クサメタラーのためのクサメタル特集
〜ヘナチョコでもいい!だってクサメロが好きだもん by 緑川 とうせい






◆伝説の1枚

VIPER「Theatre of Fate」
ブラジルのメロディックメタルバンド、ヴァイパーの2nd。1991作
後にANGRAを結成することになるアンドレ・マトスの在籍したバンドとして知られるが、
繊細で美しいイントロに続く、クラシカルなメロディで疾走するそのサウンドには
HELLOWEENよりもメロディアスで美麗なメタルがあったのかと、大変な衝撃を受けた記憶がある。
演奏技術的には、今のANGRAを基準にするといかにもつたないが、シンフォニックメタルという言葉すら
なかったこの当時に、ここまでのクラシカルな旋律を疾走サウンドに取り込んだバンドはいなかったし、
若々しいアンドレ・マトスのハイトーンも含めて、すべてが日本人好みのスタイルであった。
QUEEN的なコーラスとキャッチーなメロディの“Prelude to Oblivion”、ドラマティックな名曲“Theatre of Fate”、
そしてベートーベンの月光をモチーフにした“Moonlight”まで、まさに全曲捨て曲なしの美旋律が楽しめる名作だ。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 クラシカル度・・9 総合・・8.5
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◆クサメタルはジャーマンから

ABRAXAS
「The Liaison」
ジャーマンメタルバンド、アブラクサスのアルバム。1993作
ジャーマンメタルブームに斜陽が差し始めたこの時期に唯一のアルバムを残して消えたバンド。
しかしながらサウンドの方はツインギターに、この時代としては珍しいシンセも入っていて
HELLOWEENGAMMA RAYを思わせるキャッチーなメロディで疾走する、なかなか質の高いものだ。
力強くないヴォーカルや、どこかで聴いたようなクサメロがマイナー臭さをたたえているのもまたよい感じ。
知られざるクサ系ジャーマンの好作です。安く見かけたらぜひゲットしてみてください。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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CUSTARDKingdom of Your Life
ドイツのメロディックメタルバンド、カスタードの1st。1997作
ジャケはとんでもなくB級臭いが、ファンタジックな感じでどうも憎めない。
なにやら大仰なイントロから期待してしまうが、あまり期待してはダメだ。
初期HELLOWEEN的なコテコテの疾走ジャーマンメタルで、
力強くないヴォーカルがキャッチーなクサメロを歌うと、
かつてMANIAというバンドがいたことを思い出す。誰も知らないでしょうが。
初期BLIND GUARDIANを思わせるエピックでファンタジックな雰囲気もよろしい。
B級でもいい…クサメロならば。という方はいかがでしょう。オフィシャルサイトがある!
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・7.5
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NOT FRAGILE「21st century ballroom」
ジャーマンマイナーメタル界のマイナーバンド、ノット・フラジャイルの2001作
10数年前に初めて聴いたときは、その初期ハロウィンフォロワー丸出しの疾走感と
クサメロに感激し、ATTACKとともに末永く応援してゆこうと密かに誓っていたバンドだ。
新世紀となっても相変わらずの疾走っぷりは健在。カイ・ハンセン気味のヴォーカルが微笑ましく
私のようなジャーマンメタル世代の人間にはたまらないサウンドだ。ギターの音がやや力強くなっていて、
いいおっさんになったメンバーたちのメタル魂の変わらぬ熱さが伝わってくる。
愛を込めて作った特集ページもぜひチェックしていただきたい!
クサメロ度・・7 疾走度・・8 疾走ジャーマン度・・9 総合・・7.5
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SEVENTH AVENUE「BETWEEN THE WORLDS」
ドイツのメロディックメタルバンド、セブンス・アベニューの4th。2003作
基本はGAMMA RAYをB級にしてクサくしたサウンドで、メロディにはひとなつこさがあって、
アレンジや歌のつたなさを超えて、つい好感を持ってしまうのだな(^^;)。
前作3rd「SOUTHGATE」あたりから、メロディを効果的に聴かせる展開を身に付け始めたもので
クサメタルとしての完成度がますます上がってきてしまっていて、やはり嫌いになれるはずがない〜。
北欧には同様にINSANIAという凄まじいクサメタルバンドが存在するが、ドイツだとこのバンド。
明るいサビの歌メロについにやりとしてしまう自分に、・・・嘘はつけない(笑)。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級の魅力度・・9 総合・・8
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FREEDOM CALL「Dimensions」
ドイツのメロパワバンド、フリーダム・コールの5th。2007作
デビュー時から毎回質の高い作品を出して、活動的にも今や中堅バンドといってよい存在感のある彼ら。
とくに3rd「Eternity」は相当の傑作だったのだが、本作もこれがなかなか会心の出来。
のっけから、メロディックかつキャッチー、そしてファンタジックな雰囲気をまき散らし
クサメロ系のジャーマンメロパワとしては久々のヒット。GAMMA RAY的な陽性のメロディと疾走感が心地よく、
ときにRHAPSODYを思わせる壮麗な世界観とともに、クサいサビのコーラスには思わず合唱したくなる。
この分かりやすさは、いわば児童向けファンタジー小説のようだが、これぞ万人に楽しめるメロパワ作だ。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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Crystallion「Hattin」
ドイツのメロパワバンド、クリスタリオンの2nd。2008作
語りの入ったRHAPSODYばりの壮大な雰囲気のイントロから、曲に入ると…
クサクサのギターフレーズが炸裂うっ。けっこう軽快なメロスピ風シンフォメタルです。
力強すぎないヴォーカルの感じもどことなくマイナー臭さが残っていて、
B級というにはけっこう質は高いのだが、恥ずかしげもない陽性のクサメロがたまらないサウンドは、
Power QuestRHAPSODY風味という感じもある。シンセ入りの壮麗さは
初期DARK MOORあたりのファンも惹きつけるだろう。とりあえず全クサメタラー必聴。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・9 疾走度・・8 総合・・8
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◆イタリア、フランス、イギリス

SKYLARK「DIVINE GATES PART T GATE OF HELL」
イタリアのメロスピバンド、スカイラークの3rd。1999作
イタリアのクサメタルといえばすなわち彼らのこと。本作は2枚に分かれた「Divine Gate」シリーズの1で、
きらびやかな美麗キーボードを主体に、徹底的に疾走しまくるそのサウンドは、
歌はやや弱いがいちいちメロディがクサくて、とてもステキです。曲が無駄に長いのもミソ。
きらきらのシンセで疾走するだけの典型的なメロスピスタイルは、単純明快で、ある意味潔いとさえ言える。
バンドは後に女性Vo、キアラ嬢を迎えるが、クサメロの質と疾走感では本アルバムが最高でしょう。
ルイス・ロヨの色っぽいこのジャケ絵もとてもよろしい。続けてPART U GATE OF HEAVENも聴きましょう。
クサメロ度・・9 シンフォニック度・・8 疾走度・・9 総合・・7.5
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Heimdall「The Temple of Theil」
イタリアのエピック・メタルバンド、ヘイムダールの2nd。1999作
ジャケからしてもうファンタジーでエピックな香りぷんぷんだが、
シンセによる壮麗なイントロから曲が始まると、RHAPSODYばりのファンタジックメタルが炸裂。
ヴォーカルの弱さも含めてあらゆる面でB級ながら、このクサクサの雰囲気と
エピックメタルの大仰さが好きな方にはたまらないものがあるだろう。
クサメロ度・・8 B級度・・8 エピック度・・9 総合・・7.5
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SECRET SPHERE「MISTRESS OF THE SHADOWLIGHT」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、シークレット・スフィアの1st。1999年5作
このアルバムは、イタリアンメタルの中でもとりわけクサメロの点では5指に入る作品だと思うし、
これが出たときはRHAPSODYLABYRINTHに続くのは間違いなくこのバンドだと思ったものである。
ファンタジックな世界観と、シンフォニックなキーボードで疾走するサウンドは、メロスピマニアにもたまらない。
とくにB“Recall of the Valkyrie”などは、この手のクサ疾走ナンバーでは最高の1曲だ。
再発盤のボーナスのデモ曲も、音質は悪いがいっそうのクサメロ、かつシンフォニックぶりで楽しめる。
クサメロ度・・9 シンフォニック度・・8 疾走度・・8 総合・・8
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MADRYGHAL「Dreamless Falling」
イタリアのメロディックメタル、マドリガルの1999年作
B級ファンタジー感たっぷりのジャケからして、なかなかそそるものがあるが、
サウンドの方も、クサメロのギターにきらびやかなシンセを乗せて疾走する、
初期DERDIANを思わせるスタイル。力強さのない軟弱なハイトーンヴォーカルも
クサメロスピにはよくマッチしていて、演奏力も含めてマイナー臭さに包まれているが、
SKYLARKなどと同様に、ファンタジックなクサメタル愛を感じさせ、これが嫌いになれないのである。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・7.5
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MORGANA「ANGEL」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、モルガーナのアルバム。2000作
疾走感あふれるお約束のシンフォニックスピードメタルをメインに、
マイナーバンドにしてはなかなか質の高いメロディセンスの良い楽曲が楽しめる。
壮大でクラシカルなパートはRHAPSODYから、疾走曲はSTRATOVARIUSを、
サビメロのキャッチ―さはGAMMA RAYと、美味しいとこ取りの見本のようなサウンド。
楽曲とメロの吹っ切れ具合という点ではSECRET SPHEREの1stに匹敵する。
とくにバラード曲における美しさ、キャッチ―さはX JAPAN並でにんまりだ。
クサメロ度・・9 キャッチ―度・・8 楽曲度・・8 総合・・8

CONCEPT「REASON AND TRUTH」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、コンセプトの1st。2003作
SONATA ARCTICAのようなきらきらとした疾走サウンドに、やや軟弱なハイトーンVoが歌を乗せる。
やはりポイントは美麗なキーボードで、様式美というよりはむしろシンフォプログレ的なアレンジで耳に心地よい。
ギターは一本ながらもそのシンセのおかげでサウンド全体に厚みが感じられ、やわらかな印象をもたらしている。
また、単に疾走しまくるだけでなく、泣きの叙情パートや、若干のプログレ的なリズムアレンジなどもあり、
7分、9分の大曲もこなすあたり、そのへんのB級クサメタルよりは知的な部分がかいま見える。
クサメロ度・・8 シンフォニック度・・9 疾走度・・8 総合・・7.5
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WONDERLAND「FOLLOW ME」
イタリアのメロディックメタルバンド、ワンダーランドの2nd。2004作
イタリアにはSKYLARK、CONCEPT他、いわゆる“軟弱系メロスピ”というバンドが存在している。
まずメロディ至上主義で音は軽め、きらきらキーボード必須、そして女々しい声質の男Vo、
この3アイテムによりパワメタファンからは目をそむけられるキラキラ&ヘナ/メロスピが完成される。
しかし…けっして馬鹿にしてはならない。このバンドはメロディアスな疾走メタルとしてのクオリティは
なかなか高いのだ。裏ジャケ写真からしてヤサ男風のメンバーたちだが、その繊細な美意識と
キャッチーなメロディを疾走メタルに変えるという手法には1stからさらに磨きがかかり、
メタルを聴いているとは思えない優雅な気分になれる。女々しい系でもOKな方はいかが。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 繊細度・・9 総合・・7.5
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AIRBORN 「D-GENERATION」
イタリアのメロスピバンド、エアボーンの2nd。2003作
うわーい♪マイナーでB級でクサメロで疾走します♪
DRAGONFORCEとかPOWER QUESTをワンランク落としたような雰囲気で
VoがヘナでもOKなクサメロスピファンならなかなか楽しめるでしょう。
歌メロはGAMMA RAY的にキャッチーで、きらきらしたゲーム音楽的なキーボードが
サウンドの軽さを引き立ててます。適度に能天気なギターソロのメロもなかなか。
ただ、この少し前の3Dゲームみたいなジャケはなんとかならなかったのか…
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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Heavenblast「Flashback」
イタリアのメロパワバンド、ヘヴンブラストのアルバム。2007作
1stはいかにも軟弱系のメロスピ作であったのだが、本作はシンセアレンジにモダンさが加わり、
新世代のシンフォニック・クサメタルというべき作風になっている。メタリックなヘヴィさはほぼ皆無で、
きらきらとしたシンセと軟弱気味のハイトーンヴォーカルで疾走するスタイルは、初期のSKYLARK
WONDERLANDあたりにも近い雰囲気か。B級でもクサメロダイスキーな方々には悶絶ものだろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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Derdian 「New Era 3: Apocalypse」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ダーディアンのアルバム。2010作
]正直、このバンドに関しては過去の2作とも、イモ臭いB級のシンフォメタルという認識だった。
いや、本作も厳密にいえばまだB級といって内容なのだが、なんというか今作はもの凄い。
美麗なシンセアレンジで疾走する楽曲の、そのクサメロっぷりが半端ではないのである。
軟弱系のエセクラシカル風味と、恥ずかしげもないロマン溢れるメロディの嵐…
ついにここまで吹っ切れたか…という、ある意味、天晴れなまでのクサメタル作品だ。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・9 クサロマン度・・9 総合・・8
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HEAVENLY「SIGN OF THE WINNER」
フランスのメロディックメタルバンド、ヘヴンリーの2nd。2001作
1stは、まあB級にしてはいい方かなという程度の認識だったのだが、今作はクサメロ度がアップ。
1曲目の導入曲を聴いただけで、ドラマティックなメタル好きはにんまりだろう。
基本は疾走しまくるGAMMA RAYという感じで、全体的にVoの弱さが気にはなるが
たとえばカイ・ハンセンがOKな人ならば、こちらも問題なく聴けるだろう。
曲がやや一本調子な気はするが、この「とことんメロディックに疾走してやる!」という
気合に満ちたサウンドには、その手のファンを引き込まずにはおかないものがある。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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POWER QUEST「MAGIC NEVER DIES」
イギリスのメロスピバンド、パワー・クエストの3rd。2005作
前作もそんな感じが漂っていたが、今回もまた「軽くてキャッチーで爽やか」
キーボードが中心のメロスピという点ではSKYLARKあたりと同様だが、
こちらはさらに軽めで、まるで「メロハーをメロスピにした」ような雰囲気だ。
いやー、ここまで能天気にやられると楽しくて良い(笑)馬鹿っぽいが好きなんです。こういうのも。
タイトル曲では、思わず「マージック♪ネ〜バ〜ァダ〜イズ」などと一緒に叫ぶと楽しいし、
こういう天然っぽいファンタジー感は、どこかROBBY VALENTINEあたりを思い出す。
それからどうでもいいが、裏ジャケの5機の戦闘機(?)が戦隊ものっぽくてよいな♪
メロディアス度・・8 疾走度・・8 軽キャッチー度・・10 総合・・8
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DRAGONFORCE「VALLEY OF TH DAMNED」
イギリスのメロスピバンド、ドラゴンフォースの1st。2003作
今やかなりの人気も出てきた英国のやりすぎメロスピバンド、ドラフォー。
とにかく、メロディアスに疾走しまくるそのサウンドは気持ちよく頭が振れます。
クサメロにこだわる所はDRAGONLANDあたりを思わせ、力強いメタルマインドはLOST HORIZON的か。
また、メロディはただクサいだけでなく、爽やかなキャッチーさを感じさせるところもよいですね。
デビュー作にしてこのクオリティというのは今思えば奇跡的ですね。
クサメロ度・・8 疾走度・・10 楽曲・・8 総合・・8.5
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◆北欧クサメタラーは高品質多し

NOCTURNAL RITESSacred Talisman
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ノクターナル・ライツの3rd。1999作
今や正統派北欧メロパワの第一人者となった感のあるこのバンドだが、
初期のこのアルバムまではクサメロ満載のメロスピサウンドだったのである。
ギターによる泣きの叙情フレーズで疾走しつつ、あまり力強くないヴォーカルが
マイルドに歌い上げるさまは、初期のHAMMER FALL同様のキャッチーさ。
最近のバンドのように美麗なシンセが入るわけでもなく、ギターと歌メロだけで
ここまでクサく仕上げるというのは、ジャーマンメタル的でもあるかと。初期の最高傑作。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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INSANIA「SUNRISE IN RIVERLAND」
スウェーデンのクサメタルバンド、インサニアの2nd。2001作
B級扱いされながらも非常にメロディアスで泣きまくりの疾走クサメタルが堪能できる。
バックの大仰なキーボードや、いちいちひどくクサいメロディを奏でずにはいられないギター、
マイケル・キスクの弟子のような声質のヴォーカル、とすべてがこの方向性を決定付けている。
たとえばSONATA ARCTICAなどのスタイリッシュさとはまったく決別をし、
初期ハロウィンやガンマレイをお手本に、よりクサさと、えせクラシカルさにこだわった
ある意味で、独自の再編集サウンドである。ここまでやれば立派。
今回はRHAPSODYばりの大仰コーラスも導入。クサメタルファンはまず必聴。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 キーパー度・・9 総合・・8
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DRAGONLAND「HOLY WAR」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ドラゴンランドの2nd。2002作
1stの1年後に早くも2ndを出すとは、やはりこのバンド気合とクサメロへの愛が半端でない(笑)。
内容は前作のクサメロ路線をさらにシンフォニックにゴージャスにしたサウンドで、
イントロの荘厳さから続く疾走曲もお約束でありながら、その格好良さについヘドバンしてしまう。
サウンド面、演奏ともにずいぶんレベルが上がっており、弱いヴォーカルも多少は上達した。
しかし、やはりなによりこのバンドの魅力はかつてのハロウィンかそれ以上の疾走へのこだわりにある。
また、キーボードのアレンジなどにはセンスを感じ、アルバム全体として楽曲の密度を高めている。
クサメロ度・・8 疾走度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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DREAMTALE「BEYOND REALITY」
フィンランドのメロディックメタルバンド、ドリームテイルの1st。2002作
シンフォニックなイントロ曲に続くはお約束の疾走曲。確かに曲調自体に新鮮味は感じないが
このバンドの場合キーボードの音色がきらきらと北欧的で悪くない。
ヴォーカルに個性が感じられないし、サウンドもストヴァリ、ソナタ、ハロウィン、ガンマレイなどからの
「美味しいとこ取り」に思えるが、同郷のINSANIAなどとも同様、それらを再編集してよりキャッチーに
シンフォニックに仕立て上げようとするセンスの良さは感じられる。
最終曲ではゲストの女性Voによる歌唱がEDENBRIDGE的な美麗さでうっとり。
クサメロ度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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CITADEL「TRANSITION」
フィンランドのメロスピバンド、シタデルのアルバム。2003作
キーボード入りの4人組でBがVoも兼任。若さに任せて疾走する部分はSONATA ARCTICAを思わせるが、
このバンドの場合はもう少しクサジャーマン系の音で、初期のNOCTURNAL RITESにも通じる
「B級さを残したメロディライン」が、その手のマイナー系ファンにはたまらないだろう。
やや詰めの甘い曲アレンジや歌の弱さなどがB級色をかもしだしているが、サビのコーラスや、
CRYSTAL EYES並みにクサキャッチーな歌メロなどが<なかなか心地よい。
ちょっとB級のクサメタル系疾走メロスピが好きなら聴いて損はない。
クサメロ度・・7 疾走度・・8 キャッチー度・・9 総合・・7.5
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CARDIANT「MIDDY MOON」
フィンランドのメロディックメタルバンド、カーディアントの1st。2005作
基本はメロディアスに疾走するSONATA ARCTICAタイプだが、
むしろ最近のソナタよりもメロスピ寄りでメロディの煽情度も高い。
楽曲アレンジも演奏も堂々としていて、クオリティ的にも新人とは思えないレベル。
類型を脱する個性はまだないものの、メロウなフレーズを奏でるギターは、
クサメロ好きにはたまらないし、ヴォーカルもなかなかしっかりしている。
今や北欧メタルの中心地となったフィンランドより、またも有望な新人が登場した。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Nightscape「Symphony of the night」
スウェーデンのメロスピバンド、ナイトスケイプの1st。2005作
そろそろ打ち止めかと思いながら、まだまだ出てくる北欧の新人バンド。
このバンドも、初期のSONATA ARCTICAあたりを思わせる、キラキラとしたメロディで聴かせる
なかなかクオリティの高いニューカマーだ。ネオクラシカル風のギターと、ピロピロのシンセは
一聴して軽めの音なので、この手は苦手だなあ…と思いながら聴くが、
それでもメロディに魅力があるのでさらりと最後まで楽しめてしまう。
AXENSTARをさらにライトにした感じだが、人懐こいクサメロ度ではむしろ上をゆくかもしれない。
しかし、デビュー作にしてはジャケがあまりに地味(笑)。内容はクサクサ&キラキラですヨ。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 ライトにキラキラ度・・8 総合・・8
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TIMELESS MIRACLE「INTO THE ENCHANTED CHAPTER」
スウェーデンのメロスピバンド、タイムレス・ミラクルの1st。2005作
かつてのHAMMERFALLのようにキャッチーなメロディで疾走しまくり。
Voの声質がハイトーンでもなく、かといってメロウな中音域でもない微妙なタイプなのが
好みを分けるかもしれないが、テクニカルなものをあまり追い求めず、
「とにかくクサメロを」と、分かりやすい音楽にしようとしている感じには好感が持てます。
ややコテコテなキーボードのエセシンフォニックさも欠かせぬ要素だし、
曲によっては最近流行りのヴァイキングががった雰囲気があるのも美味しい。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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OLYMPOS MONS「CONQUISTADOR」
フィンランドのメロディックメタルバンド、オリンポス・モンスのアルバム。2004作
ジャケの雰囲気からB級の雰囲気ぷんぷんだが、聴いてみたらこれが案外良いんです。
北欧らしさとジャーマンなキャッチーさ、そしてケルト風のメロディが合わさった、
微妙な無国籍感をただよわせつつも、録音がけっこういいので普通に楽しめる。
もちろん日本盤が出るようなものではないが、マイナー系の新人としてはなかなか。
ファンタジックな世界観とクサメロ好きには好まれる音だ。ややバワフルになった2ndもぜひ。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 案外ケルティック度・・7 総合・・7.5
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CRYSTAL EYES「VENGEANCE DESCENDING」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、クリスタル・アイズの3rd。2003作
どうしょうもないくらいにヘナチョコだった前2作に比べて、本作はいくぶん演奏に力強さが出てきている。
ただし、一般のメタルリスナーからすれば、このキャッチーさを通り越した能天気軽すぎるメロディには
笑ってしまうだろうし、未だにアマくささの抜けない演奏をしょぼいと感じずにはいられないだろう。
ただし、クサメロを解する人間には、この軽めのクサメタルサウンドがとても心地よいのもまた事実…(笑)
いや、なんかいい・・・んだなあ。この田舎のジャーマンメタル的なキャッチーさ。軽くてとても弱そうだけど。
なんとLOST HORIZONのVoが一曲参加してメインで歌っている。彼の歌はさすがにいいですね。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 B級度・・8 総合・・7.5
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GAIA EPICUS「Symphony of Glory」
ノルウェーのクサメタルバンド、ガイア・エピクスの2nd。2005作
前作が閉口もののB級さ加減で不安であったのだが、今作は若干ながら曲が良くなっている気がする。
クサメロ&疾走というスタイルは相変わらずで、当然ながらVoの弱さも不変であるのだが、
なんというか、クサメロディへの気合の入れ方がイモ臭さをやや上回りつつある、というか。
スウェーデンのCRYSTAL EYESや、ドイツのクサ大御所SEVENTH AVENUEには
匹敵するレベルには来たかもしれない。…まったく褒め言葉になっていないが(笑)
当然ながら、一般のメロパワリスナーからはゴミ扱いされるされるレベルなのは確かだが
ヘナチョコLOVE、マイナークサメタルLOVE…という優しい人々ならば、きっと聴き通せるだろう。
GAMMA RAYをさらに能天気にしたような陽性のクサメロが、けっこう気持ちよいのよ(笑)
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ヘナチョコ度・・9 総合・・7

PHOENIX RIZING「ETERNAL CRUSADE」
ノルウェーのクサメタルバンド、フェニックス・ライジングの2nd。2000作
イントロの男臭いコーラスからもううっとり。曲のほうは意外にも(笑)なかなか良くできていて
お約束とはいえ、サビでの大仰コーラスはいい感じだし、ツボをついた展開もマニア心をくすぐる。
時折キーボードも入っていて、アレンジの方も単調にならないように考えられている。
とにかくこの思い切りの良いキャッチーさ、田舎っぽいクサメロの嵐はそれだけで評価に値する。
スウェーデンのCRYSTAL EYESあたりに近いが、それよりも「男度」と楽曲の質を上げた感じ
クサメタル好きは必聴!でもてっきりドイツのバンドかと思ってた・・・(^^;)
クサメロ度・・9 疾走度・・7 楽曲・・8 総合・・7.5
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Emerald Sun「Escape from Twilight」
ギリシャのメロパワバンド、エメラルド・サンのアルバム。2007作
キーボードを含む6人組で、キーパー時代のHELLOWEENを思わせるメロディと
シンフォニックなきらびやかさで疾走するサウンドはなかなか高品質。
この素晴らしきクサメロ具合は、スウェーデンのINSANIAにも匹敵するほどで、
この手が好きなら間違いなく大喜び。これぞキーパーメタルである。
とにかく、どの曲も恥ずかしげもないほどにクサくメロディアスに疾走している。
後半は楽曲的にややダレるものの、クサメタラーにはまず必聴のバンドだろう。
クサメロ度・・9 疾走度・・9 キーパー度・・10 総合・・8
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◆スペインはクサメタルの宝庫

DARK MOOR「SHADOWLAND」
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの1st。1999作
今やスペインのみならず、メロスピ/シンフォメタルファンであればその名を知らないこのバンドだが、
1stの頃からシンフォニックかつクサメロの疾走という、ファンにはにんまりの事をやっていた。
録音のプロダクションの甘さはあるものの、きらきらとしたキーボードにネオクラ風のギター、
そして、後にDREAMAKERへ参加するエリサ嬢の、中性的ないわばヘタウマの歌唱で、
メロディックに疾走するサウンドは、すでにそこらのB級バンドよりはよほど輝いていた。
初期のデモ音源を収録したジャケ違いの再発盤も出ている。コアなファンはチェック!
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Furia Animal 「Azotando El Destino」
スペインのメロディックメタルバンド、フリア・アニマルの2nd。2002作
クサメロ系スパニッシュメタルとして名高いこのバンド、よく分からないジャケのセンスはともかく、
きらきらのシンセ入りで疾走するメロスピサウンドはクサメタマニアは大歓喜だろう。
スペイン語による歌唱とともに、シンフォニックに盛り上がるサビメロや
ギターによるクサ哀愁フレーズはまさに悶絶もの。初期のWARCRYなどが好きな方もぜひ。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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WARCRY 「El Sello de los Tiempos」
スペインのメロディックメタルバンド、ウォークライの2nd。2002作
1stを聴いたときには普通の疾走スパニッシュメタルという印象だったが
本作はのっけからシンフォニックな雰囲気がプンプンでいい感じです。
ツインギターにきらきらのシンセ、そして正確無比なドラムで疾走。
そこに乗るスペイン語の男臭いヴォーカルがまた、いいですねえ。
ときにProgMetal的なフレーズを弾くシンセや、メロスピ風のピロピロギターなんかも
若いリスナーには嬉しいのではないかと。演奏力、楽曲構成ともにAクラスで、
スパニッシュメタル初心者にもお勧めできるアルバムです。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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RED WINE 「SUENOS Y LOCURA」
スペインのメロディックメタルバンド、レッド・ワインの3rd。2003作
ミドルテンポの曲が増えたこともあり、1stあたりに比べると明るいキャッチーさが減り、
やや骨太になった印象であるが、最終曲のクサメロ加減は、やはりガッツポーズもの。
スペイン語で歌われる哀愁のメロディもじんわりと耳に心地よく、
マイナー系のバンドとしては、なかなか高品質のサウンドである。
この後4thを出したと思ったら、バンドはラスト作となるカヴァーアルバムを発表。
クサメロ度・・7 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Lorien「Secrets of the Elder」
スペインのメロディックメタルバンド、ローリエンのアルバム。2002作
キーボードを含む5人組みで、ファンタジックなシンフォニックメタルをやっている。
ヘナチョコハイトーンのヴォーカルは英語なのでスパニッシュ臭さはさほどでもないが、
どことなくローカルさを漂わせたクサメロが田舎っぽくて、なかなかよろしい感じです。
楽曲うんぬんというよりは、とにかく歌メロのクサさはSKYLARKかINSANIAかというほどなので、
B級でもOKなクサメタラーには悶絶ものだろう。「指輪物語」がコンセプトらしいFantasyクサメタル。
クサメロ度・・9 疾走度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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MERIDIAM
スペインのメロディックメタルバンド、メリディアンの1st。2002作
シンフォニックなイントロに続き、クサメロのフレーズを奏でるギターと
スペイン語の歌唱を乗せて疾走。ややイモ臭いサウンドながら、
そのメロディにはいかにもスパニッシュなやわらかな叙情とともに胸を打つものがある。
B級っぽいのに魅力的なのは、分かりやすいキャッチーな歌メロが心地よいからだろう。
哀愁のギターメロディも美しく、Hの“ラスト・オブ・モヒカン”のフレーズには軽く悶絶。
マイナーでもOKなクサメロ好きは必聴のスバニッシュメタル作。
クサメロ度・・9 疾走度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・7.5

Cuatro Gatos「La Caja De Musica」
スペインのメロパワバンド、クアトロ・ガトスのアルバム。2003作
まるでGENSISの“Watcher of the Skies”のようなイントロから、クサメロで疾走開始、
スペイン語の歌唱と、美麗なシンセワークで聴かせるシンフォニックメタル風味がよろしい。
メンバー写真の男臭さに反して、サウンドは非常に綺麗で、ヘヴィさよりもメロディ重視なので
クサ系のメロスピリスナーならばこれはかなりの掘り出し物と思うはず。
ときおりプログレ的になるシンセの音色も聴きどころだ。クサメロ万歳〜♪
クサメロ度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5

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VAHLADIAN
スペインのシンフォメタルバンド、ヴァラディアンのアルバム。2004作
ツインギターにキーボード入りで、メロディアス&シンフォニックに疾走。
メロディはなかなかキャッチーで、スペイン語の歌唱がクサメロを助長しつつ、
せわしなく展開する楽曲にはプログレ的な側面もある。
Voのヘナチョコ加減がいかにもマイナー臭いが演奏の方はしっかりしていて、
メロディセンスのあるギターフレーズや、きらきらとしたキーボードの美しさには、
シンフォメタル好きリスナーはうっとりだ。曲の質が上がればかなりのアルバムを作りそう。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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◆辺境の地からもクサメタルの便りが

CATHARSISWings (КРЫЛЬЯ)
ロシアのメロディックメタルバンド、カタルシスの3rd。2005年作
前作は悪くはないがいまひとつ…という印象であったが、今作はのっけからクサメロが爆発。
まるで演歌泣きのクサクサメロディの波が…このイントロだけでもうやられます(笑)
恥ずかしげもない大仰な歌いっぷりのヴォーカルがまた凄くて、巻き舌のロシア語歌唱に、
クラシカルなキーボード、さらにはフォーキーなフルートもでてきてもう大変。
…いや素晴らしい。ここまでの吹っ切れぶりは前作からはとても予測できませんでした。
ロシア語が分かればサビのメロディを一緒に合唱したくなりますな。素晴らしき濃密傑作!
クサメロ度・・9 疾走度・・7 ロシア度・・9 総合・・8.5
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SALAMANDRA「Great Moravian Eleqie」
チェコのシンフォメタルバンド、サラマンドラの3rd。2004作
ツインギターに女性Keyを含む6人組。チェコのRHAPSODYなどど呼ばれながら、
1st、2ndはいかにもマイナー臭いB級メタルであったが、今作はのっけから
シンフォニックなシンセと男女ヴォーカルの歌声が壮麗な雰囲気をかもしだす。
やや軽めの疾走が始まると、ヘタウマな男ヴォーカルの歌声も微笑ましく
クサメロのコーラスワークが炸裂するサビで軽く悶絶。昔だったら大喜びだったかも。
やはり冷静に聴くと何もかもがイモ臭いし、力強くないのだが、このたどたどしさと
クサいメロディへの愛情には「うんうん」とうなずきたくなってしまうのだ(笑)
古き良きB級メタルの質感と牧歌的なメロディで聴かせるクサメタルの佳作。
クサメロ度・・8 疾走度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5


◆日本発のクサメタラーたち

GALNERYUS「ADVANCE TO THE FALL」
日本のメロパワバンド、ガルネリウスの2nd。2005作
テクニカルでときにクラシカルなギターメロディにきらきらキーボードが合わさり、
イタリアンメタル並みにクサいメロディを連発しながら疾走する様は、疾走メロスピが好きなリスナーなら悶絶もの。
クオリティ的にも、楽曲的にも前作よりも格段のまとまりを感じさせ、Voの歌唱もやや力みがとれてスッキリとした。
間奏部などにおけるテクニカルなパートは、ALHAMBRAでも活躍するYUHKIのシンセよるところが大きい。
天野喜孝のジャケが地味に感じられるほど内容は濃密コテコテです。
たった2作目にしてこのバンドは日本のメロパワ/メロスピの代表格となったと言っていい。
メロディアス度・・9 疾走度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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AZRAEL「SUNRISE IN THE DREAMLAND」
日本のメロディックメタルバンド、アズリエルの2nd。2003作
GALNERYUSとともに日本の新しいメロディックメタルシーンを引っ張るこのバンド。
キーボード入りでメロディックに疾走、英詞で歌うヴォーカルのハイトーンもなかなかで
クオリティ的には海外のメジャー級バンドにも決してひけをとっていない。
メロディにはマイナー系のキャッチーさがあるところもメロスピ好きにはたまらないだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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BALFLARE「TEMPEST」
日本のメロディックメタルバンド、バルフレアの2nd。2006年作
きらびやかなシンセとネオクラシカル風味のギターを乗せて疾走する、
かつてのSONATA ARCTICAなどを思わせる美麗なメロスピサウンド。
日本産というのを感じさせない流麗なメロディセンスと北欧的な爽やかな雰囲気は
このバンドの持ち味で、海外のこの手の作品と一緒に聴いてもほとんど違和感がない。
キャッチーなクサメロにもにんまりだ。もっとも北欧らしい日本産メロスピ作品だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 むしろ北欧度・・8 総合・・8
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KNIGHTS OF ROUNDThe Book Of Awakening」
日本のメロスピバンド、ナイツ・オブ・ラウンドの2010年作
ファンタジックなジャケも含めてRPGのような世界観のシンフォメタルであるが、
2007年の前作は、いかにもB級臭いメロスピで、正直なところ印象に薄かった。
壮麗なイントロからSTRATOVARIUSばりの疾走曲で始まる本作も、個性という点では弱いのだが、
そのクサいメロディにはさらに磨きがかかり、力強さのないハイトーンヴォーカルとともに、
これぞファンタジー・メロスピ!というサウンドを恥ずかしげもなく繰り広げている。
きらびやかに疾走するそのクサメロぶりには、思わずにやにやしてしまう。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 ファンタジー度・・9 総合・・7.5
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VRAIN「Rendez Blue」
日本のシンフォニックメロスピバンド、ブレインの1stフル。2007作
X JAPAN+DRAGONFORCEという感じで、デジタリィなアレンジもまじえて
キャッチーなメロディで疾走する痛快メロスピ作。デビューミニに比べて
VoのHIRO嬢の歌唱が上達し、それとともに80年代のJAP's歌謡ロック的なクサメロ度が増している。
シンセのアレンジなどはゲームやアニメ的なきらきら&ピコピコ系ではあるが、
そうした若者的な部分と、かつてのSTARLESSなどにも通じる古き良き情緒が何故か融合し
音は軽めながらも、クサすぎるメロディになにやらぐっとキテしまうという、一種不思議な感触がある。
純粋なメタルリスナーよりもメロスピ好き、またはJAP'sプログレハードのリスナーにもお勧めしたい。
メロディアス度・・9 疾走度・・8 クサ&ナツメロ度・・10 総合・・8
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MinstreliX「TALES OF HISTORIA」
日本のメロスピバンド、ミンストレリックスの2012年作
初期曲のリレコーディングアルバムであった前作Reflections」から3年ぶりとなる3作目。
シンフォニックなアレンジで美麗に疾走するメロスピサウンドにはいよいよ磨きがかかり、
復帰したLeo Figaroの伸びやかな歌声とともに、ロマン溢れるファンタジックな世界観を聴かせてくれる。
ときにLIGHT BRINGERなどにも通じるキャッチーなメロディと、ネオクラシカル的なギターワークで
メタルとしての力強さもこれまで以上に感じさせ、美メロ系メロスピリスナーには感涙ものだろう。
物語的な幻想性と優雅な旋律に包まれた楽曲の数々は、濃密さの点でも過去最高といえる内容だ。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 美メロ度・・9 総合・・8
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DragonGuardian聖魔剣ヴァルキュリアス
勇者アーサー率いるファンタジックメロスピ、ドラゴン・ガーディアンの5作目。2012年作
これまでの最高傑作となった前作真実の石碑」に続くメジャーデビュー2作目となる。
今回は異世界における「革命代行屋」という物語コンセプトで、ファンタジックなアニメ的世界観を
シンフォニックかつ美麗なアレンジで描いてゆく。LIGHT BRINGERのFukiの伸びやかな歌声とともに疾走し、
キャッチーなメロディと壮麗なオーケストレーションが同居する、壮大さとポップ性が巧みに融合されている。
物語を語るナレーションとアニメチックなセリフは随所に健在だが、ドラムが生音になったことで
良くも悪くも同人臭かった過去作と比べると、普通にシンフォニックメタル作品として鑑賞できる。
ライトノベル的なストーリーメタルという、ひとつのジャンルを確立したというべき力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 疾走度・・9 ファンタジー度・・9 総合・・8
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