メロディック/シンフォニックメタル 2
 L〜Z
〜Melodic Metal & Symphonic Metal
                    by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

M XYZ
A〜Kまでのバンドはこちら

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

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L

LABYRINTH「NO LIMITS」
イタリアのメロディックメタルバンド、ラビリンスの1st。1996作
イタリアンメタルではRHAPSODYに次ぐキャリアのあるバンドだが、
この1stでは今やRHAPSODYの顔であるVoのファビオ・リオーネが
“ジョー・テリー”という偽名を使って参加していた作品である。
やはりキーボードのセンスは抜群だし、1stにしては全体のクオリティも高く、
後の作品よりも、ややプログレメタルがかったアレンジでなかなか楽しめる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 プログレメタル度・・7 総合・・7.5
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LABYRINTH「Return of Heaven Denied」
イタリアンメタルバンド、ラビリンスの2nd。1998作
RHAPSODYとともに90年代後半からイタリアのメタルシーンを牽引してきたこのバンド、
最近はマイルドなメロディックメタルとなってきているが、この頃はメロスピ的に疾走するサウンドで
NEW TROLLSで歌っていたこともあるというロブ・タイラントの伸びやかなヴォーカルとともに
非常に高品質な作品となっている。また4曲目の絶品の泣きのメタルバラードなど、
シンフォニックな要素もバランスがよく、次作「Sons of Thonder」とともに初期を代表する作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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LABYRINTH「Sons of Thunder」
イタリアンメタルバンド、ラビリンスの3rd。2000作
ファンタジックなジャケにまず惹かれるが、内容の方も物語的なストーリーに基づいたコンセプト作で
知的な展開力とプログレッシブな感性が含まれた完成度の高い傑作である。
1曲目の“Chapter 1”のダイナミックな疾走感と、中間部でのはっとするような叙情パート、
テクニカルなギターを織り込みつつも、ただ激しいだけでない世界観の表現力が見事。
シンフォニックなシンセワークも光っていて、表現力のあるヴォーカルとともにサウンドの説得力を高めている。
なお、本作を最後にオラフ・トーセンが脱退、VISION DIVINEを結成する。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 完成度・・9 総合・・8
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LABYRINTH
イタリアンメタルバンド、ラビリンスの4th。2003作
RHAPSODYとともにイタリアのシンフォメタルシーンを牽引するこのバンド。
中心人物であるGのオラフ・トーセンがVISION DIVINEに専念するために脱退した後のアルバム。
アルバムタイトルなし、ということからもバンドとしての原点回帰と復活の一作という意気込みが分かる。
創生メンバーであるオラフの脱退で心配されたが、内容の方は実に堂々たるサウンドに仕上がっている。
のっけから力強い疾走曲が始まると、演奏、音の厚みともに説得力は充分。
ロブ・タイラントの素晴らしい歌唱をはじめ、バンドの演奏力も抜群で、ANGRAあたりにも比肩しうるクオリティ。
ただ、前作「SONS OF THUNDER」が好きだった私としては、イタリア的な雰囲気が消え、
サウンド的にもややドライになった今作には、地域性のなさ=メジャー性が少し物足りない。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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LABYRINTH「FREEMAN」
イタリアンメタルバンド、ラビリンスの5th。2005年作
オラフ・トーセン脱退後の2作目で、ややヘヴィなギターリフやシンフォニックというよりは
モダンなキーボードアレンジなど、単なるメロスピ、メロパワというよりは現代風のメロディックメタル
という雰囲気になった。そんな中、流麗なギターメロディや力量あるヴォーカルの歌唱には
欧州のバンドらしい部分がしっかりとあり、そこが硬質なモダンさとしっかり共存している。
初期のファンからしたらすでに別ものバンドと思った方が良いだろうが、
無理に定型のメロパワにしようとしていた前作よりも、むしろ好感が持てる音だ。
なお、初回限定の日本盤には2004年の東京公演の模様を収録したDVDが付いている。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 モダンサウン度・・8 総合・・8
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LABYRINTH6 Days To Nowhere
イタリアのメロパワバンド、ラビリンスの6th。2007作
かつてはRHAPSODYと並ぶイタリアンメタルの筆頭株とされてきた彼らだが、
前作あたりから肩の力の抜いたエモーショナルなメタルサウンドへとシフトをはじめ、
続く今作も、やはり力まずに聴かせる大人のハードロック然とした雰囲気。
全体的に今風で聴きやすいHRであるが、アレンジがモダンすぎない所には好感が持てるし、
ところによってはアグレッシブな疾走感や、シンフォニックメタルとしての味わいもある。
過去の派手めなサウンドと別物と考えれば、やはりクオリティは高い作品だとは思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・5 落ち着き度・・8 総合・・7.5
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LABYRINTH「Return to Heaven Denied PT.U」
イタリアンメタルバンド、ラビリンスの2010年作
ここ最近のアルバムはモダンさが前に出た作風で、質は高いがもの足りなさがあったのだが、
本作はVISION DIVINEのオラフ・トーセンが復帰し、それとともにかつての2ndのタイトルを冠した
まさに原点回帰を感じさせる内容となった。ロベルト・タイランティのエモーショナルなヴォーカルと、
きらびやかなシンセワークを乗せて疾走するスタイルは、90年代後半から始まった当時のイタリアンメタルの
そのままの勢いを感じさせる。個人的にはLABYRINTHのアルバムでは、2ndと3rdがフェイバリットであるから、
これは嬉しくも懐かしいサウンドだ。新鮮な要素はないものの、これぞラビリンス!というべき力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 イタリアンメタル度・・9 総合・・8
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Labyrinth 「Architecture Of A God 」
イタリアのメロディックメタル、ラビリンスの2017年作
1996年にデビュー、Rhapsodyとともにイタリアンメタルを代表するバンドの、7年ぶりとなる8作目。
ツインギターにきらびやかなシンセを重ね、ロベルト・ティランティの伸びやかな歌声とともに、
キャッチーなメロディアス性で聴かせる王道のメロディックメタル。疾走ナンバーは多くはないが、
シンフォニックなシンセアレンジに流麗なギター、実力あるヴォーカルとともに、ドラマティックな味わいで、
前作は、2ndの続編であったが、本作はいわば、3rd「Sons of Thunder」の頃のサウンドを思わせる。
一方では、ゆったりとしたナンバーでの優美な叙情性や、プログレッシブな雰囲気のシンセワークなど、
これまでになかった魅力も加わっている。20年を超えるキャリアを持つパンドらしい堂々たる力作である。
メロディック度・・8 疾走度・・7 壮麗度・・8 総合・・8
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LABYRINTH 「RETURN TO LIVE」
イタリアのメロディックメタル、ラビリンスのライブ作品。2018年作
傑作と名高い1998年作「Return To Heaven Denied」再現ライブを収録したCD+DVD。
2016年イタリアでのステージで、曲順は異なるもののアルバム全曲を含む演奏を披露。
ツインギターに美麗なシンセとロベルト・ティランティのハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
シンフォニックなメロスピサウンドで、20年前のイタリアンメタル全盛の頃が思い出される。
メロディアスなミドルテンポ曲や、叙情的なバラードなど、いま聴いても楽曲自体の質は高いのだが、
CDでは、録音の音質という点でエッジがややぼやけていて、ドラムのバスドラ連打の技量不足も含め、
迫力的には物足りなさも感じてしまう。DVDの方はわりとバランスがよいので、CDはオマケ程度に聴くべし。
ライブ演奏・・7 音質・・7 楽曲・・8 総合・・7.5
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LANCER 「Mastery」
スウェーデンのメロディックメタル、ランサーの2017年作
2013年にデビューし、本作で3作目となる。王道のギターリフに伸びのあるハイトーンヴォーカルを乗せ、
古き良き正統派のメタルサウンドを聴かせる。80〜90年代スタイルの正統メタルという点では、
ENFORCERあたりにも通じるが、こちらはより抜けの良いハイトーンで、キャッチーな歌メロのフックは、
HAMMER FALL
NOCTURNAL RITESなどのファンに楽しめるだろうし、初期のHELLOWEEN
あるいはJUDAS PRIESTを北欧メロパワ化したような感触もある。新鮮味はさほどないものの、
突き抜けるようなハイトーンヴォーカルで、オールドスタイルのメロパワ好きならニンマリの強力作だ。
メロディック度・・7 正統派度・・8 ハイトーン度・・9 総合・・8
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LANDGUARD 「EDEN OF A PARALLEL DIMENSION」
イタリアのメロディックメタルバンド、ランドガードの2004作
Key含む6人組みで、シンフォニックなメロパワをやっている。
疾走だけに頼らない、なかなか緩急のついた楽曲に、キラキラとしたキーボードの音色がいい感じだが、
いかんせんVoのアマチュア臭さでランクを下げている。ギターの弾くありがちなクサメロフレーズもあまりいただけない。
とにかく、このKeyはなかなかいい感じなので、早く曲とVoもこのレベルくらいに追いついてもらいたい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・6.5


Last Bastion 「The Road To Redemption」
アメリカのメロディックメタル、ラスト・バスティオンの2014年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックなアレンジにクサメロ感のあるツインギター、
パワフルなヴォーカルを乗せた、エピックな味わいに包まれた正統派のメロパワを聴かせる。
きらびやかなシンセにヴァイキングメタル風味のメロディなどで、濃密かつファンタジックな世界観を描きつつ、
ドカドカとしたせわしないドラムに、リズムチェンジによる唐突な展開などには、B級なマイナー臭さが感じられるが、
その荒削りなところが楽しめる方には、むしろクサメロ系ロメパワの好作品となるかもしれない。
個人的には、このエピックな勇壮さは好みなので、壮大なコンセプトアルバムなども期待したい。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 濃密度・・8 総合・・7.5
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Last Days of Eden 「Ride the World」
スペインのシンフォニックメタル、ラスト・デイズ・オブ・エデンの2015年作
DARKSUN、元AVALANCHのメンバーが在籍、女性Vo、シンセ、バグパイプ奏者を含む6人編成。
シンフォニックかつ適度にモダンなアレンジと、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンド。
キャッチーなメロディアス性はWITHIN TEMPTATIONなどを思わせつつ、随所に男性声が絡んだり、
ケルティックなバグパイプが鳴り響くところなどは、最近のNightwishにも通じる感触もある。
ラストの大曲などは、Nightwishの“Ghost Love Score”のようで、フォロワー感がにじみ出てしまっている。
現時点では、このバンドならではのインパクトというものは薄いのだが、楽曲自体の魅力の向上や
女性声がもう少し垢抜けた表現力を身に付ければ、ジャケの美しさに見合うよりいいバンドになってゆきそう。
シンフォニック度・・8 ナイトウィッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Last Kingdom 「Chronicles Of The North」
スウェーデンのメロディックメタル、ラスト・キングダムの2012年作
メンバーはヴォーカル、シンセ、ベースの3人で、ギターとドラムはゲストというバンド。
キャッチーなメロディで疾走する、初期のPower QuestDragonforceなどを思わせるサウンド。
ときどきハイトーンも使うがあまりパワフルではないヴォーカルの歌声と、うっすらとしたシンセワーク、
それなりにヘヴィなギターとともに、随所に爽快なメロディも含んだ聴き心地は、全体的には悪くはないのだが、
これだというインパクトに欠ける…というか、新鮮味がなく、どの曲も突き抜けるクサさまではもう一歩というところ。
BLIND GUARDIANなどを思わせるファンタジックな雰囲気と疾走感はよいので、まずは正規メンバーを探してもらいたい。
メロディック度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Last Performance 「Allegiance to Fall」
ロシアのシンフォニックメタル、ラスト・パフォーマンスの2017年作
オーケストラルで壮麗なイントロから、メタリックなギターにシンフォニックなシンセを重ね、
美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で華麗なサウンドを描きつつ、ときに激しく疾走する
ほどよくアグレッシブな激しさに、緩急あるリズムチェンジとともに知的な構築力も覗かせる。
ゴシックメタル寄りの耽美な世界観や、いくぶんProgMetal的でもある展開美も同居していて、
7〜8分前後の長め楽曲でも、流麗なギターと女性奏者によるクラシカルなシンセワークも美麗で、
インストパートも充実していて飽きさせない。Nadezhda嬢のソプラノも艶めいた美しさでなかなか魅力的。
しっとりと聴かせるアリアのような優美なナンバーにもウットリである。女性声シンフォメタル好きはぜひ。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8
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LAST PROPHECY  「SHADOWS OF THE PAST」
フランスのメタルバンド、ラスト・プロフェシーの1995/2020年作
1995年の1stのリマスターに、デモやライブ音源を収録したポーナスDisc付きの2枚組仕様。
ドタドタとしたドラムにオールドなギターリフ、弱めのハイトーンヴォーカルを乗せた、
いかにもマイナーな雰囲気のヨーロピアンメタル。80年代ルーツの正統派メタルの感触に、
初期BLIND GUARDIANのようなファンタジックな空気を乗せたという作風で、録音の弱さも演奏面も、
ありていにいってB級なのだが、どこか嫌いになれないロマンの香りがある。10分を超える大曲は、
IRON MAIDEN
風のドラマティックな味わいで、そのIRON MAIDEN「Fear Of The Dark」のカヴァーも収録。
ボーナスDiscの1993年のデモも粗削りながら、古き良きジャーマンメタルのような日本人好みのサウンドだ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 マイナー度・・9 総合・・7.5
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LEATHER 「II」
アメリカのメタル女性シンガー、レザー・レオネの2018年作
Chastainにも参加していた女性シンガーで、ソロ名義としては、1989年作「Shock Waves」以来の2作目。
正統派のギターリフにダーティな彼女の歌声を乗せた、オールドスタイルのメタルサウンドで、
随所に様式美的なギタープレイも覗かせる。80年代ルーツのパワフルかつストレートなヘヴィメタルに、
ほどよい疾走感と叙情性を含んだ作風で、オールドなメタルファンならなつかしい味わいで楽しめる。
スローテンポのどっしりとしたナンバーなども、レザー姐さんの歌声のドスの効いた迫力が際立っていて、
さすがキャリアのあるシンガーの説得力。30年のときをへてもメタルへの情熱が衰えないというのは素晴らしい。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良きHM度・・8 総合・・8
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Leaving Eden 「As Above So Below」
アメリカのメタルバンド、リヴィング・エデンの2022年作
女性Vo、女性Keyを含む5人編成で、ほどよくヘヴィなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーなメタルサウンドで、随所に男性声も加わってのアグレッシブな感触も覗かせる。
男性Voをメインにした、ジョン・レノン「Working Class Hero」のカヴァーなど、メタル的には「?」であるが、
シンフォニックメタル寄りの優雅なナンバーから、ヘヴィロック風の感触もあったりと、とらえどころがなく
総じて中庸な印象がぬぐえない。ギターサウンドとしては、わりと王道のハードロック感触なのだが、
後半の男女ヴォーカルのゴシックメタル風のナンバーはなかなか良かった。この路線で行って欲しい。
メロディック度・7 キャッチー度・7 女性Vo度・7 総合・7
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LECHERY「VIOLATOR」
元ARCH ENEMYのマーティン・ベンソン率いるメタルバンド、レチェリーの2007年作
サウンドの方はしごくまっとうな正統派メタルで、王道のギターリフに力強いヴォーカル、
ときにうっすらとしたシンセも含んだ重厚さで聴かせる。メロディックなギターフレーズは
なかなか耳心地がよく、80〜90年代の正統派メロパワを受け継ぐようなどっしりとした作品だ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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LEFAY「Seventh Seal」
スウェーデンのメタルバンド、MORGANA LEFAYを前身とするリーファイの1999年作
ツインギターによるヘヴィなリフでドラマティックに聴かせるサウンドは
疾走に頼らない北欧版SAVATAGEという雰囲気の正統派ヘヴィメタル。昨今のバンドのような派手さはないが、
ザクザクとしたリフと、ときおり聴かせるツインギターのハモりとともにオールドなパワーメタル的な質感も見せつける。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Legenda Aurea 「Sedna」
スイスのシンフォニックメタル、レジェンダ・オーレアの2006年
美麗なシンセと語りによるイントロから、メタリックなギターにシンフォニックなアレンジを重ね、
なよやかなソプラノ女性ヴォーカルを乗せた、Nightwishタイプの優美なサウンドを聴かせる。
ほどよい疾走感も含んだ楽曲は、重すぎない優雅なメロディアス性に包まれていて、
紅一点、クラウディア嬢の声質は、ターヤよりも優しい感じのソプラノでしっとりと耳に心地よい。
男性ヴォーカルも加わった叙情ナンバーや、きらびやかなインストナンバーもあったりと、
一本調子にならない流れもよい感じで、ラストまで壮麗な味わいで楽しめる好作品だ。
シンフォニック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Legenda Aurea「Ellipsis」
スイスのシンフォニックメタルバンド、レジェンダ・オーレアの2nd。2008作
ザクザクとしたヘヴィなギターに、美しい女性ヴォーカルの歌声。
メタリックなパワフルさと、オペラティックな女性声の優雅さが合わさった感触は
Nightwishなどとはまた別の味わいがあり、クラシカルなシンセもうっすらと加わる。
テクニカルなギターリフとともにモダンなヘヴィさにはいくぶんメタルコア風味もあって、
この手のバンドの中では激しい部類のサウンドだろう。なかなか質の高いフィメールメタル作。
シンフォニック度・・7 ヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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LEGEND MAKER「The Path of Glory」
コロンビアのメロディックメタルバンド、レジェンド・メーカーの1st。1998作
BLIND GUARDIANを思わせるような、メロディアスなツインギターで疾走するサウンドで
随所にいい感じのクサメロを織り込んだ聴き心地には思わずにやにやする。
7分、11分という長い曲も、ドラマティックな展開で聴かせるだけの力量があり、
単なるB級メロパワというにはなかなかのクオリティである。
ファンタジックなジャケも含めてけっこうお気に入りの一枚なのです。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 心はブラガー度・・8 総合・・7.5
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LEGEND MAKER「LIES BLEEDING THE BLIND」
コロンビアのメロディックメタルバンド、レジェンド・メーカーの2nd。2003作
1stはジャケからサウンドから、クサメロな疾走ジャーマンサウンドで、なかなかの掘り出し物だったが、
大幅にメンバーチェンジをしての本作も基本的な方向性は変わらないが、ヴォーカルの声質やキーボードの導入により
ますますヨーロッパのメロスピっぽい雰囲気になった。「クサメロのブラガー」という感じだった1stの方がどちらかというと好みだったが、
一般的にはシンフォニックな音の厚みが増したこちらの方が聴きやすいかもしれない。ラスト曲は8分もある大曲でプログレっぽさもあり、
フルートなども使っている。これでジャケがエピックな雰囲気だったらもう少し話題になったろうが。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7


LEGION (Легион) 「Myths of Antiquity (Мифы Древности)」
ロシアのメロディックメタル、レギオンの2007年作
80年代から活動するバンドで、美麗なシンセアレンジにギターを重ね、ロシア語のヴォーカルで聴かせる、
正統派のメロパワサウンド。どっしりとした勇壮さ、哀愁を含んだ叙情的なメロディアス性が同居して
ドラマティックな味わいのシンフォニックメタルとしても楽しめる。ミドルテンポやスローナンバーが主体で、
疾走感はさほどないのだが、情感的に歌い上げるパワフルなヴォーカルも含めて濃密な聴き心地で、
キャッチーな正統メタルナンバーなども良いですね。もう少しエピックなクサメロ感があればなおよかった。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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Legionnaire 「Dawn Of Genesis」
フィンランドのメタルバンド、リージョンナーレの2017年作
2015年にデビューし、2作目となる。ジャケからしてマイナーなエピックメタル感触を漂わせているが
サウンドもオールドなツインギターに野太いヴォーカルを乗せて疾走する、古き良きスピードメタル。
楽曲は3〜4分前後でいたってシンプル、初期のENFORCERなどよりもさらにストレートで、
重すぎないカッチリしすぎない、適度なスカスカ感も含めて、80〜90年代のB級ヨーロピアンメタルらしい
音の粗さもまた愛好家ならたまらない作風だ。全30分というのも潔ぎ良すぎる短さですね。
ドラマティック度・7 疾走度・7 オールドメタル度・9 総合・7.5
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Leithian 「Voces de Libertad」
スペインのメロディックメタル、レイシアンの2008年作
ツインギターにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せた、正統派のメロパワサウンド。
随所にシンセアレンジを加え、哀愁を感じさせるスペイン語の歌いまわしとともに、
メロスピ的な疾走パートでは、初期のAVALANCHなどにも通じるクサメロ感に包まれる。
ツインギターの流麗なフレーズやリズムチェンジを含む展開力には、若手らしい勢いが感じられて、
伸びやかなハイトーンヴォーカルの実力もなかなかのもの。キャッチーなハードロックナンバーや
しっとりしたバラードでのスパニッシュな叙情性も魅力的で、今後の成長が楽しみな逸材です。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Lentera 「Light Of The Universe」
インドネシアのメロディックメタル、レンテラの2010年作
壮麗なイントロから、クサメロ感たっぷりのギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
初期HELLOWEENを思わせる古き良きメロディック・パワーメタルを聴かせる。
ラウドな音質も含めて、B級感もけっこうあるのだが、随所に覗かせる叙情的なメロディは
なかなか日本人好みで、さほどパワフルではないものの母国語による歌声にも味わいがある。
メロディック度・8 疾走度・8 アジアン度・8 総合・7


LEVERAGE「Tides」
フィンランドのメロディックメタルバンド、レヴェレイジの1st。2006作
ツインギターにシンセを含む6人組みで、先に2ndを聴いていたが本作もなかなかの出来だ。
北欧的なきらびやかなシンセワークをまじえたキャッチーなメロディと、
疾走に頼らないサウンドは、TWILIGHTNINGあたりに通じるセンスがある。
一聴しての目新しさはないのだが、デビュー作にしては演奏、楽曲ともに隙がなく、
非常にクオリティが高い。SONATA ARCTICAなどのファンもチェックするべきバンドだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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LEVERAGE「Blind Fire」
フィンランドのメロディックメタルバンド、レヴェレイジの2008作
ツインギターにシンセ入りの6人組みで、これが2作目。適度な疾走感と北欧らしいメロディで聴かせるサウンドは、
TWILIGHTNINGあたりにも通じる質感で、速さに頼らないまとまりの良さを感じる。パワフルすぎないヴォーカルといい、
派手すぎないシンフォニックなアレンジといい若手とは思えないバランスの良さがある。
インパクトの点ではやや欠けるが、質の高さはすでに一線級クラス。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・8
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LEVERAGECircus Colossus」
フィンランドのメロディックメタルバンド、レヴェレイジの2009年作
北欧らしい美しさと、疾走に頼らないキャッチーな聴き心地で、前の2作もなかなかの出来であったが、
本作でも、美麗なイントロからシンセをふんだんに使ったシンフォニック性と
マイルドなヴォーカルの歌声とメロディで質の高いサウンドを描いている。
今作では全体的により壮大かつドラマティックな雰囲気に包まれていて、
ツインギターのフレーズも効果的に楽曲を彩っている。ミドルテンポ主体で聴かせるスタイルは、
ときにメロディアスハード風味にもなるが、王道の北欧メタルの継承者はこのバンドなのかもしれない。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 ドラマティック度・・8 総合・・8
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LEYENDA 「Bienvenido Al Paraiso」
スペインのメロディックメタル、レイエンダの2015年作
2005年にデビューし、5作目となる。王道のギターにシンセを重ね、スぺイン語のヴォーカルを乗せた
正統派のメロパワサウンド。叙情的なギターのメロディとともにキャッチーな優雅さもあって、
ほどよいクサメロ感とシンフォニックな味わいで、激しすぎないスパニッシュメタルが楽しめる。
全体的にミドルテンポが主体で、優美なシンセアレンジなどはむしろシンフォニックメタル的なので、
MEDINA AZAHARAなどが好きな方にもよいだろう。全9曲、41分で、もう1〜2曲あってもよかった。
メロディアス度・8 疾走度・5 優雅度・8 総合・7.5
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LIAR SYMPHONY「AFFAIR OF HONOUR」
ブラジルのメロスピバンド、ライアー・シンフォニーのデビュー作。
ブラジルといえばまず思い浮かぶのが、VIPER/ANGRAなのだが、彼らも偉大な先輩を目指した疾走型メロディックメタルを志している。
おそらく初期のヴァイパーよりは演奏力はあるかもしれないが、楽曲の魅力という点では残念ながらまだまだ追いついていない。
B級臭さがないだけに、今後はメロディの質、楽曲の質を高めることが肝要だろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲魅力度・・6 総合・・5.5


LIE TEARS「A GATE FOR ANOTHER LIFE・・」
イタリアのメロディアスメタルバンド、ライ・ティアーズの1999年作
軟弱系のやわらかなヴォーカルと、うっすらとしたシンセアレンジとともにライトに疾走するスタイルで、
クドすぎないクサメロがむしろ爽やかな味わいになっていて、繊細な感性に包まれたメロディアスさが心地よい。
随所にプログレハード的なたおやかでメロウな質感もあり、これで決め手となる曲があれば傑作となったかも。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 繊細度・・9 総合・・7.5
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LIGEIA「GLORIA」
ドイツのメタルバンド、リジェリアの2004年作
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、古き良きテイストの正統派メタル。
かつてのVELVET VIPERあたりに通じる、マイナーなエピック感と
パワフルすぎないやぼったさが、かえってマニア好みの魅力となっていて、
80年代的ないい意味でのラフなおおらかさがある。けっこう好きです。
メロディアス度・・7 古き良き正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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LIONE/CONTI
RHAPSODYのファビオ・リオーネと、Luca Turilli's RHAPSODYのアレッサンドロ・コンティのユニット。2018年作
現在はANGRAで活動するファビオと、TRICK OR TREATでもその素晴らしい歌声を聴かせるアレッサンドロという、
素晴らしい二人のヴォーカリストをフロントに、プロデュースと楽曲を手掛けるのは、DGMのシモーネ・ムラローニ。
メロディアスハード的でもあるキャッチーさと随所に流麗なギターを乗せた、シンフォニックな厚みのあるサウンドに、
実力あるヴォーカルが乗るのだから、聴き心地が悪いわけはない。フックのあるメロディに二人の伸びやかな歌声を重ねた、
サウンドの説得力は当然のように素晴らしく、改めてメタル界トップクラスのヴォーカリストの歌声をたっぷり堪能できる。
二人の歌声をじっくり聴かせるバラードナンバーから、疾走感のあるメロパワチューンまで、すべてが高品質な完成度。
メロディック度・・8 壮麗度・・8 ヴォーカル度・・9 総合・・8
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LIONS SHARE「FALL FROM GRACE」
スウェーデンのメタルバンド、ライオンズ・シェアの3rd。
プログレメタルといってもこのバンドの方向性はテクニカルタイプでもシンフォニックタイプでもない。
1stを聴いたときはソフトな部分もあったと思うが、今作では全篇エッジの効いたリフによるメタル音像。
これはプログレというよりは、正統派のメタルであろう。ときおりKEYによる印象的な叙情メロが光る。
何故か部分的にICED EARTHを思い出した。Voは実力者でこのバンドのカラーを決めている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・5 メタル度・・8 総合・・7

LION'S SHARE「EMOTIONAL COMA」
スウェーデンのメタルバンド、ライオンズ・シェアの5th。2007作
4th発表後バンドは一時活動休止に陥っていたが、新たに実力派ヴォーカリストパトリック・ヨハンソンを迎え、
よりメタリックなサウンドで復活した。結果、初期にあったプログレメタル色はきれいさっぱり消え失せ、
ザクザクのリフとパワフルな歌声によるヘヴィメタルになっています。重厚で適度に薄暗くドラマティック…なので悪くはないのだが、
やはりどうにも正統派すぎて古臭くも感じられてしまうのが残念。シンセでも入ればまた違うのだろうが…次もこの方向で大丈夫かしら。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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LIONS SHARE「Dark Hours」
スウェーデンのメタルバンド、ライオンズ・シェアの2009年作。
本作はおそらく6作目あたりだろうか。すっかり正統派メタルバンドとなったサウンドで、
これぞメタルというギターリフの上をパトリック・ヨハンソンの濃密な歌声が響きわたる。
メロディアスというほどでもなければ、疾走感もほどほどという、相変わらず微妙な感じで、
この路線ではもはや同じものしか出来ない気がするのだが。ツインギターの重ねも含んだ
重厚な聴き心地などは、決して悪い出来ではないので、もう一歩の突き抜けが欲しい。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Loch Vostok「Reveal No Secrets」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ロック・ヴォストックのアルバム。2009作
知る人ぞ知るProgMetalバンド、MAYADOMEのメンバーが在籍しているということで、
期待していたが、聴いてみるとプログレメタルというよりは、デス声入りのもっとモダンでヘヴィなサウンド。
ツインギターのリフにシンセ入りの重厚な楽曲で疾走しつつ、サビではキャッチーなメロディも入ってきて、
なかなか悪くはないのだが、ProgMetalとして聴くにはやや物足りないし、これだという音の魅力に乏しい。
ヴォーカルの声質も好みが分かれるだろう。演奏自体の質は高いので、EVERGREYあたりが好きなら楽しめるかと。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Lonewolf 「March Into the Arena」
フランスのメロディックメタル、ローンウルフの2001年作
本作がデビュー作で、メロディックなギターにパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する
オールドスタイルのメロパワサウンド。エピックで勇壮な雰囲気と、ほどよいクサメロ感、
リズムチェンジを含むドラマティックな展開力もあって、バンドとしての方向性はすでに感じさせる。
のちの作品に比べるといくぶんB級臭さはあるものの、いくぶんダーティなヴォーカルも含めて、
RUNNING WILDMANOWARにも通じる世界観と、ツインギターによる叙情性が合わさった、
日本人好みのメロパワが味わえる。粗削りながら、期待を感じさせる魅力を含んだデビュー作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 勇壮度・・8 総合・・7.5 
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LONEWOLFDark Crusade
フランスのメロパワバンド、ローンウルフの2009年作
ツインギターの4人組で、RUNNING WILD系メロディックなギターリフに
野太いダーティなヴォーカルを乗せて疾走する正統派メロパワ。
ヴァインキング風味も感じさせるメロディとエピックな世界観もよい感じで、
古き良きメタルの武骨さも併せ持ったサウンドは、オールドメタラーにもオススメ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 ランニングワイル度・・8 総合・・7.5
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LONEWOLF「Army of the Dammed」
フランスのメロパワバンド、ローンウルフの2012年作
前作同様、RUNNING WILD系のギターリフで聴かせる正統派サウンド。
メロスピばりの疾走感と、男臭いヴォーカルで、古き良きメタルの勇壮さと
エピックな雰囲気がぷんぷんで、聴いていてやはりにんまりである。
ケルティックなメロディアスさも含めて、漢のためのクサメロバンドというべき力作。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 ランニングワイル度・・8 総合・・8
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Lonewolf「The Fourth and Final Horseman」
フランスのメロディックメタル、ローンウルフの2013年作
90年代から活動する中堅バンドで、本作がすでに6作目となる。
今作もRUNNING WILD直系のギターフレーズをまぶしつつ勇壮に聴かせる、
じつに正統派のメロパワサウンドが炸裂している。ヴォーカルはGRAVE DIGGERタイプの
ややダーティな声質ながら、楽曲は随所にクサメロな叙情も含んでいて、思わずにんまり。
古き良きスタイルのメロディックな正統派メタル、エピックメタルがお好きな方はぜひ。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 勇壮度・・8 総合・・8



Lonewolf 「THE HEARTHEN DAWN」
フランスのメロディックメタル、ローンウルフの2016年作
90年代から活動する中堅バンドで、本作がすでに8作目となる。エピックな雰囲気のイントロから、
クサメロたっぷりのギターで心躍るが、おなじみ、RUNNING WILD直系のギターフレーズとともに
ダミ声ぎみのダーティなヴォーカルを乗せた、正統派のメロパワサウンドが展開される。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーから、メロスピ的に疾走する軽快なナンバーまで、
パワフルかつ適度なクサメロ感が合わさった感触で、キャリアのあるバンドらしい音の説得力も十分。
男臭い勇壮なコーラスにもニヤりとしながら、オールドなジャーマン系の正統派メロパワが楽しめます。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・8 
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LONEWOLF 「RAISED ON METAL」
フランスのメロディックメタル、ローンウルフの2017年作
90年代から活動する中堅バンドで、本作がすでに9作目となる。パワフルなヴォーカルと
クサメロ寄りのギターフレーズを乗せて疾走する、オールドなジャーマンメタルスタイルで、
潔いまでの正統派メロパワサウンドににんまりだ。今作ではさらに古き良きメタル感が増していて、
RUNNING WILDACCEPTを思わせるナンバーもあったりと、まるで80〜90年代のバンドのよう。
楽曲はあくまでシンプルで、メタルとしての明快な気持ちよさに包まれている。新鮮味はないものの、
エピックな勇壮さも含めて、ドイツのMAJESTYあたりが好きな方にもお薦めのバンドですな。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8 
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Lonewolf 「Division Hades」
フランスのメタルバンド、ローンウルフの2020年作
2002年にデビュー、いまやフレンチを代表するメロパワバンド。10作目となる本作も、叙情的なギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せて、
RUNNING WILD
+ ACCEPTというような、ほどよい疾走感の正統派メタルを聴かせる。メロディックなツインリードを随所に覗かせつつ、
派手すぎない激しすぎない、オールドスタイルのメロパワをつらぬくスタイルは、HAMMERFALLなどにも通じるだろう。
ヴォーカルの声質は、ウド・ダークシュナイダーあたりを思わせるけっこうダーティなタイプなので、好みを分けるところか。
ラストは勇壮でエピックな9分の大曲。ボーナスDiscには、90年代のデモ音源や、自主デビュー作からのナンバーなどを収録。
ドラマティック度・8 疾走度・8 正統派度・8 総合・8 
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The Longing 「Bleed」
アメリカのシンフォニックメタル、ロンギングの2015年作
メロディックなツインギターにフェミニンな女性ヴォーカルを乗せたサウンドで、シンセがさほど入らないので
シンフォニックメタルというよりは、ときにメロハー的なキャッチーな味わいやゴシック風の倦怠の香りも感じさせる。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ドラマティックな濃密さの点では物足りないのだが、
紅一点、Laura嬢の奏でる優美なピアノや、彼女のキュートな女性声の魅力もあって耳心地よく楽しめる。
全体的にメタル的なヘヴィさは控えめなので、女性声ハードシンフォが好きな方にもオススメだ。
ヴォーカルの実力は十分なので、あとは楽曲そのものやメロディのフックを伸ばしていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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The Longing 「Tales of Torment」
アメリカのシンフォニックメタル、ロンギングの2017年作
2作目となる本作も、キュートな女性ヴォーカルの歌声にツインギターと優美なピアノを重ねた、
ほどよくキャッチーで優雅なサウンドを聴かせる。随所に流麗なギターフレーズも覗かせながら、
前作に比べるとメタリックな重厚さが加わっていて、Laura嬢のフェミニンな歌声とのコントラストになっている。
楽曲は3〜4分前後で前作同様シンプルであるが、壮大さよりもメロディックな歌もの感が前に出ていて、
わりとストレートに楽しめるのが良いのかもしれない。派手なシンセによる味付けはさほどないが、
魅力的な女性声を活かしたキャッチーなサウンドには好感が持てる。今後にさらに期待です。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LORD「ASCENDENCE」
オーストラリアのメロバワバンド、ロードのアルバム。2007作
先に解散したDUNGEONのVo、ロード・ティムを中心としたバンドで、サウンドの方もそれを受け継ぐ正統派のメロディックメタル。
ただ、あくまでメイデンや初期ハロウィンスタイルを要求された前バンドから解き放たれたように、
スピーティな疾走曲から、キャッチーでやや軽めのハードロック曲などもあり、
あくまで自由にやりたいことをやってゆきたい、というバンドとしてのおおらかさが感じ取れる。
これまでの漢メタルとしての立ち位置から、メロディにこだわったヨーロピアンな質感をまとい、
軽やかに飛び立ったこのバンドを今後とも注目してゆきたい。なお、日本盤ボーナスには
なんとX JAPANの名曲“Silent Jealousy”を収録。イントロのピアノまでやっていてほぼ完コピ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 バワフル度・・7 総合・・8

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LORDSet In Stone」
オーストラリアのメロパワバンド、ロードの2009年作
DUNGEONのロード・ティムを中心に、前作も正統派のメロディックメタルを聴かせてくれたが、
本作もツインギターのメロディでパワフルに疾走する1曲目から、じつに気合が入っている。
キャッチーなミドルテンポ曲などを織りまぜつつ、あくまでメロディアスさにこだわった正統派のスタイルながら、
古き良きメタルの熱さと、現代的な聴き心地を両立させている点も、心憎いアレンジセンスである。
かつてのDUNGEONを、より普遍的なハードロック、メタルへと昇華させた高品質なアルバムだ。ゲストに、
クレイグ・ゴールディ(DIO)、ピート・レスペランス(HAREM SCAREM)、グレン・ドローバー(元MEGADETH)らが参加
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・8
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LORD 「Digital Lies」
オーストラリアのメロディックメタル、ロードの2013年作
DUNGEONのロード・ティムを中心にしたバンドの3作目で、厚みのあるツインギターに
パワフルなヴォーカルを乗せた、いかにも正統派のメロパワサウンドは健在だ。
ギターはときにピロピロ系のテクニカルなフレーズも覗かせつつ、いくぶんモダンな硬質感と
オーセンティックなメタル感触を同居させている。ミドルテンポを主体にしたどっしりとしたサウンドながら、
厚みのあるコーラスを加えたキャッチーでメロディックな叙情や、日本人好みの疾走するナンバーも含めて、
キャリアのあるバンドらしい説得力ある聴き心地がさすが。安心して楽しめるストライクなメロパワです。
日本盤ボーナスは過去曲のリメイクを2曲収録。8分を超える大曲も3曲含んだ全71分の濃密な力作。
メロディック度・・8 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・8 
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Lord Fist 「Green Eyleen」
フィンランドのメタルバンド、ロード・フィストの2015年作
ジャケの雰囲気やイカれたバンド名通り、サウンドの方も80年代を思わせる古き良きB級メタルで、
ツインギターのリフと力強くないヴォーカルを乗せて疾走する、正統派のNWOBHM的な聴き心地。
ヘヴィ過ぎない適度なスカスカ感も良い感じでなのだが、湿り気を含んだギターフレーズとともに
エピックな世界観も匂わせるあたりで、この手のマイナー正統派好きにはたまらないかもしれない。
楽曲は3〜4分前後が中心で、いたってシンプルであるが、むしろ今の時代にこの潔いまでの
オールドメタル愛にはニヤニヤニとしてしまう。EnforcerあたりよりさらにB級寄りなのだが、
古き良きダサ恰好いいメタルが好きならば、このバンドのサウンドを嫌いになれるはずはない。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 このB級メタル度・・9 総合・・7.5
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LORDIAN GUARD
アメリカのエピックメタルバンド、ローディアン・ガードの1995年作
知る人ぞ知る伝説のエピックメタルバンド、WARLORDのリーダーである、
デストロイヤーことWilliam j.Tsamisが結成したクリスチャン・エピックメタルバンドで、
女性ヴォーカルの歌声と、叙情的なギターワーク、シンセによる壮麗さで聴かせる作風。
ドラムを含めた音作りはやや軽いものの、中世を思わせる神秘的な世界観と、
どこか中性的な女性の歌声が、メタルとはかけ離れたような不思議な質感を生み出している。
WARLORDをご存じの方はぜひともチェックしていただきたい。クサメロ&幻想的な好作品です。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 幻想度・・9 総合・・7.5
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LORDIAN GUARD「sinners in the hands of an angry god」
アメリカのエピックメタルバンド、ローディアン・ガードの1996年作
2作目となる本作も、クサくメロウなギターフレーズとシンセによるシンフォニックな味付け、
そして、とても微妙なはかなさの女性ヴォーカルで聴かせる、マイナーなエピックメタル。
ドラムの軽さも前作同様で、重厚さのカケラもないサウンドながらも、
ドラマティックかつ幻想的な世界観には何故だが引き込まれるのです。
今作ではかつてのWARLORDの曲もリメイクしていて思わずにんまり。
再発盤Disc2には、シングルやデモなどの貴重な音源をボーナス収録。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 幻想度・・9 総合・・7.5
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LORDIAN GUARD 「ANTHOLOGY」
アメリカのエピックメタルバンド、ローディアン・ガードの2013年作
WARLORDのデストロイヤーことWilliam j.Tsamisによるクリスチャン・エピックメタルバンドで、
1995年と96年に発表した2作をカップリングし、シングルや未発曲を加えたCD2枚組の再発盤。
クサメロ感たっぷりのツインギターの旋律に妖しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
幻想的な叙情美がたまらない。随所にシンセアレンジも含んだシンフォニックな感触もよろしく、
あくまでメロディアス性を重視した作風は、WARLORD以上に優雅な作風である。
打ち込み風のドラムが残念だが、ギターの泣きメロ満載のエピックメタルが味わえる。
限定1000枚プレス。リマスターで音質も向上。WARLORDファンはマストです!
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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Lord Kraven 「La Caida de Kildarum」
アルゼンチンのメロディックメタル、ロード・クラヴェンの2014年作
いかにもファンタジー厨なジャケからしてもうニンマリだが、語りやSE入りの映画のようなイントロから始まり、
わりと正統派寄りのギターにスペイン語のヴォーカルを乗せて、ローカルな味わいのエピックメタルが広がってゆく。
うっすらとしたシンセアレンジや随所にクサめのフレーズを奏でるギターとともに、どこか微笑ましい聴き心地。
ドタドタとしたドラムの技量やラウドな録音はいかにもB級臭いのだが、初期のThy Majesieのようなエピックな世界観と、
アコースティックパートなども含んだ起伏のある流れで描かれるドラマ性は、なかなか嫌いではないのである。
Disc2では、Blind Guardianのような勇壮なナンバーもあり悪くないのだが、全体的には疾走するナンバーや
クサメロなキラーチューンというのはあまりなく、CD2枚組なので、さすがに長いという…
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・7.5
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LORD SYMPHONY 「LORD'S WISDOM」
インドネシアのメロディックメタル、ロード・シンフォニーの2014年作
壮麗なイントロから始まり、ツインギターにきらびやかなシンセを乗せて疾走する、ほどよいクサメロ感のある
メロデッィク・スピードメタル。なかなかヴォーカルが入らないが、3曲目からようやくハイトーンが加わり、
疾走メロスピからミドルテンポのキャッチーなナンバーなども含んだ、シンフォニックなサウンドを展開する。
楽曲は6〜8分前後が中心で、どれもリズムチェンジなどの緩急ある展開で聴かせるが、いくぶんバタついた展開に
適度にマイナーなB級感触も匂わせる。ProgMetal的な知的なアレンジをアピールしたいのかもしれないが、
結果として煩雑な印象になっていて、むしろシンプルなスピードナンバーなどを増やした方がいいような。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 楽曲度・・7 総合・・7.5
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Lord Thanatos 「Legends of Ipheria」
コロンビアのメロディックメタル、ロード・タナトスの2016年作
美麗なシンセアレンジに、ほどよく軽めのツインギターとハイトーンヴォーカルをのせて疾走する、
いかにもクサメロ系のメロスピサウンド。歌詞は英語なので辺境感はさほどないが、
ファンタジックでクサクサの雰囲気と、適度なヘナチョコ感がマイナー臭さをかもしだし
この手のB級メロスピマニアにはたまらない聴き心地だろう。軽めの疾走ナンバーが多いのも楽しいし、
ギターといいシンセといい、とにかくクサメロをまき散らす。潔いまでのファンタジー・メロスピぶりが素敵です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・9 総合・・7.5
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LORD VOLTURE「Will to Power」
オランダのメロディックメタル、ロード・ヴォルチャーの2014年作
ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて、パワフルに聴かせる正統派のサウンドで、
キャッチーなメロディアス性は、GAMMA RAYなどのジャーマンメタルに通じる感触だ。
これという新鮮味はないのだが、古き良き正統派ヘヴィメタルのどっしりとした重厚さと
甘すぎないメロディアス性を含んだ楽曲はなかなか質が高く、安心して楽しめる。
ガンマ・レイやPrimal Fearあたりが好きな正統派メタルファンはチェックすべし。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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The Lord Weird Slough Feg 「Twilight of the Idols」
アメリカのエピックメタル、ロード・ウィアード・スロウ・フェグの1999年作
B級エピックメタルの大御所、Manilla Roadに比べると、さらに知名度は落ちるものの
まさに正統派のエピックメタルという点では、このバンドも決して引けはとらない。
80年代的なアナログ感を漂わせたギターリフに、パワフルになりきれないヴォーカルと、
勇壮かつ幻想的な世界観と、すべての要素が揃ったマニア好みのサウンドがここにある。
随所にツインギターのフレーズや、ときにケルティックなメロディも入りつつ、
初期のIRON MAIDENなどに通じる感触もあり、なかなかドラマティックな雰囲気が楽しめる。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5


The Lord Weird Slough Feg 「Down Among the Deadmen」
アメリカのエピックメタル、ロード・ウィアード・スロウ・フェグの2000年作
ツインギターのリフはパワフルさを増し、メロディックなフレーズにより
描き出される勇壮かつドラマティックな聴き心地がぐっと強まっている。
一方では、古き良きブリティッシュHRのような雰囲気も残していて、
激しすぎず重すぎず、適度に田舎めいた叙情を覗かせるところもよい。
やはりコンセプト的な作品なのだろう。中盤にややダレるような曲もあるのだが、
全体的には力作と呼べる出来だ。いまでいう、NWOTHMの先駆けといってもよいだろう。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5


The Lord Weird Slough Feg 「Traveller」
アメリカのエピックメタル、ロード・ウィアード・スロウ・フェグの2003年作
SFゲーム「トラベラー」をテーマにした作品であるが、基本的には前作までのスタイルに変わりはない。
これまでの古き良きHRの感触はいくぶん薄まっていて、音質的にずいぶん向上している分、
サウンドの迫力が増していて、むしろ若いリスナーにも聴きやすいかもしれない。
ときに激しく疾走する部分は、BLIND GUARDIANあたりに通じる雰囲気もある。
これという新鮮味はないのだが、ツインギターで聴かせる正統派エピックメタルの好作品である。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・8




LorenguardEve of Corruption
アメリカのシンフォニックメタルバンド、ローレンガードの2011年作
ツインギターにシンセを含む7人編成で、「エピック・ファンタジーメタル」を名乗るように、
ゲームか映画のようなファンタジックな世界観で、RHAPSODYばりの壮大さで聴かせるサウンド。
シンフォニックな美麗さに適度なクサメロを含んで疾走するところなどは、聴いていてにやにやします。
勇壮な感触もどちらかというと、“ファンタジーメタル・ヲタク”的な二次元のゲームやアニメ的な感じで、
小奇麗なディフォルメ感がいかにも若者らしい。クオリティとしてはすでにB級とは呼べないレベルにはある。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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Lorien「Secrets of the Elder」
スペインのメロディックメタルバンド、ローリエンの2002年作
キーボードを含む5人組みで、ファンタジックなシンフォニックメタルをやっている。
ヘナチョコハイトーンのヴォーカルは英語なのでスパニッシュ臭さはさほどでもないが、
どことなくローカルさを漂わせたクサメロが田舎っぽくて、なかなかよろしい感じです。
楽曲うんぬんというよりは、とにかく歌メロのクサさはSKYLARKINSANIAかというほどなので、
B級でもOKなクサメタラーには悶絶ものだろう。「指輪物語」をコンセプトにしたFantasyクサメタル。
クサメロ度・・9 疾走度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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Lorihen「Utopia」
アルゼンチンのメタルバンド、ローリエンの1st。2000年作
先に2nd、3rdを聴いていてなかなか気に入っていたのだが、デビュー作である本作も
ツインギターの奏でる叙情メロディとスペイン語の歌声でパワフルに聴かせる正統派サウンド。
どっしりとした力強さの中にも適度にキャッチーな聴き心地があるのがこのバンドの魅力で、
なかなかレベルの高い演奏力とハイトーンヴォーカルによる、高品質のメロパワサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Lorihen「Antes De Tiempo」
アルゼンチンのメタルバンド、ローリエンの2001年作
新曲にカヴァー、バージョン違いなどを収録した企画アルバムで、パワフルなスペイン語の歌声に
どっしりとしたツインギターで聴かせる正統派のメタルサウンドは前作の延長上。
SKID ROW、QUEEN、さらにはRATA BLANCA、V8といった同郷の先輩バンドのカヴァーも面白い。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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Lorihen「Paradigma」
アルゼンチンのメロディックメタルバンド、ローリエンの2003年作
スペインのクサメロバンドLorienとは別もので、こちらは正統派のメロパワスタイル。
パワフルなギターリフにスペイン語のハイトーンヴォーカルが歌いあげるサウンドで
HELLOWEEN的な疾走曲や、ツインギターの泣きのフレーズもなかなかドラマティック。
個人的にはゆったりとしたバラードなどでの哀愁の叙情も気に入った。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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LORIHENBajo La Cruz」
アルゼンチンのメロパワパンド、ローリエンの2007年作
2003年のアルバム「Paradigma」は、派手さはないがツインギターのメロディにこだわった好作であった。
本作もミドルテンポを軸にメロディックなツインギターにスペイン語の歌声で聴かせる正統派のスタイルで、
適度に重なるシンセワークも随所に効いている。じっくりと楽しめる大人のスパニッシュメタル作だ。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Lorihen 「Aun Sigo Latiendo」
アルゼンチンのメロディックメタル、ローリエンの2015年作
2000年にデビューし、5作目。ほどよくヘヴィなギターにうっすらとシンセを重ね、スペイン語のヴォーカルとともに
オールドスタイルの正統派メタルを聴かせる。ミドルテンポ主体の楽曲は、メロディックなギターフレーズと優美なシンセによる
ほどよいキャッチーな感触で、スパニッシュな叙情に包まれる。疾走感がさほどないので、これというインパクトはないのだが、
じわじわとくる優雅な大人のメロディックメタルという感じで、わりとのんびりと楽しめる。歌メロはメロハー的な爽快さもあって、
全体的にも耳心地は良いのだが、個人的にはもう少し南米らしいクサメロ感が欲しいかな。
メロディック度・8 疾走度・6 優雅度・8 総合・7.5
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Lorraine Cross 「ARMY OF SHADOWS」
フランスのメロディックメタル、ロレーヌ・クロスの2016年作
ツインギターの5人編成で、抜けの良いハイトーンヴォーカルと正統派のギターリフを乗せた、
いかにも90年代を思わせるオールドスタイルなメロディック・パワーメタルをやっている。
ヴォーカルの声質はカイ・ハンセンあたりを思わせ、随所にツインリードによる叙情フレーズとともに、
少し前のジャーマンメタルというような感触で楽しめる。正統派メタルとしてのパワフルな部分と
エピックメタル的でもある勇壮な世界観、ヨーロピアンな湿り気を感じさせる聴き心地も日本人好みだろう。
リズムチェンジを含んだ展開力やアレンジセンスなどもしっかりとしていて、今後に期待の逸材だ。
ドラマティック度・・8 バワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Lost Fate「Where Dreams... Have No End」
ギリシャのメタルバンド、ロスト・フェイトのアルバム。2004作
ツインギターで聴かせるGAMMA RAYタイプのサウンドだが、パワフルでないヴォーカルと、
ギターの奏でるクサメロがほのかなB級臭さをかもしだしている。楽曲にしろ演奏にしろ、
いかにもつたなさがあるのだが、サウンドにはメロディアスなやわらかみと
ドラマティックにしようという意気込みが伝わってきて、嫌いにはなれない。
完成度にこだわらない辺境系マイナーメタル好きはどうぞ。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 B級度・・8 総合・・7


LOST HORIZON「AWAKING THE WORLD」
スウェーデンの正統派メロパワバンド、ロスト・ホライズンの1st。2001作
HAMMERFALL以降の正統派メロディック疾走メタルの流れを組むスタイルに、
MANOWARなどにも通じる、男気溢れるメタル魂を加えた力強いサウンドだ。
元はHAMMERFALLの前身と同じ「HIGHLANDER」というバンド名だったそうで、
メンバーもそれっぽい戦士のコスチュームに身を包んでいて写真からも気合が充分。
形態からいって目新しさがない音のはずなのに、曲にはちっとも古くささを感じない。
切れの良い演奏と、楽曲センスの高さに加え、もう一つ素晴らしいのがヴォーカルの力量で、
パワフルなハイトーンも出せしかも説得力がある。正統派メロパワでは近年稀にみる出来だ。
メロディアス度・・8 メタル魂度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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LOST HORIZON「A FLAME TO THE GROUND BENEATH」
スウェーデンのメロディック・パワーメタルバンド、ロスト・ホライズンの2nd。2003作
2001年に彗星の登場したこのバンドは、メロパワにすでに食傷ぎみだった私ですらも唸らせるだけの
クオリティと説得力をかね揃えた力強さを持っていた。そのバンドの2ndも期待を裏切らない出来。
メタリックなパワフルさを、北欧らしいメロディアスさ、キャッチーさで包み込んだ正統的なサウンドなのだが、
古くささやありきたり感はまったく感じない。彼らの場合たんなる勢いだけで突っ走るのではなく
曲の細かな部分にも非常に気を配った「緻密さ」を持っていることがポイントである。
曲のアレンジはどれも練られ、効果的なメロディと疾走感を失うことなく、密度を高めている。
Voの歌唱も見事で、この説得力はこの歌唱の表現力にも負うところが大きいだろう。
今回は三連系の曲を序盤に集めているが、決してだれることはなく2曲目などはまるで
新世紀の「BLOOD OF MY ENEMIES (MANOWAR)」のようだ。真似の出来ないオーラをもった特別なバンドというものがいるのだが、
たった二作目にしてこのバンドもそこに名を連ねるのではないかと思わせるほどに輝いている。
メロディアス度・・8 メタル魂度・・9 楽曲密度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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LOST IN GREY 「The Grey Realms」
フィンランドのシンフォニック・フォークメタル、ロスト・イン・グレイの2017年作
女性Vo、女性ヴァイオリン奏者を含む6人編成で、美麗なシンセアレンジに男女ヴォーカルを乗せて、
ゴシックメタル的でもある耽美な世界観に包まれた、シンフォニックメタルを描いてゆく。
随所に激しい疾走パートも含みつつ、美しい女性ヴォーカルによる優美な聴き心地は、
EPICAあたりにも通じるか。ヴァイオリンの音色も加わったペイガンメタル的な感触と、
適度にフォーキーな味わいとともに、12分を超える大曲をドラマティックに構築する力量も見事。
女性声の壮麗なシンフォニック・ゴシック・ペイガンメタルとして、今後も期待のバンドです。
シンフォニック度・・8 ペイガン度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Lost In Grey 「Under The Surface」
フィンランドのシンフォニックメタル、ロスト・イン・グレイの2021年作
2017年にデビューし、3作目となる。ツインギターに男女Vo、ヴァイオリン奏者を含む編成で、オーケストラルなイントロから、
メタリックなギターにシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルの歌声とともに、Nightwishを思わせる壮麗なサウンドを描く。
女性奏者によるヴァイオリンの音色や、アン嬢のキュートな歌声も魅力的で、随所に男性デス声も加わったり、
激しい疾走パートも覗かせつつ、総じて美麗な耳心地に包まれる。母国語で歌われるフォーキーなナンバーから、
SIRENIAのエマニュエル嬢や、Thaurorodのシンガーなどがゲスト参加したオペラティックな大曲も圧巻だ。
後半には3パートに分かれた20分超の組曲で、激しい疾走感も含む緩急ある展開で構築される。まさに壮麗な傑作。
シンフォニック度・8 美麗度・・9 女性Vo度・8 総合・8.5
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LOST INNOCENCE「A TALE NEVER TOLD」
イタリアンメタルバンド、ロスト・イノセンスのアルバム。1996作
ファンタジックなジャケ絵に15分もの大曲があることからかなり期待したのだが、
意外と曲は正統派メタル寄り。変拍子リズムも所々に取り入れているもののプログレというほどでもなく
キーボードもゲストなため、静寂パートでは主にアコースティック音色のギターで叙情を表現している。
シンフォニックな大仰さはなく、曲が長い割にはスカスカという印象。
プログレメタルとしてもシンフォニックメタルとしても中途半端な感は免れない。
メロディアス度・・6 シンフォニック度・・5 正統派度・・7 総合・・5.5


Lost Opera 「Hidden Sides」
フランスのシンフォニックメタル、ロスト・オペラの2016年作
2011年にデビューし、2作目。メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、
パワフルなヴォーカルにグロウルもまじえて、アグレッシブな疾走パートを含んだ、
モダンなシンフォニックメタルを聴かせる。わりとメタルコア寄りの激しさも覗かせつつ、
美しいシンセアレンジがサウンドに厚みを加えていて、クサメロ感はさほどないものの、
スケール感のあるドラマ性を描くような聴き心地。デス声パートが多めなのと、
メロディのフックや明快な盛り上がりという点で、いまひとつ物足りないのが残念。
ドラマティック度・7 疾走度・7 叙情度・7 総合・7.5
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LOVE.MIGHT.KILLBrace for Impact
ドイツのメタルバンド、ラブ・マイト・キルの2011年作
METALIUMFIREWINDにも参加していたドラマー、マイケル・エーレを中心に結成、
80〜90年代の香りを漂わせる正統派のHR/HMサウンドをやっている。
ミドルテンポ主体のパワフルかつメロディックな楽曲に、伸びやかなヴォーカルを乗せて
ときに疾走もしつつ随所にシンセ入りの美麗さもあって、メジャー感漂うクオリティの高さが光る。
ギターのリフ、フレーズはあくまで古き良きメタルの感触なので、オールドファンにも楽しめる出来ばえだ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 高品質度・・8 総合・・8
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LUCA TURILLI「King of The Nordic Twilight」
イタリアのシンフォニックメタル、RHAPSODYルカ・トゥリッリによるソロアルバム。1999年作
のっけから壮麗きわまりないオーケストレーションとクワイアで盛り上げつつ
パワフルな疾走感と、クラシカルなテイストをふんだんに散りばめた楽曲が見事。
オラフ・ヘイヤーのハイトーンヴォーカルはファビオとはまた別の味わいがあり、
RHAPSODYのサウンドとはまた違った美麗なシンフォニックメタルが楽しめる。
女性ヴォーカルをゲストに迎えてのオペラティックな雰囲気も素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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LUCA TURILLI「PROPHET OF THE LAST ECLIPSE」
イタリアのシンフォニック・メタルバンド、ラプソディルカ・トゥリッリによるソロアルバム第二弾。2002作
本舗RHAPSODYの四部作が完結したすぐあとにソロ作を出すあたり、彼の創作意欲の熱さがうかがえる。
今作はSF、スペースオペラ的なストーリィで、未来的なキーボードの音色アレンジが特徴的。
壮麗な合唱コーラスやオーケストラアレンジなど、ラプソディで培われた手法を惜しげもなく用い
壮大にして疾走感にみちたシンフォニック・メタルが展開する。RHAPSODYに比べて歌メロが平易に感じられる部分があるものの、
ここでファビオが歌ったらもうそのまんまんラプソディになってしまうからそれは仕方がない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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LUCA TURILLI's Dreamquest「LOST HORIZONS」
ルカ トゥリッリによる、プロジェクトバンド、ドリームクエストの2006年作
RHAPSODY以外にも、ソロ作やらいろいろと多作なルカだか、これはなんとゴシックメタル
モダンでややデジタリィな曲調に女性Voが歌を乗せる。ルカはギターでなくシンセ担当。
うーむ…なんというか微妙(笑)…いや、ときおりラプソばりの荘厳なコーラスワークも出てきたり
ドラマティックに聴かせてはくれるのだけど、メロディには新鮮味が薄いし、オペラティックな女性Voは
AFTER FOREVER
のフロール嬢らしいのだが、どうも今回の歌い方はあまり好みではない。
そして、ジャケ内のナルシスティックなルカの写真も微妙と…(笑)シンフォメタルからゴシックまで手を広げるのは、
まるでアルイエン・ルカッセンのようだが、それだけ様々な世界観を表現したい時期なのだろう。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Luca TurilliThe Infinite Wonders of Creation
RHAPSODYルカ・トゥリッリのソロ作。2006作
DreamQuestがゴシックメタル風だったのに対し、こちらはシンフォニックな部分を強調したアルバム。
RHAPSODYを思わせる壮麗なメタル曲と、オーケストレーション主体のシンフォニック曲が交互に来る感じで、
オラフ・ヘイヤーとBridget Fogleなる女性ヴォーカルの二人の歌声がオペラティックに重なってゆく。
ルカのシンフォニックメタル趣味満開の作品なので楽曲自体には新鮮味はあまりないが、
RHAPSODYをさらにクラシカル寄りにした作風は嫌いではないし、さすがに作品としての質は高い。
女性Vo入りということもあって個人的にはOKであります。ベースを弾くのはサシャ・ピート。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 美麗度・・8 総合・・7.5
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Luca Turilli's RHAPSODY「Ascending To Infinity」
イタリアのシンフォニックメタル、ルカ・トゥリッリズ・ラプソディーの2012年作
ルカがRHAPSODYの分裂を決断したことは衝撃であったが、ともかく我々は2つのラプソディーを楽しむ贅沢を得たわけである。
TRICK or TREATのアレッサンドロ・コンティをシンガーに迎えた本作は、壮麗なクワイアが響きわたるイントロから、
ルカの描くシネマティックメタルの世界が広がってゆく。楽曲そのものは初期RHAPSODYからの流れの中にある、
エピックなシンフォニックメタルで、ファンはひと安心だろう。アレッサンドロのヴォーカルも伸びやかなハイトーンを含めて、
文句のない実力を聴かせてくれる。間奏部のプログレッシブな構成やクラシカルなメロディの流れなどは
まさにルカ・トゥリッリ節というべきもので、最近の〜of FIREよりもずっと楽しめる。オーケストラルなアレンジの中に
クラシカルなギターの旋律が融合し、フルートなどの入ったトラッド風味や女声コーラスなども含んだオペラティックな優雅さと
映画のような壮大なスケール感が合わさり、ファンタジックな世界観を内包した素晴らしい力作に仕上がっている。
ボーナストラックのHELLOWEEN“March of Time”のカヴァーもGoodですね♪
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 これぞラプソ度・・9 総合・・8.5
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Luca Turilli's Rhapsody 「Prometheus.Symphonia Ignis Divinus」
イタリアのシンフォニックメタル、ルカ・トゥリッリズ・ラプソディーの2015年作
ルカ・ラプソとしての2作目で、SFファンタジー的な雰囲気を漂わせるシンフォニックかつモダンなイントロ曲から始まり、
アレッサンドロ・コンティのパワフルなヴォーカルとクラシカルなメロディを乗せて疾走。優雅で美麗なアレンジと
キャッチーなメロディアス性によるライトでやわらかな聴き心地が、むしろメタルメタルしていなくてよい感じです。
ときおり入ってくるネオクラ風のギターにしてもうるさすぎず、本物のクラシックを知る人間が弾くフレーズのように、
ピアノによる旋律と絡みながら優美に楽曲を彩っている。曲によってはイタリア語による歌詞も出てきたり、
男女ヴォーカルによる本格的なアリア曲も含め、アルバムとしてのメリハリも十分。ラストの18分の組曲はまさに圧巻で、
オペラティックな優雅さをシンフォニックメタルで華麗に表現したという、ルカにしかなしえない素晴らしい傑作に仕上がっている。
シンフォニック度・・9 メタル度・・7 優雅度・・9 総合・・8.5
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Turilli / Lione Rhapsody 「Zero Gravity」
イタリアのシンフォニックメタル、トウリッリ・リオーネ・ラプソディーの2019年作
ルカ・トゥリッリとファビオ・リオーネによる、新たなラプソディーの新章がここに開幕した。
ギターのドミニク・ルアキン、ドラムのアレックス・ホルツワースというかつてのメンバーとともに、
オーケストラルな壮麗なアレンジに、ファビオの伸びやかでバワフルな歌声を乗せたサウンドは、
エピックなスケール感とともに、かつてのラプソディーを彷彿とさせる部分もあり、オペラティックなクワイアや、
AMARANTHEのエリーゼ・リードが参加した男女Voのナンバーなど、華やかな優雅さに包まれながら、
コンセプト的な流れのあるシネマティックなストーリーを描き出す。ときにQUEENのようなヴォーカルパートなど、
クラシカルな美意識と、説得力のあるファビオの歌声で、安定のルカラプソ節が楽しめる強力作だ。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 ラプソ度・・8 総合・・8 
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Lucid Dreaming 「The Chronicles Pt. 1
ELEVENPATHのミハエル・フローリッシュによるメタルオペラプロジェクト。2013年作
AVANTASIAに対抗したのか、ストーリー性のあるコンセプト作品で、多数の男女ヴォーカルがゲスト参加。
マニア好みのところでは、VELVET VIPER〜ZED YAGOのJutta嬢なども参加している。
サウンドはエピックな勇壮さを含んだ正統派メタルで、ハイトーンヴォーカルやダーティなヴォーカルや
女性ヴォーカルも加わった、楽曲のシンプルさに比して無駄にとりとめのない歌声の豪華さが面白い。
メタルオペラというにはシンフォニックな要素は薄く、しごく普通のジャーマンメタルなので、新鮮味はさほどない。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 メタルオペラ度・・7 総合・・7.5



Lucifer's Hammer 「Beyond the Omens」
チリのメタルバンド、ルシファーズ・ハマーの2016年作
正統派のギターリフにパワフルすぎないハイトーンヴォーカルを乗せて、IRON MAIDENにも通じる
80年代スタイルに、ANGEL WITCHWARLOADなど、カルトメタルの香りを加えたという作風。
湿り気を帯びた叙情的なギターフレーズもじつに良い感じで、ほどよいB級らしいマイナー臭さとともに
なかなか素敵な味わいになっている。楽曲自体にはとくに新鮮味はないのだが、
80年代メタルへの愛情に包まれた世界観は、オールドなメタルファンには心地よいことこの上ない。
後半にはRIOTを思わせるナンバーや、ラストはWARLORDのあの曲みたいでにんまり。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 カルトメタル度・・8 総合・・8
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Lucifer's Hammer 「Victory Is Mine」
チリのメタルバンド、ルシファーズ・ハマーの2017年作
2016年にデビュー作に続く4曲入りのEPで、いかにもオールドなギターに朗々としたヴォーカルを乗せ、
WARLORDなど、80年代ルーツのカルトなエピックメタルを甦らせたようなサウンドを聴かせる。
トリオ編成ながら、ウェットな叙情を感じさせるギターワークなど、幻想的な世界観は日本人好みで
往年のNWOBHMのファンから、ローカルなエピックメタル好きもニンマリの作風だろう。
ラストは、アメリカ70年代のマイナーなHRバンド、LEGENDのカヴァーというのもマニアック。
ドラマティック度・8 オールドメタル度・9 カルトメタル度・8 総合・7.5
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Lucifer's Hammer 「Time Is Death」
チリのメタルバンド、ルシファーズ・ハマーの2018年作
2016年にデビューし、3作目となる。IRON MAIDENルーツのメロディックなツインギターに
パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのエピックメタルサウンド。
いかにも80年代的なフックやリズムチェンジを含む展開に、ほどよくマイナーな味わいを残しているところも
NWOBHMファンにはニンマリだろう。ミドルテンポが主体ながら、楽曲によっては適度な疾走感もあり、
ヘヴィ過ぎないサウンドと全37分というのもいかにもアナログ的。どこ切ってもオールドメタルという強力作。
ドラマティック度・7 メイデン度・8 オールドメタル度・9 総合・8
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LUJURIAEnemigos de la Castidad
スパニッシュメタルバンド、ルフリアの4th。2001作
先に5thを聴いて良かったのでまた購入。のっけから哀愁のクサメロギターが炸裂、曲はまったくの正統派メタルで
新鮮味は薄いものの、スペイン語のかすれ声ヴォーカルと王道のギターリフとともにドカドカ疾走する
暑苦しいスタイルがなかなかよろしい。音質的にもラウドで普通にノイズが入っていたりするが、
その辺を除けば、スパニッシュメタル特有の濃密なサウンドが楽しめる好盤だろう。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 スペイン度・・8 総合・・7.5
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LUJURIA「EL PODER DEL DESEO」
スペインのメロディックメタルバンド、ルフリアの5th。2003作
今作はのっけからトルコ行進曲のメロディに乗せてドカドカと元気よく始まります。
ややかすれた声質のヴォーカルによる、スパニッシュの歌唱がとても暑苦しく(笑)、
いえ、よい感じで疾走曲に似合います。また、ギターはメロウな叙情を聴かせてくれ、
バックには適度にキーボードも使用していて、音にはしっかり厚みもあります。
メタル的な熱さと、スペイン風味の叙情が合わさった好作といってよいでしょう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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Lujuria 「Licantrofilia」
スペインのメタルバンド、ルフリアの2008年作
1996年にデビュー、すでに中堅というべきキャリアがあるバンドで、本作は7作目となる。
正統派のギターリフにパワフルなスペイン語ヴォーカルを乗せた、古き良き感触のヘヴィメタルサウンド。
シンセによるシンフォニックなアレンジも随所に効いていて、ツインギターとともに厚みのある耳心地だが、
ダーティな歌声はやや好みが分かれるかもしれない。全体的にもストレートな正統派メタルであるが、
初期作のようなクサメロで疾走するナンバーは良い感じで、個人的にはこのメロスピ路線を増やしてもらいたい。
メロディック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5 
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LUNATICA「FABELES & DREAMS」
スイスの女性Voシンフォニックメタルバンド、ルナティカの2004年作
アングルの「アンドロメダとペルセウス」の絵画を使用した幻想的なジャケが印象的。
クラシカルでシンフォニックな女性Voメタル…と書くと、まるでNIGHTWISHのようだが
こちらのバンドはもう少したおやか…というかメタル度が多少低い感じ。
リズムやサウンドにややデジタリィな部分があり、メタル的な勢いよりもどちらかというと
エレゴシック的な感触がある。アンドレア嬢の歌唱はまだまだ成長の余地はありそうだが
サウンドのロマンティックな雰囲気はEDENBRIDGEなどのファンにもアピールするだろう。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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LUNATICA「The Edge of Infinity」
スイスの女性Voシンフォメタルバンド、ルナティカの3rd。2006作
日本デビュー作だった前作は、NIGHTWISHEDENBRIDGEに続く女性Voものバンドとして
その手のファンの間ではなかなか話題になったが、今作も基本は2ndの延長。
キーボード入の綺麗な楽曲の上を、アンドレア嬢の透き通ったヴォーカルが歌を乗せる。
こうなると、もはやEDENBRIDGEとの差別化が難しくなるというサウンドで、
年季とメロディセンスの差から、やはりエデブリの方に軍配を上げてしまいたくなる。
こんバンドが存続する上で、なにかもうひとつ、個性的な突き抜けが必要な気がする。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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LUNATICA「 New Shores」
スイスのシンフォニックメタルバンド、ルナティカの2009年作
女性ヴォーカルフロントのシンフォニックメタルバンドとして、期待されるバンドの4作目。
アンドレア嬢の清涼な歌声を中心に、美しいシンセワークと繊細なアレンジが光る、完成度の高い作品だ。
メタリックなヘヴィさは控えめに、あくまで女性Voバンドとしてのたおやかな質感をメインに
じっくりと聴かせる曲が多く、やや中途半端に思えた前作に比べて方向性がはっきりした。
シンフォニック度・・8 たおやか優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LUX PERPETUA 「The Curse Of The Iron King」
ポーランドのメロディックメタル、ラックス・ペルペトゥアの2017年作
ツインギターに女性シンセ奏者を含む6人編成で、クサメロたっぷりのツインギターのフレーズに、
美麗なシンセアレンジとかすれた味わいのヴォーカルを乗せて疾走する、正統派のメロディックメタル。
適度にマイナー臭い辺境的な雰囲気が、シンフォニックなクサメロスピ風味とマッチして、
これがなかなか良い感じなのであります。パワフル過ぎないヴォーカルも、むしろ前に出すぎず、
ヨーロピアンでエピックな幻想性を感じさせる味になっていて、総じてマイルドな耳心地で楽しめる。
随所にフォーキッシュな叙情も覗かせ、疾走のみならず、スローやミドルテンポのナンバーも、
しっかりメロディのフックがあって魅力的だ。辺境メタルファンならずとも薦められる逸品です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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Lycanthro 「Mark Of The Wolf」
カナダのメタルバンド、ライカントロの2021年作
2018年にデビューし、2作目となる。いかにもオールドなギターリフにダーティなヴォーカルを乗せ、
80年代NWOBHMスタイルのヘヴィメタルを聴かせる。演奏もヴォーカルもパワフル過ぎない所が
ほどよくマイナーな味わいになっていて、叙情的なギターソロなどもメロディックになり過ぎない。
楽曲的にも新鮮味は薄く、メイデンやジューダスになり切れないという感じで、これというインパクトもないのだが、
この中庸感こそがB級メタルというべきか。ラスト曲は、どっしりとしたナンバーながら、なかなか楽しめました。
メロディック度・7 オールドメタル度・8 B級度・8 総合・7




MACBETH「Wiederganger」
ドイツのパワーメタルバンド、マクベスの2012年作
結成は80年代というバンドで、いったん解散した後に復活して活動中。本作は3作目となる。
ドイツ語によるダーティな歌声を乗せて、スラッシーに聴かせるパワーメタルサウンドで、
日本の神風特攻隊やスターリングラード攻防戦など、歴史的なテーマを盛り込んだ楽曲は、
エピックな雰囲気も漂わせている。重厚なツインギターのリフにはベテランらしい説得力があり、
随所に叙情的なフレーズを織り込むなど、パワフルな作風ながら一本調子にはなっていない。
80年代的な古き良き香りとスラッシュ色も含んだ、ゲルマン系パワーメタルの力作である。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・7.5



Mad Hatter's Den 「Welcome to the Den」
フィンランドのメロディックメタル、マッド・ハッターズ・デンの2013年作
シンセを含む5人編成で、流麗なギターワークと伸びやかなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワサウンド。
STRATOVARIUSなどに通じるメロディックな感触に、ドラマティックな世界観もなかなかいい。
美麗なシンセとともに、古き良き北欧メタルを思わせるキャッチーな耳心地で、スローからミドテンポのナンバーも、
新鋭らしからぬどっしりとした説得力がある。きらびやかなシンセのインスト曲もよいのだが、
全体的には欲を言えば、キラーナンバーとなるスピードチューンがもう1、2曲欲しい。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 北欧度・・8 総合・・7.5
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MADOG「FAIRYTALE OF DARKNESS」
オーストリアのメロディックメタルバンド、マドッグの2nd。2003作
確か90年代に1枚アルバムを出していたが、まだやっていたのかこのバンド(笑)
音の方は、2003年とは思えないやや古くさいジャーマンメタルでGAMMA RAYをマイナーにしたような雰囲気。
疾走してクサメロという点ではNOT FRAGILEあたりに近い質感か。10年前であればいいアルバムだったかも知れないが、
現在聴くとマイナー臭く、どうしてもマニア向けであるという結論に達さざるをえない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 B級度・・8 総合・・7


MADRYGHAL「Dreamless Falling」
イタリアのメロディックメタル、マドリガルの1999年作
B級ファンタジー感たっぷりのジャケからして、なかなかそそるものがあるが、
サウンドの方も、クサメロのギターにきらびやかなシンセを乗せて疾走する、
初期DERDIANを思わせるスタイル。力強さのない軟弱なハイトーンヴォーカルも
クサメロスピにはよくマッチしていて、演奏力も含めてマイナー臭さに包まれているが、
SKYLARKなどと同様に、ファンタジックなクサメタル愛を感じさせ、これが嫌いになれないのである。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 マイナー度・・9 総合・・7.5
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MADRYGHAL「NEVER AND EVER」
イタリアのメロスピバンド、マドリガルの2nd。2003年作
ツインギターにキーボードという5人編成であるが、サウンドにあまり厚みがなく
クサメロで疾走しながらの惰弱そうなVoの歌唱にも、そのB級度が滲み出ている。
クラシカルなキーボードや、ときにフォーキーなメロディを取り入れるなどして、
優雅で中世的な雰囲気は悪くはないのだが、やはり曲のアレンジの弱さと
プロダクションの甘さが目立ってしまっていて、それらが活かしきれていない。
とりあえず、マイナー系クサメロ好き=SKYLARKのファンあたりまでなら聴いてもいいかも。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 マイナー度・・8 総合・・7
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MAGICA 「The Scroll of Stone」
ルーマニアのシンフォニックメタル、マジッカの2002年作
デモ音源のようなギターサウンドと、素人臭い女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
辺境感ただようサウンド。煮え切らない楽曲や音質の弱さも含めて、B級メタルの典型という印象だ。
曲によってくクラシカルな旋律や、シンセによるシンフォニックなアレンジも出てきたり
フルートの音色などにはフォーク色も覗かせたりしているが、疾走するでもなく、
クサメロ感も薄く、現時点ではルイス・ロヨのジャケ以外に褒めるところはないという感じです。
シンフォニック度・・7 疾走度・・5 女性Vo度・・7 総合・・6.5
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MAGICALightseeker
ルーマニアのシンフォニックメタル、マジッカの2nd。2005年作
先に3〜5作目を聴いていたが、女性ヴォーカルの歌声とクラシカルなクサメロで聴かせる
いくぶん垢抜けないサウンドは同じ。シンフォニックなシンセはなかなかいい感じだが、
本作の段階ではまだ楽曲アレンジや録音などの安っぽさから、いかにもB級の印象を漂わせている。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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MagicaHereafter
ルーマニアのシンフォニックメタルバンド、マジッカの3rd。2007年作
美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるEDENBRIDGEタイプのサウンド。
ギターにからむクラシカルなシンセワークといいシンフォニックで壮麗なサウンドはなかなか質が高く、
初期のNIGHTWISHを東欧風にしたという感じもありつつ、(声質はむしろウィズインのシャロン似か)
アナ嬢の少しクセのある歌い方とともに、適度なイモ臭さもむしろ味になっている。
楽曲自体には目新しい部分はないものの、女性声メタル好きならば楽しめる出来だ。
そして母国語で歌われるボーナストラック曲の美しさは絶品。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGICAWolves and Witches
ルーマニアのシンフォニックメタルバンド、マジッカの4th。2008年作
前作は女性Voのメロディックメタルとしてなかなかの出来だったが、
本作もアナ嬢の可憐な歌声で聴かせる、オーソドックスなメタルサウンド。
ドラムを含めリズム面での弱さや、面白みのないありきたりのギターワークなど、
イモ臭さも相変わらずなのだが、それを補う女性ヴォーカルの素敵さがあるのですわ。
辺境版のEDENBRIDGEという雰囲気。女性声メタルファンには価値あるバンドかと。
メロディアス度・・8 楽曲・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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MAGICA「Dark Diary」
ルーマニアの女性Voシンフォニックメタルバンド、マジッカの2010年作
5作目となる本作もEDENBRIDGEを思わせるような美しい女性ヴォーカルで聴かせる
なかなかいい感じのシンフォニックメタル。辺境的なクサメロを散りばめながら疾走する、
いくぶんのB級臭さを残したサウンドは、マニアには受けそうだし、筆者も好きだ。
ただ、曲やメロディに関してはこれまでのアルバムと同じく、決定的な魅力はなく
その中庸感がややもどかしい。もうひと皮向けるにはさらなるレベルアップが必要だろう。
シンフォニック度・・7 クサメロ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAGICA 「Center Of The Great Unknown」
ルーマニアのシンフォニックメタル、マジカの2012年作
キャリアはけっこう古く、これがすでに6作目となる。美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
正統派のメロディックメタルというサウンドは不変で、いくぶんのB級臭さも漂わせるところも含め
成長しているようで変わりばえしないというところ。アナ嬢の歌声はやはり魅力的なので、
シンフォニックにするならもっと大仰に、疾走するならもっとメロスピにと、極端さが欲しい気がする。
ジャケの雰囲気から壮大なものを期待したのだが…このままでは中庸バンドのまま終わってしまいそうだ。
シンフォニック度・・7 新鮮度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5



MAGICIAN「Tales of the Magician」
ブラジルのメロパワバンド、マジシャンのデビュー作。2007作
大仰でオペラティックなイントロで幕をあげつつ、B級臭いアレンジに不安がよぎるが、
その通りだった…基本は正統派のメロパワながら、ときおり変拍子を入れたりして、
テクニカルなことをやろうとしているがどこか小賢しく、またつたない。あまり主張のない適当なギターソロや、
かつてのクサ系イタリアンバンドのようにシンフォニックにすれば泣けるよね…的なキーボードもよけいに腹立たしい(笑)
ヴォーカルのかすれ系声も好みではないし、曲もどうということないとくれば、
お分かりいただけようか。期待の新人というにはあまりに凡庸な出来だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・7
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MAGIC KINGDOM「THE ARRIVAL」
ベルギーのメロディックメタルバンド、マジック・キングダムの1st。1999作
まるで一昔前のPCゲームのようなチープなジャケが凄いですね(笑)
音の方も2ndほどの完成度はなく、録音のチープもさも手伝って、垢抜けないネオクラシカルメタルという感じです。
もちろん、イングヴェイもどきのギターフレーズはしっかりと炸裂していて、
やぼったいながらも古き良き王道スタイルの楽曲はなかなか楽しめます。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 インギー度・・9 総合・・6.5

MAGIC KINGDOM「METALLIC TRAGEDY」
ベルギーのネオクラシカルメタルバンド、マジック・キングダムの2nd。2004年作
バンド名からコテコテのファンタジージャケから、「いかにも」な雰囲気プンプン。
サウンドはきらきらしたキーボードに、イングヴェイばりの弾きまくりギターを加えましたという感じ。
私はネオクラ系が嫌いなのだが、ここまで分かりやすく疾走しまくってくれるといっそ潔くてよい(笑)
とにかく疾走してキラキラして、ネオクラフレーズでキメまくっているアルバム。
AT VANCEあたりよりもっと突き抜けているし完成度も高い。歌メロがキャッチーなのもポイント高い。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ネオクラ度・・9 総合・・8
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MAGIC KINGDOM「Symphony Of War」
ベルギーのネオクラシカルメタルバンド、マジック・キングダムの2010年作
IRON MASKでも活躍する「ベルギーのイングヴェイ」ことダッシャン・ペトロッシ率いるこのバンド、
MGとしては6年ぶりとなる3作目。前作もこれでもかという、コテコテの濃密ネオクラを聴かせてくれたが
今作ものっけから、きらきらのネオクラシカル疾走チューンですでににんまりである。
個人的にありきたりのネオクラは好みでないのだが、これほどに正面きってやられたら
かえって楽しむしかないではないか、という(爆)…ともかくシンセをたっぷりと使った壮麗な作風と
クサメロをまぶした絶妙のギタープレイに、エピックなファンタジー性も加わっているのだから降参だ。
ラストは29分にもおよぶProgMetal風味の組曲で、これはなかなか新機軸。若干のB級臭さも味になっている。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 濃密ネオクラ度・・9 総合・・8
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Magic Kingdom 「Savage Requiem」
ベルギーのメロディックメタル、マジック・キングダムの2015年作
IRON MASKでも活躍するダッシャン・ペトロッシ率いるバンドの5年ぶりとなる4作目。
のっけからHELLOWEEN+STRATOVARIUSというようなメロディを乗せ、ハイトーンヴォーカルとともに
きらびやかに疾走する、ネオクラ風のメロディック・スピードメタルサウンドににんまりである。
IRON MASKに比べるとクサメロ感覚が強いこともあって、メロスピ&シンフォメタル系向けのサウンドで、
ヴァイキングメタル調のミドルテンポ曲なども、疾走曲の合間でよいアクセントになっている。
全体的にはこれという新鮮味はないのだが、濃密さとクオリティの高さで許せてしまうわけで。
メロディック度・・8 疾走度・・8 きらびやか度・・8 総合・・8
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MAGIC KINGDOM 「Metalmighty」
ベルギーのメロディックメタル、マジック・キングダムの2019年作
IRON MASKでも活躍する、ダッシャン・ペトロッシ率いるバンドで、1999年のデビュから数えて5作目となる。
本作はヴォーカルにマイク・ヴェセーラが参加、イングヴェイやラウドネスで活躍した実力派シンガーの歌声と、
ネオクラシカルな旋律をまぶしたメロパワサウンドが融合、ほどよい疾走感とともにキャッチーな聴き心地。
楽曲自体には新鮮味はさほどなく、音質的にもやや平坦な印象で、せっかくのヴェセーラの歌声が引っ込んでいるし、
かつてのような暑苦しいまでの壮麗なネオクラ感はやや控えめで、よく言えばバランスのとれた聴き心地である。
良くも悪くも、ひと世代前の様式美なメロパワ感であるが、オールドスタイルを愛するリスナーには心地よく楽しめるだろう。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8 
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Magion「Close to Eternity」
オランダのシンフォニックメタル、マギオンの2010年作
ツインギターにシンセ、女性Voを含む6人編成で、美麗なイントロから曲が始まると
適度にモダンなヘヴィさとともに、女性ヴォーカルの歌声で聴かせるシンフォニックメタルになる。
紅一点、ミルセ嬢の歌声は、なかなか綺麗なソプラノであるが、楽曲自体にはインパクトは薄く
モダンなシンフォメタルでありつつ、ゴシックメタル的な耽美さもあり、まだどっちつかずという印象。
壮麗な部分は悪くないので、今後はメロディや楽曲アレンジの質を高めていってもらいたい。
シンフォニック度・・8モダン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5



Magion 「A Different Shade of Darkness」
オランダのシンフォニックメタル、マギオンの2013年作
ツインギターにシンセ、女性Voを含む6人編成で、美麗なアレンジと女性ヴォーカルで聴かせる
Nightwishタイプのシンフォニックメタル。やや小粒だった前作に比べて楽曲がよりダイナミックになり、
男性デスヴォイスとともに激しくたたみかけるパートなど、緩急の付いた展開美と音の迫力が増している。
そこに乗るMyrthe嬢の歌声も、はかない繊細さと伸びやかな力強さを兼ねそろえていてなかなか魅力的。
Within Tenptationばりのしっとりとした叙情ナンバーから、適度に激しい疾走感あるナンバーまで、
楽曲の幅という点でも格段の成長が窺える。美しい女性声シンフォメタルが好きな方はどうぞ。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Magnus Karlsson's FREEFALL 「We Are the Night」
元MIDNIGHT SUNで、LAST TRIBE、STARBREAKER、PRIMAL FEAR、THE FERRYMENなど、数々のバンドに参加する
スウェーデン出身のギタリストでコンポーザー、マグナス・カールソンによるプロジェクト、フリーフォールの2020年作
3作目の本作には、元BLACK SABBATHのトニー・マーティンをはじめ、ロニー・ロメロ(LORDS OF BLACK〜RAINBOW)、
ノーラ・ロウヒモ(BATTLE BEAST)、マイク・アンダーソン、ディノ・ジェルシック、リナン・ゾンタといったシンガーが参加し、
楽曲ごとにリードをとる。美麗なシンセアレンジにネオクラシカル風味も含んだ流麗なギター、そして実力あるヴォーカルを乗せ
王道のメロディックメタルを聴かせる。ノーラ・ロウヒモ嬢の歌声を乗せた優美な叙情ナンバーなどもアクセントになっていて、
全体的にも質の高い楽曲が並ぶ。新鮮味な部分さしてないが、往年の様式美好きメタラーなどにもお薦めです。
メロディック度・・8 王道メロパワ度・・8 様式美度・・8 総合・・8
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MAGO DE OZ
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの1st。1994作
地元スペインやヨーロッパでの人気はかなりのものを誇る(らしい)。
3rd以降に比べると、まだメタル度は低く、陽気なスパニッシュロックという印象で
ブラガーやハロウィン的な疾走はここでは見られない。ただ、曲によっては哀愁メロディただよう
格好いいハードロックが聴け、このバンドのメロディセンスの一端をかいま見ることができる。
「オズの魔法使い」に扮したジャケ(おそらくメンバー)がバカすぎ…(笑)
ロディアス度・・7 メタル度・・5 フォーキー度・・7 総合・・6.5



MAGO DE OZ「LA LEYENDA DE LA MANCHA」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの3rd。1997作
「オズの魔法使い」という名前を持つこのバンド、本作から彼ららしいおちゃらけジャケになり、いよいよ本領発揮。
疾走する正統派メタルと、フォークなメロディのコントラストが融合されはじめ、
野暮ったくも情緒あるスペイン語の歌唱に、バックではヴァイオリンが優雅に鳴り響く。
これがマゴ・デ・オズサウンド。随所に聴かせるツインギターの旋律がとても気持ちいい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 フォーキー度・・7 総合・・7




MAGO DE OZ「FINISTERRA」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの4th。2000作
人を舐めたようなジャケ絵だが音楽性の基本はレインボー、メイデン
それにハロウィン、ブラインドガーディアン。疾走曲の合間にケルティックなメロディが顔を出す。
古楽器のフィドルをほとんどメイン楽器並に多用。民族調が濃いが、それでも基本がブラガー系なため
楽曲は非常に分かりやすくメタルの王道をいっている。良く言えば古楽器と様式美メタルが上手く融合されているのだが、
悪く言えば、民族色をとったらさほど魅力のないメイデン/ブラガーということ。CD2枚組もやや散漫な印象か。
メロディアス度・・8 様式度・・7 フォーキー度・・7 総合・・7.5



MAGO DE OZ「FOLKTERGEIST」
スペインのフォーキー・メタルバンド、マゴ・デ・オズのライブアルバム。CD2枚組。2002作
日本ではまだマニアックなバンドだが、母国やヨーロッパでの人気は相当高いらしい。
BLIND GUARDIAN的な疾走曲に大胆にフォーク要素を取り入れたサウンドは、
スペイン語の歌詞も相まって、田舎臭いクサ様式美メタルなるものを構築してしまっている。
ヴァイオリン、フルートを含む8人組の熱い演奏は、観客の盛り上がりもあってとてもノリノリだ。
一歩間違えばギャグになりそうな牧歌的なフルートにギターがユニゾンしたり、
フォーキーメタルという点ではSKYCLADを超えようか、という分かりやすさである。
相変わらずジャケはアメコミ調のホラーまんがノリで、このバンドの愉快な本気度が分かる(笑)
クサメロ度・・8 フォーキー度・・8 熱演度・・8 総合・・7.5

MAGO DE OZ「A COSTA DA ROCK」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズのライブDVD。2003作
正統派のメロディックメタルにフォークの要素を大胆に取り入れ、スペイン語で歌われる歌詞とともに聴かせる濃密なサウンドは、
このライブ映像でも同じで、大きなステージに満員の観客を集め、非常に熱気と彼らの人気ぶりが伝わってくる。
ツインギターにフルート、ヴァイオリンが重なり、フォークなメロディを奏でながら、
濃い目の顔のヴォーカルがスペイン語のハイトーンで熱唱すると客は大盛り上がり。
後半ではそこにさらにアコーディオンも加わり、ステージには×××の着ぐるみが出現(笑)
ただし、曲の方はフォーキーな要素を除けばごく普通の正統派メタルなので
演奏パフォーマンスとしてはそう見るべき部分は少ないが、この陽気さとノリはスペインならでは。
DVD2枚組で、DISK2にはビデオクリップやバックステージ映像などが収められている。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 スペイン度・・9 総合・・7.5

MAGO DE OZ「Gaia」
スペインのフォーキー・メタル、マゴ・デ・オズの2003年作
正直、これまではまだB級バンドの域を出なかった感があるが、本作ではコンセプト的な世界観とともに
ドラマティックな壮大さが飛躍的に強まり、作品としてのクオリティがひとつ上がってきた。
シンフォニックで壮麗なイントロから曲に入ると、スペイン語による情感たっぷりのヴォーカルと
古き良きHR色を感じさせるギター、ピアノやオルガンを含んだシンセに、ヴァイオリン、フルートも加わった、
厚みのあるサウンドが展開される。正統派メタルの感触にフォーキーな要素を加えて仕上げた楽曲は
これまで以上にメロディックでキャッチー、そしてフックのあるアレンジがレベルを上げている。
バンドとしての最初の傑作が完成だ。インタビューなどを収録したDVD付きのトールボックス仕様。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 フォーキー度・・8 総合・・8.5
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MAGO DE OZ「Madrid Las Ventas」
スペインのフォークメタルバンド、マゴ・デ・オズのライブアルバム。2005年作
2004年スペインでのライブを収録したCD2枚組。大仰なイントロからすでに観客の熱気はむんむん、
曲が始まると、スペイン語の歌声と美しいシンセワークで疾走、ヴァイオリン、フルートが加わって
フォーキーな味わいのメロディックメタルが展開してゆく。古き良きハードロックの味わいと、
エピックな勇壮さ、そして陽気な愉快さが一体となった、マゴ・デ・オズ節に思わずにやにや。
年季の入ったバンドらしい余裕ある演奏と、観客を楽しませようとするパワーはさすがである。
パワフルな疾走曲が増えたのはアルバム「GAIA」後のライブだからだろう。初期よりずっといい。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 スペイン度・・9 総合・・8


MAGO DE OZ「GAIA II」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの6th。2005年作
相変わらずのおちゃらけ&お下品ジャケ(一部モザイク必要)であるが内容は素晴らしい。
のっけから、今までにないシリアスかつ壮大なイントロが荘厳に響きわたり「おおっ」と唸る。
美しいヴァイオリンに女性コーラスが絡み、シンフォニックして大仰な雰囲はRHAPSODYのようだ。
楽曲は力強さと疾走感をともない、メタリックなギターリフにスペイン語の歌唱が映える。
バンドの特徴であるフルート、ヴァイオリンの音色も、以前よりもずっとシリアスな雰囲気で
フォーキーな脱力メロはいくぶん抑え気味となったぶん、シンフォニックメタルとしての質感が増した。
疾走曲での高揚感は彼ら史上最高で、スパニッシュでキャッチー、フォーキーでいながら壮大。
CD2枚組みのラストは21分の大曲だ。これは胸を張って「傑作」と言えるアルバムかもしれない。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 フォーキー度・・8 総合・・8.5
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MAGO DE OZ「La Ciudad De Los Arboles」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの2008作
のっけから女性ヴォーカルの歌声で始まると、すぐにその世界観に引き込まれる。
前作で見せたシンフォニックなアプローチはそのまま引き継ぎつつ、フルート、ヴァイオリン、アコーディオンなどによる
愉快な土着性が、ベテランらしい力の抜け具合と巧みな楽曲構成の中で光っている。
スペイン語による男性Voの歌唱もフォーキーなメロディとじつにマッチしていて、
このバンドにしか作り出せない哀愁と叙情のサウンドをしっかり構築している。
全体的にメタリックな疾走は控えめで、牧歌的なやわらかさが際立ったアルバムだ。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8


MAGO DE OZBarakaldo D.F
スペインのフォークメタルバンド、マゴ・デ・オズのライブアルバム。2008作
1995年のデビュー以来、本国のみならずヨーロッパで不動の人気を誇るこのバンド。
本作は2006年のスペイン、バラカルドとメキシコシティーでのステージを収録。
トリプルギターにシンセ、フルート、ヴァイオリン入り、男女コーラスも含めると
総勢12人という大所帯で、大観衆の声援のもと圧巻の演奏を繰り広げています。
フォーキーなメロディと熱きスペイン語の歌唱を乗せて疾走、濃密きわまりないサウンドで、11曲、77分を駆け抜けます。
ライブ演奏・・8 スパニッシュ度・・9 濃密度・・10 総合・・8



MAGO DE OZ「Gaia III - Atlantia」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの2010作
活動15年を超えるスペインを代表するバンド。今作は傑作「Gaia」シリーズの続編だ。
なにやら映画的な語り入りのイントロは、いくぶんモダンなシンセアレンジに大仰なコーラス、
一転して、しっとりとしたフルートと、スペイン語の叙情的な歌声で楽曲は始まり、疾走開始。
クサメロのギターが鳴り響き、フォーキーな質感とともに濃密に聴かせるサウンドににんまりだ。
ヴァイオリンやフルート、ホイッスルが絡みながら、陽性のメロディとエピックなコーラスが盛り上げる。
ときにシンフォニックに、そしてきらびやかに曲を彩るシンセワークもなかなか見事で、
効果的に重なる女性ヴォーカルなどとともに、厚みのあるサウンドを形成している。
もちろんフォーキーな質感も絶妙に加わっていて、スパニッシュ・シンフォニック・フォークメタルとして
他の追随を許さない出来だ。今回も2枚組の力作、ラストは19分の大曲で大団円を迎える。最高です。
シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・9 濃密度・・9 総合・・8.5
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MAGO DE OZGaia Epilogo
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの2011年作
2010年に完結した名作「Gaia」シリーズのエピローグ的なアルバム。
シンフォニックなシンセアレンジにメロディックなギターフレーズをまぶし、
スペイン語による歌声で聴かせる濃密なサウンドは相変わらず格好いい。
古き良きHR風味にヴァイオリンの音色が重なり、メロディアスさと重厚さが一体となった感触は、
やはりこのバンドならではだろう。叙情的なバラード曲などもスパニッシュな哀愁たっぷりで感動的だ。
今作はフォーキーな部分は控えめで、キャッチーな曲が多いのでMedina Azaharaなどのファンもぜひ。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MAGO DE OZ「Hechizos Pocimas Y Brujeria」
スペインのフォーキー・メタル、マゴ・デ・オズの2012年作
1995年にデビュー、いまやスペインの国民的メタルバンドといってもよいだろう。
本作はのっけからクサメロのフレーズとともに疾走、スペイン語の歌声を乗せたほどよい脱力感に、
ヴァイオリンやフルート、アコーディオンなどによるフォーキーな味わいもステキです。
メタルとしての激しさをここまで牧歌的に解釈できるとは、まさにこのバンドならではの聴き心地であるが、
一方では古き良き正統派HR/HM的な感触も残しており、そのあたりのバランス感覚とアレンジセンスも見事。
メロディックにしてキャッチー、牧歌的で濃密…という、問答無用の傑作です。
メロディック度・・8 フォーキー度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8.5


Mago de Oz 「Celtic Land」
スペインのフォーキーメタル、マゴ・デ・オズの2013年作
結成25周年記念のCD2枚組のベストアルバムで、Disc1には英語によるバージョンを収録。
ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)、ヨラン・エドマン、ダーレン・ワートン(DARE)、エリック・マーティン(Mr.Big)、、
ポール・ショーティノ(King Cobra)、さらにはElvenking、Korpiklaani、To.Die/Forといったバンドのメンバーも参加、
ヴァイオリンやフルート、アーディオンが鳴り響き、愉快なクサメロとともにキャッチーに聴かせるサウンドは、
英語歌詞による聴きやすさもあって、それぞれのヴォーカルの味わいも含めて違和感なく楽しめる。
Disc2はスペイン語によるナンバーとカヴァー曲を収録、WARCRY、SARATOGA、SANTELMOなどのメンバーが参加。
哀愁漂うスペイン語の歌声を乗せ、クサメロな疾走曲からバラードまで14曲たっぷり収録。
女性ヴォーカルによる美しいナンバーもよいですね。2CDで合計25曲、濃密なベストアルバムです!
メロディック度・・8 フォーキー度・・8 豪華ヴォーカル度・・9 総合・・8.5 
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Mago de Oz 「Ilussia」
スペインのメロディックメタル、マゴ・デ・オズの2014年作
デビューから20年を数えるベテランバンド。11作目となる本作は男女Voにフルート、ヴァイオリン奏者を含む9人編成で、
いつになくシンフォニックメタル風のイントロから始まり、クサメロのギターを乗せて疾走開始、
スペイン語の男性ヴォーカルに美しい女性ヴォーカルが絡み、濃密かつ壮麗なサウンドを描いてゆく。
きらびやかなシンセアレンジとツインギターのメロディに、ヴァイオリンも加わった厚みのある聴き心地と
あくまでキャッチーな爽快さに包まれた楽曲は、ベテランらしい説得力と優雅な叙情性を同居させている。
フルートやホイッスルが鳴り響くフォーキーなメロディと、スパニッシュメタルとしての哀愁も随所に感じさせながら、
全体的には正統派のメロディックメタルとしても、多くのリスナーに楽しめるだけの見事な傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 スパニッシュ度・・8 壮麗度・・9 総合・・8.5
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Majestica 「A Christmas Carol」
スウェーデンのメロディックメタル、マジェスティカの2020年作
SABATONのギタリストでもあるトミー・ヨハンソンを中心にした、Rein Xeedが発展したバンドで、2019年にデビュー、
2作目となる本作はタイトル通り、ディケンズの「クリスマス・キャロル」をコンセプトにしていて、オーケストラルなイントロから、
きらきらとしたシンセにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、華麗なメロスピサウンドを展開。
随所にクリスマスソングのメロディを引用しながら、同郷の先輩であるSTRATOVARIUSを思わせる
北欧らしい透明感のあるキャッチーな聴き心地。シンフォニックなメタルオペラ的にも楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 華麗度・8 総合・8
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Majestic VanguardBeyond the Moon
スウェーデンのメロディックメタルバンド、マジェスティック・ヴァンガードの2005年作
シンセを含む5人組で、壮麗なイントロから曲が始まると、キャッチーな歌メロを乗せて疾走、
初期のAXENSTARをよりエピックにした感じのファンタジックなメロパワサウンドだ。
メロディも曲のフックともにB級臭さはなく、随所にまじえたケルティックなフレーズも含めて
クオリティの高さが光る。クサメロ好きはもちろん、北欧系メロパワのファンなら要チェック。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・8 総合・・7.5
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MAJESTY 「Sword & Sorcery」
ドイツのメロパワバンド、マジェスティの2002年作
ジャケやタイトルからしてMANOWARばりのヒロイック・メタルの香りがぷんぷんであるが、
サウンドの方も、勇壮な雰囲気をただよわせた、しごく正統派のエピックメタルが楽しめる。
メンバーにシンセがいるので音には厚みがあり、ツインギターによるメロディックなフレーズも随所によい感じだ。
ジャーマンメタル的な疾走感もあり、オールドなメタルファンにもアピールするだろう。ロス・ザ・ボスがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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Majesty 「Reign in Glory」
ドイツのメロパワバンド、マジェスティの2003年作
自主制作のデビュー作から数えて3作目のアルバムで、ツインギターの正統派のリフに
かすれ気味のヴォーカルを乗せて疾走する、MANOWARを思わせる古き良きメタル感触のサウンド。
エピックでファンタジックな雰囲気ぷんぷんで、シンセを含むアレンジが大仰な世界観を描き出す。
ミドルテンポのナンバーも、キャッチーなメロディのフックと勇壮なパワフルさのバランスがよく、
激しすぎず硬派すぎずというスタイルで、ジャーマンタルとしてのウェットな叙情も垣間見せる。
7分や8分、10分という大曲もあって、ラストはMANOWAR“Battle Hymn”のカヴァーときた。お腹いっぱいの力作です。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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Majesty 「Hellforces」
ドイツのメロディックメタル、マジェスティの2006年作
2000年にデビューし、4作目となる。正統派のギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、MANOWARを思わせる
勇壮な正統派メタルを聴かせる。どっしりとしたスローテンポやミドルテンポのナンバーを主体にしつつ、
ジャーマンメタルらしい疾走ナンバーもあり、ほどよくキャッチーなメロディアス性をオールドなメタルに織り込んだ、
80〜90年代的なサウンドは、テクニカルやモダンなスタイリッシュ性の真逆をゆく、ダサ恰好良さに包まれている。
楽曲も3〜5分前後といたってシンプルで、エピックなバラードナンバーから疾走メロスピまで、バランスのとれた内容だ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5 
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MAJESTY「Own The Crown」
ドイツのメタルバンド、マジェスティの2011年作
一時期METALFORCEとバンド名を変えていたが、再びMAJESTYに戻してのベストアルバム。
Disc1には過去の作品からの14曲を、Disc2には新曲や過去曲のニューバージョン、デモ音源などを収録。
サウンドは当然ながら、これでもかという正統派のメロパワで、METALIUMがさらにエピックになったという感じ。
ドラマティックな高揚感をもたらすコーラスやメロディックなフックなど、楽曲的にもツボをついてくる。
まさにドイツ版MANOWARというべき世界観で、有無を言わせずたたみかける、熱い漢(戦士)のメタルが炸裂だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・9 総合・・8
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MAJESTY「Thunder Rider」
ドイツのメロパワバンド、マジェスティーの2013年作
2000年にデビューした中堅であるが、途中、METALFORCEと名前を変えたりしつつも、
無事、MAJESTYに名前が戻ってのアルバム。5作目となる今作も、MANOWARばりの大仰なエピック性に、
いかにもドイツのバンドらしいキャッチー歌メロで聴かせる、正統派のメロディックメタルを聴かせてくれる。
ミドルテンポと疾走曲のバランスもよく、全体的に、ベテランのような大人の勇壮さという感触もマノウォーっぽい。
これという新鮮味はないが、安定の完成度はさすが。正統派メロパワ、エピックメタル好きはマストでしょう。
メロディアス度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・8



MAJESTY 「Banners High」
ドイツのメロディックメタル、マジェスティーの2013年作
2000年にデビューの中堅で、いきなりMETALFORCEと名前を変えたりしたが、また名前を戻して活動を続けている。
ジャケやタイトルは失笑モノであるが、おそらく彼らはいたって本気。語りから始まるなにやらエピックな雰囲気も
いかにもMANOWAR的であるが、サウンドの方も古き良き感触のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
マノウォーな正統派メタル。勇壮なコーラスや厨二病的な歌詞も含めて、すべてがエピックで剣を手にした戦士的である。
メロディのフックはときにキャッチーで、にやりとしたくなるクサメロ感を漂わせているのが、またよいのですな。
MANOWARのようなエピックな正統派が好きな方はもちろん、古き良きジャーマンメタル的にも楽しめる力作です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 マノウォー度・・8 総合・・8
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Majesty 「Generation Steel」
ドイツのメロディックメタル、マジェスティーの2015年作
2000年デビュー、すでにキャリア15年の中堅バンド。本作もこれぞ正統派という、MANOWAR譲りの
勇壮なメロディックメタルを聴かせる。シンセをほとんど使わない男気のあるアレンジは、一聴してシンプルで
オーセンティックな感触なのだが、その向こうには戦士たちが剣を振り上げるエピックな世界観がはっきりと見えてくる。
ミドルテンポ主体ながらパワフルな疾走曲もあり、正直、近年のMANOWAR以上に楽曲は粒ぞろい。
メロディックなフックもしっかりあって、決して一本調子にならないセンスも見事。正統派メロパワ好きはマストでしょう。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 勇壮度・・8 総合・・8
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MAJESTY OF REVIVAL「Through Reality」
ウクライナのメロディックメタル、マジェスティ・オブ・リバイバルの2012年作
CONQUESTのヴォーカルが在籍するバンドで、ネオクラシカルテイストもあるギターと
美麗なシンセアレンジで聴かせる様式美メタルのスタイル。あまりパワフルでないヴォーカルと、
弾きまくりながらもどことなくローカルさをかもしだすギターが、いくぶんB級臭さをかもしだしていて、
楽曲ごとのインパクトもあまりない。そこそこ楽しめるのだが、どうも煮え切らないという典型の作品。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 ネオクラ度・・7 総合・・7
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MALAMORTE 「Hell for All」
イタリアのメタルバンド、マラモルテの2019年作
Lord Vampyrなどで活躍する、Alessandro Nunziatiのソロプロジェクトで、本作が3作目。
古き良きギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せて、ほどよい疾走感を含んだ、
80年代スタイルのオールドなメタルサウンドを聴かせる。ジャケはデスメタル風なのに
曲によってはクサメロのジャーマンメタル風だったり、軽めのスヒードメタル風だったりとりとめがない。
ヘタウマなヴォーカルもどこかマイナー臭さを漂わせていて、90年代のB級メタルが好きな方なら
わりと楽しめるだろう。ラスト曲のような、カルトな雰囲気がもっとあれば良かった。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Mandragora 「Waves of Steel」
ペルーのメタルバンド、マンドラゴラの2017年作
ツインギターに女性シンガーを含む編成で、古き良き感触のギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、
80年代ルーツのメタルサウンド。紅一点Fatima嬢の歌声は、かつてのDOROなどに通じる感じもあり、
随所に叙情的なツインギターを織り込んだ、ヨーロピアンな正統派のNWOTHMが楽しめる。
全体的にはミドルテンポが主体で、IRON MAIDENなどに影響を受けたとおぼしき、わりとキャッチーな聴きやすさがある。
激しい疾走感はあまりないのだが、後半にはスピードメタルナンバーもあり、女性声のオールドメタルが好きな方はいかが。
ドラマティック度・7 疾走度・7 古き良き度・8 総合・7.5


MANDRAGORA NEGRA 「SUENOS DE REALIDAD」
スペインのシンフォニックメタル、マンドラゴラ・ネグラの2012年作
女性シンセ奏者を含む5人編成で、シンセによる美麗なアレンジと
スペイン語によるマイルドな歌声で聴かせる、正統派のメロディックメタル。
ヘヴィさや疾走感は薄いものの、キャッチーなメロディが爽快な聴き心地になっていて、
むしろメロハー気味ですらある陽性のクサメロがよい感じ。爽やかクサメロな好作。
メロディック度・・8 爽快度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Mandragora Negra 「Imparable」
スペインのメロディックメタル、マンドラゴラ・ネグラの2015年作
2012年にデビュー、本作は2作目となる。きらびやかなシンセアレンジにスペイン語のヴォーカルを乗せ、
キャッチーなメロディアス性とともにほどよく疾走する、優美なメロディックメタルサウンド。
初期のAVALANCHをさらに優雅にしたような聴き心地で、ときにメロハー的でもあるポップ性も含んだ
爽やかなメロディアス性が楽しめる。スパニッシュな濃密さも感じさせつつ、疾走するメロスピナンバーも、
ライトで爽快な味わいなので、パワフルなサウンドが好みの方にはいくぶん軟弱に聴こえるかもしれない。
随所にメロディックなギターの旋律も覗かせつつ、キャッチーな歌メロとシンセで壮麗なサウンドを描く好作品だ。
メロディック度・・8 優美度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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MANIGANCE「SIGNE DE VIE」
フランスの正統派メロディックメタルバンド、マニガンスの1stミニ。
フランスにもHEAVENLYをはじめ、メタルバンドけっこうははいたのですね。
さてこの6曲入りミニアルバム。サウンドを聴く限りでは実に正統派。
クオリティもそれなりで、とくに目新しさのないメロディックメタル/ハードロック。
ただ全曲「フランス語」で歌っているので、Voの語感が少し新鮮です。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・7

MANIGANCE「ANGE OU DEMON」
フランスのメロデッィクメタルバンド、マニガンスの1stフル。2002作
1996年にミニアルバムでデビューしていたが、このフルレンスでようやく日本盤デビュー。
サウンドは正統的なメロディックメタルで、ツインギター+キーボードの厚みのある音で、
疾走曲からキャッチーなミドルテンポまでをまるでベテランバンドのようにセンスよくこなしている。
歌唱は母国語なのだが、イタリアやスペインのバンドのような田舎っぽさはなく、
どちらかというと都会的なサウンドアレンジ(かといって目新しいというわけではない)。
メロディも楽曲の質も及第点を大きく超えており、バンドの今後を期待させてくれるものの
全体としては中庸の出来。一番印象に残ったのはフランス語の歌唱というのが正直なところか。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 爽快度・・8 総合・・7.5

MANIGANCED'un Autre Sang
フランスのメロディックメタルバンド、マニガンスの2nd。2004作
きらきらとしたシンセにときにネオクラ風になる緻密なギターワークで疾走、
そしてこのバンドの特徴であるフランス語の歌唱による優雅なメロパワ作。
1st以上に楽曲にスケール感が出てきて、テクニカルな演奏力に加え
楽曲アレンジの質も向上し、一線級のバンドに近づきつつあるという好作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 フランス度・・8 総合・・7.5
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MANIGANCE「Memoires...live」
フランスのメロパワバンド、マニガンスのライブアルバム。2004年作
母国フランスでの熱きステージを収録したライブアルバム。
美麗なシンセとテクニカルなギターワーク、そしてフランス語による歌声を乗せて
メロディアスに疾走するスタイルは、デビュー時から比べるとより力強くなり、
その鉄壁のアンサンブルは自信に満ちている。全15曲72分の濃密なライブ作だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 フランス度・・9 総合・・8
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MANIGANCEL'ombre Et La Lumiere
フランスのメロパワバンド、マニガンスの2006年作
正統派メロパワの力強さと知的な構築性、テクニックとメロディを兼ね揃えたフランスを代表するバンド。
3作目となる今作は、よりProgMetal的な展開美を強めたドラマティックな力作となった。
どこか優雅な響きのフランス語の歌声と、シンセによるシンフォニックな美麗さで、
プログレパワー的な重厚な世界観を描き出している。疾走好きには物足りないだろうが、
かつてのELEGYのような知性溢れるメロディックメタルが好きな方にはオススメだ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 知的構築度・・8 総合・・8
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MANIGANCE「Recidive」
フランスのメロパワバンド、マニガンスの2011年作
結成は90年代、フルアルバムとしてはすでに4作目となる中堅バンドであるが、
本作もじつに正統派のメロパワサウンドを聴かせる。このバンドの特徴ともいうべき
フランス語による歌声と、ときにテクニカルなフレーズを織りまぜたギターワークで、
パワフルかつドラマティックな楽曲を描いてゆく、シンセによるシンフォニックな味付けもあり
古き良き正統派の味わいとモダンなスタイリッシュ性が合わさったスタイルは貫祿充分だ。
前作からのプログレメタル風味の知的な構築性も含めて、クオリティの高い力作である。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 フランス度・・8 総合・・8
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MANIGANCE 「Volte-Face」
フランスのメロディックメタル、マニガンスの2014年作
1996年にデビュー、フランス産のメタルバンドとしては最もキャリアのあるバンドだろう。
6作目となる本作は、きらびやかなシンセアレンジとフランス語によるヴォーカルを乗せた
優雅なシンフォニックメタルというべき作風で、メロパワ的な疾走感に加え随所に知的な展開力も覗かせる。
ギターワークの巧みさとメロディアスなフックはこれまでの作品以上で、楽曲ごとにしっかりと聴きどころがある。
英語歌詞以外が苦手という人でないなら、バンドとしての最高傑作というべき内容にうなずけると思う。
ADAGIOのステファン・フォルテ、HEAVENLYのオリヴィエ・ラパウゼなどがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 フレンチ度・・8 構築度・・8 総合・・8
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Manilla Road「Deluge」
アメリカのエピックメタル、マニラ・ロードの1986年作
現在も活動を続けるUSエピックメタルの重鎮、その80年代の最高傑作のひとつ。
いかにもマイナーバンド的な楽曲の煮え切らなさと、力強すぎない聴き心地は、
Cirith Ungol以上のファンタジーヲタク的世界観&エピックぶりの前には
さしたる問題にもならない。本作にいたっては、むしろダイナミックな展開力が見事ですらあり、
コンセプト的に小曲を挟んだり、叙情的なパートも含めてアルバムとしてのメリハリも充分。
これならB級メタルマニアでなくともそこそこ楽しめるくらいの出来かと思います。
ドラマティック度・・8 B級度・・8 エピック度・・9 総合・・7.5
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Manilla Road 「Voyager」
アメリカのエピックメタル、マニラ・ロードの2008年作
1980年デビューのベテランで、本作は14作目。ジャケの感じからヴァイキングをテーマにしているようで、
シンセによる幻想的なイントロから、ほどよくヘヴィなギターとかすれた味わいのヴォーカルにデスヴォイスも絡み、
いつになくおどろおどろしい感じのメタルサウンドを聴かせる。こもり気味の音質がいかにもカルトな雰囲気で、
だいたい曲が6分以上と無駄に長い所も含めて、いつまでたってもローカルなB級エピックメタルのスタイルにに微笑ましくもなる。
中盤の9分のタイトル曲などは、なかなかドラマティックな味わいで、アルバム後半にはアグレッシブなメタル感も覗かせる。
ドラマティック度・7 エピック度・7 B級度・8 総合・7 
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Manilla Road 「Mysterium」
アメリカのエピックメタル、マニラ・ロードの2013年作
デビューから30年以上のベテランであるが、その存在はいまだマニアにしか知られない。
これが何作めなのかも分からないのだが、B級感漂う正統派のスタイルはそのままで、
愚直なまでのエピックメタルぶりはある意味で素晴らしい。音質の弱さもアナログ感をかもしだしていて、
楽曲は適度にドラマティックなのだが、煮え切らないヴォーカルとともに印象に残らないのは相変わらず。
それでいて最近のNWOTHMブームのおかげもあって、古めかしいメタルとして普通に楽しめてしまう。
これぞ、カルト・エピックメタル。Virgin Steeleよりさらにマニアックな香りがしますわ。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5


MANITOU「DEADLOCK」
フィンランドの正統派メタルバンド、マニトウの2006年作
OMNIUM GATHERUMでも活躍するギタリストを含む5人編成で、
サウンドは今どき珍しいくらいの正統派ヘヴィメタル。かつてのIRON MAIDENや
JUDAS PRIEST風の雰囲気に現代的なヘヴィさを加えたような印象だ。
ときに叙情的なツインギターとともに、ドラマティックな雰囲気を随所に覗かせる。
新鮮味はあまりないが、安心して楽しめるオーセンティックなメタルアルバムだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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MANOWAR 「BATTLE HYMNS」
アメリカのメタルバンド、マノウォーの1982年作
マッチョなエピックメタルとしていまや世界中で人気を博すバンドだが、その記念すべきデビュー作は
バイクの音から、わりとキャッチーなアメリカン・ハードロックが始まり、後の彼らの戦士のイメージからすると
やや拍子抜けするかもしれない。ただそんな中でも、エリック・アダムスの伸びのある歌声は素晴らしく、
「Fast Taker」、「Manowar」といったナンバーは、彼ららしいノリの良さと勇壮な空気感も漂わせる。
「Dark Avenger」の大仰な流れから、お得意のベース速弾きによる「William's Tale」、
そしてラストのタイトル曲「Battle Hymn」のドラマティックな世界観は、まさにこのバンドの本質を示した名曲といえるだろう。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 重厚度・・7 総合・・8
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MANOWAR「INTO GLORY RIDE」
マノウォーの1983年作
本作からドラムがスコット・コロンバスに交代、サウンドの方も1曲目の「WARLORD」からマノウォーらしさが全開、
「Gloves of Metal」、「Gates of Vallhalla」とエピックな楽曲も増え、ゆったりとした曲調の中にも叙情を含んだ「Hatret」、
キャッチーなメロディの「Revelation」など、魅力的なナンバーが揃っている。ラストは8分を超える大曲「March for Revenge」で
ドラマティックに締めくくる。戦士を思わせる勇壮なエピックメタルスタイルが確立した強力なアルバムである。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR 「Hail to England」
マノウォーの1984年作
名曲「Blood of My Enemies」からして、勇壮な世界観に胸躍る。この三連リズムの重厚なナンバーは
口ずさみたくなるキャッチーなサビのメロディも含めて個人的にもマノウォー最高の1曲である。
エリック・アダムスの歌唱にはますます表現力が加わり、戦士たちの雄たけびのようにパワフルに響き渡る。
「ダーイ、ダーイ!」の掛け声が強烈な「Kill With Power」、荘厳なコーラスのタイトル曲 「Hail to England」、
速弾きベースソロ曲から、ラストの大曲「Bridge Of Death」まで、アルバムとしては全34分足らずの短さながら、
マノウォーらしさがたっぷりと詰まった傑作である。バンドは本作に置いて、ヨーロッパにおける知名度をぐっと高めることとなる。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR 「SIGN OF THE HAMMER」
マノウォーの1984年作
新たに10レコードと契約、1曲目からして「All Men Play On 10」というまるでレーベルに忠誠を誓うようなタイトルの、
わりと普通のHRナンバーであるが、エリック・アダムスの迫力ある歌声が乗れば、そこはマノウォーなのだ。
ドラマティックな展開力が魅力の「THOR」、雄大な叙情性を描く「Mountains」、
勇壮なタイトル曲「SIGN OF THE HAMMER」、疾走ナンバーの「The Oath」など、好曲も多数。
カルトによる1978年ガイアナでの惨劇を描いたラスト曲「GUYANA」のドラマ性と、充実の力作である。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR 「Fighting the World」
マノウォーの1987年作
ケン・ケリーの手によるアートワークとともに、本作ではマッチョなメタルのイメージがさらに強まったが、
内容の方はわりとキャッチーなナンバーが増えていて、一般のHRリスナーにも聴きやすいかもしれない。
1曲目のタイトル曲は、シンプルながらもサビでのエピックなコーラスは、いかにもマノウォーらしい。
キャッチーな疾走曲「CARRY ON」もわりとお気に入りで、エピックな雰囲気の「Defender」、「Holy War」、
そして、ラストの勇壮な疾走ナンバー「Black Wind,Fire And Steel」と、シンプルながらも良い曲が多い。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 重厚度・・7 総合・・8
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MANOWAR 「Kings of Metal」
マノウォーの1988年作
車のエンジン音から始まる「Wheels of Fire」の勢いあるパワフルな疾走メタルサウンドから幕を開け、
「Kings of Metal」での「マノウォー、キル!」のサビで文字通り殺られる。壮大なバラードナンバー「Heart of Steel」、
ファンタジックな「The Crown and the Ring 」、お得意のエピックなナンバー「Hail And Kill」など、楽曲も充実。
そして長い物語の語りから、「Blood of the Kings」という流れは、80年代マノウォーの総決算というべき濃密な世界観で
本作こそバンドの最高作とするリスナーも多いだろう。今作を最後にギターのロス・ザ・ボスが脱退。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR「Triumph of Steel」
マノウォーの1992年作/邦題は「勝利の鋼鉄」
ギターにデヴィッド・シャンケル、ドラムにライノが加入、28分におよぶ組曲で幕を開ける本作は、
賛否両論もある作品となったが、ある意味では、このバンドにしかできない究極のエピックメタルでもある。
ホメロスの「イーリアス」をテーマにしたこの組曲は、勇壮に始まりつつ、途中ドラムソロやベースソロなどを加え、
壮大な叙事詩の世界観を大胆な構成で描いてゆく。これを退屈ととるか、エピックと見るかはアナタ次第。笑
後半には「Ride the Dragon」、「The Power of Thy Sword」というメタリックな疾走ナンバーもあり、
激しいのが好きなメタラーにもしっかり対応。ラストの叙情的なバラード「Master of The Wind」まで、全70分におよぶ力作である。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR 「Louder Than Hell」
マノウォーの1996年作
新たにギターのカール・ローガンが加入、ドラムにスコット・コロンバスが復帰した本作は、
アグレッシブなメタル感触を強めた作品となった。キャッチーな“Return of the Warlord”で幕を開け、
重厚でエピックな“Brothers of Metal Pt.1”、ミドルテンポのメタル賛歌“The Gods Made Heavy Metal”から、
荘厳なバラードの“Courage”へと続く辺りは、ファンが求めるマノウォーらしさが全開である。
お待ちかねのスピードナンバー“Outlaw”、9分を超えるサントラ的な大曲“Today Is A Good Day To Die”
そしてラストの強力な疾走ナンバー“The Power”まで、まさに勇壮なマノウォーサウンドが詰まった力作だ。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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MANOWAR「Hell on Wheels Live」
アメリカのヘヴィメタルバンド、マノウォーのライブアルバム。1999作
漢のための漢メタル、マッチョにハーレー、世界でもっともラウドなメタルバンド、等々
世界中のメタル野郎たちから熱いリスペクトを受けるベテランバンド。
1996〜97年の「LOUDER THAN HELL」ツアーからのステージをCD2枚に収録。
1曲目の“Manowar”からパワー全開。“Kings of Metal”、“Kill with Power”、
“Sign of the Hammer”という流れはまさに戦う男のメタルアンセムである。
他にも名曲中の名曲、“Blood of my Enemies”、“Wheels of Fire”、“Thor”、
“Black Winf Fire And Steel”、そしてラストの“BAttle Hymn”まで、
これが真のメタルだというナンバーがずらり。ファンは必聴であろう。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MANOWAR「Hell on Stage Live」
アメリカのヘヴィメタルバンド、マノウォーのライブアルバム。1999年作
世界が認める漢メタルの元祖。1998年のワルドツアーの音源をCD2枚組で収録。
ブラジル、スイス、ハンガリー、ドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、チェコ、オーストリアと
世界各国でのステージから収録された楽曲は、どれも熱い男のメタル魂にあふれている。
以前のライブアルバム「Hell on Wheels Live」と楽曲がかぶらないように配慮されていて
“Marzh of Revenge”、“Gates of Valhalla”、“Guyana”といったドラマティックなナンバーや
“Heart of Steel”、“Master of the Wind”という感動的なバラード曲も収録。
“The Power”でたたみかけ、ラストは“The Crown And The Ring”の大合唱。
これぞ大仰メタル、エピックメタルの元祖にして、本物のヘヴィメタルである。
ドラマティック度・・8 漢メタル度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MANOWAR「WARRIORS OF THE WORLD」
元祖戦う男のマッチョメタル、マノウォーの2002年作
サウンドは前作「Louder Than Hell」での一気呵成のメタル突き押しではなく、
バラードなどのゆったりめの曲で、エリック・アダムスの素晴らしい歌唱が堪能できる、
アルバムタイトル通り、世界中の戦士たちを鼓舞するように力強くエピックな作風だ。
また、ジャケにおいて9作目にして初めて戦士がアメリカ国旗をかがているあたりが、
去年のテロ事件後のマノウォーなりのメッセージが込められた「鎮魂歌」的な要素も感じさせる。
後半にはお待ちかねのパワー溢れる疾走メタル曲が続き、ファンも納得だろう。
全体的にはミドルテンポが多く、やや地味ながらも、安心して楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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MANOWAR「FIRE AND BLOOD」
アメリカのメタルバンド、マノウォーのライブDVD。2002年作
映像作品としては「HELL ON EARTH」のPARTUということになる。
DISC1は、ヨーロッパ各地を回るツアーにおけるステージやインタビュー、そして各国のファンの様子などを写したもので、
いかにこのバンドがヨーロッパで人気を誇っているかが見て取れ、ステージ以上にそのファンのすごさに圧倒される。
マノウォータトゥーをした多くの「信者」、女性のおっぱいポロリ、ジョーイ閣下のキスしまくり映像など、
ライブを通しての熱きファンとの交流こそが、このバンドの信条なのだろうと思わせる。
もちろん演奏も「これぞ男のメタル」という、パワフルなもので、ジョーイ・ディマイオの
サムライを思わせる動き(ベースがまるで剣のよう)など、パフォーマンスも堂に入ったもの。
DISC2の方はブラジルでのライブで、曲と演奏が純粋に楽しめる作りとなっている。
この275分には、デビューから15年以上、この路線でメタル魂を失うことなく活動しつづける
このバンドの凄さが集約されており、私のようなさほど熱心でないリスナーでさえも、
「一度くらいはこんな人生が送れたら」などと、ふと考えてしまうほど(笑)。HAIL AND KILL!
ライブ演奏・・8 ライブ映像・・7 メタル魂度・・10 総合・・7.5

MANOWAR「HELL ON EARTH V」
HMの権化、戦う男のマッチョ・エピックメタルバンド、マノウォーのライブDVD。2003作
「HELL ON EARTH」と題された、世界各国のツアードキュメント入りのシリーズ3作目。
DISC1の方は世界中をツアーする彼らのステージや、ファンの姿を映し出したドキュメントで、
ブラジル、フランス、スペイン、チェコ、オランダ、オーストリア、スイス、スウエーデン、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、ギリシャ、
イタリア、デンマーク、フィンランド、果てはエストニアやロシアまで、欧州各国を巡業しつつの熱いステージと、ファンとの交流が記録されている。
女性ファンをステージに上げてのオッパイポロリシーンも多く、世界各国の女性や熱狂的なファンの姿を見比べられて、これはこれでなかなか面白い。
DISC2の方は彼らの第二の母国ともいえるドイツでのライブステージで、いつも以上に気合の入った演奏と、熱唱するエリックの姿が堪能出来る。
「HEART OF STEEL」のドイツ語版「HERZ AUS ATAHL」の大合唱にはドイツのファンたちの熱狂ぶりと、このバンドの欧州での人気ぶりが改めて分かる。
ボーナスとして、なつかしのビデオクリップとメイキングなども入っておりコナン・ザ・グレートばりの衣装を着て剣を持った当時のメンバーたちの姿が笑える。
ライブ映像よりもツアードキュメントがメインとなっている感は否めないが、心からヘヴィメタルを愛し、ファンを愛する、このバンドの変わらぬ気質が窺える。
ツアー映像・・8 ライブ演奏・・8 メタル魂度・・10 総合・・8
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MANOWAR「Hell on Earth IV」
アメリカのエピックメタルバンド、マノウォーのDVD作品。2005作
前作HOEVでお腹一杯だったのでもう買うまいと思っていたのだが、ついまた買ってしまった。
今作も純粋なライブ作というよりは、編集されたライブ映像を含めて、世界各国のファンの様子や
メンバーらのインタビューなどを盛り込んだ、「マノウォー・ドキュメント」的な作りとなっている。
ライブ演奏はもちろんだが、それ以上に熱狂的な世界のMANOWRファンの映像を見ているだけでも楽しめる。
例によって女性ファンのオッパイポロリも多数あり。DVDのDisc2にはメンバーのインタビューやドキュメント、
それにお馬鹿なTV番組など、下品かつ笑える作りとなっている。CDには「GODS OF WAR」からの新曲を収録。
ライブ映像・・7 世界のブラザー度・・10 メタル魂度・・9 総合・・7.5
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MANOWAR「GODS OF WAR」
元祖ヒロイックメタルの雄、マノウォーの2007年作
本物のメタル魂をエピックな世界観でやたらと大仰に聴かせるこのバンド。
5年ぶりのアルバムは北欧神話を題材にしたコンセプト作で、壮大なオーケストレイションとともに幕を開ける。
映画的な語りやコンセプチュアルな雰囲気は、1992年作「The Triumph of Steel」あたりに通じるか。
やはりエリック・アダムスの見事な歌唱やジョーイ・ディマイオの存在感のあるベースには
年季をへたバンドのみがかもし出せる力強さがあり、その辺のエピックメタルバンドとは格が違う。
疾走曲が少なかったり、曲ごとに大仰なテーマやSEが入ったりと、気の短い方には向かないだろうが
なんにしてもこの大仰さと世界観は唯一無二のもの。勇壮なファンタジーが好きならば楽しめる力作である。
シンフォニック度・・8 メタリック度・・7 大仰度・・9 総合・・8
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MANOWAR 「The Lord of Steel Live」
アメリカのメタルバンド、マノウォーのライブEP。2013年作
2012〜2013年にかけてのワールドツアーからの音源を6曲収録。2009年EP「Thunder In The Sky」からの疾走ナンバーに、
2012年作「LORD OF STEEL」からの5曲という構成で、2010年に復帰したオリジナルメンバーのドニー・ハムジクのドラムに、
ジョーイ・ディマイオのベース、カール・リーガンのギターで、どっしりとした正統派メタルナンバーを聴かせる。
エリック・アダムスのヴォーカルは、往年に比べるとややパワーが落ちた印象もあり、音質のせいもあるだろうが、
全体的にも、やや迫力不足という感は否めない。セット的にも、キャッチーでノリのよい「Manowarriors」など、
新しめの曲も悪くはないのだが、やはり往年のナンバーも入れて欲しかったというのが正直なところ。
ライブ演奏・7 音質・7 正統派度・8 総合・7 
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MANTICORA「DARKNESS WITH TALES TO TELL」
デンマーク出身のメロディックメタルバンド、マンティコラの3rd。2001作
ツインギターにキーボード入りのBLIND GUARDIAN系の疾走曲がぎっしり。
前作までのアレンジの詰めの甘さも多少は改善されつつあり、
メリハリのないVoは相変わらずだが、もう一皮の所までは来ている。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・6.5

MANTICORA「8 DEADLY SINS」
スウェーデンのメロパワバンド、マンティコラの5th。2004作
2ndまでは、悪くはないがパッとしない内容のアルバムでB級路線に甘んじてきたこのバンド。
本作では全体的にサウンドが力強くなっており、かつてのBLIND GUARDIANを思わせる
くらいまでになっている。パワフルに疾走しながら、バックではキーボードが音の厚みを加えていて、
重厚なメロパワサウンドには説得力が増した。一方では相変わらず歌の弱さが気になるが、
ともかくもこれくらいの音を作れるバンドになったことは喜ばしい。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 重厚度・・8 総合・・7
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MANTICORATHE BLACK CIRCUS PART 1-Letters」
デンマークのメロパワバンド、マンティコラの6th。2006作
デビューから10年以上の中堅であり、IRON FIREなどとともにデンマークのメタルシーンを牽引するこのバンド、
正直、前作までは出来のいいB級という印象しかなかったのであるが、本作は物語的なコンセプト作ということで、
よりドラマティックに聴かせる力作となった。かつてのBLIND GUARDIANを思わせるパワフルな疾走感と、
シンセによる重厚なアレンジが、ザクザクのギターリフと相まって、これまで以上に音の説得力を生み出している。
サビでの劇的なクワイアも、いかにもブラガー的なのだが、そこも含めて好き者にはたまらないサウンドだろう。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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MANTICORATHE BLACK CIRCUS PART 2-Disclosre」
デンマークのメロパワバンド、マンティコラの7th。2007作
サーカス団にまつわるホラーストーリーをテーマにしたコンセプトアルバムの続編。
BLIND GUARDIANを思わせるパワフルな疾走感とクワイアを含めたドラマティックな雰囲気で
ぐいぐいと聴かせるサウンド。ブラガに比べればツインギターの緻密さはそこまでではないが、
これまでのアルバムに比べるとずいぶんスケール感がついてきて、コンセプト云々を抜きにしても
充分に楽しめるメロパワとなっている。ヴォーカルの声質はいくぶん好みを分けるかもしれない。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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MANTICORA「Safe」
デンマークのメロパワバンド、マンティコラの8th。2010作
すでにデビューから10年以上のベテランながら、知名度はいっこうに上がらないこのバンド、
前作THE BLACK CIRCUS」の2枚が彼ら史上過去最高の仕上がりであったので、
本作も少し期待していたが、よりブラガー度を高めたパワフルなサウンドに思わずにんまりだ。
やはりいくぶんの垢抜けなさは残しているのだが、とかく綺麗なサウンドがもてはやされる昨今、
シンセを使わずあくまでもツインギターで聴かせる、かつてのジャーマンメタル的な荒々しさを残した作風は、
トゥルーメタラーを自称するものたちには嬉しいだろう。ラストの大曲も含めてドラマティックかつ重厚な力作だ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 往年のブラガー度・・9 総合・・8
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MANTICORA 「TO KILL TO LIVE TO KILL」
デンマークのメロディックメタル、マンティコラの2018年作
1999年にデビュー、北欧メロパワの中堅バンドで、8作目となる本作は、書き下ろされたオリジナルのサイコホラー小説を基にしたコンセプトアルバム。
クラシカルなイントロから幕を上げ、メタリックなギターにクセのあるハイトーンヴォーカルを乗せ、スラッシーな激しさを含んだパワーメタルを聴かせる。
ツインギターによる叙情性と激しい疾走感は、初期のBLIND GUARDIANにも通じる感触もありつつ、グロウルヴォーカルを使ったアグレッシブなパートや、9分の大曲ではProgMetal的でもある緩急ある展開力も光る。
疾走メロパワとしてのストレートな魅力はさほどないのだが、ダークなドラマ性を描き出すような重厚な世界観が味わえるという点では力作といえる。
ドラマティック度・8 疾走度・8 重厚度・8 総合・7.5 
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MARAUDER「1821」
ギリシャのメロディックメタル、マローダーの1999年作
クサメロたっぷりのツインギターと野太いヴォーカルを乗せて疾走する、正統派のメロパワスタイル。
おそらくタイトルである年号から、ギリシャ独立戦争をテーマにしているのだろう、
エピックな勇壮さを感じさせる雰囲気もなかなかよろしい。ミドルテンポのナンバーは
Judas Priestなど古き良きヘヴィメタルの感触で楽しめたり、正統派メタル好きはにんまりだろう。
荒々しい野太いヴォーカルは好みをわけるところだろうが、叙情的な小曲を配置したりと、
アルバムとしてのドラマティックな流れもあって、パワフルなエピックメタルが楽しめる強力作だ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Marauder 「Life ?」
ギリシャのメロディックメタル、マローダーの2004年作
前作「1821」は勇壮なエピックメタルの力作であったが、続く本作も、正統派のツインギターに
伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せた、パワフルなメロディックメタルを聴かせる。
随所にメロディアスなギターフレーズやエピックなコーラスなどで、適度なクサさをかもしだしつつ、
どっしりとした王道のメタル感触を保っているところは、わりと硬派な味わいでも楽しめる。
いくぶんのB級風味も残しているが、ジューダスやマノウォーなどに通じる雰囲気もある力作だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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MARAUDER 「Face the Mirror」
ギリシャのメロディックメタル、マローダーの2008年作
90年代から活動するキャリアのあるバンドで、オーケストラルなイントロから始まり、
ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、どっしりとした正統派のメタルサウンドが広がってゆく。
勇壮なコーラスを乗せたエピックな味わいに、ジャーマンメタル風に疾走するナンバーや、
メロディックなツインギターを乗せた、IRON MAIDEN風のナンバーなども良い感じだ。
歌にしろ演奏にしろ、パワフル過ぎないところがマイナーなB級感をかもしだしているが、
そこも含めて、もっとクサさや勇壮さを前に出せば、もっと楽しめるバンドになりそうではある。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5 
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Marauder 「Elegy of Blood」
ギリシャのメロディックメタル、マローダーの2012年作
90年代から活動するキャリアのあるバンドで、ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、
メロディックなフックのある正統派のメタルを聴かせる。90年代から引き継がれた王道の路線ながら、
ほどよいクサメロ感がキャッチーな感触にもなっていて、随所に勇壮なコーラスなども含めて、
エピックな空気感に包まれたサウンドは、ときにMANOWARのような聴き心地でも楽しめる。
疾走ナンバーからどっしりとしたミドルテンポ、日本をテーマにしたインストナンバー「Hiroshima」など、
甘すぎない叙情性とともに、ドラマティックなエピックメタルが味わえる好作品だ。
メロディック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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MARIUS DANIELSEN'S LEGEND OF VALLEY DOOM
ノルウェーのミュージシャン、マリウス・ダニエルセンによるシンフォニックメタルオペラ。2015年作
ヴォーカルには、ティム・リッパー・オーウェンズ、エドゥ・ファラスキ(元ANGRA)、マーク・ボールズ、ヨナス・ヘイドガート(Dragonland)
エリサ・マーティン(元Dark Moor)他が参加、ギターには、クリス・カッフェリー(Savatage)、ティモ・トルキ、ロス・ザ・ボス、
トビ・カースティング(Orden Organ)、ジミー・ヘドランド(Falconer)、オリヴァー・ラパウゼ(Heavenly)、フェリペ(Twilight Force)他、
ベースには、マイク・レポンド(Symphony X)他、ドラムには、アレックス・ホールズワース(Rhapsody of Fire)他が参加、
壮麗なイントロから、メロディックなギターを乗せて疾走、エピックなスケール感で描かれる、RHAPSODYばりのシンフォニックメタル。
なにしろゲストが多すぎて、誰がどこで歌って、弾いているのかも分からないが、疾走するメロスピ寄りのナンバーが多いので、
この手が好きな方はニンマリであろう。ともかく世界各国のメンバーが集結した、AVANTASIAのような豪華プロジェクトである。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・8
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MARIUS DANIELSEN'S LEGEND OF VALLEY DOOM Part3
ノルウェーのミュージシャン、マリウス・ダニエルセンによるシンフォニックメタルオペラ。2021年作
3部作の完結編で、語りを含んだシネマティックなイントロから、壮麗なオーケストラアレンジをギターに重ねて、
ゲストによる伸びやかな男女ヴォーカルとともに、RHAPSODYを思わせるエピックなシンフォニックメタルを展開する。
ラルフ・シーパーズ(Primal Fear) 、ティム・リッパー・オーウェンズ (元Judas Priest) 、アレッサンドロ・コンティ(Trick Or Treat)、
ダニエル・ハイマン(Warrior Path)、ハービー・ランガンス (Firewind)、 オラフ・ヘイヤー (Dionysus)、エリサ・マーティン(Hamka)、
メリッサ・ボニー(Ad Infinitum)、ラファエル・メンデス(Icon Of Sin)、アレッシオ・ガラヴェーロ(元PowerQuest)、マティアス・ブラッド (Falconer) 、
トミー・ヨハンソン(ReinXeed)、アルイエン・ルカッセン (Ayreon)、デレク・シェリニアン(Planet X)など、多数のゲスト参加。勇壮なクワイアや、
クサメロ感あるメロスピナンバーなども含めて、ツボをついたサウンドで、ファンタジックな世界観を描く。全76分という力作だ。
ドラマティック度・9 ファンタジック度・9 壮麗度・8 総合・8.5 
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MARK BOALS 「RING of FIRE」
元イングヴェイのヴォーカルリス、マーク・ボールズの2000年作
マーク・ボールズのソロ名義でスタートし、こののちにリング・オブ・ファイアとして活動を始めることになるその1作目。
トニー・マカパイン、ヴァージル・ドナーティ、ヴィターリ・クープリという名うてのミュージシャンが集結、
オルガンが鳴り響き、ネオクラシカルなギタープレイとともに疾走する楽曲に、
マーク・ボールズのパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せたサウンドは、
演奏陣の抜群のプレイも含めて、レベル的にはかつてのイングヴェイ時代にも引けを取らない。
正直、楽曲自体にはこれという新鮮味はないので、ボールズorネオクラのファンでないと、面白みはないかもしれない。
メロディック度・・8 ネオクラ度・・8 ボールズ度・・8 総合・・8
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Marshall Law 「Warning From History」
イギリスのパワーメタル、マーシャル・ローの1999年作
80年代から活動するベテランで、本作は4作目のアルバム。
ヘヴィなギターリフとハイトーンヴォーカルでパワフルに疾走するスタイルで、
「Painkiller」以降のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる聴き心地に加え、
随所にメロディックなギターがドラマティックな雰囲気をかもし出している。
ジューダスから受け継ぐ英国伝統の正統派メタルを貫く好作品だ。
メロディック度・・8 正統派度・・8 ジューダス度・・8 総合・・8
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MARTIRIAThe Eternal Soul
イタリアのエピックメタルバンド、マーティリアの1st。2004年作
WARLORDのRick Andersonがヴォーカルを務めるバンドで、
シンフォニックかつ荘厳なイントロから、アコーディオンの音色の牧歌的な雰囲気に誘われ
正統派のエピックメタルが始まってゆく。湿りけのあるギターフレーズに勇壮なコーラス、
そして、いかにもヨーロッパ中世的な叙情を含んだ世界観が好きものにはたまらない。
例えれば、Thy Majestieあたりをより正統派にした感じで、エピカルな美学に包まれたサウンドだ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・7 エピック度・・9 総合・・7.5
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MARTIRIA「Age of the Return」
イタリアのエピックメタルバンド、マーティリアの2nd。2005年作
WARLORDのRick Andersonがヴォーカルを務めるバンドで、
かつてのLordian Guardの中世的な世界観といくぶんB級っぽい80年代風味で
古き良きエピックメタルサウンドを聴かせてくれる。軽めの音質とヘタウマのヴォーカル
泣きのギターフレーズが合わさると、もう最高…というかマニア歓喜のマイナー臭さである。
シンセによる適度な音の厚みも、たまらないこけおどし感で、エセシンフォニック感がよろしい。
アコースティカルな叙情性を織り込んだりと、雰囲気ものとして楽しめるエピカルな好作品だ。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 マイナー臭度・・8 総合・・7.5
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MARTIRIA 「Time of Truth」
イタリアのエピックメタル、マーティリアの2008年作
古代ローマや中世ヨーロッパ、そして雄大な神話の世界を描き出すような、
これぞエピックメタルというサウンドは本作も健在。うっすらとしたシンセアレンジも含みつつ
あくまで古き良き正統派ヨーロピアンメタルの誇りを感じさせるギターワークと、
Rick Andersonの朗々としたヴォーカルを乗せて描かれる楽曲には一点の曇りもない。
これまでの作品以上にギターの泣きのメロディが多いのもウェットな聴き心地となっている。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 ロマン度・・9 総合・・8 
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MARTIRIA「On the Way Back」
イタリアのエピックメタル、マーティリアの2011年作
WARLORDのRichard Martin Andersonがヴォーカルを務めるバンドであるが、
今作でも古き良き味わいのローカルなエピックメタルが存分に楽しめる。
いかにもヨーロッパのバンドらしい哀愁を含んだ湿りけと翳り、そして幻想的な世界観で、
派手さはなくとも充分ドラマティックなサウンドに浸れるのが素晴らしい。
本作はこれまでよりもドゥームメタル的な薄暗さが前に出てきており、
ぱっと聴きにはますます地味になった感もあるが、好きな方には依然たまらないだろう。
ドラマティック度・・8 重厚度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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MARTIRIA 「ROMA S.P.Q.R.」
イタリアのエピックメタル、マーティリアの2012年作
リック・アンダーソンがWARLOADに復帰のため脱退し、本作ではヴォーカルが替わっているが、
新Voもわりと雰囲気が近いタイプで、パワフル過ぎない朗々とした歌声はバンドの世界観に合っている。
本作はタイトル通り、古代ローマをテーマにした作品で、ミドルテンポを主体にした楽曲は
古き良きスタイルのギターワークとともに、B級気味のエピックメタル臭をたっぷりかもしだす。
MANOWARあたりをぐっと細くしたような聴き心地であるが、シンセアレンジを含んだ叙情的なパートなど、
ドラマティックなメリハリがあって、ハンニバルやスパルタカスといったわりとベタな人物が出てくる
物語的な雰囲気とともにじっくりと楽しめる。これぞ、ローマン・エピックメタルである。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Martiria 「R-Evolution」
イタリアのエピックメタル、マーティリアの2014年作
2004年にデビュー、古代ローマを舞台にした正統派エピックメタルを聴かせるバンドの、10周年となるアルバム。
本作では、再びヴォーカルが交代、ドラムには、Black SabbathやDioで活躍したヴィニー・アピスが参加している。
適度に大仰な世界観を描く、古き良き正統派のメタルサウンドは不変で、ミドルテンポを主体に、
ほどよくメロディックなギターとパワフル過ぎないヴォーカルを乗せ、ウェットな空気感に包まれた聴き心地は、
Virgin Steeleなどにも通じるだろう。アコースティックギターによる叙情パートもヨーロピアンな翳りを感じさせつつ、
勇壮に疾走するメロディック・パワーメタル風味も覗かせる。全体的にこれしいう新鮮味はないが、安心のエピックメタル。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5 
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MASQUERAGE 「HANGMAN'S REVELATIONS」
フィンランドのメタルバンド、マスカレージの2018年作
2007年にデビューし、5作目となる。正統派のギターにシンセ重ね、ハイトーンヴォーカルとともに疾走する
キャッチーなメロパワサウンド。EDGUYなどに通じるオールドなジャーマンメタル風味の聴き心地で、
美麗なシンセの味付けに、ほどよいクサメロ感も良い感じだ。ヴォーカルのハイトーンはマイケル・キスク的で、
ミドルテンポのキャッチーなナンバーでは、GAMMA RAYっぽいという、ジャーマン好きにはわりとたまらない。
全体的にヘヴィさは控えめでライトな聴き心地なので、メロパワ初心者にも楽しめるだろう。掘り出し物的好作品。
メロディック度・8 疾走度・7 心はジャーマン度・8 総合・8
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MASTERCASTLE「The Phoenix」
イタリアのメロディックメタルバンド、マスターキャッスルの2009年作
LABYRINTHのGを中心に結成され、女性シンガーをフロントにしたバンド。
フィメールヴォーカルといっても、昨今流行りのシンフォニック・メタルスタイルではなく、
むしろ正統派のハードロックサウンドで、ジョルジア嬢の力強い歌声になかなかマッチしている。
少し前のガールズHRのようにキャッチーさとヘヴィさのバンラスの取れた作風で、
いくぶんの古めかしさとともに、「今これをやるのか」という新鮮さもかえってある。
DANTE FOXNEXXあたりが好きな方にもお勧め。メロスピ的な疾走曲もあり。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Mastercastle「Last Desire」

イタリアのメロディックメタルバンド、マスターキャッスルの2010年作
LABYRINTHのGを中心に、女性シンガーをフロントにしたバンドの2作目。
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せて聴かせる、古き良きハードロックスタイル。
全体的に聴き心地はいいのだが、楽曲やメロディそのものにどうも魅力が足りない。
けっこうパワフルに疾走する曲やモダンなヘヴィロック調の曲などもあるが、どうも中途半端で、
キャッチーなHR路線でゆくのか、メロディックメタルにするのか、今後は方向性を定めていって欲しい。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Mastercastle 「On Fire」
イタリアのメロディックメタルバンド、マスターキャッスルの2013年作
元Labylinthのギター、ピエル・ゴネラを中心に結成、2009年にデビューしてから早くも4作目となる。
女性ヴォーカルをフロントにしながら、正直これといって突き抜けるものがなかったのだが、
本作では再び古き良きHR路線を感じさせるスタイルで、ジョルジア嬢のヴォーカルも含めて、
メロディックな魅力がいくぶんアップしている。疾走曲やバラードなど、アルバムとしてのメリハリもあり、
随所にきらびやかにギタープレイなども含ませた、なかなかの好作となっている。傑作までもう少し!
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5

MASTERCASTLE 「Enfer」
イタリアのメロディックメタル、マスターキャッスルの2014年作
元Labylinthのギター、ピエル・ゴネラを中心に結成、2009年にデビューしてから本作で早くも5作目となる。
古き良きメロディアスハードロックにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた正統派のサウンドは変わらず、
随所にネオクラ風味を含んだギターとともに、適度にシンフォニックなきらびやかさもある。
全体的に聴き心地は悪くないのだが、これといった曲ごとのインパクトが薄いというのも相変わらず、
オールドスタイルでゆくのか、ネオクラか、シンフォニックか、方向性を絞ったほうがよいよいな気がする。
ジョルジア嬢の歌声は嫌いではないので、ともかくあとは楽曲次第なのである。そろそろ傑作をよろしく!
メロディック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Mastercastle 「Wine of Heaven」
イタリアのメロディックメタル、マスターキャッスルの2017年作
Labylinthのギター、ピエル・ゴネラを中心に結成、2009年にデビューしてから本作で6作目。
きらびやかなシンセに適度にヘヴィなギターとハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
キャッチーなハードロックサウンドは変わらず。ほどよくシンフォニックな壮麗さも含みつつ、
疾走するでもなく、メロディのフックも物足りずで、盛り上がり切らないところも相変わらず。
紅一点、ジョルジア嬢の歌声も、可もなく不可もなくというところで、魅力が活かされきっていない。
ラスト2曲が「天空の城ラピュタ」と、イングヴェイのカヴァーというのも、なんだか意味不明。笑
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7 
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MASTER MASSIVE 「BLACK FEATHERS ON THEIR GRAVES」
スウェーデンのヴィンテージメタル、マスター・マッシヴの2020年作
2015年にデビューし、2作目となる。オルガン奏者を含む5人編成で、ほどよくメタリックなギターに
オルガンが鳴り響き、パワフルなヴォーカルを乗せた、ヴィンテージなメタルを聴かせる。
18分、11分という大曲をメインにした全3曲という構成で、オールドメタルの勇壮な空気感に、
緩急ある展開と知的な構築力が加わった、わりとプログレ寄りの感触もあるのが面白い。
なにせ曲が長いので、聴いているうちに序盤がどんな感じだったのか忘れてしまうのだが、
プログレなヴィンテージメタルと思えば優雅に楽しめる。いっそもっとプログレまくってもらいたい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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MASTERPLAN
HELLOWEENのローランド・グラポウ率いるマスタープランの1st。2003作
硬質かつ手数の多いウリ・カッシュのドラムと職人的なローランドのギターワーク、
HELLOWEENを思わせる疾走感にモダンなスタイリッシュさを加えたサウンドは
今のハロウィン以上に音のクオリティが高くも思える。それはヴォーカルで参加する
ヨルン・ランデのパワフルな歌唱によるところが大きいだろう。
ときおりHELLOWEENやGAMMA RAY風味のメロディが顔を出すのもファンにはにやりだ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・8
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MASTERPLAN「AERONAUTICS」
HELLOWEENのローランド・グラポウ率いるマスタープランの2nd。2005作
モダン化したHELLOWEENというようだった前作の作風に比べ、
本作では楽曲がより自然体のメロディアスさに包まれており、
ヨルン・ランデの歌声が伸びやかに響きわたる。ウリ・カッシュの正確無比なドラムも含めて、
ヘヴィな硬質さとメロディのバランスがとれたサウンドには、バンドとしての成熟が感じられる。
これまでのジャーマンメタル風味をよい意味で裏切り、シンセによる美麗なアレンジとともに、
モダンなメロディックメタル作品として仕上がっている。疾走感は抑え目にキャッチーさを増した力作。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・7 総合・・8
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Masterplan「Time To Be King」
HELLOWEENのローランド・グラポウ率いる、マスタープランの4th。2010年作
2nd以降脱退していたヨルン・ランデがマイク・ディメオに代わってバンドに復帰、
相変わらず丁寧に作り込まれた楽曲に、ランデのパワフルな歌声が映える。
アクセル・マッケンロットのシンセワークもシンフォニックな厚みを楽曲に加えていて、
全体的に隙のないサウンドを聴かせる。新鮮味はないがしっかり高品質な作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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MASTERPLAN 「Novum Initium」
ドイツのメロディックメタル、マスタープランの2013年作

5作目の本作は、Frequencyのリック・アルツィをVoに、Cradle of Filthなどでも活躍するマーティン・スカロウプカがドラムで参加、
メタリックなギターにシンセを重ね、かすれた味わいのヴォーカルを乗せた、メロディックなパワーメタルを聴かせる。
Beautiful Sinにも参加するアレックス・マッケンロットによるシンセワークも楽曲をきらびやかに彩っていて、
随所にグラポウの渋みのあるギタープレイも含めて、骨太にして華麗なジャーマンメロパワが楽しめる。
パワフルなリックのシャウトはかつてのヨルン・ランデにも負けておらず、重厚なサウンドによくマッチしている。
ラストは10分を超えるタイトル曲で、キャッチーな叙情を含ませながら、じっくりとドラマティックに構築してゆく。
メロディック度・7 疾走度・7 重厚度・8 総合・8 
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MASTERPLAN 「Pumpkings」
ドイツのメロディックメタル、マスタープランの2017年作
2003年にデビューし、5作のスタジオアルバムを発表。本作は、かつてローランド・グラポウが在籍していた
HELLOWEENのカヴァーアルバム。グラポウが作曲に関わった曲ばかりなので、代表曲的なものは少ないが、
「The Chance」「Someone's Crying」などの疾走ナンバーから、「Mr.Ego」のようなどっしりとしたナンバーも、
リカルド・トーンバーグ(リック・アルツィ)のダーティな歌声を乗せた、本家とは異なった味わいで、これはこれで悪くない。
「Master of the Rings」収録の「Still We Go」は好きなナンバーで、わりと原曲に近いアレンジも含めて良い感じだし、
ミドルテンポから疾走という「The Dark Ride」のドラマティックな雰囲気もより硬質な味わいです。
メロディック度・8 疾走度・7 かぼちゃ度・8 総合・8
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SASCHA PAETH'S MASTERS OF CEREMONY 「SIGNS OF WINGS」
HEAVENS GATEのギタリストで、AVANTASIAなどにも参加するミュージシャン、
サシャ・ピートによるプロジェクト、マスターズ・オブ・セレモニーの2019年作
AVANTASIAのライブメンバーを主体に、女性シンガー、アドリーネ・コーワンをフロントにした編成で、
ヘヴィなギターで疾走する正統派のパワーメタルに、伸びやかなハイトーンとスクリームも使い分ける、
パワフルな女性ヴォーカルを乗せたサウンド。流麗なギターフレーズに、随所にきらびやかなシンセも重ね、
モダンなヘヴィネスのダークな味わいに、ときにフォーキーな感触やキャッチーなメロディの疾走ナンバー、
ゴシック風味やしっとりとしたバラードまで、バラエティに富んだ楽曲が表現力ある女性Voで楽しめる。
メロディック度・・8 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MATTSSONDream Child
フィンランドのギタリスト、ラーズ・エリック・マットソンの2008年作
80年代から活動する様式美系のギタリストであるが、イングヴェイなどに比して知名度はまったく低い。
個人的にはCONDITION REDなどのProgMetal風の作品が印象深いが、本作は女性Voをフロントにした
シンフォニックなサウンドをやっている。美しいストリングスに艶めいた女性ヴォーカルの歌声で、
しっとりと聴かせる作風は、NightwishWITHIN TEMPTATIONなどのファンでも楽しめそう。
随所にマットソンらしいクラシカルなギターフレーズを織り込みつつ、プログレ風味もいくぶんあって、
個人的には問題なく楽しめるが、メタルとして聴くにはややインパクトが弱いかも。女性Voファンはどうぞ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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MEAN STREAK「metal Slave」
スウェーデンのメタルバンド、ミーン・ストリークの2010作
ここのところスウェーデンでは、WOLFやENFORCERといった80年代に回帰したような
メタルバンドが出てきているが、このバンドも古き良き匂いを感じさせる正統派の
サウンドを標榜している。ツインギターの王道リフで疾走しつつ、ジャーマンメタル的な
聴きやすいメロディを乗せた楽曲には聴いていてついにやにやとさせられる。
ややダーティなヴォーカルの歌声までもがいい味になっていて、オヤジメタラーはもちろん
時代的なメタルを好む最近のリスナーにも楽しめるアルバムだろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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MEAN STREAK「Declaration of War」
スウェーデンのメタルバンド、ミーン・ストリークの2011年作
WOLF、ENFORCERなどに続いて、NWOTHM系の新鋭として現れたこのバンド
古き良きジャーマンメタル風味だった前作から、本作ではJUDAS PRIESTあたりを思わせる、
オールドな正統派メタルスタイルへといっそう回帰している。それでもツインギターのフレーズは
ときおりジャーマン風だったりしてにんまりだ。ただクオリティは高いものの、ヴォーカルに関しては
ハイトーンの苦しさもあって非常に微妙…。そのヨレ具合こそが味だと言えばそうなのだが。笑
メロディアス度・・7 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Mean Streak 「Blind Faith」
スウェーデンの正統派メタルバンド、ミーン・ストリークの2017年作
2009年にデビュー、オールドなメタルサウンドで、ENFORCERやWHITE WIZARDなどとともに、
NWOTHMシーンを盛り上げるバンド。4作目となる本作も、ツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せた
古き良き感触のメタルサウンドであるが、メロディのフックがよりキャッチーになったという印象だ。
ツインリードの叙情メロディとともに疾走するところは、JUDAS PRIESTがジャーマンメタル化したというような感触で、
重すぎず軽過ぎずというサウンドのバランスも絶妙だ。ヴォーカルの表現力も以前よりも上がっていて、
単なるオールドなメタルという以上にメロディックで、普遍的な欧州HR/HMの味わいが楽しめる。
メロディック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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MECHANICAL POET「WOODLAND PRATTLERS」
ロシアのメタルバンド、メカニカル・ポエットのアルバム。2005年作
ファンタジーメタルというタタキだが、確かに物語風のジャケやブックレットのコミックなどから
ファンタジックなストーリーを感じさせる。美しいインストから、曲に入ると案外ヘヴィなメタルサウンドになり、
けっこう力強い中低音のヴォーカルと、ギター、キーボードともに演奏陣もなかなかいい仕事をしている。
間奏部にしっとりとした叙情パートを入れたり、楽曲にはプログレメタル的な質感もあるが、
全体的にはテクニカルに押すタイプではなく、重厚さと静と動のメリハリで聴かせる構成だ。
いわゆるロシアのバンド的な土着性はあまりなく、音に現代的な視点が感じられるところは
PAIN OF SALVATIONなどの持つミクスチャー感覚とも通じる部分がある。派手さはないが力作だ。
メロディアス度・・7 ファンタジック度・・8 壮大度・・8 総合・・7.5
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MEDEN AGAN 「Lacrima Dei」
ギリシャのシンフォニックメタル、メデン・アガンの2014年作
美しい女性ヴォーカルの歌声と、シンフォニックかつ壮麗なアレンジで聴かせるシンフォニック・ゴシックメタルサウンド。
きらびやかなシンセアレンジとともに、EPICAを思わせる荘厳な雰囲気と、NightwishやWithin Temptationのような
優雅なメロディアス性を含んだ感触で、これという目新しさはないものの、なかなかクオリティは高い。
知的な構築センスも垣間見せる楽曲にもバンドとしての力量が感じられ、声楽的なソプラノを含んだマヤ嬢の歌声も
サウンドによくマッチしている。今後はメロディのフックや、このバンド独自の魅力を磨いていってもらいたい。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Meden Agan 「Catharsis」
ギリシャのシンフォニックメタル、メデン・アガンの2018年作
壮麗なイントロから始まり、ヘヴィなギターと美麗なシンセアレンジに、美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
重厚なシンフォニックメタルが広がってゆく。新加入のDIMITRA嬢の歌声は、パワフルな地声からソプラノまでこなす実力者で、
Nightwishのフロール・ヤンセンを思わせるところもある。サウンドの方も、ほどよくゴシック的な耽美さを含みつつ、
ときに荘厳なコーラスも加えた、EPICAにも通じるるスケール感やや、随所に流麗なギターフレーズも織り込んだ
なかなかゴージャスなアレンジで、これだという新鮮味はないが、前作から確実にレベルアップしてきたという印象だ。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MEDINA AZAHARAPaseando por la Mezquita
スペインのハードロックバンド、メディナ・アザーラの1st。1980作
今やスペインきっての大御所バンドとなった彼らだが、その記念すべきデビュー作がこれ。
やや時代を感じさせるシンセの音色にアラビックなフレーズのギター、
そしてややのんびりとしたスペイン語の歌唱でゆったりと聴かせる。
後のアルバムのような劇的な叙情はまだなく、牧歌的なプログレハードといった雰囲気。
これはむしろメタルリスナーよりもプログレファン向けかもしれないが、ともかくも
アラビックなスパニッシュロックという独自の音楽性を誕生させた1枚であろう。
メロディアス度・・7 メタル度・・6 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA「...en Al-Hakim」
メディナ・アザーラの5th。1989作
アラビックなメロディと美しいシンセワークで聴かせる、彼ら独自のサウンドが確立した1枚。
後のアルバムのようなダイナミックで雄大な雰囲気はまだ薄いが、スペイン語のヴォーカルとともに、
やわらかな質感が耳に心地よい。フラメンコギターが入ってくると、いかにもアンダルシアの空気がただよう。
なお同ジャケットの日本盤はベスト盤なので間違わぬようご注意を。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA「En Directo」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラのライブアルバム。1990作
初期の5作からまんべんなく選曲されたライブステージで、スペイン語の歌声による哀愁ただようメロディアスな楽曲が素晴らしい。
たっぷりと使われるキーボードはときにプログレ的ですらあり、それが泣きのギターと合わさるとスパニッシュな叙情が溢れだす。
なかなか手に入りづらい彼らの初期作のベストとしても聴ける。
メロディアス度・・8 スパニッシュ度・・9 ライブ演奏度・・8 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Sin Tiempo」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの6th。1992作
すでに活動20年を超える大ベテランで、日本でももっと評価されてもいいバンド。
うっすらとした美しいキーボードと、古き良きハードロックを思わせるギター、
そして異国情緒たっぷりのスペイン語の歌詞が歌い上げる。メタリックな勢いよりも
叙情とメロディで聴かせるサウンドは、プログレハードリスナーなどにも受けるのではないかと思う。
スパニッシュメタルの代名詞たるにふさわしい完成度を、すでにこの時点から造り上げていたのだと
感心しきり。泣きのギターを聴かせるバラードなども実に美しい。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 スペイン度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Donde Esta la Luz」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アサーラの7th。1994作
日本デビュー作となるこのアルバムは、シンフォニックなキーボードとキャッチーなメロディをふんだんに盛り込んだ力作だ。
哀愁ただようスペイン語の歌唱には異国情緒が漂っているがメロディそのものは実に人懐こく、
プログレハード的な聴き方も可能。スパニッシュメタル入門用にも勧められるとても聴きやすい作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「Arabe」
スペインのベテランバンド、メディナ・アサーラの8th。1995作
本作の日本盤は2枚組の海外盤をまとめ、後半5曲がカヴァーという構成になっている。
サウンドのは、哀愁のスペイン語に泣きのギターで聴かせるこのバンドの持ち味が
いかんなく発揮された、まさにアンダルシアハードロック。メタル的な硬質感よりも
シンセ入りでやわらかみある叙情が耳に心地よい。アラビアをテーマにしているということで
アラビックなメロディがいつもよりもいっそう際立っている。カヴァーの方は、ミゲル・リオスや
ローリング・ストーンズのスペイン語バージョンなどを収録。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「a toda esa gente」
メディナ・アサーラのライブアルバム。1996作
CD2枚組にわたって過去からの曲をたっぷりと聴かせてくれるライブ作。
さすがにベテランだけあって、ステージでも安定した演奏と歌唱で盛り上げる。
濃密かつメロディアスなスパニッシュハードロックが楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8

MEDINA AZAHARA「tanger」
スパニッシュメタルの大ベテラン、メディナ・アザーラの9th。1998作
1980年のデビューから現在まで、名実共にスペインのロックシーンの頂点に立つこのバンド。
アンダルシアの哀愁をスペイン語の歌唱にまとわせ、やわらかなメロディで聴かせてくれる。
メタリックな硬質感はあまりなく、むしろキーボード入りのプログレハードとして鑑賞可能。
スパニッシュメタル入門用にもよいだろう。バンドのディスコグラフィーはこのページが詳しい。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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Medina Azahara「Baladas」
スペインのベテランハードロックバンド、メディナ・アザーラのバラード集。1999作
スパニッシュハードロックの大ベテラン。この1999年の段階で、アルバム、シングル含めると
28枚という膨大なディスコグラフィーとなる。本作はその中から選ばれたバラードを15曲収録。
スペイン語の歌声と哀愁のメロディ、泣きのギターも素晴らしい絶品のバラード曲をたっぷり堪能できる。
シンセによるシンフォニックな味わいもあって、あるいはプログレリスナーにも楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・9 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「]]」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの10th。2000作
デビュー20周年となる節目のアルバムで、内容もその通り力が入っている。
これまでよりもギターが前に出たパワフルさを増したサウンドに、キャッチーなメロディに乗せるスペイン語の歌唱が響きわたる。
長い活動を続けてきた自信と存在感が音にも表れており、ダイナミックかつシンフォニックな雰囲気は、
もはやスペイン産うんぬんというレベルを超えている。クラシカルなシンセワークも素晴らしく、
やわらかみのあるメロディラインが実に心地よい。これぞスパニッシュ・シンフォニックハードの傑作だ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8.5
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MEDINA AZAHARATierra De Libertad
スペインのベテランバンド、メディナ・アサーラの11th。2001作
スパニッシュメタルの立役者であるこのバンド、デビューから25年あまりたっても
いまだコンスタントにアルバムを出し続けている姿勢が素晴らしい。
今作も、独特のやわらかみのあるメロディにスペイン語の歌唱が合わさって、
とても聴きやすいのだが、それでいてアンダルシアの空気を強く感じさせてくれる。
美しいシンセアレンジも含めて、メタル的無骨さよりはマイルドなメロディアスさと哀愁が前にでていて
むしろプログレ系のリスナーにも勧められるサウンドだ。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA「aixa」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの12th。2003作
今作はシンフォニックなシンセに加え、オーケストラまでも使用した壮麗なサウンドを聴かせてくれる。
美しいピアノをバックにアンダルシアの哀愁を感じさせるヴォーカルが歌い上げ、
キャッチーなメロディとスペインの土着性が合わさった、独特の叙情が素晴らしい。
今作ではいつになくプログレ的なシンセワークを聴かせる場面も多く、
メタリックな勢いよりも、やわらかみのあるメロディアスさが光るアルバムだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8.5
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MEDINA AZAHARALa Estacion de los Suenos
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの13th。2005年作
彼らこそスパニッシュメタルの大御所として、もっとも世界的に成功したバンドだろう。
哀愁ただようメロディに、情感たっぷりのスペイン語の歌唱は今作も健在。
そしてシンフォニックなキーボードの重ねにより壮大さも増している。
ややくどいながらもサビでの盛り上がりはじつにドラマティックで、
ときおり挿入されるフラメンコ風のギターにも、母国の伝統を愛する彼らの魂が感じられる。
メタル的な硬質感は少ないが、聴きやすさとメロディにこだわった良質の作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・5 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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Medina AzaharaSe Abre La Puerta
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの14th。2006作
1980年から活動を続けるスペインきっての大ベテラン。やわらかな叙情と
スペイン語の歌声による、マイルドなハードロックサウンドは本作も変わらず。
オルガンの音色など、レトロさをかもしだすシンセワークがプログレ的でもあり、
メタル的な激しさよりも、スパニッシュの哀愁をゆったり楽しめる作品に仕上がっている。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA 「Origen Y Leyenda」
スペインのベテランハードロック、メディナ・アザーラの2009年作
1979年にデビュー、スペインを代表するロックバンドである。本作は15作目あたりだろうか。
クラシカルで優雅なイントロ曲から、様式美なギターに美しいシンセとスペイン語のヴォーカルで、
キャッチーなメロディと哀愁の叙情に包まれた、壮麗なハードロックサウンドを展開する。
オルガンを含むやわらかなシンセアレンジはときにけっこうプログレ寄りで、スパニッシュな哀愁とともに
アラビックなメロディや女性ヴォーカルを加えたナンバーなどもありつつ、しっかりとキャッチーに仕上げている。
全15曲、63分、ベテランらしい完成度の高さで聴き通せる。DVDにはビデオクリップ、メイキング映像を収録。
ドラマティック度・・8 スパニッシュ度・・9 哀愁の叙情度・・9 総合・・8 
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MEDINA AZAHARA「La Historia Continua」
スペインのベテランメタルバンド、メディナ・アザーラの2011年作
1980年から活動を続けるスペインきっての大ベテラン、その30周年を記念しての作品。
未発曲の再録音8曲にビートルズのカヴァー1曲という構成で、スペイン語の歌声と
シンセによるきらびやかなアレンジでキャッチーに聴かせる、スパニッシュ・ハードロック。
楽曲はどれも3〜4分という比較的コンパクトなもので、彼らのプログレハード的な部分が好きな自分としては
やや物足りない聴き心地ではあるが、アンダルシアの哀愁を感じさせる後半のナンバーは白眉。
メロディック度・・8 スパニッシュ度・・8 濃密度・・7 総合・・7.5
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MEDINA AZAHARA 「La Memoria Perdida」
スペインのベテランハードロックバンド、メディナ・アザーラの2012年作
16作めの本作は、美麗なシンセとツインギターが絡むメロディックなやわらかさと
スペイン語の歌声による哀愁を漂わせる叙情が合わさったサウンドは、
メタルというよりはスパニッシュなシンフォニック・ハードという趣で、
とにかく、その泣きのメロディと大人の情感に、たっぷりと浸ることができる。
全体的にもキャッチーな聴き心地で、バックでオルガンが鳴っていたりと、
プログレハード的にも楽しめる。強いインパクトはないが、メロディ充実の傑作です。
メロディック度・・9 哀愁度・・9 スパニッシュ度・・9 総合・・8


MEDINA AZAHARA 「LAS PUERTAS DEL CIELO」
スペインのベテランハードロック、メディナ・アザーラの2014年作
17作目の本作は、アラビックなイントロで幕を開け、ほどよくハードなギターにシンセを重ね、ヴァイオリンも加えた
厚みのあるサウンドに、スペイン語による哀愁を帯びたヴォーカルで、シンフォニックなハードロックを聴かせる。
キャッチーなメロディアス性とスパニッシュな叙情を、プログレハード的な優雅さで包み込んだという感触で、
ゆったりとしたバラードナンバーも、オルガンなどのシンセとともに優美な味わいだ。全体的にも激しさよりも、
やわらかな聴き心地なので、プログレ寄りのリスナーにも楽しめるだろう。全15曲62分という力作だ。
ドラマティック度・・8 スパニッシュ度・・9 哀愁の叙情度・・9 総合・・8
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MEDINA AZAHARA 「Paraiso Prohibido」
スペインのベテランハードロック、メディナ・アザーラの2016年作
18作目の本作は、わりとオールドな味わいのギターにシンセを重ね、スペイン語のヴォーカルを乗せた、
大人の叙情ハードロックという趣のサウンドから、優雅なキャッチーなナンバーまで、
ベテランらしいどっしりとした聴き心地で、哀愁をたたえたバラードなどもじつに耳心地よい。
随所に流麗なギターフレーズや美麗なシンセアレンジもまじえ、スパニッシュな叙情に包まれる。
メタル的な激しさはあまりないので、スペイン語による壮麗なメロハーとしても楽しめるだろう。
ドラマティック度・・8 スパニッシュ度・・9 哀愁の叙情度・・8 総合・・8 
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MEDUZA「UPON THE WORLD」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、メドゥーザの2nd。2004作
キーボード入りでクラシカルに疾走する、なかなか高品質なメロバワサウンド。
STRATOVARIUSAXENSTARあたりに通じる雰囲気で、
TIME REQUIEMのメンバーでもあるVoが安定感のある歌唱を乗せる。
ギター的はクラシカルなフレーズを弾きつつもオーセンティックなHR臭さもあり、
全体的にモダンさよりも古き良きといった音の質感が好みを分けるところか。
疾走のみに頼らない正統派のメタルとしても普通に楽しめる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ネオクラ度・・7 総合・・7.5
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MELODIUS 「DREAM ON」
タイのメロディックメタルバンド、メロディウスの2008年作
ついにクサメロスピの波はタイにまで波及、ツインギターの若手5人組で
クラシカルなイントロ…その名も“ファンタジア序曲”からもうすでにファンタジー臭がぷんぷん。
曲に入るとこれがギターのフレーズからしてもう恥ずかしいくらいにクサく、思わず失笑するほどだ。
ケーム音楽のようなピコピコした薄っぺらいシンセとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するメロスピは、
正直、SKYLARK以上に軟弱きわまりない軽さであるが、この手のクサ系が好きであればにんまりだろう。
曲は6分以上がほとんどで、8分、10分の大曲もあり、さすがに飽きてくるのだが、やはり嫌いにはなれない。笑
クサメロ度・・9 疾走度・・8 ファンタジー度・・9 総合・・8

Melodius Deite「Episode II: Voyage Through the World of Fantasy」
タイのシンフォニックメタル、メロディウス・デイトの2014年作
Melodius名義だった前作「Dream On」は、まさに日本人好みのクサメタルが炸裂した好盤であったが、
本作は映画のようなナレーション入りのイントロから始まる、CD2枚組の大作となった。
楽曲自体はネオクラ気味のギターとシンフォニックなアレンジで疾走するメロスピサウンドで、
インストパートが増えた分、ずいぶんと曲が長くなっている。起伏にとんだ10分を超える大曲を
いくぶん唐突な展開とともにドラマティックな聴かせる作風は、ときにProgMetal的でもあるが、
あくまでメロディックなところは好感が持てる。力強さのないヴォーカルの歌う甘いメロディと
クサいギターフレーズには適度なB級臭さも残していて、にんまりしながら楽しめる濃密な力作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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Melodius Deite「Episode III: The Archangels and the Olympians」
タイのメロディックメタル、メロディウス・ダイテの2018年作
MELODIUS名義でデビューした2008年作「DREAM ON」はまさにクサメロまくりの傑作であったが、
その後、MELODIUS DEITEとして、2014年にCD2枚組の大作を発表、それに続く本作でついに日本盤デビューを果たす。
神々やギリシャ神話をテーマにした作品らしく、神秘的なイントロに続き、流麗なギターとパワフルなヴォーカルを乗せて華麗に疾走する、
勢いのあるメロディック・スピードメタルを聴かせる。オーケストラルで壮麗なアレンジとクサメロをたっぷりまぶしたギターも日本人好みで、
緩急あるリズムチェンジとともにドラマティックなサウンドを描き出す。新加入のブラジル出身というシンガーの表現力ある歌声も含めて、
ときにANGRAを思わせる部分もあったり、シンフォニックなクサメロスピという点では、DERDIANなどにも通じるだろう。
ラストの23分を超える大曲はインストによるプログレッシブな味わいで、エピックなスケール感を表現するセンスも覗かせる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 壮麗度・・9 総合・・8 
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MELODIUS DEITE 「Elysium」
タイのメロディックメタル、メロディウス・ダイテの2020年作
2008年にMELODIUS名義でデビュー、4作目となる本作はヴォーカルに元GALNERYUSのYama-Bが加入、
タイと日本の混合バンドとなった。流麗なギターでたたみかけるスタイリッシュなイントロから始まり、
英語歌詞による伸びやかなヴォーカルを乗せて、欧州スタイルのメロディック・パワーメタルを展開。
クールでドラマティックな感触は、初期のクサメタル路線から一皮むけた印象で、これはこれで悪くない。
随所にグロウルヴォイスも加えたアグレッジブな部分と、きらびやかなシンセワークのシンフォニック性が同居して
厚みのある堂々たるサウンドを描いてゆく。クサメロ感は薄らいだ分、重厚なメロパワとして深化してきた。
一方で、1s収録の再録曲はクサメロスピナンバーで、ボーナストラックはインストのメタルフュージョン風という。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8 
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MELTED SPACE 「The Great Lie」
フランス人ミュージシャンによるメタルオペラプロジェクト、メルテッド・スペースの2015年作
プラハ交響楽団が参加したオーケストラルなアレンジをバックに、コンセプト的なストーリーに基づいたシンフォニックメタル作品で、
デヴィッド・ビンセント(Morbid Angel)、アッティラ (Mayhem)、ミカエル・スタンネ(Dark Tranquillity)、ニクラス・クヴァルフォルス(Shining)
コビ・ファーリ(Orphaned Land)、アイリン・ジメネズ(Sirenia)、クレメンティーヌ・デラウニイ(Visions Of Atlantis)、
マリアンジェラ・デマルタス(Tristania)、といった豪華なヴォーカリストが、それぞれの配役をこなすという。
その壮大さはAYREONのようだが、そのアルイエン・ルカッセンもミュージシャンとして参加しているという。
各男女ヴォーカリストの歌唱を重ねて、シンフォニックな壮麗さに包まれたサウンドで、ときに激しい疾走感も含みつつ、
全体的にはやはり歌ものという聴き心地である。メロディのフックや明快な盛り上がりがもう少しあればよかった。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 豪華メンバー度・・9 総合・・7.5
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MELTED SPACE 「DARKENING LIGHT」
フランス人ミュージシャンによるメタルオペラ・プロジェクト、メルテッド・スペースの2018年作
クレメンタイン・デラウニー(VISIONS OF ATLANTIS)、、アイリン・ギメネス(SIRENIA)、シリエ・ウェルゲランド(THE GATHERING)
オイヴィンド・ハイゲライド(ARCTURUS)、サキス・トリス(ROTTEN CHRIST)、ミカエル・スタンネ(DARK TRANQUILLITY)、
さらにはジェフ・スコット・ソートらがゲスト参加。シンフォニックなアレンジと、配役ごとの男女ヴォーカルの歌声を乗せ、
壮大なSFストーリーを描いてゆく。美しい女性ヴォーカルに、デスヴォイスも含む実力ある男性ヴォーカルが絡み、
シンフォニックメタルとしての壮麗なスケール感に包まれた重厚なサウンドは聴きごたえ十分。
激しい疾走感のあるナンバーも含んだ、メリハリのあるドラマティックな流れも見事な力作です。
ドラマティック度・・8 メタルオペラ度・・8 壮麗度・・9 総合・・8
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Mena BrinnoWicked Polly」
アメリカのフィメール・メタルバンド、メナ・ブリノの2009年作
ゴシックメタルというよりは、フォーキーなフレーズを奏でるギターリフに
キュートなソプラノ女性ヴォーカルで聴かせる、けっこう軽快なメタルサウンド。
ときおりネオクラシカルに弾きまくギターにドコドコと激しめのドラム、
そこに乗るカティ嬢の歌声は、“おきゃんなロリータ系ソプラノ”という感じで、そのハイトーンは
なかなかの存在感である。ゴシック、フォーク/カントリー、ネオクラ、シンフォメタルと、いかにも
アメリカらしいごった煮のミクスチャーというべきか、こういうタイプのバンドはあまりいなかった。
正直、どの耳で聴くべきか悩むのだが、なんとなく許せてしまうノリの良さがある。マイスペはこちら
シンフォニック度・・7 ネオクラ・フォーキー・ゴシック風度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MENACE 「Impact Velocity」
イギリスのエクスペリメンタル系メタル、メナスの2014年作
NAPALM DEATHのミック・ハリスを中心にしたプロジェクトバンドで、わりと正統派のモダンメタルに
知的な構築センスとスペイシーな世界観を加えた、Devin Townsendなどを思わせるサウンド。
楽曲自体は3〜4分前後とコンパクトであるが、キャッチーなコーラスなどを含むメロディックな感触に、
シンフォニックなシンセアレンジなども加わって、近未来的でスケール感のある聴き心地である。
スペイシーなメタルという点では近年のARCTURUSあたりにも通じるが、よりクールでスタイリッシュ、
そしてインダストリアルな味わいだ。アルバム後半には激しいブラスト疾走するナンバーもあり、
むしろ、デスメタル色を取り入れたこの路線にした方が、より濃密な仕上がりなる気もする。
ドラマティック度・・8 スペイシー度・・8 モダンメタル度・・8 総合・・7.5
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MENTALIST 「Empires Falling」
ドイツとスウェーデンのメンバーによるメロディックメタル、メンタリストの2022年作
2020年にデビューし、すでに3作目となる。ドラムは元BLIND GURDIANのトーマス・スタックで、ジャケの雰囲気も往年のジャーマンメタルばりにイモ臭いのだが、サウンドの方も王道のツインギターに、カイ・ハンセンばりのハイトーンヴォーカルで聴かせる、オールドなメロパワでにんまり。
どっしりとしたミドルテンポと、随所に疾走する激しさも盛り込んで、軽すぎず、重すぎずという、GAMMA RAY路線のスタイルで、キャッチーなフックも覗かせる。
トーマスのドラムもときにブラガーを思い出させるパワフルさは健在。これだというキラーチューンはないものの、ジャーマンメタル好ききチェックすべし。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道ジャーマン度・8 総合・8
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MEPHISTO
ドイツのメタルバンド、メフィストの1988年作
トリプルギター編成の5人組で、怪しげなイントロからクールなギターリフを乗せて、
のっけから10分の大曲を聴かせる。リズムチェンジを含む展開力とともに、
知的でプログレッシブなスラッシュメタル風味は、DESPAIRあたりにもサウンドだ。
独特のハイトーンヴォーカルは、初期のFATES WARNINGを思わせるところもありつつ、
随所にジャーマンメタルらしいキャッチーなメロディアス性や激しい疾走パートも覗かせる。
バンドは1991年に2作目を残して消滅。こんな恰好いい作品が知られずに消えたのは惜しい。
2018年のリマスター盤には、デモ音源6曲をボーナス収録。限定500枚プレス!
ドラマティック度・・8 クール度・・8 しっかりジャーマン度・・8 総合・・8
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Mercyful Fate 「Melissa」
デンマークのメタルバンド、マーシフル・フェイトの1983年作
キング・ダイアモンドのインパクトのあるハイトーンヴォーカルを乗せ、メロディアスなツインギターとともに
適度な疾走感を含んだスタイルは、NWOBHMを北欧のウェットな叙情でドラマティックに仕上げたという感触で、
年代を考えれば、IRON MAIDENと同等のレベルで、濃密なヘヴィメタルを聴かせてくれる。
ツインギターによる泣きのフレーズも随所に光っていて、北欧様式美メタルの先駆けと言ってもよいだろう。
ドラマティック度・・8 濃密度・・8 キング・ダイアモン度・・8 総合・・8
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Mercyful FateDon't Break the Oath」
デンマークのメタルバンド、マーシフル・フェイトの2nd。1984年作
King Diamondが在籍していたバンドとして、ファンにも人気の高い名作。古き良きメタルリフと叙情的なメロディによる
ドラマティックなサウンドに、キング・ダイアモンドの甲高いヴォーカルが歌い上げる。まだシアトリカルなドラマ性というよりは
IRON MAIDENやJUDUS PRIESTに通じる正統派のヘヴィメタルを基本にしていて、北欧的な叙情美で味付けをしたサウンドは、
いくぶんのマイナーな空気を漂わせているのも、むしろ魅力となっている。ツインギターのメロウなフレーズとともに、
音には70年代的なハードロック質感もあり、どことなくプログレ的な構築力も覗かせる。この濃密な質の高さは素晴らしいという他にない。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 正統派度・・8 総合・・8
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MERIDIAM
スペインのメロディックメタルバンド、メリディアンの1st。2002作
シンフォニックなイントロに続き、クサメロのフレーズを奏でるギターとスペイン語の歌唱を乗せて疾走。
ややイモ臭いサウンドながら、そのメロディにはいかにもスパニッシュなやわらかな叙情とともに胸を打つものがある。
B級っぽいのに魅力的なのは、分かりやすいキャッチーな歌メロが心地よいからだろう。
哀愁のギターメロディも美しく、9曲めの“ラスト・オブ・モヒカン”のフレーズには軽く悶絶。
マイナーでもOKなクサメロ好きは必聴のスバニッシュメタル作。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・7.5

Meridiam 「El Fin De Los Dias
スペインのメロディックメタル、メリディアンの2005年作
ツインギターに美麗なシンセアレンジとスペイン語の歌声で聴かせる正統派のサウンド。
随所に疾走するクサメロスピな味わいも含んだ聴き心地は、初期のAVALANCHにも通じる。
楽曲もそこそこよくできていて、メロディックでシンフォニック…突き抜けて目立つところはないが
スパニッシュなクサメロ系メタルが好きな方なら、なかなか楽しめることだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5


MERKABAH 「Ubiquity」
カナダのメロディックメタル、メルカバの2014年作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声に、ツインギター、美麗なシンセアレンジで聴かせる、
正統派のシンフォニック・パワーメタルサウンド。疾走感はあまりなくミドルテンポ主体で
オルガンを含んだ古き良きHR質感もあったりと、全体的な雰囲気は悪くないのだが、
同じくカナダのForgotten Talesあたりに比べるとクサメロ感が弱いのも物足りない。
ラストの12分にもおよぶインスト曲も意味不明。アウトロにしては長過ぎでしょう。
今後は女性声の魅力を活かすような楽曲を増やしていってもらいたい。
メロディック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MESMERIZE「OFF THE BEATEN PATH」
イタリアのメロディックメタルバンド、メスメライズの2nd。2002作
ファンタジックなジャケや曲名につられて買ったが、これは典型的なB級疾走メタルです。
Voの力弱さは当然として、曲の方もクサメロ軟弱路線でいくのかパワメタ路線でいくのかがどうもはっきりせず、中途半端。
GAMMA RAY風、HELLOWEEN風、BLIND GUARDIAN風のどれかに絞ってマネしてみるとか、
あるいは、せめてKeyを入れるなりして雰囲気だけでも壮大風を装って欲しい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・6


MESSENGER 「Star Wolf - Pt.1: The Messengers」
ドイツのメタルバンド、メッセンジャーの2013年作
ジャケからして宇宙海賊的なコンセプトがあるようだが、サウンドの方はしごく正統派で、
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルで聴かせる古き良き雰囲気のジャーマンメタル。
ドラマティックな展開力に適度なクサメロも含んだ感触は、RUNNING WILD + GAMMA RAYという感じで、
思いのほかクオリティが高い。あるいはMETALIUMなどよりメロディックでずっと楽しめるかもしれない。
エピックな勇壮さとキャッチーな聴き心地の同居した力作。PRIMAL FEARのラルフ・シーパーズがゲスト参加。
メロディック度・・8 正統派度・・9 ジャーマン度・・9 総合・・8



Messenger 「Starwolf Pt.2: Novastorm」
ドイツのメロディックメタル、メッセンジャーの2015年作
2013年のPt.Iに続く、スペースオペラ的なコンセプトアルバムの続編で、王道のツインギターに
パワフルなヴォーカルを乗せ、GAMMA RAYにも通じる正統派メロパワサウンドを聴かせる。
宇宙海賊をテーマにしているらしく、RUNNING WILDなどを思わせる勇壮な雰囲気も覗かせつつ、
叙情的なスローナンバーから、いかにもジャーマンらしい疾走ナンバーまで、まさに安定の作風。
新鮮味はあまりないが、ドラマティックなラスト曲まで、オールドメタルとしてのどっしりとした聴き心地と
ほどよいクサメロ感も含んだ、エピックな味わいのジャーマン・メロパワが楽しめる強力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Messiah's Kiss「Metal」
ドイツのメタルバンド、メサイアズ・キッスの2nd。2004作
日本盤も出ていないマイナーな存在ながら、メロバワとしての質はなかなか高い。
ややダーティな声質のヴォーカルとツインギターの正統派リフで疾走する
王道のパワーメタルサウンド。Primal Fearあたりに通じる硬派な感触と
RUNNING WILDなどを思わせるドラマティックなフレーズがいい感じだ。
メロディにはけっこうフックがあって、曲が多くても案外飽きずに聴ける。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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METAL CHARCH「This Present Wasteland」
アメリカのメタルバンド、メタル・チャーチの2008年作
デビューは1984年のベテランで、解散した時期もあったが復活し、本作が9作目となる。
正統派のギターリフで聴かせる80年代の香りを残した古き良きヘヴィメタルサウンドで、
スラッシュとまではいかない適度な激しさと、かすかにメロディックな部分を含んだスタイル。
正直、いまの時代に聴くにはインパクトが弱いのだが、メタルの王道を守り続ける頑固な姿勢には敬意を覚える。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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METALFORCE
ドイツのメロパワバンド、メタルフォースの2009年作
MAJESTYが改名したバンドで、移籍したのがMANOWARのジョーイ・ディマイオのレーベルということもあってか、
そのサウンドはますますマノウォー化。エピックな勇壮さとともに疾走する漢のメロパワが炸裂している。
大仰な歌メロやゆったりとした叙情パートなどもほとんどMANOWARのようで、楽曲はとにかくシンプルに力強い。
これだという派手さはないのだが、楽曲にはメロディのフックがあるので、ミドルテンポも疾走曲も気持ちよく聴ける。
クオリティの高さはさすがというところ。ちなみに現在では、再びMAJESTYに名前を戻し作品を出している。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 マノウォー度・・8 総合・・8




Metalhead
ドイツのメタルバンド、メタルヘッドの2012年作
ツインギター編成の5人組で、オールドなギターリフで疾走する古き良きメタルサウンド。
随所にロブ・ハルフォード的(というか、キングダイアモンド的?)なハイトーンヴォーカルも覗かせて、
80年代スタイルの正統派メタルを徹底して貫く、その姿勢は失笑するほどに頑固一徹。
ジューダス+アクセプト+モーターヘッドという感触で、NWOTHM系特有の確信犯的な音の悪さとチープ感も申し分なく、
分かりやすいシンプルな楽曲にも好感がもてる。ジャケの安っぽさはなんとかして欲しいが、
売れるための装飾など無用というその硬派さ(?)も素晴らしい。たぶん売れないでしょうが…拾ってやってください。
メロディック度・・7 オールドメタル度・・9 スカスカ度・・8 総合・・7.5


Metal Inquisitor 「Doomsday for the Heretic」
ドイツのメタルバンド、メタル・インクイシターの2005年作
ツインギターの5人編成で、ジャケの感じやメンバー写真から、コテコテのB級ジャーマンメタルを想像するのだが、
サウンドもまさにその通り。ヘヴィすぎないツインギターに、パワフルすぎないヴォーカルで聴かせる、
かつてのNOT FRAGILEあたりに通じる、じつにマイナー臭いメタルサウンドで思わずにんまりだ。
90年代にはこういうバンドがたくさんいたよなあと、懐古に浸りたくなるような適度なユルさがたまらない。
むしろ80年代ルーツのNWOTHMのひとつというべきか。ヘナチョコで何が悪いという開き直りがいっそ潔い。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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METALIUM「MILLENIUM METAL-chapter one-」
SAVATAGEのChris Caffery、VELVET VIPERのLars Ratzらによるメタリウムの1st。1999作
バンド名が表す通り、全編「これでもか!」というほどの男のトゥルーメタルサウンドだ。
雰囲気としては北欧のDREAM EVILLOST HORIZONなどに近いものがあるが、
そこまでメロディに魅力はなく、もっとストレートなヘヴィメタル。魂はMANOWARか。
演奏力もあるしメタル魂炸裂の熱いサウンドだが、人によっては馬鹿にするかもしれない(笑)
DEEP PURPLEの“SMOKE ON THE WATER”とACCEPTの“BURNING”のカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 メタル魂度・・9 総合・・7
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METALIUM「Hero Nation-chapter three」
ドイツのメロパワバンド、メタリウムの3rd。2002作
もうこのジャケやメンバー写真からして、ギャグかと思えるほどのメタルっぷりなのだが、
サウンドの方もじつに正統派に疾走する王道のジャーマンメタルスタイルだ。
ツインギターのメロディも爽快で、DREAM EVILあたりにも通じるメロディアスさもある。
このバンドの場合ベースの存在感もなかなかで、それが低音部のパワフルさを支えている。
また、ドン・エイリーやケン・ヘンズリーなど渋めのゲストを迎えている点も面白い。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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METALIUM「AS ONE-chapter four-」
ドイツのメロパワバンド、メタリウムの4th。2003作
ジャケもおねいちゃんになってよい感じだが、サウンドの方もなにやら壮大になっておる。
語りの入ったスペースオペラ風の仰々しいイントロから続き、疾走ナンバーが炸裂。
ギターはシングルになったものの演奏の勢いはむしろ増していて、
ハイトーンのヴォーカルもより力強くなり、サウンドの説得力が上がった。
これで楽曲自体にもう少し耳を惹くメロディか個性があれば傑作となっただろう。
前作に続き、ゲストのドン・エイリーがシンセを弾き、日本のSAEKOも参加している。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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METALIUM「Demons of Insanity」
ドイツのメロパワバンド、メタリウムの5th。2005作
バンドの最高作というべき内容だった前作に続き、本作もパワフルな力作に仕上がっている。
正統派のギターリフと、ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するスタイルは、
ヘヴィメタルへの熱き魂とともに、強力に聴き手にたたみかけてくる。
新鮮味は薄いものの、正統派メロパワファンにはガッツポーズの1枚だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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METALIUMNothing to Undo
ドイツのメロパワバンド、メタリウムの2007年作
デビュー時から徹頭徹尾ピュアメタルを追求するこのバンド、6作目となる本作も、
4th以降の「普通に格好いいメロパワ」としてのクオリティを維持した好作だ。
適度な疾走感とメロディを含んで、正統派ジャーマンメタルのパワフルさで聴かせつつ、
ドラマティックなバラードなどもいい感じで、全体的に安定した好作に仕上がっている。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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METALIUM「Incubus-chapter seven-」
ドイツのメロパワバンド、メタリウムの7th。2008作
イントロから大仰でエピックな雰囲気ににんまり。正統派のスタイルで聴かせるスタイルはそのままに、
初期よりはずいぶんとサウンドに説得力が出てきており、疾走曲などはなかなか格好よい。
テーマがインキュバスということでか、スローな曲ではどこかホラー的な
ダークさをかもし出すなど、ドラマティックな世界観を聴かせる工夫も見られる。
ただ、個人的にはもっと熱き疾走メタルが聴きたいところだが。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・7.5
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Metalsteel 「Bad In Bed」
スロベニアのメタルバンド、メタルスティールの2007年作
ゴシックメタル風のジャケであるが、サウンドはオールドなギターリフにハイトーンヴォーカルで聴かせる
しごく正統派のヘヴィメタル。歌詞は英語なので、そこまで辺境臭さはなく、ミドルテンポを主体に、
ほどよい疾走感も含んだオールドスタイルのメタルが楽しめる。これという盛り上がりや新鮮味はなく、
メロディのフックも凡庸なので、B級のNWOTHMのひとつとして、辺境メタルマニアの方はどうぞ。
ドラマティック度・7 疾走度・6 正統派度・8 総合・7
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Metanoon 「Dark Assassin」
チェコのエピックメタル、メタヌーンの2008年作
1993年にデビューし、6作目となる。正統派のギターリフに野太いヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのメタルで、
女性コーラスも加わった優雅さに、ほどよいクサメロ感触も覗かせて、いかにもマイナーな辺境臭さと
エピックな雰囲気も覗かせる、いかにもマニア向けのサウンド。牧歌的なスローテンポのナンバーや
母国語による女性ヴォーカルを加えたバラードなど、優美なシンセアレンジとともになかなか叙情的な耳心地で、
9分を超える大曲では、ドラマティックなエピックメタルが味わえる。疾走感はさほどないが、ゆったり聴かせる辺境メタル。
ドラマティック度・8 疾走度・6 辺境度・8 総合・7

Metanoon 「Legio Bohemorum」
チェコのメタルバンド、メタヌーンの2019年作
90年代から活動するバンドで、11年ぶりとなる7作目。オールドなギターに母国語によるヴォーカルを乗せて疾走、
女性コーラスやフォーキーなフルートの音色も加えた、辺境らしい土着的なメタルサウンドを聴かせる。
エピックメタル寄りの勇壮な世界観と牧歌的なクサメロ感が同居した味わいで、疾走ナンバーも多いが
ダーティながらパワフル過ぎないヴォーカルとユルめのメロディも含めて、わりとのんびりとした聴き心地で楽しめる。
メロディック度・7 疾走度・8 辺境度・8 総合・7.5


METATRONE「Powerful Band」
イタリアのメロディックメタルバンド、メタトロンのアルバム。2005作
メンバー全員がクリスチャンという、いわゆるクリスチャンメタルバンド、
曲名や歌詞の内容も、神や聖書の言葉をモチーフにしているようだが、
サウンド自体はシンセ入りでキャッチーなメロディを聴かせる聴きやすいもの。
メロハー的な曲から疾走曲まで幅は広いが、総じてやわらかみのある曲調で
ヘヴィさよりも優しさが感じられるのがクリスチャン的か。スリリングさは希薄な好作。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クリスチャン度・・9 総合・・7.5
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MIDNIGHT ETERNAL
アメリカのシンフォニックメタル、ミッドナイト・エターナルの2016年作
OPERATIKAのメンバーを含むバンドで、キュートな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる王道のシンフォニックメタル・サウンド。
メロディックなギターフレーズに美しいシンセアレンジで疾走するナンバーもあり、適度にB級臭いクサメロ感も漂わせる。
Raine嬢の歌声は、やや線が細いものの、EDENBRIDGEのサビーネとLeaves's Eyesのリブ嬢の中間という感じで、
ほどよくフェミニンな魅力を漂わせる。ときに男性デス声も絡んだアグレッシブな部分もありつつ、
基本的には3〜4分前後のシンプルな楽曲を中心に、キャッチーなメロディアス性が前に出ていて聴きやすい。
最近の日本のフィメール・シンフォニックメタルを思わせる雰囲気もあって、この手が好きな方なら十分楽しめるだろう。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MIDWINTER 「GLASSY WATERS」
フランスのシンフォニックメタル、ミッドウインターの2007年作
フランスなまりの英語で歌うはかなげな女性ヴォーカルの歌声と
うっすらとしたシンセアレンジに、疾走感するメロスピ風味もあるという、
いくぶんミスマッチな感触が、どこかあやうい聴き心地になっている。
女性Voのアンニュイな感じは、どう考えても耽美でゴシックな雰囲気なのに
無理やりシンフォメタルにしているところが、萌え所になってなくもない…という。
一方では、ゴシックメタル的な曲もあるにはあったりで、むしろその路線にいってもらいたい。
シンフォニック度・・7 アンニュイ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7



Millennium 「Caught In A Warzone」
イギリスのメタルバンド、ミレニアムの2016年作
1984年に1作を残して消えたバンドで、2018年には34年ぶりの復活アルバムを発表するのだが、
本作は1985年に録音された未発曲を収録した作品。わりと正統派のギターに伸びのよいヴォーカルを乗せた、
古き良きヘヴィメタルで、音質はややラウドであるが、当時のNWOBHMシーンのバンドの若き勢いが伝わってくる。
楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、随所に聴かせる叙情的なツインギターなどもよい味わいで、
英国らしいウェットな雰囲気は日本人にも受けるだろう。80年代の香りを閉じ込めた全12曲です。
メロディック度・7 オールドメタル度・9 英国メタル度・8 総合・7.5
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MILLENNIUM 「Awakening」
イギリスのメタルバンド、ミレニアムの2018年作
1984年に唯一のアルバムを残して消えたバンドの、じつに34年ぶりとなるオリジナルアルバムで、
王道のギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、正統派のブリティッシュメタルを聴かせる。
往年のJUDAS PRIESTにも通じる勢いあるメタルナンバーから、メロディックなギターを乗せた
ウェットな哀愁に包まれたナンバーなど、80年代の英国メタル好きならばにんまりだろう。
全体的には新鮮なインパクトというのは薄く、どの曲も、80〜90年代の雰囲気に包まれた正統派で、
キャッチー過ぎず、ヘヴィ過ぎずという中庸な感触であるが、これこそがNWOBHMの生き残りというべきか。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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MINDMAZE 「Back from the Edge」
アメリカのメロディックメタル、マインドメイズの2014年作
叙情的なギターに女性ヴォーカルの歌声を乗せて、疾走感のある正統派のメロディックメタルを聴かせる。
シンセアレンジを加えたシンフォニックな感触や、ProgMetal的なリズムチェンジも含んだ展開力で
緩急あるサウンドが楽しめる。10分の大曲も、美麗なシンセとギターを重ねたインストパートの構築力と
キュートなヴォーカルを乗せた優雅な聴き心地に、疾走パートも含んだドラマティックな味わいだ。
全体的には、まだ突き抜けきらない部分はあるが、今後のポテンシャルを感じさせる好作品である。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MINDMAZE 「RESOLVE」
アメリカのメロディックメタル、マインド・メイズの2017年作
メロディックなギターに伸びやかでハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、パワフルな疾走感と重厚さに
ProgMetal的でもある知的な展開力も含んだ聴き心地。テクニックのあるギターによる
流麗なフレージングも随所に光っていて、ダイナミックな構築センスとともにインストパートの充実が
楽曲に確かな説得力を付加している。美しいシンセアレンジも加わって、女性声の魅力を活かした、
しっとりとしたナンバーなどもよい感じで、11分を超えるラストの大曲は、緩急のあるドラマティックな展開で、
女性声入りプログレメタルの味わいが楽しめる。テクニカルでメロディック、今後が楽しみなバンドです。
ドラマティック度・・8 構築度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MIND ODYSSEY「signs」
ドイツのメロディックメタルバンド、マインド・オディッセイの4th。1999作
キーボード入りのプログレッシブな風味も併せ持ったメタルバンドとしてデビューした彼らだが、
前作「NAILED TO THE SHADE」は、そうしたプログレッシブメタル的な感性が光る好作だった。
続く今作も、決して難解にならない聴きやすさと、クオリティの高さでじっくり聴かせるアルバムだ。
現在はRAGEでの活躍が知られる、ヴィクター・スモールスキのクラシカルなギターワークを軸に、
曲の中でメロディアスさと知的なアレンジが、適度にテクニカルな質感と上手く組み合わさっている
プログレメタル風のC、Dあたりの楽曲構成力はなかなか見事で、美しいキーボードと
それに絡む効果的なギターのメロディによる展開は、ヴォーカルの雰囲気もあいまって
随所にDREAM THEATERを思わせるものもある。現在はジャケの一新された再発盤が出ている。
メロディアス度・・8 プログレメタル度・・7 楽曲アレンジ・・8 総合・・8
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MIND ODYSSEY 「Time To Change It」
ドイツのメタルバンド、マインド・オディッセイのアルバム。2009作
ヴィクター・スモールスキがRAGEに加入したことで、活動休止となっていたこのバンドが復活。
アルバムとしては1999年の4th「SIGNS」以来、実に10年ぶりとなる。
個人的には、前作でのプログレッシブメタル的な感じが好きだったのだが、
本作はむしろ力みのない軽やかなハードロック/メタルサウンドで、
そこに適度に知的なアレンジが加わったというもの。3rd、4thあたりを期待して聴くと、
このモダンでダンサブルな雰囲気はやや好みを分けるかもしれない。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 モダンロック度・・8 総合・・7.5
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Minuetum「Haunted Spirit
ギリシャのメロスピバンド、ミニュエタムの2010年作
シンセを含む5人組で、シンフォニックな美麗さで軽めに疾走するメロスピサウンド。
正直、メロディや演奏にこれだというものはなく、シンセ入りのメロスピという以上に
評価すべき部分はない。耳心地はそこそこよいのでB級メロスピが好きな方はどうぞ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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MIRACLE FLAIR 「ANGELS CAST SHADOWS」
スイスのシンフォニックメタル、ミラクル・フライアの2016年作
チェロ奏者を含む5人編成で、ヘヴィなギターに女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
適度にモダンな感触とキャッチーなメロディアス性が同居したサウンド。
専任のシンセ奏者がいないので、シンフォニックな感触は希薄だが、メタルとしての重厚な味わいと
ヨーロピアンな薄暗い世界観をしっかりと描いている。紅一点、ニコル嬢の歌声は高すぎない中音域で
フェミニンな魅力の点では控えめだが、どっしりとしたバンドのサウンドにはよくマッチしている。
楽曲はすべて3〜4分前後で、聴きやすいものの、魅力的なメロディやインパクトのある展開がいまひとつ弱い。
今後はゴシック寄りの質感を強めるのか、メロディを重視するのか、もう少し極端になってもよい気もする。
ドラマティック度・・7 重厚度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MIRACLE FLAIR 「Synchronism」
スイスのシンフォニックメタル、ミラクル・フライアの2020年作
2016年にデビュー、本作は2作目となる。メタリックなギターにシンセアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、スタイリッシュなシンフォニックメタル。
随所に叙情的なフレーズを奏でるギターが、サウンドにキャッチーな感触を加えていて
ほどよいメランコリック性とメロディアスさが同居した楽曲は、4〜5分前後とコンパクトで聴きやすい。
派手なシンフォニック性はさほどないが、紅一点、ニコル嬢のやわらかな歌声も魅力的で、
ノリのある疾走ナンバーなども含めて、ヴォーカルを活かしたキャッチーな作風が功を奏している。
メロディック度・・8 壮麗度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8 
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MIRROR
イギリスのサタニックメタル、ミラーの2015年作
SATAN'S WRATH、元ELECTRIC WIZARDのなどのメンバーによるバンドで、サウンドは
かつてのANGEL WITCHなど、80年代話思わせる古き良き感触のカルトなメタルサウンド。
ツインギターのリフにハイトーンヴォーカルを乗せサイケ気味の妖しい浮遊感を含んだ聴き心地は、
適度なB級感も含めてニヤリとする。ヘヴィ過ぎない適度なユルさも絶妙で、
ドゥームメタル的なアナログ感も含めて、オールドなリスナーにこそお薦めしたい。
ドラマティック度・・7 古きを良き度・・8 カルトメタル度・・8 総合・・7.5
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Mirror 「Pyramid of Terror」
イギリスのヴィンテージメタル、ミラーの2019年作
元2015年にデビュー、Electric Wizard、Satan's Wrath、プログレバンドのMessenger などのメンバーによるバンドで、
本作は2作目となる。オールドなギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、ノリのあるヴィンテージなメタルサウンドで、
いくぶんドゥーム寄りの妖しさと、キャッチーな味わいが同居している。激しすぎずユル過ぎずという、
NWOBHMルーツの古き良きマイナーメタルの感触に包まれつつも、比較的ストレートな聴き心地。
これというインパクトはないのだが、オールドスタイルの英国メタルが味わえる好作品です。
ドラマティック度・・7 ドゥーム度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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MIRROR 「Day Bastard Leaders Die」
キプロスのメタルバンド、ミラーの2022年作
イギリス、アメリカのメンバーを含む編成で、2015年にデビューし、3作目となる。
いかにもB級ドゥーム臭ただようようなジャケであるが、オールドなツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、80年NWOBHM的なカルトなメタルサウンドを聴かせる。
ほどよくスカスカなアナログ感とともにウェットな叙情を含んだ聴き心地は、ANGEL WITCHなどが好きな方はニヤリとすること請け合い。
曲によっては、初期IRON MAIDENのような雰囲気もあったりして、全体的にもジャケのイメージに比してわりと聴きやすい好作品です。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・8 カルト度・8 総合・7.5
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MISSING TIDE 「Follow the Dreamer」
デンマークのメタルバンド、ミッシング・タイドの2009年作
元ROYAL HUNT、EVIL MASQUERADEのヘンリック・ブロックマン、ヤコブ・キエールを中心としたバンドで、
キャッチーなメロディで聴かせる正統派のHR/HMスタイルのサウンド。ロイヤル・ハントなどに比べるとぐっとシンプルで
シンセによる味付けやクラシカルなメロディなどはほとんどなく、むしろ古き良きハードロックの雰囲気を感じさせる。
曲によっては適度に疾走感もあって、メタルらしいギターワークと味わい深いヘンリックのヴォーカルを
じっくり楽しめる作風であるが、全体的にはインパクトや新鮮味はやや薄いか。
メロディック度・・7 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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MISSION (Миссия) 「Queen (Королева)」
ロシアのメタルバンド、ミッションの2016年作
正統派のギターに巻き舌のロシア語ヴォーカルを乗せた、しごくオーソドックスなメタルサウンド。
ゆったりめのミドルテンポを主体に、うっすらとしたシンセも重ねつつ、シンフォニックというほどでもなく
疾走感やクサメロ感も薄いので、楽曲ごとの魅力やインパクトという点では物足りない。
メロディック度・7 疾走度・5 正統派度・7 総合・7


MOAHNI MOAHNA「Temple of Life」
スウェーデンのハードロックバンド、モアニ・モアナの1st。1995作
EVIL MASQUERADEのヘンリック・フライマンが在籍していた、クラシカル・ハードロックバンド。
基本はRAINBOW的なオーセンティックなハードロックサウンドなのだが、
そこに導入される大胆なまでのクラシック・エッセンスは、まさに後のE.Mを思わせるものがある。
ヘンリックのクラシカルなギタープレイも見事で、生のオーケストラとの合体により楽曲には説得力がある。
曲自体はやや古めかしいハードロックなので、今の若いファンにはEVIL MASQUERADEの方をとるだろうが、
RAINBOWなどが好きなオールドリスナーにはぜひ聴いて欲しいサウンドだ。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 RAINBOW的度・・8 総合・・7.5
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MOB RULESHollowed Be Thy Name
ドイツのメロディックメタルバンド、モブ・ルールズの3rd。2002作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、正統派メロパワでありながらも、シンフォニックなサウンド。
ミドルテンポを主体にどっしりとした重厚さとジャーマンらしいメロディアスな聴き心地で、
シンセ入りのきらびやかさもゴージャスな印象だ。楽曲そのものは古き良きといってもよい感じで、
これといって新鮮さはないのだが、全体的にクオリティの高さで安心して楽しめる。
IRON MAIDEN風味や、KAMELOTなどにも通じる劇的な味わいもなかなかのもの。
メロディアス度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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MOB RULES「AMONG THE GODS」
ドイツのメロディックメタルバンド、モブ・ルールズの4th。2004作
ツインギターにキーボード入りの6人組で、じつに正統派のメロディックメタルをやっている。
今作は、いわゆるトゥルーメタルというほどには頑固さはなく、キャッチーな歌メロにコーラスワークなどは
普通に聴きやすい。疾走しても、サウンドにはオーセンティックなハードロック色があり、
やわらかなキーボードの色合いも含めてどこか80〜90年代的な質感を思わせる。
同郷のベテランDOMAINあたりにも通じる雰囲気があり、この手の古き良きメロディックメタルが好きなら充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 古き良き度・・8 総合・・7.5
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MOB RULESEthnolution A.D.
ドイツのメロディックメタルバンド、モブ・ルールズの5th。2006年作
キャリアはそこそこの中堅ながら、これまで決定打というような傑作はなかったこのバンド、
今作はのっけから23分超の組曲をもってくるあたり、なかなか気合いが入っている。
美麗なシンセアレンジとともにシンフォニックメタル的な雰囲気で始まりつつ、
ミドルテンポでヴォーカルの歌声をじっくりと聴かせるSAVATAGEばりの作風は、
これまで以上にドラマティックな香りを漂わせる。メロディの魅力やサウンド迫力は
まだ次作には及ばないものの、この重厚路線は間違いではないと思える好作だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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MOB RULESRadical Peace
ドイツのメロディックメタルバンド、モブ・ルールズの6th。2009作
活動は10年以上と、すでに中堅クラスなのに、正直これまでは正統派という以上の
価値を見出せなかったバンドであったのだが、今回はぱっと聴きにけっこう気に入った。
単なる正統派ヘヴィメタルというだけでなく、本作ではシンセによるアレンジを使うなど
ドラマティックで重厚かつダークめの世界観は、「SAVATAGE meets KAMELOT」という雰囲気。
圧巻は6パートに分かれた18分の大曲で、知的なドラマ性をシンフォニックメタル的に構築する
このバンドの底力を見る思いだ。クオリティとしては同じドイツのベテランAXXISにも引けをとらない。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 重厚度・・8 総合・・8
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MONTANY「NEW BORN DAY」
オランダのメロディックメタルバンド、モンタニーの1st。2002作
サウンドはGAMMA RAYタイプのジャーマンっぽいメロパワ。
Voからして少々B級っぽいが、疾走曲のメロディアスさは心地よく
適度にシンフォニックなキーボードの存在が、ともすると無骨になりがちな
全体の音の質感をやわらかくしている。その辺のキャッチーさがオランダ的か。
KEY入りのGAMMA RAYという感じで、なかなかいいバンドだと思います。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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MOON CHAMBER 「LORE OF THE LAND」
イギリスのメタルバンド、ムーン・チェンバーの2019年作
CRYSTAL VIPERの女性シンガー、マルタ・ガブリエルとSARACENのギタリスト、ロブ・ベンデロウが組んだユニットで、
正統派のギターにシンセを重ね、彼女のハスキーな歌声を乗せた、オールドスタイルのメタルサウンド。
ブリティッシュメタルらしいウェットな味わいに、曲によってはメロハー的でもあるキャッチーな雰囲気もあって、
マルタ嬢の伸びやかなヴォーカルも魅力たっぷり。魔女系ロック的なヴィンテージなナンバーも実にハマっている。
随所に叙情的なギターの旋律や優美なシンセアレンジで、シンプル過ぎない耳心地の良い音のバランスも見事。
楽曲は3〜5分前後とシンプルにまとめられていて、メロディックな女性声HRとしても普通に楽しめる好作品。
メロディック度・・8 ヴィンテージ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Moondive 「Dive With Me」
セルビアのシンフォニックメタル、ムーンドライヴの2004年作
ピアノを含む優美なシンセをギターに重ね、なよやかな女性ヴォーカルとともに、ほどよい疾走感のあるシンフォニックメタルを聴かせる。
刻みがメインのギターは物足りなさもあるが、疾走するサビでのキャッチーな歌メロには、辺境的なクサメロ感みあって悪くない。
ときおりコミカルなパートも覗かせるなど、アレンジ面での遊びも感じさせたり、ネオクラシカル的なきらびやかなシンセワークなど、
わりと聴きどころもあるのだが、どうしてもB級のマイナー感はぬぐえず。シンフォニックなシンセをバックに美しい女性声で、
ゆったりと聴かせるナンバーなどはなかなか魅力的だ。辺境系のフィメール・シンフォメタル好きの方はどうぞ。
シンフォニック度・7 疾走度・6 女性Vo度・7 総合・7.5
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MOONLIGHT AGONY「ECHOES OF A NIGHTMARE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ムーンライト・アゴニーの2004年作
ただの爽快なメロパワバンドとは若干質感が異なり、疾走しつつもどこか陰りを含んだサウンドが特徴的で、
シンフォニックなキーボードに、ときおり聴かせるトラッド/ヴァイキング調のメロディも美しい。
スリランカ人ヴォーカリスト、チトラルの歌唱は、伸びやかなマルヴォイスの他、
スクリーミングヴォイスでアグレッションも表現できるという希有な声質の持ち主だ。
ややダークめのメロパワとしては非常に高品質。4のサビメロなどはINSANIA並みにキャッチーです。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧の陰り度・・8 総合・・8
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MOONLIGHT AGONY「Silent Waters」
スウェーデンのメロパワバンド、ムーンライト・アゴニーの2nd。2007作
1st「Echoes of a Nightmare」はスリランカ人ヴォーカル、チトラルの強力な歌唱も含めて
パワフルかつメロディックな見事なアルバムであった。今作ではヴォーカルが交代しているが、
クオリティの高さは変わらず。北欧らしい叙情美を含んだパワフルなサウンドが楽しめる。
ときにシンフォニックにときに重厚にと、 同郷のSUPREME MAJESTYあたりにも通じる
バランスのとれた楽曲には安定感があって、これだという個性はいくぶん薄らいだが、
その分間口が広がったかもしれない。ラスト曲でのシンフォニックメタル的な作風が個人的にはGood。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Moonlight Circus 「Outskirts Of Reality」
イタリアのシンフォニックメタル、ムーンライト・サーカスの2000年作
BLACK JESTERのメンバーらによるバンドで、美しいシンセワークと
随所にネオクラシカル風のギターも入ったシンフォニックなメタルサウンド。
あまり力強くないハイトーンヴォーカルはいかにもB級っぽいが、
美麗なシンセに包まれたサウンドは嫌いではないし、9分、11分という大曲では
かつてのBLACK JESTERのようなイタリアらしい妖しいプログレッシブ風味も聴けたりする。
ドラマティック度・・7 濃密度・・7 イタリア度・・8 総合・・7.5
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Moonlight Circus 「Madness in Mask」
イタリアのシンフォニックメタル、ムーンライト・サーカスの2013年作
BLACK JESTERを母体にしたバンドで、前作からなんと13年ぶりとなる2作目。よく復活したな。
きらびやかなシンセとネオクラシカル的なギターで聴かせる、じつにイタリアらしい濃密なサウンドで、
メリハリに富んだ展開と、力みぎみのヴォーカルが入ったシアトリカルかつドラマティックな世界観。
いくぶんドタバタといたB級臭さはあるものも、そこも含めてイタリア的なセンスと美学が詰まっていて、
シンフォニックな優雅さは魅力的だ。スタイリッシュに背を向けたまさにイタリアからしか出てこない濃密作。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 イタリア度・・9 総合・・7.5
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MOONLIGHT HAZE 「De Rerum Natura」
イタリアのシンフォニックメタル、ムーンライト・ヘイズの2019年作
元TEMPERANCEの女性シンガー、キアラ・トリカリコ擁するバンドで、壮麗なシンセアレンジにメタリックなギター、
美しい女性ヴォーカルの歌声で、華麗でスタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
流麗なギタープレイやキャッチーなメロディのフックを、ほどよいモダンなヘヴィネスに融合させ、
きらびやかな疾走感とともに、どこを切っても美麗なサウンドが味わえる。ソプラノとストレートを使い分ける
キアラ嬢の表現力ある歌声も魅力的で、デビュー作にしてすでに完成度の高い逸品です。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8 
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Moonlight Haze 「Lunaris」
イタリアのシンフォニックメタル、ムーンライト・ヘイズの2020年作
Temperanceの女性シンガー、キアラを擁するバンドで、本作が2作目となる。
壮麗なアレンジにほどよくヘヴィでモダンな感触をまとったサウンドに、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる
キャッチーなシンフォニックメタル。随所に美しいソプラノヴォイスも使い分けるキアラ嬢の歌唱の表現力とともに、
AMARANTHEDELAINの中間というような雰囲気で、オーケストラルなサウンドながら、シンプルな聴きやすさがある。
テンペランスに比べるとヘヴィネスは控えめで、あくまで女性声をメインにした優雅なメロディアス性が前に出ており、
しっとりとした優美なナンバーなどは、Within Temptationなどのファンにも楽しめるだろう。一方では、
疾走するメロスピ風ナンバーもあって、実力ある女性シンガーで緩急ある作風が楽しめる高品質作だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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MOONLIGHT HAZE「Animus」
イタリアのシンフォニックメタル、ムーンライト・ヘイズの2022年作
3作目となる本作、壮麗なクワイアで幕を開け、透明感のあるキアラのヴォーカルと適度にヘヴィなギターと
やわらかなシンセアレンジで、DELAINなどにも通じる優雅でキャッチーなメロディに包まれたサウンドを描いてゆく。
楽曲的には3〜4分前後と、シンプルなナンバーが多く、聴き心地は良いのだが、もう少し深みのある盛り上がりも欲しいか。
全体的にも過去作に比して新鮮味に欠けるのだが、後半の疾走するメロスピ調ナンバーなどは壮麗な味わいで良いですね。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8
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MOONVILLE 「Silver Screen」
スウェーデンのメロディックメタル、ムーンヴィルの2006年作
4人編成による新鋭バンドで、伸びやかなハイトーンヴォカールを乗せて疾走するメロスピ風味と、
北欧らしいキャッチーなメロディアス性で描かれる、きらびやかなメロディックメタル。
ときにQUEENを思わせるようなやわらかな歌メロに、シンセによる美しいアレンジが
適度なプログレ感触も感じさせ、いわば「疾走するメロハー」という爽快な聴き心地。
リズムチェンジによる展開力には知的なセンスを覗かせ、メロディのフックも魅力的だ。
ヘヴィすぎないという点でも、ハードロック、メロディアスハードのリスナーにも好まれるだろう。
地味なジャケのせいで認知度が薄いのが残念だが、内容は抜群の傑作ですよ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・9 総合・・8
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MORGANA 「Three Years of Madness」
イタリアのエピックメタル、モルガーナのアンソロジー作品。
女性ヴォーカルをフロントに80年代に活動していたバンドで、2011年に復活作を出している。
本作は1987〜1992年までの未発音源を中心に収録。モルガーナ嬢のハスキーな歌声と
ヘヴィすぎないツインギターを乗せ、適度な疾走感とともに聴かせる、正統派のメタルサウンド。
たとえば、WARLORDあたりに通じる垢抜けない感触と、湿り気を帯びた叙情性が、
80年代マイナーバンドの香りをただよわせていて、マニア受けしそうな聴き心地である。
荒げ刷りではあるが年代を思えば、リズムも含めて演奏もわりとしっかりしていて、
激しい疾走ナンバーからフルートの鳴り響く叙情パートまで、その極端な感じも含めてわりと好きです。
メロディック度・・7 マイナー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Morgana 「Rose Of Jericho」
イタリアのメロディックメタル、モルガーナの2011年作
イタリアには同名のメロスピ系バンドがいたが、こちらは80年代に結成した女性Vo入りバンド。
古き良きHR/HMを感じさせるギターワークと、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
80年代を思わせる正統派のサウンド。楽曲は3〜4分台が中心で、ピアノ入りのバラード曲や、
ストリングスを含んだ曲などもあったりするが、全体的にはしごくまっとうなハードロックという聴き心地。
女性ヴォーカルの声にあまり華がないのと、楽曲そのものの魅力も足りないのが残念。
メロディック度・・7 正統派HR/HM度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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MORGANA「ANGEL」
イタリアのシンフォニックメタル、モルガーナの2000年作
疾走するシンフォニックスピードメタルをメインに、メロディセンスの良さが光る好作品。
壮大でクラシカルなパートはRHAPSODYから、疾走曲はSTRATOVARIUSを、
サビメロのキャッチ―さはGAMMA RAYと、美味しいとこ取りの見本のようなサウンド。
楽曲とメロの吹っ切れ具合という点では、SECRET SPHEREの1stにも匹敵するだろう。
とくにバラード曲における美しさ、キャッチ―さはX JAPANばりで思わずにんまりだ。
シンフォニック度・・9 キャッチ―度・・8 楽曲度・・8 総合・・8
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MORIFADE「IMAGINARIUM」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、モリフェードの2nd。2001作
もはや北欧ではこの手のクサメロ・メタル・バンドは星の数ほどいるが、
このバンドもそうしたSTRATOVARIOUSHAMMERFALL以降に現れたバンド。
1stの時点ではまだイモくさかったが、それでもメロディなどにはそこそこ光るものがあった。
今回も路線は同じだが、キーボードの使用に磨きがかかり、音的にシンフォニックなテイストが増した。
曲は意外とミドルテンポが主体で、安易に疾走モードに偏らないのが好感が持てる。
曲のレベルもHAMMERFALLあたりと遜色ないくらいには来ていると思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・8 総合・・7

MORIFADE「DOMI-NATION」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、モリフェードの3rd。2003作
最初はキャッチーなシンフォニックメタルだったこのバンドもNOCTURNAL RITESと同様、
この3rdではやや重厚なパワーメタルに路線が変わっている。キーボードのアレンジは北欧的で美しいし、
中にはいいメロディを聴かせてくれる曲もあるのだが、これだ!と膝を叩くまでいかないのがもどかしい。
演奏のクオリティも高いし、メンバーのセンスもそこそこあるので、あとはもう少しアイデアとメロディが付加すれば。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Morning Dwell
スウェーデンのメロディックメタル、モーニング・ドウェルの2014年作
REINXEEDやGOLDEN RESURRECTIONで活躍するドラマー、Alfred Fridhagenが在籍しているバンドで、
キャッチーなクサメロで疾走する、初期HAMMERFALLを思わせるような古き良きメロディックメタル。
パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルや、音質の軽さがマイナー感をかもしだしていて
HELLOWEEN的なジャーマンメタル風ツインギターのフレーズもなかなかよい感じだ。
Crtstal Eyesなどの陽性のB級クサメタルが好きな方なら、ニンマリすること請け合い。
Dragonforceばりのメロスピナンバーから、ラストは12分近い大曲で、「守護神伝」を意識しているような。
ありがちなクサメロスピ作品ながら嫌いには慣れない。アンドレアス・マーシャルによるジャケイラストもGoodです。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Morning Dwell 「Guardians of Time」
スウェーデンのメロディックメタル、モーニング・デュエルの2016年作
REINXEEDやGOLDEN RESURRECTIONで活躍するドラマー、Alfred Fridhagenが在籍するバンドで、
前作もマニアにんまりのクサメロスピであったが、今作もツインギターにきらびやかシンセアレンジを乗せて疾走する、
Dragonforceばりのメロディック・スピードメタルが炸裂。パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルや、
ややラウドな音質がマイナー臭さをかもしだしているが、メロスパーならそこも含めてニヤりとできる。
ミドルテンポのどっしりとしたナンバーよりは、やはりクサメロを乗せて疾走するナンバーは魅力的。
13分を超える大曲はやや長尺すぎだが、A級になり切れないクサメタルという点ではこれでよいのかも。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Mortanius 「Till Death Do Us Part」
アメリカのメロディックメタル、モータニウスの2019年作
ジャケはドゥームメタルのようだが、サウンドは正統派のギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、
しごく叙情的なシンフォニックメタル。1曲目から、MinstreliXのLeo Figaroがゲスト参加していて、
きらびやかなシンセアレンジや流麗なギターとともに、楽曲に華麗な華を添えている。
10分、17分という大曲は、クラシカルな優雅さと幻想的なロマンの香りに包まれながら、
随所にメロスピ的な疾走感を含んた緩急ある構築力でドラマティックなサウンドを聴かせる。
3曲目では、DRAGONLANDのヨナス・ヘイドガードがヴォーカルで参加しているのもマニア好み。
ラストはWham「Last Christmas」のカヴァー。ちなみに前作EPでは、BAAD「君が好きだと叫びたい」をやっている。
メロデッィク度・・8 疾走度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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MORTON「Come Read The Words Forbidden」
ウクライナのメロディックメタルバンド、モートンの2011年作
リーダーのマックス・モートンを中心としたバンドで、ツインギターに美麗なシンセワークを含んだ
正統派のメロディックメタル。随所に流麗なギターメロディとシンセによるシンフォニックな味付けもあり、
伸びやかなヴォーカルの歌声も含めて、ウクライナという地域性を感じさせない堂々たるサウンドである。
華麗に疾走する曲もあるが、基本はミドルテンポを主体に正統派HR/HMの流れを組んだ作風で、
それをモダンなアレンジで甦らせたような聴き心地。パワフルにたたみかけるメロパワ曲はもちろん、
ほのかな土着性を感じさせる叙情的なバラードなどもあり、楽曲ごとに多様性を持った完成度の高い作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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MURO 「El Cuarto Jinete」
スペインのパワーメタル、ムロの2013年作
80年代から活動しているベテランで、古き良き王道のギターリフにスペイン語のヴォーカルを乗せた
オールドスタイルの正統派パワーメタル。どっしりとしたメタル感と、疾走するメロパワ感触に、
スパニッシュ特有の哀愁あるヴォーカルメロディに、随所にメロディックなギターフレーズも覗かせる。
勇壮なコーラスなど甘すぎない叙情性と、低音の効いたベースとドラムを含む演奏の説得力が同居して、
ベテランらしい迷いのない重厚なサウンドが心地よい。ジャーマンメタルにも通じるウェットな空気をともなった、
80〜90年代のヨーロピアンなパワーメタルが好きな方には、なかなかたまらないだろう強力作である。
メロディック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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MYLIDIANBirth of the Prophet
フランスのメタルバンド、ミリディアンの2006年作
MANIGANCEあたりを思わせる正統派のメロパワサウンドで、
基本は正統派メタルのスタイルながら、うっすらとしたシンセアレンジと重厚な世界観で、
ときにコーラスや語りなどが入ったりして、なかなかドラマティックに聴かせる。
曲によってはブラストビート入りのアグレッシブさや、RHAPSODYなどを思わせる
エピックな雰囲気もあったりと、全体的な質の高さはいかにもフランスらしい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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MYON「GHOST IN PARADISE」
フィンランドのメロディックメタルバンド、マイオンの2nd。2003作
昨今北欧を賑わす若きメロディックメタルバンドたちに混じって日本デビューしたこのバンドは、
若手バンドとはやや異なりメンバーは皆30代。音のほうはメロスピ的な要素を感じさせつつも
古き良き北欧HR的な部分を感じさせるもので、随所にネオクラ色もあるが全体的にはマイナー調のハードロックといった印象。
若さにまかせて突っ走るバンドの影に、こうしたかつての古典的手法を取り入れた
メロディックメタルもあってもよいではないかと思う。泣きのギターフレーズなんか、なかなか。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 メロハー度・・8 総合・・7.5


THE MYSTERY「Apocalypse」
ドイツのメタルバンド、ザ・ミステリーの2012年作
ツインギターのリフでパワフルに聴かせる正統派メタルのスタイルに、ダーティで骨太な
女性ヴォーカルを乗せたサウンド。
一聴して、女版ウド・ダークシュナイダーか、はたまた、激しさを増したドロ・ツェペシュかというようなイリス嬢の歌声に圧倒される。
楽曲は3〜4分台であくまでシンプルな分かりやすさで、随所にジャーマンメタル的なギターメロディも配した聴き心地は、
古き良きパワーメタルの質感で、甘すぎないくらいにメロディアス。CRYSTAL VIPERあたりのファンにも楽しめる作品だろう。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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MYSTERYA 「SIMBIONT」
ウクライナのシンフォニックメタル、ミステリアの2013年作
女性Voに女性Key奏者を含む5人編成で、美しいシンセアレンジに母国語の女性ヴォーカルを乗せた
優美なシンフォニックメタル。メロディのフックには東欧らしい翳りを覗かせる叙情性と
クラシカルな優雅さが感じられて、しっとりとした聴き心地で楽しめる。ギターのリフがやや凡庸なのと、
重厚さの点ではやや物足りなさもあるのだが、キャッチーな歌ものとして鑑賞すれば、これはこれでよいのかもしれない。
曲によって情感を表現するヴォーカル嬢の歌唱力も含めて、今後が楽しみなフィメール・シンフォメタルの新鋭です。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・9 総合・・7.5


MYSTIC PROPHECY「VENGEANCE」
ドイツの正統派パワーメタルバンド、ミステイック・プロフェシーのアルバム。
サウンドはいまどき珍しいくらいの正統派パワーメタルで、へヴィなギターリフに時折聴かせるツインギターのメロディで、
いうなればHAMMERFALLをより力強く、漢にした感じ。昔の熱き血潮を思い出させるようなそんな音である。正統派パワーメタル好きに。
メロディアス度・・6 パワーメタル度・・9 楽曲・・7 総合・・7

Mystic Prophecy「Never Ending
ドイツのメロパワバンド、ミスティック・プロフェシーの3rd。2005年作
FIREWINDで活躍するガス.Gが参加していることで話題にもなったこのバンド、
1stの段階では古臭いまでの正統派メタルであったが、本作はよりソリッドに
そしてヘヴィなサウンドになっている。ガス.Gのギターはザクザクと硬質で、
パワフルなヴォーカルの歌声とともに、力強い男のメタルサウンドを描き出す。
DREAM EVILのように正統派メロパワとしての誇りを感じられる力作だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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MYSTIC PROPHECY「SAVAGE SOULS」
ドイツのメロパワバンド、ミスティック・プロフェシーの4th。2006作
パワフルなサウンドを武器に、順調に3枚のアルバムを発表してきたこのバンドであるが、
ここにきて日本でも人気の高いギタリスト、ガス.Gがバンドから脱退した模様。
しかし、それもなんのその、昨今珍しいほどの正統派ジャーマンパワーメタルスタイルはまったく健在で
王道のギターリフでヘヴィメタリックにたたみかける漢のスタイルには微塵も変化なし。
もはや新鮮味はなにひとつないが、ジャーマンメロパワ好きならヘドバン必至のメタルアルバムだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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Mystic ProphecySatanic Cursesl
ドイツのメロパワバンド、ミスティック・プロフェシーの5th。2007作
デビュー時から一貫して正統派のパワーメタルを続けてきたこのバンド、
本作もこれまで以上にパワフルに聴かせる愚直なまでのスタイルだ。
ツインギターのフレーズのメロディアスさの点でも前作以上で、
漢の力強さとジャーマンメタル的なドラマティックさが合わさった力作だ。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Mystic ProphecyFireangel
ドイツのメロパワバンド、ミスティック・プロフェシーの6th。2009作
新世代ギターヒーローとして知られる、ガス.Gが在籍していたバンドであるが、
サウンド的にはむしろ、彼の脱退後の方がパワフルなヘヴィさを増している。
本作もザクザクとしたメタリックなリフで聴かせる正統派のパワーメタルで、
ややかすれ気味のヴォーカルの歌唱とともに、ドラマティックなツインギターもいい感じだ。
楽曲やメロディ自体にはこれといった個性的なものはないのだが、
昨今珍しいほどに王道のヘヴィメタルを追求するその姿勢には潔ささえ感じる。
日本盤ボーナスにはMANOWARの“Fighting The Word”などを収録。
メロディアス度・・7 パワフル度・・9 ヘヴィメタル度・・9 総合・・8
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MYSTIC PROPHECY 「WAR BRIGADE」
ドイツのメタルバンド、ミスティック・プロフェシーの2016年作
2001年にデビューしたから、頑固一徹正統派のメロパワ路線を突き進むこのバンド。
9作目となる本作もツインギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、どっしりとしたメタルサウンドで、
キャリアのあるバンドらしい重厚な音作りが素晴らしい。楽曲は3〜4分前後で、シンプルかつ明快ながら、
随所にメロディックな叙情性を含ませた聴き心地は、かつてのDREAM EVIL的でもあるだろう。
ミドルテンポを主体にした楽曲は、JUDAS PRIESTのようなオールドなメタル感触もありつつ、
目新しさはないのにちゃんと恰好いいという、ギターリフを含めた説得力あるサウンドが見事だ。
メロディック度・・8 パワフル度・・9 正統派度・・8 総合・・8 
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Narwhal Tusk「In Despair」
ロシアのシンフォニックメタル、ナーワル・タスクの2010年作
クラシカルなシンセワークと美声の女性ヴォーカルで聴かせる壮麗なシンフォニックメタル。
Nightwishを思わせる美麗なシンセアレンジにクラシカルでやわらかな優雅さが加わって、
ゆったりとした聴き心地のサウンドだ。女性Voの歌唱も英語歌詞なので違和感なく楽しめる。
楽曲やメロディがいくぶんありきたりなことや、ときどき男性ヴォーカルもでてきたりと、
多少の不満はあるものの、シンフォニックな美しさは魅力であるし、今後に期待したいバンドだ。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Narwhal Tusk 「My Absolution」
ロシアのシンフォニックメタル、ナーワル・タスクの2017年作
2010年作「In Despair」はNightwishタイプの好作であったが、本作は新曲4曲に、1stのリメイク曲や、収録曲の別バージョンなどを加えたEP。
きらびやかなシンセをギターに重ね、ソプラノを使い分ける美しい女性ヴォーカルで、優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。
やわらかに伸びのあるValentine嬢の歌声は、英語の歌詞とともに楽曲にエモーショナルな説得力を付加していて、マイナー臭さはほとんどない。
オーケストラバージョンの壮麗なアレンジはもとより、新曲4曲もどれも魅力的で、今後のフルアルバムを期待したくなる。
シンフォニック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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NATION「Chased by Time」
スウェーデンのクラシカルメタルバンド、ネイションの1st。1994年作
絶品のギターメロディできらびやかに、そしてキャッチーに聴かせる北欧メタルサウンド。
なんといっても1曲め“Destiny”を聴いたときの衝撃というのは忘れられない。
うっすらとしたシンセをバックに、北欧らしい爽やかな透明感とクラシカルなフレーズで、
じつに耳心地の良いサウンドなのだ。激しさよりもむしろメロディアスハードにも近い雰囲気であるが、
のちにDIONYSUSを結成するジョニー・ウーリンの絶品のギターワークが楽曲に優雅な叙情を与え、
古き良き北欧メタルの質感とネオクラシカルな質感を融合させている。続く2nd「Withous Remose」も同様に傑作。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 北欧度・・10 総合・・8
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NAUTILUZ「Leaving All Behind」
ペルーのメロディックメタル、ノーチラスの2013年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、きらびやかなシンセとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
正統派のメロディックメタル。適度にクサメロを含んだギターフレーズもなかなか良い感じで、
初期のSONATA ARCTICAやCARDIANTあたりに通じる感触に加え、いくぶんネオクラ風味も感じさせる。
ヴォーカルの力量やしっかりとした演奏力も含めて、デビュー作にしてはなかなか完成度が高く、
地域的な辺境臭さというのはあまり感じさせない。全体的には、もっと南米らしい独特の個性があってよいようにも思うが、
むしろ北欧系のメロスピ、メロパワとして聴けば安心して楽しめるという作品だ。今後に期待の若手です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 むしろ北欧ですか度・・8 総合・・8
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NEMESIS「GODDESS OF REVENGE」
チェコのメロスピバンド、ネメシスの2003作
基本はオーソドックスな疾走メロスピで、演奏自体のメロディというよりは
線の弱いVoの歌うクサメロで曲に盛り上がりをつけるのはSKYLARKなどと一緒。
とりたてて演奏自体に素晴らしい部分はなく、ネオクラ風味もあるが中途半端。
雰囲気は全体的にまろやかで「ヤサ男風メロスピ」といったサウンドである。
EのバラードはまるでX JAPANの「ENDLESS RAIN」を思わせるくらいにキャッチーでよいが
クオリティとしては次回に期待というレベル。好き者なら喜ぶアルバムであろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7


NEONFLYOutshine The Sun」
イギリスのメロディックメタル、ネオンフライの20011年作
ツインギターの5人編成で、メロディックかつ爽快に聴かせる正統派のスタイル。
キャッチーなヴォーカルメロディとうっすらとしたシンセアレンジもを含んだ軽やかな聴き心地の中に、
オーセンティックな古き良きテイストも感じさせる。ヘヴィさよりもむしろメロハー的な爽やかさが前に出ていて、
激しいメタルが苦手な方でも楽しめるが、反面、メタルとしての骨太さには欠けるので物足りなさもある。
80年代の産業ロックをメロディックメタルに仕立てたような感触というか、メロディ重視派のリスナーはどうぞ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 メロハー風味度・・8 総合・・8
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Neopera 「Destined Ways」
ドイツのシンフォニックメタル、ネオペラの2014年作
男性デス声&ノーマル声、女性Voという3人のヴォーカルを含む編成で、壮麗なシンフォニックアレンジと
男女ヴォーカルを乗せた、THERIONにも通じるサウンド。オペラティックなソプラノヴォーカルの力量もあって、
優雅なスケール感とともに音の説得力もなかなかのもの。適度にモダンなヘヴィネスとクラシカルな美意識が同居して
デス声と女性声の対比によるダイナミズムも含めて、華麗にしてドラマティックな世界観を描いてゆく。
楽曲そのものに新鮮味というのは薄いものの、オペラティックメタルとしての優美な味わいと重厚なスケール感で、
最後までじっくり楽しめるだけのクオリティの高さがある。今後の飛躍に期待大の男女声シンフォニックメタルですよ!
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 セリオン度・・8 総合・・8
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NERGARD「Memorial for a Wish」
ノルウェー人ミュージシャン、アンドレアス・ナーガードを中心にしたプロジェクト、ナーガードの2013年作
オーゲ・ステン・ニルセン(Wigwam)、ラルフ・シーパーズ(Primal Fear)、ヨラン・エドマン、マイク・ヴェセーラ
ミケーレ・ルッピ(SECRET SPHERE)、トニー・ミルズ(TNT)といった、豪華なヴォーカル陣が参加、
映画のような語りから始まるコンセプト作で、美麗なシンセアレンジと実力あるヴォーカリストたちの歌声で
じっくりと聴かせるドラマティックな作風。随所に女性ヴォーカルも加わった、メタルオペラ的な雰囲気は
AVANTASIAなどにも通じる聴き心地であるが、メロディにしろ展開にしろこれという魅力がいまいち足りない。
11分、14分という大曲も含めて力作なのは確かだが、即効的なインパクトは薄いのが評価しづらいところ。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 楽曲・7 総合・・7.5



NEVERLAND「Reversing Time」
トルコのシンフォニックメタルユニット、ネヴァーランドのアルバム。2008作
DREAMTONEというバンドを中心にしたユニットで、そこにギリシャ人女性Voを加え、
たっぷりとシンセを使ったシンフォニックメタルに、ProgMetal的な質感を盛り込んだスタイル。
全体的には壮麗なシンセワークや、男女ヴォーカルで重厚に聴かせる部分を中心に、
モダンなアレンジと、ファンタジックな世界観がなかなか上手く融合されている印象。
ほのかな民族色を感じるのはトルコというお国柄か。わずかなイモ臭さが味になっている。
ゲストにはBLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュ、SHADOW GALLERY
ゲイリー・ワーカンプらが参加、楽曲にドラマティックな厚みと説得力を加えている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 メタル度・・7 総合・・7.5
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Dreamtone & Iris Mavraki's Neverland 「Ophidia」
トルコのメタルバンド、ドリームトーンとギリシャのシンガー、イリス・マヴラーキによるプロジェクト、ネヴァーランドの2010年作
2008年作に続く2作目で、物語的な語りで幕を開け、メタリックなギターにきらびやかなシンセを重ね
男女ヴォーカルの歌声とともに、ファンタジックな世界観のシンフォニックなメタルオペラを展開する。
ジョン・オリヴァ(SAVATAGE)、エドゥ・ファラスキ(元ANGRA)、アーバン・ブリード(Serious Black)がゲスト参加し、
それぞれ1曲ずつで歌声を披露している。ほどよくメロディックでほどよく重厚という、高品質なサウンドであるが、
疾走感やクサメロ感はさほどないので、即効性は薄めかもしれない。女性声の活躍がもっとあっても良かった。
ドラマティック度・8 疾走度・6 重厚度・8 総合・7.5
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NeverStar 「I'll Be Waiting」
アメリカのシンフォニックメタル、ネヴァースターの2013年作
ほどよくヘヴィなギターに伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、シンセによる優美な味付けで
スタイリッシュな女性声シンフォニックメタルを聴かせる。シンフォニックな感触は控えめだが、
歌メロは比較的キャッチーで、魅力的な女性Voとともに優雅な雰囲気に包まれる。
楽曲は3〜4分前後とコントバクトな分、濃密な盛り上がりはさほどなく、あっさりした聴き心地。
この中庸感からひと皮向けるには、やはりメロディのフックと楽曲の充実が必要だろう。
シンフォニック度・7 キャッチー度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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Newk 「Heavy Life」
韓国のメタルバンド、ネウクの2010年作
キャッチーなメロディにシンセアレンジを含んだ正統派のメロディックメタルで、
ヴォーカルは各国語だったり英語だったりする。同郷の先輩JEREMYなどに比べると
ギターにしろヴォーカルにしろ、どうにも煮えきらない「いまひとつ感」に包まれていて、
ミドルテンポ主体の楽曲も盛り上がる部分は少なく、メロディのフックも弱いときている。
ギターのリフやフレーズ自体は古き良き感触のHR/HMなのだが、パワフルさにも欠けるし
各パートの力量不足が浮き彫りになっているという…いかにも自主レベルの作品。
メロディック度・・7 正統派?度・・7 楽曲・・6 総合・・6.5



NIGHTQUEEN 「FOR QUEEN AND METAL」
ベルギーのメロディックメタル、ナイトクイーンの2012年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声とシンフォニックなアレンジで疾走する、
正統派のメロディックメタルスタイル。いくぶんローカルなクサメロ風味をともなった
エピックな雰囲気は、カナダのFORGOTTEN TALESあたりにも通じるか。
全体的な聴き心地はよいのだが、楽曲ごとの魅力やインパクトはやや物足りない。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5




Nightscape「Symphony of the night」
スウェーデンのメロスピバンド、ナイトスケイプの1st。2005年作
そろそろ打ち止めかと思いながら、まだまだ出てくる北欧の新人バンド。
このバンドも、初期のSONATA ARCTICAあたりを思わせる、キラキラとしたメロディで聴かせる
なかなかクオリティの高いニューカマーだ。ネオクラシカル風のギターと、ピロピロのシンセは
一聴して軽めの音なのだが、それでもメロディに魅力があるのでさらりと最後まで楽しめてしまう。
AXENSTARをさらにライトにした感じだが、人懐こいクサメロ度ではむしろ上をゆくかもしれない。
しかし、デビュー作にしてはジャケがあまりに地味(笑)。内容はクサクサ&キラキラですヨ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ライトにキラキラ度・・8 総合・・8
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Night Viper
スウェーデンのメタルバンド、ナイト・ヴァイパーの2015年作
ツインギターのオールドなリフにハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せて、
80年代ルーツのほどよい疾走感の古き良きメタルサウンドを聴かせる。
ゆったりとしたパートでは、魔女系ロック的な妖しい雰囲気にも包まれつつ、
疾走するスピードメタルの感触は、オールドメタラーには心地よいだろう。
ストレートなナンバーがほとんどであるが、シンプルなギターリフと伸びやかな女性声で、
爽快なオールドメタルが楽しめる。スラッシーなスピードメタル感が強まる次作もお薦めです。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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NIGHT VIPER 「Exterminator」
スウェーデンのメタルバンド、ナイト・ヴァイパーの2017年作
ツインギターのリフを乗せて疾走する、古き良き感触の正統派のスピードメタルに
パワフルな女性ヴォーカルを乗せたサウンドで、SISTER SINあたりにも通じるスタイルながら、
ときに、初期METALLICAEXODUSのようなスラッシーな味わいも加わった聴き心地。
一方で、ミドルテンポのナンバーでは、Vo嬢の歌声のいくぶん妖しい魔女感も加わって、
ジャケの雰囲気とともに、80年代NWOBHMのようなマイナーな香りも漂わせる。
全42分という長さもアナログ的で、オールドなメタルマニアもニンマリの強力作だ。
ドラマティック度・・7 古き良きHM度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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NIGHTWISH「WISHMASTER」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュの3rd。
今作もゴージャスなシンセアレンジとオペラティックな女性Voの歌唱を存分に発揮したアルバムで、
楽曲自体にはそう目新しさはないものの、メタリックな疾走感に北欧独特の叙情性を付加し、
それを現代的な手法で華麗なシンフォニックメタルサウンドに仕上げている。
一聴してメタルとは縁がなさそうな声質が、バンドの「個性」となりえたことが成功の要因だろう。
ただ2ndまでの薄暗い叙情が好みであったので、このアルバムはやや一般向けになったという感もある。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲クオリティ・・8 総合・・8
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NIGHTWISH「Over the Hills and far Away」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュの2001/2007年作
ゲイリー・ムーアの代表曲のカヴァーに、新曲、それにライブ曲が入った10曲入り企画アルバム。
タイトル曲であるゲイリー・ムーアのカヴァーは、アイリッシュメロディとターヤのヴォーカルが意外とマッチしていて、
壮麗な聴き心地が素晴らしい。ライブ音源は2000年、地元フィンランドでのステージのもので、
大ヒットとなった「Wishmaster」からの曲を中心に、バンドの絶頂期というべき堂々とした演奏を聴かせる。
2007年の再発盤には、タイトル曲のライブにビデオクリップなどをボーナスに追加収録。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲・・8 総合・・8
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NIGHTWISH「CENTURY CHILD」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウイッシュの4th。2002作
母国フィンランドでの大ブレイクはもちろん、日本でも認知度を広げたこのバンド、
今作もこれまでの方向性はそのままに、よりシンフォニック度を増した曲アレンジで聴かせる
素晴らしい出来となった。ターヤのオペラティックな歌唱はいっそう表現力をともない、。
曲のアレンジ面でも多少単調に思えた前作を踏み台にして、音の重ねやリズム面なども含め
過去最高のクオリティになったといってよいだろう。疾走感を減らしシンフォ度アップは正解だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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NIGHTWISH「FROM WISHES TO ETERNITY=LIVE」
フィンランドの女性Voシンフォニック・メタルバンド、ナイトウッシュのライブDVD。2003年作
ライブ15曲にビデオクリップ4曲、メンバーインタビュー、バックステージ映像など、たっぷり150分を収録。
地元フィンランドでも絶大な人気を誇るだけに、ライブの方も観客の熱気に包まれたテンションの高いもので、
オペラティックなターヤの美しい歌声も含めて、確かな演奏で壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
ビデオクリップの2曲は、どちらもメタル色の薄いバラード的な曲で、映像的にもしっとりしたこのPVが、
おそらく母国の一般チャートにおいて受ける要因となったのだろう。バンドはこの後、世界的な人気を博してゆく。
バックステージ映像は、彼らの音楽性から考えるとちょっと幻滅するような下品な部分が多いのでご注意。
ちなみに、CHILDREN OF BODOMのアレキシやSINERGYのキンバリーもバンドと仲良しのようで登場している。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 ビデオクリップ・・7 総合・・8
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NIGHTWISH「ONCE」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュの5th。2004作
前作「CENTURY CHILD」で、ヨーロッパにおける地位を揺るぎないものにしたこのバンド
待望の新作は期待通りの仕上がりだ。まず予想以上にヘヴィなギターリフの1曲目にはおどろくが、
その後は、大胆にオーケストラを導入した壮麗なシンフォニックさと、ターヤのオペラティックな歌唱が
存分に発揮されたNIGHTWISH節が、いつも以上にアレンジの完成度を伴って耳に響く。
ヘヴィさと、キャッチーさのバランスも絶妙で、たおやかなピアノ、キーボードもとくに美しく、
バンドとしての方向性に対する自信のような団結力が音には感じられる。クラシカルなシンフォニック性と
ゴシック風の美意識、そして清艶な女性ヴォーカルと、彼ら以外にはできないバランスで見事な傑作を作り出した。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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Nightwish「Highest HopesThe Best of Nightwish」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュのベストアルバム。2005作
今や世界的な成功を治めたこのバンド、これはターヤ在籍時の1st〜5thまでのアルバムに、
ミニアルバムも含めた作品から、16曲をセレクトした初期のベスト盤。壮麗なシンセワークに
オペラティックなターヤの美声で聴かせる、美麗なシンフォニックメタルをたっぷりと堪能できる。
やはり、Nightwishの魅力はこの時代にあったのだと改めて認識できる。初心者にもオススメ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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NIGHTWISHEnd of an Era
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュのライブアルバム。2006作
先に脱退したターヤ・トゥルネンのラストライブとなった2006年のステージを収録。
同タイトルのDVDはすでに見ていたが、こうして音源のみであらためて聴いてみても、
彼らのシンフォニックかつオペラティックなサウンドは唯一無二のものだったと分かる。
「ONCE」からの曲を中心にしつつ、過去のアルバムからもたっぷりと聴かせてくれ、
ターヤの歌声はこれが最後とは思えないほどの輝きで観客を魅了する。
タイトル通りひとつの歴史の終焉とするには、あまりに惜しいと思うほどの見事なステージだ。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ターヤの歌声度・・9 総合・・8
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NIGHTWISHEnd of an Era
フィンランドの女性Voシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュのライブDVD。2006年作
2006年10月に行われたツアー最終日、母国ヘルシンキでのステージを収録。
ご存じの通り、このライブを最後にバンドの顔であったターヤ・トゥルネンが脱退する。
ステージの方はそんなメンバー間の問題など感じさせぬくらい見事なもので、
5th「ONCE」と5th「Century Child」からの曲を中心に、全18曲たっぷりと聴かせてくれる。
中でも7、8回も衣装を着替えるターヤの姿は、その堂々とした歌唱とパフォーマンスからも
いまさらながらメタル系の女性Voとしては唯一無二の存在であったと思わさせられる。
相変わらずのバンダナ姿のドラマーや、美形のキーボーディストのツォーマス、巻髭(?)のベースのマルコの一人だけ
ヴァイキングメタラーのような風貌と、みな個性的で一番キャラが薄いのがギターというのも、ある種のこのバンドの特徴だろう(笑)
カッチリとしたリズムに、整った演奏はいかにも現代のシンフォニックメタル的でロック的な荒々しさは皆無である点も、
メタラー以外の若者にもアピールする所以か。会場を埋めつくす大観衆の中には、感極まったのか泣き出す少女たちの姿も。
ボーナスのドキュメンタリーでは、すでにこのライブの直後にターヤへの解雇を告げることを決めている
他のメンバーたちのインタビューや、オフステージでの、なんとなく苦しげな表情が見えてしんみりとする。
ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 最後のターヤ度・・10 総合・・8
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NIGHTWISHDark Passion Play
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュの6th。2007作
ターヤの脱退にともない、新たにVoに元ALYSON AVENUEアネット嬢(38歳)を迎え、
心機一転で作られたアルバム。どうなったかと期待半分、不安半分で聴いてみるが、
やはり…というか、ターヤ在籍時のオペラティックなシンフォメタルからはずいぶん離れている。
のっけからなんと14分という大曲。これまで通りのシンフォニックかつモダンなアレンジで、
起伏に富んだアレンジが光る。肝心のアネットの歌声は、さして個性的でないフラットな印象だが、
その分歌メインだった今までよりも、楽曲そのものが立って聴こえるようになった。
ヘヴィな曲はかなりヘヴィになり、普通にメロディアスでHR的な曲や、トラッド風味の曲など、
むしろオペラ声の呪縛から解放されたかのような、これまでにない曲調の幅が楽しめる。
良い意味での普遍性は増し、独特の優雅さは失われた。そこを許せるファンならば傑作となろうし、
過去を引きずるリスナーにはやや無粋な変化となるだろうが、ともかくバンドの再出発となる力作だ。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・7 アネット度・・8 総合・・8
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NIGHTWISH「Made in Hong Kong」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ナイトウィッシュのライブアルバム。2009作
新Voのアネットが加わってのアルバム「Dark Passion Play」ツアーからの音源を収録。
ほぼ全てが同アルバムからの楽曲で、過去曲も聴きたいファンにはややもの足りないだろうが、
バンドの現在を知る上ではむしろ充分な音源とも言えるだろう。肝心のアネットのヴォーカルは
ターヤに比べて、やはりライブだとバックの音圧に埋もれがちで、華やかさにも少し欠ける印象。
また、このバンドの演奏自体もカッチリとしすぎていて、グルーブ感のなさも正直、面白みがないので、
これならアルバム版で聴いた方がいい気もする。熱心なファン向けのCDというべきだろう。
付属のDVDにはドキュメンタリーやビデオクリップ等を収録。
シンフォニック度・・7 ライブ演奏・・7 アネット・・7 総合・・7.5
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NightwishImaginaerum
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2011年作
看板であったターヤの脱退により、新シンガーを迎えた前作は、ファンの間では賛否を呼びながらも
バンドとしての楽曲のバリエーションを広げる力作であったことは確かであろう。
オルゴールの音色からしっとりと始まる本作は、映画と連動した作品ということで、
全体的にはシアトリカルな雰囲気が強まっているが、彼ららしいシンフォニックな美麗さと、
キャッチーなメロディにアネットの歌唱がよくマッチしていて、クオリティの高さはさすがというところ。
よりメジャー感のある、いわばポップな感触も含みながら、随所にマルコの武骨な歌声が加わることで
ヘヴィな奥行きも残しつつ、曲ごとに物語の場面を想起させるように、インスト曲やバラード、土着的なメロディもまじえた
前作と同じくバラエティに富んだ作風である。13分の大曲などはほとんど映画の語りのようで、
シンフォニックメタルとしてはややもの足りないのだが、これはこれでしっとりと楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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Nightwish「Showtime Storytime」
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュのライブ作品。2013年作
元AFTER FOREVERのフロール・ヤンセン、元IONAのトロイ・ドノックリーを正式にメンバーに迎えたワールドツアから、
WACKEN OPEN AIRでのステージをCD2枚に収録。AFやREVAMPにおいても、フロール嬢の実力は折り紙付きであるから、
その高身長のビジュアルも含めて、フロントとしての存在感は充分。セットリストにはターヤ時代の楽曲も多いが、
マルコ・ヒエタラとの掛け合いも含めて、ときにパワフルに、ときに繊細に、その伸びやかな歌声を発揮している。
バックの演奏もさすがに安定していて、オーケストラルなアレンジを同期させ壮麗な楽曲を再現してゆく。
新旧のファンも安心して楽しめる内容だろう。2DVD付きの4枚組みBOXもあり。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8


Nightwish「Endless Forms Most Beautiful」
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2015年作
ツアーメンバーとして参加した、元AFTER FOREVERのフロール・ヤンセンを正式メンバーに迎えてのアルバム。
のっけから、「Once」の1曲目を思わせる始まりで、これはなかなか確信犯的なサウンドだなと思わせつつ、
安定したフロールの歌声はすでに、堂々たるバンドの顔としてサウンドにもマッチしていて隙がない。
ゴージャスで壮麗なアレンジと涼やかな叙情性は、ファンがバンドに求めるそのままの世界観であり、
新鮮味やインパクト云々は言ってもきりがないので、むしろこのどっしりとした完成度と安定感こそ凄いのである。
元IONAのトロイ・ドノックリーの奏でるバグパイプも随所にケルティックな部分での説得力を強化しているし、
この方向性での最高の出来だろうというほど作品としての強度がある。ラストの24分の大曲もシネマティックで圧巻だ。
シンフォニック度・・9 安定度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Nightwish 「Human :||: Nature.」
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2020年作
5年ぶりとなる9作目で、人類と自然をテーマにしたCD2枚組の大作。いつになくトライバルな雰囲気のイントロから、
フロール・ヤンセンの美しい歌声を乗せ、シンフォニックなアレンジとともに、しっとりと優美なサウンドを描いてゆく。
オーケストレーションをバックに女性ヴォーカルやクワイアを重ねた、メタル色のないオペラティックなパートから、
バグパイプがケルティックな旋律を奏でる優雅な味わいなど、緩急ある流れで全体を構築してゆくという作風。
わりとゆったりとした曲が多く、部分的な明確な盛り上がりが薄いので、一聴したインパクトは薄いかもしれない。
Disc2は、自然をテーマにした8部構成の30分を超える組曲で、インストによるクラシカルなサントラ的な作風。
GANDALF辺りに通じるような、ネイチャーなシンフォニックサウンドであるが、メタラーにはちと退屈かもしれぬ。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・8 
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NIKA & FRIENDS 「Passion」
ポーランドの女性シンガー、ニカの2015年作
ビゼーやプッチーニ、モーツァルトなどのクラシック曲をメタルアレンジした作品で、
タイのMELODIUS DEITEのシンセ&ギター、ドラムが楽曲アレンジを担当、
オペラティックな女性ヴォーカルを乗せて、きらびやかではあるが、
いくぶんつたないB級気味のシンフォニックメタルを繰り広げている。
レーベルのオーナーが余興で作ったという以上のクオリティはないかな。
日本からはCONCERTO MOONの久世敦史も参加している。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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NIKOLO KOTZEV's Rock Opera Nostradamus
BRAZEN ABOBOTニコロ・コツェフによるロックオペラアルバム。2001作
ジョー・リン・ターナー、グレン・ヒューズ、ヨラン・エドマン、ヨルン・ランデ等、
豪華な面々をゲストに迎え、ノストラダムスをコンセプトにした壮大な2枚組大作だ。
大仰なイントロや壮大なコーラス、そして配役ごとにヴォーカルを置き、ドラマティックに物語が進行してゆくまさにロツクオペラ。
楽曲そのものは案外正統派のメロディアスメタルなので、優れたヴォーカリストのハードロックとしても普通に楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Niobeth「The Shining Harmony of Universe」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ニオベスの2009年作
クラシカルなシンセにオペラティックな女性ヴォーカルの歌声、ときにProgMetal的な展開を覗かせながら、
Nightwishなどに通じる美麗なシンフォニックメタルを構築。メタリックな激しさよりは優雅なオペラを見ているようなシ
アトリカルな質感があり、ややバタバタしている部分もあるが、しっとりとしたピアノを聴かせるパートなど
起伏に富んだ楽曲には、今後の可能性を感じさせる魅力的な部分もある。22歳というイテア嬢のヴォーカルも含めて、
まだまだ伸びしろのありそうなバンドだ。ボーナスのDVDにはPVやメイキング等を収録。日本語によるオフィシャルサイトもあり
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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NIOBETHSilvery Moonbeams
スペインのシンフォニックメタル、ニオベスの2012年作
Nightwishにも通じるクラシカルなシンフォニックメタルだった前作に続く2作目で、
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる美麗さに、壮麗なクワイアも入った
オーケストラルなアレンジの壮大な作風となっている。メロディの流れや楽曲構成に
B級っぽさが残るのは相変わらずで、正直、この垢抜けなさは厳しいのだが、
広島で被ばくした少女、佐々木禎子の千羽鶴の物語にインスパイアされたという。
15分の大曲などは美しい旋律でしっとりと仕上げている。今後にもう少し期待。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲アレンジ・・7 総合・・7.5
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NION 「Firebird」
おそらくドイツのシンフォニックメタルバンド、ニオンの2010年作
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるEDENBRIDGEタイプのサウンドで、
適度にメロディアスで適度にシンフォニック。取り立てて特筆すべき魅力もなければ、
ドラムを含めて軽めの音質が、いかにもマイナー臭さをかもしだしている。
マルゼラ嬢のヘソ出しルックが最大の魅力。あらゆる面でレベルアップしていただきたい。
メロディック度・・7 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7


NIVIANE 「THE DRUID KING」
アメリカのメロディックメタル、ニヴィアネの2017年作
どっしりとしたツインギターにパワフルなハイトーンヴォーカルで聴かせる正統派のメタルサウンド。
勇壮なコーラスにはエピックな味わいもあり、うっすらとしたシンセも重ねた重厚な聴き心地で、
ギターは随所にメロディックなフレーズも奏でる。全体的にミドルテンポが主体ながら、
JUDAS PRIEST + BLIND GUARDIAN + KAMELOTという雰囲気でも楽しめるかもしれない。
ファンタジックなジャケのイメージのような、ウェットな叙情に包まれたナンバーもよい感じで、
インパクトのあるキラーチューンが加わったら、よいバンドに成長しそう。今後に期待です。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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NOBLE SAVAGEKilling for Glory
イタリアのメタルバンド、ノブル・サヴェージの2006年作
Virgin Steeleのアルバム名からとったようなバンド名だが、サウンドの方も絵に描いたような正統派で、
ツインギターのリフをメインにあまりパワフルでないハイトーンが歌を乗せるもの。
基本的にはB級ながらも随所にエピックな雰囲気を漂わせていて、ファンタジックなジャケとともに、
一昔前なら、イタリアンメタルの正統派とマニアには喜ばれたかもしれない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 イタリア度・・7 総合・・7
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NOCTURNAL RITES 「Tales of Mystery and Imagination」
スウェーデンのメロディックメタル、ノクターナル・ライツの2nd。1997年作
1stの時点では普通に正統派のメロパワという印象であったが、本作においてメロディの魅力が大幅にアップ、
ツインギターでメロディックに疾走するスタイルは、いまでいうところのクサメロ系メロスピの先駆けであろう。
のちのアルバムに比べるといくぶんのマイナー臭さを残しているが、それがかえって魅力にもなっている。“Lost in Time”、
“End of the World”、“Warriors in Return”などキャッチーなメロの佳曲も多く、とくにラストの“Ring of Steel”は悶絶ものの名曲。
バンドは続く3rdSacred Talismanにおいてこの路線を極め、その後よりパワフルな正統派へと深化してゆくことになる。
ちなみに、かつての日本盤は「エンド・オブ・ザ・ワールド」というタイトルであったが、海外盤ではジャケや曲順が変わっている。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・9 総合・・8
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NOCTURNAL RITESSacred Talisman
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの3rd。1999作
今や正統派北欧メロパワの第一人者となった感のあるこのバンドだが、
前作とこのアルバムまではクサメロ満載のメロスピ系サウンドだったのである。
ギターによる泣きの叙情フレーズで疾走しつつ、あまり力強くないヴォーカルが
マイルドに歌い上げるさまは、初期のHAMMER FALL同様のキャッチーさ。
最近のバンドのように美麗なシンセが入るわけでもなく、ギターと歌メロだけで
ここまでクサく仕上げるというのは、ジャーマンメタル的でもあるかと。初期の最高傑作。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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NOCTURNAL RITES「AFTERLIFE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの4th。2000作
初期の疾走メロスピを卒業し、パワフルな正統派スタイルに移行しはじめたアルバム。
クサメロ満載の軽めのサウンドであったのが、よりジャーマンメタル的になったと言ってもよい。
キャッチーなメロディは薄れたが、DREAM EVILなどに通じる正統派メロパワとして楽しめる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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NOCTURNAL RITES「SHADOWLAND」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの5th。2002作
2nd、3rdの頃は疾走形クサメタルバンドだった彼らが、前作「AFTERLIFE」においての
正統派メロパワ路線を引き継ぎ、さらにクオリティを上げたのがこのアルバム。
これを聴いていると初期の頃とはまるで別バンド。楽曲にはB級臭さがまったくなくなり、
見事な歌唱を聴かせるVoの貢献により、実に説得力のあるサウンドに仕上がっている。
LOST HORIZONにも通じるメタル魂を感じつつ、やはりメロディにこだわった部分が耳に心地よい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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NOCTURNAL RITES「NEW WORLD MESSIAH」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの6th。2004作
前作の延長にある普遍的ヘヴィメタル質感に、メロスピ要素が復活し、メロディと疾走のバランスがとれた作品となった。
反面、全体的に落ち着いた雰囲気で、音にこれといった突き抜けたものがなく、
サウンドプロダクション的にもやや平坦で迫力に欠けるきらいがある。
この手の中ではとてもハイクオリティのアルバムだが、まとまりすぎている気もする。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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NOCTURNAL RITES「GRAND ILLUSION」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの7th。2005作
初期はクサメロのメロスピバンドだった彼らが、ここまで長く活動しているのにはまったく驚きであるが、
アルバムを重ねるにつれクオリティを増し、今や正統派メロパワの第一人者となった感があるこのバンド。
聴くのは5th以来なのだが、今や疾走のみにこだわらなくなったパワフルなサウンドは
DREAM EVILにも通じるメタル魂と、同時に北欧らしい透明感をしっかりと残しているのが素晴らしい。
ヴォーカルの力強さと、キーボード入りの重厚な演奏には、今やベテランとなったバンドの自信と
確かな実力が感じられ、新鮮味という点ではすでに薄いのだが、この音の説得力にはついつい拳を握る。
硬派なメタルマインドとキャッチーなメロディ感覚が絶妙のバランスで生きている。まさにバンドの集大成だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 バランス度・・9 総合・・8
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NOCTURNAL RITES8th Sin
スウェーデンのメロパワバンド、ノクターナル・ライツの8th。2007年作
4th以降着実な成長を遂げ、今や北欧メロバワバンドの重鎮というクラスまできたこのバンド、
前作はまさにバンドの集大成的な抜群のクオリティのアルバムだっだが、早くも新作が登場。
パワフルさとキャッチーなメロディアスさががっちりと手を組んだ、いつもながらのノクタ節が炸裂している。
ジョリー・リンドクヴィストの力強い歌唱を、ヘヴィメタリックなギターとどっしりとしたドラムが支え、
なおかつ北欧メタルのアイデンティティを失わぬきらきらとしたシンセワークがサウンドのバランスをとる。
もはやここまでのクオリティまで来ると、変わりようがない磐石さが音からにじみ出ている。
疾走メロパワから脱却した、真の北欧メタルとしての輝きをこのバンドはまとっているようだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 パワフル度・・8 総合・・8.5
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Nocturnal Rites 「Phoenix」
スウェーデンのメロディックメタル、ノクターナル・ライツの2017年作
1995年にデビュー、HAMMERFALLとともに北欧の正統派メロパワシーンを牽引してきたバンド。
本作は10年ぶりとなる9作目で、SCAR SYMMETRYのペル・ニルソンが新たに加入している。
のっけからヘヴィなギターによるモダンなサウンドに面らうが、ジョニー・リンドクヴィストのパワフルな歌声と、
楽曲におけるメロディックなフックは、まさしくノクターナル・ライツ。全体的に疾走感ほさほどないのだが、
随所にテクニックのあるギタープレイとともに、どっしりとしたヘヴィネスとキッャチーなメロディが同居し、
いわば古き良きメロパワにモダンな硬質感が加わったという印象で楽しめる。まさに新生ノクタの力作だ。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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NOISEHUNTER 「Spell of Noise」
ドイツのメタルバンド、ノイズハンターの1988年作
1986年にデビュー、HELLOWEENと同時期に活動しながら、日本ではまったく知名度がなかったバンド。
本作は2作目で、ツインギターのリフにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロディックスピードメタル。随所に聴かせるツインリードのハモりは日本人好みで、
ゆったりとした叙情に包まれたバラードナンバーなどもなかなか魅力的。楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、
どこかジャパメタ的でもあるメロディのフックにもにんまり。年代を思えばクオリティの高い作品といってよい。
2005年のリマスター盤には、ボーナスに1989年の3rd「Too Young To Die」全曲を収録。
こちらはキャッチーなミドルテンポが主体ながら、疾走曲も盛り込んでバランスのとれた内容。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Nordica 「Las Memorias De La Luna」
アルゼンチンのメロディックメタル、ノルディカの2015年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、正統派のギターにスペイン語によるヴォーカルを乗せて
適度に疾走感のある様式美メタルを聴かせる。シンフォニックなアレンジを含んだ壮麗さと、
古き良きメロパワ感触が同居した味わいで、随所にギターが奏でるクサメロ感なども含めて、
スペインのAVALANCHあたりにも通じる雰囲気もある。録音面での弱さが自主制作っぽいが、
伸びやかなヴォーカルや、ネオクラシカルなシンセトギターの絡みなど、楽曲や演奏はしっかりしていて、
クサメロ系の南米メロパワバンドとしては今後に期待できるだけの逸材だろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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NORTHERN KINGS「RETHRONED」
Nightwishのマルコ・ヒエタラ、SONATA ARCTICAのトニー・カッコ、さらにはTERASBETONI
CHARONから集まった4人のヴォーカルによるプロジェクト、ノーザン・キングスの2nd。2009作
「ロッキー4」のテーマから壮大に始まり、ボン・ジョヴィやデュラン・デュラン、フランク・シナトラなど
今作も80年代のアーティストのカヴァーを北欧メタル風のアレンジと熱い歌声で聴かせる。
デペッシュ・モード、カイリー・ミノーグなどの人気曲に、ラストはシン・リジィの名曲“Black Rose”。
元曲を知っていればより楽しめるだろうが、シンフォニックなオーケストレーションアレンジと
実力あるヴォーカリストの歌声で、キャッチーかつ壮大な北欧系ハードロックとして聴くこともできる。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 選曲・・7 総合・・7.5
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Northtale 「Welcome To Paradise」
スウェーデン&アメリカのメロディックメタル、ノーステイルの2019年作
AquariaやCellador、Circle II Circle、PowerQuestなどにも在籍したブラジル人ギタリスト、ビル・ハドソンを中心に結成したバンド。
のっけからクサメロ感あるギターで疾走し、元Twilight Forceのクリスチェン・エリクソンの伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて、PowerQuestSonata Arcticaのような優美でキャッチーなメロパワを聴かせる。
北欧らしい透明感あるシンセアレンジに、メロハーばりの心地よいメロディアス性、HELLOWEEN風のジャーマンメタル色や、ときにネオクラ色を含む流麗なギタープレイも含んだまさに日本人好みのスタイル。
3〜4分前後の楽曲はストレートに爽快で、疾走曲を主体にしつつ優雅なバラードもアクセントになっている。
クサメロ度・8 疾走度・8 爽快度・8 総合・8
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NORTHWIND「SEASONS」
フランスのメロディックメタルバンド、ノースウインドの1st。2002作
サウンド方は、基本は典型的なGAMMA RAYSTRATOVARIUSタイプのメロスピ。
きらびやかなキーボードに、少々弱々しいが英語で歌うハイトーンヴォーカルと、
メロディにこだわって疾走する楽曲は、この手のファンにとっては心地よいものだろう。
かつてのB級バンド群に比べれば最近のマイナー系バンドのレベルはけっこう高いものだ。
オリジナリティ云々を別にすれば、クサメロ系メロスパーは聴いて損はない。
ちなみに以下にレビュー載せているスペインの同名バンドとは別物です。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 クサメロスピ度・・8 総合・・7


NORTHWIND 「Viento Del Norte」
スペインのシンフォニック・メタルバンド、ノースウインドの2001年作
ルイス・ロヨによるファンタジックなジャケに惹かれるが、サウンドの方もシンフォニックなイントロから、
曲が始まると勢い良く疾走、スペイン語の歌声とクサメロとともに聴かせる、なかなか好もしい作風。
垢抜けないクサいギターフレーズと、シンセによる美麗なアレンジで、B級感をたっぷり含ませた
スパニッシュ・シンフォニックメタル。ドタバタしたドラムやアレンジのつたなさなどは要改善。
シンフォニック度・・8 B級度度・・9 スパニッシュ度・・7 総合・・7
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NORTHWIND「El retorno del Rey」
スペインのシンフォニック・メタルバンド、ノースウインドの2nd。2002作
ツインギターに女性Key奏者を含む6人組で、語り入りの仰々しいイントロからして物語的なコンセプト作らしい。
サウンドの方もふんだんにシンセを使ったシンフォニックメタルで、一聴してRHAPSODYを思い浮かべるが
あそこまで濃密ではなく、適度なマイナー臭さがあるのが微笑ましい。どこかで聴いたメロディやアレンジに、
スペイン語の歌唱が合わさり、勇壮なコーラスワークとともに、きらびやかなシンフォニックメタルが繰り広げられる。
完成度では本家のラプソに及ぶべくもないが、この手のファンタジックメタルが好きならにんまりしつつ楽しめるだろう。
バンドは現在DARKSUNと名前を変えて活動中。
シンフォニック度・・8 B級度度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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NOSTRADAMEUS「WORDS OF NOSTRADAMEUS」
スウェーデンのメロディック疾走メタルバンド、ノストラダメウスの1st。
日本盤も出ただけあって、演奏、録音レベルともにそれなりに良好。
ほぼ全曲「これでもか」の疾走曲で突っ走る様は潔くもあるが、
どの曲もフック、メロディ等の絶対的な魅力に欠け、区別がつかない。
これならSTRATOVARIUSを聴いた方が数倍マシな気がする。
メロディアス度・・7 楽曲度・・7 疾走度・・10 総合・・6.5

NOSTRADAMEUS「The Prophet Of Evil」
スウェーデンのメロスピバンド、ノストラダメウスの2nd。2001作
このバンドの場合、音の雰囲気は北欧というよりはジャーマン型で、
キーボードがいないこともあってGAMMA RAYの方に近いかもしれない。
今回は一応コンセプト作らしく、展開やコーラスなどにはいくぶんドラマティックな部分もあるが
基本はやはり全編疾走しまくりのスタイル。メロスピ好きには耳に心地よい爽快さがあるものの
じっくりと聴き込む音楽ではないので、これまた飽きるのも速い(早い)。(笑)
メロディアス度・・7 疾走度・・9 楽曲・・7 総合・・7


NOT FRAGILE「21st century ballroom」
ジャーマンマイナーメタルの雄、ノット・フラジャイルの2001年作
10数年前に初めて聴いたときは、その初期ハロウィンフォロワー丸出しの疾走感と
クサメロに感激し、ATTACKとともに末永く応援してゆこうと密かに誓っていたバンドだ。
新世紀となっても相変わらずの疾走っぷりは健在。カイ・ハンセン気味のヴォーカルが微笑ましく
私のようなジャーマンメタル世代の人間にはたまらないサウンドだ。ギターの音がやや力強くなっていて、
いいおっさんになったメンバーたちのメタル魂の変わらぬ熱さが伝わってくる。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 B級ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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NOT FRAGILEYesterday's Heroes」
ドイツのメロディックメタルバンド、ノット・フラジャイルの2003年作
90年代初頭にデビュー、疾走するB級ジャーマンメタルとして細々と活動し、
現在までに5枚のアルバムを出している。本作は過去の楽曲の再録6曲と
Motorhead、Slade、Sweetなど、彼らのヒーローであったロックバンドのカヴァーを収録。
正直、カヴァー曲に関しては思い入れがないとどうということはないが、初期の再録曲は
HELLOWEENをうんとマイナーにしたような疾走ジャーマンメタルで、マニアはにやにやだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 B級ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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NOT FRAGILE「TIME TO WONDER」
ドイツのメロスピバンド、ノット・フラジャイルの2005年作
相変わらず線の細いカイ・ハンセン声のヴォーカルに、初期HELLOWEENタイプで
ドコドコと疾走する楽曲は、まさにあの頃のB級ジャーマンサウンド!
今で言うと、SEVETH AVENUEをさらにマイナー臭くした感じか(分かる?)
往年のB級ジャーマンメタル好きにはなかなかたまらないものがある。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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Not Fragile「Scratch the Surface」
ジャーマンメタルバンド、ノット・フラジャイルの2008年作
この愛すべきマイナーバンド。本作も相変わらずの古き良きジャーマンサウンドなのだが、
演奏がいくぶんパワフルになってきているではないか。デビュー16年めにして力強くなるとは。
B級臭さがいくぶん薄らいだ分、持ち味のクサメロも減ってしまい痛し痒しであるが、
今となっては貴重なカイハンセン声のジャーマンメタルスタイルとして今後も頑張って欲しい。
ラスト曲はどうも聴き覚えがあると思いきや、なんとMANIAのカヴァー!
というか、このバンドのベースは元MANIAのメンバーだったのだとやっと気づいた。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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Not Fragile 「Shout to the Master」
ドイツのメロディックメタル、ノット・フラジャイルの2013年作
90年代初頭にデビュー、ハロウィン&ガンマレイ・フォロワー丸出しの疾走する正統派のジャーマンメタル・スタイルで、
個人的にも大好きなバンドなのだが、いまだに頑張ってくれているとは嬉しい限り。2008年作以来となる本作は、
いくぶんパワフルになった前作を受け継ぎつつ、初期のクサメロ路線に原点回帰、カイ・ハンセンを思わせるハイトーンヴォーカルと
古き良き感触のツインギターを乗せて疾走しまくり、キャッチーなサビメロなどは、まさにGAMMA RAYばりで、にんりまりである。
とにかく疾走とメロディにこだわった、「オレたちのジャーマンメタルを楽しもうじゃねえか!」という爽快なナンバーが詰まっていて、
モダン化したいまのハロウィンなどに飽きてしまっている、生粋のジャーマンメタラーには激しくお勧めしたい出来である。
キャリア20年を超えてなお、己の愛するメタルを追及する姿勢には敬服する。ハンセン&ガマレー好きは必聴だろう。
メロディック度・・8 疾走度・・9 ジャーマン愛度・・9 総合・・8
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NovaReign 「Legends」
アメリカのメロディックメタル、ノヴァレインの2018年作
EXMORTUSのギターを中心にしたバンドで、流麗なツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメロディック・スピードメタル。DRAGONFORCEのようなピロピロなギターで軽快に疾走するパートもありつつ
ミドルやスローテンポも含んで、9分、10分という大曲を起伏のある展開で構築するセンスもなかなかのもの。
パワフルなヴォーカルとともに演奏力もしっかりとしていて、ほどよいクサメロ感を乗せながら、
若さと勢いに溢れた疾走感はとても爽快だ。楽曲自体にこれだというインパクトはまだないが、
ドラフォーなどのクサめのメロスピが好きな方は、にんまりと楽しめるだろう濃密な作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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Numenor 「Chronicles」
セルビアのシンフォニック(ブラック)メタル、ナメノールの2017年作
2013年のデビュー作は、メロパワ風のシンフォニック・ブラックメタルという感触であったが、
3作目の今作はメロパワ要素が強まっていて、美麗なシンセにメロディックなギターフレーズを絡め、
パワフルなヴォーカルで聴かせる、エピックな味わいの正統派メロディックメタルになっている。
随所にダミ声ヴォーカルも出てくるが、クサメロなギターとややローカルな雰囲気も含めて、
初期のNOCTURNAL RITESなどにも近いイメージ。一方では、ダミ声ヴォーカルを乗せて激しく疾走する
ブラックメタル的な雰囲気や、女性ヴォーカルを加えた耽美なコシック風味など、いったいどれがやりたいのだろう…という。
楽曲は3〜4分前後、全9曲34分という短さながら、ラストは、BLIND GUARDIAN「Valhalla」のカヴァーでなかなか恰好よかったりする。
メロディック度・・8 メロパワ度・・7 シンフォブラック度・・7 総合・・7.5
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Obidil 「Stardust」
スロベニアのシンフォニックメタル、オビディルの2008年作
2003年にデビューし、2作目。ツインギターにシンセを重ね、ソプラノを使い分ける女性ヴォーカルを乗せた
マイナーな香り漂うシンフォニック・メロパワを聴かせる。ほどよい疾走感と緩急あるリズムチェンジ、
クサメロとまではいかなウェットな叙情が混然となって、耳心地の良いB級という微妙な味わいである。
メロディック度・7 疾走度・7 女性Vo度・7 総合・7

Oceans of Night 「Shadowheart Mirror」
アメリカのメロディックメタル、オーシャンズ・オブ・ナイトの2009年作
ギター&ベース&シンセとヴォーカルの二人組ユニットで、適度にヘヴィなギターワークと
パワフルなハイトーンヴォーカルで聴かせる、重厚なプログレパワーメタル的なサウンド。
打ち込みのドラムやラウドな音質も含めて、いかにも自主制作らしいのが残念だが、
SAVATAGEあたりにも通じるドラマテイックな雰囲気は悪くない。あとは楽曲の質と音質向上を。
ドラマティック度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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Oceans of Night 「Domain」
アメリカのメロディックメタル、オーシャンズ・オブ・ナイトの2011年作
本作はのっけから17分の大曲で始まり、ヘヴィなギターにうっすらとしたシンセアレンジを含んだ
重厚なサウンドを聴かせる。ProgMetal的な展開美というよりは、正統派メタルの感触に近く
随所にギターのメロディックなフレーズも含んで、前作以上にドラマティックな雰囲気である。
音質面はだいぶ改善されたが、やはり打ち込みのドラムはどうも味気ないし、
楽曲はミドルテンポ主体のスタイルなので、もっと極端な展開や盛り上がりがないとつらい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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OCEANS OF SLUMBER 「THE BANISHED HEART」
アメリカのモダン・プログレメタル、オーシャンズ・オブ・スランバーの2018年作
2013年にデビューし、本作は3作目。黒人系女性Voをフロントにした5人編成で、
メタリックなギターにエモーショナルな女性ヴォーカルを乗せ、緩急ある展開力とともに、
ほどよくダークでドラマティックなサウンドを描く。随所にデスメタルばりのアグレッシブなブラスト疾走や
デスヴォイスも加えた迫力あるパートから、ゴシックメタル風のメランコリックな叙情も覗かせるなど、
振り幅の大きなサウンドは、第三代のエクストリームメタルというべきか。しっとりとしたパートでは
Cammie嬢の伸びやかな歌声の表現力が素晴らしい。激しさと女性声のコントラストが強力な力作です。
ドラマティック度・8 激しく重厚度・8 女性Vo度・8 総合・8
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OCEANS OF SLUMBER
アメリカのシンフォニックメタル、オーシャンズ・オブ・スランバーの2020年作
2013年にデビューし4作目となる。黒人系女性Voをフロントにした6人編成で、テクニカルなリズムに
メタリックなギターとシンセを重ね、エモーショナルな女性ヴォーカルで、スケール感のあるスタイリッシュなサウンドを描く。
随所にデスヴォイスを絡めたアグレッシブな重厚さと、オーケストレーションを重ねた壮麗な優雅さが同居した味わいで、
デスメタル的な激しい疾走パートから、ゆったりとした優美なシンフォニックメタルのパートが交差する。
インストの小曲なども含めて、コンセプト的な流れがドラマティックな世界観を描いていて、Cammie嬢の歌声も
ときに妖しい表現力に包まれる。女性声メインのエクストリームなメタルとしては、CRETURAなどにも通じるだろう。
プログレッシブな展開力と重厚な迫力、力量ある女性ヴォーカルで聴かせる、全71分という力作デス。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Odesos (Одесос)
ブルガリアのメロディックメタル、オデソスの未発音源集。2019年作
TOTALにも参加した、Konstantin Jambazovが在籍したバンドで、1993年に録音された唯一の作品。
叙情的なギターによるイントロから始まり、ネオクラシカル風味の流麗なギターにジェントルなヴォーカルを乗せた
メロディックなメタルサウンド。ヴァイオリンが鳴り響く叙情的なパートや、ときにプログレッシブな展開力もあって、
キャッチーな優雅さを感じさせつつ、一方では適度な疾走感とともに古き良きメタルテイストも感じさせる。
ブルガリア語の歌声にいくぶん辺境臭さは残しているが、演奏自体はなかなかハイレベル。
技巧的なギターフレーズも随所に光っていて、スローやミドルテンポのナンバーでもフックを感じる部分も多数。
いわば、メロハーとメロスピが同居したような味わいというべきか。優雅な叙情を含んだ高品質な内容です。
メロディック度・・8 疾走度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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ODYSSEA「Tears in Floods」
LABYRINTHのピエール・ゴネーラを中心にしたプロジェクトバンド、オデッセアの2005年作
実力のある伸びやかなヴォーカルの歌声で疾走するメロディアスなサウンドは、
昨今のバンドのようにシンセに頼りすぎることなくあくまでギター主導というのも頼もしい。
ザビのメロディはキャッチーですらあり、軽やかな疾走メロスピとしても楽しめ、
ギターソロにおいてはネオクラシカルなテクニックをふんだんに盛り込んでいる。簡単に表すなら、
ラビリンス+イングヴェイという作風だろうか。やや一本調子だが、なかなか爽快なアルバムだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ネオクラ度・・8 総合・・7.5
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Old Season 「Beyond the Black」
アイルランドのメタルバンド、オールド・シーズンの2017年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、ハイトーンヴォーカルを乗せた古き良き正統派メタルを聴かせる。
ミドルテンポを主体に、美しいシンセアレンジにツインギターが重なり、メロディックなフックが耳心地よく、
湿り気を帯びたマイナーな空気感と、曲によっては、CANDLEMASSのようなエピックドウーム的な感触もある。
叙情的なギターフレーズを乗せてどっしりと聴かせる、エピックメタルとしての醍醐味も詰まっていて、
NWOBHMの空気感にシンセアレンジを加えてメロディックに仕上げたサウンドは、捨てがたい魅力がある。
MARTIRIAあたりのファンにもお薦めしたい、これぞ正統派エピックメタルの好作品だ。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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Old Wolf 「Fastian Mass」
アメリカのメタルバンド、オールド・ウルフの2018年作
ジャケの雰囲気からいかにもオールドなメタルの雰囲気が漂うが、ツインギターの正統派のリフに
ハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代スタイルのアナログ感たっぷりのメタルサウンド。
マイナーな翳りを帯びたB級っぽさは、NWOBHMの生き残りと言われても信じてしまいそう。
ほどよくキャッチーなテイストとパワフル過ぎないヴォーカルを乗せたローカルな味わいは、
この手のオールドメタル好きにはニンマリだろう。ヘヴィ過ぎないメタル感触は確信犯的で、
随所に聴かせるツインギターのハモりも実にツボを突く。ヴィンテージメタル好きはマスト。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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OLYMPOS MONS「CONQUISTADOR」
フィンランドのメロディックメタルバンド、オリンポス・モンズのアルバム。2004作
ジャケの雰囲気からB級の雰囲気ぷんぷんだが、聴いてみたら案外良いです。
北欧らしさとジャーマンなキャッチーさ、そしてケルト風のメロディが合わさった、
微妙な無国籍感をただよわせつつも、録音がけっこういいので普通に楽しめる。
もちろん日本盤が出るようなものではないが、マイナー系の新人としてはなかなか。
ファンタジックな世界観とクサメロ好きには好まれる音だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 案外ケルティック度・・7 総合・・7.5
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OLYMPOS MONSMedievil
フィンランドのメロパワバンド、オリンポス・モンズの2nd。2007作
1stはややマイナー臭いながらも、民族調のクサメロが心地よいなかなかの好作だった。
本作は、その彼らの持ち味であるクサいまでのメロディとともにパワフルに疾走しながら、
キャッチーなシンフォニック性と古き良きジャーマンメタル的な懐かしさが加わって、
この手の好き者にはタマらないシンフォメロスピ的な雰囲気をたっぷりと漂わせる。
中世の王国や騎士などを歌ったファンタジックな世界観も、娯楽映画的なドラマ性を
サウンドに付加していて、聴き手の気分を盛り上げてくれる。濃密な傑作です。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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ONCE 「After Earth」
ドイツのシンフォニックメタル、ワンスの2019年作
Nightwishのアルバムからとったようなバンド名だが、壮麗なイントロで幕を開け、オーケストラルなアレンジに
ヘヴィなギターを重ね、美声の女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、華麗なシンフォニックメタルを展開。
紅一点、Alina嬢の伸びやかな歌声も魅力的で、堂々たる表現力もフロール・ヤンセンに引けを取らない。
Nightwishに比べると、よりクラシカルで優雅な味わいを感じさせ、艶やかなヴァイオリンの旋律なども、
随所にアクセントになっている。しっとりとしたバラードナンバーなども、歌唱の魅力にウットリとなるし、
ときにデス声を加えたアグレッシブなパートなどは、EPICAなどにも通じる迫力で重厚に描かれる。
10分を超える大曲は、緩急ある流れで構築される、これぞシンフォニックメタルという醍醐味が味わえる。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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ONWARD「EVERMOVING」
アメリカのメタルバンドト、オンワードのアルバム。2001作
LEGEND MAKERのVoなどが中心となっているようだがその他のメンバーの情報は不明。
そのLEGEND MAKERはBLING GUARDIAN系の疾走メタルでなかなか高品質だったが、
こちらのプロジェクトの音は、どちらかというと正統派パワーメタルのノリで、
クサメロやファンタジー要素は薄く、骨太のメロディックメタルという感じだ。
スラッシュとパワーメタルの中間的な曲もあり、デンマークのARTILLERYを思い出す部分もあった。
メロディアス度・・7 パワーメタル度・・8 正統派度・・8 総合・・7


Opera Diabolicus「†1614」
スウェーデンのゴシックメタルオペラ・プロジェクト、オペラ・ディアボリクスの2012年作
シアトリカルで耽美な世界観を描く、重厚なゴシックオペラ風の濃密作。
KING DIAMONDのスノーウィ・ショウがドラムとヴォーカルで参加、マッツ・レヴィン、
DREAM EVILのニクラス・イスフェルド、AMARANTHEのジェイク・Eがヴォーカルで参加。
ソプラノ女性ヴォーカルを加えて、THERIONにも通じるシンフォニックかつダークな雰囲気で
9分、10分という大曲を演劇的に描いてゆく。男女Voが濃密に重なるオペラティックな風味と
メタルとしてのヘヴィなサウンドが合わさって、ホラー感覚で聴かせるシアトリカルメタル作品。
ドラマティック度・・8 耽美度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8
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Operadyse 「Pandemonium」
フランスのシンフォニックメタル、オペラダイスの2013年作
シンセを含む5人編成で、美麗なアレンジとともにマイルドなヴォーカルを乗せて疾走する。
随所にネオクラ色も含んだギターはクサメロ感もたっぷりで、キャッチーなサビメロもなかなかいい。
壮麗なクワイアなども含んだサウンドは、RHAPSODY以後のいかにもなスタイルなのだが、
メロディの爽快な抜けの良さは聴いていてニンマリ。これぞクサ☆シンフォ☆メタルである。
ファンタジックな世界観は同郷のFairylandKerionあたりにも通じるだろう。起伏のある展開力に、

ときに女性ヴォーカルも加わるなど、どこを切っても華麗な聴き心地でクオリティ高い力作です。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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Opera Magna「POE」
スペインのシンフォニックメタルバンド、オペラ・マグナの2nd。2010年作
デビュー作もクサメロたっぷりで疾走する、WARCRYばりの好作であったようだが、
本作はタイトルのように、エドガー・アラン・ポーの生涯をテーマにしたコンセプト作とのこと。
きらびやかなシンセとネオクラシカル風味のギターを乗せて疾走するサウンドは、
スペイン語の歌唱とともに、哀愁を感じさせるクサメロがなかなかたまらない。
アレンジや演奏の面ではまだまだ世界レベルとは言えないが、逆にこのパワフルすぎない音が
マニア好みなのかもしれない。スパニッシュメタルの新鋭として今後が楽しみなバンドだ。
クラシカル度・・7 疾走度・・8 スペイン度・・8 総合・・7.5
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OperatikaThe Calling」
アメリカのシンフォニックメタルバンド、オペラティカの2009作
Nightwishの成功以後、女性ヴォーカルをフロントにしたシンフォニックメタルがにわかに増えてきているが、
このバンドもその第二世代というべきニューカマーだ。ネオクラシカル風味もある刻み系のギターに、疾走感のあるツーバスドラム、
そこに乗るSlava嬢の歌声もオペラティックなソプラノで、歌唱はやや平坦ながらも
ときおりターヤを思わせる雰囲気もあり悪くない。この手のシンフォニックメタルが好きなリスナーには
充分受け入れられる内容だろうが、個人的には、このネオクラ系の早弾きギターはあまり好みではないし、
ドタバタとしたドラムも改善の余地ありだ。今後は曲のオリジナリティ向上とともに方向性を煮詰めてもらいたい。
シンフォニック度・・7 ネオクラ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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OPEROSE 「Oceans of Starlight」
イギリスのシンフォニックメタル、オペローズの2020年作
メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声で、
ほどよい激しさを含んだ、Nightwishタイプの優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、ジェニファー嬢の歌声は、伸びのある艶めいたソプラノで、オペラティックで表現力ある歌唱は、
ターヤやフロール・ヤンセンにも引けを取らない。随所に流麗なギターフレーズも効いていて、
優美で壮麗なアレンジとともに、サウンド自体の説得力も新鋭バンドらしからぬ堂々たるものだ。
素晴らしい女性Voにウットリの逸品。ラストは12分の大曲で、クラシカルなインストサウンドを展開する。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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OPUS ATLANTICA
スウェーデンのネオクラシカルメタルバンド、オパス・アトランティカの2002年作
この手のネオクラシカル・メタルは、全編が濃すぎてかえって退屈な場合が多いのだが
このバンドの場合は適度なスカスカ感というか、北欧らしいゆったりとした叙情が
織り込まれていることもありそう聴き疲れしない、耳に優しいネオクラです。
MIDNIGHT SUNピート・サンドベリのヴォーカルの説得力はさすがという感じで、
キャッチーな歌メロやシンフォニックさは、どちらかというとクサメタル寄りなこともあり
私のようなネオクラ嫌いのリスナーでもけっこう楽しめることだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ネオクラ度・・7 総合・・7.5
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ORATORY「Illusion Dimensions
ポルトガルのシンフォニックメタルバンド、オラトリーの1st。2000年作
男女ヴォーカルの歌声と、クサいメロディを乗せて疾走するサウンドは、
いかにもマイナー臭いB級感覚を放っていて、その煮え切らなさが微笑ましい。
2ndの方は女性ヴォーカルが主体だが、本作ではむしろ男性声メイン。
キャッチーな感じは悪くない…イタリアのBEHOLDERあたりが許せる方はどうぞ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7
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ORATORY「BEYOND EARTH」
ポルトガルのシンフォニックメタルバンド、オラトリーの2nd。2002年作
NIGHTWISHEDENBRIDGEに通じるような女性ヴォーカルの疾走メロディックメタル。
キーボードによるシンフォニックな味付けもなかなかで、歌詞は英語なのだが歌い方に
なかなかエキゾチックなものがある女性声もこの手が好きならば萌えるだろう。
ただ、楽曲という点においては目新しさは感じず、数曲ではぐっと来るものもあるが、
全体的にはまだまだ凡庸な曲もあり、完成度という点ではあと一歩か。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Orden Ogan「Easton Hope」
ドイツのメロパワバンド、オルデン・オーガンの2010年作
ドイツから久しぶりに正統派メロパワの大型新人が登場。
かつてのBLIND GUARDIANばりの雰囲気で疾走し、大仰なコーラスなども含めて
いかにもブラガー的であるが、サウンドにはモダンなヘヴィさがあり、古くささはあまり感じない。
全体的に悪くないし、けっこう好きなのだが、やはりギターのリフ、フレーズの魅力の点では
本家ブラガーに比べて物足りない。世界観はいいので、今後は楽曲と部分ごとのフレーズに
磨きをかけていって欲しい。ちなみにブラガーのトーメン・スタッシュもゲスト参加している。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 ブラガー度・・8 総合・・7.5
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Orden Ogan「To The End」
ドイツのメロパワバンド、オルデン・オーガンの2012年作
前作からの重厚に聴かせる正統派のメロパワサウンドは本作も健在、
昨今珍しくなったシンセに頼らないツインギター主導のスタイルで、BLIND GUARDIANを思わせる
エピックな世界観を描いてゆく。壮大なクワイヤも含めて前作以上に音のスケール感がぐっと増していて、
ときにヴァイキングメタル風味も含んだ勇ましさも感じさせつつ、楽曲のメロディアス度もアップ。
パワフルかつドラマティックな仕上がりには、多くの漢メタラーが膝を叩くことだろう。
ボーナスのRUNNING WILDのカヴァーもしっかりとハマっている。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Orden Ogan 「Ravenhead」
ドイツのメロディックメタル、オルデン・オーガンの2015年作
1999年にデビューし、本作は5作目となる。壮大な雰囲気のイントロから、パワフルなギターリフと
叙情的なフレーズにかすれた味わいのヴォーカル、勇壮なコーラスとともに、RUNNING WILD
BLIND GURDIAN風にしたような、正統派のジャーマンメロパワサウンドを聴かせる。
壮麗なクワイアを乗せて疾走するところは、わりとシンフォニックメタル的な雰囲気もあって、
過去作よりもさらにキャッチーな感触をまとっている。パワフルな正統派の疾走メタルナンバーから、
ゆったりとしたケルティックなパートなどもあり、王道のエピックメタルとしてバランスのとれた力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8 
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Orden Ogan 「Gunmen」
ドイツのメロディック・パワーメタル、オルデン・オーガンの2017年作
1999年にデビュー、本作は6作目で、力強いツインギターにシンセを重ね、中音域のヴォーカルを乗せた
正統派のメロパワサウンドに、壮麗なクワイアを加えた聴き心地は、まさにBLIND GURDIANの後継者である。
随所に聴かせるトライバルなギターフレーズには、RUNNING WILDなどからの影響も窺わせ、
どっしりとしたミドルテンポを主体にしつつ、華麗な疾走パートも含んだ緩急ある展開力はさすがキャリアのあるバンドである。
リブ・クリスティンが参加して、その美声を聴かせるナンバーなど、全体的にもシンフォニックメタルといってもよい音の厚みで、
コンセプト的な楽曲の流れはドラマティックで全体的にも隙がない出来栄え。重厚にして壮麗な傑作です。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 壮麗度・・8 総合・・8 
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Orden Organ 「Final Days」
ドイツのメロディックメタル、オルデン・オーガンの2021年作
1999年にデビュー、7作目となる本作は、サイバーなジャケのイメージ通り、ぐっとモダンなサウンドになっている。
随所に聴かせる流麗なギタープレイも硬質な感触で、リズムとユニゾンするエッジの効いたギターリフとともに、
モダンなヘヴィネスを強めたスタイリッシュな雰囲気である。一方では、キャッチーなメロディアス性も残していて、
勇壮なコーラスなどには以前の作風の名残も覗かせる。これまでのBLIND GUARDIAN+RUNNING WILDという作風から、
クールなシンフォニックメタル風に大胆にシフトしてきたという印象だ。作品の質自体は高いのだが、前作までの
オールドスタイルのメロパワが好きな方にはやや拍子抜けで、これが本作のみの変化なのかどうか気になるところである。
ドラマティック度・・7 王道メロパワ度・・5 モダン度・・8 総合・・8 
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Orion Child 「Continuum Fracture」
スペインのシンフォニックメタル、オリオン・チャイルドの2019年作
近未来の地球を舞台にしたSF的なコンセプト作で、硬質なギターにシンセを重ね、パワフルなヴォーカルに
随所にデスヴォイスを乗せた激しい疾走パートなど、メロデス要素を含んだ重厚なシンフォニックメタル。
きらびやかなシンセにメロディックなギターフレーズも含めて、いくぶんProgMetal的な感触もある
緩急ある構築力で聴かせるスタイリッシュなサウンドは、若いリスナーにも受けるだろう。
楽曲自体には、メロディのフックにもうひと盛り上げ欲しい気もするが、全体的には高品質な力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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ORION RIDERS「A NEW DAWN」
イタリアのメロスピバンド、オリオン・ライダースの2003年作
クラシカルなメロディでシンフォニックに疾走するメロディックメタルサウンド。
新人にしてはVoのハイトーンもなかなかで、ANGRAばりのクラシカルフレーズに
RHAPSODYのごとき壮麗なキーボードアレンジはマニアにはたまらないだろう。
インパクトという点では類型を脱する新しさはないが、メロスピファンは要チェック。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Orion's Reign「Nuclear Winter」
ギリシャのメロディックメタル、オリオンズ・レインの2010年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、美麗なシンセアレンジとハイトーンヴォーカルで聴かせる、
正統派のメロパワスタイル。メロディックで涼やかな聴き心地は北欧のバンドに近い感触ながら、
やはりどこかマイナー臭いB級な味わいがある。随所にスクリームヴォイスや女性ヴォーカルも加わったりと
なかなかゴージャスな雰囲気で、エピックな世界観とともに男女Voを乗せて疾走したり、
曲によってはフォーキーなクサメロ感もあったり、全体的にも濃密な作風である。
現時点では、まだB級を脱しきれていないが、今後の成長に期待できるバンドである。
シンフォニック度・・8 エピック度・・8 壮大度・・8 総合・・7.5
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Orion's Reign 「Scores Of War」
ギリシャのメロディックメタル、オリオンズ・レインの2018年作
2010年デビュー、8年ぶりとなる2作目。オーケストラルな壮麗さにパワフルなヴォーカルを乗せた
正統派メロパワが融合したスタイルで、いわばエピックで勇壮なシンフォニックメタルを聴かせる。
B級感の強かった前作に比べて、ヴォーカルにも演奏にも力強さと説得力が加わっていて、
ときにRHAPSODYばりのスケール感とともに、重厚なシンフォニック・パワーメタルを描いてゆく。
随所に流麗なギターフレーズも覗かせつつ、一方ではフォーキーなメロディも覗かせるなど飽きさせない。
MANOWARがシンフォニックメタル化したような勇壮なラスト曲まで、重厚にしてきらびやかな傑作である。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 勇壮度・・8 総合・・8
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OSSIANA Szabadsag Fantomja
ハンガリーのメタルバンド、オシアンの2005年作
20年以上のキャリアを誇るハンガリーの国民的メタルバンドで本作は14作目となる。
ツインギターのリフと母国語のヴォーカルで聴かせる正統派のメタルサウンドは
どこを切っても頑固なまでに愚直。パワフルなドラムとヘヴィなギターで重厚にたたみかけつつ
ときおりドラマティックな叙情も覗かせる。これぞハンガリアンメタルのトップバンドである。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・7.5
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OSSIAN「BEST OF 1998-2008」
ハンガリーのメタルバンド、オシアンのベストアルバム。2009作
20年以上のキャリアを誇るハンガリーの国民的メタルバンド、
本作は1998年から2008年までの近年のアルバムからのベスト。
ツインギターと母国語のヴォーカルを乗せ、勢いあふれる正統派サウンドは、
まさに東欧のIRON MAIDENと呼ぶにふさわしい。思わずにやりとするような
メイデン直系のフレーズも出てくるが、どこを切っても勇壮な男のメタルパワーがにじみ出て、
全21曲、濃密にたたみかけます。B級臭さは微塵もなし。母国語メタル好きも聴くべし!
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 ハンガリアン度・・8 総合・・8


OVERDREAM 「Navigator」
ハンガリーのシンフォニックメタル、オーバードリームの2006年作
女性Voにシンセ、ストリングスカルテットを含む編成で、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声と
シンフォニックなアレンジで聴かせる、いかにもNightwishタイプのサウンド。
演奏や楽曲には、適度に辺境気味のマイナー臭さと野暮ったさが感じられて、
詰めの甘さも含めてフォロワーの域を出ないのだが、雰囲気自体はなかなかよろしい。
そして、オペラティックなENIKO嬢の歌声はほとんどターヤみたいですな。
シンフォニック度・・8 Nightwish度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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OVERLIFE「BETWEEN PASSION & MADNESS」
スペインの疾走メロディックメタルバンドの、オーバーライフの1998作
ツインギターにキーボード入りの6人組。音のほうはスペインらしさはなし。
「俺たちANGRAHELLOWEENBLIND GUARDIANが大好きなんだ!」というサウンド。
(だからって内ジャケの写真で堂々とブラガーのTシャツ着てるなよな・・笑)
Voはハイトーンででなかなか頑張っているし、2本のギターもキーボードとの絡みで厚みがある。
とこかで聴いたようなサビメロはまだしも、曲が無用に長いのはイタリアのSKYLARKにも通じる。
キャッチーでシンフォニックな部分と、多少変拍子などもまじえ変化をつけようとしていることには好感が持てるが、
ドラムの技量が今一つでときどきリズムが乱れるのが気になった。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 演奏・・6 総合・・6


OVERLORDE 「Return of the Snow Giant」
アメリカのメタルバンド、オーバーロードの2004年作
結成は80年代でEPを残しながらもそのまま消滅、2000年代になって復活をとげ、ここにフルアルバムが完成。
サウンドはいかにも80年代的な古き良き正統派メタルで、パワフルすぎないハイトーンヴォーカルを乗せた
楽曲には適度な疾走感もあり、いくぶんB級気味のエピックな感触を漂わせているところもにんまりだ。
これというクサメロがあるわけでも、インパクトのある展開があるわけでもないのだが、なんとなく嫌いではないという。
NWOTHMのファンや、ローカルなエピックメタルファン、Manilla Roadあたりが楽しめる方はぜひ。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Ozzy Osbourne「Scream」
オジー・オズホーンの2010年作
20年来のパートナー、ザック・ワイルドと別れ、新たにガス・Gを迎えて作られた本作は
のっけからヘヴィなリズムとテクニカルなギターが炸裂、エフェクトのかかったオジーの歌声で
ヘヴィロック風味のアレンジに面食らうが、これはこれでモダンなドゥーム風味とすればまあ悪くないか。
一本調子なオジーのヴォーカルがきついといえばきついのだが、御大の作品がまだ聴けるというだけで
ファンには嬉しいものだろう。古き良きオシーの香りを残した曲もいくつかあってそれは良いのだが、
ときおり挿入されるガスのテクニカルフレーズはどことなくかみ合っていない気も…
メロディアス度・・7 モダン度・・8 オジー度・・7 総合・・7.5
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Paco Ventura「Black Moon」
スペインのメロディックメタル、MEDINA AZAHARAのギタリスト、パコ・ヴェンチュラのソロ。2015年作
メディナ・アザーラといえば、1980年デビューの大ベテラン、スパニッシュ・ハードロックの大御所である。
本作は、そのギタリストの初ソロアルバムで、ブルース・キューリック(KISS)、ローランド・グラポウ(HELLOWEEN)、
ジョン・ノーラム、パトリック・ロンダット(ELEGY)、キコ・ルーレイロ(ANGRA)といったギタリストが参加、
スペイン語の歌声にオルガンが鳴り響く、わりとオールドな味わいの様式美ハードロックを聴かせる。
スパニッシュな哀愁を感じさせるメロディセンスと、サウンドの説得力はさすがベテランらしい空気感である。
アルバム後半には、ヨラン・エドマン、ジョー・リン・ターナー、ファビオ・リオーネ(ANGRA)がヴォーカルで参加、
それぞれにパワフルな歌声を乗せた正統派のメタルナンバーが楽しめる。
メロディック度・・8 様式美度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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PAINMUSEUM「METAL FOR LIFE」
HALFORDに参加したことで知られるポーランド人ギタリスト、マイク・クラシアクと
ボビー・ジャーゾンベクを中心にしたユニット、ペインミュージアムの2004作
HALFORDをアグレッシブにしたようなヘヴィメタルサウンドに、吐き捨てヴォーカルを乗せたスタイルで、
安定感抜群のボビーのドラムに、正統派のリフにテクニカルなフレーズもまぶしたマイクのギターが冴える。
楽曲的にはやや一本調子な感もあるが、徹頭徹尾、熱く重たいヘヴィメタルを聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 ヘヴィメタル度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
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Pandaemonium 「Last Prayer」
イタリアのメロディックメタル、パンデモニウムの2012年作
1999年にデビューしてから、本作が3作目。毎回ジャケはファンタジックでいいのだが内容はヘナチョコという、
どう考えてもマニア向けというこのバンド。本作もじつにヘナ軟弱のヴォーカルを乗せて、
そこそこシンフォニックなアレンジとともにときどき疾走したりする。クサメロになりそうでならないというもどかしさ。
ギターはピロピロしたりしようとしたり、無駄なリズムチェンジも含めてエピックな雰囲気を描こうとしているのは分かるが、
どうにも空回りという、残念なところは12年たっても変わらないのですね。メロスピとしてはSKYLARK以下と言わざるを得ない。
まずはいいヴォーカルを見つけてください。あとはもっとクサメロ感覚を勉強してください。お願いします。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・7
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PARAGON「Revenge」
ドイツのメタルバンド、パラゴンの2005年作
ドイツにはMETALIUMや、BRAINSTOM、WIZARDといった正統派のメタルバンドが多いが、
このバンドも今どき珍しいというくらいの、頑固一徹な正統派パワーメタルをやっている。
ジャーマンメタルの王道的なツインギターと、漢臭さたっぷりなヴォーカルを乗せて疾走、
初期HELLOWEENにRUNNING WILDの男っぽさを加えたような楽曲には新鮮味はないものの、
一途なメタルパワーが感じられる。Manowarのカヴァー"The Gods Made Heavy Metal"もハマっている。。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 正統派ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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PASTORE
ブラジルのメタルバンド、パストーレの2011年作
脅威のハイトーンシンガー、マリオ・パストーレ率いる正統派メタルバンドで、
その歌声は全盛期のロブ・ハルフォードか、ジェフ・テイトかというような力強さだ。
サウンドの方も、JUDAS PRIESTを思わせる正統派のメタルながら、
ときおりテクニカルなフレーズを聴かせるギターも含めて古くささはなく、
HIBRIAなどと同様に、新時代のヘヴィメタルを背負うようなバワフルさにあふれている。
ただ、現時点ではアルバム1枚を通して聴くには、楽曲のインパクトが持続しないのが課題。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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PASTORE「The End of Our Flames」
ブラジルのメタルバンド、パストーレの2012年作
JUDAS PRIESTを思わせる正統派メタルであった前作に続き、本作もパワフルなヘヴィメタルを濃密に聴かせてくれる。
古き良きメタルのマインドを含んだギターのリフ、フレーズとやや低音になったロブ・ハルフォード的な力強いヴォーカルで、
説得力のあるメタルサウンドを描いてゆく。これだという特徴はないが正統派のパワーメタルが好きな方なら、まず楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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PATHFINDER「Beyond The Space Beyond The Time」
ポーランドのシンフォニックメタルバンド、パスファインダーの2010年作
クラシカルで壮麗なイントロから、曲が始まるとDRAGONFORCEばりに疾走、
シンフォニックなシンセとネオクラ色もあるギターに、さほど力強くないヴォーカルで、
美麗なメロスピサウンドを聴かせる。随所にクラシカルな風味を織り込みつつ、
シアトリカルなSEや小曲によるつなぎ、オペラ風の女性コーラスなども華を添える。
装飾過多ぎみの濃厚さがやや鼻につくが、X JAPAN的なキャッチーな疾走感覚と
クリアなトーンのギターメロディは耳心地がよく、全体的には出来のいいメロスピだと思う。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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PATHFINDER「Fifth Element」
ポーランドのシンフォニックメタルバンド、パスファインダーの2012年作
前作はクラシカルに疾走するなかなかの力作であったが、本作も壮麗なイントロから始まり
シンフォニックな大仰さとともに疾走開始。楽曲はメリハリのある展開力とともに
プログレッシブな知的さも垣間見せつつ、全体的にはあくまできらびやかな聴き心地だ。
ブラストビートも含めてたたみかけるような勢いと、エピックな壮大さが前作以上に前に出ていて、
RHAPSODY+DRAGONFORCEというような、濃密なシンフォニックメタルを繰り広げる傑作である。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 大仰度・・9 総合・・8
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PEGAZUS「BREAKING THE CHAINS」
オーストラリアの正統派ヘヴィメタルバンド、ペガサスの3rd。1999作
JUDAS PRIESTMANOWARに通じる男のメタルサウンドで
目新しいものは何もないが「これぞヘヴィメタル」という楽曲がぎっしり。
1stの時点ではどうしようもなくB級だったものの、ここに来てクオリティは
ずいぶんと上がってきたようだ。正統派が好きな者なら気に入るだろう。
メロディアス度・・7 正統派メタル度・・9 楽曲・・7 総合・・7

PEGAZUSHeadless Horseman
オーストラリアの正統派メタルバンド、ペガサスの4th。2002作
ジャケはどうしようもなくB級臭いが、サウンドはパワフルに聴かせるなかなかの正統派。
JUDAS PRIEST+MANOWARといった雰囲気で、とことんトゥルーメタルにこだわっている。
正直いって何もかもが古くさいのだが、正統派メタルが好きな方ならどうぞ。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 正統派メタル度・・9 総合・・7
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PelleK 「Bag Of Tricks」
ノルウェーのシンガー、ペル・フレデリック“ペルケイ”アシュリーことペルケイのソロ。2012年作
壮麗なイントロから、美麗なシンセをクサメロ感あふれるギターに重ね、伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せ、
初期のSONATA ARCTICAにも通じる疾走感とともに、きらびやかなメロディックメタルを展開する。
トミー・レインエクシード(ReinXeed)、オリヴァー・ハートマン、トミー・カレヴィック(KAMELOT)、アマンダ・サマーヴィルなどがゲスト参加、
華麗なメロスピナンバーから、男女ヴォーカルで優雅に聴かせるバラードや、シンフォニックメタル的な壮麗なナンバーなど、
楽曲アレンジのクオリティの高さが光る。パワフル過ぎないペルケイの歌声も、日本人好みでサウンドによくマッチしている。
メロディック度・8 疾走度・8 華麗度・8 総合・8
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PENTAGRAM「ANATOLIA」
トルコのメタルバンド、ペンタグラムの1997年作
トルコの伝説のメタルバンドの3作目。2008年のボーナス入り再発盤。
ぱっと聴きには、正統派のギターリフと英語歌詞のヴォーカルに、
絡みつくようなドゥームな妖しさと中近東的なフレーズもまじえたサウンド。
のっけから「アナトリア〜」というコーラスが、いかにもターキッシュな世界観である。
ヴォーカルの声質も含めて、OZZYのトルコ版か?というような感じもありつつ、
適度なダークさとトルコという地域性に古き良きメタルの質感が合わさった力作である。
ドラマティック度・・8 妖しさ度・・8 ターキッシュ度・・8 総合・・8
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Perpetual Dreams「ARENA」
ブラジルのメロパワバンド、パーペチュアル・ドリームスのアルバム。2006作
シンセを含む5人組で、IRON MAIDENを思わせる正統派のメタルをやっている。
この手のバンドにしては珍しくシングルギターなので、いかにシンセがいても
音の厚みはなく、ややヘナチョコのハイトーンヴォーカルとともにマイナー臭さをかもしだす。
楽曲の魅力にも乏しいので、結果としてアマチュアに毛が生えたレベルといわざるを得ない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7


PERSUADER「THE HUNTER」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、パースエーダーの1st。2000作
、最近はやりのクサメロ系バンドではなく、ツインギターを生かしたメロディアスだが非常に骨太のサウンド。
メロディもなかなかセンスはよくクサすぎない程度で、ギター、ベースともへヴィで音が厚い。
ある意味ドイツのPARADOXを思わせるような、メロディックスラッシュ的な音作りである。
曲の盛り上げでもうひとつ突き抜けると全体としてのインパクトが上がるだろうが、
逆にそれをやってしまうと最近多いその手のクサ疾走メタルになってしまう可能性もある。
もしかしたら「軟弱」がいやなので寸止めの盛り上げにとどめているのかも
へヴィなツインギターが心地よく、疾走曲にはBLIND GUARDIANっぽさもある。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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PERSUADER「EVOLUTION PURGATORY」
スウェーデンのメロパワバンド、パースエーダーの2nd。2004年作
以前に1stを聴いたときから、メロデスとスラッシュの中間のサウンドでありながら、
どこかジャーマンメタル風な質感もある…という案外新しい雰囲気が印象的だった。
今作も基本的には同路線ながら、より曲のクオリティが上がっていて、北欧メロデス風のリフとともに疾走しながらも
やはり往年のBLIND GUARDIANを思わせる突進力のある演奏が心地よい。
まさに「北欧産…心はジャーマン」なサウンド。古き良きスラッシャーにもお勧めだ。
ときおり本当にヴォーカルがハンズィ声になるのも、ブラガ好きにはたまらない(笑)
メロディアス度・・7 スラッシュ度・・8 ジャーマンパワー度・・8 総合・・8
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PERSUADER「WHEN EDEN BURNS」
スウェーデンのメロパワバンド、パースエーダーの3rd。2006作
3作目となる本作は、やはりSAVAGE CIRCUSでの好評ぶりが影響してか、
スラッシュ的な突進力はやや薄まり、フラガー色がアップ。良く言えばきれいにまとまっている。
スラッシーに疾走する曲もあるが、全体的にはメロディアス路線と疾走路線の折衷という感じで、少々のもどかしさも残った。
ハンズィそっくりの歌い方のVoも含めて、“ブラガーフォロワー”の色合いがますます強まった、という感がある。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Persuader 「Fiction Maze」
スウェーデンのメロディックメタル、パースエーダーの2014年作
前作から8年ぶりとなる4作目。往年のBLIND GUARDIANを思わせるサウンドは本作でも健在、
ツインギターのリフを主体にした硬派なスタイルの正統派パワーメタルが楽しめる。
ヴォーカルの歌声はハンズィそのまんまだし、歌い回しとメロディのフックもまさにブラガー。笑
随所にツインギターギターのメロディアスなフレーズも盛り込みながら、決して甘すぎない聴き心地は
オールドなジャーマンメタル系リスナーなどはニヤニヤだろう。随所に激しい疾走感も含ませながら、
ミドルテンポのどっしりとした重厚さも堂々たる雰囲気で、パワーメタルバンドとしての誇りを感じさせる。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 ブラガ度・・9 総合・・8
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Persuader 「Necromancy」
スウェーデンのメロディックメタル、パースエーダーの2020年作
2000年にデビュー、本作は7年ぶりとなる5作目で、ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、
初期BLIND GUARDIANを思わせる、アグレッシブなパワーメタルを聴かせる。メロディックなギターフレーズと、
ドラマティックな展開力、そしてかつてのハンズィ・キアシュにも似た、イェンス・カールソンの歌声に、
ブラガーファンならばニヤリとなるだろう。楽曲は5〜6分前後で、スラッシーな疾走パートからどっしりとしたミドルまで、
90年代ジャーマンメタルをルーツにしながら、激しさと重厚さが同居した濃密な聴き心地で楽しめる。
ラストは8分を超える大曲で、叙情的なギターとシアトリカルに歌い上げるヴォーカル、パワフルな疾走感と
エピックな壮麗さで、「あれ、これブラガじゃないの?」と思ってしまうほどのサウンドを展開。これは力作です。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 総合・・8 
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PERTNESS 「SEVEN TIMES ETERNITY」
スイスのメロディックメタル、パートネスの2008年作
メロディックギターにかすれ気味のヴォーカルを乗せて疾走する、オールドな感触のメロパワで、
キャッチーなフックと勇壮さが同居した、PHOENIX RIZINGNOT FRAGILEあたりにも通じる、
王道のクサメロスピとしても楽しめる。ほどよいクサメロを奏でるギターの土着感とともに、
ヴォーカルがややダーティなこともあり、ヴァイキングメタル風の武骨さも感じさせるのがポイント。
華麗というよりは、垢抜けない勇壮さが持ち味で、歌唱も演奏力は並程度なのであるが、
どの曲もとにかくクサめのギターの旋律が重なってくるので、クサメタラーなら必聴でしょう。。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Phantasma 「The Deviant Hearts」
ドイツ、オランダ、オーストリアの多国籍シンフォニックメタル、ファンタズマの2015年作
EVERONのオリバー・フィリップスを中心に、DELAINの女性シンガー、シャルロット・ウェッセルズと、
SERENITYのゲオルグ・ノイハウザーが参加。美しい女性ヴォーカルに男性ヴォーカルが絡み、
美麗なシンセアレンジとオペラティックな優雅さで聴かせる、壮麗なシンフォニックハードサウンド。
NightwishWithin Temptationに通じる部分もありつつ、随所にメロウなギターフレーズなども耳心地よく、
やわらかな叙情性を前に出していて、全体的にメタル度は抑えめなところは、ハードプログレ的な優美さと言えるかも。
そういえば、エヴェロンの4作目は「FANTASMA」というタイトルだった。ジャケのイメージとは裏腹に、ゆったりと優雅な好作品だ。
シンフォニック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PHANTOM ELITE 「Blue Blood」
オランダ、ブラジル混成のシンフォニックメタル、ファントム・エライトの2023年作
2017年にデビューし、3作目。硬質なギターに壮麗なアレンジを重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルを乗せて、スタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
モダンなヘヴィネスのアグレッシブな激しさから、スロ〜ミドルテンポのシンフォニックな叙情ナンバーなど、楽曲ごとにメリハリのある作風で、EXIT EDENAVANTASIAにも参加した、ブラジル出身のマリナ嬢のエモーショナルな歌声も光っている。
全体的には、これだという新鮮味はないものの、TEMPERANCEなどのモダンなシンフォニックメタルが好きな方はどうぞ。
シンフォニック度・7 モダン度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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PHANTOM LORD「Circle of the Wasted」
ギリシャのメロスピバンド、ファントム・ロードの3rd。2002作
キーボード入りでシンフォニックに疾走しつつ、B級っぽいクサメロで聴かせるサウンド。
軽めのプロダクションとイモ臭いヴォーカルの歌唱がマイナー臭さを放っているが
そこが問題にならない方なら、ヘナ系のメロスピとして充分楽しめるだろう。
また疾走曲だけでなく、ミドルテンポの曲や哀愁のパラードなどもあり、
この手のマイナーバンドとしては飽きずに聴かせる工夫があってなかなかよろしい。
ゲストの女性コーラス&ヴァイオリン奏者も、いいアクセントになっている。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 マイナー度・・8 総合・・7.5
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PHARAOHThe Longest Night
アメリカのメタルバンド、ファラオの2006年作
パワフルに聴かせる正統派のメタルサウンドで、メロディックなギターフレーズなどは
BLIND GUARDIANにも通じるドラマティックな雰囲気でなかなかいい。これだというインパクトや
派手さはないのだが、古き良き正統派メロパワとして堅実な作風には好感が持てる。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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pharaoh「Be Gone」
アメリカのメタルバンド、ファラオの2008年作
サウンドはメロディアスなギターフレーズと適度なモダンさで聴かせつつ、
古き良きパワーメタルの気配も残している。この手の新鋭バンドもいるのだな。
ヴォーカルのややダーティな声質もいかにも往年のメロパワ的。
疾走部分はBLIND GUARDIANにも近い雰囲気もある。マイスペはこちら
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 正統派パワメタ度・・8 総合・・8
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PHOENIX RISING「MMXII」
スペインのメロディックメタル、フェニックス・ライジングの2012年作
Quinta enmiendaが改名したバンドで、壮麗なイントロに続き、メロディックに疾走する濃密なメロスピサウンドが展開される。
垢抜けないヴォーカルの歌い回しなどにはひと昔前のクサメロ感触があって、どこか辺境的な雰囲気が漂っている。
ギターソロのスパニッシュな叙情を含んだ哀愁のメロディもなかなかよい感じで、ラストの11分の大曲は壮大なクサシンフォニックメタルで
クサメロ愛好家はこの1曲だけでもガッツポーズだろう。日本盤のボーナストラックにはBLIND GUARDIAN“Valhalla”のカヴァーと、
本編の2曲のスペイン語バージョンを収録。なお輸入盤は、スペイン語バージョンの入った2CD仕様になっている。
メロディック度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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PHOENIX RIZINGRise from the Ashes
ノルウェーのメロスピバンド、フェニックス・ライジングの1st。1998作
2nd「Eternal Crusade」はクサメタル史上に残る傑作であったが、遅まきながら1stをゲット。
うっすらとしたキーボードをバックに疾走するスタイルで、サビメロでの男臭いコーラスや、
北欧らしいメロウなギターフレーズなど、2ndに負けず劣らずのクサメロっぷりが嬉しい。
古き良きジャーマンメタル的な感性もあって、その田舎くささもまたたまらない。
INSANIAあたりがOKなら、このバンドもきっと、あなたにとっての友となるだろう(笑)
クサメロ度・・8 疾走度・・8 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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PHOENIX RIZING「ETERNAL CRUSADE」
ノルウェーのクサメロスピバンド、フェニックス・ライジングの2nd。2000年作
イントロの男臭いコーラスからもううっとり。曲のほうは意外にも(笑)なかなか良くできていて
お約束とはいえ、サビでの大仰コーラスはいい感じだし、ツボをついた展開もマニア心をくすぐる。
時折キーボードも入っていて、アレンジの方も単調にならないように考えられている。
とにかくこの思い切りの良いキャッチーさ、田舎っぽいクサメロの嵐はそれだけで評価に値する。
スウェーデンのCRYSTAL EYESあたりに近いが、それよりも「男度」と楽曲の質を上げた感じ
クサメタル好きは必聴!でもてっきりドイツのバンドかと思ってた・・・(^^;)
メロディアス度・・8 クサメロ度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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Piel De Serpiente 「Inevitable」
スペインのメロディックメタル、ピエル・デ・サーピエンテの2011年作
ツインギターに女性ドラムを擁する5人編成で、ジャケはゴシックメタルみたいだが、
実際はスペイン語のヴォーカルで聴かせるメロディアスな正統派メタル。
ヘヴィさや激しさはあまりなく、あくまでキャッチーな感触が前に出ていて、
疾走よりもミドルテンポ主体の作風。古き良きハードロック風味を主体に
クサメロ気味のスパニッシュメタルが融合した感じですね。現時点では、
楽曲、演奏ともに突き抜けた部分がないので、今後の成長に期待。
メロディック度・・7 キャッチー度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7


PLATITUDE「SECRETS OF LIFE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、プラティテュードの1st。2003年作
17歳〜22歳という若いメンバーだが、1stから日本盤デビューするようになかなか質が高い。
ネオクラシカルなギターと美麗なシンセを乗せて勢いよく疾走するサウンドで、
かすれ系の中音域のタイプのヴォーカルは、若者らしからぬどっしりとした雰囲気がある。
飛び抜けた名曲はないが、全体的にクオリティの高い勢いのあるアルバムである。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新人離れ度・・9 総合・・8
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PLATITUDE「NINE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、プラティテュードの2nd。2004作
1stの時点からその新人らしからぬ堂々とした演奏に魅了されたが、
この2ndでは「こう来たか!」というプログレメタル寄りの音に思わずびっくり。
もちろん基本は疾走型のメロディックメタルなのだが、展開やリズムの切り返しを多用し
非常に知的でテクニカルな印象のアルバムとなっている。そんな中、
きらきらとしたキーボードはじつに北欧的で、硬質になりがちなサウンドを華やかに彩っている。
もここまでセンスと演奏力のある若手バンドからはこれからも目が離せない。
メロディアス度・・8 クールなセンス度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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PlatitudeSilence Speaks」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、プラティテュードの3rd。2006作
ネオクラ風味の疾走サウンドでデビューしたが、前作2ndではよりプログレッシブなアプローチで
知的さを覗かせた作風に変貌を遂げ、本作では新たに若干17歳という若手のドラマーが加わって、
これまでのシンフォニックな美しさと、プログレメタル風味の構築力を同居させた
北欧らしいきらきらとしたサウンドを描いている。ちょっとしたギターフレーズにしろ、
シンセによるアレンジにしろ、じつにセンスが良く、全体的にやわらかな質感で、
激しさやスピードに頼らないメロディアスな好作となっている。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 知的構築度・・8 総合・・8
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Poison Sun 「Virtual Sin」
ドイツのメタルバンド、ポイズン・サンの2010年作
正統派のギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、どっしりとしたHR/HMサウンド。
ギターを務めるのは、ACCEPTVICTROYにも参加したハーマン・フランクで、
ヴォーカルのマルティナ・フランクはおそらく奥方だと思われる。メタリックなリフに
巧みなギターソロも含めて、演奏はさすがという安定感で、パワフルな女性声とともに、
DOROあたりにも通じる姉御系メタルが楽しめる。ジャーマンメタルらしい疾走曲から、
キャッチーなミドルテンポ、The Pointer Sistersのカヴァーなども、堂々たる仕上がりだ。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Portrait 「Voices」
ブラジルのメロディックメタル、ポートレイトの1998年作
スウェーデンの同名バンドとは別バンドのEP。ツインギターにシンセを含む6人編成で、
わりとメロディックなギターに美麗なシンセを重ね、ヘナチョコなハイトーンヴォーカルを乗せて、
古き良き味わいのシンフォニックメタルを聴かせる。やや唐突な展開がマイナー感をかもしだすが、
きらびやかなシンセアレンジとともに、初期のVIPERのようなクラシカルなクサメロ感もあって、
完全なB級ながらも嫌いにはなれないものがある。本作以降音沙汰がなく。どうせならフルアルバムまで出してもらいたかった。
シンフォニック度・・7 クサメロ度・・8 B級度・・9 総合・・7


PORTRAIT
スウェーデンのメタルバンド、ポートレイトの2008年作
先に2ndを聴いていて、その潔いまでのオールドメタルっぷりに感銘を受けたのだが、これが彼らのデビュー作。
1曲めから“Hell”でサイコーだ。チープな音質とともにアナログ感満載で2nd以上にマイナー香りがぷんぷん。
ひ弱なハイトーンヴォーカルを含めて、80年代のB級メタルがそのままやってきたようなサウンドである。
軽めのドラムやツインギターのメロディもよろしく、ヨーロッパの湿りけを含んだ怪しげな感じがたまらない。
NWOTHM系の中でもWOLFと並んで最高のバンドだと思う。本当は8点つけたいが、一般的に考えて自重。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・9 B級度・・9 総合・・7.5
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PORTRAITCrimen Laesae Majestatis Divinae
スウェーデンのメタルバンド、ポートレイトの2011年作
WOLFやENFORCER以降も、とどまるところを知らぬ、スウェーデンのオールドメタルムーブメント、
このバンドもツインギターのフレーズで、80年代のジャーマンメタルを思わせるような、
古き良き正統派メタルをやっている。音質のアナログっぽさや、ヴォーカルの声質も含めて
決してメジャーになどならぬぞ、というようなローカルな雰囲気が確信犯的に漂っている。
ツインギターのドラマティックなフレーズには、オールドメタラーは感涙ものだろう。
総合的な古めかしさではENFORCER以上の逸材か。ラストの大曲も見事。…まいりました。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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PORTRAIT 「Crossroads」
スウェーデンの正統派メタル、ポートレイトの2014年作 
WOLF、ENFORCERに続いて登場したオールドスタイルのスウェディッシュ・トラディショナルメタルバンド、
3作目となる本作ではついに日本盤デビュー。叙情的なイントロ曲に続いて、湿り気のあるツインギターと、
KING DIAMONDばりのハイトーンヴォーカルを乗せて、古き良きヨーロピアンなメタルサウンドが広がってゆく。
まったくもって潔いまでの80年代的スタイルであるが、曲によってはリズムチェンジを含む切り返しや
ジャーマンメタル的な疾走感もあってなかなか楽しめる。さすがに新鮮味はまったくないのだが、
ラストは9分の大曲でドラマティックに締めくくる。日本盤ボーナスにはJudas Priestの“Mother Sun”のカヴァーを収録。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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PORTRAIT 「AT ONE WITH NONE」
スウェーデンのメタルバンド、ポートレイトの2021年作
2008年にデビュー、ENFORCERやWOLFなどとともに、ヨーロッパのNWOTHMを牽引するバンド。5作目となる本作も、
正統派のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せ、ほどよい疾走感を含んだオールドなメタルサウンドを聴かせる。
80年代ルーツのウェットな叙情を含ませつつ、甘くなりすぎない程度の硬派さもまた絶妙で、
ヨーロピアンな翳りを帯びたヘヴィメタルが耳心地よく楽しめる。スローテンポの叙情ナンバーや、
中盤には9分という大曲もあり、ドラマティックな展開力と、中堅バンドとしての堂々たる構築力も光っている。
ドラマティック度・8 疾走度・7 古き良きメタル度・9 総合・8 
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Powergame 「Masquerade」
ドイツのメタルバンド、パワーゲームの2019年作
古き良きツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せ、疾走感のある正統派のジャーマンメタルを聴かせる。
初期HELLOWEENをルーツにしたほどよいクサメロ感を含んだツインリードとともに、フックのある展開で、
いかにもオールドスタイルのメロパワが楽しめる。何故かプロレスのジャケや、盛り上がり切らないマイナー感など、
良い意味でのB級臭さもありつつ、古き良きスピードメタル的な疾走ナンバーから、どっしりとしたミドルテンポまで、
これぞ80年代風ジャーマンメタルという味わい。PortraitWOLFなど、NWOTHM好きの方にもお薦めです。
ドラマティック度・7 疾走度・7 古き良きジャーマン度・8 総合・7.5
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Power Metal 「History of」
インドネシアのメタルバンド、パワー・メタルの2枚組ベスト。2001年作
インドネシアではじつは相当な人気バンドらしい。本作は1989〜2000年までの20曲を収録した2枚組。
サウンドはシンセアレンジを含んだ正統派のHR/HMで、これがなかなか質が高い。
エキゾチックな母国語の歌声とキャッチーなメロディ、随所に聴かせるツインギターによる泣きの叙情もよろしく、
このクサはかなり日本人好みである。ゆったりしたバラードに異国的情緒も感じつつ、疾走する曲なども格好よい。
メタルでありつつも、メロディにはポップなフィーリングがあって、古き良きHRの聴き心地でも楽しめる。
メロディック度・・8 パワフル度・・7 アジアン度・・9 総合・・8
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Power Metal 「KebesaranMu」
インドネシアのメタルバンド、パワー・メタルの2004年作
のっけから激しく疾走するメロディックパワーメタルで、これが素晴らしく格好いい。
ツインギターの流麗なフルーズと、母国語によるパワフルなヴォーカルもマッチしていて、
うっすらとしたシンセアレンジとともに、STRATOVARIUSばりの音の説得力であるる。
メロディにはアジア的な哀愁と叙情が感じられるので、我々日本人の琴線にも触れてくる。
アジアのバンドとしては最高クラスのメタルサウンドといってよいだろう。なかなかの傑作!
メロディック度・・8 パワフル度・・8 アジアン度・・9 総合・・8
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POWER QUEST「WINGS OF FOREVER」
イギリスのメロスピバンド、パワー・クエストの1st。
2nd「NEVERWORLD」のキラキラ疾走サウンドに殺られたので、こちら1stもゲット。
やはりほぼ全曲疾走しまくり&クサメロの嵐で、これぞ「メロスピ」という方向性。
さすがに音質的には今ひとつで、シンフォニックさという点では2ndの方が上だが、
この時点でメロディの煽情度はSKYLARKあたりより上をいっている。
全体としてのクオリティは2ndなので、B級がダメな人はまずそちらから。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 疾走度・・8 総合・・7.5
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POWER QUEST「NEVERWORLD」
イギリスのメロスピバンド、パワークエストの2nd。2003作
きらきらとしたキーボードにキャッチーなメロディで疾走する楽曲は、
北欧系のマイナークサメタルの流れをくむもので、思わず聴いていてにっこり。好きです・・・。
骨太でないVo、クサメロフレーズの多いギター、そしてあくまでシンフォニックなキーボードと、
たとえばINSANIASKYLARKあたりが好きなら間違いなく琴線にヒットするはず。
キーボード主導のメロディは、とにかくキャッチーでポップですらあり、じつに爽快。
疾走一辺倒でなく、北欧メロディアスハード的ミドルテンポの曲もなかなかよい。
ゲストでEDENBRIDGEのサビーネ嬢が参加している。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・9 総合・・8
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POWER QUEST「MAGIC NEVER DIES」
イギリスのメロスピバンド、パワー・クエストの3rd。2005年作
前作もそんな感じが漂っていたが、今回もまた「軽くてキャッチーで爽やか」
キーボードが中心のメロスピという点ではSKYLARKあたりと同様だが、
こちらはさらに軽めで、まるで「メロハーをメロスピにした」ような雰囲気だ。
いやー、ここまで能天気にやられると楽しくて良い(笑)馬鹿っぽいが好きなんです。こういうのも。
タイトル曲では、思わず「マージック♪ネ〜バ〜ァダ〜イズ」などと一緒に叫ぶと楽しいし
こういう天然っぽいファンタジー感は、どこかROBBY VALENTINEあたりを思い出す。
それからどうでもいいが、裏ジャケの5機の戦闘機(?)が戦隊ものっぽくてよいな♪
メロディアス度・・8 疾走度・・8 軽キャッチー度・・10 総合・・8
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POWER QUEST 「Master of Illusion」
イギリス、イタリア混合のメロスピバンド、パワー・クエストの4th。2008作
初期の陽性のメロディでキャッチーに疾走するメロスピサウンドから、
前作ではさらに軽めなメロハー寄りの雰囲気になっていたが、今作もその路線。
疾走ナンバーは少なくなり、メロスピというよりはメロディアスハードの質感で、
きらきらとしたシンセワークと軟弱な歌メロで聴かせるスタイルだ。楽曲に新鮮味は薄く、
アレンジ的にも耳を惹く要素があまりないので、前作からのファンでなければあまり面白くはないかもしれない。
キャッチーでクサめで軽いノリのメタルがお好きならどうぞ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 メロハー度・・8 総合・・7.5
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Power Quest 「Blood Alliance」
イギリスのメロスピバンド、パワー・クエストの2011年作
DRAGONFORCEとともに英国出身のメロスピバンドとしてデビュー、やわらかなメロディで疾走するサウンドで人気を博すも、
前作ではほとんどメロハー的な作風となっていて、やや期待外れであったのだが、
5作目となる本作は、パワフルに疾走するメロパワ風味になっていてびっくりだ。
これまでになかったギターによるネオクラ風のフレーズとシンセによる、
厚みのあるサウンドで疾走しつつ、持ち味であったキャッチーな歌メロも健在。
ある意味ドラフォーに肉薄する内容となっている。メロハー的な曲もあるにはあるが
今作ではアルバムの中でのほどよいバランスになっている。期待以上の力作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 けっこうパワフル度・・8 総合・・8
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Power Quest「Sixth Dimension」
イギリスのメロディックメタル、パワークエストの2017年作
2002年にデビュー、2013年に一度は解散するもメンバーチェンジをへて復活し、通算6作目のアルバムが完成。
1曲目からきらびやかなシンセに伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、爽快なサウンドが戻ってきた。
ミドルテンポのナンバーもこのバンドらしい、やわらかなメロディアス性とファンタジックな感触で、
3rd「Magic Never Dies」の頃に回帰したような抜けの良いキャッチーな聴き心地が楽しめる。
パワフル過ぎないほどよいB級風味も絶妙で、ときにシンフォニックなシンセアレンジとともに
美麗なクサメロ感に包まれて、初期DRAGONFORECEばりの疾走メロスピ曲もよい感じで、
中盤以降もダレることなく質の高いナンバーが続く。キャリア15年目にして最高作かというべき充実ぶり。
メロディック度・・8 疾走度・・8 美麗度・・9 総合・・8 
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POWER SYMPHONY「EVILLOT」
イタリアのメロスピバンド、パワー・シンフォニーの1st。1999年作
ルイス・ロヨによるこのファンタジックなジャケにつられて買ってしまう人がほとんどだろうが、
内容の方もそう捨てたものではない。ハスキーな味のあるヘタウマの女性ヴォーカルの歌声で
軽めに疾走するスタイルで、古き良きメタルのやぼったさの中にクサメロもたっぷり入っている。
なによりローカルなサウンドながら、幻想的な雰囲気を感じさせてくれるのがなかなか好みなのだ。
シンセ入りの美しさや、組曲的な大曲もあり、あながちB級と片づけるには惜しい内容です。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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POWER SYMPHONY「LIGHTBRINGER」
イタリアの女性Voメタルバンド、パワー・シンフォニーの2nd。2002年作
1st「EVILLOT」はSKYLARK等のジャケで知られるルイス・ロヨのファンタジックなおねえさん絵と、
その垢抜けないながらもなにか惹かれる女声疾走メタルサウンドについ好感を持っていた。
続くこの2ndも基本的には同路線。たとえばZED YAGO/VELVET VIPERあたりにも通じる
古き良きB級ファンタジー小説みたいな世界観をイモくささ満載の音で再現したという、
メジャー指向の人間には見向きもされない路線なのだ。FORGOTTEN TALESあたりがイケる、
クサメタルリスナーにはオススメしてもいい。しかも女性ヴォーカルですから。可愛い系の声ではないが、
これがまた女戦士的で良いのである。ガッカリなのはジャケがルイス・ロヨでないことか。
メロディアス度・・7 B級クサメタル度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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POWERWOLF「Lupus Dei」
ドイツのメロパワバンド、パワーウルフの2007年作
先に2011年作を聴いていたが、こちらの方も古き良きメロパワスタイルでなかなか楽しめる。
パワフルなヴォーカルとツインギターのフレーズで、シアトリカルな世界観を濃密に描いてゆく。
IRON MAIDEN
KING DIAMONDあたりをパワフルにしたという感じで、
中世を思わせるようなドラマティックな雰囲気で聴かせる、正統派の力作。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8
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POWERWOLFBlood of the Saints」
ドイツのメロパワバンド、パワーウルフの2011年作
コスプレぎみの衣装を着て世界観を演出するバンドのようであるが、
サウンドの方はRUNNING WILDあたりを思わせるしごく正統派のメタル。
古き良きメタルの感触とともにIRON MAIDEN的な聴き心地もあり、
それをモダンな構築性で娯楽的な雰囲気に仕上げたという感じか。
これでキラーチューンが加われば、メジャークラスのバンドにもなれるだろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・7.5
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POWERWOLF「Preachers of the Night」
ドイツのメロパワバンド、パワーウルフの2013年作
前作まではRUNNING WILDIRON MAIDENを思わせる正統派のメタルサウンドであったが、
本作ではメイクをほどこしたメンバーによるシアトリカルな世界観とともに、大仰な重厚さを増してきた。
随所に聴かせるメロディックなツインギターも効果的で、勇壮なコーラスなども含めて、
楽曲アレンジの向上が音の強度となって表れている。曲はミドルテンポを主体に3、4分台が中心で、
ときに疾走曲もありつつ、複雑すぎないシンプルさが潔い。パワフルかつ濃密な正統派の力作だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・8



POWERWOLF 「Blessed & Possessed」
ドイツのメロディックメタル、パワーウルフの2015年作
KING DIAMONDばりのシアトリカルなスタイルで正統派メタルを聴かせるこのバンド、
本作はすでに6作目となるが、ツインギターのリフとメロディックなフレーズに、パワフルなヴォーカルを乗せた
正統派メロパワサウンドは、ますます重厚になり、エピックなコーラスも含めて、MANOWARばりの大仰さにも
いよいよ磨きがかかっている。かつてのRUNNING WILDのような男くさいジャーマンメタルを受け継ぎつつ、
よりドラマティックなフックとエピカルな世界観を描き出す、サウンドの説得力も抜群だ。楽曲は3〜4分台中心で、
コンパクトで即効性のある聴き心地なのだが、この濃密さに少し飽きるのも早いかも。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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POWERWORLD「Powerworld」
ドイツのメロディックメタルバンド、パワーワールドの2008作
FREEDOM CALLのベーシストを中心に結成、美麗なシンセをたっぷりと使ったメロディックメタルで、
あまり力強くないハイトーンヴォーカルを乗せて聴かせるスタイル。
やはりFREEDOM CALLに通じる雰囲気があるが、こちらはもう少し北欧系の音に近いか。
曲によってはメロディアスハード的な感じもあり、目新しさはなのだがその分とっつきはいい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PRELUDIO ANCESTRAL 「OBLIVION」
アルゼンチンのメロディックメタル、プレリューディオ・アンセストラルの2018年作
2012年にデビューし、本作で4作目となる。1曲目はネオクラ気味のギターとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
壮麗なメロディック・スピードメタルで、きらびやかなシンセワークも加えたシンフォニックなアレンジも覗かせる。
歌詞は英語なので、スパニッシュな雰囲気はあまりなく、曲によってはデジタルなアレンジのモダンな質感や、
一方では、ミドルテンポの王道のハードロックナンバーなどもあり、古さと新しさの混在した作風とも言える。
全体的にはメロディのフックにやや物足りなさもあって、突き抜けきらないもどかしさも感じるのだが、
王道の様式美メタルが好きな方なら楽しめるかと。AIRBORNのアレッシオ・ペラルディ、
Enzo and The Glory Ensemble
のエンゾ・ドンナルンマなどがゲストヴォーカルで参加。
メロディック度・・7 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PRETTY MAIDS 「Motherland」
デンマークのメタルバンド、プリティ・メイズの2013年作
1983年にデビュー、80年代北欧メタルを代表するバンドのひとつで、本作は13枚目のアルバム。
どっしりとしたパワフルなドラムにメタリックなギター、優美なシンセアレンジを重ねた
ほどよいヘヴィネスとキャッチーな透明感が同居したサウンドは、まさにプリティ・メイズ。
ロニー・アトキンスのヴォーカルは、ときにマイルドにときにパワフルに、激しいメタルナンバーから、
ゆったりとした叙情曲まで、かすれた味わいの歌声に大人の哀愁をまとわせ、サウンドを彩っている。
楽曲は3〜4分前後とわりとストレートながら、随所に叙情的なギターフレーズを覗かせつつ、
メロディックなフックとともに、ドラマティックに聴かせる。これぞ大人の北欧メタルという力作だ。
ドラマティック度・8 どっしり重厚度・8 叙情度・8 総合・8
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PRETTY MAIDS 「KINGMAKER」
デンマークのメタルバンド、プリティ・メイズの2016年作
15枚目の本作は、ダークなジャケのイメージであるが、サウンドの方はキャッチーな叙情と
北欧らしい翳りを含んだ王道のスタイルで、ロニー・アトキンスの味わいのある歌声と、
ケン・ハマーによるメロウなギターにうっすらとシンセを重ねた、ウェットで重厚な聴き心地。
パワフルなドラムによる激しさもありつつ、あくまで80年代ルーツのHR/HMの雰囲気を残していて、
重すぎず、激しすぎずというスタイルはさすがである。一方では、モダンなヘヴィネスを含んだ、
スタイリッシュなメタル感触も覗かせていて、バンドとして現在進行形の深化も感じさせる。
ドラマティック度・8 どっしり重厚度・8 叙情度・8 総合・8
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PRETTY MAIDS 「Undress your madness」
デンマークのメタルバンド、プリティ・メイズの2019年作
16作目の本作は、元ROYAL HUNTのアラン・ソーレンセンが参加。前作の充実ぶりに続き、
今作も、どっしりとしたメタル感触とメロディックなフックで、王道の北欧メタルを聴かせる。
メロハー寄りのキャッチーな抜けの良さと叙情性に、泣きのギターメロディにシンセアレンジが重なる、
厚みのあるサウンドは説得力充分で、軟弱さのかけらもない。楽曲はミドルテンポが主体であるが、
ゆったりとした叙情ナンバーでも、ケン・ハマーの流麗なギターソロが随所に冴えを見せていて、
渋みを増したロニー・アトキンスの歌声もエモーショナル。前作に比べやや地味ながら、依然クオリティは高い。
ドラマティック度・8 どっしり重厚度・8 叙情度・8 総合・8
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PRIMAL FEARBlack Sun」
ドイツの正統派メロパワバンド、プライマル・フィアの4th。2002作
ラルフ・シーパーズのパワフルな歌声と、ジャーマンメタル的なツインギターで聴かせる
正統派パワーメタルの強力作。これでもかとたたみかけるヘヴィメタルサウンドにトゥルーメタラーたちは
快哉を叫ぶだろう。ジャケの雰囲気といい、JUDAS PRIESTの後継者たるを誰もが認める力作だ。
パワフル度・・9 正統派度・・9 ジャーマン度・・8 総合・・8
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PRIMAL FEAR「DEVIL'S GROUND」
ジャーマンメタルバンド、プライマル・フィアの5th。2004作
ドイツ版JUDAS PRIESTともいうべき音楽性で、正統派メタルファンから多くの支持を得ているこのバンド。
今作もラルフ・シーパーズの強力なハイトーンヴォーカルとともに、「これがヘヴィメタルだ!」、といわんばかりの楽曲でたたみかける。
個人的には、もろジューダスすぎて、面白みはあまり感じないのだが、ときどきドラマテイックなツインギターはなかなかよろしい。
メロディアス度・・7 ジューダス度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PRIMAL FEAR「NEW RELIGION」
ドイツの正統派メロパワバンド、プライマル・フィアの7th。2007作
ラルフ・シーパーズとマット・シナーが率いるこのバンド、本作もJUDAS PRIESTの香りただよう正統メタルが炸裂。
硬質なリフとともに、衰えを知らぬラルフのハイトーンヴォーカルが冴える。
シンセ入りの曲では、欧州メロパワとしての叙情もちゃんと感じられ、古くささとモダンの同居した、
クオリティの高いヘヴィメタルを楽しめる。EPICAのシモーネ嬢もゲスト参加しており、ラルフとのデュエットで美声を聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 正統メタル度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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Primal Fear16.6 Before the Devil Knows You're Dead」
ドイツのメロパワバンド、プライマル・フィアの2009作
マット・シナー、ラルフ・シーパーズが率いる、ジャーマンメタル版ジューダスというスタイルで、
正統派メタルファンにとっては安心二重丸の存在だろう。正直、これまで個人的にはこのバンドには
“正統派”という以上の価値を見いだせなかったのだが、本作のドラマティックなイントロには胸踊る。
本作でのラルフのヴォーカルもハイトーンを張り上げるハルフォードばりの歌唱は抑えていて、
それがむしろツインギターとの調和と、ジャーマンメタルとしての耳心地の良さを生んでいる。
マグナス・カールソンのテクニカルなギタープレイもここぞと光っており、パワフルなだけではない
しっかりとした技術も見せつけている。ヘヴィメタルとしての王道をしっかりと貫きながら、
ベテランのみがかもしだせる強力な説得力をともなった見事な力作である。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 ジャーマンメタル度・・9 総合・・8
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PRIMAL FEARUnbreakable
ドイツのメロパワバンド、プライマル・フィアの2012年作
マット・シナー、ラルフ・シーパーズが率いる、正統派パワーメタルバンド、
傑作だった前作「16.6」に続く9作目で、レイドパックしたような古き良きメタルサウンドが炸裂。
ジャーマンメタルとしての疾走する爽快さと、ミドルテンポでどっしりと聴かせる楽曲のバランスもよく、
王道のギターリフに乗る、ラルフ・シーパーズの強力なハイトーンヴォーカルが冴え渡る。
オールドな正統派メタルファン、往年のジャーマンメタルファンなら間違いなく楽しめる力作だ。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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Primal Fear 「Apocalypse」
ドイツのメタルバンド、プライマル・フィアの2018年作
1997年にデビュー、本作は12作目となる。王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のジャーマン・パワーメタルは本作も不変。ラルフ・シーパーズのパワフルな歌声も冴えていて
ミドルテンポのキャッチーなナンバーなどでも、伸びやかなハイトーンで楽曲を盛り上げる。
Judas Priest的なオールドなヘヴィメタル感触を残しつつ、そこにジャーマンらしいメロディアス性が加わって
新鮮味はないものの安心して楽しめる。スローテンポの叙情ナンバーなどもアクセントになっていて、
アルバム全体を通して、ベテランらしいサウンドの強度を感じさせる。まさに不変の正統派メタルである。
メロディック度・7 疾走度・7 正統派度・9 総合・8 
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PRODIGAL SONSOn Our Last Day」
イタリアのメタルバンド、プロディガル・サンズの2012年作
ツインギターの5人編成で、エピックな香りを含んだ古き良き正統派のメタルサウンド。
随所に聴かせるツインギターのメロディとあまり力強くないハイトーンヴォーカルで、
ジャケのイメージ通りのB級臭い聴き心地は、ADRAMELCHあたりにも通じる雰囲気である。
マイナー感覚を漂わせたイタリアン・エピックメタルは嫌いではないという、マニアの方はどうぞ。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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PROFOUND「Deep And Sincere」
オランダのメロディックメタルバンド、プロファウンドの2003年作
ジャケはオリンピックかなにかのようだが、内容はメロディアスなツインギターを中心に
聴かせる、なかなかドラマティックなサウンド。曲は6〜9分台がメインで、
知的な構築性の点ではプログレパワーという言い方をしてもいいかもしれない。
ヴォーカルの弱さや、ドラムをはじめ録音の貧弱さが惜しいが、
演奏力はあるので、音そのものに説得力が出てくれば一皮むけそう。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 サウン度・・7 総合・・7.5
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PROJECTO
イタリアのシンフォニックメタルバンド、プロジェクトの1998年作
レーベルがUnderground SymphonyというだけでCDを買っていた当時、案外当たりだったのがこのバンド。
シンセを含む5人組で、クサメロまくりのギターで軽めに疾走、ヘナチョコぎみのヴォーカルも
いかにもB級臭さにあふれていて、そのヘナさがかえって微笑ましいという。
リズム的にはProgMetal風のテクニカルさもあり、シンフォニックなシンセもなかなか。
B級でもクサメロならOKというマニアな諸氏なら聴いてみてもいいだろう。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 クサメロ度・・7 総合・・7.5
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PROJECTO「CROWN OF AGES」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、プロジェクトの2nd。2001年作
まずルイス・ヨロのファンタジックなジャケに目が行くが、サウンドもシンフォニックな疾走曲が満載だ。
前作はリズム面での展開にプログレメタル的なアプローチがあったのだが、今回はもっとシンプルになり、
分かりやすい疾走曲が中心。シンフォニックでコテコテ、大仰でファンタジックかつネオクラ風味のメロスピで、
キーボード、ギターともにそこそこのセンスはあるようであるが、楽曲そのものの個性はまだ弱いか。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 イタリア度・・7 総合・・7.5
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Protean Shield
ギリシャのエピックメタル、プロティアン・シールドの2023年作
ジャケやバンド名など、いかにもマイナーな雰囲気であるが、サウンドはオールドなギターに朗々としたヴォーカルを乗せた王道のエピックメタル。
ツインギターによる叙情性も、どことなくうらぶれた味わいで、勇壮さと哀愁が同居した聴き心地は、DOOMSWORDMARTIRIAなどが好きな方ならニヤりとなる。
8分を超える大曲も、ゆったりとした叙情を含んだ緩急ある展開で、ドラマティックな空気感に包まれた古き良き正統派メタルが楽しめる。
まさにマニア好みのヨーロピアン・エピックメタルの逸品です。ジャケにピンと来たら聴くべし。
ドラマティック度・8 エピック度・8 古き良き度・8 総合・8
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The PROWLERS 「Re-Evolution」
イタリアのメタルバンド、プロウラーズの2009年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、SFコンセプト的なテーマの作品。
メタリックなリフとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する正統派のパワーメタルで、
ヴォーカルの声質も含めてGAMMA RAYあたりを思わせるところもあ。
ゲストによる女性ヴォーカルが加わると、なかなか優美な感じにもなり、
全体的にも悪くはないのだが、楽曲にこれという個性や魅力が足りない。
いかにもマイナーバンドらしい垢抜けなさが、もう少しクサメロ方面にゆけばよい気もする。
メロディック度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7



Pursuing The End 「Symmetry of Scorn」
イタリアのシンフォニック・モダンメタル、パースゥイング・ジ・エンドの2013年作
男女Voにツインギター、シンセを含む7人編成で、ヘヴィなギターとシンセアレンジに、
男性デス声と女性ヴォーカルを乗せ、適度に疾走感のある展開力で聴かせるサウンド。
ゴシック的な耽美さは薄く、ツインギターを乗せて疾走するアグレッシブなメタル感触が強いので、
AMARANTHのような、女性声入りのモダンなシンフォニックメタルとして聴くのがよいだろう。
楽曲は、4〜5分前後と、長すぎずにわりとシンプルな分、ドラマティックというには物足りなさもあるのだが、
メタルコア系の好きな若いリスナーには受けるかも、個人的にはもう少しシンフォニックにして欲しい。
ドラマティック度・・7 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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PYRAMAZE「MELANCHOLY BEAST」
デンマーク人ギタリストを中心としたメロディックメタルバンド、ピラメイズの2004作
メロスピ、シンフォメタル、メロディアスハード、プログレメタルと、
色々な要素がバランス良く配合されていて、クオリティはなかなか高いと思う。
反面、曲ごとにこれといって突き抜けた部分がなく、普通に聴きやすいというのが
欠点であり長所でもあるか。全体的によくまとまった感じの作品。
ドラマティックなプログレハード&メロディックメタルが好きなら、聴いてもよいかと。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 バランス度・・8 総合・・7.5
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PYRAMAZE「Legend of the Bone Carver」
デンマーク人ギタリストを中心としたメロディックメタルバンド、ピラメイズの2nd。2006作
前作は質は高いが、まとまった佳作という程度の印象だったが、本作ではシンフォニックなシンセに
ツインギターが絡む重厚なドラマティックサウンドにさらなる磨きをかけてきている。
物語的な語りで始まるイントロからしてファンタジックな雰囲気を漂わせ、
ミドルテンポを主体にどっしりとした正統派のメロディックメタルを展開してゆく。
エピックな世界観はシンフォニックになったBLIND GUARDIANというような質感もあり、
これだという個性は見当たらないものの、幅広いリスナーにアピールするだけの作品だと思う。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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PYRAMAZE 「Immortal」
デンマークのシンフォニックメタル、ピラメイズの2008年作
ツインギターにシンセアレンジを含む重厚なサウンドで、BLIND GUARDIAN的なエピックな世界観に包まれた
どっしりとした聴き心地。ギターのリフには、ICED EARTHなどからの影響も感じさせつつ、
ときおりネオクラ風味もあるという。ややダーティなパワフルなヴォーカルが好みを分けるだろうが、
雄大なクワイアも重ねた濃密さは、RHAPSODY以降のシンフォニックメタルの感触で、
ファンタジックな空気感とドラマティックな雰囲気は、これまでよりも強固になっている。
楽曲そのものの新鮮さやインパクトが薄いのが惜しいが、重厚な力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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PYTHIA「Beneath the Veiled Embrace」
イギリスのシンフォニックメタルバンド、ピーシャの2009作
オペラティックな女性ヴォーカルと美麗なアレンジのシンフォニックなサウンド。
疾走をまじえながら優雅に聴かせるスタイルは、ゴシックというよりはNightwish影響下の雰囲気。
楽曲そのものに目新しい部分はあまりないが、きらきらとした壮麗な音作りはとても美しい。
ヴォーカルを務めるのは「ケルティック・レジェンド」にも参加していたエミリー嬢で、
その麗しの歌唱を含めて、なかなか質の高い女性声シンフォメタルです。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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PYTHIA「THE SERPENT'S CURSE」
イギリスのシンフォニックメタル、ピーシャの2012年作

Nightwishタイプのサウンドであったデビュー作に続く本作は、激しい疾走感を含みながら
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声を引き立たせた、力強いサウンドに仕上がった。
美麗なシンセアレンジとキャッチーなメロディでの疾走感はむしろSONATA ARCTICA的で
メロスピファンにも楽しめるだろうし、エミリー嬢の美しい歌声も前作以上に表現力を増した。
WITHIN TEMPTATIONを思わせるようなゴシックメタル風の曲もあり、バンドとしての個性はともかく、
アレンジの質と音の説得力が上ったことは確かだろう。ちなみに日本盤は右のジャケに変更されている。
シンフォニック度・・8 メロスピ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Qantice 「The Phantonauts」
フランスのシンフォニックメタル、カンタイスの2014年作
女性ベース、女性ヴァイオリン奏者を含む5人編成で、本作が2作目となる。
オーケストラルなシンフォニックアレンジにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
壮麗なメロディック・スピードメタルサウンドで幕を開ける。随所にネオクラ&クサメロ系のギタープレイも聴かせつつ
RHAPSODYのようにファンタジックで物語的な世界観を感じさせる、作品としてのゆるやかな流れも感じさせ、
クラシカルな優雅さも含んだメロディなどにも、疾走するだけではないバンドとしての懐の深さが窺える。
あとは、これだというインパクトのある曲が増えれば、中盤でもダレないと思う。傑作一歩手前という作品。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・8
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Qantice 「The Anastoria」
フランスのシンフォニックメタル、カンタイスの2019年作
女性ベース、女性ヴァイオリン奏者を擁する5人編成で、本作は5年ぶりとなる3作目。
優美なシンセとヴァイオリンにギター重ねたイントロから、硬質なギターリフを乗せて激しく疾走、
シンフォニックなアレンジとハイトーンヴォーカルで、優雅でファンタジックなサウンドを描き出す。
RHAPSODYのような壮麗なスケール感と緩急ある展開力で、スタイリッシュに構築するサウンドは、
単なるメロスピやシンフォニックメタルという以上に、華やかでプログレッシブな味わいが楽しめる。
キャッチーなメロディのフックと爽快な疾走感、クラシカルな美意識に包まれた楽曲は、傑作未満だった前作から、
アレンジ面でもぐっとスケールアップしていて隙がなくなった。まさに華麗なる傑作というべき会心の出来である。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 壮麗度・・9 総合・・8.5
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QUELONIO「Vicio y Virtud」
スペインのメロディックメタルバンド、ケロニオの2009年作
女性Voを含む5人組でパワフルに聴かせる正統派のメロパワをやっている。
紅一点、テレサ嬢の歌声は、かつてのDARK MOORのエリサのような中性的な雰囲気で
スペイン語による濃厚な味わいとともに、IRON MAIDEN的な古き良きメタルの質感がある。
音質も良好でB級臭さはあまりない。TIERRA SANTAの女性ヴォーカル版というイメージか。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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QUELONIO「Rebelion
スペインのメロディックメタル、ケロニオの2012年作
前作も正統派な感触の好作であったが、本作も古き良きヘヴィメタルの質感に
女声ヴォーカルのスペイン語の歌声で聴かせるパワフルなサウンド。
ツインギターの力強いギターリフで疾走する感じは、ジャーマンメタル的でもある。
個人的には 楽曲にもう少しメロディックなフックがあればとも思うが、
CRYSTAL VIPERあたりが好きな方なら充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Quinta enmienda「Ne bis in idem」
スペインのメロスピバンド、クインタ・エンミエンダの2010年作
美麗なシンセアレンジとスペイン語の歌声を乗せて疾走するサウンドで
所期のWARCRYあたにり通じる、クサメロ満載のメロスピ具合が気持ちいい。
ヘヴィさよりも軽めの疾走感で、サビでのキャッチーなほどの歌メロに、
ギターフレーズのクサっぷりもかなりのもの。これはクサメタラーは歓喜の1枚!
現在はPHOENIX RISINGと改名し活動中。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Rabies 「Капля в Бесконечность」
ロシアのシンフォニックメタル、ラビースの2012年作
メタリックなギターに壮麗なシンセアレンジを重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルにデスヴォイスが絡む、
ゴシックメタル寄りの耽美なシンフォニックメタルを聴かせる。楽曲は3〜4分前後と比較的シンプルで、
もう少し壮大な展開やフックのあるメロディが欲しい気もするが、なよやかなソプラノはなかなか魅力的で
ときにNightwish的でもある優雅な雰囲気は悪くない。全9曲32分という短さがやや物足りないですかね。
ドラマティック度・7 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5


RAGE「Secrets in a Weird World」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの4th。1989作
2ndあたりまではまだ粗削りのスラッシーな疾走サウンドであったのだが、
前作「Perfect Man」ではメロディアスな要素が増し、続く本作ではクラシカルなイントロから始まり、
ヘヴィな中にもキャッチーな歌メロと、マンニ・シュミットの独特のギターセンスがより発揮された傑作となった。
ピーヴィのヘタウマのヴォーカルも、むしろ個性的な浮遊感をサウンドにもたらしていて、
迷いのない演奏の勢いは、トリオ編成であることの強みを最大限に引き出している。
口ずさめるサビのメロディが印象的な疾走曲“Invisible Horizones”はバンドの代表曲となり、
ドラマティックな佳曲“Light Into The Darkness”なども聴きどころ。初期のレイジを知るには本作から。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 個性派ジャーマン度・・9 総合・・8
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RAGEReflections of a Shadow
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの5th。1990作
初期の傑作として名高い「Secrets in a Weird World」から1年足らずで発表された本作は、
疾走感を抑えてよりシンプルに、ダークなソリッドさを感じさせるサウンドとなっている。
これまでになかったシンセによる味付けもあって、薄暗い叙情性も感じられ、
マンニ・シュミットの抜群のリフも含めて、地味ながらもなかなか楽しめるが、
やはり、次作「Trapped!」へとつながる過渡期的な作品といえるかもしれない。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 重厚度・・8 総合・・7.5
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RAGE「Trapped!」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの6th。1992作
オリエンタルなイントロから始まる今作は、ジャケの雰囲気同様ぐっとヘヴィさが増し、
ザクザクのギターと低音ぎみのピーヴィのヴォーカルで聴かせるサウンドとなった。
続く2曲目の“Solitary Man”のアグレッシブな勢いとメロディの融合は魅力的で、
シンプルな三人編成でもここまでの迫力あるメタルが描けるのだと証明してみせた。
重厚な三連リズムのナンバー“Enough is Enough”や、ACCEPTのカヴァー“Fast As A Shark”も
見事な出来で、ラストのドラマティックなインスト“行進する英雄たち”までダレることなく楽しめる。
パワフルな勢いに満ちたジャーマンメタルの傑作である。次作「Missing Link」も同様の傑作。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・9 総合・・8
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RAGE「END OF ALL DAYS」
ジャーマンパワーメタルのベテラン、レイジの10th。1996作
一部では問題作とされるがその実傑作である「サーティーン」のひとつ前のアルバム。
こちらにはまだオーケストラのオの字もなく、疾走感溢れる王道のパワーメタルをやっていた頃。
圧倒的な名曲はないものの、メタラーにとっては安心二重丸印のサウンドだ。
どの曲もそこそこのクオリティで悪くないが、私にとっては正直面白みに欠ける。
おそらくバンドもこの同路線に限界を感じていたからこそ、次作で大胆に変貌を遂げたのではないか。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲度・・7 総合・・7.5

RAGE「Thirteen」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの1998年作
オーケストラとの共演作「Lingua Mortis」をへて、ピーヴィーのクラシカルな好みがここで全面開花、
イントロからしてこれまでにない優美なシンフォニックなものを感じさせるが、楽曲自体も
オーケストレーションを駆使したアレンジを自然に融合させていて、重厚かつ壮麗な雰囲気だ。
トリオ編成時代の疾走サウンドからすると想像もつかない変化だが、これもまたレイジの音。
ゴシックメタル的な美しさで聴かせながら、歌メロの随所にはキャッチーなメロディがあり、
激しめの“Sign Of Heaven”から、美しいピアノで始まるクラシカルなバラード“In Complete”
そして感動的な盛り上がりの“Turn The Page”という流れはじつにドラマティックである。
ジャーマンメタル、メロパワというくくりを取り払い、クラシカルなメタルとして楽しむべき力作。
クラシカル度・・8 疾走度・・6 荘厳度・・8 総合・・8
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RAGE「GHOSTS」
ジャーマンパワーメタルのベテラン、レイジの1999作
3人編成の頃はずっと好きで聴いていたが、その後オーケストラとの競演アルバムを作るなと
少しづつ新機軸を取り入れはじめたりで、しばらくの間は音に迷いが見えていた。
しかし前作「THIRTEEN」においてへヴィさとキャッチーさをもつ彼らのサウンドと
オーケストラアレンジの融合というひとつの結実をみる。続く今作も基本的には同路線で、
要所で重厚なオーケストラアレンジが使用され、ダークなドラマ性に重点が置かれたこの作品は、
以前の疾走ジャーマンメタルを求める人にとって微妙だろうが、私はこの路線も好きだ。
ドラマティックな音の厚みとメロディアスさでは間違いなく彼らの中でも指折りの一作である。
ただし、このアルバム限りでリーダーのピーヴィー以外は皆脱退。バンドは次の時代に入る。
メロディアス度・・8 疾走度・・4 重厚度・・8 総合・・8
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RAGE「Welcome To The Other Side」
ドイツのベテランバンド、レイジの2001作
前作「GHOSTS」のレコーディング中に、ピーヴィ以外の全員が脱退というバンド最大の危機を乗り越え、
MIND ODYSSEYのG、ヴィクターに、イングヴェイのツアーメンバーであったマイク・テラーナ
をドラムに迎え、3人体制として復活したレイジの1作目である。
楽曲はピーヴィの歌ういつものRAGE節に加えて、ときにヘヴィにときにクラシカルに顔色を変える
ヴィクターのギターがこれまでにない色合いを感じさせる。ドラムの音がやや軽めなのが気になるが、
アンサンブル的にも鉄壁の布陣となった新生レイジのサウンドは、ベテランとしての貫祿もしっかり感じさせる。
個人的にはGあたりのかつてのレイジメロが冴える曲が嬉しい。4部編成の大曲を含めた全17曲に、
日本盤ボーナスとして、かつての名曲“Don't Fear The Winter”の2001年バージョンを収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 新型レイジ度・・8 総合・・7.5
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RAGE「SOUNDCHASER」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2003作
再び新たに3人編成となってから年に1枚というハイペースな活動ぶりには頭が下がる。
のっけからテクニカルなギターワークに圧倒されつつ、サビでのメロディアスさには心地よさを覚える。
今回は5〜6分台の長めの曲が多く、その分1曲ごとのアレンジをじっくり練ってきたなという印象。
新鮮味やインパクトよりもバンドとしての熟成と、自信と余裕とが音には感じられる。
ピアノの美しい6曲目や、レイジ節ともいえるキャッチーなサビメロの7曲目など、単なるパワーメタルのみならず、
ブルーズ色やクラシカル色をも曲調に上手く取り入れた新生レイジのサウンドは、
クオリティと演奏能力の高さもあいまって、新たな若いファンを獲得するだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・8
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RAGE「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」
ジャーマンメタルの重鎮、レイジの結成20周年を記念するライブ作品。2004年作
メンバーチェンジの後、再び三人編成となってのライブで、すっかり太ってスキンヘッドのオヤジ然となった、ピーヴィ・ワグナーの姿に
年月の流れを感じずにはいられない(笑)楽曲の方は 20thライブにふさわしく新旧とりまぜていて、オールドファンには「INVISIBLE HORIZONS」
「DON'T FEAR THE WINTER」「REFUGE」といったかつての名曲たちはなつかしく楽しめる。
ギターのヴィクターはヘヴィリフからテクニカルなソロまでこなす器用なテクニシャンという印象だが、
ここにもう一本リズムギターがあったらさらに音が厚くなろうに…などとも思ってしまう。
今なおベースを弾きながら歌い続けているピーヴィの姿を見れば、あくまでトリオ編成へのこだわりという意味で、
それはそれで立派なものだとも思う。あと、絵的にはドラムのモヒカンと、角(?)の付いたシンバル群がインパクト大。
全26曲…これを飽きずに楽しめるのは相当のファンだとは思うが、年季の入った演奏は地元の観客の盛り上がりともども、
このバンドの確かな年輪を感じさせる。DISC2には、バンドのヒストリーやビデオクリップ等を収録しており、
初期から現在までの映像を追ってゆくと、このバンドの音楽性の変遷が見て取れる。
ライブ演奏・・8 ライブ映像・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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RAGE「SPEAK OF THE DEAD」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2006作
マイク・テラーナ、ヴィクター・スモールスキとの3人編成になっての4作目。
今作はなんと、「LINGUA MORTIS」以来のオーケストラを大胆に導入した組曲で始まる。
クラシックの素養があるヴィクターのギターはオケとの相性がよく、違和感なく溶け込んでおり、
重厚かつシンフォニックなサウンドは、プログレ的な質感とともに若いレイジファンには新鮮なことだろう。
反面、後半のメロパワサイドの曲は、前作の出来に比べるとどうもぱっとせず、オマケ的な感があり
個人的にはこの1枚を捨てる覚悟で、全編オケ入りアルバムにして欲しかったという気がする。
メロディアス度・・7 オケ入り重厚度・・8 後半のメロパワ度・・7 総合・・7.5
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RAGE「Curved in Stone」
ジャーマンメタルのベテランバンド、レイジの2008作
前作からドラマーのマイク・テラーナが抜け、代わりにSILENT FORCE
アンドレ・ヒルジャースが加入した。楽曲の方はギタリストである
ヴィクター・スモールスキの色が濃くなり、変幻自在のプレイとともに、
テクニカルなリフやクラシカルな叙情などが随所に目立つ。
かつてのRAGEらしさはやや減った感もあるが、曲のクオリティは高く、むしろパワーメタルとしての普遍的が増した。
枯れた味わいのピーヴィーのヴォーカルとともにじっくり聴かせる曲もあり、ベテランバンドとしての新たな第一歩を記す好アルバムだ。
メロディアス度・・8 ギタークール度・・9 正統派度・・8 総合・・8
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RAGE「Strings to a Web」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2010作
80年代から活動を続けるベテラン中のベテラン。トリオ編成でスタートし、
その後4人編成となり、オーケストラとの融合を試みるなど、冒険的なアプローチの末に
ピーヴィの片腕となるヴィクター・スモールスキが加入してからは、再び4人編成となり、
これがはや5作目となる。前作で聴かれた普遍的なパワーメタルサウンドを軸に
ときにモダンなヘヴィさやテクニカルなギタープレイを織りまぜながら、
レイジ節ともいえるメロディに乗せるピーヴィのヴォーカルが朗々と響きわたる。
正直、もはや楽曲自体には新鮮味はないのだが、安心して楽しめるレイジ作品である。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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RAGE「21」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2012年作
80年代から活動を続けるベテラン中のベテラン、安定した好作であった前作に続き
本作も現存するベテラン正統派としての意地を感じさせる力作に仕上がっている。
ヘヴィさとクールを併せ持つヴィクター・スモールスキの巧みなギターワークを軸に、
ダーティなピーヴィの歌声とともに甘すぎないメロディを聴かせる、レイジ節は健在。
JUDAS PRIESTばりの古き良きヘヴィ・メタル曲など、往年の正統派の感触とモダンなヘヴィさも取り入れたバランス感覚で、
新旧のファンが楽しめるアルバムである。ボーナスDiscには2010年の来日公演のライブ音源を12曲収録。音質はブート程度です。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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RAGE「Soundchaser Archives」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2014年作
結成30周年を記念して作られた楽曲とデモや未発曲などレア音源をCD2枚に収録した企画盤。
1985年、Avengerとしてデビューし、1986年にRAGEと名を変え、2012年までに21枚のアルバムを発表、
キャリア30年を誇るこのバンドの過去のレアトラックをCD2枚、30曲も楽しめるという、ある意味濃厚な作品だ。
2000年代以降のデモは現在のサウンドに通じる作風であるが、オールドなファンにとっては90年代前半の
マンニ在籍時の音源は嬉しいだろう。レイジのファンならバンドの歴史を思い返しながら楽しめる作品だ。
レイジの歴史度・・9 ほぼデモです度・・9 音質・・7 総合・・7.5 
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RAGE「THE DEVIL STRIKES AGAIN」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2015年作
80年代から活動を続けるベテラン中のベテラン、通算22作目となる本作は、ビーヴィ以外のメンバーが変わっていて、
ギターにはSOUNDCHASERのマルコス・ロドリゲスが加入。のっけからスラッシーに疾走するパワフルなサウンドで、
90年代のトリオ編成レイジが好きな方はニンマリだろう。ヴィクターのようなテクニカルなギターワークはさほどないが、
随所にほどよくメロディックなフレーズも覗かせ、新加入のドラマーは、元RAGEのクリスの弟子ということで、
かつてのクリスを思わせるようなノリのあるドラムを聴かせる。4分前後の比較的シンプルな楽曲が中心で、
スラッシーなギターリフとピーヴィのダーティな歌声とともに、荒々しくも爽快なレイジスタイルが戻ってきた。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 かつてのレイジ度・・9 総合・・8 
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RAGE「Seasons of The Black」
ドイツのベテランバンド、レイジの2017年作
新たなトリオ編成となっての2作目で、原点回帰した前作からの流れを継承しつつ、よりパワフルなサウンドを聴かせる。
1曲目のややダークなメタルナンバーから、続く2曲目はジャーマンメタルらしいキャッチーな歌メロを乗せて疾走する、
かつてのレイジらしさにオールドなファンは留飲を下げるだろう。前作から加入のマルコ・ロドリゲスのギターは、
ヘヴィなリフから流麗なメロディまで幅広いプレイを聴かせてくれ、存在感あるピーヴィのヴォーカルを引き立てている。
アルバム後半は、組曲的な構成になっていて、アコースティックの小曲から始まり、メロディックなフックの疾走ナンバー、
ダークで激しいヘヴィネスからの、シンフォニックなドラマ性を描くラスト曲へと、見事な構築力を見せつける。
ボーナスCDには、前身であるアヴェンジャー時代のリレコーディングを6曲収録。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 かつてのレイジ度・・8 総合・・8
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RAGE OF LIGHT「Imploder」
スイスのモダン・シンフォニック(デス)メタル、レイジ・オヴ・ライトの2019年作
シンセによるきらびやかなイントロから、メタリックなギターを激しく硬質なドラムに乗せ、
伸びやかな女性ヴォーカルとともに、AMARANTHEなどにも通じる華麗なサウンドを聴かせる。
随所に凶悪なスクリームも使い分ける、メリッサ嬢のエモーショナルな歌声もなかなか魅力的で、
男性デス声も加えてのメロデス風の激しさを覗かせつつ、美麗なシンセアレンジも際立っている。
トランスノリのシンセアレンジを含む、シンフォニック性とアグレッシブなエクストリーム感が合わさり、
全体的にも派手やかな耳心地ではあるが、メロデスとしてはギターリフなどの面白みが足りないし、
シンフォニックメタルとしては激しすぎるという。ボーダーレスの方向性が今後どこへ向かうのかも注目したい。
シンフォニック度・8 アグレッシブ度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Rage of Romance
ギリシャのメロディックメタル、レイジ・オブ・ロマンスの2014年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で。伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるメロディックメタルサウンド。
紅一点、ヴィッキー嬢の歌声はときに美しいソプラノにもなったりしてなかなか表現力豊か。
一方で楽曲の方には、正統派メロパワ風だったりゴシックメタル風だったりと、いくぶんとりとめがなく、
今後どのような方向性でゆくのかまだ迷いがある感じがする。女性声が魅力的なだけにあとは楽曲次第。
個人的にはよりシンフォニックな壮麗さが合っているように思う。今後の活動に期待です。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

Rage of Romance 「Thunderborn」
ギリシャのメロディックメタル、レイジ・オブ・ロマンスの2017年作
今作では、元Visions of Atlantisのマキシ嬢をヴォーカルに迎え、メタリックなエッジのギターに
ハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、パワフルなメタルサウンドを聴かせる。
いくぶんシンフォニックなテイストとモダンなヘヴィネスも感じさせつつ、楽曲はわりと硬派で
正統派のメロパワ路線。メロディのフックという点では、さほど新鮮味がないのだが、
むしろゆったりとしたナンバーでのマキシ嬢の歌声は、なかなか魅力的だったりする。
全体的にはやはりキラーチューンとなるようなインパクトのあるナンバーが欲しい。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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RAISING FEAR「AVALON」
イタリアンメタルバンド、ライジング・フィアーの2006年作
ヴォーカルやギターリフも含めてあまり力強くないヘナチョコ加減で疾走する、
初期のNOCTURNAL RITESをうんとダサくしたようなスタイルで、つまりは完全なるB級。
ときおり奏でるギターのクサメロやファンタジックな雰囲気は、むしろけっこう好きなので
ヘタウマであっても思わずにやにやする。13分のタイトル曲など、それなりに気合は入っているのだが、
盛り上がりきれないもどかしさは、やはりB級。出来としてはメロディアスなラスト曲が一番よかった。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・7 総合・・7
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Raising Fear 「Eternal Creed」
イタリアのメロディックメタル、ライジング・フィアーの2010年作
2006年作はいかにもB級のヘナチョコ作品だったのだが、今作はイントロからしてなにやら大仰で、
曲に入るとツインギターのリフとともにパワフルに疾走開始、ややダーティなヴォーカルの歌声を乗せて、
初期GAMMA RAYにも通じる雰囲気で聴かせる、古き良き正統派ジャーマンメタルスタイルのサウンドだ。
随所にツインギターの叙情メロディを織り込んだドラマティックな感触もよろしく、褒め言葉かどうかは微妙だが、
NOT FRAGILESCANNERあたりに比べても遜色ないレベル。適度にB級がかったクサメロ質感もあって、
個人的にはけっこう楽しめる。正統派のB級ジャーマンメタルが好きな方はチェックしてみては。
メロディック度・・7 疾走度・・8 心はジャーマン度・・8 総合・・7.5
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RATA BLANCA「Magos, Espadas y Rosas」
アルゼンチンを代表するメタルバンド、ラタ・ブランカの2nd。1990年作
「魔術師と薔薇の伝説」のタイトルで日本盤も出ている本作は、アルゼンチン・メタルの金字塔ともいうべき傑作。
ツインギターにシンセ入りの6人組で、イングヴェイ、レインボーなどからの影響を感じさせるサウンドを基本に、
哀愁溢れるリリカルなメロディとスペイン語の歌唱の素晴らしさをこれでもかと聴かせてくれる。
ときにメタルらしからぬやわらかな質感のメロディが耳に優しく、楽曲、演奏ともに辺境臭さはほとんどない。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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RATA BLANCA「El Guerrero Del Arco Iris」
ラタ・ブランカの3rd。1993作
おそらく日本に最初に入ってきたのはこのアルバムだったと思う。
前作よりさらにRAINBOW風味が増していて、1曲めから“Long Live Rock'n Roll”のようだが、
レトロなシンセワークにかぶさるギターのフレーズのクサさもたまらない。
本作の4曲目を店頭で耳にしその場で購入。素晴らしく格好いい疾走曲である。
スペイン語によるヴォーカルメロディの歌い回しが、我々日本人の琴線に触れるのだ。

アルゼンチンメタルにハマりはじめたら、押さえておきたい作品だ。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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RATA BLANCAEn Vivo en Buenos Aires」
アルゼンチンのメタルバンド、ラタ・ブランカのライブアルバム。1996作
すでにデビューから20年を数えるベテランバンドだが、これは1992年の音源でバンド初期の勢いあるステージを収録、
1st、2ndの曲を中心に、メロディアスな様式美メタルが炸裂。観客の完成もすごいが、堂々たる演奏もなかなかのもので、
ツインギターにシンセを絡め、スペイン語の歌唱とともに熱く聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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RATA BLANCA「EL CAMINO DEL FUEGO」
アルゼンチンのメロディックメタルバンド、ラタ・ブランカの6th。2002作
アルゼンチンのバンドとしては日本でも一番馴染みの深いバンドだろう。
ベテランとなった現在は、初期の頃のクサいまでのクラシカルテイストは減っているものの、
哀愁ただようスペイン語の歌唱と、メロディには彼ららしい情緒がまだ残っている。
傑作2ndあたりに比べると今風になってはいるが、ここ最近の作品では出来のいい部類だろう。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7
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RATA BLANCA「La Llave De La Puerta Secreta」
アルゼンチンのメタルバンド、ラタ・ブランカの7th。2005年作
黄金期のメンバーによる復活2作目となる本作は、物語的なナレーションから始まる壮大な雰囲気に胸が踊る。
シンセに包まれたツインギターが奏でるやわらからメロディから、スペイン語の歌声が入ってくると、
これはまさに全盛期のサウンドだ。伸びやかなヴォーカルによる哀愁の歌い回しにうっとりしつつ
クラシカルなギターワークに悶絶。これだよ…これ、という充実感が満ちてくる。
シンフォニックな音の厚みとスパニッシュな叙情に溢れた楽曲はじつに素晴らしい。
前作以上にクサメロを満載した、まさにバンドの完全復活を告げる傑作だ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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RATA BLANCAEl Reino Olvidado
アルゼンチンのメタルバンド、ラタ・ブランカの8th。2008年作
前作は復活後の会心の出来というべき傑作だったが、本作もなかなかいい。
シンセとピアノによるイントロからして、なにかコンセプト的な壮大さを感じさせ、曲が始まると、いつも通りの哀愁のラタブラン節が心地よい。
今回は疾走は抑えめで、シンセも含めて70年代風のレトロな感覚を前に出し、じっくりと聴かせる大人のハードロックという雰囲気がある。
スペイン語の響きを聴かせる叙情的なバラード曲も魅力的で、ベテランバンドとしての風格と余裕を覗かせる出来のアルバムだ。
メロディアス度・・8 大人のHR度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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RAVENHEARTValley of the Damned
スイスのメロディックメタルバンド、レイブンハートの2008年作
基本は正統派のメロパワながら、サビではキャッチーなほどのクサメロが炸裂する
いわば初期HAMMERFALLタイプのサウンド。エピックな雰囲気を漂わせつつ、
随所にシンセアレンジも加えたやわらかなメロディアスさのバランスがなかなか耳心地よい。
ヴォーカルの弱さも含めていくぶんマイナー臭さもあり、楽曲的には突き抜けた魅力がまだ足りないのだが、
ツインギターのクサフレーズを含めての叙情性はなかなか日本人好みだとは思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クサ叙情度・・8 総合・・7.5
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Ravenia 「Beyond The Walls Of Death」
フィンランドのシンフォニックメタル、ラヴェニアの2016年作
ストリングスカルテットを擁する編成で、壮麗なアレンジに美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
シネマティックなスケール感に包まれたシンフォニックメタル。ヴァイオリンやチェロなど
本物のストリングスによる優雅なクラシカル性が、サウンドに説得力をもたらしていて、
ときに壮大な映画サントラのような感触にもなる。Armi嬢の歌声はやわらかなソプラノで、
オペラティックな雰囲気で魅力十分。楽曲は、ときにEPICAのようにアグレッシブな激しさも垣間見せ、
メリハリに富んだアレンジセンスも新人とは思えない。シンフォニックとはこういうことだと言わんばかりの
壮大にして優美な聴き心地にウットリ。早くも次作が楽しみで仕方がない。大型新人登場!
シンフォニック度・・9 壮麗度・・10 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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RAVENWORD 「TRANSCENDENCE」
イタリアのシンフォニックメタル、レイヴンワードの2020年作
TEMPERANCEMOONLIGHT HAZEのキアラ・トリカーリコをフロントにしたバンドで、
美麗なシンセにメロディックなギター、美しい女性ヴォーカルで聴かせる、優雅でキャッチーなサウンド。
軽やかなミドルテンポから、メロディック・スピードメタル的な疾走ナンバー、しっとりとしたバラードまで
わりと曲調は幅広いが、キアラの伸びやかな歌声の魅力が前面に出ていて、あくまで優美な聴き心地。
Choirs Of Veritasでも活躍するダヴィデ・スクテーリの華麗なシンセワークもさすがというところで、
WITHN TEMPTATIONなどのファンにもお薦めの美麗作。バンドは本作のみで活動停止とか。涙
メロディック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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Rebellion 「Sagas of Iceland」
ドイツのメロディックメタル、レベリオンの2005年作
Grave Diggerのギターとベースを中心に、2002年にデビュー、本作が3作目となる。
叙情的なイントロからエピックなスケール感を感じさせ、王道のギターリフとパワフルなヴォーカルを乗せ、
どっしりとしたミドルテンポで聴かせる、MANOWARにも通じる正統派のメタルサウンドを展開。
ジャケのイメージのようにヴァイキングをテーマにした勇壮な空気感を漂わせながら、
ダーティなヴォーカルの雰囲気には、やはりGrave Diggerなどを思わせる部分もある。
コンセプトアルバムらしい叙情的なパートを織り込んだ、ドラマティックな味わいもよろしく、
伝統的なジャーマンメタルのスタイルを楽しめる、正統派エピックパワーメタルの力作です。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Rebellion 「Arminius: Furor Teutonicus」
ドイツのメロディックメタル、レベリオンの2012年作
ツインギターの5人編成で、正統派のギターリフにダーティなヴォーカルを乗せた
Grave Diggerなどを思わせる、どっしりとした聴き心地のヘヴィメタルサウンド。
エピックで勇壮な世界観などは、MANOWARあたりに通じるところもあり、
目新しさは何もないが、オールドスタイルの正統派メタル好きはにんまりだろう。
そこそこキャリアのあるバンドらしいパワフルなサウンドの説得力も十分だ。
曲に寄ってはメロディアスな叙情性もあって、ジャーマンメタル好きにも対応した力作だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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REBELLION 「A Tragedy in Steel Part II: Shakespeare's King Lear」
ドイツのエピック・パワーメタル、レベリオンの2018年作
Grave Diggerのメンバーを中心に結成、エピックかつパワフルな正統派メタルスタイルで、本作は通算8作目となる。
今作は2002年のデビュー作の続編にあたるコンセプト作品となっていて、正統派のギターリフにダミ声ヴォーカルを乗せた、
かつてのグレイヴ・ディガーを思わせるサウンド。これまでよりもダークな雰囲気なのは、コンセプトの世界観なのか、
適度にメロディックなギターも覗かせつつ、全体的には重厚でありつつも、ダミ声ヴォーカルが一本調子なところもあって、
どこか淡々とした聴き心地になっている。エピックで勇壮な感触は悪くないので、あとはメロディのフックがもっと欲しい。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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RED WINE「HIJOS DEL DESPERTAR」
スペインのシンフォニック疾走メタルバンド、レッドワインの1st。2001作
全編スペイン語で歌われていて、曲名もアルバムタイトルもスペイン語。
キーボード入りで、疾走してクサメロがあって展開もそこそこ。やはり母国語のインパクトは大。
この特有の哀愁のある田舎くさい歌いまわしは慣れてくるとけっこう心地よい。
同じスペインでもDARK MOORのようなメジャー路線とは異なり、このバンドの持つ「異国的な違和感」は
英語圏のメタルに慣れた者には新鮮かも。曲は「KEEPER〜」の頃のHELLOWEENに近い雰囲気で、
キャッチーでメロディアス。そこにシンフォニックなKEYをまぶしてスペイン語の歌を載せたという感じ。
メロディアス度・・8 楽曲・・7 スペイン度・・9 総合・・7

RED WINE「EL FIN DE TIEMPOS」
スペインのメロディックメタルバンド、レッドワインの2nd。2001年作
正統派のギターフレーズとシンフォニックなキーボードにスペイン語の歌唱で疾走
哀愁をただよわせたキャッチーな歌メロやコーラスでクサメロ度はかなりのものだ。
すでに1st、3rdの方は聴いていたが、とかくクサメロの点ではこの2ndが一番か。
DARK MOORと違って決してメジャーシーンには出てゆけそうにはないが、
スパニッシュ・シンフォメタルが好きな方にはなかなか飲みやすい「赤ワイン」だと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スペイン度・・9 総合・・7.5
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RED WINESuenos y Locura
スペインのメロディックメタルバンド、レッド・ワインの3rd。2003年作
スペイン語で歌われる歌唱とともに、やや田舎臭いメロディがじんわりとゆるく心地よい。
ミドルテンポの曲が増えたこともあり、1stに比べるとメロディのキャッチーさが減って、
やや骨太になったという印象であるが、最終曲のクサメロ加減などは、やはりガッツポーズもの。
スペイン産のクサ系メタルバンドとしては、なかなか高品質の一枚である。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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RED WINE「CENIZAS」
スペインのメロディックメタルバンド、レッド・ワインの4th。2004年作
王道のギターリフにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せた、古き良き感触のメタルサウンド。
哀愁を感じさせるスパニッシュな歌声に、ときにうっすらとしたシンセアレンジも加えて、メロディックに疾走する感触は、
アルゼンチンのRATA BLANCAなどにも通じるか。楽曲そのものには、これといった新鮮味はないものの、
AVALANCHなど、スパニッシュなクサメロ系正統派メロパワが好きな方にはお薦めですな。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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REFUGE 「Solitary Men」
ドイツのメタルバンド、レフュージの2018年作
ピーター・ワグナー、マンニ・シュミット、クリス・エフティミアディスという。RAGEの黄金時代のトリオが集結。
バンドやアルバム名からして、かつてのRAGEの楽曲を想起するが、サウンドの方も「Trapped!」「Missing Link」といった、
90年代レイジの作品ををそのまま蘇らせたという聴き心地で、往年のファンはなつかしく楽しめるだろう。
自在なリフとメロディを弾きこなすマンニのギターも健在で、ピーヴィーのかすれた味わいのヴォーカルは、
その独特の歌いまわしも含めて、これぞレイジである。生々しいアナログ的な音質や、オルガンなどを加えた
オールドなアレンジも違和感がなく、年を経たベテランらしい渋さを感じさせる。勢いある疾走ナンバーから、
どっしりとしたミドルテンポ、キャッチーなナンバーに、ゆったりとした叙情曲まで、トリオRAGEの続きが楽しめる。
メロディック度・・7 疾走度・・7 トリオのレイジ度・・8 総合・・8
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REINFORCER「Prince of the Tribes」
ドイツのメロディックメタル、レインフォーサーの2021年作
ジャケの雰囲気からも、エピックなメロパワ感がぷんぷんであるが、サウンドもクサメロなギターに
パワフルなヴォーカルを乗せて、ほどよく疾走感のある正統派のメロディックメタルを聴かせる。
歌詞は英語だが、どことなくゲルマンななまりを感じさせる歌声が、勇壮な空気をかもしだしつつ、
楽曲自体はさほど激しさはないので、メロディックなギターとともにわりとライトな味わいで楽しめる。
90年代的なオールドなメロパワという点では、HAMMERFALLあたりが好きな方にもお薦めだ。
全体的に出来は良いので、あとはキラーチューンとなる鮮烈なナンバーが1〜2曲欲しいですね。
メロディック度・8 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5
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Rein Xeed「The Light」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの2008年作
ネオクラシカル風のきらびやかさと、メロスピの疾走感が合わさったサウンドは、
かつてのSTRATOVARIUSや初期SONATA ARCTICAなどの面影がたっぷり。
軟弱なハイトーンも含めて、ヘヴィさの欠如はPower Questあたりを思い出すし、
疾走しつつもどこかマイナー臭い煮え切らなさがある点も、あるいはマニア好みかもしれない。
逆に言うと、初期GALNERYUSAZRAELなど日本のクサメタル風味を感じるのもポイントか。
新鮮味はなにもないが、美麗なシンセワークや疾走メロスピが好きなら気に入るだろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Rein Xeed「Higher」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの2nd。2009年作
きらきらとしたシンセと軟弱なヴォーカルで疾走する、ネオクラ色もあるメロスピは
相変わらずそれなりに質が高く、期待に違わぬ定型のサウンド。
甘すぎて恥ずかしくなるくらいの甘い雰囲気と、リズム面での意外性のなさから
さして好きになれないのだが、この手のきらびやかなメロスピが好きならば楽しめるのだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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ReinXeed「Majestic」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの3rd。2010年作
きらきらでネオクラに疾走という、その筋のファンにとっては理想的なスタイルともいうべきこのバンド、
本作も、きらびやかなシンセワークと甘いヴォーカルメロディを乗せて疾走するメロスピを聴かせる。
まあ、嫌いではないんだが、この手はもう飽きてきましたねえ、というのが正直なところ。
メロディや曲調に個性がないので、みんな同じに聴こえるのだな。熱心なメロスパーだけどうぞ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ReinXeed「1912」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの4th。2011年作
いまやロマン派軟弱系メロスピの筆頭ともいうべきこのバンド、
本作は沈没した客船タイタニック号をテーマにしたコンセプト作で、
美麗なイントロに続き、いつも通りのシンフォニックなサウンドが炸裂。
初期のSONATA ARCTICA的なきらびやかで軽快な疾走感に加え、
ソロパートなどはDRAGONFORCE風味も感じさせ、ファンはにんまりだろう。
個人的にはメロディ、楽曲ともに新鮮味がなく、1度聴けばもう充分ですという感じだが。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ReinXeedWelcome to the Theater」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの5th。2012年作
前作までは甘メロで疾走するロマンチックな軟弱系のメロスピで、正直もう食傷ぎみだったのだが、
本作では、コンセプトアルバム風の作りで、キャッチーな要素を前に出した好作となった。
美麗なシンセアレンジとメロディックなギターにPower Questばりの歌メロで聴かせる耳心地の良さで、
きらびやかなメロハー的にも楽しめる。SONATA ARCTICAでいうと、「UNIA」のようなアルバムだろうか。
疾走は控えめながら楽曲自体の質は一番いい。ようやく聴けるバンドになってきたので、次作が楽しみだ。
メロディック度・・8 きらびやか度・・8 疾走度・・7 総合・・8
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RENACER
アルゼンチンのメロディックメタルバンド、レナサーの1st。2002年作
IMPERIOのVoを中心に結成されたバンド。スペイン語ばりばりの歌唱が特徴的。
曲自体には意外な部分はなく、むしろオーソドックスなメタルサウンドで、
演奏、歌唱ともなかなか力強く、全体的にクオリティはかなり高いと思う。
「虹と紫の子供」と称されたRATA BLANCAよりは、もう少しメロパワ寄りで
スペイン語が大丈夫なら最近の若いメロパワファンにもとっつきやすいと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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RENACER「SENDEROS DEL ALMA」
アルゼンチンのメロディックメタルバンド、レナサーの2nd。2004年作
IMPERIOのVoを中心に結成されたバンド。しっかりとした演奏力とともに
力量あるヴォーカルのスペイン語の歌唱もメロディックな楽曲にマッチしている。
全体的にイモ臭さはなく、クオリティは高いので、スパニッシュ系初心者でも聴けるだろう。
とくにB、Gあたりのキャッチーなサビメロはメロスピファンにはたまらないだろう。
シンフォニックなキーボードもなかなか美しく、情熱的なメロディックメタルである。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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RENACER 「Hijo Del Viento」
アルゼンチンのメロディックメタル、レナサーの2009年作
IMPERIOのVoを中心に結成されたバンドで本作が4作目となる。
スペイン語のパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する正統派のメロパワサウンド。
これといった新鮮さはないが、キャリアのあるバンドらしいどっしりとした聴き心地で、
随所にメロディックなギタープレイも覗かせつつ、疾走曲からミドルテンポのナンバーまで、
勢いのある演奏と適度にスパニッシュな哀愁を含んだクサメロ感も漂わせている。
全体的にもB級というレベルは軽く超えており、バンドの最高傑作と言える内容だろう。
メロディック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Renegade 「Thunder Knows No Mercy」
イタリアのメタルバンド、レネゲードの2014年作
バンド名からもジャケからも、古き良き正統派メタル臭がぷんぷんだが、サウンドも期待通り。
オールドスタイルのギターリフにハイトーンヴォーカルで聴かせる、どっしりとした聴き心地で、
Judas Priestをマイナー臭くしたような英国メタル風のウェットな雰囲気がなかなかよいですな。
適度に疾走感のある楽曲や、うっすらとしたシンセの味付けもあったりと、飽きさせないアレンジセンスも見事。
古臭いだけでないパワフルな演奏とともに正統的なメタル愛が感じられる好作です。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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REQUIEM「THE ARRIVAL」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、レクイエムの1st。2002作
大仰なコーラスやKEYアレンジはRHAPSODYを手本に、疾走メタルパートはストヴァリ、ソナタ風味と、
そこそこのクオリティはあるものの、彼らなりの独自のものがメロディ、アレンジ、世界観ともに見られない。
また、鼻につく声質のVoも大きなマイナス要素で、華やかな音像の割には胸を打つ部分が少ない。
ジャケのマンガ調のCGもどうかと思う。疾走シンフォメタルマニア向けの作品。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・7 楽曲・・6 総合・・7

REQUIEM「MASK OF DAMNATION」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、レクイエムの2nd。2003作
きらきらとしたシンフォメタル音像に、やや軟弱系のVoというのは1stから相変わらず。
演奏や録音の質は上がっていると思うが、雰囲気的にどうも力が入りすぎというか、
プログレッシブな曲展開をやろうとしているのは分かるが、曲がバタバタとして落ち着かない印象。
ギターのメロもいいし全体として悪くはないのだが、音の「濃さ」に比して爽快感が薄い気がする。
も少しすっきりさせてくれ(笑)ちなみにKeyはSONATA ARCTICAと掛け持ちしているらしい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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REQUIEM「Requiem Forever」
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、レクイエムの3rd。2005年作
過去2作はいまひとつ微妙な出来だったのだが、本作もきらびやかなシンセとともに
プログレ的なアレンジを取り入れつつ、キャッチーなメロディで聴かせるサウンドになっていて、
疾走感よりも正統派メタルをモダン化したという雰囲気は、同郷のTwilightningなどにも近づいた感じもする。
楽曲ごとのインパクトや魅力という点では物足りなさはあるが、随所に北欧らしいクサメロも入ってきて、
シンフォニックかつ知的な聴き心地は悪くない。全体のクオリティ的にもなかなかの好作といってよい。
メロディック度・・8 きらびやか度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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REVERENCE 「Gods of War」
アメリカのメタルバンド、レヴェレンスの2015年作
RIOTのトッド・マイケル・ホールがシンガーを務めるバンドで、本作は2作目となる。ツインギターのリフに
パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、正統派のヘヴィメタルを聴かせる。楽曲は3〜4分前後が主体で
JUDAS PRIEST風のどっしりとしたミドルテンポから、適度な疾走感のあるナンバー、RIOTにも通じるような
キャッチーなナンバーなども良い感じで、トッドの伸びやかなヴォーカルもサウンドによくマッチしている。
全体的に新鮮味はさしてないが、硬派で王道のメロパワという雰囲気で楽しめる強力作だ。
メロディック度・7 疾走度・6 正統派度・8 総合・8
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Revolution Renaissance「New Era」
STRATOVARIUSのティモ・トルキによるレヴォリューション・ルネッサンスの2008作
ストヴァリの最終作となったアルバムは個人的にもピンと来なかったし、
そこにはもうかつての輝きは感じられなかった。ティモ・トルキが新バンドとして立ち上げた
本作には、ヴォーカリストにEDGUYのトビ・アスサメット、そして元HELLOWEEN
マイケル・キスクを起用しているのが大きな話題だろう。肝心のサウンドの方は、
かつてのアルバム「Fouth Dimention」の“Against The Wind”を思わせる1曲目で始まり
往年のストヴァリに近い感触で聴かせてくれる。反面、メロディにはこれといった新鮮さがなく、
昔の曲の焼き直し感が強いのだが、それでもキスクの歌うバラードの4曲目などはぐっとくるし、
ティモ・トルキの原点回帰への意欲を買える内容ではある。これを次作へつなげていって欲しい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Revolution Renaissance「Age of Aquarius」
STRATOVARIUSのティモ・トルキ率いる、レヴォリューション・ルネッサンスの2nd。2009作
前作はよくも悪くもティモのソロに近い作品で、過去のストラトの焼き直し的な作風であったが、
本作では新たなメンバーを集めてのバンド体勢のアルバムとなった。オーケストレーションなどを含んだ楽曲は
メタルというにはやや激しさは足りないが、その端々にティモの音楽へのフレッシュな情熱が感じられる。
いくぶんモダンなヘヴィさと薄暗い叙情とともに、そのメロディにほのかにSTRATOVARIUSの香りも感じられるが、
もっと普遍的なハードロック、もっというと内向的で繊細なメロディックロックというべきものである。
メタル、ストラトうんぬんではなく、ティモ・トルキという一人のミュージシャンを感じさせる内容だ。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 ティモ・トルキ度・・9 総合・・7.5
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Revolution Renaissance「Trinity」
STRATOVARIUSのティモ・トルキ率いるレヴォリューション・ルネッサンスの2010年作
バンド編成となっての2作目で、前作から1年という短さで発表された本作は、RRとしてのラスト作となってしまった。
そのサウンドは、メンバーの代わったSTRATOVARIUSというべきもので、普遍的なハードロック、北欧メタルの質感と
ティモ・トルキという人間の音楽的センス、その根幹ともいうべきスタイルに立ち返ったような、とても素直な作風だ。
正直、今の時代においてはいくぶんの古めかしさも感じられるし、おそらくはそれが経済的な面でもバンドを維持するのが
難しくなったのだろうが、かつてのストラト、ティモ・トルキの音楽を聴き続けてきた人間にとっては充分に楽しめる内容。
派手に疾走する曲は少ないものの、10分を超えるタイトル曲は壮大にしてダイナミックな入魂の出来だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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REXOR 「Powered Heart」
ブラジルのメタルバンド、レクソールの2014年作
エピックメタル風のジャケに惹かれるが、実際はオールドなギターリフにダーティなヴォーカルを乗せて疾走する、
しごく正統派のメロパワサウンド。演奏にしろメロディのフックにしろ、突き抜けきらないところは、いかにも80年代の
B級メタルのテイストを感じさせ、マイナーなドグサレメタルマニアにはある意味たまらないかもしれない。
とにかく一本調子なギターにはセンスも感じないし、ガナり立てるヴォーカルにも魅力は感じない。
オールドなメタルをやっているという以外に、なにか個性があればいいのだが。いやだからドグサレなのか。
ドラマティック度・・6 正統派度・・8 楽曲・・6 総合・・6
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REXORIA 「Queen of Light」
スウェーデンのメタルバンド、レクソリアの2018年作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、古き良き感触のハードロックサウンド。
ギターのフレーズにはウェットな叙情性も感じさせ、うっすらとしたシンセアレンジとともに、
80年代の北欧メタルのような涼やかな空気感に包まれている。紅一点、Frida嬢の歌声は、
パワフル過ぎない艶めいた美しさで、この王道のHR/HMサウンドにじつによくマッチしている。
ジャケのイメージのように、いくぶんの魔女感も漂わせつつ、楽曲はあくまでキャッチーな聴き心地。
オールドな女性声メタルとしてはもちろん、湿り気のある北欧メロハーとしても楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 古き良きHR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Rexoria 「ICE BREAKER」
スウェーデンの女性声メタル、レクソリアの2019年作
王道のギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、正統派のメタルサウンドで、
80〜90年代を思わせるオールドスタイルの北欧メタルを聴かせる。前作に比べて音がパワフルになり、
シンセを加えたシンフォニックな質感とともに、スタイリッシュなメロパワ感が増している。
一方では、ゆったりとした叙情を描くスローナンバーでは、Frida嬢の伸びやかな歌声が魅力的で、
女性的な繊細さを随所に感じさせる。Sister Sinあたりに比べると、よりヨーロピアンな叙情性と
メロディックな感触が前に出ているので日本人好みの作風だろう。姐御系メタルの期待の新鋭ですな。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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RHAPSODY「Legendary Tales」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディーの1st。1997年作
とにかく、このアルバムを最初に聴いたときの衝撃は、ただ事ではなかった。
それまでのメタルの概念を覆すかのような、壮麗きわまりない大仰さ、壮大にしてファンタジックな世界観、
そして思わず拳を握り締めるエピックな力強さ。すべてにおいて、今で言うところのシンフォニックメタルの元祖的な存在であり、
メタルを映画的で壮大な作品へと仕立て上げ、それを完璧に成功させた1枚だ。
美しいシンセにクラシカルなオーケストレーション、大仰なコーラスワークはもとより、ヴォーカルであるファビオ・リオーネの力量や、
楽曲における緩急とメリハリ、常にメロディがあふれ出す濃密なアレンジに、すべてのメタルファンはしびれたのだ。
ここから始まるエメラルドサーガの四部作、そしてシンフォニックメタル誕生の瞬間がここにある。
シンフォニック度・・9 疾走度・・7 ファンタジック度・・10 総合・・9
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RHAPSODY「Symphony of Enchanted Lands」
ラプソディーの2nd。1998年作
デビュー作において圧倒的なシンフォニックメタルを見せつけた彼らだが、あれは序章にすぎなかった。
エメラルドサーガ四部作のストーリーとともに、繰り広げられるファンタジック絵巻はこれからが本番。
壮麗なイントロから幕を開け、エピックな力強さで疾走する“Emerald Sword”は、拳握るクワイアとともに、
まさしくシンフォニックメタルのアンセムというべき名曲。オーケストレイテッドな華麗さと、勇壮な盛り上がり、
一方ではトラッド的な繊細な牧歌性もあって、起伏に富んだ楽曲アレンジは前作以上の濃密さだ。
ラストの13分を超えるタイトル曲は、まるで映画のような語りから、これからの物語を暗示するように、
美しくももの悲しい叙情を含んで、ストリングスやフルートの音色も響かせながら、壮大なエンディングを迎える。
シンフォニック度・・9 壮大度・・10 ファンタジック度・・10 総合・・9
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RHAPSODY「Dawn of Victory」
ラプソディの3rd。2000作
エメラルドサーガも3作目に入り、物語はいよいよ佳境に突入。
いつものように壮麗なイントロから、激しいギターリフとともにシンフォニックメタルが炸裂。
ファビオ・リオーネの歌声と勇壮なコーラスで、いかにも戦いの場面を想像させるサウンドだ。
随所に美しいストリングスアレンジを加えながら、もはやラプソ節ともいうべき盛り上がりでのクワイアと
キャッチーなメロディをエピックな力強さに変換させる楽曲は見事という他はない。
前作の映画的なシンフォニック路線に比べ、パワフルな曲調が増しているので、
個人的にはいくぶん食い足りなさもあるのだが、それも贅沢な感想というものだろう。
激しくたたみかける“Holy Thunderforce”、“The Last Unicorn”こそ本作のハイライト。
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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RHAPSODY「RAIN OF A THOUSAND FLAMES」
イタリアンシンフォニックメタルバンド、ラプソディーの4th。2001年作
今回は物語四部作の最終章の前編。といっても42分、うち10分台の曲が2曲と聴きごたえ十分。
もはやシンフォニックメタルの代名詞である彼らの曲の密度、アレンジクオリティは保証済み。
壮大なオーケストラ、勇壮なコーラス、美しいピアノ、そして疾走メタル曲、と質の高さを見せつける。
次作「POWER OF THE DRAGONFLAME」においてエメラルドサーガを完結させ、来日を果たすことになる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 楽曲度・・7 総合・・8
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RHAPSODY「POWER OF THE DRAGONFLAME」
イタリアンシンフォニックメタルバンド、ラプソディの5th。エメラルドサーガ四部作の完結編である。
前作の「RAIN OF A THOUSAND FLAMES」はつなぎ的作品ということでアレンジには
やや強引で荒い部分があったが、今作は物語の最終章ということもあり気合の入り方が違う。
繰り出されるメタル的パワーに壮大なクワイアをかぶせる手法はここに来てさらに円熟を極め、
MANOWARをさえ思わせる強烈な男のガッツメタルでありながらも、アレンジは実に細やかで
奥深く、かつクラシカルなもので、楽曲のスケール、シンフォニックさを見事に増幅させている。
また2ndの頃にあったトラッド的メロディを再び取り入れているのが個人的には嬉しい。
静と動展開のメリハリとオーケストラやコーラス、さらにフルートなどのトラッド要素により
ファンタジー世界の構築を強化させながらも、疾走感は過去最高といっていいものに仕上がっている。
この密度、ファンタジーメタルとしての強度は全世界で無二のものといってよい。
シンフォニック度・・10 壮大度・・10 メタルパワー度・・9 総合・・9◆メタル名盤特選入り
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RHAPSODY「ETERNAL GLORY」
イタリアン・シンフォニックメタルバンド、ラプソディの初期デモ音源集。1995作
今やイタリアのみならず世界のシンフォメタルの頂点に君臨するこのバンドのデモ音源がCD化された。
バンドとしてはデビュー前ということで、Voもファビオでなくクリスティアーノなる人物が歌っている。
曲は1st〜2ndあたりに収録されている曲がメインで、録音や機材それにアレンジなども
やはり正規盤に比べゴージャスさはないが、ファンであればこの原曲を聴いて充分楽しめる。
歌メロやアレンジの違いなどを聴いていると、いかにアルバムに収録されているものが
ここからさらに無駄をそぎ落とし、効果的なシンフォニック性を付加した手間ひまのかけられたものであったかが
再認識できる。また、日本盤ミニアルバムのみに収録されていた「LAND OF IMMORTAL」「RAGE OF WINTER」の
新アレンジバージョン他2曲入っていて、それだけでもお買い得なアルバムである。
楽曲密度・・7 デモ価値度・・9 ファンなら買い度・・10 総合・・8

RHAPSODY「TALES FROM THE EMERALD SWORD SAGA」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディのベスト。2004作
1st「LEGENDARY TALES」の衝撃から早8年、今やイタリアのみならず、シンフォニック・エピックメタルとして世界のトップに君臨するこのバンド。
このベストには、エメラルドサーガ四部作の5枚のアルバムからの楽曲に、シングルにのみ収録されていたリニューアルバージョンなど全16曲を収録。
この一枚でサーガの全貌が体験出来、彼らの代表曲を全て楽しめる。こうして改めて聴くにつけ、その華麗な音像、ファンタジックで壮大なモチーフ、
過剰なまでの劇的さ、そしてクラシカルさ、トラッド要素も取り込んだサウンドは、まるで一大叙事詩のように大仰で、“ハリウッドメタル”と呼ばれるほどに
後のバンドやリスナーに多大なインパクトと影響を与えたわけだ。すでにアルバムを持っている人にはとくに必要ないかもしれないが、
リアレンジ曲を聴きたいファンや、これからラプソディを聴くという初心者に。
シンフォニック度・・9 エピック度・・10 濃いです、濃すぎます度・・10 総合・・8
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RHAPSODY「THE DARK SECRET」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディのミニアルバム。2004作
アルバム5枚にもおよぶエメラルドサーガの物語を壮麗に完結させた彼らの新作ミニ。
1曲目の「UNHOLY WARERY」は新作アルバムからの先行カットだろう、壮大なオーケストレーションとコーラスが美しい
ラプソ節全開の曲。さすがにアレンジやメロディ等での新鮮味はもう感じないが、これまで積み上げてきたシンフォニックメタルとしての
方法論は磐石で、大仰な盛り上がりは否が応にも聴き手の高揚感を誘わずにおかない。
興味深いのは10分を超える大曲の「SACRED POWER OF RAGING WINDS」で
突進するシンフォメタルで始まり、途中にナレーションパートや壮大なオーケストレイション、
フルート、アコギなどによるトラッド色も混ぜこんだ長大な組曲になっており、まるで映画のようなドラマ性を堪能できる。
限定盤はDVD付きで、「UNHOLY WARERY」のPVや、メイキング等が見られる。
シンフォニック度・・9 大仰度・・9 新鮮度・・7 総合・・8

RHAPSODY「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS U-THE DARK SECRET-
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディの5th。2004作
エメラルドサーガを4+1枚のアルバムで完結させた彼らの待望のアルバム。
次はどんな方向で行くのか、と思っていたら…タイトル通り方向性は全く変わらず、
拍子抜けするくらいにいつものラプソ節炸裂。50名のコーラス隊にフルオーケストラと、
そのサウンド作りはさらに大がかりになり、説得力を増したファビオの歌唱に加え、
有名俳優を配したナレーションやSEなど、今回は随所にそうした映画的な作りが見られる。
楽曲にも物語にそって緩急が多くつけられ、そうしたサントラ的要素も含め
73分という長尺…ある種プログレ的タイム感の…作品になっている。
すでに先行ミニを聴いていたので、音としては新鮮な感動はさほどなかったが、
大仰かつシンフォニックなサウンドで、ファンタジー世界を描く手法はさらなる熟練の境地に達している。
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 新鮮度・・7 総合・・8.5
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RHAPSODYLive in Canada 2005
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディのライブアルバム。2006作
2005年、カナダはモントリオールでのライブ録音。MCもフランス語。
さすがに演奏も安定していて、元はオーケストレイション入りの楽曲も迫力を失うことなく
ライブ用のキーボードアレンジで聴かせてくれる。カナダの観客も盛り上がっている様子だ。
ただ、やはりこのバンドの場合、アルバムにおけるストーリーの流れとともに聴くのが良いので
新旧の代表曲をこうしたライブで聴かせるよりは、いわゆるアルバム完全再現の方が盛り上がるのではなかろうか。
デビューから早9年、いまだ彼らがシンフォニック・エピックメタルの頂点にいるのは間違いないが、
個人的にもラプソ熱が下がってきた頃のライブ盤ということで、なかなか冷静に聴けた。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ジャケが地味すぎ度・・9 総合・・7.5
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RHAPSODY OF FIRETriumph Or Agony
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディ・オブ・ファイアの2006年作
版権の問題からバンド名をマイナーチェンジし、心機一転となったのか、
巷ではメタル度が減ったと賛否両論のようだが、なんのことはない前作の延長として聴ける作品だ。
確かにメタリックに突進する部分は減り、前作にあったサントラ風の要素が強くなっているが、
勇壮なコーラスとオーケストレイションをここまでメタルサウンドと融合させた、ルカ・トゥリッリの作曲手腕はまさに円熟の域。
曲調やメロディの使い方などにマンネリズムはを感じる部分もあるものの、クオリティは相変わらず高く、
トラッド的なマイルドな楽曲も自然に溶け込んでいる。映画的に場面を聴かせる、まさにドラマティックなシンフォニック作品だ
シンフォニック度・・9 疾走度・・6 壮大度・・8 総合・・8.5
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Rhapsody of Fire「Frozen Tears Of Angels」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディ・オブ・ファイアの2010作
オーケストレーションをふんだんに使った前作、はこれまで以上にサントラ風の作風から、賛否両論の作品だったようだが、
個人的にはこのバンドの映画的な壮大さが出ていて、なかなか気に入っている。その前作から4年ぶりとなる本作は、
“DARK SECRET SAGA”の第三部となる。クリストファー・リーの語りの入ったイントロから、いつも通り壮麗に幕を開け、
久しぶりにギターで聴かせる激しさのある楽曲は、初期の4部作の雰囲気にも近いか。
ファビオ・リオーネの伸びやかな歌声と、シンフォニックなオーケストレーションを乗せて
ツーバス連打で疾走するのはまさにラプソ節である。ただし壮大なスケール感という点では
血湧き肉躍るような興奮はあまり感じられず、これまでになくネオクラシカルなギターが入って疾走感もあり、
ファンには充分楽しめるだろうが、もはや新鮮味は薄いか。綺麗にまとまった力作というのが妥当なところ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・7 総合・・8
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Rhapsody Of Fire「The Cold Embrace of Fear」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディー・オブ・ファイアの2010年作
7つのパートに分かれた35分におよぶ、壮大なまるで映画のような作品で、
セリフ入りのSEからして、冒険の旅を想起させるような情景が目の前に広がってゆく。
楽曲は変拍子を取り入れるなどいつになくプログレッシブなテイストやアコースティカルな牧歌性なども含めて、
メタル度を抑えたドラマティックもので従来のエピックなシンフォニックメタルを想像するとやや肩すかしだろう。
もちろん彼ららしい壮大なコーラスやシンフォニックな感触は残っていて、美麗なシネマティック性とともに
むしろプログレや、シンフォニックロックのリスナーにもアピールする内容となっている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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RHAPSODY of FIRE「From Chaos to Eternity
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディー・オブ・ファイアの2011年作
本作は2004年の「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS U」から続いてきた
“THE DARK SECRET SAGA”の完結編。前作ミニでの映画的な作りが賛否両論あったようだが、
今回は物語のラストを飾るべく、ドラマティックにたたみかけるシンフォニックメタル作品となっている。
壮麗でオペラティックなイントロから始まり、クラシカルなギターフレーズを随所に効かせつつ
ファビオ・リオーネの歌声と勇壮なコーラスを重ねて、エピックな壮大さを存分に発揮している。
静と動のメリハリをつけたプログレッシブなアレンジも健在で、これまでの作品における表現手法を
すべて使いながら、ファンを楽しませるべく綺麗なまとめたという印象だ。ラストの19分を超える組曲も圧巻。
エメラルドサーガ四部作の頃のような圧倒的なパワーは感じないが、安心二重丸の力作である。
シンフォニック度・・8 エピック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Rhapsody Of Fire「Live - From Chaos To Eternity」
イタリアのシンフォニックメタル、ラプソディ・オブ・ファイアのライブアルバム。2013年作
2012年のヨーロッパツアーのステージをCD2枚に収録。ルカのラプソと分裂後初の音源となるライブで、
壮麗なイントロから、エピックでファンタジックな空気を盛り上げる。随所に流麗なギタープレイや
きらびやかなシンセワークを盛り込みつつ、そこにファビオ・リオーネの豊かな歌声と
勇壮なコーラスが合わさって、まさにラプソ節というべきシンフォニックメタルが繰り広げられる。
Disc2では、“Dawn of Victory”“Holy Thunderforce”そして“Emerald Sword”と初期の曲で盛り上がる。
バンドとしてのキャリアが音の説得力を生み出していて、ファンならばお腹いっぱい楽しめるライブ作品。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 濃密度・・8 総合・・8

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RHAPSODY OF FIRE 「Dark Wings of Steel」
イタリアのシンフォニックメタル、ラプソディー・オブ・ファイアの2013年作
ルカのラプソとの分裂後の初のアルバムであるが、これまで通りの荘厳でシンフォニックなイントロから、
オーケストラルなアレンジと壮麗なクワイアを含んだサウンドで、ファビオ・リオーネのヴォーカルが乗れば、
それはもう変わらぬラプソディの世界である。新鮮味がどうとか、前にも聴いたようなメロディだとか、
野暮なことを言わなければ、今作も普通に楽しめるし、ファンなら安心して浸れるクオリティの高さである。
正直、オケアレンジを抜かせば中庸に思える曲もけっこうあるのだが、ファビオの説得力ある歌声と
壮大なコーラスなどがサウンドを強固に彩っていて、なんだかんだで聴けてしまうのですな。
ルカラプソのシネマ性とは違った、分かりやすい正統派シンフォメタルということでよいじゃないですか。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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RHAPSODY OF FIRE 「Into The Legend」
イタリアのシンフォニックメタル、ラプソディー・オブ・ファイアの2016年作
前作は、明快なシンフォニックメタル路線の好作であったが、ルカ・トゥリッリ脱退後の2作目となる本作は、
新たな物語の幕開けを思わせるような壮麗なイントロからして、かつてのエメラルドサーガを思わせる。
クワイアを含んだシンフォニックなアレンジに、ファビオ・リオーネの伸びやかな歌声乗せた、
このバンドならではの大仰にしてファンタジックなサウンドは健在で、エピックかつ勇壮なメロディと
ドラマティックな展開力とスケール感は、むしろ初期の作風に回帰したような聴き心地である。
随所にクサメロ的なフレーズを奏でるギターワークや、フルートやパイプなどのケルティック/トラッド調の味わいも
叙情的なアクセントになっている。16分を超える大曲ではシネマティック・メタルの本領を発揮。
ときに女性ソプラノヴォーカルも加わって、緩急ある構成力で壮大な物語を描くように鑑賞できる。まさに強力作!
シンフォニック度・・9 ファンタジック度・・9 壮麗度・・9 総合・・8.5
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Rhapsody of Fire「Eighth Mountain」
イタリアのシンフォニックメタル、ラプソディ・オブ・ファイアの2019年作
長年フロントを務めたファビオ・リオーネが脱退し、新たにヴォーカルにジャコモ・ヴォーリを迎えての作品。
華麗なキーボードに流麗なギターを重ね、そこそこ伸びやかなハイトーンヴォーカルに随所に壮麗なクワイアも加えて、
適度な疾走感を含んだ、エピックなシンフォニックメタルを聴かせる。従来のようにコンセプト的な雰囲気はあるものの、
シネマティックなスケール感はやや薄まり、新Voには前任のファビオに比べるとオペラティックな感じもないので、
いくぶんあっさりというか、濃密すぎないところが逆に良いというファンもいるかも。楽曲自体は初期の頃のような、
わりとストレートなファンタジックメタルなのだが、なにかが物足りない。どこかで聴いたような高品質なサウンドで、
新鮮味のなさに加えて、世界観の強度の足りなさというか、サウンドからストーリーのイメージがいまひとつ伝わってこないのも残念。
シンフォニック度・・7 エピック度・・8 壮大度・・7 総合・・7.5 
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Rhapsody Of Fire「Glory For Salvation」
イタリアのシンフォニックメタル、ラプソディー・オブ・ファイアの2021年作
ヴォーカルがジャコモ・ヴォーリに替わっての2作目で、前作は正直、新鮮味のない中庸な出来であったが、
続編となる本作も、アレックス・スタロポリによる壮麗なシンセとオーケストレーションに包まれて幕を開ける。
伸びやかなハイトーンヴォーカルに荘厳なクワイヤが重なり、シネマティックなスケール感を描き出すサウンドは、
変わらぬラプソ節と言ってよい。ときに民族調の優雅さも含ませつつ、随所に疾走感も覗かせながら緩急ある流れで、
ファンタジックな世界観を構築してゆくという安定の内容ではある。三部作ということなので、次作が完結編となるのだろう。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 新鮮度・7 総合・8 
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RIDE THE SKY「NEW PROTECTION」
元HELLOWEEN〜MASTERPLANのウリ・カッシュを中心にした、ライド・ザ・スカイの1st。2007作
スウェーデンのTEARS OF ANGERのベニー&ビョルンのヤンソン兄弟に、XSAVIOR、DIONYSUSといった
バンドのメンバーも集結。サウンドの方は、バンド名から想像される初期HELLOWEENスタイル…
…ではなくて、モダンな質感のもっとオーセンティックなメロディックメタル、ハードロック。
ジャーマンというよりはどちらかというと北欧の雰囲気で、透明感のあるシンセワークや
ビョルン・ヤンソンの落ち着きのある大人の歌唱で、じっくり聴かせる作品だ。全体的にどっしりとした作風で、
疾走曲もあるにはあるが、若さに溢れた軽い音ではないので、三十路以上の腰の座ったメタルファン向けか。質はさすがに高いですな。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 どっしり度・・8 総合・・7.5
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RIMORTIS 「Peklo, co Rika si Svet」
チェコのメロディックメタル、リモルティスの2012年作
母国語の歌声とメロディックなギターを乗せて疾走する、正統派のメロスピサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジと随所にクサメロを含んだ感触もよろしく、
古き良き軽めのB級ジャーマン、あるいはB級シンフォメタル的にも楽しめる。
辺境的なマイナー臭さもよい味になっていて、マニアックなクサメタラーならチェックです。
メロディック度・・8 クサメロ度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5


RING OF FIRE「Burning Live in Tokyo 2002」
マーク・ボールズ率いるネオクラシカルメタルバンド、リング・オブ・ファイアのライブアルバム。
2002年の来日時のステージをCD2枚にわたって収録。トニー・マカパイン、ヴィタリ・クープリ、ヴァージル・ドナーティといった
そうそうたるメンバーによる演奏陣は、ライブ演奏においても素晴らしく、きらびやかなシンセワークと絡む
テクニカルなマカパインのギターに、ドナーティのパワフルなドラムが炸裂する。
楽曲はしごく正統派のメタルサウンドだが、一流の歌い手と演奏によって説得力は充分。
録音のレンジがやや狭いので、完璧な音質ではないが、ファンなら聴いて損はない。
メロディアス度・・7 ネオクラ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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RING OF FIRE「Lapse of Reality」
マーク・ボールズ率いるネオクラシカルメタルバンド、リング・オブ・ファイアの4th。2004作
脱退したヴィターリ・クープリに代わり、ジャズ畑のスティーブ・ウェインガートが加入、
これまでのスピーディなネオクラ路線よりもぐっと落ち着いたメロディックな作風となった。
そうはいってもトニー・マカパインのギターワークは細部に至るまで見事だし、
ヴァージル・ドナーティのドラムにしても、まとめられた曲の中でその素晴らしきセンスを
遺憾なく発揮している。つまりは、より大人のメタルサウンドへとシフトしているのだ。
これまでにないたおやかなピアノタッチのシンセワークなど、叙情的な部分が増し
むしろメロディアスハード的にも楽しむことができるようになって、個人的には気に入った。
ファンの望むネオクラ色はやや薄まったが、テクニカルメタルとしての聴きどころは満載。
メロディアス度・・8 ネオクラ度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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RIOT「Thundersteel」
アメリカのメロディックメタルバンド、ライオットの1988年作
初期のRIOTのHRサウンドから入った人々は、パワーメタル化したこのアルバムには仰天したことだろう。
しかしながら、自分も含めて多くのメタルリスナーにとってはライオットといえば、このアルバムからであり、
ともかくもタイトル曲である“Thundersteel”の格好良さにはしびれずにいられなかったはず。
絶品のツインギターで疾走しつつ、トニー・ムーアの超絶なハイトーンが歌い上げるこの曲は
疾走メタル史上に残る名曲であるし、RIOTといえばまず思い浮かべるのがこの曲だろう。
初期の名曲“Warrior”の続編ともいうべき“Flight of the Warrior”や、哀愁漂う“Johny's Back”など、
日本人好みのメロディックな叙情と勢いが合致した、新しいRIOTの誕生を告げた傑作アルバムだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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RIOT「The Privilege of Power」
ライオットの1990年作
名作「Thundersteel」に続くアルバムであるが、内容的には同等の完成度。
ジャケのイメージのように、リアルな現実における世界情勢などをコンセプトに
よりシリアスなサウンドを聴かせる。SEを多用して聴き手に想像力を喚起させつつ、
楽曲は複雑なインストパートを聴かせる。とくに名手ボビー・ジャーゾンベクのドラムは縦横無尽にそのテクニックを見せつけ、
まさにバンドの屋台骨を支えている。またホーンセクションの大胆な導入も個性的なサウンドに彩りを与えている。
そして本作のハイライトは“Thundersteel”を超えるほどの疾走名曲“Storming the Gates of Hell”で、
トニー・ムーアのハイトーンヴォーカルににツインギターのドラマティックなソロが素晴らしい。
一聴しての分かりやすさは前作ほどではないが、濃密なライオットサウンドが楽しめるこれも傑作。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 シリアス度・・8 総合・・8
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RIOT「Nightbreaker」
ライオットの1993年作
新ヴォーカルにマイク・ディメオが加わり、サウンド的にはぐっと正統派に近づいた。
1曲目の“Soldier”、ツインギターのキャッチーなメロディの“Destiny”に続き、DEEP PURPLEの名曲“BURN”のカヴァーは、
オルガンパートをギターに差し替えた絶品のツインギター曲になっていて、間奏部の格好よさには軽く悶絶。
そしてハイライトとなる“Silent Scream”は、哀愁のメロディを乗せて疾走しつつ、サビでの絶品のメロディが
まさにRIOT節の名曲。Procol Harumの“青い影”のカヴァーはしっとりとした叙情が素晴らしい出来だ。
2曲のカヴァーも含めてメロディの充実という点ではバンドの代表作ともなりえる作品だと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 哀愁度・・9 総合・・8
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RIOT「The Brethren of the Long House」
アメリカのメロディックメタルバンド、ライオットの1995年作
「ラスト・オブ・モヒカン」の荘厳なテーマから幕をあける本作は、アメリカン・インディアンをテーマにした
ドラマティックな傑作だ。とことんツインギターにこだわったギターサウンドを乗せて疾走、
ボビー・ジャーゾンベクの巧みなドラムも見事で、渋みの効いたマイク・ディメオの歌声も
このサウンドのイメージに似合っている。プロダクションが薄っぺらいのが残念だが
ラストの“The Last of Mohicans”のカヴァーまで、ドラマティックなRIOTサウンドに浸れる力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ツインリー度・・9 総合・・8
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RIOT「Inishmore」
ライオットの1997年作
ジャケットのイメージからしてこれまでの作品とは違うが、本作はアイリッシュな感性を前に出した好作。
1曲目のインスト曲“Dark Water”は、ゲイリー・ムーアばりのアイリッシュなメロディと叙情が素晴らしい。
続く疾走曲“Angel Eyes”への流れはまさにライオットであるし、ツインリードをこれでもかと聴かせる
ソロパートには思わずにんまりだ。その後も彼ららしいメロディの佳曲が揃っているのだが、
全体的なインパクトはやや弱いか。これだという曲がもう1、2曲あれば、傑作といえただろう。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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RIOT「Shine On」
アメリカのベテランバンド、ライオットのライブアルバム。
1998年の日本ツアーのステージを収録した全17曲のライブ作。ここにRIOTの魅力が詰まっている。
イントロの“Black Water”のケルティックな雰囲気から、続く“Angel Eyes”のツインリードには
やはりこのバンドならではのメタルへの美意識が感じられ、思わずにんまり。
ライブでのパフォーマンスに賛否があったマイク・ディメオのヴォーカルもなかなか頑張っており、
“Thundersteel”あたりはかつてのトニー・ムーアの超絶ハイトーンに比べると聴き劣りするが、
ボビー・ジャーゾンベクの強烈なドラミングをはじめ、バックの演奏陣の見事な演奏が
それを充分カヴァーしている。ラストの“Warrior”まで、とても聴き所の多いライブ作品です。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ツインリー度・・8 総合・・8
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RIOT「SONS of SOCIETY」
アメリカのベテランバンド、ライオットの1999年作
メンバーチェンジやマネージメントなどの不遇を乗り越えながら、「Night Breaker」
「The Brethren of the Long House」「Inishmore」と好アルバムを作り続けているこのバンド、
本作は、ヨーロッパ進出のきっかけとなるべきアルバムであったらしいが、成功とまではいかなかったようだ。
このジャケのイメージと実際のサウンドとに開きが大きかったためかもしれない。
自分も最初に聴いたときは正直、ぱっとしない音の印象にガッカリしたものだが、改めて聴いてみると、
メタルというよりはむしろハードロックとしての味わいが増した作品だと思えるようになった。
年輪を重ねていよいよ渋さを身につけたマーク・リアリのギターワークに、哀愁のメロディライン、
マイク・ディメオの歌声もむしろ疾走系よりも、こういうロック曲の方が似合っているように思える。
今作かぎりでHALFORD参加のため脱退するボビー・ジャーゾンベクの素晴らしいドラムプレイは、
サウンドプロデュースの安っぽさも手伝ってか、いまひとつ迫力が感じられないのが惜しいのだが、
次作以降の渋みのあるハードロックサウンドへの架け橋的な好作と言えるだろう。
メロディアス度・・7 むしろロック度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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RIOT「THROUGH THE STORM」
アメリカのベテランバンド、ライオットの2002年作
日本以外ではあまり売れていないこのバンドが今後も存続してゆけるのか、
「THUNDERSTEEL」以来のファンからするといささか心配だったのだが、本作の音だけを聴くのならば、
今の時代からするとやや古めかしいまでのHR/HMサウンドでやはりこれでは若いファンにアピールするのは難しいかとも思う。
しかし、マーク・リアリの美学、頑固一徹なHMへのこだわりの精神はしっかりと息づいていて
年を経た今もなお枯れた味わいとともに、そのサウンドは輝くパワーを放っている。
もちろん哀愁のツインギターは健在で、曲によっては美しいキーボードもいい感じだし、
ボビー・ロンディネリのドラムもしっかりと大人の仕事をしている。地味だがいいアルバムだ。
メロディアス度・・7 古き良きHR/HM度・・9 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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RIOT「ARMY OF ONE」
アメリカのベテラン、ライオットの4年ぶりとなる2006年作
逆境にも負けず頑張っていっている彼らの、元気な便りがこうして届くことは個人的にもとても嬉しい。
前作も地味ながらも枯れた味わいを聴かせる好曲多数の良い作品だったが、今作もじつに良い。
まず、なんといってもメロディの充実ぶりが素晴らしく、「Thundersteel」のような疾走感はもうないが、
年季を経たハードロックバンドのみがかもしだせる、信念にも似た迷いなき強さが曲には感じられるし、
なんだかんだいっても、Fの間奏部の疾走ツインリードにはやはりシビれますな。
マイク・ディメオのVoの表現力もいつになく見事で、ライオットサウンドの骨太な要素に貢献している。
なんにしても、これだけのクオリティのアルバムを作れるのだから、彼らはまだまだ終わっていない。
不遇のメタルウォーリアー・ライオットに今こそ光を!時代に流されない本物のロックスピリットがここにある。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 ロックスピリット・・10 総合・・8
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RIOTImmortal Soul
アメリカのベテランバンド、ライオットの2011年作
2009年に「THUNDERSTEEL Reunion」ツアーで来日、トニー・ムーアにボビー・ジャーゾンベクという
かつてのメンバーで行われた感動のライブにて新曲を披露…それから2年、ついに待望の新作が完成した。
バンド名を冠した1曲めの“Riot”からして、ツインギターの流麗なフレーズとともに始まり、トニー・ムーアの
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、まさしく“Thundersteel”の続編ともいうべきナンバーで感慨もひとしお。
その後もRIOT節ともいうべきツインリードとともに、90年代初頭の雰囲気をぷんぷん漂わせつつ、
ファンの望むRIOTサウンドを聴かせてくれる。曲の雰囲気としては「Nightbreaker」あたりの作風にも近いだろうか。
それにしてもトニー・ムーアの衰えを知らない歌声は素晴らしい。苦難の歴史を通り越し輝きを放ち続ける彼らに幸あれ。
古き良きメタルが再評価される昨今、若いファンもこのアルバムでRIOTというバンドの素晴らしさを知ってもらいたい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 あの頃のRIOT度・・9 総合・・8
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RIOT V 「Unleash The Fire 」
アメリカのベテランバンド、ライオットVの2014年作
2009年に伝説のラインナップで奇跡の来日を果たすが、2012年にマーク・リアリは病でこの世を去ることになった。
本作はその故マーク・リアリに捧げるかのようなアルバムである。新たにヴォーカルにはトッド・マイケル・ホール、
ギターにはニック・リーが加入、ドラムにはフランク・ギルクライストが復帰。これまでのライオットの流れの上にある
ツインギターの魅力をたっぷり含んだ正統派のサウンドは、一聴してファンの誰もが納得する出来栄えだろう。
「Thundersteel」の頃からリアリとコンビを組んできたマイク・フリンツのギターも、今作では彼の生徒でもあったニック・リーとの
新たなコンビで生き生きとしたメロディを奏でており、Jack Starr's Burning Starrなどで活躍するトッドの歌声も、
楽曲にぴったりと合ったハイトーンで、これぞライオットという世界観を形作っている。オリジナルメンバーのいない今作に対して、
賛否両論はあるだろうが。純粋に曲のクオリティは高く、バンドへの敬意と、HR/HMへの愛情はしっかりと感じ取れる。
古き良き正統派の誇りとツインリードの魂…リアリの意志を受け継いで、再び輝け、孤高のウォーリアー!
メロディック度・・8 ライオット度・・8 楽曲・・8 総合・・8 
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RIOT V 「ARMOR OF LIGHT」
アメリカのメロディックメタル、ライオットVの2018年作
マーク・リアリが死去したのちの、新生RIOTとなっての2作目。ジャケのアザラシ男が少し笑えるが、
サウンドの方は、ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、いかにもオールドなヘヴィメタル。
トッド・マイケルホールの伸びやかな歌声にキャッチーなコーラス、ツインリードのメロディとともに
かつてのライオットを蘇らせたという王道の作風は、バンドのファンならにんまりだろう。
オールドな味わいのギターに比べてドラムの音が硬質なので、いくぶん違和感はあるが、
「Thundersteel」を思わせるような疾走ナンバーなども含め、曲のほうはそれなりに出来がよい。
一方では「ROITらしさ」に縛られたまま、この作風でどこまで続けられるのかという疑問もあるのだが。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ライオット度・・8 総合・・8 
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Riot V「Live in Japan 2018」
アメリカのメロディックメタル、ライオットVのライブ。2019年作
2018年の来日公演を2CDに収録。マーク・リアリ亡きあとは、RIOT V名義で活動を続けていて、
2作のスタジオアルバムを発表している。本ライブのDisc1は、新旧織り交ぜたナンバーのセットで、
「On Your Knees」〜「Metal Soldiers」という流れなどはオールドファンにはたまらないだろう。
軽めのドラムなど、音質的にはレンジが狭い感じもあるが、日本人好みのメロディックなツインギターに
トッド・マイケルホールの伸びやかなハイトーンヴォーカルで、往年のライオットを蘇らせるサウンドが楽しめる。
Disc2では、1988年作「Thundersteel」完全再現を披露。20年の時を経てかつての傑作が再現されるのは胸熱だ。
アンコールの「Road Racin'」、「Warrior」まで、2CDで全23曲という、ライオット祭りライブです。
ライブ演奏・・8 ライブ音質・・7 ライオット度・・8 総合・・8 
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Rising Steel 「Return Of The Warlord」
フランスのメタルバンド、ライジング・スティールの2016年作
王道のギターリフにダーティなヴォーカルを乗せた、正統派のメタルサウンドで、
Judas PriestACCEPTを合わせたような、いかにもオールドスタイルの聴き心地。
どっしりとしたミドルテンポを主体にした、これぞヘヴィメタルというスタイルであるが、
楽曲にメロディックなフックはさほどなく、ヴォーカルの声質も好みを分けるかもしれない。
ギターリフがありがち過ぎて新鮮味がないところも含め、単なる正統派という以上の魅力が欲しい。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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RISING STEEL 「Fight Them All」
フランスのパワーメタル、ライジング・スティールの2020年作
2016年にデビューし2作目となる、前作はジューダスやアクセプトなどを思わせるオールドな正統派であったが
今作はのっけからスラッシーなギターリフとともに疾走開始、いくぶんダーティなハイトーンヴォーカルとともに、
80〜90年代のオールドメタルの感触をたっぷりまぶした聴き心地だ。随所にツインギターによる叙情メロディとともに、
ほどよくキャッチーに疾走するメロパワナンバーもあって、前作以上に楽曲自体の魅力が増してきている。
リズムチェンジなどによる、ドラマテイックな展開も含め、決してヘヴィ過ぎない、激しすぎないというのも、
この手のトラディショナルメタルの王道といえるだろう。古き良き正統派メタルを受け継ぐ強力作だ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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RISK ZONE (Зона Риска) 「 ALEKSEYEVSKAYA PLOSHCHAD(Алексеевская Площадь)」
ロシアのメロディックメタル、リスク・ゾーンの2014年作
メタリックなギターにシンセを重ね、ロシア語によるヴォーカルを乗せた、ミドルテンポ主体のどっしりとしたメロパワサウンド。
疾走する激しさはほとんどなく、優美なシンセアレンジや、巻き舌ヴォーカルを含めた異国的な哀愁を感じさせ、
叙情的なギターの旋律とともに、ウェットなドラマ性を描いてゆくところは、同国のEPIDEMIAにも通じるだろう。
曲によってはデジタルなシンセアレンジなどのモダンな雰囲気も覗かせる。ボーナストラックでは、元IRON MAIDENのブレイズ・ベイリーが参加。
ドラマティック度・8 疾走度・5 叙情度・8 総合・7.5
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Rivendel Lords「Senda Del Destino」
スペインのメタルバンド、リヴェンデル・ローズの2003作
ツインギターにスペイン語の歌唱を乗せて疾走する正統派メロパワサウンド。
ヴォーカルの弱さや、ギターフレーズの煮え切らなさなど、一昔前のB級バンドの香りがぷんぷんと漂っているが、
サビでのクサい歌メロなどはほのぼのしていてなかなか微笑ましい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 スペイン度・・8 総合・・7
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ROB ROCKEyes of Eternity
アメリカのメタルシンガー、ロブ・ロックのソロアルバム。2003作
ロブ・ロックといえばインペリテリでの活躍が真っ先に思い浮かぶが、ロイ.Zのプロデュースによる本作は、
もっとストレートなメタルサウンドで、力強いヴォーカルを中心にしたメロディアスな楽曲が楽しめる。
古き良きHRにあったエモーショナルな高揚感を感じさせる、コプシを効かせたロブの歌声はやはり素晴らしい。
これという新鮮味はないが、優れたヴォーカリストによる正統派のHR作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ロブ・ロック度・・8 総合・・8
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ROB ROCK「Garden of Chaos」
IMPELLITTERIのシンガー、ロブ・ロックの2007年作
実力派メタルシンガーとして名を轟かせるロブ・ロックのソロ4作目。
本作でもロイ.Zとタッグを組み、古き良きヘヴィ・メタルを基盤にしつつ
よりヘヴィかつダークなサウンドになっている。ロイ.Zのギターはさすがの貫祿だし、
ロブの歌声もパワフルなのだが、個人的にはもっとドラマティックな曲調が欲しい。
HELLOWEENばりに疾走する8曲目とかはじつにいい感じであります。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ロブ・ロック度・・8 総合・・7.5
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Rosae Crucis 「Worms of the Earth」
イタリアのエピックメタル、ロージィ・クルーシスの2003年作
王道のギターリフとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、古き良きジャーマンメタルスタイルのサウンド。
MANOWARあたりを思わせる勇壮な世界観に、適度にB級臭さのただようパワフルすぎない演奏は、
マイナー系エピックメタルの典型というような聴き心地。クオリティは微妙慣れど、嫌いではないという。
歌、演奏、楽曲、すべてにおいて煮え切らないという、いわばB級メタルの醍醐味が味わいたい方へ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7
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Rosae Crucis 「Fede Potere Vendetta」
イタリアのエピックメタル、ロージィ・クルーシスの2010年作
ツインギターの5人編成で、ヴォーカルはムキムキでマッチョなお兄さんという、
見た目にもMANOWARちっくなバンドであるが、語りの入った大仰なイントロから始まり、
わりと軽めのドラムにツインギターを乗せた、適度にスカスカ感のある正統派のエピックメタル。
ハイトーンから中音域までこなすパワフルなヴォーカルはなかなかよい感じなのだが、
録音の迫力の足りなさや楽曲展開も含めたマイナーなB級臭さが、微笑ましい味わいとなっている。
これでツインギターのリフとフレーズがも少し噛み合ってくれば、勇壮な世界観の説得力も増すのだろうが、
「イタリアのマノウォー」…と呼ばれる日はまだ遠いかもしれない。決して嫌いではないのです。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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ROSS the BOSSNew Metal Leader
MANOWARの初代ギタリスト、ロス・ザ・ボスの2008年作
80年代風味で聴かせる正統派のヘヴィメタルで、やはり初期のMANOWARにあったハードロック色と
エピックな世界観の融合という感じで、その勇壮かつパワフルなサウンドはなかなか痛快である。
往年のJUDAS PRIESTあたりにも通じる雰囲気もあり、ドラマティックなメタルが存分に楽しめる。
ちなみに、ボス以外の演奏陣はドイツのIvory Knightのメンバーであるらしい。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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ROSS the BOSS「Hailstorm」
元MANOWARのギタリスト、ロス・ザ・ボスの2010年作
前作もMANOWARばりの正統派メタルを聴かせるなかなかの力作であったが、
今作ではさらなるエピックな世界観に磨きがかかり、イントロからもうにやにやである。
ときに泣きのフレーズも奏でるロスのギターを中心に、パワフルなヴォーカルと
うっすらとしたシンセワークもサウンドを彩る。古き良きジャーマンメタルの質感とともに、
まさに漢のメタルサウンドを聴かせてくれる。これもオールドメタル復興のひとつの形である。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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ROSS THE BOSS 「BY BLOOD SWORN」
アメリカのミュージシャン、ロス・ザ・ボスの2018年作
MANOWARの初代ギタリストとして知られるミュージシャンで、2010年以来となる3作目となる。
正統派のギターにパワフルなヴォーカルを乗せて、のっけから「Blood of My Enemies」のような、
どっしりとしたエピックメタルナンバーが炸裂。その後も決してモダンにならない、ヘヴィ過ぎない、
80年代ルーツの勇壮なヘヴィメタルで、マノウォーが失いかけたサウンドを蘇らせるようだ。
ベースにはSymphony Xのマイク・レポンドが参加していて、リズム面での安定感もしっかりとあり、
エリック・アダムスばりのハイトーンもこなすヴォーカルも、サウンドの説得力に一役かっている。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 マノウォー度・・8 総合・・8 
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ROSS THE BOSS 「Born of Fire」
アメリカのメロディックメタル、ロス・ザ・ボスの2020年作
元MANOWARのギタリスト、ロス・フライドマン率いるバンドで、2008年にデビューし、本作は4作目となる。
Let Us Preyでも活躍するマーク・ロペスのパワフルなヴォーカルを乗せて、のっけからスラッシーに疾走する。
随所にメロディックなギタープレイも奏でつつ、基本はあくまでオールドスタイルのヘヴィメタルで、
ガナリ立てるハイトーンの歌声を乗せた、JUDAS PRIEST的な雰囲気から、MANOWARを思わせるナンバーなど、
甘すぎないメロディアス性とともに、80〜90年代ルーツのどっしりとした勇壮なメタルサウンドが味わえる。
楽曲的には新鮮味はさほどなく、わりと中庸なオールドメタル感触に包まれているので、その手が好きな方へ。
メロディック度・7 パワフル度・8 正統派度・8 総合・8 
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Rough Silk 「Roots of Hate」
ドイツのメロディックメタル、ラフ・シルクの1st。1993年作
Helloween、Gamma Ray、Rage、Blind Guardianといった当時のジャーマンメタル勢の中では
比較的異色のスタイルのバンドで、むしろ英国ハードロックからの影響を感じさせるキャッチーなメロディを含んだサウンド。
美麗なシンセアレンジとメタリックなギターが合わさり、ハスキーなハイトーンヴォーカルととともに描かれる重厚な作風は、
いま聴いてもそう古臭さを感じさせない。いわば普遍的なHR色をより劇的に仕立て上げたという雰囲気である。
ジャーマンメタルというより、オルガン入りの華麗なハードロックとしても楽しめる。ジャケのイメージで損をしている好作品だ。
メロディック度・・8 英国HR風味度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・8
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Rough Silk 「Walls of Never」
ドイツのメロディックメタル、ラフ・シルクの2nd。1994年作
前作よりもどっしりとした作風になり、スロ〜ミドルテンポでじっくりと聴かせる曲が増えた。
QUEENを思わせるヴォーカルメロディが強まったことで、キャッチーな感触とギターのヘヴィさのコントラストが面白く、
いうなれば、「グランジメタル化したクイーン」という雰囲気の曲もある。一方ではオルガン入りの疾走感のあるナンバーもあり、
ジャーマンメタルバンドとしての意地を感じさせる。1stに比べると魅力的な楽曲が少ない気もするが、バンドとしての方向性をまだ
定め切れていなかったのかもしれない。ピアノとヴォーカルによるQUEENを思わせるラストの小曲後の隠しトラックは不要な気もする。
メロディック度・・7 キャッチー&ヘヴィ度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・7.5
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Rough Silk 「Circle of Pain...Or: The Secret Lies of Timekeeping 」
ドイツのメロディックメタル、ラフ・シルクの3rd。1996年作
QUEENルーツのキャッチーなメロディと壮麗なアレンジで、よりドラマティックな感触を強めたサウンドになっている。
オルガンを含む古き良き英国HR風味とともに、中途半端に感じられた前作に比して、開き直ったような爽快さが素晴らしい。
メタル化したクイーンというべきか、「俺たちはこれが好きなんだ」という素直なパワーが楽曲から感じられる。堂々たる力作です。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 クイーン度・・8 総合・・8
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ROUGH SILKBeyond the Sundown
ドイツのメロディックメタルバンド、ラフ・シルクの5th。1998年作
90年代ジャーマンメタルの中では、なにげに知られざる実力者というべきこのバンド
本作はややダーティなヴォーカルとヘヴィなギターリフ、うっすらとしたシンセによる味付で、
そこに知的アレンジを効かせた、いわばプログレッシブなメタルサウンドを描いている。
以前のようなQUEEN的なキャッチーなメロディアスさも随所にあり、古き良きHR感触とモダンな激しさが
合わさった通好みの作風といえるだろう。バラエティ豊かでバンドの自力を感じる好作品だ。
メロディアス度・・8 ジャーマン度・・7 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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Rough Silk 「Wheels of Time」
ドイツのメロディックメタル、ラフ・シルクの1999年作
90年代に隆盛を極めたジャーマンメタルシーンにおいて、優雅でプログレッシブな作風で個性的なサウンドを聴かせるこのバンド。
本作は、1993年のデビュー作〜1998年の5作目のアルバムからのベスト選曲に、未発曲や新曲を加えたCD2枚組。
ピアノやオルガンを含むきらびやかなシンセにパワフルなヴォーカルを乗せ、適度な疾走感とキャッチーなメロディアス性に、
QUEENをルーツにした優雅なHRナンバーなども魅力的だ。肝心の新曲については、さほど感銘は受けなかったが、
単なるメタルの枠を超えた、優美な味わいと知的な展開力で聴かせるスタイルは、あらためて再評価されるべきであろう。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優雅度・・8 総合・・8 
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Rough Silk 「Symphony of Life」
ドイツのメロディックメタル、ラフ・シルクの2001年作
1993年にデビューしてから、本作で6作目。初期の作品は日本盤も出ていたのでご存知の方も多いだろう。
大仰なイントロから幕を開け、美麗なシンセワークとともにどっしりとしたメロディックなサウンドが広がってゆく。
QUEENからの影響を思わせるヴォーカルメロディや、いくぶん唐突な展開力もなかなか魅力的で、
キャッチーなロックンロール風味を取り込んだ感触もあったり、アレンジセンスの幅広さも見事。
きらびやかなメロディアス性が前に出ているので、全体的にもゴージャスな聴き心地が楽しい。
ドラマティックで知的な雰囲気は、プログレメタルやメロハー系などが好きな方にも楽しめるだろう。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 展開美度・・8 総合・・8
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ROYAL HUNT「Land of Broken Hearts」
デンマークのクラシカルメタルバンド、ロイヤル・ハントの1st。1993作
きらびやかなキーボードをたっぷり使った様式美ハードロック/メタルサウンドで華やかにデビュー、
北欧らしいキャッチーさとどっしりとしたミドルテンポで聴かせるロイハン節は本作ですでに確立されている。
ヘンリック・ブロックマンのややダーティな歌声とアンドレ・アンダーセンの美麗なシンセワークを軸に、
ジェントルで耳心地のいいクラシカルメタルを展開、欧州の香りを含んだドラマティックなサウンドを楽しめる。
1曲めの“Running Wild”から、美麗に疾走する“Flight”、ネオクラシカルなインスト曲“Martial Arts”
ラストを飾る名曲“Kingdom Dark”まで、美麗なメロディアスさにうっとりの傑作だ。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 きらびやか度・・9 総合・・8
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ROYAL HUNT「Moving Target」
ロイヤル・ハントの3rd。1995作
ヴォーカルにD.C.クーパーが加入し、よりいっそうサウンドに説得力が加わった傑作。
シンフォニックかつクラシカルなシンセワークをたっぷりと盛り込みつつ、
ドラマティックな叙情性を含んだメロディと楽曲アレンジにもいよいよ磨きがかかってきた。
なんといっても素晴らしいのはD.C.クーパーの歌声で、マイルドでありながら力強く歌い上げ、
楽曲のレベルを一段も二段も高めている。1曲めの“Last Goodbye”からすでにゴージャスにして華麗、
きらびやかでありながら哀愁を含んだ盛り上がりが素晴らしい。クラシカルな“Makin' a Mess”、泣きのバラード“Far Away”、
キャッチーな“Step by Step”、そしてラストの“Time”のドラマティックさにしびれる。濃密ロイハンサウンドが満載の力作。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・8 きらびやか度・・9 総合・・8.5
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ROYAL HUNT
「FEAR」
デンマークの様式美メタルバンド、ロイヤル・ハントの5th。1999作
元アーテンションのジョン・ウエスト加入後初のアルバムとなる。
サウンドクオリティは相変わらず高く、ゴージャスでシンフォニックな厚い音像を聴かせる。
しかし、曲はどんどん長くなりますなあ。いつまでたっても、1曲目の歌が始まらない(笑)
個人的には以前のような分かりやすいコンパクトな楽曲の方が好みか。
現時点ではジョン・ウエストの歌声と、このバンドのドラマティックで長大な曲調とが
やや合っていないような感じも受ける。バンドとしての成熟は次作以降に期待か。
メロディアス度・・9 ドラマティック度・・9 ヴォーカル度・・7 総合・・7.5
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ROYAL HUNT「THE BEST LIVE」
ロイヤルハントのライブべストアルバム。日本独自盤。
D.C.クーパー在籍時の1996年あたりの音源がメインとなるライブ音源。
キーボード中心の様式美メタル+QEENばりの厚いコーラス というある意味での新合体を構築したこのバンド。
ライブにおいても演奏力はあり、スタジオ盤のコーラスハーモニーもちゃんと再現している。
私の好きな1stの頃の曲がたくさん聴けてうれしいが、せっかくのDCのVoがバランス的に少し小さめなのが残念。
メロディアス度・・8 演奏・・8 音質・・7 総合・・8
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ROYAL HUNT「THE MISSION」
デンマークの様式美メロディアスメタルバンド、ロイヤル・ハントの6th。2001作
前作「FEAR」はシンフォニックだが「もっさり」としたどこか散漫な印象の作品だったが、
Voのジョン・ウエスト加入後2作目となる今作は、SF仕立てのコンセプトが意外な形で功を奏している。
近未来がテーマというだけに、キーボードやエフェクトの使い方が「鋭角」的でメリハリがあり、
それが結果としてバンドの演奏自体も初期にあった軽快さを取り戻させている。
前作では発揮しきれていなかったジョンのVoも曲に映えはじめ、メロディアスなギターもアクセントとして光っている。
ゴージャスさを押さえた分曲の輪郭が浮き彫りになり、サビメロの美しいコーラスハーモニーを引き立たせた。
メロディアス度・・8 爽快度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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ROYAL HUNT「The Watchers」
デンマークのシンフォニックメタルバンド、ロイヤル・ハントの2001作
14分におよぶ大曲“Intervention”の完全版の他、ライブ音源や過去曲の新バージョンなど、
全10曲を収録した変則アルバム。聴きどころはやはりアンドレ・アンダーセン渾身の大曲で、
完成までに相当の時間を使ったというだけあり、きらびやかでシンフォニックなインストパートから、
ヴォーカルが加わって叙情的かつドラマティックに聴かせる、長さを感じさせない壮麗な曲だ。
またライブ音源やリメイク曲も、ジョン・ウエストのヴォーカルになるとやや印象も異なり、
以前のバージョンと聴き比べて楽しむこともできるだろう。ロイハンファンなら買って損はなし。
シンフォニック度・・8 大曲は壮麗度・・8 ライブ音源な度・・8 総合・・8
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ROYAL HUNT「Eyewitness」
デンマークのメロディックメタルバンド、ロイヤル・ハントの7th。2003作
前作から完全に吹っ切れたように、若手バンドやフォロワーが台頭しようと、
@の格好良さなどはこのバンドでなくては決して出せないクオリティの高さがあるし、
ジョン・ウエストのVoも完全に定着した感じで、このきらびやかなバンドサウンドにすっかりマッチしている。
どの曲にもハードロック、メタルとしての勢いがあり、ややアメリカナイズ気味のキャッチーさも
上手い具合に取り込まれていて嫌味でない。キーボードとギターのバランスもよろしく、
過不足なく存在感を表しており、これはいうなれば大人になって熟成されたロイヤルハントサウンド
新しい刺激は薄いが、まるでよく出来たワインのように心地よい。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 クオリティ・・9 総合・・8
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ROYAL HUNT「PAPER BLOOD」
デンマークのクラシカルメタルバンド、ロイヤル・ハントの8th。2005作
これが会心の出来。のっけからアンドレ・アンダーセンのキラキラキーボードが炸裂してます。
ヘヴィさときらびやかさ、キャッチーなロイヤルハント節の歌メロが合わさって、
聴き手を惹きつけずにはおかないドラマティックな楽曲がたたみかけるように続いてゆく。
クラシカルかつシンフォニック魂溢れるこのキーボードワークはまったく凄まじいほどで
楽曲密度としては彼らの全ディスコグラフィー中でも最高作といってよいほど。濃すぎるほどに濃い傑作。
メロディアス度・・8 濃密度・・9 キーボー度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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ROYAL HUNT「Collision Course」
デンマークのクラシカルメタルバンド、ロイヤル・ハントの2008作
ヴォーカルのジョン・ウェストが脱退して、マーク・ボールズを迎えて完成した本作は、かつての傑作「Paradox」の続編となるコンセプト作。
随所にかつてのメロディを折り込みながら、クラシカルかつ重厚に彩られるアンドレ・アンダーセンの世界観は変わらずにドラマティックだ。
その反面、悪くいうとマンネリ感が漂っていて、新たなバンドの可能性を感じさせる部分は少ない。
またマーク・ボールズの歌声にしても、その実力は確かなものの、このバンドのシンフォニックなサウンドにはやや地味な気もしてしまう。
アルバムとしての質は高く、充分に楽しめるものの、新鮮な高揚感が感じられない。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 新鮮度・・5 総合・・7.5
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ROYAL HUNT「X」
デンマークのクラシカルメタルバンド、ロイヤル・ハントの2010作
マーク・ボールズが加わっての2作目となる本作は、いつになくプログレ的な匂いのする力作に仕上がっている。
70年代ロック的なワイルドなギターワークと、ヴィンテージ調のシンセなど、きらびやかな壮麗さの中にも、
渋みのあるサウンドをまじえて聴かせつつ、そこに初期にあったロイヤルハント節のメロディがしっかり光っているという印象。
また、この曲調ならば、マーク・ボールズの歌声も前作よりずっとフィットしている。
ビル街をバックにした古びた帆船というジャケも、バンドとしての変わらぬハードロックスピリットを
表しているようで味わいがある。10作目を迎えてまた新たな航海に乗り出したロイハンに幸あれだ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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ROYAL HUNTShow Me How to Live
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2011年作
1993年のデビューから、一貫してきらびやかなクラシカルメタルを標榜してきたこのバンド、
11作目となる本作では、なんと4th「PARADOX」以来となる、D.C.クーパーがバンドに復帰した。
前作の古き良きHR風味も好きだったのだが、中世を感じさせるようなSEのイントロから曲が始まると、
かつての名作「Moving Target」を思わせる雅やかなシンフォニックメタルが展開される。
チェンバロの音色なども含んだアンドレ・アンダーセンのクラシカルなシンセワークと、
これまで以上に様式美を感じさせるギターに、D.C.クーパーのマイルドな歌声が重なって、
これぞロイハンとファンの誰もが思うようなサウンドを描いてゆく。メロディの充実度も素晴らしい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 これぞロイハン度・・9 総合・・8
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ROYAL HUNT 「Life to Die for」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2013年作
D.C.クーパーが復帰しての2作目となる本作も、アンドレ・アンダーセンの壮麗なシンセワークを軸に
深みを増したD.Cの歌声とともに、ドラマティックな大人のシンフォニックメタルを描いてゆく。
楽曲はミドルテンポ中心で、派手な勢いはないのだが、ベテランらしいどっしりとした味わいと
随所にキャッチーなメロディを含ませつつ、哀愁漂うヨーロピアンな叙情美をじっくりと聴かせてくれる。
もはや新鮮味というものはないのだが、しっかりとロイハンらしい作品に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 ロイハン度・・9 どっしりベテラン度・・9 総合・・8



Royal Hunt Devil's Dozen」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2015年作
1993年にデビューしてから通算13作目、アンドレ・アンダーセン節とも言える壮麗なシンセワークに
D.C.クーパーの伸びやかな歌声と厚みのあるコーラスワークで、変わらぬロイハンサウンドを聴かせる。
正直、新鮮味と言うものはほとんどなく、いままでにもどこかで聴いたようなメロディばかりなのだが、
それこそがロイハンという、どこを聴いてもこのバンドだと分かるという安定感はむしろ凄いことである。
キャッチーな明快さと重厚なドラマティック性のバランスも含めて、円熟の境地という完成度であろう。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 ロイハン度・・9 総合・・8 
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ROYAL HUNT 「CAST IN STONE」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2018年作
1993年にデビュー、本作は14作目で、美麗なシンセに叙情的なギターを乗せたイントロから、
ウェットな叙情に包まれながら、大人の叙情性をクラシカルに包み込む、優雅なサウンドが広がってゆく。
オルガンを含むアンドレ・アンダーセンの円熟のシンセアレンジに、D.C.クーパーのマイルドな歌声とともに、
派手さよりもアダルトな香りを前に出し、古き良き時代にレイドバックしたような、1stの頃を思わせる聴き心地。
エッジが弱めの音質も、むしろ90年代の空気を蘇らせるようで、初期のロイハン好きにはたまらないだろう。
インストのタイトル曲も王道の様式美が炸裂していて、5〜7分前後の楽曲は長すぎずダレることなく、
ときにシンプルなハードロック感触も覗かせつつつ、全体的にも爽快な印象で聴き通せる好アルバムだ。
シンフォニック度・・8 様式美度・・8 初期ロイハン度・・9 総合・・8
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Royal Jester
スウェーデンのメロスピバンド、ロイヤル・ジェスターの2010年作
RainXeedに関わったメンバーたちによるバンドということだが、優美でナヨやかなあちらに比べて
こちらはもう少しジャーマンメタル的な陽気ノリで疾走し、そこに爽やかな歌メロが乗るというカンジ。
軟弱系のヴォーカルは好みを分かれるだろうが、初期のPowerQuestなどが好きな方ならにんまりだろうし、
2nd、3rdの頃のNOCTURNAL RITESのようなクサメロで聴かせる正統派メロスピが楽しめる。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 爽やか度・・8 総合・・7.5
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RUBICON 「A HOLNAP TUZE」
ハンガリーのメロディックメタル、ルビコンの2009年作
きらびやかなシンセに、母国語によるヴォーカルを乗せた、キャッチーなメタルサウンド。
楽曲は4〜5分前後で、わりとシンプルながらも、メロディックなフックと伸びやかなヴォーカルは
なかなかに高品質。壮麗なシンセワークとともに母国語シンフォニックメタルという味わいで、
古き良きハードロックのリフから叙情的なフレーズもこなす、ギタリストのセンスも光っている。
楽曲は普通に聴きやすく、演奏面でのマイナー臭さはあまり感じないが、その反面もう少し
インパクトのある展開力が欲しい所。いくぶんプログレメタル感触を含んだあたりに伸びしろがありそうな。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5
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RUNELORD 「The Battle For Greatne」
スウェーデンのメタルバンド、ルネロードの2018年作
正統派のギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、80年代ルーツの勇壮なメタルサウンドを聴かせる。
甘すぎない叙情性とエピックな世界観は、MANOWARに通じるところもあるが、こちらはいくぶんマイナーな
B級メロパワとしての味わいも残している。キャッチーなクサメロ感はさほどなく、ミドルテンポを主体にした
あくまで正統派メタルとしてのどっしりとした作風。派手さはないが、勇壮なメタルサウンドが味わえる強力作。
ドラマティック度・7 疾走度・6 正統派度・8 総合・7.5
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RUNNING WILD「Death Or Glory」
ドイツのベテランメタルバンド、ランニング・ワイルドの5th。1989年作
1982年のデビューから頑固一徹にその正統派ジャーマンメタルサウンドを守り続けるこのバンド、
3rd「Under Jolly Roger」から海賊をモチーフにした世界観をバンドに取り入れ、
4th「Port Royal」でそのスタイルを確固たるものにした。そして本作はさらなる楽曲の質向上とともに
バンドの代表作たる傑作に仕上がっている。今で言うヴァイキングメタル的な勇壮かつ土着的な香りの
ギターフレーズとともに、ロックン・ロルフの男気あふれるヴォーカルが響きわたる。ジャーマンメタルとしての
ストレートな格好良さと、海賊をコンセプトにしたドラマティックな要素が見事に合致した傑作である。
ドラマティック度・・8 ジャーマン度・・9 海賊度・・9 総合・・8
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RUNNING WILD「Pile Of Skulls」
ドイツのベテランバンド、ランニング・ワイルドの7th。1992作
このバンドは傑作、5th「Death or Glory」さえ聴けば、あとはどれも同じだろうと思っていた。
6thまでは一応聴いていたが、そのあとはずっとノーチェックであったのだが、
先に10thを聴いて、なかなか良かったのでこのバンドの評価を見直そうかと、また買ってみる。
今作から元UDOのDrとBが加入しているが、基本的には80年代から何も変わらない
頑固なまでの海賊風ジャーマンメタルサウンドだ。楽曲がシンプルすぎるので、
昨今のメロスピ、シンフォメタルに慣れた若いリスナーにはややつらいか。
ラストの10分を超える“Treasure Island”では、まさに宝島のごとく、彼らの魅力が凝縮されている。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ランニングワイル度・・9 総合・・7
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RUNNING WILD「Black hand Inn」
ランニング・ワイルドの8th。1994作
長年の片腕であったG、アクセル・モーガンと別れ、さらにドラムにはヨルグ・マイケルが加入。
彼らの場合、基本がシンプルな正統派のジャーマンメタルスタイルなだけに、
本作からパワフルなヨルグのドラミングが加わったことは大きかった。
当然楽曲はぐんと説得力が増し、17世紀イギリスの居酒屋“黒腕亭”を舞台にした物語が、
パワーアップしたランニングワイルド節で繰り広げられる。今作も15分の大曲入り。
ヴァイキングメタルのリフに慣れた今の耳で聴くと、彼らのサウンドの格好良さを再確認できる。
音に封じ込められた海賊精神というのか、耳触りのいい土着的なギターリフがたまらない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ランニングワイル度・・10 総合・・8
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RUNNING WILD「MASQUERADE」
ドイツのベテランバンド、ランニング・ワイルドの9th。1995作
個人的に最近再評価しているこのバンド。これはヨルグ・マイケル正式加入後の2作目となる。
疾走感にあふれたいつものランニングワイルド節で、パワフルに押しまくる。
ギターリフといい、ヴォーカルスタイルといい、まったくのところワンパターンなのだが、
男のメタルとしてのカッコ良さには、やや飽きつつも魅力的に思えるときがある。
往年の最高作は5th「Death or Glory」だが、品質的にはこの9thを含む前後3作は劣らない出来だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ランニングワイル度・・10 総合・・7.5
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RUNNING WILD「The Rivalry」
ドイツのベテランバンド、ランニング・ワイルドの10th。1998作
このバンドのアルバムを聴くのは実に久しぶりだが、デビューから20年以上も
一貫してメタルマインド溢れる作品を作り続けるロックン・ロルフには純粋に敬意を表したい。
さて、サウンドの方はイントロの仰々しい小曲からしてもう、ランニングワイルド節が炸裂。
やや時代的だが、独特のヴァイキング(海賊?)風味のギターリフなども魅力で、
シンプルながらも逞しく駆け抜ける、頑固一徹な男のメタル曲が満載だ。
ドラムがずいぶんパワフルだな、と思ったら叩いているのはあのヨルグ・マイケルであった。
デビュー時から何も変わらないメタル魂に乾杯!たまには古き良きメロパワもよいものです。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ランニングワイル度・・10 総合・・7.5
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RUNNING WILD「Rogues en Vogue」
ジャーマンメタルのベテラン、ランニング・ワイルドの13th。2005作
80年代から活動するドイツを代表するベテランバンド、近年は相次ぐメンバーチェンジにより、
半ばロックン・ロルフのソロバンドと化している感じであるが、久しぶりに聴いてみる。
相変わらず独特のギターフレーズによる海賊メタルは健在だが、
やはり往年のような勢いよりも、ミドルテンポ主体の枯れた味わいが前に出ている。
だがもちろんランニング・ワイルド節ともいうべき、男気あふれる世界観は味わえるし
なによりデビューから20年以上も変わらぬ音楽性を続けるロルフには敬意を表したい。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 ランニングワイル度・・8 総合・・7.5
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Running Wild 「The Final Jolly Roger」
ジャーマンメタルのベテラン、ランニング・ワイルドのライブ作品。2011年作
2009年のドイツWACKENのステージを2CDに収録。解散を宣言してのラストライブということで、
過去のナンバーも含めたバンドの集大成的なステージで、ケルティックなイントロから始まり、
枯れた味わいのロックン・ロルフのヴォーカルを乗せた、古き良き正統派のメタルサウンドが炸裂する。
名作「Death or Glory」からの疾走ナンバー“Riding the Storm”などはやはりぐっとくるし、
曲間に入るドイツ語によるロルフのMCや、観客の歓声からもステージの熱気が伝わってくる。
パイレーツメタルとしての勇壮な世界観と濃密さは、デビューから25年をへてもなお健在だ。
ライブ演奏・・8 枯れた味わい度・・8 ランニングワイル度・・9 総合・・8 
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Running Wild「Shadowmaker」
ドイツのベテランバンド、ランニング・ワイルドの2012年作
2005年作を最後に解散を宣言していたバンドがここにきてなんと復活、
これでもかと古き良き正統派のハードロック/メタルが詰まったサウンドは、
ロックン・ロルフの生きざまか、開き直ったかのような信念が垣間見える。
往年の勢いを取り戻したというよりは、むしろ枯れた味わいが大人のHRを感じさせ
もはや新鮮さは皆無ながらも、安心して楽しめる作品に仕上がっている。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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RUNNING WILD「Resilient」
ドイツのベテランバンド、ランニング・ワイルドの2013年作
1984年にデビュー、ロックン・ロルフ率いるキャリア30年の大ベテラン。2005年に解散を宣言するも、
2012年に復活し、早くも2作目が登場した。サウンドのほうは、これがもうのっけから古き良き王道のサウンドで
ヴァイキング風味のギターリフからしてこれでもかとRUNNING WILD節が炸裂。ロルフの歌声にはいくぶん年をとった
オヤジ的な枯れた味わいがあり、それすらも長年活動をし続けてきたもののみがかもしだす男の哀愁となっている。
ツインギターのメロディックな叙情も含みつつ、どっしりとした正統派ハードロックとしての魅力も感じさせる力作だ。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 ランニングワイル度・・9 総合・・8



RUNNING WILD 「RAPID FORAY」
ジャーマンメタルのベテラン、ランニング・ワイルドの2016年作
1984年にデビュー、ロックン・ロルフ率いる大ベテラン。2005年にいったん解散を宣言するも、2012年に復活し、
本作は復活後の3作目となる。「ランニングワイルド節」ともいえる、勇壮でパイレーツなギターリフに、
ロルフ船長の枯れた味わいのヴォーカルを乗せた、往年を思わせる正統派のスタイルは本作も健在。
楽曲における魅力的なフックと、ツインギターによる叙情的なフレーズという点でも前作以上で、
全盛期に比べると確かに歌の迫力は衰えたものの、愚直に年老いた海賊船長のイメージで楽しめる。
全体的にはミドルテンポが主体で、インパクトの点ではやや弱いが、この世界観を30年以上にわたって追求してきた
ロルフ船長には頭が下がる。ラストは11分を超える大曲で、「ラスト・オブ・モヒカン」のタイトルに老骨を重ねる思いか。
ドラマティック度・・7 パイレーツ度・・8 ランニングワイル度・・8 総合・・8 
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S91 「Behold The Mankind」
イタリアのシンフォニックメタル、S91の2016年作
2011年にデビューし、2作目となる。きらびやかなシンセに流麗なギターワークを重ね、
コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、ほどよくテクニカルなシンフォニックメタル。
インストパートでのリズムチェンジなどには、ProgMetal的な構築力も覗かせつつ、
ゴシックメタル寄りのダークな感触や、メロハー寄りのキャッチーなパートもあったりと、
良く言えば多様性があり、悪く言うと煮え切らない。モダンなヘヴィネスとともに、
美しいシンセアレンジや女性声の魅力もあるので、楽曲にもっと思い切りの良さが欲しい。
シンフォニック度・・7 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SABATON「Fist for Fight」
スウェーデンのメロパワバンド、サバトンのデモアルバム。2002作
ケン・ケリーのジャケ絵通り、力強い男のパワーメタルをやっている。
まるで野獣のような低音のヴォーカルがとても特徴的で、ハイトーンに馴れた方には少々違和感があるかもしれない。
また、パワフルでありながらギターはときおりネオクラシカルなフレーズを弾いたり
きらきとしたキーボードも顔を出したりするので、そのあたりが北欧的。
とりあえず、このジャケ絵に惹かれる方は聴いてみても損はないかと。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 低音Vo度・・9 総合・・7

SabatonPrimo Victoria
スウェーデンのメロパワバンド、サバトンの1st。2005年作
前に聴いていたのはデモ音源であったようで、これが正規のデビュー作らしい。
MANOWARあたりを思わせる漢の正統派メタルで、野太いヴォーカルが特徴的。
シンセも入っているのでサウンドは適度にシンフォニックであるが、
音の力強さに比べてメロディそのものの魅力という点ではやや物足りないか。
エピックな荘厳さを増してゆけば、よりドラマティックなメタルバンドになるだろう。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SABATONAttero Dominatus
スウェーデンのメロパワバンド、サバトンの2nd。2006年作
本作も相変わらずパワフルでエピック、濃密なメロパワサウンド。
いかにも暑苦しい戦う男のメタルであるが、バックにシンセが鳴っているので
さほど武骨な質感はなく、むしろシンフォニックなテイストもあるのが特徴。
ただ楽曲、メロディ自体にこれといった個性や魅力がまだないのが残念。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 濃厚度・・8 総合・・7.5
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SABATONArt of War
スウェーデンのメロパワバンド、サバトンの4th。2008年作
本作からシンフォニックで重厚なサウンドにより磨きがかかってきている。
濃厚なヴォーカルにコーラスによる壮麗な味付けでエピック世界観を演出、
これまで以上に説得力のある押しの強さでパワフルにたたみかける力作。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 濃厚度・・9 総合・・8
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SabatonCoat of Arms
スウェーデンのメロパワバンド、サバトンの2010年作
MANOWARばりのエピックなバワフルさで聴かせる正統派メタルバンド。
本作は5作目で、暑苦しいまでのヴォーカルの歌声と、シンフォニックな味付けも含めて
やっぱり濃すぎるほどに濃い。戦士たちの戦いを描くようなドラマティックな重厚さと
コーラス入りの大仰な盛り上げで、コッテリ濃密なエピックメタルを構築している。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 濃厚度・・9 総合・・8
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SABATON「World War Live-Battle of the Baltic Sea」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、サバトンのライブアルバム。2011年作
2005年の正式デビューからは毎年のようにパワフルなアルバムを出し続けてきたこのバンド、
本作はCD2枚組のライブ音源で、Disc1は“Sabaton Curise”と銘打って客船を借り切っての
23時間の航海を行い、そこでのライブステージを収録したというもの。観客の熱気むんむんの中、
バトルでウォーメタルな濃密サウンドが展開されてゆく。なんといってもヴォーカルの濃さこそが
このバンドの持ち味であるから、その男臭い歌声に惚れ惚れするか辟易するかはアナタしだい。
シンセの音がけっこう前に出ているので、サウンド自体は案外シンフォニックなのだが。
Disc2はヨーロッパツアー各国からの音源で、こちらも濃厚エピックな男のウォーメタルがたっぷり。
濃密度・・9 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7.5
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SABATON「Carolus Rex」
スウェーデンのメロディックメタル、サバトンの2012年作
毎作これでもかという熱いメタルを繰り広げる北欧の漢メタル野郎、
今作もヨアキム・ブローデンの暑苦しい男ヴォーカルとともに、パワフルかつエピックに聴かせる、
正統派のメロパワサウンドが炸裂。作を重ねるごとにその説得力は増していて、今作では壮麗なシンセアレンジや
クワイアなども含んで、ときにシンフォニックメタルといってもよいほどの耳心地だ。
濃厚系の北欧メロパワとしてはついにトップに立ったかという強力な出来ばえである。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 濃厚度・・9 総合・・8
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SABATON 「HEROES」
スウェーデンのメロディックメタル、サバトンの2014年作
これでもかという熱い正統派メロパワを聴かせるこのバンド、本作はおそらく7作目で、
ヨアキム・ブローデンのパワフルなヴォーカルに、エピックな男コーラスを乗せて
勇壮かつメロディックに聴かせるサウンドはすでに彼らのお家芸といってよいだろう。
楽曲は3〜4分というシンプルながら、キャッチーなフックや流麗なギターソロ、北欧らしいメロディを覗かせつつ、
MANOWARを思わせるバラードなども含め、どっしりと濃密でありながらも案外爽快に楽しめる。
もはやこれといった新鮮味はないので、どのアルバムを聴いても同じという気もしないではないのだが。
ともかく来日も果たし、さらなる認知度も上がったことで、ますます漢メタルファンを増やしてゆくに違いない。
メロディック度・・8 正統派度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Sabaton 「The Last Stand」
スウェーデンのメロディックメタル、サバトンの2016年作
2005年にデビュー、いまや漢メタルの代表格となったこのバンド。本作は8作目で、
世界の歴史上の戦いを楽曲ごとにとりあげた、いわばバトル・コセンプトアルバム。
ツインギターにシンセアレンジを重ね、ヨアキム・ブローデンのパワフルな歌声を乗せた、
正統派のメタルサウンドが炸裂。北欧らしいメロディックなフックがキャッチーな聴き心地になっていて、
重厚なメロパワでありながら、ときにシンフォニックメタルのような壮麗さにも包まれる。
3〜4分前後の楽曲は、間奏のギターソロも含めて、メロディが充実していて最後までダレさせない。
全37分と短めながら、エピックな勇壮さに包まれた濃密な力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 エピック度・・8 総合・・8 
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SACRED「BEYOND THE END OF THE WORLD」
ドイツのメロディックメタルバンド、セイクレッドのアルバム。2004作
ジャケの雰囲気から、今流行りのシンフォメタルかメロスピかと思っていたら、
意外と正統派のメロディックメタルだった。今ではむしろ珍しい4人編成の
オーソドックスなスタイルで、ハードロック的なミドルテンポをメインにした
かつてのAXXISとかSAVATAGEとか、そのあたりにも通じる雰囲気で、
やや古くさいながらも、演奏はなかなかしっかりしていて普通に聴ける。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7


Sacred Blood 「The Battle Of Thermopylae」
ギリシャのエピックメタル、セイクレッド・ブラッドの2008年作
ペルシア戦争、テルモピュライの戦いをコンセプトにした作品で、ピアノとフルートが鳴り響き、
物語を語るようなイントロから、正統派のギターにシンセを重ね、朗々としたヴォーカルとともに、
MANOWARにも通じる勇壮なエピックメタルを聴かせる。ミドルテンポのナンバーを主体にしつつ、
適度なリズムチェンジとともにドラマティックに展開する雰囲気は悪くないのだが、ヴォーカルの音程など
演奏面には微妙にヘタウマ感がある。ラストは11分という大曲で、叙情パートも含めて戦いの終わりを描き切る。
マイナーなメタルが苦手な方にはお薦めしないが、B級でも勇壮なエピックメタルが好きな方はどうぞ。
ドラマティック度・8 正統派度・8 勇壮度・8 総合・7.5 
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Sacred Blood「Alexandros」
ギリシャのエピックメタル、セイクレッド・ブラッドの2012年作
タイトル通りアレクサンダー大王をテーマにした作品で、映画的なナレーション入りのイントロから
曲が始まるとミドルテンポを主体にした、MANOWARを思わせる正統派のメタルサウントが炸裂。
エリック・アダムスのような戦士系ハイトーンヴォーカルを乗せた、どっしりとした勇壮さに加え
随所にメロディックなギターフレーズや、オーケストラルなアレンジも含んだ壮大な雰囲気もGood。
ときにフォークメタル風味の旋律も覗かせながら、小曲やSEを挿入した構成で、
ドラマティックな流れを描いてゆく。いかにもエピックな世界観に包まれた力作ですな。
ドラマティック度・・8 エピック度・・9 正統派度・・8 総合・・7.5


Sacred Blood 「Argonautica」
ギリシャのエピックメタル、セイクレッド・ブラッドの2015年作
2008年にデビューし、3作目。ギリシア神話の秘宝「金羊毛」とドラゴンが描かれたジャケのように、
叙事詩「アルゴナウティカ」をテーマにした作品で、ナレーションを乗せた映画的なイントロから、
オーケストラルなシンセにギターを重ね、パワフルなヴォーカルとともに正統派のエピックメタルを展開する。
随所に勇壮なコーラスを加えて、メロディックなギターの旋律にシンセによる優美な味わいも含んだ、
ファンタジックな世界観に包まれて、前作以上にエピカルでスケールの大きなサウンドが楽しめる。
英雄イアソンとアルゴー船の冒険が目に浮かぶような、シネマティックな正統派メタルの強力作。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・8 
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SACRED GATE 「Tides of War」
ドイツのヘヴィメタル、セイクレッド・ゲートの2013年作
ジャケのイメージからてっきりギリシャのバンドかつ思ったら、じつはドイツだったのね。
IRON MAIDENあたりを思わせる古き良きギターリフを乗せた正統派のメタルサウンド。
ややダーティな感じのヴォーカルとともに、戦士を思わせるパワフルな勇壮さもあって、
MANOWARあたりのファンにも楽しめそうだ。ミドルテンポを主体にした楽曲には
目新しさはさほどないので、正統派のエピックメタルが好きな方でないとつらいかもしれないが、
テルモピュライの戦いをテーマにしたラストの12分の大曲など、気合の入った力作です。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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Sacred Oath 「A Crystal Vision」
アメリカのカルトメタル、セイクレッド・オースの1987年作
本作はジャケを変更しての2001年の再発盤。ヨーロピアンな叙情を含んだツインギターに
軽めのハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代NWOBHMをルーツにしたメタルサウンド。
ラウドな音質や演奏、わりと唐突な展開など、いかにもB級然としたカルトなメタルではあるが、
どことなく日本人好みの幻想性があって嫌いにはなれない。ボーナストラックには、1998年に再録したナンバーを4曲収録。
こちらは演奏力も向上して、よい感じになっている。本作を残してのち、バンドは2005年に復活している。
ドラマティック度・7 カルトメタル度・8 マイナー度・9 総合・7
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SACRED STEEL「Reborn in Steel」
ドイツのメタルバンド、セイクレッド・スティールの1st。1997作
ジャケからしていかにもだが、サウンドもその期待通りのB級メタル(笑)。
古き良き正統派のジャーマンメタルという感じで疾走しつつ、ハイトーンというには力の弱いヴォーカルがヘナヘナと歌っている。
3〜4分台の曲にはフックが少なく、メロディの魅力もさしてないので、しだいにこの歌を聴くのがつらくなってくるという…(笑)
メロディアス度・・6 疾走度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・6
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SACRED STEELWargods of Metal
ドイツのメタルバンド、セイクレッド・スティールの2nd。1998作
ジャケといいメンバー写真といい、相変わらずエピックかつB級臭いのだが、
サウンドの方は少しだけ力強さが増している。ヒドかったヴォーカルも
ほんの少しだけ上達している気がする。ギターも少しメロディを弾き始めた。
これでようやくB級メタルの中でも、他のマイナー勢と勝負できるくらいになった。
曲にもときどき「おっ」と思わせるフックが出てきて、少し楽しめるようになった。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・7
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Sacred SteelCarnage Victory
ドイツのパワーメタルバンド、セイクレッド・スティールの2009年作
1997年デビューで、すでに活動10年以上の中堅バンド…なのだが、
鳴かず飛ばずでマイナー道まっしぐら。なにせ聴くのは1998年の2nd以来だ。
元気よくパワフルに疾走しつつ、ヨレたヴォーカルがガナり気味に歌っているサウンドは、
ギターがいくぶんヘヴィになっている他は、10年前とそう変わっていない。
メロディアスでもなければ、スラッシーとまでもいかない、この中途半端さが泣ける。
限定盤は2009年のライブを収録したDVD付き。誰が見るのだろう?
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・7
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Sacred Steel「Heavy Metal Sacrifice」
ドイツのメロディックメタル、セイクレッド・スティールの2016年作
1997年デビュー、すでにキャリア20年におよぶバンドであるが、サウンドの方は変わらぬスタイルで、
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、古き良き王道のジャーマンメタル。
パワフルすぎず、クサメロ過ぎずという絶妙の聴き心地は、頑固一徹のメタル愛を感じさせる硬派さと、
マイナーな微笑ましさに包まれたB級感触がほどよくブレンドされていて、けっこう心地よいのである。
今作ではミドルテンポのナンバーもどっしりとした味わいで、これまでのヘナチョコ感は払拭されていて、
良い意味でのオールドな90年代スタイルを貫いた、Grave Diggarばりに強力な正統派メタルですよ。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8 
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Sacrilege 「Ashes to Ashes」
イギリスのメタルバンド、サクリレッジの2015年作
80年代、NWOBHMに活動、正規作品を残さずに消えるも、復活して2015年にはアルバムを発表する。
本作は2009年の復活以後にレコーディングされた楽曲を中心に、初期曲のリメイクを含む14曲を収録。
オールドな味わいのギターにうっすらとしたシンセアレンジ、枯れた味わいのヴォーカルを乗せた、
いかにもNWOBHMらしいウェットな空気感のHR/HMを聴かせる。正直、演奏力も音質も並程度なのだが、
美しいシンセワークを含む叙情的な味わいなど、いくぶんのB級がかった英国らしさを感じさせる。
一方ではシンプルなハードロックナンバーもあって、70年代的なオヤジのHRとしても楽しめる。
曲によって音質にもバラつきがあり、かなりマニア向けの内容であることは間違いないが。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 音質・・7 総合・・7
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SAEDIN 「ENTRE RIOS」
スペインのシンフォニックメタル、サエディンの2020年作
2017年にデビューし、2作目となる。女性Vo、女性シンセ奏者を含む5人編成で、やわらかなシンセをギターに重ね、
スペイン語による艶めいた女性ヴォーカルで聴かせる、アンダルシアな土着性を含んだサウンド。
哀愁を感じさせるメロディのスパニッシュロックとしては、女性声版MEDINA AZAHARAという雰囲気もあり、
メタル的な激しさよりも優雅な叙情性に包まれる。フロントのアンジェラさんのエモーショナルの歌声も、
サウンドを濃厚な薔薇のように暑苦しく彩っている。随所に美麗なシンセと泣きのギターフレーズも聴かせながら、
シンフォニックメタルとしての優美な味わいが前に出る。これぞスパニッシュというサウンドが楽しめる逸品です。
ドラマティック度・・8 スパニッシュ度・・9 哀愁の叙情度・・9 総合・・8
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Sage's Recital
デンマークのメロディックメタル、サゲス・レシタルの2013年作
INFINITY OVERTUREのメンバーを中心にしたバンドで、サウンドはじつにコテコテのネオクラシカルメタル。
流麗なギターフレーズをたっぷり盛り込みつつ、ジョン・ウエストの伸びやかな歌声を乗せた堂々たるサウンドは
MAGIC KINGDOMあたりにも引けをとらない。ジャケのイメージのようにファンタジックなシンフォメタル色もあって、
適度なクサメロ感覚も含めてなかなか楽しめる。9分の大曲では、RHAPSODYばりのドラマティックな世界観も覗かせたり、
ラストは15分の大曲で、テクニカルな展開力も含んだインストパートから、ヴォーカルが入ってのじっくりとした叙情、
そしてクラシカルなメロディを取り入れた優雅なメロディアス性で描かれる。激しさはないが、ネオクラ系メタルの好作品ですね。
メロディック度・・8 疾走度・・6 ネオクラ度・・8 総合・・7.5
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SAIDIANFor Those Who Walk The Path Forlorn
ドイツのメロディックメタルバンド、サイディアンの1st。2005作
音を聴いてみると、ドイツというよりはまったく北欧系のサウンドで、
とくにクラシカルなキーボードの入れ方はROYAL HUNTにそっくりな雰囲気。
楽曲、演奏ともにそこそこ出来はいいと思うが、唯一弱々しいハイトーンヴォーカルが欠点か。
ジャーマン的なアイデンティティは皆無なので、個人的にはこの軟弱なネオクラシカルさが鼻につく。
また、コード進行も“まんまロイハン”な部分があるので、そういう所を気にする人は苦笑してしまいそう。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 ロイヤルハン度・・9 総合・・7.5
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Sailing To Nowhere 「Lost In Time」
イタリアのシンフォニックメタル、セイリング・トゥ・ノーウェアの2017年作
ツインギターにシンセ、男女トリプルヴォーカルという編成で、壮麗なシンフォニックアレンジに、
パワフルな男性ヴォーカルと2人の女性ヴォーカルの歌声を重ねた、わりと正統派のメロディックメタル。
ファビオ・リオーネ、ロベルト・ティランティがゲスト参加で、それぞれ1曲ずつ伸びやかな歌声を聴かせてくれ、
ミドルテンポの重厚なナンバーから、疾走するメロパワナンバーまで、全体的にもクオリテイはそこそこ高い。
メロパワ版AYREONとでもいうような、SFコンセプト的な世界観はよいのだが、楽曲そのものにはさほど新鮮味はなく、
全40分弱というのもやや物足りないか。今後のさらなるクオリティアップに期待です。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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Saint DeamonIn Shadows Lost from the Brave
スウェーデンのメロパワバンド、セイント・ディーモンの2008年作
DIONYSUSのDrを中心に、元HIGHLAND GLORYのVoも参加するこのバンド、
このジャケを見るとまるでヴァイキングメタルのようだが、しごく正統派のメロディックメタル。
若干のエピックな雰囲気を感じさせつつ、キャッチーなヴォーカルメロディとともに
古き良きスタイルで聴かせるサウンドだ。曲はときにHELLOWEEN的であったり、
ときに北欧メロハー風であったりして、確固たる方向性に乏しい気はするが、
適度にシンフォニックなシンセワークなどとともに、なかなか心地よく聴ける。
新鮮味とインパクトには欠けるが、それなりに良く出来た北欧メタル作品だ。
メロディアス度・・8 北欧度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Saint Deamon「Pandeamonium」
スウェーデンのメロパワバンド、セイント・ディーモンの2nd。2009年作
DIONYSUSのDrを中心に、元HIGHLAND GLORYのVoも参加するこのバンド、
前作はそこそこの出来の正統派メロパワという感じで、とくに印象に残らなかったのだが、
本作では、サビのメロディに明快さが増し、シンフォニックメタル的な質感が強まった。
ジャケのようなエピックかつ重厚な雰囲気と、ときにネオクラシカル風味のギターもまじえつつ、
しっかりと歌いあげるヴォーカルの力量も見事。派手さはないが叙情的で力強い作品だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Saint Deamon 「Ghost」
スウェーデンのメロディックメタル、セイント・ディーモンの3rd。2019年作
DIONYSUSのDrを中心に結成し2作を発表し、創設者であるドラムのロニーが脱退、本作は10年ぶりとなる3作目。
元HIGHLAND GLORYのヤンの伸びやかなヴォーカルを乗せ、ヴァイキングメタル風味の勇壮な感触と、キャッチーなメロディのフックが同居した、ほどよい疾走感を含んだ北欧らしい正統派メロパワを聴かせる。
陽性のクサメロ感という点では、初期のNOCTURNAL RITESを思わせるところもあり、疾走ナンバーから、メロハー風のミドルテンポなども含め、楽曲の充実という点でも過去2作を上回る。ボーナス含む全15曲75分の力作。
メロディック度・8 疾走度・7 北欧メロパワ度・8 総合・8 
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SALAMANDRA「Twilight of Legends」
チェコのシンフォニックメタルバンド、サラマンドラの1st。1999年作
チェコのRHAPSODYと異名をとり、クサメタマニアの間では密かな話題になっていたようだが、
確かにシンフォニックなシンセアレンジに、エピックな雰囲気はラプソに通じるものがあり、
クサメロ満載の歌メロやコーラスワークには思わずにやりとなる。サウンドプロダクションの弱さも手伝って、
全体がマイナーバンド特有のショボさに包まれて、すべてにおいて辺境臭さが漂ってしまっている。
曲によってはその田舎臭さが哀愁となって、叙情的な泣きを発しており、クサメロ愛好家の胸を打つ場面もしばしばあるだろう。
シンフォニック度・・7 クサメロ度・・8 辺境度・・8 総合・・7

SALAMANDRA「SKARREMAR」
チェコのシンフォニックメタルバンド、サラマンドラの2nd。2000作
「チェコのRHAPSODY」とも呼ばれている通り、大仰な世界観やシンフォニックなアレンジなど、
それに近いものがある。短いインストを折り込み、全体にドラマ性を持たせる手法もいかにも「らしく」
時折現れる民族調のパートや、フルートやバグパイプを導入するなど力が入っている。
ただし、やはり録音やヴォーカルの力量などにおいてのB級感はぬぐえないので、
1stよりは成長が窺えるとはいえ、まだまだその手のマニア向けであることは否めない。
1曲ごとが少しあっさりと終わり過ぎるきらいがあるので、せめてもう少し「濃く」して欲しい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 クオリティ・・7 総合・・7

SALAMANDRA「Great Moravian Eleqie」
チェコのシンフォメタルバンド、サラマンドラの3rd。2004作
ツインギターに女性Keyを含む6人組。1st、2ndはいかにもマイナー臭いB級メタルであったが、
今作はのっけからシンフォニックなシンセと男女ヴォーカルの歌声が壮麗な雰囲気をかもしだす。
やや軽めの疾走が始まると、ヘタウマな男ヴォーカルの歌声も微笑ましく
クサメロのコーラスワークが炸裂するサビで軽く悶絶。昔だったら大喜びだったかも。
やはり冷静に聴くと何もかもがイモ臭いし、力強くないのだが、このたどたどしさと
クサいメロディへの愛情には「うんうん」とうなずきたくなってしまうのだ(笑)
古き良きB級メタルの質感と牧歌的なメロディで聴かせるクサメタルの佳作。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5

Salamandra 「Imperatus」
チェコのメロディックメタル、サラマンドラの2014年作
1999年にデビュー、「チェコのラプソディ」などと呼ばれたりしながら、たいしてブレイクすることもなく
マニア好みのバンドとして活動を続けるこのバンド。本作はなにやらアラビックな旋律の曲から始まって
Orphaned Landみたいだなと思っていると、シンフォニックなアレンジに女性ヴォーカルの歌声も加わって
なかなか壮麗な聴き心地である。そして期待通りのクサメロ疾走曲がくると思わずニヤニヤ。
Rhapsodyというよりは、むしろGamma Rayのようなキャッチーなサウンド。Freedom Callなどのファンもぜひ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・8 総合・・8

SALAM UK 「Win Lose Or Draw」
イギリスのメタルバンド、セイラムの2019年作
80年代から活動するベテランで、2011年に復活、フルアルバムとしては復活後の4作目となる。
オールドな味わいのギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、ストレートなHR/HMサウンドを聴かせる。
NWOBHMというよりは、80年代アメリカンHR的なキャッチーな雰囲気もあって、マイナーな感触はさほどない。
ミドルテンポ主体のどっしりたとした聴き心地で、これという新鮮味もないので正直地味な印象ではあるが、
テクニックのあるギターをはじめ安定した演奏力で、DEEP PURPLEや初期のJUDAS PRIESSTなどにも通じる
正統派のナンバーから、ブルージーなバラードなど、大人のハードロックというべき味わいで楽しめる。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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SAMAN
ハンガリーのメタルバンド、サマンの2005年作
ツインギターのリフとパワフルなヴォーカルで疾走する正統派メタル。
RIOTを思わせるようなドラマティックかつ古き良きメタルサウンドに、
母国語の歌声が合わさって、いくぶんの辺境が味になっている。
オールドメタルファンならにんまりのギターのフレーズも随所に聴かせつつ、
パワフルなヴォーカルも含め、地域性を考えればけっこうクオリティは高い。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5

Samandriel 「Awakening」
カナダのシンフォニックメタル、サマンドリエルの2010年作
シンセを含む5人編成で、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声と
壮麗なシンセアレンジで聴かせるファンタジックなシンフォニックメタルサウンド。
随所にデスヴォイスや激しい疾走感も含んだメリハリのあるアレンジとともに、
幻想的な世界観を描き出し、ときおりクサメロを奏でるギターもよい感じだ。
6曲入りミニであるが、これはフルアルバムが楽しみな逸材である。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5




Sanctorium「Tessellation Of The Universe」
ロシアのシンフォニックメタル、サンクトリウムの2017年
女性Vo、女性Keyを含む7人編成で、クラシカルなピアノを含むシンセにツインギターを重ね、
美しい女性ヴォーカルに男性デスヴォイスが絡む、壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
耽美なクラシカル性と重厚な迫力が同居したサウンドは、EPICAなどを思わせるが、
随所に混声コーラスも加えた、HAGGARDTHERIONなどに通じる大仰な雰囲気もある。
Daria嬢の伸びやかな歌声には爽快な魅力があって、Delainのシャルロッテさんを思わせるところも。
正直デスヴォイスはあまりいらない気もするのだが、ほどよくアグレッシブな展開力とともに、
ドラマティックな荘厳さとモダンなヘヴィネスが同居した濃密な作風で楽しめる強力作。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Sanctorium 「Ornaments」
ロシアのシンフォニックメタル、サンクトリウムの2020年作
2014年にデビューし、3作目。男女Voを含む6人編成で、やわらかなフルートとオーケストレーションのイントロから、
メタリックなギターにシンセを重ね、ソプラノもこなす伸びやかな女性ヴォーカルと男性デスヴォイスが絡む、
EPICAばりの壮麗なサウンドを描いてゆく。女性奏者の奏でるクラシカルなシンセワークもセンス良く、
随所にピアノやストリングスなどが楽曲を優雅に彩る。Daria嬢の美しい歌声も、なよやかな魅力があって
歌詞は英語なので辺境的なマイナーさもさほど感じさせない。Disc2では、フォークメタル寄りのメロディも覗かせ、
しっとりとした優雅なナンバーなども耳心地がよろしい。こうなると、ときおり入ってくるデス声が耳障りにも思える。
CD2枚組ながら、Disc1が32分、Disc2はボーナス入れて46分と、長すぎないのも良いかと。
シンフォニック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8 
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SANDSTONE 「Cultural Dissonance」
イギリスのメタルバンド、サンドストーンの2011年作
メロディックなギターとハイトーンヴォーカルで聴かせる正統派のメタルサウンド。
全体的にはとくに新鮮な部分はないのだが、適度な疾走感もありつつ、
随所にヨーロピアンな叙情性も含んだ楽曲は、それなりに楽しめる。
古き良きジャーマンメタル的な味わいも残したところはよい感じであるが
いくぶんモダンなヘヴィさを感じさせるところはむしろ邪魔にも思える。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7



Santelmo 「El Alma del Verdugo」
スペインのメロディックメタル、サンテルモの2012年作
シンセを含む5人編成で、2009年にデビュー、本作は2作目となる。オルガンを含むシンセにギターを重ね、
スペイン語による伸びやかなヴォーカルとともに、キャッチーなメロディアス性と勇壮な雰囲気が同居した、
正統派のメロディックメタルを聴かせる。スパニッシュらしい哀愁を感じさせる叙情性と、ほどよいクサメロ感もあって
わりと日本人好みのスタイルで、全体的には疾走感は控えめながら、ミドルやスローテンポのナンバーでも
しっかりとメロディックな味わい。そして、ラストの疾走メロスピナンバーは爽快でキャッチーな聴き心地。
メロディック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・7.5
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SANVOISEN「SOUL SEASONS」
ドイツのメロディックメタルバンド、サンヴォイゼンの2nd。1997作
このバンドの1st「Exotic Ways」は、かつてのジャーマンメタルサウンドとはやや異なり
少々拍子抜けをした記憶がある。なので、その後に出したこの2ndはまるでノーチェックでした。
今になって先入観なしで本作を聴いてみると…あら、なかなかいいですよ。
サウンドは1stよりもずっとパワフルになっていて、メロディアスな部分とのコントラストがくっきりした。
ギリシャ人Voの歌唱による所も大きいのか、ジャーマンメタルというよりはむしろ無国籍な雰囲気で、
QUEENSRYCHECONCEPTIONあたりにも通じる知性あるメタルサウンドが堪能できる。
メロディアス度・・7 無国籍メロディ度・・8 知的メタル度・・8 総合・・7.5
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SAPHET 「Vychod Z Temnoty」
チェコのパワーメタル、サフェットの2016年作
男女Voに女性シンセ奏者を含む7人編成で、メタリックなギターリフに母国語による男女ヴォーカルで疾走する、
わりと正統派のパワーメタルサウンド。いくぶん素人臭い女性ヴォーカルが、硬質なギターとのミスマッチで、
マイナーな辺境感に包まれた味わいになっている。男性声の方もパワフルというよりは、ジェントルなヘナチョコ感で、
80年代スタイルの正統派メタルなのに、牧歌的な土着性を感じさせるという。唐突に入ってくるシンセアレンジも、
とってつけたような感じで、センスというものを感じさせない。ジャケの地味さも納得の辺境B級メタルというべき一枚。
ドラマティック度・・6 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・6.5
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SARATOGAVientos de Guerra
スペインの正統派メタルバンド、サラトガの3rd。1999作
初期はヘナチョコなバンドとしてマニア向け止まりのバンドであった彼らが、
ヴォーカルとドラムを交代して完成させた会心作。熱いスペイン語の歌唱を乗せて
パワフルに疾走するサウンドは、TIERRA SANTAなどにも匹敵する勢いがある。
ミドルテンポの曲は、まさにスペイン版JUDAS PRIESTという雰囲気の正統派メタル。
音質的にややラウドなのが惜しいが、スパニッシュメタル好きなら聴いて損はない。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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SARATOGA 「Agotaras」
スペインのメタルバンド、サラトガの4th。2002年作
今作はのっけからJUDAS PRIEST的サウンドが炸裂。スペイン語によるハイトーンヴォーカルもどこかハルフォード的で、
三連リズムを中心とした実に正統派メタル曲を聴かせる。歌い回しにただよう哀愁はやはりスパニッシュならではで
ギターワークはオーソドックスなリフがメインながら、ときにドラマティックなフレーズを奏でる。これぞ王道のスペインメタルだ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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SARATOGA「El Clan de la Lucha」
スペインのメタルバンド、サラトガの5th。2004作
前作同様の正統派のパワフルなヘヴィメタルを聴かせつつも、押しまくりのジューダス風味から、やや叙情性が増した雰囲気。
力量のあるヴォーカルの歌うメロディにもスパニッシュな哀愁が加味されてメタリックな硬質感とマイルドなやわらかみを
バランスよく同居させているのが見事。中堅バンドとしての堂々たる自信が感じられるサウンドだ。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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SARATOGATierra De Lobos」
スペインのメタルバンド、サラトガの6th。2005作
今作は一聴して硬質でヘヴィな部分が増しているという印象。
ハイトーンヴォーカルのシャウトも復活して、パワーメタル的なアグレッシブさが強まった。
ただ個人的にはザクザクしたドライさよりも、やわらかな哀愁が好きなので、
今回はやや微妙な印象なのだが、もちろんスパニッシュ感たっぷりの曲もちゃんとあって、
相変わらず濃密に楽しめる。パワフルなメタルが好きな方なら痛快なサウンドだろう。
メロディアス度・・7 パワフル度・・9 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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SARATOGA 「VII」
スペインのメロディックメタル、サラトガの2007年作
1995年の1stから数えて7作目となる本作は、パワフルな正統派メタル路線はそのままに、
スペイン語の濃密な歌声とともに、キャッチーなメロディアス性も強まってきている。
力強く疾走しながらも、随所にフックのあるクサメロ気味の哀愁も漂わせていて、
クオリティの高さも含めてスパニッシュ・メロパワのお手本のようなサウンドだ。
ただ楽曲ごとのバラつきがあるので、傑作とまでは言い切れないのが残念。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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SARATOGA 「Secretos Y Reveleaciones」
スペインのメロディックメタルバンド、サラトガの2009年作
すでにデビュー10年以上の中堅バンドで、本作は8作目となる。スペイン語の歌声の
パワフルなハイトーンヴォーカルで聴かせる正統派のスタイルは変わらず、
メロディアスなギターフレーズも絶品で、サウンドの説得力もさすがの年季を感じさせる。
ミドルテンポから疾走曲まで、哀愁を漂わせたスパニッシュメタルが楽しめる会心の一枚。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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SARATOGA 「Morir En El Bien - Vivir En El Mal」
スペインのメロディックメタル、サラトガの2016年作
1995年にデビュー、Tierra Santaとともにスパニッシュ・メロパワの中堅というべきバンド。
本作も、バワフルなギターリフにスペイン語のハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
正統派のメタルサウンドを聴かせる。メロディのフックにはクサメロ寄りのキャッチーさもあり、
オールドスタイルのメロパワ感触とのちょうどよいバランスで、初心者でも安心して楽しめる。
さほど新鮮味はないが、キャリアのあるバンドらしい高品質なスパニッシュ・メロパワ作品です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8 
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SATAN 「Life Sentence」
イギリスのメタルバンド、サタンの2013年作
BLITZKRIEGのブライアン・ロスをVoに迎え、1983年に傑作と名高い「Caught In The Act」を発表、
その後ヴォーカルが抜け、BLIND FURYと名を変えてアルバムを発表、続いてSATANを再結成し、
2ndを出してのちに、今度はPARAIHとして再始動、その後はさらにヴォーカルを変えてSKYCLADとなる…
…と、いろいろとバンド名を変えているが、みんなはやっぱりセイタンが一番聴きたかった…ということで、
ここに大復活、ブライアン・ロスを含め、1983年当時のオリジナルメンバーを揃えたのも素晴らしい。
サウンドの方も、ツインギターで疾走する、かつてを思わせるオールドスタイルのサウンドで、
どこか湿りけを感じさせるヴォーカルの歌声とともに、NWOBHMの世界観をそのまま甦らせている。
随所に聴かせる叙情的な味わいも含めて、改めて英国メタルの伝統とその復活に涙する作品だ。
ドラマティック度・・8 オールドメタル度・・9 セイタン度・・9 総合・・8

SATAN 「Trail of Fire」
イギリスのメタルバンド、セイタンのライブ作品。2014年作
NWOBHMを代表するバンドのひとつ、2014年のアメリカとカナダのツアーからのステージを収録。
2013年の復活作「Life Sentence」からのナンバーに加え、1983年作「Court in the Act」や、
1982年のデビューミニからの楽曲も演奏していて、オールドなメタルファンはにんまりである。
ツインギターにブライアン・ロスの味わいのあるヴォーカルを乗せて疾走する、古き良きメタル感触で、
いくぶんスカスカの音質もむしろアナログ感を強めていて、近年のライブ音源とは思えないところもGood。
全15曲、76分で、往年のブリティッシュ・メタルサウンドがたっぷり楽しめる内容だ。
オールドメタル度・・9 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・8
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SATAN 「ATOM BY ATOM」
ブリティッシュメタルバンド、サタンの2015年作
80年代NWOBHM時代から活動するベテランバンドの復活2作目となる。
今作もヘヴィすぎないギターとブライアン・ロスのうるさすぎないヴォーカルを乗せて疾走する、
あの頃のセイタンの延長上というべきサウンドが繰り広げられる。適度なスカスカ感も含めて、
まさしく80年代臭さがにじみ出るようなオールドな聴き心地には、思わずにんまりである。
前作同様、叙情的なパートを随所に含ませた、英国らしい湿り気と空気感もたまらない。
メロパワともスラッシュとも違う、激しすぎないいわば中庸の味わいというべきか、
そんなブリティッシュなメタルが芳醇に詰め込まれた強力作だ。
ドラマティック度・・8 オールドHM度・・9 あの頃のセイタン度・・9 総合・・8
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SATAN 「CRUEL MAGIC」
ブリティッシュメタルバンド、セイタンの2018年作
80年代NWOBHM時代から活動するベテランバンド、2013年に復活してからの3作目となる。
今作も、オールドなツインギターに、ブライアン・ロスの味のあるヴォーカルを乗せ、
適度な疾走感とともに聴かせる、古き良き感触のパワーメタルサウンドが楽しめる。
1983年の傑作「Caught In The Act」を思わせる勢いのある疾走ナンバーからミドルテンポのナンバー、
ウェットな叙情を含んだスローパートまで、80年代英国の空気をそのまま蘇らせたような作風である。
オールドなファンはもちろん、NWOBHMを知らない若いリスナーまで、これぞセイタン!と薦められる強力作。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 セイタン度・・9 総合・・8
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SAUROM LAMDERTH「EL GUARDIAN DE LAS MELODIAS PERDIDAS」
スペインのフォーキーメタルバンド、サウロム・ラムダースの1st。2001作
鳴り響くヴァイオリンにスペイン語の歌唱。基本はMAGO DE OZタイプのサウンドだが
こちらの方がヒロイックな雰囲気が強く、楽曲に物語的な勇壮感がある。
ツインギターの重なりも、時にBLIND GUARDIAN的に(というと言い過ぎか)思えたり
疾走することは少ないものの、ファンタジックな質感と壮大な作風が楽しめる。
バグパイプの響きも美しく、フルート、ヴァイオリンなどがギターと交じり
なかなか気持ち良い融合がされていて、この手としては楽曲アレンジのセンスもある。
MAGO DE OZがイマイチと思った方でもこちらは聴いてみる価値はありますぜ。
これはフォーキーメタルの傑作といってよいかも。2ndも出ているがまずはこちらから。
シンフォニック度・・8 フォーキー度・・8 けっこう壮大度・・8 総合・・8
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SAUROM LAMDERTH「SOMORAS DEL ESTE」
スペインのフォーキーメタルバンド、サウロム・ラムダースの2nd。2002作
大仰なイントロからフルートがぴーひゃら入ってフォーキーに曲が始まると、
スペイン語の歌唱もあいまって、田舎くさいトラッド&フォークメタルが全開。
楽曲のアレンジやプロダクションの甘さはあるものの、泣きのヴァイオリンなども加わり、
サウンドのドラマティックさにはクサメタルファンは悶絶する場面も多数。
指輪物語をテーマにしたファンタジックさという点においても、その手のマニアには受けるだろう。
情熱的な女性ヴォーカル入りの曲もあり、CD2枚組で長尺ながらも盛り上がりどころは多い。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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SAUROM LAMDERTH「LEGADO DE JUGLARES」
スペインのエピック・フォーキーメタルバンド、サウロム・ラムダースの3rd。2004年作
今作はヴァイオリンが正式メンバーに加わって、フルートにアコギ、女性コーラスによる牧歌的なイントロから
ファンタジーの世界に入り込める。同郷のMAGO DE OZよりはずっとシリアスでエピックな雰囲気があり、
まるで物語を読んでいるような幻想空間へといざなってくれるのが魅力であろう。
メロディにはスパニッシュ特有のやわらかみがあり、スペイン語の歌唱で疾走しつつ
壮大なコーラスワークやヴァイオリン、フルートによるフォークメロディが心地よく耳に響く。
優雅なメロディさとエピックでファンタジーな世界観が合わさった力作だ。こののち、バンド名が「SAUROM」と短くなる
メロディアス度・・8 疾走度・・7 フォーキー度・・8 総合・・8
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SAUROM「Juglarmetal」
スペインのフォークメタルバンド、サウロムの2006年作
指輪物語などのファンタジックなコンセプトに、フォーキーなメロディを取り入れたサウンドが持ち味であるが、
今作では、土着的な部分をやや薄めてシンフォニックメタル的な質感が増している。
ツインギターのメロディとシンフォニックなシンセ、ときに壮大なクワイアや女性ヴォーカル、
さらにはデス声までも導入し、そのドラマティックなサウンドに磨きをかけている。
もちろんスペイン語の歌唱とともにヴァイオリンを取り入れたフォーキーな要素もあり、
堂々たるサウンドのクオリティは、さらにリスナーの間口を広げるだけの力作といってよい。
シンフォニック度・・8 フォーキー度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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SAUROM「Once Romances」
スペインのシンフォニックメタルバンド、サウロムの2008作
フォーキーな土着性を取り入れたサウンドと、ファンタジックな世界観で好作品を作り出すこのバンド。
SAUROM名義となって2作目となる本作は、のっけからヴァイキングメタル風の勇壮さを含んで疾走ーする、
いつになくシリアスな雰囲気で、RHAPSODYばりのシンフォニックメタルを展開する。
スペイン語の歌唱を乗せた濃密かつ壮麗なサウンドは、土着メロディの取り入れ方もクサすぎないくらいに
なかなか絶妙で、普通のシンフォメタルとしても充分楽しめる。ドラマティックな力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 フォーキー度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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SAUROM「Vida」
スペインのフォークメタルバンド、サウロンの2012年作
SAUROM LAMDERTH名義から数えると7作目となる。
パイプやフルートの音色が鳴り響き、スペイン語の歌声とともに牧歌的なサウンドを聴かせる。
フォークメタルといっても、このバンドの場合は武骨さよりもキャッチーなメロディを含んだ
やわらかな優雅さが前に出ていて、幻想的な雰囲気とともに耳心地のよい音が楽しめる。
楽曲は3、4分台が中心で、シンプルな分かりやすさもまた魅力となっている。
メロディック度・・9 フォーキー度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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SAUROM 「SUENOS」
スペインのフォーク・メロパワ、サウロムの2015年作
SAUROM LAMDERTH名義で2001年にデビュー、7作目となる本作はCD2枚組の大作で、
ケルティックなパイプにアコースティックギターとマンドリン、フルートの音色で牧歌的に始まり、
ハードなギターとスペイン語のマイルドなヴォーカルが加わって、叙情的なフォークメタルを展開。
アコーディオンの音色とともに疾走するキャッチーな陽気さと、スパニッシュな哀愁が同居していて、
ときに女性コーラスや美麗なシンセを加えた、キャリアのあるパンドらしい繊細なアレンジも見事。
楽曲自体は、3〜4分台とわりとシンプルで、ファンタジックな世界観を優雅なメロディアス性で描く力作だ。
ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Sauze「nada tienesentido」
スペインのメロディックメタルバンド、サウズの2008年作
元AVALANCH、WARCRYなどのメンバーからなるバンドということだが、サウンドはもっとモダンでややダークな雰囲気の作品。
スペイン語の歌唱に、うっすらとしたシンセアレンジで聴かせる楽曲はメランコリックな哀愁を漂わせていて、
ときにシンフォニックな美しさもある。スペインにしては珍しいメランコリックメタルの美麗系アルバム。
シンフォニック度・・8 疾走度・・5 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5

SAUZE 「El Mejor Momento」
スペインのメロディックメタル、サウズの2009年作
元AVALANCH、WARCRYなどのメンバーからなるバンドで本作は2作目。
スペイン語の歌声と、いくぶんダークなモダンさを含んだ聴き心地で、
前作からのゴシックロック風の作風をよりスタイリッシュにしたという印象。
ミドルテンポ中心で、キャッチーなメロディと哀愁を感じさせるサウンドは悪くはないのだが、
スパニッシュメタルにこの路線を望んでいるリスナーはどれくらいいるのだろうか。
メロディック度・・7 ゴシック風度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5



SAVAGE CIRCUS「Dreamland Manor」
スウェーデンのメロパワバンド、、サヴェージ・サーカスの2005年作
BLIND GUARDIANのトーメン・キアシュが参加、ファンが求めていた「あの頃のブラガー」を体現したバンド。
PERSUADERの2nd自体が、すでにかなりBLIND GUARDIANに接近した音だったのですが、
これはさらにそのものです。もうドラムから(本人だから当然か…)ギターから、ヴォーカルまで。
もちろん単なる模倣できなく、ドラマティックな盛り上がり、メロディの質、疾走感、どれもが一線級のクオリティ。
現在のブラガーに失望しかけている往年のファンの方にもオススメです。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 あの頃のブラガ度・・9 総合・・8.5
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Savage Circus「OF DOOM AND DEATH」
スウェーデンのメロパワバンド、サヴェージ・サーカスの2009作
BLIND GUARDIANのトーマス“トーメン”スタッシュが参加した1stは
往年のブラガーを彷彿させるサウンドでファンは大いに快哉を叫んだものだが、
今作ではそのトーメンは脱退、代りにマイク・テラーナをドラムに迎え制作された。
ツインギターの巧みなリフとフレーズで疾走するサウンドスタイルは基本的には変わらず、
ドラマティックな展開と勇壮なコーラスなどを盛り込んだ楽曲にはファンはひと安心だろう。
ヴォーカルのハンズィっぷりも相変わらず見事。もはや新鮮味はないが、
骨太のメロバワが好きな方はやはり必聴だ。ライブDVD付きの限定盤もあり。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ブラガー度・・8 総合・・8
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Savage Master 「Myth, Magic And Steel」
アメリカのメタルバンド、サヴェージ・マスターの2019年作
2014年にデビュー、本作は3作目。女性ヴォーカルに赤い覆面のメンバーが4人という、アホなアー写はともかく、
サウンドの方も、ハスキーな女性ヴォーカルと重すぎたなギターで聴かせる、いかにも80年代ルーツのB級メタル。
アナログ感ある録音も含めてほどよいスカスカ感がいい味を出していて、ドロ・ペッシュが在籍したWarlock
よりマイナー臭くしたような雰囲気もある。スピードメタル的な疾走ナンバーや、ドゥーミィなスローテンポでは
魔女系ロック的な妖しさも覗かせていて、ファンタジックなマイナーメタルが好きな方にも楽しめるだろう。
ドラムをはじめ演奏力はしっかりしていて、ステイシー・サヴェージ嬢の魔女めいた歌声もなかなか魅力的だ。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SAVAGE MESSIAH 「Plague of Conscience」
イギリスのパワーメタル、サヴェージ・メサイアの2012年作
ツインギターのリフで疾走する、古き良きスタイルのパワーメタルサウンド。
スラッシーな激しさでたたみかけながら、随所にドラマティックな展開力もあり、
かつてのHEATHENあたりに通じる雰囲気は、オールドメタラーには嬉しい聴き心地である。
中庸なミドルテンポ曲もあるが、全体的には完成度の高いスラッシュ・パワーメタル作品だ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 オールドスタイル度・・8 総合・・8
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SAVAGE MESSIAH 「The Fateful Dark」
イギリスのパワーメタル、サヴェージ・メサイアの2014年作
スラッシュ風味の正統派パワーメタルとしてクオリティの高かった前作に続き、
本作もツインギターの硬質なリフで激しく疾走するスラッシーな感触に
いくぶんダーティなヴォーカルを乗せた、かつてのMETALLICAを思わせるような
勢いあるサウンドでたたみかける。随所にメロディックなギタープレイも覗かせつつ、
あくまで古き良きパワーメタルのマインドに包まれた聴き心地が心地よい。
英国のバンドらしいドラマティックな雰囲気も感じさせる、前作以上の傑作です。
ドラマティック度・・8 スラッシー度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Savage Messiah 「Hands of Fate」
イギリスのパワーメタル、サヴェージ・メサイアの2017年作
2007年にデビューし、本作は5作目となる。前作までのスラッシーな疾走スタイルから、
本作はミドルテンポのどっしりとしたナンバーで始まり、わりと普通のメタルナンバーが続いて
いくぶん拍子抜けながら、ギターリフには古き良きメタル感触があってこれはこれで悪くない。
甘すぎない程度にキャッチーな歌メロで聴かせるオールドなハードロックナンバーなど、
80年代HR/HMをルーツにした渋めの味わいで、激しすぎないメタルが好きな方にも楽しめるだろう。
アルバム後半には勢いのある疾走パートも覗かせて、パワーメタルバンドとしての激しさも残している。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 ヘヴィメタル度・・8 総合・・8 
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SAVATAGE「Gutter Ballet」
アメリカのベテランメタルバンド、サヴァタージの1989年作
1983年にデビュー、これではよくも悪くも中庸のバンドに甘んじていたこのバンドが放った会心の傑作。
ジョン・オリヴァのパワフルなヴォーカルに、正統派のギターリフで聴かせるメタルサウンドであるが、
随所にクラシカルなテイストを盛り込んで、オペラティックなメリハリをアルバムの中に織り込んで
のちのこのバンドのお家芸というべき、美しくも重厚な世界感を本作において確立させた。
美しいピアノから始まるタイトル曲のドラマティックさは、いま聴いても充分素晴らしい。
次作「“Streets”A Rock Opera」も傑作だが、クラシカルなメタルとしては本作をとりたい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 メタルオペラ度・・8 総合・・8
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SAVATAGE「“Streets”A Rock Opera」
アメリカのベテランメタルバンド、サヴァタージの1991年作
アルバム全体がストーリーを持ったコンセプトアルバム。正統派のメタルを基盤としながら、ややダークな叙情性と重厚な雰囲気で、
曲間にはSEやセリフなども取り入れたシアトリカルなドラマ性も光る。ジョン・オリヴァのパワフルなヴォーカルと
クリス・オリヴァのソリッドなギターワークを中心に、ピアノの旋律も取り入れた、もの悲しい哀愁とともに構築されるサウンドは
ドラマティックなヘヴィメタルの可能性を提示して見せた。派手さはないものの、じっくりと聞き入るべき作品だ。
201年にはリマスターされ、ジャケも変更されたDVD付きの新バージョンが出ている。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 メタルオペラ度・・9 総合・・8
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SAVATAGE「Dead Winter Dead」
アメリカのベテランメタルバンド、サヴァタージの1995年作。
90年代の悲劇であるボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボの包囲戦をテーマにした
壮大なコンセプトアルバムで、シンフォニックな重厚さと、張りつめた緊迫感が
SAVATAGEらしいメタルサウンドと見事に合わさって、唯一無二のサウンドを描き出す。
泣きのギターメロディに叙情的なピアノがかぶさり、ザッカリー・スティーブンスのヴォーカルが
もの悲しくストーリーを歌いあげる。ドラマティックでシリアス、感動的なメタルオペラ作品だ。
ドラマティック度・・9 重厚度・・9 メタルオペラ度・・9 総合・・8.5
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SAVATAGE「The Wake of Magellan」
アメリカのベテランメタルバンド、サヴァタージの1997年作
1991年の傑作「Streets: A Rock Opera」からすでにコンセプト的な作品打ち出していた彼らだが、
1995年の「Dead Winter Dead」では、重厚かつドラマティックな作風に拍車をかけた傑作を完成させた。
それに続く本作は、世界一周の航海をなしとげたマゼランの末裔をテーマにしたロックオペラで、
前作から引き継がれた物語的な構築性に加え、シンフォニックな壮麗さを前に出したサウンドとなった。
メタリックなパワフルさと、ザッカリー・スティーブンスの骨太な歌声とともに重厚に聴かせつつ、
ときにピアノやシンセなどによる叙情的なパートも盛り込んだ、起伏のある展開が見事だ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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SAVATAGE「Poets & Madmen」
アメリカのベテランメタルバンド、サヴァタージの2001年作
スーダンの内戦を取材し絶望する少女を写した1枚の写真家から、ピューリッツァー賞を
受賞した報道カメラマンの、その精神的な苦悩をテーマにしたストーリーアルバム。
重厚かつドラマティックなサウンドスタイルはもはやこのバンドの代名詞で、
もの悲しいピアノの音色や叙情的なギターフレーズが、シリアスな物語性を強調している。
ザッカリー・スティーブンスが脱退し、今作ではジョン・オリヴァがヴォーカルをとっているが、
違和感はまったくない。サウンド的に迫力も増していて、メタリックな力強さでは前作以上だ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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Savers「Victory's in Sight
イタリアのエピックメタル、セイヴァーズの1999年作
古き良きギターリフとヘナチョコなハイトーンヴォーカルで聴かせる
いかにもありがちなB級エピックメタル。かつてのマイナー系ジャーマンメタルのように
ヨーロピアンな感触と煮え切らないメロディがなかなか心地よく、決して嫌いではないのだな。
その世界観は、MANOWARVirgin Steeleあたりをずっとローカルにしたようなイメージで、
その手のいわば幻想メタルマニアの方ならけっこう楽しめるかもしれない。
メロディック度・・7 エピック度・・8 B級度・・8 総合・・7
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SAXON 「Unleash the Beast」
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの1997年作
1979年にデビュー、NWOBHM時代から、IRON MAIDENらとともに英国のHMシーンを牽引。
80年代後半からはコマーシャルな作風に変化するも、90年代に入ってからサウンドは原点回帰、
本作はダークなイントロに続き、パワフルな疾走ナンバーで、王道のヘヴィメタルを聴かせてくれる。
ツインギターのリフに、ビフ・バイフォードの伸びやかなヴォーカルを乗せ、英国らしいウェットな空気とともに、
80年代を受け継ぐような古き良きHR/HMが楽しめる。ミドルテンポのどっしりとしたナンバーから、
キャッチーなメロディの軽快なナンバーやアコースティックなバードなと、バランスのとれた好作品といえる。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 英国度・・8 総合・・8
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SAXON 「Killing Ground」
ブリティッシュメタルバンド、サクソンの2001年作
1979年デビューのベテラン。本作はおそらく通算15作めとなる。パワフルなギターリフに
ビフ・バイフォードのかすれたハイトーンヴォーカルを乗せて、ほどよい疾走感とともに聴かせる、
これぞブリティッシュメタルというべきサウンドは健在。随所にツインギターの叙情フレーズも含ませて、
ウェットな味わいのドラマティックな感触には、IRON MAIDENとはまた異なる英国的なものを感じさせ、
KING CRIMSONのHR風のカヴァーもなかなかハマっている。どっしりとしたミドルテンポのナンバーも、
ベテランらしい味わいで、ときにブルージーな哀愁を感じさせるところは、かつてのRIOTなどにも通じるだろう。
古き良きブリティッシュHRの香りを残しつつ、パワフルなメタル性をしかりとまぶした強力なアルバムだ。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 ブリティッシュ度・・9 総合・・8 
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SAXON「Heavy Metal Thunder」
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの2002年作
過去の楽曲をリレコーディングした作品で、80年代の名曲がよりパワフルな演奏で蘇る。
古き良き感触のツインギターに迫力を増したビフ・バイフォードのヴォーカルを乗せ、ツーバスのドラムとともに
激しくたたみかけるタイトル曲から、キャッチーなミドルテンポの「Strong Arm Of The Law」、
これぞメロディックHRという「Power & The Glory」、ドラマティックな「Crusader」などをはじめ、
名曲、佳曲揃いの全13曲、61分。初心者の方も、サクソンの新たなベストとして楽しめる作品だろう。
リイシュー盤のボーナスDiscには、2004年のライブ音源を12曲雌雄E。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 サクソン度・・9 総合・・8
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SAXON「LIONHEART」
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの2004年作
ブリティッシュHR/HMきっての大ベテラン、1979年のデビューから、本作まで25年の活動を誇る。
過去曲のリレコーディングであった前作に続き、今作も英国の誇りを感じさせる力強いヘヴィメタルであるのは変わらない。
ドラムになんと、STRATOVARIUSのヨルグ・マイケルを迎えていて、リズム面での硬質さが増している。
メロディアスさの点ではやや物足りないのだが、ドイツのACCEPTのようにパワフルな正統派サウンドだ。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 英国度・・8 総合・・8
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SAXONInto the Labyrinth」
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの2009年作
ライブアルバムを除くと、おそらく19作目くらいであろうか。
いかにも王道のドラマティックサウンドを聴かせる1曲目からしてにんまりであるが、
その後も英国の香り漂う、誇り高きハードロック、メタルナンバーがたっぷり。
メイデンとはやや異なり、このバンドの特色はブリティッシュハードロックとしての多様性…
ブルージーであったり、ヴギであったり…それらのルーツがメタルに混ざり合い、
ある種のキャッチーさを生んでいる点だろう。これぞ英国のHR/HMである。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・7 英国度・・9 総合・・8
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SAXONCall to Arms
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの2011年作
2000年代に入ってからも、そのサウンドは衰えるどころかますますパワフルになり、
本作でも熱き男のHMがこれでもかと炸裂している。タイトルのように戦いをテーマにおいた作風で
いつも以上にエピックで男らしい楽曲がたっぷり。ベテランらしい枯れた味わいの歌声と、
時代の流れか、確信犯的な古き良き感触のギターリフとブルージーなアナログ感覚が耳に心地よい。
激しくたたみかけるパワフルさに、叙情的なバラード曲なども含め、随所に聴かせるメロウなギターフレーズが
サウンドに英国的な湿りけを付加している。ドラマティックさという点ではここ最近で最高の出来だろう。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 英国度・・9 総合・・8.5
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SAXON「Sacrifice」
イギリスのベテラン、サクソンの2013年作
デビューは1979年、アルバムは優に20作を優に超えるという、まさに英国HR/HMの大御所である。
素晴らしい傑作となった前作に続く本作は、コンセプト的なイントロ曲から始まり、パワフルな正統派HR/HMが炸裂する。
ベテランならではの説得力で重厚に聴かせる作風で、英国らしいメタルを頑固に続けるスタイルには敬意を表する。
古き良きブリティッシュハードロックというべき作風だった前作に比べて、本作ではメタルサイドの硬質感が強まっており、
楽曲ごとのフックという点でははいくぶんの物足りなさもあるが、ともかくファンは安心の出来であろう。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・9総合・・8

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SAXON 「Unplugged and Strung Up」
ブリティッシュメタルのベテラン、サクソンの2013年作
CD2枚組で、Disc1には既存曲のリミックスやオーケストラアレンジ、アコースティックバージョンなどを全14曲収録。
初期のナンバーが迫力あるリミックスで聴けたり、壮麗なオーケストラを加えたアレンジも、エピックな雰囲気でよくマッチしている。
後半のアコースティックアレンジは、味のあるビフ・バイフォードの歌声とともに、大人の哀愁を感じさせる雰囲気で、じっくりと聴き入れる。
Disc2には、2002年作「Heavy Metal Thunder」を収録。こちらは過去の楽曲をリレコーディングした問答無用の強力な内容で、サクソンのベストアルバムとしても対応。未聴の方には嬉しいセットだろう。
ドラマティック度・8 オケアレンジもGoo度・8 大人のメタル度・9 総合・8 
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SAXON「St. Georges Sacrifice」
ブリティッシュメタルのベテラン、サクソンのライブ。2014年作
2013年マンチェスターでのライブで、同年作「Sacrifice」からのナンバーに加え、過去作からのベスト的な選曲で、CD2枚、全21曲を収録。
王道のメタル感ただようツインギターにビフ・バイフォードのパワフルな歌声を乗せて、これぞ英国ヘヴィメタルというサウンドを披露。
初期のナンバーでは、ブルージーなギターとともに、往年のブリティッシュハードロックが甦る。
途中にドラムソロを挿入した「Conquistador」や、ドラマティックな「Crusader」、そしてDisc2後半の、「Wheels Of Steel」、「Strong Arm Of The Law」、「Denim And Leather」という流れはオールドファンは胸熱だろう。ラストは「Princess Of The Night」で締めくくる。
ライブ演奏・8 セットリスト・8 ブリティッシュメタル度・9 総合・8
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SAXON 「THUNDERBOLT」
イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの2018年作
1979年にデビュー、キャリア40年を誇る大ベテラン。古き良きのギターリフをパワフルなドラムに乗せ、
ビフ・バイフォードの衰え知らずのヴォーカルで聴かせる、正統派のメタルサウンドは健在。
ほどよい疾走感とどっしりとした重厚さに、英国らしいウェットな味わいが合わさった楽曲は、
シンプルでありながらベテランらしい説得力に包まれていて、オールドなファンにはたまらないだろう。
叙情的なツインギターのスローテンポから、勢いある疾走ナンバーまで、誇り高きヘヴィメタルバンドとしての
揺るがぬ矜持を感じさせる。メイデンやジューダスなど同世代のバンドの中でも、いまだトップに君臨する内容だ。
メロディック度・・7 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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SCANNER「Mental Reservation」
ジャーマンメタルバンド、スキャナーの3rd。1995作
マイナー系ジャーマンメタルバンドの代表格ともいえるこのバンド、1st「Hypertrace」、2nd「Terminal Earth」
かつてのジャーマンメタルシーンの中でそこそこのマニアであればどちらかは聴いたことはあるはず。
この3rdからは、VoのS.L.COEに代わり、新たなヴォーカリストが加入、以前までのヘナチョコ感がなくなり、だいぶ聴きやすくなった。
疾走曲やバラードなどもバランス良く配置されていて、これだというメロディの魅力はないにしろ、普通に楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・7

SCANNER「BALL OF THE DAMNED」
ジャーマンメタルバンド、スキャナーの4th。1996作。
マイナーで始まりマイナーで終わるという典型のバンドだが、前作からVoも変わり、
さらに今作からはツインギターの5人編成となっている。一聴してマイナー臭さが消えており、
ギターの重ねにも厚みがでていて、これはなかなかよい。あれ、このVoこんなに上手かったか?…と思いきや、
@で歌っているのはゲスト参加のラルフ・シーパーズ(GAMMA RAY〜PRIMAL FEAR)であった。
全体的に疾走は抑えめながら、アコースティックパートなどでドラマティックに聴かせるアレンジが冴えており、
キーボードによるシンフォニックな味も出てきていて、バンドとしての最高作であるのは間違いない
SEVENTH AVENUEあたりとは渡り合えそう。マイナー系ジャーマンメタラーには聴いて欲しい一枚。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 意外と良いです度・・8 総合・・7.5
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SCARBLADE 「The Cosmic Wrath」
スウェーデンのメタルバンド、スカーブレードの2016年作
ギリシャ人女性シンガーを擁するバンドで、元々はRUTHLESS STEELという名前で活動していたらしいが、
バンド名を変更しての1作目。ハスキーな女性ヴォーカルと古き良きギターリフで聴かせる正統派のメタルサウンドで、
紅一点Aliki嬢の歌声は、美しい外見に似合わずなかなかパワフルで、DoroSister Sinあたりに通じる雰囲気もある。
ヘヴィすぎない適度なスカスカ感も、80〜90年代的でオールドなメタルファンなら耳心地よく楽しめるだろう。
4〜5分前後の楽曲はわりとシンプルで、もう少しメロディのフックなり、妖しい空気感があればよいのだが。
メロディック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Scardust 「Sands of Time」
イスラエルのシンフォニックメタル、スカーダストの2019年作
ストリングスや混声コーラスによるクラシカルなイントロで幕を開け、ヘヴィなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、
美しいソプラノとパワフルなハイトーンを使い分ける女性ヴォーカルを乗せた、壮麗なシンフォニックメタルを展開する。
ProgMetal的でもあるテクニカルな展開力も覗かせつつ、ピアノやストリングスなどの優雅なクラシカル性とともに
EPICAにも通じるスケール感と起伏のある構築力に、DELAINのようなキャッチーなメロディアス性も同居した聴き心地。
紅一点、Noa嬢はルックスの美しさに加えて、繊細なソプラノとパワフルな歌声にデス声までを使い分けるという驚異の逸材。
ときにデス声を加えたアグレッシブなヘヴィネスや、流麗なギターフレーズを含む巧みな演奏力と複雑な楽曲アレンジ、
そして奇跡の二刀流女性ヴォーカルと、すべてが高次元で融合。フィメール・シンフォニックメタルに輝ける新星が現れた。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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Scardust 「Strangers」
イスラエルのシンフォニックメタル、スカーダストの2020年作
2017年にデビュー、前作も女性声シンフォニックメタルとして近年まれにみる傑作であったが、2作目となる本作も
ストリングスにメタリックなギターとシンセを重ねたイントロ曲から、壮麗にしてクラシカルなサウンドが広がってゆく。
起伏に富んだ知的な展開力には、ProgMetal的なセンスも感じさせ、テクニカルでいてじつに優雅な聴き心地。
そして、美しい女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーな味わいがサウンドを華やかに彩っていて、
ソプラノからデスヴォイスもこなす、Noa嬢の歌声はやはり魅力的だ。ときにジャズタッチのパートなど、
前作に比べると軽やかな楽曲が増えていて、ベースやギターの流麗なプレイも随所に聴きどころになっている。
全体的には優雅で軽妙な味わいなので、壮大な大曲なども聴いてみたい。早くも次作を楽しみに待ちたい。
ドラマティック度・・8 優雅度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5 
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Scarleth 「The Silver Lining」
ウクライナの女性Voシンフォニックメタル、スカーレスの2015年作
2011年にデビューし、2作目となる。女性ツインヴォーカルにツインシンセという編成で、
美麗なシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカル、女性グロウルを乗せて疾走する、
アグレッシブなシンフォニックメタルを聴かせる。激しい疾走感もある一方で、曲によってはゴシックメタルや
フォークメタル寄りの雰囲気もあったり、翳りを帯びた雰囲気は東欧のバンドらしい。モダンなヘヴィネスと
メロスピ的な疾走感、クラシカルなシンセワーク、魅力的な女性声が同居したなかなかの好作品です。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SCELERATA「DARKNESS AND LIGHT」
ブラジルのメロディックメタルバンド、セレラータの2006作
ANGRAの成功以降、ブラジルからはAQUARIA、BURNING IN HELL、HIBRIAといった
実力あるバンドたちが登場してきているが、このバンドもそれらに次ぐ期待の新人だ。
ツインギターを含む5人組で、パワフルに疾走する正統派のメロディックメタルサウンドだ。
シンセをまじえつつ、サビでのコーラスなども含めてドラマティックな質感はなかなかのものだし、
ヴォーカルの歌唱はANGRAのエドゥ(4曲目でゲスト参加)を思わせる部分もあり、さらに表現力つければ
もっと曲が引き立つだろう。現時点ではいかにも南米らしい暑苦しさが魅力にまではなっておらず、
楽曲アレンジの質をもっと上げていって欲しい。また、ややバタバタとしたドラムサウンドも耳障りだが、
そのあたりが改善されれば、今後一線級のバンドになれるくらいのポテンシャルは感じられる。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SCELERATA「Skeletons Domination」
ブラジルのメロディックメタルバンド、セレラータの2nd。2008作
前作は正統派のメロパワとしてはなかなか質の高い作品であったが、本作も同路線。
1曲目はNOCTERNAL RITESを思わせるような、ミドルテンポの正統派サウンドであるが
続く2曲目ではHIBRIAのように爽快に疾走するナンバーで、部分的にはANGRA的な雰囲気も。
いくぶんヴォーカルが弱い感じもするが、キャッチーなメロディやツインギターの絡みなどは、
前作以上の充実ぶりで、テクニックのある演奏とともに、バラード曲などでの叙情性も
作品としての幅を広げている。もうひと皮向ければ一線級に踊りだしそうなレベルまで来ている。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派メロパワ度・・8 総合・・8
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SCELERATA「Sniper」
ブラジルのメロパワバンド、セレラータの2012年作
前作もなかなか高品質な作品で、ANGRA、HIBRIAに続くのはこのバンドだと思ったものだが、
思いの外新作を待たされて、5年ぶりの3作目となる。のっけから勢いのよい疾走曲で、
ツインギターのメロディックさと、新加入のヴォーカルの伸びやかな歌声とともに、
日本人好みのサウンドを描いている。全体的には、正統派メタル的なパワフルさも含みながら、
随所にANGRAなどにも通じる叙情性を覗かせる。ラストの9分超の大曲などはじつにドラマティック。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8


SCHEEPERS
Primal Fearのシンガー、ラルフ・シーパーズのソロ作。2011年作
TYRAN' PACE〜GAMMA RAY、そしてPRIMAL FEARというキャリアを積み、
名実共にジャーマンメタル界屈指のパワーシンガーとして名を馳せる彼だが、
意外にもソロとしては初の作品となる。サウンドの方は、SINNERやPRIMAL FEARを思わせる
正統派のジャーマンメタルで、正直なところ、バンドでやっていることと大差はないようも思えるが、
まあ、JUDAS PRIESTのようなメタルが好きでたまらないのだろうし、ファンも納得の内容ではある。
盟友マット・シナーをはじめ、マグナス・カールソン(LAST TRIBE)、スノーウィー・ショウ(元KING DIAMOND)
ヴィクター・スモールスキ(RAGE)、ティム・リッパー・オーウェンズ、さらにはカイ・ハンセなどもゲスト参加。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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SCHYSMA
イタリアのシンフォニックメタル、シズマの2022年作
女性シンガー、女性シンセ奏者を含む編成で、きらびやかなキーボードにメタリックなギターを重ね、
伸びやかなストレートとソプラノを使い分ける女性ヴォーカルで、モダンなメタルサウンドを構築。
アグレッシブなノリと女性声による耽美な空気感に、デジタルなシンセ感触を含むアレンジで、
いくぶんPrpgMetal的な知的な感触も覗かせる。高音域のEliana嬢の歌声は、やや好みが分かれるところだが、
オペラティックなソプラノをメインにした曲では、Nightwish系に通じる壮麗な聴き心地で楽しめる。
楽曲は4分前後が主体で、もう少しフックのあるメロディ展開や、ドラマティックな盛り上がりなどが欲しいか。
ドラマティック度・7 モダン度・8 女性Vo度・7 総合・7
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SCINTILLA PROJECT 「The Hybrid」
SAXONのヴォーカル、ビフ・バイフォードによるプロジェクト、シンティラ・プロジェクトの2014年作
シンセを含む編成でシンフォニックなアレンジに包まれた、モダンなハードロックサウンド。
SF的なコンセプトがあるのか、硬質感のあるギターサウンドにデジタリィなシンセの感触と、
枯れた味わいのヴォーカルがなんとなくミスマッチな感じでもないが、ともかく厚みのある音作りである。
楽曲ごとの魅力という点では微妙であるし、ベテランらしくもっとキャッチーで古き良き感触のサウンドの方が
ファンの望むところだったとは思うが、あえてシンフォニックメタル風の世界観に挑戦したビフの心意気は買いたい。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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Season of Dreams 「My Shelter」
フランス、スウェーデン混成のメタルバンド、シーズン・オブ・ドリームスの2020年作
叙情的なギターにシンセを重ね、パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、KAMELOTなどにも通じる
ドラマティックなシンフォニックメタルを聴かせる。コンセプト的なストーリー性を感じさせる流れなどは日本人好みで、
ファビオ・リオーネばりに歌い上げるヴォーカルとともに、RHPSODY OF FIREのような壮麗な味わいもある。
全体的には、ほどよくメロディックで重厚なサウンドであるが、楽曲単位でのインパクトはもうひとつというところ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 壮麗度・8 総合・7.5
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Season of Ghosts 「The Human Paradox」
シンフォニックメタル、シーズン・オブ・ゴースツの2014年作
BLOOD STAIN CHILDにも参加したギリシャ人女性シンガー、ソフィア嬢をフロントにしたプロジェクトで、
バックを固めるのはイタリア系ミュージシャン。適度なヘヴィさを含んだデジタリィでモダンなアレンジに、
美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せた、キャッチーなヘヴィロックというようなサウンド。
ソフィア嬢の歌声は、エフェクトがかかっていることも含めて、実力的には微妙なところであるし、
シンフォニックメタルとしてもゴシックメタルとしても、やや中途半端な方向性に思える。
いうなれば、シンフォニック・エレクトロ・メタルというべきか。壮麗な部分は悪くないので今後に期待。
シンフォニック度・・7 メロディック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Sebastien「Tears Of White Roses」
チェコのメタルバンド、セバスティアンの2010年作
シンセを含む5人編成で、モダンで壮麗なシンフォニックメタルをやっている。
なかなか力強いヴォーカルと、どことなく辺境性を感じさせるメロディを混ぜながら
B級臭くならないサウンドにしようとしているのが窺える。楽曲の盛り上がり、魅力という点ではまだまだ
物足りなさもあるが、女性コーラスを入れたり、アコースティカルなパートを入れたりと、アレンジ面でのセンスは
今後に期待できる。ゲストにファビオ・リオーネ(RHAPSODY)、ローランド・グラポウ(元HELLOWEEN)、
マイク・ディメオ(元RIOT)、アポロ(SPIRITUAL BEGGARS)、アマンダ・サマーヴィル(AVANTASIA)他が参加。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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SEBASTIEN 「Dark Chambers of Deja Vu」
チェコのメロディックメタル、セバスティアンの2015年作
前作から5年ぶりとなる2作目で、適度にモダンなヘヴィさとシンフォニックなアレンジで、
ドラマティックなシンフォニックメタルを聴かせる。マイルドな味わいのヴォーカルとともに
キャッチーなメロディアス性も含んだサウンドは、KAMELOTやSERENITYなどに通じる感触である。
楽曲は3〜4分台中心で、ミドルテンポ主体であるが、メロディックなフックの点もぐっと魅力が増していて、
ギターのリフとフレーズにも説得力があって、表現力あるヴォーカルの歌唱ととも重厚なドラマ性を描いてゆく。
SIRENIAの女性シンガー、アイリン嬢や元BLACK SABBATHのトニー・マーティン、
ザッカリー・スティーブンス(SAVATAGE)、ローランド・グラポウ(MASTERPLAN)などがゲスト参加。
ドラマティック度・・8 メロディック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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SEBASTIEN 「ACT OF CREATION」
チェコのメロディックメタル、セバスチャンの2018年作
2010年デビューで本作が3作目、ヘヴィでメロディックなツインギターに美麗なシンセと、
伸びやかなヴォーカルで聴かせる、スタイリッシュで正統派のメロディックメタル。
SONATA ARCTICAを思わせるミドルテンポのキャッチーなナンバーなども含め、
北欧のバンドのような涼やかな感触と、ほどよいモダンな硬質感が合わさった欧州メロパワが楽しめる。
アポロ・パパサナシオ(Time Requiem、Firewind)、マヨ・ペトラニン(SIGNUM REGIS)らがゲスト参加、
女性コーラスも加えた厚みのあるヴォーカルパートも魅力的だ。今回もハイクオリティな出来です。
メロディック度・・8 モダン度・・8 高品質度・・8 総合・・8
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Secret Illusion 「Illusion」
ギリシャのメロディックメタル、シークレット・イリージョンの2011年作
美麗なシンセと疾走感を含んだ、かつてのSTRATOVARIUSを思わせるサウンド。
ヴォーカルの声質や歌メロも含めてかなりのストラトっぷりで、中には「まんまやん!」と
突っ込みを入れたくなるような曲もあるが、それなりに質が高いので一応は楽しめる。
ただやはり楽曲やメロディには新鮮味はなく、本家以上に魅力がある部分は少ないのも事実。
あえていえば、いくぶんのB級っぽさがマニア心をくすぐるかもしれない。次回もまんまストラトなのかしら?
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ストラト度・・8 総合・・7.5




SECRET RULE「MACHINATION」
イタリアのシンフォニックメタル、シークレット・ルールの2016年作
2015年にデビュー、本作は2作目となる。SONATA ARCTICAのヘンリク・クリンゲンベリがシンセで参加、
ドラムには元DELAINのサンダー・ゾアーが参加している。美麗なシンセアレンジに重すぎないギター、
美しい女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。紅一点、ANGELA嬢の歌声は
ジャケのイメージ通りのフェミニンな魅力があって良いのだが、インスト部分のフックや展開がいまひとつ物足りず、
普通のメロハー風のナンバーから、ほどよく疾走感のあるメロパワ風味まで、わりとどっち付かずの聴き心地という。
WITHIN TEMPTATIONのステファン・ヘルブラド、DELAINのティモ・ソマーズ、SERENITYのファビオ・ド・アモーレがゲスト参加。
シンフォニック度・・7 メロディック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SECRET SPHERE「MISTRESS OF THE SHADOWLIGHT」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、シークレット・スフィアの1st。1999/2005作
このアルバムは、イタリアンメタルの中でもとりわけクサメロの点では5指に入る作品だと思うし、
これが出たときはRHAPSODYLABYRINTHに続くのは間違いなくこのバンドだと思ったものである。
その後、アルバムを重ねながらもやや伸び悩み、ようやく最近になって吹っ切れたようなアルバム
4th「HEART & ANGER」でやや持ち直したが、やはりこのバンドの最高作はこの1stである。
ファンタジックな世界観と、シンフォニックなキーボードで疾走するサウンドは、メロスピマニアにもたまらない。
とくにB“Recall of the Valkyrie”は、この手のクサ疾走ナンバーでは最高の1曲だ。
再発盤のボーナスのデモ曲も、音質は悪いがいっそうのクサメロ、かつシンフォニックで楽しめる。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・9 疾走度・・8 総合・・8
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SECRET SPHERE「A TIME NEVERCOME」
イタリアンのシンフォニックメタルバンド、シークレットスフィアの2nd。2001年作
シンフォニックな重厚さとともに楽曲のアレンジの質と音の説得力がぐんと増している。
1stのクサいメロディや、唐突な展開が好きだった身としては、やや痛し痒しだが
疾走のみに頼らないコンセプト作の壮大さで聴かせる本作は見事な出来だし、
これでより多くのファンを獲得するだけのバンドへと成長したのも確かだろう。
4あたりの勇壮かつシンフォニックな曲は、やはりこのバンドの魅力である。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・7 総合・・8
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SECRT SPHERE「SCENT OF HUMAN DESIRE」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、シークレット・スフィアの3rd。2003作
最近はRHAPSODYLABYRINTH以外はイマイチ影の薄くなったイタリア勢。このバンドも1stの頃は
素晴らしいクサメロのシンフォニック疾走メタルで話題を呼んだが、どうもそのあとは伸び悩んでいる。
この3rdにしても疾走度を抑えめにし、アレンジ的にもモダンさを押し出そうとしているのは分かるが
元の実力がさほどでもないので、結局アラが見えてしまうくらいのクオリティでとどまっている。
メロディの質という点でも、1sr>2nd>3rdと落ちてきているのは明白。
シーンで生き残るためにどうすべきか、もう一度真剣に考えてほしい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・7
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SECRET SPHERE「HEART & ANGER」
イタリアのメロパワバンド、シークレット・スフィアの4th。2005年作
前作では音楽的に失速ぎみで落胆したのだが、これは見事な復活作。
久しぶりに、メロディックに疾走する彼ららしい楽曲が目白押しの好作だ。
メロディにおける押しと引き、そしてシンフォニックかつクサメロなアレンジは1st以来の満足度で、
演奏のパワフルさもより増している。雰囲気としてはLABYRINTHの2nd〜3rdあたりに近い感じで、
イリタアンメタル好きにとっては「これだよ、これ!」と膝を叩ける内容だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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SECRET SPHERE 「Sweet Blood Theory」
イタリアのメロスピバンド、シークレット・スフィアの5th。2008作
今作はなにやら色っぽいジャケだが、「吸血鬼」をテーマにしたコンセプト作らしい。
シンフォニックなアレンジと、ストーリーに基づいたドラマティックな雰囲気は、RHAPSODYなどにも接近した感じだが、
そこまで大仰ではなくキャッチーなメロディとともに疾走するサウンドはさすがのクオリティだ。
ただ、やはりメロディにも曲そのものにも新たな魅力は発見できず、どうしても中庸感漂う佳作としか評価できないのが残念。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Secret Sphere「Architype」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、シークレット・スフィアの2010年作
すでにデビューから10年以上、イタリアン・シンフォニックメタルの中堅となったこのバンド
前作はよくも悪くも中庸な佳作といった出来だったのだが、本作ではこれまでの壮麗な
シンフォニックメタルの要素に、古き良きメロパワの質感を加えた、なかなかの力作だ。
シンセによる美しいアレンジと普遍的なメタルサウンドの融合は、かつてのLABYRINTH的でもあり、
原点回帰したような疾走感も含めて、これは初期のファンには嬉しい作風だろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 壮麗度・・8 総合・・8
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SECRET SPHERE「Portrait of a Dying Heart」
イタリアのシンフォニックメタル、シークレット・スフィア2012年作
1999年にデビューしてから、イタリアンメタルバンドの中堅として地道に活動を続け、本作が7作めとなる。
新たにヴォーカルにはシーン屈指の実力派として名高いミケーレ・ルッピが加入し、期待が高まるが
1曲めは6分もある長めのインスト曲でじらすじらす。2曲めは待ってましたの疾走メロスピ曲で、
サウンドもより重厚かつパワフルな作風となって、これまで若干感じられたB級臭さはほぼ払拭されている。
ミケーレの歌声はさすがの説得力で、バンドとしての格を一段引き上げていることは間違いないが、
反面、初期の疾走クサメロ路線との決別も感じられるのは仕方がないところか。クオリティという点では
Labyrinthあたりと同等に語るべきバンドになった。マニア好みの存在から一気に浮上するには充分な力作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 歌唱度・・9 総合・・8
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SECRET SPHERE 「A Time Never Come 2015 Edition」
イタリアのメロディックメタル、シークレット・スフィアの2015年作
2001年の2ndアルバムを現メンバーでリレーコーディングした作品で、なんといっても、ミケーレ・ルッピの
伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて、きやびやかに疾走するメロディック・スピードメタルが楽しめる。
一時期はバンドとしての方向性を迷うような作品もあったが、メタル界最高のヴォーカリストを得て、
心機一転の原点回帰という意味合いも強いのだろう。かつてのオリジナルに比べると、B級がかったクサメロ感覚が
いくぶん薄れている感じもあるが、そこは日本のガルネリウスなどと同様で、レベルの高いシンガーが加わったことで、
メジャー感の強い爽快な作風になるのは必然と言えるだろう。過去からのファンも新たなファンも必聴の作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 爽快度・・8 総合・・8 
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Secret Sphere 「One Night Tokyo」
イタリアのシンフォニックメタル、シークレット・スフィアのライブ作品。2016年作
2015年に東京で行われたライブステージを2CD+DVDに収録。何を隠そう私も足を運んだこのライブ、
新宿WILD SIDEというプロのバンドが使うには小さなハコなのだが、満員で大変な熱気だったのを覚えている。
希代のハイトーンシンガー、ミケーレ・ルッピをフロントに迎えたことで、バンドとしてのレベルはぐっと押し上げられた。
抜群のヴォーカルを乗せた、キャッチーなメロディアス性とシンフォニックなアレンジはまさに日本人好み。
カメラワークやライティングなども含めて映像的には物足りなさもあるのだが、バンドのパフォーマンスは見事で、
ツインギターにシンセを含んだ音の厚み、安定した演奏力もさすが。盛り上がる観客と楽しげなメンバーたちの姿からも、
ライブの臨場感が伝わってくる。なにより、素晴らしいヴォーカルのおかけで、足の疲れが吹っ飛んだことを思い出した。
ライブ演奏・・8 ライブ映像・・7 ミケーレの歌唱度・・9 総合・・8 
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Secret Sphere 「Lifeblood」
イタリアのメロディックメタル、シークレット・スフィアの2021年作
1999年にデビュー、イタリアンメタルを代表するバンドのひとつで、本作は9作め。ミケーレ・ルッピに替わり、
ロベルト・メッシーナがシンガーに復帰している。壮麗なイントロに続き、流麗なギターメロディとともに疾走、
伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて、優雅でキャッチーなメロディック・スピードメタルを聴かせる。
やや線の細いメッシーナの歌声は、初期作のイメージを思い出させて、爽快なメロディのフックとともに、
これぞイタリアンメタルという耳心地である。メロハー寄りのキャッチーなナンバーもありつつ
壮麗な疾走メロスピナンバーにはやはりニンマリだ。シンフォニックかつメロディックな高品質作です。
メロディック度・8 疾走度・8 優美でキャッチー度・8 総合・8 
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Seduce The Heaven「Field of Dreams」
ギリシャのモダン・シンフォニックメタル、セデュース・ザ・ヘブンの2013年作
シンセを含んだ美麗でモダンなアレンジとアグレッシブなヘヴィネスを同居させ、
そこに男性のデスヴォイスと美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せたサウンド。
ヘヴィなギターリフと男女ヴォーカルの歌声という点では、AMARANTHにも通じるものがあるが、
こちらの方が、ギリシャという地域性もあってか、いくぶんマイナーな感じのメロディアスさが強くて楽しめる。
激しく疾走するところはモダンなデスメタル風味で、女性声でしっとりと聴かせるところはゴシックメタル的という、
そのミクスチャー具合もなかなか絶妙。女性ヴォーカルの歌声が魅力的なのもいい。高品質な新鋭バンドです。
シンフォニック度・・7 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Selene 「The Forgotten」
イギリスのシンフォニックメタル、セレネの2015年作
メタリックなギターに美麗なシンセを重ね、伸びやかなソプラノ女性ヴォーカルを乗せて
優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。オーケストラルなアレンジは、EPICAなどにも通じる雰囲気で、
紅一点、SHONAGH嬢の歌声は、DELAINのシャルロット嬢を思わせるキュートな魅力と表現力がある。
随所に聴かせるメロディックなギターフレーズがキャッチーな味わいになっていて、楽曲も3〜5分前後と、
ほどよくコンパクトで聴きやすい。ラストは9分の大曲で、きらびやかなシンセと見事なヴォーカルを乗せて
緩急ある展開で壮麗に構築する。自主制作のCD-R仕様ながら、素晴らしい女性Voも含めてレベルの高い逸品です。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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Selene 「The Ravages Of Time」
イギリスのシンフォニックメタル、セレネの2017年作
自主制作2作目の本作も、壮麗なシンフォニックアレンジと美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
Nightwishなどにも通じる優美なサウンドを聴かせる。オーケストラルな優雅さと適度な疾走感に、
ほどよくキャッチーなノリもあって、魅力的な女性声とともに、Edenbridgeなどが好きな方にもお薦めできる。
今作もラストは10分を超える大曲で、しっりとした始まりから、ドラマティックに展開してゆく構築力はなかなか見事。
全体的には、前作同様に自主制作のレベルを超えるクオリティだが、インパクトのある楽曲がもう少しあればと思う。
シンフォニック度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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SELENSEAS「The Outer Limits」
ロシアのメロディックメタル、セレンシーズの2020年作
2017年のデビュー作を英語歌詞でリレコーディングした作品で、女性Key、女性Dr含む6人編成。
流麗なツインギターにシンセを重ね、パワフル過ぎないヴォーカルを乗せた、正統派のシンフォニックメタルを聴かせる。
全体的にパワフル過ぎず、ほどよくキャッチーな味わいで、美麗なシンセアレンジが随所に光っているが、
楽曲的にはミドルテンポが主体で、疾走感がそれほどないため、メロスピリスナーにはやや物足りなさも。
エピックな勇壮さとともに、曲によってはペイガン寄りの土着的な匂いも感じさせるが、キャッチーでゆくのか
シンフォニックでゆくのか、エピックなのか、どっちつかずという印象なので、今後の方向性を明確にして欲しい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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SELIDOR「La Costa Mas Lejana」
アルゼンチンのメロディックメタル、セリドールの2000年作
あまりヘヴィさのないツインギターとスペイン語の歌声を乗せて疾走する正統派のメロパワサウンド。
少々ショボめの叙情と随所に聴かせるクサメロはなかなか微笑ましく、
B級でもOKというスパニッシュメタルマニアはチェックしてもよろしいかと。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 南米度・・8 総合・・7

SELIDOR「DESTELLOS EN LA OSCURIDAD」
アルゼンチンのメロパワバンド、セリドールの2nd。2002作
いまどき珍しいくらいの正統派スタイルで、ツインギターのメタリックなリフを重厚に鳴らす。
スペイン語の歌唱とともに、サビメロは南米のバンドらしいクサいメロディも顔を出し、
ところによりうっすらとキーボードも入ったりして、マイナー系クサメタルファンにもアピールする。
ギターの奏でる哀愁メロディはなかなかのもので、クオリティ的にもあなどれない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 南米度・・8 総合・・7.5


SERAPHIM/六翼天使「不死魂/The Soul That Never Dies」
台湾のシンフォニックメタルバンド、六翼天使ことセラフィムの1st。2001年作
キーボード入りで疾走する曲にわめき系のデス声とソプラノ女性Voが乗る、というスタイル。
NIGHTWISHのターヤとEDENBRIDGEのサビーネ嬢の中間といった女性声はなかなか魅力的で、
歌メロに平坦さを感じるものの、良い雰囲気をかもし出している。演奏についてはドラムも含めて
まだまだ技量が足りない部分もあるが、NIGHTWISH+疾走+デス色というやりたいことは分かる。
曲によってはCHILDREN OF BODOMみたいな雰囲気のものもあったりするが、
個人的にはこうしたデス要素は特になくてもいいような気もする。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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SERAPHIM/六翼天使「平等精霊」
台湾のシンフォニックメタルバンド、六翼天使ことセラフィムの2nd。2002年作
デス色を後退させ、美声の女性ヴォーカルメインにしたことで1stに比べ叙情度がUP。
ギターの弾くメロディやバックの音の重ねにもぐっと説得力が増してきている。
クサメロを含んで美麗に疾走する聴き心地はなかなか爽快で、とくにパイ嬢のソプラノの美しさにはウットリだ。
イントロがBLIND GUARDIANで曲が始まるとNIGHTWISH、サビの歌メロはSTRATOVARIUS
なんていう曲もあるので(笑)今後は真のオリジナル性を身に付けてもらいたい(メンバーもまだ若そうだし)。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SERAPHIM/六翼天使「AI/愛」
台湾のシンフォニックメタルバンド、セラフィムの3rd。2004作
美声の女性Voに疾走メタルという組み合わせで、ストヴァリ風に疾走し、NIGHTWISH風にシンフォニックで
時折チルボド風のメロデス風味もあるという、いわば美味しいとこどりのサウンドは本作も同様。
5分以上の曲が多く、展開も多いので1曲ごとの印象が薄いのも相変わらずだし、
バタバタとせわしなく、ややリズム感の悪いドラムが時々耳障りなので、今後の改善ポイント。
個人的には前作の中国語版が好きだったので、無理して英語版を出さずともよいと思うが。
尚、Voパイ嬢はこのアルバムを最後に脱退、現在はより美人な(^-^)クイン嬢が加入している。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SERAPHIM「RISING」
台湾のシンフォニックメタルバンド、セラフィムの4th。2007年作
ギター以外のメンバーが交代した本作であるが。美しい女性ヴォーカルの歌声でシンフォニックに疾走するサウンドは健在。
新Voのクイン嬢の歌唱は力量、表現力的ともにまだ物足りないがそのオペラティックな声質は
楽曲に優美な格調をもたらしており、ありがちながらクサいフレーズを奏でるツインギターもなかなかいい感じだ。
初期にあったドタバタとしたマイナー臭さが減った分、だいぶ聴きやすくなっている。
そしてやはり女性Voの歌う、美しいサビのメロディの爽快感はこのバンドの持ち味だろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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六翼天使「One Night In Beijing/北京狂嘯夜」
台湾のシンフォニックメタル、セラフィムのライブ作品。2006年作
中国、北京でのステージを収録したCD+DVDの2枚組。
美声の女性ヴォーカルとデスヴォイスの絡みを乗せて、ときに激しい疾走感を含んだサウンドは、
ライブにおいては、シンフォニックな優美さにやや欠けていて、音の厚みが感じられないのだが、
随所に流麗なハモリを聴かせるツインギターはエックス・ジャパンを彷彿させてよい感じだし、
なにより、このバンドの貴重なステージ映像が見られるだけでもファンには嬉しいだろう。
紅一点、クイン嬢の歌声は、男性デスヴォイスとの絡みではいくぶん弱弱しく聴こえ、
バンドとしてのアンサンブルもまだまだインディーズレベルの域を出ていない印象。
公式のライブ音源にしては、音質は上等のブート程度の迫力なのも残念。
ライブ演奏・・7 音質・・7 女性Vo度・・7 総合・・7


SERENITY「Words Untold & Dreams Unlived」
オーストリアのメロディック(プログレ)メタルバンド、セレニティーの2007作
Prog MetalといってもいわゆるDREAM THEATER系ではなく、メタリックな質感を充分残し、
テクニカルな展開に走らないスタイルで、薄暗いドラマ性を持ったメロパワとしても楽しめる。
さらに曲によっては、KAMELOTSONATA ARCTICAなどを思わせるきらびやかで
シンフォニックなアレンジを聴かせたりと、若いリスナーにはとっつき安いサウンドだろう。
反面、現時点では既存バンドのいいとこ取りのようなあざとさも感じられるので、
今後は彼らならではの世界観の深みとサウンドを身に付けていって欲しい。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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SERENITYFallen Sanctuary」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、セレニティーの2nd。2008作
前作は質は高いながらも、ややまとまりが感じられないというアルバムだったが、
今作ではシンフォニックな重厚さを押し出した、ドラマティックなサウンドになった。
いかにも若さを感じさせた展開の多い作風から、焦点をしぼって無駄をなくし
じっくりと聴かせるタイプの曲が増えたことで、作品としての統一感を強くした。
また、ヴォーカルの力量が上がったことも世界観の説得力に大きく貢献している。
ギターとキーボードの重なりがシンフォニックな音の厚みと、KAMELOTにも通じるほの暗い
叙情美を際立たせていて、ゲストの女性ヴォーカルなども要所でアクセントになっている。
若いバンドながら、二作目にして質の高いドラマティックメタル作品を作り上げてきた。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 重厚度・・8 総合・・8
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SERENITYDeath and Legacy
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、セレニティーの2011年作
過去2作とも質の高いドラマティックなアルバムでにわかに人気を高めているこのバンド、
本作もKAMELOTを思わせるような知的な構築美で聴かせるドラマティックメタルの力作だ。
美麗なシンフォニックアレンジにも磨きがかかり、ときにRHAPSODYを思わせるクワイヤで
映画的な壮大さを演出するなど、サウンドにはもともとあったセンスに加えスケールの大きさが出てきた。
ヴォーカルの表現力やメロディの魅力という点でもさらに向上していて、モダン派のシンフォニックメタルとして
いよいよその地位を確立する傑作となった。DELAINのシャルロッテ嬢、SIRENIAのアイリン嬢がゲスト参加。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5
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SerenityWar of Ages」
オーストリアのシンフォニックメタル、セレニティーの2013年作
4作目となる本作は、傑作だった前作を受け継ぐドラマティックなサウンドはそのままに、
新たに女性ヴォーカルを正式メンバーに迎え、男女ヴォーカルの歌声とともに、
壮麗なるシンフォニックメタルを展開する。中世ヨーロッパのドラマを描き出すような
壮大な世界観と随所に知的な構築力を覗かせる。じっくりと聴かせる作風なので
全体的に疾走感は控えめなのだが、コンセプトアルバム的な流れで楽しめる力作だ。
シンフォニック度・・8 重厚度・・7 ドラマティック度・・9 総合・・8.5

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Serenity 「Codex Atlanticus」
オーストリアのシンフォニックメタル、セレニティーの2016年作
2007年にデビューしてから、KEMELOTばりの高品質サウンドで人気を博すこのバンド、
5作目となる本作も、壮麗なイントロからしてシネマティックな香りに包まれた雰囲気で、
キャッチーなメロディアス性と適度な疾走感に、マイルドなヴォーカルの歌声で聴かせる、
優雅なシンフォニックメタルが広がってゆく。これまで以上に疾走パートを多く含んだ
メリハリのある展開力で、ドラマティックな構築性とアレンジセンスも見事である。
やわらかな優美さとストーリー性のあるスケール感に包まれた高品質作品だ。
ゲスト女性ヴォーカルにアマンダ・サマーヴィルなどが参加。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Serenity 「Lionheart」
オーストリアのシンフォニックメタル、セレニティーの2017年作
2007年にデビューし、レベルの高いアルバムでまたたくまに人気バンドへと駆け上がった。
6作目となる本作は、イングランドのリチャード獅子心王をテーマにしたアルバムで、
荘厳なイントロから幕を開け、流麗なギターにシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せた
壮大なシンフォニックメタルを展開する。キャッチーなメロディと重厚なメタル性の絶妙のバランス、
ウェットな叙情性を含んだドラマティックな味わいは、「ヨーロッパ版KAMELOT」というべきか。
今作では中世が舞台ということで、トラッド的な旋律が随所にエピックな味わいになっていて、
Thy Majestie
などが好きな方にも薦められる。ドラマ性のある流れで鑑賞できる力作です。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 エピック度・・8 総合・・8 
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Serenity 「The Last Knight」
オーストリアのシンフォニックメタル、セレニティの2020年作
2007年にデビュー、本作は6作目で、神聖ローマ皇帝、マクシミリアンI世をテーマにしたコンンセプト作品。
オーケストラによる壮麗なイントロから、メタリックなギターに、伸びやかなヴォーカルと勇壮なコーラスを乗せ、
RHAPSODYばりのエピックなシンフォニックメタルを展開。随所にメロディックなギターフレーズも覗かせつつ
ほどよくキャッチーな味わいで、ヘヴィすぎないサウンドを描く、スタイリッシュなセンスはさすがというところ。
ミドル〜スローテンポのナンバーをメインに、ときにアグレッシブな疾走パートも現れて、起伏に富んだ構成力で
どっしりとしたコンセプトストーリーを描いてゆく。トータルの流れで楽しめる、華麗なるエピック・シンフォメタルだ。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・9 重厚度・・8 総合・・8 
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Sergey Mavrin「Otkroveni」
ロシアのギタリスト、セルゲイ・マヴリンの2006年作
元ARIAのメンバーであった彼が率いるバンドで、本作は3作目。
ロシア語の歌声とともに随所にネオクラ的なフレーズを聴かせる正統派のメタルサウンドで、
打ち込みのようなドラムがいくぶん耳障りながら、うっすらとしたシンセアレンジや
いかにもギタリストらしく、あくまでメロディにこだわった楽曲作りは悪くない。
メロディック度・・8 パワフル度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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Serious Black 「As Daylight Breaks」
MASTERPLANのローランド・グラポウ、元BLIND GUARDIANのトーメン・スタッシュ、EDENBRIDGEのドミニク・セバスチャン
BLOODBOUNDのアーバン・ブリードらによる、多国籍メタルバンド、シリアス・ブラックの2015年作
ツインギターに美麗なシンセアレンジ、ハイトーンヴォーカルを乗せた正統派のメロディックメタルであるが、
シンセによるシンフォニック性がずいぶん前に出ているので、古き良きジャーマンメタル的なものを期待するとやや肩透かし。
アーバン・ブリードのヴォーカルは、パワフルというよりはむしろ繊細な感触で、うつくしいバラード曲にもよく合っている。
一方、トーメンのドラムはドコドコと楽しそう。ただ、疾走曲ばかりというワケでもないので、全体的に質は高いものの
燃えきらないもどかしさも感じてしまうのも事実。ともかく今後の活動に期待しましょう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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SERIOUS BLACK 「MIRRORWORLD」
元BLOODBOUNDのアーバン・ブリード、EDENBRIDGEのドミニク・セバスチャンらによるメタルバンド、シリアス・ブラックの2016年作
脱退したローランド・グラポウ、トーメン・スタッシュに代わり、ボブ・カティオニス(FIREWIND)、アレックス・ホルツワース(元RHAPSODY OF FIRE)が加入
2作目となる本作も、きらびやかなシンセアレンジにパワフルなヴォーカルを乗せ、メロディックに疾走する正統派のメロパワサウンドで、
前作に比べてわりとキャッチーでスタイリッシュな作風になっている。ギターリフは古き良き王道の様式美系の感触があって、
美麗なシンセとの絡みで随所にネオクラ風味も覗かせる。疾走ナンバーからミドルテンポのキャッチーなナンバーまで、
総じてクオリティは高いのだが、メロディのフックに新鮮味は薄く、安定して楽しめるメロパワという程度にとどまっているのが惜しい。
メロディック度・・7 疾走度・・7 様式美度・・8 総合・・8
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SERIOUS BLACK 「MAGIC」
多国籍メンバーによるメロディック・メタル、シリアス・ブラックの3作目。2017年作
元BLOODBOUNDのアーバン・ブリード、EDENBRIDGEのドミニク・セバスチャンを中心に、
前作から参加のFIREWINDのボブ・カティオニス、元RHAPSODY OF FIREのアレックス・ホルツワース、
元DREANSCAPEのヤン・ヴァシックというメンバーで、前作以上にシンフォニックなアレンジと、
緩急に富んだ展開力で、正統派のメロディックメタルを聴かせる。伸びやかでパワフルなヴォーカルと
随所にテクニカルなフレーズを奏でるギターワークもさすがで、キャッチーなコーラスワークも含めて
最後までクオリティの高いサウンドが楽しめる。メロディのフックという点でも過去最高の出来だろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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Serpencia 「SEDM」
チェコのメタルバンド、サーペンシアの2017年作
オールドなギターに母国語による艶めいた女性ヴォーカルを乗せた、ヴィンテージなメタルサウンド。
楽曲は3〜4分前後主体で、ほどよい疾走感もありつつ、わりとストレートな聴き心地で、
オールドなメタル感と、ソプラノを含むなよやかな女性ヴォーカルの歌声がややミスマッチで、
辺境らしい妖しさに包まれる。曲によっては、ゴシックメタル的な味わいでも楽しめ、
美しい女性声と母国語メタルが好きな方ならチッェクしてもよいかと。CDR仕様の自主制作。
ドラマティック度・7 辺境メタル度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Serpent Lord「Apocrypha」
ギリシャのエピックメタル、サーペント・ロードの2021年作
メタリックなギターにうっすらとしたシンセ、ハイトーンのヴォーカルを乗せ、KING DIAMONDのような
シアトリカルな雰囲気に包まれた、ダークな正統派メタルを聴かせる。激しい疾走パートもありつつ、
リズムチェンジによる緩急ある展開力で、朗々とした歌声とともに濃密でドラマティックなサウンドを構築。
楽曲は4〜5分前後が主体ながら、重厚なギターリフと伸びやかに歌い上げるヴォーカルの存在感が、
ディープな聴き心地になっていて、いくぶん翳りを帯びたエピックドゥーム寄りの雰囲気も感じさせる。
正統派メタルのリスナーも、エピックメタルのリスナーも楽しめる、どっしりとした濃密な強力作だ。
ドラマティック度・8 エピック度・8 重厚度・8 総合・8
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Serpent SaintsAll Things Metal」

デンマークのメタルバンド、サーペント・セインツの2012年作
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、古き良きスタイルのパワーメタル。
ザクザクとしたギターにはスラッシュ風味もありつつ、適度にメロディアスな感触も含んだ聴き心地。
ときにダミ声ヴォーカルをまじえるなど、ストレートなパワーメタルの中にもミステリアスな雰囲気を覗かせ、
同郷の偉大な先輩である、KING DIAMONDMERCYFUL FATEなどからの影響もいくぶん窺える。
そのMERCYFUL FATEのカヴァーも含め、勢いに溢れたオールドスタイルの力作である。
ドラマティック度・・7 スラッシー度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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SEVEN「Freedom Call」
チェコのメタルバンド、セブンの2011年作
ヘヴィなギターリフとパワフルなヴォーカルで聴かせる正統派のHR/HMで、
ミドルテンポ中心の楽曲はけっこうパワフルなのだが、これといって新鮮なものはない。
ギターのフレーズは古き良きロック的でありつつ、曲によってはモダンなヘヴィさも感じさせるという、
いわばどっちの耳で聴いていいのか微妙なサウンド。個人的にはもうちょっとメロディアスだと嬉しい。
ヘヴィな曲よりも、むしろどちらかというと、ゆったりとしたオールドロック的な曲の方がいい感じです。
メロディック度・・7 パワフル度・・7 正統派度・・7 総合・・7
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SEVEN ANGELS「THE SECOND FLOOR」
ブラジルの女性Voメロディックメタルバンド、セブン・エンジェルスの1st。2002年作
可憐な女性Voとキーボード入りで疾走…と書けば、フィメール好きメタルファンは大喜びだろうが、このバンドに関しては
女性Vo好きの私ですら「かなり微妙」…と言わざるをえない。曲の雰囲気は悪くはないのだが、
女性Voの音程とリズム感の不確かさが相まって全体的にB級感漂うサウンドに聴こえてしまうのが難点。
ORATORYBEHOLDERの1stあたりが好きな方であれば、そこそこ気に入るかもしれない。
声質は嫌いでないのだけどね…。とにかく、もっと発声練習しましょうよ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・6.5

SEVEN ANGELS「Faceless Man」
ブラジルの女性Voメロディックメタルバンド、セブン・エンジェルスの2nd。2005作
女性ヴォーカルで疾走するメタル…なのだが、サウンドはモダンなヘヴィネスで覆われていて
クサメロでもシンフォニックでもないという、なんとも微妙な感じのバンドである。
1stであまりに音痴な歌声を聴かせたVo嬢も、少しは上達しているが(同一人物かは未確認)
それでも魅力的というにはまだまだで、リフ主体の重めの楽曲に埋もれてしまっている感がある。
たとえ疾走しても、メロディに魅力なしでは聴いていても全然楽しくないし、
女性ヴォーカルというポイントをまったく音に活かしていないのが残念である。
バンドとしてこの方向性でいいものかどうか、もう一度じっくり検討してもらいたいものだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Seven Dark Eyes 「Across Oneiric Lands」
イタリアのシンフォニックメタル、セヴン・ダーク・アイズの2008年作
きらびやかなシンセアレンジをギターに重ね、なよやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
優美なシンフォニックメタルサウンド。適度に疾走感のある楽曲は、いわゆるNightwishタイプであるが、
紅一点、キアラ嬢のやや線の細い歌唱や、ほどよいクサメロ感も含めて、どことなく翳りを帯びた
マイナーな味わいに包まれているのがマニア好みである。メロディのフックや楽曲展開など、
突き抜けきらないB級っぽさも、またよろしい。クラシカルなシンセワークはSKYLARKあたりも思わせ、
フェミニンな女性声とともに疾走する、可憐なシンフォニックメタルが好きな方はどうぞ。
シンフォニック度・8 優美度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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7DAYS「Weight of the World」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、7デイズのアルバム。2006作
Harmonyでも活躍するギタリスト、マーカス・シグフリードソンを中心にしたバンドで、
ここでもしごく正統派のメロディアスハードロック/メタルをやっている。
北欧らしい叙情的なメロディとクラシカルなシンセとギターで聴かせる楽曲は
適度にヘヴィで、今のバンドらしいモダンなアレンジを随所に感じさせる。
メロディアス度・・7 北欧度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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7DaysInto Forever
スウェーデンのメロディックメタルバンド、7デイズの2010年作
Harmonyでも活躍するギタリスト、マーカス・シグフリードソンを中心にしたバンドで、
前作はしごく正統派のメロディアスハードロック/メタルであったのだが、
今作は4人のヴォーカルが参加し、なにやらドラマティックな壮大さが増している。
男女ヴォーカルの掛け合いはシアトリカルな雰囲気で、いくぶんダークな世界観とともに
重厚に聴かせる作風。19分の大曲を含め起伏に富んだな構築力と曲によっては疾走感もあり、
きらびやかなシンセにギターが重なるネオクラシカル要素もあったりと、なかなか濃密なのだが、
メロディに突き抜けるような爽快感がないというのか、部分ごとの新鮮味が薄いのが惜しい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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SEVEN GATES 「UNREALITY」
イタリアのメロディックメタルバンド、セブン・ゲイツの2002作
キーボートにツインギターの6人組で、ネオクラシカルテイストのあるメロディックメタルをやっている。
基本は疾走型のメロスピだが、ところによりDREAM THEATER的な要素も感じられ、
間奏部ではけっこう複雑なアレンジを用いたりと、なかなか頑張っている。
若いバンドのようだが演奏力もあり、シンフォニックな音の雰囲気も悪くないが
やはりメロディや曲調に新鮮味がなく、Voも若干弱い。今後に期待。
メロディアス度・・7 ネオクラ度・・7 楽曲・・7 総合・・7

SEVEN GATESTHE GOOD AND THE EVIL
イタリアのメロディックメタル、セブン・ゲイツの2009年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、きらびやかなネオクラシカル風味で疾走、
随所にクサメロを効かせたシンフォニックアレンジもその筋のマニアはにんまりだ。
曲自体はけっこう普通の正統派の雰囲気もあり、新鮮味はあまりないのだが、
メロディックに疾走するメロスピ曲はやはり嫌いにはなれないのだな。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Seven Kingdoms「Brothers of the Night
アメリカのエピックメタルバンド、セブン・キングダムスの2007年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、バンド名やジャケのイメージからも
エピックなファンタジー世界を感じさせるが、BLIND GUARDIANやHAMMERFALL、ICED EARTH
などのTシャツを着たメンバー写真からしても、いかにも「メタル大好き」な連中であるようだ。笑
肝心のサウンドの方も、これがまた絵に描いたような、B級疾走クサメロスピでにんまり。
とくに、音程のあやしいヴォーカルのヘナチョコさが、エピックな世界観を一気にマイナーにしていて、
ツインギターのクサいフレーズを乗せて疾走する部分などはある意味たまらない。
いきなりデス声が出てきたりするとりとめのなさも、彼らなら仕方ないか…と許してしまう。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ヘナチョコ度・・8 総合・・7
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Seven Kingdoms
アメリカのエピックメタルバンド、セブン・キングダムズの2010年作
前作はヘナチョコなB級エピックメタルであったが、本作ではヴォーカルが女性になり、
バンド名をタイトルにするなど心機一転の作品となった…はずなのだが、
シンフォニックなイントロから期待させておきながら、肝心の曲の方は相変わらずのB級っぷり。
微妙な力量の女性ヴォーカルの歌声で、古き良き正統派のメタルを繰り広げているのだが、
美麗にもパワフルにもなりきれない感じで、曲によっては無駄にモダンなヘヴィさがあったり、
ハードロック的であったりと、方向性も中途半端。8曲めなどのクサメロ疾走曲はよい感じなので
この路線をもっと増やしてゆけば、マニア受けするバンドにはなれそうなのだが。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Seven Kingdoms「Fire Is Mine」
アメリカのメロディックメタルバンド、セブン・キングダムズの2012年作
女性ヴォーカルの歌声とともにパワフルに疾走するスタイルは前作同様だが
サウンドはずいぶんパワフルになっていて、初期にあったB級臭さが薄らいできている。
ツインギターはときにHELLOWEEN風だったりして、なかなかよい感じだし、
サブリナ嬢の歌声も前作よりもずっと表現力がついてきた。全体的にはまだまだ
B級感も残っているのだが、疾走スタイルの女性声メタルが好きな方なら楽しめるだろう。
メロディック度・・7 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Seven Kingdoms 「Decennium」
アメリカのメロディックメタル、セブン・キングダムズの2017年作
2007年にデビュー、2作目まではB級臭さ丸出しのサウンドであったが、4作目となる本作でめでたく日本盤デビュー。
前作からいくぶんパワフルになったサウンドは、本作ではさらにそのクオリティをともなってきていて、
正統派のギターリフに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、爽快なメロディックメタルを聴かせる。
紅一点、サプリナ嬢の歌声はパワフルすぎず、女性としての艶めいた魅力も感じさせ、フィメールメタル好きにもしっかり対応。
メタリックな疾走感の中にも、随所にツインギターの流麗なフレーズを覗かせて、楽曲におけるメロディのフックもぐっと向上、
HELLOWEENなどのジャーマンメタル好きのリスナーにも楽しめるだろう。このバンドがここまで成長するとは!
女性Voフロントの正統派メロパワとして、いよいよ一線級の存在に上ってきたというべき傑作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 
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SEVEN SERAPHIMBELIEVE IN ANGELS」
アメリカのネオクラ系プログレメタルバンド、セブン・セラフィムのアルバム。2003作
レーベルがイタリアだったので、てっきりマイナー系疾走メタルだと思っていたら、
私の苦手ないわゆるネオクラシカル系のバンドでした。
弾きまくりのギターと綺麗なキーボードにテクニカルメタル風の曲展開を加味したという感じ。
Voはありがちなハイトーンで、声質は誰かに似ているような気がする。
プログレメタル風のネオクラが好きなら、けっこう気に入るのではないだろうか。
ネオクラ度・・7 プログレ度・・6 楽曲・・7 総合・・7


Seven Sisters 「The Cauldron and the Cross」
イギリスのメタルバンド、セヴン・シスターズの2018年作
2016年にデビューして、本作が2作目となる。80年代のNWOBHMをルーツにしたオールドなスタイルで、
ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、古き良き感触のスピードメタルを聴かせる。
リズムチェンジを含む緩急ある展開と、ギターフレーズにはジャーマンメタル的なクサメロ感も覗かせて、
パワフル過ぎないウェットなマイナー臭さも含めて、オールドメタラー諸君はニンマリだろう。
ラストは2パートに分かれた計16分という大曲で、ドラマティックな構築力もなかなかのもの。
初期のENFORCERPORTRAITあたりにも通じる、80'sメタル愛が感じられる強力なアルバムだ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 古き良き度・・9 総合・8
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Seven Spires「Emerald Seas」
アメリカのシンフォニックメタル、セヴン・スパイアーズの2020年作
AVANTASIAやサシャ・ピートのMASTERS of CEREMONYにも参加する女性シンガー、エイドリアン・カワンをフロントに
バークリー音楽院出身のギタリストなどを含むバンドで、ほどよくヘヴィなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せ、
オーケストラルなアレンジも加えた、モダンなシンフォニックメタルを基本に、彼女自身のスクリームヴォイスや
随所に流麗なギターフレーズなどを盛り込んだ、ドラマ性を感じさせる緩急ある展開力で聴かせる。
適度にアグレッシブな若手らしいメタルコア風のモダンさも覗かせつつ、メロディのフックはキャッチーで、
テクニックのあるギターとエイドリアン嬢の表現豊かな歌声がサウンドの説得力をぐっと高めている。
ヴォーカルとギターをはじめとしたポテンシャルの高さも含めて、今後に大きな期待を寄せたいバンドです。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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SEVENTH AVENUE「SOUTH GATE」
ジャーマンメロディアス疾走メタル、セブンス・アベニューの3rd。
この手のいわゆるB級ジャーマン系はショボいだけのバンドも多いのだが、
このバンドに関しては、そのメロディセンスに部っこう好感を持っている。
疾走ジャーマンでありながらメロディにはやさしさとポップさがあり、実になかなかこう、そそるのだ。
基本はガンマレイタイプだが、田舎臭いポップ性をともなっているという点でじつになごめる。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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SEVENTH AVENUE「BETWEEN THE WORLDS」
ドイツのメロディアスメタルバンド、セブンス・アベニューの4th。2003年作
基本はGAMMA RAYをB級にしてよりクサくしたというサウンドで、メロディには人懐こさがあって、
ヴォーカルの弱さやアレンジのつたなさを超えて、つい好感を持ってしまうだけの魅力がある。
前作3rd「SOUTHGATE」あたりから、クサいメロディを効果的に聴かせる展開が出来つつあって、
クサメタルとしての完成度がますます上がってきている。その点ではバンドの最高作というべきか。
明るいサビの歌メロにはついにやにやとしてしまいます。クサ系ジャーマンファンは必聴!
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級の魅力度・・9 総合・・8
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SEVENTH AVENUE「ETERNALS」
ドイツのメロディックメタルバンド、セヴンス・アヴェニューの5th。2004年作
イントロが始まった瞬間「コレってGAMMA RAYの“TRIBUTE TO THE PAST”だよな」という、そのまんまさに苦笑い。
ただ、歌が始まれば、そのヘナさから「ああ、SEVETH AVENUEか」とようやく認識するという(笑)
今どきのメロスピバンドのようにきらきらキーボードなどはいっさい使わず、ツインギターと歌メロで
クサさを表現するオールドタイプのサウンドは、その手が好きなマニアにとっては嬉しいものだ。
クサメロ、疾走のジャーマンメタル好きにはお薦めのバンドであります。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 ガンマレイ度・・9 総合・・7.5
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Seventh Avenue「Terium」
ドイツのメロディックメタルバンド、セヴンス・アヴェニューの2008作
活動歴はけっこう長いのにいつになってもうだつが上がらないのが、かえって愛しくもなるという…
まさにマニア御用達のこのバンド、前作は日本盤も出たようだが、今作は不憫にも無視されてしまったようだ。
肝心のサウンドの方ですが、相変わらずなかなかいい感じですよ。煮え切らないカイ・ハンセン声のヴォーカルと、
GAMMA RAY
大好きっコ的な明るく陽性のメロディで、愉快で楽しいジャーマンメタルを聴かせてくれます。
すべてにおいて時代外れのダサさと、ほのかにただようマイナー精神がとても素敵で、
インサニアンな方々などにもとても喜ばれるでしょう。馬鹿にせずぜひ聴いてみてください。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ジャーマン愛度・・9 総合・・7.5
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SEVENTH GATE 「A REIGN OF SHADOWS」
ドイツのメロディックメタル、セヴンス・ゲートの2001年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、わりと正統派寄りのギターリフにシンセを重ね、
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、ヨーロピアンなメタルサウンドを聴かせる。
オールドスタイルの女性Voメタルに、リズムチェンジなどの展開力のある構築力が加わって、
ProgMetal的な要素もいくぶん感じさせる。ただ、シンフォニックメタルというほどには壮麗ではなく、
プログレメタルというほどにはテクニカルでもないので、やはり女性声のパワーメタルなのだろう。
楽曲的にも疾走感はさほどなく、盛り上がりそうでそうならないマイナー感を漂わせているのだが、
Vo嬢の魔女めいた歌声も含めて雰囲気は悪くない。B級メタルファンがニヤニヤするくらいの好作です。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SEVENTH ONE「WHAT SHOULD NOT BE」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、セブンス・ワンの2nd。2004作
メロディックに疾走しつつ、そこそこパワーもあるし、演奏も悪くなく、曲もまあまあ。
なかなかよく出来ていて…そして、インパクトがない、というのが正直な感想。
けなすところもないが、印象的なメロディや曲もさほどないので、全体的に当たり障りのないアルバム、
北欧っぽいギターのプレイは、なかなか良い感じではある。
日本盤も出ているようだが、この程度ではブレイクはしないだろう。ジャケも地味だし。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲度・・7 総合・・7


SEVENTH SEAL「THE BLACK DRAGON'S EYES」
イタリアのメロディックメタルバンド、セブンス・シールの2003年作
女性Voを含む5人組だが、中性的な歌唱はかつてのDARK MOORを思わせる雰囲気。
KEYがいないので、シンフォニックというよりは正統的なメロディックメタルサウンドで
HELLOWEENみたいなリフが多く曲の面白みにはやや欠けるものの、この手が好きならばイケるだろう。
ボーナストラックにRIOTの“THUNDERSTEEL”、HELLOWEENの“I'M ALIVE”を収録
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Seventh Seal「The Sacred Test」
イタリアのメロディックメタルバンド、セブンス・シールの2008年作
女性Voを含む5人組で前作は日本盤が出ていたものの、内容は中庸だった印象がある
5年ぶりとなる本作も、ジャケからしていかにもB級のファンタジーメタルっぽいが、
サウンドもエピック香りを漂わせた正統派で、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せて
ツインギターのフレーズとともにジャーマンメタル的に聴かせる。ドカドカとしたドラムや
ラウドな音質などが耳障りだが、同郷のPOWER SYMPHONYなどがイケれば許せるだろう。
HELLOWEEN的な疾走曲はなかなかいい。ボーナスにはDIOの“Holy Diver”のカヴァーを収録。
煮え切らなさこそがマイナー系エピックメタルの魅力、という理解のある方はどうぞ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Seventh Sin 「When Reality Ends」
オランダのシンフォニックメタル、セヴンス・シンの2014年作
ツインギターにシンセ、女性Voを含む6人編成で、きらびやかなシンセワークをギターに重ね
伸びやかな女性ヴォーカルとともに、適度に疾走感も含んだシンフォニックメタルを聴かせる。
なよやかな女性声は、EDENBRIDGEのサビーネにも通じるような優雅な魅力があって、
爽快でわりとキャッチーなサウンドによくマッチしている。ときおりデスヴォイスも加わるが、
このスタイルであれば不要な気もする。ラストナンバーの優美な耳心地にもウットリの好作です。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Seventh Storm 「Maledictus」
ポルトガルのメロディックメタル、セヴンス・ストームの2022年作
元MOONSPELLのドラマーが在籍するバンドで、重厚なツインギターにシンセを重ね、いくぶんダーティなヴォーカルで、ヴァイキングメタル的でもある勇壮なメタルサウンドを聴かせる。
ドゥームメタル風味のどっしりとしたダークさに包まれつつ哀愁を含んだ甘すぎない叙情性とともに、メロスピ的に疾走するパートもあって、ヨーロピアンな正統派メロパワとしても楽しめる。
中近東的なメロディを含んだナンバーは、ORPHANED LANDあたりに通じる雰囲気もあり、エスニック系メタルが好きな方にも対応。
曲によってはアグレッシブな激しさやゴシックメタル寄りのダークな空気も覗かせるなど、MOONSPELLを彷彿とさせる部分も感じさせる。
全体的には、メロパワかヴァイキングか、アグレッシブかダークメタルなのか微妙な感じなので、今後はより方向性を絞っていってもらいたい。
ドラマティック度・7 勇壮度・8 哀愁度・7 総合・7.5
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SEYMINHOL 「Northern Recital」
フランスのメロディックメタル、セイミンホルの2002年作
3部構成に分かれたエピックなファンタジーストーリーに基づいたコンセプト作で、
いくぶん軟弱気味のハイトーンヴォーカルといくぶん単調なギターリフに美しいシンセを乗せた、
しごく正統派のエピックメタルサウンド。シンセはときおりメロディを奏でたりとなかなか貢献している印象で
初期Thy Majestieを思わせる声質のヴォーカルがクサメロ的なメロディを歌っているのも魅力と言えば魅力か。
スコンスコンと軽めのドラムも含めて、あまり重厚にならないのが残念なのだが、逆にいうとパワフル過ぎない
ひ弱なB級感覚こそが、クサめのエピック感触を心地よくしているとも。ともかく嫌いではないんです。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Seyminhol 「Setptentrion's Walk」
フランスのエピックメタル、セイミンホルの2005年作
2002年にデビューし、2作目の本作は、8〜9世紀、フランク王国、カロリング朝における
ヴァイキングとの戦いをコンセプトにしたアルバム。シネマティックなイントロから幕を開け、
正統派のギターにマイルドなヴォーカルを乗せ、壮麗なシンセアレンジやエピックなコーラスとともに
Thy Majetieにも通じるスケール感のあるサウンドを描いてゆく。いくぶんB級ぎみの雰囲気も残しつつ、
ヨーロピアンな翳りを含んだウェットな叙情性はなかなか日本人好みで、ときに疾走するメロパワ感触も覗かせながら、
緩急ある流れで壮大な世界観をじっくりと構築する。全72分。まさにエピックなシンフォニックメタルの力作だ。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 エピック度・8 総合・8 
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Seyminhol 「Wayward Son」
フランスのシンフォニックメタル、セイミンホルの2015年作
結成は90年代というなにげにキャリアのあるバンドで、本作はコンセプト的なストーリーに基づいた作品で、
ハイトーンヴォーカルを乗せた正統派メロパワのスタイルに、随所にオーケストラルなアレンジを盛り込んだ
シンフォニックなスケール感を漂わせる。楽曲の合間に小曲やSEを盛り込んだ構成とともに、
Thy Majestie辺りに通じるエピックな世界観がよい感じだ。ただ、楽曲ごとのメロディのフックという点では
いささか物足りなさもあり、細かなアレンジなどに詰めの甘さがあるので、まだB級から抜け切れていない。
ときに女性ヴォーカルが加わったりと、部分的にはぐっとくる部分もあるので、あとは全体の完成度を高めてもらいたい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Seyminhol 「Ophelian Fields」
フランスのシンフォニックメタル、セイミンホルの2018年作
2002年にデビュー、5作目となる本作は、コンセプト的な流れになっていて、オーケストラルなアレンジに
ほどよくヘヴィなギターと伸びやかなヴォーカルを乗せた、優美なシンフォニックメタルを展開する。
派手な展開はさほどないものの、ゆったりとした叙情パートなどを含む、緩急ある構築力と、
エモーショナルなヴォーカルで、重厚なドラマ性を描くという点ではKAMELOTなどにも通じるだろう。
楽曲ごとの明快な盛り上がりやメロディのフックが弱いので、全体的にこれといって印象に残らないのと、
全35分という短さも含めて物足りなさも感じる。今後はより壮麗なサウンドを目指していってもらいたい。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・7 楽曲度・・7 総合・・7.5 
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ShadowIcon 「Empire In Ruins」
スロベニアのシンフォニックメタル、シャドウアイコンの2011年作
壮麗なシンセアレンジにキュートな女性ヴォーカルを乗せた、優雅でキャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。
メロディックなツインギターはときにメロパワ的な感じもあり、メタルとしての音の厚みもしっかりあって
優美なシンセとコケティッシュな歌声を重ねたシンフォニックな味わいには、マイナー臭さは感じさせない。
2〜3分前後の小曲から、10分前後の大曲まで、バランスのとれた構築力で、きらびやかでキャッチーなメロディのフックと
ヨーロピアンな叙情が同居した、キュートな女性声シンフォメタルが味わえる。全70分を超える力作です。
ドラマティック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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SHADOWQUEST 「Armoured IV Pain」
スウェーデン/フィンランドの混成バンド、シャドウクエストの2015年作
BLOODBOUNDのVo、SINERGY/SHININGのG、SAINT DEAMONのG、DIONYSUSのKey、元STRATOVARIUS/MASTERPLANのB、
SINERGY/SAINT DEAMONのDr…という、そうそうたる顔触れが集結。サウンドはしごく正統派のオーセンティックなメロパワで、
うっすらとしたシンセアレンジに勇壮なコーラスも含んだエピックな雰囲気と、パワフルなヴォーカルの歌声で聴かせる、
HAMMERFALLタイプのサウンド。疾走パートもあるが基本はどっしりとしたミドルテンポ主体で、クサメロというよりは王道のメロディフックには
これという新鮮味はないのだが、HELLOWEENなどを思わせるキャッチーなジャーマンメタル風味も含んでいて、安心して楽しめる出来。
ゲイリー・ムーアの名曲に似たフレーズやガンマ・レイに似た感じのサビなど、オマージュ的な微笑ましさもありますな。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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Shadow's Mignon 「Midnight Sky Masquerade」
多国籍のメタルバンド、シャドウズ・ミグノンの2009年作
CHAIN.EXEのヘニング・ポウリーと、ドイツのシンガー、シンセ奏者によるユニットで、オールドな味わいのギターに
オルガンなどを含むシンセ、パワフルなヴォーカルを乗せて、80年代ルーツの古き良きヘヴィメタルを聴かせる。
PRETTY MAIDSあたりにも通じる、甘すぎないキャッチーな感触に、随所にやわらかなシンセも重なってきて、
ヨーロピアンな様式美HR風味に包まれる。ヘニング・ポウリーの奏でる、メロディックなギターはさすがで、
これという新鮮味はないものの、オールドメタラーであればわりと普通に楽しめる。大人のHM好作品です。
ドラマティック度・7 様式美度・7 古き良き度・8 総合・7
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SHADOWS OF STEEL
イタリアのメロディックメタル、シャドウス・オプ・スティールの1997年作
LABYRINTHのKeyが在籍していたバンドで、きらびやかなシンセとクサメロなギターのイントロから、
仮面をかぶった謎のVo、Wild Steel氏のヘタウマなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する。
随所にネオクラ気味のギターとともに適度なクサメロ感も含ませつつ、どうにも突き抜けきらないところは、
マイナーバンドの愛おしさだろう。しかし、キーボードワークはさすがの仕事ぶりで、このサウンドの中では突出している。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ヘナチョコ度・・8 総合・・7.5
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SHADOWS OF STEEL「TWILIGHT」
イタリアのメロスピバンド、シャドウス・オブ・スティールの1998年作
1stと2ndの間に出た4曲+カヴァー曲6曲という変則のアルバム。オリジナル曲の方はしごく普通のメロスピで、
仮面をしている割には大したことのないヴォーカルが無難に歌い、そこそこメロディアスな疾走曲をまあまあの演奏でやっている。
LABYRINTHのメンバーでもあるKEY奏者のプレイも若干控えめで、なんだかこの後の脱退を予見させる(笑)
SAVEGE GRACECRIMSOM GLORYEXPLORERAGENT STEELというカヴァー曲は
選曲がマニアックすぎて、一度聴いただけではどのバンドの曲か思い出せなかった。笑
まったくもってCD2枚組にする意味のないアルバムだ(ちなみに日本盤は1枚にまとめられている)。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 マニア度・・9 総合・・7
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SHADOWS OF STEEL「SECOND FLOOR」
イタリアのメロスピバンド、シャドウス・オブ・スティールの2nd。2002年作
1stからはGとKEYが交代しているが、お約束の疾走曲にハイトーンヴォーカルという音楽性はほぼ同じ。
曲にしろ演奏にしろ、クオリティは若干上がってなくもないようだが、クサメロやKEYのセンスという点では1stの方が良かったような…。
曲とメロディそのものに決定的な魅力がないことが、アルバムのインパクトを落としている。
そのあたりが今後彼らが「B級の上」でとどまるか、そこから脱皮できるかの鍵となるだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲度・・7 総合・・7
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Shadows Past 「Perfect Chapter」
スウェーデンのメロディックメタル、シャドウス・パストの2013年作
INSANIAのヴォーカルを擁するバンドで、美麗なシンセアレンジにわりとモダン感触のギター、
パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せた、正統派のメロディックメタルサウンド。
北欧らしい透明感とメロスピ的な疾走感を、ほどよくヘヴィでスタイリッシュなアレンジに包み込んだという作風で、
随所に流麗なギターフレーズときらびやかなシンセアレンジを重ねた、ネオクラ風味やシンフォニックメタル感触も覗かせる。
全体的には、クサメロ感はそれほど高くないのだが、後半にはINSANIAばりの疾走メロスピナンバーもあり、
適度にヘヴィでキャッチー、ほどよくモダンでシンフォニックな北欧メロパワが楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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SHADOWSIDE 「DARE TO DREAM」
ブラジルのメタルバンド、シャドウサイドの2010年作
2007年にデビューし2作目となる。メタリックなギターに女性らしからぬパワフルなヴォーカルを乗せた、
適度に疾走感のある正統派のメタルサウンド。紅一点、Dani嬢は、見た目はなかなかの美女なのに、
ドスの効いた歌声がなかなか強烈で、どっしりとしたサウンドにもよくマッチしている。
曲によっては、ゴシックメタル寄りの雰囲気も覗かせたり、キャッチーなノリのナンバーもあったりと、
それなりに聴きやすいのだが、インパクトのあるメロディや展開はさほどなく、もう少し華やかさが欲しいか。
女性らしい自然体の歌声を乗せた優美なバラードナンバーが個人的には一番気に入った。
ドラマティック度・7 パワフル度・8 女性Vo度・7 総合・7
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SHADOWSIDE「Inner Monster Out」
ブラジルのメタルバンド、シャドウサイドの2012年作
本作は3作目で、モダンなヘヴィさとメロディックな正統派の質感を盛り込んだ楽曲に
ハスキーでパワフルな女性ヴォーカルの歌声を乗せたスタイル。
硬質なギターリフで聴かせるモダンなヘヴィロック風味もありながら、
キャッチーな普遍性も含んだ作風は、広く受け入れられる質の高さがある。
個人的には、さらにメロディアスな方向へと行ってもらいたい気がするが。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ShadowStrike 「Legends Of Human Spirit」
アメリカのメロディックメタル、シャドウストライクの2019年作
のっけからクサメロのツインギターに美しいシンセを重ねて疾走する、きらびやかなメロスピサウンドが広がる。
伸びやかなヴォーカルを乗せた透明感のあるメロディックメタルは、むけしろ北欧のバンドのような雰囲気で
初期のSONATA ARCTICAなどを思わせる、壮麗なシンフォニック性とフックのあるメロディラインは、
DRAGONFORCEやブラジルのAQUARIA、日本のガルネリウスなどからの影響があるというのもうなずける。
とにかくクサメロで、とにかくキャッチーに疾走するという爽快なスタイルは、非常に日本人好みであり、
多くのメロスピリスナーはニンマリだろう。メンバーは日本のアニメやゲームも大好きという、勢いある若手が登場した。
メロディック度・・8 疾走度・・9 クサメロで壮麗度・・9 総合・・8
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SHADOW WARRIOR 「CYBERBLADE」
ポーランドのメタルバンド、シャドウ・ウォリアーの2020年作
サムライやカタナを愛する日本マニアたちによるバンドで、2019年にデビュー、本作は初のフルアルバム。
日本語を含むナレーションのSEから、IRON MAIDENばりのオールドなツインギターに女性ヴォーカルを乗せて、
80年代ルーツの正統派メタルサウンドを聴かせる。日の丸に神風の文字入りの鉢巻をしめたアンナ嬢の歌声は
パワフル過ぎず艶っぽすぎずという、ほどよくハスキーで伸びやか。ドラムを含めた演奏力は並程度だが、
どの曲からもトラディショナルメタルへの情熱が感じられて、初々しい感じがなんとなく微笑ましい。
ボーナストラック除いて全35分。ボーナスの日本語曲にもくすり。666枚限定のナンバリング入り。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良きメタル度・・8 総合・・7.5
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SHAMAN「RITUAL」
ブラジルのメロディックメタル、シャーマンの1st。2002年作
ANGRAを脱退したアンドレ・マトスが結成したバンドで、雄大なイントロに続く2曲目は、
かつてのANGRAを思わせる疾走曲であるが、間奏部のピアノやコーラスなどにはマトスの美意識が滲み出ている。
これ以降はミドル主体の曲調が多く、メロスピ好きにはもの足りないかもしれないが、
新生ANGRAに比べ「自然との融合的」な優しさあり、こうしたものはアンドレ自身の志向や、
同郷の偉大なバンドSAGRADOへの参加などから得たものなのかもしれない。
かつてのANGRAのアルバム「HOLY LAND」に通じる民族色をもった新たなバンドの誕生である。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 雄大度・・8 総合・・8
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SHAMAN「RITUALIVE」
ブラジルのメロディックメタルバンド、シャーマンのライブアルバム。2004年作
ANGRAを脱退したアンドレ・マトスによるバンドの、2003年地元ブラジルでのライブを収録。
同DVDを先に見ていたが、新生ANGRAのライブ以上に見事なそのステージ映像にはいたく感心した。
荘厳なイントロで幕をあけ、民族的なメロディとシンフォニックメタルを融合させた雰囲気とともに、パワフルに疾走。
ブラジルのプログレバンドのファビオ・リベイロをシンセに迎え、SAGRADOのマルクス・ヴィアナもゲスト参加、
手数の多いドラムをはじめ演奏陣のプレイも見事で、生き生きと躍動するマトスの姿が目に浮かぶ。
ゲスト陣も豪華で、トビアス・サメット(EDGUY)、サシャ・ピートが参加したAVANTASIAのナンバーに、
HELLOWEENのアンディ・デリスマイケル・ヴァイカートが加わっての名曲“Eagle Fly Free”も嬉しい。
DVDで収録していたANGRA時代の名曲“Carry On”はCD-EXTRAのマルチメディア映像で収録。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 マトス度・・9 総合・・8
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SHAMAN「RITUALIVE」
ANGRAを脱退したアンドレ・マトスが結成したシャーマンのライブDVD。2004年作
2003年ブラジル、サンパウロでの公演を収録。「シャーマンのマトス」としては初の映像になるが、
相変わらず長髪をなびかせてファルセットぎみにシャウトする所は、マトス節健在というところ。
音的には、ANGRAよりもサウンドにやわらかみと調和、そして民族色とシンフォック性が感じられ、
演奏陣も安定感があり、アルバム以上に生き生きとしたステージになっている。そして、なによりゲストが豪華!!
SAGRADOのマルクス・ヴィアナが2曲で流麗なヴァイオリンを聴かせてくれ、民族的なパートを彩り豊かに表現してくれている。
キーボードを弾くのはプログレバンドBLEZQI ZATSAZのファビオ・リベイロで、さすがにシンフォニックな音色は南米シンフォの系譜を感じる。
ハイライトは14曲目からで、ステージにトビアス・サメット(EDGUY)、サシャ・ピートが現れてメロディアスな疾走曲「PRIDE」につづき、
名曲「CARRY ON」が始まると会場は大盛り上がり。マトスのヴォーカルは高音部では苦しそうだが、やはりこの曲にはこの声が似合う。
ラストはHELLOWEENの名曲「EAGLE FLY FREE」。ステージにはアンディ・デリスマイケル・ヴァイカートが登場、
にわかにここはHELLOWEENのライブか?という状態に(笑)デリスの歌唱に関しては素晴らしいとは言えないものの、
客を楽しませようとするSHAMANのステージとアンドレ・マトスには、エンターテイナーとしての精神が感じられた。
ライブ映像・・8 ライブ演奏・・8 ステージング・・9 総合・・8
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SHAMAN「reason」
アンドレ・マトス率いるバンド、シャーマンの2nd。2005作
1stでは民族色溢れるメロディアスなサウンドであったが、本作で聴かれるのはよりヘヴィでダークになったモダンなメタル。
Sisters of Mercyのカヴァーが物語る通り、全体的にメランコリックな質感が支配しており、
まるでイギリスかフィンランドのバンドのような感触だ。とはいえ、マトスのヴォーカルには叙情的な味わいがあり、
メタリックな曲調においてもやわらかみを感じさせるのは彼らしい。本作を最後にマトスは脱退。
メロディアス度・・7 メランコリック度・・8 モダンメタル度・・8 総合・・7.5
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SHAMAN「Immortal」
ブラジルのメロディックメタルバンド、シャーマンの3rd。2007年作
アンドレ・マトスが脱退し、てっきり解散したかに思えたが、そうではなかった。
バンドは新メンバーを加えて復活。のっけから壮大なイントロに続き、シンフォニックなメタルサウンドが始まると、
意外なまでのクオリティの高さに驚く。いくぶんモダンになったアレンジは、シンセによるきらびやかな雰囲気が効いていて
これまでの民族的だったサウンドはがらりと変わり、クラシカルなメロバワに変身している。
全体的にはヘヴィになっているが、一方では、マトスから影響を受けたような、
いかにもプラジル的なやわらかな楽曲もある。新Voの声質はやややぼったく、
好みを分けるところだろうが、むしろ別バンドとして聴けば充分楽しめる出来だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 メロパワになりました度・・9 総合・・8
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SHAMAN「Origns」
ブラジルのメロディックメタルバンド、シャーマンの2010年作
アンドレ・マトスが脱退してから2作目となるアルバムで、史上最初のシャーマンの故郷とされる
シベリアを舞台にしたコンセプト作となっている。のっけからANGRAばりの疾走曲でにんまり。
マトスがいたころのような民族色は薄まっているが、厚みのあるシンフォニックなアレンジで聴かせつつ、
モダンなサウンドの随所に素朴な叙情的パートを配したりと、一本調子ではないプログレッシブな香りと
コンセプチュアルなドラマ性を感じさせる。あるいは「Holy Land」の頃のANGRAに近い感触もあり、
前作以上の力作に仕上がっている。日本盤ボーナスには、X JAPANの“紅”のカヴァーを収録。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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SHAMAN 「Rescue」
ブラジルのメロディックメタル、シャーマンの2022年作
2002年にデビュー、本作は2010年以来となる、12年ぶりの復活作で、ドラムのリカルド・コンフェッソーニを除くメンバーが交替し、
ギターとベースにはオリジナルメンバーのマリウッティ兄弟が復帰、元AGE OF ARTEMISのアリリオ・ネットをシンガーに迎え、
シンセには初期から関わるファビオ・ヒベイロが参加。SAGRADOのマルクス・ヴィアナがヴァイオリンでゲスト参加している。
叙情的なイントロから始まり、メタリックな疾走感とともに、いくぶん民族色を含んだ雄大なメロディックメタルを展開。
アリリオのハイトーンはかつてのアンドレ・マトスを思わせ、疾走するメロパワナンバーから、ゆったりとした叙情曲まで
初期のANGRAにも通じる優雅なサウンドを描いてゆく。マトスの世界観を受け継いだ、シャーマン完全復活の力作です。
ドラマティック度・8 疾走度・7 優雅度・8 総合・8 
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SHATTER THEIR ILLUSION「Shed My Wings」
アメリカのメロディックメタル、シャッター・ゼア・イリュージョンの2009年作
きらびやかなシンセアレンジによるシンフォニックな感触とキャッチーなメロディに
実力あるヴォーカルの歌声で聴かせる、なかなかクオリティが高いサウンド。
随所にProgMetal的な知的な展開美も感じさせつつ、楽曲はほとんど4分前後で難解さはなく、
むしろシンプルにメロディアスさを追及している。ヴォーカル&シンセの名前が、トニー・バンクスというのもいいですね。
あとは、よりドラマティックな盛り上げやインパクトのあるフックが欲しいか。
メロディック度・・7 ドラマティック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5


SHEARBreaking the Stillness」
フィンランドの女性ヴォーカルメタル、シアーの2012年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声と、シンセを含んだモダンなアレンジで、
ヘヴィかつキャッチーなサウンド。ドラマーはAMORALのメンバーということで、メロディアスな聴き心地とともに
メタルコア的な硬質感もあって、ボーダーレスな聴き心地はいかにも若者らしい。
女性シンガー、アレクサの歌声は中性的なパワフルさで、楽曲に爽やかな勢いを付加している
LACUNA COILのようにいくぶんゴシック風味もあるヘヴィロックとしても聴ける。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SHEAR 「Katharsis」
フィンランドの女性ヴォーカルメタル、シアーの2014年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、前作はいくぶんゴシック風味もあるヘヴィロックという印象だったが
本作はシンフォニックで壮麗なイントロから始まり、テクニカルなアンサンブルと紅一点、アレクサ嬢の歌声で聴かせる、
モダンなテイストのシンフォニックメタルが炸裂する。ヘヴィロック的な激しさと、知的なアレンジセンスが合わさった感触は
AMARANTHEあたりにも通じるが、こちらはよりキャッチーな抜けの良さと、ドラマテイックな構築力を感じさせる。
女性ヴォーカルの表現力も含めて、前作から格段の成長を遂げた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 構築度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Sheratan「Mundo Sin Perdon」
スペインのメロディックメタル、シェラタンの2013年作
スペイン語のハイトーンヴォーカルとともに、パワフルに聴かせる正統派メタルサウンド。
随所に叙情的なギターメロディをまじえたメロディックな感触はなかなか高品質で、
適度な疾走感と勇壮な力強さは、BLIND GUARDIANあたりに通じる部分もある。
なかなか魅力的な楽曲も多いので、あとは作品全体のレベルをさらに上げていってもらいたい。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5


SHEWOLF
ギリシャ人女性シンガーをフロントにしたシンフォニックメタル、シーウルフの2022年作
Bare Infinity、Vivaldi Metal Projectにも参加した女性シンガー、エンジェル・ウルフ=ブラックをフロントに、
ホイッスルの音色にギターが重なり、美しい女性ヴォーカルを乗せた、優美なシンフォニックメタルを展開。
ほどよくヘヴィでアグレッシブなパートも含みつつ、メロディのフックが爽快な疾走メロスピナンバーや、
エモーショナルなバラードなども含めて、歌メロはキャッチーで、伸びやかな歌声もじつに魅力的だ。
Edenbridgeなどのファンにもお薦めの、壮麗なる女性声シンフォメタルの逸品です。
メロディック度・8 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Shield of Wings 「Unfinished」
アメリカのシンフォニックメタル、シールド・オブ・ウイングスの2022年作
壮麗なシンセアレンジをギターに重ね、伸びやかな女性ヴォーカルとともに、優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。
ときにデスヴォイスも加わったほどよくアグレッシブな激しさと、いくぶん翳りを帯びた耽美な空気が同居して、
Nightwishなどに比べるとややマイナーな香りと、涼やかな土着性も覗かせる。随所にキャッチーなメロディのフックも聴かせつつ、
全体的には靄のかかったような雰囲気で、ゴシックメタルのファンにも楽しめそう。ストレートとソプラノを使い分けるLara嬢の歌声は、
表現力という点ではまだこれからという印象だが、幻想的な世界観にはよくマッチしていているので、今後に期待のバンドです。
シンフォニック度・8 幻想度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Shining Black Featuring Mark Boals & Olaf Thorsen
マーク・ボールズとオラフ・トーセンによるユニット、シャイニング・ブラックの2020年作
LABYRINTH、VISION DIVINEのギタリストと、イングヴェイやRING OF FIREで知られる名シンガーという
意外な組み合わせであるが、サウンドの方は、ミドルテンポを主体にしたわりと正統派のHR/HMで、
伸びやかなマーク・ボールズの歌声を乗せた、キャッチーな大人のメロディアスハードロックという感じもある。
随所に疾走するメロパワ風味も覗かせつつ、ネオクラ風味はあまりないので、じっくりと落ち着いて鑑賞できる。
全体的に新鮮味やインパクトはさほどないが、LABYRINTH風のメロスピナンバーなども良い感じで、
力量あるヴォーカルと質の高い楽曲で、王道のメロディックメタルが楽しめるなかなかの好作品です。
メロディック度・・8 新鮮度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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Shining Fear 「Apocalife」
イタリアのシンフォニックメタル、シャイニング・フィアーの2010年作
硬質なギターリフにシンセを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルの歌声とともに、ほどよく疾走感も含んだ
パワーメタル寄りのサウンドに、リズムチェンジによるProgMetal的なテクニカル性も含んだスタイル。
ときにスラッシーな激しい疾走感から、叙情的なスローパートへと、極端な緩急も随所に覗かせつつ、
ハイトーンの爽快な女性声が楽曲を優雅に彩っている。シンセのアレンジは派手すぎないので、
全体的にはメロパワ要素が強い感じながら、いくぶんプログレッシブな香りも含んだサウンドは悪くない。
シンフォニック度・7 パワフル度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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SHINING FURY「Last Sunrise」
イタリアンメタルバンド、シャイニング・フューリーの2004年作
DEATH SSのドラムに元ATHENAのヴォーカルなどによるバンドで、
美麗なシンセとクサメロを含んで疾走する典型的なメロスピスタイル。
軽めのドラムの音も含めてB級的な雰囲気も漂わせ、疾走しまくりなのだが、楽曲自体の魅力もいまひとつというところ。
メロディック度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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SHIVA
スウェーデンの女性Voメタルバンド、シヴァの2002年作
2nd「Desert Dreams」で日本盤デビューも飾ったが、そのバンドのデビュー作。
パワフルな女性ヴォーカルの歌唱を中心に、メロディアスハード的なキャッチーさと
ときにテクニカルなギターも聴かせるという、なかなか高品質サウンドだ。
3rd「The Curse of the Gift」にてシンフォニックメタル的な傑作を生み出すのだが、
本作の時点ではまだシンプルなハードロック/メタルサウンドで、メロハーとしても普通に楽しめる。
メロディアス度・・8 メロハー度・・8 パワフル女性Vo度・・9 総合・・8
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SHIVA「DESERT DREAMS」
スウェーデンの女性Voメタルバンド、シヴァの2003作
YANKEE HEAVEN女性シンガー、アネットさんと、G・KEY・Drを一人でこなすマッツ氏の二人組。
音のほうは骨太のハードロック〜メロディックメタルで、このパワフルな歌声は一聴しただけでは女性Voなのか
力強い男性ハイトーンなのかが分からないほど。王道メタルリフのヘヴィナンバーなどは正統派メタルとしても聴け、
北欧というよりは80年代HM的な感じもする。可憐な女性Voものではないが、この男性顔負けの力強い歌唱は一聴の価値あり。
曲によってはややゴシックメタル調の雰囲気もあったりして、なかなか楽しめる高品質作品だ。
メロディアス度・・7 骨太度・・8 パワフル女性Vo度・・9 総合・・8
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SHIVA「The Curse of the Gift」
スウェーデンの女性Voメタルバンド、シヴァの3rd。2006年作
2ndまではけっこう正統派のメタルサウンドだったと思ったが、今作を聴いてみてびっくり。
なにやらギターがぐっとヘヴィになっていて、ときどきデス声が入っていますよ。
そして前作で男勝りのパワフルな歌唱を聴かせたアネットさんの歌声は、
バックのシンセとともにゴシックメタル的な妖艶な雰囲気をかもし出すようになっています。
シンフォニックかつヘヴィで適度にモダン…なんとなくNIGHTWISHの新作にも通じる質感で、
全体的に薄暗さが増し、メロハー寄りだった前作よりも深みのある世界観を聴かせてくれます。
いやあ…まさかこの方向で来るとは、嬉しい驚き。女声ゴシック風メロディックメタルの力作。
メロディアス度・・8 ゴシック的重厚度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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SIGMA
イタリアのメロディックメタルバンド、シグマの1st。2000作
漫画「バスタード」に出てきそうなジャケからしてB級っぽいのだが、
音の方も同郷のLABYRINTHを弱くしたような雰囲気のシンフォニックメタル。
演奏、曲ともにこれといった特徴はなく、弱そうなクサメロバンドやイタリアのマイナー系バンドの雰囲気が好きな方なら、
聴いても損はないだろう。とくにシンフォニックなバラード曲がよい感じですな。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 シンフォニック・・7 総合・・7

SIGMA「WIN OR LOSE」
イタリアのメロディックメタルバンド、シグマの2nd。2003作
で、こちらの2ndではVoが交代し、KEYが抜けて5人編成となっている。
日本盤も出たということもあり、前作よりはアレンジ、メロディの活かし方などが
いくぶんこなれてきたが、それでもまだ「かゆい所に手が届くにはあと一歩」という感じ。
演奏力には問題はないと思うので、今後は曲ごとのクオリティアップを計り、
LABYRINTHやTHY MAJESTIEあたりを目指して頑張ってもらいたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 シンフォニック度・・7 総合・・7

THE SIGN OF AMPERSAND 「Dark Shades of Mystery」
ロシアのシンフォニックメタル、サイン・オブ・アンパーサンドの2017年作
適度にヘヴィなギターと美麗なシンセアレンジに、美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
ゴシックメタル的でもある耽美な世界観も感じさせる。ヴォーカルは英語のため辺境的な味わいは薄く
ギターにはモダンな硬質感もあって、「マイナーなNightwish」という感じでも楽しめるかもしれない。
紅一点、DINA嬢の歌声は、優雅なメゾフプラノでよいのだが、楽曲的には、どうも盛り上がり切らない
煮え切らなさがあって、メロディや展開にもう少し魅力が欲しい気もする。今後に期待しましょう。
シンフォニック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Sign of the Jackal 「Mark of the Beast」
イタリアのメタルバンド、サイン・オブ・ジャッカルの2013年作
ツインギターに女性シンガーを含む5人編成で、オールドな味わいのギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよい疾走感のある、80年代ルーツのヴィンテージなメタルサウンドを聴かせる。フロントのローラ嬢の歌声は、
中性的でパワフル過ぎないヘタウマ感もあり、アナログ感たっぷりの音質と、適度なスカスカな耳心地も含めて、
Angel Witchなど、NWOBHMのファンにも楽しめるだろう。楽曲も3〜4分前後とシンプルで、わりとキャッチーで
軽快な味わいなので、メンバーが嗜好しているというホラー映画的なカルトな怪しさがもっとあっても良いかもしれない。
ドラマティック度・7 疾走度・7 オールドメタル度・9 総合・7.5
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Signum Regis
スロバキアのメタルバンド、シグナム・レジスの2008年作
VINDEXというバンドのメンバーを中心に、ヴォーカルにはヨラン・エドマンが参加している。
そのサウンドはミドルテンポで聴かせる正統派のスタイルで、キャッチーな歌メロも含んだ
古き良き様式美HRといった趣。ツインギターによるネオクラシカル風味も技巧的というよりは
ひと昔前の味わいのあるフレージングで、いわば80年代的な暖かみを感じさせるものだ。
いまどきのバンドとは思えぬ録音面の弱さも、かえってよい意味での古めかしさになっていて耳に優しい。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 様式美度・・8 総合・・7.5
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Signum Regis 「Exodus」
スロバキアのメロディックメタル、シグナム・レジスの2013年
2008年のデビュー作は、B級のネオクラシカル・メタルという印象であったが、3作目となる本作は正統派のメロパワに接近し、
過去作に参加していたヨラン・エドマンをはじめ、ランス・キング、マイク・ヴェセーラ、さらにはVANDROYAのダイサ・ムニョス嬢など
多彩なヴォーカリストがゲスト参加して、楽曲ごとに魅力的な歌声を披露している。随所にネオクラシカル風味のギターを織り込みつつ、
STRATOVARIUS辺りに通じる北欧メロパワ的なキャッチーな爽快さで疾走するナンバーや、Darkest Roomのサムエル・ニーマンの
ロブ・ハルフォードばりの強力なハイトーンが印象的な疾走ナンバーも印象的だ。ラストはHELLOWEEN“Sole Survivor”のカヴァーで、
ヨラン・エドマンのハイトーンを乗せたパワフルな仕上がりだ。全体的にも辺境的なマイナー臭さは払拭された高品質な力作である。
メロディック度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Signum Regis 「Decennium Prinum」
スロバキアのメロディックメタル、シグナム・レジスの2017年作
2008年にデビュー、本作は5作目となる。シンセを含む5人編成で、叙情的なイントロ曲に続き、
ネオクラシカルなギターとパワフルなヴォーカルを乗せた正統派のメロディックメタルが広がってゆく。
メロスピ的な疾走感とキャッチーなサビメロはクサメタラーに対応しつつ、古き良き様式美メタルの流れを組む
いかにも王道の空気感は、オールドなメタルリスナーにも楽しめるだろう。ミドルテンポのHRナンバーも、
シンセを含む音の厚みと、いくぶんダーティなヴォーカルを乗せた、どっしりとした説得力で聴かせる。
アルバム後半のドラマティックな疾走曲にもガッツポーズ。パワフルかつメロディック、高品質な傑作です。
メロディック度・・8 疾走度・・7 様式美度・・8 総合・・8
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Signum Regis 「The Seal Of A New World」
スロバキアのメロディックメタル、シグナム・レジスの2019年作
2008年デビュー、本作は6作目となる。ツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、
王道のメロディック・パワーメタルで、サビでのきらびやかなクサメロ感には思わずニヤり。
どっしりとしたミドルテンポなども中堅バンドらしい安定感で、キャッチーなメロディのフックとともに、
随所に流麗なギターフレーズも覗かせつつ、ほどよいマイナー臭さを残しているのもむしろ魅力である。
新鮮味はそれほどないが、辺境系メロパワの中ではトップレベルのバンドと言ってよいだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8 
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SILENT FORCE「WORLDS APART」
ドイツのメロディックメタルバンド、サイレント・フォースの3rd。2004年作
“ひな祭り”のメロディから始まるこのアルバムは、メロディアスパワーメタルの傑作だ。
力強く、泣きのメロディを奏でるギターに、きらびやかなキーボード、そしてD.Cクーパーの見事な歌唱は、
かつてのROYAL HUNTの黄金期を思い出すほど。最近はこのような正統派の良質のパワメタというのはなかなかお目にかからないが、
これはまさに会心の一作だろう。メロディアスでありながらとても力強い大傑作だ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 D.C度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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Silent ForceWalk the Earth
ドイツのメロディックメタルバンド、サイレント・フォースの4th。2007年作
前作「WORLDS APART」が会心の出来というべき内容であったが、
本作はその流れを組みつつ、より正統派のヘヴィメタルを感じさせる仕上がりだ。
パワフルかつオーセンティックなギターリフは、古き良きHR/HMの力強さを思わせ、
そこに乗るD.C.クーパーの歌声も、伸びやかでありつつ、熱い魂を含ませて響きわたる。
バラード曲などでの叙情美もさすがの風格で、全体的にもドラマティックで隙のない作品である。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Silent Force 「Rising From Ashes」
ドイツのメロディックメタル、サイレント・フォースの2013年作
Primal Fearにも参加する、アレックス・バイロットを中心にしたメロパワバンド、7年ぶりとなる5作目。
新ヴォーカルに、マイケル・ボーマンが加わり、より様式美的な雰囲気の正統派メタルを聴かせる。
いくぶんネオクラ風味のギターに、うっすらしたシンセアレンジ、そしてパワフルなヴォーカルの歌声により、
メジャー感のある堂々たる作風になったが、良くも悪くもジャーマン色が薄まったことが痛し痒しか。
キャッチーなハードロック色も含めて、万人受けはする出来だろうが、なんとなく物足りない。
メロディック度・・7 正統派度・・9 様式美度・・8 総合・・8
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Silver Blade 「Old And Real Thoughts」
ブラジルのメロパワバンド、シルバー・ブレードの1999作
ファンタジックなジャケからしてすでにB級の予感がぷんぷんだが、サウンドの方も期待通り。
ハイトーンヴォーカルで疾走する、IRON MAIDEN+初期BLIND GUARDIANタイプの正統派であるが、
かもしだすマイナー臭さは、ヘナチョコのB級クサメタルのそれなので、いっそマニアには嬉しいか。
どうしようもないほどのレベルではなく、雰囲気そのものは嫌いでないのがまた微笑ましい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7


Silver Bullet 「MOONCULT」
フィンランドのメロディック・パワーメタル、シルヴァー・ブレットの2019年作
TURISASのハンネス・ホルマを擁するバンドで、フルアルバムとしては2作目となる。
16世紀の魔女狩りをテーマにした、3部構成に分かれたコンセプト作で、ツインギターのリフに
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走、クワイアを含んだシンフォニックなスケール感とともに、
BLIND GURDIANにも通じるスタイルだ。オールドなパワーメタル感触に包まれながら、
随所にメロディックなギターの旋律が北欧らしい叙情も覗かせて、語りを挿入したストーリー性も含めて、
KING DIAMONDのようなダークなドラマ性を描き出す、AMBERIAN DAWNのカルピ嬢をゲストに迎えての
男女Voナンバーなども良いアクセントになっている。正統派メロパワとしても高品質。見事な強力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Silver Fist 「Fe Ciega」
スペインのメタルバンド、シルヴァー・フィストの2016年作
2004年にデビューし、3作目となる。ツインギターのメタリックなリフにスペイン語の歌声を乗せて、
激しい疾走感とほどよくメロディックな味わいが同居した、正統派のメロパワサウンドを聴かせる。
ときにスラッシーなほどの疾走感は、初期のBLIND GUARDIANなどにも通じる雰囲気で
パワフルなヴォーカルとともに勇壮でドラマティックな味わい。随所にシンセによるアレンジも加えた
モダンなテイストもありつつ、全体的にこ甘さは控えめの硬派なパワーメタル寄りの聴き心地である。
これというキラーナンバーはないのだが、ラストのRAINBOW「A Light In The Black」のカヴァーはなかなか。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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Silver Mountain「Breakin' Chains」
北欧メタル伝説のバンド、シルヴァー・マウンテンの2001年作
80年代初頭に活躍したこのバンド12年ぶりにオリジナルメンバーで復活作を出した。
パワフルなヨナス・ハンソンの歌声にメロディアスなギター、ヤンス・ヨハンソンのシンセワーク、
アンダース・ヨハンソンの力強いドラムとともに、80年代的なアナログ感覚で聴かせる
いくぶん古めかしい王道のサウンド。これは往年のファンはにんまりの復活作だろう。
メロディアス度・・8 古き良き度・・9 北欧メタル度・・9 総合・・8
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SILVER TALON 「Decadence And Decay」
アメリカのメタルバンド、シルヴァー・タロンの2021年作
SPELLCASTERのギター2人を中心に結成したバンドで、トリプルギター編成の6人組。
SAVATAGEやNEVERMOREから影響を受けたという、アグレッシブなギターリフに伸びのあるヴォーカルで90年代をルーツにしたパワーメタルを聴かせる。
厚みのあるギターにうっすらとしたシンセも重なった、ミステリアスな翳りを帯びたサウンドで、随所にスラッシーな疾走感も覗かせる。
悪魔やオカルトをテーマにしている通り、シアトリカルでダークな世界観に包まれて、叙情的なギターフレーズも含んだヨーロピアンなテイストも味わいがある。
ラストの8分の大曲はメランコリックな空気と知的な構築力が交差する。KING DIAMONのアンディ・ラ・ロックがゲスト参加。
ドラマティック度・7 ダークメタル度・8 叙情度・7 総合・7.5
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Silver Wind 「Legion of the Exiled」
フランスのメロディックメタル、シルヴァー・ウインドの2017年作
ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せた、古き良き正統派のメロパワサウンドで、
RUNNING WILDMANOWARにも通じる、勇壮でエピックな世界観を描き出す。
どっしりとしたミドルテンポを主体にしつつ、ほどよく疾走するナンバーもあり、これという新鮮味はないのだが、
スウェーデンのThe Storytellerなどを思わせるヴァイキング風味のナンバーもあり、
オールドスタイルのエピック系メロパワが好きな方なら十分楽しめる出来だろう。
アメリカ幻のエピックメタル、Medieval Steelのカヴァーもじつにマニア好みですな。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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S.I.N.「SOMEWHERE INTO NOWHERE」
ドイツのメロディアスメタルバンド、シンの1st。2003作
ドイツ人ギタリストDeddy Andlerと、イギリス人シンガーJason Marksを中心に結成。
サウンドは比較的王道のメロハーで、伸びやかなギターワークにキャッチーなメロディが光る。
ときおりネオクラシカル風のプレイも聴かせるギターなどはMILLENIUMあたりにも通じる感じで
曲自体に新鮮味はあまりないが、この手としてはなかなかクオリティは高いと思う。
メロディアス度・・8 メロハー度・・8 ギタープレイ度・・8 総合・・7.5
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S.I.N.「Equilibrium」
ドイツ人ギタリストDeddy Andlerを中心にしたメロディアスメタルバンド、シンの2nd。2005作
1stはメロディアスハード寄りのサウンドだったが、今作ではメタリックな部分が増し、
確かなヴォーカルの力量とともに、サウンド全体に説得力が出てきた。メロウな叙情を奏でるギターワークに、
骨太のパワフルさが加わって古き良き正統派のハードロック、メタルの質感がたっぷり楽しめる。
うっすらとしたシンセの重ねも嫌味がなく、とくに3曲目あたりの哀愁の叙情は魅力的で、
こういうキラーチューンがあともう何曲かあれば傑作となったかもしれない。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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S.I.N.The 13th Apostle
ドイツのメロディックメタルバンド、シンの3rd。2007年作
過去2作はなかなか高品質ながらも決め手にかけるという印象だったが
本作ではコンセプトアルバムとしてのドラマティックさが、サウンドに重厚さを付加しており、
ある種ProgMetal的な雰囲気とともに聴かせる力作に仕上がっている。
シンフォニックメタル的な質感と正統派のメタルが合わさったような質感は、
すでにメロディアスハードというよりは、AXXISあたりにも近いレベルにきている。
地味ながらもこういう自力のあるバンドには、今後とも頑張っていってもらいたい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 メロハー度・・7 総合・・8
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SINBREEDWhen Worlds Collide
ドイツのメロディックメタルバンド、シンブリードの2010年作
Seventh Avenueのファンだったというギタリスト、フロー・ローリンを中心に
ヴォーカルはそのSeventh Avenueのハービー・ランガンスが参加、
ドラムはBLIND GUARDIANのフレデリック・イームクが務める。
サウンドはキャッチーなメロディで疾走するメロスピ寄りのスタイルで、
GAMMA RAYやSeventh Avenueっぽさもあり、いくぶんB級臭さも漂わせる。
ロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SINBREED 「Shadows」
ドイツのメロディック・パワーメタル、シンブリードの2014年作
2010年にデビュー、本作は2作目で、BLIND GUARDIANのマーカス・ジーペンが参加している。
メタリックなツインギターに、Seventh Avenueのハービー・ランガンスのパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、
古き良きジャーマンメタルを継承した正統派のメロパワスタイル。現ブラガーのフレデリック・イームクの安定したドラムも含めて、
適度な硬質感とヘヴィネスも含ませつつ、ときにキャッチーなメロディも覗かせる、そのバランスもなかなかよろしい。
個人的には、かつてのセブンス・アヴェニューのようなクサメロな疾走ナンバーが気に入ったのだが、
全体的には音圧がやや一本調子で、硬質なドラムやギターリフなどにもう少しメリハリがあればというところ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 正統派ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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SINBREED 「Master Creator」
ドイツのメロディックメタル、シンブリードの2016年作
BLIND GUARDIANのドラム、フレデリック・エームケが在籍するバンドで、
ヴォーカルはSeventh AvenueやAVANTASIAにも参加するハービー・ランガンス。
3作目となる本作も、メロディックなギターフレーズとややダーティなヴォーカルを乗せて疾走する、
古き良きジャーマンメタルのイディオムを受け継いだ正統派のサウンドだ。
Seventh Avenueにも通じる適度にB級気味のクサメロ感と、GAMMA RAYばりのキャッチーさに
初期BLIND GURDIANのエピックな感触を取り込んだという聴き心地に、思わずにんまりである。
ブラガやガマレーに比べると楽曲のツメが甘いのだが、その辺も含めてマニア受けしそうなバンドですな。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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Sinbreed「IV」
ドイツのメロディックメタル、シンブリードの2018年作
BLIND GUARDIANのドラム、フレデリック・エームケが在籍するバンドで、4作目の本作は、
ヴォーカルがハービー・ランガンスから、元Vicious Rumorsのニック・ホルマンに替わっている。
サウンドの方は、正統派のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた王道のジャーマンメタルで、
リーダーのフロー・ローリンが敬愛する、Seventh Avenueにも通じるクサメタル感をまき散らして疾走する。
ニック・ホルマンのカイ・ハンセンばりの弱めのハイトーンも、このメロスピ路線にはよくマッチしていて、
キャッチーなメロディのフックはGAMMA RAYのようでもある。前作からクサメロ度が増した好作です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8 
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SINERGYBeware the Heavens
フィンランドのメタルバンド、シナジーの1st。1999年作
CHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホと女性シンガー、キンバリー・ゴスを中心に
IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラード、ARCH ENEMYのシャーリー・ダンジェロらが参加、
正統派のメタルを基盤に、流麗なツインギターと女性ヴォーカルで聴かせるメロディックなサウンド。
外見に似合わずキンバリー嬢の歌声は伸びやかで、この手の女性声メタルの中でもトップクラスのクオリティである。
随所にチルボド的なシンセアレンジやギターの絡みなどもありつつ、初期HAMMERFALLのような疾走曲なども魅力的だ。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SINERGY「To Hell and Back」
フィンランドのメタルバンド、シナジーの2nd。2000年作
前作よりもさらにオールドスタイルのメタルに回帰したようなサウンドで、
キンバリー嬢の伸びやかな歌声が、いっそうメタルクイーン然として引き立っている。
正統派のリフを基本にしながら、そこはアレキシ、随所にテクニカルなギタープレイも覗かせつつ、
全体的には、1stに比べていくぶんシンプルになった分、メタルとしてのストレートなノリが強まっている。
思えば、このバンドがのちの姐御系メタルブームの火付け役となったと言ってよいのかもしれない。
なお本作にはNightwishのマルコ・ヒエタラが参加している。
メロディック度・・8 正統派度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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SINERGY「Suicide by My Side」
フィンランドのメタルバンド、シナジーの3rd。2002年作
アレキシ・ライホ、ローペ・セトヴァラのツインギターに、ベースには引き続きNightwishのマルコ・ヒエタラが参加、
キンバリー・ゴスのパワフルなヴォーカルを乗せた、正統派のメロパワサウンドを聴かせてくれる。
随所にテクニカルかつ流麗なツインギターを含ませながら、あくまでオーセンティックなメタルにこだわった聴き心地で、
楽曲自体はいたってシンプルなところも過去2作と同様であるが、よりオールドスタイルであった前作に比べると、本作は1stに近いかもしれない。
メロディック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SinHeresy 「Paint the world」
イタリアのシンフォニックメタル、シンヘレシーの2013年作
男女Voにシンセを含む6人編成で、モダンなヘヴィさを含んだ正統派メタルを軸に
美しいシンセアレンジと、男女ヴォーカルの歌声で聴かせるスタイル。
紅一点、セシリア嬢の美しい歌声は、粗暴な男ヴォーカルが絡むといくぶん押されがちだが、
適度に硬質感のあるサウンドは、AMARANTHのイタリア版という雰囲気もある。
ヴァイオリン、フルート、チェロをゲストに、厚みのあるシンフォニック性とモダンさが融合した好作。
シンフォニック度・・7 モダン度・・8 男女Vo度・・7 総合・・7.5


SinHeresy 「Domino」
イタリアのシンフォニックメタル、シンヘレシーの2017年作
2013年にデビューし、2作目となる。男女Voの6人編成で、メタリックなギターにパワフルな男性ヴォーカル、フェミニンな女性ヴォーカルが絡み、美麗なシンセアレンジとともにモダンなシンフォニックメタルを展開。
デジタルな感触の男女声シンフォニックメタルという点では、TEMPERANCEなどにも通じる感触であるが、曲によっては、LACUNA COILのような雰囲気もあって、女性声がメインのナンバーでは優美な叙情にも包まれる。
全体的なクオリティは高いものの、楽曲的に3〜4分前後で、もう少し壮大な盛り上がりが欲しい気もする。
シンフォニック度・7 スタイリッシュ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 
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SINHERESY 「Out of Connection」
イタリアのシンフォニックメタル、シンヘレシーの2019年作
2013年にデビュー、本作は3作目となる。硬質なギターにモダンなシンセアレンジを重ね、
男女ヴォーカルの歌声をのせた、LACUNA COILを壮麗にしたようなモダンなサウンドだ。
紅一点、セシリア嬢の伸びやかな歌声に、ヘヴィなギターとエレクトロなシンセが合わさって、
ゴシック的なメランコリーをダンサブルなきらびやかさで包み込んだというような聴き心地。
1stの頃に比べて、方向性に迷いがなくなった分、デジタリィでカラフルな作風に説得力が備わった。
男性声はなくてもいいような気もするが、アグレッシブなパートにおいては女性声とのコントラストになっていて、
このツインヴォーカルスタイルが、彼らのサウンドにはマッチしているのだろう。高品質な出来です。
シンフォニック度・・7 モダン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Sinners Moon 「Atlantis」
スロバキアのシンフォニックメタル、シナーズ・ムーンの2015年作
壮麗なイントロから、ほどよくヘヴィなギターにシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルを乗せた
Nightwishタイプのシンフォニックメタルを聴かせる。女性声に絡む男性ダミ声がやや耳障りだが、
紅一点、シモーナ嬢の歌声は、Delainのシャーロット嬢のような、しっとりとなよやかな声質で、
サウンドを優美に彩っている。楽曲はほどよくキャッチーで、適度な疾走感もあるのだが、
いかにもNightwishという部分も多く、さほど新鮮味はないのが惜しい。Sonata Arcticaのトニー・カッコが
ゲスト参加したナンバーや、ゆったりとした11分のタイトル曲など、全体的に高品質な作品ではあります。
シンフォニック度・7 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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SINSID 「Enter the Gates」
ノルウェーのメタルバンド、シンシドの2020年作
ツインギターのリフに、かつてのウド・ダークシュナイダーのようなダーティなヴォーカルを乗せた、
しごく正統派のメタルサウンドを聴かせる。重すぎない演奏といい、突き抜けきらない楽曲といい、
80〜90年代のマイナーなエピックメタルの香りを漂わせていて、なかなか微笑ましくもある。
3連リズムのどっしりとしたナンバーは、初期のMANOWARなどに通じる雰囲気もあるが、
こちらはもう少しヘナチョコな印象で、演奏もいまいち、勇壮さもほどほどのB級感触に包まれている。
これというキラーチューンもなく終わるという全39分。いまの時代にこの内容ではきついかな。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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Sintonia Distorta 「Frammenti D'incanto」
イタリアのメタルバンド、シントニア・ディストルタの2015年作
シンセ奏者を含む5人編成で、オルガンが鳴り響き、イタリア語のヴォーカルを乗せて
古き良きスタイルの正統派HR/HMを聴かせる。演奏はたどたどしいドラムをはじめ、正直アマチュア臭く、
ヴォーカルの弱さも含めた微笑ましさが漂っていて、全体的にも最近は珍しいくらいのヘナチョコ。
7分、8分と曲が無駄に長いのもいかんともしだかく、B級のイタリアンメタルが好きでないと厳しいかと。
…と思っていたら、ラストの8分の大曲はゆったりとした叙情で聴かせるなかなかの好曲でした。この路線でぜひ!
ドラマティック度・・7 正統派度・・7 イタリア度・・8 総合・・7
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Sipario 「Eclipse Of Sorrow」
イタリアのシンフォニックメタル、シパリオの2016年作
壮麗なシンセアレンジをメタリックなギターに重ね、伸びやかな女性ヴォーカルに男性デスヴォイスも加え、
リズムチェンジを含む知的な展開力で、ProgMetal的な感触も含んだ優雅なシンフォニックメタルを構築。
いくぶんラウドな音質やアレンジ面での粗さなど、マイナーなB級臭さが随所に感じられるのだが、
メガネをかけたヴォーカル嬢のキュートな歌声はなかなか魅力的で、優美なシンフォニック性にマッチしている。
中盤には、3部構成の13分の組曲もあり、アグレッシブな激しさと優美な叙情性が同居した味わいが楽しめる。
全体的にはあと一歩突き抜けきらない楽曲が惜しいが、随所にサウンドの魅力はあるので、今後に期待です。
シンフォニック度・7 壮麗度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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SIREN'S CRY「Scattered Horizons」
オーストリアのシンフォニックメタル、サイレンズ・クライの2013年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、美麗なシンセアレンジとヘヴィな硬質感とともに、
適度にテクニカルに構築される楽曲に、美しい女性ヴォーカルを乗せたサウンド。
プログレメタルやゴシックの要素を取り入れてスタイリッシュに仕立てたという作風は、
Nightwishなどのファンから、SERENITYやKAMELOTなどが好きな方にもアピールするだろう。
Katie嬢の歌声は優雅な美しさで、楽曲を引っ張るようなインパクトはあまりないのだが、
知的な展開美を描くサウンドはメロディックで高品質。女性声シンフォニックメタル期待の新鋭です。
シンフォニック度・・8 モダンセンス度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8



Sister Sin「Switchblade Serenades」
スウェーデンのメタルバンド、シスター・シンの2008年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のメタルサウンドで、
かつてのWAROCK(DORO)などを思わせる、古き良き80年代テイストもある。
アルバム構成を「Side A/Side B」と区切ってあるのもアナログLP時代への憧憬か。
Liv嬢の歌声もなかなかパワフルで、アメリカのHydrogynなどとともに、
新時代のメタルクイーンという存在になるか。正統派の女性声HR/HM好きはどうぞ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 女性Voバワフル度・・8 総合・・7.5
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SISTER SINTrue Sound Of The Underground」
スウェーデンのメタルバンド、シスター・シンの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声でパワフルに聴かせる正統派のサウンドは、
前作以上に楽曲としてのまとまりと、説得力を付加した力強さが感じられる。
リヴ嬢の歌声は元祖メタルクイーンDOROを彷彿とさせる姐御的な迫力があり、
いかにも正統的なギターサウンドとともに、古き良き80年代テイストとモダンさが
上手く合わさったスタイルは、多くのリスナーに受け入れられるロックとしての普遍性もある。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 パワフル女性Vo度・・8 総合・・8
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Sister SinNow & Forever
スウェーデンのメタルバンド、シスター・シンの2012年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派メタルサウンドは本作も健在。
むしろ、さらに原点回帰したような古き良き感触のヘヴィメタルが炸裂している。
女性というよりは、むしろ男性的なほどのパワフルなヴォーカルとともに、
これでもかというほどに正統派の作風なので、新鮮味というものはほぼ皆無。
退屈な方には古くさいだけかもしれないが、ある意味では潔い快作とも言えるかもしれない。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良きHR/HM度・・9 総合・・7.5
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Sister Sin 「Black Lotus」
スウェーデンのヘヴィメタル、シスター・シンの2014年作
2003年にデビュー、2008年の2作目から認知度を増し、5作目となる本作も、
古き良き正統派メタルの感触とハスキーな女性ヴォーカルで聴かせる、パワフルなサウンドが楽しめる。
オールドスタイルへの誇りを感じさせるギターワークに、紅一点LIV嬢の中性的な歌声を乗せ、
曲によっては適度に激しい疾走感もあって、前作以上にメタルとしての力強さが備わってきた。
じっくりと聴かせるキャッチーなナンバーもありつつ、全体的にはメロディックすぎない硬派さも潔し。
バンドとしてのキャリアと自信を感じさせる、どっしりとした力作。ジャケの雰囲気もよいですね。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良きHR/HM度・・9 総合・・8 
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SIX MAGICSDead Kings of the Unholy Vally
南米はチリのメロディックメタルバンド、シックス・マジックスの1st。2003年作
うっすらとしたシンセと、メロディアスなギターフレーズで疾走するメロスピサウンド。
サビでのクサメロはなかなか爽快で、マニアなら思わずにやりとするだろう。
女性声入りの壮麗なコーラスなども含めて、シンフォニックメタル的なアプローチもある。
ややドタバタとしたドラムなど、演奏力はまだまだという感じだが、
ときにHELLOWEENばりのツインギターも聴かせるなど、この手のB級バンドにしてはなかなか。
シンフォニック度・・7 クサメロ度・・8 疾走度・・8 総合・・7.5
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SIX MAGICS「The Secrets of An Island」
チリのメロディックメタルバンド、シックス・マジックスの2nd。2004作
1stはチープなメロスピでB級臭い印象だったが、この2ndではやや方向性を変えている。
疾走感はそのままに、大幅にシンフォニック度、クラシカル度がアップしていて
サビでの大仰なコーラスはRHAPSODYTHY MAJESTIEあたりを思わせる。
コンセプト作ということも手伝ってか、全体的に重厚でドラマテイックな音作りになっていて、
小曲やSEを混ぜながらつないでゆくやり方にも、1stにあった軽さとB級感は感じられない。
ギターワークやヴォーカルはやや弱く、シンフォニックでクワイア重視の壮麗なサウンドだ。
しかし、このジャケやブックレットの3DゲームみたいなCGはどうかと思う(^^;)
シンフォニック度・・9 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SIX MAGICS「Behind The Sorrow」
チリのメロディックメタルバンド、シックス・マジックスの3rd。2010年作
2003年の2ndは、壮麗なクワイアを多用したシンフォニックな作風であったが、新たに女性シンガーを迎えた本作では、
ツインギターを主体にしたよりオーセンティックな正統派のメタルサウンドへとシフトしている。
女性Vo、エリザベス嬢の歌声は、どちらかというと中音域が中心で、雰囲気的には、
DARK MOORのエリサ嬢のDREAMAKERにも近い感じもする。曲によってはシンフォニックな壮麗さも残っているがやや中途半端か。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SIX MAGICS「Falling Angels」
チリのシンフォニックメタル、シックス・マジックス2012年作
前作はオーセンティックな作風へにシフトしたものの、出来としてはやや中途半端な印象であったが、
本作ではモダンなヘヴィさを加えて、随所にテクニカルな感触も盛り込んだりと、アレンジに工夫が加わった印象。
エリザベス嬢の歌声は、女性というよりは中性的な雰囲気で、むしろパワフルな正統派メタルとして楽しめる。
ときおりシンフォニックな美しさや適度に疾走感もあるので、アルバムとしてのメリハリは感じられるが、
これだというキラーチューンがないので、ボーナスを入れて全15曲70分はさすがに長い…。
メロディック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5



SKADIKA「Frozen Legends」
ドイツのシンフォニックメタル、スカディカの2013年作
エピックな大仰さとシンフォニックなアレンジ、女性ヴォーカルの歌声で聴かせるファンタジックなサウンド。
ギターのフレーズも含めて、ペイガン風味の雰囲気もありつつ、ときに男性デスヴォイスもまじえて
なかなか勢いよく聴かせる。女性声の力量や演奏とサウンドの粗さを含めて、やはりB級っぽさも強く、
アイデアやアレンジに技量とセンスとがまだまだ追いついていないという印象。
このRHAPSODYばりの世界観は嫌いではないので、今後に期待したいバンドです。
シンフォニック度・・7 エピック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7




SKYLARK 「After The Storm」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの1997年作
いまやクサメロスピを代表するバンドの記念すべきデビュー作。
クラシカルなシンセワークとともにライトに疾走するスタイルは本作ですでに出来上がっている。
いうなれば、このサウンドをいまもなお貫き通しているという点に、このバンドの偉大さがあるのだろう。
音質、演奏ともに並以下ながら、メロスピへの愛、クラシカルな幻想美への愛が感じられる。
メロディック度・・8 疾走度・・8 スカイラーク度・・9 総合・・7

SKYLARKDragon’s Secrets」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの2nd。1998年作
クラシカルなチェンバロの音色とシンフォニックなシンセ、そしてクサメロで疾走する、
これぞイタリアンメロスピというサウンド。B級気味のヘナチョコさから一般のメタラーには
バカにされるバンドかもしれないが、このロマンに溢れた世界観は我々をぐっと惹きつける。
好きだ…スカイラーク。恥ずかしくなくそう言えるメロスパーたちに愛されるべき存在だ。
クサメロ度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・8 総合・・7
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SKYLARK「DIVINE GATES PART T GATE OF HELL」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの3rd。1999年作
イタリアのクサメタルといえばすなわち彼らのこと。本作は2枚に分かれた「Divine Gate」シリーズの1で、
美麗できらびやかキーボードを主体に、徹底的に疾走しまくるそのサウンドは、
歌はやや弱いがいちいちメロディがクサくて、とてもステキです。曲が無駄に長いのもミソ。
きらきらのシンセで疾走するだけの典型的なメロスピスタイルは、単純明快で、ある意味潔いとさえ言える。
バンドは後に女性Vo、キアラ嬢を迎えるが、クサメロの質と疾走感では本アルバムが最高でしょう。
ルイス・ロヨの色っぽいこのジャケ絵もとてもよろしい。続けてPART U GATE OF HEAVENも聴きましょう。
クサメロ度・・9 シンフォニック度・・8 疾走度・・9 総合・・8
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SKYLARK「DIVINE GATES PART U GATE OF HEAVEN」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの4th。2000年作
前作から続く「Divine Gate」シリーズの続編。またまたルイス・ロヨのジャケがよいですな。
サウンドの方はなにも変わらず。シンセ主導で美麗かつクサメロで疾走する明快メロスピ。
ややナヨっとしたヴォーカルがダメな人はダメだろうし、軽めに疾走する軟弱系のスタイルを
微笑ましく見守りながら楽しむことができないと、すぐに飽きてしまうであろう。
ただ、このロマンとクサメロへのこだわりが個人的にはとても耳に優しいのである。
クサメロ度・・8 シンフォニック度・・8 疾走度・・9 総合・・7.5
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SKYLARK「THE PRINCESS' DAY」
イタリアンシンフォニック・メタルバンド、スカイラークの5th。2001年作
ルイス・ロヨのファンタジージャケにつられ買ってしまったが、内容は相変わらずクサメロの疾走曲満載で安心。
このバンドの場合、曲作りをKeyがおこなっているので、したがってメロディは全部キーボードと歌メロ主体。
ギターはコードを弾くかKeyにユニゾンするかなので、ギターをメインに聴く人にとっては面白くもなんともないだろう。
その分さすがにキーボードにはこだわっていてピアノやチェンバロなどの音色は優雅にクラシカルで、
このB級シンフォニック疾走曲に花を添えている。また、Voの力強くなさが逆にマニアにとっては魅力なのかも。
シンフォニック度・・8 疾走度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
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SKYLARK「WINGS」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの6th。2004作
新メンバーに女性Voを加えた本作だが、ううむ…ジャケのお色気度が落ちていたので危惧はしていたが、
なんだか、疾走度、クサメロ度ともに全作よりもパワーダウンしているという印象。
全体的にかなりマイルドな音になっており、もともと薄かったのがさらに薄い音に…。
3rd「DIVINE GATES PART T」の頃のたたみかける疾走感がなくなっている。
キーボード主体の楽曲はまあいいとして、それならもっとシンフォニックに大仰にして欲しい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 疾走度・・7 総合・・7
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SKYLARK 「In the Heart of the Princess」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークのベストアルバム。2004年作
初期の5枚からファンによる投票で選ばれたベストアルバムで、リレコーディング3曲に新曲2曲を含む全26曲をCD2枚に収録。
シンフォニックなシンセアレンジとクサメロを乗せて疾走するサウンドはいくぶんの長尺感とB級っぽさも含めて、
マニアにこよなく愛されている。曲としてはやはり「DIVINE GATES」のあたりが一番いい感じですね。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 スカイラーク全部度・・9 総合・・7.5
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SKYLARK「Fairytales」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの7th。2005作
女性Voキアラ嬢加入後の2作目となる本作は、前作「WINGS」で失った疾走感を取り戻した、
ある意味では彼ら本来のメロスピサウンドとなった。お世辞にも上手いとはいいがたい女性Voを
前面に押し出してきたことで勝負しにきた感があるが、クオリティの方は正直言ってまったく進歩していない。
むしろレコーディング用のドラマーの技量不足が露呈されており、以前のドラマーが叩くG以降の曲が
安定して聴こえるという有り様。そんな中、Bの日本向けボートラ曲「Mt.Fuji」のシンフォニックさは
このバンドのひとつの可能性を提示しており、10分以上の大曲のDや、「赤ずきんちゃん」をコンセプトにしたGなどには
それなりに光る部分がある。MIKE OLDFIELDのカヴァー“Moonlight Shadow”なども
EDENBRIDGEを思わせる女性Voシンフォメタルとしてなかなかのものであるが、
全体的に見れば「DVINE GATE T、U」の頃よりも楽曲、演奏共に勢いが落ちているのは否めず、
ルイス・ロヨのジャケとキアラ嬢の水着カードだけが売りというのでは少々悲しい…
シンフォニック度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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SKYLARK「Divine Gate Part3 The Last Gate
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの8th。2007年作
今作はタイトル通り、彼らの最高傑作である「Divine Gate」シリーズの最終章である。
内容的にもこれまでの集大成ともいうべき、渾身のドラマティックさと疾走感に満ちあふれており、
スカイラーク好きにとっては「これだよ、これ!」と久々に膝を叩くに足るサウンドとなった。
キュートなキアラの歌声にはメタル的な力強さはないものの、物語的なロマンティックさに彩られた楽曲は
エディ・アントニーニのメロディメーカーとしてのすべてをつぎ込んだかのようなきらびやかさに溢れている。
そして、キアラ嬢の歌うシンフォニックなバラードに今さら胸キュンしてしまう自分は、正直なメロスパー(笑)
メロディアス度・・8 疾走度・・8 ロマンティック度・・10 総合・・8
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SKYLARK
「全部」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの2010年作
バンドの過去曲をキアラのヴォーカルでセルフカヴァーしたアルバムで、
2枚組のDisc2の方は、先に出ていたDVDからのライブ音源を収録している。
正直、リメイクの方は打ち込みっぽいドラムも含めて演奏もサウンドもショボく、
そこに乗るキアラの歌声も含めて、B級臭さがより際立っているような気が…笑
そして何故か、Virgin Steelのデヴィッド・ディファイスが参加していて、
曲に合わないパワフルな歌声を披露。軽めの音とのミスマッチが甚だしい。
ファンでもつらい作品というのはこのことだろう。ライブ音源の方がいくらかマシだが…
ドラマティック度・・7 疾走度・8 サウン度・・5 総合・・6.5
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SKYLARK「TWILIGHTS OF SAND」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの2012年作
プロモやイベントで無駄に来日する…というか住んでる?…日本が大好きなこのバンド、
いったんの解散やメンバーチェンジをへて、5年ぶりとなるアルバムが完成しちゃいました。
新しいヴォーカルは、またしても美女のプリンセス・アシュリー嬢。イントロにつづく2曲めは何故かアニソンの
“とべ!グレンダイザー”で、「とべーとべーデュークフリード」と、日本語で健気に歌ってくれていて、ちょっと胸キュンである。
オリジナル曲の方は、いい意味でB級感が治らない、軽めの疾走曲満載で、これぞスカイラークだよ。
歌が弱いとか、メロが似たりよったりとか、サビが煮え切らないとか…それも含めてスカイラーク全部だよ。
また本作では他にも数名の女性Voが参加しており、美女の写真だらけのブックレットもある意味必見だ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SKYLARK「Divine Gates Part V Chapter 1 The Road To The Light」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの2013年作
美しいジャケに大仰なタイトル、そしてCD2枚組というボリュームであるが、
これが新作ではなく過去曲をリマスターした、じつにまぎらわしいベスト的な内容。
バンドの歴史を振り返る的な意味があるのかもしれないが、これまでにもベスト的な作品は2作もあり、
本作を出す意味があったのかどうかは不明。帯の文句もあたかも新作であるような表記なので、
知らずに購入した方には、「いい加減にしろ」的な代物であろう。リマスターしようとしなかろうと、
曲の魅力が増すことはないわけで、CD2枚全31曲を心から楽しめるという、筋金入りのファンでなければ、
とてもオススメはできない。一部に新録もあるようだが、「それがどうした?」と言われたらそれまでの作品だ。
メロスピ度・・8 むしろスカイラーク全部度・・9 ベストなの?どうなの?度・・? 総合・・7

Skylark 「The Dragon's Gate (Divine Gates Pt. V -Chapter 2)」
イタリアのメロディックメタル、スカイラークの2017年作
本作は、1997年作「Dragon's Secrets」を新たに再録したバージョンで、シンガーにChiara Manese嬢が参加、
美しい女性ヴォーカルを乗せて、きらびやかに疾走する、ファンタジックなクサメロスピが楽しめる。
新ヴォーカル嬢のなよやかな歌声は、キアラの名は同じでも、かつてのキアラ嬢よりも表現豊かで、
優雅なソプラノも使いこなす逸材。エディ・アントニーニのクラシカルなシンセワークともよくマッチしている。
この編成での完全新作に期待したいところ。Disc2には、1997年作のリマスター音源を収録した2枚組仕様。
ちなみに、本作は2015年に「The Storm And The Horizon」というタイトルで発売された4枚組の、Disc4と同内容です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 
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SKYWARD
フィンランドの女性Voメタルバンド、スカイワードのアルバム。2004作
オペラティックな女性Voの歌声を聴かせる初期NIGHTWISHタイプのサウンド。
サナ嬢の歌唱はターヤほどにはインパクトはないものの、
土着性を感じさせるメロディとともに、どこかマイナー臭さを漂わせる楽曲は
欧州風の翳りと、B級クサメタル的な部分を残しつつもなかなか耳に心地よい。
曲によってはAMORPHIS的な質感もあり、こうした土着要素にはなかなか魅力がある。
今後の成長しだいでは、ポストナイトウィッシュの地位を目指せるかもしれない。
メロディアス度・・7 フィンラン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The Slaughters 「Brothers in Blood」
フランスのメタルバンド、スローターズの2012年作
ジャケからしてすでにB級感たっぷりなのだが、サウンドの方も軽めのドラムにギターを乗せて、
弱めのハイトーンヴォーカルとともに、ほどよい疾走感の正統派メロパワを聴かせる。
80年代ルーツの重すぎないギターリフには、IRON MAIDEN的な匂いも感じさせるが、
メロディのフックやパワフルな勢いはさほどなく、煮え切らないエピックメタルという印象はいかんともしがたい。
8〜9分の大曲もあるが、とりたてて盛り上がるところもなく、クサメロ感もさほどない分、印象に薄い内容だ。
ドラマティック度・7 正統派度・8 B級度・8 総合・7


Sleeping Romance「Enlighten」
イタリアのシンフォニックメタル、スリーピング・ロマンスの2013年作
シンフォニックなアレンジと美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、Nightwishタイプのサウンド。
オーケストラルな壮麗さと、適度にゴシック的でもあるモダンなヘヴィネスを合わせた雰囲気は、
いまでは目新しくもない典型的なシンフォメタルのスタイルながら、やはり嫌いではない。
紅一点、フェデリカ嬢のヴォーカルは、力強さよりははかなげなイメージで、なかなか好みである。
全体的な雰囲気は悪くないので、あとはこのバンドならではの個性と、楽曲の質を磨いていってもらいたい。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Sleeping Romance「ALBA」
イタリアのシンフォニックメタル、スリーピング・ロマンスの2017年作
シンフォニックなアレンジに女性ヴォーカルの歌声を乗せ、壮麗な重厚さに包まれた
正統派の女性声シンフォニックメタル。紅一点、フェデリカ嬢の歌声はソプラノというよりは、
わりとストレートな地声をメインにしていて、女性らしいなよやかさと抜けの良さを同居させた感触で、
キャッチーなナンバーによく似合っている。オーケストラルな壮麗さとメロディックな聴きやすさが
スタイリッシュに同居するところは、DELAINWITHIN TEMPTATIONなどにも通じるだろう。
全体的にもクオリティは高いのだが、もうひとつ突き抜けたフックが欲しい気もする。
シンフォニック度・・8 楽曲・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SOLAR 「AT THE DAWN」
ロシアのシンフォニックメタル、ソラーの2011年作
2009年の作品にボーナストラックを加えて再発したもので、
女性ヴォーカルのロシア語の歌声と、シンセによる美しいアレンジで聴かせるサウンド。
クサメロのギターとともに、いくぶんローカルな辺境臭さも味わいになっていて、
フルートやヴァイオリンが入ったクラシカルな優雅さとフォーキーな感触もいくぶんある。
ドラムも含めて全体的に軽めの音なのだが、この手が好きな方ならにんまりだろう。
メロディック度・・8 辺境度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Solar Fragment 「In Our Hands」
ドイツのメロディックメタル、ソーラー・フラグメントの2011年作
IRON MAIDENを思わせるツインギターに、BLIND GURADIANのようなパワフルなヴォーカルで聴かせる
じつに正統派のジャーマン・メロパワサウンド。エピックな勇壮さとクサくなりすぎないメロディアスさもバランスよく、
全体的に疾走感はそれほどないものの、どっしりとした聴き心地で楽しめる古き良きスタイルが嬉しい。
あとはこれだというインパクトのある楽曲が欲しい。やはりというか、ハンズィ・キアシュがゲスト参加している。
ブラガーはもちろん、SAVAGE CIRCUSなどが好きな方にもオススメの好作だ。
ドラマティック度・・7 ブラガー度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SOLISIA「Ordinary Fate」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ソリシアの2010年作
女性ヴォーカルをフロントに、シンセによるオーケストレーションがきらびやかに彩る、
EDENBRIDGEを思わせる美麗系のサウンド。インスト部分にはProgMetal風味もあり、
適度にテクニカルでモダンな質感と、優雅なシンフォニック性が融合している。
一方では、シンセ入りのキャッチーな女性声ハードロックとしても楽しめる作品だ。
紅一点、マリレナ嬢の歌声は、どちらかというと中音域で、さほど好みではないのだが、、
バンド全体のクオリティとしては、デビュー作とは思えない堂々たるものがある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SOLISIA「Universeasons」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ソリシアの2012年作
女性ヴォーカルをフロントに、適度なヘヴィさとモダンな構築力も感じさせるシンフォニックメタル。
しっとりとした歌声で聴かせる叙情性とメランコリックな聴き心地もあり、Nightwishあたりにも接近したような印象だ。
新加入のエレノラ嬢の歌声は、前任者以上に表現力があって、バンドの方向性によくマッチしている。
これだというインパクトはまだないものの、フィメール・シンフォタル好きのリスナーならチェックして損のない作品だ。
シンフォニック度・・8 モダン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Solitude Within 「Disappear」
ベルギーのシンフォニックメタル、ソリチュード・ウィズインの2017年作
ほどよくヘヴィなギターリフに壮麗なシンセアレンジ、透明感のあるコケティッシュな女性ヴォーカルの歌声で、WITHIN TEMPTATIONあたりに通じる優雅なサウンド聴かせる。
スローからミドルテンポを基調にしつつ、ダークな翳りや妖しさはあまりなく、シンセも兼任する、EMMELIE嬢の魅力的な歌声とともに、優美で爽やかな耳心地。
聴きやすさの反面、3〜4分前後の楽曲は、これという盛り上がりに欠けるので、強固な世界観やフックのある展開がもう少し欲しい所。
アルバム後半の、いくぶん耽美なゴシックメタル寄りのナンバーなどは、美しい女性声がよく映えてしっとりとした味わいで楽しめる。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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SOLREID 「OPENING PRICE (Цена Открытий)」
ロシアのシンフォニックメタル、ソルレイドの2016年作
オーケストラルで壮麗なイントロから、メタリックなギターにきらびやかなシンセアレンジ
母国語による美しいソプラノ女性ヴォーカルとともに、疾走感のあるシンフォニックメタルを聴かせる。
紅一点、Victriel嬢の歌声は、なよやかな高音のソプラノで、楽曲を華やかな彩っており、
ゴージャスなシンセアレンジとともに随処にメロディックなギタープレイも光っている。
メロディック・スピードメタルばりの疾走感もあるので、激しめのシンフォニックメタルが好きな方にも対応。
全25分というEPであるが、演奏力、歌唱の実力ともに充分で、今後のフルアルバムに期待したい。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8


SONATA ARCTICA「ECLIPTICA」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ソナタ・アークティカの1st。2000年作
きらびやかに疾走するサウンドで、北欧メロスピの爽やかさを見せつけたデビュー作。
同郷の先駆者であるSTRATOVARIUSを手本にしながらも、よりシンプルに、
そして若さ溢れる疾走感を全面に出したスタイルは、日本でも大きな人気を呼んだ。
このバンドの成功もあって、この後フィンランドでは続々と良質なバンドがデビューしてゆく。
しかし皮肉なことに、彼らは本作のあと、2007年の「UNIA」にてこのスタイルを脱却するまで、
このデビュー作の勢いを超えられなかった。そういう点で1stにしてこのスタイルの頂点であり、
よくも悪くも21世紀の北欧メタルシーンに多大な影響を与えた作品と言えるだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 勢い度・・9 総合・・8
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SONATA ARCTICA「SILENCE」
フィンランドのメロディックメタル、ソナタ・アークティカの2nd。2001年作
きらきらと華麗に疾走するサウンドはメロディアスでクオリティは高いし、曲も分かりやすい。
楽曲、演奏力ともにそこそこ品質の高いこのバンドが人気なのはよく分かるし、
今の若いリスナーの耳にはこうした音がとてもフィットするだろうことも理解できる。
ただ、この方向性のまま彼らが今後10年アルバムを作り続けられるとはどうしても思えない。
STRATOVARIUSの作った北欧疾走メタルの道を、活きのいい若者がすごい速さで走っている。
しかし真の意味で先達に追いつき、追い抜くのは容易なことではない。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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SONATA ARCTICA「SONGS of SILENCE」
フィンランドのメロディックメタル、ソナタ・アークティカのライブ作品。2002年作
2001年東京公演のステージを収録。2nd発表後のツアーということで、
疾走感たっぷりの初期2枚のアルバムからの曲をたっぷり収録している。
きらびやかなシンセとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するソナタらしいメロスピサウンドで、
音質はややラフながら、ファンには十分楽しめるだろう。Disc2にはアンコールのボーナス曲を収録。
疾走度・・8 ライブ演奏・・7 音質・・6 総合・・7.5
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SONATA ARCTICA「WINTER HEART'S GUILD」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ソナタ・アークティカの3rd。2003作
前の2枚はありがちな曲展開と音の軽さがあまり気に入らなかったのだが、
このアルバムも初めの聴き心地は悪くないのに、やはりどこかもどかしくなる。
たぶん、私にとっては、このヴォーカルの自己陶酔的な軟弱さと、メタル魂のなさ、
そして、予定調和然としたきらきらのキーボードアレンジが気に入らないのだな。
きらびやかで聴きやすいサウンドはメタル初心者でもいけるのは確か。アルバムとしての流れと、
全体を通してのブレの少なさという点ではあるいは初期3作では一番よくできた作品かも。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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SONATA ARCTICA「REKONING NIGHT」
ソナタ・アークティカの4th。2004作
1曲めはお約束の疾走曲。彼らの速い曲のギターリフはたいして面白くはないのだが
歌メロのキャッチーさにつられてついにんまりとしてしまう(笑)
2曲目以降はミドル系の落ち着いた曲などを散りばめながら、疾走曲も入れて…
という感じで、前作よりは初期のアルバム寄りといえるのかもしれない。
一方ではやはり、全体的に上手くまとめたなという堅実な作りが耳につき、新鮮さはあまりない。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SONATA ARCTICA「The End Of This Chapter」
フィンランドのメロスピバンド、ソナタ・アークティカのベストアルバム。2005作
日本での人気を皮切りに、今や世界的な成功を収めたこのバンド、本作は
1st〜4thまでのアルバムにシングル、ミニアルバムから集められた16曲を収録したベスト。
きらびやかに疾走する勢いにあふれた初期の作風は、やはり今なおファンに人気が高い。
シンプルな分かりやすさは美麗さをもったこのバンドのサウンドは、個人的には明快すぎて
物足りなさもあるのだが、これ以降の多くのバンドに影響を与えたのは確かだろう。
アルバムを買わずに初期の代表曲をまとめて聴きたいという方には、最適のベスト盤だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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SONATA ARCTICA「FOR THE SAKE OF REVENGE」
フィンランドのメロスピバンド、ソナタ・アークティカのライブDVD。2006作。
このDVDは2005年の日本ツアーからの収録で、全20曲93分、
ソナタファンには、彼らのきらびやかなサウンドがたっぷりと堪能できる。
ところで、まったくファンではない自分としては、彼らのパフォーマンスについては、
楽曲もそこそこ、演奏もまあまあ…というくらいで突出した魅力は感じないのだが、
メタルとしては重くなく、とても聴きやすいという点で、初心者メタラーに支持されるのは理解出来る。
ファンタジックで北欧的なオープニングのCGアニメーションはなかなか良かったが。
ライブ演奏・・7 ライブ映像・・7 楽曲・・7 総合・・7
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SONATA ARCTICA「UNIA」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ソナタ・アークティカの2007年作
前作で感じられた楽曲の多様性は、脱メロスピというバンドの結論につながったようだ。
初期にあった勢いまかせのスピードチューンはすっかり消え失せ、
同郷のTWILIGHTNINGがそうだったように、普遍的なハードロック/メタルへの接近がなされている。
もちろん、キラキラとしたシンフォニックなシンセワークは健在で、北欧のバンドとしてのアイデンティティは
しっかり保たれているし、ギターがややモダンなヘヴィさを取り入れたことも時代の流れに乗ってのことか。
Voの表現力も上がっていて、QUEEN的な美麗なハーモニーの曲もアルバム中で輝いている。
初期のファンからすれば、疾走感のない肩すかしのアルバムかもしれないが、
個人的にはオーセンティックな北欧メタルとしてじっくり聴けるバンドになったと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 北欧度・・8 総合・・8
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Sonata Arctica「Days Of Grays」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ソナタ・アークティカの2009年作
前作「UNIA」は普遍的なハードロックへの接近を見せた好作であったが、
本作ではファンタジックでコンセプト的なシンフォニックメタルの力作となった。
美しくももの悲しいイントロから女性声の語りが入って、まるで映画のような序曲から
いよいよ楽曲が始まると、壮麗なシンセをバックにしてRHAPSODYばりにきらびやかに疾走。
次々に押し寄せるドラマティックな高揚感と、緩急を付けたストーリー的な楽曲構成は
これまでの彼らには見られなかったもので、この吹っ切れたような大仰さが素晴らしい。
オペラティックなメタルという点ではKAMELOT的でもあるが、より繊細なファンタジーの表現が、
見事な結晶となって音に現れている。このバンドの新たな側面をまざまざと見せつけた傑作である。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 壮麗度・・9 総合・・8.5
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SONATA ARCTICAStones Glow Her Name
フィンランドのシンフォニックメタル、ソナタ・アークティカの2012作
初期のメロスピ路線から脱却、5th「UNIA」からは普遍的なハードロック路線へと接近し、
7作目となる本作もその延長上のサウンドだ。ミドルテンポを主体に、美しいシンセアレンジと
ときにQUEEN的でもあるキャッチーなコーラスハーモニーで聴かせるメロディックなHRは
いうなればアリーナロック的な大衆性を含ませて、より多くのロックファンに楽しめるようになった。
3、4分台を中心にしたコンパクトなメロディアスハード風味であるが、そこにしっかりとフィンランドらしい
叙情性を感じさせてくれるのもさすが。前作のプログレ風味も若干残していて、メタルファンでなくとも楽しめる
メロディックな好作だ。初期のファンからの評価はさておき、このクオリティのバンドはなかなかいないと思う。
メロディック度・・9 キャッチー度・・8 メロハー度・・8 総合・・8
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SONATA ARCTICA 「Pariah's Child」
フィンランドのメロディックメタル、ソナタ・アークティカの2014年作
デビューからすでに15年、2007年の「UNIA」以降は普遍的なハードロック路線になっていたが、
8作目となる本作も、きらびやかなシンセアレンジとともに、北欧らしい叙情とキャッチーなメロディで
クオリティの高いサウンドを聴かせる。トニー・カッコの表現力あるヴォーカルもぐっと味わい深く、
ミドルテンポから初期に近い疾走曲まで、これぞソナタ節というメロディックな聴き心地が楽しめる。
やわらかなシンセアレンジはときにプログレハード的でもあって、楽曲ごとのバラエティと質の高さは
いよいよ孤高の域に近づいている。メタルに固執せずとも、しっかりと普遍的なHR/HMの魅力を備えながら
オペラティックな風味も含めて、素晴らしいメロディにおおわれた北欧ハードロックが楽しめる傑作であると思う。
メロディック度・・9 北欧度・・8 楽曲・・9 総合・・8.5
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Sonata Arctica 「Ninth Hour」
フィンランドのメロディックメタル、ソナタ・アークティカの2016年作
2000年にデビュー、初期のメロスピ路線から、2007年作以降はハードロック寄りにシフトしてきたこのバンド、
9作目となる本作も、美麗なシンセアレンジとマイルドなヴォーカルを乗せたキャッチーな作風で、
ウェットな叙情性と爽快なメロディアス性を兼ねそろえた、クオリティの高いサウンドを聴かせる。
曲によってはかつてのような疾走感もありつつ、トニー・カッコの歌声は繊細な表現力を増していて、
北欧のバンドらしい哀愁を含んだメロディとともに、透明感のある優雅なシンフォニック・ハードが楽しめる。
ゆったりとしたナンバーも多いが、力の抜けた自然体の柔らかみで構築された、大人のソナタを感じさせる好作品である。
シンフォニック度・・8 優雅度・・9 大人のソナタ度・・9 総合・・8
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Sonata Arctica 「Talviyo」
フィンランドのメロディックメタル、ソナタ・アークティカの2019年作
1999年にデビュー、本作は10作目で、キャッチーなイントロから、うっすらとしたシンセに伸びやかなヴォーカルを乗せて、
疾走感のあるメロディックなナンバーで幕を開ける。4〜6分前後の楽曲は比較的シンプルな感触で
北欧らしい涼やかな叙情性とやわらかな歌メロで、メタルファン以外でも楽しめるような優雅な聴き心地。
ミドルテンポを主体に、ゆったりとしたナンバーも多いので派手さはないものの、どの曲もメロディのフックと
優美なアレンジで耳心地よく楽しめ、ラスト曲はしっとりとしたポストプログレ風味の叙情に包まれる。
もはやメロパワではないものの、北欧シンフォニック・ハードとしては、さすが高品質な逸品です。
メロディック度・・8 優雅度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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SONIC ALTAR「No Sacrifice」
ニュージーランドのメタルバンド、ソニック・アルターの2011年作
ツインギターの5人編成で、メロディックな感触の正統派メタルサウンド。
新西蘭のバンドというのは珍しいが、ツインギターのリフとパワフルなヴォーカルに、
随所にメロディックな叙情を織り込んだサウンドは、なかなかのクオリティ。
楽曲はミドルテンポが中心で、これだという派手さや疾走感はないものの、
MANOWARを思わせるようなエピックな雰囲気のバラードや、SAVATAGEあたりに通じる重厚な大曲など、
ひしひしとメタルへの情熱が感じ取れる。古き良き質感のHR/HMがたっぷり楽しめる好作品です。
メロディック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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Sons of Seasons「Gods of Vermin」
KAMELOTのシンセ奏者とMETALIUMのヴォーカルによるメロディックメタル、サンズ・オブ・シーズンズの2009年作
ジャケはゴシックメタル的だが、サウンドの方は薄暗い叙情で聴かせるモダンなシンフォニックメタル。
パワフルなヴォーカルはいかにもメロパワ的ながら、緻密なシンセアレンジと、いくぶんKAMELOT的な雰囲気もただよわせる。
全体的に高品質ながら楽曲はやや盛り上がりには欠け、煮え切らなく感じてしまう。ゲストにEPICAのシモーネ嬢、
AFTER FOREVERのマーク・ヤンセンなどが参加しており、むしろゴシック要素の強い曲の方が好みです。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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SONS OF SEASONS 「MAGNISPHYRICON」
メロディックメタルバンド、サンズ・オブ・シーズンズの2011年作
KAMELOTのシンセ奏者やMETALIUMのヴォーカル、SILENT FORCEのベースが参加しているバンドで
かすれた声質のやわらかなヴォーカルとシンフォニックなシンセアレンジを含んだ正統派のスタイル。
楽曲はミドルテンポ主体ながら、適度にモダンな硬質感とドラマティックな美意識、
そして知的な構築力も感じさせ、これだという個性はないのだが全体的にもクオリティが高い。
KAMELOTやSERENITYあたりが好きな方にはオススメのドラマティックメタル力作です。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 構築美度・・8 総合・・8


SORCERY「ETERNITY」
スペインのメタルバンド、ソーサリーのアルバム。
ジャケはバンド名通り魔法使いの「いかにもな」イラスト。音はブラガー系のメロディックメタル。
演奏・・・下手。Voも音はずしてるし、ドラム、もたりぎみ、ときどきずれる。でも・・・嫌いになれない。
サビメロはキャッチ−で悪くないし。アマチュアのデモと思えば微笑ましくもある。
メロディアス度・・7 演奏・・3 微笑ましい度・・8 総合・・5


Sorronia「Words of Silence」
ハンガリーのシンフォニックメタル、ソロニアの2013年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、壮麗なアレンジと女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
NightwishやDelainなどを思わせるシンフォニックメタルサウンド。ANNA嬢の歌声は素直な感じで、
表現力の点ではまだまだ伸びしろがありそうだ。楽曲は3、4分前後と、濃密さの点では物足りないが、
むしろシンプルでキャッチーな聴き心地は好感が持てる。現時点ではまだまだB級という印象だが、
今後はサウンドに荘厳さや説得力、スケール感が加わってくるともっと良くなるだろう。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5


SOULBLAZE
イタリアのメロパワバンド、ソウルブレイズのアルバム。2005作
ジャケの雰囲気などから想像していたよりもずっとマトモな音だった(笑)
そして内ジャケを見て、元SHADOWS OF STEELの仮面Vo、Wild Steelのバンドだと気づく。
音の方はピロピロの速弾きギターで疾走するメロスピで、そこにW.Steel氏のヴォーカル…
ドラマティックかつ軟弱系なハイトーン(?)…が乗るスタイル。
SOSに比べるとクサメロ度はやや薄く、曲の展開自体は正統派〜ネオクラシカル方面で、
インパクトの点ではアルバムを通してあと一歩だが、疾走曲が好きならそこそこ聴けるだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7


SoulHealer 「Chasing the Dream」
フィンランドのメタルバンド、ソウルヒーラーの2013年作
2011年にデビュー、本作は2作目。王道のツインギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、
80〜90年代スタイルの古き良き正統派メタルサウンド。メロディックなギターフレーズには、
RUNNING WILDなど、かつてのジャーマンメタルを思わせるところもあったり、
一方では、Judas Priestなど80年代のブリティッシュメタル風の感触も覗かせる。
楽曲的な新鮮味はさほどないが、オールドスタイルの正統派が好きな方にはもってこい。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Soul of SteelDestiny
イタリアのメロスピバンド、ソウル・オブ・スティールの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、SKYLARKなどを思わせるクラシカルなシンセと
力強くない少々ビミョーなヴォーカルを乗せて軽めに疾走するサウンド。ドタバタとしたドラムとか、
演奏力も含めて、明らかにB級なんですが、こういうのけっこう嫌いじゃないんです。
ギターのクサフレーズもいい感じだし。Labyrinthのロブ・タイラントが1曲ゲスト参加しています。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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Soul of Steel 「Journey to Infinity」
イタリアのメロスピバンド、ソウル・オブ・スティールの2013年作
前作はSKYLARK系の微笑ましいB級メロスピであったが、本作はなにやらコンセプト的なイントロから
ドラマティックな香りを放っている。シンセを含んだクサメロで疾走するスタイルは変わらないが
サウンドはいくぶん力強くなり、メロディックな叙情もそれなりにツボをついてくるようになった。
ヴォーカルの煮え切らなさはあるが、あと一歩でSECRET SPHEREクラスまではいけそうな感じもする。
VISION DIVINEのアレッシオ・ルカッティ、Labyrinthのロベルト・ティランティがゲスト参加。
メロディック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5




SOULS OF DIOTIMA 「MAITRI」
イタリアのシンフォニックメタル、ソウルズ・オブ・ディオティマの2010年作
壮麗なイントロから、メタリックなギターを乗せたモダンな硬質感と、きらびやかなシンセアレンジに
コケティッシュな女性ヴォーカルで、優美なシンフォニックメタルを展開。ゆったりとした優雅なナンバーから、
ミドルテンポのキャッチーなナンバーも、クラウディア嬢の伸びやかな歌声の魅力で耳心地よく楽しめる。
ほどよい疾走感のある楽曲では、ギターとシンセの重ねによるネオクラシカルな味わいも覗かせつつ、
全体的には激しさよりも優雅なメロディアス性に包まれていて、派手なインパクトはさほどないものの、
じっくりと聴かせる女性声シンフォメタルの好作品だ。あとはもう一つ突き抜けるようなアレンジが欲しいか。
シンフォニック度・7 優雅でキャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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SOULS OF DIOTIMA 「Janas」
イタリアのシンフォニックメタル、ソウルズ・オブ・ディオティマの2021年作
2010年にデビュー、本作は5年ぶりとなる4作目。硬質感のあるギターにシンセアレンジを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、スタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
曲によってはデスヴォイスも加えたモダンなヘヴィネスも覗かせつつ、メロディアスなギタープレイや
クラウディア嬢のヴォーカルでしっとりと聴かせる、優美なナンバーなどもアクセントになっている。
楽曲自体は、比較的ストレートで意外性はさほどなく、適度にキャッチーでそれなりに壮麗という、
悪くはないがどこかあと一歩感があるのだが、魅力的な女性声でそれを補っている。
シンフォニック度・7 優雅でキャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Heleno Vale's SOULSPELL Metal Opera「A Legacy of Honor」
ブラジル人のドラマー、エレノ・ヴァーリを中心にしたメタルオペラ、ソウルスペルの2008年作
メタルオペラといえば、EDGUYのトビアス・サメットによるAVANTASIAをまず思い出すが、
本作はそれのブラジル版ともいうべき内容。ANGRAのエドゥ・ファラスキの弟や、
ETERNA、HANGAR、TRIBUZY、WIZARDS、DARK AVENGER、TUATHA DE DANANN
などのメンバーが集結。エピックな雰囲気で疾走するシンフォニックメタル作品だ。
正直、楽曲の質自体は本家のAVANTASIAに比べるとやや凡庸に思えもするが、
ときに美しい叙情パートや女性Voなどもまじえて、壮麗なサウンドを作ろうとしている。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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SOULSPELL「Labyrinth of Truths」
ブラジル人のドラマー、エレノ・ヴァーリを中心にしたメタルオペラプロジェクト、ソウルスペルの2010年作
AVANTASIAを思わせるような、多数のゲストが集結した前作「A Legacy of Honor」と同様、
エドゥ・ファラスキ(ANGRA)、ジョン・オリヴァ(SAVATAGE)、)ザック・スティーブンス(CIRCLE II CIRCLE)
ユーリ・サンソン (HIBRIA)、ナンド・フェルナンデス (元HANGAR)、MARIO PASTORE (PASTORE)
といった多くのゲストが今回も参加している。サウンドは、シンフォニックで壮麗なアレンジと
パワフルな重厚さで、いまひとつぱっとしなかった前作よりもドラマティックなメリハリが感じられる。
女性ヴォーカルを含む多数のヴォーカルの歌声が、世界観を濃密に彩っていて、雰囲気的には
AVANTASIAにも負けていないと思う。あとは楽曲やメロディのインパクトというところだろう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 壮大度・・8 総合・・7.5
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SOULSPELL 「Hollow's Gathering」
ブラジル人のドラマー、エレノ・ヴァーリを中心にしたメタルオペラプロジェクト、ソウルスペルの2012年作
3作目となる本作も、ティム・リッパー・オーウェンズ、マイク・ヴェセーラ、アマンダ・サマーヴィル、イウリ・サンソン(HIBRIA)
ブレイズ・ベイリー(元IRON MAIDEN)、ナンド・フェルナンデス(HANGAR)、マリオ・パストーレ(PASTORE)、
マーカス・グロスコフ(HELLOWEEN)をはじめとした大勢のメンバーが参加、女性ヴォーカルを乗せた美しいイントロから、
きらびやかなシンセとともに疾走する派手やかなサウンドで、実力あるヴォーカルたちの歌声を乗せた、
壮麗なシンフォニックメタルが広がってゆく。過去2作以上に楽曲のダイナミックなスケール感が増していて、
男女ヴォーカルを含んだ華やかな聴き心地とともに、ドラマティックなメタルオペラが楽しめる。3作目にして最高傑作。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 豪華ゲスト度・・9 総合・・8
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SoulSpell 「The Second Big Bang」
ブラジル人のドラマー、エレノ・ヴァーリによるメタルオペラプロジェクト、ソウルスペルの2017年作
4作目となる本作も、アンドレ・マトス、ファビオ・リオーネ、オリヴァー・ハートマン、ラルフ・シーパーズ、ティモ・コティペルト、
ティム・リッパー・オーウェンズ、ブレイズ・ベイリー(元Iron Maiden)、アルイエン・ルカッセン、をはじめとした豪華なゲストが集結、
パワフルなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワサウンドを基本に、初期AVANTASIA路線の壮麗なメタルオペラを聴かせる。
Vandroyaのダイサ・ムニョスをはじめとした女性シンガーも楽曲に華を添えていて、男女声のシンフォニックメタルとしても楽しめる。
マトス&ラルフのコラボナンバーや、ファビオ&ハートマンの豪華なコンビ曲など、聴きどころも多く、楽曲も充実の仕上がりです。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・8 
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A Sound Of Thunder 「Out Of The Darkness」
アメリカのシンフォニックメタル、サウンド・オブ・サンダーの2012年作
2011年にデビューし、2作目となる。メタリックなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せ、
リズムチェンジを含む構築力で、パワフルなサウンドを聴かせる。ときおりシンセやピアノなどは加わるが、
全体的にはギターをメインにしているので、シンフォニックメタルというよりはパワーメタル寄りのスタイル。
いくぶんハスキーなNina嬢の歌声もなかなか魅力的で、8分を超える大曲では、ドラマティックな展開も覗かせるなど、
重厚なメロパワとしても楽しめる。メロディのフックや壮麗なアレンジが増えれば、より良くなりそうなバンドです。
シンフォニック度・7 パワフル度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Sound Storm 「Northern Wilderness」
イタリアのメロディックメタル、サウンド・ストームの2007年作
5曲入りのデビューEPで、クサメロを含むギターにシンセを重ね、かすれた味わいのヴォーカルを乗せて
ほどよい疾走感とともにマイナーなB級感に包まれた、エピックな味わいのシンフォニックメタルを聴かせる。
優美でクラシカルなシンセアレンジとともに、壮麗でファンタジックな世界観を描くところは、
初期のThy Majestieにも通じる雰囲気もあり、マイナー系クサメタルが好きな方にも対応。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ファンタジック度・8 総合・7 

SOUND STORM 「Immortalia」
イタリアのメロディックメタル、サウンド・ストームの2012年作
シンセを含む5人編成で、シンフォニックなアレンジとスクリームヴォーカルも含んだ激しさに
オペラティックというべき世界観をドラマティックに描き出す、とても濃密なサウンドだ。
雰囲気としてはTherionあたりに通じる耽美なダークさもあるが、メインヴォーカルの伸びやかな歌声は、
ときにRhapsodyのファビオを思わせる雰囲気で、重厚な楽曲とともにエピックなスケール感を感じさせる。
メリハリに富んだ展開と壮麗な聴き心地で、どこを切っても濃厚なサウンドには少々疲れるのだが、
2パートに分かれたラストの9分を超える大曲も含め、壮大な力作であるのは間違いない。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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SOUND STORM 「VERTIGO」
イタリアのシンフォニックメタル、サウンド・ストームの2017年作
5年ぶりとなる3作目で、前作はオペラティックな雰囲気の力作であったが、今作も美麗なシンセアレンジにツインギター、
マイルドなヴォーカルを乗せたモダンでスタイリッシュなサウンドを聴かせる。随所に女性コーラスも加えた、
オペラティックな壮麗さと、ストーリーを感じさせるドラマティックな構築力もこのバンドの魅力だろう。
新加入の女性奏者による優美なシンセワークも素晴らしい。曲によっては激しい疾走パートも含みつつ、
全体的にはどっしりとした華麗なシンフォニックメタルで、KAMELOTあたりのファンにもイケるかと。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 壮麗度・・9 総合・・8
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Speed Night 「El Mago」
チリのメタルバンド、スピード・ナイトの2014年作
女性Voを擁するトリオ編成で、5曲入りのデビューミニアルバム。
オールドなギターリフに女性ヴォーカルを乗せて疾走するスピードメタル。
ときにシャウトをかますVo嬢のヘタウマな歌声と、こもり気味の音質も含めて、
80年代ルーツのアナログ感と、いかにもなマイナー臭さに包まれている。
マニア以外にはまったくオススメできないが、B級メタルが楽しめるなら微笑ましく聴けるはず。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 マイナー度・・8 総合・・7


Spell 「For None and All」
カナダのメタルバンド、スペルの2016年作
元々はSTRYKERという名前で活動していたらしいが、カナダにはSTRIKERというバンドがいるので、
まぎらわしいと改名に踏み切ったのだろうと思われる。Vo&B、G、Drのトリオ編成で、ジャケは妖しい雰囲気だが、
オールドな味わいのギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代NWOBHMを思わせる正統派のサウンド。
重すぎないタメの効いたドラムに、適度に叙情的な湿り気を含むギターフレーズもいい感じで、
アナログ感に包まれた録音もいかにも確信犯的だ。ただ古めかしいだけでなく、随所にシンセも加えたり、
メロディックメタルとしての味わいを上手く融合させていて、エピックな幻想性も感じさせる好作だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Spellwitch 「The Witching Hour」
フィンランドのメロディックメタル、スペルウィッチの2018年作
MASQUERAGEのVo&GとBによるユニットで、オールドなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ
ウェットな叙情性に包まれた、STORMWITCHなど、往年のジャーマンメタルを受け継いだサウンド。
Vo、G、Dr、Keyまでこなす、キンモ・ペラマキのマルチプレイヤーぶりは、ATTACKのッキー・ヴァン・ヘルデンばりで、
きっとジャーマンメタルを聴きまくって育った世代なのだろう。HELLOWEENの名曲を思わせるイントロもあったり、
6曲目などはいかにもSTORMWITCH風でニンマリ。全32分というのはやや物足りないが、愛すべき好作品です。
メロディック度・8 疾走度・6 心はジャーマン度・9 総合・8
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SPHINXMar De Dioses
スペインのメロパワバンド、スフィンクスの2003年作
シンセによる壮麗なイントロから、曲が始まるとツインギターによるクサフレーズと
ややダーティなスペイン語の歌声を乗せて、シンフォニックに聴かせる濃密サウンド。
IRON MAIDEN風の正統派を基本にジャーマンメタル的に疾走もするパワフルさと、
いくぶんのB級臭さをクサメロをまじえて、シンセ奏者はいないというのに美麗かつ、
暑苦しいまでにギターとシンセを重ねて聴かせる。全14曲で70分超で、曲も長め。
美麗系濃密クサスパニッシュ・メロパワというべき濃厚作である。胃もたれしないように。
シンフォニック度・・8 パワフル度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Sphinx 「Призрак」
ロシアのシンフォニックメタル、スフィンクスの2009年
2人の女性Voを含む編成で、オーケストラルなアレンジをギターに重ね、美しいソプラノ女性ヴォーカルとともに
壮麗なシンフォニックメタルを描く。マイルドな男性声も加わりつつ、随所に叙情的なギターの旋律や
きらびやかなシンセワークも光っている。楽曲は、3〜4分前後が主体で、比較的シンプルであるが、
なよやかな女性声と美麗なシンフォニック性で耳心地よく楽しめる。全38分なので、もう1、2曲あっても良かった気が。
シンフォニック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5

SPIRIT HEAVEN「ARIA'S KINGDOM」
ブラジルのメロディックメタルバンド、スピリット・ヘヴンのアルバム。2001作
羽の生えた女戦士という、よく見るとかなり下手なジャケがマニア心をくすぐる(笑)
音の方はツインギターにキーボード入りで疾走する、シンフォニックメタルタイプ。
弱々しいヴォーカルがいかにもマイナー臭く、サウンドプロダクションのチープさから
ギターがまったく軽く聴こえ、ドラムの音が浮いているような印象になってしまっている。
ゲストによる女性Voなど、壮大なことをやろうとしてるのは分かるが
いかんせん、実力と資金がまったくともなっていないのが残念。
メロディアス度・・6 疾走度・・7 サウン度・・2 総合・・5


SPLAV 「SUPERNOVA」
ロシアのシンフォニックメタル、スプラヴの2011年作
BLACK COUNTESSのギタリストと女性Voのユニットで、シンフォニックなアレンジとともに、キャッチーなメロディと
ゴシックメタル的な耽美さが同居したサウンドを聴かせる。マリア嬢の美しいロシア語の歌声はそれだけでうっとりとなるのだが、
バックが打ち込みなので、全体的に淡白な印象は否めないのが惜しい。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・9 総合・・7.5


SQUEALER A.D. 「Confrontation Street」
ドイツのパワーメタルバンド、スクイーラーの2006年作
90年代から活動する中堅バンドの6作目。前作の後、ヴォーカルが事故死したことで、
今作では元GRIP INC.のガス・チェンバースが参加している。バンド名にA.D.がついているのもそのためか。
サウンドは、いくぶんスラッシーな感触もあるツインギターのリフを乗せて疾走する正統派のパワーメタル。
ヴォーカルがダーティな声質なので、よりスラッシュメタルに接近したような作風であるが、
オードスタイルのジャーマンパワーメタルの感触は残していて、いかにも90年代を思わせる聴き心地だ。
全体的には、よりスラッシーにするのか、もう少しメロディックにするのか、どっちつかずなのがやや残念。
メロディック度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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Stallion 「Rise And Ride」
ドイツのメタルバンド、スタリオンの2014年作
ツインギターのリフにややダーティなハイトーンヴォーカルを乗せ、ヘヴィ過ぎないほどよくスカスカ感で
80年代ルーツのオールドな正統派メタルを聴かせる。わりとキャッチーなメロディも覗かせつつ、
適度な疾走感の古き良きスピードメタル風味には、ACCEPTANTHRAXのような雰囲気もある。
どちらかというとHELLOWEENなどのジャーマンメタル以前のスタイルで、スラッシーな感触を残した
オールドスクール・メタルというべきか。3〜4分前後の楽曲も比較的シンプルな聴き心地で、
ドラマティックな雰囲気を求める方には物足りないかもしれないが。ディス・イズ・オールドメタルです。
メロディック度・・7 疾走度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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STARBLIND 「Black Bubbling Ooze」
スウェーデンのメタルバンド、スターブラインドの2020年作
2014年にデビューし、4作目となる。オールドなギターに伸びやかなハイトーンヴォーカルで、
IRON MAIDENルーツのトラディショナルなメタルサウンドを聴かせる。ほどよく叙情的なギターフレーズに、
手数が多すぎないドラムも含めた、アナログ感あるアンサンブルも確信犯的で、80年代感がたっぷりだ。
3〜5分前後の楽曲は、シンプルなノリの良さで、ヘヴィ過ぎないキャッチーな聴きやすさで楽しめる。
リズムチェンジなどの展開力もメイデン色が強いが、メロパワ寄りの疾走ナンバーもあって、
このタイプが好きな方ならニンマリだろう。全8曲、35分というのも、いかにも80年代アナログ的だ。
ドラマティック度・・7 オールドメタル度・・9 メイデン度・・8 総合・・7.5
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Stardust Reverie 「Ancient Rites of the Moon」
スペインのミュージシャンを中心にした、ハードロックプロジェクト、スターダスト・レヴェリエの2015年作
グラハム・ボネット、ザッカリー・スティーヴンス(SAVATAGE)をはじめ、Diabulus in Musicaのズベロワ嬢、
Visions of Atlantisのメリッサ嬢などが参加、サウンドは王道のHR/HMをルーツにケルト要素などを加えたスタイルで、
グラハムが歌うのは、ミドルテンポのどっしりとしたナンバーで、正直メロディも演奏もややインパクト不足。
メリッサ嬢の美しい歌声にフルートが重なるケルティックなナンバーや、スベロア嬢の歌うケルトメタルナンバーなどは、
わりとよい感じなのだが、シンセアレンジがない分、荒削りなギターが目立ってしまっていてやや残念。
プロジェクトリーダーのセンスの無さが露骨に表れてしまった、いかにもB級じみた楽曲と、ラウドな音質もつらい。
ザッカリー・スティーヴンスのヴォーカルにフルートが絡む、KING CRIMSON風の叙情曲はわりと良かったです。
ドラマティック度・・7 音質・・7 楽曲・・6 総合・・7
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STARGAZERY 「Stars Aligned」
フィンランドのメロディックメタル、スターゲイザリーの2015年作
元マイケル・シェンカー・グループのヤリ・ティウラとBURNING POINTのピート・アホネンを中心にしたバンドの2作目。
美しいシンセを含んだ古き良き北欧メタルを思わせるキャッチーかつ涼やかな聴き心地のサウンド。
楽曲は3〜4分台と短めで、ヴォーカルメロディを主体にしたシンプルな分かりやすさと
ミドルテンポ主体のどっしりとした感触も、オールドなHRリスナーには受けるのではなかろうか。
ピート・アホネンのギターワークも随所にメロディックな旋律を奏で、楽曲を流麗に彩っている。
これという新鮮味はないのだが、なにか安心できるような正統派の北欧メタル作品だ。
メロディック度・・8 古き良き度・・8 北欧HR/HM度・・9 総合・・8
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Stargazery 「Constellation」
フィンランドのメロディックメタル、スターゲイザリーの2020年作
2011年にデビューし、3作目となる。Burning Pointのギターとシンセ奏者を中心にしたバンドで、
正統派のギターに優美なシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルとともに王道の北欧メタルサウンドを聴かせる。
3〜5分前後の楽曲はミドルテンポ主体ながら、キャッチーなメロディのフックと、透明感あるシンセワークが耳心地よく、
MSGにも参加していたというヴォーカルの実力も充分。中盤以降にはきらびやかな疾走ナンバーもあって、
メロパワリスナーも溜飲を下げる。新鮮味はさほどないが、北欧らしい古き良き様式美メタルが楽しめる高品質作だ。
メロディック度・8 疾走度・7 北欧度・8 総合・8
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Star Queen 「Faithbringer」
スウェーデンのメロディックメタル、スター・クイーンの2002年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、ややクセの強いパワフルな女性ヴォーカルを乗せて、
適度な疾走感とゴシック的な耽美さを含んだ、マイナー臭いシンフォニックメタルを聴かせる。
美しいシンセアレンジにメロディックなギター、艶っぽく声の裏返るヴォーカルも含めて、
さほどひどくもないが魅力的でもないという、もどかしいところがB級バンドらしいという。
唐突なリズムチェンジなどを含んだヘンテコな味わいも嫌いではないが、キャッチーにゆくのか、
妖しく耽美を目指すのか、どうせならもっと極端にして欲しい。まずはアマチュアレベルからの脱却を。
メロディック度・・6 楽曲度・・5 女性Vo度・・6 総合・・6
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STEEL ATTACK「FALL INTO MADNESS」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スティール・アタックの2nd。2001作
力強く疾走するスピードメタルに、ツインギター、少々力弱いVoという、この手のマイナー系バンドにはまったくもってありがちなサウンド。
スウェーデンというよりもイメージはジャーマン系のそれに近く、華麗さよりも「男気」に重きを置いたメロディックメタルのようだ。
曲、メロディの質ともB級の域は出ないが、演奏はまとまっているし、時々ハッとなる美味しい展開もあり、そうひどくもない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7

STEEL ATTACK「Predator Of The Empire」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スティール・アタックの3rd。2003作
1st、2ndを聴いたときはかなりB級な印象だったが、今回は日本盤も出ただけあって
録音もやや向上し、楽曲、演奏ともにそれなりに力強さが増している。
Voの中途半端なハイトーンはやや耳障りだが、初期ブラガースタイルで疾走しつつ
サビでのコーラスにはエピックな雰囲気もあり、クサいメロディを奏でるギターはなかなか強力。
どうもアレンジ的に楽曲がやや古くさい感じがするのだが、そのあたりも含めて好き者の方向け。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 B級クサメタ度・・8 総合・・7

STEEL ATTACK「Enslaved」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スティール・アタックの4th。2004作
初期ブラガーのマイナー版という感じだった過去作から一転、
本作ではパワフルなギターリフで聴かせる骨太のヘヴィメタルになった。
うーむ、これはこれで悪くない気はするが、クサメロ好きのリスナーにとっては
正統派すぎてあまり面白くはないだろうし、これといって突き抜けた曲がないものも厳しいか。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7
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STEEL HORSE「Wild Power」
スペインのメタルバンド、スティール・ホースの2010年作
北欧、アメリカを中心に広がりを見せつつあるNWOTHMのムーブメントであるが、
スペインからも古き良きスタイルのバンドが登場。一聴してIRON MAIDENを思わせる雰囲気は
White WizardKATANAに近いものがあり、ヘヴィすぎないラフな音作りもいかにも80年代っぽい。
メロディックなギターソロパートもなかなか魅力的で、ジャーマンメタル的な湿りけを感じさせるのもGOOD♪
メロディアス度・・8 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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Steel Horse 「In The Storm」
スペインのメタルバンド、スティール・ホースの2011年作
2009年のデビュー作は、IRON MAIDENを思わせる80年代スタイルの好作であったが、
2作目となる本作もいかにも正統派のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた
王道のヘヴィメタルを聴かせる。基本的にギターが一本なので、サウンドはしごくシンプルで、
楽曲自体にもこれという新鮮味は皆無。そこそこメロディアスでそこそこパワフルという。
古き良きメタルが好きなリスナーにはそれなりに楽しめるとは思うが、これ以上のインパクトを求めるには
この編成での限界を感じさせる。今後はせめてツインギターにしてはいかがでしょう。
メロディック度・・7 疾走度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Steel ProphetDark Hallucinations」
アメリカのメタルバンド、スティール・プロフェットの1999作
ツインギターとハイトーンヴォーカルで適度に疾走する、まったくもって正統派のメロパワ。
一昔前のジャーマンメタルそのものという、つまりはいくぶんB級臭さを漂わせたサウンドだ。
むしろ今聴くと、かえってこの垢抜けないローカルさを楽しめるリスナーもけっこういるかもしれない。
FATES WARNINGの“The Apparition”、HELLOWEENの“Ride The Sky”のカヴァー入り。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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Steel SealRedemption Denied
イタリアのメロパワバンド、スティール・シールの2010年作
シンセアレンジを含んだ古き良き様式美色のある正統派のメタルサウンド。
前作ではD.C.クーパーが全面参加していたが、本作で歌っているのは
CANDLEMASSやSTORMWINDなどに参加し、現在はTHERIONに在籍する、
トーマス・ヴィクストロムで、その伸びやかな歌声はサウンドに説得力をもたらしている。
オルガンの音色など、70年代ハードロック風味も含んだ、なかなかの好作だ。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 様式美度・・8 総合・・8
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STEEL SEAL 「THE LION'S DEN」
イタリアのメロディックメタル、スティール・シールの2017年作
前々作はD.C.クーパー(ROYAL HUNT)、前作ではトーマス・ヴィクストロム(THERION)が参加するなど、
アルバムごとにゲストヴォーカルを起用するというスタンスで、本作ではファビオ・リオーネ(Rhapsody〜Angra)が参加。
疾走感のある正統派のメロディックメタルサウンドに、伸びやかなファビオのヴォーカルを乗せ、
キャッチーなメロディのフックで聴かせる、いかにもオールドスタイルのメロパワが楽しめる。
オルガンを含んだシンセワークといいクサいギターソロといい、80年代的な香りがぷんぷんで、
様式美色を感じさせるミドルテンポのナンバーや、ベートーベンの「運命」をモチーフにしたナンバーなど、
どれもコテコテの聴き心地ながら、クオリティの高さもあって、にやにやしながら楽しめる。
メロディック度・・8 疾走度・・7 古き良き度・・8 総合・・8
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STEELWING「Lord of the Wasteland
スウェーデンのメタルバンド、スティールウイングの2010年作
WOLFやENFORCER、MEAN STREAKなどに続き、スウェーデンからまたしてもNWOTHM系バンドが登場。
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せてパワフルに聴かせるIRON MAIDEN風のサウンド。
メロディはキャッチーで正統派メタルに北欧のメロディアスな聴き心地を加えたというような雰囲気だ。
メンバーは20代前半という若さながら、JUDAS PRIESTなど古き良き王道のシンプルさをしっかりと継承していて、
ヴォーカルを含めての演奏力もレベルが高い。全体的に新鮮味は薄いのだが、実力的には今後に大いに期待できる。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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STEELWING「Zone of Alienation」
スウェーデンのメタルバンド、スティールウイングの2012年作
WOLFENFORCERなどに続く、スウェーデンのNWOTHM系バンドとしてデビュー、
2作目となる本作は、SFストーリーを含んだコンセプト的な作品となった。
といっても、楽曲そのものは前作同様、いかにもオールドテイストの正統派メタルで、
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルで、ヘヴィ過ぎず、軽すぎずという絶妙のサウンド。
メロディックなフックという点でも前作以上にキャッチーで楽しめ、ノリのよいメタルサウンドが、
ローカルなSF映画仕立ての雰囲気と合わさって、これがじつによい感じなのである。
オールドメタルファンはもちろん、すべての正統派メタル好きに聴いてもらいたい傑作。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 古き良き度・・9 総合・・8
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STEINLESS STEEL「WIGANT」
ハンガリーのメロディックメタルバンド、ステンレス・スティールの2000作
東欧ハンガリーにもメタルバンドはいたのだった(プログレなら知ってたけど)。ジャケや曲名からして中世の剣の世界を描いた作品のようだ。
音の方は、古くさめの楽曲アレンジで、濃い目の男っぽいヴォーカルがそこそこキャッチーなメロを乗せている。サビには野郎コーラスもある。
イモ臭さという点では80年代のジャーマンB級メタル群を思わせ、とてもこれが2000年の新世紀に作られたメタルとは思えないほどだ。
曲によってはBメロからサビへのコード進行がまるで演歌のようにクサく、イモ臭い哀愁を好むメタルファンの胸には、彼らの情感が届くかもしれない。
メロディアス度・・7 クサくしかもイモ度・・9 楽曲・・6 総合・・6.5


StoneLake 「Uncharted Souls」
スウェーデンのメタルバンド、ストーンレイクの2008年作
古き良き感触のギターサウンドと、枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる正統派のHR/HM。
最近のバンドというよりは、80年代の北欧メタルを思わせるような雰囲気で、
音質のラウドさも含めてけっこう古臭い。適度にシンセアレンジも入ってはいるが、
全体的にはむしろブルージーな味わいのハードロックで、キャッチーというよりはやや地味な聴き心地。
メロハーでゆくのか、もっとメタルにするのか、今後は焦点を絞っていってほしい。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 正統派度・・8 総合・・7
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STORMGARDE 「The Answer」
ドイツのシンフォニックメタル、ストームガードの2008年作
うっすらとしたシンセアレンジにツインギターのリフと美しい女性ヴォーカルを乗せた、
わりと正統派メロパワ寄りのシンフォニックメタル。適度な疾走感とシンフォニックな美麗さに、
紅一点、サブリナ嬢の歌声には、艶めいたなよやかさがあって、けっこう好みであります。
自主制作らしいマイナー臭さはあるものの、なかなか魅力的な女性声シンフォメタルです。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5


STORMHUNTER
ドイツのメロパワバンド、ストームハンターの2009年作
女性ギタリストを含む4人編成の正統派ジャーマンメタル。先に2ndで日本盤デビューを飾っているが、
本作は自主制作によるデビューアルバム。RUNNING WILDのようなツインギターのフレーズで
パワフルに疾走するスタイルは、この時点ですでに確立していて、古き良きジャーマンメタルの感触を
いくぶん粗削りに再現するような、その勢いの良さは初期のStormwarriorにも匹敵するだろう。
初期のHELLOWEENやRUNNING WILDなどが好きなオールドジャーマンメタラーはチェック!
メロディアス度・・7 疾走度・・8 正統派ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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Stormhunter「Crime And Punishment」
ドイツのメロパワバンド、ストームハンターの2011年作
ツインギターの勇壮なフレーズと力強いリフで疾走する、古き良きジャーマンメタルサウンド。
バンド名もそうだが、初期のSTORMWARRIORとか、かつてのHELLOWEENに通じる音で、
微妙にヘタなヴォーカルも含めて、オールドメタルの熱さと微笑ましさを濃密に漂わせている。
RUNNING WILDにも通じるエピックな雰囲気もたまらない。オールドなジャーマンファンはもうにんまりでしょう。
ちなみにギターの片割れはかなりの美女。ところで、どうしてジャケはカラーでなくグレースケールなのだろう?
メロディアス度・・8 疾走度・・8 古き良きジャーマン度・・9 総合・・8
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STORMRIDERShipwrecked」
ドイツのメロパワバンド、ストームライダーの2005年作
ツインギターのリフで疾走する正統派のメロディックメタルサウンド。
ギターフレーズにメロディックな叙情性も覗かせつつ、古き良きメタルのパワフルさと
エピックな男らしさも感じられる。サウンドの軽さがいかにもアマチュア臭いのが残念。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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STORMRIDERFate of the Hunter
ドイツのメロディックメタルバンド、ストームライダーの2008年作
スペインにもThe STORMRIDERというバンドがいるが、それとは別物。
ザクザクとしたツインギターを主体にした正統派のメロパワサウンドで、
古き良きジャーマンメタルの魂を残しつつ、Mystic Prophecyあたりにも通じる
テクニカルなギタープレイなども織り込み、なかなか質の高い演奏を聴かせる。
IRON MAIDENなどからの影響も匂わせる湿りけのあるツインギターは
往年のメタルリスナーにはたまらないだろう。派手さはないが堅実な正統派。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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Stormrider 「The Path Of Salvation」
ドイツのメロディックメタル、ストームライダーの2012年作
2005年デビューで本作が3作目。のっけからツインギターを乗せた激しい疾走感で、
まるで初期のBLIND GUARDIANのような勢いのあるサウンドに思わずニンマリ。
クサメロ気味のメロディックなギターフレーズも随所に良い感じで、疾走ナンバーのみならず、
ミドルからスローテンポのパートでも、どっしりとした説得力とフックのある展開で楽しめる。
古き良きジャーマンメタルのテイストを残しつつ、中音域のヴォーカルを乗せたパワフルなサウンドで、
過去2作に比べると、格段にクオリティが上がっている。これは掘り出し物的な一枚だろう。
メロディック度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8 
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THE STORMRIDER「CRISEIDA」
スペインのメロディックメタルバンド、ザ・ストームライダーの2004作
女性Keyを含む6人組で、聴き安い疾走系のメロスピをやっている。
10分の大曲やアルバムを3部構成にするなど意気込みはばっちりなのだが、
やはり楽曲アレンジの詰めの甘さにB級感が漂ってしまっている。
Voの弱さは仕方ないとして、曲自体にもう少し見せ場が欲しい。
キーボードは冷たい感じでなかなか綺麗だし、ギターなど演奏陣は悪くないので。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・6 総合・・6.5


STORMWARRIOR
ドイツのメロパワバンド、ストームウォリアーの1st。2002作
1曲目から“RIDE THE SKY”が始まったのかと思った(笑)いや、つまりは「そのころ」の・・・
“STARLIGHT”とか“VICTIM OF FATE”とか、“JUDAS”とか・・・初期HELLOWEEN路線の疾走メタルです。
Voの声もなんだかカイ・ハンセンに似ている、と思いきや・・・何とプロデュースはそのカイ・ハンセンです(笑)
ほぼ全曲疾走ジャーマンメタルでとても潔いですが、曲の区別がつかなくなるなど
マニア以外の方には到底薦められません。いや、私はそれなりに好きですが(笑)
ボーナストラックに、その初期ハロウィンの“HEAVY METAL(IS THE LOW)”のコピー入り。
メロディアス度・・7 疾走度・・9 初期ハロイン度・・10 総合・・7.5
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STORMWARRIOR「Nothern Rage」
ジャーマンメタルバンド、ストームウォリアーの2nd。2004作
やや粗削りながらも好事家たちを悶絶させた1stから基本的にはまったく変わらず。
本作もジャーマンメタル以外のなにものでもないという、強烈な誇りすら感じさせる作品だ。
ツインギターによる王道リフと、あまり力強くないヴォーカルを乗せて疾走する様は、
まさにカイ・ハンセンがフロントにいたころのハロウィンそのもの。3曲目なんて
「Valhalla」などと叫んでいてBLIND GUARDIANみたいだし、後半にはGAMMA RAY的な曲も。
新しい時代になっても、いまだ古き良きジャーマンメタルを追求し続ける彼らに幸あれ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8
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STORMWARRIORHeading Northe」
ドイツのメロパワバンド、ストームウォリアーの3rd。2008作
初期HELLOWEENを思わせる勢いのあるサウンドで、オールドなジャーマンメタルファンを喜ばせたこのバンド、
3作目となる本作では、そのサウンドにパワフルな説得力が出てきている。
GAMMA RAYを思わせるメロディックな質感と、ツインギターに勇壮なコーラスワーク、
ときにMANOWARばりのエピックな世界観で、ぐいぐいとたたみかける。
カイ・ハンセンを思わせるヴォーカルスタイルに思わずにやりとしつつも、
そのサウンドにはこれまでのような単なるフォロワー以上の重厚さを感じさせ、
オールドスタイルを貫き通す姿勢には、メタル愛に満ちた一徹さが垣間見える。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・9 総合・・8
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Stormwarrior「Heathen Warrior」
ドイツのメロパワバンド、ストームウォーリアーの2011年作
初期HELLOWEENばりの疾走感に、ペイガンメタル風の世界観でその筋のコアなリスナーから愛されるこのバンド。
4作目となる本作は、のっけからGAMMA RAY風のギターリフで勢いよくスタート、
カイ・ハンセン的なヘタウマのヴォーカルとキャッチーなメロディをまぶしつつ
古き良きジャーマンメタルを甦らせたようなサウンドを聴かせてくれる。メジャーになりきれない、
いい意味でのマイナー臭さと、決して変わることないメタルへの愛がひしひしと伝わってくる、そんな作品だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ジャーマン度・・9 総合・・8
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STORMWARRIOR 「Thunder & Steele」
ドイツのメロパワバンド、ストームウォリアーの2014年作
2002年にデビューしてから、一貫して古き良きジャーマンメタル道を勇壮に突き進むこのバンド、
5作目となる本作ものっけから激しく疾走、まるでGAMMA RAYの激しい部分を抽出したような勢いで、
初期HELLOWEENを思わせるツインギターとともに、これぞジャーマン!というサウンドが炸裂する。
楽曲は3、4分台が中心でシンプルなのだが、それもいっそ潔く、随所に見せるメロディックなキャッチーさも、
ガンマ・レイやハロウィン的で、その確信犯ぶりに思わずにやにやしてしまう。個性や新鮮味を度外視すれば、
オールドなジャーマンメタラーの求めるサウンドが目いっぱい詰まっている。もはやあっぱれなまでの力作です。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ジャーマン度・・9 総合・・8 
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STORMWIND「REFLECTIONS」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ストームウインドの5th。2001作
地味なバンドという印象があったのだが、本作はのっけからSTRATOVARIUS的な
疾走曲で始まり耳を引く。嫌味でない程度のネオクラシカル色のあるギターと
うっすらとしたシンセとともに北欧らしい透明感に満ちたメロディーが合わさり、
キャッチーさとメタリックな疾走感のバランスがとれたサウンドだ。テクニック的にはさほどでもないが、
古き良きオーセンティックな北欧メタルのテイストも感じさせる、なかなか質の高いアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧メタル度・・9 総合・・8
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STORMWIND「RISING SYMPHONY」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ストームウインドの6th。2003年作
元極真空手のチャンピオンでもある、トーマス・ウルフ率いる様式美メタルバンド、
前作もなかなかの力作であったが、本作も壮麗なイントロからきらびやかに疾走する
北欧メロディックメタルが炸裂。透明感あるメロディラインとキャッチーな聴き心地、
そしてあくまで正統派にこだわる楽曲は、すべての様式美メタラーを喜ばせるだろう。
ネオクラシカルなギターとシンセの掛け合いはお約束ながらも、じつにクオリティが高いし
メロディ自体にしっかりと魅力があるのがさすが。予定調和の高品質アルバムだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 様式美度・・9 総合・・8
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STORMWITCH「WALPURGIS NIGHT」
ドイツのメロディックメタル、ストームウィッチの1st。1984年作
HELLOWEENのデビューが1985年であるから、それより前にデビューしたこのバンドは、RUNNING WILDGRAVE DIGGAR
TYRANTらとともに、元祖ジャーマンメタルというべき存在なのである。欧州の湿りけを含んだ古き良きハードロックサウンドは
最近の若いリスナーにしたら刺激は少ない音楽かもしれないが、この中庸を行く感覚こそが、マイナー好きな私の琴線に触れる。
この1stはさすがに録音も古いし、演奏もやや荒いのだが、魔女やオカルトめいた世界観をテーマに、どこか中世的なイメージを喚起させる、
STORMWITCH節はしっかりと感じられ、ジャケやメンバー写真のいかにも80's的なチープさも含めて、このサウンドを愛さずにはいられない。
メロディアス度・・7 哀愁のジャーマン度・・8 80'sHR度・・8 総合・・7.5
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STORMWITCHTales of Terror
ドイツのメロディックメタル、ストームウィッチの2nd。1985年作
メジャーデビューすることなく、20年以上も活動を続けている彼らに幸あれ。テクニック的にもまあ普通だし、
楽曲も決して派手ではないのだが、彼らのかもしだすサウンドと空気にはどこか惹きつけられるものがある。
それは、ドイツ特有の哀愁や湿りけであり、幻想やファンタジーを愛好する世界観であり、
古き良きヨーロピアンなローカルさを漂わせている部分に、どこか共鳴するものがあるのだ。
いわば、IRON MAIDENがB級ファンタジー化したというべきか。次作以降に比べると楽曲的にやや弱いのだが、
愛すべきバンドであるには違いない。ボーナストラックにライブ1曲、未発曲3曲を収録。
メロディアス度・・7 哀愁のジャーマン度・・9 80'sHR度・・8 総合・・7.5
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STORMWITCHStronger Than Heaven
ストームウィッチの3rd。1986年作
いかにも80年代風イメージの魔女さんたちのジャケからして、なんというかもう哀愁を誘うのだが、
妖しいイントロに続く軽快な疾走曲は、キャッチーなメロディで聴かせるなかなかの好曲だ。
6曲目7曲めあたりも、ウェットなメロディ展開がよい感じで、楽曲、演奏のレベルも含めて
本作あたりから、B級マニア以外にも楽しめる出来になってきている。そしてラストのインスト曲「Drian Grey」は、
クラシカルなメロディに包まれて、このバンドのドラマティックな性質を体現した名曲といってよいだろう。
メロディアス度・・8 哀愁のジャーマン度・・10 楽曲・・8 総合・・7.5
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STORMWITCH「THE BEAUTY AND THE BEAST」
ストームウィッチの4th。1987年作
タイトル通り「美女と野獣」をテーマにした作品で、1曲目からキャッチーなメロディを乗せた軽快なサウンドで、
欧州独特の翳りある哀愁が耳に心地よい、ドラマティックなジャーマンメタルサウンドが味わえる。
女性ヴォーカルを取り入れたタイトル曲である2曲目や、もの悲しくも美しいバラードの5曲目などは、
このバンドらしいロマンと幻想に包まれた空気感が素晴らしい。クラシカルなツインギターに
伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せた好曲も多数。ボーナスに1990年のライブ音源をたっぷり9曲収録。
メロディアス度・・8 哀愁のジャーマン度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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STORMWITCH「EYE OF THE STORM」
ドイツのロディックメタルバンド、ストームウィッチの5th。1989年作
このバンドの魅力は欧州的で湿り気のあるジャーマンハードロックを表現しているところ。
力強くないが独特の味があるハイトーンヴォーカルや、哀愁を漂わせたマイナーなメロディとクラシカルな優雅さ、
そのロマンの薫りこそが素敵なのだ。このアルバムは彼らの80年代の作品の中でも傑作に類する作品で、
キャッチーに聴かせる1曲めから最後まで、全編メロディアスで爽やかなジャーマンメタルが楽しめる。
やわらかな格調高さの“Heart of Ice”、ファンタジックで疾走感のある“Eye of the Storm”など好曲多数。
トルコ行進曲をアレンジしたインスト曲も素敵です。ボーナストラックに1991年のライブ音源8曲を収録!
メロディアス度・・8 哀愁のジャーマン度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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STORMWITCH「War Of The Wizards」
ドイツのメタルバンド、ストームウィッチの6th。1992年作
1984年デビューという、キャリアではHELLOWEEN以上のベテランだが、知名度はからっきし。
私自身、本作を輸入盤でジャケ買いしたのがマイナー系ジャーマンメタル道に傾倒するきっかけだった。
「指輪物語」をテーマにしたアルバムで、1曲めからして、メロディックかつキャッチーでよいですね。
パワフルさのないハイトーンヴォーカルと、80年代ジャーマン風味のヘヴィすぎないサウンド、
アコースティックな繊細さを取り入れた欧州独特のファンタジックな世界観が合わさって、とても聴き心地よい。
今のテクニカル&ヘヴィ志向のメタルシーンとは一線を画す、ロマンの薫りにあふれたバンドである。
メロディアス度・・8 哀愁のジャーマン度・・9 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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STORMWITCH「LIVE」
ジャーマンメタルバンド、ストームウィッチのライブアルバム。
80年代初めから活動しているこのバンドだが日本での知名度は限りなく低い。
確かにB級なのだが、彼らのメロディにはヨーロッパ的な湿り気を含んだ叙情があり、けっこう好きなのだ。
力強くないハイトーンのVoとツインギター、キャッチーなサビメロ、とマニア心をくすぐる要素がいっぱいだ。
で、このライブ盤。なんで今頃こんなものを出すのかさっぱり分からん。演奏もまあ並程度だし、音質に選曲も
おせじにも良いとは言えない。観客のやたら熱い声援だけが当時ヨーロッパでの彼らの人気ぶりを物語っている。涙
ライブ演奏・・7 音質・・7 楽曲・・7 総合・・7
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STORMWITCH「DANCE WITH THE WITCHES」
ドイツのメロディックメタルバンド、ストームウィッチの2002年作
関係ない話だが、先日とあるCD屋で「STORMWATCH」というバンドのアルバムを見つけ、紛らわしさに腹を立てた記憶がある。
前作「SHOUGUN」が、どうも中途半端な印象であったのだが、今作はストームウィッチ節が炸裂していて、なかなかよいではないの。
時折シンセが入ったり、女性コーラスを使うなど若干ゴージャスにはなったが、基本は「なんだか古くさく、イケそうでイケない」という(笑)
長年やってもメジャーとは縁なき、垢抜けない素晴らしきB級ジャーマンメタルが堪能出来ます。万歳ストムウィッチ!
メロディアス度・・7 古き良きジャーマン度・・10 愛すべきB級バン度・・9 総合・・7.5
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STORMWITCH「WITCHCRAFT」
ドイツの老舗メロディックメタルバンド、ストームウィッチの2004年作
デビュー20年を経てなお地道に活動を続けるマイナーバンド、湿りけを含んだ哀愁の叙情が
いかにもヨーロピアンな空気をかもしだす、現代的センスとは全く反する古き良きメタルサウンド。
80年代のアルバムよりずっと音も良くなり、随所に壮麗なキーボードパートなども挿入されたことで、
ぐぐっとドラマティックになっているではないか。力強くはないが独特の味があるアンディ・マックの歌唱も魅力のひとつ。
うるさすぎないヨーロピアンな叙情のメタルが聴きたい方、このバンドをぜひ。ガンバレ☆ストムウィッチ!
メロディアス度・・8 古き良きジャーマン度・・9 叙情度・・8 総合・・8
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Stormwitch 「Season Of The Witch」
ドイツのメロディックメタル、ストームウィッチの2015年作
デビューはHELLOWEENよりも古いという大ベテラン、しばらく音沙汰がなかったが、10年ぶりに新作が完成。
墓場の幽霊という地味なジャケも、いかにもB級っぽいイントロのSEもこのバンドには実にお似合いだ。
決してパワフルになれないアンディ・マックのハイトーンヴォーカルとともに、80年代から続くヘタウマな
ジャーマンメタルの感触には、オールドファンはたまらないだろう。デビューから30年たっても変わらない、
よい意味で垢抜けない欧州らしいマイナーメタルサウンドに涙する。疾走しきれない、メロディも抜けきらない…
それでいいんです!だって、ストームウィッチだから。ファンタジックでエピックな香りに包まれた楽曲に、
メロディックなバラードなどもあって、ファンには十分楽しめる出来。アルバムを出してくれるだけで感謝ですわ。涙
メロディック度・・7 哀愁のジャーマン度・・8 いまだB級度・・8 総合・・7.5
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Stormwitch 「Bound to the Witch」
ジャーマンメタルのベテラン、ストームウィッチの2018年作
1984年にデビュー、RUNNING WILD、GRAVE DIGGAR、TYRANTらとともに、ジャーマンメタルの黎明期を支えたバンドであるが、
いっこうに知名度が上がらぬまま、30年以上が経ったいまなお、マイナーバンド的な扱いを受ける不遇のベテランバンド。
通算11作目の本作も、欧州の翳りを含んだウェットな空気感に、アンディ・マックの味わいのあるハイトーンヴォーカルを乗せ、
古き良きスタイルの正統派ジャーマンメタルを聴かせてくれる。随所にツインギターのメロディックなフレーズも覗かせつつ、
ほどよくキャッチーでどっしりとしたオールドなメタル感が心地よい。インパクトのある展開というのはないのだが、
キラーチューンなどいらないという、安心のストームウィッチ節で、突き抜けきらない中庸のジャーマンメタルが楽しめる。
限定盤ボーナストラックに過去曲のリメイク3曲を収録していて、往年のファンには嬉しいかぎり。
ドラマティック度・・7 疾走度・・6 古き良きジャーマン度・・8 総合・・7.5 
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THE STORYTELLER
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ザ・ストーリーテラーの1st。2000年作
北欧というよりもどちらかというとジャーマン系(要はGAMMA RAYタイプ)の音で、それも現代形ではなく、
少し前のジャーマンメタルのイメージ。その分田舎くささもあるが、その叙情性が魅力となっているともいえる。
楽曲、演奏ともにかつてのB級バンド群よりはよほど上。キーボード入りで哀愁もばっちり。なにげに傑作です。
メロディアス度・・8 心はジャーマン度・・9 疾走度・・8 総合・・8
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THE STORYTELLER「CROSSROAD」
スウェーデンのメロディック・メタルバンド、ザ・ストーリー・テラーの2nd。2001作
HAMMERFALLの成功以降、クサメロ系メタルが次々にデビューする北欧であるが、このバンドはそのへんのB級に比べて
楽曲とメロディの質において優れている。1stの頃から、北欧らしい土着的なトラッド要素をメロディに盛り込んでいたが、
本作ではそれがより顕著になっている。もともとはこのバンドは非メタル系のフォーク/トラッドバンドからスタートしたという経緯があり
そこがこの手の他のバンドとのメロディ/アレンジの質感の違いとなっているのだろう。スタイリッシュなセンスの良さよりは、
田舎臭い哀愁が感じられる。そこがいい。メロディとパワフルのバランスのとれた傑作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧土着哀愁メロ度・・8 総合・・8
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THE STORYTELLER「TALESOF A HOLY QUEST」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ザ・ストーリーテラーの3rd。2003作
元々トラッド風のメロディを疾走メロパワに取り入れていたバンドだったが、
ここにきてその度合いは高まり、サウンド的にはFALCONERくらいに通じるまでになっている。
もちろん疾走する時のメロスピ風味も損なわれておらずファンには嬉しいかぎり。
歌や演奏に飛び抜けた部分はないものの、きらきらしすぎないマイルドなメロディが
耳に心地よく、メロスピ〜ヴァイキングメタル好きにまで楽しめる好作だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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THE STORYTELLERUnderworld
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ザ・ストーリーテラーの4th。2005作
1st、2ndは北欧らしいクサメロ満載のアルバムだったが、前作ではヴァイキングメタル風になり、
続く今作はひとことで言って「さらに地味」になった。基本はミドルテンポの正統派メタルサウンドで、
HAMMERFALLタイプといっていいだろうが、うーむ、ヴァィキング色も減退し、クサメロもなければ疾走もない
正統派の漢メタル好きにはこれでよいのかもしれないが、ただの中庸をいく地味なメロパワとしか思えない。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 楽曲・・7 総合・・7

The Storyteller 「Dark Legacy」
スウェーデンのメロディックメタル、ストーリーテラーの2013年作
2000年にデビューし2005年までに4作を発表するも、その後沈黙、本作は8年ぶりとなるアルバムだ。
サウンドの方は、絵にかいたような正統派のメロパワで、適度な疾走感を含んでメロディックに聴かせる
初期HAMMERFALLタイプ。かつてのようなヴァイキングメタル風味は薄まった分、個性はなくなったものの、
随所にクサメロも含みつつ、メロディアスなギターやパワフルすぎないヴォーカルも耳心地がいい。
かつてのハンマーフォールに退行したような作風ながら、勇壮でエピックな香りを含んだ正統派の好作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8




Storyum 「We Are The Fire」
スロヴァキアのシンフォニックメタル、ストリウムの2018年作
2010年にデビュー、本作は2作目となる。ヘヴィなギターにシンセを重ね、エモーショナルな女性ヴォーカルで、
どっしりと重厚なシンフォニックメタルを聴かせる。ハスキーで伸びやかな女性声もなかなか魅力的で、
ヘヴィでありながらキャッチーなサウンドに、曲によってはエレクトロなアレンジも取り入れている。
3〜4分前後の楽曲はわりとシンプルな作風なので、もう少し展開力があってもよいとは思うが、
ヴォーカルの実力があるので、ストレートな女性声メタルとしても普通に楽しめる。
ドラマティック度・・7 壮麗度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Stranger 「The Bell」
ドイツのメタルバンド、ストレンジャーの1985年作
かつての貴重盤が、2018年になってめでたくリマスター再発された。500枚限定プレスなのでお早めに。
ツイギターのリフにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、1曲目は、メロディックなギターソロも含めて
これぞジャーマンメタルという聴き心地。ミドルテンポのノリの良いナンバーから叙情的なバラードなど、
ヨーロピアンな翳りを帯びたウェットな雰囲気とともに、STORMWITCHあたりが好きな方にも楽しめるだろう。
バンドはメロハー寄りになった2作目を残して解散。ヴォーカルのゲルト・ザレウスキはのちに、
CHROMING ROSEを結成することとなる。再発盤のボーナスにはデモ音源を5曲追加収録。
メロディック度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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Stranger 「Pretty Angels」
ドイツのメタルバンド、ストレンジャーの1990年作/2012年の再発盤
1985年のデビュー作は、STORMWITCHにも通じるメロディックなジャーマンメタルであったが、
2作目の本作は、ジャケのイメージに反して、キャッチーで爽やかなメロハー路線になっている。
シンプルなギターリフにシンセを重ね、ハイトーンヴォーカルを乗せたハードロックサウンドは、
どことなく北欧のバンドのような透明感があって、これはこれで悪くない。楽曲は4分前後とシンプルながら、
ツインギターのメロディが美しい叙情ナンバーなど、どの曲もとにかく優美でキャッチーな聴き心地で楽しめる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・7.5
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STRATOVARIUS 「Twilight Time」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの2nd。1992作
北欧メタルとの出会いはこのアルバムだった。日本に最初に入ってきたのが本作の輸入盤で
シンセを含んだ涼やかなメロディアスさと、ジャーマンメタル以降の疾走感が合わさったスタイルは
日本人にとってじつに心地よく受け入れられた。とくに初期の名曲と名高い“The Hans of Time”、
そして、キャッチーなクサメロで疾走する“Out of the Shadows”は、いまなお輝くキラーチューン。
いくぶんくぐもったような、ティモ・トルキの歌声もマイナー調の楽曲によくマッチしていた。
全体的な完成度では3rd以降には届かないが、北欧らしさという点では本作を好むファンも多いだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・9 総合・・8


STRATOVARIUS「Dreamspace」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの3rd。1994作
このバンドの2nd「Twilight Time」を初めて聴いたときは、そのいかにも北欧らしい叙情美に惹かれたものだが、
日本デビュー盤であり3作目となる本作では、楽曲のセンシティブなメロディアスさがさらに増していて、
翳りあるほのかな薄暗さとともに、マイナー臭さたっぷりのティモ・トルキの歌声で聴かせてくれます。
1曲めの疾走曲“Chasing Shadows”から良い感じで、シンフォニックなプログレ風味の“Magic Carpet Ride”も面白いし、
全体的にメロディアスな好曲揃い。そしてキャッチーなクサメロで疾走する名曲“We are the Future”はまさに悶絶もの。
サウンドの抜けの良さではティモ・コティペルトが加入する次作以降のアルバムに及ばないが、
マイルドでメロウな叙情の魅力という点では、もっともフェイバリットなのが本作なのである。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・9 総合・・8

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STRATOVARIUS「Fouth Dimension」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの4th。1995年作
本作からティモ・コティペルトが加入、強力なハイトーンを武器にサウンドにはぐっとメジャー感が強まった。
前作までのくぐもったような薄暗さも好きだったのだが、キャッチーなメロディとともに疾走する1曲目の“Against the Wind”は
まさに、新たなストラトの真骨頂というべきナンバーだろう。この爽快なメロディック・スピードメタルこそが、
我々日本のファンを魅了するとともにバンドの代名詞となった。一方では“Galaxies”、“Nightfall”といった
古き良き北欧メタルの流れをくむ佳曲もなかなか魅力的で、ネオクラシカルなイントロから耳を惹かれる“Twilight Symphony”は
本作のハイライトといってよい。全体的にもバランスのとれた好アルバムに仕上がっている。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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STRATOVARIUS「Episode」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの5th。1996作
ティモ・コティペルトが加わった前作から、それまでのマイナー臭さから脱却し、名うての鍵盤奏者ヤンス・ヨハンソンと
ドイツの名ドラマーヨルグ・マイケルを新たに迎え、まさに鉄壁のメンバーとなって作られた本作は、
バンドを代表する傑作として名高い。1曲目の“Father Time”は、そんな実力あるメンバーたちのパワーが結集された
素晴らしい疾走名曲。シンセ奏者のヤンス・ヨハンソンが加わったことで、これまで以上にテクニカルな様式美色が強まり、
それはネオクラ系の疾走好曲“Speed of Light”、インストの“Stratosphere”などにも表れている。
他にもメロディアスな“Tomorrow”や、ラストを飾るバラード“Forever”など、聴き所も多い濃密なアルバムだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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STRATOVARIUS 「Visions」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの6th。1997作
ヤンス・ヨハンソンとヨルグ・マイケルが加わっての2作目で、楽曲の充実的にも本作をバンドの最高傑作とするファンも多い。
クラシカルなチェンバロのイントロから始まる“Black Diamond”は、まさに北欧様式美が炸裂する疾走曲で、
きらびやかなシンセとネオクラなギターがバトルする間奏部も含めて、ファンの間でも人気が高い名曲だ。
その後もキャッチーなメロディアスさとパワフルな疾走のバランスのとれた好曲がたっぷりで、
ストラトファンは安心して楽しめる内容だろう。ラストの10分を超えるタイトル曲もドラマティック。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧度・・8 総合・・8



STRATOVARIUS「VISIONS OF EUROPE」
フィンランドのメロバワバンド、ストラトヴァリウスのライブ作。1998作
1997年のヨーロッパツアーから、イタリアとギリシャでのステージを収録。
先日、惜しまれつつも解散を表明した彼らだが、これは全盛期のバンドの勢いを伝える素晴らしいライブ作である。
まず観客の盛り上がりが物凄い、大歓声に後押しされるように曲が始まると、
スタジオ盤以上に生々しいティモ・トルキのギターと、ヨルグ・マイケルのドラムが炸裂し、
そこに乗るティモ・コティペルトのヴォーカルも伸びやかで、じつに爽快な演奏だ。
アルバム「VISIONS」からの曲を中心にしつつも、それ以前の曲もいくつか聴けて
ストヴァリファンならば文句なく楽しめる。そこいらの二線級バンドとは演奏のパワーが違う。
メロディアス度・・8 パワフル度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8
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STRATOVARIUS 「Destiny」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの7th。1998作
のっけから10分を超える大曲で始まる本作は、ネオクラ寄りであった前作に比べて、
むしろ純粋にメロディの充実ぶりを感じさせる力作になっている。
初期にあった北欧らしい翳りを取り戻した楽曲は、北欧様式美への原点回帰というような
日本人好みの世界観を描きながら、その質の高さでバンドとしての円熟期を示している。
個人的にはバンドの代表作になり得る完成度の作品だと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 北欧度・・8 総合・・8



STRATOVARIUS「THE CHOSEN ONES」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスのベストアルバム。1999作
日本デビューしてからもう10年以上になる。いまや名実共に北欧メタルシーンを代表する存在になるとともに、
現在活躍するSONATA ARCTICAなどの若手バンド出現の契機にもなった。
これはその“ストヴァリ”の2nd〜7thまでのアルバムから選ばれた16曲を収録したベストアルバム。
“THE HANDS OF TIME”、“AGAINST THE WIND”、“FATHER TIME”、“BLACK DIAMOND”
といった日本でも人気のある疾走曲もしっかり収録(”WE ARE THE FUTURE”が入っていれば完璧だった)
それから2nd収録の“OUT OF THE SHADOWS”(実は名曲!)や、“FOREVER”などのバラード曲もあり、
なかなかバランスがとれた選曲だ。バンドの初期を俯瞰する意味でもなかなかお買い得なCDだと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 選曲・・9 総合・・8
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STRATOVARIUS「INFINITE」
ストラトヴァリウスの8th。2000作
あらためて自身と向き合ったティモがすべてを吹っ切り作り上げたのが「ELEMENTS」の2枚だとしたら、
この作品にはまだ音の中に、商業音楽への媚びのような「作り物」めいた感じがしてしまう。
GAMMA RAYの“ONE WITH THE WORLD”みたいなメロディが出てくる“MOTHER GAIA”や、
アコギから始まり、疾走〜ミドルテンポという新機軸の展開の“INFINITY”など、
メロディ的にもアレンジ的にもよく出来た作品だとは思うが、逆にストラトらしさを求められ続けて
なんとかそれに応えようとしたという「あざとさ」が感じられてしまうのだ。個人的には中庸のアルバム。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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STRATOVARIUS「ELEMENTS PT1」
ストラトヴァリウスの9th。2003作
ともと2枚組みのコンセプト作として書かれた楽曲は、これまでの売れ線路線からは精神的に脱却したような、
ミュージシャンとしてのティモの素直な感性が漂っている。彼自身の再生への過程を思わせるような、
穏やさと自然体の空気が音からは感じられ、疾走に頼らない正統派の曲調には、テーマにそった壮大さが光る。
オーケストラやコーラスなども導入していて、ときにメタルらしからぬしっとりとした部分や荘厳さもあり、
総じてサウンドの内面に潜むやわらかな情感が素晴らしい。ティモ・コティペルトの歌唱もぐっと説得力を増し、
10分を超える大曲や、シンフォニックなバラードなど聴きどころも多い。一方ではきらびやかさも残しつつ、
イェンス・ヨハンソンの華麗なキーボードワークが冴えるインスト曲なども健在で、ファンを裏切らない力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 シンォニック度・・8 疾走度・・7 総合・・8
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STRATOVARIUS「ELEMENTS PT2」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ストラトヴァリウスの10th。 2003作
前作の続編。4th以降「売れる」アルバムを作ることをある意味で義務づけられていたティモ・トルキが、
それらを振り払い立ち帰った己の宇宙、それを「エレメンツ」というコンセプトで表現している。
前作もそうだったが、お約束の疾走曲を1曲めにもってくることをやめたことにもそれは表れており、
虚飾で飾らないメロディとサウンドには、音楽にまっすぐに向き直った真摯な姿勢が窺える。
今回はオーケストラ等はなしで、楽曲は比較的シンプルにバンドサウンドを重視した感があるが、
それでいて音には若手バンドでは決して表現出来ない、内面から滲み出るような深みがある。
しばらくの間このバンドのCDから遠ざかっていた私をも惹きつける、力強さと自信に満ちた
自然体のストヴァリサウンドが、日本デビュー後10年を経てここに完成したという気がする。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 自然体度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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STRATOVARIUS
ストラトヴァリウスの11th。 2005作
メンバー脱退の危機を乗り越えて、アメリカ進出も決まったアルバムということだが、
ティモ・トルキの精神病やメンバー間のいざこざなどは、純粋に音を聴く我々にとってはどうでもよい。
そういう点からすると、今回のアルバムに失望するファンは多いだろうし、
今までのストヴァリとしての北欧メロパワサウンドに終止符を打つ作品だといえる。
のっけから、アメリカデビューを意識したのか、ごくシンプルなヘヴィロック調の曲で幕を開ける。
これがシングルカットされたというのだから、世界のメロパワファンを敵に回したといってもよいだろう。
彼らであればレコード会社との契約も切れることはないだろうし、それなりの金も入るのだろうから、
もはやファン云々よりも自分達のやりたい音楽を作れる環境にあるということなのだろう。
多くのビックバンドが陥る状態にこのバンドもついに入ってしまったということか。
メロディアス度・・7 疾走度・・5 メロパワ度・・6 総合・・7

STRATOVARIUS「Polaris」
フィンランドのベテランバンド、ストラトヴァリウスの2009作
ティモ・トルキと他メンバーの確執から、一時は解散状態にあったというこのバンドだが
残ったメンバーが集まってみたら、まぎれもないSTRATOVARIUSの音になったということらしい。
確かに曲といい演奏の質といい、ティモ・トルキの不在を感じさせないくらいにはクオリティが高く、
どの曲も安心して楽しめる。ティモ・コティペルトのいつにない伸びやかな歌唱も、ようやく自分の曲を
バンドで活かせるという喜びの現れなのだろうし、イェンス・ヨハンソンのきらびやかなシンセワークもさすがだ。
ただやはり、個人的にはティモ・トルキの生み出す内向的で繊細な感性と北欧的な湿り気のあるメロディが
とても好きだったので、いくら質が高かろうともこれはかつてのストヴァリとは別物なのだと思う。
ともかく、ビッグバンドとしての新しい歴史を刻む一歩という点では、今後が楽しみではある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ストヴァリ度・・7 総合・・8
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STRATOVARIUS「Elysium」
フィンランドのベテラン、ストラトヴァリウスの2011年作
新生STRATOVARIUSの再始動となった前作はなかなかの好作であったが、
本作ではさらにバンドとしての方向性を押し進めた勝負の一作となった。
適度な疾走感とともにハードロック/メタルとしての普遍性を押し出したような作風で
良くも悪くもトルキ時代からの脱却を思わせるモダンなアレンジも随所に盛り込みつつ
ベテランらしい安定感を感じさせるサウンドだ。正直なところ、コティペルトの歌声は深みにかけ、
しばらく聴いていると飽きてしまうし、楽曲自体もメロディ、構成ともにインパクトは薄いのだが、
それでもラストの18分におよぶタイトル曲はドラマティックでなかなかの出来だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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STRATOVARIUS「NEMESIS」
フィンランドのメロディックメタル、ストラトヴァリウスの2013年作
脱退したヨルグ・マイケルに代わって、ニュードラマーを迎えてのアルバムで、
いまひとつインパクトの弱かった前作に比べて、よりパワフルかつメロディックになった。
とくに歌メロのキャッチーさは、かつてのSONATA ARCTICAにも通じる感触もあり
イェンス・ヨハンソンのきらびやかなシンセワークとともに、楽曲を美麗に彩っている。
北欧メロディックメタルの第一人者の名にふさわしい、安定した質の高さを見せつける好作品。
メロディック度・・8 疾走度・・7 高品質度・・8 総合・・8




Stratovarius 「Eternal」
フィンランドのメロディックメタル、ストラトヴァリウスの2015年作
新生ストラトとなってからの4作目で、イェンス・ヨハンソンのきらびやかシンセと、
ティモ・コティペルトのハイトーンヴォーカルを乗せて、美麗に疾走するサウンドは健在。
随所にネオクラシカル色も含ませたマティアス・クピアイネンのギターワークも見事で、
多くの方がイメージする北欧らしいメロディック・スヒードメタルをしっかりと高品質に体現している。
ミドルテンポのナンバーでのキャッチーなメロディアス性も、かつてのストラトをしっかりと継承していて、
ファンなら納得の音が詰まっている。ラストは11分という大曲で、緩急のあるドラマティックな展開で聴かせる、
シンフォニックメタル的なナンバー。内容的にもここ最近では、一番よい出来のアルバムと言ってよいだろう。
メロディック度・・8 疾走度・・8 ストラト度・・8 総合・・8
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STRAVAGANZZA 「REQUIEM」
スペインのメロディックメタル、ストラヴァガンサの2007年作
シンフォニックなシンセアレンジと適度にモダンなヘヴィさにスペイン語の歌声で聴かせるメロディックメタル。
スパニッシュな哀愁の叙情とクラシカルなシンフォニック性を融合させたという作風で、
そこにモダンで激しいエクストリーム性も盛り込んだ、いかにも若手らしいサウンドだ。
シンフォニックな壮麗さはよいのだが、ヘヴィロックテイストの個性や音質面の弱さは残念。
個人的にはスペインらしい叙情性を伸ばすべきだと思うが。今後の成長に期待したい。
シンフォニック度・・7 叙情度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7
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Street Lethal 「Welcome To The Row」
スペインのメタルバンド、ストリート・レーサルの2019年作
女性Voにツインギターを含む5人編成で、オールドなキターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた
80年代を思わせる古き良きメタルサウンド。ツーバスのドラムは適度に激しく、ツインギターもほどよく叙情的ながら、
キャッチーに抜けきらないところは、マイナー臭さを残したB級感覚に包まれていて微笑ましかったりするし、
紅一点、Hell Rose嬢の歌声も、さほど迫力のない可愛らしさで、パワフルにならないところもまた微笑ましい。
どっしりとしたスローテンポから、疾走感のあるスピードメタル風味まで、新鮮味はないがわりと楽しめる。
6曲入り、全30分という短さなので、今後はせめて40分くらいある作品を作っていただきたい。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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STREAM 「Chasin' the Dragon」
アメリカのメタルバンド、ストリームの1998/2003年作
ジャケの感じからしてB級のエピックメタルと思いきや、元KISSのエリック・シンガーや、元RAINBOWのボブ・ディズリー
元HOUSE OF LORDSのデヴィッド・グレン・エイズリーといった地味にメジャー感あるメンバーが集ったバンド。
サウンドはしごく正統派のヘヴィメタルで、いくぶん古臭いアメリカンHRを基本に随所にテクニカルなギタープレイも聴かせる。
ミドルテンポ主体で、クサメロもなければ疾走感もないので、正直、14曲も聴くのはちょっとつらいという。笑
音質のラウドさも含めて、マニア向けと言わざるを得ないのだが、アンダーグラウンドな怪しさもないのである。
メロディック度・・6 パワフル度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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STRIKER Armed To The Teeth
カナダのメタルバンド、ストライカー2012年作
CauldronとともにカナダのNWOTHMシーンを勢いよく突っ走る、ピュアメタルバンドの2作目。
ツインギターのリフで疾走するスタイルに、随所にメロディックな風味を乗せた日本人好みのサウンドで、
パワフルなヴォーカルの声質にも、どこか80年代テイストの哀愁めいたものが感じられる。
楽曲はストレートな勢いに溢れているが、メロディのフックがしっかりとあって、どれもクオリティが高く、
METALLICAあたりに通じるリフの格好よさが骨太の聴き心地となっている。正統派メタル好きは必聴だろう。
日本盤初回限定ボーナスディスクには、デビューアルバム「Eyes In The Night」と、EP「Road Warrior」を収録。
メロディック度・・8 疾走度・・8 古き良きHM度・・9 総合・・8
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Striker 「City of Gold」
カナダのメタルバンド、ストライカーの2014年作
2010年にデビュー、古き良き正統派のNWOTHMとして一躍注目を博し、本作が3作目となる。
ツインギターのリフとハイトーンヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのメタルサウンドは健在。
基本はどっしりとしたミドルテンポを主体にした、これぞヘヴィメタルという聴き心地なので、
インパクトや新鮮味はないのだが、ツインギターで疾走するナンバーはさすがに恰好いい。
安心の出来の反面、この路線では毎回同じような出来になるのではないかという危惧も…。
ボーナスに、Iron Maiden“Two Minutes to Midnight”のカヴァーなどを収録。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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Stronghold 「Battle of the Royal Halls」
スウェーデンのメロディックメタル、ストロングホールドの2015年作
ファンタジックなジャケのイメージ通り、ツインギターによるイントロからエピックな世界観を感じさせ、
王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せ、適度な疾走感を含んだ正統派のメロパワ。
やや一本調子に力み気味のヴォーカルが、ヘタウマなマイナー感をかもしだしつつ、
随所にクサメロを奏でるギターフレーズは良い感じで、疾走するメロスピナンバーも含めて、
初期のHAMMERFALLをB級にしたようなイメージか。全体的には、これというキラーチューンがないのだが、
その煮え切らない感じもマイナーメタル好きにはよいのかも。ラストは11分という大曲で、じっくりと聴かせる。
メロディック度・・7 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7
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Sturm und Drang 「Graduation Day」
フィンランドのメタルバンド、シュトゥルム・ウント・ドラングの2012年作
これが3作目で、デビュー時は高校生だったという若手の5人組。
サウンドは古き良き正統派HR/HMにアリーナロックの派手さを加えた感じで、
若手ながらすでにメジャー感を漂わせた堂々たる雰囲気を漂わせる。
楽曲にはメロディックなフックがあって、きらびやかなシンセアレンジも含めて
ノリのよい曲はもちろん、哀愁を漂わせたバラードなど、どれも高品質で完成度が高い。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8




SUMERLANDS
アメリカのメタルバンド、サマーランズの2016年作
正統派のツインギターにパワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せた、古き良きメタルサウンドで、
80年代NWOBHMのウエットな翳りを含んだ感触と、かつてのCRIMSON GLORYのような怪しい空気感と
構築センスを感じさせる。楽曲は3〜4分前後とシンプルで、ミドルテンポを主体にしたどっしりとした感触に、
マイナー系エピックメタルのような適度なB級臭さを漂わせているのもいかにも確信犯的だ。
随所にツインギターの泣きのメロディやときにシンセも加わったりと、激しさは控えめで叙情性重視なので、
わりとゆったりと楽しめる。全8曲32分というのも80年代のアルバム並みの短さだ。笑
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 正統派度・・8 総合・・7.5
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SUNBURST 「Fragments Of Creation」
ギリシャのメロディックメタル、サンバーストの2016年作
ヘヴィロック/メタルコア世代のモダンなヘヴィネスと、きらびやかなシンセアレンジに、
パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、重厚かつスタイリッシュなメタルサウンド。
メロディックかつテクニカルなフレーズを乗せるガス・ドラックスのギターワークは、
本作におけるひとつの聴きどころになっていて、ネオクラシカルとモダンメタルの両方を通過した、
クールなヘヴィネスと、派手やかな技巧を併せ持った存在感のあるプレイを随所に覗かせている。
サウンドとしては、KAMELOTをさらにモダンに硬質にしてテクニカルギターを加えたというという感じで、
個人的にはさほど好みではないのだが、このクオリティの高さは、若いメタルリスナーには受けるだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 モダンヘヴィネス度・・8 総合・・7.5
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SUNCROWN 「Follow Your Dream」
多国籍メンバーによるプロジェクトバンド、サンクラウンの2012年作
ウクライナ人シンセ奏者を中心に、アメリカやブラジル、オランダ、トルコなどから集まった
メンバーによるシンフォニックメタル作品で。美しいシンセアレンジに男女ヴォーカルの歌声で、
スケールのある壮麗なサウンドが楽しめる。ミドルテンポ主体のゆったりとした聴き心地であるが、
随所にフルートの音色やメロウなギターによる叙情性もあって、なかなかドラマティック。
ここぞという盛り上がりや、フックの効いた展開などがもっとあればさらによかった。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 ワールドワイ度・・8 総合・・7.5



SUNCROWN 「You Are Not Alone」
多国籍メンバーによるプロジェクトバンド、サンクラウンの2014年作
ウクライナ人シンセ奏者を中心に、アメリカやブラジル、オランダ、トルコ、ノルウェーから集まったメンバーによる作品で、
本作が2作目となる。のっけからシンフォニックなアレンジと男女ヴォーカルの歌声で壮麗なサウンドが広がってゆく。
前作に比べて楽曲におけるドラマティックな展開とメロディのフックに魅力が増し、作品しての重厚な説得力が強まっていて、
やわらかなフルートの音色やストリングスなどによる繊細な美しさも含んだ、メリハリのある流れも堂々たるものだ。
そしてなにより女性ヴォーカル、ジュリアナ嬢の歌声がとても美しい。ラストはRAINBOW“Gates Of Babylon”のカヴァー。
男女Voとメロディックかつドラマティックなアレンジ、壮大なスケール感に包まれたシンフォニックメタルの力作ですよ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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SunRise 「Absolute Clarity」
ウクライナのメロディックメタル、サンライズの2016年作
W. ANGEL'S CONQUESTでも活躍するヴォーカルが参加、美麗なアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せて疾走する、
初期SONATA ARCTICAタイプのメロディック・スピードメタル。クサメロ要素を感じさせるギターワークと、
重すぎない優雅なメロスピ質感とともに、多くのリスナーが楽しめるだけの質の高さも備えている。
楽曲にはこれという新鮮味はないのだが、メロディのフックはなかなかツボをついていて、
むしろ北欧メロスピ的な爽快な聴き心地でもある。ちょっと昔のネオクラ風味も含めて、
典型的なサウントがむしろ懐かしいという。北欧系が好きなクサメタラーの方はチェックすべし。
メロディック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Sunrunner 「Heliodromus」
アメリカのNWOTHM系メタルバンド、サンランナーの2015年作
トリプルギター編成による、厚みのあるギターにダーティなヴォーカルを乗せて疾走する、
オールドな味わいのメタルサウンド。アコースティックなパートや、ドゥームメタル風味もあったりと、
楽曲ごとの振り幅もけっこうあって、確信犯的なアレンジの違いをニヤりとして楽しめたりもする。
プログレメタル的な変則リズムも覗かせたと思えば、80年代風味のオールドメタルへ戻ったりと、
とりとめのない怪しさがある意味面白い。B級っぽいのだが、あえてヘタウマ感を描くような感触。
ラストは21分の大曲で、ほどよいヘナチョコ加減とともに、無駄に展開の多い楽曲を構築する楽しさ。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 怪しさ度・・8 総合・・7.5
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Sunrunner 「Ancient Arts of Survival」
アメリカのメタルバンド、サンランナーの2018年作
2011年にデビューし、4作目。前作はヘンテコなNWOTHM系メタルというべき好作であったが、
今作も、オールドなギターにパワフル過ぎないヴォーカルを乗せた、ほどよくローカルな味わいの
マイナー調ヴィンテージメタルに、ProgMetal風味の緩急あるリズムと偏屈な展開力で聴かせる。
このヘンテコなセンスは、イタリアのEVIL WINGSあたりに通じるものがあるが、こちらは80年代ルーツの
オールドメタルを基本にしているという点で、なんとも古くて新鮮である。ドゥームメタル風のギターリフや、
まさに王道のNWOBTM風ナンバーもありつつ、10分の大曲ではプログレメタル的な構築力を覗かせる。
ラストは18分を超える大曲で、さほどテクニカルでない変拍子のProgMetalから、途中でドゥームメタルになって、
アコースティックなフォークになり、キャッチーな疾走メロスピという無駄な展開で楽しめる。好きですヘンテコさん。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 ヘンテコ度・・8 総合・・8 
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SUPREME MAJESTY「TALES OF A TRAGIC KINGDOM」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スプリーム・マジェスティの1st。2001作
パッケージの文句には「EDGUY Meets STRATOVARIOUS」と書いてあるが、
確かに疾走する曲はストヴァリっぽいものの、キーボードの美麗かつシンフォニックな質感は
イタリアのシンフォメタル系バンドなどにも通じるものがあって、けっこう楽しめる。
演奏はなかなか力強く、曲の方もメロディのキメ所をわきまえていて、全体的にもかなり質は高い。
お約束の疾走曲より、むしろポップなメロディセンスを配したキャッチーな楽曲に惹かれるものがある。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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SUPREME MAJESTY「DANGER」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スプリーム・マジェスティの2nd。2003年作
1stの時点からセンスのよいメロディで好感を持っていたが、本作も期待通りのクオリティ。
特に目新しい部分はないのだが、音の一瞬一瞬を切り取ってみても
じつに曲のアレンジと楽器の重ね方が上手く、耳に心地よいのである。
Voもなかなか実力があり、GもかねるKEYの北欧的メロディセンスと相まって、
楽曲に彩りと厚みとをしっかり与えている。最近のストヴァリよりもお薦めかも。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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SUPREME MAJESTY「ELEMENTS OF CREATION」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、スプリーム・マジェスティの3rd。2005年作
いやー、いいですね!なにがって、この古き良き北欧メタルサウンドが、ですよ!
前作あたりからいくぶん懐古的な雰囲気が現れていたものの、それが今作では完全に爆発。
TNTとかEUROPEとか、あの頃の北欧メタルが現代に甦ったという感じで、
キラキラとしたキーボードにキャッチーな歌メロで聴かせる昔ながらの北欧メタル。
最近のメロパワファンが、これを聴いてどう思うのかは微妙なところですが、
少し昔の北欧の雰囲気を詰め込んだこのアルバムは、失われた何かを思い出させてくれる
ある意味貴重な作品です。かつての「北欧メタル」とはこういう音のことだったんです。
もちろん古いだけでなく、今風のシンフォ/メロハー的アレンジも心地よいですぞ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 あの頃の北欧度・・10 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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Svarun (Сварун)「 Slavija (Славиjа)」
セルビアのシンフォニックメタル、スヴァランの2010年作
メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、男女ヴォーカルの歌声を乗せた
THERIONなどにも通じる神秘的なスケール感のシンフォニックメタルを展開する。
ゆったりとしたナンバーでは、美しい女性声とともにゴシックメタル的でもある空気感と、
涼やかな土着性が同居した壮麗なサウンドを絵が急いてゆく。母国語による歌唱も含めて
ほどよくマイナーなローカル感もよい味わいで、9分の大曲を多数含む、全75分という力作だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SVARUN (Сварун)「The Legacy Vol. I: The Land」
ロシアのシンフォニックメタル、スヴァランの2014年作
ロシアの他、セルビアやノルウェー出身のメンバーもいるという多国籍プロジェクト。
オーケストラルなアレンジを含んだスケール感とメタリックな重厚さに包まれた作風で
男女ヴォーカルによる母国語の歌声を乗せた、オペラティックメタル的な美麗な世界観。
疾走感はあまりないどっしりとした聴き心地と、美しい女性声によるゴシックメタル風味もあり、
雰囲気としては「ロシア版セリオン」という言い方もできるかも。13分という大曲も案外しっとりとした感じで
もう少し派手な盛り上がりもあってもよいとは思うが、全体的に女性ヴォーカルがメインなので優美な聴き心地です。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 壮大度・・8 総合・・7.5
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Sweet Oblivion 「Relentless」
スウィート・オブリヴィオンの2021年作
QUEENSRYCHEのジェフ・テイトをフロントにしたバンドで、本作は2作目となる。前作のシモーネ・ムラーニに代わり
SECRET SPHEREのアルド・ロノビレがプロデュース、サウンドは、きらびやかなシンセをギターに重ね、
伸びやかな歌声を乗せた、シンフォニックメタル風味に、ほどよくダークなヘヴィネスとキャッチーな感触が同居。
楽曲は3〜4分前後で、どっしりとしたミドルテンポのナンバーを主体に、ジェフの歌声をじっくりと聴かせる作風で、
わりとオーソドックスなハードロック風味も含めて、さほど新鮮味はないのだが、優美なシンセによる味付けや、
ときに流麗なギタープレイも加わって、多くのメタルリスナーが楽しめる内容だろう。叙情的なバラードナンバーなども、
ジェフの歌声がよく映えていて、ドラマティックなラスト曲まで、一貫した雰囲気でトータルに楽しめる好作である。
ドラマティック度・8 重厚度・8 ジェフ・テイト度・8 総合・8
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SYLENT STORM 「THE FIRE NEVER DIES」
アメリカのメタルバンド、サイレント・ストームの2020年作
古き良きギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せ、JUDAS PRIESTなど、80年代ルーツの正統派ヘヴィメタルを聴かせる。
パワフル過ぎないヴォーカルと、ほどよい疾走感にエピックメタル的でもあるクサメロ感も漂わせるあたりは、
WARLORDなどのファンにも楽しめそう。さほどインパクトもないミドルテンポのナンバーもけっこうあるのだが、
マイナーなB級感に包まれた捨て曲風味も、なんだかなつかしい味わいだ。NWOTHMの王道的なスタイルです。
ドラマティック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5
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SYMBOLS
ブラジルのメロディックメタル、シンボルズの1998年作
のちにANGRAに加入する、エドゥ・ファラスキが在籍したバンドのデビュー作
メタリックなギターにシンセを重ね、パワフルなヴォーカルで聴かせるダークなメタル感触から、
ProgMetal的でもある知的な構築センスも覗かせつつ、アコースティックを取り入れたり、
ゆったりとしたナンバーでは、若き日のエドゥの伸びやかなハイトーンが際立っている。全体的に派手さはないが、
叙情的なギターにシンセが重なるシンフォニックな味わいなど、南米らしい優雅なサウンドといえるだろう。
ボーナス収録の「The Traveller」は、2ndにも収録される悶絶級の疾走メロスピナンバーで、これは名曲。
ドラマティック度・7 疾走度・5 エドゥ度・8 総合・7.5
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Symbols 「Call to the End」
ブラジルのメロディックメタル、シンボルズの2000年作
後にANGRAに加入するエドゥ・ファラスキが在籍していたバンドで、
テクニカルなツインギターを乗せて疾走する正統派のメロスピサウンド。
若きエドゥの伸びやかなハイトーンヴォーカルが素晴らしく、とくに5曲目などは、
突き抜けるようなエドゥの歌声にしびれる、名曲レベルといってもいいナンバーだ。
シンフォニックなシンセアレンジに加え、曲によってはANGRAに通じる雰囲気もあり、バックの演奏力も含めて、
当時のブラジルのバンドにしてはB級臭さを感じさせない高品質なアルバムといえる。
メロディック度・・8 疾走度・・8 エドゥのヴォーカル度・・9 総合・・8
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SYMFONIA「In Paradisum」
アンドレ・マトス、ティモ・トルキらによるニューバンド、シンフォニアの2011年作
Revolution Renaissanceで3枚のアルバムを残したあと、ティモ・トルキの今後の活動が注目されたが、
元ANGRA〜SHAMANのアンドレ・マトス、元HELLOWEEN〜MASTERPLANのウリ・カッシュ、
元Kenziner〜SONATA ARCTICAのミッコ・ハルキンといった、キャリアのある面々によるスーパーバンドを結成した。
サウンドの方は、いきなり昔のストヴァリが始まったかと思ったら、ヴォーカルがアンドレ・マトスだったという感じ。
正統派の北欧メタル要素と、シンフォニックな美麗さが合わさった、いわば90年代的なスタイルは、
楽曲の新鮮味のなさを差し引いても、往年のストラトファンには嬉しい音であるのは間違いない。
正直、マストのハイトーンは往年に比べると衰え気味にも感じるのだが、そのかすれ声具合も味にはなっている。
継続的な活動に期待したいが、今後はSTRATOVARIUSの影をいかに振り払うかが課題となるかもしれない。
メロディアス度・・8 新鮮度・・7 ストラト度・・8 総合・・8
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SYMPHONITYVoice from the Silence」
チェコのメロパワバンド、シンフォニティーの2008年作
NEMESISが改名したバンドで、ヴォーカルにはオラフ・へイヤーが参加。
サウンドの方はネオクラシカル色もあるギターとクサメロで疾走するメロスピ。
90年代的な古めかしさがただよった曲作りは、悪くはないものの新鮮味もなし。
NEMESIS時代のB級臭さに比べれば、演奏、ヴォーカルともに質は高いが、
特筆すべき個性も感じられない。若いリスナーにはむしろ古くさく感じられるかもしれない。
STRATOVARIUSを思わせる色合いのジャケに惹かれたら聴いてみてもよいだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Synful Ira 「Between Hope & Fear」
イタリアのシンフォニックメタル、シンフル・イラの2012年作
女性Vo、女性Gを擁する6人編成で、叙情的なギターのイントロから、優美なシンセをツインギターに重ね
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーでスタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
ゆったりとしたミドルテンポから、ほどよい疾走感も覗かせつつ、美しい女性声と優雅なメロディのフックは
EDENBRIDGEなどにも通じる雰囲気もあるが、ギターにはわりとオールドなメタル感触も見え隠れする。
これという新鮮味はないのだが、美麗なシンセアレンジとキャッチーな耳心地で、爽快に楽しめる逸品。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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SYNTHPHONIA SUPREMA「SYNTHPHONY 001」
イタリアのメロパワバンド、シンスフォニア・スプリーマの2005作
一時期よりも熱が下がってきた感のあるイタリアンメタルシーンだが、
このバンドはキーボード入りで疾走するかつてのLABYRINTHスタイルの新人だ。
この手のサウンドが好きなら、なかなかの逸材と思えるだろうが、
楽曲には個性は乏しく、キーボードの音色もややチープで説得力は薄い。
上っ面のシンフォニック性と若さにあふれる疾走感が魅力なのだが、
現在での多様化してきたメタルシーンでは、5年落ちくらいのサウンドですでに古くさい。
ボーナスにはWARLORD(LORDIAN GUARD)のカヴァーというマニアックっぷりは良い(笑)。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7

SYNTHPHONIA SUPREMA「The Future Ice-Age」
イタリアのメロスピバンド、シンスフォニア・スプリーマの2nd。2010年作
シンセを含む5人組で、前作は軽めのB級シンフォメタルという雰囲気だったが、
本作では壮麗なイントロからして期待させる。曲に入るとシンフォニックなシンセと
メロディックなギターワーク、そしてハイトーンヴォーカルで華麗に疾走、
ドラマティックな雰囲気とともにずいぶん音の説得力が増してきている。
初期のVISION DIVINEあたりに通じる雰囲気で、爽快な疾走感と知性が合わさった
楽曲アレンジと展開力もなかなかのもの。今後に期待できるいいバンドになってきた。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Symphony XDamnation Game」
アメリカのネオクラシカルメタルバンド、シンフォニー・エックスの2nd。1995作
コテコテ系ネオクラの元祖ともいうべきこのバンド、きらびやかなギターとシンセに、
ラッセル・アレンの歌声も骨太で、濃密なサウンドを構築。随所にテクニカルなプログレメタル風味もあり、
その手のファンにはたまらないものがあるだろう。「ポスト・イングヴェイ」ともいうべき
マイケル・ロメオのネオクラシカルなギタープレイもたっぷり楽しめる。
ドラマティック度・・8 ネオクラ度・・9 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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SYMPHONY X「X」
アメリカのテクニカル・クラシカルメタルバンド、シンフォニー・エックスの5th。2000作
ネオクラ嫌いの私は、世間の人気ぶりに反してあまり好きではないバンドだったのですが、
本作をじっくり聴いてみると、ほう…なかなかいいじゃん、というのが正直なところ。
コンセプト作ということで曲の流れがプログレ的だし、なにより以前のアルバムほど
あからさまにキラキラのネオクラシカルしまくってないところがいい。
マイケル・ピネラのソロ作はシンフォニックよりのアルバムで好感をもっていたが、
彼のキーボードワークは繊細でいて、クラシカル、そしてかなりプログレっぽくて良いなあ。
どこかSHADOW GALLERYあたりにも通じる緻密で濃厚なコンセプトが音に感じられ
プログレ好きの人間にも聴ける濃密な傑作アルバムであると思います。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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SYMPHONY X「Paradise Lost」
マイケル・ロメオ率いるクラシカルメタルバンド、シンフォニー・エックスの7th。2007作
「失楽園」をテーマにした本作は、のっけから仰々しいイントロで幕を上げる。
ヘヴィなリフとテクニカルなキメを用いながら、ドラマティックに進行してゆく曲調には新鮮味は皆無ながらも
さすがにクオリティは高く、そのパワフルな高揚感は聴き手を惹きつけるに充分。
ネオクラシカル嫌いの私からすると、シンセとギターの無駄な掛け合いにはまったく興味がないので、
途中聴いていてどうしても熱が醒めてしまうのだが、それでも今作の気合の入り方には感心する。
シンセによるシンフォニックな華麗さと、ギターリフ主導の硬質なテクニカルメタルの質感を両立させつつ、
全体としてのメリハリにも気をつかっている。荘厳なクワイアや美しいバラード曲など、良い部分は多いのだが
やはり進歩のないネオクラ部分にはげんなりとなるし、かえってコンセプト作としての重みも半減してしまう。
ドラマティック度・・8 ネオクラ度・・8 新鮮度・・6 総合・・7.5
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SYMPHONY XIconoclaust
アメリカのプログレッシブメタルバンド、シンフォニー・エックスの2011年作
前作「PARADISE LOST」はプログレメタル的な力作だったが、今作はなんと2枚組の大作。
のっけからテクニカルなリズムに、重厚なドラマ性をたたえた世界観で聴き手を引き込む。
マイケル・ロメオのキレのよいギターリフにラッセル・アレンの少々暑苦しいワイルドなヴォーカルが絡み、
シンフォニックなシンセワークとともに、濃密かつ厚みのあるサウンドを描き出す。
ネオクラシカルな要素がいくぶん抑えぎみなので、むしろわざとらしさがなくなり、いい意味で媚びがない。
ただCD2枚はやはり長い…質の高いパワフルな力作なのは確かだが、音圧が同じなので単調に聴こえる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 ProgMetal度・・8 総合・・7.5
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Symphony X 「Underworld」
アメリカのシンフォニックメタル、シンフォニー・エックスの2015年作
1994年デビューしてから、すでにキャリア20年のベテランで、本作は9作目となる。2枚組の大作であった前作は、
濃密すぎて聴いていて途中でげんなりとしてしまったものだが、今作もシンフォニックかつ大仰なイントロかららしさ全開。
マイケル・ロメオの奏でるキレのよいギターリフに、ラッセル・アレンのワイルドなヴォーカルを乗せて疾走、
きらびやかなアレンジとテクニカルな構築性で、メタルコア的でもあるモダンなエクストリームメタルを聴かせる。
ダンテの「神曲」地獄篇にインスパイアされたとのことだが、美麗なシンセに包まれたスケール感と、
テクニカルメタルとしての技巧要素が組み合わさった、悪く言うと耳やかましい作風はいつもと同じ。
そんな中、わりとゆったりと聴かせるメロディックなナンバーは少し嬉しい。メロのよい曲をもっと増やしてください。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 濃密度・・8 総合・・7.5
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Syrens Call「Fantasea」
フランスのメロディックメタルバンド、サイレンズ・コールの2001年作
美麗なシンセをギターに重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルを乗せた、ヨーロピアンな雰囲気のサウンドで、
いくぶん舌足らずの歌声や、あまり技巧的でないギターなどが、いかにもマイナー臭さをかもしだす。
楽曲としては、シンフォニックメタルというよりは、わりと古き良き正統派メタルの感触で、
90年代B級メロパワの生き残りのような聴き心地。マニア向けではあるが、このひなびた空気感を楽しめる方はいかが。
メロディアス度・・7 疾走度・・5 女性Vo度・・7 総合・・7
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Syrens Call 「Emoceans」
フランスのシンフォニックメタル、サイレンズ・コールの2006年作
女性Voにシンセを含む編成で、きらびやかなシンセにキュートな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、
適度な疾走感とともに、EDENBRIDGEあたりに通じる女性声シンフォニックメタルを聴かせる。
クサメロなギターも含めて、ほどよくローカルなB級感触と、ファンタジックな雰囲気は嫌いではないし、
紅一点、ヴァレリー嬢のなよやかでハスキーな歌声は、いくぶんのヘタウマ感も含めてなかなか魅力的。
リズムチェンジを含む、ProgMetal的な感触などもマニア好みだろう。全13曲、68分という力作。
シンフォニック度・・7 マイナー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Syrens Call「Raging Waters」
フランスのメロディックメタルバンド、サイレンズ・コールの2010年作
以前に1stを聴いたときはかなりB級臭かったのだが、おそらく3作目となる本作も
基本的には女性ヴォーカルのヘタウマの歌声で聴かせるやや軽めのサウンド。
シンセアレンジはきらびやかなモダンさをかもしだしているが、ギターのベタなフレーズや
あまりセンスのないドラムも含めて、長い曲をやっても演奏面での聴き所はあまりない。
シンフォニックメタル風味、ProgMetal風味と、方向性の面でも現時点ではどっちつかずの印象。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5




TACERE「Beautiful Darkness」
フィンランドのシンフォニック(ゴシック)メタルバンド、タセーレの2007年作
マルチプレイヤーのカリ・クヌーティラ氏を中心としたバンドで、女性ソプラノ声と
男性声のダブルヴォーカルによるモダンなシンフォニックメタルスタイル。
ジャケから想像されるような耽美なゴシックメタル的な雰囲気よりも、
もっとモダンなヘヴィさを含んだエクストリームメタルとして括るべきサウンドだ。
肝心の女性Voヘレナ嬢の歌声はやや個性に欠けるし、男性のダミ声Voも個人的には耳触り。
今やフィンランド最高の人気メタルバンドとなったNIGHTWISHとも比較されそうだが、
楽曲そのものの質や細かなシンセアレンジの面ではまだまだ遠く及ばないという印象。
シンフォニック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TACERE「AT WORLD'S END」
フィンランドのシンフォニック(ゴシック)メタル、タセーレの2012年作
前作から5年ぶりとなる2作目で、女性ヴォーカルが交代している。
美しいシンフォニックなアレンジと適度にヘヴィなギターワークとともに、
男女のツインヴォーカルで聴かせるサウンドは、オペラティックな壮麗さをまとい
楽曲的にもメリハリのついた聴き心地だ。Nightwish的な雰囲気とモダンな
ヘヴィロック風味がバランスよく融合していて、いくぶん分かりやすい音になった。
反面、女性声の魅力や、楽曲のメロディの弱さなどに、まだまだ物足りなさは残る。
シンフォニック度・・8 モダンヘヴィ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TAD MOROSE「Modus Vivendi」
スウェーデンのメタルバンド、タッド・モローズの2004作
かつてはZEROレーベルから1stが出ていたが、まだ地道に活動していたらしい。
サウンドの方はしごく正統派のメタルをやっていて、ツインギターのリフに
なかなか力強いヴォーカルが歌い上げる。ややダークめの雰囲気で
ドラマティックに聴かせてくれるが、楽曲自体にはこれといった新鮮味は乏しいか。
ベテランらしく音自体の質は高いので、ミドルテンポ主体で重厚なタイプのメタルがお好きなら。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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TAKEN
スペインのメロディックメタル、テイクンの2016年作
ツインギターにツインキーボードを含む7人編成で、流麗なギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走、
美麗なシンセアレンジを加えた、北欧のバンドに通じる爽快なメロディック・スピードメタルを聴かせる。
サビでのキャッチーな盛り上がりは、初期のSONATA ARCTICADRAGONLANDばりの
爽快にして壮麗なクサメロ感に包まれていて、この手のクサメロスピ☆マニアはニンマリだろう。
どの曲も、とにかく華麗でフックのあるメロディが心地よく、伸びやかなハイトーンヴォーカルもかなりの逸材。
ラストの12分近い大曲は、シンフォニックメタル的なスローテンポからミドルテンポの優美でドラマティックなナンバー。
ハンド名が単純すぎてスルーしていた方は、ぜひとも聴くべし。美麗系メロスピの傑作というべき会心の出来でしょう。
メロディック度・・9 疾走度・・9 クサメロ度・・9 総合・・8.5
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Tales and Legends 「Struggle Of The Gods」
イタリアのメロディックメタル、テイルズ・アンド・レジェンズの2021年作
シンセを含む5人編成でこれがデビュー作。シネマティックな語りによるイントロから、メタリックなギターに美麗なシンセ、
ハイトーンのヴォーカルを乗せて、エピックなシンフォニックメタルを展開する。サビでのキャッチーな歌メロに、
クワイアを重ねた壮麗さは、RHAPSODY OF FIREを彷彿とさせ、ミドルテンポの透明感あるナンバーは
STRATOVARIUSなどを思わせる。ネオクラ風のインストナンバーなども、90年代の雰囲気を感じさせるなど、
わりとオールドなメロパワファンに受けが良い作風であるだろう。いかにも初期ラプソディー的なナンバーから、
これぞイタリアンメタルというクサメロな疾走ナンバー、ラストはスメタナの「モルダウ」を取り入れた大曲で締めくくる。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 ラプソでストラト度・8 総合・8
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TALES OF EVENING 「Hajlektalan Lelek」
ハンガリーのシンフォニックメタル、テイルズ・オブ・イブニングの2012年作
エピックで壮麗なイントロから、きらびやかなシンセをメタリックなギターに重ねて、
なよやかな女性ヴォーカルとともに疾走する、キャッチーな味わいのシンフォニックメタルを聴かせる。
母国語による歌声が辺境臭さをかもしだし、ときにフォーキーなフルートの音色なども加わって、
同郷のDALRIADAあたりにも通じる、優雅な土着感も覗かせる。ときにクサメロを奏でるギターに
オーケストラルなアレンジも楽曲に華を添える。ほどよい疾走パートも含む展開力と、
魅力あるヴォーカルで、キャッチーかつ壮麗な女性声メロスピとしても楽しめる好作品です。
シンフォニック度・7 優雅でキャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8
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TALES OF THE OLD 「THe Book of Chaos」
ギリシャのシンフォニックメタル、テイルズ・オブ・ザ・オールドの2021年作
マルチプレイヤーのマイク・ツァナキス氏によるプロジェクトで、ファビオ・リオーネ(ANGRA)、ボブ・カティオニス(元FIREWIND)をはじめ、
多数のゲストが参加したメタルオペラ的な作品。メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、ゲストによる男女ヴォーカルを乗せた
壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。ボブ・カティオニスによるきらびやかなシンセワークが加わると、とたんにネオクラ風になったりと、
楽曲自体にはこれという新鮮味はないのだが、女性ヴォーカルをメインにした優美なナンバーなどは良い感じで、
随所にほどよい疾走感も覗かせつつ、ラスト近くではデス声も加わったりと、メリハリある流れで構築される。
シンフォニック度・7 壮麗度・8 新鮮度・7 総合・7.5
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TALVIENKELI 「Hybris」
フランスのシンフォニックメタル、トールヴェインケリーの2017年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、ベースも女性奏者。美しいシンセと女性声を乗せたイントロから、
優美な世界観に包まれつつ、メタリックな激しさを加えた重厚なシンフォニックメタルを展開。
EPICAなどにも通じるクラシカルな優雅さと、硬質なギターリフのモダンなヘヴィネスが合わさり、
緩急のあるメリハリのある構築力とともに壮麗なサウンドを描いてゆく。カミーレ嬢の歌声は、
美しいメゾソプラノで、ヘヴィなバックとのコントラストがやわらかな浮遊感を楽曲に付加している。
10分におよぶ大曲も含めて、デビュー作としては堂々たる内容の力作です。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TANK「War Machine」
80年代NWOBHM全盛の頃から活動する、英国メタルバンド、タンクの2010年作
2002年に15年ぶりとなる6thを発表したが、B/VoのAlgy Wardが脱退、
本作はRAINBOW〜イングヴェイなどでも歌っていたDoogie Whiteが加入しての作品。
正直、かつてのTANKにさほど思い入れがないので、昔の作品とは比べようがないのだが
古き良き感触のギターリフとともに、いかにも英国らしい王道のHR/HMが楽しめる。
随所に聴かせるツインギターの叙情フレーズにもにんまり。RAINBOWなどのファンにもオススメです。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 英国度・・8 総合・・8
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TANK 「War Nation
80年代NWOBHM全盛の頃から活動する、英国メタルバンド、タンクの2012年作
RAINBOW〜イングヴェイなどでも歌っていたDoogie Whiteが加入しての2作目で
ツインギターのオールドなリフと枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、
古き良きHR/HMが楽しめる。前作のメロディックな路線もある程度感じさせつつ
楽曲はより正統派というか、オールドスタイルに回帰したような、硬派な印象を受ける。
古臭いといえば古臭いが、ミドルテンポ主体のどっしりとした聴き心地はパワフルだ。
メロディック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Tarchon Fist 「Fighters」
イタリアのエピックメタル、ターコン・フィストの2009年作
2008年にデビューし本作は2作目となる。ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せた、
正統派のメタルサウンドを聴かせる。エピックな勇壮さは、Grave Diggerや、初期Blind Guardianなど、
古き良きジャーマンメタルの感触もあって、荒削りながらもなかなか魅力的。全体的にヘヴィすぎない聴き心地で、
疾走するパートもさほどはないものの、ほどよいB級風味という点では、ATTACKあたりが好きな方にもイケるかと。
一方では、IRON MAIDENJUDAS PRIESTなどを思わせる、いかにもオールドスタイルなナンバーもあって、
正統派メタル好きはニンマリだろう。ボーナスDiscにはライブ音源やカヴァー曲などを収録。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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TAROT'S MYST「ODYSSEY」
ドイツのメロディックメタルバンド、タロットズ・ミストの1999年作
ギターのウヴェ・ホルマンを中心に、元Stranger、Zarのシンガー、トミー・ブロック、Brainstormのドラムが参加、
STORMWITCHのギターが楽曲提供しているということもあり、王道のギターに線の細いハイトーンヴォーカルを乗せた、
いかにもSTORMWITCHを思わせる古き良きジャーマンメタル聴かせる。ヨーロピアンな翳りを帯びたファンタジックな空気と
メロディックでキャッチーながらどこか突き抜けきらないという、マイナーな味わいがなかなか魅力的で、プログレッシブな展開のナンバーや、
スローテンポの叙情ナンバーなど、さほど派手なインパクトはないものの、どこ切っても日本人好みの哀愁のロマンに包まれている。
随所に奏でるクラシカルなギターフレーズや、ウェットな叙情性も含めて、耳心地の良い好作品です。
メロディアス度・・8 古き良きジャーマン度・・9 ストムーウィッチ度・・9 総合・・8
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Tears of Anger「Still Alive」
スウェーデンのメタルバンド、ティアーズ・オヴ・アンガーの1st。2004作
JOHANSSONなどに参加していたギターのベニー・ヤンソンと、ヴォーカルである弟のビョルン・ヤンソンを中心にしたバンドで、
テクニカルなリズムにシンセとギターが絡み、そこにキャッチーな歌メロを乗せるスタイル。
曲は3〜4分台とコンパクトにまとめられていて、難解さはなく軽快な雰囲気で聴かせる。
ヴォーカルの歌唱などには、どこか古き良きハードロック的な感触があり、
むしろ北欧メロディアスハードにProgMetal色を織り込んだようなサウンドとも言える。
全体的に質は高く聴きやすいが、曲中にこれといった刺激がないのが惜しい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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TEARS OF ANGER「In The Shadows」
スウェーデンのメタルバンド、ティアーズ・オヴ・アンガーの2nd。2006作
ProgMetal色もあるメロディアスハードという印象のサウンドだった1stから、
本作ではいくぶんダークなヘヴィさとともに重厚なドラマティックさが増している。
メロディアスな歌メロにネオクラシカル風味もあるテクニカルなギターが絡むという、
ミスマッチ感覚が相変わらず微妙なのだが、音の説得力は上がってきている。
ただやはり、メロハーなのかテクニカルメタルなのまかネオクラなのかが曖昧で
質の高さはあるものの、アルバム全体として爽快に聴ききれないというもどかしさもある。
メロディアス度・・7 ネオクラ度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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Tears of Martyr「Entrrance」
スペインのシンフォニックメタル、ティアーズ・オブ・マーティアの2010年作
シンフォニックなアレンジにダミ声ヴォーカルを乗せ、美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声が絡む、
ゴシックメタル風味もある耽美なシンフォニックメタル。オペラ歌手でもあるベレニス嬢の歌声は、
Nightwishのターヤばりの力量で、デスヴォイスとのコントラストでサウンドに説得力を付加している。
次作に比べると、男性ダミ声パートが多い点や、楽曲的にもまだナイナー臭さが漂っていて、
垢抜けなさも残るのだが、ほどよいB級感が楽しめる方であれば問題なく楽しめるだろう。
ともかくソプラノの美しさという点では折り紙付き。ゴシック寄りのシンフォメタル好作品である。
シンフォニック度・・7 耽美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TEARS OF MARTYR 「TALES」
スペインのシンフォニックメタル、ティアーズ・オブ・マーティアの2013年作
美しいソプラノ女性ヴォーカルの歌声と、シンセを含んだ優美さで聴かせる
クオリティの高いサウンド。オペラ歌手でもあるというベレニス嬢の歌声は、
かつてのNightwishのターヤを思わせるところもあり、その表現力も実力充分。
楽曲には適度な疾走感や、ときにデスヴォイスが絡むなど、ドラマティックなメリハリもあり、
フィメール・シンフォニックメタルが好きな方なら楽しめること請け合いだ。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8




TEMPERANCE 「Limitless」
イタリアのシンフォニックメタル、テンペランスの2015年作
SECRET SPHERE、BEJELIT、HATE TYLERなどのメンバーが結成したバンドで、
モダンなヘヴィネスときらびやかなアレンジに、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、
AMARANTHEやNIGHTWISHあたりにも通じる、美麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
ときにオペラティックなソプラノヴォイスも歌い分けるキアラ嬢のヴォーカルも表現力十分で、
曲によっては男性デスヴォイスの絡みも入りつつ、堂々たる歌声で楽曲を彩っている。
新鋭ながらもメンバーの実力とともにクオリティの高さが光る力作だ。
シンフォニック度・・8 モダン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TEMPERANCE 「The Earth Embrace Us All」
イタリアの女性Voシンフォニックメタル、テンペランスの2016年作
前作はAMARANTHEやNIGHTWISHなどにも通じる好作であったが、2作目となる本作も美麗なシンセアレンジに
適度にヘヴィなギターと伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、モダンなシンフォニックメタルを聴かせる。
スタイリッシュな硬質感とキャッチーなメロディアス性を同居させつつ、ヴァイオリンやピアノなどを含んだクラシカルな質感は
EPICAあたりを思わせるような部分もある。紅一点、Chiara嬢の歌声は、キュートな若々しさをサウンドにもたらしていて、
上記したバンドたちに比べると全体的に陽性の雰囲気が強いので、メタル初心者などにもとっつき安いと思われる。
反面、このバンドならではの突き抜けた個性というものはまだ薄いので、今後の方向性をどうしてゆくのかが気になる。
シンフォニック度・・8 モダンでスタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Temperance 「Of Jupiter & Moons」
イタリアのシンフォニックメタル、テンペランスの2018年作
2015年にデビュー、3作目となる本作はヴォーカルが交代、新たに男女Vo編成のスタイルとなった。
美麗なシンフォニックアレンジにソリッドなギター、そして男女二人のヴォーカルが重なり、
フックのある展開力ととともに、ドラマティックかつオペラティックなシンフォニックメタルを展開。
新加入のアレッシア嬢の歌声は伸びやかな中音域で、男性シンガーのミケーレの甘い歌声とよくマッチしていて、
曲によってはモダンでダンサブルであったり、キャッチーなメロディアス性に包まれた楽曲を華やかに彩っている。
純粋なフィメールメタルを愛好する向きには痛し痒しだが、バンドとしての深化のビジョンを明確に示した壮麗な力作だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8 
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Temperance 「Viridian」
イタリアのシンフォニックメタル、テンペランスの2020年作
2015年にデビューし、本作ですでに4作目となる。ほどよく硬質なギターにきらびやかなシンセを重ね、
男女ヴォーカルが絡む、壮麗なシンフォニックメタルは本作も同路線。楽曲自体は、普通にメロディアスで、
曲によってはAVANTASIAのような、メロハーをヘヴィにしたような感じもあったりと、さして新鮮味はないのだが
メロパワ的な疾走パートも含めて、キャッチーなフックがたっぷり。前作から加入のアレッシア嬢の歌声は、
伸びやかで十分魅力的なのだが、男性声パートがわりと多いので、いくぶんもどかしさも感じてしまう。
楽曲も3〜4分前後と、今作はやや小粒な印象。しごく高品質な出来ではあるが、次作はどうなるのでしょう。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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TEMTRIS 「RITUAL WARFARE」
オーストラリアのメロディックメタル、テムトリスの2021年作
Mortal Sinのドラムを中心に結成され、2003年にデビュー、本作は通算7作目となる。
正統派のギターリフに中音域の女性ヴォーカルを乗せて疾走する、オールドスタイルの女性声メロパワ。
ジャーマンメタル風味のツインギターの叙情性と、90年代のパワーメタルを受け継ぐほどよくマイナーな味わいが合わさり、
オールドメタラーはぐっとくる。紅一点、Rodda嬢の歌声も、艶めいたパワフルさがあって、オールドなメタル感によくマッチしている。
楽曲的にはこれといって新鮮味はないものの、古き良き正統派の女性声メタルが楽しめる好作品だ。
ドラマティック度・7 疾走度・8 古き良き女性声メタル度・8 総合・7.5
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Teodasia 「Upwards」
イタリアのシンフォニックメタル、テオダシアの2012年作
美麗なイントロ曲から始まり、美しいシンセアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
キャッチーなシンフォニックメタルを展開。ヘヴィ過ぎないメロディアスハード的な聴きやすさと、
クラシカルな優雅さに包まれたアレンジに、紅一点、プリシラ嬢の歌声も、なかなか魅力的だ。
アネット期のNightwishに通じる雰囲気というべきか。男女ツインヴォーカルのナンバーや、
ストリングスを加えた優美なアレンジもありつつ、全体的にはゆったりとした耳心地の良さで、
大仰すぎないところがかえって良いですね。ヘヴィなメタルが苦手な方にも楽しめる優雅な好作品。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Teodasia「Metamorphosis」
イタリアのシンフォニックメタル、テオダシアの2016年作
前作は女性Voフロントのスタイルであったが、本作は男性ヴォーカルとなっている。シンフォニックなイントロから
メタリックなギターを加え、のちにRHAPSODY OF FIREに参加するジャコモ・ヴォリのハイトーンヴォーカルを乗せて
オーケストラルなアレンジとともに壮麗なシンフォニックメタルを展開する。疾走する激しさはあまりないが、
むしろゆったりとした優雅なナンバーが魅力的で、TEMPERANCEのキアラ嬢が参加しての男女Voのナンバーなども
キャッチーで優美な味わいだ。演奏やアレンジのレベルもそれなりに高いが、インパクトのある展開はさほどなく、
これというキラーチューンがあれば全体の印象も上がると思うのだが。ジャコモ氏は本作のあとラプソディーに加入。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 優美度・・8 総合・・7.5
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TERASBETONIMetallitotuus
フィンランドのメタルバンド、テラスベトニの1st。2005作
昨今にぎわいを見せるフィニッシュメタルシーンだが、このバンドはその中でもシンセを使わないトゥルーメタルスタイル。
1曲目からMANOWARの“Blood of my Enemies”を思わせる雰囲気で、疾走よりもミドルテンポ主体の、
いかにもな正統派ヘヴィメタルサウンドだ。彼らの場合、英語ではなく母国語で歌っているところもポイントで、
サウンドにはほのかな土着性も感じられる。まさにフィンランド版MANOWARともいうべきバンドだろう。
メロディアス度・・7 ヘヴィメタル度・・9 フィンラン度・・8 総合・・7.5
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TERASBETONI 「VAADIMME METALLIA」
フィンランドのメタルバンド、テラスベトニの2nd。2006年作
ジャケはまるでヴァイキングメタルのようだが、サウンドはいたって普通のヘヴィメタル。
1stが出たときにはフィンランドのMANOWARというような扱いで話題になっていたようだ。
さて、今どき珍しいくらいのオーソドックスなスタイルで、ほとんどシンセも入らない。
面白いのは英語ではなく全てフィンランド語で歌っているので、その点では土着性がいくらか感じられる。
しかし、MANOWARというにはヴォーカルも演奏もいかにもパワー不足な感は否めず。
むしろキャッチーなナンバーの方に魅力が感じられるので、今後はぜひその路線でよろしく。
メロディアス度・・7 パワフル度・・7 フィンラン度・・8 総合・・7.5
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TERASBETONIMyrskyntuoja
フィンランドのメタルバンド、テラスベトニの3rd。2008作
母国語で歌われるヴォーカルの勇ましさとともにエピックな香り漂うサウンドは、
前2作同様に頑なまでの正統派メタル。はっきりいって目新しさは皆無なのだが、
音の説得力は前作よりは上がっており、ドラマティックなバラード曲などもなかなか。
MANOWARにも通じるヘヴィメタル愛に満ちた作風は、マニアの胸を熱く打つだろう。
メロディアス度・・7 母国語度・・9 ヘヴィメタル度・・9 総合・・7.5
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Terra Prima 「And Life Begins」
ブラジルのメロディックメタル、テラ・プリマの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、メロディックなギターワークに、ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
初期のANGRAを思わせるメロディックメタルサウンド。随所にラテンを感じさせるフレイヴァーをまぶした感触と
リズムチェンジを多用したプログレッシブな香りを含んだ展開力は、EYES of SHIVAにも通じる雰囲気だ。
ヴォーカルの声質もアンドレ・マトスに近いタイプで、かつてのVIPERANGRAが好きな方ならニヤリとするだろうし、
全体的にもわりと90年代的な、モダンすぎないオールドな味わいがあって、少しなつかしい聴き心地もよいですね。
キャッチーなフックによる爽快な聴き心地と、美麗なシンセアレンジが描く優雅な感触も日本人好みの好作品。
メロディック度・・8 疾走度・・8 アングラ度・・8 総合・・8
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TEZZA F. 「A Shelter from Existence」
イタリアのシンフォニックメタル、テッツァ.Fの2018年作
CHRNOSFEARのヴォーカリスト Filippo Tezzaのソロ作品で、美麗なシンセアレンジにクサメロのギター、
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走しつつ、リズムチェンジなどの緩急ある構築力で聴かせるサウンド。
優雅でクラシカルなシンフォニックメタルに、随所にProgMetal的な展開美を加えたという作風で、
ほどよくマイナーな香りを感じさせるところは、少し前のイタリアンメタルらしい感触だ。
ときにデスヴォイスもまじえたモダンな雰囲気や、フォークメタル的な牧歌的な土着性も覗かせながら、
ファンタジックな世界観を描いてゆく。ラストは15分という大曲で、起伏に富んだ展開でドラマティックに構築する。
メロディック度・・8 疾走度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5


THALION「ANOTHER SUN」
ブラジルの女性Voメロディックメタルバンド、タリオンの2004年作
NIGHTWISHの成功以後、女性Voものバンドがにわかに増えているが、
このバンドも美人の女性Voをフロントに据えたメロディックメタルをやっている。
メンバー写真を見るにまだ若く、Voのアレクサンドラ嬢はまだ18歳ということだが、
その歌唱にしろバックの演奏にしろなかなか安定しており、安心して聴ける。
曲の方は、メロディにしろアレンジにしろまだまだ「それなり」の域は出ないが
女性Voメタル好きからすれば、今後の活躍に期待したいバンドである。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Thaurorod「Upon Haunted Battlefields
フィンランドのシンフォニックメタルバンド、サウロロッドの2010年作
いかにもエピックな感じのジャケからしてつい期待してしまうのだが、シンフォニックなシンセとともに、DRAGONFORCEばりに疾走、
いくぶんヴァイキング調も含んだメロディでたたみかけるメロスピ作。ブラストビートも入った激しさもあり、
感触としてはENSIFERUMあたりにも近いか。美麗なシンフォニックさと勢いある疾走感、楽曲はメロディアスで質はなかなか高いのだが、
現時点では既存のバンドの寄せ集め的で、このバンドならではの個性はまだ薄い。今後に期待。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Thaurorod「Anteinferno
フィンランドのメロディックメタル、サウロロッドの2013年作
前作はENSIFERUMをメロスピにしたようなサウンドだったが、ヴォーカルが替わった本作では
ヴァイキングメタル色は薄まり、きらびやかなシンセとともに疾走する北欧メロスピスタイルになっている。
新ヴォーカルのアンディは、Seventh Wonderの1stで歌っていたシンガーで、その線の細いハイトーンは
疾走メロスピサウンドにもよくマッチしている。メロディのフックはキャッチーで美麗なアレンジも含めて
初期SONATA ARCTICAなどのファンにもアピールするだろう。エピックな勇ましさは減ったが質の高さはさすが。
メロディック度・・8 疾走度・・8 北欧メロスピ度・・8 総合・・8



Thaurorod 「Coast of Gold」
フィンランドのメロディックメタル、サウロロッドの2018年作
2010年にデビューして本作が3作目となる。メロディックなギターと美麗なシンセを重ね、
伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、きらびやかなメロディック・スピードメタル。
かつてのSONATA ARCTICAを彷彿とさせるキャッチーなメロディに、エピックな勇壮さをまぶして
ファンタジックな世界観を描いてゆくという、とても日本人好みのスイタルといえるだろう。
DRAGONFORCEばりの強力な疾走感とともに、これまでよりもメロスピとしてひとつ突き抜けた感触もあり、
曲によっては北欧らしい土着的メロディも覗かせる。どこを切ってもシンフォニックな北欧メロスピ傑作だ。
メロディック度・・8 疾走度・・9 北欧度・・8 総合・・8 
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THEOCRACY
アメリカのシンフォニックメタルユニット、シアクラシーの2003年作
ユニットというか、ギターにヴォーカル、ベース、シンセをこなすマット・スミス氏の1人プロジェクト。
壮麗なイントロから疾走曲が始まると、むしろ北欧メロスピ的なきらびやかなサウンドで、
ドラムは打ち込みであることを差し引いても、これがなかなか悪くない。
さすが一人で全部やってしまうだけあり、オーケストレーションのアレンジといい、
ギターワークといい、なかなかのメロディセンスである。歌はちと弱いかな。
続く2ndではついに仲間ができてバンド編成となっているらしい。それは楽しみだ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 お一人様ですが度・・9 総合・・7.5
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THEOCRACY「As the World Bleeds」
アメリカのメロディックメタル、シアクラシーの2012年作
マルチミュージシャン、マット・スミスの個人プロジェクトであったのだが、
前作2ndからバンド編成となり、これが3作目となる。シンフォニックなアレンジと
ハイトーンヴォーカルを乗せて聴かせる、正統派のメロディックメタルで、
キャッチーなメロディを含ませながら、ドラマティックな重厚さも感じさせるサウンドだ。
随所に
メロスピ的な疾走感や、プログレパワー的な知的な構築センスも垣間見せるなど、
全体的にもメリハリの付いた作風であるが、楽曲ごとの魅力という点では物足りなさもある。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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THERAGON 「WHERE THE STORIES BEGIN」
スペインのメロディックメタル、セラゴンの2021年作
ファンタジックな世界観のコンセプトアルバムで、壮麗なイントロで幕を開け、クサメロなギターに
カイ・ハンセン寄りのハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、華麗なメロディックメタルを展開する。
コーラスによるエピックな味わいと、キャッチーなメロディのフック、シンフォニックなアレンジで
INSANIADREAMTALEなど、北欧系メロパワの感触に近い爽快な聴き心地が楽しめる。
どっしりとしたミドルテンポのナンバーでの勇壮な雰囲気から、優美なシンセによるパートも挿入したり、
メリハリのある展開力にもセンスを感じさせる。ファンタジックなクサメロ感にニンマリとなりつつ、
ラストは11分近い大曲で、緩急あるドラマティックな構築力でストーリーを描いてゆく。これは傑作だ。
ドラマティック度・・9 ファンタジック度・・9 クサメロ度・・9 総合・・8
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Third Dimension 「Where The Dragon Lies」
スペインのメロディックメタル、サード・ディメンションの2014年作
壮麗なイントロでエピックに幕を開け、クサメロなギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
キーパーメタルの後継者というべき、爽快でキャッチーなメロディック・スピードメタルを聴かせる。
ヴォーカルの歌声も、かつてのマイケル・キスクを思わせるような、コブシの効いたパワフルな表現力があり、
HELLOWEENルーツのメロパワとしては、楽曲とメロディのフックも含めて、なかなかの出来である。
スローやミドルテンポのナンバーでは、叙情的なギターメロディも覗かせながら、じっくりと聴かせつつ、
キーパーなクサメロ感で疾走するナンバーにはニンマリである。クサメタラー必聴の強力作。
メロディック度・8 疾走度・8 キーパー度・9 総合・8
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Thobbe Englund 「From the Wilderness」
スウェーデンのメタルバンド、SABATONのギタリスト、トーベ・エングランドのソロ。2015年作
サバトンといえば正統派の漢のメロパワなのだが、本作のサウンドはきらびやかなネオクラシカルメタル。
ドラムを除く、ギター、ベース、シンセを自身でプレイし、テクニカルなフレーズを随所に盛り込んで、
シンセによる美麗な味付けで聴かせる、イングヴェイばりの様式美インストサウンドだ。
一方では、ゆったりとしたシンフォニックな味付けと泣きの叙情のギターを聴かせるナンバーもあり、
オールインストながらも、北欧のミュージシャンらしい涼やかなメロディセンスで最後まで聴き通せる。
メロディック度・・8 ネオクラ度・・8 美麗度・・8 総合・・7.5
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THOR 「Metal Avenger」
カナダのヘヴィメタル、ソー(トール)の2015年作
1978年にデビュー、マッチョな風貌で話題となったJon Mikl Thor氏は現在60歳を超え、本作は18作目の作品らしい。
ファースト・エディ・クラーク、(元MOTORHEAD)、ジェイ・ジェイ・フレンチ(TWISTED SISTER)、ヘンリー・ロリンズ、
ベスティ・ビッチ(Bitch)などがゲスト参加。80年代のMANOWARSAXONなどを思わせる古き良きメタルサウンドで、
随所にジャケのようにエピックな世界観を感じさせる。ソー氏の歌声も60代とは思えぬパワフルさで、
ブルージーなロックナンバーから、Judus Priestばりのメタルナンバーまで、気合たっぷりに歌いこなす。
新鮮味やモダンさのかけらもないが、オールドなHR/HMが好きな方なら十分楽しめる内容だ。
ドラマティック度・・7 古き良きHM度・・8 これがソーMETAL!度・・9 総合・・7.5
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THOR 「Beyond The Pain Barrier」
カナダのヘヴィメタル、ソー(トール)の2017年作
1978年にデビュー、マッチョな風貌で話題となったJon Mikl Thor氏によるプロジェクト。本作は2年ぶりとなる19作目。
名前通り、雷神トールを描いたジャケからしてエピックな雰囲気たが、サウンドの方もほどよくマイナー臭さを残した、
オールドスタイルの正統派ヘヴィメタル。メロスピ的な激しい疾走ナンバーから、ミドルテンポのわりとキャッチーなナンバーまで、
80年代テイストのいたってありがちなメタルサウンドなのがいっそ微笑ましい。Thorのヴォーカルはお歳のわりには頑張っているが、
MANOWARあたりのパワフルさに比べたら、バックのサウンドも含めてアマチュア感がにじみ出てしまっていて、少々つらい。
よっぽどのB級メタルファン以外には薦められないですが、ラスト曲はこれぞエピックメタルというナンバーで救われました。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 正統派度・・8 総合・・7
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3 Inches of Blood 「Here Waits Thy Doom」
カナダのメタルバンド、3インチズ・オヴ・ブラッドの2010年作
デビュー作Advance & Vanquishはインパクトのあるジャケが話題を呼んだが、
本作もACCEPTを思わせるパワフルな正統派メタルサウンドをたっぷりと聴かせる。
ヴォーカルはウド・ダークシュナイダー+ロブ・ハルフォードという感じのハイトーンで、
往年のヘヴィメタルを現代に甦らせたようなその古き良きメタル魂には、
オールドファンには感涙ものだろう。随所にメロディアスなセンスも覗かせる
ギターのフレーズにもなかなかだ。アナログ的な正統派メタル復古作。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 古き良きメタル度・・9 総合・・8
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3 Inches of Blood「Long Live Heavy Metal
カナダのメタルバンド、3インチズ・オヴ・ブラッドの2012年作
アルバムタイトル通り、本作も徹底して正統派メタルを貫くスタイルで、
JUDAS PRIESTACCEPTを受け継ぐような強力なサウンドを聴かせる。
ハルフォードを思わせるハイトーンヴォーカルに、ときにダーティなスクリームもまじえ
古き良き質感のツインギターとともに、愚直なまでのヘヴィメタルを繰り広げている。
ただ古くさいだけでなく、モタンなヘヴィネスを自然と取り入れているところも見事だ。
ドラマティック度・・7 正統派度・・9 古き良き度・・8 総合・・8
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THUNDERBLAST「Invaders from Another World」
コロンビアのメタルバンド、サンダーブラストの2011年作
ツインギターの5人編成で、ヘヴィなギターリフとハイトーンヴォーカルで聴かせる、
正統派のパワーメタル。男気のあるトゥルーメタルとしての熱さに加え、
随所にツインギターのメロディアスなフレーズもあって、なかなかよいのである。
ラウドな音質が残念だが、漢メタラーならば思わず拳を突き上げたくなるだろう。
楽曲をさらに磨いてゆけば、さらによいバンドへと成長しそうなポテンシャルがある。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 トゥルーメタル度・・9 総合・・7.5




THUNDERBOLTLOVE & DESTRUCTION
ノルウェーのメタルバンド、サンダーボルトの2006年作
ツインギターの5人編成で、じつに正統派の古き良きヘヴィメタルをやっている。
北欧らしいメロディというものはあまりなく、JUDAS PRIESTMANOWAR化したような
パワフルに聴かせる男のメタルである。サウンドプロダクションがやや粗いのが惜しいが、
アナログ感たっぷりのギターリフにはにんまりだ。楽曲自体に派手さはないものの、
昨今ムーブになりつつある、古き良きメタルマインドを持ったバンドとして注目してゆきたい。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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THUNDERHEADCrime pays
ジャーマンメタルバンド、サンダーヘッドの3rd。1991作
ドイツのバンドにしてはアメリカンなテイスト
とハードロックとしてのノリの良さを
全面に押し出した聴き心地で、ある意味で異色の存在であったこのバンド。
かすれ気味のダーティなヴォーカルはいくぶん好みを分けるだろうが、
ツインギターのフレーズにはときおりメロディックな質感もあり、
ブルージーな大人の味わいも含んだ骨太のハードロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 ロック度・・8 骨太度・・9 総合・・7.5
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THUNDERHEAD「Killing with Style」
ドイツのメタルバンド、サンダーヘッドの4th。1993作
このバンドのサウンドは、いわゆる我々が呼ぶジャーマンメタルのバンドとはやや異なり
アメリカンHR的な骨太さとキャッチーさをもったメロディと、男臭いパワフルなヴォーカルで聴かせるものだ。
ロックとしての熱さとノリ、そこにドイツらしい泣きの美学を加えた楽曲は、なかなかどうして格好いい。
正統派のリフでぐいぐいとたたみかける力強さはパワーメタル的であるが、
随所に聴かせるメロウなツインギターや、バラード曲などでの叙情はやはり日本人好みのものだ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 骨太度・・9 総合・・8
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THUNDERHEADWere You Told the Truth About Hell?
ジャーマンメタルバンド、サンダーヘッドの5th。1995作
前作に比べてメロディアスさがやや後退し、よりヘヴィなサウンドになっている。
かすれたヴォーカルの歌声とツインギターのリフで聴かせる従来の作風に、
モダンなヘヴィロックというか、曲によってはオルタナ的な感触も加わっている。
適度にメロディもあるので聴きやすいのだが、彼ららしいノリの良さという点ではやや中途半端か。
メロディアス度・・7 ヘヴィロック度・・8 骨太度・・8 総合・・7.5
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THUNDERHEADUGLY SIDE

アメリカのメタルバンド、サンダーヘッドの2000年作
リーダーのテッド・ブレット以外のメンバーが替わり、アメリカに拠点を移してのアルバム。
のっけからパワフルに疾走するサウンドで、ヘヴィなギターとかすれ気味のヴォーカルととともに
骨太のHR/HMを聴かせてくれる。メロディにはアメリカ的なキャッチーさと叙情が増していて、
テクニカルなギターフレーズも含ませながら、より洗練された骨太のハードロックが楽しめる。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 骨太度・・9 総合・・8
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THUNDERSTONE
フィンランドのメロディックメタルバンド、サンダーストーンの1st。2002作
先に2ndの方を聴いていたが、こちらのデビュー作の方はSTRATOVARIUS色がまだ強い。
楽曲の方もどれもメロディアスで聴きやすいが、ありがちな新鮮味の無さが感じられ、
2ndでは改善させていたヴォーカルの力量にしても、この時点ではやや弱く思える。
そんな中、Eのようなスローテンポの曲にこそこのバンドの持ち味がでているように聴こえる。
パワフルさや個性の点では2ndの方が断然上だが、ソナタやストヴァリタイプのキラキラなメロディアスさが好きならこちらか。
ジャケが不気味なので、まだ手を出していない方もいるだろうが、内容は安心メロディアス。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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THUNDERSTONE「THE BURNING」
フィンランドのメロディックメタルバンド、サンダーストーンの2nd。2004作
前作はSTRATOVARIUS色の強い作風だったが、このアルバムを聴くかぎりはあまり感じない。
サウンドはネオクラシカル色のあるヘヴィメタルで、骨太のギターにややハスキーなヴォーカルが
やや80年代風の雰囲気をかもしだしたりしている。曲によってはオーセンティックなハードロック風で
そうした古き良き部分をネオクラ風味と上手く融合させているという印象。曲がわりとオーソドックスなので、
若いファンよりもむしろ年季の入ったメタル中年にウケそう。バラード曲などでの叙情性も、まるでベテランバンドのように説得力がある。
ボーナストラックのMETALLICA“Welcome Home”、MANOWAR“Heart of Steel”のカヴァーもちょっと嬉しい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 骨太度・・8 総合・・8
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THUNDERSTONE「Tools of Destruction」
フィンランドのメロディックメタルバンド、サンダーストーンの3rd。2005作
1st、2ndともクオリティの高いアルバムで実力的にも安定感のあるこのバンド、
本作でも前作の流れをくむ、スピードに頼らないオーセンティックなハードロック風味と
北欧的な美しいシンセワーク、叙情的なメロディで聴かせるメロディックメタルだ。
枯れた味わいのあるヴォーカルの歌唱は、どことなく古き良きHR/HMの雰囲気をかもしつつ、
それでいてあくまでメロディにこだわった、ときにキャッチーなサビメロは耳馴染みがよい。
ぱっと聴きの派手さはないが、アレンジの質も高く、じっくりと落ち着いて楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 骨太度・・8 総合・・7.5
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THUNDER TRIBE 「War Chant」
アメリカのメタルバンド、サンダー・トライブの2013年作
ジャケの雰囲気からして、正統派のエピックメタルを想像するのだが、
サウンドの方もツインギターにパワフルなヴォーカルで聴かせる正統派メタルを基本に、
随所にリズムチェンジやメロディックなフックがあって、案外にアレンジには工夫がある。
スローテンポの曲でもそれなりに楽しめるのは、それなりにバンドの力量があるからだろう。
ただのB級メタルではないなという印象。古き良きスタイルの正統派が好きな方はチェックして損はない。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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THY MAJESTIE「THE LASTING POWER」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ザイ・マジェスティの1st。2000年作
日本デビューである2ndHastings 1066はエピックなシンフォメタルの傑作として名高いが、
クサメロという点ならば、むしろ本デビュー作の方が上なのである。物語的な語りから始まり
シンセによるクサメロとやわらかなヴォーカルで、いくぶんB級臭く聴かせるシンフォメタルが炸裂。
トラッド的なメロディを含んだやわらかな叙情や、リズムを含めてのプログレッシブな要素もあって
疾走に頼らない知的なアレンジセンスが光る。インストの小曲を盛り込んだつなぎもドラマティックで
音の軽さや演奏力はまだ発展途上ながら、エピックな世界観はすでに確立している。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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THY MAJESTIE「HASTINGS 1066」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ザイ・マジェスティの2nd。2002年作
1stの時点からミニRHAPSODYとも形容できるような大仰さと、ファンタジックな部分とを併せ持っていたが、
続く今作はイングランド史における「ヘイスティングスの戦い」モチーフにした壮大なコンセプト作となった。
相当な時間をかけてレコーディングしたという通り、男女コーラスや曲のアレンジなどは非常に凝っていて、
RHAPSODY的要素に加え、今回はRUNNING WILDMANOWAR的な勇壮さも感じさせる。
変拍子を使ったリズム面やアコースティカルな叙情も含め、曲展開もなかなか凝っていて、
やわらかな歌メロやトラッド的なメロディなどには聴くべき部分が多く、それがはまった曲は非常に出来がよい。
ずば抜けて上手くはないがヴォーカルの親しみやすい声質は好感が持てるし、
RHAPSODYのような派手さはないがじっくり聴き込むとこのバンドの良さが分かってくるだろう。
ドラマティック度・・9 疾走度・・8 エピック度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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THY MAJESTIE「ECHOES OF WAR」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ザイ・マジェスティの4曲入りミニ。2003作
2nd「HASTINGS 1066」からのタイトル曲に、日本盤ボーナス曲、1st「THE LASTING POWER」のブラジル盤ボーナス曲2曲という構成。
2ndの日本盤を持っている人にとっては、価値があるのは後半2曲ということになるが、(といっても3曲目は短いインストなので実質は1曲か)
やはりシンフォニックかつキャッチーなメロディでこの1曲のみを聴いてもクサメタル度が高い1stはマニアにお薦めだなあ、と思う。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 ミニだけど買い度・・7 総合・・7

THY MAJESTIE「Jeanne D'arc」
イタリアのエピック・シンフォニックメタルバンド、ザイ・マジェスティの3rd。2005年作
傑作だった前作に続き、今作も歴史もの、フランス伝説の聖女、ジャンヌ・ダルクをテーマにしたコンセプト作だ。
このバンドの場合、たとえばRHAPSODYのようなぱっと聴きの壮大華麗さはないのだが、
その分シリアスでシアトリカルな、より映画的な奥行きとドラマ性を感じさせるのがポイント。
そして全体的には、今回はより疾走感とメロパワ風の勢いが感じられ、メロディックメタルとしての明快さと、
ストーリー性を同居させることに成功している。ときにチャント風のコーラスが荘厳に響き、戦いの場面では勇壮なコーラスと、
曲ごとに物語は進行してゆき、聴き手である我々を英仏百年戦争の一場面へといざなってくれる。
Voが交代して、前任者の甘い声質が好きだったのでやや残念だが、アルバムのクオリティには影響なし。
悲劇の乙女ジャンヌ・ダルクの運命を最後まで描ききった力作。これはまさにストーリーメタルである。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 物語度・・10 総合・・8.5
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THY MAJESTIE「DAWN」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ザイ・マジェスティの4th。2009年作
前作、前々作と、歴史上の史実をコンセプトにした壮大な作風のエピックメタルを作り上げ、
イタリアンメタルの中でもRHAPSODYに続く存在と、大いに評価しているこのバンド。
本作は具体的なコンセプトはないようで、これまでの重厚なサウンドを想像していると
やや拍子抜けする。ヴォーカルが交代していることもあってか、軽めのメロスピ的な質感が増し
ドラマティックな壮大さではなく、やわらかなメロディで聴かせるサウンドへと変化している。
これまでにない軽やかなシンセとメロディアスなギターワークなどが耳につくが、
彼ららしい壮麗なコーラスワークも随所に聴かせてくれる。全体的なクオリティはやはり高いのだが、
イタリアというよりも北欧のバンドのように綺麗にまとまったこの音は、やはりちょっと物足りない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・8
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Thy MajestieShiHuangDi
イタリアのシンフォニックメタル、ザイ・マジェスティの2012年作
これまでも、ヘイスティングスの戦いやジャンヌダルクなどをテーマに、ドラマティックなエピックメタルを描いてきたこのバンド、
5作目となる本作は、秦の始皇帝を題材にした壮大なコンセプトアルバムとなった。壮麗なイントロから、
クワイア入りのシンフォニックなアレンジとともに、このバンドらしい雄大なドラマ性を感じさせるサウンドが楽しめる。
CRIMSON WINDでも活躍する新加入のヴォーカルは中音域で歌い上げるなかなかの実力者で、バンドの世界観によくマッチしている。
随所に聴かせるきらびやかなシンセとギターの掛け合いなどはこれまでにはなかった感触で、楽曲におけるメロディの充実ぶりも嬉しい。
全体的に疾走感は物足りないが、アレンジのセンスを含めて完成度の高さはさすがだ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・6 壮大度・・8 総合・・8
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THY SHADE 「THE LAST GOODBYE」
アメリカのシンフォニックメタル、ザイ・シェイドの2016年作
女性シンガーと男性マルチミュージシャンの二人組で、巧みなギターに美麗なシンセアレンジ、
美しいソプラノ女性ヴォーカルで聴かせる、わりと王道のシンフォニックメタルのスタイル。
Nightwish風の優美なナンバーから、キャッチーに疾走する、Edenbridgeあたりに通じる雰囲気もある。
Diana Shade嬢の歌声は艶やかなソプラノで、クラシカルなメロディの曲にもよくマッチしていて、
メロスピ風の疾走ナンバーでも、メタリックになり過ぎない優雅な聴き心地。全体的には新鮮味は薄いが、
オペラ曲のカヴァーなどもじつに典雅で、美しい女性声が好きな方ならじっくり楽しめるだろう。
シンフォニック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Thy Symphony 「All New Beginning」
ブラジルのシンフォニックメタル、ザイ・シンフォニーの2013年
2009年にデビューし、2作目となる。メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、
美しいソプラノ女性ヴォーカルと男性声を乗せた、壮麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
曲によってはアグレッシブに疾走するパートとともに、緩急ある展開力と適度に粗削りのマイナー感もあって、
クラシカルな優雅さとのコントラストになっている。紅一点、Karina嬢の歌声はなよやかなソプラノと
ハイトーンを使い分けていて、線は細いがなかなか魅力的。全体的には、ギターサウンドよりもむしろ
シンフォニックなオケアレンジが前に出ていて美麗な聴き心地。15分の大曲含む、全76分の力作です。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TIERRA SANTA 「MEDIEVAL」
スペインのメタルバンド、ティエラ・サンタの1st。1999年作
スパニッシュメタルとしてはすでに中堅の部類にあるこのバンド、
このデビュー作においては後のサウンドのようなパワフルさはまだなく、
もったりとしたイモ臭さがあるのだが、かえってそこが魅力にもなっている。
ギターの田舎臭いフレーズもいいが、なにより巻き舌のスペイン語ヴォーカルが素晴らしく、
「これぞスパニッシュ」というコテコテ感がマニアにはたまらないだろう。
クサメロ度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・9 総合・・7.5
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TIERRA SANTALegendario
スペインのメタルバンド、ティエラ・サンタの2nd。1999年作
スペイン語の暑苦しいまでの歌声と、正統派にこだわり抜いたツインギター、勇壮な世界観と、
ときに叙情的なやわらかさも聴かせる、まさにスパニッシュ・エピックメタルというべき作品だ。
メロディアス度・・8 エピック度・・8 スペイン度・・9 総合・・7.5
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Tierra SantaTierras de Leyenda
スペインのメタルバンド、ティエラ・サンタの3rd。2000作
なにやら勇壮なコーラスと馬のいななきと馬蹄の音で幕を開け、曲が始まると
スペイン版IRON MAIDENというべき正統派のメタルサウンドが炸裂。うっすらとしたシンセをバックに、
哀愁漂うスペイン語の熱き歌声と、王道のメタルリフで疾走するスタイルだ。
硬質さとメロディのバランスがよく、スパニッシュメタル初心者でも聴きやすいバンドだろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 スペイン度・・8 総合・・7.5
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TIERRA SANTASangre de Reyes
スペインのメロディックメタルバンド、ティエラ・サンタの4th。2001年作
スペインのメイデンともいうべきこのバンド、今作もツインギターのメイデン風リフとともに軽快に疾走だ。
スパニッシュで歌われる歌唱とともに、濃いめのコテコテメロディで、この暑苦しさは漢メタラーには大満足だろう。
ただ、曲にヒネリがないというか、分かりやすいというか…個人的には少しスタイリッシュになった次作の方が好みであるが。
熱きメタル魂のはじけっぷりは見事だし、哀愁ただようバラード曲などもなかなかのもの。スパニッシュメタル入門用にはうってつけ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スペイン度・・9 総合・・7.5
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TIERRA SANTAIndomable
スペインのメロディックメタルバンド、ティエラ・サンタの5th。2003作
以前に見たDVDでは、荒々しいメタル魂でサウンドもメイデン丸出しな感じだったが、
このアルバムにおいては演奏はかっちりとしていて、むしろ音はきれいな感じだ。
のっけからのツインギターの熱きメロディックリフにはガッツポーズをする者も多いだろう。
そこに乗るスペイン語の歌唱もどこかに哀愁を漂わせていて、サビでのキャッチーさもたまらない。
メイデン風のギターワークに、バックにはうっすらとキーボードで音の厚みもばっちり。
これは過去作も探してみる価値ありですな。これぞスペインのドラマティックメイデン!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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TIERRA SANTA 「Apocalipsis」
スペインのメロパワバンド、ティエラ・サンタの6th。2004作
スペイン版IRON MAIDENともいうべきパワフルなサウンドで、正統派のメロディックメタルを聴かせるこのバンドだが、
本作では、哀愁溢れる叙情に磨きをかけたメロディアスな雰囲気が増している。
シンセ入りのキャッチーな質感は、これまでのバワフル路線からすると軟弱になったという見方もあるだろうが、
ツインギターの魅力は残っているしスパニッシュらしい叙情もしっかりあるので個人的にはこれで問題はない。
むしろMEDINA AZAHARAなどのように、プログレハード的な聴き方もできるようになったことで、より広くアピールする内容だろう。
メロディアス度・・8 メロパワ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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TIERRA SANTA「Mejor Morir En Pie」
スペインのメロパワバンド、ティエラ・サンタの2006年作
1999年にデビューしてから7作目。スペイン語の歌声で聴かせる正統派のメタルサウンドに
哀愁をからませたメロディアスな作風は、前作あたりからよりキャッチーになってきている。
シンセによる味付けもより叙情的になり、スペイン版メイデンというような初期の雰囲気よりも
ぐっと落ち着いてきているのは確か。大人になった音作りはパワフルな勢いは薄れたものの、
メロディックな完成度の点ではむしろ上がってもいる。これぞ哀愁のスパニッシュメタル!
メロディアス度・・8 メロパワ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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TIERRA SANTA「1997-2007」
スペインのメタルバンド、ティエラ・サンタのベストアルバム。2007作
1997年にデビューして、2007年までに出した7枚のアルバムからCD2枚に14曲を収録。
ツインギターの奏でるメロディに、うっすらとしたシンセとともに疾走するサウンドは
スペインのIRON MAIDENという雰囲気であるが、スパニッシュ特有のヴォーカルの節回しが
より熱い濃密さを伝えてくる。メロディにはドラマティックでエピカルな雰囲気があるのもいい。
あらためて聴いてみても、1stの頃から楽曲、演奏のクオリティはなかなか高かったのだと感心。
ボーナストラックに新曲3曲、DVDにはこれまでのビデオクリップをすべて収録。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 濃密スパニッシュ度・・9 総合・・8
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TIERRA SANTA「Caminos De Fuego」
スペインのメロディックメタル、ティエラ・サンタの2011年作
1999年にデビューしてから、これぞスパニッシュメタルという正統派のサウンドを続ける中堅バンド。
近作は初期のメイデン路線から、しだいにやわらかみのある作風へとシフトしてきていたが、
本作もツインギターの叙情性とスペイン語によるヴォーカルで、質の高いメロディックなHR/HMを聴かせてくれる。
オルガンの音色なども含んだ古き良きHR風味もあり、激しさはないがむしろゆったりと楽しめる好作品となっている。
メロディック度・・8 叙情度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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Tierra Santa 「Mi Nombra Sera Leyenda」
スペインのメタルバンド、ティエラ・サンタの2013年作
1999年にデビュー、いまやSARATOGAと並ぶベテラン。本作はおそらく、9作目か10作目だろう。
初期のパワフルな正統派路線から、2004年作以降はゆったりとした叙情を増してきたが、
本作もうっすらとしたシンセアレンジに、スペイン語の歌声を乗せたキャッチーなサウンドを聴かせる。
ツインギターの叙情メロディとともにミドルテンポの曲を中心にした作風で、随所にメイデン的な感触も含ませる。
あまり激しさはないがベテランらしい落ち着いた味わいに包まれた、メロディックなスパニッシュHRの好作だ。
メロディック度・・8 落ち着き度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8



Tierra Santa 「Esencia」
スペインのメタルバンド。ティエラ・サンタの2014年作
デビューからすでに15年、アルバムも10作を数えるキャリアのあるスパニッシュメタルバンド。
本作は過去の楽曲を再録したDisc1と、アコースティックバージョンを収録したDisc2という2枚組。
ツインギターによるメイデンルーツの正統派スタイルに、スペイン語のヴォーカルとシンセを含んだ
濃密な聴き心地であるが、サウンドにはどこか優雅なやわらかさがあるのがこのバンドの特徴だろう。
耳なじみのよいキャッチーな感触と、キャリアに裏打ちされた確かな演奏力が合わさった一級のサウンド。
アコースティカルな哀愁に包まれたDisc2もよい感じだ。大御所MEDINA AZAHARAに続くのは彼らだろう。
メロディック度・・8 スパニッシュ度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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TIERRA SANTA「LAS MIL Y UNA NOCHES」
スペインの正統派メロディックメタルバンド、ティエラ・サンタのライブDVD。2004作
まさにスペイン版IRON MAIDENというべきライブサウンド。モロにリフがメイデンそっくりなものもあるし、
音の端々から彼らがその偉大なバンドに多大な影響を受けていることが分かる。
昨今流行りのメロスピ路線ではなく、正統派のメタルサウンドが基盤だが、
キーボードの導入はサウンドにドラマテイックさ助長しているし、個性的なスペイン語の歌唱は、
やはりインパクトは大きい。全18曲収録。スパニッシュメタル入門用にも最適。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 スパニッシュ度・・10 総合・・7
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Tigersclaw 「Force Of Destiny」
ドイツのシンフォニックメタル、タイガースクローの2019年作
2017年にデビューし、2作目となる。メタリックなギターに美麗なシンセを重ね、美しい女性ヴォーカルの歌声を乗せて、ほどよい疾走感のある壮麗なサウンド。
なよやかなソプラノと伸びやかなストレートヴォイスを使い分ける、Elena嬢の表現力もなかなかのもので、Nightwishのフロール・ヤンセンにもひけをとらない。
楽曲的には、疾走ナンバーから、スローテンポまで幅広いのだが、もう少しメロディのフックや盛り上がりが欲しいか。
全15曲、73分という長さなので、全部聴くにはちょっと大変。ヴォーカルが良いので、楽曲の質を向上していただきたい。
シンフォニック度・7 壮麗度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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TIMELESS MIRACLE「INTO THE ENCHANTED CHAPTER」
スウェーデンのメロスピバンド、タイムレス・ミラクルの1st。2005年作
バンド名からネオクラ系かと思ったが、キャッチーなメロディで疾走しまくりの正統派のクサメロスピです。
Voの声質がハイトーンでもなく、かといってメロウな中音域でもない微妙なタイプなのが好みを分けるかもしれないが、
テクニカルなものをあまり追い求めず、とにかくクサメロ入れて、分かりやすい音楽にしようという感じには好感が持てます。
ややコテコテなキーボードのエセシンフォニックさも欠かせぬ要素だし、曲によってはヴァイキングががった雰囲気があるのも美味しい。
ラストには14分の大曲にも挑戦していて、メンバーの意気込みもばっちり。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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TIME REQUIEM
スウェーデンのネオクラシカルメタルバンド、タイム・レクイエムの1st。2002作
個人的にはこの手のいわゆる「ネオクラシカル」なプレイを売り物にした多くのバンド群の大半は
テクニックだけで進歩のない音楽としてとらえているし、聴いていてさして高揚感も沸かないのだが、
MAJESTICを前身とするこのバンドのサウンドは、お約束のギターとシンセによる高度なユニゾンプレイ、
高速アルペジオなどを売り物にしているのは変わらないが、そこにプログレ的なテクニカル性を加味している。
やはり目新しさは感じないし、正直この手のネオクラには飽き飽きなのだが、それでもここまでやれば立派…
というかサウンドに隙がなく、濃すぎるほどに濃いという点では評価せざるを得ないという。笑
メロディアス度・・8 ネオクラ度・・9 濃密コテコテ度・・9 総合・・8
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TIME REQUIEM「The Inner Circle of Reality」
スウェーデンの鍵盤魔神リチャード・アンダーソン率いるタイム・レクイエムの2nd。2004作
前作ももたれるほどに濃密な作品だったが、今作も流麗かつクラシカルなシンセをメインに
テクニカルな展開力でぐいぐいと聴かせる質の高いサウンドだ。
7分、11分という大曲志向とともに、メタリックな疾走感ときらきらとしたシンセワークで
隙間を埋めるような緻密な演奏を繰り広げている。正直この手の音にはもう面白みは感じないが、
派手やかなネオクラシカルメタルが好きならば手を出して損はないだろう。
ネオクラ度・・9 疾走度・・7 新鮮度・・6 総合・・7.5
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TIMESTORM「SHADES OF UNCONSCIOUSNSS」
イタリアのシンフォニックメタル、タイムストームの2000年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、マイケル・キスクを思わせる(そこまで上手くはないが)ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する
初期のLABYRINTHにも通じるシンフォニックメタル。きらびやかなシンセワークとリズムチェンジや変拍子など
ProgMetal的な展開美も随所に覗かせつつ、サビのコーラスなどはガンマ・レイのごとくキャッチ―だ。
イタリアというよりは、むしろジャーマンメタルのキーボード入りという感じもあって、B級のクサメロ感がたまらない。
ヴォーカルの歌唱により説得力が加わり、メロディのフックに磨きがかかれば、一線級のバンドになれるかもしれない。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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TIMO TOLKKI「HYMN TO LIFE」
STRATOVARIUSのリーダー、ティモ・トルキのソロアルバム。2002作
このソロ作の方はメタル度はかなり抑え目で、ティモ自身が商業ベースを意識せず
力を抜いて楽しんでいるような、そんな雰囲気のアルバムである。
シンフォニックなキーボードに、久しぶりに聴かせる自身のヴォーカル、それにマイケル・キスク
シャロン・デン・アデル(WITHIN TEMPTATION)をゲストに迎えたメロディアス・シンフォ・ロック作品で、
似たりよったりのストヴァリサウンドに食傷ぎみの私としては、こういうゆったりとした作品は意外と楽しめる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5

TIMO TOLKKI「SAANA - WARRIOR OF LIGHT PT 1」
STRATOVARIUSティモ・トルキのソロ作。2008年作
STRATOVARIUSの活動に区切りをつけたティモ・トルキは、Revolution Renaissanceを立ち上げたが、
本作はそれとは別に、彼が長年温めていた構想を作品化したクラシカルなロックオペラである。
サーナという女性のたどるストーリーを軸に、、シンセによる美しいアレンジと、男女ヴォーカルの歌声を中心に、
しっとりと聴かせるクラシカルなサウンドだ。メタル色はほとんどなく、むしろティモ・トルキという人間の繊細な内面を描いた
スピリチュアルなイメージがゆるやかに溢れだす。ときに東洋的なメロディや自然との融合を感じさせるSEなど、
ヒーリング音楽的な感触も耳に優しい。サーナの役をこなすジェニファー嬢の清らかでオペラティックな歌声も素敵です。
シンフォニック度・・8 メタル度・・2 女性Vo度・・8 総合・・8
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Timo Tolkki's Avalon「The Land of New Hope」
ティモ・トルキによるニュープロジェクト、アヴァロンの2013年作
SYMPHONIAが1作かぎりでたち消えとなって、どうなるのかと思っていたら、案外めげないティモ先生、
AVANTASIAに負けじと豪華ゲストを多数揃えたメタルオペラ・プロジェクトがここに完成。
ラッセル・アレン(SYMPHONY X)、ロブ・ロック(Impellitteri)、トニー・カッコ(SONATA ARCTICA)、
シャロン・デン・アデル(WITHIN TEMPTATION)、エリゼ・ライド(AMARANTHE)、マイケル・キスクが参加、
実力ある男女ヴォーカルの歌声で聴かせる楽曲は、ミドルテンポを中心にした比較的正統派のサウンドで、
これという新鮮さはないものの、曲によってははかつてのストラトを思わせるような部分もあって、
トルキのファンなら充分楽しめる。10曲中6曲に参加しているエリゼ嬢の活躍ぶりも作品の華をになっている。
ドラマティック度・・8 壮大度・・7 ファンタジック度・・8 総合・・8

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Timo Tolkki's Avalon「The Land of New Hope」
ティモ・トルキによるシンフォニックメタルプロジェクト、アヴァロンの2014年作
2作目となる本作では、メインヴォーカルにNightwishのフロール・ヤンセンが参加、さらにはファビオ・リオーネをはじめ、
シモーネ・シモンズ(EPICA)、ザック・スティーヴンス(CircleUCircle)、デイヴィット・ディフェイス(Virgin Steele)など、
多数のゲストヴォーカルが参加し楽曲を彩っている。シンフォニックなアレンジで壮麗に描かれるサウンドは
前作からの延長線上であるが、本作はよりオーセンティックな、もっというと90年代的な聴き心地がするのは、
かつてのSTRATOVARIUSの初期メンバーであるドラムとシンセが参加していることもあるかもしれない。
フロール・ヤンセンの伸びやかなヴォーカルを乗せたメロディックなナンバーや、ファビオ・リオーネの歌を乗せた
昔のストラトを思わせるナンバーなど、むしろ90年代のオールドリスナーの方がより楽しめる作風かもしれない。
シンフォニック度・・8 昔のストラト風度・・8 壮麗度・・8 総合・・8 
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Timo Tolkki's Avalon「Return To Eden」
ティモ・トルキによるシンフォニックメタル、ティモ・トルキズ・アヴァロンの2019年作
3作目の本作は、SECRET SPHEREのギターとベースをメンバーに迎え、RIOT Vのトッド・ミッチェル・ホールをはじめ、
アネク・ヴァン・ガースバーゲン、TRISTANIAのマリアンジェラ・デムルタス SAVATAGEのザッカリー・スティーヴンス、
ELEGYのエドゥアルド・フォヴィンガといった名うてのシンガーが参加。イントロに続くのはネオクラシカルなギターに
きらびやかなシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せて疾走する、かつてのSTRATOVARIUSを彷彿とさせるナンバー。
その後もケルティックな旋律を取り入れたキャッチーなミドルテンポや、アネクの歌うゆったりとした優美な叙情ナンバー、
中庸のミドルテンポ曲など、強いインパクトはないものの、わりと普通に楽しめる。個人的にはストラト的な疾走曲よりも、
女性声による優雅なシンフォニックナンバーの方に魅力を感じるので、さらにスケールの大きなメタルオペラを期待したい。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 優美度・・8 総合・・8 
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TITANIUM
ポーランドのメロディックメタル、チタニウムの2014年作
PATHFINDERのギター、キャロル・マニアを中心にしたバンドで、ツインギターにシンセアレンジと
ハイトーンヴォーカルを乗せ、キャッチーなメロディで聴かせる正統派のメロパワスタイル。
適度にモダンな硬質感を含んで疾走するサウンドは、初期〜中期のSONATA ARCTICAや
現在のSTRATOVARIUSにも通じる雰囲気で、随所にパスファインダーのようなエピックな香りもある。
これだというインパクトや新鮮さはないのだが、安心して聴ける高品質なメロディックメタル作品です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Titanium 「ATOMIC NUMBER 22」
ポーランドのメロディックメタル、チタニウムの2016年作
PATHFINDERのキャロル・マニアを中心にしたバンドの2作目。前作同様にシンフォニックなシンセアレンジに、
ツインギターの叙情メロデイとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、美麗なメロディック・スピードメタル。
サビの歌メロでキャッチーな爽快感はDRAGONFORCEばりで、クサメロ好きならばニンマリだろう。
北欧のバンドのようなきらびやかな感触と、繊細な叙情性が合わさって、AQUARIAの1stあたりにも通じる
メロスピの理想形ともいうべき聴き心地である。ミドルテンポのナンバーも、かつてのSTRATOVARIUS
SONATA ARCTICAを思わせる感触で、随所にピロピロなギターも奏でながら、あくまで美しい叙情に包まれている。
楽曲におけるシンフォニックな華麗さは前作以上で、メロディのフックの充実ぶりも含めて傑作と言う他にない。
メロディック度・・9 疾走度・・9 壮麗度・・9 総合・・8.5
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TOTAL
ブルガリアのメタルバンド、トタールの2014年作
1988年から1993年にかけて活動していたバンドで、1990年に社会主義からの脱却を果たした
ブルガリアの経済混乱期の中でレコーディングされた作品が20年以上の歳月をへてCD化された。
しっかりとメタリックなツインギターと、母国語によるヴォーカルで聴かせるサウンドは、
随所にメロディックな叙情とキャッチーなフックを含みながら、どっしりとした重厚さに包まれている。
社会的なメッセージ性をともなった歌詞は、ある部分でOrphaned Landなどにも通じる、
切なる悲哀のこもった地域性を感じさせ、それがサウンドと世界観に説得力をもたらしている。
テクニックのあるギターの旋律に、ときにハイトーンも聴かせる味わいのあるヴォーカルを乗せ
知的な展開美とともにドラマティックに構築される楽曲は、激しくも濃密な空気を描きながら
年月を超えて多くのリスナーに知られるべき強固な存在感に満ちている。まさに辺境的な力作。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 辺境度・・8 総合・・8

TOTAL 「II」
ブルガリアのメロディックメタル、トタールの2016年作
1988年に結成、社会主義からの脱却のプロセスの中、正規の作品を残さないままにバンドは活動を停止、
2014年になって、ようやく実質的な1stというべき作品がCD化されていたが、本作はそれに続く2作目の未発音源集である。
本作の音源は1991〜92年に録音され、当時のメンバー、コンスタンティン・ジャンバゾフの手で新たにマスタリングされている。
きらびやかなシンセアレンジにブルガリア語のハイトーンヴォーカルを乗せたメロディアスな正統派HR/HMを主体に、
随所に辺境的な哀愁を含んだプログレッシブな要素も見え隠れする。ときにネオクラシカル風の流麗なギターも覗かせつつ
古き良きHRの感触を残したキャッチーなメロディアス性が融合された楽曲は、確かな演奏力も含めて未発音源とは思えないクオリティだ。
やや唐突なテンポチェンジを含んだ展開力には、バンドの知的なセンスが垣間見え、歌詞が母国語であることを除けば、
マイナーなB級臭さというものはほとんど感じない。激しく疾走するスピードメタル的なナンバーやシンフォニックなプログレメタル風味、
そしてクサメロ入りのメロスピ的なラスト曲まで、濃密な味わいで楽しめる力作と言ってよいだろう。ブルガリアン・メタルの入り口にぜひ。
メロディック度・・8 重厚度・・8 辺境メタル度・・8 総合・・8
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Tragedian 「Dreamscape」
ドイツのメロディックメタル、トラジェディアンの2008年作
正統派のギターに美麗なシンセを重ね、パワフル過ぎないハイトーンヴォーカルで聴かせる、
キャッチーなメロディックメタル。ほどよくマイナーな香りとクサメロ感を含んだサウンドで、
きらびやかなシンセアレンジはシンフォニックメタル的でもある。ミドルテンポを主体に随所に疾走パートもあり、
フックのあるメロディの流れは良い感じであるが、突き抜けそうで突き抜けきらないという、もどかしさも。
オールドスタイルのジャーマンメタルをルーツに、シンフォニックな味付けを加えたB級メロパワの好作だ。
メロディック度・8 疾走度・7 クサメロ度・8 総合・7.5
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TRAGEDIAN 「SEVEN DIMENSIONS」
ドイツのメロディックメタル、トラゲディアンの2021年作
2008年にデビューし、4作目となる。王道のギターリフにシンセを重ね、ハイトーンヴォーカルとともに疾走する
オールドスタイルのジャーマン・メロディック・スピードメタルを聴かせる。ほどよいB級のマイナー臭さと
キャッチーなクサメロ感は、NOT FRAGILESEVENTH AVENUEあたりのファンならニンマリだろう。
ギターソロでの、どこか外れたようなセンスのなさも、ダサめの味わいになっていて、なんだか憎めず、
CRIMSON GLORYのウェイド・ブラックがヴォーカル参加した疾走メロスピナンバーなども胸熱だ。
ラスト曲にはSAVATAGEのザッカリー・スティーヴンスがゲスト参加。クサメロジャーマン好きはぜひ。
メロディック度・8 疾走度・8 クサメロ・ジャーマン度・8 総合・8
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TRAITORS GATE 「FALLEN 」
イギリスのメタルバンド、トライトース・ゲートの2018年作
1985年にEPを1作残して消えたバンドが再結成し、33年の年月を経て初のフルアルバムを完成させた。
キャッチーながら英国らしいウェットな味わいと、ほどよいマイナー感覚を残したかつてのサウンドの延長で、
オールドなギターにパワフル過ぎないハイトーンヴォーカルを乗せ、80年代ルーツのブリテイッシュメタルを聴かせる。
随所にメロディックなギターも覗かせながら、ANGEL WITCHあたりに比べると、正統派寄りの聴きやすさがあって、
わりと一般のリスナーにも普通に楽しめるだろう。ミドルテンポ主体で、疾走感はさほどないのが地味な印象だが、
ほどよくスカスカな古き良きメタルサウンドは耳疲れしない。オールドスタイル好きのメタルリスターはチェックです。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Trans-Siberian Orchestra 「Christmas Eve and Other Stories」
アメリカのロックオペラ・プロジェクト、トランス-シベリアン・オーケストラの1996年作
SAVATAGEのポール・オニール、ジョン・オリヴァを中心にしたロックオペラ・プロジェクトで、
クリスマスをテーマにした幻想的なハードロック作品。適度にハードなギターとピアノやシンセ、
朗々としたヴォーカルで聴かせる、ロックバラード的な曲調にクリスマス的なメロディを盛り込んでいる。
ゆったりとしたナンバーが多いので、いわばSAVATAGEのバラード集的な感じもあるのだが、
シンフォニックでキャッチーな感触は、メタルリスナー以外にも楽しめるような聴き心地である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 サバタージ度・・8 総合・・7.5
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Trans-Siberian Orchestra 「The Christmas Attic」
トランス-シベリアン・オーケストラの1998年作
本作もタイトル通り、クリスマスをテーマにした作品で、美しいピアノにマイルドなヴォーカルを乗せたナンバーや
シンフォニックなアレンジで聴かせるインストナンバーなどを収録。クラシックの有名曲のフレーズを盛り込んだり、
サウンドにはキャッチーなメロディアス性があるので、メタルリスナーでなくても楽しめる作風。
ときに女性ヴォーカルのナンバーもあったりして、叙情的で優美な感触もよいのだが、
反面、重厚なドラマティック性は希薄なので、ややBGMになりがちかもしれない。
ロックリスナー向けのクリスマスアルバムということだろう。アメリカではかなりの人気らしい。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 サバタージ度・・7 総合・・7.5
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TRANS-SIBERIAN ORCHESTRA「BEETHOVEN'S LAST NIGHT」
SAVATAGEのメンバーらによるプロジェクト、トランス・シベリアン・オーケストラの2000作
ベートーベンをモチーフにしたロックオペラ作品で、随所にクラシックの名曲が散りばめられている
のっけから「月光」「運命」などが続き、ベートーべンの最後の夜の物語が始まってゆく。
ジョン・オリヴァ、ポール・オニールが中心人物なので楽曲にはSAVATAGEを思わせる部分が多いが
それ以上に壮大で、多数のゲストや合唱団を組み込んだクラシカルなサウンドである。
誰でも聴いたことがあるベートーべンの名曲のメロディが頻繁に顔を出し、クラシック好きにも楽しく
また重厚でゴシックメタル的な色合いもあって、ドラマティックメタルとしてもなかなかの出来。。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 ベートベン度・・9 総合・・8
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TRANS-SIBERIAN ORCHESTRA 「Letters From the Labyrinth」
アメリカのロックオペラプロジェクト、トランス-シベリアン・オーケストラの2015年作
SAVATAGEのポール・オニール、ジョン・オリヴァを中心にしたロックオペラ・プロジェクトで、
クリスマスシーズンになるとチャートインするという、アメリカではけっこうな人気を誇っている。
本作に関しては、とくにクリスマスとは関係ないようだが、ファンタジックなストーリに基づいた作品で、
オーケストラルなアレンジに壮麗な男女コーラスを乗せたイントロ曲は、RHAPSODYあたりを思わせる。
その後は、SAVATAGEのような正統派メタルに、はげ山の一夜などのクラシックのフレーズを融合した感触で、
シンフォニックなインスト曲も挟みながら、配役ごとに当てられたヴォーカル曲ではジェフ・スコット・ソート、ラッセル・アレンなどが参加。
全体的にはメタルとして聴くにはやや弱いのだが、女性ヴォーカルによるバラード曲なども含めて、じっくり鑑賞できる。
ドラマティック度・・8 メタル度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5
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TRAXILIUM 「Contra El Abismo」
スペインのメロディックメタル、トラキシリウムの2016年作
クサメロなツインギターにパワフル過ぎないスペイン語のヴォーカルを乗せてライトに疾走する
AVALANCHなどにも通じる、古き良きスタイルの正統派スパニッシュ・メロパワサウンド。
いくぶんユルめのギターの旋律には、どことなくアマチュア臭さも漂わせつつも、
あくまでメロディックな正統派メタルにこだわる姿勢は嫌いではない。全体的に中庸な感じなので、
今後はこのバンドならではのインパクトある展開やメロディをもっと増やしていってもらいたい。
メロディック度・7 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・7
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TRIAL 「VESSEL」
スウェーデンのメタルバンド、トライアルの2015年作
ツインギターを含む5人編成で、古き良き80年代の正統派メタルの雰囲気を基本に、
IN SOLITUDEのようなミステリアスな世界観を感じさせる、湿り気を帯びたサウンドを聴かせる。
ゆったりとした部分はCANDLEMASSなどのエピックドゥーム風味もあり、ハイトーンヴォーカルを乗せた疾走感に、、
かつてのKING DIAMONDのようなシアトリカルな感触も含ませた、なかなか濃密な聴き心地である。
ツインギターによる重厚なリフとメロディックなフレーズのバランスもよろしく、緩急のある楽曲展開もドラマティック。
往年の雰囲気を感じさせるトラディショナルメタルが好きな方なら、非常に楽しめる傑作といえるだろう。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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TRIAL 「Motherless」
スウェーデンのメタルバンド、トライアルの2017年作
2011年にデビュー、本作は3作目。ツインギターのオールドなリフとウェットなフレーズに
ハイトーンヴォーカルを乗せて、適度な疾走感も含んだエピックな味わいの正統派メタルを聴かせる。
シアトリカルなヴォーカルの雰囲気も含めて、CANDLEMASSMercyful Fate化したような味わいで、
ほどよくメロディックなフックとともに、ドラマティックな展開力が楽しめる。いかにも80年代を思わせる
マイナーメタル的な空気感に叙情的なギターメロディを加えた、ダークなエピックメタルとしても魅力的。
激しく疾走するナンバーもどこか翳りを帯びた味わいで、9分を超える大曲をどっしりと構築する力量もある。
古き良き北欧系トラディショナル・メタル好きならば、たいへん満足できる強力な作品です。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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TRIARCHY 「SAVE THE KHAN」
イギリスのメタルバンド、トリアーキーの2015年作
70〜80年代にかけて活動、シングルのみで消えたバンドで、79年作「SAVE THE KHAN」、81年作「METAL MESSIAH」
2枚のシングルに加えて、80年代のデモ音源や未発表音源、95年再結成時のスタジオ音源を収録している。
バンドの特徴としてはツインギターに加えて、きらびやかなシンセアレンジ随所に加わっていて、
ときにリズムチェンジを含む展開力とともに、いくぶんプログレハード寄りのキャッチーな感触もある。
ヘタウマ感のあるヴォーカルはいかにもB級な雰囲気だが、NEOBHMのマイナーバンドに慣れている方には
とくに問題にはならないだろう。デモも含めて年代を考えれば音質も良好。往年のフルアルバム的に楽しめる。
ドラマティック度・・7 マイナー度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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TRIBUZYExecution
ブラジル人シンガー、レナート・トリビュジーのソロ作。2005作
無名のシンガーの作品ながらゲストがえらく豪華。ブルース・ディッキンソン、マイケル・キスクをはじめ、
ラルフ・シーパーズ、マット・シナー、デニス・ワードギターには、キコ・ルーレイロ、ロイ.Z、ローランド・グラポウ
といった面々が名を連ねる。サウンドの方はしごく正統派のメタルサウンドで、硬質感のあるリフで押しつつ、
間奏部の叙情パートでは、キコ・ルーレイロのやわらかなギターが鳴り響く。
肝心のレナートのヴォーカルも、高音を出しながらもパワフルで、見事な歌唱力だ。
全体的に曲調が似たりよったりなのと、曲が長めでややクドいところが惜しいが、
豪華ゲストの歌声やプレイを聴いて、それなりに楽しめる作品ではある。
メロディアス度・・7 正統派メロパワ度・・8 豪華ゲスト度・・9 総合・・7.5
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TRIBUZYExecution Live Reunion
ブラジル人シンガー、レナート・トリビュジーのプロジェクトバンドのライブ作。2007作
アルバム同様、演奏陣にキコ・ルーレイロ、ローランド・グラポウ、ロイ・Z、マット・シナー、
シンガーにはブルース・ディッキンソン、ラルフ・シーパーズといった超豪華ゲストが登場。
サウンド的には今どき珍しいくらいのじつに正統派のメロパワであるが、
実力ある演奏陣のプレイをバックに、トリビュジーのハイトーンヴォーカルもなかなかのもの。
ラルフの歌う曲はほとんどPRIMAL FEARに聴こえるなど、新鮮味の点ではいまひとつだが
これだけの豪華なメンツが一同に介するだけども凄いことだろう。
正統派度・・9 ライブ演奏・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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TRICK OR TREAT「Evil Needs Candy Too」
イタリアのメロパワバンド、トリック・オア・トリートの2006年作
2nd「Tin Soldiersで日本デビューを飾ることになるバンドのデビュー作。
ハロウィーンでの子供たちの合言葉「お菓子くれなきゃいたずらするぞ」から
バンド名をとっていることからも、HELLOWEENからの影響が大きいスタイルで、
ツインギターで疾走する、かつてのジャーマンメタルを彷彿とさせるサウンドだ。
ときにマイケル・キスクを思わせるヴォーカルの歌声と確かな演奏力で
パワフルかつメロディック、爽快な正統派メロバワを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 心はジャーマン度・・9 総合・・8
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TRICK OR TREAT「Tin Soldiers」
イタリアのメロスピバンド、トリック・オア・トリートの2009年作
もともとはHELLOWEENのカヴァーバンドであったらしいが、かつてのキーパーサウンドを
現在風に再現したような、キャッチーなメロディで疾走するメロスピサウンド。
マスケル・キスクとまではいかないハイトーンヴォーカルがいくぶんB級の香り漂うのだが、
そこも含めて、陽性メロディの愉快な疾走感覚を微笑ましく楽しめるような方にはオススメだ。
キャッチーなメロディアスハード風の曲もなかなか魅力的だったりする。爽快なメロスピ作。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 キーパー度・・8 総合・・8
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TRICK or TREAT「Rabbit's Hill Pt.1」
イタリアのメロディックメタル、トリック・オア・トリートの2012年作
本作は、ウォーターシップダウンのうさぎたちをテーマにしたアルバムで、
映画的な語りから始まり、ツインギターのクサメロとともに疾走開始、
ルカ・トゥリッリズ・ラプソディにも参加するアレッサンドロ・コンティのヴォーカルを乗せて
かつてのHELLOWEENばりにキャッチーに聴かせるスタイルはこれまで通り。
一方では牧歌的な小曲を織り込んだり、ミドルテンポでじっくり聴かせる曲もあって、
物語的な流れを描くように構築されている。曲ごとのインパクトはやや弱いのだが、
これまでにない重厚さを感じさせる力作である。ゲストにアンドレ・マトスが参加。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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Trick or Treat 「Rabbits Hill Pt2」
イタリアのメロディックメタル、トリック・オア・トリートの2016年作
「ウォーターシップダウンのうさぎたち」をテーマにしたアルバムの続編で、のっけから激しく疾走しつつ、
ツインギターの流麗なメロディとルカのラプソディでも活躍するアレッサンドロ・コンティの伸びやかな歌声を乗せ
爽快なメロディック・スピードメタルを聴かせる。アコースティックな小曲などをまじえたストーリー的な流れも感じさせつつ、
HELLOWEENを思わせるキャッチーなミドルテンポのナンバーなども含めて、メロディックなフックの佳曲が続きつつ、
ここぞと疾走するキラーチューンが炸裂。このサウンドの説得力はやはりヴォーカリストの実力によるところが大きいだろう。
Ancient Bardsのサラ・スクワドラーニ、元ICED EARTH、元イングヴェイのティム“リッパー”オーウェンズ、
SONATA ARCTICAのトニー・カッコなどがゲスト参加、それぞれに素晴らしい歌声を披露している。今回は傑作です!
メロディック度・・8 疾走度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8.5
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TRICK OR TREAT「RE-ANIMATED」
イタリアのメロディックメタル、トリック・オア・トリートの2018年作
2006年にデビュー、前作「Rabbits Hill Pt2」はバンドの最高作というべき傑作であったが、
本作はなんとアニメソングのカヴァー集。バットマン、サムライトルーパー、ドラゴンボール、鋼鉄ジーグ、ポケモン、
ふしぎの海のナディア、ダイターン3、デビルマン、北斗の拳、アナと雪の女王、聖闘士星矢など、ボーナスを含めて全20曲。
日本でもおなじみの作品ばかりながら、海外盤の主題歌を基にしているものは、曲としては知らないものも多いのだが、
キャッチーなメロディと陽性のヒーロー感がメタルサウンドと融合していて、わりと違和感なく楽しめる。
ロベルト・ティランティ(Labyriyth)、マーク・バジル(DGM)、ジャコモ・ヴォーリ(Rhapsody of Fire)、サラ・スクワドラーニ(Ancient Bards)
マルコ・パストリーノ(Temperance)、キアラ・トリカーコ(元Temperance)、ミケーレ・ルッピ(Secret Sphere)、ファビオ・デッシ(Arthemis)など、
イタリアンメタルを代表するシンガーがゲスト参加。日本からRakshasaのYuriが参加した「ペガサス幻想」、ボートラの「GET WILD」も熱い。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 アニソン度・・7 総合・・7.5 
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Trick or Treat「The Unlocked Songs」
イタリアのメロディックメタル、トリック・オア・トリートの2021年作
2006年にデビュー、いわゆるキーパーメタルというべき、HELLOWEENルーツのメロパワを聴かせるバンド、
本作は未発曲やリミックス、カヴァーなどによるコンピレーション作品。ゲームやアニメのカヴァー曲も含めて
わりとキャッチーなハードロックナンバーが多いのだが、ときにHELLOWEENを思わせるツインリードや、
Luca Turilli's Rhapsodyでも活躍するアレッサンドロ・コンティの伸びやかなヴォーカルで爽快なサウンドが楽しめる。
メタル的な激しさは控えめだがねラストはHELLOEENの名曲「I'm Alive」のライブ音源で、やっぱりこれだよねということで。
メロディック度・8 疾走度・7 パワフル度・7 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Trillium「Alloy」
女性シンガー、アマンダ・サマーヴィルを中心にしたのユニット、トリリアムの2011年作
マイケル・キスクとのデュオやAVANTASIAなどにも参加したことでも知られる実力派シンガーで、
サシャ・ピートがプロデュース、彼の片腕であるミロがシンセにアレンジを担当している。
サウンドの方は、アマンダの歌声をメインにした、ゴシック風味のハードロックという感じで、
EVANESCENCEなどにも通じるキャッチーさと適度なヘヴィさ、シンフォニックな叙情性もあって普通に聴きやすい。
全体的にしっとりとした薄暗い曲調であるが、ゴシックメタルというほどでもなく、楽曲のインパクトという点でも
いくぶん中途半端な気もするが、フィメールメタル好きのリスナーはどうぞ。ヨルン・ランデがゲスト参加。
メロディアス度・・7 ゴシック風HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Trillium「Tectonic」
シンフォニックメタル、トリリアムの2018年作
アメリカ人女性シンガー、アマンダ・サマーヴィルをフロントにしたユニットの7年ぶりとなる2作目で、
ゴシック風味のハードロックという印象だった前作に、シンフォニックな壮麗さを加えたという作風。
伸びやかなアマンダのヴォーカルは、EPICAやAVANTASIA、KAMELOTなどにも参加した実力通り、
オペラティックな美しさとパワフルな表現力で楽曲を彩っていて、モダンなヘヴィネスを感じさせる、
ゴシックメタル的なナンバーから、NIGHTWISHばりのキャッチーで壮麗なシンフォニックメタルまで、
それぞれの曲ごとに表情を変えてゆく素晴らしい歌声が楽しめる。楽曲は総じて4分前後とわりとシンプルで、
新鮮味というのはさほどないが、優れたシンガーによる壮麗なシンフォニックメタルの好作である。
シンフォニック度・・7 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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TRIOSPHERE「Road Less Travelled」
ノルウェーのメロパワバンド、トリオスフィアの2010年作。
GRIFFINのギタリストと、ベースも兼ねる女性ヴォーカルらによるバンドで、
ツインギターのフレーズで聴かせる正統派のメロパワサウンドをやっている。
女性Vo、イダ嬢の歌声はパワフルなハイトーンで、かつてのDARK MOORのエリサに近い。
ヘヴィなギターとキャッチーなメロディとともに、ときにメタルコア的な激しさを加えた楽曲は、
重厚でありつつも今風のバンドの勢いがあって、若いリスナーにも受けるだろう。
モダンさと古き良き正統派のバランスという点ではやはりGRIFFINに通じるものがある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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TRI STATE CORNER 「HERO」
ギリシャのメタルバンド、トライ・ステイト・コーナーの2018年作
現RAGEのドラマー、ヴァシリオス・マニアトプロスがシンガーを務め、元RAGEのクリスがドラムで参加するバンド。
メタリックなギターにパワフルなヴォーカルを乗せ、ギリシャの民族楽器であるブズーキの素朴な音色を加えた、
キャッチーなメタルサウンドを聴かせる。楽曲自体はわりとオーソドックスなハードロックであるが、
マンドリンに似たブズーキのトレモロの旋律などが、随所に素朴で異国的な情緒を感じさせている。
ゆったりとしたナンバーでは、エモーショナルのヴォーカルの歌声に、ブズーキのアコースティック感が合わさり、
大人の叙情ロックという感じでも楽しめる。楽曲は3〜4分前後とシンプルで、さらりと聴きとおせる好作です。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 優雅で素朴度・・8 総合・・8
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Troy(Троя)「Castle In the Air(Воздушные Замки)」
ロシアのメロディックメタル、トロイの2009年作
クサメロなギターフレーズに美しいシンセアレンジ、ロシア語によるヴォーカルで聴かせる
正統派スタイルのメロディックメタル。キャッチーなミドルテンポからメロスピな疾走曲もあり、
適度にパワフルで適度にユルい感じの、総じてクサメロ系な香りがぷんぷん。
完成度が高すぎない、いくぶんヘナチョコな感触もクサメタラー受けするだろう。
メロディック度・・8 クサメロ度・・8 ロシア度・・7 総合・・7.5

Troy(Троя) 「HYMN OF LOVE FAITH (имн веры в любовь)」 
ロシアのメロディックメタル、トロイの2012年作
3作目となる本作も、ロシア語のヴォーカルとともにキャッチーなメロディで聴かせる高品質なサウンド。
全体的にはミドルテンポの楽曲主体なので、疾走好きの方には少々物足りないかもしれないが、
バラードでのロシア語の独特の情感や、泣きのギターフレーズなどはとてもよい感じだし、
むしろメロディアスハード的もに楽しめる作品かもしれない。ラストの10分を超える大曲も聴きどころ。
メロディック度・・8 クサメロ度・・8 ロシア度・・8 総合・・7.5


TRUST X 「На Краю Вечности」
ロシアのシンフォニックメタル、トラスト・エックスの2011年作
壮麗なシンセをメタリックなギターに重ねたイントロから、ロシア語によるハイトーンヴォーカルとともに
ほどよい疾走感とクサメロの優雅なメロディックメタルを聴かせる。リズムチェンジを含む展開力や、
随所に叙情的なギターのフレーズもドラマティックな味わいになっていて、ProgMetalとまではいかないが、
コンセプト的なスケールの世界観を感じさせる。シンセとギターによるネオクラ風の旋律も覗かせるなど、きらびやかなメロパワとしても楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 構築度・8 総合・8
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Tuezmadar 「Almok」
ハンガリーのメロディックメタル、タズマダーの2007年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、メタリックなギターリフにきらびやかなシンセを重ね
母国語のパワフルなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワサウンド。メロディのフックもわりとクサメロ寄りで
ミドルテンポを主体にしつつ、随所に疾走するパートもあって、リズムチェンジなどの構築力もなかなかのもの。
美麗なシンセワークの叙情的なバラードなども良い感じで、ヴォーカルの力量も含めて演奏力もあるので、
この手の辺境系のメロパワとしては比較的クオリティは高い部類だろう。次作「Almok」も同様の好作品。
メロディック度・・8 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5

Tuezmadar 「Almok」
ハンガリーのメロディックメタル、タスマダーの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、適度にモダンかつヘヴィなギターとそこそこシンフォニックなシンセアレンジ、
そして母国語のヴォーカルで聴かせる、正統派のメロパワサウンド。いくぶんクサメロ気味のメロディアスさは
むしろAVALANCHなど、スパニッシュメタル系にも近い聴き心地で、辺境メタルが好きな方にはなかなか楽しめるだろう。
全体的な感触と演奏を含めたレベルは悪くないと思うので、今後は疾走系でゆくのかキャッチーな路線で行くのか、
バンドの方向性と個性がさらに磨かれれば、もうひとつステップアップできるだろう。
メロディック度・・7 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5
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TURBOKILL 「VICE WORLD」
ドイツのメタルバンド、ターボキルの2019年作
古き良きツインギターのリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、80年代スタイルの正統派メタル。
ギターもドラムも重すぎない感触で、随所にジャーマンメタルらしい疾走感も含んだサウンドは、
初期のENFORCERPORTRAITなどにも通じるだろう。楽曲は4分前後と比較的シンプルながら、
キャッチーなメロディアス性とともに、どの曲もツインギターの叙情フレーズが随所に魅力的で、
伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走するところは、RIOTなどのファンにも楽しめるだろう。
日本人好みの哀愁の叙情やクサメロ感も含んだ、オールドスタイルの期待の新鋭バンドですな。
メロディック度・・8 疾走度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Twilight Aura 「For A Better World」
ブラジルのメロディックメタル、トワイライト・オーラの2022年作
メタリックなツインギターにキュートな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、適度に疾走感のあるメロディックメタルを聴かせる。
爽快感のあるサビのメロディは、初期のHELLOWEENなどに通じる部分もあるが、激しすぎず重すぎないスタイルで、わりとライトに楽しめる。
ミドルテンポのキャッチーなナンバーから、しっとりとしたバラードでは、Daisa嬢の伸びやかな歌唱の魅力が光っている。
中盤には男性VoメインのHIBRIA風のナンバーもあるが、美しい女性声を乗せた軽やかなサウンドはなかなか耳心地が良く、ラストは10分を超える大曲で、GAMMA RAYをライトにしたようなクサメロと疾走感でニンマリ。
メロディック度・7 疾走度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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Twilight Force「Tales of Ancient Prophecies」
スウェーデンのメロディックメタル、トワイライト・フォースの2014年作
ファンタジー臭ぷんぷんのジャケからしてニヤニヤなのだが、サウンドの方もRHAPSODYばりの
美麗なシンセアレンジとけっこうパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、クサメロたっぷりに疾走。
随所に、SONATA ARCTICADRAGONLANDCARDIANTなどを思わせるきらびやかな楽曲は、
北欧系メロパワ、メロスピの良いところを集めたという感じで、クオリティ的にも最近ではかなり高い部類だろう。
壮麗なクワイヤなども含んだエピックなファンタジー性と、疾走するメロスピ要素が合わさった、
まさにこの手のファンにはたまらない方向性だろう。北欧メロパワに期待の新鋭が現れた。
メロディック度・・8 疾走度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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Twilight Force 「HEROES OF MIGHTY MAGIC」
スウェーデンのメロディックメタル、トワイライト・フォースの2016年作
前作もクサメロたっぷりの疾走メロパワの好作であったが、2作目となる本作もきらびやなシンセに、
伸びやかなヴォーカルとエピックなコーラスを乗せて疾走する、キャッチーかつ華麗なメロスピサウンド。
陽性のファンタジー色に覆われた雰囲気は、Power QuestDragonlandなどにも通じるかもしれないが、
こちらはより大仰でシンフォニック、クサいメロディを奏でるギターも含めた濃密さは天晴なほどである。
個性的な部分での新鮮さはさほど感じないが、この爽快な突き抜け方というのは、ファンには歓迎するところだろう。
10分を超える大曲も、とにかく壮麗でクサく盛り上げ、そしてどこまでもファンタジックという。
映画的なストーリー性も含めて、まるでRHAPSODYがメロスピ化したような濃密作ですわ。
シンフォニック度・・9 疾走度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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Twilight Force 「At The Heart Of Wintervale」
スウェーデンのメロディックメタル、トワイライト・フォースの2023年作
2013年にデビューし、4作目となる。きらびやかなシンセをギターに重ねて疾走、前作から加入の、アレッサンドロ・コンティの伸びやかな歌声で、壮麗なシンフォニック・メロパワを展開する。
サビでのクワイアを含んだ高揚感と、陽性のクサメロ感は、もはやこのバンドのお家芸である。
ストレートな疾走感と大仰なファンタジック性でたたみかけつつ、ときに優雅なピアノを取り入れたり、キャッチーなナンバーも織り込んで、10分を超える大曲では、緩急ある展開とシネマティックなスケール感に包まれて、RHAPSODYばりの濃密さでこれでもかと盛り上げる。
こいつらやべえ…ファンタジー厨だ、と失笑するも、ここまでやれば天晴というほかない。ブラストビート入りの激しい疾走も覗かせつつ、オーケストラルなアレンジに混声クワイアも含んだ、とにかくゴージャスな聴き心地。血沸き鼻つまむほどの華麗なるシンフォ・クサ・メロパワ傑作だ。
クサメロ度・9 壮麗度・9 ファンタジック度・9 総合・8.5 
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TWILIGHT GUARDIANS「Wasteland」
フィンランドのメロディックメタルバンド、トワイライト・ガーディアンズの2nd。2004作
1stはかなりイモ臭いB級メロスピだったが、この2ndは音にはややスケール感が増している。
どこかジャーマンメタルを思わせるクサメロで疾走しつつときにネオクラテイストを聴かせるギター、
バックにはシンフォニックなキーボードと、この手が好きなリスナーにはなかなか美味しいサウンドとなっている。
まだやはり音のどこかにモノマネ感があるのが残念。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7

TWILIGHT GUARDIANSGHOST REBORN
フィンランドのメロディックメタル、トワイライト・ガーディアンズの4th。2007作
デビュー作はクサメロのB級エピックメタル風だったが、アルバムごとに正統派に接近、
本作ではより普遍的な古き良きメロディックなハードロック風味を強めている。
オルガンの音色など、美しいシンセアレンジや随所にネオクラ調のギターフレーズも覗かせつつ、
北欧らしい叙情的な聴き心地は悪くない。楽曲に突き抜けた魅力がないのが残念。
メロディック度・・7 疾走度・・6 正統派度・・8 総合・・7.5
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TWILIGHTNING「DELIRIUM VEIL」
フィンランドのメロディックメタルバンド、トワイライトニングの1st。2003年作
昨今のありがちな疾走メロスピとはやや異なり、適度に骨太なサウンドは
楽曲、演奏ともに完成度が高く、アレンジのセンスなどもすでに新人離れしている。
疾走曲はあまり多くなく、どちらかというとノリよりは曲を聴かせるタイプのバンドだろう。
SONATA ARCTICAをやや正統寄りにしたという感じか。新鮮味は薄いのだが、
パワー、メロディ、スピードの巧妙なバランス感覚が心地よいサウンドである。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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TWILIGHTNING「PLAGUE-HOUSE PUPPET SHOW」
フィンランドのメロディックメタルバンド、トワイライトニングの2nd。2004作
1st「DELIRIUM VEIL」は、その新人らしからぬバランスのとれた完成度であったが、
続くこの2ndは、すでにもうメロスピではない。これはヘヴィメタルであり、良質のメロディックハードロックでもある。
無論日本向けに作ったという疾走曲もあるが、むしろミドルテンポのどっしりとした曲にこそ
良質のメロディとがつまっていて、メロスピ云々を超えて十分に楽しめるだけのクオリティがある。
北欧メタル的なキラキラとした部分と、ジャーマンメタル的な腰の据えた感じ、
そして現代的なアレンジセンスと演奏力とが備わった素晴らしいアルバムである。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 楽曲&演奏センス・・9 総合・・8
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TWILIGHTNING「Swinelords」
フィンランドのメロディックメタルバンド、トワイライトニングの3rd。2007作
前作からすでに脱メロパワの傾向はあったのだが、ここにきて疾走曲はおろか
メタルな質感すらもがだいぶん薄らいでいる。普遍的なロック性が増した、
といえばそれまでだが、ソナタの後継者的なデビュー作からすれば、えらい変化である。
楽曲の方はどことなくブルージーな質感もあり、メロパワファンにはなかなかつかみ所がないが
彼らのセンスの良さは所々に現れていて、こうしたモダンな要素が嫌いでなければまあ聴けるかと。
メロディアス度・・7 疾走度・・5 北欧・・7 総合・・7.5
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Twins Crew 「Northern Crusade 」
スウェーデンのメロディックメタル、ツインズ・クルーの2013年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、キャッチーなメロディと疾走感をもった正統派のスタイル。
かすれ気味のハイトーンのヴォーカルにツインギターの叙情メロディはHELLOWEEN的でもあったり、
きらびやかなシンセとともに疾走するところはSTRATOVARIUSっぽくもあったりと、
これという新鮮味はないのだが、総じてクオリティが高い。北欧らしい爽やかな聴き心地と
HAMMERFALLのようなエピックな雰囲気を融合させたドラマティックな好作品。今後にさらに期待。
メロディック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5


TWYSTERLunatic Siren
ドイツの女性Voメタルバンド、ツウィスターの1st。2002年作
2ndはメロディアスでなかなかクオリティの高いサウンドだったが、このデビュー作では、
往年のWAROCKあたりを思わせる、古き良きジャーマンハードロックをやっている。
女性Vo、Coco嬢のハスキーな歌声も、DOROを思わせる雰囲気があり、
王道のメタル/ハードロックサウンドになかなかマッチしている。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TWYSTER「Xplode」
ドイツの女性Voメロディックメタルパンド、ツウィスターの2nd。2005年作
ジャケを見たかぎりではProgMetal系の匂いもしたが、実際は爽快な疾走感のあるメタルサウンド。
今どき珍しいくらいの正統派リフで、ツーバスでドコドコと元気よく疾走するスタイル。
紅一点ココ嬢の歌声はハスキー系で、往年のDOROを思わせる(むしろ上手いかも)勢いの良さがある。
曲は3〜5分台で、シンプルだが分かりやすくて変にひねっていないところがむしろ好感が持てる。
また、一転して静かなバラード曲では、その美声を活かしてしっとりと聴かせてくれるのも良い。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Tygers Of Pan Tang 「Tang Animal Instinct」
イギリスのメタルバンド、タイガーズ・オブ・パンタンの2008年作
1979年にデビュー、NWOBHMシーンを代表するバンドのひとつ。ジョン・サイクスが加入した2nd「SPELLBOUND」は、
バンドの代表作として知られる。1982年、4作目「The Cage」を最後にバンドは解散するが、2001年になって再結成を果たし、
本作は復活3作目となる。オリジナルメンバーはギターのロブ・ウェイのみだが、1曲目からメロディックなギターとともに、
80年代のNWOBHM臭を感じさせる古き良きハードロックサウンドで、往年のファンもにんまりだろう。
イタリア人シンガー、ヤコポ・メイレの伸びやかな歌声も、キャッチーで爽快なノリを含んだ楽曲によくマッチしている。
かつてのスタイルをしっかりと継承しつつ、現代的にクオリティをアップさせたというべき見事な力作に仕上がっている。
メロディック度・・8 爽快度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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Tygers Of Pan Tang 「Ritual」
イギリスのメタルバンド、タイガーズ・オブ・パンタンの2019年作
1979年にデビュー、80年代のNWOBHMシーンで活躍、二度の解散をへて、2001年の再々復活以降は意欲的に活動を続けている。
セルフタイトルの力作であった前作から3年ぶり、復活後6作目となる本作は、デビュー40周年を飾るアルバムとなった。
イントロのギターリフからして、すでに往年のブリティッシュメタル臭がぷんぷんで、往年のファンはにんまりだろう。
オリジナルメンバーであるロブ・ウィアーを含むツインギターに、2008年から参加する、ジャック(ヤコポ)・メイレの
伸びやかなヴォーカルも魅力的で、適度にキャッチーでいて骨太なHR/HMサウンドによくマッチしている。
ジャケこそダークなイメージであるが、ノリのよいメタルナンバーから、哀愁を含んだ叙情を描くナンバーまで、
英国らしい誇りとベテランの味わいに包まれた、オールドスタイルのブリティッシュメタルが詰まった強力作。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 ブリティッシュメタル度・・9 総合・・8
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TYR「ERIC THE RED」
フェロー諸島出身のヴァイキングメタルバンド、テュールの2nd。2006作
ノルウェーとアイスランドの中間に位置する島国から、こうした本格派のバンドが出てくるとは。
重厚でパワフルなヘヴィメタルに、朗々としたヴォーカルが歌い上げるそのスタイルは、
FALCONERあたりに通じる感触があるが、トラッド音階のメロディには辺境的な味わいがあり、
それが彼らのサウンドをどこか神秘的にしている。エピックなコーラスワークなども良いし、
ときにギターがテクニカルなフレーズを奏でたりと、案外練られたアレンジが心憎い。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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TYR「LAND」
フェロー諸島出身のヴァイキングメタルバンド、テュールの4th。2008作
エピックな語りの入ったイントロから、朗々としたコーラスとともに楽曲が始まり
トラッド音階のギターリフによる正統派のヴァイキングメタルを聴かせる。
母国語の歌声が神秘的な土着性を高めていて、中世のヴァイキング戦士たちの航海の姿が
眼前に浮かんでくるようだ。シンセによる味付けはなく、あくまでギター主導のスタイルであるが、
武骨すぎないメロディアスさがあって案外聴き心地がいい。15分を超える大曲も圧巻。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・9 重厚度・・7 総合・・8
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TYR「By the Light of the Northern Star」
フェロー諸島出身のヴァイキングメタルバンド、テュールの5th。2009作
ヴァイキングメタルといってもこのバンドの場合はデス色はなく、
パワーメタル的な正統派メタルサウンドに、土着的なフレーズを織り込んだもの。
男臭いコーラスに、ジャケの戦士のイメージのようなエピックな世界観を漂わせ
パワフルかつドラマティックに聴かせる。ヴァイキング・パワーメタルの力作。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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TYR「The Lay of Thrym
フェロー諸島のヴァイキング・メロパワバンド、テュールの6th。2011年作
北欧神話、雷神トールのハンマーを盗んだ巨人族の王、スリムが横たわるジャケからして
漢萌え〜なのだが、サウンドの方もエピックな香りをただよわせたメロパワで、
随所にヴァイキングメタル的な勇壮さを織り込みながら、あくまで正統派の誇り高さを聴かせる。
歌メロにはマイルドな聴き心地があり、ヘヴィすぎない楽曲もある意味絶妙だ。
日本盤のボーナスにはBlack Sabbathの“I”、RAINBOWの“Stargazer”のカヴァーを収録。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ヴァイキング度・・7 総合・・8
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TYR 「Valkyrja」
フェロー諸島のペイガンメタル、テュールの2013年作
2002年にデビューしてから、本作はすでに8作目となる。ドラムが抜けて正規メンバーは3人となり
パワフルなメタルにペイガン風味を加えた勇壮なサウンドは、今作ではより正統派の感触に近づいた。
3、4分台がメインの楽曲はこれまでよりもぐっとシンプルになり、神秘的な土着性はやや薄れているが、
BLIND GUARDIANを思わせるエピックなコーラスや、ツインギターの絡みはむしろ力強さを増している。
Leaves' Eyesのリブ・クリスティンをゲスト迎えてのバラードなどもあり、ラストのドラマティックなタイトル曲まで
全体的に重厚さと叙情性のバランスもとれた、質の高いエピックなメロパワ作品である。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 ペイガン度・・7 総合・・8
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TYR「HEL」
フェロー諸島のメロディックメタル、ティールの2019年作
2002年にデビュー、本作は6年ぶりとなる8作目。叙情的なギターの旋律で幕を開け、
ダーティなヴォーカルを乗せた武骨な激しさに、メロディックなフックが同居した北欧メロパワを聴かせる。
流麗なギターメロディも随所に効いていて、ジェントルなヴォーカルを使い分けながら、HAMMERFALLなどにも通じる
ほどよい疾走感を含んだ正統派のメロディックメタルを描いてゆく。母国語による詠唱のような歌声を乗せた、
エピックな空気感は、ヴァイキングメタル寄りの勇壮さに包まれて、FALCONERなどのファンにも楽しめるだろう。
激しさと叙情のバランスも良く、爽快なメロディも覗かせながら、北欧神話的な世界観を描く強力作だ。
メロディック度・8 勇壮度・8 北欧メロパワ度・9 総合・8 
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TYR 「A Night At The Nordic Hous」
フェロー諸島のメロディックメタル、ティールのライブ作品。2022年作
2020年に首都のトースハウンで行われたオーケストラとの共演ライブを、2CD+DVDに収録。
2019年作「HEL」からのナンバーをメインに、過去作からのナンバーも含む全18曲のステージで、
バンドを取り囲むようにオーケストラが陣取ったゴージャスなステージ。混声コーラス隊も加わった、
壮麗なシンフォニック性に包まれながら、バンドのサウンド自体は武骨なヴォーカルも含めて、
しごく正統派のメロパワとして演奏しつつ、母国語の歌声によるヴァイキングメタル寄りのナンバーでは、
エピックなコーラスが勇壮に重なり、壮大なスケール感はときに、BLIND GUSRDIANを思わせる部分もある。
DVDの映像では、オーケストラやコーラス隊を含む迫力ある大人数のステージが圧巻だ。
ライブ演奏・8 ライブ映像・8 勇壮度・9 総合・8
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TyranT「Hereafter」
アメリカのメタルバンド、タイラントの2020年作
1985年にデビュー、2作を残して解散するも、1996年に再結成し復活作を発表、本作はそれから24年ぶりとなるアルバム。
元CANDLEMASS、Solitude Aeturnusのロバート・ロウが加入し、オールドなギターリフに朗々とした歌声で、
80年代NWOBHMを受け継ぐような、マイナーな翳りを含んだ叙情とともに正統派のメタルサウンドを聴かせる。
90年代の復活作よりもさらにレイドバックしたような作風に、キャンドルマス的なウェットでエピックな雰囲気が加わって、
ミドルテンポを主体にした、どっしりとした感触ながら、ヘヴィ過ぎない、激しすぎないという中庸感が耳に心地よい。
8分を超えるタイトル曲は、ゆったりとしたドゥーミィな味わいながら、全体的にはこれぞオールドメタルという強力作。
ドラマティック度・7 ドゥーミィ度・8 オールドメタル度・9 総合・8
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U.D.O.Mission No. X
ジャーマンメタル界の重鎮、ウド・ダークシュナイダー率いるU.D.O.の2005作
正直、個人的にはACCEPTにもウドにもさして思い入れはないのだが、
再結成後も変わらぬメタルマインドでアルバムを出し続けるその姿勢には敬服する。
今作は通算で10作目ということだが、もう徹頭徹尾、正統派のヘヴィメタルだ。
ACCEPT時代からの盟友、ステファン・カウマンの時代的なギターワークといい、
ウドのダーティなヴォーカルといい、ほぼ往年のACCEPTを再現したようなサウンドである。
ときおり聴かせるメロディアスなツインギターもよろしく、ファンならば聴いて損のないアルバムだ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 アクセプト度・・9 総合・・8
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U.D.O. 「We Are One」
イギリスのメタルバンド、ユー・ディー・オーの2020年作
ウド・ダークシュナイダー率いるバンドと、ドイツ連邦音楽隊オーケストラとの共演作で、
ダーティな歌声を乗せた正統派メタルのバンドサウンドを、壮麗なオーケストラが包み込む。
ますますしわがれたウドのヴォーカルは、正直これという魅力はないような気がするのだが、
ゲストによる女性ヴォーカルやオケとのコントラストで、いままでにない味わいになっている。
随所に流麗なフレーズを奏でるギターやキャッチーな歌メロ、女性ヴォーカルのバラードから、
ケルティックなインスト、さらにはファンク風のナンバーなど、バラエティ豊かな作風で、むしろオーケストラ入りの
シンフォニックメタル的な楽しみ方もできる。タイトルのように世界へのメッセージが込められた、全74分の力作だ。
ドラマティック度・・7 壮麗度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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UNCREATED LIGHT 「Чья вина… / Whom Should I Blame」
ウクライナのシンフォニックメタル、アンクリエイテッド・ライトの2009年作
オーケストラルなシンセアレンジにソプラノヴォーカルを乗せ、クラシカルなピアノやストリングスも加えた
美麗なシンフォニックメタルを展開。ときにネオクラシカル寄りのシンセとギターワークも覗かせて、
きらびやかなサウンドを描いてゆく。美女ヴォーカル、エレーナ嬢のフェミニンな歌声も素敵です。
ボーナスに英語バージョン4曲を含む、全68分の力作。バンドは本作ののち、Валькирия (Valkyria)に改名。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 女性Vo度・8 総合・7.5

Under Heaven 「Nocturnes for the Divine & the Damned」
カナダのシンフォニックメタル、アンダー・ヘブンの2013年作
バンドというよりは男女二人組のユニットで、オーケストラルなアレンジと
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、モダンなシンフォニックメタルサウンド。
楽曲は適度なヘヴィさとともに、EPICAなどに通じる壮麗な雰囲気をかもしだしていて、
実力ある女性Voの歌声が伸びやかに響きわたる。楽曲そのもののの完成度や
メロディの魅力などはまだまだ物足りないが、今後に期待できるパンドだと思う。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5



UNICORN 「The 13th Sign」
イタリアのメロディックメタル、ユニコーンの2005年作
キャッチーなメロディで聴かせる、メロハー的でもあるライトなサウンド。
力強さのないハイトーンヴォーカルや軽めの音質がいかにもB級臭く、
同郷のAirbornあたりにも通じる、GAMMA RAY大好きっ子的な微笑ましさをただよわせる。
パクリなメロディも含めて、疾走曲でのギターのクサメロなどはなかなかよい感じだし、
ボーナストラックのHELLOWEEN“Eagle Fly Free”のカヴァーもハマっている。
今後活動を続けるのなら、オリジナリティの確保とクサメロの向上をお願いしますね。
メロディック度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5


UNISONIC「UNISONIC」
マイケル・キスクとカイ・ハンセンによる新バンド、ユニソニックの2012年作
カイ・ハンセンがHELLOWEENを脱退したのはあの「守護神伝 2」の直後であるから、
この二人が同じバンドに在籍するというのは、じつに20年以上ぶりということになる。
サウンドはキャッチーなメロディで聴かせる正統派のHRで、メンバーにデニス・ワードがいることからも、
HELLOWEENというよりはむしろ、PLACE VENDOMEの延長上のサウンドに、カイ・ハンセンのテイストが
加わったというような印象だ。キスクの堂々たる歌声には、かつての黄金時代の雰囲気も漂わせ、
長く彼らを見つめてきたファンにとっては感無量だろう。元ASIAの経歴を持つマンディ・メイヤーと
カイとのツインギターも、爽やかなコラボを生み出していて、力みすぎない大人の余裕が感じられる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 正統派HR度・・8 総合・・8
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UNISONIC 「Light of Dawn」
ドイツのメロディックメタル、ユニソニックの2014年作
マイケル・キスク&カイ・ハンセンという黄金期HELLOWEENコンビと、デニス・ワードらによるユニットの2作目で
PLACE VENDOMを思わせたメロハー的な前作に比べて、本作はぐっとメロディックメタル寄りのサウンドとなった。
キャッチーなメロディを乗せた疾走感と、キスクの歌声が合わさったGMMA RAY風の1曲目からつかみはばっちり。
その後も、かつてのハロウィンやガンマ・レイを思わせる爽快なメロディアス性にどっしりとした大人のHRを合わせた
クオリティの高い楽曲と、伸びやかなキスクのヴォーカルでじっくりと楽しめる内容で、全体的にも前作以上の完成度。
元ASIAの経歴を持つマンディ・メイヤーとカイのツインギターも、よりヘヴィになったサウンドの中で輝いている。
こうなったらもう、キスクのハロウィン復帰などを願うよりも、このバンドとしての継続を応援してゆきたいものだ。
メロディック度・・8 ガマレー+HR度・・8 キスク度・・8 総合・・8
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Universal Mind Project 「The Jaguar Priest」
アメリカのシンフォニックメタル、ユニヴァーサル・マインド・プロジェクトの2016年作
男女ヴォーカルの歌声とシンフォニックなアレンジで聴かせる、きらびやかなサウンドで、
メロパワ的な疾走感やプログレメタル的なテクニカルな展開力も含んだ壮麗な聴き心地。
8分を超えるナンバーも3曲もあり、随所にデスヴォイスを含んだモダンな激しさと、
シンフォニックな叙情性を合わせた構築力もなかなかのもの。ヴォーカルのElina嬢の歌声は、
力強さはないが、なよやかな美しさで、EDENBRIDGEあたりに通じる感触もある。
LUCA TURILLI'S RHAPSODYにも参加する、アレックス・ランデンバーグがドラムで参加。
ゲストに、マーク・ヤンセン(EPICA)、チャーリー・ドミニシ、マイク・レポンド(Symphony X)などが参加。
ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 構築度・・8 総合・・8
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UNLEASH THE ARCHERS 「Time Stands Still
カナダのメロディックメタル、アンリーシュ・ジ・アーチャーズの2015年作
2009年にデビューし、3作目となる。硬質なギターリフにパワフルな女性ヴォーカルの歌声で疾走するパワーメタルに、
男性グロウルを加えたアグレッシブなパートなど、モダンな感触も取り入れたスタイルで、甘すぎないメロディアスとともに
ときにエピックな勇壮さも感じさせる。サウンド的にはドラムを含む音質面の弱さが、マイナーな雰囲気になっていて、
現時点では垢抜けないB級っぽさも残しているが、ブリトニー嬢の突き抜けるようなハイトーンはなかなか魅力的。
曲によっては、メロデス的な雰囲気の激しさも覗かせるなど、単なるメロパワの枠に収まらないサウンドであるが、
ラスト曲は、MANOWARのようなどっしりとした王道のヘヴィメタルナンバーで、今後の深化に期待させる内容だ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 重厚度・7 総合・7.5
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UNLEASH THE ARCHERS 「Apex」
カナダのメロディックメタル、アンリーシュ・ジ・アーチャーズの2017年作
4作目となる本作では、サウンドがよりソリッドになっていて、巧みなフレーズを取り入れたメタリックなギターに、
ブリトニー嬢のパワフルなヴォーカルを乗せて疾走する、キャッチーなフックのメロパワサウンドに磨きがかかっている。
随所にモダンなヘヴィネスとテクニカル性も含ませながら、オールドなパワーメタルの雰囲気も残しており、
ミドルテンポのストレートなメタルナンバーなども、叙情的なギターとともに激しすぎない味わいで楽しめる。
全体的にも、メロディアスなギタープレイが目立ってきていて、楽曲ごとのアレンジが明快になったことで、
女性声メロパワとしての爽快な魅力も増している。ラスト曲はIRON MAIDEN風味で、オールドメタラーもニヤリ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 重厚度・8 総合・8
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UNLEASH THE ARCHERS 「Abyss」
カナダのメロディックメタル、アンリーシュ・ジ・アーチャーズの2020年作
5作目の本作は、前作の続編となる、オリジナルストーリーに基づいたコンセプト作で、
メロディックなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて疾走する正統派のメロパワ要素に、
きらびやかなシンセアレンジを盛りこんだ、華麗でドラマティックなサウンドを聴かせる。
ミドルテンポのナンバーも、キャッチーなメロディのフックと、ブリトニー嬢の歌唱の表現力に加え、
デジタルのシンセの重ねが華やかに彩っていて、一転して激しいブラスト疾走を見せるナンバーなども
いかにも新世代のバンドらしい。DRAGONFORCEなどにも通じる、爽快なモダン・メロパワの強力作だ。
ドラマティック度・8 疾走度・8 華麗度・9 総合・8
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VADIKAN 「Hydrargyrum」
ロシアのメロディックメタル、ヴァディカンの2013年作
女性ヴォーカルの歌声とヘヴィなギターリフを主体に、適度にモダンでゴシック的な叙情も含んだサウンド。
シンセが入らないので、シンフォニックな感触は薄く、音質のせいもあっていくぶんスカスカな感触。
女性声の魅力という点でもいまひとつで、全体的にローカルな安っぽさに包まれているのが残念。
ドラマティック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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VAHLADIAN
スペインのシンフォニックメタルバンド、ヴァラディアンの2003年作
ツインギターにキーボード入りで、メロディアス&シンフォニックに疾走。メロディはなかなかキャッチーで、
スペイン語の歌唱がクサメロを助長しつつ、せわしなく展開する楽曲にはプログレ的な側面もある。
Voのヘナチョコ加減がいかにもマイナー臭いが演奏の方はしっかりしていて、
メロディセンスのあるギターフレーズや、きらきらとしたキーボードの美しさには、
シンフォメタル好きリスナーはうっとりだ。曲の質が上がればかなりのアルバムを作りそう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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VAINGLORY
アメリカのヘヴィメタルバンド、ヴェイングローリーの2007年作
Chastainの女性ヴォーカル、ケイト嬢のパワフルかつハスキーな歌声と
ザクザクのギターリフで聴かせる正統派のヘヴィメタルサウンド。
いかにも80年代的な雰囲気に、いくぶんモダンなヘヴィさが加わった楽曲は
目新しさは皆無だが、ダーティなメタルヴォイスで歌う女性Voメタルとしてはなかなか。
曲によってはチャステインばりのネオクラシカル風味もあったりする。
メロディアス度・・7 正統派メタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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VALHALLA「Once Upon A Time」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ヴァルハラの2001作
氷に囲まれた洞窟で巨大なゴリラ(?)が人々を蹂躙している…という、なんとも奇怪なジャケですが、
内容も期待にたがわぬB級っぷりです。なんというかヴァイキング調のリフなんかもあったりして、
悪くはないですがメロディにスカッとくるものがなくて、全体的にどうももどかしい。
サビでの勇壮なコーラスはエピックな感じでいいですね。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7


VALIANCE「THE UNGLORIOUS CONSPIRACY」
イタリアのメロスピバンド、ヴァリアンスの1st。
ツインギター+キーボードでクサメロ入りでツーバスドコドコの疾走メタル。
それほどB級臭くもなく、曲のほうもなかなかツボをついた作りで悪くない。
要所に唐突な変則リズムをもってくるなど、プログレ的アプローチもみられ
ようするにSKYLARK+DGMというような印象だが、それよりもとにかく疾走、
また疾走のドコドコドラムがどの曲でも耳に付く。ライブ時にドラマーの足がつらないかと
よけいな心配もしたくなる。1stアルバムということで気合が入りすぎたのだろうか?
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 ドコドコ度・・9 総合・・7

VALIANCE「MAYFARIG」
イタリアのシンフォニック疾走メタルバンド、ヴァリアンスの2nd。2002作
美麗なキーボード入りでドコドコと元気よく疾走しながら、せわしなく展開する曲と、
まあ、この手が好きにはアピールするものは持っている。このバンドの場合、
プログレメタル的ともいえるような。がちゃがちゃとした演奏が好きなのか、
どの曲もスローパートと疾走パートが何度も入れ代わり、悪くいえばとりとめがない。
全体としてまだB級臭さを残していて、展開の多いSKYLARKということもできる。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 濃密・・8 総合・・7.5
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VALIDOR 「Dawn Of The Avenger」
ギリシャのエピックメタル、ヴァリドールの2012年作
バンドというよりはオディ・サンタラー氏のソロプロジェクトのようであるが、
サウンドはコテコテの正統派エピックメタル。いくぶんダーティなヴォーカルと、
随所にクサメロも含んだヘヴィ過ぎないギターで聴かせるサウンドは、
やはりどこか辺境がかったローカルな味わいをかもし出していて、
MANOWARのような勇壮な世界観でありながら、B級メタルの微笑ましさがある。
メロディック度・・7 パワフル度・・7 B級度・・8 総合・・7


Valkeryon 「Vision of Fire」
パナマのシンフォニックメタル、ヴァルケリョンの2014年作
中米のメタル国というとメキシコというイメージなのだが、バナマ共和国にもいたのですね。
美麗なシンセアレンジと、いくぶん軽めのギターのクサメロを乗せた正統派のシンフォメタルスタイルで、
ヴォーカルは英語なので中米らしさというのはあまり感じられない。全体的にメロディアスかつキャッチーな聴き心で、
パワフルさや疾走感、濃密さの点ではやや物足りなく、むしろもっと辺境臭い濃密さが欲しいという気もする。
RHAPSODY的な壮麗な雰囲気やエピックな勇壮さも感じさせるが、突き抜けるものはまだないか。今後に期待です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 中米度・・7 総合・・7.5


VALKYRIA(ВАЛЬКИРИЯ) 「святым огнём
ロシアのシンフォニックメタル、ヴァルキリアの2012年作
シンフォニックな美麗さとロシア語の女性ヴォーカルで聴かせる優美なサウンド。
ギターなどは適度にヘヴィさはあるものの、どこかやぼったい辺境感とのミスマッチに
ドタバタとした楽曲構築も含めて、いかにもロシアっぽいB級っぽさが漂っている。
一方では美しい女性声で聴かせるしっとりとした部分はけっこう魅力的でもあり、
エキセントリックな展開力には不思議なスケール感を覚えるようなところもある。
シンフォニック度・・8 辺境度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5


ValoR 「The Yonder Answer」
ギリシャのメロディックメタル、ヴァロアの2013年作
ツインギターにシンセを含む6人編成で、ハイトーン一歩手前というヴォーカルの歌声を乗せ
エピックなパワフルさを含んだ正統派のメロパワサウンド。メロディには適度にキャッチーな感触もあり、
随所にクサメロを奏でるツインギターもなかなかいい味を出している。ローカルな辺境臭さも僅かにあるが
それがやわらかな哀愁の叙情をかもしだしていて、ほどよいB級エピックメタル感となっている。
ただインストを除くと8曲なので、案外あっさりと終ってしまうのが物足りない。もっと濃密さが欲しい。
メロディック度・・8 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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VAN CANTO「A Storm to Come」
ドイツのアカペラメタルバンド、ヴァン・カントの2006作
女性を含む5人のヴォーカル+ドラムという6人編成で、歌のみのアカペラでメタルをやってしまおうという発想がまず凄い。
しかし、ちゃんとリズムをとる声、低音のベース声、そしてメロディ声と、パートが分けられていて、
シンフォニックメタル風の曲調とあいまってこれがなかなかエピックでオペラティックな雰囲気だったりする。
しかし、やはりギターがないので音にはエッジが乏しく、のちのアルバムに比べると迫力的には微妙なところ。
ラストはMETALLICAの“Battery”で、これもまたくすりと笑える。
オペラティック度・・8 メタル度・・6 アカペラ度・・9 総合・・7.5
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VAN CANTO「Tribe of Force」
ドイツのアカペラメタルバンド、ヴァン・カントの2010年作
5人のヴォーカル+ドラムという6人編成で、歌のみのアカペラでメタルをやってしまおうという
いまだかつてないスタイルのバンド。過去作は半分ギャグのような気分で聴いていたのだが、
ついに日本盤まで出てしまったのだからもう笑えない。3作目となる本作ではオリジナル曲の質が上がっていて
ドラム以外は全部肉声であるとは思えぬくらいに、各パートの役割が絶妙で、(とくにツインギター役)
効果的に女性声を活かしたりと、エピックでシンフォニックですらあるのがまた凄い。
本作では、METALLICA“Master of Puppets”をカヴァー。完成度を高めた好作です。
ドラマティック度・・8 メタル度・・7 アカペラ度・・9 総合・・8
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Van Canto 「Break the Silence」
ドイツのアカペラメタル、ヴァン・カントの2011年作
ドラム以外はすべて声でこなすという異色のアカペラメタルバンド。2006年にデビューしてから4作目となる。
ギター役、ベース役の巧みな「ヴンヴン」「タカタン」に、バワフルな男性ヴォーカルと美しい女性ヴォーカルを絡ませ、
一種エピックなまでのメタルサウンドを聴かせる、その声技巧はすでに円熟の域へ到達している。
ハミングによるギターソロ声などもじつに絶品で、もはや笑うどころではない、ひとつの音声芸術といってよい。
実際にヨアキム・ブローデンが参加した、SABATONのカヴァーに、キャッチーな、ALICE COOPERのカヴァー、
ラストは、MANOWARのバラード「Master of the Wind」で、やわらかなピアノと女性ヴォーカルでしっとりと聴かせる。
限定盤のボーナスには、RUNNING WILDのカヴァーを含む3曲を追加収録。アカペラメタルの深化は続く。
ドラマティック度・・8 アカペラ度・・9 ちゃんとメタル度・・8 総合・・8 
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VAN CANTO「METAL A CAPELLA」
ドイツのアカペラメタルバンド、ヴァン・カントの2011年作
歌のみのアカペラでメタルをやってしまう、まるでギャグのような本気のこのバンド、
これまで発表された4作から集められた日本独自のカヴァーアルバムが登場。
いきなりMETALLICAの“Battery”で、このバンドを初めて聴く方は思わず笑いそうになるだろう。
なにせ、ドラム以外のベース、ギターパートはすべて声でやっているのだから。
ドンデケドンデケ、ダカダンダカダンと刻まれるギターパートは微笑ましくも、けっこうすごい。
ANGRAの名曲“Carry On”は女性ヴォーカルをメインに意外と美しい仕上がりだし、
MANOWARの“Kings of Metal”もなかなか勇壮である。Deep Purpleの“Stormbringer”、
BLIND GUARDIANの“The Bard's Song”、IRON MAIDENの“Fear of the Dark”、
母国の英雄GRAVE DIGGERRUNNING WILD、さらにはNightwishの“Wishmaster”
そしてラストのMETALLICA“Master of Puppets”まで、見事な人力ヴォイスメタルが楽しめます。
本気でアカペラ度・・10 けっこうメタル度・・8 笑えるが本気度・・10 総合・・8
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VAN CANTO 「Dawn of the Brave」
ドイツのアカペラメタル、ヴァン・カントの2014年作
2006年にデビュー、ドラム以外のパートはすべて声でこなすという異色の口演奏メタルバンド。
5作目となる本作も、ギター声&ベース声による巧みな口演奏に男女ヴォーカルの歌声を乗せた、
独自のアカペラメタルが炸裂する。「バンバンバン」「ブンブンブンブン」という声リフに最初は笑いそうになるのだが、
しだいに彼らの本気度と演奏(口)力のクオリティの高さに違和感が消え、むしろエピックメタル的な勇壮さも感じてしまうという。
紅一点、インガ・シャーフ嬢の魅力的な歌声がサウンドを華やかに彩っているのも大きいだろう。今回のカヴァー曲は、
EUROPE“The Final Countdown”、BLACK SABBATH“Paranoid”、Bonnie Tyler“Holding Out for a Hero”
さらには「ロード・オブ・ザ・リング」に使われた、Annie Lennox “Into the West”という選曲で、なかなか面白い。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 口演奏力・・9 総合・・8
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VAN CANTO 「Voices Of Fire」
ドイツのアカペラメタル、ヴァン・カントの2016年作
ドラム以外はすべて声でこなすという異色のアカペラメタルバンド。2006年にデビューしてから6作目となる本作は、
ファンタジー小説を元にしたコンセプトアルバムとなっていて、物語的なナレーションから幕を開ける。
男女ヴォーカルのオペラティックな歌声に壮麗なコーラス、口ギター&口ベースをドラムに乗せて、
ドラマティックでエピックなスケール感すら漂わせる、これはまさにアカペラ・シンフォニックメタルである。
今作はとくに女性ヴォーカルによる美麗な聴き心地がよい感じで、曲間にナレーションを挿入して、
ファンタジックでストーリ的な壮大さを感じさせる演出もハマっている。いつものようにカヴァー曲がないのは寂しいが、
逆にいえば、壮大なコンセプト作を声だけで作りだした、このバンドの努力と進化には驚嘆すべきであろう。
ドラマティック度・・8 オペラティック度・・8 声なのにシンフォニック度・・8 総合・・8
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Van Canto 「Trust In Rust」
ドイツのアカペラメタル、ヴァン・カントの2018年作
2006年にデビュー、7作目となる本作も、ドラム以外はすべて声でこなす、「ダカダン」なアカペラメタルが炸裂。
わりと渋めのハードロック風ナンバーで始まりつつ、男女ヴォーカルによるオペラティックな味わいとともに、
メロスピ風味や、キャッチーなHRナンバーなど、わりと安定したズンズンダンダン愉快な声メタルが楽しめる。
HELLOWEEN「Ride The Sky」のカヴァーでは、カイ・ハンセンがゲスト参加。歌うのはサビくらいだが…。
AC/DC「Hells Bells」のカヴァーもなかなかハマっている。全体的にはすでに新鮮味はないので、何作か聴いている人には
ネタとしてのインパクトも弱いかもしれない。この路線での限界も感じさせる。今後の深化に期待したい。
ダカダン度・・8 ズンズン度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5 
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Van Canto 「To The Power Of Eight」
ドイツのアカペラメタル、ヴァン・カントの2021年作
2006年にデビュー、ドラム以外のすべてのパートを声で表現するという、まさに驚異の「ズンズンティキタク」バンド。笑
本作は8作目となる。ドラムを含めて7人編成で、ツインギターの「声リフ」に男女ヴォーカルの歌声を乗せた、
正統派?メタルサウンドを聴かせる。声によるギターソロもなかなか頑張っていて、このバンドを初めて聴く方には
すべて声でやっているとは信じられないかもしれない。ダミ声ヴォーカルを乗せたヴァイキングメタル風味もあったり、
女性声をメインにした優雅なバラードから、IRON MAIDEN「Run To The Hills」のカヴァーも壮麗な仕上がりだし、
AC/DC「Thunderstruck」、QUEEN「I Want It All」のカヴァーでは、しっかりオールドなロック感も出している。
ドラマティック度・8 再現度・8 人声度・9 総合・8 
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VANDROYA「ONE」
ブラジルのメロディックメタル、ヴァンドローヤの2012年作
メロディックなツインギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せてで疾走する、
正統派のメロディックメタル。サビでのキャッチーな聴き心地なは、初期HELLOWEENを思わせつつ、
随所にモダンな硬質感も含みながら、 HIBRIAのように古き良きメロパワの感触を巧みに融合させている。
SOULSPELL
にも参加していた、ダイサ嬢の歌声もなかなかパワフルで、正統派のサウンドによくマッチしている。
曲自体にこれという新鮮味はないのだが、女性Voと合わせたことで、上手く魅力を増すことに成功している。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派メロパワ度・・8 総合・・8




VANDROYA 「BEYOND THE HUMAN MIND」
ブラジルのメロディックメタル、ヴァンドローヤの2017年作
前作は女性声版HELLOWEENというような好作だったが、2作目となる本作も、ツインギターにシンセを重ね、
伸びやかな女性ヴォーカルとともに疾走する、ANGRAばりの王道のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
古き良きメロパワの感触に、シンセアレンジによるシンフォニックメタル的な壮麗さも加わったスタイルで、
疾走メロスピナンバーから叙情的なバラードまで、Daisa嬢の表現力ある歌声が前作以上に輝いている。
パワフル過ぎない女性らしい美しさを残した歌声と、ヘヴィ過ぎないオールドなメタル感触を同居させ、
絶妙なバランスできらびやかに聴かせるという高品質な作品だ。心地よい疾走感に浸れます。
メロディック度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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VANISHING POINT「TANGLED IN DREAM」
オーストラリアのメロディックメタルバンド、バニッシング・ポイントの2nd。2000作
プログレメタルとして扱われているようだが、テクニカルな展開はあまりなく、
どちらかというと疾走感を押さえたメロディアスハード的な部分が持ち味のサウンドで、
Voの性質も含めて、たとえばボブ・カトレイのアルバムなどにも通じる、重厚かつドラマティックな雰囲気。
突き抜けた個性やインパクトはないが、安心して聴けるサウンドだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 楽曲・・7 総合・・7

VANISHING POINT「Embrace the Silence」
オーストラリアのメロディックメタル、ヴァニシング・ポイントの3rd。2005年作
シンフォニックなシンセアレンジと適度な疾走感を含んだドラマティックなサウンドで、
2ndから比べて音の説得力が増して、知的な展開力とともに、じっくりと聴けるクオリティになった。
楽曲は5〜7分台とやや長めで、13曲で合計80分近くもあるのだが、ツインギターとシンセの重ねによる美しさに加え、
メロディのフックには、メロディアスハード風味のキャッチーな感触もあって、重厚なサウンドでありながらも耳疲れしない。
構築派のシンフォニックメタルとして完成度の高い力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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VANISHING POINT「THE FOURTH SEASON」
オーストラリアのメロディックメタル、ヴァニシング・ポイントの4th。2007年作
前作は相当の力作で、このバンドの実力を見直したものだが、続く本作も基本的には同路線の好作。
ドラマティックな重厚さと、ときにメロディアスハード的な聴きやすさを併せ持ったサウンドだ。
ときにメタリックに、ときに繊細にと、曲ごとのアレンジもいっそう巧みになり、
4、5分台と前作よりも楽曲がコンパクトになったせいか聴き疲れもしない。
ほのかに薄暗いドラマ性はKAMELOTなどのリスナーにも受けそうだ。
モダンさも取り入れたシンセもほどよく効いていて、堂々たる完成度の作品だ。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Vanishing Point 「Distant Is the Sun」
オーストラリアのメロディックメタル、ヴァニシング・ポイントの2014年作
デビューは90年代というキャリアのあるバンドで、本作は7年ぶりとなる5作目。
重厚なドラマ性を感じさせるイントロから、どっしりとしたツインギターに伸びやかなヴォーカル、
美しいシンセアレンジを重ねた、正統派のドラマティックメタルが広がってゆく。
プログレメタル的でもある知的な構築力とベテランらしい説得力ある音像はさすがで、
サウンド的には前作よりもモダンなヘヴィネスと叙情パートとのメリハリがつけられた印象。
流麗なツインギターのメロディも随所に効いていて、ミドルテンポやゆったりとしたスローな曲でも、
ドラマティックな感触を保っている。ボーナストラックを入れて70分という長尺も相変わらずの濃密力作。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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VELVET VIPER
ドイツのメタルバンド、ヴェルベット・ヴァイパーの1991年作
ZED YAGOとしてアルバムを2作出したあと、ヴォーカルのJUTTA嬢は新たにこのバンドを結成。
サウンドの方は、彼女のハスキーな独特の歌声を乗せた、どっしりとした正統派のメタルで、
ギターのフレージングも含めて、よりオーセンティックなHR/HMに接近したという印象。
個人的には、ZED YAGO時代のマイナーな湿り気ある雰囲気が好きだったのだが、
随所にツインギターの流麗なメロディも含めて、単なるB級という以上に味わいのあるサウンドが楽しめます。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VELVET VIPERThe 4th Quest for Fantasy
ドイツのメタルバンド、ヴェルベット・ヴァイパーの2nd。1992年作
ジャケは子供の落書きレベルだが、サウンドの方は1作目同様に、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声と、
古き良きジャーマンメタルの感触に、ファンタジックなエピックさも覗かせて、なかなかマニアにはたまらない。
ほどよくローカルなマイナー臭さとともに、JUTTAさんの歌声も相変わらずよい感じです。
ちなみにそのJUTTA姐さんは、2005年にはなんと、ZED YAGOとしての復活作を出している。
ドラマティック度・・7 古き良きジャーマン度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Velvet Viper 「RESPICE FINEM」
ドイツのメタルバンド、ヴェルベット・ヴァイパーの2018年作
ZED YAGO時代を含め、80年代後半から90年代前半まで活動していた、女性Voフロントのメタルバンド。
ZED YAGO名義では2005年に復活作を出していたが、VELVET VIPERとしてはじつに1992年以来となる。
Jutta姐さんのハスキーな歌声を乗せた、ほどよくメロディックな正統派メタルはかつてのままで、
ジャーマンらしいウェットな湿り気を残した聴き心地が嬉しいですな。オルガンなどのシンセアレンジや
随所にメロウなギターの旋律も聴かせつつ、魔女めいた妖しさの、Juttaさんの歌声もいまなお魅力的。
ゆったりとしたスローテンポのナンバーなども叙情的な味わいで、10分を超える大曲も含めて堂々たる内容の復活作だ。
ドラマテイック度・・8 正統派度・・8 Jutta姐さん最高かよ!・・9 総合・・8 
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Velvet Viper 「From Over Yonder」
ドイツのメタルバンド、ヴェルベット・ヴァイパーの1988/2020年作
1992年に2作目を出して消えるも、2018年に復活、本作は前身である、ZED YAGO名義で、1988年に発表された作品の再発盤。
オールドなギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、しごく正統派の80'メタルサウンドで、
スロ〜ミドルテンポを主体にした、どっしりとした作風であるが、フロントのJutta女史のかもしだす妖しさが、
どこか翳りを帯びたヨーロピアンな幻想性をかもしだしている。これという強いインパクトはないのだが、
Warlockなどの陰に隠れた、80年代のマイナー系女性声メタルとしては、なかなか出来が良いのです。
リマスターにより音質も良くなっていて、マニアはゲットすべし。ボーナスに1989年のライブ音源などを追加収録。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 女性声HM度・・8 総合・・7.5 
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Velvet Viper 「Pilgrimage」
ドイツのメタルバンド、ヴェルベット・ヴァイパーの1989/2020年作
ZED YAGO名義の、1989年発表作品の再発盤。叙情的なギターにオーケストラ、コーラスを乗せた華麗なイントロで幕を開け、
Jutta姐さんの妖しい歌声と流麗なギターフレーズで、前作以上に厚みを増したヨーロピアンなメタルサウンドを展開。
ギターによるキャッチーな旋律が増えたことで、前作にあったマイナーな空気は薄まって、様式美HM色が強まった。
男性顔負けのシャウトをかますJutta姐さんの歌声もパワフルで、叙情的なバラードではエモーショナルに歌い上げる。
80年代の女性声HMとして再評価すべき内容です。ボーナストラックに、1991年の1作目収録のリマスター音源を追加収録。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 女性声HM度・・8 総合・・7.5
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VENDETTA「Heretic Nation」
イギリスのメタルバンド、ヴェンデッタの2009年作
ドイツにも昔同名のバンドがいたが、こちらは古き良きスタイルのヘヴィメタル。
ジャケだけ見れば、ダークでエピックな感じかと思いきや、シングルギターでシンプルに聴かせる演奏と、
なかなか力量のあるヴォーカルが耳心地よい。ミドルテンポ主体で、さほど派手なメロディやヘヴィさ、
疾走感がないこともあって、若いリスナーには物足りないかもしれないが、80年代からのオールドなリスナーには
どこかなつかしい感じがするだろう。正統的英国メタルの好作である。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Venia 「In Our Weakness」
フィンランドのメタルバンド、ヴェニアの2005年作
女性Vo&ヴァイオリン奏者を含む5人編成で、本作は5曲入りのデビューEP。
メタリックなツインギターに美しいソプラノ女性ヴォーカルを乗せて、いくぶんペイガン寄りの
涼やかな辺境性に包まれたサウンドを聴かせる。アグレッシブな疾走感にデスヴォイスも加えた
ダークな雰囲気も覗かせつつ、なよやかな女性声が優雅な感触になっていて、マイナーな武骨さと
土着的な神秘性が同居したという作風だ。シンセが入らないので、シンフォニックな味わいはなく、
雰囲気はゴシックとペイガンの中間という感じなのだが、ギターはわりと正統メタル寄りという。
母国語で歌われるナンバーは、ペイガン的な雰囲気でなかなか良い感じです。
ドラマティック度・・7 辺境度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Venia 「Victory By Surrender」
フィンランドのメタルバンド、ヴェニアの2009年作
艶やかなヴァイオリン鳴り響くイントロから、フォークメタル寄りの土着性を感じさせつつ、
メタリックなギターを乗せて疾走する激しさと、コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声による
優雅な味わいが同居したサウンド。シンセを使っていないので、シンフォニックな感触はないが、
随所にヴァイオリンが鳴り響き、曲によっては母国語で歌っているので、適度に辺境的な空気感と
涼やかな土着性も感じさせる。ときおりメロスピ的な疾走感も覗かせながら、緩急ある展開とともに
ほどよく武骨なマイナーな味わいのサウンドが楽しめる。なにげにクリスチャンメタルであるらしい。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Veni Domine「TONGUES」
スウェーデンのメタルバンド、ヴェニ・ドミネの2007作
デビューは1992年なのですでにけっこうなベテランバンド。
いったん活動停止してから2004年に復活し、これが通算6作目らしい。
ダークな雰囲気で聴かせる正統派のヘヴィメタルで、ザクザクとしたギターと
ときにドゥームがかった重厚さが特徴。クリスチャンメタルということで、
ヴォーカルも含めての盛り上がりには、ときに荘厳な世界観も垣間見せるのだが、
正直メロディにこれといった魅力はなく、サウンドの古めかしさも少しつらい。
メロディアス度・・6 ドラマティック度・・7 重厚度・・8 総合・・7

VEONITY
「Gladiator's Tale」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴェオニティの2015年作
ジャケからしてエピックな雰囲気がぷんぷんであるが、サウンドの方はキャッチーなクサメロ感をたっぷりまぶした
正統派のメロディックメタル。男くさいヴォーカルの声質もなかなかよろしく、重すぎないギターリフを乗せた正統派の感触に、
メロディックなフックと疾走感で、FREEDOM CALLやINSANIAなどにも通じるキーパー属性のクサさににんまりだ。
これといって新鮮味はないのだが、とにかくクサく生きよう!クサく戦おう!…という強いメッセージが伝わってくる。
力強さよりも微笑ましさに満ちたやわらかなエピックメタルというべきか。クサメロファンはとりあえず聴いとけ!
雰囲気としては、かつてのPhoenix Rizingあたりに一番近いかもしれない。知らない?まあ、そうですか…
メロディック度・・8 疾走度・・8 クサキャッチー度・・8 総合・・8
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VEONITY 「Into The Void」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴェオニティの2016年作
2015年にデビューし、2作目。1作目は戦士のジャケであったが、今作はSF風になっている。
のっけからクサメロなギターにシンセを重ねて疾走する、王道のメロパワサウンドで、
サビでのキャッチーなコーラスには、思わずニヤニヤとしてしまうほど。メタル的なヘヴィネスよりも
ライトなクサメロ感覚に包まれていて、NOCTURNAL RITESか、PHOENIX RIZINGかという雰囲気で、
いくぶんエピックな勇壮さも残しつつ、メロディックなフックは爽快であくまでキャッチーだ。
ミドルテンポと疾走ナンバーのバランスも良く、北欧メロスピ/メロパワ好きならチェックすべし。
メロディック度・8 疾走度・8 王道メロパワ度・8 総合・8 
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VEONITY 「Legend of the Starborn」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴェオニティの2018年作
2015年にデビューし、3作目となる。クサメロ寄りのギターにハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、
キャッチーな爽快さとエピックな勇壮さが合わさった、正統派の北欧メロパワスタイル。
オールドスタイルのメロパワとしては、Hammerfallあたりに通じる雰囲気もあるが、
曲によってはシンセアレンジを加えたり、ネオクラ風味のギターフレーズも覗かせるなど、
ライトなメロスピ寄りのナンバーも多く、いくぶんのマイナー臭さも含めて良い感じだ。
かつてのPhoenix Rizingを思わせるような、エピック・クサメロパワの良作です。
メロディック度・8 疾走度・8 北欧メロパワ度・9 総合・8 
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VEONITY 「SORROWS」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴェオニティの2020年作
4作目となる本作は、タイトルのようにピアノとヴァイオリンによる悲しみを感じさせるイントロから幕を開けつつ、
楽曲の方は、メロディックなギターにシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せた正統派のメロパワで、
キャッチーなサビメロが実に爽快である。どっとりとしたミドルテンポや、叙情的なギターを乗せたスローテンポ、
そしてお約束の疾走メロスピ感も随所に現れて、どの曲にもクサメロ寄りのフックが魅力的である。
4〜5分前後の楽曲は、明快で手堅い作りで意外性はないのだが、メロディックな疾走ナンバーも多いので、
メロパワ好きの多くは無条件で快哉を叫ぶだろう。日本盤が出てもおかしくない高品質作である。
メロディック度・8 疾走度・8 北欧メロパワ度・8 総合・8
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VEONITY 「Elements of Power」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴェオニティの2022年作
2015年にデビュー、5作目となる。王道のギターリフにパワフルヴォーカルを乗せた、疾走感ある正統派のメロパワで、
サビのキャッチーなメロディには、INSANIAなどを愛するクサメタラーもにんまりだろう。中音域とハイトーンを使い分ける
ヴォーカルの実力もなかなかで、ジャーマンメタルをルーツにした陽性の歌メロは、FREEDOM CALLにも通じるか。
随所にシンセによるシンフォニックなアレンジも含ませつつ、どのナンバーも爽快なメロディのフックでストレートに楽しめる。
とにかくクサメロで、とにかくキャッチーという、まさに日本人好みの北欧メロパワが詰まった強力作。ここまでやれば天晴。
ドラマティック度・8 疾走度・8 クサメロ度・9 総合・8.5 
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Verde Lauro 「Son Animali Al Mondo」
イタリアのシンフォニックメタル、ヴェルデ・ラウロの2015年作
アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、ロベルト・ティランティ(Labylinth)、ターヴィッデ・デル・オルト(Drakkar)といった
名のあるヴォーカリストが参加した、メタルオペラ的なコンセプト作。オーケストラルなアレンジにクワイアを重ね、
実力派ヴォーカルたちのイタリア語の歌声を乗せて、優雅で壮麗なシンフォニックメタルを展開。
2〜3分前後の小曲を連ねてゆく作風で、1曲ごとは短めだが、アコースティックな叙情ナンバーや
メロスピ的な疾走パートもあり、ストーリーを紡ぐような緩急ある流れで、じっくりと鑑賞できる。
全体的には、メタル的な激しさよりも優雅さが前に出ていて、もう少し濃密な盛り上がりが欲しいか。
シンフォニック度・7 疾走度・6 優雅度・8 総合・7.5
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VETO「Carthago」
ドイツのエピックメタル、ヴィートの1988年作
80年代のジャーマンメタル黎明期の傑作で、これが2作目のアルバム。
ツインギターにハイトーンヴォーカルで聴かせる、正統派スタイルのサウンドで、
当時のマイナー系バンドの中では、比較的しっかりとした演奏と楽曲でなかなか質が高い。
ジャーマンらしい疾走曲や、随所に泣きのメロディも含ませた楽曲には、B級っぽさはさほど感じない。
ジャケもよい感じですが、内容も激しすぎない80年代のエピックメタルが楽しめる好作です。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 初期ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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VETO「Veto / Carthago」
ドイツのメタルバンド、ヴィートの1st+2ndカップリング盤。は1986/1988年作
かつて馬に乗った戦士のジャケのインパクトでジャケ買いした「カルタゴ」は
なにげに日本盤も出ていて、知る人ぞ知るマニア向けのアイテムであった。
ツインギター編成の5人組で、いかにも80年代のジャーマンメタルサウンドながら、
STORMWITCHなどにも通じるようなウェットでメロディアスな感触は日本人好みだろう。
2ndになると楽曲の完成度が上がり、ツインギターによるドラマティック聴き心地で
エピックな雰囲気の正統派メタルが楽しめる。80年代ジャーマンメタルの好作品。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 ジャーマン度・・8 総合・・7.5



Vexillum 「The Wandering Notes」
イタリアのメロディック・エピックメタル、ヴェクシラムの2011年作
適度にフォーキーな雰囲気を漂わせつつ、パワフルすぎずヘナチョコすぎずという聴き心地で、
随所にクサメロを含んだ疾走感もあるというサウンド。ヲタク気味のファンタジックな世界観に加え、
そこそこエピックな勇壮さもあるが、あまり力強くはないというのがミソ。フォークメタルとしての要素も、
むしろ味付け程度で、Thy Majestieの1stに近い感じの煮えきらなさが魅力と言えば魅力かもしれない。
全体に漂うクサメタ臭はなかなかよろしく、このあたりをさらに伸ばせば立派なクサメタルバンドになりそうだ。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5



Vexillum 「The Bivouac」
イタリアのメロディックメタル、ヴェクシラムの2012年作
ツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、正統派のメロパワスタイルに随所にケルティックな
フォークメタル風味を合わせたというスタイルで、エピックでファンタジックな世界観を描き出す。
同じイタリアのElvenkingやデンマークのWuthering Heightsあたりにも通じる感触で、
シンセアレンジによるシンフォニック性と適度にマイナー臭いクサメロ感触もよい感じです。
キャッチーなメロディアス性とともに、Thy Majestieあたりを思わせるドラマティックな雰囲気もあって、
エピックメタルとしての聴きごたえもある。1stのヘナチョコぶりからぐっと成長が窺える力作だ。
ドラマティック度・・8 クサメロ度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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VEXILLUM 「Unum」
イタリアのフォーク・パワーメタル、ヴェクシルムの2015年作
正統派メロパワ的なスタンスにエピックな世界観とフォーキッシュなメロディを盛り込んだサウンドで、
同じイタリアのElvenkingに比べるとよりメロパワ風味が強く、雰囲気としてはデンマークのWuthering Heightsあたりに近いか。
随所にヴァイオリンやバグパイプなどが鳴り響き、ケルティックな味わいもありつつ、過去作以上にパワフルな聴き心地だ。
ゲストにFreedom Callのクリス・ベイ、Blind Guardianのハンズィ・キアシュ、Ring of Fireのマークボールズなどが参加、
数曲でその歌声を披露している。ハンズィの歌声を乗せて激しく疾走する曲はまさにブラガーっぽいな。笑
フォークメタル初心者にも楽しめる、ケルティックなメロパワとしても十分高品質な力作ですよ。
メロディック度・・8 フォーキー度・・7 メロパワ度・・8 総合・・8
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VEXILLUM 「WHEN GOOD MEN GO TO WAR」
イタリアのフォーク・パワーメタル、ヴィクシルムの2021年作
2011年にデビューし、本作は6年ぶりとなる4作目。のっけから11分の大曲で、バグパイプの音色にギターが重なり、
ケルティックな旋律にハイトーンヴォーカルを乗せて、勇壮でファンタジックなフォーク・メロパワを展開する。
同郷のELVENKINGにも通じるキャッチーなメロディアス性と女性コーラスなども加えた優雅な感触に、
メロパワらしい疾走感もあって、BLIND GUARDIANがフォークメタル化したような雰囲気も感じさせる。
一方で、どっしりとしたミドルテンポでは、MANOWARばりの勇壮なエピックメタルとしても楽しめ、
キャッチーなフォークメロディが自然体で融合されているという点では、バンドの最高作だろう。
ドラマティック度・8 フォーキー度・8 優雅度・8 総合・8 
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VHALDEMAR「FIGHT TO THE END」
スペインのメロパワバンド、ヴァルデマールの1st。2002作
のっけから初期HELLOWEEN+HAMMERFALLのような疾走曲で始まり、
その後もGAMMA RAYMANOWARLOST HORIZONなどを彷彿させる楽曲が続き、
彼らの目指すスタイルを如実に物語っている。演奏は新人にしてはしっかりしているし、力強さもある。
「カイ・ハンセン大好き〜♪」という感じのVoもそれなりに世界観を演出する歌唱をこなしている。
楽曲自体の説得力はあと一歩だが、この潔いサウンドは正統派ファンなら満足できるものだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 正統派度・・9 総合・・7.5
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VHALDEMARI Made My Own Hell」
スペインのメロパワバンド、ヴァルデマールの2nd。2003作
カイ・ハンセンをパワフルにしたようなヴォーカルを乗せて、初期HELLOWEENばりに疾走、
ギターにはネオクラシカルなテイストもある。MANOWARばりにエピックな雰囲気もあり、
JUDUS PRIEST的な正統派ヘヴィメタルから受け継がれたサウンドは、
その手が好きなリスナーなら気に入るだろう。個人的にはネオクラ風味はなくてもよいが。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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VICIOUS RUMORSWelcome to the Ball」
アメリカのメタルバンド、ヴィシャス・ルーマーズの1991年作
1985年、テクニカルギタリストのヴィニー・ムーアをフロントにデビューし、
本作は4作目で、一般的にもバンドの代表作とされるアルバム。
個人的にも「パワーメタル」という言葉を聞いてまず思い出すのが本作だ。
ザクザクとしたギターリフに、激しくシャウトするヴォーカルで聴かせる
まったくもって正統派のヘヴィメタル。メロディアスとまではいかないが、
ドラマティックな質感を感じさせるサウンドは、アメリカのパワーメタルの中でも
日本人に受けるタイプだと思う。確かな演奏技術も含めて傑作と呼べる作品。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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VICIOUS RUMORS「WARBALL」
アメリカのベテランパワーメタルバンド、ヴィシャス・ルーマーズの2006年作
ジャケにボールが復活していることからも、名作「Welcome To the Ball」が思い出されるが、
サウンドの方も一時期の低迷を吹き飛ばす、力強いパワーメタルでにんまりだ。
二本のギターによる重厚なリフと、随所にメロディも効かせながら、
ハイトーンヴォーカルを乗せて、パワフルな正統派メタルが炸裂する力作。
メロディアス度・・7 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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VICIOUS RUMORSRazorback Killers
ヴィシャス・ルーマーズの2011年作
前作から5年ぶりとなる本作も、トレードマークであるボールジャケでまずは一安心。
リーダーのジェフ・ソープとドラムのラリー・ハウを除いてメンバーが交替しているが、
サウンドは前作以上にパワフルになり、徹頭徹尾これぞヘヴィメタル!という内容。
新ヴォーカルの歌声は、力強いハイトーンとともに深みと表現力もあり、
正統派の楽曲をドラマティックに彩っている。また、ツインギターのメロディという点でも
聴き所が増していて、最近のメロパワリスナーでも充分楽しめるだろう。見事な力作だ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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Vicious Rumors「Electric Punishment」
アメリカのベテランパワーメタルバンド、ヴィシャス・ルーマーズの2013年作
見事な復活作となった前作に続き、今作も正統派の誇りを感じさせるパワフルなサウンドが炸裂、
ヘヴィなリフとともに疾走する勢いは、ときにスラッシーなほどで、バンド史上でも最も激しい作品であろう。
ブライアン・アレンのヴォーカルも、怒りすら込められたようなダミ声を聴かせ、ヘヴィメタルの熱さを伝えてくる。
随所にツインギターによるメロディもまじえつつ、あくまでパワフルにたたみかける。有無を言わせぬ強力作だ。
かつてのメンバーであった、マーク・マクギーや、NIGHT RANGERのブラッド・ギルスらがゲスト参加している。
メロディック度・・7 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8



VICIOUS RUMORS 「CONCUSSION PROTOCOL」
アメリカのパワーメタル、ヴィシャス・ルーマーズの2016年作
1985年にデビューのベテラン、本作では新ヴォーカルに若干21歳のオランダ人シンガー、ニック・ホールマンが加入している。
前作はバンド史上最高という激しさのアルバムであったが、今回はどっしりとした正統派メタルの聴き心地に、
パワフルなヴォーカルを乗せた、いくぶん80年代にレイドバックした作風で、古き良きパワーメタルが炸裂している。
ツインギターは硬質なリフを奏でつつも適度にメロディックな感触もあって、ヘヴィすぎない激しすぎないという
オールドなメタルファンが楽しめるバランス感覚もさすがである。一方スローテンポのナンバーなどは少々退屈な感じもあり、
疾走するナンバーの勢いを引き立てているにとどまっている。安定感のあるアルバムだが、それ以上を求める向きには物足りないか。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Vicious Rumors 「Celebration Decay」
アメリカのパワーメタル、ヴィシャス・ルーマーズの2020年作
1985年にデビューのベテラン、本作は通算13作目で、リーダーのジェフ・ソープとドラムのラリー・ハウを除いた
メンバーが交替している。ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せて、スラッシーなアグレッシブ性と
ほどよい叙情を同居させたオールドスタイルのパワーメタルサウンドは健在。新加入のニック・コートニーの歌声は
ダーティな迫力とともに随所にハイトーンも使い分けていて、いかにもオールドなメタル感をかもしだしている。
ときにツインギターのメロディックなフレーズも覗かせつつ、楽曲はどっしりとしたダークな重厚さに包まれていて、
ミドルテンポのナンバーなども、これぞヘヴィメタルという味わいだ。ICED ERTHあたりが好きな方もどうぞ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 重厚度・・8 総合・・8 
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Victoria K 「Essentia」
オーストリアのゴシック・シンフォニックメタル、ヴィクトリア・Kの2020年作
2人の女性Voに女性ギターを含む編成で、メタリックなギターと壮麗なシンセアレンジ、美しい女性ヴォーカルに
女性によるグロウルヴォイスを重ねた、ほどよくヘヴィでキャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。
バンド名でもある、ヴィクトリア.K嬢の伸びやかな歌声は、WITHIN TEMPTATONのシャロンを思わせ、
艶めいた魅力でサウンドを包み込む。楽曲は3〜4分前後が中心で、比較的ストレートなノリで分かりやすいが、
随所にゴシック寄りの耽美な雰囲気も覗かせて、しっとりとしたナンバーなども女性声の魅力にウットリとなる。
新鮮なインパクトはさほどないが、実力ある女性ヴォーカルをフロントにした期待のバンドです。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Victoria K 「Kore」
アメリカのシンフォニックメタル、ヴィクトリアKの2022年作
2020年にデビューし、2作目となる。メタリックなギターに艶めいた女性ヴォーカルを乗せて、美しいシンセアレンジとともに、
ゴシック的でもある耽美な雰囲気に包まれたシンフォニックメタルを聴かせる。全体的にはシンセによる味付けは控えめで、
壮麗なシンフォニック性は控えめなのだが、ヴィクトリア・コキノス嬢の歌声は、はかなげでフェミニンな魅力があって悪くない。
ときおりデスヴォイスも絡んだでのアグレッシブなパートも覗かせつつ、楽曲自体は、ストレートな感じで普通に聴きやすい。
反面、もう少し壮大な盛り上がりや、キャッチーなフックが欲しいか。いっそこのままゴシックメタル寄りの妖しさを深めてもよいかと。
シンフォニック度・7 耽美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 
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VICTORIUS 「The Awakening」
ドイツのメロディックメタル、ヴィクトリアスの2013年作
ツインギターとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する正統派のメロディックパワーメタル。
楽曲は3〜4分台でいたってシンプルで、適度にモダンな硬質さを含みつつ爽快にたたみかける、
若いリスナーにも楽しめるノリと勢いがある。ツインギターは随所によい感じのメロディを奏で、
パワフルでありながらキャッチーな歌メロなどは、むしろ北欧のメロパワ系バンドに近い感触がある。
これだというキラーチューンがないのが惜しいが、HIBRIAなどが好きな方には安心して楽しめる好作品。
メロディック度・・7 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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VIKONT (Виконт)「Don't Obey the Destiny!(Не Покоряйся Судьбе!)」
ロシアのメロディックメタル、ヴィコントの2012年作
女性シンセ奏者を含む6人編成で、ツインギターのリフとシンセアレンジを乗せて疾走、
朗々としたロシア語の歌声とともに、エピックな勇壮さを聴かせるサウンド。
随所にクサメロぎみの旋律も含みつつもマイナーな辺境臭さはあまりなく、
古き良き王道メタル系のギターワークを含めて、正統派のメロディック・パワーメタルとして楽しめる。
メロディック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5


VINDICTIV
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ヴィンディクティヴの2008作
キャッチーなコーラスワークで聴かせるメロディアスハード風の質感に
ネオクラシカルなギターを合わせるという、これまでにありそうでなかったスタイル。
曲がソフトめでうるさすぎない分、これならネオクラ嫌いな人間でも楽しめる。
ヨラン・エドマンの見事なヴォーカルもサウンドの説得力を引き上げている。
メロディアス度・・8 メロハー度・・8 ネオクラ度・・8 総合・・8
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VINDICTIV「Ground Zero」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ヴィンディクティヴの2nd。2009作
ネオクラシカル風味のメロディアスハードという作風で、1stも質の高い作品だったが、
続く本作も同様になかなか素晴らしい作品だ。ヨラン・エドマンの伸びやかな歌声とともに
北欧らしいキャッチーな叙情性と、ステファン・リンドホルムの技巧的なギターワークが冴え渡る。
さらに本作ではドラムにソルタン・チョース(The Flower Kings〜KARMAKANIC)が参加していて、
リズム面での緩急のつけかたも聴き所。きらびやかなシンセワークはときおりプログレハード風であったり、
全体的にやわらかなメロディアスさに包まれたサウンドがじつに耳に心地よい。
ゲストヴォーカルとして、オリバー・ハートマン、マーク・ボールズが参加している。
メロディアス度・・8 やわらかメロハー度・・8 ネオクラ度・・7 総合・・8
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VINDICTIV 「Cage of Infinity」
スウェーデンのメロディックメタル、ヴィンディクティヴの2013年作
過去2作もなかなかクオリティの高い好作だったが、本作では新たにEDEN'S CURSEのマルコ・サンドロンが加入、
その抜けの良いハスキーなヴォーカルは、メロディックな楽曲にはなかなかよくマッチしている。
随所にネオクラ風味のギターを含ませつつも、全体的には前作よりもヘヴィになった感触がある。
正統派メタル寄りの曲が増えたことで、メロハー寄りの前作が好きだった方には微妙かもしれないが、
クオリティの高さはさすがというところで、どちらにしても安心して楽しめる好作にはなっている。
メロディック度・・8 キャッチー度・・7 ネオクラ度・・7 総合・・7.5




Violet Sun「Loneliness In Supremacy」
イタリアのシンフォニックメタル。ヴァイオレット・サンの2010年作
Thy MajestieのDario Grilloを中心にしたバンドで、美しい女性ヴォーカルの歌声と、
シンフォニックなアレンジで聴かせるサウンド。適度にテクニカルでモダンなヘヴィさもありつつ
あくまでメロディックな叙情性が前に出ていて、き心地は悪くない。ProMetal的な展開力もいくぶんあるが、
メロディや楽曲そのものに、これといった個性やインパクトが足りないので、そこは今後に期待。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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VIPER「Theatre of Fate」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ヴァイパーの2nd。1991年作
後にANGRAを結成することになるアンドレ・マトスの在籍したバンドだが、なにせ当時ブラジルのメタルといえば
SEPULTURAくらいしかいなかったわけで、当然ながらこのアルバムでの成功なくしてはANGRAは生まれなかっただろう。
そして繊細で美しいイントロに続く、クラシカルなメロディで疾走するそのサウンドには
HELLOWEENよりもメロディアスで美麗なメタルがあったのかと、大変な衝撃を受けた記憶がある。
演奏技術的には、今のANGRAを基準にするといかにもつたないが、シンフォニックメタルという言葉すら
なかったこの当時に、ここまでのクラシカルな旋律を疾走サウンドに取り込んだバンドはいなかったし、
若々しいアンドレ・マトスのハイトーンも含めて、すべてが日本人好みのスタイルであった。
QUEEN的なコーラスとキャッチーなメロディの“Prelude to Oblivion”、ドラマティックな名曲“Theatre of Fate”、
そしてベートーベンの月光をモチーフにした“Moonlight”まで、まさに全曲捨て曲なしの美旋律が楽しめる名作だ。
個人的にはまだ粗削りながらクサメロ満載で疾走する1st「Soldiers of Sunrise」もお気に入り。
メロディアス度・・9 疾走度・・8 クラシカル度・・9 総合・・8.5
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VIPER「All My Life」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ヴァイパーの2008年作
あのVIPERが帰って来た。といっても、若いファンにとってはANGRAの方がはるかに有名なのだろうが、
自分の世代としては、ANGRAは「VIPERのアンドレ・マトス」が作ったバンドという認識なのである。
その後マトスは脱退し、後にANGRAを結成、バンドは残されたメンバーで3rd、4thと発表してゆくが、
いつしか忘れられていった。こうしてまさか復活作を出してくるとは驚きであるし、当時のファンには嬉しいことだ。
さて、肝心の本作のサウンドだが、どことなくアンドレ・マトス似のヴォーカルでANGRA風の疾走曲が始まる。
とはいっても、サウンド、演奏面においのてローカルな印象はぬぐえず、英語力のない曲名といい、どうもB級臭い。
1曲目こそ疾走ナンバーだが、その後はキャッチーなロック曲やバラードなど、ラテン的なやわらかみが感じられ
とくに5曲目あたりは嫌いではないのだが、全体的にメタルとしてのバワフルさではやや物足りないかもしれない。
メロディアス度・・7 あのVIPER度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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Virgin Steele 「Guardians Of The Flames」
アメリカのエピックメタル、ヴァージン・スティールの1983年作
1982年にデビュー、本作は2作目のアルバムで、シンセを使った美しいアレンジにハイトーンヴォーカルを乗せ、
キャッチーな正統派HR/HMを聴かせる。ヨーロピアンな様式美メタルの感触に、エピックな世界観を加えたという作風で、
初期のMANOWARをよりメロディックにしたという雰囲気かもしれない。エリック・アダムスばりにシャウトするヴォーカルも
とてもパワフルで、わりとアメリカンなロックナンバーでも、決してポップになり過ぎないところがよいですな。
ラストの叙情的なバラードナンバーも、美しいシンセとともに優雅でメロディアスに楽しめる。
2018年の再発盤は、EP収録曲やライブ、デモ音源など、8曲を追加収録。
ドラマティック度・・7 キャッチー度・・8 エピック度・・7 総合・・7.5
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Virgin Steele 「Noble Savage」
アメリカのエピックメタル、ヴァージン・スティールの1985年作
3作目のアルバムで、ブリティッシュメタル的な古き良きギターワークにパワフルなヴォーカルを乗せた、
初期のMANOWARにも通じる正統派のHR/HMスタイルで、メロディックな味わいのHRとしても楽しめる。
ときにハイトーンでがなり立てるデビッド・ディフェイスのヴォーカルは、エリック・アダムスを思わせるような雰囲気で、
バンドの勇壮な世界観を決定づける存在感がある。シンセを使ったシンフォニックなテイストも随所にアクセントになっていて、
ほどよく大仰ながら、ヘヴィ過ぎないキャッチーな聴き心地は、むしろMANOWARよりも万人受けしそうな気もする。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 パワフル度・・7 総合・・7.5
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Virgin Steele 「Age of Consent」
アメリカのエピックメタル、ヴァージン・スティールの1988年作
4作目となる本作も、前作でのキャッチーな路線を受け継ぎいだ、エピックな味わいのハードロックサウンドを聴かせる。
正統派のギターリフとうっすらとしたシンセアレンジにハイトーンヴォーカルを乗せた、メロディックな味わいは、
わりとメジャー寄りの路線なので、多くのHR/HMリスナーに楽しめるだろう。MANOWARを思わせるパワフルなナンバーや、
8分を超える叙情的なスローナンバーなども魅力的で、6作目以降のコンセプト的なスケール感に通じる聴き心地。
CDでの再発盤はジャケが変更され、ボーナストラックも加わって全79分という大ボリュームに。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Virgin Steele「Life Among the Ruins」
アメリカのエピックメタル、ヴァージン・スティールの5th。1992年作
90年代のメタルブームもあって、日本でこのバンドが認知されだすのも本作あたりからだったろう。
初期に比べると、いくぶんアメリカンなハードロック風味が増していて、よく言えばメジャー感がより強まった。
キャッチーなナンバーが続くのだが、デヴィッド・フェイスのパワフルなシャウトを含んだヴォーカルの存在感は、
エピックな雰囲気を残しているので、このバンドらしさはしっかりと感じられる。
シンセを使った優美なバラード曲も魅力的で、アルバム後半はなかなかドラマティックな味わいですね。
ドラマティック度・・7 エピック度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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Virgin Steele 「The Marriage of Heaven & Hell Part One & Part Two」
アメリカのエピックメタル、ヴァージン・スティールの1994/1995年作
元々は単体で発表されたコンセプト作である、6th、7thを、2CDにカップリングした2014年再発盤。
前作までのキャッチーな路線から、本格派のエピックメタルとしてのスタイルを極めた作品で、
パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、どっしりとした勇壮さとメロディックな味わいで、
MANOWARにも通じる、大仰でドラマティックな世界観を描きだす。シンセアレンジを加えたシンフォニックな優雅さと
パワフルなメタル感触が同居していて、メロディはキャッチーなので多くのメタルリスナーに楽しめる。
2枚合わせて150分超と、少々長すぎるきらいはあるが、気合の入った大変な力作である。
ドラマテイック度・・8 勇壮度・・8 エピック度・・9 総合・・8
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VIRGIN STEELE「Invictus」
アメリカのエピックメタルバンド、ヴァージン・スティールの1998年作
80年代初頭から活動する大ベテランで、MANOWARとともにアメリカン・エピックメタルの大御所。
本作はおそらく8作目で、日本盤も出ていた「The Marriage of Heaven & Hell」の続きにあたる。
ジャケも含めて古代ローマを舞台にした世界観があるのだろう、物語的な壮大なイントロから曲が始まると
MANOWAR
にも通じる正統派のヘヴィメタルが炸裂。エリック・アダムスばりのヴォーカルの歌声と、
シンプルながらも王道のギターワークで聴かせつつ、ときにシンセの入った美しさもあって
壮大な世界感を描こうとしているところは素晴らしい。1曲ごとのインパクトはさほどでもないが、
70分を超えるアルバムを通して聴けば、ドラマティックかつエピックな世界に浸れるだろう。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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VIRGIN STEELE「THE HOUSE OF ATREUS ACT U」
アメリカのエピックメタルバンド、ヴァージン・スティールの10th。2000作
ギリシャのトロイア戦争をモチーフにしたコンセプト作の続編で、
エピックな雰囲気をただよわせる、MANOWARにも通じる王道メタルサウンドに、
今作は映画サントラ風のインスト曲も織り込むなどしたスケールの大きな意欲作。
最近のシンフォニックメタルに比べると、ややシンプルに聴こえるだろうが、
正統派のメロディックメタルを愛する方なら聴くべきバンドではあるだろう。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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VIRGIN STEELE「HYMNS TO VICTORY」
アメリカ、エピックメタルの元祖、ヴァージン・スティールのベストアルバム。2001作
結成20周年を記念して作られたアルバムで、厳選された過去曲のリマスターと未発表曲とで構成。
サウンドはMANOWARばりに気合の入ったマッチョ系トゥルーメタルで、そこにヨーロピアンな叙情を加味した
正統派かつ大仰なメロディックメタル。VoもMANOWARのエリック・アダムスを意識したかのようなシャウトを聴かせる。
結成20年を経ても頑張っているのは素晴らしいが、マノウォーほどの知名度が得られていないのが不憫な気もする。
世界観としては、RHAPSODYなどにも通じるので(そこまでシンフォニックではないが)
この手のエピックなメタルが好きなら、一度は聴いておくべきバンドだろう。
ドラマティック度・・8 大仰度・・8 エピック度・・8 総合・・7.5
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VIRGIN STEELE「Visions of Eden」
アメリカのベテランメタルバンド、ヴァージン・スティールの2006作
11作目となる本作は、このエピックなジャケが物語るように、内容もなかなかの力作。
このバンドのサウンドはMANOWARに比べると、楽曲にはけっこうシンセも使っていて
ヴォーカルもさほどシャウトしない点もあり、もっとマイルドなやわらかさがある。
その反面、パワフルなメタルを期待すると長尺感があって、アルバムを聴き通すのはつらいのだが。
むしろバラード曲などでの雄大な美しさが魅力となっていて、ドラマティックな作風をじっくり楽しめる。
ドラマティック度・・8 疾走度・・6 エピック度・・8 総合・・8
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VIRGIN STEELEThe Black Light Bacchanalia
アメリカのエピックメタルバンド、ヴァージン・スティールの2010年作
結成は1981年という大ベテラン。12作目となる本作も前作同様になかなかの力作だ。
11曲中、7分以上が6曲、うち1曲は11分という大作志向で、いつもながにエピックな世界観と
ドラマティックな正統派の感触でじっくりと聴かせる。マイルドなヴォーカルの歌声は、
ときおりエリック・アダムスばりにシャウトもし、うっすらとしたシンセによる味付けなども含めて
とても日本人好みのメタルだと思う。派手な疾走曲とかもなければ、なにしろトータル70分以上と長いので、
気が短い人には向かないのたが、クオリティは高いし、安心して楽しめるエピックメタルの力作である。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・9 総合・・8
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Virgin Steele 「Nocturnes of Hellfire & Damnat」
アメリカのメロディックメタル、ヴァージン・スティールの2015年作
80年代から活動するエピックメタルの大ベテラン。5年ぶりとなる通算13作目(たぶん)。
随所にシャウトも聴かせるハイトーンヴォーカルと正統派のギターリフとともに聴かせるサウンドは、
頑固一徹、良い意味でなにも変わらない。MANOWARを思わせるパワフルさにウェットな叙情性を盛り込んで、
より原点回帰したというような印象だ。声が裏返るところなどはKING DIAMOND的でもあり、
バックの演奏自体はシンプルなのだが、シアトリカルなドラマ性を感じさせる濃密な味わいである。
イギリスにサクソンあれば、アメリカにはヴァージン・スティールあり。これぞ古き良きエピックメタルである。
限定盤のDisc2には18分を超えるドラマティックな組曲などを収録していて、ファンならばこちらも必聴だ。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 正統派度・・8 総合・・8 
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VIRTUOCITY「SECRET VISIONS」
フィンランドのネオクラ系メロスピバンド、ヴァーチュオシティの1st。2001作
フィンランドにはSTRATOVARIUS〜SONATA ARCTICAという先輩がおるが、このバンドもその流れをくんだ
お約束どおりの音。疾走曲メイン、キーボードとギターのクラシカルなユニゾン、と、それなりに質の高い演奏。
しかしやはり、何一つ目新しくないという予定調和こそがこの手のネオクラバンドの精神なのか、
曲としてはSTRATOVARIUSとどう違うのかがさっぱり分からないほどだ。
TAROTのキーボード奏者に、CHILDREN OF BODOMのドラムが参加しているらしいが、
演奏の切れを上回る曲におけるアイディアがないのでは先輩バンドに勝てる見込みはない
疾走度・・8 ストヴァリ度・・8 新鮮度・・5 総合・・7


Visigoth 「Conqueror's Oath」
アメリカのメロディックメタル、ヴィシゴスの2018年作
2015年にデビュー、本作は2作目となる。ファンタジックなジャケからしてすでに良い感じだが、
サウンドの方も、王道のギターリフに朗々としたヴォーカルで聴かせる正統派のエピックメタル。
叙情的なツインギターとコーラスを含む勇壮な味わいに、ほどよくローカルなマイナー臭さも漂わせるが、
演奏力はしっかりとしていて、ヘナチョコ感はまったくない。どっしりとしたミドルテンポを主体にしつつ、
ジャーマンメタル的な疾走ナンバーもよい感じで、80〜90年代初頭の熱いメタル愛が全編に感じられる。
NWOTHM系が好きなオールドメタラーにもお薦めの強力作。全8曲42分というのも潔い。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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Visionatica 「Enigma Fire」
ドイツのシンフォニックメタル、ヴィジョナティカの2019年
2016年にデビュー、本作は2作目で、壮麗なイントロから始まり、メタリックなギターにオーケストラアレンジが重なり、
なよやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、優美なシンフォニックメタルが広がってゆく。
XANDRIALEAVES' EYESにも通じる優雅でキャッチーな聴き心地で、メロディックでほどよく重厚、
ときにアコースティックな民族調のパートも取り入れるなど、エンシェントで幻想的な世界観を描き出す。
北マケドニア出身という、タマラ嬢の歌唱力も上記のバンドに劣らぬレベルで、サウンドを美しく彩っている。
全体的には、突き抜けたインパクトというまでには至っていないので、今後は楽曲の自体の魅力を磨いて欲しい。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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VISION DIVINE「VISION DIVINE」
ラビリンス、ラプソディらのメンバーによるバンド、ヴィジョン・ディヴァインの1st
メンバーが実力者だけにサウンドの方も非常に高クオリティ。
メロディアス&シンフォニック、そしてコテコテの疾走曲がずらりと並びます。
ようするにラビリンスの曲をラプソディのVoが歌っている、という印象。目新しさはなし。
やっぱ歌うまいねファビオ。安心して聴けるイタリアンメタル入門用にも最適。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 疾走度・・8 総合・・7.5

VISION DIVINE「SEND ME AN ANGEL」
イタリアンメタルバンド、ヴィジョン・ディヴァインの2nd。2002作
1stは曲的に「可もなく不可もない」というくらいのアルバムだったと思うが、
今作はメンバー間の均整がとれてきたのか、自然体で力みのないサウンドになっている。
ファビオ・リオーネの歌唱力を活かすアレンジで、疾走度をやや押さえ目にした、
歌メロ重視の楽曲はなかなか心地よく、RHAPSODYのファビオとはまた違った歌が楽しめる。
この後オラフはLABYRINTHを脱退、本格的にVISION DIVINEに専念することになる。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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VISION DIVINE「STREAM OF CONSCIOUSNESS」
イタリアンメタルバンド、ヴィジョン・ディヴァインの3rd。2004作
新Voに新Keyを迎えての今作は、新生VDの船出とばかりに気合の入った内容である。
まず、曲間のSEなどによるシリアスなムードがコンセプト的なイメージをかもしだし
ファンタジックからの脱却ともとれるややドライでパワフルな音作りが象徴的。
勿論、LABYRINTHにおいてのメロディーメーカーであったオラフによる楽曲は
疾走度は抑え目ながらも、かつてのラビリンスを彷彿とさせる部分もあり高品質。
特筆すべきは、新加入のミケーレ・ルッピの類まれなヴォーカルの力量で、
若いころのジェイムス・ラブリエを思わせる伸びやかなハイトーンで絶品の歌唱を聴かせてくれている。
クオリティとしてはLABYRINTHの新作同様、メジャー級の作品といってよい。あとは曲!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 歌唱度・・9 総合・・8
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VISION DIVINE「The Perfect Machine」
イタリアンメタルバンド、ヴィジョン・ディヴァインの4th。2005作
ミケーレ・ルッピが加入しての2作目。疾走感はやや抑え目ながら、
美しいシンセや歌メロを中心に聴かせるサウンドは相変わらず高品質。
ときおり次作以降に顕著になるプログレメタル色を感じさせるが、基本的には明快なメロパワで
ハードロック的なやわらかみをもったメロディと、ミケーレの絶品の歌唱にはマイナー臭さは微塵もない。
反面、質は高いが楽曲に面白みや新鮮味はあまりない。イタリアンメタル初心者向けかもしれない。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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VISION DIVINE25th Hour
イタリアのメロパワバンド、ヴィジョン・ディヴァインの5th。2007作
ヴォーカルがミケーレ・ルッピとなって3作目となる今作は、
全体的に気負いのないバンドとしての円熟が音に感じられるようになった。
メロパワというよりも、むしろログレメタリックな知的なアレンジが耳を引き、
そこに乗るミケーレのヴォーカルは、堂々としたじつに見事なもので、
ボーナストラックの“Another Day”を聴いてもジェイムス・ラブリエに遜色ない実力がある。
同郷のLABYRINTHとは双頭バンドと見られてきたが、完成度の点ではここにきてついに
本家を凌駕したかという印象もある。もはや疾走メロパワではなくなったが、充実のクオリティだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・6 テクニカル度・・8 総合・・8
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VISION DIVINE「9 Degrees West Of The Moon」
イタリアンメタルバンド、ヴィジョン・ディヴァインの6th。2009年作
本作ではRHAPSODYのファビオ・リオーネがバンドに復帰、
前作からの流れであるプログレメタル的な展開美を随所に覗かせながら、
ドラマティックに聴かせてくれる。シンフォニックメタル的な華麗な壮大さと
ファビオの歌声によるエピックな説得力が、サウンドの魅力をより高めており、
RHAPSODYの荘厳さにANGRAのテクニカルさを併せたような見事な内容だ。
ときおりプログレ的なシンセワークを取り入れたり、疾走に頼らない知的なアレンジといい、
オラフ・トーセンの才能と、バンドとしての新たな意気込みが感じられる傑作である。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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VISION DIVINE「Destination Set To Nowhere」
イタリアのシンフォニックメタル、ヴィジョン・ディヴァインの2012年作
オラフ・トーセンがLabyrinthに復帰したことで、こちらはどうなるのかと思ったが、
こうして3年ぶりとなるアルバムが完成。本作はSF的ストーリーのコンセプト作で
イタリア語の語りによるイントロから始まり、きらびやかなシンセアレンジを含んだ
シンフォニックメタルが展開する。前作から復帰したファビオ・リオーネの歌声は
サウンドに説得力をもたらし、前作までの流れであるプログレッシブな構築力とともに、
楽曲はオラフ・トーン節というべきメロディックで、知的なスケール感に包まれている。
スリリングな新鮮味や疾走感は薄いが、全体的に完成度の高い力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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VISIONS OF ATLANTIS「ETERNAL ENDRESS INFINITY」
オーストリアの男女Voシンフォメタルバンド、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの1st。2002作
ソプラノ女性ヴォーカルとヘタウマ男Voがキーボード入りのきらきらとした曲調に歌を乗せる美麗作。
雰囲気はまるでNIGHTWISHのようだが、そこまでの力強さはなく、少々B級臭いのがミソ。
曲自体には目新しさはないが、女性声のオペラティックなシンフォメタルが好きならば、それなりに楽しめるだろう。
オーストリアというとEDENBRIDGEの存在が大きいが、このバンドもそのレベルを目指していって欲しい。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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VISIONS OF ATLANTIS「CAST AWAY」
オーストリアの男女Voシンフォメタルバンド、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2nd。2004作
なかなか魅力的なものを持っていたが、曲とアレンジ的に弱かった1stから大いに飛躍した。
女性Voのニコル嬢の歌唱は、NIGHTWISHのターヤを思わせるようにオペラティックで美しく
おそらく曲の方も世界的成功を収めたNIGHTWISHに学んだのだろう、アレンジ的にもそれに接近し、
よりシンフォニックで劇的な高揚感を伴うまでになった。ここまで来ると逆にNIGHTWISHとの差別化が難しくなる方向性だが、
男女のツインVoという部分と、オーストリアらしいクラシカルなメロディにこのバンドの色が伺える。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 NIGHTWISH化度・・9 総合・・8
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Visions of Atlantis「Trinity」
オーストリアのシンフォニックメタルバンド、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの3rd。2007作
NIGHTWISHばりの質の高さを聴かせてくれた前作「Cast Away」に続き、期待の3作目。
前作からヴォーカルが交代していて心配されたが、新Voのメリッサ嬢は少し線が細いが、
ターヤを思わせるようなオペラティックな歌唱法もできるなかなかの逸材。
楽曲の方はより垢抜けたアレンジで、ポストNightwishとも言うべき壮麗な楽曲は、
同郷のEDENBRIDGEなども含めて、フィメールメタルファンであれば膝を叩く出来だろう。
反面、聴きやすすぎて彼らならではの個性というものはますます薄れた気もするが、
充分に質の高い男女ヴォーカルのシンフォニックメタルであるのは確かだ。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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Visions Of Atlantis「Delta」
オーストリアのシンフォメタルバンド、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2011年作
EDENBRIDGESERENITYとともにオーストリアのシンフォニックメタルを牽引するこのバンド、
今作も男女ヴォーカルの歌声で美麗に聴かせるシンフォニックなサウンド。
これまで以上にギターがクサメロを奏でたり、楽曲の疾走感が増して全体的なメリハリがついたことで
ずいぶんダイナミックになったという印象。女性Voは新たにまた交代していて、マキシ嬢の歌声は、
前の二人のようなオペラティックな唱法とは異なるので、Nightwish的なイメージからはやや離れたか。
モダンなメタリックさと優雅な美しさのパランスもよく、クオリティ的にもEDENBRIDGEに匹敵するレベルにきた。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Visions of Atlantis「Maria Magdalena」
オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスのミニアルバム。2011年作
タイトル通り、イエスの死を見取ったとされる女性、「マグダラのマリア」をコンセプトにした作品で、
ジャケの雰囲気はいつになくゴシック的であるが、サウンドの方もきらびやかなシンフォニック性に
女性ヴォーカルの歌声と男性声の絡みで聴かせつつ、しっとりとしたゴシック風味も覗かせている。
シアトリカルな作風が男性声の意義を強めていて、マキシ嬢の美しいソプラノがいっそう映える。
ELISのサンドラ嬢がいたバンド、DREAMS OF SANTYに通じる雰囲気になった気もして、
個人的にもこの方向性は気に入った。次のフルアルバムが楽しみである。
シンフォニック度・・8 ゴシック風味度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Visions of Atlantis「Ethera」
オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2013年作
デビューからすでに10年、前作ミニアルバムに続く、フルとしては5作目の作品。
男女ヴォーカルの歌声で聴かせる、美麗なシンフォニックメタルはこれまで通り。
美しいシンセアレンジとともに、今作ではいくぶんモダンなキャッチーさが前に出てきていて、
以前にあった耽美な雰囲気は減退している。楽曲的にもさほど新鮮味はないので、聴きやすい作品ではあるが、
いまひとつ濃密なインパクトは残らない。マキシ嬢の歌声も魅力という点では突き抜けるものがないのが惜しい。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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VISIONS OF ATLANTIS 「Old Routes-new Waters」
オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2016年作
2002年にデビュー、これまでに5作のアルバムを出しているが、本作は過去曲を再録音したミニアルバム。
美しいソプラノヴォーカルに男性ヴォーカルが絡んで、キャッチーで美麗なシンフォニックメタルを聴かせる。
新たに加入したクレメンティーネ嬢の歌声は清楚な美しさで、オペラティックな優美さがよい感じですな。
ただセレクトされた過去曲が抜群に出来が良いわけでもなく、新録のわりにはさして音がゴージャスでもないという、
なんとなく煮え切らなさを感じてしまう。これなら新曲のEPを出してくれた方が良かったような…
だがともかく、新たに美声の歌姫を得てのバンドの次回作には大いに期待したい。
シンフォニック度・・8 楽曲度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5 
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Visions of Atlantis 「Wanderers」
オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2019年作
2002年にデビュー、本作は6作目となる。シンフォニックなオーケストラアレンジに、
伸びやかな女性ヴォーカルと男性声を乗せた、キャッチーで壮麗なサウンドはそのままに、
ときにケルティックなメロディを取り入れるなど、Nightwishにも通じる華麗なスケールも感じさせる。
前作EPから加入したクレメンティーヌ嬢の歌声は、清楚な地声からオペラティックなソプラノまで美しく
バンドの世界観にもよくマッチしている。楽曲は、4分前後と比較的シンプルながら、ほどよく疾走感もあるので、
なかなか軽快な聴き心地で楽しめる。EDENBRIDGEなどが好きな方にもお薦めの美麗作です。
シンフォニック度・・8 美麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 
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Visions of Atlantis 「Pirates」
オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2022年作
NAPALMレーベルのCEOでもあるドラムのトーマス・カッサーを中心に、2002年にデビュー、
8作目の本作は、タイトル通り、海賊をテーマにしたコンセプト的な作品で、壮麗なシンセアレンジに、
美しい女性ヴォーカルに男性ヴォーカルが絡む、華麗なシンフォニックメタルを展開する。
紅一点、クレモンティーヌ嬢の歌声は、ときになよやかなソプラノを使いながらサウンドを彩り、
オーケストラルなアレンジやクワイアとともに、Nightwishを彷彿とさせる部分もしばしば。
キャリア20年を誇るバンドらしいサウンドのスケール感で、全58分の濃密な力作である。
シンフォニック度・・8 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8 
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Viuda Negra 「Al Final / In The End」
スペインのメロディックメタル、ヴィウダ・ネグラの2019年作
80年代から活動するバンドの復活作にしてデビュー作で、スペイン語、英語版の両方を2CDに収録。
オールドなギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、古き良き正統派のメタルサウンド。
楽曲は3〜5分前後と比較的シンプルで、シングルギターなので、ヘヴィ過ぎない聴きやすさと
80年代HR的なノリの良さでわりとライトに楽しめる。スロー〜ミドルテンポのナンバーも叙情的で、
ブルージーなロックナンバーもあったりと、メタル感触は薄めながらスパニッシュらしい哀愁を感じさせる。
SARATOGAあたりに比べると全体的にメロパワ感は弱いのだが、大人のスパニッシュHRとしてどうぞ。
ドラマティック度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Vivaldi Metal Project「The Four Seasons」
イタリアのシンフォニックメタル・プロジェクト、ヴィヴァルディ・メタル・プロジェクトの2016年作
キーボードのミステリアとベースのアルベルト・リゴーニを中心に、ヴィヴァルディの「四季」をメタルアレンジするプロジェクトで、
リック・ウェイクマンをはじめ、マーク・ボールズ、ファビオ・リオーネ、ロブ・ロック、エドゥ・ファラスキ、ヴィクター・スモールスキなど、
多数のゲストが参加。メタリックなギターにオーケストラルなアレンジを重ね、男女ヴォーカルの歌声とコーラスで聴かせる、
壮麗なシンフォニックメタルスタイルで、クラシックの優雅さと様式美メタルを合体させたという聴き心地。
ソプラノ女性ヴォーカルと男性声が絡むオペラティックな美しさや、ProgMetal的でもある構築力に、
優美なストリングスにネオクラなギターが加わった、バロックな濃密さで華麗なサウンドを描いてゆく。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 優雅度・・9 総合・・8
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VOICE 「PREDICTION」
ドイツのメロパワバンド、ヴォイスの1999作
3rd「Golden Signs」を聴いて、そのクオリティの高さに驚いたのだが、
自主デビューの本作の時点で、すでにパワフルなサウンドは確立している。
どっしりとしたツインギターと力量のあるヴォーカルを中心に聴かせながら、
適度にシンセを用いた厚みのある音づくりは、正統派ジャーマンメタルでありながら
そのメロディアスさにおいてはNOCTERNAL RITESに匹敵する聴きやすさがある。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・8
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VOICE 「Trapped in Anguish」
ドイツのメロパワバンド、ヴォイスの1999年作
男臭いヴォーカルと正統派のギターリフで聴かせる、どっしりとしたメロパワサウンド。
いかにもジャーマンメタルらしい疾走ナンバーでは、キャッチーなクサメロ感もあって、
GAMMA RAYあたりのファンにも対応。ツインギターの叙情メロディも随所によい感じで、
ミドルテンポからスローなバラードまで、フックのある展開で聴かせてくれ、それなりにクオリティが高い。
全体の完成度では次作ほどではないものの、マイナーなバンドにしては、出来の良いアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・8
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VOICE「Golden Signs」
ドイツのメロディックメタルバンド、ヴォイスの3rd。2001年作
なにやら男臭いコーラスによるイントロから、曲が始まると正統派に疾走開始。
シンセ入りながらも、強力にパワフルなサウンドは本格派のジャーマンメタルである。
今作では元ACCEPT、RUNNING WILDのステファン・シュワルツマンがドラムを叩き、
安定したリズムに乗せる、力強いヴォーカルの歌声もなかなか見事だ。
サビではここぞと勇壮なコーラスが入ってきて、漢メタルの魂をくすぐるドラマティックさ。
さりげないシンセやツインギターのプレイも含めて音の説得力も素晴らしく、
GAMMA RAY
のアルバムと比較しても充分勝負出来るほどの内容である。
ジャケットやバンド名で損をしているが、もっと多くの人が聴くべき傑作だ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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VOICE「Soulhunter」
ドイツのメロパワバンド、ヴォイスの4th。2003作
前作の質の高さに驚かされ、他のアルバムも聴かねば…と購入したのだが、内容はよくも悪くも変わり映えのないメロパワサウンド。
ツインギターで聴かせるパワフルな正統派ジャーマンスタイルは同じだが、全体的にミドルテンポ主体となっていて、
勢いの点ではやや落ちたか。もちろんそこいらのバンドに比べれば、演奏も楽曲もレベルが高いのだが、
安定志向のサウンドには意外性がなく、佳作どまりの内容だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 パワフル度・・8 総合・・7.5
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Voices of Destiny「From The Ashes」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ヴォイセズ・オブ・ディスティニーの2010年作
NightwishやWITHIN TEMPTATIONの成功後、世界からは続々とフィメールヴォーカルを擁した
シンフォニックメタルバンドが現れているが、このバンドも壮麗なシンセアレンジと、
美しいソプラノヴォーカルで聴かせる新人。ときにデスヴォイスもまじえたモダンなヘヴィさと、
オーケストレイテッドな華麗さが合わさり、EPICAを思わせる重厚なサウンドを構築している。
マイカ嬢の歌声はいくぶん儚い感じの美しさで、男性デス声とのコントラストになっている。
楽曲的にはメタルコア的なモダンさも強く、新鮮味はあまりないが、今後に注目のバンドである。
シンフォニック度・・8 モダンメタル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VOICES OF DESTINY「Power Dive」
ドイツのシンフォニックメタルバンド、ヴォイセズ・オブ・ディスティニーの2012年作
前作はEPICAを思わせるようななかなかの好作であったが、本作もシンフォニックな美麗さに
コンセプト的な物語性も加わったような高品質なサウンドだ。美しい女性ヴォーカルの歌声に
ときにデスヴォイスを含んだ激しさも同居させながら、モダンなシンフォニックメタルを展開してゆく。
マイケ嬢の歌唱の表現力も上ったことで、ドラマティックな聴き心地は前作以上で
ゴシックメタル的な耽美な雰囲気もあるので、EPICAなどのファンでも充分楽しめるだろう。
あとはメロディや楽曲そのものの魅力が上れば、一線級バンドと肩を並べる存在になれるだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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VOICES OF DESTINY 「Crisis Cult」
ドイツのシンフォニックメタル、ヴォイセズ・オブ・ディステニーの2014年作
EPICAあたりにも通じるサウンドで、前作はなかなかの力作であったが、今作では女性Voが交代している。
モダンなヘヴィさとシンフォニックな壮麗さを同居させ、美しい女性ヴォーカルに男性デスヴォイスが絡むスタイルで、
ヘヴィロック的な激しさと、ゴシック要素が混ざり合ったという聴き心地か。新加入のアダ嬢の艶めいた歌声も悪くないのだが、
個人的には前作の美麗な作風の方が好みであったのは事実。モダンなヘヴィネスがやや前に出すぎという気がしなくもない。
元XANDRIAのマヌエラ嬢がゲスト参加するなど、バンドとしての魅力と実力もそれなりにあるとは思うのだが、
今後の方向性によっては、このまま中庸の存在で終わってしまいかねないので、次作には華麗な飛躍を期待したい。
シンフォニック度・・8 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5 
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VOLTUREShocking Its Prey
アメリカのメタルバンド、ヴォルチャーの6曲入りミニアルバム。2010年作
ここのところ、スウェーデンやアメリカを中心に、古き良きスタイルのメタルバンドが
続々と現れてきているが、このバンド、ジャケといい、バンドロゴといい、メンバー写真といい、
すべてにおいて「80年代バンザイ」とでも叫んでいるような、まさに王道のメタルをやっている。
アナログ感たっぷりのドラムに、正統派のギターリフで疾走、ハイトーンのヴォーカルもいい感じだ。
初期のメイデンやジューダス、さらには80年代のNWOBHMを思わせるヘビーメタルである。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Volturian「Crimson」
イタリアのシンフォニックメタル、ヴォルトゥリアンの2020年作
Frozen Crownのフェデリコ・モンデッリによるバンドで、SEEPING ROMANCEのフェデリカ・ランナをシンガーに、
デジタルなモダンさを含んだシンセアレンジにメタリックなギター、美しい女性ヴォーカルで聴かせるサウンド。
キャッチーなメロディとヘヴィネスを同居させ、曲によってはNightwishのような優美な雰囲気もあり、
随所に男性デスヴォイスも加えつつ、なよやかな女性声の魅力を活かした楽曲が光っている。
シンプルな4つ打ちリズムのナンバーなど、わりとシンプルな聴きやすさを重視したような作風で、
新鮮味や展開力では物足りなさはあるのだが、女性ヴォーカルを前面に出した華やかさで、
モダンなシンフォニックメタルという点では、TEMPERANCEなどのファンにもお薦めです。
シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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VOUGAN「MIND EXCEEDING」
ブラジルのメロバワバンド、ヴォーガンの2007年作
DARK AVENGERのメンバーらによるバンドであるが、あくまで正統派のサウンドだった前バンドに対し、
こちらはメロパワを基本にしつつも大胆にシンセを取り入れるなど、シンフォニックでテクニカルな要素を付加している。
ハイトーンもこなすなかなかパワフルなヴォーカルの歌唱とともに、重厚に聴かせる部分はなかなか良い感じなのだが、
ピコピコとした軽めのシンセ音がややミスマッチに思える部分もある。全体的には悪くないし、美しいバラードや
どっしりとした正統派の楽曲には魅力もあるので、今後は方向性の統一を期待したい。
タイトル曲でもあるラストのインスト曲では、シンフォニックメタル的な壮麗さと
プログレメタル的な展開力を見せ、今後のバンドの可能性を感じさせてくれる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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VOYAGER「ELEMENT X」
オーストラリアのメロディック・プログレメタルバンド、ヴォイジャーの2003年作
キーボード入りの5人組で、ベースは女性。のっけからシンフォニックなイントロで幕を開け
曲調もプログレメタル的な知的な要素と、シンフォニックメタル的な壮麗さが合わさった雰囲気。
やや情感過多ぎみのヴォーカルが好みを分けるが、きらびやかに展開するサウンドは
デビュー作にしてはかなりのクオリティ。ネオクラシカル風だったりメロデス風だったりと、
曲調にとりとめがない感もあり、はては打ち込み風のディスコビートまで出てくるが、
様々な要素が楽しめる贅沢な作品ともいえる。きらきらとしたシンセワークとプログレッシブなドラマ性もよい感じで、
今後は音の深みを増してゆけば、相当のバンドにまで成長してゆきそうな可能性を感じる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 バリエーション多すぎ度・・9 総合・・8
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VOYAGER「UNIVERS」
オーストラリアのメロディック・プログレメタルバンド、ヴォイジャーの2nd。2007年作
本作では、GとBが女性で、KeyとVoが男性という、5人編成となっている。
前作もProgMetal風味のテクニカルさと、ドラマティックなシンフォニックメタルを合わせた
なかなかクオリティの高いアルバムであったが、本作も音のセンスの良さが素晴らしい。
適度にモダンなシンセアレンジに、知的な展開を聴かせる楽曲と、マイルドなヴォーカルの歌声も
表現力がずっと増している。派手な大仰さや、テクニカルな技巧を見せつけるわけではなく、
自然体の構築性で、耳触りのよいサウンドを作り上げている点が見事。
ややタイプは違うがPAIN OF SALVATIONあたりと同等のセンスを感じる。
知性ある奥深いドラマ性で聴かせる、豪州の隠れた傑作。これは要チェックだ!
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 知的センス度・・9 総合・・8.5
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VOYAGERI am the Revolution」
オーストラリアのメロディック・プログレメタルバンド、ヴォイジャーの3rd。2009作
前作「Univers」はプログレッシブなセンスが絶妙の傑作であったが、
本作もシンセ入りのシンフォニックメタルの質感と、知的な展開力で聴かせる
見事なサウンドを構築している。今作ではアレンジによりモダンさが感じられ、
この軽妙なメタリックさはある種、お洒落ですらあるが、生粋のメタルファンからすると
いくんぶん軟弱に感じられるかもしれない。バンド名のような挑戦精神が窺える作品だと思う。
シンフォニック度・・7 知的構築度・・8 モダンアレンジ度・・9 総合・・8
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VOYAGER「The Meaning Of I 」
オーストラリアのメロディック・プログレメタルバンド、ヴォイジャーの2011年作
プログレッシブかつ知的なアレンジセンスでじつにクオリティの高いサウンドを聴かせるこのバンド、
4作目となる本作もドラマティックなコンセプト性を匂わせる、期待にたがわぬ力作に仕上がっている。
きらびやかなシンセを含んだシンフォニックな感触と、重厚な硬質感にキャッチーな歌メロも盛り込んで
メロディックに聴かせるサウンドは、ときにもの悲しい叙情も含んで、いかにもモダンメタルという作風。
知的な構築力はProgMetalのリスナーにも楽しめる、いわば「新時代のメタル」というような力作だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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VOYAGER「V」
オーストラリアのメロディック・プログレメタル、ヴォイジャーの2014年作
これまでも知的でハイセンスな傑作を作り続けてきたこのバンドだが、5作目となる本作も、
モダンできらびやかなシンセアレンジを含んだ、プログレッシブな味わいのサウンドを聴かせる。
楽曲自体は4、5分前後でシンプルなのであるが、ときにヘヴィに、そしてときにメロディックなギターワークと
マイルドなヴォーカルを乗せた、メロディックなキャッチーさが抜群のセンスで融合しているのが素晴らしい。
ProgMetalではないのだが、プログレメタル的にも楽しめるという、心憎いまでのバランス感覚が絶妙なのです。
爽快な歌メロの心地良さも魅力的。頭文字である「V」のアルバムタイトルをかかげた意欲的な力作に仕上がっている。
メロディック度・・8 モダン度・・8 ハイセンス度・・9 総合・・8.5
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Voyager 「Ghost Mile」
オーストラリアのモダン・プログレメタル、ヴォイジャーの2017年作
2003年にデビュー、モダンな構築性でハイセンスなサウンドを描く、実力派の中堅バンド。
6作目となる本作はよりモダンな感触を強めた作風で、ときにDjent的でもあるテクニカル性を含みつつ、
マイルドなヴォーカルを乗せたキャッチーな感触を融合した、スタイリッシュなサウンドを聴かせる。
ギターリフはけっこう硬質であるが、うっすらとしたシンセアレンジがサウンドに浮遊感をもたらしていて、
モダンなヘヴィネスと優雅なメロディック性、そして知的な構築センスのバランスが絶妙である。
テクニカルでありながら、ほどよくキャッチーなポスト・プログレメタルとしても楽しめるアルバムです。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8 
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WARCRY
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの1st。2000年作
AVALANCHのVo、Drらによるバンド。AVALANCHもスペイン語の歌唱とやらわかなメロディが魅力だったが、
このバンドの方も巻き舌全開のスパニッシュメタル。曲の方はAVALANCHよりはもっと正統派で古き良きメタルサウンドを
今風によりメロディアスに(ちょっぴりシンフォニックに)しているといった印象。
この「物凄いスペイン臭さ」が苦手でなければクサメロ好きメタラーにはお薦めできる。
しかし、このドラムは上手いんだけど、まるで機械のように整然としていてちょっと苦手かも。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スペイン度・・9 総合・・7.5
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WARCRY 「El Sello de los Tiempos」
スペインのメタルバンド、ウォークライの2nd。2002年作
1stは普通の疾走スパニッシュメタルという印象だったが、本作はのっけからシンフォニックな雰囲気がプンプンでいい感じです。
ツインギターにきらきらのシンセ、そして正確無比なドラムで疾走。そこに乗るスペイン語の男臭いヴォーカルがまたいいですわ。
ときにProgMetal的なフレーズを弾くシンセや、メロスピ風のピロピロギターなんかも若いリスナーには嬉しいのではないかと。
演奏力、楽曲構成ともにAクラスで、スパニッシュメタル初心者にもお勧めできるアルバムです。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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WARCRY 「Alea Jacta Est」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの3rd。2004作
基本は前作同様、シンフォニックに疾走するスタイルながら、今作ではそのメロディに哀愁の色が強くなり、
より好みの音になった。楽曲の展開も疾走一辺倒でなく、ときにしっとりとした叙情性を織り込み、
多彩なシンセワークとツインギターでドラマティックに聴かせてくれる。
ANGRAあたりに通じるようなテクニカルなパートもあり、きらびやかさも健在だ。
疾走メロスピとしては前作だろうが、完成度の点では本作が最高作か。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・8
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WARCRY 「Donde Esta La Luz」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの4th。2005作
初期の疾走路線から、前作あたりからいくぶん落ち着いてきたこのバンド、
本作もシンセを含めた美しいアレンジとキャッチーなメロディ、そしてスペイン語の歌唱で
聴かせるサウンドは、メタルというよりも叙情的なハードロックに近づいてきている。
またモダンな雰囲気も取り入れていて、スペイン的な哀愁はいくぶん薄まった。もちろん演奏力も含めて、
全体的なレベルは高いので、ファンであればそれなりに楽しめるだろう。2枚組のDVDにはインタビューやメイキング等を収録。
メロディアス度・・7 疾走度・・6 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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WARCRY「La Quinta Esencia」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの5th。2006作
このバンドの2nd、3rdは哀愁の叙情メロディをふんだんに聴かせる好作であったが、
本作はスペイン語の歌唱とともにやや硬質感を増したサウンドで疾走する。
もちろんシンセ入りのメロディアスさにメロスピ的なクサメロもあるのだが、
以前のアルバムに比べると少しだけ淡白になったという印象か。
疾走曲よりもむしろ中盤でのシンフォニックなバラード曲の叙情が引き立っている。
もちろん、その辺のB級バンドに比べればはるかに質は高い好作だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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WARCRY 「Directo a La Luz」
スペインのメロディックメタル、ウォークライのライブ作品。2006年作
2000年にデビュー、スペインを代表するメロディックメタルバンドのひとつ。
きらびやかなシンセに重厚なギターとスペイン語による歌声を乗せたサウンドは、
ライブにおいてもしっかりとした演奏力とともにじつに濃密な聴き心地である。
パワフルに疾走しつつ、クサメロのギターをかぶせてくるあたりが、このバンドの魅力で、
音質はややラウドなのだが、観客の歌声がうるさすぎるほど入っていて、会場の熱気が伝わってくる。
CDには12曲、DVDには22曲を収録。もうお腹いっぱいです。笑
ライブ演奏・・8 濃密度・・8 音質・・7 総合・・7.5
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WARCRY「Revolucion」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの6th。2008作
クサメロまくりで疾走する初期のスタイルから、徐々に普遍的なメタルサウンドとなり、
前作あたりは初期のファンにはやや肩すかしであったと思うが、今作はシンフォニックな美しさとともに
スペイン語の歌唱でメロディアスに疾走する楽曲は、なかなかいい感じである。
ときおり聴かせるツインギターの叙情性も哀愁をかもしだしており、
スピードのみに頼らないスタイルはバンドとして大人になったことを感じさせる。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5

WARCRY 「Inmortal」
スペインのメロディックメタル、ウォークライの2013年作
2000年にデビュー、本作は8作目となる。正統派のギターにシンセを重ね、スペイン語によるパワフルなヴォーカルを乗せ
ほどよい疾走感のある王道のメロパワを聴かせる。キャッチーなメロディのフックとスパニッシュな哀愁の叙情が同居して、
激しすぎない耳心地の良さで楽しめる。楽曲は4〜5分前後を主体にしつつ、8分の大曲ではしっとりとしたパートを含んで
ドラマティックな展開を見せる。メロディアス性、疾走感、濃密さ、いずれも「ほどほど」なので、新鮮なインパクトはないのだが、
キャリアのあるバンドらしい堂々たる内容で、正統派スパニッシュメロパワの高品質作と言えるだろう。
メロディック度・8 疾走度・7 スパニッシュ度・8 総合・8 
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Warcry 「Donde El Silencio Se Rompio」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの2017年作
AVALANCHのメンバーによるバンドで2000年にデビュー、本作はおそらく9作目となる。
きらびやかなシンセアレンジに、適度にモダンなギターとスペイン語のヴォーカルを乗せた
スパニッシュなハードロックサウンドで、哀愁の叙情を含んだベテランらしい味わいだ。
初期の頃のようなメロスピ的な疾走感はあまりないのだが、どっしりとした大人の落ち着いた感じと、
シンフォニックなアレンジが合わさっていて、シンプル過ぎない濃密な聴き心地はさすが。
ミドルテンポを主体にしつつほどよい疾走ナンバーもあるので、全体的にもバランスの取れた好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・6 スパニッシュ度・・8 総合・・8 
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WARDANCE「Heaven is for Sale」

ドイツのメタルバンド、ウォーダンスの1990年作
当時はまだ珍しかった、女性ヴォーカルをフロントにしたスピードメタルで、
わりと正統派のギターリフと、ハスキーな女性声を乗せて疾走するスタイル。
コーラスなどはキャッチーで、随所にクサメロ的なギターフレーズも覗かせるところは、
初期のBLIND GUARDIANなどにも通じるが、こちらはもっとライトな聴き心地。
ジャーマンメタルマニアには幻の90年代初頭の逸品と言える作品でしょう。
メロディック度・・7 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5


Wardrum 「Messenger」
ギリシャのメロディックメタル、ウォードラムの2013年作
正統派のギターリフに伸びやかなヴォーカルの歌声を乗せたオールドなメロパワスタイル。
ギリシャのバンドというとB級というイメージが強いのだが、このバンドに関しては見事な歌唱力に
バックの演奏力も含めて、一線級のバンドにひけをとらない。手数も多く安定感のあるドラムに、
キレのいいリフと随所に巧みなフレーズを奏でるギターとともに、サウンドに確かな説得力を付加している。
クサメロ系のメロスピなどとは違い、メロディアスであってもあくまでオーセンティックな聴き心地で、
なにより力量あるヴォーカルの表現力は素晴らしい。楽曲はミドルテンポ主体であるが、
様式美な疾走ナンバーもあって、HIBRIAなど、正統派メタルが好きなオールドなリスナーには受けるだろう。
ドラマティック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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WARKINGS「REBORN」
国籍不明のメロディックメタル、ウォーキングスの2018年作
メンバーが戦士のコスプレに身を包んだ、バトルメタルを標榜するスタイルで、
王道のギターリフにハイトーンヴォーカルで疾走する、正統派のメロパワを聴かせる。
エピックな勇壮さとメロディアス性が同居したサウンドは、ジャーマンというよりは北欧系の感触で
伸びやかなヴォーカルの力量も含めて、かつてのLOST HORIZONなどにも通じるだろう。
どっしりとしたミドルテンポから疾走ナンバーまで、どの曲もフックのあるメロディとともに、
キャッチーな聴き心地なので、メタル初心者でも楽しめるだろう。反面、重厚さや濃密さの点では、
さほどのインパクトはないのだが、デビュー作にしては十分なクオリティと言ってよい出来だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 勇壮度・・8 総合・・8
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Warkings 「Revenge」
国籍不明のメロディックメタル、ウォーキングスの2020年作
戦士のコスプレに身を包んだ4人組による2作目。古代ローマやギリシャ、十字軍、ヴァイキングなど、
戦いをテーマにした世界観で、バトルメタルというべきパワフルな正統派メタルサウンドを聴かせる。
NANOWARSABATONなどにも通じるエピックな勇壮さに包まれながら、歌メロ自体はキャッチーで、
HAMMERFALLなど、北欧メロパワ的でもあるほどよいクサメロ感とともに、メロディックな味わいで楽しめる。
曲によってはデス声を使ったり、逆にメロハー風のキャッチーなナンバーもあったりと、わりと曲調に幅はあるのだが、
やはり魅力的なのは勇壮なコーラスなどのエピックな部分なので、頑固一徹のバトルメタル路線を目指してもらいたい。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 勇壮度・・8 総合・・8 
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WARLORD 「Book1」
アメリカのエピックメタル、ウォーロードの2003年作
1983年のデビュー作「DELIVER US」と、1984年作「And The Cannons Of Destruction Have Begun...」DVDの2枚組仕様。
かつては高額が付いていた、マニアご用達の隠れた逸品という存在であったが、2002年にバンドは復活をはたしている。
マイルドなヴォーカルとウェットな叙情を奏でるギターで、翳りを帯びた幻想的なエピックメタルを聴かせるデビュー作は、
疾走感ある名曲「Child of the Damned」も含めて、NWOHMルーツのマイナー系メタルの奥深さを物語る逸品だ。
DVDの方は、当時はライブを行わない謎のバンドという設定のため、客のいない疑似ライブステージであるが、
80年代の貴重なライブ映像が見られるだけでもファンには嬉しいだろう。続編バンドというべき、LORDIAN GUARDもチェックすべし。
ちなみに、デビュー作「悪魔の洗礼」、ライブ作「Cannons Of Destruction〜」ともに、単体で日本盤紙ジャケ再発されている。
ドラマティック度・8 幻想メタル度・9 1st+DVDでお得度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
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WARLORD「The Cannons Of Destruction /破壊の砲口」
アメリカのエピックメタル、ウォーロードの1984年作
観客のいない疑似ライブを収録したCDで、かつてDVDでも発売されたが、2015年に紙ジャケSHM-CDで再発された。
語りによるエピックなイントロから、重厚なギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、ドラマティックなメタルサウンドを展開。
元々がライブ映像に重ねた、スタジオ録音なのだが、リマスターにより音圧も増していて、アルバムの楽曲が
より躍動的に味わえるという点では、ファンには嬉しいだろう。このあと、LORDIAN GUARDを立ち上げる、デストロイヤー、
ことウィアム・J・チャミスの泣きのメロディをまぶしたギタープレイに、美しいシンセが重なる「Lost And Lonely Days」や、
ほどよい疾走感とウェットなメロディのフックで聴かせる、「Child of the Damned」などは、いまなお魅力的だ。
今回はボーナスとして未発曲も収録されていて、コアなファンには嬉しい再発となっている。
ドラマティック度・8 幻想メタル度・9 本当はライブじゃないけど度・9 総合・8
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WARLORD「RISING OUT OF THE ASHES」
80年代、マニアの間では密かに人気の高かったバンド、ウォーロードの復活作。2002作
アメリカのバンドらしからぬマイナー臭さと叙情を持っていたこのバンド、かつてはなんと日本盤も出ていた。
復活作となった今作だが、大半は旧WARLORD、そしてLORDIAN GURD時代の楽曲の焼き直しが中心。
この時代性を無視した、古き良きサウンドが再び聴けるとは。ヨアキム・カンスの歌声も、このバンドの世界観に合っていて、
なによりクサすぎるツインギターのメロディに悶絶。やわらかな叙情メタルが好きな人はチェックしよう。これからも頑張って!
メロディアス度・・8 ユルい叙情度・・9 ウォーロー度・・10 総合・・8
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WARLORD「The Holy Empire」
アメリカのエピックメタル、ウォーロードの2013年作
2002年の復活作ではヨハキム・カンス(HAMMERFALL)がヴォーカル務めていたのだが、
本作では、オリジナルメンバーのリック・アンダーソン(MARTIRIA)が復帰、まさに本物のWARLORDが帰ってきた。
Lordian Guard名義でも活動していたウィリアム・チャミスを中心にした楽曲は、メロウなギターフレーズと
ミステリアスなシンセアレンジ、そしてエピックな歌声とともに、かつてのウォーロードサウンドが甦る。
適度なスカスカ感と幻想的な薄暗さ、湿りけを帯びたB級ぎみのクサメロに、もはや感涙である。
ラストの大曲でのやわらかなメロディと叙情美で紡がれる幻想の叙事詩…これがウォーロードだ!
ドラマティック度・・9 エピック度・・9 ウォーロー度・・9 総合・・8.5



Warrior Path
ギリシャのメタルバンド、ウォリアー・パスの2019年作
FIREWINDのボブ・カティオニス、BEAST IN BLACKのヤニス・パパドプロスが参加するバンドで、
王道のギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、エピックな味わいの正統派メタルを聴かせる。
MANOWARにも通じる勇壮な雰囲気に、アコースティックパートを含んだ叙情性と泣きのギターフレーズなどで、
ウェットなドラマ性も感じさせつつ、軽快な疾走ナンバーも聴かせるところはなかなか日本人好み。
楽曲はわりとストレートでシンプルながら、8〜9分という大曲では、ゆったりとした叙情性も覗かせて
ほどよいマイナーな香りとともに、Manilla RoadVirgin Steeleあたりが好きな方にも薦められる。
初期WARLORDのようなクサメロ感もあって、正統派のエピックメタルながら武骨すぎないところも良いですね。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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Warrior Path 「The Mad King」
ギリシャのメロディックメタル、ウォリアー・パスの2021年作
2019年にデビュー、2作目となる本作には、元LOST HORIZON、HARMONYのダニエル・ハイマンがヴォーカルで参加、
メロディックかつヘヴィなギターにハイトーンヴォーカルを乗せて、どっしりとした正統派のメタルサウンドを聴かせる。
伸びやかなダニエルの歌声と王道のメタルリフによるエピックな味わいは、かつてのLOST HORIZONを思わせ、
ほどよくキャッチーでメロディックなフックという点では、HAMMERFALLなどのファンにもアピールするだろう。
疾走する部分はさほどないが、ミドルテンポのナンバーでも、説得力あるヴォーカルが聴き手に高揚感をもたらし、
パワフルなギターリフにメロディアスな叙情性が合わさって、正統派メロパワとしてのひとつの理想形をなしている。
ドラマティック度・8 勇壮度・9 正統派度・9 総合・8.5
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Whispering Tales 「Echoes of Perversion」
フランスのシンフォニックメタル、ウィスパリング・テイルズの2011年作
女性Voにツインギター、シンセを含む6人編成で、やわらかな女性ヴォーカルの歌声と
シンフォニックなアレンジに、曲間にSEの入った小曲を盛り込むなど物語的なコンセプトを感じさせる作品。
ドラムやギターがやや軽めなこともあって、音の迫力という点では物足りないし、
楽曲自体も疾走するのか、シンフォニックにするのかが、やや中途半端な印象だ。
ルーマニアのMAGICAあたりに通じる雰囲気で、つまりはB級感が抜けきれていない。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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WHITE SKULL「The Dark Age」
イタリアのメロディックメタルバンド、ホワイト・スカルの2002年作
なにやらシンフォニックなイントロから、おっと思うが、曲の方はしごく正統派のメロパワで、
シンセによるシンフォニックな雰囲気と、ネオクラシカルな要素もいくらかある。
かつてのジャーマンメタルを思わせるローカルな感覚で聴ける微笑ましさがありつつ、
初期よりもサウンドのクオリティが上がっている。B級メタル愛好家であるなら充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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WHITE SKULL「THE [ SKULL」
イタリアのメロディックメタルバンド、ホワイト・スカルの6th。2004作
確か以前は女性Voだったバンドだと思ったが、今作ではハスキーな感じの野郎Voになっている。
音楽性はイタリアンメタルというよりは、ほぼジャーマンメタルという感じで
やや無骨ながらメロディアスに疾走していて普通に聴ける。しかしやはり、
メロディにしろ曲展開にしろ、B級臭さが残っていて、マニア向けからは脱していない。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・6.5


White Wizzard「Over The Top」
アメリカのメタルバンド、ホワイト・ウィザードのアルバム。2009作
ここのところ、レトロなヴィンテージメタルの波が世界中に広がりつつあるが、
このバンドもかつての80年代を彷彿とさせるような正統派のヘヴィメタルをやっている。
革ジャンを着込んだメンバーの出で立ちもそうだが、サウンドの方も恥ずかしげもないくらいの
古き良きメタルで、IRON MAIDENなどが好きでたまらないという、微笑ましいパワーに満ち満ちている。
かといって一昔前のヘナチョコなフォロワーというわけではなく、演奏力も歌唱力も充分にあり、
本気のメタル愛が伝わってくるほどの見事なサウンドなのだ。これを嫌いになれるわけがない。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 オールドメタル度・・9 総合・・8
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White Wizzard「Flying Tigers」
アメリカのメタルバンド、ホワイト・ウィザードの2011年作
フルアルバムとしては2作目で、前作はIRON MAIDENを思わせる往年の正統派サウンドであったが、
本作も期待通りの古き良きメタルが炸裂。ジャケもそうだが、ドラムパターンやベースラインも含めて
思い切りメイデンしています。ただ楽曲そのもののインパクトや新鮮味という点では当然ながら薄いので
NWOTHM系バンドが当初のインパクトほどはなくなり、徐々に冷静な耳で聴かれ始めたいまとなっては、
安易に絶賛はできなくはなった。本家メイデンが健在であるだけに、その再現バンドという枠にはとどまって欲しくない。
ドラマティック度・・7 メイデン度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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WHITE WIZZARD 「The Devils Cut」
アメリカのメタルバンド、ホワイト・ウィザードの2013年作
NWOTHMのホープとしてデビュー時から注目されてきたこのバンド、3作目となる本作も
古き良き感触のツインギターで聴かせる、これでもかという正統派メタルが炸裂している。
前作での「もろメイデン」な雰囲気から、楽曲はより勢いよくパワフルになり、
メロディにはキャッチーな聴き心地が増している。7分、9分という長い曲では
ドラマティックな雰囲気もかもしだしていて、新たな正統派カルトメタルのスタイルを作り上げつつある。
曲によってはまだまだメイデンへのリスペクトも感じられるが、単なるフォロワー以上のクオリティはある。
メロディック度・・8 メイデン度・・7 正統派度・・9 総合・・8



WhyzdomFrom the Brink of Infinity
フランスのシンフォニックメタルバンド、ワイズダムの2009年作
女性Voにシンセを含む6人組で、オペラティックなシンフォニックメタルをやっている。
壮麗なイントロから、シンセによるオーケストレーションとともに、女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
クラシカルなゴシックサウンドを展開。一聴してかつてのNightwishを思わせるような雰囲気だが、
肝心の女性声の表現力がまだまだで、世界観の説得力を聴かせるには至っていない。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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WhyzdomBlind?
フランスのシンフォニックメタル、ワイズダムの2012年作
前作はNightwishタイプの好作であったが、本作ではさらに壮大な作風となり、
オーケストラルなシンフォニック性と美しい
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる美麗なサウンドに仕上がっている。
スケール感を漂わせたドラマティックな雰囲気と5〜7分台を中心にした楽曲の構築力もぐっと高まっていて、
クラシカルな美意識とメリハリのついたアレンジはEPICAなどにも通じる部分がある。新加入のエヴィン嬢の歌声は
オペラティックというよりはキュートな声質で、バックが濃厚な分だけむしろ耳心地がよい。
10分を超えるラスト曲まで華麗に、そして濃密に聴かせる力作だ。
シンフォニック度・・9 壮大度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHYZDOM 「Symphony For A Hopeless God」
フランスのシンフォニックメタル、ワイズダムの2015年作
前作はクラシカルで濃密な力作であったが、3作目となる本作はまたしても女性Voが交代している。
大仰なイントロから、ヘヴィなギターリフと美麗なシンセなアレンジに伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
モダンなシンフォニックメタルサウンドが広がってゆく。新VoのMarie嬢の歌声は、中音域の伸びやかなタイプであるが、
随所に美しいソプラノも披露し、オペラティックな味わいも垣間見せる。前作よりモダンなヘヴィネスが強まったが
壮麗なコーラスワークなども含んだクラシカルで優雅なテイストもしっかりと残っている。
キャッチーな歌メロが爽快なナンバーも魅力的で、全体的にも高品質な力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Whyzdom 「As Time Turns To Dust」
フランスのシンフォニックメタル、ワイズダムの2018年作
2009年にデビュー、この手の女性声シンフォメタルでは、なにげにキャリア10年の中堅バンド。
本作は4作目で、オーケストラルなイントロからして荘厳な雰囲気を漂わせ、ヘヴィなツインギターに
美麗なシンセとやわらかな女性ヴォーカルを乗せて、重厚にして艶めいて耽美なサウンドを描き出す。
シネマティックなドラマ性を感じさせるエピックなスケール感は、Ancient Bardsなどにも通じるだろう。
前作から加入のMarie嬢のヴォーカルも、より表現力をまとって、サウンドに優美な説得力を付加している。
ツインギターの流麗なメロディも随所に盛り込みつつ、ときに激しい疾走パートも含んだメタリックなヘヴィネスと
華麗なオーケストレーションが同居した、これぞシンフォニックメタルという壮大な世界観に浸れる力作だ。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 
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Whyzdom 「Of Wonders and Wars」
フランスのシンフォニックメタル、ワイズダムの2021年作
2009年にデビューし、5作目。オーケストラルで壮麗なアレンジと美しいソプラノ女性ヴォーカルで、
優雅なシンフォニックメタルを展開。紅一点、マリー嬢のなよやかな歌声は、かつてのターヤのような
オペラティックなソプラノで、モダンなヘヴィネスも含んだギターにオーケストレーションを重ねたサウンドは
Nightwishを思わせる部分もしばしば。一方では、メロスピ的な疾走パートもあったりと、ほどよくマイナーな
クサメロ感覚を残しているところも嬉しい。キャッチーなメロディと美麗なシンフォニック性が同居した強力作。
シンフォニック度・9 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8 
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WIDOW「MIDNIGHT STRIKES」
アメリカのメロデス風メタルコアバンド、ウィドウの2003作
これは“メロデス風ニュースクール系メロパワ”とでもいうのだろうか。
曲の組み立て方はIN FLAMESSOILWORKなどからの影響も見え、
メロデス風のリフやメロディなども出てくるのだが、そう暴虐に突進するわけでもなく、
キャッチーな歌メロにはジャーマンメタルや北欧メロパワあたりを思わせる質感もある。
ようするに「なんでも好きなものを取り込む」という、昨今の若者らしいスタンスなのだろう。
32分という短さからも、音としてのアイディンティティや内的な表現云々よりも、ただクオリティの高いメタルを作ったぜ、
というノリと勢いが垣間見えて、そこらへんも若者的か。曲間や曲中に聴こえる女性の喘ぎ声とかもなんだか恥ずかしいなあ。
メロディアス度・・7 メロデス風度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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WIDOW「On Fire」
アメリカのメタルバンド、ウィドウの2nd。2005作
メロデス風のメロパワだった前作から比べ、本作では女性Voが加入したことで
サウンドはよりきらびやかになった。古き良きジャーマンメタルのようなリフで疾走し
男女ヴォーカルが歌を乗せるスタイルは、スクリームヴォイスも加えて、
いかにもアメリカの若手らしいごった煮感があって、なかなか面白い。
演奏力の点ではリズムの甘さも含めて、なんだか微笑ましいという程度なのだが、
メイデンやハロウィンが好きな若者がやりたいことをやっている…という楽しさは伝わって来る。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 若者度・・8 総合・・7
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WILD 「La Nueva Orden」
スペインのメタルバンド、ワイルドの2011年作
ツインギターとハイトーンヴォーカルで聴かせる、正統派のメロパワサウンド。
古き良き80年代テイストとスペイン語の歌声が、マイナーなB級臭さを漂わせていて、
SARATOGAやTIERRA SANTAなどに比べてもさらにヘナチョコ気味な雰囲気で、
クサメロ的な魅力もあまりない。ラストは無駄に長い11分近い大曲なのだが…
演奏力、楽曲ともに中の下。今後のレベルアップを期待したいものである。
メロディック度・・7 パワフル度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7
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WildeStarr 「Arrival」
アメリカの女性Voメタル、ワイルド・スターの2009年作
ギターのデイヴ・スターと女性シンガー、ロンドン・ワイルドによるユニットで、本作がデビュー作。
様式美的な感触もあるギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、オールドなメタルサウンドで、
80〜90年代ルーツの様式美メタルという点では、初期のCHASTAINなどに通じる雰囲気もある。
ときにパワフルにシャウトする、ロンドン嬢の中性的な歌声は、なかなかの表現力で、
楽曲自体はわりとオーソドックスながらも、巧みなギタープレイとともにそれなりに楽しめる。
メロディック度・7 オールドメタル度・8 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
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WILDESTARR「Tell Tale Heart」
アメリカのメタルバンド、ワイルド・スターの2012年作
VICIOUS RUMORSのベーシストと女性Vo、ロンドン・ワイルドによるバンドで、
パワフルなヴォーカルで聴かせる、正統派のヘヴィメタルサウンド。
80年代的なギターリフにいくぶんモダンなヘヴィさも加えたどっしりとした作風で、
そこに乗る歌声は女性というよりは中性的で、ときにロブ・ハルフォードのようだ。
楽曲にもう少しフックがあると個人的には嬉しいのだが、全編通してこれぞメタルという
ストレートな勢いにあふれた力作です。Black Sabbathの“Neon Knights”のカヴァーも収録。
メロディック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・9 総合・・7.5
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WILDESTARR「BEYOND THE RAIN」
アメリカのメタルバンド、ワイルドスターの2017年作
2009年にデビュー、本作は5年ぶりとなる3作目。メタリックなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、
正統派のメタルサウンドで、モダンなヘヴィネスと、ほどよくメロディックな味わいが同居していて、
甘すぎない骨太のスタイルだ。随所に疾走するパワーメタル感触もありつつ、基本はどっしりとした
ミドルテンポやスローナンバーで、飾りっ気のないあくまでストレートなヘヴィメタルを聴かせる。
ロンドン・ワイルド嬢の中性的な歌声は、ときに男性のハイトーンのように聴こえる部分もあって、
女性Voメタルが苦手な方でもイケるだろう。個人的にはもう少し魅力的なメロディのフックが欲しいか。
メロディック度・7 正統派度・8 女性Vo度・7 総合・7.5
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Wildpath「Nyx Secrets」
フランスの女性Voシンフォニックメタルバンド、ワイルドパスの2006年作
イントロ曲から壮麗なシンセによるシンフォニックなサウンドで始まりわくわくするが、
曲が始まるとプロダクションがやや薄っぺらなので、迫力的にはいまひとつ。
女性ヴォーカルの声質は線が細く、むしろゴシックメタルでも歌った方がいいような…
演奏力も中の下くらいで、ありがちなフレーズを連発するギターのセンスのなさは
いかんともしがたい。楽曲の出来も含めてすべてにおいて中庸感漂う作品だ。
中盤には美しいいい感じの曲もあるのだが。ORATORYあたりが許せる方はどうぞ。
元DARK MOOR〜DREAMAKERのエリサ嬢が1曲でゲスト参加している。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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WILDPATH「NON OMNIS MORIAR」
フランスのシンフォニックメタルバンド、ワイルドパスの2nd。2009年作
前作はややB級臭いサウンドであったが、今作は壮麗なイントロから期待させる。
美しい女性ヴォーカルの歌声でシンフォニックなシンセととも疾走するスタイルは、
EDENBRIDGEあたりに接近したような印象で、じつに優美なサウンドだ。
楽曲面でのアレンジの質が向上したことで、クサメロがより引き立つようになった。
コーラス入りで盛り上がるところなどは、RHAPSODYにも通じるファンタジックな世界観もあり、
クラシカルなシンセワークを軸に、新加入のマルジョレーヌ嬢の優雅な歌唱が響きわたる。
あまり期待していなかっただけに、これは予想外の好盤。女性Voシンフォメタル好きはぜひ。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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WILDPATH 「UNDERNEATH」
フランスの女性Voシンフォニックメタル、ワイルドパスの2012年作
シンフォニックなアレンジと、クラシカルなメロディで聴かせる美麗なサウンドは、
前作からの延長上であるが、よりオーケストレイテッドなアレンジが強まっている。
ただRHAPSODYばりの壮麗な世界観を描こうとしているのは分かるが、
いくぶん垢抜けない女声ヴォーカルの歌声がB級っぽさを残していて、
ドラムなどの録音の弱さも含めて、サウンドの説得力はまだまだ足りない。
モダンな質感も中途半端で、前作で聴けたクサメロがやや減ったことも痛し痒しか。
Disc2には全曲のオーケストラアレンジverを収録。こちらは優雅に楽しめる。
シンフォニック度・・8 疾走度・・7 女声Vo度・・7 総合・・7.5
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Wildpath 「Disclosure」
フランスのシンフォニックメタル、ワイルドパスの2015年作
2006年にデビュー、本作は4作目となる。デジタルなシンセにオーケストラルなアレンジを加えたイントロから、
コケティッシュな女性ヴォーカルを乗せて、優雅でスタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
軽やかなリズムにはモダンなDjent風味もあったりと、デジタルなアレンジを随所に覗かせつつ、
緩急のある構築力とともに、ProgMetal的な雰囲気も感じさせる。ときにメロスピ的な疾走感に
激しいツーバスの連打、男性声も加えたり、壮麗なオーケストラアレンジなど、メリハリのある流れで
硬質さと優美さを同居させたサウンドを描いてゆく。キャッチーであるがクールという感触で、
メロディが濃密になり過ぎないつかみどころのなさも、バンドの意図するところなのだろう。
シンフォニック度・・7 スタイリッシュ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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WILD STEEL
イタリアのメロディックメタル、ワイルド・スティールの2006年作
SHADOWS OF STEELの仮面のヴォーカリストによるソロプロジェクトで、シンフォニックなシンセに
ネオクラ気味のギターとハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、正統派のメロディックメタルサウンド。
90年代のイタリアンメタルの流れをくむ、ほどよいクサメロ感とキャッチーなメロディック性で、
これという新鮮味はないものの、なかなか微笑ましく楽しめる。パワフル過ぎないヴォーカルも、
むしろ強すぎなくてよいですね。どこかなつかしいクサ☆メロスピナンバーには思わずにんまり。
Disc2には、CRIMSON GLORYのカヴァーを4曲収録。アコースティックを含むアレンジでなかなかハマっている。
メロディック度・・8 疾走度・・7 イタリアンメタル度・・8 総合・・7.5
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WILD STEEL 「Transcending Glory」
イタリアのメロディックメタル、ワイルド・スティールの2010年作
SHADOWS OF STEELの仮面のヴォーカリストによるソロプロジェクトで、本作は彼の敬愛する
CRIMSON GLORYのトリビュート作品。前作のボーナスDisc収録曲とはかぶりのない選曲で、
「Dragon Lady」、「Valhalla」、「Lady of Winter」といった代表曲を含め、1stから4曲、2ndから5曲を取り上げている。
独特のハイトーンヴォーカルを乗せ、原曲に忠実な演奏でクリムゾン・グローリーの楽曲を再現しているが、
どことなくイタリアンメタルらしいマイナー感がにじみ出ている。本家ミッドナイトの歌唱には及ばないが、
ウェットでドラマティックな世界観を映すようなオリジナルへの愛情が感じられるので、なかなか楽しめる。
ドラマティック度・・8 カヴァー度・・8 ミッドナイト度・・7 総合・・7.5
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WINGDOM「REALITY」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ウィングダムの2005作
SONATA ARCTICAのKey、ミッコ・ハルキンを中心にしたバンド。
サウンドはソナタよりはもっと重厚で、クールなプログレメタル的雰囲気がある。
ヴォーカルもなかなかの実力者で、この手のシリアスな楽曲には必要な説得力もある。
派手な疾走パートは少ないが、ミッコのキーボードを中心に北欧らしいもの悲しい叙情性と
メタリックな硬質感とがセンス良くマッチした作品だ。音のクオリティは高いので、
今後はプログレ度を上げるなど、方向性の絞り込みに焦点を当てていってほしい。
メロディアス度・・7 プログレメタル度・・7 重厚度・・8 総合・・7.5
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Wind Rose 「Shadows Over Lothadruin」
イタリアのシンフォニックメタル、ウインド・ローズの2012年作
シンセを含む5人編成で、ジャケはまるでエピックメタル系のようだが、
サウンドの方は、むしろメロディックな聴き心地のProgMetal的な作品である。
適度にメタリックなヘヴィさも含みつつ、叙情性と軽やかな展開美が前に出た楽曲は、
シンフォニックなシンセワークとともに、あくまでメロウな聴き心地である。
ドラマティックなたたみかけがもう少しあればとは思うが、難解すぎない知的なアレンジと
10分を超える大曲を構築するセンスもなかなかの好作品だ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・7 構築度・・8 総合・・7.5


Wind Rose 「Wardens of the West Wind」
イタリアのシンフォニックメタル、ウインド・ローズの2015年作
前作はProgMetal的な好作であったが、2作目となる本作はエピックなファンタジー性を感じさせる世界観と
重厚なシンフォニックメタル要素が強まり、随所にケルティックな香りを含んだメロディとともに壮麗な聴き心地である。
リズムチェンジや展開力は楽曲にメリハリある起伏を生み出し、凡庸なシンフォメタルバンドとは一線を画していて、
勇壮なクワイアやオーケストラルなアレンジセンス、メロディックなフックでも、近年の新鋭バンドの中では抜きんでている。
RhapsodyやBlind Guardianなどを好む方なら、間違いなく楽しめるだろう、ドラマティック・シンフォニックメタルの力作だ。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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WIND ROSE 「STONEHYMN」
イタリアのシンフォニックメタル、ウインド・ローズの2017年作
2012年にデビュー、1stはProgMetal風、2ndはシンフォニックメタルときて、3作目の本作は、
ヴァイキングメタル風のエピックなサウンドを展開。シンセによる壮麗なアレンジに包まれて、
勇壮なヴォーカル&コーラスとともに、北欧のバンドのような涼やかな土着性を含んだ聴き心地。
正統派メロパワ的な疾走感にフォーキーなメロディを乗せ、リズムチェンジを含んだ構築力で、
ドラマティックな空気を描き出す。アコースティックパートも含めて、しっかりとした説得力のある音楽性は、
バンドのセンスと地力が高いからだろう。1st〜3rdまで、すべて方向性が違うが、次回作は果たしてどうなる。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング風度・・8 壮麗度・・8 総合・・8 
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Wind Rose「Wintersaga」
イタリアのメロディック・ペイガンメタル、ウインド・ローズの2020年作
2012年にデビューし、1作目はプログメタル路線であったが、2作目はシンフォニックメタルに深化、
前作ではフォーキーなペイガンメタル路線となり、4作目となる本作もその延長上のスタイルとなっている。
美麗なシンセアレンジに土着的なギターの旋律、ダーティなヴォーカルと勇壮なコーラスを重ね、
「ドワーフメタル」を標榜するように、エピックでファンタジックな世界観のペイガンメタルを展開する。
激しい疾走感も含んだ、ドラマティックな感触は、BLIND GUARDIAN的でもあり、フォーキーで愉快なノリのナンバーは、
FINNTROLL風でもあるという。オーケストラルな壮麗さがシネマティックなスケール感をかもしだし、
重厚なメロパワ感触と土着的な叙情性が同居した、まさにエピック・シンフォニックメタルというべき力作だ。
ドラマティック度・8 勇壮度・8 ペイガン度・8 総合・8
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WINTERBORN「Cold Reality」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ウインターボーンの2006年作
SONATA ARCTICA、NIGHTWISHなどの成功以降、次々に新人バンドが登場するフィンランドから、
また新たなニューカマーが名乗りを上げた。出尽くした感のあるメロディックメタルの中で、
このバンドはむしろスウェーデンに近いものを思わせる、古き良き北欧メタルサウンドをやっている。
ミドルテンポを主体に、オーセンティックなギターリフにネオクラシカル風の質感も加えながら、
こちらはフィンランドらしい華麗なシンセワークをバックに、中音域のヴォーカルが歌い上げる。
正直、曲自体には目新しい部分はなにもないのだが、音のかもしだす説得力には新人らしからぬ
しっかりとした骨太のものを感じる。安心して聴ける北欧メロディックメタルの好作だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Winter In Eden 「Echoes of Betrayal」
イギリスのシンフォニックメタル、ウインター・イン・エデンの2012年作
ほどよくヘヴィなギターに優美なシンセを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる正統派シンフォニックメタル。
甘すぎないメロディのフックと涼やかな叙情性で、わりとさらっと聴けてしまうのだが、曲によってはほどよい疾走感もあり、
紅一点、ヴィッキー嬢のクールビューティ的な歌声もサウンドによくマッチしていて、盛り上がり切らないのも魅力なのかも。
ときにNightwishのようなオーケストラルなアレンジや優美なピアノを含むシンセが、華麗に楽曲を彩っていて、
美しい女性声を引き立たせている。これというキラーチューンがないのが物足りないが、クオリティは充分の好作品だ。
ドラマティック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 
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Winter in Eden 「Court Of Conscience」
イギリスのシンフォニックメタル、ウインター・イン・エデンの2014年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、オーケストレーションを含む美麗なアレンジに、
女性ヴォーカルの歌声を乗せた、Nightwishなどにも通じる正統派のシンフォニックメタル。
Vicky嬢の歌声は伸びやかな中音域で、これという個性はないが実力もそこそこあって、
わりとモダンなアレンジのナンバーにもよく似合っている。反面、楽曲やメロディのフックには
新鮮なインパクトというのは薄く、既存のフィメールメタル系バンドの中で抜きに出るものはまだない。
曲によっては美しくキャッチーな展開が心地よい部分もあるので、今後の成長に期待したい。
シンフォニック度・・7 新鮮度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Winter in Eden 「Social Fake」
イギリスのシンフォニックメタル、ウインター・イン・エデンの2022年作。
2010年にデビュー、本作は8年ぶりとなる4作目。壮麗なシンセアレンジをギターに重ね、伸びやかな女性ヴォーカルとともに、
DELAINなどにも通じる優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。サウンドにダークな部分は希薄で、ほどよく軽快で
キャッチーな耳心地に、しっとりとした優美さも加わった作風は、WITHIN TEMPTATIONなどのファンにも楽しめる。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルながら、3パートに分かれた美麗ナンバーなど、総じて耳心地よく楽しめる。
あとは、楽曲単位での盛り上がりや壮大なスケール感などが加われば、より素晴らしいバンドになると思う。
シンフォニック度・7 優美度・8 女性Vo度・8 総合・8
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WINTERLONG「VALLEY OF THE LOST」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ウインターロングのデビュー作。2001作
輸入版のCD側面のタイトル印刷が「WALLEY OF 〜」と堂々と間違っています。
曲はやはり疾走曲メインで、メロディアスなギターワークにバックのうっすらとしたキーボード
(弾いているのはラーズ・エリック・マットソン!)、そこにかすれ気味の声質の歌が乗る。
好感が持てるのは安易に様式美に走らず、やかましく無駄なテクニカルユニゾンがないこと。
つまりメロディと曲の展開で純粋に勝負しようとしている点だ。音は薄いし録音の悪さも手伝って、
思い出すのは80年代のKey入りのジャパメタやプログレハード。キーボードソロなんかいかにもそれっぽい。
(疾走曲でのチープなスネアの音やスカスカ感は初期のX JAPANっぽい気さえするな)
この微妙なさびれ具合というか、洗練されてなさが逆に我々には心地よいのかも。
メロディアス度・・8 様式美度・・7 さびれた哀愁度・・8 総合・・7
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WINTERLONG「THE SECOND COMING」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ウインターロングの2nd。2003作
シンフォニックなキーボードが美しく、ギターのトーンにはややネオクラシカル色もある。
アレンジ的にはややB級感を残しているが、1st同様にやはり雰囲気は悪くない。
疾走メロスピとも様式美メタルともいえず、微妙なスタンスであるが
北欧的なクサメロは嫌いではなく、とりあえず頑張って欲しいと思わせるバンドではある。
この多少古くさい、ある種プログレハードっぽい感じがなんとも良いのだなあ…
メロディアス度・・8 疾走度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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Winterage 「The Inheritance of Beauty」
イタリアのシンフォニックメタル、ウインターレイジの2021年作
2015年にデビュー、6年ぶりとなる2作目。ヴァイオリン奏者を含む5人編成で、オーケストラアレンジに
混声コーラスを乗せたイントロから、RHAPSODYばりのバロックな壮麗さに包まれつつ、艶やかなヴァイオリンを
ギターリフに重ね、伸びやかなヴォーカルとともに、疾走感あるエピックシンフォニックメタルを展開する。
ほどよいクサメロ感や重厚なクワイアも含めて、やはり初期ラプソディにも通じる雰囲気が強いのだが、
専任のヴァイオリン奏者が奏でるケルティックな旋律が随所にアクセントになっていて、緩急ある構築力や
ときにオペラティックな女性シンガーも加えた優雅な味わいには、単なるフォロワーという以上の魅力がある。
ラストは16分という大曲で、ストーリー的な語りを含んだシネマティックでファンタジックなサウンドを描いてゆく。
シンフォニック度・8 疾走度・7 壮麗度・9 総合・8
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WINTERS BANE「Redivivus」
アメリカのメタルバンド、ウインターズ・ベインの2005年作
JUDAS PRIESTやICED EARTHで活躍したティム“リッパー”オーウェンズが
かつて在籍していたことでも知られるこのバンドの、なんと13年ぶりとなるアルバム。
3人編成でありながら、パワフルに疾走する正統派のメタルサウンドで、
ドイツのMETALIUMなどにも通じるような雰囲気。正直これといった新鮮味はないが、
力強いオーセンティックなパワーメタルが好きならチェックしてみてもいい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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Winters Dawn「The Winter Is Dawning」
ギリシャのメロパワバンド、ウインターズ・ドーンの2009年作
イントロに続き、泣きの叙情で聴かせるバラード風の曲で幕を開けるが、
JUDAS PRIEST的なパワフルな正統派メタルの質感とともに、
ドラマティックな展開力もなかなか見事。ツインギターのフレーズもメロウで煽情的、
むしろゆったりとした重厚な作風に魅力を感じる。曲間のシンセやピアノなどの入れ方は
SAVATAGEを思わせるものもある。泣きのメロディに彩られた正統派メタルの力作だ。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 泣きの叙情度・・8 総合・・7.5
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Winterstorm 「Kings Will Fall 」
ドイツのヴァイキング・メロディックメタル、ウインターストームの2012年作
オーケストラルなイントロから壮大なスケールを感じさせるが、楽曲に入るとツインギターのクサメロを乗せて疾走する、
わりと正統派のメロディック・スピーメタルで、ヴァイキングメタル風味の勇壮さを含んだ世界観を描いてゆく。
ややダーティなヴォーカルも、エピックな世界観のサウンドによくマッチしていて、朗々としたコーラスなども含めて、
中世の戦士たちを思わせるファンタジックな雰囲気もよろしい。ミドルテンポのいかにもヴァイキングメタル的なナンバーも
サビにつながるフックのあるメロディはキャッチーで、一般のメロパワリスナーにも普通に楽しめるクオリティがある。
むしろ、Gamma RayやNocturnal Rites的な正統派メロパワを、ヴァイキング化したという聴き心地の力作である。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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Winterstorm 「Cathyron」
ドイツのヴァイキング・メロディックメタル、ウインターストームの2014年作
エピックな雰囲気漂うイントロから、ツインギターのフォーキッシュなリフにシンフォニックなアレンジと
朗々としたヴォーカルを乗せて聴かせる、ヴァイキング風味のメロディック・パワーメタル。
適度なクサメロと勇壮なコーラスもよい感じで、マイルドなペイガンメタル的にも楽しめる。
ミドルテンポ主体ながらクサメロで疾走する曲もあって、フォークメタル的な土着性と
メロパワ風味のバランスという点では、Equilibriumをより正統派に近づけたという感じもある。
ディープすぎない爽快さとキャッチーな聴き心地は、初心者にも受けるだろう。質の高い好作品だ。
メロディック度・・8 疾走度・・7 エピック度・・8 総合・・8
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WINTERSTORM 「Cube of Infinity」
ドイツのヴァイキング・メロディックメタル、ウインターストームの2017年作
2010年にデビューして、本作は4作目。前作もEquilibriumばりの好作であったが、今作も美麗なイントロから、
エピックな雰囲気を漂わせつつ、クサメロ感たっぷりのギターを乗せて疾走開始。正統派メタルのパワフルさに加え、
ペイガンな土着性とシンフォニックな壮麗さと勇壮なコーラスなどを加えた、エピックなメロパワサウンドを聴かせる。
全体的にはヴァイキング風味がやや薄まって、ミドルテンポのどっしりとしたナンバーやわりとキャッチーなナンバーなど
同郷のMajetiyあたりにも通じる正統派のスタイルで、一般のジャーマンメタルファンにも十分楽しめる内容だろう。
メロディック度・・8 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・8 
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Winters Veil 「Storm Awakens」
アメリカのメロディックメタル、ウインターズ・ヴェイルの2012年作
ギターによる叙情的なイントロから始まり、オールドなギターにハイトーンヴォーカルを乗せた、
Hammerfallなどにも通じる、勇壮な雰囲気の正統派メロパワサウンドを聴かせる。
ラウドな音質がいかにも自主制作らしいが、エピックメタル的なウェットな叙情性と、
美しいシンセや女性ヴォーカルで聴かせる優雅さは、マイナーな感触ながらもなかなか魅力的。
メタル感のないゆったりとしたバラードなどもあり、涼やかな叙情性は北欧のバンドのようでもある。
激しい疾走感はほとんどないが、じっくりとエピックな世界観に浸れるマイナーメタルの好作品。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 重厚度・・7 総合・・7.5
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Winter's VergeTales of Tragedy
キプロス諸島のメロパワバンド、ウインターズ・ヴァージの2010年作
ツインギターを含む5人組で、メロディアスな正統派のメロパワをやっている。
ラウドな音質やヴォーカルの技量などには、いかにもマイナー臭さがにじんでいるが、
ギターの奏でるメロディセンスはなかなかで、ドラマティックで適度にエピックな香りも悪くない。
全体的にミドルテンポ主体なので、派手さやインパクトの点ではやや物足りないが、
キプロスという土地からもこのような力強いメタルバンドがいるのだと感心する。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Winter's Verge 「The Ballad of James Tig」
キプロスのメロディックメタル、ウインターズ・ヴァージの2020年作
2008年にデビューし、本作は6作目。ツインギターに女性シンセ奏者を含む6人編成で、
美麗なシンセアレンジに叙情的なギター、中音域のパワフルなヴォーカルを乗せて、
ヴァイキングメタル風味もある土着的なメロディを含んだ正統派メロパワを聴かせる。
楽曲はミドル〜スローテンポが主体だが、シンフォニックメタル的な華麗さと勇壮な歌メロとともに、
ときに、RHAPSODYのようなドラマティックな高揚感に包まれ、美しい女性ヴォーカルが加わると
Nightwishのような優雅な味わいにもなる。メタル的な激しさよりも叙情美に浸れる逸品です。
シンフォニック度・8 疾走度・6 勇壮度・8 総合・8
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WISDOM「Words of Wisdom」
ハンガリーのメロパワバンド、ウィズダムの2006作
ツインギターの5人組で、正統的のメロパワサウンドを聴かせる。
BLIND GUARDIANあたりを思わせるファンタジックな雰囲気だが、
ときおりギターのフレーズに辺境臭いクサメロが出てきてにんまりとなる。
キャッチーなコーラスワークやツインギターで聴かせる部分などは良い感じだが
全体的は曲調がやや古くさいか。今後は方向性と個性の確立を望みたい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派度・・8 総合・・7
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WISHDOOM「Helepolis」
ギリシャのエピックメタルバンド、ウィッシュドゥームの2011年作
ジャケからしてエピカルな香りがぷんぷんだが、サウンドの方もなかなかのもの。
ミドルテンポを中心に聴かせる勇壮な正統派メタルで、MANOWARなどを思わせるパワフルさとともに、
随所に語りなどを含んで、勇ましい戦士たちの姿を描き出すような世界観である。
ギターリフにはヘヴィなドゥームメタル風味もいくぶんあり、重厚で硬派なエピックメタルが楽しめる。
ちなみに、タイトルの「ヘレポリス」というのは、ギリシャ軍が誇った攻城塔のような兵器のこと。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 エピック度・・9 総合・・8
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Witchking
ポーランドのメタルバンド、ウィッチキングの2007年作
メタリックなギターに朗々としたハイトーンヴォーカルを乗せ、エピックドゥーム的なダークさに包まれた
正統派のメタルサウンドを聴かせる。シアトリカルに歌い上げるヴォーカルも含めて、JUDAS PRIESTや、
BLIND GUARDIANなどにも通じる、80〜90年代をルーツにした翳りを帯びたドラマティックな雰囲気は、
オールドなファンにも受けるだろう。楽曲も4〜5分前後と、ほどよくストレートでパワフルかつ明快な耳心地。
これという新鮮味はないのだが、勇壮でエピックな正統派メタル好きにはシンプルに楽しめるだろう。
ドラマティック度・8 疾走度・6 正統派度・8 総合・7.5
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WITHERFALL 「Nocturnes and Requiems」
アメリカのプログレッシブ・パワーメタル、ウィザーフォールの2017年作
ジェイク・ドレイヤー(元Kobra and the Lotus)、ジョセフ・マイケル(White Wizzard)、アダム・サガン(White Empress)
といったメンバーが集結したバンドで、ヘヴィなギターリフをテクニカルなリズムに乗せたプログレメタル感触に、
パワフルなヴォーカルの歌声で聴かせる、ダークなパワーメタルを融合したサウンド。スラッシーな疾走パートや
薄暗い叙情性も覗かせる知的な展開力で、重厚なサウンドは「テクニカルになったICED EARTH」という感じもある。
表現力のあるハイトーンヴォーカルとともに、8分、9分という大曲をじっくりと構築してゆく。聴きごたえのある力作だ。
尚、ドラムのアダムはアルバムの発表を待たずに、2016年に悪性リンパ腫で他界したそう。R.I.P.
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Witherfall 「A PRELUDE TO SORROW 」
アメリカのプログレッシブ・パワーメタル、ウィザーフォールの2018年作
ジェイク・ドレイヤー(元Kobra and the Lotus)、ジョセフ・マイケル(White Wizzard)を中心に2017年にデビュー、本作は2作目となる。
前作発表直前に死去したアダム・サガンに代わり、Death Dealerのスティーヴ・ボログネスが参加していて、
ヘヴィなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、知的な構築力で聴かせるダークなメタルサウンドは前作同様。
手数の多いドラムと巧みなギターワークを中心にしたテクニカル性と、アコースティックパートなども含む緩急ある構成で
重厚な世界観を描いてゆく。ときに激しく疾走するスラッシュメタル風味もあつつ、スローパートでは耽美な叙情も垣間見せる。
メロディックなフックはあまりないが、10分を超える大曲も含めて、メリハリある展開力でドラマティックな聴き心地が楽しめる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 ダークで重厚度・・8 総合・・8 
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Witherfall 「Curse Of Autumn」
アメリカのプログレッシブ・ダークメタル、ウィザーフォールの2021年作
2017年にデビューし、3作目となる。スラッシーなギターリフにダーティなヴォーカルを乗せて疾走する、
激しいパワーメタル感触に、リズムチェンジを含む展開力で、ドラマティックなサウンドを聴かせる。
BLIND GUARDIANなどにも通じるエピックなコーラスや、アコースティックを含む叙情的なパートなど、
緩急あるアレンジも光っていて、流麗なギタープレイとともにインストパートの充実にも成長が窺える。
ここぞと突き抜けるハイトーンを聴かせるヴォーカルの表現力も、サウンドに説得力を付加している。
ラストは、ProgMetalらしい構築性に重厚なメタル感、メランコリックな叙情が同居した15分を超える大曲。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 重厚度・・8 総合・・8 
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Within Silence 「Gallery of Life」
スロバキアのメロディックメタル、ウィズイン・サイレンスの2015年作
ツインギターに伸びやかなヴォーカルを乗せて、キャッチーなメロディアス性で聴かせる、
正統派のメロディックメタル。ほどよい疾走感とともに北欧的な優雅さに包まれた感触は
うっすらとしたシンセアレンジも含めて、CardiantSonata Arcticaあたりに通じる雰囲気もある。
初心者にも聴きやすいメロディのフックと、マイルドなハイトーンヴォーカルの表現力も一線級で、
安定したクオリティの高さは国籍を感じさせない。反面、中級以上のリスナーには新鮮なインパクトは薄いかも。
全体的にレベルの高いバンドなので、あとは突き抜けるようなキラーチューンが欲しい。
メロディック度・・8 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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WIZ 「SHATTERED-MIND-THERAPY」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ウィズの2004作
NOSTRADAMEUSのVoとGが参加しているが、こちらはもっとオーセンティックなメロパワ。
NOCTURNAL RITESあたりに通じる正統派の雰囲気でなかなか聴かせてくれる。
このバンドならではの個性や、楽曲における魅力という点ではやや弱いが、
疾走しまくりのNOSTRADAMEUSとは違って、落ち着いて楽しめるアルバムだ
メロディアス度・・8 疾走度・・6 正統メロバワ度・・9 総合・・7.5
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WIZARD「ODIN」
ドイツのメロディック・パワーメタルバンド、ウィザードの5th。2003作
かつてのATTACKを力強くした感じの疾走チューンはツインギターの魅力もあってなかなかのもの。
Voの歌唱もなかなかよろしく、本気系の(メタル馬鹿系)の楽曲には、MANOWAR的な力強さがあり
その手のいわゆる「トゥルーメタル」が好きなら、存分に溜飲を下げられる作品だと思う。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 男のメタル度・・9 総合・・7.5

WIZARD「MAGIC CIRCLE」
ウィザードの6th。2005作
METALIUMとともにお馬鹿ガッツメタルを盛り上げるバンドだが、
しかし今回はジャケからして馬鹿っぽさがなくなり、どうもシリアスな印象だ。
曲が始まると相変わらずのコテコテなジャーマンメロパワが爆発するが、
中盤はミドルテンポの比較的おとなしめの曲が並び、疾走という点ではやや物足りない。
MANOWARタイプのトゥルーメタルサウンド全開だが、総じて単調なものまた同様。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ヘヴィメタル度・・9 総合・・7

WIZARD「...Of Wariwulfs And Bluotvarwes」
ドイツのメタルバンド、ウィザードの2011年作
聴くのは2005年作以来なのだが、相変わらずMANOWARばりの一本気なスタイルで
愚直なまでの正統派メタルをやっていて、ひと安心。パワフルに疾走する潔さと、
クサメロというほどではないが、適度にメロディックな要素もあって、以前のアルバムよりも、
楽曲自体の質も上がってきている。新鮮味はまったくないが、正統派メタル愛好家のみなさまへ。
メロディック度・・7 疾走度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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WIZARDS「THE KINGDOM」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ウィザーズの4th。2002年作
このバンド、実はデビューは95年と古く、ブラジルではVIPER、ANGRAに次ぐ期待のバンドだった。
3rdアルバム以降バンドは解散状態で音沙汰がなかったが、ここにきてなんと復活。
1stの頃からキーボードを効果的に使用した、プログレッシブな部分と、ANGRA的メロディアスさに
疾走感を兼ね揃えていたセンスの良いバンドであった。今作では、1曲目こそパッとしないものの、
徐々に疾走感とツボをつくメロディの曲が続いてゆき、アルバムを聴き終えるころには
「これは傑作だぁ」と彼らを改めて見直すことになる。STRATOVARIOUS的疾走メロディに加え、
このバンドにはメンバー自身も影響されたというQUEEN的なピアノ、ヴォーカルハーモニーが感じられる。
ボーナスの11曲目がまさにそれで、繊細なタッチのピアノから始まり、クイーン的な歌メロ、
そして華麗に疾走という流れは圧巻。1stの裏名曲“ROCK'N ROLL FOREVER”を思い出した。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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WIZARDS「Best Spells」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ウィザーズのベストアルバム。2003作
1995年にデビューし、当時はANGRAに続くブラジルからの期待の新星という触れ込みであった、
そのQUEENばりのやわらかなメロディと、プログレッシブな知的さを併せ持った作風は
なかなか好みであったのだが、2nd、3rdと人気がふるわず、バンドは活動を休止、
その後、2002年に復活作となる4th「The Kingdom」を発表、これが素晴らしい傑作となるが、
2005年の「Kingdom U」は中庸な凡作で再びガッカリ…という、そんな彼らのベストアルバム。
1st〜4thまでの17曲をたっぷり収録した、ファン(いるのか?)必携の内容だ。俺は嬉しい♪
今聴くと、1stの曲はやや危ういハイトーンや、演奏のつたなさもあって微笑ましいのだが、
そのツボを押さえたリズムチェンジや、繊細で優しいメロディにはついにんまりしてしまう。
絶品の叙情美の“New Life”、疾走するサビのクサさがたまらない“Reach Out”、そして
ピアノによる繊細なイントロから美麗メロを乗せて疾走する“Bring Down The House”などは
充分名曲クラス。まだこのバンドを聴いていない方は、まずは傑作「The kingdom」からぜひ!
メロディアス度・・8 疾走度・・7 やわらかメロ度・・9 総合・・8
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WIZARDS「THE KINGDOM U」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ウィザーズの5th。2005作
傑作だった前作「THE KINGDOM」発表後、またいったんは解散していたらしいが、
メンバーを入れ換えて再び復活したという、なにかとドタバタの多いこのバンド。
サウンドの方は、タイトル通り前作の延長上にあるはずなのだが、音質もイマイチだし、
どこかで聴いたメロディもあったりと、どうも曲の練り込みが足りないような気がする。
美しいキーボードやピアノ、それにキャッチーなメロディラインが彼らの魅力だったのだが、
どうも華麗なアレンジも薄れていて、2〜3分台の曲が多いこともあり全体的には地味な印象。
キャッチーに疾走するEや美しいバラードのHなどでは彼ららしい輝きを放っているが、
復活作と快哉を叫ぶには物足りない内容。今後は少し肝をすえてアルバムを作ってほしい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Wizards 「The Black Knight」
ブラジルのメロディック・メタルバンド、ウィザーズの2011年作
1995年にポストANGRAと期待されてデビューし、好作を残しながらもバンドはなかなか安定せず、
活動停止とメンバーチェンジなどをへて今作は6作目となる。VoとKey以外はメンバーが変わっており、
前作「The Kingdom U」が微妙な出来であったこともあって、さして期待はしていなかったのだが、
のっけからシンフォニックな美麗さとキャッチーなメロディでたたみかける、かつてのサウンドに一安心。
クラシカルな優雅さとQUEENなどを想起させるやわらかなコーラスワークに、
プログレッシブな知性を感じさせる展開美…これぞウィザーズである。
デビューから15年あまり…今度こそ、この作品でより多くの認知度を得ることを願いたい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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WOLF
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの1st。2000作
ジャケはメタルとは思えないような雰囲気だが、サウンドは古き良き正統派のヘヴィメタル。
70〜80年代を思わせるオールドなギターリフとアナログ感満載の音で、
ブリティッシュメタル的ななつかしさを感じさせる演奏を繰り広げている。
かといって、ただ単に古くさいだけではなく、微妙にちゃんと今の音になっているのが面白いし、
BLACK BONZOなどが出てくるスウェーデンというお国柄か、レトロさの現代視点ともいうべき
懐古主義的ハードロックである。決して力強くならないヴォーカルの声質も絶妙だ。
メロディアス度・・7 正統派メタル度・・9 レトロ度・・9 総合・・8
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WOLF「Black Wings」
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの2nd。2002作
今作も相変わらずオールドな正統派メタで、のっけから勢いよく疾走していて、とてもいい感じです。
最近のモダンなメタルとは完全に反対に、とことん生々しい音作りはやはり聴いていてにんまり。
ジューダスやメイデン風味の楽曲には、いよいよドラマティックな雰囲気もついてきた。
オールドな正統派メタルファンは必聴のバンドだ。再発盤は右のジャケに変更されている。
メロディアス度・・8 正統派メタル度・・9 レトロ度・・8 総合・・8
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WOLF「Evil Star」
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの3rd。2004作
古き良きレトロな感覚で正統派メタルを蘇らせるこのバンド、今作もオールドなリフで聴かせるナツメタルサウンド全開だ。
1stあたりに比べると楽曲にはよりメリハリがつき、メロディアスなパートは哀愁を感じさせるギターフレーズを、
アグレッシブな部分はよりパワフルにと、聴かせ所が増したことで、メタル作品としての緊張感が増している。
メロディアス度・・8 正統派メタル度・・9 レトロ度・・8 総合・・8
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WOLF「The Black Flame」
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの4th。2006作
シーンが多様化するこの時代において、正統派メタルとはこれだといわんばかりの
強力なヘヴィメタル魂を見せつけるバンド。今作から正式にツインギターの4人編成となり、
初期よりもぐっとメタリックな硬質感が増している。王道のギターリフで聴かせつつ、
そこにヨーロピアンな叙情を垣間見せるサウンドは、さらに充実している。
適度にマイナー感のあるヴォーカルの声質も、ややレトロな感触をかもしだし、
全体がパワフル過ぎないことが逆にウェットでミステリアスな質感を生んでいる。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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WOLF「Ravenous」
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの5th。2008作
2000年のデビュー以来、2年おきにアルバムを出しているこのバンド、今作も80年代風のトゥルーメタルサウンドが全開の好作。
JUDAS PRIESTIRON MAIDENなどからの影響を感じさせつつ、ジャーマンや北欧メタル的な叙情性も
巧みに盛り込んだ楽曲には思わずにやにやしてしまう。前作以上にツインギターの重ねが前に出てきて、
古き良きメタルの質感を現代のアレンジで包んだような感触が面白い。オールドなリスナーはもちろん、若い方々もぜひチェックすべし。
ドラマティック度・・8 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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WOLFLegions of Bastards
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの2011年作
キャリアはすでに10年以上、まさにNWOTHMの先駆けともいうべき存在のこのバンド、
6作目となる本作も、オールドな正統派スタイルを貫いた見事なサウンドを聴かせてくれる。
ツインギターのリフでパワフルかつに疾走するスタイルは、甘すぎないメロディを含んで
JUDAS PRIESTばりのドラマティックな世界観を追求する男のヘヴィメタルである。
古き良きマインドの上に、現代のバンドとしての確かな構築センスを上乗せした力作だ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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WOLF 「DEVIL SEED」
スウェーデンのメタルバンド、ウルフの2014年作
2000年にデビュー、NWOTHMの先駆けともいうべきバンドの7作目。ツインギターのリフにパワフルなヴォーカルを乗せた
王道のメタルサウンドにはますます磨きがかかっている。ノリのよい疾走ナンバーからどっしりとしたミドルテンポまで、
ギターのフレーズやリズムチェンジなども含めて、初期に比べるとメタリックな硬質感が増した印象もある。
ソリッドな感触が強まったことで、曲によってはANNIHILATORを思わせるところもあったりしつつ、
オールドなメタル感触で疾走するナンバーもしっかりと残していて、これまでのファンもひと安心。
全体的には、これだというキラーチューンがないので、新鮮味の点ではやや物足りないかもしれないが。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 パワフル度・・8 総合・・8 
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WOLFCRY「POWER WHITHIN」
ギリシャのメロディックメタルバンド、ウルフクライの1st。2001作
訳すと「狼泣き」?たしかにのっけのイントロからツインギターが泣きまくっているぞ。
曲が始まると、シンフォメタルというよりは、正統派路線の疾走曲。
ギターのやや古めかしいガリガリとした王道リフに、力強くない歌が乗る。
いや、悪くはないんだが、曲の雰囲気が10年以上前の路線なので、少し厳しいかな。
イモ臭い、というよりは古いのだな、やっぱり。シンセの入るバラードなどは悪くないのだが。
今でもIRON MAIDENが大好きという王道メタルファンなら気に入るかもしれない。
メロディアス度・・7 王道度・・8 楽曲・・7 総合・・6

WOLFCRY「Nightbreed」
ギリシャのメロディックメタルバンド、ウルフクライの2nd。2003作
正統派のスタイルで疾走するメタルサウンドながら、派手さやクサメロはほぼ皆無で、
すべてにおいて中庸な雰囲気だ。魅力的なメロディや展開もあまりなく、音程のあやういヴォーカルも含めて、
このままではすべてにおいてつらい。3曲目あたりはなかなかいい感じなのだが、
やはり途中でだれる。ラストは3パートに分かれた10分近い大曲で無駄に長い。
メロディアス度・・6 疾走度・・7 楽曲・・6 総合・・6.5
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WONDERLAND
イタリアのメロディックメタルバンド、ワンダーランドの1st。2001年作
現在この手のイタリアバンドはピンからキリまであるが、このバンドはなかなか聴ける。
ツインギターにキーボード入りでゆるやかに疾走する楽曲はけっして個性的ではないが、
ともかく音に力みがなく、やかましくない所に好感がもてる。弱々しいVoの歌唱が好みを分けるが、
個人的にはこの中性的な声こそが曲に繊細さをかもしだしていると思える。
そういう「やわらかみ」の点で、同じくイタリアのマイナーバンドLIE TEARSなどを思い出した。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 繊細度・・9 総合・・7.5
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WONDERLAND「FOLLOW ME」
イタリアのメロディックメタルバンド、ワンダーランドの2nd。2004作
イタリアにはSKYLARK、CONCEPT他、いわゆる“軟弱系メロスピ”というバンドが存在している。
どの辺りが「軟弱」なのかというと、まずメロディ至上主義で音は軽め、きらきらキーボード必須、
そして女々しい声質の男Vo、この3アイテムにより漢のパワメタファンからは目をそむけられる
「キラキラ&ヘナ/メロスピ」が完成される。しかし…だ。けっして馬鹿にしてはならない。
SKYLARKはともかくとして、このバンドはメロディアスな疾走メタルとしてのクオリティはなかなか高いのだ。
裏ジャケ写真からしてヤサ男風のメンバーたちだが、その繊細な美意識と
キャッチーなメロディを疾走メタルに変えるという手法には1stからさらに磨きがかかり、
メタルを聴いているとは思えない優雅な気分になれる。女々しい系でもOKな方はいかがか。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 繊細かつ女々しい度・・9 総合・・7.5
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WOTANCarmina Barbarica」
イタリアのエピックメタル、ヴォータンの2004年作
本作がデビューアルバムで、古き良きテイストの正統派メタルサウンド。
力強さのないヴォーカルと、クサめのギターフレーズを乗せて疾走するスタイルは、
Not Fragileなど、かつてのB級ジャーマンメタルのような感触で、思わずにんまり。
スローからミドルテンポでは、勇壮さなコーラスを含めて、MANOWARを思わせる雰囲気も。
総じてB級ながらも、このエピック臭さにはマニアは大喜びだろう。
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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WOTAN 「Epos」
イタリアのエピックメタル、ヴォータンの2007年作
本作が2作目で、前作のいかにもB級な雰囲気からすると、いくぶんパワフルになり
MANOWARを思わせる大仰な聴き心地のエピックメタルが炸裂している。
ヴォーカルの中途半端なハイトーンがやや好みを分けるかもしれないが、
どっしりとしたミドルテンポを軸に勇壮に聴かせつつ、随所に疾走するところもあって、
単調にはならない楽曲のメリハリを感じさせる。ゲストにはロス・ザ・ボスが参加。
メロディック度・・7 パワフル度・・7 エピック度・・8 総合・・7.5
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Wurdalak 「Desde el Silencio」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ワーダラックの2nd。2005年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、スペイン語による可憐な女性ヴォーカルの歌声と、
シンセによるシンフォニックなテイストが合わさり、壮麗なサウンドを描いている。
B級っぽいローカルさを随所に感じさせつつ、ギターはときにクサメロの叙情を奏でたり、
クラシカルなストリングが加わったり、一方ではパワフルな疾走曲もあったりと、
ただのマイナーバンド以上のポテンシャルは感じる。今後に期待のスパニッシュメタルバンドだ。
シンフォニック度・・7 疾走度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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WUTHERING HEIGHTS「Within」
デンマークのシンフォニックメタルバンド、ワザリング・ハイツの1st。1999年作
現在では5作めまで日本盤も出ていて、認知度も上がってきたこのバンドだが、
このデビュー作では、いくぶんやぼったい田舎臭さを漂わせた
マイナー臭いシンフォメタルサウンドであった。今でいうフォークメタル的な土着性と
ジャーマンメタル的なクサメロが合わさって疾走する楽曲は、近作に比べると
むしろ洗練されていない情緒があって、辺境的な味わいが楽しめる。
シンフォニック度・・7 土着メロ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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WUTHERING HEIGHTS「TO TRAVEL FOR EVERMORE」
デンマークのシンフォニックメタルバンド、ワザリング・ハイツの2nd。2002年作
いくぶんマイナー臭さのあった前作から、はいっそうケルト風のメロディを強めたサウンドになっていて、
シンフォニックな壮麗さとメロスピ的な疾走感、そしてケルティックメタルにも通じる土着的なメロディを乗せた、
エピックな味わいは、イタリアのTHY MAJESTIEあたりにも近いかもしれない。アコースティックギターやピアノなど
優雅で素朴な叙情性も覗かせつつ、緩急ある展開力でドラマティックなサウンドを聴かせる。
FALCONERにも通じる、田舎臭いシンフォニックメタルが好きなら必聴というべき傑作だ。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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WUTHERING HEIGHTS「FAR FROM THE MADDING CROWD」
デンマークのシンフォニックメタル、ワザリング・ハイツの3rd。2003年作
前作「TO TRAVEL FOR EVERMORE」において、ケルトメロディの大幅導入により個性を発揮しだし、
続くこの3rdでは実力派シンガーを得て、その世界観の説得力がぐっと向上している。
ケルティックなメロディはいよいよ効力を増し、FALCONERあたりのヴァイキングメタルにも接近した。
VoはRICHARS ANDERSSON'S SPACE ODYSSEYなどにも参加するパトリック・ヨハンソンで、
心地よいクリーンヴォイスと、パワフルなかすれ声を使い分けて、表現力十分である。
楽曲はシンフォメタル的な疾走曲から、民族調のバラードまでどれもが煽情的なメロディで
心地よく聴かせてくれる。シンフォニック・ケルトメタルという新ジャンルを確立した傑作だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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WUTHERING HEIGHTS「The Shadow Cabinet」
デンマークのメロディックメタルバンド、ワザリング・ハイツの4th。2006年作
前作からさらにパワフルかつダイナミックなサウンドとなり、パトリック・ヨハンソンの歌唱は、
暑苦しいまでのガナり声
と、やわらかな歌声を使い分け、楽曲の力強さは過去最高といってよいくらいの迫力だ。
魅力的だったケルティックな情緒が若干後退してしまっていて、その部分ではやや物足りないのだが、
持ち味であるフォーキーなメロはしっかり残っていて、クサすぎないバランスで聴きやすく配置されている。
個人的には、もっともっと田舎臭くしてもらいたいのだが、一般的にはむしろ分かり安くなったのだと思う。
パワフルかつヘヴィでしかも濃密という、聴いていて少しヘトヘトになるような力作です。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 濃密度・・9 総合・・8
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Wuthering Heights「Salt」
デンマークのシンフォニックメタルバンド、ワザリング・ハイツの2010作
これが5作目となるが、前作あたりからパトリック・ヨハンソンの暑苦しい歌唱を含めて
ケルティックな色合いよりも、濃密なメロパワ風味を増していて、今作もその延長の音。
ときに疾走したり、ネオクラシカル気味になったりと、せわしない展開も悪くはないのだが
やはり2nd、3rdあたりのマイルドな田舎っぽさが好きだったので、聴いていて少々気ぜわしい。
随所にフォーキーなメロディを織り込みながらも、世界観としての説得力がいまひとつ感じられず、
どうも詰め込み過ぎの感がある。結果として印象に残る曲がないという。悪くはないだけに歯がゆい。
ドラマティック度・・7 ケルティック度・・7 濃密度・・8 総合・・8
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WYTCH HAZEL 「Prelude」
イギリスのメタルバンド、ウィッチ・ハゼルの2016年作
いかにも80年代NWOBHMを思わせる、古き良き正統派のHR/HMサウンドで、
力強くないヴォーカルにヘヴィすぎないギターを乗せた、4〜5分前後の楽曲は
わりとシンプルな音数ながら、適度にウェットでエピックメタル寄りの感触もある。
随所にツインギターのメロディックなフレーズも入って来たり、曲によってはケルト寄りのメロディや
フックのあるリズムチェンジなどもあって、なかなかツボを突く部分も多くてにやりとする。
往年のブリティッシュメタルの質感を、アップデートさせたような、うるさすぎない好作品です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Wytch Hazel 「II: Sojourn」
イギリスのメタルバンド、ウィッチ・ハゼルの2018年作
2016年にデビュー、2作目となる本作も、80年代NWOBHMから飛び出してきたようなオールドなサウンドが炸裂。
ほどよい叙情を含んだツインギターと、朗々とした味わいのヴォーカルで、Wishbone Ashなどを思わせる古き良き英国ハードロックの雰囲気に包まれて、オールドなHR/HMリスナーにはたまらないだろう。
オルガン鳴り響く牧歌的なナンバーもあり、アナログ感たっぷりの確信犯的な生々しい音質も含めて、前作以上のヴィンテージな完成度。ウェットな哀愁の叙情ナンバーで、ゆったりと終わるのも心憎いですね。
ドラマティック度・8 英国度・9 ヴィンテージ度・9 総合・8 
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Wytch Hazel 「III: Pentecost」
イギリスのヴィンテージメタル、ウィッチ・ハゼルの2020年作
2016年にデビューし、3作目となる。本作も、80年代を思わせる古き良きメタルサウンドで、
叙情的なギターの旋律にキャッチーなヴォーカルメロディは、Wishbone Ashなどにも通じる、
英国らしいウェットなハードロックとしても楽しめる。ときににブルージーな感触も含みつつ、
メタル過ぎないほどよいハードさとともに、SAXONのような勇壮なドラマ性も覗かせる。
ギターのメロディックなフレーズとオールドなリフが耳心地よく、さほどパワフルでないヴォーカルが、
絶妙のマイナー感をかもしだしているのも良いですね。ゆったりとした叙情性が増した好作品。
ドラマティック度・・8 叙情度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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Wyvern 「Back To The Ancient Rage」
イタリアンメタルバンド、ワイバーンのデモ音源。
1987年と88年のデモ音源をCD化したもので、音質も含めてのローカルさは
いかにも80年代のB級メタルという感じ。ヘナチョコのハイトーンヴォーカルに
スカスカのドラムと、のちの音源に比べればエピックな雰囲気も薄く、
HR大好き少年たちのデモ音源という程度。ディープなマニアの方だけどうぞ。
メロディック度・・7 B級度・9 サウン度・・5 総合・・6
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WYVERN「The Red Flame Of Pain
イタリアのメロディックメタル、ワイバーンの1989/2010年作
知る人ぞ知るというカルトなバンドというのは、Adramelchのようにけっこういるものだ。
ツインギターの5人編成で、本作は1990年の音源をリマスターしてCD化したもの。
キャッチーなヴォーカルメロディで初期HELLOWEENのように疾走するサウンドは、
音質も含めてローカルなB級臭さがぷんぷん。カイ・ハンセン声のヴォーカルも含めて
初期のNot Flagileあたりに通じる感触である。能天気なハードロック風味と、
中途半端なエピックさが合わさったヘナチョコさが、なんとなく嫌いではない。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 B級度・・9 総合・・7
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WYVERNLords Of Winter
イタリアのメロディックメタル、ワイバーンの2011年作
1990年に1stをリリースしてからまったく音沙汰のなかったバンドであるが、
本作は98〜02年に録音した未発曲を収録したアルバムということになる。
B級気味のローカルさでクサメロとともに疾走するそのサウンドは、やっぱりヘナチョコなのだが、
いうなればマイナーなエピック小説でも読むような気分で、どうにも嫌いになれない。
本作ではさらに美しいシンセアレンジや唐突な展開などで楽しませてくれ、
11分超の大曲が2曲もあったりと、とても気合が入っている。いとおしいバンドです。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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XYZ

XYSTUSEquilibrio
オランダのシンフォニックメタルバンド、ジスタスの2009作
メタル的なパワフルさや疾走感はあまりなく、華麗なオーケストラをバックに、
シアトリカルな雰囲気で聴かせる、デス声や女性Voも入ったオペラテイックな作風だ。
ドイツのHaggardあたりを思わせる壮大さもあるが、こちらは暗黒性よりはもっと優雅な
メタルオペラという趣で、ときおりRHAPSODYなどにも通じるエピックな世界観も垣間見せる。
ただし、オーケストラに頼りすぎていてバンドサウンドそのものの魅力がいまひとつだったり、
むしろこの作風なら女性ヴォーカルをもっと聴かせろとか、いろいろと不満はあるものの、
クラシカルで優雅なシンフォニックメタルのコンセプト作を作り上げたこの意気込みは買いたい。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・9 メタル度・・7 総合・・8
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YOTANGOR 「We Speak」
フランスのシンフォニックメタル、ヨタンガーの2012年作
2009年にデビュー、壮麗なシンセアレンジをギターに重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルを乗せた
重すぎないキャッチーなシンフォニックメタルを聴かせる。3〜4分前後のライトなナンバーから、
6〜8分という長めの曲まで、Yngrid嬢のキュートな歌声をメインにした優美なサウンドで、
ときおりNightwishあたりに通じる部分もあるのだが、壮大過ぎないストレートな耳心地の良さが、
ある意味では個性なのかもしれない。コンパクトなナンバーが続きつつ、ラストの大曲では、
流麗なギターソロのパートなども含む、流れのある展開で聴かせる。全71分の力作だ。
シンフォニック度・7 壮麗度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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ZED YAGO「FROM OVER YONDER」
ドイツのメタルバンド、ゼット・ヤーゴの1988年作
ツインギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、正統派のヘヴィメタルで、
疾走感はあまりないミドルテンポ主体の作風だが、叙情的なインスト曲なども含め、
ほどよい幻想性を感じさせるのが、ドイツのバンドらしい味わいになっている。
紅一点、JUTTAさんのどこか魔女めいた声質が、サウンドの個性となっていて、
WARLOCKあたりに比べると、よりマイナーな湿り気を感じさせるのも好みです。
ドラマティック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ZED YAGO「Pilgrimage」
ドイツのメタルバンド、ゼット・ヤーゴの1988年作
2作目となる本作は、ツインギターとストリングスによるクラシカルで叙情的なイントロから、
Jutta姐さんのハスキーな歌声を乗せ、どっしりとした正統派メタルが広がってゆく。
ツインギターのメロディックなフレーズに、に、コーラスなどを加えた厚みのあるアレンジで、
前作からのサウンドをよりパワーアップ、このまま活動すればよいバンドになったろうと思われるが、
本作を最後にバンドは解散、VoのJutta姐さんは、この後、VELVET VIPERを結成する。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ZED YAGO 「...From the Twilight Zone」
ドイツのメタルバンド、ゼット・ヤーゴの2002年作
女性シンガー、JUTTAを中心に活動し80年代に2作を残したバンドの、ベスト盤的な2枚組コンピ作品。
1st「FROM OVER YONDER」、2nd「Pilgrimage」からのナンバーに、貴重なライブやデモ音源を加え、
さらには後身バンドというべき、VELVET VIPERの楽曲も収録。ハスキーでパワフルなJUTTA姐さんの歌声と、
正統派のギターワークを重ね、どっしりとした味わいのオールドなメタルサウンドを聴かせる。
ジャーマンらしいメロディックな感触と幻想性を含んだ世界観は、単なるマイナー系メタルという以上に魅力的で、
DOROWARLOCKあたりに比べても、よりウェットな叙情性を含んでいる。曲順的に新旧バラバラなのが残念だが、
過去のアルバムが貴重なので、本作でこのバンドの存在を知る方にもうってつけの2枚組コンピと言えるだろう。
正統派度・・8 姉御メタル度・・8 貴重度・・9 総合・・8 
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ZED YAGO「The Invisible Guide」
かつてドイツのマイナーシーンで活躍していたゼッド・ヤーゴが、なんと10数年の歳月を経て2005年に復活。
ZED YAGOVELVET VIPERという、マニアックなファンでなくてはその名も知らぬであろうバンドで
魔女的な雰囲気を漂わせていた女性Vo、Jutta嬢は、今やすっかりオバサンとなったが
その魔女めいた風貌は相変わらずで、どうやらギターのJIMMY氏と結婚している様子。
サウンドの方は音も良くなっているので、一見今風のモダンなメタルの質感があるが
根っこの部分にはやはり80年代ジャーマンメタルのマイナー臭い息吹が感じとれる。
Yvonne嬢(Jutta)の歌唱も、歳をとってオバサンクイーン風なハスキーさがあるが、それもまた魅力か?
メロディアス度・・7 80'sジャーマン度・・8 オバサン度・・9 総合・・7
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ZED YAGO「LIVE」
ドイツのヘヴィメタルバンド、ゼッド・ヤーゴのライブアルバム。2006作
かつて80年代に2枚のアルバムを残し、マニアックなジャーマンメタルリスナーからそれなりに
人気を集めた彼らが、2005年に突如復活しアルバムを出した、その余勢をかってのライブ音源。
復活作からの曲を中心に、かつてのアルバムや、VELVET VIPER時代の曲も披露、
サウンドは王道の80年代風ジャーマンメタルで、Yvonne嬢(Jutta)のしわがれた魔女のような歌唱にも、
さしたる魅力はなく、どう考えても今のシーンにおいては古めかしく、そしてしなびて聴こえる。
未発曲のスタジオ音源も収録していて、マニア以外のリスナーが喜ぶはずもない構成だ。
メロディアス度・・7 王道メタル度・・8 女性Vo度・・6 総合・・7
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Zeldar「Supersticion」
アルゼンチンのメタルバンド、ゼルダーのミニアルバム。2003作
6曲入りのミニだが質は案外高い。うっすらとしたシンセをバックに
スペイン語の歌唱もしっかりとしていて、メロディの組み立てもなかなかいい。
パワフルさよりもやわらかな叙情性が前に出ていて、耳に優しいサウンドだ。
ミドルテンポも疾走曲もどちらもいい。これはフルアルバムに期待したくなる。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5


Zephaniah 「REFORGED」
アメリカのメロディックメタル、ゼファニアの2015年作
2008年にデビュー、本作は2作目で、流麗なツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せて
Dragonforceばりに激しく疾走する、メロディック・スピードメタル。やや唐突なリズムチェンジを含む、
緩急ある展開力に、随所にスラッシュメタルのようなアグレッシブな勢いを垣間見せつつ、
メロディのフックはあくまでキャッチーなので、激しくともけっこう聴きやすいというサウンドだ。
ギターのリフやフレーズは、過去のバンドで聴いたようなものが多いので、新鮮味は薄いのだが、
若手バンドらしい勢いを感じさせる仕上がりで、まさにスラッシュとメロスピの中間という感触の強力作です。
メロディック度・・8 疾走度・・9 スラッシー度・・8 総合・・8
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ZONATA「BURIED ALIVE」
スウェーデンのメロパワバンド、ゾナタの3rd。2002作
ツインギターのメロディとハイトーンヴォーカルで聴かせる骨太の正統派メタルサウンド。
JUDAS PRIESTの北欧版というような雰囲気に、シンセによる美しい味付けを付加して疾走。
2曲目以降はきらきらとしたクラシカルな旋律もあって、いかにも北欧のバンドらしい。
全体的に新鮮味は薄いが、正統派メロパワとしてはなかなか質が高い。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 正統派・・8 総合・・7.5
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VA/THE KEEPERS OF JERICHOA TRIBUTE HELLOWEEN
スペインのARISEレコード主催のハロウィンのトリビュートアルバム。2000年作
参加バンドは、RHAPSODY、Luca Turilli、LABYRINTH、VISION DIVINE、SECRET SPHEREら
イタリア勢を中心に、SONATA ARCTICA、DARK MOOR、HEAVENS GATE、METALIUM、
MORIFADE、BRAINSTOM、Ctdonia他が参加、“I'm Alive”、“Eagle Fly Free”、
“I Want Out”、“Future World”、“Ride The Sky”、“Guardians”、“Helloween”など
HELLOWEENの名曲をシンフォニックにアレンジ。ファンなら聴いて損のないクオリティだ。
ハロウィンマニア度・・10 参加バン度・・8 クオリティ・・8 総合・・8
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VA/THE KEEPERS OF JERICHO A TRIBUTE HELLOWEEN PART U
スペインのARISEレコード主催のハロウィンのトリビュートアルバム第二弾。2002年作
第一弾はRHAPSODYやSONATA ARCTICAなどのメジャーところが参加しただけあって日本盤も出たが、
今回も内容的には劣らない出来ばえでこの手のVAにしてはクオリティは高いと思う。
IRON SAVIOR、STEEL ATTACK、POWERGOD、CELESTY、VETO VAZQUEZ INFINITY、
PARAGON、ARWEN、FRETERNIA、VHALDEMAR、DRAGONLAND、AXENSTAR、
HIGHLORD、RED WINE、というマニアにとってはけっこう豪華(かもしれない)顔ぶれが参加。
その分やはり選曲の方も「T」よりもマニア度が高い(笑)。名曲“MARCH OF TIME”
“TWILIGHT OF THE GODS”などは、キーボード入りでいっそうシンフォニックになった。
個人的には初期の頃の“STARLIGHT”、“MURDERER”等を聴くと「あの頃」が甦るようで楽しい。
DRAGONLANDやHIGHLORDなどは“SOLE SURVIVOR”、“POWER”といった比較的新しい曲をセレクトしている。
ハロウィンマニア度・・10 参加バン度・・7 クオリティ・・8 総合・・7.5
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VA/The Power of Metal(GAMMA RAY/HELICON/RAGE/CONCEPTION)
ドイツのNOISEレーベル主催の“Melodic Metal Festival”ライブの模様を収録したコンピアルバム。1994作
ガンマ・レイレイジコンセプションヘリコンのステージを収録。
なんといっても、ラルフ・シーパーズ時代のGAMMA RAYのライブ音源が聴けるのが嬉しい。
ビデオでもでていた「Lust For Live」と同音源のようで、音質はややラウドながら
“Tribute To The Past”をはじめ、バンドとしての勢いに満ちた時期のパワフルな演奏が楽しめる。
RAGE「The Missing Link」後のステージということで、ピーヴィー、マンニ、クリスという
三人編成時代の勢いのあるライブが楽しめる。“Don't Fear The Winter” “Refuge”
“Invisivle Horizons”というバンドの代表曲であるスピードナンバーはやはり燃える。
HELICONの2曲はまあオマケとして(笑)、CONCEPTIONのライブ音源が聴けるのは貴重だ。
ロイ・カーンの歌唱はさすがの実力で、知的な浮遊感のある楽曲を支える演奏陣も素晴らしい。
それぞれのバンドの90年代の輝きを封じ込めたコンピレーション作である。
臨場感・・8 メタルパワー度・・8 音質・・7 総合・・7.5
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VA /RETURN OF THE MOUNTAIN KINGA Tribute to Savatage
イタリアのアンダーグラウンドシンフォニー主催のSAVATAGEのトリビュートアルバム
参加バンドはPROJECTO、SHADOWS OF STEEL、WONDERLAND、EDDY ANTONINIなどマニアックなメンツ。
シンセのいるバンドに関しては元曲をよりシンフォニックにアレンジしており、これがなかなか出来がよい。
全15曲。15バンド収録。サヴァタージの熱心なファンでない私の知らない曲も多く、コアなファンほど楽しめるかと。
ドラマティック度・・8 サバタージ度・・9 マニアック度・・9 総合・・7.5
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VA/ The Revivalry : A Tribute To Running Wild
ランニング・ワイルドのトリビュートアルバム。2005年作
Stormwarrior、Paragon、Not Fragile、Dark Age、Airborn、Logar's Diary、Icarus Witch、Crossfireをはじめ、
33バンドが参加したCD2枚組。メロパワ系バンドを中心に、Burden Of Griefなどメロデス系バンドも参加、
パワフルにアレンジされた楽曲は、それぞれに味があって面白く、スラッシーな迫力のDark Ageや、
女性ヴォーカルでのLigeia、ブラックメタル寄りにカヴァーしたAsaru、疾走メロパワのRiviver
これぞジャーマンメタルというNot Fragile、日本のMAVERICKによる名曲「Blazon Stone」や、
Logar's Diaryによるメロスピ疾走名曲「Riding the Storm」などもなかなか恰好いい仕上がりだ。
マイナーなバンドも多いのだが、CD2枚で150分超えるRUNNING WILD祭りが味わえます。
アレンジ度・・8 参加バン度・・7 ランニング・ワイル度・・9 総合・・7.5
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VA/ REUNATION: A Tribute To Running Wild
ランニング・ワイルドのトリビュートアルバム。2009年作
Powerwolf、Orden Ogan、Custard、Heavenly、Burning Point、Evertale、Hellish War、Chinchilla
Magica、Crystal Viper、Deadlock、Skiltron、Suidakra、など、31バンドが参加したCD2枚組。
POWERWOLFによる名曲「Riding the Storm」で幕を開け、FATEのオルガン入りのオールドHR風味や、
ORDEN ORGANの「ワーテルローの戦い」もドラマティックな仕上がり。Deadlockのヘヴィロック仕立ては異色ながら、
Skiltronのホイッスル鳴り響くフォークメタル風味や、Motorjesusのどっしりとしたストーナー系ハードロックの感触、
Suidakraの激しいペイガンメタルなども面白い。Chinchillaのパワフルのメタル感、Custardのジャーマンメタル魂、
ハスキーな女性ヴォーカルで聴かせるCrystal ViperEvertaleによる「Blazon Stone」もなかなか格好良いし、
Heavenlyのきらびやかなメロスピっぷりも最高です。CD2枚で150分超、RUNNING WILD祭りパート2。
アレンジ度・・8 参加バン度・・8 ランニング・ワイル度・・9 総合・・8
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VA/Stormspell 「10th Anniversary Tribute」
アメリカのメタルレーベル、ストームスペルのオムニバス。2018年作
Prince Emerald、Breitenhold、Claymorean、ROCKA ROLLAS、Masquerage、Blazon Stone、NUMENOR、Cloven Altar、Roadhogなど、
レーベルに在籍するバンドが参加し、KING DIAMOND、MANOWAR、GAMMA RAY、BLIND GUARDIAN、STORMWITCH、SATAN、
RUNNING WILD、CRIMSON GLORYなどの楽曲をカヴァー。Prince Emeraldによるキング・ダイアモンド5曲から濃密に始まり、
ガンマ・レイ、ブラインド・ガーディアン、ストームウィッチ、ランニング・ワイルドと、90年代ジャーマンメタル好きにはなかなかたまらない。
Claymoreanによるマノウォー「Blood of My Enemies」、ROCKA ROLLASによるブラインド・ガーディアン「Mirror Mirror」、
Masquerageによるストームウィッチ「Rats In The Attic」あたりは、原曲に忠実な実に格好いい仕上がりだ。
王道メロパワ度・9 ジャーマン万歳度・8 マニア好みカヴァー度・9 総合・8
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