〜HEAVY METAL CD REVIEW 2021 by 緑川 とうせい

★2021年に聴いたメタルCDレビュー
*過去のレビューはCDレビューTOPから各ジャンル別に見られます

*プログレ最新レビュー *注目の新譜


4/30
GWはおうちでメタル(148)


Katatonia「City Burials」
スウェーデンのメランコリックメタル、カタトニアの2020年作
1993年にデビュー、本作は11作目となる。うっすとしたシンセにメロウなギター、マイルドなヴォーカルを乗せて
寒々しい空気感に包まれたメランコリックなゴシックロックを聴かせる。知的な感触のギターフレーズとともに
OPETHなどにも通じるプログレッシブな構築力も覗かせつつ、メタル感のないしっとりとしたナンバーなども含めて
全体的にゆったりとした聴き心地。ときにシンフォニックといってもよいシンセが重なり、エモーショナルな歌声が
やわらかくサウンドを包み込む。メタル的な要素は残しているが、プログレッシブ・ダークロックというべきサウンドで、
女性ヴォーカルが加わった叙情ナンバーなども優美な味わいがある。彼らの世界観がじっくりと味わえる好作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・7 メランコリック度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Darzamat「A Philosopher At The End Of The Universe」
ポーランドのゴシック・ブラックメタル、ダルザマットの2020年作
1996年にデビュー、本作は2009年以来、11年ぶりとなる6作目。ミステリアスなコンセプトストーリーに基づいた作品で
ヘヴィなギターなシンセを重ね、ダミ声Voに女性ヴォーカルが絡む、妖しくも重厚なサウンドを聴かせる。
ブラックメタルとしてのダークでアグレッシブな雰囲気に、ゴシックメタルの耽美さが同居したという作風で、
どことなく、SepticFleshあたりにも通じる世界観である。随所に暴虐な疾走パートも覗かせつつ、
全体的には、激しさと妖しさのバランスのとれた聴き心地で、キャリアのあるバンドらしいクオリティの高さが光る。
個人的には女性声がもっと活躍して欲しいのと、ボーナストラックを除けば全38分というのがいささか物足りないが。
ドラマティック度・・8 暴虐度度・・7 耽美度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Madder Mortem「Mercury」
ノルウェーのアヴァン・ゴシックメタル、マダー・モーテムの2019年作
1999年にデビュー、2018年までに7作を出しているバンドで、本作はデビュー作の20周年記念再発盤。
ほどよくヘヴィなギターにうっすらとしたシンセ、妖しい女性ヴォーカルで聴かせるゴシックメタルで、
ときにしっとりとしアコースティックパートなどもあって、はかなげでメランコリックな空気に包まれる
The 3rd And The Mortalあたりにも通じる翳りを帯びた叙情と、リズムチェンジを含む展開力で、
随所にプログレッシブな雰囲気も感じさせつつ、女性声の美しいしっとりとしたナンバーもよい感じだ。
倦怠と耽美に覆われた好作品。ボーナスには、2019年の再録バージョンなど5曲を追加収録。
ドラマティック度・・7 耽美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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Oblivion Gate「Wisdom Of The Grave」
イタリアのドゥームメタル、オブリヴィオン・ゲートの2020年作
Matron Thorn氏による個人ユニットで、アナログ感ある重厚なギターに詠唱のようなヴォカールを乗せ、
霧に包まれたような妖しくミステリアスなドゥームメタルを聴かせる。ジャケの雰囲気も含めて、
ホラー映画的な耽美な世界観で、こもり気味の音質が怪しいおどろおどろしさを演出している。
楽曲は6〜8分前後とわりと長めで、耳を引くような展開はさほどないが、混然となった轟音の渦に
飲み込まれるような聴き心地には、雰囲気もの系ドゥームとしての強度が感じ取れる。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 怪しげ度・・9 総合・・7.5
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The Riven
スウェーデンのヴィンテージロック、リーヴェンの2017作
アナログ感あるギターに伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、70年代風のロックサウンド。
サイケやドゥーム感触はさほどなく、比較的ストレートなオールドロックという感触であるが、
ゆったりとしたナンバーではPURSONなどにも通じる魔女系ロック的な妖しい雰囲気もただよわせる。
オルガンなどが入らないのでサウンド自体はシンプルで、楽曲は3〜5分前後とわりとさらりと聴ける。
ブルージーなナンバーなど、全体的にも渋い味わいで、全40分というのもアナログっぽくて良いですな。
ドラマティック度・・7 ヴィンテージ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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KYLESA「Spiral Shadow」
アメリカのスラッジ系ドゥームメタル、カイリサの2010年作
2002年にデビュー、本作は5作目となる。ツインドラム、ツインギター、ツインヴォーカルという編成で
ヘヴィなギターに男女ヴォーカルを乗せ、シンセアレンジとともにサイケな浮遊感に包まれた、
ドゥームメタルという感触に、スクリーモ風味のアグレッシブさが合わさったようなスタイル。
楽曲は3〜4分前後が主体で、さほど展開力はないのだが、スラッジ特有のアナログ感に包まれていて
ヘヴィな曲よりはむしろ、女性ヴォーカルを乗せたサイケ寄りの妖しげなドゥームナンバーが魅力的。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 ドゥーム度・・8 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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GRAI (Грай) 「MLADA」
ロシアのタタールスタン出身のフォークメタル、グライの2014年作
2009年にデビュー、本作は3作目となる。メタリックなギターにやわらかなフルートが重なり、
男性グロウルに母国語によるなよやかな女性ヴォーカルを乗せた、牧歌的なフォークメタル。
ほどよくアグレッシブな激しさと辺境的な土着性に、リコーダーやバグパイプ、ヴァイオリンなどの
フォーキーな優雅さと、ヘヴィなメタル感触が同居していて、幻想的な空気をかもしだす。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルなので、もう少し濃密な展開があればとは思うが、
さらりと聴ける優雅さという点ではこれでよいのかもしれない。女性声フォークメタル好きはどうぞ。
優雅度・・8 フォーキー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Satanakozel (СатанаКозёл)「Rogatiya (Рогатыя)
ロシア、カレリア共和国のフォークメタル、サタナコツェルの2008年作
メタリックなギターに武骨なデスヴォイスを乗せた、辺境感のあるペイガンメタルで、
アコーディオンの音色も加わりつつ、ときにデスメタル的な激しい疾走感も覗かせる。
朗々としたコーラスやうっすらとしたシンセとともに、幻想的な空気感に包まれながら、
Finntrollあたりに通じるポルカ風の愉快なノリや、クサメロなギターの旋律も現れる。
これという新鮮味はないが、ほどよくアグレッシブな武骨系フォークメタルが好きならいかが。
ドラマティック度・・7 フォーキー度・・8 武骨度・・8 総合・・7.5
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Thokkian Vortex「Thy Throne Is Mine」
アメリカのブラックメタル、ソキアン・ヴォルテックスの2020年作
オールドなギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せて疾走する、ブラッケンなサウンドで、
リズムチェンジを含む展開力やスラッジブラック的なザラついたアナログ感が同居した作風。
ミドルテンポのパートも多いので、暴虐系ブラックが好きな方にはやや退屈なところもあるが、
うっすらとしたシンセアレンジや、激しすぎないダークさというのは、BURZUMなどに通じるところも感じさせ、
トレモロのギターリフで激しくブラスト疾走しつつ、クラシカルなピアノやフルートを使ったナンバーなど、
優美な叙情性も覗かせる。いわばブラッケン・ロールと知的なプログレッシブ性が混在した異色作である。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・6 度・・8 総合・・7.5
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AVSLUT「Tyranni」
スウェーデンのブラックメタル、アヴスラットの2019年作
2018年にデビューし、2作目となる。ツインギターのリフにダミ声ヴォーカルを乗せて激しくブラスト疾走する、
寒々しくブルータルなブラックメタルを聴かせる。トレモロを含む適度に叙情的なフレーズも覗かせつつ、
コールドな暴虐性に包まれたサウンドで、甘すぎない北欧メロブラ的な感触でも楽しめる。
パワフルなドラムも重厚な迫力で楽曲を彩っていて、MARDUKあたりと比べてもひけをとらない。
ラスト曲では叙情的なメロディアス性に包まれる。激烈な激しさと北欧ブラックらしい空気が同居した強力作。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Erebos「Flame That Pierces With A Deadly Cold」
ポーランドのシンフォニック・ブラックメタル、エレボスの2019年作
トールキンの「指輪物語」をコンセプトにしているようで、優美でシンフォニックなイントロから、
オーケストラルなアレンジにドラムとダミ声ヴォーカルを乗せた、サントラ風のブラックメタルを展開。
なんとなくBAL-SAGOTHにも通じるファンタジックな世界観であるが、暴虐な激しさとはほとんどなく、
シンフォニックなオーケストレーションにやわらかなフルートが鳴り響く、薄暗く幻想的な聴き心地は、
Summoningあたりを思わせる。全体的にはダークファンタジーのサントラという雰囲気であるが、
ときに叙情的なギターメロディやトレモロのリフを乗せた疾走パートも現れる。ジャケに惹かれた方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 幻想度・・8 総合・・7.5
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ULTAR「KADATH」
ロシアのブラックメタル、ウルターの2016年作
クトゥルー神話をテーマにした作品で、曲名も「ナイアルラトテップ」「アザトース」「ザスター」などでニヤり。
シンセとギターによる不穏なイントロから、トレモロのギターリフとダミ声ヴォーカルを乗せて疾走しつつ、
ポストブラック的な叙情を含んだ展開力で、暴虐さよりもミステリアスな雰囲気に包まれる。
ゆったりとした静寂パートやスペイシーなシンセパートもあり、ときにAlcestなどに通じるような
優雅な感触も覗かせる。ラストの「カダス」は13分の大曲で、激しい疾走ブラックを基本にしつつ、
シンセを重ねたシンフォニック性やアコースティックギターによる叙情を含んで幻想的に構築される。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 幻想度・・8 総合・・7.5
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Pagan Reign 「Древние Воины」
ロシアのペイガンメタル、ペイガン・レインの2002/2004年作
シンセによる優美なイントロから、土着的なギターフレーズにダミ声ヴォーカルを乗せた
フルートやパイプのフォーキーな音色とともに、牧歌的なペイガンメタルが広がってゆく。
ときに激しい疾走感も覗かせつつ、暴虐性よりも辺境的なクサメロ感に包まれていて、
シンセによるシンフォニックな感触も現れたりと、粗削りながらも和めるサウンドです、。
7分を超える長めの曲も多く、緩急ある展開と叙情メロディをほどよい激しさで楽しめる。
ドラマティック度・・8 クサメロ度・・8 辺境ペイガン度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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4/16
メロパワにジャパニーズメタル!(135)


Helloween 「United Alive」
ドイツのメロディックメタル、ハロウィンのライブ。2019年作
カイ・ハンセン、マイケル・キスクが参加した、2017年の「PUMPKINS UNITED」ツアーのステージを3CDに収録。
往年のメンバー勢ぞろいということでオールドファンには胸熱だが、曲の方ものっけから大曲「Helloween」で、
マイケル・キスクの歌声とともにかつてのハロウィンが甦る。「Dr.Stein」、「I'm Alive」と「守護神伝」ナンバーで盛り上がり、
その後も曲によって、アンディ・デリスがヴォーカルをとったり、カイ・ハンセンがリードをとる初期曲のメドレー、
「Starlight〜Ride The Sky〜Judas〜Heavy Metal Is The Law」も嬉しいところ。DIsc2では、「Sole Survivor」、「Power」など
デリス時代の好曲から、「How Many Tears」、「Eagle Fly Free」、「Keeper Of The Seven Keys」、「Future World」と、80年代の名曲も多数。
ボーナスのDisc3は別会場の音源であるが、「March Of Time」が聴けるのが嬉しい。この曲はやはりキスクの歌声がよく似合う。
ライブ演奏8 音質・・8 かぼちゃ名曲度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Riot V「Live in Japan 2018」
アメリカのメロディックメタル、ライオットVのライブ。2019年作
2018年の来日公演を2CDに収録。マーク・リアリ亡きあとは、RIOT V名義で活動を続けていて、
2作のスタジオアルバムを発表している。本ライブのDisc1は、新旧織り交ぜたナンバーのセットで、
「On Your Knees」〜「Metal Soldiers」という流れなどはオールドファンにはたまらないだろう。
軽めのドラムなど、音質的にはレンジが狭い感じもあるが、日本人好みのメロディックなツインギターに
トッド・マイケルホールの伸びやかなハイトーンヴォーカルで、往年のライオットを蘇らせるサウンドが楽しめる。
Disc2では、1988年作「Thundersteel」完全再現を披露。20年の時を経てかつての傑作が再現されるのは胸熱だ。
アンコールの「Road Racin'」、「Warrior」まで、2CDで全23曲という、ライオット祭りライブです。
ライブ演奏・・8 ライブ音質・・7 ライオット度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Gladenfold 「When Gods Descend」
フィンランドのメロディックメタル、グラデンフォルドの2019年作
硬質なギターに美麗なアレンジを重ね、グロウル声&ノーマル声ヴォーカルを乗せた、
メロデス風味も含んだシンフォニック・パワーメタルというサウンド。疾走するメロスピ感に
ほどよいクサメロの香りも漂わせつつ、きらびやかなアレンジとモダンな感触で、
そこにデス声が入るという点では、チルボドがメロパワ化したようなイメージか。
激しい疾走ナンバーから、ミドルやスローテンポの叙情曲までバランスのとれた内容で、
デス声以外は普通に聴きやすい、壮麗なシンフォニックメタルが味わえる高品質作デス。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 壮麗度・・8 総合・・8
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Orden Ogan 「Ravenhead」
ドイツのメロディックメタル、オルデン・オーガンの2015年作
1999年にデビューし、本作は5作目となる。壮大な雰囲気のイントロから、パワフルなギターリフと
叙情的なフレーズにかすれた味わいのヴォーカル、勇壮なコーラスとともに、RUNNING WILD
BLIND GURDIAN風にしたような、正統派のジャーマンメロパワサウンドを聴かせる。
壮麗なクワイアを乗せて疾走するところは、わりとシンフォニックメタル的な雰囲気もあって、
過去作よりもさらにキャッチーな感触をまとっている。パワフルな正統派の疾走メタルナンバーから、
ゆったりとしたケルティックなパートなどもあり、王道のエピックメタルとしてバランスのとれた力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Elvenpath 「Gateways」
ドイツのメロディックメタル、エルヴェンパスの2004年作
自主制作のデビューアルバムで、楽曲は全5曲ながら、すべて7〜9分という大曲志向。
ツインギターのオールドなリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、初期HELLOWEEN
NOT FRAGILEなどにも通じる、マイナー臭さを残した古き良きジャーマンメタルスタイル。
叙情的なスローパートなど、緩急ある展開力で構築するところも、なかなかいい感じで
音はわりと軽めであるが、歌メロのキャッチーなクサメロ感や技巧的すぎないツインギターのフレーズに、
思わずにやにやとしてしまう。垢抜けないほどよいダサさも含めて、オールドスタイルのジャーマンメタルが楽しめる。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら

Viuda Negra 「Al Final / In The End」
スペインのメロディックメタル、ヴィウダ・ネグラの2019年作
80年代から活動するバンドの復活作にしてデビュー作で、スペイン語、英語版の両方を2CDに収録。
オールドなギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、古き良き正統派のメタルサウンド。
楽曲は3〜5分前後と比較的シンプルで、シングルギターなので、ヘヴィ過ぎない聴きやすさと
80年代HR的なノリの良さでわりとライトに楽しめる。スロー〜ミドルテンポのナンバーも叙情的で、
ブルージーなロックナンバーもあったりと、メタル感触は薄めながらスパニッシュらしい哀愁を感じさせる。
SARATOGAあたりに比べると全体的にメロパワ感は弱いのだが、大人のスパニッシュHRとしてどうぞ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Scarleth 「The Silver Lining」
ウクライナの女性Voシンフォニックメタル、スカーレスの2015年作
2011年にデビューし、2作目となる。女性ツインヴォーカルにツインシンセという編成で、
美麗なシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカル、女性グロウルを乗せて疾走する、
アグレッシブなシンフォニックメタルを聴かせる。激しい疾走感もある一方で、曲によってはゴシックメタルや
フォークメタル寄りの雰囲気もあったり、翳りを帯びた雰囲気は東欧のバンドらしい。モダンなヘヴィネスと
メロスピ的な疾走感、クラシカルなシンセワーク、魅力的な女性声が同居したなかなかの好作品です。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Venia 「Victory By Surrender」
フィンランドのメタルバンド、ヴェニアの2009年作
艶やかなヴァイオリン鳴り響くイントロから、フォークメタル寄りの土着性を感じさせつつ、
メタリックなギターを乗せて疾走する激しさと、コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声による
優雅な味わいが同居したサウンド。シンセを使っていないので、シンフォニックな感触はないが、
随所にヴァイオリンが鳴り響き、曲によっては母国語で歌っているので、適度に辺境的な空気感と
涼やかな土着性も感じさせる。ときおりメロスピ的な疾走感も覗かせながら、緩急ある展開とともに
ほどよく武骨なマイナーな味わいのサウンドが楽しめる。なにげにクリスチャンメタルであるらしい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Mary's Blood「Bloody Palace」
日本のレディースメタル、メアリーズ・ブラッドの2015年作
メジャー2作目のアルバムで、メタリックなギターリフとともに激しく疾走するパワフルなサウンドで
日本語歌詞による情感豊かなヴォーカルも含めて、甘すぎない硬派な聴き心地に包まれる。
随所にメロディックな旋律や流麗なソロなど、ギターのSAKIのセンスとテクニックも光っていて、
ミドルテンポのキャッチーなナンバーなども、ドラムをはじめとする演奏力の高さで、どっしりとした味わい。
スラッシュメタルばりのスピードナンバーから、ほどよくダークで耽美なナンバー、叙情的なバラードなど、
バラエティに富んだ楽曲とともに、表情を変えるヴォーカルの表現力も見事。高品質なメタルアルバムです。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Mary's Blood 「CONFESSiONS」
日本のレディースメタル、メアリーズ・ブラッドの2019年作
通算5作目のアルバムで、のっけからヘヴィなギターにシンフォニックなアレンジを重ね、
日本語歌詞のエモーショナルなヴォーカルを乗せて、激しく疾走するダークな味わいの作風。
ときにスクリーム気味のシャウトも含んだ伸びやかな歌声は、どこか中性的なイメージで、
パワフルなドラムやギターリフとともに、単なるガールズメタルとは一線を画す迫力がある。
楽曲は3〜4分前後と比較的ストレートな聴き心地で、日本的な情感をメタリックに表現した味わいから、
アラビックな旋律を取り入れたり、モダンなアレンジのキャッチーなナンバー、わりと普通のハードロックなど、
メジャー感のある多様性が同居する。演奏はしっかりメタルなのだが、楽曲的には方向性の定まらさが微妙なところ。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 
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Shiver of Frontier 「Can You See The World?」
日本のメロディックメタル、シヴァー・オブ・フロンティアの2019年作
2016年にデビューし、フルアルバムとしては2作目となる。シンフォニックなイントロナンバーから始まり、
ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、壮麗なメロディック・スピードメタルを聴かせる。
日本語歌詞の歌声には古き良きロマンの香りを感じさせ、どことなく、かつてのNOVELAの五十嵐氏を思わせる、
ほんのり恥ずかしいところがとても日本的。叙情的なツインギターのフレーズや随所に存在感を見せるベースなど、
演奏力もしっかりしていて、クサメロを奏でつつも、さほどB級っぽくはならないキャッチーな味わいに包まれている。
キーの高いハイトーンヴォーカルとともに、ノヴェラをシンフォニックメタル化したようなナンバーもあったりと、
優美で壮麗なサウンドが楽しめる。疾走メロスピと華麗なシンフォニックハードが同居したような力作です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 華麗度・・9 総合・・8
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KNIGHTS OF ROUND 「The Meaning of Life」
日本のメロディックメタル、ナイツ・オブ・ラウンドの2016年作
2007年にデビュー、本作は4作目のフルアルバム。のっけからクサメロのギターを乗せて疾走開始、
かすれた味わいのヴォーカルを乗せて、シンフォニックできらびやかなメロスピサウンドを聴かせる。
勢いのある疾走感とキャッチーな透明感は、初期SONATA ARCTICAなど北欧系バンドにも通じる感触で
ヘヴィ過ぎない爽快なサウンドも含めて、この手のキラ・メロスピを好むリスナーにはアピールするだろう。
ギターのメロディにはどこかで聴いたようなフレーズもあるのだが、美麗なシンセアレンジとライトなクサメロ、
日本語歌詞の歌声とともに、MinstreliXなどにも通じる、優美でファンタジックな世界観が楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・9 美麗度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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MAVERICK
日本のメロディックメタル、マヴェリックの2005年作
札幌出身のバンドで、ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せた正統派のパワーメタル。
80〜90年代ルーツのオールドスタイルの味わいで、随所に叙情的なツインギターのメロディとともに
甘すぎない程度のキャッチーな部分も覗かせて、日本人らしいクサメロ感ある疾走ナンバーもいい感じだ。
ACCEPT + HELLOWEENというような、90年代ジャーマンメタル感覚に、適度なジャパメタ風味も感じさせ、
英語歌詞のヴォーカルも良い意味での野暮ったさが、むしろ味わいになっている。ラストの疾走曲も格好よく、
重すぎず激しすぎないという、まさに古き良き王道の日本産メロパワが楽しめる強力作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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MAVERICK 「Natural Born Steel」
日本のメロディックメタル、マヴェリックの2012年作
7年ぶりとなる2作目で、リーダーの堀田勝彦とドラム以外のメンバーが替わっているが、
のっけから疾走感のある王道のメロパワで、叙情的なツインギターやキャッチーなコーラスを含む
勇壮な聴き心地は前作の延長上のスタイルだ。どっしりとしたミドルテンポのナンバーでも
メロディックなギターフレーズが光っていて、勢いのある疾走ナンバーとのバランスもとれている。
楽曲は3〜4分前後と、ストレートな感触で、やはりジャーマンメタルをジャパメタ寄りにしたという聴き心地。
IRON SAVIORのピート・シルク、GAMMA RAYのカイ・ハンセンがゲスト参加しているのも見逃せない。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Tankard 「Beast of Bourbon」
ドイツのスラッシュメタル、タンカードの2004年作
1986年デビューのベテランで、本作は11作目となる。ザクザクとしたギターリフと吐き捨てヴォーカルを乗せて
アグレッシブに疾走する、オールドスタイルのスラッシュメタルを聴かせる。基本は疾走しまくりの爽快な聴き心地で、
随所にリズムチェンジや甘すぎないメロディのギターフレーズも覗かせ、ベテランらしい構築センスもさすがである。
新鮮味はないものの、3〜4分前後の楽曲を中心に、とにかく疾走スラッシュでたたみかける、痛快なまでの強力作。
ドラマティック度・・7 疾走度・・9 スラッシュ度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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4/2
新年度のメタル(120)


Ayreon「Transitus」
オランダのシンフォニック・ロックオペラ、エイリオンの2020年作
1995年にスタートしたアルイエン・ルカッセンによる壮大なプロジェクトも、本作で通算10作目を数える。
19世紀を舞台にしたゴシック・ホラーストーリーに基づく、CD2枚組の大作で、KAMELOTのトミー・カレヴィック、
OCEANS OF SLUMBERのカミー・ギルバート、元STREAM OF PASSIONのマルセラ・ボヴィオ、EPICAのシモーネ・シモンズ、
アマンダ・サマーヴィル、ディー・スナイダー、ARENAのポールマンズィ、THRESHOLDのジョアンヌ・ジェームスなど、
配役ごとのシンガーに、ジョー・サトリアーニ、マーティー・フリードマンなど演奏陣にも多数のメンバーが参加している。
トム・ベイカーによるナレーションから、壮麗なシンセアレンジにギターを重ね、男女ヴォーカルの歌声を乗せて、
随処にプログレ的な展開力も含んだ、ドラマティックなサウンドを描いてゆく。楽曲自体は3〜4分前後とわりとシンプルながら、
曲間のナレーションが多く、長尺に感じるかもしれないが、プログレのコンセプト作が好きな方ならじっくり楽しめるだろう。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 壮麗度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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FOREIGN 「The Symphony of the Wandering Jew, Pt. II」
フランスのメタルオペラプロジェクト、フォーレインの2020年作
元SAVATAGEのザッカリー・ス ティーヴンス、EVERGREYのトム・イングランド、VANDEN PLASのアンディ・クンツ
STEVE HACKETT BANDのアマンダ・レーマン、SYMPHONY Xのマイケル・レポン ド、PAIN OF SALVATIONのレオ・マーガリットなど、
多数のゲストが参加。磔にされたキリストを侮辱した報いとして、「最後の審判」が訪れる日まで永遠に世界をさすらう運命を背負った
ユダヤ人にまつわる伝承を題材に したロックオペラの続編で、男女ヴォーカルの歌声と叙情的なギターに、ピアノやストリングスを加え
じっくりと優雅でドラマティックなサウンドを描いてゆく。ときにケルティックな雰囲気も織り込みつつ、メタル的な激しさはさほどないので、
AYREONなどのシンフォニックロック的な味わいでも楽しめる。楽曲自体に派手なインパクトはないので、トータルで鑑賞する作品ですね。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 壮大度・・8 総合・・8
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PAIN OF SALVATION 「The Perfect Element Pt.1(Anniversary Mix 2020)」
スウェーデンのプログレッシブメタル、ペイン・オブ・サルヴェイションの2020年作
3作目である2000年作の20周年リミックス盤で、ボーナスDiscにはライブ音源を収録した2枚組。
サウンドは一聴してダイナミックになり、ギターやドラムなどの分離が良くなったことで奥行きが増した。
ダニエル・ギルデンロウのエモーショナルな歌声とともに、重厚さとキャッチーなメロディアス性を同居させ、
翳りに包まれた叙情性と知的な構築力で描かれるコンセプト大作が、壮大な空気をまとわせて甦った。
全76分の映画のようなドラマティックな傑作。PoSのコアなファンはもちろん、初めて聴くリスナーにもお薦めしたい。
ボーナスのDisc2には、2017〜2018年のライブ音源や別バージョン、未発曲などを収録。
ドラマティック度・・8 知的構築度・・9 壮大度・・8 総合・・8.5 過去作のレビューはこちら
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Vanden Plas「The Ghost Xperiment - Illumination」
ドイツのプログレメタル、ヴァンデン・プラスの2020年作
1994年デビューのベテラン。本作は通算10作目で、前作の続編となるコンセプトアルバム。
重厚なギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルを乗せて、どっしりとしたサウンドを構築。
ヴォーカルメロディはキャッチーで、いくぶんダークな雰囲気をまとわせたKAMELOTなどにも通じる感触に、
随所に叙情的なギターフレーズを盛り込んで知的な展開力も覗かせる。8分前後の長めの曲でも、
オルガンなどを含むシンセとエモーショナルなヴォーカルで、モダンなヘヴィネスとメロディックなフックが同居。
13分という大曲では、美麗なシンセとともにじわじわと盛り上げる。派手なインパクトはないものの安定の力作である。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 重厚度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Warrior Path
ギリシャのメタルバンド、ウォリアー・パスの2019年作
FIREWINDのボブ・カティオニス、BEAST IN BLACKのヤニス・パパドプロスが参加するバンドで、
王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、エピックな味わいの正統派メタルを聴かせる。
MANOWARにも通じる勇壮な雰囲気に、アコースティックパートを含んだ叙情性と泣きのギターフレーズなどで、
ウェットなドラマ性も感じさせつつ、軽快な疾走ナンバーも聴かせるところはなかなか日本人好み。
楽曲はわりとストレートでシンプルながら、8〜9分という大曲では、ゆったりとした叙情性も覗かせて
ほどよいマイナーな香りとともに、Manilla RoadVirgin Steeleあたりが好きな方にも薦められる。
初期WARLORDのようなクサメロ感もあって、正統派のエピックメタルながら武骨すぎないところも良いですね。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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TRI STATE CORNER 「HERO」
ギリシャのメタルバンド、トライ・ステイト・コーナーの2018年作
現RAGEのドラマー、ヴァシリオス・マニアトプロスがシンガーを務め、元RAGEのクリスがドラムで参加するバンド。
メタリックなギターにパワフルなヴォーカルを乗せ、ギリシャの民族楽器であるブズーキの素朴な音色を加えた、
キャッチーなメタルサウンドを聴かせる。楽曲自体はわりとオーソドックスなハードロックであるが、
マンドリンに似たブズーキのトレモロの旋律などが、随所に素朴で異国的な情緒を感じさせている。
ゆったりとしたナンバーでは、エモーショナルのヴォーカルの歌声に、ブズーキのアコースティック感が合わさり、
大人の叙情ロックという感じでも楽しめる。楽曲は3〜4分前後とシンプルで、さらりと聴きとおせる好作です。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 優雅で素朴度・・8 総合・・8
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Major Denial 「Duchess Of Sufferings」
ギリシャのプログレメタル、メジャー・デニアルの2017年作
適度に叙情を帯びたツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せて、KAMELOTにも通じるような、
スタイリッシュでダークな味わいのサウンドを聴かせる。リズムチェンジを含む知的な展開力も覗かせつつ、
テクニカル過ぎない聴きやすさで、ときにシンセを加えた優美な味わいもあって、耳心地よく楽しめる。
メランコリックな薄暗さにはゴシック的な感じもあり、メロウな泣きのギターフレーズもサウンドをウェットに彩っている。
ラストは女性ヴォーカルに美麗なシンセも加えたナンバーで、派手なインパクトはないが、じっくりと世界観に浸れるような好作品だ。
本作で歌っているエモーショナルなヴォーカルはゲストらしいので、早く正規メンバーにしてください。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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King Wraith 「Of Secret And Lore」
イタリアのメタルバンド、キング・レイスの2015年作
Bejelitのメンバーを主体にしたバンドで、ジャケの雰囲気からもマイナー系エピックメタルの香りがぷんぷんだが、
サウンドの方も、RUNNING WILD風味のギターリフに、朗々としたヴォーカルを乗せた正統派メタルで、
ローカルな音質も含めてパワフル過ぎないマイナー臭さがGoodです。勇壮なコーラスなども加わりつつ、
決して重厚にならない、いわゆるヘナチョコ感が微笑ましい。これもB級エピックメタルの条件でしょう。
曲によっては、いかにも「ランニング・ワイル度」が強すぎるが、そこも含めて楽しめる方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 勇壮度・・7 総合・・7.5
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TEZZA F. 「A Shelter from Existence」
イタリアのシンフォニックメタル、テッツァ.Fの2018年作
CHRNOSFEARのヴォーカリスト Filippo Tezzaのソロ作品で、美麗なシンセアレンジにクサメロのギター、
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走しつつ、リズムチェンジなどの緩急ある構築力で聴かせるサウンド。
優雅でクラシカルなシンフォニックメタルに、随所にProgMetal的な展開美を加えたという作風で、
ほどよくマイナーな香りを感じさせるところは、少し前のイタリアンメタルらしい感触だ。
ときにデスヴォイスもまじえたモダンな雰囲気や、フォークメタル的な牧歌的な土着性も覗かせながら、
ファンタジックな世界観を描いてゆく。ラストは15分という大曲で、起伏に富んだ展開でドラマティックに構築する。
メロディック度・・8 疾走度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5

Venice in Vain
イタリアのプログレメタル、ヴェニス・イン・ヴェインの2003年作
クラシカルで壮麗なイントロから、シンフォニックなシンセワークにギターを重ね、
シアトリカルに歌い上げるヴォーカルとともに、適度にテクニカルで優美なProgMetalを聴かせる。
メタル的な重厚さはさほどなく、ヴォーカルのヘタウマ感も含めたマイナーな翳りと、
優美なロマンティシズムに包まれるところは、同郷のBlack Jesterにも通じる雰囲気がある。
アルバム後半は、28分を超える組曲になっていて、緩急ある展開でドラマティックに構築されてゆく。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 優美なロマン度・・9 総合・・7.5

METALLICA  「Metallica Through the Never」
アメリカのベテランメタルバンド、メタリカの2013年作
映画用のサントラ作品であるが、劇中のメタリカのライブシーンをそのまま音源にしているので、通常のライブアルバムとしても楽しめる。
観衆の歓声とイントロに続いて「Creeping Death」でスタートし、パワフルな演奏とライブの臨場感は、近年のアルバムで聴ける以上に
かつてのメタリカを思わせる。「For Whom The Bell Tolls」、「Ride The Lightning」といった往年のナンバーはファンも嬉しいだろう。
「Reload」からのナンバーも織り交ぜつつ、Disc2では「…And Justice For All」、「Master Of Puppets」、「Battery」といった
オールドナンバーまくりでファンは歓喜だろう。「Enter Sandman」、「Hit The Lights」というラストへの流れに興奮しつつ。、
「Orion」でエンディングテーマ的に幕を閉じる。サントラの枠を超えて、本作はバンドのベストライブとして聴いてもよいだろう。
ライブ演奏・・8 臨場感・・9 メタリカ度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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METALLICA 「S&M2」
メタリカとオーケストラの共演ライブ作品。2020年作
1999年の「S&M」から20年、再びサンフランシスコ交響楽団を迎えて録音されたライブ作品で、イントロに続く「The Call Of Ktulu」というのは、
前作「S&M」と同じだが、よりシンフォニーに焦点を当てたシンフォニックな優雅さに包まれている。「For Whom The Bell Tolls」も前作同様
楽曲の持つ叙情性がオケと自然と融合されているが、あらたに加わった「Death Magnetic」からのナンバーなども激しい疾走感に
オケの美麗さが重なってなかなか楽しめる。一方で「HARDWIREDTO SELF-DESTR」の楽曲は、なんとなく淡白な印象で、
「LOAD」収録の大曲も個人的にはあまりピンとこない。Disc2では、プロコフィエフの「スキタイ組曲」、モソロフの「鉄工場」など、
クラシックのメタルカヴァーにも挑戦。クリフ・バートンのベースをコントラバスで再現した「Pulling Teeth」もなかなか面白い。
後半は、「One」、「Master Of Puppets」でお約束ながら盛り上げて、ラストは「Enter Sandman」で締めくくる。
クラシカル度・・8 メタル度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Tankard 「One Foot in the Grave」
ドイツのスラッシュメタル、タンカードの2017年作
1986年にデビュー、SODOM、DESTRUCTION、KREATORなどと並ぶジャーマンスラッシュのベテランバンド。
17作目となる本作も、1曲目からザクザクとしたギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せて疾走する、
オールドスタイルのスラッシュメタルで、90年代かのサウンドをそのままアップトゥデートしたような聴き心地。
ミドルテンポのノリの良いナンバーや正統派メタル風のリズムチェンジ、ほどよくメロディックなギターソロなども
随処にアクセントになっていて、全体的に激しすぎないところにもベテランらしい余裕を感じさせる。
ギターリフやフレーズの恰好良さもさすがで、オールドスタイルのパワーメタル的にも楽しめる強力作だ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 オールドメタル度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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LOST SOCIETY「Braindead」
フィンランドのスラッシュメタル、ロスト・ソサイエティの2016年作
2013年にデビュー、本作は3作目。オールドスイルの疾走スラッシュメタルだった過去2作から、
本作はミドルテンポのどっしりとしたナンバーで幕を開け、ダークなメタル感に包まれた印象。
ギターのリフはわりとオーソドックスなので、疾走感がない曲だと、これという特徴がなく
喚き散らすヴォーカルも好みが分かれるかも。曲によってはメタリカっぽかったり、アンスラックスっぽかったり、
中盤以降はアグレッシブに疾走するナンバーもあり、8分の大曲などもなかなかドラマティックな仕上がり。
全体的にはスラッシュというよりは、ダークメタルとして楽しむのがよいのかもしれない。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 オールドスラッシュ度・・7 総合・・7.5
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3/19
メロデス、ブラック、ペイガンメタル(106)


NAGLFAR「CERECLOTH」
スウェーデンのメロディック・ブラックメタル、ナグルファーの2020年作
1995年にデビュー、本作は8年ぶりとなる7作目。叙情的なギターフレーズにダミ声ヴォーカルを乗せて
激しく疾走するスタイルは、かつてのDISSECTIONを思わせる王道の北欧メロブラのスタイルで、
いくぶんこもり気味の音質も含めて、まるで90年代に原点回帰したような聴き心地だ。
スローからミドルテンポにおける叙情的なメロディや不穏なギターフレーズなども魅力的で、
北欧ブラックらしい涼やかな空気感と暗黒性が同居したサウンドをじっくりと味わえる。
重すぎない暴虐過ぎないという、いわば古き良き正統派メロブラを楽しめる強力作だ。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 王道メロブラ度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Omnium Gatherum「The Burning Cold」
フィンランドのメロディック・デスメタル、オムニウム・ギャザルムの2018年作
2003年にデビューし、本作は8作目。硬質なギターに美麗なシンセを重ねたイントロから説得力充分、
ギターが流麗な叙情メロディを奏でだすと、シンフォニックなプログレメタル風な聴き心地にもなる。
低音デスヴォイスも含めて、メロデス的なヘヴィネスをしっかりと保ちつつ、モダンでスタイリッシュな作風に
さらに磨きがかかっていて、ここぞと泣きメロでたたみかける展開力もさすがという他にない。
曲によっては激しく疾走するアグレッシブなデスメタル感も残しながら、メロディックなギターフレーズが
どの曲にも散りばめられていて、楽曲は4〜5分前後であるが満足度は高い。今作も見事な完成度デス。
メロディック度・・8 暴虐度・・7 泣きメロ度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Dark Lunacy 「The Rain After The Snow」
イタリアのメロディック・デスメタル、ダーク・ルナシーの2016年作
1998年にデビューし、本作は6作目となる。ストリングスによるクラシカルなイントロから、
ヘヴィなギターに吐き捨てヴォーカルを乗せて、アグレッシブなデスメタルを聴かせる。
随所に優美なヴァイオリンやクラシカルなピアノの旋律を絡ませつつ、メランコリックな叙情と
ダークなヘヴィネスが同居した味わいで、重厚にして耽美なサウンドが楽しめる。
激しい疾走パートでは、初期のDARK TRANQUILLITYにも通じる雰囲気もありつつ、
スローナンバーはゴシックメタル的な味わいでも聴ける、クラシカルデスメタルの逸品だ。
クラシカル度・・8 暴虐度・・7 重厚度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Arcturus 「Arcturian」
ノルウェーのブラックメタル、アークチュラスの2015年作
1994年にデビュー、10年ぶり5作目となる本作も、ヘルハマーの叩き出すパワフルでグルーヴィなドラムに
シンフォニックなシンセアレンジとシアトリカルなヴォーカルを乗せ、随所に激しい疾走パートを含んだ
緩急ある展開力でスペイシーなブラックメタルを展開する。ときにヴァイオリンを加えた優雅な叙情美と
プログレッシブなリズムチェンジとともに壮大な世界観を描きつつ、今作では激しいブラスト疾走による
ブラックメタルとしての禍々しさも戻ってきた。一方では、モダンでキャッチーなインダストリアル風味もあったり、
単なるブラックメタルの枠を超えた知的なセンスが散りばめられた、スケールの大きなサウンドが味わえる。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 構築度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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ARMAGEDDA 「SVINDELDJUP ATTESTUP」
スウェーデンのブラックメタル、アルマゲッダの2020年作
2001年にデビュー、本作は2004年以来16年ぶりの復活作。トレモロのギターリフを乗せてブラスト疾走、
ダミ声ヴォーカルとともに、ミドルの疾走感も含んだオールドな雰囲気のブラックメタルを聴かせる。
緩急あるリズムチェンジに母国語によるヴォーカル、スウェディッシュらしい適度な叙情性も感じさせて
プリミティブなスタイルながらけっこう聴きやすい。スローテンポ主体のナンバーなど、激しいだけでなく、
ブラッケン・ロール的な味わいもあって、アナログ感に包まれた音質も含めて、いい塩梅のサウンドです。
6〜8分の楽曲を主体に、ラストは11分の大曲で、リフレイン長めでほどよい激しさを含んで展開する。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 オールドブラック度・・8 総合・・7.5
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Fellwarden 「Wreathed in Mourncloud」
イギリスのポストブラックメタル、フェルワルデンの2020年作
FENのメンバーによるユニットで、アコースティックギターのイントロから、三拍子の土着的なギターフレーズに
彼方から響いてくるようなヴォーカルを乗せた、ミステリアスな空気に包まれたアトモスフェリックなサウンド。
ダミ声を乗せて激しいブラスト疾走するパートも、暴虐性よりもネイチャーブラック的な神秘性を感じさせ、
トレモロを含むギターリフにうっすらとしたシンセアレンジも加えて、ウェットで幻想的な世界観を描き出す。
後半は10分を超える大曲が並び、美しいシンセとピアノによる優美なパートなど、緩急ある展開力とともに、
ほどよい激しさと叙情性が同居した雄大なポストブラックが楽しめる。神秘的な幻想美に包まれた逸品です。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・6 神秘的度・・8 総合・・8
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NECRONAUTICAL「APOTHEOSIS」
イギリスのブラックメタル、ネクロナウティカルの2019年作
2014年にデビューし、3作目となる。ほどよい叙情を含んだギターフレーズにダミ声ヴォーカルを乗せて
激しく疾走するスタイルで、メロデス寄りの感触も含んだ、適度にメロディックなブラックメタルを聴かせる。
楽曲は6〜8分で、ミドルやスローテンポも含んだ緩急ある構築力で、暴虐性がさほど強くない分、
わりと初心者にも楽しめるだろう。美しいシンセアレンジも加えて、EMPERORあたりに通じるような、
激しく幻想的なナンバーもあり、ほどよく聴きやすいのだが、暗黒寄りの荘厳さがもう少し欲しいか。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 暗黒度・・7 総合・・7.5
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REGARDE LES HOMMES TOMBER
フランスのスラッジ・ブラックメタル、レガーデ・レス・ホメス・トンバーの2012年作
トレモロを含むツインギターに低音デスヴォイスを乗せ、激しさの中にも知的な展開力を描く、
重厚でミステリアスなサウンドを聴かせる。荘厳な闇を感じさせるスケール感に包まれて、
スラッジドゥーム的などっしりとしたスローパートなど、緩急ある構築力で、迫力たっぷりに味わえる。
激しさという点では、疾走系ブラックが好きな方には少し物足りないかもしれないが、
10分近い大曲も含めて、硬派な暗黒性というべき世界観が楽しめる強力作です。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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REGARDE LES HOMMES TOMBER 「ASCENSION」
フランスのスラッジ・ブラックメタル、レガーデ・レス・ホメス・トンバーの2020年作
2012年にデビュー、3作目となる本作は、ミステリアスなスケール感がより強固になった感触で、
ほどよく叙情的なツインギターに絶叫するようなヴォーカルを乗せた、暗黒ブラックメタルを聴かせる。
8〜9分前後の大曲を主体に、激しい疾走パートに加え、スローパートでの荘厳な空気感が、
サウンドに重厚な説得力を加えている。ときに詠唱のようなヴォーカルが秘教的な妖しさをかもしだし、
暴虐さよりも暗黒美に包まれたような雰囲気で楽しめる。漆黒の闇を描くスラッジ・ブラックの逸品。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Xul Ov Kvlten 「Entropic Increase From The Omega Aeon」
チリのブラックメタル、スール・オヴ・クヴルテンの2019年作
ジャケのイメージからして怪しげな雰囲気がぷんぷんだが、サウンドの方もトレモロのギターリフに
ダミ声ヴォーカルを乗せてブラスト疾走する、プリミティブなブラックメタルを聴かせる。
激しく疾走しつつもリズムチェンジなどの緩急ある展開力とともに、暴虐性よりはむしろ、
スペイシーで、ミステリアスな世界観を描いている。激烈なドラムを含めて演奏力もあり、
トリオ編成ながらも迫力あるサウンドを構築。随所にシンセアレンジを加えた荘厳な叙情も覗かせる。
アナログ感ある聴き心地も神秘的な空気感を高めていて、オールドスタイルのブラックメタルが味わえる強力作だ。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 神秘的度・・8 総合・・8
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Irdorath 「Denial of Creation」
オーストリアのブラックメタル、イルドラスの2017年作
ザクザクとしたギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せて疾走する、スラッシュ風味のブラックメタルというサウンドで
トレモロを含むギターフレーズに甘すぎない程度の叙情も覗かせながら、激しいブラストでたたみかける。
スローからミドルテンポを含むどっしりとしたところは、オールドなスラッシュメタルの雰囲気を感じさせ、
重すぎない暴虐過ぎないという感じで、ブラックメタルとスラッシュの両方の耳で楽しめる。
演奏力も高いので全体的にカッチリとした硬質感があるのだが、ヴォーカルがやや一本調子で、
中盤で少し聴き飽きてくる。ギターリフもわりと普通なので、耳を引くインパクトがもう少し欲しい。
ドラマティック度・・7 重厚度・・7 暗黒度・・7 総合・・7.5
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Adversvm 「Dysangelion」
ドイツのスラッジ・ブラック・ドゥームメタル、アドヴァースヴムの2019年作
2018年にデビューし、2作目となる。どっしりとしたベースに不穏なギター、かすれた低音デスヴォイスを乗せ、
禍々しい暗黒性に包まれた、ブラッケンなドゥームメタルサウンド。ほどよく叙情的なギターのフレーズとともに、
ゆったりとした聴き心地で、10分を超える大曲をおどろおどろしく描いてゆく。ツーバスの連打なども含めて
わりとブラックメタル寄りの雰囲気もあるので、荘厳な暗黒系スラッジブラックとしても楽しめるだろう。
アルバム後半は、My Dying Brideのような耽美でフューネラルなゴシックメタル風味の味わいもありつつ、
ラストはシンセにギターを重ねたドローン風のナンバーと、とにかくミステリアスな世界観を追及している。
ドラマティック度・・7 暗黒度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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XIV Dark Centuries 「Waldvolk」
ドイツのペイガンメタル、14ダーク・センチュリーズの2020年作
1999年にデビュー、本作は9年ぶりとなる7作目。美麗なシンセにヴァイオリンが鳴り響くイントロから、
メタリックなギターリフとダミ声ヴォーカルを加えて、Ensiferumにも通じる勇壮なペイガンメタルを聴かせる。
叙情的なギターフレーズとメロスピ的な疾走感という点では、Equilibriumにも通じる雰囲気があるが、
こちらりよりオールドスタイルのエピックなヴァイキングメタルを踏襲した、幻想的な土着感に包まれている。
クサメロ感たっぷりながら、サウンドは軟弱にはならず、キャリアのあるバンドらしい説得力があって、
ペイガンメタルとしては理想的なバランスだろう。ほどよい激しさと土着的な叙情メロが同居した高品質作。
ドラマティック度・・8 ペイガン度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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VANIR 「Aldar Roek」
デンマークのヴァイキングメタル、ヴァニルの2016年作
2011年にデビューし、4作目。ヘヴィなギターにオーケストラルなシンセアレンジを重ね、
ダミ声ヴォーカルで聴かせる、ほどよくアグレッシブで武骨なヴァイキングメタルを聴かせる。
クサメロ感のあるギターフーレズとともに、随所にフォーキーな土着性も覗かせつつ、
全体的に硬派なペイガンメタル感触に包まれていて、雰囲気は悪くないのだが、
盛り上がりそうで盛り上がり切らないのがもどかしい。ボーナス入れて全31分なので、
本作はミニアルバムという扱いだろうか。日本盤の出る次作に比べるとやや中途半端か。
ドラマティック度・・7 ペイガン度・・7 重厚度・・7 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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VORGRUM 「PARTY IN THE DEEP」
アルゼンチンのペイガンメタル、ヴォルグルムの2018年作
ヘヴィなギターにダミ声ヴォーカルを乗せ、朗々としたコーラスとともに武骨なペイガンメタルを聴かせる。
随所にアコーディオンの音色がフォーキーに絡んで、土着的な辺境の空気をかもしだし、
とにアグレッシブな疾走感や、初期のFintrollあたりにも通じるコミカルなノリも覗かせる。
楽曲は2〜4分前後を主体とわりとシンプルで、メロディのフックやドラマティックな展開がさほどないので
あまり盛り上がり切らないのがもどかしい。武骨系フォークメタルが好きな方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 ペイガン度・・7 武骨度・・8 総合・・7
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Vetten Aparat 「Syntyi Talven Kyynelista」
フィンランドのペイガンメタル、ヴェーテン・アパラットの2016年作
メタリックなギターリフに低音デスヴォイスを乗せて、デスメタル寄りの激しい疾走感とともに、
土着的な神秘性に包まれたサウンドを聴かせる。やわらかなフルートの音色などフォーキーな叙情性と
アグレッシブな激しさが同居していて、野卑なデス声はやや耳障りだが、武骨な迫力はなかなかのもの。
アコースティックによる小曲などもありつつ、うっすらとしたシンセも加えて、ペイガンで辺境的な幻想性と
ヴァイキングメタル的な勇壮さも感じさせる。アグレッシブなフォークメタルとしても楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・・7 ペイガン度・・8 武骨度・・8 総合・・7.5
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Azmodan 「Evil Obscurity」
ドイツのブラックメタル、アズモダンの1998年作
ほどよく叙情的なギターにうっすらとしたシンセアレンジ、ダミ声ヴォーカルを乗せて疾走する
シンフォニック・ブラックメタル。マイナー感のあるB級っぽさがカルトな味わいになっていて、
随所に妖艶な女性コーラスを加えた耽美な雰囲気にはゴシック的な味わいもあり、
優美なシンセアレンジとともに、暴虐過ぎない激しすぎない聴きやすさで楽しめる。
楽曲は6〜9分前後とわりと長めなので、即効性を求める方には物足りなさもあるだろうが、
いくぶん煮え切らない耽美なシンフォブラックをだらだらと聴ける方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 耽美度・・8 総合・・7
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3/5
ゴシック、ドゥームに女性声メタル(89)


Katatonia 「Dead Air」
スウェーデンのゴシックメタル、カタトニアのライブ。2020年作
1993年にデビュー、メランコリック系のゴシックメタルを代表するバンド。本作は2020年に行われた
スタジオライブを2CD+DVDに収録。ほどよくヘヴィなツインギターにシンセアレンジを加え、
マイルドなヴォーカルを乗せたメランコリックなサウンドを展開。手数の多いドラムとともに、
プログレッシブな知的さも感じさせる、その演奏力の高さはさすがにベテランらしい説得力で、
ウェットな叙情を描くギターフレーズの泣きの美学も含め、バンドとしての強固な世界観を感じさせる。
2020年作「City Burials」からの3曲も含む、20曲、全88分の演奏で、音質もクリアな見事なライブです。
ライブ演奏・・8 メランコリック度・・8 翳りと叙情度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Lucifer 「Lucifer III」
スウェーデンのヴィンテージハードロック、ルシファーの2020年作
The Oathのヨハナ・サドニスを中心に結成、3作目となる本作も、オールドなギターにオルガンを重ね、
やわらかな女性ヴォーカルの歌声で、70年代ルーツの耳心地の良いヴィンテージロックを聴かせる。
ギターが前に出すぎないので、けだるげ女性声が際立っていて、ハード過ぎないロック感と、
倦怠の浮遊感をまとわせたサウンドを心地よく楽しめる。しっとりとしたバラード寄りのナンバーなど、
今作はより肩の力が抜けた自然体の雰囲気で、飾り過ぎないストレートなキャッチーさが良いですね。
ツインギターなので音がスカスカにならないところもGood。全39分というのもアナログレコード的ですな。
ドラマティック度・・7 ヴィンテージ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Grand Magus 「Wolf God」
スウェーデンのヘヴィメタル、グランド・メイガスの2019年作
2001年にデビュー、本作が9作目となる。チェロとオーケストラルな優雅なイントロから、
ヘヴィなギターに元SPIRITUAL BEGGARSのJBの朗々としたヴォーカルを乗せて、
エピックな重厚さに包まれたオールドなメタルサウンドを聴かせる。ドゥームメタル要素も含んだ
遅すぎず速すぎずというどっしりとしたミドルテンポを主体に、勇壮な正統派メタルが楽しめるが、
これという新鮮味はないので、即効性のインパクトを求める方には向かないだろう。
楽曲は3〜5分前後で、トータル38分というのも、いかにもアナログ的な長さだ。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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TETHRA 「Empire of the Void」
イタリアのゴシック・ドゥームメタル、テスラの2020年作
2013年にデビューし、本作が3作目となる。ほどよい叙情を含んだ重厚なツインギターに
低音グロウルヴォイスを乗せて、ウェットでダークな味わいのドゥームメタルを聴かせる。
朗々としたノーマルヴォーカルもまじえつつ、ゴシック寄りの耽美な空気感も描いていて、
どっしりとしたスローテンポの楽曲はフューネル・ドゥーム的でもあるが、ときにリズムチェンジによる
メロデス的な激しい展開も覗かせる。随所にメロディックなギターフレーズも盛り込んみながら、
3部構成に分かれた16分では、ドラマティックなゴシック・ドゥームというべきサウンドが楽しめ、
女性ヴォーカルを加えたナンバーなどは、重厚な男女声ゴシックメタルという雰囲気もある。
ドラマティック度・・8 耽美度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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In Aevum Agere 「Canto III」
イタリアのドゥームメタル、イン・アウヴム・アゲーレの2019年作
2012年にデビュー、本作は2作目となる。G&Vo、B、Drのトリオ編成で、ほどよくヘヴィなギターに
朗々としたヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのエピックなドゥームメタルを聴かせる。
エッジの効いたギターリフに激しいツーバス連打を含むアグレッシブな感触も覗かせつつ、
随所に叙情的なフレージングとともにウェットな正統派メタル感も加えたところは、
Candlemass
にも通じる雰囲気で、古き良きヨーロピアンなエピックドゥームが楽しめる。
ドラマティック度・・8 エピックドゥーム度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Stygian Crown
アメリカのドゥームメタル、スティジャン・クラウンの2020年作
ツインギターのヘヴィなリフに朗々とした女性ヴォーカルを乗せ、ダークな妖しさに包まれた
初期のCANDLEMASSなどにも通じる、王道のエピック・ドゥームメタルを聴かせる。
どっしりとしていながら、スローテンポからミドルへのリズムチェンジなど、正統派メタル寄りの感触もあり、
女性をあまり感じさせない中世的な歌声もサウンドによくマッチしている。楽曲は6〜8分前後と比較的長めで、
濃密な味わいで重厚な世界観が楽しめる。オールドスタイルの正統派ドゥームメタルが好きな方はぜひ。
ドラマティック度・・8 エピックドゥーム度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Year of the Cobra 「Ash and Dust」
アメリカのドゥームメタル、イヤー・オブ・ザ・コブラの2019年作
女性Vo&B、男性Drという2人組で、歪ませたヘヴィなベースの上に女性ヴォーカルを乗せて
どっしりとしたスローテンポの中にも浮遊感を描くような、ミステリアスなドゥームメタルを聴かせる。
ギターがあまり入らないのでメタル感はさほどないのだが、アップテンポのノリのナンバーなどもあって、
ガレージロック的な雰囲気も覗かせる。アンニュイな女性声とうねりのあるベースがコントラストになっていて、
ヘヴィでありながらも、どこか物悲しい妖しさにも包まれている。楽曲自体はわりと淡々としているので、
この手の雰囲気モノが苦手な方には退屈かもしれない。個人的にはこの世界観はなかなか好みです。
ドラマティック度・・7 ドゥーム度・・8 妖しさ度・・8 総合・・7.5
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Savage Master 「Myth, Magic And Steel」
アメリカのメタルバンド、サヴェージ・マスターの2019年作
2014年にデビュー、本作は3作目。女性ヴォーカルに赤い覆面のメンバーが4人という、アホなアー写はともかく、
サウンドの方も、ハスキーな女性ヴォーカルと重すぎたなギターで聴かせる、いかにも80年代ルーツのB級メタル。
アナログ感ある録音も含めてほどよいスカスカ感がいい味を出していて、ドロ・ペッシュが在籍したWarlock
よりマイナー臭くしたような雰囲気もある。スピードメタル的な疾走ナンバーや、ドゥーミィなスローテンポでは
魔女系ロック的な妖しさも覗かせていて、ファンタジックなマイナーメタルが好きな方にも楽しめるだろう。
ドラムをはじめ演奏力はしっかりしていて、ステイシー・サヴェージ嬢の魔女めいた歌声もなかなか魅力的だ。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Street Lethal 「Welcome To The Row」
スペインのメタルバンド、ストリート・レーサルの2019年作
女性Voにツインギターを含む5人編成で、オールドなキターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた
80年代を思わせる古き良きメタルサウンド。ツーバスのドラムは適度に激しく、ツインギターもほどよく叙情的ながら、
キャッチーに抜けきらないところは、マイナー臭さを残したB級感覚に包まれていて微笑ましかったりするし、
紅一点、Hell Rose嬢の歌声も、さほど迫力のない可愛らしさで、パワフルにならないところもまた微笑ましい。
どっしりとしたスローテンポから、疾走感のあるスピードメタル風味まで、新鮮味はないがわりと楽しめる。
6曲入り、全30分という短さなので、今後はせめて40分くらいある作品を作っていただきたい。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Chevalier 「Call To Arms」
フィンランドのメタルバンド、シェヴァリエの2017年作
本作は6曲入りのデビューEPで、オールドな味わいのギターにヒステリックな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよい疾走感とともに、80年代NWOBHM的なヴィンテージなメタルサウンドを聴かせる。
こもり気味の音質が、いかにもマイナーなアンダーグラウンド性をかもしだしていて、
前に出すぎない妖しい女性声も含めて、ミステリアスな魔女系ロック的にも楽しめる。
ヴィンテージなB級メタルという点では、Angel Witchがスピードメタル化したような味わいもある。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Chevalier 「Destiny Calls」
フィンランドのメタルバンド、シェヴァリエの2018年作
デビューEPのスタイルをさらにアンダーグラウンドにしたような雰囲気で、軽めのツインギターに
女性ヴォーカルを乗せて、スカスカの音質で疾走する妖しいスピードメタルが炸裂する。
スラッシーな疾走感にリズムチェンジを含む緩急ある聴き心地で、わりと走り気味のドラムなど、
80〜90年代のマイナーメタルが好きならにんまりすること請け合いだ。こもり気味のサウンドは、
80年代バンドの未発音源と言われても信じてしまいそう。この確信犯的なチープさに慣れてくると、
しっかりツボを押さえたスピードメタルが楽しめるようになります。このままでいて欲しい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Venia 「In Our Weakness」
フィンランドのメタルバンド、ヴェニアの2005年作
女性Vo&ヴァイオリン奏者を含む5人編成で、本作は5曲入りのデビューEP。
メタリックなツインギターに美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せて、いくぶんペイガン寄りの
涼やかな辺境性に包まれたサウンドを聴かせる。アグレッシブな疾走感にデスヴォイスも加えた
ダークな雰囲気も覗かせつつ、なよやかな女性声が優雅な感触になっていて、マイナーな武骨さと
土着的な神秘性が同居したという作風だ。シンセが入らないので、シンフォニックな味わいはなく、
雰囲気はゴシックとペイガンの中間という感じなのだが、ギターはわりと正統メタル寄りという。
母国語で歌われるナンバーは、ペイガン的な雰囲気でなかなか良い感じです。
ドラマティック度・・7 辺境度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Poison Sun 「Virtual Sin」
ドイツのメタルバンド、ポイズン・サンの2010年作
正統派のギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、どっしりとしたHR/HMサウンド。
ギターを務めるのは、ACCEPTVICTROYにも参加したハーマン・フランクで、
ヴォーカルのマルティナ・フランクはおそらく奥方だと思われる。メタリックなリフに
巧みなギターソロも含めて、演奏はさすがという安定感で、パワフルな女性声とともに、
DOROあたりにも通じる姉御系メタルが楽しめる。ジャーマンメタルらしい疾走曲から、
キャッチーなミドルテンポ、The Pointer Sistersのカヴァーなども、堂々たる仕上がりだ。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Momentum 「The Freak Is Alive」
アイスランドのアヴァン・ドゥームメタル、モーメンタムの2015年作
2010年にデビューし2作目となる。メタリックなギターリフに咆哮するデスヴォイスをを乗せ、
変則リズムを含む緩急ある展開力で聴かせる、ミステリアスなプログレッシブ・ドゥームメタル。
随所にピアノやシンセアレンジを加え、ノーマル声を乗せたゆったりとした叙情パートから、
ドゥーミィでダークな部分も垣間見せ、知的な構築センスという点では、OPETHあたりに通じるところもある。
全体的にはノーマル声が主体なのでデスメタル色はさほどなく、淡々とした不穏な空気感に包まれた作風で、
シタールなどを使った独特の世界観が味わえる。派手な展開はないが、じつに怪しげな雰囲気の異色作です。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 不穏で怪しげ度・・8 総合・・7.5
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Dark Castle 「Spirited Migration」
アメリカのドゥームメタル、ダーク・キャッスルの2009年作
ヘヴィなギターリフにデス声気味のヴォーカルを乗せて、重厚に聴かせる本格派のドゥームメタル。
ダークな世界観はドローンやスラッジ・ドゥーム的でもあるが、随所にメロディ感のあるギターフレーズや
アコースティックギターによる小曲などもあったりと、ヘヴィなサウンドの中にもにアクセントを付けている。
二人組というユニットながら、グルーブと手数を兼ねそろえたドラムの力量が、サウンドの説得力を高めていて、
エッジの効いたリフからサバスルーツのオールドスタイルの感触も覗かせるギターのセンスも見事。
妖しいイメージのジャケもよい感じで、迫力あるドゥームに禍々しい暗黒性も加わった強力作である。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 暗黒度・・8 総合・・8
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2/19
女性声ゴシック&シンフォニックメタル♪(74)


Delain「Apocalypse & Chill」
オランダのシンフォニックメタル、ディレインの2020年作
2006年にデビュー、いまやWITHIN TEMPTATIONEPICAと並ぶ、オランダの人気バンド。
6作目となる本作も、透明感のある女性ヴォーカルを乗せて、ぼどよくヘヴィで美麗なサウンドを聴かせる。
楽曲は3〜4分前後と、キャッチーなシンプルさに磨きがかかり、モダンなヘヴィネスを含ませつつ、
どこかポップな感触とともに、EVANESCENCEにも接近したような、堂々たるメジャー感も漂わせる。
正直、もはやゴシックでもなければ、シンファニックメタルとしての独自の個性も希薄なのであるが、
シャルロット嬢の魅力的な歌声で耳心地よく聴けてしまう。良くも悪くもシンプルな質の高さが心憎い。
シンフォニック度・・7 モダンでキャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Leaves' Eyes 「Last Viking」
ドイツのシンフォニックメタル、リーヴズ・アイズの2020年作
2004年にデビューして、8作目。フィンランド人女性シンガー、エリナ・シーララが加入しての2作目となる。
2005年作「Vinland Saga」、2015年作「King of Kings」から続く、ヴァイキングをテーマにした物語の完結編で
メロディックなギターに美麗なシンセ、美しい女性ヴォーカルに低音デスヴォイスを重ねた、シンフォニックかつ
勇壮なペイガン風味のゴシックメタルを聴かせる。エリナ嬢の伸びやかなソプラノも魅力的で、曲によっては
Within TemptationNightwisなどにも通じる優美な味わいが楽しめる。随所にほどよい疾走感もありつつ、
全体的にヘヴィネスは控えめでメロディックで壮麗な聴き心地。10分を超える大曲を含めて充実の力作です。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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LACUNA COIL 「BLACK ANIMA」
イタリアのゴシックメタル、ラクーナ・コイルの2019年作
1998年にデビュー、本作は9作目となる。エレクトロなシンセにピアノ、キュートな女性ヴォーカルのイントロ曲から
すでに本作の耽美な世界観に引き込まれる。ヘヴィなギターに迫力あるデスヴォイス、伸びやかな女性声を乗せ、
ゴシック的なダークな倦怠と優雅さを、モダンに解釈したというサウンドは、メタリックな説得力とともにまさに円熟の域。
クリスティーナ嬢の表現力ある歌声にも堂々たる輝きが感じられ、楽曲は3〜4分前後でわりとシンプルながらも、
どっしりとした重厚さに包まれていて非常に聴きごたえがある。デスメタルばりのアグレッシブなヘヴィネスから、
キャッチーに歌い上げる女性ヴォーカルへという、爽快なメリハリが効いている。男女声メタルの一つの到達点だろう。
ドラマティック度・・8 重厚度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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LEAH 「Ancient Winter」
カナダのシンフォニックメタル、リアの2019年作
女性シンガー、リア・マクヘンリーによるプロジェクトで、2012年にデビュー、本作は4作目となる。
うっすらとしたシンセアレンジに、フィドルやチェロなどの艶やかなストリングスを重ね、美しいヴォーカルを乗せた
タイトルのように冬をイメージしたようなサウンドを聴かせる。リア嬢の歌声は、優しくはかなげで、その表現力も素晴らしく、
トロイ・ドノクリー(Nightwish)によるイーリアンパイプやホイッスル、アナ・マーフィ(Cellar Darling)のハーディ・ガーディなど
ケルティックな旋律を含んだメロディと、バンドサウンドを融合させつつ、あくまでしっとりとした幻想性に包まれる。
全34分とやや短めで、メタルというよりもケルティックなシンフォニックロックとして楽しめるような優美な逸品です。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Ardours 「Last Place on Earth」
イタリアのゴシックメタル、アーダーズの2019年作
TRISTANIAの女性ヴォーカル、マリアンジェラ・デムルタスとマルチ・プレイヤー、クリス・ローレントのユニットで、
TRISTANIAのタラルド・リー・ジュニアがドラムで参加、ベースに元AMORPHISのニコ・エテラヴオリがゲスト参加している。
美麗なシンセにヘヴィ過ぎない叙情的なギターを重ね、美しい女性ヴォーカルで聴かせる、シンフォニックなゴシックメタル。
ゴシック的な耽美さは控えめで、80年代ニューウェイブ的でもあるような、わりとキャッチーな聴きやすさがあって、
伸びやかで魅力的な女性声とともに、曲によってはWITHIN TEMPTATIONなどのファンにも楽しめるだろう。
楽曲は4〜5分前後と比較的シンプルであるが、実力のある女性ヴォーカルを活かしたスタイルなのでこれで正解。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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VETRAR DRAUGURINN 「HINTERLANDS」
オランダのゴシックメタル、ヴェトラル・ドラウグリンの2019年作
Stream Of Passionのギターや、Autumnの女性シンガーが参加するバンドで、
ほどよくヘヴィなギターに浮遊感のある女性ヴォーカルを乗せ、倦怠の翳りに包まれたサウンドを描く。
シンフォニックな味付けはあまりないので壮麗なサウンドではないが、Marjan嬢の表現力ある歌声は、
かつてのアネクにも似ていて、The Gatheringにも通じる雰囲気をところどころにかもしだしている。
しっとりとしたバラードナンバーなども、魅力的なヴォーカルでじっくりと楽しめ、これという新鮮味はないが
メランコリックな空気感が耳心地よい。倦怠系のゴシックメタルを受け継いだなかなかの好作品です。
ドラマティック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SIRENIA 「ARCANE ASTRAL AEONS」
ノルウェーのゴシックメタル、シレニアの2018年作
2002年にデビューし、すでに9作目。名実ともに北欧を代表する女性声ゴシックメタルバンドである。
オーケストラルなシンセアレンジにヘヴィなギター、美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せた、
壮麗なゴシックメタルは本作も健在。随所にデスヴォイスを絡めつつ、ときに激しい疾走パートもあったりと
緩急ある楽曲展開はこれまで以上にドラマティックな聴き心地。前作から加入のエマニュエル嬢は、
PENUMBRAなどにも参加していたフランス出身のシンガーで、その美しくも妖艶な歌声は魅力的だ。
中盤はわりと中庸のナンバーもあるのだが、全体的にはシンフォニックゴシックメタルの高品質作だ。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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LOVELORN DOLLS 「DARKER AGES」
ベルギーのゴシックメタル、ラヴローン・ドールズの2018年作
2013年にデビュー、本作は3作目となる。男女2人組のユニットで、美しいシンセアレンジにほどよくハードなギター、
やわらかな女性ヴォーカルを乗せて、倦怠の浮遊感に包まれた耽美なゴシックロックを聴かせる。
楽曲は3〜4分前後で、随処にエレクトロな感触も含みつつ、メタル的な重さがさほどないので、
コケティッシュな女性声の魅力もあって、わりとキャッチーな耳心地とともにシンプルに楽しめる。
Disc2には、Nine Inch Nailsのカヴァーや既存曲のリミックスなど12曲を収録。こちらはよりエレクトロな仕上がり。
耽美度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SUBTERRANEAN MASQUERADE 「Vagabond」
イスラエルのプログレ・ゴシックメタル、サブテラニアン・マスカレードの2017年作
2005年にデビューし、本作は3作目。ツインVo、ツインG、シンセを含む8人編成で、
ほどよくヘヴィなギターにシンセを重ね、サックスやフルートも鳴り響く優雅な味わいに
マイルドなヴォーカルで聴かせる、Orphaned Landにも通じるエスニックな味わいのサウンド。
随所にゲストによるヴァイオリンやアコーディオなども加えて、オルガン鳴り響くプログレ感触と
アラビックな旋律も含んだ中近東色が混ざった、多国籍風のプログレハードロックとしても楽しめる。
デス声を加えたナンバーもあるが、バックのメタル感はさほどないので、優雅なエスノロックとして鑑賞可能。
ドラマティック度・・8 エスニック度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Lord Agheros 「Nothing at All」
イタリアのゴシックメタル、ロード・アグエロスの2016年作
ゲラシモス・エヴァンゲロウ氏の個人ユニットで、2007年にデビュー、本作は5作目となる。
クラシカルなピアノの旋律に、美しい女性ヴォーカルを乗せ、オーケストラルなアレンジを重ねた
シンフォニックなナンバーから、アコースティックギターをエレキに重ねた牧歌的な叙情など、
ときにポストブラック的でもある幻想的な世界観を描いてゆく。曲によって入るドラムは打ち込みっぽいが、
ほどよく激しいパートもあったりと、ピアノやチェロによるアンビエントなナンバーとのコントラストになっている。
男女声によるゴシックロック的なナンバーなどもよい感じだが、ゴシックなのかアンビエントかやや中途半端な印象。
クラシカル度・・7 ゴシック度・・7 優美度・・7 総合・・7.5
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AURA 「Вдохновение」
ロシアのシンフォニックメタル、オーラの2013年
美麗なシンセになギターを重ね、ダミ声男性ヴォーカルとソプラノ女性ヴォーカルで聴かせる、
優雅なシンフォニックメタル。メロスピ的でもある疾走感に美しい女性声を乗せるところは
台湾のSeraphimあたりに通じる感触もあり、クラシカルなピアノやフルートの旋律など優美な味わいと、
野卑なデス声を含んだアグレッシブな激しさが、緩急ある楽曲の中でコントラストになっている。
EMERALD NIGHTにも参加する女性シンガーのなよやかなソプラノもなかなか魅力的で、
後半のNightwishの某名曲を思わせるナンバーなども優美な仕上がりだ。今後にさらに期待のバンドです。
シンフォニック度・・8 激しくも優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Atrox 「Monocle」
ノルウェーのアヴァン・ゴシックメタル、アトロックスの2017年作
1997年にデビュー、本作は9年ぶりとなる6作目。かつては女性ヴォーカルのアヴァン・ゴシックメタルであったが、
前作から男性Voがメインになり、サウンドもインダストリアルな感触が強まっていたが、本作もその延長上の作風。
ヘヴィなギターに武骨な男性ヴォーカルを乗せ、モダンな硬質さに包まれたインダストリアルメタルを聴かせる。
モノクロームのような無機質な空気を描きつつ、わりと唐突な展開など、ほどよく混沌とした部分は残していて、
ときにシンセを加えた音の厚みと、サックスなどのアレンジが随所に楽曲にほどよく彩りを加えている。
ドラマティック度・・7 インダストリアル度・・8 アヴァンギャル度・・7 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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Funeral 「To Mourn Is a Virtue」
ノルウェーのゴシック・ドゥームメタル、フューネラルの2011年作
1995年にデビュー、初期は女性声入りだったが、3作目以降は男性声の本格派フューネラルドゥームになり、
本作は5作目。重厚なギターに朗々としたヴォーカルを乗せた、スローテンポのドゥームメタルサウンド。
ツインギターによる叙情的なフレージングに、随所にシンセによるアレンジも加わった耽美な空気感で、
6〜9分前後の楽曲をゆったりと構築してゆく。楽曲が長めのわりにはこれという展開はないのだが、
フューネラルな倦怠に包まれた耽美な世界観に、どっぷりと浸れる方にはたまらないだろう。
ラスト曲での美しいソプラノ女性ヴォーカルにもウットリ。これぞゴシックドゥームである。
ドラマティック度・・8 ゴシック度・・8 耽美度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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GOTHICA 「The Cliff of Suicide」
イタリアのゴシックアンビエント、ゴシカの2003年作
シンセによるオーケストレーションに美しい女性ヴォーカルを乗せた、幻想的なゴシックアンビエント。
パーカッションのリズムなども入るが、基本はシンセと女性声をメインに、ときに男性声も加わって
ゆったりと耽美な世界観を描いてゆく。随所にストリングスやフルートなどによるクラシカルなアレンジも
優雅な感触を加えていて、ダークな暗黒性というよりは、AUTUMN TEARSにも通じる倦怠の美に包まれる。
女性ヴォーカルの表現力が増したことで、前作に比べて世界観の強度がぐっと上がっていて、
薄暗い幻想の空気に埋没するように楽しむことができる。ロック感触は皆無なので、アンビエント好きの方へ。
ゴシック度・・8 耽美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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2/5
女性声シンフォニックメタル!(60)


Scardust 「Strangers」
イスラエルのシンフォニックメタル、スカーダストの2020年作
2017年にデビュー、前作も女性声シンフォニックメタルとして近年まれにみる傑作であったが、2作目となる本作も
ストリングスにメタリックなギターとシンセを重ねたイントロ曲から、壮麗にしてクラシカルなサウンドが広がってゆく。
起伏に富んだ知的な展開力には、ProgMetal的なセンスも感じさせ、テクニカルでいてじつに優雅な聴き心地。
そして、美しい女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーな味わいがサウンドを華やかに彩っていて、
ソプラノからデスヴォイスもこなす、Noa嬢の歌声はやはり魅力的だ。ときにジャズタッチのパートなど、
前作に比べると軽やかな楽曲が増えていて、ベースやギターの流麗なプレイも随所に聴きどころになっている。
全体的には優雅で軽妙な味わいなので、壮大な大曲なども聴いてみたい。早くも次作を楽しみに待ちたい。
ドラマティック度・・8 優雅度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5 過去作のレビューはこちら
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Seven Spires「Emerald Seas」
アメリカのシンフォニックメタル、セヴン・スパイアーズの2020年作
AVANTASIAやサシャ・ピートのMASTERS of CEREMONYにも参加する女性シンガー、エイドリアン・カワンをフロントに
バークリー音楽院出身のギタリストなどを含むバンドで、ほどよくヘヴィなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せ、
オーケストラルなアレンジも加えた、モダンなシンフォニックメタルを基本に、彼女自身のスクリームヴォイスや
随所に流麗なギターフレーズなどを盛り込んだ、ドラマ性を感じさせる緩急ある展開力で聴かせる。
適度にアグレッシブな若手らしいメタルコア風のモダンさも覗かせつつ、メロディのフックはキャッチーで、
テクニックのあるギターとエイドリアン嬢の表現豊かな歌声がサウンドの説得力をぐっと高めている。
ヴォーカルとギターをはじめとしたポテンシャルの高さも含めて、今後に大きな期待を寄せたいバンドです。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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AD Infinitum 「Chapter I: Monarchy」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2020年作
メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、
壮麗でスタイリッシュなシンフォニックメタル。ゴシックメタル的な耽美な雰囲気にほどよい疾走感もあり、
優美でキャッチーなメロディアス性とともに、DELAINをアグレッシブにしたような聴き心地で楽しめる。
ときにデスヴォイスを加えてのモダンなヘヴィネスも覗かせつつ、メリッサ嬢の表現力ある歌声は
近年のWITHIN TEMPTATIONあたりに通じるような堂々としたメジャー感もかもしだしている。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、濃密な展開がもう少し欲しい気もするが、今後に期待の実力派だ。
シンフォニック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Coronatus 「The Eminence of Nature」
ドイツのシンフォニックメタル、コロナタスの2019年作
2007年にデビュー、本作はすでに9作目。艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、美しいソプラノ女性ヴォーカルに、
もう1人の女性ヴォーカルも加わって、ときにフォーキーな感触も含んだ優美で壮麗なサウンドを聴かせる。
ときおり男性も加わりつつ、女性2人も合わせた3人のヴォーカルを乗せて、メディーヴァルな優雅さに包まれた
NIGHTWISHにも通じるオペラティックな味わいで、ファンタジックな世界観を描いてゆく。楽曲は3〜5分前後が主体で、
トータル全39分ほどなので、ドラマティックな濃密さの点では物足りなさはあるが、優美な女性声シンフォメタルの好作品だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性ヴォーカル度・・8 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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Edge of Paradise 「Universe」
アメリカのシンフォニックメタル、エッジ・オヴ・パラダイスの2019年作
2011年にデビューし、本作は3作目となる。ヘヴィなギターリフにエモーショナルな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよくキャッチーでストレートなノリの女性声メタルを聴かせる。シンフォニックなアレンジはさほどなく、
曲によってはオルタナやインダストリアル風の、モダンな感触を含んでいるところが特徴だろう。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ギターリフも比較的普通のメタルという感じなので、
メロディのフックや盛り上がりという点では、いくぶん物足りない。紅一点、マルガリータ嬢の歌声は、
コケティッシュなウィスパーとストレートなハイトーンを使い分ける表現力もあって、なかなか魅力的。
あとは、フェミニンなヴォーカルを活かすための、楽曲そのものの魅力がもっと欲しい。
シンフォニック度・・6 優美度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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BROCELIAN 「GUARDIANS OF BROCELIANDE」
ドイツのシンフォニックメタル、ブロセリアンの2019年作
2014年にデビューし、2作目となる。女性ヴォーカル、女性ヴァイオリン奏者を含む編成で、
ほどよくヘヴィなギターにシンフォニックなアレンジ、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる優雅なサウンド。
ゆったりとした優美なナンバーなどは、魅力的な女性声もあって、WITHIN TEMPTATIONにも通じる感触であるが、
一方では疾走するメロスピ風のナンバーもあったりと、曲によってややイメージが異なる。全体的にはキャッチーな聴き心地で
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプル、これという展開や大仰な盛り上がりがさほどないので濃密さの点では少し物足りなさもある。
オーケストラルなアレンジもやや中途半端なので、今後は魅力的なメロディのフックとともに楽曲を磨いていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ANGELWINGS「The Edge Of Innocence」
スペインの南端にある、ジブラルタルのシンフォニックメタル、エンジェルウイングスの2017年作
美麗なシンセアレンジにギターを重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
優雅なシンフォニックメタル。ゴシック寄りの倦怠の空気も覗かせつつ、ヘヴィさは控えめなので
全体的にはキャッチーな耳心地。楽曲自体に派手な盛り上がりはさほどないものの、
Davinia嬢のなよやかな歌声はなかなか魅力的で、サウンドをしっとりと艶めかせている。
8分を超える大曲では、EDENBRIDGEあたりに通じる優美な雰囲気に包まれるので、
このクラスのナンバーがもう何曲かあれば、アルバムとしての完成度もさらに上がると思う。
シンフォニック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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HORIZONS EDGE 「LET THE SHOW GO ON」
オーストラリアのメロディックメタル、ホライズンズ・エッジの2018年作
ツインギターに伸びやかな女性ヴォーカル乗せて疾走する、きらびやかなメロディックメタル。
紅一点、KAT嬢の歌声は、フェミニンな女性らしさよりは、中性的でパワフルなハイトーンで、
正統派のメロパワサウンドによくマッチしている。専任のシンセ奏者はいないものの、
随所にゴージャスなシンセアレンジが加わって、シンフォニックメタル的にも楽しめる。
ときに唐突なリズムチェンジがマイナーメタルの感触を匂わせるが、叙情的なスローパートでは
女性らしいやわらかな歌声も覗かせるなど、メリハリある展開力もなかなかのもの。
日本では「スクールウォーズ」でおなじみ、ボニー・タイラーのカヴァーもけっこうハマっている。
メロディック度・・8 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Exit Eden 「Rhapsodies in Black」
多国籍の女性シンフォニックメタル、イグジット・エデンの2017年作
Trilliumのアマンダ・ソマーヴィル、Visions Of Atlantisのクレメンタイン・デラウネを含む、
女性4人によるユニットで、Depeche mode、MADONNA、RIHANNA 、BACKSTREET BOYS、
Bryan Adams、Bonnie Tyler、Lady Gagaなどのヒット曲を、4人の女性ヴォーカルの歌声とともに、
シンフォニックメタル風にカヴァーしている。ゲストにEPICAのシモーネ・シモンズも参加して、
2曲でその美声を披露してくれる。原曲を知らなくても壮麗なアレンジと実力ある女性ヴォーカルの歌唱で
それなりに楽しめてしまう。メタルではなく、あえてメジャーアーティストを選曲したのも意図的なのだろう。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo・・9 総合・・8
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The Longing 「Bleed」
アメリカのシンフォニックメタル、ロンギングの2015年作
メロディックなツインギターにフェミニンな女性ヴォーカルを乗せたサウンドで、シンセがさほど入らないので
シンフォニックメタルというよりは、ときにメロハー的なキャッチーな味わいやゴシック風の倦怠の香りも感じさせる。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ドラマティックな濃密さの点では物足りないのだが、
紅一点、Laura嬢の奏でる優美なピアノや、彼女のキュートな女性声の魅力もあって耳心地よく楽しめる。
全体的にメタル的なヘヴィさは控えめなので、女性声ハードシンフォが好きな方にもオススメだ。
ヴォーカルの実力は十分なので、あとは楽曲そのものやメロディのフックを伸ばしていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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The Longing 「Tales of Torment」
アメリカのシンフォニックメタル、ロンギングの2017年作
2作目となる本作も、キュートな女性ヴォーカルの歌声にツインギターと優美なピアノを重ねた、
ほどよくキャッチーで優雅なサウンドを聴かせる。随所に流麗なギターフレーズも覗かせながら、
前作に比べるとメタリックな重厚さが加わっていて、Laura嬢のフェミニンな歌声とのコントラストになっている。
楽曲は3〜4分前後で前作同様シンプルであるが、壮大さよりもメロディックな歌もの感が前に出ていて、
わりとストレートに楽しめるのが良いのかもしれない。派手なシンセによる味付けはさほどないが、
魅力的な女性声を活かしたキャッチーなサウンドには好感が持てる。今後にさらに期待です。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Choirs of Veritas 「I Am The Way, The Truth And The Life」
イタリアのシンフォニックメタル、クワイヤ・オブ・ヴェリタスの2017年作
Holy Shireの女性Vo、フルート奏者、Ravenwordのベース、シンセ奏者などによるバンドで、
美麗なシンセアレンジに、伸びやかな男性ヴォーカルとソプラノ女性ヴォーカルを乗せて、
Sonata Arcticaなど、北欧系バンドのようなキャッチーできらびやかなサウンドを聴かせる。
ときにやわらかなフルートの音色も加わって、優美で幻想的な雰囲気に包まれるが、
楽曲そのものには新鮮味はあまりなく、女性声の活躍するパートも少ないのが残念。
シンフォニック度・・8 メロディック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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SECRET RULE「MACHINATION」
イタリアのシンフォニックメタル、シークレット・ルールの2016年作
2015年にデビュー、本作は2作目となる。SONATA ARCTICAのヘンリク・クリンゲンベリがシンセで参加、
ドラムには元DELAINのサンダー・ゾアーが参加している。美麗なシンセアレンジに重すぎないギター、
美しい女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。紅一点、ANGELA嬢の歌声は
ジャケのイメージ通りのフェミニンな魅力があって良いのだが、インスト部分のフックや展開がいまひとつ物足りず、
普通のメロハー風のナンバーから、ほどよく疾走感のあるメロパワ風味まで、わりとどっち付かずの聴き心地という。
WITHIN TEMPTATIONのステファン・ヘルブラド、DELAINのティモ・ソマーズ、SERENITYのファビオ・ド・アモーレがゲスト参加。
シンフォニック度・・7 メロディック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Emerald Mind「Civilization」
ロシアのシンフォニックメタル、エメラルド・マインドの2015年作
適度にメタリックなギターにシンセを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せたキャッチーで優美なサウンド。
ときにメロスピ的な疾走パートも含みつつ、あくまで優雅な聴き心地で、ヘヴィになり過ぎないところがよろしい。
メロディックなギターフレーズも随所にアクセントになっていて、なよやかな女性ヴォーカルの魅力とともに、
Nightwishをややライトにしたような感じでも楽しめる。重厚なドラマ性と言うのはあまりないのだが、
オペラティックな女性声でキャッチーなシンフォニックメタルが味わえる、これはなかなかの逸品です。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Evils Desire「Initium」
オランダのシンフォニックメタル、イーヴルズ・デザイアの2010年作
エピックな雰囲気のイントロから、メタリックなギターにオーケストラルなアレンジ重ね、
オペラティックな女性ヴォーカルを乗せた、Nightwishタイプのシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、Daphne嬢の歌声は、伸びやかなメゾソプラノで歌唱の実力はしっかりとあるので、
随所に加わる男性声はなくてもよいような気もするが、いくぶんゴシック的な耽美な雰囲気もあって、
サウンドの方向性は悪くない。あとは楽曲ごとの魅力がもっと上がればよいバンドになると思う。
シンフォニック度・・7 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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デス、スラッシュ、ブラック、ペイガン!(45)


CRY「壱」
日本のデスメタル、クライの2021年作
HIDE BOUNDのメンバーを中心としたバンドで、2016年のデビューEPに続くフルアルバム。
絡みつくようなギターリフと絶叫するヴォーカルを乗せて激しく疾走する、ブルータルなデスメタルであるが、
悲哀や苦悶、怨念を感じさせる日本語による歌詞や、ほのかにメロデス風味も残した流麗なギターフレーズも覗かせて、
ウェットでダークな世界観を描き出す。激烈なドラムとうねるようなベースを基盤にした、アナログ感ある生々しいアンサンブルは、
オールドスタイルのスラッシュやデスメタルを通過した迫力ある聴き心地で、楽曲は3分前後ながらも、突進するだけでない
テクニカルなリズムチェンジなどの確かな演奏力も含めて、非常に濃密かつ強度のあるサウンドを構築している。
Disc2は、2015年に急逝した三重のドラマー、Hee chungの率いたバンド、naqroの楽曲とCRYによるカヴァーを収録。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 悲哀度・・9 総合・・8
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Destruction 「Under Attack」
ドイツのスラッシュメタル、デストラクションの2016年作
1984年デビュー、ジャーマンスラッシュメタルを代表するバンドの、4年ぶりとなる14作目。
今作は叙情的なイントロで幕を開け、切れ味のいいクールなギターリフとともに疾走開始、
ドスの効いたダミ声ヴォーカルを乗せて、オールドスタイルのスラッシュメタルを聴かせる。
軽すぎず重すぎずというリフに、随処にほどよくメロディックなギターフレーズも覗かせつつ、
適度にミドルテンポも織り交ぜながら、トリオとしてのシンプルなノリと疾走感が楽しめる。
爽快なスラッシュサウンドが楽しめるという点では最高だと言うしかない。ベテラン充実の強力作。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 デストラ度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Destruction 「Born To Perish」
ドイツのスラッシュメタル、デストラクションの2019年作
本作はツインギターの4人編成となり、ドラムも交代。エッジの効いたギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せて
疾走するスタイルはそのままに、ダークなジャケのイメージも含めて、より重厚で攻撃的なサウンドを聴かせる。
ストレートな迫力が強まったことで、前作にあったメロディックなフレーズは、今作ではさらにビターな味わいで、
激しさの中で甘すぎない程度に光っている。反面、硬質なダークさが強まった分、オールド感が薄くなったのは痛しかゆしか。
スローテンポを含む緩急あるドラマティックな雰囲気は、Kreatorなどにも接近した印象もある。新生デストラの力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 デストラ度・・8 総合・・8
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AarA 「En Ergo Einai」
スイスのブラックメタル、アアラの2020年作
2019年にデビュー、本作は2作目となる。トレモロを含む叙情的なギターを乗せて激しくブラスト疾走、
絶叫系ダミ声ヴォーカルを加えつつ、KRALLICEにも通じる優美で叙情的なサウンドを聴かせる。
激しい疾走感の中でも、とにかくギターのメロウな叙情リフと泣きのフレーズが際立っていて、
暴虐性よりは優雅な味わいに包まれている。ブラストしつつ金物系の手数の多いドラムも見事で、
全33分という短さだが、アトモスフェリックな泣きメロ系疾走ポスト・ブラックメタルが好きならチェックです。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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The Great Old Ones 「Cosmicism」
フランスのブラックメタル、グレート・オールド・ワンズの2019年作
2012年にデビューし、4作目。バンド名「古きものたち」のようにクトゥルー神話をコンセプトにしていて、
叙情的なイントロから、トレモロを含む不穏なギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せて激しくブラスト疾走する
ミステリアスなスケール感に包まれたブラックメタルを展開。暴虐に疾走しつつも、ツインギターのフレーズと
うっすらとしたシンセアレンジがほどよい叙情をかもしだし、涼やかでスペイシーな幻想性を感じさせる。
10分前後の大曲も荘厳な迫力と緩急ある展開力で、激しいだけでないドラマティックな世界観を描いていて、
不穏なラスト曲のタイトルは「ナイアーラトテップ」で、クトゥルーファンにはたまらない。暗黒幻想ブラックの強力作。。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 荘厳度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Borknagar 「True North」
ノルウェーのフォーク・ブラックメタル、ボルクネイガーの2019年作
1996年にデビュー、本作ですでに11作目となる。前作を最後にVintersorgは脱退したようだが、
マイルドなノーマル声とARCTURUSでも活躍するVortexのダミ声ヴォーカルを乗せ、土着的なギターフレーズに
シンセを重ねて激しく疾走するスタイルはそのまま。北欧らしい涼やかな叙情性を含んだ緩急ある構築力で、
今作ではスローやミドルテンポのキャッチーなナンバーやプログレッシブな展開なども随所に覗かせる。
9分の大曲も、ゆったりとした叙情と激しい疾走感が同居した聴き心地で、メロディックなギタープレイも光る。
これまで以上の何かがあるというわけではないが、ベテランらしい自然体と説得力が感じられる力作だ。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 叙情度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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GRIMA 「Will of the Primordial」
ロシアのペイガン・ブラックメタル、グリマの2020年作
2015年にデビューし、3作目となる。やわらかなアコーディオンの音色から叙情的なギターとシンセが加わり、
ダミ声ヴォーカルを乗せてブラスト疾走する、ペイガン&フォークブラック的な土着性を感じさせるサウンド。
クリーントーンのギターにアコーディオンを乗せた叙情性と、トレモロのギターで疾走する激しさが同居して
緩急ある構築力とともに、幻想的なペイガン・ブラックメタルが楽しめる。迫力ある低音グロウルのヴォーカルなど、
美しいシンセアレンジやメロディックなギターとのコントラストで、ドラマティックで重厚な音の説得力も素晴らしい。
物悲しいトレモロギターやアコーディオン、激しくも涼やかで優美なサウンドに浸れる傑作です。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 叙情度・・9 総合・・8.5
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GRIMNER 「Vanadrottning」
スウェーデンのフォークメタル、グリムナーの2018年作
2014年にデビューして3作目となる。フルート&マンドリン&バグパイプ奏者を含む編成で
ツインギターにシンセを重ね、ダミ声ヴォーカルを乗せて激しく疾走しつつ、ノーマル声もまじえて
やわらかなフルートの音色がフォーキーな優雅さをかもしだす。アグレッシブな疾走感はありつつ、
ペイガンなダークさよりは、フルートやバグパイプなどのキャッチーな土着性が前に出ていて、
KORPIKLAANIあたりにも通じるわりと陽性の聴き心地。一方ではヴァイキングメタル的な勇壮さもあって、
エピックでメディーヴァルな世界観に包まれた、ほどよく激しいフォークメタルが楽しめる好作品。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 フォーキー度・・8 総合・・8
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Vinsta 「Drei Deita」
オーストリアのペイガン・ブラックメタル、ヴィンスタの2019年作
2014年にデビューして、3作目。土着性を含んだギターフレーズに朗々としたヴォーカルとデスヴォイスを乗せ
ときに女性コーラスやヴァイオリンも加えた優雅さと、ブラックメタル的な激しさが同居したサウンドを描く。
優雅な土着性のマイルドなフォークブラックという点では、Vintersorgなどにも通じる聴き心地であるが、
こちらはもう少し辺境寄りの武骨な雰囲気もある。6〜9分という長めの楽曲を主体に、男女声を乗せた
ゆったりとした叙情ナンバーなどもアクセントになっていて、涼やかで幻想的な世界観を描いている。
これだというインパクトはさほどないが、ゆったりとしたヨーロピアンな土着性を感じれる好作品だ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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KEYS OF ORTHANC「A Battle in the Dark Lands of the Eye...」
カナダのエピック・ブラックメタル、キーズ・オブ・オルサンクの2019年作
バンド名の「オルサンク」とは、「ロード・オブ・ザ・リング」に登場する魔法使いサルマンの居城。
当然ながら「指輪物語」をコンセプトにしていて、SEやケルティックな旋律を含んだイントロから、
ノイジーなギターに優美なシンセとダミ声&低音グロウルヴォーカルを乗せて、激しいブラスト疾走を含んだ
緩急あるブラックメタルを展開。美麗なシンセアレンジによるシンフォニックブラック的な聴き心地と、
アトモスフェリックで神秘的なスケール感が同居しているが、ギターリフがやや単調だったりと、
もう少し楽曲に明快な盛り上がりが欲しい。むしろ雰囲気モノとして楽しむのがよいのかも。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 壮大度・・8 総合・・7.5
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The Ember, The Ash 「Consciousness Torn From The Void」
イタリアのブラックメタル、エンバー・ジ・アッシュの2019年作
ノイジーなギターにダミ声ヴォーカルを乗せて疾走する、アトモスフェリックなブラックメタルサウンド。
ほどよくシンセアレンジを加えた幻想的な空気とともに、激しすぎず叙情的過ぎずという聴き心地で、
ダークな世界観を描くところは、BURZUMや初期のEMPERORなどが好きな方にも楽しめるだろう。
ゆったりとしたスローパートでは物悲しい叙情性も覗かせ、シンセをメインにした美麗な小曲も挟みつつ、
全体的に暗黒性よりもネイチャーブラック的な神秘性も感じさせる作風だ。幻想ブラックが好きな方はぜひ。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 幻想ブラック度・・8 総合・・8
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CAINA「Gentle Illness」
イギリスのポストブラックメタル、カイナの2019年作
アンドリュー・カーティス・ブリグネル氏による個人ユニットで、2006年にデビューし、本作は7作目。
ドラマのようなSEのイントロから始まり、ノイジーなギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せた、
不穏な空気に包まれた暗黒サウンドを展開。激しいブラストビートも覗かせつつ、ぼんやりとラウドな音質が
プリミティブな妖しさになっていて、ほどよく叙情的なギターフレーズとともに、ミステリアスな聴き心地を描き出す。
ブラックメタルの邪悪さというよりは、ホラー映画のようなおどろおどろしさで、シンセやSEを含むサントラのような感触は、
楽曲というよりは雰囲気モノというべきか。アヴァンギャルドなセンスの暗黒ポストロックとしても楽しめそうな異色作。
ドラマティック度・・7 暗黒度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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Unmensch 「Scorn」
ベルギーのブラックメタル、アンメンスクの2019年作
叙情的なギターを乗せたイントロから、トレモロのリフにダミ声ヴォーカルを乗せて激しくブラスト疾走、
ペイガンメタル的でもある涼やかな空気感とともに、メロディックブラックとしても楽しめるサウンドだ。
激烈なブラストビートを主体にしつつ、うっすらとしたシンセやメロウなギターの旋律、ときにストリングスも加えるなど
暴虐性よりはコールドな叙情性が前に出ていて、EMPERORあたりにも通じる幻想的な聴き心地で楽しめる。
全体を通して、いくぶん変化には乏しいが、確かな演奏力も含めて、デビュー作とは思えないクオリティで
ほどよくメロディックで、激しくも神秘的なブラックメタルが好きな方にはお薦めです。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 神秘的度・・8 総合・・8
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Aethernaeum 「Wanderungen Durch Den Daemmerwald」
ドイツのブラックメタル、エーテルナームの2013年作
ノイジーなギターに美麗なシンセを重ね、ダミ声ヴォーカルとドイツ語によるノーマル声も加わった、
シンフォニックなネイチャー系ブラックメタルという聴き心地。優雅なストリングスや女性コーラスなども加えて、
激しくも神秘的なサウンドを描くところは、Wolves in the Throne Roomあたりにも通じるだろう。
8〜12分という大曲をメインに、叙情的なギターフレーズやゆったりとした静寂感、ときに女性コーラスなど含む
メリハリある展開力で、幻想的な世界観を味わえるのだが、さすがに大曲が多くて後半は少しダレてしまう。
暴虐性はあまりないので、雰囲気モノとしてのネイチャーブラックが好きな方にはわりとお薦めです。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 神秘的度・・8 総合・・7.5
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Nachtmystium 「The World We Left Behind」
アメリカのブラックメタル、ナクトミスティアムの2014年作
2002年にデビュー、本作は8作目にして解散前のラストアルバム。軽めのドラムに適度に叙情的なギターと
ダミ声ヴォーカルを乗せた、わりとキャッチーなサウンドで、序盤のミドルからスローテンポのナンバーには
ブラックメタルとしての激しさや暗黒性はさほど感じない。ブラスト疾走するナンバーでは、プリミティブな匂いも残すが、
XASTHURなどに比べると地下臭さもあまりなく、メロディックなギターフレーズやうっすらとしたシンセアレンジとともに
ウェットな叙情に包まれるところは、むしろポストブラックに接近したような聴き心地。リフレインの多い所はやや長尺な感じだが、
激しさは控えめでゆったりと聴けるブラックが好きな方はどうぞ。バンドはメンバーを交替して2018年に復活する。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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コロナに負けぬメタル!(30)


Magnum 「The Serpent Rings」
イギリスのドラマティックハード、マグナムの2020年作
1978年デビューのベテラン、2002年の再結成後は旺盛な活動を続け、本作は通算20作目となる。
ほどよくハードなギターに美麗なシンセアレンジ、ボブ・カトレイの味わいのあるヴォーカルを乗せた
英国らしいドラマティックなプログレハードは健在。オルガンを使ったオールドなブリティッシュロック風味や
リック・ベントンのきらびやかなシンセによるシンフォニックな味わいも魅力的で、楽曲を壮麗に彩っている。
ベテランらしいにじみ出る音の説得力で、プログレハード、英国ハードロック、どちらの耳に聴いても見事な出来。
ロドニー・マシューズによるファンタジックなジャケの世界観も含めて、王道のマグナムサウンドが詰まった傑作だ。
ドラマティック度・・8 叙情度・・9 英国度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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MAGNUM 「ESCAPE FROM THE SHADOW GARDEN LIVE 2014」
イギリスのドラマティックハード、マグナムのライブ。2015年作
2014年に行われたヨーロッパツアーの音源を収録。「Escape from the Shadow Garden」からのナンバーに
過去のナンバーもたっぷり演奏。枯れた味わいのボブ・カトレイの歌声を乗せて、哀愁を帯びた英国らしい
メロディックハードを聴かせる。トニー・クーキンの叙情的なギターフレーズも随所に光っていて、
やわらかなシンセワークとともに、ベテランらしい安定した演奏が味わえる。「How Far Jerusalem」
「Vigilante」「Kingdom Of Madness」あたりはオールドなファンにも嬉しいだろう。全74分の好ライブ作。
ライブ演奏度・・8 叙情度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Timo Tolkki's Avalon「Return To Eden」
ティモ・トルキによるシンフォニックメタル、ティモ・トルキズ・アヴァロンの2019年作
3作目の本作は、SECRET SPHEREのギターとベースをメンバーに迎え、RIOT Vのトッド・ミッチェル・ホールをはじめ、
アネク・ヴァン・ガースバーゲン、TRISTANIAのマリアンジェラ・デムルタス SAVATAGEのザッカリー・スティーヴンス、
ELEGYのエドゥアルド・フォヴィンガといった名うてのシンガーが参加。イントロに続くのはネオクラシカルなギターに
きらびやかなシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、かつてのSTRATOVARIUSを彷彿とさせるナンバー。
その後もケルティックな旋律を取り入れたキャッチーなミドルテンポや、アネクの歌うゆったりとした優美な叙情ナンバー、
中庸のミドルテンポ曲など、強いインパクトはないものの、わりと普通に楽しめる。個人的にはストラト的な疾走曲よりも、
女性声による優雅なシンフォニックナンバーの方に魅力を感じるので、さらにスケールの大きなメタルオペラを期待したい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 優美度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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SoulSpell 「The Second Big Bang」
ブラジル人のドラマー、エレノ・ヴァーリによるメタルオペラプロジェクト、ソウルスペルの2017年作
4作目となる本作も、アンドレ・マトス、ファビオ・リオーネ、オリヴァー・ハートマン、ラルフ・シーパーズ、ティモ・コティペルト、
ティム・リッパー・オーウェンズ、ブレイズ・ベイリー(元Iron Maiden)、アルイエン・ルカッセン、をはじめとした豪華なゲストが集結、
パワフルなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワサウンドを基本に、初期AVANTASIA路線の壮麗なメタルオペラを聴かせる。
Vandroyaのダイサ・ムニョスをはじめとした女性シンガーも楽曲に華を添えていて、男女声のシンフォニックメタルとしても楽しめる。
マトス&ラルフのコラボナンバーや、ファビオ&ハートマンの豪華なコンビ曲など、聴きどころも多く、楽曲も充実の仕上がりです。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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ARION 「LIFE IS NOT BEAUTIFUL」
フィンランドのシンフォニックメタル、アリオンの2018年作
2014年にデビュー、本作は2作目となる。壮麗なイントロから、メタリックなギターにオーケストラルなアレンジ、
マイルドなヴォーカルを乗せて、ほどよくモダンな味わいの美麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
きらびやかなシンセに随所に流麗なギターフレーズを重ね、北欧らしい透明感とメタリックなヘヴィネスが同居した
厚みのあるサウンドを展開する。AMARANTHEのエリーゼ・リードが参加した男女ヴォーカルのナンバーなど、
ほどよくキャッチーな感触や、ときに激しい疾走パートもあり、前作よりも楽曲の幅が広がったという印象だ。
パワフル過ぎないヴォーカルも個人的にはOK。SONATA ARCTICAを重厚にしたような強力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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Signum Regis 「The Seal Of A New World」
スロバキアのメロディックメタル、シグナム・レジスの2019年作
2008年デビュー、本作は6作目となる。ツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、
王道のメロディック・パワーメタルで、サビでのきらびやかなクサメロ感には思わずニヤり。
どっしりとしたミドルテンポなども中堅バンドらしい安定感で、キャッチーなメロディのフックとともに、
随所に流麗なギターフレーズも覗かせつつ、ほどよいマイナー臭さを残しているのもむしろ魅力である。
新鮮味はそれほどないが、辺境系メロパワの中ではトップレベルのバンドと言ってよいだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Witherfall 「A PRELUDE TO SORROW 」
アメリカのプログレッシブ・パワーメタル、ウィザーフォールの2018年作
ジェイク・ドレイヤー(元Kobra and the Lotus)、ジョセフ・マイケル(White Wizzard)を中心に2017年にデビュー、本作は2作目となる。
前作発表直前に死去したアダム・サガンに代わり、Death Dealerのスティーヴ・ボログネスが参加していて、
ヘヴィなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、知的な構築力で聴かせるダークなメタルサウンドは前作同様。
手数の多いドラムと巧みなギターワークを中心にしたテクニカル性と、アコースティックパートなども含む緩急ある構成で
重厚な世界観を描いてゆく。ときに激しく疾走するスラッシュメタル風味もあつつ、スローパートでは耽美な叙情も垣間見せる。
メロディックなフックはあまりないが、10分を超える大曲も含めて、メリハリある展開力でドラマティックな聴き心地が楽しめる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 ダークで重厚度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Seyminhol 「Ophelian Fields」
フランスのシンフォニックメタル、セイミンホルの2018年作
2002年にデビュー、5作目となる本作は、コンセプト的な流れになっていて、オーケストラルなアレンジに
ほどよくヘヴィなギターと伸びやかなヴォーカルを乗せた、優美なシンフォニックメタルを展開する。
派手な展開はさほどないものの、ゆったりとした叙情パートなどを含む、緩急ある構築力と、
エモーショナルなヴォーカルで、重厚なドラマ性を描くという点ではKAMELOTなどにも通じるだろう。
楽曲ごとの明快な盛り上がりやメロディのフックが弱いので、全体的にこれといって印象に残らないのと、
全35分という短さも含めて物足りなさも感じる。今後はより壮麗なサウンドを目指していってもらいたい。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・7 楽曲度・・7 総合・・7.5 過去作のレビューはこちら
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TRIARCHY 「SAVE THE KHAN」
イギリスのメタルバンド、トリアーキーの2015年作
70〜80年代にかけて活動、シングルのみで消えたバンドで、79年作「SAVE THE KHAN」、81年作「METAL MESSIAH」
2枚のシングルに加えて、80年代のデモ音源や未発表音源、95年再結成時のスタジオ音源を収録している。
バンドの特徴としてはツインギターに加えて、きらびやかなシンセアレンジ随所に加わっていて、
ときにリズムチェンジを含む展開力とともに、いくぶんプログレハード寄りのキャッチーな感触もある。
ヘタウマ感のあるヴォーカルはいかにもB級な雰囲気だが、NEOBHMのマイナーバンドに慣れている方には
とくに問題にはならないだろう。デモも含めて年代を考えれば音質も良好。往年のフルアルバム的に楽しめる。
ドラマティック度・・7 マイナー度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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TRAITORS GATE 「FALLEN 」
イギリスのメタルバンド、トライトース・ゲートの2018年作
1985年にEPを1作残して消えたバンドが再結成し、33年の年月を経て初のフルアルバムを完成させた。
キャッチーながら英国らしいウェットな味わいと、ほどよいマイナー感覚を残したかつてのサウンドの延長で、
オールドなギターにパワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せ、80年代ルーツのブリテイッシュメタルを聴かせる。
随所にメロディックなギターも覗かせながら、ANGEL WITCHあたりに比べると、正統派寄りの聴きやすさがあって、
わりと一般のリスナーにも普通に楽しめるだろう。ミドルテンポ主体で、疾走感はさほどないのが地味な印象だが、
ほどよくスカスカな古き良きメタルサウンドは耳疲れしない。オールドスタイル好きのメタルリスターはチェックです。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
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SALAM UK 「Win Lose Or Draw」
イギリスのメタルバンド、セイラムの2019年作
80年代から活動するベテランで、2011年に復活、フルアルバムとしては復活後の4作目となる。
オールドな味わいのギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、ストレートなHR/HMサウンドを聴かせる。
NWOBHMというよりは、80年代アメリカンHR的なキャッチーな雰囲気もあって、マイナーな感触はさほどない。
ミドルテンポ主体のどっしりたとした聴き心地で、これという新鮮味もないので正直地味な印象ではあるが、
テクニックのあるギターをはじめ安定した演奏力で、DEEP PURPLEや初期のJUDAS PRIESSTなどにも通じる
正統派のナンバーから、ブルージーなバラードなど、大人のハードロックというべき味わいで楽しめる。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Cuarto Oscuro 「Fenix」
スペインのメロディックメタル、クアルト・オスキュロの2016年作
2008年にデビューし、3作目となる。重厚なギターにスペイン語によるマイルドなヴォーカルを乗せた、
正統派のメロパワサウンド。JUDAS PRIESTをルーツにした、どっしりとしたミドルテンポを中心に、
オールドなメタルの味わいで聴かせつつ、随所にスパニッシュらしい哀愁とキャッチーな叙情性も覗かせる。
楽曲は3〜4分前後で比較的シンプル。これという欠点はないが、これといって突出したところもないという。
個人的には、もっとクサメロ感や疾走パートが欲しい気も。スペイン語Voの正統派メタルが好きな方はいかが。
メロディック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・8 総合・・7.5
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SAPHET 「Vychod Z Temnoty」
チェコのパワーメタル、サフェットの2016年作
男女Voに女性シンセ奏者を含む7人編成で、メタリックなギターリフに母国語による男女ヴォーカルで疾走する、
わりと正統派のパワーメタルサウンド。いくぶん素人臭い女性ヴォーカルが、硬質なギターとのミスマッチで、
マイナーな辺境感に包まれた味わいになっている。男性声の方もパワフルというよりは、ジェントルなヘナチョコ感で、
80年代スタイルの正統派メタルなのに、牧歌的な土着性を感じさせるという。唐突に入ってくるシンセアレンジも、
とってつけたような感じで、センスというものを感じさせない。ジャケの地味さも納得の辺境B級メタルというべき一枚。
ドラマティック度・・6 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・6.5
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VA/ The Revivalry : A Tribute To Running Wild
ランニング・ワイルドのトリビュートアルバム。2005年作
Stormwarrior、Paragon、Not Fragile、Dark Age、Airborn、Logar's Diary、Icarus Witch、Crossfireをはじめ、
33バンドが参加したCD2枚組。メロパワ系バンドを中心に、Burden Of Griefなどメロデス系バンドも参加、
パワフルにアレンジされた楽曲は、それぞれに味があって面白く、スラッシーな迫力のDark Ageや、
女性ヴォーカルでのLigeia、ブラックメタル寄りにカヴァーしたAsaru、疾走メロパワのRiviver
これぞジャーマンメタルというNot Fragile、日本のMAVERICKによる名曲「Blazon Stone」や、
Logar's Diaryによるメロスピ疾走名曲「Riding the Storm」などもなかなか恰好いい仕上がりだ。
マイナーなバンドも多いのだが、CD2枚で150分超えるRUNNING WILD祭りが味わえます。
アレンジ度・・8 参加バン度・・7 ランニング・ワイル度・・9 総合・・7.5
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VA/ REUNATION: A Tribute To Running Wild
ランニング・ワイルドのトリビュートアルバム。2009年作
Powerwolf、Orden Ogan、Custard、Heavenly、Burning Point、Evertale、Hellish War、Chinchilla
Magica、Crystal Viper、Deadlock、Skiltron、Suidakra、など、31バンドが参加したCD2枚組。
POWERWOLFによる名曲「Riding the Storm」で幕を開け、FATEのオルガン入りのオールドHR風味や、
ORDEN ORGANの「ワーテルローの戦い」もドラマティックな仕上がり。Deadlockのヘヴィロック仕立ては異色ながら、
Skiltronのホイッスル鳴り響くフォークメタル風味や、Motorjesusのどっしりとしたストーナー系ハードロックの感触、
Suidakraの激しいペイガンメタルなども面白い。Chinchillaのパワフルのメタル感、Custardのジャーマンメタル魂、
ハスキーな女性ヴォーカルで聴かせるCrystal ViperEvertaleによる「Blazon Stone」もなかなか格好良いし、
Heavenlyのきらびやかなメロスピっぷりも最高です。CD2枚で150分超、RUNNING WILD祭りパート2。
アレンジ度・・8 参加バン度・・8 ランニング・ワイル度・・9 総合・・8
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1/1
本年もメタルでよろしくお願いいたします(15)

Magnus Karlsson's FREEFALL 「We Are the Night」
元MIDNIGHT SUNで、LAST TRIBE、STARBREAKER、PRIMAL FEAR、THE FERRYMENなど、数々のバンドに参加する
スウェーデン出身のギタリストでコンポーザー、マグナス・カールソンによるプロジェクト、フリーフォールの2020年作
3作目の本作には、元BLACK SABBATHのトニー・マーティンをはじめ、ロニー・ロメロ(LORDS OF BLACK〜RAINBOW)、
ノーラ・ロウヒモ(BATTLE BEAST)、マイク・アンダーソン、ディノ・ジェルシック、リナン・ゾンタといったシンガーが参加し、
楽曲ごとにリードをとる。美麗なシンセアレンジにネオクラシカル風味も含んだ流麗なギター、そして実力あるヴォーカルを乗せ
王道のメロディックメタルを聴かせる。ノーラ・ロウヒモ嬢の歌声を乗せた優美な叙情ナンバーなどもアクセントになっていて、
全体的にも質の高い楽曲が並ぶ。新鮮味な部分さしてないが、往年の様式美好きメタラーなどにもお薦めです。
メロディック度・・8 王道メロパワ度・・8 様式美度・・8 総合・・8
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Shining Black Featuring Mark Boals & Olaf Thorsen
マーク・ボールズとオラフ・トーセンによるユニット、シャイニング・ブラックの2020年作
LABYRINTH、VISION DIVINEのギタリストと、イングヴェイやRING OF FIREで知られる名シンガーという
意外な組み合わせであるが、サウンドの方は、ミドルテンポを主体にしたわりと正統派のHR/HMで、
伸びやかなマーク・ボールズの歌声を乗せた、キャッチーな大人のメロディアスハードロックという感じもある。
随所に疾走するメロパワ風味も覗かせつつ、ネオクラ風味はあまりないので、じっくりと落ち着いて鑑賞できる。
全体的に新鮮味やインパクトはさほどないが、LABYRINTH風のメロスピナンバーなども良い感じで、
力量あるヴォーカルと質の高い楽曲で、王道のメロディックメタルが楽しめるなかなかの好作品です。
メロディック度・・8 新鮮度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Conception 「State of Deception」
ノルウェーのプログレッシブメタル、コンセプションの2020年作
1991年にデビュー、97年までに4作を残して消えたバンドが、じつに23年ぶりに復活。シンフォニックなイントロ曲から、
知的なギターリフにシンセを重ね、KAMELOTを脱退してバンドに復帰したロイ・カーンのエモーショナルな歌声を乗せて
独特の浮遊感と適度なテクニカル性が同居したサウンドを構築してゆく。随所にシンフォニックなスケール感も感じさせ、
トゥーレ・オストビーによるセンスあるギターワークも光っていて、全体的にスリリングな展開力はさほどないものの、
女性声を加えたゆったとりとした大人のバラードナンバーや、モダンでキャッチーなロックナンバーなど、自然体の作風で、
力量あるヴォーカルが楽曲に説得力を加えている。大曲などはないので物足りなさはあるが、復活後のさらなる傑作に期待したい。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 コンセプション度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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NOVENA 「Eleventh Hour」
イギリスのプログレメタル、ノヴェナの2020年作
HAKENのヴォーカル、ロス・ジェニングスも参加、Slice The CakeのVoとのツインヴォーカル編成で、
メロディックなギターにマイルドなヴォーカルを乗せたキャッチーな優雅さに、ときに低音グロウルも加えた
モダンなヘヴィネスも覗かせたスタイリッシュなサウンドを聴かせる。伸びやかなヴォーカルに優美なピアノ、
ポストプログレ的でもある繊細な歌もの感から、メタルコア的なヘヴィさまで、振り幅の大きな構築力が楽しめる。
10分、15分という大曲を含む、全73分という力作であるが、個人的にはもう少しシンプルな盛り上がりが欲しいかも。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 スタイリッシュ度・・8 総合・・7.5
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CLEARLAND 「Gift from Time」
ブルガリアのメロディアスハード、クリアランドの2004年作
マルチミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバソフとシンガーのニコライ・ライコフのユニットで、2020年版のリマスター仕様。
きらびやかなシンセとメロディックなギター、マイルドなヴォーカルで聴かせるキャッチーかつ爽快なサウンドで、
古き良きハードポップ的感触の中にも、随所に流麗なギターフレーズが光っていて、ギタリストとしての技巧も覗かせる。
きらびやかなシンセアレンジはプログレ的な雰囲気もあって、曲によってはASIAのような優美な味わいもあり、
伸びやかなヴォーカルの実力も含めて、叙情的なバラードなども耳心地よい。英語歌詞を基本にしつつ、
ジャンバゾフ自身が歌う母国語によるナンバーなども異国的な聴き心地で、ゆったりと鑑賞できる。
大人のプログレハードというべき逸品です。ダウンロード版ではボーナスとして新たにデモ音源を8曲追加。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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CLEARLAND 「The Right Direction」
ブルガリアのメロディアスハード、クリアランドの2020年作
2004年に唯一の作品「Gift from Time」を発表したユニットの発掘音源集というべき作品で、
1999〜2003年までに録音されたデモ音源を新たにリマスターしたもの。きらびやかなシンセアレンジに
叙情的なギターの旋律を乗せ、伸びやかなヴォーカルで聴かせるサウンドは、デモといえども高品質で
シンフォニックといってよい優美な味わいに包まれている。打ち込みなのでドラムはどうしても薄っぺらいが、
プログレ的でもある優雅な展開力に、メインヴォーカルのニコライ・ライコフに、Virtuelのローセン・アンゲロフも参加していて、
表現力ある歌声がエモーショナルに楽曲を彩り、むしろ正規アルバム以上にシンフォプログレ寄りで、日本人好みといってよい。
コンスタンティン・ジャンバソフの巧みなギタープレイも聴きどころで、9分を超える大曲での構築センスも見事である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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White Widdow 「Crossfire」
オーストラリアのメロディアスハード、ホワイト・ウィドウの2014年作
2010年にデビュー、本作は3作目。前作も80年代メロハーを蘇らせたような好作であったが、
本作も適度にハードギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、80年代ルーツの
キャッチーでアダルトな王道のメロディアスハードを聴かせる。ゴージャス過ぎないサウンドや
随所に聴かせる流麗なギターソロなども、どこか80年代の様式美風だったりしてにやりとなる。
これという新鮮味はないのだが、耳心地の良いコーラスハーモニーにやわらかなシンセが重なり、
優美なメロディアス性に包まれたナンバーが並び、じつに高品質な王道メロハーが堪能できる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 王道メロハー度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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BABYMETAL 「METAL GALAXY」
日本のカワイイメタル、ベビーメタルの2019年作
ポップなアイドルとメタルを融合させた衝撃の1st、よりディープなメタル要素を加えた2nd、そして3作目の本作は
日本盤CD2枚組という豪華仕様。Disc1は3〜4分前後の小曲主体で、モダンできらびやかなイントロ曲から、
4つ打ちリズムのヘヴィのダンスナンバー、インド風の旋律を取り入れた新機軸も覗かせつつ、キャッチーなポップ性と
ヘヴィなメタル感が合わさったスタイルで、過去2作ほどのインパクトはないが、それなりには楽しめてしまう。
Disc2は、アゲアゲなノリのお祭りナンバーや、デスメタル風の異色のラップ風ナンバーなども含みつつ、
壮麗なシンフォニックメタルの「Starlight」、前作の「The One」を思わせる優美なバラードの「Shine」、
そして、「Rord of The Resistance」の続編というべきメロディックスピードメタル「Arkadia」で締めくくる。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 カワイイ度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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GRAILIGHT 「Sic Luceat Lux」
ロシアのシンフォニック・デスメタル、グレイライトの2019年作
艶やかなヴァイオリンの音色に美しい女性ヴォーカルで幕を開け、ヘヴィなギターにグロウルを乗せて激しくブラスト疾走、
美麗なシンセアレンジやストリングスを乗せたシンフォニック性に、緩急あるリズムチェンジによるテクニカル性と、
随処にソプラノ女性ヴォーカルによる優美な味わいも含んだ、クラシカルでアヴァンギャルドなデスメタルを聴かせる。
Ebonylakeあたりにも通じる、せわしない展開とオペラティックな美意識が混在したスタイルで、たたみかける激しさの中にも、
オーケストラルな壮麗さに包まれた優雅な味わい。アルバム後半には7〜9分の大曲がずらりと並び、シンフォブラック風から、
THERIONHAGGARDのような壮麗なナンバーなど、濃密すぎるクラシカル・デスメタルが楽しめる全75分の力作デス。
シンフォニック度・・9 暴虐度・・8 壮麗で濃密度・・9 総合・・8.5
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DISILLUSION 「Liberation」
ドイツのプログレッシブ・デスメタル、ディスイリュージョンの2019年作
2004年作「Back to Times of Splendor」はプログレデスの傑作として名高いが、2作目を残したのちに沈黙、
本作は13年ぶりとなる復活の3作目。叙情的なイントロで幕を開け、メタリックなギターにシンセを重ね、
デス声&ノーマル声を使い分けながら、リズムチェンジを含むテクニカルな展開力で構築してゆくところは、
まさに1stの延長上のサウンド。随所にデスメタル的なアグレッシブな疾走感や激しいブラストビートも覗かせつつ、
メロディックなギターフレーズを盛り込むなど、適度な叙情性と緩急ある知的なアレンジセンスも光っている。
10分を超える大曲をドラマティックに構築する力量はさすがで、今作では成熟したスケールの大きさを感じさせる、
重厚なスローなパートなども効果的で、1stからのファンはもちろん新たなリスナーも惹きつける強力な復活作である。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 叙情度・・7 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Fleshgod Apocalypse 「Veleno」
イタリアのシンフォニック・ブルータルデスメタル、フレッシュゴッド・アポカリプスの2019年作
2009年にデビュー、本作は5作目となる。前作でのオーケストラルな壮麗さはいくぶん控えになっていて、
ヘヴィなギターリフにクラシカルなピアノを重ね、低音デスヴォイスを乗せた迫力あるテクニカルデスを聴かせる。
ブルータルな感触は2ndの頃に接近した感触ながら、適度にメロディックなギタープレイも覗かせつつ、
緩急ある濃密なサウンドを描くところはこのバンドならではだろう。楽曲は4〜5分前後が主体であるが、
随所にオーケストラルなアレンジや美しいソプラノ女性コーラスも織り込んだ、シンフォニックな優雅さも残している。
新たなインパクトはないが、ブルータルデスメタルの激しさとクラシカル性のバランスの取れた強力作デス。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・8 濃密度・・8 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Rings of Saturn 「ULTU ULLA」
アメリカのテクニカル・デスメタル、リングス・オブ・サターンの2017年作
2010年にデビュー、本作は4作目となる。ピロピロ系のギターにヘヴィなリフとシンセを重ね、低音グロウルを乗せた
テクニカルなサウンドで、超絶なツーバスドラムの上に、トランス風のシンセを乗せたりと好き放題。
本作はきらびやかでキャッチーな感触が強まっていて、ギターリフもわりとメロディアスだったりと
案外聴きやすく(といっても変態だが)、いわば陽性の「エイリアン・デスコア」というべき作風である。
激しくテクニカルではあるが、シンセやギターによる叙情パートやスペイシーな味付けもあって、
さほど暴虐性は感じない。アゲアゲなBGMとしても最適(?)な変態サウンドが楽しめる超絶作デス。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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Rings of Saturn 「Gidim」
アメリカのテクニカル・デスコア、リングス・オブ・サターンの2019年作
5作目となる本作は、前作のキャッチーな部分を薄めて、テクニカルデスとしての迫力が戻っている。
超絶なブラストを含むテクニカルなドラムの上に、流麗なギターとシンセアレンジを加え
低音グロウル&スクリームとともに激しくたたみかけつつ、矢継ぎ早の展開で壮絶な変態デスを構築。
カラフルなシンセによるスペイシーな味付けと強烈なデスコア要素がバランス良く(?)同居しており、
楽曲は3〜4分前後ながらヘトヘトになる濃密さ。超人級のヘンタイ☆デスコアに悶絶して果てる。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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Cerebrum 「Iridium」
ギリシャのテクニカルデスメタル、セレブラムの2018年作
2009年にデビューし、3作目となる。変拍子を含むテクニカルなリズムに重すぎないギターリフと
低音デスヴォイスを乗せた、DEATHATHEISTなどにも通じるオールドスタイルのテクニカルデス。
ブルータルな暴虐性はさほどなく、デス声を除けば、むしろクールななアンサンブルなので、
プログレッシブ・デスメタル寄りのサウンドと言ってよいかもしれない。リズムチェンジは多いが、
ヘンタイにはなり過ぎず、この手としてはわりと聴きやすいが、反面、濃密さの点では物足りなさも。
楽曲は3〜4分前後で、全34分。もっと突き抜けるような展開力か、新鮮なセンスが欲しいというところ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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Aleph 「in tenebra」
イタリアのプログレメタル、アレフの2006年作
美麗なシンセアレンジにツインギターを重ね、ガナり気味のダーティなヴォーカルとともに、
緩急ある展開で聴かせる、ダークな味わいのプログレメタル。随所に語りなどを含んだ、
ホラー映画的なシアトリカルな空気感に包まれつつ、ギターリフなどはわりと正統派で、
ときにスラッシーなパートもあったりしつつ、楽曲にこれという派手さがないところが惜しい気もする。
ドラムをはじめとした演奏力はしっかりしていて、9分、10分という大曲をじっくりと構築する力量もあり、
あとはヴォーカルの表現力が上がればというところか。世界観は悪くないので精進してください。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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