〜HEAVY METAL CD REVIEW 2026 by 緑川 とうせい

★2026年に聴いたメタルCDレビュー
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本年もメタルでよろしくお願いいたします(12)
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TURBOKILL 「Champion」
ドイツのメタルバンド、ターボキルの2025年作
2019年にデビュー、前作はROIT+ENFORCERというようなオールドメタルの強力作であったが、6年ぶりとなる本作は、叙情的なギターのイントロで幕を開け、オールドなギターリフに伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、HELLOWEENルーツのほどよいクサメロ感のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
間奏部での流麗なギターソロも含めて、随所に演奏力の高さも光っていて、単なるオールドなジャーマンメタルという以上に洗練された味わいだ。
前作にもあったRIOT風の爽快な疾走ナンバーや、HELLOWEEENGAMMA RAY風のキャッチーなミドルテンポなど、どの曲もメロディアスなフックと力量あるヴォーカルの歌声で耳心地よく楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ジャーマン度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DEATHLESS LEGACY 「DAMNATIO AETERNA」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2025年作
DEATH SSのトリビュートバンドとして結成され、2013年にオリジナルバンドとして再デビュー、本作は6作目となる。
混声コーラスを乗せた、THERIONばりの導入から、重厚なギターにオルガンを含むシンセアレンジに、妖しい女性ヴォーカルで、ゴシック寄りの耽美なシンフォニックメタルを聴かせる。
サタニックな世界観を標榜しつつも、サウンドは壮麗で、イタリアらしいシアトリカルな濃密さとともに、ドラマティックなスケール感に包まれている。
どっしりとしたミドルテンポを主体に、随所にアグレッシブなパートもあって、妖艶にしてほどよくキャッチーで重厚なゴシック・シンフォニックメタルが味わえる。
ドラマティック度・8 重厚度・8 耽美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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KILMARA 「Journey To The Sun」
スペインのメロディックメタル、キルマラの2025年作
2007年にデビューし、5作目となる。シンセによる壮麗なイントロから、シンフォニックなアレンジをギターに重ねて、マイルドなヴォーカルとともに、KAMELOTなどにも通じるスタイリッシュなメロパワを展開する。
叙情的なギターとキャッチーなメロディ、きらびやかなモダンさがブレンドされ、ミドルテンポを主体の楽曲は、硬質すぎない聴きやすさで、伸びのあるヴォーカルで爽快に聴かせるあたりは、近年のDARK MOORなどにも通じる優雅さで楽しめる。
華麗な疾走ナンバーや、元LOST HORIZONのダニエル・ハイマンがゲスト参加したツインヴォーカルのナンバー、ラストはゲーム音楽風のアレンジで締めくくるのも面白い。
メロディック度・8 疾走度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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JACK STARR 「OUT OF THE DARKNESS PART II」
アメリカのミュージシャン、ジャック・スターの2025年作
VIRGIN STEELEJack Starr's Burning Starrでも活躍するギタリストで、本作は1984年のデビュー作から、40年ごしの続編というべき作品。
MANOWARのライノがドラム、Alcatrazzのギルス・リヴェリーがシンガーで参加、メタリックなギターとパワフルなハイトーンヴォーカルで、古き良きヘヴィメタルを聴かせる。
勇壮なコーラスも加わるところは、MANOWAR的で、巧みなギタープレイも交えつつ、どっしりとしたミドルテンポを主体にした正統派のエピックメタルが味わえる。
WARLORDにも参加する、ギルス・リヴェリーの朗々としたヴォーカルは、メタルバラードなどでも説得力充分で、オールドなハードロック感触の叙情的なギターも随所によい感じ。
ラスト曲などは、MANOWAR“March for Revenge”のオマージュというべきナンバーで思わずニヤり。80年代ルーツの勇壮なヘヴィメタルが好きな方は聴くべし。
ドラマティック度・8 正統派度・8 オールドメタル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DEMON BITCH 「MASTER OF THE GAMES」
アメリカのメタルバンド、デモン・ビッチの2024年作
2016年にデビューし、8年ぶりの2作目となる。フォーキーで牧歌的なイントロから、ドカドカとしたドラムにクサメロ感あるギターとハイトーンヴォーカルをを乗せて疾走する、B級のスピードメタルを展開。
いかにもアナログなスカスカ感ある音質も確信犯的で、重さのかけらもないがメロディアスなギターに、声が裏返るヘナチョコ気味のヴォーカルもじつにいい味を出している。
唐突なリズムチェンジで疾走からスローテンポ、また疾走と、せわしない楽曲アレンジも微笑ましく、80〜90年代のマイナーバンドの香りに包まれているが、よくよく聴けば演奏はわりとしっかりしている。
NWOBHM風のローカルさも覗かせつつ、初期ENFORCERPORTRAITなど、ヨーロピアンなヴィンテージメタルが好きな方にも対応。
ドラマティック度・7 疾走度・8 マイナー度・8 総合・7.5
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BROTHERS OF METAL 「FIMBULVINTER」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラザーズ・オブ・メタルの2024年作
男女トリプルVoの編成で、2017年にデビューし、本作は3作目となる。メタリックなギターに凛とした女性ヴォーカル、男性Voにダミ声を重ね、勇壮でエピックなメタルサウンドを描く。
壮麗なシンセアレンジやときにネオクラシカルな旋律も覗かせつつ、RHAPSODYばりにシネマティックなスケール感に包まれて、シンフォニックメタルとしても楽しめる。
女性ヴォーカルをメインにしたフォーキーなナンバーでは、北欧らしい涼やかな土着性に包まれて、キャッチーなミドルテンポではオールドなメタル感触も覗かせる。
勇壮でシンフォニック、フォーキーで重厚、男女ヴォーカルと、ヘヴィメタルの各方面の魅力を散りばめた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 勇壮度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Hammerfall 「Hammer of Dawn」
スウェーデンのメロディックメタル、ハンマーフォールの2022年作
1997年デビュー、いまやメロパワ界を代表するバンド。ここ数作の完成度には目を見張るものがあったが、12作目となる本作も、ヨアキム・カンスの朗々とした歌声とともに、王道のメロパワが炸裂している。
勇壮なコーラスとキャッチーなメロディのフックを、オールドなジャーマンメタルルーツの疾走感に重ね、まさに「ハンマーフォール節」というべきサウンドが楽しめる。
1stや2ndの頃のような、爽快なメロディの疾走ナンバーには、ファンはニヤりとかするだろう。新鮮味はなくとも、まさに安定の充実作である。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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DISTANT PAST 「SOLARIS」
スイスのメロディックメタル、ディスタント・パストの2024年作
2010年にデビュー、5作目の本作は、スタニスワフ・レムのSF小説「ソラリス」をテーマにしたコンセプト作。
メロディックなツインギターにハイトーンヴォーカル乗せて疾走する、古き良きジャーマンメタル風の正統派メロパワを聴かせる。
初期BLIND GUARDIANにも通じるアグレッシブなパワーメタルの一方で、ノリのよいミトルテンポのナンバーもあり、ほどよくキャッチーな感触もある。
楽曲自体には、このバンドならではの新鮮さはないが、メタルらしい疾走感とハイトーンヴォーカルで、どっしりとした味わいの好作である。
ドラマティック度・7 疾走度・8 ジャーマン風度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Crystallion「Heads Or Tails」
ドイツのメロディックメタル、クリスタリオンの2021年作
2006年にデビュー、2nd「Hattin」はクサメロ満載の傑作であったが、5作目となる本作は、フロントが女性シンガーに替わっている。
イントロに続いて、重すぎないギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、ヨーロピアンなメロスピサウンドを聴かせる。
楽曲はメロディアスでありながら、どこかローカルで垢ぬけないB級っぽさに包まれていて、パワフル過ぎない女性Voもこれはこれでよし。
ミドルテンポのメロハー風のナンバーなども、キャッチーな古き良き味わいで、しっとりとしたバラードなどは、女性声によくマッチしている。
全体的にはクサメロと疾走感が薄まっていて、わりと普通の女性声ジャーマンメタルという印象になったか。
ドラマティック度・7 疾走度・7 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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DARK NIGHTMARE 「BEYOND THE REALMS OF SORROW」
ギリシャのメロディックメタル、ダーク・ナイトメアの2022年作
2009年にデビューし4作目。メタリックなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、どっしりとした正統派のメロパワを聴かせる。
ツインギターの叙情性とうっすらとしたシンセ、朗々としたヴォーカルで、エピックメタル的な勇壮な世界観を描き出す。
楽曲はミドルテンポ主体で疾走感はあまりないが、ほどよいマイナー感触がヨーロピアンメタルの翳りを感じさせる。
全体的に派手さはないものの、オールドスタイルのエピック・メロパワが好きなら、なかなか楽しめる好作である。
ドラマティック度・8 正統派度・8 エピック度・7 総合・7.5
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BLUES PILLS 「BIRTHDAY」
スウェーデンのヴィンテージロック、ブルーズ・ピルズの2024年作
2014年にデビューし、4作目。妊娠したシンガーのエリンの姿が、ジャケやブックレットから見て取れるが、ハード過ぎないギターにハスキーな女性ヴォーカルで、70年代的なノリのヴィンテージロックのスタイルは変わらず。
ほどよいポップ感触に、わりとユルめのサイケロック感もまじえて、母となったエリンのエモーショナルな歌声とともに、肩の力の抜けたサウンドが楽しめる。
3分前後の楽曲はシンプルで、これといって新鮮味はないのだが、ブルージーなギターと女性声による、オールドなロックンロールに浸りましょう。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Demon Incarnate 「Key Of Solomon」
ドイツのヴィンテージ・ハードロック、デモン・インカーネイトの2018年作
2015年にデビューし、3作めとなる。オールドなギターに妖しい女性ヴォーカルを乗せて、ヴィンテージなドゥーム・ハードロックを聴かせる。
適度なノリのあるナンバーから、ドゥーミィなスローテンポまで、ほどよくヘヴィなメタル感触と女性声による艶めいた魔女感が耳心地よい。
アコースティックを用いた小曲も挟みつつ、楽曲はオールドなハードロックにウェットな妖しさが混じりつつも、わりとストレートな味わい。
全36分というのもいかにもアナログ的だ。全体的にはもう少し、神秘性というか、濃密な広がりが欲しいか。
ドラマティック度・7 ドゥーム度・8 魔女系ロック度・8 総合・7.5
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