痩せ衰えてゆくサキュバスに
むさぼられるなら一興

さもあらばあれ
ともかく夢魔なるものは

むべなくも
希望と欲望を際立たせたのち
それを吸い尽くすものなり

覚悟してかかれ
その道を左に曲がるときは

地上1メートルを飛んだとしてさえ
追いつかれることはひっきょう

ずんだもちのように
たわむれと快楽へ
味覚と喉の奥の痛みに耐え

蜘蛛の糸を垂らせ

その後に
舌なめずりのあげく

道すがらに到達してくる奴らどもを
片端から取り込んで

喰らい
喰らう

そうしてみてはじめて
分かる言霊があるもの

忘れないで欲しいのは
いずれにせよ止まる時がある

満ち足りた後に用心を
くぐもった声で要求するときは

したたかな策略をめぐらせ

さもなくば
通りに落ちる雹のごとく
霞となり砕けよ

どうにも追求すべからぬ用件に
難儀するとき

このうえまだ泣くか
乾けばまた濡れ

注がれる
廃屋と化した

我が魂に



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