イタリアン・プログレメタル傑作選



昨今、世界各国からProgMetal系バンドが、にわかにその数をまた増やし始めているようだ。
DREAM THEATERの歴史的名作「Images And The Words」からすでに20年以上がたち、
そのDTに影響を受けたプログレメタルブームがひとまず収束したあとの、
いわば第三世代ともいうべきバンドが、ドイツやフランス、北欧、アメリカなどを中心に生まれ始めている。

とくにイタリアという国は、70年代から盛んであったプログレの残照が色濃く受け継がれているのか
90年代半ば以降には、数多くのプログレメタル系バンドたちが現れた。
その多くはマイナーな存在ではあったが、他の国にはないメロディの濃密さや、
ときに混沌としたサウンドは、マニアックなリスナーの愛好するところとなった。
その後はRHAPSODYなどの登場により、イタリアンメタルはますます興隆をきわめるが、
一方ではProgMetal勢はシンフォニックメタルの影に隠れ、その勢いを失っていった。

しかしながら、現在も活躍中のELDRITCHDGMなどをはじめ、生き残ったバンドたちは地道に活動を続け、
近年ではまた、少しずつプログレメタルを聴かせるバンドがその数を増やしきた。
ここでは、90年代のイタリアンプログレメタルの出現から、現在までの流れを見つめなおしながら、
個人的に選んだ傑作アルバムを紹介してみたいと思う。
 
                        
 緑川 とうせい


*正統派系
DREAM THEATERから影響を受けた構築性を、独自の解釈で仕上げたパンドたち

ATHENA 「Inside the moon」
イタリアンメタルバンド、アシーナの1st。1995作
一聴してDREAM THEATERからの影響を感じさせるサウンドであるが
美しいシンセワークに絡むギターのセンスもよく、しっかりと世界観を感じさせるのが見事。
ハイトーンヴォーカルの歌声とともに、イタリアらしい叙情とメロディを聴かせつつ、
適度にテクニカルな展開と構築性が一体となった質の高い作品だ。
続く2ndではRHAPSODYのファビオ・リオーネが加入し、よりパワフルなサウンドとなっている。
その後3rdでは、マイナー系のメロスピになってしまい失速するものの、
本作の輝きはイタリアンメタルの幕開けを告げる一枚として記憶に残るものだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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EVIL WINGS
プログレメタルバンド、イーブル・ウイングスの1st。1994作
なにやらおどろおどろしいイントロからして、いかにもイタリアらしい音であるが、
ヘナチョコ気味のヴォーカルが力んだ歌を乗せつつ、演奏が始まるや、
テクニカルかつ切れ味のよい展開力に奇妙な唐突さが合わさった独自のセンスが炸裂。
この違和感が気持ちよくなると、このバンドの魅力がきっと理解できる…ハズ。
随所にDREAM THEATERを思わせる構築的な質感を折り込みながら、
やはりヘンテコな感性でつむがれた楽曲は相当イカれていると言わざるを得ない。
つづく2ndは、その異質なセンスを最大限に発揮した名盤で、
超絶な演奏が楽しめるライブアルバムともどもぜひとも聴いていただきたい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ヘンテコセンス・・9 総合・・8

GLORY HUNTER 
「ULISSES DAY TWO」
イタリアンメタルバンド、グローリー・ハンターの1996作
シンセを含む5人組で、じっくりとメロディを聴かせるゆるやかなProgMetal。
哀愁ただようメロディと、穏やかな知性を感じさせる楽曲アレンジ、
決してテクニックに走りすぎないところにこのバンドのセンスがある。
メロディアスハード的な耳触りの良さと、クールな構築力を両立させた
うるさ過ぎない大人のプログレメタルサウンドだ。これは隠れた好アルバム。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 叙情センス度・・8 総合・・7.5
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ARKHE
プログレメタルバンド、アークの1997作
サウンドはもろにDREAM THEATER影響直下のプログレメタル。
全8曲中、7曲が6分以上、うち8分以上が5曲という大作主義で
曲展開やリズム、Voの歌唱法まで、一聴して相当DTを研究しているのが分かる。
音自体にイタリア臭さはあまりなく、クールな構築性で聴かせるタイプで、
総合的なクオリティはなかなか高い。しかし、このVoはホントにラブリエそっくりだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 DTそっくり度・・8 総合・・7.5

ANGELS GRACE 「NEW ERA RISING」
プログレメタルバンド、エンジェルズ・グレイスの2000作
ひとことでいうと、DREAM THEATERのゆったりパートを取り出したようなサウンド。
テクニカルさやスリリングさよりは、ジャケ通り「ゆったりとしたおだやかな海の中を
きらきらとしたキーボードに光を照らされながら進むサブマリン」というイメージ。
メロウなギターや、落ち着いた声質のVoなどもこの音楽性にマッチしており
シンフォプログレ寄りのたおやかプログレメタルと考えれば、なかなかの出来。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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MIND KEYJourney of a Rough Diamond
プログレメタルバンド、マインド・キーの2004作
テクニカルな演奏の中に光る、きらきらとしたシンセワークが美しい、
SHADOW GALLERYを思わせるようなドラマティックなProgMetal作。
この手のバンドに多い自己満足系のサウンドではなく、複雑な展開の中にも
メロディの聴かせ所は多く、またヴォーカルの実力もあるのでマイナー臭さは感じられない。
長い曲をしっかりと聴かせるだけの構成力も備えており、とくにラストの11分の大曲は圧巻だ。
随所にDREAM THEATERからの影響も感じさせつつも、
単なるフォロワーに陥ることなく、確かな技術とセンスを備えた質の高い作品である。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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GENIUS A ROCK OPERA 「EPISODE 3 -The Final Surprise」
EMPTY TREMORダニエル・リヴェラーニによるロックオペラ、ジーニアスの3作目。2007作
毎回多彩なゲストが話題を呼んでいるが、今作ではD.C.クーパー、ダニエル・ギルデンロウ、
ヨルン・ランデ、エリック・マーティン他、豪華なヴォーカル陣が集結した。
楽曲の方もやや地味だった前作に比べ、シンフォニックなアレンジが増していて、
テクニカルなプログレメタル的展開美が光る。そして当然ながら、
実力あるヴォーカリストたちの歌唱も見事で、サウンドの説得力を引き上げている。
重厚かつ壮麗なシンフォニックメタルオペラ作品だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Empty Tremor「Iridium」

イタリアのプログレメタルバンド、エンプティ・トレマーの2010年作
中心人物であったダニエレ・リヴェラーニが脱退し、本作はこれまで以上にシリアスなProgMetalに接近した力作となった。
シンセを含んだメロディックな聴き心地と、リズム面での知的な構築力、
マイルドなヴォーカルの歌声と、センスあるギターワークが合わさり、
ドラマティックでスリリングな楽曲を展開してゆく。現在このジャンルの最高峰である
Seventh Wonderあたりにも通じるクールでスタイリッシュな王道のプログレメタル。
これは中堅バンドとしての底力をまざまざと見せつける傑作である。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 構築センス・・8 総合・・8
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PATHOSRAY
プログレメタルバンド、パトスレイの2007作
美しいシンセとともにしっかりとヘヴィさを残したギターで聴かせる重厚な作風は
DREAM THEATERからの影響も感じさせつつも、ただのフォロワーに甘んじることなく、
その構築性にはなかなか非凡なセンスを感じさせる。テクニカルに走りすぎることもなく
ときにプログレパワー的な疾走感もあるので、音に難解さはなく聴き疲れもしない。
キャッチーな歌メロといかにもプログレ/シンフォニックなシンセワークもよい感じで、
メロディアスさと重厚さ、ドラマティック性のバランスのとれた好作といえる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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HEART OF SUN
イタリアのプログレメタルバンド、ハート・オブ・サンの2007年作
ARKHE、TIME MACHINEといったバンドに参加していたメンバーらによるバンドで、
きらびやかなシンセワークを含む、近未来的なコンセプトのProgMetalをやっている。
適度にヘヴィなギターと切れ味のいいリズムでモダンな感触をかもしだしつつ、
表現力あるヴォーカルの歌声とともに、DREAM THEATER的でもある
ドラマティックなサウンドを聴かせてくれる。テクニカルさよりも世界観の構築に重きが置かれ、
じっくりとヴォーカルが歌い上げる部分などが印象的で、派手さよりもバランスの良さが光る。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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Soul SecretFlowing Portraits」
プログレメタルバンド、ソウル・シークレットの2008作
G、B、Key、Drの4人編成で、DREAM THEATERを基本にしながら、適度にヘヴィなギターと美しいシンセワーク、
そしてキャッチーといってもいいメロディが合わさって、バランスのよいサウンドに仕上がっている。
いかにもポートノイ風のドラムににやりとしつつ、テクニカルな展開力とドラマティックな雰囲気で
楽曲を構築してゆくセンスは、なかなか新人とは思えないものを持っている。
メタル的な硬質感よりも、シンセを中心にプログレ的な質感が強いこともいかにもイタリアのバンドらしい。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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Sinestesia
プログレメタルバンド、シネステシアの2007作
シンセ奏者を含む5人組みで、基本はDREAM THEATERタイプの正統派ProgMetal。
薄暗い叙情性と、ドラマティックな世界観でじっくりと聴かせるサウンドは、
ときおりイタリアらしい軽やかなプログレ感覚を覗かせ、なかなか多彩である。
やわらかな美しさで聴かせる部分なども、効果的に盛り込まれ、適度なテクニカルさと
メロディとのバランスの取り方も新人にしてはなかなかのもの。これはいいバンドだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲センス・・8 総合・・8
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Fartherpaint 「Lose Control」
イタリアのプログレメタルバンド、ファーザーペイントの2008作
女性ヴォーカルを含む5人組で、一聴してDREAM THEATERからの影響を感じさせる曲調に
打ち込みを取り入れたピコピコ系のデジタリィなシンセアレンジを加えたというサウンド。
演奏自体はかなりテクニカルで、ギターにしろドラムにしろ演奏力は抜群なのだが、
そこに女性ヴォーカルが加わると、やわらかな優雅さが前に出てきて、お洒落なモダンさが支配する。
メタルっぽくない軽やかさが逆に個性にもなっていて、個人的には全然アリです。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LAST WARNING 「Throughout Time」
プログレメタルバンド、ラスト・ウォーニングの2009作
1994年に1st、2000年に2ndを出し、その後は音沙汰のなかったこのバンドだが、
まだ生き残っていたとは驚きである。サウンドの方は、時代的な正統派ProgMetalで、
変拍子を使ったリズムに、美しいシンセとハイトーンのヴォーカルで聴かせるスタイル。
正直言って、今となっては古くさい音なのだが、かつてのイタリアン・ブログレメタル勢が、
まだこういう音楽をやり続けていたことが嬉しくもある。DREAM THEATER的な質感を基本にしつつ、
繊細に聴かせるメロディアスなパートなどには成長の跡が窺える。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 オールドProgMetal度・・9 総合・・7.5
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Drivhell「A Journey As A Life」
イタリアのプログレメタルバンド、ドリブヘルの2010年作
ツインギターならぬツインシンセを含む6人組で、適度なヘヴィさを保ったギターに
プログレ的な美しいシンセアレンジを重ねたサウンドは、聴き心地のよい重厚さと
ヴォーカルの伸びやかな歌声による爽快さがなかなかいい感じだ。
知的な構築力と、リズムアレンジや曲のつなぎなどのセンスも光っていて、
イタリア語による語りを挿入させるなど、アイデアの多さも作品としての深みにつながっている。
やわらかな音の感触はイタリア独特のもので、シンフォニックなハードプログレ的にも楽しめる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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Flashback of Anger「Splinters of Life」
イタリアのプログレメタルバンド、フラッシュバック・オブ・アンガーの2009年作
このバンドもきらびやかなシンセにドラマティックな楽曲で聴かせる、
なかなか質の高いサウンドをやっている。ツインギターにシンセを含む6人編成で、
とくにネオクラシカル的なシンセのプレイがときにギター以上に目立っているのが特徴的。
マイルドな歌声のヴォーカルもなかなか耳心地がよく、テクニカルさよりも
あくまでメロディアスさにこだわった作風といえる。ただ全体的に質は高いが、
その反面ややまとまりすぎというきらいもあるのだが、今後に期待できるバンドだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Odd Dimension「Symmetrical」
イタリアのプログレメタル、オド・ディメンションの2011年作
シンセを含む5人編成で、テクニカルな展開力と重厚さを含んだドラマ性で聴かせる。
シンセのアレンジなどはDREAM THEATERを思わせるセンスもあり、
軽妙なアンサンブルで巧みに構築する演奏力も備わっている。
曲はほとんど6分台で、ときなプログレパワー的なヘヴィさやクラシカルな美意識も含んで
最後まで飽きずに楽しめる。技術とセンスが融合された高品質なProgMetalアルバムだ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Ashent「Inheritance」
イタリアのプログレメタルバンド、アシェントの2012作
これが3作目で、カッチリとしたリズム面の硬質感と、美しいシンセアレンジが合わさった
モダンなミクスチャー感覚で聴かせるProgMetalサウンドは前作から同路線。
テクニカルなギターフレーズとともにメロディックな聴き心地も前作以上で、
イタリアらしい叙情性もなかなか魅力的だ。楽曲的にも4〜6分くらいで、複雑すぎないのが好印象。
Spheric Universe Experienceあたりにも通じるモダンなセンスを感じるプログレメタルの好作品。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 モダン度・・8 総合・・8

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*これぞイタリア系
イタリアらしい濃密さとテクニカルさ、ときに混沌とした味わいが魅力

GARDEN WALL「The Seduction of Madness」

イタリアのプログレメタル、ガーデンウォールの1996年作
いかにもイタリア的な混沌とした感触と、知的なプログレ感覚を
DREAM THEATER以後のプログレメタルに混ぜたというようなサウンドで、
同郷のEVIL WINGSELDRITCHなどにも通じる、ひねくれた構築センスが面白い。
楽曲は4〜6分台が中心で、そこまで複雑ではないのだが、ヘヴィさとアヴァンギャルドの同居した、
先の読めない唐突な展開や、シアトリカルなヴォーカル、プログレ的なシンセアレンジなど、
パーツごとのインパクトも強い。この濃密な迷宮感覚が楽しめる方には刺激的な作品となるだろう。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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EVIL WINGS 「Brightleaf」
プログレメタルバンド、イーブル・ウイングスの2nd。1996作
DREAM THEATERもどきの1stから脱却したこのアルバムは、独自の迷宮感覚を盛り込んだ展開が見事な名作。
とくに大曲における奇妙さ加減はもう絶品で、メロディアスなのに、ここまでひねくれ、気持ち悪く展開させる楽曲には
唖然とさせられる。高度な演奏技術を持つだけに、よけいその変態を説得力あるものにしているのだ。
どんどんわき道へそれてゆき、けっして元に戻らない曲構造は、まるで迷宮散策のよう。
ここまでくると下手なVoさえもが、演奏に集中させるためのギミックにすら思えてくる。
変拍子の海、イントロを思い出せなくなる曲展開、迷宮の奥底へ突き進む潔さ。
すべてが変態的で、逆を返せば常人には計り知れない天才的なセンスが炸裂している。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 イタリア度・・10 総合・・8.5

ELDRITCH 「EL NINO」
プログレメタルバンド、エルドリッチの3rd。1998作
すで中堅バンドであるから、音のほうはさすがに安定した演奏力を聴かせる。
イタリアお得意のプログレ的なシンセアレンジもじつによろしく、録音も良好。
相変わらずこのバンド独特の奇妙な展開とリズム、そしてメロディセンスは
聴いていてとても楽しい。音の重ね方には、サイケのような不思議な高揚感があり、
混沌としたサウンド構成に垣間見える、ジャケのような変態ぎみの異色さが魅力。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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ELDRITCH「Gaia's Legacy」
イタリアンメタルバンド、エルドリッチの2011年作
初期の頃の怪しげなProgMetal風味から一時期はずいぶんモダンな作風へと変化していたが、
今作では変則リズムたっぷりのかつてのテクニカルな作風に戻りつつあり、
きらびやかなシンセワークがいかにもプログレ的に楽曲を彩っている。
気持ち悪さが魅力でもあった独特のメロディラインと混沌とした雰囲気はまさにイタリア。
ツインギターによる適度なヘヴィさとともにドラマティックに聴かせる、これは久しぶりの快作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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ABSTRACTA 「T.R.I.P」
プログレメタルバンド、アブストラクタの1998作
メンバー全員がテクニシャンで、変拍子を多用した楽曲は、ほとんど7分以上という大作志向。
サウンドにはジャズ/フュージョン風の軽妙なアプローチもあり、
やわらかなヴォーカルパートと対照的に、インストパートには硬質な緊張感がある。
しっとりとしたピアノ/キーボードをバックにし、ときに技巧的なバトルを聴かせつつ、
全体的にはクールで展開力のある大人のプログレメタルという印象だ。
後にDGMに加入するヴォーカルもなかなかの実力者で、楽曲に彩りを添えている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 大人のセンス度・・9 総合・・7.5
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Fallin' Time
Point of No Return
プログレメタルバンド、フォーリン・タイムの1999作
シンセ入りで派手派手しく疾走しつつ、唐突でせわしない展開に
どこかシアトリカルな男女ヴォーカルがべっとりとした歌を乗せる。
イタリアらしい濃密なサウンドはときにオペラティックですらあり、
この混沌とした押しの強さを気持ち悪いと思わなければ、
むしろ変態的なプログレメタルとしてにやにやしながら楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・7.5
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DAEDALUS 「The Never Ending Illusion」
プログレメタルバンド、ダイダルスの2009作
ここのところ、イタリアにも少しずつ、またプログレメタルバンドが増えてきたようだ。
このバンドもシンセを含む5人組で、なかなかセンスのよいサウンドを聴かせる。
テクニカルなリズムと、メロディアスなギター、シンセとのバランスがよく、
歌メロはキャッチーでありながら、どことなくヒネくれたセンスを窺わせる部分は
かつてのELDRITCHEVIL WINGSあたりに通じるものがある。
このいかにもイタリア的な「陽性の混沌」ともいうべき奇妙な質感はとても好みだしイタリア語によるラスト曲もいい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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Azure AgonyBeyond Belief
イタリアのプログレメタル、アズーレ・アゴニーの2009年作
シンセを含む4人組で、シンフォニックでテクニカルなインストによるプログレメタル。
美しいシンセアレンジとともにイタリアらしいいくぶん唐突なアレンジも含みながら、
先の読めない展開がなかなか面白い。随所に爽やかなギターメロディや叙情的な切り返しも多く、
美しくも混沌とした聴き心地は、EVIL WINGSDaedalusなどにも通じるようなヘンテコさがある。
歌がないぶん曲の展開で勝負ということだろうが、良くも悪くもイタリア的な匂いを漂わせる作品だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 唐突度・・8 総合・・7.5
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*ハードプログレ/幻想ロマン系
テクニカルさよりもドラマティックな叙情美で聴かせます

BLACK JESTER 「Welcome to the Moonlight Circus」
プログレメタルバンド、ブラック・ジェスターの2nd。1994作
1992年に「Diary of a Blind Angel」でデビューしたときから、マイナー調のサウンドながら、
ジャケやアルバムタイトルなど、その幻想的なイメージがじつに素敵なバンドであった。
本作では、サウンドのダイナミズムがいくぶん増していて、そのやわらかで薄暗い情感と、
ロマンあふれる叙情美がより魅力をともなって聴けるようになった。美しいシンセを中心にした
どこかぼうっとした音作りからしても、ヨーロッパの暗がりをのぞくような感覚で耳に心地よい。
イタリアのプログレバンド、レ・オルメのカヴァーも実にハマっている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 幻想度・・9 総合・・8
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BLACK JESTER The Divine Comedy
プログレメタルバンド、ブラック・ジェスターの3rd。1997作
ダンテの「神曲」をテーマにしたコンセプト作で、3パートに分かれた71分の大作。
インストパートの比重が増えた分、ややこのバンドの魅力であった繊細な叙情が少し
分かりにくくなったが、ドラマティックな流れで壮大なストーリーを描くという意気込みは十分。
ProgMetalというよりも、幻想的なプログレとして聴く方がいいかもしれない。
歌の弱さは相変わらずなのだが、そこも含めてのマイナー感覚が許せるのなら聴く価値はある。
バンドは本作のあと、Moonlight Circusと名前を変えアルバムを発表している。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 幻想度・・9 総合・・7.5
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TIME MACHINE 「Eternity Ends」
イタリアのプログレメタルバンド、タイム・マシンの2nd。1998作
かなり昔に日本盤で聴いた1stはどうもパッとしない印象であったが、
このアルバムはなかなかいいですな。美しいシンセワークにマイルドなヴォーカルが歌い上げ、
メロディアスなフレーズを奏でるギターとともに、ゆったりと曲を構築する耳に優しいProgMetal。
派手な展開やテクニカルな緊張感はあまりないが、このイタリアらしい叙情性はなかなか魅力的で、
歌を含めて演奏のレベルも高く、安心して耳を傾けられる。サックスの音色もいい味を出している。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 イタリア度・・8 総合・・7.5
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TOP LEFT CORNER 「MYSTERY BOOK」
プログレハードバンド、トップ・レフト・コーナーの1994作
なにやら物語的なSEで幕を開け、曲が始まるとメロウなギターフレーズと
うっすらとしたシンセ、キャッチーなヴォーカルメロディでポンプロック的に聴かせる。
ややマイナー臭いがファンタジックな世界観と、シンフォニックロック的な叙情性が
なかなか耳に心地よく、爽やかなコーラスハーモニーとともにゆったりと楽しめる。
メタリックな硬質さはあまりなく、むしろプログレハード的に聴ける作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・6 キャッチー度・・8 総合・・7.5

[ STRADA(Ottavo Strada)「La Leggenda Della Grande Porta」
イタリアのハードプログレバンド、オッターヴァ・ストラーダの2008作
哀愁を漂わせるギターのフレーズに、クラシカルで美しいシンセ、
そしてイタリア語による情感たっぷりのヴォーカルで聴かせるサウンドで、
7〜11分という大曲を叙情的に、ドラマティックに構築してゆく。
音にはいくぶんプログレメタリックな質感もあり、そうしたモダンな感触は
若いリスナーにも対応していて、ハードプログレとして楽しむことができる。
イタリア語による濃密さが前に出ているので、少々耳疲れする部分もあるが、
ゆるやかな叙情パートを上手く配していて、楽曲にメリハリをつけている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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AURA「A Different View from the Same Side
プログレメタル、オーラの2008年作
ギター、ベース、ドラム、シンセという4人編成で、ヴォーカルはドラムが兼任。
やわらかみのあるメロディアスなProgMetaで、曲は9分台2曲に10分以上が2曲と大曲指向、
インスト部分ではプログレ的なシンセワークとともにシンフォニックな味わいがあるのが特徴。
メタリックな重厚さよりも、フュージョン的な軽やかさがあるので、プログレ側のリスナーにも楽しめる。
シンフォニツク度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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MINSTREL 「AHAB」
イタリアのシンフォニックロック、ミンストレルの2009年作
「エイハブ」というタイトルのように「白鯨」をテーマにしたコンセプト作で、
イタリア語によるオペラティックなヴォーカルと、けっこうメタリックなギターが合わさった濃密なサウンド。
以前にもゲーテの「ファウスト」をモチーフにした作品もやっていたり、こういうのがよほど好きなのだろう。
感情過多の歌声とダイナミックではあるがやや唐突な展開が、いくぶん白々しい感じもしてしまうのだが、
安っぽい舞台劇を見ている感じが面白いといえば面白い。ロマンに満ちたB級感を理解できる方ならけっこう楽しめるだろう。
泣きのギターメロディも随所に効いていて、シアトリカルなドラマ性で聴かせる濃密なハードシンフォニック作品だ。
ドラマティック度・・8 濃密度・・9 イタリア度・・8 総合・・7.5
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RossometileTerrenica
イタリアの女性Vo(プログレ)メタルバンド、ロッソメティレの2009年作
憂いを含んだ女性ヴォーカルの歌声に、シンセを含んだシンフォニックなアレンジ、
適度にメタリックなギターはヘヴィすぎず、ゴシックメタル的なプログレという雰囲気もある。
メランコリックな叙情性とイタリア語の歌唱が良い感じでマッチしていてとても聴き心地がいい。
メロウなフレーズを奏でるギターのセンスも相当なもので、演奏にローカルなマイナー臭さはまったくない。
プログレとメタル、ゴシックの境目をゆくような作風がなかなか絶妙で、今後が楽しみな逸材だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Profusion 「Rewotower」
イタリアのハードプログレ、プロフュージョンの2012年作
シンセを含む5人編成で、適度なヘヴィさと軽妙なテクニカルさにキャッチーなメロディを含んだ、ハードプログレサウンド。
いかにもプログレ的なシンセワークとともにセンスのよいアレンジで
SPOCK'S BEARDIT BITESあたりにも通じる聴き心地がある。
ヴォーカルの繊細な歌声に、ピアノの音色など、叙情的な美しさも随所に光っている。
ジャケは地味ながら、メロディのセンスに溢れた高品質な作品です。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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*プログレパワー系
展開美を取り入れたメロディックメタルで、ドラマティックに聴かせます

DGM 「DREAMLAND」
プログレメタルバンド、ディー・ジー・エムの3rd。2001作
前作まではイタリア版ストラトヴァリウスという感じだったが、今作では
持ち前のプログレッシブ感覚を発揮させ、非常に作りこまれた高密度の作品となった。
ギター、キーボードのバランスが素晴らしく元ABSTRACTAのVoも見事な歌唱を聴かせる。
インストパートではプログレ感覚溢れる変拍子を取り入れており、
メロディアス疾走メタルとしても、高品質なプログレメタルとしても一級品。
私のようなセンス重視のプログレメタル好きにとってはまぎれもなく「傑作」の名に値する。
メロディアス度・・9 疾走度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8.5
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DGM 「MISPLACED」
プログレメタルバンドDGMの5th。2004作
前作「HIDDEN PLACE」ではプログレメタルの硬質感を押し出したが、
続くこのアルバムでは、楽曲がよりメロディックに聴きやすくなっている。
もちろんセンスあるアレンジは健在で、疾走しながらもリズムが3拍子になったり、
きらびやかなキーボードの音色などにはプログレッシブなマインドがたっぷり。
キャッチーな歌メロで疾走する部分は普通のメロディックメタルとして聴け、
またプログレメタルとしても楽しめるという、両方の感覚で聴ける作品。
日本盤ボーナスには北斗の拳の「愛を取り戻せ」を収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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VISION DIVINE 「25th Hour
メロパワバンド、ヴィジョン・ディヴァインの2007作
現Voのミケーケ・ルッピとなって3作目となる今作は、
全体的に気負いのないバンドとしての円熟が音に感じられるようになった。
メロパワというよりも、むしろプログレメタリックな知的なアレンジが耳を引き、
そこに乗るミケーレのヴォーカルは、堂々としたじつに見事なもので、
ボーナストラックの“Another Day”を聴いてもジェイムス・ラブリエに遜色ない実力がある。
同郷のLABYRINTHとは双頭バンドと見られてきたが、完成度の点ではここにきてついに
本家を凌駕したかという印象もある。もはや疾走メロパワではなくなったが、充実のクオリティだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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VISION DIVINE 「9 Degrees West Of The Moon」
イタリアンメタルバンド、ヴィジョン・ディヴァインの2009作
本作ではRHAPSODYのファビオ・リオーネがバンドに復帰、
前作からの流れであるプログレメタル的な展開美を随所に覗かせながら、
ドラマティックに聴かせてくれる。シンフォニックメタル的な華麗な壮大さと
ファビオの歌声によるエピックな説得力が、サウンドの魅力をより高めており、
RHAPSODYの荘厳さにANGRAのテクニカルさを併せたような見事な内容だ。
ときおりプログレ的なシンセワークを取り入れたり、疾走に頼らない知的なアレンジといい、
オラフ・トーセンの才能と、バンドとしての新たな意気込みが感じられる傑作である。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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CONCEPT 「THE DIVINE CAGE」
メロディックメタルバンド、コンセプトの2nd。2005作
1stはきらきらとしたキーボードが美しい、やわらかみのあるサウンドだったが、
この2ndもその延長線上のサウンド。少々ヘナなVoときらきらキーボードを乗せて疾走、
前作にも見られたプログレ的なアプローチも健在で、ときおり聴かせるリズムの遊びや
緩急をつけた曲展開、女性Voの導入などは、楽曲にメリハリを付加している。
やわらかみのある…つまり力強くないメロスピがOKならば、楽しめるはず。
軟弱系シンフォメタル、クサいメロスピ、プログレ風味あり…と書いて興味のある方は聴くべし。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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HYPERION 「WHERE STONE IS UNSCARRED」
イタリアンメタルバンド、ハイペリオンの1999作
キース・パーキンソンによる美しいジャケにまず目を惹かれるが、
サウンドの方も、のっけから壮大な合唱曲で始まり、思わず引きつけられる。
その後も練られたアレンジのメロディアスかつ高密度の楽曲でたたみかけ、
シンセを含めた音の厚みもばっちりで、展開の多さはプログレメタル的でもある。
全体的にも質が高く、録音も良好で、聴いて損のない作品だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
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DESDEMONA 「LOOK FOR YOURSELF」
メロディックメタルバンド、デスデモナの2nd。2004作
前作「LADY OF THE LORE」はやや定型タイプのシンフォニックメタルだったが、
続くこの2ndは、楽曲、演奏力共によりクオリティが上がっている。
疾走度はやや抑えめに、前作にあったプログレメタル的な部分をより打ち出してきて
メロディアスかつドラマテイックなサウンドを聴かせてくれる。
実力のあるVoの歌唱が音に説得力を加えており、その辺のB級バンドとは力強さが違う。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・7.5
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ASTRAFrom Within
イタリアのプログレメタルバンド、アストラの2009年作
DGMともメンバーの関わりの深いバンドらしいが、こちらはもっとモダンなアレンジで
適度な疾走感をともないながら、重厚で奥行きのあるサウンドを聴かせる。
テクニックのあるギターは、ヘヴィさとともにときにメタルらしからぬ軽やかなフレーズを奏で、
楽曲の場面によってバッキングとメロディを弾き分けるシンセのセンスもなかなかのもの。
ヴォーカルの歌声とコーラスにはキャッチーな聴き心地があり、テクニカルさとともに
しっかりと楽曲に彩りを加えている。強烈なインパクトはないが質の高い作品だと思う。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス度・・8 総合・・8
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*ライブアルバムもぜひ
イタリアンメタルのライブ作はなかなかレアものなのです

EVIL WINGS 「SHINE IN THE NEVERENDING SPACE」
プログレメタルバンド、イーヴル・ウイングスのライブアルバム。2003作
DREAM THEATER系でありながら変態系テクニカルメタルとしても語るべきこのバンド。
本ライブでも、ギター兼Voの歌唱はともかくとして、やはりその演奏力は抜群。
KEY入りのメロディアスProgMetalでありながら、高速フレージングや無茶なキメを曲に強引に組み入れ、
崩壊寸前の楽曲構造を、その変態的な感覚で強引に組み上げるセンスは本当に圧巻だ。
DVDの映像では演奏の合間に時折挿入される、意味不明なイラストが妙なサイケ色をかもしだしており、
その意味のなさに呆れる。中央に立っているマントのおねえさんは、コーラスなのだろうがほとんど歌わない。
それでよいのがこのバンド。まさに最高の奇妙的プログレメタル。必聴、必見である。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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ELDRITCHLivequake
イタリアンメタルバンド、エルドリッチのライブアルバム。2009作
イタリアのバンドとしてはベテランの部類で、初期はセンスのあるプログレメタルをやっていたが、
4th以降はヘヴィ路線に変化し興味が薄れていた。本作はCD2枚+DVDという豪華なライブ作品だ。
演奏はさすがに活動15年のベテランらしく、ややクセのあるヴォーカルは好みを分けるものの、
安定したアンサンブルを聴かせる。Disc1は近年のアルバムからの曲が中心で、
ProgMetalというよりはモダンでシンプルなものが多く、正直あまり魅力は感じないのだが、
Disc2では1st〜3rdまでの曲を演奏してくれ、こちらはシンセ入りのプログレ的な展開美が楽しめる。
DVDにはDisc1、2の全曲と、ツアードキュメンタリー、インタビュー、ビデオクリップなどを収録。
メロディアス度・・7 テクニカル演奏・・7 やはりDisc2度・・9 総合・・7.5
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*イタリアンメタル特集
*CDレビュー・プログレメタル
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