もうすぐやってくる嵐の予感に備えよう
古城でのソリチュードに胸踊らせながら

ロブスターの足が指すほうへ
夢を見つけられる島での暮らしへ

強烈な殺傷力も明日になれば消える
見ず知らずのしもべたちに囲まれていたならば

衣に時雨月の香り含ませて
おぼろ月夜に封土の想いを伝える

大好きだった忘れな草の花は
ポプラの丘のたくましい存在感に薄れゆく

手ぐすねをひいて待て
たとえようもないバラ園の芳香が脳裏をよぎったら

暮らしに潤いを与える快活なろくでなしたち
魔が差しても見事に助けられないときは

あきらめに似たため息まじりの口づけをひとつ
買える鍵もただひとつ

黒ずんだ銀のユリの紋章で、開く扉を探す

降りてゆく階段が格子の先に見えると
秘密の園を思い描いて、ほくそ笑み

爪を立てて握りしめる手を
鏡の向こうの喜悦の顔に振りかざす

伸びやかな手足と、深い湖の瞳が目指す
新たな城門はいずれ

目まぐるしきいとなみの中で
ますます堅牢に閉ざされ、

物見の塔を周回する黒ツグミの声とともに
深々と沈み込むことも念頭に置き

いざ足を踏み入れる

ラベンデュラの咲く

モーゲイン・ル・フェイの庭へ



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