プログレ/イギリス 80年代〜
〜PROGRESSIVE ROCK/England,Wales,Scotland,Ireland 80's〜
                by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

M VW VA

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。
  
*70年代ブリティッシュロックCDレビュー  音楽ページトップ  



Abel Ganz 「The Dangers of Strangers」
イギリスのシンフォニックロック、アベル・ガンズの1988/2008年作
PALLASのアラン・リードも在籍した80年代英国ポンプロックを代表するバンドのひとつで、
代表作である1988年作が、20周年記念のリマスター盤としてジャケも変更されて再発された。
やわらかなシンセアレンジとマイルドなヴォーカルで、IQなどにも通じる湿り気を帯びた叙情性で、
Genesisルーツのポンプ/シンフォサウンドを聴かせる。80年代の商業音楽路線に抵抗するような
ソフトでメロディックでありつつも、キャッチーに抜け切らない、ほのかな翳りこそが英国らしさであり、
後のシンフォ系プログレへとつながってゆくことになる。メロウな叙情をゆったりと楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Abel Ganz「Shooting Albatross」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アベル・ガンズの。2009年作
80年代から活動をしている英国ポンプ/シンフォニックロックのベテラン。本作は1994年作以来、じつに15年ぶりとなる新作。
のっけから15分を超える大曲で、たおやかなピアノや古き良きスタイルのシンセ、
メロウなギターフレーズが合わさった、じつに耳心地の良いゆるやかなシンフォニックロック。
その後も23分、12分、14分という大曲で構成されたアルバムは、派手な展開やモダンな感触は
あまりなく、あくまでヴィンテージなやわらかさで聴かせるゆったりとしたもので、
せっかちなリスナーには向かないが、PENDRAGONやPALLASなどが好きなら楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・8
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Alan Reed 「First in a Field of One」
元PALLASのシンガー、アラン・リードの2012年作
80年代からパラスのフロントマンを務めてきたシンガーで、本作がソロとしての初作品となる。
マイルドなヴォーカルを中心にしたシンフォニックな歌ものサウンドで、美麗なシンセアレンジと
ケルティックなメロディを含んだ叙情性でじっくりと聴かせる作風。英国らしい美意識と牧歌的なおおらかさに包まれつつ
随所にムーグやオルガンなどのプログレらしいシンセワークも入って、やはりかつてのPALLASを思わせる部分も多い。
アイルランドで活動するギタリスト、ジェフ・グリーンをはじめ、元PALLASのシンセ奏者にPENDRAGONのドラマー、
さらにはMAGENTAのクリスティーナ嬢なども参加している。PALLASのファンはもちろん、英国シンフォ好きにもオススメの好作品。
ドラマティック度・・8 叙情度・・8 英国度・・9 総合・・8
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ALSO EDEN 「[Redacted]」
イギリスのプログレバンド、オルソー・エデンの2013年作
2006年デビューの新鋭で、本作がすでに4作目となる。適度にハードなギターと
ハイトーンヴォーカルを乗せながら、ときに繊細なポストプログレ風味も含ませたサウンド。
いくぶんモダンなアレンジを覗かせつつ、随所にプログレ的なシンセワークも光っていて、
やはりARENA以降のネオプログレ的なダイナミズムが爽快な味わいになっている。
メロディックなギターフレーズもよろしく、PALLASあたりに通じるドラマティック性もあるが、
全体的にはこれだというインパクトに欠ける。キャッチーなのに抜けきれないのが英国的ではある。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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AmplifierInsider」
イギリスのプログレ・ロックバンド、アンプリフィアーの2006年作
おそらくこれが2作目。先に3作目を聴いていたが、本作もポストロック的なビジョンの深さと
プログレッシブな知的構築性で聴かせる、スケールの大きなロックサウンドだ。
適度なヘヴィさもあるので、メタルファンにはハードプログレとして楽しめるし、
70年代的なアナログ感覚も含んだ、ヴィンデージ系ロック風味もある。
内的プログレ度・・8 壮大度・・8 ポストロック風味度・・9 総合・・8
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AmplifierThe Octopus」
イギリスのプログレ・ロックバンド、アンプリフィアーの2011年作
基本はギター/ヴォーカル、ベース、ドラム、ピアノ(シンセ)という4人編成であるが、
5人のバックヴォーカルやトランペット奏者も含んでいて、まるで大がかりなポストロックバンドのよう。
紙ジャケを開いてみると、PART1、2に分かれたCD2枚組の大作というのにもびっくりだが、
しっとりとしたピアノの音色に、マイルドなヴォーカル、メロウなギターで綴られるサウンドは
PINK FLOYDなどにも通じるような、叙情的でありつつ壮大なビジョンを感じさせるもので、
キャッチーなコーラスワークなど、聴き心地の良さの裏側に、知的なビジョンが見え隠れする。
ギターがヘヴィになると、古き良きオルタナ風味にもなるのだが、アナログ感覚はちゃんとある。
これはプログレ的なポストロックというのが正しいのか、ともかくただものではないセンスが
聴き手の想像力を刺激する。70'sロックの感触が、モダンな知性と融合したというべき力作。
まるで暗号解読のようなブックレットの文字や、付属の意味不明のロゴシールも謎だ。
内的プログレ度・・8 壮大度・・8 ポストロック風味度・・9 総合・・8
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Amplifier「Echo Street」
イギリスのポストプログレバンド、アンプリフィアーの2013年作
前作はCD2枚組で、PINK FLOYDばりの壮大なビジョンを持った力作だったが、
本作では、ジャケのようにどこかノスタルジーを感じさせる牧歌的な雰囲気で、
ゆったりと広がりのあるサウンドを聴かせる。やわらかなヴォーカルの歌声とコーラス、
美しいシンセアレンジと、ときに厚みのあるギターが重なり、楽曲はゆるやかなな盛り上がりを見せる。
キャッチーであるが、ミステリアスな深みを垣間見せるセンスは、バンドの懐の深さだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Amplifier 「Mystoria」
イギリスのポストプログレ、アンプリフィアの2014年作
前作はゆったりとした牧歌的な作風であったが、今作では冒頭からまるでMotorpsychoのような
サイケ感に包まれたノリと、オルガンなどを含んだヴィンテージ感あるロックサウンドが広がってゆく。
キャッチーなロック色が強まった分、従来の精細なポストプログレ風味は薄れているのだが、
そこはこのバンドのセンスの良さで、曲によっては80年代オルタナ色やドゥームロック要素も垣間見せるなど、
楽曲ごとの確信犯的なアレンジが楽しめる。プログレサイドのリスナーがにやりとできる、サイケロック風の好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 楽曲センス・・8 総合・・8
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ANATHEMA「Judgement」
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの5th。1999作
4th「Alternative 4」ではメタリックな要素を薄め、倦怠の叙情を聴かせるゆるやかなサウンドへと進化をとげ、
本作ではさらにその路線を押し進めている。ここで聴けるのはもはやゴシックというよりは、薄暗さのあるポストロックという趣で、
マイルドなヴォーカルにうっすらとしたシンセ、そしてメロウなギターフレーズで聴かせる
静かな楽曲は、メタルというよりはむしろプログレの質感に近いかもしれない。
Porcupine Treeへとつながる、英国の薄暗系ロックとして楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・6 ゆるやか叙情度・・8 総合・・8
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ANATHEMA「A Fine Day to Exit」
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの6th。2001作
ここに来てメタル色はほぼなくなり、むしろプログレ的なサウンドになった。
ヴォーカルの歌声もやわらかくなり、浮遊感のあるシンセとギターを中心に
ゆったりと聴かせるブリティッシュロックとでも言うべき雰囲気である。
しかしながら、彼らならではのほの暗い叙情性はちゃんとあり、
これはこれでちゃんと楽しめる世界観がある。しっとりと耳に心地よいこの音は、
案外PORCUPINE TREE系のリスナーなどにも勧められるものがあるかもしれない。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・6 ゆるやか叙情度・・9 総合・・8
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Anathema 「Resonance」
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの2001年作
1993年にデビュー、初期のドゥーミィな路線から、しだいにメロディアスに、そして脱メタルをも果たし、
4th以降はむしろプログレのリスナーにも楽しめる、マイルドな薄暗い叙情ロックとなっているが、
本作は未発曲やアコースティックバージョン、ライブ音源などで構成されたベストアルバム的になっている。
繊細なアコースティックギターをうっすらとしたシンセが包み、はかなげな女性ヴォーカルの歌声が美しい。
PINK FLOYDのカヴァーも含めて、企画ものとは思えないトータルな静謐感が楽しめる好作だ。
ゴシック度・・7 メタル度・・1 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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Anathema「A Natural Disaster
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの7th。2003作
4thあたりからメタル度を減らし、浮遊感を漂わせたメランコリックな作風へと変化、
本作もほの暗い叙情を含んだゆったりとした聴き心地のサウンドで、
プログレ方面にもアピールする内容だろう。マイルドなヴォーカルの歌声に、
ときにメロウな旋律も奏でるギター、曲によっては女性ヴォーカルや
シーケンサー的なシンセアレンジも含んで、アルバムとしてのメリハリもある好作品だ。
メロウ度・・8 メタル度・・5 叙情度・・8 総合・・8
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ANATHEMA「Hindsight」
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの2008年作
4th以降はメタル度を減らしたマイルドな作風へと進化してきたこのバンド、
本作は既存曲をアコースティカルにアレンジした作品で、雰囲気としては
完全に薄暗系プログレのサウンドになっている。もの悲しいチェロの響きに
アコースティックギターとピアノが重なり、ヴォーカルの歌声がマイルドに広がる。
MARILLIONあたりのファンにも楽しめる繊細な作品だ。
ドラマティック度・・8 薄暗度・・9 繊細度・・9 総合・・8
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ANATHEMA「We're Here Beacuse We're Here」
イギリスのゴシックロックバンド、アナシマの2010作
初期のゴシックメタル路線から、しだいにゆるやかな浮遊感をまとったプログレ的な色合いを深め、
5th以降はPorcupine Treeにも通じるような薄暗系のマイルドな作風を確立したこのバンド。本作は
2008年の「Hindsight」以来となる9作目で、ミックスはPorcupine Treeのスティーブ・ウィルソンが手がける。
サウンドにはもはやメタル色はいっさいなく、ゆるやかな叙情で聴かせるマイルドな英国ロックという趣。
ジャケのイメージのように光を感じさせる爽やかさで、女性コーラスとうっすらとしたシンセが優しく包み込む。
どう考えてもプログレコーナーに置いた方がいいような内容ですな。じつに美しい作品だ。
メロウ度・・9 メタル度・・3 叙情度・・9 総合・・8
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AnathemaWeather Systems
イギリスのメランコリックロック、アナシマの2012年作
初期のゴシックメタル路線から、ゆるやかな浮遊感をまとった作風へと進化し、
もはやメタルというよりは、マイルドな英国プログレロックというべきこのバンド。
本作も、前作までの路線に引き続き、ゆるやかな美しい叙情を聴かせてくれる。
ときに女性ヴォーカルの歌声も含んだ聴き心地はしっとりと耳に優しく、
ストリングスの優雅なアレンジなど、繊細な叙情性がさらに際立っている。
8〜9分という大曲もあり、どう考えてもプログレ側のリスナー向けだろう。
メロウ度・・9 メタル度・・2 叙情度・・9 総合・・8
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ANATHEMA 「Universal」
イギリスのメランコリックロック、アナシマのライブ作品。2013年作
1993年にデビュー、初期のゴシックメタル路線からしだいに浮遊感をまとったポストプログレ路線へと
変化を遂げたこのバンド。本作はブルガリアの古劇場で行われたライブステージを収録。CD+DVD
バックにはオーケストラを加え、アルバム以上にシンフォニックなスケール感に包まれたサウンドが楽しめる。
マイルドなヴォーカルに、2000年に加入した女性Vo、Lee Douglasの美しい歌声も重なって、
バックのストリングスとともにしっとりとゆるやかな叙情を描いてゆく。
繊細なダイナミズムというべき空間美はベテランならではの構築力といえるだろう。
これは素晴らしいライブ作品。DVDの映像も見れば感動もさらに増します。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
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ANATHEMA 「Distant Satellites」 
イギリスのメランコリックロック、アナシマの2014年作
もはやメタル枠で掲載するにははばかられる、しっとり系ポストプログレ系のサウンドなのであるが、
本作もマイルドな男性ヴォーカルに女性ヴォーカルを絡め、物悲しく薄暗い叙情性を描き出すスタイルで
シンフォニックなオーケストレーションが楽曲を包み込む。曲によってはリー嬢のヴォーカルをメインにした、
繊細な女性声シンフォという感じにも楽しめる。楽曲ごとに深みのあるスケール感を生み出すだけの
世界観が強く感じられ、単なる薄暗系プログレというにはとどまらない、ドラマティックな雄大さが素晴らしい
8分を超えるタイトル曲ではエレクトロなアレンジも含んだモダンさも覗かせる。バンドとしてのさらなる深化が窺える意欲作だ。
ドラマティック度・・8 繊細度・・9 叙情度・・9 総合・・8 
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Anathema 「A Sort of Homecoming」
イギリスのゴシック/ポストプログレ/ロック、アナシマのライブ作品。2015年作
イギリスのリヴァプール大聖堂で行われた、アコースティックライブのステージを2CD+DVDに収録。
2014年作「Distant Satellites」は素晴らしい傑作であったが、本作ではその世界観を再現するべく、
アコースティックギターのつまびきに、美しい女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせつつ、
うっすらとしたシンセアレンジにマイルドな男性ヴォーカルとともに、やわらかなサウンドを描き出す。
大聖堂の音響効果もあってか、雄大で厳かな空気感もよろしく、随所にヴァイオリン、チェロも加わった
優雅な耳心地にはうっとりとなる。曲によっては、つい眠くなりそうなほど耳心地がよいのだが、
DVDで見ると、大聖堂の威厳あるたたずまいとともに、いっそう幻想的なステージが視覚的にも楽しめる。
ライブ演奏・・8 薄暗度・・8 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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Anderson/Stolt 「Invention of Knowledge」
Yesのジョン・アンダーソンとTHE FLOWER KINGSのロイネ・ストルトによるユニットの2016年作
まさかという組み合わせのユニットであるが、内容もまさしくジョン・アンダーソンの透明感のある歌声を活かした
繊細なシンフォニックロックサウンドで、トム・ブリスリンとラレ・ラーションによる美しいシンセアレンジに、
ロイネのメロウなギターワークが重なる優雅な聴き心地。ヨナス・レインゴールドとフェリックス・レーマンという、
フラキン組のリズム隊に、ダニエル・ギルデンロウ(Pain of Salvation)、ナッド・シルヴァンらがコーラスに参加。
ようするに、バックはほとんどTFK関連の北欧プログレ状態。キャッチーで涼やかな叙情性をジョンの歌声で包み込み、
ロイネの抜群のギターワークも楽しめるという。まさにYes+TFKという、プログレファンには桃源郷のような作品だろう。
10〜20分ずつ4パートに分けられたアルバム構成も見事で、実力者たちが結集したジョンのための傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 繊細度・・9 ジョンの歌声度・・9 総合・・8.5
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The Andy Tillison Multiplex 「Electric Sinfonia 2」
イギリスのミュージシャン、アンディ・ティリソンによるプロジェクトの2014年作
The Tangentを率いるマルチミュージシャンで、本作は優雅なジャズロック風味を押し出した作品。
ギター、ベース、ドラム、シンセなど、すべての楽器を一人でこなし、カンタベリーテイストあふれる
軽妙なインストサウンドを描いている。5楽章に分かれた組曲方式の構成で、巧みなグルーブを作り出すドラムに、
やわらかなピアノ、エレピ、オルガン、ムーグシンセなどが、ときにシンフォニック的な美しさとともに楽曲を彩る。
サックスやフルートなどブラスや管楽器も加わって、随所にプログレらしいスリリングな展開もしっかりと織り込みつつ、
オールインストながら最後まで飽きさせない構築力はさすが。The TangentがNational Health化した、という聴き心地の傑作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Aquaplanage
イギリスのプログレバンド、アクアプラネージの2009年作
YESのトリビュート・バンドであるFRAGILEのメンバーを中心に結成されたバンドで、
のっけから15分の組曲で、やはりYesを思わせるキャッチーなヴォーカルハーモニーに、
たおやかなフルートなども入りつつ、軽快に聴かせるサウンドはなかなか高品質。
オルガンなどの時代的なシンセワークや、むしろアメリカ的な抜けのよい歌メロなどとともに
耳触りのよいプログレを展開する。強いインパクトはないのだが、安心して楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ARENA「SONGS FROM LION'S CAGE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの1st。1995年作
PENDRAGONLANDMARQをはじめ、多くのバンドに関わっていたクライブ・ノーランのメインバンド、
本作は「BRAVE」以降のMARILLIONにも通じる、重たくシリアスな音とメタリックなギターサウンドと、
曲の半ばでは必ず訪れるメロディックかつシンフォニックな切り返しが絶品の傑作である。
こうした爽快感ではこの1stがもっともアレンジ的にも効果的で、個人的にも気に入っている作品だ。
クライブ・ノーランのメロディセンスと、作曲における豊かな才能を物語る見事な1枚といえるだろう。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 意外にメタル度・・8 総合・・8
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ARENA「THE VISITOR」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの3rd。1998作
1stは繊細なシンフォニック性とメタリックなメロディアスギターが表裏一体となった傑作アルバムであったが、
本作は、1st、2ndよりも重厚さが増した、ダークな叙情性を追求したコンセプト作である。
今作からギタリストが交代したようだが、メロウでときにメタル的なフレーズを奏でていて
クライブ・ノーランのシンフォニックなキーボードワークにマッチしていてなかなかよろしい。
もう少し楽曲に爽快な抜けがあればとも思うが、ともかくも良質のシンフォニック作品ではある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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ARENA「immortal?」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの4th。2000作
3rd「The Visitor」からVoとBが交代。しかしあくまでバンドの中心は
クライブ・ノーランとミック・ポインターなので、音楽性は大きくは変わらず。
ただ曲のアレンジはモダンになりだしていて、メロディにおける高揚感は前作よりも薄い。
また、やや情感過多のヴォーカルの歌唱も好みを分けるかもしれない。
薄暗い叙情性で聴かせるシンフォニックサウンドは、その完成形となる次作までのつなぎといえるかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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ARENA「BREAKFAST IN BIARRITZ」
英国を代表するシンフォニックロックバンド、アリーナのライブアルバム。2001作
中心人物クライブ・ノーランは知ってのとおりPENDRAGONSTRANGERS ON A TRAINLANDMARQ等にも関わる
英シンフォニック界の重要人物。日本での知名度よりは、はるかにヨーロッパ各国での人気はすごいようだ。
バンドの音自体は確立しているので、ライブでの演奏を聴いてもさほどの目新しさは感じないが
さすがに実力者揃いのメンバーで、堂々とした演奏を繰り広げている。ゆったりとしたややダークめのシンフォニックという特徴は、
メタルファンなどにもそれなりに支持されるだろう。初回CDは2枚組で、ボーナスCDにはバンドのドキュメンタリー映像も入っている。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・5 演奏・・8 総合・・7.5

ARENA 「CONTAGION」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの5th。2003年作
このバンドの持ち味となったややダークめの叙情性は、時代的にもトレンドになってきている。
クライブ・ノーランのキーボードワークに、ジョン・ミッチェルのメロウなギターは
今作でもバンドの音に重要なカラーを植えつけていて、前作以上に質を高めている。
プログレというよりは翳りのあるハードシンフォともいうべき音楽性は、メタルリスナーでも聴けるだけ耳触りの良さがあるが、
同時にまた深い部分での「精神的な癒し音楽」としてのロックの可能性も示唆している。
一方では、13曲めの突き抜けの良さのような爽快で希望的な雰囲気も健在だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンな叙情度・・9 総合・・8
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ARENA「CAUGHT IN THE ACT」
現在の英国ポンプ/シンフォを牽引するアリーナの2003年ポーランドでのライブを収録したDVD。
全体的にはややダークで、メタリックなエッジがあり、そこにシアトリカルな歌が乗るというサウンドで、
やはりPENDRAGONあたりに比べると爽快なカタルシスは少ない気がする。
MARILLIONを今風にしたという印象のシリアスで重厚なサウンドで、そこが好みを分けるところか。
ともかく、全22曲この音楽を聴き通すのは、いかに映像があるといえども大変だ(^^;)
Voの力みがちで、演劇的な歌唱は(外見もそうだが)私にはあまり心地よくないし、
曲ごとにはっとする盛り上がりや起伏に欠けるのもライブ全体として見ると平坦に感じてしまう。
バンドのファンであればこの130分をたっぷり楽しめる作品だとは思う。
ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 シンフォニック度・・7 総合・・7
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ARENA「live & life」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナのライブアルバム。2004年作
2003年のツアーの音源をCD2枚に収録。ト゜キュメンタリー映像の入ったDVD付き3枚組仕様。
クライブ・ノーランの美しいシンセワークに、ジョン・ミッチェルのメロウなギター、シアトリカルなロブ・ソウデンの歌声で聴かせる
ハードシンフォニックサウンドは、かつてのMARILLIONをシンフォニックにアップデートしたようでもあり、
ほのかに薄暗い叙情性は、最近のモダンシンフォニックの先駆けでもあったと再確認できる。
反面、多くの曲が収録されたライブ作では曲のトーンがやや一本調子に感じられるのは、いたしかたなし。
シンフォニック度・・8 モダンプログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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ARENA「PEPPER'S GHOST」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの6th。2005作
PENDRAGONでも活躍するシンセ奏者、クライブ・ノーランを中心にしたこのバンド、
1995年のデビューから、モダンな叙情を先取りしたようなシンフォニックハードサウンドで、
重厚かつドラマティックなアルバムを作り続けてきた。名実共に英国のシンフォシーンの代表である。
本作は、ミステリーや冒険活劇など、それぞれの曲ごとに7つの物語を題材にした全7曲という構成で、
コンセプトストーリー的な傑作に仕上がった。一曲ごとにドラマティックな盛り上がりがしっかりとあり、
アルバムを通してもダレない質の高さが光る。重厚な音の厚みはメタルファンにも聴かせられるサウンドだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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ARENAThe Seventh Degree Of Separation
イギリスのシンフォニックロック、アリーナの2011年作
本作は前作から6年ぶりとなる7作目で、これまでの薄暗いメロウな叙情性に加え
いくぶんレイドパックしたような古き良き質感を覗かせる作風になっている。
もはや職人技というべきクライブ・ノーランのシンセワークに、IT BITESでも活躍する
ジョン・ミッチェルのメロディックなギターで、大人のシンフォニックロックともいうべき
渋みのあるサウンドを描いてゆく。新加入のVo、ポール・マンズィのかすれた声質も
随所にハードロック的な聴き心地もある楽曲にマッチしている。メイキング映像を収録したDVD付き。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 大人のハードシンフォ度・・8 総合・・8
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ARENA 「LIVE」
イギリスのシンフォニックロック、アリーナのライブ作品。2013年作
1995年のデビューから、現在までにアルバム7枚、ライブ作品も多数発表している、
名実ともに90年代以降のネエプログレシーンをけん引する存在であるこのバンド、
本作は2011〜2012年のツアーから選ばれたライブ音源をCD2枚に収録している。
2011年作「The Seventh Degree Of Separation」からの楽曲を中心にしながら、
初期のアルバムからもまんべんなく選曲されたCD2枚、全21曲というボリュームで、
クライブ・ノーランのシンセワークに、It Bitesでも活躍するジョン・ミッチェルのギター
深みのあるポール・マンズィの歌声とともに、適度にハードなシンフォニックロックを展開する。
ベテランらしい堂々たる演奏がたっぷり味わえる、お腹いっぱいの濃密ライブ作品。
ドラマティック度・・8 ハードシンフォ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Arena「The Unquiet Sky」
イギリスのシンフォニックロック、アリーナの2015年作
1995年にデビュー、いまや英国ネオプログレシーンをけん引する存在となったこのバンド、
スタジオアルバムとしては4年ぶりとなる8作目で、クライブ・ノーランの壮麗なシンセワークに、
It Bitesでも活躍するジョン・ミッチェルのメロウなギター、そしてポール・マンズィの歌声とともに、
ドラマティックなシンフォニックロックは健在。今作は4〜5分前後の楽曲が中心で、
各曲ごとは比較的シンプルな分かりやすさで、湿り気のある叙情を存分に味わえる。
随所にはっとするようなキャッチーなメロディを織り込む手法は、1stに通じる雰囲気も感じさせる。
ドラマティック度・・8 モダンシンフォ度・・8 英国度・・8 総合・・8
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ARENA 「XX」
イギリスのプログレバンド、アリーナのライブ作品。2016年作
1995年にデビュー、英国におけるモダンプログレの先駆けというべきこのバンド、
デビュー20周年を記念してのポーランドでのライブをCD2枚に収録。英国らしいウェットな叙情と
翳りを含んだモダンなシンフォニック性が、クライブ・ノーランの美麗なシンセに、ジョン・ミッチェルのギターワーク、
ポール・マンズィの表現力ある歌声を乗せて、ベテランらしい味わいのある演奏力で表現される。
2015年作からのナンバーをメインに、過去作からの楽曲もたっぷりと演奏。適度なハードさと薄暗さを、
キャッチーなメロディック性と同居させた、キャリアのあるバンドらしい重厚な説得力が見事である。
2000年作「Immortal?」収録の19分の大曲や、1st収録の大曲「Solomon」などが聴けるのも嬉しい。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8 
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ARK 「Wild Untamed Imaginings」
イギリスのプログレバンド、アークの2011年作
80年代に結成、元IQのBを含むメンバー編成で、90年代まで活動していたバンドの復活作。
オルガンやムーグシンセが鳴り響き、ハード寄りのギターと枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、
シンフォニックなプログレハードというサウンド。楽曲自体はASIAや中期のYes、IT BITESなどを思わせる
キャッチーなメロディアス性でとても聴きやすく、やわらかなフルートの音色が入った繊細な叙情性もよいですね。
ただ、いかんせんヴォーカルのウェットンを下手にしたようなオッサン臭い声が好みを分けるところかもしれない。
音作り的にも90年代の延長という感触で、いくぶんB級がかった英国のプログレハードがお好きならどうぞ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 古き良きプログレハー度・・8 総合・・7.5
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AUTUMN CHORUS 「The Village To The Vale」
イギリスのシンフォニックロック、オータム・コーラスの2012年作
うっすらとしたシンセアレンジにマイルドなヴォーカルの歌声で繊細な叙情を描き出す、
美しくもはかなげな聴き心地。トランペットやヴァイオリン、フルートなども入ってきて
幻想的な広がりを感じさせる雰囲気には、ポストロック、ポストプログレ的な風味もある。
一方では、16分におよぶ大曲など、プログレ、シンフォニックロックとしての構築力もしっかりと備えていて、
バンド名通り、深い秋の物悲しい情景と涼やかな空気を思い描くような、じつに繊細な傑作です。
プログレ度・・7 繊細度・・9 叙情度・・9 総合・・8
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BIG BIG TRAIN「Goodbye to the Age of Steam」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの1993年作
のちの作品ではよりスタイリッシュな作風となるのだが、このデビュー作の時点では、
やわらかなシンセとマイルドなヴォーカルによる、キャッチーで繊細なシンフォニックロックながら、
すでに現代的なメロディアスロックとしての普遍性もあり、あまりプログレ臭さがないのがよい。
もちろん、ハモンドやメロトロンなどの音色を使ったキーボードワークにはレトロな質感もあり、
かつてのポンプロック的な聴きやすさも有しているが、むしろ優しくアコースティカルな部分や
マイルドなヴォーカルメロディ、ちょっとしたピアノの使い方などにこそ魅力があるように思う。
決して大仰にならない、ナイーブな感性で作られた好作品。2011年の再発盤ではジャケが変更されている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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BIG BIG TRAIN 「English Boy Wonders」
ビッグ・ビッグ・トレインの1997年作
Genesisの遺伝子を受け継ぐようなメロディックなプログレサウンドを標榜するこのバンド、
本作は2ndをリミックスし曲順も変えたという2008年再発盤。サウンドはうっすらとしたメロトロンに
キャッチーなヴォーカルメロディ、メロウなギターワークで聴かせるいかにも王道の英国シンフォ。
後の作品ほどにはスタイリッシュではないが、メロディックな耳心地の良さは本作の時点で十分魅力的で、
ジェネシスや初期マリリオンから続く、英国シンフォ/ポンプロックのウェットな叙情が楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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BIG BIG TRAIN「Gathering Speed」
ビッグ・ビッグ・トレインの2004年作
第二次世界大戦での英国航空兵を描いたコンセプト作で、2009年のリマスター再発盤。
このバンドの持ち味である古き良きプログレを継承した感触と、キャッチーなヴォーカルメロディは
本作でますます磨きがかかり、現在までの作品に続くサウンドが完成したというような内容だ。
楽曲はすべて6〜10分と適度な長さで、随所にしっかりとメロディのフックを含ませた
英国シンフォニックロックが展開される。ハケットを思わせるギターとともにGenesisルーツの叙情性は
プログレを愛するすべての人間の耳を優しく楽しませるだろう。全体的にもダレのない高品質な作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Big Big Train「The Difference Machine」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ピッグ・ビッグ・トレインの2007年作
これまではいかにもなGENESISフォロワー的な精細なポンプロックというイメージだったが、
今作は14分、13分、12分という3つの大曲を軸に、よりドラマティックに攻めてきた。
切り返しの多い曲展開と、メロトロンやガブリエル風のVoというレトロさが合わさって
古めかしくもあるが、現代シンフォとしての構築性をしっかりと感じさせてくれる。
まるでポーランドのバンドのような幻想的な薄暗さもあって、ゆったりと音に入り込んで楽しめる。
あるいはポーキュパイン系のリスナーにも勧められるかもしれない、ほの暗系シンフォ好作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ほの暗度・・9 総合・・8
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Big Big Train「Underfall Yard」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2009年作
初期はいかにもGENESISからの影響の強いサウンドであったが、前作「The Difference Machine」では
幻想的な叙情にいくぶん現代的な薄暗さを取り込んだ傑作を作り上げた。本作はさらなる深みのある作風で、
メロトロンが鳴り響き、やわらかなフルートの音色にトロンボーン、チェロなども入った優雅なサウンドを聴かせつつ、
マイルドなヴォーカルが加わると、キャッチーなコーラスとともに、ほの暗い叙情美が広がってゆく。
GENESIS〜MARILLIONという流れを感じさせながら、メロウなギターのフレーズに幻想的なシンセワークで
シンフォニックロックとしての魅力もしっかりと残している。FROST*やKINOと同様かそれ以上の構築性…
雄大にして繊細なる美意識の伝承者。英国シンフォニックの現在形を示した見事な傑作だ。
シンフォニック度・・8 ほの暗叙情度・・8 構築美度・・9 総合・・8.5
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Big Big Train「Far Skies Deep Time」
イギリスのシンフォニックロックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2010年作
傑作となった2009年作に続くミニアルバムで、1曲目はAnthony Phillpsの未発曲のカヴァー、
アコースティックギターのやわらかな音色に美しいシンセ、フルートも入ってきて、
ヴォーカルの声質も含めて、もうほとんどGENESISそのもの。未発曲にクリスマスソング、
そしてラストは18分の大曲で、ミニといっても全5曲で41分のボリュームだ。
また、元IQのマーティン・オーフォードがゲスト参加している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 現代版GENESIS度・・9 総合・・8
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BIG BIG TRAIN「English Electric Part One」
ギリスのシンフォニックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2012年作
90年代初頭にデビュー、初期のGENESIS路線から、英国現在形シンフォニックの代表格に成長したこのバンド。
本作もマイルドなヴォーカルメロディで聴かせるキャッチーな抜けの良さと英国らしい叙情性が素晴らしい。
美しいフルートの音色に優雅なピアノ、ストリングスを含んだシンフォニックなアレンジにハケットばりの叙情ギターがかぶさり、
これまで以上に情感的なやわらかさが広がってゆく。オルガンやメロトロンなどのプログレ的なシンセワークはもちろん、
アコースティカルな素朴とENIDばりのクラシカルな美しさも含んだダイナミックなアレンジにバンドとしての懐の深さを感じさせる。
繊細な美意識に包まれながら、やわらかなメロディをたっぷりと含んで盛り上げる、まさにシンフォ好きには必聴の傑作だろう。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・10 総合・・8.5
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BIG BIG TRAIN「Make Some Noise」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2013年作
「English Electric」の1と2を補完するEPであるが、新曲4曲にバージョン違いなどを含む全9曲40分以上。
やわらかなフルートの音色とともに、このバンドらしいキャッチーな人懐こさが素敵なタイトル曲をはじめ、
牧歌的な味わいの小曲や既存曲を並べ、全体的に落ち着いた叙情が楽しめる構成となっている。
本編に比べるとプログレ的なスリリングさやドラマティックな要素はやや薄めながら、
このバンドの繊細なアレンジセンスがあらためて感じられる、箸休め的にゆったりと鑑賞できる1枚だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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BIG BIG TRAIN 「English Electric」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2016年作
先に単体で発売されていた、Part OneとTwoを合わせ、さらにEPの4曲を加えて、新たに曲順も変更した2枚組の完全版で、
もともとの作品自体も素晴らしかったのだが、新たにドラマティックな流れが付加されたことでさらにスケール感が増した。
キャッチーなメロディとやわらかな叙情性をまえに出しつつ、適度にテクニカルな展開力も含ませた楽曲のクオリティは
キャリアのあるバンドらしい堂々たる聴き心地で、ほとんどのプログレファンを唸らせるだけの出来栄えだろう。
美しいフルートやしっとりとしたGenesisルーツのメロウな質感も絶妙で、繊細にして優雅なダイナミズムも素晴らしく、
メロディのフックと楽曲構築のセンスも職人的だ。まさに完全版というべき必聴の傑作です。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・8 完全度・・10 総合・・8.5
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Big Big Train 「Folklore」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2016年作
1993年にデビュー、初期のGENESIS路線から現在形シンフォニックへと深化した高品質なサウンドで、
前作「English Electric」は大変な傑作となったが、本作ではBEARDFISHのリカルド・ファーブロムが加入、
女性ヴァイオリン奏者を含む8人編成となり、従来のキャッチーなメロディック路線に適度なモダンとさ、
オルガンが鳴り響く70年代的なアナログ感覚を同居させたというようなサウンドが楽しめる。
渋みのある歌声で大人の叙情を描くナンバーや、フルートが鳴り響き美しいストリングスが重なる
シンフォニックなパートなど、キャリアのあるバンドらしい自然体の展開力でじっくりと構築してゆく。
10分を超える大曲も、ゆったりとした聴き心地ながら、泣きの叙情でじわじわと盛り上げてゆくのがさすが。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 大人の叙情度・・9 総合・・8
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Big Big Train 「A Stone's Throw from the Line」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインのライブ。2016年作
本作は2015年の英国公演を収録した2CD。女性ヴァイオリン奏者にシンセ奏者2人を含む8人編成で、
近年のアルバムからのナンバーを中心に、キャッチーなメロディと繊細な叙情性が合わさった、
英国らしいメロディックロックを聴かせてくれる。ときにトランペット、ホルン、トロンボーンなどのブラスセクションも加え
音の厚みとベテランらしい確かなアンサンブル、味わいのあるヴォーカルも含めて、さすがというライブの表現力である。
ムーグやメロトロンなどプログレらしいシンセサウンドに、メロウなギター、そしてフルートのも色も加わった泣きの叙情と
湿り気のある哀愁も随所に覗かせつつ、10分前後の大曲を中心にドラマティックな展開力で描いてゆく。
ストリングスによるアレンジを含んだ16分の大曲の優雅な聴き心地にもうっとり。ファンは必聴のライブ作品である。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 構築度・・9 総合・・8 
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Big Big Train 「Grimspound」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2017年作
1993年にテビュー、すでにキャリア25年に及ぶベテランで、現在も旺盛にアルバムを発表し続けている。
12分を超える大曲から始まる本作は、のっけからシンフォニックロックとしての泣きが全開で、
メロウなギターにマイルドにヴォーカルを乗せ、英国らしいウェットな叙情に包まれたサウンドを描く。
ベテランらしい優雅なアンサンブルと、古き良きプログレのテイストを含んだ構築センスも見事で、
艶やかなヴァイオリンやチェロ、優美なピアノが加わった典雅なクラシカル性にもうっとりである。
近年のキャッチーでモダンな路線から、本格派のシンフォニックロックへと回帰したというべき大傑作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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Big Big Train 「The Second Brightest Star」
イギリスのプログレバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2017年作
前々作「Folklore」、前作「Grimspound」を補完するアルバムで未発曲を主体に、別アレンジバージョンなどを収録。
ストリングスを含む壮麗なアレンジから、マイルドなヴォーカルでゆったりと聴かせる歌ものパートまで、
英国らしい叙情性と、このバンドらしいキャッチーなメロディアス性をたっぷりと含んだ聴き心地で、
新作アルバムとして聴いても十分楽しめる内容だ。ヴァイオリン鳴り響くクラシカルな小曲なども味わい深く、
随所にプログレらしい展開美やメロウな泣きのギターも加わった、シンフォプログレとしての王道を含ませた、
心憎いアレンジはキャリアのあるバンドならではだろう。そして後半の「Grimlore」と題された再構成組曲は圧巻だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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Blackfield 「IV」
イギリスのポストプログレ、ブラックフィールドの2013年作
Porcupine Treeのスティーブン・ウイルソンとイスラエル出身のミュージシャン、アビブ・ゲフィンを中心としたバンドで、
モダンな質感と薄暗い叙情で聴かせる、ポストプログレサウンド。楽曲は2〜3分前後と比較的シンプルで、
むしろ淡々とした聴き心地なのだが、それぞれの楽曲を5人のメンバーがヴォーカルをとったり、
メロトロンの入ったシンフォニックなアレンジを含めて、玄人好みの歌ものサウンドが楽しめる。
Marillionのような繊細な情感と素朴なメロディが耳心地よく、のんびりと鑑賞できる好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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Blue Drift 「Mariner」
イギリスのプログレバンド、ブルー・ドリフトの2005年作
元THE MORRIGANのメンバーによるバンドで、ギター、ベース、ドラムというトリオ編成で、
適度にテクニカルなインストプログレを聴かせる。メタルフュージョン的な軽快なアンサンブルと
ジャズロック的な優雅な聴き心地は悪くないが、メロディや展開にもっとインパクトが欲しいところ。
ラストの21分の大曲も含めて、なかなかの力作であるが、音質面の弱さなども少し惜しいか。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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The Blue Ship 「Executioner's Lover」
スコットランドのチェンバーロック、ブルー・シップの2014年作
「死刑執行人の恋人」と題された作品で、ヴァイオリンが鳴り響き、ジェントルなヴォーカルを乗せ、
QUEENにも通じる緩急のあるドラマティックな展開と、シアトリカルな空気感を含んだサウンド。
やわらかなヴォーカルメロディに、ピアノやアコーディオン、ヴァイオリンによる優雅さと、
大人の哀愁を感じさせる叙情性に包まれながら、どこか不穏でスリリングな気配も覗かせる。
いわば、キャッチーな歌ものロックにチェンバーロックの要素を加えたというべきか、
クイーンをプログレ化したような感じでも聴けてしまう。Disc2にはクラシカルなインストによる組曲を収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 チェンバー度・・7 総合・・8
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BPM&M「XtraKcts & ArtifaKcts」
パット・マステロットとプロジェクトXのプロデューサー、ビル・マニヨンによるユニット。2001年作
ロバート・フリップ、トニー・レヴィンらが参加、エレクトロニクスを駆使したテクノ的なサウンドは、
デジタルにインダストリアル化したクリムゾンというべき作風で、アレンジ面での方向性は異なるが、
フリップの遺伝子は確実に受け継いでいる。くぐもったベースのみがリフレインするパートなど、
適度にアヴァンギャルドな部分もあって、単なるクリムゾン系と思って聴くと肩透かしだろうが、
無機質なビート感に、トニー・レヴィンのベースとフリップのギター音が重なると、いかにもそれらしくなる。
ロック色、プログレ色はあまりないのだが、むしろエレクトロなトリップミュージック的にも楽しめるかもしれない。
ドラマティック度・・6 プログレ度・・7 インダストリアル度・・8 総合・・7.5
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Iain Jennings Breathing Space
Mostly Autumのシンセ奏者、イアイン・ジェニングスのプロジェクト、ブリーシング・スペースの2007作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるな爽やかなサウンドは
やはりMostly Autumに通じる素朴なメロディとシンフォニックな美しさがある。
キャッチーなポップ性も有した楽曲は、しっとりとしたフォーキーな質感もあって
ときにメロウなギターとシンセが絡み、じつに耳に優しく響く。
ラストの“Distant Train”はMostly Autumのアルバム「Passengers」収録曲のリメイク。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Breathing Space「Coming Up For Air」
MOSTLY AUTUMNのKey、IAIN JENNINGSによる、ブリーシング・スペースの2007作
一聴してプログレというよりは、もっとストレートなメロディックロックという雰囲気で、
シンフォニックなシンセワークに、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる。
MOSTLY AUTUMNのようなフォーキーな要素はほとんどなく、ややモダンなアレンジとともに、
爽やかで瑞々しい耳に心地よいサウンドだ。女性Voシンフォファンならば、これは聴かずにはおれない作品だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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BREATHING SPACE 「BELOW THE RADAR」
元MOSTLY AUTUMNのKey、IAIN JENNINGSによる、ブリーシング・スペースの2009年作
女性ヴォーカルのキュートな歌声を中心に聴かせる、優美なシンフォニックロック。
今作はPANIC ROOMなどにも通じるようなアンニュイな翳りも含んでいて、前作に比べると
いくぶん地味な印象であるが、しっとりと聴かせるスローな曲の美しさにはやはりウットリである。
本作を最後にこのユニットは休止、Voのオリビア嬢はモストリー・オータムに参加することになる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Breathing Space 「Below The Radar Live」
元Mostly AutumnのIAIN JENNINGSを中心にした、ブリーシング・スペースのライブ。2010年作
ヴォーカルのオリヴィア嬢がMostly Autumnに加入、イアイン・ジェニングスも同じく復帰が決まったことで、
本作はこのバンドとしてのラスト音源となった。ソロ名義を含む過去3作からの曲をたっぷりと収録した
自主制作のCD-R2枚組作品で、艶やかな女性ヴォーカルの歌声とキャッチーなメロディで聴かせる、
メロウなシンフォニックロックが楽しめる。当のMostly Autumnからブライアン・ジョシュも参加し、
当然のようにモストリー・オータムのナンバーも演奏している。フィメールシンフォ好きはチェック。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

BRUCE SOORD
イギリスのポストプログレ、THE PINEAPPLE THIEFのリーダーのソロプロジェクト。2015年作
繊細なピアノのつまびきに、マイルドなヴォーカルを乗せた、Nosoundあたりに通じるアンビエントなサウンド。
アコースティックギターにドラムも加わった、適度なロック感触と、プログレ寄りのシンセアレンジは、
やはり、パイナップル・シーフを率いるミュージシャンらしい知的で豊かなセンスを感じさせる。
曲によっては、Marillionあたりを思わせるメロウな翳りを含んだ叙情ロックや、サックスなどのブラスを加えて、
ポストロック的なスケール感を描くナンバーもあったりと、3〜5分前後の楽曲にそれぞれテーマを感じさせる世界観もさすが。
泣きのギターにシンセを絡めた優しい叙情性にもうっとり。繊細系ポストプログレを好む方は一聴の価値ありです。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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CAAMORA 「SHE」
ARENAPENDRAGONクライブ・ノーランと女性ヴォーカルのユニット、カーモラの2008年作
冒険小説「She-洞窟の女王」をコンセプトにした2枚組の大作で、ポーランド人のシンガー、アグネイスカ・スウィタ嬢を中心に
ゲストヴォーカルとして、PALLASのアラン・リード、MAGENTAクリスティーナ嬢IQTHRESHOLDなどのメンバーを迎え、
4人のVoが物語的に配役を担うという構成。壮麗なシンセワークに美声の女性ヴォーカル、そしてファンタジックなストーリーと、
この手の好きなリスナーにはたまらない要素が揃っているが、楽曲そのものはPALLASなどを思わせる、
しごく正統派のシンフォサウンド。ロックオペラ的な歌ものが主体なこともあり、曲自体の新鮮味は薄いが、
豪華なブックレットを眺めつつ物語を思い浮かべながら楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 物語度・・9 総合・・8
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CAAMORA 「SHE」
冒険小説「洞窟の女王」をコンセプトにしたシンフォニックロック、カーモラのライブDVD。
CD2枚組の大作をオーケストラを含めて、まるでオペラのように大がかりに再現したライブ作品で、
ヴォーカルをとるのは、アグネイスカ・スウィタ嬢の他、MAGENTAのクリスティーナ嬢、クライブ・ノーラン、
そしてPALLASのアラン・リードで、それぞれが物語の配役に扮して演じるように歌っている。
楽曲は歌もの中心なので、サウンド自体にスリリングな部分は少ないが、安定した演奏陣と
美声の女性ヴォーカルの歌声を中心に、じっくりとストーリーを描くようなシンフォニックロックが楽しめる。
DVDの方は、視覚的にもより大がかりで演劇的なステージが繰り広げられる。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 ロックオペラ度・・9 総合・・8
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CaamoraJourney's End... an acoustic anthology」
クライブ・ノーランとアグニエスカ・スウィタによるユニット、カーモラの2008年作
先に出ていたスタジオアルバムは冒険小説をコンセプトにしたシンフォニックロックの大作だったが、
これはクライブ・ノーランの弾くピアノをバックに女性ヴォーカルが歌う、アコースティックなライブ作品。
アグニエスカ嬢の美しい美声に包まれたしっとりとした聴き心地にウットリである。CAAMORAの楽曲以外にも、
なんと、STRANGERS ON A TRAINの曲なども聴かせてくれ、コアなリスナーには嬉しいかぎり。
ポーランド、イギリス、チリ、ボリビア、ドイツ、ベルギー、アルゼンチンと、各国でのライブ録音に加え、
デモや未発曲なども多数収録したCD2枚組。MAGENTAのクリスティーナ嬢も参加している。
シンフォニック度・・7 しっとりピアノ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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CASINO
イギリスのシンフォニックユニット、カジノの1994作
PENDRAGONARENAでおなじみClive NolanとTwelfth Nightのメンバーらによる
プロジェクトバンドで、タイトル通りカジノを舞台にしたコンセプト作。
きらびやかなシンセを中心に、キャッチーなメロディでプログレハード風に聴かせつつ
ときにアダルトな雰囲気を漂わせた大人のメロディックロック作というおもむき。
ストーリー的な流れでシンフォニックに展開する大曲はとくに素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Castanarc「Journey to the East」
イギリスのシンフォニックバンド、キャスタナルクの1984年作
これは1984年当初のLP盤音源に手を加えられ1991年にCD化されたもの。
ポンプロック全盛の当時の作品の中で本作の出来の良さは突出しており、
美しいシンセとハケットを思わせるメロウなギターを中心にした叙情性と
甘いヴォーカルで聴かせる、キャッチーな抜けの良さが同居した見事な傑作だ。
バンドはこの1作のみで消滅、その後1998年に復活作を出しているが、
ロマンティックなシンフォニックアルバムとしては本作を超えるものではなかった。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ロマンティック度・・9 総合・・8
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CASTANARC「LITTLE GODS」
かつて80年代に「JOURNY TO THE EAST」というアルバムを残した
イギリスのポンプロックバンド、キャスタナルクが何と密かに復活していた? 1998作
初期のMARILLION的だった音楽性はそのままよりポップ&マイルドになり、
甘い声質のVoやメロウなKEY、ギターなどはPENDRAGONなども想起させる。
目新しさはないものの、再結成したPALLASもしかり、ポンプロックを聴いた世代にはなじみやすいサウンドだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ポンプロック度・・9 総合・・7.5


Chris Fry 「Composed」
Magentaのギタリスト、クリス・フライのソロ2012年作
アコースティックギターの素朴な響きに、優雅なストリングスアレンジで聴かせる繊細な作風。
ギターのアルペジオにはスパニッシュ/フラメンコ的な感触も覗かせ、英国人らしい叙情性に
ラテンの雰囲気を融合したような作風だ。美しいヴァイオリンの響きに、
ロブ・リードによるオーケストラアレンジも随所にシンフォニックな味わいを付加している。
アコースティック度・・8 プログレ度・・6 優雅な叙情度・・8 総合・・7.5


Christina「Broken Lives & Bleeding Hearts」
MAGENTAの女性ヴォーカル、クリスティーナのソロアルバム。2010作
現在系英国シンフォニックの代表格のひとつとなったMAGENTAの紅一点、
クリスティーナ・ブース嬢のソロ作で、ロブ・リードをはじめMAGENTAのメンバーをはじめ、
ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、トロイ・ドノックリー(IONA)らもゲスト参加している。
サウンドは、彼女の美声を活かしたメロディアスな歌もの中心で、プログレ的なアレンジは
いくぶん抑え気味にした、聴き心地のよいものになっている。美しいシンセワークに、
メロウなギターをまじえつつ、あくまでしっとりとしたアダルトな感触の女性声ロックである。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Christina 「The Light」
イギリスの女性シンガー、クリスティーナのソロ。2015年作
MAGENTAのシンガーとして知られる彼女のソロ2作目。美しいヴォーカルを中心にゆったりと聴かせる作風で、
楽曲は4〜5分前後でわりとシンプルな歌もの路線であるが、楽曲を手掛けるのはMAGENTAのロブ・リードであるから、
メロトロンやオルガンなどを含んだシンセをたっぷり含ませたシンフォニックな聴き心地が随所に楽しめる。
繊細なピアノやオーケトラルな壮麗さも含んだアレンジは、むしろコンテンポラリーな作風でロック的な感触が薄い分、
じっくりと彼女の歌声を味わえる。マジェンタのファンはもちろん、繊細な女性ヴォーカル作品が好きな方にもぜひ。
ジョン・ミッチェル(IT BITES)、アンディ・ティリソン(The Tangent)などがゲスト参加。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CIRCA: 「HQ」
イギリスのプログレハード、サーカの2009年作
元Yesのビリー・シャーウッド、トニー・ケイを中心にしたバンドで、これが2作目。
オルガン鳴り響く古き良きプログレ感触と、キャッチーな爽快さで聴かせるサウンド。
基本はコンパクトな聴き心地であるが、やはりYesを思わせるような軽妙なアンサンブルに
10分前後の大曲ではドラマティックな構築性も感じさせる。これという新鮮味はないが、
キャリアのあるメンバーによるプログレッシブ・ロックへの憧憬が込められた好作品である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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CIRCA: 「And So on & Overflow」
イギリスのプログレハード、サーカの2013年作
Disc1には2011年作を、Disc2にはダウンロードのみの販売だった2009年作を収録した2CD。
1曲目とラスト曲に10分前後の大曲を配した構成は前作同様であるが、サウンドはよりキャッチーなポップ感が増していて、
きらびやかなシンセにやわらかなコーラスなども、ASIAなど80年代のプログレハード系バンドを思わせる雰囲気である。
もちろん、オルガンなどの音色には古き良きプログレ風味も感じさせ、アダルトな叙情をマイルドに聴かせてくれる。
Disc2「Overflow」の方は、肩の力の抜けたライトな感触としっとりとした優雅さを含んだ、モダンなプログレポップ的な好作。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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CIRCA 「Valley of the Windmill」
イギリスのプログレハード、サーカの2016年作
Yesのビリー・シャーウッド、トニー・ケイを中心にしたバンドで、本作は14分、18分という大曲を含む全4曲という構成。
美しいシンセアレンジに、キャッチーなコーラスハーモニーを乗せた、ASIAにも通じるポップでメロディックな味わいと
オルガンなどを含む古き良きプログレ性が合わさったサウンド。楽曲は長いものの、あくまで歌ものという構成で、
スリリングな展開や新鮮味というのは薄いのだが、逆に言えばメロディックロックとしてのメジャー感に包まれていて、
渋みのある歌声と安定した演奏でゆっくり楽しめる。ラストの大曲はシンフォニック的でもある起伏のある構成力で
中期のYesを思わせるような優美なサウンドが味わえる。大作志向ながら、耳心地のよいキャッチーな好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 王道プログレハー度・・8 総合・・8 
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Circulus「Clocks Are Like People」
イギリスのフォークロックバンド、サークルスの2nd。2006作
男女ヴォーカルにシンセ、フルートを含む7人組で、古き良きフォークをモダンにアレンジしたサウンドを聴かせる。
ゆったりとしたフルートの音色と、男女Voの牧歌的な歌声に、プログレ的なシンセも加わると、
のどかなサイケロック風味にもなる。古楽風のパイプの音色はGRYPHONなどを思わせる部分もあり、
おおらかでレトロな雰囲気のフォークロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 おおらかフォーク度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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CITIZEN CAIN「SERPENTS IN CAMOUFLAGE」
イギリスのポンプロックバンド、シチズン・ケインの1st。1993作
IQPENDRAGONなど、80年代からの活躍組はそこそこ知名度はあるが
このバンドのように90年代になってからデビューしたポンプロックバンドというのも珍しい(笑)
音楽性は…やはりかつてのジェネシスクローンと言われたサウンドそのもので、
キャッチーでメロディアスで、そしてどこか垢抜けない…Voの声質も含めて少し前のPENDRAGONという感じ。
聴き易くて、耳に優しいが、新鮮味はない。王道のポンプロック好きにはお薦めだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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CITIZEN CAIN 
「Raising the Stones」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シチズン・ケインの3rd。1997年作
手に入りにくかったこのバンドの初期作品が2012年リマスター盤で再発された。
以前に1stを聴いたときは、まさに典型的なGenesisルーツのポンプロックであったが、
この3作目では、単なるジェネシスフォロワーの域を超えたというべき力作となった。
ガブリエル似のヴォーカルの歌声によるシアトリカルな濃密さと、時代的なチェンバロの響き
プログレ的なムーグシンセとともに描かれる楽曲は、初期Genesisがそのまま90年代化したという
聴き心地で緩急に富んだドラマティックな展開が楽しめる。10分を超える大曲も3曲あり、
いくぶん長尺感はあるのだが、そこも含めてじっくり鑑賞できる方にはお薦めできる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ジェネシス風味度・・8 総合・・7.5
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Citizen Cain「Skies Darken」
イギリスのシンフォニックロック、シチズン・ケインの2012年作
初期はPENDRAGONタイプのポンプロックだったと思ったが、前作から10年ぶりとなる本作は、
のっけからテクニカルなアンサンブルでたたみかける濃密なサウンドに驚かされるが、
ヴォーカルの声質も含めて、GENESISルーツのやわらかな叙情もちゃんと残していて、
ヘヴィプログレ的なダイナミズムと変則リズムを多用した古き良きプログレの感触が混ざると、
思わずにやにやしてしまう。シアトリカルな世界観を描いてゆく説得力もさすがベテランである。
10分以上の大曲も多数あり、メリハリの効いた展開も見事な、濃密かつドラマティックな傑作だ。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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Citizen Cain's Stewart Bell 「The Antechamber of Being(Part 1)」
イギリスのプログレバンド、CITIZEN CAINのシンセ奏者、ステュアート・ベルによるソロ。2014年作
10分を超える大曲を中心にした組曲形式のコンセプトアルバムで、自身でシンセの他、ドラム、ヴォーカルをこなし
美しいシンセとマイルドなヴォーカルを乗せて、ドラマティックに展開する英国らしいシンフォニックロックを構築する。
CITIZEN CAINのヴォーカル、ギター、THE WATCHのヴォーカル、さらにはAYREONのアンソニー・ルカッセンがゲスト参加、
初期のGENESISに通じるシアトリカルな幻想性と、ときににアヴァンギャルドなセンスが交差して、じつに濃密な味わいである。
ときに女性ヴォーカルも加わって、男女ヴォーカルによるロックオペラ的な雰囲気もかもしだす。トータル74分におよぶ力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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CLIVE NORAN & OLIVER WAKEMAN「Jabberwocky」
クライブ・ノーラン(ARENA、PENDRAGON)、オリバー・ウェイクマンによるユニット作。1999作
「不思議の国のアリス」に出てくる怪物、「ジャバーウォック」をテーマにしたコンセプト作で、
クライブ、オリバーの他、PENDRAGONやSHADOWLANDの現メンバーなどに加え、
ヴォーカルにはボブ・カトレイ(MAGNUM)、トレイシー・ヒッチングス(LANDMARQ)らが参加。
リックの息子であるオリバー・ウェイクマンは、さすがに親譲りのクラシカルなプレイを聴かせ、
ベテランのクライブとともに、これぞ英国シンフォニックというサウンドを構築している。
ボブ・カトレイとトレイシー・ヒッチングスの男女ヴォーカルもストーリーによくマッチしていて、
ゆるやかに盛り上がる楽曲とともに、ジャケ通りのファンタジックなイメージで壮麗に聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・7.5
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CLIVE NOLAN & OLIVER WAKEMAN「THE HOUND OF THE BASKERVILLES」
クライブ・ノーランRICK WAKEMANの息子オリバー・ウェイクマンとの共同作品。2002作
この二人の共作としては「JABBERWOCKY」(1998)に続く第二弾となる。
小説「バスカヴィル家の犬」をコンセプトにした内容で、二人のキーボードを中心に
RICK WAKEMANの「地底探検」を思わせるようなキーボードシンフォ作品。
ゲストとしてボブ・カトレイアルイエン・ルカッセン、トレイシー・ヒッチング、ミッシェル・ヤング等々が参加
曲ごとに彼らの歌唱や演奏を聞くことができる。メロディや曲の音像的にはリック・ウェイクマンの初作品に酷似している印象で、
これという目新しさはないが、それを抜きにすればよく出来た正統派キーボードシンフォ である。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・8 新鮮度・・5 総合・・7.5

Clive Nolan & Agneiszka Swita「CLOSER」
クライブ・ノーランとポーランド人の女性歌手、アグネイスカ・スウィタのユニット。2006作
どういう経緯でこのユニットができたのかは知らないが、トレーシー・ヒッチングスを思わせるハスキーな女性Voと
クライブ・ノーランのシンセ、ピアノを中心した5曲入りのミニアルバムだ。
プログレというよりはしっとりとしたシンフォニックな女性Voものという雰囲気で、
かつてのクライブのバンド、STRANGERS ON A TRAINを思わせる、…とおもったら、4曲目はそのリメイク曲。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5

Clive Nolan 「Alchemy」
クライブ・ノーランによるシンフォニックロック・オペラの2013年作
2008年のCAAMORAに続き、今作は錬金術をテーマにした冒険ストーリーを描く、CD2枚組の壮大なロックオペラ作品。
トレイシー・ヒッチング(LANDMARQ)、アグニエスカ・スウィタ(CAAMORA)、アンディ・シアーズ(TWELFTH NIGHT)
ポール・マンジィ(ARENA)、ポール・メネル(元IQ)、ダミアン・ウィルソン(THRESHOLD)といったメンバーが参加。
いまや英国シンフォニックロック界の重鎮といっていいだろう、クライブ・ノーランお得意のサウンドで、
配役ごとにヴォーカリストたちが語りや歌を乗せながら、シアトリカルかつドラマティックにストーリーが進行してゆく。
1曲ごとのインパクトはあまりないが、壮麗な男女ヴォーカルにコーラス、シンフォニックなアレンジセンスとともに、
作品の流れを演劇的に鑑賞できる優雅な聴き心地。さすがのC.ノーラン、質の高いロックオペラ作品である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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COLIN BASS「AN OUTCAST OF THE ISLANDS」
キャメルのベース奏者、コリン・ベースのソロ作。1998年作
ポーランドのシンフォニックバンド、QUIDAM、ABRAXASのメンバーをバックに、
オーケストラを加えての作品。サウンドは全編にわたって非常にメロディアスかつドラマティックなもので、
プログレというよりはキャメル直系のメロディアスロックの壮大版という感じか。
たおやかな叙情と劇的な曲の数々にうっとりせずにはいられない。素晴らしい傑作です。
メロディアス度・・10 シンフォニック度・・9 たおやか度・・9 総合・・8.5
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COLIN BASS「IN THE MEANTIME」
CAMELのベーシスト、コリン・ベースのソロアルバム。2003作
前作「AN OUTCAST OF THE ISLANDS」がかなり素晴らしかっただけに期待していたのだが、
今作はシンフォというよりはやや落ち着いた渋みのあるメロディアスな歌ものという印象。
引き続きQUIDAMのメンバーも参加している。しっとりとした大人の音楽である。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・6 楽曲・・7 総合・・7


COLIN MASSON「ISLE OF EIGHT」
THE MORRIGANのメンバー、コリン・メイソンのソロ作。2001作
モリガン同様にケルティックテイストのシンフォニックロック作品で、ギター、ベース、キーボードを自身でこなし、
ジャケのCGまで描くという多芸ぶり。全3曲(25分、27分、12分)という大作主義で、やや長尺なところも感じるが
全体としてはインストメインの心地よいたおやかなケルティックシンフォ。トラッド的アコースティックパートや
ゲストで歌う女性Voなど、聴きどころも多い反面いかにも打ち込みの安っぽいドラム音が残念。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 サウン度・・7 総合・・7.5


Combination Head「Progress?」
イギリスのシンフォニックロック、コンビネーション・ヘッドの2nd。2007年作
オルガンやムーグシンセが鳴り響き、優雅なアンサンブルで聴かせる、インスト主体のサウンド。
美しいシンセとメロディックなギターのからみはなかなかきらびやかで、
ヴォーカルの歌唱にはアメリカのバンドを思わせるキャッチーな抜けの良さがある。
ハモンドの使い方にしても現代的な音像の中に上手く溶け込ませており、
この辺のスタイリッシュなセンスの良さがバンドの個性にもなっている。
曲も4、5分台とコンパクトで、爽快なノリの中にプログレファンの求める要素を織り込み、
モダンさとレトロが融合され新旧のリスナーのどちらにも対応した、ハイブリッドなシンフォサウンドだ。
ンフォニック度・・8 モダンでレトロ度・・8 爽快度・・9 総合・・8
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COMEDY OF ERRORS 「SPIRIT」
イギリスのプログレバンド、コメディ・オブ・エラーズの2015年作
80年代に結成され、いったんは活動を停止したものの、2011年に復活し、本作は復活後3作目となる
ツインギターにシンセを含む6人編成で、美麗なシンセアレンジに、メロウなギターとマイルドなヴォーカルを乗せた
適度にハードでモダンな感触と繊細な叙情美に包まれた、英国らしいウェットなシンフォニックロックサウンド。
楽曲は3〜6分前後と、比較的コンパクトであるが、楽曲を連ねた流れがドラマティックな構成になっていて、
キャッチーなシンフォニックハードという点では、PALLASあたりにも通じる雄大なスケール感に包まれている。
やわらかなメロディの流れに浸りつつ、シンフォプログレ好きで良かった、と心から思える力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 英国シンフォ度・・9 総合・・8
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COMEDY OF ERRORS 「House of the Mind」
イギリスのプログレバンド、コメディ・オブ・エラーズの2017年作
復活後4作目となる本作は、大曲を含む楽曲の構築力とドラマティックなアレンジセンスとがぐっと高まった。
オルガンやムーグシンセによる古き良きプログレの味わいとメロウなツインギター、マイルドなヴォーカルを乗せ、
アメリカのシンフォ系バンドにも通じるキャッチーで抜けの良いサウンドが楽しめる。これぞシンフォプログレの王道だ。
美しいシンセにツインギターによる流麗なフレーズも随所に光っていて、15分におよぶ大曲をじっくりと構築してゆく。
一方では大人の味わいのアコースティックな小曲もあり、そういうパランス感は、BIG BIG TRAINにも通じるか。
優しい叙情に包まれた後半の13分の大曲もじつに優美な感触で、正統派のシンフォプログレ好きはうっとりの傑作です。
ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 大人の叙情度・・9 総合・・8
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COSMOGRAFWhen Age Has Done It's Duty
イギリスのシンフォニックロック、コスモグラフの2011年作
マルチ・ミュージシャンRobin Armstrongのソロプロジェクトで、うっすらとしたシンセにメロウなほの暗さを含んだモダンなシンフォニックロック。
マイルドなヴォーカルとメロディックなフレーズを含んだ適度にヘヴィなギターで聴かせるサウンドは、
10分超の大曲を聴かせる壮大さと、ARENAあたりにも通じるドラマティックなセンスが光る。
英国的な牧歌性もあり、ゆったりと楽しめる好作だ。GALAHADやTHE TANGENTのギタリストなどがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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COSMOGRAF 「THE UNREASONABLE SILENCE」
イギリスのシンフォニックロック、コスモグラフの2016年作
マルチ・ミュージシャン、Robin Armstrongのソロプロジェクトで、SFストーリー的なコンセプト作品。
オルガンを含むプログレらしいシンセアレンジに、メロディックなギターを乗せた王道のシンフォニックロックで、
PENDRAGONARENAなどに通じる適度にハードな感触と翳りを帯びたウェットな叙情性も魅力的。
BIG BIG TRAINのニック・ディヴァージリオがドラムで全面参加していて、リズム面での安定感も抜群だ。
配役ごとに多数のゲストヴォーカルが参加した、ロックオペラ的なスケール感にときにポストプログレ的な
繊細な叙情も織り込んだメリハリある構築センスで、ドラマティックな味わいが楽しめる力作ですな。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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CREDO 「rhetoric」
イギリスのシンフォニックロックバンド、クレドの2005作
70年代から活動するミュージシャンによって90年代に結成されたバンドの復活作となる。。
サウンドは、かつてのMARILLIONや今で言うARENAあたりに通じるポンプ/シンフォニックで、
キーボードをバックに、ときおりハードめにもなるメロウなギターが耳に心地よい。
全体的にほの暗さのあるしっとりとした雰囲気で、10分以上の大曲もあるのだが、
随所にキャッチーな分かりやすさやプログレメタル風のテクニカルさも聴かせる。
この手としてはなかなか質が高く、TANTALUSあたりが気に入るならこのバンドも聴いて損はない。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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CREDO 「This is What We Do」
イギリスのシンフォニックロック、クレドのライブ作品。2009年作
90年代に結成され、2005年に復活作を発表したバンドの2008年のポーランド公演を2CDに収録。
きらびやかなシンセワークにメロウなギターとマイルドなヴォーカルを乗せた
PENDRAGONARENAなどに通じる英国らしい正統派のシンフォニックロックサウンド。
10分を超えるナンバーも多く、ポンプロックルーツの湿り気のある叙情性とともにメロウに聴かせる作風は、
これという新鮮味はないものの、ポーランドのSatelliteなどにも通じる翳りを含んだ繊細な味わいが楽しめる。
演奏自体も安定していて、IQなどを思わせるシアトリカルなヴォーカルの表現力もなかなかのもの。
さすがに2CDで100分を超えるという長尺感もあるのだが、音質も良く安心して聴けるライブ作品ではある。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 メロウな叙情度・・8 総合・・7.5
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Crippled Black PhoenixLove of Shared Disasters」
イギリスのプログレ・ポストロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2007年作
先に2作目、3作目を聴いていたが、このデビューアルバムでも、アナログ感たっぷりで
ほんのりダークな世界観を構築している。うっすらとした叙情性と、ときおり聴かせる
ロックとしてのダイナミズムが、サウンドのメリハリとなっていて、プログレ的なポストロック…
あるいは、Porcupine Tree系の薄暗系知的ロックとしても鑑賞可能。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix 「200 Tons Of Bad Luck」
イギリスのプログレ・ポストロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2009年作
MOGWAIのドミニク・アイチソンとElectric Wizardのジャスティン・グリーヴスを中心にしたバンドで、
アナログ的なロックとポストロック風味の広がりのある、ゆったりとした叙情を聴かせるサウンド。
古き良きロックの香りに、メロトロンやハモンド、ピアノを含めたシンセによる味付けと、
ときにチェロやヴァイオリン、トランペットなども加わって、素朴でありながらも壮大さをかもしだす。
ドラマティック度・・8 ポストロック度・・7 アナログ度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix「I,Vigilante」
イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2010年作
MOGWAIのドミニク・アイチソンとElectric Wizardのジャスティン・グリーヴスを中心にしたバンドで、
サウンドは古き良きドゥームロックの感触に、ポストロック的な広がりのある壮大さが加わったもの。
オルガンの音色を含めアナログ感たっぷりのアンサンブルが心地よく、薄暗い叙情を内包しつつ、
知性的な構築も感じさせるのがプログレ的か。第二次大戦バルジの戦いにおけるバストーニュの戦いを
テーマにするなど、コンセプト風味のストーリー性も感じられる。むしろプログレ、ポストロックのファン向けの力作。
ドラマティック度・・8 ドゥームロック度・・7 アナログ度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix「(Mankind)the Crafty Ape」
イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2012年作
第二次大戦「バストーニュの戦い」をテーマにした前作もドラマティックな傑作であったが、
本作は三章に分かれたCD2枚組の大作となった。PINK FLOYDを思わせるような
ゆったりとした叙情性の中に壮大なビジョンを描き出すポストロック的サウンドで、
ときおりシンセによる美しい味付けもあって、プログレファンにもアピールするだろう。
アナログ感をかもしだすギターワークに、ストーナーロック的な質感も織り込んで
ゆるやかなドラマを構築するようなスケール感が素晴らしい。じっくりと味わえる力作だ。
ドラマティック度・・9 壮大度・・9 プログレ度・・8 総合・・8.5
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Crippled Black PhoenixNo Sadness Or Farewell
イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2012年作
前作の2枚組大作に続き、今年2作目となるアルバム。なんとも勤勉な創作活動である。
サウンドの方はゆったりと聴かせるポストロック的なもので、本作では美しいシンセアレンジも入って、
メロウなギターとともにアナログ感を漂わせたアンサンブルは、プログレ風味のやわらかな耳心地。
これまで以上にメランコリックな叙情が前に出ていて、歌入りの曲などはゴシックロック的な美しさもある。
女性声も入ったしっとりとした浮遊感の曲もあったり、このバンドの懐の深さを窺わせる一作だ。
ドラマティック度・・7 プログレ風味度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix 「Live Poznan」
イギリスのプログレ・ドゥームロック、クリップルド・ブラック・フェニックスのライブ作品。2013年作
2011年ポーランドでのライブステージをCD2枚に収録。アルバムにおけるポストロック的なスケール感はそのままに、
厚みのあるギターサウンドはより生々しく重厚で、オルガンなどを含むシンセワークとともに、
グルーヴィなアンサンブルを聴かせてくれる。3拍子系の曲などはマイルドなヴォーカルの歌声とともに、
Coheed and Cambriaにも通じるキャッチーさがあり、モダンプログレ、知的ロック好きの方ならとても楽しめるだろう。
Journeyのカヴァー“Of a Lifetime”では、女性シンセ奏者がヴォーカルをとり、
ラストは21分におよぶハード・サイケ的な組曲で、スペイシーなシンセアレンシを交えつつ
聴き手を圧倒するような迫力が素晴らしい。バンドの力量を遺憾なく見せつけるライブ作品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix 「White Light Generator」
イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2014年作
ポストロックやプログレ、ドゥームロックの要素もあるというセンス抜群のこのバンド、
本作は前半が「Black Side」、後半が「White Side」と分けられたコンセプト的なアルバムで、
ゆったりとした叙情の中にもロックとしてのグルーヴィなダイナミズムを描きながら、
壮大なストーリーを感じさせる知的な構築力が素晴らしい。これという派手さはないのだが、
シンセの入った厚みのある音像と、広がりのある浮遊感には引き込まれる。
あるいは、PINK FLOYDがメタル化するとこうなる…というようなイメージか。今回も傑作。
ドラマティック度・・8 プログレな壮大度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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Crippled Black Phoenix 「Bronze」
イギリスのプログレ・ドゥームロック、クリップルド・ブラック・フェニックスの2016年作
2007年にデビュー、ポストロック、プログレ、ドゥームロックの要素を融合させたセンス抜群のバンド、
7作目となる本作は、物語的なナレーションとシンセによるイントロからコンセプト風の壮大さを感じさせ、
2曲目に入ると、ヘヴィなギターも加わった重厚なドゥームロック感触が現れる。オルガンやメロトロンに
変拍子を使用したリズムなど、プログレ的な要素を含ませつつ、どっしりとしたサウンドを描いてゆく。
一方では70年代的なオールドロックの感触も本作では強めてきていて、ブルージーな渋さも随所に覗かせる。
9分前後の大曲をじっくりと構築する力量とセンスもさすがで、後半には女性ヴォーカルを乗せたナンバーもあったり、
イーグルスのギタリスト、Joe Walshのソロ曲のカヴァーというのは渋いセレクトながら、世界観によくマッチしている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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The CuratorSometime Soon
NO-MANやJudy Dybleなどに参加したAlistair Murphyによるソロプロジェクト、キュレイターの2010年作
艶やかなヴァイオリンにしっとりとしたピアノ、妖しげな女性コーラスが合わさって、
彼自身のマイルドな歌声とともに、ゆるやかな味わいのサウンドを描き出す。
キャッチーなメロディアスさに哀愁を含ませながら、美しいシンセ、オルガンが鳴り響く
いかにも英国らしい叙情美にうっとりとなる。ロック色の薄いアンビエントな雰囲気ながら、
女性VoにJudy Dybleをはじめ、元ALL ABOUT EVE〜THE MICEのJulianne Reganらが参加していて、
モノトーンになりそうなサウンドを優しく彩っている。ドラムにはKING CRIMSONのPat Mastelotto、
ヴァイオリンで元NO-MANのSteve Binghamが参加、チェンバー風味の曲などもあり最後まで楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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The CUSTODIAN「Necessary Wasted Time」
イギリスのプログレバンド、カストディアンの2013年作
マルチプレイヤーのリチャード・トンプソンを中心にした4人編成で、
オルガンなどを含むシンセなど古き良きプログレのやわらかな感触を継承しながら、
それをよりマイルドでスタイリッシュに仕上げたという、耳触りのいいキャッチーなサウンド。
ポストプログレ的な繊細な叙情と、アコースティカルな素朴さを、モダンに味付けしたという作風で
その落ち着いた聴き心地は、新鋭バンドとは思えぬ自然体のおおらかさと懐の大きさを感じさせる。
強いインパクトはないのだが、とにかく調和のとれたセンスの良さが光る好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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CYAN「THE CREEPIG VINE」
FIREWORKSの中心人物、ロブ・リードによるバンド、サイアンの3rd。1999作
やわらかみのあるシンフォニックロック作品で、やさしげなキーボード、ピアノに
メロディアスなギター、中音域のマイルドなヴォーカルと非常にまとまりのある心地よいサウンドだ。
曲によってはフルートなども入ってトラッドなテイストもあり。PENDRAGONのニック・バレットもゲスト参加している。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 優しい質感度・・8 総合・・7.5

CYAN「ECHOES」
MAGENTAで活躍するRob Reedを中心にしたシンフォニックロックユニット、サイアンの1999作。
初期の楽曲をリミックスしたベスト盤で、いかにもポンプ〜90'シンフォニックといった類型的なシンセワークと、
メロディアスなギターのフレーズが重なり、PENDRAGONにも通じる質感で聴かせる。
曲自体はあまりに王道すぎてやや面白みには欠けるものの、英国らしい叙情とメロディにこだわる姿勢には敬服するし、
こうしたまっすぐなシンフォが聴きたいという方には心地よい音だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5




Darwin's Radio「Template for Generation」
イギリスのシンフォニックロック、ダーウィンズ・レイディオの2009年作
元GREY LADY DAWN、現IQのシンセ奏者、FROST*のDec Burkeを中心にしたバンドで、
きらびやかなシンセと抜けの良いギターで、キャッチーなメロデイと知的な構築力で聴かせる、
モダンなシンフォニックロックサウンド。インストパートの充実はFROST*にも通じる感触で
ヴォーカルの入ったやわらかでキャッチーな軽妙さは、IT BITES的でもある。
19分、11分、13分という大曲3曲という構成で、ドラマティックで重厚な聴き心地は、
ARENAあたりのファンにも薦められる。高品質な英国モダンシンフォの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・8 総合・・8
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DAVE BAINBRIDGE「VEIL OF GOSSAMER」
IONAのギタリストでリーダー、デイブ・ベインブリッジのソロ作。2004年作
ケルティックなトラッドをロックと融合させ、極上の音楽を作り出したIONAは来日公演も果たすなど、
日本でもプログレファンを中心にその認知度は確実に上がってきている。
本作の参加メンバーには、かつてのIONAのメンバーや現メンバーらも名を連ね、
ヴォーカルにはジョアンヌ・ホッグはじめ、メイ・マッケンナ、KARNATAKAのレイチェルも参加。
サウンドの方は「OPEN SKY」にもあったような、ケルティックなギターメロディのインストを中心に
シンフォニックな味付けのなされたケルティック・シンフォニックロックとなっている。
しっとりと美しいピアノや、女性Vo陣による優美なコーラスなど、全編アイリッシュな感性が美しい傑作である。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 優美度・・10 総合・・8.5
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Dave Bainbridge 「Celestial Fire」
スコットランドのケルティックロック、IONAのギタリスト、デイブ・ベインブリッジのソロ。2014年作
ソロとしては2004年作「VEIL OF GOSSAMER」以来で、前作も素晴らしい傑作であったが、
本作は10分を超える大曲を中心にした、シンフォニックプログレ寄りの大作。バグパイプが鳴り響くイントロから、
美麗なシンセアレンジとメロウなギターワーク、手数の多いドラムとともに構築されるサウンドは、
ケルトとロックのダイナミックな融合という点で、MIKE OLDFIELDなどにも通じる聴き心地である。
男女ヴォーカルの歌声を乗せた優美な感触と、ドラマティックなスケール感が合わさった雄大な作風で、
艶やかにヴァイオリンが鳴り響くところは、SAGRADOなどを思わせる。まさにプログレ・ケルティック・シンフォの傑作だ。
ジョアンヌ・ホッグ、トロイ・ドノックリーらIONA関連のメンバーに加え、THRESHOLDのダミアン・ウィルソン、
AJALON、Neal Morse BANDのランディ・ジョージなど、多数のゲストが参加。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 雄大度・・9 総合・・8.5
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David Foster 「Dreamless」
イギリスのミュージシャン、デヴィッド・フォスターの2016年作
Mr. SO & SOSteve Rothery BandPanic Roomなどでも活躍するギタリストで、
女性ヴォーカルの歌声を乗せた、アンニュイでモダンな翳りに包まれたメロディックロック。
オルタナ寄りのハードな感触もあったりと、全体的にプログレ的な要素は薄いのだが、
女性声を乗せた薄暗く淡々とした浮遊感とともに、うるさすぎない耳心地で楽しめる。
Dinet Poortmanという女性シンガーをメインヴォーカルに、Mr. SO & SOのシャーロット・エヴァンス、
Panic Roomのアン・マリー・ヘルダーがゲスト参加。スティーブ・ロザリーもギターで参加している。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Davy O'list 「Second Thoughts」
イギリスのミュージシャン、デイヴィッド・オリストの2015年作
The NICE、ROXY MUSIC、JETなどで活躍したギタリストで、本作ではヴォーカル、シンセ、トランペットもこなしている。
サウンドは、オルガンやムーグを含むシンセに、オールドな味わいのギターワークとマイルドなヴォーカルを乗せた
キャッチーな英国ロックという感触で、70年代を思わせるアダルトなクラシカルロックの趣をほどよく残している。
一方ではプログレらしい展開力のインストパートや、メロウなギターにシンセを重ねたプログレハード風味など、
歌パートとのコントラストで決して地味ではない耳心地で、結果としてシンフォニックな雰囲気でも楽しめたりもする。
ラストは14分の大曲で、美しいシンセにメロディックなギター、トランペットも加わった、優雅なシンフォニックロックを展開。
やわらかな英国プログレが味わえる好作品である。The Tangentのアンディ・ティリソンがシンセで参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Dead Heroes ClubTime of Shadow
アイルランドのプログレバンド、デッド・ヒーローズ・クラブの2010年作
古き良きブリティッシュテイストのロック感覚に、シンセやオルガンなどで
シンフォニックな要素を付加したというサウンド。10分以上の大曲もあり、
初期GENESIS的なドラマティックな世界観もなかなか魅力的だ。
全体的には古めかしい感じで、URIAH HEEPなどが好きな方にも楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Dead Heroes Club 「Everything Is Connected」
アイルランドのプログレバンド、デッド・ヒーローズ・クラブの2013年作
古き良きブリティッシュテイストのロック感覚で、前作もなかなかの好作であったが、
本作も70年代テイストを感じさせる、アダルトなプログレ・ハードロックが楽しめる。
渋さのあるヴォーカルの歌声もサウンドにマッチしていて、全体的に派手な演奏はないものの、
オルガンやピアノも加わったやわらかな牧歌性も含めて、どこかなつかしく鑑賞できる。
8分、10分という大曲もありつつ、あくまで自然体の叙情性と大人の味わいで聴かせる好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 大人の叙情度・・8 総合・・8
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Dec Burke「Destroy All Monsters」
イギリスのミュージシャン、デック・バークの2010年作
FROST*にも参加したギタリストで、ヴォーカル、シンセもこなすというマルチプレイヤー。
本作では曲ごとにベース、ドラムのゲストプレイヤーを迎えて、きらびやかなシンセワークと、
プログレハード風味のキャッチーなメロディが合わさったレベルの高いサウンドは、
やはりFROST*にも通じる部分があり、軽妙なアレンジセンスなどはときに、IT BITES的でもある。
全体的にはデジタル気味の音圧バランスがやや一本調子に感じるのが惜しいのだが、
HAKENなど新時代のモダンプログレのひとつの形を描くような見事な好作品である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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DEC BURKE 「Paradigms & Storylines」
イギリスのミュージシャン、デック・バークの2011年作
当時、FROST*で活躍していたギタリストで、ヴォーカル、シンセもこなすというマルチプレイヤー。
マイルドなヴォーカルとキャッチーなメロディをモダンなアレンジで包み込んだ、メロディックロックサウンドで、
美しいシンセアレンジに流麗なギターを乗せた、英国らしいウェットな叙情性のプログレハードとしても楽しめる。
随所にやはりフロストを思わせるモダン・シンフォニックの感触も含みつつ、プログレらしさにとらわれない
ポップ感を取り入れたセンスもさすが。ラストは15分を超える大曲で、叙情的なメロディとドラマティックな流れで
重厚なシンフォニックロックが楽しめる。元CANDLEMASSのCarl Westholmなどが参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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DeeExpusHalf Way Home
イギリスのシンフォニックロック、ディーエクスプスの2008年作
シンセ奏者を含む5人編成で、適度なヘヴィさを含んだモダンなシンフォニックサウンド。
随所にメロウなギターフレーズも聴かせつつ、きらびやかなシンセアレンジに包まれたサウンドは
いくぶんの薄暗い叙情とともに、ARENAPALLASなどにも通じる雰囲気がある。
キャッチーなメロディで聴かせる曲や10分以上の大曲なども含め、どれも英国らしい世界観で
高品質に構築されている。英国モダン・シンフォ期待の新鋭。続く2ndも見事な出来です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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DeeExpus「King of Number 33
イギリスのシンフォニックロック、ディーエクスプスの2012年作
MARILLIONのシンセ奏者も参加するバンドで、前作もモダンなシンフォニックロックの力作だったが、
2作目となる本作も、美しいシンセアレンジとメロウで適度にハードにギターワークを乗せた高品質な作品だ。
ARENAあたりに通じる重厚さと、きらびやかなシンセワークが一体になりマイルドなヴォーカルの歌声とともに
ドラマティックに構築させるサウンドは、英国らしい誇り高き叙情に包まれていて、なかなか素晴らしい。
とくに26分におよぶ組曲は圧巻だ。PALLASなどのファンにもぜひ聴いて欲しい逸品です。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 構築度・・8 総合・・8
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Diagonal
イギリスのヴィンデージ・プログレロックバンド、ディアゴナルの2008作
スウェーデンからはBLACK BONZOBEARDFISHをはじめ、レトロなバンドが増えてきていたが
今度はイギリスからものすごいバンドが登場した。メンバー7人中、3人がギターを弾き、
6人がシンセをこなすというから、懐古主義的サウンドでありながらも音の厚さがすごい。
70'sブリテイッシュハードロック風のギターにメロトロン、オルガンが重なり、Atomic Roosterもかくやというアンサンブルでたたみかけ、
ときに美しいピアノやサックス、クラリネットなども入ったりして、節々にはどこかポストロック的な壮大さもある。
抜けきらない音質もひどくアナログ的で、生々しいドラムの音などはある意味たまらない。
全5曲が10分前後の大曲という、まさにレトロプログレを極めたような力作。マイスペはこちら
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
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DIAGONAL「Second Mechanism」
イギリスのヴィンデージ・プログレロックバンド、ディアゴナルの2012作
前作も Atomic Roosterばりの70'sブリティッシュハードロック風の力作だったが、
本作もアナログ感たっぷりのアンサンブルで、生々しいドラムとベースのリズムに、
サイケ調のギターフレーズが重なり、トランペットやサックスなどの音色も含みつつ、
迫力あるサウンドを聴かせる。うっすらとしたメロトロンやスペイシーなシンセアレンジは
ときにHAWKWIND的でもあったりして、サイケ風味のプログレリスナーなら楽しめること請け合い。
ほぼオールインストなのだが、音にはミステリアスな得体の知れなさがあって、聴いていてワクワクする。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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DBA 「PICTURES OF YOU」
ジェフ・ダウンズとクリス・ブレイドのユニット、ダウンズ・ブレイド・アソシエイションの2012年作
シンガーにして作曲家、プロデューサーとしての顔も持つクリス・ブレイドと、バグルズ、イエスで活躍したジェフ・ダウンズという、
このコンビで作られたイメージ通りのサウンドで、美しいシンセアレンジとマイルドなヴォーカルを乗せた、
モダンでキャッチーなプログレハード。打ち込みのドラムによる80年代ルーツのシンプルなビート感に、
ときにメロディックなギターを加えた耳心地の良さは、バグルズなどが好きな方には普通に楽しめるだろう。
1曲目は13分という大曲ながら、シンセの重ねによるシンフォニックな感触もあったり、間延びせず聴き通せる。
その後は4分前後のコンパクトなナンバーが並び、じこく普通のAORという感じなのだが、それが心地よいのだな。
メロディック度・・8 プログレ度・・6 80'sAOR度・・8 総合・・8
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Downes Braide Association 「Suburban Ghosts」
ジェフ・ダウンズとクリス・ブレイドのユニット、ダウンズ・ブレイド・アソシエイションの2015年作
2作目となる本作も、前作同様に、AOR的なきらびやかなシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せた、
聴き心地の良いキャッチーなメロディックロック。今作もドラムは打ち込みのようだが、モダンなAORというべきこのサウンドには、
違和感のないデジタル感覚となっていて、むしろそのシンプルなリズムが80年代風味を確信犯的にかもしだしている。
楽曲そのものには、これという新鮮味はないのだが、アレンジャーとしての確かな力量とサウンドセンスが
クオリティの高いレベルで結実した好作品といえる。リー・ポメロイ(IT BITES)、デイヴ・グレゴリーがゲスト参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・6 80'sAOR度・・8 総合・・8
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DRIFTING SUN 「Safe Asylum」
イギリスのシンフォニックロック、ドリフティング・サンの2016年作
90年代から活動するキャリアのあるバンドで、美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカル、
メロウなギターで聴かせる、正統派のシンフォニックロック。ヨーロピアンな湿り気を感じさせる泣きの叙情に、
適度にマイナー臭さを含んだ垢抜けない雰囲気も、この手のシンフォ好きにはむしろ嬉しいかもしれない。
10分を超える大曲も、あくまで叙情とメロディ重視で、派手さはないが優雅な耳心地の良さで楽しめる。
フルートやストリングスを含む優美なアレンジのナンバーなど、叙情派のシンフォファンはチェックです。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 マイナーシンフォ度・・8 総合・・7.5
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EDEN SHADOW「Hail」
イギリスのシンフォニックロック、エデン・シャドウの2012年作
若手3人組による新鋭バンドの4曲入りデビューミニ。いくぶんハードめのギターと美麗なシンセアレンジで聴かせる、
ARENAなどを思わせる正統派のシンフォニックロックスタイル。メロディ指向の聴き心地とモダンな薄暗い叙情が合わさって、
オーインストであるがなかなか楽しめる。MAGENTAのロブ・リードがゲスト参加
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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EDEN SHADOW「Phases」
イギリスのシンフォニックロック、エデン・シャドウの2014年作
2012年のデビューミニに続く1stフルアルバム。マイルドなヴォーカルで聴かせるポストプログレ的な繊細さと
Marillionあたりから受け継いだようなしっとりとした叙情性を含んだサウンドで、適度にモダンなハードさもある。
ほの暗いハードシンフォという点では、ARENAなどにも通じる雰囲気であるが、シンセの比重が高くないので、
シンフォニックな泣きに関しては物足りなさがある。キャッチーな路線でいくのか、ポストプログレにするのか、
いくぶん煮えきらないところが惜しい。今後は楽曲ごとのフックやメロディなどを磨いていってもらいたい。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・7 総合・・7
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Edison's Children 「In the Last Waking Moments」
イギリスのモダンプログレ、エジソンズ・チルドレンの2011年作
Marillion、Transatlanticで活躍する、ピート・トレワヴァスと、アメリカのミュージシャン、エリック・ブラックウッドによるユニットで、
うっすらとしたシンセとマイルドなヴォーカルとともに、マリリオンにも通じる薄暗しいメロウな叙情で聴かせる、
繊細なポストプログレ風のサウンド。全体的には、プログレというよりは、メロディックロックというべき曲もあるが、
ARENAあたりを思わせるモダンなシンフォニックロック風味もあり、泣きのギターを含んだ15分の大曲など
聴き心地のよい力作に仕上がっている。個人的にはもっとドラマティックな展開美があればとは思うが。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Edison's Children 「Somewhere Between Here & There」
イギリスのシンフォニックロック、エジソンズ・チルドレンの2015年作
MarillionTransatlanticのピート・トレワバス率いるバンドで、本作は未発曲や別ミックスなど15曲を収録。
適度にキャッチーかつ繊細な叙情性を含んだサウンドは、プログレというよりはメロウな叙情ロックという趣で
本作ではとくに歌もの主体のわりとシンプルなナンバーが多い。相方であるリック・アームストロングと
トレワバスがほとんどの楽器とヴォーカルをこなしている。キャッチーなコーラスハーモニーなどは、
部分的にトランスアトランティックに通じる感触もあり、古き良き英国ロック調のナンバーなどもゆったり楽しめる。
プログレやシンフォとしては少し物足りないかもしれないが、トレワバスのファンならチェックしてよいだろう。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Elegant Simplicity「ANHEDONIA」
イギリスのシンフォニックユニット、エレガント・シンプリシティの2004作
ギター、ベース、キーボード、フルートをこなすマルチプレイヤーとドラムの2人ユニットで、
曲はオールインストで大曲中心。メロトロンやハモンド、ムーグなどが鳴り響く、
ぱっと聴きにはたまらないサウンドであるが、この手の自主制作にありがちな
自己満足的な長尺感があり、途中から曲として聴くのがつらくなってくる。
シンセの方はいいとしても、ギターの音色は繊細さに欠けてやや耳障りだし、
リズム面もだらだらとしていて、長くてシンフォニックという以外にはさして聴き所がない。
ある意味、自主制作による才能の限界を教えてくれるような一作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・7

Engineers 「Always Returning」
イギリスのポストプログレ、エンジニアーズの2014年作
G&B、Key、Drのトリオ編成で、美しいシンセアレンジに、適度にロック色のあるギター、
やわらかなヴォーカルを乗せ、繊細な叙情を描くポストプログレ的なサウンド。
ゲストによる女性ヴォーカルも加わって、スペイシーなシンセアレンジとともに
しっとりと優美な聴き心地に浸れる。適度にエレクトロな感触やキャッチーなところもあって
モダンなポストプログレ、シューゲイザー要素とエモーショナルロックをバランスよく融合させている。
派手さやインパクトのある展開というものはないのだが、耳触りのよいサウンドが楽しめます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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ESP 「Invisible Din」
イギリスのプログレユニット、ESPの2016年作
BRAM STORKERのトニー・ロウと、BIG COUNTRYのマーク・ブルゼジキによるユニットで、
メロトロンやムーグ、オルガンを含む古き良きシンセとメロウなギターに、やわらかなヴォーカルを乗せ、
ゆったりとした叙情を描くシンフォニックロックサウンド。キャッチーな繊細さで聴かせる歌もの的なプログレハード色もありつつ、
元VDGGのデヴィッド・ジャクソンのサックスが大人の哀愁をかもしだす。曲によってはオールドなブリティッシュロック色も覗かせ、
英国らしい湿り気に包まれた優美な空気感は、ギター、ベース、シンセにヴォーカルもこなすトニー・ロウの
マルチな才能とアレンジセンスによるものだろう。ラスト2曲ではデヴィッド・クロスのヴァイオリンも美しい。
LANDMARQのスティーヴ・ジー、LIFESIGNSのジョン・ヤングなど多数のゲストが参加している。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 英国の叙情度・・9 総合・・8
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THE FAR MEADOW 「GIVEN THE IMPOSSIBLE」
イギリスのシンフォニックロック、ファー・メドウの2016年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、ハスキーな女性ヴォーカルとアコースティックギターによる
英国フォーク風味の牧歌的なイントロから、叙情的なギターにプログレらしいシンセを乗せて、
優美なシンフォニックロックを展開する。緩急のある展開力は、ときにエキセントリックな唐突性もあり、
女性声によるキュートな聴き心地の中に、ときに先の読めないスリリングな空気感を描いている。
16分を超える大曲も、きらびやかなシンセとメロウなフレーズを奏でるギターを前に出したインストパートと、
やわらかなヴォーカルパートが合わさったダイナミックなサウンドが楽しめる。ラストのスカーボローフェアのアレンジも見事。
英国の女性声シンフォとしては、Mostly AutumnKARNATAKAMagentaに続く存在となれるか、期待大のバンドです。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Felamid 「September Garden」
イギリスのシンフォニックロック、フェラミッドの1994年作
美しいシンセアレンジに、いくぶんアマチュア臭いヴォーカルを乗せた、
ファンタジックな感触のシンフォニックロック。ポンプロックルーツのスタイルであるが、
キャッチーな歌メロなどはむしろアメリカのバンドを思わせる。
打ち込みのようなメリハリのないドラムやヴォーカルの素人臭さは正直聴くのがつらいのだが、
随所にメロウなギターやシンセによる優雅な雰囲気は悪くない。そして全15曲76分は長すぎる。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7


Final Conflict「Simple」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ファイナル・コンフリクトの5th。2006作
90年代初頭から活動するバンドで、以前2ndを聴いた記憶があるが、まだ活動していたとは。
サウンドはかつてのポンプロックからの流れを感じるGENESISタイプのシンフォニックロックで、
典型的ではあるが、モダンなシンセアレンジとギターの絡みがなかなか心地よい。
ときにシアトリカルに声を張り上げるヴォーカルなどはやや時代的な大仰さを感じさせ、
メロディには昨今のスタイリッシュなシンフォ系バンドとは一線を画すクサさがある。
PENDRAGONあたりが好きなリスナーなら、まずまず楽しめる作品だと思う。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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FINAL CONFLICT「Another Moment in Time: Live
イギリスのプログレバンド、ファイナル・コンフリクトのライブ作品。2009年作
90年代から活動するベテランバンド、2008年のポーランド公演を収録した作品。
ツインギターによる適度にハードなサウンドとシンセによるシンフォニックな味付けで
キャッチーかつドラマテイックに聴かせる作風は、PENDRAGONやPallasにも通じる
英国ポンプルーツの雰囲気がある。随所にメロウな泣きのギターも入りつつ、
安定した演奏とメロディアスな味わいで楽しめる、大人のハードシンフォニックライブ。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 大人のハードシンフォ度・・8 総合・・7.5
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Final Conflict 「Return of the Artisan」
イギリスのプログレバンド、ファイナル・コンフリクトの2012年作
90年代初頭から活動するベテランバンドで、本作はおそらく2006年作から6年ぶりとなる作品。
適度にハードなギターとオルガンを含むシンセワークとともに、いくぶんモダンな感触で聴かせるハードシンフォサウンド。
ARENAのような薄暗い叙情とメロウなギターフレーズも随所に現れ、ベテランらしいダイナミックな展開力とともに、
8分、10分という大曲を構築してゆく。古き良きポンプロックルーツに、ドラマティックな解釈を盛り込んだ、モダンシンフォの力作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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FISH「Return to Childhood」
MARILLIONフィッシュによるライブアルバム。2006作
MARILLIONの名作「Misplaced Childhood」の20周年を記念した公演を収録したもの。
MARILLION脱退後のFISH名義のソロ作から選曲されたDisc1は、独特の枯れた味わいの歌声と
キャッチーなメロディで聴かせるメロディックロック。disc2は「Misplaced Childhood」
完全再現を含む演奏で、プログレファンにはやはりこちらが目玉だろう。
時代を超えてポンプロックのコンセプト作品が感動的に蘇る。
メロディアス度・・8 フィッシュ度・・7 マリリオン度・・8 総合・・7.5
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Flash Range「On the Way」
FROST*のメンバーを中心としたユニット、フラッシュ・レンジのミニアルバム。2009作
サウンドの方は、IT BITESを思わせるキャッチーなプログレハードで、
美しいシンセワークにメロディアスなギターで聴かせる、比較的コンパクトなスタイル。
ジョン・ミッチェルがヴォーカルをとることからも、新生IT BITESのリスナーにもアピールするだろう。
爽やかさと叙情の詰まった耳心地のよい音である。フルアルバムに期待したい。
メロディアス度・・8 プログレ度・7 キッャチー度・・8 総合・・7.5
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Francis Lickerish 「Far and Forgot」
イギリスのギタリスト、フランシス・リカリーシュの2012年作
The ENIDのオリジナルメンバーであり、本作は2009年のSecret Greenの続編というべき作品。
オーケストレーションを含んだ壮麗なアレンジで、コンセプチュアルな雄大さを描き出すシンフォニック大作。
かつてのEnidを思わせる叙情豊かなギターの旋律と、フルート、チェロ、オーボエ、トランペットなど管楽器が合わさり
美しい女性ヴォーカルの歌声とともに、繊細にして優美なサウンドを構築してゆく。ロック的な躍動感は薄いのだが、
いくぶんケルティックな味わいも含みつつ、あくまで優雅でクラシカルな味わいにはうっとりとなる。
そして、ラストの30分におよぶ組曲は、かつてのエニドの組曲“Fand”を思わせる美麗なる一大シンフォニック大曲だ。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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FROST* 「MILLIONTOWN」
イギリスのプログレバンド、フロストの2006年作
キーボーディストJEM GODFREYを中心に、ARENAKINOでも活躍するJOHN MITCHELL、IQのJOHN JOWITT、
ANDY EDWARDSらによるユニットで、美麗なシンセワークとともに、メロディアスに構築されるサウンドは、
ARENA+IQというか、あるいはむしろTRANSATLANTIC風のキャッチーさを合わせたという雰囲気だ。
かといって、レトロな部分よりもモダンさと、うっすらとした翳りがあるのはKINOにも通じるだろうか。
メンバーが実力者なだけに、音にはせこさというものがまったくなく、メジャー感すら漂うダイナミズムが素晴らしい。
中盤はモダンな感触の中庸曲もあるが、ラストのタイトル曲での見事な構成力はさすがです。
メロディアス度・・8 モダンプログレ度・・8 完成度・・9 総合・・8
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FROST*Experiments in Mass Appeal」
イギリスのプログレバンド、フロストの2nd。2009年作
英国ポップシーンのプロデューサーにしてキーボーディスト、Jem Godfreyを中心に
ARENAKINOでも活躍するJOHN MITCHELLらによるスーパーバンドとして結成された。
前作はダイナミズムとモダンなアレンジによるシンフォニックロックの傑作であったが、
今作では、いわゆるUKロック的なキャッチーさと、PORCUPINE TREE系の薄暗さを前に出した
作風になっている。もちろん多彩なシンセワークによるプログレ的なアレンジも聴けるが、
全体的にはより普遍的なメロディックロックへと接近、近年のMARILLIONKINOに通じる
やわらかみとモダンさが特徴的。プログレとして聴くよりは、シンフォニックなUKロックというべきか。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 UKロック度・・8 総合・・8
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FROST*「The Philadelphia Experiment」
イギリスのプログレバンド、フロストのライブ作品。2010年作
シンセ奏者、ジェム・ゴドフレイを中心に、ジョン・ミッチェル(IT BITES)、ジョン・ジョーウィット(IQ、ARENA)、
ニック・ディヴァージリオ(SPOCK'S BEARD)といったメンバーが参加したスーパーバンド、
本作は2009年のアメリカでのライブを収録した2CDにドキュメントDVDが付いた3枚組の作品。
キャッチーな歌メロと軽やかな展開美で聴かせるサウンドは、ライブ演奏でもしっかりと再現されている。
躍動感のある確かなテクニックのリズム隊を土台にして、美麗なシンセワークとメロウなギターの旋律を随所に織り込み、
インストパートでの説得力あるアンサンブルを描き出すのはさすが。とくに27分に及ぶ大曲“Milliontown”の再現は圧巻だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏度・・8 総合・・8
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FROST* 「The Rockfield Files」
イギリスのプログレバンド、フロストのライブ作品。2013年作
2006年、2009年に2作を残し、2010年にライブ音源を発表するも、その後、活動を中止していたが
本作は2013年のスタジオライブセッションを収録した復活音源。ジェム・ゴドフレイ、ジョン・ミッチェル(IT BITES)に加え、
新たに、ベースにネイサン・キング(IT BITES)、ドラムにクライグ・ブランデル(David Cross BAND)が参加、
傑作である1st「MILLIONTOWN」の楽曲を中心に、2ndの曲や未発曲も披露、テクニックのあるメンバーたちによる
シャープでダイナミックなアンサンブルで、よりモダンな感触となったキャッチーなネオプログレサウンドが楽しめる。
1stのタイトル曲である24分を超える大曲も見事な構築力で再現。スタジオアルバム以上に躍動感のある演奏が楽しめる、
ファンならび必聴のライブ作品であろう。同セッションの映像やインタビューの入ったDVD付きの2枚組仕様。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 演奏度・・9 総合・・8
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Frost* 「Falling Satellites」
イギリスのプログレバンド、フロストの2016年作
キーボーディストJEM GODFREYを中心に、ARENAIT BITESでも活躍するJOHN MITCHELLらとともにに結成、
2006年「MILLIONTOWN」は現在形シンフォプログレの傑作として記憶に新しいが、2作を発表後いったん活動を停止
本作はスタジオ作品としては2009年以来となる3作目である。モダンなアレンジと軽快なビート感に包まれた、
キャッチーなメロディックロックという趣で、きらびやかなシンセにデジタルなエフェクトを含んだ感触は、
プログレというよりはミクスチャーロックという雰囲気もする。現在形プログレよりさらに先を行くというセンスでは
かつてのIT BITES的でもあるスタイリッシュな美学も感じさせるが、一方ではポストプログレ的な繊細な叙情も含んで、
適度にハードかつシンフォニックな味付けもなかなか心憎いバランスだ。なんだかんだでクオリティの高い傑作ですな。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 モダン度・・9 総合・・8 
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GALAHAD 「In a Moment of Complete Madness」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの1993年作
PENDRAGONやPALLASなどに続く、ポンプロックルーツのネオプログレバンドの2作目。
美しいシンセアレンジに、適度にハードなギターとマイルドなヴォーカルで聴かせる、
いかにもGENESISルーツのサウンドだ。全体的にスリリングな展開というものはあまりないが、
キャッチーな爽やかさが前に出ていて、とても耳心地はよい。爽快な感触は、CASTANARCあたりにも近いか。
ペンドラゴンなどのメロディアスさが好きな方ならこちらも充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ポンプ度・・8 総合・・7.5
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GALAHAD「SLEEPERS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの1995年作
1st「未だ綴られぬ伝説 」は日本盤も出たものの、あまりぱっとしなかった記憶があるのだが、
本作はシンフォニックというよりは、MARILLIONなどを思わせるゆるやかなメロディックロックという質感。
10分台の大曲も含めて、全体的にゆったりと耳触りは良いが、プログレとしてはひっかかり所が少なく、
つい聞き流してしまうのは、どことなくメジャー感のあるキャッチーな分かりやすさのせいかもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7
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GALAHAD「Year Zero」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2003年作
本作は初期のサウンドに比べればよりダイナミックなハードシンフォニックになっていて
PALLASあたりに通じるドラマティックで壮大なサウンドはなかなかのものだ。
ハードロック的なギターワークにシンフォニックなシンセが絡み、随所にコーラスもまじえつつ
キャッチーなヴォーカルが歌を乗せるサウンドは、90年代のポンプの質感を残しつつ
PENDRAGON的な泣きの叙情も聴かせてくれる。ヴォーカルの力量は正直いまひとつながら、
正統派の英国シンフォニックの生き残りとして、密かに応援してゆきたいバンドである。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・8 総合・・8
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GALAHAD「EMPIRES NEVER LAST」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2007年作。
本作は、初期の中庸のイメージからするとジャケといいサウンドといいずっと重厚になっていて、
ARENAPALLASかというようなドラマティックなハードシンフォを展開している。
ときにメタリックなギターに壮麗なシンセが加わると、ProgMetal系の質感すらも垣間見せ、
これならば軽すぎるシンフォ系プログレがだめという人にも薦められる。
10分台の大曲3つを含む計60分の力作は、バンド史上最高傑作となった。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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GALAHAD「Battle Scars」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2012年作
PENDRAGONPALLASに比べると知名度は低いが、90年代初頭から活動するベテランバンド、
本作はARENAにも通じる薄暗い情感を含んだモダンなハードシンフォニック路線の力作。
美麗なシンセアレンジとともに、PALLASなどを思わせる適度にハードな感触も含ませて
ベテランらしい安定感とともにドラマティックな世界観を聴かせてくれる。
随所にデジタリィなアレンジもあったり、モダンな薄暗系ロックとしても楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 モダンシンフォ度・・8 総合・・7.5
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GALAHAD「Beyond the Realms of Euphoria」
イギリスのシンフォニックロック、ギャラハドの2012年作
90年代から活動するベテランで、初期は典型的なポンプ路線、2000年代後半にはドラマティックな
シンフォニックハードへと進化してきていたが、今作はなんとダンサブルなノリをまとわせた異色作となった。
デジタリィなシンセアレンジと、適度にハードなギターを含んだシンフォニックサウンドが巧みに融合されていて、
これが意外や楽しめるのである。後半には、これまでのハードシンフォニックの王道的な楽曲もあるので、
これまでのファンの方もご安心を。新時代のモダン・シンフォを提示するかのような力作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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Gandalf's Fist 「Forest of Fey」
イギリスのシンフォニックロック、ガンダルフズ・フィストの2014年作
独自のファンタジーストーリーに基づいたコンセプト作品で、語りやSEを挿入した物語的な流れに
男女ヴォーカルの歌声と、適度なハードさを持ったProgMetal風味もある展開力で聴かせるサウンド。
しっとりした女性ヴォーカルパートの叙情性もよい感じで、全体的にはAYREONのドラマ性に、
ハードシンフォ的なメリハリのある展開を加えたという感触もあり、なかなかよろしいのであるが、
楽曲そのものの盛り上げ方というか、メロディの流れがもうひとつ突き抜けきれないのが惜しい。
ジョン・ミッチェル(IT BITES)、トロイ・ドノックリー(NIGHTWISH)、クライヴ・ノーラン(ARENA)らがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
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GANDALF'S FIST 「THE CLOCKWORK FABLE」
イギリスのプログレバンド、ガンダルフズ・フィストの2016年作
ファンタジーストーリーに基づいたコンセプチュアルなハードシンフォニックロックを得意とするこのバンド、
本作はなんとCD3枚組で、配役ごとに男女ヴォーカルやコーラスを配置した壮大なストーリーを感じさせる
ロックオペラ大作となっている。映画のようなナレーションで幕を開け、やわらかなシンセアレンジと、
美しい女性ヴォーカルを乗せ、ケルティックなメロディを含んだ叙情性とともに、優美なシンフォニックロックを描く。
オルガンやメロトロンなど古き良きプログレの感触を覗かせつつ、ストーリーを語るナレーションを随所に挿入しながら、
AYREON
ばりのファンタジックなロックオペラを展開してゆく。当のアンソニー・ルカッセンもゲスト参加しています。
CD3枚、3時間超はさすがに通しで聴くのは大変なのだが、バンドとしては渾身の力作というのは間違いない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
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THE GIFT 「AWAKE & DREAMING」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギフトの2006年作
メロトロンやハモンドを含めたレトロな感じのキーボードにややヘヴィめのギター、
そこにやわらかなヴォーカルが歌を乗せる、基本はGENESIS風でありながらも
モダンな薄暗さと叙情をもったサウンドだ。 長大な組曲2曲というアルバム構成ながら、
新人にしては力みもなく、ゆるやかな空間美を聴かせる場面もあってなかなかの出来。
後期MARILLIONあたりに通じるゆったりとした歌ものになる場面もあるが、
そこも含めて聴き通せるシンフォニックリスナーなら満足できるだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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The Gift 「Land of Shadows」
イギリスのプログレバンド、ギフトの2014年作
2006年のデビュー作は、Genesisルーツのシンフォニックロックの好作品であったが、
本作は8年ぶりとなる2作目で、語りの入った映画的なイントロと、アコースティックギターに
やわらかなピアノとジェントルなヴォーカルを乗せた大人の哀愁に包まれた雰囲気から、
ノリのあるアンサンブルに、ムーグシンセとメロウなギターが加わり、プログレらしい展開力と
メリハリある構築性で、ドラマティックなサウンドを聴かせる。メロトロンが鳴り響く叙情性もよろしく、
ラストは19分を超える組曲は、ストリングスを含む優雅でやわらかな感触の序盤から、
唐突にハードなパートも現れたりと、緩急ある展開が楽しめる。まさしく大人のシンフォ力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 大人の叙情度・・9 総合・・8
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The GIFT 「Why the Sea is Salt」
イギリスのプログレバンド、ギフトの2016年作
前作は大人のシンフォというべき見事な出来であったが、3作目となる本作も、
やわらかなピアノとシンセによるイントロから、メロウなギターワークにマイルドなヴォーカルを乗せ、
繊細な叙情を聴かせる正統派のシンフォニックロック・サウンドが広がってゆく。
10分前後の大曲に20分を超える組曲などをゆるやかに構築してゆくセンスもなかなかのもので、
英国らしいウェットな空気感の中に、キャッチーなメロディアス性も覗かせる。
スリリングな展開はあまりないが、安心して楽しめる叙情的な好作品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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GLACIER 「ASHES FOR THE MONARCH」
イギリスのシンフォニックロック、グレイシアの2015年作
結成は70年代というバンドで、美麗なシンセアレンジに枯れた味わいのマイルドなヴォーカルを乗せた
大人の叙情を漂わせる正統派のシンフォニックロック。メロウなギターにヴァイオリンが絡む、
優雅な美旋律と、Pallasあたりにも通じる英国らしいシンフォニックハードが合わさったという聴き心地。
技巧的な部分はないのだが、むしろ温かみのある幻想性で、やわらかな叙情美に浸ることができ、
ヴォーカルはときにジョン・ウェットンっぽくなって、結果としてASIA風味になったりと、80年代的なプログレハード感もある。
22分を超える組曲も、あくまで心地よいゆるやかさで、詰め込み過ぎていないところがかえって好感が持てる。叙情豊かな好作品。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8

Gordon Giltrap & Rick Wakeman 「From Brush & Stone」
アコースティック系のギタリスト、ゴードン・ギルトラップとリック・ウェイクマンによるユニット作品。2010年作
絵画や彫刻をテーマした作品で、アンソニー・フィリップスを思わせるような繊細なアコギの音色に
美しいピアノが絡む、じつに優雅な聴き心地。ウェイクマンの奏でるクラシカルなピアノの旋律は、
彼の長いキャリアの中でも、その美しさにおいては上位に来るような作品ではないだろうか。
オールインストなので、のんびりと聴き流してしまいがちであるが、各小曲はシンプルながらも、
じっくりと鑑賞しても楽しめる。耳心地の良さにうっとりと浸れる素敵な作品だ。
ドラマテイック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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Gordon Giltrap & Oliver WakemanRavens & Lullabies」
イギリスのギタリスト、ゴードン・ギルドラップオリバー・ウェイクマンの2013年作
サウンドは随所にアコースティックギターを挿入した繊細なシンフォニックロック。
オリバーのシンセワークは父であるリックを思わせるフレーズを随所に聴かせてくれ、
ARENAのPaul Manziの味わいのある歌声とともに、叙情豊かな聴き心地である。
キッャチーなメロディと素朴なアコースティックの同居という点では、Steve Hackettの作品などにも通じる
優しくメロウな感触に物語的な幻想美を加えた、ゆったりと楽しめる好作品に仕上がっている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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GUAPO 「Black Oni」
イギリスのアヴァンプログレ、グアポの2004年作
結成は90年代という、なにげにキャリアのあるバンドで、本作は鬼をテーマにしたコンセプト作。
ノイジーでヘヴィなギターが鳴り響き、美しいシンセを絡ませながら、不穏な空気感を躍動的に描く、
いわゆる「MAGMA/Zeuhl系」の作風に、暗黒性をたっぷりとまぶした重厚なサウンドを展開する。
ジャズロック、チェンバーロックというカテゴライズ不要な、凶暴なダークさとスリリングな緊張感が、
聴き手をじわじわと包み込む。UNIVERS ZEROをよりハードにしたという感触もあるが、
シンセのメロデイはときに優美ですらあって、メタル寄りのリスナーにも楽しめるかもしれない。
5パートに分かれた、44分のオールインストだが、最後まで張詰めた緊張感で飽きさせない。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・8 暗黒度・・9 総合・・8
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GUAPO 「History Of The Visitation」
グアポの2013年作
7作目となる本作は、のっけから26分の組曲で幕を開ける。サックスやトランペット、バスーン、ヴァイオリンなどが鳴り響き
うっすらとシンセが重なる不穏な空気感のイントロから、ギター、ベース、ドラム、シンセによる四人編成による
シンプルなアンサンブルへ移行する極端なギャップも含めて、聴き手に先を読ませないセンスは見事。
メロウなギターフレーズにシンセを重ねた優雅な叙情性も覗かせつつ、徐々にハードなヘヴィさと躍動感で、
アッパーなノリを強めながらサウンド盛り上げてゆく。適度なアヴァンギャルド性は決して難解過ぎず、
案外チェンバー/アヴァンロック初心者にも楽しめるだろう。DVDには2006年、2007年のライブ映像を収録。
ドラマティック度・・7 アヴァンギャル度・・7 暗黒度・・8 総合・・8
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GUAPO 「OBSCURE KNOWLEDGE」
グアポの2015年作
今作も25分の大曲で幕を開け、オルガンを含むシンセに、優雅なギタープレイを乗せた軽妙なアンサンブルで、
むしろメロディックなプログレ寄りの聴き心地も感じさせつつ、ときにノイジーなギターと反復するシンセによる
トリップ感と、レコメン系としての偏屈なアレンジを自然に溶け込ませている。本作ではタークさは控えめに、
ときに叙情的なギターフレーズも覗かせつつ、適度な緊張感のある展開力とともに壮大に大曲を描いてゆく。
もはやチェンバーロックというよりは、ミステリアスなプログレとして楽しむ方がよいかもしれないが、
湿り気のあるギターメロディにシンセが絡むあたりは、ダークなシンフォ系としても鑑賞可能だろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ミステリアス度・・8 総合・・8
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Haken「Aquarius」
イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2010年作
英国からハードシンフォニックの大型新人が登場、ツインギターにツインシンセの6人組で
シンフォニックなシンセワークと、ハードめのギターによる厚みのあるサウンドで、
ドラマティックな壮大さを聴かせる。一方ではとぼけた味わいの展開の妙も取り入れていて、
ヘヴィ・チェンバー的な味わいもあってなかなか面白い。メタリックな重厚さと知的なセンス、
ときにDREAM THEATER的なドラマ性も感じさせる。これは驚愕の新人が現れた。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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HAKEN「VISIONS」
イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2011年作
デビュー作にして新時代のハードシンフォニックの傑作と話題となったこのバンド、
本作も適度にヘヴィなギターワークと、メロディックな叙情性で構築される、
絶品のサウンドが楽しめる。プログレメタル的でもあるインストパートでの展開美は
テクニカルな要素とともに、いかにもプログレ的なシンセアレンジが融合され、
クールでありつつも古き良さもあるという感触が面白い。センスの良さという点では
The TANGENTにもすでに匹敵するだろう。ラストは22分の大曲も圧巻だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス度・・9 総合・・8
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HAKEN 「The Mountain」
イギリスのハードプログレバンド、ヘイケンの2013年作
過去2作もかなりの出来であったが、3作目となる本作はやわらかなヴォーカル曲で幕を開け、
美しいシンセワークに導かれて、適度なハードさとともにProgMetal的なテクニカルな構築力と、
キャッチーな軽快さを含んだサウンドが広がってゆく。そのアレンジセンスはやはり抜群だ。
メリハリのあるドラマティックな展開美とコンセプト的な壮大さに包まれたサウンドは、
あくまでメロディアスな聴き心地で、ときにGENTLE GIANTばりの遊び心も含んだ、
素晴らしい仕上がりには脱帽。シンフォニック、プログレ、ProgMetalと、どの耳でも楽しめる傑作。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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HAKEN 「Restoration」
イギリスのプログレバンド、ヘイケンの2014年作
初期のデモ音源の再録を含む、全3曲入りのミニアルバム。20分近い大曲を含む34分弱の内容で
テクニカルな展開力と適度にモダンなハードさを含んだ、ProgMetal感触の強いサウンドを聴かせる。
GENTLE GIANTルーツの軽妙な変拍子入りアンサンブルを、時代的なハードプログレに仕立てたという1曲目から、
2曲目になるとポストプログレ的な薄暗い叙情性も垣間見せる。目玉である20分の大曲にはマイク・ポートノイが参加していて、
古き良きプログレ/シンフォニックロック性を感じさせるキャッチーな質感とともに、ダイナミックな展開で描かれる、
TRANSATLANTICばりの優雅なスケール感が見事。古さと新しさを併せ持つこのバンドのセンスが再確認できる作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 ハイブリッ度・・8 総合・・8
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HAKEN 「Affinity」
イギリスのプログレバンド、ヘイケンの2016年作
2010年にデビュー、メタリックでハード感触と知的なテクニカル性にシンフォニックロックを融合させた
新時代のハイブリッド・プログレバンドとして注目を浴びる。フルアルバムとしたは4作目となる本作は、
80年代のコンピュータを思わせるシンプルなデザインに包まれているが、サウンドの方は適度なハードさに
Riversideあたりに通じるクールな構築センスと薄暗い繊細な叙情が交差する、モダンプログレとなっている。
スティーヴン・ウィルソンなどのポストプログレと、FROST*のようなキャッチーな展開力を合わせたというべきか、
ProgMetal的にも楽しめるハードさもありつつ、ときにメロウな耳心地と、しっかりとプログレらしさも感じさせるという、
心憎いバランス感覚である。ダイナミックな展開力を聴かせる15分の大曲もさすがというところ。文句なしの傑作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ハイブリッ度・・9 総合・・8.5
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Heather FindlayPhoenix Suite
Mostly AutumnのVo、ヘザー・フィンドレイのミニアルバム。2011年作
残念ながらMostly Autumnを脱退した彼女だが、今後はソロとしてやってゆくのだろうか。
その指針となる5曲入りのミニであるが、いくぶんダークめのメロディアスロックという感じで、
むしろAll About Eveなどにも近い作風。憂いを含んだ彼女のヴォーカルはよいけれど、
シンフォニックな感触はあまりないので、少々物足りなく感じるのはいたしかたなしか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Memories of MachinesWarm Winter
No-ManのTim BownessとNosoundのGiancarlo Erraによる、メモリーズ・オブ・マシンズの2011年作
プロデュースはスティーブン・ウィルソンで、想像通りのしっとりとした薄暗い叙情のサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジにもの悲しいヴォーカルの歌声が響きわたり、
アコースティックギターにピアノやチェロの音色が絡み、繊細な情感を描いてゆく。
優しく翳りのあるアンビエントなサウンドが好きな方なら気に入る作品だろう。
ロバート・フリップ、ピーター・ハミル、さらにはジム・マテオスといった多数のゲストが参加。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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HENRY FOOL
イギリスのモダン・シンフォニックロックバンド、ヘンリー・フールの2001作
PORCUPINE TREEが注目され始めて以降、こうした現代的な薄暗い叙情をもったサウンド…
いわゆるオルタナ・シンフォという言い方ができるバンドが、にわかに増えてきている。
このバンドもメロウな歌ものとしての側面と、プログレッシブで空間的な構築性とを併せ持っており、
悲しみの混じった叙情を表現しながら、ときおり音には怒りや不安感、倦怠感など、
現代的な人間のもつ多面的な感情をにじませた、内省的なサウンドとなっている。
メロトロンなどの使用法にしても、古くささよりもむしろそうしたモダンな哀愁を漂わせているのが特徴で、
かつてのプログレッシブロックでの表現方法とは異なり、人間の深い意識、繊細な感情にうったえる類の音だ。
ミキシングには、当のPORCUPINE TREEのスティーブ・ウィルソンも参加。
メロディアス度・・7 オルタナシンフォ度・・8 内的度・・9 総合・・7.5
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Henry Fool 「Men Singing
イギリスのポストプログレ、ヘンリー・フールの2013年作
No Manのヴォーカルが在籍するバンドで、2001年作以来となる2作目。
お洒落なモダンさと、サイケな浮遊感に、フリーキーなジャズロック色も含んだサウンドで、
うっすらとしたシンセアレンジにサックスやフルートなども加わった、やわらかな聴き心地。
いまをときめく、ポストプログレ系レーベル、KScopeからの作品ということもあって、
それ系のもの哀しい叙情も入りつつ、13分を超える大曲2曲を中心にした全4曲という構成で、
随所にプログレらしい妖しげなエキンセトリックさも垣間見せる。フィル・マンザネラも2曲に参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優雅な叙情度・・8 総合・・8
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I

I AM THE MANIC WHALE 「Everything Beautiful in Time」
イギリスのプログレバンド、アイ・アム・ザ・マニック・ホエールの2015年作
叙情的なギターの旋律にオルガンやピアノを含む、やわらかな鍵盤アレンジを乗せて、
A.C.TIT BITESあたりを思わせるキャッチーで爽快なサウンドを聴かせる。
16分、21分という大曲も、あくまでメロディ主導で、マイナー臭さのない抜けの良さと、
適度にテクニカルな展開力で、優雅に構築してゆく。新人ながらそのセンスの良さは見事。
コーラスハーモニーの美しさでは、Moon Safariなどのファンにもアピールするだろう。
メロディ派のプログレハード&トランスアトラン系大好きリスナーは必聴の出来ですな。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 爽快度・・9 総合・・8
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Ioearth
イギリスのシンフォニックロック、アイオーアースの2009年作
マルチプレイヤー2人によるユニットで、繊細なピアノの音色に導かれて、
やわらかなシンセに包まれながら、美しい女性ヴォーカルの歌声が入り、
ギターがメロウなフレーズを奏でてゆく。アコースティカルな叙情も含ませつつ
メロディックであることにこだわったサウンドは、かつてのJADISなどに通じるものがある。
まさしくシンフォニックロックの王道であるが、一方ではハードエッジな部分や、
ミスティックな雰囲気の幻想性もあって、インストパートがメインながらも飽きさせない。
CD2枚組のDisc2ではENIDばりのクラシカルな壮麗さも聴かせてくれる。力作です。
シンフォニック度・・8 メロディック度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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IOEARTH「Moments
イギリスのシンフォニックロック、アイオーアースの2012年作
前作はクラシカルな美意識で聴かせる王道のシンフォニック作品であったが、
本作はどこかオリエンタルなミステリアスさを感じさせる雰囲気とともに、
繊細さと雄大さの合わさった世界観で、センスのよいサウンドを構築している。
女性ヴォーカルの歌声もどこか神秘的で、モダンで浮遊感のあるシンセワークや
サックスやフルートなども含んだアレンジなど、定型のシンフォにとどまらぬ広がりのある作風だ。
反面、クラシカルな要素が薄れ、突き抜けきれないもどかしさも感じてしまうが、力作なのは間違いない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 雄大度・・8 総合・・7.5
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IOEARTH 「Live in the USA」
イギリスのシンフォニックロック、アイオーアースのライブ作品。2013年作
2012年アメリカでのステージを収録。女性Voにシンセ、サックス&フルート奏者を含む6人編成で、
8分前後の大曲を中心に、美しい女性ヴォーカルの歌声とともにじっくりと聴かせる内容。
随所にサックスやフルートによる叙情性と、メロウなギターワークも顔を覗かせながら、
派手すぎずにあくまでマイルドな聴き心地は、Mostly AutumnやPanic Roomなどにも通じる。
演奏面でのこれというインパクトがないので、全体的には少し地味な感じもあるのだが、
LANDMARQやMAGENTAなど、女性Vo系シンフォが好きな方はチェックして損はない。
ドラマティック度・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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IONA
イギリスのケルトロックバンド、アイオナの1st。1990作
ただのケルト音楽だと静かすぎてどうもね…という私のような人間にとっては
ケルトとロックを巧みに融合させたこのバンドは、まさに理想形のサウンドなのです。
さて、この1stですが、楽曲は比較的シンプルで、インスト曲はケルトメロディを前に出して軽快に、
歌ものはどちらかというとキャッチーでThe Corrsなどにも通じるものがあるかと。
ジョアンヌ・ホッグのヴォーカルも、まだ深みのある表現力はなく、むしろ初々しさがあります。
アルバムとしても後の深みのある世界観に比べると、まだ聴きやすさの方が勝っています。
それから、現在のドラマーも上手いが、ここで叩いているゲストドラマーもかなりの腕前ですね。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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IONA「The Book of Kells」
スコットランド出身のケルティックロックバンド、アイオナの2nd。1992作
8世紀にスコットランドのアイオナ修道院で制作され、アイルランドの国宝ともなっている
“世界一美しい”聖書の写本、「ケルズの書」をテーマにしたコンセプト作。
トラディショナルなメロディと現代シンフォニックの手法を融合したサウンドは、
決して難解にならない聴きやすさがあり、美しく壮大な雰囲気に包まれている。
ジョアンヌの歌唱が好きな方には、歌パートに頼らない今作は微妙かもしれないが、
シンセをバックに、メロウに鳴るギターやたおやかなフルートの音色が心地よく
後の作品「OPEN SKY」あたりにも通じる涼やかな雄大さが楽しめる。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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IONA「BEYOND THESE SHORES」
イギリスの女性Voケルトロックバンド、アイオナの3rd。邦題「ブレンダンの航海」1993作
今やこの手のケルティックなシンフォニックバンドもそこそこの地位を得てきているが、
こうしたサウンドをメジャーに押し上げたのは間違いなくこのバンドの功績だろう。
リーダーであるデイブ・ベインブリッジのメロウなギターに、紅一点、ジョアンヌ・ホッグの艶やかな歌唱は、
バンドの顔であり大きな魅力である。しっとりとした雰囲気に包まれながら、曲のアレンジはとても聴きやすく
シンフォニックロックとしても、ロック寄りのケルトミュージックとしても楽しめる。初めてアイオナを聴く方にもお勧め出来るアルバム。
シンフォニック度・・7 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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IONA「JOURNEY INTO THE MORN」
スコットランド出身のケルティック・ロックバンド、アイオナの4th。1995年作
トラディショナルなアイリッシュミュージックを、分かり易いロックに仕立て上げたこのバンド。
本作も歌姫、ジョアンヌの清澄な歌唱とともに、バックの演奏もまた絶品で、
アコースティック繊細さにシンセアレンジを取り入れた壮大なシンフォニックサウンドが感動を呼ぶ。
バンドの詳しいバイオはこちらのページを参照。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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IONA「-Live-Heaven's Bright Sun 」
スコットランド出身のケルティック・ロックバンド、アイオナのライブアルバム。1997作
このバンドの素晴らしさについてはいまさら説明するまでもないだろうが、
伝統的なケルトミュージックをバンド仕立てのシンフォニックロックに昇華し、
一般のリスナーにも親しみやすいサウンドを作り上げた彼らの功績は大きい。
さて、この1997年の英国でのライブ演奏であるが、スタジオ盤以上に溌剌としたサウンドが楽しめる。
曲は1stと、この時点での最新アルバム4th「Journey into the Morn」からのものが中心で、
ジョアンヌ・ホッグの伸びやかな美声を中心に、デイブ・ベインブリッジの素晴らしいギターワークが冴える。
バンドの屋台骨を支えるドラムの技量も抜群で、ときおり入るフルートやサックスの音色も美しい。
ケルト音楽好きの方も、女性Vo好きのシンフォニックリスナーにも、ぜひ聴いてもらいたい。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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IONA WITH THE ALL SOULS ORCHESTRA「WOVEN CORD」
シンフォニック・ケルトロックバンド、アイオナのオーケストラとの共演ライブ作。1999作
もともと演奏力とともに美しいケルトメロディ、そして歌姫ジョアンヌの素晴らしい歌唱、と
ケルトファンのみならずプログレ、シンフォニック、女性Voファンも楽しめるバンドがさらにスケールアップ!
オケが加わり壮大度が増し、しかも民族味も損なわず、歌も見事にバックに負けず美しく映えている。
バックはドラムもギターもロックしているのでHRファンでも楽しめそう。素晴らしいのひと言。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 壮大度・・10 総合・・9
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IONA「Open Sky」
スコットランド出身のケルティック・ロックバンド、アイオナの5th。2000年作
ロック寄りのケルトミュージックとしてそのサウンドを確立させつつあったこのバンドが、
さらなる壮大な作風で完成させた傑作アルバム。神秘的なシンセによるイントロからリズムが加わって
ケルティックなバグパイプが鳴り響く、このダイナミックなインスト曲からして素晴らしいのだが、
しっとりとヴァイオリンが鳴り、ジョアンヌ・ホッグの天上の美声が歌いあげる2曲目もまた絶品。
幻想的な美しさとミステリアスなケルトの風が感じられるシンフォニック/プログレ作品というのはなかなかない。
シンフォニックとロック、女性ヴォーカル、そしてケルトミュージックがまさに理想的に融合された傑作だ。
シンフォニック度・・8 ケルトロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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IONA「Live in London」
イギリスのケルティックロックバンド、アイオナのライブアルバム。
2004年ロンドン大学でのステージを収録したCD2枚組み。 アルバム「OPEN SKY」の冒頭を飾るインスト曲“Woven Cord”で幕を開け、
軽快に駆け抜けるなリズムの上を、バグパイプのメロディが爽快に鳴り響く。
Joanne Hoggの歌声は、温かみのある伸びやかな歌唱で、爽やかな風のように耳に心地よく、
Dave Bainbridgeのメロウなギタープレイに重なる、バグパイプに、ロウ/ティンホイッスル、ブズーキの音色、
そして、タイトで手数の多いドラミングは、バンドとしてのアンサンブルを見事に引き締めている。
幽玄なるケルトの風情と、ロックとしての躍動感を融合させた、このバンドならではの素晴らしいライブ演奏だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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IONA「Live in London」
イギリスのケルティックロックバンド、アイオナのライブDVD。2006作
2004年ロンドン大学でのステージを収録したDVD2枚組み「OPEN SKY」の冒頭を飾るインスト曲“Woven Cord”で幕を開け
軽快かつデイナミックなリズムの上を、バグパイプのメロディが駆け抜けてゆく爽快なサウンドが広がる。
その後いくつかの新曲や、アルバム「Journy into the Morn」からの曲をメインに進行してゆくが、
見所はバグパイプの他、ロウ/ティンホイッスル、ブズーキなどを弾きこなすTroy Donockleyの存在感や、
Dave Bainbridgeのメロウなギタープレイ、そして、Frank Van Essenの手数の多いドラミングは
バンドとしてのサウンドを見事なまでに引き締めている。シンセを弾き、ときにアコギを片手に歌う
Joanne Hoggは、温かみのある伸びやかな歌唱で、爽やかな風を運んできてくれる。
Disc2はアコースティックステージで、よりしっとりとした深みのある演奏を聴かせてくれる。
ケルトロック好きであれば一見の価値ある見事なライブ作品だ。
メロディアス度・・8 ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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IONAThe Circling Hour
イギリスのケルティック・シンフォニックロックバンド、アイオナの6th。2006年作
バンド作としては「OPEN SKY」以来6年ぶりとなる。前作はどちらかというとインスト重視だったが
今回はヴォーカルと演奏とのバランスがとれた、とても聴きやすい作品となっている。
ジョアンヌ・ホッグの歌唱は、歳月を経てかいっそう大人の落ち着きと調和を感じさせ、
バンドの要であるデイブ・ベインブリッジのギター、そしてキーボードでの活躍ぶりもさすがだが、
ドラマーの腕前もかなりのもので、ロックとしての躍動感とダイナミズムを曲に与えている。
また11分を超える大曲のCのように、ケルトミュージックへの回帰を思わせるナンバーもあり、
バンドとして原点を見直しながら、じっくりと作り上げられたようなアルバムに仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 雄大度・・8 総合・・8
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IONA「Another Realm」
イギリスのケルティック・シンフォニックロックバンド、アイオナの7th。2011年作
前作から5年ぶりとなる今作はCD2枚組の大作となった。しっとりとしたジョアンヌ・ホッグの歌声に
雄大なケルティックの風を感じるようなサウンドは、これまで以上に世界観を強めていて、
うっすらとしたシンセをバックに、繊細なギターのつまびきと、ヴァイオリンやパイプの音色が重なり
シンフォニックなケルトロックを描き出す。民族的なフレーズを違和感なくバンドサウンドに取り入れる
コンテンポラリーなセンスはさすがだし、15分を超える大曲などもゆったりと神秘的に聴かせてくれる。
デイブ・ベインブリッジのギターも流麗なフレーズを奏で、ロック的な躍動感をサウンドに付加している。
ベテランならではの自信と確かなアンサンブルが構築する、壮大なダイナミズムにあふれた力作です。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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IONA「Edge of the World」
スコットランド出身のケルティックロックバンド、アイオナのライブ作品。2013年作
1990年のデビューから、これまでにスタジオアルバム7枚を出しているケルティックシンフォの代表格。
本作はイギリスツアーからの音源をCD2枚に収録している。2011年作「Another Realm」からの曲を中心に、
これまでアルバムからの曲もたっぷり演奏。紅一点、ジョアンヌ・ホッグのしっとりと美しい歌声と、
デイブ・ベインブリッジのメロウなギターワークに、バグパイプやホイッスルの音色がかぶさる、
繊細にして叙情的なサウンドが楽しめる。ドラムを含めたリズム面の演奏力もしっかりとしていて、
インストにおける軽妙なアンサンブルもこのバンドの持ち味だろう。素晴らしい歌と演奏にうっとりのライブ傑作。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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IQ「The Wake」
イギリスのポンプロックバンド、アイキューの2nd。1985年作
ポンプロックの「POMP」には「華麗な/虚飾の」という意味があり、当時のイギリスではあまりよい意味では使われておらず、
それらがわが国でも初期のMARILLIONあたりへの「GENESISクローン」的な、過分に不当な扱いを容認する状況を生み出した。
もちろんこのバンドを含め、いわゆるポンプロックと呼ばれたバンドの大半がGENESISをルーツとして
生まれたものであることには疑いがないが、現在ではそうした「〜系」バンドという括り方は当然であるし、
最近のバンドにもGENESIS、YES、ELPらの音楽性を臆面もなくさらしている良質なシンフォバンドはたくさんいる。
そこで、まったくの偏見なしであらためてポンプロックでも聴いてみよう、という心境で購入してみた(長い前節 ^^;)
1st「Tales from the Lush Attic」の時点では、はっきりいって「ほぼジェネシス」であったサウンドであったが、
この2ndではGENESIS的部分はそのままに「華麗」な部分のみを抽出し、曲展開に無駄がなくなったという印象。
おそらく多くの人々がポンプという言葉を使うとき、MARILLIONの3rdや本アルバムを挙げるのではないだろうか。
今となって聴くと、古き良きヴィンテージ・シンフォとして普通に気持ちよく聴けるのも、
時代が一回りし、ポンプうんぬんも含めて「シンフォニック」という大きな括り方が可能になったからなのだろう。
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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IQ「Nomzamo」
イギリスのポンプロック、アイキューの3rd。1987年作
新たにヴォーカルにポール・メネルを迎え、前作「The Wake」のGENESIS風味を
いくぶんは残しつつも、よりキャッチーな作風へとシフトしたサウンド。
アレンジにおけるモダンなビート感はいかにも80年代的であるが、
随所にはっとするような美しいシンセアレンジやコーラスハーモニーなど、
むしろ、IT BITESやASIA、PALLAS的などに通じる感触でも楽しめる。モダンシンフォニックの先駆け的な好作品だ。
シンフォニック度・・7 GENESIS度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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IQ「Are You Sitting Comfortably?」
アイキューの4th。1989年作
「まんまGENESIS」だった1st、「GENESIS味のポンプロック」の2ndに比して、メジャーデビューした前作ではぐっとポップ寄りになり、
続く本作もその延長上の、非常にキャッチーで軽快なサウンドになっている。ようするに「ポップ」で、マニア以外にも聴ける音楽であり、
もうポンプだジェネシスクローンだなんだと、つまらぬことで非難されるべきではない音楽をやっている。
これを聴くとGENESISルーツで始まったポンプ系バンドも正統に進化はするのだ、ということがわかる。
それはMARILLIONにしてもPENDRAGONにしてもそうで、ルーツは同じでもバンドを続けてゆく過程で
彼らが「本物」になってゆくということを証明してもいるのだ。ここにあるのは。今聴いてもなんら違和感のない良質のメロディックロックである
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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IQ 「FOREVER LIVE」
イギリスのシンフォニックロック、アイキューのライブ。1996年作
1993年作「Ever」にともなうツアーからのライブをCD2枚に収録。
同作からのナンバーを中心に、過去のアルバムからも選曲されたステージで、
ピーター・ニコルズの味わいのあるヴォーカルにマーティン・オーフォードの美麗なシンセワーク、
マイク・ホルムズのメロウなギターとともにGENESISルーツのポンプロックを通過したサウンドを描いてゆく。
10分を超える大曲も含め、80年代から活動するキャリアあるバンドらしい堂々たる構築力で聴かせる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 90'sシンフォ度・・8 総合・・7.5
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IQ「SUBTERRANEA」
イギリスのシンフォニックロック、アイキューの6th。1997年作
新生IQとしては前作「EVER」に続く2枚目となるアルバムで、初期のGENESISタイプのポンプロックから一転、
CD2枚組のコンセプト大作となった。4枚目あたりまでのキャッチーさにくらべると、ぐっとシリアスな感触を増した
雄大なシンフォニックロックサウンドとなっていて、部分的にはやや長尺に感じるところもなきにしもあらずなのだか、
全体としてはかなりの力作で、盛り上がりの場面ではPENDRAGONばりのダイナミックな叙情性を体現している。
Disc2ラストの20分を超える大曲も圧巻。新たなシンフォニックロックのムーブに、ベテランバンドの意地を見せつけるような力作。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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IQ「SUBTERRANEA THE CONCERT」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アイキューのライブアルバム。1999年作
2枚組の大作「SUBTERRANEA」を完全再現したライブ作品(当然CD2枚組)。
実を言うとスタジオ版の印象は、「壮大でシンフォニックだがやや長尺感のある作品」
というものだったのだが、こうしてライブでの演奏を聴くと彼らの実力の確かさがあらためて分かる。
演奏はスタジオ版よりもダイナミックで、楽曲にはメリハリが感じられる。ドラムの生音や、引きと押しを明確にしたアンサンブルには
バンドの一体感と表現するべきサウンドの明瞭さがダイレクトに伝わってくる。ピーター・ニコルズの歌の表現力も素晴らしく、
コンセプト作のライブ再現という点ではDREAM THEATERの「METROPOLIS PT2」を思い起こさせるような深みがある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・・8.5
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IQ「The Seventh House」
イギリスのシンフォニック・ロックバンド、アイキューの2001年作
80年代から活動する大ベテラン。GENESISクローンと揶揄された初期の作風から、
1993年の復活後にはドラマティックなシンフォニック性を強め、1997年の大作「SUBTERRANEA」で、
ひとつの結実をみる。本作はその流れを組ながらも、曲ごとのキャッチーなメロディアスさが際立ち、
アルバムとしての聴きやすさではむしろ上回っている。核となるのはピーター・ニコルズの歌唱と
マーティン・オーフォードの華麗なシンセワークで、繊細かつ叙情的な美しさが胸をうつ。
PENDRAGON、PALLASらとともに英国シンフォニックのベテランたるにふさわしい完成度だ。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 完成度・・9 総合・・8
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IQ「DARK MATTER」
イギリスのシンフォニック・ロックバンド、アイキューの2004年作
復活作で「EVER」、そして2枚組の大作「SUBTERRANEA」という力作を生み出しながら活動をつづけてきたベテラン。
今作はさらに「なにかが吹っ切れたような」会心の一作である。復活したPALLASの活躍などにも影響を受けたのだろうか、
これまでにないシリアスかつ濃密なシンフォニック作となっている。「SUBTERRANEA」にあったやや長尺な印象が、
ここではタイトな曲展開と切れのある演奏により一掃され、たとえればTRANSATLANTICあたりに通じるメロディの明快さと、
演奏と曲のバランスの良さが両立されている。軽快さと説得力を併せ持ったリズムセクションや、シンフォニックに鳴り響くキーボード、
はっとするようなメロウなギターフレーズ、世界観を見事に表現するヴォーカル、どれもが一級品である。至福の52分というべき大傑作。
シンフォニック度・・9 メロディアス度・・8 楽曲・・8 総合・・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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IQ「Frequency」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アイキューの2009作
前作「Dark Matter」がバンド史上最高傑作ともいうべき会心の出来であったので、
大いに期待していたが、バンドを支えてきたシンセ奏者のマーティン・オーフォードが
音楽業界からの引退を表明し、バンドを離脱、新メンバーを迎えてのアルバムとなった。
サウンドは一聴して重厚さが増し、INSIDE OUT系というようなハードシンフォニックの質感。
哀愁を漂わせたギターメロディにピーター・ニコラスの歌声が重なると、まぎれもないかつてのIQの音となるのが、さすがベテランの存在感である。
また新加入のMark Westworthのシンセワークも、元々DARWIN'S RADIOというGENESIS系バンドに在籍していたというだけあり、
ツボを押さえたプレイが光っている。全体的には、美しくももの悲しい叙情が散りばめられた、ほの暗い繊細さも魅力のアルバムだ。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ダイナミック度・・7 総合・・8
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IQ「THE WAKE LIVE AT DE BOERDERIJ」
英国のシンフォニックロックバンド、アイキューのライブアルバム。2010年作
2009年の「Frequency」はほの暗い哀愁の叙情が光る傑作であったが、本作は1985年の2nd「The Wake」の完全再現ライブを収録したもの。
コアなファンの間では傑作と名高い作品を、25年後に再現するというのは、バンドにとってもなかなか意味の大きなことなのだろう。
テクノロジーは進化し、サウンドの広がりとともに、かつて感じたような野暮ったさは微塵もなく、
GENESISルーツの上質なシンフォニックロックとして素直に楽しめる演奏だ。
DVDでは同ライブ映像に加え、「EVer」や「Subterranea」からの曲もボーナス収録。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 GENESIS風度・・8 総合・・7.5
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IQ 「The Road of Bones」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アイキューの2014年作
PENDRAGNやPALLASとともに80年代から活動する英国を代表するシンフォ系バンド。
今作からベースとシンセが交代しているようだが、渋みを増したピーター・ニコルズの歌声をフロントに
美麗なシンセアレンジに包まれていくぶん翳りを増したメロウな感触で描かれるシンフォニックロックは、
最高傑作というべき前々作「Dark Matter」にも通じる美しさである。ポストプログレ的な繊細な叙情を匂わせつつ、
19分12分という大曲をゆるやかに、そしてドラマティックに盛り上げてゆく力量はベテランならではだろう。
GENESISルーツのポンプロックから、モダンなドラマ性を加えて深化させた正統的な英国シンフォニックロックの傑作といえる。
限定盤2CDのDisc2には、本編から外された6曲50分弱を収録。ハードなシンフォニックサウンドはボーナスの域を超えている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 叙情度・・9 総合・・8.5
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IQ 「Live On The Road of Bones」
イギリスのシンフォニックロック、アイキューのライブ作品。2016年作
2015年イギリス公演のステージをCD2枚に収録。2014年作「Road of Bones」からの楽曲を中心にしつつ、
往年の代表曲もまじえたステージで、ピーター・ニコルズの味わい深いヴォーカルにメロウなギターと
オルガンなどを含む古き良き感触のシンセワークとともに、王道のシンフォニックロックを聴かせる。
オフィシャルブートレック゛ということで、音質は多少ラウドながらも、むしろライブならではの迫力ある臨場感が伝わってくる。
ポンプロックルーツのメロウな翳りを含んだ空気感は、オールドなファンにもアピールするだろう。ファンは必聴のライブ作品。
ライブ演奏・・8 ドラマティック度・・8 臨場感度・・8 総合・・8
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IT BITES「THE BIG LAD IN THE WINDMILL」
イギリスのプログレ・ハードバンド、イット・バイツの1st。1986作
コマーシャルな大衆性とテクニック、そして適度なプログレな感覚をセンスよくまとめて音に詰め込んだおそらく最初のバンド。
音の方はキャッチーでポップなメロディをプログレ的感性のアレンジでコンパクトにまとめたもの。
2nd「ONCE AROUND THE WORLD」の完成度には及ばぬものの、すでにこの時点で方向性が決まっていたというところが凄い。
個々の演奏力はもちろん、この時代のバンドとしてはしっかりとした商業意識をもっていたことが伺えるサウンドで、
「ポップ=軟弱」という認識を覆すだけのクオリティ。もしかしたら現代プログレバンドの影の立役者はこのバンドだったのかも。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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IT BITES「ONCE AROUND THE WORLD」
イギリスのプログレ・ハードバンド、イット・バイツの2nd。1988年作
以前にこのバンドの3rd「EAT ME IN ST LOUIS」を聴いたときには
「これのどこがプログレだ?」と感じてしまい、じつのところまったく気に入らなかったのだが、
最近はACTなどの良質なバンドに感化されたおかげでポップな音に昔ほどの嫌悪を感じなくなった。
キャッチーかつポップ味溢れる楽曲のなかにときおりかいま見えるプログレなセンス。
これはACTそのままではないか…いや逆だ。ACTの原点はやはりこのバンドにあったのだなと納得。
3曲目の3連リズムの曲調なんかかなりACTっぽいぞ。うう・・良いな、良いな。
聴きやすく、メロディに溢れた、ポップで、プログレが隠し味のアルバムである。
メロディアス度・・8 隠れプログレ度・・7 キャッチーな楽曲センス・・9 総合・・8
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IT BITES「EAT ME IN ST LOUIS」
イット・バイツの3rd。1989作
2ndあたりに比べるとやや音がドライで、単なる「キャッチーなHR」にしか聴こえなくても無理ない。
ただ、こうしてポップなものが許せる年齢になって聴き直すと、まあけっこう悪くないんですなぁ。
もちろんこのバンドの最高作はACTにも通じるキャッチーなプログレセンスが心地よい2nd
「ONCE AROUND THE WORLD」だと思うけれど、最後のアルバムという意味合いを込めて聴くと、
バンドとしてのスタンスと商業的な要素との兼ね合いということまで考えてしまう。
ちょうどこのアルバムが出た年にDREAM THEATERが1stを発表しているというのも暗示的で興味深い。
DTのように「好きなことをやって売れる」という時代が、彼らには訪れなかったのが惜しい。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・8 プログレ度・・5 総合・・8
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IT BITES「CALLING ALL THE HEROES -THE BESTOF IT BITES-」
イット・バイツのベストアルバム。1995作
1st〜3rdまでまんべんなく選曲されているが、基本的にシングルカットされたものが多いため、
曲がフェードアウトされるなどアレンジ的にもアルバム版とやや異なり、これここれでけっこう楽しめる。
2nd収録の長めの曲が入れられていないものの、総じて良い選曲だと思う。
こうして聴くと、やはりキャッチーで軽快なセンスという点では抜群のバンドだった。
いかにも適当に撮ったというジャケのつまらないメンバー写真が、
「解散後のベストアルバム」という悲哀と皮肉を感じます。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 プログレ度・・6 総合・・8
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IT BITES「THANKYOU AND GOODNIGHT」
イギリスのプログレハード、イット・バイツのライブアルバム。1991年作
プログレ衰退期の80年代に「新しいプログレの形」を提示してくれたこのバンド、1987〜1989年に3枚のアルバムを残し
バンド解散後にレコード会社とのアルバム契約履行のために作られたのが本作であるが、
内容の方はステージでの魅力を余すところなく伝えてくれ、音質はややラウドであるものの
まったく手直しがされていないだけにダイレクトに躍動的な演奏が伝わってくる。
この楽曲と演奏力があれば、今の時代であればもしかしたらDREAM THEATER並の評価を勝ち得ていたかもしれないと思うと、
あらためてこのバンドの解散が惜しまれると同時に、彼らは時代に早すぎたバンドだったのだな、という感慨が沸いてくる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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IT BITES「Live in Montreux」
英国のプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。
録音は1987年スイスでのライブからのもので、まさにバンドの絶頂期。
メロディアスでキャッチー、そしてさりげなくテクニカルであるという、
心憎いアレンジの楽曲が巧みな演奏でたっぷりと堪能できる。
公式ライブアルバムである「THANKYOU AND GOODNIGHT」よりもむしろ音質は上で
アレンジ的にもアルバムを意識した丁寧な演奏が光る。ファンは必聴だろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 音質・・8 総合・・8
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IT BITESWhen the Lights Go Down
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2006作
2008年の復活アルバムは素晴らしい出来だったが、これはその先駆けとなった2006年のライブ作。
フランシス・ダナリーは不在であるが、代わりに歌うジョン・ミッチェルのヴォーカルも
なかなかアダルトな味わいで、過去曲に関してもさほど違和感なく聴ける。
かつてのライブアルバムに比べて、みずみずしい勢いの代わりに
大人のプログレハード的な質感が前にでていて、これはこれでよい。
メンバーもかぶることで、むしろKINOの雰囲気をプラスしたとも言えるか。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 大人のイットバイツ度・・9 総合・・8
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IT BITESThe Tall Ships
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツの2008年作
スタジオ作品としては約20年ぶりとなる復活作であるが、期待を裏切らない素晴らしい出来である。
そう、まるであの当時のIT BITESが甦ったようなサウンドに涙、涙。
キャッチーなメロディに、テクニカルな隠し味とセンス溢れるアレンジ、
そして泣きの叙情も盛り込んだ、素晴らしきプログレハードを聴かせてくれる。
フランシス・ダナリーは不参加ながら、KINOでも活躍するジョン・ミッチェルの歌声は
まったく違和感がなく、むしろ往年以上の瑞々しさとドラマティックな感触が見事。
過去をなぞるだけでない意義のある復活作だ。A.C.Tなどのファンも含めてメロディ派は必聴。
メロディアス度・・8 イット・バイツ度・・9 楽曲・・9 総合・・8.5
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IT BITES「It's Live」
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2010年作
2008年に復活アルバムThe Tall Shipsを発表し、2009年に来日を果たした。そのステージをCD2枚に収録。
キャッチーなメロディをテクニックアルアンサンブルで聴かせるイット・バイツサウンドは再結成後でも不変。
きらびやかなシンセに軽快なリズムとギターワーク、楽しそうなメンバーたちの顔が目に浮かぶようだ。
ジョン・ミッチェルのヴォーカルは大人の味わいがあって、フランシス・ダナリーとはまた違った魅力がある。
“Kiss Like Judas”、“All in Red”、“Yellow Christian”といった往年の楽曲が甦る様はファンには感涙だろうし
新曲の雰囲気も違和感なくセットリストに溶け込んでいる。20年のときをまたいだ来日公演の記録である。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 イット・バイツ度・・9 総合・・8
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IT BITESMap of the Past
イギリスのプログレハード、イット・バイツの2012年作
2008年の復活作に続く、通算5作目のスタジオアルバムで、ある英国家族の人生をテーマにしたコンセプト作。
流れにそって聴かせるストーリー的な作風でありながら、一曲ごとは明快なメロディをもったキャッチーな聴き心地なので
難解さはまったくない。大人の味わいをかもしだすジョン・ミッチェルのヴォーカルはいよいよ円熟味を増し
随所に美麗なシンセアレンジや適度なテクニカル性をまじえつつ、ゆるやかに盛り上がり、MAGELLANあたりにも通じる
緩急のついたドラマティックなサウンドが展開してゆく。後半はむしろシンフォニック・プログレ的な構築性も見せ、
叙情的なドラマ性が素晴らしい。聴きやすさと完成度が両立した、シンフォニックなプログレハードとして楽しめる力作。
限定盤のDisc2には、ライブDVD「It Happened One Night It」からの音源を6曲収録。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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IT BITES「Live in Tokyo」
英国のプログレハードバンド、イット・バイツのライブDVD。
1986〜1989年のあいだに3枚のアルバムを残し、キャッチーなメロディとテクニカルな融合で
プログレとHRを組み合わせたバンドとしては先駆けでもあった彼ら。
全盛期の彼らのライブ映像…しかも伝説の1989年の日本公演の模様が見られるDVDだ!
この手のプログレ系バンドにしては、女性の黄色い声が多いのにも驚きだが、
ヴォーカルをとりながらギターをこなすフランシス・ダナリーを見れば
彼らは確かに四人編成でやっていたのだということが改めて実感できる。
普段着の自然体で、ときに日本語のMCもまじえながらのステージは実に楽しそうで、
演奏の方もさすがに安定しているので、肩の力を抜いて楽しめる。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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JADIS「MORE THAN MEETS THE EYE SPECIAL EDITION
英国シンフォバンド、ジャディスの1stのリマスター&デモ音源を収録のCDを加えた2枚組。1992/2005年作
かつてZEROコーポレーションから配給されていたので、案外HR方面に知名度があるかもしれない。
ゲイリー・チャンドラーのメロウなギターワークを前面に押し出した聴きやすいシンフォニックロックサウンドが持ち味で、
メロディの充実度としてはこの1stの楽曲が一番良かったかもしれない。きらきらとしたキーボードワークも
サウンドに爽やな印象を与えていてシンフォニックな部分ではPENDRAGONなどを、
ゆるやかなメロディにはCAMELあたりを思わせるところもある。重厚さや奥行きはあまりないが
非常に耳に心地よく、軽やかなメロディアス/シンフォニックロック作品として再評価に足る内容である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽やか度・・9 総合・・8
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JADIS「FANATIC」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ジャディスの5th。2003年作
ゲイリー・チャンドラー率いるこのバンドも、デビューからすでに10年以上、
変わらずこうしてメロディックなシンフォサウンドを続けているというのがまず素晴らしい。
個人的には、このバンドの音は「心地よいのだが何かが足りない」という気がして
さほど熱心に聴いてはこなかったのだが、ゆったりと聴けるシンフォとしては今作も期待を裏切らない。
ゲイリーのウェットでメロウなギターワークを中心に、哀愁漂う英国的な雰囲気も良い。
インパクトや大がかりな盛り上がりは希薄だが、安心して楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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JADIS「See Right Through You」
イギリスのシンフォニックロック、ジャディスの2012年作
1992年デビューの中堅バンドで、本作が7作目となる。ゲイリー・チャンドラーのメロディックなギターワークと
マイルドなヴォーカルで聴かせる、初期のPENDRAGONなどにも通じるキャッチーなサウンドで、
近年の作品の中ではぐっと初期寄りの爽快な聴き心地である。ヴォーカルパートの耳心地の良さと
プログレらしいシンセアレンジを含んだインスト部分とのバランスもよく、個人的には1st以来の傑作と言いたい。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・8 総合・・8
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JEFF GREEN PROJECT 「Elder Creek」
アイルランドで活動するアメリカ人ミュージシャン、ジェフ・グリーンのソロ。2014年作
オルガンやムーグを含んだシンセアレンジ、適度にテクニカルなリズムとグルーヴィなベース、繊細なギタートーンで聴かせる
メロディックなサウンドで、マイルドなヴォーカルを乗せたキャッチーな歌もの感は、It Bitesあたりを思わせる。
いわゆるシンフォ系のマイナー臭さはなく、抜けの良いメロディックロックをプログレ寄りにアレンジしたという作風で、
やわらかなコーラスなどは、Neal Morseなどにも通じる爽快な感触だ。もちろんギタリストとしての音色のセンスや
フレージングも巧みに耳に心地よく、これまでさしたるキャリアと知名度がないというのが信じられないくらいである。
ラストは20分の組曲で、メリハリに富んだ構築美と幻想的な展開を覗かせる。なかなかの力作だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・7 総合・・7.5
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Josh & Co. Limited「Through These Eyes」
Mostly Autumnのブライアン・ジョシュによるユニットの2008年作
ゆったりとした牧歌的なサウンドは、やはりMostly Autumnに通じるものであるが、
本作はあくまで彼のソロ的な作品ということで、ヴォーカルも男性声が中心。
しっとりとした薄暗い叙情とともに、PINK FLOYD的な浮遊感もいくぶんあって、
楽曲は比較的コンパクトながら、のんびりと楽しめる耳心地のよい音だ。
また、Mostly Autumnのオリビア嬢も参加しており、数曲で美しい歌声を聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 モストリーオータム度・・8 総合・・8
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karda estra「eve」
イギリスのクラシカル・ゴシックユニット、カルダ・エストラの2001年作
クラシック界で活躍するRichard Wilemanを中心としたプロジェクトで、
本作は18世紀の小説「THE FUTURE EVE」という作品をテーマにしている。
サウンドはうっすらとした美しいシンセに、アコースティックギターを中心に、
ヴァイオリンやフルート、オーボエなどが絡みつつ、しっとりとした女性スキャットも入ってくる。
ダークさよりもクラシカルな美しさが前に出ていて、幻想的な浮遊感が耳に心地よい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 しっとり幻想度・・9 総合・・7.5
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karda estra「Voivode Dracula」
イギリスのクラシカル・ゴシックユニット、カルダ・エストラの2004作
本作のテーマはドラキュラということもあってか、クラシカルな雰囲気は変わらないが
チェンバーロック的な優雅な作風の中にもややダークな質感が増している。
うっすらとしたシンセに絡むオーボエ、クラリネット、ヴァイオリンなども美しく
やわらかな耳触りの良さの中に、雰囲気ものとしての世界観は強度を保っている。
プログレやゴシックとして聴くにはインパクトが足りないかもしれないが、
ART ZOYDなどのような薄暗いチェンバーロックとしてはかなり楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 薄暗チェンバー度・・8 総合・・8
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Karda Estra 「The Age of Science and Enlightenment」
イギリスのゴシック・チェンバーロック、カルダ・エストラの2006年作
クラシック界でも活躍するRichard Wilemanを中心としたプロジェクトユニットで、
ピアノを含む優雅なシンセワークに、オーボエやヴァイオリン、フルート、サックスなどが絡む
ダークでミステリアスなチェンバーロックを聴かせる。随所に女性のスキャットヴォイスも加わると、
妖しく耽美な雰囲気に包まれる。いわゆるロック的な要素はあまりないので、一般のプログレファンには向かないが、
Art Zoydなどの、薄暗くクラシカルなチェンバーロックが好きな方にはとても楽しめるだろう。
クラシカル度・・8 チェンバー度・・8 妖し度・・8 総合・・8
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Karda Estra 「Weird Tales」
イギリスのゴシック・チェンバーロック、カルダ・エストラの2009年作
クラシック界でも活躍するミュージシャン、Richard Wilemanを中心としたプロジェクトで、
本作は各楽曲ごとに書物や絵画をテーマにしたコンセプトがあるようだ。
ヴァイオリンやクラリネット、オーボエ、フルートなどがクラシカルで優雅な旋律を奏でつつ、
うっすらとしたシンセが幻想的に包み込み、ミステリアスでダークな世界観を描いてゆく。
ART ZOYDあたりにも通じるダークなチェンバーロックの感触であるが、こちらはもう少し
シンフォ寄りの分かりやすさがある分、とっつき安いかもしれない。優雅でダークな好作品。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ミステリアス度・・8 総合・・8
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Karda Estra 「Mondo Profondo/New Worlds」
イギリスのチェンバーロック、カルダ・エストラの2013年作
ギター、ベース、シンセを操るマルチミュージシャン、Richard Wilemanによるソロユニットで、
本作は2013年のミニアルバムと、2011年作のカップリングCD。不協和音を含んだピアノが鳴り響き、
艶やかなストリングスが包み込む。ドラムのリズムに乗む重々しいベースが不穏な緊張感をかもしだす、
まさに王道のチェンバーロックが楽しめる。一方では、女性声のスキャットにメロウなギターが加わった、
シンフォニックロック的な優美さや、オーボエの音色に繊細なピアノが絡むクラシカルな聴き心地にもウットリ。
2011年作の方は、うっすらとしたシンセにサウンドスケープ的なギターによる、クールなアンビエント感触と、
オーボエやクラネットによる優雅なチェンバー色が合わさった、わりとモダンなアレンジでじっくりと楽しめる。
クラシカル度・・8 チェンバー度・・9 優雅で不穏度・・9 総合・・8 
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Karda Estra 「Strange Relations」
イギリスのクラシカル・チェンバーロック、カルダ・エストラの2015年作
ギター、ベース、シンセを操るマルチミュージシャン、Richard Wilemanによるソロユニットで、
90年代から活動していて作品は優に10作は超える。本作はこれまでのようなゴシック的なダークさは薄めで、
ジャズやクラシック風味で軽妙に聴かせる、チェンバーロックサウンド。エレピやシンセ、ギター、ドラムを中心に、
オーボエやクラリネット、サックス、トランペットなどの音色が優雅に加わる、いわばUNIVERS ZEROの暗黒度を
いくぶん薄めたような聴き心地である。本作では世界観よりもアンサンブル重視の作風なので、
プログレ、チェンバーロックのリスナーにもぐっと聴きやすいアルバムになっている。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 ミステリアス度・・7 総合・・8
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Karda Estra 「Infernal Spheres」
イギリスのクラシカル・チェンバーロック、カルダ・エストラの2017年作
ギター、ベース、シンセを操るマルチミュージシャン、Richard Wilemanによるソロユニットで
ミステリアスなシンセに、ギターやクラリネット、オーボエ、トロンボーンなどを使用した、
クラシカルなチェンバーロックは本作も同様。アコースティックギターにオーボエが重なる
物悲しくもミステリアスな空気感というのは、いかにも王道のチェンバーミュージックらしい。
美しいストリングスや、シンセの重ねにノイジーなギターを加えたアレンジなど、空間的なスケール感と
スリリングな緊張感の同居も、さすがキャリアのあるミュージシャンである。一方では、ドラムの加わったナンバーは
わりとキャッチーで、女性スキャットも入ったり、サロン系チェンバーのノリもある。いつになく多様な印象の逸品だ。
クラシカル度・・8 チェンバー度・・9 ミステリアス度・・8 総合・・8 
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KARNATAKA「KARNATAKA」
ウェールズの女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの1st。1998作
ケルテイックな女性ヴォーカルロックとしてを開花した次作に比べ
この1stのサウンドは、IONAというよりはALL ABOUT EVEといった雰囲気だ。
ジュリアンヌ・リーガン的な、けだるげな美声Voがしっとりとした曲に歌を乗せている。
ケルト色はまださほどでもなく、壮大さよりもゆったり系のサウンド。
バックのキーボードがギターと重なり、なかなか美しい。化ける前のもう一息の作品。
メロディアス度・・8 トラッ度・・5 女性Vo度・・8 総合・・7

KARNATAKA「THE STORM」
ウェールズの女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの2nd。2000年作
イギリスではIONAに次ぐ逸材として注目を集めたバンドの2ndは、
たゆたうような女性ヴォーカルの歌声に、モダンなシンセアレンジによる
幻想的な美しさで聴かせるしっとりとしたサウンドが素晴らしい。
ケルト的な要素はIONAよりも薄く、ギターにしてもロックフィールドに近い音を出していて、
ALL ABOUT EVEあたりの翳りある世界観を上手くアップデートに表現できている。
シンフォニックな壮大さではIONAに一歩譲るが、今後の成長がさらに楽しみなバンドである。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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KARNATAKA「In Concert」
イギリスのケルティック・フィメール・ロックバンド、カルナタカのライブDVD
女性ヴォーカルをフロントに、キーボード入りで、シンフォ的要素も加味した心地よいサウンドは、
IONAとCORRSの中間を埋める存在として、広くプログレ、ケルトファンを問わずアピールするだろう。
Voのレイチェルの魅力的な(スレンダーな容姿も)歌唱に加え、美女三人のコーラス隊(曲によってはフルート)も美しく曲を彩る。
IONAよりはずっとロック色が強く、トラッド要素を押し出しすぎないのも、万人受けする一因かもしれない。
ライブ映像に混じって時折流れるクリップ的な映像も美しい。全体を通してスリリングな部分はないが、しっとりと聴ける一作。
メロディアス度・・8 ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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KARNATAKA「DELICATE FLAME OF DESIRE」
イギリスはウェールズ出身の女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの3rd。2003年作
ケルティックなフィメールロックとしては、IONA+ALL ABOUT EVEという言い方も出来るが、
今作では、よりシンフォニックなアレンジが増しており、繊細かつダイナミックな色彩が高まっている。
美貌の女性ヴォーカル、レイチェルの歌唱の素晴らしさは、英国のクラシックロック・ソサエティで大賞をとるほどの実力。
女性ヴォーカルものとしてはもちろん、美麗なシンフォニックロックとしても楽しめる質の高さである。
ケルティックな要素を控えめにしながら、随所にそれを感じさせる温かみのあるアレンジを聴かせるのはさすが。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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KARNATAKA「LIVE IN THE USA」
イギリスのケルティック・フィメール・ロックバンド、カルナタカのライブDVD。
2002年アメリカでのライブの模様で、映像作品としては2作目となる。
よりシンフォニックになった3rd「DELICATE FLAME OF DESIRE」からの楽曲をメインに
ケルティック風味をマイルドに昇華したサウンドに美声のレイチェルの歌声がしっとりと響く。
演奏陣も安定していて、レイチェルの夫であるベーシスト、堅実かつ意外と手数の多いドラム、
メロウに鳴り響くギター、ここぞと盛り上げるキーボード、そしてサブヴォーカル兼フルート奏者と、
調和のとれたアンサンブルを聴かせてくれる。レイチェルのおへそが見えないのは涙を呑むとして、
カメラワーク的にやや古くさいのと、映像におけるスローやモノクロなどのエフェクトには
あまり感心できないし、曲ごとにメンバーのインタビューが挿入されるのもやや興ざめ。
全体的にしっとりとしすぎて緊張感には欠けるが、ゆったりと鑑賞できる音楽としては高品質。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 レイチェル嬢・・8 総合・・8
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KARNATAKA「STRANGE BEHAVIOUR」
イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカのライブアルバム。CD2枚組。2004作
ライブでの実力はDVDでも証明済みだが、こうして音だけを聴いていてもバンドとしての成熟が感じられ、
レイチェル嬢の清涼な歌声とともに一体感のある素晴らしい演奏が堪能できる。
ケルト要素をロックと融合させ、結果として非常に高品質な女性Voものシンフォとして
IONAらとともに活動を続けてきたこのバンドだが、アルバム3枚にDVD2作品を発表し、
このライブ作品を最後に解散。彼らの音楽の軌跡としてこのライブアルバムの価値は大きく、
バンドの全盛期の瑞々しいサウンドを感動的に我々に伝えてくれる。ケルティックロック好き、女性Voファンはマスト!
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 演奏・・9 総合・・8.5
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KARNATAKA「Gathering Light」
イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカの2010年作
かつて美声の女性Vo、レイチェル・ジョーンズを擁して3枚のアルバムを残したが、
その後、夫であるバンドリーダーのイアン・ジョーンズとの離婚もありレイチェルは脱退。
バンドはそのまま消滅したかに思えたが、新たにリサ・フューリィを迎えてここに復活作を完成させた。
サウンドの方は、シンフォニックな美麗さとケルティックなメロディが融合した、
まさにかつてのKARNATAKAを思わせるもので、いっそうダイナミックな音作りが素晴らしい。
躍動感のあるリズムに乗るきらびやかなシンセと、そこにかぶさる泣きのギター、
厚みのあるサウンドに新生バンドとしての意気込みが伝わって来る。
そして3曲目からはお待ちかねのヴォーカル曲。リサ嬢の歌声は落ち着きのある中音域で
レイチェル嬢とはやや雰囲気が違うが、しばらく聴いていると耳に馴染んでくる。
なんにしてもバンドの復活は嬉しいし、Panic Room、The Reasoningともども頑張っていって欲しい。
シンフォニック度・・9 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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KARNATAKA「New Light」
イギリスのケルティックロック、カルナタカのライブアルバム。2012年作
2010年に復活作となる「Gathering Light」を発表、本作はイギリスでの2012年のライブを2CDに収録。
スタジオ作からメンバーはまた代わっているが、シンフォニックな美しさとケルティックなメロディが合わさった
バンドサウンドはそのままで、ライブの躍動感が加わってさらに魅力を増している。艶やかなヴァイオリンの音色に、
メロウなギターが絡み、新ヴォーカルのヘイリー嬢のやわらかな歌声に包まれて、じつに優しい聴き心地である。
新作からの曲をメインにしつつ、過去のアルバムからも演奏。新たにこのバンドを知る方にも楽しめる内容のライブ作品だ。
ケルティックシンフォ度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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KARNATAKA 「Secrets Of Angels」
イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカの2015年作
1998年にデビューしてから本作で5作目、復活作となった前作はじつに素晴らしい出来であったが、
今作ではまたしてもメンバーが変更。新ヴォーカルにはリヴァーダンスなどでも活躍したヘイリー・グリフィスが加入した。
シンフォニックな美麗アレンジに適度なハードさも含んだギターとケルティックな香りを漂わせたメロディ、
そして美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドはよりダイナミックになり、シンフォニックメタルや
フィメールメタルのファンにも楽しめるくらいの聴き心地である。これまでにないぐっとキャッチーなナンバーや
しっとりとしたバラードなど、アルバムとしてのメリハリもあり、表現豊かなヘイリー嬢の歌声が素晴らしい。
ラストの20分の大曲は、ケルティックな世界観からシンフォニックメタル的に盛り上がりを見せる。まさに美麗傑作!
シンフォニック度・・9 美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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KIAMA 「Sign of IV」
イギリスのプログレハードロック、キアマの2016年作
MAGENTAのロブ・リードを中心に、FROST*のアンディ・エドワーズをドラムに、ギターにはルーク・マシンが参加
THE REASONINGのディラン・トンプソンをリードヴォーカルに据えた編成で、70年代ルーツの古き良きロック感触と
シンフォニックなプログレ性をほどよくブレンドしたという作風。いうなれば、レッド・ツェッペリン的な英国ハードロックを
オルガンなどを含む美しいシンセとともに、プログレファン向けに構築したという聴き心地である
随所に聴かせるルーク・マシンのテクニカルなギタープレイや、ロブ・リードの美麗なシンセアレンジもさすがで、
しっとりとした叙情的なバラード曲などはシンフォニックロック的にも楽しめる。大人の味わいに包まれた力作。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 英国ロック度・・9 総合・・8
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KINO「PICTURE」
イギリスのモダンプログレバンド、キノの2005年作
IT BITESARENAMARILLION、元PORCUPINE TREEのメンバーが集結したスーパーバンド。
薄暗く繊細な叙情を含んだ、ARENAから受け継がれた英国モダンプログレの完成形というべきサウンドで、
ARENA、IT BITESなどで活躍するジョン・ミッチェルのやわらかなヴォーカルを乗せたキャッチーな聴き心地に、
同じくIT BITESのジョン・ベックのプログレらしいシンセが重なり、うるさすぎないシンフォニック性と、
後のFROST*などにも通じる構築センスも覗かせる。繊細なピアノなどによるしっとりとした引きの叙情もよろしく、
ときにハード寄りにになるギターにからむキーボードの美しさにも、さりげないアレンジの細かさが垣間見える。
派手な展開やテクニカルの応酬はないものの、抜群の聴き心地の良さで楽しめる、まさに英国モダンプログレの傑作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8.5
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KINO「cutting room froor」
IT BITESのKEY、ARENAのG、MARILLIONのB、元PORCUPINE TREEのDrらによる
イギリスのスーパーバンド、キノのライブやデモ音源等、9曲を収録したCD。2005作
さすがにメンバーは皆実力者なので、デモといっても正規曲とさほど質に変わりなく
ジョン・ミッチェルの哀愁あるヴォーカルや、ジョン・ベックのさりげないが、巧みなキーボードワークなど、
ライブ演奏の方にも安定感があり、彼らの持ち味である翳りのある叙情を感じさせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 演奏・・8 総合・・7.5
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Knifeworld 「The Unravelling」
イギリスのプログレバンド、ナイフワールドの2014年作
GONGにも参加するイラン出身のギタリスト&シンガー、カヴス・トラビを中心にしたバンドで、
浮遊感ある女性ヴォーカルの歌声に男性声が絡み、適度にハードなギターワークとともに、
メロウな叙情とダークな翳りを含んだサウンド。サックスやバスーンなどの音色も含んで
エキセントリックなセンスを描く味わいはHENRY COW的でもあり、先の読めない展開がスリリング。
毒のあるポップセンスを覗かせつつ、飄々とした脱力感と緻密なアレンジが同居する、異色の力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 エキセントリック度・・8 総合・・8
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KNIFEWORLD 「BOTTLED OUT OF EDEN」
イギリスのサイケ・プログレ、ナイフワールドの2016年作
GONGにも参加するイラン出身のギタリスト&シンガー、カヴス・トラビを中心にしたバンドで、
前作はチェンバー風味とポップ要素が融合した好作品であったが、本作は女性Vo、女性シンセ奏者、
サックス、バスーン奏者を含む8人編成となり、オリエンタルなサイケ感触を強める一方で、
前作でのカラフルなポップ感触とともに、独自のチェンバー・サイケ・ポップロックを展開する。
GONG的でもある浮遊感と女性コーラスを加えたキャッチーな歌メロに、サックスが鳴り響き、
個性的でありながら、決して難解にならない絶妙の聴き心地で、スペイシーなスケール感を描き出す。
強烈なインパクトはないが、じわじわとセンスがにじみ出る、まさに玄人好みの好作品である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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KOMPENDIUM「Beneath the Waves」
イギリスのシンフォニックロックプロジェクト、コンペンディウムの2012年作
ケルトのバラッドをモチーフにしたストーリーをもとにした壮大なコンセプトアルバムで、
MAGENTAのロブ・リードを中心に、スティーブ・ハケット、メル・コリンズ、ニック・バレット(PENDRAGON)、
フランシス・ダナリー、ジョン・ミッチェル(IT BITES)、トロイ・ドノックリー(IONA)など多数のメンバーが参加。
映画的な語りから始まり、たおやかなフルートにハープやエーボエ、の音色が重なり、
ケルティックなパイプやヴァイオリンの響きを壮大なオーケストラアレンジが彩ってゆく。
随所に泣きのギターやシンフォニックなシンセも含みながら、男女ヴォーカルの歌声とともに
繊細かつドラマティックに構築されるサウンドは、IONAが成しえたケルトとシンフォニックロックの融合を、
よりドラマティックに仕立てたという雰囲気である。リズム面でのやぼったさが惜しいが壮麗なる力作である。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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KOMPENDIUM 「Elements」
イギリスのシンフォニックロック、コンペンディウムの2013年作
MAGENTAのロブ・リードを中心にしたプロジェクト作品「Beneath the Waves 」を補完する企画アルバム。
2枚組のDisc1には、未発曲やデモなどを、Disc2には本編のインストバージョンを収録。
デモといっても、完成版と同じように、オープニングからラストまでの流れを楽しめるように
曲順が連なっているので、オリジナル版の別バージョンとして楽しめるクオリティ。
壮麗なオーケストレーションやコーラス、随所にケルテイックなメロディも盛り込んだ
優美なシンフォニックロックをゆったりと鑑賞できる。インストバージョンにもうっとり。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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KONCHORDAT 「English Ghosts」
イギリスのシンフォニックロック、コンコルダットの2009年作
オヤジ二人組によるロマン溢れるシンフォニックロックで、
やわらかなメロディと美麗なシンセアレンジに包まれたサウンド。
ヴォーカルはやや素人臭いのだが、これが在りし日のB級シンフォニックの感触で
もったりとしつつも耳触りがよいのである。英国らしい湿りけを含んだ叙情と、
11分、19分という大作も、優美なメロウさでじっくりとドラマティックに構築されてゆく。
数少ない英国王道シンフォの生き残りとして、今後も頑張っていって欲しい。
シンフォニック度・・8 ゆったり優美度・・9 英国度・・8 総合・・7.5
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Konchordat「New Crusade」
イギリスのシンフォニックロック、コンコルダットの2011年作
オヤジ二人組によるユニットで、ヴィンデージ感もある美麗なシンセワークを散りばめた、
GENESISタイプを継承する古き良き王道のシンフォニックロックサウンドを聴かせる。
のっけから14分の大曲という力の入れようや、ファンタジックでロマンの香りを感じさせる作風は、
かつてのPENDRAGONPALLASなどにも通じるドラマティックな感触で聴いていてにんまりだ。
いくぶんのやぼったさもあるが、泣きのフレーズを聴かせるギターも含め、メロディのセンスもよろしい。
プログレがモダン化する昨今、こうした往年のシンフォニックを体現するバンドの存在は嬉しいかぎり。
シンフォニック度・・8 GENESIS風度・・8 英国度・・8 総合・・8
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KONCHORDAT 「Rise to the Order」
イギリスのシンフォニックロック、コンコルダットの2016年作
前作はPENDRAGONなどを思わせる王道のシンフォニックロックであったが、3作目となる本作は
これまでになくモダンなヘヴィさが加わった感触で、どことなくニック・バレットを思わせるヴォーカルを乗せ、
これまでのシンフォニックなアレンジとモダンな歌もの感が合わさったという聴き心地。
かといって、王道のシンフォ色が失ったわけではなく、むしろ近年のPENDRAGONPALLASなどにも通じる
適度に翳りを含んだハードシンフォニックとして楽しめる。プログレらしいきらびやかなシンセとともに
ときにキャッチーなメロディも覗かせつつ、どっしりとしと重厚さでもって、7〜9分前後の楽曲を構築する。
ペンドラ&パラスのファンにもうってつけな、英国らしい大人のシンフォニックロック力作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8 
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KTU「Quiver」
KING CRIMSONのパット・マステロットとトレイ・ガンによるユニット、ケートゥーの2008年作
フィンランドのアコーディオン奏者を加えたトリオ編成で、独特の浮遊感のあるインストの
チェンバーロックをやっている。ヘヴィなグルーブ感を生み出すトレイ・ガンのワーギターと、
マステロットのタイトなドラムは、やはりKING CRIMSON風味の聴き心地もあるが、
アコーディオンの音色が重なると、チェンバーロック気味の質感になり、なかなか面白い。
広がりのある静謐感の中に、トリオならではの緊張感を漂わせた構築美が楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 クリムゾン度・・8 総合・・8
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KYROS 「VOX HUMANA」
イギリスのプログレバンド、キロスの2016年作
SYNAESTHESIAのメンバーによる新バンドで、本作はCD2枚に分かれたコンセプト的な大作。
エモーショナルなヴォーカルを乗せ、適度にハードな質感とエレクトロなシンセを加えたモダンなアレンジに、
キャッチーなプログレ風味を融合したサウンド。テクニカルな構築力とモダンでクールなセンスで、
アップデートしたシンフォプログレを聴かせるという点では、FROST*あたりに通じるかもしれない。
メロディックな歌もの感触とプログレらしい技巧的なインストパート、モダンなエモーショナルロック、
それらがほどよくブレンドされ、HAKENなどとも同様に新たな英国プログレの形を提示した力作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 クールどモダン度・・9 総合・・8
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LANDMARQ「SIENCE OF COINCIDENCE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークの1998年作
かつて日本のZEROレーベルから3枚目までが出ていたので、このバンドの名前を知っている方もいると思うが、
4作目となる本作からは、QUASAR、STRANGERS ON A TRAINで歌っていた、トレイシー・ヒッチングが加わり、
女性ヴォーカルフロントのバンドとなって音ががらりと変わった。曲はよりメロディックになり、生き生きと躍動し、
ロックとしてもシンフォとしても格段に聴きやすくなっている。トレイシーのハスキーな歌声はじつに好みであるので、
むしろ本作こそがバンドの最高傑作となったと言いたい。影でバンドを支えるクライブ・ノーランのプロデュース力も見逃せない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANDMARQ「Thunderstruck」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークのライブアルバム。1999年作
1998〜99年のヨーロッパツアーの音源を収録。男性ヴォーカル時代の2nd、3rdの曲もやっていて、
紅一点、トレーシー・ヒッチングスのハスキーなヴォーカルがあでやかに楽曲を彩っている。
傑作である3rd「Science of Coincidence」からの大曲2曲も含めて、このバンドの魅力がたっぷり詰まったライブ作品だ。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANDMARQ「AFTERSHOCK」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークのライブアルバム。2002作
ライブアルバムとしては「THUNDERSTRUCK」に続くもので、2000〜2001年時期の録音。
ARENA、PENDRAGONらとともに英国シンフォを支えるバンドとして、精力的にツアーもこなしているらしい。
さて、このライブ音源だが、演奏の方は安定していて安心して聴けるがそれ以上の目新しさはなく、
看板のトレーシー・ヒッチングスの歌唱も、録音のせいもあってか、いつもの情感が感じられない。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 録音・・7 総合・・7
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LANDMARQ「Turbulance Live in Poland」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークのライブDVD。2006作
2005年ポーランドでのステージを収録。ステージの方は、さすがに年季の入ったメンバーだけに
安定した演奏を聴かせる。フロントのトレイシー・ヒッチングは、雰囲気的にも「ちょいぽちゃのおばさま」と化していて、
せめて5、6年前の若い頃にライブ映像作品で見たかった…などと思ってしまうが、
その独特のハスキーな歌声は健在で、サウンドに彩りと躍動感を与えている。
全体的にはテクニカルすぎず派手すぎずといった、悪くいうと地味めのシンフォニックロックで
聴きやすさはあるが盛り上がりや高揚感の点ではもの足りないかもしれない。
ボーナスに過去のライブ映像や(若い頃のトレイシーがちらっと!)ライブ音源等のオーディオトラックも収録。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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LANDMARQ「Entertaining Angels」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークの2012作
スタジオアルバムとしてはじつに14年ぶりとなる作品で、バンドが健在であることが嬉しいが
トレイシー・ヒッチングのハスキーな歌声とともに、メロディックに聴かせるサウンドも不変。
美しいシンセワークと、適度にハードさも含んだギター、そして艶のあるコケティッシュな歌声で
ポンプロックのキャッチーな部分を継承する作風には、古くからのリスナーも嬉しいだろう。
12分、16分という後半の大曲もドラマティックに構築され、適度にモダンな感触も加わった力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANDMARQ 「Origins」
イギリスのシンフォニックロロック、ランドマークのアンソロジー作品。2014年作
1992年にデビュー、活動20年を超えるキャリアのバンドで、初期にはクライブ・ノーランが関わっていたことでも知られる。
Disc1には、女性シンガー、トレイシー・ヒッチングスが加入した1998年から現在までの楽曲を、
Disc2には、ダミアン・ウィルソンがヴォーカルを務めた初期3作からの楽曲を収録した、CD2枚組。
初期の作品はZEROコーポレーションから日本盤も出ていたので、HR/HM方面のリスナーでも案外知っている方も多いだろう。
1stの頃は、シンフォニックというよりは、美しいシンセアレンジ入りのキャッチーな歌ものプログレハードという作風で、
メロウなギターも含んだ英国らしいウェットな叙情性は、Pallasあたりのファンにも受けそうだ。2nd、3rdのメロウな質感も捨てがたい。
トレイシー・ヒッチング時代になると、ハスキーで魅力的な歌声とともに、美麗なシンセアレンジとともにきらびやかな感触がぐっとアップ、
爽快なシンフォニックロックが楽しめる。バンドの歴史を振り返る意味でもファンには嬉しいアンソロジーだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 バンドの歴史度・・9 総合・・8
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Leafblade 「The Kiss of Spirit & Flesh」
イギリスのポストプログレ、リーフブレードの2013年作
AnathemaのDaniel Cavanaghを中心にしたユニットで、メロウなギターとマイルドなヴォーカルで聴かせる、
薄暗い叙情を聴かせるサウンド。アコースティックギターのつまびきに、ハードなギターも重なり、
ときにシンセによるオーケストレーションも加わったシンフォニックな感触もあって、なかなか楽しめる。
全体的にはやはり、Anathemaに通じる部分も多いので、取り立てて個性的というわけではないが、
曲によってはキャッチーなノリの良さや、アコースティカルな牧歌性なども含んでいて、わりとメリハリのある聴き心地。
ラストの10分を超えるナンバーも含めて、質の高さと安定のKscopeサウンドという点では、ポストプログレ好きはマストだろう。
ドラマティック度・・7 繊細度・・8 Anathema度・・8 総合・・8
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League of Lights
イギリスのプログレハード、リーグ・オブ・ライツの2011年作
THRESHOLDのシンセ奏者とその妻によるユニットで、きらびやかなシンセに適度にハードなギター、
そしてコケティッシュな女性ヴォーカルで聴かせる、シンフォニックなメロディックロック。
そこそこキャッチーな聴き心地で悪くはないのだが、メロディのフックにさほど魅力がないのと
女性Voの力量も並程度なので、これといってぐっとくるポイントがないのが残念。
シンセによるシンフォニックなアレンジというのはさすがなのだが、プログレ的な聴き心地が薄いので
こうなるとどうしても女性声の魅力次第となってしまうのだな。ただ奥さんは美人ですね。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Lee Abraham 「Distant Days」
イギリスのミュージシャン、リー・アブラハムのソロ。2014年作
GALAHADのメンバーでもあるマルチミュージシャンで、美しいシンセアレンジに適度にハード寄りのギターを乗せた
叙情的でモダンなシンフォニックロック。楽曲ごとにゲストヴォーカルがリードをとる形で、FROST*のDec Burke、
LIFESIGNSのJohn Young、RIVERSEAのMarc Atkinson、そしてSteve Thorne、といった顔ぶれが参加している。
随所に流麗なギターの泣きのフレーズやテクニカルなリズムなども覗かせつつ、あくまでメロウな聴き心地で、
ゆったりとした3拍子の歌もの曲や、ProgMetal風味も含んだ11分、15分という大曲まで、豊かな叙情性と
確かな構築センスでじっくり聴かせてくれる。新時代の英国シンフォ勢の充実ぶりを感じさせる好作品だ。
メロディック度・・8 モダンシンフォ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Lee Abraham 「The Season Turn」
イギリスのミュージシャン、リー・アブラハムのソロ。2016年作
GALAHADのメンバーでもあるマルチミュージシャン。今作はのっけから25分に及ぶ大曲で、
美しいシンセアレンジに泣きの叙情ギターを乗せた、正統派のシンフォニックロックサウンドが広がってゆく。
メロトロンやムーグなど古き良き感触のシンセアレンジは、オールドなプログレリスナーにも嬉しいだろう。
前半はゆったりとしたインストパートがメインで、スリリングな部分というのはあまりないが、
ヴォーカル入りの叙情ナンバーでの泣きのギターなどは、かつてのPENDRAGONを思わせ、
ラストの16分の大曲では、プログレ的なテクニカルな間奏部もあり、ドラマティックな展開が楽しめる。
IQのMartin Orford、RIVERSEAのMarc Atkinson、COSMOGRAFのRobin Armstrong、CREDOのMark Colton、
FROST*のDec Burke、TINYFISHのSimon Godfreyなどがゲスト参加している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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LEGEND 「Light in Extension」
イギリスのシンフォニックロック、レジェンドの1992年作
アーサー王伝説の名シーンである、湖から浮かぶ聖剣エクスカリバーのジャケが印象的で、
このアルバムが発売された当初は、女性ヴォーカルのネオプログレ作品ということで話題になり
日本盤も出ていたので、ご存知の方も多いかもしれない。サウンドの方は美しい女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーなプログレハードという趣で、英国らしいウェットな空気と適度なマイナー臭さもよい感じです。
プログレ的な部分でのインパクトは薄いのだが、女性声入りのハードシンフォの先駆けというべき存在であった。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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LEGEND「TRIPLE ASPECT」
イギリスのシンフォニックロックバンド、レジェンドの3rd。1996年作
かつて女性Voもののハードプログレとして日本盤でも1st、2ndが出ていたが、
剣を持った腕が泉から突き出したジャケといえば、案外知っている方もいるだろう。
本作はバンドのラスト作にして日本未発売。かなりマニアックなアイテムだろう。
1stのエクスカリバーもそうだが、三相の女神をテーマにした今回のジャケも、
ヘタウマなマイナー臭さをただよわせつつ、好きものにはやはりぐっとくる(笑)。
肝心の演奏面では、シンセにしろギターにしろ、さしたる特徴はないし、
リズム的にもやややぼったいのであるが、ソーニャー・クリスティーナを思わせる
デビー嬢の美しい歌声を含めて、どこか靄のかかったようなマイナーっぽさがあり、
それがかえって神秘的な雰囲気をかもしだしていて、なかなか悪くないのだ。
ラストは29分の大作で、アレンジなどはいかにもつたないがそれなりに気合が入っている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Legend 「Spirit」
イギリスのプログレバンド、レジェンドの2013年作
90年代に3作を残して消えたと思われていたバンドだが、メンバーチェンジをへて復活。
オリジナルメンバーはシンセ奏者のみとなったが、女性ヴォーカルをフロントに、
きらびやかなシンセアレンジとともに聴かせる、シンフォニックハードは本作でも健在。
ドラムがツーバスになので、いくぶんシンフォニックメタル的な感触も出てきたが、
ミステリアスなマイナー臭さといくぶん唐突な展開は、このバンドの変わらぬ持ち味だろう。
紅一点、Beck嬢の歌声はやわらかな美しさで、ときにエキセントリックな妖しげさも覗かせつつ
10分を超える大曲を中心に、オルガンやムーグを含む古き良き質感も覗かせる、なかなかの力作。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Liam Davison 「Treasure of Well Set Jewels」
イギリスのミュージシャン、リアン・ダヴィソンの2011年作
Mostly Autumnのギタリストでもあるミュージシャンで、グラムロック調のナンバーから、素朴なシンフォニックロック、
アンビエントなナンバーまで、自身のヴォーカルを乗せ、メロウなギターワークとともに、じっくりと聴かせる作風だ。
イアイン・ジェニングス、アン・マリー・ヘルダー、ヘザー・フィンドレイといった、Mostly Autumn関連のメンバーが参加。
女性ヴォーカルを含むナンバーは、やはりモストリー・オータムに通じる雰囲気もあり、浮遊感ある叙情が味わえ、
翳りを含んだモダンなポストプログレ風のナンバーなど、Pink Floydルーツの薄暗系ロックとしても楽しめる。
ラストの8分を超えるナンバーでは、ギルモアばりの叙情豊かなギターの旋律が心地よく響き渡る。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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Lifesigns
イギリスのプログレバンド、ライフサインズの2013年作
ジョン・ウェットン・バンドやグリーンスレイドなどで活動するジョン・ヤング、
スティーヴ・ハケット・バンドなどに参加するニック・ベッグス、そして、元カッティング・クルーで、
サラ・ブライトンマンのバックなどで活動するマーティン・“フロスティ”・ビードルによるバンドで、
やわらかなシンセアレンジとキャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる、古き良きプログレハード的なサウンド。
10分前後の大曲をメインにしつつも、難解なところはなく、あくまでマイルドな耳心地でゆったりと楽しめる。
ときにCAMELのようなメロウなギターやフルートも顔を覗かせる、優しい叙情性に包まれた作品です。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・8
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LITMUS 「PLANETFALL」
イギリスのサイケ・ハード、リトマスの2007年作
スペイシーなシンセにハードロック的なギターで聴かせる、
HAWKWINDの世界観を継承するようなサイケロックサウンド。
うねりのあるグルーヴィーなベースとノリノリのギターリフも含めて
ある種、お馬鹿なまでに濃密なスペースサイケを描いてゆく。
ホークウインドのファンはもちろん、サイケメタルのリスナーにもオススメ。
ドラマティック度・・7 スペース度・・9 ホークウイン度・・9 総合・・8
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LITNUS 「Aurora」
イギリスのサイケ・ハード、リトマスの2009年作
前作に続き、のっけから11分を超える大曲で軽快なスペースサイケが炸裂。
うっすらとしたシンセをバックに、楽しげに弾きまくるギターを乗せて
ゴキゲンなグルーブでたたみかける。前作以上にシンフォニックな壮大さが感じられ、
いわばよりプログレ的に楽しめるようになった。ラストまでテンションが落ちることなく、
まるで全盛期のホークウインドが甦ったかのような力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 スペース度・・9 ホークウイン度・・9 総合・・8
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LONELY ROBOT 「Please Come Home」
イギリスのシンフォニックロック、ロンリー・ロボットの2015年作
IT BITESなどで活躍するジョン・ミッチェルによるプロジェクトで、適度にモダンなハードさを含みつつ、
ポストプログレ的な繊細な叙情を合わせたという、シンフォニックなメロディックロックを聴かせる。
プログレハード風味のキャッチーなナンバーから、FROSTあたりを思わせるダイナミックなシンフォプログレまで、
センスのよいアレンジとウェットでメロウな叙情美に包まれた好作品だ。ドラムを叩くのはFROST*のクライグ・ブランデルで、
ベースは、ニック・ベックス(Steve Hackett BAND)、さらには、ジェム・ゴドフリー(FROST*)、ヘザー・フィンドレイ(元MOSTLY AUTUMN)、
キム・セヴィアー(TOUCHSTONE)、スティーヴ・ホガース(MARILLION)などがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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MAESTOSO「ONE DROP IN A DAY WORLD」
BARCLAY JAMES HARVESTのキーボード奏者、ウーリーのバンド、マエストソの2nd。2004年作
ジャケは地味ながら、内容はドラマティックなシンフォニックロックで、
哀愁ただようメロウなギターメロディに、キーボード、そしてときにメロトロンが合わさり
往年のブリティッシュプログレの質感をそこはかとなく漂わせている。
また、ゆったりとした歌もの曲のほのぼのとした魅力もあり、そういう点でもBJH的か。
きらきらとした大仰さよりは、牧歌的なシンフォニックサウンドが楽しめる。
限定版の2CDにはバージョン違いやデモ等の9曲が収録されている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりほのぼの度・・8 総合・・8
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MAESTOSO「FIDDLING MEANLY」
Barclay James HarvestのWOOLLYによるマエストソのライブアルバム。2005作
2004年ロンドンでのライブを収録。鳴り響くメロトロンにメロディアスなギターで聴かせる
極上のシンフォニックロック。BJH時代の曲も披露してくれファンには嬉しいかぎりだ。
音質的にはややラウドながら、ライブの臨場感がよく伝わってくる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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MAESTOSO「GRIM」
WOOLLY WOLSTENHOLMEによるバンド、マエストソの3rd。2005年作
タイトルからグリム兄弟をテーマにした作品かと思ったら、どうもそうではなく地名である「Grimroyd」と「grimly」という
単語をかけたということらしい。内容はドラマティックなキーボードとギターに包まれたシンフォサウンドで、
とてもおっさんたちがやっているとは思えない強度の世界観を感じる。また、アコースティックギターの音色など、
牧歌的な素朴な叙情美もあり、コンセプト作としてのメリハリもしっかりついている。ドラマティックシンフォの傑作といってよい出来だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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MAESTOSO「Caterwauling」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マエストソの2008年作
前作「GRIM」もドラマティックな傑作だったが、それに続く本作もじつに素晴らしい。
うっすらとしたシンセワークにかぶさる泣きのギターですでにつかみはOK。
ヴォーカルが入るとBJHを思わせる牧歌的な雰囲気でゆったりと聴け、
盛り上がりではメロトロンを引き鳴らし、これぞシンフォニックというサウンドになる。
ときにクリムゾン的なヘヴィさも顔を覗かせたり、楽曲アレンジのメリハリが大きく、
のんびり油断して聴いているとびっくりする。音質のラウドさが少し惜しいものの、
70年代的な質感を嫌味なく甦らせた良質のシンフォニックロック傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 70'風度・・8 総合・・8
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MAGENTA「Revolutions」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの1st。2001作
FIREWORKSやCYANなどで活躍していたシンセ奏者、ロブ・リードを中心としたバンドで、
たおやかな声質の女性ヴォーカルと、優雅なエレンガントさも漂わせた軽やかなサウンド。
随所にYesを思わせるようなキャッチーさに彩られていて、長い曲においても聴き疲れがしないの特徴だ。
19分、20分、24分、21分という大曲を配した構成でCD2枚組という、デビュー作にしてこの気合の入り方はなかなかすごいが、
全体的にサウンドには重厚さや濃密さはなく、あくまでキャッチーなので、つい聴き流してしまいそうになる。
しかしながら、プログレマニア向けにとどまらないポップな軽妙さにこそ、このバンドの可能性があるのかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MAGENTA「SEVEN」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2nd。2004年作
雰囲気的には、かつてのYESのように爽やかでキャッチーな典型的シンフォニックロック・サウンド。
いかにもプログレ的なお約束のキーボードの音色にメロウなギター、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
ライトなシンフォニックロック。10分を超える大曲がほとんどであるが、軽快なアンサンブルで聴き疲れはしない。
全体的に重厚さはないのだが、爽快でキャッチーなシンフォニックロックが好きな方ならまず気に入るだろう。
2009年のリマスター再発盤では、サウンドがよりダイナミックになっていて、バンドの爽快な魅力が増している。
シンフォニック度・・8 爽快度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MAGENTA 「Another Time...Another Place...」
イギリスのシンフォニックロック、マジェンタのライブ作品。2004年作
本作は2002〜2004年までのライブ音源をCD2枚組で収録。
ロブ・リードのきらびやかなシンセワークとクリスティーナ嬢の歌声を中心にした
キャッチーかつメロディックなサウンドは、女性声のYesというような聴き心地もある。
現在の作風に比べるとまだダイナミズムは弱いのだが、優雅でやわらかな感触とともに、
10分、20分を超える大曲を構築してゆく。今後のバンドの成長を予感させるライブ作品だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAGENTA「THE GATHERING」
イギリスの女性Voシンフォニックロックバンド、マジェンタのライブDVD。2005作
女性ウォーカルのたおやかなシンフォバンドとして、人気もそこそこ出てきているこのバンド。
個人的には、このバンドの楽曲はひっかかりが少なくて、自分にはやや退屈なのだが、
このライブ演奏では、CD以上にVoのクリスティーナ嬢が前に出ている感じでなかなかよろしい。
全体的に落ち着いた演奏で聴かせるアダルトなシンフォニックロックという感じなので
音のダイナミズムには欠けるのが難点か。もう少し大仰さが欲しい。
シンフォニック度・・7 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・7 総合・・7

MAGENTA「HOME」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2006年作
本作はアメリカに移り住んだ女性を描いたコンセプト作で、歌ものメインの構成となっている。
キーボードはやや控えめで、しっとりとしたピアノに乗るクリスティーナ嬢の歌声…
全体的に内面を描くコンセプト作ということでか、これまでのような爽やかな雰囲気よりも
翳りのある叙情が押し出されていて、聴きようによっては地味すぎて退屈に思える部分もあるが、
バンドの魅力はしっかりと発揮されているので、彼らのサウンドが好きならば心地よく楽しめるだろう。
限定盤2CDのdisc2には「New York Suite」と題された、ストーリーの後日談的な内容となっている。
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAGENTA「The Singles」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2007年作
いまや現在形英国シンフォを代表するバンドのひとつとなった彼らだが、
本作は過去に発表されたシングルからの楽曲を集めた企画アルバム。
クリスティーナ嬢の歌声とともにシンフォニックなアレンジで聴かせるサウンドは
適度にキャッチーなポップ感とモダンなセンスを含ませつつ、コンパクトに構築されている。
歌もの的な曲が多い分、プログレバンドとしてより女性声ロックとしての魅力が再認識できる1枚。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA「Metamorphosis」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの5th。2008年作
前作は歌もの中心のコンセプト作で、サウンド的にはやや地味だったのだが、今作では爽快なシンフォニックサウンドに戻っている。
ロブ・リードのプログレ的なシンセワークはますます本領を発揮、オーケストレーションを加えた壮麗なアレンジによって、
楽曲の重厚さが増している。クリスティーナ嬢の歌唱にもいっそうの表現力が加わり、線の細かった過去作に比べて音のスケール感が備わった。
20分を超える大曲2曲をメインに聴かせる、ドラマティックな高品質作。現時点ではバンドとしての最高傑作というべき出来だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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MAGENTA 「Live at the Point 2007」
マジェンタのライブ作品。2008年作
2007年の英国公演を収録したCD2枚組作品。1stから2007年の「The Singles」までの
4枚のアルバムから選曲された楽曲を中心に演奏。クリスティーナ嬢のキュートな歌声と、
ミニムーグの音色を含んだいかにもプログレ的なシンセワークとともに、爽快なシンフォニックロックを聴かせる。
メロディックなギターワークも随所にサウンドを彩り、楽曲におけるキャッチーなアクセントになっている。
Disc2ではデビュー作「Revolutions」からの14分を超える大曲2曲を演奏。アルバム以上にドラマティックで
プログレらしく起伏に富んだサウンドが楽しめる。以前のライブ作よりも、バンドとしてのまとまりを感じさせる好ライブ。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA「HOME-The Complete 2CD Edition」
英国のシンフォニックロックバンド、マジェンタの3rdの再発盤。2010作
本来は2枚組みとして作られた本作は、レーベルの意向により1CD+ボーナスCDとなっていたが、
本来の構想であった曲順に戻されて甦った。正直、最初のリリース時には地味な作品と思ったのだが、
主人公の女性がリバプールからニューヨークへ渡り、出会いや事件とともに人生を見つめてゆくという
ストーリーを念頭に入れながら、あらためて聴いてみると、ゆるやかに展開してゆくドラマティックな物語を
映画を見るようにして音楽で楽しむことができる。メロウなギターワークに、美しいシンセ、そして
クリスティーナ嬢の歌声が合わさった、しっとりと聴かせる大人のシンフォニックロックである。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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magenta 「chameleon」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2011年作
スタジオアルバムとしては6作目で、ロブ・リードのいかにもなプログレ的音色のシンセワークと
女性ヴォーカル、クリスティーナ嬢の歌声で聴かせるシンフォニックロックは本作も健在。
前作「Metamorphosis」に比べると、いくぶん初期の作風に戻った感じもあり
キャッチーで軽快な聴き心地と、しっとりとした叙情が同居したサウンドは、
これといった新鮮味はないものの、安心して楽しめるクオリティの高さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA「LIVE : On Our Way To Who Knows Whee」
イギリスのシンフォニックロック、マジェンタのライブ作品。2012年作
本作は2011〜2012年のヨーロッパツアーのライブを収録したCD2枚組。
ドラムが交代したことで、アンサンブルはより安定感を増し、ロブ・リードの美麗なシンセワークと
テクニックのあるギター、そしてキャリアをへて艶を増したクリスティーナ嬢の歌声とともに、
バンドとしての円熟した演奏が楽しめる。初期よりもぐっとアダルトな聴き心地で、
ときにアニー・ハズラムを思わせるやわらかなヴォーカルが魅力的です。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA 「The Twenty Seven Club」
イギリスのシンフォニックロック、マジェンタの2013年作
2001年にデビューしてから、女性Voをフロントにしたキャッチーなプログレサウンドで人気を博し
いまや英国シンフォを代表するバンドのひとつとなった。スタジオ作品としては7作目となる本作は
27歳の若さで亡くなったミュージシャン達…ジム・モリソン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、
ブライアン・ジョーンズ、カート・コバーン、ロバート・ジョンソン…をコンセプトにしたという作品で、
各楽曲ごとにそれぞれのアーティストをモチーフにしたドラマティックなシンフォニックロックを描いている。
10分を超える大曲を中心に、メロディックなフックと、ときにしっとりとした翳りのある叙情も含ませながら、
メリハリのある展開力とアレンジセンスを見せつける。いっそう円熟味を増したバックの演奏に、
艶めいた大人の香りを感じさせるクリスティーナ嬢の歌声も、ぐっと表現力を増してきている。さすがの力作です。
メロディック度・・8 プログレ・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA 「The Singles - Complete」
イギリスのプログレバンド、マジェンタの2015年作
2007年に発売された「The Singles」に、新たに楽曲を追加して2枚組仕様にした完全版。
美しいシンセアレンジにクリスティーナ嬢の美声を乗せて、優雅に聴かせるシンフォニックロックサウンドは、
キャッチーで爽快なメロディアス性を含めて、いわばYes+Renaissanceという聴き心地でもある。
Disc1にはこれまでのバンドのカラーを散りばめたシングル曲を12曲収録。EL&P“Lucky Man”のカヴァーなども
美しく叙情的な仕上がりだ。Disc2には新規リミックスや別バージョン、未発曲などを12曲収録。
バンドのファンはもちろん、バンドの入門用としてもうってつけの企画アルバムである。
メロディック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Marillion 「Script Fot a Jester's Tear」
イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの1st。邦題は「独り芝居の道化師」1983年作
演劇的な情感を含んだフィッシュの歌声は、明らかにGENESISのピーター・ガブリエルに影響を受けたもので、
7〜8分前後の長めの楽曲をメリハリのある構成で描いてゆく手法も、ジェネシスの80年代化というべき聴き心地。
スティーブ・ロザリーのギターは、適度にキャッチーでモダンな感触も匂わせつつ、メロウに楽曲を彩っている。
このシンフォ路線は3rdで集大成を見せ、バンドはしだいに方向性を変化させてゆく。
ドラマティック度・・8 ジェネシス度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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MARILLION「Fugazi」
イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの2nd。1984年作
GENESIS風味のダイナミックなハードシンフォだった1stから、今作ではややシンプルな感触になり、
ストレートで軽快さが増した。シンフォニックなシンセをバックに、スティーブ・ロザリーのギターは
メロディアスなフレーズを奏でつつ、ときにハードロック的な質感も垣間見せており、
パワフルなドラムの音も含めて録音が良いので、サウンドにはぐっと迫力がある。
相変わらずフィッシュの歌声は濃厚すぎるほどで、ときにやや暑苦しいのだが、
そこも含めてのカラフルなサウンドはキャッチーなプログレハードとしても楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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MARILLION「Misplaced Childhood」
イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの3rd。邦題は「過ち色の記憶」1985年作
物哀しいイントロのメロディから始まる本作は、主人公が少年の時代の亡霊と出会い、
過去への記憶を甦らせるというストーリーのコンセプト作。きらびやかなシンセとメロウなギター、
そして物語を語るようなフィッシュのヴォーカルとともに、ドラマティックに聴かせる傑作。
シンフォニックロックという点ではバンドの最高傑作といえるだろう。
繊細な叙情美とメロディの合わさった英国的なシンフォサウンドだ。
ボーナスディスク付きの限定盤、Disc2にはデモ音源など17曲を収録。
ドラマティック度・・9 メロディアス度・・8 叙情度・・9 総合・・8.5
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MARILLIONClutching at Straws」
イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの4th。邦題は「旅路の果て」1987年作
初期の濃密な作風よりもやや肩の力が抜け、ソフトな叙情性で聴かせる好作。
シンフォニックなシンセは控えめで、スティーブ・ロザリーのギターワーク前に出た印象。
自身の内面を歌うようなフィッシュの歌声は深みを増し、GENESISクローンと言われた
ホンプロックからの脱却が感じ取れる。ここにあるのは良質なメロディックロックであり、
英国的な叙情美ともに、自然体で聴かせるシンフォニックロックである。
ドラマティック度・・8 メロディアス度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「THE THEIVING MAGPIE」
英国ポンプロックの代表格、マリリオンのライブアルバム。CD2枚組。1988年作
80年代当時はIQらとともにGENESIS風のサウンドを標榜して、ポンプロックムーブを引き起こしたこのバンド。
このライブアルバムは、初期の代表作「MISPLACED CHILDHOOD」の完全再現を含む集大成的な作品である。
1枚目は3rdを除くアルバムからの選曲となっていて、やや小粒でポップなメロディの曲もある。
ややわざとらしいフィッシュの歌唱は、ライブで聴くといっそう好き嫌いが分かれるかもしれない。
これが2枚目の「MISPLACED CHILDHOOD」になると、このシアトリカルなVoがコンセプトサウンドにマッチして、
非常にドラマテイックに聴こえてくるから不思議だ。このDISC2を聴くだけでも価値がある。
おそらくPENDRAGONやARENAあたりの原点は、やはりこのサウンドだったのだと思える。
シンフォニック度・・(DISC1・・7 DISC2・・8) ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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Marillion 「Holidays in Eden」
イギリスのメロディアスロックバンド、マリリオンの6th。1991年作
スティーブ・ホガースが加入しての2作目となる本作は、うっすらとしたシンセアレンジと、
マイルドなヴォーカルを乗せた繊細で叙情的なサウンドに、アメリカ進出を意識したというように、
キャッチーでポップなナンバーも含んだ、耳心地の良さが際立っている。随所に泣きのギターフレーズも光っていて、
翳りを帯びたやわらかな空気感とともに、すでにのちのポストプログレ系というべきサウンドを確立しつつ、
しっかりとメロウな感触は残しながら、より多くのリスナーへ向けた普遍性も感じさせる。派手さはないがよい作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・8 総合・・8
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MARILLION「Brave」
イギリスのメロディアスロックバンド、マリリオンの7th。1994年作
前作「Holidays in Eden」でのキャッチーな路線から一転、壮大なコンセプト作となった。
うっすらとしたシンセワークに、メロウなギタートーン、そしてスティーブ・ホガースの
もの悲しくも優しい歌声で聴かせる、しっとりとした叙情サウンドは、プログレというよりは
今で言う薄暗系ロックの先駆けでもあり、たとえば、同時期のDREAM THEATERにおける
テクニカルなドラマ性とは対照的な構築の仕方である。おそらくは後のARENAなどにも
大きな影響を与えたであろう、このモダン志向の叙情ロックのスタイルは、ひとつの金字塔である。
リマスター盤にはもアコースティックバージョンなど未発曲を収録したの2CDの限定盤もあり。
しっとりメロウ度・・9 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「afraid of sunlight」
イギリスのメロディアスロックバンド、マリリオンの8th。1995年作
シリアス系のコンセプト作として成功を収めた「BRAVE」に続くこのアルバムは、
前作のダークな部分を残しながらも、楽曲的には分かりやすさを増した作風となっている。
「BRAVE」で身につけた「静寂と自然体の中の叙情」「コンセプト的なつながりのあるアルバム構成」
という新たなオリジナリティを遺憾なく発揮し、等身大のバンドの姿をさらしたサウンドといってもよいだろう。
最近のARENAあたりにも通じるものを感じられるが、それもこのバンドの存在があったからこそだろう。
聴く側も肩の力を入れずに、ゆったりとこの深遠な楽曲に身を任せられる、そんな音楽である。
それにしてもバラード曲でのステイーブ・ホガースの歌唱は以前にも増して胸を打つ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 深遠度・・8 総合・・8
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MARILLION「Made Again」
英国のメロディックロックバンド、マリリオンのライブアルバム。1996年作
CD2枚組で、Disc1は1991年ロンドン、1995年ロッテルダムのライブを収録。
スティーブ・ホガースのマイルドな歌声を中心に、やわらかみのある演奏と
ゆったりとした叙情美で聴かせる、ほの暗さが心地よいサウンドだ。
Disc2は1994年のパリでのライブを収録。名作「Brave」の完全再現で、
哀愁漂うコンセプト作を、楽曲の連なりで再現してゆく様は圧巻だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ゆったり叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「This Strange Engine」
マリリオンの9th。1997年作
ここにきてほぼ完全に脱プログレを果たし、自然体のメロディアスロックを歌ものとして聴かせる術を身に付けた。
ギターはアコギ中心になり、バックの演奏もしごくシンプルに、そしてホーガスの歌唱の重要度は否が応にも高まっている。
じつに聴きやすく、質の高いメロディアスロックといっていいが、今作あたりからプログレファンが離れていってしまうのは
ある意味仕方がないだろう。しかし、このせつないような内的叙情は実に日本人向けだとは思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 歌もの度・・8 総合・・7.5
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MARILLION「RADIATION」
マリリオンの10作目。1998年作
印象的なジャケはプログレな雰囲気を感じさせるが、サウンドの方はじつに自然体の歌ものロックで、
オルガンなどのシンセアレンジやホガースの歌声の魅力とともに、適度にキャッチーかつメロウな味わいで楽しめる。
もはや彼らは、マリリオンという名の英国叙情ロックバンドであり、ネオプログレとは別次元の存在である。
しかしながら、英国らしい倦怠を含んだしっとりとした叙情性は、この後の作品でさらに深まってゆくことを思えば、
過渡期の作品としては、試行錯誤ではなくより自然体の音を目指す、彼らの意図はしっかりと表現されているともいえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 歌もの叙情度・・8 総合・・7.5
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MARILLION「marillion.com」
マリリオンの11作目。1999年作
薄暗い叙情性を含んだモダンなメロディックロックは、前作からの自然体の流れをよりスタイリッシュに深化させている。
スティーヴ・ホガースのヴォーカルを中心にした、耳心地の良い歌もの感と、メロウなギターと美しいシンセアレンジによる、
シンフォニックな質感も加えた作風は、2000年以降の英国のモダンプログレの新たな指針というべきサウンドである。
楽曲は4〜6分前後中心のシンプルな聴き心地ながら、後半には15の大曲もあって、しっかりとプログレらしい展開力と構築センスが光っている。
サックスが鳴り響く大人の哀愁と叙情に包まれたラスト曲まで、この時期のマリリオンを敬遠していた方にも、ぜひ聴いて欲しい力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 歌もの叙情度・・8 総合・・8
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MARILLION「Marbles」
英国のプログレロックバンド、マリリオンの2004年作
通算13作目のアルバムで、すでにプログレともポンプロックとも異なる、しっとりとした叙情の
薄暗系モダンロックというべき作風なのだが、今作では幻想的な情緒を漂わせたシンセワークと
メロウなギターに包まれて、不思議な浮遊感とゆるやかな叙情美が楽しめるサウンドになっている。
いくぶんシンフォニックロック的な感触も戻ってきて、かつての「BRAVE」あたりにも通じるコンセプト風味が見事。
1枚ものも出ているが、2CD盤の方が、よりドラマティックな流れを感じられるのでオススメです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりメロウ度・・9 総合・・8
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Marillion 「Marbles Live」
イギリスの叙情ロックバンド、マリリオンのライブ作品。2005年作
2004年の傑作「Marbles」を完全再現したライブで、メロウで薄暗い叙情と
繊細な美しさはそのままに、ライブならではの躍動感が加わった見事な演奏。
ドラムを含めて安定したアンサンブルとベテランならではのグルーブに加えて、
スティーブ・ロザリーのギターも随所に泣きのメロディを聴かせる。そしてやはり、
スティーブ・ホガースの詩情あふれるヴォーカルがこの世界観の核を担っている。
バンドのファンはもちろん、近年のマリリオンを初体験の方にも薦めたい見事なライブ作品です。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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MARILLION「Happiness Is the Road」
イギリスの叙情ロックバンド、マリリオンの2008年作
2004年の「Marbles」、2007年の「Somewhere Else」から続く、メロウな叙情路線を踏襲した2枚組の大作。
スティーブ・ホガースのマイルドな歌声を中心に、うっすらとしたシンセと、繊細なギターワークで描かれる、
いわゆるポストプログレの王道で、薄暗い叙情の中にも、やわらかな希望の光が差し込むような、耳心地のよいサウンドだ。
Disc2では、よりドラマティックな感触が増していて、うっすらとしたシンセとメロウなギターワークに
スティーブ・ホガースの情感豊かな歌声で描かれる繊細なサウンドは、これぞマリリオンというもの。
ゆるやかな盛り上がりを含んだ聴き心地にうっとり。2枚通して通してじっくり鑑賞したい逸品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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MARILLION「Live From Cadogan Hall」
英国のプログレロックバンド、マリリオンのライブアルバム。2011年作
スティーヴ・ホガース加入後のアルバムからセレクトされた楽曲で作られたアコースティックアルバム、
2009年作「Less Is More」にともなう、2009年のライブツアーを収録したCD2枚組。
もともとやわらかな叙情を聴かせる彼らの楽曲が、さらに美しく、耳に優しくなって
アコースティックにアレンジされていて、しっとりと鑑賞できる。シンプルな音数の中でも、
スティーブ・ロザリーのギターワークはさすがの存在感で、表現豊かなホガースの歌声を引き立てている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 しっとり繊細度・・9 総合・・7.5
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MARILLION「Sound That Can't Be Made」
英国のプログレロックバンド、マリリオンの2012年作
2008年の「Happiness Is the Road」以来となるスタジオアルバム。ほの暗い叙情と繊細な感触はそのままに、
本作では楽曲におけるダイナミズムが増していて、随所にハードめのギターが入ったり、
オーケストラルなアレンジによる、スケール感のある壮大な雰囲気をサウンドに加えている。
スティーブ・ホガースのやわらかな歌声とともにに、泣きのギターを含んだ叙情美も素晴らしく、
17分、14分という大曲をゆるやかに構築するセンスはさすが。ポストプログレ的な聴き心地で楽しめる力作。
ドラマティック度・・8 繊細度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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MARILLION 「F.E.A.R」
イギリスのメロディックロック、マリリオンの2016年作
1983年にデビュー、初期のポンプロック路線からしだいに深みを増したメロウなサウンドへと移行、
いまでいうポストプログレの先駆けというべき繊細な叙情美をまといながら、いまや世界的な評価も取り戻した。
通算18作目の本作は、人間の存在意義をテーマにしたコンセプト作品で、タイトルは「FUCK EVERYONE AND RUN」の略。
組曲構成の大曲3曲を軸に、スティーヴ・ホガースのマイルドな歌声に、いつになくシンフォニックなアレンジとともに、
うっとりとするような繊細な叙情美のサウンドが広がってゆく。スティーブ・ロザリーのギターも随所に泣きのフレーズを奏で、
じわじわと盛り上げてゆく感触は、いわばポストプログレとシンフォニックロックを融合させたような聴き心地である。
コンセプトアルバムとしては「BRAVE」、「MARBLES」にも通じる、スケール感のあるドラマティックな流れで楽しめる傑作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・9 総合・・8.5
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Martin Orford「Classical Music and Popular Songs」
IQのシンセ奏者、マーティン・オーフォードのソロ作。2003作
先に聴いた「The Old Road」があまりに素晴らしかったので、本作も慌てて購入したのだが、
こちらも劣らず素晴らしい。たおやかなフルートの音色から始まり、きらびやかなシンセワークと
キャッチーなヴォーカルメロディによる爽やかなシンフォニックロックサウンドが響きわたる。
ゲイリー・チャンドラー(JADIS)のギターワークもさすがで、繊細でクラシカルな楽曲を引き立たせている。
ゲストのジョン・ウェットン、ピーター・ニコルズ(IQ)が1曲ずつヴォーカルで参加。メロディ派必聴!
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 繊細で爽やか度・・9 総合・・8.5
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Martin Orford「The Old Road」
IQのシンセ奏者、マーティン・オーフォードのソロ作。2008年作
突如IQを脱退したオーフォードは、自身の音楽活動のキャリアの最後として本作を制作。
ジョン・ウェットンをはじめ、ジョン・ミッチェル(IT BITES)、ゲイリー・チャンドラー(Jadis)、
スティーブ・ソーンら多数のゲストが参加。オーフォードの美しいシンセワークを軸に、
メロディアスなギターとキャッチーな歌メロで聴かせる、絶品のシンフォ・プログレハード作だ。
TRANSATLANTICばりの爽快なメロディと、古き良きシンフォニックロックの質感が合わさり、
ASIAあたりを思わせるヴォーカルハーモニーがやわらかにかぶさる。JADISばりの泣きのギターも
たっぷりと入って、叙情豊かに繰り広げられるこれは素晴らしいシンフォニックハードの美麗傑作。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・9 プログレハー度・・8 総合・・8.5
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Mary Jane「Eve」
イギリスのフォークロックバンド、マリー・ジェーンの2010年作
女性ヴォーカルにギター、ベース、ドラムというロック編成に、ヴァイオリンなどが加わった
フォーキーな質感と、70年代的な古き良き英国ロックの牧歌性を継承したような雰囲気。
上手すぎない女性ヴォーカルの歌声もむしろローカルな感じでよろしい。
土着的要素が薄めなので、普通にCurved Airのようなプログレとしても聴けたりする。
フォークロック度・・8 英国度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MASCHINE「Rubidium」
イギリスのハードプログレバンド、マシーンの2013年作
The Tangentにも参加した若手ギタリスト、ルーク・マシン率いるバンドで、
適度にテクニカルな硬質感とProgMetal的な構築センスを含んだ新時代のハードプログレサウンド。
メンバーはブライトン現代音楽学校の出身ということで、音楽理論に基づいた技術の高さも含めて
DREAM THEATERなどに通じる部分もあるが、こちらはもっと軽妙でメタルフュージョン的な聴き心地である。
随所に覗くキャッチーな感触はIT BITESからの影響もあるのだろう。モダンなセンスの良さには、今後に期待できる新鋭だ。
ボーナストラック2曲はよりプログレ色が濃いナンバーで、女性ヴォーカルが加わったりと、本編以上に優雅で素敵です。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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MASCHINE 「Naturalis」
イギリスのハードプログレバンド、マシーンの2016年作
The Tangentにも参加していたギタリスト、ルーク・マシン率いるバンドの2作目で、新たに加入した女性シンセ奏者による
モダンなシンセワークと巧みなツインギターを乗せた、適度にハードな硬質感と知的な構築性で聴かせるサウンド。
エモーショナルなヴォーカルに女性コーラスを重ねた浮遊感と、テクニカルなギタープレイの対比も含めて、
いわゆるDjent風味のカラフルな技巧性と優雅な叙情性が交差する。オールドなプログレ要素がない分、
メロディックな部分でもあくまでクールな感触で、良い意味で無駄をそぎ落としたスタイリッシュなセンスが光っている。
とてもモダンな作風だが男女声のキャッチーな歌メロが心地よいナンバーもあり、ProgMetal的というよりは、
フュージョン的でもあるアーバンなセンスと軽妙な優雅さが魅力だろう。これぞ新時代のテクニカルプログレだ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 モダン&スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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Messenger 「Threnodies」
イギリスのプログレバンド、メッセンジャーの2016年作
二人のG&Voにシンセを含む5人編成で、やわらかなシンセにキャッチーなヴォーカルハーモニーで聴かせる、
Moon Safariあたりにも通じる繊細な聴き心地で、ときにポストプログレ的な浮遊感も含んだサウンド。
古き良きロックの優しいアナログ感に、どこか懐かしい匂いも感じさせ、適度に技巧的なアンサンブルを描き出しながら、
一方では、オルガン鳴り響く、Uriah Heepばりのヴィンテージなハードロック風味もあったりと、
70年代の英国ロック風味と繊細なアレンジで適度なモダンさを巧みに同居させるセンスも素晴らしい。
派手さはないが、なつかしくも新しい、新時代のヴィンテージプログレとしても楽しめる逸品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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Moria Falls 「The Long Goodbye」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モリア・フォールズの1995年作
90年代のネオプログレ・ムーブメントに乗ってデビューしたバンドのひとつ。
美しいシンセアレンジにメロウなギターで聴かせる、GENESISルーツのシンフォニックロックで、
ゆったりとメロディアスな楽曲にマイルドなヴォーカルを乗せたサウンドはなかなか聴き心地良く、
ARENAPENDRAGONほどには突き抜けたメロディの魅力はないものの、ポンプ以降のシンフォニックロックが好きなら
それなりに楽しめるだろう。全体的にはにさらりと聴き流してしまう中庸感があるのが惜しい。
バンドはこの後2ndを出したようだが、それ以降の音沙汰は聞かない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国ポンプ/シンフォ度・・8 総合・・7.5
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The Morrigan 「Spirit Of The Soup」
イギリストフォークロック、モリガンの1999年作
デビュー前、1985〜86年にかけてのデモ音源をCD化した作品で、トラッドナンバーのアレンジをメインに、
何曲からのオリジナル曲もやっている。どことなくサイケ感を漂わせたギターに、女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
いくぶん妖しい土着性を含んだ感触は、Curved Airあたりにも通じるようなサウンドであるが
牧歌的なリコーダーや優雅なハープの音色には、ケルティックな雰囲気を漂わせる。
うっすらとしたシンセによるアレンジに、ソーニャ・クリスティーナばりの艶めいた女性ヴォーカルが、
浮遊感と同時に魔女めいた幻想性になっていて、デモでありながらすでに個性的な聴き心地である。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 ケルティック度・・8 総合・・7.5
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THE MORRIGAN「RIDES OUT」
イギリスのトラッド・ロックバンド、ザ・モリガンの1st。1990年作
デモ音源に続く正規の1stで、ケルトやトラディショナルなメロディをたっぷりと取り入れ、
それをロックフォーマットで演奏するというスタイルは、この時点ですでに確立している。
エレキギター、キーボードなどをトラッドメロディと上手く融合させ、とロック的な躍動感と両立させているという点で、
後のLegendやMostly Autumnなどにも少なからず影響は与えているかもしれない。
曲によっては女性ヴォーカルも入ってきて、アルバムの中でアクセントになっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ケルティック度・・8 総合・・7.5
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The Morrigan 「Wreckers」
イギリスのトラッドロック、モリガンの1996年作
フルートが鳴り響くケルティックなフォーク要素と、ロックのダイナミズムを融合させたサウンドは
本作でより説得力をともなった世界観を描くようになった。かつてGryphontがやったような
中世音楽的な神秘性とプログレとの合体が、よりシンフォニックなテイストで具現化したという聴き心地。
ソーニャ・クリスティーナを思わせる女性ヴォーカルの歌声も、楽曲の雰囲気によくマッチしている。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 ケルティック度・・8 総合・・8
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THE MORRIGAN「MASQUE」
イギリスのケルティックロックバンド、ザ・モリガンの1998年作
ロックフォーマットのギター、ドラム、シンセなどにフルートやアコギ、ヴァイオリンなどが
上手く溶け込んでいる。男女ヴォーカルの歌うメロディも伝統的なブリティッシュトラッドのそれだ。
同郷のGRYPHONなどに通じる部分もあり、さわやかなトラッドシンフォロックという感じ。
フォーク/トラッド要素が嘘臭くなく、それらをしっかりと研究し、シンセやギターなどと
違和感なく融合させているのが素晴らしい。トラッド・ロック好きには自信を持ってお勧めできる一作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ケルティック度・・8 総合・・8
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THE MORRIGAN「HIDDEN AGENDA」
英国のケルティックロックバンド、ザ・モリガンの5th。2002年作
今作もフルート、ギターなどによるトラッドメロディをたっぷり取り入れて、
演奏的にはシンセの比重も増したことで、よりシンフォニックロック的になった。
また、ジャケットアートの通りの中世音楽的な世界観もあって、
かつてのGryphonなど、この手のサウンドが好きな者には心地よい音楽である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 中世音楽度・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「FOR ALL WE SHARED」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モーストリィ・オータムの1st。
ヴァイオリンなどを取り入れ、トラディショナルで懐かしい感じのサウンドは、
シンフォニックというよりは、Barclay James Harvestにも通じる土と森の香りがする。
音自体にさして目新しさはないが、男女ヴォーカルの歌声とともに安心して楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 トラッ度・・7 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「THE LAST BRIGHT LIGHT」
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムの3rd。2001年作
1stの時点ではまだイモ臭い印象だったが、この3作目ではアレンジに吹っ切れが見られ、
曲の盛り上げ方がより大胆に、全体としてもより引き締まったクオリティに仕上がった。
アコースティック楽器をほどよく取り入れ、民族色も嘘臭くない程度の導入でバランスがよく、
シンフォニックロックとしての音の強度が上がっている。マイルドな男性ヴォーカルに、美しいシンセワーク、
そしてヘザー・フィンドレイ嬢のやわらかな歌声も耳心地よい。初期の最高傑作と言い切れる内容だ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「THE STORY SO FAR...」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブDVD。
このバンドの音を一言で言うと、フォーク風味のある田舎っぽいメロディアスロックで、
CDで聴く分にはそう気にならなかったが、繰り返しの多い曲調や、耳をひくほどのアンサンブルもなく、
映像を見ながらだと、メンバー数の多さほどは音が詰まっていない気がしてしまうのだ。
スレンダーな体系の腹出し衣装の女性Voが素敵、とか、フルート兼コーラスのお姉ちゃんも良いな、
などという見方をついしてしまう(笑)。やはりもう少し曲そのものに切り返しが欲しい。
中世音楽風のアプローチの曲もあり、個人的にはこうした要素をもっと本格的にやってもらいたい。
ライブ映像の他に、リハーサル風景やインタビュー、フォトも入っていて、
スタジオではなくどこかのロッジのようなところで練習しているのがいかにも“らしい”。
ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8  素朴な叙情度・・6 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「HEROES NEVER DIE/Catch the Spirits」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのベストアルバム。2002作
牧歌的なメロディと女性ヴォーカルの歌声で、しっとりとした英国シンフォを聴かせるこのバンド、
本作は4thまでの曲をピックアップしリレコーディングしたという変則的ベストアルバムで
原曲と聴き比べてはいないが、より音に厚みが増してシンフォニック性を強めている。
ファンなら買いだろう。またこのバンドをまだ聴いたことがない方の入門用にもお薦めだ。
左は1枚組で、右の画像は2枚組のジャケット。それぞれタイトルも違うのでご注意。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「LIVE IN THE USA」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2003作
ケルトテイストのあるシンフォニックロックバンドとして、着実な人気を得ているこのバンド。
このライブ作は、2002年アメリカはトリントンでのステージを収録、全11曲78分たっぷり聴かせてくれる。
決して派手さはないが、まるで自然の風景が目に浮かぶようなゆるやかな楽曲に、
アコギやフルートなどのアコースティカルな要素も調和して、じつに耳に優しい。
ヘザー嬢の歌声にはさほど華やかさはないが、その分バンドの素朴な方向性にマッチしている。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「AT THE GRAND OPERA HOUSE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブDVD。2003作
ニューヨークはグランドオペラハウスでのライブの模様を収録。客席は2階桟敷もあり、なにやら格調高い雰囲気。
バンドのDVDとしてはすでに3作目で、演奏は初期の頃に比べずいぶんと一体感が感じられる。
バンドの色であるトラッド・フォーク色を折り込みつつ、繰り返しの多い曲調ながらも
それらを活かした音のメリハリの付けかたが上手くなったという印象だ。
中盤からは弦楽隊も加わり、しっとりとシンフォニックに曲はゆるやかに盛り上がってゆく。
赤いドレスのヘザー嬢のヴォーカルもなかなか素晴らしく、今やこのバンドの顔であるし、
フルート兼コーラスのグラマーなアンジェラ嬢も音の中で効果的な役をになっていて、
フォーク色のあるシンフォニックロックという彼らの持ち味に貢献している。
コーラス隊にストリングスが重なる曲では、「これぞシンフォニック」という大盛り上がりを見せる。
シンフォニック度・・9 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Mostly AutumnFiddler's Shindig」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2003年作
英国Classic Rock Societyで2001年のベストバンドに輝いた彼らの2002年のライブを収録。
男女ヴォーカルの歌声と、たおやかなフルートの音色、適度にフォーキーな香りを感じさせるメロディで、
素朴で温かみのあるシンフォニックロックをライブにおいてもたっぷり聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 素朴な叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「PASSENGERS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリィ・オータムの5th。2003作
初期のイモ臭さから、3rd「THE LAST BRIGHT LIGHT」では一皮剥け、
5作目となるこのアルバムでは楽曲のドラマティック性がいっそう増している。
なによりリズムがダイナミックになり、以前のようなもったりとした印象がなくなりつつある。
さらに女性Vo、アコースティックによるフォーク色も曲に上手く融合され、
いよいよ独自の「田園風シンフォ」サウンドを確かなものにしてきているのが頼もしい。
盛り上がりでは聴いていて純粋に高揚感が味わえるし、素直に頭を横に振りたくなる。
やはり女性Voメインのバラード曲がしっとりと美しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 田園度・・9 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「THE NEXT CHAPTER」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブ&映像作品。
本DVDはイギリスとアメリカでのライブ映像に、美しいイメージ映像を配した作りとなっている。
ライブにおいても、肩の力の抜けた楽しそうな演奏で、ゆるやかに盛り上がる楽曲に、
女性Voのヘザー嬢に、フルート&コーラスのアンジェラ嬢の「紅二点」がステージに華を添えている。
川のほとりでの演奏や、緑の山林、流れゆく雲などを映したイメージ映像なども美しく、
これほど自然風景の似合うバンドというのも珍しい。このバンドの牧歌的なイメージが楽しめる作品だ。
ライブ映像・・7 イメージ映像・・8 ヘザー嬢・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「THE V SHOWS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリィ・オータムのライブDVD。2004作
DVD作品としてはすでにこれが4作目。今回はロンドンはアストリアシアターでのライブ映像。
アルバム「PASSNGERS」からの楽曲を中心に、メロディアスで安定した演奏を聴かせてくれ、女性Voヘザー嬢の歌唱もしっとりと美しい。
プログレというよりはフォーキーなものを感じるメロディックロックだが、弦楽隊を加えてシンフォニックに盛り上がる様などは
なかなか素晴らしい。ステージ後ろのスクリーンに映し出されるイメージ映像や、カメラワークなどにもお金と手間隙がかけられた
丁寧な作りで好感がもてる。白い衣装のヘザー嬢と黒衣装のアンジェラ嬢(フルート&キーボード)というコントラストもよいし、
堂々としたパフォーマンスのヘザー嬢の歌唱には、このバンドが絶頂期にあることが見て取れる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MOSTLY AUTUMNStorms Over Still Water
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの6th。2005年作
これまでの牧歌的な田園風シンフォ路線から、一聴してヘヴィになったギターサウンドが耳につく。
このメタリックな質感はここにきての新機軸で、結果としシンフォニックな部分での音の厚みがぐっと増している。
もちろん牧歌的なメロディの質感は彼らならではのもので、男女ヴォーカルの歌声にやわらかな女性コーラス、
ピアノやフルートなどの美麗なアレンジとともに、サウンドのメリハリとアレンジの質も向上してきている。
ハードシンフォ系のリスナーからフォーキーなメタルファンにまで広くアピールする傑作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 しっとり度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「STORMS OVER LONDON TOWN」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2006作
現在までにアルバム8枚を出し、名実共に英国シンフォニックの代表格のひとつとなったこのバンド、
本作は6thStorms Over Still Waterにともなうツアーか、2005年ロンドンでの公演を収録。
同アルバムは従来の作品よりもダイナミックなサウンドとなった傑作であったが、
それはこのライブ音源でも同様で、男女ヴォーカルの歌声に壮麗なコーラスワーク、
シンセとギターが重厚に重なると、牧歌的でありつつもシンフォニックな広がりに包まれる。
ノリのよい曲ではロックとしての勢いもあって、プログレと思わずとも楽しめる。
フォーキーな土着性も適度にある。元KARNATAKAのレイチェル嬢もゲスト参加。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「Heart Full of Sky」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの7th。2006作
自主レーベルになっての二作目は、若干のメンバーチェンジを経ての作品となった。
男女Voの歌声に、メロウなギターとシンセ、そして艶やかなヴァイオリンの重なる1曲目は
これまで以上にシリアスな音で、ドラマティックに雄大な叙情を聴かせる。2曲目以降は、
やや肩の力の抜けた田園ロック調の雰囲気で、彼らのルーツであるPINK FLOYD的な
ゆったりとしたロック曲が混じるので、シンフォニック耳にはやや物足りないか。
そんな中でもヘザー嬢のやわらかな歌声は、やはり耳に優しくうっとりとなるし、
曲によってはハードシンフォニック的な盛り上がりを見せて、ときおりテンションがぐっと上がる。
ただ全体的には、ハードエッジな部分と、フロイド的な牧歌性が交互にきて
メリハリはあるのだが少し聴き疲れがするというのが正直なところか。
フルートやヴァイオリンなどのフォーク的な土着性は持ち味なので、そこをもっと伸ばして欲しい。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「Glass Shadows」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの2008作
新たに女性コーラスを加え、フロントのヘザー嬢とフルート奏者のアン・マリー嬢を含めて女性が3人歌をとる。
サウンドの方はシンフォニックさよりも、古き良きブリティッシュロックの素朴さが増し、
リーダーであるブライアン・ジョシュのマイルドな歌声とともに英国的な翳りを感じさせる楽曲は
あえて派手さを抑えて、1ロックバンドとしての原点に立ち戻ったような雰囲気を漂わせる。
最近のシンフォニックリスナーからするとやや地味に聴こえるかもしれないが、
このやわらかな叙情と薄暗さの中にある人間的な温かみは、むしろ現在においては貴重な音だろう。
牧歌的な味わいの中で、ヘザー嬢の絶品の歌声が映えるバラード曲などもじつに感動的だ。
シンフォニック度・・7 ブリティッシュ度・・9 素朴な叙情度・・10 総合・・8.5
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Mostly Autumn 「Pass The Clock」
イギリスのシンフォニックロック、モスタリー・オータムのアンソロジー。2009年作
1998年デビュー作「FOR ALL WE SHARED」から、2008年作「GLASS SHADOWS」までの
バンドの20年間の軌跡を総括する作品で、CD3枚にリマスター音源全35曲を収録。
牧歌的な素朴さとシンフォニックな優美さを合わせたサウンドは、英国らしい叙情に包まれていて
男女ヴォーカルの歌声で聴かせるフォーキーな味わいも魅力的なバンドなのである。
以前からのファンはもちろん、これからこのバンドを聴く方への入門用にもうってつけの作品です。
メロディック度・・8 牧歌的度・・8バンドの歴史度・・9 総合・・8
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Mostly Autumn「Live 2009 Vol.1/vol.2」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2009年作
それぞれ別売りの2枚に分けられたライブアルバムを一緒にレビュー。
アコースティックなフルートなどを使った牧歌的なフォーク風味と女性ヴォーカルの歌声、
そこにシンフォニックロックを融合させたスタイルは、古き良き英国ロックの風味も残しながら
耳に優しく響く。ヘザー嬢のやわらかな歌声を中心に、オリビア嬢のコーラスも絡みつつ、
現在はPANIC ROOMでも活躍するアン・マリー嬢のフルートもしっとりと美しい。
個人的には大好きな泣きの叙情曲、“Half The Mountain”が聴けるのも嬉しい。
シンフォニック度・・8 牧歌的度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8


Mostly AutumnGo Well Diamond Heart」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの2010年作
いまや英国を代表するシンフォニックバンドとなった彼ら、これまでフロントを務めてきた
女性ヴォーカルのヘザー嬢が脱退し、本作ではオリビア嬢がリードヴォーカルに昇格している。
ケルティックなぬくもりをフォーキーなシンフォニックロックに融合させたサウンドは不変で、
リーダーであるブライアン・ジョシュの描き出す牧歌的な英国ロックに聴き惚れる。
サウンドとしてのクオリティも素晴らしく、録音に手間隙をかけたキメの細かさはこれまで以上で
アコースティカルなやわらかさととロックとしての躍動感の融和が、よりダイナミックに聴こえてくる。
オリビア嬢のヴォーカルはいくぶん地味にも思えるが、しっとりとした世界観にはよく合っており、ラスト曲は感動的。
また、彼らにしては珍しく戦争をテーマにした緊迫感あるナンバーなどもあって、作品としてのメリハリとなっている
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Mostly AutumnThat Night in Leamington
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
バンドを脱退するヘザー・フィンドレイの2010年に行われたラストライブを収録したCD2枚組だ。
これまで看板女性Voとして10年以上活動してきたヘザー嬢がバンドを去るのは残念だが、
PANIC ROOMでも活躍するフルート兼Voのアン・マリー嬢Breathing Spaceオリヴィア嬢という
豪華なヴォーカル陣は健在なので、バンドの今後に不安はない。演奏の方も安定感はさすがで、
過去の代表曲をCD2枚たっぷり楽しめる。MCや観客の反応は、別れの雰囲気をかもしだしていてしんみり。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Mostly Autumn「Still Beautiful: Live 2011」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
長年フロントを務めたヘザー嬢が脱退、代わりにジャケのオリヴィア嬢がメインヴォーカルとなっての
初のライブアルバム。サウンドの方にはとくに大きな変化はないが、曲によっては以前よりもノリのよい
ロック色が増したかなという印象も。もちろんしっとりとしたシンフォニック路線やフルート入りの叙情性も健在、
メロウなギタートーンも含めて円熟した演奏で、新旧まじえた楽曲をCD2枚たっぷり聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Mostly Autumn「Live At High Voltage 2011
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
最近やたらとライブ作品を乱発しているこのバンドだが、本作もヘザー脱退後のステージを収録。
CD2枚組なのだが、Disc2はPCで見られるバックステージを収録というファン向けのアイテム。
正直、演奏の方はどうということもなく、音質も最高とは言い難い、いわばオフィシャルブートレベル。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7
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Mostly Autumn 「The Ghost Moon Orchestra」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータム2012年作
1998年にデビュー、いまや英国シンフォニックを代表するバンドとなった彼ら。
10作目となる本作は、フロントヴォーカルがオリビア嬢に替わっての2作目である。
しっとりと美しい女性ヴォーカルの歌声と、美しいシンセアレンジによる叙情性、
これまで以上にスケール感とダイナミズムが増した楽曲は、壮麗にして重厚だ。
男性ヴォーカルメインの曲もあるが、フォーキーな素朴さと古き良きロックの質感を
同居させたアレンジはじつに巧みで、曲ごとの男女ヴォーカルの配置もよく考えられている。
前作も素晴らしかったが、今作もバンドの力量と経験を発揮した見事な傑作である。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Mostly Autumn 「Live at the Boerderij」
イギリスのメロディックロック、モストリー・オータムのライブ作品。2013年
2012年のオランダ公演を収録した2枚組のライブ作品。美貌の女性ヴォーカル、オリビア・スパルネン嬢をフロントに、
リーダーでギター&ヴォーカルのブライアン・ジョシュ、ヴォーカルにフルート、シンセをこなすアン・マリー・ヘルダー嬢を含む
7人編成による、厚みのある演奏が繰り広げられる。イアイン・ジェニングスのシンフォニックなシンセワークも見事で、
美しい女性ヴォーカルの歌声に、メロウなギターフレーズも絡ませながら、ときにフルートによるフォーキーな味わいとともに
叙情的でドラマティックなサウンドが楽しめる。15年を数えるバンドとしてのキャリアが自信となって音に現れており、
ツインギター、ツインキーボード、ときにトリプルヴォーカルにもなる、これまで以上にダイナミックな聴き心地が素晴らしい。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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Mostly Autumn 「Dressed in Voices」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの2014年作
1998年にデビュー、いまや英国シンフォニックを代表する存在となったこのバンドの11作目。
牧歌的な素朴さとシンフォニックな美麗さを同居させ、男女ヴォーカルの歌声とともに聴かせる、
その楽曲アレンジは、すでに熟練の域に入りつつある。オリビア嬢の歌声はしっとりと美しく、
ゆったりとした曲においても優雅で魅力的な説得力をサウンドに与え、イアイン・ジェニングスのシンセワークや
リーダーであるブライアン・ジョシュのメロウなギターとヴォーカルも曲調に大人の彩りと厚みを加えている。
前作ほどの派手さはないが、バンドとして肩の力の抜けた自然体の実力が発揮された好作といえるだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Mostly Autumn 「Box of Tears」
イギリスのシンフォニックロック、モスタリー・オータムの2015年作
1998年にデビュー、現在までにアルバム11作、ライブ作品も多数発表し、いまや英国を代表するバンドといってよい。
本作は2014年作「DRESSED IN VOICES」発表後の英国ツアーでのステージから、同アルバムの全曲を収録。
フロントを務めるオリビア嬢のしっとりと美しい歌声に、シンフォニックなシンセアレンジと厚みのあるアンサンブル、
リーダーでギター&ヴォーカルのブライアン・ジョシュのかもしだす英国フォークルーツの牧歌的な叙情性が合わさった
独自のスタイルと世界観はいまや円熟の域にあるといってよい。スタジオ作の方はやや落ち着いた作りに感じたが、
ライブでのドラマティックな再現は、メンバーたちのキャリアと実力によるものだろう、メリハリに富んだ見事な演奏だ。
バンドのファンはもちろん、MAを初めて聴くという方にもオススメの素晴らしいライブ作品です。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・9 叙情度・・9 総合・・8.5
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Mostly Autumn 「Sight of Day」
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムの2017年作
1998年にデビュー、本作ですでに12枚目のアルバムとなる、英国を代表するシンフォニックロックバンド。
のっけから14分を超える大曲で、クラシカルなピアノと美しいシンセワークに、オリヴィア嬢のやわらかな歌声を乗せ、
しっとりとした優雅さと気品を感じさせるサウンドが広がり、牧歌的なフォーク風味を含んだ英国らしい空気感とともに
じわじわと盛り上がるいつものモストリー節が楽しめる。フルートやヴァイオリンなども加えたアコースティックな素朴さと
古き良き英国らしさをシンフォニックロックの中に自然に取り入れるセンスは、さすがキャリアのあるバンドで、
男女ヴォーカルの歌声にメロウな泣きのギターで涙腺を刺激するところは、初期から中期の作風に戻った感触もある。
トロイ・ドノックリーが参加してバグパイプが鳴り響くスコティッシュなテイストなども含めて、大人の余裕を感じさせる好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8 
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Mr. So & So 「Truth, Lies & Half Lies」
イギリスのハードシンフォニックバンド、ミスター・ソー&ソーの2013年作
結成は1989年というなにげにベテランで、本作は5作目のアルバム。
のっけからメタルばりのヘヴィさで始まるが、適度にモダンなハードエッジとともに
男女ヴォーカルの歌声で聴かせる、キャッチーな味わいも広がってゆく。
プログレというよりは、ポンプロックの進化系というべき聴き心地であるが、
同郷のTouchstoneなどにも通じるハードシンフォニック系の好作である。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5




THE MUTE GODS 「Do Nothing Till You Hear From Me」
Steven Wilson
バンドやIONALIFESIGNSにも参加するベース奏者、ニック・ベッグスと
Steve Hackett Bandのシンセ奏者、ロジャー・キングによるユニット、ミュート・ゴッズの2016年作
ドラムにはマルコ・ミネマンが参加、適度にモダンでソリッドな硬質感と、キャッチーな歌もの感に、
シンフォニックなシンセアレンジを加えた聴き心地。ニック・ベッグスのマイルドな歌声は、
80年代ルーツの爽快なポップ性も感じさせ、全体としてはモダンなメロディックロックでありながらも、
さすがの実力者たち、ミンネマンのドラムとベッグスのベースもじつによい仕事をしているし、
ロジャー・キングのシンセが美しく彩る、繊細なプログレらしさもしっかりと融合されている。
KINOPocupine Treeあたりが好きな方にもお薦めの、英国モダンプログレの好作品だ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・8
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THE MUTE GODS 「Tardigrades Will Inherit the Earth」
イギリスのプログレユニット、ミュート・ゴッズの2017年作
2作目となる本作も、ニック・ベッグス、ロジャー・キング、マルコ・ミンネマンのトリオ編成で、
メタリックといってもよいハードなギターに、マイルドなヴォーカルとシンセアレンジを乗せた、
重厚でモダンなサウンドを聴かせる。ヘヴィな硬質感と英国らしい翳りある空気感とともに、
前作よりもややダークな味わいが強まってはいるが、8分、9分という大曲ではキャッチーで繊細な叙情も覗かせる。
ヴォーカル、ギター、ベース、スティックをこなすニック・ベッグスのマルチなセンスと、
ロジャー・キングの美しいシンセが絶妙に融合し、ミンネマンのドラムもいつになく激しく、
曲によってはProgMetalファンなどにも対応する。スタイリッシュな英国ハードプログレの力作だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・9 総合・・8
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NIALL MATHEWSON 「ECLECTIC ELECTRIC VOL.1」
イギリスのシンフォニックロック、PALLASのギタリスト、ニアール・マテウソンのソロ。2015年作
パラス関連では2012年にアラン・リードが初のソロ作品を発表したが、こちらもソロデビュー作品となる。
わりとモダンなアレンジに包まれたキャッチーなプログレハード風味に、メロディックなギターフレーズが光る、
最近のBIG BIG TRAINHAKENなどにも通じる、いかにも現在形の英国プログレらしいサウンドだ。
ドラムやシンセ、ヴォーカルも含めて、ほぼ一人でこなしているというマルチプレイヤーぶりも素晴らしいが、
やはり味わいのある、古き良き感触のギターワークはさすがキャリアのあるミュージャンというところだろう。
インストメインの曲でも、ドラマ性を感じさせる緩急ある展開力にもセンスを感じさせる。10分近いラストの大曲では、
大人の渋みを感じさせるギターワークとシンフォニックなシンセを合わせたインストサウンドが楽しめる。英国らしい好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8

NICK MAGNUS「INHALING GREEN」
スティーブ・ハケットバンドでもKeyを努める、ニック・マグナスのソロ2作目。1999作
デジタリィな雰囲気の上をキーボードが軽やかにメロディを乗せるという出だしは、
ややポップ過ぎる雰囲気だが、続くAでは、たおやかなフルートとシンセワークで
SFというか、スピリチュアルな宇宙的空間が感じられる雄大なシンフォサウンドになる。
その後も美しいピアノやオーケストレイション、コーラスなどによる壮大な楽曲がつづき
全体的にゆったりとした作風ながら、内的なスケールの大きさを感じさせる作品になっている。
シンフォニック度・・8 スピリチュアル度・・8 雄大度・・8 総合・・8

NICK MAGNUS「HEXAMERON」
イギリスのシンセ奏者、ニック・マグナスのソロ作。2004年作
スティーブ・ハケットバンドにも参加していたミュージシャンで、ソロ名義としては3作目となる。
ゆったりとした落ち着いた感じの曲が並び、雰囲気的にもSTEVE HACKETTのアルバムのイメージにも近い。
バックのメロトロンや、ゲストによる歌も決して押しつけがましくなく、ケルティックなテイストも上手く取り入れている。
強いインパクトはないが、耳に優しく心地よいたおやかなシンフォニックロック作品。
スティーブ・ハケット、ジョン・ハケット、トニー・パターソンなどがゲスト参加。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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NICK MAGNUSChildren of Another God
イギリスのシンセ奏者、ニック・マグナスのソロ。2010年作
ソロ名義としては4作目で、プログレ好きならにんまりとなる、美しいシンセワークとやわらかなヴォーカルを中心に
メロディアスに聴かせるサウンドは、随所にさわやかなキャッチーさも盛り込んでとても耳心地がよい。
ハケットばりのしっとりとした叙情性や女性ヴォーカル入りのナンバーなど、シンフォニックな繊細さも素晴らしい。
スティーヴ・ハケット、ジョン・ハケット兄弟も参加。派手さはないがじっくりと聴きたい傑作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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Nick Magnus 「N'monix」
イギリスのシンセ奏者、ニック・マグナスのソロ2014年作
ソロ5作目となる本作には、盟友スティーヴ・ハケットをはじめ、トニー・パターソン、ティム・ボウネス、
ロブ・タウンゼントなどのゲストが参加。シンフォニックなシンセワークとメロディックな歌ものが合わさった
Genesisルーツの叙情性で聴かせるマイルドなサウンド。彼がかつて参加していたEnidを思わせる、
オーケストラルなアレンジや繊細な美意識も感じさせつつ、そこにキャッチーな普遍性を含ませるセンスは
職人芸といってよく、多くのリスナーが楽しめる仕上がりだ。ハケットの泣きのギターや、ゲストの女性Vo、
優美なフルートの音色など、曲によって方向性をしっかりと定めた完成度の高さも見事な好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8 
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No-Man 「Together We're Stranger」
イギリスのポストプログレ、ノーマンの2003年作
スティーヴン・ウィルソンとトム・ボウネスによるユニットで、うっすらとしたシンセの重ねに、
マイルドなヴォーカルを乗せ、サウンドスケープ的なギターが鳴り響く、アンビエントなサウンド。
いわゆるロック的なノリはほとんどないのだが、ときにシンフォニックといってよい音の厚みで、
じわじわと泣きの叙情を描くところは、さすがのスティーヴン・ウィルソン先生、
ゲストによるクラリネットやトランペットの音色も加わった、ポストロック的なスケール感も見事で、
アコースティックギターを使用した素朴な暖かみもあって、耳心地よい優しい音に浸れます。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 アンビエン度・・8 総合・・8
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North Atlantic OscillationGrappling Hooks」
スコットランドのモダンプログレ・ロックバンド、ノース・アトランティック・オシレーションの2010年作
Porcupine TreePineapple Theifに続き、新時代のモダンプログレパンドがデビュー。
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーとドラムという2人のユニットで、
エモ的なやわらかな叙情と、エレクトロがかったモダンなセンスを合わせたサウンドをやっている。
Sigur Rosを思わせるしっとりとしたやわらかな歌声に、楽曲にはポストロック的な壮大さもあり、
デジタルとアナログの両立というべき、調和のとれた聴き心地のいいミクスチャーロックである。
知的なプログレ風味も随所に覗かせつつ、あくまでモダンなバランス感覚で仕上げられている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンロック度・・9 総合・・8
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North Atlantic Oscillation 「Fog Electric」
スコットランドのモダンプログレバンド、ノース・アトランティック・オシレーションの2012年作
ヴォーカル、ギター、シンセをこなすマルチプレイヤーとドラムという2人のユニットで、これが2作目。
やわらかなヴォーカルハーモニーと、いくぶんエレクトロがかったモダンなセンスを含み、
浮遊感のあるキャッチーな繊細さは、Sigur Rosあたりにも通じるほんわかとした聴き心地。
シンセの重なりによる美しさと、マイルドな歌声を中心に、あくまで叙情的なサウンドは、
最近のANATHEMASteven Wilson系のファンにも楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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OLIVER WAKEMAN 「Mothers Ruin」
イギリスのシンセ奏者、オリヴァー・ウェイクマンの2005年作
ご存知、リック・ウェイクマンの息子として知られるミュージシャンで、かつてはクライブ・ノーランと組んだ
「Jabberwocky」「パスカヴィル家の犬」といったシンフォニックロック作品を発表していたが、
本作はオルガンやムーグなどレトロなシンセが鳴り響き、適度にハードなギターとノリのよいヴォーカルを乗せた、
わりとストレートなメロディックロックを聴かせる。プログレ的な要素はやや薄いのだが、シンフォニックなシンセの重ねで、
随所に父親譲りのセンスを覗かせ、曲によってはギターとの絡みで、プログレハード的なインストパート盛り込んで、
単なる歌もの以上のサウンドに仕上げているのはさすが。ジャケも含めて、やや地味なのだがなかなかの好作ですよ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 ウェイクマン度・・8 総合・・7.5
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Ontofield 「Sleeping With Fractals」
イギリスのマルチ・ミュージシャンJohn Grahamによるソロユニット、オントゥフィールドの2013年作
多重録音されたシンセアレンジと、やわらかなヴォーカルを中心に聴かせる、正統派のシンフォプログレ。
随所にハードな側面を覗かせるギターも含みつつ、18分、15分という大曲もやわらかでキャッチーに描いてゆく。
ヴォーカルのかすれた声質などはPENDRAGONあたりを思わせ、メロウな叙情はいかにも英国的である。
もう少し大仰なも盛り上がりや、思い切った展開などがあればよいのだが、全体的にはいくぶんインパクトが弱い。
ギターの泣きもニック・バレットにはまだ遠い。英国ポンプロック進化のシンフォ好作ではある。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Ozric Tentacles 「Tantric Obstacles/Erpsongs」
イギリスのサイケロック、オズリック・テンタクルズの1985/1986年作
自主制作で発表された1985年のデビュー作と、1986年作のカップリング2CD。
いまや、エレクトロ・サイケロックの大御所としてディープなリスナーの支持を集めるこのバンド、
その最初期のサウンドは、音質面こそややチープであるが、スペイシーなシンセアレンジに
軽やかなアンサンブルで聴かせる、ドライブ感あふれるサイケロックとして、すでにその原型は完成している。
一方では、GONG直系のサイケらしいユルさとフュージョン的なインストという表情も垣間見せ、
のちの作品に比べるとやや単長な部分もあるのだが、バンドとしての原型を作り出した初期作として興味深い。
サイケロック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・7 総合・・7.5
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Ozric Tentacles「Pungent Effulgent & Strangeitude」
イギリスのサイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1989/1991年作のカップリング
80年代半ばから活動するベテランで、そのアルバム数は20枚近くに及ぶ。「Pungent Effulgent」は、
シーケンサーによるシンセワークを中心に、ミステリアスな世界観と、東洋的な雰囲気を取り込んだサイケロックサウンド。
アンサンブルの切れ味では次作以降に譲るが、すでに独自の浮遊感を確立している。
「Strangeitude」は初期の代表作というべき傑作。サイケロック的な勢いとエレクトロ感覚がバランスよく融合し、
彼らの嗜好する東洋メロディの巧みな導入がより効果を発揮している。確かにGONGからの影響が強いサウンドだが、
より演奏重視の爽快さがこのバンドの特徴であり、プログレ的なスケール感とキレの良さで最初の頂点を極めた作品といってよいだろう。
サイケロック度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Erpland/Jurassic Shift」
プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1990/1993年作のカップリング
「Erpland」は、傑作「Strangeitude」へとつながる前段階のサウンドで、シンセによる浮遊感が前に出ていて、
全体的に比較的おとなしめの雰囲気。長い曲はややまったりとしてしまうが、ギターの奏でる東洋フレーズも含めて
むしろジャーマンロック的なゆるやかなサイケロック世界を楽しめる。「Jurassic Shift」は心地よいアンサンブルで聴かせる好作。
この音の気持ちよさは、ドラマーの技量とグルーブ感に負うところが大きい。シーケンサーのシンセとギターとのバランスもよく、聴きやすくお勧めの1枚。
サイケロック度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Live Underslunky/Spice Doubt」
プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1992/1998年作
2枚のライブアルバムのカップリング盤で、「Live Underslunky」は傑作「Strangeitude」発表後、1991年のツアーからの公演を収録。
抜群の演奏力とグルーブ感、うねるギターにベース、そして格好いいドラム!この時点ではまだシンセは控えめながら、
ときおりプログレ的なフルートも入ってきてスペイシーな浮遊感に叙情味も加わって、素晴らしいライブ演奏を繰り広げている。
「Spice Doubt」は、どうやらインターネットライブ(?)での音源らしい。デジタリィなシンセサウンドを前に出しはじめた時期であるが、
スタジオ盤以上の躍動感で、きらきらとしたシンセとハネまくりのリズム、弾きまくりのギターでたたみかける。
狂暴化したトランス音楽という雰囲気とともに、サイケロックバンドとしての彼らの凄さが改めて認識出来る、痛快な演奏だ。
サイケロック度・・9 プログレ度・・8 爽快度・・9 総合・・8.5
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Ozric Tentacles「Arborescence & Become the Other」
オズリック・テンタクルズの1994/1995年作のカップリング
「Arborescence」は、けたたましいまでのシンセとギターが絡み、これまでにも増してカラフルな雰囲気でたたみかける好作。
手数の多いドラムの疾走感あふれるリズムに、きらびやかなシンセがハードロック的なギターとともに重なってゆく爽快なサウンド。
「Become the Other」も同様の作風だが、ギターとベースが前に出てきていてバンドアンサンブルが強調されるとともに、
変拍子リズムが入ってテクニカルな印象。中盤にはデジタリィなテクノ風アレンジが顔を出し、新たな志向の変化を予感させる。
サイケロック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・9 総合・・8
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Ozric Tentacles「Curious Corn/Swirly Termination」
オズリック・テンタクルズの1997/2000年作のカップリング
「Curious Corn」は、前作からの流れを汲んだデジタリィなサウンドが強調された作品。
モダンな音の中にもしっかりと演奏にはグルーブ感があり、シーケンサーのシンセに絡むギターは
ときおり中近東風のメロディを奏でるなど、センスあるフレージングがさすがである。
テクノ風のサイケロックという雰囲気で、エレクトロな浮遊感をただよわせる好作。
「Swirly Termination」も同路線。デジタリィなテクノサイケ風サウンドながら、
音にはさすがのスケール感があり、シンセをバックに妖しげなギターのフレーズが鳴り響く。
アッパーな勢いはややなくなったが、独特のモダンサイケが楽しめる。ラストの大曲は見事な出来。
モダンサイケ度・・8 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Waterfall Cities/Hidden Step」
プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1999/2000年作のカップリング
「Waterfall Cities」は、巧みなドラムにうねるベースが作り出す変拍子リズムに、エレクトロなシンセアレンジと、
センス溢れるギターフレーズを乗せた、プログレフュージョン的なテクニカル性が味わえる傑作。
ときに中近東的なメロディがサイケな雰囲気を匂わせつつ、吹き鳴らされるフルートもエキゾチックな香りを添える。
シーケンサーを用いたデジタリィな質感も大胆に取り入れ、トランス的な浮遊感とともに、ミステリアスな世界観を構築している。
「Hidden Step」は、ギターサウンドを前に出したフュージョンサイケ風味で、スペイシーなシンセが重なった
浮遊感あるアンサンブルで、モダンなサイケ感を強めながらも、スケール感を描くサウンドが素晴らしい。
ゆったりとしたナンバーでもきらびやかなシンセが、神秘的な世界観を感じさせる。シンフォニックな味わいの好作品。
モダンサイケ度・・9 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Pyramidion」
イギリスのプログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズのミニアルバム。2001年作
ライブ録音を中心とした変則的なアルバムだが、むしろオズテンの魅力がダイレクトに分かる。
切れのよいリズムの上に、テクノちっくなシンセが鳴り響きながら、ロック的なギターが弾きまくる。
今作はエジプト的なモチーフの曲もあってか、そのスペイシーな浮遊感に神秘性も加わっている。
EP扱いだが、5曲で41分と聴き応え充分。ライブ演奏のカッコよさは一聴の価値ありだ。
サイケロック度・・8 エレクトロ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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Ozric TentaclesThe Pongmasters Ball
オズリック・テンタクルズのライブアルバム。2002年作
さすがにベテランらしく、彼らはライブにおいてもその演奏力は抜群で、キラキラとした浮遊感のあるシンセワークに弾きまくりのギター
そしてグルーブ感のあるドラムとベースの存在感が素晴らしい。曲はどれも長いのだが、トリップするように引き込まれつつ聴くのがよい。
ときに中近東的なフレーズや、吹き鳴らされるフルートを交えて、スペイシーかつ濃密なサイケロックのライブが堪能出来る。
メロディアス度・・8 サイケロック度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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OZRIC TENTACLES「Spirals in Hyperspace」
イギリスのサイケプログレ、オズリック・テンタクルズの2004年作
80年代半ばから活動するベテランで、本作はレーベルをMAGNA CARTAに移しての作品。
スペイシーかつデジタルなシンセアレンジと、フュージョン的でもある軽やかなアンサンブルを融合、
随所に中近東的なフレーズを含ませながら、浮遊感あるテクノ風味のサイケロックを聴かせる。
音質面での向上がよりクリアな感触を増していて、モダン・サイケロックの最高峰というべき内容です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 モダンサイケ度・・8 総合・・8
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OZRIC TENTACLES 「The Floor's Too Far Away」
イギリスのサイケロック、オズリック・テンタクルスの2006年作
80年代半ばから活動するベテランで、レーベルをMAGNA CARTAに移しての2作目。
浮遊感のあるエレクトロなシンセアレンジとグルーブたっぷりのリズムで聴かせる
躍動的なサイケロックスタイルは本作も同様。デジタルエフェクトばりばりの曲もあるが、
そこに中近東系の雰囲気や、プログレ的要素を巧みに取り入れ、ベテランのみがかもしだせる説得力と
強固な世界観に包まれた、オズテン節というべきサウンドはもはや唯一無二のものだ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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OZRIC TENTACLES 「The YumYum Tree」
イギリスのサイケプログレ、オズリック・テンタクルスの2009年作
80年代半ばから活動するベテランで、エレクトロなシンセアレンジとアッパーなビート感覚に、
ときに中近東的なフレーズも含んだ、スペイシーなサイケロックを繰り広げている。
多重シンセによるトランス的な味わいがカラフルな色合いを強めており、
エフェクトのかかったドラムとグルーヴィなベースの上を、奔放なギターの旋律が乱舞する、
ベテランらしいユルさと構築のバランス感覚が絶妙である。なんだかんだで傑作です。
プログレ度・・7 トランスサイケ度・・8 カラフル度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Technicians Of The Sacred」
イギリスのサイケロック、オズリック・テンタクルズの2015年作
80年代から活動するベテランバンドで、本作が何作目なるのか分からないが、バンド史上初の2枚組の大作。
きらびやかでエレクトロなシンセの重ねと、軽やかなバンドアンサンブルが合わさった、モダンなスペース・サイケ。
随所にギュインギュインの派手なシンセやギターの流麗なフレージングで盛り上げながら、
ジャケのイメージのような桃源郷的なカラフルなイメージで、アッパーなサウンドが楽しめる。
またこのバンドの特徴であるオリエンタルなメロディを取り入れた、ナンバーもハマっていて、
神秘的な浮遊感とインストロックとしての演奏の強度を両立させているのもさすが。
10分前後の大曲も多数含んだ、現在形サイケロックがたっぷり詰まった2枚組の力作です。
モダンサイケ度・・9 プログレ度・・7 きらびやか度・・8 総合・・8 
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PALLAS「ARRIVE ALIVE」
英国のポンプ・プログレハード、パラスの初期ライブ+デモ音源集。1981年作
PALLASといえば1984年作の「THE SENTINEL」が有名で、若いリスナーには1999年の復活作「BEAT THE DRUM」
壮大なシンフォニック作の2001年作「THE CROSS & THE CRUCIBLE」あたりを思い出すだろうが、
この最初期の音源には、むしろ彼らの原点ともいうべきプログレハードサウンドが詰まっている。
ポンプというには若干ハードめなギターに、うっすらとしたメロトロンが重なり、キャッチーなメロディアス性と
ロック的な荒々しさが同居している印象で、当時では意外と新鮮なサウンドだったのではないだろうか。
ポンプロックとして片づけるよりはむしろ、MAGNUM等の英国ロックに通じる感性のバンドだったと思う。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 音質・・7 総合・・7
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PALLAS「The Sentinel」
英国プログレハードの名作、パラスの1984年作
若いリスナーは復活後のPALLASしか知らないかもしれないが、
オールドなプログレ者にとってはパラスといえばこのアルバムなのである。
1曲目“Shock Treatment”は三連リズムに乗るキャッチーなメロディで、名曲の呼び声も高い。
ハードロック要素もあるドラマティックなギターワークとシンセによるシンフォニックな味付け、
そして聴きやすいキャッチーな歌メロが合わさったサウンドは、まさに英国産プログレハード。
今聴きなおしてみると、しっとりとしたピアノが美しい、ゆったりとしたナンバーも良い感じ
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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PALLAS「The Wedge」
イギリスのプログレハードバンド、パラスのアルバム。
1986年のアルバム「The Wedge」にEP「The Knightmoves」をカップリングしたもの。
PALLASといえば一般には2nd「The Sentinel」が傑作として知られているが、
キャッチーなプログレハードとしての明快さではむしろ本作の方が上かもしれない。
いかにも80年代的なポップ感覚も含めて、とても聴きやすい作品です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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PALLAS 「THE RIVER SESSION 1」
イギリスのポンプ/プログレハードバンド、パラスのライブアルバム。
1983年のライブ音源で、全5曲だが55分もある(つまり1曲が長い)。
曲は初期のハードロック色の強いものが中心で、シンフォニック色は薄いので
再結成後からこのバンドを聴き始めた方にはやや違和感があるかもしれない。
個人的には、この手のプログレハード系の中では初期のPALLASはけっこう好きだし、
80年代初頭の発掘ライブ音源としては音質も良い部類でなかなか楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレハー度・・8 音質・・7 総合・・7
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PALLAS 「THE RIVER SESSION 2」
イギリスのポンプロックバンド、パラスのライブアルバム。
70年代後半〜80年代にかけて、PENDRAGONIQなどとともに、ポンプロックと呼ばれたネオプログレッシブのムーブメントを作ったバンド。
近年復活したが、本作は1985年、彼らの全盛期のライブ音源。名曲「SHOCK TREATMENT」をはじめ、かつてのPALLASサウンドが楽しめる。
彼らの楽曲は他のポンプ系バンドに比べてややHRよりのプログレハードサウンド、できらきらとしたキーボードに、
キャッチーなメロディが非常に聴きやすい。音質はそこそこ程度だが、このバンドが好きな方には実に嬉しいプレゼントだろう。
5曲目のシンフォニックな盛り上がりなどは、PENDRAGON風で感動的ですわ。
メロディアス度・・8 音質・・7 あの頃のパラス度・・9 総合・・7.5
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PALLAS「BEAT THE DRUM」
英国シンフォニック・ハードの雄、パラスの1998年作
1984年〜86年に2作のアルバムを残し、いったん活動を休止していたバンドが、
10年以上のときをへて復活。サウンドの方はかつてよりさらにドラマティックになり、
シンフォニックなシンセとメロウなギターが絡み、マイルドなヴォーカルの歌声とともに、
ダイナミックなハードシンフォニックサウンドを聴かせてくれる。
かつてのポンプロック的なキャッチーさよりもシリアスな重厚さが前に出ていて、
90年代以降の本格派シンフォニックロックへとシフトされたというべき傑作となった。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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PALLAS「THE CROSS & THE CRUCIBLE」
英国シンフォニック・ハードのベテラン、パラスの2001年作
80年代に「THE SENTINEL」「THE WEDGE」と傑作を残したこのバンドが復活。
前作「BEAT THE DRUM」において本格派シンフォニックサウンドへと変貌を遂げ、
それに続く今作も、コンセプトをともなった大掛かりな作りのアルバムだ。
いわゆるPENDRAGON的な、ゆったりとしたリズムにメロウなギターとキーボードをのせ、
叙情的な歌とともに、ときに静謐に時に劇的に楽曲を盛り上げてゆく手法だ。
ゆるやかに流れてゆく部分などはやや間延びして退屈にも思えるが、
その分ドラマティックな盛り上がりでは、これぞシンフォニックハードという壮麗さを聴かせる。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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PALLAS「THE BLINDING DARKNESS」
英国シンフォニック・プログレハードの雄、パラスのライブアルバム。2003作
復活後の2作目である「The Cross & The Crucible」からの楽曲を中心に
これでもかというシンフォニックなキーボードとギターでドラマティックに聴かせる白熱のステージ。
後半にはオリジナルメンバーである初代Voも登場し、往年の曲なども聴かせてくれる。
CD2枚組み。同タイトルのDVDも出ているので、ドラマティックシンフォ好きはぜひチェック。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PALLAS「THE BLINDING DARKNESS」
復活した英国ポンプ/シンフォの雄、パラスのライブDVD作品。2003年作
「THE COSS & THE CRUCIBLE」からの曲を中心に、前作「BEAT THE DRUM」、さらには80年代の楽曲も演奏している。
演奏はさすがにベテランらしく安定しており、ときに静謐にときにシンフォニックに盛り上がり、
その曲調のなかなか盛り上がらないタメのようなものは、まさしく「大人のシンフォニック」という印象だ。
ドラムとヴォーカルは90年代からの新メンバーであるが、問題なくバンドサウンドに溶け込んでいる
(蛇足だがVoの顔は元Jリーガー、ストイコビッチとリトバルスキーを足したような感じ・・笑)。
アンコールではかつての名作「THE SENTINEL」からの曲も聴かせてくれファンには嬉しい限り
(どうせなら「SHOCK TREATMENT」も聴きたかった)。ゲストでは初代ヴォーカル、アラン・リードも登場する。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 シンフォニック度・・8 総合・・7.5
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PALLASThe Dreams of Men」
英国シンフォニックハードの雄パラスの復活3作目。2005年作
前作「THE CROSS & THE CRUCIBLE」は壮大ながら、やや長尺感のある作品だったのだが
今作も物語的なコンセプト作で、プロローグのような出だしはごく静かに始まり、
ゆったりとしたヴォーカルを聴かせながら、それからじわじわと盛り上がってゆく。
シンフォニックなシンセワークとメロディアスなギターが重なり、ときに女性コーラスなども配して
重厚な雰囲気を作りながら、あくまでメロディアスな質感にこだわるのがやはり彼ららしい。
10分を超える大曲も多数含んで、ドラマティックに構築される、シンフォニックハードの力作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8
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PALLAS「XXV」
英国シンフォニックハードの雄、パラスの2011年作
1984年にデビュー、2作の傑作を出したのちに活動休止、10年もの潜伏期間をへて1998年に復活、
その後は2001年、2005年とドラマティックな力作を発表、本作は5年ぶりのスタジオアルバムとなる。
なにやらSF映画的なジャケや、イントロのナレーションから始まる壮大なスケール感にわくわくする。
美麗なシンセワークとメロディックなギター、そしてヴォーカルによるキャッチーな聴き心地で、
これまで通りのPALLAS節というべき、ドラマティックな作風でぐいぐいと聴かせてくれる。
古き良きプログレハードの質感と構築性を融合させ、質の高いサウンドを描く力量はベテランならではで、
より重厚になったハードさが本作の特徴か。1曲ごとのインパクトはさほどではないものの、
ダイナミックさとメロディアスさを合わせた、まさしくシンフォニックハードの力作といえる。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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PALLAS 「Wearewhoweare」
英国シンフォニックハードの雄、パラスの2014年作
80年代にデビューし、PENDRAGONやIQなどとともに英国ポンプロックのムーブメントを形成、
いったんの活動休止ののち1998年に復活、その後はコンスタントに作品を出し続けている。
前作から3年ぶりとなる通算7作目のアルバムで、壮大なシンフォニック性とコンセプト風味のドラマ性をまとって
描かれるサウンドは、これぞパラス節というべき感触だ。前作から加入したポール・マッキーの伸びやかな歌声も、
前任者のアラン・リードに負けておらず、スケール感のあるシンフォニックハードサウンドによくマッチしている。
これまでの作品に比べると、全体的にゆったりとしたダークな雰囲気に包まれていて、メロディアスな盛り上がりに関しては
なんとなく物足りなさも残るのだが、そこも含めて大人のシンフォということですな。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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PANIC ROOM「Visionary Position」
イギリスの女性Voロックバンド、、パニック・ルームの2008作
KARNATAKAではサブヴォーカル&フルートだったアン・マリー嬢をリードヴォーカルに据え、
ギター 、ドラム、シンセは同じメンツというから、サウンドもKARNATAKAの延長上かと思いきや、
ケルティックなテイストは後退し、どちらかというとモダンでアンニュイな雰囲気になっている。
ときにジャズ的なピアノタッチもあるシンセワークに、渋い味わいの落ち着いたギターワーク、
全体的にあまり派手さはないが、しっとりと聴かせる大人のシンフォニックサウンドだ。
たおやかなフルートに美麗なシンセ、そして伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で
じわじわと盛り上げるラストの大曲などは、まさに女性Voシンフォの理想形。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Panic Room「Satellite」
イギリスの女性Voロックバンド、パニック・ルームの2nd。2010作
KARNATAKAMostly Autumnアン・マリー嬢を擁するこのバンド、KARNATAKAに比べると
ケルト色はほとんどなく、どちらかというとモダンさのあるアンニュイなロックサウンドだ。
かつてのAll About Eveにも通じる雰囲気で、アン嬢の歌声にも大人の艶が感じられる。
今作も後半以降の曲に魅力が多く、しっとりとしたバラード曲や、WITHIN TEMPTATIONを思わせる
いくぶんハードなシンフォニックナンバーも光っている。ラストの叙情曲にもうっとりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Panic Room「SKIN」
イギリスのシンフォニックロック、パニック・ルームの2012年作
Mostly Autumnにも参加するアン・マリー・ヘルダー嬢をフロントにしたバンドの3作め。
いくぶんのハードさとともに、ほの暗いアンニュイさを漂わせるサウンドで、
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声が美しい。派手なインパクトはないが、
ストリングスも含んだ優雅なアレンジもあって、耳心地のよい叙情性に包まれている。
モダンな翳りを含んだフィメール・シンフォニックハードというような好作だ。
シンフォニック度・・7 ほの暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Panic Room 「Incarnate」
イギリスの女性声メロディックロック、パニック・ルームの2014年作
Mostly Autumnにも参加するアン・マリー・ヘルダー嬢をフロントにしたバンドの4作めで、
今作も適度にハードなギターとアンニュイな浮遊感を漂わせたメロウなサウンド。
アン・マリー嬢の艶めいた歌声をメインにした、しっとりとした大人の味わいは、
All About Eyeなどにも通じるような、翳りを含んだキャッチーな聴き心地である。
派手すぎないシンセアレンジも含めて、プログレ的には物足りないものの、じっくりと楽しめる。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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PARADE「The Fabric」
イギリスの薄暗系ロックバンド、パレードの2010作
Mostly AutumnPANIC ROOMでも活躍するアン・マリー嬢を擁するバンドで、
しっとりとしたアンニュイな空気の漂うロックをやっている。上の2バンドに比べると
プログレ/シンフォニック度は薄く、一聴して思い出すのはAll About Eveあたりか。
アコースティカルな繊細さに美しく映える女性ヴォーカルの歌唱にはうっとり。
浮遊感と倦怠、薄暗い叙情で聴かせる好作。随所にモダンなポップさもある。
後半には男声の曲がメインになって、むしろPorcupine Tree風の雰囲気になる。。
メロウ度・・8 アンニュイ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Parallel or 90 degrees「unbranded」
英国のシンフォバンド、パラレル・オア・90・ディグリーズの2000作
シンフォニックリスナーの間では、THE TANGENTの方が有名かもしれないが、Keyのアンディ・ティリソンのメインバンドはこちら。
やはりタンジェントに通じる美しいシンセワークと、ややハードめのギターによるシンフォニックサウンドで、
90年代以降の英国シンフォの知的な構築性が聴ける。ドラムもデジタリィな雰囲気があり、
あえてモダンなテイストを出そうとしているが、そこかしこにかつてのプログレへのリスペクトが垣間見える。
曲は8分、10分は当たり前で、ラストは25分の大曲。泣きのギターが美しいシンフォ曲や、
サイケ気味にはじける曲など、随所にアンディ・ティリソンという人間のこだわり性が発揮されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンでレトロ度・・8 総合・・8
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Parallel or 90 Degrees「A Can of Worms-The Best of Po90 1996-2001」
イギリスのプログレバンド、パラレル・オア・ナインティ・ディグリーズのベストアルバム。2009作
今ではThe Tangentでの活躍の方が知名度が高いかもしれないアンディ・ティリソンが率いる
このバンドの1996年〜2001年までのアルバムからの楽曲に、未発音源を加えた2枚組。
簡単にシンフォニックというには、知性を感じさせるセンスと、モダンとレトロの融合された
スタイリッシュなプログレサウンドは、非常に通好みのバンドといえるだろう。
メロディアスであっても決して情感的にならない、このクールさがある種の魅力ともいえる。
彼らのアルバムは多くが廃盤なので、こうしてあらためてバンドのマテリアルを俯瞰できるのは
とてもありがたいし、20分の大曲も含む未発音源もオマケとはいえぬくらい聴きごたえがある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 構築センス・・8 総合・・8
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PAUL MENEL 「Into Insignificance I Will Pale」
元IQのヴォーカリスト、パウル・メネルの2012年作
いくぶんプログレ的なシンセと枯れた味わいのヴォーカルを中心に聴かせる、
キャッチーな歌もの叙情ロックというサウンド。メロディにおける爽快なポップ性と
湿り気を含んだ叙情のバランスはNeal Morseなどのセンスに近いものを感じさせる。
楽曲は比較的シンプルな作風で、プログレとして聴くには物足りないのだが、
英国風味を含んだキャッチーな歌ものロックとしては、ライトな味わいで楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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PENDRAGON「The World」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの3rd。1991年作
1983年にデビュー、当時はMARILLION、IQなどと並び、80年代英国ポンプロックのムーブを形成、
初期のサウンドは、まだ個性的とは言い難い良くも悪くもポンプの王道というサウンドであったが、
3作目となる本作ではその独自のロマンティシズムあふれる世界観が開花、爽快なメロディの流れと共に、
繊細さとダイナミズムのメリハリができて、バンドとして一皮むけたというような快作となっている。
とくに、ニックバレットのギターワークの泣きの叙情は、楽曲における感動的な盛り上がりを作り出していて
かつてのGENESISをアップデートしたような美しさである。90年代シンフォニックロックのひとつの原点といえる作品だろう。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 幻想とロマン度・・9 総合・・8.5
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PENDRAGONThe Window of Life
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの4th。1993年作
前作でのメロディックかつキャッチーなシンフォニック路線をそのまま引き継いだ作品で、
美しいシンセワークに、ニック・バレットの味わいのあるヴォーカルと泣きのギターとともに描かれる
ロマンあふれる世界観はやはり素晴らしい。シンフォニックロックとしての優美な躍動感と繊細なドラマ性を同居させ、
なおかつ明快でシンプルな聴き心地を保つバランス感覚こそが、のちのネオ・プログレブームのひとつの指針ともなっただろう。
10分、14分という大曲を構築する力量も含めて、バンドとしてのキャリアの充実が窺える傑作に仕上がっている。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 幻想とロマン度・・9 総合・・8.5
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PENDRAGON「UTRECHT...THE FINAL FRONTIER」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。1995作
時期としては「THE WINDOW OF LIFE」後のツアーのもので、のちの作品に比べると
楽曲がまだやや地味目で、端々にはまだポンプロックとしての名残も感じさせる。
ベテランらしく演奏は安定していて、しっかりとしたリズムセクションに
ニック・バレットのメロウなギター、クライブ・ノーランのキーボードが合わさり、
耳に優しいシンフォ音像を形作っているのはこの頃も変わらない。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

PENDRAGON「Masquerade Overture」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの5th。1996年作
1991年の3rd「THE WORLD」以降、よりダイナミックなサウンドで、かつてのポンプロック路線を
現代版のシンフォニックロックへと昇華してきたこのバンド。本作はまさに決定打というべき傑作となった。
ロマンの香りに満ちたジャケットアートと、「仮面舞踏への序曲」という幻想的なタイトルにも胸踊るが、
厳かな混声合唱の入ったイントロから、ゆるやかに楽曲が始まると、壮大なスケール感に叙情の加わった
シンフォニックロックが炸裂。ニック・パレットの流麗なギターメロディと、クライブ・ノーランの美しいシンセワーク、
繊細さとダイナミズムが交差しながら、盛り上がりでの泣きの情感、そのメロウな感触は尋常ではない。
ロマンと幻想の美に彩られた、まさに90年代を代表するシンフォニックロック作品の一枚である。
シンフォニック度・・9 繊細度・・9 幻想とロマン度・・10 総合・・9
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PENDRAGON「LIVE IN KRAKOW 1996」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。1997作
1996年ポーランドでの録音。同タイトルのDVDも出ている。ポーランドでのこのバンドの人気は大変なものがある。
演奏の方だがスタジオ盤以上にダイナミックかつシンフォニックな仕上がりで驚かされる。
クライブ・ノーランの流麗なキーボードはもちろん、歌いながらメロウなフレーズギターを連発する
ニック・バレットのフロントマンとしての実力も確かなもの。さらに実はドラムもかなりの実力者で
楽曲をいっそう骨太のものにしている。押しと引きのメリハリ、押し寄せる叙情と泣きにはやはりうっとりとしてしまう。
曲数の多いDVDでもよいので、シンフォファンにはぜひ彼らのライブサウンドを堪能して欲しい。
シンフォニック度・・9 ライブ演奏・・8 叙情と泣き度・・10 総合・・8
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PENDRAGON「NOT OF THIS WORLD」
英国が誇るシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの6th。2001年作
1991年の「THE WORLD」以降、クオリティの高いシンフォニックアルバムを発表し続ける
中心人物のニック・バレット、そしてクライブ・ノーランのシンフォニックロックに注ぐ熱情はもの凄い。
前作「仮面舞踏への序曲」からの流れを引き継いだ、大作志向の楽曲がずらりと並び、
そしてそれらがゆるやかに、ときに激しく盛り上がってゆく様は圧巻のひとことだ。
ニック・バレットのギターはテクニック志向というよりは、繊細なメロディによる叙情性を重視しており、
キャメルのアンディ・ラティマーを思わせる「泣き」の美学を見事に継承している。メタル系のリスナーは
歌が弱いと思うかもしれないが、歌を含めすべての演奏が泣きのシンフォニックを目指しているのが彼らなのだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・10 幻想とロマン度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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PENDRAGON「ACOUSTICALLY CHALLENGED」
ペンドラゴンのアコースティックライブアルバム。2002作
このバンドの魅力は、壮大に盛り上がるシンフォニック性と、ニックバレットの泣きのギター
だと思っていたので、はたしてそれらがアコースティック編成でどうなるのか。二本のアコギにクライブ・ノーランのピアノ、
キーボードが重なり、ゆったりとした曲調に、ニック・バレットの甘い歌声がかぶさる。アコースティックものというよりは
たやおやかなしっとりシンフォといった趣で、過去の曲が、こうして別アレンジで表現されているのもなかなか面白く、
のんびりとしながら耳をかたむけるのにはちょうどよい作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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PENDRAGON 「Believe」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの7th。2005年作
いつになくシリアスなイントロから、男女ヴォーカルの歌声が加わり、楽曲が始まると、
枯れた味わいのニック・バレットの歌声を乗せて、モダンで重厚になったサウンドが広がってゆく。
これまでよりぐっと大人っほくなった作風だが、キャッチーなメロディアス性とメロウな叙情は残していて、
ジャケのイメージほどにはダークではない。泣きのギターにうっすらとかぶさる、クライブ・ノーランのシンセも
ほの暗い幻想性でサウンドを彩っている。4パートに分かれた20分の組曲も含めて、じっくり味わえる力作である。
シンフォニック度・・7 メロウな叙情度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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PENDRAGON「and now everybody to the stage...」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブDVD。2006年作
英国界最高のポンプ/シンフォニックバンド、第二の故郷ともいうべき、ポーランドでの2006年のライブを収録。
往年の名曲たちをステージで再現、その泣きのシンフォニックロックぶりはやはり感動的だ。
ギターを弾きながら希望的メロディをロマンティックに歌い続けるニック・バレットの姿は、その風貌も含めて、
“プログレ界のカイ・ハンセン”とでも呼びたくなるし、クライブ・ノーランのシンセワークもやはり見事。
大人のロック色を強めたアルバム「Believe」からの曲もライブだとなかなか映えており、
年季の入った堂々たるステージで2時間を超えるステージを盛り上げる。
メロディアス度・・10 ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PENDRAGON「PURE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンの8th。2008年作
前作「Believe」は、ぐっとモダンになった作風だったが、今作も基本的にはその延長上のサウンド。
かつてのロマン溢れる泣きの叙情に比べれば、ぐっとヘヴィかつダークになり、
ニック・バレットの世界を見つめる視線には現実への悲しみに溢れている。
ただ、楽曲におけるメロディの点では、クライブ・ノーランのシンセワークとともに、
メロウな叙情的がたっぷり配されていて、前作よりずっと浸れるサウンドだ。
うっすらと悲しみをただよわせた泣きのギターは、現在のニックにしか出せない音だろう。
古き良き時代をなつかしむ声もあるだろうが、これが現在のPENDRAGONの姿である。
シンフォニック度・・7 メロウな叙情度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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PENDRAGON「Concerto Maximo」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。2009年作
アルバム的にはここのところややダークな作風に変化を始めているが、
ライブでは過去からの曲も多く取り上げていて、ファンなら楽しめる。
ニック・バレットの歌声は、かつてに比べるとやや枯れた雰囲気で
サウンド的にも幻想の美には翳りが加わってきているが、そこも含めて、
長く活動するバンドとしてのゆるやかな変遷を見守る気分になる。
ときを重ねたことでドラマティックな泣きがメロウな泣きへと変化はしたが、
CD2枚に渡って繰り広げられる叙情的なシンフォニックロックは今なお健在だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PENDRAGON「Passion」
イギリスのシンフォニックロック、ペンドラゴンの2011年作
2005年の「Believe」から、ダークでヘヴィなサウンドへと変化してきたが、
本作はそのモダンなヘヴィさを残しつつも、シンフォニックな華麗さを加えた
いわば現代風シンフォというべき力作に仕上がっている。重厚なギターサウンドと
シンセによる音の厚みで、感触としてはむしろARENAあたりに通じる作風でもあるが、
ニック・バレットのかすれた歌声と、随所に聴かせるメロウなギターワークは唯一無二のもの。
モダンプログレとしての叙情とともに、新時代のPENDRAGONサウンドを確立したといってよい力作だ。
シンフォニック度・・8 モダンプログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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PENDRAGON 「Out Of Order Comes Chaos」
イギリスのシンフォニックロック、ペンドラゴンのライブ作品。2013年作
2011年ポーランドでのステージをCD2枚に収録。2011年作「Passion」からの楽曲を中心に、
いくぶんモダンになったハードシンフォニックサウンドを聴かせつつ、過去曲でのロマンティックな味わいも健在。
ニック・バレットの枯れた味わいのヴォーカルのメロウなギター、クライブ・ノーランの美麗なシンセとともに、
往年のファンも楽しませるドラマティックな演奏が広がってゆく。16分を超える“Not of This World”や、
2008年作「Pure」収録の組曲“Comatose”など、10分を超える大曲をゆるやかに盛り上げてゆく。
ライブ後半になるとニック・バレットの歌声が少々つらそうなのだが、そこも含めて大人のシンフォニックロックということで。
ラストの定番叙情曲“Paintbox”まで、ベテランらしい艶のある泣きの表現力に包まれた好ライブです。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 叙情度・・9 総合・・8
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PENDRAGON 「Men Who Climb Mountains」
イギリスのシンフォニックロック、ペンドラゴンの2014年作
1983年にデビュー、キャリア30年にしてちょうど10作目となる本作は、ニック・バレットの枯れた味わいの歌声とともに
繊細な叙情の小曲から幕を開け、続く8分、10分という大曲では、山に挑戦する登山家たる精神をコンセプトにしている通り、
そびえたつ山々を思わせるような雄大なシンフォニックロックが広がってゆく。かつてのファンタジックな幻想性というよりは、
より現実的な世界観と人間的な温かみを感じさせる作風は、バンドとしての成熟の結果なのだろう。
クライブ・ノーランのシンセワークも派手すぎることなく、じっくりと楽曲を盛り上げてゆくようだ。
若手には決して真似のできない説得力が、泣きの叙情とともにメロウにサウンドを包み込む。さすがの力作ですね。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8 
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Pendragon 「Masquerade 20」
イギリスのシンフォニックロック、ぺンドラゴンのライブ。2017年作
1983年にデビュー、MARILLION、IQ、PALLASとともに、80年代英国ポンプロックのムーブを形成し、
90年代英国シンフォの代表格というべきバンド。本作は1996年の傑作「Masquerade Overture」から
20周年を記念して行われたポーランドでのライブを収録。Disc1はその「仮面舞踏への序曲」を完全再現、
混声コーラスによる荘厳なイントロから、美しいシンセと枯れた味わいのヴォーカル、泣きメロを奏でる叙情ギターとともに
壮麗な世界観を構築。初期からのメンバーである、ニック・バレット、クライブ・ノーラン、ピーター・ギーの3人がいることで
当時のロマンの香りまでをそのまま再現している。とりわけ90年代に思い入れのあるシンフォファンには感涙のライブ作品だろう。
MAGENTAのクリスティーナ・ブースがコーラスで参加しているのも見逃せない。そして、バンドは2017年9月に来日を果たすのだ。
シンフォニック度・・9 ライブ演奏・・8 名作再現度・・9 総合・・8.5 
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PETE BARDEN'S MIRAGE「SPEED OF LIVE」
CAMELのキーボード奏者、故ピート・バーデンスのソロバンドのライブアルバム。
曲の方はオリジナル曲に混じり、「ムーンマッドネス」「スノーグース」などのキャメルの名曲も演奏。
本家よりはダイナミックさに欠けるが、なかなかの好演。
ただミックスをほどこしてないのか、ライブの音そのままという感じでサウンド的にはラフな感じ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 演奏・・6 総合・・6


Peter Gee 「A Vision of Angels」
PENDRAGONのベーシスト、ピーター・ギーの1997年作
ペンドラゴンにおいてはあくまで楽曲を陰で支えている印象が強かったのだが、
本作では彼自身のメロディアスなセンスも素晴らしかったのだと確認できる。
キャッチーなポップ性とマイルドなヴォーカルで聴かせるアダルトな雰囲気に、
随所にPENDRAGONばりの泣きのギターも含んで、9分10分という大曲も美しく描いてゆく。
繊細な叙情とともにじわじわと感動させるような楽曲も素晴らしい。優しい聴き心地の好作品。
PENDRAGONのニック・バレット、クライブ・ノーランがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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Peter Gee「East of Eden」
PENDRAGONのベーシスト、ピーター・ギーの2011年作
人類と地球をテーマにした作品で、本作では、ギター、ベース、シンセを自身がこなし、
ゲストヴォーカルにスティーブ・ソーン、ダミアン・ウィルソンが参加している。
適度にハードなギターワークとシンセアレンジで重厚に聴かせる作風で、
スペイシーな壮大さやモダンロックとしてのキャッチーなノリも取り入れている。
2、3分台の小曲が連なる形なので、1曲ごとのインパクトというのはあまりないのだが、
全体の流れで大きなビジョンを楽しむような力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Phi Yaan-Zek 「Solar Flare」
イギリスのインド系ギタリスト、フィ・ヤーン・ゼクの2005年作
うっすらとしたシンセに軽妙なギターを乗せた、サイケがかったようなフュージョンロック的なインストサウンドで、
フルートなども加わったプログレ的なやわらかな叙情もある。ドラムにマルコ・ミネマン、ピアノ&シンセにラレ・ラーソンが参加、
テクニカルだがなんとなくヨレているというのが面白く、そういう点では、サイケ的なフュージョンプログレとしても楽しめる。
全体的にはスリリングな展開よりも、むしろゆったりとした聴き心地で、インストメインなので中盤以降はさすがにダレてくるのだが、
女性スキャットの入る曲など、スピリチュアルな世界観も含めてユルユルでよいのです。
東洋思想的な空気感の、のんびりとしたプログレ・フュージョンに興味がある方はぜひ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ・フュージョン度・・8 総合・・7.5
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PILGRYM「pilgrimage」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ピルグリムの2004作
Vo、G、B、Keyをこなす2人のメンバーを中心にしたバンド
ゆったりと繊細に、かつドラマティックに聴かせるシンフォニックハードサウンド。
ボブ・カトレイのようなアダルトな声質のVoが、やや好みを分けるところだが、
むしろINSIDE OUT系などを好むHRファンなどにはとっつき安いかもしれない。
自主制作らしい音の詰めの甘さとローカルさはあるが、なかなかの好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5


the pineapple thief「Variations On A Dream
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの3rdの再発盤。2004/2011年作
やわらかなヴォーカルとしっとりとしたシンセワークで、ほの暗い叙情を聴かせるサウンドは、
Porcupine Treeなどの流れを組む、ポスト・プログレッシブともいうべきもので
やわらかみのあるメロウな聴き心地と、もの淋しい哀愁の表現が素晴らしい。
PTはもちろん、フランスのDemiansやドイツのRPWLなどがお好きならぜひ。
再発盤のDisc2には、2003年の10曲入りミニアルバム、「8 days」を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 哀愁の叙情度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「10 Stories Down」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの2005作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine Tree系のバンドであるが本家以上にプログレ寄りのサウンドで、
個人的にはPTよりも好み。本作でも、アコースティカルな叙情を織りまぜつつ、プログレ的なシンセワークと
優しいヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせる楽曲はじつに耳心地がよい。
モダンな翳りの中にもキャッチーなメロディや、ヴァイオリンなども取り入れた
センスあるアレンジが心憎い。ラストは15分の大曲でゆるやかに盛り上げる。
リマスター再発盤は、8 Days Laterと題された8曲入りのボーナスDisc付き。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「Tightly Unwound」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの2008年作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine Tree系のサウンドだが、こちらはもっとプログレ色が強く、
変拍子入りの巧みなアンサンブルにポストロック的でもある深遠な世界観を折り込んでじっくりと構築してゆく。
それなりに技巧的でありつつも、サウンドのやわらかさを保っているのはマイルドなヴォーカルの歌声と、
静かなパートを自然に盛り込むアレンジのセンスだろう。メロトロンの音色の使い方などは
むしろ北欧のバンドのようでもあり、随所にプログレファンを唸らせるものが散りばめられている。
ポーキュパイン系のファンはもとより、RiversideANEKDOTENのリスナーなどにも勧められる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8.5
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the pineapple thief「3000 Days」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのベストアルバム。2009作
1999年のデビュー作から現在までの楽曲をCD2枚組みで20曲収録。
Porcupine Treeタイプの薄暗い叙情を聴かせるバンドとして注目しているのだが、
こうしてあらためてバンドの初期の音源から聴いてみると、聴き心地のよい
自然体のゆるやかな叙情と、ポストロック的な雄大なシリアスさを同居させつつ、
しだいにプログレッシブなアレンジを効かせるようになってきているのが分かる。
とくに静かに盛り上がってゆく10分を超える大曲などは、聴きごたえありだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple ThefLittle Man」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの2010作
Porcupine Tree系としては頭ひとつ抜けたクオリティのこのバンド、
本作は入手困難であった2006年のアルバムのリミックス再発盤だ。
マイルドなヴォーカルの歌声と、薄暗い叙情を含んだけだるい世界観はやはり耳心地がよい。
ただ全体の完成度としては、2008年の傑作「Tightly Unwound」にはまだおよばない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple Thief「Someone Here Is Missing」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの2010年作
ベスト盤や再発盤を除くと、2008年の「Tightly Unwound」以来となるアルバム。
Porcupine Treeへの回答ともいうべき傑作であった前作に続き、本作もメロウな叙情と
モダンな軽妙さ、そしてプログレッシブな展開力を盛り込んだ、なかなかの力作だ。
しっとりとした繊細な美しさとともに、ところによりモダンなヘヴィ感覚も盛り込んでいて
いかにも現代的なミクスチャーロックでもある。自然体の作り込みが「らしい」仕上がりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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The Pineapple ThiefAll The Wars
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフ2012年作
Porcupine Tree以後の新世代薄暗系プログレとして、すでに活動は10年以上、
9作目となる本作も、モダンなセンスと知的な構築力が光る見事なサウンドを聴かせる。
キャッチーなヴォーカルメロディにほの暗い翳りをまとわせつつ、今作ではギターがより前に出た
アンサンブルを強めていて、お洒落で軽やかでありつつ、ロックとしての普遍的な格好良さも感じられる。
オーケストラルなアレンジによるシンフォニック性も含んだ、優雅な傑作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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Pineapple Thief 「Magnolia」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの2015年作
1999年のデビューから本作で10作目、名実ともにポストプログレ系の代表格となったこのバンド、
来日も果たし、本作ではめでたく国内盤もリリース。マイルドなヴォーカルを乗せた薄暗い叙情と、
いくぶんヘヴィさを増したギターとともにモダンなエモーショナルロック的なサウンドを聴かせる。
プログレ色という点では以前に比べて薄くなったものの、ストリングスの加わった美しいアレンジに
しっとりとした繊細なナンバーも含めて、透明感に包まれた涼やかな聴き心地が味わえる。
楽曲はどれも3〜4分台で、シンプルな分かりやすさがあり、プログレというよりは叙情ロックですな。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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The Pineapple Thief 「Your Wilderness」
イギリスのポストプログレ、パイナップル・シーフの2016年作
1999年にデビュー、いまやポストプログレ系の代表格となったこのバンド、11作目となった本作は
前作の歌もの路線を受け継ぎつつ、うっすらとしたシンセにマイルドなヴォーカルを乗せた繊細な叙情で、
ポスプログレの王道をゆくようなサウンドに立ち返っている。メロウなギターを乗せたメランコリックな泣きに、
曲によってはダイナミックなノリのパートも含んだりと、プログレとしてのメリハリある構成力も見事。
10分近い大曲も、優雅な叙情とキャリアのあるバンドらしいスケール感とともに、じっくりと構築してゆく。
ファンはもちろん、このバンドを初めて知る方にも勧められる、完成度の高いアルバムに仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 繊細な叙情度・・8 総合・・8 
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PORCUPINE TREESignify
イギリスのロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーの4th。1996作
今でこそ、世界的にも人気を得ているこのバンドだが、ロックバンドとしての構築性を
曲の中ではっきりと前に出してきたのはこのアルバムからだろう。
次作「In Absentia」でよりメタリックなダイナミズムを打ち出してくるが、
このバンド本来のメランコリックな翳りある叙情は本作ですでに確立されている。
うっすらとしたシンセワークに、メロウなギターワークが耳に心地よい。
アルバムとしての完成度では後の2枚の方が高いだろうが、ファンならば、これも聴いて損のない作品だろう。
メロディアス度・・7 メランコリック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「warszawa」
英国の人気バンド、ポーキュパイン・トゥリーのライブアルバム。2001作
2001年ポーランド、ワルシャワでのステージを収録。いわゆるメジャーデビュー前のライブ。
2000年のアルバム「Lightbulb Sun」からの曲がメインであることもあり、
メタリックな質感はほとんどなく、ゆったり淡々とした雰囲気で演奏は進んでゆく。
「In Absentia」以降の曲に比べ、分かりやすいメリハリはあまりないが、
このバンド本来のPINK FLOYD的な鬱ぎみの浮遊感を感じ取ることができる。
メロディアス度・・7 ゆったり浮遊感度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「IN ABSENTIA」
イギリスのプログレ・ロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーの2002年作
このバンドのサウンドはいうなれば、現代にマッチした憂鬱なメロディアスロック、ということになるのだろうか。
プログレメタルというほどテクニカルでもないし、厳密にいえばいわゆるプログレでもない音だが、そのクールな情感と
やや暗鬱な叙情をかもしだすサウンドには不思議な魅力がある。内的世界の描写を淡々とした演奏で表すところなどはポストロック的で、
そういう点では現代版PINK FLOYDと表現されるのもうなずける。やわらかだが冷たい質感と、しっかりとロックとしてのビートを感じるし、
メロトロン的なキーボードの使い方などはどこか北欧的で、ANEKDOTEN、さらにはOPETHなどの静寂部分に通じるものもある。
メロディアスでメランコリックな「雰囲気」が気に入れば心地よく聴ける音楽だろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 心地よい浮遊感度・・8 総合・・8
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PORCUPINE TREE「DEADWING」
イギリスのプログレバンド、ポーキュパイン・トゥリーの2005年作
通算では9作目。ゆるやかに静寂感をともなったマイルドだがクールなサウンドで、
ときおり現れるメタリックなギターがいいアクセントになっていて、メロトロンの使用やヴォーカルハーモニーの美しさも魅力的。
9分の大曲から始まるので、前作よりもプログレ的な雰囲気が強く感じられ、メランコリックな軽い鬱的な部分が浮遊感となって音に漂う。
誤解を恐れずに言うと、近年のDREAM THEATERの現代的なダークな部分に相通じるものも感じる。
けっして爽やかな音ではないが、身を任せるに心地よい空間を構築しているのは確かで、
しっとりとピアノが美しいバラードや、メロトロンの鳴り渡るシンフォニックなアレンジも聴きとなっている。
前作よりもやや音に温かみがあるところが英国的にも思える。プログレ、メタル、両方のリスナーに対応したアルバムだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 心地よい浮遊感度・・9 総合・・8
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PORCUPINE TREE「Fear Of A Blank Planet」
イギリスのモダンプログレロック、ポーキュパイン・トゥリーの2007年作
メジャー3作目となる今作だが、いよいよその鬱サウンドには磨きが…いや翳りがかかり、
メロトロンの音色をはじめしっとりとしたシンセワークと、ゆるやかなヴォーカルが繊細に響きわたる。
前2作にあったメタリックな展開美はやや影をひそめ、代わりにしっとりとした叙情性に包まれた
薄暗系ポストプログレが広がっている。現代的な翳りと鬱系の内的なメロウロックをここまで極端に提示したことで
聴き手を選ぶには違いないが、この沈み込むようなディープな感性を心地よく感じられる人も大いに違いない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ディープな鬱ロック度・・9 総合・・8
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Porcupine Tree「The Incident」
イギリスのモダン・プログレバンド、ポーキュパイン・トゥリーの2009作
2002年のデビュー以降もコンスタントに作品を発表し、今や世界的な知名度を誇るこのバンド、
今作はなんと、14パートに分かれた55分に及ぶタイトル組曲をメインにした2枚組の大作。
鬱ぎみの薄暗ロック作品で賛否がはっきりとした前作に比べ、プログレッシブな雰囲気が戻り
クリムゾン風のヘヴィさとフロイド的な浮遊感を併せ、ポストロック的でもある内的志向の
ゆるやかな世界観構築を聴かせてくれる。派手な盛り上がりがほとんどない分、
前作以上に聴き手を選ぶ作品かもしれないが、この繊細な叙情とほの暗い雰囲気に
浸れる方にはこの上ない傑作となるかもしれない。Disc2はむしろオマケという感じ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 内的叙情度・・8 総合・・8
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PRODUCERS 「Made in Basing Street」
イギリスのメロディックロック、プロデューサーズの2012年作
トレヴァー・ホーン、ロル・クレーム、アッシュ・ソーン、スティーヴ・リプソンによるバンドで、
キャッチーなポップ性と80年代的なAOR感触を、モダンに再構築したというきらびやかなメロディックロック。
レコーディング途中で脱退したクリス・ブレイドが作曲に参加、4曲でリード・ヴォーカルを担当する他、
ジェフリー・ダウンズも全曲に参加していて、美しいシンセに爽快なコーラスハーモニーを乗せ、
随所にメロディックなギタープレイも含んだ、大人味わいのポップなプログレハードとしても楽しめる。
ほのかにプログレ感触も覗かせつつ、やわらかなメジャー感を漂わせた音作りで、
バグルズやダウンズ期のイエスあたりが好きな方には、とても心地よいサウンドだろう。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 爽快キャッチー度・・9 総合・・8
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PROTOS「ONE DAY A NEW HORIZON」
英国のシンフォニックロックバンド、プロトスの1982年作
かつてはLPのみで250枚限定だっとたいう、コレクターズアイテムのCD化。
サウンドはゆるやかなシンセワークを中心にした、インストのシンフォ作で、STEVE HACKETTあたりを思わせる繊細なメロディで聴かせる。
ギターにしろドラムにしろ決して前には出すぎず、音がうるさくならない分濃密さよりも淡白な味わいが耳に優しく、
初期CAMELなどの質感にも似ている。いかにも自主制作然とした録音面での弱さも含めて、やわらかな雰囲気の作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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PROTOS「The Noble Pauper’s Grave」
イギリスのシンフォニックロックバンド、プロトスの2007年作
80年代初頭に活動したバンドで、残した1枚のアルバムが再発されたが、本作は25年ぶりとなる新作になる。
ヴィンテージ色もあるシンセワークとメロディアスなギターを中心に聴かせるインストのシンフォニックサウンド。
曲間には語りが入るなど、コンセプト的な色合いもあるが、音自体には難解さはなく、
「ややコテコテになったCAMEL」という雰囲気でのんびりと聴ける。繊細な好作品だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 繊細度・・8 総合・・7.5
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PURE REASON REVOLUTION「THE DARK THIRD」
イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2006年作
PINK FLOYD的な浮遊感ある楽曲に、男女Voの歌声が重なり内的宇宙を感じさせる広がりのあるシンセアレンジがなかなか魅力的で、
薄暗い質感のシンフォニックロックとしても楽しめそう。オルタナシンフォとポストロックの中間に位置するような雰囲気であるが、
女性ヴォーカルの存在がよいアクセントになっているので、ゴシックロック風味の美しさもあって聴きやすいサウンドだ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 うす暗浮遊感度・・8 総合・・7.5
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Pure Reason Revolution 「Amor Vincit Omnia」
イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2009作
前作はPINK FLOYD+Porcupine Treeというイメージの作品であったと思ったが、今作では冒頭からデジタリィなアレンジを大胆に取り入れ、
テクノのようなピコピコのシンセ音を確信犯的に使いながら、まるでかつてのROXY MUSICもかくやというようなサウンドを聴かせる。
機械的なビートに乗る男女ヴォーカルの歌声と、コーラスワークの重ねも絶妙という他はなく、
この「古めかしいモダンさ」の再現はある意味で職人技だ。もちろんロック的な躍動感や、ポストロック風味も健在で、
UKロック的なマイルドさに加え古くささをお洒落なまでに変換させるこのアレンジセンスには脱帽である。
メロディアス度・・8 レトロなデジタリィ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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Pure Reason Revolution「Hammer & Anvil」
イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2010年作
Porcupine Tree風味のプログレ色を覗かせた1作目、エレクトロなアレンジを大胆に取り入れた2作目、
そして本作では、これまであったエレクトロ色とインダストリアルな質感が増したサウンドになっている。
女性ヴォーカルの歌声を前に出し、プログレ要素がなくなった分だけ、ある意味で分かりやすい作風になった。
モダンなインダストリアルロックでありながら、音の中に知的な洒落っけがあるのは、やはり彼らならではだ。
メロディアス度・・8 モダンロック度・・9 アレンジセンス・・9 総合・・8
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QUASAR「The Loreli」
イギリスのシンフォニックロックバンド、クェーサーのアルバム。
STRANGERS ON A TRAIN〜LANDMARQの女性シンガー、トレイシー・ヒッチングが在籍していたバンドで、
まだ若々しいハスキーな彼女の歌声とシンフォ/ポンプロックの王動的なサウンドで爽やかに聴かせる。
スリリングな展開はあまりないが、女性Vo系のシンフォが好きな方ならそこそこ楽しめるかと。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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RA「WAKE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ラーの2007年作
シンセを含む4人組で、メロディックなギターとシンセを中心とした
インストによるシンフォニックロックをやっている。曲は2〜5分台が中心で
比較的コンパクトに分かれていて、フュージョン風味も含んだ軽快な雰囲気。
スリリングさは薄いが、CAMELばりの叙情ギターで聴かせるメロウな質感はなかなかで、
ゲストによるフルート、ヴァイオリンなども美しい。ストーリー的なコンセプト作らしい。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
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Ray Wilson 「Change」
イギリス人ヴォーカリスト、レイ・ウィルソンの2003年作
GENESISの「CALLING ALL STATION」に参加したことでも知られるシンガーで、
本作はシンセによる美しいアレンジと随所に泣きのギターを含んだ、プログレハード風味の好作。
枯れた味わいのマイルドなヴォーカルとともに、アコースティカルな繊細さも含んだ
じつに耳心地のいいサウンドが楽しめる。3分前後のコンパクトな楽曲が中心ながら、
優雅な叙情メロディを配した楽曲はとても質が高い。メロディ派には聴いて欲しい作品です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細叙情度・・8 総合・・7.5




The Reasoning「The Awakening」
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングの2007作
KARNATAKAレイチェル嬢が参加するバンドということで、聴く前から期待大。
サウンドは男女Voのスタイルで、KARNATAKAよりはハードめな質感は、雰囲気的にはMOSTLY AUTUMNの方に近いかもしれない。
シンフャニックというにはドライな音だし、もう少しレイチェルの歌を前に出してもよかったが
デビュー作としては手堅くまとまっていると言うこともできる。録音面の甘さなども含めて、今後の活動に期待したい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 女性Vo度・・7 総合・・7
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The Reasoning「Dark Angel」
イギリスのシンフォニックロックバンド、リーゾニングの2nd。2008年作
KARNATAKAレイチェル嬢擁するこのバンド、前作の時点ではまだ楽曲面での詰めの甘さが感じられたが、
本作では叙情性を伸ばしバンドとしての明確な方向性が現れてきていて、確かな成長が感じられる。
メロウなギターワークにしっとりとしたシンセが合わさったサウンドはほのかな薄暗さをともなって、
シンフォニックな要素が引き立ってきた。レイチェル嬢の歌声にはKARNATAKA時代よりもぐっと大人の落ち着きが感じられ
男性ヴォーカルとの掛け合いでは、ゴシックメタル的な雰囲気もかもし出している。
シンフォニック度・・8 翳りある叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The Reasoning「Adverse Camber」
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングの3rd。2010年作
KARNATAKAレイチェル嬢を擁するこのバンド、前作もなかなかの好作であったが、
今作もいくぶんのモダンさとメタリックな質感とともに、ゴシックロック的な翳りある叙情を聴かせる。
レイチェル嬢の浮遊感のある歌声も含めて、All About Eveの現代版という作風だろうか。
前作に比べて音のインパクトはあまりないが、じっくりと聴き入れる好作品である。
シンフォニック度・・7 翳りある叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The ReasoningAcoustically Speaking
イギリスのメロディックロック、リーゾニングのアコースティックアルバム。2010年作
アコースティックギターやマンドリンのつまびきに女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
しっとりとした作品。曲調のせいかレイチェル嬢の歌声はかつてのKARNATAKAを思わせ、
これまでのアルバム以上に歌の魅力が前に出ている。スリリングさはないがゆったりと楽しめる。
メロディック度・・7 アコースティカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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THE REASONINGLive in the USA :Bottle of Gettysburg
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングのライブアルバム。2011年作
KARNATAKAのレイチェルを擁するバンドの2011年のアメリカでのライブを収録。
シンセを含んだシンフォニックなメロウさに、ハードロック的な質感もある楽曲と、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドは、アルバムでの印象同様、
決して悪くはないのだが、メロディや盛り上がりに物足りなさを覚える。
音質の迫力のなさとともにローカルな雰囲気が出てしまっているのが残念。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The Reasoning「Adventures in Neverland」
イギリスの女性Voシンフォニックロック、リーゾニングの2012年作
KARNATAKAのレイチェル嬢を擁するこのバンド、ライブやアコースティック作を挟み、スタジオ作としては4作目。
美しい女性ヴォーカルで聴かせる、ほの暗い翳りを含んだメロディックロックという路線はそのままに、
今作ではシンフォニック寄りのアレンジで、かつてのカルナタカにも接近したような印象である。
きらきらとしたシンセアレンジとメロウなギターワークが、しっとりとした彼女の歌声を引き立てていて、
これまで以上に深みのある世界観を感じさせるサウンドとなった。女性声ハードシンフォニックの好作といえる出来です。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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RED JASPER 「Sting In The Tale」
イギリスのプログレバンド、レッド・ジャスパーの1990年作
ジェントルなヴォーカルに、ハード寄りのギターとオルガンを含むシンセを乗せ、
随所に美しいヴァイオリンが鳴り響く、プログレ風味のハードロック的なサウンド。
70年代英国ハードロック風味を土台に、サックス、フルートもなども加わって、
Jethro Tull風のフォーク風味や、ブギウギ調のナンバーもあったり、とりとめのなさがいかにもB級バンドらしい雰囲気だ。
プログレとして聴くには、いくぶん中途半端な方向性で、日本ではあまり知名度がなかったのもうなずける。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7
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RED JASPER 「The Great And Secret Show」
イギリスのシンフォニックロック、レッド・ジェスパーの2015年作
結成は80年代で、1997年にいったん解散したバンドの、じつに18年ぶりとなる復活作で、
ムーグシンセやメロトロンが鳴り響くきらびやかなシンセに、マイルドなヴォーカルを乗せて
英国らしいウェットな叙情を描く、かつてのSHADOWLANDあたりにも通じるシンフォニックロックサウンド。
フォークバンドをルーツにしているだけあって、アコースティックギターやホイッスルなどを含む牧歌的な味わいもあり、
メロウな泣きのギターフレーズや伸びやかなヴォーカルの歌声とともにキャッチーな爽快さを生み出している。
90年代の香りを残した英国的なシンフォニックロックの大穴的な力作です。PENDRAGONなどのファンもぜひ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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REGAL WORM 「Use and Ornament」
イギリスのプログレバンド、リーガル・ウォームの2013年作
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセ、ドラムを一人でこなすマルチミュージシャン、Jarrod Goslingを中心にしたバンドで、
メロトロンやオルガンが鳴り響くヴィンテージな感触と、GENTLE GIANTに通じるとぼけた味わいで構築されるサウンド。
サックスが鳴り響くブラス入りプログレに、フリーキーでエキセントリックなセンスが融合したという聴き心地で、
やわらかなヴォーカルなど、音自体はキャッチーといってもよいのだが、コロコロとした先の読めない展開が面白い。
13分、26分という大曲を、緩急自在に「これぞプログレ!」というエキセントリックなセンスで描きつつ、
女性によるスキャットや語りなどが現れるミステリアスな雰囲気も素晴らしい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・9 軽妙で偏屈度・・9 総合・・8.5
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REGENESIS「LIVE」
ジェネシスのコピーバンド、その名もリジェネシスのライブアルバム。1997作
堂々とコピーバンドのアルバムが売られるというのも驚きだが、それもGENESISというバンドの偉大さを表しているのかもしれない。
初期のGENESIS(つまりピーター・ガブリエル在籍時)から影響を受けたフォロワーは数知れず…
…というかシンフォニック系と言われるバンドの大半はなんらかの形で影響されているはず。
そして、このバンドはそんな初期GENESISの楽曲をほぼ完全コピーして演奏しているのだからまた凄い。
“Wacher of the Skies”“Firth of Fifth”“Supper's Ready”等の名曲が次々に再現されてゆくのは
初期のファンにとってはたまらないだろう。このバンドのおじさんたち(みな30代以上)にしろ
かつてのロマンの幻影を追いかけながら自分たちの手で再構築している喜びに浸っているのだろう(笑)
演奏力としてはもちろん本家には及ぶべくもないが、Voも含めてなかなか頑張っている。
ジェネシス度・・10(当たり前だ) ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7(ファン以外には価値がないので)
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RIVERSEA 「Out of an Ancient World」
イギリスのシンフォニックロック、リバーシーの2012年作
復活したMANDALABAND、NINE STONE CLOSEのメンバーを中心にしたバンドで、
美しいシンセアレンジにマイルドなヴォーカルで、しっとりとした叙情を聴かせるサウンド。
ドイツのSylvanあたりにも通じる、メロウな翳りを含んだやわらかな耳心地で
美しいピアノや繊細なギターとともに、あくまで優しく、そしてじわじわと盛り上がってゆく。
とにかくこの泣きのメロディにぐっとこないリスナーというのはいないだろう。聴いてください。涙
メロウ度・・9 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・9 総合・・8.5

ROB COTTINGHAM 「Captain Blue」
イギリスのミュージシャン、ロブ・コッティンガムの2013年作
TOUCHSTONEのシンセ奏者のソロで、そのタッチストーンのギターに、元Mostly Autumnのヘザー・フィンドレイ、
Steve Hackett BANDのゲイリー・オートゥールがドラムで参加。さらには、スティーヴ・ハケットもゲスト参加している。
コンセプト的な雰囲気の語りから始まり、美麗なシンセアレンジにメロウなギター、マイルドな男性ヴォーカルに、
ヘザーによる美しい女性ヴォーカルも加わって、LANDMARQあたりに通じるキャッチーなプログレハードが楽しめる。
3〜5分のコンパクトなナンバーが主体ながら、ストーリー的に楽曲を連ねた構成で、歌もの要素が強めではあるが、
モダンなシンフォニックロックとしても鑑賞可能。全体的にわりとあっさりとした印象ながら、アルバム後半には泣きの叙情が待ち構えていて、
ハケット先生のソロパートはさすが。ポストプログレ的でもある繊細な叙情性も含めて、Marillion + It Bitesという感じでもイケるかも。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 繊細な叙情度・・8 総合・・8
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Robert Reed 「Sanctuary II」
イギリスのミュージシャン、ロバート・リードの2016年作
MAGENTAのシンセ奏者としても知られる彼が、Mike Oldfieldへのオマージュを込めて作り上げた作品の続編。
ドラムにはサイモン・フィリップスが参加、自身がギター、ベース、シンセ、マンドリン、リコーダー、ブズーキ、ビブラフォンなどなど、
ほぼすべての楽器を演奏し、20分前後の大曲2曲のみという構成も、いかにもマイク・オールドフィールド的である。
美しいシンセにケルティックで涼やかなギターフレーズが重なり、民族的なコーラスなどを含んだ作風は、「Hergest Ridge」や
「Ommadawn」、「Incantations」あたりに通じる優雅な聴き心地。トム・ニューマンがプロデュースというのも含めて、
マイク・オールドフールド的過ぎる…という気もするのだが、一方では随所にMAGENTAを思わせる軽妙な感じが、
本家の翳りある叙情とは少し異なるところかもしれない。ともかく、やり過ぎなまでにオールドフィールド愛を貫いた力作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 オールドフィール度・・9 総合・・8
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The Room 「Open Fire」
イギリスのプログレ・ロックバンド、ルームの2012年作
70年代的なロック感覚を基本に、適度にプログレ的なシンセアレンジを含んだサウンド。
聴き方によってはKAYAKあたりに通じるライトでキャッチーな感触で、
牧歌的な叙情には英国フォークルーツの雰囲気もあるような気がする。
全体的にはやや地味な印象であるが、随所に聴かせる泣きのギターメロディなどは
叙情派好きのリスナーにアピールする部分があるだろう。9分を超える大曲などはなかなか。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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The Room 「Beyond The Gates Of Bedlam」
イギリスのプログレ・ロックバンド、ルームの2015年作
先に聴いた2012年作は、70年代スタイルのキャッチーなメロディックロックという趣だったが、
古き良きロック感触のギターと表現力あるヴォーカルを乗せたオールドな感触はそのままに、
本作では美麗なシンセアレンジを加えた、適度なシンフォニックロック色が強まっている。
結果的に、いくぶんブルージーになった「英国版KAYAK」という聴き心地もありつつ、
ツインギターによるウェットな叙情性は、まぎれもなくブリティッシュロックの系譜である。
全体的に、プログレ的な展開力というのはさほどないのだが、6分、7分という長めの楽曲も、
力量のあるヴォーカルのおかげで心地よく聴き通せる。オールドな渋さとシンフォが合わさった好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Rory Ridley-Duff 「Passing Decades」
イギリスのシンフォニックロック、プロトスの中心人物である、ローリー・リドリー・ダフの未発音源集。2006年作
1982年にPROTOSとしての唯一の作品を発表、本作は1992〜93年に録音されたマテリアルで、
シンセによる多重録音を中心した優美なサウンドを聴かせる。リズムは打ち込みなのでロック色はあまりなく、
Enidの1994年作「Tripping the Light Fantastic」あたりに通じる、デジタル風味のある優雅なシンフォニックロックである。
メロディ自体はもっとキャッチーで優しい感触なので、良質のシンセミュージックとしての楽しめる。しかし、この安っぽいジャケや、
CD盤面に印刷されたエロティックな写真はいかんともしがたい。なお、PROTOSとしての復活作を2007年に発表している。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 優美度・・8 総合・・7.5
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Sanguine HumDiving Bell
イギリスのプログレバンドのサンガイン・ハムの2012年作
シンセ奏者を含む4人編成で、キャッチーなヴォーカルメロディと適度にテクニカルな演奏で聴かせる、軽やかなプログレサウンド。
いわばIT BITESにカンタベリー風味を加えたような優雅さで、オルガンやエレピを使用したシンセアレンジのセンスもよろしく、
ほどよいレトロさとモダンな清涼感とのバランスのとれた聴き心地。やわらかでキャッチー、そして軽妙なセンスで構築された傑作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅で軽やか度・・9 総合・・8
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Sanguine Hum「The Weight Of The World」
イギリスのプログレバンド、サンガイン・ハムの2013年作
前作は、いわばIT BITESにカンタベリー風味を加えたような傑作だったが、
本作ではやわらかなヴォーカルによる叙情性とともに、ポストプログレ的なモダンさをまとわせながら、
抜群の構築センスが光るサウンドを展開。美しいシンセアレンジに、ハードさと繊細さを備えたギターワーク、
軽やかなリズムの上でなにげにテクニカルなアンサンブルをさらりと優雅なこなす。
ラストは15分近い大曲であるが、普通のシンフォ系バンドのように濃密に盛り上げるのではなく
あくまで優雅で軽やかな聴き心地。力まずに楽しめるモダンプログレの好作品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ハイセンス度・・9 総合・・8
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Sanguine Hum 「Now We Have a Light」
イギリスのプログレバンド、サンガイン・ハムの2015年作
英国から現れた新鋭バンドの3作目は、ストーリーに基づいたCD2枚組の大作となった。
モダン香り漂うマイルドな繊細さと、適度にテクニカルで軽妙なアンサンブルが合わさった
センス抜群のサウンドは本作でも健在。一方ではオルガンが鳴る伝統的なプログレ感触もあり、
コロコロとしたビブラフォンの音色にエレピがかぶさると、カンタベリー系バンドのような優雅さとともに、
やわらかなヴォーカルの歌声を乗せたキャッチーな叙情を描いてゆく。Disc2では9分、10分という大曲もあり、
知的な構築センスを含ませた、オールドとモダンの架け橋というようなセンスのよいサウンドが楽しめる。
メロディック度・・8 モダンプログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Sanguine Hum 「What We Ask Is Where We Begin」
イギリスのプログレバンド、サンガイン・ハムの2016年作
センスのよいモダンプログレサウンドで評価を受けるバンドの未発音源集。2枚組。
Disc1には2006年にデジタル販売でのみで発表されたデビュー前の作品を収録。
マイルドなヴォーカルを乗せたやわらかな歌もの風味に、カンタベリー的でもある
軽妙な優雅さを加えたサウンドは、本作の時点で、そのセンスの萌芽を覗かせている。
Disc2には、シングル収録のリミックス音源や未発曲、セッション音源などを収録。
未発曲とはいえ、どれもしっかりと作り込まれたアレンジで、アルバムと遜色ない、
適度なプログレ感触をモダンに包み込んだ耳触りの良いサウンドが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 モダンセンス度・・8 総合・・8
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SEAN FILKINS「War and Peace & Other Short Stories」
BIG BIG TRAINのヴォーカリスト、シーン・フィルキンスのソロ。2011年作
ムーグの音色を含むいかにもプログレらしいシンセワークと、適度にハードなギターを重ね、
そこに表現豊かなヴォーカルを乗せたシンフォニックサウンド。英国的な牧歌性も感じさせつつ、
やはり基本はGENESISルーツのロマンあふれる優雅さと繊細な感性による叙情美か素晴らしい。
Part1、2に分かれた計30分に渡る“Prisoner of Conscience”は美麗なシンセと泣きのギターで盛り上がる
まさにシンフォニックの王道的な大曲だ。質の高いアレンジ力も含めて見事な傑作である。
ジョン・ミッチェル(IT BITES)、ゲイリー・チャンドラー(JADIS)らがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 英国度・・8 総合・・8.5
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Secret Green 「To Wake the King」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シークレット・グリーンの2009年作
かつてのTHE ENIDのメンバーであった、Francis Lickerishを中心としたバンドで、
サウンドのほうはまさしく70年代のエニドを現代に甦らせたような壮麗なシンフォニックロック。
美麗なオーケストレーションにメロウなギターが鳴り響き、女性ヴォーカルの歌声とともに、
トラッド的な中世風味とファンタジックな世界観を広がりのあるスケール感で聴かせる。
クラシカルで優雅な旋律にロックオペラ的なダイナミズムも加わり、英国的な伝統色も含めて
アーサー王伝説をテーマにした壮大華麗なシンフォニックロックを繰り広げる。これは素晴らしい傑作。
シンフォニック度・・9 美麗度・・10 エニ度・・9 総合・・9
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Simon CollinsU-Catastrophe //」
GENESISのフィル・コリンズの息子であるサイモン・コリンズの2008年作
プログレというよりはポップ性のあるモダンなロックであるが、
やはりときおりGENESIS風味も覗かせつつ、親譲りのメロディセンスと味のある歌声で、
薄暗さのある叙情を聴かせる、いわばポストロック的感覚を備えたサウンドだ。
モダンな聴きやすさの中に現れる哀愁のメロディはなかなか耳心地がよく、
ポーキュパイン系のリスナーにも楽しめる作品だと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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Solstice「Silent Dance」
イギリスのプログレバンド、ソルスティスの1st。1984年作
まさにポンプロック全盛のイギリスの80年代に現れたこのバンドは、
93年に2nd「New Life」、97年に3rd「Circles」を発表し、その後沈黙。
本作は女性ヴォーカルにヴァイオリンも入った、Curved Airを思わせるスタイルで
サンディ嬢のやわらかな歌唱とフォーキーな牧歌性は、Renaissanceにも通じる優雅さがある。
泣きのギターとそこにかぶさるシンセはシンフォニックロックの質感であるが、
ポンプ派生のバンドのような大仰さはなく、どこか醒めたクールさが漂っているのも特徴だ。
再発盤の2枚組Disc2には1982〜83年のカセットのデモ音源やBBCラジオの音源を収録。
デモの段階でも曲はしっかり完成していて、とくにBBCの音源は躍動感溢れる演奏が素晴らしい。
シンフォニック度・・7 牧歌度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SOLSTICE「NEW LIFE」New Life
イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの2nd。1993年作
艶やかなヴァイオリンの音色と、透明感のある女性ヴォーカルの歌声を中心に、
英国的にしっとりと聴かせるサウンド。過度な盛り上がりやメロディの聴かせ所はなく、
ポンプロック以降の他のシンフォニックバンドとは一線を画する落ち着きが感じられる。
ときにアコースティカルな質感を聴かせるギターワークもなかなかよろしく、
美しいヴァイオリンの音色とともにゆったりと鑑賞出来る作品だ。
バンドは1997年に3rdを発表した後沈黙、その後2010年に復活する。
シンフォニック度・・8 ゆったり英国度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Solstice「New Life-the definitive edition」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの2nd。1993/2007年作
1993年作のリマスターに、1984〜1985年のデモや貴重なライブ音源などを収録したボーナスDisc付きの2CD再発盤。
艶やかなヴァイオリンの音色と、女性ヴォーカルの歌声を中心にした牧歌的で優雅なシンフォニックロックサウンド。
彼らの3枚のアルバムは、どれもヴォーカルが代わっているが、本作のハイジ嬢の声質が、幻想的な楽曲と一番似合っていると思う。
いかにも英国的なフォーキーな質感をシンフォニックに表現したサウンドはポンプ以後のシンフォ勢とは一線を画すものだ。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SOLSTICE「Circles」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの3rd。1997作
艶やかなヴァイオリンに女性ヴォーカルの歌声で、前作「NEW LIFE」は非シンフォ系好みのリスナーにも受け入れられた傑作だったが、
本作では女性Voが交代している。楽曲における英国フォーク調の牧歌性と、やや垢抜けない女性声が上手くマッチしていて、
ヴァイオリンとギターによるメロディアスな叙情美にも、しっとりとした落ち着きが感じられる。
アルバム後半はまるでポンプ化したAll About Eveのようにもなり、シンフォニックな盛り上がりとともに、じっくりと楽しめる好作といえるだろう
メロディアス度・・8 牧歌的度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Solstice 「The Cropredy Set」
イギリスのメロディックプログレ、ソルスティスのライブ音源。2002年作
女性声の英国系シンフォの元祖というべきこのバンド、80〜90年代に3作を残していったん解散するのだが、
本作は1998年のスタジオライブ音源を収録したもの。2nd、「New Life」、3rd「Circles」からの楽曲を中心に、
美麗なシンセにフィドルが鳴り響き、女性ヴォーカルの歌声を乗せた、清涼感あるサウンドを聴かせてくれる。
アルバム以上に躍動感のあるアンサンブルで、英国フォークルーツの優雅な叙情が楽しめる好ライブ作品。
メロディック度・・8 ライブ演奏・・8 優雅な叙情度・・9 総合・・8
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Solstice 「Spirit」
イギリスのプログレバンド、ソルスティスの2010年作
1997年の「Circles」以来、実に13年ぶりとなるアルバムで、メンバーも一部替わっているようだが、
女性ヴォーカル
の歌声にヴァイオリンが鳴り響く優雅なサウンドは、かつてのサウンドを継承している。
ゆったりとした牧歌性の中にも、さりげなく変拍子を盛り込む演奏センスはさすがで
トラッド的なメロディも含ませるなど、聴き心地の良さを保ちながら、プログレとしての緊張感も
随所に感じさせる。優雅な構築美の力作です。2009年のライブ映像を収録したDVD付き。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Solstice 「Kindred Spirits」
イギリスのプログレバンド、ソルスティスのライブアルバム。2011年作
2010年のライブステージを収録したDVDと、2007/2008年のライブ音源の入ったCDの2枚組。
CDの方は過去のアルバムからの曲を、DVDは2010年作「Spirit」からの曲をメインに、
スタジオ盤以上に躍動感のある演奏を聴かせてくれる。ハスキーな女性ヴォーカルの歌声に
メロウなギターとヴァイオリンが絡む優雅なサウンドは、メンバーの技量の高さもあって、
しっかりとしたアンサンブルを構築している。CD、DVDともに音質、映像も良好で、
ヴォーカルにヴァイオリンと、女性二人のいるステージは視覚的にも華やかです。
ライブ演奏・・8 ライブ映像・・8 音質・・8 総合・・8
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Solstice 「Prophecy」
イギリスのプログレバンド、ソルスティスの2013年作
1984年のstから97年代までに3作を出してバンドは消滅、その後2010年に復活、それから3年ぶりとなる通作5作目。
アメコミ調のジャケは前作ライブ作からの流れか。サウンドはしっとりとしたアコースティカルな雰囲気と
やわらかな女性ヴォーカルの歌声で、英国フォークルーツの繊細なシンフォニックロックが広がってゆく。
艶やかなヴァイオリンの音色を響かせながら、押しつけがましくない牧歌的な叙情性がこのバンドの魅力。
後半は10分を超える大曲が続き、全体的に派手さはないものの、味わい深い大人のサウンドに仕上がっている。
ボーナスにスティーヴン・ウィルソンがリミックスした1stの楽曲を3曲収録。初期の優雅な作風があらためて楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Sound of Contact 「Dimensionaut」
フィル・コリンズの息子であるサイモン・コリンズのバンド、サウンド・オブ・コンタクトの2013年作
きらびやかなシンセアレンジと適度なハードも含んだモダンなプログレ・ロックサウンド。
IT BITESやFROSTにも通じる抜けのよい爽快さと、PINK FLOYDのような繊細な叙情が合わさり、
それをメジャー感のあるキャッチーなポップセンスで包み込んだという、完成度の高さが光っている。
父親譲りの鼻にかかったマイルドな歌声に、ドラムのセンスもなかなかのもの。
チェロが鳴り響く優雅なアレンジや、MARILLIONのようにいくぷん翳りを帯びた哀愁も含みながら、
メロディックロックとしての情感とダイナミズムも素晴らしい。ラストの19分の大曲も見事な傑作です。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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Space Ritual 「OTHERWORLD」
イギリスのサイケロック、スペース・リチュアルの2007年作
HAWKWINDのニック・ターナーによるNIK TURNER'S SPACE RITUALが改名したバンドで、
メロトロンをはじめスペイシーなシンセをたっぷりと使いつつ、サックスやフルートの音色やストリングス、
12弦ギターなどの叙情性も含んだ聴き心地。もの悲しさをたたえた淡々としたヴォーカルもいい味を出していいて、
厚みのあるサウンドはときにシンフォニックですらあって、単なるサイケにはとどまらないスケールの大きさを感じさせる。
モダンなトリップ感を含ませつつ、スペースサイケの浮遊感と壮大な世界観を重厚に聴かせる見事な傑作です。
ドラマティック度・・8 スペースサイケ度・・9 重厚度・・9 総合・・8.5
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SPHERE 3「Comeuppance」
イギリスのプログレバンド、スフィアー3の2002作
G、B、Dr、Keyという4人組で、曲はオールインスト。プログレというよりはフュージョン的な軽快さで聴かせつつ、
ギターはときおりヘヴィになったり、ジャズ的なシンセ/ピアノも出てきたりして、テクニカルに聴かせるあたりは
PLANET Xなどにも通じる質感がある。キメ倒しというよりは、あくまでメロディとフレーズを重視しているので、
とても聴きやすいのだが、反面ただのBGMになってしまいがちか。プログレぎみのT-スクェアという聴き方もできそうなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フュージョン度・・8 総合・・7.5
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SPIRAL REALMS 「Trip to G9」
イギリスのサイケロック、スパイラル・レアルムスの1994/2004年作
HIGH TIDE、HAWKWIND、THIRD EAR BANDなどで活躍したシンセ&ヴァイオリン奏者Simon Houseによるユニットで、
スペイシーなシンセの重ねを中心にした、テクノ風のアンビエントなサイケミュージックというサウンド。
サイケ化したKlaus Schulzeというような、ゆったりとした聴き心地でまどろみながら鑑賞できる一方で、
随所にエレクトリック・ヴァイオリンも響かせつつ、リズムが入ると、やはりHAWKWIND的なノリにもなったりする。
2004年の再発盤はジャケが変更され、別バージョンなどを収録したボーナスDiscの付いた2枚組となっている。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 スペイシー度・・8 総合・・7
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Steve Hughes 「Tales from the Silent」
イギリスのミュージシャン、スティーヴ・ヒュージスの2015年作
ドラマーで、ギター、ベース、シンセもこなすマルチプレイヤーである。
きらびやかなシンセを含んだシンフォニック性と、FROST*にも通じるスタイリッシュなモダンさが合わさった、
クオリティの高いサウンドを聴かせる。メロディックでテクニカルなギターも随所に光っていて、
インストパートにおける爽快なメロディアス性と、キャッチーなヴォーカルパートのセンスも良い。
ときに女性ヴォーカルも加わった優美な叙情性にうっとりしつつ、全体的には泣きな走りすぎない
クールなアレンジセンスか前に出ていて、13分、16分という大曲も、軽妙な優雅さで楽しめる。
全80分弱というモダン・シンフォプログレの力作。同じく元Big Big TrainのSean Filkinsなどが参加している。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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Steven WilsonGrace for Drowning
Porcupine Treeスティーブン・ウィルソンのソロ2011年作
PTの他にKING CRIMSONのリミックス、OPETHやORPHAND LANDなどのプロデュースなど
現在もっとも多忙を極めるミュージシャンの一人だろう。本作はVol.1、2に分けられたCD2枚組で、
しっとりとしたピアノやシンセと、繊細なヴォーカルで聴かせる、いわば静謐系の作風であるが、
アコースティカルな素朴さと、KING CRIMSONの静寂部分のような奥深い叙情性が素晴らしい。
もちろんプログレッシブな構築センスと、PT的な薄暗いモダンシンフォの要素も含んで
適度な緊張感とともにその世界観が描かれてゆく。Disc2の23分の大曲も見事な静かなる傑作。
メロウ度・・8 プログレ度・・8 静謐の叙情度・・9 総合・・8
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Steven Wilson 「The Raven That Refused To Sing」
Porcupine Treeのステーィヴン・ウィルソンの2013年作
ここのところ、プロデュースやリミックスなどに大忙しというスティーヴン先生、
ソロの方も旺盛に制作しておりますな。3作目となる本作は、ギターにThe Aristocratsの
ガスリー・ゴーヴァン、ドラムにマルコ・ミネマンが参加、躍動感あるアンサンブルに、
フルートが鳴り軽やかなシンセワークが彩るという、これまで以上にプログレしているサウンド。
もちろんしっとりとした繊細な叙情も含んで、初期クリムゾンばりのメロトロンも聴かせてくれます。
ガスリーの奏でる泣きのギターも随所に素晴らしく、奥深い世界観の楽曲を彩っている。
10分を超える大曲も緩急のついたアレンジで構築される、優雅にして知的な傑作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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Steven Wilson 「TRANSIENCE」
PORCUPINE TREEのスティーヴン・ウィルソンの2016年作
ソロ活動のみならず大御所バンドのリミックスなども手掛ける、現在プログレシーンにおける重要ミュージシャンとなった彼の、
2008年からの自身のソロ作品を総括するベストアルバム。アコースティックな歌ものナンバーからゆるやかに始まり、
その後は、お得意の薄暗系ポストプログレをたっぷり聴かせてくれる。美しいシンセアレンジに、コーラスハーモニー、
適度にハードだがうるさすぎないギターワークなども絶妙で、繊細な叙情性に包まれたサウンドにゆったりと浸れる。
全14曲を収録で、楽曲は年代順に並んでいるのではなく、おそらくアルバムとしての流れも考えられているのだろう、
案外メリハリに富んだ曲調が楽しめるようになっている。これからSWの世界に入るというリスナーにも対応した1枚だ。
ポストプログレ度・・8 薄暗度・・8 繊細度・・9 総合・・8
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Steve Rothery Band 「Live in Rome」
Marillionのギタリスト、スティーヴ・ロザリーのライブ作。2014年作
2013年のイタリア、ローマでのステージを収録した2CD+DVDで、Panic Roomのデヴッド・フォスター、ヤティム・ハリミが参加
Disc1は、2015年のソロ作「Ghosts of Pripyat」からのナンバーを演奏、Disc2ではかつてのMarillionのナンバーも披露している。
スティーヴ・ロザリーの奏でるメロウなギターを中心にした、じっくりと聴かせる味わい深いインストサウンドが楽しめる。
ほとんどが10分を超えるナンバーだが、グルーヴィーなリズムアンサンブルと、デイヴ・フォスターとのツインギターによる、
哀愁に包まれた大人の叙情が耳に優しく、メロウなギターのトーンは、Steve Hackettにも通じる、ウェットな翳りと深みをまとっていて、
キャリアのあるメンバーたちの表現力ある演奏で飽きさせない。同日に共演したイタリアのRanestraneのシンセ奏者がゲスト参加。
Disc2では、ゲストの男女ヴォーカルが参加したマリリオンのナンバーや、RanestraneのナンバーにS・ロザリーが参加しての演奏も収録。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 大人の叙情度・・9 総合・・8
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STEVE ROTHERY 「The Ghosts of Pripyat」
Marillionのギタリスト、スティーブ・ロザリーのソロ。2015年作
意外にもソロ作品としては初のアルバムで、うっすらとしたシンセに繊細なギターワークで
やはりマリリオンにも通じるしっとりとした叙情を描いてゆく、オールインストの作品。
メロウなフレーズを奏でるギタートーンはスティーブ・ハケットにも通じる耳心地の良さで、
派手さはないものの、メロディックでキャッチーな感触も含んだ爽やかな優雅さを感じさせる。
一方では11分の大曲“Old Man Of The Sea”などでは、年季を感じさせる渋みのあるギターが素晴らしい。
アルバム後半はアンビエントなナンバーが続くので、いくぶん眠たくなるのだが、そこも含めてロザリー氏の
センスを楽しめる方にはよい作品だろうと思う。スティーブ・ハケット、スティーヴン・ウィルソンがゲスト参加。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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STEVE THORNE「Emotional Creatures: Part One」
イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンの2005作
ギター、ベース、ヴォーカル、キーボードをこなすマルチプレイヤーであるが、本作ではトニー・レヴィンをはじめ、
ジェフ・ダウンズ、ゲイリー・チャンドラー(JADIS)、マーティン・ウォーフォード(IQ)、ニック・ディヴァージリオ(SPOCK'S BEARD)など、
ゲスト陣もなかなか豪華がメンツが名を連ねる。英国らしい牧歌的な雰囲気と、ゆるやかなシンフォニック性が合わさったサウンドで、
ジャケのようなファンタジックな雰囲気の中にも、現代世界を生きる人間の苦悩などがコンセプトになっている。
薄暗い中に溢れる叙情と温かみはMARILLIONにも通じる質感があり、派手さはないが、しっとりと聴かせるメロディアスな好作である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 薄暗シンフォとしても聴けます度・・8 総合・・7.5
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STEVE THORNE 「Part Two:Emotional Creatures
イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンの2007年作
前作の続編となるアルバムで、薄暗系のゆるやかな作風であったPart1に比べて
美麗なシンセワークでキャッチーに聴かせる1曲めからにして、ぐっとシンフォニックな感触が増している。
2曲以降は、やはりMARILLIONを思わせるほの暗い翳りある作風で、マイルドなヴォーカルに、
ピアノやアコースティックギターなども含んだ優しい耳心地で、しっとりとした繊細な叙情美を描いてゆく。
メロウなギターワークもセンスよく、作り込まれたゆるやかな楽曲構成で、現代形シンフォニックの傑作というべき内容である。
トニー・レヴィン(KING CRIMSON)、ジェフ・ダウンズ(Yes)、ピート・トレワバス(MARILLION)、ジョン・ミッチェル(It Bites)
ニック・ディヴァージリオ(SPOCK'S BEARD)、ギャヴィン・ハリソン(Porcupine Tree)らがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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Steve ThorneInto the Ether
イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンの2009年作
前作は薄暗いメロウな作品であったが、今作は一転してIT BITESあたりを思わせるキャッチーな
プログレハード的な作風になっている。軽快なリズムに乗るモダンなシンセワークと聴き心地のよいヴォーカルメロディ。
哀愁をまとったアダルトな質感とキャッチーなやわらかさが同居した雰囲気は、NEAL MORSEなどにも通じるだろうか。
ゲイリー・チャンドラー(JADIS)、ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、ジョン・ベック(IT BITES)
ニック・ディヴァージォ(元SPOCK'S BEARD)、トニー・レヴィン、ピート・トレワヴァス(MARILLION)といった
豪華メンバーが参加。確かな演奏力とアンサンブルによる、マイルドな大人のメロディック・シンフォニックロックが楽しめる。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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Steve Thorne「Crimes & Reasons」
イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンの2012年作
前作からのモダンなシンフォニックロック路線はそのままに、現代的なテーマにそったシリアスなコンセプトのもと、
今作ではARENAあたりにも接近したような印象で、うっすらとしたシンセにマイルドなヴォーカルで聴かせる、
やわらかでメロウな耳心地の良さが光る。叙情的なギターにシンフォニックなシンセアレンジもありつつ、
キャッチーなメロディやアコースティカルな素朴さも含んだ好作品。前作に続き、ゲイリー・チャンドラー(JADIS)、
ニック・ディヴァージォ(元SPOCK'S BEARD)、トニー・レヴィンマーティン・オーフォード(IQ)らがゲスト参加。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Stolen Earth「A Far Cry From Home」
イギリスのシンフォニックロック、ストーレン・アースの2012年作
ハスキーな
女性ヴォーカルの歌声とオルガンの音色を含む美しいシンセワーク、
アコースティカルな叙情性も含めて、KARNATAKAMAGENTAなどにも通じる
しっとりとしたシンフォニックロック作品。メロウなギターのフレージングも耳心地がよく、
全体的にスリリングさは希薄ながら、やわらかな感触で聴かせる好作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Storm Corrosion
Porcupine Treeのスティーヴン・ウィルソンとOPETHのミカエル・オーカーフェルドによるユニット、ストーム・コロージョンの2012年作
前々から噂されていた2人の才人による期待のユニットであるが、そのサウンドの方は想像通り
薄暗い叙情性と、プログレッシブな香りを漂わせたもので、ミカエルとステーィブンのマイルドな歌声に、
うっすらとしたシンセと、アナログ的に響くギターの音色、しっとりとしたピアノのつまびきなど、
静寂感を漂わせた繊細な聴き心地が楽しめる。OPETHの2011年作「Heritage」で聴かれた
70年代ロックへのオマージュ的な作風ともまた異なり、むしろPorcupine Treeの世界観に近いか。
メタル色はほぼ皆無で、派手さやドラマティックな展開もないのだが、プログレリスナーや
PTのファンなどには間違いなく楽しめるし、繊細でゆるやかな情感に浸れる好作品である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・1 繊細な静寂度・・9 総合・・8
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STRANGEFISH 「FULL SCALE」
イギリスのプログレバンド、ストレンジ・フィッシュの2003年作
2000年以降のの英国メロディック系でいうと、スタイリッシュなセンスを持ったTANTALUSが印象深かったが、
このバンドもわりとステイリッシュな構築センスで、演奏はTRANSATLANTIC風のメロディも顔を出すなど、
なかなか軽快でキャッチーな感触。10分代の曲が3曲と、大作志向でありながら、盛り上がり過ぎない所がむしろ魅力で、
野暮ったいヴォーカルはともかくとして、優雅なセンスと軽やかなバランス感覚には、かつてのIT BITES的な知的さも垣間見える。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5

STRANGEFISH「Fortune Telling」
イギリスのプログレバンド、ストレンジフィッシュの2nd。2005年作
オルガンを含むシンセに、ジェントルなヴォーカルを乗せた、キャッチーでメロディアスなサウンド。
IT BITESあたりにも通じる、優雅でコンパクトなセンスが光る楽曲にはプログレハード的なポップ性もあり、
その力の抜けかたが、コテコテ大仰系好きのシンフォリスナーにはやや物足りないかもしれないが、
軽やかなメロディアスサウンドにのんびりと浸れる好作品だ。随所にメロウなギターによる叙情性やヴァイオリンも美しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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STRANGERS ON A TRAINThe Key Part:TheProphecy」
イギリスのシンフォニックバンド、ストレンジャース・オン・ア・トレインの1st。1990年作
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランの華麗なシンセワークと、
トレイシー・ヒッチングのハスキーな女性ヴォーカルを乗せたシンフォニックロック。
今作ではリズムは入らず、ほとんどがシンセと歌のみの演奏なので、
シンフォニックロックとしてのダイナミズムでは、続編であるUに譲るが、
その分トレイシーの艶のある歌声をたっぷりと堪能できる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・7.5
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STRANGERS ON A TRAINThe Key PartU:The Labyrinth
イギリスのシンフォニックバンド、ストレンジャース・オン・ア・トレインの2nd。1993年作
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランによるプロジェクトで、
トレーシー・ヒッチング(LANDMARQ)のキュートなヴォーカルを乗せ、華麗なキーボードワークと、
メロディアスで甘美なギターメロが合わさり、ゆるやかなシンフォニック組曲を描いてゆく。
ペンドラゴンに比べるとややシリアスで格調高く、女性Voの情感溢れる歌が胸に響きます。
ポンプ系人脈で作られたシンフォとしては90年代屈指の一枚である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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The Syn「Big Sky」
イギリスのプログレハード、シンの2009作
もともとはYesの母体となったバンドとしてクリス・スクワイアを中心にして活動していたらしいが、
現在ではフランシス・ダナリー、スティーヴ・ナーデリ、トム・ブリズリンという三人編成となっている。
サポートでドラムを叩くのはEcholynのポール・ラムゼイ。サウンドはプログレ色はあまりない
大人の味わいのメロディックロックで、英国風の叙情とアメリカのキャッチーさが融合された質感。
枯れた味わいのヴォーカルとやわらかなメロディで聴かせる、肩の力の抜けた自然体のアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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The SYN 「LIVE ROSFEST」
イギリスのプログレバンド、シンのライブ。2015年作
2009年のアメリカ、ロズフェストでのステージを収録。オリジナルメンバーのSteve Nardelliを中心に、
IT BITESのフランシス・ダナリー、YESCAMELにも関わったシンセ奏者、トム・ブリスリンというトリオ編成を基本に、
初期のメンバーであったクリス・スクワイア、元YESのアラン・ホワイト、さらにはECHOLYNMOON SAFARIのメンバーも参加。
躍動感アンサンブルにメロウなギター、枯れた味わいのヴォーカルを乗せた、古き良き英国メロディックロックというサウンドで、
オルガンやメロトロンを含むんだレトロな感触のシンセワークにもにやりとする。スリリングな部分はあまりないが、
ゆったりと聴かせるアコースティックなパートなども含めて、落ち着いた大人のプログレ/英国ロックが味わえる。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・7 大人の味わい度・・8 総合・・8 
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the Syn 「Trustworks」
かつてはクリス・スクワイアを中心に活動した、Yesの母体として知られるバンド、シンの2016年作
本作ではヴォーカルのスティーブ・ナーデリを中心に、演奏陣には全員MOON SAFARIのメンバーが参加、
さらにはヨナス・レインゴールドも参加ということで、ほぼ北欧プログレ状態といってもいい布陣であるが、
サウンドは、枯れた味わいのヴォーカルを中心にした哀愁の叙情を聴かせる歌ものプログレハード。
楽曲は3〜5分台中心で、オルガンを含んだシンセやメロウなギターワークを聴かせつつ、
全体的にはシンプルな爽快さで、アダルトな歌声はジョン・ウェットン〜ASIAあたりにも通じる。
随所にムーン・サファリを思わせるコーラスワークやシンフォニックな美しさも覗かせつつ、
ラストの大曲ではGENESISを思わせる叙情とプログレ的な展開力に包まれ、泣きまくりのギターで大団円。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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Synaesthesia
イギリスのプログレバンド、シネステシアの2014年作
英国の新鋭シンフォニックロックバンド、のっけから22分の大曲で、美しいシンセワークを中心に、
メロウなギターにマイルドなヴォーカルを乗せ、繊細な叙情性とともに優美なサウンドを描いてゆく。
FROST*あたりにも通じるキャッチーなモダンさと、古き良きプログレ的なアレンジが合わさった聴き心地で、
派手すぎない展開と泣きのメロディアス性に包まれた、正統派シンフォニックロックのアップデート型というべきか。
反面、安定しすぎて意外性に欠けるという面もあるのだが、かつてのPENDRAGONを思わせる泣きの叙情と、
現在形バンドとしてのキャッチーなセンスも兼ねそろえていて、期待の新鋭バンドであるには違いない。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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THE TANGENT「THE MUSIC THAT DIED ALONE」
PARALLEL OR 90 DEGREESのKeyによるバンド、ザ・タンジェントの2003年作
THE FLOWER KINGSのロイネ・ストルト、VAN DER GRAAF GENERATORのデビッド・ジャクソンらが参加。
切れのよい演奏の軽快なシンフォニックロックで、フラキンよりはややジャジーな感じというところで、
北欧的なシンフォと英国カンタベリーロック風の素朴さが融合しているともいえる作風だ。
随所に70年代風の古めかしさを感じる部分もあり、オールドなプログレファンにも楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ジャジー度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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THE TANGENT「U:The World That We Drive Through」
Parallel Or 90 Degreesのメンバーによる、シンフォニックロックバンド、ザ タンジェントの2nd。2004年作
今作もロイネ・ストルトはじめ、The Flower Kings関連のメンバーが参加していて、音のほうもフラキン度が高い
ジャズロック的なアンサンブルとリズムの跳ね具合が、メンバーの技量の高さを感じさせるが、
その中でも女性ピアニストのしっとりとしたピアノタッチが素晴らしく、またたおやかなフルートの音色なども
優雅に楽曲に華を添えている。前作の軽快なシンフォニック性よりは、大人のジャズロック風なパートが増した。
もちろんテクニカルでシンフォニックではあるが、肩の力を抜いてくつろぎながら楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 フラキン度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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THE TANGENTA Place in the Queue
PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソンによる、ザ・タンジェントの3rd。2006作
今回はロイネ・ストルト不参加であるが、過去作を上回るクオリティのカラフルなシンフォニックロック作である。
のっけから20分の大曲だが、メリハリの効いた構築された展開の中で、軽やかなジャズロックテイストと、
オールドプログレ風のレトロな質感を聴かせてくれる。メロディアスなギターフレーズはロイネ不在をまったく感じさせず、
それに絡むキーボードと、ときにしっとりとしたピアノも美しく、理知的でありながら優しいサウンドを形成している。
後半はややジャズロック度が高くなるが、総じて構築美とクオリティの高いアルバムだ。
2CDのスペシャルエディション盤には、未発表曲、デモ、ライブ音源等、6曲を収録。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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THE TANGENT「Going Off on One」
テクニカルシンフォプログレのスーパーバンド、タンジェントのライブアルバム。2007作
これまでにスタジオ作を3作発表し、そのどれもが高品質のテクニカルシンフォ作であったが、
このライブ作でもスタジオ盤以上の躍動感あふれる演奏を聴かせてくれる。
オルガン、ムーグを操りながらヴォーカルもこなすアンディ・ティリソンはバンド全体を引っ張り、
ヨナス・レインゴールド(THE FLOWER KINGS)のベースワークもさすがの存在感だ。
CD2枚組みで、のっけから10分、11分、22分という大曲3連発で濃密に聴かせる。
けたたましいシンセによる70年代風のレトロな質感と、軽やかなジャズロック風味が交差し、
内的な幻想性は薄いが、プログレリスナーの耳にはとても分かりやすいサウンドだろう。
ボーナスではKING CRIMSONの“21世紀の精神異常者”も聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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THE TANGENT「Not as Good as the Book」
アンディ・テリィソンを中心にしたシンフォニックロックバンド、タンジェントの4th。2008年作
ガイ・マニング、ヨナス・レインゴールドといったメンバーに加え、今作ではジャッコ.M.ジャグジグ(21st Century Schizoid Band)が参加。
ストーリーに基づくCD2枚組のコンセプト作で、カンタベリー風味もあるジャズロック的なリズムに、メロディアスなシンフォニック性を重ねた、
前作からの延長線上のサウンドながら、コーラスワークにはいっそうキャッチーな抜けの良さが加わっていて実に爽快だ。
テオ・トラヴィスによるサックス、フルートも曲の中で存在感を増しており、アコースティカルにしっとりと聴かせる部分もあったりと心憎い。
Disc2は20分台の大曲2曲という構成で、ゆるやかに盛り上げるドラマティックさが見事。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 軽やかジャズロック風味度・・8 総合・・8
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The Tangent「Down and out in Paris and London」
イギリスのプログレバンド、タンジェントの2009年作
CD2枚組だった前作は、シンフォニックと軽やかなジャズロックが融合された最高傑作であったが、
それに続く本作も1曲目から19分という大曲で始まり、スタイリッシュに構築されたモダンさが光る
プログレ/シンフォニックの傑作となった。アンディ・ティリソンの巧みなシンセ、そしてギターワークに、
フルートやサックスなども加わり、しっとりとした繊細さとクールな軽妙さが絶妙に交わるサウンドは
さすがのセンスの良さである。今回はメロディにほの暗い叙情が加わっていて、やわらかな歌で聴かせる
哀愁とともに、いくぶんレトロな空気を感じさせるシンセアレンジも心憎い。やはり質の高い作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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The Tangent 「Going Off on Two」
イギリスのプログレユニット、タンジェントのライブ作品。2011年作
マルチミュージシャン、アンディ・ティリソンを中心に、いまや新時代の英国プログレを代表するバンドのひとつ。
本作は2010年のスタジオのライブセッションを収録したCD+DVD作品で、サックス&フルート奏者を含む6人編成で、
2009年作「Down and out in Paris and London」からのナンバーを中心に演奏。きらびやかなシンセアレンジに、
軽妙で優雅なアンサンブルが融合した、「カンタベリー系シンフォ」というべきサウンドを描いてゆく。
リラックスした雰囲気のスタジオライブなので、演奏面でのたたみかけるような迫力はないのだが、
バンドのファンであれば、DVDの映像も含めてとても楽しめる内容だろう。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 音質・・7 総合・・8
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The Tangent「Comnn」
イギリスのプログレバンド、タンジェントの2011年作
PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソン率いるこのバンドも早くもこれで6作目となにる。
本作はのっけから20分の大曲で、美麗なシンセに叙情的なギターが絡む、シンフォニックの王道だ。
随所に古き良きプログレの感触を含みつつ、The Flower Kingsを思わせるような自然体の構築センスと
大人の味わいを感じさせる哀愁とともに心地よく聴かせてくれる。力みすぎないメロディの流れ方、巧妙な展開美は
さすがというべきもので、ゆるやかな繊細さも含みつつ、ダイナミックでありながら決して派手すぎない
知的な感触は絶品だ。軽やかなフルートやヴァイオリン、ピアノも加わった軽妙なジャズロック風味などもあり、
豊かな音楽性をクールに構成するセンスは、現代シンフォニックのトップクラスといっていいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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The Tangent 「Le Sacre Du Travail」
PARALLEL OR 90 DEGREES…というよりも、すでにこちらの方がメインになりつつある(?)
アンディ・ティリソンによるプロジェクトバンド、タンジェントの7作目。2013年作
前作からメンバーがだいぶ替わり、本作ではヨナス・レインゴールドが復帰している。
きらびやかなシンセアレンジにフルートやサックスなどを含んだメロウな叙情と、
ときにカンタベリー風味もある軽妙な展開美は、これまで通りにとても高品質。
19分、22分という大曲では、フラキンばりのしっとりとした繊細さも聴かせてくれる。
知的な構築力に、確かな演奏陣による音の説得力とスケール感が合わさった傑作。
The Flower Kings、TRANSATLANTIC、NEAL MORSEなどと肩を並べる現代シンフォの代表でしょう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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The Tangent「L'Etagere Du Travail 」
イギリスのプログレバンド、タンジェントの2014年作
2014年作「Le Sacre Du Travail(仕事の儀式)」と同時期に録音されながら、アルバムに収録されなかった
未発音源に旧作品の再録などを追加した変則的な作品であるが、サウンドのクオリティは正規アルバムに遜色ない。
カンタベリージャズロック的でもある軽妙な優雅さとシンフォニックなきらびやかさを融合させたスタイルは、
テクニカル性とキャッチーさの絶妙なバランスも含めて、アンディ・ティリソンの豊かなセンスを示している。
全ての楽器を一人でこなす前半のアウトテイクスの出来も素晴らしいが、テオ・トラヴィス(サックス&フルート)、
ジャッコ・ジャクジク(ギター)、ヨナス・レインゴールド(ベース)らが参加した後半の再録曲も聴きごたえありだ。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 楽曲・・8 総合・・8 
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The Tangent 「A Spark in the Aether
イギリスのプログレバンド、タンジェントの2015年作
PARALLEL OR 90 DEGREES…というよりも、すでにこちらの方がメインになっているアンディ・ティリソン率いるバンドの8作目。
今作からドラムにモルガン・アグレンが参加、ヨナス・レインゴールドとの鉄壁のリズム隊が完成…って、KAIPAもそうだよな。
そしてギターには若手のルーク・マシンが加わって、きらびやかなシンセを乗せて軽快なリズムで描かれるキャッチーでスタイリッシュな
シンフォニックロックは、まさに円熟の優雅さというべき聴き心地であるが、ヴォーカルのデヴィッド・ロングドンが脱退したことで
シンセを弾きながらアンディ・ティリソンが歌っているのだが(ニール・モーズ状態?)、ヴォーカルはやや弱くなったという印象は否めない。
メンバー的にはスーパーバンドになったという点で、音の雰囲気もなんだかTRANSATLANTICに接近したような。随所にサックスや
フルートなども加わって、12分、21分という大曲を巧みに構築してゆくメンバーの技量も含め、ともかくは見事な力作という他ない。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 キャッチー&テクニカル度・・8 総合・・8
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THE TANGENT「THE SLOW RUST OF FORGOTTEN MACHINERY」
イギリスのプログレバンド、タンジェントの2017年作
マルチプレイヤーのアンディ・ティリソンを中心に2003年にデビュー、本作はすでに9作目となる。
シンセ&ドラムのアンディ・ティリソンを中心に、ギターにルーク・マシン、ベースにヨナス・レインゴールド、
さらに女性Voにサックス&フルート奏者を加えての編成で、マイルドなヴォーカルに美しいシンセを乗せた、
カンタベリー的な優雅なアンサンブルに、繊細なシンフォニック風味が合わさったサウンドを聴かせてくれる。
やわらかな女性ヴォーカルに、フルートの音色も加わった優美な雰囲気に、軽妙なテクニカル性を含んだ展開美で、
10分を超える大曲をコンセプト的なスケール感で描くのはさすがのセンスである。随所にオルガンが鳴り響く、
古き良きプログレ質感も覗かせつつあくまで優雅な聴き心地。レトロとモダンのバランスも絶妙な、全79分の力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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TANTALUS「SMOKING ANGELS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タンタルスの1st。1994作
このバンドの2nd、3rdにおけるセンスの良いメロディとスタイリッシュな楽曲構築はじつに見事だった。
リーダーはキーボードのようで、本1stの時点ではメインメンバーは二人、ギターは2ndでは交代している。
さて、この1stであるが、曲に光る部分はあるが、やはり2ndほどの構築性、方向の一貫性はまだなく
曲によってはプログレではないただの歌ものとかもあって、完成度は後のアルバムに及ぶべくもない。
ただし音の重ね方、メロディの流れなどには他にはないセンスも感じる。
まずは傑作の2nd「JUBAL」、3rd「LUMEN ET CALIGO T」から聴いて欲しい。
メロディアス度・・8シンフォニック度・・7 楽曲センス・・8 総合・・7

TANTALUS「JUBAL」
イギリスシンフォニックロックバンド、タンタルスの2nd。2000年作
一聴してまず耳を引くのが、同時代的なセンスの良いスタイリッシュな音作り。
かつての80年代シンフォニックのような泥臭さ、無理な大仰さとは決別し、
ある種クールとも思える自己を見つめる視点が音の中に感じられる。
つまりはDREAM THEATER以後のフィルターを確実に通ってきたバンド。
キーボード、ギターともメロディアスで流麗だが、情熱よりも知的さを優先させた質感があり、
その決して感情的に爆発しない冷静さこそがこのバンドの持ち味であるのと思う。
さらにひとつ突き抜けるためにはまだ何かが必要な気もしないではないが、
現時点で、すでに凡百のシンフォバンドが追いつけないものを持っているのも確か。
シンフォニック度・・8 クールな音作り度・・9 楽曲センス・・8 総合・・8

TANTALUS「SHORT STORIES」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タンタルスの2001作
2ND「JUBAL」と3rd「LUMEN ET CALIGO T」の間に出されたアルバムで、
内容はシンフォニックな中にもジャズロック色もある、ジャムセッション的なもの。
ゆったりとした演奏の中にも、さすがにときどきセンスの片鱗をかいま見せており、
ギターやキーボードのメロディと音の重ね方、自然で嫌味のないアレンジのどれも一級のレベル。
2nd、3rdの構築的な完成度からすると力の抜けた作風で、やや物足りない感じはするが、
“トッカーターとフーガ”のクラシカルなカヴァーなどは美麗なシンフォニックでやはり見事だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 演奏・・8 総合・・7.5
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TANTALUS「LUMEN ET CALIGO T」
イギリスのシンフォニックバンド、タンタルスの3rd。2002作。
前作「JUBAL」を聴いてそのセンスの良さに驚いたものだが、今作も期待通りの内容。
このバンドの場合70年代ポンプからの派生ではなくどちらかというとDREAM THEATER以降の知的な構築性をともなったサウンドで、
ツインキーボードにツインギターという編成だが、やみくもに大仰になることなく、むしろすっきりスタイリッシュにまとめられた音の重ねである。
「メタル色を抜いたドリームシアター」という表現が分かりやすいかもしれない。
前作よりもスリリングな部分が減ったが、その分しっとりとしたのびやかなギターメロディなどが楽しめる。
静のパートでここまでちゃんと聴かせられるバンドはそうあるまい。クールでデジタリィな要素を見せながらも、
アコギ、フルートなどのやさしく暖かいパートも有り、70分以上の大作だが密度が濃い。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り


THIEVES' KITCHEN「Head」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーヴス・キッチンの1st。2000作
先に3rdから聴いていたので、軽やかなテクニカルプログレというイメージがあったのだが、
この時点ではもう少しゆったりとしたサウンドで聴かせる。とはいっても、ギターとキーボードの絡みは
細かなフレージングとカッチリとした感触がとても現代的で、音にはメタリックな硬質感もある。
楽曲はインスト中心で、16分、19分という大曲もあり、デビュー作にしてはじつに堂々としたものだ。
ヴォーカルの平坦さと、やや機械的なドラムサウンドが惜しいといえば惜しいが、
クオリティを求めるシンフォニックリスナーにはTANTALUSとともに勧められる英国産バンドだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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THIEVES' KITCHEN「SHIBBOLETH」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーヴス・キッチンの3rd。2003作
軽やかなテクニカルさで聴かせる、モダンなシンフォニックロックであるが、どこか古き良きメロウな感覚が同居しているのが面白い。
KENSOあたりにも通じる切れのいいジャズロックテイストもあり、ギターのやや硬質なフレージングが軟弱系のシンフォとは一線を画している。
同じクールさでもTANTALUSのような構築された感覚とは多少違い自由度の高い伸びやかなシンフォ・ジャズロックということもできる。
メロトロンを含めてヴィンテージ風のシンセと曲調のモダンさとのコントラスト、女性Voの歌唱もややダウナーな声質ながらサウンドに華を添えている。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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THIEVES KITCHEN「The Water Road」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2008年作
前作はモダンな雰囲気のテクニカルシンフォという印象だったのだが、
今作ではなんとANGLAGARDのKeyをメンバーに迎えて、サウンドが変化している。
耳につくのは美しいピアノにメロトロン。幽玄なメロトロンの響きと、そこに絡むギターフレーズもどこか北欧的な感触で、
とても叙情的だ。女性ヴォーカルの歌唱も、前作よりもしっとりと聴かせるようになった。
のっけから20分の大曲で、適度にテクニカルに展開しつつも、やはりメロトロンやフルートなどによる
幽玄な味わいが魅力的。浮遊感のあるテクニカルシンフォニックにメロトロンをプラスした力作。
シンフォニック度・・8 メロトロンいいねぇ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Thieves Kitchen「One for Sorrow Two Fo Joy」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2013年作
ANGLAGARDのトーマス・ヨハンソンをシンセ奏者をメンバーに迎えての2作目で
メロウなギターにメロトロンがかぶさり、しっとりとした
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
優美なシンフォニックロックは本作も同路線。随所に変拍子を取り入れたリズムとともに、
適度にテクニカルに、そしてゆるやかに大曲を構築する力量は、さすが中堅バンドというところ。
やわらかなピアノやフルートの音色も美しく、全体的にも優雅な聴き心地に包まれた好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Thieves Kitchen 「The Clockwork Universe」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2015年作
元ANGLAGARDのトーマス・ヨハンソンをシンセ奏者に迎えての3作目となる。
美しい女性ヴォーカルの歌声にやわらかなエレピやメロトロン、メロウなギターワークが合わさった
繊細な叙情性のサウンドはこれまで通り。今作ではよりスタイリッシュなアンサンブルが軽妙な味わいで、
ときにジャズロック的でもある優雅さと、メロトロンが鳴り響くシンフォニック性が合わさったという聴き心地だ。
20分におよぶ大曲も濃密になり過ぎず、優美なフルートの音色も含んだ、あくまで涼やかでしっとりとした
優雅な感触というのは、やはりANGLAGARDやWHITE WILLOWなど、北欧のバンドにも通じるだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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THIS OCEANIC FEELING 「Universal Mind」
イギリスのプログレハード、ディス・オーシャニック・フィーリングの2015年作
Downes Braide Associationでも活動するクリス・ブレイドを中心に、ベースはIT BITESのリー・ポメロイ、
ドラムは、PRODUCERSにも参加したアッシュ・ソーンというトリオ編成のユニットで、
マイルドなヴォーカルとメロウなギターワークに、プログレ寄りのシンセアレンジで聴かせる、
キャッチーなやわらかさと湿り気のある叙情を同居させたサウンド。ASIAなどに通じる古き良きAOR感触とともに、
ときにポストプログレ寄りの繊細な感触もありつつ、オルガンやムーグ、ピアノなどのシンセも随所に美しい。
DBAの方が80年代感覚を再現しているのに対し、こちらはモダンプログレの要素を含んだ聴き心地。
プログレ、ポップ、AORという要素を、絶妙なアレンジセンスで包み込んだ見事な傑作です。
メロディック度・・9 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8.5
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Tiger Moth Tales 「Cocoon」
イギリスのシンフォニックロック、タイガー・モス・テイルズの2014年作
マルチ・ミュージシャンPeter Johnによる個人プロジェクトで、美しいシンセにメロウなギターを乗せた、
優雅なシンフォニックロックで、語りを含んだ映画的な雰囲気でファンタジックなストーリー性を描いてゆく。
かつてのGenesisのようなシアトリカルな世界観に、QUEENのようなキャッチーなコーラスハーモニーなども現れて
結果としてIQなどのような、いかにも英国らしいシンフォニックロックとなっている。ドラムは打ち込みなのだが、
オランダのCHRISによるBlack Codexシリーズあたりを思わせるクオリティの高さである。10分を超える大曲なども、
プログレとしての楽曲そのものの引っ掛かりはさほどでもないが、優雅な美意識に包まれた味わいで楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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TIGER MOTH TALES 「STORY TELLERS PART ONE」
イギリスのシンフォニックロック、タイガー・モス・テイルズの2015年作
全盲のマルチ・ミュージシャンPeter Johnによる個人プロジェクト。きらびやかなシンセにメロディックなギターを乗せて
リズムチェンジを多用した展開の多いインストパートが、遊園地のようなファンタジックな世界観を描き出す、
優雅なシンフォニックロックサウンド。QUEENのような壮麗な雰囲気をプログレ化したという聴き心地で
マイルドなヴォーカルが入ってじっくりと聴かせる叙情ナンバーや、語りの入ったコミカルなナンバーなども含め
タイトルのように童話的な物語性を感じさせる作風だ。12分の大曲も緩急のついた構築力で、
映画的なドラマ性を巧みにプログレに融合させている。次回作あたりでものすごい傑作を作りそうな気配。
ドラマティック度・・8 プログレ度 壮麗度・・9 総合・・8
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Tin Spirits 「Wired To Earth」
イギリスのプログレロック、ティン・スピリッツの2012年作
元XTCのデイヴ・グレゴリーが参加するバンドで、コーラス入りのキャッチーな歌もの感覚に、
適度にテクニカルなアンサンブルが合わさった、プログレ風のメロディックロック。
Genesis“Back in N.Y.C.”のカヴァーも取り上げるなど、キャッチーなポップ感覚と、
プログレ的な要素が溶け合った耳心地のよいサウンドだ。全体的に肩の力の抜けた作風ながら、
13分の大曲などでは、しっかりとした演奏力と構築センスも感じさせる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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Tinyfish 「Curious Things」
イギリスのプログレバンド、タイニー・フィッシュの2009年作
適度なハードさとキャッチーな感触で聴かせる、プログレ風味のメロディックロック。
IT BITESの3rdあたりに通じる歌もの的なスタイリッシュなポップ性と
ポストプログレ的でもあるしっとりとした繊細な叙情が合わさった雰囲気で、
ときにデジタリィなアレンジも覗かせる。UKロック的なメジャー感とセンスの良さに
素朴な味わいも含んだ好作品だ。全7曲30分弱のミニアルバム。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 モダン&キャッチー度・・8 総合・・7.5
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Tinyfish 「One Night on Fire」
イギリスのプログレバンド、タイニーフィッシュのライブ作。2009年作
2009年ポーランドでのライブを収録。ナレーションによる語りを含んだコンセプト的な雰囲気で、
メロディックなギターに伸びやかなヴォーカルを乗せたキャッチーな爽快さに、
タイトでアンサンブルで聴かせる、スタイリッシュなプログレハードが広がってゆく。
いわゆるプログレらしさやダイナミックな展開というのはあまりないのだが、
It BitesPallasのような英国らしい空気感と適度にモダンな構築センスも含めて、
ポストプログレとUKロックの中間をゆくような雰囲気がこのバンドの持ち味なのだろう。
聴き心地は良いのだが、個人的にはもうひとつ突き抜けた楽曲が欲しいと思ってしまう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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Tolga Kashif 「The Genesis Suite」
作曲家、指揮者、プロデューサーでもあるトルガ・カシフによるジェネシスの名曲をモチーフにした組曲作品。2010年作
自らロンドン交響楽団を指揮して録音した本作は、優美なオーケストラに女性ヴォーカルの歌声も入った、
壮麗なサウンドを表現。初期の楽曲を取り上げていないのが残念だが、7曲中、「Trick of the Tail」から3曲、
「And Then There Were Three」から2曲を取り上げていて、やはりプログレというよりは優雅な叙情性に包まれた
クラシック音楽を鑑賞するような聴き心地である。ロック色はほとんどないが、艶やかなストリングスの音色とともに、
ときにThe Enidばりのスケール感も含んだ、一流の演奏者たちによる繊細なシンフォニーが味わえる。
クラシカル度・・9 プログレ度・・5 優美度・・9 総合・・8
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Tony Patterson & Brendan Eyre 「Northlands」
英国のマルチミュージシャン、トニー・パターソンと、RIVERSEAのシンセ奏者ブレンダン・エイルによるユニット。2014年作
やわらかなピアノの音色に美しいシンセアレンジとオーケストレーション、アコースティックギターのつまびきや
繊細なフルートの音色とともに、しっとりと繊細なサウンドを描く。REGENESISのVoとしても知らるトニーの歌声は
楽曲に溶け込むようなマイルドな大人の叙情をかもしだし、24分の大曲も、大仰にならない繊細な美意識に包まれて、
ハケットのソロ作などに通じる優しい味わいがある。そのスティーブ・ハケット&ジョン・ハケット兄弟に、ニック・マグナスなどがゲスト参加。
ゆったりとしたニューエイジ風味のナンバーなどもあって、プログレとして聴くには物足りなさもあるのだが、
英国らしい優雅なシンフォニック性と、Marillionのようなモダンでメロウな叙情ロックが合わさったという好作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細で優雅度・・9 総合・・8
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Tony Patterson 「Equations Of Meaning」
英国のミュージシャン、トニー・パターソンの2016年
自身でヴォーカル、ギター、シンセアレンジ、フルートをこなすマルチミュージシャンで、
メロトロンが鳴り響き、アコースティックギターのつまびきに、オーケストレーションがかぶさる、
シンフォニックな美しさと、マイルドなヴォーカルを乗せた叙情性で、かつてのGENESISを思わせる
幻想的で繊細な美意識を感じさせる。キャッチーなナンバーも優美なアレンジに包まれていて、
随所にフルートやサックスの音色も加わったり、メロウなギターフレーズも光っている。
スリリングな展開は薄いのだが、どこまでもやわらかな聴き心地でゆったりと楽しめる傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・8
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TOUCHSTONE「Discordant Dreams」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2008年作
男女ヴォーカルの歌声で聴かせるMostly Autumnタイプのハードシンフォニック作。
叙情的なギターのメロディはIONAあたりにも通じる感触があるが、
ギターの刻みや意外と激しめのドラムなどはもっとハードロック/メタル寄りの雰囲気。
楽曲的にももう少しひねりが欲しいし、個人的にはもっと女性声がメインだとなお嬉しい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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TOUCHSTONE「Live in the USA」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンのライブ作。2010作
男女ヴォーカルの歌声と、美麗なシンセによるハードシンフォニックなサウンドで、
本作は2009年アメリカでのライブ音源をCD2枚に収録。女性ヴォーカルの美しい歌唱と
スタジオ盤以上にダイナミックな演奏がなかなか魅力的。Mostly Autumnなどに比べると
ずっとハードロック寄りで、叙情性よりもノリの良さが持ち味。個人的には男Voは不要かと。
メロディアス度・・8 ハードシンフォ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TOUCHSTONEWintercoast」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2010年作
けっこうヘヴィめのギターが入ったメタリックな質感と、Mostly Autumnあたりにも通じる
美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるシンフォニックな叙情美が合わさった作風。
相変わらず男ヴォーカルはとくに必要ない気がするが、女性声の活躍頻度はずいぶん増していて、
しっとりとしたバラード曲などはじつに美しい。また楽曲におけるダイナミックさも強まっていて
美麗なシンセをバックにしたギターのメロディアスなフレーズも随所で光っている。
英国産の本格派シンフォバンドとしてモストリー・オータムに並びそうなクオリティにはきている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Touchstone「City Sleeps」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2011年作
ライブアルバムをはさんでの3作目で、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンドは前作の延長上ながらよりダイナミックになっている。
この手のバンドにしては重厚さの効いたドラムとエッジのあるギターサウンドに、
美麗なシンセワークも含めて、PALLASあたりを思わせるドラマティックな雰囲気だ。
10分超の大曲も2曲あり、メリハリのある展開と、女性Voの美しさに惚れ惚れする。
ここぞというところで聴かせるメロディと盛り上げ方も上手くなった。なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Touchstone 「Oceans of Time」
イギリスのシンフォニックハード、タッチストーンの2013年作
前作もなかなかの力作だったが、4作目となる本作も、適度にハードなギターワークに、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、キャッチーなプログレハードサウンドになっている。
うるさすぎないシンセアレンジに、随所にメロウなギターフレーズが重なり、
キム嬢の伸びやかな歌声は、ときにジュリアンヌ・リーガンばりにしっとりと美しい。
これまでは男女Voであったが、本作では女性Voメインになったことで、よりウェットな聴き心地で、
バンドの方向性もはっきりしてきた。The Reasoningあたりが好きな方もいかが。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TRACY HITCHINGS「FROM IGNORANCE TO ECSTASY」
イギリスのポンプ&シンフォ界を代表する女性Vo、トレーシー・ヒッチングスのソロ作。1991作
彼女の履歴としてはQUESARSTRANGERS ON A TRAINLANDMARQオリバー・ウェイクマン(リックの息子)との共作にも参加、
GANDALFの作品にも参加したりと、まさにシンフォニック界の女性ヴォーカル請負人である。
本作は1991年、時期的にはSTRANGERS ON A TRAINの直前ということで、当然のようにクライブ・ノーラン(ARENA、PENDRAGON)が参加、
他のメンツもSTRANGERS ON A TRAINや元QUESARのメンバー。シンフォニック全開というよりは、
トレーシーの歌をメインにした曲が多く、彼女のファンは聴いて損はないだろう。というか曲によってはそのまま今のLANDMARQみたい。
キュートでハスキーな声質は好みを分ける部分もあるが、一聴しただけで彼女とわかる個性は素晴らしい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TRIPPA「Sorry」
マジェンタのロブ・リードとクリスティーナ・ブースによるユニット、トリッパの2007年作
1995〜2000年の間に活動していた、いわばMAGENTAの前身ともいうべきバンドで、
本作は唯一の音源であるシングルに、未発表のマテリアル、新曲を加えて作られたもの。
サウンドはモダンなキャッチーさで聴かせるメロディック・ポップロックで、プログレ風味は薄いものの、
むしろその分、クリスティーナ嬢のコケティッシュな歌声の魅力が前に出ている。
キュートな女性Voものということでは、AYREONのルカッセンがやっていたAmbeonを思い出した。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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TWOMBLEY BURWASH 「Grak」
イギリスのプログレバンド、トゥームレイ・バーウォッシュの2014年作
マイルドなヴォーカルに、ヴァイオリンが鳴り響くケルティックなテイストも含んだメロディックなサウンド。
緩急のある展開で聴かせるのだが、キャッチーであるが抜けきれないという、B級バンドらしさにも包まれていて、
随所にいい感じのシンセアレンジやメロウなギターも入りつつ、全体的にはどうも煮え切らないという印象。
ラストは22分の大曲なのだが、テクノ風味のデジタルなアレンジはいったいどこを目指しているのか意味不明。
まずは魅力的なメロディのフックや流れを楽しめるような展開を磨いてください。落書きみたいなジャケもひどいね。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・6.5
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VW

THE VICAR 「Songbook #1」
イギリスのミュージシャン、デヴィッド・シングルトンによるプロジェクト、ヴィカー2013年作の
KING CRIMSONのDGMレコードのプロデューサーで、ロバート・フリップの片腕としても知られるミュージシャン。
本作は自身の息子が手掛けるコミックとの連動作品で、音楽プロデューサー「ザ・ヴィカー」の冒険を描いたコンセプト作。
キャシー・スティーヴンス、トニー・レヴィン、スティーヴ・シドウェル、チャス・ディッキー、セオ・トラヴィスといったメンバーが参加、
QUEENNを思わせるキャッチーなコーラスハーモニーに艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、優雅なクラシカル性と、
モダンなポップセンスを合わせたサウンドを描く。無名ながら、参加したヴォーカリストたちの表現力も見事だ。
ドラムやエレキギターなどは入らないのでロック的な質感は薄いのだが、ストリングスやフルート、クラリネット、オーボエ、
トロンボーン、ピアノといった、室内楽的な優雅さに包まれた聴き心地で、むしろチェンバー的なポストプログレとしても楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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Vienna Circle
「Silhouette Moon」
イギリスのプログレ・ロック、ヴィエナ・サークルの2013年作
ポール&ジャックのデービス兄弟によるユニットで、Marillionなどに通じる繊細な叙情性で聴かせる、
ポストプログレ風味のサウンド。やわらかなピアノにうっすらとしたシンセ、メロウなギターと
マイルドなヴォーカルの歌声で、モダンな翳りを含んだしっとりとしたメロディックロックを構築してゆく。
随所にやわらかなフルートの音色やシンフォニックなアレンジも入ってきて、13分の大曲なども
案外メリハリのある構築力で楽しめる。SYLVANあたりが好きな方にもお薦めの好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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VLY 「I/[Time]」
イギリスのプログレバンド、VLYの2015年作
CRIPPLED BLACK PHOENIXのギタリストを中心に、元ANGLAGARDのマティアス・オルソン、
イタリアのIL TEMPIO DELLE CRESSIDREの女性シンセ奏者が参加したユニットで、
マイルドなヴォーカルと美しいシンセ、メロウなギターで繊細な叙情を聴かせるサウンド。
オルガンやメロトロンを含んだエリーザ嬢のやわらかなシンセワークが耳心地よく、
PINK FLOYD的な浮遊感に包まれた作風は、夢見心地のポストプログレというべきか。
オールドな感触のキャッチーさと、スタイリッシュなモダンさの融合された好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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WETTON DOWNES「Icon」
ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズのユニットの2005年作
互いにキャリアのあるミュージシャンのコラボということで、ファンも期待を寄せたことだろうが、
サウンドは美麗なシンセアレンジと、渋みのあるウェットンのヴォーカルで聴かせる正統派のプログレハード。
英国らしい荘厳な雰囲気と湿り気ある叙情性が素晴らしく、ASIAのポップ性を薄めてドラマティックにしたような聴き心地。
シンフォニックといってもよいダウンズのシンセも楽曲を重厚に彩っている。英国らしさという点では、TENやMAGNUMなどを思わせるような
シリアスな世界観もあって、随所に聴かせるメロウなギターの旋律とともにハードロック系のリスナーにも楽しめるだろう。
イアン・マクドナルド、アニー・ハズラムなどがゲスト参加。ボーナスにASIA“Heat of Moment”2005年バージョンを収録。
ドラマテイック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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WETTON DOWNES「Icon II - Rubicon」
ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズのユニットの2006年作
前作から1年あまりで2作目を完成させたことからも、この二人の相性の良さというものが窺えるのだが、
サウンドの方も前作に引き続き、きらびやかなシンセに滝度にハードなギターで聴かせるドラマティックなプログレハードで、
ASIAを思わせるキャッチーな感触と随所にストリングスなども加えたシンフォニックな重厚さも素晴らしい。
前作よりも、いくぶんポップな楽曲が増えているが、当然ながらその方向性でもウェットンのヴォーカルはマッチしていて、
おそらくこれが、2008年のASIAの復活作「Phoenix」へとつながる下地ともなったのだろう。とくにラスト曲は感動的だ。
今作ではThe Gatheringのアネク・ヴァン・ガースバーゲンがゲスト参加、ウェットンとのデュエット曲でその美声を聴かせてくれる。
ドラマテイック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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WETTON DOWNES「Icon 3」
ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズのユニットの2009年作
アイコン3部作の最終章として位置づけられた作品であるが、ASIA復活後の作品ということもあってか、
サウンドは過去2作よりもライトでキャッチーな仕上がりとなっている。さすがというべきダウンズのシンセワークに
熟練のウェットン先生のヴォーカルであるから、悪い出来であろうはずもなく、まさに安定の極地。
QUEENを思わせるようなやわらかなメロディの“Destiny”や、アン・マリー・ヘルダー(Mostly Autumn、KARNATAKA)が
ゲスト参加した“Raven”は美しい女性ヴォーカルのしっとりとした聴き心地にうっとりである。
前にも聴いたようなメロディや、いかにもASIA的なナンバーも出てくるが、この二人なら許されるのである。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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WILLOWGLASS
イギリスのシンフォニックユニット、ウィローグラスの2005作
ギター、ベース、ドラム、キーボード、フルートを一人でこなすアンドリュー・マーシャル氏による
個人プロジェクトで、サウンドはたおやかでレトロな雰囲気のシンフォニックロック。
鳴り響くメロトロンに優しげなフルート、時代性は皆無なスローライフな空気が漂っている。
ジャケも含めたマイナー臭さも魅力で、この手の好事家にはある種たまらないサウンドだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆったり度・・9 総合・・7.5
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WILLOWGLASS 「Book of Hours」
イギリスのシンフォニックロック、ウィローグラスの2008年作
マルチプレイヤーのアンドリュー・マーシャルとドラマーによる二人組ユニットで、
1作目はいくぶんマイナー臭さのある牧歌的なシンフォであったが、本作はのっけからムーグにメロトロンを含む
きらびやかなシンセの重ねにメロウなギターを乗せた、優雅なシンフォニックロック・サウンドが広がってゆく。
10分を超える大曲も、メロディのフックとプログレらしさに包まれたシンセワークで、にんまりしながら楽しめる。
アコースティックギターやフォーキーなリコーダーなど、英国らしい牧歌的な味わいの繊細な叙情も含んだ、
耳心地の良いインストシンフォ作品。ドン・キホーテをイメージさせるジャケも、微笑ましくてよいですね。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Willowglass 「The Dream Harbour」
イギリスのシンフォニックロック、ウィローグラスの2013年作
3作目となる本作も、オルガンやメロトロンを含んだシンセアレンジとメロウなギターワークを中心に、
ヴァイオリンやフルートの音色も含んだ、やわらかな叙情を聴かせるインストサウンド。
スリリングな要素は希薄であるが、Genesisルーツの幻想的な美しさを受け継いでいるという点では、
イタリアのThe Watchなどと同様にマニア受けするバンドだと思う。古き良きスタイルの英国シンフォ好作。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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Wisdom of Crowds
The Pineapple Thiefのブルース・ソードとKATATONIAのヨナス・レンクスによるプロジェクト、ウィズダム・オプ・クロウズの2013年作
マイルドなヴォーカルの歌声を中心に、エレクトロでモダンなアレンジを含んで、
薄暗い世界観を描き出す、いかにもKscope的といってよいポストプログレ風味のサウンド。
ギターは随所にハードなプレイも覗かせつつ、全体としてはあくまで歌ものとしての聴き心地で、
グラムロック的なキャッチーな感触もある。ラストはモダンなハードプログレ風味の好曲で、
個人的にはこの路線の曲を増やして欲しい気がします。次作があったらぜひ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5
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THE WISHING TREE「CARNIVAL OF SOULS」
イギリスの女性Voメロウロック、ウィッシング・トゥリーの1996年作
MARILLIONスティーブ・ロザリーによるユニットで、美声の女性ヴォーカル、ハンナ嬢の歌声をメインに、
シンフォニックというよりは、むしろアコースティカル風味のしっとりとした繊細なサウンドを聴かせる。
この清涼で可愛らしい歌声を聴いているだけで癒される音楽ではあるが、
曲はややあっさりしすぎていてプログレファンには少し退屈かもしれない。
余談だがこのハンナ嬢、この作品にも参加していたENCHANTのドラマーと結婚したらしい。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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the wishing tree「Ostara」
イギリスの女性Voロックユニット、ウィッシング・トゥリーの2009作
1996年にアルバムを出してからずっと音沙汰のなかったこのバンド、まさか10年以上もたってから
こうして新作を出して来るとは。スティーブ・ロザリー氏はそれだけ多忙だったのだろうか。
しかしながら、女性ヴォーカルの歌声をメインした、しっとりとやわらかなサウンドは本作でも不変。
ハンナ嬢のキュートな歌唱は倦怠の浮遊感と癒し系の繊細さが同居していて、相変わらず耳心地がよい。
曲そのものはシンプルでさして面白くはないので、あくまで歌ものとしてまったりと聴きましょう。
メロウ度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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WOOLLY WOLSTENHOLME 「MAESTOSO」
Barclay James HarvestのKey、ウーリー・ウォルステンホルムのソロ作。1980作
後にバンドとなるMAESTOSOへとつながる作品だろうが、80年という時代性もあってか
シンフォニックというよりはもっとポップで、むしろAOR的なサウンドが耳につく。
美しいシンセワークはさすがで、泣きのメロディを奏でるギターと合わさるととても叙情的であるが、
基本的には歌もののアルバムで、後期のYESを思わせるキャッチーなコーラスワークが軽やかに響く。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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Woolly Wolstenholme「Black Box Recovered」
Barclay James HarvestのKey、ウォーリー・ウォルステンホルムのソロ作。1980/2004作
これまでCD化されたことのない幻の2ndの音源に加え、1980年の1st「MAESTOSO」のデモを収録。
叙情的な泣きのギターと美しいシンセワーク、そしてBJHを思わせるやわらかな歌メロが合わさった
シンフォニックで美麗なサウンドにうっとり。楽曲には80年代らしいポップな味わいもあり、
シンセ奏者のソロというよりはメロディアスなロックとしての普遍的な質の高さが光る傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらか叙情度・・8 総合・・8
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VA

The Prog Collective
元イエスのビリー・シャーウッドによるプロジェクト、プログ・コレクティブの2012年作
リック・ウェイクマン、クリス・スクワイア、トニー・ケイ、ピーター・バンクス、ジェフ・ダウンズら
YES組に加え、アラン・パーソンズ、ジョン・ウェットン、トニー・レヴィン、アニー・ハズラム、
スティーブ・ヒレッジ、ジョン・ウェズリー、ゲイリー・グリーン、デヴィッド・サンシャス…といった、
名だたるメンバー参加。7〜9分の長曲6曲という構成で、それぞれを受け持つメンバーの色が出ていて、
ジョン・ウェットンが歌う曲は、ヴァイオリンも鳴り響いてどことなくU.K.っぽいし、
アニー・ハズラムが歌う曲は、ルネッサンスのようにしっとりとした聴き心地である。
全体的にも、キャッチーなメロディで聴かせるプログレハード的に楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 豪華メンツ度・・9 総合・・8
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Prog Collective
「Epilogue」
元イエスのビリー・シャーウッドによるプロジェクト、プログ・コレクティブの2013年作
本作も、リック・ウェイクマン、クリス・スクワイア、トニー・ケイ、ピーター・バンクス、ジェフ・ダウンズ、
パトリック・モラーツら、YES組に加え、アラン・パーソンズ、ジョン・ウェットン、メル・コリンズ、
スティーヴ・スティーヴンス、スティーブ・ヒレッジ、ジョン・ウェズリー、スティーヴ・モーズ、ラリー・ファースト、
ソーニャ・クリスティーナ、デレク・シェレニアン、ジョーダン・ルーデスといった豪華メンバーが集結。
古き良きプログレのテイストを残しつつ、ときにフュージョン風味も感じさせる楽曲は、スリリングな展開や
目新しさはあまりないのだが、名だたるプレイヤーたちの演奏や歌声が楽しめるという点では聴く価値はある。
とくに、アラン・パーソンズのやわらかな歌声に、S・スティーヴンスのギターとモラーツのシンセが合わさった
5曲目あたりはYesっぽくもあってよい感じだし、トニー・ケイがシンセを弾く9分の大曲なども聴きどころ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 豪華メンツ度・・9 総合・・7.5
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The Fusion Syndicate
元イエスのビリー・シャーウッドによるプロジェクト、フュージョン・シンジケートの2012年作
スティーヴ・スティーヴンス、スティーヴ・モーズ、ジョーダン・ルーデス、リック・ウェイクマン、
トニー・ケイ、ビリー・シーン、デレク・シェリニアン、ニック・ターナー、メル・コリンズ、
チェスター・トンプソン、バーシー・ジョーンズ、スティーヴ・ヒレッジ…といった超豪華メンバーが参加、
美しいシンセアレンジにサックスやヴァイオリンが鳴り響き、メロウなギターとともに
じつに優雅なプログレ・フュージョンロックを聴かせる。名うてのミュージシャンによる演奏なので、
さすがの余裕と大人の表現力で楽しませてくれる。楽曲はどれも7分台で長すぎず短すぎずと絶妙。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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