女性ヴォーカルベストセレクト 40

 メタル、プログレ、ケルトから絶品の女性Voアルバムを厳選




◆女性声ゴシックメタル10選

THE 3RD AND THE MORTAL 「Tears Laid in Earth」

ノルウェーのサード・アンド・ザモータルの1st。1994作
女性Voのゴシックメタルがにぎわう昨今だが、世界でおそらく最初に
美声の女性Voを耽美でドゥーミーなサウンドに乗せたのがこのバンド。
北欧らしいうす暗く、もの悲しい雰囲気に、浮遊感のある美しい歌声が乗る。
2nd以降は、しだいにプログレッシブでモダンなアプローチに進化してゆくが、
この1stは、女性声ゴシックドゥームの名作と呼べる。
Amazon.co.jp で詳細を見る

THE GATHERING Nighttime Birds
オランダのギャザリングのアルバム。1997作
女性Voをフロントにしての2作目で、前作「Mandylion」と甲乙付けがたい傑作。
初期の作品に比べメタリックなヘヴィさは押さえ目で、歌中心の楽曲はとても聴きやすい。
豊かな声量と表現力を備えたアネク嬢の歌声には、大地の母性を感じるほどのスケールがある。
バンドはこの後しだいにメタル色を弱めてゆき、アンビエントな深化をたどってゆくが、
ゴシックメタルとしての最高作を上げるならこの作品か。
Amazon.co.jp で詳細を見る


WITHIN TEMPTATION 「MOTHER EARTH」
オランダのウィズイン・テンプテーションの2nd。1999作
1stではまだデス声入りのやや地味めのサウンドであったが、
このアルバムからは全篇が美声のシャロン嬢の歌を聴かせる作風へシフト。
それとともに楽曲はシンフォニックな色を増し、泣きのメロディ満載の作品になった。
これならメタルが苦手な聴かないシンフォファンでも聴けます。
ゴシック的ダークさは後退したが、清艶なシンフォニック・ゴシックという新たな地平を確立した傑作。
Amazon.co.jp で購入

LEAVES' EYES 「VINLAND SAGA」
THEATRE OF TRAGEDYリブ嬢と、
ATROCITY
のメンバーらよるリーヴズ・アイズの2nd。2005作
1stではデス声入りだったが、今作は人気のWITHIN TEMPTATIONに対抗してか、
しっとりとした雰囲気が増しており、前作以上にリブ嬢の歌声を楽しめる癒し系サウンドとなっている。
クオリティ的にもウィズインの牙城に迫らんというレベルに来ているので、女声ゴシメタ好きはまず必聴。
ビデオクリップでは、ジャケの着物風ドレスを着た動くクリスティン嬢が見られる。フェロモンにうっとり(笑)
Amazon.co.jp で詳細を見る

ELIS 「DARK CLOUDS IN A PERFECT SKY」
リヒテンシュタインのエリスの2nd。2004作
ヨーロピアンな情緒を感じさせるそのサウンドは、1stに比べぐっと音の厚みが増している。
サビーネ嬢の歌唱はオペラティックで、その美声は楽曲にクラシカルな雰囲気をもたらし、
アルバム全体に堂々とした説得力を付加している。シンフォニックなシンセのアレンジも美しく、
メタリックな要素も残しながら、サウンドは軽すぎず重すぎず、理想的なバランスを保っており、
女性声ゴシックメタルの傑作といってよいと思う。ドイツ語で歌われるラストのバラードはじつに感動的。
Amazon.co.jp で購入

MOONLIGHT 「FLOE」
ポーランドのムーンライトの4th。2000作
もともと浮遊感のある耽美な曲調と美しい女性Voが魅力だったが、
今作ではよりアンビエントな雰囲気を増し、歌声をしっとりと聞かせるサウンドとなっている。
チェロやヴァイオリンなど、クラシック系のゲストがバックの演奏をより格調高いものにし、
相変わらずポーランド語による歌唱は、英語にはない不思議なやわらかさをかもし出している。
美と静謐とに彩られた叙情派ゴシックの傑作アルバムだ。
Amazon.co.jp で詳細を見る

PALE FOREST 「EXIT WOULD」
ノルウェーのペール・フォレストの3rd。2001作
可愛い女性声を前面に聴かせる、ぐっとさわやかな曲調が持ち味のバンド。
とにかくこのキュートな歌唱、歌声だけで個性になっているのがまず素晴らしい。
曲はキーボード、ピアノなどを控えめに使いながら、アンニュイさと優しさを表現出来ていて
暗黒度はかなり薄いのだが(ゴシックよりはアンビエント寄りか)、決して軽いわけではない。
このまま成長してゆけばさらに素晴らしいバンドになるに違いない。
Amazon.co.jp で詳細を見る

MORTAL LOVE 「I HAVE LOST......」
ノルウェーのモータル・ラブの2nd。2005作
キュートな声質のCAT嬢の歌唱は、1stから成長し、うっすらと色香漂う表現力を備え、
この手のフィメールゴシック好きなら萌え必至のアルバムになった。(笑)
バックの演奏も重厚さが増していて、アンビエントな静謐パートとのメリハリがつき、
美しいピアノやシンフォニックなシンセのアレンジもなかなか巧みだ。
正統派フィメールゴシックメタルの正しい継承者といってもよいクラスまで来たかという印象。
Amazon.co.jp で詳細を見る

XANDRIA 「RAVENHEART」
ドイツのキサンドリアの2nd。2004作
サウンドはいかにも王道のゴシックメタルで、曲はだいたい3分〜5分とコンパクトですが、
メタリックなギターにシンセがからみ、ときにシンフォニックに聴かせます。
そしてそこにリサ嬢のキュートな歌唱が乗ると…もううっとり。
日本盤デビューした3rdよりも、こちらのアルバムの方が間違いなく出来は上。
WITHIN TEMPTATIONEVANESCENCEが好きならまず薦めです。
Amazon.co.jp で詳細を見る

BRAVE 「SEARCHING FOR THE SUN」
アメリカのブレイブの1st。2002作
ARISE FROM THORNSから改名しての今作では、トラッド色を抑え気味にした、
聴きやすくしっとりとしたアンビエント・ゴシックメタルに近い音になっている。
とはいえ、3拍子リズムやギターの音色などにはそうしたトラッド的部分がかいま見え、
THE GATHERINGなどの女性声ゴシックメタルファンと同時に、
ALL ABOUT EVE
KARNATAKAあたりのファンにも聴いてもらいたい音だ。
Amazon.co.jp で購入


◆女性声メタル10選

EDENBRIDGE 「SHINE」
オーストリアのエデンブリッジの4th。2004作
サビーネ嬢の清らかな天上の美声は今作でももちろん健在で、その母性をも感じさせる歌声には
いっそうの表現力が備わっており、聴いていて思わずうっとりとなる(*^-^*)
プロダクション的にも音が力強くなり、サウンドにも磨きがかかり確かなクオリティ向上が感じられる。
今回は曲にエスニックなメロディなども取り入れていて雰囲気に幅を持たせているのも効果的で、
時にシンフォニックに、時にメタリックに疾走しながら、メロディアスなギターフレーズを聴かせる
ランヴァルの作曲センスも光ってるる。全体のクオリティとしては過去最高の出来だ。
Amazon.co.jp で購入

NIGHTWISH 「ONCE」
フィンランドのナイトウィッシュの5th。2004作
オペラティックなターヤの絶品の歌唱に加え、壮麗なシンフォニックさが存分に発揮され
NIGHTWISH節ともいうべきキラキラとしたアレンジは、これまでにない完成度となった。
ヘヴィさと、キャッチーさのバランスも絶妙で、たおやかなピアノ、キーボードも美しく、
バンドとしての方向性に対する自信が音に感じられる。クラシカルさとシンフォニック性、
そして清艶な女性ヴォーカルが合わさり、彼ら以外にはできない見事な傑作を作り出した。
Amazon.co.jp で詳細を見る

BETO VAZQUEZ INFINITY
アルゼンチン人ミュージシャン、ベト・ヴァスケスによるインフィニティのアルバム。2002作
BLACKMORE'S NIGHTキャンディスNIHGHTWISHターヤに、EDENBRIDGEサビーネという
美声の女性ヴォーカル三美神に加え、RHAPSODYからファビオまでが参加という、なんとも豪勢なメンツ。
曲の方はNIGHTWISHや、BLACKMORE'S NIGHTっぽかったりして個性という点では疑問符が付くが、
女性ヴォーカルフリークには、一枚で3粒楽しめる美味しい作品であることは間違いない。
Amazon.co.jp で購入

LANA LANE Ballad Collection U
すでに、日本のファンにも認知度の高いラナ・レーンだが、
これは彼女のパラード曲のみをレコーディングした企画アルバム。
正規アルバムの方は、むしろオーセンティックでメタリックな要素が強いのだが
ここで聴けるサウンドは、やわらかみのあるシンフォニックな質感で心地よく楽しめる。
エルトン・ジョンやトムウェイツ、スーパートランプなどのカヴァー曲も、エリク・ノーランダーの手による
絶品のアレンジでシンフォニックに聴かせてくれる。
Amazon.co.jp で詳細を見る

YANKEE HEAVEN 「unclassified」
スウェーデンのハードロックバンド、ヤンキー・ヘヴンのアルバム。1994作
現在はSHIVAで活動する、女性Voアネット・ヨハンソンの見事な歌唱を中心に、
北欧的な清涼感溢れるサウンドを聴かせる高品質作。
楽曲はコンパクトながら、メロディには魅力的なフックが詰まっており
さり気ないギターのフレーズにもセンスが感じられる。
ジャケはいまいちながら、内容は女性Voハードポップの傑作といえる。

DANTE FOX 「THE FIRE WHITHIN」
イギリスのメロディアスハードバンド、ダンテフォックスの2nd。1999作
クオリティの高かった1stから大好きだったが、今回も1曲目からガッツポーズものだ。
綺麗な声質の女性Vo、スー嬢の歌う爽やかなメロディラインを中心に、極上のハードポップが全篇で展開。
バックのキーボードとギターもうるさ過ぎず、あくまでシンプル。それでこそ歌メロのフックが生きるというもの。
爽快でキャッチ−なメロディの女性ヴォーカルものという点で、間違いなく傑作とよべるだけのアルバムだ。
Amazon.co.jp で購入

ALYSON AVENUE 「-PRESENCE OF MIND-」
スウェーデンのメロディックハードロックバンド、アリソン・アヴェニューの1st。2000作
伸びやかな女性Voの歌唱をメインにした素敵で爽やかなメロディアスハードロック。
メロディや曲アレンジにはフックがあり、決して一本調子にならないし
きらきらとした北欧らしいキーボードに、けっこうハードでセンス抜群のギターが
サウンドに説得力をもたせている。そしてそこに乗る絶品の歌声がとても心地よい。
ジャケは地味だが内容はキラキラ。なお、Vo嬢はなんとNIGHTWISHへの加入が決定!

ALHAMBRA 「A FAR CRY TO YOU
日本のシンフォニック・プログレ・メタルバンド、アルハンブラの1st。2005作
GALUNERIUSでなども活躍するYUHKI氏のきらびやかなキーボードに、テクニックのあるギター、
そこに世良純子さんの絶品の歌唱が重なって、プログレッシブなシンフォニック・メタルを形作ってゆく。
曲はキャッチーなメロディで疾走するメロスピから、日本語歌詞の情緒あるバラード
そしてたたみかける変拍子のプログレインスト曲まで、どれもが濃密、そしてメロディアス。
かつてのMARGE LITCHの雰囲気を残しつつも、楽曲はより分かりやすくなり
RHAPSODYやNIGHTWISHなどのシンフォニックメタルファンにもお薦めしたい。
Amazon.co.jp で詳細を見る

APHASIA 「WILD AND INNOCENT」
日本のレディースハードロックバンド、アフェイジアの4th。2004作
メジャーデビュー作としては2作目となる今回も、ノリのよいメロディアスハードが楽しめる。
曲によってはメタリックなテイストを増していて、日本語歌詞の響きも手伝ってか
陰陽座的な雰囲気もあり、その筋のファンにもアピールするだろう。
また、女性らしさを活かした歌詞で聴かせるハードポップ調の曲も、
流風(luka)嬢の爽やかな声質にマッチしていてよろしい。
Amazon.co.jp で購入

横須賀ゆめな 「メビウスの輪」
横須賀ゆめなの2ndフルアルバム。2004作
今作もEARTHSHAKERMARCYプロデュースでのっけからハードロック全開。
自身が憧れる山口百恵のロックカヴァーや、叙情溢れる泣きの名曲「メビウスの輪」、
「夏空」あたりも必聴。アルバム全体に彼女のロックヴォースリストとしての力強さが感じられるし、
ギタープレイや曲のアレンジは我々メタラーが近しく感じるサウンドなので、
女性声HRが好きな方にはぜひ聴いてもらいたい。
Amazon.co.jp で購入


◆女性声プログレ10選

RENAISSANCE 
「ASHES ARE BURNING」
女性Voものというよりも英国の大御所クラシカルプログレバンド、ルネッサンスの最高作。1973作
まさに絶品の歌唱を聴かせるアニー・ハズラムの美声に、ピアノやオーケストレイションによる格調高いアレンジ、
「プロローグ」「燃ゆる灰」「運命のカード」「シェラザード夜話」「お伽噺」は全てが必聴級の傑作であるが、
シンフォニックな一大組曲ならば「シェラザード」を、最もクラシカルな作品ならば「プロローグ」、
そしてこの「燃ゆる灰」は、英国的なしっとりしとた叙情美で、バランスに優れた楽曲が目白押しの最高傑作。
Amazon.co.jp で詳細を見る

ALICE (Bisconti) 「La Mia Poca Grande Eta'」
イタリアの女性歌手、アリーチェ・ビスコンティの1st。1975作
邦題「夢の中の少女」と題されたこの作品は、美しいジャケの通りにサウンドも素晴らしく
クラシカルなピアノの音色に、瑞々しい彼女の歌声。そしてイタリア語の響きも美しい。
I POOHの協力もあったということで、バックのストリングスの優雅な響きに包まれて
絶品のメロディと幻想的な雰囲気が合わさった、シンフォニック性も有した傑作だ。
ちなみに、彼女はこのデビュー当時21歳。内ジャケ写真のあまりの美女ぶりにもうっとり…
Amazon.co.jp で詳細を見る

SANDROSE 「SAME」
フランスの女性Voものプログレ作としては伝説の作品、サンドローズの唯一のアルバム。1972作
ジャン・ピエール・アラルサン率いるこのバンドは、アルバム1枚のみを残して消えたが、
紅一点、ローズ嬢の素晴らしい熱唱には時代を超えた輝きがあり、
バックのハモンドやメロトロンなどのレトロな音色もプログレファンにはたまらないものがある。
情感のこもった女性ヴォーカルものが聴きたい方はぜひ。
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAVAGE ROSE 「GADENS DRONNING」
デンマークの女性Voロックバンド、サヴェージローズのアルバム。1990作。
トラッドやブルース、アルバムによってはバレー音楽なども取り入れる器の大きなバンドであるが、
やはり女性Voアニセッテの歌唱が最大の聞きどころ。本作にしても曲は比較的シンプルで、
オルガン、アコーディオンなどをバックに、魂を振り絞るような彼女の歌唱がとどろく様は圧巻。
日本でいえば、カルメンマキか中島みゆきかという、とにかくこの歌声はインパクト大だ。
ブルースなどからの下地を感じる、人間的な命の讃歌がここにある。

MR.SIRIUS 「DIRGE」
日本のシンフォニックロックバンド、ミスター・シリウスの2nd。1990作
彼らの残した2枚のアルバムは、日本シンフォニックロック界の金字塔であるが、
とくに今作の突き抜けたダイナミズムは、シンフォニックという言葉だけではとても言い尽くせない。
大木理沙の伸びやかで表現力に満ちた歌声と、それを包むような圧倒的な演奏陣、
たたみかける曲展開はメロディックで、日本的なせこさが微塵もない。
日本のバンドが最も世界の頂点に接近した作品といえるだろう。
Amazon.co.jp で詳細を見る

ARRAKEEN 「MOSAIQUE」
フランスのシンフォニックバンド、アラキーンの2nd。1992作
清涼感のある女性ヴォーカルが実に美しいシンフォニックロック。
メロウなフレーズを奏でるギターは、Prog Metalファンにはおなじみのシリル・エイチャード
ギターの音色にはメタル色もあるのでプログレハードとしても案外楽しめます。
それにしてもこの女性Voは私好みの透明で綺麗な声の持ち主で、
フランス語の歌詞の響きがじつ美しいのです。

STRANGERS ON A TRAIN 「THE KEY PARTU:THE LABYRINTH」
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランのプロジェクト、
ストレンジャース・オン・ア・トレインの2作目。1993作
Voはポンプロック好きならもはや有名なトレーシー・ヒッチング(現LANDMARQ)。
内容は素晴らしいのひと言。これぞ女性声シンフォニックプログレの傑作です。
ややかすれ気味のトレーシーのキュートなヴォーカルをメインに、華麗なキーボード群と、
メロディアスで甘美なギターメロが合わさり、ゆるやかなシンフォニック組曲をかなでます。
ペンドラゴンに比べるとややシリアスで格調高く、女性Voの情感溢れる歌が胸に響きます。
Amazon.co.jp で詳細を見る

YOU AND I 「SAME」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、ユー・アンド・アイの1st。1996作
綺麗な声の女性Voを中心にしたたおやか系のサウンドで、
ポーランドのQUIDAMあたりを想起させるものを持っている。
ギターにしろキーボードにしろあまり大仰にはならず、あくまで歌メインの曲構成に好感が持て、
時折見せるIONA的な幽玄さを伴った静謐感もとても心地よい。
地味ながらもじわじわとくるタイプの女性声シンフォ好作。
Amazon.co.jp で詳細を見る

QUIDAM 「THE TIME BENEATH THE SKY」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、クイダムの3rd。2002作
美しいフルート、天上の女性声の魅力はもちろん、ギターのエッジがよりはっきりとして
リフなどを聴いているとある部分ゴシックメタル的なところもあったりする。
楽曲の雰囲気が多少ダークになった分、アンビエントな女性Voものとして
初期ALL ABOUT EVEやフランスのMYLENE FARMER的な色合いをも感じる。
女性声シンフォニックとしても、静謐アンビエント・ゴシックとしても傑作。
Amazon.co.jp で詳細を見る

WHITE WILLOW Signal to Noise
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの5th。2006作
ゴシックメタル風味を保ちつつアンビエントな歌唱を聴かせる女性Voは、絡みつくような色香がある。
明快なフレージングでアクセントをつけるギターや、もの悲しいフルートの音色も効果的で、
サウンドにはノルウェーのバンドだけにかもし出せるメランコリックな叙情性が溢れている。
曲ももちろん良いが、雰囲気ものとしても過去最高の出来で、新Voの表現力も実に素晴らしいし、
シンセのアレンジなども嫌味でない位のモダンさの同居に成功していて、作品の完成度を高めている。
Amazon.co.jp で詳細を見る


◆女性声ケルト/トラッド系10選

LOREENA MCKENNITT The Mask and Mirror
カナダのケルト系ヴォーカリスト、ロリーナ・マッケニツトの5th。1994作
歌唱における説得力がさらに高まっている。歌声のみで自身の世界観を作り出せるのは素晴らしい。
サウンドの方も単なるケルトではなく、教会音楽的な崇高さとともに、スパニッシュ風味や
中近東的な要素なども取り入れた奥深いもので、まるで世界を旅しているような気分になれる。
パーカッションのリズムに、ギター、フィドル、チェロなどの響き、そしてそこに重なる
彼女の絶品の表現力をたたえた歌声は、世界そのものを包みむような優しさと強さを感じさせる。
Amazon.co.jp で詳細を見る

CONNIE DOVER 「Wishing Well
アメリカのケルト系シンガー、コニー・ドーバーの2nd。1995作。
ケルト系トラッドを歌う美声女性ヴォーカルで一番好きなのは?と問われたら、
ケイト・プライスでもロリーナ・マッケニットでもなく、私は一番に「コニー」と答えるだろう。
この清涼でありながら暖かで、人間味に満ちた美声は、一種の癒しですらある。
曲の方も歌を生かす素朴なトラッドがメインで、陽光のように温かな歌声にうっとりできる。
Amazon.co.jp で詳細を見る

IMAGINARY HEAVEN
 「DRESSED IN GENTLE DAYS」
カナダのイマジナリィ・ヘブンの2nd。1996作
このバンドのサウンドを一言で言うなら「幽玄」。これにつきる。
三人編成で音数的にはピアノやアコギの上に女性Voが乗る、というシンプルなものだが、
この静寂、ゆるやかに流れる、しっとりとした不思議な世界はあまりに美しく、はかなく、深遠である。
その音に耳を傾けると、ときの流れ、喜びと哀しみ、生と死などが思い浮かべられ涙が出そうになる。
重なり合い響く、美しい女性ヴォーカル。たゆたうような時間。夢幻のなかで夢を見ているようだ。
Amazon.co.jp で詳細を見る

JOANNE 「LOOKING INTO LIGHT」
ケルティックロックバンド、IONAの歌姫、ジョアンヌホッグのソロアルバム。
基本路線はアイオナと同様、静謐なケルト色溢れるトラッドを軸に、
シンセ、弦楽によるシンフォニック性を付加したもの。
ジョアンヌの絶品の歌声が全篇に渡って楽しめるという点で、非常に嬉しい。
この、のびやかで美しく、素直で清浄、そして魂の深遠さえも覗かせる雄大な音楽を、
なんと賛辞すればいいのか知らない。現在は「Celtic Hymns」というタイトルで再発されている。
Amazon.co.jp で詳細を見る

KARNATAKA 「DELICATE FLAME OF DESIRE」
ウェールズ出身のケルトロックバンド、カルナタカの3rd。2003作
このバンドの色を表す表現としてIONA+ALL ABOUT EVEという言い方が出来るが、
今作では、よりシンフォニックなアレンジが増しており、繊細かつダイナミックな色彩が高まっている。
美貌の女性Voレイチェルの歌唱の素晴らしさは、英国のクラシックロック・ソサエティで大賞をとるほどの実力。
女性Voものとしてはもちろん、シンフォニックロックの好作としても聴ける。
トラディショナルな要素を控えめにしながらも、随所にそれを感じさせる温かみのあるアレンジはさすが。
Amazon.co.jp で購入

CARA DILLON 「SWEET LIBERTY」
アイルランド出身の女性Vo、カーラ・ディロンの2nd。2003作
1stの時点からそのキュートな歌唱と、アイリッシュ風味をまじえた聴き易いポップな楽曲が、
なかなかだったが、この2ndでは可愛いらしさに加え、より深遠な歌唱力を身に着けている。
曲調もケルト風味を心地よく溶け込ませたしっとりとした雰囲気で、
彼女の歌唱を活かすべく方向性が練り込まれてきており、今後がますます楽しみ。
Amazon.co.jp で購入

BLACKMORE'S NIGHT 「SHADOW OF THE MOON」
リッチー・ブラックモアによる中世音楽バンドブラックモアズ ナイトの1st。1997作
キャンディス・ナイト
の美声をメインに、中世ルネッサンス音楽のトラディショナルな雰囲気を残しつつ、
ところどころにキーボードを使用しながら、現代的なアレンジを織り込んだ世界観は、
素朴でありながらシンフォニックであり、そのサウンドはどこを切っても非常に高クオリティ。
この1stではRENAISSANCEの「OCEAN GYPSY」もカヴァーするなど
プログレ、フォークファンにも必聴の内容となっている。
Amazon.co.jp で詳細を見る

RUA  「DREAM-TELLER」
オーストラリアの女性Voデュオ、ルアの2nd。2003作
このジャケを見たらもう…これも買わざるを得んでしょう(笑)内容の方も1s以上に素晴らしい出来。
アコースティックギター、ピアノ、ヴァイオリンをバックに、二人がしっとりとした美声を聴かせてくれる。
たおやかなフルートや、ここぞとばかりに盛り上げるストリングスオーケトラもたまらない。
また、単なるコンテンポラリーケルトではなく、キーボードの使用による音の広がりも感じさせ、
ケルト初心者の女性ヴォーカル好きにも対応。聴いてうっとり、じわじわ…じーんという傑作。
Amazon.co.jp で詳細を見る

SHEODA 「CONTEMPORARY & TRADITIONAL IRISH LOVE SONGS」
アイリッシュ系女性Vo、シェオダのアルバム。2004作
ジャケの雰囲気からしていい感じですが、内容も負けずに素晴らしい。
しっとりとした美声の女性Voがアイリッシュソングを歌うのですが、
うっすらとしたシンセや、ピアノ、ヴァイオリン、フルートなどが素敵に彩る楽曲は、、
伝統的な要素と、現代的なアンビエントなシンフォニック性が合わさった感じで
とても聴きやすく、アコースティックな響きもじつに典雅でうっとり。
Amazon.co.jp で詳細を見る

GLAZ
「AR GEST」 
フランスのシンフォニック・トラッドロックバンド、グラッツの2nd。1995作
知名度こそマイナーだが、トラッドをロックと合わせたキャッチ−なサウンドは実に良い。
このバンドの魅力は、トラッド的なメロディを分かりやすく取り入れているところで、
楽曲にはどちらかというポップな味があって、それが微笑ましいのだ。
ヴァィオリンとギターの軽快な絡みや、キュートな女性ヴォーカルのフランス語の歌唱も、
さわやかな曲調によくマッチしている。
Amazon.co.jp で詳細を見る


*いかがでしたでしょうか、麗しの歌声…女性ヴォーカル特集。
上に紹介したアルバムのうち15枚以上持っていましたら、かなりの女性Voフリークですよ!


ゴシックメタルCDレビュートラッド系CDレビューも合わせてご覧ください


音楽トップ