最近の女性ヴォーカルプログレ事情


近年にわかに増えてきている、女性声シンフォプログレの傑作を厳選いたします♪ by 緑川 とうせい


◆イギリス

Mostly Autumn 「The Ghost Moon Orchestra」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータム2012年作
1998年にデビュー、いまや英国シンフォニックを代表するバンドとなった彼ら。
10作目となる本作は、フロントヴォーカルがオリビア嬢に替わっての2作目である。
しっとりと美しい女性ヴォーカルの歌声と、美しいシンセアレンジによる叙情性、
これまで以上にスケール感とダイナミズムが増した楽曲は、壮麗にして重厚だ。
男性ヴォーカルメインの曲もあるが、フォーキーな素朴さと古き良きロックの質感を
同居させたアレンジはじつに巧みで、曲ごとの男女ヴォーカルの配置もよく考えられている。
前作も素晴らしかったが、今作もバンドの力量と経験を発揮した見事な傑作である。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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MAGENTA 「The Twenty Seven Club」
イギリスのシンフォニックロック、マジェンタの2013年作
2001年にデビューしてから、女性Voをフロントにしたキャッチーなプログレサウンドで人気を博し
いまや英国シンフォを代表するバンドのひとつとなった。スタジオ作品としては7作目となる本作は
27歳の若さで亡くなったミュージシャン達…ジム・モリソン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、
ブライアン・ジョーンズ、カート・コバーン、ロバート・ジョンソン…をコンセプトにしたという作品で、
各楽曲ごとにそれぞれのアーティストをモチーフにしたドラマティックなシンフォニックロックを描いている。
10分を超える大曲を中心に、メロディックなフックと、ときにしっとりとした翳りのある叙情も含ませながら、
メリハリのある展開力とアレンジセンスを見せつける。いっそう円熟味を増したバックの演奏に、
艶めいた大人の香りを感じさせるクリスティーナ嬢の歌声も、ぐっと表現力を増してきている。さすがの力作です。
メロディック度・・8 プログレ・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Thieves Kitchen One for Sorrow Two Fo Joy」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2013年作
ANGLAGARDのトーマス・ヨハンソンをシンセ奏者をメンバーに迎えての2作目で
メロウなギターにメロトロンがかぶさり、しっとりとした
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
優美なシンフォニックロックは本作も同路線。随所に変拍子を取り入れたリズムとともに、
適度にテクニカルに、そしてゆるやかに大曲を構築する力量は、さすが中堅バンドというところ。
やわらかなピアノやフルートの音色も美しく、全体的にも優雅な聴き心地に包まれた好作品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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LANDMARQ 「Entertaining Angels」
イギリスのシンフォニックロックバンドランドマークの2012年作
スタジオアルバムとしてはじつに14年ぶりとなる作品で、バンドが健在であることが嬉しいが
トレイシー・ヒッチングのハスキーな歌声とともに、メロディックに聴かせるサウンドも不変。
美しいシンセワークと、適度にハードさも含んだギター、そして艶のあるコケティッシュな歌声で
ポンプロックのキャッチーな部分を継承する作風には、古くからのリスナーも嬉しいだろう。
12分、16分という後半の大曲もドラマティックに構築され、適度にモダンな感触も加わった力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8

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Solstice 「Spirit」
イギリスのプログレバンド、ソルスティスの2010年作
1997年の「Circles」以来、実に13年ぶりとなるアルバムで、
当然ながらメンバーも一部替わっているようだが、女性ヴォーカルの歌声に
ヴァイオリンが鳴り響く優雅なサウンドは、かつてのサウンドを継承している。
ゆったりとした牧歌性の中にも、さりげなく変拍子を盛り込む演奏センスはさすがで
トラッド的なメロディも含ませるなど、聴き心地の良さを保ちながら、プログレとしての緊張感も
随所に感じさせる。優雅な構築美の力作です。2009年のライブ映像を収録したDVD付き。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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IONA 「Another Realm」
イギリスのケルティック・シンフォニックロックバンド、アイオナの2011年作
前作から5年ぶりとなる今作はCD2枚組の大作となった。しっとりとしたジョアンヌ・ホッグの歌声に
雄大なケルティックの風を感じるようなサウンドは、これまで以上に世界観を強めていて、
うっすらとしたシンセをバックに、繊細なギターのつまびきと、ヴァイオリンやパイプの音色が重なり
シンフォニックなケルトロックを描き出す。民族的なフレーズを違和感なくバンドサウンドに取り入れる
コンテンポラリーなセンスはさすがだし、15分を超える大曲などもゆったりと神秘的に聴かせてくれる。
デイブ・ベインブリッジのギターも流麗なフレーズを奏で、ロック的な躍動感をサウンドに付加している。
ベテランならではの自信と確かなアンサンブルが構築する、壮大なダイナミズムにあふれた力作です。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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KARNATAKA 「Gathering Light」
イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカの2010年作
かつて美声の女性Vo、レイチェル・ジョーンズを擁して3枚のアルバムを残したが、
その後、夫であるバンドリーダーのイアン・ジョーンズとの離婚もありレイチェルは脱退。
バンドはそのまま消滅したかに思えたが、新たにリサ・フューリィを迎えてここに復活作を完成させた。
サウンドの方は、シンフォニックな美麗さとケルティックなメロディが融合した、
まさにかつてのKARNATAKAを思わせるもので、いっそうダイナミックな音作りが素晴らしい。
躍動感のあるリズムに乗るきらびやかなシンセと、そこにかぶさる泣きのギター、
厚みのあるサウンドには新生バンドとしての意気込みが伝わって来る。これは素晴らしい傑作だ。
シンフォニック度・・9 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Panic Room 「Satellite」
イギリスの女性Voロックバンド、パニック・ルームの2nd。2010年作
KARNATAKAMostly Autumnアン・マリー嬢を擁するこのバンド、KARNATAKAに比べると
ケルト色はほとんどなく、どちらかというとモダンさのあるアンニュイなロックサウンドだ。
かつてのAll About Eveにも通じる雰囲気で、アン嬢の歌声にも大人の艶が感じられる。
今作も後半以降の曲に魅力が多く、しっとりとしたバラード曲や、WITHIN TEMPTATIONを思わせる
いくぶんハードなシンフォニックナンバーも光っている。ラストの叙情曲にもうっとりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Reasoning 「Adventures in Neverland」
イギリスの女性Voシンフォニックロック、リーゾニングの2012年作
KARNATAKAのレイチェル嬢を擁するこのバンド、ライブやアコースティック作を挟み、スタジオ作としては4作目。
美しい女性ヴォーカルで聴かせる、ほの暗い翳りを含んだメロディックロックという路線はそのままに、
今作ではシンフォニック寄りのアレンジで、むしろかつてのKARNATAKAにも接近したような印象。
きらきらとしたシンセアレンジとメロウなギターワークが、しっとりとした彼女の歌声を引き立てていて、
これまで以上に深みのある世界観を感じさせるサウンドとなった。女性声ハードシンフォニックの好作といえる出来です。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Touchstone 「City Sleeps」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2011年作
ライブアルバムをはさんでの3作目で、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンドは前作の延長上ながらよりダイナミックになっている。
この手のバンドにしては重厚さの効いたドラムとエッジのあるギターサウンドに、
美麗なシンセワークも含めて、PALLASあたりを思わせるドラマティックな雰囲気だ。
10分超の大曲も2曲あり、メリハリのある展開と、女性Voの美しさに惚れ惚れする。
ここぞというところで聴かせるメロディと盛り上げ方も上手くなった。なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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◆イタリア、フランス、スペイン

Aries 「Double Reign」
イタリアのシンフォニックロック、アリエスの2010年作
La Maschera Di Cera, Hostsonaten, Finisterreなどで活躍するファビオ・ズッファンティと
女性Voのユニットバンドで、美麗なシンセアとストリングスを含んだアレンジに
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、しっとりとしたシンフォニックロック・サウンド。
いわゆるプログレ色は薄めで、モダンな質感の女性声アンビエントロックという趣なので、
前作に比べるといくぶんあっさりとした感じではあるが、優しい聴き心地の好作です。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Conqueror「Stems」
イタリアのプログレバンド、コンカラーの2014年作
マタ・ハリをテーマにした前作はバンドの最高傑作となったが、5作目となる本作では
ぐっとアダルトな聴き心地となっていて、渋みのあるギターにオルガンを含んだシンセアレンジ、
そしてシモーナ嬢のイタリア語の歌声とともに、アンニュイな叙情に包まれたサウンドを描いている。
この薄暗い情感は、Paatosあたりにも通じる雰囲気で、そこにイタリアらしい妖しさが加わっている。
クラシカルなシンセワークはかつてのイルバレを思わせる部分もあり、ヴィンテージなプログレ好きにも楽しめる。
いわばオールドなロック色と女性ヴォーカル、イタリア的な芸術性が合わさったような好作品です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Secret Tales 「L'Antico Regno」
イタリアのシンフォニックロック、シークレット・テイルズの2014年作
メロウなギターと美しいシンセアレンジ、そしてやわらかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
幻想的な雰囲気に包まれたサウンド。ファンタジックなストーリーに基づいた作品のようで、
1、2分の小曲を挿入し、ときにアコースティックな牧歌性に包まれたフォーク風味もありつつ
ときにツーバスのドラムとハードなギターが入ってくるなど、案外に振り幅の広い作風となっている。
いかにもBlack Widowレーベルらしい垢抜けなさも、マイナー好きにはたまらないかもしれない。
ときに語りやスキャットなどを含んだイタリア語の女性ヴォーカルも、そのヘタウマ感が魅力ですな。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・8 総合・・7.5
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Ciccada 「A child in the Mirror」
ギリシャのシンフォニックロック、シカーダの2010年作
女性Voをフロントにした4人編成で、アコーディオン、フルートなどが叙情的な
土着的なシンフォニックロックで、むしろ北欧のバンドのような質感もある。
イタリアのDFAのメンバーが関わっているということもあり、軽やかなチェンバーロック色も
いくぶん覗かせていて、とくにインスト曲でのクラシカルな優雅な質感は個性的だ。
女性ヴォーカルの歌声も美しく、アコースティカルな楽曲をバックにしっとりと楽しめるが、
ハードめのギターも入ったテクニカルな要素もあり、音のメリハりのつけかたにもセンスを感じさせる。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Delusion Squared 「II」
フランスの女性Voシンフォニックロック、デリュージョン・スカーレッドの2012年作
ゆったりとした叙情とキュートな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる作風は前作同様で、
北欧のPaatosあたりも通じるメロウな聴き心地。モダンな薄暗さをまとわせつつ、
うるさすぎないシンセアレンジや、アコースティカルなギターなどもセンスがよく、
しっとりと心地よく楽しめる。どこかアンニュイではかなげなロレイン嬢の歌声もけっこう好みで、
ALL ABOUT EVEあたりを思わせる部分もしばしば。派手さはないが前作以上の好作品。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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AMARTIA 「IN A QUIET PLACE...」
フランスのシンフォニックロック、アマルティアの2011年作
女性ヴォーカルのキュートな歌声に美しいピアノ、シンセアレンジ、アコースティカルな繊細さを含んだ優しい耳触りのサウンド。
ブリタ嬢の伸びやかな歌声が大きな魅力となっていて、しっとりとした曲でも飽きずに楽しめる。
ヴァイオリなども入ってくると、フォークロック、ケルトロック的な牧歌性も感じさせる。
元々はゴシックメタル的な作風であったらしいが、この女性声シンフォ路線は大当たりですな。
メロディック度・・8 繊細度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

Remi Orts Project & Zara Angel 「State of Souls」
フランスのミュージシャン、レミ・オルツとベルギーの女性Voによるユニットの2013年作
美しい女性ヴォーカルの歌声と、キャッチーなメロディで聴かせる爽やかなサウンドで、
うっすらとしたシンセアレンジにメロウなギターフレーズも耳心地がよい。
初期のQUIDAMあたりにも通じるしっとりとした聴き心地であるが、
ときにシンフォニックメタル的な疾走パートもあったりして飽きさせない。
サウンドプロダクション的に物足りなさはあるが、キリスト教的なヨーロピアンで、
幻想的な世界観はよい感じで、女性声の美麗系シンフォとして楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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HARVEST「Chasing Time」
スペインのフィメールロック、ハーベストの2012年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、しっとりとした叙情性とアンニュイな翳りを含んだ繊細な作風。
かつてのALL ABOUT EVEあたりにも通じる雰囲気で、随所にシンフォニック、プログレ的な感触もある。
紅一点、モニク嬢のやわらかな歌声もなかなか魅力的で、メロウなギターと繊細なシンセアレンジとともに
ロックとしての躍動感も適度に感じさせながら、ゆったりとした耳心地のよいサウンドが楽しめる。
8分を超えるラスト曲は、プログレ的なドラマティックな構築が見事。フィメール・メロウ・ロックの好作です。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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◆ドイツ、オランダ、北欧

Flamborough Head 「Lost in Time」
オランダのシンフォニックロック、フラムボロウ・ヘッドの2013年作
1998年にデビューした、蘭シンフォではすでに中堅バンド、本作は6作目となる。
10分以上の大曲3曲を含め、これまで以上に大作志向となっているが、
美麗なシンセアレンジとメロディックな泣きのギター、やわらかなフルートの音色に、
女性ヴォーカルの歌声も加わって、じつに叙情的でドラマティックな楽曲を聴かせてくれる。
メリハリのあるアレンジに、これまでよりひと皮向けたようなキャッチーな抜けのよさも手伝って、
随所にはっとするメロディやフレーズが入ってくると、その度にシンフォ好きでよかった…とウットリとなる。
どこを切っても優美な音の洪水で、まさにバンドとしての最高傑作というべき内容だ。
シンフォニック度・・9 優美度・・9 叙情度・・9 総合・・8.5
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Frequency Drift 「Over」
ドイツのプログレバンド、フリクエンシー・ドリフトの2014年作
前作「...Laid to Rest」の完成度はひとつ皮が剥けたという感があったが、5作目となる本作は、
しっとりとした女性ヴォーカルに適度にハードなギターとうっすらとしたシンセアレンジで、
PAATOSあたりに通じるアンニュイな翳りを含んだ叙情を聴かせる。空間的な静謐感と妖しげな空気感に、
ヴァイオリンやチェロなどが鳴り響くクラシカルな要素と、ポストプログレ的な繊細な泣きの感触が合わさった、
じつにセンスのよいサウンドを描いている。10分の大曲も、やわらかな女性声にフルートが鳴り響き、
優美でほの暗い叙情性に包まれていて、全体的にも耳心地の良さが光る傑作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 空間美度・・9 総合・・8
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White Willow 「Terminal Twilight」
ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの2011年作
前作
「Signal to Noise」は女性Voを全面に出したアンビエントなシンフォニックの傑作であったが、
今作でもヴォーカルが代わり、さらにドラムには元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加している。
そのサウンドは浮遊感を漂わせたサイケ風味のシンフォニックロックで、メロトロンやオルガンなどの
レトロな雰囲気と、、かつてのANGLAGARDを思わせる、いかにも北欧的な薄暗さに包まれた作風。
しっとりとしたピアノにフルートの音色、女性ヴォーカルの歌声も優しく、アコースティカルな牧歌性もあって、
じつにやわらかな耳心地。アナログ感のある音作りはWobblerなどにも近いか。幻想的な北欧プログレの傑作です。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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Paatos 「V」
スウェーデンのシンフォニックロック、パートスの2012年作
2002年にデビュー、5作目となる本作は、女性ヴォーカルの歌声で聴かせる薄暗いサウンドだが、
ANEKDOTENなどを思わせるヘヴィな感触もあって、よりプログレ的に楽しめる。
アナログ的なギターの響きにうっすらとしたシンセアレンジが重なり、
どこかミステリアスな女性声がアンニュイな浮遊感をかもし出す。
北欧らしいしっとりとした叙情と、古き良きアナログ感が合わさった好作です。
ドラマティック度・・7 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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OPUS SYMBIOSIS 「Nature's Choir」
フィンランドの女性Voプログレバンド、オパス・シンバイオシスの2012年作
童話的なジャケが可愛らしいが、サウンドの方は アンニュイな女性ヴォーカルの歌声と
キャッチーさの中にも薄暗い質感を含ませて、いくぶんモダンなアレンジも感じさせる。
サイケ的なギターのフレーズが、ときにポストロック的な浮遊感と幻想的な雰囲気をかもし出し、
北欧的な繊細な叙情という点ではPaatosあたりに接近する部分もしばしばある。
あるいは、女性声ではあるが、Porcupine Treeあたりのファンにも楽しめるかもしれない。
メロウ度・・8 北欧度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Paintbox 「The Night」
スウェーデンのポップロックユニット、ペイントボックスの2011年作
ISILDURS BANEのFredrik"Gicken"Johanssonと、女性シンガーLinneOlssonを中心にしたユニットで、
前作はゆったりとしたアンビエントな歌ものポップであったが、3年ぶりとなる本作も
チェロの音色を響かせながら、女性ヴォーカルの歌声を中心にポップ&キュートな聴き心地。
お洒落な可愛らしさの中にも、やはりどことなく知的な構築センスも覗かせていて、
アコースティカルな要素もまじえつつ、コケティッシュな浮遊感を描いてゆく。
いわばプログレファンにも楽しめるフィメール・スウェディッシュ・ポップである。
ポップ度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Art Deco 「Syvaan Uneen」
フィンランドのプログレバンド、アート・デコの2013年作
女性ヴォーカルの母国語の歌声と、やわらかなシンセアレンジ、メロディックなギターとともに聴かせる
いくぶんの土着性を含んだキャッチーなサウンド。変則リズムを含んだ軽妙なアンサンブルと、
北欧らしい叙情性はKAIPAあたりにも通じるが、こちらりはよりスタイリッシュでお洒落な雰囲気。
つまりライトなポップ性があるのだが、それを北欧のトラッド的旋律と融合させているのが絶妙のセンス。
13分を超える大曲では、アヴァンギャルドな展開とともにエキセントリックな側面も垣間見せる。
なかなかあなどれないセンスと懐の深さを感じさせるバンドである。今後の活動にも注目したい。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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INTROITUS 「Anima」
スウェーデンのシンフォニックロック、イントロイタスの2014年作
ベンダー夫妻と息子を含む、ファミリー型プログレバンドの3作目で、よほどシンフォ好きの一家なのだろう、
本作も、いかにもプログレ的な派手やかなシンセワークとともに、女性ヴォーカルの歌声を乗せて、
10分を超える大曲を中心に優美なシンフォニックロックを展開。MAGENTAあたりを思わせるキャッチーなテイストと
Genesisルーツのメロウなギターが合わさって、濃密でありながらも爽やかな聴き心地に磨きがかかっている。
楽曲アレンジと展開力という点でも、これまで以上にフックに富んだ聴き心地で、作品としてのレベルが上がった印象だ。
ドラマティック性と繊細な美意識が溶けあった力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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◆アメリカ、カナダ

DISTRICT 97 「Trouble With Machines」
アメリカのシンフォニックロックバンド、ディストリクト97の2012年作
女性Voにシンセを含む5人編成で、前作もなかなかの力作であったが、
今作も10分超の大曲を2曲含む濃密なハードシンフォニック作となっている。
けっこうヘヴィなギターと美麗なシンセワーク、 艶のある女性ヴォーカルの歌声を乗せ
適度にテクニカルで重厚なサウンドを構築。知的な展開力はProMetal的でもある。
切れ味のある演奏に緊張感も漂わせながら、随所にキャッチーなメロディや
モダンなスタイリッシュ性を含んだアレンジは、現在形ハードプログレの進化形を示している。
前作以上のスケール感と楽曲の充実ぶりにバンドとしての成長を覗かせた傑作だ。
ドラマティック度・・8 けっこうメタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Cirrus Bay 「Whimsical Weather」
アメリカのシンフォニックロックバンド、シルス・ベイの2012年作
ハケットを思わせる繊細なギタートーンと、うっすらとした美しいシンセアレンジ
二人の女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるシンフォニックサウンド。
ロマンティックな美意識とGENESISルーツのプログレ性が融合した雰囲気で、
10分以上の大曲をたおやかに構築してゆく。優雅でやわらかな耳心地の好作品です。
シンフォニック度・・7 しっとり繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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All Over Everywhere 「Inner Firmaments Decay」
アメリカのフォークプログレバンド、オール・オーバー・エブリウェアの2010年作
Deluge Granderのシンセ奏者も参加しているバンドで、アコースティックギターに
うっすらとしたシンセがかぶさり、女性ヴォーカルの歌声がやわらかに乗るという、
ゆったりと夢見がちなアシッドフォーク・プログレ風味のサウンド。ヴァイオリンにビオラ、
チェロ、フルート、オーボエ、さらにはアコーディオンやシタール、ダルシマーなど、
豊富な種類のアコースティック楽器を織りまぜ、ときにメロトロンを含めたシンフォニックさも含めて、
単なるフォークではないミステリアスで壮大な雰囲気を描き出す。うっとりとする幻想的な美しさです。
アシッドフォーク度・・8 幻想度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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HALF PAST FOUR 「Good Things」
カナダのプログレバンド、ハーフ・パスト・フォーの2012年作
東欧出身のギターとベース、女性Voにシンセを含む5人編成で、
軽やかなアンサンブルの中にどこか屈折したテクニカル性と洒落っ気を含んだサウンド。
カンタベリー的な優雅なシンセアレンジにときにハードめのギターが合わさり、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声とともに、軽妙な味わいを聴かせてくれる。
「女性Vo版エコリン」というような感触もあり、キャッチーな耳心地の良さの中に
玄人好みの演奏とひねくれ具合が見え隠れする好作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ひねくれ度・・7 総合・・8
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MoeTar 「From These Small Seeds」
アメリカのプログレ・ロック、モーターの2012年作
レーベルがMAGNA CARTAなので、プログレメタル系かと思いきや、
表現豊かな女性ヴォーカルの歌声を中心にしたポップなサウンド。
ただ、楽曲には屈折感を漂わせたアヴァンロック的なセンスを垣間見せ、
随所にレコメン系の匂いも感じさせる。とくに巧みなシンセワークはポップでありながら、
MATS/MORGANあたりに通じる、プログレ的なとぼけた味わいもかもしだしている。
確かな演奏力に支えられた説得力に包まれた、プログレ・アヴァンロックの傑作です。
キャッチー度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Squonk Opera 「Mayhem and Majesty」
アメリカのアヴァン・ロックバンド、スクォンク・オペラの2010年作
ステージではアーティスティックなパフォーマンスを行うバンドで、本作は7作目。
女性ヴォーカルの歌声と、ピアノやフルート、サックス、アコーディオンなどが絡む
民族的なテイストを、演劇的な雰囲気に融合させた、なかなか個性的な作風。
オータム嬢の美しい歌声にうっとりしつつ、さりげない演奏力の高さと先の読めない
エキセントリックなセンスが新鮮な耳心地だ。シアトリカルでオペラティックな傑作。
シアトリカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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◆東欧、その他

TRAVELLERS 「A JOURNEY INTO THE SUN WITHIN」
ポーランドの女性Voロックバンド、トラヴェラーズの2011年作
COLLAGESATELLITEのWOJTEK SZADKOWSKIを中心に結成したバンドで、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるゆるやかなシンフォニックロックサウンド。
10分以上が2曲に8分が2曲という大作志向で、モダンなシンセアレンジと
アンニュイな翳りがミックスされて、独特の浮遊感をまとわせた作風になっている。
しっとりとした女性声が耳に優しく、初期のQUIDAMなどを思わせる部分もあり、
随所にプログレ的な感触を匂わせながら、さらりとクールなお洒落さを感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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LOONYPARK 「Unbroken Spirit Lives In Us」
ポーランドのシンフォニックロック、ルーニーパークの2014年作
適度にモダンでハードエッジな感触を含んだサウンドに、情感豊かな女性ヴォーカルの歌声、
ホーランドらしいほの暗い叙情性と、ネオプログレ以降のダイナミックな展開美も備わっている。
NEMESISやLIQUID SHADOWにも参加したシンセ奏者による多彩なアレンジも光っていて、
しっとりとしたメロウな要素とハードシンフォのドラマ性が同居したクオリティの高さはさすが。
各楽曲ごとのフックのある構成も見事な傑作だ。現在形女性声シンフォの代表になれるだけの逸材ですな。
ドラマテイック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Yesterdays 「Colours Caffe」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、イエスタデイズの2012年作
女性ヴォーカルのキュートな歌声で聴かせる爽やかなサウンドは本作もそのまま、
キャッチーな軽快さとプログレ的なシンセアレンジが合わさった、耳心地の良さが光る。
素朴なフルートの音色も含ませつつ、母国語の歌声による異国的な情感とともに、
繊細なやわらかさで、女性声の素直なメロディックロックが楽しめる。
プログレとして聴くにはややインパクトは弱いのだが、初期のQUIDAMなどが好きな方はどうぞ。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Musica Ficta 「A Child & A Well」
イスラエルのプログレバンド、ムジカ・フィクタの2012年作
女性Vo、フルート奏者を含む6人編成で、オルガンやピアノを含んだ美しいシンセアレンジに
女性ヴォーカルのキュートな歌声とともに軽やかなアンサンブルを聴かせる傑作。
4〜6分という比較的短めの曲が中心だが、フルートの音色がやわらかに響き、
アコースティカルな優雅さを中世音楽的な幻想性で構築するセンスがじつに素敵である。
軽妙でいて繊細、しっとりとした耳心地の良さは、ある意味でPFMなどにも通じるかもしれない。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SOUL ENEMA 「Thin Ice Crawling」
イスラエルのハードシンフォニックロック、ソウル・エネマの2010年作
シンセを含む5人組で、じつにドラマティックなシンフォプログレをやっている。
魅力的な女性ヴォーカルの歌声と、美麗なシンセアレンジで構築されるそのサウンドは
随所にテクニカルなProgMetal風味と、プログレ的で優雅なエッセンスを含んでとてもセンスが良く、
楽曲は7〜9分台と長めながら飽きさせない。ときに中近東的な民俗調のメロディも取り込んだりと
アレンジ面での引き出しの多さも見事。美しいシンフォニック性と地域性を両立させたような傑作。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 構築度・・8 総合・・8

Crimson Chrysalis「Crimson Passion Cry」
南アフリカのプログレハード、クリムゾン・クリサリスの2012年作
ストリングスを含むシンフォニックなアレンジと男女ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンド。マイルドな男性ヴォーカルにハスキーな女性ヴォーカルの歌声が絡み
キャッチーなメロディとともにじつに壮麗な聴き心地で、辺境的な雰囲気というのはほとんどない。
ゴシック的な耽美なロマンティシズムも感じられ、情感的な女性声の魅力も含めてなかなか素晴らしい。
女性Voハードロック、シンフォニックメタルのファンにも楽しめそうな好作品です。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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◆トラッド/フォーク/コンテンポラリー系

Judy Dyble 「Talking with Strangers」
イギリスのフォーク系シンガー、ジュディ・ダイブルの2009年作
本作ではNO-MANのTim Bownessとコンビを組み、ロバート・フリップ、パット・マステロト、イアン・マクドナルドの
KING CRIMSON組に、FAIRPORT CONVENTIONのサイモン・ニコル、PENTANGLEのジャッキー・マクシー、
ALL ABOUT EVEのジュリアンヌ・リーガン、TREESのセリア・ハンフィリスらをゲストに迎え、
より70年代英国の世界に回帰したような、幻想的なアシッド・フォークを聴かせる。
ゆるやかに響くフルートの調べに、しっとりとしたシンセ、ときにメロトロンなども使いながら
KING CRIMSONの叙情部を思わせる美しさと、儚く夢見ごちの歌声でやわらかなサウンドを描いてゆく。
ラストにいたっては19分の大曲で、サックスも含んで変拍子アレンジのクリムゾン的なプログレ曲が炸裂。
英国度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Florence + The Machine「Ceremonials」
イギリスの女性Voポップバンド、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの2011年作
前作はキャッチーなポップ感覚と古き良き英国ロックの要素が融合したような傑作だったが、
本作もその表現豊かな歌声と、適度にモダンなポップセンスを英国らしいアートな感性と融合させた
素晴らしいサウンドを聴かせてくれる。オーケストレイテッドなアレンジを含めて、広がりのある音作りと
かつてのQUEENやKATE BUSHなどの偉大な先人から受け継がれたアーティスティックなセンスを垣間見せつつ、
すでに唯一無二というべき彼女の世界を確立させている。ゴージャスにして感性豊かな傑作だ。
ドラマティック度・・8 サウンドセンス・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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The Unthanks「Last」
イギリスのトラッド/フォークユニット、アンサンクスの2011年作
美しいストリングスにしっとりと響く二人の女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、前作同様の作風ながら、
より優雅な格調高さが加わっていて、英国トラッドを宮廷風に仕上げたというような感触がなんとも絶妙。
ストリングスに重なるトランペットもよろしく、チェンバーロック風味のクラシカルさも味わえる。
KING CRIMSONの“Starless”のカヴァーもハマってます。これは素晴らしい傑作。
アコースティカル度・・8 優雅な英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Kelsey Lindstrom 「Reading Room」
イギリス出身の女性シンガー、ケルシー・リンドストームの2011年作
アコースティックギターのつまびき、しっとりとしたピアノに乗る繊細かつ表現豊かな歌声、
うっすらとした広がりのあるシンセアレンジが神秘的な静謐感でサウンドを包み込む。
女性ヴォーカルの魅力ももちろんながら、ときにエキセントリックなセンスを感じさせるアレンジで、
単なる歌ものを超えたスケール感を生み出しているのが素晴らしい。ゆったりと雄大な傑作。
メロウ度・・8 女性Vo度・・8 サウンドセンス・・9 総合・・8
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Fern Knight「Castings」
アメリカのアシッドフォークバンド、フェーン・ナイトの2010年作
2003年にデビューしてからこれがすでに4作目となる。今作も前作同様に、
アコースティックギターにゆるやかなハープの音色、そこに夢見がちな女性ヴォーカル
浮遊感のあるスキャットが乗るスタイルであるが、歪ませたギターはサイケロック的で、
よりプログレ的にも楽しめる内容になっている。イギリスのTreesあたりを思わせる雰囲気もあり
KING CRIMSONの“Epitaph”のカヴァーも含めて、プログレ系のフォークロックとして楽しめる出来だ。
アシッドフォーク度・・8 サイケ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Shiloh Sheray & Marco Minnemann 「s.m.」
U.K.のツアーメンバーなどで活躍するドラマー、マルコ・ミネマンと女性シンガー、シロー・シレイのユニットの2011年作
サウンドは2〜3分台の楽曲を中心にしたキャッチーなポップロックという趣ながら、やわらかな女性ヴォーカルの歌声と、
マルコ・ミネマンの軽妙なドラムセンスが楽しめる。エキンセトリックな浮遊感を含んだふわふわとした雰囲気に包まれながら、
それを巧みに構築するミネマンのセンスはさすが。お洒落なポップ性にプログレ的な香りをほのかに溶け込ませたという好作。
ゲストギタリストとして、Andy Kodiwein、ポール・ギルバートなどが参加している。
キャッチー度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Faun 「Von Den Elben」
ドイツのゴシック古楽トラッドバンド、ファウンの2013年作
2001年にデビューし、本作ですでに7作目くらい。女性ヴォーカルのドイツ語の歌声に、
艶やかなフィドルが響き、牧歌的なブズーキの音色を含んだ、中世トラッド風味のサウンド。
トラッド的な土着性とシンセやドラムなども入ったモダンなロック色も巧みなアレンジで融合されていて
Blackmore's Night あたりにも通じるキャッチーな聴き心地が前に出たことで、以前の幻想的な薄暗さよりは
ぐっと一般受けしやすい作風になった。曲によってはフォークロック的にも楽しめる好作品だと思う。
ドラマティック度・・8 中世風味度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Greenrose Faire「Neverending Journey」
フィンランドのフォークロック、グリーンローズ・フェアーの2011年作
女性ヴォーカルに女性ヴァイオリン奏者、シンセにマンドラ奏者などを含む6人組で、
1曲めから軽快に聴かせるフォークロックサウンドが楽しめる。ロック的なドラムのリズムにヴァイオリンが鳴り響き、
いくぶんプログレ風味もあるシンセを含んだ聴き心地は、土着的なシンフォニックロックとしても楽しめる。
Blackmore's Night
のように中世を感じさせる幻想的な雰囲気もよろしい。
メロディック度・・8 フォーキー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Jenny Hval「Viscera」
ノルウェーの女性SSW、ジェニー・ヒヴァルの2011年作
静謐感に包まれたミステリアスな空気のなかを、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声が響く、
じつに北欧らしい寒々としたサウンド。ときにフォークやトラッド風味も取り入れつつ
繊細なはかなさを感じさせながら、アーティスティックな感性で描かれる独特の世界観は
プログレリスナーにも充分アピールするだろう。神秘的な浮遊感にアンニュイな寂寥感、
エキセントリックなセンスが巧みに合わさった、静かなる北欧アンビエントの傑作。
アーティスティック度・・9 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Caprice 「Masquerade」
ロシアのゴシックフォーク、キャプライスの2010年作
艶やかなヴァイオリンにやさしいハープのつまびき、女性ヴォーカルの母国語の歌声を乗せた美しい聴き心地。
初期のケイト・ブッシュのようなエキセントリックな感触に、いくぶんモダンなロック/ポップ要素も加わっていて、
いわばクラシカルなゴシックポップというような雰囲気である。ときにチェンバーロック的な緊張感に包まれたり
エレキギターが加わったゴスロック風味も出てきたりと、本作ではそのアレンジの多彩さも光っている。
繊細なピアノにフルートやオーボエの音色も耳に優しい。女性声の美しさとストリングスアレンジにうっとり。
クラシカル度・・8 エキセントリック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WARSAW VILLAGE BAND 「Nord」
ポーランドのラジカルトラッド、ワルシャワ・ヴィレッジ・バンドの2012年作
新たに三人の女性ヴォーカル&ヴァイオリン奏者を含む6人編成となった本作は、

Varttinaなどを思わせる母国語による女性のコーラスワークに、フィドルの音色や
トランペットが響きわたり、Hedningarnaがゲスト参加したこともあって、ぐっと重厚になった
ラジカルトラッドを聴かせる。モラハルパやスウェデッシュ・バグパイプといった楽器も入ると
北欧トラッド的な感触に包まれて、伝統的なポルスカが新たな形になって躍動するようだ。
プログレ度・・8 トラッ度・・8 ラジカル度・・9 総合・・8
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*女性ヴォーカルシンフォニックロック特集
*女性ヴォーカルケルト/トラッド特集

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