ATTACK
 STORMWITCH NOT FRAGILE SEVENTH AVENUE

ジャーマンメタル & カルトなエピックメタル
〜マイナーでもいい、クサメロならばぁ特集〜


ジャーマンメタル好きの皆さん。
HELLOWEENやGAMMA RAY、BLIND GUARDIANを聴いただけで満足していはませんか?
しかし、ジャーマンメタルというものはもっともっと奥が深いのです。
マイナーなB級呼ばわりされているバンドの中にも日本人好みのメロディや哀愁溢れる旋律を奏でるバンドも多く、
そうした知られざる傑作を密かに発掘したときの喜びは、なかなかに筆舌に代えがたいものがあります。
ここでは、そうしたマイナーで良質なバンドの中から、私がとくに愛するバンドたちを紹介します。
★はわりと適当にオススメの目安となっています。

2006.9.1 緑川 とうせい



ATTACK
 アタック

ギター、ベースを弾き、自らヴォーカルをとり、そしてときにはドラムも叩くという、まさに孤独なマルチプレーヤー、
リッキー・ヴァン・ヘルデン(写真)率いるバンド。ツインギターのローカルリフと、クサい歌メロを乗せ、熱いメタル魂で疾走だ。
オフィシャルサイト


Danger in the Air
(1984, re-Release 2000)
記念すべき1st。
ジャケの雰囲気からして無骨なサウンドかと思いきや、美しいキーボード入りで、かなりメロディアスなサウンド。泣かせる歌メロとともに今聴いても充分楽しめます。

★★

Return of the Evil 
(1985, re-Release 1993)
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2ndアルバム。
このチープな剣のジャケからしてもう泣かせます。音の方も「これぞジャーマン」な曲が目白押し。IRON MAIDEN的な曲もあり、なかなかハマっている。
今となってはなかなか見ないのでけっこう貴重かも?

★★

Beastkiller (1987)
3rdアルバム…らしいが、
今まで見たことも聴いたこともない。
CD化が待たれる。

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Destinies of War 
(1989, re-Release 1993)
4thアルバム。
曲の方はなかなか大仰さも増していて、@の“Wonderland”やF“Deathrider”あたりは名曲といってもよい出来。
ちなみに下のは日本盤のジャケです。おそらく上のでは濃すぎるということで(笑)差し替えられたのでしょうが、私はもちろん上のが好きですね。

★★

Seven Years in the Past (1992)
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5thアルバム。
これも日本盤が出ました。
フルートを取り入れた@の“In the Gloom”は当時はかなり新鮮でした。このアルバムではリッキーはベースの他、自分でキーボードを弾きフルートも吹いて、さらにドラムも叩いています。まさに芸達者マルチミュージシャン。

★★



Revitalize (1994)

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6th
…というか、過去の楽曲のリメイク集で、ベスト盤的にもなっている。アタックを初めて聴く方にはこれがお勧め。どの曲もメロディアスで熱いです。
下は日本盤ジャケ。例によって差し替え…しかし実は上の輸入盤の方が曲が多くてお得なのです。

★★★


The Secret Place (1995)

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7th。
当時は発売日に新品で買った記憶がある。なにを血迷っていたのか…いやいや、それだけ10年前は自分的にメタル熱が熱かったのだ。
このアルバムを最後にバンドの音沙汰がなくなる。続く8thアルバムも実はすでに録音していた、という情報もあるのだが。

★★



STORMWITCH ストームウィッチ

デビュー20年を経ても、いまだマイナーという素晴らしきバンド。
ドイツ盤IRON MAIDENともいうべきか、ウェットな幻想性と叙情、キャッチーなセンスが耳に優しい。
オフィシャルサイトにて試聴可能


Walpurgis Night
1984
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1st
祝・初CD化。もうこのジャケからしてB級なんですが、曲の方は音質は荒いが、すでにストームウィッチ節ともいうべきメロディ満載でなかなか良い感じです。

★★

Tales Of Terror
1985
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2nd
祝・初CD化。前作よりもキャッチーさとコンパクトさに磨きがかかり、ジャーマン叙情メタル/ハードロックとしてより聴きやすくなっている。

★★

Stronger Than Heaven 1986
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3rd
このアルバムあたりから、ぐっと音に説得力が増した。曲の方も@は軽快かつ気持ちの良い名曲だし、Gのインスト曲におけるドラマティックな展開もたまらない。

★★

The Beauty And The Beast
1987
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4th
タイトル通り「美女と野獣」がコンセプト。楽曲はキャッチーかつノリの良さで聴かせる良い曲が多く、マイナー臭さは少ない。さらに、Dのバラード曲などは絶品の美しさ。

★★★

Eye Of The Storm
1989
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5th
この美麗なジャケからしてもう好み。内容も出来が良く、叙情的な@やメロディックに疾走するE、トルコ行進曲をアレンジしたHなど、聴き所も多い。前作に続いてバンドの代表作。

★★★

War Of The Wizards
1992
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6th
初めて日本盤が出たアルバム。私自身もこれをジャケ買いしたのがマイナージャーマン道傾倒へのきっかけ。
メロディックかつキャッチーな@から素晴らしい。ハードさを増しつつ叙情度もアップ。
ちなみに廃盤のはずなのだが、ときおり中古で安く売られているのを見る。

★★★

Shogun
1994
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7th
タイトルはSHOGUN…将軍のことですかね?しかし、どう見ても、ジャケ絵は忍びにしか見えないんですが(笑)
内容も1、2曲いい感じのがあったけど、全体的には煮え切らないアルバム。ストームウィッチのアルバムで、このCDだけは売ってしまった。私の愛にも限界がある…ということで。


Live In Budapest
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1989年ハンガリーでのライブ音源を収録。彼らにとって初のライブアルバムであるが、演奏もなかなか安定している。客の盛り上がりがすごいが、向こうではこんなに人気あったの?気になるのは、CDRでもないのに1曲ごとがブツ切れなこと。

★★

Priest of Evil 
1998
突如発表されたベスト盤。
後に再発されるまでは、初期の楽曲はここでしか聴けなかった。

★★

Dance With The Witches
2002
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前作から8年。
いつまでたっても売れないので、ついに解散か…と思っていたら、どっこい復活の8th。
サウンドは新世紀に入ってか、ずっとクオリティが上がっていて、昨今のマイナー系バンドに比べてもひけをとらない。

★★

Witchcraft
2004
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9th。
かつての楽曲の雰囲気をそのままに、完成度を高めた作風。一部キーボードも導入され、サウンドはよりメロディアスになっている。ジャケも含めてベテランバンドとして堂々たる内容。

★★★

Season Of The Witch 2015
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現時点での最新10th
80年代から変わらない、ウェットなヘタウマジャーマンメタルは健在。もうアルバムを出してくれるだけで満足です!

★★


NOT FRAGILE ノット フラジャイル
初期HELLOWEENを手本に、とにかく疾走。疾走しなきゃジャーマンじゃない…というある種のお馬鹿っぷりが見事。
カイ・ハンセン声のヴォーカルとクサクサのツインギターがツボに来ます。
オフィシャルサイトにて試聴可能

HARD TO BE ALIVE 1992
1st。
1988年のEEEPの楽曲を含む全20曲入り。
初期HELLOWEENばりの疾走につぐ疾走とツインリードのクサメロ、そしてカイ・ハンセン声の力弱いVoが絶品(?)の悶絶盤だ。

★★

Lost in A Dream
1993
2nd
…と思って買ってみたら、楽曲は上「HARD TO BE ALIVE」とほとんどかぶるのでまぎらわしい。
両方持っていても意味ないかと思い、売りました。


The Ruturn
1995
1stの悶絶疾走を期待して買ったら、クサメロも薄いし、疾走感も後退していた2nd。
ショボいジャケ同様、中途半端な内容で即売りに出した…。


21st century ballroom 2001
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どっこい、生きてたノットフラジャイル!
ということで、内容も往年を思わせる素晴らしい疾走曲満載の好盤。バンドとしての最高傑作を作り上げた。
とりあえず、この1枚くらいは聴いてみてください。

★★

Yesterday's Heroes
2003
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過去の楽曲の再録とMotorhead、Slade、Sweetなど、彼らのヒーローであったロックバンドのカヴァーを収録。

★★

TIME TO WONDER
2005
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ジャケの下手さが泣かせる、今作も中身は相変わらずの疾走ぶり。
オヤジになってもまだ疾走。熱きメタル魂が炸裂だ!いいぞぉ。いけいけノットフラジャイル!

★★

Scratch the Surface
2008
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デビュー16年にしてサウンドがパワフルになってます。
ただ魅力であったクサメロが減退していてちょっと残念。このままずっとヘナチョコのB級ジャーマンでいて欲しかった気も…

★★

Shout to the Master 2013
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クオリティアップした前作からの流れを引き継ぎつつ、ガンマ・レイまくりな疾走クサメタルに回帰した強力作!

★★★



SEVENTH AVENUE セブンス アベニュー
バンド名はどこかのメロハーみたいだが、サウンドはクサクサコテコテのジャーマンメタル!
GAMMA RAYをマイナーにしてクサメロ度を加えた、ヘナチョコ気味の演奏や歌の弱さを補って余りある素晴らしさ。
オフィシャルサイトにて試聴可能


Rainbowland
 1995
1st。
荘厳なイントロに続いて始まるギターのクサフレーズでもう悶絶。ヴォーカルも弱く、曲アレンジもばたばたしているが、それ以上のメロの魅力が素晴らしい。

★★

どうでもいいことですが、メロデスバンドのGATES OF ISHTARが、これと同じ絵を使ってますね。ちなみにそのジャケはコチラ。「門」を反転させ、暗くして加工してますが、よく見ると同じ絵ですよ。

Tales of Tales
1996
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2nd。
このファンタジックなジャケで、一部当時のマニアの話題を呼んだ。
内容は相変わらずのクサクサコテコテなサウンド。マニアは万歳だが、一般のリスナーにはこのヘナVoはきついかもしれない。

★★

SOUTHGATE
1998
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3rd。
メロディを聴かせるための楽曲アレンジ力も増し、成長の跡がうかがえる。それによりクサメロの煽情度もアップ。ここまでくれば、一般のメロスピリスナーにも聴かせられるかもしれない。

★★

Goodbye
1999
5曲入りミニアルバム。
タイトル曲は哀愁溢れるバラード曲で、ラスト近くの「蛍の光」のメロディが感動的。
3rd収録の曲をリメイクした16分を超える大曲も圧巻。

★★

BETWEEN THE WORLDS 2003
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4th。
さらに楽曲の質が上がり、サウンドクオリティの向上とともに、音に説得力が増した。
もちろん素晴らしきクサメロはそのままで、現時点での最高傑作。

★★★

ETERNALS 2004
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5th。
デビューから9年。継続は力なり。ついに日本盤が発売されましたよ。しかし、中身はまったく変わらぬマイナーなクサメロジャーマンサウンド。マニアの他には売れますまい。イントロに続く1曲めのイントロは、GAMMA RAYの“Tribute to the Past”のパクりですかね。

★★

Terium 
2008
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6th
前作が売れなかったせいか、日本盤は出ませんな。ま、仕方ないか…
サウンドの方は相変わらずのマイナーくさい、GAMMA RAY大好き〜的な愉快なジャーマンメタル。
ええ、好きですとも!

★★



その他、比較的オススメしてもいいマイナー系ジャーマンメタルCD

ラルフ・シーパーズ参加
SCANNER

BALL OF THE DAMNED
★★
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STORMWITCH関連作
TAROT'S MYST

ODYSSEY
★★

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クサメロ楽曲目白押し
ABRAXAS

The Liaison
★★

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ブラガーの弟バンド
PILLOW KILLZ




ジャケはヒドいがクサメロ満載
CUSTARD

Kingdoms of Your Life
★★

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女性Voです
WARDANCE

Heaven is for Sale
★★

名前からしてマニアです
MANIA

CHANGING TIMES

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なんと日本盤もでていた
VETO

Carthago
★★

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女性Voでなかなかよろしい
ZED YAGO

FROM OVER YONDER
★★

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WARLORD & LORDIAN GUARD
ウォーロード
/ ローディアンガード
ドイツではなくアメリカのバンドですが、ここに載せたような音楽を好む方にはぜひともオススメしたいバンドです。
その音楽性はエピックかつメロディック、そして古き良きメタル愛に満ちており、
クサメロ系バンドとしては聴いておいて損のないバンドです(イギリスに同名のデスメタルバンドがいるので要注意)。
途中、リーダーであるWilliam j.Tsamisが女性VoのバンドLORDIAN GUARDを結成しますが、
そちらも同傾向の哀愁のクサメロ満載の好作。機会があったらぜひとも聴いてみてください。


DELIVER US
1983
1stアルバム

廃盤だし、もう手に入ることはないな…
と思っていたら、DVD「BOOK1」にボーナスCDとして本作が付いていましたよ!

And The Cannons of Destruction
1984
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2ndアルバム

ライブ盤である。
廃盤でなかなか手に入りづらいのだが、本ライブの映像はのちにDVD「BOOK1」としてリリースされています。

Thy Kingdom Come
1986
3rd…
ではなく、ベスト盤
えい、まぎらわしい!

内容は後に出る下のベスト盤とあまり変わらないようなので、血眼になって探す価値はないか。

Best of Warlord
1993
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で、こっちもベスト盤

上のやつより曲が多いです。
勇壮でときにキャッチーな哀愁のウォーロード節満載。これを聴けば彼らの名曲はほぼ網羅できる。

★★


LORDIAN GUARD
1995
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sinners in the hands of an angry god
1996
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こちらが、ローディアンガードとしての2枚。

ジャケからして、なんだかキリスト教的な匂いがしますね。たぶん、Tsamis氏は敬虔なクリスチャンだったのでしょう。
サウンドの方は一聴して「男?女?」という感じのハスキーで特徴のある高音Voが印象的。
リズム関係がややチープですが、どちらもギターオリエンテッドのエピックなメタルサウンドで、かつてのWARLORDの曲もリメイクしていたり、なかなか楽しめます。

★★

Rising Out of the Ashes
2002
新世紀になって、まさかのウォーロード復活!
かつての名曲のリメイクに加え、LORDIAN GUARD時代の曲もリアレンジしており、個人的にもとても嬉しいのであった。
さらに復活を記念してか往年のビデオをDVDにしてリリース。

★★


その他、カルトなエピックメタル
ジャケだけでもうたまりませんw
Dragonslayer


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カルトバンドの最高作!
Manilla Road

Deluge

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カルトエピックメタル!
Cirith Ungol

Paradise Lost

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イタリア伝説のエピックメタル!
ADRAMELCH

Irae Melanox

初期NOT FLAGILEみたい♪
WYVERN

The Red Flame Of Pain

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これぞ中世エピックメタル!
MARTIRIA

Age of the Return

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いかがでしたでしょうか。一般のメタラーからは見向きもされぬであろうこの特集。
ATTACKやSTORMWITCHがお好きな方とはなんだかお友達になれそうな気がするので、メールBBSの方にコメントでもしてやってください。

それから、この特集の中で5枚以上CDを聴いたことがある方は立派なマイナージャーマンメタラーです!


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