〜PROGRESSIVE ROCK CD REVIEW 2026 by 緑川 とうせい

★2026年に聴いたプログレ(フォーク/トラッド・その他含む)CDレビュー
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3/6
WBC開幕!(64)

Rick Wakeman「Early Session And Live」
イギリスのミュージシャン、リック・ウェイクマンのライブ。2025年作
ご存じ元YESのキーボーディストの1973年のラジオ用ライブ音源と、「The Missing Half」としてリリースされた1974年のライブ音源を収録。
序盤の3曲は「ヘンリー八世の六人の妻」リリース時のラジオセッションで、音質はいくぶん籠り気味であるが、若きウェイクマンの鍵盤プレイ、瑞々しいピアノタッチなどを鑑賞できる。
中盤からは、ロイヤル・フェスティバル・ホールでの「地底探検」コンサートからの音源で、“キャサリン・パー”、“キャサリン・ハワード”など定番の名曲から、アドリブをまじえて観客を沸かせたりと、楽し気なステージが目に浮かぶ。
ラスト2曲は「アーサー王と円卓の騎士たち」からのナンバーを披露。おそらく作品発表前の貴重な演奏だろう。オーケストラをバツクにした壮麗な聴き心地で楽しめる。
ライブ演奏・8 音質・7 キーボー度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Uncle Dog 「Old Hat」
イギリスのブルースロック、アンクル・ドッグの1972年作
これが唯一の作品で、歪みのないギターにピアノ、男女ヴォーカルを乗せた、牧歌的なカントリーロックを聴かせる。
ブギウギ調の1曲目から、ビートルズなどにも通じるキャッチーなポップ感触に、英国フォークをルーツにした優雅な空気も同居する。
キャロル・グリムスのハスキーな歌声をメインにしたジャズタッチのナンバーなどは魅力的で、オルガンやピアノの鍵盤もセンス良く、5曲目“We've Got Time”などは、どこかで聴いたような懐かしさを覚えるブルースの名曲だ。
ポップ度・8 プログレ度・5 英国度・8 総合・7.5
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JULIE TIPPETTS「SUNSET GLOW」
イギリスの女性シンガー、ジュリー・ティペッツの1975年作
ジュリー・ドリスコルとして、Brian Auger & The Trinityにも参加していた女性シンガーで、1970年にキース・ティペットと結婚し、ジュリー・ティペッツに改名し、本作はソロとしての1作目
夫のキース・ティペットの奏でる優美なピアノやハルモニウムに、サックスやトロンボーンのブラス、エモーショナルな女性ヴォーカルを乗せて、クラシカルなジャズロックを聴かせる。
曲によってはフリーキーで即興的なジャズサウンドに、エキセントリックな歌声が交わり、アヴァンギャルドな雰囲気もかもしだしつつ、どこかブルージーな哀愁に包まれている。
ジュリーのアコースティックギターに、キースのピアノが絡むインストなども味があり、ラストの自身のピアノ弾き語りまで、アーティスティックなセンスに包まれた作品です。
優雅度・8 ジャズ度・8 プログレ度・7 総合・8
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Shelagh McDonald 「StarGazer」
英国の女性フォークシンガー、シェラ・マクドナルドの1971年作
1970年にデビューし、2作目。アコースティックギターに彼女の伸びやかなヴォーカルを乗せた1曲目から、英国フォークの王道という聴き心地。
優美なピアノをバックにしっとりとした歌声で聴かせるナンバーや、ベースとドラム、オルガンも加わったフォークロック感触もあって、美しいシェラの歌声とともに、Renaissanceなどが好きな方にも楽しめるだろう。
Fairport Conventionのリチャード・トンプソン、デイヴ・マタックスなどがゲスト参加。2017年紙ジャケ盤には、デモや次作のために作られた未発曲など、9曲をボーナス収録。
優雅度・8 英国フォーク度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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BAYLEY & HUNT「WHISPERS」
イギリスのミュージシャン、クライブ・ベイリーと、Fragile に在籍するマックス・ハントによるユニット、2020年作
きらびやかなシンセワークに叙情的なギター、ダンディなヴォーカルで、大人の哀愁を含んだプログレハードを聴かせる。
ゆったりとしたリズムに、メロウな泣きのギターやオルガンやピアノなどを乗せた、英国らしい優雅な叙情に包まれた味わい。
派手なところはないものの、ウェットな英国の香りが感じられる、メロディックなアートロックとしても楽しめる。
ラストはの大曲は、優美なシンセとジェントルな歌い上げるヴォーカルで、大人のシンフォプログレを構築する。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5


The Aurora Project 「EVOS12」
オランダのプログレバンド、オーロラ・プロジェクトの2025年作
2005年にデビュー、本作は9年ぶりの5作目で、ドローン戦争後の近未来の荒廃した世界を描くコンセプト作となっている。
いくぶんメタリックなギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、重厚なハードシンフォニックロックを聴かせる。
シリアスでドラマティックなサウンドは、Knight Areaなどに通じる感触もあり、ほどよくダークなハードプログレ、あるいはProgMetal的にも楽しめる。
10分前後の大曲もあって、ラスト曲は翳りを帯びた叙情とともに、じわりと盛り上げる。全5曲で38分なので、もう1曲くらい欲しかったか。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 重厚度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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My Arrival 「Lost 3Mbers」
オランダのプログレバンド、マイ・アライヴァルの2024年作
2020年にデビューし、2作目となる。メロウな泣きのギターにうっすらとしたシンセ、ジェントルなヴォーカルで、ヨーロピアンな翳りを帯びたサウンドを聴かせる。
メランコリックな叙情美にはポーランド系のオルタナシンフォのような感触もあり、ゆったりとしたリズムとともに、耳心地よく楽しめる。
プログレ的な展開力はあまりないが、Sylvanなどにも通じる繊細な泣きの美学と、メロディアスなギターの旋律でじわりと盛り上げる。
後半には女性ヴォーカルを加えての優美なナンバーもあり、泣きメロ系シンフォ好きならば楽しめる好作品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 叙情度・8 総合・7.5


New England 「Archives Box Vol 1」
アメリカのプログレハード、ニュー・イングランドのアーカイブボックス。2019年作
1979年にデビュー、1981年までに3作を残した、アメリカン・プログレハードの宝石というべきバンドで、本作は、1974〜83年までの、デモやセッション、ラフミックスなどの貴重音源をCD5枚にわたって収録した、マニア垂涎のお宝音源集。
Disc1は、「1978」のタイトルで出ていたデビュー前のデモ音源で、美麗なシンセとメロウなギター、甘いヴォーカルで聴かせるキャッチーなサウンドは、すでに完成されている。
Disc2も、1978年のデモであるが、よりプライベートな音源で、未発曲には、よりプログレッシブでシンフォニックなナンバーもあって、バンドのファンは楽しめるだろう。
Disc3は、1st「失われし魂」のラフミックス。もはや正規アルバムと遜色ないクオリティで、溢れる泣きの叙情と優美なメロディアス性にウットリとなる。
Disc4は、1980年の2nd「果てしなき冒険/Explorer Suite」のラフミックス。曲順は異なるが、1st以上に優雅な美学に包まれた名作の初期ミックスが楽しめる。後半には前身のTARGET時代の貴重なデモ音源も収録。
Disc5は、幻の4作目用に録音されたデモを収録。音質はさほど良くないが、のちのALCATRAZZへつながる原曲もあったりと、解散前の音源として興味深く聴ける。
メロディアス度・9 プログレハー度・8 優美度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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Michael Quatro 「In Collaboration With The Gods」
アメリカのミュージシャン、マイケル・クアトロの1975年作
スージー・クアトロの兄として知られるアーティストで、Michael Quatro Bandとして1972年にデビュー、本作はソロ名義となって最初の作品。
クラシカルなピアノで幕を開ける19分の大曲は、美麗なシンセにブルージーなギターを重ね、きらびやかなシンフォニックロックを展開。
手数の多い巧みなドラムに、随所にクラシカルなフレーズを含むギターで壮麗なサウンドを描くところは、The Enidを思わせる。
演奏、アレンジともにマイナー臭さのない、一線級のサウンドで、普遍的なロック感触とともにプログレッシブな展開力も垣間見せる。
2曲目以降は、4分前後の小曲で、歌入りのポップなロックナンバーや、スペイシーなシンセとメロウなギターによる優美なインストなども、味わい深く楽しめる。
クラシカル度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8
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MacArthur
アメリカのプログレバンド、マッカーサーの1979年作
ギタリストのベン・マッカーサーを中心にしたバンドで、本作は1979年に自主制作で発表された作品のリマスターで、初のCD化となる。
優美なシンセワークにメロウなギターを重ね、軽やかなアンサンブルで、YESをルーツにしたキャッチーなシンフォプログレを描く。
いくぶんマイナー感のあるヴォーカルなどは、いかにも自主制作然としているが、ピアノやオルガンを含む鍵盤のセンスにギターの奏でるメロディも随所に耳心地よく、70年代のアメリカにおいて本格派のシンフォニックロックをやっていたのは素晴らしい。
アルバム後半のスリリングなインストや、クラシカルなピアノから華麗なキーボードでたたみかけるラスト曲など、聴きどころも多い。バンドは1982年に2作目を出して消える。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優美度・8 総合・8
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SIMON APPLE「FROM THE TOYBOX」
アメリカのプログレバンド、サイモン・アップルの1997年作
Key&Gのジェフ・ミラーを中心にしたバンドで、2004年作「River To The Sea」は、なかなか素晴らしいプログレハード作品であったが、本作がデビューアルバム。
軽やかなリズムにオルガンを含む優美なシンセ、マイルドなヴォーカルを乗せた優雅でキャッチーなサウンドを聴かせる。
ポップなメロディアス性と大人の哀愁が同居した味わいに、随所にしっかりとプログレらしい構築力も覗かせていて、じつに耳心地よい。
楽曲は3〜5分前後で、キャッチーな歌ものとしてライトに楽しめつつ、やわらかなシンセワークとギタープレイもシンフォ好きのツボをつく。
メロディアス度・9 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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VERTICAL ALIGNMENT 「Signposts」
アメリカのプログレバンド、ヴァーティカル・アライメントの2006年作
アコースティックを含むギターにオルガンなどのシンセ、やわらかなヴォーカルにコーラスハーモニーで、優雅でキャッチーなシンフォプログレを描く。
叙情的なギターに美麗なシンセを重ね、緩急あるドラマティックな展開力は、Neal MorseSpock's Beardなどに通じるところもあり、いくぶんマイナーな感触もよろしい。
中盤には16分、10分、12分という大曲が続き、ゲストによる女性ヴォーカルも加わって、メロディアスなヴォーカルメロディと優美なシンセワークで、YESにも通じる爽快なプログレハード風味も覗かせる。
オールドなプログレらしさをしっかりと残しつつ、アメリカらしいキャッチーな抜けの良さで楽しめる。全79分の力作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・8 総合・8
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2/28
女性ヴォーカルにネオフォーク(52)

Solventis「Alcyon」
フランスのネオフォーク/シューゲイザー・ロック、ソルヴェンティスの2024年作
ギター、ベース、ヴォーカル、ピアノをこなす女性ミュージシャン、Solを中心にしたユニットで、オルタナ風味もあるギターにフランス語の女性ヴォーカルで、ネオフォークとシューゲイザー、オルタナロックが融合したサウンドを描く。
優美なピアノやパーカッション、アコースティックを含むギター、美しい女性ヴォーカルによる、優雅にして倦怠の翳りを帯びた世界観は、ゴシック寄りのリスナーにも楽しめる。
楽曲は2〜4分前後と、わりとシンプルであるが、はかなげな女性声を乗せて、ほどよいロック感触を含んだ、オルタナ・ネオフォークが味わえる好作品。
ドラマティック度・7 オルタナフォーク度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Actually 「Predator Romantic」
アメリカのゴス・ポップロック、アクチュアリーの2015年作
PatriarchyやHard Placeで活躍する女性シンガー、アシュリー・アイビー・ヒュージンガによるプロジェクトで、ジャケは、パンクかメタルのような雰囲気だが、優美なシンセによるイントロから、デジタルなリズムにコケティッシュな女性ヴォーカルを乗せた、ゴス風フィメールロックが広がってゆく。
80〜90年代的なユーロビートの感触と、なよやかな女性ヴォーカルが艶めいた聴き心地を描いていて、フェミニンな世界観は、Mylene Farmerなどのファンにも楽しめるだろう。
とにかく、外見に見合わぬアシュリ嬢のキュートな歌声が魅力的で、ほどよいゴス風味もあいまって、ポップながらもプログレリスナーの琴線に触れるという。意外に好作です。
ポップ度・8 プログレ度・2 女性Vo度・8 総合・8
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Autumn's Grey Solace 「Within the Depths of a Darkened Forest」
アメリカのシューゲイザー/アンビエントロック、オータムズ・グレイ・ソラスの2002年作
男女の2人組ユニットで、本作がデビュー作。ゆったりとしたリズムに、メロウなギターの重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルで、翳りを帯びたウェットなサウンドを描く。
シンセを使っていないらしいが、美しコーラスの重ねやランドスケープ的なギターのトーンで、幻想的な浮遊感を表現するスタイルは、すでに確立している。
全35分と控えめなボリュームながら、涼やかな空気感とはかなげな女性声で、しっとりと耳心地よく鑑賞できる。
メロウ度・8 しっとり叙情度・8 女性Vo度・8 総合・8過去作のレビューはこちら
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AUTUMN'S GREY SOLACE 「Shades of Grey」
アメリカのシューゲイザー/アンビエントロック、オータムズ・グレイ・ソラスの2006年作
4作目となる本作は、アコースティックを含むやわらかなギターに美しい女性ヴォーカルで、幻想的な浮遊感に包まれたサウンドを描く出す。
随所にハードなプレイを奏でるギターとともに、はかなげでメランコリックな空気感はゴシック的でもあり、なよやかなエリン・ウェルトン嬢の歌声も魅力的だ。
ほどよくノリのあるドラムが、キャッチーなリズム感触になっていて、コケティッシュなゴシックポップ風にも楽しめる。
メロウ度・8 しっとり叙情度・8 女性Vo度・8 総合・8
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AUTUMN'S GREY SOLACE 「Eifelian」
アメリカのシューゲイザー/アンビエントロック、オータムズ・グレイ・ソラスの2011年作
6作目となる本作も、ゆったりとしたリズムにクリーンなギターのトーンと、たゆたうような女性ヴォーカルで、翳りを帯びた幻想シューゲイズロックを聴かせる。
ときにスキャット的でもある女性声が妖しい幻想性を描き、シンセを使わずともアトモスフェリックな空間性に包まれるのが個性的である。
前作あたりから、さらにエモーショナルな表現力を増したエリン嬢の歌声もキュートで素敵です。
メロウ度・8 しっとり叙情度・8 女性Vo度・8 総合・8
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AUTUMN'S GREY SOLACE 「Divinian」
アメリカのシューゲイザー/アンビエントロック、オータムズ・グレイ・ソラスの2012年作
7作目の本作は、うっすらとしたシンセとメロウなギターのトーンに、エンジェリックな女性ヴォーカルで、やわらかなアンビエント・シューゲイズを展開する。
はかなげな歌声とアコースティックを含む繊細なギターの重なりで、夢見心地の幻想フォークロック風の味わいもある。
全体的にロック感触が薄めなので、ゆったりとまどろむように楽しむのがよいでしょう。
メロウ度・8 しっとり叙情度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Sunset Wings 「Farewell」
ロシアのネオフォーク、サンセット・ウイングスの2012年作
2009年にデビューし、2作目となる。アコースティックギターにもの悲しいチェロ、ヴァイオリンの音色、やわらかなアコーディオンやフルートも重なって、哀愁の叙情を描くネオフォークを聴かせる。
ジェントルな男性ヴォーカルの歌声に美しい女性ヴォーカルが加わると、なよやかな優雅さに包まれてしっとりと楽しめる。
全体的には男性声メインのナンバーが多いので、フィメール系フォーク好きとしてはいくぶんもどかしさも。
アコースティック度・8 優雅度・8 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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Sunset Wings 「Lifetime as a Child at Play」
ロシアのネオフォーク、サンセット・ウイングスの2014年作
4作目の本作は、童話的なジャケからして、物語的なコンセプト作なのだろう。艶やかなヴァイオリンとアコースティックギターのイントロから、やわらかな男女ヴォーカルの歌声とともに、優美で幻想的なネオフォークを聴かせる。
アコースティックギターをバックに美しい女性ヴォーカルを乗せ、フルートにヴァイオリンでしっとりとした聴かせるナンバーなど、2〜3分前後の楽曲も優しく耳心地よい。
クラシカルなヴァイオリンが鳴り響くパートや、女性Voナンバーも増えていて、幻想ネオフォークとしてのトータルな完成度も上がっている。
アコースティック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Sunset Wings 「Waving Whispering Trees」
ロシアのネオフォーク、サンセット・ウイングスの2018年作
5作目となる本作は、ロセッティの絵画を使ったジャケからして良い感じで、アコースティックギターのつまびきに、ジェントルな男性ヴォーカル、美しい女性ヴォーカルを重ね、ヴァイオリンが鳴り響く、翳りを帯びたネオフォークを展開する。
アコースティックをメインに、曲によってはドラムの入るパートもあったり、クラシカルなピアノとヴァイオリンも随所に優雅に奏でられる。
今作では、男女のゲストシンガーが多数参加していて、わりと男性声メインのナンバーも多いのが、個人的にはやや物足りぬか。
アコースティック度・8 優美度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Sunset Wings & Brodsky 「Songs Of Love, Madness And Sleep」
ロシアのネオフォーク、サンセット・ウイングスの2021年作
7作目の本作は、2018年に参加していた、エヴゲニー・ブロドスキーとの共作名義となっている。艶やかなヴァイオリンにトランペットやクラリネット、フルートが優雅に重なり、オペラティックな女性ヴォーカルとともに、室内楽的でもあるサウンドを展開する。
パーカッションのリズムにチェロ、ヴァイオリンを乗せ、スリリングでときにプログレッシブな展開力も覗かせながら、マイルドな男性ヴォーカルも、今作ではよい味わいになっている。
クラシカルなピアノに、随所にトランペットもアクセントになっていて、チェンバー・ネオフォークというべきサウンドが楽しめる。
アコースティック度・8 優雅度・9 スリリング度・8 総合・8
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Dikajee 「Forget・Me・Nots」
ロシアの女性シンガー、Olja Karpovaによるプロジェクト、ディカジェーの2021年作
アコースティックギターに優美なピアノ、やわらかな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、しっとりとしたネオフォークを聴かせる。
壮麗なストリングスやドラムも加わるなど、いくぶんロック感触も含んだアレンジに、曲によってはトラッド的な土着性も覗かせつつ、エモーショナルなOlja嬢の歌声が表現力豊かに楽曲を彩る。
FAUNの女性シンガーなどがゲスト参加。クラシカルなネオフォーク、もしくはアーティスティックな女性ヴォーカルものとしても楽しめる逸品です。
優雅度・8 幻想度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Somnare 「Deferens Capvt et Cavdam Draconis in Luna」
スペインのゴシック・ダーク・アンビエント、ソムナーレの2019年作
2016年作に続く2作目で、オーケストラルなシンセアレンジに打ち込みのリズム、詠唱めいた男性声に艶めいた女性ヴォーカルが重なり、秘教的なゴシック・ネオフォークを聴かせる。
土着的な神秘性に包まれながら、ときにデジタルなアレンジも覗かせるなど、ダークになりすぎないスタイリッシュな感触は、ARCANAあたりに通じる雰囲気もある。
オペラティックなソプラノヴォイスも美しく、幻想的な世界観のヨーロピアンなゴシック・ネオフォークが楽しめる。
神秘的度・8 ゴシック度・8 女性Vo度・7 総合・7.5



Fleur 「Тысяча Светлых Ангелов」
ウクライナのゴシック・ポップ、フルールの2010年作
2000年に自主デビュー、通算8作目となる本作はCD2枚組の大作。クラシカルなピアノと美麗なシンセ、母国語による美しい女性ヴォーカル、優美なフルートやチェロ、ヴァイオリンの音色とともに、ヨーロピアンな翳りを帯びたサウンドを描く。
きらびやかにシンセとともに、ほどよいポップなノリも覗かせつつ、アコースティックギターをバックになよやかな女性ヴォーカルで聴かせるナンバーにもウットリとなる。
表現力を増した2人の女性シンガーそれぞれの魅力と、キャッチーでクラシカル、優雅な楽曲アレンジも絶妙で、まさにポップとネオフォークの狭間をゆくような傑作である。
クラシカル度・8 ゴシックポップ度・8 女性Vo度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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Fleur「Штормовое предупреждение」
ウクライナのゴシック・ポップ、フルールの2014年作
通算10作目で、クラシカルなピアノに艶やかなヴァイオリン、母国語のコケティッシュなヴォーカルを軽やかなドラムに乗せた、優美なネオフォーク・ロックというサウンド。
今作は、よりスタイリッシュなアレンジで、ロックなノリのアンサンブルと優雅なクラシカル性が融合していて、それぞれに魅力ある2人のヴォーカルが美しく重なってゆく。
一方では、しっとりとしたジャズタッチのナンバーなどもあって、楽曲ごとのアレンジの多彩さはキャリアのなせる技だろう。
ピアノやヴァイオリンにエレキギターが重なると重厚な耳心地になり、メランコリックなゴシックロックとしても楽しめる逸品です。
クラシカル度・8 ゴシックポップ度・8 女性Vo度・9 総合・8
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2/20
高市内閣スタートのプログレ(38)

STACKRIDGE「FRIENDLINESS」
英国のプログレポップロック、スタックリッジの2nd。1972年作
1971年にデビュー、ポップでキャッチーながら、時折垣間見せる凝ったアレンジで、「プログレファン向けのビートルズ」という評価もあるバンド。
2作目となる本作も、軽妙なアンサンブルに、ヴァイオリンやピアノなどのクラシカルな要素をさりげなくまぶし、やわらかみのあるヴォーカルメロディは、まさに「英国」らしいフォークルーツの牧歌性に包まれる。
陽気なロックナンバーからストリングス入りのシンフォニックなアレンジまで、すべてがセンス良くまとめられ、随所に隠されたプログレ味に思わずにやりとするという。
2023年のリマスター盤は音質も向上。ボーナスのDisc2には、シングル曲、1972年BBCのライブ音源を収録。
メロディアス度・8 隠れプログレ度・8 英国度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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IQ「The Wake」
イギリスのプログレバンド、アイキューの1985年作
2作目となる本作は、前作でのいかにもGENESIS路線から、ポンプロックの意味する「華麗」さを抽出しつつ、楽曲展開には無駄がなくなったという印象だ。
マーティン・オーフォードによる華麗なシンセワークに、マイク・ホルムズのギターを軽やかなリズムに乗せ、ピーター・ニコルズの味わいのあるヴォーカルで、英国らしいシンフォプログレが味わえる。
80年代的なビート感にはポップな印象もあるが、おそらく多くの人々がポンプロックという言葉で、MARILLIONの3rdや本アルバムを想起するのではないだろうか。
リマスターされているが音の軽さはいかんともしがたい。紙ジャケのSHM-CD盤は、ボーナスに、未発音源、デモ音源2曲、2010年リミックスの合計4曲を追加収録。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 華麗度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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PHIL LANZON 「IF YOU THINK I'M CRAZY」
URIAH HEEPのシンセ奏者、フィル・ランゾンの2017年作
元FROST*のクレイグ・ブランデルがドラムで、IT BITES、ARENAのジョン・ミッチェルがギター&ヴォーカルで、Psycho Motelのアンディ・マーキンがヴォーカルで参加。
オルガンやピアノを含む美麗なシンセにストリングスアレンジを重ね、味わいのあるヴォーカルをのせて、哀愁の叙情に包まれたシンフォニックロックを聴かせる。
キャッチーな歌メロとともに、MAGNUMなどにも通じるウェットなプログレハードの質感もあり、女性コーラスも加わって、TOTOを思わせるゴージャスなポップ性もいいですね。
壮麗なストリングスに、随所にメロウなギターの旋律も耳心地よい。叙情美溢れるラストの大曲まで、英国らしいシンフォニック・ハードとして楽しめる逸品です。
ドラマティック度・8 プログレハー度・8 哀愁の叙情度・8 総合・8
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Phil Lanzon 「48 Seconds」
URIAH HEEPのシンセ奏者、フィル・ランゾンの2019年作
2017年に続く、ソロ2作目で、艶やかなストリングスにヴィンテージなシンセを重ねたシンフォニックなサウンドに、ジェントルなヴォーカルを加えて、アダルトなプログレハードを聴かせる。
ストリングスにブラスアレンジも加わってのゴージャスな聴き心地に、ゲストによる女性ヴォーカルがハスキーな歌声を乗せるナンバーなども味わいがある。
歌もの的なナンバーは、80年代ルーツのキャッチーなメロディックロックの雰囲気があり、随所にプログレ的な軽やかなリズム展開も覗かせる。
オルガンなどの鍵盤プレイはもちろん、楽曲としてもフックのあるメロディでストレートに楽しめる。ラストの9分の大曲は、壮麗なストリングスも重なり、KANSASのようにドラマティック。
ドラマティック度・8 プログレハー度・8 大人の叙情度・8 総合・8
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Neuschwanstein「Alice in Wonderland」
ドイツのプログレバンド、ノイシュヴァンシュタインの2022年作
1979年に唯一のアルバム「Battlement」を発表して消えたバンド、本作は2008年にCD化されていた、1976年の未発音源の新装版。
「不思議の国のアリス」をコンセプトに、新たにソーニャ・クリスティーナのナレーションから、優美なピアノにフルートの音色が重なり、やわらかなシンフォニックロックを展開。
オルガンや吹きならされるフルートが、オールドなプログレ感触をかもしだし、軽やかなリズムで展開するところは、ANYONE'S DAUGHTERに通じる雰囲気もある。
12分の大曲も泣きのギターと美麗なシンセでじわりと盛り上げる。音質はそこそこながら、ロマン溢れるシンフォプログレが楽しめる逸品です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Nautilus 「Mystery of Waterfalls」
ドイツのプログレバンド、ノーチラスの2020年作
1998年にデビュー、ジュール・ヴェルヌの小説をコンセプトにした作品を作るバンドで、本作は「海底二万里」をテーマに、SEを含むイントロ曲から、海中を想起させるような雄大なシンセサウンドに引き込まれる。
アコースティックギターに優美なシンセを重ね、マイルドなヴォーカルでゆったりと聴かせつつ、メロウな泣きのギターとともにシンフォニックな叙情美に包まれる。
シーケンサーによるデジタルな感触は、Klaus Shulze的でもあり、同郷の偉大なアーティストにも影響を受けているのだろう。
のちのアルバムに比べると、わりとユルめの牧歌性に包まれていて、盛り上がる展開はさほどないが、のんびりと聴ける好作品。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 叙情度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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ELEMENTAL「RAIN FOR A DAY」
ドイツのシンフォニックロック、エレメンタルの2004年作
Sylvanのドラム(シンセ)と女性シンガーのユニットで、優美なシンセアレンジにコケティッシュな女性ヴォーカルを乗せて、しっとりとしたサウンドを描く。
プログレ感触はさほどなく、美しい女性声をメインにした、翳りを帯びた叙情と静謐感に包まれた、Sylvanを女性Voにしたような聴き心地。
RPWLのヨギ・ラングなどがゲスト参加していて、パーカッションやピアノ、ストリングスアレンジも加わって、ときにほのかな民族色も覗かせる。
優美なシンセをバックにしたアンビエントな女性ヴォーカルロックとしても楽しめ、プログレ寄りのアレンジや優雅な浮遊感も心地よい。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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Dial「SYNCHRONIZED」
オランダのプログレバンド、ダイアルの2007年作
PAIN OF SALVATIONのクリストファー・ギルデンロウに、元ELEGYのドラム、女性B&Voというトリオ編成で、本作が唯一のアルバム。
適度にハードなギターにコケティッシュな女性ヴォーカルで、アンニュイな倦怠に包まれた、オルタナプログレを聴かせる。
伸びやかな女性ヴォーカルと翳りを帯びた浮遊感は、The Gatheringあたりに通じる雰囲気もありつつ、随所にマイルドなクリストファーの歌声も耳心地よい。
ジャズタッチの優雅な女性Voナンバーから、アコースティックギターに男女ヴォーカルを乗せたフォークロック風の素朴な味わいも覗かせ、オルガンに叙情的なギターのオールドな感触のラストナンバーも悪くない。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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IL PORTO DI VENERE 「E Pensa Che Mi Meraviglio Ancora」
イタリアのプログレバンド、イル・ポルト・ディ・ヴェネレの2021年作
MoongardenSubmarine Silenceのクリスティアーノ・ロベルシと、元La Maschera Di Ceraでソロでも活躍する、マウリツィオ・ディ・トロらによるバンド。
軽やかなリズムにオルガンやメロトロンなどのシンセとギターを乗せ、イタリア語によるヴォーカルで、ヴィンテージなイタリアンプログレを聴かせる。
ヴァイオリンも鳴り響く優雅な感触に、アコースティックパートも含めた緩急ある展開で10分を超える大曲を描くのは、さすがキャリアのあるメンバーである。
チェロやサックスなども重なるゆったりとしたチェンバーロック的なナンバーや、一方では歌もの的なキャッチーなパートも大曲の中に溶け込ませて、アレンジセンスも見事。
優美なクラシカル性と、イタリアンロックの美学が自然体で融合した傑作です。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8
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GOAD「In the House of the Dark Shining Dreams」
イタリアのプログレバンド、ゴードの2006年作
80年代から活動するバンドで、2004年に10年ぶりに復活、その後はコンスタントに作品を発表している。
ブルージーなギターにオルガンを重ね、かすれたヴォーカルを乗せて、Black Widowなどを思わせる怪しくヴィンテージなサウンドを描く。
サイケロック的なリフレインや、ややこもり気味の音質も含めて、アナログ感たっぷりで、70年代の作品と言われても違和感はない。
ときにヴァイオリンやフルートも加わるが、プログレ的な展開よりは、サイケなドゥームロックというような雰囲気に包まれている。
King Crimson“21世紀の精神異常者”のカヴァーも、どんよりと怪しげである。全77分という力作だが、長尺過ぎるか。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 ヴィンテージ度・8 総合・7
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GOAD「Landor」
イタリアのプログレバンド、ゴードの2018年作
アコースティックギターとシンセによる優美なイントロから、かすれたヴォーカルも加わって、幻想的なシンフォプログレを展開。
うっすらとしたシンセは涼やかに響き渡り、緊迫感あるヴァイオリンとともに、ときにホラーサントラ風の怪しさに包まれる。
叙情的なギターに情感的なヴォーカルで、シアトリカルに盛り上げる濃密な味わいで、11分の大曲もじっくり楽しめる。
ボーナスDiscには、1995年のライブ音源を収録。1994年作「Tribute To Edgar Allan Poe」の楽曲を演奏。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 スリリング度・8 総合・7.5
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GOAD 「La Belle Dame」
イタリアのプログレバンド、ゴードの2021年作
1984年にデビュー、2004年に復活してからは、旺盛にアルバムを発表、本作は復活後の7作目で、中心人物であるマウリリオ・ロッシのソロに近い編成。
オールドなオルガンが鳴り響くイントロからヴィンテージな味わいで、かすれた味わいのヴォーカルを乗せ、ニューウェイブ風のポップ感も含んだ作風である。
ドラムとベースのシンプルなアンサンブルに、ピアノやシンセを乗せた、肩の力の抜けたヘンテコな歌ものという感じで、中盤以降は組曲形式の流れであるが、デヴィッド・ボウイを薄くしたような雰囲気で、プログレとしてはあまり聴きどころはない。
ピーター・ハミル風の歌声は、わりとよい味があるので、歌ものガレージサイケ的に、まどろみながら聞き流すのがよいのかも。
ドラマティック度・6 プログレ度・5 ヴィンテージ度・7 総合・7
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ETERNAL WANDERERS 「SO FAR AND SO NEAR」
ロシアのプログレバンド、エターナル・ワンダーズの2011年作
2008年にデビューし、2作目。女性Vo&Key、女性Gを要する編成で、優美なシンセにストリングスを含むオーケストラルなアレンジを重ね、なよやかな女性ヴォーカルとともに、翳りを帯びたシンフォプログレを描く。
クラシカルな優雅さにほどよくテクニカル展開力もまじえつつ、メロウなギターの旋律でゆったりと聴かせるパートから、ときにフルートが妖しく鳴り響いたり、7〜10分前後の大曲をメインに、なかなかメリハリあるサウンドが楽しめる。
軽妙なアンサンブルのスリリングな味わいは、シンフォとチェンバーの要素が混じったような感触で、結果としてプログレッシブな優雅さが際立っている。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 優雅度・8 総合・7.5
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SBB 「Wolanie O Brzek Szkla」
ポーランドのプログレバンド、エスビービーの1978年作
1974年にデビューし、6作目。19分超の2曲の大曲を収録したアルバムで、軽妙なアンサンブルに母国語のヴォーカルを乗せて、MAGMAのような怪しいジャズロックにサイケな浮遊感が合わさったサウンドを描く。
スペイシーなシンセークと、随所に叙情的なギターの旋律で、テクニカルな東欧シンフォとしても楽しめ、トリオ編成によるスリリングな即興性に、ときに民族的なブズーキが鳴り響くなど、アレンジ面での引き出しも増えている。
リマスター盤CDにはも1976〜78年の未発音源などをボーナス収録。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 スリリング度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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選挙戦始まりのプログレ(24)

Gavin Harrison 「Cheating The Polygraph
イギリスのミューシジャン、ギャヴィン・ハリソンの2015年作
King Crimson、Porcupine Treeなどで活躍するドラマーで、純粋なソロ作品としては、1997年以来となる。
トランペット、トロンボーンなどブラスセクションを含むスタイルで、鳴り響くブラスをバックに軽やかなドラムを重ねたジャズ調のインストサウンドを聴かせる。
優美なフルートにサックスが鳴り響き、ジャズオーケストラ的なアダルトな聴き心地と、巧みなドラムプレイが合わさった、ほどよくスリリングな味わいだ。
ギターはいないので、ロック感触はあまりないのだが、テクニカルであっても、ブラスサウンドに融合させるドラムプレイには、ギャヴィンのミュージシャンシップが感じられる。
テクニカル度・8 ブラスオケ度・8 ジャズ度・8 総合・8
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Subsignal 「A Poetry Of Rain」
ドイツのハードプログレ、サブシグナルの2023年作
Sieges EvenのG、Voを中心に、2009年にデビュー、本作は5年ぶりとなる6作目で、前作からDANTEのシンセ奏者も参加している。
アコースティックギターによるイントロから、テクニカルなリズムに巧みなギタープレイを乗せ、味わいのあるヴォーカルとともに、優雅で軽妙なサウンドを展開。
ほどよいハードさを含んだギターは随所に流麗なフレーズも奏で、ProgMetal的な知的な構築力とキャッチーなメロディアス性が同居した聴き心地。
一方で、ゆったりとしたギターにシンセを重ね、大人の叙情を描くナンバーも多く、全体的にはシンフォプログレのリスナーにも対応した好作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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NAUTILUS 「A FLOATING CITY」
ドイツのプログレバンド、ノーチラスの2022年作
1998年にデビュー、ジュール・ヴェルヌの小説をコンセプトにした作品を作り続けるバンドで、8作目となる本作は「洋上都市」をテーマにした作品。
うっすらとしたシンセにエレクトロなシーケンサーを重ね、アコースティックを含む叙情的ギターにジェントルなヴォーカルも加えて、優美なシンフォニックロックを展開する。
繊細なギターのトーンは、CAMELにも通じる味わいで、一方では、幻想的なシンセとシーケンサーによるゆったりとしたサウンドは、Klaus Schulzeなどを思わせる。
シンフォニックな叙情美と、エレクトロなシンセサウンドが同居したゆるやかな耳心地の好作品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 叙情度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Jane Getter Premonition 「Division World」
アメリカの女性ギタリスト、ジェーン・ゲッター率いるバンドの2024年作
2015年にデビューし、3作目となる。TESTAMENTのアレックス・スコルニックがギター、アダム・ホルツマンがキーボード、In Continuumのシンガーも参加。
軽妙なアンサンブルに、ほどよくハードで巧みなギターと、アンニュイな女性ヴォーカルで、涼やかな浮遊感に包まれたオルタナ風プログレを聴かせる。
テクニカルなインストパートも含んだ適度な硬質感と、ゆったりとした叙情性が混じりあった作風で、結果としてモダンなポストプログレとしても楽しめる。
楽曲は4〜5分前後で、ドラマティックな展開や盛り上がりが薄いので、シンフォ好きからするとやや物足りなさも。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 アンニュイ度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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THE MADRIGAL PROJECT 「11TH HOUR」
アメリカのプログレバンド、マドリガル・プロジェクトの2024年作
1989〜1996年に2作を出したバンド、Madrigalのメンバーによるプロジェクトで、アダム・ホルツマン、ビリー・シャーウッド、オリヴァーウェイクマン、ジェーン・ゲッターらがゲスト参加。
軽やかなリズムに優美なシンセワーク、中音域のヴォーカルを乗せて、変拍子含むほどよい屈折感と、YESにも通じるキャッチーな優雅さが同居したサウンドを描く。
アダム・ホルツマン、オリヴァー・ウェイクマンによるシンセークがきらびやかに楽曲を彩りながら、シンフォニックなテイストと、ECHOLYNあたりに通じるとぼけたような軽妙なセンスが合わさった感触で楽しめる。
10分を超える大曲も3曲あり、サックスが鳴り響く、ジャズロック寄りの軽妙なアンサンブルも覗かせる。全74分のテクニカル・シンフォプログレの力作。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8
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PROUD PEASANT 「COMMUNION」
アメリカのアヴァンプログレ、プラウド・ピーサントの2023年作
2014年にデビューし、3作目となる。わりとハードなギターに、やわらかなシンセにピアノ、ヴィブラフォンも加わった優雅なアンサンブルに、マイルドなヴォーカル乗せて、緩急ある展開でヴィンテージなプログロックを聴かせる。
フルートやサックスなども鳴り響き、牧歌的な土着性と、バスーンやブラスなどチェンバーロック的な味わいも交差したり、ハードなギターがスラッジ的な味わいもかもしだすという、なかなかカオスに楽しめる。
後半は19分におよぶ組曲で、ゲストによる女性ヴォーカルも加わり、随所に疾走感も含んだ起伏のある流れで、適度にハードながらも優雅なサウンドを描いてゆく。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 アヴァンギャル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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KAOS MOON 「THE GOLDFISH」
カナダのプログレバンド、カオス・ムーンの2024年作
1994年にデビュー、2004年に10年ぶりに復活、本作はさらに20年ぶりとなる3作目。中心メンバーで、元Visible WindのBernard Oueletteが、ドラム、ヴォーカル、シンセを担当、軽やかなリズムにオルガンを含むシンセとギターを乗せ、マイルドなヴォーカルとともに優雅でヴィンテージなプログレを聴かせる。
軽妙でテクニカルな展開力に、アコースティックを含む叙情性とともにキャッチーなプログレらしさを描くあたりは、ECHOLYNなどにも通じるだろう。
ときにアコースティックギターや、ゲストによるブズーキ、シタール、ニッケルハルパなどの音色なども加え、単なるテクニカルシンフォという以上の懐の深さを覗かせつつ、ラストは11分に及ぶ大曲で、オールドなロック感触を哀愁の叙情に溶け込ませ、スリリングに構築する。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 優雅度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら

HUIS 「IN THE FACE OF THE UNKNOWN」
カナダのプログレバンド、ヒュイスの2024年作
ケベック出身のバンドで、2014年にデビュー、本作は4作目となる。のっけから11分の大曲で、優美なピアノとシンセのイントロから、適度にハードなギターにプログレらしいシンセワーク、マイルドなヴォーカルで、涼やかなシンフォプログレを描く。
泣きのギターの旋律とエモーショナルな歌声で、PALLASあたりに通じるドラマティックな盛り上がりも現れて、ハードシンフォ系のリスナーにも楽しめる。
2曲目以降も7〜9分前後の大曲が続き、わりとアグレッシブなドラムにきらびやかなシンセとギターが重なり、重厚なシンフォプログレを展開する。全70分の力作だ。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 叙情度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Mystery 「Redemption」
カナダのプログレバンド、ミステリーの2023年作
1992年にデビュー、YESに参加したブノワ・デイヴィッドも在籍していたバンドで、本作はスタジオアルバムとしては5年ぶりの8作目となる。
テクニカルなリズムに、美麗なシンセアレンジと叙情的なツインギター、伸びやかなヴォーカルを乗せて、優美で重厚なシンフォニックロックを展開する。
手数の多いドラムと存在感あるベースを土台に、哀愁の泣きを奏でるギターと透明感のあるシンセワークが、じわじわと楽曲を盛り上げる。
ほどよい硬質感にはProgMetal的な感触もありつつ、キャッチーな優雅さと甘美なメロディが包み込む、スタイリッシュなハードシンフォが楽しめる。
ラストは19分という大曲で、やわらかなフルートにメロウなギターも耳心地よく、プログレハード的な爽快とドラマティックな展開力で、見事なシンフォプログレが構築される。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 叙情度・9 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
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Herd of Instinct「Conjure」
アメリカのプログレバンド、ヘルド・オブ・インスティンクトの2013年作
2011年にデビューし、2作目。デジタルなシンセを含むアレンジと、いくぶん硬質なギターサウンドで、オルタナ風のモダンプログレを聴かせる。
優美なピアノに叙情的なギター、Porcupine Tree的でもある翳りを帯びた空気感をまとわせ、一方では、KING CRIMSONを思わせる知的なセンスとテクニカルなアンサンブルで、先の読めないスリリングなインストサウンドを描く。
パーカッションの上にフルートやトランペットが鳴り響く、アンビエントな異色ナンバーもありつつ、楽曲は4〜5分前後と長すぎず、とらえどころがなくとも難解になりすぎない。
プログレらしいシンセを乗せた軽やかなナンバーもよろしく、クールでスタイリッシュなモダンプログレが味わえる好作品です。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 モダンセンス度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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ANGELFIRE - STEVE MORSE & SARAH SPENCER
DEEP PURPLEのギタリスト、スティーヴ・モーズと女性シンガー、サラ・スペンサーによるユニット、エンジェルファイアーの2010年作
アコースティックギターのつまびきにうっすらとシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルで、ネオフォーク風の牧歌的なサウンドを聴かせる。
随所にエレキギターも用いたり、ドラムも加わったロック寄りのアレンジも覗かせつつ、基本はしっとりとなよやかな歌ものという耳心地。
楽曲は3〜4分前後で、これという新鮮味はないのだが、Blackmore's Nightあたりが好きな方にも楽しめる優美な好作である。
アコースティック度・7 ロック度・3 女性Vo度・8 総合・7.5
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RICK MILLER 「FALLING THROUGH RAINBOWS」
カナダのミュージシャン、リック・ミラーの2009年作
1983年にデビュー、当初はニューエイジ系の作風であったが、2000年以降はプログレッシブロックに傾倒し、シンフォニックな作品を作り続けている。
うっすらとしたシンセにメロウなギターの旋律、マイルドな味わいのヴォーカルで、ゆったりとした幻想的なシンフォニックロックを聴かせる。
翳りを帯びた叙情性は、PINK FLOYDあたりにも通じるが、優美なフルートの音色も加わって、CAMELなどを思わせる繊細な耳心地も覗かせる。
楽曲は4〜5分前後が中心で、派手な盛り上がりはなく、わりと淡々とした作風だが、ほどよいオールドなロック感触も覗かせるサウンドは安心して楽しめる。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 叙情度・8 総合・7.5
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プログレの新年スタート!(12)

ALPHATAURUS 「2084: VIAGGIO NEL NULLA」
イタリアのプログレバンド、アルファタウラスの2024年作
1973年に1作を残して消えたバンドが、2012年に40年ぶりに復活、本作はさらに12年ぶりとなる作品で、新たにThe TripのB、Evil WingsのG&Voが加入している。
オルガンやピアノなど、ヴィンテージなシンセに朗々としたイタリア語のヴォーカルで、70年代スタイルの古き良きイタリアンロックを聴かせる。
前作に比べるとハードさは控えめで、ゆったりとした大人の叙情に包まれていており、10分を超える大曲は、牧歌的なアコースティックパートをまじえ、伸びやかなヴォーカルも含めた巧みな演奏で、展開力のあるサウンドが楽しめる。
ボリューム的にはもう1曲くらい大曲が欲しかったか。本作レコーディング後、オリジナルメンバーのギターが死去。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 イタリア度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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TRITOP 「RISE OF KASSANDRA」
イタリアのプログレバンド、トリトップの2023年作
のっけから13分という大曲で、ほどよくハードなギターにオルガンを含むシンセを重ね、軽やかなアンサンブルとともに、叙情的なシンフォプログレを聴かせる。
英語歌詞のヴォーカルが歌い上げるドラマティックな世界観と、テクニカルなリズムを含む緩急ある展開力も見事で、優雅でありながら濃密な味わいだ。
巧みなドラムとベースをはじめ、しっかりした演奏力の高さは、NEAL MORSEなどにも通じるだろうし、ProgMetalのリスナーでも楽しめるだろう。
アルバム後半は、23分という組曲で、きらびやかなシンセワークをまじえつつ、テクニカルでハードな部分とゆるやかな叙情が混在した起伏のある展開で構築される。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 叙情度・8 総合・8
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ZoneM 「Sono Dentro Di Me」
イタリアのプログレバンド、ゾネムの2022年作
オルガンなどのヴィンテージなシンセをギターに重ね、ほどよいハードなアンサンブルに、朗々としたイタリア語のヴォーカルを乗せて、翳りを帯びたプログレを展開。
随所にミステリアスなシンセパートや、アヴァンギャルドな雰囲気も覗かせて、魔女めいた女性ヴォーカルも加わると、さらに耽美な妖しさにも包まれる。
クラシカルなピアノにエモーショナルなヴォーカルで聴かせるところなどは、BANCOを思わせつつ、イタリアらしいシアトリカルな空気と優雅さが混在する。
レーベルが「Black Widow」でないのが意外という気もするが、ほどよくダークで異色のプログレが好きな方にはお薦めです。
ドラマティック度・8 プログレ度・8 イタリア度・8 総合・7.5
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DEAD HEROES CLUB「HERO」
アイルランドのプログレバンド、デッド・ヒーローズ・クラブの2024年作
2004年にデビュー、11年ぶり4作目。逝去したシンガーに捧げるアルバムで、オールドな味わいのギターにやわらかなシンセ、ジェントルなヴォーカルで聴かせる、70年代ブリティッシュロック風のサウンドを聴かせる。
オルガンを使ったヴィンテージな感触と牧歌的な叙情に包まれて、プログレというよりはオールドなアートロックで、派手さはないがゆったりと楽しめる。
楽曲は6〜8分と長めのものも多く、全69分というボリュームでフロントマンを追悼する作品となっている。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 オールドロック度・8 総合・7 過去作のレビューはこちら


GURANFOE 「Sum Of Erda」
イギリスのサイケロック、グランフォーの2019年作
アコースティックを含む叙情的なギターにオルガンやピアノ、フルート、リコーダーなども加わった、牧歌的なサイケプログレを聴かせる。
軽やかなリズム展開はプログレらしく、ときにカンタベリー風の優雅さにも包まれつつ、メロウなギターの旋律にゆったりと浸れる。
クラリネットやヴァイオリン、ヴィブラフォンなども加えた、チェンバーロック的なアレンジも覗かせ、サイケというにはスリリングな感触もある。
7〜9分前後の楽曲は、ほどよくユルくもアンサンブル志向で、オールインストであるがとても楽しめる。全5曲、36分というのも潔い。
ドラマティック度・7 プログレ度・8 優雅度・8 総合・8
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Zoltan 「First Stage Zoltan」
イギリスのプログレバンド、ゾルタンの2012年作
Guapoのマット・トンプソン、弟で元Tytanのアンディ・トンプソンを中心に結成、ドラムは元Angel Witchで、本作が1作目となる。
基本はギターレスの編成で、軽やかなリズムに巧みなベースと、きらびやかなシンセワークで、スケール感のあるインストサウンドを展開。
いくぶんはEL&Pをルーツにした部分もありつつ、楽曲的にはアンサンブル志向で、静謐感のあるミステリアスな空気感も含んだ聴き心地。
ラストは14分の大曲で、変拍子リズムに優美なシンセを乗せた、GERARD的な感触から、スペイシーなシンセアレンジのサイケロックへと変化。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 ミステリアス度・8 総合・7.5
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Zoltan 「Sixty Minute Zoom」
イギリスのプログレバンド、ゾルタンの2014年作
2作目の本作はジャケからしてアヴァンギャルド。アナログ感あるドラムに浮遊感あるシンセを乗せた、ミステリアスなインストサウンドを聴かせる。
シンセを重ねて幻想的な世界観を描く、Tangerine Dreamあたりに通じるナンバーもあって、ロック感触よりは雰囲気モノの色合いが強まった。
ラストは20分を超える大曲で、スペイシーなシンセの音色を乗せて、ゆったりと軽妙なアンサンブルで、不穏なサウンドを描いてゆく。
これという展開や派手な盛り上がりはないので、プログレとして聴くよりは、怪しいBGM的に鑑賞するのがよいでしょう。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 ミステリアス度・8 総合・7.5
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THE BROKEN BRIDGES「CLOSE TO THE TRUTH」
ポーランドのプログレバンド、ブロークン・ブリッジズの2024年作
2019年にデビューし、2作目となる。適度にハードなギターにきらびやかなシンセを重ね、かすれた味わいのヴォーカルとともに、キャッチーなハードシンフォを聴かせる。
叙情的なギターの旋律やカラフルなシンセワークで、ARENATHE MUTE GODSなどにも通じる、いくぶん硬質感のあるスタイリッシュなシンフォプログレが味わえる。
メタリックでヘヴィなナンバーから、ノリのよいメロディアスハード風味なども、美麗なシンセアレンジがアクセントになっていて、なかなか楽しめる。
ラストは13分の大曲で、一転してジャズロック寄りの軽やかなインストアンサンブルから、ドラマティックなハードプログレへと展開する。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 叙情度・8 総合・8
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ProAge 「A Different State of Reality」
ポーランドのプログレバンド、プロエイジの2017年作
涼やかなシンセを硬質なギターに重ね、朗々としたヴォーカルを乗せて、クールでスタイリッシュなモダンプログレを聴かせる。
ときに歪んだヴォイスを用いたダークな空気も覗かせつつ、歌い上げるヴォーカルとともにシアトリカルな流れを感じさせるあたりは、コンセプト作なのかもしれない。
メタル寄りのアグレッシブなノリを含んだナンバーも含めて、全体的に叙情性は薄めで、オルタナ風の翳りをまとった淡々とした聴き心地。
東欧らしいモダンプログレであるが、もう少し明快な盛り上がりやメロディのフックが欲しいか。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 ダーク度・8 総合・7
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Silhouette 「Staging The Seventh Wave」
オランダのプログレバンド、シルエットのライブ。2017年作
2006年にデビュー、本作は2015年のライブをCD+DVDに収録。2014年作「Beyond The Seventh Wave」の完全再現を含むステージで、美麗なシンセと泣きまくるメロウなギターの旋律、中音域の優しいヴォーカルで、アルバム同様に甘美なシンフォニックロックを聴かせる。
プログレらしいきらびやかなシンセワークと叙情的なギターが重なるあたりは、PENDRAGONをさらにロマン派にしたような味わいで、シンフォプログレ好きならウットリであろう。
DVDの映像では、ジャケット姿のVoをはじめ、ダンディな様子のメンバーが泣きのシンフォを演奏する様が良い感じで、臨場感あるカメラワークもGoodです。
ライブ演奏・8 プログレ度・7 叙情度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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THE BOXX ORCHESTRA 「OUT OF THE BOXX」
オランダのプログレバンド、ボックス・オーケストラの2021年作
叙情的なギターにオルガンが鳴り響き、エモーショナルな女性ヴォーカルを乗せて、EARTH & FIREにも通じる優雅なサウンドを聴かせる。
派手な展開はないが、ほどよくヴィンテージな温かみがあり、ギターはときにブルージーで、哀愁と泣きのフレーズも奏でている。
楽曲は3〜6分前後と、わりとシンプルで耳心地よく、上手すぎない女性Voもマイナーなシンフォ感をかもしだている。
KAYAKとまではいかないが、優雅でキャッチーな女性声シンフォが好きな方はどうぞ。
ドラマティック度・7 プログレ度・7 優雅度・8 総合・7.5
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FLUXURY「PERISHABLE GOODS」
オランダのプログレバンド、フラクサリーの2005年作
2001年にデビューし、2作目となる。軽やかなリズムに適度にハードなギターと美麗なシンセやピアノ、やわらかな女性ヴォーカルを乗せたシンフォプログレを聴かせる。
しっとりと聴かせるナンバーでは、Renaissanceにも通じる優美な耳心地で、優しい女性Voとシンフォニックなシンセワークが光っている。
10分を超える大曲も、あくまで優雅でやわらかに展開しつつ、ラストは華麗に盛り上がる。
アルバム後半には、男女Voによるミステリアスなナンバーもあり、9分の大曲も不穏な空気をまとわせるなど、美しくもダークな味わいだ。
ドラマティック度・8 プログレ度・7 優雅度・9 総合・7.5
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