洗練された四つ打ちの音楽は

ほどけない紐のような連鎖からくる

軋轢にまみれた不確かな協調性に支配され

唐突にその終わりを迎える。

なすべきことをいたしたいがために

はなから相手にせぬ詰め物の効力と

砂トカゲの毒づいたまなざしに気押され

ややもすれば転調のタイミングを逸する

サーカムスタンスな体制で漕ぎだせ

明石へ流されるゆえを考え続け

新しき笛の音に耳を澄ませて

くるべき邂逅を信じる

必ずしも流転の果ての不実は

めぐる暗礁の恐怖とはならない

はてしもない深追いを省みるならば

せめて琥珀の中の玉虫をながめる

そのひとときを大切にいだけ

覇権奪回はほどほどに念ぜよ

うずたかく積まれたアコースティックの響き

無茶なリズムの上に舞うなら

それは不協和音という芸術に達する

怯えずに奏でよ

足柄山から降りる日を待つな
  
今年も、来年も

桜は咲き、

そしてただ散るのだから



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