きぶっせいの変化をもたらす麻疹の午後
日持ちするカタログの中にふと目を見張る反物が

くだりきれない籠を持った人足が
石段を踏み外すかどうかの瀬戸際に
強靱な胆力と相談し、結局飛び出さないことに決めた

穴に落ちてしまえばいい
ピンクのリボンのついた白い帽子がひらひらと舞うようにして

故郷の汽笛はさもしさをいや増しに増す
などとつぶやく老人にはなりたくないと、
あの合格発表の日にたしかに思ったことを15年ぶりに思ひ出してみた

繰り返す圧搾機の営み
振動と無神論者の歩み
暮れる黄昏背に染みて
志す清心の掟と血判書

ロクサーヌを呼べ
あいつに仕置きを
尻を叩き、腕に噛み付き、いたたまれぬような傷跡を

百目と百足で稼げばいいなどと
言ってみても仕方ないとあの叔母がまごころで

名伯楽の明日はもう決まっている
今日の馬車の車輪の回転数でもう決まっているのだから

後見人はひまわりの種を慎重に選び出す
より黒く、しっかりとしたものを取り出し、適当に除き
一粒カリリと噛み、ようく味わったのちに吐き出す

清潔な誠に汚物がかからぬよう
苦しみぬいた末の淡い祝辞をかかげて

経路は最後尾の舵が決める
浅瀬へも珊瑚礁へも自由のまま
座礁への恐怖を決意の中に封じて塗り固め
目指すはあの島、ただひとつの答え

信じるものにだけ見える 
ほら

あの、島へ



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