プログレ・オムニバスアルバム特集
■MUSEAレーベル系
ODYSSEY “THE GREATEST TALE”
ホメロスの古典作「オデュッセイア」をコンセプトにした、フィンランドの雑誌企画のオムニバス。
全9バンド、CD3枚組みとなる一大シンフォニック大会である。参加バンドは以下の通り
NATHAN MAHL(CANADA)、NEXUS (ARGENTINA)、GLASS HAMMER (USA)、XII ALFONSO(FRANCE)、
SIMON SAYS(SWEDEN)、C.A.P.(ITALY)、TEMPANO(VENEZUELA)、MINIMUM VITAL(FRANCE)、AETHER(BRASIL)
それぞれのバンドが20分以上という大曲を書き下ろし、メロトロン、ハモンド、ムーグ等を駆使した古典的シンフォサウンドを奏でる。
弾きまくりELPスタイルのネイサン・マール、ドラマティックなネクサス、女性ヴォーカルを乗せたYES的構築美のグラス・ハマー、
たおやかでセンスのよいドゥーゾ・アルフォンソ、キャッチーなサイモン・セッズ、イタリアンらしい叙情のCAP、
南米らしいメロを聴かせるテンパノ、たおやかなピアノが美しいエーテル、バランスのとれたミニマム・ヴァイタル、
それぞれにバンドのカラーを上手く出していて、この手の企画ものとしては成功した作品だろう。
CD3枚、全220分…という超大なボリュームで、まさに“シンフォニックお腹一杯”!!
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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INFERNO“Dante's Divine Comedy-PART1”
MUSEAレーベル主催の企画アルバム、2008年作
ダンテの「神曲」をテーマにしたCD4枚組の作品で、参加アーティストは…Nuova Era、Yesterdays、Little Tragedies、Nemo、Nexus、
Trion + Flamborough Head、Willowglass、Brighteye Brison、Ars Nova、Il Castello
Di Atlante、Groovector、CAP、Viima、Entrance、
Advent、Tempano、Nathan Mahl、Simon Says、他というマニアックなメンツ。濃密なシンフォニックロックが4時間以上にわたって繰り広げられる。
Disc1では、女性ヴォーカルが美しいハンガリーのイエスタデイズや、ロシアのリトル・トラジディーズのコテコテの濃密シンフォニック曲、
男女Voが美しいイタリアのグリーンウォールあたりが印象に残った。Disc2では、メロトロン鳴り響くイギリスのウィローグラスの美しさ、
そして日本のアルス・ノヴァの壮麗かつ耽美な大曲はじつに見事。Disc3ではイタリアのベテランCAPや北欧のシンカドゥスってまだいたのね。
Disc4ではヴェネズエラのRaimundo Rodulfoがクラシカルでとても良い。どのバンドもシリアスでドラマティックな作風がお腹一杯楽しめる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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DANTE'S PURGATORIO: THE DIVINE COMEDY PART II
MUSEAレーベル主催のオムニバス。ダンテの「神曲」をテーマにした壮大なプロジェクトの2作目。2009年作
SIMONS SAYS、GROOVECTOR、Mist Seasonといった北欧勢から、NUOVA ERA、MAD CRAYONなどのイタリア勢、
NEMO、FLAMBOROUGH HEAD、LITTLE TRAGEDIES、Yesterdaysといったヨーロピアンシンフォの中堅どころに加え、
NEXUS、Entlance、EQUILIBRO VITAL、JINETES NEGROSも、Raimundo Rodulfoなどの南米のバンドまで多数が参加。
CD4枚組で、それぞれのバンドがドラマにそった流れで楽曲を綴ってゆく。オルガンやムーグシンセにメロトロンと、
どのバンドも王道のシンフォニックロックスタイルでよい感じだなのだが、さすがに4CDで4時間超は聴くのが大変。
1作目に比べても、全体的にやや魅力的なナンバーが少ないような気もするが、ロシアのLITTLE TRAGEDIESや
チリのENTLANCE、オランダのFLAMBOROUGH HEADあたりはさすがのコテコテシンフォまくりでよいですな。
それと、アメリカのMaxwell's Demonがこの中では異色のアヴァン・プログレで面白かった。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・7.5
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PARADISO: THE DIVINE COMEDY PART III
MUSEAレーベル主催のオムニバス。ダンテの「神曲」をテーマにした壮大なプロジェクトの3作目。2010年作
本作は、イタリアのピアニストMarco Lo Muscioの繊細なピアノによるイントロで幕を開け、続くLITTLE TRAGEDIESが
クラシカルなキーボードプログレでたたみかける。NUOVA ERA、GREENWALL、DAALといったイタリア勢をはじめ、
BRIGHTEYE BRISON、GROOVECTOR、SIMON SAYS、MIST SEASONなどの北欧勢、FLAMBOROUGH HEAD、
NEMO、YESTERDAYS、KOTEBELというヨーロッパ勢に、NEXUS、ECHOES、Jaime Rosas、JINETES NEGROS、
Raimundo Rodulfoという南米勢を加えた、ラスト作にふさわしい濃密なメンツが集結。CD4枚合計260分の内容だ。
個人的には、美しい女性ヴォーカルの叙情が素敵なGreenWall、メロウな泣きのギターで聴かせるNEXUS、
キャッチーな抜けの良さのSIMON SAYS、涼やかで繊細な叙情のMist Season、これぞシンフォニックというLady Lakeなど、
最終章にふさわしい充実の内容でした。1作目からCD12枚、これを一気に聴いたら相当な満腹感でしょうな。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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Treasure Island
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの冒険小説「宝島」をテーマにしたMUSEAレーベルのオムニバス。2005年作
アルゼンチンのNEXUS、フィンランドのVelvet Desperados、イタリアのFLOATING
STATEといった、
マニアックな3バンドが参加、「宝島」をテーマにした、それぞれが20分以上の組曲を披露。
ヴェルベット・デスペラトスは、オルガンを含んだシンセとメロディックなギターにサックス、
マイルドなヴォーカルで聴かせるやわらかなサウンド。適度なヴィンテージ感もまたよろしい。
フローティング・ステートは、イタリアのマイナー系らしいどこかヒネくれた怪しさと
オルガンやサックスが鳴り響く軽妙な展開で聴かせる、いかにもなプログレ曲。
ネクサスは、もうさすが…シンセ鳴りまくり、ギター泣きまくりの濃密シンフォニックで、
じつにコテコテな作りがら、これが素晴らしい出来。これを聴けただけで価値があるCDです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 濃密度・・8 総合・・7.5
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The 7 Samurai “The Ultimate Epic”
「七人の侍」をテーマにしたオムニバス。2005年作
イタリアのCAP、TAPROBAN、ヴェネズエラのTEMPANOの3バンドによるそれぞれ25分を超える大曲を収録。
CAPは、フルートが鳴り響くアコースティカルな叙情とイタリア語のヴォーカル、ドラムとギターが加わると、
まんまイタリアン・ハードプログレの雰囲気で、オルガンやメロトロンも入ってどこを切っても美味しいサウンド。
TEMPANOは、泣きのギターに美しいシンセとヴァイオリンが絡む王道のシンフォニックロックサウンドから、
後半にはアヴァンギャルドなパートも含んだ起伏に富んだ展開を聴かせる。
歌詞が英語なので南米的な臭みはあまり感じさせないが、もう少し明快なメロディが欲しいか。
TAPROBANは、オルガンを含んだヴィンテージな感触のプログレで、インストパートをメインにしつつ、
イタリア語のヴォーカルが入ると、マイナー系シンフォバンドの感触になる。もったいつけた長尺感がやや惜しい。
全体的にはCAPの27分の組曲が抜きん出ている。サムライうんぬんを別にしても素晴らしく出来がよい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 サムライ?度・・6 総合・・7.5
The COLOSSUS OF RHODES “The Seventh Progressive Rock Wonder”
MUSEAレーベル主催、イタリア映画「ロード島の要塞」をテーマにしたオムニバス。2005年作
イタリアから、LEVIATHAN、GREENWALL、MAD CRAYON、REVELATION、スウェーデンから、SINKADUS、
VELVET DESPERADOSといったバンドが参加し、それぞれ25分前後の大曲をCD2枚に収録。
LEVIATHANは、やわらかなフルートの音色に、ムーグを含むきらびやかなシンセが鳴り響き、イタリア語のヴォーカルを乗せた
キャッチーなシンフォニックロック。GREENWALLは、ストリングスを含むクラシカルなアレンジにオルガンなどのシンセと、
女性ヴォーカルの歌声が加わった、優雅で軽妙な聴き心地で、コテコテなプログレでない感じがむしろ新鮮だ。
SINKADUSは、メロトロン鳴り響きメロウなギターを乗せた、いかにも北欧らしい叙情性にうっとり。
MAD CRAYONもメロトロン入りで、アコースティカルなパートも含むメリハリのある構築力が見事。
VELVET DESPERADOSは、オルガンやムーグシンセのレトロな感触に、サックスやトランペットなど、ホーンセクションを加えた、
ジャズロック風味の大人のプログレが楽しめる。REVELATIONは、Genesisタイプのサウンドで、歌詞も英語なのでイタリア色は薄いが、
優美なメロディアス性と繊細な聴き心地で29分を超える大曲を描いている。映画を知らずとも、ドラマティックなプログレが楽しめるオムニバスである。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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Spaghetti Epic 「Six Modern Prog Band for Six '70 Prog Suites」
MUSEAレーベルによるオムニバス、イタリアの西部劇「続・夕日のガンマン」をテーマにした作品。2004年作
HAIKARA、RANDONE、TILION、La Voce Del Vento、TAPROBAN、TRIONという6バンドが参加、
ハイカラとトリオン以外はイタリアのバンドで、それぞれ20分を超える大曲を持ち寄り、全6曲を2CDに収録。
HAIKARAは、女性ヴォーカルの歌声に牧歌的なアコーディオンが鳴り響き、北欧らしい涼やかな叙情で
大人の哀愁を感じさせるサウンド。RANDONEはやわらかなオルガンにムーグシンセが鳴り響き、
メロウな叙情ギターを乗せ、ときに女性ヴォーカルの歌声も加わった、古き良きプログレの感触が楽しめる。
TILIONはイルバレを思わせるイタリアらしい混沌とした世界観とともに、スリリングな展開で濃密に聴かせる。
La Voce Del Ventoは、オルガンのも色にアコースティックな叙情も含んだ大人の味わいのプログレサウンド。
TAPROBANは、イタリアらしいキーボードプログレにやわらかな叙情の歌ものパートも含んだ構築センスが光る。
TRIONはオルガンにメロトロン、ムーグシンセを鳴り響かせる、インストの叙情シンフォニックロックサウンド。
どのバンドも持ち味を発揮したドラマティックな大曲で、マカロニウエスタンを知らずとも楽しめる濃密なオムニバスに仕上がっている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ほぼイタリア度・・8 総合・・8
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The SPAGHETTI EPIC 2「The Good, the Bad and the Ugly」
MUSEAレーベルによるオムニバスで、イタリアの西部劇「続・夕日のガンマン」をテーマにした作品。2007年作
イタリアのRANDONE、TILION、イギリスのLA VOCE DEL VENTOの3バンドが、それぞれ25分前後の大曲で参加。
RANDONEは、やわらかなオルガンにメロトロン、メロウなギターにサックスなどが加わり、イタリア語の歌声とともに
叙情豊かなサウンドを聴かせる。LA VOCE DEL VENTOは、Guy ManningとAndy Tillison(The Tangent)によるユニットで、
ムーグシンセにオルガンを響かせながら、軽妙で優雅なアンサンブルを描くところはやはり英国らしい。
TILIONはメロトロンが妖しく鳴り響き、いくぶんダークなミステリアス性と、テクニカルな展開力で構築される、
叙情性とエキセントリックなセンスが合わさった濃密なプログレが楽しめる。マカロニウエスタンとプログレという、
なんの脈絡もない発想と強引さが、いかにもイタリアらしいオムニバス。75分間、プログレ好きなら普通に楽しめます。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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The Spaghetti Epic 3 “The Great Silence”
MUSEAレーベル主催のオムニバスアルバム。2008年作
イタリアの西部劇をテーマにしたシリーズの3作目で、参加しているのは、ロシアのLittle Tragedies、
ハンガリーのYesterdaysとイタリアのN.O.Tの3バンドが、それぞれ20分におよぶ大曲を披露している。
リトトラは西部劇だろうとなんだろうと、濃密かつコテコテのシンフォニックまくりでとてもよろしい。笑
イエスタデイズはここでは男ヴォーカルの編成で、メロトロンやフルートなどのレトロなプログレ感覚とともに、
ゆったりとゆるやかな情緒を聴かせてくれる。N.O.Tは初めて聴いたが、ELP的なシンセワークに
メロディアスなギターを乗せた軽快な作風がなかなか聴きやすい。この手のVAの中ではいい作品であると思う。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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ILIAD 「Grand Piano Extravaganza」
MUSEAレーベル主催、ホメロスの叙事詩「イーリアス」をテーマに、各国の鍵盤奏者によるグランドピアノの独奏を集めた作品。
LA TORRE DELL'ALCHIMISTA、Marco Lo Muscio、Guy Le Blanc(NATHAN MAHL)、INNER
DRIVE、
JINETES NEGROS、SIMON SAYS、SENOGUL、LADY LAKE、WICKED MINDS他、ソロプレイヤーを含む
シプログレバンドのシンセ奏者が集結。それぞれが3〜6分前後のピアノ曲を披露してゆく。
なにせピアノだけなので、ロック色はほぼ皆無なのだが、そこはプログレ系のアーティストたち、
ピアノのみであっても変則リズムを含んだ展開力と優雅なメロディセンスで、これがなかなか楽しめる。
単なるクラシック的なものではない、表情豊かな楽曲が叙事詩的なドラマ性をともなって連なってゆく。
のんびりとお茶でもしながら、各奏者の奏でるピアノの音色を優雅に鑑賞したい作品です。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 ピアノ度・・10 総合・・7.5
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Rokstenen-Tribute to Swedish Progressive Rock
Museaレーベル主催による70年代北欧プログレッシブロックのトリビュート作。2009年作
参加バンドはBEARDFISH、Simon Says、In The Labyrinthといった北欧のバンドから、
Willowglass、Echoes、Jinetes Negrosなど世界各国のシンフォニック系バンドが多数。
KAIPAをはじめ、DICE、Samla Mammas Manna、Trettioariga Kriget、Bo Hansson、Ragnarok、
さらには、Atlas、Blakulla、Ralph Lundsten、Novemberといったあたりまでをカヴァーしている。
原曲を知っていればより楽しめるだろうが、知らなくても北欧バンド特有のメロウな叙情と
いくぶんの野暮ったさを含んだ楽曲たちはなかなか味わい深く、聴き終える頃にはきっと
北欧プログレに興味を持つに違いない。個人的にはやはりKAIPAとDICEの曲が思い入れ深い。
DICEの「黙示録の四人の御遣い達」を4つのバンドが、それぞれ曲を再現しているのも嬉しい。
メロディアス度・・8 北欧度・・9 マニアック度・・9 総合・・8
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■COLOSSUS系
GIALLO! “One Suite for the Murderer”
フィンランドのファンジン「COLOSSUS」による企画アルバム。2008年作
ダリオ・アルジェント監督の1975年の映画「PROFONDO ROSSO(DEEP RED)」をコンセプトにしたコンピ作品。
TILIONのシンセ奏者Alfio Costaを中心にしたユニット、DARK SESSIONをはじめ、LEVIATHAN、FLOATING STATEと
イタリア系のバンドが参加している。イントロとアウトロにアルフィオ・コスタによるシンセ小曲を配置し、
それぞれのバンドは20分を超える大曲を演奏。DARK SESSIONは、オルガンやメロトロンなどのシンセとともに
バレット・ディ・ブロンゾなどを思わせる、ミステリアスな空気感に包まれた濃密なプログレ大曲を聴かせる。
LEVIATHANは、ムーグやオルガンなどのシンセにメロウなギター、女性ヴォーカルの歌声も加わる優雅な耳心地。
FLOATING STATEは、イタリア語のマイルドなヴォーカルとやわらかなシンセによる叙情性と妖しい薄暗さを含んだサウンド。
どれもプログレらしい展開が楽しめ、この手のコンピものにしては、イタリアらしさという統一感があるのもよいですね。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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Decameron - Ten Days in 100 Novellas - Part II
フィンランドのプログレファンジン「COLOSSUS」による企画プロジェクト。ボッカチオの「デカメロン」をテーマにした2作目。2014年作
EnglandのRobert Webb、Willowglass、Karda Estra、イタリアからTHE ROME PRO(G)JECT、CAMELIAS
GARDEN、NARROW PASS、
スペインのSENOGUL、オランダのTRION、北欧からTHE SAMRAI OF PROG、Rhy Marsh、D'ACCORD、オーストラリアのUNITOPIA、
カナダのTHE REBEL WHEEL、南米からは、NEXUS、Jinetes Negros、Jaime Rosasなどが参加したCD4枚組。
Disc1では、オルガンにフルート、メロウなギターにメロトロンが鳴り響く、ヴィンテージなシンフォプログレを聴かせるWILLOWGLASS、
Disc2は、やわらかなピアノにフルート、ヴァイオリンも美しい優雅なArs Ephemera、コテコテシンフォのTHE ROME PRO(G)JECT
テクニカルプログレのKing of Agogikあたりも楽しめた。Disc3では、軽妙なセンスのSenogul、優美なCAMELIAS GARDEN、
Narrow Pass、キャッチーなLa Bocca Della Verita、オルガンにイタリア語のジェントルな歌声で哀愁の叙情を描くFaveravola、
Disc4では、20分を超えるドラマティックな大曲のUnitopia、優雅な屈折感のTHE REBEL WHEEL、ラストのRobert Webbは、
女性ヴォーカルが美しい。CD4枚、合計270分におよぶ、ロマン派プログレ祭りでお腹いっぱい、饗宴はさらにPart IIIへと続くのであった。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優美度・・9 総合・・8
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DECAMERON: TEN DAYS IN 100 NOVELLAS Part III
フィンランドのプログレファンジン「COLOSSUS」による企画プロジェクト。ボッカチオの「デカメロン」をテーマにした3作目。2016年作
イギリスからは、元ENGLANDの Robert Webb、WILLOWGLASS、イタリアからはLATTE E MIELE、IL TEMPIO
DELLE CLESSIDRE、
TAPROBAN、 IL CASTELLO DI ATLANTE、オランダのTRION、北欧のAGENESIS、D'ACCORD、アメリカのCIRRUS
BAY、CASTLE CANYON、
オーストラリアのUPF、南米のNEXUS、JINETES NEGROS、日本からはINTERPOSE+、STELLA LEE JONES、と世界各国のバンドが参加。
それぞれが優美なプログレらしさに包まれたシンフォニックロックを展開する。Disc1では、トリオンやウィローグラスのやわらかな叙情美に、
ヴァイオリンが鳴り響く、ステラ・リー・ジョーンズも白眉。Disc2では、オルガン鳴り響く古き良きプログレ感触のラッテ・エ・ミエーレ、
女性ヴォーカルの日本語歌詞を乗せた、どこかなつかしい情感のインターポーズ、Disc3では、カナダのREBEL WHEELのクールな構築センスや、
ダッコルドのヴィンテージな雰囲気や、イタリアのPHOENIX AGAINのメロウな叙情性、Disc4では、しっとりと優雅なCIRRUS BAYもよろしいですな。
デカメロンについてはよく知らなくても、CD4枚、合計280分に及ぶ、濃密かつ優雅なシンフォプログレが味わえます。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・8 総合・・7.5
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■その他
PROGFEST '94
アメリカで行われたプログレライブイベント、プログフェスト1994の1995年作
参加バンドは、フランスのHALLOWEEN、MINIMUM VITAL、北欧からはANGLAGARD、ANEKDOTEN、
アメリカのKALABAN、ECHOLYN、EPISODE、さらにはオーストラリアSEBASTIAN HARDIEが復活、
当時はインターネットも普及しておらず、現在系で活動する世界のプログレバンドのライブは大変貴重で、
VHSで発売された本ライブの映像を大変興味深く見た覚えがある。とくにアングラガルドのライブが見られるとは、
夢のような話であったのだ。2CDとはいえ、各バンド1〜3曲程度の収録で物足りなさもあるのだが、
女性ヴォーカルの歌声にヴァイオリンの音色も美しいHALLOWEENや、初期GENESISを完コピするGIRAFFE、
セバスチャン・ハーディの復活ライブも感動もの。思えば90年代のこうしたバンドの地道な活動が、
現在へとつながるという意味では、大変意義深いイベントであったのだと思う。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 参加バン度・・8 総合・・8
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PROGFEST '95
アメリカで行われたプログレライブイベント、プログフェスト1995の1996年作
参加アーティストは日本のARSNOVAをはじめ、LANDBERK、DEUS EX MACHINA、WHITE WILLOW、
SPOCK'S BEARD、SOLARISという、なかなか豪華かつマニアックな顔ぶれをCD2枚に収録。
日本のアルスノヴァは女性トリオ時代の編成で、美麗なシンセを主体にした濃密なインストプログレ。
スウェーデンのランドベルクは貴重なライブ音源だろう。メロトロン鳴り響くしっとりとした北欧サウンド。
イタリアのデウス・エクス・マキーナはテクニカルな展開力とイタリア的な混沌とした気配が魅力。
ノルウェーのホワイト・ウイローは美しい女性ヴォーカルで聴かせる幻想的なシンフォニックロック。
アメリカのスポックス・ビアードはNEAL MORSEの在籍時のキャッチーな大曲を披露。
ハンガリーのソラリスは弾きまくりのシンセとフルートが絡む。コテコテのシンフォニックサウンド。
どのバンドの演奏も総じて質が高く、この手のオムニバス作品としては内容の濃いものとなっている。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 濃密度・・8 総合・・7.5
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PROGFEST'97
アメリカのプログレライブイベント、プログフェスト1997の2枚組CD。
参加バンドは、THE JHON WETTON BAND、LE ORME、ARENA、THE FLOWER KINGS、
SPOCK'S BEARD、BIG ELF、SINKADUSというなかなかマニアックな計7バンド。
ジョン・ウェットンバンドは、UKやKING CRIMSONの名曲「STARLESS」などを演奏。
イタリアのレ・オルメは彼らの70年代の名作「FELONA & SORONA」の組曲等を、
イギリスからは現在活躍中のアリーナがさすがの重厚な演奏を聞かせてくれる。
ビッグ ・エルフはメロトロンを多用したメロディアスな70年代風ハードロック。
スウェーデンのシンカドゥスはかつてのANGRAGALDにも通じる北欧的な静寂をもったバンド。
とりわけ素晴らしいのは、今や北欧シンフォの代名詞たるTHE FLOWER KINGSとSPOCK'S
BEARDで、
フラワー・キングスは雄大でメロウな大曲を、懐古主義に陥らずにセンスよくこなしているし、
スポックス・ビアードはこの手のバンドにしては非常にキャッチーかつ軽快な演奏が耳を引く。
全体としては決してマニアックになりすぎない、実力者の揃ったレベルの高い内容ある。
シンフォニック度・・8 参加バン度・・8 演奏・・8 総合・・7.5
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VA/Progday'98
アメリカで行われたプログレフェス、プログデイのステージを収録した2CD。1998年作
Crucible、Soundscape、Discipline、The Flower Kings、Alaska、A Piedi Nudi、Par
Lindh Projectが参加。、
Crucibleの20分におよぶ大曲はGENESISの「Supper's Ready」を思わせる優雅な叙情に包まれる。
Disciplineは、ピーター・ハミルのようなシアトリカルなヴォーカルとともに、18分の大曲をじっくりと構築する。
The Flower Kingsは、優美なシンセとメロウなギターとともに、20分におよぶ「Stardust WE Arre」を披露、
Alaskaはきらびやかなシンセを乗せた軽やかなアンサンブルで、スタイリッシュなプログレを聴かせる。
A Piedi Nudiは、ほどよくエキセントリックなセンスとイタリアらしい優美な叙情が同居した個性的なサウンド。
Par Lindh Projectは、オルガンなどのクラシカルなシンセにヴァイオリンが鳴り響き、女性ヴォーカルとともに
バロックなシンフォプログレを展開する。マイナー系バンドの演奏も含めて、貴重なライブ音源が楽しめる。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 出演バン度・・8 総合・・8
VA/ Rio Art Rock Featival '97
ブラジルのリオで行われたプログレライブイベントを収録した2CD。1999年作
Disc1に、Quaterna Requiem、Violeta de Outono、Par Lindh Projectを3〜4曲ずつ、
ボーナスのDisc2には、1996、1998年のライブから、Minimum Vital、Sagrado、
Solaris、Apocalypse、Tempus Fugit、Pendragonの音源を1曲ずつ収録。
美麗なシンセワークを中心に優雅なシンフォニックロックを聴かせる、Quaterna Requiem、
Violeta de Outonoは優雅なアンサンブルで、わりとユルめに聴き流せるのだが、
Par Lindh Projectが始まるや、そのバロックなクラシカル・シンフォっぷりに惹きつけられる。
パルさんのシンセはもちろん、今は亡きマグダレーナさんの歌声が聴ける貴重なライブ音源でもある。
Disc2では、Minimum Vitalの優雅なサウンドや、Solarisの硬質なキーボードシンフォっぷりも楽しめ、
ラストのPendragonは泣きの叙情ギターに浸れます。各国のシンフォプログレの魅力が詰まったライブ作品です。
シンフォプログ度・・8 ライブ演奏・・8 貴重度・・8 総合・・8
Schizoid Dimension - A Tribute to King Krimson
クレオパトラ・レーベル制作によるキング・クリムゾンのトリビュートアルバム。1997年作
参加しているバンドでプログレ方面で有名なのは、David Cross、Brand Xくらいのもので、あとはまったく無名。
当然ながら、ディヴィッド・クロスによる“Exiles”、ブランドXによる“Red”などは普通によい出来であるが、
Pressurehedによるスペースサイケ風の“21世紀の精神異常者”や、Astralasiaによる女性声入りテクノ風の“風に語りて”
Solid Spaceによる叙情的な“ポセイドンの目覚め”など、けっこう楽しめる。初期クリムゾンのファンなら聴いて損はないだろう。
演奏度・・8 再現度・・7 バンド知名度・・7 総合・・7.5
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RIVER OF CONSTANT CHANGE - A TRIBUTE TO GENESIS
イタリアMellowレコード主催のオムニバス、ジェネシスのトリビュート。1995年作
Moongarden、Finisterre、Men of Lake、Submarine Silence、The Ancient Veilといったイタリア勢から、
Final Conflict、Galahad、Legendなどイギリスのシンフォ系バンドなど、全27アーティストが参加、
Notturno Concertanteによる優美な「The Carpet Crawlers」や、Legendの女性ヴォーカルの「The Day The Light Went Out」、
Germinaleのオルガンを使ったオールドな味わいの「The Knife」、Dracmaによるスペインなまりの「The Light Dies Down On Broadway」
Seconds Outによるヴォーカルのガブリエル感も含めてほぼ完コピの「Watcher Of The Skies」あたりがなかなか面白かった。
全体的に、落ち着いた味わいのナンバーが多く、意外性はないがゆったりと楽しめるトリビュート作品です。
プログレ度・・7 叙情度・・8 アレンジ度・・7 総合・・7.5
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VA /Fanfare for the Pirates - Tribute to ELP
イタリアのMellow Records主催による、EL&Pのトリビュート作品。1998年作
TRAMA、Mary Newsletter、Zauber、Prowlers、Divaeなど、イタリア系バンドを中心に全28バンドが参加した、CD3枚組。
Works3による「タルカス」で幕を開け、シンセサウンドも含めてオリジナルの雰囲気をなかなか忠実に再現している。
Lukka & Friendsによるハードシンフォ風の「聖地エルサレム」、TRAMAによる女性ヴォーカルの「海賊」なども味があり、
Disc2、Lorienの「タルカス」は、途中に「エピタフ」も挿入するというマニア好みの出来。Matrix Mindによる、「悪の教典#9」は、
モダンなビート感に女性声を乗せた新鮮なアレンジで、 TRILOGYの「悪の教典#9」は、忠実なカヴァーでなかなかの出来だ。
Disc3では、Ken Taylorが「運命の三人の女神」にインスパイアされて「第四の女神」をチェンバーロック風のオリジナルで制作。
ストリングスやピアノによるTNRによるクラシカルな「セ・ラ・ヴィ」など、どのバンドからもELP愛が伝わってくる、濃密なトリビュート作品です。
カヴァー度・・8 アレンジ度・・8 ELP度・・9 総合・・8
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VA/Steppes Beyond The Colossus - Steve Hackett
イタリアMellow Records主催のスティーブ・ハケット、トリビュート作品。2014年作
CLARION、CONQUEROR、LEVIATHAN、NARROW PASS、PENSIERO NOMADEなど、
イタリアのバンドに加え、KARDA ESTRA、SPIRITS BURNINGなど、意外なアーティストも参加。
初期のソロ作「Voyage of the Acolyte」、「Please Don't Touch!」、「Spectral Morning」、「Defector」
あたりからの楽曲を中心に、2006、2009年作あたりの比較的新しいところも取り上げている。
女性ヴォーカルでしっとりと聴かせる、CONQUERORの優美なシンフォニックアレンジや、
KARDA ESTRAによるクラシカルなチェンバーロック風のカヴァーなどが魅力的ですね。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 優美度・・9 総合・・7.5
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A TRIBUTE TO CAMEL-HARBOUR OF JOY
イタリアのMELLOWレーベルによるキャメルトリビュートアルバム。
GLASS HAMMER、CAST、FINISTERRE、ZAUBER、CAP他、全20バンドが参加。
イタリアとアメリカのバンドが中心で、いわゆる有名どころはほとんどいない。もともとがメロディアスなだけに、
こうしたマイナー系のシンフォバンドがカヴァーしてもあまり違和感がないのがさすがCAMELといったところ。
耳を惹くテイクとしては、GLASS HAMMERによる“Air born”の美しさ、
FONYAによるシンフォニックなメドレーや、ZAUBERのたおやかなサウンド、
FINISTERREの“Nimrodel”はいかにもイタリアンシンフォ風な仕上がりがよいし、
GALAHADによる大曲“Lady Fantasy”やCAPの“Harbour of Tears”あたりもなかなか。
全体的には出来にバラつきがあるものの、CAMELへの愛情が感じられるトリビュートものだ。
メロディアス度・・8 キャメル愛度・・8 参加バン度・・7 総合・・7.5
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Signs of Life - A Tribute To Pink Floyd
Angularレコード主催のオムニバス、ピンク・フロイドのトリビュート。2000年作
参加バンドは、Sylvan、RPWL、Solar Projectといったドイツ勢から、イギリスのPendragonや、
カナダのMystery、さらにはTiamat、Vanising Point、Angel Dust…といったメタル系バンドも参加。
SYLVANやRPWLなどは、さすがにルーツというべきリスペクトとともに叙情的にカヴァーしていて素晴らしい。
同じくドイツのZIFFの男女ヴォーカルを乗せたシンフォニックな「Wish You Were Here」もなかなか魅力的だし、
Ground Crossの「Shine On You Crazy Diamond」や、Solar Projectの「Pigs」も、ダイナミックなプログレ感がよい。
PENDRAGONは安定のシンフォニック印で、一方では、Das Zeichenのゴシック風や、Vanising Pointのメロハー風、
TIAMATのヴィンテージロックなカヴァーや、女性ヴォーカルの妖しさが際立つ、Megaceのアレンジなども面白い
それぞれのバンドのカラーが現れた、プログレ、メタル両方から楽しめる個性的なトリビュート作品です。
プログレ度・・7 フロイ度・・8 アレンジ度・・8 総合・・8
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VA/Echoes Of Secrets: A Pink Floyd Tribute
イタリアMELLOWレコード主催の、ピンク・フロイド・トリビュート作品。2016年作
Karda Estra、Fabio Zuffanti、Luca Scherani、TNRなど、15のアーティストが参加。
Roz Vitalisによる、「Remember A Day」(『神秘』収録)はやわらかな女性ヴォーカルに、オルガン、フルートも美しい。
Karda Estraはバンド最初期のシングル曲「It Would Be so Nice」を取り上げていて、こちらも女性ヴォーカルに
アコースティックギターの優美な聴き心地。Acoustic Floydによる、ヴァイオリン鳴り響く「Welcome To The Machine」(『炎』収録)や
Fabio Zuffantiによる、しっとりとしたアレンジの「Chapter 24」(『夜明けの口笛吹き』収録)、Pavoni/Botti(Greenwall)による「Wish You Were Here」、
Luca Scheraniによる、初期のシングル曲「See Emily Play」はサイケなシンセアレンジが秀逸で、Lila Madrigaliによる「If」(「原子心母」)なども
キュートな女性ヴォーカルが良い味わいだ。どのアーティストも原曲の浮遊感などを尊重しつつ、独自のセンスをまぶした好カヴァーで楽しめる。
参加バン度・・7 カヴァー度・・8 フロイ度・・8 総合・・8
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A Tribute To Pink Floyd 「Still Wish You Were Here」2021年作
ピンク・フロイドの名作「炎」を多数のゲストが集って再現した作品で、ジェイムス・ラブリエ、ジェフテイト、トッド・ラングレン、
ロッド・アージェント、リック・ウェイクマン、スティーブ・ヒレッジ、ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ハケット、スティーヴ・スティーヴンス、
ビリー・シーン、トニー・レヴィン、パトリック・モラーツ、メル・コリンズ、エドガー・フローゼ、イアン・ペイス、という超豪華メンバーが集結。
1曲め「狂ったダイアモンド」からして、ハケットのギターにビリー・シーンのベース、イアン・ペイスのドラムにジェフ・ダウンズのシンセ、
メル・コリンズのサックスが鳴り響く、夢のメンバーによる演奏が素晴らしい。リック・エメットが歌う「あなたがここにいてほしい」も良い感じで、
ジョー・サトリアーニの哀愁あるギタープレイも見事。ラストはロッド・エージェンの渋い歌声と、スティーヴ・ヒレッジのギターが哀愁を漂わせる。
カヴァー度・8 フロイ度・8 豪華ゲスト度・9 総合・8
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King of the Witches BLACK WIDOW Tribute
英国伝説のプログレ・ドゥームバンド、ブラック・ウィドウのトリビュートアルバム。2000年作
まさしくこのバンドから生れたイタリアのBlack Widowレーベル主催のオムニバス。
参加バンドは、日本のARSNOVA、Euthering、Eternal Elysiumをはじめ、
イタリアのPresence、Death SS、Standarte他、マニアックなメンツが集結、
本家の黒魔術的な妖しさを強調した、おどろおどろしげな世界観で聴かせる。
ドラマティック度・・7 黒魔術度・・8 参加バンド・・7 総合・・7.5
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Progressivamente Story
SONYとProgressivamenteレーベルによる、イタリアンロックのオムニバス。2014年作
のっけから、レアーレ・アカデミア・ディ・ムジカの前身である、Fholksの貴重な音源でスタート、
オルガン鳴り響く牧歌的なイタリアンロックになごみつつ、BANCOとAREAのライブ音源でしゃきっと覚醒、
その後も、Il Balletto Di Bronzoのライブ音源や、Ezra Winstonの牧歌的な未発曲など、レアな音源を多数収録。
ダークアンビエントのHEXPEROSなどはやや異色だが、LPのみでしか聴けなかったSAINT JUST AGAINや
Devaeのライブ音源などもなかなか貴重だろう。70年代から現在にいたる、イタリアのプログレシーンの奥深さを
俯瞰できる全30曲を2CDにたっぷり収録。少しディープなイタリアンロックの世界を知りたいプログレ中級者や、
シングルやライブ音源までは追いかけられないという、不精なリスナーも満足させるコンピ作品です。
マニアック度・・9 貴重音源度・・9 イタリアンロックの歴史度・・9 総合・・8
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10 RECORDS 「Undercover」
10T RECORDS主催のプログレカヴァーアルバム。
FROM.UZ、LITTLE ATLAS、MAN OF FIRE、FROGG CAFE、EVERYTHING IN HEAVEN、
ELF PROJECT、THE REVEL WHEELといった通好みのアーティストが参加。
KING CRIMSON、Mahavishnu Orchestra、GENESIS、PINK FLOYD、Jethro Tullなど
プログレ系の大御所に加え、Led Zeppelin、JAPAN、Kraftwerk、Duran Duranといった
意外なところからもからも選曲されている。フロム・ウズの‘Starless and Bible Black’は
なかなかクールで格好よく、リトル・アトラスの‘限りなき戦い’はシンフォなアレンジで楽しめたり、
FROGG CAFEのマハヴィシュヌ・オーケストラはフリーキーな怪しさが面白い。
それぞれのバンドのカラーが表れた、少しマニアックなカヴァー作品。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 カヴァーセンス・・8 総合・・7.5
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Jap's Progre
YggrDrasill Production制作の日本のプログレバンドのコンピレーションCD。2008年作
MOONSTONE…NOVELAを思わせる、日本語歌詞による叙情で聴かせるハードプログレ。
月兎…ゆったりとした情緒と女性ヴォーカルで聴かせる、幻想的なシンフォサウンド。
護魔(GOMA)…モダン化したELPといった雰囲気でたたみかけるキーボードプログレ。
絶対無…強く日本を感じさせるスケールの大きなサウンド。男女Voの歌唱も個性的。
OuterLimits…ヴァイオリン入りのクラシカルシンフォニックが炸裂。日本を代表するバンド。
水鏡…女性ヴォーカルで聴かせる和風テイストのしっとりシンフォニックサウンド。
Seraphita…壮麗なシンセとギターでドラマティックに聴かせるNOVELAタイプのハードシンフォ。
Qui…フルートの音色を乗せて軽やかなリズムでたたみかけるジャズロックサウンド。
Seilane…濃厚なヴォーカルとともに、ロマンティックに聴かせる正統派ハードシンフォニック。
GERARD…日本が誇る最強キーボードプログレバンド。抜群のテクニックはまさに世界レベル。
全10バンド、プログレ初心者にも聴きやすいメロディアスなサウンドが楽しめます。
日本プログレの復興のためにも、多くの人にこうしたバンドたちへの興味を持って欲しいと願います。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 個性度・・8 ガンバレJap'sプログレ度・・10
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