダイナミズムが加わって、さらによい感じになっている。
これでもかとたたみかけるシンフォニックなシンセワークを中心に、14分、26分という
大曲もドラマティックに展開させてゆく。(5曲目などはまるで“Firth of Fifth”のよう)
ガブリエルをヘナチョコにした感じのヴォーカルは好みが分かれるかもしれないが、
最近ではむしろ珍しい、恥ずかしげもないほどの堂々たるシンフォっぷりが素晴らしい。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 コテコテ度・・10 総合・・8.5
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SIMON STEENSLAND「The Zombie Hunter」
スウェーデンのマルチミュージシャン、サイモン・スティーンスランドの2nd。1995作
ひとことで言うとMATS/MORGANタイプのアヴァンギャルドなチェンバーロック。
ときにヘヴィになったりもするギターに、コロコロとしたマリンバ、シンセにアコーディオンなど、
ときにサムラを思わせる和み系とおちゃらけ的な音をかもし出しつつ、変態に攻めるというサウンド(笑)
ロック的なビートではないので、変拍子といってもあまりテクニカルに聴こえないかもしれないが、
じわじわと浸食してくるアヴァンギャルドさに、にやにやしながら優雅にお茶を飲むのが正しいかと。
そして当のMATS/MORGANの二人もしっかり参加しており、彼らも楽しそうにひねくれております。
メロディアス度・・7 ひねくれ度・・8 変態度・・8 総合・・8
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Simon Steensland 「Led Circus」
スウェーデンのマルチミュージシャン、サイモン・スティーンスランドの1999年作
本作は、のっけから16分を超える大曲で、モルガン・オーギュレンの叩きだすドラムに
コロコロとしたマリンバの響きにサックスやリコーダーを加え、怪しげなヴォーカルを乗せた、
まさにMATS/MORGANをダークにしたような、異色のアヴァンロックを聴かせる。
とぼけた味わいの中にも、音の塊が押し寄せる緊迫感と得体の知れないスケール感を描く
アーティスティックなセンスというのは、北欧のチェンバー/アヴァンロックの中でも屈指であろう。
変則リズムによるテクニカルなダークさは、チェンバー化したMESHUGGAHのようでもある。
ラストの18分の大曲もまた物凄い。マッツ・エーベリーなどもゲスト参加。必聴の傑作です。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・9 スリリング度・・9 総合・・8.5 
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Simon Steensland's Kamikaze United「Live Gang-Gang」
スウェーデンのアヴァンロック、サイモン・スティーンズランズ・カミカゼ・ユナイテッドのライブ。2004年作
マルチミュージシャンであるサイモン・スティーンズは本ライブでは主にベースとギターを担当、
ドラムにはMATS/MORGANのモルガン・アグレンが参加、即興的なテクニカル性に包まれた
インストのアヴァンロックを展開する。変則リズムたっぷりの緊張感に包まれたアンサンブルで、
エレピやオルガンが鳴り響き、奔放なギターがフリーキーな即興性をかもしだす。
サックスやチェロも加わった、チェンバーロック的なシリアスさなアヴァンギャルド性が面白く、
たとえば、MAGMAやALAMAAILMAN VASARATなどが好きな方にも楽しめる演奏だろう。
ライブ演奏・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Simon Steensland 「Fat Again」
スウェーデンのマルチミュージシャン、サイモン・スティーンズランドの2009年作
Kamikaze Unitedにも参加していたMATS/MORGANのモルガン・オーギュレンが本作にも全面参加、
のっけから16分の大曲で、テクニカルなアンサンブルとともエキセントリックなセンスが炸裂、
Gosta Belings Sagaのエイナー・バルダーソンのテクニカルなギターに、アコーディオンやクラリネットなどを含む
チェンバーロック的な感触が加わって、ミステリアスな空気感とともにヘヴィなギターとモルガンのドラムがたたみかける
なんとも強力なサウンドだ。中盤ではコーラスの美しい2分前後の小曲などをゆったりと聴かせつつ、
ラストは20分の大曲で、MATS/MORGANをチェンバー寄りにしたというダークなアヴァンロックが味わえる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Simon Steensland 「A Farewell to Brains」
スウェーデンのマルチミュージシャン、サイモン・スティーンズランドの2015年作
いまや北欧が誇る鬼才というべき存在だろう。本作にも盟友であるモルガン・オーギュレン(MATS/MORGAN)が参加、
さらには、サイモンが敬愛する元UNIVERS ZEROのベーシスト、ギ・セジュールがゲスト参加している。
17分におよぶ一曲目は、うっすらとしたシンセにクラリネットが妖しく鳴り響く、ダークなチェンバーロックで、
MATS/MORGANを思わせる軽妙でとぼけた味わいと、不穏な空気が合わさったスリリングな大曲。
ほぼインスト中心だが、今作ではUNIVERS ZEROのようなドラマティックなスケール感が加わって、
チェンバーロックとしてのシリアス性が強まったという印象だ。ラストの17分の大曲では、アヴァンロックの偏屈さと
女性コーラスなとを含んだ神秘的な雰囲気を含んだ、得体の知れない世界観が見事に表現されている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Sinkadus 「Aurum Nostrum」
スウェーデンのシンフォニックロック、シンカドゥスの1996年作/邦題「黄金伝説」
やわらかなオルガンにフルートが鳴り響き、北欧らしい涼やかな叙情性に包まれたサウンドで、
ピアノやギターがスリリングに切り込んでくる、メリハリのある展開力も含めて、ANGLAGARDを思わせる。
くぐもったような空気感と、マイナー気味の土着性はまさに北欧からしか出てこない聴き心地で、
アングラガルドに比べるとややB級気味であるが、メロウなギターにかぶさるオルガンやメロトロンには、
えもいわれぬ魅力があるのも事実。素朴な味わいのヴォーカルが入るとフォーク風味の牧歌性も現れる。
かつてのKAIPAなどが好きな方にもお薦めの、古き良き味わいの北欧プログレの好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・7.5
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SINKADUS「LIVE AT PROGFEST '97」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シンカドゥスのライブアルバム。CD2枚組。1998年作
北欧らしい幽玄さを体現しているサウンドで、ANGLAGARDの後継者というようなバンド。
本作はアメリカ、フログフェストでのライブ音源で、北欧らしい寒々としたメロトロン、フルートの音色を乗せ
このバンドの持ち味である涼やかな静寂の叙情を表現している。演奏的にも、ANGRAGALDにも遜色なく、
スタジオ盤よりもメリハリがきいていて、メロウでほの暗い、北欧シンフォのイメージそのままの音が堪能出来る。
DISC2は1stアルバム前のデモ音源を収録、こちらは「おまけ」程度に楽しめる。
シンフォニック度・・8 北欧度・・10 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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Sinkadus 「Cirkus」
スウェーデンのシンフォニックロック、シンカドゥスの1999年作
シンセに女性チェロ奏者を含む6人編成で、やわらかなフルートとチェロが幻想的に鳴り響き、
メロトロンやオルガンを含むシンセと叙情的なギターを乗せて、北欧らしい翳りを含んだサウンドを聴かせる。
いかにもANGLAGARDを手本にした作風であるが、前作に比べると音の強度というか迫力が増していて、
よりダイナミックな仕上がりである。母国語のヴォーカルによる牧歌的な土着性と、ピアノやフルートによる
繊細な叙情美も含ませつつ、10分を超える大曲を主体にメリハリのある展開力で構築してゆく。
鳴り響くメロトロンとともに、涼やかで物悲しい幽玄の世界観を描き出す、これぞ北欧プログレという傑作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Skyron Orchestra
スウェーデンのサイケロック、スキロン・オーケストラの2004年作
女性Voに女性オルガン奏者を含む5人編成で、ヴィンテージなオルガンが鳴り響き、
女性ヴォーカルのけだるげな歌声を乗せた70年代テイストのサイケ・プログレサウンド。
プログレ的な展開というよりは、60~70年代のユル系サイケの空気感に包まれていて、
その徹底したふわふわ感が魅力となっている。女性声のキュートな雰囲気も含めて
妖しすぎないキャッチーさが、よいあんばいの味でもある。レトロ系北欧女性声サイケの好作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・7.5
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Skyron Orchestra 「Situations」
スウェーデンのサイケロック、スキロン・オーケストラの2006年作
女性Vo、女性オルガン奏者を含む5人編成で、妖しく鳴り響くオルガンと
女性ヴォーカルの歌声で、レトロな味わいを聴かせるサイケロック。
70年代というよりは60年代にタイムスリップしたかのような雰囲気で、
ゆるやかな牧歌的味わいを含んだヴィンテージロックが楽しめる。
ドラマティック度・・7 サイケ度・・8 ヴィンテージ度・・9 総合・・7.5





THE SMELL OF INCENSE「All Mimsy Were the Borogoves」
ノルウェーのサイケプログレバンド、スメル・オブ・インセンスの1994年作
浮遊感のあるサイケ風味に、北欧的な土着性を含んだサウンドは、
牧歌的な男性ヴォーカルに美しい女性ヴォーカルの歌声もまじって、
オルガンやメロトロンがうっすらと鳴り響き、幻想的なユルさをかもし出す。
フォーキーでありながら、ときにシタールやタブラの音色も入った中近東風味も覗かせて
どこか妖しげな異国感を漂わせている。のんびりと楽しめる北欧ユルサイケの異色作。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5

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THE SMELL OF INCENSE「Through the Gates of the Deeper Slumber」
ノルウェーのサイケトラッドバンド、スメル・オブ・インセンスの1997年作
鳴り響くメロトロンにメロウなギターワーク、ヴァイオリンなども加わった
北欧トラッド風の土着性が耳に心地よく、美しい女性ヴォーカルもまたよろしい。
のっけから25分の大曲で、浮遊感もともなったアシッド・フォーク的な質感で聴け
ときに男女ヴォーカルの絡みや北欧シンフォ的な叙情もあるので、
意外とカラフルで飽きずに楽しめる。なかなか良質な北欧トラッドプログレ作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧トラッ度・・8 総合・・8
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THE SMELL OF INCENSE「OF ULLAGES AND DOTTLES」
ノルウェーのサイケフォークバンド、スメル・オブ・インセンスの2nd。2008作
なんと前作から10年ぶりのアルバム。童話ちっくなジャケが可愛い作品。サウンドの方は、メロトロンやハモンドの音色に、
サイケがかったギターが絡みやわらかな女性ヴォーカルが牧歌的に歌い上げる、耳に優しい聴き心地。。
前作よりもずいぶんキャッチーになり、むしろ70年代プログレ的な雰囲気でEARTH AND FIREなどを思い出す部分もある好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Smell of incense「A Curious Miscellany」
ノルウェーのサイケフォークバンド、スメル・オブ・インセンスの2010年作
1992年にデビューしてから、アルバムとしてはこれが4作目となるが、
これは1992~2005年までに録音された未発音源の作品であるらしい。
ゆったりとしたアコースティカルな牧歌性と、男女ヴォーカルの歌声に、
メロトロンやハモンドを使ったプログレ的な味わいもあるというサウンド。
サイケちっくなゆるさも含めて、いわゆるアシッド・フォークというべき作風であるが、
このふわふわとした夢うつつな感じが、じつに優しくてなごめるのだな。
そしてこのバンドは毎作ジャケが可愛いのだが、今作もじつにメルヘンチック。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ふんわりサイケフォーク度・・9 総合・・7.5
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Soniq Circus「Reflections In The Hourglass」
スウェーデンのシンフォニックロック、ソニック・サーカスの2011年作
美しいシンセワークと適度にヘヴィなギターで聴かせるシンフォニックロック。
演奏技術を含めて、いくぶんもったりとした野暮ったさもあるが、むしろそれが
ひと昔前の北欧プログレ的でもあって、この垢抜けなさは嫌いではない。
楽曲はどれも7分以上あって長めなのだが、メロディの魅力の足りなさもあって、
盛り上がりきらない感じがもどかしい。聴き心地は悪くないので、今後のクオリティアップに期待。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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SPEKTRUM
スウェーデンのシンフォニックロック、スペクトラムの2003年作
GALLEONCROSSGRAND STANDなどのメンバーたちによるユニットで、
ややハードめのギターに、シンフォ系の美麗キーボード、キュートな女性ヴォーカルで聴かせる
メロディアス系シンフォプログレで、THE FLOWER KINGあたりにも通じる質感のあるサウンド。
全体的に爽やかで、素直な分かりやすさがあり、いかにも90年代以降の典型的シンフォといった印象。
メロウなギターワークにこれでもかという優美なシンセが合わさり、ハスキーな女性声とともに、
やや地味めのGALLEONあたりよりも、むしろ突き抜けたキャッチーさがあって良いですな。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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STORM 「STORM AT THE TOP」
スウェーデンのプログレロック、ストームの1975年作
英国サイケロックを思わせる、いかにも70年代的なおおらかさと唐突な展開力を含んだ
エキセントリックな魅力を感じさせるサウンド。シアトリカルなヴォーカルに
ポップですらあるキャッチーさを含みながら、どこかひねくれた味わいがある。
ブルージーな泣きのギターにピアノが絡んだり、怪しいブキウギだったりと、とりとめのなさに、
QUEENのような知的なアレンジ力を、もっといかがわしく仕立て上げたという感じがある。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 むしろ英国風度・・8 総合・・7.5




Suburban Savages 「Kore Wa!」
ノルウェーのアヴァンプログレ、サバーバン・サヴェージの2017年作
PANZERPAPPAのメンバーを中心にしたバンドできらびやかなシンセとギターに、マイルドなヴォーカルと
やわらかなフルートの音色を乗せた、軽やかな優雅さに包まれたサウンドで、随所にほどよい屈折感を覗かせる。
デジタリィなシンセをあえて古めかしいエレクトロ性で表現するところは、NECROMONKYあたりのセンスにも通じるか。
ジャケのイメージのようなとぼけた可愛らしさと適度なアヴァンギャルド性を同居させつつ、難解にはならないところが個性的で、
いわば肩の力を抜いたアヴァンロックというところ。この手にしてはダークな空間性やインパクトのある展開はやや希薄なので、
濃密さの点では物足りなさもあるが、ディープになり過ぎないところが逆にモダンな味わいだともいえる。
ドラマティック度・・7 アヴァンギャル度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5
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SUPERFJORD 「ALL WILL BE GOLDEN」
フィンランドのサイケプログレ、スーパーフヨルドの2018年作
二人にシンセ、パーカッション奏者を含む7人編成で、エレピを含むやわらかなシンセに、
メロウなギター、マイルドなヴォーカルを乗せた、GONG + PINK FLOYDというようなサウンド。
ほどよいユルさと浮遊感に、北欧らしい土着的な旋律や、スペイシーな味わいが混ざり合って、
わりとメロディアスな耳心地のよさで楽しめる。ツインシンセにサックスも加わった音の厚みは、
単なるヴィンテージな北欧サイケという以上に、ミステリアスなスケール感も感じさせる。
ムーグシンセにオルガン、ツインギターを重ねたアッパーなプログレ感も魅力的だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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SWEDISH FAMILY「VINTAGE PROG」
TFKのトマス・ボディーンを中心としたユニット、スウェディッシュ・ファミリーの2004年作
「1969~1979年に活動していた架空のバンドのベストアルバム」という設定で
サウンドもその通り、ハモンドやムーグ、アコーディオンなどヴィンテージ楽器を使用した
70年代スウェーデンロック風のプログレ。ジャケも低予算風の紙ジャケというこだわり。
もの悲しくもなつかしいようなアコーディオンの音色や、所々に漂う土着性も良い感じで、
トマスの鍵盤ワークとともに、ゆったりと叙情的な北欧70'sプログレが堪能できます。
シンフォニック度・・7 ほのぼの70's度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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Swifan Eohl & The Mudra Choir「The Key」
スウェーデンのプログレバンド、スウィファン・エオール&ザ・マドラ・クワイヤの2019年作
メロトロンを含むシンセに軽やかなギターと男女ヴォーカルの歌声を乗せ、軽妙なアンサンブルで聴かせる
キャッチーで牧歌的な味わいのサウンド。随所にテクニカルなリズムを盛り込んだスタイリッシュなセンスと、
いくぶんサイケ気味の浮遊感も覗かせつつ、北欧らしい涼やかで叙情的な聴き心地に包まれる。
オルガンやメロトロンなどのヴィンテージな味わいと、ほどよくユルめなギターの旋律を楽しみつつ、
曲によっては屈折した展開力もあったりして、なかなかあなどれない。優雅でメロウなサウンドながら、
曲調が良い意味でカッチリしていない分、底の知れない実力も感じさせる。今後の深化が楽しみなバンドである。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ユル叙情度・・8 総合・・7.5
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TABULA RASA
フィンランドのプログレバンド、タブラ・ラサの1975年作
1曲目はロックなギターにやわらかなフルート、母国語のヴォーカルを乗せた、
どことなくイタリアンロック的なノリで、わりと軽快な聴き心地。2曲目はぐっとメロウな叙情で、
KAIPADICEあたりと比べると、洗練されていないマイナーな感触を残しながら、
それが牧歌的な味わいにもなっている。女性コーラスの加わった優雅な3曲目なども白眉。
フルートの活躍するパートも多く、CAMELにも通じる軽やかさとシャジーなギターが合わさった、
6曲目のインストナンバーも魅力的だ、次作「月の優美な罠と舞踏/EKKEDIEN TANSSI」も同様の好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Taipuva Luotisuora 「IV」
フィンランドのプログレバンド、タイプヴァ・ルオティスオラの2009年作
シンセやチェロ奏者などを含む6人編成で、適度にヘヴィめのギターを含んだ、
いわゆる薄暗系プログレを基本に、エレクトロ的なモダンさも合わさったサウンド。
ほぼオールインストで、変拍子によるDjent的なテクニカルな要素もありつつ、
随所に美しいヴァイオリンなども入って、北欧らしい叙情性も含ませたボーダーレスの味わい。
いかにも若手バンドらしい柔軟な感性で作られた北欧モダン&ポストプログレの好作です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 モダンセンス度・・9 総合・・8
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Taipuva Luotisuora 「8」
フィンランドのプログレバンド、タイプヴァ・ルオティスオラの2013年作
エレクトロなモダンさと知的なアレンジセンスに、ハードめのギターを含んだノリのよいアンサンブル、
そこにサイケロック的な浮遊感も加わって、スペイシーな近未来的ポスト・プログレを聴かせる。
一方ではオルガンなどを使った、オールドなプログレらしさも味付けになっていて、
いわばそれら70年代感覚をモダンの側から解釈しているというのが確信犯的だ。
アッパーなサウンドの中にもふと叙情を覗かせるあたりも、いかにも北欧のバンドらしい。
スタイリッシュなセンスに包まれた聴き心地で、オールインストであるが適度に濃密なのも見事。
ドラマティック度・・7 サイケプログレ度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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Tangekanic 「Hotel Cantaffordit」
イギリスのTHE TANGENTとスウェーデンのKARMAKANICの合体バンド、タンジェカニックのライブ。2018年作
2017年のアメリカツアーのライブを収録。両バンドに参加する、ヨナス・レインゴールドを筆頭に、
タンジェントのアンディ・ティリソン、ルーク・マシン、カーマカニックのヨラン・エドマンが参加。
タンジェントから3曲、カーマカニック2曲、そしてオリジナル1曲を演奏。軽やかなリズムにきらびやかなシンセ、
ほどよくハードで流麗なギターを乗せた、技巧的なアンサンブルで軽妙なプログレサウンドを聴かせる。
インストの12分の大曲も確かな演奏力と展開力でスリリングに聴け、25分におよぶKARMAKANICの大曲では、
美麗なシンセとヨラン・エドマンの豊かな歌声で、フラキンにも通じる叙情的なシンフォニックロックを展開する。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 技巧度・・8 総合・・8
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Taskaha
ノルウェーのハードプログレ、タスカハの2020年作
適度にハードなギターにマイルドなヴォーカルを乗せ、翳りを帯びた叙情に包まれたスタイリッシュな作風。
エモーショナルな歌声にメロウなギターフレーズで聴かせる、モダンなプログレハードロックという雰囲気ながら、
シンセが入らないのでプログレ的な部分はやや薄め。安定したリズムやテクニックのあるギターなど、
ヴォーカルの表現力も含めて演奏力はあるので、メランコリックな叙情ロックとしてはなかなか高品質で、
ボーダーレスの味わいは、Riversideのように、ProgMetal的なイージで楽しんだ方がよいかもしれない。
ラストは13分の大曲で、起伏のある展開力に、センスのあるギタープレイと伸びやかなヴォーカルを重ねて、
ドラマティックに盛り上げる。個人的には、ぜひともシンセを入れて叙情性を強めていってもらいたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・8 総合・・7.5
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TAYLOR'S UNIVERSE 「RETURN TO WHATEVER」
デンマークのプログレバンド、タイラーズ・ユニバースの2009年作
ギター、シンセ、フルートをこなすマルチプレイヤー、ロビン・テイラーを中心に、
BURNIN RED IVANHOE、SECRET OYSTERなどで活躍したサックス奏者が参加。
オルガンを含むプログレ的なシンセアレンジに随所にメロディックなフレーズも聴かせるギター、
そしてサックスが鳴り響くジャズロック的なアンサンブル。オールインストでテクニカルというよりは
歌ごごろあるメロディを含んだ、派手さはないがやわらかな聴き心地が楽しめる。
ときにヴァイオリンやハープ、フルートなども加わった優雅で哀愁を含んだ叙情もいい。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5


Technicolor Poets 「The Echoing Green」
スウェーデンのサイケロック、テクニカラー・ポエッツの2012年作
アナログ感を漂わせたギターで聴かせる70年代風のサウンドで、
どことなくぼやけたような幻想的な薄暗さと妖しい浮遊感に包まれている。
メロディには北欧らしい土着的な感触や中近東的な旋律も出てきて、
In the Labyrinthあたりにも通じる聴き心地で引き込まれる。
プログレファンにも十分楽しめる北欧ヴィンテージサイケの好作だ。
プログレ度・・7 妖しげ度・・8 サイケ度・・9 総合・・8
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Telepath 「Mental Mutations」
ノルウェーのプログレユニット、テレパストの2019年作
White WillowThe Opium Cartelなどで活動するミュージシャン、Jacob Holm-Lupoによるプロジェクトで、
ヴィンテージなシンセの音色にメタル寄りのギターを重ねた、インストをメインにしたハードプログレサウンド。
いくぶん様式美テイストのギターフレーズを乗せて疾走する部分などは、メタル系ギタリストのソロ作のようだが、
リズムは打ち込みなので、エレクトロなシンセアレンジと相まって、確信犯的なローカルなレトロさも匂わせる。
シンセをメインにした小曲や、オルガンやムーグが鳴り響く妖しげなドゥームロック風のナンバーなど、
なかなか濃密な味わいで、曲によってはGOBLINのようなホラーサントラ的な世界観もある。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 妖しげ度・・8 総合・・7.5
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TERJE RYPDAL 「Odyssey-in Studio & in Concert」
ノルウェーのギタリスト、テリエ・リピタルの1975/2012年作
1975年作「Odyssey」に1967年のライブ音源を加えた3枚組仕様のいわば完全版。
北欧の冷気を感じさせるギタートーンにサックスやオルガン、トロンボーンの音色が絡み、
ゆったりとした広がりのあるサウンドを描いてゆく。 ジャズ風味でありながら、
根っこの部分にしっかりとロックギタリストとしての感性が瑞々しく感じとれ、
静寂感の中にひそんだプログレッシブなセンスが適度な緊張感を生み出している。
さらに素晴らしいのはライブ音源で、より緊張感をただよわせたプログレッシブな演奏で
ジャズロックでありながらも、KING CRIMSONばりの張りつめたテンションである。
ドラマティック度・・7 プログレ/ジャズロック度・・7 ライブ音源・・9 総合・・8
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3rd World Electric「Kilimanjaro Secret Brew」
ロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールド、ソルタン・チョース、レイル・ラーソンといった
The Flower Kings、KARMAKANIC関連のメンバーによる、サード・ワールド・エレクトリックの2009年作
パーカッションを含めた軽やかなリズムに、サックスが鳴り響く、フュージョン、ジャズロック風味のサウンド。
さすがに実力あるメンバーだけに、余裕あるアンサンブルで、随所にテクニカルさも折り込みつつ、
肩の力を抜いたような、楽しげで軽快な演奏を聴かせてくれる。シンフォニックなテイストは薄めなので、
フラキンなどのイメージで聴くと拍子抜けかもしれないが、のんびりと大人のジャズ/フュージョンロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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Three Seasons 「Life's Road」
スウェーデンのロックバンド、スリー・シーズンズの2011年作
元SIENA ROOTのG&Voが新たに結成したバンドで、ブルージーな味わいとともに
70年代英国ハードロックへ完全に回帰したようなヴィンテージロックサウンド。
オルガンやメロトロンも鳴り響かせつつ、10分を超える大曲もいくつかあるが、
プログレ色はむしろ薄めで、SIENA ROOTをさらにストレートにしたような聴き心地。
しかし、この本気のアナログ感と、レトロなブルーズ・ハードロックっぷりはお見事。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 70年代回帰度・・9 総合・・7.5



THREE SEASONS「Understand The World」
スウェーデンのヴィンテージロックバンド、スリー・シーズンズの2012年作
元SIENA ROOTのG&Voによるバンドで、前作も70年代スタイルのブルージーな力作であったが、
本作では女性鍵盤奏者が加わり、鳴り響くオルガンの音色とともにプログレ感触が増している。
サイケな浮遊感に包まれてアナログ感あふれるアンサンブルに、こもり気味のヴォーカルを乗せた
音のいかがわしさは前作以上で、SIENA ROOTが好きだった方なら大満足だろう。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 レトロロック度・・9 総合・・8




THREE SEASONS 「GROW」
スウェーデンのヴィンテージロックバンド、スリー・シーズンズの2014年作
SIENA ROOTのG&Voを中心にしたバンドで、本作が3作目となる。
ブルージーなギターにオルガンが鳴り響く、アナログ感たっぷりのヴィンテージロック。
いくぶんこもり気味の音質や、ハモンドオルガン特有のやわらかな聴き心地で、
70年代の作品と言っても疑われないだろう。ほどよいユルさとキャッチーな感触で、
プログレ色はさほどないものの、オルガンをたっぷり使った牧歌的な味わいで楽しめ、
ラストの10分近い大曲では、サイケ的な浮遊感とやわらかな叙情性に包まれる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 ヴィンテージ度・・9 総合・・8
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THREE SEASONS 「THINGS CHANGE」
スウェーデンのヴィンテージロックバンド、スリー・シーズンズの2017年作
SIENA ROOTのG&Voを中心にしたバンドで、本作が4作目となる。アナログ感たっぷりのギターに
ジェントルなヴォーカルを乗せた、70年代スタイルのヴィンテージなロックサウンドは変わらず。
今作ではオルガンが使われていないので、プログレ感触は薄まり、LED ZEPPELINなどに通じる、
ブルージーなハードロック質感が前に出ている。トリオ編成のシンプルなアンサンブルながら、
よりレイドバックしたグルーヴィな演奏は、じつに自然体でとても現代のバンドとは思えない。
ハートになり過ぎないユルさもあるので、70's英国ロック好きならばニンマリすること請け合いだ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・2 古き良き度・・9 総合・・8 
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Three Winters 「Chroma」
ノルウェーのエレクトロ・プログレ、スリー・ウインターズの2014年作
WOBBLERのラーズ・フレドリック・フロイスリーを中心としたユニットで、
打ち込みのリズムに、シンセの重ねによるエレクトロなサウンドを聴かせる。
デジタルビートによるテクノ風味のスタイルなのだが、ムーグやメロトロンなどの音色は、
けっこうプログレ的な味わいで、単なるエレクトロなシンセミュージックというだけではない、
ほのかなシンフォ要素も覗かせる。オールインストながらもわりと楽しめる一枚だ。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・7.5
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TIME TRAVELLER 「Chapter I & II」
フィンランドのプログレハード、タイム・トラベラーの2008年作
ギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーを中心としたバンドで、
メロディックなギターと美しいシンセを中心に聴かせるインストサウンド。
北欧らしい透明感とシンフォニックな聴き心地に、テクニックあるギターのフレーズには
古き良きハードロックのテイストも感じられ、メロディセンスの良さで最後まで聴き通せる。
ハモンドやムーグをはじめとしたレトロなシンセワークもよろしいですな。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ギターセンス・・8 総合・・8
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Time Traveller「Chapters III & IV」
フィンランドのプログレハード、タイム・トラベラーの2008年作
ギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーを中心としたユニットで、
ハードロック的なギターを中心にした、フュージョン風味のインストサウンド。
プログレ的なシンセを絡ませながら、RUSHあたりを思わせる巧みなアンサンブルと
古き良きHR的な渋さが合わさったような聴き心地で、レトロなオルガンも鳴り響く。
これはむしろ、歌を入れてやってもらいたいような作風だが、クオリティは高いです。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 古き良きロック度・・8 総合・・8
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Tirill「Dance With the Shadows
ノルウェーの女性アーティスト、ティリルの2003年作
WHITE WILLOWにヴァイオリンで参加したこともある彼女だか、本作ではヴォーカルにヴァイオリン、
シンセ、パーカッションもこなしている。サウンドはしっとりとした女性ヴォーカルに、
うっすらとしたシンセにつまびかれるギターなどによる、薄暗くアンビエントなもの。
北欧らしい翳りと土着性は、WHITE WILLOWやANGLAGARDあたりの雰囲気にも通じる。
フルートやチェロなどの音色とともに、静謐感を漂わせたたゆたうような叙情にうっとりです。
アコースティカル度・・8 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TIRILL 「Nine And Fifty Swans」
ノルウェーの女性アーティスト、ティリルの2011年作
Whilte Willowの1作目に参加していたヴァイオリニストでシンガー、本作は8年ぶりの2作目。
アコースティックギターに艶やかなヴァイオリン、フルートの音色、しっとりとした女性ヴォーカルを乗せた、
幻想的なネオフォークを聴かせる。北欧らしい涼やかで薄暗い叙情は、White Willowの1stにも通じる感触で、
ゆったりとまどろむように鑑賞できる。2~4分前後の小曲中心なので、プログレとして聴くには展開はさほどないが、
繊細なアコースティックパートをメインにしたトラッド/フォークに、ときにピアノやシンセも加わった優美な耳心地にうっとり。
幻想度・・8 プログレ度・・6 北欧度・・8 総合・・7.5 
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Tirill 「Um Himinjodur 」
ノルウェーの女性アーティスト、ティリルの2013年作
美しい女性ヴォーカルの歌声にアコースティックギターのつまびき、うっすらとしたシンセ、オルガン、
やわらかなリコーダーの音色にヴァイオリンも重なった、しっとりと優雅な聴き心地のサウンド。
White Willowの1stのような北欧らしい翳りと、フォーキーな質感を含んで涼やかな空気を描いてゆく。
薄暗い妖しさで魔女めいた神秘性も感じさせつつ、キュートな美声にうっとりと聴き入れる。
メロトロンが鳴り響き、エレキギターが加わると、Anglagardにも通じるようなシンフォニックな感触も現れて、
プログレファンにもかなり楽しめるだろう。北欧トラッドシンフォ+女性ヴォーカルという好作品。
ドラマティック度・・7 女性Vo度・・8 北欧の翳り度・・9 総合・・8
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Tomas Bodin 「An Ordinary Night My Ordinary Life」
スウェーデンのミュージシャン、トマス・ボディーンの1996年作
The Flower Kingsのシンセ奏者のソロアルバム。オルガンやメロトロンを含むシンセをメインに、
ときにロイネ・ストルトの奏でるメロウなギターを乗せた、優美なシンフォニックロックサウンド。
やわらかなシンセワークがドリーミィな味わいとなっていて、フラキンの優しい叙情を抽出したような聴き心地。
チャーチオルガンを使った荘厳なナンバーから、アンビエントなパート、EL&Pばりのキーボードプログレまで、
全66分、バラエティに富んだ作風。オールインストであるので、トマスの繊細なキーボードをゆったりと楽しめる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN「PINUP GURU」
THE FLOWER KINGSのキーボード奏者、トマス・ボディーンのソロ。2002年作
ソロ第2作となる今作も、オルガンやムーグを含むキーボードを駆使した優美なシンフォニックロック作品となっている。
ヨナス・レインゴールド、ソルタン・チョースというフラキン組の安定したリズム隊も素晴らしく、適度にテクニカルな感触を付加している。
ギター抜きのフラワー・キングスといった感じもあるが、トマスの繊細なキーボードワークがたっぷりと堪能できるのが嬉しい。
優雅なクラシカル性とときに軽妙なジャズロック風味もあったりと、オールインストであるが、シンフォニックロックとしての魅力は十分だ。
シンフォニック度・・8 繊細度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN「SONIC BOULEVARD」
THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボディーンのソロ2作目。2003作
同時期に3枚めの「IAM」を聴いていたので、どうしてもそちらの壮大華麗さが耳に残ってしまうが、
この作品もなかなかの傑作。北欧らしいゆるやかな叙情と、ほのかな薄暗さを感じつつ、繊細なキーボード(メロトロン)に、
JOCKE JJ のメロウなギターも実に良い。部分的にはあるいは再編KAIPAに対抗したような雰囲気もあり、
北欧らしいシンフォ作品としてゆったりと鑑賞可能なアルバムだ。
シンフォニック度・・8 メロウ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN 「IAM」
THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボディーンのソロ4作目。2005作
23分、21分、18分の組曲3曲。参加メンバーは、TFKでおなじみのヨナス・レインゴールドに、
前作に続き、メインヴォーカルにアンダース・ヨハンソン、ギターにJOCKE JJ MARSHを迎えて
1曲めから爽快なシンフォニックロックが全開の快作。久々にトマスの弾きまくりのキーボードが堪能できる。
グレン・ヒューズバンドのメンバーでもあるJOCKEのギターもなかなか素晴らしく、
また二人の女性Voも効果的に楽曲を彩っていて、いいアクセントになっている。
サウンド的にはむしろフラキンの近作よりも分かりやすいので、曲は長いが初心者の方にも勧められる。
ソロ作というよりは、むしろ“作り込まれたシンフォ大作”というべき見事な作品だ。
シンフォニック度・・8 爽快度・・8 フラキンよりも聴きやすいかも度・・9 総合・・8.5
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TOMAS BODIN「cinematograaf」
The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボディーンのソロ作。2008作
今作はバンドではなく、トマス一人によるシンセの多重録音作品で、
全編ゆるやかなサントラのようなしっとりと聴かせるシンセアルバムとなっている。
もちろんプログレ的な雰囲気もしっかりあって、美しく優雅な旋律を響かせつつ、
壮大な広がりを感じさせるドラマ性とともに、全3曲という大作志向の中に、
トマスのアーティストとしての確かなセンスが感じ取れる作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりシンセ度・・9 総合・・8
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EGGS&DOGS「you are」
The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボディーンの2009年作
前作「IAM」の続編である本作は、エッグス・アンド・ドッグスというバンド名義となっていて、
前作にも参加のJocke"JJ"Marshに加え、元TFKのMichael Stolt、Marcus Lilijenquistという4人編成。
シンフォニックの王道という作風であった前作に対し、本作ではより深みのある大人のロックサウンドで、
ロイネの実弟であるマイケル・ストルトの渋みのある歌声とともに、アナログ的な叙情を聴かせる。
トマスのシンセワークも含めて、かつてのフラキン風味を感じさせる部分も多い見事な力作だ。
シンフォニック度・・7 フラキン度・・8 大人のサウン度・・9 総合・・8.5
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Trettioariga Kriget
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの1974年作
「30年戦争」の意味を持つバンド名と点描による美しいジャケが印象的だが、
サウンドは存在感のあるベースとスティーブ・ハウを思わせるテクニックのあるギターを中心に、
どっしりとしたアンサンブルを描き出す、ハードロックやブルース色も含んだヘヴィプログレ。
キーボード奏者がいないので、シンフォ系のイメージで聴くと、荒々しい音に驚くだろうが、
随所にYESを思わせる叙情的なメロディも聴け、年代を考えれば高い構築性を有したバンドサウンドで、
スウェーデン語によるヴォーカルもなかなか味わいがある。ときにうっすらとしたメロトロンも加わって、
北欧らしい涼やかな空気感がスリリングな展開とともに楽しめる。玄人好みの硬派な逸品である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Trettioariga Kriget 「Krigssang」
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの1975年作
母国語による哀愁を漂わせるヴォーカルに、随所に泣きの叙情フレーズを盛り込むギター、
ジャジーな感触も含んだアンサンブルにメロトロンも加わった、じつに北欧らしい味わいのサウンド。
くぐもったような薄暗さと、大人の枯れた味わいに包まれた作風で、ブルージーな古めかしさが
北欧の叙情性と融合したという独自の聴き心地である。KAIPAやDICEなどに比べると
ややとっつきは悪いのだが、派手さよりも渋めの情感に浸れる好作品。17分を超えるラストの大曲も圧巻だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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TRETTIOARIGA KRIGET「Hej Pa Er!」
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの1978年作
1974年にデビュー、1stは北欧ハードプログレの傑作とされているが、
「栄光なる我が民よ!」と題されたこの3作目は、より肩の力が抜けた作風になっている。
ブルージーなギターにオルガンがかぶさり、スウェーデン語の歌声で聴かせる、
渋い味わいのハードロック風味と、牧歌的な素朴さが合わさったサウンドだ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・7.5
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TRETTIOARIGA KRIGET「ELDEN AV AR」
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2004年作/邦題「焔の年」
70年代後半~80年代に2枚のアルバムを残したこのバンドがなんと復活。
かつてを思わせるハード寄りのギターといくぶんのブルージーな質感に
メロトロンなどの美しい叙情を加えたサウンドで、母国語のヴォーカルが歌を乗せる。
古き良き70'ロック的な質感に加え、年季を経たバンドとしての温かみがあって、
プログレうんぬんというよりはレトロなロックとして楽しめる力作である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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TRETTIOARIGA KRIGET「I BORJAN OCH SLUTET」
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2007年作/邦題「生と死の狭間で」
1974~1980年にかけて5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが、2004年に復活、
本作は再結成後の2作目で、前作同様に、ブルージーなハードプログレを聴かせてくれる。
美しいメロトロンの響きに、古き良きハードロック的なギターが重なって、
枯れた味わいのベテランらしい見事なアンサンブルを形成。そこにヴォーカルが加わると
70年代ブリティッシュロック的な雰囲気も漂わせる。スウェーデン語の土着的な質感もいい。
ドラマティック度・・8 ブルーズプログレ度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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Trettioariga KrigetEfter Efter
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2011年作
1974~1980年にかけて活動したのち休止、本作は2004年の復活作から数えて3作目である。
70年代を思わせる、古き良きブルージーなプログレ・ロックサウンドは本作も同様で、
オルガンやメロトロンなどの音色にメロウなギター、枯れた味わいのヴォーカルも含めて、
どっしりとした大人の雰囲気を漂わせている。また今作では8分、10分という大曲で、
よりプログレ的な構築が聴けるのも嬉しい。派手さはないがベテランらしい好作品だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 大人の味わい度・・9 総合・・8
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Trettioariga Kriget 「Seaside Air」
スウェーデンのプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2016年作
1974~1980年にかけて活動したのちいったん活動休止、本作は2004年の復活作から数えて4作目となる。
サウンドの方は、70年代からの名残を感じさせる、アナログ感あふれるやわらかな感触に、
シンセを含んだ北欧らしい叙情性を、大人の哀愁を含んだメロディで描く素朴な味わいだ。
今作では、ヴォーカルがすべて英語になったことで、独特の土着性はやや薄れたが、
その分、多くのリスナーにアピールする明快さで、アダルトな叙情ロックが味わえる。
派手な展開などはほとんどないのだが、古き良きロック感と北欧プログレを融合させた
このバンドならではの優しく涼やかなサウンドが楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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TRIBUTE 「New Views」
スウェーデンのプログレバンド、トリビュートの1984年作
GONGのメンバーが参加していることでも知られるアルバムで、
フュージョン風味の爽やかさとシンフォニックな美しさが合わさったサウンドは、
北欧らしい涼やかなメロディアスさとジャズロック的な軽快な聴き心地がある。
インスト作品であるが、キャッチーなメジャー感覚は、プログレ/シンフォニックの範疇を超えて
より多くの人が楽しめるだけの普遍性を持っている。一方ではアコースティカルで素朴な叙情性も含み、
そのあたりが「北欧のマイク・オールドフィールド」とも呼ばれる所以なのだろう。
シンフォニック度・・8 軽快度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5

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TRIBUTE「Breaking Barriers」
スウェーデンのプログレバンド、トリビュートの1986年作
長らく入手困難だったこの2ndであるが、1stに続いて2013年にめでたく再発された。
爽やかなフュージョン/ジャズロック風味のキャッチーさは前作同様で、
今作はよりポップなというか、スタイリッシュなセンスが前に出たようにもに思えるが、
カッチリとしたリズムを中心に演奏力も抜群で、プログレというのもはばかられるような
堂々たるメジャー感に包まれた音である。一方ではメロディの端々には北欧らしい叙情も感じられ、
プログレ、ポップ、フュージョンのクロスオーバーというべきサウンドで、その質の高さは見事と言う他ない。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・8 総合・・8
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TRIBUTE 「LIVE!」
スウェーデンのプログレバンド、トリビュートのライブ作。1987年作
長らく入手困難だった1st、2ndがめでたく再発され、続いて本ライブ作も無事再発。
ツインギター、シンセ、ヴィブラフォンにサックス、フルートもこなす女性奏者を含めた7人編成で
スタジオ盤以上にロック色の強いダイナミックなアンサンブルを聴かせてくれる。
フュージョンロック的な軽妙さの中にも北欧らしい叙情的なメロディを配したサウンドは、
基本はインストながら随所に女性スキャットも入ったりと、メリハリのあるアプローチで楽しめる。
未聴の方はまずは、絶対的な名作である1st「New Views」から聴いていただきたい。
プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 北欧度・・8 総合・・8
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TRIBUTE「TERRA INCOGNITA」
スウェーデンのプログレバンド、トリビュートの1990年作
「北欧のマイク・オールドフィールド」とも言われるように、トラッド的な要素をロックと融合、
知的に構築されたアレンジセンスが素晴らしい。オーケストラを全面に出した1曲めの優雅さは、
ブラジルのSAGRADOにも通じるような自然派の雄大なシンフォニックサウンドである。
シンセによるヒーリング調の感触と美しい女性ヴォーカルも含んで、北欧らしい透明感のある涼やかさと
プログレという言葉にとらわれないスケールの大きな世界観を感じさせる傑作だ。
ケルティックなギターの旋律などは、やはりMIKE OLDFIELD的でもあるが、
繊細ながらもアカデミックな知性を含むところは、ISLDURS BANEあたりにも通じる。
シンフォニック度・・8 雄大度・・9 北欧度・・8 総合・・8.5
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TROJKA 「Tre Ut」
ノルウェーのプログレバンド、トロイカの2019年作
ギターレスのトリオ編成で、オルガン、ムーグを含むシンセをメインに、優雅なアンサンブルで聴かせる、
プログレフュージョン的なサウンド。母国語によるヴォーカルを乗せたキャッチーな味わいに、
ほどよいユルさを含んだ、スペイシーでヴィンテージなサイケロックとしても楽しめるだろう。
トリオ編成ならではの隙間を活かしたグルーブ感とともに、北欧らしい涼やかな叙情も含んだ、
耳心地の良いやわらかな味わいで、ポストロック、ポストプログレ好きにも対応の好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・8
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Turid「I Retur」
スウェーデンのアシッド・フォークバンド、トゥリドのベストアルバム。2003年作
71年作、73年作、75年作のアルバムから編集された全21曲を収録。
やわらかな女性ヴォーカルの歌声で牧歌的に聴かせるフォークサウンドに、
北欧的な土着性を含んだメロディを乗せてゆったりと聴かせる。
母国語の歌唱の雰囲気には、どことなく森の中の魔女的な妖しさもあって、
幻想的な世界観がまた魅力的。英国のフォークよりも涼やかな感触だ。
メロディアス度・・8 牧歌度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TUSMORKE 「UNDERJORDISK TUSMORKE」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2012年作
オルガンやメロトロンを含んだ70年代的なヴィンテージ感ただようサウンドに、
フルートが鳴り響くJethro Tullのような土着的な雰囲気も加えたオールドなトラッド・プログレ。
Wobblerのシンセ奏者が参加していることもあり、その強固な回帰主義的世界観は
サウンド全体を包み込んでおり、うらぶれたようなもの悲しさをただよわせる
北欧的なマイナー加減も含めて、まさに絶妙の音作りである。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・9 総合・・8
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TUSMORKE 「Riset Bak Speilet」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2014年作
前作もじつにオールドな味わいの好作であったが、本作ではより土着的な怪しさが増している。
母国語のヴォーカルに、ハモンドやミニムーグ、メロトロンといったヴィンテージなシンセ、
フルートやリコーダー、サックスなども加わって、70年代プログレの混沌とした妖しさを受け継いだ
これは「北欧版パレポリ」か…というような聴き心地が楽しめる。アッパーなノリの中にもどこかユルめで、
サイケ寄りの浮遊感もあって、そのつかみどころのなさも確信犯的だ。7~9分の楽曲を中心に、10分を超える大曲もあり、
構築力という点でもなかなかそつがない。プログレとしての深みもしっかりと備えた、前作以上の素晴らしい傑作です。
ドラマティック度・・8 怪しげ度・・9 北欧度・・8 総合・・8.5
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Tusmorke 「Fort Bak Lyset」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2016年作
前作は北欧らしい土着性と混沌としたサイケ感が合わさったかなりの力作であったが、
3作目となる本作も、妖しくフルートが鳴り響き、オルガンやメロトロンを含む古き良きプログレの感触に、
母国語のヴォーカルによる土着的な質感が合わさったサウンドだ。今作ではメロディにフォーキーな牧歌性が増し
KebnekajseやKama Lokaなどにも通じる、トラッドサイケ的な聴き方もできる。ダークな湿り気を感じさせる世界観と
レトロな70'sプログレ感に、女性コーラスなども含んだ呪術性も感じさせるという、なんとも妖しく濃密な作風である。
前作は「北欧版パレポリ」と評したが、今作も北欧からしか出てこない音であるという点で、やはり必聴の出来映えである。
ドラマティック度・・8 妖しげ度・・9 北欧度・・9 総合・・8 
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TUSMORKE 「Hinsides」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2017年作
2012年にデビュー、本作は4作目となる。のっけからヴィンテージなシンセにフルートが鳴り響き、
母国語のヴォーカルを乗せたノリの良さで、OSANNAのような妖しく濃密なサウンドを展開。
北欧らしい薄暗さと土着性を、ダークな祝祭感覚で包み込んだという、おどろおどろしさがたまらない。
オルガンやムーグシンセの音色も、どこか恐ろしげで、ジャケのイメージのようなドゥーミィや闇を感じさせつつ、
プログレとしてキャッチーなノリを溶け込ませるセンスが素晴らしい。黒死病をテーマにした20分を超える大曲では、
悲しみと哀愁を乗せた空気感に、激しく展開する緩急ある構築性に引き込まれる。これまでよりもさらに一歩踏み込んだ傑作だ。
ドラマティック度・・8 ヴィンテージ度・・8 妖しさ度・・9 総合・・8.5
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Tusmorke 「Bydyra」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2017年作
早くも5作目となる本作は、地元オスロの児童用ミュージカルとして作られた音源で、
フルートが鳴り響き、母国語のヴォーカルに、ミニムーグやメロトロン、ピアノなどを加えた、
オールドなプログレ風味に、児童コーラスが重なるという、サイケな幻想性を描くサウンド。
楽曲は2~4分前後と短めなので、ドラマティックな展開力というものは希薄だながら、
歌ものの小曲を連ねて、ひとつの物語を描くような世界観は感じられ、これはこれで楽しめる。
彼ららしいヴィンテージなロック感覚を、童話的な世界観で表現したという異色の力作だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・8 
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Tusmorke 「Fjernsyn I Farver」
ノルウェーのプログレバンド、タスメルケの2018年作
2012年にデビュー、妖しさたっぷりのヴィンテージなサウンドを描くこのバンド。本作は6作目となる
フルートが鳴り響き、サイケなシンセと適度にハードなギター、そして母国語による妖しいヴォーカルを乗せ
ヴィンテージかつカルトな気配に包まれた、これまで以上にいかがわしいサウンドを聴かせる。
ピアノやメロトロン、フルートが重なる、やわらかな叙情性は、やはり北欧のバンドらしい空気感で、
万物を照らす光と物質の関係性をテーマにしたという、スケールの大きさを覗かせつつ、
神秘的ですらあるサイケプログレを展開。この本気度というか、奇天烈な世界観はどこまで強固になるものか。
異色の存在感という点では、ある意味、Motorpsychoにも匹敵するかも。なんだかすごいバンドになってきた。
サイケ度・・8 プログレ度・・7 怪しげ度・・9 総合・・8 
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Twin Age 「Month of the Year」
スウェーデンのプログレバンド、ツイン・エイジの1996年作
うっすらとしたシンセアレンジにメロウなギターの旋律、マイルドなヴォーカルを乗せたサウンドで、
Camelを思わせる繊細な叙情に、北欧らしい涼やかな空気感を合わせたような聴き心地。
いくぶんマイナー臭いくぐもったような湿り気も、魅力といえば魅力になっていて、
ギターのフレーズなども、かつてのKAIPAなどの北欧的な土着性をいくぶん匂わせる。
スタイリッシュさに欠ける分、古き良き北欧プログレの翳りを残しているのがよいですね。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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TWIN AGE 「Lialim High」
スウェーデンのプログレバンド、ツイン・エイジの1997年作
オルガンやメロトロンを含む美しいシンセにマイルドなヴォーカルを乗せ、
ハケットを思わせるメロウなギターが重なると、北欧らしい涼やかな叙情性に包まれる。
11分、14分という大曲もやわらかな聴き心地で、じわじわと心地よいというサウンドであるが、
反面、派手な展開や盛り上がりがない分、煮え切らなさも感じてしまうかもしれない。
くぐもったような適度なマイナー臭さがあるのが、魅力といえば魅力なのかもしれない。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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UMO「Beauty And The Beast」
フィンランドの才人、故ペッカ・ポーヨラUMOジャズ・オーケストラとの共演音源作品。2009年作
放送局用に録音された1977年~2004年の音源で、89年まではペッカ本人がベースで参加。
かつてのペッカの楽曲がオケ入りのアレンジで生まれ変わり、その違和感のなさも素晴らしい。
もともと上品なユーモアをメロデイに感じさせる才能が抜群であったが、それがサックスを含めた
優雅なオケとのジャズ風味のアンサンブルに溶け込んでいて、プログレッシブなスイングジャズ、
とでもいうべきサウンドで、ゆったりと楽しめる。ペッカの作曲才能をあらためて感じられる一枚である。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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UNICORN 「A Collection Of Worlds - Resurrection」
スウェーデンのプログレッシブ・ハードロック、ユニコーンの2018年作
EDGE OF SANITYをはじめ、北欧のメタルシーンで活躍する、ダン・スヴァノが若き日に結成したバンドで、
本作は1989~90年代に録音されていた幻のカセット音源のCD化。美しいシンセワークにメロディックなギター、
ときに変拍子を含んだ軽妙なリズムで聴かせる、キャッチーなシンフォニック・プログレハード。
ダン・スヴァノのジェントルな味わいのヴォーカル(2011年に再録)、そして彼のドラムもかなりの腕前で、
テクニカルなリズムチェンジを含む構築力なども、未発音源とは思えないクオリティの高さだ。
全体的には、むしろASIAなどにも通じる、メジャー感のある優雅なメロディックロックとしても楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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UNIFAUN
スウェーデンのプログレバンド、ユニファウンの2008/2013年作
のちにSteve Hackettのバンドに参加する、ナッド・シルヴァンのユニット。ジャケ変えての再発盤。
いかにもピーター・ガブリエルのようなヴォーカルで、初期~ブロードウェイ期のGENESISを思わせる、
キャッチーな味わいのサウンドを聴かせる。オルガンやメロトロンを含んだヴィンテージなシンセとともに、
やわらかな叙情性と幻想的な空気に包まれながら、フックのある展開力で構築するセンスも見事。
14分におよぶ大曲では、物語的なドラマ性を描くようにじっくりと盛り上げる。全75分はちょっと長いが、
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセ、ドラムをこなす、ナッドのマルチプレイヤーぶりを発揮した好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ジェネシス度・・8 総合・・8
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UZVA「Niittoaika」
フィンランドのチェンバーロックバンド、ウズヴァの2002年作
マリンバ、ビブラフォンのやわらかな響きに艶やかなヴァイオリンが加わった、
北欧らしいゆったりとした叙情に包まれた始まりから、やさしいフルートの音色になごみつつ、
ロック的なアンサンブルが始まると、軽やかなクラシカルチェンバーサウンドとなる。。
適度な民族色を優雅なアンサンブルで組み立てている耳心地のいい演奏で、
日本のバンドで例えるとASTURIAS+KENSOといった雰囲気もあるが、
シリアスさとアヴァンギャルドに展開してゆく組曲もあって、最後まで聴き飽きない。
メロディアス度・・8 優雅なアンサンブル度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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UZVA 「Uoma」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、ウズヴァの3rd。2006作
過去作は未聴ながら、本作ではヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ハープ、
サックスにマリンバなど、多彩な楽器によるチェンバーロックサウンドをやっている。。
人懐こいメロディのせいもあって、シンフォニックな味わいもあり、ほとんど難解さはない。
インストメインながら曲は長めで、10分台のものや、23分の組曲なんてものもある。
たおやかなフルートの音色や、コロコロとしたマリンバにギターが重なると
ジャズと室内楽とシンフォニックの境界を行き来するプログレサウンドとなる。
音には北欧らしい清涼感があり、同郷のPEKKA POHJOLAにも通じる力の抜け具合が耳に優しい
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 チェンバー度・・8 総合・・8
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Valinor's Tree...and Then There Was Silence
スウェーデンのプログレバンド、ヴァリノアズ・トゥリーの2000作
まったく知らないバンドであったが、聴いてみたらこれがゆるやかな叙情と
モダンとレトロの合わさった雰囲気で聴かせる、なかなか耳に心地よいサウンドだ。
PORCUPINE TREEにも通じる、薄暗さと繊細な雰囲気で聴かせつつ、
メロトロン入りのシンセにギターが合わさるとANEKDOTEN風味も顔を出す。
曲が長めなのでややもったりとした部分が緊張感を削ぐが、静謐感をかもし出すピアノなどは美しい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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VIIMA「Ajatuksia Maailman Laidalta」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、ヴィイマの2006作
女性Voを含む4人組で、サウンドは軽やかなメロディアスシンフォニック。
たおやかな女性ヴォーカルの歌声にフルートも入ってしっとりと聴かせつつ、
CAMELあたりを思わせるギターワークもなかなか良い感じだ。
メロディにはトラッド的な土着性もあり、北欧シンフォとしての立ち位置もしっかりとある。
繊細なピアノやここぞと聴かせるメロトロンも美しい。力まずに楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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VIIMA「Kahden Kuun Sirpit」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、ヴィイマの2nd。2009作
前作は女性Vo入りの北欧版CAMELという感じのなかなかの好作であったが、
今作では22分の大曲を含む全4曲という構成で、音のスケール感が増している。
北欧の土着性を感じさせるメロウなギターフレーズに、ゆったりとしたシンセ、
そしてフルートの音色が絡み、涼やかな叙情性を描き出す。母国語による歌声も
土臭いトラッド的な質感で、北欧プログレ好きにはたまらない音が詰まっている。
メロディアス度・・8 北欧度・・9 叙情度・・9 総合・・8
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villebrad「Alla Ar Har Utom Jag」
スウェーデンのプログレバンド、ヴィルブラードの2006作
ギター兼ヴォーカル、ベース、ドラム兼シンセという三人組で、
古き良き北欧プログレの質感と、モダンなアレンジを融合させたサウンドをやっている。
普通にメロトロンの音色を流しながら、エモに近い歌メロで聴かせるという、
いわば古くて現代的な雰囲気だ。曲は3~5分台で比較的コンパクト。
純粋なプログレリスナーからは「プログレじゃない」と拒否されるかもしれないが、
あまりジャンルにこだわらないエモ好きの人などには案外素直に受け入れられるだろう。
キャッチーでモダンな浮遊感とともに、音の中にちゃっんと北欧的な叙情もある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 むしろエモ?度・・8 総合・・7.5
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Villebrad 「Ultrarapid」
スウェーデンのプログレバンド、ヴィレブラドの2008年作
全作からの流れである、エモーショナルロック的なキャッチーさを含ませつつ
本作では母国語のヴォーカルによる土着的な感触とメロトロンを含むシンセが加わって
適度にハードなポストプログレ的モダンさとレトロなやわらかさが融合したというべき、
なかなか面白いサウンドに仕上がっている。曲は3~5分くらいが中心で案外シンプルなのだが、
スタイリッシュなキャッチーさの中にも、随所にしっかりプログレ感触を覗かせるセンスは見事。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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Violent Silence

スウェーデンのテクニカルプログレ、ヴァイオレント・サイレンスの2002年作
ギターレスの4人編成で、テクニカルなリズムと、ときにMATS/MORGANあたりにも通じる
優雅でアヴァンギャルドなセンスで聴かせる、ハードプログレ・フュージョン的なサウンドであるが、
ヴォーカルがいるので、インストだけの技巧ではない、ひねくれたキャッチーさというものも感じる。
一方ではギターがいない分、うねりあるベースの存在感が大きく、コロコロとしたシンセがむしろ対照的で、
そのミスマッチがスリリングさにもなっている。軽やかであるが硬質、テクニカルだが力みすぎないという作品。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・7 総合・・7.5
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VIOLENT SILENCE「KINETIC」
スウェーデンのテクニカルプログレバンド、ヴァイオレント・サイレンスの2nd。2005作
今作ではツインキーボード編成となり、ギターレスで専任ヴォーカルも含むという変則の5人組。
メタルバンド並みにドカドカ疾走するドラムに乗るのは、やわらかな音色のピコピコキーボード。
変則リズムにまみれた曲調は、これでギターが入ればプログレメタルにでもなりそうなところだが、
そうはならないのが面白いというか、新鮮だが物足りないというか…ありていに言って微妙なところ。
音の質感では一番近いのは、MATS/MORGANあたりかと思うが、そこまで変態ではなく
ヴォーカルの歌唱も含めて、ハードロック/メタル的な分かりやすさもある。ギターのいないProgMetalという感じも。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・7.5
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Violent Silence 「A Broken Truce」
スウェーデンのプログレバンド、ヴァイオレント・サイレンスの2013年作
10分以上の大曲4曲というアルバム構成で、軽妙なアンサンブルと美しいシンセアレンジで
メロディックかつ適度にテクニカルなサウンドを聴かせる。知的で軽やかな感触は
HAPPY THE MANあたりも思わせるが、こちらはもう少し北欧的な湿り気のある叙情も含んでいる。
もう少しメロディの盛り上がりが欲しい気もするが、長曲を構成する技量もしっかりとしていて
クールな屈折感覚も垣間見せるセンスはさすがというところ。濃密すぎない味わいの好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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WALRUS
スウェーデンのポストプログレ、ヴァルラスの2012年作
14分の大曲を含む全4曲の作品で、サイケがかった浮遊感の1曲目から、
2曲目になるとオルガンやメロトロンが鳴りだして、ミステリアスな気配に包まれる。
アネクドテンを思わせる感触ともいえるが、オールインストであることもあり、
プログレというほどの展開もなく、やはり静謐系サイケロックというべきか。
雰囲気は悪くないので、さらなる重厚なスケール感や妖しさを増していってもらいたい。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 サイケ度・・7 総合・・7
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WATERCLIME「Astral Factor」
フォークメタルバンドVintersorgのメンバーによるプログレバンド、ウォータークライムの1st。2006作
ギター、ベース、ヴォーカル、シンセを独りでこなす、Mr.VことAndreas Hedlund氏による
個人プロジェクトで、サウンドはハモンド、メロトロンなどが鳴り響くレトロな70'sロック調の質感と、
Vintersorgでも聴かせる独特のマイルドな歌声に土着性を感じさせるメロディが特徴。
全体的にメタル色は薄く、古き良きブリティッシュロックを思わせるような、牧歌的な雰囲気だ。
ドラムは打ち込みながら、ゆるやかなギターワークとシンフォニックなシンセ類の絡みもセンス良く、
むしろVintersorgよりも叙情美は上で、プログレ、シンフォリスナーの耳にはとても心地よい音だろう。
メロディアス度・・8 メタル度・・3 レトロ&牧歌的度・・9 総合・・8
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WATERCLIME「Imaginative」
Vintersorgによるプログレバンド、ウォータークライムの2nd。2007作
前作にあったハードさがとれた分、音はやや優しくなり、もはやメタルファンではなく
完全に北欧プログレのリスナー向けのサウンドになった感じがする。
ハモンドやメロトロンのやわらかな質感に、北欧的な土着メロディと
少しのサイケがかった浮遊感で聴かせる、レトロ風味のプログレだ。
前作よりも主旋律のインパクトがなくなった分、少し音は薄く感じるものの、
ギター、ベース、ヴォーカル、キーボードを一人でこなすMr V氏のマルチプレイヤーぶりが
遺憾なく発揮された、彼の趣味的な音世界が広がる作品だ。
メロディアス度・・8 レトロプログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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WESERBERGLAND「Sehr Kosmisch Ganz Progisch」
ノルウェーのプログレバンド、ウェザーベルグランドの2017年作
WHITE WILLOWのケティル・ヴェストラム・エイナーセンを中心に、同バンドのヤコブ・ホルム・ルポ、マティアス・オルソン、
WOBBLERのラーズ・フレデリク・フロイスリーらが参加、エレクトロなシンセを、アナログ感あるドラムに乗せ、
涼やかな叙情に包まれたインストサウンドを聴かせる。TANGERINE DREAMなど、ジャーマンロック的でもある
スペイシーな感触もありつつ、メロウなフレージングを奏でるギターや、清涼感のある美しいシンセの重ね、
やわらかにフルートが鳴り響くあたりは、やはり北欧らしい聴き心地。躍動感のあるマティアス・オルソンのドラムも
アンサンブルの屋台骨になっていて、12分、15分という大曲を、適度にフリーキーかつ軽妙に構築してゆく。
NEKROMONKYPIXIE NINJAなどに通じるところもありつつ、より美麗なシンセサウンドが楽しめる逸品です。
キーボー度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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When 「Black White & Grey」
ノルウェーのチェンバーロック、ウェンの1991年作
ラーズ・ペデルセンの一人ユニットで、1曲目は20分の大曲。うっすらとしたシンセに、不穏な鐘の響き、
救急車のサイレン、男の息づかいや銃声などのSEがホラー映画的な空気を描き、それらがギターやシンセと溶け合って、
聴き手の想像力を掻き立てる混沌としたダークなサウンドを作り出している。きっと一般のリスナーには、
これを音楽としては聴けないだろうが、音の暗黒芸術として悪夢を見るように楽しむのが正解だろう。
2曲目以降はヴォーカル入りのわりと聴きやすいところもあるが、やはりどうしても暗黒へと向かってゆく。
Henry Cowのクリス・カトラーが作詞を担当。次作「The Black Death」へとつながる、異色作である。
CD盤にはLPのみで発表された1988年作収録の21分の大曲「Death in the Blue Lake」を追加収録している。
ドラマティック度・・7 ロック度・・1 暗黒度・・9 総合・・8
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WHEN 「The Black Death (Svartedauen)」
ノルウェーのチェンバーロック、ウェンの1992年作
黒死病に犯された村が全滅する様子を描いた38分全1曲のコンセプト作品で
以前聴いたときには、あまりに怖くて売ってしまったという記憶がある。笑
作品自体は音楽というよりは、サウンドコラージュによるサントラ的な雰囲気で
動物の鳴き声やら足音やら、ホラー映画みたいな効果音などがえらく不気味で、
夜中に聴くとトラウマになること必至。シンセやチェロなどが適度に鳴っているので
かろうじて「音楽」としても成り立ってはいるが、とにかく異端の極北というべき内容なのだ。
BURZUMなどもジャケに使用しているTheodor Kittelsenによるブックレットの挿絵も怖いです。泣
暗黒度・・9 プログレ度・・7 ロック度・・1 総合・・8
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WHEN 「PREFAB WRECKAGE」
ノルウェーのチェンバーロック、1994年作
ラーズ・ペデルセンの一人ユニットで、黒死病を描いた前作のインパクトが強烈であったが、
本作はエレクトロなアレンジを強めつつも、暗くて不気味な音楽を追及しているのは同様。
シーケンサーによるリズムや怪しいエフェクト、シンセの重ねによる不穏な空気感に、
チェロやヴィオラなどの音色が鳴り響き、ときおりヴォーカルも入って来て異質な緊張感を漂わせる。
一筋縄ではいかない暗黒チェンバー好きはぜひ。クリス・カトラーが3曲が歌詞を提供している。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 暗黒度・・8 総合・・8

When「Gynt」
ノルウェーのチェンバーロック、ウェンの1998年作
ヘンリック・イプセンの戯曲で、グリーグが音楽を制作したことで知られる「ペール・ギュント」をテーマにした作品。
1~2分前後の小曲を物語に沿って連ねた形式で、いわば全体がストーリーを描く組曲となっている。
管弦楽器を使用したチェンバーロックとしてのクラシカル性に、SEなどのサウンドコラージュを加えた
ダークでアヴァンギャルドな世界観は、さすがラーズ・ペテルセン先生である。随所にセリフめいたエフェクト音を挿入し
物語的な空気感を描くような聴き心地であるが、突拍子もないアヴァンギャルドなセンスは健在。
以前の作品よりは暗黒度が若干薄れているので、アヴァンロックとしてわりと普通に楽しめるかもしれない。
ドラマティック度・・7 ロック度・・2 暗黒度・・7 総合・・8

WHEN 「The WriterCakebox - The Unblessed World of When (1983-1998)」
ノルウェーのチェンバーロック、ウェンのマテリアル集。1999年作
ラーズ・ペデルセンの一人ユニットで、本作は6枚のアルバムと、初期の未発音源などを含む
CD2枚組のアンソロジー作品。北欧独特の地下暗さとアヴァンギャルドな感性が融合した作風で、
緊迫感漂うホラーサントラ風味から、打ち込みリズムのエレクトロちっくな曲など、
どんなのををやっても結局怖いという。日本語の僧侶の語りなど、意味不明感もたっぷり。
異色にして異質の個人音楽…fromノルウェイ。まともな人は聴いてはダメだ。
ドラマティック度・・5 プログレ度・・7 暗黒度・・8 総合・・8
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WHEN 「Lobster Boys」
ノルウェーのアヴァン・チェンバーロック、ウェンの2001年作
ラーズ・ペデルセンの一人ユニットで、本作は意味不明なジャケとタイトル通り、
サウンドコラージュとエレクトロなアヴァンギャルド性が無理やり融合した異色の音楽性。
ヘンタイかつブラックなポップ感という点では、MATS/MORGANなどにも通じるだろう。
キャッチーな北欧ポップロック的な小曲もあり、案外爽やかじゃん…とのんびり楽しんだりしつつ
ラストは16分超の大曲で、緊迫感ただよう暗黒魔王ぶりと意味不明感がコラージュされてとても異常です。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・9 総合・・7.5
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WHEN 「Pearl Harvest」
ノルウェーのアヴァンロック、ウェンの2003年作
鬼才、ラーズ・ペデルセンの一人ユニットで、本作はのっけからインド音楽的なオリエンタルな雰囲気。
パーカッションにシタール、わりとまともなヴォーカルを乗せた、案外聴きやすい民族サイケという趣。
シンセやアコーディオン、オーケストラのサンプリングのアレンジを加えた、なかなか面白い味わいで、
ドラムとギターを使った、ポップなロックナンバーもあるというのが、この方にしては逆にまともではない。笑
暗黒性はさほど強くないのだが、やはり怪しげでアヴァンギャルドな部分は、そこかしこに覗かせてくれ、
ときにホラーサントラ的な味わいに包まれる。メロトロンなどのシンセも美しく、全体的にはキャッチーな作品だろう。
プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 暗黒度・・6 総合・・7.5 
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WHEN 「WHENEVER」
ウェンの2004年作
本作は目玉焼きのジャケがいつになくポップな雰囲気であるが、オリエンタルな旋律と
お経のような語りの入ったイントロからしてもう怪しい。民族的なパーカッションに笛の音色を乗せた、
インド音楽かガムランか、というようなナンバーから、シンセやサンプリングなどによる味付けで、
ミステリアスな空気も含んだ「らしさ」も健在だ、。一方では、テクノ的なコミカルな味わいもあったり、
妖しすぎる雰囲気モノというような、14分というアヴァンギャルド大曲は、暗黒魔王の面目躍如というところ。
ラスト曲はわりと聴きやすいサイケなプログレで、片手間に作ったというようなとりとめのなさも持ち味というべきか。
プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 暗黒度・・6 総合・・7.5
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WHEN 「Trippy Happy」
ウェンの2007年作
本作は、メロトロンを含んだ美しいシンセにマイルドなヴォーカルを乗せた、牧歌的なフォーク風味で始まりつつ、
オーケストラルなアレンジに唐突な緊迫感も現れて、アヴァンギャルドなチェンバーポップというサウンドになる。
やわらかなコーラスハーモニーにメロトロンが重なるところはじつに優雅で、まるでビートルズのように
普通にキャッチーなロックをやりながらも、その背後にはうっすらと暗黒性が見え隠れしている。
このポップ性に隠された不穏なセンスというのはさすがである。今作はバンド的な楽曲が多いので、
一般のプログレファンも楽しめつつ、ときおりニヤリとするようアヴァンギャルド性が垣間見える好作品だ。
プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 キャッチーで暗黒度・・8 総合・・8
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WHEN 「You are Silent」
ノルウェーのアヴァン・チェンバーロック、ウェンの2008年作
不穏なチェロの音色にピアノのつまびき、語りのようなヴォーカルとともに、
静寂感のあるダークな空間を描き出す。かと思うとノイジーなギターが割り込んできて、
恐ろしげなSEも挿入されたホラームービー的なサウンドコラージュがじつに怪しい。
2曲目はキャッチーな歌が入ったバンドアレンジのスペイシーなサイケロック風だったり、
4曲目は物悲しい歌ものポストプログレ的だったりと、とりとめがないのだが、ラストは20分の大曲で、
BURZUMを思わせるような地下臭ただよう世界観がたまらない。まさに暗黒魔王というべき力作です。
ドラマティック度・・7 暗黒度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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WHEN 「HOMAGE SERIES Vol 1.Sun Ra」
ウェンの2009年作
前作「You are Silent」は暗黒魔王復活というような力作であったが、本作はジャズタッチのナンバーで幕を開けつつ、
落ち着いた大人のサウンドかと思いきや、それは唐突に崩壊し、スペイシーなシンセがサイケに鳴り響く、
アヴァンギャルド性が炸裂。コロコロとしたエレクトロなコミカル性と、得体の知れない怪しいセンスが同居していて、
3分前後の小曲を主体にしつつも、まったく先が読めない。ときに語りを含んだSFコンセプト的な雰囲気もかもしだす。
結局はよく分からないまま右脳で感じるような、スペース・サイケな作品です。いずれ続編もあるのかな?
プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・9 暗黒度・・7 総合・・7.5
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When 「Whensday」
ウェンの2013年作
今作は、ファン・エイクの絵画をあしらったジャケからして、中世ヨーロッパを感じさせるが、
シンセによるイントロから始まり、軽快なリズムにギターを重ねたキャッチーなロック感触から
牧歌的なアコースティックなナンバーにメロトロンも鳴り響く、北欧フォーク的な叙情性など、
相変わらずとりとめのないサウンドが楽しい。全体的にアヴァンギャルドな暗黒性は薄めであるが、
むしろ、サムラのようなとぼけたセンスとともにユルーく聴かせる作風で、これはこれでよいですな。
後半はキャッチーな小曲が続くと思ったら、ラスト曲ではかつての「The Black Death」を思わせるような
怪しいサウンドコラージュとともに暗黒魔王が降臨…これですよコレ。健在ぶりにほっとしました。
プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・7 暗黒度・・7 総合・・8
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WHITE WILLOW「Ignis Fatuus」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの1st。1995年作
たおやかなフルートの音色に鳴り響くメロトロン、はかなげな女性ヴォーカルの歌声。
アコースティカルな静寂さは英国フォークにも通じる湿りけがあり、バンドの全アルバム中でも、
もっとも叙情的な作品と言えるだろう。当時はANGLAGARDとも比較されていたが、
確かに北欧的な薄暗い世界観は通じるものがある。バンドはこの後、アルバムごとに方向性を変化させてゆく。
シンフォニック度・・7 静寂の叙情度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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WHITE WILLOW「sacrament」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの3rd。2000作
1stの時点ではフォーク色の強い静寂系サウンドだったのですが、2ndからゴシック的な質感も入り始め、
この3rdではいっそうゴシックメタル的雰囲気が増しています。ゆったりとしたシンセとたゆたうような女性ヴォーカルの歌声で、
しっとりと聴いていると、突如、ANEKDOTEN並のヘヴィネスがやってきますのでご注意。
これまでになく楽曲の静と動のメリハリが凄くて、アルバムの全体的な緊張感を高めています。
北欧らしい静寂感と、ANGLAGARDの2ndあたりに通じる緊張感、その両方が味わえる作品です。
メロディアス度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHITE WILLOW「STORM SEASON」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの4th。2004作
前作「SACRAMENT」の延長上の雰囲気で、巧みな曲のアレンジや演奏などには
バンドとしての自信と余裕とが感じられる。女性ヴォーカルの歌唱の美しさは相変わらずに、
もの悲しいチェロの音色やストリングスを効果的に配し、メロトロンなど70年代風のパーツと、
現代的シンフォ音像を上手くかみ合わせている。そして、そこにゴシック風のメランコリックさを混ぜ合わせた
彼らのサウンドは結果として90年代以降の北欧シンフォの王道的な作品に仕上がっている。
PAATOSとともに、今後の北欧シーンを引っ張ってゆくバンドである。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHITE WILLOWSignal to Noise
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの5th。2006作
アルバムごとにメンバーが変わり、方向性も変化しているこのバンドだが、
今回もヴォーカルを代えてきた。前回までのゴシックメタル風味を保ちつつも
よりアンビエントな歌唱を聴かせる女性Voとともに、ねっとりとした絡みつくような色香が音にある。
明快なフレージングでアクセントをつけるギターや、もの悲しいフルートの音色も効果的で、
サウンドにはノルウェーのバンドだけにかもし出せるメランコリックな叙情性が溢れている。
曲ももちろん良いが、雰囲気ものとしても過去最高の出来で、新Voの表現力も実に素晴らしいし、
シンセのアレンジなども、嫌味でない位のモダンさの同居に成功していて、作品の完成度を高めている。
シンフォニック度・・8 北欧度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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White Willow「Terminal Twilight」
ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの2011年作
前作は女性Voを全面に出したアンビエントなシンフォニックの傑作であったが、
今作でもヴォーカルが代わり、さらにドラムには元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加している。
そのサウンドは浮遊感を漂わせたサイケ風味のシンフォニックロックで、メロトロンやオルガンなどの
レトロな雰囲気と、、かつてのANGLAGARDを思わせる、いかにも北欧的な薄暗さに包まれた作風。
しっとりとしたピアノにフルートの音色、女性ヴォーカルの歌声も優しく、アコースティカルな牧歌性もあって、
じつにやわらかな耳心地。アナログ感のある音作りはWobblerなどにも近いか。幻想的な北欧プログレの傑作です。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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White Willow 「Ignis Fatuus」
ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの1995/2014年作
かつて「鬼火」のタイトルで発売された、1stアルバムのリマスター盤に、未発音源の入った2CD仕様。
英国フォーク的なアコースティカルな叙情と幻想的な薄暗さを感じさせる世界観で、
やわらかな女性ヴォーカルの歌声とともにしっとりと聴かせるサウンドが本作の魅力。
うっすらとしたメロトロンに包まれ、ANGLAGARDなどにも通じる北欧独特の翳りある空気感に、
初期クリムゾンのようなフルートが幽玄に鳴り響く。一部、男性ヴォーカルも加わったり、
ヴァイオリンなども効果的に使われていて、この素朴な美しさというのは2nd以降に比べても本作が際立っている。
あらためて聴いても繊細系北欧シンフォの名作だ。他アルバムもそれぞれジャケを変更してリマスター再発されている。
プログレ度・・7 繊細度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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White Willow 「Ex Tenebris」
ノルウェーのプログレバンド、ホワイト・ウィローの1998年作/2014年再発盤
1995年のデビュー作「鬼火」では幻想的なシンフォニック・フォークという作風であったが、
本作ではメロトロンが鳴り響き、男女ヴォーカルの歌声で聴かせるやわらかなサウンドで、
いわば「フォーク風味のANEKDOTEN」というような雰囲気もある。メロウなギターフレーズや
オルガンにメロトロンのメランコリックな音色も耳心地よく、ゴシック的な物悲しさも感じさせつつ、
美しい女性声とピアノで聴かせるしっとりとしたナンバーなど、全体的には優しく繊細な作風だ。
ANGLAGARDのマティアス・オルソンがドラムで参加。再発盤のボーナスには、デモやライブ音源4曲が追加収録。
ドラマティック度・・7 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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White Willow 「Sacrament」
ホワイト・ウィローの2000年作/2014年再発盤
前作までのフォーキーな繊細さも残しながら、今作ではより楽曲におけるダイナミズムが増した。
シルビア嬢の美しい歌声を乗せた繊細な叙情と、やわらかなフルートの音色に耳が和みつつ、
いきなり重厚なパートが押し寄せ、ANGLAGARDを思わせる緩急のついたアレンジが素晴らしい。
9分、10分という大曲も多いが、変拍子たっぷりのインストパートの展開力で飽きさせない。
一方ではしっとりとしたフォーク風味のパートもあって、バンドとしての作風の幅と音の強度が高まったことで、
より多くのプログレリスナーにアピールするサウンドになったとも言える。再発盤にはデモとライブ音源を3曲追加収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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White Willow 「Future Hopes」
ノルウェーのプログレバンド、ホワイト・ウィローの2017年作
1995年にデビュー、本作は2011年作以来となる7作目。ロジャー・ディーンによるジャケとロゴが、
まるでYESのような雰囲気だが、サウンドの方は、たゆたうように美しい女性ヴォーカルを乗せ
アンニュイな空気感に包まれた、これまでの作風の延長上。メロウなギターにうっすらとしたシンセ、
ときにトランペットやクラリネットも加わりつつ、しっとりとした叙情性とゴシック寄りの倦怠の美を描き出す。
Necromonkeyでも活躍するマティアス・オルソンのドラムもメリハリのあるグルーブ感を付加していて、
古き良きアナログ感を巧みに感じさせるのも見事。11分、18分という大曲も、決して派手には盛り上がらないが
あくまでしっとりと、涼やかで繊細な空気に包まれている。モダンな翳りとやわらかな叙情美に浸れる傑作です。
ドラマティック度・・7 繊細な翳り度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 
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WIGWAM「TOMBSTONE VALENTINE」
フィンランドのプログレバンド、ウィグワムの2nd。1970年作
アコーディオンが鳴り響き、やわらかなヴォーカルとともに聴かせる牧歌的なサウンドで
ユッカ・グスタフソンの奏でるピアノ、オルガンにペッカ・ポーヨラのベース、
そしてときにヴァイオリンも加わった、クラシカルでジャジーなサイケというような感触。
次作のようなアンサンブルの妙というよりは、楽曲は3分前後の歌もの主体という感じで
肩の力を抜けたユルさが本作の魅力か。プログレとして聴くなら次作からどうぞ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 ユル度・・8 総合・・7.5
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WIGWAM「Fairyport」
フィンランドのプログレバンド、ウィグワムの3rd。1971年作
次作と並ぶ傑作とされるアルバムで、オルガンやピアノが鳴りながら、軽やかなアンサンブルで聴かせる
優雅でジャジーな感触に、北欧らしい素朴な叙情が合わさったようなサウンド。
いわば英国アートロックの北欧的解釈というべきか、クラシックやジャズの要素を取り込んだ、
ボーダーレスの自由度を感じさせるアンサンブルで、ペッカ・ポーヨラの歌うようなベースワークも素晴らしい。
また、ユッカ・グスタフソンのオルガンもたっぷり味わえる。元がLP2枚組ということで、いくぶんの長尺感はあるが。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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WIGWAM「Being」
フィンランドのプログレバンド、ウィグワムの4th。1973年作
ペッカ・ポーヨラが在籍していたバンドで、本作はプログレ色の濃い代表作というべき傑作。
ピアノやオルガンの優雅な音色と、いくぶんサイケがかったキャッチーなヴォーカルハーモニー、
フルートやクラリネット、オーボエなどのやわらかな音色は、クラシカルな優しさをたたえ、
ジャズロック的な軽妙さを含みつつ、北欧らしい素朴さを持った耳心地のよいサウンド。
どこかとぼけた味わいの中に、懐の大きなスケール感を感じさせるところはメンバーの技量の高さだろう。
オルガンが鳴る70年代ブリティッシュロック風味を、知的なプログレ感性で包んだような傑作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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WIGWAM 「Nuclear Nightclub
フィンランドのプログレバンド、ウィグワムの1975年作
ユッカ・グスタフソンとペッカ・ポーヨラが脱退し、新たなシンセとベースを迎えてのアルバム。
一聴してマイルドなヴォーカルで聴かせる牧歌的な感触が強まっていて、
前作までのクラシックやジャズの要素は薄まっている。70年代ロックのおおらかさと
キャッチーでぼけた味わいも含んだ作風は、プログレとしてはやや物足りないが、
随所に北欧らしい叙情性は残しているので、肩の力を入れずのんびりと楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 北欧・・8 総合・・7.5
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The WindMill 「To Be Continued」
ノルウェーのプログレバンド、ウインドミルの2010年作
うっすらとしたシンセをバックにフルートやサックスの音色がかぶさり
キャッチーなメロディとともに北欧らしい爽やかなサウンドを聴かせる。
随所オルガンなどのレトロなシンセアレンジやメロウなギターも盛り込んで、
ときにKAIPAなどを思わせるような北欧らしい叙情もあってじつに耳に優しい。
10分、20分という大曲も軽妙でセンスのよいインストパートで飽きさせない。
シンフォニックな美しさと繊細さが合わさった北欧シンフォの好作品である。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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The Windmill 「The Continuation」
ノルウェーのプログレバンド、ウインドミルの2013年作
前作もKAIPAのような叙情的な好作だったが、今作も北欧らしいやわらかなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
素朴なフルートの音色にメロウなギターが重なり、うっすらとした美しいシンセやピアノも加わって、
繊細に構築してゆくサウンドだ。煮え切らないヴォーカルの声質などは、いかにもマイナー臭いのだが、
それすらも北欧プログレらしいと思えなくもない。12分、24分という大曲も、いわばドラマテイックすぎない展開で、
いくぶんもったりとした垢抜けなさも含めてやわらかに楽しめる、叙情味豊かな好作品だ。
ドラマティック度・・7 やわらかな叙情度・・8 北欧度・・9 総合・・7.5



The Windmill 「Tribus」
ノルウェーのプログレバンド、ウインドミルの2018年作
2010年にデビューし、本作が3作目となる。のっけから23分という大曲で、アースティックギターにフルート、
うっすらとしたシンセに北欧らしいギターの旋律を乗せて、優美で涼やかなシンフォニックロックを展開する。
インストパートがメインながら、ときに大人の味わいのヴォーカルにサックスの響きが哀愁の叙情を描き出し、
美しいメロトロンに繊細なフルートの音色がやわらかく包み込むところは、北欧シンフォプログレの王道である。
派手な展開はないものの、オルガン鳴り響くヴィンテージな感触も含んだ、耳心地の良い逸品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 涼やか叙情度・・9 総合・・8 
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Windom End 「Perspective Views」
スウェーデンのプログレバンド、ウィンダム・エンドの2020年作
元MOON SAFARIのドラマー率いるバンドで、オルガンやメロトロンを含むやわらかなシンセに
メロディックなギター、ジェントルなヴォーカルを乗せた、優美でキャッチーなサウンドを聴かせる。
THE FLOWER KINGSあたりにも通じる構築性と、MOON SAFARIを彷彿とさせるコーラスハーモニー、
適度にテクニカルなインストパートも含みつつ、10分を超える大曲をじっくりと優雅に描いてゆく。
ほどよくハードな味わいとメロウな叙情が同居して、楽曲展開に新鮮味はさほどないものの、ラストの大曲では、
まさにムーン・サファリばりの優美なシンフォプログレが炸裂。日本盤ボーナスCDには、3曲入り、25分のEPを収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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WOBBLER「HINTERLAND」
ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2005年作
近年また活気づいている北欧のシーンから、またしても70年代の香りを濃密に描くバンドが誕生。
ミニムーグ、ハモンド、メロトロンというヴィンテージなシンセを掻き鳴らすレトロな北欧プログレサウンド。
EL&P的なハモンドオルガンに、ANGLAGARDANEKDOTENにも通じるゆるやかなメロトロンの叙情、
北欧らしい薄暗さとウェットな叙情を保ちつつ、適度にヘヴィで現代的なセンスが光るという作風は、
単なる懐古主義サウンドというにはなかなか出来がよい。上記のバンドが好きなら聴いて損はない力作。
シンフォニック度・・7 ヴィンテージ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Wobbler「Afterglow」
ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2nd。2009年作
70年代風のサウンドを聴かせた1stもなかなかの出来だったが、本作は格段に良い。
典雅なチェンバロやフルートの音色で始まるイントロから、続く15分の大曲では
盛大にメロトロンが鳴り響き、ANEKDOTENばりに凄まじいプログレが炸裂している。
ハモンドに絡まるリコーダーの響きは中世の世界観を描き、ビブラフォンやチェロなども加わって
インスト主体でありながらも起伏に富んだ展開と多彩な楽器の音色で飽きさせない。
テクニカルな軽やかさと、北欧的な叙情と土着性を同居させたアレンジも見事と言う他はない。
トレンドに敢然と背を向け、メンバーがひとつの幻想を描こうとする強度が音にはあり、
それが強烈な説得力となって、このレトロかつ北欧的なプログレ/シンフォニックを構築している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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WobblerRites at Dawn
ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2011年作
北欧プログレとしては現在BEARDFISHと並ぶ実力者、前作はじつに素晴らしい傑作であったのだが、
今作もそのレトロなシンセワークと優雅な叙情性が合体した濃密なシンフォニックを聴かせてくれる。
やわらかなヴォーカルハーモニーはYES的でもあり、オルガンやムーグなどのシンセはELP色もあるという、
どこを切ってもプログレ好きにはにんまりのサウンド。10分以上の大曲2曲を含めて構築力もさすがだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Wobbler 「From Silence to Somewhere 」
ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2017年作
2005年にデビュー、確信犯的なヴィンテージサウンドで、一躍北欧プログレ期待の新鋭となったこのバンド。
4作目となる本作は、のっけから21分におよぶ大曲で幕を開ける。オルガン、ミニムーグ、メロトロンを含むシンセに、
70年代ルーツのギターサウンドを乗せ、アナログ感たっぷりのアンサンブルで、軽妙なインストパートを描く。
アコースティックギターやフルートなどを含む叙情性に、緩急のある展開力と北欧らしい土着的な空気感は、
ANGLAGARDなどにも通じる、やわらかな神秘性に包まれていて、マイルドなヴォーカルを乗せた繊細さは、
フォーク的でもある涼やかな聴き心地。ANEKDOTENばりに鳴り響くメロトロンパートもじつに魅力的である。
ピアノによる2分の小曲を挟んで、10分、13分という大曲の全4曲46分。北欧プログレ好きはマストでしよう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・9 総合・・8.5
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XYZ

XINEMABasic Communication
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シネマの2006作
昨今活発な北欧のシンフォニック シーンであるが、このバンドは
どちらかというとプログレハード風のストレートなサウンドが持ち味。
ややハードエッジなギターに、キャッチーなコーラスワークが重なり
透明感のあるシンセワークが全体のトーンをシンフォニックに彩る。
YESKANSASなどに通じる軽やかさと、THE FLOWER KINGSあたりを思わせる
北欧の叙情メロディが合わさり、難解さのない爽快なシンフォニックハードとして楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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XL「JUKOLA」
フィンランドのチェンバープログレバンド、エックスエルの2nd。1998年作
POHJOLAレコーズから配給されていることからも、あのペッカも認めるバンドなのだろう。
このバンドの特徴はサウンドの中に大胆にシーケンサーを使っていることで、
モダンでデジタリィなシンセと民族的な要素が融合しているのが面白い。
ゆったりとしたインストを聴かせつつ、ギターはときに泣きのメロディを奏で
バックのシンフォニックなアレンジも手伝って、うっとりとなる場面もしばしば。
チェンバー風味であっても、緊張感よりも自然体の流れで楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ゆったりインスト度・・8 総合・・8
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XL 「jeti」
フィンランドのプログレ・チェンバーロックバンド、エックスエルの3rd。1999作
Pekka Pohjolaのバック・アップによりデビューしたこのバンドは、
やわらかみのあるチェンバーロックにMIDIヴァイブのデジタルな質感を取り入れた作風で、
「エレクトロ化したシンフォニックロック」というようなモダンな雰囲気を漂わせる。
きらきらとしたシンセ音に、ときにヴァイオリンなどのストリングスが加わって、ゆったりとした
優雅なインストサウンドを聴かせてくれる。これもひとつの新しいプログレの形といえるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり優雅度・9 総合・・8
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XL 「Live Ballet」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、エックスエルのライブ。2001年作
コロコロとしたシーケンサーのプログラムと、ロックなアンサンブルを知的に融合させた
このバンドの独自の感触は、ライブではよりサウンドに躍動感が加わっている。
適度にハードさをともなった奔放なギターワークに、DJによるサンプリングヴォイスが混じり
モダンで都会的なセンスをミステリアスな浮遊感に溶け込ませているのも面白い。
バックではストリングスカルテットが美しい音色を奏で、ギターはときにペッカを思わせる
北欧らしい叙情メロディを聴かせる。その故ペッカ・ホーヨラが2曲でゲスト参加、ベースを弾いているのも特筆もの。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 知的センス・・8 総合・・8
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XL「surreal」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、エックスエルの4th。2002年作
デジタリィなシーケンサーによるシンセアレンジと、PEKKAにも通じるような素朴な質感を融合させ、
独自のプログレッシブサウンドを聴かせるこのバンド。本作も進化の過程にある意欲作だ。
ヴァイオリンチェロなどのストリングスに、クラリネット、ホーンといった室内楽的な優雅さと
シーケンサーによるレコメン的なモダンさが合わさり、繊細でありつつ奥深い音楽を聴かせてくれる。
コロコロとしたヴィブラフォンの音色と、美しいストリングス、そしてロック的なギターが合わさると、
「優雅な偏屈」ともいうべき新鮮な感覚に包まれる。既存のスタイルに捕らわれないセンスが光る傑作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・9 総合・・8
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XL「VISUaL」
フィンランドのチェンバープログレバンド、エックスエルの5th。2003作
デジタリィなシーケンサーによるシンセアレンジはさらに自然になり、
聴きやすいリズムの上に乗る、ゆるやかなメロディが耳に心地よい。
きらきらとしたヴィブラフォンの音色に、美しいストリングスも加わって、非常に上品で
繊細なサウンドを構成している。プログレ的な躍動感や展開による盛り上がりはあまりないが、
PEKKA POHJOLAを思わせるような温かみのある好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり度・9 総合・・8
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XL 「Cinematic Fantasies」
フィンランドのプログレバンド、エックスエルのベストアルバム。2012年作
故PEKKA POHJOLAに見いだされ、1994~2003年の間に、ライブ作品を含めて6枚のアルバムを発表し解散したバンド。
アトゥ・タカロのMIDIヴァイブの軽やかな音色と、エフェクトの効いたギター、ヴォーカルが合わさり、
モダンなエレクトロ要素とプログレ、ジャズ、シンフォニックという要素が混ざり合った独自のサウンドは、
解散から10年以上をへてもなお斬新である。ストリングスを含んだスケール感のあるアレンジと、
スペイシーな浮遊感とデジタル要素に、PEKKAを思わせる繊細なメロディと美意識…まさにセンスの塊のようなバンドであった。
各アルバムから数曲ずつ、全14曲をたっぷり収録。なお、ARTTU TAKALO、Jarmo Saariは現在はソロで活動中である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 モダンセンス度・・9 総合・・8 
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YNGVE GUDDAL & ROGER T. MATTE 「GENESIS FOR TWO GRAND PIANOS」
ノルウェーのピアニスト二人による、ジェネシスのカヴァー作品。2000年作
二台のグランドピアノで、GENESISの楽曲を演奏するというプロジェクト。
各曲の歌メロや主旋律も忠実にピアノで再現していて、「サルマシスの泉」や
「Can-Utility and the Coastliners」など、もともとの楽曲における優美なメロディもあって、
なんら違和感がない仕上がり。「静寂の嵐」収録の大曲「One For The Vine」など、
アレンジにはこれという意外性はないが、クラシカルで優雅なピアノ演奏が楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・5 優美度・・8 総合・・7.5
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VA/
MELLOTRONEN 20th Anniversary Party 2007
スウェーデンのメロトロネン・レーベル主催の豪華客船上ライヴを収めたDVD作品。2007年作
参加バンドは…NIKAEL RAMEL、MECKI MARK MEN、SOLID GROUND、ASOKA、NOVEMBER、FRIENDSHIP TIME、
EMMA NORDENSTAM、LIFE、MORTE MACABRE、FLASKET BRINNER、CHARLIE & ESDOR、JOJJE WADENIUS ALL STAR TEAM
という、12バンドの演奏を約3時間にわたって収録している。NOVEMBERに代表されるようにハード/ブルーズロック系のバンドが多く、
よほどコアなファンでないと、知らないバンドばかりだろう。また実際の映像もブート程度の画質で、中には演奏自体が素人くさいバンドもあって、
いろいろな意味でもかなりマニアックな内容だ。LIFEMORTE MACABREを目当てに買う方もいるかもしれないが、
1バンドあたりの時間は10分程度。貴重な映像ではあるが、スウェディッシュロックマニア以外にはお勧めできないのも確かである。
マニア度・・10 ライブ映像・・6 ライブ演奏・・7 総合・・6.5
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VA/A Flower Full of Stars - A Tribute to the Flower Kings
北欧プログレを代表するバンド、フラワー・キングスのトリビュートアルバム。2011年作
参加しているのは、Final Conflict、Flamborough Head、Mist Season、Sky Architect、Soniq Circus、
Pandora、Supernal Endgame、Unitopia、YesterdaysExpedition Delta、Forgotten Sunsなど、
なかなかマニアックなメンツで、CD4枚、合計4時間弱というフラキン祭りが繰り広げられる。
基本は比較的元曲に忠実なアレンジながら、各バンドそれぞれのフラキン愛が感じられる「ユルさ」もポイントで、
ロイネのソロ名義時代の名曲“The Flower King”や“ In the Eyes of the World”、“Stardust We Are”
そして、“World of Adventures”といったバンドの代表曲も入っているので、TFKファンならば充分楽しめるだろう。
シンフォニック度・・7 ユル度・・9 フラキン愛度・・9 総合・・8
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VA/Rokstenen-Tribute to Swedish Progressive Rock
Museaレーベル主催による70年代北欧プログレッシブロックのトリビュート作。2009作
参加バンドはBEARDFISH、Simon Says、In The Labyrinthといった北欧のバンドから、
Willowglass、Echoes、Jinetes Negrosなど世界各国のシンフォニック系バンドが多数。
KAIPAをはじめ、DICE、Samla Mammas Manna、Trettioariga Kriget、Bo Hansson、Ragnarok、
さらには、Atlas、Blakulla、Ralph Lundsten、Novemberといったあたりまでをカヴァーしている。
原曲を知っていればより楽しめるだろうが、知らなくても北欧バンド特有のメロウな叙情と
いくぶんの野暮ったさを含んだ楽曲たちはなかなか味わい深く、聴き終える頃にはきっと
北欧プログレに興味を持つに違いない。個人的にはやはりKAIPAとDICEの曲が思い入れ深い。
DICEの「黙示録の四人の御遣い達」を4つのバンドが、それぞれ曲を再現しているのも嬉しい。
メロディアス度・・8 北欧度・・9 マニアック度・・9 総合・・8
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Kalevala - A Finnish Progressive Rock Epic
北欧フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」をコンセプトに世界各国のバンドが集った、CD3枚組オムニバス。2003年作
ベテランのHAIKARAをはじめ、OVERHEAD、SIMON SAYS、SINKADUS、GROOVECTOR、VIIMAといった北欧勢に、
MOONGARDEN、IL CASTELLO DI ATLANTE、SUBMARINE SILENCE、MUSEO ROSENBACH、GREENWALL、
MALIBRAN、Leviathan、SOFIA BACCINIなどのイタリア勢、イギリスのMAGENTA、フランスのCLEARLIGHTも参加。
女性ヴォーカル入りの11分のスリリングな大曲のハイカラ、優雅なシンフォプログレを聴かせるOVERHEAD
ほとんどGENESISのようなSIMON SAYS、いかにも北欧プログレらしい翳りを帯びた叙情のSINKADUS
美しい女性声シンフォのマジェンタ、きらびやかな王道シンフォのSUBMARINE SILENCEなど、Disc1は充実の内容。
Disc2は、女性ヴォーカルとストリングスが優美なGreenWall、ミステリアスな叙情のMUSEO ROSENBACH
ドラマティックな大曲のLeviathan、妖しい女性声のSOFIA BACCINIなど、むしろイタリア的な雰囲気に包まれる。
Disc3では、アヴァンギャルドなQADESH、北欧らしいシンフォのGrand Stand、あたりも嬉しい発見だった。
CD3枚で合計230分以上。幻想的な叙情プログレがたっぷりと楽しめる、なかなか質の高いオムニバス作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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VA/ The Stories of H.P. Lovecraft a SyNphonic Collection
フィンランドのファンジン「COLOSSUS」による、H.P.ラヴクラフトの「クトゥルー神話」をテーマにしたオムニバス。2013年作
CD3枚組で、参加バンドは…SAMURAI of PROG、GLASS HAMMER、KARDA ESTRA、UNITOPIA、DACCORD、SITHONIA、DAAL、
La Coscienza di Zeno、SIMON SAYS、Guy LeBlanc(NATHAN MAHL)、AETHER、NEXUS、JINETES NEGROS、CICCADA 他…といったディープな面々。
中でもグラス・ハマーは、クトゥルーをテーマにしてもさすがの美しさで、オルガン鳴り響く壮麗なシンフォニックロックを披露、
ダークなチェンバーロックのカルダ・エストラはまさにこのテーマにうってつけ。ユニトピアはキャッチーで爽やかなシンフォ好曲で、
北欧のシモン・セッズは、メロウなギターに美麗なシンセでダイナミックかつダークな大曲を構築。コシエンザ・ディ・ゼノは、
イタリア語のヴォーカルを乗せ、メロトロンにオルガン、ムーグシンセが鳴り響く、ヴィンテージなプログレサウンド。
故ギー・ルブランはやわらかなシンセにメロディックなギターが絡む叙情的なインストナンバー、ヴァイオリン鳴り響く優雅なチッカーダ、
ダッコルドもオルガンをバックにメロウなギターで薄暗い叙情を描く、古き良きプログレ感触の大曲。イタリアのシトニアやダールは、
真面目にダークな暗黒美を楽曲で表現しようとしていて良い感じです。南米のネクサス、エーテルも叙情たっぷりのシンフォサウンド。
クトゥルー云々を抜きにしても、どの楽曲もなかなか出来が良く、世界中のシンフォ系プログレが楽しめる好盤です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ダーク度・・7 総合・・8
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Decameron - Ten Days in 100 Novellas - Part II
フィンランドのプログレファンジン「COLOSSUS」による企画プロジェクト。ボッカチオの「デカメロン」をテーマにした2作目。2014年作
EnglandのRobert Webb、Willowglass、Karda Estra、イタリアからTHE ROME PRO(G)JECT、CAMELIAS GARDEN、NARROW PASS、
スペインのSENOGUL、オランダのTRION、北欧からTHE SAMRAI OF PROG、Rhy Marsh、D'ACCORD、オーストラリアのUNITOPIA、
カナダのTHE REBEL WHEEL、南米からは、NEXUS、Jinetes Negros、Jaime Rosasなどが参加したCD4枚組。
Disc1では、オルガンにフルート、メロウなギターにメロトロンが鳴り響く、ヴィンテージなシンフォプログレを聴かせるWILLOWGLASS
Disc2は、やわらかなピアノにフルート、ヴァイオリンも美しい優雅なArs Ephemera、コテコテシンフォのTHE ROME PRO(G)JECT
テクニカルプログレのKing of Agogikあたりも楽しめた。Disc3では、軽妙なセンスのSenogul、優美なCAMELIAS GARDEN
Narrow Pass、キャッチーなLa Bocca Della Verita、オルガンにイタリア語のジェントルな歌声で哀愁の叙情を描くFaveravola
Disc4では、20分を超えるドラマティックな大曲のUnitopia、優雅な屈折感のTHE REBEL WHEEL、ラストのRobert Webbは、
女性ヴォーカルが美しい。CD4枚、合計270分におよぶ、ロマン派プログレ祭りでお腹いっぱい、饗宴はさらにPart IIIへと続くのであった。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優美度・・9 総合・・8
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VA/ DECAMERON: TEN DAYS IN 100 NOVELLAS Part III
フィンランドのプログレファンジン「COLOSSUS」による企画プロジェクト。ボッカチオの「デカメロン」をテーマにした3作目。2016年作
イギリスからは、元ENGLANDの Robert Webb、WILLOWGLASS、イタリアからはLATTE E MIELE、IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE、
TAPROBAN、 IL CASTELLO DI ATLANTE、オランダのTRION、北欧のAGENESIS、D'ACCORD、アメリカのCIRRUS BAY、CASTLE CANYON、
オーストラリアのUPF、南米のNEXUS、JINETES NEGROS、日本からはINTERPOSE+、STELLA LEE JONES、と世界各国のバンドが参加。
それぞれが優美なプログレらしさに包まれたシンフォニックロックを展開する。Disc1では、トリオンやウィローグラスのやわらかな叙情美に、
ヴァイオリンが鳴り響く、ステラ・リー・ジョーンズも白眉。Disc2では、オルガン鳴り響く古き良きプログレ感触のラッテ・エ・ミエーレ、
女性ヴォーカルの日本語歌詞を乗せた、どこかなつかしい情感のインターポーズ、Disc3では、カナダのREBEL WHEELのクールな構築センスや、
ダッコルドのヴィンテージな雰囲気や、イタリアのPHOENIX AGAINのメロウな叙情性、Disc4では、しっとりと優雅なCIRRUS BAYもよろしいですな。
デカメロンについてはよく知らなくても、CD4枚、合計280分に及ぶ、濃密かつ優雅なシンフォプログレが味わえます。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・7.5
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