逆しまな横滑りに文字通りの制裁を

僅かながらでも感じ取れる間合いから

忍び寄る危機とともに奈落への予感を投げうち

心からの賛辞で恵まれぬ諸国へ歴訪す

サンタマリアの難破をニュースで知り

ジブラルタルまで誘われてみれば、

さもしいライムのおかげで壊血症に陥るべきところを

鶴の一声ともいうべき涙ながらの演説で救われる

明日ならずとも国いずるときあるならば、

頬を火照らす松明の灯のその熱さを身にしみて

挙げ句の果てには満ち足りた韜晦をすべき所存

果てもない気疲れよ。

さしたる道の広さもおぼえずに

波しぶく限りにおいてはただ、

盗まれたような笑顔を見せつけてやればいい。

共に戦うのなら明日まで

明後日からはたとえれば城壁をひとつ隔て

井戸の地下通路で行き来するような

そんな関係でいて欲しい。

さすれば傷は癒え、意味なくさすらう魂もほだされる。

遠くをみて、近くを踏みにじる

そんな冷徹なる魂を望むというのなら

去年の星の光をただ思い出してみよ

計算ずくで思いのたけをぶつける暇があれば

きっと火を見るより明らかだ

失いかけた誇りを取り戻す必要がないのなら

ただし、半分は空に返却し

残りは綺麗に粉々に吹き飛ばせ

休みがちの集中は

日を追うごとに苦しみの中で研ぎ澄まされる

そこに埋まった剣を抜け

ただし、

太陽ではなく月のもとで

キラリとした鋼鉄で

助かる一瞬に願いをかけ

やがて寒空に暁が訪れる

そのときをただ

ほんのりと待つ



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