女性ヴォーカルのシンフォニックロック作品



かつて70年代においては、歌姫アニー・ハズラムのRENAISSANCEを別格とすれば、
プログレファンが楽しむ女性ヴォーカルものというと、フォーク系のバンドが中心であったのだが、
90年代に入るとジュリアンヌ・リーガンを擁するALL ABOUT EVEがメジャーな人気を博し、
シンフォニックロックにおいてはトレイシー・ヒッチングが、STRANGERS ON A TRAINLANDMARQなどで活躍、
やがてケルティックロックバンドのIONAが、プログレ/シンフォニックリスナーの幻想の琴線に触れると、
それに続いて、KARNATAKAMostly Autumnといったバンドたちが現れる。
一方、ポーランドでは美声の女性ヴォーカルでしっとりと聴かせるQUIDAMがシンフォファンを狂喜させ、
北欧ではWHITE WILLOWPAATOSといったバンドがマニアの心をつかんでゆく。
2000年代に入って、イギリスからレトロなプログレ質感を残したMAGENTAが現れると、
シンフォニック界の重鎮クライブ・ノーランも黙っておられるはずもなく、CAAMORAなるプロジェクトを立ち上げる。
こうして、女性ヴォーカルとプログレ/シンフォニックロックとの融合は、英国、そしてヨーロッパを中心に
少なからぬ広がりを見せ、我々好事家たちの耳を楽しませてくれている。
ここでは、そうした素敵なフィメールプログレ/シンフォ作品を厳選して紹介する。

                                           
緑川 とうせい


●イギリス

Renaissance 「Ocean Gypsy」
マイケル・ダンフォードを中心にした、別働ルネッサンスというべきプロジェクトの2作目。1997年作
ステファニー・アドリントンをフロントに、かつてのルネッサンスの楽曲を中心にしたアルバムで、
アコースティックギターに艶やかなストリングス、ピアノ、フルートなどのクラシカルな響きに、
アニー・ハズラムとはまた異なる味わいの伸びやかな女性ヴォーカルでしっとりと聴かせる。
アルバムタイトルの名曲“Ocean Gypsy”をはじめ、“Carpet of the Sun”、“Trip to the Fair”など、
往年のルネッサンスファンにもたまらないナンバーが新たなアレンジで楽しめる。
反面、バンド名が足かせになり、ダンフォードの新たなプロジェクトとしては発展できずに終わる。
クラシカル度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Solstice「New Life-the definitive edition」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの2nd。1993/2007年作
1993年作のリマスターに、1984〜1985年のデモや貴重なライブ音源などを収録したボーナスDisc付きの2CD再発盤。
艶やかなヴァイオリンの音色と、女性ヴォーカルの歌声を中心にした牧歌的で優雅なシンフォニックロックサウンド。
彼らの3枚のアルバムは、どれもヴォーカルが代わっているが、本作のハイジ嬢の声質が、幻想的な楽曲と一番似合っていると思う。
いかにも英国的なフォーキーな質感をシンフォニックに表現したサウンドはポンプ以後のシンフォ勢とは一線を画すものだ。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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STRANGERS ON A TRAINThe Key PartU:The Labyrinth
イギリスのシンフォニックロック、ストレンジャース・オン・ア・トレインの2nd。1993年作
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランによるプロジェクトで、
トレーシー・ヒッチング(LANDMARQ)のキュートなヴォーカルを乗せ、華麗なキーボードワークと、
メロディアスで甘美なギターメロが合わさり、ゆるやかなシンフォニック組曲を描いてゆく。
ペンドラゴンに比べるとややシリアスで格調高く、情感溢れる女性ヴォーカルの歌声が胸に響きます。
ポンプ系人脈で作られたシンフォとしては、まさに90年代屈指の一枚というべき傑作ある。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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LANDMARQ 「SIENCE OF COINCIDENCE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークの1998作
かつて日本のZEROレーベルから3枚目までが出ていたので、名前を知っている方もいると思うが、
4作目となる本作からは、QUASAR、STRANGERS ON A TRAINで歌っていたトレイシー・ヒッチングが加わり、
女性ヴォーカルフロントのバンドとなって音ががらりと変わった。曲はよりメロディックになり、生き生きと躍動し、
ロックとしてもシンフォとしても格段に聴きやすくなっている。トレイシーのハスキーな歌声は個人的にも
じつに好みであるので、むしろ本作こそがバンドの最高傑作となったと言いたい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LEGEND 「TRIPLE ASPECT」
イギリスのシンフォニックロックバンド、レジェンドの3rd。1996作
かつて女性Voもののハードプログレとして日本盤でも1st、2ndが出ていたが、
本作はバンドのラスト作にして日本未発売。かなりマニアックなアイテムだろう。
シンセにしろギターにしろ、さしたる特徴はなく、リズム的にもやぼったいのであるが、
ソーニャー・クリスティーナを思わせるデビー嬢の美しい歌声を含めて、サウンドには
どこか靄のかかったようなマイナーっぽさがあり、それが案外神秘的な雰囲気をかもしだしている。
ラストは29分の大作で、アレンジなどはいかにもつたないのだがそれなりに気合が入っている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN 「Glass Shadows」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのアルバム。2008作
新たに女性コーラス二人を加え、フロントのヘザー嬢を含めて3人の女性が歌をとる体制となった。
サウンドの方はシンフォニックさよりも、古き良きブリティッシュロックの素朴さが増し、
リーダーであるブライアン・ジョシュのマイルドな歌声とともに英国的な翳りを感じさせる楽曲は
あえて派手さを抑えて、1ロックバンドとしての原点に立ち戻ったような雰囲気を漂わせる。
このやわらかな叙情と薄暗さの中にある人間的な温かみは、むしろ現在においては貴重な音だろう。
牧歌的な味わいの中で、ヘザー嬢の絶品の歌声が映えるバラード曲などもじつに感動的だ。
シンフォニック度・・7 ブリティッシュ度・・9 素朴な叙情度・・10 総合・・8.5
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MAGENTA 「Metamorphosis」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの5th。2008作
前作は歌もの中心のコンセプト作で、サウンド的にはやや地味だったのだが、今作では彼ららしい爽快なシンフォニックサウンドに戻っている。
ロブ・リードのプログレ的なシンセワークはその本領を発揮していて、オーケストレーションを加えたアレンジも、楽曲の重厚さを増している。
クリスティーナ嬢の歌唱にもいっそうの表現力が加わり、線の細かった過去作に比べて全体に音のスケール感が増した。
20分を超える大曲2曲をメインに聴かせる、バンドとしての最高傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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CAAMORA 「SHE」
ARENAPENDRAGONで活躍するクライブ・ノーランと、ポーランド人女性歌手、アグネイスカ・スウィタ嬢を中心にしたユニット、カーモラの2008作。
冒険小説「She-洞窟の女王」をコンセプトにした2枚組の大作で、ゲストにPALLASのアラン・リード、MAGENTAクリスティーナ嬢
その他、IQTHRESHOLDなどのメンバーを迎え、4人のVoが物語的に配役を担うという構成だ。
壮麗なシンセワークに美声の女性ヴォーカル、そしてファンタジックなストーリーと、この手の好きなリスナーにはたまらない要素が揃っている。
楽曲そのものは、しごく正統派のシンフォサウンドで、ロックオペラ的な歌ものが主体なこともあり、
曲自体の新鮮味は薄いが、豪華なブックレットを眺めつつ物語を思い浮かべながら楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 物語度・・9 総合・・8
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IONA「Open Sky」
スコットランド出身のケルティック・ロックバンド、アイオナの5th。2000年作
ロック寄りのケルトミュージックとしてそのサウンドを確立させつつあったこのバンドが、
さらなる壮大な作風で完成させた傑作アルバム。神秘的なシンセによるイントロからリズムが加わって
ケルティックなバグパイプが鳴り響く、このダイナミックなインスト曲からして素晴らしいのだが、
しっとりとヴァイオリンが鳴り、ジョアンヌ・ホッグの天上の美声が歌いあげる2曲目もまた絶品。
幻想的な美しさとミステリアスなケルトの風が感じられるシンフォニック/プログレ作品というのはなかなかない。
シンフォニックとロック、女性ヴォーカル、そしてケルトミュージックがまさに理想的に融合された傑作だ。
シンフォニック度・・8 ケルトロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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KARNATAKA 「DELICATE FLAME OF DESIRE」
イギリスはウェールズ出身の女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの3rd。2003作
このバンドの色を表す表現としてIONA+ALL ABOUT EVEという言い方も出来ると思うが、
今作では、よりシンフォニックなアレンジが増しており、繊細かつダイナミックな色彩が高まっている。
美貌の女性Voレイチェルの歌唱の素晴らしさは、英国のクラシックロック・ソサエティで大賞をとるほどの実力。
女性ヴォーカルものとしてはもちろん、シンフォニックロックの好作としても楽しめる質の高さである。
ケルティックな要素を控えめにしながら、随所にそれを感じさせる温かみのあるアレンジを聴かせるのはさすが。
シンフォニック度・・8 ケルトロック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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PANIC ROOM 「Visionary Position」
KARNATAKAのメンバーによるシンフォニックロックバンド、パニック・ルームのアルバム。2008作
KARNATAKAではサブヴォーカル&フルートだったアン・マリー嬢をリードヴォーカルに据え、
ギター 、ドラム、シンセは同じメンツというから、サウンドもKARNATAKAの延長上かと思いきや、
ケルティックなテイストは後退し、どちらかというとモダンでアンニュイな雰囲気になっている。
ときにジャズ的なピアノタッチもあるシンセワークに、渋い味わいの落ち着いたギターワーク、
全体的にあまり派手さはないが、しっとりと聴かせる大人のシンフォニックサウンドだ。
たおやかなフルートに美麗なシンセ、そして伸びやかな女性ヴォーカルの歌声でじわじわと盛り上げるラストの大曲などは、まさに女性Voシンフォの理想形。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Reasoning 「Dark Angel」
イギリスのシンフォニックロックバンド、リーゾニングの2nd。2008作
KARNATAKAレイチェル嬢擁するこのバンド、前作ではまだ楽曲面での詰めの甘さが感じられたが、
本作では叙情性を伸ばし、バンドとしての明確な方向性が現れてきていて、確かな成長が感じられる。
メロウなギターワークにしっとりとしたシンセが合わさったサウンドはほのかな薄暗さをともなって、シンフォニックな要素が引き立ってきた。
レイチェル嬢の歌声にはKARNATAKA時代よりもぐっと大人の落ち着きが感じられ
男性ヴォーカルとの掛け合いでは、ゴシックメタル的な雰囲気もかもし出している。
シンフォニック度・・8 翳りある叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Breathing Space 「Coming Up For Air」
MOSTLY AUTUMNのKey、IAIN JENNINGSを中心にしたユニット、ブレシング・スペースの2007作
一聴してプログレというよりは、もっとストレートなメロディックロックという雰囲気で、
シンフォニックなシンセワークに、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる。
MOSTLY AUTUMNのようなフォーキーな要素はほとんどなく、
ややモダンなアレンジとともに、爽やかで瑞々しい耳に心地よいサウンドだ。
女性Voシンフォファンならば、これは聴かずにはおれない作品だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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THIEVES KITCHEN 「The Water Road」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2008作
前作はモダンな雰囲気のテクニカルシンフォだったが、今作ではANGLAGARDのKeyをメンバーに迎え、
サウンドが変化している。まず耳につくのは美しいピアノにメロトロン。幽玄なメロトロンの響きと、そこに絡むギターフレーズも
どこか北欧的な感触で、とても叙情的だ。女性ヴォーカルの歌唱も、前作よりもしっとりと聴かせるようになった。
のっけから20分の大曲で、適度にテクニカルに展開しつつも、メロトロンやフルートなどによる幽玄な味わいが魅力的。
浮遊感のあるテクニカルシンフォニックにメロトロンをプラスした力作。
シンフォニック度・・8 メロトロンいいねぇ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Judy Dyble 「Talking with Strangers」
イギリスのフォーク系シンガー、ジュディ・ダイブルの2009年作
本作ではNO-MANのTim Bownessとコンビを組み、ロバート・フリップ、パット・マステロト、イアン・マクドナルドの
KING CRIMSON組に、FAIRPORT CONVENTIONのサイモン・ニコル、PENTANGLEのジャッキー・マクシー、
ALL ABOUT EVEのジュリアンヌ・リーガン、TREESのセリア・ハンフィリスらをゲストに迎え、
より70年代英国の世界に回帰したような、幻想的なアシッド・フォークを聴かせる。
ゆるやかに響くフルートの調べに、しっとりとしたシンセ、ときにメロトロンなども使いながら
KING CRIMSONの叙情部を思わせる美しさと、儚く夢見ごちの歌声でやわらかなサウンドを描いてゆく。
ラストにいたっては19分の大曲で、サックスも含んで変拍子アレンジのクリムゾン的なプログレ曲が炸裂。
英国度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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the wishing tree「Ostara」
イギリスの女性Voロックユニット、ウィッシング・トゥリーの2009年作
1996年にアルバムを出してからずっと音沙汰のなかったこのバンド、まさか10年以上もたってから
こうして新作を出して来るとは。スティーブ・ロザリー氏はそれだけ多忙だったのだろうか。
しかしながら、女性ヴォーカルの歌声をメインした、しっとりとやわらかなサウンドは本作でも不変。
ハンナ嬢のキュートな歌唱は倦怠の浮遊感と癒し系の繊細さが同居していて、相変わらず耳心地がよい。
曲そのものはシンプルでさして面白くはないので、あくまで歌ものとしてまったりと聴きましょう。
メロウ度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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Ioearth
イギリスのシンフォニックロック、アイオーアースの2009年作
マルチプレイヤー2人によるユニットで、繊細なピアノの音色に導かれて、
やわらかなシンセに包まれながら、美しい女性ヴォーカルの歌声が入り、ギターがメロウなフレーズを奏でてゆく。
ときにアコースティカルな叙情も含ませつつ、メロディックであることにこだわったサウンドは、JADISなどに通じるものがある。
アルバムを2つの組曲に分けて楽曲を連ねてゆくのは、まさしくシンフォニックロックの王道であるが、
一方ではハードエッジな部分や、ミスティックな雰囲気の幻想性もあって、爽やかな男性ヴォーカルと女性声が絡む、
優美なサウンドに浸ることができる。2枚組のDisc2では、THE ENIDばりのクラシカルな壮麗さも聴かせてくれる。力作です。
シンフォニック度・・8 メロディック度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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TOUCHSTONEWintercoast」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2010年作
けっこうヘヴィめのギターが入ったメタリックな質感と、Mostly Autumnあたりにも通じる
美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるシンフォニックな叙情美が合わさった作風。
相変わらず男ヴォーカルはとくに必要ない気がするが、女性声の活躍頻度はずいぶん増していて、
しっとりとしたバラード曲などはじつに美しい。また楽曲におけるダイナミックさも強まっていて
美麗なシンセをバックにしたギターのメロディアスなフレーズも随所で光っている。
英国産の本格派シンフォバンドとしてモストリー・オータムに並びそうなクオリティにはきている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Christina「Broken Lives & Bleeding Hearts」
MAGENTAの女性ヴォーカル、クリスティーナのソロアルバム。2010作
現在系英国シンフォニックの代表格のひとつとなったMAGENTAの紅一点、
クリスティーナ・ブース嬢のソロ作で、ロブ・リードをはじめMAGENTAのメンバーをはじめ、
ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、トロイ・ドノックリー(IONA)らもゲスト参加している。
サウンドは、彼女の美声を活かしたメロディアスな歌もの中心で、プログレ的なアレンジは
いくぶん抑え気味にした、聴き心地のよいものになっている。美しいシンセワークに、
メロウなギターをまじえつつ、あくまでしっとりとしたアダルトな感触の女性声ロックである。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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●イタリア/フランス/ギリシャ

ARCHENSIEL 「PIOVA」
イタリアのフォーク・プログレ、アーケンシエルの1989年作
アコースティックギターにマンドリンのつまびき、艶やかなヴァイオリンの音色に、
清涼な女性ヴォーカルのイタリア語の歌声を乗せた、しっとりと優美なフォークロックサウンド。
うっすらとしたシンセによる味付けやエレキギターも随所に加わって、ほどよいロック色とともに、
初期QUIDAMのような女性声シンフォニックロックとしても楽しめる。繊細なアコースティックパートと
美しい女性ヴォーカルにウットリしつつ、キャッチーなノリのナンバーも魅力的で、たおやかにして優雅な聴き心地。
3〜4分前後のわりとシンプルな楽曲の中にも、牧歌的な優雅さが溢れている。女性ヴォーカル好きは必聴の逸品です。
優美度・・9 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Tale Cue 「Voices Beyond My Curtain」
イタリアのプログレバンド、テイル・クーの1991年作
女性Voにシンセ奏者を含む5人編成で、アコースティックなイントロから、いくぶんハード寄りのギターと
美しいシンセにややヘタウマな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、のっけから15分におよぶ大曲を聴かせる。
リフレインの多い展開の遅さや演奏力も含めて、いかにもB級シンフォの典型であるのだが、
90年代シンフォ特有のロマンの香りを感じさせる点では、マニア好みのサウンドともいえる。
その後も10分を超える大曲を中心に、メロウなギターやしっとりとした叙情パートなど、
起伏はあるのに盛り上がり薄い、ややもったりとした感触のシンフォニックロックが続くのだが、
全体的な聴き心地はよいので、女性声シンフォが好きな方なら、わりと楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Presence「The Sleeper Awakes」
イタリアのハードプログレ、プレゼンスの1995年作
女性ヴォーカルをフロントにした、プログレ・ハードロックで、美しいシンセアレンジに
適度にハードなギターと、ときにProgMetal的な展開力で聴かせるサウンド。
レーベルがBlack Widowということからも分かるように、どこか妖しげで
ゴシック風味もある雰囲気が特徴的。盛り上がりきらない楽曲の煮え切らなさも
マイナーな匂いをかもし出しているのだが、いわば魔女系ハードプログレとして楽しめるイタリアらしい好作品。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 妖しげ度・・8 総合・・7.5
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Mindflower 「Purelake」
イタリアのプログレバンド、マインドフラワーの1995年作
やわらかなギターにシンセ、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、叙情派のシンフォニックロック。
いくぶんつたない英語歌詞の歌声がなかなかキュートで初々しく、男性ヴォーカルが絡みつつ
フォークロック的な牧歌性も耳に優しい。やや武骨な男声ヴォーカル曲やあっさりとした小曲などは
アルバムの中で不要にも思えるが、7分、10分という大曲では、プログレッシブなリズムと展開力を発揮していてなかなか楽しめる。
女性声の繊細系シンフォが好きな方はいかが。バンドはこの後、活動休止をはさみつつ、2001年、2009年と作品を発表する。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TRAMA Prodromi Di Finzioni Sovrapposte
イタリアのシンフォニックロック、トラマの1998年作
美しい女性ヴォーカルのイタリア語の歌声と、オルガンを含むやわらかなシンセアレンジ、
随所にメロディックなギターフレーズも含んだ、幻想的なシンフォニックロックを聴かせる。
日本のVermillion Sandsのような素朴な味わいを感じさせるのは、ヴォーカル嬢の素直な歌声のせいだろうか。
飾らない繊細な感触はこの手のマイナーバンドの魅力だろう。派手さはないが、とてもいとおしい感じの好作品。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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Contrappunto「Lilith」
イタリアのプログレバンド、コントラプントの2001年作
本作では女性ヴォーカルが交代していて、しっとりとした感触が強まっている。
ほんのりと薄暗い叙情にメロウなギターもよろしく、美しいシンセアレンジとともに、
どことなくポーランドのパンドのような翳りを感じさせる、アダルトな作風になってます。
繊細なピアノを含んだ軽妙なアンサンブルも垣間見せ、なかなか優雅でやわらかな耳心地。
美しい女性ヴォーカルの魅力という点でも前作よりもずっと良いですね。女性声シンフォ好きはチェック。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ARIES
イタリアの女性Voシンフォニックロックバンド、アリエスの2004年作
たおやかなピアノ、キーボードに美しい女性ヴォーカルのシンフォサウンド。
この女性声がまた素敵で、はかなげで繊細なその歌声にはフィメールものが好きであればうっとりすること請け合い。
しっとりとしたピアノの音色も良いが、キーボードをバックにメロウに鳴るギターもなかなかで、
静かなパートとシンフォロックパートとのメリハリもしっかりついている。時折ゴシック的な雰囲気も垣間見せるなど、
世界観としての奥深さもあるのが素晴らしい。WHITE WILLOWQUIDAMあたりに通じる部分もある、優美な逸品です。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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NARROW PASS 「A Room of Fairy Queen's」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ナロウ・パスのアルバム。2006作
ERIS PLUVIAに参加していた、Mauro Montobbioというマルチプレイヤーを中心に
LA MASCHERA DI CERAのメンバーなども参加。美しいシンセワークにメロウなギター、
たおやかなフルート、そして女性Voと、これはもうシンフォニック好きにはたまらないサウンド。
ゆったりとした優しいメロディと繊細な感触は、HOSTSONATENあたりにも通じるもので、
すべての面で予定調和ながらとても日本人好みであり、癒し系シンフォとしてのんびりと鑑賞できる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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Quasar Lux Symphoniae「Synopsis」
イタリアのシンフォニックロックバンド、クエーサー・ラックス・シンフォニアの2008年作
クラシカルかつ美麗なシンセワークと、泣きの叙情たっぷりのギターに、ストリングスの響き、
これはまるでNEW TROLLSのコンチェルトグロッソか?…というくらいの優雅なサウンドである。
一方では繊細なアコースティカル風味もあって、そこがまたじつにイタリア的なのである。
カンタウトーレ的な男ヴォーカルに、伸びやかな女性ヴォーカルが美しい歌唱を乗せ、
メロウなギターに繊細なピアノがかぷさり、バックではストリングスが鳴り響く。
ラストの14分の大曲まで、美麗なクラシカルシンフォが堪能できる力作です。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8.5
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CONQUEROR「Madame Zelle」
イタリアのシンフォニックロックバンド、コンクエラーの2010年作

女性ヴォーカル入りのイタリアンシンフォとして、過去3作もなかなかの好作であったが、4作目となる本作は、
第一次世界大戦時に活動した女スパイ、マタ・ハリことマルガレッタ・G・ツェレをテーマとしたコンセプト作となった。
クラシカルで繊細なピアノに、美しいシンセワーク、そしてイタリア語による瑞々しい女性Voの歌声で聴かせる、
優しい叙情性にうっとりとである。また、コンセプト作ということでのドラマティックな構成も光っていて、
インスト部分で世界観やストーリーをイメージさせるだけの説得力も備わっている。やわらかなフルートも美しい。
シンフォニック度・・8 繊細叙情度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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ARRAKEEN「MOSAIQUE」
フランスのシンフォニックロック、アラキーンの2nd。1992年作
清涼感のある女性ヴォーカルの歌声が実に美しいシンフォニックロック作。
メロウなフレーズを奏でるギターは、Prog Metalファンには名の知れたシリル・エイチャード
ギターの音色にはメタル色もあるのでプログレハードとしても案外楽しめます。
それにしても、この女性Voはとても私好みの声質で、透明感のある綺麗な歌声にうっとりです。
美しいフランス語の響きに、メタリックなギターフレーズが印象的な、90年代フランス屈指の傑作。
シンフォニック度・・8 けっこうメタリック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GLAZ「AR GEST」
フランスのケルトロックバンド、グラッツの2nd。1996作
鳴り響くヴァイオリンの音色がケルティックな雰囲気をかもしだしつつ、
キュートな女性ヴォーカルの歌声も入って、メロディは実にキャッチーでポップ。
シンセやギターによるロック的なアレンジと適度なトラッド風味が絶妙に融合して、
聴きやすく爽快なサウンドを作り出している。ときにパイプなども鳴りながら、適度な土着性と
ファンタジックな世界観で聴かせる。普通に女性声のメロディックロックとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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U I BLUE 「Songbird's Cry」
フランス出身のマルチ・ミュージシャンJon Paulと女性ヴォーカルによるユニット、ユー・アイ・ブルーの2004年作
女性Vo、Laura Lindstrom嬢はGLASS HAMMERのサポートメンバーとしてライブやアルバムに参加しており、
本作にはそのグラス・ハマーのメンバーもゲスト参加している。日本盤タイトルは「歌姫の嘆き」
サウンドの方は、打ち込みのリズムの上に、アコースティックギターやシンセによるアレンジに
やわらかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、シンフォニックな歌ものアンビエントポップという雰囲気。
デジタルなアレンジにメロウなギターを合わせた作曲センスはモダンでなかなか悪くないし、
楽曲によってはメロトロンが鳴り響き、ヴァイオリンなどのストリングス、ピアノによる美しいナンバーにはうっとりである。
ときおり、フランス語による男性ヴォーカルも加わるが、個人的にに女性声だけでよいですね。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SENSITIVE TO LIGHT Almost Human
フランスのシンフォニックロックバンド、センシティブ・トゥ・ライトの2006作
SAENSのメンバーによるニューバンド。ミステリアスで荘厳なイントロから始まるのは、
ハケットばりのメロウなギターに壮大なシンセワークの一大シンフォニックサウンド。
女性Voの歌声に導かれながら、曲はあくまでメロディアスかつドラマティックに進行してゆく。
かつてのSAENSよりもサウンドにはダイナミズムが増していて、楽曲構成も自然になり
肩の力が抜けた分だけ、ひとつずつのメロディ、音の重ねに説得力が加味されている。
長い曲においても、しっとりとしたパートからの盛り上がりが聴き手に高揚感を与えてくれ、
繊細でありながら壮大さとダイナミックさを有した見事なシンフォニック作だ。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8.5
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NIL 「novo sub sole」
フランスのヘヴィシンフォニックバンド、ニルの2nd。2005作
前作も初期クリムゾン的なヘヴィシンフォサウンドでなかなか面白かったが、
今作はのっけから女性Voの比重が増し、妖しいスキャットヴォイスに耳を奪われる。
ある種ゴシックふうな、たゆうたようなほの暗さと美しさが増していて、
サウンドを通してエキセントリックで芸術的な雰囲気が感じられる。
北欧のPAATOSあたりに通じる浮遊感と倦怠の魅力がある。
メロディアス度・・7 ほの暗シンフォ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8


●オランダ/ドイツ/ポルトガル

FLAMBOROUGH HEAD 「ONE FOR THE CROW」
オランダのシンフォニックバンド、フラムボロウ・ヘッドの3rd。2002作
最近の叙情系シンフォ作において、頭一つ抜けるくらいの泣きとメロディをもったバンド。
傑作であった1stに続く今作では、Voに女性を起用し、よりしっとりとした情感を描こうとしている。
前作にあったダイナミズムと楽曲のメリハリが若干減っているのが残念。
女性Voの実力もさほどではないので、「歌で聴かせる」までには至っていない。
しかし曲の「引き」のリリカルな情感はやはり見事で、そこからゆるやかに盛り上げてゆく
センスなどはその辺のバンドとは比べ物にならない良さがある。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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KAYAK 「Coming Up for Air」
オランダのシンフォニックロックバンド、カヤックの2008作
2000年の復活以降、順調にアルバムを発表し続け、そのどれもが充実の内容であったが、
本作も実に見事なアルバムだ。美しいシンセワークとメロディは、もはやカヤック節ともいうべき
耳心地のよいもので、シンフォニック性とキャッチーさのバランスは職人の域である。
そこに乗るハスキーな女性ヴォーカルの歌声もサウンドにマッチしていて、
いくぶんモダンになった楽曲アレンジとともに、いわばお洒落な風情をかもしだしている。
もちろん、従来のKAYAKらしい繊細なメロディック曲もあり、男女Voの使い分けがサウンドの幅をより広げている印象だ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲・・9 総合・・8.5
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VERALIN 「Opposites」
オランダのプログレ・ハードバンド、ベラリンの1996作
ハスキーで伸びやかな女性ヴォーカルを中心に、キャッチーなメロディで聴かせるサウンド。
FINCHのシンセ奏者によるシンフォニックなシンセワークも素晴らしく、
それにハードロック的な明快さが合わさって、なかなか耳心地のよい音作りだ。
これだという叙情や盛り上がりはないものの、安心して楽しめる女性Voロック作。
AYREONのアルイエン・ルカッセンもゲストで参加している。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Factory of Dreams「Melotronical」
ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2011年作
これが3作めで、前作同様、女性ヴォーカルの歌声を中心に、シンフォニックな美麗さと
いくぶんのメタリックな質感で聴かせるサウンド。随所にプログレッシブな構成も取り入れつつ、
女性声と男性声の掛け合いも含めてオペラティックなテイストが増してきていて、
これまで以上にメリハリのついた濃密な作風だ。ジェシカ嬢の歌唱力もずいぶんと向上。
プログレ化したEDENBRIDGEというべきか…美麗にしてドラマティックな力作である。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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●東欧〜北欧

QUIDAM 「Quidam/Rzeka Wspomnien」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、クィダムの1st。1996/2007作。
美声の女性ヴォーカルで繊細なサウンドを聴かせる本作は、ポーランドのシンフォニックシーンにおいて名作とされる一枚。
ゆったりと美しいシンセと叙情的なギターワークで聴かせる楽曲に母国語で歌われる女性ヴォーカルの絶品の歌声が優しく耳に響く。
ときにハケット時代のGENESISを思わせる幻想的な雰囲気も素晴らしい。最高傑作は3rd「The Time Beneath the Sky」だと思うが、
しっとりとした繊細さでは本作が一番だろう。女性声シンフォが好きな方は必聴。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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TURQUOISE
ポーランドの女性Vo入りシンフォニックロックバンド、タークォイスの1st。2001作
QUIDAMに続くこのバンドも、ファンタジックなジャケに負けず美しい女性声シンフォ作
しっとりとしたやわらかみのある作りで、母国語で歌う美声の女性Voをメインに、
メロウなギターと幻想的なKEYが一体となった、女性声シンフォの王道といえるサウンドである。
アコースティックや静寂パートを効果的に設けるなど、アレンジ面でも気を使っていて
デビュー作としはてはクイダムの1stに匹敵するくらいの出来だと思う。
ギターのメロディフレーズにもセンスが感じられ、決してただの歌モノになっていないところが良い。
 メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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ANAMOR 「IMAGINACIE」
ポーランドの女性Voシンフォニックバンド、アナモーのアルバム。2002作
かつてのQUIDAMを思わせる伸びやかな女性Voのシンフォサウンド。
メロウなギターフレーズもなかなかよろしく、GENESIS的な雰囲気に
ポーランド語の美しい歌声が合わさり、しっとりとした感触で聴かせてくれる。
QUIDAMTURQUOISEなど、女性ヴォーカルシンフォ好きにはお勧めの一作。
メロディアス度・・8 ポーラン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

Albion 「Remake」
ポーランドのシンフォニックロック、アルビオンの2006年作
1994年のデビュー作、1995年の2作目をCD2枚にカップリング。やわらかな女性ヴォーカルの歌声に、
美しいシンセアとメロウなギターを乗せた清涼感のあるサウンドで、初期のQUIDAMにも通じる優美な聴き心地。
紅一点、Anna嬢の歌声は、トレイシー・ヒッチング(Landmarq)などにも通じるハスキーな魅力があって、
楽曲をコケティッシュに彩っている。叙情的な泣きのギターフレーズも随所に彩りを放ち、
東欧らしいアンニュイな湿り気は、まさにシンフォニックロックの王道といった趣である。
2作目になると、翳りを帯びたメロウな作風が強まり、ゆったりとしたやや地味な作風になる。
方向性に迷ったのか、バンドはこの後いったん消滅するが、10年後にまた復活をとげる。
シンフォニック度・・8 美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8 
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Strawberry Fields 「Rivers Dry Gone」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、Satelliteのメンバーによるユニット、ストロベリー・フィールズの2009作
ゴシック的な倦怠感のある女性ヴォーカルの歌唱を中心に、モダンロック的な楽曲で聴かせる。
ときおりSatelliteを思わせるような薄暗いシンフォ風味もあるが、もっと素朴で肩の力が抜けたような、アンニュイな優雅さが前に出ている。
音数的には少ないながらも、退屈かというとそうでもなく、キャッチーな耳馴染みの良さもあって、
ゆったりとした女性声の入ったオルタナ・シンフォとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 薄暗シンフォ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Amaryllis「Inquietum Est Cor」
ポーランドの女性Voシンフォニックバンド、アマリリスの2009年作
女性ヴォーカルにツインギターを含む6人組でシンセはゲスト。しっとりとした女性Voの母国語の歌声に、
メロウなギターとうっすらとしたシンセ、浮遊感のある叙情性と幻想的な薄暗さで聴かせる世界観は、
QUIDAMやVOTUMなど、やはり同郷のバンドに通じる匂いも感じさせる。
いくぶんのメタリックな感触と素朴なシンフォニック性の一方では、PINK FLOYDルーツのサイケ風味もあり、
それがはかなげな美しい女性声と合わさって、なんともいえないゆるやかなサウンドを描いている。
楽曲の間に小曲を織り込んだ構成で、アルバム全体を流れで鑑賞できるのも心憎い。マイスペ
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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YOU AND I 「GO」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、ユー・アンド・アイの2nd。1998作
美しい女性ヴォーカルの歌声にシンフォニックなキーボードで聴かせる、
ポーランドのQUIDAMを思わせる爽やかな女性声シンフォサウンド。
1stよりもキャッチーなAORテイストが増しており、一般向けに聴き易くなっている。
伸びやかなVOLGYESSYさんの歌声が素晴らしく、しっとりと耳に優しく響きます。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 女性Vo度・・9 総合・・8
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Yesterdays「Holdfenykert」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、イエスタデイズの2007年作
やわらかなフルートの音色に、メロトロンを含むシンセ、美しい女性ヴォーカルによる繊細なシンフォニックロック。
アコースティカルな素朴さが耳に優しく女性奏者の吹くたおやかなフルートにメロトロンが重なると、もううっとりだ。
同郷の優美なシンフォニックロックバンド、YOU AND Iのメンバーがいるというのもうなずける。
リリカルかつやわらかな音で聴かせる、しっとり繊細系シンフォニックの好作品である。
2014年の再発盤ではジャケが変更されて、リミックス&リマスターがなされている。
シンフォニック度・・7 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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KORMORAN 「Magyarnak Lenni Hivatasunk」
ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランの2005作
結成30年にも及ぶベテランバンドで、早くからハンガリアントラッドと
ロックサウンドを融合させた、独自の音楽性を確立していた。
今作も、おそらく伝統曲をベースにしてアレンジしたトラッドロックで
ヴァイオリンやパイプが鳴り響き、母国語の女性ヴォーカルが歌いあげる。
ギター、シンセ、ドラムが加わると、シンフォニックロックとしての醍醐味も味わえ
メロディにはキャッチーな大衆性もある。そのパランス感覚も含めて見事な出来だ。
メロディアス度・・9 トラッ度・・8 東欧度・・10 総合・・8.5
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PAATOS 「KALLOCAIN」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パートスの2nd。2004作
ANGLAGARDWHITE WILLOWらと比べられ話題を呼んだ前作につづく作品である。
やはり前作に感じられた70年代風のやわらかみと、北欧独自の薄暗さはそのままに、
今回は女性ヴォーカルの歌唱を前に押し出した、アンビエントな部分が加わっている。
プログレといわれるともの足りない気はするが、このしっとり路線も悪くはない。
効果的に使用されるメロトロンも良い。女性Voものゴシック風プログレとしてはなかなかの傑作。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHITE WILLOWSignal to Noise
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの5th。2006作
アルバムごとにメンバーが変わり、方向性も変化しているこのバンドだが、今回もヴォーカルを代えてきた。
前回までのゴシックメタル風味を保ちつつもよりアンビエントな歌唱を聴かせる女性Voとともに、
絡みつくような色香が音にある。明快なフレージングでアクセントをつけるギターや、もの悲しいフルートの音色も効果的で、
サウンドにはノルウェーのバンドだけにかもし出せるメランコリックな叙情性が溢れている。
曲ももちろん良いが、雰囲気ものとしても過去最高の出来で、新Voの表現力も実に素晴らしいし、
シンセのアレンジなども、嫌味でない位のモダンさの同居に成功していて、作品の完成度を高めている。
シンフォニック度・・8 北欧度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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SPEKTRUM
GALLEONCROSSGRAND STANDなどのメンバーたちによるスペクトラムの2003作
ややハードめのギターに、シンフォ系のキーボード、そして女性ヴォーカルで聴かせる
メロディアスシンフォで、THE FLOWER KINGあたりにも通じる質感のあるサウンド。
楽曲は全体的に爽やかで、裏表のない素直な分かりやすさがあり、
いかにも90年代以降の典型的シンフォニックロックといった印象。
メロウなギターワークにこれでもかというハンセが合わさり、ハスキーな女性声とともに、
やや地味めのGALLEONあたりより、むしろ突き抜けたキャッチーさがあって良い。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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THE SMELL OF INCENSE 「OF ULLAGES AND DOTTLES」
ノルウェーのフォーク・ロックバンド、スメル・オブ・インセンスの2nd。2008作
なんと前作から10年ぶりのアルバムとなる。なんとも童話ちっくなジャケが可愛いが、
サウンドの方もメロトロンやハモンドの音色をバックに、サイケがかったギターが絡み
そこにやわらかな女性ヴォーカルが牧歌的に歌い上げるという美しいもの。
前作よりもずいぶんとキャッチーになり、むしろ70年代プログレ的な雰囲気もあって
たとえばオランダのEARTH AND FIREなどを思い出す雰囲気もある。
田舎的な情緒のシンフォニックロックとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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HIIDENSOINTI
フィンランドのプログレバンド、ヒデンソインティの2010年作
オルガンを含むシンセにメロウなギターを重ね、女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
北欧らしい牧歌的な土着性を感じさせる、軽妙で優雅なサウンドを聴かせる。
母国語の女性Voがトラッド的な空気もかもしだしつつ、あくまで軽やかなアンサンブルは
ときにジャズロック的でもあり、オルガンやメロトロン、フルートなどの、ヴィンテージなアナログ感に、
ブルージーなギターのフレーズなどもなかなか魅力的。アコースティックなパートも含んだやわらかな土着メロディは、
素朴でありながら幻想的な聴き心地だ。いかにも北欧らしい空気に浸れる優雅な逸品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・9 総合・・8


●アメリカ、カナダ、南米

Dream Aria 「In the Wake」
カナダのシンフォニックロック、ドリーム・アリアの2005年作
デジタルなリズムに、うっすらとしたシンセアレンジと浮遊感ある女性ヴォーカルの歌声、
ギターも加わったロック色が合わさった、エレクトロなシンフォニックロックというようなサウンド。
オペラティックなソプラノ女性ヴォーカルの美しさを前面に出しつつ、フルートやバグパイプの音色など
ケルティック/民族的な要素や、曲によってはゴシック的な耽美な雰囲気も覗かせる。
クラシカルな優雅さをモダンに解釈したというような、シンフォニックかつキャッチーな聴き心地と
魅力的な女性ヴォーカルで、このモダンシンフォ路線をさらに追及すると面白に存在になりそうだ。
ドラマティック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TRINDADE
ブラジルのシンフォニックロック、トリンダーデの1993年作
SAGRADOのマルクス・ヴィアナのプロジェクトで、サウンドはたおやかなヴァイオリン、ピアノ、アコギなどによる
しっとりとした曲調に美しい女性ヴォーカルがポルトガル語の歌を乗せる。つまりはSAGRADOの優しい部分を抽出した感じ。
実際、SAGRADOで聴いたことのある曲もあり、たおやか系シンフォ好きにはお薦めしたい逸品です。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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ELFONIA 「This Sonic Landscape」
メキシコのプログレメタル、エルフォニアの2003年作
のちにSTREAM OF PASSIONに加入する、Marcela Bovio嬢の美しい歌声を乗せ、
適度にテクニカルな展開力と、アンニュイな叙情でゴシック的な薄暗さをもったサウンド。
ときにジャズ的でもある優雅なアンサンブルに、いくぶんエキセントリックなセンスと、スリリングな空気感、
やわらかな浮遊感を同居させたという聴き心地である。なによりもマルセラ嬢の伸びやかな歌声は素晴らしく、
ゴシック寄りのナンバーはThe Gatheringなども思わせる。ラストは3パートに分かれた16分を超える組曲で、
プログレ的な構築センスも光る。美しい女性声ハードシンフォとしても楽しめる好作である。
ドラマティック度・・8 アンニュイ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TOCCATA 「CIRCE」
メキシコのシンフォニックロックバンド、トッカータの2005年作
きらきらとしたキーボードにメロウなギター、そして情熱的な女性ヴォーカルの母国語の歌唱と、
どれもが濃くそして熱い、いかにも中米らしいテクニカルなシンフォニックロックである。
やや唐突ながら次々に展開してゆく楽曲は、この手のハードシンフォ好きにはたまらないし、新人にしては演奏力もある。
ジャケがダサすぎるのが玉に傷であるが…8曲中8分以上の曲が5曲と大作志向で、展開が多いので飽きさせない。
メロディアスで大仰、テクニカルかつ情熱的なシンフォニックアルバム。たっぷり濃厚な力作です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 熱情度・・9 総合・・8
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Retsam Suriv「Exegesys」
アルゼンチンのシンフォニックハードロック、レトサム・スリヴの2009年作
女性Voにシンセ奏者を含む5人編成で、メロディックなギターワークと
美麗なシンセアレンジで聴かせる、典型的なハード・シンフォニックサウンド。
ギターはいくぶんメタリックな質感もありつつ、随所に泣きの叙情メロを奏で、
ドラマティックに展開しながら、女性ヴォーカルのスペイン語の歌声が重なってゆく。
濃密かつスケール感のある重厚さは、同郷の先輩であるNEXUSにも引けをとらない。
10分を超える大曲もメリハリのある構成が見事。南米ハードシンフォニックの傑作だ。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
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MATRAZ「GRITARE」
チリのシンフォニックロックバンド、マトラスの2nd。2004年作
今やシンフォニック大国となりつつあるチリだが、このバンドもワールドクラスの実力を持つ。
スリリングでテクニカルな演奏はメタル色の薄いDREAM THEATERといった印象もあり、
音はけっしてやかましくならないが流れるような演奏はまるでKENSOのように優雅で、
たたみかける場面でもどこかクールな「静けさの美」を持つセンスが素晴らしい。
クラシカルなピアノはサウンドに格調高さをもたらし、スペイン語の女性ヴォーカルの歌唱は、
インストだけでは硬質になりすぎるところを、上手い具合にやわらかなバランスを保たせている。
南米なのに涼やかで、適度に硬質で、シンフォニックかつクラシカル。傑作アルバムです。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 クールな叙情度・・9 総合・・8.5
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●日本

MAGDALENA
日本のシンフォニックロック、マグナレーナの1987年/2013年リマスター
バッハの妻の名を冠したバンド名とともに、バロックの香り漂うシンフォニックロックを聴かせる。
後にテルズ・シンフォニアに加入する徳久恵美の歌声とクラシカルで美麗なシンセアレンジで、
優雅なロマネスクを含んだ世界観を描いている。リズム面を含めてのいくぶんの素人臭さはあるが、
クラシカルなクサメロを奏でるギターもなかなかいい感じで、初々しい徳久嬢のヴォーカルも魅力的。
ゲストに永井博子が参加した、ページェントにも通じるような10分を超える耽美な大曲も含め、
なかなか聴きどころは多い。ゴシック的な美意識に包まれたジャップス・シンフォの逸品です。
シンフォニック度・・8 バロックロマン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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VERMILION SANDS 「Water Blue」
日本のシンフォニックロック、ヴァーミリオン・サンズの1987/1989年作
アコースティックギターに美しいシンセアレンジ、そして優しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
しっとりと優美なサウンド。ジャケのイメージのような幻想的な雰囲気と、ヴァイオリンなども加えての
ケルトやフォーク風味を含んだアコースティック繊細さに、プログレ的な構築力で描かれるサウンドは、
RENAISSANCEあたりの優雅さにも通じるだろう。あくまで優美な聴き心地の逸品です。
蝋山陽子嬢は、1991年にソロ作「SUNNY DAYS」を発表、2000年にθ-thetaに参加したのちに病のため世を去る。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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MR.SIRIUS 「DIRGE」
日本のシンフォニックロックバンド、ミスター・シリウスの2nd。1990年作
彼らの残した2枚のアルバムは、日本シンフォニックロック界の金字塔であるが、
本作の突き抜けたダイナミズムは、シンフォニックという言葉だけではとても言い尽くせない。
大木理沙の伸びやかで表現力に満ちた歌声と、ブラスアレンジを取り入れた分厚いサウンド、
たたみかけるリズムとダイナミックで華麗な楽曲展開は、もはや日本のプログレというイメージを
完全に超越したレベルにある。日本のバンドが最も世界の頂点に接近した作品といえるだろう。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・9
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TERU'S SYMPHONIA「Fable on the Seven Pillows/7つの夜の物語」
日本のシンフォニックロック、テルズ・シンフォニアの1990年作
NOVELAの平山照継率いるバンドの3作目。キュートな女性ヴォーカルが歌う、
「おっ姫様逃げた〜」で始まる可愛いらしさに、当時はズッコケタものだが、
童話的でファンタジックな世界観は、本作でひとつの完成を極めたといえる。
シンフォニックなアレンジと徳久恵美の伸びやかな歌声による優しい聴き心地で
スリリングな部分は薄いが、幻想的でコミカル、微笑ましく楽しめる作品に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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MARGE LITCH「Fantasien 1998」
日本のシンフォニック・プログレハードロックバンド、マージュリッチの4th。1998年作
1991年の自主制作の1stをリメイクしたアルバムで、少々マンガチックなファンタジー世界を
壮大なシンフォニックサウンドで表現したという作品。展開力のあるテクニカルな楽曲と、
キャッチーなメロディが噛み合わさった独自の音楽性は、NOVELAをより壮大にしたイメージとも言えるか。
ALHAMBRAの母体となるメンバーだけあり、演奏の実力も充分で、見事な歌唱の女性ヴォーカルに、手数の多いドラム、
凄まじいテクニックのベース、そして華麗なキーボードと、シンフォニックメタルファンにも聴かせたいような質の高い内容だ。
ロマンと幻想の日本語歌詞を照れずに聴ければ、めくるめくファンタージェンの世界に浸れます。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・7 ファンタジック度・・10 総合・・8
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θ-theta
「Seeds of the Dream」
日本のプログレユニット、シータの2000年作
故、蝋山陽子(Vermilion Sands)が参加した作品で、彼女のやわらかな歌声に、
艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、うっすらとしたシンセアレンジとともに
繊細な叙情美を聴かせてくれる。どこかなつかしいような素朴な世界観と、
幻想的な優雅さが広がってゆき、ゆったりとした聴き心地で楽しめる好作品。
Vermilion Sandsの山田雅弘、KBBの壺井彰久などがゲスト参加。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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月兎TSUKI-USAGI
日本のプログレバンド、つきうさぎの2010年作
女性Vo/フルート奏者を擁する5人組で、しっとりとしたやわらかなシンフォニックサウンド。
美しいシンセワークと、メロウなギター、そして日本語歌詞による女性ヴォーカルの歌声で
情緒豊かに聴かせてくれる。繊細なフルートの音色も世界観にマッチしていて、
水鏡
などと同じく、日本を感じさせる叙情プログレを受け継いでゆくバンドのひとつだろう。
3パートに分かれた大作“追憶”では、古き良きブリティッシュロック風味なども垣間見せつつ
かつてのPAGEANTばりの濃密なハードプログレを展開、優美な情感を織り込みながら、
ドラマティックに構築されてゆく。日本らしさにあふれた力作だ。MUSIC TERMにて試聴&購入可能
メロディアス度・・8 優美度・・8 日本度・・9 総合・・8
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