プログレ/南米・中米
〜PROGRESSIVE ROCK/South America/Central America
                by
Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

GH
M

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

 音楽ページTOP



AETHER「VISIONS」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、イーサー(エーテル)の1st。1999作
美しいシンセとメロウなギターを中心とした、南米らしいやわらかみのある
ゆったりとしたシンフォニック作。非常に耳に心地よい音ではあるが、
楽曲にスリリングな緊張感はないので、まったりとして聴くのがよいだろう。
演奏面のつたなさもそうだが、少々イモくさいヴォーカルが入るとややB級っぽくなるが、
ときにSAGRADOを思わせるようなゆるやかな叙情にはうっとりとなる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5



AETHER「INNER VOYAGES BETWEEN OUR SHADOWS」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、イーサー(エーテル)の2nd。2002作
G、KEY&Vo、B、Drの四人組。メンバー写真を見るとドラム以外は皆中年の方々。
音のほうは、ひとことでいうとじじくさくなったTEMPUS FUGITという感じで目新しさはないが、
CAMELにも通じる叙情的なギターワークと、南米らしい優しげなキーボードに彩られたなかなかの好作。
ムソグルスキーの「はげ山の一夜」のシンフォニックアレンジもやっている。
ただ前作同様、SAGRADOのような迫り来る情感やロック的な躍動感はなく、
全体的に落ち着いた大人のシンフォで、聴きようによっては平坦に聴こえてしまうのが惜しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Aguaturbia 「Version Acstica」
チリのサイケロック、アグアトゥルビアのライブ作品。2010年作
チリのジェファーソン・エアプレインとも呼ばれ、1969/70年にアルバムを出していたバンド。
年月をへての復活公演の音源であるが、女性ヴォーカルのキュートな歌声とともに、
いかにも60年代的なユルさで聴かせる、古き良きサイケポップというべきサウンド。
レッド・ツェッペリン「天国への階段」〜プロコル・ハルム「青い影」グランド・ファンク・レイルロード「ハートブレイカー」
〜イーグルス「ホテル・カルフォルニア」というメドレーは、アコースティカルな哀愁でなかなか味がある。
古き良き度・・8 ユル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5


AISLES「THE YEARNING」
チリのシンフォニックロックバンド、アイスルズの2005作
なにげにチリのプログレ/シンフォニックシーンは良作の宝庫なのだが、このバンドもまた素晴らしい叙情をまとったシンフォニック作だ。
軽快でありながら、しっとりとしたたおやかな質感が実に耳に心地よく、南米というよりもむしろ北欧あたりのバンドかと思ってしまうほど。
大仰さや熱情よりは、とにかくこのリリカルな繊細さにうっとりとなる。ギターといいキーボードといい、音数を増やし過ぎず
やわらかみのある音作りで聴き手を癒しながら、しっかりとプログレとしても楽しませてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 しっとりたおやか度・・10 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

AISLES 「In Sudden Walks」
チリのプログレバンド、アイスルズの2009年作
前作もじつに叙情的な傑作であったが、本作ではさらに軽妙なアンサンブルで
メロディックなツインギターに美しいシンセワーク、やわらかなフルートの音色も含んだ
叙情的なサウンドが楽しめる。10分前後の大曲を中心に、ジャズやフュージョンロック要素もある
優雅で軽快なアレンジセンスと南米らしい繊細な叙情が合わさった聴き心地は、まさに絶妙の路線。
ヴォーカルが入ったキャッチーな抜けの良さもあり、全体的にもクオリティの高い傑作に仕上がっている。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


AISLES「4:45 AM」
チリのプログレバンド、アイスルズの2016年作
2005年にデビュー、本作は7年ぶりの3作目。ジャズ、フュージョン的な感触もある軽やかなアンサンブルで聴かせる、
優雅なシンフォニックロックは本作でも健在で、マイルドなヴォーカルを乗せたやわらかなサウンドが楽しめる。
巧みな演奏力とともにメロウなギターフレーズのセンスも抜群で、キャリアのあるバンドらしいアダルトな余裕も感じさせ、
南米のバンドにありがちなマイナー臭さはまったくなく、メロディのフックはキャッチーで湿り気を帯びた優しさがある。
4〜5分前後を中心に、8分、10分という大曲も、濃密すぎない優美な聴き心地で、しっとりと叙情豊かに構築する。
全体的に派手さはないものの、大人のシンフォニックロックという趣で、耳心地のよい好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8 
Amazonで購入する


ALAS
アルゼンチンのプログレ・ジャズロックバンド、アラスの1st。1976年作
15分、17分という大曲2曲の構成で、せわしないテクニカルなリズムに、ジャズ的なピアノやELP的なハモンドを乗せて
軽やかに聴かせるプログレサウンド。かと思うと南米らしい叙情的なヴォーカルも出てきたりと、単なるジャズロックでもない
いわばごった煮感が本作の魅力かもしれない。タンゴにも通じる情熱的な情緒とクールな構築性、たおやかさと荒々しい勢い、
軽やかなジャズと濃密なプログレがミックスされた、混沌として整然たる聴き心地の個性派の傑作である。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




ALEXL 「triz」
ブラジルのアーティスト、アレックスの2003年作
美しいピアノのつまびきにクラリネットの音色が優雅に合わさり、ヴァイオリンの響きにリズムが加わって、
ポルトガル語によるやわらかな歌声で聴かせる、優しい耳心地のメロディアスなサウンドが広がってゆく。
シンセアレンジにはプログレ、シンフォニックの感触もありつつ、アコースティカルな繊細さを含ませながら
クラシック的な素養を覗かせる作曲センスが光る。たおやかなフルートの音色、コーラスの重なりや随所に聴かせる
軽妙なアンサンブルはGENTLE GIANT的でもあったりするが、それを南米らしいおおらかな叙情で包み込んでいる。
完成度の高さも含めて、マルコ・アントニオ・アラウージョや、あるいはPFMなどにも通じるような、素晴らしい作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


ANACHRONOS
チリのハードプログレバンド、アナクロノスの2013年作
女性ヴォーカルにシンセを含む6人編成で、スペイン語の女性ヴォーカルの歌声と
適度にメタリックなギターにシンセを絡め、テクニカルな構築性で聴かせるサウンド。
ProgMetal的なハードさもありつつ、南米らしいやわらかな叙情も随所に覗かせる。
音質のラウドさも含めていくぶんの粗さもあるが、今後が楽しみな逸材です。
ドラマティック度・・8 南米度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5


ANACRUSA
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの1st/2ndカップリング。1973/1974作。
たおやかなフルートの音色にビブラフォン、アコギにピアノなどが美しい、
南米特有のやわらかみのあるメロディで聴かせるフォルクローレ。
スペイン語の女性ヴォーカルが入ると、いかにもラテンミュージック的になる。
後のアルバムのようなダイナミズムはまだなく、総じて繊細で素朴な雰囲気だが、
のんびりと耳を傾けると、心なごむこと請け合いのアコースティックサウンドだ。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 女性Vo度・8 総合・・7.5

ANACRUSA「DOCUMENTOS」
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの3rd/4thのカップリング。1975/76作
たおやかなフルートにピアノ、オーボエなどのアコースティック楽器と、ゆるやかなパーカッションのリズムの上を、
スペイン語の女性ヴォーカルが歌い上げる。民族的なメロディにジャズ風味の繊細さも加わって、
ゆったりとした感触で楽しめる。ボサノバを思わせるようなやわらかさのあるサウンドに、ジャズタッチのピアノや
繊細なフルート音色など、南米らしい温かみのあるメロディが耳に心地よい。
ラストは15分の大曲でプログレ的なフォークロワを聴かせてくれる。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


ANACRUSA「El Sacrificio」
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーサの5th。1978年作
初期はたおやかなフォルクローレをやっていたバンドだが、今作はロック的なダイナミズムを取り入れている。
フルートに絡むエレキギター、バックには壮大なオーケストレーション、そこにスペイン語による情熱的な女性ヴォーカルが歌を乗せ、
クラシカルなシリアスさとともに、厚みのあるサウンドが素晴らしい。ピアノやサックスなどにはジャズロック的な質感も垣間見せつつ、
クラシックとフォルクローレをロックと融合させた見事な音楽を聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

ANACRUSA「FUERZA」
アルゼンチンのクラシカル・フォルクローレバンド、アナクルーザの6th。1982年作
ロック、プログレ、というよりはクラシカルな叙情派南米音楽といった方がいいのかも知れない。
オーケストラ、ストリングスによる盛り上がりや、熱情的な女性ヴォーカルが特徴的。
クラシカルでシリアスな部分はイタリアのOPUS AVANTAを思わせるが、ゆったりとした壮大さと叙情は
やはり南米特有のもの。たおやかなストリングスが良いかと思えば、時にサックスやフルートが前に出たり、
ゆるやかなピアノが心地よかったりと、うるさい音ではないのになかなかに密度が濃い。
楽曲にはプログレ、シンフォファンにも通じる躍動感があり、クラシカルなダイナミズムが堪能できる傑作である。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 シリアス度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

ANACRUSA「ENCORDADO」
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの復活作。2005年作
オリジナル・メンバーのJose Luis Castineira de Dios、Susana Lagoを中心に、作られた本作は、
新曲に加え、過去曲のリメイクなどを収録。たおやかなフルートにピアノ、サックス、オーボエと、
かつてのようなしっとりと聴かせるサウンドは不変ながら、エレキギターやドラムも入って、
フォルクローレとジャズ、ロックの自然な融合を感じさせる。きらきらしたビブラフォンの響きに、
ヴァイオリンなどのストリングスも入ってきたり、クラシカルな優雅さも味わえる。落ち着いた大人の味わいで楽しめるアルバムだ。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 しっとり優雅度・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る



AngulArt「Donde RENACEN las horas」
チリのプログレバンド、アングルアートの2004作
ENTRANCEMATRAZなどをはじめチリのプログレシーンは、高品質なシンフォバンドの宝庫と化しているが、
このバンドもなかなかの個性を持った新人だ。けっこうメタリックなギターにツーバスも使用するドラム、
そこにいかにもプログレ的なキーボードと、母国語の歌唱とが合わさり、少々奇妙なハードシンフォサウンドを形作っている。
このバンドの場合、ただのメロディアスなシンフォではなく、ややひねくれた偏屈さがあるのが個性となっていて、
癖のあるヴォーカルが辺境的な雰囲気をかもし出しているのが好みを分けるところかもしれない。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5




Anima Mundi 「Septentrion」
キューバのプログレバンド、アニマ・ムンディの2002年作
2008年の2作目のクオリティに驚かされたバンドのこちらがデビュー作で、
女性シンセ奏者にバグパイプ奏者も含んだ編成により、ダイナミックなシンフォニックロックを展開。
民族的なガリシアンパイプが鳴り響き、美しいシンセアレンジにメロウなギターワーク、
スペイン語の歌声と共に、濃密でありながらも牧歌的、そして爽快なサウンドを構築してゆく。
10分を超える大曲も含めて、本作の時点ですでに確固たる構築センスを有した力作といえる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

Anima Mundi「Jagannath Orbit」
キューバのシンフォニックロックバンド、アニマ・ムンディの2008作
中米といえばメキシコあたりはシンフォニックロックの盛んな国だと思うが、
まさかキューバからこのような本格派のシンフォバンドが出てくるとは。しかもクオリティがえらく高い。
ヴィンテージなシンセ群を使いまくり、のっけから展開の被い17分の大曲を聴かせてくれる。
イモ臭さはまったくなく、むしろTRANSATLANTICばりにスタイリッシュな構築性が素晴らしい。
キャッチーなコーラスワークに、抜けのいいギターでメロディアスにたたみかけ
中米にありがちなリズムの弱さもない。基本的にはアメリカ的な陽性の音であるが、
ここぞというときにはドラマティックに押してくる。若干やぼったいヴォーカルを別にしても
シンフォニックロック愛好家にはたまらない音がたっぷりと詰まっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ANIMA MUNDI「The Way」
キューバのシンフォニックロックバンド、アニマ・ムンディの2010年作
前作が大変素晴らしかったこのバンドだが、3作目となる今作もまた大変な力作。
女性シンセ奏者を含む5人編成で、メロディアスかつ繊細な叙情と、見事な展開力で、
キューバという地域性を吹き飛ばすような濃密なシンフォニックロックをやっている。
なにしろ1曲目から14分の大曲で、2曲目が26分の組曲という気合の入りようだ。
ときにゆったりとしたスペイシーな壮大なビジョンを描きつつ、アコースティックな素朴さも織り込みながら、
あくまでやわらかなメロディでじわじわと盛り上げて行くサウンドは、TRANSATLANTICにも負けていない。
泣きのギターと美麗なシンセが重なってゆく瞬間は、すべてのシンフォニックロックファンが降参するだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る Amazon.MP3

Anima Mundi 「Live in Europe」
キューバのプログレバンド、アニマ・ムンディのライブ作品。2012年作
いまやメキシコのCASTとともに、中米最高のプログレバンドというべき存在であろう
かれらの2011年オランダでのライブをCD2枚に収録。女性シンセ奏者を含む5人編成に、
ゲストのガリシアンパイプ奏者を加えて、10分を超える大曲を中心に濃密な演奏を聴かせる。
ギターによるハケットばりの泣きの叙情フレーズと、プログレ受けする美しいシンセアレンジとともに、
キャッチーさと雄大なスケール感を同居させるセンスは、TRANSATLANTICなどにもひけを取らない。
Genesisの名曲“Firth of Fifth”を取り入れるなど、メロディアス派として確かな実力を感じさせるライブ作品です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8

Anima Mundi 「The Lamplighter」
キューバのプログレバンド、アニマ・ムンディの2013年作
大傑作となった前作「The Way」に続く4作目で、20分を超える2つの組曲を軸にした力作となっている。
女性シンセ奏者によるいかにもプログレらしいシンセワークと、英語によるヴォーカルとともに
物語性を感じさせる楽曲展開は、クライブ・ノーランの諸作などにも通じる聴き心地である。
フルートなどの叙情性や随所に聴かせるメロウなギターなど、むしろThe Flower Kingsあたりに近い
大人の構築性も感じさせる。前作ほどの派手さはないが、じっくり楽しめるシンフォニックロック作品。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8

Anima Mundi 「I Me Myself」
キューバのプログレバンド、アニマ・ムンディの2015年作
キューバ産シンフォニックロックとして、すでに世界レベルの傑作を連発している驚異のバンド、
5作目となる本作は、のっけから18分の組曲で幕を開ける。これまでよりもいくぶんダークなモダン性を含ませつつ、
メロウな叙情とともにムーグシンセやオルガンが鳴り響くプログレらしい展開美で構築されるサウンドは、
すでにヨーロッパの一流バンドに比肩する。今作では、派手な盛り上がりというのは控えめな感じであるが、
ヴォーカルパートでの薄暗いメロディック性も含めて、どっしりと重厚な世界観を描き出すサウンドには、
中堅バンドとしての自信が漂っている。以前の作品に比べるとキャッチーな軽快さはないが力作には違いない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8 
Amazon.co.jpで詳細を見る


Apocalypse 「Perto Do Amanhecer」
ブラジルのシンフォニックロック、アポカリプスの1995年作
美麗なシンセアレンジにポルトガル語によるやわらかなヴォーカル、
メロディックなギターフレーズを乗せて、ゆったりとした叙情を聴かせる、
いかにも南米らしい正統派シンフォニックロック。ムーグシンセの音はいかにもプログレ的で
TEMPUS FUGITやQUATERNA REQUIEMをいくぶんB級にした感じで、なかなか悪くない。
中盤以降は、緊張感の足りなさにいくぶん聴くのがダレてくるのだが、のんびりと楽しめる好作ではあります。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る

Apocalypse 「Refugio」
ブラジルのプログレバンド、アポカリプスの2003年作
80年代から活動する中堅バンドで、オルガンやムーグを含むプログレらしいシンセに
ポルトガル語のヴォーカルを乗せて軽妙なアンサンブルで描くシンフォニックロック。
テクニカルとまではいかない軽やかさな聴き心地で、楽曲におけるいくぶん唐突な展開は、
マイナーなB級バンドの雰囲気もかもしだしているのだが、随所に聴かせる泣きの叙情ギターや、
SAGRADOあたりにも通じる南米らしいやわらかな叙情性はなかなかのもの。
90年代を引きずった作風といえるが、むしろそのネオプログレ的なシンフォ臭さを好む方なら、
気に入るのではなかろうか。Tempus Fugitあたりをより濃密なシンフォに仕立てたというような力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

ARBATEL「Sumerios」
チリのプログレバンド、アルバテルの2010年作
古代文明の宗教/哲学観をコンセプとにした作品で、妖しげな女性スキャットから始まり、
土着的なパーカッションとともに、男女ヴォーカルの呪術的な歌声が響きわたる1曲めはやや異色だが、
2曲めからは美しいシンセとテクニカルなリズムによるシンフォニックサウンドで、
Jaime Rosasあたりを思わせる古き良きプログレ的なシンセワークがなかなか魅力的。
スペイン語による女性ヴォーカルはヘタウマながらオペラティックでなかなか美しく、
シアトリカルな雰囲気がELP風のシンセとミスマッチで、どこかローカルさをかもしだしている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 妖しさ度・・8 総合・・7.5


ARION
ブラジルのシンフォニックロックバンド、アリオンの1st。2001作
RENAISSANCEのアニー・ハズラムを思わせる(そこまで上手くはないが)女性ヴォーカルの歌声に
クラシカルなピアノ、キーボード、そして南米らしい叙情的なギターと、なかなかの出来。
曲のインパクトとしては突き抜けたものはないが、女性Voシンフォ好きなら聴いて損はない。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


ASA DE LUZ「The Link」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、アサ・デ・ラズの1998年作
ややハードめのギターにピアノ、そして艶やかなヴァイオリンが絡み、ドラマティックなシンフォニックサウンドを形成、
主に英語で歌われるヴォーカルメロディも分かりやすいし、ギタリストの奏法はハードロックの感触もあったりするので、
メタル系のリスナーにも聴きやすいバンドかもしれない。南米ハードシンフォニックとしてはなかなかの好作品である。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 南米度・・8 総合・・8


ASTRALIS「Bienvenida al Interior」
チリのシンフォニックロックバンド、アストラリスの2006作
ENTRANCEのGのバンド、AUSTRALISとは似たような名前だが別バンド。
シンセにかぶさるギターがメロウなフレーズを奏で、そこにスペイン語のVoが歌を乗せる。
ときおりギターがハードめになるのもENTRANCEに通じる部分で、
メロディアスな抜けの良さととやぼったさが同居しているのがいかにも南米的だ。
緑の自然を描いたジャケのような爽やかな美しさを目指しているのかもしれないが、
スペイン語の歌唱のせいもあってか、やはりどこか暑苦しくなってしまう(笑)
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5


ATEMPO「A bismos del Tiempo」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、アテンポの2002年作
同郷のNEXUSのメンバーを含むバンドで、ゆるやかに聴かせるシンフォサウンド。
シンフォニックなシンセワークに、ときにハケットを思わせるメロウなギター、
そこに乗るスペイン語の女性ヴォーカルもヘタウマ気味ながら、いい味を出している。
47分の組曲を含む力作で、けっこうな長尺感でもったりしすぎる場面もあるが、
南米らしい濃密なドラマティックさを求めるリスナーなら楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5

ATEMPO「simple」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、アテンポの2005作
濃密だった前作に比べて、曲もややシンプルになり(といっても10分以上が2曲)、
交代した女性ヴォーカルも美声のタイプで、なかなか聞こえが良くなった。
ややクサめのメロウなギターや、一昔前のゴシックメタル的な雰囲気になったりと
全体的にはもったりとしたダサさがあるのだが、そこも含めての南米シンフォ、
あるいは女性Voものとして楽しめる方なら許せるだろう。ラスト曲は何故かジャズロック 調。
シンフォニック度・・7 南米度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5

ATEMPO 「Regresaras」
アルゼンチンのプログレバンド、アテンポの2013年作
8年ぶりとなる3作目で、前作までは女性Voであったが、今作では男性Voフロントになっていて、
サウンドの方もいくぶんハードさを増した印象だ。長かった楽曲も5分前後が中心となって、
オルガンなどを含んだプログレ的なシンセワークと適度にハードなギターに、
随所にテクニカルなリズムなども含ませた、キャッチーなハードプログレが楽しめる。
かすれた味わいのスペイン語の男性ヴォーカルは好みが分かれるところだろうが、
南米らしい哀愁を漂わせた叙情も含めて、濃密な聴き心地の好作品に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 ハードプログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


AUSTRALIS「terraustralis」
ENTRANCEのギタリストRICHARD PILNIKによるプロジェクトバンド、アウストラリスの2005作
ギターメインのハードめのシンフォニックロックで、ツーバスを叩くドラムもメタリックな雰囲気をかもしだす。
スペイシーなキーボードの使い方は意識的なのだろうが、ピコピコしていてやや安っぽい印象。
聴きようによってはPLANET Xあたりに通じる硬質感もあるが、そこまでテクニカルではなく
ホールズワース的なギターは、あくまでメロディを主体に奏でておりとても聴きやすい。
演奏のレベルも高いが、音のトーンが一本調子なので意外性は薄い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ギターオリエンテッ度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


AUTUMN MOONLIGHT 「Alter Reality」
アルゼンチンのシンフォニックロック、オータム・ムーンライトの2012年作
メロウなギターワークとやわらかなシンセで聴かせる、ポストプログレ的な繊細さに包まれたサウンド。
あるいはポーランドのバンドを思わせるような翳りを含んだ雰囲気と、Alcestあたりにも通じるような
シューゲイザー風味のモダンな浮遊感に包まれた叙情美がじつに耳に優しい。
プログレというよりは、薄暗系のメロウ・ロックというべきか。オールインストながら、
ギターの泣きのフレーズにピアノの音色が重なって、しっとりとしたやわらかな叙情に癒されます。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



Ave Rock
アルゼンチンのプログレバンド、エイヴ・ロックの1974年作
哀愁を感じさせるメロウなギターの旋律にやわらかなオルガンが絡み、
スペイン語のマイルドなヴォーカルを乗せた南米らしい叙情的なサウンド。
基本的にはインストが中心のスタイルだが、ギターのフレージングのセンスの良さと
クラシカルなオルガンプレイが素晴らしく、プログレらしいリズム的なメリハリもあって、
13分を超える大曲も優雅な構築性で聴かせる。演奏のクオリティと知的な展開力も見事で、
70年代オルガンロックの逸品であり、アルゼンチンプログレの傑作のひとつである。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る




Bad Dreams 「Apocalypse Of The Mercy」
アルゼンチのプログレバンド、バッド・ドリームスの2015年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックなアレンジと英語によるマイルドなヴォーカルを乗せ、
叙情豊かなサウンドを描き出す。のっけから13分という大曲であるが、流麗な展開力とセンスで、
若手とは思えない自然体の優雅さに包まれた作風だ。ムーグシンセやオルガン、メロトロンなど
きらびやかなシンセとともに、往年のプログレらしさを残しつつ、キャッチーなメロディアス性と、
モダンな構築力を融合させていて、南米的なマイナー臭さというのはほとんど感じさせない。
随所にメロウなギターフレーズも含ませて、あくまで優美な叙情に包まれた聴き心地で、
高品質なシンフォニックロックがじっくりと楽しめる。南米期待の新鋭バンドである。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
Amazonで購入する

BACAMARTE「DEPOIS DO FIM」
ブラジルのプログレバンド、バカマルテの1983年作
80年代の南米シンフォニックシーンは、SAGRADOとMARCO ANTONIO ARAUJOを除くと、ワールドレベルのバンドはあまりいなかったのだが、
その例外となるのがPabloと本作である。スパニッシュ風の素朴なギターから始まり、美しいシンセが加わってのダイナミズムは筆舌に尽くしがたい素晴らしさ。
南米的なやわらかな叙情と躍動感と、フルートなども入ったフォルクローレ風味のロマンティシズム、そして情熱的な女性ヴォーカルも加わって、
雄大で鮮やかなシンフォニックロックを聴かせる。一方では土臭い人懐こさもあって、そこがえもいわれぬ魅力となっている。必聴。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 南米度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


BANANA「AUN ES TIEMPO DE SONAR」
アルゼンチンのロックバンド、バナナの2nd。1979作
もともとがポップロックバンドだったバンドが、いきなりプログレ的な作品を作ったというのは、
イタリアンロックなどにはよくあるのだが、これはアルゼンチンのバンドなのだから珍しい。
やわらかなオルガンやシンセの音色に、メロディアスなギター、甘いヴォーカルで聴かせるサウンドは、
ゆったりと優しく、そして叙情的。スペイン語による歌唱もどこかイタリア的に響いて聞こえる。
9分、10分という長い曲を聴かせる構築美も備えた、繊細な美しさに溢れた南米プログレの傑作です。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

BANANA 「ETAPA SINFONICA 79 - 80」
アルゼンチンのメロディックロック、バナナのアンソロジー。2016年作
南米シンフォの傑作として知られる、1979年作「AUN ES TIEMPO DE SONAR(影法師)」全曲と、
初のCD音源化となる、1980年作「LICUADO」の楽曲を合わせて11曲、67分を収録。
オルガンを含むやわらかなシンセに、メロディックなギターとスペイン語のヴォーカルを乗せ、
リリカルで繊細な叙情美に包まれたシンフォニックロックが味わえる。とくにギターの泣きのフレーズは、KAIPAばりの美しさで、
10分前後の大曲を構築する確かな演奏力も含めて、当時のアルゼンチンのバンドでは、PABLOと並ぶクオリティの高さ。
初出となる1980年作も、負けず劣らずの出来で必聴級。まさに隠れた傑作というべき内容です。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る

BANDHADA
チリのメロディックプログレバンド、バンドハダの2004作
1984年に自主制作で出ていた作品らしいが、たしかにこうして発掘されるだけの内容である。
一聴すると、プログレというよりはメロディアスなフュージョン的な軽やかさがあるが、
そこにメロウな旋律を奏でるギター、シンセ、そしてたおやかなフルートが重なると
全盛期のCAMELもかくやという叙情ゆたかなメロディアスシンフォサウンドとなる。
とにかくこのメロディアスなことといったら、CAMELGOTICSEBASTIAN HARDIE
といったバンドの最良部分を集めたようなほどで、聴いていてたまらずうっとりとなる。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 しっとりフルート度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

BANDHADA「Open Cage」
チリのプログレバンド、バンドハダの2009年作
1984年に自主制作で発表した音源が2004年になってCD化されたが、本作はなんと新録による25年ぶりの復活アルバム。
前作は「フュージョン化したCAMEL」というようなサウンドだったが、本作も軽やかなジャズロック/フュージョン風味のメロディック作だ。
センスのいいギターフレーズとやわらかなシンセ、ピアノが絡み、ときにサックスやフルートの音色もまじえつつ、
適度なシンフォニック性とともに、大人の余裕を感じさせる優雅なアンサンブルを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 軽やか度・・8 南米度・・7 総合・・8


BARROQUEJON「CONCERNING THE QUEST,THE BEARER AND THE RING」
チリの一人シンフォニックロック、バロックエジョンの2003作
「LORD OF THE RING」をモチーフにしたドラマティックな作風で、民謡的なメロディをたっぷりと折り込んだサウンドは、大仰かつファンタジック。
キーボード、ピアノ、オーケストレイション、ヴォーカルを一人でこなしていて、QUEENばりのコーラスの重ねも全て一人でやっているのだから、
よほど友達がいな…いや、こだわりがあるのだろう。ジャケの雰囲気のようなダークさはあまりなく、むしろ爽やかに聴き通せる。
打ち込みやオーケストレイションがメインなので演奏的にはやや平坦だがこの手のケルトな雰囲気が好きなメタルリスナーにもお勧め出来る。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 プログレ度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


BLEZQI ZATSAZ (FAVIO RIBEIRO)「RISE AND FALL OF PASSIONAL SANITY」
ブラジルのシンフォニックロック、V MILENIOのキーボード奏者、ファビオ・リベイロのソロ作。1990年作
トレ・ミレニオ自体も濃密かつシアトリカルなシンフォニックサウンドであるが、
本作はそれ以上に大仰かつドラマティックなキーボードシンフォニックが全開。
きらびやかなシンセの重なりでオーケストラルな華麗さを描き出しつつ、怒濤のように盛り上げてゆく様は、
まさにラテン系の熱き魂か。キーボードシンフォとしては世界最高レベルの派手さ。こりゃすごいです。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・10 ドラマティック度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

BLEZQI ZATSAZ「THE TIDE TURNS」
ブラジルのシンセ奏者、FABIO RIBEIROのソロバンド、ブレヅキィ・ザッサズの2nd。2002作
何と12年ぶりの新作。1stは大仰極まりないキーボードシンフォの怪作であったが、
この2ndでは、やや落ち着いた感じのメロディアスなシンフォニックサウンドである。
多重録音の美しいキーボートと流麗なギターによるインストパートは、
どこを切り取ってもシンフォニック好きには心地よい音が詰まっている。
TEMPUS FUGITQUATERNA REQUIEMなどが好きなら聴くべし。
シンフォニック度・・8 コテコテ度・・9 キーボー度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Blue Mammoth
ブラジルのプログレバンド、ブルー・マンモスの2011年作
オルガンやムーグを含んだシンセとともに、古き良きスタイルのプログレを聴かせるサウンド。
適度にハードなギターや英語歌詞のヴォーカルも含めて、プログレハード的なキャッチーさもあり、
いわばマニアックすぎない聴き心地である。随所にメロウな泣きのギターフレーズや、繊細なピアノ
フルートの音色なども入った優雅な叙情性もよい感じです。10分を超えるような長い大曲がないので
壮大な雰囲気はあまりないのだが、その分、難解なところがない耳疲れしない好作品といえる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8


BUBU「ANABELAS」
アルゼンチンのプログレバンド、ブブの1978作。
70年代のアルゼンチン産バンドの中では名作に挙げられる1枚。
フルート、サックス、ヴァイオリンが鳴り響き、そこにヘヴィめのギターも加わって、
KING CRIMSON的な質感のスケールの大きいサウンドが展開される。
ときにサックスなどが弾きまくり、アヴァンギャルドさを覗かせつつも、全体的には
非常に構築されたチェンバーロック的なシリアスさに、ほのかな叙情性を感じさせる。
19分、11分、9分の全3曲という構成で、70年代の南米を思うと圧巻の完成度を誇る。
メロディアス度・・7 ヘヴィシンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Cactus Peyotes
ブラジルのハードプログレバンド、カクタス・ペヨテスの2001年作
シンセを含む5人編成で、ProMetal的なテクニカルさも含んだ軽妙なサウンドを聴かせる。
ハイトーンのヴォーカルやツーバスのドラムなどはメタル寄りなのだが、軽やかなシンセアレンジと
テクニックのあるクリアなギターフレーズがフュージョンメタル的な爽やかな聴き心地となっている。
南米らしいアコースティカルな叙情性も含ませつつ、ときにアヴァンギャルドな展開も見せたりと、
なかなか面白いセンスをしている。むしろヴォーカルはオマケとして聴いた方がよいかもしれない。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 メタルフュージョン度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


CALLE SANTIAGO 「Ad Hominem」
ヴェネズエラのハードプログレ、カレ・サンティアゴの2014年作
適度にハードなギターと美麗なシンセアレンジ、DREAM THEATERあたりに通じるテクニカルな展開力で
ProgMetal風味のサウンドを聴かせる。スペイン語によるマイルドなヴォーカルも含めて
メタル的な圧力は薄いので、南米系ハードシンフォが好きな方にも普通に楽しめるだろう。
クラシカルなピアノの旋律やときにサックスの音色も加わり、優雅な美意識に包まれた軽妙なセンスもよろしく、
メロディックなギターフレーズが心地よいタイトル曲のインストナンバーや、緩急に富んだ展開で構築する
18分の大曲なども見事。南米らしいおおらかな叙情とキャッチーな抜けの良さも併せ持った力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


CAST「THIRD CALL」
メキシコのプログレバンド、キャストの3rd。1994作
GENESISCAMELなどの雰囲気を感じさせながらももっと軽やかで
弾きまくりのシンセやギターのフレーズには南米らしい熱さを感じさせつつも
音のまとまりがあるので案外繊細に聴こえる。歌の弱さはいかんともしがたいが、
メロディの抜けの良さはやはり見事だし、近作ほどのクオリティではないにしろ
当時の中米のシンフォニック作としては相当のレベルといえるだろう。
メロディアス度・・8 コテコテ度・・8 されど繊細度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「four aces」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストの4th。1995作
活動15年近くになるベテランで、中米最高のシンフォバンドといっていいだろう。
出来としては近作になるほど良いのだが、このあたりの初期作もなかなかのもの。
美麗なシンセを中心に、英語による歌メロもキャッチーで聴きやすく、
10分、17分という大曲も、あくまでメロディアスに構築されてゆく。
サウンドにメリハリがないのが残念だが、シンフォ好きの耳には心地よいはず。
バンドのディスコグラフィーが載るオフィシャルサイトはこちら
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「Angels and Demons」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストの1997年作
キャリアとしては15年を超え、アルバムも現在までに20枚近く発表している中米きってのベテラン。
今作はたぶん6作目あたりか。今作も美麗なシンセと泣きのギターで聴かせるCAST節がのっけから炸裂。
10分を超える大曲2曲を含めて、73分間シンフォニックしまくりのアルバムだ。
彼らの魅力はあくまでメロディにこだわる点と、きらびやかさの中にも
繊細な叙情が存在している点。なので濃密であっても耳に心地よいのである。
シンフォニック度・・9 濃密度・・9 叙情度・・8 総合・・8

CAST 「a live experience」
メキシコのプログレバンド、キャストのライブ作品。1999年作
1995年〜1998年のアメリカとメキシコでのライブ音源を中心に収録したCD2枚組
フルートの音色が鳴り響き、美しいシンセに、適度にハードなギターサウンドとともに、
ライブにおいてもベテランらしい安定した演奏で、メロディックな叙情を描いてゆく。
地味な格好のおっさんたちが演奏しているとは思えない、繊細で美しいメロディを
随所に散りばめながら、10分を超える大曲を構築する。その実力はやはり本物である。
音質の点ではダイナミックさにやや欠けるのだが、濃密なライブが楽しめる2枚組である。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

CAST「 Imaginary Window」
メキシコのプログレバンド、キャストの1999年作
やわらかなフルートの音色にストリングス、優美なシンセアレンジとメロウなギターが合わさった聴き心地は
まさにメキシコ最高のシンフォニックロックというべきだろう。たとえれば、CAMELをより濃密にしたような
ロマンティシズムに溢れる叙情性と泣きのメロディにはもうお手上げです。これぞ最高のシンフォプログレです。
ヴォーカルが入ると野暮ってくなると思いきや、歌詞が英語なのでアメリカンプログレ的なキャッチーさが加わって
爽やかなメロディアス性があふれ出す。間違いなく世界レベルのバンド。この作品以後も傑作を連発するのです。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


CAST「LEGACY」
メキシコのベテランシンフォニックロックバンド、キャストの2000作
CAMELを思わせるメロディアスなギターにたおやかなフルートが美しい。
きらきらとしたキーボードも美しく、実に堂々とした演奏だ。
中米シンフォの代表として、もっと評価されていいバンドだと思う。
やわらかなメロディが心地よいメロディアスシンフォ作品。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 たおやか度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST「castalia」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストのライブアルバム。2001作
スタジオ盤では毎作「これでもか」というほどの濃厚シンフォを作り出すこのバンド。
ライブにおいてもその志は変わらず。美しいシンセを中心に、たおやかなフルートの音色、
泣きのギターフレーズとヴォーカルが加わって、濃密なシンフォサウンドが描かれる。
しかしながらあくまで叙情的なので、コテコテなのにどこか爽やかなのがこのバンドの特徴。
シンフォニック度・・8 濃密かつ叙情的度・・9 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST「AL-BANDALUZ」
メキシコのベテランシンフォニックロックバンド、キャストの2003作
メキシコというとICONOCLASTAに代表されるような「演奏が粗い」というイメージがあり、
最近まで手を出せずにいたのだが、キャストのこの2枚組アルバムは、なかなかの高品質だ。
中米らしい甘いメロディにイタリア的な情熱を加味して、分かりやすく心地よいサウンドに仕上げている。
ベテランらしく演奏もしっかりしており、なによりプロダクションが良い。
メロディアスなギターとキーボードの絡みなどは、シンフォニック好きなら思わずにんまりする。
爽快な疾走感もあり、気持ちよく聴けるインストメインのシンフォニックロック作品。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST「NIMBUS」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストの2004作
おそらく14thくらいですか。今回はジャケの雰囲気もそうだが、ややシリアスなハードシンフォサウンド
組曲的な大曲もあることから、どうもコンセプトアルバムのようだ。もちろんベテランらしく、
聴かせどころはツボを心得ていて、メロウな泣きのフレーズを奏でるギターに、音色豊かなシンセ、
哀愁をまとわせたヴォーカルと、フルート、それにゲストの女性Voもよいアクセントになっている。
しっとりとした部分は繊細かつ優美に聴かせ、一転、ハードな部分ではときにプログレメタル的にもなり、
同レーベルのMATRAZあたりをを思わせるドラマティックな構成美が光る。ハードシンフォの大傑作!
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレメタル的度・・8 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST 「Mosaique」
メキシコのプログレバンド、キャストの2006年作
Cd2枚組の大作で、きらびやかなシンセに、ハードさとメロウさを併せ持つギター、
やわらかなフルートやサックスが鳴り響き、厚みのあるアンサンブルを描いてゆく。
今作ではアラビックな旋律を取り入れるなど、民族的な要素も加わって
曲によっては女性ヴォーカルの歌声も入って、やわらかな味わいに包まれる。
一方ではキャッチーな味わいのプログレハード的な曲もあったりと、全体的には
いつになくバラエティに富んだ内容ながら、質の高さを維持しているのはさすが。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

CAST「Com.Union」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストの2007作
今や中米のみならず、世界的に見ても素晴らしいシンフォニックロックバンドとなった感があるが、
今作もベテランらしい充実の完成度。いかにもプログレ的な軽やかなリズムにシンフォニックなシンセとギターが絡み、
そこに重なるフルートの音色はまるでイタリアンプログレのような叙情美を感じさせる。
軽快かつメロディアスで、非常に濃密な作風ながらも、かっちりと合わさったアンサンブルが抜群の一体感となっていて
音に煩さを感じさせないのが見事だ。スペイン語の歌唱が加わると、分厚いサウンドはときにハードシンフォニック的な
重厚さをかもし出しつつも、ピアノによる艶やかな叙情パートでは泣きの哀愁も覗かせる。
これだけ詰め込んでいながらも、全体的にはしっかりとメロディアスで聴きやすく、楽曲のクオリティも含めて
ぱっと出の新人では作れないような貫祿がある。世界基準で見ても傑作といい得る内容だ。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 濃密度・・10 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST「Originallis」
メキシコのプログレバンド、キャストの2008年作
ここ数作は、どれもが世界レベルの傑作であり、前作「Com.Union」もじつに素晴らしいアルバムであったが、
今作はなんとCD2枚組の大作。やわらかみのあるシンセが美麗に鳴り響き、たおやかなフルートの音色に
泣きのギター、哀愁溢れるスペイン語の歌唱と女性コーラス。のっけからシンフォニック全開で聴かせつつ、
今作ではジャズロック的な軽やかな展開力も覗かせて、前作にもましてカラフルな趣だ。
しかし、毎度のことながらこのメロディと叙情美へのこだわりはハンパではない。
往年のCAMELGENESISを足して3倍濃縮させたかのような場面の連続に、
思わずにんまりとしつつ、泣きのメロディと哀愁に胸を打たれるのである。またしても大傑作。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3

CAST 「CASTArt」
メキシコのプログレバンド、キャストの2011年作
2004年作以降はそのすべてが必聴の大傑作という、現在世界最高峰のシンフォニックロック。
本作も20分を超える組曲2曲を含む全69分、きらびやかで軽快、叙情的な濃密なサウンドが楽しめる。
ベテランらしい安定した演奏力と、流れるような展開美、メロディのフックとその楽曲センスは、
より自然体になったアンサンブルも含めて、他の追随を許さないレベルにまで到達しつつある。
CAMELばりのメロウなギターフレーズにやわらかなフルートの叙情性、美しいシンセもうるさすぎず、
バランスよく楽曲を彩る。今回は英語による歌詞も、より多くのリスナーに楽しめるだろう。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る

CAST「Arsis」
メキシコのプログレバンド、キャストの2014年作
今作はのっけから8パートに分かれた30分におよぶ組曲で幕を開ける。
クラシカルなテイストも含んだ優雅なシンセと、いくぶんハードなギターが合わさり、
メロウな叙情性とロックの躍動感を、巧みなアレンジ力で昇華したシンフォニックロックを展開。
やわらかなフルートの音色など、ダイナミックな構築美の中にも繊細な美意識を取り入れ、
インストメインでありながらも、起伏のある流れとともにじつに情感豊かに鑑賞できる。
後半は歌入りの9分の曲をはさんで、キャッチーな叙情を聴かせる18分の組曲で締めくくる。
いつもより濃厚さは控えめ、より優雅な感触で、シンフォファンは必聴、文句なしの大傑作。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・9

CAST 「Vida」
メキシコのプログレバンド、キャストの2015年作
80年代から活動する大ベテランで、すでにアルバムも20枚を数える世界最高のシンフォプログレバンド。
本作も、きらびやかなシンセワークに包まれた壮麗なアレンジに、しっかりとした演奏力とアンサンブルで、
緩急のある展開力に知的なセンスを含ませて、非常にクオリティの高いサウンドが展開される。
プログレらしいシンセワークに加え、ピアノやヴァイオリンなどが鳴り響くクラシカルなテイストも絡ませながら、
ギターはときにメロウなフレーズを奏で、叙情的にそして優雅にメロディックにサウンドを彩っている。
男性ヴォーカルの繊細なハイトーンヴォーカルも雰囲気によくマッチしていて、10分を超える大曲では
後半の盛り上がりが素晴らしい。ラストは18分を超える組曲で泣きの叙情が炸裂する。見事な傑作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5 

CAST 「Power and Outcome」
メキシコのプログレバンド、キャストの2017年作
80年代から活躍するベテランで、近年は出すアルバムがすべて世界最高レベルの大傑作というこのバンド、
本作はおそらく16作目くらいか。ヴァイオリンが鳴り響き、美しいシンセアレンジにメロディックなギターと
スペイン語の歌声を乗せて、適度にハードなモダンさも含んだ、優雅なシンフォニックロックを描き出す。
クラシカルなピアノの旋律に、ヴァイオリンと泣きのギターメロがかぶさった哀愁の叙情に、優美で洗練された空気感は、
スペインのKOTEBELあたりにも通じるかもしれない。手数の多いドラムとともに、プログレらしい起伏のある展開力で、
ハードシンフォニックとしての濃密さも随所に現れる。繊細な美意識と細やかなアレンジが楽曲の質を恐ろしく高めていて、
この美しさとスケール感に対抗できるのは、ロシアのLittle Tragediesくらいだろうか。まさに美麗なる大傑作だ。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 優美度・・9 総合・・9 
Amazonで購入する

CatuKua「Lomas」
FACTOR BURZACOの女性シンガー、Carolina Restucciaのソロユニット。2013年作
スペイン語のコケティッシュな女性ヴォーカルを乗せた、ポップなアヴァンロックで、
タンゴ風味や南米らしい哀愁を含んだ、わりとメロディックな聴き心地。
アコースティックギターにエキセントリックな歌声を乗せた風変わりなナンバーや
ユルめのサイケ風味のナンバーまで、表現豊かな女性声がサウンドを色彩豊かにしている。
カロリーナ嬢の音楽センスが詰め込まれた、キュートなアヴァンロック作品です。
スリリング度・・8 プログレ度・・7 エキセントリック度・・9 総合・・8

CHANETON「The First Light of the Century」
ブラジルのシンフォバンド、チャネトンのアルバム。2004作
ゆったりめの曲調でたおやかなキーボード、ギターに少々癖のあるヴォーカルと、
典型的なポンプロックで、初期GENESISMARILLIONタイプ
あまりに普通すぎて面白みにかけるが、今どき珍しいくらいのまっとうなポンプサウンドだ。
8分以上の曲が4曲、うち12分の大曲ありと、大作志向のゆるやかシンフォ作。
シンフォニック度・・7 ポンプロック度・・9 楽曲・・7 総合・・7


Cinema Show 「Danca dos Ventos」
ブラジルのプログレバンド、シネマ・ショウの1995年作
バンド名のようにGenesisに影響を受けたとおぼしき、繊細なシンフォニックロック。
うっすらとしたシンセにメロウな泣きのギターがかぶさり、ポルトガル語のヴォーカルともに
やわらかで優美なサウンドを描いてゆく。全体的にもゆったりとした優しい作風であるが、
適度にテクニカルな構築性もあるので、けっこう楽しめる。完成度としてはDOGMAの2ndとまではいないが、
この叙情ギターにはニンマリなのである。全体的にはいくぶん長尺感はあるが、耳心地はよいので好きです。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


CODICE「ALBA Y OCASO」
メキシコのシンフォニックバンド、コーディスの1999年発表の恐らく1st。
サウンドはまさしくシンフォニックの王道。CD2枚組大作。メロディアスなギターにキーボード、意外と歯切れのよいリズム。
キャメルを早くしたような曲や、女性Vo入りの曲、アコースティックギターを聴かせるパートなど
どれもそれなりにセンスがよく、ラテン的叙情を感じさせてくれる。
中米のメキシコという国からここまで洗練されたシンフォッニクグループが現れるとは驚きだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・9 総合・・7.5


CRISALIDA
チリのハードシンフォニック/プログレメタルバンド、クリサリダの2006年作
MATRAZをはじめ、ハードめのシンフォニックバンドの多いこの国だが、
このバンドもDREAM THEATERに影響を受けたとおぼしきメタリックなテイストと
スペイン語の女性ヴォーカルの情熱的な歌唱が特徴的な、クオリティの高いサウンドをやっている。
かなりハードエッジなギターワークは、メタルファンでも普通に楽しめるくらいにテクニカルだし、
きらきらとしたシンセワークもなかなかのもの。曲は3〜6分台で比較的シンプルにまとまっていて聴きやすい。
むしろプログレメタルとしても楽しめるような好作品だ。オフィシャルサイトで試聴可能。
シンフォニック度・・7 メタリック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CRISALIDA「RACO」
チリのハードシンフォニックバンド、クリサリダの2009年作
前作はプログレメタリックなサウンドと女性ヴォーカルの歌声で聴かせるなかなかのアルバムであったが、
本作では、しっとりとしたシンフォニックな楽曲もあって、女性Voのスペイン語の歌唱がより引き立っている。
もちろんハードメタリックなProgMetal要素も残っているが、トータルなバランスを高めてきたという印象だ。
贅沢をいえば、もう少し派手さというか、インパクトのある曲や明快な聴かせどころがあればと思う。
シンフォニック度・・7 メタリック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る

CRISALIDA「Solar」
チリのハードプログレ(メタル)、クリサリダの2012年作
2006年にデビューしてから、本作は3作目となる。メタリックなギターにシンセが重なり、
スペイン語の女性ヴォーカルを乗せた、しっとりとした叙情性が合わさったサウンドで
いわば、メタリックなシンフォニックハードという聴き心地。やや微妙だった前作に比べ、
楽曲におけるダイナミックなスケール感や、女性ヴォーカルの表現力も増していて、
全体的にもぐっとレベルアップしたという印象だ。南米らしい優雅な叙情とメタル寄りの重厚さを同居させた
バランスのよいアレンジで構築された、女性声ハード・シンフォプログレ(メタル)の力作である。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 
Amazonで購入する

CRISALIDA 「Terra Ancestral」
チリのプログレメタル、クリサリダの2015年作
2006年にデビューしてから、本作は4作目となる。ツインギターのメタリックなリフと、
うっすらとしたシンセアレンジに、スペイン語の女性ヴォーカルを乗せた重厚なサウンド。
適度にテクニカルな展開力と南米らしい繊細な叙情性も含みつつ、過去のアルバムに比べると
ゴシックメタル的なメランコリックな空気感とモダンなヘヴィネスがずいぶん増している。
スローからミドルテンポのナンバーを主体にしたどっしりとしたアンサンブルで、
女性声による優雅な浮遊感と薄暗い叙情に包まれたサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 むしろゴシックメタル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る




Dialeto 「The Last Tribe」
ブラジルのプログレ・ジャズロック、ディアレトの2013年作
トリオによるインストバンドで、メロウなギターフレーズを乗せた優雅なアンサンブルで、
随所にツインギターを乗せた適度なヘヴィさも含んだサウンドを聴かせる。
プログレ的な展開はあまりなく、ハードフュージョン寄りのギターインストといった趣で、
テクニカルな面白さもさほどなく、メロディのフックという点でも、やや中途半端な内容。
こういうインスト作品を飽きさせずに聴かせるには大変なセンスと技術が必要なので、
もう少し楽曲の魅力を上げるか、演奏のセンスを磨いていってもらいたい。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・6
Amazon.co.jpで詳細を見る


DIAPASAO 「Opus I」
ブラジルのプログレバンド、ディアパサオの2006年作
シンセ奏者、ロドリゴ・ラナを中心にしたトリオ編成で、美しいシンセワークと
クラシカルなピアノの旋律を中心にした優雅なインストサウンドを聴かせる。
南米らしいやわらかな叙情と繊細な美意識を描き出す作風で、ロック色が薄い分、
クラシカルでアーティスティックなシリアスさも覗かせた、優美な鍵盤プログレが楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 繊細で優雅度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


DOGMA「ALBUM」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、ドグマの1st。1992作
全編インストながら、ギターの奏でるゆるやかなメロディには親しみ易さがあり、
SEBASTIAN HARDIEの南米盤という言い方もできるかも。やかましくない、ゆったり系の音なので緊張感は薄いが、
優しい系シンフォが好きな方にはお薦め。SAGRADOのマルクス・ヴィアナもヴァイオリンでゲスト参加。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5

DOGMA「TWIN SUNRISE」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、ドグマの2nd。1995年作
美しいピアノとシンフォニックなシンセ、そこに叙情的なギターワークが合わさって
まるでSAGRADOを思わせるような雄大かつ繊細なサウンドが現れる。
楽曲は主にインスト中心でありながら、この引き込まれるような器の大きさ…
そして絶品のメロディと叙情美。女性ヴォーカルの歌声もいいアクセントになっている。
90年代の南米シンフォを代表する1枚と言っていい内容だろう。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




Echoes「Nature Existence」
ヴェネズエラのプログレバンド、エコーズの2010年作
トリプルギターにシンセ入りの6人組で、ヴォーカルパートは全てゲストという面白い編成。
シンフォニックなシンセと厚みのあるギターサウンドで、泣きのメロディを聴かせる楽曲は、
いくぶんメタリックで薄暗い叙情とともに、QuidamSylvanあたりに通じる質感もある。
広がりを感じさせる繊細なシンセワークと、ときにメロウなフレーズを奏でるギターに
耳心地のよいヴォーカルメロディが重なって、重厚なのだがやかましくないのが素晴らしい。
TEMPANOのVoをはじめ、スラッシュバンドANGEL BLEAKのVoなどもゲスト参加している。
メロディアス度・・8 メロウな叙情度・・8 ProgMetal風味も度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ECLIPSEJumping from Springboards
ブラジルのプログレバンド、エクリプスの2003年作
しっとりとしたフルートの音が響くアコースティカルな繊細さとPFMのような躍動感のあるアンサンブルで構築されるサウンド。
美しいシンセアレンジやギターのメロウなフレーズも随所によい感じだが、それらが前に出過ぎることなく、
あくまでやわらかな叙情性が耳心地よい。何曲かでやわらかな女性ヴォーカルの歌声も入ってくるなど
全体的に南米らしいしっとりとした美しさに包まれた好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ELFONIA 「This Sonic Landscape」
メキシコのプログレメタル、エルフォニアの2003年作
のちにSTREAM OF PASSIONに加入する、Marcela Bovio嬢の美しい歌声を乗せ、
適度にテクニカルな展開力と、アンニュイな叙情でゴシック的な薄暗さをもったサウンド。
ときにジャズ的でもある優雅なアンサンブルに、いくぶんエキセントリックなセンスと、スリリングな空気感、
やわらかな浮遊感を同居させたという聴き心地である。なによりもマルセラ嬢の伸びやかな歌声は素晴らしく、
ゴシック寄りのナンバーはThe Gatheringなども思わせる。ラストは3パートに分かれた16分を超える組曲で、
プログレ的な構築センスも光る。美しい女性声ハードシンフォとしても楽しめる好作である。
ドラマティック度・・8 アンニュイ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


El Grito Sagrado「Himnos Y Canciones De La Escuela」
アルゼンチンのアーティスト、LITO VITALEが監修した歌曲集。1998年作
2〜4分という小曲主体の作品なのだが、クラシカルなピアノやオーケストレーションを含んだ
シンフォニックなアレンジとスペイン語による朗々としたヴォーカルで聴かせる、
雄大な叙情美が素晴らしい。オペラティックな女性ヴォーカル曲や、曲によってはロック色もあって、
南米的な歌ものメロディックロックとしても楽しめる。クラシカルでシンフォニックな歌曲集です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


El Reloj
アルゼンチンのハードロック、エル・レロージの1975年作
90年代の作品は正統派メタル的なハードな聴き心地であったが、デビュー作となる本作は
ブリティッシュロックから影響を受けたような、ブルージーでサイケな質感のサウンドである。
オルガンが鳴り響き、スペイン語の歌声を乗せて手数の多いドラムがノリノリのリズムで畳みかけつつ、
南米らしい叙情性も含んだ緩急のついた展開で、ときにプログレ的な素養も匂わせる。
荒削りの勢いの良さもなかなか楽しい。年代を考えれば単なるハードロック以上の濃密な力作である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る



ENTRANCE
チリのシンフォニックプログレバンド、エントランスの1st。1999作
2nd「EN LA TIERRA」の好評価があって、その後にリリースされたらしい。
サウンドはひと言で言えば、まさに「ゴリ押し弾き倒し系のシンフォニックロック」
アルゼンチンのNEXUSあたりに通じる音だが、こちらの方が少々粗いかもしれない。
シンフォニックなキーボードや、ときにメタリックでもあるギターなど、なかなかいい感じなのだが、
メロディや曲そのものに突き抜けきらない感じがあって、傑作にはなりきれぬのが残念。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 けっこうメタリック度・・8 総合・・7

ENTRANCE 「en la tierra」
チリのシンフォニックロックバンド、エントランスの2nd。2002年作
JAME ROSASの奏でるきらびやかなキーボードワークにけっこうメタリックなギター
そこにスペイン語の歌唱が合わさり、濃いめのハードシンフォニックサウンドを形成。
基本は押しまくりのスタイルだが、メロディには南米らしい歌心が感じられ
そこがやはり欧州のバンドとは異なる質感を生み出している。
組曲形式の大曲が多いが、キレのある演奏と起伏のある構成で聴かせる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・9 総合・・8

ENTRANCE「ODISEA」
チリのシンフォニックロックバンド、エントランスのライブアルバム。2006年作
2003年メキシコでのライブを収録。スタジオ盤以上に濃密な演奏を聴かせてくれる。
ハードめのギターと手数の多いドラムにはメタリックな質感もあり、
そこに壮麗なキーボードとスペイン語の男ヴォーカルが加わると
「これでもか」という押しの強いハードシンフォサウンドとなる。
たたみかける系のコテコテのシンフォがお好きならぜひ聴きましょう。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 コテコテ濃密度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

ENTRANCE「entre dos mundos」
チリのシンフォニックロックバンド、エントランスの3rd。2008作
アルバム2枚とライブ作1枚を出してから解散していたと思われていたこのバンドが、
ソロ活動から戻ってきたシンセ奏者ハイメ・ロサスを迎えて復活した。
サウンドの方は相変わらずのコテコテのハードシンフォニック全開。
ヘイメ・ロサスの縦横無尽のシンセワークを中心に、ときにProgMetal的なハードさと、
スペイン語の歌声とともに濃密に聴かせる。全体的に優雅さよりも暑苦しさを感じさせるところは
イタリアのバンドにも通じる勢いがあり、この手が好きなリスナーなら間違いない。
シンフォニック度・・8 濃密度・・9 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


EQUILIBRIO VITAL「Retorno」
ヴェネズエラのシンフォニックロックバンド、エクイリブリオ・バイタルの2010年作
てっきりフランスのMINIMUM VITAL関連のバンドかと思いきや、まったく別のこちらは南米のバンド。
アコースティックギターにシンセを絡めた南米らしい繊細な質感と、シンフォニックな叙情性、
シリアスでありつつも音に硬さはなく、美麗なシンセの合間にアコースティカルな素朴さがある。
フルートやサックスなどを自然に取り込んでいる質感はPFMなどイタリアのバンドにも通じるか。
楽曲の優雅な雰囲気と、メロディアスでありつつべたつかないセンスのよさが光る。かなりの傑作。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ESPIRITU「V」
アルゼンチンのメロディアスシンフォバンド、エスピリトゥの3rd。1982作
南米らしいやわらかなメロディに、シンフォニックなキーボードが交差する。
全体的にはスペイン語の歌唱を中心とした、落ち着いた感じの小曲でまとめられていて、
さしたるインパクトはないものの、優しい心地よさに包まれるサウンドである。
ややハードでブルージーなギターと繊細な歌メロの対比もいい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5


ESTACAO DA LUZ
アルゼンチンのサイケプログレ、エスタカオ・ダ・ラズの2012年作
オルガンやピアノを含んだシンセに、女性ヴォーカルのスペイン語の歌声で聴かせる、
70年代的なおおらかさを感じさせるポップでキャッチーなロックサウンド。
メロディックなギターにプログレ的なムーグシンセの音色も出てきて、
単なる女性声ロックという以上にサイケでプログレ寄りの雰囲気を漂わせている。
スリリングな展開はほとんどないが、のんびりと楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5


ESTRUCTURA「mas alla de tu mente」
ヴェネズエラのプログレバンド、エストラクトゥラの1978年作
女性Voに女性Gを含む8人編成でのっけからたたみかけるようなシンセに、神秘的なコーラスが入ってきて
なにやら壮大な雰囲気。33分、28分という大曲2曲の構成もすごいが、中身の濃さも年代と国を考えれば相当すごい。
スペイシーかつクラシカルなシンセワークに、南米らしい情熱的なメロディを奏でるギター、
そこにスパニッシュ美声の女性ヴォーカルが加わると…もうタマりまへん!
ピアノなどによる叙情的なパートでしっとりと聴かせつつも、ボサノバELP(?)風の愉快なパートや、
男Voによるメロウな歌ものパート、クラシカルなキーボードなど、組曲の中でいろいろな側面を見せつける。
曲が長いせいで散漫なところもままあるが、ラストの大団円的な盛り上がりは感動的だ。
ヴェネズエラのみならず、70年代の南米を語る上で異色の傑作として語る価値のある作品だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

EVOLUTION 「Umbrales」
チリのプログレバンド、エヴォリューションの2006年作
CAMELばりのメロウなギターと美しいシンセアレンジで軽快に聴かせる、
メロディックなプログレフュージョンサウンド。オールインストであるが、
軽妙な聴き心地の中にも、南米らしいやわらかな叙情が耳に優しい。
プログレ的なスリリングさは薄いが、キャッチーなメロディに包まれた好作品だ。
メロディック度・・8 軽妙度・・8 フュージョンプログレ度・・8 総合・・7.5




FACTOR BURZACO
アルゼンチンのチェンバーロック、ファクトル・ブルサコの2007年作
ピアニストのAbel Gilbert率いるユニットで、スペイン語による女性ヴォーカルの美しい歌声に、
やわらかなフルート、オーボエ、ヴァイオリンなどの音色に、ロック的なギターとドラムが加わった、
わりとノリの良いメロディアスなチェンバーロックサウンド。優雅なピアノを含むクラシカルな感触と、
静と動のメリハリある展開で適度にミステリアスな空気感も漂わせつつ、繊細な美しさに包まれた作風で、
アヴァンギャルドではあるがしっかりとロック色もあるので、チェンバー初心者にもとっつきやすいだろう。
反面、室内楽的な味わいはやや薄いので、ダークなチェンバーが好きな方には物足りないかもしれない。
スリリング度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

FACTOR BURZACO 「II」
アルゼンチンのチェンバーロック、ファクトル・ブルサコの2011年作
スペイン語によるキュートな女性ヴォーカルを乗せた、エキセントリックなチェンバーロックサウンドは、
前作に比べて、よりミニマムでスタイリッシュな作風へと深化している。やわらかなヴィブラフォンの響きにギターが絡み、
ジャズロック的な軽妙なアンサンブルに、女性声の妖しい表現力も加わって、ダークな空気感が増している。
フルート、クラリネット、サックス、バスーンなどによる室内楽色も含んで、アヴァンギャルドなテイストが先の読めない緊張感となって、
とてもスリリングな聴き心地だ。シアトリカルな語りの入ったナンバーなど、異色の味わいが楽しめる力作だ。
スリリング度・・9 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

FACTOR BURZACO「III」
アルゼンチンのチェンバーロック、ファクトル・ブルサコの2014年作
3作目となる本作は、サックス、クラリネットの軽やかな音色に、ギター、ベース、ドラムのアンサンブルが合わさった、
中期UNIVERS ZEROにも近づいたような、適度にダークで重さもあるスリリングなチェンバーロックを聴かせる。
カロリーナ嬢のエキセントリックな歌声は、サウンドにキュートな浮遊感を描き、シリアス過ぎない緊張感は、
いよいよ絶妙の域に達している。ヴィブラフォンが鳴り響くミニマムな静けさから、ドラムが加わった即興的なナンバーや
ハードなギターが加わったテクニカルで硬質なナンバー、一転してコミカルなアヴァンロックまで、振り幅の大きさが物凄い。
ラストは14分を超える大曲で、優雅さと激しさ、静と動の起伏に富んだアレンジセンスで、圧巻のチェンバーロックを描き出す。
スリリング度・・9 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


Flor de Loto「Madre Tierra」
ペルーのハードプログレバンド、フロー・デ・ロトの2007年作
牧歌的なサンポーニャの音色に適度にハードなギターを絡ませた、じつに南米らしいプログレサウンド。
フォルクローレなメロディとハードロック的なギターがいい塩梅に中和していて、
なにげにテクニカルな展開力も感じさせるなど、バンドとしての実力を感じさせる。
インスト中心で聴かせる楽曲が多く、吹き鳴らされるフルートにハードめのギターが絡むと、
フォークメタル風味にも聴こえたりして、なかなか面白いのである。濃密な牧歌ハードプログレの力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


Flor De Loto 「Volver a Nacer」
ペルーのハードプログレバンド、フロー・デ・ロトの2012年作
濃密系ハードプログレとして一部のマニアからはすでに知られる存在で、本作は過去の楽曲のリレコーディング作品。
わりとメタル寄りのハードなギターにフルートが鳴り響き、スペイン語の歌声を乗せた濃厚なサウンドで、
南米らしいやわらかな叙情性を盛り込んだ、フォルクローレ・ハードプログレサウンドでたたみかける。
ドラムもけっこうドカドカと手数が多く、メタル的な要素が前に出すぎるかと思いきや、フルートやサンポーニャの牧歌的な音色に
曲によっては美しい女性ヴォーカルも加わったりして、意外となごめるところもあるというバランス感覚も見事。
あるいはプログレッシブなフォークメタルとしても楽しめたりするかもしれない。濃密なフォルクローレハードの強力作!
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 濃密度・・9 総合・・8 
Amazon.co.jpで詳細を見る

Flor de Loto「Imperio De Cristal」
ペルーのハードプログレバンド、フロー・デ・ロトの2012年作
本作がすでに5作目となる。きらびやかシンセとハードエッジなギター、スペイン語の歌声とともに
濃密に聴かせるシンフォニックハードサウンド。ツーバスのドラムも含めてメタリックな感触もありつつ、
随所にフルートやケーナが鳴り響くフォルクローレ風の叙情性などは、やはり南米らしい聴き心地だ。
曲によってはフォークメタル的にも楽しめたりと、案外間口が広く指示させる要素を持っている気もする。
反面、プログレ、シンフォのリスナーにとっては、ドラムなどのハードさがやや耳障りに感じるかもしれない。
ドラマティック度・・8 ハードプログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・8



Flor de Loto 「Nuevos Masias」
ペルーのハードプログレバンド、フロー・デ・ロトの2014年作
本作がすでに6作目、前作もじつに濃密なハードプログレであったが、今作ではさらにメタル的感触が強まり、
ハードなギターリフに素朴なケーナの音色が絡み、スペイン語のヴォーカルとともに濃密に聴かせる、
フォルクローレ・メタルというべき感触。一方では、オルガンを含むシンセにピアノ、フルートなどによる
やわらかな叙情性も健在で、いったいメタルにしたいのか、プログレにしたいのかどっちなんだ?と思うほど。
なんというか、ここまでくるとMedina Azaharaあたりにも通じるような、スパニッシュハードな雰囲気もあるし、
しかしやっぱり牧歌的なフォルクローレが基本なんですな。哀愁の叙情に包まれたフォルクレ・ハードの力作!
2枚組のDVDには、本作のメイキングドキュメンタリーやPVなどを収録。
ドラマティック度・・8 フォルクローレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

FULANO 「En La Batuta 1993」
チリのジャズロック、フラノのライブ作品。2016年作
80年代から活動するバンドで、本作は1993年に行われた地元サンティアゴでのライブを収録。
シンセに二人のサックス奏者を擁する編成で、ハスキーな女性ヴォーカルのスペイン語の歌声を乗せ、
ダンサブルなノリの良さでたたみかける、ジャズロックサウンド。南米らしい土着的な味わいと、
シンセによるアレンジとクラリネットなどが加わった、ハイテンションなチェンバー風味も随所に覗かせる。
存在感のあるベースにジャズタッチもこなすドラムなど、技量のあるアンサンブルはプログレファン好みで、
フリーキーなサックスにフルートも加わったりと、カラフルなアヴァン・ジャズロックという感触でもある。
即興的でエキセントリックな女性声や、スカやタンゴなどの要素も含んだ、ごった煮感も凄いです。
ライブ演奏・・9 プログレ度・・7 アヴァンジャズ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

FULANO 「Animal en Extincion」
チリのアヴァン・ジャズロック、フラノの2016年作
CONGRESOのメンバーを中心に1987年にデビュー、1997年までに4枚のアルバムを残すも、2003年にシンセ奏者が死去、
バンドは解散状態となっていたが、ここにきて19年ぶりとなる5作目を発表。「絶滅動物」というタイトルの本作は、
やわらかなフルートにピアノ、サックスを乗せた、優雅なアンサンブルから、リズムチェンジを含むアヴァンギャルドな展開力に
チェンバーロック的でもあるスリリングな空気感をまとわせた、個性的なプログレ・ジャズロックを聴かせてくれる。
スペイン語による女性ヴォーカルも妖しく、そして美しく、ときにMAGMAを聴いているかのようなスケール感にも包まれる。
ザッパをルーツにした軽妙な意外性と、南米らしいやわらかな叙情が合わさった、まさにアヴァン・ジャズロックの力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 優雅で軽妙度・・9 総合・・8
Amzonで購入する


GH

G.A.L.F. 「Spirals of Time」
ブラジルのシンフォニックロック、ガルフの2006年作
のっけから26分におよぶ大曲で、美麗なシンセアレンジにメロディックなギター、
朗々としたヴォーカルを乗せ、QUATERNA REQUIEMやTEMPUS FUGITなどにも通じる、
正統派の南米シンフォニックロックを聴かせる。シンセ奏者はゲストのようだが、
やわらかなピアノやプログレらしいムーグなどを含めて、クラシカルな美意識と
繊細なセンスの良さが光っている。どことなく90年代のバンドのような野暮ったさも、
ある意味で垢抜けない魅力になっていて、南米らしいやわらかな叙情性が楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


Gerson Werlang 「Memorias Do Tempo」
ブラジルのシンフォニックロック、ガーソン・ワーラングの2008年作
POCOS & NUVENSのギタリストのソロ作品で、アコースティックギターに美しいシンセアレンジを乗せ、
南米らしいやわらかな叙情を描くシンフォニックロック。ポルトガル語による男女ヴォーカルが入ってくると、
フォークロック的な素朴な味わいに包まれ、ときにCAMELを思わせるメロウなギターフレーズや、
優雅なヴァイオリンの音色にマリンバなども加わり、10分を超える大曲をアーティスティックなセンスで構築してゆく。
プログレらしいメリハリあるダイナミックな展開力とアコースティックな叙情を同居させたシンフォニックロックの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



Grandbell 「The Sun and the Embryo」
ブラジルのシンフォニックロック、グランドベルの1996年作
アコースティックギターにフルートの音色が重なる牧歌的な叙情性にオルガンが鳴り響く
やわらかなシンフォプログレサウンド。裏声を使ったマイルドな男性ヴォーカルの歌声も含めて、
Yesなどに通じるキャッチーな聴き心地。同じくYesタイプのアメリカのREALMなども想起する雰囲気だが、
メロディのフックや演奏力も含めてこちらの方がずっと質は高い。8分以上の大曲も多いが、
繊細な構築力でじっくりと楽しめる。90年代のイエス系シンフォ作品としてはかなり出来の良い作品ですな。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 Yes風度・・8 総合・・8


Habitat「Tratando De Respirar en la Furia」
アルゼンチンのプログレバンド、ハビタットの2010年作
ヴォーカル&ギター&ベース&シンセとドラムの2人組ユニットで、
古き良き牧歌性を含んだメロディアスなシンフォニックロックスタイル。
やわらかなフルートの音色が入ってくると、どこか90年代的なマイナー系シンフォバンドの
雰囲気に包まれる感じで、そのメロウな聴き心地にうっとりとなる。オルガンの音色にスペイン語の歌声が重なると、
オールドなイタリアンプログレに通じる感触で思わずにやにや。一方ではスパニッシュな哀愁を含んだ小曲や
ラストの大曲ではバグパイプも出てきたりと、いささかとりとめがないが、プログレらしいプログレ好きにはかなり楽しめるだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5

Hamacas Al Rio
アルゼンチンのフォークロック、ハマカス・アル・リオの2004年作
うっすらとした幻想的なシンセワークとアコースティカルな繊細な叙情、
そして女性ヴォーカルのスペイン語の歌声が優しく合わさったサウンドは、
ゆったりとした優美な耳心地。たおやかなフルートの音色やメロトロン的なシンセが混じると、
プログレリスナーにも楽しめるような雰囲気になる。この女性声の魅力もあいまって、
英国フォークのドリィミーさを南米的に叙情豊かに仕上げたというような好作品になっている。

叙情度・・9 繊細度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



Hamacas al Rio 「Mitad de Junio」
アルゼンチンのフォークロック、ハマカス・アル・リオの2006年作
アコースティックギターの響きにフルートの音色が重なり、スペイン語の女性ヴォーカルを乗せた、
南米らしい繊細な叙情のフォークロックサウンド。オーケストラルなアレンジを含んだ楽曲は
シンフォニックロックとしても楽しめ、やわらかなエレピなどシンセのセンスもなかなか絶妙で、
しっとりとした女性声をよく引き立てている。全体的にメロウな叙情に包まれた雰囲気なのだが、
薄暗さというよりも木漏れ日をイメージするような優しい感触なのは、南米のバンドならではだろう。
ドラムを含めたアンサンブルもプログレリスナー受けする力量がある。まどろむように楽しめる好作だ。
メロディック度・・8 南米度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


Hyacintus 「Elydian」
アルゼンチンのプログレバンド、ヒアシンタスの2002年作
哀愁漂うギターメロディに美しいシンセアレンジで、叙情的に聴かせるサウンド。
打ち込みのドラムやラウドな音質などがいかにもアマチュア臭いのだが、
クラシカルな繊細さとコンセプト的な流れを感じさせるドラマティックな雰囲気があり
オールインストながらも、管弦楽器を含んだアレンジとともに壮大な世界観を描いている。
ただ惜しむらくは、この雄大なビジョンに演奏やアレンジ面が追い付いていない気がする。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る

HYACINTUS 「4th Universe」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ヒヤシンタスの2015年作
聴くのは2002年作以来となる。マルチミュージシャン、Jacinto Miguel Corralによるプロジェクトで、
シンフォニックなイントロで幕を開け、オルガンが鳴り響き適度にハードなギターを乗せた、
70年代を思わせる古き良きアンサンブルに、ストリングスによるアレンジを加え、
スペイン語のヴォーカルとともに濃密なサウンドを描き出す。随所にアコースティックな哀愁の叙情を覗かせつつ、
泣きのギターがここぞと盛り上げる大仰さも含めて、南米らしいシンフォニックロックの味わいも十分だ。
いくぶんこもり気味の録音などがいかにも自主制作らしいのが惜しいが、壮大な力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazonで購入する


I

ICONOCLASTA「SOLILOQUIO」
メキシコのシンフォニックプログレバンド、イコノクラスタの3rd。1987作
のっけからギター、キーボードによる大げさシンフォニックロック
イタリアのバンドにも通じる情熱的なサウンド。そこに中米のラテン気質も付加されてとても押しが強い。
しかし叙情もしっかりとありフルートも大活躍。女性Voも効果的に華を添える。
演奏力としては並であるが、このくどいまでに元気のいいシンフォサウンドには魅力も多い。
盛り上げ系シンフォ好きはB級ながらも受け入れられるだろう。
シンフォニック度・・8 情熱度・・9 楽曲度・・8 総合・・7.5

Iconoclasta「Resurreccion
メキシコのプログレバンド、イコノクラスタの2009年作
80年代から活動するベテランで、まだやっていたのかと驚いたが、
サウンドの方はずいぶん変化している。かつては濃密なメロディでバタ臭く聴かせる
インストのシンフォニックロックだったと思うが、本作では女性ヴォーカルが入っていて、
ジャズロック風味もまじえたような雰囲気だ。シンセによる美しいアレンジに、軽めのドラムと
微妙にダサいギターのメロディなどはかつてのままだが、スペイン語によるこの女性ヴォーカルの
ヘタウマの歌声のおかげで、どことなく哀愁の叙情を感じさせる、よくいえば牧歌的な感じである。
もちろんB級シンフォニックの範疇に入る音なのだが、嫌いにはなれない愛らしさをもった作品だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 ヘタウマ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


INVISIBLE 「Durazno Sangrando」
アルゼンチンのメロディックロック、インビジブルの1975年作
ルイス・アルベルト・スピネッタ率いるバンドの2作目。ギター、ベース、ドラムのトリオ編成を基本にした
テクニカルなアンサンブルに、スペイン語のヴォーカルを乗せた、やわらかな叙情を聴かせるサウンド。
のっけから15分の大曲で、ジャズロック的な優雅さと、適度にエキセントリックなプログレ要素が合わさって、
代表作とされる3作目に比べると、よりアンサンブリーなロック感が強い分、プログレファン受けするだろう。
大人の哀愁を含んだスピネッタのメロウなギターワークも随所に光っていて、アコースティックな小曲なども、
じつに南米らしい繊細な味わいだ。後半の10分高い大曲も、耳心地の良さとプログレ的な展開美が素晴らしい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

INVISIBLE「El Jardin de Los Presentes」
アルゼンチンのメロディックロック、インビジブルの1976年作
名うてのギタリスト、ルイス・アルベルト・スピネッタ率いるバンドで、ALASのKey奏者も参加している。
うっすらとしたシンセと、アコースティカルなギターワークをバックに、伸びやかな歌声で聴かせる
繊細でマイルドなサウンド。一聴してのインパクトは薄いものの、じわじわとくる叙情には温かみがある。
ブルージーなロック色のあるナンバーは、プログレファンからするとやや外れるかもしれないが
南米ロックという大枠でとらえて聴けば、じつに味わいのある好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


iX「Ora Pro Nobis」
ヴェネズエラのプログレユニット、iXの2006年作
TEMPANOのシンセ奏者を中心としたユニットで、こちらはシンフォニックというよりは、
どこかシアトリカルな雰囲気で、アヴァンギャルドなつかみどころのなさも感じさせる。
楽曲はシンセ中心なので曲によってはロック色は薄く、気の短い方には退屈かもしれないが、
随所にしっとりとした叙情的なパートもあり、スペイン語の女性ヴォーカルも加わると、
なかなか優美な聴き心地になる。アーティスティックな世界観は決して悪くないのだが、
これという盛り上がりがないので、最後まで淡々として終わってしまうのが残念。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 シアトリカル度・・8 総合・・7




Jacara「Cien Volando」
アルゼンチンのフォルクローレバンド、ヤカラの2012年作
牧歌的なチャランゴの音色に、女性ヴォーカルのやわらかなスペイン語の歌声を乗せた
素朴なフォルクローレサウンドに、やわらかなピアノのつまびきが入るとジャズ風味の優雅さも現れる。
アコースティカルな繊細さとスタイリッシュな軽妙さを同居させたセンスと演奏力の高さは、
チェンンバー風味のフォルクローレとしても楽しめる。お洒落なカフェで聴きたいような優雅な作品。
アコースティカル度・・9 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8


Jaen Kief「Las Hadas No Vuelan Mas/I.Vagas Nubes」
コロンビアのシンフォニックロックバンド、ジェーン・キーフの2003作
男女ヴォーカルにフルート、サックス奏者を含む8人組で、美しいシンセに泣きのギター、
アコースティカルな風味もまじえたシンフォニックロックをやっている。
女性Voの歌声にやわらかなフルートの音色がしっとりと耳に優しく、
南米のマイナー系特有のやぼったさもあって、その垢抜けなさもまた微笑ましい。
楽曲としてはこれだという盛り上がりやインパクトに欠けるのが惜しいが、
ゆったりと聴けるやわらか系シンフォニックロックとしてはなかなか楽しめる。
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 やわらか度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jaen Kief「Las Hadas No Vuelan Mas/U Elagua de frente
コロンビアのシンフォニックロックバンド、ジェーン・キーフの2008作
いかにも南米的なやわらかなメロディで聴かせるマイナー系シンフォというサウンドだった
その前作の続編となるアルバムで、本作もしっとりとしたシンセに女性ヴォーカル
フルートなどが合わさり、繊細な叙情シンフォニックロックを聴かせる。
男女ヴォーカルのスペイン語の歌唱にはやややぼったさは感じるものの、
アコースティカルな要素も含めて、大曲の中でのダイナミックな緩急も活かされていて、
前作以上に雄大な雰囲気を感じさせる。南米シンフォニックの力作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5



JAIME ROSAS 「VIRGO」
チリのシンフォバンド、ENTRANCEのKey奏者、ハイメ・ロサスのソロ作。2003作
ENTRANCE自体は2枚のアルバムを残して分裂してしまったようだが、
中心人物のジェイム・ロサスは今後はソロとして作品を出してゆくようだ。
サウンドは打ち込みリズムとオーケストレイションによる、いわゆる“一人シンフォニック”
組曲、大曲を中心とした四部構成で、音色の使い方や、ドラマティックなメロディには
日本の桜庭統あたりを感じさせるものもあり、リズムが打ち込みということもあってか、
どこかゲームミュージック的な感触もある。綺麗なシンセの音色は現代的シンフォ音像で、
この手のキーボードプログレ好きにとっては美味しい作品には違いない。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 キーボー度・・9 総合・・8

JAIME ROSAS TRIO 「EXTREMOS」
チリのENTRANCEのKEY奏者、ハイメ・ロサス率いるユニットの2004年作
バンド編成になり、打ち込みではない生ドラムが加わるといかにもプログレという音になって嬉しい。
キーボードトリオといっても、随所にギターも入ったり、ELPタイプというよりは、常にメロディを意識しているという点では
日本の桜庭統の作品などにも通じる感触がある。ところにより繊細なタッチのピアノも聴かせるなど、
メロディには南米らしいやわらかみが感じられ、手数の多いドラムもなかなかのテクニックだ。
後半にはスペイン語のヴォーカル入りの曲もあり、ラストの15分の大曲はエントランスばりのシンフォニックロックが炸裂。
ちなみに、次作では一人メンバーが増えてJAME ROSAS CUARTETOになる(笑)
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

JAIME ROSAS CUARTETO「CRECIENDO」
ENTRANCEのKey奏者、ハイメ・ロサス率いるユニットの2005年作
もともとENTRANCE自体がゴリ押し畳みかけ系の濃密シンフォであったのだが、
本作では、ギター、ベース、ドラムを含む4人編成となり、ますます濃密なシンフォプログレを聴かせてくれる。
厚みを増した演奏とともにロックとしての躍動感も加わって、ハイメ・ロサスのクラシカルなKeyフレーズもますます冴え渡る。
まるでこれは日本のDEJA-VU(桜庭統)か?という、美麗なきらきらキーボード弾きまくりのシンフォニックロック快作!
シンフォニック度・・8 きらきら度・・9 キーボー度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jaime Rosas Cuarteto「Viajetos Astral-Live In Brazil」
チリのシンセ奏者、ヘイメ・ロサスによるユニットのライブアルバム。2008作
ENTRNCEのシンセ奏者でもあり、ソロ作としてもこれまでに3作を発表している。
その濃密なキーボードシンフォニックサウンドは、南米のPar Lindhといってもいい。
これは2005年ブラジルでのステージを収録したライブアルバムで、
ソロ作からの曲をはじめ、ENTRNCEの曲などもギター入りの四人編成で演奏している。
ELP桜庭統かというクラシカルなフレーズでキーボード、ハモンドオルガンを掻き鳴らし、
手数の多いドラムとともに熱い演奏でたたみかける。これが南米鍵盤シンフォの最高峰だ。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Jaime Scalpello「El Rugido De Los Dioses」
ENTRANCEのVoを中心にしたシンフォニックロックバンド、ヘイメ・スカルペロの2008作
SUBTERRAのシンセ奏者、ENTRANCEのドラマー、JAIME ROSAS CUARTETOのギターらが参加した
いわばチリのシンフォニックシーンのスーパーバンド。クラシカルなシンセワークにメロウなギター、
スペイン語の歌唱で聴かせる濃密な作風は、やはりENTRANCEに通じるもので、いかにも南米的。
どこかべったりとしたリズムと、ハードエッジなシンフォニックサウンドが、こってりしていてクドいのだが、
ギターとドラムの入らないシンセメインの曲はしっとりと優美に響く。チリのパワーを感じさせるシンフォ力作。
シンフォニック度・・8 濃密度・・8 南米度・・9 総合・・8


Jinetes Negros
アルゼンチンのシンフォニックロック、ジネテス・ネグロスの2000年作
シンセ奏者のオクタヴィオ・スタンパリア氏を中心にしたバンドで、
SAGRADOあたりに通じる雄大な美しさと、スペイン語の歌声で濃密にたたみかける
ハードな感触も含んだシンフォニックロックサウンド。壮麗なコーラスで盛り上げつつ
フルートやヴァイオリンも加わった優雅さもあって、クラシカルなやわらかさと軽快さが同居した
じつに南米らしい聴き心地だ。オペラティックな女性ヴォーカルで聴かせる曲も美しい。
シンフォニック度・・8 濃密度・・8 南米度・・9 総合・・7.5



Jinetes Negros「Chronos」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ジネテス・ネグロスの2nd。2001年作
オーケストラルなシンセアレンジと、ハードエッジな感触のギターに、スペイン語のヴォーカルを乗せた、
ハードシンフォニックロック・サウンド。随所にクサめの泣きメロを奏でるギターが、ひと昔前のシンフォのようで
いくぷんのやぼったさもあるのだが、そこも含めて南米らしい味わいとなっている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5





Jinetes Negros「Omniem」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ジネテス・ネグロスの3rd。2007作
1曲めからRICK WAKEMANのようなクラシカルなシンセが鳴り響き、スペイン語の歌が入ってくると、
とたんに南米テイストの音に早変わり。ベースがブイブイのフュージョンロック的なテイストも入ってきたり、
王道シンフォニックのキーボードに、曲によってはフルート、ストリングスなども加わって、
なかなか派手やかなのだが、曲は長すぎず4、5分にまとめられているのもポイント。
濃密でありながらもさらりと聴けるあたりはRUMBLIN' ORCHESTRAにも通じるか。
そして、南米らしい繊細な叙情もしっかりとある。これはなかなか質の高い作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

Jinetes Negros 「Tawa Sarira」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ジネテス・ネグロスの2013年作
シンセ奏者、オクタヴィオ・スタンパリアを中心にしたバンドで、前作は派手やかな傑作だったが、
本作ではやわらかなスペイン語の歌声に、ストリングスやフルートも入った優雅なアレンジと、
牧歌的な叙情も含んだ聴き心地。プログレ的なムーグシンセを鳴らしつつ、オーケストラルな華麗さもありつつ
一方では南米的な民族風味の旋律も取り入れていて、いわば土着的なキャッチーさという雰囲気を描いている。
ときにハードめのギターも入ったりして、濃密と素朴の狭間を行き交うメリハリのあるサウンドが楽しめる力作。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8




JOSE LUIS FERNANDEZ LEDESMA Q.「SOLCENTRAL」
メキシコのアーティスト、ホセ・ルイス・フェルナンデス・レデスマの2000年作
ヴォーカルとパーカッションもこなす、Margarita Botello嬢とのユニットらしい。
これまでに聴いた彼の作品のようなたおやかなシンフォニックではなく、
チェンバーロック色もあるアヴァンギャルドに展開する異色のサウンドだ。
35分におよぶ組曲は、エレクトロ的なシンセにエフェクトのかかった女性声と、
パーカッションにオーボエ、男性コーラスなどが重なる、混沌とした雰囲気。
クラシカルなシリアスさを垣間見せながら、ミステリアスな薄暗さで聴かせる作品だ。
クラシカル度・・7 チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7

Jose Luis Fernandez Ledesma「Dicen que somos dioses y nos sonamos hombres」
NIRGAL VALLIS のメンバーでもある、ホセ・ルイス・フェルナンデス・レデスマの2001作
ジャケはなんだか怪しいが、おそらく物語的なコンセプトがあるのだろう、シンセとギターをメインにした美麗なシンフォ作で、
ときどき女性ヴォーカルも入る。艶やかなピアノやヴァイオリンなども美しく、クラシカルで幻想的なサウンドは
録音面の安っぽさを差し引いても、うっとりと聴き入れるような世界観がある。ときおり入るケルト風味なども
独特の優雅さと土着性をサウンドに付加していて、メキシコというとCASTICONOCLASTAなど、
コテコテ系のイメージがあるがこの作品はヨーロピアンな繊細さをともなった美意識に溢れていてとても耳に優しい。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・8 サウン度・・7 総合・・8

Jose Luis Fernandez LedesmaDesignios
メキシコのシンフォ系アーティスト、ホセ・ルイス・フェルナンデスの2002作
90年代初頭から活動し、NIRGAL VALLISを含め多くの作品に参加。
今作は、たおやかなフルート、アコースティックギターの音色に、
女性ヴォーカルが歌を乗せる、しっとりと聴かせるシンフォ作品だ。
クラシカルな美意識と、ゆるやかな自然を感じさせる静寂感に包まれながら、
ここぞという所ではお約束のシンフォニックなキーボードで盛り上げる。
スパニッシュ系の民族色も取り入れた、やわらかみのある好作だ。
シンフォニック度・・7 アコースティカル度・・8 やわらか度・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jose Luis Fernandez Ledesma「Hibridos」
NIRGAL VALLISのkey奏者であるホセ・ルイス・フェルナンデスの2007作
女性Vo、Margarita Botelloのデュオ・ユニットで、これが何作目なのかは不明だが、
2002年のDesigniosはクラシカルかつアコースティカルな見事なシンフォ作品だった。
本作でのサウンドは民族的なパーカッションのリズムにサンポーニャ、フルートなどの音色、
女性スキャットを乗せた、アヴァンギャルドなチェンバーロックといった雰囲気。
アコーディオンやサックス、ヴァイオリンなどが奔放に加わり、ときにジャーマンロック的な
シンセサウンドとともにミステリアスなイメージを描き出している。
クラシカル度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7
Amazon.co.jp で詳細を見る


Jose Luis Santander 「Leprechaun」
チリのミュージシャン、ホセ・ルイス・サンタンダーの2008年作
SUBTERRAのギタリストでもある人物だが、このソロ名義の作品では
テクニカルな感触のハードなフュージョンロックという作風である。
変則リズムを含んだツーバスのドラムの上に、硬質感のあるギターフレーズと
モダンなシンセが重なり、PLANET X的なメタリックなフュージョンプログレを聴かせる。
全体的に高品質な仕上がりながら、これ系の他バンドを上回る魅力というものは薄いか。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 ハードフュージョン度・・8 総合・・7.5




Kaizen 「Gargula」
ブラジルのシンフォニックロック、カイゼンの1994年作
元QUATERNA REQUIEMのヴァイオリン奏者を中心にしたバンドで、
美しいシンセアレンジにヴァイオリンが絡む、優美なシンフォニックロック。
オールインストで、フルートやオーボエなども加わった室内楽的なクラシカルな優雅さと
上記QUATERNA REQUIEMにも通じる、プログレ的なシンセワークが合わさった作風で、
ときにメロウなギターフレーズも入ってきて、この手が好きなリスナーには実に耳心地がよい。
優美でたおやかなクラシカル・シンフォニックロックの好作品です。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8


Kharmina Buranna 「Seres Humanos」
ペルーのプログレバンド、カルミナ・ブラーナの2012年作
女性Voにシンセを含む6人編成で、オルガンやメロトロン、ムーグといったシンセに、
いくぶんハードなギターが重なり、軽やかでクラシカルなアンサンブルとともに大曲を構築してゆく。
アコースティカルな素朴さや、スペイン語の女性ヴォーカルなどの牧歌的なやわらかさには、
いくぶん田舎的なマイナー臭さも感じさせつつも、それが優しい聴き心地となっている。
長い曲におけるアレンジ力が向上すると、さらによいバンドになりそうだ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 楽曲アレンジ・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る





LA BANDA DEL GNOMO 「EL CANTO DEL ANGEL
チリのプログレハード、ラ・バンダ・デル・ノモの1984/2009年作
女性ヴォーカルのスペイン語の歌声と、幻想的なフルートの音色、随所にシンセも入ったメロディアスなプログレハードサウンド。
ギターはなにげにクサメロを弾いたり、音質のこもり具合も含めて、80年代のマイナーバンドらしい、
くぐもった雰囲気がなんともいい感じだ。かつての日本のハードプログレなどにも通じるコテコテな聴き心地もGoodだが、
男性声のオールドロック風の曲もあったりで、アルバムとしては散漫な感じもする。
メロディック度・・8 マイナー雰囲気度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5


LA BIBLIA
アルゼンチンの名盤として知られる、ビブリアの1974作
チャーリー・ガルシア(SUI GENERIS)を中心に21人のミュージシャンとオーケストラによる
一大シンフォニックプロジェクトで、邦題にもある通り「天地創造」をテーマにしている。
壮大なオーケストラをバックにスパニッシュな熱情と哀愁ただよう歌を聴かせてくれる。
プログレ/シンフォニックという範疇からすると、ブルーズ寄りなラフな質感がやや好みから外れるか。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・7 壮大度・・8 総合・・7


LA FINCA DE LAURENTO 「CienciaFilosofia y Conga」
アルゼンチンのプログレバンド、ラ・フィンカ・デ・ローレントの2008年作
シアトリカルなヴォーカルの歌声に、どこかアヴァンギャルドな楽曲展開は、
イタリアンロックにも通じるような演劇的で混沌とした濃密さがある。
一方ではフルートが鳴り響く、南米らしいフォルクレーレ風味の叙情も含んで、
メロウなギターの旋律と美しいシンセアレンジで、ハードシンフォニック的な構築性も聴かせる。
荒々しいロックとしての躍動感とプログレとしてのアートな感性が融合した力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・8


LA FINCA DE LAURENTO 「Fuerza」
アルゼンチンのプログレバンド、ラ・フィンカ・デ・ローレントの2012年作
前作はシアトリカルで濃密な力作であったが、今作では3〜5分の楽曲を中心にした作風で、
やわらかなフルート、ピアノに、適度にハードなギターが絡み、テクニカルなアンサンブルとともに
いくぶん偏屈だが優雅なエキセントリックさというべき感触に包まれたサウンドを描いている。
スペイン語によるヴォーカルは南米らしい濃密な味わいをかもしだすが、ジャズ風味の軽妙さも含んだ演奏は
どこかお洒落ですらある。前作ほどのスケール感はないが、スタイリッシュに構築された好作品となっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8


LALO HUBER「Lost in Kali Yuga」
アルゼンチのシンセ奏者、ラロ・ヒューバーの2009年作
NEXUSなどで活躍するシンセ奏者で、本作はヒンドゥー教をモチーフにしたコンセプト作。
スペイシーなシンセアレンジを含んだ聴かせる幻想的な雰囲気だが、曲によってはドラムも入って、
ムーグシンセやオルガンが鳴り響く、キーボードプログレとしても普通に楽しめる。
ときに桜庭統やJaime Rosasなどを思わせる軽快なメロディセンスもよい感じで、
基本はオールインストながら、ヴォーカル入りの叙情的な曲もあったりと、バランスもとれている。
コンセプト云々は別にしても、美しいシンセが楽しめるやわらかな好作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8


LA MAQUINA DE HACER PAJAROS
アルゼンチンのシンフォバンド、ラ・マクイナ・デ・ヘーサー・パジャロスの1st。1976作
2ndのシンフォニックさに比べると、こちらはややジャズロック風味の演奏で、
プログレというよりはラテン調ロックといった趣が強いが、
チャーリー・ガルシアの繊細なキーボードメロディはさすがに素晴らしい。
南米的な熱い演奏とブルージーなロック色、そしてシンフォニック性が合わさった
個性的なサウンドは、アルゼンチンのプログレシーンでも屈指のものだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

LA MAQUINA DE HACER PAJAROS「PELICULAS」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ラ・マクイナ・デ・ヘーサー・パジャロスの2nd。1977年作
ジャケの雰囲気からは想像もできないくらいの繊細なメロディを聴かせるサウンドで
南米を代表する鍵盤奏者、チャーリー・ガルシアのピアノや美しいシンセワークを中心に
自身のやさしげなヴォーカルもしっとりと聴かせる曲調にマッチしている。
曲は4〜5分台のものが中心で、難解さはかけらもなく、どの曲もやわらかなメロディにあふれていて、
とても耳に心地よい。シンセに絡むクラシカルなストリングスの響きも素晴らしい。じわじわと来る大叙情。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Laquesis
アルゼンチンのプログレバンド、ラケシスの2013年作
ジャケやバンド名から、運命の三人の女神(ラケシス、アトロポス、クロートー)をモチーフにしているようで、
ムーグやオルガンを含む美しいシンセアレンジに、エモーショナルなヴォーカルで聴かせる叙情的なサウンド。
Marillionにも通じる薄暗い繊細さの歌ものナンバーから、いかにもシンフォプログレ系らしいシンセワークに、
CAMELばりの泣きのメロディを奏でるギターを乗せたインストパートも耳心地良く、曲によってはオールドなロック風味も覗かせる。
12分、16分という大曲も濃密すぎず、優雅なアンサンブルでスタイリッシュに構築するところは、南米らしからぬセンスというべきか。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8




Luis Alberto Spinetta「A 18' del Sol」
アルゼンチンのギタリスト、ルイス・アルベルト・スピネッタの1977作
INVISIBLEのギタリストでもあるが、本作で聴けるのはもっとたおやかで
ジャズ的なエッセンスも入ったサウンド。スペイン語によるヴォーカルにもやわらかみがあり
流麗なギターのフレーズに軽やかなピアノも合わさって、じつに優雅な雰囲気だ。
フュージョン/ジャズロック風味のテクニカルさも聴かせながら、あくまで本質は繊細で、
いかにも南米らしい作品だ。スピネッタのギターもさすがのテクニックをさりげなく聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Maquina Vapor
ブラジルのプログレバンド、マクイナ・ヴァーパーの2010年作
オルガンやムーグを含んだシンセに、ややハード寄りのギター、英語歌詞のヴォーカルで聴かせる
古き良き感触のシンフォ系プログレサウンド。ドラムの軽さや演奏面での甘さも含めて、
典型的なB級南米シンフォという感じだが、若手らしいキャッチーな爽快さもあって、そう悪くはない。
今後はメロディのフックや楽曲アレンジの質自体をもっと向上させていってもらいたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 南米度・・7 総合・・7


Marcio Rocha「Juno」
ブラジルのアーティスト、マルシオ・ロチャの2000作
うっすらとしたシンセに艶やかなヴァイオリンが絡む、やわらかなインスト作品
スパニッシュ風味のギターやパーカッションなど、民族色をただよわせつつ、
TEMPUS FUGITのKeyによるプログレ的なシンセワークや、GENESIS風味の泣きのギターも出てきたりして、
なかなか聴かせてくれる。MARCUS VIANA(SAGRADO)あたりを思わせる叙情美はやはり南米ならではで、
ヴァイオリンをメインにしたクラシカルなシンフォニック作としてもゆったり楽しめる。
シンフォニック度・・7 ゆるやか叙情度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


MARCO「MARCOLAPSOS」
メキシコのシンフォニックロックバンド、マルコの2002作
ギテリストのマルコ・A・ゴメス氏を中心とした個人プロジェクトバンドらしい。
まるで子供のお絵描きのようなジャケットと安っぽい紙ジャケ風の作りであるが、
サウンドは泣き泣きのギターを聴かせるシンフォニックロックでなかなかよい。
バックのうっすらとした美しいキーボードもよいが、やはりなんといってもこの
日本人好みのクサメロを弾き奏でるギターワークは、ときおりヨレぎみながらもしびれますな。
サウンドの平坦さがB級臭いですが、ICONOCLASTAあたりがいければ聴いてみては?
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5


MARCO ANTONIO ARAUJO「INFLUENCIAS」
ブラジルのアーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの1st。1982年作
彼が80年代に残した4枚のアルバムは、どれもが80年代の南米シンフォニックの傑作に数えられる出来だ。
艶やかなアコースティックギターにたおやかなフルート、いかにも南米らしい優しげな叙情に満ちあふれたサウンドで、
エレキギターとシンセが入っても決して押しつけがましくならず、大仰さよりは繊細さと素朴さが音を通して心地よく感じられる。
曲としてのメロディのつなぎ方も自然なアレンジで素晴らしく、アントニオ・アラウージョのコンポーサーとしてのセンスの高さが伺える。
優しいフルートの音色にうっとりと浸れる、おだやかな聴き心地の南米叙情シンフォの歴史的名作である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 南米的叙情度・・10 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

MARCO ANTONIO ARAUJO「CISNE」
ブラジルのシンフォ系アーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの2nd。1982作
たおやかなピアノに導かれ、アコースティックギターが鳴りだすと、すでにその美しさにうっとりとなる。
チェロやヴァイオリン、フルートの音色は優雅かつクラシカルで、繊細なピアノやアコギととともに、
ゆるやかなシンフォニックサウンドを形作ってゆく。序盤はドラムレスでロック色は薄いが、
エレキギターも出てきてフルートを愉快に鳴らす曲やミステリアスなヴァイオリンとギター、
ピアノによるインプロヴィゼーション的な曲もあり、飽きさせない。
全体的に派手さはないが、たおやか系の南米シンフォとして大切に語り継ぎたいサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8

MARCO ANTONIO ARAUJO「ENTRE UM SILENCIO E OUTRO」
ブラジルのアーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの3rd。1983作
彼の残した4枚のアルバムは、どれもが叙情的でクラシカルな名作とされているのだが、
まだまだコアなシンフォニックファンくらいにしか知られていないようだ。
今作は“Fantasia”と題された20分の大曲2曲に、CD化にあたって3曲のボーナスが追加されている。
アコースティックギターにやわらかに絡むフルート、そして優雅なヴァイオリン。
オールインストながら、クラシカルで南米らしい温かみのあるメロディが耳に優しい。
音楽でしっとり、うっとりとなりたい方は、一度聴いてみるべきアーティストです。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 たおやか度・・9 総合・・8

MARCO ANTONIO ARAUJO「LUCAS」
ブラジルのプログレ系アーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの4th。1984作
SAGRADOMARCUS VIANAと並び、ブラジル最高のシンフォ系アーティスト。前3作はいずれも素晴らしい出来だったが、
ラスト作となる本アルバムもまさに絶品。冒頭のピアノとフルートからしてもう絶品の美しさ。この繊細な音色ときたら…もう。涙
今作は16分の大曲を冒頭に、これまでのキャリアの集大成的な内容で、クラシカルかつたおやかに聴かせる演奏は本当に素晴らしい。
アカデミックな細やかなアレンジと、メロディアスな聴きやすさのバランスも見事で、CAMELの最良部をとり出してもかなわないほどの
叙情美にはうっとりとなる。後半の小曲もピアノやアコギなどが実に味わい深い。残念ながら、彼はこの作品を残して夭逝するが、
残された4枚のアルバムは、南米シンフォニックの名作として、多くの人々に語られるべき作品だろう。
メロディアス度・・10 クラシカル度・・9 繊細度・・10 総合・・9


MARCUS VIANA「PANTANAL」
SAGRADOのリーダー、マルクス・ヴィアナのソロアルバム。1990年作
タイトルの"パンタナル"というのはブラジル最大の湿地帯の名前で、
その自然を壊滅から救おうという運動が盛り上がり、TV番組になったときのこれはサントラ作品。
サウンドはヴィアナのヴァイオリンが中心で、そこにピアノやシンセ、パーカッションが絡んだインスト作。
大自然をテーマにしただけあってサウンドには静謐さと雄大な叙情が感じられ
ロック作品ではないものの、しっかりとしたメロディと構成により、素直に聴き通せる。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 雄大な自然度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MARCUS VIANA「TRILHAS & TEMAS」
SAGRADOのリーダー、マルクス・ヴィアナのソロアルバム。1992年作
こちらはサントラではなく音楽として純粋な彼のソロで、サグラドの静かな叙情美をそのまま取り出したようなサウンド。
クラシカルで格調高いが、どこか優しさを感じるヴィアナのヴァイオリンがたっぷり堪能できる。室内楽的でありながら、
自然体でシンフォニック。ヴァイオリンはもちろん、彼自ら弾くピアノも実に美しい。サグラドファンも満足の大傑作。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・9 たおやか度・・10 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


Mar de Robles「MdR」
チリのテクニカルシンフォバンド、マール・デ・ロブレスの2003作
ENTRANCE一派やMATRAZなど、高品質なシンフォニックバンドが続出しているこの国だが、
このバンドもかなりのクオリティ。RUSHDREAM THEATERからの影響を感じさせる展開の多さに、
フルート、サックスなどのジャズロック的な味付けと、民族性を付加したようなサウンドで、
一聴してガチャガチャとしているのだが、硬質感よりは南米的な味わいが前に出ている。
変態的シンフォニックロックというか、飽きさせない多様性の点でDISCUSあたりにも通じるものがあり、
演奏の確かさもあって、ハードめのドライブ感と叙情性が同居しているのも苦にならない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・8 総合・・8

Mar de RoblesIndigena
チリのプログレバンド、マール・デ・ロブレスの2007作
前作はテクニカルで多様性に富んだ異色の傑作であったが、今作も適度に偏屈がかったインスト重視の見事なアルバム。
サックス、フルート奏者で歌も歌えるメンバーや、スティックベースを弾きこなす凄腕、
妖しくサイケなフレーズも奏でるギター、手数の多いドラムにパーカッショニストという、
個性とセンスあるメンバーたちが織りなすのは、ときにアラビックだったり、南米的だったりする
無国籍感たっぷりのインストで、ごった煮感の中にも壮大な世界が見え隠れするのが凄い。
誤解を恐れずにいうと、南米版THE MARS VOLTAというところか。吹っ切れの良さが凄い。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 演奏センス・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


MATRAZ 「TIEMPO」
チリのプログレバンド、マトラスの1st。1999作
彼らの2ndはDREAM THEATER的な方法論を、シンフォニックロックの繊細さで
再構築したような素晴らしい作品だった。この1stは全4曲という大作志向。
メンバーは4人で(2ndでは女性Voが加入する)、演奏は南米シンフォの中ではメタリックな要素が強く、
あるいは普通にプログレメタルとしても聴けるかもしれない。2ndできに比べると
大曲における散漫さも多少あるが、この時点でもバンドとしての演奏力はかなり高く、
テクニカルなキメも余裕を持って聴かせるところなどにはやはり非凡なセンスを感じる。
なんにしろ、久々に優れたセンスと演奏力を持ったバンドが南米から現れたものだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレメタル度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATRAZ「GRITARE」
チリのシンフォニックロックバンド、マトラスの2nd。2004年作
今やシンフォニック大国となりつつあるチリだが、このバンドもワールドクラスの実力を持つ。
スリリングでテクニカルな演奏はメタル色の薄いDREAM THEATERといった印象もあり、
音はけっしてやかましくならないが流れるような演奏はまるでKENSOのように優雅で、
たたみかける場面でもどこかクールな「静けさの美」を持つセンスが素晴らしい。
クラシカルなピアノはサウンドに格調高さをもたらし、スペイン語の女性ヴォーカルの歌唱は、
インストだけでは硬質になりすぎるところを、上手い具合にやわらかなバランスを保たせている。
南米なのに涼やかで、適度に硬質で、シンフォニックかつクラシカル。傑作アルバムです。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 クールな叙情度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る


Media Banda「Dinero Y Terminacion Nerviosa」
チリのチェンバー・ジャズロック、メディア・バンダの2008年作
FULANOのサックス奏者と女性Voを中心に結成されたバンドで、本作は2作目となる。
「金と神経質な完成」と題されたCD2枚組の大作で、軽妙なアンサンブルにサックスが鳴り響き、
オルガンやエレピを含むシンセにキュートな女性ヴォーカルの歌声を乗せたキャッチーな感触と、
テクニカルなジャズロック風味が合わさったスタイル。ザッパ的でもあるアヴンギャルドな感触を優雅に溶け込ませつつ、
あくまで軽やかな聴き心地は、カンタベリー系のジャズロック的でもある。エキセントリックなセンスを覗かせながら、
南米のバンドらしいやわらかな聴き心地が特徴的。優雅なアヴァンロックであり、女性声ジャズロックとしても楽しめる傑作だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅で軽妙度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

MIA「CORNONSTIPICUM」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ミアの3rd。1978年作
南米を代表するシンセ奏者、リト・ヴィターレが在籍していたバンドで、本作は「魔法の壺」という邦題で日本盤も出ていた。
クラシカルなピアノ、フルートに導かれた繊細なる楽曲は、リト・ヴィターレによる美しいシンセワークとともに、
あくまで南米らしいやわらかな叙情で紡がれてゆく。そこに乗る男女ヴォーカルの歌声もどこか牧歌的で
サウンドにはほんのりとした薄暗さと、はかない幻想美をただよわせる。じつに優雅な聴き心地である。
そしてタイトル曲である17分の組曲では、静と動を織りまぜた構築性が素晴らしい。70年代アルゼンチンのシンフォ傑作。
シンフォニック度・・8 南米度・・9 やわらか叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


MONTESANO「HOMENAJE」
アルゼンチンのミュージシャン、グスタヴォ・モンテサノの1977年作
CRUCISのKey奏者として知られるミュージシャンで、美しいシンセにたおやかなフルートが鳴り響く、
やわらかなシンフォアルバム。メロトロンやハモンドを鳴らしながら、メロディアスなギターを聴かせる
軽快なナンバーでは、演奏面での充実もあって、9分の大曲であってもさらりとライトに楽しめる。
しっとりとしたピアノをバックに、甘い歌声を聴かせる小曲など、南米らしい叙情とメロディに彩られたサウンドは
じつに繊細で耳に心地よい。クルーシスのメンバーに加え、大御所チャーリー・ガルシアも参加していて、
ソロというよりはむしろ、CRUCISの最高傑作という位置づけもできるほどの出来の良さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




NEXUS「DETRAS DEL UMBRAL」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスの1st。1998年作
かつては南米のシンフォニックロックといえばブラジルだったのだが、
近年では、アルゼンチン、チリなどの周辺国にもにわかに注目が集まっている。
このバンドは女性Voを含む5人組で、基本はたたみかける押しのシンフォニックロック。
ときに大仰に、ときにELPばりに華麗に弾きまくりのいかにもプログレ的なキーポードと、
けっこうハードめなギターをメインにした、重厚で濃い目のハードシンフォサウンド。
女性Voは添え物的で、スペイン語の歌唱も南米っぽくて良いのだがバックが濃すぎるためあまり目立ってはいない(笑)
キーボード主導という点では日本のGERARDあたりにも近いかもしれないが、
こちらは、ドラム、ベースのリズム面がやや軽快さに欠ける気もする。
全体的にはコテコテのシンフォファンには満足する一作であろう。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・6 コテコテで押します度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

NEXUS「live at nearfest 2000」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスのライブアルバム。
2000年のアメリカ、ペンシルバニアでのプログレ系ライブイベントの音源。
多くの南米産シンフォがそうであるように、エマーソンばりの派手なキーボードに
あくまでメロディアスさにこだわった曲、そこに女性Voが絡むのだから悪かろうはずはない。
ただ、TEMPUS FUGITらに比べると曲に無駄が多く、時々退屈する。
スタジオ盤は未聴だが、このライブ音源を聴くかぎりは音にまだ粗削りな部分があり、
音質もややラウドで、叙情系というよりはゴリ押しに近いシンフォサウンドである。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

Nexus「Metanoia」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスの2nd。2001作
前作も濃密なシンフォ作であったが、本作もオルガンをまじえたELPを思わせる
華麗なシンセワークを中心に、コテコテに弾き倒す72分の濃厚力作。
もちろんたたみかけるだけでなく、南米らしいやらわかな叙情もあり、
メロウなギターフレーズにシンセが絡み、女性声が歌を乗せる美しさも味わえる。
そのスペイン語による女性ヴォーカルの活躍が少し増えているのも嬉しい。
14分の大曲を含めて、総じて「シンフォでしかありえない」というこのサウンドには
少々うんざりする方もおるかもしれないが。胃もたれしないようにお聴きください(笑)
シンフォニック度・・8 濃密度・・9 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

NEXUSAire」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ネクサスの2012年作
2006年以来となる4作目で、ヴォーカルが男性に代わっての2作目。
古き良き質感のシンセワークと、スペイン語の歌唱によるキャッチーなメロディ
随所に泣きのギターを散りばめながら、これまで以上にスタイリッシュな
シンフォニックサウンドを聴かせてくれる。7、8分台の曲をメインに、濃密さの中にも
哀愁を感じさせるバラード調の曲などもあり、叙情性の点では過去作を上回る。
反面、押しの強さは弱まったが、南米らしいやわらかなメロディたっぷりの力作である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.MP3


Nito Mestre 「Y Los Desconocidos De Siempre」
SUI GENERISニト・メストレによるバンドの1978年作
ゆったりとしたアコースティカルな響きに、美声の女性ヴォーメルが歌い上げる、
まるで英国フォークを思わせるような牧歌的な雰囲気のサウンド。
プログレというよりはやはりフォークロック的な趣が強く、
ややヨレ気味のギターがどことなくサイケがかっていたり、
アコギにかぶさるたおやかなフルートの音色といい、
南米というよりは70年代初頭のブリティッシュの香りがする。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国フォーク風味度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




PABLO "EL ENTERRADOR"
アルゼンチンのシンフォニックバンド、パブロ・エル・エンテラドーの1983年作
アルゼンチンのシンフォは、同じ南米系でもブラジルのような壮大な叙情とは若干趣を異にし、
たとえばリト・ヴィターレBANANAなどのように繊細で、クドすぎないというイメージが強い。
このパブロのサウンドにも、溢れる叙情性をメインにしながらもけっして押し過ぎず、
自然体のやわらかさでメロディをつむぐという性質が見える。手法的には特に目新しさはないが、
楽曲の繊細なアレンジセンスも見事で、ジャケのような田舎っぽい稚拙さは微塵もない。
さわやかなメロディと叙情が駆け抜けてゆく。80年代南米シンフォとしてサグラド、バカマルテとともに3本に入る傑作だろう。
2005年のリマスター再発盤には1985年のライブ音源を4曲追加収録。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

PABLO EL ENTERRRADOR 「2」
アルゼンチンのシンフォニックロック、パブロ・エル・エンテラドーの2nd。1998年作
80年代に南米シンフォを代表する名作を生み出したこのバンドの、15年ぶりとなる2作目。
美しいシンセワークにメロウなギターで聴かせる優美なシンフォニックサウンドは健在で
よりソフィスティケイトされた優雅さで、CAMELばりのやわらかな叙情美にうっとりとなる。
プログレ的な構築性は薄まったが、メロディックロックとしての繊細さがより際立っている。
南米らしいやわらかな耳心地でゆったりと楽しめる。なんだかんだでこれも傑作です。
2013年再発盤はジャケも変更され、ボーナスに1998年のライブ音源5曲を追加収録。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


PARAFERNALIA
アルゼンチンのハードプログレ、パラフェルナリアの2011年作
これがなかなかすごい。70年代の香りがぷんぷんのハードロック風味のギターに
鳴り響くオルガンが合わさった、Uriah Heepばりの1曲目から思わずにやにやする。
スペイン語のヴォーカルとともに濃密な味わいながらも、南米らしいやわらかな叙情も垣間見せ、
9分を超える大曲もメリハリのある展開で構築してゆく。レトロな古めかしさだけではなく
ラスト曲では優雅なピアノとともに軽妙にして技量あるアンサンブルも見せつける。なかなかの傑作。。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
Amazonて購入する


Patricio Villanueva 「Cera」
アルゼンチンのシンフォニックロック、CHANETONのヴォーカリスト&シンセ奏者、パトリシオ・ヴィラヌエヴァのソロ。2012年作
美麗なシンセアレンジに、スペイン語のヴォーカルとともにモダンなキャッチーさを含んだサウンド。
ハードエッジなギターやデジタリィなアレンジなど、プログレ、シンフォにとらわれない作風は
ピーター・ガブリエルのソロ作品などにも通じる味わいだ。プログレとして聴くには物足りないが、
南米らしいやわらかな叙情も含んだシンフォ系歌ものソロ作品としてはなかなか楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5


PIG FARM ON THE MOON「ORBITAL」
ヴェネズエラのプログレバンド、ピッグ・ファーム・オン・ザ・ムーンの2002年作
ツインギターにキーボード入りの5人組みで、サウンドはプログレメタリックな質感も漂わせつつ、
基本はメロディアスな聴きやすさにあり、展開の多い楽曲は濃密でアレンジの質もなかなか高い。
のっけから16分の組み曲ではじまり、その後も9分、12分、18分と続く大曲揃いの力作であるが、
メリハリのある展開力や、巧みな叙情パートの配し方などもセンスが良く、飽きさせない。
清涼感のあるシンセワークや、英語による歌唱もあって、地域的なマイナーさもあまり感じないし、
ゲストによるヴァイオリンやチェロなども楽曲に壮大さを加味している。曲によってはもろにDREAM THEATER風な部分もあり、
チリのMATRAZあたりとともにプログレメタル好きなシンフォニックリスナーにも勧められる作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 Prog Metal度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Polifemo
アルゼンチンのロックバンド、ポリフェモの1976作
のっけからプログレというよりはカントリー調で始まるが2曲目からは南米らしいやわらかな歌メロで聴かせてくれる。
どちらかというとむしろギターが主導のスタイルなので、ハードロック的な要素が強く、シンフォとして聴くにはややつらいが、
熱い演奏にはイタリアのバンドにも通じる押しの強さもあって、ブルージーなハードプログレとして聴けばなかなかの出来だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7
Amazon.co.jp で詳細を見る


PORCHETTO「VOLANDO DE VIDA」
アルゼンチンのシンガー、ラウル・ポルチェットの1978作
ゆるやかにつまびかれるアコースティックギターに、女性的なナイーブさを感じさせる
中性的な歌声でしっとりと聴かせる。SUI GENERISALASのメンバーも参加し、
プログレ的な要素もちゃんとあって、軽やかな演奏力はさすがのひとこと。
歌をメインにしつつも、バックのシンセやピアノなどもじつに美しく、
南米らしいやわらかな叙情と哀愁が感じられる素晴らしいアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆるやか度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


PROJETO CALEIDOSCOPIO「O SETE」
ブラジルの男女ユニット、プロジェト・カレイドスコピオの1st。1999作
美しい女性ヴォーカルの歌声とキーボード、ギターをメインとしたやさしく叙情的なサウンド。
たたみかけるような展開はないが、どの曲もしっとり牧歌的になごませてくれる。
シンフォニック・フォークとも言えるような温かみがじつに耳に心地よい作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

PROJETO CALEIDOSCOPIO「CARROSSEL」
ブラジルのシンフォデュオ、プロジェト・カレイドスコピオの2nd。2001作
今作はしっとりゆったり&女性Voを前面に押し出し、アルバムとしての方向がはっきりしていて好感がもてる。
プログレというよりは「ゆったりとしたシンフォニック・フュージョン」という雰囲気で、スリリングさのかけらもない、
なんとも幸せな雰囲気が全編に漂っている。 おそらく恋人同士だろうジャケ裏の二人のラブラブ写真には
なんだか少し腹が立つが(笑)サウンドは素敵な女性Voシンフォとしてその手のファンにお薦めできる。
多数のゲストの中にはSAGRADOのマルクス・ヴィアナの名前もある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




QUANTUM 「II」
ブラジルのプログレバンド、クオンタムの1994年作
1983年にデビュー、本作は2作目で、ムーグなどを含むきらびやかなシンセに、わりと骨太のベース、
どっしりとしたドラムによるアンサンブルに英語のヴォーカルを乗せた、正統派のシンフォニックロックスタイル。
U.K.あたりを思わせるキャッチーな感触で、ヴォーカルはどことなくジョン・ウェットンぽいような。
日本のGerardばりに弾きまくるキーボードサウンドも爽快だ。マイナー臭さがほとんどないので、地味なジャケに反して
多くのリスナーが楽しめる堂々たる内容である。90年代の南米シンフォの中でもクオリティの高いアルバムだと思う。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8


Quaterna Requiem「Velha Gravura」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、カテルナ・レクイエムの1st。1990年作
たおやかなフルートにヴァイオリンの音色が鳴る、クラシカルで優雅な美意識に包まれた
やわらかなシンフォニックロックサウンド。女性鍵盤奏者、ELISA WIERMANNの作曲センスなのだろう
南米らしいフォルクローレ風味とクラシックを融合させたような感触は、音質の甘さを含めてもうっとりとなる
じつに優美な聴き心地である。続く2ndはより壮大な傑作となるが、本作の下地があったからだろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 優美度・・9 総合・・8.5

Quaterna Requiem「Quasimodo」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、カテルナ・レクイエムの2nd。1994年作
1st「Velha Gravura」はヴァイオリン、フルート入りのシンフォニックロック力作であったが、
続く本作は、なんと38分の組曲入りというド級のシンフォ大作となった。イントロの荘厳さからしてすでに
ドラマティックなプレリュードというように胸踊る。今作にはヴァイオリン奏者は参加していないが、
まるで南米のPAR LINDHかというようにクラシカルに弾きまくる女性シンセ奏者を中心に、
壮麗きわまりないコテコテのクラシカル・シンフォニックロックを展開。そしてラストの大曲は
グレゴリアンチャントまで入った悶絶級の出来。90年代の南米シンフォを代表する濃密傑作だ。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・9
Amazon.co.jpで詳細を見る

QUATERNA REQUIEM「LIVRE」
ブラジルのシンフォニックバンド、カテルナ・レクイエムのライブアルバム。1999作
女性キーボードを含む4人組みで全編ほぼインストの作風だが、曲はシンフォニックで壮大かつメロディアス。
北欧で言うならPAR LINDH状態で、たたみかけるキーボードに良く泣くギター、そして10分以上の大曲多数で、
最後までとことん盛り上げる。良い意味でのマイナー思考、つまりキャッチーなコンパクト性ではなく、
泣きと盛り上がりにこだわる様は、たとえば英国のPENDRAGONのように一徹な精神で、ある意味恐れ入る。
個人的にはこれで女性Voが歌えば、世界最高のシンフォバンドになれる気がするのだが。
シンフォニック度・・10 ドラマティック度・・9 演奏・・8 総合・・8

QUATERNA REQUIEM
ブラジルのシンフォニックロックバンド、カテルナ・レクイエムのライブDVD。2006作
女性キーボードと、ドラム、ヴァイオリンを中心にしたユニットで1990年のデビュー以来、アルバム2枚にライブアルバム1枚を発表。
ブラジルといえばまずはSAGRADOなのだが、個人的にはシンフォニックかつ大仰なこのバンドのサウンドは、
サグラドに匹敵するくらい気に入っている。さて、このライブ映像であるが、さほど大きくはないホールでステージもやや地味め。
曲が始まると、エリサさんのキーボードと美しいヴァイオリンをメインにしたクラシカルなメロディと適度な変拍子で、
ELP+ENIDという感じでなかなか聴かせる。演奏力としては並み程度だが、ンフォバンドでリーダーが女性Keyというのは珍しい。
ただ良くも悪くも、90年代シンフォのローカルな部分を引きずっていて、テクニック志向を好む方にはやや厳しいか。
しかしながら、そのとことんまでメロディにこだわった楽曲はやはり耳に心地よいのである。
基本はオールインストなので、その分、全編メロディアスでシンフォニックな聴き心地だ。
シンフォニック度・・8 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Quaterna Requiem 「A Arquiteto」
ブラジルのシンフォニックロック、カテルナ・レクイエムの2012年作
女性シンセ奏者を中心にしたバンドで、2006年にライブDVDを出したが、スタジオ作としては1994年以来となる、
じつに18年ぶりという3作目。美しいピアノに艶やかなヴァイオリンの音色が絡み、メロウなギターの旋律とともに
かつての作品と同じように、クラシカルで優雅なシンフォニックロックを聴かせてくれる。
大曲におけるプログレとしての構築力とスケール感も含めて、じつに見事な傑作である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る




RAEL 「Mascaras Urbanas」
アルゼンチンのシンフォニックロック、ラエルの1992年作
オルガンを含むシンセワークに、メロウなギター、スペイン語のヴォーカルで聴かせる、
叙情派のシンフォニックロック。南米らしいやわらかな耳心地のメロディとともに、
リリカルな繊細さに包まれた耳心地。随所に現れる泣きのギターフレーズもよろしく、
テクニカルなスリリング性は薄いが、ゆったりとした叙情性にウットリとなることしばしば。
これというインパクトや盛り上がりがないので、全体的には少し物足りなさもある。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る



Raimundo Rodulfo's Dreams Concerto
ヴェネズエラのミュージシャン、レイムンド・ロドゥルフォの2002年作
オーケストラを加えて録音された作品で、3つの組曲からなる全78分の大作。
艶やかなストリングスの響きに女性ヴォーカルの歌声、泣きの叙情ギターとともに、
優雅なサウンドを描きつつ、一方ではクラシックギターやフルートが鳴り響く繊細な美しさも覗かせる。
インストパートではいくぶん長尺感もあるのだが、CAMELなどを思わせる軽快なプログレ性も含めて、
メリハリのある構成でドラマティックに構築される力作である。クラシカルなプログレが好きな方はぜひ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 繊細で優美度・・9 総合・・8




Raimundo RodulfoMare et Terra
ヴェネズエラのミュージシャン、レイムンド・ロドゥルフォの2009作
Museaの企画アルバム「INFERNO」に収録されていた楽曲が素晴らしかったので購入。
のっけからなんと36分の大曲で、スパニッシュ風味のアコースティックギターが奏でられ、
フルートとピアノがクラシカルに絡む、PFMばりの優雅さにうっとりとなりつつ、
エレキとシンセが加わって、ゆるやかなシンフォニックロックとなってゆく。
ゲストによる艶やかなヴァイオリン、チェロ、トランペット、サックスなども効果的で、
男女ヴォーカルも入った優美でたおやかな、絶品のクラシカル・シンフォが楽しめる。
全5曲78分という力作であるが、民俗色の濃いナンバーなどもあり、飽きずに聴き通せる。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優美度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Raimundo Rodulfo 「Open Mind」
ヴェネズエラのミュージシャン、レイムンド・ロドゥルフォの2013年作
2009年の「Mare et Terra」は素晴らしい傑作だったが、本作も繊細な叙情を散りばめた優美なサウンドだ。
ギターにシンセ、マンドリン、シタール、リュートにパーカッション、そしてヴォーカルもこなすという才人であるが、
その上にメロディのセンスと楽曲アレンジの妙が備わっていて、ゲストによるヴァイオリンやチェロ、サックス、
フルートにバグパイプなど、多くの楽器を用いながら、歌心に富んだ人懐こさとアコースティカルな素朴さで
豊かなメロディを紡いでゆく。初期のMIKE OLDFIELDや日本のASTURIASなどにも通じる雰囲気に、
南米らしいおおらかさをまぶしたというような、とても優しい聴き心地の好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優しい叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


Retsam Suriv「Exegesys」
アルゼンチンのシンフォニックハードロック、レトサム・スリヴの2009年作
女性Voにシンセ奏者を含む5人編成で、メロディックなギターワークと
美麗なシンセアレンジで聴かせる、典型的なハード・シンフォニックサウンド。
ギターはいくぶんメタリックな質感もありつつ、随所に泣きの叙情メロを奏で、
ドラマティックに展開しながら、女性ヴォーカルのスペイン語の歌声が重なってゆく。
濃密かつスケール感のある重厚さは、同郷の先輩であるNEXUSにも引けをとらない。
10分を超える大曲もメリハリのある構成が見事。南米ハードシンフォニックの傑作だ。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


RETSAM SURIV 「Danger」
アルゼンチンのハードプログレ、レトサム・スリヴの2014年作
前作は女性声ハードシンフォの傑作というべきアルバムであったが、2作目となる本作も
ムーグやピアノ、オルガンを含むきらびやかなシンセアレンジに適度にハードなギターを乗せて、
随所にProgMetal的なテクニカル性も含ませた構築美を聴かせるハードプログレサウンド。
母国語による女性ヴォーカルの歌声も加わりつつ、全体的には前作よりもいくぶんダークになった感触であるが、
中盤には美しい女性声と爽快なメロディを乗せたシンフォ曲もあって、やはりよい感じなのである。
メロディック度・・7 ハードシンフォ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8



SAENA
メキシコのシンフォニックロック、サエナの2008年作
チェンバーロック系ミュージシャンとして知られる、Jose Luis Fernandez Ledesma率いるパンドで、
妖しげな女性ヴォーカルの歌声にヴァイオリンが鳴り響き、いくぶんミステリアスな薄暗さをまとわせた、
チェンバー風味のシンフォニックロック。クラシカルなピアノの優雅な音色に12弦ギターの繊細なつまびきなど
アコースティカルな叙情性や、アコーディオンによる牧歌的な味わいに、スペイン語の女性ヴォーカルが加わると、
AMAROKなどのトラッドプログレ的な質感も感じさせる。ジャズ的な軽妙さとエキセントリックな女性スキャットが乗る感じは
HENRY COWなどのカンタベリー系チェンバーに通じるところもある。あくまで叙情的な聴き心地ではあるが、
アルバム後半にはスリリングなシリアスさも顔を覗かせ、なかなか飽きさせない。チェンバー系シンフォの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅でミステリアス度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る

SAGRADO CORACAO DA TERRA
ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドの1st。1985年作
80年代の南米を代表する世界基準のシンフォニックロックバンド、それがサグラドだ。
リーダーでヴァイオリニストのマルクス・ヴィアナの艶やかなヴァイオリンの音色と
美しいピアノやシンセワーク、そしてポルトガル語によるヴォーカルが合わさって、
「地球の聖なる心」というバンドなのように、大自然に溶け込むような雄大さと、
繊細で優雅な聴き心地のサウンドを構築してゆく。辺境的なマイナー臭さは皆無で、
キャッチーなメジャー性すら感じさせるアレンジセンスと、ときに壮大なサントラのようなスケール感が素晴らしい。
メロディアス度・・9シンフォニック度・・8 雄大度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO CORACAO DA TERRA「FLECHA」
南米ブラジルを代表するシンフォニックバンド、サグラドの2nd。1987年作
やはり、初期のサグラドは良いですなー。じつに雄大でそれでいて素朴な、大自然を感じる音というのか。
マルクス・ヴィアナのヴァイオリンも実に繊細で、その艶やかな音色にウットリと聞き惚れます。
シンセアレンジもうるさすぎず、しっとりと楽曲を盛り上げながら、ときに美しい女性コーラスなども絶妙に加わります。
ゆったりとした叙情美の1st、華麗なダイナミズムの3rdとすれば、この2ndはその中間くらいでしょうか。
80年代の世界のシンフォニックロックシーンを考えても、これほどクオリティの高いバンドは稀でしょう。
メロディアス度・・9シンフォニック度・・8 雄大度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jpで詳細を見る

SAGRADO「FAROL DA LIBERDADE」
南米ブラジルを代表するシンフォニックバンド、サグラドの3rd。「自由の灯」1991年作
艶やかなヴァイオリンの乱舞で軽やかに疾走する、1曲め“Danca das Fadas”のインパクトは
ただごとではなかった。大自然を思わせる繊細な叙情美と雄大なダイナミズムを同居させ、
それをメロディックに仕上げてゆく彼らのサウンドは、本作で完成をみたといえるだろう。
これまでよりインストパートに重点が置かれたことで、ヴォーカル曲とのメリハリがついて、
美しいピアノやシンセ、それに絡むヴァイオリンやフルートの音色などがより躍動感をともなって響いてゆく。
しっとりと優しく、優雅で壮大という、感動的なまでの完成度である。
メロディアス度・・9シンフォニック度・・8 雄大度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jpで詳細を見る

Sagrado Coracao Da TerraGrande Espirito」
ブラジルのシンフォニックロック、サグラドの4th。「偉大なる精霊」1994年作
ヴァイオリンが鳴り響くゆるやかにして美しいシンフォニックロックは本作も健在であるが、
躍動的なダイナミズムを感じさせた前作から、いくぶん民族的な色合いを強めた作風となっている。
母国語の歌声に重なってゆくコーラス、美しいシンセワークと艶やかなヴァイオリンの音色。
大地の息吹を感じさせるような世界観と、自然と神々への畏怖を含んだメッセージを思わせる
雄大な聴き心地はやはりこのバンドならではだろう。14分の大曲も含め、まさに壮大な傑作である。
メロディアス度・・8シンフォニック度・・8 雄大度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「Sacred Heart of Earth」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドの2001作
マルクス・ヴィアナ率いる南米最高のシンフォニックロックバンド。
本作は1984年の1stから1994年の4thまでの楽曲をリマスター&リミックスし、
一部ヴォーカルを英語に差し替えた音源を収録した、いわば新たなベストアルバム。
全編にわたって艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、繊細なピアノやシンセワークとともに、
優美に奏でられるサウンドは、自然や地球との融和をイメージするようなスケールの大きさと、
南米らしいぬくもりのあるやわらかなメロディで聴かせる優しさに溢れている。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「COLETANEA T- CANCOES」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドのベストアルバム1。
このアルバムは、世界最高峰の叙情派シンフォニックロックバンドのベスト盤であり、
「I」と「U」とに分けられたそれぞれのCDには「歌ものベスト」「インストベスト」という構成で
かつてのアルバムから名曲の数々がチョイスされていて、まさにサグラドのベストといえる
(大好きな3rd「FAROL DA LIVERDADE(自由の灯)」の1曲目も入っているしね)
前作にあたる「SACRED HEART OF EARTH」は歌詞を英語版にしたリレコーディングバージョンで
サグラド本来のたおやかな叙情は、いくぶん現代風のアレンジとともに薄められていたのだが、
今回のベストは原曲をそのままに、リマスターで音質をアップしたものになっていてとても嬉しい。
情感ゆたかなヴァイオリンの音色、ソウルフルな母国語の歌唱、
雄大な大自然が眼前に浮かび上がるような、壮大かつ牧歌的な音像に感動!
シンフォニック度・・9 雄大な叙情度・・10 音質向上度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「COLETANEA U- INSTRUMENTAL」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドのベストアルバム2。
こちらはインスト曲を中心としたベスト。歌がない分、演奏そのものの盛り上がりがダイレクトに伝わってくる。
ヴァイオリン、ピアノ、ギターなどがその叙情性も含めて一体となって音に重なり、
それがメロディとなって「ぐわーん」と押し寄せてくる様はまさに圧巻だ。
音質向上により、音のダイナミズムがかつてのアルバム盤以上になっていて、
静のパートでも繊細なピアノ、ヴァイオリンの音色がしっかり楽しめます。
まるで映画サントラ並の雄大さに、ここまでの泣きのメロディを情感たっぷりに
演奏されたら、・・・たまりません。降伏しましょう。地球に優しいシンフォニックサウンド。
うっとりと、雄大な大自然を思い浮かべるように、この音に聞き入りましょう。
シンフォニック度・・9 雄大な叙情度・・9 音質向上度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

SALES DE BANO 「HORROR VACUI」
アルゼンチンのチェンバーロック、サレス・デ・バノの2016年作
FACTOR BURZACOにも参加するベースを中心にしたバンドで、うるさすぎないドラムとベースによる
ミニマムなアンサンブルにエレピが重なり、サックス、トランペット、フルートなどがゆるやかに鳴らされる、
チェンバーなアヴァンロック。HENRY COWなどにも通じるスリリングな緊張感を、
カンタベリー的な優雅さで包み込んだという聴き心地で、ロック的な部分での重厚さは希薄であるが、
ブラスが鳴り響くとぼけた味わいとシリアスな空気が同居した、フリーキーなチェンバーサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 チェンバー度・・8 優雅度・・8 総合・・8

Sambara 「Asomandose」
アルゼンチンのプログレバンド、サンバーラの2013年作
きらびやかなムーグシンセにメロウなギター、しっとりとしたピアノによるインストナンバーで幕を開け、
続く2曲目からは、スペイン語の歌声を乗せたキャッチーなメロディックロックが広がってゆく。
アルゼンチンロック特有のおおらかな叙情性に、プログレらしいシンセアレンジを加えた、
牧歌的でやわらかなサウンドにのんびりと浸れる。曲によっては変拍子も含んだ軽快なアンサンブルに、
Moon Safariを素朴にしたようなコーラスハーモニーも現れて、メロディ派のリスナーならとても楽しめる。
南米らしい繊細な美しさと、キャッチーなメロディアス性に、ほどよいプログレ感触を加えた好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


Satiro「eLePe」
メキシコのプログレバンド、サティロの2013年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、スペイン語の歌声を乗せた軽快なアンサンブルと
キャッチーなメロディアス性で聴かせるサウンド。楽曲は3、4分台中心で、総じてシンプルな聴き心地。
プログレというよりもむしろキャッチーなメロディックロックという雰囲気であるが、
随所にきらびやかなシンセアレンジな叙情的なギターフレーズも入ってきて、
演奏のレベルもそれなりに高く、なかなか楽しめる。中米プログレハードの好作品。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
Amazonで購入する


Saulo Battesini 「Scored Fractals」
ブラジルのアーティスト、サウロ・バテシニの2009年作
KAIZENやQUATERNA REQUIEMにも参加ていたギタリストで、本作はインストメインのソロ作。
メロディックなギタートーンに美麗なシンセアレンジで聴かせる優雅なシンフォニックロック。
適度に変拍子も盛り込みつつ、テクニカルというよりは古き良きプログレの感触で、
MASTERMINDのようにギターシンセも使っていたり、ムーグシンセの音色もどこかなつかしい。
曲によってはフルートなどの音色も加わった繊細な味わいも。現BACAMARTEのメンバーも参加している。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 南米度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る



SEIN 「TESIS」
アルゼンチンのプログレバンド、セインの2013年作
ヴォーカル、シンセ、ギターをこなす、マルセロ・シウティ氏を中心にしたバンドで、本作が2作目。
スペイン語にわるやわらかなヴォーカルと美しいシンセアレンジで聴かせるキャッチーで繊細なサウンド。
楽曲は3〜5分くらいで、プログレというよりはSeru Giranなどに通じる、やわらかな叙情ロックという趣。
シンセはシンフォ系といってもよいくらいかなりプログレ的で、歌メロやコーラスなどのポップなキャッチーさが合わさると
あるいはMoon Safariなどにも通じる雰囲気もある。南米らしい素朴な哀愁を含んだ牧歌性が魅力の好作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



SENHORA DEL MUNDO 「COLLEGIUM MUSICUM DE MINAS」
16〜18世紀のブラジル・ミナス音楽を集めた作品集。
チェンバロにフルート、ヴァイオリンが美しい、クラシカルな小曲を中心に
男女混声コーラスによる讃美歌的どを含む、バロックと古楽、教会音楽を融合させた
伝統的なミナス音楽が楽しめる1枚。グリフォンなどにも通じる中世の古楽要素と、
クラシカルで繊細な美しさはシンフォ系のプログレファンにもお薦めです。
クラシカル度・・8 プログレ度・・5 古楽度・・8 総合・・7.5


Septum 「Quiet Listen!」
キューバのシンフォニックハード、セプタムの2013年作
女性Voにヴァイオリン奏者を含む7人編成で、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声を乗せて
壮麗でクラシカルなシンセアレンジとツインギターによる重厚なソウンドを描き出す。
いくぶん軽めのドラムなどが適度なB級感をかもしだしているが、変化に富んだリズムチェンジなど
ProgMetal的な展開と構築性も感じさせるところはなかなかよい。各楽曲自体は3〜4分前後と、
むしろ濃密さで物足りないのだが、全体的にシンフォニックな優雅さと女性声の魅力も含めた
クラシカル美意識に包まれていて、今後に期待したくなる可能性をもったバンドだと思う。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jpで詳細を見る


SERU GIRAN
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、セル・ヒランの1st。1978作
アルゼンチンを代表するシンセ奏者、チャーリー・ガルシアが、
LA MAQUINA解散後、ALASのメンバーらと組んだバンドで、
この1stの時点から、さすがに演奏、楽曲のセンスともにこなれている。
ゆるやかなオーケストレーション、繊細なピアノ、シンセに導かれて
やわらかなヴォーカルが加わってゆく、じつに南米らしい優しい叙情サウンドだ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 南米度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SERU GIRANLa Grasa De Las Capitales
アルゼンチンのロックバンド、セル・ヒランの2nd。1979年作
LA MAQUINA DE HACER PAJAROSのチャーリー・ガルシアが率いるバンドで、
本作は一聴してキャッチーかつポップな感触のメロディックロック。
爽やかなコーラスにラテンポップ的な哀愁も含んだメロディは耳心地がよく、
軽やかなアンサンブルの中にはプログレ、ジャズロック的な質感も垣間見える。
とくに優雅なピアノや美しいシンセワークなどはさすがというもので、
バンドとしての高度なアンサンブルが素晴らしい。南米らしいやわらかなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅で軽やか度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SERU GIRANPeperina」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、セル・ギランの4th。1981作
シンセ奏者、チャーリー・ガルシアが、LA MAQUINA解散後、ALASのメンバーらと組んだバンド。
のっけから南米らしいやわらかな叙情を満喫できる歌もので、
シンセはもちろんのこと、バックの演奏陣もさりげなく上手い。
アコースティカルに聴かせるゆったりとした情緒も耳に優しく、
適度なポップ感覚のある普遍的なメロディアスロックといった趣だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 南米度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SEVEN SIDE DIAMOND「Enigma」
ブラジルのプログレバンド、セヴン・サイド・ダイヤモンドの2011年作
シンセを含む5人編成で、ドラマティックな雰囲気のイントロから、ProgMetal的なハードさを含んだ
テクニカルなアンサンブルとシンセによる美麗なアレンジに、キャッチーなヴォーカルメロディを乗せた
壮麗なシンフォニックハードを聴かせる。ギターはわりとメタル寄りだが、シンセの方はオルガンや
ムーグなどの音色を含むプログレ寄りの感触なので、メタル、プログレどちらの耳でも楽しめる。
一方、やわらかな歌メロは、QUEENなどからの影響も感じさせ、サウンドに優雅さを加えている。
後半は13パートに分かれた34分の組曲で、優美なシンフォニック性とキャッチーな軽快さに、
ドラマティックな構築力が合わさった、メリハリのある展開で聴かせる。シンフォニックハードの力作。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 構築度・・8 総合・・8
Amazonで購入する

SIGMA 「Implemantal View」
ブラジルのプログレバンド、シグマの1998年作
きらびやかなシンセとメロディックなギター、グルーブの効いたアンサンブルで聴かせる、
軽やかなインストプログレ。存在感のあるベースを中心にした、しっかりとした演奏力と
南米らしいやわらかな叙情性のバランスもよく、CAMELなどを思わせる優雅な聴き心地。
64分オールインストで耳心地が良い分引っ掛かりが少ないので、BGMになってしまいそうなのだが、
センスのよいシンセワークも含めて、なかなか質の高い作品だとは思います。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5


SLEEPWALKER SUN
プラジルのハードシンフォニックバンド、スリープウォーカー・サンの2006年作
SAGRADOのマルクス・ヴィアナが参加ということで、てっきり南米シンフォ系かとおもいきや、
男女Voのゴシックメタル風のサウンド。しかもプログレメタリックなリズムの質感もあり、これは良いです。
ヴィアナの艶やかなヴァイオリンはもちろん、キーボーディストのセンスも素晴らしく、
プログレ的な匂いをかもしだしつつ、ときにクラシカルなピアノも奏でています。
そして、そこに女性ヴォーカルが乗ると、楽曲は薄暗い叙情美に満ちあふれて
南米というよりはむしろポーランドあたりの質感を感じます。オフィシャルサイトで試聴可
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゴシック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SLEEPWALKER SUN「Stranger In The Mirror」
プラジルのハードシンフォニックバンド、スリープウォーカー・サンの2009年作
女性ヴォーカル、ジアナ嬢の美しい歌声と薄暗い叙情美で聴かせるサウンドは、
適度なヘヴィさとプログレ的なシンセワークで構築されたハードシンフォニック作。
いくぶんゴシックメタル風であった前作に比べると、華麗なシンセが前に出ていて
プログレ度が強まっている印象。メロウなギターワークもなかなかセンスがよいが、
長い曲ではやや焦点がしぼりきれていないという印象もあるのが惜しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5

Sonus Umbra 「Winter Soulstice」
メキシコのハードプログレ、ソナス・ウンブラの2013年作
2000年にデビューし、本作で4作目。フルート奏者を含む7人編成で、クラシカルな旋律を含むシンセアレンジに、
マイルドなヴォーカルの歌声を乗せ、知的な展開力で構築されたProgMetal風味もあるシンフォニックロック。
随所にアコースティックギターやフルートによる繊細な叙情性も含んでいて、展開はハードで濃密なのに
どことなくすっきりとした清涼感があるのが面白い。ヴォーカルにさほど力量がないのもかえってうるさすぎず、
マイナーな感じでむしろよかったり。ドラマティックな壮大さとやわらかな美意識が合わさったという力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る


SONUS UMBRA 「Beyond the Panopticon」
メキシコのプログレバンド、ソナス・ウンブラの2016年作
2000年にデビュー、前作はProgMetal風味のハードシンフォの力作だったが、5作目となる本作は
変拍子を盛り込んだテクニカルなアンサンブルと、フルートなどによる優雅な叙情性を盛り込んだ、
軽妙な味わいのサウンドを聴かせる。マイルドな男性ヴォーカルに美しい女性ヴォーカルも絡んで、
優美でラテン的なやわらかな繊細さを強めた感触で、随所に適度にハードな部分も残しつつ、
純粋にシンフォニックロックのファンに楽しめる作風になった。フルートやピアノのやわらかな音色と、
アコースティックなギターを含んだ叙情は、ときにPFMなどイタリアンロック寄りの雰囲気もある。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 優雅な叙情度・・8 総合・・8
Amazonで購入する


SUBTERRA「Sombras De Invierno」
チリのシンフォニックロックバンド、サブテッラの1st。2001作
2ndはモダンで薄暗いオルタナシンフォ系のサウンドだったがこの1stはまだ正統派の香りが漂うハードシンフォニック。
メロウなギターフレーズに、うっすらとしたシンセが合わさり、ときにメタリックな質感もまとわせた
ドラマティックな楽曲が耳に心地よい。イギリスのARENAあたりに近い雰囲気だが、
Voの弱さがマイナー感を漂わせていてほの暗くしっとりとした部分に魅力はあるのだが、どこか煮え切らなさも残る。
シンフォニック度・・8 うす暗度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

SUBTERRA「cautiverio」
南米はチリのシンフォニックロックバンド、サブテッラの2nd。2005作
1stは未聴なのだが、このアルバムはややダークなハードシンフォサウンド。
スペイン語による歌唱が南米的な趣をかもしだしているが、やわらかで人懐こいメロディはさほどなく、
どちらかというと現代的で、やや薄暗い硬質感が全体に漂っている。テクニカルなプログレメタル要素もあるが、
曲の展開はゆるやかなので、どうもどっちつかずの印象になってしまっている。
もしかして、DPORCUPINE TREEあたりに近づこうとしているのかもしれないが
南米的な雰囲気とはややミスマッチな感は否めず。中途半端なモダンさが惜しい。
メロディアス度・・7 モダンでクール度・・7 南米度・・7 総合・・7


Sui Generis「Pequenas Anecdotas Sobre Las Instituciones」
アルゼンチンのプログレバンド、スイ・ヘネリスの1974年作
同国を代表する鍵盤奏者、チャーリー・ガルシアが率いるバンドで、後のLA MAQUINAへとつながる存在であるが
こちらはより素朴な味わいが光るサウンド。やわらかなスペイン語の歌声に、美しいシンセアレンジとともに、
アコースティカルなフォークロック的な感触も含んで、ゆったりとしたじつに耳心地のよい作風である。
ムーグシンセが鳴り響き、ときにサイケなギターが絡んだ、プログレ的な芸術性も聴かせつつ、
シンフォニックロック的なリリカルな美しさもある。アルゼンチンロックの繊細さを凝縮したような好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



SUR OCULTO
アルゼンチンのテクニカルプログレ、サー・オカルトの2012年作
ギターレスのキーボードトリオ編成で、テクニカルな変則リズムの上をクラシカルなシンセが乗り、
アヴァンギャルドな展開でたたみかける、いわばミステリアスなキーボードプログレ。
ブンブン唸るヘヴィなベースに、ときにギターばりに弾きまくるシンセのはじけ方も凄いが、
先が見えないようでいてしっかりとインストによる楽曲を構築してゆくセンスも只者ではない。
チェンバーロック的なシリアスな感触とエキセントリックなフリーキーさが融合した、鍵盤プログレの怪作。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・8




TARKUS「Ao Vivo Em Niteroi」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、タルカスのライブDVD。2006作
2005年ブラジルでの公演を収録。壮麗でクラシカルなツインキーボードを中心に
スケールの大きなシンフォニックロックサウンドを展開、バンド名のようにかつてのELPを思わせる
ムーグシンセなどを慣らしながら、そこにメロウなギターがかぶさると音の厚みも充分。
女性ヴォーカルの母国語の歌唱も加わって、南米らしいやわらかな叙情性も素晴らしい。
見た目こそ「プログレ大好きなオヤジたちの演奏会」という風だが、演奏のレベルはかなりのもの。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ライブ映像・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


TELLAH「CONTINENTE PERDIDO」
ブラジルのプログレバンド、テッラの1980年作
ギター、ベース、ドラムというトリオ編成で、キーボードはベースとドラマーが兼ねるというスタイル。
当時にしてはいくぶんハード寄りのサウンドで、ときにジャジーになるメロウに奏でるギターワークと
ムーグシンセや古き良きストリングス系キーボードの音色で描かれるインストパートを基本に、
ときおりポルトガル語の歌声が入ってくる。南米らしいおおらかな叙情性がよい感じで、
これがもっと現代風になれば、TEMPUS FUGITになるのかなという。ゆったりと聴けるシンフォ好作だ。
メロディアス度・・7 ハードシンフォ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


TEMPANO「THE AGONY AND THE ECSTASY」
ヴェネズエラのシンフォニックプログレバンド、テンパノの2002作
一聴した感じだと、南米らしからぬ硬質さとシリアスさをもったサウンドで、
コンセプト作らしく、随所に小曲を配置するなどして、アルバムとしての構築性を高めている。
どちらかというとAFTER CRYINGあたりに近い雰囲気で、重厚でクラシカルな雰囲気。
インスト中心の曲が大半なので、アルバムとしては力作であるには違いないが、
全体的には曲として印象に残りにくいのが欠点かもしれない。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5


TEMPUS FUGITTales from a Forgotten World
ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの1st。1997年作
SAGRADO
の登場以降、90年代の南米にはにわかにシンフォニックバンドが増えていったが、
このバンドもDOGMAQUATERNA REQUIEMと並ぶ質の高いアルバムを残した。
これぞシンフォプログレといわんばかりのシンセワークに、メロウなギターフレーズが重なり、
南米的なやわらかみに包まれて、GENESISを思わせるロマンティシズムが溢れだす。
リマスター盤にはボーナストラックに1993年のデモ音源を収録。
シンフォニック度・・8 メロウなロマン度・・9 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

TEMPUS FUGIT「The Dawn After the Storm
ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの2nd。1999作
GENESISタイプの前作に比べて、より爽快なメロディで聴かせる抜けのよいサウンドになった。
メロディックなギターフレーズと美しいシンセによるインスト演奏はSebastian Hardieあたりを思わせるもので、
じつに耳心地がよい。楽曲構造、アレンジも含めて、その辺のマイナーバンドとは一線を画する出来で、
世界レベルでも一線級の内容だろう。叙情派シンフォとしては前作、軽快なメロディアス作としては本作。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 南米度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

TEMPUS FUGIT「LIVE」
ブラジルのシンフォニックバンド、テンパス・フュージットのオフィシャルブートレッグライブ。
このバンドのイメージは、CAMELのメロディアスな部分を抜き出して、ほんのりとGENESIS風味をつけましたというものだったが、
このライブではイントロにいきなり語りを入れるなど、シアトリカルな要素を増した濃い目のシンフォサウンド。
ほぼ全編インストなので、重要なのはギターとキーボードメロディがいかに引っ張るかということ。
このバンドではGのフレーズにもセンスがあるので、嫌味なく延々と続く演奏を聴きとおせる。
ただ音質のせいか、ぱたぱたとドラムがせわしなく聞こえ、せっかくの叙情ギターを損なっている気もする。
メロディアス度・・8 演奏・・7 音質・・6 総合・・7

Tempus FugitChessboard」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの2009年作
90年代後半に高品質のアルバム2枚を残し、その後音沙汰のなかったこのバンドだが、
10年ぶりに3作目が届けられた。メンバーはみなオヤジになっているが、
サウンドの方はかつてと変わらず、メロディアスなギターと美しいシンセが重なる
叙情派のシンフォニックロック。哀愁を含んだギターフレーズと、南米らしい優雅さが合わさり、
10分以上の長い曲でも濃密すぎることなく楽しめる。やはりいいバンドなのである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


TISARIS 「What's Beyond」
ブラジルのシンフォニックロック、ティサリスの1992年作
シンセを含む5人編成で、メロディックなギターに美しいシンセアレンジを、
ドカドカとしたハード寄りのドラムに乗せた、シンフォニックロックを聴かせる。
やや情感過多でシアトリカルに歌い上げるヴォーカルは好みを分けるものの、
歌詞は英語なので、あまり南米という地域性は感じさせない。ときおり泣きの叙情メロが現れて、
それなりに良い感じではあるが、全体的にはゆったりとして少々長尺感があるのも否めない。
ラストは11分を超える大曲で、盛り上がりそうで盛り上がり切らないという、微笑ましさが嫌いではない。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7

TISARIS 「Once Humanity...」
ブラジルのシンファニックロック、ティサリスの1994年作
独自のオリジナルSFストーリーを基にしたコンセプト作品で、美しいシンセアレンジに
随所にツーバスのドラムを含んだ、いくぶんハードなシンフォニックロックサウンド。
インストを中心にした楽曲は、ゆったりとしたシメージを描くような部分も多いのだが、
泣きのクサメロを奏でるギターもよい感じで、シアトリカルなヴォーカルが加わって、
ここぞというところでは叙情があふれ出す。作品としての長尺感があるのは否めないが、
ドラマティックな力作であるには違いない。90年代のおおらかさを感じさせる作品だ。
壮大度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5

Tisaris 「Power of Myth」
ブラジルのシンフォニックロック、ティサリスの1996年作
3作目となる本作も、美麗なシンセアレンジと適度にハードなギターで、
ドラマテイックな壮大さを感じさせる正統派のシンフォニックロックサウンド。
楽曲は4、5分台が中心で、前作に比べるとややコンパクトになった感があるが、
英語歌詞のヴォーカルの野暮ったさは、いかにも南米的でB級臭さは抜けきれない。
随所にメロウなギターも入った叙情性と濃密な聴き心地は、むしろENTRANCEなどの
現在の南米ハードシンフォの原点的なイメージだろうか。あか抜けなさが魅力と言えなくもない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5


TOCCATA 「CIRCE」
メキシコのシンフォニックロックバンド、トッカータの2005作
きらきらとしたキーボードにメロウなギター、そして情熱的な女性ヴォーカルの母国語の歌唱と、
どれもが濃くそして熱い、いかにも中米らしいテクニカルなシンフォニックロックである。
やや唐突ながら次々に展開してゆく楽曲は、この手のハードシンフォ好きにはたまらないし、新人にしては演奏力もある。
ジャケがダサすぎるのが玉に傷であるが…8曲中8分以上の曲が5曲と大作志向で、展開が多いので飽きさせない。
メロディアスで大仰、テクニカルかつ情熱的なシンフォニックアルバム。たっぷり濃厚な力作です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 熱情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


V MILENIO「ALIANCA DOS TEMPOS」
南米はブラジルのシンフォニックバンド「トレ・ミレニオ」の1990作。
内容を一言であらわすと大仰シアトリカル系シンフォ。つまりは壮大で濃密でクドい。
同じ南米のサグラドが大自然を思わせる雄大な叙情美であるのに対し、本作はいわば演劇的でコテコテ。
部分的にはスロヴェニアのシアトリカル・ゴシックバンド、デヴィルドールさえ思わせる。
かすれ声からキンキン声まで歌い分ける男ヴォーカルが好みを分けるが、壮大なキーボードにメロディアスなギター、
大仰コーラス、合唱隊など、緩急織り交ぜた出来の良い組曲が続く、その聴き心地はとにかく濃厚だ。
シンフォニック度・・9 演劇的度・・9 濃度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


TRINDADE
ブラジルのシンフォニックロック、トリンダーデの1993年作
SAGRADOのマルクス・ヴィアナのプロジェクトで、サウンドはたおやかなヴァイオリン、ピアノ、アコギなどによる
しっとりとした曲調に美しい女性ヴォーカルがポルトガル語の歌を乗せる。つまりはSAGRADOの優しい部分を抽出した感じ。
実際、SAGRADOで聴いたことのある曲もあり、たおやか系シンフォ好きにはお薦めしたい逸品です。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




UNITRI「Minas Cantos E Quintais」
ブラジルのプログレバンド、ウニトリの2012年作
いわゆる「ミナス派」と呼ばれるアーティストの中でもプログレ寄りのバンド、オ・テルソの
セルジョ・インズがプロデュースするバンドで、優美なストリングスとシンセのアレンジ、、
ポルトガル語のやわらかなヴォーカルとともに、繊細な叙情を描くじつに優しいサウンド。
随所にシンフォニックな美しさとメロウな泣きのギター、アコースティカルな素朴さも含んだ、
いかにも南米らしいシンフォニックロックが楽しめる。とにかくメロディアスな感触は、
MOON SAFARIを南米風にしたというような雰囲気もある。たおやか系の傑作。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・9 総合・・8



URANIAN 「La Ciudad De Los Suenos」
アルゼンチンのプログレバンド、ウラニアンの2011年作
シンセを含む4人編成で、適度にハードなギターワークと、DREAM THEATER以降の構築性を感じさせる
テクニカルなリズムを含んだオールインストによるハードプログレサウンド。ProgMetal的な感触も多分にあるが、
あくまでメロディ主体で、美しいシンセアレンジとともに繊細なパートも多く、緩急のついた楽曲構成で楽しめる。
泣きのギターメロディも随所に光っていて、南米らしいやわらかな叙情性に包まれた、ハードシンフォニック作品。
インストで70分弱はさすがにつらいので、これで歌入りにして楽曲アレンジを詰めれば、かなり良いバンドになりそうな気がする。
メロディック度・・8 ProgMetal度・・8 叙情度・・8 総合・・7.5
Amazonで購入する




VADE RETRO 「Floreciendo En Heliopolis」
アルゼンチンのプログレバンド、ヴァデ・レトロの2012年作
やわらかなシンセアレンジに叙情的なギターフレーズ、そしてスペイン語によるヴォーカルで、
南米らしい繊細な味わいと哀愁の美学を感じさせるシンフォニックロックサウンド。
Sui GeneriやsLA MAQUINAを受け継ぐような古き良き味わいを感じさせつつ、
クラシカルなピアノの響きを含んだ優雅な聴き心地にうっとりとなる。うるさすぎないレトロな味わい。
オルガンやフルートの入った70年代的な素朴な感触が楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
Amazonで購入する


VIA LUMINI 「What Have We Done About Us?」
ブラジルのプログレバンド、ヴィア・ルミニの1995年作
軽やかなアンサンブルで聴かせるテクニカル性とメロディックなやわらかさが融合した、
ジャズロック風味のシンフォニックロック。オルガンをシンセに優雅なフルートの音色も合わさって、
南米版カンタベリープログレというような雰囲気もある。歌詞が英語なのもこのサウンドには合っている。
ラスト15分の大曲も含め、全体的に強いインパクトはないのだが、軽妙な叙情性で楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・7 総合・・7.5


VOLVOX
アルゼンチンのプログレバンド、ヴォルヴォックスの2014年作
シンセを含む4人編成で、わりとハード寄りのギターにきらびやかなシンセが絡み、
軽妙なアンサンブルで聴かせる、メタルフュージョン的なインストサウンド。
適度にテクニカルな硬質感と、シンフォニックでスペイシーな優雅さが同居していて、
オールインストながらもなかなか楽しめる。ドラムサウンドの野暮ったさが惜しいのだが、
ときに泣きのメロディを奏でるギターは、美しいシンセアレンジとともに、やわらかな叙情を描いている。
もう少し思い切った展開や、インパクトのあるパートが増えれば、より強力なバンドになるだろうと思う。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5
Amazonで購入する




Wiermann & Vogel「A Mao Livre」
QUATERNA REQUIEMの女性キーボード奏者、Elisa WiermannとヴァイオリンのKleber Vogelによるデュオ。
シンセをバックに艶やかなヴァイオリンをメインにした、たおやかなサウンドで、
QUATERNA REQUIEMからギターとドラムを除いて、しっとりとした叙情性を加味した雰囲気。
ゆるやかなオーボエの音色や、ピアノ、チェロなどによるアコースティカルな美しさが耳に優しい。
ロック色はほぼ皆無なので、ドラマティックな盛り上がりには欠けるものの
ゆったりとした優雅なシンフォニックアルバムとして楽しめる。
SAGRADOのマルクス・ヴィアナのソロ作などが好きな方にはお勧めしたい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 しっとりゆるやか度・・9 総合・・7.5


William Gray 「Silentio」
アルゼンチンのハードプログレバンド、ウィリアム・グレイの2012年作
適度にハードなギターとシンセアレンジ、マイルドなヴォーカルを乗せ、
ときにProgMetal的なテクニカルな構築力も含んだコンセプトアルバム。
メタリックでモダンな感触と、シンフォニックなアレンジが合わさった重厚な聴き心地ながら、
一方では、ピアノやアコーディオンなどの入ったやわらかな叙情性もあって、
タンゴやフォルクローレ的な雰囲気も感じさせ、ヴァイオリンやチェロなどのストリングスが加わると、
クラシカルな優雅さに包まれる。ストーリー的なドラマティックな流れも楽しめる力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8
Amazon.co.jpで詳細を見る



音楽ページTOP