メロディックメタル/シンフォニックメタル 1 A〜K
〜Melodic Metal & Symphonic Metal
by Tosei Midorikawa
掲載バンドはABC順になっています
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K |
A
ABADDON
メキシコのメタルバンド、アバドンの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルのスペイン語の歌唱で疾走する正統派のメタルサウンド。
ややチープな音質ながら、80年代を思わせる古き良き質感と、どことなくジャパメタっぽさもある
クサいメロディを聴かせるツインギターもなかなかよろしく、ローカルな辺境臭さも
味わいとなっている。ZED YAGOのメヒコ版という感じか。マニアの方なら楽しめるかと。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
ABRAXAS「The Liaison」
ジャーマンメタルバンド、アブラクサスの1993作
ジャーマンメタルブームに斜陽が差し始めたこの時期に唯一のアルバムを残して消えたバンド。
しかしながらサウンドの方はツインギターに、この時代としては珍しいシンセも入っていて
HELLOWEENやGAMMA RAYを思わせるキャッチーなメロディで疾走する、なかなか質の高いものだ。
力強くないヴォーカルや、どこかで聴いたようなクサメロがマイナー臭さをたたえているのもまたよい感じ。
知られざるクサ系ジャーマンの好作です。安く見かけたらぜひゲットしてみてください。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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ABYSS「Redencion」
スペインのシンフォニックメタルバンド、アビスの2002作
ツインギターにシンセを含む6人組で、2nd「SIN ANGELS」はProgMetal的な展開美も
見事な傑作であったが、本作の時点では疾走を基本にしたメロスピ色が強い。
ツインギターによるクサめのフレーズにスペイン語の歌唱を乗せて疾走する楽曲は
B級臭さを残しているが、きらきらとしたシンセをバックに聴かせる哀愁あるメロディはなかなか。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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ABYSS「SIN ANGELS」
スペインのメロディックメタルバンド、アビスの2nd。2004作
ツインギターにキーボード入りの6人組。Voの歌唱はスペイン語で、
哀愁を撒き散らしつつメロディアスに展開する楽曲はプログレメタル的。
きらきらとしたKEYのシンフォニックな音色によるの厚みがサウンドに説得力をもたらしていて、
確かな歌唱力と演奏力とともに、この手のマイナー系バンドにありがちな弱々しさはない。
ギターのメロウなフレージングもいいし、もう一皮むければ素晴らしいバンドになりそう。
VAHLADIANとともにスパニッシュ・シンフォニック・プログレメタルを牽引していって欲しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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ACCEPT「METAL HEART」
ジャーマンメタルのベテラン、アクセプトの6th。1985作
HELLOWEENの登場までは、ジャーマンメタルといえば、SCORPIONSとこのACCEPTこそが中心的存在であった。
本作はバンドの代表作、そして最高作とも名高い作品で、とくに1曲目タイトル曲サビでの雄々しい「メッタルハート!」のコーラスは
インパクトが大きい。ウド・ダークシュナイダーのガナリ気味のヴォーカルは好みを分けるところだが、
ステファン・ホフマンとヨルグ・フィッシャーのツインギターはときにクラシカルな旋律をまじえ、
ドラマティックなサウンドに貢献している。後のジャーマンメタルブームのバンドに比べると
もっとブリティッシュの香りを残した正統派のヘヴィメタルアルバムである。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ドラマティック度・・7 総合・・8
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ACCEPT「RUSSIAN ROULETTE」
アクセプトの7th。1986作
タイトルのインパクトなどから前作「METAL HEART」の方が有名だが
本作はその前作以上にドラマティックなサウンドが光る傑作である。
1曲目の疾走感は、HELLOWEENなどを好む人間にも心地よいし、
ウド・ダークシュナイダーの独特のガナりヴォーカルもぐっと表現力が増している。
ツインギターの叙情性にも 磨きがかかり、サビでのキャッチーなコーラスなどは
のちのGAMMA RAYを思わせるものがある。前作がブリティッシュメタル的な正統派だとすると、
本作はよりジャーマン的なメロディアスさが増していると言える。完成度の点ではバンドの最高作だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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ACCEPT「Blood of the Nations」
ジャーマンメタルのベテラン、アクセプトの2010年復活作
U.D.O.の方は活発に活動していたので、本家ACCEPTもてっきり近作があったかと思いきや、
アルバムとしてはじつに14年ぶりの新作ということだ。看板であったウド・ダークシュナイダーの代わりに
ヴォーカルにはアメリカで活動していたメタルバンド、元TT QUICKのマーク・トーニロが参加している。
いくぶんダーティな歌声はかつてのウドを彷彿とさせ、パワフルなバンドサウンドによくマッチしている。
ときにツインギターの叙情を折り込みつつ、「これぞアクセプト!」という勢いにあふれた復活作である。
ドラマティック度・・7 正統派度・・9 アクセプト度・・9 総合・・8
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ACCEPT「Stalingrad」
ジャーマンメタルのベテラン、アクセプトの2012年作
復活後2作目のアルバムで、前作のパワフルさを引き継ぎつつ、
よりジャーマンメタル的なメロディアスさが加わった力作となった。
ツインギターの正統派のリフで疾走、随所に叙情的なフレーズもまじえながら、
マーク・トーニロのダーティな歌声は、往年のウド以上とも思える迫力を聴かせる。
ミドルテンポの曲でもテンションの落ちない力強さを漂わせていて、
フックのある楽曲アレンジはこれまでで最高かというほどにドラマティック。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8.5
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ACCEPT 「BLIND RAGE」
ドイツのメタルバンド、アクセプトの2014年作
1979年にデビュー、二度の解散をへて、2009年に再々結成。14年ぶりとなる2010年の復活作から数えて3作目で、
過去2作に劣らぬオールドなヘヴィメタルが炸裂する。マーク・トーニロのダーティなヴォーカルの迫力は唯一無二で、
ときに流麗なフレーズも覗かせるツインギターとともに、まさにアクセプト節に包まれた強力なパワーメタルである。
ミドルテンポのナンバーの、どっしりとしたサウンドの説得力は、キャリアのあるバンドならではで、
これぞHMという王道のギターリフとともに、甘すぎないメロディも含めて、まさに元祖ジャーマンメタル。
スローな叙情ナンバーから疾走するラスト曲への流れも素晴らしい。すべてのメタルファンが歓喜する力作だ。
限定盤のDVD(ブルーレイ盤もあり)には、2013年チリ公演のステージをたっぷりと収録。こちらもファン必見。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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ACCEPT 「The Rise of Chaos」
ドイツのベテランメタルバンド、アクセプトの2017年作
1979年にデビュー、二度の解散をへて、2010年の復活作以降は旺盛に作品を生み出しているが、
本作もまた王道のアクセプトスタイルを貫いた強力作。古き良きリフを奏でるツインギターに
ウドを思わせるマーク・トーニロのダーティな歌声を乗せた、正統派メタルサウンドに偽りなし。
勇壮なコーラスや随所にメロディックなギターフレーズも覗かせつつ、本作はより80年代に回帰したような
わりとストレートなHR/HM感触に包まれていて、オールドファンには強くアピールするだろう。
新鮮なインパクトの点ではやや物足りないかもしれないが、この安定感はベテランならではだろう。
メロディック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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ACCEPT「SYMPHONIC TERROR」
ドイツのベテランメタルバンド、アクセプトのライブ作品。2018年作
2017年、ドイツのヴァッケン・オープン・エアでのオーケストラとの共演ライブをCD2枚に収録。
Disc1には、バンドのみによる第1部、ウルフ・ホフマンのソロバンド、ヘッドバンガーズ・シンフォニーによる第2部、
Disc2には、ACCEPTとオーケストラが共演した第3部を収録。2010年の復活後のアルバムからのナンバーを中心に、
80年代のオールドなナンバーも披露。どっしりとしたギターにマイク・トーニロの枯れた味わいのヴォーカルを乗せた、
パワフルな正統派メタルサウンドを聴かせる。オーケストラの加わった第2部では、クラシックのフレーズを盛り込みながら、
バンドの演奏とオーケストラが融合した、シンフォニックメタル的でもある壮麗なインストサウンドを展開。Disc2の第3部は、
まさしくACCEPTにオケが加わったという感じで、パワフルなメタル演奏とオーケストラが違和感なく融合している。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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ACCEPT 「Too Mean to Die」
ドイツのベテランメタルバンド、アクセプトの2021年作
1979年デビューのベテランで、2010年に復活してからの5作目となる。ベースに元Darkseedのマーティン・モートニックが加入、ツアーメンバーのフィニップ・ショウズも正式メンバーとなり、トリプルギターの6人編成に。
メタリックなギターリフにマーク・トーニロのダーティなヴォーカルを乗せた王道のヘヴィメタルで、ほどよいノリの疾走感に、甘すぎない程度の叙情を織り込んだギタープレイ、そしてウドを思わせる歌いまわしなど、どこをとっても往年のアクセプトを思わせる。
全体的には、これという新鮮味はないのだが、王道のヘヴィメタルとしてのACCEPTファンであれば納得の内容だろう。
ドラマティック度・7 正統派度・8 アクセプト度・8 総合・8
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Acropolis 「The Aftermath」
イスラエルのメロディックメタル、アクロポリスのミニアルバム。2008年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックかつモダンなアレンジとキャッチーなメロディアス性で聴かせるサウンド。
ピロピロ系のギターとシンセのユニゾンはときにDRAGONFORCE的でもあり、メロスピ的な勢いのある疾走ナンバーから
どっしりとしたミドルテンポまで、パワフルなヴォーカルと演奏力も含めて、辺境的なマイナー臭さはほとんど感じない。
逆にいうと、このバンドならではの明確な個性というものは希薄なのだが、若いリスナーにアピールするような、
きらびやかな雰囲気とそれなりのクオリティは有しているので、今後の活動とフルアルバムに期待したい。
メロディック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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ADAGIO「SANCTUS IGNIS」
フランスのネオクラシカルメタルバンド、アダージョの1st。2001作
ギタリスト、ステファン・フォルテを中心に、Voにデイヴィッド・リードマン(PINK CREAM69)、
Keyにリチャード・アンダーソン(MAJESTIC)Dsにダーク・ブルイネンバーグ(ELEGY)という豪華な布陣。
ギター上手いわ、演奏カチっとしてるわ、展開多いの楽曲はデビュー作にして非常にクオリティが高い。
ときどき小賢しいプログレ的リズムが出てくるのもSYMPHONY X的だろうか。しかし…
うーん・・・、やっぱ面白くはないね(笑)このジャンルでの最高クラスというのは分かるが。
TIME REQUIEMのように鬱陶しいまでのゴリ押しネオクラでないのがまだ助かる(^^;)。
メロディアス度・・7 ネオクラ度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ADAGIO「UNDERWORLD」
フランスのネオクラシカルメタル、アダージョの2nd。2003年作
若き天才ギタリスト、ステファン・フォルテ率いるこのバンド、2作目の本作では一聴して前作よりネオクラ度が薄まり、
センスのあるキーボードの音色がときにプログレ的でもあって、変則リズムの曲も、前作よりはずっと作り込まれている印象。
こうなるとネオクラシカル風プログレメタルといえる所まで接近しつつあり、ピアノ音色の美しさには、
むしろクラシックそのもののシリアスな情感がある。クラシカルでシンフォニックなProgMetalとしてもかなりの傑作だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 クラシカル度・・9 総合・・8
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ADAGIO「DOMINATE」
フランスのクラシカルメタルバンド、アダージョの3rd。2005作
前作はクラシカルメタルの歴史に残る傑作であったが、Voのデビッド・リードマンが脱退し、
本作では新たにブラジル人シンガーが加入。サウンドの方はアグレッシブさが増して、
クラシカルな荘厳さはやや薄れてしまい、ストレートな疾走感のメロパワに変化している。
プログレメタルとしても楽しめた前作が気に入っていただけに、デス声なども使ったややダークめの作風は
個人的にはいまひとつ。もちろん、クラシカルでテクニカルなギターの絡みや、美しいピアノの音色も聴けるが、
全体的に分かりやすくなったことで、彼ら独自の個性は薄れた感がある。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 クラシカル度・・7 総合・・7.5
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Adagio 「Archangels in Black」
フランスのシンフォニックメタル、アダージョの2009年作
2001年にデビュー、本作は4作目。モダンなヘヴィネスを感じさせるイントロから、いつになくダークな雰囲気であるが、
ステファン・フォルテによる巧みなギターの旋律に、随所にクラシカルなピアノの旋律も含んだシンセワークとともに、
重厚な味わいのサウンドを構築する。ギターとシンセがきらびやかに絡むネオクラシカル要素も随処に覗かせつつ、
今作ではそれのみにとどまらない、ときにグロウルヴォーカルを乗せるなど、アグレッシブにたたみかける部分もあったり、
新たな作風を模索しつつ、ダークなバロック・メタルというような深化を進んでいるようにも思える。9分の大曲では、
2ndの頃のようなプログレッシブな展開力とともに、優雅なクラシカル性とヘヴィネスが同居した聴き心地が楽しめる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 クラシカル度・・8 総合・・8
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Adagio 「Life」
フランスのシンフォニックメタル、アダージョの2017年作
前作から8年ぶりとなる5作目で、ヴォーカルにはかつてのライブ用メンバー、ケリー・サンダウン・ペーンターが加入、
のっけから9分の大曲で、メタリックで流麗なギターに優美なシンセアレンジ、パワフルなヴォーカルとともに、
重厚なスケール感に包まれたサウンドを描く。前作のダークな雰囲気にプログレッシブな展開力を加えた感触で、
テクニカルなリズムの中にも、随所にきらびやかなクラシカル性を覗かせながら、歌唱力のあるヴォーカルが
楽曲に深みのあるドラマ性をもたらしている。前作でも見せたモダンなヘヴィネスも受け継いでいるが、
アグレッシブな部分よりは優雅なところが増えて、どちらかというとProgMetalに近づきつつある印象だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 クラシカル度・・8 総合・・8
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ADAMANTER「THE SHADOW MIRROR」
イタリアのメロスピバンド、アダマンターの2003作
ジャケを見て、メロデスかと思って買ったらメロスピでした…。
ツインギターにキーボード入りで疾走。1曲目からいきなり12分の大曲をやっています。
うーん、演奏力、曲ともに並み…かそれ以下、という感じでしょうか。
ときおり、良さげなキャッチーなメロディが顔を出すのがいいですが、
全体的にはB級感ただよう、かなり弱い感じのメロスピです。マニア向け。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・5
ADAMANTIA 「U.N.O: Una Nueva Odisea」
スペインのメロディックメタル、アダマンティアの2017年作
壮麗なシンフォニックアレンジとクサメロのギター、スペイン語のヴォーカルを乗せて疾走する、
初期AVALANCHにも通じるメロスピサウンド。スパニッシュ特有の哀愁をまとわせた歌いまわしと、
クワイアなどを含んだ、初期DARK MOORなどを思わせる美麗なアレンジで、濃密かつ爽快な聴き心地。
ギターのフレーズもクサメロ感たっぷりで、疾走ナンバーが多いのもメロスパーには嬉しい限り。
全体的にも、楽曲、演奏ともに、この手の中ではクオリティの高いアルバムに仕上がっている。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Adamantis 「Far Flung Realm」
アメリカのメロディックメタル、アダマンティスの2020年作
いかにもエピックな雰囲気のイントロから、メロディックなツインギターに朗々としたヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロパワサウンドが炸裂。勇壮なコーラスやクサメロ感あるツインギターなどは、HAMMERFALLなどを思わせ、
重すぎず激しすぎず、ほどよくB級感触も残していて、90年代ヨーロピアンスタイルのメロパワファンはニンマリだろう。
随所にリズムチェンジを含めたドラマティックな展開力もあり、ミドルテンポから疾走へとつなげるアレンジも堂に入っている。
元DARK MOORのエリサ・マーティンが参加した男女Voのゴージャスなメロスピナンバーなどもよい感じだ。
クサメタル好きも満足する、オールドスタイルの正統派エピック・メロパワの高品質作です。
ドラマティック度・8 疾走度・7 正統派メロパワ度・8 総合・8
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ADASTREIA「That Which Lies Within」
イギリスのシンフォニックメタルバンド、アダストレイアの2009年作
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるシンフォニックメタルで、
モダンなシンセアレンジとゴシックメタル風でもある薄暗い叙情で聴かせるサウンド。
いくぶんNightwish的なイメージもあるが、そこまできらびやかな音ではなく、
楽曲的にはメロディの弱さとともに、まだまだ盛り上げ所、聴かせ所が曖昧な感じで
焦点が絞りきれていない感じがある。ただ女性Vo、アレクサンドラ嬢の歌声はなかなかのものであるし、
珍しい英国からのフィメール・シンフォメタルの登場ということもあり、今後のバンドの成長に期待したい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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ADGAR 「Seguim Os En Pie」
スペインのメロディックメタル、アドガーの2nd。2004年作
ツインギターの5人編成で、クサメロたっぷりのフレーズをまぶして疾走
スペイン語のハイトーンヴォーカルで聴かせるサウンドは、初期のAVALANCHに通じる
B級ぎみのヘナチョコさも含んでいて、クサメタラーにはガッツポーズかもしれない。
いくぶんのダサさもあるが、随所にアコースティカルでスパニッシュ的な叙情性を盛り込んだり、
ときおり唐突にクラシックのフレーズを取り入れたりするのも、いかにもラテン気質で楽しい。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Adiastasia「Life War」
ブラジルのシンフォニックメタルバンド、アディアスタシアの2006年作
シンセを含む5人組で、クラシカルで壮麗なイントロから期待させるが、
曲が始まると、クサいギターフレーズを乗せて疾走するB級風のメロスピになる。
同郷の偉大なる先輩であるANGRAを追いかけているような感じもあるが、
それよりもクサメタルとしてのもマイナーさがある種の魅力となっていて、
音質の軽さやヴォーカルの力強くなさも含めて、マニア好みの雰囲気がぷんぷん。
美麗なシンセワークはシンフォニックでよろしく、クサメロスピ好きならにんまりだろう。
シンフォニック度・・7 クサメロ度・・8 疾走度・・8 総合・・7.5
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AD Infinitum 「Chapter I: Monarchy」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2020年作
メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、
壮麗でスタイリッシュなシンフォニックメタル。ゴシックメタル的な耽美な雰囲気にほどよい疾走感もあり、
優美でキャッチーなメロディアス性とともに、DELAINをアグレッシブにしたような聴き心地で楽しめる。
ときにデスヴォイスを加えてのモダンなヘヴィネスも覗かせつつ、メリッサ嬢の表現力ある歌声は
近年のWITHIN TEMPTATIONあたりに通じるような堂々としたメジャー感もかもしだしている。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、濃密な展開がもう少し欲しい気もするが、今後に期待の実力派だ。
シンフォニック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Ad Infinitum 「Chapter II: Legacy」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2021年作
2020年にデビューし、本作は2作目となる。壮麗なシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて
ほどよくダークなゴシック風味も含んだ、モダンでキャッチーなシンフォニックメタルサウンドを聴かせる。
メリッサ嬢の堂々たる歌声の表現力も含めて、メジャー感のあるストレートな作風なので、
WITHIN TEMPTATIONなどのファンにも普通に楽しめるだろう。随所にスクリームヴォイスも加えた
モダンなヘヴィネスとキャッチー優雅さが同居したところは、LACUNA COILあたりにも通じる雰囲気も。
楽曲3〜4分前後とシンプルで、個人的にはもう少し壮大な展開や盛り上がりが欲しい。高品質な出来ではあるが。
シンフォニック度・8 ゴシック度・7 女性Vo度・8 総合・8
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Ad Infinitum 「Chapter III - Downfall」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2023年作
2020年にデビューし、3作目となる。ヘヴィなギターに壮麗なシンセアレンジ、伸びやかな女性ヴォーカルにデスヴォイスも絡む、スタイリッシュなシンフォニックメタル。
THE DARK SIDE OF THE MOONにも参加する、メリッサ・ボニーは、そのエモーショナルな歌声に加えて、随所にARCH ENEMYのアリッサばりのデスヴォイスも披露する。
楽曲は3〜4分前後で、ほどよくキャッチーなメロディアス性と、翳りを帯びた薄暗さを含んだ硬質なモダンさに包まれていて、壮麗なシンフォニック性はやや控えめか。
古代エジプト神話をコンセプトにしているとのことだが、全体的に歌もの的なシンプルな感触で神秘的な世界観はさほどなく、個人的にはもっと壮大な盛り上がりが欲しい気もする。
シンフォニック度・7 モダンでヘヴィ度・8 女性Vo度・8 総合・8
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ADRAMELCH「Irae Melanox」
イタリア伝説のメタルバンド、アドラメルクの1988年作/2010年再発盤
ツインギターのメロディックなフレーズとエピックな香りを漂わせた世界観で、
たとえばCIRITH UNGOLあたりをよりドラマティックにしたという雰囲気のサウンドは、
マニア好みのマイナー臭さに満ちていて、これかどうしてけっこうよい感じなのだ。
6〜7分台という当時にしては長めの楽曲は、随所にプログレッシブな質感も感じさせ
どことなく混沌とした感じがいかにもイタリアのバンドらしい。随所にクサメロも含んだ好盤だ。
Disc2には1987年のデモ音源を収録。さらにダサい感じのクサいメタルぶりに悶絶♪
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 マイナー度・・8 総合・・7.5
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ADRAMELCH「Lights from Oblivion」
イタリアのエピックメタル、アドラメルクの2012年作
デビューは80年代というベテランで、2005年に復活してからこれが2作目となる。
叙情的なツインギターで聴かせる、よい意味で古めかしくアナログ的なサウンドは、
昨今のバンドとは異なり、適度なスカスカ感があってやわらかな耳心地である。
メタルというよりは70'sハードロック的な感触なので、若いファンには微妙かもしれないが、
オールドスタイルへの回帰が昨今のひとつのトレンドであるなら、チェックしてみてもよいバンドだろう。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Adramelch「Opus」
イタリアのエピックメタル、アドラメルクの2015年作
デビューは80年代というベテランで、2005年に復活してからの3作目となる。
メロウなギターにマイルドなヴォーカルを乗せた叙情的なハードロックという感触で、
かつてのようなエピックメタルの面影はやや薄まり、大人の味わいに包まれている。
一方ではツインギターの湿り気を含んだ旋律には、幻想的な味わいも残していて、
うっすらとしたシンセアレンジとともに、じっくりと聴かせる耳心地の良さに包まれている。
メタリックな部分は少ないものの、メロディックな叙情のドラマティックハードというべき好作品。
ドラマティック度・・8 エピック度・・7 大人の叙情度・・8 総合・・8
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ADRANA 「Ancient Realms」
フランスのシンフォニックメタル、アドラナの2011年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、シンフォニックなアレンジとともに
ソプラノ女性ヴォーカルの歌声を乗せて疾走する優雅なメロスピサウンド。
適度にクサメロも含んだ聴き心地は、同郷のKERIONなどにも通じるが、
こちらの方が楽曲のメリハリやメロディの流れが美しく、アレンジのセンスもある。
なにより、アナ嬢のオペラティックなソプラノにはウットリです。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
ADRANA 「Foreshadow」
フランスのシンフォニックメタル、アドラナの2015年作
前作はKERIONにも通じるクサメロで聴かせるシンフォニックメタルであったが、
本作ではソプラノ女性ヴォーカルの歌声に男性デス声が絡み、シンフォニックなアレンジとともに
いくぶんモダンなヘヴィネスが加わったという重厚な感触だ。アナ嬢のオペラティックなヴォーカルは
なかなか表現豊かで、ダークになったサウンドも含めて、むしろEPICAあたりにも接近したような印象。
クラシカルなテイストと随所に激しい疾走も盛り込んだメリハリに富んだ楽曲構成、ゴシカルな耽美さと
オペラティックな男女声で、濃密かつドラマティックなサウンドを構築してゆく。前作のクサメロ路線もよいが、
今作のシリアスで重厚な作風も捨てがたい。ますます今後が楽しみなバンドですな。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Adrenaline Mob「Omerta」
マイク・ポートノイ のニューバンド、アドレナリン・モブの2012年作
マイク・オーランド、ラッセル・アレン、マイク・ポートノイという名うてのトリオによるバンドで、
サウンドの方はヘヴィなギターとパワフルなヴォーカルで聴かせる、意外にもオーソドックスな
古き良きヘヴィメタル風味のもの。正直、このメンツでなければあまり注目されないような
気もしなくもないが、随所にテクニカルなフレーズを聴かせるギターや切れのいいドラムプレイは
やはりさすがというべきで、単に古めかしいメタルにとどまらないノリのある演奏が楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 古き良き度・・8 総合・・8
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ADX 「Non Serviam」
フランスのパワーメタルバンド、ADXの2016年作
80年代から活動するベテランバンドで、二度の復活をへての本作は10作目あたりだろうか。
王道のギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、スラッシーなパワーメタルで、
フランス語の歌声が独特の浮遊感をかもしだす。随所にメロディックなフレーズも奏でるツインギターは
往年のジャーマンメタル的でもあり、初期のBLIND GUARDIANなどにも通じる味わいもある。
ベテランらしい堂々たる音の説得力が、フランス語云々を超えた迫力と魅力となっていて、
正統派パワーメタルを愛する人間なら存分に楽しめるだろう。フレンチメタルおそるべし。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Aeternal Seprium「Against Oblivion's Shade」
イタリアのメロディックメタル、エターナル・セプリウムの2012年作
ファンタジックなイラストのジャケにも惹かれるが、サウンドもエピックな香りを漂わせた
正統派のメロディックメタルで、随所にヴァイキング調のギターフレーズも含んだサウンド。
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走し、ときに勇壮なコーラスやクサメロも織り込んで、
雰囲気はマイナー臭くも、なかなかドラマティックな聴き心地で思わずにやにや。
Thy Majestieをややヘナチョコにした感じというか、適度に大仰な風味はけっこう好きですな。
あとは、楽曲の質の向上と聴かせ所を明確にして、盛り上がるサウンド作りを目指していって欲しい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
Aetherna 「Darkness Land」
イタリアのメロディックメタル、エーテルナの2019年作
重すぎないツインギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声で、ゴシックメタル的でもある翳りを帯びた叙情に包まれたサウンドを聴かせる。
ややラウドな音質も含め、マイナーなB級感が漂っているが、随所に巧みなフレーズを奏でるギターにはセンス感じさせ、中性的なルックスとは裏腹に、Germanaさんのキュートな歌声はなかなか魅力的だ。
うっすらとシンセは使っているが、シンフォニツクというほどではないので、美麗な盛り上がりという点ではいくぶん物足りないか。
ドラマティック度・7 叙情度・7 女性Vo度・7 総合・7
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AEVUM 「Impressions」
イタリアのシンフォニックメタル、アーヴムの2014年作
男女ヴォーカルを含む7人編成でシンフォニックかつモダンでスペイシーなアレンジと、
オペラティックなソプラノ女性ヴォーカルの歌声にマイルドな男性ヴォーカルが絡み、
スクリームヴォイスやイタリア語のコーラスなどとともに、壮麗でシアトリカルなサウンドを描いてゆく。
随所にデスメタルばりの激しいパートも現れたり、メリハリに富んだ濃密な味わいはじつにイタリアらしく、
10分前後の大曲も多く、スケールの大きなドラマ性をクラシカルかつオペラティックに聴かせてくれる。
TherionやHaggardなどのファンにも楽しめる力作だ。楽曲を充実させればさらに凄い作品を作りそう。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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AEVUM 「DISCHRONIA」
イタリアのシンフォニックメタル、アーヴムの2017年作
男女Voにツインギター、シンセを含む8人編成で、前作もオペラティックで壮麗な作品だったが、
美しいソプラノ女性ヴォーカルにパワフルな男性声が絡み、程よいヘヴィなモダンさとともに
シアトリカルで濃密な世界観を描き出す、オペラティックなシンフォニックメタルを聴かせる。
10分を超える大曲では、クラシカルなピアノの旋律とともに、男女声を乗せた優雅なサウンドが楽しめる。
反面、楽曲ごとのインパクトやメロディのフックなどは、相変わらず「もう一歩」な感じなので、
一線級バンドにのし上がるには、もう少しレベルアップが必要かと。壮麗な雰囲気は良いのです。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 男女Vo度・・8 総合・・7.5
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AFTER EVOLUTION 「WAR OF THE WORLDS」
チェコのシンフォニックメタル、アフター・エヴォリューションの2022年作
メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルとともに、ヨーロピアンな翳りを帯びたシンフォニックメタルを聴かせる。
楽曲のメインコンポーサーでもある、Nikolette嬢の歌声は美しくも物憂げで、物悲しいピアノの旋律などクラシカルな叙情と、ゴシックメタル的でもあるメランコリックな空気に包まれる。
全体的には、キャッチーなフックよりは薄暗い翳りに包まれていて、壮麗な盛り上がりなどはさほどないのだが、東欧らしい涼やかな味わいの好作である
シンフォニック度・8 薄暗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Afterlife Symphony 「Moment Between Lives」
イタリアのシンフォニックメタル、アフターライフ・シンフォニーの2016年作
Afterlifeの名義で2013年にデビュー、本作は改名しての1作目で、エッジの効いたギターにうっすらとしたシンセ、
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、ゆったりとした優雅でモダンなシンフォニックメタルを聴かせる。
翳りを帯びた空気感にはいくぶんゴシックメタル寄りの雰囲気もあって、楽曲はスロー〜ミドルテンポ主体、
派手な疾走感はさほどないので、激しさや爽快なサウンドを求める方には向かないかもしれないが、
随所にNightwishのような壮麗なアレンジも覗かせて、2パートに分かれた10分近い大曲では、
ドラマティックな構築力でじっくりと聴かせる。ほどよいヘヴィさと、優雅な翳りが同居した好作品です。
シンフォニック度・7 優雅な翳り度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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AGE OF ARTEMIS 「Overcoming Limits」
ブラジルのメロディックメタル、エイジ・オブ・アルテミスの2012年作
シンフォニックで荘厳なイントロから始まり、クサめのギターメロディを乗せて疾走、
ハスキーなハイトーンヴォーカルとともに聴かせる、かつてのANGRAを思わせるサウンドだ。
随所にネオクラシカル気味のテクニカルなギターフレーズも入りつつ、サビではキッャチーな爽快さに包まれる。
全体的にこれという新鮮味はないのだが、クオリティは高く、日本人好みの作風と言えるだろう。
ただ、バンドとしては方向性に迷いがあったのが、次作ではプログレメタル的な作風へとシフトする。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ANGRA風度・・8 総合・・8
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Age of Artemis 「The Waking Hour」
ブラジルのメロディックメタル、エイジ・オブ・アルテミスの2014年作
前作は比較的正統派のメロパワ路線だったようだが、2作目となる本作はいくぶんダークな雰囲気をまとった
重厚なサウンドへとシフトしている。随所にテクニカルなプレイを含んだギターはANGRAからの影響も感じさせるが、
パワフルなヴォーカルとともに、プログレッシブ・メタル的なドラマ性を感じさせる楽曲もなかなか悪くない。
メロパワ的な疾走パートや、サビではキャッチーな爽快感もあり、個人的にはこの路線でも十分良いと思う。
叙情的なバラードや、ANGRA「Holy Land」のような民族色のあるやわらかな叙情性もよい感じであるが、
ヴォーカルの歌声が中音域であることもあり、突き抜けてくるほどの強いインパクトには欠けるのが残念。
この路線でゆくなら、コンセプトアルバムなどでさらに重厚に固めるのもよいのではないかと思う。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Age Of Artemis 「Monomyth」
ブラジルのメロディックメタル、エイジ・オブ・アルテミスの2019年作
2012年にデビュー、本作は5年ぶりとなる3作目。コンセプト的な語りを含むイントロから始まり、
きらびやかなシンセに伸びやかなヴォーカルを乗せ、プログレメタル的な知的な展開力で聴かせる。
シンフォニックメタル的でもある優雅さと、キャッチーな歌メロ、流麗なギターフレーズが重なり、
ドラマティックなスケール感に包まれたサウンドを描いてゆく。パワフルに歌い上げるヴォーカルの力量と
リズム面も含むバックの演奏力もレベルが高く、初期ANGRAばりの優美な疾走ナンバーもよい感じです。
厚みのあるクールなインストパートと、歌入り部分の濃密さのバランスもとれた、隙のない仕上がりの力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 構築度・・8 総合・・8
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Age of Dust 「Messenger In A Soulless World」
スペインのシンフォニックメタル、エイジ・オブ・ダストの2016年作
女性Vo、女性Bを含む編成で、壮麗なイントロから、美しいソプラノ女性ヴォーカルにデスヴォイスが絡み、
オーケストラルなアレンジとともに、Nightwishを思わせる美麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
楽曲は3〜4分前後が中心で、メロディのフックや展開力にはさほどの新鮮味がないのだが、
MAria嬢の美しいソプラノはなかなか魅力的。8分という大曲では、なよやかな優雅さも覗かせつつ
ダークなドラマ性を描くように展開する。雰囲気は良いので、今後は楽曲アレンジの質を高めていってもらいたい。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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AHRCANA「INTO THE PROPHECY」
イタリアのメロディックメタルバンド、アルカナの2003作
ツインギターの5人組で、やっているのはジャーマン系クサメタル。
音はCRYSTAL EYESあたりに近い。つまりクサメロで疾走してキャッチーかつB級という(笑)
男臭いサビのコーラスといい、ツーバスドコドコの疾走にクサいギターのフレーズといい、
その手のマニアならなかなか楽しめるはず。イタリアだけと心はジャーマン。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・6.5
AINA「DAYS OF RISING DOOM-THE METAL OPERA」
元HEAVENS GATEのロバート・ヒューネッケによるメタルオペラ、アイーナの2003年作
マイケル・キスク、グレン・ヒューズをはじめ、トビアス・サメット(EDGUY)、アンドレ・マトス、
オリバー・ハートマン(元AT VANCE)、オラフ・ヘイヤー(DYONISUS)、キャンディス・ナイト(BLACKMORE'S NIGHT)、
シモーネ・シモンズ(EPICA)、サシャ・ピート(HEAVEN'S GATE)、イェンス・ヨハンソン、デレク・シェレニアン、
エリク・ノーランダー他、多数のゲストが参加、AYREONなどを思わせる配役ごとにVoを設定する手法で、
壮大なファンタジックなストーリーを作り上げる。比較的正統派のメロディックメタルをシンフォニックに味付けした感じであるが、
サシャの片腕であるミロによるキーボード、オーケストラアレンジが、映画サントラ的に楽曲を彩っている。
壮大さという点でRHAPSODYにも通じるものがあり、曲によってはトラッド色もあったりと、
ゆったりとした叙情も楽しめる。CD2には映画サントラ的なインスト曲や、シングルバージョン、デモなどを収録。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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AIRBORN「AGAINST THE WORLD」
イタリアのメロスピバンド、エアボーンの1st。2002年作
GAMMA RAYをぐっとB級にしたようなクサメロと、シンセを入りの美しさで疾走する、
爽快メロスピサウンド。巷では1stが上とか評価されているようだが、聴いてみれば
クオリティ、曲アレンジの確かさとしては2ndの方が出来がよいと思われる。ジャケや曲名、
メンバー写真などがかなりバカっぽいので、クサメタルを陽気に楽しめるマニア向けバンドだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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AIRBORN 「D-GENERATION」
イタリアのメロスピバンド、エアボーンの2nd。2003年作
うわーい♪マイナーでB級でクサメロで疾走します♪
DRAGONFORCEとかPOWER QUESTをワンランク落としたような雰囲気で
VoがヘナでもOKなクサメロスピファンならなかなか楽しめるでしょう。
歌メロはGAMMA RAY的にキャッチーで、きらきらしたゲーム音楽的なキーボードが
サウンドの軽さを引き立ててます。適度に能天気なギターソロのメロもなかなか。
ただ、この少し前の3Dゲームみたいなジャケはなんとかならなかったのか…
というかそれがコンセプト?今後ともこのままB級クサメロ路線を堅持していっていただきたい。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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AIRBORN「Legend of Madog」
イタリアのメロスピバンド、エアボーンの3rd。2009年作
GAMMA RAYを思わせる陽性のクサメロをまき散らして疾走するスタイルは
過去2作と同じだが、本作では正統派メタルとしてのパワフルさがいくぶん増している。
ただ、ヴォーカルの煮え切らなさも含めてB級には違いなく、やはりあくまでマニア向け。
なにせ16曲もあるので、最後まで聴くのはたいへんだが、後半はメロスピというよりも、
随所にケルト風味のメロディが入ったりと、いっそういかがわしい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 心はジャーマン度・・8 総合・・7
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Airborn 「Lizard Secrets: Part Two - Age Of Wonder」
イタリアのメロディックメタル、エアボーンの2020年作
2002年にデビュー、6作目の本作は前作の続編となるコンセプト作品で、きらびやかなイントロから始まり、パワフル過ぎないヴォーカルとキャッチーなコーラスで、陽性のメロディックメタルを聴かせる。
耳心地の良いクサメロなギターフレーズにシンセアレンジも重なって、軽やかに疾走するあたりは、ライトなメロスパーはニンマリだろう。
シリアスさや重厚さはないので、ミドルテンポの曲はほとんどメロハーのような感触であるが、とにかくキャッチーなイタリアンメタルという点では一貫している。
ラストは11分という大曲で、緩急ある展開力でドラマティックに楽しめる。ちなみにオーストラリアのエアボーンとはスペルが違うのでご注意を!
メロディック度・8 疾走度・8 クサメロ度・8 総合・7.5
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Airged L'amh 「Silver Arm」
ギリシャのメタルバンド、アーグド・ラームの2004年作
ツインギターのリフでパワフルに疾走する正統派のメロパワサウンド。
エピックな男らしさにあふれた雰囲気で、目新しさはなにもないものの、
メタル愛に満ちたシンプルな聴き心地が楽しめる。音質のラウドさもいかにもマイナー臭く
随所にかつてのB級ジャーマンメタルを思わせるクサメロ風味もよい感じだ。
メロディック度・・7 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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AKASHIC「Timeless Realm」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アカシックの2000作
このジャケの雰囲気からてっきりゴシックルメタルかと思いきや、案外メロハー色もある音でした。
キーボード入りで、ヴォーカルは中音域タイプ。曲によってはメランコリックだったり
ネオクラ風だったり、メロハーだったり、やや節操のない感じもするが、
全体的にはなかなかよくまとまっていて、欠点はあまり見当たらない。
いいメロディを持っているバンドだと思うので、今後はどの方向でいくのかを絞っていって欲しい
メロディアス度・・7 疾走度・・7 クオリティはなかなか度・・8 総合・・7
Akoma 「The Other Side」
デンマークのシンフォニックメタル、アコマの2012年作
6曲入りのデビューEP。美麗なシンセアレンジに美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
WITHIN TEMPTATIONなどに通じる、ゴシック寄りの優美なシンフォニックメタルを聴かせる。
タニア嬢の歌声は、Leaves' Eyesのリブ・クリスティンを思わせるなよやかな美声で、
物憂げな浮遊感も漂わせつつ、しっとりとした耳心地にウットリとなる。メタリックなヘヴィさよりも
オーケストラルなシンフォニック性と、魅力的な女性声を前に出した作風が見事にハマっている。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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AKOMA 「REVANGELS」
デンマークのシンフォニックメタル、アコマの2017年作
美麗なアレンジに美しい女性ヴォーカルを乗せ、適度なヘヴィさを含んだシンフォニックメタルで、
WITHIN TEMPTATIONやLeaves' Eyesにも通じるような翳りを帯びた叙情性を含んだサウンド。
紅一点、ターニャ嬢の歌声はやわらかな優しさと表現力あるソプラノで、楽曲に優雅な世界観を付加している。
楽曲そのものには、派手なインパクトないのだが、その分、ゴシックメタル寄りの耳でも楽しめる。
この手としては、久々に期待のバンド登場です。元Leaves' Eyesのリブ・クリスティンがゲスト参加。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ALARION 「Waves Of Destruction」
オランダのシンフォニックメタルプロジェクト、アラリオンの2016年作
名前からしてAYREONの弟みたいだが、オランダ人ギタリストを中心にしたプロジェクトで、
THRESHOLDのダミアン・ウィルソンをはじめ、イレーネ・ヤンセン、ポール・グランドルフなど、
エイリオン関連のミュージシャンも参加。美しいシンセアレンジとメタリックなギターによる重厚なサウンドに、
ダミアン・ウィルソンを中心にしたパワフルなヴォーカルを乗せた、壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
シンフォニックハード的な優美な叙情に包まれたナンバーや、女性ヴォーカルを乗せたナンバーなど、
全体的にそこそこ楽しめるのだが、楽曲自体に耳を惹きつけるフックや目新しいインパクトは乏しいので、
どこか物足りなさも感じる。ドラマティックなストーリー性を描くようなスケール感がもっと欲しいですね。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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ALBION(Альбион) ГDeath of King (ибель короля)」
ロシアのメロディックメタルバンド、アルビオンの2013年作
ツインギター編成の5人組で、ロシア語のヴォーカルで聴かせる正統派のメロディック・メタル。
エピックな勇壮さとキャッチーな歌メロが合わさって、いくぶんのB級臭さも感じさせる
クサメタル属性のサウンドだ。楽曲はミドルテンポが主体なので、どうせならもう少し疾走したり、
ファンタジックで大仰なアレンジが加われば、より楽しめるバンドになると思う。
メロディック度・・8 クサメロ度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
AL Borde
スペインのメタルバンド、アル・ボルデの1999年作
90年代のスパニッシュメタルといえば、代表的なバンドはSARATOGAやTIERRA SANTAであろうが、
このバンドもパワフルなスペイン語ヴォーカルを乗せた正統派のメロディックメタルを聴かせる。
コーラスを含んだサビのメロディはキャッチーな爽快さがあり、B級臭さはさほど感じさせない。
適度な疾走感もあり、古き良きHR/HMの質感にスパニッシュらしいクサメロをまぶした好作品です。
2015年の再発盤は、スリップケース入りで質の悪いポスターとステッカーが付いているのだが、正直いらないです。笑
メロディック度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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ALCYONA 「TRAILBLAZER」
ベラルーシのシンフォニックメタル、アルシオナの2018年作
女性Vo、女性シンセ奏者を含む5人編成で、美麗なシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、
EDENBRIDGEにも通じる優美なシンフォニックメタル。メロディックなギターフレーズも随所に覗かせつつ、
なにより、なよやかで魅力的なソプラノ女性ヴォーカルの歌声が、このサウンドにとてもよくマッチしている。
これだという新鮮なものはないですが、ファンタジックなジャケやメロディのフックも含めて全体的にも高品質。
母国語でしっとりと歌われるラスト曲もよいですね。女性声シンフォメタル好きにはたまらない好作品です。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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ALEKSANDRIA(АЛЕКСАНДРИЯ) 「лёд и огонь」
ロシアのシンフォニックメタル、アレクサンドリアの2012年作
ロシア語の女性ヴォーカルの歌声と、きらびやかなシンセアレンジで聴かせる
正統派のスタイルながら、楽曲によってはゴシックメタル的な感じもいくぶんある。
ロシア語の歌声による辺境的な雰囲気はよいのだが、 メロディの魅力という点でも、
壮麗さの点でも物足りないという、どうにももどかしい作風。楽曲は3〜5分が中心だが、
全16曲というのも長く感じてしまう。全体的にくぐもった感じの煮え切らなさが漂っている。
シンフォニック度・・7 辺境度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
ALESTORM 「CAPTAIN MORGAN'S REVENGE」
イギリス(スコットランド)のパイレーツメタル、エイルストームの2008作
ジャケットや「モルガン船長の航海日誌」という日本盤タイトルからも、
いかにも海賊映画的な雰囲気が漂っている。これまで海賊をテーマにしたバンドというと
ドイツのベテランRUNNING WILDが有名だが、このバンドの方はシンセ入りで
ヴァイキングメタル的なメロディを取り入れたメロパワという感じだ。
ダミ声ヴォーカルとともにバワフルに聴かせる正統派のスタイルながら、
アコーディオンの音も含めてシンセの音色がどことなくチープな印象で、
無理にフォーキーにしようとしているところが、曲にいまひとつ合っていない気がする。
世界観、雰囲気としては悪くないが、楽曲そのものの魅力とアレンジの点ではまだ弱いか。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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ALESTORM「Leviathan」
スコットランドのメタルバンド、エイルストームのミニアルバム。2008作
海賊をモチーフにした世界観から、パイレーツメタルと呼ばれるこのバンド、
本作は2nd発売前の4曲入り(2nd未収録曲3曲を含む)ミニアルバム。
アコーディオンの音色によるフォーキーな質感と、壮麗なシンセワークが合わさった
シンフォニックな質感と、RUNNING WILD風味のパワフルを同居させたアレンジで聴かせる。
とくにタイトル曲では、海の怪物との戦いを思わせる冒険活劇的なドラマティックな世界観に
聴いていて胸が踊る。傑作となる2nd「Black Sails at Midnight」への布石として鑑賞できる。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・7 海賊度・・9 総合・・8
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ALESTORM「Black Sails at Midnight」
スコットランドの海賊メタルバンド、エイルストームの2nd。2009年作
海賊をバンドキャラクターに、“パイレーツメタル”なる肩書でデビューしたこのバンドであるが、
前作はまだまだサウンド自体の方向性が中途半端であるような感じがあった。
ミニアルバムに続く今作では、楽曲の魅力が増すと同時に、勇壮な雰囲気に磨きがかかって
バンドとしての確かな成長を遂げている。フォーキーなメロディを正統的なメタルに上手く融合させ、
ときにシンフォニックメタル的な華麗さも覗かせるサウンドには、確かな説得力がついてきた。
ジャケやブックレットの作りも含めて物語風に聴かせる手法も、そのイメージとしての強度が増し
男たちの冒険活劇が目の前に見えるようだ。そういう点ではTURISASなどにも通じる雰囲気である。
ドラマティック度・・8 勇壮度・・8 海賊度・・9 総合・・8
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ALESTORM「Back Through Time」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2011年作
海賊をモチーフにしたその世界観から、パイレーツメタルと呼ばれるこのバンド
3作目となる本作も、海賊船の冒険活劇が愉快に繰り広げられる。
サウンドにはむしろキャッチーな聴き安さがあって、そこにフォーキーなアコーディオンの音色と
ヴァイオリン、さらにはトランペットやトロンボーンなども加わってきらびやかに盛り上げる。
エピックかつコミカルな世界観で、お子さまから大人まで安心して楽しめる娯楽メタル作品だ。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・8 海賊度・・9 総合・・8
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ALESTORM 「Sunset On The Golden Age」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2014年作
2008年にデビューし、本作は4作目。正統派のギターにキャッチーなメロディを奏でるシンセを重ね、
ダミ声ヴォーカルを乗せた、ほどよい疾走感のあるフォーキーなメロパワサウンドは本作も健在。
海賊をテーマにした冒険活劇的な世界観と、パワフルな勇壮さにかすかにコミカルな感触も加えた
独自の作風はその強度を増して、ドラマティックなフォーク・パワーメタルというべき聴き心地に。
ギターに重なるアコーディオンの音色も含めて、メロパワ化したTURISASというような感じもあり、
11分を超えるタイトル曲は、壮大なヴァイキングメタルの味わいで楽しめる。
ドラマティック度・・8 勇壮度・・8 フォーキー度・・7 総合・・8
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ALESTORM 「NO GRAVE BUT THE SEA」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2017年作
5作目の本作も、勇壮かつフォーキーなメロディとパワフルなダミ声ヴォーカルを乗せた、
ほどよくキャッチーな海賊パワーメタルが炸裂。ファミコン的なチープなシンセ音を取り入れるなど
ときにゲーム的なコミカルな味わいも覗かせつつ、勇壮なコーラスやアコーディオンの音色とともに、
TURISASにも通じるヴァイキングメタル寄りの雰囲気も味わえる。クサメロなギターも含めて、
フォーキッシュなメロディアス性が増したことで、楽曲に哀愁の叙情も感じられるようになった。
アコースティックによる牧歌性や、愉快な酒飲み系ナンバーなどもアクセントになっている。
ドラマティック度・・8 勇壮度・・8 フォーキー度・・8 総合・・8
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ALESTORM 「Curse Of The Crystal Coconut」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2020年作
6作目となる本作は、80年代のMANOWARを思わせる正統派メタルナンバーで幕を開けるが、
キャッチーかつ勇壮なスタイルにはまったくブレがない、冒険活劇的な海賊メタルを展開。
肩の力が抜けたキャッチーなナンバーの一方で、パンキッシュな疾走曲や、ラップ的な歌声を乗せた
異色のナンバーなどもわりとハマっていて、女性ヴォーカルを加えた優雅なパートもあったりと、
これまでのアルバムよりもバラエティに富んだ内容に。その反面、勇壮なメタル感はやや薄まったので
そこは痛しかゆしだが、日本語のナレーションが入った8分の大曲も含めて、聴きごたえのある力作です。
ドラマティック度・・8 勇壮度・・7 フォーキー度・・8 総合・・8
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Alia Tempora 「Dragonfly Effect」
チェコのシンフォニックメタル、アリア・テンポラの2019年作
2105年にデビューし、2作目となる。ヘヴィなギターにデジタルな感触を含んだ美麗なシンセアレンジ、
美声の女性ヴォーカルとともに、モダンでエレクトリックなシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、Markie嬢の魅力的な歌声に、ときにデスヴォイスやゲストの男性Voも加えつつ、
キャッチーなメロディのフックで、LACUNA COILをライトにしたようなイメージでも楽しめる。
曲によってはダンサブルなポップ感もあって、きらびやかな女性声エレクトロメタルというような好作品です。
シンフォニック度・7 モダンで壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
ALKASAR (АЛЬКАСАР)
ロシアのシンフォニックメタル、アルカサルの2014年作
ほどよくヘヴィでメロディックなギターに母国語の女性ヴォーカルを乗せた優雅なメタルサウンド。
シンフォニックというほどにはシンセが派手ではないで、全体的にわりとメロパワ寄りなのだが、
いくぶん翳りを帯びたウェットな雰囲気が、辺境なマイナー感と幻想的な味わいを描いている。
疾走感のあるナンバーから、ゆったりとした叙情パートまで、激しすぎない聴き心地で、
なよやかな巻き舌ヴォーカルを中心に、女性声メタルとしての優美なサウンドが楽しめる。
シンフォニック度・7 疾走度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
ALLEGRO
ブラジルのメロディックメタルバンド、アレグロの2001作
ANGRA以後、この手のメロスピ系バンドがどんどん増えているブラジルだが、
このバンドもツインギター+キーボードでメロディアスかつキャッチーに疾走する新人。
ジャケはゴシックメタル風でやや地味なのだが、サウンドの方は曲、演奏ともになかなかよい。
全編疾走というわけではないので、速くなきャダメという人には向かないが、
Voの歌うキャッチーでやわらかなメロディラインはイタリアのWONDERLANDあたりにも通じる
いわゆる「軟弱系メロスピ」風の質感もあり、個人的にはけっこう好きだったりする。
中盤ややダレるが、ANGRAを思わせるクサメロ炸裂の疾走チューンのHにはガッツポーズ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 疾走度・・7 総合・・7.5
ALMAH
ANGRAのエドゥ・ファラスキによるソロバンド、アルマーの1st。2006年作
STRATOVARIUS、NIGHTWISH、KAMELOTなどのメンバーも関わって作られた本作は
「ANGRAではできそうもない曲をソロでやることにした」とエドゥの言う通り、
昨今テクニカルメタル化してきたANGRAよりも肩の力の抜けたサウンドになっている。
ラテン風味のハードロック曲に疾走曲、しっとりとしたバラードもありと、悪くいえばとりとめがなく
音的にもバンドというよりは、いかにもソロ作的な小ぎれいな組み立てであるが、
エドゥのファンであればそれなりに楽しめるのではないかと思う。
メロディアス度・・7 ANGRA度・・7 エドゥ度・・8 総合・・7.5
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ALMAH「Fragile Equality」
ANGRAのエドゥ・ファラスキによるソロバンド、アルマーの2nd。2008作
ソロプロジェクト的だった前作に比べ、ANGRAでの盟友フェリッペ・アンドレオーリをはじめ
今作ではメンバーを固定して、よりバンドとしての体制をとってきた。
サウンドの方も契約問題で活動が滞っているというANGRAでのうっぷんを晴らすように、
ドラマティックな疾走曲を聴かせる。無名ながら二人のギタリストのテクニックも素晴らしく、
ネオクラシカルなフレーズを奏でながら、エドゥの歌唱とともにサウンドの説得力を高めている。
BURNING IN HELLのマルセロ・モレイラのパワフルなドラムもなかなか効いており、
ある意味この明快さには、ANGRAが捨て去ってきたオールドなメタルの魅力も感じられる。
アンドレ・マトスを思わせるラテン風味の曲もあり、シンフォニックに疾走するラスト曲まで飽きさせない。
こうなったらANGRAとは別物のメロパワバンドとして、今後も継続的な活動を期待したいものだ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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ALMAH「motion」
ANGRAのエドゥ・ファラスキによるソロバンド、アルマーの2011年作
3作目となる本作は、のっけからヘヴィなアグレッションでモダンなサウンドを聴かせる。
エドゥのヴォーカルは中音域が中心で、これまでにないヘヴィな側面を感じさせながら、
随所にテクニカルなギターフレーズを盛り込むなど、ときおりANGRA的な要素も垣間見える。
楽曲はミドルテンポ中心で、派手な疾走感はあまりないが、モダンなヘヴィさの中にも、
哀愁を漂わせたメロディックな聴き心地もあって、これはこれでなかなか楽しめる。
メロディック度・・7 疾走度・・7 モダンヘヴィ度・・8 総合・・7.5
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Almah 「Unfold」
ブラジルのメロディックメタル、アルマーの2013年作
元ANGRAのエドゥ・ファラスキ率いるバンドの4作目。本作はアングラを脱退してから初めての作品となるが、
前作から感じられたモダンなヘヴィネスを散りばめながら、メロディックなフックとともに疾走するサウンドで、
随所にかつてのANGRAに通じる雰囲気も感じられる。ミドルテンポのナンバーでもキャッチーな感触があって、
ヘヴィネスが強すぎた前作に比べて魅力的なナンバーが増えてきたように思う。エドゥの歌声も自然体で、
随所にパワフルな歌い方もしながら、バラード曲などではエモーショナルな歌唱も聴かせてくれる。
ヘヴィなリフから流麗なフレーズまでこなす、マルセロ・バルボーサの巧みなギターワークも見事で、
全体的な派手な疾走曲は少ないのだが、モダンなメタル感触とメロディアス性のバランスのとれた好作に仕上がっている。
メロディック度・・8 疾走度・・6 モダン度・・8 総合・・8
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ALMANAC「TSAR」
元RAGEのヴィクター・スモールスキによるプロジェクト、アルマナックの2016年作
Lingua Mortis Orchestraを引き継いだというべき、オーケストラ入りのメタルオペラというスタイルで、
バルセロナ・フィルハーモニアオーケストラと、女性Vo、ジャネット・マルヒェフカもLMOから引き続き参加。
Pink Cream 69のデイヴィッド・リードマン、BRAINSTORMのアンディ・B・フランクなどがヴォーカルで参加し、
男女ヴォーカルとオーケストレーションをまじえて、スケール感のある正統派メタルサウンドを描いてゆく。
厚みのあるコーラスなどを含んだ壮大な雰囲気は、レイジというよりはむしろブラガー的な感触で、
随所にパワフルな疾走感やテクニカルなギタープレイも盛り込んだ濃密な聴き心地が楽しめる。
個人的にはもう少しクサメロ感があると嬉しいのだが、ヴィクターのファンであればとても楽しめる力作だろう。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Almanac 「Kingslayer」
元RAGEのヴィクター・スモールスキによるプロジェクト、アルマナックの2017年作
Pink Cream 69のデイヴィッド・リードマン、女性Vo、ジャネット・マルヒェフカ、BRAINSTORMのアンディ・B・フランクら
前作同様のメンバーで、男女ヴォーカルを乗せた正統派のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
基本的にはどっしりとした味わいの重厚なメタルサウンドで、随所にお得意のテクニカルなギタープレイや
シンフォニックなアレンジを取り入れて、ドラマティックな流れでコンセプト的なスケール感を描いてゆく。
疾走感はさほどないものの、わりとキャッチーな歌メロなど、古き良きメタルのエッセンスも感じられ、
新鮮味はないが安心して楽しめる。女性声パートや壮麗なシンフォニック性を増やしてもらうともっと嬉しいのだが。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Almas Militares
メキシコのメロディックメタル、アルマス・ミリタレスの2018年作
ツインギターにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、古き良きメロパワスタイル。
パワフル過ぎないヘタウマな歌声と、クサメロ気味のギターのフレーズが、いかにもなマイナー感をかもしだし、
ドタドタとしたドラムも含めて、演奏にもローカルなB級臭さがにじみ出ているが、辺境メタラーにはそれも好物か。
とにかく、煮え切らない、クサくならりすぎないメロディと、ほどよい疾走具合が微笑ましくも楽しいのである。
10分を超える大曲では、ゆったりとした叙情性から疾走するメロスピへという展開がなかなかドラマティック。
メロディック度・・7 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7
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ALOGIA「price o vremenu」
ユーゴスラビアのメロパワバンド、アローギアの2002作
ツインギターにシンセ入りで、適度にネオクラシカル色もありつつ、母国語で歌われる歌唱はいかにも辺境的な雰囲気。
シンフォメタル的なドラマティックさや、ProgMetal的なテクニカルさも若干あり間奏部の随所には民族色も取り入れるなど、
悪く言うととりとめがなく楽曲の焦点が絞れていないという印象。唐突に疾走するメロスピ風味にも思わず苦笑。
部分的な音自体を取り出せば悪くないのだが、曲アレンジにもっと気を配るべきだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7
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ALOGIA 「Price o Zivotu」
セルビアのメロディックメタルバンド、アローギアの2nd。2004年作
1stの時点では、メロスピとProgMetalを合わせたような、いかにもとりとめのないサウンドだったが
本作では美麗なシンセアレンジとテクニカルな展開力にいくぶん説得力が出てきている。
母国語の歌声はいかにも辺境的であるが、メロディと演奏の聴かせどころという点では
ELEGYに近いレベルにまできたと思う。メロディックなギターフレーズで疾走するところも良いし、
遊び心をまじえた細かなアレンジも効いている。確実に成長の跡がうかがえる力作だ。
限定盤は無駄に豪華な箱入りで、未発曲とカヴァーの4曲入りCD-Rが付いている。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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ALOGIA「Secret Spheres of Art」
セルビアのメロディックメタル、アロジアの2005年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、適度にヘヴィなギターとうっすらとしたシンセにハイトーンヴォーカルで聴かせる、
ProgMetal的なテクニカルな雰囲気も含んだサウンド。相変わらず、メロディのフックには抜けきらないもどかしさがあって、
悪くはないのだが印象に残らないという。プログレメタルとメロディックメタルの中間という意味では、ELEGYやMANIGANCEあたりに通じるのだが、
それらに比べるとB級というイメージは拭えない。クラシカルなメロディの疾走曲などはよい感じなので、むしろこの路線を伸ばした方がよい気がする。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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ALOGIA 「Semendria」
セルビアのメロディックメタル、アローギアの2020年作
2002年にデビュー、本作は6作目となる。ツインギターに女性シンセ奏者を含む6人編成で、
本作は中世時代のセルビアの都市、セメンドリアの興亡を描いたコンセプト作。きらびやかなシンセアレンジと
正統派のギターに、ハイトーンヴォーカルで聴かせる王道のメロパワサウンド。フルートが鳴り響く民族的な叙情や、
テクニカルなリズム展開も覗かせるなど、アレンジ面の魅力も増した。Eden's CurseやSerious Blackにも参加する、
ニコラ・ミイッチの伸びやかな歌声はもちろん、マーク・ボールズ、ティム“リッパー”オーウェンズ、ファビオ・リオーネがゲストで、
それぞれに見事な歌唱を披露する。日本盤ボーナスには、DREAM THEATER、HELLOWEENのカヴァーを収録。
メロディック度・8 疾走度・7 正統派度・8 総合・8
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Alpha Tiger 「Man or Machine」
ドイツのメタルバンド、アルファ・タイガーの2011年作
ツインギターの王道のリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、80〜90年代テイストの正統派メタルサウンド。
ヴォーカルはジェフ・テイトや、かつてのRIOTのトニー・ムーアばりの伸びやかなハイトーンで
メロディックなギターフレーズとともに、古き良きメタルサウンドに確かな説得力を付加している。
楽曲はどっしりとしたミドルテンポを主体にしつつ、日本人好みに疾走するRIOT風のナンバーや、
IRON MAIDEN風のツインリードも覗かせたりと、オールドメタラーにはニンマリするところも多いだろう。
若手らしいキレのある演奏力で、伝統的な正統派メタルを再構築したというべき強力作ですな。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 ハイトーン度・・9 総合・・8
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Alpha Tiger 「BENEATH THE SURFACE」
ドイツのメタルバンド、アルファ・タイガーの2013年作
ツインギターを含む5人編成で、本作が2作目となる。ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
古き良き正統派のスタイルで、ジャーマンというよりはRIOTなどアメリカのバンドに通じる、
適度にスタイリッシュでキャッチーな感触である。ツインギターの流麗なプレイや、
トニー・ムーアに似た声質のヴォーカルも含めて、かなりライオットっぽい感じで
ヘヴィすぎない聴き心地がオールドなリスナーには嬉しいだろう。演奏力も含めてクオリティの高い好作品。
限定盤デジパックには、そのRIOT“Flight Of the Warrior”、ラウドネス “S.D.I.”のカヴァーも収録。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ライオット度・・8 総合・・8
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ALPHA TIGER
ドイツのメタルバンド、アルファ・タイガーの2017年作
2013年作はRIOTを思わせるような好作であったが、4作目となる本作では新たなシンガーを迎えている。
パワフルなギターリフにやわらかなオルガンが重なり、ハイトーンヴォーカルで聴かせる、
古き良き味わいのメタルサウンドは健在。ツインギターは随所に叙情的なフレーズも奏で、
音質も含めて、70〜80年代ルーツのラウドなノリとともに、甘すぎないメロディアス性と
パワフルなメタル感触を同居させている。楽曲は4〜5分前後とわりとシンプルながら、
オールドスタイルとしての潔さが感じられ、むしろヴォーカル交代がよりレイドバックした正統派路線へ
さらに接近させたという印象だ。普遍的なロック、メタルの魅力を内包した力作である。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良きHM度・・8 総合・・8
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Alpha Tiger 「BENEATH THE SURFACE」
ドイツのメタルバンド、アルファ・タイガーの2014年作
2011年にデビュー、3作目となる本作も、ツインギターのリフにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、
正統派のメタルサウンドを聴かせる。前作に比べると、いくぶんモダンなヘヴィさが増してはいるが、
RIOTのトニー・ムーアばりのステファン・ディートリッヒのハイトーンと、メロディックなツインギターは健在。
過去2作に比べて、インパクトのある疾走ナンバーが少ないので、全体的にはやや地味な印象ではあるが、
オールド過ぎない作風は、より多くのリスナーに楽しめるだろう。本作を最後にVoのステファンは脱退。
メロディック度・・7 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・7.5
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ALQUIMIA
スペインのメロディックメタル、アルキミアの2013年作
AVALANCHのギタリスト、Alberto Riondを中心に結成されたバンドで、シンフォニックで壮麗なイントロから、
ネオクラ風味を含んだギターにシンセを重ね、スペイン語の伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、
かつてのAVALANCHを思わせる、メロディックメタルが炸裂。手数の多いドラムも含めて安定感のある演奏と、
力量のあるヴォーカルの表現力、スパニッシュな哀愁を感じさせる濃い目のメロディとともに、キャッチーでありながら
厚みのあるサウンドを描き出す。シンフォニックメタル的な優雅さと華麗なクサメロスピ感触が同居したという強力な作品。
輸入盤のボーナスには、AVALANCH時代のリメイク曲を収録で、最後までお腹いっぱい。濃密すぎる全76分ですわ。
メロディック度・・9 疾走度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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ALQUIMIA 「Espiritual」
スペインのメロディックメタル、アルキミアの2015年作
AVALANCHのギタリストを中心に結成されたバンドの2作目で、ルイス・ロヨによるジャケもいい感じだが、
1曲目からきらびやかなシンセにスペイン語のヴォーカルを乗せて疾走する、壮麗なメロディック・スピードメタルを聴かせる。
サビでの爽快なクサメロ感は、まさに初期のAVALANCHやWARCRYを思わせる感触で、クサメタル好きはニンマリ。
ミドルテンポのナンバーでも哀愁を感じさせるスペイン語の歌メロとともに、キャッチーでフックのあるメロディによる
濃密な味わいが楽しめる。スパニッシュメタルの叙情とクサメロを正しく受け継いだ、高品質なアルバムです。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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ALTA DENSIDAD「Fenix」
チリのメロスピバンド、アルタ・デンシダドの2005年作
能天気なほどにキャッチーなクサメロとスペイン語の力強くないヴォーカル乗せて疾走する、
マイナー臭い軽めのメロスピサウンド。ピコピコとしたシンセがいかにも安っぽいのだが、
たとえば、初期のCrystal Eyesあたりが好きな方ならにんまりするクサメロぶりだろう。
微笑ましくも恥ずかしいが嫌いではない。辺境メタル好きのクサメタラーさんはどうぞ。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AltaiR 「Lost Eden」
イタリアのメロディックメタル、アルタイルの2014年作
ツインギターにシンセを含む編成で、正統派のメロディックメタルを基本に
シンフォニックなアレンジやキャッチーなクサメロを盛り込んだスタイル。
ジャケのイメージからもう少しエピック寄りかと思ったが、総じてライトな聴き心地で、
適時にB級臭さを感じさせつつ、あくまでメロディアスな感触には好感が持てる。
クサい歌メロを乗せて疾走するところはよい感じで、思わずにんまりとなるのだが、
ヴォーカルも含めていくぶん煮えきらなさもある。どうせならもっと徹底的にクサくしてもらいたい。
メロディック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・7 総合・・7.5
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ALTARIA「Divinity」
フィンランドのメロディックメタルバンド、アルタリアの2nd。2004作
SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネンがメンバーにいることもあり、
サウンドの方はソナタのキャッチーなナンバーを集めた感じに近い。
北欧らしいうっすらとしたキーボードに、ヤニのテクニカルなギターフレーズを
さりげなく織り込みつつ、メロディアスハード的でもある歌メロで軽やかに聴かせる。
曲自体にこれといった特徴はないが、安心して聴ける質の高いアルバムだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ソナタ度・・7 総合・・8
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ALTARIA「Unholy」
フィンランドのメロディックメタルバンド、アルタリアの4th。2009作
元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネンが参加していた2ndは、
いかにも北欧的な美麗サウンドであったが、本作ではシンセ不在のせいもあって
ぐっと正統派メタルに接近している。ややドライな質感のキャッチーなメロディには
オーセンティックなハードロックの雰囲気もあり、TWILIGHTNINGがそうだったように
北欧メロスピから正統派HRへの転身が許せる方なら、聴いてみてみいいたろう。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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Amadeus 「Caminos Del Alma」
スペインのメロディックメタル、アマデウスの2009年作
ALQUIMIAにも参加するVo、Gが在籍するバンドで、ツインギターに美麗なシンセを重ね、
スペイン語による伸びやかな歌声を乗せた、優雅でキャッチーなメロディックメタル。
流麗なギターフレーズにクラシカルにシンセアレンジは、シンフォニックメタル的な優美さで、
スパニッシュらしいやわらかな叙情性は、ALQUIMIAやAVALANCHにも通じる感触だ。
楽曲はミドルテンポ主体なので疾走感はさほどないが、どのナンバーもメロディのフックが心地よく、
ゆったりとしたバラード曲なども含めて、スペイン語の歌声による優しい情感に包まれた聴き心地は、
激しいメタルが苦手な方にも楽しめるだろう。スパニッシュなクサメロ感も実に日本人好みの好作品だ。
メロディック度・・9 優雅度・・9 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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の歌声もどちらかというとハスキーがかった中音域なので、
ジャケのイメージから想像するようなNightwish系の音とはむしろ反対である。
正直、好みのサウンドではないのだが、男女Voのモダンメタルとしてはそこそこ楽しめる。
メロディアス度・・8 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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AMARANTHE「THE NEXUS」
アマランスの2013年作
男女ヴォーカルの歌声とモダンなヘヴィネスで聴かせるサウンドは前作同様ながら、
勢いある楽曲には堂々たる自信が感じられ、きらびやかなアレンジにも磨きがかかっている。
SOILWORK以後のギターオリエンテッドな北欧的なメタルコア要素と、クラブ風のシンセアレンジを融合し、
女性ヴォーカルの歌声の華麗さを加えたというべきスタイルで、いわば現在形のミクスチャーメタルの
ひとつの形を提示している。突き抜けきれていなかった前作からの確かな進歩を感じさせる力作である。
メロディアス度・・8 モダンヘヴィ度・・8 きらびやか度・・9 総合・・8
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Amaranthe 「Massive Addictive」
スウェーデンのモダン・シンフォニックメタル、アマランスの2014年作
男女ヴォーカルの歌声とモダンなヘヴィネスで聴かせるサウンドで人気を博すこのバンド、
3作目となる本作では、さらにモダンでデジタリィなアレンジが前に出てきたサウンドとなった。
楽曲はすべて3分前後とコンパクトで、紅一点エリゼ嬢の歌声と男性デスヴォイスが絡み、
エレクトロなシンセアレンジとモダンなヘヴィネスに、キャッチーな歌メロを加えたという感触だ。
前作のミクスチャーメタル感覚をさらに推し進めた作風であるが、肝心のメロディのフックや壮麗さ、
楽曲のインパクトの点では正直物足りない。今後も本当にこの路線でゆくのかバンドの深化が問われる。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 楽曲度・・7 総合・・7.5
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AMARANTHE 「MANIFEST」
スウェーデンのモダンメタル、アマランスの2020年作
2011年にデビュー、本作は6作目となる。前作に続き男女のトリプルヴォーカルの編成で、
メタリックなギターにデジタルなシンセを重ね、男女のクリーンヴォーカルに男性デスヴォイスが絡む
モダンでキャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。ヘヴィなギターリフときらびやかなシンセ、
伸びやかな女性ヴォーカルとデスヴォイスのコントラストも鮮やかで、メロディのフックや展開力もさすが。
楽曲は3〜4分前後とシンプルでキャッチーなところも明快で潔い。女性声をメインにしたナンバーも優美で、
LACUNA COILとTEMPERANCEの間をつなぐ、このスタイルの完成形というべき高品質な内容だ。
元Arch Enemyのアンジェラゴソウ、Battle Beastのノーラ・ロウヒモなどがゲスト参加。
シンフォニック度・7 モダン度・8 女性Vo度・8 総合・8
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AMASEFFER「Slaves for Life」
イスラエルのシンフォニックメタルバンド、アマセフェアーの2008作
どこか異国的に鳴り響くフルートの音色と、中近東的なメロディを折り込みつつ
ややダークなプログレメタル的なサウンドは、なかなか個性的。
旧約聖書にある「エクソダス(脱エジプト記)」をテーマに、シリアスに展開するコンセプト作で
ときにシンセによにる壮大なスケール感もあって、AYREONなどが好きな方にも勧められる。
元Therionのマッツ・レヴィンの歌声も、サウンドの説得力を大いに高めていて、
基本は英詞であるが、ときおりヘブライ語の語りが挿入されるなど、世界観をしっかりと構築している。
Orphand Landなどと同様、地域性を活かしたコンセプトと、壮大さかつ重厚なドラマ性で聴かせる力作だ。
シンフォニック度・・8 壮大度・・9 重厚度・・9 総合・・8
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AMAZING MAZE
イタリアンメタルの雄、LABYRINTHのメンバーによる別プロジェクト、アメイジング・メイズの2007作
RHAPSODYとともにイタリアンメタルの創世記を牽引してきたこのバンドもアルバムごとに方向性が変化し、
今や純粋なメロパワではなくモダンメタルと化していたが、このプロジェクトは初期のLABYRINTH風サウンドを
再現しようと目論まれたということだ。ネオクラシカルなギターときらびやかなシンセで疾走するスタイルで、
ハイトーンのヴォーカルとともに、たしかに10年前のアルバムでもあるかのような明快さが微笑ましい。
しかしながら、正直に言えば、今更わざわざ過去に戻ろうとすることにどれだけ意味があるのか…
そして、楽曲的にも古くさく新鮮味がない以上は、現在いるバンドたちに勝つこともない気がするのだが。
質は高いが聴いていて高揚感を覚えない。これならば、もっと新しいことに時間と能力を注いだ方がいい。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 新鮮度・・5 総合・・7
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AMAZON「VICTORIA REGIA」
ブラジルのシンフォニックメタルバンド、アマゾンのアルバム。
美女ヴォーカル、サブリナ嬢擁する4人組で、オペラティックな歌声で聴かせる
初期NIGHTWISHタイプのサウンド。この手は南米ではなかなか珍しいかも。
うっすらとした美しいシンセになかなかメロウなフレーズを弾くギター、やや一本調子ながらサブリナ嬢の美声も耳に心地よい。
楽曲的にはゴシックメタル的なしっとりとした部分もあって、派手に疾走するような感じではないぶん、
間口は狭いかもしれない。時折聴かせる土着的なフルートなどもいい味付けになっているので、
今後はシンフォニックメタルかゴシック風か、方向性を煮詰めていって欲しい。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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AMBERIAN DAWN「River of Tuoni」
フィンランドの女性Voシンフォニックメタルバンド、アンベリアン・ドーンの2008作
ネオクラシカル風のギターと、シンフォニックなシンセによるきらびやかなサウンドは、
いかにもフィンランド的で、そこに乗るヘイディ嬢の歌唱はかつてのターヤを思わせるような、
オペラティックな雰囲気がある。曲は2〜4分台と短めで、その分シンプルで分かりやすい。
メロディや楽曲の個性と、細かなアレンジなどにはまだまだ奥深さはないが、
実力はありそうだし、NIGHTWISHタイプの若手として今後が非常に有望だ。
シンフォニック度・・8 ポストNIGHTWISH度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Amberian Dawn「The Clouds Of Northland Thunder」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、アンベリアン・ドーンの2nd。2009作
デビュー作はNightwishタイプのバンドとしてはなかなか高品質な作品であったが、
楽曲にはまだまだ浅薄さが感じられた。本作は確実に成長を聴かせる力作となった。
女性Vo、ヘイディ嬢のオペラティックな歌声を乗せてクサメロで疾走する様は、
台湾のSeraphimあたりを思わせつつ、EDENBRIDGE的なやわらかさも感じられる。
楽曲的にまだ物足りない部分はあるものの、今作ではメロディの聴かせ所をしっかりと押さえていて、
聴き手を高揚させるサウンドの説得力も生まれつつある。今後にさらに期待したいバンドになった。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Amberian Dawn「End of Eden」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、アンベリアン・ドーンの2010年作
前作で聴かれたバンドとしての成長が、本作ではさらにサウンドとしての自信に現れており
シンフォニックメタルとしての美麗さとヘイディ嬢のオペラティックな歌声に加えて、
楽曲としてのメリハリも前作よりもついた。とくに間奏部分のギターとシンセのアレンジ、
アグレッシブに聴かせるネオクラ的な流麗さが、曲の中で上手くコントラストになっている。
こうなるとやはり比較するのはNightwishということになるのだが、このバンドのレベルも
充分対抗できるところにまで来ている。あとはインパクトのある勝負曲が加われば。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Amberian Dawn「Circus Black」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2012年作
シンフォニックなアレンジと、美しい女性ヴォーカルの歌声を中心にした壮麗なるサウンドは
前作からの路線であるが、よりスケール感をともなったオーケストラルな作風を強めている。
楽曲におけるメロディのキャッチーさと、表現力を増したヘイディ嬢の歌唱が合わさって、
適度に疾走感もあるダイナミックなシンフォニックメタルを聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Amberian Dawn 「Re-Evolution」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2013年作
これまでに4枚のアルバムを出しているが、本作は過去の曲を新ヴォーカル体制で録音した作品。
新加入のカルピ嬢の歌声は、前任のヘイディ嬢に比べるとややハスキーで、
優雅な美しさが薄まったことで、これまでのバンドのイメージをずいぶん変えている。
新録された楽曲そのものも、メロスピ的な疾走にネオクラ風味も強まっていて、
このバンドの優美なシンフォニック性が好きだった方にとっては微妙なところかもしれない。
ともかく、新Voを迎えて再スタートしたバンドの次の新作を待ちたい。
シンフォニック度・・7 再録度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Amberian Dawn「Magic Forest」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2014年作
新ヴォーカル、カプリ嬢が加入して、過去曲をリメイクした「Re-Evolution」に続く作品で
オリジナルアルバムとしての5作目となる。美麗なシンセアレンジと、随所にメロパワ風味も含んだギターに
可憐な女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、ファンタジックな雰囲気のシンフォニックメタルはこれまで通り。
楽曲には適度に疾走感もありつつ、オペラティックな雰囲気やキャッチーで優美な耳心地は悪くないのだが、
メロディのフックやドラマティックなパワーはもうひとつで、2〜4thと比べると小粒な印象はぬぐえず。
NightwishやEdenbridgeに対抗できる個性が欲しいところ。全体的にはクオリティの高い好作ではあります。
シンフォニック度・・8 楽曲・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Amberian Dawn 「Innuendo」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2015年作
2008年にデビュー、オリジナルアルバムとしては6作目となる。すでに中堅バンドといってよい存在だ。
本作も美麗なアレンジに女性ヴォーカルの歌声を乗せた、美しいシンフォニックメタルを聴かせる。
カプリ嬢の歌声はソプラノとまではいかないややハスキーなタイプなので、いくぶん好みを分けるかもしれないが、
疾走感のあるノリのよい楽曲と、いくぶんネオクラ風のフレーズも含んだギターとともに、
メロディックにして華麗なサウンドが楽しめる。正直、前作はいまひとつインパクト不足だったのだが、
本作では吹っ切れたような爽快なキャッチーさが心地よい。ファンならば一安心という高品質作であろう。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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AMBERIAN DAWN 「DARKNESS OF ETERNITY」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2017年作
2008年にデビュー、オリジナルアルバムとしては7作目。美麗なシンセアレンジとメロディックなギターを乗せ、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、優雅なシンフォニックメタル・サウンドはこれまで通り。
楽曲は3〜4分前後とシンプルで、さらに今作は、これまで以上にキャッチーな感触を強めていて、
曲によってはポップといってもよいほどのメジャー感で、Nightwishあたりに通じるところもあるだろう。
もちろん、フィメール・シンフォニックメタルとしての優美な魅力はしっかり残していて、メタルとしての適度な激しさと
キャッチーなメロディを巧みに同居させたスタイリッシュな構築センスもさすが。バンドとしてひとつ前進した好作品である。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Amberian Dawn 「Looking For You」
フィンランドのシンフォニックメタル、アンベリアン・ドーンの2020年作
2008年にデビューし、本作は9作目となる。きらびやかなシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、
キャッチーなシンフォニックメタルサウンド。壮麗でありつつポップ性もあるという、Nightwishにも通じるスタイルながら、
楽曲は3〜4分前後と、よりシンプルな味わいで、メタルというよりはもはや美麗な女性声メロディアスーハードという趣も。
タテノリのストレートなリズムは、メジャーなポップミュージックのリスナーでも普通に聴けそうなくらいで、
カプリ嬢の歌声も、それに合わせたライトな雰囲気だ。メタルとして聴くには、正直物足りなさもあるのだが、
中盤には、ファビオ・リオーネをゲストに迎えた、男女Voのオペラティックなシンフォニックメタル・ナンバーもあり、
ファンは一安心だろう。全体的にはポップでキャッチーな女性声シンフォニック・ハードロックというべき好作です。
シンフォニック度・7 キャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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AMENTI 「FUERZA VITAL」
スペインのメロディックメタル、アメンティの2019年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、叙情的なギターフレーズに美麗なシンセを重ね、
スペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せた、初期AVALANCHを思わせるクサメロ感とともに
壮麗なサウンドを聴かせる。キャッチーなメロディのフックときらびやかなシンセアレンジで、
シンフォニックメタル的な雰囲気でも楽しめ、スパニッシュメタルの濃密さもしっかり同居。
ミドルテンポからの疾走する爽快なメロスピ風味も含めて、日本人好みのサウンドに仕上がっている。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Amethys 「Asmethee」
フランスのシンフォニックメタル、アメシスの2006年
2003年にデビューし、2作目となる。オーケストラルなアレンジをギターに重ね、パワフル過ぎない男性ヴォーカルに女性ヴォーカルが絡み、リズムチェンジを含むProgMetal的でもあるシンフォニックメタルを聴かせる。
男女声によるオペラティックな優雅さと、わりと唐突な楽曲展開が合わさり、マイナーなB級感も含めて起伏のあるストーリー的な流れを感じさせる。
軽めのドラムなどが、重厚さにかけるのが惜しいが、随所にクラシカルな美意識を覗かせつつ構築される、全66分の力作だ。
ドラマティック度・8 壮麗度・7 重厚度・7 総合・7
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AMULET 「THE INEVITABLE WAR」
イギリスのメタルバンド、アミュレットの2019年作
2014年にデビュー、本作は2作目となる。ヘヴィすぎないツインギターのリフに
パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せた、いかにも80年代NWOBHMルーツの
オールドなメタルサウンドを聴かせる。ほどよいスカスカ感とともに疾走するナンバーは、
ENFORCERよりもさらに確信犯的なヘナチョコ感で、マイナーなメタルが味わえる。
ブリューゲルの絵画をジャケにしているところなどにも、エピックな世界観を匂わせ、
ラストは、戦いをテーマにした勇壮なエピックメタルナンバーで締めくくる。全40分。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・7 オール度・・9 総合・・7.5
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ANANKE「Diary of an Illusion」
イタリアのシンフォニックメタル、アナンケの2009年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、壮麗なシンフォニックさと軟弱系のハイトーンヴォーカルで聴かせるサウンドは、
いくぶんのB級臭さもあって、いかにもイタリアのマイナーものらしい。美麗なシンセアレンジと、
なかなかキャッチーなメロディは悪くはないが楽曲そのもののインパクトに欠けるのがやや残念。
シンフォニック度・・8 疾走度・・5 楽曲・・6 総合・・7
ANAPHORA 「Apres Les Reves」
フランスのシンフォニックメタル、アナフォラの2007年作
美麗なシンセアレンジに、女性ヴォーカルのフランス語の歌声で聴かせるサウンドで、
かつてのARRAKEENなどを思わせる優雅な感触。適度にモダンな質感もありつつ、
キャッチーな歌メロが前にでていて、激しいところがないのでとても優美な耳心地だ。
これだというインパクトはないのだが、ときにゴシックロック的な叙情や、
随所にメロウなギターも入ってきて、フィメールロック好きならばなかなか楽しめる。
メロディック度・・8 フレンチ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
ANCESTRAL DAWN 「Souldance」
ペルーのメロディックメタル、アンセストラル・ドーンの2017年作
NAUTILUZのベースを中心にしたプロジェクトで、本作はインカ文明をテーマにしたコンセプトアルバム。
パンパイプが鳴り響く牧歌的なイントロから、メロディックなギターにハイトーンのヴォーカルを乗せて疾走する、
ノーチラス同様クサメロぎみのメロパワサウンドを展開。ラルフ・シーパーズ、ファビオ・リオーネ、マーク・ボールズ、
リック・アルツィ、アマンダ・サマーヴィルなどのゲストヴォーカルが参加、随所に流麗なギタープレイも織り込みつつ、
配役ごとに実力あるヴォーカルを乗せ、疾走するメロスピナンバーは爽快で、きらびやかなシンセワークとともに、
往年のSTRATOVARIUSなどが好きな方にもアビールするだろう。華麗なるメタルオペラとしても聴ける高品質作。
メロディック度・8 疾走度・8 華麗度・8 総合・8
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Ancestry「Revelations」
メキシコのメロパワバンド、アンセストリーの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、美麗なイントロに続きパワフルに疾走開始、
ドコドコとやや耳障りなドラムに、シンフォニックなシンセと、ギターはときにクサメロを奏でつつ、
なかなか力強いヴォーカルとともに、勢いのあるメロディック・スピードメタルを聴かせる。
長めのインストパートはDRAGONFORCE的でもあるが、SONATA ARCTICAを思わせる雰囲気の曲もあったりして
なかなか楽しめる。いくぶんのB級臭さもあるのだが、メキシコのこの手のバンドでは質の高い部類といっていいだろう。
メロディック度・・7 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
Ancient Bards「Alliance of the Kings」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、エンシェント・バーズの2010作
いくぶんB級ぎみに疾走するメロスピ曲に、パワフルすぎない女性ヴォーカルの歌声、
メロディにはときおりネオクラシカル風味もあったりと、それなりに楽しめる内容。
「The Black Crystal Sword Saga Pt.1」という副題がついているので、物語的なコンセプト作なのだろう。
初期のDARK MOORを思わせる部分もあって、シンフォニックさとクサメロで聴かせるあたりは、なかなか好みなのだが、
現段階ではまだまだメロディの魅力も含めてアレンジの面の弱さが残る。個人的にはエピックな雰囲気を伸ばしていってもらいたい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Ancient Bards「Soulless Child」
イタリアのシンフォニックメタル、エインシェント・バーズの2011年作
前作もクサメロ+シンフォニックという感じで、初期DARK MOORばりの好作であったが、
本作も壮麗なイントロから、RHAPSODYばりのクワイヤとともにファンタジックな
シンフォニックメタルが展開される。いくぶん垢抜けない女性ヴォーカルの歌声に
少々のB級っぽさも残っているものの、美麗なシンセアレンジとクサメロを含んだ雰囲気は、
好き者にはたまらないサウンドになっている。メロディ自体にはさして新鮮さはないので
正直これでファビオが歌えばRHAPSODYになるし、エリサが歌えばDARK MOORになりそうだ。
壮大な世界観では前作以上の力作ながら、個性という点ではまだまだこれからだと思う。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Ancient Bards 「New Dawn Ending」
イタリアのシンフォニックメタル、エンシェント・バーズの2014年作
これまでの「Dark Moor + Rhapsody」のような雰囲気はそのままに、本作はより壮麗なアレンジとともに、
オーケストラルなシンフォニックメタル色を強めている。紅一点、サラ嬢のヴォーカルを乗せて疾走しつつ
ラプソディばりのクワイアで、壮大かつファンタジックな世界観を描き出す。楽曲におけるメロディのフックと展開力にも魅力が増して、
バンドとしての成長とともにサウンドには説得力を感じさせる。キャッチーな聴き心地とオーケストレーションによる音の厚みが
バランスよく融合され、これまでよりもサラ嬢のヴォーカルが美しく楽しめるのも嬉しい。随所にメロスピ的な疾走曲もあるので、
最近のダクムアやラプソよりもむしろ楽しめるかもしれない。12分、16分という大曲も含んだ濃密なシンフォニックメタル作品だ。
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Ancient Bards 「Origine -The Black Crystal Sword Saga Part2」
イタリアのシンフォニックメタル、エインシェント・バーズの2019年作
2010年にデビュー、本作は5年ぶりとなる4作目。デビュー作の続編となるコンセプトストーリーで、
壮麗なオーケストレーションとナレーションによるシネマティックなイントロから幕を上げ、
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、優美でエピックなシンフォニックメタルを展開。
ときにデスヴォイスを含むアグレッシブな激しさと、RHAPSODYばりのクワイアを重ねて、
壮大なスケールのファンタジックな世界観を描いてゆく。サラ嬢のなよやかな歌声が映える、
しっとりとしたパートもアクセントになっていて、ラストの14分の大曲では3部構成のドラマ性とともに、
緩急ある構築力で雄大なファンタジーメタルを締めくくる。まさに女性声版ラプソというべき力作だ。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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ANCILLOTTI 「CHAIN GOES ON」
イタリアのメタルバンド、アンチロッティの2014年作
どことなく、IRON MAIDEN風のバンドロゴからいかにもな感じだが、サウンドの方も80年代を思わせる、
正統派のメタルサウンド。オーソドックス過ぎるギターリフに、ダーティでパワフルなヴォーカルを乗せ、
適度な疾走感で聴かせる、NWOTHMの典型というスタイルで、オールドなメタラーならニンマリである。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーも、キャリアのあるメンバーたちのような堂々たる説得力があって、
マイナーなヘナチョコ感はあまりない。往年のJudas Priestのような英国的な正統派メタルを基本に、
楽曲によっては、メイデン的なウェットなドラマ性も感じさせる。オールドスタイルな正統派好きはチェック。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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ANDEM (Андем)「Winter Tears (Зимние слёзы)」
ロシアのメロディックメタル、アンデムの2013年作
女性Voに女性シンセ奏者を擁する5人編成で、ジャケのからして日本的なのだが、
その日本的な旋律を含んだイントロから、きらびやかなシンセアレンジにロシア語の女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。楽曲は3〜4分台中心と、わりとシンプルな構成で
インストパートにさほど魅力的な部分がないのだが、歌メインの作風なので普通に聴きやすい。
疾走する部分はほとんどないので、むしろシンフォニックな女性声ハードロックという感じもある。
メロディック度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Andem (Андем) 「Eternity (Вечность) 」
ロシアのメロディックメタル、アンデムの2015年作
女性Voに女性シンセ奏者を含む6人編成で、2013年作収録のタイトルトラックに、新曲2曲を加え、
さらには2011年のミニアルバム収録曲4曲、アコースティックバージョンなどを収録した企画アルバム。
きらびやかなシンセアレンジに、適度にヘヴィなギター、そしてロシア語の女性ヴォーカルで聴かせる、
わりとモダンでキャッチーなサウンド。楽曲はすべて3〜4分台とわりとシンプルな聴き心地で、
もう少しシンフォニックな大仰さが欲しい気もするが、万人受けしそうなメロディアスハードな雰囲気である。
ヴァイオリン入りのアコースティックアレンジ曲や、EP収録曲のクサメロ感もなかなかよい。次のフルアルバムに期待。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7
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ANDRE ANDERSEN「CHANGING SKIN」
ROYAL HUNTのKey、アンドレ・アンダーセンのソロアルバム。1998作
バンドの方でも主導権を握っていた彼だけに、このソロ作も「ほぼロイヤルハント」という内容。
VoとGの比率を落とし、Keyメインで曲を長めにしたらこうなる、という感じ。
このままDCかジョン・ウエストが歌えばロイヤルハントのアルバムといっても差し支えないだろう。
それだけに演奏、メロディともに充実。メタル色が抑え目な分非常に聴きやすく純粋にドラマティック。
若干のプログレ的要素とともにこれが「FEAR」への下準備になったのだろう。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 ロイヤルハン度・・9 総合・・8
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Andre Andersen「Black on Black」
ROYAL HUNTのシンセ奏者、アンドレ・アンダーセンのソロアルバム。2002作
ROYAL HUNTの活動がままならないときにはソロを作ってしまおうというのが、
アンドレの多作と合理主義ぶりを示しているが、本作も実質的にはこれまでのロイハンと
同傾向の作品で、VoにはELEGYなどで活躍したイアン・パリーが参加している。
きらびやかなシンセワークを主体に、いつものテンポで聴かせるメロディアスなサウンドであるが、
正直、もはや新鮮味がないのも事実。むしろインストの曲がプログレ的な味わいで楽しめたりする。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 ロイヤルハン度・・8 総合・・7.5
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Andre Matos「Time To Be Free」
元ANGRA〜SHAMANのアンドレ・マトスの2007作
1987年のVIPERのデビューから20年。日本のメタルファンがアンドレ・マトスの名を知るのは
ANGRAの結成よりもずっと前、クラシカルなメロディに溢れたVIPERの2ndであったことを思えば、
今回リメイク収録された“A New Moonlight”の意義の大きさが分かろうというもの。
全体的には、意外にもSHAMANで聴かせるような民族色は薄く、自らのメタルアーティストとしての
原点に戻ったような印象で、ANGRAの「Fire Works」期に通じるシンフォニックメタル的な楽曲から、
VIRGOで聴かせた正統派ハードロック風の曲まで幅広いが、独自の歌唱スタイルを含めて
すべてにアンドレ・マトス印が押されているので、しっかりとアルバムとしての統一感もある。
また、ANGRA、SHAMANのツアーメンバーであったファビオ・リベイロ(BLEZQI ZATSAZ)の参加もあって、
長曲間奏部でのアレンジ面で、シンフォニックプログレ的な質感を生み出しているのもポイント。
SHAMANを脱退し、自らのルーツにたちかえった集大成としてのこのアルバムを完成させ
南米随一のロックアーティスト、アンドレ・マトスは新たなステップを踏み出してゆくに違いない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・7 総合・・8
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Andre Matos「Mentalize」
元ANGRA〜SHAMANのアンドレ・マトスのソロ2作目。2009年作
前作「Time To Be Free」において、自身の音楽的方向性を総括するかのような
見事な力作を作り上げたマトスが、 本作においては人間の精神分析的なテーマを扱った
濃密なサウンドを描き出している。細かな穴の開いた意味ありげなジャケデザインも面白いが、
楽曲の方もかつてのANGRAやSHAMANを思わせる雰囲気を随所に漂わせつつ、
ファビオ・リベイロのシンフォニックなシンセワークとともにメロディアスなハードロックを展開。
マトスの伸びやかな歌声も健在で、メタリックな疾走曲から繊細なバラードまで、ときに優雅な
クラシカルさも匂わせながら、やわらかみのある繊細さで聴かせる力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 マトス節度・・9 総合・・8
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Andre Matos「The Turn of Lights」
元SHAMAN、SYMFONIAのアンドレ・マトスの2012年作
ソロ名義としては3作目で、1曲目はミドルテンポから始まるやや地味な感触だが
続く2曲目は、かつてのANGRAを思わせる疾走ナンバーで、シンフォニックなアレンジとともに
マトスらしい美意識とメロディックな感触は健在だ。ときにモダンなアレンジも含んだサウンドの中に
随所にクラシカルな旋律やキャッチーなメロディも取り入れて、じっくりと聴かせてくれる。
大人の味わいを身につけたマトスの歌声も、自然体で楽曲を引き立てていて、耳に優しく響く。
派手さはないが大人の味わいで楽しめる美しいHR作品だ。限定盤のボーナスDiscには、
かつてのVIPERやQUEENSRYCHE、さらには日本の演歌“氷雨 ”などのカヴァーを収録。
メロディック度・・8 メタル度・・7 マトス度・・8 総合・・8
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Android Soul「Disappointing Paradise」
オランダの女性Voシンフォメタルバンド、アンドロイド・ソウルの2008年作
ゴシックメタル系の多いこの国だが、案外こうした女性声のシンフォメタルは少なかった。
シンセによる優美でクラシカルなイントロから、いくぶんProgMetal気味のリズムと
女性ヴォーカルを乗せて聴かせるスタイル。リンダ嬢の歌声はやや素人臭く
軽めの楽曲とあいまって、音の説得力を引き出すにはいたっていない。
反対に、メタル度の薄いシンフォニックな曲では、やわらかな持ち味を出せている。
現時点では、楽曲、演奏ともに方向性が中途半端な印象。今後に期待。
シンフォニック度・・7 ProgMetal風度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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ANGELDARK「Angelique」
スペインのシンフォニックメタルバンド、エンジェルダークの2008年作
シンフォニックなシンセワークに、適度な激しさとゴシックメタル風の耽美な世界観、
ノーマル声の男ヴォーカルに、ときにスクリームも交えるなど、SOILWORK以降のモダンな構築を
感じさせるアレンジセンス、SENTENCEDのようなメランコリックな美意識も音の随所に溢れていて、
そこにソプラノ女性ヴォーカルが加わると、EPICAばりの壮麗な雰囲気になったりもする。
ゴシック風味のシンフォメタルというべきか、楽曲、アレンジともに質の高い作品である。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 耽美度・・8 総合・・8
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ANGEL DUST 「To Dust You Will Decay」
ドイツのパワーメタル、エンジェル・ダストの1988年作
1986年にデビュー、本作は2作目となる。ヴォーカルには後にSCANNERに加入するS.L.クーが参加、
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するスラッシュ寄りのパワーメタルであるが、
やはりジャーマンメタルらしいメロディアス性と叙情的な湿り気を感じさせるのがよいですね。
激しい疾走ナンバーだけではなく、ミドルテンポのナンバーはわりと正統派メタル寄りなのだが、
ヴォーカルを含めた演奏陣のレベルもそれなりにあるので、いま聴いてもさほどB級な感じはしない。
このままもう1枚くらい作ればかなりの傑作になったろうが、バンドは本作を最後に解散。その後1998年に復活する。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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ANGEL DUST「Border of Reality」
ドイツのパワーメタルバンド、エンジェル・ダストの1998年作
80年代に2作を残して消えたバンドがなんと10年ぶりに復活、本作ではシンセを含めた5人編成となり、
ダーティなヴォーカルを乗せて疾走する古き良きジャーマンメタルを継承するサウンドでたたみかける。
緩急をつけたドラマティックなアレンジもなかなかのもので、やはりシンセがいるせいで、
パワフルな質感の中にもときおり知的なモダンさとメロディアスさが感じられる。
90年代初頭に燃えていた往年のジャーマンメタルファンにオススメしたい。
ドラマティック度・・8 バワフル度・・8 意外にシンセ度・・7 総合・・7.5
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ANGEL DUST 「Bleed」
ドイツのパワーメタルバンド、エンジェル・ダストの1999年作
80年代から活動するベテランで、1998年に10年ぶりに復活して、これが復活後2作目となる。
シンセによる美しいイントロで始まる本作は、かつてのスラッシーなイメージではなく
ドラマティックな正統派メタルを聴かせる力作となっている。ベテランらしい巧みなツインギターのリフ、
ひとつひとつのフレーズにも説得力があり、うっすらとしたシンセアレンジも含めて重厚なサウンドが光る力作だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 意外にシンセ度・・8 総合・・8
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ANGEL DUST「Enlighten the Darkness」
ドイツのパワーメタルバンド、エンジェル・ダストの2000年作
80年代から活動するベテランで、1998年に10年ぶりに復活し、これが復活後3作目。
今となっては珍しい、ダーティな歌声とともに聴かせるギターザクザクのパワーメタルであるが、
過去2作で感じられた良くも悪くも古きよきジャーマンメタル的なローカルさは薄まり、
本作ではよりモダンなヘヴィさが加わってきている。また部分的にシンセを使用したり
ときに女性コーラスなども加わって、重厚でドラマティックな世界観を演出していて、
むしろBLIND GUARDIANなどを思わせる部分もある。従来の作風から脱皮した力作である。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Angel Dust 「Of Human Bondage」
ドイツのパワーメタル、エンジェル・ダストの2001年作
1986年にデビュー、本作は6作目。ザクザクとしたスラッシーなギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せた
正統派のジャーマン・パワーメタルで、シンセによるアレンジも加えた厚みのあるサウンドを聴かせる。
激しさの中にも甘すぎない叙情性を覗かせながら、ときにモダンでインダストリアルな雰囲気や
MEGADETHのようなインテレクチュアルな感触もあり、わりとダークめのメタルサウンドが味わえる。
かつてのような疾走感はないので、オールドなファンには微妙かもしれないが、これはこれで悪くはない。
ドラマティック度・7 疾走度・5 重厚度・8 総合・7.5
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Angeles & Demonios「Resurreccion」
メキシコのメタルバンド、エンジェルス・アンド・デモニオスの2012年作
ツインギターのリフにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せた、オールドスタイルの正統派で、
随所に様式美的なギターの旋律も覗かせる。楽曲的には、さほどの疾走感もなく、
全体的にメロディックなのか、パワフルなのか、ややどっちつかずという印象で、
これというインパクトやフックもない。ヴォーカルも演奏力も平均かやや下という程度なので、
平凡なスパニッシュメタルという程度。バンドとしての個性と楽曲の魅力を上げていってもらいたい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 正統派度・・7 総合・・7
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ANGEL HEART
ノルウェーのシンフォニックメタル、エンジェル・ハートの2018年作
美しいシンセアレンジに適度にハードなギター、伸びやかな女性ヴォーカルのシンフォニックメタル。
演奏にはさほど凝ったところはないが、随所にギターの奏でる叙情フレーズも良い感じで、
キャッチーなメロハー風味から、ゆったりとしたシンフォニックナンバーなども優美な味わい。
リズム面での野暮ったさがいくぶんマイナーな雰囲気を醸し出しているが、ヴァイオリンも鳴り響き、
北欧らしい涼やかな土着メロディを覗かせるところもなかなか魅力的。メンバー写真を見ると、
ヴォーカルさん含め、みなさん意外と歳くっておられるようで、中年フィメールメタルの星ですな。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Angelical Tears 「The Eleventh Hour」
アメリカのシンフォニックメタル、エンジェリカル・ティアーズ2012年作
ヘヴィ過ぎない叙情的なギターにしっとりとした女性ヴォーカルを乗せて、メランコリックな叙情を描く
ゴシックメタル寄りのシンフォニックメタル。紅一点、Julia嬢の美しい歌声がアンニュイな空気をかもしだし
壮麗なアレンジも加わると、Nightwishなどにも通じる涼やかな耳心地に包まれる。Journeyの名曲
「Separate Ways」カヴァーなども、じつに優美な味わいで楽しめる。楽曲にさほど派手な展開はないが、
透明感のある女性声の魅力が前に出ていて、フィメールメタル好きにはもってこいの一枚です。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Angel Nation 「Aeon」
イギリスのシンフォニックメタル、エンジェル・ネイションの2017年作
LEAVES' EYESの女性シンガーでもあるエリナをフロントに、女性ベースを含む編成で、メタリックなギターにシンセを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルとともに、優美なシンフォニックメタルを聴かせる。適度な疾走感とキャッチーなメロディが同居しつつ、
クラシカルなピアノやストリングスアレンジによる美麗なナンバーや、しっとりとしたスローテンポのナンバーでは、
なよやかなソプラノを歌いこなすエリナ嬢の歌唱の魅力が際立って、Nightwishばりの優雅なサウンドか楽しめる。
楽曲的な部分での新鮮味は薄いのだが、フェミニンな女性シンガーの歌声に聴き惚れる好作品です。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・9 総合・8
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Angel Rubin 「Mi Oculta Soledad」
スペインのメロディックメタル、エンジェル・ルビンの2013年作
元ADGARのVoによるソロユニツトで、シンフォニックなアレンジにスペイン語のヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロパワサウンド。オールドな様式美テイストと、スパニッシュな濃密さが同居した感触は、
初期のAVALANCHにも通じる聴き心地。ハイトーンからダーティな声まで使い分ける表現力ある歌声とともに、
疾走するメロパワ曲から、いくぶんダークでモダンなメタルナンバーなどもあって、曲調はわりと幅広く、
キャッチーさは控えめで硬派な作風ともいえるが、クサメロ感という点では、もうひとつ突き抜けが欲しいか。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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ANGELSEED 「Crimson Dyed Abyss」
クロアチアのシンフォニックメタル、エンジェルシードの2015年作
女性Voにツインギター、シンセを含む6人編成で、シンフォニックなアレンジに流麗なギターと
美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、優美なシンフォニックメタル。厚みのあるサウンドは、
適度にモダンなスタイリッシュ性にも包まれていて、地域的なローカルさはほとんど感じさせない。
紅一点、Ivana嬢の歌声は艶めいた美しさで、いくぶんゴシック的な耽美な空気感で楽曲を彩っている。
ゲストによるストリングスも加わった、クラシカルな優雅さとメタリックな重厚さが合わさって、
曲によってはアグレッシブな疾走感もあり、シンフォニックメタルとしての壮麗な迫力も備えている。
今後はさらに楽曲を充実させてゆけば、より素晴らしいバンドになってゆきそうだ。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ANGELS of BABYLON「Kingdom of Evil」
アメリカのメタルバンド、エンジェルズ・オブ・バビロンの2010年作
MEGADETHのBを務めるデビッド・エレフソンに元MANOWARのDrが参加していることで、
注目されているこのバンド。サウンドはミドルテンポ主体のしごく正統派のヘヴィメタルで、
パワフルなハイトーンヴォーカルと巧みなギタープレイで聴かせる古き良きスタイル。
うっすらとしたシンセアレンジなどもあって、シンフォニックな壮大さもいくぶんあるが、
メロディはかつてのBLACK SABBATHやRAINBOWなどに通じるオーセンティックなものだ。
正直これといって耳を引く部分はなく、若いリスナーにはやや退屈かもしれない。往年の正統派HRファンに。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・7.5
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Angel Vengeance
タイのメロディックメタル、エンジェル・ヴェンジェンスの2020年作
クラシカルなイントロから、クサメロ感たっぷりのギターにハイトーンヴォーカルで疾走する、
INSANIAばりの古き良きキーパーメタルを聴かせる。いくぶんこもり気味の音質も含めて、
マイナー臭さはあるものの、線の細いハイトーンやツインリードのギターメロディは魅力的で、
キャッチーなクサメロを含んだ楽曲は、HELLOWEEN風だったり、STRATOVARIUS風だったりと、
クサメタルマニアのツボを突くこと請け合い。タイトル曲も含めて、インストパートもわりと展開が多く、
全体的にアジア臭さも薄いので、オールドスタイルのメロパワとしても普通に楽しめる出来だ。
メロディック度・8 疾走度・8 クサメロ度・8 総合・8
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ANGELWINGS「The Edge Of Innocence」
スペインの南端にある、ジブラルタルのシンフォニックメタル、エンジェルウイングスの2017年作
美麗なシンセアレンジにギターを重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
優雅なシンフォニックメタル。ゴシック寄りの倦怠の空気も覗かせつつ、ヘヴィさは控えめなので
全体的にはキャッチーな耳心地。楽曲自体に派手な盛り上がりはさほどないものの、
Davinia嬢のなよやかな歌声はなかなか魅力的で、サウンドをしっとりと艶めかせている。
8分を超える大曲では、EDENBRIDGEあたりに通じる優美な雰囲気に包まれるので、
このクラスのナンバーがもう何曲かあれば、アルバムとしての完成度もさらに上がると思う。
シンフォニック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ANGEL WITCH「As Above, So Below」
イギリス伝説のメタルバンド、エンジェル・ウィッチの2012年作
NWOBHMムーブのさなか、1980年にデビュー作を発表、その後1986年までに3作を出すも
1st以上のインパクトは与えられず、シーンからもすっかり忘れ去られたように思えた彼らが、
なんとここに25年ぶりとなる新作で帰って来た。オリジナルメンバーは、ギター&ヴォーカルの
ケヴィン・ヘイボーンのみだが、サウンドの方はまさしく80年代初頭のNWOBHMを思わせる
マイナーな香り漂うブリティッシュHM。いくぶんダークで湿りけを含んだギターリフとキャッチーな聴き心地は、
あの伝説の1stの続編というべき世界観で、聴いていてにんまりである。オードなファンはもちろん、
アナログ臭さのあるカルトなメタルバンドが好きという若いリスナーにもぜひ聴いて欲しい。
メロディアス度・・8 NWOBHM度・・9 エンジェルウィッチ度・・9 総合・・8
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Angel Witch 「Angel of Light」
イギリスのメタルバンド、エンジェル・ウィッチの2019年作
NWOBHMを代表するバンドで、80年代に3作を残して消えるが、2012年に25年ぶりとなるアルバムで復活。
本作は7年ぶりとなる復活2作目で、オリジナルメンバーは、ギター&ヴォーカルのケヴィン・ヘイボーンのみだが、
古き良きトーンのギターリフにウェットな味わいのヴォーカルを乗せた、まさしく80年代NWOBHMの続きを思わせる
オールドなブリティッシュHMを聴かせる。ヘヴィ過ぎないサウンド、上手すぎないヴォーカルが、ほどよいマイナー感で
かつての英国メタルの美学を蘇らせるようだ。適度な叙情性を感じさせるギターも絶妙で、これという新しいインパクトや
キラーチューンはないのだが、80年代の世界観をそのまま作り上げていることに敬意を表したい。これぞエンジェル・ウィッチである。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 エンジェルウィッチ度・・9 総合・・8
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ANGRA「Angels Cry」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アングラの1st。1993年作
VIPERを脱退したアンドレ・マトスが自身のバンドを引っさげてシーンに戻ってきたと、当時は大変狂喜したものだ。
優雅なイントロに続く“Carry On”は、強力な疾走感とクラシカルなメロディが散りばめられた絶品の名曲で、
マストの圧巻のハイトーンヴォーカルとともに、後々まで語り継がれることになるバンドの代名詞というべき名曲だ。
やわらかな聴き心地の“Time”、メロディックな展開美で聴かせる好曲“Angels
Cry”、民俗色を覗かせたやわらかなメロディの
“Never Understand”、さらにはケイト・ブッシュのカヴァー“嵐が丘”、ドラマティックな疾走“Evil Warning”と、バラエティに富みながらも、
全体的には一貫した美意識に貫かれた、まさにアンドレ・マトス節というべきサウンドが詰め込まれた名作である。
メロディアス度・・9 疾走度・・7 クラシカル度・・9 総合・・8.5
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ANGRA「Holy Land」
アングラの2nd。1996作
前作でも聴かれた民俗的な色合いをさらに前に出した、聴き込むほどに味わいのある作品である。
グレゴリアン風の厳かなイントロから、雷雨のSEが包み込み、ヘヴィなギターとシンフォニックなシンセに導かれて
“Crossing”が始まると、アンドレ・マトスの伸びやかな歌声とともに、重厚でメロディックなメタルが展開される。
前作からのクラシカルな美しさを残しつつも、サウンドがクリアになり、より音の説得力が強まっている。
随所にテクニカルなアレンジを織り込みつつ、メロディにはより民族的なやわらかさがついてきている。
“Carry On”のような音を期待すると肩すかしを食うが、雄大なメロディの“Silence
and Distance”や10分を超える大曲“CarolinaW”、
シンフォニックで民俗的な“Holy Land”、激しい疾走曲“Z.I.T.O”など、好曲多数。プログレッシブな感触でも楽しめる傑作だ。
メロディアス度・・9 疾走度・・7 クラシカル度・・8 総合・・8.5
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ANGRA「Fireworks」
アングラの3rd。1998作
前作にあった民俗的な色合いは薄れ、代わりにオーセンティックなHRの感触が加わった好盤。
いかにもマトスらしいやわらかで雄大なメロディとともに疾走する“Wings of
Reality”で幕を開け、
オーケストラを導入したシンフォニックな美しさと、メロディックメタルとしての聴き心地が合わさり、
クオリティの高いサウンドに仕上がっている。2曲め以降は一聴して地味な感じも受けるが、
叙情的な“Lisbon”やシンフォニックで優雅な“Fireworks”など、随所にクラシカルな要素も残しており、
バンドとしての美意識は保たれている。本作を最後にマトスは脱退、己の音楽を追求するべくSHAMANを結成する。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クラシカル度・・7 総合・・8
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ANGRA「REBIRTH」
アンドレ・マトス脱退後の、新生アングラの2001年作。
新ヴォーカリストのエドゥは同じブラジルのバンドSYMBOLSからの加入。
同バンドのアルバムは以前から聴いていたが、その実力どおりの歌唱でマトスの穴を全く感じさせない。
曲の方も従来どおりのメロディアス&シンフォニックメタル路線でまずは一安心。
緻密に作りこまれた楽曲は、二人のギター、キコとラファエロの才能を物語っている。
クラシック色、民族色は減ったが、メロディックメタルとしての質は明らかに向上している。
メロディアス度・・8 Vo歌唱力・・9 楽曲・・8 総合・・8
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ANGRA「REBIRTH WORLD TOUR LIVE IN SAO PAULO」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アングラのライブ作品。2003作
2001年、母国ブラジルはサンパウロでの公演を収録。アンドレ・マトスの後任である、
エドゥ・ファラスキはSIMBOLSでの活動経験もあり、その歌声は堂に入ったもの。
演奏陣はまったく安定していて、キコのギターはもちろん、ドラムの安定感もさすが。
最も琴線に触れたのは名曲“CARRY ON”で、エドゥの素晴らしいハイトーンが輝くのもこの曲だろう。
ラストはIRON MAIDENの“THE NUMBER OF THE BEAST”のカヴァーで締めくくる。
会場の録音設備のせいか音質が今一つで、レンジが狭く音に迫力がないのが残念。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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ANGRA「TEMPLE OF THE SHADOWS」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アングラの5th。2004年作
前作「RIBIRTH」は、新Voエドゥ・ファラスキの加入も含めて、「傑作たること」を余儀なくされた作品だった。
続く本作は、十字軍の騎士をテーマにしたシリアスなコンセプトアルバムとなっている。
イントロに続く疾走曲はお約束として、3曲め以降の楽曲にこそむしろ聞きどころが満載。
相変わらずのシンフォニックな疾走感に加え、今回はインスト部のアレンジにプログレ的要素が多く、
彼らの知的な部分がサウンドに現れている。キコ・ルーレイロの巧みなギターワークを中心に、
演奏のレベルは実に高く、確かな実力で曲ごとに表現力をそなえたエドゥの歌声も素晴らしい。
楽曲はメタリックなヘヴィなものから、民族色のあるシンフォバラードまで幅が広く、パーカッションや
弦楽器の使用などアレンジも巧みで細やか。アルバム全体に隙がなく名実ともに「傑作」に値する出来だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲クオリティ度・・9 総合・・8.5 ◆メタル名盤特選入り
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ANGRA「Aurora Consurgens」
今やブラジルの至宝というべき存在となった、アングラの2006年作
前作の一部の隙もない完成度を考えれば、今作の評価は地味になったという声が多いようだが、
某誌でのエドゥのインタビューによれば自身の喉の病気のこともあり、今回はライブでしっかりと歌えるものにしたとのことらしい。
確かに高音で歌いあげるパートが減っており、ハイトーンヴォーカルとしてのエドゥの魅力は
やや半減している感はある。曲の方は民族色を絡めたいつものANGRA節で、疾走曲もちゃんとあるのだが、
高い次元でのカタルシスを求めるファンには、サビでの歌メロの高揚感がないように感じるのだと思う。
しかし、人間の精神性を哲学のレベルで突き詰めた歌詞には、ラファエル・ビッテンコートの博学ぶりが伺えるし、
テクニカルなキメが素晴らしい抜群の演奏力は、すでに他のバンドの追随を許さないレベルにあるのは確か。
一聴して地味めの曲でも、練られたアレンジとキコのギターの表現力はやはり見事としか言いようがない。
軽めのシンフォニックなメロスピを好む向きには、もはやこのバンドは振り向かないのではないかと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 完成度・・9 総合・・8
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ANGRA「AQUA」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アングラの2010年作
前作から4年ぶりとなる本作は、Dr、アキレスの脱退をはじめ、Vo、エドゥの不調なども噂されて、
出来自体に賛否が上がっていたようであるが、蓋を開けてみれば、なんのこともない、のっけから
いかにもANGRAらしい爽やかな疾走曲でまずは一安心。復帰したリカルドのドラムも問題なく、
ラファエルとキコの鉄壁のツインリードも前作以上にメロディックで、やはりそこいらのバンドとは
演奏の質と音のオーラが違う。マトス時代を思わせるような南米的なやわらかなキャッチーさと、
アコースティカルな素朴さも盛り込んで、ときにプログレッシブな質感とともに、優雅な聴き心地で楽しめます。
もっとヘヴィで激しくなきャイヤだ…などというお子さまは、また10年後に聴いてみてください。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 むしろマトス風度・・8 総合・・8
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ANGRA 「Secret Garden」
1993年にデビューしてから20年余り、メロディックメタルのトップに君臨し続けるこのバンド、
通算8作目となる本作では、新たにRHAPSODY of FIREのファビオ・リオーネをヴォーカルに迎えている。
これまでよりもさらにモダンな感触となったサウンドで、リズムチェンジを含んだ知的な構築力は
ProgMetal的な雰囲気で、ファビオのヴォーカルも案外すんなりと溶け込んでいるのだが、曲調のせいもあって
なんとなくDTのラブリエっぽいという。正統派のメロディックメタルファンからすると、やや戸惑うかもしれないが、
ツインギターのメロディックなフレージングを随所に含みつつ、勢いよく疾走するナンバーもあるにはあって、
テクニカルな側面とメロディアス性を両立させた高品質な作品なのだが、楽曲そのものの魅力という点では
とても物足りないし、プログレメタルにもなり切れていないどっちつかずのもどかしさが残念。次はどうなるの?
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・8 総合・・7.5
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ANGRA 「Angels Cry: 20th Anniversary Live」
ブラジルのメロディックメタル、アングラのライブ作品。2013年作
1993年のデビュー作から20周年を祝して行われた、ブラジル、サンパウロでのライブステージを2CDに収録。
新たにファビオ・リオーネ(Rhapsody of Fire)をシンガーに迎えての編成であるが、艶のあるファビオの歌声は、
シンフォニックなナンバーやアコースティックな曲にはマッチするが、とくに初期の疾走ナンバーでは違和感があって、
前任者の頃の突き抜けるような爽快感は薄い感じがする。また、録音がややラウドなこともあって、ライブ感はあるのだが
ドラムも含めて演奏面での一体感も物足りないような。Disc2では、元NIGHTWISHのターヤ・トゥルネンの歌う“Stand Away”、
ケイト・ブッシュのカヴァー“Wuthering Heights”では、元SCORPIONSのウリ・ジョン・ロートもゲスト参加している。
ファビオは高音部は少しつらそうながら、名曲“Evil Warning”〜“Carry On”という流れは、なんだかんだでやはり盛り上がる。
ライブ演奏・・7 音質・・7 名曲度・・8 総合・・7.5
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ANGRA 「Omni」
ブラジルのメロディックメタル、アングラの2018年作
いまや世界的な人気を誇るビッグネーム。本作は通算9作目で、ファビオ・リオーネを迎えての2作目となる。
MEGADETHに加入したキコ・ルーレイロはゲストで参加、オリジナルメンバーはラファエル・ビッテンコートのみとなったが、
サウンドの方は1曲目からメロディックな疾走路線に回帰していて、流麗なツインギターに伸びやかなファビオの歌声を乗せた、
アングラらしいスケール感のある聴き心地。シンフォニックで華麗なアレンジと知的な展開力はさすがの説得力で、
コンセプチュアルなドラマ性も感じさせる流れも見事。アリッサ・ホワイト(Arch Enemy)がゲスト参加したナンバーでは、
美しい女性声&グロウルを乗せながら、いつになくモダンなヘヴィネスも取り入れている。随所に南米らしいメロディも覗かせ、
ゆったりとした叙情ナンバーもわりと楽しめる。キコ不在を感じさせない巧みなギターワークも含めて、隙の無い力作といえる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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ANILO.PROJEKT「Miracle」
ブルガリアのシンフォニックメタル、アニーロ・プロジェクトの2011年作
女性ヴォーカルにシンセを含む5人組で、美麗なシンセアレンジに
アニーロ嬢の美しい歌声を乗せて、しっとりと聴かせるサウンドは、
EDENBRIDGEをいくぶん辺境ぎみにしたような雰囲気。随所にモダンなヘヴィさもありつつ
クラシカルで優雅な感触はなかなかよろしいが、楽曲やメロディそのものに
個性を脱するほどの魅力はさほどないか。何故かイアン・パリーがゲスト参加。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ANIMETAL USA
マイク・ヴェッセーラ、クリス・インペリテリ、ルディー・サーゾ、スコット・トラヴィスという
地味に豪華なメンバーが集ったシャレのようなプロジェクトバンド、アニメタルUSAの2011年作
のっけから「宇宙戦艦ヤマト」で、様式美ネオクラギターが炸裂。パワフルなヴォーカルを乗せて疾走する。
「ガッチャマン」となんとなく80年代メタル的なアレンジでにんまりだし、「ドラゴンボール」のテクニカルな
ギターリフはなかなかいい感じ。哀愁漂うメロハー風味の「エヴァンゲリオン」もなかなかいい出来ですね。
「北斗の拳」はいかにもメタルっぽいアレンジで、IRON MAIDENのリフを盛り込む遊び心も。
「聖闘士星矢」は当然のように普通に格好いいし、「タイガーマスク」がバラードになっているのは意外。
「巨人の星」はイントロがそのままなのに、曲が始まるとACCEPTの“Fast As A Shark”ばりのリフで格好いい。
しかし、妙に激しくなった「ドカベン」は、歌メロの脱力感とともに日本のリスナーには違和感があるでしょうね。笑
全体的に日本のアニメタルのようなダサ格好いい熱血要素はなく、歌詞が英語であるので、
いわば「アニメソング風味のメタル」として聴けたりする。これはこれで、まあ…いいじゃないですか。
アニソン度・・7 様式美メタル度・・8 これはこれで、まあ…度・・8 総合・・7.5
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ANIMETAL USA W
アメリカのアニソンカヴァーバンド、アニメタルUSAの2012年作
マイク・ヴェッセーラ、クリス・インペリテリ、ルディー・サーゾ、スコット・トラヴィスという
地味に豪華なメンバーが集ったシャレのようなプロジェクトバンドの2作目。
のっけから「タッチ」で、英語で歌われるメロディアスなメタル曲として普通に格好いい。
テクニカルなギターソロなどは、インペリテリ節が炸裂である。「キャッツ・アイ」は
なんだかグラマラスなハードロックになっていて、これはこれで悪くないし、
「劇場版・銀河鉄道999」は元々サビが英語だったこともあり、まったく違和感ないですね。
今回は「デビルマン」「仮面ライダー」「ウルトラセブン」などの“ヒーローメドレー”や
「キューティーハニー」「セーラームーン」「魔法使いサリー」といった“女子アニメドレー”など、
幅広い選曲が楽しめる。「魔法騎士レイアース」や「劇場版マクロス〜愛・おぼえていますか」あたりは
アラフォー世代にはなかなかたまらないだろう。JAM Projectメドレーは正直なくてもよかったかな。
アニソン度・・7 洋楽になってます度・・8 メタルとして格好いい度・・8 総合・・8
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ANKHARA
スペインのメタルバンド、アンクハラの2nd。1999作
テクニカルな展開美の次作に比べると、割とオーソドックスな正統派メタルサウンド。
安定したドラムを中心におしなべて演奏力は高く、やや唐突なリズムチェンジも含めて、それなりに聴き所は多い。
スペイン語のヴォーカルの歌い回しにはアラビックなフレーズも感じられ、ツインギターによるメタリックな硬質さも、
むしろ辺境的な色をかもしだしている。ややクドい部分もあるが本格派のスパニッシュメタルが楽しめる。
クサメロ度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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ANKHARA 「Sombras del Pasado」
スペインのメタルバンド、アンクハラの3rd。2003作
ツインギターにキーボード入りの6人組で、シンフォニックな音の厚みとスペイン語のヴォーカルによる土臭さが合わさったサウンド。
テクニカルなプレイを聴かせるギターを筆頭に演奏力も高く、疾走に頼らない展開力はむしろProgMetalに片足突っ込んだ感覚か。
もちろんクサメロの疾走曲もあり、きらびやかなシンセワークにクセのある歌声とともに濃密なサウンドを形成している。
10分の大曲を含む65分はちょっと長い気もするが、ジャケからは想像がつかない質の高さだ。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Ankhara 「Sinergia」
スペインのメタルバンド、アンクハラの2018年作
1999年にデビュー、2003年までに3作を残し消えるが、本作はそれから15年ぶりとなる復活作。
メタリックなツインギターにハイトーンヴォーカルで、Judas Priestなどにも通じる古き良き正統派ヘヴィメタルを聴かせる。
かつてのサウンドよりも硬派なメタル感触を強めているが、スペイン語による歌いまわしや叙情的なギターソロなど、スパニッシュな濃密さは健在。
かつてのようなキャッチーなクサメロ感もいくぶんあるが、全体的には、インパクトのあるメロディのナンバーがもう少し欲しいか。ボーナスにライブ音源を3曲収録。
メロディック度・7 疾走度・6 スパニッシュ度・8 総合・7.5
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ANKHARA 「Premonicion」
スペインのメロディックメタル、アンクハラの2021年作
1999年にデビュー、本作は6作目で、ツインギターのリフにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せた、
正統派のメタルサウンドを聴かせる。過去の作品に比べると、クサメロ感はやや薄めで、エッジの効いたギターと
ややダーティなパワフルなヴォーカルで、JUDAS PRIESTにも通じる、わりと硬派なヘヴィメタルのスタイル。
楽曲は3〜4分前後で、シンプルにストレートなメタルナンバーが多いので、新鮮な引っ掛かりがさほどないのだが、
スパニッシュの濃密な歌いまわしとともに、どっしりとしたオールドなメロパワが楽しめる。スペイン版ジューダスという好作だ。
ドラマティック度・7 正統派度・8 スパニッシュ度・8 総合・7.5
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ANKHARA 「EL ORIGEN」
スペインのメロディックメタル、アンクハラの2021年作
本作は、デビュー前、1997年のデモ5曲、1998年のデモ4曲と、1997年のライブ音源3曲を収録。
メロディックなギターにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて、ほどよい疾走感のメロパワスタイルで、
スパニッシュな哀愁とともに、随所にクサメロ感を含んだマイナーな香りに包まれたサウンドが楽しめる。
デモとしての音質も良好で、2021年の最新作に比べ、より優雅なメロディアス性を含んだ聴き心地で、
キャッチーな疾走ナンバーなども、クサメタラーにとってはニンマリだ。ライブ音源の方は、音質はブート程度であるが、
HELLOWEEEN「LITTLE TIME」のカヴァーも含め、デビュー前の貴重な音源という点では、嬉しいオマケだろう。
メロディック度・8 音質・7 スパニッシュ度・9 総合・7.5
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ANKOR 「Al Fin Descansar」
スペインのメロパワバンド、アンコールの2007年作
女性Voにツインギター、シンセ入りの6人編成で、パワフルなギターリフに
きらびやかなシンセを絡めて疾走し、そこに乗るローザ嬢のスペイン語の歌声は、
この手のメロパワ系においては線の細い精細な歌声で、そのミスマッチが面白い。
ギターやドラムにはモダンなヘヴィさがあるが、それとメロスピ的なB級クサが合わさっており
唐突な叙情パートが入ってくるなど、楽曲はややドタバタとしている。まるで日本のバンドのようなキャッチーさや、
ツインギターのフレーズなど、部分的にはいいものもあるので、今後はアレンジ面での質を上げていって欲しい。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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ANKOR「My Own Angel」
スペインのメタルバンド、アンコールの2012年作
女性Voにツインギター、シンセ入りの6人編成で、前作はスペイン語の歌声とともに、
メタルコア+B級メロスピというような作風だったが、本作では英語歌詞になり、
よりモダンなメタルコア的要素が強まった。メロディックなギターフレーズに
キュートな女性ヴォーカルの歌声で、キャッチーといってよいメロディアスさを前に出しつつ、
男性スクリームとの掛け合いと若者受けしそうなタテノリのビートで勢いよく聴かせる。
激しさやヘヴィさよりもあくまでメロディ重視なので聴き心地もよく、けっこう気に入りました。
メロディック度・・8 モダンヘヴィ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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ANKOR 「Beyond The Silence Os These Years」
スペインのメロディックメタル、アンコールの2017年作
前作はメタルコア的なモダンさとキャッチーなメロディアス性が合わさったなかなかの好作であったが、
3作目となる本作も、キュートな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、モダンでメロディックなサウンドを聴かせる。
伸びやかな歌声のジェシーは、ときにスクリームヴォイスも使い分け、その表現力を遺憾なく発揮、
マイルドな男性ヴォーカルも随所にアクセントになっている。楽曲は3〜4分前後と、全体的にコンパクトで
キャッチーな聴き心地にも磨きがかかっている。個人的には女性のスクリームは苦手なのだが、イケる方はどうぞ。
メロディック度・・7 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ANNIKEN 「Climb Out Of Hell」
ノルウェーの女性シンガー、アニケン・ラスムッセンの2022年作
夫でもある、LEGEND OF VALLEY DOOMのマリウス・ダニエルセンがプロデュース、楽曲提供に加えてギターとベースも演奏している。
正統派のギターにシンセを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、北欧らしい涼やかでキャッチーなメタルサウンドを聴かせる。
曲によってはいくぶんペイガンの土着感も匂わせつつ、どっしりとしたメタル感触から女性らしい優しい歌声のバラードなども、なかなか爽快に楽しめる。
楽曲自体にこれという新鮮味がないので、女性Voメタルとしてはさほど派手さはないが、安心して聴ける正統派HR/HMの好作である。
ReinXeedのトミー・ヨハンソン、NORTHTALEのビル・ハドソン、SIRENIAのニルスロコールバロン、FALCONERのジミー・ヘドランドなどがゲスト参加。
ドラマティック度・8 正統派メタル度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Antonello Giliberto 「Journey Through My Memory」
イタリアのミュージシャン、アントネロ・ジルベルトの2015年作
ギターとシンセをこなすミュージャンで、ドラム、ベースを加えた編成で聴かせる、インストによるメロディックメタル。
ネオクラシカル色もある流麗なギターワークを乗せて、程よい疾走感に包まれたサウンドは、
歌無しの正統派メロスピという感じで、日本のGaia Preludeなどにも通じる雰囲気もある。
ベースとドラムの腕前もかなりのもので、ギターのフレーズにもクサメロ的なセンスを感じさせるので、
オールインストであってもシンフォニックなシンセアレンジも含めて、メロディと展開力で飽きさせない。
メロディック度・・7 インストメタル度・・9 ギターワーク度・・8 総合・・7.5
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ANTHOLOGY「The Prophecy」
スロバキアのシンフォニックメタル、アンソロジーの2014年作
女性Voにシンセを含む6人編成で、シンフォニックなアレンジと伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
美麗に疾走する、シンフォ・メロスピサウンド。ヨーロピアンな空気感のほどよいクサメロ感触もあって、
オーケストラルなアレンジや、楽曲の質、演奏力も含めて、辺境レベルにとどまらない内容である。
紅一点、Lubica嬢の歌声にさらなる表現力が加われば、一皮むけたレベルにゆけるかも。ちなみに本作はCDR作品です。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Апокалипсис(APOCALYPSIS) 「Исход возможен один(The Only Possible Outcome)」
ロシアのメタルバンド、アポカリプシスの2012年作
ツインギターの5人編成で、ロシア語の歌声で聴かせる正統派のHR/HM。
音質のチープさも含めていかにもアマチュア臭いサウンドで、ミドルテンポ主体の楽曲は
魅力的なメロディもこれというインパクトもない。いまどきないくらいのイモ臭さと中庸感は、さすがロシアというべきか。
今後はキャッチーな感触をもっと伸ばしてゆくとよいのではないでしょうか。
メロディアス度・・7 正統派度・・7 楽曲・・7 総合・・7
APHRODITE 「Lust And War」
カナダのメタルバンド、アフロディーテの2019年作
DEMONAでも活躍する女性シンガーに、IRON DOGS、ICE WAR、CANNIBALなど多数のバンドで活躍するB&Drを擁するトリオ編成で、重すぎないギターに女性ヴォーカルを乗せて疾走する、オールドなスピードメタルを聴かせる。
楽曲は3分前後とシンプルで、アナログ感たっぷりのサウンドにはマイナーなB級感が漂い、スカスカの疾走感はスラッシーというよりはむしろパンキッシュな軽さ。
わりとキュートでヘタウマな女性声と、爆走するスピード感のミスマッチがなかなか面白く、さほど激しさを感じさせないのもミソ。
ドラマティック度・6 疾走度・9 女性Vo度・7 総合・7.5
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APOCALYPTICA「Cult」
フィンランドのチェロ四人組、アポカリプティカの3rd。2000作
メタリカのカヴァーアルバムでデビューしたチェロでメタルを演奏するという、変わり種バンド。
サウンドは、チェロのみであるというのが信じがたいほどパワフルで、エフェクトをかけているのだろう
まるでギターのように歪んだ音も出しているので、まさに音像はメタルそのもの。
雰囲気にはやはり北欧のバンドらしい寒々しさとダークな部分が感じられるのも特徴で
ヴァイオリンのような叙情的なメロディを奏でる曲もあり、クラシカルかつヘヴィな独特のサウンドが楽しめる。
ボーナスにグリーグの“Hall of The Mountain King”、METALLICAの“Until It Sleeps” “Fight Fire With Fire”を収録。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 ヘヴィなチェロ度・・9 総合・・8
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APOCALYPTICA「REFLECTIONS」
フィンランドのチェロメタルバンド、アポカリプティカの4作目。2003作
メタリカのカヴァーバンドから独自のチェロメタルを発展させ、前作「CULT」において
ひとつの形態を完成させた。さらに続く今作ではゲストにSLAYERのデイブ・ロンバルドを迎え、
ドラム入りの曲ではますますメタル的なアグレッシブさが増している。
もちろん、クラシカルで美しいチェロの響きを聴かせてくれる曲もあり、
その高いクオリティの曲アレンジと独自の世界観には、もはやカルトなバンドからは脱却し、
多くのリスナーが注目すべきバンドになったと言えるだけの風格さえある。
ロックフォーマットだけがメタルではないのだという、フィンランドからの回答がここにある。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 チェロですがメタル度・・9 総合・・8
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APOCALYPTICA
フィンランドのチェロメタルバンド、アポカリプティカの5th。2005作
チェロのみでメタルを演奏するという、このバンド独特のチェロメタルサウンドは、
今や世界中から人気を博しており、ここ日本でも知名度が上がり、来日も果たしている。
傑作だった前作「Reflections」では、ヴォーカル入りのナンバーも取り入れだし、
そして今作からはドラマーがパーマネントなメンバーとなったことで、よりロック的な聴きやすさが増している。
チェロの重なりによるそのサウンドはときに美しき哀愁をただよわせ、ときにアグレッシブなヘヴィさもかもし出しつつ、
クラシカルでありながら、メタルとしてもちゃんと成り立っているのが凄いのだ。
HIMのヴィレ・バロ、The Rasmusのラウリ・ヨロネンがヴォーカル、SLAYERのデイブ・ロンバルドがドラムでゲスト参加。
クラシカル度・・8 メタルしてますヨ度・・9 哀愁度・・8 総合・・8
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APOCALYPTICA「World Collide」
フィンランドのチェロメタルバンド、アポカリプティカの6th。2007
今作は、正規ドラマーを入れての2作目で、ゲストに布袋寅泰をはじめ、SLAYERのデイブ・ロンバルド、
Lacuna Coilのクリスティーナ・スカビア他、豪華な面々が参加している。
もちろん基本は3人のメタル・チェリストたちによるアグレッシブなプレイにあり、歪ませたチェロの音色で
クラシカルかつパワフルに聴かせる。布袋のギターが加わった2曲目はチェロに絡むギターの音色が
妙に新鮮に聴こえたり、Slipknotのシンガーが参加したモダンロック風な3曲目や、Rammsteinのシンガーが歌う
デヴィッド・ボウイのカヴァーなどバラエティに富んだ内容で、これまで以上に様々なファンに
アピールするだろう。全体的にはクラシカルさよりもヘヴィロック調の質感が前に出ている。
クラシカル度・・7 メタル度・・8 ヘヴィロック度・・8 総合・・8
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Apocalyptica「7th Symphony」
フィンランドのチェロメタルバンド、アポカリプティカの2010年作
3人のチェロ奏者+ドラマーという特異なスタイルの個性派バンド。7作目となる本作も、
相変わらずギターのように歪んだチェロの音色をヘヴィに鳴らし、ダークなクラシカルさを聴かせてくれる。
一方で、前作あたりから顕著になったモダンなヘヴィサウンドを融合させたサウンドは、今作ではFLYLEAFの女性Voや
GOJIRA、Shinedownといったヘヴィロック系バンドのメンバーなどが参加していることでも分かるように、
モダンなヘヴィロック的な聴き心地が増している。音楽的には聴きやすくなった反面、初期にあった極端な作風が
やや薄れてきているともいえるかもしれない。そんな中、ゲストのデイブ・ロンバルドのプレイはさすがの存在感だ。
クラシカル度・・7 チェロメタル度・・8 ヘヴィロック度・・8 総合・・8
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Apocalyptica 「Shadowmaker」
フィンランドのチェロメタルバンド、アポカリプティカの2015年作
メタリカを演奏する異色のチェロ四人組としてデビュー、4作目あたりからゲストによるヴォーカル曲も入ってきて、
今作ではついに正式にパーマネントなヴォーカルがメンバーに加わっている。歪ませたチェロの音色に、
キャッチーなヴォーカルで聴かせるサウンドは、一聴して普遍的なハードロックへ接近。
チェロだと知らない人が聴いたら普通にギターでやっていると思ってしまいそうなくらい自然である。
随所にストリングス系特有の優雅な響きも聴かせてくれるが、初期のようなカルトな面白さがなくなったのは痛しかゆしか。
ミックスのクオリティの高さも相まって、全体的にもメジャー感に包まれたサウンドで、アポカリ入門用にも最適。
メロディック度・・8 チェロメタル度・・8 異色度・・7 総合・・8
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APOCALYPTICA「The Life Burns Tour」
フィンランドのチェロ4人組みメタルバンド、アポカリプティカのライブDVD。2007作
2005年、ドイツ、デュッセルドルフでのステージを収録。ステージ上にはドラマーを中央にして
四人のチェリストが横に並ぶ。この様子だけでも、すでに普通のメタルライブとは異なる雰囲気だ。
メンバーはチェロの4人のうち二人は長髪で、一人はモヒカン。この三人は意外と若そうだし
外見的にもいかにもなメタラーなのだが、残る一人はスーツにサングラス姿という物静かな雰囲気。
演奏が始まると、疾走するドラムにチェロの四重奏がけたたましく鳴りだし、髪を振り乱してヘドバンしつつチェロを弾く姿は
かなりのインパクトだ。“Master of Pappets”“Fight Fire With Fire”といったMETALLICAのカヴァー曲は
アルバムよりも数段アグレッシブで、アレンジの完成度も高まっていて、“Master〜”の間奏部の静かな所などは、クラシカルな厳かさに引き込まれる。
オリジナル曲の方も、最近のアルバムでの楽曲の質の高さを披露してくれ、ギターがいなくても弦楽四重奏の重厚な響きが音に説得力をもたらしている。
ここまで来るとただのイロモノバンドではない、チェロでもここまでメタルが出来るのだという可能性を眼前に提示して見せる、このバンドの偉業に敬服する。
“Seek And Destroy”“Creeping Death”“Enter Sandma”といったMETALLICAの代表曲で盛り上げ、
ラストはペール・ギュントのクラシックの超絶カヴァー“Hall of the Mountain KIng”で締めくくる。
インパクト・・10 ライブ演奏・・9 チェロでもメタル度・・9 総合・・9
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Apostolica 「Haeretica Ecclesia」
イタリアのシンフォニックメタル、アポストリカの2021年作
謎めいた仮面をつけた修道士のような出で立ちのメンバーからなるバンドで、本作は黙示録をテーマにしたデビューアルバム。
荘厳なコーラスで幕を開け、メタリックなギターにダーティなヴォーカルを乗せて、オーケストラルなアレンジとともに、BLIND GUARDIANにも通じる重厚なサウンドを構築する。
疾走感ある王道のメロパワらしいナンバーに、ほどよいクサメロ感のギターフレーズも覗かせて、POWERWOLFをイタリアンメタル寄りにした感じでも楽しめる。
ヨーロピアンな宗教観を鋼鉄のダークな世界観に結びつけた、シアトリカルなシンフォニック・パワーメタルというべき強力なバンドが出現した。
ドラマティック度・8 疾走度・7 重厚で荘厳度・8 総合・8
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Apostolica 「Animae Haeretica」
イタリアのシンフォニックメタル、アポストリカの2023年作
2作目となる本作は、どっしりとしたミドルテンポのナンバーで重厚に幕を開け、2曲は軽快な疾走感とキャッチーなギターメロディに荘厳なコーラスが重なり、神秘的なメロパワサウンドを描いてゆく。
「ラスプーチン」など、歴史上の人物をテーマにしたナンバーや、映画「キャバレー」のテーマ曲のカヴァーなど、楽曲ごとに異なるコンセプトながらも、今作ではよりメロパワ寄りにシフトした聴きやすさで楽しめる。
かすれ気味パワフルなヴォーカルも味になっていて、DREM EVILなどかつての北欧メロパワの勇壮さとメロディアス性を受け継ぎつつ、POWERWOLFのようなドラマ性をコンセプトに融合させた高品質な内容だ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 重厚で荘厳度・8 総合・8
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AQUARIA「LUXAETERNA」
ブラジルのシンフォニックメタルバンド、アクアリアの2005年作
シンフォニックな美麗さとクラシカルな旋律を乗せて疾走、耳に残るキャッチーな歌メロもよい感じで、
メロスピ、シンフォメタルファンは1曲目でノックアウトだろう。やはり同郷のANGRAを手本にしているのが色濃く出ているが
よりメロディックな部分にこだわっていて、とくにキーボードのアレンジはRHAPSODYなどのシンフォニックメタルからも影響を受けており、
クラシカルで壮麗である。曲展開にも、小曲やインストでのつなぎなどにはプログレッシブなものが感じられ
楽曲を連ねて物語としてのコンセプトを描く構築力は、デビュー作とは思えないほどのクオリティと密度がある。
ヴォーカルの歌声はアンドレ・マトスとエドゥ・ファラスキの中間のような雰囲気で、高音はのびやかだが優しく歌いあげる部分には
優雅なやわらかみがあって女性受けもしそう。疾走、メロディ、音の厚さ、演奏、どれをとっても新人離れしたクオリティの傑作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新人離れ度・・9 総合・・8.5 ◆メタル名盤特選入り
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AQUARIA「Shambala」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アクアリアの2nd。2007作
前作は若さ溢れる疾走感と、壮大なシンフォニック性をともなってデビュー作らしからぬクオリティであったが
今作はVoのヴィトール・ヴェイガの脱退〜再復帰というドタバタもあってようやく完成にこぎつけたわけだが、
クオリティの方は問題ない。これでもかという勢いに溢れた疾走はなくなったものの、その分楽曲の幅は広がっていて、
シンフォニックなシンセワークに厚みを増したギターリフが重なり、サウンドにはメリハリがついた。
ネイティブアメリカンをテーマにしているだけあり、ANGRAの「Holy Land」を思わせる民族調の
メロディも顔を覗かせる…というか、歌メロやコード進行がマトス時代のANGRAにかなり似ている気が…
EYES OH SHIVAの1stほどセンスよく消化されていればいいのだが、これだとよくも悪くも
ANGRAという巨大な存在を追いかけているのが見えてしまうのは、仕方がないところなのか。
ボーナストラックではゲスト参加の影山ヒロノブが、アニソンメタル風の曲を聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ANGRAに接近度・・8 総合・・8
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Aquaria「Alethea」
ブラジルのメロディックメタル、アクアリアの2020年作
2005年にデビュー、本作は13年ぶりとなる3作目で、シンフォニックで壮麗なアレンジと伸びやかなヴォーカルで、
優美なメロディックメタルを聴かせるところは、1stの頃のイメージをそのまま受け継いでいるようだ。
クラシカルなピアノやオーケストラアレンジ、叙情的な泣きのギター、QUEENばりのヴォーカルハーモニーなど、
フックのある展開とともに聴きどころもたっぷりで、かつてのANGRAのようなプログレッシブな構築力を感じさせる。
ENDLESSでも活躍する、ヴィトール・ヴェイガの優しい歌声とともに、華やかな楽曲の魅力が戻ってきていて、
緩急あるリズムチェンジと展開美で、優雅にしてスリリングなサウンドが味わえる。メロスパー悶絶の華麗な疾走ナンバーなど、
傑作であった1作目の完成度を超えてきた。ボーナストラックを含めて、全72分という、まさに見事な力作だ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 優美度・・9 総合・・8.5
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The AQUARIUS 「Na Predele Vremen (На Пределе Времён)」
ロシアのメロディックメタル、アクエリアスの2012年作
美麗なシンセアレンジとロシア語のヴォーカルを乗せた、正統派のシンフォニックメタルサウンド。
ヤンス・ヨハンソンばりのネオクラ風味のきらびやかなシンセに、ギターは随所にクサメロを奏でたりと、
なかなか聴きどころも多く、メロスピ的な疾走感もほどよくある。ロシア語による巻き舌の歌いまわしには
どうしても辺境臭さがにじみ出るのだが、そこも含めて楽しめる方ならばにんまりできるだろう。
全体的にもなかなかクオリティはあると思うが、反面、これというキラー曲がないのがアルバムを佳作止まりにしている。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ロシア度・・8 総合・・7.5
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The Aquarius 「Melody Of The Planet」
ロシアのメロディックメタル、アクエリアスの2013年作
2010年にデビューし、3作目となる。きらびやかなシンセアレンジをメロディックなギターに重ねて疾走、ロシア語によるハイトーンヴォーカルを乗せた、シンフォニックなメロパワサウンド。
ときに艶めいた女性ヴォーカルも加わって、女性声がメインのパートでは、壮麗なシンフォニックメタル風味でも楽しめるの。
全体的には、メロディのフックや盛り上がりが抜けきらず、疾走ナンバーそうも多くないので、中庸な印象にとどまっているのが残念。
むしろアコースティックパートでの、ペイガン的な神秘性が覗くところは魅力的で、このあたりの土着性を伸ばしてもいいような気もする。
メロディック度・7 疾走度・7 優雅度・8 総合・7.5
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Aquelarre 「Requiescat In Pace」
スペインのメロディックメタル、アケラーレの2014年作
美麗なシンセアレンジにクサメロなギターを重ね、スペイン語によるマイルドなヴォーカルを乗せて疾走するメロスピサウンド。
シンフォニックメタル的な華麗さと、キャッチーなクサメロスピが融合した聴き心地で、リズムチェンジによる展開力とともに、
ほどよくB級寄りながらも、この手のサウンドが好きなリスナーにはたまらないだろう。ミドルテンポを織り交ぜつつ、
激しすぎない疾走感がよい感じで、中音域からハイトーンまでこなすヴォーカルもサウンドによくマッチしている。
全7曲というのがやや物足りないが、クサメタラー愛好家、スパニッシュメロパワ好き諸氏はチェックすべし。
メロディック度・8 疾走度・8 スパニッシュ度・8 総合・7.5
ARACHNES「APOCALYPSE」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、アラクネスの3rd。2002作
STRATVARIOUS的疾走曲に様式美風味とイタリアらしいキーボードアレンジを足したサウンド。
Voはやや貧弱で、曲の方は類型の範囲内だがそれなりに出来が良い。
歌が良ければストヴァリレベルにい行けると思う。まるで新鮮味はないが。
シンフォニック度・・8 様式美度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ARACHNES「PRIMARY FEAR」
イタリアのメロディックメタルバンド、アラクネスの4th。2003作
活動としてはイタリア勢の中でもすでに中堅クラスのこのバンド。
クラシカルなギターフレーズに、ややプログレ風味のあるキーボードを中心にしつつも、
疾走しまくるタイプではなく、どちらかというと落ち着いた雰囲気の大人のメロディックメタルだ。
前作で日本デビューを飾っただけあって、クオリティ的にもマイナーっぽさはない。
我々がイタリアのバンドに求めるようなシンフォニック性やクサメロというよりは、一世代前のネオクラ系を基盤にしているように思う。
演奏、曲ともになかなかの出来なのだが、なにか物足りない。ELPの“ERUPTION”『タルカス』のカヴァーはなかなか面白い。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ARACHNES「In Praise of Science」
イタリアのメロパワバンド、アラクネスの5th。2006作
イタリアのメタルバンドの中では活動歴も長い部類に入るこのバンド、
これまでのどの作品もそこそこのクオリティながら、さして印象になかったのだが
今作はなにやらのっけからクラシカルなピアノのイントロでおごそかな雰囲気。
楽曲の出来も悪くはなく、きらきらとしたシンセワークにテクニックのあるギター、まあまあ歌えるヴォーカル、
ときおり聴かせるクサメロや、クラシカルなシンセワークなど、光る部分はあるのだが、
いかんせん、楽曲にはどうもビジョンが足りないというか、心沸き立つものが感じられない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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ARAGON「ETERNAL QUEST」
ドイツの疾走メタルバンド、アラゴンの2001作
ジャケやアルバムタイトルからしてファンタジー系のクサメタルだろうと購入。
のっけからお約束どおりの疾走曲が始まりまずは一安心(?)。
ツインギターにバックにはうっすらとキーボード。メロディはなかなか叙情的で、
B級とはいえ、80年代の頃のジャーマンB級メタルと比べればずっとレベルは高い。
曲のとしてのインパクトはないが、アレンジも無難にこなしていて特にけなす要素もない。
最近元気なイタリア、北欧勢に負けじとクサルタルの本国ドイツも頑張って欲しいものだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
Arca Hadian 「The Prophecy」
イタリアのメロディックメタル、アルカ・ハディアンの2015年作
シンセを含む5人編成で、メロディックなギターに美麗なシンセを重ね、伸びやかなハイトーンヴォーカルで聴かせる、
SONATA ARCTICAあたりにも通じる正統派のメロパワサウンド。随所に流麗なフレーズを奏でるギターや、
中音域〜ハイトーンまで、なかなか表現力のあるヴォーカルなど、バンドとしての実力もあって、
ゆったりとしたバラードナンバーなども、じっくりと楽しめる。全体的にはクオリティはあるものの、
まとまりすぎていて新鮮味やクサメロ感は弱く、ミドルテンポのナンバーが中心なので、
疾走するキラーチューンなどがもっと欲しい。イタリアというよりは北欧のバンドっぽい音ですな。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Arcane Tales 「Legacy Of The Gods」
イタリアのメロディックメタル、アーケイン・テールズの2018年作
ルイージ・ソラーノ氏によるソロプロジェクトで、壮麗なアレンジに正統派のギターと
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、ファンタジックなメロパワサウンド。
ヴォーカルの弱さやこもり気味の音質が、いかにもマイナー臭いのだが、
RHAPSODYのような、エピックで勇壮な世界観を描こうとする心意気は理解できる。
クサメロ感触を含んだ楽曲と、マイルドなヴォーカルにも味があるので、まずは録音の質を上げてもらいたい。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ファンタジック度・8 総合・7
Arcane Tales 「Power Of The Sky」
イタリアのメロディックメタル、アーケイン・テールズの2019年作
ルイージ・ソラーノ氏によるソロプロジェクトで、3作目となる本作も壮麗なイントロから、
シンフォニックなアレンジをギターに重ねて疾走、マイルドなヴォーカルとともに、
エピックなメロパワサウンドを聴かせる。リズムチェンジを含む緩急ある展開とともに、
マイナーな翳りを残したクサメロ感は、初期のThy Majetieにも通じる味わいで、
美麗なシンセアレンジも含めて、ドラマティックな聴き心地。前作に比べてサウンドのスケール感も出てきた。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ファンタジック度・8 総合・7.5
Archon Angel 「II」
アメリカ&イタリアのメタルバンド、アーコン・エンジェルの2023年作
元SAVATAGEのザック・スティーヴンス、Secret Sphereのギター、アルド・ロノビーレ、ドラムのマルコ・ラザリーニらによるバンドで、2020年作に続く2作目。
メタリックなギターに優美なピアノとシンセとオーケストラルなアレンジ、朗々としたヴォーカル乗せて、サバタージをシンフォニックにしたような重厚なサウンドを描く。
いくぶん翳りを帯びた世界観に、表現力あるザックの歌声がよくマッチしていて、随所に巧みなギタープレイも覗かせつつ、ドラマティックな正統派ヘヴィメタルを聴かせてくれる。
これだという新鮮味こそないが、優雅でキャッチーなラストナンバーまで、ザッカリー・スティーブンスの味わいのある歌声が楽しめるという点ではファンは嬉しいだろう。
ドラマティック度・8 重厚度・8 サバタージ度・8 総合・8
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Archontes 「The World Where Shadows Come To Life」
ロシアのメロディックメタル、アルコンテスの1999年作
美麗なシンセアレンジとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する正統派のメロスピスタイルで、
随所にSTRATOVARIUSなどを思わせるメロディと、ネオクラ調のギターもなかなかいい感じだ。
ヴォーカルは英語なので辺境臭さはあまりなく、普通のB級メロスピとして楽しめる。
リズムマシンのようなグルーブのないドラムはイマイチだし、ギターが一本なので音の厚みも足りないが、
微笑ましいヘナチョコさが楽しめるクサメロ好きのリスナーならニヤニヤできるかもしれない。
メロディック度・・8 疾走度・・8 辺境度・・7 総合・・7
Arda(Арда) 「The Sea Of Disappearing (Море Исчезающих)」
ロシアのメロディックメタルバンド、アルダの2007年作
ツインギターとロシア語のヴォーカルで聴かせる正統派のメロディックメタルで、
若手らしいモダンな硬質感を含んだスタイル。適度な疾走感もよい感じだが、
メロディには垢抜けきらないもどかしさがあって、クサメロとしては中途半端。
いくぶん知的なアレンジも覗かせながらも、まだジャケのイメージに追いついていない。
メロディック度・・7 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・7
ARIA 「Armageddon」
ロシアのメタルバンド、アライアの2006年作
ロシア語のヴォーカルで聴かせる正統派のメタルサウンド。
メロディックなフックとキャッチーな聴き心地はなかなか高品質で、
ツインギターのリフや安定した演奏力も含めて辺境臭さはそれほどない。
ミドルテンポでじっくりと聴かせるパワフルなスタイルは、ロシアにしては珍しい。
一方ではメロウなバラード曲もあって、全体的にもバランスのとれた好作だ。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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ARIDA VORTEX 「Riders Of Steel」
ロシアのメロディックメタル、アリダ・ヴォルテックスの2020年作
2003年にデビュー、ロシア産メロパワとしては中堅の域にいるバンドで、7作目となる本作で日本盤デビューを飾った。
シンセによるクラシカルなイントロから、ツインギターの巧みなリフにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せ、キャッチーなメロディとともに疾走する正統派のメロパワ・サウンド。
歌詞が英語なので辺境臭さはなく、優雅なメロディアス性と、エピックな勇壮さ、HELLOWEENをルーツにしたツインリードと疾走感で、なかなか爽快に楽しめる。
ネオクラシカル風のインストナンバーから、8分の大曲では、叙情的なツインリードに美麗なシンセアレンジ、疾走パートからミドルテンポへと緩急ある展開力で、ドラマティックなサウンドが楽しめる。
メロディック度・8 疾走度・7 正統派メロパワ度・8 総合・8
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ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」
フィンランド人ヴォーカリスト、アリ・コイヴネンの2007作
フィンランド版アイドル発掘番組「IDOLS」で優勝を飾りデビューした新人。
CHILDREN OF BODOM、SONATA ARCTICA、NIGHTWISH、STRATOVARIUS、
THUNDERSTONEなどのメンバーたちが参加していることで、楽曲、演奏ともに質は高い。
肝心のヴォーカルについては、中性的な声質ながら意外とどっしりとした歌唱で安定感がある。
アルバムとしてはやはり、ソナタやストヴァリ的な曲が多く、目新しさはあまりないが、
逆にいうと北欧らしいメロディックメタルアルバムとして、普通に楽しめる出来ではある。
メロディアス度・・8 フィンラン度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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ARI KOIVUNEN「BECOMING」
フィンランド人シンガー、アリ・コイヴネンの2nd。2008作
デビュー作は多くの豪華ゲストが参加し、質の高い楽曲に堂々たる歌声を乗せた好作だったが、
実質的に一人立ちしての発進となる本作では、意外とゆったりとした1曲目で始まり、
全体的にもどっしりとした作風の、ややダークな雰囲気で聴かせる。
中性的でありながら存在感のある歌声には、すでに中堅アーティストほどの余裕と
自信とが窺え、地味目の曲であってもそこにしっかりと彩りと説得力を付加している。
シンフォニックな叙情美を聴かせる3曲目などは耳を引くし、アルバムを通しての曲の充実と、
メロディの端々にフィンランドらしいメランコリックさをまとわせているのが素晴らしい。
メロディアス度・・8 歌唱度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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ARION 「Last of Us」
フィンランドのメロディックメタル、アリオンの2014年作
シンセを含む5人編成で、壮麗なイントロから、曲が始まるとミドルテンポでどっしりと聴かせる
シンフォニックメタルが広がってゆく。若手らしいモダンなヘヴィさときらびやかなアレンジが合わさって、
サビでの壮大なクワイアとともに、重厚なサウンドを描いてゆく。随所にSONATA ARCTICAなどに通じる、
キャッチーな北欧HR風味も顔を覗かせるが、こちらはいくぶんメタルコア寄りのモダンな音作りという感じがする。
バンド名からエピックな叙事詩的なサウンドを想像したが、ドラマティックな世界観を感じさせるような強度はまだないし、
爽快な疾走感もほとんどなく、ほとんどミドルテンポ主体なので、メロディや楽曲そのものの魅力的なフックがないとつらい。
シンフォニック度・・8 疾走度・・5 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ARION 「LIFE IS NOT BEAUTIFUL」
フィンランドのシンフォニックメタル、アリオンの2018年作
2014年にデビュー、本作は2作目となる。壮麗なイントロから、メタリックなギターにオーケストラルなアレンジ、
マイルドなヴォーカルを乗せて、ほどよくモダンな味わいの美麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
きらびやかなシンセに随所に流麗なギターフレーズを重ね、北欧らしい透明感とメタリックなヘヴィネスが同居した
厚みのあるサウンドを展開する。AMARANTHEのエリーゼ・リードが参加した男女ヴォーカルのナンバーなど、
ほどよくキャッチーな感触や、ときに激しい疾走パートもあり、前作よりも楽曲の幅が広がったという印象だ。
パワフル過ぎないヴォーカルも個人的にはOK。SONATA ARCTICAを重厚にしたような強力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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Arion「Vultures Die Alone」
フィンランドのメロディックメタル、アリオンの2021年作
2014年にデビュー、本作は3作目となる。メタリックなギターにパワフルなヴォーカルを乗せた
疾走感あるナンバーで幕を開ける本作は、前作に比べてストレートな作風となった感じはあるが、
随所にシンフォニックアレンジも残しながら、北欧系らしい壮麗なメロパワサウンドを描いてゆく。
楽曲は3〜4分前後が主体で、全体的に疾走するナンバーはさほどないのだが、SONATA ARCTICAにも通じる
キャッチーなメロディック性とモダンな硬質感も同居した、若手らしいアレンジセンスで、わりとシンプルに楽しめる。
ゲストに女性シンガーが参加したナンバーなどもアクセントになっていて、これというインパクトはないが安定の好作だ。
メロディック度・・7 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ARKANIA「Espiritu Irrompible」
スペインのメロディックメタルバンド、アルカニアの2007作
ヴァイオリン奏者を含む6人組で、クラシカルなシンセワークとスペイン語の歌を乗せて疾走。
メタリックな重厚さよりもクサメロ重視で、ややヨレ気味のヴァイオリンとシンセの絡みが、
なかなか綺麗ですけど…メタルとしてちゃんと聴くには、演奏、楽曲、歌ともにやはり弱いなあ。
クラシカルなメロディのスパニッシュ・クサメタル。マニア向け。
クラシカル度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7
ARKANIA 「ETERNA」
スペインのメロディックメタルバンド、アルカニアの2009年作
シンセにヴァイオリン奏者を含んだ6人編成で、きらびやかなシンセにヴァイオリンが重なり
スペイン語の歌声とともに聴かせる、キャッチーな感触のメロディック・メタルサウンド。
メロスピ的な疾走曲も含みながら、ミドルテンポ主体の曲においてもギターの奏でるクサいメロディがいい感じで、
ほぼ全曲で鳴り響くヴァイオリンの音色とともに、「優雅なクサメタル」とでもいう雰囲気を漂わせている。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
Arkania 「Serena Fortaleza」
スペインのメロディックメタル、アルカニアの2015年作
2007年にデビューし、4作目。ツインギターにシンセを含む6人編成で、メタリックなギターにシンセを重ね、スペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、王道のメロディックメタル。
スペインらしいサビでの情感ある歌メロとともに、初期AVALANCHなどにも通じる爽快なスパニッシュ・メロスピから、メロディアスハード的なキャッチーなナンバーなども、質の高い演奏と歌声で楽しめる。
女性ヴォーカルが参加したバラードなども叙情的で、中盤以降は疾走曲がないのがやや物足りないが、優雅なスパニッシュメタルの好作です。
メロディック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・7.5
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ARKTIDA(АРКТИДА) 「сквозь столетия」
ロシアのメロディックメタル、アルキダの2011年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックなアレンジとロシア語のヴォーカルを乗せて聴かせる、
正統派のメロパワサウンド。どっしりとしたミドルテンポから疾走曲までしっかりとした演奏力と
エピックな香りを漂わせたメロディで、先輩のEPIDEMIAにも通じる安定した聴き心地である。
ピロピロ系のいかにもなギターなども若手らしい感じで、全体的にこれだという楽曲や
インパクトはないのだが、ロシアン・メタルが好きな方ならば安心して楽しめる出来だろう。
メロディック度・・7 疾走度・・7 ロシアン度・・8 総合・・7.5
THE ARMADA「Rage of The Armada」
ドイツのメロディックメタルバンド、アルメイダの2003年作
スパニッシュギター風のイントロにおっと思うが、曲が始まるとわりとオーソドックスなメロパワスタイル。
Voはややガナり気味の声質で荒々しさがあるが、ギターはネオクラシカル風でキーボードとの絡みも多い。
イングヴェイルーツの様式美ネオクラ的なきらびやかさは、Magic Kingdomあたりにも通じるだろうか。
サビのメロディにはマイナーバンド特有のクサさがあり、そのあたりはけっこうマニア受けするだろう。
ちなみにメンバーの中には、元STORMWITCHのドラマーの名前もある。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ネオクラ風味度・・8 総合・・7.5
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Armonight 「Suffering And Passion」
イタリアのシンフォニックメタル、アーモナイトの2010年作
女性Vo、女性Gを擁する編成で、壮麗なイントロから、メロディックなギターにうっすらとしたシンセを重ね、
透明感のある美しい女性ヴォーカルを乗せて、優美でキャッチーなサウンドを聴かせる。
楽曲はわりとスローテンポ主体で、曲によってはメランコリックな雰囲気も覗かせるが、
ゴシックメタルというほどには重さや翳りはなく、優雅なメロディアス性でに包まれている。
フロントのSY嬢の歌声は、やや線は細いものの伸びやかな魅力があって、なかなか日本人好み。
シンフォニックなシンセをバックに、美しい女性Voを乗せたラスト曲にはウットリです。
メロディック度・8 優雅でキャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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ARMOUR
フィンランドのメタルバンド、アーマーの2009年作
メタTにガンベルト姿の4人組で、シンプルなギターにダーティなハイトーンヴォーカルを乗せた
初期のSAXONあたりにも通じる、いかにも80年代ルーツのオールドなHR/HMを聴かせる。
曲によっては、かつてのRATTのようなアメリカンHR的でもあるキャッチーな感触もありつつ、
中盤にはB級スピードメタル的な疾走ナンバーなども良い感じだ。全体的に音は軽めで、
スラッシュメタルみたいなジャケから激しいのを想像すると、肩透かしを食うのでご注意を。
80年代メタルを素直に追求したという微笑ましさでもって楽しめる、全10曲39分です。
ドラマティック度・・7 わりとキャッチー度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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ARMORY 「Empyrean Realms」
アメリカのメロディックメタル、アーモリーの2014年作
本作は2作目で、シンセを含んだきらびやかなアレンジと、古き良きメロパワのスタイルを受け継ぐような
オーセンティックな感触のメロディックメタル。随所に聴かせるツインギターのクラシカルなフレーズとともに
キャッチーなクサメロ感触を含んだ疾走感もよい感じで、初期のANGRAあたりにも通じる爽快さも魅力だ。
シンフォニックなミドルテンポ曲も耳心地よく、全体的にヘヴィすぎないパワフルすぎないという中庸感が、
むしろ聴きやすくてよいですね。クオリティはそれなりに高いのだが、なんとなくパッとしないバンド名や
ジャケのインパクトが弱いのが惜しい。日本盤ボーナストラックにはRIOTの名曲“Thundersteel”、
HELLOWEEN“Where the Rain Grows”、Virgin Steele“love is Pain”を収録。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派メロパワ度・・8 総合・・8
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ARRAYAN PATH 「Terra Incognita」
キプロスのメロディックメタル、アラヤン・パスの2010年作
ツインギターにハイトーンヴォーカルで聴かせる正統派のメロディックメタルで、
ギターの旋律にはアラビックな味わいもあり、どこか異国的な雰囲気を漂わせている。
表現力のあるヴォーカルの歌声とともに、エピックな勇壮さをまとわせたサウンドは、
地域性を感じさせない質の高さがある。パワフルな正統派メロパワの力作です。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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ARRAYAN PATH 「Ira Imperium」
キプロスのメロディックメタル、アラヤン・パスの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、メロディックかつパワフルな正統派メタルサウンド。
力量のあるヴォーカルと重厚な演奏が合わさった堂々たる作風で、
辺境的なチープさはほとんど感じられない。トルコに近い島国ということもあってか
いくぶんアラビックな旋律も含んだメロディとどこか神秘的な荘厳さも漂わせた
正統派のメロティック・パワーメタルが楽しめる。濃密な聴き心地の力作だ。
メロディック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・8
ARRAYAN PATH 「IV:Stigmata」
キプロスのメロディックメタル、アラヤン・パスの2013年作
シンセを含む5人編成で、メロディックなギターワークと伸びやかなヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のサウンド。
シンフォニックメタル的な優雅さとモダンな構築性も含んだ楽曲は、辺境臭さを感じさせないクオリティの高さで、
KAMELOTやSERENITYのようなドラマティックな雰囲気が楽しめる。前作に比べるとメロディのフックと
楽曲自体の魅力が格段に増していて、力量あるヴォーカルとともに、説得力あるサウンドを描いている。
ときに哀愁を含んだクサメロ気味の叙情もよい感じで、多くのリスナーが楽しめる傑作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 メロディック度・・8 これは大穴度・・9 総合・・8
ARRAYAN PATH 「Chronicles Of Light」
キプロスのメロディックメタル、アラヤン・パスの2016年作
2010年にデビュー、本作は4作目で、ヘヴィなツインギターにパワフルなヴォーカルで聴かせる、
正統派のメロパワサウンド。エピックメタルとしての勇壮で硬派な世界観に包まれながら、
ほどよく中近東的な辺境性も感じさせる。以前の作品に比べると硬質なギターサウンドによる
モダンな感触も増しているので、正統派メタル好きの若いリスナーにもアピールするだろう。
疾走するナンバーもあるが、基本はどっしりとしたミドルテンポが中心で、重厚なメロパワが楽しめる。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Ars Nova
スペインのメロディックメタル、アルス・ノヴァの2009年作
正統派のギターにスペイン語のパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、王道のメロパワサウンド。
ほどよくクサメロを奏でるギターに、ときにProgMetal寄りのテクニカルなリズムチェンジも含ませながら、
キャッチーな爽快さに包まれたナンバーから、ゆったりとしたスパニッシュな哀愁の叙情まで、緩急ある聴き心地、
疾走感のあるクサメロスピナンバーにニンマリしつつ、ツインギターの流麗なメロディにシンセアレンジも加わって
ほどよい激しさとともに、ラストの8分の大曲はプログレメタル的な優雅な展開力で楽しめる。濃密かつメロディアスな好作品。
ドラマティック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・7.5
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Artension「Sacred Pathways」
ネオクラシカルメタル、アーテンションの5th。2001作
4th発表以後解散状態にあったバンドが、ジョン・ウエストらかつてのメンバーが集結し復活をとげた。
サウンドはヴィタリ・クープリのきらびやかなシンセワークとジョン・ウエストの歌声を中心に
かつての勢いそのままの濃密なネオクラシカル・メタルを展開する。
正直、これという新鮮味はないのだが、さすがの質の高さで聴かせる。
メロディアス度・・8 ネオクラ度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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Artension「New Discovery」
ネオクラシカルメタル、アーテンションの6th。2002作
1st以降はチェックしていなかったのだが、久しぶりに聴いてみると…おや、なかなかいいではないか。
ヴィタリ・クープリのシンセワークは、シンフォニックな美しさとプログレッシブかつクラシカルなテクニックを併せ持ち、
ジョン・ウエストのヴォーカルはROYAL HUNTでの歌唱よりもぐっとやわらかな印象で
ネオクラというよりはプログレメタル的でもある耳心地のいいサウンドを描いている。
疾走してもドラムとギターがうるさすぎないので、個人的にはなかなか気に入った。
シンセ主体のネオクラシカルという点ではプログレ系のリスナーにも楽しめる作品だと思う。
シンフォニック度・・8 プログレ度・7 クラシカル度・・8 総合・・8
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ARTENSION 「Future World」
ネオクラシカルメタル、アーテンションの2004年作
7作目となる本作は、前作でのプログレ的でもあったテクニカルな路線から、
きらびやかなシンセワークとヘヴィなギターを乗せて疾走する、王道の様式美サウンドに回帰。
ジョン・ウエストの説得力ある歌声もさすがで、マイク・テラーニの叩き出すドラムによる
どっしりとしたアンサンブルで、高品質なネオクラシカルメタルが繰り広げられる。
とくにヴィターリ・クープリの鍵盤さばきは、これでもかというネオクラへの愛が感じられるし、
バラード曲での美しいシンセワークや、ジョン・ウエストの表現豊かな歌声も素晴らしい。
個人的には前作のプログレ路線が好みだったが、王道のネオクラシカルを求める方にはお薦めだ。
メロディック度・・7 ネオクラ度・・8 どっしりと王道度・・8 総合・・8
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ARTHEMIS「THE DAMMED SHIP」
イタリアの疾走メタルバンド、アルテミスの1st。2001作
バンド名から「きっと月の女神のように優美なシンフォニックメタルだろう」と思ったが、
どっちかというとストヴァリ系の北欧メタルに近い。1曲目なんかもろSONATA ARCTICA。
曲によってはそれに多少イモ臭いジャーマンメタル風味を加えた、という感じで
どっちにしろ新鮮味は薄い。Voはなかなか頑張っていて悪くないが。
同じイタリアのSECRET SPHEREあたりでも楽しめる人ならば、そこそこ聴けるだろう。
メロディアス度・・8 ストヴァリ&ゾナタ度・・8 新鮮度・・2 総合・・7
ARTHEMIS「GOLDEN DAWN」
イタリアのメロディックメタルバンド、アルテミスの2nd。2003作
1stに比べていくぶん力強いサウンドになった、メロスピとメロパワの中間という感じ。
POWER QUESTでも歌っているというVoのハイトーンもなかなかで、この手のバンドにありがちな
B級っぽい軟弱さはさほど感じない。楽曲はリズムチェンジなども多用していて、
ときおりプログレ的(…というほどでもないが)アレンジも聴かせるなど、なかなか凝っている。
ややドタバタしすぎな展開もあるが、全体的に今後に期待できる位置にまでは来ていると思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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ARTHEMIS「BACK FROM THE HEAT」
イタリアのメロディックメタルバンド、アルテミスの4th。2005作
前作からメロスピ路線から脱却したような作風だったが、続く今作も同様に
どこかハードロック的なキャッチーさをかもしだしつつのサウンドになっている。
もちろん疾走曲もあるが、メロディにはただのメロスピバンドにはないやわらかみがあり、
それがしだいにこのバンドの個性にもなりつつあるようだ。前作よりも曲のメリハリがつき、
聴いていて分かりやすいし、よりギターソロなどにもこだわった作りなので、そのへんも楽しめる。
ルイス・ロヨによるエロティックなジャケとはややイメージの異なる音だが
爽快でメロディアスなメタルサウンドはなかなかクオリティが高い。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・8 総合・・8
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ARTHEMIS「Black Society」
イタリアのメロディックメタルバンド、アルテミスの5th。2008作
初期はB級メロスピだったのが、前作4thではメロディアスなハードロック色を増し、
続く本作でも同様に、オーセンティックなハードロック/メタル作品となっている。
いくぶんモダンなヘヴィネスを取り入れつつ、ときに哀愁の叙情を聴かせる曲もあって、
古くさいのかもモダンなのかややとりとめがなく、かつてのイタリアンメタルの面影は皆無。
クサみがないぶんアメリカなどを含めて幅広く受け入れられるサウンドかもしれない。
メロディアス度・・7 ハードロック度・・8 イタリア度・・5 総合・・7.5
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ARTHEMIS「We Fight」
イタリアンメタルバンド、アルテミスの2012年作
2001年にデビューしたイタリアンメタルの中堅バンド、初期はB級のメロスピだったのが、
4thではメロディアスなハードロック色を増し、正統派の作風へとシフトしていたが、
本作ではよりパワフルかつヘヴィな感触が強まっている。ザクザクとしたギターリフと
力強いヴォーカルの歌声で、ときにスラッシーといってよいようなサウンドを聴かせる。
随所にメロディックなギターフレーズも織り込みつつ、甘すぎない硬派なヘヴィメタルを描いてゆく。
初期の彼らのイメージを抜きにして聴けば、クオリティの高い硬質な作品と評価できる。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Arthemis 「Blood.Fury.Domination」
イタリアのメロディックメタル、アルテミスの2017年作
2001年にデビューのイタリアンメタルの中でもキャリアのある中堅バンドで、本作は7作目となる。
前作でのヘヴィな路線を受け継いだ作風で、硬質なギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せた、
モダンなヘヴィネスに包まれたサウンド。初期のメロディアス路線からするとずいぶんな変わりようだが、
ヘヴィロック風味のモダンメタルとして聴けば、それなりに楽しめるクオリティの高さはある。
とくに随所に光る技巧的なギタープレイは、バンドのひとつの生命線といってよいだろう。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーを主体にした、聴きごたえのある好作ではある。
メロディック度・・7 モダンヘヴィ度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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ARTICAL 「Illusion X」
ギリシャのメロディックメタル、アーティカルの2013年作
ヴォーカルにはマーク・ボールズが参加、オールドな様式美テイストたっぷりの正統派メタルサウンドで、
クラシカルなギタープレイも含めて、辺境臭さは皆無。きらぴやかなシンセとともに疾走するナンバーは、
初期ストラトばりでメロスピ風にも楽しめたり、どっしりとしたミドルテンポのナンバー、ボールズの力量を活かしたバラードまで、
どの曲も非常に高品質に作られている。そしてメロウなフレーズからテクニカルなネオクラ調まで弾きこなすギタリスト、
マイク・ディマレリの実力も素晴らしい。しかもドラムもこの人が叩いているとか。もっと知られるべきプレイヤーですな。
なんとなく地味な色合いのジャケがもったいない。内容はメジャー級のクオリティですわ。
メロディック度・・8 様式美度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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ART X 「THE REDEMPTION OF CAIN」
イタリアのメタルオペラ、アート・エックスの2016年作
Clairvoyants、Mirrormazeにも参加するミュージシャン、ガブリエル・ベルナスコーニによるプロジェクトで、
スティーヴ・ディジョルジオ(TESTAMENT)、オリヴァー・パロタイ(KAMELOT)、アンドレ・マトス、ブレイズ・ベイリー(元IRON MAIDEN)、
ロベルト・ティランティ(Labyrinth)、アマンダ・サマーヴィル、ザッカリー・スティーヴンス(Savatage)他、多数のゲストが参加、
旧約聖書「創世記」のカインとアベルをテーマに、緩急ある展開に配役ごとの男女ヴォーカルを乗せたメタルオペラを展開する。
どっしりとした重厚さはSAVATAGEなどに通じる雰囲気もあり、AVANTASIAあたりに比べると華麗さでは物足りないものの、
実力あるシンガーたちの存在感はさすがで、ときにプログレッシブな香りも含んだ、ドラマティックな世界観が楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・6 重厚度・8 総合・7.5
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ARVEN「Music Of Light」
ドイツのシンフォニックメタルユニット、アルヴェンの2011年作
ドラム以外は全員女性によるユニットで、美しい女性ヴォーカルの歌声で
優雅に聴かせるサウンドは、ヘヴィさよりもしっとりとやわらかな質感が前に出ている。
ヴァイオリンやチェロ、フルートなどの音色も入ったケルティックな雰囲気もあり、
ジャケなどのイメージも含めて「メタル版ケルティックウーマン」という感じもある。
メタル的な激しさやインパクトはあまりないが、優しく楽しめる女性ヴォーカル作品だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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ARVEN「Black Is the Colour」
ドイツのシンフォニックメタル、アルヴェンの2013年作
女性5人+男性1人という編成で、ドラム以外は全員女性というハーレム的な?このバンド。
前作はメタル色は控えめでケルティックな要素もあったやわらかなサウンドであったが、
今作では、伸びやかな女性ヴォーカルの歌声とともに、メタリックな質感が増してきている。
といっても、ヘヴィに激しすぎることもなく、あくまでメロディックかつ爽やかな聴き心地で、
ギターのメロディにヴァイオリンが絡んだりする部分などはじつに優雅で美しい。
ゲストの男性Voとともに、男女ヴォーカルで聴かせたりと、前作よりも幅の広がった内容で、
ケルティックな香りもいくぶん残しつつ、よりメロディックメタル的に楽しめる好作に仕上がっている。
メロディック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
ARWEN「MEMORIES OF DREAM」
スペインのシンフォニックメタルバンド、アルウェンの2002年作
男女ヴォーカルに男女のツインキーボード入りというなかなか豪勢な8人編成のバンド。
美麗なアレンジに包まれた正統派のシンフォニックメタルで、適度な疾走感とそこそこ歌えるハイトーンヴォーカル、
メロディアスな楽曲と、デビュー作にしては上々の出来。女性声メインの美しいバラード曲はとてもよいのだが、
全体的にももっと女性声パートがあればと思うし、ツインキーボード+ツインギターをもっと生かした場面を増やして欲しい。
メロディ、コーラスなどにはスペインらしくやわらかみがあって、刺々しさがないの叙情性に好感が持てる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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ARWEN「ILLUSIONS」
スペインのシンフォニックメタルバンド、アルウェンの2nd。2004作
男女Voにツインギター、男女のツインキーボード、という8人編成のこのバンド、
大人数のわりには曲は壮大さはなく、どっちかというと雰囲気はキャッチーでやわらかい感じ。
1stもそうだったが、その「優しい質感」がこのバンドの持ち味なのだろう。
きらきらとしたキーボードと女性コーラスが絡むと、ファンタジックな美しさが現れ出て
雰囲気はとても良いので、個人的にはそうした部分を伸ばして欲しい。
曲に新鮮味はないが、心地よい音で聴かせるバンドなのだと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 やわらか度・・9 総合・・7.5
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ASCENSION 「Far Beyond The Stars」
イギリスのメロスピバンド、アセンションの2012年作
DRAGONFORCEの登場以後、イギリスのメロディックメタルシーンも活気が戻りつつあるが、
このバンドもキャッチーなメロディとともに疾走する、一聴してドラフォータイプの新人。
ハイトーンヴォーカルやピロピロ系のギターも含めて、勢いに溢れたいかにもなメロスピサウンド。
メロディやドラムパターンなどになおけるドラフォーっぷりが強すぎてなんだか微笑ましく、
個性という点では現時点ではまだまだなのだが、今後に期待したい新鋭ですな。
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ASPERITY「Final Demand」
デスラッシュバンド、CARNAL FORGEのメンバーを中心に結成された
スウェーデンのメロパワバンド、アスペリティのアルバム。2004作
NOCTURNAL RITESやDREAM EVILなどに通じる、正統派のメロパワサウンドで、
パワフルなドラムにザクザクとしたギター、うっすらとしたシンセも甘すぎず、
曲はあくまで重厚だ。かすれぎみのヴォーカルは声域がやや単調だが、
ときにクラシカルなフレーズを織りまぜるギターなど、演奏陣の実力は確かで、
力強い北欧メロパワが好きな方なら、それなりに満足できる作品だろう。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Asphodelia「Welcome Apocalypse」
イタリアのシンフォニックメタル、アスフォデリアの2018年作
メタリックなギターに美麗なシンセアレンジと、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、
モダンなヘヴィネスにミステリアスな空気が同居したシンフォニックメタルを聴かせる。
艶めいたサミュエラ嬢の歌声は、どちらかというとゴシック寄りの耽美な雰囲気があって、
わりとダークな曲調も含めて、アグレッシブなゴシックメタルとしても楽しめるかもしれない。
モダンなスタイリッシュ性という点では、TEMPERANCEあたりにも通じるだろうが、
楽曲展開もメロディのフックも、どこか突き抜けきらないところがマイナーらしさというべきか。
ヴォーカル嬢には魅力と実力があるので、今後は楽曲の魅力を向上させていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 耽美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ASSEDIUM「Rise of the Warlords」
イタリアのエピックメタル、アセディウムの2006年作
ツインギターの正統派メタルで、力強さのないヴォーカルとともに、
いかにもB級のエピックメタルを聴かせる。楽曲、演奏ともに微笑ましいというべきレベルで、
どう考えてもマニア向け。パワフルでないなら、もっとクサめの作風にして欲しいですな。
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ASTRAL DOMINE 「Arcanum Gloriae」
イタリアのメロディックメタル、アストラル・ドミネの2014年作
ツインギターにシンセを含む編成で、RHAPSODYのような壮麗なシンフォニック性と
Thy Majestieのようなファンタジックかつエピックな雰囲気で聴かせる濃密なサウンド。
適度なマイナー臭さとクサメロも入った感触は、エピックメタル好きならニンマリだろう。
サウンドは軽めなのだが、むしろそれもDerdianのようにクサメタル属性を感じさせてくれ、
エセクラシカルなチェンバロの響きなどもたまらない。楽曲的には中盤でややダレるのだが、
今後さらなるクサメロ進化を遂げてくれそうな期待感はある。ファビオ・リオーネがゲスト参加。
メロディック度・・8 クサメロ度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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ASTRAL DOORS「CLOUDBREAKER」
スウェーデンのメタルバンド、アストラル ドアーズの1st。2003年作
パトリック・ヨハンソンのパワフルなヴォーカルをメインに、古き良き時代を思わせる正統派のHR/HMが炸裂。
ハモンドの音色などを使ったレトロめのシンセワークに、RAINBOW、BLACK SABBATHあたりを思わせるギターワーク。
ただ古めかしいだけでなく、随所にネオクラシカル風の質感も垣間見せ、オールドなファンのみならず、
最近のリスナーにもアピールするものを持っている。力強い歌声で聴かせるオーセンティックなメタルアルバムだ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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ASTRAL DOOORS「Astralism」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、アストラル・ドアーズの3rd。2006年作
RAINBOWから受け継がれた古き良きブリティッシュメタルの精神を再現するこのバンド、
本作ものっけからパトリック・ヨハンソンのパワフルなヴォーカル炸裂、
これでもかといわんばかりのメロディック・メタルを聴かせてくれる。、
ハモンドの音色などにレトロな色を覗かせつつも、ただ古めかしいだけでなく、
しっかりとしたメタルとしてのヘヴィさと、分かりやすいメロディのおかげで
純粋に格好いいと思えるサウンドなのだ。テクニカルなギターも随所に光っている。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 パワフル度・・8 総合・・8
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Astral Doors「Requiem of Time」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、アストラル・ドアーズの5th。2010作
古き良きHR/HMを再現したようなサウンドで、オールドメタルを愛するリスナーからも人気の高いこのバンド。
今作もパトリック・ヨハンソンのパワフルな歌声で、正統派のメタルサウンドをたっぷり聴かせてくれる。
オルガンの音色などのレトロな部分はそのままに、ヘヴィな部分はよりヘヴィに、そしてメタリックになり、
これでもかとぱかりに濃密なメタルが、ときに暑苦しすぎるほどの歌声とともに味わえる(笑)。
なお、日本盤のジャケは海外盤とはデザインが異なる。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 パワフル度・・8 総合・・8
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ASTRAL DOORS「Jerusalem」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、アストラル・ドアーズの6th。2011年作
ジャケやタイトルのように十字軍遠征のエルサレムの戦いをテーマにしているようだが、
パトリック・ヨハンソンのパワフルな歌声とともに聴かせる正統派メタルは本作も健在、
オルガンを含んだ古き良きアレンジも含めて、これまで通りのADサウンドである。
正直、新鮮な部分は皆無だが、相変わらずの濃密オールドメタルが楽しめる。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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ASTRALION
フィンランドのメロディックメタル、アストラリオンの2014年作
シンセを含む5人編成で、きらびやかなシンセアレンジとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
初期Power QuestやINSANIAばりのクサメロ系メロスピサウンドがのっけから炸裂する。
メロディはあくまでキャッチーで陽性、ミドルテンポのどっしりとした正統派メロパワ曲や
GAMMA RAYのような爽快なメロディック性も含んで、ジャケのダサさを思えば内容はじつに高品質。
疾走曲もよいのだが、それだけでもない古き良きHR/HM感触も随所に感じさせるのも心憎い。
ラストは13分の大曲という気合の入りよう。正統派メロパワ/メロスピ/メロディックメタルのファンはぜひ!
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサキャッチー度・・9 総合・・8
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Astralion 「Outlaw」
フィンランドのメロディックメタル、アストラリオンの2016年作
シンセを含む5人編成で、王道のギターリフにバワフルなヴォーカルを乗せ、ほどよくキャッチーな聴き心地の
正統派メロディックメタル。クサメロたっぷりだった前作の作風に加え、よりオーセンティックなメロパワ感触をまとい、
ミドルテンポはGAMMA RAYにも通じる雰囲気だが、きらびやかなシンセを乗せて疾走するナンバーは、
かつてのSTRATOVARIUSを思わせるような、古き良きスタイルの爽快なメロスピサウンドが楽しめる。
このバンドならではの新鮮さというものは薄いものの、日本人好みのメロディのフックと疾走感は魅力的で、
ラストの10分の大曲も含めて、確かな演奏力とアレンジのレベルも高い。捨て曲無しの高品質なメロパワ作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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ASTRALIUM「Land Of Eternal Dreams」
イタリアのシンフォニックメタル、アストラリウムの2019年作
シチリア島出身のバンドで、壮麗でクラシカルなイントロから、オーケストラルなシンフォニック性に包まれて、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、キャッチーなシンフォニックメタルを展開する。
紅一点、ロベルタ嬢の歌声は、やや線は細いがキュートな清涼感があって、表現力も十分。
ほどよい疾走感もある楽曲は、優美でキャッチーな雰囲気で、アネット期のNightwishに近いイメージだろうか。
曲によっては、Within Temptation風なものもあったりと、突き抜けた個性というものはないが、
クラシカルなアレンジセンスもしっかりしていて、クオリティは高い。ちなみに、ベースさんはVo嬢の父上とのこと。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Asylum Pyre 「Fifty Years Later」
フランスのシンフォニックメタル、アサイラム・パイルの2012年作
キュートな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、キャッチーなやわらかさで聴かせるサウンド。
楽曲は随所に軽快な疾走感も含んでいて、適度にハードなツインギターとシンセのバランスもよく
なによりChaos Heidi嬢の歌声が、メタルらしからぬポップな感触を持っているのが個性的だ。
現時点では、決定打となるようなインパクトはないのだが、AUSPEXやWILDPATH、Whyzdomといった
同国のバンドにも引けをとらないよう、さらに楽曲を磨いていってもらいたい。期待したいバンドである。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
ASYLUM PYRE 「Spirited Away」
フランスのシンフォニックメタル、アサイラム・パイルの2015年作
女性ヴォーカルの歌声を乗せて、適度にシンフォニックなアレンジで聴かせる、ありがちなシンフォニックメタル。
随所にデスヴォイスも含んだモダンなヘヴィロック風味もあって、ゴシックなのかメロディック路線なのか、
いのひとつ煮え切らない微妙さが、突き抜けきらない楽曲にも表れている。女性声の魅力という点でも物足りない。
突出した部分や個性も感じられない中庸の作品。まずは楽曲におけるメロディのフックを磨いてください。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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ATHENA「Inside the moon」
イタリアンメタルバンド、アシーナの1st。1995年作
一聴して、DREAM THEATERからの影響を感じさせるサウンドであるが
美しいシンセワークに絡むギターのセンスもよく、しっかりと世界観を感じさせるのが見事。
ハイトーンヴォーカルの歌声とともに、イタリアらしい叙情とメロディを聴かせつつ、
適度にテクニカルな展開と構築性が一体となった質の高い作品だ。
続く2ndではRHAPSODYのファビオ・リオーネが加入し、よりパワフルなサウンドとなっている。
その後3rdでは、マイナー系のメロスピになってしまい失速するものの、
本作の輝きはイタリアンメタルの幕開けを告げる一枚として記憶に残るものだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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ATHENA「New Religion?」
イタリアンメタルバンド、アシーナの2nd。1998作
注目すべきは、本作ではヴォーカルにRHAPSODYのファビオ・リオーネが加入し、
サウンドは前作よりもモダンなヘヴィさが増して、パワフルなProgMetalになった。
美麗なシンセワークも含めて、ドラマティックな展開美と、適度にテクニカルなアンサンブル、
そしてファビオの力強いヴォーカルが合わさってマイナー臭さのまったくない堂々たる作風だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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Athena 「Twilight of Days」
イタリアンメタルバンド、アシーナの3rd。2000作
2ndまではプログレメタルだったのだ、本作になって何故かメロスピ風に変身。
前作までの知的な展開美を期待すると肩すかしを食うが、クサメロを奏でるギターとともに疾走するサウンドは、
これはこれでそう悪くはない。前作ではRHAPSODYのファビオが歌っていたので、ヴォーカルが代わって、
力強さのないハイトーンはいかにもB級っぽいのだが、シンセアレンジを含んだ美麗な聴き心地とともに
随所にプログレメタルの残り香のような部分は残っていて、けっこうLabyrinthっぽく楽しめたりする。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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ATHLANTIS
イタリアのシンフォニックメタルバンド、アトランティスの2003作
きらきらのキーボードで疾走する、いわゆるお約束のメロスピサウンド。
まー、STRATOVARIUS系といってよいかと。ネオクラ色も多少有り。
演奏もVoを含めてそこそこ頑張っています。これといった特徴はないですが、
この手が好きなら安心して聴き通せるレベルかと思われます。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
Athlantis 「Chapter IV」
イタリアのメロディックメタル、アトランティスの2017年作
2002年にデビュー、本作は4作目となる。王道のギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
90年代スタイルの正統派メロパワサウンド。軽やかな疾走感とクサメロは、かつてのSKYLARKなどにも通じる
古き良きイタリアンメロスピの聴き心地で、これという新鮮味はないのだが、オールドなファンはニンマリ。
ミドルテンポのキャッチーなナンバーなども、ほどよい中庸感と、いくぶんマイナーな味わいを残した雰囲気で、
シンセが入らない分派手さはないのだが、なかなか楽しめる。90年代ルーツのイタリアンメタルを継承するような好作品です。
メロディック度・・8 疾走度・・7 イタリアンメタル度・・8 総合・・7.5
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Atlantida 「Put U Vecnost」
セルビアのメロディックメタル、アトランティダの2009年
2007年にデビューし2作目となる。ツインギターにシンセを含む6人編成で、きらびやかなシンセに
正統派のギターと母国語によるヴォーカルで聴かせる、どっしりとしたメロパワサウンド。
煮え切らない楽曲、アレンジも含めて、全体的なマイナーな辺境臭さが漂っているのだが、
ゲストによる女性ヴォーカルを加えたナンバーなどは、優美な雰囲気でよい感じだし、
キャッチーなハードロック風ナンバーなども、母国語の歌声が哀愁をかもしだしている。
疾走感はさほどないが、母国語メタル好き、辺境メタルマニアなら楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 辺境度・・8 総合・・7.5
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Atlas Pain 「Tales of a Pathfinder」
イタリアのフォーク・パワーメタル、アトラス・ペインの2019年作
2017年にデビューし2作目となる。物語的なコンセプトを感じさせるイントロから幕を開け、
フォーキーなシンセメロディをギターに重ね、ダミ声ヴォーカルを乗せて疾走、勇壮なコーラスとともに、
エピックでシンフォニックなフォークメロパワを聴かせる。随所にイタリアらしいクサメロ感も含ませて
RHAPSODY+TURISASというような、土着的ながらキャッチーかつ壮麗なサウンドが展開される。
激しく疾走パートでも、あくまで華麗な優雅さに包まれているので、ダミ声ヴォーカルを除けば、
クサメタラーにもイケるだろう。11分という大曲もドラマティックに構築する。これぞシンフォークメロパワ!
メロディック度・8 フォーキー度・7 壮麗度・9 総合・8
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ATTACK「DANGER IN THE AIR」
ジャーマンB級メタルの雄、アタックの幻の1stのCD化。1984年作
ジャーマンメタルマニアの間では、そのクサクサの哀愁サウンドに涙する者も多いだろう。
MANOWARばりに頑固一徹な世界観、ときにIRON MAIDENのパクリかと思われる楽曲でさえ、
彼らの手にかかれば見事なB級ジャーマンメタルとして甦る。私は好きだ。大きな声で言える。
たとえチープでヘナチョコであろうと、今や高密度シンフォニックサウンド全盛の時代に、
このような古きよきジャーマン魂を見せ付けられるとかえって新鮮ですらある。
頑張るんだATTACK!少なくとも私だけは彼らの味方だ。涙。
メロディアス度・・7 80'sジャーマンメタル度・・10 哀愁度・・9 総合・・7.5
ATTACK 「RETURN OF THE EVIL」
ドイツのメロディックメタル、アタックの1985/2019年作
1984〜1995年までに6作を出し、日本にも密かにファンが多いこのバンド。本作は1985年の2作目の再発盤。
王道のギターリフに線の細いハイトーンヴォーカルを乗せ、欧州の翳りを含んだエピックなメタルサウンドは、
本作で確立したと言ってよいだろう。勇壮な正統派ナンバー「Warrior In Pain」、ゆったりとした序盤から、
リズムチェンジをへてキャッチーなサビへと展開する「Diarty Mary」、「Hateful And Damned」あたりも魅力的で、
イントロのフレーズがIROM MAIDENを思わせる「Hard Times」まで、オールドな正統派メタルが楽しめる好作品。
再発盤はジャケも変更されている。ボーナスに、3曲の再録バージョンを追加収録されているのも嬉しい。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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ATTACK「Destinies of War」
ジャーマンエピックメタルバンド、アタックの4th。1989年作
ギター、ベース、ドラムにシンセも弾きこなす、リッキー・ヴァンヘルデンを中心に、
戦いに赴く戦士を描くようなエピックな世界観をジャーマンメタルに融合させた。
イントロから続くドラマティックな疾走曲“Wonderland”は、まさしくエピックメタルの王道、
キャッチーなクサメロを含んで、力強くないハイトーンヴォーカルとツインギターでたたみかけます。
9分を超える“Death Rider”あたりも名曲といってもよい出来で、ファンタジックな勇壮さにしびれます。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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ATTACK「Seven Years in the Past」
ジャーマンエピックメタルバンド、アタックの5th。1992年作
ともかく、フルートを取り入れた1曲め“In the Gloom”は当時はかなり新鮮でした。
キッャチーともいえるメロディとエピックかつファンタジックな世界観…
そしてロマン溢れる叙情と心地よい疾走感にしびれたものです。
このアルバムではリッキーはベースの他、自分でキーボードを弾きフルートも吹いて、
さらにドラムも叩いています。まさに芸達者マルチミュージシャン!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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Attack 「Warriors of Time」
ドイツのエピックメタル、アタックのベストアルバム。2011年作
孤高のマルチプレイヤー、リッキー・ヴァン・ヘルデンを中心に結成され、1984年にデビュー、
1995年までに7作を出して沈黙した、伝説のジャーマン・エピックメタルバンド。
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカル、そしてヨーロピアンな哀愁とB級ぎみのエピック性を
たっぷりとまぶしたサウンドは、ジャーマンメタルファンをはじめ、多くのカルトメタラーに愛されてきた。
フルートの音色を取り入れた“In the Gloom”、ドラマティックな名曲“Wonderland”、9分を超える大曲“Death Rider”
などに代表される、このバンドの掲げるファンタジックで勇壮な世界観は、いま聴いてもなお胸を熱くする。
全曲リマスターされていて音質もいくぶん良くなっている。アタック入門用としてもぜひ。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 ジャーマン度・・9 総合・・8
ATTACKER 「The Second Coming」
アメリカのメタルバンド、アタッカーの1988/1999年作
80年代の裏名盤とされる作品で、ジャケを変えてボーナス入りの再発盤。
サウンドは、古き良き王道のギターリフとハイトーンヴォーカルで聴かせる、
じつに正統派のパワーメタル。ツインギターのフレーズは随所にメロディックで、
リズムチェンジや適度に疾走感も含んだ、ドラマティックな雰囲気は、
Crimson Gloryや80年代ジャーマンメタル系などが好きな方にも楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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ATTACKER 「The Unknown」
アメリカのメタルバンド、アタッカーの2006年作
80年代から活動するベテランで、本作は復活後の2作目となる。通算では4作目。
ロブ・ハルフォードを思わせるハイトーンヴォーカルとメタルらしいギターリフを乗せて疾走する
古き良き正統派のパワーメタルスタイルで、ザクザクとしたスラッシーな味わいもある。
ときおり甘すぎない程度のメロディを弾くツインギターも、かつてを思わせる感じでよろしい。
オールドスタイルのパワメタやスラッシュが好きな方にはうってつけの好作品です。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良きパワメタ度・・8 総合・・7.5
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AT THE DAWN 「Land in Sight」
イタリアのメロディックメタル、アット・ザ・ドーンの2015年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、シンフォニックな音の厚みとハイトーンヴォーカルで聴かせる、
パワフルなメロディックメタル。疾走感はさほどではないが、随所にキャッチーなクサメロを含んだ感触で
適度にB級臭さも含んだ陽性のメロパワが楽しめる。現時点では全体的にはこれという新鮮味はなく、
メロディのフックという点でも物足りない。疾走曲が少ない分もミドルテンポで勝負できる音の説得力もまだないので、
凡庸なジャケも含めて、今後は楽曲アレンジやメロディセンスを磨いていってもらいたい。
メロディック度・・7 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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Athorn 「Phobia」
ドイツのメタルバンド、アソーンの2010年作
Galloglass、Human Fortressにも参加したシンガー率いるバンドで、ヘヴィなギターにパワフルなヴォーカルとデスヴォイスも絡む、NEVERMOREなどにも通じるダークで重厚なメタルサウンド。
曲によってはほどよくウェットな叙情性も感じさせ、翳り帯びたどっしりとした味わいは、RAGEなどを思わせる部分もある。
ツインギターによる叙情的なフレーズとともに、随所にドラマティックな味わいも覗かせる。あまり愛想はよくないが重厚なサウンドが好きな方はどうぞ。
ドラマティック度・7 ダーク度・8 重厚度・8 総合・7.5
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AT VANCE「ONLY HUMAN」
ドイツのネオクラシカルメタルバンド、アット・ヴァンスの4th。2002作
オーラフ・レンクとオリヴァー・ハートマンのコンビによるネオクラシカルサウンドは、
本作でも濃密なサウンドを練り上げている。個人的には苦手なジャンルであるし、
定型内のシンセとギターのアルペジオやユニゾンなどのプレイはいくら演奏が巧みであろうと
さして心に響いて来ない。おそらく質の高さの点ではドイツ屈指の部類なのだろうとは思うし、
ヴィヴァルディの「四季」を取り上げるなど、クラシックへの接近の意欲は買うが。
むしろネオクラなしの正統派メロパワ曲の方が好みだ。ジャケはルイス・ロヨ。
ネオクラ度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・6 総合・・7.5
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AT VANCE「Z」
ドイツのネオクラシカルメタルバンド、アット・ヴァンスの7th。2007作
メンバーの脱退にともない、事実上リーダーであるオーラフ・レンクのワンマンバンドとなったようだが、
サウンドの方は今どきないくらいの王道のメロディックメタルを貫いている。
なかなか力強い歌声の新Voに、キャッチーなコーラスワークなど、
ネオクラというよりは正統派の欧州メタルのスタイルで、どこかなつかしい感じもする。
新鮮味はないがどっしりとした楽曲には好感が持てる。正統派好きの方へ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 王道度・・9 総合・・8
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AT VANCE「Ride the Sky」
ドイツのメロディックメタルバンド、アット・ヴァンスの8th。2009作
事実上リーダーであるオーラフ・レンクのワンマンバンドとなり、前作あたりから
ネオクラシカルな要素よりも正統派メタルとしての骨太のサウンドにシフトしてきていたが、
本作もその流れの作風で、古き良き正統派ハードロックのスタイルにキャッチーなメロディと
ときにクラシカルなギタープレイを盛り込んだ、安定したサウンドで聴かせる。
派手な疾走感はあまりないので、若いリスナーには向かないだろうが、
80年代からの往年のジャーマンメタルを好む大人のリスナーには心地よい音だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・7.5
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AT VANCE「Facing Your Enemy」
ドイツのメロディックメタルバンド、アット・ヴァンスの9th。2012作
往年のジャーマンメタルに回帰したような好作の前作からの流れをくみつつ、
よりメロディックな路線へとなった力作。うっすらとしたシンセアレンジと
リック・アルツィのパワフルな歌声、そしてオーラフ・レンクの巧みなギターワークで、
いくぶんのネオクラシカル要素も含めて古き良きテイストのメロディックメタルを描いている。
新鮮味は薄いものの、毎作のことファンは安心して楽しめる質の高さである。
メロディック度・・8 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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AURA 「Вдохновение」
ロシアのシンフォニックメタル、オーラの2013年
美麗なシンセになギターを重ね、ダミ声男性ヴォーカルとソプラノ女性ヴォーカルで聴かせる、
優雅なシンフォニックメタル。メロスピ的でもある疾走感に美しい女性声を乗せるところは
台湾のSeraphimあたりに通じる感触もあり、クラシカルなピアノやフルートの旋律など優美な味わいと、
野卑なデス声を含んだアグレッシブな激しさが、緩急ある楽曲の中でコントラストになっている。
EMERALD NIGHTにも参加する女性シンガーのなよやかなソプラノもなかなか魅力的で、
後半のNightwishの某名曲を思わせるナンバーなども優美な仕上がりだ。今後にさらに期待のバンドです。
シンフォニック度・・8 激しくも優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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AURA 「Evil Magic (Злая магия)」
ロシアのシンフォニックメタル、オーラの2019年作
2013年にデビュー、2作目となる本作器、二人の女性Vo、女性フルート奏者を含む8人編成となり、
メタリックなギターに美麗なシンセ、母国語による女性ヴォーカルにダミ声ヴォーカルが絡む、
優美なシンフォニックメタルを聴かせる。きらびやかな優雅さと激しい疾走感もある楽曲に、
二人の女性シンガーの美しいソプラノと伸びやかなコケティッシュヴォイスという対比も楽しめる。
アコースティックギターにやわらかなフルートが鳴り響き、ソプラノヴォーカルとともに聴かせる
しっとりとしたナンバーもアクセントになっていて、一方ではアグレッシブな展開のナンバーもあり
前作以上にメリハリに富んだ内容になっている。華やかな女性声シンフォニックメタルの好作品。
シンフォニック度・・8 優雅度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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AUSPEX「Resolutio」
フランスのシンフォニックメタルバンド、アウスペックスの2007年作
シンフォニックなシンセとコーラスなどによる大仰なアレンジ、そして可憐な女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
美しいシンフォニックメタル。クサいフレーズを奏でるギターも含めて、シンフォニックなクサメタルとしてもよろしい。
ときにRHAPSODYなどを思わせるエピックでファンタジックな雰囲気もありながら、
ProgMetal的なテクニカルさとフランスのバンドらしい洒落た構築センスも漂う。
やわらかみのあるメロディなどはスペインのARWENなどにも近いかもしれないが、
疾走する曲などはDARK MOOR的か。いくぶんのローカルさ、とりとめのなさも魅力的。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Auspex「Heliopause」
フランスのシンフォニックメタルバンド、アウスペックスの2010年作
ProgMetal化したDARK MOORという感じの前作もかなりの出来であったが、
本作も美麗なシンセによるシンフォニック要素に、テクニカルな展開美、
そして女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、メロディアスで質の高い作品だ。
メタル的な激しさや疾走感よりは、モダンかつやわらかな質感とセンスの良さで、
サウンドを構築しているという印象。KAMELOTの近作などにも通じるマイルドな聴き心地で、
知的なアレンジ力はいかにもフランスらしい。トレビアンなお洒落系シンフォメタル。
なぜか、つたない日本語で歌うバラード曲もあり。とりとめのなさが面白いバンドです。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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The AUTIST 「The Coldest Sun」
ポルトガルのシンフォニックメタル、オーティストの2017年作
壮麗なアレンジにヘヴィなギターを乗せ、美しい女性ヴォーカルにデスヴォイスが絡む
重厚なスケール感に包まれたモダンなシンフォニック(デス)メタルを聴かせる。
緻密なギターリフによるテクニカルな感触は、ProgMetal風でもあったり、アグレッシブなところは、
男女Voのメタルコア的でもあったり、ブラックメタルばりの疾走パートも現れたりと激しい聴き心地。
緩急のある濃密な作風という点では、アンドラ公国のPersefoneに通じる雰囲気もある。
女性ヴォーカルの歌声も表現力も十分で、地域性を感じさせない高品質なアルバムだ。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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AUVERNIA「Towards Eternity」
アルゼンチンのモダンメタルバンド、アウベルニアの2008作
メタルコア的なスピーディーなヘヴィさと、テクニカルな展開力、モダンなシンセアレンジなどが合わさった、
新世代型のメタル。DRAGONFORCE以降のメロスピ質感とともに、激しくも整合感で聴かせるサウンドは、
日本のBLOOD STAIN CHILDあたりを思わせるような雰囲気もあり、いかにも若者受けする作風だ。
メロスピ、メロデス、プログレメタルという要素を併せた、いわば現代型ミクスチャーメタルといっていいだろう。
ボーナスにはX-JAPANの“Blue Blood”、Queenの“The Show Must Go On”のカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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AVALANCH「ETERNAL FLAME」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの1st。1997年作
英語ver、スペイン語verの2枚組。基本はやや様式色のある疾走型メロディックメタルで、
楽曲、演奏ともに、この手のマイナー系にしては完成度は高い部類だと思う。
聴き比べてみると、やはりスペイン語の方が歌唱に哀愁が感じられていい。
とくにバラードでの美しさは聴き所。効果的なピアノ、キーボードも美しい。
2nd、3rdと少しずつ方向性が変わってゆき、4thではヴォーカルとドラムが脱退。
疾走クサメタルとしてはこの1stが一番の出来だった。現在VoとDrはWARCRYで活動中。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スペイン度・・8 総合・・7.5
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AVALANCH「Llanto De Un Heroe」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの2nd。1999年作
シンフォニックかつクサメロで疾走しつつも、哀愁ただようスペイン語の歌唱がなかなかよろしい。
正確無比なドラムによるタイトなリズムは、テクニカルなプログレメタル的要素もいくぶんある。
メロディのやわらかな聴き心地という点では次作3rdの方が好みなのだが、
スパニッシュメタルとしての熱さとメロスピ的な疾走感なら本作かと。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AVALANCH「Dias De Gloria」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチのライブアルバム。2000年作
ネオクラシカル風味もあるギターと美しいシンセ、そしてスペイン語の歌声で疾走、
アルバム同様にかっちりとした質の高い演奏を聴かせる。ファンならどうぞ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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AVALANCH「EL ANGEL GAIDO」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの3rd。2001年作
ネオクラ気味のギターにスペイン語のヴォーカルを乗せて、濃密なクサメロ感で疾走するスタイルは残しつつ、
ゆったりとしたミドルテンポのナンバーでもキャッチーなメロディアス性で安心して楽しめる。
シンフォニクなアレンジも含んだきらびやかな聴き心地とスパニッシュらしい哀愁が融合されて、
メロディのフックと全体の完成度の点では本作が一番の出来かもしれない。SKYLARKなどでおなじみのLUIS ROYOのジャケもGood。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Avalanch「Los Poetas Han Muerto」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの4th。2003作
初期から比べるとメンバーもがらりと変わり、サウンドの方も疾走感はなくなり
哀愁を漂わせたハードロックになっている。落ち着いた大人の曲調は、
むしろMEDINA AZAHARAにも近くなった雰囲気があって、これはこれで悪くない。
派手さはないが枯れた味わいのスパニッシュとしては、なかなか楽しめる。
メロディアス度・・7 疾走度・・5 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AVALANCH「el hijo prodigo」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの5th。2005作
初期は派手に疾走するメロスピサウンドであったが、前作あたりから
哀愁を漂わせた落ち着いたハードロックにシフトし、本作もその延長上のサウンドだ。
キャッチーなメロディを聴かせる1曲目から、2曲目以降はヘヴィでモダンな音になって
やや意表をつかれるが、スペイン語の歌声によるやわらかな情緒にはほっと安心する。
本作ではむしろゆったりとした曲調でのスパニッシュな哀愁のメロディが心地よい。
メロディアス度・・7 疾走度・・5 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AVALANCH「Muerte Y Vida」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの6th。2007作
初期のメロスピ路線から、しだいに落ち着いたハードロックへとシフトしてきたこのバンドだが、
本作ではシンフォニックさを取り戻している。スペイン語の歌声とクサメロでときに疾走し、
やわらかな叙情を聴かせつつ、随所にProgMetal的なモダンな知的さも覗かせる。
全体的には、やはり落ち着いた大人のスパニッシュハードロックという感じだが、
耳心地のいい泣きのギターや、美麗なアレンジの点で、前作よりもずっと楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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AVALANCH「El Ladron de Suenos」
スペインのメロディックメタルバンド、アヴァランチの2010年作
初期のメロスピ路線からしだいにモダンなハードロックへとシフトしたてきたこのバンド、
本作も今風のヘヴイさとスタイリッシュなアレンジ、そしてProgMetal的な硬質感とともに聴かせる
正直、一聴してとっつきにくいサウンドであるが、スペイン語の歌声を活かしたキャッチーな曲もあり、
全体としてはそう悪くはない。モダンさの一方では古き良きロック調のナンバーもあったり、
メランコリックな叙情をただよわせた曲もありと、多様性に富んだ大人のスパニッシュハードロックである。
メロディアス度・・7 モダン度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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AVALANCH 「El Secreto」
スペインのメロディックメタル、アヴァランチの2019年作
1993年デビューの、スパニッシュメタルを代表するバンドのひとつ。2012年に活動休止に入るも、
2017年に、AVALANCH All Star Band名義でベストアルバムを発表、本作はそれに続く復活作となる。、
メタリックなツインギターにシンセを重ね、スペイン語の伸びやかなヴォーカルを乗せて、メロディックに疾走する
まさに王道のメロパワサウンド。初期の頃のようなキャッチーなフックがたっぷりで、ほどよいクサメロ感とともに
じつに爽快な聴き心地。疾走するナンバーからミドルテンポまで、どの曲も総じてメロディアスな優雅さに包まれていて、
スローナンバーでの哀愁の歌声や泣きのギターフレーズなども、スパニッシュらしい濃密な味わいで楽しめる。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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AVALAND 「Theater Of Sorcery」
フランスのシンフォニックメタル、アヴァランドの2021年作
シンガーでシンセ奏者のエイドリアン・G・グツァッグを中心としたメタルオペラプロジェクトで、Primal Fearのラルフ・シーパーズ、
Lonewolfのファブライス・エマニュエルソン、Myrathのザハー・ゾルガティ、SAVATAGE、Circle II Circleのザッカリー・スティーヴンス
さらには、Adagioのステファン・フォルテなどが参加、シンフォニックな壮麗さと正統派メロパワの感触が同居して、
楽曲ごとのパワフルなシンガーの歌声とともに、ドラマティックな流れで構築される。ザック・スティーヴンスの歌う
メロスピ的な疾走ナンバーや、キャッチーな味わいのミドルテンポ、女性ヴォーカルをフィーチャーしたナンバーなど、
楽曲のバラエティもあって飽きさせない。シンフォニックなメロパワとしても普通に楽しめる高品質なアルバムだ。
ドラマティック度・8 壮麗で重厚度・8 実力シンガー度・8 総合・8
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 「THE METAL OPERA」
EDGUYのリトビアス・サメットによるメタルオペラ、アヴァンタジアの1st。2001作
豪華メンツが集って作られたこの作品。キーボードやクワイアを多用したゴージャスな音作りで、
シンフォニックメタルとはかくあるべきという壮大華麗な楽曲群は一聴の価値ありだ。
歌い上げるメンバーもマイケル・キスク、カイ・ハンセン、アンドレ・マトス、ロブ・ロック
などなどの豪華な顔ぶれ。まさにオペラティックで濃密なシンフォニックメタルアルバムである。
シンフォニック度・・9 疾走度・・7 ゴージャス度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 「THE METAL OPERAPT.U」
トビアス・サメットのメタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアの2nd。2002作
本作もマイケル・キスク、カイ・ハンセン、アンドレ・マトス、ティモ・トルキなど、豪華メンバーを迎え、
密度の濃い壮大なシンフォニックメタルでファンタジー世界を構築している。
メンツの多さもあって、繊細な曲から疾走曲、豪勢なシンフォニック曲までどれもが高品質。
また、演奏メンバーであるGAMMA RAYのヘニユのギターも力強くて良い。
アルバムの中盤あたりでもろガンマレイ風のありがちな曲が続くのがやや残念で
全体の出来としてはパートTのシンフォニックさに軍配が上がるか。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「LOST IN SPACE PART1、2」
トビアス・サメットのソロプロジェクト、アヴァンタジアのシングル。2007作
わざわざシングル2枚に分けて出したのかと理解に苦しむが、ともかくまとめてレビュー。
1曲目のタイトル曲はミドルテンポのハードロックで、普通。とにかく…普通。
同曲は2枚目にも入っているが、両方買った方は2度も聴かされることになる。
他にはカヴァー曲や(2枚にそれぞれ2曲ずつで計4曲もある)、未発曲などであるが、
ほとんどはどうということもない出来なので、これで2枚で\4200はある意味詐欺臭い(笑)
アヴァンタジアの名前につられて買った方は、トビアスを恨んでください。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 楽曲・・6 総合・・6.5
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「Scarecrow」
トビアス・サメットによるメタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアの3作目。2008年作
内容はかつての「METAL OPERA」のファンタジックな壮麗さとはやや趣が異なり、
落ち着いた大人のアレンジで聴かせるオーセンティックなメタルアルバムになっている。
今回もヴォーカル陣には豪華ゲストが集結。カイ・ハンセン、マイケル・キスクをはじめ、
ヨルン・ランデ、オリバー・ハートマン、ボブ・カトレイ、ロイ・カーン、さらにはアリス・クーパーという
大御所までが加わっていて、各曲ごとに聴ける素晴らしい歌声には文句のつけようがない。
華麗なシンフォニックメタルを求める向きにはやや拍子抜けかもしれないが、
過剰さを排した正統的なメタルサウンドで、トビアス自身の現在の音楽性を提示して見せた
この作りにはかえって好感が持てた。派手ではないが確かな質をともなったメタル作品だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 正統派度・・9 総合・・8
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Tobias Sammet's Avantasia「Wicked Symphony」
EDUGUYのトビアス・サメットによるメタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアの4作目。2010年作
壮大かつ濃密な作風で、むしろ本家エドガイよりも人気の高いというこのプロジェクト。
本作もドラマティックな世界観で聴かせるクオリティの高い作品となった。
エドガイの近作と同様に、古き良きハードロック、メタルのマインドを新たに再構築したという作風は
1作目の頃のようの壮麗なシンフォニックメタルではないが、この音の説得力と純粋な格好よさは、
さすがのセンスである。疾走感や派手さはなくても、ロックオペラとしての流れをじっくり楽しむことができる。
マイケル・キスクをはじめ、アンドレ・マトス、ヨルン・ランデ、オリバー・ハートマン、ティム“リッパー”オーウェンズ、
ボブ・カトレイ、さらにはSCORPIONSのクラウス・マイネもゲスト参加、その見事な歌唱を聴かせてくれる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・8
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Tobias Sammet's Avantasia「Angel Of Babylon」
メタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアの5作目。2010年作
「Wicked Symphony」と同時リリースされた作品で、渋い正統派という作風の前者に比べ、
本作の方は1曲目から疾走曲を持ってきていて、よりメロパワ的な作品となっている。
個人的には大人のサウンドの「Wicked〜」が好みなのだが、キャッチーかつメロディックな聴きやすさではこちらか。
シンフォニックなバラードナンバーや軽めのメロハーといった曲調まで、どれにもしっかりとトピアス印が押されている。
今作にもマイケル・キスク、ヨルン・ランデ、オリバー・ハートマン、ボブ・カトレイ、ジョン・オリヴァといったメンバーが参加
さらには、イェンス・ヨハンソン、ヘニュ・リヒターといった演奏陣のゲストも楽曲を彩っている。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 メロパワ度・・8 総合・・8
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AVANTASIA 「The Mystery Of Time」
トビアス・サメットによるメタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアの2013年作
6作目となる本作も、ジョー・リン・ターナー、マイケル・キスク、エリック・マーティン、ボブ・カトレイ
サシャ・ピート、オリバー・ハートマン、アルイエン・ルカッセン…といった豪華メンバーが参加、
ファンタジックな世界観を物語的に描き出す、ドラマティックなメタルオペラが繰り広げられる。
楽曲そのものは古き良きメロディックHR/HMの感触であるが、壮麗なオーケストレーションやシンセがシンフォニックに彩り、
実力あるヴォーカリストたちによる説得力充分の歌唱がサウンドを重厚に構築している。とくにキスクの歌う疾走曲は燃えますね。
全体的には激しさよりもじっくり聴かせる作品で、メタル版AYREONというか、ゴージャスなファンタジックHRというべき力作です。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 「GHOSTLIGHTS」
トビアス・サメットによるメタルオペラ、アヴァンタジアの2016年作
2001年に始まったこのプロジェクトもすでに7作目となる。本作も、ヨルン・ランデ、マイケル・キスク、、ボブ・カトレイ
ディー・スナイダー、ジェフ・テイト、ロニー・アトキンス、ロバート・メイソン、シャロン・デン・アデル、マルコ・ヒエタラ、
サシャ・ピート、オリバー・ハートマンといった、豪華メンバーが集結。メロディックなギターに美しいシンセアレンジ、
そして配役ごとのヴォーカルを乗せて、キャッチーな味わいの壮麗なサウンドを展開。ミドルテンポを主体にしつつ、
マイケル・キスクのハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するタイトルナンバーなどはさすがの恰好良さで、
これという新鮮味はないのだが、実力あるヴォーカリストたちの共演で、70分を超える力作に仕上がっている。
限定盤のボーナスDiscには、2014年のWACKEN OPEN AIRでのライブ音源を収録。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 豪華メンツ度・・9 総合・・8
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 「MOONGLOW」
EDGUYのトビアス・サメットによるメタルオペラ、アヴァンタジアの2019年作
2001年に始まったこのプロジェクトも8作目。本作も、キャンディス・ナイト、ハンズィ・キアシュ、ミレ・ペトロッツァ
マイケル・キスク、エリック・マーティン、ヨルン・ランデ、ジェフ・テイト、ボブ・カトレイといった豪華メンバーが参加。
シンフォニックで壮麗なアレンジに、配役ごとのヴォーカルを乗せて、キャッチーながら物語的なスケール感に包まれた
壮大なサウンドを展開する。オリヴァー・ハートマンのギターも随処に叙情的なフレーズを奏でていて、
普遍的なハードロック、メタルの味わいをしっかり残しながら、優雅なオーケストレーションがそれを包み込む。
ときにミレ・ペトロッツァ(KREATOR)のダーティな歌声がアグレッシブに響き渡り、キャンディス・ナイトの美声が
しっとりと楽曲を彩るという、なんとも豪華な聴き心地。まさに、シンフォニック・メタルオペラの傑作である。
ドラマティック度・・9 壮大度・・9 豪華メンツ度・・9 総合・・8
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AVEM 「Meridiem」
オーストリアのシンフォニックメタル、エーヴンの2018年作
美麗なシンセをギターに重ね、伸びやかでハスキーな女性ヴォーカルを乗せたサウンドは、
リズムチェンジを含むProgMetal的な展開力と、翳りを帯びたヨーロピアンな叙情が同居した、
スタイリッシュなシンフォニックメタルとしても楽しめる。紅一点、Nora嬢の歌声には、
エモーショナルな表現力があり、ときにメランコリックにときにパワフルに歌い上げる。
曲によっては、モダンなヘヴィロック感触もありつつ、全体的に優雅な味わいの好作品。
ドラマティック度・7 スタイリッシュ度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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AVIAN「From the Depths of Time」
アメリカのメタルバンド、エイヴィアンの2005年作
元MEGADETHのデイヴ・エレフソンがプロデュース、元BALANCE OF POWER〜PYRAMAZEのランス・キングが
ヴォーカルをとるバンドで、ミドルテンポ主体で聴かせる、しごく正統派のハードロック/ヘヴィメタル。
うっすらとしたシンセによるミステリアスな雰囲気はなかなかいいが、今どきのリスナーにとってはスリリングさに欠けるだろう。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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Awaken Solace 「In Nightfall's Embrace」
オーストラリアのシンフォニックメタル、アウェイクン・ソラスの2012年作
女性Voに女性ギタリストを擁する5人編成で、美麗なシンセアレンジと
はかなげな女性ヴォーカルの歌声で疾走する、メロスピ風味も含んだフィメール・シンフォニックメタル。
楽曲アレンジや演奏力には垢抜けない野暮ったさがあるのだが、そのつたなさも辺境的に魅力になっていて、
疾走しながらギターがクサメロを奏でるところは、むしろマイナーなクサメタラー受けしそうなサウンドである。
優美な世界観はけっこう好みであるが、コンセプト的な流れがあるのか、全14曲70分はちょっと長い気もするが。
シンフォニック度・・8 むしろクサメタ度・・8 女性Vo度・・8 総合・8
AxeHammer 「Marching on」
アメリカのメタルバンド、アックスハマーの2012年作
80年代に結成され、デモのみを残して消滅したカルトメタルバンド。1998年に復活し、本作は復活後2作目となる。
スカスカの音質とともに聴かせるのは、80年代にタイムスリップしたかのようなコテコテの正統派B級メタル。
ヘナチョコなハイトーンヴォーカルに、新鮮さのかけらもないギターワーク、ありがちなリズムと迫力のないサウンドは
完全なるマニア向けである。エピックな勇壮さを感じさせる雰囲気は悪くないのだが、
ドイヒーな音質はいかんしともしがたく、せめてマトモな録音で仕上げてもらいたかった。
ドラマティック度・・7 カルト度・・8 音質・・6 総合・・7
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AXENSTAR「PERPETUAL TWILIGHT」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、アクセンスターの1st。2002作
基本は疾走系のメロスピサウンドだが、三連系のパワーメタル風の曲もあり
キーボードのアレンジがきらきらと美しく、メロディもなかなかいいものを持っている。
この手にしては珍しくハイトーンというよりは、中音域で無理なく歌うタイプのヴォーカルが
演奏の中では弱く感じられるが、これはこれでうるさすぎず、むしろ悪くない。
全体的に非常に聴きやすく、質の高い北欧メロスピの佳作だと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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AXENSTAR「FAR FROM HEAVEN」
スウェーデンのメロパワバンド、アクセンスターの2nd。2003作
この手のバンドの中でも、メロディといい曲といい、いいものを持っているバンドだと思う。
この2ndでは、曲をコンパクトにまとめ、全体的にも勢いのあるアルバムとなっていて、
ハイトーンでない中音域のマイルドなVoも含めて、なかなか心地よいサウンドである。
曲によっては、GAMMA RAY、SONATA ARCTICA、LOST HORIZONなどを思わせる雰囲気もあり
演奏、楽曲、メロディとも標準以上のクオリティなのだが、このバンドならではという新鮮味はあまりない。
このジャンルで個性云々を問うのも無粋な気もするが、やはりもう一皮向けるには「勇気ある一歩」が必要。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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AXENSTAR「THE INQUISITION」
スウェーデンのメロパワバンド、アクセンスターの3rd。2005年作
SONATA ARCTICA以降の北欧メロパワ勢として、徐々に知名度を上げてきたこのバンド。
演奏力、楽曲センス共に実力の確かなバンドであるから、今作も安定した完成度のアルバムだ。
疾走感や過剰な大仰さに頼らないバランス感覚はやはり健在でマイルドな声質の歌唱もこのバンドの色となっている。
前作に比べると曲ごとのインパクトは落ちた感はあるものの安心して耳を傾けられる心地よい北欧メロパワがここにある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲安定度・・8 総合・・8
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AXENSTAR「The Final Requiem」
スウェーデンのメロパワバンド、アクセンスターの4th。2006作
キャッチーでありつつもある程度は硬派であるという、バランスの良さは今まで通りであるが、
今作からレーベルを移籍したこともあってか、音質的にいまひとつで、そのせいかどうもB級臭い。
それによって曲の方も、ただありがちな中庸のクオリティという部分が目立ってしまっている。
普通の正統ギターリフと、適度なキーボードの味つけにマイルドな声質のヴォーカル…
突出したものが元々ないだけに、その総合点で全体的にやや下がり気味なのが痛い。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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AXENSTAR「AFTERMATH」
スウェーデンのメロパワバンド、アクセンスターの5th。2011作
2002年のデビュー作から常に質の高いメロディックメタルを作り続けてきて中堅バンド、
ややパワーダウンが感じられた前作から5年ぶりとなる本作はなかなかの力作となった。
激しい疾走感も随所に聴かせながら、DREAM EVILのような正統派の重厚さも心地よく
初期のマイルドなメロディ路線から比べるとヘヴィかつモダンな方向へと変化してきている。
もともとあったヴォーカルの弱さはまだ感じられるし、楽曲のインパクトという点でもまだまだ
突き抜けたものが見えないが、メロディックで力強いバランスのとれた高品質なアルバムだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Axenstar 「Where Dreams Are Forgotten」
スウェーデンのメロディックメタル、アクセンスターの2014年作
2002年のデビューから地道に活動を続ける北欧メロパワバンド、本作で6作目となる。
中音域のヴォーカルを乗せて疾走する正統派のスタイルは健在で、楽曲の質と勢いの良さは、
むしろ初期の2作に戻ったような聴き心地だ。メロディック性とパワフルな重厚さのバランスもよく、
もはや新鮮味はないのだが、このどっしりとした安定感というのは職人芸といってもいいだろう。
ミドルテンポの曲でもしっかりとメロディのフックがあり、キャッチーでありながらも軟弱にならないのがミソ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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THE A.X.E. PROJECT 「STORIES FROM A LOST REALM: PART TWO」
ブルガリアのシンフォニックメタル、AXE・プロジェクトの2015年作
2010年にデビュー、本作は続編となる2作目で、美麗なシンセにギターを重ね、
なよやかな女性ヴォーカルに男性声が絡む、優雅でキャッチーな聴き心地のサウンド。
ほどよい疾走感にメロディックなギターフレーズも覗かせて、きらびやかなシンセと
美しいソプラノヴォーカルで、ときにNightwishをB級にしたような雰囲気もありつつ、
やわらかなフルートも加わった優美なクラシカル性と、ドラマ性を感じさせる流れでゆったりと構築する。
シンフォニック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Axe Vyper 「Angeli O'acciaio」
イタリアのメロディックメタル、アックス・ヴァイパーの2011年作
ジャケからしてもう「聖闘士星矢」のパクりみたいなB級臭さがぷんぷんであるが、
メロディックなツインギターにイタリア語のヴォーカルを乗せた正統派のメタルサウンドで、
適度なヘナチョコ感とクサメロ要素を含んでいて、これがなかなか悪くないのである。
80〜90年代的なオールドなクサメタル感触と、イタリア語による響きがマッチしていて、
正統派のB級メタルとして普通に楽しめる。Heavy Loadのカヴァーも含めて、マニアにんまり。
メロディック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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AXE VYPER 「Metal Crossfire」
イタリアのメタルバンド、アックスヴァイパーの2012年作
チープなジャケやダサすぎるメンバー写真からして、すでに開き直ったようなB級感を漂わせているが、
サウンドの方も古き良き感触のツインギターにヘタレ気味のハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
オールドな正統派メタル。ドラムの弱さも含めて演奏力は並以下であるが、古臭さわまき散らす
80年代スタイルのNWOTHMという点では、そのB級臭さも含めてそこそこ楽しめるものがある。
随所にクサめのギターフレーズも出てきたりして、パワフルすぎない正統派メタルの味わいと、
8分を超える大曲など、本格派のドラマテイックメタルを志す熱さも感じられる。憎めないヘナチョコである。
メロディック度・・7 疾走度・・8 古き良き度・・8 総合・・7
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AXXIS「TIME MACHINE」
80年代から活躍するジャーマンメタルのベテラン、アクシスの8th。2004作
久しぶりに彼らのアルバムを聴いた感想としては、なかなか垢抜けたようなメロディと、
変わらずに王道の部分とが同居している…という印象でけっこう聴ける。
ところによりキーボードの音も入っていたりして、音には厚みがあるし
ミドルテンポ主体のHRであるが、メタリックに疾走する曲あり、哀愁のバラードありと
質感的にはDOMAINあたりと同様、とても日本人受けするサウンドだと思う。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ベテラン度・・9 総合・・7.5
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AXXIS「Paradise in Flames」
ドイツのベテラン・メロディックメタルバンド、アクシスの9th。2006作
80年代から活動を続ける大ベテランであるが、日本ではまだまだ知名度は高くないようだ。
いわゆる傑作と呼ぶべきアルバムがなかったこともあって、個人的にも微妙な位置づけだったのだが、
この作品は間違いなく彼らの最高作ともいうべき会心の一作となった。
前作で吹っ切れた王道メタルへのこだわりは、今回さらなるサウンドのグレードを上げることになる。
全編を通じてのテンションの高さ、コンセプチュアルなドラマ性とたたみかける盛り上がり、
正統派のギターリフにシンフォニックなキーボードが合わさり、楽曲のダイナミズムは最高潮に達する。
メロハー的なキャッチーなメロディとメタリックな重厚さのバランスも絶妙で、
曲によっては女性Voの導入もあり、サウンドに彩りと華やかさを付加している。
文句なしの傑作。ドラマティックメタルとしてはKAMELOTにも並ぼうかというクオリティである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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AXXIS「Doom of Destiny」
80年代から活躍するジャーマンメタルのベテラン、アクシスの10th。2008年作
前作「Paradise in Flames」でついに決定打というべき大傑作を作り上げたが、続く本作も濃密な完成度だ。
メタリックな重厚さをしっかり残し、シンフォニックメタル風のアレンジで壮麗に聴かせながら、
随所に女性ヴォーカルを絡ませるなど、ドラマティックに構築されるサウンドは、ドイツ版KAMELOTというべきか。
ヴォーカルのハスキーなハイトーンはやや好みを分けるかもしれないが、シンフォニックに進化したベテランバンドの
パワフルなサウンドには若手には出せない説得力がある。何故日本盤が出ないのか疑問に思う。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 重厚度・・9 総合・・8
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AXXIS「Utopia」
ジャーマンメタルのベテラン、アクシスの11th。2009作
前々作「Paradise in Flames」、前作「Doom of Destiny」と、素晴らしい出来のアルバムを続け
ますます勢いに乗るこのバンド。本作もファンタジックなジャケのように物語的なコンセプト的のようだ。
壮大な世界観を思わせるイントロから、楽曲に入るとダイナミックかつキャッチーなメロディで、
アクシス節というべきサウンドを展開。シンフォニックなシンセアレンジに壮麗なコーラスなども加えて
FREEDOM CALLあたりに通じる派手やかさと、激しすぎない正統派としての聴きやすさが同居している。
日本盤はレーベルの都合から早々と消えてしまったようだ。もっと多くの人が聴くべきバンドなのだが。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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AXXIS 「Monster Hero」
ドイツのメロディックメタル、アクシスの2018年作
1989年デビューのベテラン、2000年代に入ってからはシンフォニックメタル寄りの作風になっていたが、
前作あたりから初期のスタイルへと回帰し、14作目となる本作も、オールドなテイストのギターに
伸びやかなヴォーカルを乗せた、ベテランらしいどっしりとした骨太のハードロックを聴かせる。
オルガンを含むシンセを使った、よりレイドバックした80年代を思わせるノリのロックナンバーや、
キャッチーな歌メロの疾走ナンバーなど、3〜4分前後を主体にした楽曲はシンプルながらも、
正統派HRとしてのオーセンティックな味わいで楽しめる。新鮮味はないが、これぞ大人の安定感である。
メロディック度・・8 正統派度・・8 ベテラン度・・8 総合・・8
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Azeroth
アルゼンチンのメタルバンド、アゼロスの1st。2000作
女性ドラマーを含む5人編成で、シンフォニックなイントロから、楽曲が始まるとメロスピ疾走。
演奏もなかなか安定しており、どことなく土着的なローカルな雰囲気とともに軽快に聴かせる。
ときにSTRATOVARIUS、ANGRAなどを思わせるメロディ展開もあって、
スペイン語のヴォーカル以外はわりと普通のメロスピとして楽しめる。
全体的にはやや単調ながら、とにかく疾走が大好きという方にはオススメだ。
クサメロ度・・8 疾走度・・9 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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Azeroth 「II」
アルゼンチンのメタルバンド、アゼロスの2008年作
ツインギターに女性ドラマーを含む5人編成で、美麗なシンセアレンジとともに
スペイン語のヴォーカルを乗せたサウンドは、前作に比べてシンフォニックな要素が強まり、
全体的にドラマティックな聴き心地になった。もちろんメロスピ的に疾走する曲もあり、
南米的な哀愁を含んだメロディを含んだ濃密なメロスピ/シンフォニックメタルが楽しめる。
何故か、Loreena McKennittのメタルカヴァーもやっていて、これがけっこうハマっているし、
ラストはMANOWARの“Sign of the Hammer”のカヴァー。これも勇壮でよいですわ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
AZEROTH「HISTORIAS Y LEYENDAS」
アルゼンチンのメタルバンド、アゼロスの3rd。2010年作
ツインギターの正統派のリフとスペイン語のヴォーカルでパワフルに聴かせるサウンド。
シンセアレンジを含んだシンフォニックさとともに、前作よりもソリッドな聴き心地が増している。
総じてクオリティはそれなりに高いので安心して楽しめるが、楽曲やメロディ自体には新鮮なものはなく、
随所に南米らしい叙情性は感じさせるが、前作の出来に比べるとどの曲も「あと一歩」といった感がある。
前作に続き、今作でもLoreena McKennittのカヴァーをやっていて、ゲストの女性Vo、Anna
Fioriの歌声が美しい。
メロディック度・・7 疾走度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
AZRAEL「Mafia」
スペインのメタルバンド、アズリエルの2000作
何枚めなのかは知らないが、ツインギターにシンセを含む6人組。
やや古めかしいメタルサウンドに、それと不釣り合いなモダンなシンセが合わさって
甲高いスペイン語の歌声でもったりと聴かせる。ときおりドタバタとした感じで疾走し、
けっこうなB級臭さをふりまきつつ、微妙な哀愁とクサメロ加減がどうにもやぼったい。
ごくたまにドラマティックなツインギターが出てくるので、頑張ればもっとできるとは思うのだが。
メロディアス度・・7 スパニッシュ度・・8 B級度・・8 総合・・7
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AZTRA 「INSURGENTE」
エクアドルのメタルバンド、アストラの2006年作
ジャケやメンバー写真は武装組織のような物騒な感じであるが、語りを乗せた民族的なイントロから、
美麗なシンセとギターを重ねて疾走、キュートな女性ヴォーカルを乗せたメロスピを聴かせる。
たどたどしいツーバスのドラムなどはいかにもアマチュアレベルで、スペイン語によるヴォーカルも、
辺境的なマイナー臭さをかもしだしているが、クサメロのギターフレーズとともに、微笑ましく楽しめる。
フルートやパンパイプ、ヴァイオリンなどの民族的な音色も、ほどよくローカルな味わいになっていて、
アコースティックギターによるしっとりとしたバラードナンバーなどでは、女性声の魅力もよく出ている。
激しさよりもクサメロ路線が似合いそうなので、どうせなら辺境的なマイナー臭さを極めてもらいたい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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B
Bajel「Heavy Metal Opera」
IMPERIO、AZEROTHなどのメンバーを中心としたメタルオペラ作品。2008年作
正統派メタルの聴き心地に、スペイン語の歌声と、随所にクサメロもまじえたサウンドで、
いくぶんのイモ臭さも含んだ濃密な雰囲気が、いかにもスパニッシュメタルである。
ヴォーカルにしろ、ギターにしろB級感たっぷりの、ヘナチョコさが泣けます。マニアの方はどうぞ。
WARCRY、DARKSUN、FURIA ANIMAL、LLUJURIA、JERIKOといったバンドのメンバーがゲスト参加。
メロディアス度・・7 イモ臭度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7
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BALANCE OF POWER「BOOK OF SECRETS」
イギリスのメロディアスハードロックバンド、バランス・オブ・パワーの2nd。1998作
音の方はイギリスらしく正統派のメロディアスハードで、すでに中堅〜ベテランの域にあるバンド。
聴きやすい歌メロに、プログレハード的な雰囲気も感じさせる楽曲、そこにクラシカルなギターと
きらびやかなキーボードがシンフォニックに重なる、なかなかドラマティックなサウンドである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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BALANCE OF POWER「Ten More Tales Of Grand Illusion」
イギリスのプログレハードバンド、バランス・オブ・パワーの3rd。1999作
伝統あるブリティッシュメタルを継承する数少ないバンドである。
英国の誇りただようドラマティックなサウンドは、今だからこそもっと評価されていい。
さて、このアルバムは、プログレハード的だった2ndに比べ、様式美メタル色と骨太の質感が強くなっている。
オリジナルメンバーであったKeyの脱退の影響もあるだろうが、やわらかみよりも重厚さが前に出ていて
個人的には、2ndでのキャッチーなメロディアスハード色が好みだっただけにやや残念。
ただ、この後バンドは4thにて大胆なプログレメタル方向へのシフトで傑作を作り上げることになる。
なんにしても、貴重な英国ドラマティックハードの希望をになうバンドである。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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BALANCE OF POWER「PERFECT BALANCE」
イギリスのメロディアスメタルバンド、バランス・オブ・パワーの4th。2001作
英国バンドとして地道に活動を続けているこのバンドはもっと多くの人々に評価されていい。
シンフォニックなキーボードを散りばめたメロディアスな楽曲には、プログレッシブな知性とともに、
ブリティッシュのバンドたる誇りを感じさせる。4作目となるこのアルバムでは、メタリックな音の迫力が増し、
メロディアスハード的でありながらネオクラシカル風味もあり、そしてプログレメタルとしても楽しめる。
ときにDREAM THEATERを想起させるドラマティックさに加え、しっとりと聴かせるたおやかなピアノも美しく、
全体的に隙のないじつにクオリティの高いアルバムである。このバンドをまだ聴き逃している方は要チェック!
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 けっこうプログレメタル度・・8
総合・・8
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BALANCE OF POWER「Heathen Machine」
イギリスのメロディックメタルバンド、バランス・オブ・パワーの5th。2003作
ヴォーカルを代えてアルバムで、雰囲気も初期からは大きく代わり重厚な部分が増している。
曲は6〜8分代のものを中心で、前作のプログレメタル色よりは様式美色が前に出ており、
正統的な作りの楽曲に、サビでのドラマティックな音像は英国的な威厳を感じさせる。
ここが素晴らしいという部分はとりたててないが、全体的によくまとまったアルバムだ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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BARE INFINITY 「Always Forever」
ギリシャのシンフォニックメタル、ベア・インフィニティの2009年作
のちにSHEWOLFでも活躍する女性シンガー、エンジェル・ブラックが在籍したバンドで、壮麗なイントロから、
重すぎないギターにシンセを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、優美なサウンドを聴かせる。
適度に疾走感もある楽曲は、エンジェル嬢の美声とともに優雅な味わいで、ゆったりとしたナンバーから、
ミドルテンポでのキャッチーなメロディのフックまで、Edenbridgeにも通じる華麗な聴き心地で、
これという新鮮味はないのだが、力量あるヴォーカルとアレンジの質の高さで最後まで楽しめる。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Barilari
アルゼンチンのメタルバンド、バリラーリの2003年作
RATA BLANCAのシンガー、アドリアン・バリラーリ率いるバンドで、ネオクラシカルなギターに
存在感のあるハイトーンヴォーカルで聴かせる、古き良き王道の様式美メタルサウンド。
楽曲は、英語歌詞のナンバーが主体だが、ラタ・ブランカ時代のセルフカヴァーも披露。
STRATOVARIUSのイェンス・ヨハンソンや、NIGHTWISHのギターやドラムなどがゲスト参加して、
楽曲に華を添え、曲によってはストヴァリ的な味わいのキャッチーなメロディアス性も感じさせる。
ラストはレインボーの「Stargazer」というお約束っぷりだが、スペイン語によるカヴァーで、
これはなかなか新鮮。実力あるシンガーによる正統派の様式美メタルが楽しめる逸品です。
メロディック度・・8 様式美度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The BARQUE OF DANTE「FINAL VICTORY」
中国のシンフォニックメタル、バルケ・オブ・ダンテ(但丁之舟)の2009年作
経済発展の著しい中国からついに本格的な(?)シンフォメタルバンドが登場。
ウォーターハウスの「シャーロットの乙女」をジャケにしているのはGERARDともかぶるが、
シンフォニックで美麗なイントロから、曲が始まるとクサメロまくりで疾走します。
いくぶんつたない英語歌詞といい、ヘヴィさのないピロピロ系のギターといい、
いかにもありがちな感じですが、女性ヴォーカルの加わったバラード曲などはなかなか美しく、
全体的にもキャッチーな聴き心地は悪くない。ラストはDRAGONFORCEのカヴァーですよ。笑
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
The BARQUE OF DANTE 「Lasting Forever」
中国のシンフォニックメタル、バルケ・オブ・ダンテ(但丁之舟)の2013年作
前作はなかなかの本格派シンフォニックメタルであったが、4年ぶりの2作目となる本作では、
スイス人の男性ヴォーカルが加入し、ネオクラ風味のギターを乗せて疾走する正統派メロパワなサウンド。
前作にあったややイモ臭いアジアンなクサメロ感が薄れていて、楽曲そのものもまとまりが良くなった分、
悪く言うと普通の印象になったかもしれない。ヴォーカルの力量も可もなく不可もなくという程度なので、
欧米のB級メロパワ勢とあまり変わり映えしない。アジアンな旋律を覗かせたり、シンフォニックなアレンジに、
女性ヴォーカルが加わったバラード曲なども美しく、10分を超える大曲も含んだなかなかの力作ではある。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 クサメロ度・・7 総合・・7.5
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BASSINVADERS「Hellbassbeaters」
HELLOWEENのマーカス・グラスコフを中心にしたユニット、ベースインベイダースの2008作
その名の通りベースサウンドに焦点をあてた作品で、参加メンバーもRAGEのピーヴィー・ワグナー、
SODOMのトム・エンジェルリッパー、DESTRUCTIONのシュミーアと、いずれもベースを弾き
歌も歌えるというミージシャン。ときにタッピングでブンブンいわせ、ときに歪ませたベース音で、
グルーブ感たっぷりに聴かせるサウンドは、ヴォーカルも入っているので案外普通に聴きやすい。
ゲスト参加にも、ダーク・シュレヒター(GAMMA RAY)、ビリー・シーン、デニス・ワード(PINKCRAM69)他、
多彩なメンバーが集結。ギターレスのヘヴィメタルという、かつてあまりなかった試みであるが、
HELLOWEENの“Eagle Fly Free”をはじめ、GAMMA RAYやRAGE、SODOMの楽曲が別アレンジで聴けるなど、
なかなか面白巣い。ベースとドラムのみによる、ジャーマンメタル/スラッシュメタル。興味のある方はいかが。
メロディアス度・・7 やっぱりジャーマン度・・8 ベース度・・9 総合・・7.5
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BATTLE BEAST「STEEL」
フィンランドのメロパワバンド、バトル・ビーストの2012年作
このシンプルなジャケと4つ打ちのカウントから始まるそのサウンドは、
強力にパワフルな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のヘヴィメタルだ。
JUDAS PRIESTやACCEPT、MANOWARから影響を受けたというように
古き良きメタルの質感を、キャッチーといってもよいメロディックさで再現している。
王道のギターリフを主体にしながらも、随所にテクニックあるフレージングも効かせたり
ときにシンセアレンジも含んで、古くさいだけではない質の高さもフィンランドのバンドらしい。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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BATTLE BEAST
フィンランドのメロパワバンド、バトル・ビーストの2013年作
パワフルな女性ヴォーカルで聴かせる正統派メタルという前作からの流れはそのままに
今作では、シンセによるきらびやかな味付けが前に出て、北欧のバンドらしい聴き心地になった。
スクリーム一歩手前というようなノーラ嬢の歌声は相変わらず迫力たっぷりであるが、
シンセを含めたモダンなアレンジが、今作ではどうもミスマッチに思えるところもしばしば。
古き良き正統派のスタイルを守った方がよいと思うが…今後の方向性に不安を感じさせる。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・7 総合・・7.5
Battle Beast 「Unholy Saviour」
フィンランドのメタルバンド、バトル・ビーストの2015年作
2012年にデビューしてから早くも3作目となるアルバム。今作ではメロディックなツインギターとともに疾走、
紅一点ノーラ嬢のハスキーな歌声とを乗せて、これまでになく美麗な感触のサウンドになっている。
シンセを含んだシンフォニックな感触を強めたことで、パワフルな正統派要素がいくぶん薄まった感もあるが、
メロディックなメタルが好きな方なら、むしろこのキャッチーな路線は歓迎するかもしれない。
もちろん随所に古き良き正統派HMの感触も残していて、前作にもあったモダンな曲調も含んで
楽曲ごとのメリハリがついたことで聴きごたえのある作品になった。個人的にも前作よりも好みです。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Battle Beast 「Bringer of Pain」
フィンランドのメロディックメタル、バトル・ビーストの2017年作
2012年にデビューしてから4作目となるアルバムで、ツインギターにシンセを重ね、
ハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、正統派メタルサウンドは本作も健在。
キャッチーでオールドな感触のハードロックから、パワフルに疾走するナンバーまで、
今作はメロディのフックにより明快な聴きやすさが感じられる。楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、
シンフォニックなアレンジのナンバーなど、ノーラ嬢の中性的な歌声の魅力も曲ごとに違った味わいで楽しめる。
バンドとしての可能性を見せつけるような、濃密で強力なアルバムに仕上がっている。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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BattleroaR
ギリシャのメタルバンド、バトルロアの1st。2003作
すでにこのジャケからして内容を物語っているのだが(笑)、MANOWARばりのエピックな香りを漂わせたヘヴィメタルだ。
ミドルテンポを主体に正統派のスタイルで聴かせつつ、ややB級臭いながらもときにツインギターの叙情を盛り込むあたり、
この手が好きなら思わずにやりだ。ヴォーカルやドラム力量など、演奏力にはやや難があるのだが、
このバトルメタルとしての雰囲気にはなかなかに魅力的なものがある。質や技量ではなく、エピックな志に惹かれる方はぜひチェック。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 エピック度・・9 総合・・7
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BattleroaR「Age of Chaos」
ギリシャのメタルバンド、バトルロアの2nd。2005作
前作のジャケが戦いの始まりで、今回は戦いの真っ最中らしいが、無駄にDVDの付いた豪華仕様という、
この勘違いぶりもまたステキだ。アルバムはまるで吟遊詩人の語る叙事詩のようにバラッド風に始まり、
ドラマティックなエピックメタル好きならわくわくと武者震いをするだろう。
力み気味のヴォーカルと、B級臭さを漂わせたサウンドは相変わらずだが
戦闘シーンだからだろうか前作よりも曲には疾走感が増している。
ただ、全体的には中庸感が漂う曲もあり、最後までは高揚感が続かない。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7
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BattleroaR「To Death and Beyond...」
ギリシャのメタルバンド、バトルロアの3rd。2008作
戦いは終わったが、霊になっても戦っているというジャケが凄い(笑)
さて、サウンドの方は音質、演奏ともに格段に質が上がっている。
ツインギターのリフの魅力が向上し、楽曲の展開にも無理がなくなったことで、
前作までのB級臭さはほぼ払拭された。ヴォーカルの歌唱もやや上達しており、
演奏も全体的にパワフルになって、エピックな世界観に説得力が加わっている。
8分、10分という大曲においてもドラマティックに聴かせる力量がついた。
中盤の楽曲の質がもっと上がれば、最強の漢メタルへとのし上がれることだろう。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 エピック度・・9 総合・・7.5
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BattleroaR 「Blood of Legends」
ギリシャのエピックメタル、バトルロアの2014年作
前作から6年ぶりとなる4作目。いかにもB級臭さを感じさせた過去の作品に比べて、
一聴してサウンドに説得力が増した。基本はツインギターのリフを主体にした正統派メタルで、
エピックな勇壮さを含んだ世界観で、ミドルテンポを主体にしたどっしりとした聴き心地。
派手な展開やクサメロというのは希薄であるが、あくまで硬派なエピックメタルに徹しながらも、
ときにヴァイオリンなどの音色も加わってドラマティックな雰囲気を描いている。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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BattleroaR 「CODEX EPICUS」
ギリシャのエピックメタル、バトルロアーの2018年作
2003年にデビューし、5作目となる。壮麗でエピカルなイントロから、ツインギターに朗々としたヴォーカルを乗せ、
MANOWARにも通じるオールドスタイルのメタルサウンドを聴かせる。ミドルテンポ主体の楽曲は、
どっしりとした王道の感触で、派手さやクサメロ感は薄いので、一聴したインパクトはさほどない。
戦士の戦いを思わせる勇壮な世界観はよいのだが、もう少しメロディのフックや盛り上がりが欲しいか。
パワフル過ぎないヴォーカルもマイナーな味わいで、全体的にも中庸な正統派メタルという以上のものはない。
ドラマティック度・7 エピック度・7 正統派度・8 総合・7.5
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Beast in Black 「From Hell With Love」
フィンランドのメロディックメタル、ビースト・イン・ブラックの2019年作
元BatlleBeastのアントン・カヴァネン率いるバンドの2作目。ヘヴィ過ぎないギターにシンセを重ね、
パワフルなハイトーンヴォーカルで聴かせる、北欧らしいキャッチーなノリのメタルサウンド。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、随所に巧みなギタープレイを盛りこみつつ、
ときにデジタルなシンセアレンジとともに、メロハー寄りのポップな味わいも覗かせる。
正統派メロパワというよりは、むしろアリーナ系ハードロックのようなゴージャスな感触で、
シンフォニックで壮麗なところは、男性声のNightwishというような部分もあったりする。
モダンでアゲアゲなシンフォニックメタルとしても楽しめるだろう。全13曲の高品質作。
メロディック度・8 キャッチー度・8 ゴージャス度・8 総合・8
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BEAUTIFUL SIN「THE UNEXPECTED」
MASTERPLANのウリ・カッシュ率いるバンド、ビューティフル・シンの2006年作
シンセ入りのモダンなメタルサウンドに、パワフルな女性ヴォーカルの歌声で
ドラマティックに聴かせる力作。ミドルテンポ主体で、むしろメロパワというよりは
ややゴシック的な薄暗さもあって、そこが気に入れば非常に楽しめるアルバムだ。
PAGAN'S MINDメンバーでもあるGのメロディアスなギターフレーズに、
美しいシンセワークが合わさって、重厚な雰囲気をかもし出しながら、
マギャリー嬢の美しくも芯のあるヴォーカルがサウンドに彩りを与えている。
ウリ・カッシュという名前を抜きにしても、質の高い女性Voメタルとして勧められる。
メロディアス度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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BEHOLDER「THE LEGENDS BEGINS」
イタリアの男女Voシンフォメタルバンド、ビホルダーの1st。2001作
イタリアの男女Voシンフォニックメタルバンド、ビホルダーの1st。2001作
キーボード入りの7人編成で、けっこう綺麗な声質の女性ヴォーカルと
声も顔もナヨっとした男性ヴォーカの歌声で、そこそこシンフォニックな疾走メロスピをやっています。
いかにもマイナーっぽいクサメロや、アレンジのたどたどしさが微笑ましくヘナチョコな哀愁を漂わせます。
ぱっと聴きには、カナダのFORGOTTEN TALESあたりにも近い気もしますが、それよりさらにイモくさいのでご注意を。
メロディアス度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・6.5
BEHOLDER「WISH FOR DESTRUCTION」
イタリアの男女Voメロディックメタルバンド、ビホルダーの2nd。2002作
先に1st、3rdを聴いていたが、クサメロで疾走するという点ではこの2ndが一番インパクトがあるかも。
決して上手くはない女性Voと、ダミ声をまじえる男Voの歌の掛け合いにもう少し説得力があれば…と思う。
サウンドプロダクション的にもややチープで、どうしても音にB級感がただよう。
曲も悪くはないがこれといった決めに欠ける。演奏力も普通程度。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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BEHOLDER「LETHAL INJECTION」
イタリアのメロディックメタルバンド、ビホルダーの3rd。2004作
ジャケはヒドい感じですが、音の方はそこまでヒドくはないです。
男女Voのメロスピバンドとしてマニアの注目を集めたこのバンドですが、
この3rdでは、意外と聴き易いメロディックメタルサウンドになっていますね。
ビジュアル系ノリのメンバー写真と、ナヨっとした男ヴォーカルの時折声の裏返る歌唱は
自己満足的で鼻につくが、、女性Voのリャナン嬢の歌声ははなかなか心地よいんです。
ただ曲調が正統派過ぎて、センスの良いシンセの音を活かしきっていない気もするので、
今後はNIGHTWISHレベルの曲作りを目指して頑張ってもらいたいものです。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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BEL O KAN 「Birth of a Queen」
フランスのシンフォニックメタル、ベル・オー・カンの2009年作
きらびやかなイントロで幕を開け、ツインギターのクサめのメロディに女性ヴォーカルを乗せ、
適度な疾走感とマイナー臭さに包まれたシンフォニックメタル。軽めの音質はいかにもローカルな感触で、
ヘタウマの女性Voとメロディの煮え切らなさ、楽曲のつたないアレンジなど、ツッコミどころ満載ながら、
ジャケも含めてのヨーロピアンな美意識は決して嫌いではないし、しっとりしたシンフォニックなナンバーでは
女性声の美しさが前に出ていて悪くない。現時点ではB級そのものなので、メロディと楽曲の質を上げていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・6 女性Vo度・・7 総合・・6.5
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Bel O Kan 「Thousands of Conquerors」
フランスのシンフォニックメタル、ベル・オー・カンの2013年作
シンフォニックなアレンジと、なよやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せたサウンドで、
ギターはやや軽めでときおりクサメロを奏でるという、いくぶんB級気味の作風。
ヘタウマというかアマチュア臭い女性声も含めて、同郷のKerionをさらに弱くした感じというか、
楽曲の煮えきらなさ、メロディの魅力の足りなさは明らかで、このままだと凡百のバンド以下のレベル。
今後はクサメロをより強化するのか、シンフォニックな壮麗さを強めるのか、しっかり考えていただきたい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・6 総合・・7
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Beneath My Sins 「Valkyries Of Modern Times」
フランスのシンフォニックメタル、ビニース・マイ・シンズの2017年作
オーケストラルなイントロで幕を開け、メタリックなギターに美しいシンセを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声とともに、優美なシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、エマ嬢の歌声は中音域からなよやかなソプラノまでこなし、フェミニンな魅力たっぷりで、
随所に男女のクワイアも重なったり、デス声が絡んだりと、厚みのあるサウンドで壮麗な世界観を描く。
楽曲自体は4〜5分前後と長すぎず、もう少しドラマティックな展開や盛り上がりが欲しい気もするが、
ときにケルティックな旋律を覗かせるなど、優雅な作風はフィメール・シンフォメタル好きには受けるだろう。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Beneath My Sins 「I Decide」
フランスのシンフォニックメタル、ビニース・マイ・シンズの2020年作
2017年にデビューし、2作目。美麗なイントロナンバーから、ヘヴィなギターリフにシンセを重ね、伸びのある女性ヴォーカルで、スタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
いくぶんメランコリックなゴシックメタル風味や、スクリームを加えたアグレッシブなパートもあって、ほどよく激しいモダンな感触に包まれる。
なよやかなソプラノとストレートを使い分ける、EMMA嬢の存在感ある歌声も、適度に硬質なサウンドにマッチしている。
アルバム後半には、フォークメタル調のナンバーもあったりして、むしろその方向性でも良いような。
シンフォニック度・7 スタイリッシュ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Benedictum 「Seasons of Tragedy」
アメリカのメタルバンド、ベネディクタムの2008年作
男性顔負けの女性ヴォーカル、ベロニカ嬢のパワフルな歌声と
ヘヴィなギターリフで聴かせる、正統派のヘヴィメタルサウンド。
女性だと知らなければ気付かないだろう迫力あるハイトーンヴォーカルに、
古き良きメタルの力強さとダーティさをこれでもかと叩きつける。一方では
モダンなヘヴィネスを含んだ硬質な重さもあって、若いリスナーにも聴けるだろう。
メロディック度・・7 パワフル度・・9 正統派度・・8 総合・・7.5
Beriedir 「The Path Beyond the Moon」
イタリアのメロディックメタル、ビリーディアの2018年作
きらびやかなシンセをギター重ね、マイルドなヴォーカルとともに華麗に疾走する、
CONCEPTやWONDERLANDなどにも通じるような、イタリアンなクサメロスピサウンド。
中音域のヴォーカルは、パワフル過ぎないところもよいあんばいで、ほどよい軟弱系な感じは、
かつてのイタリアンメロスピのマイナーな雰囲気をかもしだしていて、思わずニンマリだし、
キャッチーなメロディのフックで爽快に疾走しまくるので、初期のSONATA ARCTICAが好きな方にも薦められる。
とにかく最高のクサメロスピ。CDR仕様なのが残念だが、個人的にはクサメタルファンには必聴の出来だと思う。
メロディック・・8 疾走度・・9 クサメロ度・・9 総合・・8
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Beriedir 「Aqva」
イタリアのメロディックメタル、ビリーディアの2022年作
2018年にデビューし、2作目。きらびやかなシンセに硬質なギターを重ね、ハイトーンヴォーカルとともに疾走しつつ、ProgMetal的な質感も含んだシンフォニックメタルを展開。
緩急あるテクニカル性とキャッチーな歌メロが同居し、モダンなヘヴィネスと爽快なメロディアス性が合わさり、軽快に疾走するメロスピ風味もなかなか魅力的だ。
優美なピアノを含む華麗なシンセアレンジもセンスが良く、透明感あるヴォーカルの歌声によくマッチしている。シンフォニックでモダンな高品質作です。
メロディック度・8 疾走度・8 きらびやか度・8 総合・8
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BETOKEN 「VENOM EMPIRE」
イタリアのメロディックメタル、ベトケンの2009年作
2004年にデビューし3作目となる。王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
オールドスタイルのメロパワサウンド。楽曲は3〜4分前後主体で、どの曲もわりとストレートな感触。
クサメロがあるわけでもなく、フックのある展開力もさほどないので、これというインパクトもない。
疾走感のあるナンバーはまだしも、ミドルテンポやどっしりとしたナンバーでは、正統派であるという以外に
魅力的な要素がないので、全体的にも普通のB級メタルです。それ以上でもそれ以下でもないという。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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BETO VAZQUEZ INFINITY
アルゼンチン人ミュージシャン、ベト・ヴァスケス率いるインフィニティの2002年作
女性ヴォーカルをメインにした美麗なシンフォニックメタルだが、なによりその顔ぶれが凄い。
キャンディス・ナイト(BLACKMORE'S NIGHT)、ターヤ・トゥルネン(当時NIGHTWISH)、
サビーネ・エデルスバッカー(EDENBRIDGE)という、女性ヴォーカル三美神に加え、
RHAPSODYのファビオ・リオーネまでが参加という、とんでもなく豪華なメンツである。
楽曲については、ターヤが歌う曲はナイトウィッシュに聞こえ、サビーネが歌うとエデンブリッジ、
キャンディスの曲はどうもブラックモアズ・ナイトっぽい…という(笑)
「声質」=バンドの音、という連想が聴く側に植えつけられてしまうのはいたしかたなし。
もちろん女性ヴォーカルフリークには、一枚で3粒楽しめる美味しい作品であることは間違いない。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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BETO VAZQUEZ INFINITY「Flying towards the new horizon」
アルゼンチンのベト・ヴァスケスによるバンド、インフィニティーの2nd。2006作
キャンディス・ナイト、ターヤ・トゥルネン、サビーネ・エデルスバッカーらが参加した1stは
その豪華なメンツが話題を呼んだが、本作は基本的にはバンド体制で作られている。
ベト・ヴァスケスのシンセワークを中心に、男女の歌声を乗せて疾走、前作ほどのゴージャスさはないが、
南米らしいシンフォニックメタルが楽しめる。ときにクサイいフレーズを奏でるギターもなかなかよろしいが、
全体的にはサウンドプロダクションを含めてB級臭さも感じられる。ゲストには、SERAPHIMのクイン嬢、
FORGOTTEN TALESのソニア嬢、CELESTYのギター、SECRET SPHEREのヴォーカルなども参加。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Beto Vazquez INFINITY「Darkmind」
アルゼンチン人プレイヤー、ベト・ヴァスケスによるプロジェクトバンド、インフィニティーの3rd。2008作
今作もゲストに、ELISのサンドラ嬢、STREAM OF PASSIONのマルセラ嬢、SKYLARLKのキアラ嬢をはじめ、
同じくSKYLARKのエディ・アントニーニ、VISION DIVINEのオラフ・トーセンら、多数のゲストが参加、
美しいシンセワークと女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、壮麗なシンフォニックメタルサウンドを展開している。
どことなくローカルさを漂わせたクサメロで疾走する感覚は、マニアックなリスナーの耳を刺激するだろうし、
曲によって異なる女性ヴォーカルの歌声が堪能できるというのもなかなか嬉しい。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Beto Vazquez Infinity「Existence」
アルゼンチン人、ベト・ヴァスケスによるプロジェクトバンド、インフィニティーの2011年作
毎作多数のゲストを集めた美麗なシンフォニックメタルを聴かせるこのプロジェクト、4作目となる今作は
なんと2枚組の大作で、SYMFONIAのティモ・トルキをはじめ、DARK MOORのアルフレッド・ロメロ
Operatikaのスラヴァ嬢、FOREVER SLAVEのレディ・アンジェリカ嬢、Echoteriaのメリッサ嬢、
Legenda Aureaのシモーネ嬢、Theatre des Vampiresのソーニャ嬢などが参加。
壮麗なシンセでRHAPSODYばりに壮大なスケールのシンフォニックメタルを聴かせるのだが、
やはりどこかローカルなB級感を漂わせているのが、今となってはむしろ持ち味にもなっている。
楽曲ごとにヴォーカルが違うので、曲ごとに印象がまちまちであったり、コンセプト作としては不完全な感じで、
正直、CD2枚を聴くには忍耐が必要だが、B級系のシンフォニックメタルが好きならそれなりには楽しめる。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 ローカル度・・8 総合・・7.5
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BETO VAZQUEZ INFINITY 「BEYOND SPACE WITHOUT LIMITS」
自分の名前のレーベルから、毎回多くのゲストを招いてゴージャスに作品を作り出す、
アルゼンチンのお金持ちミュージシャン、ベト・ヴァスケスさん率いるプロジェクトバンドの2012年作
5作目となる今作は、のっけからメロスピばりに激しく疾走、B級っぽいクサメロを含んだシンフォニックメタルで
相変わらずのローカルっぷりが微笑ましい。楽曲の魅力という点では、正直いまひとつなのだが、
12分のラスト曲は、フルートが美しく鳴り響き、オペラティックな男女ヴォーカルで聴かせる組曲でなかなかよろしい。
マグダレーナ・リー(Tears Of Magdalena)、Anja Orthodox (Closterkeller)、Chiara
Malvestiti (CRYSALYS)
といった女性ヴォーカルが参加している。2CD限定盤は、DIO、PINK FLOYD、IRON
MAIDEN、Black Sabbath、
LED ZEPPELIN、DREAM THEATERなどのカヴァーを収録したボーナスDisc付き。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 ローカル度・・8 総合・・7.5
Beto Vazquez Infinity「Humanity」
アルゼンチンのシンフォニックメタル、ベト・ヴァイケス・インフィニティの2019年作
2001年にデビューし、本作は6作目。メタリックなギターを乗せたアグレッシブな激しさに、元SHAMANのチアゴ・ビアンキや
RENACERのクリスチャン・ベルトンセッリをはじめ多数のゲストが参加、パワフルな男性ヴォーカルとなよやかな女性Voで、
人類の存亡を描くストーリーとともにドラマティックなサウンドを展開する。女性シンセ奏者による優美なアレンジも加えつつ、
シンフォニックというよりはわりと正統派メロパワ寄りのスタイルで、デスヴォイスを加えたダークなヘヴィネスも覗かせる。
楽曲自体にメロディックなフックがもっと欲しいのと、全体的には壮麗な部分の魅力が薄いのが残念なのだが、
ボーナストラックの、女性ヴォーカル陣の美しい歌声が映える優美な疾走ナンバーは良いですな。
ドラマティック度・・7 壮麗度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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BEYOND THE BLACK 「Songs Of Love and Death」
ドイツのシンフォニックメタル、ビヨンド・ザ・ブラックの2015年作
伸びやかな女性ヴォーカルとシンフォニックなアレンジ、適度にモダンなヘヴィネスを含んだ
ゴシック風味のシンフォニックメタルサウンド。ツインギターによる重厚な聴き心地に、
ときにLEAVES' EYESあたりにも通じるような北欧トラッド調のメロディも顔を覗かせる。
紅一点、ジェニファー嬢の歌声は、中音域がメインのなかなかパワフルな歌唱で、
しっとりとしたバラードではやわらかな歌声を響かせる、その表現力も見事です。
現時点ではこれだという新鮮味は足りないが、それぞれの楽曲の質もなかなか高く、
フィメール・シンフォニックメタル期待の新鋭というべきバンドでしょう。
ドラマティック度・・8 ゴシック風味度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Beyond the Black 「Lost in Forever」
ドイツのシンフォニックメタル、ビヨンド・ザ・ブラックの2016年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、壮麗なアレンジに女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
キャッチーなメロディアス性と、いくぶんゴシック寄りの翳りを含んだ高品質なサウンドは前作同様。
ときにテクニカルなギターフレーズも覗かせつつ、ヘヴィ過ぎない音作りにはバンドとしてのセンスを感じさせ、
男性ヴォーカルの絡みもあくまでオマケ程度なので、フィメールヴォーカル好きも安心だ。
紅一点、ジェニファー嬢の歌声は、まっすぐな歌い方で、なかなかメジャーな雰囲気も漂わせていて、
しっとりとしたバラードからシンフォニックなナンバーまで、どれにもよくマッチしている。
楽曲にはわりと王道のハードロック要素も感じられ、モダンになり過ぎないバランス感覚も絶妙だ。
あとは決定打となるようなキラーチューンや、ドラマティックな壮大さが加わればさらに傑作を作り出しそう。
シンフォニック度・・8 高品質度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Beyond The Black「Horizons」
ドイツの女性Voシンフォニックメタル、ビヨンド・ザ・ブラックの2020年作
2015年にデビューし、本作ですでに4作目となる。ほどよくヘヴィなギターに壮麗なアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、ほのかにゴシックメタル色も含んだ女性声シンフォニックメタル。
フロントを務めるジェニファー嬢の歌声には、R&B的でもあるエモーショナルな堂々たる雰囲気があって、
楽曲を華やかに彩っている。サウンドにおけるモダンなヘヴィネスとキャッチーなメジャー感という点では、
最近のWITHIN TEMPTATIONなどにも通じるものがあるだろう。反面、マイナー志向のリスナーには、
ありがちな作風に思えて、物足りなさも感じるかもしれないが。ともかく高品質な作品には違いない。
シンフォニック度・・8 メジャー感・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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BEYOND TWILIGHT「The Devil's Hall of Fame」
スウェーデン、デンマークのメンバーによるバンド、ビヨンド・トワイライトの1st。2001年作
シンセを含む5人編成で、SF的なイントロからして、なにやらドラマ性を感じさせる。
ProgMetal的でもある知的な構築センスとダークで重厚な世界観とともに、
ミドルテンポ主体ながら濃密なサウンドをじっくりと描いてゆく作風。
多彩なシンセワークによるシンフォニックな質感と、ヨルン・ランデのパワフルなヴォーカルを主体に、
SAVATAGEを濃密にしたような感じもあり、ストーリーを描くドラマティックさが魅力的だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 構築度・・8 総合・・8
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BEYOND TWILIGHT「Section X」
スウェーデン、デンマークなどメンバーによるバンド、ビヨンド・トワイライトの2nd。2005年作
クラシカルでシンフォニックなキーボードに、プログレメタル的に展開する楽曲。
ドラマティックなサウンドは、重厚さと大仰なドラマ性、そして北欧的な薄暗さに彩られており、
よりシンフォニックになったEVERGREY、あるいはSAVATAGEという印象もある。
ヨルン・ランデに代わって加入した新Voは、劇的ともいえる歌唱がなかなかのインパクトで、
サウンドを濃密に彩っている。ドラマティックでややダークなサウンドが好きなら聴いて損はない力作だ。
メロディアス度・・8 重厚度・・9 構築度・・8 総合・・8
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BEYOND TWILIGHT「For the Love of Art and the Making」
スウェーデン、デンマークなどのメンバーからなる、ビヨンド・トワイライトの3rd。2006作
今作はなんと43パートに別れたの長大な組曲方式の全1曲という構成だ。
プログレメタル的手法の中に、メタリックな重厚さと、シリアスなストーリーを盛り込んで
ときにシンフォニックに、ときにヘヴィに展開する楽曲は迫力充分。
オペラティックな壮麗さや、クラシカルなピアノ、シアトリカルなSEやセリフなど、
曲やフレーズをつなぐプログレ的なアイデアが随所にあり、山あり谷ありのドラマティックな構成だ。
ヴォーカルの歌唱力も含めて演奏力もしっかりしていて、この手の作品で重要な音の説得力もある。
華麗にして重厚。シンフォニックメタルオペラともいうべきか。これは相当の力作である。
ドラマティック度・・9 重厚度・・8 構築度・・9 総合・・8.5
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BEYOND VISIONS 「CATCH 22」
スウェーデンのシンフォニックメタル、ビヨンド・ヴィジョンズの2017年作
メタリックなギターにモダンなシンセアレンジ、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せたキャッチーなサウンド。
紅一点、レベッカ嬢の歌声は、元Nightwishのアネット・オルソンにも通じる雰囲気があり、
わりとストレートでメロディアスな楽曲によくマッチしている。随所に流麗なギタープレイも聴かせつつ、
ほどよくモダンなヘヴィネスと、ときにメロハー寄りのキャッチーなフックが爽快で耳心地よい。
曲によっては、メロスピ的な疾走パートやゴシックメタル寄りの雰囲気も覗かせるなど、
わりとメリハリのあるアレンジで楽しめる。実力ある女性Voメタルの好作品です。
メロディック度・8 キャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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BIEST 「Stirb Oder Friss」
ドイツのメタルバンド、ビーストの2020年作
ヘヴィなギターリフにドイツ語によるパワフルな女性ヴォーカルを乗せた、正統派のメタルサウンド。
楽曲は3〜4分前後といたってシンプル。どっしりとしたミドルテンポを主体に、ほどよいキャッチーなノリもあり、
モダンな女性声ハードロックという趣も。ギターはオールドスタイルというよりはヘヴィロック寄りなので、
正直あまり燃える感じではないのだが、ドイツ語の響きが勇壮な空気をかもしだしつつ、
ジャケのような女戦士的なイメージに包まれる。ハードロックとしてはメロディのフックが足りず、
メタルとしては重厚さに欠けるので、ドイツ語の女性Voという以外の魅力がサウンドに欲しい。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 パワフル女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Bittencourt Project 「Brainworms - I」
ANGRAのギタリスト、ラファエル・ビッテンコートのプロジェクト。2008年作
現ANGRAのベース、フェリペ・アンドリオーリをはじめ、元ANGRAのドラム、リカルドなどが参加していて、
ほどよくヘヴィなギターにビッテンコート自身のかすれた味わいのヴォーカルを乗せた、キャッチーな優雅さとともに、
随所にProgMetal的な構築性を含んだサウンドを聴かせる。オルガンを含むシンセや、渋みのあるギタープレイには
オールドなハードロックの感触もあり、やわらかな歌メロとともに聴かせる、ゆったりとした普遍性のあるメロディックロックから、
テクニカルなギタープレイも盛りこんだインストパートもさすがというところ。アコースティックギターにピアノやストリングスを重ねた
優美な味わいなど、激しさは控えめながら深みのあるセンスが光る。アルバム後半の軽快なインストナンバーもよい感じです。
ドラマティック度・7 メタル度・7 優雅度・8 総合・7.5
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Black Abyss「Angels Wear Black」
ドイツのメロパワバンド、ブラック・アビスの3rd。2004作
パワフルなギターリフで疾走する、正統派ジャーマンメタルのスタイルに
いくぶんモダンなエクストリーム感覚を取り入れたサウンド。
随所にBLIND GURDIAN的なドラマティックさも覗かせながら、
ダークめの雰囲気で聴かせる。これだという曲はあまりないのだが、
全体的には曲、演奏ともに、そこそこ質は高いかと思われる。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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BLACK DIAMOND 「LAST MAN STANDING」
スロベニアのメタルバンド、ブラック・ダイアモンドの2013年作
クロアチア出身で旧ユーゴのDivlje Jagodeに在籍していた、Zanil Tatajがシンガーを務めていて、
古き良き感触のギターリフに朗々としたヴォーカルを乗せた、正統派のヘヴィメタルを聴かせる。
いくぶんダークな雰囲気に包まれつつ、随所に甘すぎない叙情を含ませたギターフレーズも覗かせて
エモーショナルなハイトーンヴォーカルとともに、ヨーロピアンメタルらしいドラマティックな味わいも良い感じだ。
歌詞が英語なので辺境臭さはほとんどなく、確かな演奏力も含めて、どっしりとした王道のヘヴィメタルが楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・5 正統派度・8 総合・8
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Black Majesty「Sands of Time」
オーストラリアのメロパワバンド、ブラック・マジェスティの1st。2003作
このジャケからしてファンタジックなB級メロスピを想像したが、
実際にサウンドの方はなかなかまとまったパワフルな疾走メロパワだ。
キャッチーな歌メロにツインギターのフレーズはドラマティックで好感が持てるし、
キーボードの味付けもうるさくならない程度で効果的に使われている。
全体的にメロディアスさとパワフルさのバランスが良いのでとても聴きやすく、
並みのバンドのデビュー作以上の質の高さを持っている。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Black Majesty「Silent Company」
オーストラリアのメロパワバンド、ブラック・マジェスティの2nd。2005作
前作に比べてややメロスピ風になった1曲目といい、ツインギターのパワフルさが薄れた感じがあり、
音のインパクトはやや落ちた。その分、キャッチーな聴きやすさが増していて、
実力のあるヴォーカルの歌唱がより前に出てきた印象だ。
ときおりシンフォニックメタル的なシンセの入れ方などもあって、
HAMMERFALLなど、むしろ欧州のバンドに近い雰囲気が感じられる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・7 総合・・7.5
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Black Majesty「Tomorrowland」
オーストラリアのメロパワバンド、ブラック・マジェスティの3rd。2007作
個人的にいまひとつであった2ndに比べ、一聴してパワフルさと疾走感を取り戻し、
1stの頃の力強いサウンドを取りもどした。ドラマティックなツインギターで聴かせる楽曲は
見事な説得力をまとい、前作で感じられた迷いを吹っ切るように押してくる。
また叙情的な部分では、表現力を増したヴォーカルの歌唱が耳に心地よい。。
毎回ジャケに描かれる女戦士とライオンのストーリーにも興味が浮かぶが、ともかく
DUNGEONなき今、豪州を代表するメロパワの旗手して、今後とも大いに期待したい。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Black Majesty「In Your Honour」
オーストラリアのメロパワバンド、ブラック・マジェスティの2010年作
2003年にデビューしてから、そのパワフルかつメロディックな正統派のサウンドで、
DUNGEONなき今となっては、名実共に豪州のメロパワシーンを代表するバンドとなった。
4作目となる本作も、メロディアスなツインギターの旋律で力強く疾走する質の高い
サウンドは変わらず。ヴォーカルの歌声にもこれまで以上に堂々たる説得力が備わった。
正直、新鮮なものはこれといってないのだが、どこをきってもメロパワの王道という
その潔いまでのお約束具合に、ついにやにやしてしまう。これを嫌いなメタラーなどはいまい。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 正統派メロパワ度・・9 総合・・8
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BLACK MAJESTY「Stargazer」
オーストラリアのメロパワバンド、ブラック・マジェスティの2012年作
2003年にデビューし、豪州の正統派メロパワとしてはいまや代表格となったこのバンド、
5作目となる本作も、メロディックかつパワフルな、質の高いメタルサウンドを聴かせてくれる。
かつてのジャーマンメタル的なクサめのメロディとハイトーンヴォーカルで、じつに正統派の耳心地。
疾走する曲は多くないのだが、今回はいつになくクサキャッチーなギターフレーズが随所に効いていて、
聴いていて思わずニンマリしてしまう。GAMMA RAYやFREEDOM CALLなどがお好きな方もぜひ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 クサキャッチー度・・8 総合・・8
Black Majesty 「Cross of Thorns」
オーストラリアのメロディックメタル、ブラック・マジェスティの2015年作
2003年にデビュー、毎作クオリティの高いアルバムで、すでに豪州を代表するバンドといってよいだろう。
6作目となる本作も、ツインギターとハイトーンヴォーカルを乗せて、メロディックかつパワフルに聴かせる
正統派のメロパワサウンドは健在だ。うっすらとしたシンセアレンジも含めて、厚みのある音作りと、
キャリアのあるバンドらしいどっしりとした力強い説得力は見事。反面、メロディの新鮮なフックという点では
やや物足りなさもあるのだが、ゲイリー・ムーアの“Out in the Fields”のカヴァーなども含めて、
ベテランらしい味わいの安定作ではある。個人的には疾走曲がもっとあればと思うのだが。
メロディック度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・8
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BLACK MAJESTY 「CHILDREN OF THE ABYSS」
オーストラリアのメロディックメタル、ブラック・マジェスティの2018年作
2003年にデビュー、本作は7作目となる。王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
正統派のメロパワサウンドは今作も不変。楽曲は4〜5分前後とわりとシンプルであるが、
キャッチーなメロディのフックとともに、ジャーマンメタル的なクサメロ感を随所に盛り込みながら、
キャリアのあるバンドらしい強固な説得力を描くのはさすが。新しいものは何もないがこれでいい。
メロディアスだがエピックな勇壮さが同居した、日本人好みの正統派メロパワの強力作ですな。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Black Side 「Take Me Away」
アルゼンチンのメロディックメタル、ブラック・サイドの2014年作
男ツインヴォーカルにシンセを含む6人編成で、パワフルなヴォーカルを乗せてメロディックに聴かせる
正統派のメロパワサウンド。いくぶんラウドな音質も含めて荒削りのマイナー臭さが感じられ、
一昔前のB級ジャーマンメタルに通じる雰囲気もある。疾走感はさほどなく、全体的にはどっしりとした
ミドルテンポ曲が多いので、派手さやインパクト、クサメロなどの点ではいくぶん物足りないか。
歌詞が英語なので南米らしさもあまりなく、聴きやすい反面、辺境的な味わいも薄い。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・7 総合・・7.5
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Blackwelder 「Survival of the Fittest」
メロディックメタルバンド、ブラックウェルダーの2015年作
SEVEN SERAPHIMのギタリストを中心に、ヴォーカルにはPRIMAL FEARのラルフ・シーパーズ、
ドラムには元ANGRAのアキレスが参加した、いわば多国籍のスーパーバンド。
パワフルなハイトーンヴォーカルとギターリフを乗せた、正統派のメロパワサウンドで、
どっしりとしたアキレスのドラムが重厚にアンサンブルを支え、随所にテクニカルなギタープレイを聴かせる
様式美色と適度にキャッチーなメロディアス性もある。これという新鮮味は薄いもののさすがのクオリティ。
個人的にはもう少しクサメロ感があればと思う。そしてこのメンバーでこれからも活動できるのかという疑問も…笑
メロディック度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Blackwych 「Out of Control」
アイルランドのメタルバンド、ブラックウィッチの1986/2013年作
NWOBHMの中にあってもとりわけマニアックなアイテムで、2013年再発盤はジャケからしてそそるのだが、
サウンドの方も適度にスカスカな音質で、ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せた正統派のB級メタル。
3分前後の楽曲はシンプルな聴き心地で、軽快な疾走感とミドルテンポのキャッチーな感触が同居していて、
ラウドな音質を別にすればなかなか悪くない。ツインリードのギターソロなども随所によい感じで、
年代を考えれば演奏力もしっかりしている。本作のみで消えてしまったのが惜しまれる幻の1作である。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 音質・・6 総合・・7
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Black Yet Full Of Stars
イタリアのメロディックメタル、ブラック・イェット・フル・オブ・スターズの2016年作
シンフォニックなアレンジにメタリックなギターリフとパワフルなヴォーカルを乗せた、
モダンな感触のサウンドで、リズムチェンジを含むテクニカルな展開力も覗かせる。
激しいドラムとともに硬質でヘヴィギターサウンドはエクストリームメタル的でもあり、
いくぶんダーティなヴォーカルが歌うキャッチーなメロディとオーケストラルなアレンジで、
重厚なシンフォニックメタルを聴かせる。オーレケストラ入りのモダンなパワーメタルとしては
EX DEOなどにも通じるが、こちらはもっとメロディック寄りなのでわりと聴きやすさもある。
シンフォニック度・・8 モダン&ヘヴィ度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Blazon Stone 「Return To Port Royal」
スウェーデンのメロディックメタル、ブレイズン・ストーンの2013年作
ジャケやバンド名からして、いかにもRUNNING WILD直系のスタイルを想起させるが、サウンドの方も
パイレーツ感漂うギターフレーズに、かすれたハイトーンヴォーカルで疾走する、王道のジャーマンメタル。
ギターリフもコーラスも、ほぼランニング・ワイルド以外の何物でもないという、フォロワー感丸出しであるが、
いっそ潔いスタイルで微笑ましくもある。キャッチーなフックと勇壮なメタル感のバランスも良いので、
正統派のメロパワとして普通に完成度が高く、RWファンはもちろん、それ以外のリスナーでも楽しめるだろう。
メロディック度・8 疾走度・8 ランニングワイル度・9 総合・8
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Blazon Stone 「Down in the Dark」
スウェーデンのメロディックメタル、ブレイズン・ストーンの2017年作
2013年にデビューし、本作ですでに4作目。海賊をミチーフにしたジャケやバンド名からして、
RUNNING WILDからの影響がぷんぷんであるが、サウンドの方も、ツインギターの土着的なリフと
伸びやかなヴォーカルを乗せた、往年のランニング・ワイルドを思わせる、メロディック・パワーメタル。
楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、勇壮なコーラスとともにサビでのキャッチーな爽快さも心地よく、
本家以上のパワフルな疾走感と弾きまくりの流麗なギターは、最近のメロパワファンも楽しめるだろう。
ALESTORMにも通じる随所にフォーキーなメロディも含んだ、正統派パイレーツ・メタルの後継者。
メロデッィク度・・8 疾走度・・8 ランニングワイル度・・8 総合・・8
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Blessdivine 「Between Sin & Sacrifice」
ウクライナのメロディックメタル、ブレスディヴァインの2021年作
壮麗なイントロで幕開け、クサメロ感あるギターにシンセを重ね、朗々としたヴォーカルとともに、エピックなスケール感に包まれたサウンドを展開。
RHAPSODYのような勇壮なシンフォニックメタルと、マイナーなヨーロピアンな香りが同居していて、初期のTHY MAJESTIEあたりが好きな方ならニンマリだろう。
楽曲は4〜5分前後が主体で、ミドルテンポを基本にしつつ、随所に疾走パートもあって、わりとメリハリも効いている。
いくぶんのB級感触がOKならば、幻想的でファンタジックなクサメロのヨーロピアンメタルとして楽しめるだろう。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 エピック度・8 総合・7.5
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BLIND GUARDIAN「Battalions of Fear」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの1st。1987年作
HELLOWEENの後を追うように出てきたこのバンドは、ファンタジックな世界観をモチーフに
よりスピード感のあるジャーマンメタルを追求していた。コミカルなイントロから続く“Majesty”は
後のライブでも定番となる1曲で、キャッチーなサビメロにメロディアスなツインギターのソロと、
粗削りながらも疾走感溢れる初期の彼らの魅力が詰まっている。また個人的には6曲目の
“The Martyr”などもドラマティックな展開がたまらないお気に入りの曲だ。
サウンドの説得力としては3rd以降に及ばないものの、後にジャーマンメタルを代表するバンドとなる
彼らの若さ溢れる勢いに満ちている。リマスター盤には初期の貴重なデモ音源5曲を追加収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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BLIND GUARDIAN「Follow The Blind」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの2nd。1989年作
HELLOWEENに続く疾走系ジャーマンメタルバンド。勢いのある楽曲と、トールキンなどをモチーフにしたファンタジックな世界観で、
本作もグレグリオ聖歌のようなイントロに続く、“Banish from Sanctuary”の怒濤の疾走にまずやられる。
スラッシーですらある勢いと、ドラマティックな雰囲気でたたみかけ、流麗なツインギターによる長〜いギターソロまで、しびれまくりの名曲である。
この1曲だけでも本作の価値は高い。全体的にはまだ粗削りで若さにまかせた勢いで聴かせる曲が多いが、
カイ・ハンセンが参加した“Valhalla”など、ライブでの人気曲も収録されていて、ファンなら聴き逃せない1枚だろう。
リマスター盤のボーナストラックには、1st収録曲“Majesty”などの4曲のデモを収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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BLIND GUARDIAN「Tales from the Twilight World」
ブラインド・ガーディアンの3rd。1990年作
一聴して前作よりも音が厚くなり、ハンズィのヴォーカルの向上とともにサウンドの説得力が増したことで、
ここに独自のファンタジックメタルが完成。1曲目の“Traveler in Time”からその世界観に引き込まれる。
お得意のツインギターによるソロパートはいっそう魅力を増して、メリハリのある曲展開の中でメロディアスに輝きを放っている。
トーメンのドラミングもブチブチとしたバスドラが耳に心地よく、疾走感とともにパワフルな重厚さをサウンドにに生み出している。
ゆったりと聴かせるファンタジーバラード“Lord of the Rings”や、ハイライトであるドラマティックな“Lost
in the Twilight Hall”と、
楽曲も充実。アルバムとしての濃密さでは次作「Somewhere far Beyond」と並ぶ傑作といえるだろう。
リマスター盤のボーナスには“Lost In Twlight Hall ”、“Tommyknockers”のデモを収録
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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BLIND GUARDIAN「Somewhere Far Beyond」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの4th。1992年作
個人的には本作こそがブラガーの最高傑作であるし、発売日に購入して聴きまくった
思い入れの強いアルバムである。まずこの幻想的なジャケットからして胸が踊る。
アコースティカルなイントロから続く“Time What is Time”の激しさ、ダイナミックさにまずやられる。
本作あたりからハンズィのヴォーカリストとしての成長も感じられ、世界観を歌い上げる説得力が加わった。
続く“Journey Through the Dark”の疾走感に拳をかざし、“Theatre of Pain”のクラシカルさに浸り、
“The Quest for Tanelorn”のサビでの大合唱、“The Bard's Song”では吟遊詩人の気分になって、
ファンタジーの世界にどっぷり。そして極めつけは、7分を越える“Somewhere
Far Beyond”の
ドラマティックさに悶絶。曲ごとの密度も濃く、構成的にも完璧なファンタジックメタル作品である。
ドラマティック度・・9 疾走度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・9
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BLIND GUARDIAN「TOKYO TALES」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンのライブアルバム。1993年作
筆者もこのライブに足を運んだ、ブラガー伝説の日本公演を収録した、そのリマスター盤だ。
「ガーディアン、ガーディアン」の大合唱から、“Banish from Sanctuary”が始まるところは何度聴いてもやはり鳥肌もの。
リマスター効果による音質向上で、臨場感もぐんと増している。伸びのあるハンズィのヴォーカルはとてもベースを弾きながらとは思えないし、
やや粗いながらも勢いあるツインギターと疾走するドラムが、バンドの絶頂期を感じさせる。「アイシテマス、トーキョー」のMCや、
サビでの大合唱はこのバンドと日本との強い絆を感じるし実際、この当時はHELLOWEENが落ち目だったこともあって、
ジャーマンメタルの未来は彼らが握っていたといっても過言ではなかったのだ。名作「Somewhere far Beyond」直後の来日というタイミングも
今思うと最高だった。なので楽曲も初期のベスト選曲。“Traveler in Time”、“The
Quest for Tanelorn”、“Time What is Time”、“Majesty”
そして“Lost in the Twilight Hall”と、最後まで息つかせない名曲の嵐。今のブラガーしか知らない若いリスナーは、
このたたみかけるような勢いには驚くだろうし、ジャーマンメタル最高のライブアルバムが日本で生み出されたのだという事実に
我々はメタルリスナーとして誇りを改めて感じるのである。これぞ必聴のライブ名作だ。
ライブ演奏・・8 疾走度・・9 これぞブラガー度・・10 総合・・9
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BLIND GUARDIAN 「Imaginations from the Otherside」
ブラインド・ガーディアンの5th。1995作
名実共にジャーマンメタルシーンのトップたった彼らがさらなる大作志向を打ち出した傑作。
のっけから7分を超えるタイトル曲で、重厚かつドラマティックな展開美を聴かせながら、
“I'm Alive”の激しくも叙情的サウンドにこのバンドの緻密なアレンジ力を見る思い。
トールキンの世界を思わせような“A Past and Future Secret”に続く“The Script
for My Requiem”は
壮大なクワイアと3拍子のメロウな間奏に悶絶、まさにブラガー最高の名曲のひとつだろうし、
エピックな勇壮さに盛り上がる“Another Holy War”と、濃密な楽曲満載のファンタジックな力作である。
ドラマティック度・・9 疾走度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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BLIND GUARDIAN「Nightfall in Middle Earth」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの6th。1998年作
かねてからハンズィが傾倒していたトールキンの「指輪物語」から「シルマルリの物語」をテーマとしたコンセプトアルバム。
映画的な語りや効果音を随所に散りばめ、場面ごとに物語を描くように楽曲を構成した力作。
明快な疾走ジャーマンメタルからは一線を画し、ぱっと聴きには散漫な印象もあるのだが、
これまで同様に荘厳なコーラスワークや緻密なツインギターのフレーズは随所で光っており、
とくに名曲と言うべき“Mirror Mirror”のドラマティックな盛り上がりにはやはり拳を握る。
物語を想像しながらファンタジックな世界観に浸れる方にはぜひお勧め。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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BLIND GUARDIAN「A NIGHT AT THE OPERA」
ジャーマンファンタジックメタルの重鎮、ブラインドガーディアンの7th。2002作
前作「NIGHTFALL IN MIDDLE EARTH」において、トールキンの「指輪物語」を題材にした
壮大なコンセプト作を打ち出した彼らだが、続く今作もファンタジー系文学作品などをテーマにしたアルバム。
まず耳を引くのが相変わらずの音の分厚さで、5thあたりからギターの重ねはより緻密になり、
オーケストラやコーラス隊なども導入し始めて、疾走感よりもシンフォニックな方向に進化を続けているが、
このアルバムにおいても歌メロではほとんどのパートにコーラスが導入され、壮大な世界を演出している。
逆にいうと、ハンズィのヴォーカルに関してはさほどの存在感が感じられず物足りない気がしなくもない。
初期のスピード感や、戦士的なイメージが好きだったファンにはこうした変化はさほど嬉しくはないだろうが、
このバンドがすでに他の追随を許さぬレベルにまで深化してきているのは確かであり、
緻密な音の重ねとアレンジへのこだわりという点では全編を通して非常に隙がない。
ラストの14分におよぶ大曲“And Then There Was Silence”は圧巻の仕上がりだ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・6 ファンタジック度・・8 総合・・8
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BLIND GUARDIAN「LIVE」
ブラインド・ガーディアンのライブアルバム。CD2枚組。2002年のツアーからの録音。
演奏の方はやはり近作からの曲が多く、ベースから解放されたハンズィののびのびとした歌唱が印象的。
そんな中、「WELCOME TO DYING」「THE SCRIPT FOR MY REQUIEM」「VALHALA」「MAJESTY」といった
1st〜4thまでの楽曲はやはり嬉しい。CD2だと「LOST IN THE TWILIGHT HALL」が当然私的ハイライト。
全体的に演奏が安定していて年季を感じさせるが、粗削りで突っ走っていた頃の魅力は薄れた。
観客のテンションはすごいが、「TOKYO TALES」のマジックはここにはない。これが大人になるということか。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 演奏・・8 総合・・7.5
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BLIND GUARDIAN「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」
ジャーマンメタルのベテランバンド、ブラインド・ガーディアンのライブDVD。
2003年、地元ドイツでの膨大な数の観衆に包まれた野外ライブでのステージ。
2nd、3rd、4th、5thあたりの曲も多く取り上げていて、“BANISH FROM SANCTUARY”や“VALHALLA”といった、
かつてのアグレッションを感じる楽曲がとてもなつかしく嬉しい。サポートのBを入れVoに専念する現在のハンズィは、
往年のファンからすればやや残念だが、その重厚な歌唱はより説得力を増しており、アンドレとマーカスのギターコンビは
時に流麗なハモリを聴かせ、トーマスの力強いツーバスのドラミングともども、演奏の逞しさ、音の力強さには、
バンドとしての年季と積み上げてきた自信とが感じられる。指輪物語が映画化される以前から、彼らがテーマに取り上げていた、
ライブではおなじみのバラッド“LORD OF THE RINGS”の大合唱は感動的だし、5thからの“THE SCRIPT FOR MY REQUIEM”
“I'M ALIVE” “ANOTHER HOLY WAR”といった、アグレッシブさと緻密さの同居した、完成度の高い楽曲もやはり素晴らしい。
そして「A NIGHT AT THE OPERA」からのドラマティックな名曲“AND THEN THERE WAS SILENCE”は、
このライブのひとつのハイライトで、シンフォニックに展開しながら盛り上がりを繰り返すその感動的な演奏に
「これって、こんなに凄い曲だったか?」と、慌ててアルバム版を聴き直したしだい。続いてバグパイプの音色から“SOMEWHERE FAR BEYOND”が始まると、
画面を前に自然に頭を振っている自分がいることに気づく(笑)。ライブを通して合唱しまくりの観衆の盛り上がりも尋常でなく凄いが、
大曲“IMAGINATIOMS FROM THE OTHER SIDE”では、6台のカメラによる撮影で一小節おきにカットが変わってゆく、
その手間ひまのかけられた編集作業にも敬服する。20曲目“MIRROR MIRROR”で、すべてを燃焼し尽くすようにして幕を閉じる。
古くからのブラガーファンも唸らせる、必見のライブ作品。Disc2には、インタビューやツアードキュメント、2002年のボーナスライブ映像などを収録。
選曲・・8 ライブ演奏・・8 これぞブラガー!度・・9 総合・・9
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BLIND GUARDIAN「A Twist in the Myth」
ジャーマンメタルのベテランバンド、ブラインド・ガーディアンの8th。2006作
前作「A Night at the Opera」から4年、ここまで不動のラインナップであった彼らだが、
トーメン・スタッシュの脱退により、バンド史上初のメンバーチェンジをへて完成されたアルバム。
サウンドは、曲ごとにカラーにバラつきがあった前作に比べ、今回は全体のトーンが統一されている印象で
ファンタジックな世界観を音で描くという、ストーリーテラーとしてのブラガー印がしっかりと押されている。
歌に専念することとなったハンズィの堂々たる歌唱に、アンドレのメロディックなギターワークも健在、
そして重厚に重なるクワイアとともに、随所でオペラティックな盛り上がりを見せつける。
モダンなアレンジの中にもケルティックなメロディを効果的に取り入れており、どこか中世を感じさせる雰囲気もよい。
もはや往年の荒々しいパワーと突進力を期待してはいけないが、ツインギターの緻密な構成による
ドラマティックなヘヴィメタルという点では、5th以来久しぶりの快作と呼んでもよいだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ドラマティック度・・9 総合・・8
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BLIND GUARDIAN「At the Edge of Time」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの2010年作
HELLOWEEN、GAMMA RAY、RAGEとともにジャーマンメタルを牽引し続ける偉大なベテラン。
初期の疾走メロパワ路線から、90年代後半からは音の重ねにこだわる壮大な作風へと変化し、
よりシンフォニックでオペラティックなストーリーメタルとしてのサウンドに磨きをかけてきた。
4年ぶりとなる今作も、壮麗なオーケストレーションによる映画的なイントロから幕を開け、
深みを増したハンズィの歌声とともに、物語を語るストーリーテラーのような曲調で始まる。
オーケストレーションにかぶさる流麗なツインギターと、壮大なクアイア、ファンタジックな世界を描き出す
ブラガースタイルはいよいよ本領を発揮、激しい疾走感は薄いものの、ベテランならではの音の説得力、
そして緻密なアレンジはやはり素晴らしい。メロディの流れも昨今バンドのようなお手軽な派手さではなく
しっかりとリフとフレーズの流れで勝負しているのがさすが。大人の耳で楽しめる素晴らしい完成度だ。
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 疾走度・・7 総合・・8.5
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BLIND GUARDIAN「Memories of a Time to Come」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンのベストアルバム。2012年作
1987年のデビュー以来、一貫してエピックなファンタジー世界を重厚に表現し続け、
いまやドイツのみならず世界的にもメロディックパワーメタルの重鎮となったこのバンド。
本作は、全曲リミックスに一部再レコーディテングを含む2CD/16曲入りのベストアルバムで、
一聴して、過去の曲がくっきりとした輪郭のサウンドになり、ぐっと迫力を増している。
日本人が好きなあの曲やあの曲などが入っていないという選曲の不満はあるものの、
結局はどの曲もじつにブラガーらしい雰囲気と世界観なので、ベストでありながらも
壮大な2枚組の作品として楽しめてしまう。なんだかんだで、ブラガファンは必聴ですわ。
限定盤ボーナスのDisc3には前身であるLUCIFER'S HERITAGE時代のデモを収録。
ドラマティック度・・9 ブラガー度・・9 音質UP度・・9 総合・・8
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Blind Guardian 「Beyond The Red Mirror 」
ドイツのメロディックパワーメタル、ブラインド・ガーディアンの2015年作
80年代から活動するジャーマンメタルのベテランにして、ファンタジックなエピックメタルを体現し続けるこのバンド。
前作から5年ぶりとなる本作は、1995年作「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲にあったストーリーの
続編となるコンセプトアルバムで、9分を超える大曲で幕を開ける。オーケストラによる壮麗なアレンジを盛り込みながら、
巧みなツインギターのリフの重ねと、渋みを増したハンズィの歌声にクワイヤがかぶさり、重厚に物語を描いてゆく。
楽曲はここ数作のシンフォニックメタル路線に比べると、いくぶん限定回帰したような雰囲気で、疾走感はさほどないのだが、
アンドレ&マーカスのギターにハンズィの歌声、そして壮麗にして緻密なアレンジはこのバンドにしか出せないものだろう。
強烈なインパクトや名曲というものはないのだが、感動的なラスト曲までベテランらしい説得力に包まれた隙のない力作である。
ドラマティック度・・9 疾走度・・6 重厚度・・9 総合・・8
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BLIND GUARDIAN 「Live Beyond the Spheres」
ドイツのメロディックメタル、ブラインド・ガーディアンのライブ作。2017年作
2015年のヨーロッパツアーのステージをCD3枚に収録。2015年作「Beyond The Red Mirror」からのナンバーで幕を上げ、
重厚なツインギターにパワフルなハンズィのヴォーカルを乗せて、荘厳でファンタジックなブラガーサウンドが広がってゆく。
続いて初期の疾走名曲「Banish from Sanctuary」で会場も大盛り上がり。いくぶんラウドな音質もライブらしい臨場感となっていて、
ドラマティックな大曲「And Then There Was Silence」でDisc1を締めくくる。Disc2は、幻想的なバラード「The
Lord of the Rings」から、
中盤には「Lost in the Twilight Hall」、「Imaginations from the Other Side」といったナンバーもあり、オールドなファンも嬉しい。
Disc3は、「Valhalla」、オーケストラルな大曲「Wheel of Time」、そして「Majesty」、「Mirror Mirror」と、CD3枚で計160分たっぷりのブラガー祭り。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 ブラガー度・・8 総合・・8
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Blind Guardian Twilight Orchestra 「Legacy Of The Dark Lands」
ドイツのベテラン、ブラインド・ガーディアンとオーケストラの共演作。2019年作
マーカス・ハイツの小説からインスパイアされた、神聖ローマ帝国時代の30年戦争を舞台にした架空の物語をコンセプトに、
SEや語りを含んだ映画的な作風で、オーケストラによる壮麗なサウンドに、ハンズィのヴォーカルを乗せたシンフォニックオペラ。
ギターなどは一切入らないのでメタル感はほぼ皆無であるが、いつものように壮大でファンタジック、重厚な世界観は、
まさにブラガーそのものである。ジェントルなハンズィの歌声に荘厳なクワイアもが重なり、ときに優雅なオーケストラが、
ゆるやかに盛り上げてゆく。メタル以外はダメというリスナーは途中で眠くなるだろうが、クラシックのアリアに比べれば、
当然ながらドラマティックな起伏があって、映画サントラをダイナミックにしたようなイメージで楽しめればいいのではと思う。
シンフォニック度・・8 メタル度・・1 壮大度・・9 総合・・8
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Blind Guardian 「The God Machine」
ジャーマンメタルのベテラン、ブラインド・ガーディアンの2022年作
前作がオーケストラとの共演作だったので、バンド作としては7年ぶりの作品、のっけからアグレッシブなメタルサウンドに回帰した、
エッジの効いたツインギターに、ハンズィのシアトリカルなヴォーカルとともに、疾走感のあるパワーメタルを展開する。
荘厳なクワイアを重ねたシネマティックなスケール感と、往年のスラッシーな激しさが同居したという聴き心地で、
メロディや展開に新鮮なインパクトはないのだが、ファンタジックなバラードナンバーも含めて、ブラガーらしい世界観は、
オールドなファンには嬉しいだろう。アルバムとしてはよく出来ているのだが、もうひと山くらい盛り上がりが欲しかった気もする。
ドラマティック度・8 疾走度・8 ブラガ度・8 総合・8
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Blitzkrieg 「Absolute Power」
イギリスのメタルバンド、ブリッツクリーグの2002年作
SATANでも活躍するブライアン・ロスを擁し1985年にアルバムを残し消えたと思ったら
1995年に復活、本作は4作目となるアルバムである。B級臭さぷんぷんのジャケもたまらないが、
サウンドの方もツインギターのリフとともに疾走する古き良きスタイルで思わずにんまり。
かつてのSATANもそうだが、英国特有の湿りけを含んだパワフルすぎないメタルサウンドなのだ。
最近のクサメタラーにもアピールできそうなヘナチョコぎみのメロディと、エピックな世界観、
ブライアン・ロスのうるさすぎない歌声もまた絶妙。NWOBHMはもちろん、NWOTHM好きも必聴だ!
けっこうメロディアス度・・8 古き良き度・・9 ブリティッシュ度・・9 総合・・8
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BLITZKRIEG 「A TIME OF CHANGES」
イギリスのメタルバンド、ブリッツクリーグの2015年作
NWOBHMを代表するバンド、その1985年のデビュー作を、30周年記念でリレコーディングした作品。
シンフォニックなイントロから、ツインギターのリフに、SATANでも活躍するブライアン・ロスのヴォーカルを乗せ
パワフルなメタルサウンドが炸裂。いくぶんラウドな音質も、かつての80年代の雰囲気を残していて、
オールドなファンはニンマリだろう。初期のMETALLICAも影響を受けたであろう、独特のメロディとともに、
英国らしいウェットな湿り気とドラマティックな空気を描く、このバンドならではのメタルサウンドが楽しめる。
ドラマティック度・・7 オールドメタル度・・9 NWOBHM度・・9 総合・・8
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BLITZKRIEG 「JUDGE NOT」
イギリスのメタルバンド、ブリッツクリーグの2018年作
80年代から活動する、NWOBHMを代表するバンド、2015年には1stのリレコーディング作品を発表しているが、
オリジナルアルバムとしては、2013年作から5年ぶりとなる9作目。ツインギターのメタリックなリフに
SATANでも活躍するブライアン・ロスの味わいのあるヴォーカルを乗せた、正統派のメタルサウンドを聴かせる。
甘すぎない程度のウェットな叙情性も覗かせつつ、どっしりとした味わいのオールドなヘヴィメタルが続き、
楽曲的には、正直もうひとつ魅力的なフックが欲しい気もするが、この中庸さこそNWOBHMの醍醐味とも。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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BLODEN WEDD「EYE OF HORUS」
チリのメロパワバンド、プローデン・ウェッドの2005作
ブラジル、アルゼンチンに続き、南米の第三国からメロパワバンドが登場。
ツインギターでドラマティックに聴かせるサウンドは、楽曲展開もなかなか凝っていて、
パワフルなハイトーンを聴かせるヴォーカルとともに実力的には平均以上のものがある。
ただプロダクションの粗さもあって、音が薄く、B級臭く聴こえてしまうのが残念だ。
日本盤ボーナスにはLOUDNESSのカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 サウン度・・6 総合・・7
Blodwen 「Black Symphony」
インドネシアのシンフォニックメタル、ブラッドウェンの2010年作
元はJ-ROCKのカヴァーバンドであったということで、ポップ性のあるなキャッチーさと
シンセによる美しいアレンジを含んだ、聴き心地のよいシンフォニックメタルサウンド。
そこに乗る女性ヴォーカルの歌声もなかなかいい感じで、日本人受けしそうなメロディと
ネオクラ風味のギターで聴かせる、インドネシア版LIV MOONというような雰囲気だ。
音質の薄っぺらさが惜しいが、インドネシア産本格派女性Voシンフォメタルとして今後が楽しみ。
メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 音質・・6 総合・・7.5
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BLODWEN 「Winter Falls」
インドネシアのシンフォニックメタル、ブロドウェンの2016年作
オーケストラルなアレンジに美しいソプラノとストレートヴォイスを使い分ける女性ヴォーカルを乗せた、
壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。どことなくアジアンな香りを漂わせるなよやかな女性声は、
エモーショナルに歌い上げるシアトリカルな表現力もあり、随所にメタリックな激しさを含んだ楽曲は、
ほどよい疾走感も覗かせて濃密な味わいである。流麗なギターフレーズはときにクサメロ感も漂わせて
ストリングスなどのクラシカルなアレンジとともに、厚みのあるサウンドを構築する。全体的にはいくぶんのマイナー臭さと、
オリエンタルなクセの強さも好みを分けるところだが、本格派の女性声シンフォニックメタルの美麗作である。
シンフォニック度・・8 アジアン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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BLOODBOUND「BOOK OF THE DEAD」
スウェーデンのメロディアスメタルバンド、ブラッドバウンドの2nd。2007年作
STREET TALKのメンバーを中心に、今作からはマイケル・ボーマン(ZENO)が加入している。
メロハー的なキャッチーなナンバーから、HELLOWEENのようなメロディックな疾走ナンバーまで
ジャケの雰囲気からはなかなか想像できないような幅の広いサウンドである。
マイケル・ボーマンの枯れた味わいのある歌声は、古き良きハードロック的な哀愁をかもしだし
若いファンよりもむしろ往年のHR/HMリスナーにアピールするものがある。
反面、メロパワというには音にヘヴィさはなく、疾走する曲は軽めのメロスピ的なので
このあたりの楽曲の方向性を今後は煮詰めていってもらいたい。日本盤はジャケが変更されている。
メロディアス度・・8 メロパワ度・・7 メロハー度・・8 総合・・8
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BloodBound「Tabula Rasa」
スウェーデンのメロディアスメタルバンド、ブラッドバウンドの3rd。2009年作
HELLOWEEN的な往年のメタルサウンドと、キャッチーなメロディが混在していた前作は
クオリティはなかなか高かったが、オリジナリティの点ではやや難点があった。
シンガーのマイケル・ボーマンが脱退し、ヴォーカルにアーバン・ブリードが復帰した本作は
北欧のバンドらしいメロディと、ヘヴィでモダンなアレンジを同居させた好作だ。
メタリックな疾走感とともに随所にテクニカルな要素も盛り込みながら、新世代のバンドらしい硬質な感触で聴かせる。
個人的には前作の古き良きHELLOWEEN風味も捨てがたいのだが、若いファンにはむしろ本作のようなサウンドが受けるのだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5
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BLOODBOUND「Unholy Cross」
スウェーデンのメロパワバンド、ブラッドバウンドの4th。2011年作
2ndは軽めのメロスピ&メロハー風味で、3rdではモダンなヘヴィネスを取り入れた作風であったが、
本作ではより原点回帰したような古き良き正統派メタルの感触が強まっている。
キャッチーなサビとコーラスはGAMMA RAYなどのジャーマンメタル風味でにんまり。
ツインギターのリフとメロディックなフレーズもよろしく、DREAM EVILにも通じるパワフルな感触だ。
これはオールドなメタルサウンドが好きなアニキたちは大喜びのサウンドになったぞ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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BLOODBOUND「In The Name Of Metal 」
スウェーデンのメロパワバンド、ブラッドバウンドの2012年作
前作はGAMMA RAYタイプのキャッチーさを感じさせるサウンドであったが、
今作はさらにオールドスタイルに立ち返ったような、これでもかというような正統派メタルを聴かせる。
ハイトーンもこなすパワフルなヴォーカルとツインギターの硬質なリフとともに、
かつてのACCEPTのような、古き良きジャーマンメタルというべき感触である。
ジャケのベタさも含めて、笑ってしまうほどのストレートなへヴィメタル作品だ。
メロディック度・・7 ヘヴィメタル度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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BLOODBOUND 「Stormborn」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラッドバウンドの2014年作
2005年にデビューしてから本作ですでに7作目となる。大仰なイントロに続き、ツインギターの叙情メロディとともに、
パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するメロパワサウンドが炸裂。Primal Fearばりのどっしりとした正統派メタルの感触に、
サビでのメロディックなフックと流麗なギターソロは、GAMMA RAYなど往年のジャーマンメタルをルーツにしたドラマティックな聴き心地である。
今作では、ケルティックなメロディを含んだキャッチーかつ勇壮なナンバーから、MANOWARばりのどっしりとしたミドルテンポ、
さらにはネオクラ風の疾走ナンバーまで、楽曲ごとの多彩なアレンジで、メロディックな魅力という点では過去最高の出来かもしれない。
第三世代のメロパワバンドとしては、Powerwolfらとともに、すでに欧州のシーンを牽引する存在といってよいだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Bloodbound 「War of Dragons」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラッドバウンドの2016年作
2005年にデビューし、すでに7作目。1曲目から、ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
キーパーメタル的なメロスピサウンドで、ファンタジックなジャケのイメージのように、
シンフォニックなアレンジやエピックなクワイアを重ねた、ゴージャスなサウンドを展開。
キャッチーなクサメロで疾走するナンバーなどは、じつに日本人好みで、華麗なシンセワークとともに
以前の正統派メロパワの作風から、シンフォニックメタル路線へ舵を切ったような作風で、楽曲も3〜4分前後と、
比較的ストレートな聴き心地。ラストの爽快な疾走ナンバーまで、全45分ながら、濃密な満足感の力作である。
メロディック度・8 疾走度・8 華麗度・9 総合・8
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Bloodbound 「Rise Of The Dragon Empire」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラッドバウンドの2019年作
8作目となる本作も、前作に続きドラゴン系のジャケであるが、1曲目は優雅なミドルテンポのナンバー。
2曲目はお約束の疾走メロスピで、やや線の細いハイトーンヴォーカルも含めた、初期HELLOWEEEN風味に、
きらびやかなシンセアレンジや壮麗なコーラスを加えた、ドラマティックなシンフォニック・メロパワを展開する。
スロ〜ミドルテンポのナンバーも、陽性のキャッチーなメロディに包まれた爽快な味わいで楽しめる。
メロハー寄りのライトなナンバーから、どっしりとしたメタルナンバーまで、わりとバラエティにも富んでいて、
最後まで飽きずに聴けるクオリティの高さがある。華麗なるファンタジック・メロパワというべき強力作だ。
メロディック度・8 疾走度・7 華麗度・9 総合・8
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Bloodline 「KING VAMPIRE」
チリのメロディックメタル、ブラッドラインの2018年作
エピックで壮麗なイントロで幕を開け、叙情的なツインギターとともに疾走開始、味わいのあるハイトーヴォーカルとともに、ドラマティックな正統派メロパワを聴かせる。
ほどよくクサメロを含んだマイナーな感触は、南米というよりはむしろヨーロピアンなメロスピ感触で、ウェットな世界観はB級気味のエピックメタル好きにも対応。
ヘヴィ過ぎない、パワフル過ぎないスタイルは、現在形のメタルバンドとは違い、90年代ルーツの感触で、かつてのジャーマンメタルやトラディショナル・メタルのファンにも薦められる。
楽曲そのものに、強烈なインパクはないのだが、その中庸感がむしろ良いのかもしれない。派手すぎないオールドなメロパワが好きな方はぜひ。
ドラマティック度・8 疾走度・8 古き良きメロパワ度・・8 総合・8
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BOANERGES「Senales Antes del Fin」
アルゼンチンのメロパワバンド、ボアネルジェスの1998年作
ツインギターのメロディと女性ヴォーカルのスペイン語の歌声で聴かせる本格派メロパワサウンド。
聴して偉大なる同郷の先輩である、RATA BLANCAからの影響が感じられるが
このバンドの場合はむしろジャーマンメタル的な骨太さもある。
ヴォーカルもなかなかパワフルで、流麗なツインギターも含めて確かな演奏力があるので
B級臭さはまったく感じられない。世界レベルでも通用する堂々たる力作だろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・8
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Boanerges「Hora Novena」
アルゼンチンのメロパワバンド、ボアネルジェスの2009年作
前作からじつに11年ぶりとなるが、ツインギターで聴かせる正統的メロパワにシンフォニックなシンセを加えて疾走するサウンドは変わらず。
ガブリエラ嬢の歌声はなかなかパワフルで、元DARK MOORのエリサを思わせる中性的な雰囲気。
彼女の歌うスパニッシュなメロディと力強い演奏が合わさった濃密な作風であるが、
南米のバンドによくあるマイナー的な貧弱さがないのもこのバンドの良いところだろう。
アルバムとしてはミドルテンポの中庸曲がいくつかあるのが惜しい。
メロディアス度・・8 スパニッシュ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
BOMBER 「Nocturnal Creatures」
スウェーデンのヴィンテージメタル、ボマーの2022年作
70〜80年代NWOBHM、グラムロックから影響を受けて結成されたというバンドで、ほどよくハードなギターに伸びのあるヴォーカルを乗せて、オールドスタイルのキャッチーなハードロックを聴かせる。
オールドなリフの一方、随所にメロディックなフレーズを奏でるギターのセンスもよろしく、パワフル過ぎないヴォーカルもサウンドによくマッチしている。
往年のグラムロック的なアダルトな雰囲気もかもしだしつつ、80年代北欧メタルの叙情性も含んだ味わいで、オールドロック好きも心地よく楽しめる。
いかにもアナログ感を覚える音質も含めて、ヴィンテージHR/HMのあらたな形を提示した新鋭バンドです。
メロディック度・8 ヴィンテージ度・8 総合・7.5
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BOREALIS「Fall From Grace」
カナダのメロディックメタルバンド、ボレアリスの2011年作
正統派のメロディックメタルを基本に、モダンなヘヴィネスとシンフォニックなアレンジで聴かせるサウンド。
、どっしりとした重厚さの中にキャッチーな聴き心地があって
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BORROWED TIME
アメリカのメタルバンド、ボロウド・タイムの2013年作
バンド名はDIAMOND HEADのアルバムからとったと思われるが、サウンドの方もNWOBHMの生き残りかというようなオールドなスタイル。
重すぎないツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて、ほどよい疾走感のある80年代ルーツのヴィンテージメタルを聴かせる。
IRON MAIDENをマイナーにしたようなウェットな叙情性と、スピードメタル寄りの勢いの良さも覗かせて、結果として日本人好みのスタイルに。
インストによるメロディックな小曲も挟みつつ、6分を超える長めのナンバーなども、扇情的なフレーズを奏でるギターのセンスも含めて、なかなか濃密な味わいで楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 古き良き度・8 総合・7.5
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BRAINFEVER 「Capture the Night 」
ドイツのメタルバンド、ブレインフィーヴァーの1984年作
HELLOWEENなどのデビュー前のジャーマンメタル黎明期に唯一のアルバムを残したバンド。
1曲めから勢いよく疾走し、マイナー臭さを残したメロディもマニアのツボを付く。
全体的には、ハードロック調のミドルテンポ曲なども含めて、やはり80年代らしい
粗削りの作風で、アナログからの盤起こしなのか音質の悪さは否めないが、
ジャーマンメタルのコアなマニアならばチェックして損はないだろう。
2006年の再発盤には、シングル曲がボーナス追加されている。
メロディック度・・7 疾走度・・7 初期ジャーマン度・・8 総合・・7
BRAINSTORM 「Downburst」
ドイツのメタルバンド、ブレインストームの8th。2008作
すでに10年以上活動する中堅だが、日本での知名度はまだまだ低いようだ。
そんな彼らのスタイルはメロスピでもメロパワでもない、これぞトゥルーメタルの極致といえるだろう。
ミドルテンポ主体で、80年代の香りを匂わせながら正統派のリフでぐいぐい聴かせるさまは、
まさに正統ヘヴィメタル。昨今のメロパワ/メロスピ系リスナーには面白くないかもしれないが、
頑固一徹のメタル魂を味わいたい方には聴いていただきたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 正統ヘヴィメタル度・・9 総合・・7.5
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BRAINSTORM「Memorial Roots」
ドイツのメタルバンド、ブレインストームの9th。2009年作
すでに中堅クラスのバンドだが、正統派という以外にはこれといった魅力がない気もするこのバンド、
本作はなにやら、壮大なコンセプト風味の作品で、ミドルテンポを中心に重厚に聴かせる作風となっている。
ジャーマンというよりは、むしろSAVATAGEあたりに接近したような感触であるが、これはこれで悪くない。
派手な疾走感などはないのだが、じっくりと楽しめるドラマティック・メタル作品である。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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BRAZEN ABBOT「LIVE AND LEARN」
ブルガリア人ギタリスト、ニコロ・コツェフを中心にしたブレイズン・アボットの1995年作
かつてのRAINBOWのような古き良きHRを軸に、ネオクラシカル風味のギターやオルガンの音色
そしてパワフルなヴォーカルを乗せてキャッチーに聴かせるサウンドは、どこかなつかしく、
それでいて力強い躍動にあふれている。集まったメンバーも豪華でヴォーカルはヨラン・エドマン、
グレン・ヒューズ、トーマス・ヴィクストローム(元CANDLEMASS)、ベースは、イングヴェイのバンドでプレイした
スヴァンテ・ヘンリソン、シンセとドラムには元EUROPEのミック・ミカエリとイアン・ホーグランドと、
実力者たちによる演奏はさすがの迫力。単なる古めかしいHRに終わらない力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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BRAZEN
ABBOT「Guilty As Sin」
ブルガリア人ギタリスト、ニコロ・コツェフを中心にしたブレイズン・アボットの2003年作
ジョー・リン・ターナー、ヨラン・エドマン、ヨルン・ランデという豪華な3人のヴォーカリストが参加、
RAINBOWから引き継がれたような古き良き王道のハードロックを聴かせてくれる。
70年代を彷彿とさせるブルージーなギターはいくぶんネオクラシカル風味を含ませて、
オルガン的なシンセワークとともに、なつかしいけれどもしっかりパワフルなサウンドだ。
もちろん実力あるヴォーカリストたちの歌声も見事という他にない。イマイチなジャケだけが残念。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 豪華ヴォーカル度・・9 総合・・8
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BRIDE ADORNED「BLESSED STILLNESS?」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ブライド・アドーンドの2004年作
壮麗なシンセに大仰なクワイアと、とにかくこれでもかというシンフォニックな音像。
メンバーにTOCのVo、Drがいることもあって、シンフォニックメタルであっても
どこかにメロデス的な冷たさが存在しており、ある意味ボーダーレスな音楽ともいえる。
壮大なコーラスはTHERIONあたりに通じる荘厳さもあって良いのだが、
単体で曲として考えると、分厚いサウンドばかりが目立ってしまい、
耳に残るメロディや展開といったものはさほど感じられないところが残念か。
むしろゴシックメタル的に「雰囲気を味わう」聴き方をするべきバンドかもしれない。
シンフォニック度・・9 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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BRIDES OF LUCIFER
ベルギーのメタル&コーラスユニット、ブライズ・オブ・ルシファーの2018年作
スティーヴン&スティン・コラクニー兄弟を中心に結成、ツインギターにシンセを含むバックバンドに、
13人の女性合唱隊による美しい歌声で、Twisted Sister、PANTERA、MANOWAR、System of A Down、
JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN、SEPULTURA、BEHEMOTH、DIO、SLAYER、MACHINE HEADといった、
名だたるメタルナンバーを歌い上げる。女性のコーラス隊とヘヴィなメタルサウンドの融合という点では、
THERIONを思わせるような壮麗さとスケール感で、優雅なる女性コーラスのメタルソングが楽しめる。
前身のユニットである、スカラ&コラクニー・ブラザーズによるオリジナル曲も収録。今後の展開が楽しみです。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性コーラス度・・9 総合・・8
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BROCELIAN 「GUARDIANS OF BROCELIANDE」
ドイツのシンフォニックメタル、ブロセリアンの2019年作
2014年にデビューし、2作目となる。女性ヴォーカル、女性ヴァイオリン奏者を含む編成で、
ほどよくヘヴィなギターにシンフォニックなアレンジ、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる優雅なサウンド。
ゆったりとした優美なナンバーなどは、魅力的な女性声もあって、WITHIN TEMPTATIONにも通じる感触であるが、
一方では疾走するメロスピ風のナンバーもあったりと、曲によってややイメージが異なる。全体的にはキャッチーな聴き心地で
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプル、これという展開や大仰な盛り上がりがさほどないので濃密さの点では少し物足りなさもある。
オーケストラルなアレンジもやや中途半端なので、今後は魅力的なメロディのフックとともに楽曲を磨いていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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BROTHERS OF METAL「Prophecy Of Ragnarok」
スウェーデンのヴァイキング・パワーメタル、ブラザーズ・オブ・メタルの2018年作
トリプルギターに男女3人のVoを含む8人編成で、正統派のギターに女性ヴォーカルを乗せ、
男性ヴォーカル&ダミ声が絡む、北欧神話をイメージした勇壮なメロディック・メタルサウンド。
かつてのDARK MOORのエリサ・マーティン思わせる、女性ヴォーカル・メロパワの感触と
MANAOWARのようなエピックな正統派メタルが合わさった作風で、ほどよい疾走感とともに、
ときおりフォーキーな旋律も覗かせる。楽曲は3〜4分前後と短めであるが、美麗なシンセアレンジや
叙情的なギターメロディも随所に織り込んでいて、男女声のシンフォニックメタルとしても楽しめる。
ドラマティック度・8 ヴァイキング度・7 正統派度・8 総合・8
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BROTHERS OF METAL 「EMBLAS SAGA」
スウェーデンのヴァイキング・パワーメタル、ブラザーズ・オブ・メタルの2020年作
2作目となる本作は、映画的な語りを含むイントロから始まる、北欧神話をテーマにしたコンセプトアルバムで、
前作以上にソリッドになったギターリフに、凛とした女性ヴォーカルと男性ヴォーカルを乗せ、エピックなメタルを展開。
どっしりとした勇壮な正統派メタルを基本に、前作に比べるとわりとモダンでキャッチーなノリのナンバーもあり、
全体的にもスタイリッシュに仕上がっている。反面、土着的なクサメロはやや後退した感じもあって、痛しかゆしか。
ヴァイキングというほどではないが、ドラマティックな北欧メロパワとしては依然楽しめる力作です。
ドラマティック度・8 ヴァイキング度・7 正統派度・8 総合・8
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Bruce Dickinson「Tyranny of Souls」
IRON MAIDENのシンガー、ブルース・ディッキンソンのソロ作。2005作
2000年のメイデンへの電撃復帰後、初となるソロアルバムで、内容もIRON MAIDENを思わせるドラマティックなメタル作品だ。
ブルースのシンガーとしての力量は言うに及ばず、ロイ・Zのプロデュースのもと仕上げられた楽曲はどれも質が高く、
メイデン調のメタル曲から、バラードまで起伏に富みながら、見事な出来ばえだ。
曲によってはなにげに効いているシンセワークも含めて、アレンジの巧みさも光り、
ジャケやブックレットの悪魔の寓話的なイラストなど、作品としてのコンセプトも「らしい」仕上がりだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 メイデン度・・8 総合・・8
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Burning Black 「Prisoners of Steel」
イタリアのメタルバンド、バーニング・ブラックの2008年作
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代を思わせるメタルサウンド。
適度な疾走感もありつつヘヴィになりずきないところが、B級気味のオールドスタイルの感触で
NWOBTMのど真ん中という聴き心地。一方ではうっすらとしたシンセアレンジを含んだキャッチーな感触もあり、
ツインギターによるメロディックな味わいもあるところは、90年代のジャーマンメタル的というべきか。
これというような新鮮さはないのだが、古臭いだけでなく適度にウェットな聴き心地がイタリアのバンドらしい。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良き・・8 総合・・7.5
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Burning Black「Mechanicalhell」
イタリアのメタルバンド、バーニング・ブラックの2009作
昨今80年代に回帰したようなレトロなメタルバンドが続々と出てきているが、
このバンドも古き良きメロパワの雰囲気をたっぷり詰め込んだサウンドをやっている。
ツインギターで聴かせるメロディックなフレーズと王道のリフが耳に心地よく、
力強くシャウトするヴォーカルとともにバワフルに聴かせる正統派のスタイルが
じつにハマっている。バックにはうっすらとシンセも入っていて、ただ古くさいだけではなく
今の耳で聴いても充分に格好いいメロバワである。また頼もしいバンドが現れた。
メロディアス度・・8 疾走度・7 正統派度・・9 総合・・8
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Burning Black 「Remission of Sin」
イタリアのメロディックメタル、バーニング・ブラックの2015年作
前作はいかにもな古き良きメタルサウンドであったが、本作もツインギターのリフとパワフルなヴォーカルを乗せた
正統派のパワーメタルが楽しめる。どっしりとしたミデルテンポを主体としながら、激しい疾走感のある曲もあり、
オールドスタイルのメタルが好きな方ならとても楽しめるだろう。ただ、メロデイのフックという点では前作に比べると、
全体的にややインパクト不足か。パワフルな路線にするのか、よりオールドなスタイルとなるのか、絞り込んで欲しい。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・7 総合・・7.5
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BURNING IN HELL 「BURNING IN HELL」
ブラジルのメロスピバンド、バーニング・イン・ヘルの1st。2004年作
疾走しまくりのメロスピといえばDRAGONFORCEが思い浮かぶが、このバンドも
とにかく若さに任せて勢いよく疾走するスタイルで、ややB級的なクサメロを撒き散らしている。
演奏の荒さと音質のノイジーさがやや耳障りだが、この元気一杯のサウンドはなかなか気持ちいい。
DRAGONFORCEに比べると、こちらの方がもう少しMANOWARなどに通じる「男のメタル愛」の
ようなものがあって、曲アレンジにしろ強引で荒っぽいところが好みを分けるかもしれない。
この勢いを保ちつつ、楽曲の整合性を上げていけば、もっといいメロスピバンドになるだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・9 楽曲・・7 総合・・7
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BURNING IN HELL「BELLIEVE」
ブラジルのメロスピバンド、バーニング・イン・ヘルの2nd。2006年作
1stの時点では勢いあるスピード感とメロディはよかったものの粗削りのマイナー臭さが残っていたのだが、
今作ではメンバーチェンジもあってか、サウンドにぐっと力強さが増している。世界最速のギタリストとしてギネスに認定されたという、
新加入のチアゴは、さすがのテクニカルな速弾を随所に聴かせてくれる。なにかとDRAGONFORCEと比較されるこのバンドだが、
確かにかなりの速さで疾走する楽曲にメロディを乗せるやり方はドラフォータイプといえるだろうが、
よりキャッチーなDRAGONFORCEに比べて、こちらの方はもう少し男気のあるオーセンティックなメタル魂を感じる。
あとは楽曲の質と、より細やかなアレンジに気をつかえばドラフォーに比肩できるくらいにはなるだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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BURNING POINT「FEEDING THE FLAMES」
フィンランドのメロディックメタルバンド、バーニング・ポイントの2nd。2003作
メロディックに疾走する楽曲は、歌も含めて演奏力もなかなかで、爽快感と説得力もあって
マイナー臭さはない。目新しさはないが、安心して聴けるクオリティではある。
ギターがありがちなネオクラフレーズを弾きはじめると興ざめなのだが、
好きな人にはそこも含めてけっこう気に入るかもしれない。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Burning Point「Burned Down the Enemy」
フィンランドのメロディックメタルバンド、バーニング・ポイントの3rd。2006作
ネオクラシカル調のギターを含んで疾走する、メロディックメタルスタイル。
うっすらとしたシンセアレンジも含めて、サウンドのクオリティはなかなか高く、
ヴォーカルの力量がいまひとつながらも、普通に楽しめる北欧メロパワですね。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
Burning Point「Empyre」
フィンランドのメロディックメタルバンド、バーニング・ポイントの4rh。2009作
聴くのは2nd以来なのだが、本作のサウンドは以前よりもぐっとパワフルになった印象。
いきなりゴッドファーザーのテーマから始まり、曲が始まるとツインギターのリフと
力強い歌声によって、シンセ入りのジャーマンメタルという雰囲気でたたみかける。
昨今のバンドにしてはギターのフレーズにこだわった正統派の曲作りで、
骨太のメロパワという点ではNOCTURNAL RITESあたりにも近いか。
ときおり聴かせる泣きの叙情もよろしく、全体的にもとても質の高い好作品だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Burning Point「Ignitor」
フィンランドのメロパワバンド、バーニング・ポイントの2012年作
これが5作目で前作あたりからずいぶんパワフルになったと思っていたが、
本作も正統派メロパワの力作。ツインギターとハイトーンヴォーカルを乗せて
パワフルに疾走する、かつてのNOCTURNAL RITESあたりにも通じるサウンドだ。
JUDAS PRIEST的な古き良きトゥルーメタルの精神も感じさせるながら
随所にSONATA ARCTICAばりのきらびやかなシンセアレンジも加わって、
楽曲におけるメロディックなフックも多く、じつに日本人好みのスタイルといえるだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Burning Point「The Blaze」
フィンランドのメロディックメタル、バーニング・ポイントの2016年作
2001年にデビュー、初期はネオクラ寄りのスタイルであったが、4作目からパワフルな説得力を強め、
本作は通算7作目。元BATTLE BEASTのニッテ・ヴァロが加入し、女性Vo体制での2作目であるが、
前作がセルフカヴァー中心だったので、オリジナルアルバムとしては4年ぶりとなる。
メロディックなツインギターにハスキーでパワフルな女性ヴォーカルを乗せて疾走する1曲めから
正統派のメロパワ好きはニンマリ。楽曲は3〜4分台と比較的シンプルで、シンフォニックなアレンジを加えた
どっしりとしたミドルテンポのナンバーも、キャリアのあるバンドらしい重厚な聴き心地で楽しめる。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Burning Shadows 「Gather Darkness!」
アメリカのメロディックメタル、バーニング・シャドウズの2012年作
壮麗なイントロから幕を開け、メロディックなギターとパワフルなヴォーカルを乗せて、
どっしりとした正統派メタルサウンドを展開。Hammerfallあたりに通じる古き良きスタイルに
エピックメタル寄りの勇壮な感触で、組曲的に楽曲を連ねたコンセプチュアルでドラマティックな世界観は、
BLIND GUARDIANやICED EARTHなどが好きな方にも対応。いまひとつ抜けきらないメロディのフックや
曲展開の煮え切らなさなど、いくぶんのマイナー臭さも含めて、B級メロパワ好きにはたまらないかも。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Burning Witches 「Hexenhammer」
スイスのガールズパワーメタル、バーニング・ウィッチーズの2018年作
2017年にデビューし、2作目となる。のちにCRYPTAに加入するギターのソニアが加わって、ツインギターの女性5人編成でオールドなギターリフに伸びやかなヴォーカルを乗せた正統派のパワーメタルを聴かせる。
スラッシーな疾走感もありつつ、どっしりとした3連リズムのナンバーなどでは、MANOWARを思わせるような勇壮なメタル感に包まれる。
DIO「Holy Diver」のカヴァーもなかなか良い感じで、女性らしさをかすかに残しつつ、オールドメタルを追及する姿勢は見事。
ドラマティック度・7 疾走度・7 オールドメタル度・8 総合・8
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Burning Witches 「Dance with the Devil」
スイスのガールズパワーメタル、バーニング・ウィッチーズの2020年作
2017年にデビューし、本作は3作目。新たにヴォーカルが交替、王道のツインギターととも疾走し、
ヒステリックな女性ヴォーカルを乗せた、アグレッシブなパワーメタルサウンドを聴かせる。
DESTRUCTIONのシュミーアがプロデュースしていて、声の裏変える歌声はどことなくシュミーア風?
ツーバスのパワフルなドラムも含めて演奏力も安定しており、どっしりとしたオールドメタルに
ツインギターの叙情性と魔女めいた妖しさを加えたというスタイルは強固に確立している。
ラストは、MANOWAR「Battle Hymn」カヴァーで、ギターのロス・ザ・ボスかゲスト参加。
正統派パワメタ度・8 疾走度・8 女性Vo度・7 総合・8
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By Blood Alone 「Seas of Blood」
アメリカのメロディックメタル、バイ・ブラッド・アローンの2007年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、軽めのドラムに普通のギターリフを乗せ、ハスキーな女性ヴォーカルで聴かせる
ローカルな味わいのメタルサウンド。チープなシンセアレンジに、ぱっとしないギターワーク、音質の弱さも含めて
いかにもアマチュアレベルの聴き心地。抑揚のない女性ヴォーカルも、いかにも表現力が足りず、
楽曲のつまらなさを補完することはかなわず。楽曲は6〜8分と長めなのだが、こうなると聴き通すのがつらい。
三連リズムのフォークメタル風ナンバーなども、メロディが中途半端なので、単なる凡曲にしか思えない。
そして新品で買ったはずなのに、何故かジャケ内にメンバーのサインが。それいりません。
メロディック度・・6 楽曲・・5 女性Vo度・・6 総合・・5.5
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C
Cain's Dinasty「Legacy of Blood」
スペインのメロパワバンド、カインズ・ダイナスティの2008年作
ジャケを見ると耽美な雰囲気なのだが、サウンドの方は正統派のジャーマンメタルタイプ。
適度にシンフォニックなシンセと、ハイトーンヴォーカルを乗せてパワフルに疾走する。
ヴァンパイアをテーマにしているということで、スクリームヴォイスなども含めて、
随所にイーヴルな雰囲気を盛り込んでいるが、それがまだ個性とまではなっていない。
全体的にはまだ粗削りながらも、ドラマティックに聴かせる濃密さには今後に期待したいものがある。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 疾走度・・7 総合・・7.5
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Cains Offering「Gather the Faithful」
元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン率いるケインズ・オファリングの2009作
ヴォーカルにSTRATOVARIUSのティモ・コティペルト、Keyには元ソナタのミッコ・ハルキンと、
実力者が揃っているのだから、サウンドの方もハズれるわけがない。
シンフォニックなシンセを入れて疾走する、初期のソナタのようなメロスピサウンドに、
ティモのやわらかな歌声がかぶさった、耳心地のいい楽曲に思わずにやにや。
正直、綺麗に作られすぎていて、音自体にはこれといって新鮮なものはないのだが、
きらびやかなシンセワークと歌メロを中心に、かっちりと作られた質の高さはさすがだし、
はからずも同時期に出たソナタの新作とも聴き比べられるという楽しみ方も可能。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ソナタ&ストヴァリ度・・9 総合・・8
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Cains Offering 「Stormcrow」
フィンランドのメロディックメタル、ケインズ・オファリングの2015年作
元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン率いるバンドで、ヴォーカルにはSTRATOVARIUSのティモ・コティペルト、
シンセにはイェンス・ヨハンソンが参加、本作で聴けるサウンドはファンが期待する通りの壮麗なシンフォニック性と
疾走感あふれるキャッチーなメロディックメタルである。いかにもイェンスらしい様式美なシンセフレーズや
ストラトっぽい歌いまわしなど、北欧メロパワの典型というか王道と言うか…新鮮味はあまりないのだが、
クオリティはもちろん高いです。ただ前作以上に北欧らしいトラッド調のメロディが顔を出すのはよい感じで、
お約束の疾走曲もよいのだが、むしろそういうミドルテンポ曲にも魅力がある。北欧メロに包まれた高品質作。
メロディック度・・8 疾走度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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Candle 「The Keeper's Curse」
スウェーデンのメタルバンド、キャンドルの2018年作
メロディックなツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、オールドな正統派スタイルで、
緩急を含む展開力とともに、初期のBLIND GUARDIANにも通じるドラマティックなパワーメタルを聴かせる。
ややクセのあるヴォーカルも含めて、KING DIAMONDあたりを思わせるシアトリカルな味わいもあって、
ダークな叙情性をまとったメロディックメタルとしてなかなか出来が良い。これというキラーチューンはないが、
ほどよく重厚でメロディック、ジャーマンと北欧の中間というような正統派メロパワが楽しめる強力作です。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Cannibal 「Fire Meets Steel」
カナダのメタルバンド、カンニバルの2020年作
ジャケの感じからして自主制作の香りがぷんぷんだが、サウンドの方も御多分に漏れず80'sど真ん中。
オールドなギターリフにハスキーなヘタウマ女性ヴォーカルを乗せて疾走する、80年代風B級スピードメタル。
音程のあやうい舌足らずのヴォーカル嬢といい、なんとなくメイデン風のミドルテンポなど、学生バンドがCDを作ったというような微笑ましさがあるが、曲によってはツインギターが叙情的な、WARLORD風だったりと、このひなびた感じが何故か嫌いにはなれないのもミソ。
2020年にこんなん作るだけでも応援してみたい。次のフルアルバムが少しだけ楽しみだ。
オールドメタル度・9 疾走度・7 女性Vo度・6 総合・7
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CANS「BEYOND THE GATES」
HAMMERFALLのヨアキム・カンスによるバンド、カンスの2004作
PRIMAL FEARのマット・シナー、ANNIHILATORのジェフ・ウォーターズをはじめ、DIONYSUSやVAINGLORYのメンバーの協力をへて作られた
本作の楽曲はHAMMERFALLをさらにオーセンティックにしたような質感で、なかなかドラマティックなメタル作品に仕上がっている。
ヨアキムの歌声は相変わらず「パワフル一歩手間」という感じであるが、HAMMERFALLのファンであれば同様に楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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CARAVELLUS 「Lighthouse And Shed」
ブラジルのシンフォニックメタル、カラヴェラスの2007年作
きらびやかなシンセをギターに重ね、女性ヴォーカルを乗せて疾走する、優雅なメロスピサウンドで、
随所に聴かせる流麗なギタープレイとともに、いくぶんネオクラ風味も感じさせる作風。
疾走時のツーバスが硬質でやや耳障りなのが惜しいが、華麗なシンセアレンジや
なよやかな女性Voはなかなか魅力的。ちなみに次作では、男性Voのプログレメタル路線へと深化する。
メロディック度・7 疾走度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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CARAVELLUS「KNOWLEDGE MACHINE」
ブラジルのシンフォニック・プログレメタル、カラヴェラスの2010年作
シンセを含む5人編成で、1作目は女性Voをフロントにしていたが、本作から男性Voの編成になり、
テクニカルな展開力で聴かせるプログレッシブなシンフォニックメタルに深化している。
きらびやかなシンセアレンジとモダンなヘヴィさに、随所に軽やかな優雅さも覗かせる作風で、
テクニカルで流麗なギターフレーズや語りの入ったシアトリカルな雰囲気とともに、
SYMPHONY XやKAMELOT、SERENITYあたりにも通じるでドラマティックな世界観だ。
ヴォーカルの歌声もなかなか力強く、全体的にマイナー臭さはほとんど感じられない。
ラストの15分の大曲も含めて、シンフォニックで知的な構築センスの備わった高品質な作品です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 構築センス・・8 総合・・8
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CARDIANT「MIDDY MOON」
フィンランドのメロディックメタルバンド、カーディアントの1st。2005年作
基本はメロディアスに疾走するSONATA ARCTICAタイプだが、むしろ最近のソナタよりもメロスピ寄りでメロディの煽情度も高い。
楽曲アレンジも演奏も堂々としていて、クオリティ的にも新人とは思えないレベル。
類型を脱する個性はまだないものの、メロウなフレーズを奏でるギターは、クサメロ好きにはたまらないし、
ヴォーカルもなかなかしっかりしている。メロディ充実の高品質作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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CARDIANT「Tomorrow's Daylight」
フィンランドのメロディックメタルバンド、カーディアントの2nd。2009年作
このバンドの1st「Middy Moon」は北欧らしい美しい叙情性と初期SONATA ARCTICA的な疾走感で
なかなか素晴らしい作品だったのだが、今作はメンバーチェンジをへての5年ぶりのアルバムとなった。
一聴してより正統派のメロパワサウンドに接近しているが、美しいシンセワークや
ヴォーカル、コーラスにおけるクサメロぶりは健在でファンはにんまりだろう。
疾走感はやや抑えめながら、爽やかなメロディへのこだわりという点では
AXENSTARやSUPREME MAJESTYあたりに通じるものもあるかもしれない。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Cardiant 「Verge」
フィンランドのメロディックメタル、カーディアントの2013年作
2005年にデビューし、初期のメロスピ路線から、前作では正統派メロパワ寄りとなり、
3作目となる本作では、さらにオーセンティックなメロディックメタル路線となった。
北欧らしいきらびやかなシンセワークにハイトーンヴォーカルを乗せ、随所にテクニカルなギターワークも覗かせながら、
キャッチーな感触を強めたという印象。SONATA ARCTICAが「UINA」以降、メロディアス・ハードロック路線に舵をきったが、
コンパクトなメロディアス性を前に出した明快さは、あるいは同郷のTWILIGHTNINGあたりを思わせる。
ときに女性コーラスも加わった壮麗なアレンジに、疾走するメロスピナンバーからミドルテンポまで、
バランスのとれた高品質なサウンドが楽しめる。バンドとしての成熟が感じられる好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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CARDIANT「MIRRORS」
フィンランドのメロディックメタル、カーディアントの2017年作
2005年にデビュー、初期のメロスピ路線から、前作ではよりキャッチーな路線へと深化し、
4作目となる本作では女性Voが加入し、男女Voの編成となった。きらびやかなシンセアレンジに、
伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する1曲目は、初期を思わせるメロスピ路線のナンバー。
ミドルテンポのモダンな感触も織り込みつつ、キャリアのあるバンドらしいアレンジセンスで、
メロディックな味わいをしっかりと前に出したサウンドが楽しめる。女性ヴォーカルを乗せた、
ゆったりと聴かせるナンバーもアクセントになっていて、全体的にもさすがの高品質である。
個人的には女性ヴォーカル入りのパートがもっと増えると嬉しいですな。
メロディック度・・8 疾走度・・7 高品質度・・8 総合・・8
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Cast Away「Mind Domination」
ドイツのパワーメタルバンド、キャスト・アウェイの2008年作
ザクザクとしたツインギターのリフで聴かせる、オールドスタイルのパワーメタル。
勢いよく疾走する部分はスラッシュメタル的でもあり、昔で言えばPOLTERGEISTなんていう、
マニアックなバンドを思い出したり。ダークな中にもいくぶん叙情性があるので聴きやすい。
メロディアスなフレーズで疾走するところなどはBLIND GUARDIAN風味もあったりして、
なかなか悪くない。あとは楽曲とメロディの魅力をもっと上げていってもらいたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 オールドメタル度・・8 総合・・7
CATHARSIS「DEA & FEBRIS EROTICA」
ロシアのメロディックメタルバンド、カタルシスの1stフル、1stミニのカップリング盤。
このバンドの2ndを聴いたときは、「悪くはないがやっぱイマイチ」という感じだったが
こちらのデビュー作はクサメロ度が高くてなかなか良いですな。メンバーは6人編成で、キーボードとドラムが女性。
クラシカルなシンセにマイルドなヴォーカルが歌を乗せて疾走。2ndよりも違和感なく聴けるのは、あるいは歌唱が英語のせいか。
しかし、この日本人好みのロマネスクを感じさせるクサメロはけっこうツボですよ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ロシアン度・・7 総合・・7.5
CATHARSIS「IMAGO」
ロシアのメロディックメタルバンド、カタルシスの2nd。2003作
女性Key擁する6人組で、曲の方は、なかなかパワフルなメロディックメタル。疾走曲有り、
バラードもありで演奏のクオリティもまあまあ。それにしても、ロシア語の歌唱のインンパクト大だ。
スペイン語にも通じる巻き舌ヴォーカルはそれだけで辺境メタルファンをノックアウト(笑)
曲アレンジという点では欧州のバンドに比べれば若干ダサい違和感を感じるところもあるが、
特異なメタルバンドが好きな方、辺境マイナー系クサメロバンドが好きな方は聴いてみては。
尚、ロシア語盤はアルバムタイトルが表記できないので(^^;)ここでは英語版の「IMAGO」としました。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 辺境度・・10 総合・・7
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CATHARSIS 「Eerie Light」
ロシアのシンフォニックメタル、カタルシスのミニアルバム。2004年作
2ndに続く6曲入りミニで、シンフォニックなシンセとロシア語のヴォーカルでクサメロ疾走。
男女ヴォーカルで聴かせるバラードもクサクサ&濃密で、フルートなどの民俗調も含んで
いいあんばいで辺境臭さをにじみ出している。デジタル調のリミックスアレンジ曲はイマイチかな。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5
CATHARSIS「krylya (КРЫЛЬЯ)」
ロシアのメロディックメタルバンド、カタルシスの3rd。2005作
前作は悪くはないがいまひとつ…という印象であったが、今作はのっけからクサメロが爆発。
まるで演歌泣きのクサクサメロディの波が…このイントロだけでもうやられます(笑)
恥ずかしげもない大仰な歌いっぷりのヴォーカルがまた凄くて、巻き舌のロシア語歌唱に、
クラシカルなキーボード、さらにはフォーキーなフルートもでてきてもう大変。
…いや素晴らしい。ここまでの吹っ切れぶりは前作からはとても予測できませんでした。
ロシア語が分かればサビのメロディを一緒に合唱したくなりますな。素晴らしき濃密傑作!
クサメロ度・・9 疾走度・・7 ロシア度・・9 総合・・8.5
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CATHARSIS「ВЕРНИ ИМ НЕБО」
ロシアのシンフォニックメタルバンド、カタルシスのライブアルバム。2006年作
2005年モスクワでのステージを収録。ロシア産のメロスピ/メロパワバンドとして、認知度も高まってきた彼ら。
シンフォニックなシンセと日本の演歌的ですらある泣きのクサメロで疾走するスタイルはかすかな民族的な雰囲気と、
辺境臭さをともなっていてクドいほどに濃い。このライブ演奏でも、ロシア語の歌声とともに濃密に聴かせる2CD全23曲は
まるでボルシチとウォッカのように胃もたれするほどに濃厚で、そして熱(苦し)い。ときにクラシカルなシンセや、
愉快なフルートなども顔を出し、辺境メタルの醍醐味をたっぷりと味あわせてくれる。もうお腹いっぱいです。
クサメロディアス度・・9 ライブ演奏・・8 辺境度・・9 総合・・7.5
CATHARSIS「Светлый альбом(Svetly Albom)」
ロシアのシンフォニックメタル、カタルシスの2010年作
2ndまではかなりダサい感じのいかにもな辺境メタルサウンドだったのだが、
3rd「krylya (КРЫЛЬЯ)」で大化け、一気にロシア最高のクサメタルバンドとなった。
本作はなにやらデジタルなイントロから、曲が始まるとシンフォニックな濃密さと
ロシア語ヴォーカルによる暑苦しいクサメロまくりで、相変わらず素晴らしい。
フルートも含めた牧歌的なフォーキーな味わいと、大仰なシンフォニックメタルが融合され
ギターのフレーズも恥ずかしげもない叙情を炸裂させる。さすがだよカタルシス!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 濃密度・・9 総合・・8
CATHARSIS 「Indigo」
ロシアのメロディックメタル、カタルシスの2014年作
2001年にデビュー、いまやロシアを代表するメロパワバンドとなったというべきこのバンド、
本作もロシア語によるヴォーカルと、美しいシンセアレンジで聴かせる正統派のサウンド。
本作はミドルテンポ主体ながら、適度によい感じの疾走曲や、ゆったりとしたバラードなどもあって、
バランスがとれた聴き心地だ。随所にクサメロを奏でるギターや、フルートの音色、女性シンセ奏者の奏でる
クラシカルな旋律も光っている。なによりロシア語による哀愁ただよう歌声がじつによいのです。
メロディック度・・8 疾走度・・6 ロシア度・・9 総合・・8
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CAULDRON「Chained to the Nite」
カナダのメタルバンド、コールドロンの2009作
お色気のジャケに目を惹かれるが、サウンドの方は昨今流行りの懐古型の正統派。
まるで80年代のブリティッシュメタルを思わせる、古き良きスタイルのヘヴィメタルだ。
あまり力強くないヴォーカルといい、初期メイデン風のギターリフといい、
どことなくローカルな質感もあるが、それがむしろ味にもなっている。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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CAULDRON「Burning Fortune」
カナダのメタルバンド、コールドロンの2011年作
前作同様、色っぽいジャケと古めかしいスタイルのヘヴィメタルであるが、
本作ではメロディによりキャッチーな風味が増していて、適度な軽さとともに
耳心地のいい正統派HR/HMが楽しめる。悪く言えばローカルそのものなのだが、
それも狙いであるぞというのが音で分かるし、楽曲自体の出来も上がってきた。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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CAULDRON 「Tomorrow's Lost」
カナダのメタルバンド、コールドロンの2012年作
過去2作も古き良き香りぷんぷんの正統派メタルサウンドだったが、3作目となる本作も、
トリオ編成から繰り出される、アナログ感たっぷりのオールドスタイルまくりのHMが炸裂。
音のこもり具合も含めて、さらに古臭くなった聴き心地で、ある意味天晴というべき出来。
ギターリフのひとつひとつも、80年代メタルへのリスペクトに溢れていて、絶妙なB級感とともに
いちいち微妙にダサめなのがまた恰好いいのである。これ以上ないオールドメタルの強力作です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 オールドメタル度・・9 総合・・8
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CELESTY「REIGN OF ELEMENTS」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、セレスティの1st。2002年作
やはりこのバンドも疾走曲+きらきらキーボードという最近人気の路線で
楽曲、演奏力ともにデビュー作としてはなかなかのもの。
曲によってはRHAPSODY、GAMMA RAYなどを思わせる部分もあり、
キーボードアレンジ、メロディの重ね等はそれらの先人たちに習ったという印象である。
Voはカイ・ハンセンを多少力強くしたという感じで、あまり力強さは感じない。
総合的には、質は高いもののこのバンドならではの個性はまだない。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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CELESTY「LEGACY OF HATE」
フィンランドのメロスピバンド、セレスティの2nd。2004年作
1stはありがちな北欧メロスピという印象だったが、今回はどこか吹っ切れたような勢いがある。
きらきらとしたキーボードを全編に散りばめながら、軽快に疾走しまくるスタイルで、
そこに乗る歌メロのキャッチーなコーラスハーモニーがなかなか心地よい。
シンフォニック度も上がっていて、POWER QUESTあたりが好きなら間違いなく気に入ると思うが、
曲が似たり寄ったりなので後半にゆくにしたがって飽きてくるのはいたしかたないところか。
部分的にメロデス風のダミ声を使うなど新しい試みもあるが、アルパム全体としての新鮮味は薄い。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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CELESTY「Mortal Mind Creation」
フィンランドのメロディックメタルバンド、セレスティの3rd。2006作
前作までは疾走しまくりのメロスピだった記憶があるが、本作のサウンドは速さだけに頼らず、
パワフルさと重厚さをともなったオーセンティックなメロディックメタルに近づいている。
壮麗なシンセアレンジはシンフォニックメタル的でもあり、SONATA ARCTICA的なきらびやかさとともに
RHAPSODYのようにエピックな世界観を描こうとする意気込みも感じられる。
こうなってくるとヴォーカルの弱さがより目立ってきてしまうのは如何ともしがたいが、
パンドとしての確かな成長が伺えるアルバムであるのは間違いない。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 あとはVo度・・8 総合・・7.5
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Celesty「Vendetta」
フィンランドのメロディックメタルバンド、セレスティの4th。2009作
初期の疾走メロスピサウンドから、前作ではよりシンフォニックメタル的な
エピックな世界観を前に出してきて、そろそろ傑作を作りそうだぞと思っていたら、
やってくれました。美麗なシンセによるオーケストレーションと大仰なクワイアで
RHAPSODYばりの壮大華麗なサウンドを描くことに成功。おお、いいじゃない!
弱かったヴォーカルも、コーラスに助けられつつも、今回はずいぶん頑張っている。
このバンド独自の色というのはいまだ見えないが、質の高さではこれまでで一番だろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 壮麗度・・9 総合・・8
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Cellador「ENTER DECEPTION」
アメリカのメロスピバンド、セラドールの1st。2006作
聴いた感想は、ありていに言って「速くすれゃいいってモンではない」のである。
まず楽曲がありがちで、速くてもあまり格好よくないので、全曲疾走していてもとくにありがたみはない。
DRAGONFORCEの場合、練られた細かなアレンジが、しっかりと長い曲をつなげていたのだが、
このバンドはまだ若いということもあって荒さの方が先に目立ってしまう。
しかも、時々ドラフォーやストヴァリのパクりのようなメロディも出てくるし…(笑)。
現時点では、DRAGONFORCEはおろか、BURNING IN HELLのレベルにもまだ足りない。
演奏力は酷評するほどひどくはないので(ただしヴォーカルとドラムは要向上)、
もう少し曲を落ち着いて作れば聴けるようになるのではなかろうか。ガンバレ若者。
メロディアス度・・7 疾走度・・9 楽曲・・7 総合・・7
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Cellador 「Off the Grid」
アメリカのメロディックメタル、セラドールの2017年作
2006年以来、11年ぶりの2作目で、メンバーはがらりと変わっているが流麗なギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
爽快なメロスピサウンドはかつてのまま。キャッチーなクサメロ感覚とともに、適度にモダンなアプローチも感じさせつつ、
DRAGONFORCEをアメリカ寄りにしたというスタイルで、きらびやかなシンセアレンジも随所に光っている。
X-JAPANからの影響も感じさせる優雅なメロディアス性など、日本人好みの抜けの良いフックとともに、
爽快な疾走メロスピが楽しめる強力作だ。こうなるとジャケのイメージで損をしている感じもするが、次作も期待。
メロディック度・・8 疾走度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Celtian 「En Tierra de Hadas」
スペインのシンフォニック・フォークメタル、セルティアンの2019年作
2018年にデビューし、2作目となる。優美なシンセに素朴なガイタの音色、メタリックなギターにヴァイオリンやフルートを加え、なよやかな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、MAGO DE OZを女性Voにしたような幻想的なフォーク・メロパワを聴かせる。
キャッチーなクサメロ感とスペイン語によるキュートな女性Voは大変魅力的で、元MAGO DE OZのフルート&ホイッスル奏者の優雅なプレイも楽曲を彩る。
本格派のケルト&フォーク要素と、シンフォニックなメタル感触が自然体で融合しており、重すぎず軽すぎず、サウンドのバランス感も見事だ。
スパニッシュなフォークメタルとしても、女性声シンフォニックメタルとしても期待の逸材が登場したといえる。
メロディック度・8 フォーキー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Celtian 「Sendas De Leyenda」
スペインのシンフォニック・フォークメタル、セルティアンの2021年作
3作目となる本作も、幻想的なジャケのように、しっとりとしたピアノやシンセをギターに重ね、フルートやガイタのフォーキーな響きに、スペイン語の女性ヴォーカルで、優美なフォーク・メロパワを展開する。
キャッチーなメロディのフックがスペイン語の響きに良くマッチしていて、Xana嬢のフェミニンな声質にも、フィメールメタル好きなら萌え必至だろう。
サウンド的には壮麗なアレンジとともに、NightwishやWithin Temptationにも通じるような重厚な説得力も備わって、そこにフォーキーな牧歌性が優雅な彩りを添える。
フォーキーなシンフォニックメタルとしても、多くのリスナーを虜にするだけの高品質な壮麗作です。
シンフォニック度・8 フォーキー度・8 女性Vo度・8 総合・8.5
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Celtic Hills「Mystai Keltoy」
イタリアのパワーメタル、セルティックヒルズの2021年作
2020年にデビューし、2作目となる。バンド名やトリオ編成など、CELTIC FROSTからの影響も想起させるが、
サウンドの方は、オールドなギターにダーティなヴォーカルを乗せた、スラッシーな味わいのパワーメタルで、
どことなくアンダーグラウンドなマイナー感を漂わせている。バックにうっすらとシンセの味付けがあったり、
随所に甘すぎない叙情を奏でるギターなど、初期BLIND GUARDIANのようなエピックな幻想性も感じさせる。
ペイガン風の土着感も匂わせつつ、いくぶんこもり気味の音質も含めて、うすらぼんやりしたB級メタルが味わえる。
ゲストの女性ヴォーカルが歌うナンバーは、シンフォニックなゴシックメタル風で、この路線もありなのでは。
ドラマティック度・7 疾走度・7 幻想度・8 総合・7
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CENTAUR「God Complex」
ドイツのメロディックメタルバンド、セントアーの4th。1999作
聴くのは2nd「Power World」以来となるが、以前はキーボードを使った北欧メタル的な
サウンドだったと思ったが、今作ではギターを前に出したメロパワ風の作りになっている。
前作からVoが変わっていることもあり、バンドとしての表現力に磨きがかかっている。
古き良きジャーマンメタルの質感に、シンセ入りのクラシカルな質感を加味した雰囲気で
曲によってはROYAL HUNTに近い質感も感じる。派手さはないものの安心して楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・7 メロパワ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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CENTURION 「Arise of the Empire」
イタリアのメタルバンド、センチュリオンの1999年作
パワフルなハイトーンヴォーカルで聴かせる、古き良きヘヴィメタルの感触に包まれた正統派サウンド。
ザクザクとしたツインギターのリフは、ICED EARTH的でもあったりするが、JUDAS PRIESTから続く
正統派メタルとしての矜持を感じさせる聴き心地である。個人的にはエピックな勇壮さを
もう少しドラマティックなメロディや展開で表現してもらえると嬉しいのだが。正統派好きはチェック。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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CEPRYCORN
メキシコのシンフォメタルバンド、セプリコーンの5曲入りミニアルバム。
RHAPSODYの登場以後、メタルの盛んなメヒコでもこの手のバンドがにわかに増えているらしい。
このバンドも、ジャケからしてファンタジック。音はキーボード入りで疾走するスタイルで
そこに哀愁たっぷりのスペイン語の歌唱が乗る。マイナー系クサシンフォメタル。
音質の悪さはいかんともしがたいが、雰囲気はなかなかいいし、クサメタラーならチェック。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 音質・・5 総合・・6.5
Chaos Magic
ティモ・トルキによるニュープロジェクト、ケイオス・マジックの2015年作
Timo Tolkki's Avalonに続く、ティモ先生の新たなプロジェクトということで期待半分に聴いてみるが、
女性シンガー、カタリーナ・ニックスの伸びやかな歌声を中心に、適度にモダンなアレンジも含んだ
キャッチーなシンフォニックメタル。そのカタリーナ嬢の歌声は、なかなか美しくてよいのだが、
この手のフィメール・シンフォメタルはすでに出尽くした感があるので、よほど楽曲やアレンジが魅力的でないと
突出することはできないんですね。楽曲そのものの出来は悪くないのだが、ややラウドな音質も含めて、
どことなく抜けきらない感じがあるのが惜しい。そこそこシンフォニックでキャッチーという方向性もやや中途半端。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Chaos Magic 「Emerge」
チリのシンフォニックメタル、ケイオス・マジックの2022年作
女性シンガー、カテリーナ・ニックスをフロントに、ティモ・トルキらがバックアップした1作目から替わって、
2作目では、チリのミュージシャン、ナッソン・コルバランを中心に南米系ミュージシャンがバックを務め、
3作目の本作も、前作同様のメンバーで作られている。ほどよくヘヴィなギターに美麗なシンセアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルとともに、いくぶんモダンでキャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。
楽曲は3〜5分台で、カテリーナ嬢の魅力的な歌声を主体に、WITHIN TEMPTATIONなどに通じる
わりとストレートな作風なので、多くのリスナーが楽しめるだろう。壮麗な女性声メタルが好きな方はぜひ。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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CHARLIE SHRED
スウェーデンのメロディックメタル、チャーリー・シュレッドの2012年作
ReinXeedのメンバーによるバンドで、きらびやかなメロスピのレインエクシードに比べ、
こちらはもっと正統派メタル寄りの作風。しかしそこは北欧らしい美しいシンセアレンジや
適度な疾走感とともにキャッチーなメロディも含んでいて、
STRATOVARIUSやSONATA ARCTICAあたりが好きならば普通に楽しめるだろう。
ボーナストラックがSABATONのカヴァーというのも、いかにもマニアック。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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CHASTAIN「In An Outrage」
テクニカルギタリスト、デヴィット・T.チャステイン率いる、チャステインの7年ぶりの2004作
メンバーは女性Voのケイト・フレンチをはじめ、ドラム、ベースには元VICIOUS
RUMORSの面々。
サウンドは古き良き王道メタルスタイルで、そこにケイトさんのハスキーかつパワフルなヴォーカルが乗る。
こういういまどき珍しいくらいの、80'Sパワーメタルスタイルはかえって新鮮かもしれない。
チャステインのプレイは案外普通のメタルリフを弾いていて、曲自体ももう少しヒネリがあればいいのだが。
メロディアス度・・7 80'Sパワーメタル度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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Chevalier 「Call To Arms」
フィンランドのメタルバンド、シェヴァリエの2017年作
本作は6曲入りのデビューEPで、オールドな味わいのギターにヒステリックな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよい疾走感とともに、80年代NWOBHM的なヴィンテージなメタルサウンドを聴かせる。
こもり気味の音質が、いかにもマイナーなアンダーグラウンド性をかもしだしていて、
前に出すぎない妖しい女性声も含めて、ミステリアスな魔女系ロック的にも楽しめる。
ヴィンテージなB級メタルという点では、Angel Witchがスピードメタル化したような味わいもある。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Chevalier 「Destiny Calls」
フィンランドのメタルバンド、シェヴァリエの2018年作
デビューEPのスタイルをさらにアンダーグラウンドにしたような雰囲気で、軽めのツインギターに
女性ヴォーカルを乗せて、スカスカの音質で疾走する妖しいスピードメタルが炸裂する。
スラッシーな疾走感にリズムチェンジを含む緩急ある聴き心地で、わりと走り気味のドラムなど、
80〜90年代のマイナーメタルが好きならにんまりすること請け合いだ。こもり気味のサウンドは、
80年代バンドの未発音源と言われても信じてしまいそう。この確信犯的なチープさに慣れてくると、
しっかりツボを押さえたスピードメタルが楽しめるようになります。このままでいて欲しい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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CHINCHILLA「THE LAST MILLENNIUM」
ドイツのメロディックメタルバンド、チンチラの3rd。2002作
ジャケにつられて購入。音の方はハードロックとメロパワの中間という雰囲気で、
それほど速くはない疾走曲にかすれ気味の声質のVoが歌を乗せる。
キーボードも入っていて音の厚みもあるし、突出したクサメロやフックはないものの、
骨太でありながらどこかに湿り気を感じる雰囲気には非常に好感がもてる。
最近のメロスピ、シンフォメタルのような派手さはなく、AXXISやLETTER Xなど、
かつての王道ジャーマンメタルの流れをくむサウンドだと思う。
メロディアス度・・7正統度・・8 楽曲・・7 総合・・7
CHINCHILLA「MADTROPOLIS」
ドイツのメロディックメタルバンド、チンチラの4th。2003作
このバンドのサウンドは、基本的には正統派のHR〜HMという感じだが、
やはり音にはどこかドイツ的なマイナー調の湿りけがあるのがポイント。
かすれ気味のVoはカイ・ハンセンを力強くしたようで、GAMMA RAYのミドルテンポ曲に近い雰囲気も。
今回はコンセブト作ということで、雰囲気がよりドラマティックになっていて重厚なメロディックメタルが楽しめる。
ガツンと来る部分は薄いが、欧州メタル好きには好感が持てる音である。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7
Choirs of Veritas 「I Am The Way, The Truth And The Life」
イタリアのシンフォニックメタル、クワイヤ・オブ・ヴェリタスの2017年作
Holy Shireの女性Vo、フルート奏者、Ravenwordのベース、シンセ奏者などによるバンドで、
美麗なシンセアレンジに、伸びやかな男性ヴォーカルとソプラノ女性ヴォーカルを乗せて、
Sonata Arcticaなど、北欧系バンドのようなキャッチーできらびやかなサウンドを聴かせる。
ときにやわらかなフルートの音色も加わって、優美で幻想的な雰囲気に包まれるが、
楽曲そのものには新鮮味はあまりなく、女性声の活躍するパートも少ないのが残念。
シンフォニック度・・8 メロディック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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Christian Mistress 「Possession」
アメリカのメタルバンド、クリスチャン・ミストレスの2012年作
アナログ感たっぷりのギターに、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、古き良き感触のHR/HM。
ドゥーム色はさほどなく、ツインギターを乗せたノリのあるリズムで、正統派のNWOTHMとしても楽しめる。
80年代を感じさせるオールドなカルトメタル風味と、英国HRルーツのブルージーな味わいに
ほどよくメロディアスな叙情性を同居させた聴き心地で、艶めいた女性声もなかなか魅力的な好作品だ。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CHROMING ROSE「LUIS ]W」
ジャーマンメタルバンド、クローミング・ローズの1st。1990年作
HELLOWEENやGAMMA RAY、BLIND GUARDIANといった大御所バンドの影に隠れつつ
当時のジャーマンメタルシーンには、A級になりきれないバンドたちが活発に活動していた。
このバンドも本作の成功により、日本デビューを勝ち取った、まさに中堅どころといってよい存在で
「ルイ14世」というタイトルとメダルを模したジャケのインパクトがなかなか印象深かった。
サウンドの方は典型的に疾走するジャーマンメタルスタイルの“Power And Glory”からつかみはOK。
キャッチーなザビメロディの“Lois]W”やドラマティックな“You And I”など好曲多数。
2nd以降も決して悪い出来ではないのだが、この1stの輝きを超えることはついにできなかった気がする。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・8
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Chroming Rose「Pressure」
ジャーマン・メロディックメタルバンド、クローミング・ローズの3rd。1992作
デビュー作「LUIS ]W」は、いかにもジャーマンメタルらしい爽快な傑作であったが、
本作ではフレイミング・ラスムッセンをプロデューサーに迎え、サウンドにソリッドな硬質感が増した。
ザクザクとしたエッジの効いたギターでモダンなヘヴィネスを聴かせつつ、キャッチーな歌メロが合わさり、
いわば“Chroming RoseのMETALLICA風味”というような独自の味わいがある。
彼ららしいツインギターのメロディも随所に光っていて、これはこれで質の高い力作だと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 硬質度・・8 総合・・8
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Chronosfear 「The Astral Gates - Pt 1: A Secret Revealed」
イタリアのシンフォニックメタル、クロノスフィアーの2022年作
元SpellBlastのヴォーカルやRavenwordのドラムを擁し、2018年にデビュー、2作目となる本作はオリジナルのストーリーに基づくコンセプト作品で、
壮麗なイントロから幕を開け、きらびやかなシンセを流麗なギターに重ね、伸びやかなヴォーカルとともにモダンなシンフォニックメタルを構築。
パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルもよい味わいで、随所にイタリアらしいクサメロ感と疾走パートも覗かせて、ドラマティックに展開する。
RHAPSODYをルーツにしたファンタジックでシネマティックなスケール感が、よりスタイリッシュに継承されているという点でも、
この手のファンにはニンマリだろう。オーケストラルな優雅さと、モダンな硬質感が融合したシンフォメタルの力作だ。続編にも期待。
ドラマティック度・8 壮麗度・9 スタイリッシュ度・8 総合・8
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Chronos Zero 「Hollowlands」
イタリアのシンフォニックメタル、クロノス・ゼロの2016年作
男女ツインヴォーカルを含む編成で、ヘヴィなギターリフによるモダンな硬質感で
ダミ声ヴォーカルを乗せたエクストリームメタルといってもよいアグレッシブな感触に、
ときにシンフォニックなアレンジや女性ヴォーカルが加わり、優雅な雰囲気もかもしだす、
初期のAMARANTHEにも通じるスタイル。ギターはリフを主体にしつつ随所にテクニカルなプレイも覗かせ、
うるさすぎないシンセアレンジがスペイシーな浮遊感を描き出す、モダンなセンスに包まれている。
全体的に重厚な雰囲気はよいのだが、個人的にはもう少しメロディのフックが欲しいのと、
女性声の活躍が物足りないので、今後はさらに楽曲のクオリティを高めていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 モダンセンス度・・8 重厚・・8 総合・・7.5
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Chrysilia 「Et in Arcadia Ego」
ギリシャのシンフォニックメタル、クリシリアの2017年作
シンセにヴァイオリン奏者を含む6人編成で、美麗なシンフォニックアレンジに
美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、NightwishやDelainにも通じる壮麗なサウンド。
随所にフルートやハープ、ヴァイオリンの音色も加わった、フォークメタル風味もあって、
クリソ嬢の可憐で伸びやかな歌声が、楽曲に優美な味わいを付加している。
クサメロのギターフレーズにシンセが重なり、キャッチーなメロディアス性とともに聴かせる
シンフォニック・フォークメタルというべきか。今後は楽曲の質をさらに高めていってもらいたい。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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CircleUCircle「Watching in Silence」
元SAVATAGEの、ザッカリー・スティーブンス率いる、サークル・トゥ・サークルの1st。2003作
ドラマティックで重厚に聴かせるサウンドはやはりSavageの延長上のもの。
哀愁を帯びたザックの歌声に、ギターに重なる美しいピアノやシンセワークなどもほのかに薄暗い叙情性をともなって、
派手さはないもののじっくりと楽しめる音作りだ。Savageのファンであれば聴いて損なしの作品だろう。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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CircleUCircle「The Middle of Nowhere」
元SAVATAGEの、ザッカリー・スティーブンス率いる、サークル・トゥ・サークルの2nd。2005作
SAVATAGEを脱退したあとも、現在まで精力的に作品を作り続けている彼らだが、
個人的にはドラマティックに聴かせてくれた1st以上の作品はまだないように思う。
本作も重厚なギターによる正統的なメタルサウンドを繰り広げていて、安心して聴けるものの、
楽曲ごとのインパクトはやや薄いか。ややダークな作風も個人的には少し単調に聴こえてしまう。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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CIRCLE UCIRCLE「BURDEN OF TRUTH」
サークル・トゥ・サークルの3rd。2006作
コンセプト作ということだが楽曲に難解さはなく、基本的にはややダークめの
重厚さをもったメロディアスなハードロック/メタルアルバムだ。
ザックのヴォーカルはシャウトではなく、じっくりと歌いあげるという雰囲気で、
正統派のギターワークと適度なシンセの味付けとともにドラマティックに聴かせる。
SAVATAGEや初期のKAMELOTあたりにも通じるオーセンティックな好作だ。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Circle II Circle「Delusions of Grandeur」
元SAVATAGEの、ザッカリー・スティーブンス率いる、サークル・トゥ・サークルの4th。2008作
正統派のメタルサウンドで、毎回質の高い作品を聴かせてくれるこのバンドだが、
今作はのっけからいつになくパワフルにたたみかけてくる。
Savatageを思わせる雰囲気は薄まったが、オーセンティックなメタル質感を守りながら、
ドラマティックかつ重厚なサウンドで聴かせる、力強いメロディアスパワーメタルだ。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Circle II Circle「Consequence of Power」
元SAVATAGEの、ザッカリー・スティーブンス率いる、サークル・トゥ・サークルの2010年作
5作目となる本作では、ギターリフの質感がより80年代的に回帰したような聴き心地で、
パワフルなヴォーカルとともに古き良き正統派のヘヴィメタルが味わえる。
どっしりとしたミドルテンポを中心にしつつ、適度に疾走感のある楽曲もあって、
ザッカリー・スティーブンスの枯れた味わいの歌声が大人のメタルサウンドを描いてゆく。
時代が変わろうとも頑固一徹、正統派メタルにこだわりぬいた矜持を感じさせるアルバムだ。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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CIRITH UNGOL「One Foot In Hell」
アメリカのカルト・エピックメタル、シリス・ウンゴルの3rd。1986年作
Manilla Roadとともにマニア受けするB級エピックメタルとして崇められるこのバンド。
力強さのないハイトーンヴォーカルとローカルさを漂わせた怪しい曲調で
古き良きファンタジー小説の挿絵のような世界観を描き出す。1st、2ndに比べると
いくぶんドゥーミィな重厚さが増していて、エピック・ドゥームとしても聴けるが、
やはりあくまでマニア向けのバンドであろう。ジャケ買いしたい方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 B級度・・8 総合・・7
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Cirith Ungol 「Servants Of Chaos」
アメリカのエピックメタル、シリス・ウンゴルの2002年作
Manilla RoadとともにUSカルトメタルとしてマニアに人気のバンドの未発音源集。
70年代から90年代の楽曲をCD2枚に収録。初期のサウンドはNWOBHMを思わせる
いかにもなB級感満載のHR/HMで、ヒステリックなハイトーンヴォーカルが特徴的。
シンセアレンジも入った怪しいドゥームメタル風味の世界観もありつつ、楽曲の煮えきらなさと
アンダーグラウンドな内的な志向性がマニア心をくすぐるのだろう。音質面のローカルさも含めて、
相当ディープなマニア向けなのは否めないが。ボーナスDVDには1984年の貴重なライブ映像を収録。
ドラマテイック度・・7 B級度・・9 怪しさ度・・9 総合・・7
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Cirith Ungol 「Forever Black」
アメリカのエピックメタル、シリス・アンゴルの2020年作
1986年にデビュー、1991年までに4作を出して消えるも、ここに29年ぶりとなる復活の5作目が完成。
ギター、ドラム、ヴォーカルは当時のメンバーなので、サウンドの方も、80年代的なスタイルのまま、
オールドなギターに、ティム・ベイカーのシャウトぎみのヴォーカルを乗せた、古き良きメタルサウンド。
メロディも甘すぎることなく、ヴィンテージなハードロックとしてのツボを押さえたギターワークを主体に、
硬派なエピックメタルを聴かせつつ、ゆったりとした叙情ナンバーも耳心地よい。全体的には、
いつも通り、盛り上がり切らないマイナーさこそが、このバンドたる所以というところ。マニアはどうぞ。
ドラマティック度・7 エピック度・7 古き良き度・8 総合・7.5
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CITADEL「TRANSITION」
フィンランドのメロスピバンド、シタデルの2003年作
キーボード入りの4人組でBがVoも兼任。若さに任せて疾走する部分はSONATA ARCTICAを思わせるが、
このバンドの場合はもう少しクサジャーマン系の音で、初期のNOCTURNAL RITESにも通じる
「B級さを残したメロディライン」が、その手のマイナー系ファンにはたまらないだろう。
やや詰めの甘い曲アレンジや歌の弱さなどがB級色をかもしだしているが、サビのコーラスや、
CRYSTAL EYES並みにクサキャッチーな歌メロなどが<なかなか心地よい。
ちょっとB級のクサメタル系メロスピが好きなら聴いて損はない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 クサキャッチー度・・9 総合・・7.5
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CLAIRVOYANTS 「Word to the Wise」
イタリアのメタルバンド、クレイアヴォイアンツの2008年作
ツインギター編成の5人組で、パワフルなヴォーカルで聴かせる正統派メタル。
随所にツインギターのクサメロを配しながら、かつてのジャーマンメタルに通じる
マイナー臭さを含んだ聴き心地。メロディや楽曲自体には新鮮味は薄く、
突出したものはないのだが、安心して楽しめる古き良きタイプの正統派。
ラストはIRON MAIDENの名曲“Hallowed Be Thy Name”のカヴァーで、
何故かアンドレ・マトスが歌っている。これがなかなか格好よい。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲度・・7 総合・・7.5
CLAYMORE「Lament of Victory」
セルビアのシンフォニックメタル、クレイモアの2013年作
きらびやかなシンセアレンジと、RHAPSODYを思わせるエピックな世界観に、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、ファンタジックなシンフォニックメタル。
2曲目からは男性Voも加わって、男女ヴォーカルによるゴージャスなサウンドで、
MANOWARのような正統派のエピックメタル要素や、パワフルな疾走感もあり、
メロディックで重厚な雰囲気が楽しめる。辺境的なマイナー臭さはあまりないので
B級バンドが苦手な人でも大丈夫。随所にクサメロも含んだファンタジーな力作です。
ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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CLAYMOREAN 「Sounds from a Dying World」
セルビアのメロディックメタル、クレイモアンの2017年作
CLAYMOREが改名したバンドで、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せエピックな世界観を描く、
正統派のメロパワスタイル。Crystal Viperのようなオールドなメタル感触とともに、
どこか翳りを含んだ妖しさも感じさせる、ドラマティックな空気感もなかなかよろしい。
ミドルテンポのどっしりとしたナンバーを中心に、疾走ナンバーもあり、ヨーロピアンなメロパワが好きな方なら
かなり楽しめるだろう。ラストはNWOBHMのカルトなバンド、CLOVEN HOOFのカヴァーというマニアックぶり。
ドラマティック・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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CLAYMOREAN 「EULOGY FOR THE GODS」
セルビアのメロディックメタル、クレイモアンの2021年作
CLAYMORE名義で2003年にデビュー、3作目からCLAYMOREANへと改名し、本作は5作目となる。
メタリックなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、正統派のパワーメタルサウンドで、
今作ではギターリフなどにも、80〜90年代ルーツのオールドなメタル感触がより強まっている。
紅一点、Dejana嬢の歌声は、ハイトーンのシャウトも含めて、パワフルに楽曲を彩っている。
7分前後の大曲も多く、どっしりとしたミドルテンポを主体に、随所にメロディックなギタープレイも覗かせる。
これという新鮮味はないが、キャリアのあるバンドらしい説得力とともに、女性声のヘヴィメタルが楽しめる。
メロディック度・7 正統派度・8 女性Vo度・7 総合・8
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CLOUDSCAPE
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クラウド・スケイプの2004作
このバンドの場合、新人といってもメンバーはみな30代のおっさんたち。
したがって、サウンドにはどこか古き良きHRを思わせるキャッチーさがあるのが特徴。
演奏の方もさすがに年季を経たプレーヤーの集まりだけあって、ずっしりとした重量感がある。
新鮮味はとくにない音だが、クオリティの高いメロディックメタル/ハードロックサウンドだ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 80'sハードロック度・・8 総合・・7
Cloven Hoof 「A Sultan's Ransom」
イギリスのメタルバンド、クローヴェン・フーフの1989年作
1984年にデビュー、NWOBHMを代表するバンドのひとつ。本作は3作目で、DVD付きの2022年再発盤。
ツインギターのリフにハイトーンヴォーカルを乗せ、ほどよく疾走感のあるヨーロピアンなメタルサウンドを展開。
緩急あるリズムチェンジやウェットな叙情を含んだスタイルは日本人好みで、楽曲も演奏も、当時のIRON MAIDENなどと比べても遜色ない。
いくぶんのマイナー感を漂わせつつ、ドラマティックでエピックな空気感は、コアなメタルファンにはより気に入られるはずだ。
ツインリードの叙情性と随所に疾走感を盛り込んだ知的な展開力で聴かせる、80年代ブリティッシュメタルの隠れた傑作である。
再発盤DVDには1989年のライブ映像やビデオクリップを収録。年代を考えれば画質と音質も良好で当時のバンドの姿が楽しめる。
ドラマティック度・8 エピック度・8 英国度・8 総合・8
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Cloven Hoof 「Time Assassin」
イギリスのメタルバンド、クローヴェン・フーフの2022年作
1989年までに3作を残して消えるも、2006年に復活、その後は順調にアルバムを発表し、本作は復活後5作目となる。
オリジナルメンバーは、ベースのリー・ペインのみであるが、ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて、オールドスタイルのメタルサウンドを聴かせるところはかつてのまま。
ときにシンセによるアレンジも加わるなど、わりと現在形のスタイルも覗かせつつ、パワフルなハイトーンでシャウトする部分などは、マイナーになったJUDAS PRIESTという感じもある。
タイトルナンバーは、リズムチェンジを含む往年を思わせるドラマティックな聴き心地で、ほどよい疾走感とともに叙情的なツインリードも随所に覗かせる。
メンバーが変わってもこの路線を続ける心意気はあっぱれだ。
ドラマティック度・7 古き良き度・8 英国度・8 総合・8
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THE CODEX
テクニカルギタリスト、マグナス・カールソン率いるコデックスの2007作
華麗なイントロから期待させるが、曲の方もドラマティックなメタルサウンドで、
正統派のメタル/ハードロックを重厚に、そしてシンフォニックに味付けした雰囲気。
マーク・ボールズの堂々たる歌声はやはりさすがの説得力だし、
ときにテクニカルなギタープレイも織りまぜるマグナスのセンスも見事だ。
ただのネオクラシカルに走らない、メロディアスな王道のハードロック楽しめる。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Commandment 「No Mercy」
アメリカのメタルバンド、コマンドメントの2010年作
1989年に録音された未発音源のCD化で、サウンドはハイトーンヴォーカルで聴かせる
じつに正統派のエピック・パワーメタル。やはりB級なマイナー感を漂わせた雰囲気で
どこか煮え切らないギターのメロディや声の裏返るハイトーンなど、いかにも80年代的な粗さが
むしろマニア心をくすぐるかもしれない。B級メタル、カルトメタル好きの方はどうぞ。
メロディック度・・7 正統派度・・8 B級度・・8 総合・・7
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CONCEPT「REASON AND TRUTH」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、コンセプトの1st。2003年作
きらびやかなシンセに優しげなハイトーンヴォーカル乗せて疾走する、初期のSONATA ARCTICAのようなスタイルに
リズムチェンジを含むProgMetal的な展開美で聴かせるシンフォニック・メロスピサウンド。
やはりポイントは美麗なキーボードで、様式美というよりはむしろシンフォプログレ的なアレンジで耳に心地よい。
ギターは一本ながらもシンセのおかげでサウンド全体に厚みが感じられ、やわらかな印象をもたらしている。
また、単に疾走しまくるだけでなく、泣きの叙情パートや、若干のプログレ的なリズムアレンジなどもあり、
7分、9分の大曲もこなすあたり、そのへんのB級クサメタルよりは知的な部分がかいま見える。
シンフォニック度・・9 疾走度・・8 優美度・9 総合・・8
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CONCEPT「THE DIVINE CAGE」
イタリアのメロディックメタルバンド、コンセプトの2nd。2005年作
1stはきらきらとしたキーボードが美しいサウンドだったが、この2ndもその延長線上のサウンド。
マイルドなヴォーカルときらきらキーボードを乗せて疾走、前作にも見られたプログレ的アプローチも健在で、
ときおり聴かせるリズムの遊びや緩急をつけた曲展開、女性ヴォーカルの導入などは、
メロスピ一辺倒になりがちな楽曲にメリハリをつけている。やわらかなメロスピがOKならば楽しめる。
軟弱系シンフォメタル、クサいメロスピ、プログレ風味あり…と書いて興味のある方は聴くべし。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 優美度・・9 総合・・8
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CONQUEST「ENDLESS POWER」
ウクライナのメロスピバンド、コンクエストの2002作
DRAGONFORCE的に疾走しまくりの曲に、少々弱いVoが乗るのは
ヨーロッパのマイナー系バンドと同様。ツインギターに時々キーボードも入り
音としてはそこそこいい感じだし、なによりこの勢い、疾走感が気持ちいい。
ただメロディが平坦で(ときおり聴かせる民族調のメロはいい感じだが)、
クサメロファンをKOするほどのものはまだない気がするのでそこは次回作に期待。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
W.ANGEL'S CONQUEST「W」
ウクライナのメロディックメタル、ダブルエンゼルズ・コンクエストの2011年作
デビューから10年という、ウクライナのバンドとしてはすでに中堅クラスの存在。
クサメロのギターときらびやかなシンセアレンジに、ハイトーンヴォーカルで聴かせるサウンドは、
一聴してSONATA ARCTICAあたりに通じる感触で、東欧のバンドにしてはそこそこ質は高い。
疾走するメロスピ曲はなかなか爽快だし、全体的にも嫌いではないのだが、メロディや曲のインパクトに、
独自の個性というものはあまり感じられない。魅力あるバンドになるためには、さらにアレンジのセンスを磨いて欲しい。
メロディック度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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W.ANGEL'S CONQUEST「FEW MOMENTS OF OUR LIFE」
ウクライナのメロスピバンド、ダブルエンゼルズ・コンクエストの2012年作
2001年にデビューしてから現在までに4作を発表、本作は過去の楽曲のリテイクとライブ音源を収録した企画アルバム。
やわらかなヴォーカルとクサメロのギターで疾走する軽めのメロスピサウンドで、シンセを含んだきらびやかな聴き心地は
初期のSONATA ARCTICAなどが好きな方にはたまらないというスタイルであろう。
メロディなどはSTRATOVARIUS以降の典型的な雰囲気で、さして新鮮味はないのだが、
いかにも日本人受けしそうなクサさがあって、メロスピマニアは大歓喜間違いなし。
ちなみに、ギターでリーダーなのがW.Angel氏で、バンド名に「オレのバンドだ」的にくっついているらしい。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ライトなメロスピ度・・9 総合・・7.5
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CONSORTIUM PROJECT U「CONTINUUM IN EXTREMIS」
現ELEGYのVo、イアン・パリーのプロジェクトアルバム第二弾。2001作
ELEGYのメンバーに加え、VANDEN PLASのG、Drなども参加。
参加メンバーが実力者揃いなこともあり、ソロ作とはいえ音には整合感があり
シリアスかつメロディックなテクニカルメタル作品に仕上がっている。
イアンのVoもさることながら、プログレ的でありながら様式色もある
パトリック・ロンダットのギターワークが素晴らしく、曲に硬質な緊張感をもたらしている。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
CONSTRAINT 「ENLIGHTENED BY DARKNESS」
イタリアのシンフォニックメタル、コンストレイントの2017年作
壮麗なシンセアレンジにギターを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、Nightwishタイプのサウンド。
メタリックなリフとともに随所にメロディックな旋律を奏でるギターと、クラシカルなピアノを含むシンセ、
そして紅一点、ベアトリス嬢の歌声は、ターヤを優しくしたようななよやかな魅力があり、サウンドを優美に彩る。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルなので、ドラマティックな盛り上がりというまではゆかないのだが、
美しい女性声をメインに聴かせる作風は間違っていない。ピアノをバックにしっとりと歌い上げるナンバーなど、
オペラのアリアを思わせるような優雅なヴォーカルにウットリ。女性声シンフォニックメタルの期待の逸材です。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Corazon Profeta 「Renacimiento」
アルゼンチンのメタルバンド、コラゾン・プロフェタの2014年作
オルガンやピアノを含むシンセと古き良きテイストのギターに、スペイン語のパワフルなヴォーカルで聴かせる
同郷の先輩、RATA BLANCAあたりにも通じる正統派のメタルサウンド。楽曲にはこれというインパクトはないのだが、
メロディのフックはいかにも王道の感触で、オールドスタイルのHR/HMが好きな方なら、普通に楽しめるだろう。
ギターソロなどのメロディセンスもなかなかで、B級臭さはあまり感じさせない。アルゼンチンメタルの好作品。
メロディック度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Coronatus「Lux Noctis」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、コロナタスの1st。2007年作
二人の女性ヴォーカルをフロントに立てるフィメール・シンフォメタルの新鋭。
先に聴いていた2ndはなかなかの傑作だったが、デビュー作でも方向性はすでに確立している。
基本的にはNightwishを思わせるオペラティックな女性声をメインにしたよるサウンドで、
シンフォニックなシンセとともに美しく聴かせる。楽曲の魅力という点では2ndほどではなく、
また二人の声質の使い分けという面からしても、本作はまだ粗削りな印象を受ける。
ときおりメロディにフォーキーな要素が出てきたり、ドイツ語による歌唱の響きは
この手のフィメール・シンフォメタルの新たな可能性を感じさせている。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Coronatus「Porta Obscura」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、コロナタスの2nd。2008年作
二人の女性ヴォーカルの歌声を中心に聴かせる、壮麗なシンフォメタルサウンド。
ドイツ語で歌われるオペラティックなソプラノヴォイスがとても素晴らしく、
シンセによるオーケストレーションと、適度にヘヴィでモダンなメタルサウンドが融合、
かつてのNIGHTWISHをよりクラシカルにしたかのような質感で、美しく優雅に聴かせる。
女性Vo二人の声質がそれぞれに可憐さと、伸びやかなソプラノという違いがあるので
歌声が単調にならないのもよろしい。これは女性声シンフォニック・クラシカルメタルの新境地。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Coronatus「Fabula Magna」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、コロナタスの3rd。2009年作
二人の女性ヴォーカルの歌声を中心に聴かせる壮麗なシンフォメタルサウンドで、
前作「Porta Obscura」は、クラシカルなNightwishというべき傑作であったのだが、
今作では一聴してヘヴィロック的なモダンなノリが前に出ていている印象。
もとろん壮麗でシンフォニックな要素は残しているが、ザクザクのギターリフに
ときおり男のデスヴォイスも入ってきたりと、いくぶんメタルコア的な硬質感が強まった。
途中からはフォークメタル風味にもなったりと、新たな方向性に向かっているのは分かるが、やや微妙。
シンフォニック度・・7 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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「Terra Incognita」
ドイツの女性Voシンフォニックメタル、コロナタスの2011年作
2ndまでは二人の女性ヴォーカルの歌声で聴かせる壮麗なシンフォメタルだったが、
前作でややモダンなヘヴィさが増し、本作もその流れを組んだ作風になっている。
ヘヴィなギターとシンフォニックなアレンジに女性ヴォーカルの美しい歌声が乗る、
いわばダークめのEDENBRIDGEという感じで楽しめる。曲によってはドイツ語の歌声と
トラッド調のメロディなども顔を覗かせ、最近流行りのゲルマンメタル風味もあったりする。
前作よりは美麗さが戻っているのでひと安心。16分におよぶ組曲も含めてなかなかの力作。
シンフォニック度・・8 ゲルマン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Coronatus 「Recreatio Carminis」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2013年作
5作目となる本作では、フロントの女性ヴォーカルが3人となり、優美なオーケストラアレンジとともに
よりシンフォニックになったサウンドを聴かせる。クラシカルな美麗さとモダンなヘヴィネスのバランスもよろしく、
ドイツ語で歌われる曲などは、ゲルマンな雰囲気がよい感じです。3人の女性声もオペラティックなソプラノや
やわらかな美声と、それぞれに違いがあって、美しいコーラスの重なりも含めて、耳心地よく楽しめる。
適度に疾走感を含む楽曲もありつつ、ゴシックメタルのリスナーにもオススメできるシンフォニックな好作品。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
Coronatus 「Cantus Lucidus」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2014年作
二人の女性ヴォーカルの歌声を乗せて優雅に聴かせる、Nghtwishタイプのスタイルと言えるが、
それぞれ声質の異なる女性Voが、ときにコーラスに回ったり、メインになったりと、
いいまでなかったようなツインVoによるフィメール・シンフォニックメタルと言えるだろう。
ドイツ語なまりの英語や、実際にドイツ語も使用していて、ゲルマンな香りを漂わせた世界観と、
適度にキャッチーなノリの良さが合わさっていて、ヘヴィさは抑えめなのでシンプルに聴き安い。
シンフォニックな重厚さの点ではやや物足りなさもあるが、女性声メタル好きならば外れない。
シンフォニック度・・7 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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Coronatus 「Raben Im Herz」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2015年作
2007年にデビュー、8年間ですでに7作目という多作ぶり。二人の女性ヴォーカルをフロントに、
美しいソプラノとタイプの違う艶めいた歌声を絡ませ、壮麗でシンフォニックなアレンジで聴かせる
スタイルはそのままに、本作では随所にフィドルの音色も重なったフォーキーな質感が増したという印象。
オペラティックで優美なクラシカル性とともに、楽曲によっては適度な激しさと疾走感もあって、
これまで以上にダイナミックな聴き心地である。フォークメタル的にも楽しめるナンバーもあったり
ドイツ語によるナンバーが増えたことも、バンドとしての新たな側面も覗かせる。よいですね。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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CORONATUS 「Secrets of Nature」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2018年作
2007年にデビュー、本作ですでに8作目となる。オーケストラルなアレンジに3人の女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
壮麗なシンフォニックメタルサウンドは本作も同様。美しいソプラノヴォーカルから、中音域のメゾソプラノと、
絶妙に異なった声域の女性声が絡み、ヴァイオリンも鳴り響くクラシカルな優雅さとほどよいヘヴィネスが合わさって、
Nightwishなどが好きな方にはウットリの聴き心地である。反面、楽曲そのものの新鮮さという点では、
これといった個性は感じられず、どことなく中庸感が漂っているのも、ある意味らしさというべきか。
曲によっては男性voも加わったり、フォークメタル風味もあったりと、それなりに飽きずに楽しめます。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Coronatus 「The Eminence of Nature」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2019年作
2007年にデビュー、本作はすでに9作目。艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、美しいソプラノ女性ヴォーカルに、
もう1人の女性ヴォーカルも加わって、ときにフォーキーな感触も含んだ優美で壮麗なサウンドを聴かせる。
ときおり男性も加わりつつ、女性2人も合わせた3人のヴォーカルを乗せて、メディーヴァルな優雅さに包まれた
NIGHTWISHにも通じるオペラティックな味わいで、ファンタジックな世界観を描いてゆく。楽曲は3〜5分前後が主体で、
トータル全39分ほどなので、ドラマティックな濃密さの点では物足りなさはあるが、優美な女性声シンフォメタルの好作品だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性ヴォーカル度・・8 総合・・7.5
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Coronatus 「Atmosphere」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2021年作
2007年にデビューし、本作は10作目となる。優美なイントロで幕をあげ、ピアノとヴァイオリンによる前奏からメタリックなギターに、二人の女性ヴォーカルの歌声を重ねて、壮麗なシンフォニックメタルを展開。
楽曲は3〜5分前後とわりとシンプルで、ドラマティックな盛り上がりはさほどないのだが、声質の異なる二人の歌声の絡みや、ときにフォーキーな優雅さも覗かせるなど、幻想的な雰囲気は悪くない。
疾走感のあるアグレッシブなナンバーなども良い感じなのだが、ラスト曲は何故かジャズタッチと、方向性は定まらず、全体的にも突き抜けきらないフックの弱さはぬぐえない。
シンフォニック度・7 楽曲・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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CRIMSONFIRE
オーストラリアのメロディックメタルバンド、クリムゾンファイアーの2005作
DUNGEONやBLACK MAJESTYをはじめ、質の高いメタルバンドを生み出してきた豪州から、
VANISHING POINT、VOYAGERに続き、美麗なサウンドで聴かせるバンドが登場。
美しいシンセによるシンフォニックな質感とマイルドなヴォーカルメロディに、
ときおり北欧かイタリアのバンドのようなクサメロも顔を出す。メロスピというには疾走は少ないし
メロパワというにはクサ系の軟弱さが耳につくので、方向性がやや曖昧な音なのだが、
個人的には嫌いではない。少しマイナー臭いシンフォメタルというのが適当かもしれない。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・7 総合・・7.5
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Crimson Glory 「Astronomica」
アメリカのメタルバンド、クリムゾン・グローリーの1999年作
1986〜1991年までに3作を残して消えたバンドの、8年ぶりとなる復活作。
勇壮な雰囲気のイントロ曲から、王道のギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、
かつてを思わせるプログレッシブな味わいを含んだ、正統派メタルを聴かせる。
ヴォーカルは交代しているが、イメージ的に近い声質なので、さほど違和感はなく、
随所に流麗なギタープレイも光っていて、ほどよくテクニカルな構築美で楽しめる。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 クリグロ度・・8 総合・・8
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CRIMSON SUN 「Towards the Light」
フィンランドのシンフォニックメタル、クリムゾン・サンの2015年作
女性Voにシンセ奏者を含む5人編成で、モダンな硬質感とキャッチーなメロディアス性に
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、AMARANTHEタイプのサウンド。
優美なシンフォニック性とデジタリィな感触も含んだシンセアレンジはなかなかセンス良く、
紅一点、Sini嬢の歌声はいくぶんレンジが狭いものの、その歌唱を上手く引き立てている。
楽曲は3〜4分台が中心でわりとシンプルで聴きやすいが、反面、盛り上がり切らない物足りなさも。
現時点ではまだ突き抜けたクオリティや個性は感じないものの、今後に期待の新鋭です。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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CRIMSON WIND「The Wings Of Salvation」
イタリアのメロディックメタル、クリムゾン・ウインドの2011年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックな美麗さを含んだいくぶん軽めのサウンド。
歌うのは元Thy Majestieのヴォーカルで、ギターにしろシンセにしろそれなりに弾きまくっているのだが、
メロディに突き抜けた魅力がないため、全体的にどうしてもB級に聴こえる。 疾走感もさほどなく、
随所にアコースティカルな風味も入ったり、メリハリをつけようとしているのも、かえって中途半端に思える。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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Crimson Wind 「Last Poetry Line」
イタリアのメロディックメタル、クリムゾン・ウインドの2015年作
元Thy Majestieのヴォーカルが参加しているということで聴いた前作はいまひとつでガッカリしたのだが、
2作目となる本作ではそのヴォーカルが交代している。きらびやかなシンセアレンジとともに疾走する
クサメロスピ度がいくぶん増していて、シンフォニックで壮麗な聴き心地はなかなか悪くないではないか。
新ヴォーカルのマイルドな歌声は、同郷のWonderlandあたりを思わせる甘い軟弱系で好みを分けるが、
このキラキラ系路線にはむしろよく似合っている。2000年代前半のイタリアンメタルの微笑ましさと、
メジャー感をまとわないヤワな感じが好きな方なら、けっこう楽しめるのではないだろうか。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 壮麗度・・8 総合・・7.5
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Cromonic 「Time」
スウェーデンのメロディックメタル、クロモニックの2017年作
シンセを含む5人編成で、メロディックなギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
STRATOVARIUSなどにも通じる正統派のメロパワサウンド。わりとクサメロ寄りのギターフレーズに、
なかなか表現力のあるヴォーカルも含めて、この手のバンドの中でもクオリティは高い部類だろう。
全体的には、キラーチューンというほどのインパクトあるナンバーやメロに意外性がないのと、
ジャケの地味さも含めてまだまだ成長が必要だとは思うが、安定した好作ではあります。
メロディック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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CROSSHOLDER「Az Ido Fogsagaban」
ハンガリーのメロディックメタル、クロスホルダーの2010年作
映画的な語りから始まり、ツインギターと母国語のヴォーカルを乗せて聴かせる、
十字軍遠征をテーマにしたエピックメタル。楽曲はミドルテンポが主体で、
いくぶんの辺境臭さもありながら、普通にパワフルな正統派メタルが楽しめる。
随所に叙情的なパートもあったりと、ドラマティックな世界観もよいですね。
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CROSSWIND「Opposing Forces/Beyond」
ギリシャのメロパワバンド、クロスウインドの2009年作
これまでに出ていた2枚のミニアルバムを1枚にまとめて再発したもののようで、
ツインギターのメロディで疾走する、なかなかパワフルな正統派サウンド。
初期のDREAM EVILやLOST HORIZONように、メロディアスな聴き心地と
男臭い力強さのバランスがとれた作風で、ギリシャという地域性はほとんど感じない。
現在も活動中なのかは分からないが、このレベルでのフルアルバムを聴いてみたい。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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CROSSWIND 「Vicious Dominion」
ギリシャのメロディックメタル、クロスウインドの2014年作
ミニアルバムをまとめた2009年作はかなりの出来であったが、満を持しての1stフルがここに完成。
壮麗なイントロから曲が始まるとパワフルなツインギターと伸びやかなヴォーカルを乗せて、
かつてのDREAM EVILやLOST HORIZONを受け継いだような、力強い正統派のメロパワが炸裂する。
随所にツインギターのメロディックなフックもあり、どっしりとしたミドルテンポ曲から勢いのある疾走曲まで
バランスのよい構成も含めて、ギリシャ産とは思わせないクオリティの高さが光る。正統派メロパワ好きはチェック!
メロディック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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CROWN OF GLORY「A Deep Breath of Life」
スイスのメロディックメタルバンド、クラウン・オブ・グローリーの2008作
スイスというと有名なのはGOTTHARDで、あとは最近ではフォークメタルのELUVEITIEくらいなのだが、
このバンドは珍しく正統派のメロディックメタルバンドである。ツインギターにシンセを含む6人組みで、
メロディアスに疾走するサウンドは、ジャーマンと北欧メタルの中間という感触か。
マイルドなハイトーンで歌うヴォーカルに、ギターによる泣きの叙情メロディも耳心地がよく、
シンセ入りでありながらも、随所に古き良きメロパワの雰囲気を漂わせているのもよろしい。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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CRYONIC TEMPLE「CHAPTER 1」
スウェーデンのメロパワバンド、クライオニック・テンプルの1st。2002作
馬上の騎士が旗を持っている「いかにも」なジャケ通り、コテコテのパワーメタル。
ツインギター+疾走+高音Voという定型内のサウンドだが曲、演奏の質はそこそこ高い。
これはHELLOWEENというよりも精神性はMANOWARに近いかも。
目新しさが何一つないが1曲目のタイトル「HEAVY METAL NEVER DIE」(笑)
の文字になにやら熱いものを感じる方にはお薦め出来る。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 メタル愛・・9 総合・・7
CRYONIC TEMPLE「blood,guts & glory」
スウェーデンのメロパワバンド、クライオニック・テンプルの2nd。2003作
おお、これぞいわゆる男のトゥルー・パワーメタルというスタイルに興奮だ!
前作はなんら面白くない作品だったが、今作はまず楽曲の質が上がった。
ときおり散見されるHELLOWEEN的なリフなども、今作では自然に曲に溶け込んでいるし、
王道スタイルで疾走するサウンドはとても潔い。基本は普通のジャーマンメタルなのだが、
マイナー臭さが消えて世界観の説得力がついてきた。これでヴォーカルに説得力が出れば鬼に金棒。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 メタル魂度・・9 総合・・7.5
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CRYONIC TEMPLE「IN THY POWER」
スウェーデンのメロパワバンド、クライオニック・テンプルの3rd。2005作
前作もこの手としては熱きメタル魂炸裂の好盤だったが、今回も期待を裏切らない。
初期HELLOWEENばりの疾走感に加え、北欧らしいキャッチーな歌メロをまぶして
メロディアスさとメタリックな硬派な部分を上手く同居させている。
かつてのHAMMERFALLあたりよりもずっとパワフルだし、ドラマティック、
楽曲アレンジの面でも成長を見せた今作は、ミドルテンポの曲でも飽きずに聴かせる。
バンドとしての最高傑作と言ってよい出来だろう。むろんクサメタラーにも対応!
メロディアス度・・8 疾走度・・8 メタル魂度・・9 総合・・8
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CRYONIC TEMPLE「IMMORTAL」
スウェーデンのメロパワバンド、クライオニック・テンプルの4th。2008作
北欧の正統派メロパワ系としては、NOCTURNAL RITES、DREAM EVILに次ぐこのバンド。
最高傑作であった前作「In Thy Power」に続く今作も、まずは期待通りの出来だ。
適度にHELLOWEEN風味を感じさせるツインギターのリフとともに疾走しつつ、
ミドルテンポでは古き良きメタル魂を覗かせて、この手のメタルが好きならにんまりできる。
ただ今作は、全体的には新鮮味は薄く、すべては平均以上なのだがやや決定打に欠けるか。
正統メロパワ度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Cryonic Temple「Deliverance」
スウェーデンのメロディックメタル、クライオニック・テンプルの2018年作
2002年にデビュー、メンバーを大幅にチェンジして9年ぶりの復活作となった前作に続き、本作は6作目。
壮麗なイントロで幕を上げ、うっすらとしたシンセをバックにツインギターとマイルドなヴォーカルを乗せて疾走する
初期のHAMMERFALLを思わせる雰囲気の正統派メロパワサウンド。ツインギターの流麗なフレーズや
シンセによるシンフォニックな味付けも含めて、SONATA ARCTICAにも通じる壮麗な雰囲気に包まれていて、
ミドルテンポでのキャッチーな味わいもなかなかよい感じだ。ほどよいクサメロ感とヘヴィ過ぎないサウンドが、
北欧メロスピらしい優雅さをかもしだしつつ、ゆったりとした叙情のバラードナンバーや、JUDAS PRIESTのような
オールドなメタル感触もあったりと、コンセプトアルバムでありながら自然体で楽しめるのがよいですな。
メロディック度・・8 疾走度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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CRYSALYS「The Awakening of Gaia」
イタリアのシンフォニックメタル、クリサリスの2012年作
オペラティックなソプラノ女性ヴォーカルの歌声と、モダンなヘヴィさで聴かせる
フィメール・シンフォニックメタル。少々感情過多な感じもする歌声に壮麗なアレンジで、
ゴシックメタル的な耽美さもいくぶんあって、濃密な世界観がなかなか良い感じである。
ただ現段階ではまだまだ楽曲やメロディにあまり個性が感じられないので、今後に期待。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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CRYSTAL EYES「WORLD OF BLACK AND SILVER」
スウェーデンのクサメタルバンド、クリスタル・アイズの1st。1999作
初期ハロウィンとガンマレイ的なポップなまでにキャッチーなメロディで疾走、
楽曲はアレンジ的にB級さを残しているがフックが多く、クサメロまくり。
音は軽いので、メロパワ好きにはきついだろうが、クサメタル好きならばどうぞ。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・9 総合・・7
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CRYSTAL EYES「IN SILENCE THEY MARCH」
スウェーデンのクサメタルバンド、クリスタル・アイズの2nd。2000年作
前作同様、初期ハロウィン的なツインリードのスピードメタル満載だが、
アレンジ、楽曲の質がどうにもB級臭く、1stから成長の跡が見られない。
あえてこのバンドの魅力を探すとすると、その世界観にはそぐわぬほどの
ポップでキャッチ―な歌メロだが、他のチープさを上回るだけのクオリティはなく、
結果として未だアマバンドの域を脱していない。ジャケはけっこう好きです。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・9 総合・・7
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CRYSTAL EYES「VENGEANCE DESCENDING」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クリスタル・アイズの3rd。2003作
今作は、前2作に比べて多少(・・ごく多少)演奏に力強さが出てきている。
ただし、一般のメタルリスナーからすれば、このキャッチーを通り越した能天気軽すぎるメロディには
笑ってしまうだろうし、未だにアマくささの抜けない演奏をしょぼいと感じずにはいられないだろう。
ただし、クサメロを解する人間には、この軽めのキャッチーさがときとして心地よいのも事実(笑)
いや、なんかいい・・・んだなあ。この田舎のジャーマンメタル的なキャッチーさ。軽くて弱そうだけど。
なんとLOST HORIZONのVoが一曲参加してメインで歌っている。彼の歌はさすがにいいね。
あと、おまけに、別に欲しくもないCRYSTAL EYESステッカーが付いていた・・(^^;)
クサメロ度・・8 疾走度・・7 B級度・・8 総合・・7.5
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CRYSTAL EYES「Confessions of The Maker」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クリスタル・アイズの4th。2005年作
2ndまではどうしようもないB級クサメタルをやっていたが、前作では演奏のクオリティが上がり、
そしてこの4作目では、なんと元LOST HORIZONのVo、ダニエル・ヘイマンが参加!
そのせいで、ヴォーカルパートの説得力が一気に上昇し、雰囲気的にもこうも変わるものか、
というくらい正統派のサウンドになった。これは一気にB級バンドから脱出したぞ。まるで別バンド。
ただし以前の軽めのクササウンドがお好きな方にはやや残念かも
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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CRYSTAL EYES「CHAINED」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クリスタル・アイズの2008作
おそらくこれが5作目。どうしようもないヘナチョコのクサメロスピだった初期から
前作では正統派メロパワの力強さが加わって、ごくわずかに期待していたが、
本作も初期に比べるとはるかにパワフルになった正統派サウンドの好作だ。
サビでのキャッチーな歌メロもいい感じで、北欧というよりはGAMMA RAY的な
ジャーマンメタルに近い感触か。あとはもうひとつ突き抜けた曲があれば。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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Crystal Eyes「Killer」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クリスタル・アイズの2014年作
デビューは1999年という、なにげに中堅クラスのこのバンド、初期のヘナチョコメロスピ路線から
4作目あたりからパワフルな作風へと変化してゆき、本作は6年ぶりとなる6作目。
クサメロを含んだキャッチーさと、パワフルな正統派サウンドが合わさった感触はそのままで、
これならGAMMA RAYタイプの古き良きジャーマンメタル系メロパワとして普通に楽しめる。
これだという突き抜けた楽曲がないのもやはりこのバンドらしい。相変わらずの中庸の好作。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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CRYSTAL GATES 「TORMENT & WONDER」
ラトビアのシンフォニックメタル、クリスタル・ゲイツの2023年作
ペイガンな味わいの壮麗なイントロから、シンフォニックなシンセをギターに重ね、伸びのある女性ヴォーカルとともに疾走する、
美麗なシンフォニック・メロスピを展開する。随所に流麗なギタープレイやシンセワークがほどよいクサメロ感も覗かせつつ、
魅力的なソプラノを主体にした、Carolina嬢の歌声も、かつてのNightwishのように、なよやかな気品を漂わせる。
ときにフォーキーなフレーズも感じさせつつ、メロディのフックはわりとキャッチーで、辺境臭さはほとんどない。
ラストは12分のタイトル曲で、ゴージャスなシンフォニック性と、ほどよい疾走感、ドラマティックな構築力で盛り上げる。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・9 総合・8
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Crystallion「A Dark Enchanted」
ドイツのメロスピバンド、クリスタリオンの1st。2006作
このバンドの2ndを聴いたときには、その潔いまでのクサメロっぷりに
赤面しつつ大変に悶絶したものだが、デビュー作となる本作も基本的には同路線。
適度にきらびやかなシンセと力強くないヴォーカルを乗せて疾走しまくりである。
2ndほどにはメロディのクサさが炸裂していないものの、エピカルでファンタジックな世界観は
やはり好みだし、メロスピマニア、クサメタルマニアならば充分に楽しめるだろう出来だ。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Crystallion「Hattin」
ドイツのメロパワバンド、クリスタリオンの2nd。2008作
語りの入ったRHAPSODYばりの壮大な雰囲気のイントロから、曲に入ると…クサクサのギターフレーズが炸裂うっ。
けっこう軽快なメロスピ風シンフォメタルです。力強すぎないヴォーカルの感じもどことなくマイナー臭さが残っていて、
B級というにはけっこう質は高いのだが、恥ずかしげもない陽性のクサメロがたまらないサウンドは、
PowerQuestのRHAPSODY風味という感じもある。シンセ入りの壮麗さは初期DARK MOORあたりのファンも惹きつけるだろう。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・9 疾走度・・8 総合・・8
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Crystallion 「Hundred Days」
ドイツのメロスピバンド、クリスタリオンの3rd。2009年作
前作「Hattin」の潔いまでのクサメロっぷりには悶絶しきりであったが、
今作はナポレオンをテーマにしたコンセプト作らしく、いつになく映画的なイントロから始まる。
あの陽性クサメロスピのクサリスタリオンがThy Majestie化したか?と…やや微妙な感じだが、
こういうシリアスなシンフォメタル風味も悪くはない。ザイマジェやラプソほどには音が壮麗でないので、
むしろSONATA ARCTICAの2009年作などと同様、軽めのシンフォニックメタルとして身構えずに聴ける。
随所に聴かせるメロディは相変わらずクサいし、PowerQuestあたりに近いキャッチーさもある。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・8
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CRYSTAL VIPER 「The Curse Of The Crystal Viper」
ポーランドのメタルバンド、クリスタル・ヴァイパーの1st。2006年作
女性ヴォーカル、マルタ・ガブリエルを擁し、いまや「姐御メタル」の代表格というべき存在のこのバンド。
このデビュー作においても、古めかしいまでの正統派メタル路線はすでに確立している。
のちのアルバムに比べると、より80年代志向という雰囲気で、シンプルなギターリフで聴かせるスタイルは
メロディや楽曲のフック自体はまだ物足りないが、音質のラウドさも含めてオールドな香りに包まれている。
2012年の再発盤にはManilla RoadやWARLOCKのカヴァーにバージョン違いなど5曲をボーナス収録。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
Crystal Viper「Metal Nation」
ポーランドのメロディックメタルバンド、クリスタル・ヴァイパーの2009作
まずこのジャケからしてなにやら古めかしいセンスを感じるのだが、
サウンドの方も80年代〜90年代初頭のジャーマンメタルを意識したような雰囲気。
女性Vo、マルタ嬢の歌唱は、かつてのDOROなどを思わせハスキーかつパワフルだ。
IRON MAIDEN風味のツインギターや、初期HELLOWEENやRUNNING WILDを思わせる疾走曲は、
むしろ最近の若いリスナーには新鮮かもしれない。ゲストの面々も、元RAGE〜GRAVE
DIGGERの
マンニ・シュミットや、STORMWARRIORのメンバーなどで、これもなるほどといった感じだ。
メロディアス度・・8 80'sジャーマン風度・・8 パワフル女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Crystal Viper「Legends」
ポーランドのメロパワバンド、クリスタル・ヴァイパーの2010年作
女性シンガー、マルタ・ガブリエル擁する正統派メロパワバンドの3作目。
今回もかつてのRUNNING WILDあたりを思わせる、強力なメタルアルバムで、
あくまでヘヴィメタルとしての伝統にこだわったかのようなスタイルににんまりだ。
ケルティック色を匂わせるギターのフレーズに、ハスキーなマルタ嬢の歌声が乗り、
いくぶんB級気味のジャーマンメタル質感は、ある意味往年のメタラーにはたまらない。
ドラマティック度・・8 心はジャーマン度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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CRYSTAL VIPER「Defenders Of The Magic Circle」
ポーランドのメタルバンド、クリスタル・ヴァイパーのライブ作。2010年作
2009年ドイツのMagic Circle Festivalでのライヴを6曲に、カヴァーを含む未発曲を4曲収録
ライブ音源はアルバム同様、ツインギターのリフとハスキーなマルタ嬢の歌声を乗せて、
古き良き正統派パワーメタルの感触で疾走、正直、歌も演奏力も並程度なのだが、
メタル愛がひしひしと伝わってくる。カヴァー曲はVirgin Steeleというマニアックさもよいですね。
ライブ演奏度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
Crystal Viper「Crimen Excepta」
ポーランドのメロディックメタル、クリスタル・ヴァイパーの2012年作
女性ヴォーカル、マルタ嬢のハスキーな歌声で、パワフルに聴かせる正統派サウンドは
4作目となる本作でも健在。ツインギターのレーズにはIRON MAIDENなどからの影響も思わせる
オールドなテイストをたっぷりと感じさせ、軟弱すぎない適度なメロディックな感触もよろしく、
80〜90年代にさらに回帰したような、古き良きヨーロピアンメタルの雰囲気を漂わせている。
いくぶんマイナー臭い妖しさも魅力的で、楽曲のクオリティの点でも過去最高の出来だろう。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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Crystal Viper 「Possession」
ポーランドのメタルバンド、クリスタル・ヴァイパーの2013年作
5作目となる本作も、女性ヴォーカル、マルタ嬢のパワフルかつハスキーな歌声をフロントにした、
王道の正統派メタルサウンドを聴かせる。楽曲自体は、メロディ満載だった前作に比べて
よりレイドパックしたような感触で、良くも悪くも荒削りのマイナー臭さが垣間見える。
激しい疾走曲からミドルテンポ、スローナンバーまで、なかなか多彩な印象ながら、
楽曲ごとのインパクト、メロディのフックに関してはやや物足りなさを感じてしまう。
日本盤ボーナスにはRIOTの名曲“Thundersteel”のカヴァーを収録。
メロディック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Crystal Viper 「Queen of the Witches」
ポーランドのメタルバンド、クリスタル・ヴァイパーの2017年作
2006年にデビュー、女性ヴォーカルを乗せた古き良き正統派メタルを聴かせるこのバンド、
6作目となる本作も、マルタ・ガブリエル嬢のパワフルなハスキーヴォイスを乗せ、
ほどよくメロディックな味わいの、正統派のパワーメタルが炸裂する安定の作風だ。
もはや新鮮味というのはないのだが、ギターのリフやフレーズにはツボをつく王道の感触があって、
NWOTHM関連が好きなリスナーには、80年代的な感触で心地よく楽しめること請け合い。
かつてのZED YAGOあたりを思わせる、魔女系メタルの感触もよいですね。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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Crystal Viper 「The Cult」
ポーランドのメロディックメタル、クリスタル・ヴァイパーの2021年作
2007年にデビュー、女性シンガーによる正統派メタルとして人気を博し、本作は8作目となる。
メロディックなツインギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのメタルサウンド。
マルタ・ガブリエルの中性的な歌声はヘヴィ過ぎないギターによくマッチしていて、ほどよい疾走感とともに
80〜90年代ジャーマンメタル的なサウンドを描きつつ、スローやミドルテンポのナンバーでは、
かつてのVELVET VIPERのような雰囲気も匂わせる。楽曲は3〜4分前後とシンプルであるが、
どの曲もキャッチーなフックがあってストレートに楽しめる。ラストはKING DIAMONDのカヴァー。
メロディック度・8 疾走度・7 古き良き度・9 総合・8
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Cuarto Oscuro 「Fenix」
スペインのメロディックメタル、クアルト・オスキュロの2016年作
2008年にデビューし、3作目となる。重厚なギターにスペイン語によるマイルドなヴォーカルを乗せた、
正統派のメロパワサウンド。JUDAS PRIESTをルーツにした、どっしりとしたミドルテンポを中心に、
オールドなメタルの味わいで聴かせつつ、随所にスパニッシュらしい哀愁とキャッチーな叙情性も覗かせる。
楽曲は3〜4分前後で比較的シンプル。これという欠点はないが、これといって突出したところもないという。
個人的には、もっとクサメロ感や疾走パートが欲しい気も。スペイン語Voの正統派メタルが好きな方はいかが。
メロディック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・8 総合・・7.5
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Cuatro Gatos「La Caja De Musica」
スペインのメロパワバンド、クワトロ・ガトスの2003作
まるでGENSISの“Watcher of the Skies”のようなイントロから、クサメロで疾走開始、
スペイン語の歌唱と、美麗なシンセワークで聴かせるシンフォニックメタル風味がよろしい。
メンバー写真の男臭さに反して、サウンドは非常に綺麗で、ヘヴィさよりもメロディ重視なので
クサ系のメロスピリスナーならばこれはかなりの掘り出し物と思うはず。
ときおりプログレ的になるシンセの音色も聴きどころだ。クサメロ万歳〜♪
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Cuatro Gatos「Esferica」
スペインのメタルバンド、クアトロ・ガトスの2nd。2005作
パワフルに押しまくるタイプではなく、クラシカルなギターワークとシンセが絡み、
スペイン語の歌声とともに、ときにキャッチーに、ときにシンフォニックに聴かせるサウンド。
また、ハードロックとしての普遍的な雰囲気もあり、モダンなアレンジの中にも
ときおり正統派の香りを漂わせていて、曲自体はむしろ北欧メタル的だ。
やわらかなヴォーカルの声質とともに、ゆっくりと楽しめる美しいスパニッシュメタルだ。
ボーナストラックにはASIAの“Heat of The Moment”のスパニッシュカヴァーを収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Cuatro Gatos「Manana quiza sea peor」
スペインのメロディックメタルバンド、クアトロ・ガトスのミニアルバム。2009作
過去2作のアルバムはクサメロ満載のなかなかの好作であったが、
本作ミニでものっけからスペイン語の歌声によるキャッチーなクサメロが全開。
シンフォニックなシンセに、クサフレーズのギターに思わずにんまりである。
アコースティックライブ音源に「オペラ座の怪人」のカヴァー入りの全4曲。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
Cuatro Gatos 「El Sueno De La Razon」
スペインのメロディックメタルバンド、クアトロ・ガトスの2009年作
男女Voにシンセを含む6人編成で、クサメロのギターと美麗なシンセアレンジに
スペイン語の歌声を乗せて疾走、あくまでシンフォニックなやわらかさが前に出ていて、
男女ヴォーカルで歌う曲などはなかなか壮麗な雰囲気だ。楽曲ごとのインパクトや
パワフルさでは物足りないが、キャッチーな耳心地のスパニッシュメタルが楽しめる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Cuatro Gatos「Me arriesgare」
スペインのメロディックメタルバンド、クアトロ・ガトスの2010年作
もともと繊細な叙情メロディを聴かせるバンドだったが、本作ではのっけからアコースティック風味で
さらにしっとりとした牧歌的なハードロックサウンドになっている。男女ヴォーカルのスペイン語の歌声と、
泣きのフレーズを奏でるギター、随所にアコースティック風味を強めた哀愁漂う雰囲気は
Medina Azaharaあたりにも通じるプログレハード風味のやわらかさで、とても聴き心地がよい。
メタルとして聴くにはヘヴィさが足りないが、じっくり味わえる哀愁のスパニッシュロック作品だ。
メロディアス度・・8 やわらか叙情度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・7.5
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CUSTARD「Kingdom of Your Life」
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの1st。1997年作
ジャケはとんでもなくB級臭いが、ファンタジックな感じでどうも憎めない。なにやら大仰なイントロから期待してしまうが、あまり期待してはダメだ。
初期HELLOWEEN的なコテコテの疾走ジャーマンメタルで、力強くないヴォーカルがキャッチーなクサメロを歌うと、
かつてMANIAというバンドがいたことを思い出す。初期BLIND GUARDIANを思わせるエピックでファンタジックな雰囲気もよろしい。
B級でもいい…クサメロならば。という方はいかがでしょう。再発盤には、1996年のデビューEPからの4曲をボーナス収録。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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CUSTARD「FOR MY KING」
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの2nd。2000年作
とてつもなく稚拙なファンタジー風ジャケだが、1stから聴いていたので、意外と出来がよいのを知っていた。
そしてやはり聴いてみるとやはりけっこうイケルのだ。この手のバンドにありがちなメロの弱さ、B級臭さはそう感じない。
1stよりもKeyを多用したシンフォニックなアレンジで、どの曲もクサいメロディ満載の疾走曲で悪くない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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CUSTARD「Wheels of Time」
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの3rd。2005作
このバンドまだやっていたのか(笑)1st、2ndとかなりヒドイジャケットにも関わらず
内容はクサメロの疾走ジャーマンメタルで案外聴ける…というアルバムを作ったこのバンド。
この3rdはなんとジャケがまともなCGになっているではないか!(ある意味ちょっと残念)
相変わらずサウンドの方は、ツインギターとクサメロで疾走。けっこう好きなんだなあ…(笑)
ドコドコバスドラにちょっとヘナなハイトーンVo…という典型的マイナージャーマンメタルだい!
この手が好きなオールドファンにはなかなか楽しめるだろうが、若いリスナーにはやや古くさい疾走メタルと映るかもしれない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 B級ジャーマン度・・8 総合・・7
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Custard「Forces Remain」
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの2008年作
前作までは基本ヘナチョコのサウンドだったのだが、4作目となる本作では
ツインギターで疾走するメロスピサウンドに、いくぶんのパワフルさが加わっていて、
エピックなクサメロ感とB級臭さも残しながら、ぐっと楽しめる内容になってきている。
かつてのNOT FRAGILEのような煮えきらないメロディ展開もむしろ微笑ましく、
GAMMA RAYが大好きだがなり切れない感…というべきジャーマンメタル愛が感じとれる。
メロディック度・・7 疾走度・・7 B級ジャーマン度・・8 総合・・7.5
CUSTARD 「Infested By Anger」
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの2012年作
1997年にデビュー、伝説的なまでにダサイいジャケとクサメロ感あふれるサウンドで
マニアのみに愛されたこのバンド、まだ地道に活動していたということを心より嬉しく思う。
サウンドの方は前作から新たに加わった、ヘタウマなハイトーンヴォーカルととも疾走する、
まさに古き良きクサジャーマンメタル。片割れに女性ギタリストを含むツインギターのクサメロや
エピックなコーラスなどもじつによろしい。初期に比べるとパワフルな勇壮さも加わってきていて、
ファンタジックな世界観も含めてまさに鬼に金棒、ゲルマン人にハルバートというところ。グッドです!
メロディック度・・8 疾走度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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CYDONIA 「CYDONIA」
イタリアンシンフォニックメタル、ラビリンスのGによる別バンド、シドニアの1st。
サウンドは疾走曲中心のコテコテのメロディックメタルサウンド。
ラビリンスよりもジャーマンメタル的でほとんどガンマレイ状態。
歌はまあまあうまいけど、やはり楽曲に個性がねえ…そこそこ質は高いのだがどうにも物足りない。
メロディアス度・・7 ガンマレイ度・・8 新鮮度・・6 総合・・7
D
Daedric Tales 「Hircine's Call」
オーストリアのシンフォニックメタル、ダエドリック・テイルズの2013年作
トリプルギター編成の7人組で、美しい女性ヴォーカルの歌声と
オーケストラルなアレンジとともに疾走する優美なサウンド。
MAGICAあたりにも通じるいくぶんのB級っぽさも含みつつ、
曲によってはネオクラ風味やペイガンメタル風味もあったりする。
5曲入りのミニなので、今後のフルアルバムでどう化けるか期待したい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
DAIS 「RENOVATIO」
スペインのメロディックメタル、ダイスの2019年作
2006年にデビュー、本作は4作目となる。オールドな感触のギターリフに女性ヴォーカルを乗せて疾走する、
80年代ルーツの正統派メタルサウンド。Isabel嬢の歌声は伸びやかなメゾソプラノで、スペイン語の響きとともに
優雅な美しさをかもしだす。バックはいたって王道の古き良きメタルながら、シンフォニックメタルに似合いそうな
艶やかな女性ヴォーカルとのミスマッチ感がわりと新鮮で、これはこれでアリなのではないかと思う。
キャッチーなハードロックナンバーなども優美な歌声によくマッチしていて、味のあるギタープレイも含めて
キャリアのあるバンドらしい演奏力もさすが。実力ある女性ヴォーカルで正統派メタルが楽しめる強力作だ。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DAKRYA「Crime Scene」
ギリシャのシアトリカル・シンフォニックメタル、ダクリャの2010年作
2人の女性ヴォーカルに女性シンセ奏者を含む7人編成で、シンフォニックかつモダンな作風にゴシック風味の要素も含ませつつ
コミック・ホラー風味の演劇性を加えたような、なかなか面白いサウンド。疾走感や激しさは希薄なのだが、
二人の女性ヴォーカルの掛け合いに、ときに男ヴォーカルも絡んでシアトリカルな世界観を演出する異色作です。
シンフォニック度・・7 シアトリカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DAMNATION ANGELS「Bringer Of Light」
イギリスのシンフォニックメタル、ダムネーション・エンジェルスの2013年作
女性鍵盤奏者を含む5人編成で、オーケストラルなアレンジと適度な疾走感も入った壮麗なシンフォニックメタル。
ヴォーカルの歌うメロディはキャッチーなので、全体的に重厚さよりはメロディックな感触で聴き通せる。
KAMELOTやSERENITYなどにも通じるドラマティックで質の高いセンスを感じさせるが、
楽曲ごとのインパクトという点ではやや物足りないか。シンフォニックなまとまりの良さが痛し痒しというか、
悪くはないのに感動するほどではないし、メタルとしての迫力もさほどない。いわば綺麗な好作止まりなのが惜しい。
日本盤のボーナストラックはX JAPANの名曲「紅」のカヴァーを収録。シンフォニックなアレンジでよいですね♪
シンフォニック度・・8 美麗度・・9 楽曲度・・7 総合・・7.5
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Damnation Angels 「The Valiant Fire」
イギリスのシンフォニックメタル、ダムネーション・エンジェルスの2015年作
前作もオーケストレーションを全面的に取り入れた壮麗な作風であったが、
今作はジャケの雰囲気からも日本のサムライをテーマにしたコンセプト作らしい。
前作同様にシンフォニックでオーケストラルなアレンジをたっぷり含ませつつ、
楽曲の方はむしろゴシックメタル的な雰囲気に接近。キャッチーなヴォーカルメロディは
フィンランド系ゴシックロックを思わせるマイルドな叙情性をかもしだしている。
8分、9分という大曲は、シネマティックな壮大さを含んでじっくりと聴かせる雰囲気で、
ここに女性Voでも入れば、Nightwishみたいになるのになあ…という美しさがある。
力作ではあるが、全体的には、これだというインパクトのある曲が欲しいと思ってしまう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Daniele Mazza 「Immortals」
イタリアのミュージシャン、ダニエレ・マッツァの2021年
ANCIENT BARDSのシンセ奏者としても活躍するミュージシャンで、本作はシネマティックなストーリーをコンセプトにした作品で、オーケストラルなインストを主体に、女性スキャットを乗せたサントラ風のファンタジックなサウンドを描く。
ANCIENT BARDSのサラ・スクワラドーニ、クラウディオ・ピエトロニックがゲスト参加し、何曲かで女性ヴォーカルやギターも加わる。
曲によってはケルト的な民族色も覗かせつつ、全体的にはメタル感触は薄めなので、ファンタジックなシネマ系サントラなどが楽しめる方はどうぞ。
シンフォニック度・8 メタル度・2 壮麗度・7 総合・7
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The Dark Element
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・エレメントの2017年作
元Nightwishのアネット・オルゾンと元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネンによるユニットで、
ドラムとベースは、CAIN'S OFFERINGに参加したメンバーで、モダンなシンセアレンジにヘヴィなギター、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、ややダークなシンフォニックメタルというサウンド。
随所にメロディックなギターフレーズも織り込みつつ、Nightwishを思わせる壮麗なナンバーや
女性声版SONATA ARCTICAというようなキャッチーなナンバーなど、アネットの歌声を活かした作風で、
ゆったりとしたシンフォニックなバラードなどもとても美しい。楽曲に新鮮なインパクトはさほどないのだが、
実力ある女性ヴォーカルによる、メロディックな北欧シンフォニック・ハードが楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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THE DARK ELEMENT「Songs The Night Sings」
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・エレメントの2019年作
元Nightwishのアネット・オルソンと元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネンによるユニットの2作目で、
美麗なシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルで、華麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
Nightwishにも通じる優雅で涼やかな雰囲気と、キャッチーでメロディックなフックが同居していて、
ほどよくヘヴィなメタルとしての激しすぎない聴き心地が、ストレートなアネットの歌声ともよくマッチしている。
楽曲は4〜5分前後と長すぎない明快さで楽しめて、とくに爽快なメロディのナンバーは魅力的で、
シンガーとしてのアネットの実力を感じさせる。新鮮味はさほどないが、バランンスの良い好作だ。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Darkest Sins 「The Broken」
ノルウェーのシンフォニックメタル、ダーケスト・シンズの2016年作
メタリックなギターにシンセ重ね、伸びのある男性ヴォーカルに女性ヴォーカルも重なり、スケール感のある重厚なサウンドを聴かせる。
女性シンガーがメインのナンバーでは、優雅な感触が強まり、シンフォニックなアレンジとともに壮麗に楽しめる。
一方では、わりとオールドなメタル感触のナンバーもあったり、ほどよくマイナーな雰囲気がマニア好みと言ってよい。
ラストは11分の大曲で、クサメロのギターとともに疾走、ドラマティックな展開とエモーショナルなヴォーカルで、キャッチーなメロスピが味わえる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 優雅度・8 総合・7.5
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DARKFIRE
イタリアのシンフォメタルバンド、ダーク・ファイアの2003作
イタリアのバンドでは珍しくネオクラシカル系のギターをフィーチャーしたサウンドで、
歌メロには軟弱系メロスピの質感もある。基本はキーボード入りの正統派だが、
サビでの盛り上げ方などにはイタリアらしいクサメロ精神が感じられて嬉しい。
個性の点ではまだまだだが、ただのB級バンドにはとどまらないものも感じさせる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ネオクラ度・・7 総合・・7.5
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Dark Forest 「The Awakening」
イギリスのエピックメタル、ダーク・フォレストの2014年作
2009年にデビューし、3作目となる。語りの入ったミステリアスなイントロから、ペイガン風のクサメロ感あるギターフレーズに朗々としたヴォーカルを乗せて、勇壮なメタルサウンドを聴かせる。
どっしりとしたリズムの上に、ツインギターによる叙情フレーズが泣きの美学を描いていて、この手のバンドの中でもメロディアス度が高い。
80年代NWOBHMルーツのヴィンテージな香りをまとわせつつ、ときに疾走するナンバーや、随所にリズムチェンジなどを含む、5〜7分の楽曲構築力も見事。
DOOMSWORDなどが好きな方にもお薦めできる、幻想ブリティッシュ・メタルの強力作です。
ドラマティック度・8 疾走度・7 古き良き度・8 総合・8
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DARK FOREST 「Beyond the Veil」
ドイツのエピックメタル、ダーク・フォレストの2016年作
2009年にデビューしてから本作は4作目となる。ファンタジックなジャケから目を引くが、
サウンドはツインギターの叙情フレーズと、マイルドなヴォーカルを乗せて聴かせる正統派。
イタリアのMARTIRIAやADRAMELCHなどにも通じる適度なマイナー臭さを漂わせつつ、
ヘヴィすぎない耳心地の良さとメロディアス性で、ヨーロピアンなエピックメタルが味わえる。
わりとキャッチーであっても、爽快になりきらない湿り気を含んだ叙情性がよいですな。
曲によっては、Wuthering Heightsにも通じるようなケルティック寄りの土着性も感じさせる。
ラストは13分の大曲で、壮大な叙情性とともにドラマティックな世界観を描き出す。
メロディック度・・8 古き良き度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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DARK HORIZON「SON OF GODS」
イタリアのシンフォメタルバンド、ダーク・ホライズンの1st。2000作
イタリアン・シンフォメタルというとまずRHAPSODYが思い浮かぶが、このバンドもその後に出てきた連中の一つ。
疾走感溢れる曲にメロディアスなギター、キーボード、と悪くはないのだがいかんせん音が薄い。
ギターが一本のせいもあるが、キーボードももっと頑張って欲しいしドラムも音がチープで軽い。
トラッド的アプローチやイタリアらしいクラシカルな部分は良いので今後はすべての面でのスケールアップが課題。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・6
DARK HORIZON「Dark Light's Shadows」
イタリアのシンフォメタルバンド、ダーク・ホライズンの2nd。2004作
以前1stを聴いたときは、どうしようもなくB級の弱系クサメタルだった記憶があるが、
懲りずに2ndを購入してみた。一聴して前作よりも音の雰囲気に説得力が増した。
ヴォーカルの弱さは相変わらずだが、シンフォニックなシンセをバックに、疾走だけに頼らず
ファンタジックな世界観を聴かせようとする姿勢にはなかなか好感が持てる。
きらきらとしたシンセでクラシカルに疾走する曲もあり、艶やかなピアノも耳に心地よく、
イタリアンメタルマニアなら充分楽しめるくらいのクオリティにはなった。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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Dark Horizon 「Angel Secret Masquerade」
イタリアのメロディックメタル、ダーク・ホライズンの2010年作
2001年にデビュー、本作は3作目となる。ほどよくヘヴィなギターにきらびやかなシンセ重ね、パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルとともに、シンフォニックメタル寄りの優雅なメロパワを聴かせる。
楽曲はミドルテンポ主体で疾走感はさほどないのだが、過去2作に比べてどっしりとした安定感があり、スローテンポの叙情的なナンバーなどにも味がある。
アルバム後半には疾走するメロスピナンバーもあって、キャッチーなクサメロ感に包まれる。この路線でいった方がよいですぜ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 優雅度・8 総合・7.5
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Dark Horizon 「Aenigma」
イタリアのメロディックメタル、ダーク・ホライズンの2018年作
2001年にデビュー、本作は8年ぶりとなる4作目。美麗なシンセをギターに重ね、ハイトーンヴォーカルを乗せて、ほどよく疾走感のある優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。
初期のB級さからはずいぶん成長してきてはいるが、反面、楽曲的なインパクトやクサメロ感は薄まって、疾走感もさほどなく、メロディのフックもいまひとつと、突き抜けきらないもどかしさも。
クラシカルなピアノを含む優美なシンセや、いくぶんダークなナンバーなどにはわりと魅力があるので、その路線に舵を切ってもよいのかもしれない。
メロディック度・7 疾走度・7 楽曲度・7 総合・7.5
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DARK ILLUSION「Beyond The Shadows」
スウェーデンのメロパワバンド、ダーク・イリュージョンの1st。2006作
ジャケの雰囲気からてっきりメロデスかダークめのエピックメタルかと思ったが、蓋を開けてみたら普通のパワーメタルでした。
メンバーはSTORMWINDのVo、LIONS SHAREのBなど、そこそこの実力者で固められている。
DREAM EVILをさらに80's風にして、やや弱くしたという雰囲気の楽曲は
30代以上のヘヴィメタル好きにはなかなか気持ちよいサウンドかもしれない。
昔のジャーマンメタル風でありながら、うっすらと北欧の匂いも感じさせるところがポイント。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 けっこう80's度・・8 総合・・7.5
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DARK ILLUSION「WHERE THE EAGLES FLY」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ダーク・イリュージョンの2nd。2010作
結成は1982年という古株ながら、これまでずっとレーベルとのディールにまでは至らず、
2003年になってようやくミニアルバムを、そして2005年に待望の1stアルバムを完成させる。
本作は、前作で聴けた古き良き80年代の香り漂う北欧メタルのサウンドを土台にしつつ、
さらにそれを現代風にアップデートさせたという作風で、楽曲のクオリティもずいぶんと上がっている。
王道のギターリフと、キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる正統派のサウンドは、
どこかなつかしい耳心地のよさがあり、オールドな北欧メタル好きならにやにやとするだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧メタル度・・9 総合・・8
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DARKING 「Steal the Fire」
イタリアのエピックメタル、ダーキングの2015年作
バンド名といいジャケといい、いかにもなクサさを漂わせているが、サウンドの方も古き良きメタルの感触に
DOOMSWORDにも通じるエピックな勇壮さを含ませた世界観でにんまり。目新しさのないギターリフに
パワフルすぎず弱すぎずというヴォーカルの歌声で、これという新鮮味のない正統派メタルを展開。
一言でいうと、地味なので、せめてクサメロなり、大仰なドラマティック性なりがもっと欲しい気がする。
悪くないが煮え切らないという点で、初期DOMINEのメンバーが参加しているというのも納得だ。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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DARK MOOR「SHADOWLAND」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの1st。1999年作
今やスペインのみならず、メロスピ/シンフォメタルファンであればその名を知らないこのバンドだが、
1stの頃からシンフォニックかつクサメロの疾走という、ファンにはにんまりの事をやっていた。
録音のプロダクションの甘さはあるものの、きらきらとしたキーボードにネオクラ風のギター、
そして、後にDREAMAKERへ参加するエリサ嬢の、中性的ないわばヘタウマの歌唱で、
メロディックに疾走するサウンドは、すでにそこらのB級バンドよりはよほど輝いていた。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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DARK MOOR「The Hall of The Olden Dreams」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの2nd。2001年作
1stの時点から、すでにスペイン産バンドの中でも壮麗さにおいては抜きに出ていたこのバンドだが、
日本盤デビューとなる本作では、シンフォニックな美しさに磨きがかかった、マニア歓喜の傑作となった。
きらびやかなシンセアレンジに、女性Vo、エリサ嬢の中性的な歌声を乗せて疾走するスタイルは、
RHAPSODYよりもややマイナーがかった、いうなればパワフルすぎないクサメロと
エピックかつファンタジックな世界観がマッチしていて、じつに素晴らしい。Voが代わる4th以降は徐々に
メジャー感のある堂々たる作風へとなってゆくが、ファンタジックメタルとしての魅力では本作が最高作だろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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DARK MOOR「THE GATES OF OBLIVION」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの3rd。2002作
前作で飛躍的なクオリティアップを遂げたこのバンド、今回もメロディアス&シンフォニック、
そして大仰な疾走曲がずらりと並ぶ。クサメロ度としては前作に軍配を挙げる向きもあるだろうが、
アレンジと一曲ごとのコンパクトな完成度に磨きをかけた今作では演奏、録音ともに向上している。
ヴォーカルは女性なのだが、その中性的な歌唱は疾走するメタルサウンドのなかで
ときに弱弱しく、ときに男性並にシャウトし、微妙にヘタウマなのも面白い。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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DARK MOOR「Between Light and Darkness」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの2003年作
アコースティカルな新曲と、以前のアルバムのアレンジバージョンという変則の全8曲。
アコースティック曲における女性Voエリサ嬢のマッチ度はとてもよろしく、これまで以上に美麗な
サウンドが楽しめる好盤だ。しかし残念なことに、このアルバムを最後にエリサ嬢の脱退が決定。
この後バンドは新たに男性Voを迎え、普遍性を増したシンフォニックメタルへ変化してゆくが、
個人的には、初期のやや田舎くささを残したサウンドのままでいてほしかった。
とにかく、このCDでのクラシカルでシンフォニックな要素はむしろプログレファン向けだ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 ゆったり曲もGOO度・・9 総合・・8
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DARK MOOR
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの4rh。2003年作
紅一点の女性Voエリサ嬢とともに、GとDrも脱退し、新メンバーを迎えてのアルバム。
肝心の新ヴォーカルは、適度にマイルドでパワフルすぎず、なかなか好感が持てる。
気になるのは、全体的にこのバンドのファンが期待するようなクサメロが薄くなり、
クラシカルなギターフレーズによる正統派のシンフォニックメタルとなっているところ。
もちろんクオリティ的にはその辺の二線級バンドよりはよっぽど高いのだが、
ますます無国籍感が増し、オーセンティックなメロスピ/シンフォメタルとなっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 安定度・・8 総合・・8
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DARK MOOR「BEYOND THE SEA」
スペインのメロディックメタルバンド、ダークムーアの5th。2005作
Voが交代してからの2作目。安定したヴォーカルの歌唱力や、メロディセンスの確かさなどによる
標準以上の楽曲が並ぶものの、疾走度、シンフォ度ともにやや減退しており、
どちらかというと正統派寄りのスタイルになりつつある。クオリティは依然高いと思うが、
全体的なスケールダウンは否めず…このバンドに、どっしりとした安定感は誰も求めてはいないはず。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7.5
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DARK MOOR「TAROT」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの2007年作
タロットカードをテーマにした今作では、ドラマティックな高揚感がいくぶん戻ってきた。
初期に通じる大仰なシンセによるオーケストレーションと、分かりやすいサビのメロディには
このバンドに我々が求めるものがしっかりと存在しており、どこにもケチを付ける要素はない。
反面、方向性の手詰まり感とシンフォニックメタルの限界を感じてしまうのは贅沢な悩みかもしれないが、
RHAPSODYが登場して10年以上も経過した現在では、リスナーの耳もその分肥えているわけである。
クラシカルな手法は今となってはやや古めかしく、ベートーベンのフレーズを取り入れた大曲に、
ボーナストラックには“トルコ行進曲”という、ややベタすぎなセンスもどうかと思う。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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DARK MOOR「Autumnal」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの2008作
のっけから白鳥の湖のメロディとともに、大仰なシンフォニックメタルを展開。
イタリアのRHAPSODYが映画的なドラマ性であるなら、こちらはクラシックの本家取り。
壮麗なオーケストレーションや女性ヴォーカルも加わって、恥ずかしげもなくロマンティックに聴かせるのは、
さすがラテン系である。正直、こうした手法は安直すぎて感動するまではいかないのだが、
シンフォニックメタルのひとつの形としてとても分かりやすいのは確かであるし、
クラシカルで壮麗なメタルが好きならば聴いて損はないだろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 大仰ロマン度・・8 総合・・8
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DARK MOOR「Ancestral Romance」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの2010年作
8作目となる本作も、これまで通りクラシカルかつシンフォニックな力作に仕上がっている。
これまで以上に壮麗な世界観が聴き手をぐいぐいと引き込み、アルフレッド・ロメロのマイルドなヴォーカルに
ゲストによるTEARS OF MARTYのソプラノ女性ヴォーカルも加わって、オペラティックな優雅さに包まれる。
やわらかみのあるメロディとスケール感は、KAMELOTあたりにも通じる完成度の高さである。
かつてのようなメロスピ風に疾走する曲も含みつつ、基本的にはじっくりと聴かせる雰囲気で、
スペイン語で歌われる曲においては実に伸びやかな歌声が心地よい。
曲自体のインパクトはいくぶん薄いのだが、クラシカルな作品としてトータルに鑑賞できる力作だ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 オペラティック度・・8 総合・・8
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DARK MOOR 「Ars Musica」
スペインのシンフォニックメタル、ダーク・ムーアの2013年作
1999年にデビューしてから、RHAPSODYに続く壮麗系シンフォニックメタルとして
クオリティの高い作品を作りつづけてきたこのバンド。本作は9作目となる。
彼ららしいオーケストラルなシンフォニックアレンジとキャッチーなメロディ、
女性コーラスなども含んだやわらかな美しさとともに、華麗なサウンドを描き出す。
メロディックなギターのフレーズ、クラシカルなテイストを盛り込んだ楽曲には
このバンドならではの美意識が詰まっており、疾走する激しさは抑えめながら、
ヴォーカルのアルフレッドの伸びやかな歌声と表現力が前に出てきていて
オペラティックメタルというようなドラマティックな聴き心地が楽しめる傑作です。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 美意識度・・9 総合・・8
DARK MOOR 「Project X」
スペインのシンフォニックメタル、ダーク・ムーアの2015年作
1999年にデビュー、初期3作までは女性ヴォーカルのメロディック・スピードメタルだったが
6作目以降はよりクラシカルなシンフォニック性を強め、高品質な作品を作り続けてきた。
10作目となる本作は、美しいシンセワークと伸びやかなヴォーカルを乗せた壮麗な感触はそのままに、
よりシンプルにキャッチーな聴き心地を強めてきたという印象だ。ぱっと聴きの派手さはないものの、
ほどほどの疾走感とともにベテランらしい落ち着いたマイルドな味わいで、じっくりと耳を傾けられる。
全体的にも激しさは控えめで、いうなれば、「シンフォニックなメロディアスハード」というような雰囲気もあり、
QUEENのような優雅なナンバーもよい感じです。かつてのメロスピを求める方には向かないが、
メロディセンスやクラシカルなアレンジの上手さはさすがで、優美な聴き心地の好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・6 優雅度・・8 総合・・8
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Dark Moor 「Origins」
スペインのシンフォニックメタル、ダークムーアの2019年作
1999年にデビュー、初期のメロスピ路線から、優雅なクラシカル・シンフォニックメタルへ、
そして近年でのメロディアスハード路線と、深化を続けるベテランバンド。本作は11作目で、
ケルトをテーマにした作品らしく、のっけからバグパイプの音色が響き渡り、フォーキーな感触に包まれる。
アルフレッド・ロメロのジェントルな歌声を乗せて、わりと疾走感のあるキャッチーなナンバーも含んだ、
ケルティックな味わいのスタイルで、MAGO DE OZやSKYCLADあたりが好きな方にも楽しめそう。
従来のシンフォニックな感触も残しつつ、フルートやヴァイオリン、アコースティックギターを使ったメディーヴァルなナンバーや
オルガンが鳴り響くオールドなロック感触なども新機軸で、バンドとしての懐の深さを感じさせる好作品となっている。
シンフォニック度・・7 メロディック度・・8 ケルティック度・・7 総合・・8
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Dark Quarterer
イタリアのエピックメタル、ダーク・クウォータラーの1987/2013年作
ADRAMELCHやWYVERNなどとともに、カルトなイタリアエピックメタルを聴かせるマニア好みのバンド、
さすがに80年代の録音には古めかしさがあって、ギターの音色にしてもチープなのだが、
朗々としたヴォーカルで聴かせる、ローカルでファンタジックな感触には思わずにんまりだ。
2013年再発盤のDisc2には2012年にリレコーディングされた全曲を収録、サウンド的にもぐっとダイナミックになっていて、
哀愁の叙情に包まれた正統派のエピックメタルが楽しめる。マニアはこの再録を聴くだけでも価値があるだろう。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 Disc2を聴くべし度・・8 総合・・7.5
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DARK QUARTERER 「Symbols」
イタリアのエピックメタル、ダーク・クウォータラーの2008年作
ADRAMELCHなどとともに80年代から活動するバンドで、ヘヴィすぎないギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、
うっすらとしたシンセで包み込んだ、オールドスタイルのエピックメタルを聴かせる。
6曲中、4曲が10分を超える大曲で、甘すぎない程度のクサメロと叙情フレーズに、オルガンが鳴り響く
オールドなHR風味をまぶしたという雰囲気で、シンセが前に出た部分などはプログレハード的でもあったりする。
スローからミドルテンポを主体にじっくり聴かせるスタイルなので、即効性を求めるリスナーには退屈かもしれないが、
エピックな空気はたっぷり感じられ、リズムチェンジや長めのインストパートなど、ProgMetalのリスナーにも楽しめるかも。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Dark Quarterer 「Ithaca」
イタリアのエピックメタル、ダーク・クウォータラーの2015年作
70年代から活動するベテランで、何度かの活動休止を乗り越えての6作目(たぶん)となる。
美しいシンセアレンジによるシンフォニックな感触と、6〜8分というやや長めの楽曲を構築する、
むしろプログレ的な雰囲気もあるという、かつての作風とはずいぶん異なる聴き心地だ。
ただヴォーカルに関しては、おっさん臭い歌声が良くも悪くもB級エピックメタル然としていて、
好みを分けるところかもしれないが、そこも含めてマイナー系のエピック風味が感じられるのも確か。
随所に効ける叙情的なギターフレーズや、オルガンを含んだアレンジなど、メタルメタルしていない点も個人的には気に入った。
10分を超える大曲などはシンフォニック・ハードプログレ的に楽しめる。マイルドでドラマティックな好作品です。
ドラマティック度・・8 エピック度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Dark Sarah 「Behind the Black Veil」
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・サラの2015年作
元AMBERIAN DAWNのシンガー、Heidi Parviainenをフロントにしたバンドで、
ヘイディ嬢のオペラティックな美声を全面に出して、壮麗なシンフォニック性で聴かせるサウンド。
メタリックな疾走感や激しさはあまりなく、あくまで歌をメインにした優美な聴き心地で、
雰囲気としてはEDENBRIDGEあたりに近いかもしれない。メタル色の薄いしっとりとしたナンバーもあり、
アルバムの中でよいメリハリになっているし、元XANDRIAのマヌエラ嬢が参加してツインヴォーカルで聴かせる
美麗なナンバーや、VAN CANTOのインガ・シャーフ、SONATA ARCTICAのトニー・カッコなども参加して
男女ヴォーカルで聴かせるナンバーなど、なかなかゴージャスな内容。フィメール・シンフォメタル好きはぜひ。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DARK SARAH 「THE PUZZLE」
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・サラの2016年作
元AMBERIAN DAWNの女性シンガー、Heidi Parviainenをフロントにしたバンドで、本作が2作目となる。
ヘヴィなギターにオーケストラルなアレンジと美しい女性ヴォーカルを乗せ、Nightwishにも通じる
壮麗なシンフォニックメタルサウンドを聴かせる。きらびやかなシンセアレンジがファンタジックなイメージを描き、
ハイジ嬢のなよやかなソプラノを乗せた、Edenbridgeのようなキャッチーな歌メロで、じつに優美な聴き心地。
ときに激しい疾走パートも含んだメリハリある構築力とともに、元PoisonblackのJP.レパルオトを迎えての、
男女Voの掛け合いによるオペラティックなナンバーなどもアクセントになっている。DELAINのシャーロット嬢、
元XANDRIAのマヌエラ嬢がゲスト参加したナンバーも壮麗な仕上がり。これぞ女性声シンフォニックメタルの傑作。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Dark Sarah 「The Golden Moth」
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・サラの2018年作
元AMBERIAN DAWNのシンガー、Heidi Parviainenをフロントにしたバンドの3作目。
Charon、Poisonblackなどでシンガーを務めた、Jp Leppaluotoが参加し、男女Voの編成で、
美しい女性ヴォーカルに男性声が絡み、オペラティックな味わいのシンフォニックメタルを展開。
オーケストラルな壮麗さに包まれた世界観と、JPのパワフルな歌声とともにヘヴィな重厚さが同居し、
ハイジ嬢の美しいソプラノを引き立てている。NightwishやEpicaにも匹敵する音の説得力で、
シネマティックなスケール感を備えた、男女声シンフォニックメタルの力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・9 オペラティック度・・8 壮麗度・・9 総合・・8.5
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Dark Sarah 「Attack of Orym」
フィンランドのシンフォニックメタル、ダーク・サラの2023年作
元AMBERIAN DAWNのシンガー、Heidi Parviainenをフロントにしたバンドで、2015年にデビューし、すでに5作目となる。
壮麗なイントロからヘヴィなギターに、オーケストラルなアレンジを重ね、なよやかな女性ヴォーカルとともに、重厚にして美麗なサウンドを聴かせる。
ときにデスヴォイスを加えてのアグレッシブな激しさも覗かせつつ、NIGHTWISHばりの華やかなシンフォニックメタルを展開。
デジタルな感触のシンセアレンジとともにキャッチーなノリの良いナンバーもあったりと、楽曲ごとにバラエティ豊かな味わいだ。
爽快なメロディのフックという点でも、この手のバンドの中では最高クラスで、フィメール・シンフォニックメタル好きは必聴の出来でしょう。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8.5
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THE DARK SIDE OF THE MOON 「Metamorphosis」
ドイツ、スイス、スウェーデン混合のシンフォニックメタル、ダーク・サイド・オヴ・ザ・ムーンの2024年作
ドイツのフォークメタル、FEUERSCHWANZのハンス・プラッツを中心に、同バンドの女性ハープ奏者、AD INFINITUMのメリッサ・ボニー、AMARANTHEのモルテン・ローヴェ・ソレンセンというメンバーが集まったバンドで、ケーム大会「リーグ・オブ・レジェンド」のテーマ曲から、映画、「ホビット」、「ロード・オブ・ザ・リング」劇中曲、「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ゲーム・オブ・スローンズ」、さらにはアクションRPG「ウィッチャー3:ワイルドハント」といった、映画やゲームの楽曲を、壮麗なシンフォニックアレンジとメリッサの伸びやかな歌声で大胆にカヴァーしている。
オリジナル曲は11曲中で3曲のみであるが、壮大でシネマティック、優雅にしてエピックなサウンドは、シンフォニックメタルとして違和感なく昇華されていて、元曲と聴き比べたりしても楽しめる。
ELUVEITIEのファビエンヌ・エルニ、元DELAINのシャルロット・ウェッセルズがゲスト参加。ちなみに日本盤のライナー解説は小生が担当しておりますのでぜひ。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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DARKSUN「EL LEGADO」
スペインのメロディックメタルバンド、ダークサンの2003年作
NORTHWINDとして2枚のアルバムを出した後、メンバーを入れ換えて改名。
キーボード入りのやわらかみのあるメロディックメタルで、スペイン語による歌がいかにもスパニッシュな雰囲気。
演奏もなかなかまとまっていて音質も良いので、さほどB級という印象はない。
Eあたりのシンフォニックさは初期のDARK MOORにも通じる雰囲気がある。
同じスペインのRED WINEあたりが聴けるなら、聴いてみても損はないだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 スペイン度・・9 総合・・7
DARKSUN「Libera Me」
スペインのメロディックメタルバンド、ダークサンの3rd。2008年作
NORTHWINDから改名後、3作目となるが、本作ではサウンドに重厚さが増し
なかなか本格派のシンフォニックメタルになっている。男性Voによるスペイン語の歌声と、
ヘヴィなギターワーク、シンセによる厚みのあるアレンジで、モダンさを増した音作りだ。
ダークな世界観を壮大に描く雰囲気は、説得力を強めてきていて、これでメロディや楽曲に
さらにインパクトと魅力が加われば、一線級のバンドにもなれそうな気がする。
シンフォニック度・・7 重厚度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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DARKSUN 「CHRONICLES OF ARAVAN」
スペインのメロディックメタル、ダークサンの20016年作
NORTHWINDとして2作を出したのちに改名。本作はすでに7作目となる。
壮麗なアレンジとツインギターにスペイン語のヴォーカルを乗せて疾走するスタイルで、
適度にB級臭いクサメロ感を含んだ、シンフォニック・メタルサウンドが楽しめる。
ギターはネオクラなピロピロ風味も覗かせ、少し前のネオクラ系メロパワの聴き心地。
アルバム後半はとくにクサメロたっぷりの疾走ナンバーが続いて、思わずにやにや。
初期のThy Majestieあたりを思わせるファンタジックな雰囲気も良い感じで、音質のラウドさを含めて
全体的なB級感はいまだぬぐえないものの、クサ系のスパニッシュメタル好きはどうぞ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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DARKTRIBE「Mysticeti Victoria」
フランスのシンフォニックメタル、ダークトライブの2012年作
美麗なシンセアレンジとパワフルすぎないハイトーンヴォーカルの歌声で
比較的正統派のメタルサウンドをやっている。激しさよりも優雅さが前に出ていて、
随所にギターのクサメロも入ってきたりして、キャッチーな聴き心地はなかなか悪くない。
盛り上がりきらない煮え切らなさがいかにもマイナーバンドらしいが、
ヨーロピンアメタルのマニアの方はチェックしてみてもよいのでは。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Dawnlight 「Until The Dark Sun Rises」
スペインのメロディックメタル、ダウンライトの2019年作
壮麗なイントロから、クサメロ感あるギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに疾走する、透明感あるメロディックメタルを聴かせる。
歌詞は英語なのでスペイン臭さはなく、きらびやかなシンセアレンジとキャッチーなメロディで爽快に疾走する辺りは、初期のSONATA ARCTICAを思わせる。
これという新鮮味はないのだが、シンフォニックなシンセアレンジやネオクラシカル風味の優雅さとともに、メロディック・スピードメタルとしての魅力は充分。
サビでのクサめの歌いまわしには、やはりスパニッシュ系らしい濃密さも感じさせる。きらきら系メロスピが好きなかたはどうぞ。
メロディック度・8 疾走度・8 美麗度・8 総合・8
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DAWN OF DESTINY「...begins」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ドーン・オブ・ディスティニーの1st。2007作
ザクザクとしたリフも聴かせるヘヴィなギターにシンセが合わさり、ターニャ嬢の伸びやかな歌声が乗るというスタイルで、
よりパワフルになったEDENBRIDGEという雰囲気だ。新人にしては楽曲の展開もこなれていて、
サビのメロディには爽快感がある。また、いかにもジャーマンメタル的なツインギターやソロを聴かせる部分もあって、
単なる女性Voものというよりは、しっかりとメタルとして聴けるのも見事だ。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DAWN OF DESTINY「Rebellion In Heaven」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ドーン・オブ・デスティニーの2nd。2008作
EDENBRIDGEあたりを思わせる美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
意外と力強くに疾走するスタイルで、1stを聴いたときはなかなか新鮮に感じたが、
本作も同路線。適度にシンフォニックなシンセとモダンさを取り入れたアレンジで、
ジャーマンメタル的なパワフルなバンドサウンドと繊細な女性声とのコントラストで聴かせる。
曲がやや似たりよったりで、もうひとつ突き抜けたドラマティックさが欲しい気はするが
質の高さは保証付き。フィメールVoのシンフォメタルファンなら満足のアルバムだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DAWN OF DESTINY「HUMAN FRAGILITY」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ドーン・オヴ・デスティニーの2009年作
3作目となる本作では、ジャーマンメタル的な雰囲気を残しつつもよりモダンなヘヴィさが増している。
「激しくなったEDENBRIDGE」という感じのフィメール・シンフォメタルが楽しめる一方で、
ザクザクとしたギターと対照的な、なよやかなターニャ嬢の歌声がやや弱く思えて、
個人的には最近のNightwishのような、焦点の絞りきれなさを感じてしまうのだが、
そのぎりぎりのバランスもまたこのバンドの個性なのかもしれない。
女性ヴォーカルバンドとしての存在意義は、次作あたりで真価を問われそうだ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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DAWN OF DESTINY「Praying to the World」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ドーン・オブ・ディスティニーの2012年作
ヴォーカルを交代しての4作目となる。美しい女性ヴォーカルの歌声をメインに聴かせつつ、
デスヴォイスも絡ませたモダンな質感が強まっている。新ヴォーカルのジーネッテ嬢の声質は
オペラティックな気品があって、シンフォニックなアレンジとともにゴシカルな世界観もかもし出している。
適度な疾走感がスローパートとのコントラストとなっていて、メロディのキャッチーさを引き立たせている。
女性声の優美さとシンフォニック性、そこにモダンな激しさをまぶした、なかなかの好作である。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Dawn of Silence「Moments of Weakness」
スウェーデンのメロディックメタル、ドーン・オブ・サイレンスの2009年作
ツインギターの正統派なリフで聴かせる、IRON MAIDENタイプのサウンド。
適度にハイトーンな歌声と、古き良き感触を伝えるメロディアスさでなかなか質は高い。
インパクトはさほどではないが、いまどき珍しいくらいの正統派メタルです。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 正統派度・・9 総合・・7.5
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Days of Yore 「The Mad God's Wage」
カナダのメロディックメタルバンド、デイズ・オブ・ヨレの1997作
ネオクラシカルなギターとやや暑苦しいハイトーンヴォーカルを乗せて疾走、
演奏が若干ヨレ気味なのがいかにもB級っぽいのだが、美麗なシンセアレンジを含め
ドラマティックかつ大仰に仕立てようとするファンタジックな世界観はなかなか悪くない。
ベース、ドラムが打ち込みなので、リズム的なメリハリに弱い点はいかんともしがたい。
エピックな雰囲気はけっこう好きなので、まずはメンバーを揃えてください。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 エピック度・・8 総合・・6.5
D.C.COOPER
元ROYAL HUNTのVo、D.C.クーパーのソロ作。1998作
PINK CRAM 69のメンバーに、元CONCEPTIONのトゥーレ・オストビーVANDEN PLASのシンセ奏者が参加している。
D.C.の歌声を軸にしつつ、シンフォニックかつ重厚に聴かせるなかなかドラマティックなサウンドだ。
この時期はまだROYAL HUNTに在籍していたこともあり、バラード曲などでの歌い回しなどは
やはりROYAL HUNT近い雰囲気もある。落ち着いた大人の雰囲気とともに、D.C.の歌唱の魅力を全面に出した作品だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 ロイハン度・・8 総合・・7.5
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Deadly Fate「Shine Again」
ブラジルのメロディックメタルバンド、デッドリー・フェィトの2000年作
ジャケのベタさから、これはどう考えてもB級だろうと思いながら聴いてみたら、
意外にもヴァイオリンの鳴るクラシカルなイントロから始まってドキドキ。だがしかし、
曲自体はやはりけっこうショボめのツインギターで聴かせる古き良きサウンドで納得。
7分超えでタイトルは“Excalibur”だ。しかしなんともローカルきわまりない雰囲気なのに、
そこにキャッチーなまでのクサメロやB級ファンタジー風味のエピックさが見え隠れして、
これがけっこう嫌いになれない。パワフルになれない線の細さが妙にいとおしいというのか。
しっとりとした小曲などもなかなか心憎いし、疾走するメロスピ曲“Heavy Metal
Moonlight”をはじめ
クサハートにぐっとくる佳曲もいくつか。一歩間違えれば最高のクサメタルになれそうだ。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 B級度・・9 総合・・7
DEADLY SIN「Sunborn」
ドイツのメタルバンド、デッドリー・シンの2003作
このジャケからは想像もつかない、美しいシンセによる雄大なイントロから、
パワフルなギターリフによるスケールの大きなメタルサウンドが始まる。プログレメタル的な展開力と
知的なアレンジをまじえつつ、SAVATAGEのようなドラマ性を生み出す演奏力もなかなか見事だ。
正統派の香り漂わせるメタリックな重厚さを保ちながら、ときにメロウなフレーズを弾くギターや、
さりげないシンセの使用など、広がりのある世界観を描けるだけの器の大きさも感じさせる。
ジャケのセンスよりも遥かに、このサウンドには説得力と可能性の輝きがある。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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DEAD OF NIGHT 「EVOLVING SCIENCE OF SELF」
イギリスのシンフォニックメタル、デッド・オブ・ナイトの2018年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、自主制作を含めると4作目のアルバムになる。
きらびやかなシンセアレンジに適度にヘヴィなギター、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
キャッチーな味わいのシンフォニックメタル。オーケストラルな壮麗さにほどよくモダンなアレンジ、
伸びやかな女性声を乗せた爽快なメロディアス性はなかなか魅力的で、メンバー写真を見なければ、
うっとりと浸れる優美なサウンドである。このバンドならではの個性というのはまだ薄いものの、
ときにEDENBRIDGE思わせるような優雅なナンバーもあったりと、楽曲のクオリティも高いです。
シンフォニック度・・8 優雅で壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Deathless Legacy 「Gathering」
イタリアのメタルバンド、デスレス・レガシーの2016年作
元々はDEATH SSのトリビュートバンドからスタートしたということだが、女性ヴォーカルを含む編成で、
シアトリカルな雰囲気と、ホラー映画的な世界観が合わさった、重厚かつダークなシンフォニックメタルを聴かせる。
ダミ声とノーマルヴォイスを使い分けるヴォーカル嬢の表現力もなかなかのもので、部分的には
激しさを減らしたCradle of Filthという感じもある。VISION DIVINEのシンセ奏者が参加していて、
オルガンなどを含むきらびやかなシンセワークもさすが。全体的にも適度にメロディアスなので、
案外普通に聴きやすく、イタリアらしい濃密な妖しさに包まれた力作デス。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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DEATHLESS LEGACY 「MATER LARVARUM」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2022年作
DEATH SSのトリビュートバンドとして結成され、2013年にオリジナルバンドになって再デビュー、本作は5作目となる。
ヘヴィなギターにオルガンを含むシンセを重ね、女性ヴォーカルの歌声にグレゴリアンなチャントも加え、ゴシック寄りの耽美なメタルサウンドを聴かせる。
楽曲はミドルテンポが主体であるが、曲によってはほどよい疾走感もあり、Steva嬢は、ときにシアトリカルに、ときに艶めいた歌声をエモーショナルに響かせる。
随所にオーケストラルなアレンジや適度にキャッチーなメロディのフックも現れて、ダークになり過ぎない聴きやすさがあるのもポイントだろう。
ドラマティック度・7 耽美度・8 女性Vo度・7 総合・8
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Deathlike Silence「Saturday Night Evil」
フィンランドの女性Voメタルバンド、デスライク・サイレンスの2009作
女性ヴォーカルにシンセを含む6人組で、ホラー映画的な世界観のメロパワをやっている。
楽曲自体は古き良き正統派スタイルで、そこにマヤ嬢のけっこうパワフルな歌声が乗る。
シンフォニックなシンセもサウンドに重厚さを加えていて、MIKE OLDFIELDのカヴァーである、
“Moonlight Shadow”もなかなかハマっている。インパクトはないが女性声正統派メタルの好作。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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DEATH SS 「Resurrection」
イタリアのカルメタルバンド、デスSSの2013年作
70年代から活動するイタリアのカルト・ホラーメタルを代表するバンド。
Slipknotのようなサイバーホラーのメイクをしたメンバー写真のイメージ通り、
インダストリアルな要素を取り入れた、モダンなヘヴィロックス風味のサウンドで、
そこにイタリアらしいB級ホラー的な要素を含んだシアトリカルな雰囲気と、
King Diamondのような古き良きメタル感触が融合したという聴き心地。
楽曲自体には、正直これといった魅力は感じないのだが、シンセアレンジを含んだ
ホラー的な世界観は悪くないし、9分の大曲などはなかなかドラマティック。
個人的にはインダストリアルな要素は不要に思うのだが。
ドラマティック度・・7 重厚度・・7 ホラー度・・8 総合・・7.5
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DECUMAN WAVE(Девятый вал)「BEYOND THE LINES(По ту сторону лжи)」
ロシアのシンフォニックメタル、デキューマン・ウェーブの2005年作
美麗なシンセアレンジとロシア語のヴォーカルを乗せた、軽やかなシンフォニックメタルサウンド。
随所に哀愁を含んだクサメロを含んでいて、全体的にもメロティ重視のやわらかな聴き心地だ。
ときおりリズムチェンジを含む唐突な展開があったりして、いくぶんProgMetal的というか、
B級メタルの味わいもあるが、いちいちクサい歌メロやツインギターの叙情フレーズもいい感じで、
辺境系のクサメタル好きならばこれは、なかなかたまらない好作品といえるだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5
DEDICATION「REFLECTIONS OF TIME」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、デディケーションの2004作
ジャケがファンタジックな感じだったので期待したが、音のほうはごく普通のメタル。
ミドル主体で、Voのややラウドな歌い方もあいまって、曲によってはアメリカンなハードロック調だったりもする。
北欧らしさもなく、メロディアスさも中途半端で、聞きどころがどこにあるのか悩む。
全体的に及第点一歩前くらいのアルバム。ごく普通のメロディックメタルが好きな方へ。
メロディアス度・・7 正統派度・・7 楽曲・・6 総合・・6
Deep Sun 「Das Erbe Der Welt」
ドイツのシンフォニックメタル、ディープ・サンの2019年作
2016年にデビュー、2作目となる。ヘヴィなギターに美麗なシンセアレンジ、なよやかな女性ヴォーカルで、
ほどよくモダンな感触のシンフォニックメタルを聴かせる。紅一点、Debora嬢の歌声は高音域のソプラノで
初期のNightwishや、韓国のISHTARあたりを思わせる雰囲気もある。楽曲は3〜5分前後が主体で、
適度にキャッチーな耳心地ながら、ラストは15分という大曲で、激しい疾走感も含むリズムチェンジで、
緩急あるドラマティックな展開力をみせる。美しい女性ヴォーカルの優雅なシンフォニックメタルの好作品。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Degrees Of Truth 「Alchemists」
イタリアのシンフォニックメタル、ディグリース・オブ・トルゥースの2023年作
2016年にデビューし、3作目となる。オーケストラルなイントロ曲から、なよやかな女性ヴォーカルをメタリックなギターとシンセに重ね、優雅なシンフォニックメタルを展開。
ヘヴィ過ぎないほどよくモダンな感触と、随所に流麗なギタープレイやきらびやかなシンセアレンジで、スタイリッシュな女性声シンフォメタルが楽しめる。
紅一点、クラウディア嬢の歌声は、元DELAINのシャルロットにも通じる艶めいた美声で、ゆったりとしたバラードなども魅力的だ。
爽快なメロディのキャッチーなナンバーでも、クラシカルなシンセや叙情的なギターが彩りを添えていて、アレンジ面での繊細さも含めてクオリティの高い完成度。
シンフォニック度・8 優雅度・8 女性Vo度・8 総合・8
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DELANY 「Blaze and Ashes」
ドイツのメロディックメタル、デラニーの2009年作
WIZARDのベーシスト、ヴォルカー・レーソンによるプロジェクトで、PINK CREAM 69のデヴィッド・リードマンをはじめ、
ラナ・レーン、デイヴィ・ヴェインがヴォーカルで参加、どっしりとしたミドルテンポを主体に、
実力ある歌声を乗せた正統派のHRサウンド。古き良きHR感触を残したメロディアスハードとしても楽しめ、
うっすらとしたシンセアレンジとともに、ラナ・レーンの歌うナンバーは優美な叙情性に包まれていて、
彼女が参加するのは3曲だけだが、もっとこの路線で聴きたかったと思わせる、アルバムの中でアクセントになっている。
全体的には、派手な展開に欠ける中庸感が惜しい。いっそロックオペラのように壮大に仕上げて欲しかった。
メロディック度・・7 正統派度・・8 ラナ・レーンもっと度・・8 総合・・7.5
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DELFINIA 「DEEP ELEVATION」
ウクライナのメロディックメタル、デルフィニアの2019年作
元W. Angels CONQUEST、SUNRISEのシンガー、Laarsこと、コンスタンティン・ナウメンコ率いるユニットで、
SUNRISEの女性シンガー、ベースをはじめ、PATHFINDERのギターや、ローランド・グラポウ(Masterplan)、
オラフ・トーセン(LABYRINTH/VISION DIVINE)、アルド・ロノビエ(SECRET SPHERE)、Van Cantoのヴォイスギター、
TWILIGHT FORCEのギターらがゲスト参加。美麗なイントロから、メタリックなギターにきらびやかなシンセ、伸びやかなヴォーカルを乗せ、
SONATA ARCTICAなどにも通じるキャッチーなメロパワを聴かせる。楽曲はミドルテンポが主体で、これといって新鮮味はないのだが
メロディアスな味わいは万人受けするだろう。アルバム後半の叙情的なバラードなどもよい味わいです。
メロディック度・8 疾走度・6 新鮮度・7 総合・7.5
DELIRION「Silent Symphony」
スペインのシンフォニックメタルバンド、デリリオンの1st。2009作
女性シンセ奏者を含む5人組で、壮麗なシンセとクサメロを乗せて疾走するシンフォニックメタル。
ヴォーカルの歌う歌詞は英語なのだが、歌い回しなどはいかにもスペイン的で、
いくぶん薄っぺらいサウンドとともに、全体的にどこか垢抜けないB級臭さもある。
続く2ndでは重厚な作風へと変化して、クオリティ的には上がっているが、
クサメタルとしての出来では本作か。レベル的にはDARK MOORの1stくらい。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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DELIRION「LOTUS」
スペインのシンフォニックメタルバンド、デリリオンの2nd。2010作
大仰なシンフォニック要素とクサメロの合わさったサウンドでデビューしたこのバンド、
本作もクラシカルかつ美麗なシンフォメタルを聴かせてくれる。起伏に富んだ楽曲展開と、
ややモダンなヘヴィさを含めたアプローチは、ヴォーカルの声質も含めて、スペインというよりは
むしろThy MajestieやLABYRINTHなど、かつてのイタリアンメタルにも近い作風か。
アレンジの面ではまだいくぶんつたなさもあるが、きらびやかなシンフォメタル好きはチェック。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 スペイン度・・7 総合・・8
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Demether 「Within the Mirror」
セルビアのシンフォニックメタル、デメサーの2004年作
シンセによるクラシカルなイントロから、けっこう激しめのドラムとともに、
オペラティックな女性ヴォーカルで壮麗に聴かせるサウンドは
Nightwish影響下にあるもので、重厚かつクラシカルな雰囲気はなかなかよろしい。
男性Voも加わって男女Voになると、むしろVISIONS OF ATLANTISに近いか。
ゴシックメタル的な耽美な質感もあり、ソプラノ系フィメールメタル好きなら要チェック。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Demons & Wizards 「Touched By the Crimson King」
BLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュと、ICED EARTHのジョン・シェイファーによるプロジェクト。2005年作
エピックなパワーメタルという意味では、前作はややインパクト不足であったが、本作も基本的には同路線で
アイスド・アース的なザクザクとしたギターリフに、ハンズィの朗々としたヴォーカルを乗せた正統派のサウンド。
今作ではドラムにボビー・ジャーゾンベクが参加しており、強力なツーバスが炸裂しているのだが、
楽曲自体にメロディックなフックや盛り上がる部分が希薄で、メンバーの個性を活かしきれていないという、
もどかしさが感じられてしまう。ファンタジックな要素をもっと前面に出してもよいような気がするのだが。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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Demons & Wizards「III」
BLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュと、ICED EARTHのジョン・シェイファーによるユニット、
ディーモンズ・アンド・ウィザーズの2020年作
2005年以来、15年ぶりとなる3作目で、どっしりとしたギターリフにパワフルなハンズィのヴォーカルを乗せて
重厚な正統派のメタルサウンドを聴かせる。エピックなコーラスなどは、BLIND GUARDIAN的で、
派手すぎないオールドスタイルのギターフレーズの恰好良さとダークで荘厳な世界観とともに、
シンフォニックメタルになる前のブラガーといった趣でも楽しめる。8分、9分という大曲も含めて、
全体的にゆったりとしたナンバーが多いので、スリリングな展開はさほどないが、ラストの10分を超える大曲では、
アコースティックパートを含む翳りを帯びた叙情性とともにドラマティックなサウンドが味わえる。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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DERDIAN「NEW ERA (PT.T)」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ダーディアンの2005作
ツインギターにキーボード入りの6人組。ジャケのイメージ通り、ファンタジックでエピックな世界観のシンフォメタルであるが、
同郷の偉大な大御所、RHAPSODYほどの重厚さはなく、ヴォーカルの弱さも含めてややマイナーな質感は
DIES IREやTHY MAJESTIEの1stなどを思い出す。曲においてもシンフォニック性よりは、むしろメロスピやネオクラ風味が目立っていて、
やや強引な展開や歌メロの中でのクサメロなどはなかなか魅力的ではある。
曲の流れやアレンジがまだまだこなれていないのがいかにもアマチュア臭いのだが
雰囲気は嫌いではないので、今後にいくぶん期待してもいい若手だとは思う。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7
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DERDIAN「New Era, Pt. 2: War of the Gods」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ダーディアンの2nd。2007年作
シンセ入りのシンフォニックなアレンジと、クサメロ感あるギターに、パワフル過ぎないヴォーカルを乗せて、RHAPSODYを手本にしたようなエピックなファンタジックメタルを聴かせる。
ラテン系の熱さで疾走するB級気味のサウンドは相変わらずながら、前作に比べてシンフォニックメタルとしての優雅さと濃密さがいくぶん増していて、これはもしかしたら化けるかも…というところまで来ている。
イタリアンメタルマニアというものがまだいるのなら、密かに勧めたいクサ・シンフォニックな好作品だ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Derdian「New Era 3: Apocalypse」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ダーディアンの2010年作
正直、このバンドに関しては過去の2作とも、イモ臭いB級のシンフォメタルという認識だった。
いや、本作も厳密にいえばまだB級といって内容なのだが、なんというか今作はもの凄い。
美麗なシンセアレンジで疾走する楽曲の、そのクサメロっぷりが半端ではないのである。
軟弱系のエセクラシカル風味と、恥ずかしげもないロマン溢れるメロディの嵐…
ついにここまで吹っ切れたか…という、ある意味、天晴れなまでのクサメタル作品だ。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・9 クサロマン度・・9 総合・・8
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Derdian「Limbo」
イタリアのシンフォニックメタル、ダーディアンの2013年作
クサメタルとしてのすべてをつぎ込んだ傑作というべき前作から3年…、
4作目となる本作も、RHAPSODYばりの壮麗なクワイアにパワフルすぎない疾走感とともに、
理想的なシンフォニック・クサメタルを展開していて、まずは期待通りのサウンドにニンマリである。
適度なB級臭さを保ちつつ、ここまでメロディのフックと効果的なアレンジに富んだセンスというのは、
もはや職人芸といってもいいだろう。やや平坦なドラムサウンドが惜しいが、ファンがバンドに望むもの…
壮麗でシンフォニックかつ少しヘナチョコな愛おしさという…それらをほとんどすべて表現してくれている。
天晴れだダーディアン。僕らは君についてゆく。やはりシンフォニックサッ!メタルの天下は揺るがない。
メロディック度・・8 疾走度・・7 クサメタル度・・9 総合・・8
Derdian 「Human Reset」
イタリアのシンフォニックメタル、ダーディアンの2014年作
いまや名実ともにシンフォニック・クサメタルの帝王として君臨するこのバンド。
今作はいくぶんシリアスな雰囲気のイントロで幕を開け、曲が始まると壮麗なアレンジに
情感的なヴォーカルの歌声を乗せて、ストーリーを感じさせる世界観が広がってゆく。
もちろん、彼らの魅力であるキャッチーでフックに富んだメロディの流れと、
クワイアとともに濃密にたたみかけるドラマティックなクサメタル美学は健在。
そして随所にしっかりとクサメロを奏でるギターはもはやお家芸というべきだろう。
クラシカルな優雅さの中にも、決してA級にはなり切れない、かすかなショボさを漂わせるのがまたよいのである。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 濃密度・・8 総合・・8
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DERDIAN 「REVOLUTION ERA」
イタリアのメロディックメタル、ダーディアンの2016年作
いまやクサメタル界の最高峰として知られるこのバンド、本作は初期3作のナンバーをリレコーディングした作品。
ファビオ・リオーネ(元RHAPSODY、ANGRA)、ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)をはじめ、D.C.クーパー(ROYAL HUNT)、
アポロ・パパサナシオ(SPIRITUAL BEGGARS)、ヘニング・バッセ(METALIUM)、エリサ・マーティン(元DRK MOOR)、
マーク・バジル(DGM)、ロベルト・ラモン・メッシーナ(元SECRET SPHERE)、ダヴィデ・モラス(ELVENKING)、さらには
日本からLeo Figaro(Minstrelix)といった名うてのシンガーが参加し、それぞれに楽曲を担当。実力あるシンガーによって、
かつてのクサメタルがパワフルに蘇っていて、オリジナルとは別ものの味わいで楽しめる。ファビオの伸びやかな歌声で
華麗に疾走するラプソ風シンフォニックメタルナンバーや、エリサの歌声が映えるバラードや疾走ナンバーなどもGoodです。
メロディック度・・8 疾走度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・8
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DERDIAN 「DNA」
イタリアのメロディックメタル、ダーディアンの2018年作
2005年にデビュー、本作は6作目となる。メロディックなギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルを乗せて
きらびやかに疾走する、シンフォニックなメロスピサウンドは本作も健在。キャッチーなクサメロ感に、
壮麗なクワイアを含むエピックな味わいも随所に加えて、スケールの大きな世界観を描いてゆく。
ギターやシンセによるクラシカルなメロディは、華麗で優雅ながら、ほどよいマイナー感も匂わせていて、
スタイリッシュにまとめすぎない適度なダサさこそが、いわばこのバンドの肝なのだろうと思う。
やや中庸なナンバーもあるものの、どことなく日本のMinstrelixにも通じるロマンの香りを含んだ力作です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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DESDEMON「Awakening」
アメリカのメタルバンド、デスデーモンのミニアルバム。2009作
シンフォニックな美麗さと、女性ヴォーカルのオペラティックな歌声で聴かせるサウンド。
紅一点、ミストレス・ティナの歌声は、どこか演劇的で、ときに力強く、ときに優雅な歌唱で楽曲を彩る。
楽曲そのものの魅力という点では正直まだ物足りないが、11分の大曲を含めて構築力はしっかりしていて
今後に期待できそうなバンドである。ノルウェーのProgMetalバンドASPERAのシンセ奏者がゲスト参加している。
なお、現在では女性Voが交替、ドイツのゴシックメタルバンドXANDRIAのVo嬢が加入している。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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DESDEMON「Through The Gates」
アメリカの女性Voシンフォニックメタル、デスデーモンの2011年作作
女性Voにシンセを含む5人組で、2009年のミニアルバム後にヴォーカルが脱退、
本作では新たにドイツのゴシックメタルバンドXANDRIAのチェルシー嬢が加入した。
シンフォニックな美麗さとオペラティックな女性ヴォーカルで聴かせるサウンドは変わらないが
ドラムはけっこう激しく疾走したりして、メタルコア風のシンフォメタルという雰囲気もある。
意気込みは伝わるが、楽曲がややバタバタしていて、女性声を活かしきれていないのと、
メロディ自体にもさして魅力がないのが残念。今後は方向性をより明確にしていって欲しい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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DESDEMONA「LADY OF THE LORE」
イタリアンのシンフォニックメタルバンド、デスデモナの1st。2001年作
キーボード入りのややありがちな疾走シンフォニックメタルサウンドであるが
起伏の多い展開とともに、ときに変拍子リズムをまじえたプログレ的な要素もある。
ヴォーカルはRHAPSODYのファビオを抑え目にしたような声質のなかなかの実力者。
メロディの個性という点ではさほど光る部分はないが、複雑な曲を上手くアレンジするセンスと
確かな演奏力もあり、デビュー作としてはなかなかの堂々たる出来だ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 演奏・・8 総合・・7.5
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DESDEMONA「LOOK FOR YOURSELF」
イタリアのメロディックメタル、デスデモナの2nd。2004年作
前作は、やや定型のシンフォニックメタルだったが、続く本作は、楽曲、演奏力ともにクオリティが上がっている。
メタリックなギターにシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルで聴かせるシンフォニックメタルを基本に、
疾走感はやや抑えめで、前作にもあったプログレメタル的な構築性をより打ち出したドラマティックなサウンドを聴かせてくれる。
実力のあるヴォーカルの歌唱が音に説得力を加えていて、その辺のB級バンドとはやはり力強さが違う。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 構築度・・8 総合・・7.5
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DESERT 「Star of Delusive Hopes」
イスラエルのドラマティックメタル、デザートの2010年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、ジェントルな味わいの低音ヴォーカルを乗せ、
シンフォニックな重厚さに包まれたドラマティックなサウンド。随所にデス声を含んだイーヴルな雰囲気と、
アラビックな旋律は、ORPHANED LAND的だが、こちらはもっとクサメタル寄りのローカルさを漂わせていて、
辺境メタル好きはニンマリ。勇壮なコーラスなどにはエピックな空気もまとわせて、
どっしりとしたミドルテンポを主体にきらびやかなシンセアレンジやメロディックなギターフレーズが楽曲を彩る。
ゴシック寄りウェットな叙情と重厚な世界観で描かれる、これぞ辺境メタルの力作だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 辺境度・・9 総合・・8
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DESILLUSVE PLAY 「SONGS FOR THE NON-EXISTENT」
ギリシャのシンフォニックメタル、デシリューシヴ・プレイの2022年作
メタリックなギターに壮麗なシンセアレンジを重ね、艶めいたハスキーな女性ヴォーカルとともに、スタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
ProgMetal的でもあるリズムチェンジとドラマティックな展開力に、Antigoni嬢のいくぶん中性的なハイトーンヴォイスで、随所にアグレッシブな疾走感も覗かせながら、優雅で知的なサウンドを構築する。
随所にメロディックなフレーズを奏でるギターやシンフォニックなアレンジで、スケール感のある味わいはよいのだが、全体的にはもうひとつインパクトに欠けるのが惜しい。
シンフォニック度・8 壮麗度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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Destillery 「Immortal Sun」
ドイツのメタルバンド、デスティレリーの1999年作
ツインギターの5人組で、IRON MAIDENなどを思わせる古き良き正統派の質感に
かつてのジャーマンメタルのマイナー調の疾走感を加えたようなスタイル。
ヴォーカルのヨレ具合なども含めてSCANNERあたりに近いものを感じる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 B級ジャーマン度・・8 総合・・7
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DEVA「Between Live and Dreams」
イタリアのシンフォニックメタル、ディーヴァの2010年作
女性Voに女性Bを含む5人編成で、いくぶんモダンな硬質感と、ProgMetal一歩手前という感じの
適度にテクニカルな楽曲に、可憐な女性ソプラノヴォーカルが歌を乗せるサウンド。
正直ギターに関してはさして聴き所はなく、ときどき壮麗なシンセワークも悪くはないのだが
やや中途半端、音質もこもり気味なので、サウンドにはどことなくB級臭さが漂っている。
ベアトリス嬢の歌声はそれなりに魅力的なので、今後はその歌声を活かしていって欲しい。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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DEVA 「MURTHER」
イタリアのシンフォニックメタル、ディーヴァの2014年作
2010年にデビューし、2作目となる。硬質感のあるギターにシンセアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、スタイリッシュなシンフォニックメタルサウンド。
随所男性Voも加わって、メロディックなギタープレイも含むモダンなキレの良さと
美麗なシンフォニック性が同居したスタイルで、ProgMetal的な味わいでも楽しめる。
ときおり小曲を挟んだ流れのある構成は、コンセプト的なドラマ性も感じさせて、
優美なピアノやフルート、ヴァイオリンの音色にオーケストラルなアレンジも取り入れながら、
優雅に構築してゆく。実力ある女性ヴォーカルの表現力も含めて完成度の高い作品だ。
シンフォニック度・・8 スタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DEVAROCK 「Sand of Time」
インドネシアのメタルバンド、デヴァロックの2012年作
シンセを含む5人編成で、正統派寄りのギターとハイトーンヴォーカルで聴かせるメロディックメタル。
煮えきらないハイトーンや抜けきらないメロディ、楽曲の魅力的にもサウンドの新鮮さもさほどない。
演奏力は中の下程度で、これならむしろインドネシアという辺境性を出すべきかとも思うが、
西洋的なメロディックメタルをやろうとして追いつけないという、日本のバンドにも通じる残念さがある。
HELLOWEENなどを思わせるラストの疾走曲はかろうじて恰好いいと思えた。5曲入りミリアルバム。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・6.5
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Devious Mine 「Exilium」
イタリアのメロディックメタル、デヴァイアス・マインの2018年作
美麗なシンセアレンジにパワフルなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワスタイル。
3〜4分前後の楽曲はわりとシンプルであるが、キャッチーな爽快さに包まれていて、
ミケーレ・ルッピばりの伸びやかなハイトーンヴォーカルの実力もなかなかのもの。
ミドルテンポのナンバーが主体であるが、後半にはメロスピ的な疾走ナンバーもあって
どの曲においても、堂々たる歌声の説得力でマイナー臭さはほとんど感じさせない。
こんな凄いヴォーカルが無名でいたとは驚きである。イタリアンメタルの底力を見る思い。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ヴォーカル度・・9 総合・・8
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DGM「DREAMLAND」
イタリアのメロディックメタル、ディージーエムの3rd。2001作
前作2ndは、まだメロパワ色が強く、ストラトヴァリウス+シンフォニーX、という感じだったが、
今作はその持ち前のプログレッシブなリズム感覚を発揮させ、非常に作りこまれた高密度の作品となった。
ヴォーカルが新加入したことで、サウンドの説得力向上とともに、ギターとシンセのバランスが素晴らしい。
とくにインストパートでは、プログレ感覚溢れる変拍子を巧みに取り入れていて、
メロディアスな疾走メタルとしても、高品質なプログレメタルとしても一級品だ。
前作までのネオクラシカル要素は薄まったが、むしろこのバンドの質の高さを浮き彫りにした。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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DGM「HIDDEN PLACE」
イタリアのメロディックメタル、DGMの4th。2003年作
2ndまではイタリア版STRATVARIOUS+プログレメタルという感じだったのだが、
前作「DREAMLAND」にしてセンス抜群の独特のプログレメタルの傑作を作り出した。
それに続くこの4thだが、いっそう疾走メタルから離れ本格派PROG METALを追求した音になっている。
2ndまでの様式美色がなくなっているので、シンフォメタルファンには肩すかしを食うだろうが、
その抜群のセンスによるリズムアレンジ、キーボードのセンスには目を見張るものがある。
イタリアっぽさは皆無で、グローバルなプログレメタルとして聴くべきバンドになった。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アレンジセンス・・8 総合・・8
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DGM「MISPLACED」
イタリアのメロディックメタル、DGMの5th。2004作
3rd「DREAMLAND」の完成度でテクニカル・メロディックメタルバンドとして名を上げ、
前作「HIDDEN PLACE」ではプログレメタルの硬質感を押し出したが、
続くこのアルバムでは、楽曲がよりメロディックに聴きやすくなっている。
もちろんセンスあるアレンジは健在で、疾走しながらもリズムが3拍子になったり、
きらびやかなキーボードの音色などにはプログレッシブなマインドがたっぷり。
キャッチーな歌メロで疾走する部分は普通のメロディックメタルとして聴け、
またプログレメタルとしても楽しめるという、両方の感覚で聴ける作品。
日本盤ボーナスにはHIGHLOADに対抗してか、北斗の拳の「愛を取り戻せ」を収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 プログレメタル度・・7 総合・・8
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DGM「Different Shapes」
イタリアのメロディックメタル、DGMの6th。2007作
すでにデビューから10年以上の中堅となり、メロパワとブログレメタル色との融合を模索してきたサウンドは
今作でも高品質。裏と表を使い分けるテクニカルなリズムと、展開力は普通のメロスピバンドにはないもので、
新加入のキーボーディストのクラシカルなプレイなども新たなアクセントになっている。
楽曲は4〜6分台とコンパクトで、難解さがなく分かりやすいのは良いのだが、
手堅い作りだけに新鮮味とインパクトにはやや欠けるか。期待を込めて厳しく言うならば、
今後は何か突き出たものがないと、単なる器用な好作量産バンドで終わりかねない。
ボーナスビデオの「北斗の拳」のカヴァーが最大のインパクトではHIGHLORDとさして変わらない。
耳触りのよいサウンドは万人受けするもので、欠点のない優等生的に質の高い作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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DGM「Frame」
イタリアンメタルバンド、DGMの7th。2009作
本作では元MIND KEYのヴォーカルを新たに迎え、よりパワフルなサウンドとなっている。
楽曲は4、5分台がメインで、前作からの流れであるモダンなプログレパワー路線は
純粋にProgMetalとして聴くには相変わらず物足りないのだが、適度に派手さがあって
メロディアスという、この明快な音作りは万人受けするだろう。反面これだという曲がないのも
やはり前作同様で、このまま質の高い佳作止まりのバンドにならないか心配な部分もある。
メロディアス度・・8 ProgMetal度・・7 楽曲・・7 総合・・8
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DGM「Momentum」
イタリアのメロディック(プログレ)メタル、DGMの2013年作
デビューは1997年と、イタリアンメタルの黎明期から活動するこのバンド、
8作目となる本作は、1曲めからゲストのラッセル・アレン(SYMPHONY X)の歌声とともにパワフルに疾走、
適度なモダンさとともにきらびやかなシンセアレンジを含んだプログレッシブな構築センスも健在だ。
初期を思わせるネオクラシカルなテイストも随所に感じさせながら濃密なサウンドが展開される。
ある種の吹っ切れのような爽快さがメジャー感となっていて、いまひとつ煮え切らなかったこれまでよりも、
ぐっと明快な作風になったと言える。反面、どっちつかずの中庸感がなくなってクリアになりすぎた感もあるが、
テクニカルなギターとシンセのバトルなど、SYMPHONY X系のリスナーにもアピールするような出来だろう。
メロディック度・・8 爽快度・・8 モダンセンス度・・8 総合・・8
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DGM 「The Passage」
イタリアのメロディックメタル、DGMの2016年作
1997年デビューのベテランで本作は9作目。2パートに分かれた15分を超える大曲で幕を開け、
モダンなギターワークと美麗なシンセアレンジに、伸びやかなヴォーカルを乗せたサウンドで、
キャッチーなメロディックメタルを聴かせる。きらびやかなシンセとテクニカルなギターが絡む、
Symphony X風味の感触に、クールな硬質感とメロディックなフックを同居させたアレンジは、
若いメタルリスナーにもアピールするだろう。前々作から加入したマーク・バジルのヴォーカルの表現力も、
ミケーレ・ルッピばりのハイトーンとともに楽曲に説得力を付加していて、ミドルテンポの爽快なナンバーなども、
シンプルながらメロディックな明快さで楽しめる。テクニカルメタルとしての味わいも含んだ強力作だ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 きらびやか度・・8 総合・・8
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DGM 「Tragic Separation」
イタリアのメロディックメタル、DGMの2020年作
1997年にデビュー、本作は通算10作目となる。流麗なギターにシンセを重ね、パワフルなヴォーカルとともに、
テクニカルな展開美とフックのあるメロディアス性が同居した、華麗で濃密なサウンドを描いている。
シモーネ・ムラローニの奏でる巧みなギターワークを中心に、叙情的な泣きのメロディが随所に現れて
硬質なモダンさと優雅な味わいが絶妙にブレンドされており、キャッチーなノリのナンバーでは、
マーク・バジルの歌声もエモーショナルに光っていて、メロハー寄りの爽快さも今作の魅力のひとつ。
卓越したギタープレイを含めてインストパートでの説得力も抜群で、全体的にも隙のない完成度の傑作だ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 ゴージャス度・・9 総合・・8.5
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Dhaliax 「Blood on Fire」
スペインのメタルバンド、ダリアックスの2020年作
ツインギターの5人編成で、叙情的なギターのイントロから幕を開け、オールドなギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた
80年代ルーツの正統派ヘヴィメタルを聴かせる。歌詞は英語なのでスパニッシュな雰囲気はさほどなく、
IRON MAIDEN的な感触もあるほどよくキャッチーな味わいは、Enforcerや MEANSTREAKなどに通じる、
NWOTHMのスペイン版という感じだろう。ミドルテンポが主体なので疾走感はさほどなく、クサメロも控えめなので
これという派手なインパクトはないのだが、激しすぎない古き良き正統派メタルが好きな方はいかが。
ドラマティック度・7 疾走度・7 古き良き正統派度・8 総合・7.5
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DHARMA 「Heavenly Hell」
ハンガリーの女性Voメタルバンド、ダルマの2008作
メタリックなギターに妖しい女性ヴォーカルの歌唱を乗せ、デジタルなシンセアレンジとともに聴かせるモダンなメタルサウンド。
ときおり中近東的なメロディを織りまぜたり、個性を感じさせる部分もあるが、楽曲、ヴォーカルともにまだまだ魅力に乏しいか。
メロディアス度・・7 モダンロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
DIES IRE「LEGEND OF NHOR PARTT」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ダイズ・イレの2001作
中世風の世界観をクラシカルかつ大仰に仕立てたサウンドはRHAPSODYを手本としたものだろうが、
このバンドはそれよりもさらにクサめで、いうなれば少女マンガチックな雰囲気すらある。
メロディにはトラッド的音階が用いられていて、THY MAJESTIEあたりにも通じるものがあるが、
アレンジ、演奏、録音の質すべてにやはりまだB級っぽさがかいま見える。
音は薄いし、イモ臭い・・がこの手が好きな者には「にんまり」できるのも確か。
ところでCDの盤面を見るとどうもCD-Rっぽいのだが・・・資金がないのだろうか。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 サウンド・・6 総合・・7
DIGNITY「Project Destiny」
オーストリアのシンフォニック・ハードロックバンド、ディグニティの2008年作
元EDENBRIDGEのドラマーが在籍するというだけあって、シンフォニックな優美さと
キャッチーなメロディがなかなか素晴らしい。これで女性Voならまんまエデブリ…という感じもあるが、
そこも差別化するためにあえて男性声にしたのかもしれない。やわらかなメロディアスさと
メロディアスハードというには美麗なサウンドで聴かせる、質の高いシンフォニックメタル作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 優美度・・8 総合・・8
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DIMOLASYUS「The Room Forgotten by Time」
ブラジルのメロパワバンド、ディモラシウスの2008作
世界的バンドとなったANGRAの登場以後も、WIZARDS、EYES OF SHIVA、AQUARIA、、BURNING
IN HELL、
HIBRIA、AKASHIC、VOUGAN、MAGICIAN、SCELERATA、といったバンドたちが次々に現れてきているブラジルから、
また新たな若手バンドが登場。キャッチーなメロディを乗せて疾走するサウンドは、かつてのジャーマンメタルの質感に
南米的なやわらかな感触を付加したという雰囲気もあって、かなりマイナー臭いのだがなかなか悪くない。
ただ、楽曲のアレンジでのつたなさとともに、メロディにしろヴォーカルにしろ、いまひとつ突き抜けるまではいかない
もどかしさがある。今後はバンドとしてのカラーを明確にするとともに、曲やメロディ単位での練り込みをしてもらいたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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Dimorfia 「Utopia」
ギリシャのシンフォニックメタル、ディモルフィアの2017年作
女性Voにシンセを含む6人編成で、メタリックなギターに美麗なシンセアレンジを重ね、
ソプラノ女性ヴォーカルを乗せた、Nightwishタイプの優美なシンフォニックメタルを聴かせる。
ストリングスを重ねたクラシカルな味わいと、オペラティックな女性声のかもしだす優雅さで、
アコースティックギターを使った繊細な叙情パートなども含めて、表現豊かに構築してゆく。
民族テイストのある素朴さも覗かせつつ、後半にはデスヴォイスを乗せたアグレッシブなパートもあり、
わりと振り幅の大きな作風で楽しめる。いくぶん辺境的なマイナーな雰囲気も残した壮麗作だ。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DIO「Killing the Dragon」
ベテランメタルシンガー、ディオこと、ロニー・ジェイムス・ディオの2002年作
元LION〜BAD MOON RISINGのダグ・アルドリッチをギターに迎えた本作は、
80年代の勢いを甦らせたようなサウンドで、非常にテクニックのあるギターワークと
古き良きハードロックスタイルの楽曲がよくマッチしていて、伸び伸びと歌いあげる
ディオのヴォーカルを引き立たせている。ファンタジックなジャケとともに
往年の作品にあったドラマティックさとメロディアスさを彷彿させる1枚だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 ディオ度・・8 総合・・7.5
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DIONYSUS「SIGN OF TRUTH」
スウェーデンのメロディックメタル、ディオニソスの1st。2002年作
元NATIONのギタリスト、ジョニー・ウーリンを中心にしたバンドで、
LUKA TURILLIのソロなどにも参加したオラフ・ヘイヤーのパワフルなハイトーンヴォーカルと、
ネオクラシカルなギタープレイを乗せた、きらびやかな北欧メロパワサウンド。
ジョニーのギタープレイはときにイングヴェイばりの技巧を見せ、ソロプレイ一つとってもなかなか素晴らしい。
NATIONのような繊細な叙情というよりは、より正統派の様式美メタルを追及した好作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧様美度・・8 総合・・8
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DIONYSUS「ANIMA MUNDI」
スウェーデンのメロディックメタル、ディオニソスの2nd。2004年作
元NATIONのギタリスト、ジョニー・ウリーンを中心としたバンドで、サウンドの方は
典型的な北欧型メロパワのスタイルになっていて、もはやNATIONのネの字もないが、
オラフ・ヘイヤーのヴォーカルもこの手の様式美サウンドには大変マッチしているし、
ジョニー・ウリーンのギターもバックのキーボードとともにネオクラ色をかもし出しつつ、
ときに重厚なリフを、そしてここぞというときには叙情メロを弾きまくっている。
典型的な正統派の北欧メタルナンバーもあるが、総じてクオリティは高いので安心して聴ける。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ネオクラ度・・8 総合・・8
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DIONYSUS「Fairytales And Reality」
スウェーデンのメロディックメタル、ディオニソスの3rd。2006年作
元NATIONのギタリスト、ジョニー・ウリーンを中心としたバンドの3作目。
90年代の香りを残す古き良きメタルサウンドにクラシカルなギターフレーズをまじえ、
メロディックな叙情を聴かせる作風は健在。どっしりとしたミドルテンポを主体にしつつ、
疾走感のあるナンバーも織り交ぜながら、表現力あるオラフ・ヘイヤーのヴォーカルとともに、
大人の北欧メタルという味わいで楽しめる。前作に比べると派手さはないが、さすがの高品質作である。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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DISDAIN「Leave This World」
スウェーデンのメタルバンド、ディスデインの2010年作
ザクザクとしたギターとうっすらとしたシンセ、パワフルなヴォーカルで聴かせる
正統派のメタルサウンド。古き良きメタルのテイストをモダンなヘヴィさで包み込んだ感触で、
メロデス的なリフを含んだいくぶんダークな質感と、涼やかなシンセワークによる叙情が合わさった、
いかにも北欧のバンドらしい聴き心地だ。楽曲やメロディにこれだというインパクトはないのだが、
骨太のメロパワがお好きな方にはそれなりに楽しめるだろう。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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DISPYRIA 「THE STORY OF MARION DUST」
ドイツのミュージシャン、ユルゲン・ワルザーによるメタルプロジェクト、ディスピリアの2023年作
ザッカリー・スティーヴンス(SAVATAGE,) 、ラルフ・シーパーズ(Primal Fear)、カーステン・シュルツ(Lazarus Dream)をシンガーに迎え、悪魔との戦いを描いたコンセプト作品。
シアトリカルな語りから幕を開け、メタリックで流麗なギターにオーケストラルなアレンジ、ザック・スティーブンズをメインにしたヴォーカルとともに、SAVATAGEをシンフォニックメタル寄りにしたようなドラマティックなサウンドを展開。
メタルオペラ的な流れのあるストーリー性で聴かせる、ドラマティックなメタル作品です。
ドラマティック度・8 疾走度・5 重厚度・8 総合・8
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Distant Past 「Rise Of The Fallen」
スイスのメロディックメタル、ディスタント・パストの2016年
2010年にデビューし、3作目となる。叙情的なギターのイントロから、メタリックなギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せて、正統派のパワーメタルを展開。
ときにスラッシーな疾走感から、スローパートを効果的に配したドラマティックな構築性も覗かせ、二人のシンガーを配役ごとに割り当てた神や堕天使をコンセプトにした壮大な世界観を感じさせる。
全体的にも高品質であるが、もう少しストーリー的な強度と楽曲自体の明快なフックがあれば、BLIND GUARDIANクラスになれたかもしれない。
ドラマティック度・8 疾走度・8 重厚度・8 総合・7.5
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D.I.V.A. (Д.И.В.А.) 「Angel of Light (Ангел Света)」
ロシアのメロディックメタル、ディーヴァの2008年作
メロディックなギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せて疾走する、正統派のメロディックメタル。
わりとハワフルなヴォーカル嬢の歌声は、ARKONAのマーシャさんを思わせる声質で、
楽曲は正統派メロパワながら、ロシア語による歌唱が、どことなくペイガンな趣をかもしだす。
ゆったりと聴かせるバラード曲も、彼女の歌声のシリアスな説得力でじっくりと楽しめる。
楽曲は3〜4分前後で、全37分というのは少し物足りないか。もう2曲くらいあれば力作と言えたのだが。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
DIVINE ASCENSION「As The Truth Appears」
オーストラリアの女性Voシンフォニックメタル、ディヴァイン・アセンションの2011年作
ツインギターにシンセ、女性Voを含む6人編成で、適度にヘヴィなギターに美麗なシンセアレンジ、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、スタイリッシュでゴージャスなサウンドを聴かせる。
ヨーロッパのバンドのような翳りはあまりなく、ゴシック方面へゆきそうで行かないという雰囲気は
どちらかというとアメリカ系のバンドに近い感触。随処に男性コーラスやテクニカルなギターも覗かせて、
モダンなヘヴィネスと壮麗な音の厚みで描かれる作風で、今後に期待の新鋭バンドと言える。
シンフォニック度・・8 スタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・7 ・・7 総合・・7.5
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DIVINE ASCENSION 「THE UNCOVERING」
オーストラリアのシンフォニックメタル、ディヴァイン・アセンションの2018年作
2011年にデビューし、本作が3作目となる。硬質なギターワークに美麗なシンセアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、モダンな感触のシンフォニックメタルサウンドで、
1stの頃に比べると、フックのある展開が増えたことで、楽曲にも魅力が増してきている。
随所に流麗なギターフレーズを覗かせつつ、リズムチェンジなどの知的な構築力も含めて、
スタイリッシュな女性声メタルという点で、TEMPERANCEあたりのファンにもアピールするだろう。
紅一点、ジェニファー嬢の歌声も、パワフルでありながら女性的な艶めいた部分も残していて、
表現力の点でも実力十分。この手の女性声シンフォニックメタルの中でも成長株というべきバンドである。
メロディック度・・8 スタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DIVINEFIRE「GLORY NAME」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ディヴァインファイアの2004作
NARITA、元SINS OF OMISSION、STORM WINDらのメンバーによるバンドで、
近年盛んな、シンフォニック系のメロディックメタルをやっている。
シンセによるオーケストレイションはRHAPSODYとまではいかないが
なかなか壮麗で、聴きやすい歌メロやコーラスなどもなかなかツボをついている。
時折メロスピ的に疾走したり、ブレイクを用いて曲を展開させたりとアレンジに緩急と
メリハリはついているが、ここぞという盛り上がりにまではもう一歩という気もする。
クオリティは高いので、シンフォメタル/メロスピ好きなら聴いてみてはいかが?
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Divinefire「Hero」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ディヴァインファイアの2nd。2005作
前作もシンフォニックメタルとしてはなかなか質の高い作品であったが、
本作も壮麗なシンセに、ネオクラシカル風のギターで疾走するきらびやかなサウンド。
シンフォニックなオーケストレーションにより音の厚みはぐっと増しており、
ときにメロデス的な激しさも取り入れつつ、美麗かつ重厚にたたみかける。
目新しさはあまりないが、勢い溢れるアグレッシブなシンフォメタルが楽しめる。
シンフォニック度・・8 ネオクラ度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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DIVINEFIRE「Into a New Dimension」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ディヴァインファイアの3rd。2006作
シンフォニックなシンセと、ネオクラシカルなギター、そしてメロデス的でもある突進力でたたみかける
濃密なサウンドは、暑苦しいヴォーカルの歌声とあいまって、何曲かでもうお腹いっぱいだ。笑
アグレッシブな勢いと密度の濃さでは過去最高の仕上がり。ネオクラ系シンフォメタル好きはチェック!
シンフォニック度・・8 ネオクラ度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Divinefire 「Eye of the Storm」
スウェーデンのメロディックメタル、ディヴァインファイアの2011年作
モダンなヘヴィネスとシンフォニックなアレンジにパワフルなヴォーカルを乗せたサウンドで、
随所にデスヴォイスも加わったメロディックデスメタル風味もあるというスタイルは本作も変わらず。
美麗で重厚な聴き心地は悪くないのだが、さほど個性のないギタープレイに魅力が乏しく、
パトリック・ヨハンソンを思わせるヴォーカルの歌声も、個人的には少しうざったいかな。
中途半端なネオクラ要素よりも、いっそのことさらにメロデス寄りにした方が面白い気もするし、
ヴァイキングメタル的なナンバーはよい感じなので、むしろその路線もよいのでは。
全体的には濃密で派手なのだが、クオリティは高くとも印象的な楽曲が少ないという印象。
シンフォニック度・・8 パワフル度・・8 モダン度・・8 総合・・7.5
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Divino Disturbo 「OP I:Chose Your Side」
スペインのシンフォニックメタル、ディヴィノ・ディスターボの2013年作
美麗なイントロから、クラシカルなシンセアレンジと美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せて疾走する、
優雅なシンフォニックメタルサウンド。壮麗なクワイヤを含むオペラティックな感触は
Dark Moorあたりに通じる雰囲気で、随所にネオクラ的なギターフレーズも含んだ、
クサメタル要素もよい感じだ。チェンバロの音色によるバロックなクラシカル性と
適度にB級のクサメロスピ感触が合わさった聴き心地には、マニアはにんまりだろう。
女性ヴォーカルの表現力などが上がれば、さらに素晴らしいクサシンフォニック作品を作ってくれそうだ。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The Dogma 「Black Roses」
イタリアのシンフォニックメタル、ドグマの2006年作
ヘヴィなギターリフにシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せて、
メランコリックな叙情とともに重厚なシンフォニックメタルを聴かせる。
激しいツーバスのドラムでたたみかけるモダンなアグレッシブ性も含みつつ、
混声コーラスを加えた荘厳なアレンジや、メロディックなギターフレーズとともに、
ドラマティックな世界観を描き出す。これだというキラーチューンはないのだが、
表現力あるヴォーカルの力量も含めて、KAMELOTにも通じるような高品質作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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DOL AMMAD「electronica-art-metal」
ギリシャのシンフォニックメタルプロジェクト、ドル・アマドの2002年作
先にフルアルバムを聴いていたのだが、その前にこちらを聴いていたら鼻血を出したかも(笑)
華麗なキーボードを中心にしたスペイシーなシンフォニックメタルで、そこに総勢11名の男女コーラスが壮大な歌を乗せる。
THERIONのようなミステリアスさとRHAPSODYの大仰さを合わせ、そこにデジタルな質感を加えたという、
きらびやかなサウンドはかなりのインパクト。これぞまさにオペラティック・シンフォニック・エレクトロメタル!!
シンフォニック度・・8 大仰度・・9 メタル度・・7 総合・・8
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DOL AMMAD「STAR TALES」
ギリシャのシンフォニックメタルプロジェクト、ドル・アマドのアルバム。2004作
キーボードのTHANASIS LIGHTBRINGE氏を中心に、女性6人男性3人の混声コーラス隊を備え、
RHAPSODYかTHERIONかという大仰なシンフォニックメタルサウンドを繰り広げる。
ドラムにはなんとそのRHAPSODYのALEX HOLZWARTHを迎えている。
全体的にはエピックというよりはデジタリィな質感で、スペイシーなシンセとともにSF的な要素が強い。
ようするに大仰かつやや馬鹿ちっくなのだが、ARS NOVAの「BIOGENESIS PROJECT」や
ルカッセンのAYREONなどが好きであれば一聴の価値あり。興味のある方はオフィシャルサイトへどうぞ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 大仰度・・9 総合・・7.5
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DOL AMMAD「Ocean Dynamics」
ギリシャのシンフォニックメタルプロジェクト、ドル・アマドの2nd。2006年作
キーボードのTHANASIS
LIGHTBRINGE氏を中心にしたプロジェクトで、
スペイシーなシンセと男性7人に美女7人の混声ヴォーカルによる歌声が鳴り響く。
サウンドにはデジタリィな要素もあって、メタル的なパワフルさよりは
シンフォニック・テクノメタルとでも呼んでもよいようなきらきらとした質感がただよう。
世界観としては、アルイエン・ルカッセンのSTAR ONEなどにも近いか。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 スペース度・・8 総合・・7.5
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DOL AMMAD「Cosmic Gods Episode 1: Hyperspeed」
ギリシャのシンフォニックメタルプロジェクト、ドル・アマドの2012作
キーボードのTHANASIS LIGHTBRINGE氏を中心にしたプロジェクトで
今作ではSFストーリー仕立てに、スペイシーでエレクトロなシンフォニックメタルサウンドを聴かせる。
男女合わせて12人の混声ヴォーカルの歌声が響きわたり、THERIONばりの壮麗さとスケール感が広がってゆく。
ブラストを含んだ激しい疾走感もありつつ、デジタリィなシンセアレンジがモダンな聴き心地になっていて、
メタルというよりは、やはり打ち込み系の感触が強い。ピコピコ系のSFゲームサントラ的な聴き方がよいかもしれない。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 スペイシー度・・8 総合・・7.5
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DOL THEETA「The Universe Expands」
ギリシャのシンセ奏者のTHANASIS LIGHTBRINGE氏を中心にした
エレクトロニック・シンフォニックメタルユニット、ドル・シータの2008作
多数の男女ヴォーカルによる壮麗なプロジェクトであったDOL AMMADとは異なり
ギター、女性Vo、シンセというトリオ編成でのユニットとなっての作品。
デジタル風味のモダンなシンセアレンジと、適度にメタリックなギターワーク、
そしてスキャット風の女性声が重なり、きらびやかさと同時に機械的な硬質感、
そしてスペースサイケ的な浮遊感もある不思議なサウンドを描き出している。メタルとして聴くには、
激しさは足りないが、シンフォニックメタルのエレクトロ化という意味では、とても興味深い作品だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 スペース度・・8 総合・・7.5
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DOMAIN「THE SIXTH DIMENSION」
ドイツのメロディックメタル・ハードロックバンド、ドメインの6th。2003作
確か80年代から活動してるベテランであるが、日本での知名度はまだ低いと思う。
現在でも活動していたとは驚きだが、これに続く7thはキングからなんと日本盤が出た模様。
音のほうはけっこう骨太なメロディックメタルで、そこにシンフォニックなキーボードの音色がかぶさると
FREEDOM CALLを思わせるエピックな雰囲気となり、なかなかいい感じ。
ヴォーカルの声質やシャウトする歌い方などがやや時代的であるが、
ギタリストを含め演奏の実力は確かなので安心して楽しめる。クオリティし。
メロディアス度・・8 重厚度・・8 キーボードがイイ!度・・8 総合・・8
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DOMAIN「STARDAWN」
ドイツのメロディックメタルバンド、ドメインの8th。2006作
80年代から地道に活動を続けるベテランバンドだが、ここ最近の充実ぶりには目を見張るものがある。
本作は25分の組曲を含むコンセプト的な力作で、キャッチーなメロディの正統派メタルに
シンセによるシンフォニツクな味付けや、コーラスワークなどを加えたサウンドは、
古き良きメタルテイストと現代的なアレンジが合わさった重厚な雰囲気だ。
枯れた味わいのヴォーカルの渋さには、むしろ哀愁ただようハードロック色が強いが
そのあたりも含めて大人のためのドラマティックメタルといえるだろう。
同じドイツのベテランAXXISなどとともに、今後も頑張っていってもらいたい。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 大人度・・9 総合・・7.5
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DOMAIN「The Chronicles of Love, Hate and Sorrow」
ドイツのメロディックメタルバンド、ドメインの9th。2009作
AXXISなどとともに、80年代から地道に活動を続けるベテランバンドだが、
とくに近作は濃密な作風でなかなか出来がよい。本作も正統派の雰囲気で聴かせるドラマティックなサウンドで、
シンセアレンジを含めて重厚な世界観はKAMELOTなどにも通じる部分がある。
随所にエピックな香りも漂わせた力作であるが、インパクトや即効性の部分ではやや決め手に欠けるのが惜しい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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DOMINE「Stormbringer Ruler」
イタリアのメロディックメタルバンド、ドミネの3rd。2001作
ジャケやタイトルからもマイケル・ムアコックの小説をテーマにしたエピックな雰囲気が
ひしひしと伝わってくるが、イントロにつづく2曲目は聴きやすいメロスピ風で、
うっすらとしたシンセをバックに疾走し、あまり力強くないハイトーンのヴォーカルが歌いあげる。
次作はメロパワ風になるのだが、今作ではワーグナーの“ワルキューレの騎行”を取り上げるなど、
シンフォニックメタル的に聴かせる壮麗さがあって、これがなかなか良い。
むしろパワフルでエピックになりきれないマイナー臭さが、逆に魅力になっている気もする。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 むしろシンフォメタル度・・8 総合・・7.5
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DOMINE「EMPEROR OF THE BKACK RUNES」
イタリアのメロディックメタルバンド、ドミネの4th。2003作
以前からムアコック等のファンタジー小説をモチーフにしていたバンドであるが、
この4thでは演奏の説得力が増して、音がけっこう力強くなっている。
多少中途半端なハイトーンVoや、魅力の薄いギタープレイなどには改善の余地ありだが、
ところによってはシンフォニックに盛り上がり、ヴァイキング調のクサメロも聴けて、悪くない。
10分以上の組曲もあり、エピックメタルバンドとしての大仰さはマニア受けするだろう。
今後は1曲ごとのメロディの煽情度を上げて行ってもらいたい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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DOMINE「Ancient Spirit Rising」
イタリアのメロディックメタルバンド、ドミネの5th。2007作
エピックな世界観で正統派のメタルを聴かせるこのバンド、前作から3年ぶりとなる本作では、
アーサー王伝説のシャーロットの乙女をテーマに、ファンタジックな世界観を描き出している。
疾走するメロスピ曲から、より叙情的なやわらかさをもった曲まで、コンセプト作らしい
場面ごとのストーリーを感じさせる雰囲気作りがなかなか見事。また今作ではいつになく
トラッド調のメロディを取り入れたり、シンフォニックな味付けも増していて、聴き心地もいい。
パワフルな勢いは薄まったが、むしろ完成度の点では最高傑作といってもいい出来だろう。
ファンタジック度・・9 疾走度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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DoomSword
イタリアのエピック・ドゥームメタル、ドゥームソードの1st。1999年作
朗々たるヴォーカルと古き良き感触のギターリフで、エピックな世界観を描き出す、
まさに戦士のドゥームメタルというべきサウンドである。このヒロイックな勇ましさは
スローテンポのMANOWARというような重厚な味わいで、華美なアレンジや疾走感がなくても
ここまで聴き手を引きこめるパワーはなんとも素晴らしい。随所にイタリア独特のクサさがあるのもGood。
ドゥームメタルというよりも、むしろファンタジック・エピックメタルの傑作として認定したい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 エピック度・・9 総合・・8
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DORO「Calling the Wild」
ドイツのメタルクイーン、ドロの2000年作
80年代からWARLOCKで活躍してきたドロ・ペッシュ、ソロに移行して7作目あたりだろうか。
サウンドとしてはごく普通のハードロックで、3〜4分台の楽曲はしごくシンプルだが、
メタリックなギターとハスキーなドロ姐さんの歌声で聴かせる、正統派の欧州HRが楽しめます。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 ドロ姐さん・・8 総合・・7.5
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DORO「Fight」
ドロの2002年作
モダンなヘヴィネスを強め、どことなくゴシックメタル風味の雰囲気になっている。
ドロ姐さんの歌声も、いくぶん艶めいていて、ハスキーなパワフルさとともに頑張っています。
正直、楽曲にメロディの魅力があまりないので、何度も聴くのはツラいですが…
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 ドロ姐さん・・8 総合・・7.5
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DORO「Fear No Evil」
ドイツ出身のメタルクイーン、ドロの2009作
80年代にWARLOCKで活動していたドロ・ペッシュもデビューからすでに25年を数える大ベテラン。
DORO名義での作品としては本作が10作目にあたる。のっけから時代的な正統派メタルサウンドで、
そのハスキーかつパワフルな歌声を聴かせてくれる。これぞジャーマンメタルクイーン!
アンジェラ・ゴソウ(ARCH ENEMY)、サビーナ・クラッセン(HOLY MOSES)、
ターヤ・トゥルネン(元NIGHTWISH)等、豪華ゲストも参加。さあ、ドロ姐さんの前に跪こう。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 メタルクイーン度・・10 総合・・8
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DORO「Raise Your Fist」
ドイツ出身のメタルクイーン、ドロ・ペッシュの2012年作
ソロ名義としては11作目となる本作も、前作同様、頑固なまでの正統派HR/HMを聴かせてくれる。
そのかすれたハスキーヴォイスは、年を重ねた分だけさらに凄味が増していて、
古き良きメタルサウンドをパワフルに歌い上げている。MOTORHEADのレミーとのデュエット曲や、
興味深いところとしては、元AFTER FOREVERのG、バス・マースなどが参加している。
さすがに新鮮味はもうないものの、ノリのいいナンバーも多いので、安心して楽しめる力作だ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 メタルクイーン度・・10 総合・・8
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DORO「Fur Immer」
元WAROCKのVoであり、ドイツを代表する女性ロックVo、ドロ(ペッシュ)のライブDVD。2003作
80年代ウォーロックで活動し、その後ソロへ転身、ロック魂溢れるドロねーさんのライブです。
なんといいましょうか…元々容姿や歌唱力で売るタイプではなく、ややしゃがれた声質が特徴で、
昨今の美声系女性Voとは異なり、ダーティなロッククイーン的な立ち位置なのですね。
“女版ウド・ダークシュナイダー”ともいうべきか、そんなドロ姐さんの2002年のツアーをメインに収録。
WAROCK時代の曲から最近のソロの曲まで、23曲たっぷり聴かせてくれます。
古き良きハードロックという感じで、とてもロックしています。けっこう熱いです。
ただ、全盛期は過ぎたかというドロ姐さんの歌(と容姿)を聴き(見)続けるのはきついかもです。
むしろ、ビデオクリップの方が、若き頃の美しい姐さんのお姿が見られて嬉しいかもです。
その他、ドキュメンタリー、インタビュー他、DVD2枚で合計5時間半…とても見きれません(^^;)
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・7 ドロ姐さん・・6 総合・・7
DOTMA「Sleep paralyses」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ドトマの2011年作
Nightwishの登場以降、女性Voのシンフォニックメタルは続々と登場しているが、
このバンドも美声のソプラノ女性シンガーをフロントにした壮麗なサウンドをやっている。
シンセによるシンフォニックな広がりと、北欧らしいトラディショナルなメロディを盛り込んだ楽曲は
なかなか質が高く、ヨハンナ嬢の歌声はいくぶん線が細いものの、その分繊細なソプラノで魅了する。
AMBERIAN DWANやThaurorodのメンバーなども関わったということもあり、満を持してのデビュー作であろう。
MOONSORROWあたりを思わせるゆったりとした重厚さも含め、世界観の強度という点でも確固たる美意識を感じる。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DOXA 「LUST FOR WONDER」
スペインのシンフォニックメタル、ドクサの2017年作
2010年にデビューし、3作目となる。メタリックなギターにうっすらとしたシンセ、キュートな女性ヴォーカルを乗せて、
ほどよくキャッチーな疾走感のある、優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。随所に奏でる流麗なギターフレーズや
フックのあるメロディ展開、紅一点Rita嬢の歌声もフェミニンでなかなか魅力的だ。楽曲によってはゴシックメタル寄りの
メランコリックな雰囲気もあって、美しい女性声と耽美な世界観が好きな方にも楽しめるだろう。
中盤以降は男性Voメインのナンバーもあって、フォーキーな感触の疾走するクサメロスピ風味も現れたりと、
とらえどころがないのだが、アルバム後半は再び優美な女性声シンフォニックメタルに戻ってひと安心。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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DRACKO「El Mundo De Los Dioses」
メキシコのメロディックメタルバンド、ドラコの2004年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、正統派のギターリフとスペイン語の歌唱を乗せて疾走、
ヘナチョコなヴォーカルがいかにもB級感丸出しだが、クサクサのコーラスは微笑ましく
ときにギターの奏でるクサメロにもにんまりだ。B級ダイスキーのクサメタラーならどうぞ。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7
DRACONIAN「To Outlive the War」
スペインのメタルバンド、ドラコニアンの2001年作
いかにもB級風のファンタジー風ジャケからして、メロスピかなにかだと思ったら
サウンドはしごく正統派のヘヴィメタル。古き良き…という言葉がまさにぴったりだ。
ヴォーカルは英語で歌っているので、スペイン臭さはあまりなく、弱めにしたJUDAS PRIESTという感じで、
哀愁ただようツインギターとともに適度にドラマティックに聴かせる。ヴォーカルの実力、演奏ともに並程度だが、
今どき珍しいほどの正統派ぶりに、オールドメタルファンならにんまりするに違いない。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・7 総合・・7.5
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Dragoner 「Acordes De Libertad」
メキシコのメロディックメタル、ドラゴナーの2014年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、スペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
辺境的なメロスピサウンド。エピックで勇壮な世界観も感じさせつつ、煮え切らないシンセアレンジや
ヘナチョコなヴォーカルなど、すべてにおいて中庸の印象なのが、B級メロスピの醍醐味というべきか。
6分、7分と無駄に長い曲もあるのだが、たまに陽性のクサメロにニンマリする曲もあって、マニアにはたまらないかも。
メロディック度・・7 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7
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Dragonfly「Non Requiem」
スペインのメロディックメタル、ドラゴンフライの2011年作
2006年にデビューして本作が3作目。美麗なシンセアレンジとスペイン語のヴォーカルを乗せて
キャッチーなメロディで聴かせる、AVALANCHタイプのサウンド。適度なクサメロ風味も含みつつ
楽曲はミドルテンポ主体であくまでメロディアス…なのだが、突き抜けるほどのクサさがないのが惜しい。
全体的にキャッチーな爽快さはよいのだが、もう少しスパニッシュな濃密さも欲しい気がする。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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DRAGONFORCE「VALLEY OF TH DAMNED」
イギリス出身のメロディックスピードメタルバンド、ドラゴンフォースの1st。2003作
この手のメロスピバンドが英国から出てくるとは驚きであるが、クオリティも高いです。
基本は初期SONATA ARCTICA タイプでメロディアスに疾走しまくるサウンドで、
メンバーは若いのに演奏力はしっかりしており、曲も聴き所を押さえていて気持ちよく頭が振れます。
クサメロにこだわる所は、DRAGONLANDあたりを思わせ、力強いメタルマインドはLOST HORIZON的か。
また、クサいだけでなく爽やかなキャッチーさをメロディに感じさせるところもよい。
とにかく上記に挙げたバンド達と対等に渡り合えるだけの実力を持ったバンドに思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・10 楽曲・・8 総合・・8.5
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DRAGONFORCE「SONIC FIRESTORM」
イギリスのメロディックメタルバンド、ドラゴンフォースの2nd。2004作
今作もその凄まじいばかりの疾走感は、新たにBAL-SAGOTHのドラマーを迎えたことで
さらに際立っている。1曲目からまるでスラッシュメタルばりのスピード感で、
そこにキャッチーなメロディが乗るさまは、まさに圧巻かつ爽快なことこの上ない。
このバンドの魅力は、その圧倒的なスピード感に加え、そのメロディの分かりやすさだろう。
なにも疾走曲にしなくても・・(^^;)というくらいの、むしろメロディアスハード的ですらある
ポップさと聴きやすさに溢れた歌メロを、強引なまでに快速球なスピード曲に載せるのだから(笑)。
つい頭を振りたくなる疾走感と、キャッチーなセンス。この二つを併せ持ちつつパワフルに聴かせる傑作。
メロディアス度・・8 疾走度・・10 楽曲・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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DRAGONFORCE「INHUMAN RAMPAGE」
イギリスのメロスピバンド、ドラゴンフォースの3rd。2005作
英国疾走野郎の待望のアルバムは、期待通り!前作においても見せつけた、疾走につぐ疾走と
やりすぎなまでのキャッチーさは健在でのっけからまるでメロスピの限界に挑戦するような速さで突き進む。
元BAL-SAGOTHのドラマーの凄まじいツーバス連打も凄いが、アルバムとしての楽曲クオリティも素晴らしく、
最後まで捨て曲いっさいなし。それどころが、どの曲も普通のバンドのキラーチューンクラスの出来といってよく
疾走しまくり、そして爽快かつメロディアスなので、愉快に首を振れることこの上ない。
どの曲も速くて長いのだが、間奏部のつなぎやブレイクを取り入れたアレンジも見事で
まるで遊園地のジェットコースターのように楽しく聴き通せてしまう。メロスピ世界一はこのバンドに決定だ!
メロディアス度・・9 疾走度・・10 楽曲・・9 総合・・9◆メタル名盤特選入り
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DRAGONFORCE「Ultra Beatdown」
イギリスのメロスピバンド、ドラゴンフォースの4th。2008年作
きらびやかに疾走しまくるスタイルで、その人気を世界的なものに広げているこのバンド。
今作も期待通りの激走ピロピロのカラフルサウンドでみんなをノックアウトだ!
やはり7〜8分という長めの楽曲は、前作同様に間奏部の展開が非常に練られ、
ギターソロ部分だけでもひとつの曲をなしているようにすら感じられる。
正直言って、曲のパターンやメロディなどは前作からあまり変わらず新鮮味はないのだが、
キャッチーなまでのライト感覚をピロピロのギターで、ときにシンフォニックなアレンジも加えて
疾走メタルに仕立て上げた彼らの手法は、メタル以外のリスナーにも聴けるノリがあるし、
その爽快なサウンドにはにんまりとなる。メロスピ好きの方にもやはり必聴といわざるを得ない。
メロディアス度・・8 疾走度・・9 カラフル度・・9 総合・・8.5
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DRAGONFORCE「Twilight Dementia」
イギリスのメロスピバンド、ドラゴンフォースの2枚組ライブアルバム。2010作
本作は2009年の世界ツアーからイギリスでの公演をCD2枚に収録した初のライブアルバム。
スタジオ盤に比べると当然ながら演奏的な迫力や完成度では落ちるのだが、
正直あの楽曲をライブで再現できるようになったというだけでもバンドの成長を見る思いだ。
ピロピロと楽しそうにギターを弾きまくるハーマン・リ姿が目に浮かぶようだし、
先日脱退を表明したヴォーカルのZPも疾走する楽曲に負けじと頑張って歌いあげる。
それにしても曲が速いから、ドラムは聴いているだけでホント足がつりそうなくらいだ。笑
ほぼ全曲疾走という、疾走メロスピキングのライブ演奏である。微笑みながら聴くのが正しい。
疾走度・・9 ライブ演奏・・7 ドラフォー度・・10 総合・・8
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DRAGONFORCE「THE POWER WITHIN」
イギリスのメロスピバンド、ドラゴンフォースの2012年作
2003年のデビューから5作目を数え、すでに世界的な人気を誇るまでになったこのバンド。
ライブアルバムをはさんで4年ぶりとなる本作は、新Voを迎えての心機一転の作品となった。
彼らの代名詞であるきらびやかな疾走しまくりのメロスピスタイルはそのままに、
さらに「歌える」ヴォーカルが加わったことで、よりメジャー感のある音になっている。
新ヴォーカルのマーク・ハドソンの歌声は、伸びやかなハイトーンで爽やかに
サビメロを歌い上げ、すでに違和感なくバンドの演奏にに溶け込んでいる。もはやドラフォ節というべき、
ポップなまでのキャッチーさとともに軽快に疾走し、ピロピロの間奏部分まで、すべてが期待通りの、つまりは定型内のサウンドだ。
これだという新鮮味は薄いものの、やはり安心して楽しめる高品質な作品です。
メロディアス度・・8 疾走度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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DRAGONFORCE 「Maximum Overload」
イギリスのメロディックメタル、ドラゴンフォースの2014年作
マーク・ハドソンが加わっての2作目、通算6作目となる本作も1曲目から強烈な疾走感でたたみかける。
このスピードはメロスピというよりはスラッシュ並なのであるが、キャッチーなヴォーカルメロディは
あくまで陽性このうえなく、むしろ速度を二倍にしたメロディアスハードというような感触もある。
このバンド特有の爽快なまでの疾走感は健在で、ファンの求めるドラフォーサウンドはしっかり守られているし、
スピード曲だけでなく、ミドルテンポの曲などもヴォーカルの力量のおかげでちゃんと楽しめる。
アレンジの質も含めてこのクオリティを維持するのはさすが。なんだかんだで高品質なアルバムです。
メロディック度・・8 疾走度・・9 高品質度・・9 総合・・8.5
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Dragonforce 「Reaching Into Infinity」
イギリスのメロディック・スピードメタル、ドラゴンフォースの2017年作
2003年のデビューから、本作で7作目。前作までの疾走メロスピ路線を継承しつつも、
よりシンフォニックなアレンジとともに、流麗なメロディック・スピードメタルを聴かせる。
叙情的なツインギターにマイク・ハドソンのハイトーンヴォーカルも表現力を増していて、
これまでのようなキャッチーで軽快な疾走曲もたっぷりで、安定のサウンドが楽しめる。
メロディのフックに新鮮味は薄いものの、ときにやわらかな叙情パートなども覗かせたり、、
11分の大曲ではドラマティックな展開力で、いくぶん大人になったドラフォーも感じさせる。
ボーナストラックには、なんと、ZIGGYの名曲「グロリア」をメロスピアレンジ。
メロディック度・・8 疾走度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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DRAGONFORCE 「Extreme Power Metal」
イギリスのメロディック・スピードメタル、ドラゴンフォースの2019年作
2002年にデビュー、いまや世界的な人気となったメロディックスピードメタルの代表格、本作は8作目で、
流麗なギターにきらびやかなシンセを重ねて、キャッチーなヴォーカルメロディとともに疾走する、
華麗なるドラフォー・サウンドは健在。本作ではEPICAのコーエン・ヤンセンがシンセアレンジを担当し、
ときにシンフォニックに楽曲をカラフルに彩っている。ときおりミドルテンポのナンバーも織り込みつつ、
基本はたたみかける疾走メロスピで、メロディや楽曲自体にもはや新鮮味はさしてないのだが、
ピロピロ&キラキラで突き進む爽快さにやはりウキウキとしてしまう。元気になるゴージャスなメロスピです。
メロディック度・8 疾走度・9 華麗度・9 総合・8
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DRAGONHAMMER「THE BLOOD OF THE DRAGON...」
イタリアンシンフォメタルバンド、ドラゴンハンマーの1st。
ラプソディを薄くして、そこに疾走ジャーマンサウンドをプラスしたようなサウンド。
そこそこ曲のツボは心得ているが、やはりギターが一本、しかもVo兼任ということで
そのへんのパートの強化が今後のサウンドの力強さになってゆくはず。
メロディアス度・・7 ラプソディ度・・7 濃度・・6 総合・・6.5
DRAGONHAMMER「TIME FOR EXPIATION」
イタリアのメロディックメタルバンド、ドラゴンハンマーの2nd。2004作
1stはかなりヘナチョコなアルバムだったのだが、この2ndでは力強いメロディックメタルになっているではないか。
メロディアスに疾走し、実力のあるヴォーカルが歌を載せると、もはやB級臭さは皆無。
メロウなギターパートや、北欧的なキーボードアレンジも美しく、全体的にこのクオリティの高さは、
いったいどうしたというのだろう?イタリアというよりはむしろ北欧っぽいぞ。これは意外と大穴的にお薦めのアルバムかも。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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Dragonhammer 「The X Experiment」
イタリアのメロディックメタル、ドラゴンハンマーの2013年作
2001年にデビュー、1stはヘナチョコなB級メロスピであったが、続く2nd「Time for Expiation」では飛躍的な成長を遂げ、
一躍期待のバンドとなるがその後沈黙、本作は前作から9年ぶりとなる3作目である。
コンセプトストーリー的なSEから、曲に入ると美麗なシンセにメロディックなギターを乗せて疾走、
ゲスト参加のロベルト・ティランティ(Labyrinth)の伸びやかなヴォーカルも含めて、クオリティ的にも申し分ない。
シンフォニックメタル的な壮麗なアレンジと、ラビリンスにも通じる正統派のメロパワ感触が合わさって、
一線級のバンドとそん色のない聴き心地である。新鮮味という点ではあまりないが、安定した好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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DRAGONHEART「THRONE OF THE ALLIANCE」
ブラジルのパワーメタルバンド、ドラゴンハートの1st。2002作
いかにもファンタジー系のクサメタルといったジャケにこの手のファンなら惹かれることだろう。
いきなり2分にもおよぶ「語り」に続き、少々田舎臭い(ヴァイキング的な)メロディをまじえた力強い疾走曲が始まり、
悪くはないなと思っていると、続く3曲目はなんだかACCEPTのような「ミドルテンポ+ダミ声Vo曲」で拍子抜け。
その後もMANOWARのような男臭いコーラス入りでリフ主体のパワーメタルが続くが、
全体的に音質がラウドで、演奏の方もやや無骨な感じなので、クサメタルを期待していると肩すかしを食う。
突進力は感じられるが、個人的にはもっとトラッド・ヴァイキング要素を高めると面白くなると思う。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ヴァイキング度・・7 総合・・6.5
DRAGONHEART 「The Battle Sanctuary」
ブラジルのメロディック・バワーメタル、ドラゴンハートの2015年作
ファンタジックなジャケからして、なかなかそそるものがあるが、サウンドの方もクサめのツインギターに
ダミ声&ハイトーンをツインヴォーカル的に乗せて疾走する、正統派のメロパワスタイル。
勇壮なコーラスと適度なクサメロ感を含んだ、少し前のジャーマンメタルを思わせる聴き心地で、
ラウドな音質がB級臭さをかもしだす。パワフルでエピックな部分は初期のBlind Guardianを思わせるが、
どこかヘナチョコ気味の雰囲気は、Not Flagileあたりに近いかもしれない。個人的には耳障りなダミ声はやめて、
よりクサメロ疾走へとシフトした方がウケがよいのではないかと思うのだが。B級エピックメタルとしてはわりと楽しめます。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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DRAGONLAND「THE BATTLE OF THE IVORY PLAINS」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ドラゴンランドの1st。2001年作
お約束の疾走曲にきらきらとした様式美チックなシンセ、そこに乗る少し頼りなげなヴォーカル、と
類型を脱するほどのインパクトはないものの、とにかく開き直ったような疾走に次ぐ疾走が心地よい。
「もうクサメタル大好き!」というメンバーの叫びが聞こえるようである(笑)
楽曲の方もメロディ、展開ともツボを心得ていて、すでに完全にB級の域は出ている。
この手のドラゴン系バンド群(DRAGONLORD、DRAGONHAMMER等)の中ではもっとも高品質。
メロディアス度・・8 疾走度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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DRAGONLAND「HOLY WAR」
スウェーデンのメロディックメタル、ドラゴンランドの2nd。2002年作
内容は前作のクサメロ路線をさらにシンフォニックにゴージャスにしたサウンドで、
イントロの荘厳さから続く疾走曲も、お約束でありながら、その格好良さについヘドバンしてしまう。
サウンド面、演奏ともにずいぶんレベルが上がっており、弱いヴォーカルも多少は上達した。
しかし、やはりなによりこのバンドの魅力はかつてのハロウィンかそれ以上の疾走へのこだわりにある。
また、キーボードのアレンジなどにも優美なセンスを感じ、アルバム全体として楽曲の密度を高めている。
日本盤ボーナスには「ネヴァーエンディング・ストーリー」のクサメロスピなカヴァーを収録。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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DRAGONLAND「STARFALL」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ドラゴンランドの3rd。2004作
本作では新ドラマーを迎えたことでこれまでDrも兼任していたVoは、歌に専念、
プロダクションの向上とともにサウンドには力強さが増している。反面、マイナー調のクサメロがやや失われ、
バンドの成長とともに、音にはメジャー感が出てきてしまうのは、ある部分では仕方がないところか。
序盤は意外にもミドルテンポの曲が続き、やや拍子抜けするが、後半は期待通り。
ミドル〜疾走するDのキャッチーなメロディアスさは、このバンドの持ち味だし
ゲスト女性Voの導入や、Fのサビでのシンフォニックな盛り上げなどはさすが。日本盤ボーナスに、
X JAPANの“RUSTY NAIL”(日本語で頑張って歌っている!)を収録。これがかなかカッコいい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・7 総合・・8
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DRAGONLAND「Astronomy」
スウェーデンのメロパワバンド、ドラゴンランドの4th。2007作
壮大な雰囲気のイントロから始まる今作は、前作からあった大作志向が全面に出ており、
アルバムを通してコンセプト的な聴き方をすべき作品となっている。
後半の14分のインスト組曲をはじめ、すでにメロパワというよりはシンフォニックメタルとしての
方法論に近づいていて、ある種RHAPSODYにも通じるような雰囲気すら漂っている。
もちろん、もとからセンスのあったメロディアスな聴きやすさも健在なので、まったく難解さはない。
単なる疾走メロパワを求める向きにはややとっつきは悪いかもしれないが、
クオリティの高さでは北欧勢の若手の中でもトップの位置に立ったという感もある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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DRAGONLAND「Under The Grey Banner」
スウェーデンのシンフォニックメタル、ドラゴンランドの5th。2011年作
初期のメロスピ路線から、しだいに疾走を抑えたシンフォニックメタルへと移行し、
本作もまた、壮大なイントロからストーリーを感じさせる流れで聴かせるサウンドになっている。
前作からの延長上である重厚なミドルテンポ曲も含めて、モダンな硬質感も強まっているが、
RHAPSODYのようなファンタジックな世界観とコンセプチュアルなスケール感に磨きがかかり、
随所に流麗なギターフレーズを聴かせたり、民俗調のメロディなども含んだアレンジ力はさすが。
1曲ごとの派手なインパクトは薄いが、全体としての流れで鑑賞するアルバムに仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Dragonland 「The Power Of The Nightstar」
スウェーデンのメロディックメタル、ドラゴンランドの2022年作
2001年にデビュー、本作は11年ぶりとなる6作目。
語りを含むシネマティックなイントロから、壮大な世界観を予見させるが、SF的なストーリに基づいたコンセプト作のようで、メタリックなリフと叙情的なフレーズを奏でるギターにきらびやかなシンセを重ね、オリジナルメンバーである、ヨナス・ヘイジャートのエモーショナルなヴォーカルで、壮麗でシンフォニックなメロパワを展開する。
クサメロ感ある疾走メロスピナンバーには、初期からのファンもにんまり。ミドルテンポのナンバーでもキャッチーなメロディでなかなか爽快な聴き心地である。
抜群に上手くはないが味わいのあるヨナスの歌声も耳心地よく、サウンドにマッチしている。
これまで以上にスタイリッシュなシンフォニックメタル要素が加わって、クオリティの高さは過去最高か。ボーナス含めて全71分の力作。
メロディック度・8 疾走度・8 壮麗度・9 総合・8.5
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DRAGON LORD「DIVE」
スペインのメロディック疾走メタルバンド、ドラゴン・ロードの1st。
ツインギターにキーボード入り、クサメロで疾走するという、この手のお約束通り。
高音のVoは少々ヘナチョコで、声質はいわゆるHELLOWEEN時代のカイ・ハンセンに似ている。
ツインリードのリフや疾走へのこだわりなど、明らかに初期のハロウィンに影響を受けたスタイル。
そこにやや唐突なクラシックメロディやキーボードによる味付けをしていて、アレンジ的にも
やはりB級の域は出ないが、全体としてなかなかキャッチーなところがよろしいかと。
初期HELLOWEENの疾走感が好きな者にはなかなか楽しめるとは思う。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・6.5
Dragon Nation
アメリカのメタルバンド、ドラゴン・ネイションの2015年作
ネオクラシカルなギタープレイで幕を開け、パワフルなヴォーカルとともに、80〜90年代ルーツの様式美メタルが広がってゆく。
イングヴェイに影響を受けたとおぼしき華麗なギターの旋律を随所に織り込んで、IRON MASKやMAGIC KINGDOMなどが好きな方はニヤニヤだろう。
歌い上げるハイトーンヴォーカルもパトリック・ヨハンソンばりで(それは褒め過ぎか)、きらびやかにギタープレイにも負けていない。
こうなるとジャケの地味さが残念。内容は濃厚な王道ネオクラ系メロパワの好作品ですぞ。
ドラマティック度・7 ネオクラ度・8 様式美度・8 総合・8
Dragonrider 「Scepter Of Domination」
ヨルダンのメロディックメタル、ドラゴンライダーの2020年作
叙情的なギターに語りを乗せたイントロから、クサメロのギターにパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、
オールドなエピック・メロパワスタイル。ほどよいスカスカ感がマイナー臭さをかもしだしていて、
ファンタジックな世界観に包まれた雰囲気は、初期のBLIND GUARDIANをヘナチョコにしたような味わいで、
ときにハイトーンでシャウトするヴォーカルはMANOWAR風であったりもする。ラストの疾走メロスピナンバーも
なかなか良い感じで、いっそヘナチョコのまま、B級の辺境メタル道を進んでいってもらいたい気もする。
ドラマティック度・7 疾走度・7 辺境度・8 総合・7
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DRAGONSFIRE「Metal Service」
ドイツのメタルバンド、ドラゴンズファイアーの2010年作
コテコテのバンド名通り、サウンドの方もコテコテの正統派メタル。
暑苦しいヴォーカルと、いくぶんB級気味のクサメロ入りで疾走する様は、
「メタルが好きなんだ!イェ〜イ♪」という感じの微笑ましさにあふれている。
古くさくてイモ臭いこのサウンドは人には勧められないが、こっそりと聴きたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 メタル好き度・・9 総合・・7.5
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Dragon Sway 「Bloodlust Awaken」
ノルウェーのメタルバンド、ドラゴン・スウェイの2021年
オールドなギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代ルーツの古き良きヘヴィメタルスタイル。
全体的にミドルテンポ主体の、どっしりとした聴き心地で、ギターとベースが日本人であることもあり、LOUDNESSなど、昭和のジャパメタに通じるような雰囲気もある。
日本人ギタリスト、ワージーのプレイはストレートなリフから、テクニカルなフレーズまで巧みに弾きこなし、ボーナストラックにラウドネスのカヴァーが収録されていることからも、高崎晃をリスペクトしているのかもしれない。
ラストのタイトルナンバーは、疾走感のあるメロディックな味わいで、このタイプの爽快な楽曲が増えれば、より魅力的なバンドになるだろう。
メロディック度・7 疾走度・8 オールドメタル度・8 総合・7.5
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DRAGONY 「Legends」
オーストリアのシンフォニックメタル、ドラゴニーの2012年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、壮麗なイントロから、クサメロたっぷりのギターで疾走開始、
適度に力強さのないヴォーカルとともに、いくぶんのB級臭さを含んだシンフォニックメタルを聴かせる。
キャッチーなコーラスなどもなかなかいい感じで、HELLOWEEN風味のリフやメロディもあったりして、
むしろ心はジャーマンメタルという感じか。シンフォメタルとしては重厚さや壮大さがまったく足りないのだが、
この素晴らしいクサキャッチーさのおかげで微笑ましく聴けます。INSANIAなどが好きなクサメタラー諸君はぜひ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 クサキャッチー度・・9 総合・・7.5
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DRAGONY 「Viribus Unitis」
オーストリアのメロディックメタル、ドラゴニーの2021年作
2012年にデビューし4作目となる。オーストリアの国父と呼ばれた皇帝フランツ・ヨーゼフ1世をコンセプトに、
クラシカルで優美なイントロから幕を上げ、ツインギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに疾走する、
華麗なメロディックメタルを聴かせる。重すぎないキャッチーなメロディアス性と美麗なシンセワークで、
ほどよい疾走感のナンバーから、ゆったりとしたナンバーなども優雅なシンフォニックメタルとして楽しめる。
同郷のSERENITYに比べると、より壮麗で軽快、クサメロ寄りの耳心地は日本人好みといえるだろう。
楽曲自体は4〜5分前後が主体でわりとコンパクト。全49分で、濃密すぎないところがよろしいですな。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 壮麗度・・8 総合・・8
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DRAKKAR「Razorblade God」
イタリアのB級メロパワバンド、ドラッカーの3rd。2002作
キーボード入りで疾走するスタイルは、骨太メロパワと軟弱メロスピの中間という感じ。
時々エセハイトーンになるヴォーカルも、やはりあまり力強さはなく、演奏力も並程度。
楽曲もときおりにやりとするクサメロがあるものの、総じていまひとつ…いやいまふたつなので、
アルバム通して聴くには「悪くはないが散漫でB級」という評価しかできない。
ラストのMAGNUMのカヴァーにしても、本家の曲を聴いた方が良い。マニア向け。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・7
Drakkar 「When Lightning Strikes」
イタリアのエピックメタルバンド、ドラッカーの2012年作
前作まではただのB級イタリアンメタルというイメージしかなかったのだが、
10年ぶりとなる本作は、なにやらシンフォニックなイントロから期待をさせる。
古き良き正統派メタルを基本にしながら、シンセによる美麗なアレンジや
ヒロイックな世界観を感じさせる叙情性、男臭いコーラスなどを含んで盛り上げる
エピックメタルとしての強度が上がっている。全体的には、パワフルになりきれないという、
よい意味でのマイナー臭さが残っており、クサメタラー諸氏にも受けることは間違いない。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 B級度・・7 総合・・7.5
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DREAMAKER「HUMAN DEVICE」
元DARK MOORのエリサ嬢が新たに結成した、ドリーメーカーの1st。2004作
ダークムーアのようなきらきらとした音を想像すると少々肩すかしを食う。
どちらかというと、エッジの効いたメタリックな部分を強めた疾走メタルで、
エリサ嬢の絶品というわけではない微妙な歌唱はそのままに、全体的にわりと聴きやすい
サウンドに仕上がっている。若干17歳というギタリストの腕は見事なもので、
骨太かつメロディアスな疾走メタルとしてファンには受け入れられるだろう。
今後は曲のアレンジの質と、このバンドならではの個性が必要だろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
DREAMAKER「ENCLOSED」
元DARK MOORのエリサ嬢率いる、ドリーメーカーの2nd。2005作
1stを聴いたときは、ダークムーアよりもずっと正統派メタルのスタイルにあまり面白みを感じなかったが、
この2ndでも基本は変わらず。ただ、むしろ期待をしていなかった分だけ「案外悪くないな」という印象。
全体的に「これが男Voだったらごく普通のメロパワだよな…」という曲が並び、
まあどれもモダンなメタルでなかなか元気がいいのだが、キーボードは味付け程度だし、
煽情的なメロディもそう多くない。エリサ嬢のVoにもこれではさして魅力も感じないし、
このバンドならではのものがいまだに見えないのが残念。演奏もクオリティは高いだけに。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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DREAMER「Bait Suci」
インドネシアのシンフォニックメタルバンド、ドリーマーの2008作
インドネシアではプログレバンドがけっこういるのは知っていたが、ついに女性ヴォーカルのシンフォニックメタルも登場。
母国語で歌われる美しい歌声と、シンセ入りの壮麗なアレンジ、いくぶんローカルさを漂わせたメロディは、
なかなか味わいがある。Rika嬢の歌唱は、たとえば陰陽座の黒猫に通じるようなキュートな節回しで、
どことなく日本的な情緒がある。楽曲自体は疾走よりもゆったり〜ミドル中心で、
あまり激しさはないのだが、フィメールメタルのリスナーなら充分楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 インドネシア度・・8 総合・・7.5
DREAM EVIL「DRAGONSLAYER」
スウェーデンのメロパワバンド、ドリーム・イーヴルの1st。2002作
フレドリック・ノルドストロームとガス・Gのツインギターを中心に、
どっしりとしたドラムにベース、そしてしっかりメロディを聴かせるヴォーカル。
かつての北欧メタルの質感に、今風のヘヴィなフィーリングを合体させた正統派のサウンド。
流麗なツインギターはもちろん、北欧らしいキャッチーなメロディも耳に心地よい。
スピードに頼らないメタルパワーの炸裂。素晴らしいメロディックメタルアルバムだ。
メロディアス度・・8 重厚度・・9 メタルパワー度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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DREAM EVIL「EVILZED」
スウェーデンのメロパワバンド、ドリーム・イーヴルの2nd。2003年作
熱きメタル魂炸裂の好盤だ。とくにフレドリックー・ノードストロムとガス.Gのツインギターは強烈で、
これぞヘヴィメタル!という格好いいリフを次々に繰り出してくる。
このバンドの場合、力強いパワーメタルでありながら、メロディには北欧的な叙情があり、
押し一辺倒ではないところにも好感が持てる。MANOWARばりのパワーバラードもよい味を出していて、
派手な疾走曲はないが、ナイスミドルな(?)メタルパワーに包まれた作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 メタルパワー度・・9 総合・・8
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DREAMEVIL「THE BOOK OF HEAVY METAL」
スウェーデンのパワーメタルバンド、ドリーム・イーヴルの3rd。2004作
最近のNOCTURNAL RITESをさらにパワーアップしたような印象で、
力強いVoの歌声に、ツインギターの重厚なリフで、曲はミドルテンポ主体ながら、
要所で聴かせる巧みなギタープレイなど、パワメタとしても非常に高品質。
かつて自身がプロデュースしたHAMMERFALLよりも力強い音を出しているというのが
なんとも皮肉なような気もするが…とにかく「メタルを聴きたいっ」というときにはうってつけのバンド。
おまけのビデオクリップはギャグなのか本気なのか分からず、笑える。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 メタルパワー度・・9 総合・・8
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DREAM EVIL「UNITED」
スウェーデンのメロパワバンド、ドリーム・イーヴルの4th。2006作
ガス.Gの脱退に続き、Vo、B、Drが相次いで脱退するというバンドの危機を乗り越え、
フレドリック・ノルドストロームを中心に新生DREAM EVILとして復活した。
心配されたサウンドの方だが、これまで通りの高品質な正統派メロバワで
楽曲の方も存分にメロディアスかつパワフルなので、ファンは一安心というところだろう。
ただ、ヴォーカルも含めて全体的には以前よりもややソフトになった印象もあり、
神がかり的な勢いが感じられた過去作に比べると、普通のバンドになったかなという印象はある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 バワフル度・・7 総合・・8
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DREAM EVIL「GOLD MEDAL IN METAL」
スウェーデンのメロパワバンド、ドリーム・イーヴルのアルバム。2008作
ライブアルバム+未発音源入りベストという変則的な2枚組、Disc1には2007年地元スウェーデンでのライブを収録。
「UNITED」で大幅なメンバーチェンジを行ったが、フレドリック・ノルドストロームを中心にした新たな演奏陣は、
安定感ある演奏を聴かせてくれる。そしてやはりニクラス・イスフェルドの深みを増したマイルドな歌声は
このバンドの顔であるだろう。キャッチーといってもいい親しみやすいメロディをパワフルなサウンドに乗せて聴かせる、
正統派の北欧メタルがたっぷり楽しめる。個人的にはHAMMER FALLよりもはるかに好きだ。
Disc2の方は、未発曲はあくまで未発曲…という感じでパッとしたものはあまりないが、
もちろん出来は悪くない。ファン向けの作品としてはかなりのボリュームであろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 未発曲・・7 総合・・8
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DREAM EVIL「In the Night」
スウェーデンのメロパワバンド、ドリーム・イーヴルのアルバム。2010年作
前作「UNITED」は、ガス.Gの脱退後ということもあったか、やや勢いに威力が感じられなかったので
今作にもあまり期待していなかったが、1曲目から変わらぬパワフルなメタルサウンドでまずは一安心。
聴きやすいキャッチーな歌メロと、ツインギターの絡みによるメタリックなパワフルさのバランスのとれた作風で、
多くのファンが安心して楽しめる作品に仕上がっている。その一方で、迫力や新鮮さの点では
物足りなさも残るのが正直なところ。多くのバンドが苦しむマンネリとの戦いが彼らにものしかかり始めている。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Dream Evil 「Six」
スウェーデンのメロディックメタル、ドリーム・イーヴルの2017年作
2002年にデビュー、本作は7年ぶりとなる6作目。メタリックなギターにパワフルなヴォーカルを乗せ、
どっしりとした正統派のメタルサウンドを聴かせる1曲目から、バンド名を冠したナンバーで、
2曲目以降も、オールドスタイルのヘヴィネスと、甘すぎないメロディックな部分が合わさった、
王道のヘヴィメタルを展開。随所に巧みなギタープレイも盛り込みつつ、ミドルテンポを主体にしたスタイルは
HANMMERFALLのウェットなメロパワ路線とはまた違った、より硬派で重厚な作風といえるだろう。
もはや新鮮味というものはないのだが、これが「ヘヴィメタルだ」と体現するバンドのひとつだろう。
メロディック度・7 正統派度・8 王道メタル度・9 総合・8
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DREAMLAND「FUTURE'S CALLING」
スウェーデンのメタルバンド、ドリームランドのアルバム。2005作
HAMMER FALLのヨアヒム・カンスのバックアップのもとデビューしたバンドで、
DREAM EVILあたりに通じる古き良き正統派メタルの香りが漂うサウンド。
やや弱いハイトーンヴォーカルと王道のメタルリフで、ミドルテンポ中心に聴かせる。
これだというインパクトや音の新鮮味は薄いのだが、HAMMER FALLなどが好きな方なら普通に楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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DREAMLAND「An Eye for an Eye」
スウェーデンのメロディック・メタルバンド、ドリームランドの2nd。2007作
基本的には前作の延長のサウンドながら、サウンドはいくぶんパワフルになり
泣きの叙情メロディが増えたことで、楽曲自体に魅力が増した。
やはりときおりHAMMER FALLに通じる雰囲気があるが、むしろこちらの方が
ドラマティックかもしれない。全体的には、中庸のハードロック曲などもあって
傑作というにはもう一歩足りない気はするが、今後に期待できる質の高さはある。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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DREAMS IN FRAGMENTS 「REFLECTIONS OF A NIGHTMARE」
スイスのシンフォニックメタル、ドリームス・イン・フラグメンツの2019年作
メタリックなギターにシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルを乗せた、Nightwishタイプのサウンド。
随所にデスヴォイスを加えた、ゴシックメタル的な感触も含みつつ、翳りを帯びた優美な世界観で、
ミドルテンポを主体にじっくりと聴かせる。ぽっちゃり系シンガー、セライナ嬢の歌声はなかなか魅力的なのだが、
どこか盛り上がり切らないメロディのフック、シンフォニックな壮麗さも物足りない感じなのが惜しい。
北欧らしいフォーキーなメロのナンバーなど、雰囲気は悪くないので、今後は楽曲の練り込みを期待したい。
シンフォニック度・・7 壮麗度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Dreamslave 「Rest In Phantasy」
フランスのシンフォニックメタル、ドリームスレイヴの2015年作
壮麗なイントロから、ネオクラ風味のギターにオーケストラルなアレンジを重ねて疾走、ソプラノ女性ヴォーカルとともに、華麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
随所にデスヴォイスも絡んで、モダンでアグレッシブなヘヴィネスも覗かせつつ、Nightwishを思わせるシネマティックなスケール感と、激しい疾走感が同居したきらびやかなサウンドを構築する。
紅一点、Emma嬢は、ときにストレートとオペラティックなソプラノを歌い分ける、その表現力もなかなかのもの。
起伏のある展開力とクラシカルな美意識という点では、EPICAなどのファンにも楽しめるだろう。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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DREAMSTEEL「YOU」
イタリアのメロディックメタルバンド、ドリームスティールのアルバム。2008作
バンド名といいジャケといい煮え切らなさがぷんぷんだが、そこがイタリアのマイナー系。
シンセを含む5人組みで、いくぶんプログレメタル的な展開もある楽曲と
シンフォニックなアレンジで聴かせる、なかなか耳触りのよいサウンドだ。
やや軟弱系のハイトーンヴォーカルを乗せて、きらきらとしたメロスピ的疾走などもまじえつつ、
軽やかに展開してゆく感じは、同郷のCONCEPTやWONDERLANDなどに近いか。
ゆるやかな叙情パートなどの美しさも含めて、ドラマティックな構築力には今後に期待したい。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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DREAMTALE「BEYOND REALITY」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ドリームテイルの1st。2002作
シンフォニックなイントロ曲に続くはお約束の疾走曲で、サウンド自体には新鮮味は感じないが
このバンドの場合キーボードの音色がきらきらと実に美麗で、北欧らしいサウンドである。
随所にストヴァリ、ソナタ、ハロウィン、ガンマレイなどからの影響を思わせる楽曲は、
個性は薄いものの、INSANIAなどとも同様に、センスの良さが随所に感じられる。
最終曲は女性ヴォーカル曲でEDENBRIDGEもかくやという美しさにうっとり。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・8 総合・・8
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DREAMTALE「OCEAN'S HEART」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ドリームテイルの2nd。2003年作
キャッチーなメロディにシンフォニックなアレンジ、そして疾走と、3拍子揃った好バンド。
STRATVARIOUS、SONATA ARCTICAを基本にしながらも、それらよりさらにクサメタル属性。
1stからVoが交代し、曲の中での歌唱の説得力が増しており、いくぶんあったB級臭さも消えた。
物語風のコンセプト作だが、中にはまるでHELLOWEENの“FUTURE WORLD”のような曲もあったり、
相変わらずメロディはクサく、そしてアレンジはシンフォニックで、キャッチーな耳心地。
前作は数曲で歌っていた女性Voは今回は2曲のみの参加だが、これも良いアクセントになっている。
位置づけとしては、シンフォニックでクサメタルな北欧版DARK MOOR的バンドといってもいいだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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DREAMTALE「DIFFERENCE」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ドリームテイルの3rd。2005年作
1st、2ndと疾走するシンフォニックメタルサウンドで、メロスピ好きの心をとらえたこのバンド。
この3rdではVoが交代し、その力強い歌唱の効果でいよいよマイナー感がなくなっている。
ただ、楽曲の方はむしろ正統派メタルサウンドに近くなってきていて、
前作までのクサメロでの疾走や華麗なシンフォニック要素が薄れている気もする。
一聴しての新鮮味は薄れたが、そこはかとなく感じられるケルト風のメロディなども
ポイントになっていて、やはりアルバムとしてのクオリティは依然として高い。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・8
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Dreamtale「PHOENIX」
フィンランドのメロパワバンド、ドリームテイルの4th。2008作
1stからそのきらきらとしたメロディと高品質の楽曲で、この手の北欧メロスピ系としては
非常に評価していたバンドであるが、前作から3年ぶりとなる本作は、メンバーを大幅に入れ換えて
心機一転のアルバムとなった。きらきらとしたシンセ入りでメロディアスに疾走するそのスタイルは
まさしくファンが望むサウンドだろう。いくぶんのB級気味のクサメロとネオクロ色も含めて、
むしろ初期のDRAGONLANDあたりにも近くなったかもしれない。新鮮味は薄いものの
初期のSONATA ARCTICAのような、若さ溢れるメロパワ/メロスピ好作である。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Dreamtale「Ypsilon」
フィンランドのシンフォニックメタル、ドリームテイルの2011年作
2002年デビューでこれが5作目、華麗なシンセワークとハイトーンヴォーカル、そしてクサメロで疾走する
そのスタイルは本作でも変わらず。SONATA ARCTICAなどが少しずつスタイルを変化させていったのに対して
あくまで疾走にこだわるその姿勢はファンは嬉しいだろう。楽曲自体にさしてもう新鮮味は感じないのだが、
この手のきらびやかなメロスピが好きなら安心して楽しめる。個人的には随所に聴けるケルティック風味を伸ばして欲しいが。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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DREAMTALE 「World Changed Forever」
フィンランドのメロディックメタル、ドリームテイルの2013年作
2002年にデビューしてから、本作で6作目となる。ツインギターにシンセを含む編成で、厚みのあるアレンジとともに
コンセプトアルバムとしてのドラマ性を描くような聴き心地で、近年のSONATA ARCTICAにも通じるメロディアス性と、
ときにフォークメタル風味やメロスピ的な疾走ナンバーもあって、良い意味でマイナー臭い作風に好感が持てる。
全体的には、相変わらずこれだという決定打に欠けるのだが、随所ににやりとするようなクサメロ感を失わず
作品を作り続ける姿勢は、ある意味、Derdianなどと同様にあっぱれではある。シンフォニックな北欧メロパワの好作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Dreamtale 「Seventhian」
フィンランドのメロディックメタル、ドリームテイルの2016年作
2002年にデビューし、7作目となる。きらびやかなシンセアレンジにメロディックなギターを重ね、
マイルドなヴォーカルとともに、SONATA ARCTICA系のキャッチーな北欧メロパワを聴かせる。
2曲目の疾走メロスピナンバーは、ほどよくマイナーな香りも残していて、ファンはニンマリだろう。
やや線の細いハイトーンヴォーカルも、涼やかなサウンドにはわりあいよくマッチしていて、
サウンド自体も重すぎず、ほどよい中庸感は、メロバワ初心者でも耳心地よく楽しめるだろう。
意外性やインパクトがない分、激しすぎない優雅な北欧メロパワがじっくり味わえる好作です。
メロディック度・8 疾走度・7 北欧メロパワ度・9 総合・8
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Dunedain 「Memento Mori」
スペインのメロディックメタル、ダネダインの2019年作
ギタリストのトニー・ダネダイン率いるバンドで、2004年にデビューし、本作は7作目となる。
クサメロを含んだギターにスペイン語による伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロパワサウンド。ミドルテンポのナンバーでは、スパニッシュらしい優雅な叙情と
キャッチーな牧歌性も感じさせ、同郷の先輩、AVALANCHなどに通じる雰囲気もある。
全体的に疾走ナンバーは少なめだが、力量あるヴォーカルと流麗なギタープレイ、
メロディックなフックもたっぷりなので、激しすぎない耳心地で楽しめる高品質作だ。
メロディック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・8
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DUNGEON「DEMOLITION」
オーストラリアのメロパワバンド、ダンジョンの1st。1996作
当時はチープなジャケのせいで、B級メタルのレッテルを貼られていただろうが、
その実、彼らは日本人好みのメロディで聴かせる正統派のメロバワバンドだったのだ。
バンドはすでに5枚のアルバムを残して解散したが、改めて本作を聴いてみるに、
このデビューの時点から、ツインギターにこだわった曲作りをしていたことが分かる。
IRON MAIDENや初期のHELLOWEENなどのテイストを随所に感じさせつつ
あくまでメロディアスな楽曲は、録音の弱さを差し引いてもなかなかのものだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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DUNGEON 「RESURRECTION」
オーストラリアのメロディックメタルバンド、ダンジョンの2nd。1999作
先に2005年のリレコーディング作を聴いているので、どうしてもこちらはまだ
音がB級っぽく聴こえてしまうのだが、キャッチーなメロディでパワフルに疾走する
彼らのサウンドはすでに完成されていて、初期HELLOWEENのようなツインギターで
ドラマティックに聴かせる正統派のメロパワスタイルはじつに爽快だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 正統派メロパワ度・・9 総合・・7.5
DUNGEON「A Rise to Power」
オーストラリアのメロパワバンド、ダンジョンの3rd。2002作
豪州最強のメロパワバンドともいうべき、正統派のメタルとしての力強さとキャッチーなメロディ、
そして初期のHELLOWEENを思わせるツインギターの叙情性で、とても日本人受けするサウンドだ。
次作以降の力強さはまだないが、疾走するメロスピ曲にはにんまり。正統派のメロパワ好きならチェック。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 正統派メロパワ度・・9 総合・・7.5
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DUNGEON「ONE STEP BEYOND」
オーストラリアのメロパワバンド、ダンジョンの4th。2004年作
古き良き漢メタルでありながら、しっかりとメロディアスである点が素晴らしい。
昨今のメロスピ系バンドのようにきらびやかなアレンジや疾走に頼ることなく、
メタル魂を感じるギターリフの重ねと、歌メロの絶品のメロディを見事に融合させ
パワフルさとメロディの煽情力の両立を成し遂げているのが見事だ。
ときおり聴かせる泣きのギターソロも効果的。クオリティではDREAM EVILにもひけをとらない。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 これぞメロパワ度・・9 総合・・8
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DUNGEON 「RESURRECTION」
オーストラリアのメロディックメタルバンド、ダンジョンの2005年作
1999年発表の2ndをリレコーディングしたもの。イメージ的に無骨なヘヴィメタルかと思っていたら、
基本はHELLOWEENタイプのジャーマンスタイルでドコドコ疾走しつつも、ツインギターの絡みがなかなか美しい。
歌メロもけっこう魅力的だし、力強いリフワークと同時に、しっかりとメロディも弾けるギターの実力もかなりのもので、
DREAM EVILなどの欧州のメロパワバンドにもなんら引けをとっていない。楽曲の充実ぶりも素晴らしく、
古き良きスタイルを踏襲しているという点でも、現代では貴重なバンドのひとつだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 王道ジャーマンスタイル度・・9 総合・・8
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DUNGEON「Final Chapter」
オーストラリアのメロパワバンド、ダンジョンの5th。2007年作
名実共に豪州最強のメタルバンドである彼らだが、今作を最後に解散の道をたどることになった。
今作もまさに漢のメロパワというにふさわしい内容で濃密に聴かせてくれる。
メロディアスなツインギターを中心に、新鮮味はないもののそれを上回るピュアな信念と
今どき珍しいほどの正統派の勢いでたたみかけるメタルサウンドが実に爽快だ。
スローな曲においても哀愁を感じさせるメロディは実に日本人好みで、
10分を超えるタイトル曲でのドラマティックな構成にも気合が入っている。
この作品でさらに新たなファンを獲得すると思われるだけに、つくづく解散は惜しい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派メロパワ度・・9 総合・・8
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DYNAZTY 「Renatus」
スウェーデンのメタルバンド、ダイナスティの2014年作
前作は古き良きスタイルの骨太の北欧ハードロックという感触であったが、
本作ではなにやらモダンなヘヴィネスが増してきていて、シンフォニックなアレンジも含んだ
パワフルなメロディックメタルに進化している。メロディのキャッチーさはなかなか爽快で、
いわば正統派のメロディアスハードをヘヴィなアプローチできらびやかに仕上げましたというところか。
これはこれで悪くはないし、クオリティも高いのは確かだが、全体的な聴き心地の良さに反して、
楽曲ごとの個性が希薄というか、印象に残らないというか…次はどうなるの?という心配もしたくなる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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DYSLESIA「Who Dares Wins」
フランスのメロパワバンド、ディスレシアの2nd。2001作
ツインギターにハイトンーンVoのの王道型パワーメタルサウンドをやっている。
演奏、楽曲ともにB級感はなく、クオリティは軽く水準を超えているが、同郷のMANIGANCEなどと同様、
普通すぎて面白みに欠ける…というのが正直なところ。バラード曲などでの叙情性はなかなかのものだし、
演奏力はあるので、正統派のメロパワ好きの方ならそれなりには楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
E
EagleheartAmazon.co.jpで詳細を見る Amazon.MP3
Earendil 「At the Gates of Solstice」
エルサルバドルのシンフォニックメタル、エアレンディルの2011年作
シンフォニックなアレンジと適度なモダンさを同居させたようなサウンドで、
オペラティックな女性ヴォーカルで聴かせる、Nightwishタイプの世界観。
男性スクリームも加わって疾走する激しさと耽美なゴシック風味もあって、嫌いではないのだが、
楽曲、メロディともに新鮮味はなく、二番煎じ的なB級っぽさが漂う。今後の成長に期待しましょうか。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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EBONY ARK「DECODER」
スペインのシンフォニックメタルバンド、エボニー・アークの2005年作
ややダークでゴシック色もあるシンフォニックなサウンドに、オペラティックな女性ヴォーカルが歌を乗せる。
ツインギターにキーボードで音には厚みがあり、楽曲の方も緩急がついていて
プログレメタル的な要素もあり、新人にしてはなかなかアレンジ力もあるので安心して聴ける。
荘厳なコーラスやミステリアスな雰囲気にはTHERIONあたりを思わせるものもある。
これでVoのベアトリス嬢の歌唱に説得力が増せば、さらなるクオリティアップが期待出来るだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Ebony Ark 「Decoder 2.0」
スペインのシンフォニックメタル、エボニー・アークの2006年作
本作は2004年作の再録版で、ジャケも変更されている。メタリックなギターにオーケストラルなアレンジ、
美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せて、EPICAなどにも通じる壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
随所に男性声も加わるが、基本は女性声メインなので、ジャケのイメージのようなおどろおどろしさはなく、
ゴシックメタル寄りの耽美さも覗かせつつ、あくまでキャッチーなシンフォニック性を描いている。聴き比べてみないと
オリジナルとの違いは分からないが、コンセプト的な楽曲の流れとともに、スケール感のあるサウンドが味わえる力作です。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
Ebony Ark「When the City Is Quiet」
スペインのシンフォニックメタルバンド、エボニー・アークの2nd。2008年作
1st「DECODER」はNIGHTWISH+THERIONというような質感で、荘厳に聴かせる傑作だったが、
本作ではミステリアスな雰囲気はやや薄れ、より普遍的なシンフォニックメタルとなっている。
ベアトリス嬢の歌唱はときにシャウトを効かせつつ、ときにゴシックメタル的にしっとりと歌い上げ、
壮麗さとメランコリックな叙情を作り上げるシンセワークとともにこのバンドの魅力となっている。
楽曲的に分かりやすくなった分、女性ヴォーカルものとして普通に聴きやすくなっているが、
個性の点ではやや減退したか。モダンなゴシック風メタルとしてはなかなかの好作だとは思う。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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Echoterra「Law of One」
アメリカのシンフォニックメタルバンド、エコテッラの2009年作
元THERIONの女性VoにPYRAMAZE、AVIAN のメンバーも在籍するバンド。
シンフォニックな優美さと女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドは、
これといった特徴がないものの、美麗な聴き心地がなかなかいい。
オペラティックな歌声はEDENBRIDGEあたりに通じる質感もあるが、いくぶんドタドタとしたドラムなど、
サウンド面での改善とともに、今後は楽曲の充実に力を入れていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ECHOTERRA 「LAND OF THE MIDNIGHT SUN」
アメリカのシンフォニックメタル、エコテッラの2011年作
新たに元VISIONS OF ATLANTISのメリッサが加わってのアルバムで、
美しい女性ヴォーカルの歌声とシンフォニックな美麗さで聴かせるサウンドは
適度に軽めのB級臭さも残している。3、4分台が中心の楽曲は展開的にもやや淡白で
全体的に耳触りはよいもののあまり印象に残らない。ラストの10分以上のSEも意味不明。
ヴォーカル嬢のソプラノは美しいので、今後は楽曲面のレベルアップが必要だろう。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ecliptica「Impetus」
オーストラリアのメタルバンド、エクリプティカの2008年作
VOYAGERといいVANISHING POINTといい、ここの所メタルが盛んな豪州から
また有望な新人バンドがデビュー。男女ヴォーカルを含む6人組で、
ProgMetal的な展開力とドラマ性で聴かせる、なかなか面白いサウンドだ。
モダンなスクリーム色も取り込みつつ、ジャンルにこだわらないアレンジは
いかにも新時代のバンドらしいが、反面方向性が中途半端という気もする。
メロディの強化とサウンドの説得力向上を果たせば、もっと伸びそうな気がする。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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EDDY ANTONINI「WHEN WATER BECAME ICE」
イタリアのメロスピバンド、SKYLARKのKEY奏者、エディ・アントニーニのソロ作。1998年作
ソロといってもSKYLARKのメンバーがほとんど参加しており、雰囲気としては本家と同じ。
優雅なチェンバロの音色を含め、美麗なシンセワークで疾走する、クラシカルなメロスピ風味。
バッハのシンフォニックメタルアレンジ、やHELLOWEENの“I WANT OUT”のカヴァーなど
キーボードの旋律をメインにしつつ、クラシカルなクサメロで疾走しています。
クラシカル度・・8 疾走度・・8 ほぼスカイラーク度・・9 総合・・7.5
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EDENBRIDGE「SUNRISE IN EDEN」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの1st。2000年作
清らかな女性Voの美声を生かした実に美しいハードロック(メタルといってよいものか??)。
ダークさやゴシック色はほとんどなく、ランヴァルの繊細なギターフレーズをメインにして、
クラシックやオペラに裏打ちされた輪郭のある歌メロが素晴らしく映える。
スリリングさは薄いものの、格調ある天上の優雅な響きにうっとりです。
メロディアス度・・9 美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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EDENBRIDGE「ARCANA」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの2nd。2001年作
女性Vo、サビーネ嬢の歌唱もより説得力を増し、天上のような清らかな美声とともに
その格調高いドラマティックなシンフォニックサウンドに磨きをかけてきている。
音質も向上し、セカンドギタリストが加わったことで音に厚みも増した。
どこかで聴いたような歌メロさえも、このバンドならば許してしまいたくなる。
ラスト曲の美しさにはメタルファン/シンフォファンともに心打たれることうけあい。
メロディアス度・・9 美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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EDENBRIDGE「APHELION」
オーストリアの女性Voシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの3rd。2003年作
シンフォニックなアレンジと美しい女性ヴォーカルで聴かせる、正統派のシンフォニックメタル。
今作では適度にヘヴィなツインギターに東洋的な旋律も含ませて、スケール感のあるサウンドをじっくりと描いてゆく。
疾走感のあるナンバーもキャッチーなメロディアス性と、サビーネ嬢の美声を乗せた優美な聴き心地で、
しっとりとしたバラード曲での歌声にはもううっとりである。前2作ほどのインパクトは薄まったものの、
女性声シンフォニックメタルとしての確かな地位を確立したというべき、高品質なアルバムに仕上がっている。
メロディアス度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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EDENBRIDGE「A LIVE TIME IN EDEN」
オーストリアのメロディックメタルバンド、エデンブリッジのライブアルバム。2004年作
天上の美声を持つサビーネ嬢擁するこのバンド、待望のライブアルバム。しかもDVD付き!
CDの方はこれまでに出している3枚のアルバムから、くまなく選曲されており、
キャッチーな「FLY ON A RAINBOW DREAM」ドラマティックな大曲「ARCANA」あたりが白眉。
DVDでは、恐らく同ライブからの6曲(ちょっと少な…)に、ボーナス映像5曲が入っている。
演奏の方はなかなか見事なもので、歌うサビーネ嬢の美声は勿論、(おへそ出しルックも良い…笑)
ギターのランヴァルの方もルックス、テクニックともにバンドリーダーの面目躍如といったところ。
少々変則的ながらテクニックのあるドラムに、ツインギターで音の厚みも充分。
ボーナス映像は2002〜2003年のライブのもので、デビューしたてのサビーネ嬢の歌唱が可愛らしい。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 サビーネ嬢・・9 総合・・8
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EDENBRIDGE「SHINE」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの4th。2004年作
本作もサビーネ嬢の清らかな天上の美声はもちろん健在で、その母性をも感じさせる歌声には
いっそうの表現力が備わっており、聴いていて思わずうっとりとなる(*^-^*)
プロダクション的にもドラムの音が力強くなり、メタルとしてのサウンドにも磨きがかかっていて、
おそらくNIGHTWISHなどとの相互影響によるものか、確かなクオリティ向上が感じられる。
今回は曲にエスニックなメロディなども取り入れていて雰囲気に幅を持たせているのも効果的で、
時にシンフォニックに、時にメタリックに疾走しながら、メロディアスなギターフレーズを聴かせる
リーダーであるランヴァルの作曲センスも光り、クオリティとしては過去最高の出来だと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女Vo度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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EDENBRIDGE 「THE GROUND DESIGN」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの5th。2006年作
メンバーチェンジなどもあったようだが、基本的にランヴァルとサビーネのバンドなので音楽性がさほど変わることはない。
クオリティの高かった前作「SHINE」に続き、今作もサビーネ嬢の美しい歌唱を中心に、ゆったりと聴かせるサウンドだ。
メタル的な突進力は皆無ながら、たおやかで高貴な雰囲気は癒し系シンフォメタルとしての地位をすでに築いている。
麗しのメロディが心地よいEや、10分を超すタイトル曲のGのシンフォニックさはとくに白眉。
ゲスト参加のオランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタインもこのバンドの音によくマッチしている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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EDENBRIDGE「The Chronicles of Eden」
オーストリアの女性Voシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジのベストアルバム。2007作
2000年のデビューから現在まで5枚のアルバムを発表し、その美麗なサウンドで、
フィメールメタルファンを魅了してきたこのバンド。CD2枚組のベストアルバムだ。
美しいサビーネ嬢の歌声を中心にしたシンフォニックなアレンジで、
しっとりと聴かせる楽曲は、WITHIN TEMPTATIONなどのリスナーにも受けるだろう。
このバンドのファンはもちろん、初めて聴くリスナーにもお薦めできる充実のベストだ。
シンフォニック度・・8 しっとり美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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EDENBRIDGE「Myearthdream」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの6th。2008年作
今作も従来通りに、シンフォニックに聴かせるフィメールメタルの力作だ。
これまでよりヘヴィさを増したギターリフで、アレンジにはモダンさを覗かせつつ、
今作では大胆なオーケストラアレンジが入っていて、サウンドには壮麗さが増している。
サビーネ嬢の歌唱もいつもながらに素晴らしく、いまやこの声あってのこのバンドなのだと実感する。
全体的には、NIGHTWISH風味のモダンなシンフォメタルに接近したような感触もあり、
新たなファン層を広げるはず。ゲストにロビー・ヴァレンタイン、デニス・ワードがコーラスで参加。
シンフォニック度・・8 ヘヴィ&モダン化度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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EDENBRIDGE「Solitaire」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、エデンブリッジの7th。2010年作
すでにデビューから10年、名実共にフィメール・シンフォニックメタルを代表するバンドとなった。
壮麗なオーケストレーションから幕を上げる本作も、これまで通りのきらびやかなサウンドで、
サビーネ嬢の美しい歌唱を中心に聴かせる、耳心地の良い女性声シンフォメタルが詰まっている。
楽曲アレンジにはバンドとしての円熟と、自信に満ちた力強さと余裕を漂わせていて、
美麗にしてクラシカルな優雅さは、かつてのNightwishのような輝きを放っている。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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EDENBRIDGE 「The Bonding」
オーストリアのシンフォニックメタル、エデンブリッジの2013年作
2000年にデビューしてからコンスタントにクオリティの高いフィメールメタル作品を出し続け、
8作目となる本作も、シンフォニックなアレンジとサビーネ嬢の美しい歌声で聴かせる、
その優美なるサウンドは不変。適度にヘヴィなギターとオーケストラルな優雅さのバランスも見事で
エデブリ節というべきキャッチーかつ流麗なメロディの流れは、まさに円熟の安定感であろう。
反面、これだというインパクトや新鮮味は薄いのだが、ファンならば安心して楽しめる好作だ。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
EDENBRIDGE 「Decade And A Half ... The History So Far」
オーストリアのシンフォニックメタル、エデンブリッジのDVD作品。2015年作
2000年にデビュー、女性ヴォーカルのシンフォニックメタルを代表するバンドの15年のキャリアを総括したDVD6枚組の映像作品。
Disc1は、バンドの歴史をメンバーが座談会的に語りながら、ランヴァルのソロ時代の映像や、バンドのデビューライブなど、
貴重な映像が挿入される。Disc2は、アコースティックセッションから、2003年のライブツアーやTV用の映像を収録。
画質はあまりよくないが、バンド初期の貴重なライブが見られます。Disc3は、2004年「A LIVE TIME IN EDEN」として
単体発売されているライブ作品の完全バージョンを収録。こちらは画質、音質とも良好でファンなら必見の内容といえる。
2005年、ANGRAとのツアーライブでの共演映像も貴重です。Disc4は、2007年の中国、北京のライブ映像で、
こちらも映像良好、90分たっぷりとバンドのステージが楽しめる。Disc5は、2006年アジアツアーのドキュメントに、
オーケストラのレコーディング風景、2008年の韓国とスイスでのライブを収録。映像はそれなりだが音質は良いです。
Disc6は、新作PVやメイキング、インタビュー、オーケストラのレコーディング風景、2014年チェコでのライブを収録。
DVD6枚分を視聴するのは大変だが、バンドの歴史がすべて詰まった、ファンならば必携の映像ボックスである。
ライブ映像・・8 バンドの歴史度・・9 ファンなら必携度・・9 総合・・8
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EDENBRIDGE 「THE GREAT MOMENTUM」
オーストリアのシンフォニックメタル、エデンブリッジの2016年作
2000年にデビュー、いまや女性ヴォーカル・シンフォニックメタルの代表格。本作で9作目となる。
今作はわりとヘヴィなギターリフで幕を開け、オーケストラルなアレンジを乗せたシンフォニック性と
サビーネ嬢の美しい歌声とともに、壮麗なサウンドを聴かせる。ほどよいヘヴィさとキャッチーなメロディのフックが同居していて、
楽曲アレンジのクオリティの高さは、さすがキャリアのあるバンド。随所にランヴァルの奏でる流麗なギターフレーズも光っている。
エリク・モーテンソン(ECLIPSE)がゲスト参加しての美麗な男女Voナンバーから、ラストの12分という壮大な大曲まで、
どこを切っても高品質な、まさにフィメール・シンフォニックメタルの逸品です。Disc2にはアルバムのインストバージョンを収録。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Edenbridge 「Dynamind」
オーストリアのシンフォニックメタル、エデンブリッジの2019年作
2000年にデビュー、フィメール・シンフォニックメタルとしてはすでにベテランとなるバンドの10作目。
メタリックなギターに壮麗なアレンジを重ね、サビーネ・エデルスバッカーの艶やかな美声で聴かせる、
フィメール・シンフォニックメタルは本作も不変。ケルティックな旋律を取り入れたキャッチーなナンバーなどは、
Blackmore's Nightなどにも通じる味わいで、モダンなヘヴィネスのナンバーとのコントラストになっている。
今作が取り立てて素晴らしいわけではないが、12分の大曲では、壮大なスケールに包まれた優雅なサウンドに浸れる。
Nightwishがスタイルを変えるのに対して、ほぼ同じ路線で勝負している、この素晴らしきマンネリズムに拍手である。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Edenbridge 「The Chronicles of Eden Part 2」
オーストリアのシンフォニックメタル、エデンブリッジの2021年作
2000年にデビュー、いまやキャリア20年を超える、フィメール・シンフォニックメタルを代表するバンド。本作はベストアルバム第二弾で、
2008年6th〜2019年10thの楽曲に、未発の別バージョン曲を加えた全26曲を2CDに収録。サビーネ・エデルスバッカーの美しい歌声を中心に、
優雅にしてキャッチーなサウンドが詰まっている。2017年作収録「The Great Momentum」収録、12分の壮大な大曲や、
2013年作「The Bonding」収録、15分のドラマティックな大曲も収録していて、Disc1だけでも74分というボリューム。
Disc2は、ヘヴィ寄りのナンバーから、アコースティックによるナンバーまで、シンプルな楽曲を主体に構成しつつ、
10年間のバンドの成熟が感じ取れる内容だ。ラストは2008年作「MyEarthDream」の壮麗なタイトル組曲で締めくくる。
壮麗度・8 優美度・9 女性Vo度・9 総合・8
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Edge of Attack
カナダのメロディックメタル、エッジ・オブ・アタックの2013年作
女性Vo、女性Bを擁する5人編成で、中音域の女性ヴォーカルを乗せてメロスピばりに疾走、
適度にB級がかったクサメロも含みつつも、軟弱さはなく、むしろエッジの立った硬質感のあるサウンドである。
サビメロのキャッチーさは、いかにもDRAGONFORCE以降のバンドという感じであるが、
ときに男性スクリームも入ったメタルコア的な感触やヴァイキングメタル風味もあったりと、
とめのなさが発展途上のバンドという印象だ。個人的にはさらにクサメロまくりの方向性でいってもらいたい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Edge of Paradise 「Universe」
アメリカのシンフォニックメタル、エッジ・オヴ・パラダイスの2019年作
2011年にデビューし、本作は3作目となる。ヘヴィなギターリフにエモーショナルな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよくキャッチーでストレートなノリの女性声メタルを聴かせる。シンフォニックなアレンジはさほどなく、
曲によってはオルタナやインダストリアル風の、モダンな感触を含んでいるところが特徴だろう。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ギターリフも比較的普通のメタルという感じなので、
メロディのフックや盛り上がりという点では、いくぶん物足りない。紅一点、マルガリータ嬢の歌声は、
コケティッシュなウィスパーとストレートなハイトーンを使い分ける表現力もあって、なかなか魅力的。
あとは、フェミニンなヴォーカルを活かすための、楽曲そのものの魅力がもっと欲しい。
シンフォニック度・・6 優美度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Edge of Paradise 「The Unknown」
アメリカのシンフォニックメタル、エッジ・オブ・パラダイスの2021年作
2011年にデビューし、4作目となる。モダンなヘヴィネスを含んだギターにシンセを重ね、
ハスキーな女性ヴォーカルとともに、スタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
壮麗なシンセアレンジもこなす才女、マルガリータ嬢の歌声は、伸びやかに艶めいた魅力で
重すぎず、激しすぎないサウンドによくマッチしている。楽曲は4分前後とわりとシンプルながら、
ほどよくキャッチーで、曲によってはWITHIN TEMPTATIONのような優美な味わいもある。
新鮮味はさほどないが、適度な硬質感と美麗なシンフォニック性のバランスのよい好作品である。
シンフォニック度・7 キャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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EDGUY「HELLFIRE CLUB」
今や新世代ジャーマンメタルの代表格となったエドガイの6th。2004作
2nd〜3rdあたりの頃は定石通りのブラガー&ストヴァリ路線であった彼らだが
前作あたりから独自のパワーメタル路線を開眼させ、その人気を不動のものにし始めた。
このアルバムでは、もはや「ジャーマンメタル云々という定義を超えた「ヘヴィメタル」が凝縮されている。
疾走度が抑えめなので、初期の頃のサウンドからするとクサメロ度は薄めだが、
この堂々とした音づくりにはある種のメジャーバンド的な普遍性が感じられる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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EDGUY「ROCKET RIDE」
ドイツのメロパワバンド、エドガイの2006年作
ジャケはなにやらアメコミのようなコミカルさだが、内容の方は
前作「HELLFIRE CLUB」で聴けた正統派メタルサウンドを押し進めたもの。
ミドルテンポを主体としながらどっしりとした重厚さと、キャッチーなメロディを同居させ、
うっすらとしたシンセアレンジとともに聴き心地のいいメロディックメタルを作りあげている。
ドラマティックな疾走曲やコミカルな曲など、そのてらいのなさはかつてのHELLOWEENも思わせる。
もはや新鮮味はないものの、この質の高さはやはりジャーマントップクラスのバンドであろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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EDGUY「Tinnitus Sanctus」
ドイツのメロパワバンド、エドガイのアルバム。2008作
AVANTAGIAでの活動でもおなじみ、トビアス・サメット率いるこのバンド、
前々作以降、サウンドから過度な装飾を排し、よりオーセンティックなヘヴィメタルを目指しはじめたが、
今作においてもより正統的なメタル/ハードロックに接近したサウンドを聴かせる。
ややダーティな渋さが増したトビアスの歌唱は、ぐっとアダルトな表現力を増し
シンプルな曲の中にも、しっかりとメロディや曲の流れを楽しむことができる。
昨今の派手派手しいメロスピ/シンフォメタルからすると、それに逆行するような音なので
若いファンがこれを物足りないと思うか、かえって新鮮と感じるかは微妙なところだろうが、
メタルバンドとしての確かな実力がなければ勝負できないこのサウンドには自信が溢れている。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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EDGUY「Age Of The Joker」
ドイツのメロディックメタル、エドガイの2011年作
ここ数作でよりオーセンティックな正統派のHR/HMへと回帰していた感があったが、
9作目となる本作ではさらなるオールドメタル志向が強まった作品となった。
のっけから古めかしいオルガンが鳴り、70年代的なハードロックを思わせるサウンドで、
それがトビアス流のドラマティックメタルに自然と融合されたという印象だ。
彼自身の歌い方にしてもどことなく演劇的で、古き良き物語を語るような雰囲気がある。
派手でパワフルなメタルを好む方には向かないが、キャッチーなメロディアスさとともに
伝統的なHRを現代風に作り替えたという点で評価のできるアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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EDGUY 「Space Police - Defenders」
ドイツのメロディックメタル、エドガイの2014年作
AVANTASIAでも活躍するトビアス・サメット率いるバンドの10作目。
70年代HR要素を感じさせた前作から、今作では80〜90年代の正統派メタルの感触で、
耳心地のよいメロディアス性とパワフルなメタルサウンドがバランスよく融合されている。
トビアスの歌声も含めて、往年のJUDAS PRIESTを思わせるような感触の1曲目から、
一転してシンセ入りのスペイシーかつキャッチーなハードロック風味の2曲目、その後も曲ごとに
色合いを変えながら重すぎず軽すぎず、どの曲も高いクオリティを維持しているのはさすが。
ときにグラムロック風味やプログレ要素まで取り入れながらも、どれもしっかりエドガイ印に仕上げられ、
古き良きHR/HMへの愛情が感じられる。まさに職人芸的な完成度の傑作ですな。
メロディック度・・8 正統派度・・8 楽曲アレンジ・・9 総合・・8
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EDHELLEN 「Sombra y Anhelo」
スペインのシンフォニックメタル、エデレンの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、これがデビュー作となる。美麗なイントロで幕を開け、
きらびやかなシンセと流麗なギターに、スペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて、
クサメロで疾走するシンフォニックなメロスピサウンドを展開。リズムチェンジを含むフックのある展開力と、
華麗でキャッチーなメロディアス性はとても日本人好みで、メンバーが在籍していた、
Opera Magna以上にシンフォニックなクサメロスピが味わえる。優雅でクラシカルでありながら、
随所にフォーキーなメロディも覗かせるなど、楽曲ごとの濃密な聴き心地もGoodです。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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EDU FALASCHI 「The Glory of The Sacred Truth」
ブラジルのシンガー、エドゥ・ファラスキの2018年作
元ANGRAのシンガーによるソロで、新曲2曲と、ライブ4曲を収録したミニアルバム。
ALMAHでのモダンなヘヴィネスとは異なり、きらびやかなアレンジとキャッチーなメロディを乗せて疾走する、
かつてのANGRAを受け継ぐ、爽快なメロディック・スピードメタルを聴かせる。エドゥのヴォーカルも伸びやかで、
パワフルな盟友アキレスのドラムも含めて、これぞファンが待ち望んでいたサウンドだろう。「Nove Era」、「Spread Your Fire」など、
ANGRAの人気ナンバーのライブ音源も、勢いある演奏力と、さすがの表現力の歌声でクオリティの高さを見せつける。
多くのリスナーが待っていたエドゥの帰還であろう。このメンバーでのフルアルバムにも期待したい。
メロディック度・・8 疾走度・・8 アングラ度・・8 総合・・8
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Eihwaz 「Amadeus」
ロシアのシンフォニックメタル、エイワズの2012年作
美麗なシンセアレンジと、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
随所にメロスピ的な疾走も含んだ、優雅なシンフォニックメタルサウンド。
クラシカルなシンセがかもしだすロマンティシズムは、日本のCROSS VEINあたりにも通じる、
気品ある美意識を感じさせるが、歌にロシア語がまじってくると、ぐっと異国的な優美さに包まれる。
イントロとボーナス曲を除くと6曲しかないのが物足りないのだが、今後が楽しみなバンドですな。
美麗系のフィメール・シンフォメタルが好きならチェック。CatharsisのVoらがゲスト参加している。
シンフォニック度・・8 優雅度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Ego Absence 「Serpent's Tongue」
ブラジルのメロディックメタル、エゴ・アブセンスの2020年作
クラシカルで壮麗なイントロから、メタリックなギターにシンフォニックなシンセアレンジ、パワフルなヴォーカルを乗せ
アグレッシブな疾走感を含んだサウンド。いくぶんダーティな歌声と、ジャケのイメージのようなダークな翳り、
モダンなヘヴィネスも感じさせつつ、ほどよい激しさとともにスタイリッシュなメロパワを聴かせる。
メロディックなギターの旋律も随所にセンス良く、甘すぎない程度のキャッチーな感触も含みつつ、起伏に富んだサウンドが楽しめる。
メロディック度・7 疾走度・7 壮麗度・8 総合・7.5
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EKZISTENCIA「The Storm Master」
ウクライナのメロディックメタル、イクジステンシアの2008年作
女性シンセ奏者を含む5人編成で、ファンタジーヲタ臭さぷんぷんのジャケもいい感じだが、
サウンドもある意味期待通り。母国語ヴォーカルの力弱い歌唱とともに、軽めに疾走するB級シンフォメタル。
きらきらとしたシンセアレンジもよい感じで、クサメロな歌い回しも含めて、どうも嫌いになれない感触がある。
エピックな勇壮さもどこか土着的で、いかにも辺境臭さに満ち満ちているのだが、随所に女性ヴォーカルも入ったり、
アレンジ的にもメリハリがあって意外と楽しめるのである。重厚さをまったく感じない辺境シンフォメタルの好作。
ドラマティック度・・7 ファンタジー度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
Electro Nomicon 「Unleashing the Shadows」
アルゼンチンのメタルバンド、エレクトロ・ノミコンの2013年作
Vo、G&B&Key、Drというトリオ編成のユニットで、パワフルなヴォーカルを乗せた正統派メタルサウンド。
歌詞は英語なので南米臭さはほとんどなく、メタリックなギターリフとテクニックのあるドラムを中心にした
どっしりとしたアンサンブルは、マイナーバンドというにはクオリティが高く、ヴォーカルの力量も含めて、
かつてのVicious Rumorsなど、アメリカのパワーメタル系バンドに比べても遜色ない。
反面、メロディックなフックというものは薄く、楽曲にはさほど新鮮味はないので、
80年代の正統派メタルが好きな方でないと、あまり面白くはないかもしれない。
メロディック度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ELEGY「Supremacy」
オランダのメロディックメタルバンド、エレジーの2nd。1994作
デビュー作の時点から、当時のメタルシーンではトップクラスの演奏力を誇った
質の高い作品であったが、本作ではそのプログレッシブな展開力に磨きがかかり
きらびやかなメロディとともに疾走しつつも、テクニカルな構築性が合わさった
まさにバンドを代表する傑作に仕上がっている。1曲目の“Windows of World”をはじめ、
泣きのメロディがたまらない叙情名曲の“Poisened Hearts”など、聴きどころも多い傑作だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 展開美度・・8 総合・・8
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ELEGY「LOST」
オランダのメロディックメタルバンド、エレジーの3rd。1995作
90年代のメロディックメタル系としては、デビュー作からすでにテクニック抜群であったこのバンド、
ツインギターの流麗なメロディとハイトーンヴォーカル、そして、ときにProgMetal的でもある
知的な展開美を聴かせる。本作ではシンセによる味付けもあって、シンフォニック性も増した。
個人的には絶品のメロディとテクニカルな展開美が素晴らしい2nd「Supremacy」が好きなのだが、
全体的な完成度では本作か。バンドはこの後、いよいよテクニカル路線へ移行してゆく。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 展開美度・・7 総合・・8
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ELEGY「MANIFESTATION OF FEAR」
オランダのメロディックメタルバンド、エレジーの5th。1998作
イアン・パリーを迎えての2作目。テクニカル路線を少しずつ押し進めてゆく途上のアルバム。
説得力あるイアン・パリーの歌唱に、確かな実力の演奏陣とメジャー級の要素は揃っているが
肝心の楽曲の焦点がメロディアス疾走メタルでもなければ、テクニカルプログレメタルでもない
という中途半端な印象があるのが残念。バンドとしての転換期にもあったのだろう。
これに続く6th、7thでは新ギタリスト、パトリック・ロンダットを迎えることになる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 楽曲・・7 総合・・7
ELEGY「FORBIDDEN FRUIT」
オランダのメロディックメタルバンド、エレジーの6th。2000作
3rdまでのメロディック路線から、メンバーチェンジを経て少しずつプログレ・テクニカル指向を増しつつ進化、
今作は新加入のフランス人ギタリスト、パトリック・ロンダットによる
様式美風味のテクニカルフレーズが新たな聞きどころのひとつとなっており、
キーボードの多用など、前作よりもカラフルなイメージの音になっている。
メロディと硬質感のバランスという、バンドとしての方向性が固まりつつある作品。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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ELEGY「PRINCIPLES OF PAIN」
オランダのテクニカル・メロディックメタルバンド、エレジーの7th。2002作
個人的には初期のメロディアスさよりもテクニカルな方向に志向が移り始めた5th以降は、
あまり好きになれなかったのだが、本作はむしろそのテクニカルさが上手く結実している。
重厚さと変則リズムが一体となったサウンドは、バンドとしてのキャリアを感じさせ、
存在感のある見事な演奏力を楽しめる。フランス人ギタリスト、パトリック・ロンダットのセンスも
前作以上に光っている。様式的でありながら、クールで知的な感性が所々にかいま見え、
テクニカルなプログレメタルとしても充分楽しむことができる傑作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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ELEINE 「UNTIL THE END」
スウェーデンのシンフォニックメタル、エレインの2018年作
壮麗なオーケストラアレンジにヘヴィなギターと、美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
低音の男性デスヴォイスが絡む、EPICAを思わせるシンフォニック・ゴシックメタル。
適度に疾走する激しさもありつつ、美麗なアレンジと耽美で重厚な世界観に、
マデリン嬢の艶めいた歌声も伸びやかで魅力的。どの曲も雰囲気は悪くないのだが、
これという盛り上がりがなく、全体的にいまひとつ突き抜けきらないのが惜しい。
このバントならではの個性もまだ薄く、定型のシンフォニックメタルという印象。これからに期待。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ELEINE 「DANCING IN HELL」
スウェーデンのシンフォニックメタル、エレインの2020年作
2015年にデビュー、本作は3作目となる。ヘヴィなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、
妖艶な女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、ほどよくダークで重厚なシンフォニックメタルサウンド。
ときに疾走するメロパワ寄りの激しさも含んだ楽曲は、デスヴォイスも加えたアグレッシブな部分とともに、
EPICAなどにも通じる壮麗な迫力に包まれている。マデリン嬢のヴォーカルは、艶めいたフェミニンな魅力と
パワフルな表現力で、厚みのあるバックに負けない伸びやかな歌声で、優美に楽曲を彩っている。
サウンドの説得力は充分、あとはNightwishあたりに比肩できるメロディやインパクトのある楽曲を期待したい。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ELEINE 「Acoustic In Hell」
スウェーデンのシンフォニックメタル、エレインの2022年作
2015年にデビュー、本作は過去の楽曲をアコースティックにアレンジしたアルバムで、アコースティックギターに
妖艶な女性ヴォーカルを乗せ、デスヴォイスも絡む耽美なサウンドを聴かせる。ベースやドラムは使われているので、
リズム面にはわりとロック感触を残しており、シンセが入らないので、シンフォニックな壮麗さはないものの、
シンプルな音数の演奏をバックに、マデリン嬢の伸びやかな歌声の魅力が引き立っている。
デス声はなくても良かった気もするが、バンドの新たな側面も感じられる。全8曲、33分を収録。
ドラマティック度・7 優雅度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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ELEINE 「We Shall Remain」
スウェーデンのシンフォニックメタル、エレインの2023年作
2015年にデビュー、本作は4作目で、ほどよくヘヴィなギターにシンセを重ね、伸びのある艶めいた女性ヴォーカルを乗せたモダンなサウンド。
マデリン嬢の妖艶の歌声を主体に、随所に流麗なギタープレイやときに男性声も絡んで適度にアグレッシブなシンフォニックメタルを展開する。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ストレートなノリで楽しめるが、個人的にはもう少し壮麗な美しさが欲しいか。全36分というのも少しもの足りない。
シンフォニック度・7 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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ELENA VOLKOVA & ALEX K. STRANGEL NOVA
ロシアのシンフォニックメタル、ノヴァの2023年作
SOLAR CROWNの女性シンガー、エレナ・ヴォルコヴァと、CRIMSON CRYのアレックスK・ストランゲルによるユニットで、きらびやかなシンセとオーケストレーション、美しい女性ヴォーカルで聴かせる、優雅なシンフォニックメタル。
歌詞は英語のため、ロシア臭さはあまりなく、エレナ嬢の伸びやかな歌声は、元DELAINのシャルロットのようになよやかで魅力的だ。
しっとりとしたシンフォニックなバラードでは、クラシカルなピアノやストリングスも美しく、オペラティックなソプラノが響き渡る。
全体的に激しさは控えめで、Nightwishのスローナンバーを集めたような、優美なフィメール・シンフォニックメタルが楽しめる。
シンフォニック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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ELESSAR 「Dark Desires」
アルゼンチンのシンフォニックメタル、エレサーの2013年作
美麗なシンセアレンジにギターを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せた、
EDENBRIDGEあたりに通じる優美でキャッチーなシンフォニックメタルサウンド。
メロウなギターの旋律やきらびやかなシンセワークもセンス良く、歌詞も英語のため、
さほどマイナー臭さも感じさせない。フロントのアレハンドラ嬢のなよやかな歌声も魅力的で、
さらに成長すれば、Delainのシャルロットさんばりになれるかもしれない。楽曲的には目新しさはないが、
ラストのスペイン語によるナンバーも良いですね。歌唱と演奏の実力はあるので今後が楽しみな逸材です。
シンフォニック度・・7 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ELETTRA STORM 「Powerrose」
イタリアのシンフォニックメタル、エレットラ・ストームの2024年作
SINHERESYでも活躍するB&Keyのダヴィデ・スポルティエッロを中心に、モデルとしても活動する女性シンガー、クリスタル・エミリアーニをフロントにしたバンドで、ツインギターにきらびやかなシンセアレンジ、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて、疾走感のある正統派のメロディックメタルを聴かせる。
ANCIENT BARDSにも通じるファンタジックな疾走ナンバーから、SONATA ARCTICAのようなキャッチーな優雅さに、POWERQUESTあたりを思わせるクサメロ感が合わさった、イタリアンメタルらしい濃密な味わい。
クリスタルのフェミニンな歌唱が映えるバラードや、ゲスト参加のシモーネ・ムラローニ(DGM)が巧みなギタープレイを披露する、ラスト曲でのエピックな盛り上がりなど、女性声メロパワ好きには聴きどころたっぷりの好作品です。
ちなみに、本作のライナー解説は、緑川が担当しておりますので、ぜひCD購入よろしくです。
メロディック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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ELFERYA 「The Straight and Narrow」
スイスのシンフォニックメタル、エルフェリアの2013年作
美しい女性ヴォーカルの歌声と、美麗なシンセアレンジで聴かせる
LUNATICAやEDENBRIDGEなどを思わせるたおやか系シンフォニックメタル。
クレア嬢のやわらかなソプラノヴォーカルは適度に疾走感のある楽曲を優雅に彩り、
ときにヴァイオリンも加わったりと、美意識を感じさせる世界観を描いている。
あとは、これだという魅力的な楽曲が増えれば、一線級バンドになれるだろう。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
ELIMINATOR 「LAST HORIZON」
イギリスのメタルバンド、エリミネーターの2018年作
ツインギターによるオールドな味わいのリフとパワフルなヴォーカルを乗せて、
IRON MAIDENなど、80年代の香りを感じさせる古き良き正統派メタルサウンド。
楽曲はキャッチーなメロディのフックとウェットな哀愁を含んだ聴き心地で、
これという新鮮味はないものの、ほどよいB級臭さとともにメイデンライクに楽しめる。
White Wizzardあたりが好きな方ならニンマリのオールドメタルな好作品だろう。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
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ELITANIA 「Templos De Cristal」
メキシコのシンフォニックメタル、エリタニアの2015年作
バリトン、テノール、メゾソプラノ、ソプラノと男女4人のヴォーカルを含む編成で、
オペラティックな男性ヴォーカルに女性ヴォーカルを加えた厚みのあるハーモニーに、シンフォニックなアレンジを乗せ、
ミドルテンポを主体に聴かせる、Therionあたりにも通じるサウンド。「クリスタルの神殿」というタイトルのように、
ファンタジックで映画的な世界観で、適度にクサメロ感も覗かせるギターと、ときに激しい疾走パートも含んだ
ドラマティックな展開力もなかなかよろしい。アルバム後半の16分の大曲では、男女声を乗せた優雅な感触と
RHAPSODYなどにも通じるエピックな雰囲気に包まれた、壮麗なシンフォニックメタルが味わえる。
いくぶんのマイナー臭さがあるので、重厚な音の迫力が備われば、さらにサウンドに説得力が出てくるだろう。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 重厚度・・7 総合・・7.5
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El Que Saluda Con Fuego「Un Gesto sin Voz」
スペインのメタルバンド、エル・クゥエ・サルダ・コン・フエゴの2005作
長いバンド名と女性ヴォーカルということ以外、予備知識なしで購入。
ハスキーな女性Voの歌声を中心にしたメロディアスなハードロックで、
古き良き正統派ヘヴィメタルともいってよいサウンド。音質はややチープながら
スペイン語による女性の歌声はなかなかいいし、いくぶんシンフォニックメタル風味のアプローチもある。
今後はよりきめこまやかな楽曲作りとアレンジ、録音面のレベルアップが課題だろう。
メロディアス度・・7 スパニッシュ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
EL RELOJ「Hombre De Hoy」
アルゼンチンのメタルバンド、エル・レロージの1998年作
70年代から活動するバンドで、いったんの解散やメンバーチェンジなどをへて
本作は通作5作目となるアルバム。古き良き正統派のハードロックを基盤にしつつ、
70年代風のオルガンなどを取り入れ、スペイン語による歌唱とともに濃密に聴かせる。
曲によっては同郷のRATA BLANCAに通じる雰囲気もあり、正統派メタルの感触に、古めかしさと
いくぶんのダサさが合わさったようなサウンドは、スパニッシュHR好きであれば充分楽しめる。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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ELUSION 「Singularity」
ベルギーのシンフォニックメタル、エルシオンの2019年作
美麗なアレンジにほどよくヘヴィなギターと、伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、
随所にデス声も絡む優美なシンフォニックメタル。モダンな硬質感やアグレッシブな疾走パートも覗かせつつ、
ドラムをはじめ録音がいくぶん軽めなので、ヘヴィな迫力はさほどないので、わりと聴きやすい。
ときおりメロディックなフレーズを奏でるギターは良い感じだが、全体的には盛り上がりに欠け、
もう少し魅力的なメロディのフックや展開が欲しい。シンフォニックな壮麗さもやや中途半端か。
シンフォニック度・・7 優美度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ELVELLON 「ASCENDING IN SYNERY」
ドイツのシンフォニックメタル、エルヴェロンの2024年作
2018年のデビューアルバムから、6年ぶりとなる2作目で、壮麗でオーケストラルなアレンジにほどよくヘヴィなギターを重ね、伸びやかなソプラノ女性ヴォーカルで聴かせる、Nightwishタイプのシンフォニックメタル。
キャッチーなメロディアス性とともに、ほどよい疾走感もありつつ、決してヘヴィになり過ぎないスタイルは、DELAINやXandriaあたりにも通じる雰囲気で、フィメールフロンテッドの王道というべきサウンドが楽しめる。
フロントを務めるネレ嬢の歌声も魅力充分で、ストレートとソプラノを使い分ける表現力は、ターヤ・トゥルネンやフロール・ヤンセンにもひけをとらない。
優美なピアノにヴァイオリン、アコースティックギターによるしっとりとしたナンバーや、ときにフォーク/トラッド要素も含んだ優雅な幻想性も覗かせながら、あくまで優美なシンフォニックメタルへのこだわりが見事な逸品です。
ちなみに、日本盤CDのライナー解説は緑川が担当しておりますのでよろしく。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・9 総合・8
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Elvenpath 「Gateways」
ドイツのメロディックメタル、エルヴェンパスの2004年作
自主制作のデビューアルバムで、楽曲は全5曲ながら、すべて7〜9分という大曲志向。
ツインギターのオールドなリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、初期HELLOWEEN、
NOT FRAGILEなどにも通じる、マイナー臭さを残した古き良きジャーマンメタルスタイル。
叙情的なスローパートなど、緩急ある展開力で構築するところも、なかなかいい感じで
音はわりと軽めであるが、歌メロのキャッチーなクサメロ感や技巧的すぎないツインギターのフレーズに、
思わずにやにやとしてしまう。垢抜けないほどよいダサさも含めて、オールドスタイルのジャーマンメタルが楽しめる。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・7.5
Elvenpath 「Spyrol」
ドイツのメロパワバンド、エルヴェンパスの2008年作
女性Gを含むツインギター編成で、初期HELLOWEENやGAMMA RAYを思わせるサウンド。
どことなく、カイ・ハンセンを思わせるヘタウマのヴォーカルや、適度なB級っぽさも含めて、
この手のマイナー系ジャーマンメタルが好きな方ならば、なかなかたまらないかもしれない。
全7曲ながら、9分、10分という大曲もあり、とくに疾走曲におけるクサメロな感じはよいですな。
個人的にはジャケももう少しコテコテにしてもらいたい。B級でもOKなキーパーメタラーさんはどうぞ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 B級ジャーマン度・・8 総合・・7
Elvenpath
ドイツのメロディックメタルバンド、エルヴェンパスの2011年作
2008年作はかなりのB級だったのだが、本作ではツインギターの奏でるクサメロに加え
ヴォーカルの表現力も上がっていて、エピックな力強さが感じられるようになった。
ミドルテンポの曲は、IRON MAIDENやMANOWARなどに通じるメロディックで正統派の感触ながら、
疾走する曲はStormwarriorばりにコテコテ。ほとんどの曲が5分以上と長めなので、中盤以降はダレるし、
アルバム後半にいたっては組曲形式という気合の入りようで、なんだか微笑ましい感じの力作である。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・7 総合・・7.5
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Elvenpath 「Pieces of Fate」
ドイツのメロディックメタル、エルヴェンパスの2015年作
前作はStormwarriorばりの力作であったが、本作もツインギターで疾走するコテコテのジャーマンメタルスタイル。
B級臭いヴォーカルとエピックかつクサメロな感触には、ジャーマン愛、ガマレー愛が感じられて、にんまりとさせられる。
IRON MAIDENルーツの雰囲気も含めて、全体的にパワフルすぎないキャッチーな聴き心地が微笑ましい。
ラストはなんと13分の大曲で、ハロウィンの「守護神伝」ばり…とはいかず、長い割には盛り上がりに欠けるのだが、
このままジャーマン愛を貫き、人知れずNot Flagileクラスまでのんびりと成長していって欲しい…そう思わせる好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ジャーマン愛度・・9 総合・・7.5
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ElvenStorm 「Of Rage and War」
フランスのメタルバンド、エルヴェンストームの2011年作
女性ヴォーカルをフロントにした正統派のメロディックメタルで、
古き良きギターリフとともにパワフルに疾走する、オールドスタイルの聴き心地。
Laura嬢のハスキーな歌声は適度なマイナー臭さをかもしだすサウンドによくマッチしていて
かつてのジャーマンメタル的なクサめの疾走感も、マニアにはなかなかたまらないだろう。
楽曲にはB級過ぎないクオリティがあって、なにより潔いまでの疾走感はとても爽快だ。
Crystal Viper、VANDROYAなど、女性声の正統派メロパワが好きな方はチェックすべし。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
ElvenStorm 「Blood Leads To Glory」
フランスのメロディックメタル、エルヴェンストームの2014年作
2011年にデビューし、2作目となる。クサメロたっぷりのギターと女性ヴォーカルを乗せて疾走する、
オールドスタイルのメロパワスタイル。紅一点、Laura嬢の歌声は伸びやかな魅力があって、
ほどよくフェミニンな優雅さとともに、正統派の疾走メロスピサウンドを華やかに彩っている。
ヘヴィ過ぎない軽快な疾走感と、初期HELLOWEENやRUNNING WILD風味など、
80〜90年代ルーツのギターリフも含めた、ほどよいクサメロ感も絶妙で、思わずニヤニヤとなる強力作。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
ElvenStorm「THE CONJURING」
フランスのメロディックメタル、エルヴェンストームの2018年作
2011年にデビューし、本作が3作目となる。正統派のギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、
古き良きジャーマンメタルスタイルのメロディック・パワーメタルを聴かせる。パワフルに疾走しつつも、
ほどよいクサメロ感とともに、いくぶんマイナーな雰囲気もあって、紅一点、Laura嬢の歌声も力強過ぎず、
女性としての艶っぽさを残しているのもなかなか魅力的だ。楽曲も4〜5前後と長すぎず、わりとシンプルでありながら
エピックな味わいとウェットな空気感を描いていて、ときにRUNNING WILDを思わせるギターリフを乗せて
爽快に疾走するところもたまらない。もちろん、Crystal Viper、VANDROYAなどが好きな方も必聴です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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ELYOSE 「IPSO FACTO」
フランスのシンフォニックメタル、エルヨスの2015年作
メタリックなギターにモダンなシンセアレンジを加え、フランス語による美しい女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーなシンフォニックメタル。エレクトロな感触を含んだデジタルな感触とほどよいヘヴィさに、
ジャスティン嬢のキュートな歌声も魅力的で、ポップなノリの良さとともに軽やかに楽しめる。
一方では、ARKANの男性ヴォーカルが参加してのデス声入りの、ゴシックメタル調のナンバーもあったり
メタルとしての重厚さも残しつつ、表現力ある女性声によるコケティッシュなモダンサウンドを味わえる。
ドラマティック度・・7 スタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Embrace Of Souls 「The Number Of Destiny」
イタリアのメロディックメタル、エンブレイス・オブ・ソウルズの2021年作
Rhapsody of Fireのジャコモ・ヴォイルをフロントに、Chronosfearのドラム、ベースを含む編成で、壮麗なイントロから、きらびやかなシンセをギターに重ね、伸びのあるハイトーンヴォーカルとともに、Secret Sphereなどにも通じるシンフォニックなイタリアンメロパワを聴かせる。
クサメロ感ある疾走メロスピから、優美なバラードナンバーまで、表現力あるジャコモのヴォーカルの実力が光っている。
全体的にはこれだという新鮮味は薄いのだが、シンフォニックメタルとしてのクオリティの高さは見事。
Visions Of Atlantisのミケーレ・グアリトリ、Vision Divineのイヴァン・ジャンニーニ、Labyrinthのロベルト・ティンラティなどがゲスト参加。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 ヴォーカル度・8 総合・8
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EMERADA「Time of Darkness」
ロシアのメロディックメタル、エメラダの2013年作
適度にヘヴィなギターとシンセを含んだアレンジに、ソプラノ女性ヴォーカルに男性ダミ声が絡む
いくぶんダークでゴシック的な感触もあるサウンド。楽曲はミドルテンポ主体で、
それなりに壮麗でパワフルなのだが、メロディや盛り上がりがいまひとつに煮えきらない。
女性声の美しさはとてもいいので、それを活かしたシンフォニックメタル路線を期待したい。
メロディック度・・7 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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EMERALD 「Hymns to Steel」
スイスのメタルバンド、エメラルドの2007年作
アルバムタイトルにジャケ、そして誇らしげにメタTを着こなしたメンバーフォトからして過剰なまでのメタル愛に満ち満ちているのだが、
サウンドの方もMANOWARばりにエピックな世界観に包まれた正統派。うっすらとしたシンセアレンジにハイトーンヴォーカル、
ヘヴィすぎない軽めなところも、適度なヘナチョコ感になっていて、なかなかクサメタ心をくすぐるのである。
辺境ものにしてはメロディックな魅力にあふれていて、B級でもOKな方ならけっこう楽しめますぜ。
メロディック度・・8 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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Emerald Mind 「Tales Of Soveena」
ロシアのゴシックメタル、エメラルド・マインドの2009年作
ほどよくヘヴィなギターに美麗なシンセアレンジ、美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せて
Nightwishにも通じる優雅でシンフォニックなサウンドを聴かせる。随所に適度な疾走感や
流麗なギターフレーズも覗かせて、緩急ある展開と共に、幻想的な翳りを帯びた世界観を描いてゆく。
フロントを務めるSvetlana嬢のソプラノはオペラティックな素養も感じさせ、伸びやかな歌声は表現力も素晴らしい。
ラストは9分の大曲で、ドラマティックな展開美となよやかな女性声で、優美なシンフォニックメタルを構築する。
ドラマティック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
Emerald Mind「Civilization」
ロシアのシンフォニックメタル、エメラルド・マインドの2015年作
適度にメタリックなギターにシンセを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せたキャッチーで優美なサウンド。
ときにメロスピ的な疾走パートも含みつつ、あくまで優雅な聴き心地で、ヘヴィになり過ぎないところがよろしい。
メロディックなギターフレーズも随所にアクセントになっていて、なよやかな女性ヴォーカルの魅力とともに、
Nightwishをややライトにしたような感じでも楽しめる。重厚なドラマ性と言うのはあまりないのだが、
オペラティックな女性声でキャッチーなシンフォニックメタルが味わえる、これはなかなかの逸品です。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Emerald Sun「Escape from Twilight」
ギリシャのメロパワバンド、エメラルド・サンの2007年作
キーボードを含む6人組で、キーパー時代のHELLOWEENを思わせるメロディと
シンフォニックなきらびやかさで疾走するサウンドはなかなか高品質。
この素晴らしきクサメロ具合は、スウェーデンのINSANIAにも匹敵するほどで、
この手が好きなら間違いなく大喜び。これぞキーパーメタルである。
とにかく、どの曲も恥ずかしげもないほどにクサくメロディアスに疾走している。
後半は楽曲的にややダレるものの、クサメタラーにはまず必聴のバンドだろう。
クサメロ度・・9 疾走度・・9 キーパー度・・10 総合・・8
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EMERALD SUN「Regeneration」
ギリシャのメロパワバンド、エメラルド・サンの2nd。2011年作
1stも相当のクサメタル傑作であったが、本作もジャーマンメタル路線のサウンドで
GAMMA RAYをよりクサく仕上げたような力作になっている。ツインギターのフレーズに、
うっすらとしたシンセアレンジ、そしてキャッチーな歌メロで聴かせる、陽性のメロディックメタルには
思わずにやにやとしてしまう。楽曲そのものに前作ほどのインパクトはないが安心して楽しめる出来だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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EMERALD SUN 「UNDER THE CURSE OF SILENCE」
ギリシャのメロディックメタル、エメラルド・サンの2018年作
4作目の本作も、ツインギターにカイ・ハンセンを思わせるハイトーンヴォーカルを乗せ、
まさにGAMMA RAYのような、キャッチーな正統派メロディックメタルを聴かせる。
ミドルテンポを主体にした、古き良きジャーマンメタル感触はますます強まっていて、
RAGEのピーヴィ・ワグナーがヴォーカルで参加した、正統派のメタルナンバーなど、
全体的にこれという新鮮味はないが、定の好内容。アルバム後半には疾走ナンバーもあり、
1stの頃のキーパーメタルとしての味わいも残している。ジャーマン系スタイルが好きな方はチェック。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・8
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EMPIRES OF EDEN 「Songs Of War And Vengeance」
オーストラリアのメタルバンド、エンパイアズ・オブ・エデンの2009年作
元DUNGEONのギタリストを中心にしたバンドで、ハイトーンヴォーカルを乗せた
正統派のヘヴィメタルを基本に、随所にテクニカルなギターフレーズを盛り込んでいる。
イングヴェイ風味の早弾きはパートは、正直どうでもよい感じに無個性であるし
ラウドな音質も含めて、いくぶんB級臭さも覗かせている。楽曲も新鮮味に欠ける。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 新鮮度・・7 総合・・7
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Empires of Eden 「ARCHITECT OF HOPE」
オーストラリアのパワーメタル、エンパイア・オブ・エデンの2015年作
元DUNGEONのギタリスト率いるバンドで、2009年にデビュー、本作は4作目となる。
80〜90年代ルーツのオーセンティックなヘヴィメタルを、よりダークで重厚な迫力を加えた
どっしりとした正統派のメタルサウンドで、Primal Fearのラルフ・シーパーズをはじめ、
Racer Xのジェフ・マーティン、元RIOTのマイク・ディメオなど、楽曲ごとにゲストヴォーカルを迎えている。
シャウトするハイトーンヴォーカルも含めて、JUDAS PRIESTなどにも通じるパワフルな聴き心地で、
これという新鮮味はないものの、オールドスタイルを好むメタルファンには楽しめるだろう
メロディック度・・7 正統派度・・8 重厚度・8 総合・・7.5
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ENBOUND「And She Says Gold」
スウェーデンのメロディックメタル、エンバウンドの2012年作
90年代以降、メロディックメタルの宝庫となったスウェーデンであるが、
きらびやかなサウンドでありながら正統派へのこだわりが強いバンドが多く、
このバンドもまた、美しいシンセアレンジを含みつつも、基本はあくまで正統派。
古き良きHR/HMの感触とモダンなキャッチーさを融合させたというべき作風で、
あくまでメロディにこだわった楽曲は、新鮮味は薄いものの、とても好感が持てる。
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Enchained Souls 「In Memoriam」
アルゼンチンのシンフォニックメタル、エンチェインド・ソウルズの2012年作
2006年にデビューし、3作目となる。オーケストラルで壮麗なアレンジにギターを重ね、
なよやかなソプラノ女性ヴォーカルに男性ダミ声が絡む、ほどよく疾走感のあるサウンド。
随所にゴシックメタル寄りの耽美な空気感に包まれつつ、しっとりとした叙情ナンバーなども、
紅一点、カロリーナ嬢のスペイン語によるフェミニンな歌声がなかなか魅力的だ。
メタリックなギターとダミ声によるアグレッシブな激しさと、女性声の優雅さが同居した作風は
初期の六翼天使(Seraphim)あたりにも通じるかもしれない。粗削りながら今後に期待です。
シンフォニック度・7 疾走度・8 女性Vo度・7 総合・7
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ENDLESS「A Dream at in the Sun」
ブラジルのメロパワバンド、エンドレスの2nd。2006作
AQUARIAのVoだったヴィトール・ヴェイガが、出戻りで復活させたバンド。
サウンドの方は、シンフォニックなメロスピだったAQUARIAに比べるともっと正統派のメロパワで、
適度なシンセを味付けに、疾走をまじえつつミドルテンポ主体で聴かせるオーソドックスなスタイル。
楽曲を包むドラマティックな雰囲気と、歌いあげるヴィトールの歌唱もなかなかのものだ。
曲やメロディそのものには新鮮味は薄いが南米系のメロパワとしては質の高い部類だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ENDLESS「The Truth,The Chaos,The Insanity」
ブラジルのメロディックメタル、エンドレスの2016作
元AQUARIAのVo、ヴィトール・ヴェイガ率いるバンドの3作目。ツインギターにシンセを含む6人編成で、
ドラマ性を感じさせる壮麗なイントロから、ネオクラシカル風味もあるギターと伸びやかなヴォーカルを乗せて、
適度に疾走感も含んだ展開力とともに、ANGRAなどにも通じる、高品質なメロディックメタルを聴かせる。
コンセプト的なストーリー性を想像させる、ドラマティックな空気感がサウンドに重厚な説得力を生み出していて、
かつてのアクアリアばりの疾走するメロスピナンバーはもちろんのこと、ミドルテンポやバラードナンバーも、
実力のあるヴォーカルの歌声でじっくりと楽しめる。コンセプチュアルなシンフォニックメタルとしても見事な力作である。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Enemy of Reality 「Arakhne」
ギリシャのシンフォニックメタル、エネミー・オブ・リアリティの2016年作
元MEDEN AGANのヴォーカリスト擁するバンドで、2014年にデビュー、本作は2作目となる。
ヘヴィなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
重厚なシンフォニックメタルサウンド。ときにデスヴォイスを加えたアグレッシブな激しさも覗かせつつ、
SepticFleshにも参加したイリアナ嬢のオペラティックな女性声とともに、ゴシックメタル寄りの耽美さと、
神秘的な世界観に包まれる。壮麗な疾走感も含んだメリハリあるサウンドが楽しめる、ゴシック・シンフォメタルの逸品。
ファビオ・リオーネ(ANGRA)、ジェフ・ウォーターズ(ANNIHILATOR)、キアラ・マルヴェスティテイ(Crysalys)がゲスト参加。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ENFORCER「Into The Night」
スウェーデンのパワーメタルバンド、エンフォーサーの2008作
こ、これは…まるで80年代そのもののようなレトロなジャーマンメタルです。
革ジャンにスリムジーンズ姿のメンバー写真といい(ガンベルト着用でTシャツはVENOM)
前時代的なギターリフで疾走するオールドスタイルといい、もうギャグ一歩手前なんですが、
曲の方は初期のハロウィンやブラガー、グレイブ・ディガーといった感じで、
我々世代のツボをつきまくり。この音はとても懐かしく、そしてけっこう楽しめますぞ。
“Black Angel” “Into the Night” “Scream of the Savage” “Evil Attacker
” といった
英語力の足りない曲名もまたGood。全9曲35分。きっとあの頃のジャーマンメタルが大好きな若者たちなのでしょう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 80'sジャーマン度・・10 総合・・7.5
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ENFORCER「Diamonds」
スウェーデンのメタルバンド、エンフォーサーの2010年作
80年代を思わせるレトロなメタルサウンドでデビューを飾ったこのバンド、
本作も期待通りの古き良きアナログメタルを聴かせてくれる。アンプ直結かと思うような
ヘヴィすぎないギターリフと、力強すぎないハイトーンヴォーカルを乗せて軽やかに疾走、
昨今のメタルコアとは完全に対極にある、ローカルな耳心地の良さが嬉しい。
正統派メタル、ハードロックへのリスペクト、メンバーの古めかしいファッションにも
ある種の美学が感じられる。確信犯的な懐古主義サウンドににやにやしてしまう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 80'sメタル風度・・10 総合・・8
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Enforcer 「From Beyond」
スウェーデンのメタルバンド、エンフォーサーの2015年作
80年代スタイルの正統派メタルサウンドでNWOTHMの火付け役ともなったバンドの4作目。
今作も古き良きギターリフとハイトーンヴォーカルで疾走する、オールドスタイルはそのまま、
スラッシーな勢いの良さでキメキメなハインテンション。にやにやしながら気持ちよく首を振れる。
一方ではよりキャッチーなロック感触も加わっていて、イギリス、ジャーマン、アメリカのよいトコ取りという感じの
ピュアな正統派HR/HMが楽しめる。もちろんマイナー調のメロディや、ほどよい湿り気は健在なのでご安心を。
疾走感あふれる楽曲から、ミドルテンポのナンバーまで、クオリティの高さは見事と言う他はない。
メロディック度・・8 疾走度・・7 古き良き度・・9 総合・・8
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Enforcer 「Zenith」
スウェーデンのメタルバンド、エンフォーサーの2019年作
2008年にデビューし、そのコテコテのオールドメタルっぷりが話題となり、一躍人気バンドへ。
5作目となる本作は、のっけから80年代LAメタルのようなキャッチーなサウンドで、思わずニヤリ。
その後も歌モノ的なミドルテンポから、初期のような疾走ナンバー、シンセ入りのバラード、
MANOWARにも通じるどっしりとした三連メタルナンバーや、変拍子入りのプログレメタル風など、
いつになくバラエティに富んだ作風で、これらも当然、確信犯的なアレンジなのだろうと思う。
トータルな完成度では前作には及ばないが、好き勝手やっている楽しさこそ本作の魅力だろう。
ドラマティック度・・7 正統派度・・7 古き良き度・・8 総合・・8
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ENVINYA 「Inner Silence」
ドイツのシンフォニックメタル、エンヴィンヤの2013年作
女性Vo、女性シンセ奏者を擁する6人編成で、モダンなシンセアレンジと
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、随所に激しい疾走も含んだ聴き心地。
随所にデスヴォイスも入りつつ、AMARANTHあたりにも通じるモダンメタルのヘヴィさと、
キャッチーなヴォーカルメロディが合わさった、なかなか堂々たる作風である。
楽曲そのものにもう少しインパクトのあるフックが欲しい気がするが、クオリティはけっこう高いです。
シンフォニック度・・7 モダン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
ENVINYA「THE HARVESTER」
ドイツのシンフォニックメタル、エンヴィンヤの2016年作
2013年にデビューし2作目。メタリックなギターに女性ヴォーカルの歌声を乗せて疾走する1曲目は
正統派派のメロパワスタイルで、シンセによるシンフォニックなアレンジも含んだサウンドを聴かせる。
ときにデスヴォイスも加えたアグレッシブな感触も覗かせつつ、本作から加入したMery嬢の歌声は、
ハスキーに魔女めいていて妖しく楽曲を彩る。メロディックなフックや壮麗なパートがさほどないので、
全体的には硬質な女性声メタルという味わいで、シンフォニックメタルとしてはやや物足りないか。
メロパワとしても疾走系なのかヘヴィ系なのか、今後は方向性を絞っていってもらいたい。
ドラマティック度・7 壮麗度・7 女性Vo度・7 総合・7
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Enzo and The Glory Ensemble 「In The Name Of The Father」
イタリア人ミュージシャン、エンゾ・ドナルマによるメタルオペラプロジェクト。2016年作
マーティ・フリードマンをはじめ、SHADOW GALLERYのゲイリー・ワーカンプ、ブライアン・アシュランド
ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)、コビ・ハルヒ(ORPHANED LAND)、マーク・ゾンダー(FATES WARNING)、
ニコラス・レプトス(WARLORD)といったメンバーヘが参加、オーケストラルなアレンジとメタリックな激しさが同居した、
壮麗なメタルオペラを展開する。キリスト教をテーマにしていることから、参加ミュージャンもみなクリスチャンで、
随所にアラビックな旋律を含んだ民族的な雰囲気は、ORPHANED LANDにも通じる作風である。
女性ヴォーカルにストリングスも加わった優美なナンバーや、讃美歌的なナンバーなどシンフォニックな感触に包まれる。
全体的には、もう少しドラマティックな盛り上がりも欲しい気もするが、これぞクリスチャン・メタルオペラの味わいである。
ドラマティック度・・7 重厚度・・7 優美度・・8 総合・・7.5
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ENZO AND THE GLORY ENSEMBLE 「IN THE NAME OF THE SON」
イタリア人ミュージシャン、エンゾ・ドナルマによるクリスチャン・メタルオペラ・プロジェクト、2017年作
マーティ・フリードマンをはじめ、ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)、コビ・フールヒ(ORPHANED LAND)、
マーク・ゾンダー(FATES WARNING)、ゲイリー・ワーカンプ、ブライアン・アシュランド(SHADOW GALLERY) らが参加、
シンフォニックなアレンジとゴスペル的なコーラスも含んだ、優美なクリスチャンメタルの感触に、
オルファンド・ランドあたりにも通じる、アラビックな香りに包まれた壮麗なサウンドを描いてゆく。
女性ヴォーカルも加わったオペラティックなナンバーや、メロパワ的な疾走ナンバーから、
9分を超えるドラマティック大曲まで、なかなかメリハリのある構成で楽しめます。シリーズ化に期待。
シンフォニック度・・8 クリスチャン度・・9 壮麗度・・8 総合・・8
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EPIDEMIA「Elfiyskaya Rukopis / Эльфийская Рукопись」
ロシアのシンフォニックメタル、エピデミアの2004年作
シンセとオーケストレーションによる壮麗なイントロから、勇ましくエピカルなシンフォニックメタルが始まってゆく。
RHAPSODYを思わせるファンタジックな世界観と、クサメロをたっぷり含ませたサウンドには
この手のマニアはもうにんまりだろう。AVANTASIAのような正統派メタルを軸にした聴き心地に
ロシア語による辺境臭さも味わいになっている。若干のローカルさと楽曲ごとのバラつきも含めて、
ユルく楽しむべき作品かもしれない。疾走曲をもう少し増やした方が個人的には嬉しいが。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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EPIDEMIA「Livin' In Twilight / Жизнь В Сумерках」
ロシアのシンフォニックメタル、エピデミアの2005年作
1st、2ndの楽曲をリレコーディングしたというアルバムで、ロシア語の歌声とともに
ツインギターのメロディとともに疾走する正統派のサウンドは、GAMMA RAYばりのキャッチーな聴き心地と、
ときにシンフォニックなアレンジを含んだ優雅さもある。エピックな世界観もなかなかよい感じだし、
同郷のCATHARSISにも通じるくらいの質の高さはあるが、B級から突き抜けるにはもう一歩という感じか。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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EPIDEMIA「Elfiyskaya Rukopis : Skazanie Na Vse Vremena」
ロシアのシンフォニックメタル、エピデミアの2010年作
2004年作品の第二章となるメタルオペラ作品で、壮麗なイントロから始まり、
メロディックなツインギターとロシア語の歌声を乗せて疾走する、正統派のスタイルはこれまで通り。
随所に牧歌的な叙情を含ませるファンタジックなストーリー性も含んで、ドラマティックに聴かせる。
クサメロは残しながら楽曲のB級臭さはほぼ払拭され、全体的にも音の説得力が増している。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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EPIDEMIA 「THE RIDER OF ICE(ВСАДНИК ИЗ ЛЬДА)」
ロシアのメタルバンド、エピデミアの2011年作
前作は壮麗なメタルオペラ作品であったが、本作はのっけから牧歌的な雰囲気で
ロシア語によるキャッチーなヴォーカルメロディとともに聴かせるアコースティカルな作風。
エピックなジャケのイメージとは違うサウンドに戸惑わなければ、やわらかな耳心地と
随所に叙情的なギターを乗せた、ゆるゆかなドラマ性をじっくりと楽しめる。
全体的にゆったりと鑑賞できるドラマティックなバラードアルバムであるが、
メロディの充実度と泣きの叙情という点では聴き逃せないほどの魅力が詰まっている。
メロディック度・・9 叙情度・・9 ロシア度・・8 総合・・8
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EPOHA (Эпоха)「Malleus Maleficarum(Молот ведьм)」
ロシアのメタルバンド、エポハの2012年作
オーケストラルなイントロから壮大な雰囲気だが、曲が始まるとダーティでパワフルなロシア語のヴォーカルを乗せた
しごく正統派の古き良きメタルサウンド。バックのシンフォニックなアレンジがいくぶんミスマッチに思えるが、
曲間に語りやSEなどを含んだコンセプト的な雰囲気など、作品としてはとても気合いが入っているようだ。
しかしながら、楽曲には、これといった魅力は乏しく、ときおり疾走したりドラマティックな部分もあるのだが、
全体的な方向性も含めて盛り上がりきらない退屈さと自己満足感に包まれてしまっている。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・7 辺境度・・8 総合・・7
THE ERINYES
フランス、イタリア、ブラジル出身の3人の女性シンガー擁するシンフォニックメタル、エリニュスの2023年作
Secret Sphereのアルド・ロノビレがプロデュースし楽曲も提供、優美なシンセアレンジをギターに重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで、壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
ジャケのイメージのような耽美な妖しさはさほどなく、王道のギタープレイとともにしっかりとメタル感触もあり、キャッチーなメロディアスハード風味も感じさせる。
なよやかな歌声から、伸びのあるストレートな歌声まで、3人それぞれの個性が楽曲を彩っていて、女性声メタル、女性声HR好きなら楽しめるだろう。
楽曲はメロディアスではあるが、新鮮味やこれというインパクトがないので、わりとさらっと聴けてしまうのが惜しいところ。
メロディック度・8 壮麗度・7 女性Vo度・8 総合・8
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Erodhes 「Madre Tierra」
アルゼンチンのメロディックメタル、エロドエスの2011年作
きらびやかなシンセとクサメロなギターに、スペイン語のヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロパワサウンド。キャッチーな歌メロも含めて、南米らしいやわらかなメロディアス性で、
濃密な聴き心地がなかなかよろしい。ラウドな音質はB級臭さが漂うが、壮麗なアレンジセンスや
リズムチェンジを含む展開力などは、マイナーな味わいながら魅力的。曲によってはエピックな雰囲気の
シンフォニックメタルとしても楽しめるような力作だ。成長次第では、一線級のクサメタルになれるかもしれない。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
Escapist 「HIDDEN MEMORIES」
アルゼンチンのシンフォニックメタル、エスカピストの2014年作
女性Voにシンセ奏者を含む5人編成で、STRATOVARIUSを思わせるようなチェンバロの音色から
ネオクラシカル風味のギターとともに疾走、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で聴かせる優雅なサウンド。
きらびやかでありながら、どことなくB級臭さを漂わせるところは、ドラムの技量の足りなさも含めて、
台湾の六翼天使(Seraphim)あたりにも通じる感触もある。きらきら&ピロピロ系のネオクラ属性でありつつ
ミドルテンポやスローバラードなででのしっとりとした美しさは、Voのルシアナ嬢の力量によるものだろう。
メロディック度・・8 キラピロ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ESSENCE OF SORROW「Reflections of Obscure」
スウェーデンのダークメタルバンド、エッセンス・オブ・ソロウのアルバム。2006作
DIVINE FIREのヤニ・ステファノヴィックによるプロジェクトバンドで、元SONATA ARCTICAのKey、ミッコ・ハルキンも参加している。
重厚なギターで聴かせるドラマティックなメタルサウンドは、モダンヘヴィな質感と、北欧らしい物哀しいメロディを融合させて、
マッツ・レヴィンの歌声とともになかなかパワフルに聴かせてくれる。SOILWORKを思わせるような格好よい曲もあるのだが、
アルバムを通して聴くにはダークめのモダンなヘヴィサウンドがやや一本調子か。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 楽曲・・7 総合・7.5
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Estate 「Fantasia」
ロシアのメロディックメタル、エスタテの2014年作
クラシカルで美麗なイントロから、王道のギターリフと美しいシンセアレンジに、
伸びやかなヴォーカルを乗せ、適度な疾走感とともに聴かせる正統派のメロディックメタル。
歌詞が英語のためロシアンな辺境臭さはあまり感じさせず、キャッチーなメロディのフックと確かな演奏力、
そして力量のあるヴォーカルで、高品質なサウンドを描く。随所にいくぶんフォーキーな叙情も覗かせつつ、
あくまで正統派メロパワとしての明快な聴き心地であるので、多くのメタルリスナーにアピールするだろう。
反面、新鮮な展開やクサメロという点では、まだ突き抜けるほどのインパクトはなく、今後の成長にも期待したい。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Eteddian 「Destiny」
スペインのシンフォニックメタル、エテディアンの2016年作
女性Voにシンセを含む編成で、美しいシンセアレンジに女性ヴォーカルの歌声を乗せたスタイルで、
楽曲は3〜5分前後と比較的シンプルながら、ストリングスなどを含む壮麗なシンフォニック性に
キャッチーなクサメロ感もあり、EdenbridgeやAmberian Dawnなどに通じる優雅な聴き心地。
紅一点のBethany嬢の歌声は元Nghtwishのアネットタイプで、輪郭のある伸びやかな歌唱はなかなか魅力的。
オーケストラルでクラシカルなアレンジセンスとともに、ヘヴィ過ぎない優美なメロディアス性で楽しめる好作だ。
にしても、アー写のキーボード奏者のファッションセンスは。半袖白シャツ&Gジャンにマフラーって…笑
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ETERNA「PApyrus」
ブラジルのメロスピバンド、エテルナの1st。1999作
ANGRAの活躍以後、ブラジルからもこの手のメロディックメタルバンドが増えているが
このバンドもキーボード入りでメロディアスに疾走するスタイル。クラシカルなギターにハイトーンVoを配したサウンドは、
マイナー系にしてはなかなか悪くない。全体の雰囲気としては、ジャーマンメタル風の泥臭さと勢いもあり、
キャッチーな歌メロなどはHELLOWEEN的な感触もある。シンフォニックなキーボードがけっこういい感じですな。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ETERNA「The Gate」
ブラジルのメロディックメタルバンド、エテルナの2nd。2001作
1stも曲によっては「おお」と思わせるものがあったが、この2ndも美しいキーボードが満載のメロディックサウンドだ。
ギターがやや軽いのと、ヴォーカルが弱いのが難点だが、シンフォニックなキーボードをバックに疾走するサウンドは
この怪しげなCGジャケから想像できる音以上のものがある。あとは楽曲の盛り上げ方を研鑽していってもらいたい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・7 総合・・7.5
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ETERNA「Terra Nova」
ブラジルのメロディックメタルバンド、エテルナの3rd。2002作
3rdといっても、10曲中に1stのリメイク曲が4曲と、少々微妙な内容。
今回はやや疾走感は抑えめで、前作にもあったプログレ色がやや増している。
あまり力強くないヴォーカルがいかにもマイナーバンド的だが、キーボード入りで、
ブレイクやリズムチェンジも多い楽曲はなかなか悪くない。今回はリメイク曲以外にはクサメロの疾走曲がないので、
全体的にはプログレメタルかクサメタルか、ちょっとどっちつかずの感がある。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ちょっとプログレメタル度・・7 総合・・7
ETERNA「Epiphany」
ブラジルのメロディックメタルバンド、エテルナの4th。2004作
毎回、ただのマイナーバンドとは思えない、なかなかいいアルバムを作ってくる彼ら。
個人的にはけっこう好きなバンドなのだが、今回もキーボード入りのキャッチーなメロディで適度に疾走、
というサウンドで、演奏、曲ともに、そろそろ脱B級を宣言してもいいのでは…という内容。
ただ、相変わらず「これだ!」というインパクトに欠けるのは否めず、「悪くない」止まりなのも事実。
もう一歩…もうちょっと頑張れば同郷のWIZARDSあたりのレベルに行けそうな気がするが。
それと、そろそろチープなジャケとバンドロゴはやめた方がいいのでは…と思う(笑)
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ETERNAL DARKNESS「Out Of Control」
ドイツのメロディックメタルバンド、エターナル・ダークネスのアルバム。2000作
以前ペガサスに乗った女戦士のチープなジャケのミニが出ていたと思うので、
これが1stアルバムなのだろう。今回のジャケはイタリアのTIME STORMなどと同じ絵柄。
当然のごとく内容はチープなジャーマンメタルサウンドで、キーボード入りで疾走しつつ、
軟弱な感じのキャッチーなサビメロで盛り上げようとしているが、やはりB級。
演奏、楽曲、録音とも、全てにおいてマニア向け以上のクオリティは無い。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・5
ETERNAL DEFORMITY 「Frozen Circus」
ポーランドのシンフォニックメタル、エターナル・デフォーミティの2008年作
ツインギターにシンセを含む5人編成で、ダミ声ヴォーカルを含んだシンフォブラック風味と
KAMELOTなどにも通じる、モダンなセンスとシンフォニックな美意識で構築されるサウンド。
ギターやシンセは随所にクラシカルなメロディを奏で、ゴシック的でもある耽美な世界観も感じさせ、
全体的にコンセプチュアルでシアトリカルな雰囲気に包まれている。ゲストの女性ヴォーカルが加わると
よりオペラティックな聴き心地になるので、個人的にはぜひとも男女ヴォーカルのバンドになっていただきたい。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 耽美派度・・8 総合・・8
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Eternal Dream 「The Fall of Salanthine」
スペインのシンフォニックメタル、エターナル・ドリームの2012年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、壮麗なイントロで幕を開け、ツインギターとともに疾走開始、
伸びやかな女性ヴォーカルにシンセアレンジを加えた、シンフォニックなメロスピサウンドを聴かせる。
激しい疾走感の一方で、しっとりした叙情パートでは、Ana嬢のなよやかなソプラノが美しく引き立っており、
Nightwish系のバンドとしては緩急ある展開力で、女性声の魅力とともに、高品質な内容と言えるだろう。
ラストは3部構成、11分という大曲で、緩急あるリズムチェンジとともに、女性ヴォーカルの美しさがはえる
しっとりと優美なパートを含めて、ドラマティックな構築力で聴かせる。美麗系シンフォニックメタルの逸品。
シンフォニック度・8 疾走度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Eternal Flight 「Diminished Reality Elegies & Mysteries」
フランスのメタルバンド、エターナル・フライトの2011年作
ツインギターの5人編成で、ハイトーンヴォーカルを乗せてパワフルに聴かせる
正統派のスタイルを基本に、いくぶんモダンな重厚さも加わったというサウンド。
楽曲に疾走する部分はあまりなく、メロディアスな要素も中途半端というのが、
どうにももどかしい聴き心地で、7分、8分という大曲にしても、展開にメリハリはあるのだが、
部分ごとに耳を引く魅力的な部分が少ない。いっそのことプログレメタルを目指してはどうでしょう。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ETERNAL IDOL 「UNREVEALED SECRET」
イタリアのシンフォニックメタル、エターナル・アイドルの2016年作
元Rhapsody of Fireのファビオ・リオーネが参加し、ハスキーな女性ヴォーカルとのツインVo編成で、
適度にモダンなシンフォニックメタルを聴かせる。メロディアスハード風味のキャッチーな歌もの感触で、
最近のDARK MOORなどに通じる聴きやすさと、コンセプト的なドラマ性を含んだ世界観という点では、
KAMELOTあたりに通じる雰囲気もある。オーケストラルなアレンジも含んだ壮麗な重厚さは、
やはりファビオの歌声にはよくマッチしていて、楽曲によって女性声がリードをとるなど、
ツインヴォーカルによるオペラティックな空気感もよい感じだ。全体的にミドルテンポが主体で、
派手な展開やクサメロ感というものが薄い分、強いインパクトはないのだが、ファビオのファンならぜひ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ETERNAL IDOL「RENAISSANCE」
イタリアのシンフォニックメタル、エターナル・アイドルの2020年作
元RHAPSODY、現ANGRAのファビオ・リオーネをフロントに、2016年にデビューし、2作目。
ほどよくヘヴィなギターに壮麗なアレンジを重ね、ファビオの伸びやかな歌声に美しいソプラノ女性ヴォーカルが絡む、
優雅なシンフォニックメタルサウンド。バックはHOLLOW HAZEのメンバーで、メロディアスなギタープレイに
オーケストラアレンジもなかなか堂に入っている。なよやかな女性ヴォーカルが前に出る部分では、
しっとりと優美な聴き心地になって、マイルドなファビオの歌声が重なるとオペラティックな味わいだ。
楽曲的に目新しさはないが、実力ある歌声がサウンドにどっしりとした説得力をかもしだしている。
シンフォニック度・8 疾走度・6 優雅で壮麗度・8 総合・8
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ETERNITY「Entre el Bien y el Mal」
メキシコのメロディックメタルバンド、エターニティの2004作
ツインギターにシンセを含む6人組みで、サウンドはスペイン語の歌声とクサメロで軽やかに疾走する
初期AVALANCHタイプのメロスピ。きらびやかなシンセにツインギターの絡みもなかなかよろしく、
ヴォーカルもそこそこ実力があって、全体的にはそれなりに質が高いのだが、
やはり音が軽すぎて迫力がないので軟弱系のメロスピが好きでないとつらい。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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Ethereal Faun 「The Nightlitany」
イタリアのメタルバンド、エセリアル・ファウンの2009年
6曲入りのEPで、クサメロ感のあるギターとともに疾走し、中音域の女性ヴォーカルを乗せた、
ほどよいB級感に包まれたサウンド。いくぶんドタバタとした展開は、初期のSKYLARKなどを思わせるが、
シンセアレンジが入らない分、わりとピロピロ系のギターが前に出てくる。アコースティックギターによる
牧歌的なナンバーもあったり、反対にデス声入りのアグレッシブなパートもあったりと、フォークメタル風なのだが雑多な印象。
ラストの8分の大曲は、展開力のある優雅な味わいなので、この路線を伸ばしていってもらいたい。
メロディック度・7 優雅度・7 女性Vo度・7 総合・7
Ethereal Kingdoms 「Hollow Mirrir」
デンマークのシンフォニックメタル、エセリアル・キングダムズの2019年作
シンフォニックなアレンジに美しい女性ヴォーカル、男性デス声も絡みつつ、メタリックな激しさと
優雅な叙情が同居したサウンドを聴かせる。ソフィア嬢の歌声は、高すぎないメゾソプラノといったところで、
伸びやかな表現力にはオペラティックな素養が感じられる。ストリングスなどのオーケストラなアレンジに、
ときにアグレッシブな激しさも覗かせる、起伏のある展開力は、EPICAなどにも通じる雰囲気であるが、
こちらはまだマイナーな雰囲気をいくぶん残している。ブラスト疾走するような激しいパートもありつつ、
一方では、Vo嬢の奏でるカンテレの音色を取り入れた、AMORPHISのカヴァーナンバーなども魅力的だ。
とにかくソフィア嬢の歌声は実力十分なので、今後は楽曲面でのさらなる充実に期待したい。
シンフォニツク度・・7 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Ethernity 「Human Rage Extinction」
ベルギーのシンフォニックメタル、エサーニティの2018年作
2006年に自主デビューし、4作目。ヘヴィなギターリフにきらびやかなシンセ、伸びやかな女性ヴォーカルで、メタリックな激しさと壮麗さが同居したモダンなシンフォニックメタルを聴かせる。
近未来SF的なコンセプトがあるのだろう、随所にデジタルなシンセアレンジや、Djent的な硬質なリズムを含みつつ、ほどよくダークなスケール感に包まれる。
全体的にはキャッチーなメロディがもう少し欲しい気もするが、スタイリッシュな女性声シンフォニックメタルが好きなら楽しめるだろう。全70分という力作です。
シンフォニック度・7 スタイリッシュ度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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EUNOMIA 「The Chronicles Of Eunomia Part I」
ノルウェーのメロディックメタル、ユーノミアの2018年作
Legend of Valley Doomのダニエルセン兄弟を中心にしたメタルオペラプロジェクトで、
壮麗なイントロで幕を開け、シンフォニックなアレンジにパフワルなヴォーカルを乗せ、
勇壮なコーラスとともにエピックな世界観を描く、正統派のメロディックメタルを聴かせる。
RHAPSODYなどを思わせる壮大なストーリー性に包まれた作風に、ほどよいクサメロ感をまぶした
ゲーム的な雰囲気のライトなファンタジーメタルというべきか。キャッチーなミドルテンポのナンバーから、
ゆったりとしたバラードまで、総じて心地よいメロディのフックとともに安心して楽しめる。全73分の力作。
ヴィクター・スモールスキやアレッサンドロ・コンティ(Trick or Treat)をはじめ、多数のミュージシャンが参加。
メロディック度・・8 エピック度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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Evarest「Fear」
チェコのメタルバンド、エヴァレストの2008年作
女性ヴォーカルをフロントにツインギターとシンセを含む5人組で、美麗なシンセとツインギターで
ジャーマンメタル的に疾走する。紅一点、エヴァ嬢の歌声はハスキーなオネエ系で、
萌え度は足りないがこの初期NOCTURNAL RITES風のメロスピサウンドにはよく合っている。
サウンドプロダクションが軽いのが残念だが、クサメロ好きならチェックすべし。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Everdawn 「Cleopatra」
アメリカのシンフォニックメタル、エヴァードーンの2021年作
元Midnight Eternalのメンバーを主体に、Symphony Xのマイク・レポンドも参加するバンド、
メタリックなギターに美麗なシンセアレンジ、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で、Nightwishタイプの
シンフォニックメタルを聴かせる。紅一点、Alina嬢の歌声は伸びやかで優美に楽曲を彩って、
随所に光る流麗なギタープレイなど、安定した演奏力も含めて、一線級のバンドにも引けを取らない。
楽曲は4〜5分前後とほどよくシンプルで、適度な疾走感もあるので、さほどダレることもない。
女性シンガーの実力と魅力は充分なので、あとはインパクトのあるキラーチューンを増やしてもらいたい。
シンフォニック度・・7 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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EVERGREY「THE DARK DISCOVERRY」
スウェーデンのメタルバンド、エヴァーグレイの1st。1998作
現在ではすでそれなりの認知度も得ているこのバンド。この1stの段階では後に現れるプログレッシブな部分は
まだ影をひそめており、ごく正統派のパワーメタルという印象。元々がデスメタルをやっていたというだけあって、
音の方はキーボード入りながらもどこかダークで、ヨーロピアンな薄暗さとホラー色を感じさせる。
メロディアス度・・7 重厚度・・7 楽曲・・7 総合・・7
EVERGREY「RECREATION DAY」
スウェーデンのメタルバンド、エヴァーグレイの4th。2003作
本当に微妙なバンドである。プログレメタルというには、さほどの展開力もないし、
かといって単なるパワーメタルというのとも違う。ヘヴィなギターリフにバックにはキーボード、
サウンドには欧州独特の薄暗さを感じる雰囲気とドラマティックな重厚さがある。
PAIN OF SALVATIONをずっとメロパワよりにしたというと分かりやすいか。
個人的には、テクニカルにするのかもっと正統派にするのか、どっちつかずな感触があるのだが、
プログレメタル的なドラマティックメタルが好きならまあまあいけるかと。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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Evergrey「Monday Morning」
スウェーデンのダークメタルバンド、エヴァグレイの2006年作
正直4thを聴いたときには、ぴんと来なかったので、それ以降ノーチェックだったのだが、
6作目となる本作はより曲調がストレートになっている。モダンなヘヴィさとともに、
哀愁ただようマイルドなメロディで聴かせる部分が増したことで、曲が分かりやすくなった。
ゴシックとまではいかないが憂いを含んだ叙情と、重厚な曲調が合わさったなかなかの好作だ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 哀愁度・・7 総合・・7.5
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Evermore 「In Memoriam」
スウェーデンのメロディックメタル、エヴァーモアの2023年作
2021年にデビューし、2作目。壮麗なイントロ曲から、王道のギターにシンセアレンジを重ね、ハイトーンヴォーカルとともにシンフォニックなメロディックメタルを聴かせる。
ほどよいクサメロ感とマイナーな雰囲気を残しつつ、エピックでファンタジックな世界観はなかなか日本人好みで、曲によっては、HELLOWEEN風のキャッチーなサビのメロディも現れるなど、爽快な疾走ナンバーにはガッツポーズ。
きらびやかなシンセと、伸びのあるハイトーンヴォーカルを乗せての優雅な疾走感は、STRATOVARIUSのファンなどにも楽しめるだろう。
メロディック度・8 疾走度・7 ストラトハロウィン度・8 総合・8
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Evernight「Desafio a la Eternidad」
スペインのメタルバンド、エヴァーナイトの2010年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、スペイン語の歌声を乗せてクサメロで疾走、
随所にモダンな激しさを取り込みながら、せわしなく聴かせるサウンド。
ギターはいくぶんダサいリフだし、ドラムもバタバタとしてお世辞にも上手いとは言えないが、
シンセを含めたメロディアスな美麗さは、今後に期待させるものがある。ProgMetal風の複雑な
楽曲構成に意欲は感じるが、現時点では楽曲の練り込みが甘く、耳に残る部分があまりない。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
Evershine「Renewal」
イタリアのメロディックメタル、エヴァーシャインの2012年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、キャッチーなメロディで聴かせる
イタリアというよりは、むしろ北欧メタル的な爽やかさで、メロディアスハード的なやわらかみと、
メロスピ的な疾走感も含ませながら、あくまで美麗でシンフォニックな耳心地が楽しめる。
同じくイタリアのWONDERLANDあたりに通じる繊細さと甘いメロディたっぷりで
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EVERTALE「Of Dragons and Elves」
ドイツのメロディックメタル、エヴァーテイルの2013年作
「ドラゴンランス戦記」をテーマにしたファンタジックな世界観で、ツインギターを乗せた疾走感と
壮大なクワイアなどはBLIND GUARDIANを思わせる、正統派のメロディック・パワーメタル。
シンフォニックに逃げないメタリックな硬質感と重厚さを保った聴き心地は、やはりドイツのバンドらしく、
インストパートでのギターフレーズによる構築美もなかなか緻密で、もはやブラガー二世と言いたくなる。
楽曲面での個性という点ではどうしてもブラガーの影がちらつくが、クオリティの高さは間違いない。
ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 ブラガー度・・8 総合・・8
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Evertale 「The Great Brotherwar 」
ドイツのメロディックメタル、エヴァーテイルの2017年作
前作はBLIND GUARDIANを思わせるファンタジックな強力作であったが、2作目となる本作も
SF戦争的なイントロのSEから始まり、ツインギターのメロディックなフレーズとともに疾走開始、
パワフルなヴォーカルを乗せた、エピックな味わいのメロディック・パワーメタルを聴かせる。
かつてのブラガーを思わせる疾走感と荘厳なクワイア、ときにハンズィを思わせる歌い方も確信犯的で、
重厚なサウンドともにウェットな叙情性を描き出す構築力も、なかなかすでに堂に入っている。
個性という面では希薄ながら、往年のブラガーを受け継ぐファンタジック・メロパワの力作といえる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ブラガー度・・9 総合・・8
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EVETH 「La Gondena Del Tiempo」
スペインのメロディックメタル、エヴェスの2012年作
シンセを含む5人編成で、ネオクラ色も含んだギターにきらびやかなシンセを重ね、スペイン語のハイトーンヴォーカルとともに、
初期AVALANCHなどにも通じる、王道のメロディックメタルを聴かせる。ミドルテンポのナンバーではキャッチーな優雅さと
美麗なシンセアレンジで、DARK MOORをマイナーにしたようなシンフォニックメタルとしても楽しめるだろう。
どの曲も爽快なメロディのフックが秀逸で、疾走するナンバーからゆったりとしたスローテンポまで、どこを切っても優雅な聴き心地。
音質がいくぶんラウドであることを除けば、クサメタラー、スパニッシュメタル好きは要チェックの好作といえるだろう。
メロディック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・8
EVIL MASQUERADE「Welcome to the Show」
デンマークのクラシカルメロパワバンド、イーヴル・マスカレードの1st。2004年作
MOAHNI MOAHNAのギタリスト、ヘンリック・フリーマンを中心に、
ROYAL HUNTの初代シンガーヘンリック・ブロックマンらによるバンド。
のっけからクラシックの名曲“ワルキューレの騎行”のメロディで勇壮に幕を開け、
やはりROYAL HUNTを思わせるきらきらとした雰囲気で疾走する。
ときおりあざといまでにクラシカルなフレーズを織り込む曲アレンジも確信犯的で、
ネオクラ色ぷんぷんのとっても濃〜いサウンドは、いくぶん耳にくどいながらも
ある意味天晴れなほどの突き抜けぶり。日本盤ボーナスには“君が代”を収録。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 疾走度・・7 総合・・8
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EVIL MASQUERADE「Theatrical Madness」
クラシカルメタルバンド、イーヴル・マスカレードの2nd。2005作
クラシカルで劇的なメロパワを濃密に聴かせるスタイルは本作でも変わらず。
ヘンリック・ブロックマンの歌唱は、前作よりも表現力が豊かになり
シアトリカルな要素を取り込んだ楽曲の中で、ときに役者のように感情を込めている。
全体的には、ネオクラシカル的なギターを使った正統派のメロパワなのだが、
他のこの手のバンドのようなピロピロとした軽さがないのがよろしい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クラシカル度・・8 総合・・8
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EVIL
MASQUERADE「Third Act」
デンマークのクラシカルメロパワバンド、イーヴル・マスカレードの3rd。2006作
元ROYAL
HUNTのヘンリック・ブロックマンが脱退し、新たに元TIME REQUIEMのシンガーが加入。
クラシカルなメロディで濃密に疾走する1曲目、ミドルテンポの王道ハードロックな2曲目と、
その後も質は高いがもはや楽曲に新鮮味はなく、ヴォーカルの力強い暑苦しさにも少々食傷ぎみだ。
ヘンリック・フライマンの「RAINBOW現代版」的な趣味が不変なのだとしたら、
アルバムごとに手詰まりになるのはいたしかたないのかもしれないが。
内容は正統派の濃密なクラシカルメタルではあるので、好きな方なら楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 王道度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Evils Desire「Initium」
オランダのシンフォニックメタル、イーヴルズ・デザイアの2010年作
エピックな雰囲気のイントロから、メタリックなギターにオーケストラルなアレンジ重ね、
オペラティックな女性ヴォーカルを乗せた、Nightwishタイプのシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、Daphne嬢の歌声は、伸びやかなメゾソプラノで歌唱の実力はしっかりとあるので、
随所に加わる男性声はなくてもよいような気もするが、いくぶんゴシック的な耽美な雰囲気もあって、
サウンドの方向性は悪くない。あとは楽曲ごとの魅力がもっと上がればよいバンドになると思う。
シンフォニック度・・7 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Evil Survives「Powerkiller」
カナダのメタルバンド、イーヴル・サヴァイヴスの2010年作
ツインギターの5人編成、サウンドはまさにNWOTHMを体現する古き良きスタイルで、
IRON MAIDENを思わせるギターフレーズとともに、ノリノリで聴かせてくれる。
このバンドの場合、突進するだけでなく楽曲にはそれなりに展開力があって、
6分以上の曲でも緩急を付けて構成されていて、ラストの15分の大曲もなかなか圧巻だ。
「ダ〜イ、ライク、ア、サ〜ムラ〜イ!」などという歌声も微笑ましく、熱く勇ましい。
WHITE WIZARDなど、メイデンタイプの古き良き正統派が好きな方はチェック!
ドラマティック度・・7 メイデン度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
EVOLUCIJA 「HUNT」
セルビアのシンフォニックメタル、エヴォルシヤの2018年作
2007年にデビューし、本作が3作目。正統派寄りのギターにやわらかなシンセ、美しい女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーで壮麗なシンフォニックメタル。楽曲は3〜5分前後とわりとシンプルな聴きやすさで、
ギターリフなども、80年代ルーツのオールドなメタル感を漂わせている。紅一点、Ilana嬢のヴォーカルは、
いくぶんなまりぎみの英語ながらも、ほどよい辺境感を含んだキュートな魅力があって、よいですね。
メロハー的なナンバーから、疾走感のあるナンバーまで、悪くはないのだが突き抜けた部分もさほどない。
シンフォニック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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EXCALION「Waterlines」
フィンランドのメロパワバンド、エクスキャリオンの2007年作
シンセ入りの美麗さと、正統派のバワフルさで聴かせるサウンドは
なかなか力強いハイトーンヴォーカルとともに新人離れしたクオリティ。
ミドルテンポ主体で、新鮮味はないものの、メロディと楽曲のバランスも良く、
DREAM EVILやAXENSTARあたりが好きなリスナーなら要チェックだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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EXCELSIS「Kurt of Koppigen」
スイスのメロパワバンド、エクセルシスのアルバム。1998作
ややダサめのファンタジー風ジャケ(地下の柩から起き上がる戦士)がいかにもな雰囲気…
ヴォーカルはデス声とまではいかないがダミ声。キーボードは女性らしい。
曲は序盤はあまり疾走せず、ミドルテンポ中心。時折ヴァイキング調のメロディも顔を出す。
章ごとに楽曲を配し、物語的な世界観を演出しようとしているのは分かるが
音質はこもり気味だし、メロパワとしての勢いもさほどなく、重厚さも中途半端。
これだったらBLIND GUARDIANを聴いた方がずっとマシ、としか…。
ただ、中盤以降の疾走曲での雰囲気はなかなか悪くないものはある。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 楽曲・・6 総合・・6
Ex Deo 「CALIGVLA」
カナダのシンフォニックメタル、イーエックス・デオの2012年作
KATAKLYSMのメンバーを中心にしたバンドで、本作はタイトルが「カリギュラ」というように、
古代ローマをテーマにした世界観に、デスメタル的な重厚なサウンドを融合した、
エピックな味わいの作品に仕上がっている。激しい疾走感よりも、どっしりとしたミドルテンポを主体に、
シンフォニックなアレンジと、ヘヴィなギター、デスヴォイスとともに聴かせる作風は、
勇壮かつ荘厳なドラマ性に包まれている。ギターリフやヴォーカルにはデスメタル感触を残しているが、
暴虐な激しさというのはあまりないので、エピックな正統派メタル的としても十分楽しめる作品だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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Ex Deo 「The Immortal Wars」
カナダのシンフォニック・デスメタル、イーエックス・デオの2017年作
KATAKLYSMのメンバーを中心にしたバンドで、古代ローマをテーマにした世界観とデスメタルを融合したサウンドを聴かせる。
前作もなかなかの力作だったが、今作もジャケのイメージ通り、ハンニバルが戦象を率いたアルプス超えやザマの戦いなど
歴史的な場面をテーマにしたコンセプト作。ヘヴィなギターにシンフォニックなアレンジと、デス声ヴォーカルを乗せた重厚なサウンドは、
適度にメロディックな感触も含ませて、正統派メロパワのデスメタル寄りという雰囲気で、ドラマティックな世界観を描き出す。
壮麗な音の厚みと、戦いの場面を思わせるでエピックな勇壮な空気感も素晴らしく、まるで映画の一場面を思い起こさせるような
迫力あるメタルサウンドに引き込まれる。ヴォーカルはデス声ながら、楽曲自体は重ためのシンフォ・パワーメタルという趣なので、
正統派メロパワ好きにも楽しめるかと思う。適度に激しさもあり、前作以上に音の強度を感じる力作です。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 重厚度・・9 総合・・8
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EXISTANCE 「Wolf Attack」
フランスのメタルバンド、イグジスタンスの2021年作
2014年にデビューし3作目となる。叙情的なツインギターのイントロから、正統派のギターリフに突き抜けるようなハイトーンヴォーカルを乗せて、オールドスタイルのメタルサウンドを聴かせる。
ヨーロピアンな叙情性はさほどないのだが、ほどよくキャッチーな歌メロなどは日本人好みで、80年代HR的な激しすぎない耳心地は、RIOTなどが好きな方にも楽しめるだろう。
ミドルテンポを主体にしたどっしりとした味わいから、いかにも「Thunder Steel」を思わせるツインギターの疾走ナンバー、IRON MAIDEN風のナンバーまで、往年のメタル感触に包まれた味わいで、ボーナス収録の、RIOT、RAINBOWのカヴァーも演奏も含めてほぼ完コピでハマっている。
ドラマティック度・8 疾走度・7 正統派メタル度・9 総合・8
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Exit Eden 「Rhapsodies in Black」
多国籍の女性シンフォニックメタル、イグジット・エデンの2017年作
Trilliumのアマンダ・ソマーヴィル、Visions Of Atlantisのクレメンタイン・デラウネを含む、
女性4人によるユニットで、Depeche mode、MADONNA、RIHANNA 、BACKSTREET BOYS、
Bryan Adams、Bonnie Tyler、Lady Gagaなどのヒット曲を、4人の女性ヴォーカルの歌声とともに、
シンフォニックメタル風にカヴァーしている。ゲストにEPICAのシモーネ・シモンズも参加して、
2曲でその美声を披露してくれる。原曲を知らなくても壮麗なアレンジと実力ある女性ヴォーカルの歌唱で
それなりに楽しめてしまう。メタルではなく、あえてメジャーアーティストを選曲したのも意図的なのだろう。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo・・9 総合・・8
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EXORISTOI 「Wrath Of Zeus」
ギリシャのエピックメタル、エクソリストリの2006年作
日本人ドラマーを含む5人編成で、オルガンを含むシンセに古き良き質感のギターと
力強くないハイトーンヴォーカルを乗せた、正統派のエピックメタルスタイル。
楽曲は3〜4分中心で、わりとシンプルな聴き心地。こもり気味の音質も含めて、
80年代っぽい空気感を漂わせている。どこかなつかしい感じのサウンドであるが、
楽曲ごとの新鮮味やインパクトはさほどない。その中庸感も楽しめる方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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EXSECRATUS「Tainted Dreams」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、エクセクレイタスの2007年作
グラマーな美女ヴォーカル擁する6人組で、オペラティックなソプラノとときおりデスヴォイスも絡めながら、
シンフォニックに聴かせるサウンドは、やはりNightwishを思わせるものだが、CHILDLEN OF BODOM風味もあったりで、
シンフォニック、ゴシックメタル、メロデスの中間という感じだろうか。ホヴィラ嬢の歌声はなかなか魅力的で、
かつてのターヤに近いイメージもある。シンフォニックな美麗さに、ギターのフレーズなどにもときおりセンスを感じる。
個性という点ではまだこのバンドならではのものはないが、今後に期待したい。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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EXXPLORER 「Vengeance Rides An Angry Horse」
アメリカのメタルバンド、エクスプローラーの2011年作
1984年作「Symphonies Of Steel」でデビュー、10年後、1994年作「Receipe for
Power」を発表し再び沈黙、
本作はそれからさらに17年ぶりとなる3rdである。27年間でアルバム3枚とは、なんとも寡作…というか、
とっくに忘れられていそうなバンドである。さて、肝心のサウンドはこれが80年代からなにも進化していないような
B級カルトメタルで、スカスカの音質も含めてじつに微笑ましいのである。適度にエピックなドラマ性もありつつ、
煮え切らないところはさすが。WARLORDとかCirith Ungolとか、そういうのが好きな方だけひっそりと聴いてください。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7
EYES OF SHIVA「EYES OF SOUL」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アイズ・オブ・シヴァの1st。2004作
ツインギターの5人組で、イントロからプログレッシブなセンスを覗かせる。
基本はANGRA路線で疾走するメロディアスなメタルだが、曲の節々に南米特有の民族調のアレンジと
ダンサブルな雰囲気が感じられ、その知的なアレンジセンスには若手とは思えない新しさもある。
Voのハイトーンもどこかアンドレ・マトス風で、シンセなどの導入の仕方もANGRA的なのだが、
厳密に言うと、メリハリのついた曲の展開はこちらの方がプログレ的であるだろう。
ラストの素晴らしい疾走曲は同郷のWIZARDSを思い出した。ANGRAのキコ・ルーレイロがゲスト参加。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新人離れ度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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EYES OF SHIVA「DEEP」
ブラジルのメロディックメタルバンド、アイズ・オヴ・シヴァの2nd。2006作
1曲めからメタルコア的なヘヴィギターで幕を開ける本作は、ワールドカップイヤーのアルバムということもあってか、
元日本代表監督ジーコへ捧げる曲も収録。母国のスーパースターへの敬意は分かるが“Kamisama”と題されたこの曲を聴くにつけ、
あのワールドカップでの3戦全敗を思い出してどうも虚しくなる。3曲めはようやく彼ららしいメロディアスなスピードナンバーであるが、
民族入りのプログレッシブな感性が素晴らしかった1stに比べると、全体的にはやや物足りない内容。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Eyevory 「Euphobia」
ドイツのシンフォニックメタル、アイヴォリーの2013年作
適度にヘヴィなギターに美しいフルートの音色とシンセが重なり、
キュートな女性ヴォーカルの歌声が重なるサウンドは、
いくぶんフォーキーな部分も含めて、Lyrielあたりに通じる感触もある。
メタル的な激しさよりもキャッチーな雰囲気が前に出ているので、
最後まで優雅な聴き心地で楽しめる。ヴォーカル嬢の歌声の魅力も十分の好作品。
メロディック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Eyevory 「Inphantasia」
ドイツのシンフォニックメタル、アイヴォリーの2016年作
女性Vo&B、女性フルート奏者を含む編成で、2012年にデビューし、3作目となる。適度にハードなギターに
優美なシンセ、透明感のある女性ヴォーカルの歌声を乗せた、優雅なシンフォニック・ハードロックを聴かせる。
やわらかなフルートの音色も加わって、叙情的なギターの旋律とともに、キャッチーな味わいに包まれて、
メタル的なヘヴィさはさほどない。8〜9分という大曲では、軽やかなアンサンブルのインストパートも覗かせつつ
あくまで爽快なメロディアス性に包まれながら、リリカルでファンタジックな世界観を描いてゆく。
ケルティックなテイストも含んだ、女性声のシンフォニック・プログレとしても楽しめる逸品です。
ドラマティック度・7 優雅度・9 女性Vo度・7 総合・8
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EYEVORY 「AURORA」
ドイツのシンフォニックメタル、アイヴォリーの2019年作
2013年にデビューし、3作目となる。女性Vo&B、女性フルート&ピアノ奏者を含む編成で、
ほどよくハードなギターにシンセを加え、優美なフルートの音色に伸びやかな女性ヴォーカルで、
キッャチーで爽快なサウンドを聴かせる。しっとりとしたパートではゴシックメタル的な雰囲気もありつつ、
ダークな部分はなく、むしろメタル感のないしっとりとしたナンバーなどにも優しい魅力がある。
メロディックな聴き心地の良さという点では、女性声のメロハーやハードプログレとしても楽しめる。
ラストは10分を超える大曲で、美麗なシンセと叙情的なギターが重なり、じわじわと盛り上げてゆくのは
シンフォニックロック的でもある。前作よりもメタル感触が控えめなので、今後の方向性にも注目したい。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Eynomia 「Break Free」
アメリカのシンフォニックメタル、エイノミアの2018年作
美しいシンセワークに正統派寄りのギター、ハスキーな女性ヴォーカルを乗せたキャッチーなメタルサウンド。
随所に流麗なギターフレーズも覗かせつつ、どっしりとしたミドルテンポやメロディアスハード的な味わいもあり、
ゆったりとしたバラードナンバーでは、紅一点、フィリス嬢のエモーショナルな歌声が楽しめる。
楽曲は4〜5分前後で、全体的にはオールドな女性声HRにシンセを加えたという感触で、疾走感もさほどない
わりとストレートなノリであるが、ゴシックメタル風の3拍子のナンバーなどはなかなか良い感じ。
こというインパクトのあるナンバーがあればと思うが、キャッチーな女性声メタルとして普通に楽しめる。
シンフォニック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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F
Faceless Night 「Seven Gates」
イタリアのシンフォニックメタル、フェイスレス・ナイトの2017年作
男女Voに女性Gを含む編成で、きらびやかなシンセをギターに重ね、男性ハイトーンヴォーカルに
女性ヴォーカルが絡んで、随所に疾走パートも含んだメロスピ寄りのクサメロ感触も覗かせる。
女性ソプラノのヘタウマ感や唐突なリズムチェンジなども、かつてのB級イタリアンメタル的なのだが、
そのあたりの微笑ましさも含めてが、マイナー系バンドの楽しみ方だろう。このまま成長して、
正しいB級シンフォメタルになっていってもらいたい。全7曲33分というのが、EPなのかフルなのか微妙なところ。
シンフォニック度・7 疾走度・7 B級度・8 総合・7
FACTORY OF DREAMS「Poles」
ポルトガルの鍵盤奏者とスウェーデン人女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2008年作
ゆったりとしたゴシックメタル的でもあるサウンドに、美声の女性ヴォーカルが歌う、しっとりとした耳心地のサウンド。
曲は3〜4分台が中心でわりとあっさりしている。ジェシカ嬢の歌声はやや素人臭いが、声質的にはなかなか好みなのだが、
やはり楽曲にもう少しひねりが欲しいというか、薄暗さも美麗さもやや中途半端。
この煮え切らなさが、むしろ辺境的な魅力と言えなくもないのだが…今後に期待。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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FACTORY OF
DREAMS「A Strange Utopia」
ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2009年作
今作ではシンフォニックな美しさとゴシックメタル風の雰囲気が増し、EDENBRIDGEあたりを思わせる美麗なサウンドになった。
ギターの奏でるフレーズなども含めて、アレンジにまだまだ垢抜けなさはあるものの、それが味に思えるくらいには聴けるようになった。
美しいシンセワークとともにゆるやかに鑑賞できる、ちょっとイモ臭い女性ヴォーカルのシンフォニック・ハード作。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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Factory of Dreams「Melotronical」
ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2011年作
これが3作めで、前作同様、女性ヴォーカルの歌声を中心に、シンフォニックな美麗さと適度にメタリックな質感で聴かせるサウンド。
随所にプログレッシブな構成も取り入れつつ、女性声と男性声の掛け合いも含めてオペラティックなテイストが増してきていて、
これまで以上にメリハリのついた濃密な作風だ。ジェシカ嬢の歌唱力もずいぶんと向上した。
プログレ化したEDENBRIDGEというべきか…美麗にしてドラマティックな力作である。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Factry of Dreams 「Some Kind of Poetic Destruction」
ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2013年作
4作目となる本作は、前作からの流れとなるきらびやかなシンセアレンジにけっこうハードなギター、
浮遊感のある女性ヴォーカルを乗せた、優美なシンフォニックメタルの感触に包まれている。
しかしながら、いかにも打ち込みのリズムも含めて、サウンド面での平坦さが残念で、
メロディや楽曲の展開などにもこれという個性や魅力は乏しい。こうなると、最後まで聴くのがつらく、
もっと重厚にメタルにするのかシンフォニックハード路線で行くのか、方向性をはっきりさせて欲しい。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
FADING STARLIGHT「LOST」
ドイツのメロディックメタルバンド、フェイディング・スターライトの1st。2002作
ひとことで言うと、ヘタウマ女性ヴォーカル入りB級クサメタル。
軽い音で疾走し、クサメロたっぷりの歌メロをまきちらすスタイルで、
一般的なメタルリスナーにはどうしようもないようなチープな音だが、
女性Voが好きで仕方がない人、B級でもOKな方なら掘り出し物として扱われるかもしれない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
FADING STARLIGHT「TIMELESS FATE」
ドイツの女性Voメロディックメタルバンド、フェイディング・スターライトの2nd。2004作
少々ヨレ気味だが可憐な声質の女性ヴォーカルをメインに疾走するサウンド。
1stは未聴だが、間奏部にはプログレメタル的な多少唐突な展開もあったりする。音も演奏もやや一本調子で、
テクニックや完成度云々を言えばきついが時折あらわれるクサメロがたまらないのも事実…(笑)。
EDENBRIDGEをワンランク落とした雰囲気…かな。決して嫌いではない。
女性ヴォーカルメタル好きな方にはそれなりに魅力が分かるバンドかもしれない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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FAIRYLAND「OF WARS IN OSYRHIA」
フランスのシンフォニックメタルバンド、フェアリーランドの1st。2003年作
サウンドはRHAPSODYを基本に、RPGのようなストーリィ仕立てに仕上げたシンフォニックメタル。
美麗なキーボードと大仰なコーラスが楽曲を盛り上げ、歌うのは元DARK MOORのエリサ嬢。
アレンジや全体のクオリティとしてはまだRHAPSODYには追いついてはいないものの、
聴きやすく、ツボをついたメロディと曲展開はこの手のファンには美味しいはず。
今後を期待させるシンフォメタルバンドであることは確かである。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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FAIRYLAND「The Fall Of An Empire」
フランスのシンフォニックメタルバンド、フェアリーランドの2nd。2006年作
前作で歌っていたエリサ・マーティン(DARK MOOR〜DREAMAKER)に代わって、元MAGIC KINGDOMのVoが加入。
今作もファンタジックな物語をコンセプトにした、壮麗かつエピックなサウンドを聴かせる。男性ヴォーカルとなったことで、
楽曲におけるよりメタリックなエッジが引き立って、戦いに赴くようなエピックな勇ましさが音に溢れている。
シンフォニックなシンセの味付けやクワイアなどはやはりRHAPSODY的で、楽曲そのものの個性はともかくとして、
華麗でファンタジックなシンフォニックメタルの世界観が好きならば、充分に楽しめるクオリティの高さである。
シンフォニック度・・8 エピック度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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Fairyland「Score To A New Beginning」
フランスのシンフォニックメタルバンド、フェアリーランドの2009年作
元Dark Moorのエリサ嬢が参加した1stは大きな話題を呼んだが、メンバーをチェンジして作られた前作もかなりの傑作だった。
本作ではさらに新たにメンバーを入れ換えて、中心人物のシンセ奏者フィリップ・ジョルダナを中心とした
プロジェクトバンドのようになっている。今作ではイタリアのProgMetal、PATHOSRAYのメンバーをはじめ、
多くの参加者が集結し、ジャケの雰囲気通りのファンタジックでエピックなシンフォニックメタルが炸裂している。
美麗なシンセワークに重なる勇壮なコーラスなどは、やはりRHAPSODY的であるが、
今回はむしろ疾走するバワフルさよりも、随所にプログレメタル的な要素も感じられ、
知的なドラマティックメタルとしての作風が光っている。濃密できらびやかな力作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Fairyland「Osyrhianta」
フランスのシンフォニックメタル、フェアリーランドの2020年作
2003年にデビュー、11年ぶりとなる4作目。Windroseのフランセスコ・カヴァリエリをシンガーに迎えた本作は、
過去作のファンタジックなコンセプトストーリーを踏襲し、シネマティックな語りによるイントロから始まり、
壮麗なシンフォニックアレンジにパワフルなヴォーカルとクワイアを重ね、スケール感のあるサウンドを構築。
随所にキャッチーなメロディを覗かせつつ、エピックな勇壮さを感じさせるフランセスコの独特の歌声も、
バンドの新たな個性となっている。1作目のシンガーを務めた、元Dark Moorのエリサ・マーティンがゲスト参加、
ハスキーな歌声を乗せたナンバーもアクセントになっている。アルバム後半には優雅なインストナンバーから、
12分という大曲もあって、RHAPSODYばりの壮大な世界観のシンフォニックメタルを展開する。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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Faith And Fire「Accelerator」
RIOTのトニー・ムーアと、マイク・フリンツによるバンド、フェイス・アンド・ファイアの2007年作
2011年にRIOTとしての復活新作を出すことになる、その布石ともいうべき作品で、
古き良きハードロックを基本に、哀愁の叙情を感じさせるメロディラインと、
随所にRIOTを思わせる煽情的なツインギターを含んだサウンドは、衰えを知らぬトニー・ムーアの歌声とともに、
アダルトなハードロックファンには感涙もの。泣きのバラード曲も素晴らしい。RIOTファン、トニー・ムーアファンは必聴の傑作。
メロディアス度・・8 古き良きHR度・・9 RIOT風味度・・8 総合・・8
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FATAL FORCE
SECTIOM Aのギタリストを中心にしたメタルバンド、フェイタル・フォースの2006年作
ヴォーカルはAT VANCEでも活躍するマッツ・レヴィン、ドラムはMIND'S EYEのメンバーという
トリオ編成で、サウンドの方はギター主導のオーセンティックなハードロック/メタルである。
存在感たっぷりのマッツの歌声と、重厚かつときテクニカルなギターワークで、
たとえればかつてのCONCEPTIONのような、知的センスを漂わせたヘヴィメタルである。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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FEINSTEIN「Third Wish」
David"Rock"Feinstein率いるメタルバンド、フェインステインの2003作
まるでB級メタルのようなジャケだが、そんなことはない高品質のメロディックメタル作品だ。
クラシカルなギターワークと、古き良きメタルマインドをともなったサウンドは、
ジョン・ウエストのヴォーカルとともにメジャー級の雰囲気がある。
Dioの従兄弟だというフェインステイン氏のギターには80年代テイストを感じさせる
ハードロック的な感触があり、安易にテクニカルプレイに走らないところもさすがだ。
ときおり、DIOやIRON MAIDENなどを思わせる曲調もあって、オールドメタラーはにんまり。
メロディアス度・・8 古き良きメタル度・・8 ジャケよりも内容です度・・9 総合・・8
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The Fellowship 「The Saberlight Chronicles」
イギリスのメロディックメタル、フェローシップの2022年作
美麗なシンセアレンジにマイルドなヴォーカルで疾走する、DRAGONFORCEやPOWER QUEST、TWILIGHT FORCEにも通じるキャッチーなメロディック・スピードメタル。
コスプレ衣装に身を包んだメンバーたちからも、ファンタジックな世界観を目指していることが伺えるが、メタルとしての攻撃性はあまりなく、あくまで優雅でメロディアスなサウンドだ。
爽快な疾走感と甘いメロディ、そしてシンフォニックなアレンジと、日本人好みのきらびやかなメロスピが楽しめる。初心者にもOKですな。
メロディック度・8 疾走度・8 優雅度・8 総合・8
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FELONY「First Works」
スイスのシンフォニックメタルバンド、フェロニーの2006年作
男女ヴォーカルを含む6人組で、壮麗なイントロからしてなにやら期待が高まる。
ギターとシンセが絡むクラシカルな質感と、シンフォニックな優雅さで疾走、女性ヴォーカルが加わるといくぶんゴシック調の雰囲気あって、なかなかいい。
ときおりクサメロを奏でるギターや、爽やかになるシンセなどがメロスピ風で思わずにんまり。
全体的には重厚さよりは軽めに聴かせるサウンドだがVISIONS OF ATLANTISあたりが好きな方は充分楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Fenix Tales 「The Abyss Eye」
イタリアのシンフォニックメタル、フェニックス・テイルズの2015年作
女性Voにシンセを含む6人編成で、美麗でオーケストラルなアレンジと、オペラティックなソプラノヴォーカルの歌声で、
イタリアらしいクラシカルな優雅さに包まれた、シンフォニックメタルを聴かせる。ギターはヘヴィすぎないので、
激しいメタルが苦手な方にも楽しめるだろう。艶やかなヴォイオリンなどか入って、ケルティックなメロディを奏でたりと
優美なクサメロ寄りの作風もよい感じだ。少し軽めのドラムの音などが、いくぶんB級臭さをかもしだしているのだが、
女性ヴォーカルの美しさは、今後に期待させるだけのポテンシャルを感じさせる。期待の新鋭バンドです。
シンフォニック度・・8 重厚度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Fates Prophecy 「The Cradle of Life」
ブラジルのメタルバンド、フェイツ・プロフェシーの2014年作
1998年にデビューし、4作めとなる。メタリックなツインギターにパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する正統派のメロパワサウンド。
ほどよくB級ぎみのクサメロ感も覗かせつつ、ミドルテンポナンバーでは、シンプルなリフに終始する部分も多く、アレンジ面でのアイデア不足が散見されて、正直ギターは退屈だ。
疾走感も物足りないし、メロディのフックも弱いという、典型的な中庸以下のメタルサウンドで、なにも引っかかるところがないという。一番マシなのはメイデン風のナンバーか。とにかく曲作りから始めよう。
ドラマティック度・6 疾走度・6 楽曲・6 総合・6
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The Ferrymen
メロディックメタルバンド、ザ・フェリーメンの2017年作
LAST TRIBEやPRIMAL FEARなどで活躍するギタリストの、マグナス・カールソンを中心に、
RAINBOWやLORDS OF BLACKのロニー・ロメロ、元RAGEのマイク・テラーナによるトリオバンドで、
重厚なギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、正統派のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
流麗でテクニカルなギターフレーズを随所に盛り込みつつ、ロニー・ロメロの伸びやかな歌声を活かした
比較的ストレートなナンバーを中心に、古き良き様式美メタルの香りを残したサウンドが楽しめる。
安定感のあるドラムに巧みなギター、表現力あるヴォーカルと、すべてが一級品なので、
楽曲に新鮮味がなくとも音の説得力は十分。とくに、ロニー・ロメロのファンなら満足でしょう。
メロディック度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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FINAL CHAPTER「THE WIZARD QUEEN」
ドイツのメロディックメタルバンド、ファイナル・チャプターのデビューミニ。
キーボード入りで、テーマはファンタジー。疾走曲が心地よく、ヴォーカルはハイトーン。
この手に必要な要素は大方入っているし、演奏レベルもまあまあ高いほうだろう。
面白いのは、はじめコーラスをしていた女性Voが、そのうち歌うパートが増え、
ついにバラードではフルコーラスを聴かせる。つまり、男女デュオVoのバンドなのか。
女性の歌は「素晴らしい」というほどではないが、それはそれでアクセントにはなっている。
今後の進歩と、フルアルバムが楽しみな存在。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
FINAL CHAPTER「THE WIZARD QUEEN」
ドイツのメロディックメタルバンド、ファイナル・チャプターの1st。2004作
トビアス・サメットら、多数のVoをゲストに迎えたメタルオペラとなっていてドラマティックでシンフォニックなサウンドが展開してゆく。
全体的に悪くないんだが、曲展開、アレンジがどうも普通すぎる…というか古いのか。意外性とは言わないが、
なにか耳に残る部分がもう少し欲しい気がする。時折現れるトラッド調メロディや、女性Voパートはなかなか良い味を出している。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
FIRECRACKER「BORN OF FIRE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ファイアクラッカーの2010年作
VINDICTIVのメンバーらによるバンドで、サウンドはいくぶんのネオクラシカル色とともに
やわらかみのあるメロディアスハードを合わせた感じの、やはりヴィンディクティブに通じるもの。
ProgMetal的な構築性もあるが、複雑な展開よりもあくまでメロディを重視していて
マイルドなヴォーカルの歌声で聴かせる耳心地のよい音作りだ。適度なテクニカルさもGood♪
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ネオクラ度・・7 総合・・8
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Fireforce 「Deathbringer」
ベルギーのメタルバンド、ファイアーフォースの2014年作
ツインギターのリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、パワフルな正統派メタルサウンド。
適度にメロディックな感触も含みつつ、基本はJudas Priestルーツのどっしりとしたヘヴィメタルで、
エピックというかコンバットな勇壮さも感じさせる世界観は、SABATONなどを好むリスナーにも対応。
最近のバンドらしいテクニカルなギタープレイも随所に覗かせつつ、メロディアスなフレーズが顔を出すと、
どことなく辺境らしいB級臭さもにじみ出てきてにやり。楽曲自体はこれという新鮮味はないのだが、
クオリティはそれなりに高いので、この手の正統派メタルが好きな方は安心してどうぞ。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Fire Strike 「Slaves of Fate」
ブラジルのメタルバンド、ファイアー・ストライクの2017年作
2014年にデビュー、本作はフルアルバムとしての1作目で、いかにもオールドなツインギターに
ハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、Crystal Viperなどにも通じる正統派の女性声メタルを聴かせる。
疾走感のあるナンバーからほどよくキャッチーなミドルテンポまで、80〜90年代ルーツのトラディショナルな味わいに包まれ
紅一点、Aline嬢のパワフル過ぎない歌声も、この激しすぎないメタルサウンドによくマッチしている。
これという新鮮味はないものの、IRON MAIDEN風のラスト曲まで、オールドメタラーは心地よく楽しめる好作だ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5
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FIREWIND「Between Heaven and Hell」
ギリシャ出身のギタリスト、ガス・カラミトロディス率いるファイアーウィンドの1st。2002作
今や数多くの作品でその名を聴くようになったギターヒーロー、ガス.Gであるが、
彼がDREAM EVILとともに掛け持ちしていたバンドのこれがデビュー作である。
メロハーのようなジャケとは裏腹に、やっているのはじつに正統派のメロディックメタルで
パワフルなヴォーカルを乗せて疾走しつつ、ネオクラシカルな香りを乗せたサウンドだ。
ガス.Gのプレイはこの時点でまだ22歳という若さながら、しっかりとリフをこなしつつ
ときにイングヴェイを思わせるテクニカルな旋律を曲の中で巧みに聴かせてくれる。
ただ、どの曲も似たりよったりで、暑苦しい歌声も含めてどうしても後半には飽きてくる…
メロディアス度・・8 ネオクラ度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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FIREWIND「Forged by Fire」
新世代のギターヒーロー、ガス.G率いるファイアーウインドの3rd。2005作
正統派のメロパワサウンドにガス・Gのテクニカルプレイをまぶしたこのバンドのサウンドは
決して目新しいものではないのだが、DREAM EVIL以降のこの手のバンドの中でもクオリティは
トップクラスと言ってもよいだろう。本作からVoが代わり、またシンセ奏者にボブ・カティオニスが加入。
このバンドの最高傑作は4th「Allegiance」であると思うが、本作もそれに次ぐくらいには高品質。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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FIREWIND「Allegiance」
新世代のギターヒーローガス.G率いるネオクラシカルメタル、ファイアーウインドの4th。2006年作
正統派のメロディックメタルと、 テクニカルなギタープレイで、パワフルに聴かせるサウンドは本作でも変わらないが、
ネオクラ風味を抑え気味にしたことで、これまで以上に楽曲の質とプレイの質が見事にかみ合い、
楽曲には力強い勢いが備わった。ヘヴィメタルとしての格好よさでは初期のDREAM EVILにも匹敵する。
女性コーラスなどもアクセントとなっており、最後まで飽きずに楽しめる。メロパワとしてはこれが最高作だろう。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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FIREWIND「THE PREMONITION」
ネオクラシカルメタル、ファイアーウインドの5th。2008作
MAJESTIC、TIME REQUIEM、DREAM EVILと渡り歩いたギタリスト、ガス.G率いるバンド。
やや暑苦しいヴォーカルの歌声と、シンセを含め厚みのある演奏に、
テクニカルなギタープレイを織りまぜながらパワフルに聴かせる正統派のメロパワサウンド。
正直、楽曲には新鮮味はないのだが、安心クオリティのアルバムではある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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5 ELEMENTS( 5 Стихий) 「Phoenix (Феникс)」
ロシアのメロディックメタル、ファイブ・エレメンツの2008年作
正統派のギターにうっすらとしたシンセ、母国語による女性ヴォーカルを乗せたメロディックメタルサウンド。
キャッチーなメロディと透明感のあるアレンジは、ストラト、ソナタ系の北欧メロパワの感触で、
ハスキーな女性ヴォーカルの伸びやかな歌声もなかなか魅力的だ。楽曲はミドルテンポ主体だが、
スローテンポのバラードなども、情感豊かなロシア語の歌声でじっくりと楽しめる。
演奏面での辺境臭さはなく、クオリティも高いので、ロシアンメタル入門用にもよい好作品です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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5 ELEMENTS / V Стихий 「Cradle of Time / Колыбель времен」
ロシアのメロディックメタル、ファイブ・エレメンツの2016年作
2008年にデビューし、3作目となる。クラシカルで壮麗なイントロから、正統派のギターにシンセを重ね、ロシア語による女性ヴォーカルを乗せ、ほどよく疾走感のあるキャッチーなメロディックメタルを聴かせる。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーや、ゆったりとしたシンフォニックなバラードも、今作から加入したOlesya嬢の艶めいたフェミニンな歌声で、エモーショナルな味わい。
全体的には、もう少しメロディのフックによる高揚感やクサメロが欲しいのだが、ラスト曲は無音を挟んでからの、HELLOWEEN「Forever And
One」のカヴァーを収録。
メロディック度・7 疾走度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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Flametal「Master of the Aire」
フラメンコとメタルの融合バンド、フラメタルの2nd。2008作
フラメンコギターとメタルとの融合を完璧になしとげたこのユニークなバンド、
てっきり1枚かぎりのネタものかと思いきや、ここに2作目が届けられた。
本格的にフラメンコギターを学んだというベン・ウッズの流麗な演奏とともに、
自身のダーティなヴォーカルがエレキギターと絡み、前作以上にメタル度を増している。
楽曲的にも単なるネタもの以上に出来がよく、激しさと哀愁のコントラストに加え
異国情緒と不思議なミステリアスな雰囲気もあって、なかなか楽しめる。日本盤ボーナスには「宇宙戦艦ヤマト」のカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 しっかりメタル度・・8 フラメンコ度・・8 総合・・8
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FLESH
カナダのメタルバンド、フレッシュの2014年作
B&Vo、G、Drのトリオ編成で、オールドなギターにヘタウマなハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代ルーツのトラディショナルなヘヴィメタル。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーは、初期のMANOWARあたりに通じる勇壮な感じもあったり、サウンドはシンプルながら、巧みなギターもパワフルなドラムも安定した演奏力があるので、わりと楽しめる。
疾走感のあるスピードメタルナンバーもはさみつつ、10分を超える大曲では、リズムチェンジを含むいくぶん知的な展開力も覗かせる。
WHITE WIZARDなど、IRON MAIDEN寄りのトラディショナルメタルが好きな方もどうぞ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5
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Floating Worlds 「Battleship Oceania」
ギリシャのシンフォニックメタル、フローティング・ワールズの2019年作
2007年にデビューし3作目。女性シンセ奏者を含む5人編成で、本作は戦艦をテーマにしたコンセプト作。
オーケストラルで壮麗なアレンジに、伸びのあるハイトーンヴォーカル、叙情的なギターとともにゆったりと始まり、
ミドルテンポを主体にした勇壮なサウンドを聴かせる。いくぶんダークな雰囲気もありつつ、重すぎずモダン過ぎず、
ほどよくキャッチーな味わいとともに、シリアスなドラマ性を描くところは、KAMELOTあたりに通じるところもある。
メロディのフックや盛り上がりにいまひとつインパクトが弱いのが惜しいが、女性ヴォーカルによる優美なナンバーから、
ゆったりとした11分という大曲へとドラマティックな流れで楽しめる。ボーナスを含めて全75分という力作です。
ドラマティック度・8 重厚度・8 叙情度・7 総合・7.5
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Fogalord「Legend to Believe in」
イタリアのシンフォニックメタル、フォガロードの2012年作
SYNTHPHONIA SUPREMAのシンセ奏者とドラムが在籍する新たなバンドで、
大仰なイントロからして期待させるが、サウンドは力強くないハイトーンヴォーカルと
壮麗なシンフォニックアレンジで、ひと昔前のイタリアンメタルのようなクサさたっぷり。
適度な貧弱さでクサフレーズととも疾走されると、もうたまりません。これだよ…これなんだよ!
初期Thy Majestie的なエピックな世界観とあいまって、その筋を悶絶させ、にやけさせること請け合い。
最近のバンドはクサメタルを卒業して地味にまとまってしまってつまらない、というアナタはぜひ!
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 クサエピック度・・9 総合・・8
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FOGALORD 「Masters of War」
イタリアのシンフォニックメタル、フォガロードの2017年作
SYNTHPHONIA SUPREMAのメンバーを含むバンドの2作目で、エピックなクサメタルが炸裂した前作に続き、
本作もケルティックな雰囲気のイントロから、勇壮なコーラスを含むシンフォニックな美麗さに包まれて、
程よく力弱いヴォーカルを乗せた、クサメロ系のメロディックメタル・サウンドが炸裂してゆく。
ファンタジックな世界観は、BLIND GUARDIANなどを思わせるが、もちろんそこまで重厚ではなく、
微笑ましいマイナーさに包まれているところがこのバンドの魅力だろう。ゆったりとした3拍子の叙情ナンバーや、
疾走するメロスピナンバーまで、日本人好みのクサめのメロディアス性に包まれていて、
ラストの12分の大曲は、ヴァイキングメタルばりの勇壮なドラマ性を描き出す。クサエピックな力作です。
メロディック度・・8 エピック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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FOLLOW THE CIPHER
スウェーデンのメロディックメタル、フォロー・ザ・サイファーの2018年作
SABATONのサウンドエンジニアも務めたギタリスト、ケン・シェングストロム率いるバンドで、
ヘヴィなギターに美麗なシンセアレンジを重ね、ハスキーな女性ヴォーカルに男性声が絡む、
重厚にしてキャッチーなメロディックメタル。きらびやかなシンセを含めた優美なサウンドは、
Nightwishに通じるようなところもあり、男女声を活かしたポップなメロディアス性も魅力的だ。
紅一点、リンダ嬢の歌声はパワフルなシャウトから、エモーショナルに歌い上げるところまで、
その表現力も十分で、フェミニンすぎない中性的な雰囲気も、サウンドによくマッチしている。
モダンなヘヴィネスとキャッチーな爽快感が同居した、パワフルな女性声メタルの力作です。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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FOREIGN 「The Symphony of the Wandering Jew, Pt. II」
フランスのメタルオペラプロジェクト、フォーレインの2020年作
元SAVATAGEのザッカリー・ス ティーヴンス、EVERGREYのトム・イングランド、VANDEN PLASのアンディ・クンツ
STEVE HACKETT BANDのアマンダ・レーマン、SYMPHONY Xのマイケル・レポン ド、PAIN OF SALVATIONのレオ・マーガリットなど、
多数のゲストが参加。磔にされたキリストを侮辱した報いとして、「最後の審判」が訪れる日まで永遠に世界をさすらう運命を背負った
ユダヤ人にまつわる伝承を題材に したロックオペラの続編で、男女ヴォーカルの歌声と叙情的なギターに、ピアノやストリングスを加え
じっくりと優雅でドラマティックなサウンドを描いてゆく。ときにケルティックな雰囲気も織り込みつつ、メタル的な激しさはさほどないので、
AYREONなどのシンフォニックロック的な味わいでも楽しめる。楽曲自体に派手なインパクトはないので、トータルで鑑賞する作品ですね。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 壮大度・・8 総合・・8
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FORGOTTEN TALES「THE PROMISE」
カナダの女性Voシンフォニックメタルバンド、フォーゴトゥン・テールズの1st。2001年作
キーボード入りのメロディアスなアレンジにハスキーな女性ヴォーカルを乗せるスタイルは
フィメールメタル好きにとってはなかなか耳心地がよい。クサメロを含んで疾走するさまは
なかなかマニア好みでもある。楽曲そのものにもう少し叙情や盛り上がりが欲しい気はするが、
デビュー作としてみれば立派な出来。サウンドが若干B級くさいところもかえって魅力的だろうか。
そしてファンタジー童話みたいなジャケもそそられますね。
クサメロ度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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FORGOTTEN TALES「ALL THE SINNERS」
カナダの女性Voシンフォニックメタルバンド、フォーゴットン・テールズの2nd。2004年作
2001年のデビュー作に続く本作では、いくぶんメタリックな質感が増して音が骨太になってきた。
一聴して、GAMMA RAYの曲を女性が歌っているというようなジャーマンメタル風味もありつつ、
中世の魔女狩りをモチーフにした組曲的なコンセプトで、随所にクラシカルなメロディを配したり、
時にシンフォニックに、ときにメロスピ的に疾走したりと、作品としての密度はなかなか濃い。
全体的には垢抜けないB級っぽさが味わいになっていて、微笑ましく楽しめるファンタジックメタルだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Forgotten Tales「We Shall See The Light」
カナダの女性Voシンフォニックメタル、フォーゴトゥン・テールズの2010年作
2004年に2ndを発表して以来、音沙汰がなかったこのバンドの6年ぶりとなる3rd。
紅一点、ソニア嬢のハスキーな歌声と、美麗なアレンジで聴かせる作風はそのままに、
いくぶんB級ぎみのクサメロとともに疾走するスタイルは、ファンにはにんまりであろう。
根本にあるのはけっこう古き良きメタルの質感で、そこにきらびやかなシンセとメロディ、
そして女性声を乗せることで、まろやかな聴き心地にしていることがこのバンドの持ち味だ。
派手すぎない、モダンすぎないシンフォメタルとして中庸をゆくような好作である。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Fortaleza 「El Ojo De La Tormenta」
メキシコのシンフォニックメタル、フォータレザの2010年作
美しいシンセアレンジをギターに重ね、スペイン語によるやわらかな女性ヴォーカルを乗せて、
ほどよい疾走感とともにゴシック寄りの耽美な空気とキャッチーな優美さが同居したサウンド。
紅一点、Helena嬢の艶めいた歌声もフェミニンな魅力たっぷりで、クラシカルなピアノなどの優雅さと、
ときに男性デス声も加わった美醜のコントラストで、マイナーな翳りを帯びた雰囲気も味わいがある。
楽曲自体のメロディのフックや抜けがもう少し欲しい気もするが、ほどよい辺境感が楽しめる方ならどうぞ。
シンフォニック度・・8 耽美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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4TH DIMENSION「White Path to Rebirth」
イタリアのシンフォニックメロスピ、フォース・ディメンションの2011年作
シンセを含む5人組で、きらびやかなアレンジと軟弱系のヴォーカルを乗せて疾走する
B級っぽいシンフォメタル/メロスピサウンド。ギター以上にシンセが目立っていて
パワフルさよりも美麗な質感が前に出た、軽めのキラピコ系メロスピといってよい。
クサキャッチーなメロディもなかなかいい感じであるが、これといった個性もさほどない。
同じくイタリアの軟弱系メロスピ、WONDERLANDあたりが許せる方なら楽しめるかと。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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4th Dimension「Dispelling The Veil Of Illusions」
イタリアのメロディックメタル、フォース・ディメンションの2014年作
シンフォニックなシンセアレンジと、力弱いハイトーンヴォーカルを乗せたライトな疾走感で聴かせる
B級気味の軟弱系メロスピサウンド。ヘナチョコでもOKという方でないとはつらいでしょうが、
随所にいい感じのクサメロも出てきて思わずニヤニヤ。ミドルテンポ曲やバラードなど、
曲調も案外バラエティに富んでいて、濃密すぎない適度なスカスカ感もかえって耳心地がよい。
メロディック度・・8 クサメロ度・・7 ヘナチョコ度・・8 総合・・7.5
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FOURTH CIRCLE 「WORLDS」
フランスのシンフォニックメタル、フォース・サークルの2020年作
2013年にデビューし、本作は3作目となる。ファンタジー映画のようなコンセプト作品で、
オーケストラルなイントロから、メタリックなギターに美麗なシンセなアレンジを重ね、
艶めいた女性ヴォーカルを乗せた、エピックな味わいのシンフォニックメタルを聴かせる。
激しすぎない楽曲とフェミニンな歌声も含めて、ゴシックメタル的な耽美な雰囲気もあり、
優雅なオーケストラアレンジとともに、Nightwishなどに通じる味わいでも楽しめる。
エモーショナルな女性ヴォーカルの魅力も十分で、スケール感のある壮麗なる力作です。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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FREEDOM CALL「STAIRWAY TO FAIRYLAND」
ドイツのメロディックメタルバンド、フリーダム・コールの1st。1999作
MOON'DOCのVo/GとGAMMA RAYのDrが中心となったバンドプロジェクト。
サウンドはGAMMA RAYの疾走感とメロディアスさにRHAPSODY的な大仰さを付加したもの。
ジャケやストーリーもファンタジックなもので、曲中のコーラスワークや展開などにも
やはりこの手の最高峰であるRHAPSODYを意識した部分が見られる。
キャッチーで耳になじむサビメロはGAMMA RAYそのものといってよい曲もあり
独自性という点では難があるが、大げさなシンフォメタルとしてのクオリティは高い。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 個性・・6 総合・・8
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FREEDOM CALL「CRYSTAL EMPIRE」
ドイツのメロディックメタルバンド、フリーダム・コールの2nd。2001作
メンバーが、元MOON'DOGということからは想像もつかないシンフォ系のドラマティックメタルで、
専任Keyがいない4人編成なのだが、音の薄さはまったく感じられない。
壮大なコーラスやドラマティックな雰囲気の曲調はRHAPSODY的ですらある。
展開の意外性という点では新鮮味はないが、メロディはGAMMA RAYにも通じる分かりやすさがあり
壮大かつファンタジックなメタルが好きならまず聴くべきバンドのひとつであろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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FREEDOM CALL「ETERNITY」
ドイツのメロディックメタルバンド、フリーダム・コールの3rd。2002年作
この3rdものっけから大仰なクワイア〜疾走と、シンフォニックメタルの王道をいっている。
とにかく、メンバーが実力者なので、そのサウンドには力強さと説得力があるのがポイント。
サビの分厚いコーラス、シンフォニックに疾走するときの爽快感が素晴らしく、そこいらのB級を聴くなら
まずこちらを聴いてと言いたくなる。ファンタジックな世界観とドラマティックな楽曲の数々は
GAMMA RAY+RHAPSODY+BLIND GUARDIANという印象。今作のクオリティは
バンドとしての決定打ともいうべき出来なので、日本盤がなぜ出ないのかと首をひねりたくなる。
売りかたによってはRHAPSODYくらいの人気が出ても不思議ではないと思うのだが・・・
おそらくまだこのバンドをノーチェックのファンもいると思うので、ここは「ぜひ!」と声を大にお薦めする。
メロディアス度・・8 大仰度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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FREEDOM CALL「LIVE INVATION」
ドイツのメロディックメタルバンド、フリーダム・コールのライブアルバム。2004年作
GAMMA RAYのキャッチーさとRHAPSODYのシンフォニック性を併せ持ったこのバンド。
さすがにメンバーは皆実力者なので、ライブにおいても演奏は安定していて
楽曲における爽快さと、サビにおけるキャッチーな歌メロ、コーラスワークなど、スタジオ版と同等に再現しており、
高品質、高密度なメロディックメタルが堪能できる。GAMMA RAYのファンにはぜひ聴いて欲しいバンドである。
ボーナスのDISC2では、新曲やカヴァー曲(HELLOWEENの"Dr STEIN")などが楽しめる。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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FREEDOM CALL「THE CIRCLE OF LIFE」
ドイツのメロディックメタルバンド、フリーダム・コールの4th。2005作
前作が素晴らしい出来だったので期待をせずにいられなかったが、1曲めがなんだか軽いメロハーみたいな曲でやや拍子抜け。
その後はGAMMA RAYに通じるキャッチーなメロディを配した良質なメロディックメタル曲が続きひと安心だが、
(これでカイ・ハンセン歌えばまんまガンマレイだね、というような曲もあり)、全体的には安定感を増した雰囲気で
メロディのインパクトや疾走感は前作ほどではない。疾走曲Fのサビでのクワイアはお約束ながらもやはり気持ち良いが、
今後のマンネリ化をどう突き破るか、課題のアルバムとなった感もある。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 安定度・・8 総合・・7.5
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FREEDOM CALL「Dimensions」
ドイツのメロパワバンド、フリーダム・コールの5th。2007作
デビュー時から毎回質の高い作品を出して、活動的にも中堅バンドといってよい存在感のある彼ら。
3rdの出来が良すぎたせいか、続く4thはいまひとつ物足りない作品となってしまったので、
今作もあまり期待せずに聴いてみたのだが、これがなかなか会心の出来。
のっけから、メロディックかつキャッチー、そしてファンタジックな雰囲気をまき散らし
クサメロ系のジャーマンメロパワとしては久々のヒット。GAMMA RAY的な陽性のメロディと疾走感が心地よく、
ときにRHAPSODYを思わせる壮麗な世界観とともに、クサいサビのコーラスには思わず合唱したくなる。
この分かりやすさは、いわば児童向けファンタジー小説のようだが、これぞ万人に楽しめるメロパワ作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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FREEDOM CALL「Legend of the Shadowking」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、フリーダム・コールの2010作
6作目となる本作も、RHAPSODYばりの壮麗なクワイアにGAMMA RAY的な
キャッチーなクサメロで聴かせる安心高品質のシンフォメタルサウンドだ。
メロディアスであるという点にこだわる姿勢は、メロスピ、クサメタルの精神だし、
流行りのモダンさに追随せず、あくまでジャーマンメタル的なマイナースタイルを
保持していることには敬服を覚える。いくぶんのダサさにもにんまりできる好作だ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 キャッチーでクサメロ度・・8 総合・・8
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FREEDOM CALL「Live in Hellvetia」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、フリーダム・コールのライブアルバム。2011年作
ライブアルバムとして2004年以来となる。本作は2010年のツアーからスイスでのステージをCD2枚に収録している。
ツインギターのフレーズとシンセによる、シンフォニックかつメロディックな演奏は、
ジャーマンメタル的な疾走感と、エピックメタルとしての雰囲気もたっぷり。
楽曲の中に明快でキャッチーなメロディ…つまりクサメロがあるのもこのバンドの魅力で
GAMMA RAY的な陽性のメタルをファンタジックな世界観でやっているのがとてもいい。
ライブにおける演奏も安定していて、ファンならば当然聴いて損はないだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Freedom Call「Land of the Crimson Dawn」
ドイツのメロパワバンド、フリーダム・コールの2012年作
今作ものっけからGAMMA RAYばりの陽性のキャッチーさで疾走するサウンドに
思わずにんまりだ。古き良きジャーマンメタルのローカルさを残したそのスタイルは
HELLOWEENなどがずいぶんモダン化したいまとなっては、むしろ貴重な存在だろう。
あくまでメロディックな聴き心地であるが、エピックなシンフォニック性も取り入れていて
軽すぎず重すぎずというバランスも見事。メロハーばりにキャッチーな曲も含めて、
カラフルなジャーマンメタルが楽しめる。3rd「Eternity」以来の傑作といってよい出来だ。
メロディアス度・・9 疾走度・・8 クサ&キャッチー度・・9 総合・・8.5
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FREEDOM CALL 「Beyond」
ドイツのメロディックメタル、フリーダム・コールの2014年作
8作目となる本作も、キャッチーなメロディを含んだGAMMA RAYばりのサウンドが詰まっている。
伸びやかなヴォーカルを乗せてフックのあるクサメロと陽性の爽やかさとともに疾走するスタイルは、
多くのメロスピファン、クサメタルファンを喜ばせるに足るクオリティで、この安定感はもはや職人芸といえるだろう。
サビではドラマティックなクワイヤとともに盛り上げる、ファンタジックな雰囲気もよいですね。
疾走しまくりの爽快さにニンマリ。傑作だった前作に続き、またしても充実の出来ですわ!
メロディック度・・9 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8.5
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Freedom Call 「Master of Light」
ドイツのメロディックメタル、フリーダム・コールの2016年作
1999年にデビュー、いまやHELLOWEENやGAMMA RAY以上にクサ☆メロディアスな作品を連発するこのバンド。
9作目となる本作も、勇壮なクワイヤから始まり、キャッチーなメロディで疾走する正統派ジャーマンメロパワが炸裂。
HELLOWEENにも通じる陽性のメロディと、曲によってはヴァイキングメタル的な旋律も覗かせつつ、
シンフォニックなアレンジと厚みのあるコーラスをまとって、エピックな壮麗さに包まれる。
アコースティックギターを使ったゆったりとしたバラードは、BLIND GUARDIAN風だったりして、
個性や新鮮味は薄いものの、華麗な疾走メロスピナンバーの楽しさには、ほとんどのリスナーはニンマリだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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Freedom Call 「M.E.T.A.L.」
ドイツのメロディックメタル、フリーダム・コールの2019年作
1999年にデビュー、10作目となる本作も、のっけから陽性のメロディとともにキャッチーに疾走、
クリス・ベイの伸びやかなヴォーカルにコーラスハーモニー、そしてクサメロのギターでガッツポーツである。
楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、どの曲も明快なメロディのフックと爽快な疾走感で、
激しすぎないヘヴイ過ぎない、ライトなGAMMA RAYというべきサウンドを心地よく楽しめる。
最近の数作と差別化が難しいくらいに安定の作風なので、しだいに飽きてしまうのだが、
ファンにとってはそれでよし。デビュー20年を経てもジャーマンなメタル愛に溢れた強力作です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Frequency「When Dream and Fate Collide」
スウェーデンのメロパワバンド、フリークエンシーの2006作
知る人ぞ知るクサメロ系メロデスバンドLOTHLORIENのメンバーが結成したこのバンド、
さすがに元デスをやっていただけあり、素晴らしく重厚なギターサウンドが炸裂している。
センスのよいメロディックなツインギターに、なかなか力強いハイトーンヴォーカルが乗ると
NOCTURNAL RITESあたりに通じる質感で、これはかなりハイクオリティなサウンドだ。
ギターはときおりクラシカルなフレーズを織りまぜつつも、ザクザクのリフを弾いてもまた格好よい。
メロデス風に疾走する曲もあり、しかもそこいらのメロデスよりもずっと出来が良いときている。
パワフルかつメロディックな傑作。個人的にはノクタよりも気に入った。まさに掘り出し物の一枚!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル&重厚度・・9 総合・・8
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Frequency「Conpassion Denied」
スウェーデンのメロパワバンド、フリークエンシーの2nd。2008年作
前作はツインギターの魅力をたっぷりと聴かせる傑作だったので、今作も期待していたのだが、
ヴォーカルが代わり、ギターサウンドがややヘヴィになっていて、モダンになった印象。
前作のような美しいツインリードはやや控えめになり、全体的に少しダークになったものの、
NOCTURNAL RITESやDREAM EVILと同様、骨太の正統派メロパワという意味では
昨今とても貴重なバンドであるし、クオリティ的にもその2バンドに引けをとっていない。
インパクトのある疾走ナンバーなどがないので、アルバムとしてやや地味に感じられるのが惜しい。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 メロパワ度・・8 総合・・8
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FRETERNIA「Warchants & Fairytales」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、フレテルニアの1st。1999作
なんかメロデスちっくなジャケだが、中身はれっきとした疾走メロパワです。
BLIND GUARDIANとかHAMMERFALLあたりをB級にしたという感じ。
Voにしろバックの演奏にしろ、やや力量不足なのは否めないが、なかなかクサいメロディで疾走する様は、
その手のファンにはたまらない音かも。ただ、方向性は好みなのだが、いかんせん音に説得力がともなっていない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 演奏・・7 総合・・7
FRETERNIA「A NIGHTMARE STORY」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、フレテルニアの2nd。2002作
北欧っぽいシンフォニック性とジャーマンメタルの荒々しさが同居したスタイルで、
ややガナリぎみのVoがそこそこメロディアスな疾走曲に歌を乗せている。
かつて90年代前半のB級バンド勢に比べれば、はるかにまともだし、普通に聴けるくらいの作品だが、
最近はこのクラスのバンドだと、なにかひとつ突き抜けた個性やら魅力がないと印象に残らないのも確か。
全体的に及第点のマイナーメロディックメタルで、エピックな雰囲気は悪くない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
Frozen Cross「Frozen heaven」
中国のシンフォニックメタル、フローズン・クロスの2008年作
シンフォニックなアレンジと中国語のソプラノ女性ヴォーカルの歌声で聴かせるスタイル。
音はやや軽めながら、きらびやかなシンセにクサメロを奏でるギターで疾走する感じがよろしく、
Frozen Crown 「The Fallen King」
イタリアのメロディックメタル、フローズン・クラウンの2018年作
BE THE WOLFのフェデリコ・モンデッリ率いるバンドで、女性シンガーに女性ギターを含む編成。
パワフルなギターリフにうっすらとしたシンセを重ね、男女ヴォーカルの歌声を乗せて疾走する、
正統のメロパワサウンド。古き良きパワーメタル感触と、技巧的なスタイリッシュ性を同居させたスタイルで、
メロスピからメロデス、X-JAPANなどもリスペクトするという、フェデリコの自在なギタープレイが随所に光る。
クロアチアのASHES YOU LEAVEやイタリアのTYSTNADENにも参加した女性シンガー、ジェイドの歌声は、
いくぶんハスキーで伸びやかな優雅さを備えていて、魅力的に楽曲を彩っている。ときにデスヴォイスを加えた
アグレッシブな疾走曲から、美しいバラードナンバーまで、古さと新しさが融合したハイブリッドな高品質メロパワだ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Frozen Crown 「Crowned in Frost」
イタリアのメロディックメタル、フローズン・クラウンの2019年作
前作から1年あまりで早くも2作目が登場。ツインギターのメロディックなフレーズを乗せて疾走する、
正統派メロパワサウンドで、伸びやかな女性シンガーの歌声も、前作以上に楽曲にマッチしている。
フェデリコ・モンデッリが自らの原点とリスペクトする、X-JAPANのような華麗な疾走感に包まれて、
日本人が好む、メロディック・スピードメタルを体現している。一方では古き良きメタル感触も残していて、
若手の黒人女性ギタリストを含む、技巧的なツインギターのリフとフレーズも聴きどころとなっている。
メロデス風のリフなどのアグレッシブな激しさとほどよいクサメロ感、女性声を活かした優美なナンバーが同居した、
メタルとしてバランスのとれた作風は、フェデリコのセンスと引き出しの多さだろう。安定の高品質作品です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Frozen Crown「Winterbane」
イタリアのメロディックメタル、フローズン・クラウンの2021年作
BE THE WOLFのフェデリコ・モンデッリ率いるバンドで、2018年にデビューしすでに3作目となる。
ヘヴィで流麗なギターリフにパワフルかつ妖艶な女性ヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロディックメタル・サウンドは本作も不変。モダンな硬質感と伝統的なメタル感触を
キャッチーなフックで包み込んだ巧みな楽曲アレンジは、さすが多才なフェデリコというところ。
スピーディな疾走ナンバーから、どっしりとした勇壮なミドルテンポまでバランスのとれた構成で
ジェイド嬢のエモーショナルな歌声が、激しいナンバーにおいてもほどよく優美な味わいになっている。
JUDAS PRIEST「Night Crawler」のカヴァーもなかなかハマっている。もはや安定の完成度だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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FROZEN LAND
フィンランドのメロディックメタル、フローズン・ランドの2018年作
シンセを含む5人編成で、正統派のギターにかすれた味わいのヴォーカル乗せて疾走する、王道のメロパワサウンドで、
ネオクラシカル風のシンセとギターの絡みや、サビのキャッチーなメロディは、STRATOVARIUSを思わせる。
随所に伸びやかなハイトーンを聴かせるヴォーカルや、きらびやかなシンセワークなど、デビュー作にしてはレベルも高く、
メロディのフックやシンセの音色なども含め、同郷の偉大な先輩をリスペクトしつつ、優雅なミドルテンポから、
いかにもな疾走ナンバー、北欧らしいフォークメタル風味など、単なるストラトフォロワーという以上のセンスも覗かせる。
それにしても、この爽快な疾走曲には、ストヴァリ系の北欧メロパワが好きな方はニンマりだろう。
メロディック度・8 疾走度・8 ストラト度・8 総合・8
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FROZEN TEARS「METAL HURRICANE」
イタリアの正統派メタルバンド、フローズン・ティアーズの3rd。2004作
ジャケの雰囲気からして、スカイラークみたいなメロスピを想像してしまったが、
実際は最近珍しい…というか案外多いのか…普通の正統派メタルだった。
古き良きメタルリフによるなかなか力強い音で、あまり疾走はしない。
ICED EARTHとか、あのくらいの多少ドラマテイックなメタルという感じで
ヴォーカルがややガナりすぎで耳障りなものの、まあちゃんとメタルっぽいので
あまり面白みはないが、ひどくけなすこともない正統派サウンド。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・6
Fugatta「Mystic Kingdom」
メキシコのシンフォニックメタル、フーガッタの2011年作
シンセを含む5人組で、シンフォニックで壮麗なイントロから期待感が高まるが、
曲が始まるとハイトーンヴォーカルとともにクサメロで疾走。華麗な雰囲気は
AQUARIAの1stなどを思わせるが、演奏にはいくぶんB級気味の粗さがある。
やはりどこかで聴いたようなメロディや展開も多く、途中で飽きてくるのだが、
シンフォニックでクサメロという、この手が好きな方にはまず嬉しいサウンドだろう。
ラウドな録音面も含めて今後のクオリティアップに期待したい。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
Fugatta 「Tales of a New Century」
メキシコのメロディックメタル、フーガッタの2019年作
2011年にデビュー、本作は8年ぶりとなる2作目。美麗なイントロから幕を開け、クサメロのギターに
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、キャッチーなメロスピサウンドを聴かせる。
シンフォニックなシンセアレンジに、ときに女性コーラスも加えた壮麗な聴き心地は、
AQUARIAなどにも通じるだろう。楽曲は3〜4分前後と比較的シンプルながら、
メロディのフックと勢いのある疾走感とともに、きらびやかで濃密な味わい。
ほどよいマイナー臭さを残している点では、DREDIANあたりにも近いかも。
クサ☆メタルってやっぱり良いなと思わせてくれる、メロディ充実の力作です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・9 総合・・8
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Fugatta 「The Darkest Planet」
メキシコのメロディックメタル、フーガッタの2021年作
2011年にデビュー、本作は3作目となる。混声コーラスを含む壮麗なイントロから、メロディックなギターに
きらびやかなシンセを重ね、ハイトーンヴォーカルとともにシンフォニックなメロパワサウンドを聴かせる。
疾走するメロスピナンバーでは、キャッチーなメロディのフックとほどよいクサメロ感も覗かせて、
華麗なシンセワークを含め軽快で優雅な作風は、ガルネリウスなどにも通じる日本人好みの聴き心地。
これだというキラーチューンがもう1曲くらい欲しいが、ラストの疾走クサメロスピナンバーにはニンマリだ。
Derdian、Vision Divineのイヴァン・ジャンニーニがVoで参加したナンバーをボーナス収録。
ドラマティック度・8 疾走度・7 壮麗度・8 総合・8
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Furia Animal 「Azotando El Destino」
スペインのメロディックメタルバンド、フリア・アニマルの2nd。2002作
クサメロ系スパニッシュメタルとして名高いこのバンド、よく分からないジャケのセンスはともかく、
きらきらのシンセ入りで疾走するメロスピサウンドはクサメタマニアは大歓喜だろう。
スペイン語による歌唱とともに、シンフォニックに盛り上がるサビメロや
ギターによるクサ哀愁フレーズはまさに悶絶もの。初期のWARCRYなどが好きな方もぜひ。
イーグルスの名曲“Hotel California”のメロスピ疾走カヴァーも収録。笑
クサメロ度・・9 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Furia Animal「Sentencia Divina」
スペインのメロディックメタルバンド、フリア・アニマルの3rd。2003作
きらきらのクサメロスピだった前作に比べて、ツインギターがいくぶんパワフルになり
美しくシンセが絡む正統派のスパニッシュメタルの感触になっている。
もちろんWARCRYばりのクサメロと疾走感も残していて、スペイン語の歌声による
哀愁たっぷりの情感と、シンフォニックなサウンドが合わさった濃密さで聴かせる。
疾走感は前作よりやや減ったが、その分音の説得力は増している。ちなみに本作からシンセ奏者が女性になってます。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Furia Animal 「Palabras」
スペインのメロディックメタルバンド、フリア・アニマルの4th。2008作
初期はクサメロ疾走のメロスピとしてクサメタルファンから評価が高かったバンドだが、
本作のサウンドは疾走は抑え目に、正統派のメタル/ハードロックサウンドにシフトしている。
それでもスペイン語のヴォーカルのかもしだす叙情美や、シンセよる美しい味付けはさすがで、
クオリティとしてはAvalanchと並ぶバンドだと思う。自分的には全然これでもOKのサウンドです。
メロディアス度・・8 疾走度・・5 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
G
GAIA EPICUS「SATRAP」
ノルウェーのメロディックメタルバンド、ガイア・エピックスの2003年作
Vo/G、Gの二人組で、B、Dr、Keyはゲストという、バンド…というかユニット。
まるでGAMMA RAYみたいなジャケだが、音の方もそれ系のジャーマン入ったメロスピ。
Voもカイ・ハンセンを崇めているのか、力弱いハイトーンで、曲タイトルがまた馬鹿すぎ。
「KEEPERS OF TIME」、「HEAVENS GATE」、「STAR WARS」、「FREEDOM CALLS」
「CYBER FUTURE」、「HEAVY METAL HEART」、「WATCH THE SKY」等々どれもどこかで聞いたような曲名、
単語ばかりである…(苦笑)。メロディはクサメロ満載でいいのだが、やはりアイデンティティの無さというか、
その開き直ったような「B級だもん」「パクリでもいいか」というマイナー精神が、このバンドの場合は、やや許容限度を超えている…。
CRYSTAL EYES、PHOENIX RIZINGに対抗する新たなバンドの誕生だ!
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・9 総合・・7
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GAIA EPICUS「Symphony of Glory」
ノルウェーのクサメタルバンド、ガイア・エピクスの2nd。2005年作
前作が閉口もののB級さ加減で不安であったが、今作は若干ながら曲が良くなっている気がする。
愛すべきクサメロ&疾走というスタイルは相変わらずで、当然ながらVoの弱さも不変であるのだが、
なんというか、今作ではクサメロディへの気合の入れ方がイモ臭さをやや上回りつつある、というか。
スウェーデンのCRYSTAL EYESや、ドイツのクサメタルの大御所、SEVENTH AVENUEには
匹敵するレベルには来たかもしれない。…まったく褒め言葉になっていないが(笑)
当然ながら、一般のメロパワリスナーからはゴミ扱いされるされるレベルなのは確かだが
ヘナチョコLOVE、マイナークサメタルLOVE…という優しい人々ならば、きっと聴き通せるだろう。
GAMMA RAYをさらに能天気にしたような陽性のクサメロが、けっこう気持ちよいのよ(笑)
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ヘナチョコ度・・9 総合・・7
GAIA EPICUS「VICTORY」
ノルウェーのメロスピバンド、ガイア・エピクスの3rd。2007作
ヘナチョコ系北欧ガマレーぎみバンドとして、1st、2ndと着実にクサメロ&疾走で
ごくわずかな成長を遂げているこのバンド。一応少しだけは待望の3rdである。
相変わらずのアマチュア臭さの残る演奏と、煮え切らないがクサいサビメロ、
そして力弱いヴォーカルとバタバタしたドラムで疾走するサウンドにはまったくガッカリだ。
前作より良い部分を探すとなると、わずかにギターリフが最初期のHELLOWEENくらいには
パワフルになったことくらいか。しかし、曲そのものの魅力が増したわけではないので、
やはりB級メロパワマニア以外には勧められない。ジャケだけは少しよくなった気もする。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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GALACTIC EMPIRE
映画「STAR WARS」のトリビュートバンド、ギャラクティック・エンパイアの2017年作
トリプルギター編成の5人組で、コスプレに身を包んで、スター・ウォーズの音楽をメタルアレンジするユニット。
映画冒頭でおなじみのメインテーマから始まり、トリプルギターの重ねによるあのメロディには、
多くの方がニヤりとすることだろう。ツーバスのドラムもドカドカとしっかりとメタルしていて、
インストがメインながらも、聞き覚えのあるフレーズをギターが忠実に再現しているので、
マニアでなくてもけっこう楽しめる。確かな演奏力も含めて、本気のギャグっぷりがサイコーです。
作品のファンはもちろん、色モノ系メタル好きもぜひ。はたして2作目はあるのか?
メロディック度・・8 ちゃんとメタル度・・8 スターウォーズ度・・9 総合・・8
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Galactic Empire「Episode II」
映画「STAR WARS」のトリビュートバンド、ギャラクティック・エンパイアの2018年作
トリプルギター編成の5人組で、コスプレに身を包んで、スター・ウォーズの音楽をメタルアレンジするユニット。
2作目の本作も、パワフルなドラムに3本のギターを重ねた、しっかりとメタル感のあるインストサウンドを聴かせる。
流麗なギターのフレーズで映画のメロディを再現しつつ、テクニカルメタル的な変則リズムやキメもたっぷりで、
演奏面での迫力は1作目以上。ただ、1作目に比べると、ぱっと聴きで分かるような曲は減っているのだが、
戦闘シーンやダースベイダー側のスリリングなナンバーは、重厚なテクニカルメタルとしても普通に楽しめる。
もちろん、スターウォーズファンであれば、どの場面の曲か思い出しながら楽しむこともできるだろう。
ドラマティック度・7 テクニカル度・8 重厚度・8 総合・8
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GALLOGLASS「LEGENDS FROM NOW AND NEVERMORE」
ドイツのメロディックメタルバンド、ガログラスの2003年作
これはかなりイケている。ツインギターでGAMMA RAY風に疾走し、サビでは壮大なクワイア、
マイナーバンドにしてはヴォーカルもなかなかの実力で、演奏力、サウンドクオリティ共に準A級というレベル。
日本盤が出ていてもこれよりヘボいバンドはいくらでもいる。雰囲気と勢いはすでに中堅バンドクラスのものを感じさせ
ヴァイオリンやチェロ、フルートなどのゲスト楽器の導入の仕方も堂に入っている。クサメロ系メロパワの強力作!
メロディアス度・・8 疾走度・・8 完成度・・8 総合・・8
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GALLOGLASS「heaveNseeker」
ドイツのメロパワバンド、ガログラスの2nd。2005年作
1stは輸入盤ながら、演奏、楽曲ともにすでに相当のクオリティであったが、今作も期待に違わぬ完成度だ。
疾走型のメロスピサウンドに、ジャーマン的な力強いリフと実力のあるヴォーカルの歌声、
そしてシンフォニックなキーボードアレンジも盛り込んだ、まさに美味しいとこ取りというサウンド。
物語的なコンセプトもあるようだが、音だけを聴いても充分楽しめるだけのクオリティがある。
押し一辺倒でやや力み過ぎな感じもなきにしもあらずだが、そのへんも含めて力強い疾走+シンフォニックがこのバンドの魅力であり、
あるいはブラガあたりよりもこちらを支持するリスナーもいるだろう。限定盤には2004年ドイツでのライブを収録したDVD付き。
メロディアス度・・8 疾走度・・9 完成度・・8 総合・・8
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Gallows End「Nemesis Divine」
スウェーデンのメタルバンド、ギャロウズ・エンドの2010年作
昨今、古き良きメタルの宝庫となりつつあるスウェーデンからまたしても期待のバンド登場。
ツインギターの正統派のフレーズとメロディックな質感はHAMMERFALLあたりを思わせ、
パワフルでありながらキャッチーな聴き心地なのはDREAM EVILにも通じる感触だ。
悪くはないのだが、メロディの魅力がもうひとつ足りないのと、楽曲がやや一本調子なのが惜しい。
メロディアス度・・8 パワフル度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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GAMMA RAY「Heading for Tomorrow」
カイ・ハンセン率いるガンマ・レイの記念すべき1st。1990作
「守護神伝」の2作を残してHELLOWEENを脱退したカイ・ハンセンが戻ってきたということで、
当時のCDの外箱には、バンド名ではなくでかでかとKAI HANSENの文字が書かれていたものだ。
ドラマティックなイントロから続く“Lust For Life”の格好良さには、リアルタイムで聴いていた
すべてのジャーマンメタルファンがしびれただろう。キャッチーなメロディの“Heaven Can Wait”は
個人的にはGAMMA RAYのミドルテンポ曲でもっとも好きな1曲だし、“Monney”で聴かせる
コミカルな疾走サウンドにはカイの遊び心が溢れている。そして絶品のパラード“The
Silence”の
荘厳なまでの美しさに胸うたれ、ラストの大曲“Heading For Tomorrow”まで、バラエティに富みながらも、
しっかりとカイ・ハンセン印が押された好曲満載。ラルフ・シーパーズの素晴らしいハイトーンとともに、爽やかなジャーマンメタルが楽しめる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 カイ・ハンセン度・・9 総合・・8.5
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GAMMA RAY「Insanity and Genius」
ジャーマンメタルゴッド、ガンマ・レイ