〜HEAVY METAL CD REVIEW 2026 by 緑川 とうせい

★2026年に聴いたメタルCDレビュー
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2/13
ヴァレンタインはメタルで(34)

Nightwish 「Yesterwynde」
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2024年作
マルコ・ヒエタラが脱退しての新たな編成となった本作は、2枚組の大作だった前作から、4年ぶりとなる10作目で、3部作の完結編。
厳かな混声コーラスから幕を開け、華麗なシンセとオーケストラアレンジをギターに重ね、フロール・ヤンセンの伸びやかなヴォーカルで、「ONCE」の頃のような疾走感のあるシンフォニックメタルを展開する。
トロイ・ドノクリーによるイーリアンパイプが響き渡るケルティックで幻想的な世界観もよろしく、トロイのマイルドな歌声も随所にアクセントになっている。
重すぎないサウンドメイキングもあってか、優雅なシンフォニック性が前に出ていて、メロディアスで叙情的な楽曲は初期からのファンも聴きやすいだろう。
ゆったりとしたナンバーも多いが、美麗なアレンジによる重厚さとシネマティックなスケール感に包まれたサウンドの説得力はさすがという他ない。全71分の力作だ。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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EXIT EDEN 「FEMMES FATALES」
多国籍の女性シンフォニックメタル、イグジット・エデンの2024年作
女性4人によるユニットとして2017年にデビュー、前作に参加していたアマンダ・ソマーヴィルは脱退し、Visions Of Atlantisのクレメンタイン・デラウネ、Battle Beastのマリア・ラ・トラーカ含む3人のユニットとなった。
全てカヴァーだった前作から、本作ではオリジナル6曲に、PET SHOP BOY、JOURNEY、MYLENE FARMER、ALICE COOPER、HEART、MARILIONのカヴァーを収録。
Nightwishのマルコ・ヒエタラをゲストシンガーに迎えたナンバーは、男女Voにフルートやイーリアンパイプの音色も加わり、フォーキーなシンフォニックメタルが味わえ、ジャーニーの名曲“Separate Ways”は壮麗にしてキャッチーな仕上がり。
フランス語で歌われるミレーヌ・ファルメールのカヴァーも個人的には萌えますな。マリリオン“追憶のケリー”も美麗で素晴らしい。一方でオリジナル曲の個性がもう少し欲しいという気もする。
シンフォニック度・8 優雅度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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AD INFINITUM 「ABYSS」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2024年作
2020年にデビューし、4作目となる。ヘヴィなギターに壮麗なシンセアレンジを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで、DELAINなどにも通じるスタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
THE DARK SIDE OF THE MOONにも参加する、メリッサ・ボニーは、コケティッシュな歌声から、ときにデスヴォイスも使い分け表現豊かに楽曲を彩る。
楽曲は3〜4分前後と、わりとシンプルであるが、メタリックなヘヴィネスと、シンフォニックな重厚さ、ほどよいキャッチーなフックも覗かせて、近年のWITHIN TEMPTATIONなどが好きな方にも楽しめろるだろう。
シンフォニック度・8 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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WALK IN DARKNESS 「LEAVES ROLLING IN TIME」
イタリアのシンフォニックメタル、ウォーク・イン・ダークネスの2023年作
2017年にデビューし、4作目となる。壮麗なシンセとコーラスによるイントロから、メタリックなギターに伸びやかな女性ヴォーカルと、Winterageのシンガーが参加した1曲目は、男女ヴォーカルの重厚なサウンドが広がってゆく。
ゴシックメタル的でもあるしっとりとメランコリックなナンバーから、ゲストによるデスヴォイスも加えたヘヴィな部分も覗かせて、The Erinyesにも参加するニコレッタ嬢の歌声は、ときにパワフル、ときに美しいソプラノも使い分ける。
広がりを感じるサウンドメイキングも見事で、シンフォニックなスケール感とメタリックなヘヴィネスのバランスよく楽しめる。ゴシック風シンフォニックメタルの逸品。
シンフォニック度・8 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Lankester Merrin 「Dark Mother's Child」
ドイツのメタルバンド、ランカスター・メリンの2024年作
2021年にデビューし、3作目となる。ヘヴィなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、パワフルな正統派ヘヴィメタル。
美貌のCAT嬢の歌声も含め、DOROをより激しくしたようなイメージで、随所にジャーマンメタルらしいツインギターメロディアス性も覗かせる。
楽曲は3〜4前後でストレートでシンプル。ミドルテンポを主体に、スラッシーな疾走パートもあって、ほどよく激しい女性声パワーメタルが楽しめる。
美しい歌声を乗せ、しっとりとした叙情を織り込んだシンフォニックメタル寄りのラストナンバーもよろしく、いっそこの路線で行ってもらいたい気もする。
ドラマティック度・7 正統派度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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Deathless Legacy 「Rituals Of Black Magic」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2018年作
DEATH SSのトリビュートバンドから派生したバンドで、2013年にデビュー、本作は4作目。語りの入った怪しげなイントロから、メタリックなギターに美麗なシンセ、ハスキーな女性ヴォーカルで、耽美でゴシカルなシンフォニックメタルを聴かせる。
クラシカルなピアノにオーケスラルなアレンジにエモーショナルな女性ヴォーカル、ときにほどよくアグレッシブな疾走感もまじえて、重厚で濃密なサウンドが楽しめる。
サタニックなモチーフを世界観にしながら、ダーク過ぎることない、いわばエンタメホラー的な雰囲気もイタリアのバンドらしい。
2024年再発盤は、Type O Negativeのカヴァーやライブ音源など、ボーナス3曲を追加しての2CD仕様となっている。
シンフォニック度・8 重厚度・8 耽美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Royal Hunt「Dystopia」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2020年作
1993年にデビュー、本作は15作目で、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」をテーマにしたコンセプト作。シンフォニックなイントロから、アンドレ・アンダーセンによる華麗なシンセワークにギターを重ね、D.C.クーパーの伸びやかなヴォーカルで、王道の様式美メタルを展開する。
重厚なクワイアとオーケストラルなアレンジ、ドラマティックな曲の連なりと、SEを挿入しながら壮大なストーリーを描くという、いつになくシネマティックな聴き心地。
マッツ・レヴィン、マーク・ボールズ、ヘンリック・ブロックマンがゲスト参加、女性シンガーをゲストに迎えて、オペラティックな男女Voナンバーなども優美な味わいだ。
良い意味で、初期に回帰したようなキャッチーなメロディのフックに、ほのかなダークな翳りをまとわせた、壮麗なロイハン・サウンドが楽しめる。
ドラマティック度・8 重厚度・8 壮麗度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Royal Hunt 「Dtstopia Part II」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2022年作
前作「ディストピア」の続編となる作品で、壮麗なシンセアレンジに叙情的なギター、エモーションナルな歌声とエピックなコーラスを重ねた、シンフォニックメタルを繰り広げる。
年季を経たD.C.クーパーの歌声も、ときにパワフルにときに伸びやかに楽曲を彩り、アンドレ・アンダーセンのきらびやかなシンセワークもさすがのひとこと。
インストによる華麗な小曲もありつつ、14分という大曲ではクラシカルなシンフォニック性と、ロイハンらしい様式美色が合わさって、濃密に構築される。
前作に続き、マッツ・レヴィン、マーク・ボールズ、ヘンリック・ブロックマンがゲスト参加。ドラマティックなシンフォニックメタルとして楽しめる力作です。
ドラマティック度・8 重厚度・8 壮麗度・9 総合・8
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Tucana
スウェーデンのプログレメタル、トゥカーナの2012年作
本作が唯一のアルバムで、重すぎないギターに美麗なシンセとピアノ、エモーショナルなヴォーカルを乗せて、優雅でシンフォニックなサウンドを構築。
ほどよくテクニカルなリズム展開と叙情的なギターの旋律、ストリングスアレンジやクラシカルなシンセワークで、オーケストラルなハードプログレとしても楽しめる。
シアトリカルに情感を込めるヴォーカルの好みは分かれるところだが、北欧らしい涼やかさと、ネオクラシカルな濃密さが融合したサウンドによくマッチしている。
後半には、7〜8分の大曲が続き、優美なピアノやストリングスを重ねて、軽やかな展開するクラシカルなProgMetalが味わえる。全65分の力作です。
クラシカル度・9 テクニカル度・7 優雅度・9 総合・8
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ARS VENEFICIUM「THE LURKING SHADOW OF DEATH」
ベルギーのブラックメタル、アルス・ベネフィシウムの2024年作
2016年にデビューし3作目となる。トレモロを含むギターに吐き捨てヴォーカルを乗せて激しく疾走する、初期EMPERORタイプのブラックメタルを聴かせる。
重すぎない激しすぎないというスタイルは、90年代のプリミティブなブラックメタルをルーツにしていて、ブラスト疾走するパートでもほのかな優雅さも覗かせる。
ギターフレーズにはほどよい叙情性もあって、翳りを帯びた幻想的なメロブラとして、DISSECTIONなどが好きな方にも楽しめるだろう。全7曲、40分というのもスッキリ潔い。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 王道ブラメタ度・8 総合・8
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Mythraeum「Oblivion Aeternam」
アメリカのメロディック・ブラックメタル、ミスラウムの2024年作
クラシカルなイントロから、不穏なギターリフと吐き捨てヴォーカルで激しく疾走、随所に叙情的なメロディも覗かせてダークな世界観を描く。
ミドルテンポからブラスト疾走まで、緩急あるリズムチェンジに、ツインギターの流麗なフレーズも盛り込んで、うっすらとシンセが加わると、Dimmu Borgirあたりにも通じる荘厳な空気に包まれる。
ときにテクニカルブラック的な構築力も覗かせつつ、暴虐過ぎない涼やかな幻想性や、3拍子リズムでの優雅な疾走感なども、オールドなメロブラ好きに受けるだろう。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 叙情度・8 総合・8
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Watain「Die in Fire - Live in Hell」
スウェーデンのブラックメタル、ヴァーティンの2023年作
2000年にデビュー、オールドスタイルに回帰したブラックメタルを追求するバンドで、本作は2022年スウェーデンのライブを収録。
トレモロを含むギターリフにかすれたダミ声ヴォーカルを乗せて、ブラストを含む激しい疾走感で、オールドなスウェディッシュブラックメタルを展開。
かつてのDISSECTIONにも通じるダークな叙情性も覗かせつつ、アナログ感たっぷりの音質でラウドにたたみかける迫力は圧巻だ。
2022年作「The Agony & Ecstasy Of Watain」からのナンバーを主体に、過去作からのナンバーもたっぷり演奏。
ライブ演奏・8 暴虐度・8 ブラメタ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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1/23
衆院解散のメタル(22)

LANCER 「Tempest」
スウェーデンのメタルバンド、ランサーの2023年作
2013年にデビュー、前作はHELLOWEEN+JUDAS PRIESTというような力作であったが、4作目となる本作も、正統派のギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのメロパワを聴かせる。
エピックメタル的な勇壮な力強さと、ツイギターの奏でる甘すぎない叙情は、HAMMER FALLあたりを思わせ、疾走ナンバーから、ミドルテンポまで、伸びのあるヴォーカルとメロディのフックで爽快に楽しめる。
アナログ感あるドラムをはじめ、90年代的なパワーメタルを継承した、日本人好みの濃密なる強力作である。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Melodius Deite 「Demonology」
タイのメロディックメタル、メロディアス・ダイテの2024年作
2008年に、Melodiusとしてデビュー、2作目から現バンド名に変更し、本作は5作目となる。前作は元GALNERYUSのYama-Bが参加していたが、本作は不参加。
クラシカルなイントロから、きらびやかなシンセをクサメロなギターに重ねて疾走、マイルドなハイトーンヴォーカルとともに、華麗なメロスピサウンドを展開する。
テクニカルなリズムを含むインストパートは、ネオクラシカルなProgMetal風だったりと、緩急ある楽曲アレンジにも磨きがかかってきた。
女性シンガーも加わった男女Voのナンバーや、ネオクラなギタープレイのインストなど、単なるクサメロスピ以上の出来ですよ。
日本のメタルバンド、 ILLUSION FORCEのJINNや、Mornig Dwellのシンガーなどがゲスト参加。
メロディック度・8 疾走度・8 華麗度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Vanden Plas 「The Empyrean Equation Of The Long Lost Things」
ドイツのプログレメタル、ヴァンデン・プラスの2024年作
1994年にデビュー、本作は12作目となる。キーボードにアレッサンドロ・デル・ヴェッキオが参加、優美なシンセアレンジをギターに重ね、伸びやかなヴォーカルとともに、重厚なサウンドを構築。
随所にほどよいテクニカル性の展開力も含ませつて、アンディ・カンツのエモーショナルなヴォーカルとともに、コンセプト的なドラマティックな流れを描いてゆくスタイルは、いかにもベテランらしい説得力に包まれている。
ラストは15分の大曲で、巧みなギターフレーズときらびやかなシンセワークをまじえつつ、歌い上げるヴォーカルでじわりと盛り上げる。シンフォニックかつ重厚なる濃密な力作です。
ドラマティック度・8 テクニカル度・7 重厚度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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AFTER LAPSE 「PATHWAYS」
スペインのプログレメタル、アフター・ラプスの2024年作
2022年にデビューし、2作目となる。ツインギターにシンセを含む6人編成で、軽やかなリズムに巧みにヘヴィーなギターを乗せ、パワフルなヴォーカルと美麗なシンセアレンジで、スタイリッシュなProgMealを描く。
いくぶんDjent的でもあるモダンな硬質感も覗かせつつ、キャッチーなヴォーカルメロディや流麗なギターによる爽快な味わいは、多くのリスナーに楽しめるだろう。
楽曲は4〜5分前後と、ほどよくテクニカルでありながら難解さはなく、わりとストレートにエモーショナルなモダンメタルとしても聴けたりする。
ドラマティック度・7 テクニカル度・8 スタイリッシュ度・8 総合・8
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PROPHECY「ILLUSION OF TIME」
フランスのプログレメタル、プロフェシーの2010年作
美麗なシンセのイントロから、テクニカルなリズムに叙情的なギターときらびやかなシンセアレンジ、マイルドなヴォーカルとともに、DREAM THEATERタイプのProgMetalを聴かせる。
インストの小曲をまじえて連なる楽曲構成はコンセプト的で、緩急あるドラマティックな展開とともに、壮大なストーリーを描くようなサウンドが楽しめる。
ときにクラシックの旋律を盛り込むなど、優雅な美意識も覗かせながら、変則リズムを含んだテクニカル性と、壮麗な叙情美を同居させている。
後半は、14分、11分という大曲が続き、起伏のある展開力と、美麗なシンセワーク、歌い上げるヴォーカルでじわりと盛り上げる。全79分の力作です。
ドラマティック度・8 テクニカル度・8 優雅度・8 総合・8
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Chalice of Sin
多国籍メタルバンド、チャリス・オブ・シンの2021年作
Crimson Gloryのウェイド・ブラックと、プロデューサーとてたも名高い、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオによるプロジェクトで、デンマーク人ギタリスト、マーティン・イェプセン・アンダーセンが参加。
メタリックなギターリフにシンフォニックなシンセを重ね、パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、正統派の華麗なメロパワサウンドを聴かせる。
ミドルテンポのキャッチーなナンバーや、Judas Priest風の80年代ルーツのメタルナンバーなども、ケレン味ある歌声の迫力で楽しめてしまう。
巧みなギタープレイやきらびやかなシンセとの絡み、ほどよい疾走感もあって、様式美系メロパワが好きな方もどうぞ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 王道メロパワ度・8 総合・8
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Gallileous 「Dancing Ash」
ポーランドのヴィンテージロック、ガリレオスの2024年作
2008年にデビュー、7作目となる。オールドな感触のギターにオルガンが重なり、中性的な女性ヴォーカルの歌声で、ヴィンテージなハードロックを聴かせる。
ゆったりとした叙情パートでは、Anna嬢の歌声がエモーショナルに響き渡り、前作以上にロックとしての普遍的な魅力も増している。
今作では、8〜9分の大曲も多く、プログレ寄りのシンセワークとともに、優雅なサイケプログ風の味わいもあって、なかなか楽しめる。
80年代的なポップなビート感も取り入れたり、一転して激しく疾走するパートなど、緩急あるアレンジも冴えている。
ドラマティック度・8 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・7 総合・8 過去作のレビューはこちら


LIVGONE 「ALMOST THERE」
フランスのドゥームメタル、リヴゴーンの2024年作
女性Vo含むトリオ編成で、ヘヴィなギターにうっすらとしたシンセ、はかなげな女性ヴォーカルを乗せて、涼やかでメランコリックなゴシック・ドゥームを聴かせる。
重厚なドゥーム感触、アコースティックを用いた静謐パートの緩急がコントラストになっていて、知的な構築センスは、The 3rd And The Mortalにも通じるところもある。
10分を超える大曲も、ゆったりとしたドゥーミィな翳りともの悲しい叙情に包まれて、美しい女性声とランドスケープ的なシンセやノイズが神秘的に響き渡る。
曲によっては、激しいブラスト疾走も現れるなど、ポストブラックとしての側面も覗かせる。ノイジーなラスト曲も含め、エクスペリメンタルな異色作である。
ドラマティック度・7 メランコリック度・8 神秘的度・8 総合・8
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GRIMA 「NIGHTSIDE」
ロシアのペイガンブラックメタル、グリマの2025年作
2015年にデビューし、6作目となる。アコーディオン鳴り響くもの悲しいイントロから、トレモロを含む叙情的なギターにシンセを重ね、ダミ声ヴォーカルとともに、涼やかなペイガンブラックメタルを聴かせる。
アコーディオンやギターの土着的なフレーズを乗せたミドルテンポから、激しいブラスト疾走へと展開する、ドラマティックな構築力もなかなかのもの。
全体的に、暴虐パートよりも叙情性重視なのど聴きやすく、寒々しくも優雅な世界観に浸れる。幻想的なペイガンブラックが好きならぜひ。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 幻想度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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FAR BEYOND 「THE END OF MY ROAD」
ドイツのシンフォニック・デスメタル、ファー・ビヨンドの2024年作
Eugen Dodenhoft氏による個人プロジェクトで、2005年にデビューし、8年ぶりとなる3作目。アコースティックギターとヴァイオリンによるイントロから、メロディックなギターに美麗なシンセを重ね、朗々としたヴォーカルとかすれたダミ声とともに、涼やかなメロディック・デスメタルを展開する。
楽曲は8〜10分前後の大曲主体で、ときにオーケストラルでシンフォニックな音の厚みと、メロディにはペイガンな土着性も感じさせ、激しすぎない優雅なメロデスという点では、Eternal Tears Of Sorrowあたりのファンにも楽しめる。
シンフォニック度・8 暴虐度・7 優雅な叙情度・8 総合・8
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1/9
本年もメタルでよろしくお願いいたします(12)
2025年間ベストはこちら

TURBOKILL 「Champion」
ドイツのメタルバンド、ターボキルの2025年作
2019年にデビュー、前作はROIT+ENFORCERというようなオールドメタルの強力作であったが、6年ぶりとなる本作は、叙情的なギターのイントロで幕を開け、オールドなギターリフに伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、HELLOWEENルーツのほどよいクサメロ感のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
間奏部での流麗なギターソロも含めて、随所に演奏力の高さも光っていて、単なるオールドなジャーマンメタルという以上に洗練された味わいだ。
前作にもあったRIOT風の爽快な疾走ナンバーや、HELLOWEEENGAMMA RAY風のキャッチーなミドルテンポなど、どの曲もメロディアスなフックと力量あるヴォーカルの歌声で耳心地よく楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ジャーマン度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DEATHLESS LEGACY 「DAMNATIO AETERNA」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2025年作
DEATH SSのトリビュートバンドとして結成され、2013年にオリジナルバンドとして再デビュー、本作は6作目となる。
混声コーラスを乗せた、THERIONばりの導入から、重厚なギターにオルガンを含むシンセアレンジに、妖しい女性ヴォーカルで、ゴシック寄りの耽美なシンフォニックメタルを聴かせる。
サタニックな世界観を標榜しつつも、サウンドは壮麗で、イタリアらしいシアトリカルな濃密さとともに、ドラマティックなスケール感に包まれている。
どっしりとしたミドルテンポを主体に、随所にアグレッシブなパートもあって、妖艶にしてほどよくキャッチーで重厚なゴシック・シンフォニックメタルが味わえる。
ドラマティック度・8 重厚度・8 耽美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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KILMARA 「Journey To The Sun」
スペインのメロディックメタル、キルマラの2025年作
2007年にデビューし、5作目となる。シンセによる壮麗なイントロから、シンフォニックなアレンジをギターに重ねて、マイルドなヴォーカルとともに、KAMELOTなどにも通じるスタイリッシュなメロパワを展開する。
叙情的なギターとキャッチーなメロディ、きらびやかなモダンさがブレンドされ、ミドルテンポを主体の楽曲は、硬質すぎない聴きやすさで、伸びのあるヴォーカルで爽快に聴かせるあたりは、近年のDARK MOORなどにも通じる優雅さで楽しめる。
華麗な疾走ナンバーや、元LOST HORIZONのダニエル・ハイマンがゲスト参加したツインヴォーカルのナンバー、ラストはゲーム音楽風のアレンジで締めくくるのも面白い。
メロディック度・8 疾走度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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JACK STARR 「OUT OF THE DARKNESS PART II」
アメリカのミュージシャン、ジャック・スターの2025年作
VIRGIN STEELEJack Starr's Burning Starrでも活躍するギタリストで、本作は1984年のデビュー作から、40年ごしの続編というべき作品。
MANOWARのライノがドラム、Alcatrazzのギルス・リヴェリーがシンガーで参加、メタリックなギターとパワフルなハイトーンヴォーカルで、古き良きヘヴィメタルを聴かせる。
勇壮なコーラスも加わるところは、MANOWAR的で、巧みなギタープレイも交えつつ、どっしりとしたミドルテンポを主体にした正統派のエピックメタルが味わえる。
WARLORDにも参加する、ギルス・リヴェリーの朗々としたヴォーカルは、メタルバラードなどでも説得力充分で、オールドなハードロック感触の叙情的なギターも随所によい感じ。
ラスト曲などは、MANOWAR“March for Revenge”のオマージュというべきナンバーで思わずニヤり。80年代ルーツの勇壮なヘヴィメタルが好きな方は聴くべし。
ドラマティック度・8 正統派度・8 オールドメタル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DEMON BITCH 「MASTER OF THE GAMES」
アメリカのメタルバンド、デモン・ビッチの2024年作
2016年にデビューし、8年ぶりの2作目となる。フォーキーで牧歌的なイントロから、ドカドカとしたドラムにクサメロ感あるギターとハイトーンヴォーカルをを乗せて疾走する、B級のスピードメタルを展開。
いかにもアナログなスカスカ感ある音質も確信犯的で、重さのかけらもないがメロディアスなギターに、声が裏返るヘナチョコ気味のヴォーカルもじつにいい味を出している。
唐突なリズムチェンジで疾走からスローテンポ、また疾走と、せわしない楽曲アレンジも微笑ましく、80〜90年代のマイナーバンドの香りに包まれているが、よくよく聴けば演奏はわりとしっかりしている。
NWOBHM風のローカルさも覗かせつつ、初期ENFORCERPORTRAITなど、ヨーロピアンなヴィンテージメタルが好きな方にも対応。
ドラマティック度・7 疾走度・8 マイナー度・8 総合・7.5
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BROTHERS OF METAL 「FIMBULVINTER」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラザーズ・オブ・メタルの2024年作
男女トリプルVoの編成で、2017年にデビューし、本作は3作目となる。メタリックなギターに凛とした女性ヴォーカル、男性Voにダミ声を重ね、勇壮でエピックなメタルサウンドを描く。
壮麗なシンセアレンジやときにネオクラシカルな旋律も覗かせつつ、RHAPSODYばりにシネマティックなスケール感に包まれて、シンフォニックメタルとしても楽しめる。
女性ヴォーカルをメインにしたフォーキーなナンバーでは、北欧らしい涼やかな土着性に包まれて、キャッチーなミドルテンポではオールドなメタル感触も覗かせる。
勇壮でシンフォニック、フォーキーで重厚、男女ヴォーカルと、ヘヴィメタルの各方面の魅力を散りばめた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 勇壮度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Hammerfall 「Hammer of Dawn」
スウェーデンのメロディックメタル、ハンマーフォールの2022年作
1997年デビュー、いまやメロパワ界を代表するバンド。ここ数作の完成度には目を見張るものがあったが、12作目となる本作も、ヨアキム・カンスの朗々とした歌声とともに、王道のメロパワが炸裂している。
勇壮なコーラスとキャッチーなメロディのフックを、オールドなジャーマンメタルルーツの疾走感に重ね、まさに「ハンマーフォール節」というべきサウンドが楽しめる。
1stや2ndの頃のような、爽快なメロディの疾走ナンバーには、ファンはニヤりとかするだろう。新鮮味はなくとも、まさに安定の充実作である。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DISTANT PAST 「SOLARIS」
スイスのメロディックメタル、ディスタント・パストの2024年作
2010年にデビュー、5作目の本作は、スタニスワフ・レムのSF小説「ソラリス」をテーマにしたコンセプト作。
メロディックなツインギターにハイトーンヴォーカル乗せて疾走する、古き良きジャーマンメタル風の正統派メロパワを聴かせる。
初期BLIND GUARDIANにも通じるアグレッシブなパワーメタルの一方で、ノリのよいミトルテンポのナンバーもあり、ほどよくキャッチーな感触もある。
楽曲自体には、このバンドならではの新鮮さはないが、メタルらしい疾走感とハイトーンヴォーカルで、どっしりとした味わいの好作である。
ドラマティック度・7 疾走度・8 ジャーマン風度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Crystallion「Heads Or Tails」
ドイツのメロディックメタル、クリスタリオンの2021年作
2006年にデビュー、2nd「Hattin」はクサメロ満載の傑作であったが、5作目となる本作は、フロントが女性シンガーに替わっている。
イントロに続いて、重すぎないギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、ヨーロピアンなメロスピサウンドを聴かせる。
楽曲はメロディアスでありながら、どこかローカルで垢ぬけないB級っぽさに包まれていて、パワフル過ぎない女性Voもこれはこれでよし。
ミドルテンポのメロハー風のナンバーなども、キャッチーな古き良き味わいで、しっとりとしたバラードなどは、女性声によくマッチしている。
全体的にはクサメロと疾走感が薄まっていて、わりと普通の女性声ジャーマンメタルという印象になったか。
ドラマティック度・7 疾走度・7 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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DARK NIGHTMARE 「BEYOND THE REALMS OF SORROW」
ギリシャのメロディックメタル、ダーク・ナイトメアの2022年作
2009年にデビューし4作目。メタリックなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、どっしりとした正統派のメロパワを聴かせる。
ツインギターの叙情性とうっすらとしたシンセ、朗々としたヴォーカルで、エピックメタル的な勇壮な世界観を描き出す。
楽曲はミドルテンポ主体で疾走感はあまりないが、ほどよいマイナー感触がヨーロピアンメタルの翳りを感じさせる。
全体的に派手さはないものの、オールドスタイルのエピック・メロパワが好きなら、なかなか楽しめる好作である。
ドラマティック度・8 正統派度・8 エピック度・7 総合・7.5
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BLUES PILLS 「BIRTHDAY」
スウェーデンのヴィンテージロック、ブルーズ・ピルズの2024年作
2014年にデビューし、4作目。妊娠したシンガーのエリンの姿が、ジャケやブックレットから見て取れるが、ハード過ぎないギターにハスキーな女性ヴォーカルで、70年代的なノリのヴィンテージロックのスタイルは変わらず。
ほどよいポップ感触に、わりとユルめのサイケロック感もまじえて、母となったエリンのエモーショナルな歌声とともに、肩の力の抜けたサウンドが楽しめる。
3分前後の楽曲はシンプルで、これといって新鮮味はないのだが、ブルージーなギターと女性声による、オールドなロックンロールに浸りましょう。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Demon Incarnate 「Key Of Solomon」
ドイツのヴィンテージ・ハードロック、デモン・インカーネイトの2018年作
2015年にデビューし、3作めとなる。オールドなギターに妖しい女性ヴォーカルを乗せて、ヴィンテージなドゥーム・ハードロックを聴かせる。
適度なノリのあるナンバーから、ドゥーミィなスローテンポまで、ほどよくヘヴィなメタル感触と女性声による艶めいた魔女感が耳心地よい。
アコースティックを用いた小曲も挟みつつ、楽曲はオールドなハードロックにウェットな妖しさが混じりつつも、わりとストレートな味わい。
全36分というのもいかにもアナログ的だ。全体的にはもう少し、神秘性というか、濃密な広がりが欲しいか。
ドラマティック度・7 ドゥーム度・8 魔女系ロック度・8 総合・7.5
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