巨大なエネルギー発光体になりたい

世界のすべてを照らす
洞窟の暗がりをも輝かせる

そんな
エネルギーに満ち満ちた存在に、
オレはなりたいのだ

タケノコの皮にも負けず
雨宿りの冷たさにもめげない

あけすけな奔放さをいつくしみ、
喧騒の中でも一輪のはかなさを失わない

気まぐれな伝達使にすら的確に表情を伝え
鬼のいぬ間に博打をうつ、勇気ともいえぬ狡猾さで、

事態を乗り切り、それを打破するだけの
強きエネルギーと、寒さを滅ぼす光の威力を

ためこんでから使うソーラーパワーなど
磁気調理器で茹でるおでんのダシの煮詰まりに比べれば

微々たる結果しか残せていないと、
完全に見限って、一瞥をくれてやる。

即興で選ぶ不動産のように、
誇りの中の邪念でほくそ笑み

歯をむき出して三回転半をたたき出す
交差点の裏側ではそれも無意味だ。

みっつよっつの独りごち、
答えのない晩年の昼下がりに

道化の涙を省みられる分だけ
褒美のおかずも味わえる

降臨す
エネルギー体よ

太陽の使者たる輝きをもって
この宇宙を照らしだす

命の源たる熱量よ

さかまく宇宙気流に乗って
その姿を現したときには

決して誰も凍えることはない

結託して待つのは
その希望のためだとでもいうのか

あれはただの
絵空事だと思いたいのに

モーターの音が消え、
ハイブリッドな忍び足が背後から迫れば

人はナイフのきらめきを恐れる

ああ、エネルギー体よ
輝かせておくれ

せめてあの天井に届くくらいには
この力を明日まで

持たせておくれ




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