氷川のろっくん娘は、メタルの無い世界でツーバスを踏む 1


 いつもの街、いつもの景色……
 いつものメンバー。
 なのに、
 ちがう
 全然ちがう。
 ここはいったいどこ?
 あかねんも、なっき先輩も、みんなどうしちゃったの。
 いまはもう誰も、大好きなメタルの話をしない。それに、レックスがとっくに解散したとか、マジでありえない。
 せっかく買った私の、あのツインペもどこにもないよー。
 どうして。
 いったい、どうしてこんなことに…… 
 いつの間にか、なにもかもが変化して、
 私の知らない間に、知らないの世界になってしまったみたい。
 私は、私のままなのに。
 ロックもメタルも好きで、
 レックスも大好きで。
 でも、もしかして、
 もしかして私は、本当に、まったく別の世界に来てしまったのだろうか。
 十二月のあの日、十日町のお祭りの夜から、すべてが変わってしまった。
 ここはどこなの?
 もう、私はもとの世界には戻れないの?
 やだ。
 そんな、やだよぉ!
 戻れないなんて、
 怖いよ。
 ホンとに、やばい。
 ううん。きっと、
 これはきっと夢なんだ。
 起きたらきっと、
 私はまた、もとの世界に戻っているんだ。
 誰か、なんとかして。
 私を、元の世界に戻してよぉ〜!

◆  ◆  ◆

「みずみー、遅刻するわよー!」
「うーん、もうちょっと」
 食べかけのハムエッグが、むなしくテーブルの上で冷えてゆく。
 それでも、私の視線はいっこうに動かず、液晶テレビにくぎ付けのままだ。
「みずみ、いつまで食べてるの」
「いま、あさおびに、レックス・ジャパンのYOSHIが出てるんだから」
「二学期早々遅刻なんてしてたら、みんなに笑われるわよ」
「分かってるったら。もう」
 キッチンから聞こえる母の言葉に、ちらりと時計を見上げる。
 うお、やばい……もう八時になるよ。
 くずれたハムエッグをトーストに乗せて、ばくばくばくと、それを下品にも三口で詰め込むと、もぐもぐしながら立ち上がる。
「んぐぐ……、い、行ってきまーす」
「みずみ、今日はゆっくりだな」
 店先の父に適当に手を振り、早足で外へ出る。
 まだ残暑の残る九月の空気。
 木々の緑豊かな氷川参道には、ちらほらとお参りや、散歩の人たちが行き交う。いつもの景色だ。
 散歩のワンちゃんにすれ違い、顔見知りのご近所さんに挨拶しつつ、
(やっぱり恰好よかったなあ)
 私はまた、テレビに映った、YOSHIの姿を思い返した。
(とても五十歳とは思えないな。髪長いし、肌もきれいだし)
(それにいつか、)
(私も……あんな風にドラム叩いてみたい)
 自然と首を振っていた。
(あんな激しいドラムを)
(いつか、叩いてみたい!)
 氷川神社へと続く石畳の参道を、視界の先の赤い鳥居に向かって、
 私は、ドラムを叩くような気分で駆けだしていた。
(グレイ・ナインに、染まった、この俺を〜)
 レックスの名曲「グレイ・ナイン」を頭の中で鳴らしながら、
(なぐさめる、アイツは、もういない〜)
(やっぱ、レックス、サイコー!)
 足取りも軽やかに、氷川参道を駆け抜ける。横道に入ると、あとはただまっすぐゆけば学校が見えてくる。
 私の通う、大宮氷川女子高校は、市内でもわりと偏差値の高い学校だ。市立でお金もかからないし、なんたってウチから徒歩十分というのが、もう最高なのだ。
(だから、遅刻なんかしっこない……)
(なんて、安心しきっていると、たまーに、こういうことになるのよね……うう)
 校門をすり抜け、ドタドタと昇降口にたどり着くと、上履きに履き替えて急いで教室に飛び込む。そこでちょうどチャイムが鳴った。
 ふいー。なんとか間に合った。
「おはよー」
「みずっち、ぎりぎりぃ」
 友達に挨拶しながら速攻で席に着くと、むさくるしい担任の登場だ。
 お決まりのホームルームの言葉など上の空、私はまたもや、麗しのYOSHIサマの姿を思い出して、一人にんまりとしていた。
「では、順番に体育館に移動するように」
 わらわらと廊下に出て、体育館へと向かう。かったるい始業式にあくびで耐えると、今日はもう掃除しておしまい。
「みずっち、今日は一緒に帰ろー」
「あ、ハナちゃん。今日は部活ないの?」
「うん。明日からだよ」
 クラスメートで親友の三橋華美だ。明るくて可愛らしい美少女さん。彼女はコーラス部に入っているので、帰宅部の私とはなかなか一緒に帰ることがない。まだ部活の始まらない今日くらいは、二人仲良く帰れそう。
「じゃあ、掃除終わったらまたね」
「オッケー。私は庭そうじだから」
 みんなが教室から出てゆくと、残っているのは教室の掃除組だけになった。いつものようにささっとほうきでごみを掃いて、軽く雑巾がけしておしまい。
「じゃあねー、お先に」
「バイバイ」
 スマホを片手にさっさと帰ってゆくクラスメートたちに手を振ると、教室には誰もいなくなった。私はハナちゃんを待つため、また席に座り、なんとなく、ボールペンをとりだし、机の上でドラムのまねごとを始めてみた。
「ドラムって、こんな感じかな」
「ドカドカドカ〜!」
 ボールペンをタカタカ言わせて、ドラムを叩いている気分を想像してみると、これがなかなか楽しかった。
(YOSHIって、もっとこう、頭とか振ってたよね)
 髪を振り乱して激しいドラムを叩く、レックスのYOSHIの姿を想像して、自分もそんな感じに動いてみる。
(いいカンジ。もっと、激しく!)
「おや、みずっちゃん」
 いつの間にか、教室に誰か来ていた。声に振り向くと、隣のクラスの大門茜が立っていた。中学からの友達……通称、あかねんだ。
「あかねん、見てたの?」
「ふむ。しかと。それはもしや、ドラムのつもりだったりして」
「へへへ、ばれたか」
 変なところを見られてしまい、私はにわかに恥ずかしくなった。
「あのさあ、今日のあさおびに、レックスのYOSHIがさ」
「ああ、私もちらっと見たよ。いいよねー、レックス。曲がさ」
「あかねんも好きなんだ。あたし、最近知ったからあんまり詳しくないんだけどさ、YOSHIって恰好いいなあって」
「まあね。まあ、あたしゃー、ベースのDAIJIの方がお好みなんだけどサ」
「ダイジね。ベースって、あの弦が四本の方だよね」
「そそ」
「それくらいわかるよお。ギターは六本でしょ」
「うむ。まあ、ベースも五本のや六本のもあるし、ギターなんて七本のも普通にあるからね」
 そう言ってあかねんはにやりとした。もともと、大人びた雰囲気の子で、物言いもいつも落ち着いているというか、ちょっとおっさんぽいので、中学の時もよく「おっさん」とか言われていた子である。
「あかねんって、そんなに楽器に詳しかったっけ」
「ふふふ、なにしろあたしゃ、高校に入ってからついに始めたからね。ベース」
「そうなんだ?クラス違うから、全然知らなかったよ」
 あかねんは誇らしげに、目の前でエアベースを弾くふりをして見せた。それもダイジの真似だろうか。
「でも、よくお金あったね。高いんでしょ?ギターやベースって」
「まあ、ピンキリかな。とりあえず親にお金借りてさ、この夏のバイトで返済完了。晴れて我が物となったわけよ」
 そう言うと、あかねんは不敵にニタリと笑った。
「ねえ、もう一回、YOSHIみたいに叩くフリしてみてよ」
「恥ずかしいなあ」
「いいから、いいから」
「分かったよ。動画とったりしないでよね、ゼッタイ」
「するわけねえべ」
「うー、じゃあ……YOSHIみたいに」
 私はボールペンを振り上げると、勢いよく机をたたきだした。
「ドカドカドカーどかっ」
「ふむ。なるほど、なかなかいいスジしてるよ」
「そうかな」
「ドラムってさ、足も使うって知ってる?」
「うんうん。レックスのライブ映像見たからね。そうそう、足でもドコドコやってるんだよね。あれすごいよね。こんな感じかな……どこどこ」
 両足で交互に床を踏んでみる。
「うう、足、大変……」
「いやー、悪くないよ。なかなか。なかなか」
「ホントに?じゃあ、わたしもドラム叩けるかなあ」
「ロック研くれば、本物のドラム叩けるよ」
「ロック研?」
「そそ、あたしも入部してんのよ」
「そうなんだ。でもロックって……なんかコワそう」
「なに言ってんの。レックス好きなクセして。それに、あんまり人数いなくてさ。誰かいい人材いないかって、いつも先輩から訊かれるのよ」
「ふーん」
「それで、久々にみずっちゃんに会いに行って、ついでに誰かロックに興味あるヒトいないか訊こうかと思ったわけよ。そしたら」
 あかねんが私を指さした。
「ふふふー」
「なに?」
「まさかの、みずっちゃん、ドラム志望」
「え、いやいや……そんな、志望なんてほどのものじゃないから」
「まあまあ、じゃあさ、とにかく一度来てみなよ」
「でも」
「YOSHIみたいに、ドラム叩いてみたいっしょ」
「うーん、でもぉ……いいのかなあ」
「いいんだって。ドラムは三年の先輩しかいないからさ。先輩はもうこの二学期からは、受験であんまり来られないから」
「うーん、でもホント私ただの、YOSHIが好きなだけの初心者だし」
「誰だってはじめはそんなモンよ。とにかくまずはやってみなくちゃね」
 あかねんは、きらりと目を輝かせた。
「それに、やっぱりホンモノのドラムはすごいよー。スカっとするよ絶対。あたしだって、ベースをブイブイ鳴らしてるときが、最近は一番気持ちいいんだよね」
「そうなんだ……」
 私はちょっと考えてみた。本物のドラムを、ちょっと触ってみたいという気持ちはあったのだ。
「じゃあ、ちょっとだけ……見学させてもらおうかな」
「おーし、決まりね」
「あ、でもまだ私、入部するワケじゃ……」
「分かってる。じゃ、明日の放課後また来るわ!」
「あ、ちょっと、あかね……ん」
(まあ、いっか……)
(ちょっと一回、ホンモノのドラム叩かせてもらって、それで、YOSHIになった気分を味わわせてもらえれば)
 そのときは、そんなふうに気楽に考えていたのだが、
「はあ……」
 ハナちゃんと一緒の帰り道に、なんとなく気が重くなってきて、私はため息をついた。
「どしたの?みずっち」
「うん……ハナちゃんってさ、コーラス部だよね」
「うん」
「たとえば、この二学期から入部してくる一年がいたらどう思う?」
「うーん、けっこういるんじゃないかな」
「そうなの?」
「うん。二学期からは三年生がだいたい引退しちゃうからね。先輩も少なくなるし、それに人数減るから、すぐにでもレギュラーのグループに入れちゃうから。そういう子はけっこういると思うよ」
「そっか」
「あれ、みずっち、もしかしてなんか部活入るの?」
「いや、そういうワケじやないんだけどさ」
「プリン屋の手伝いで忙しいって言ってたもんね」
「まあ、そうなんだけどね」
 そうそう。ウチは「レモン堂」という名前のプリン専門店をやっている。脱サラしたお父さんが五年前から始めたんだけど、いまじゃけっこう人気になって、雑誌の取材とかも来たりするくらいなのだ。
「みずっちん家のプリン、美味しいもんねー」
「ありがと。一応、去年のさいたまおみやげランキングのベストテンに入ったみたい」
「知ってるー。ネットで見たよ。すごいよね。それに、みずっちのお父さんて、優しそうで、ちょっとダンディだよねー」
「そっかな」
「うんうん。そのうちまた遊びに行っていい?」
「うん」
 たわいもない話をして、参道の二の鳥居をくぐると、そこはもう駅へと続く交差点だ。
「じゃあ、私こっちだから」
「また、明日ね。バイバイ」
 ハナちゃんに手を振って別れ、
(あーあ、結局、ドラムのこと、相談できなかったな)
 私はふっと息をついた。

 翌日の放課後、
「さー、いこっか」
 約束通り、教室まで迎えに来たあかねんに連れられて、三階の第二音楽室へと。そこには、二人の先輩が待っていた。
「は、はじめまして、氷川美泉です」
 少し緊張しながら頭を下げる。
 音楽室といっても、第二なので使われることはあまりなく、ほとんど機材置き場と化しているらしい。部屋の隅にはドラムセットがあって、すぐに私の目を引いた。
(あれがホンモノのドラムかあ)
「こちら二年のなつき先輩」
「よろしくー。見沼夏姫っす。パートはギターね。なっき、って呼んで」
 明るい笑顔で挨拶してくれたのは、黒髪のロングヘアーをなびかせた、颯爽とした美人であった。
(ギターできるなんてすごいなあ。レックスの伝説のギター、HIDEKIみたいな感じなのかなあ)
 思わず、尊敬のまなざしを向けてしまう。
「こちら、キーボードのたーや先輩」
「桜木多彩です。よろしくね」
 にこりとうなずくのは、茶髪のポニーテールで、メガネをかけた丸顔が可愛らしい。全体的にふわりとしていて優しそうな雰囲気の人だ。そしてなにより……
(う……すごい、胸)
 その巨乳っぷりに圧倒される。うー、なにカップなんだろ?
「二年の部員はもう一人、さら先輩がいるんだけどさ」
「さらは声楽とかけもちだからね。今日は来ないかも」
「そうなんですね」
「うん。機会があったら、彼女の歌を聴かせたいな。すっごく上手いんだよ」
 そう言うなっき先輩は、いかにもギターやってそうな、はつらつとしたカンジの人だ。
「みずみちゃんか。いい名前だね。それに氷川って、ウチの学校と同じだよね。あと近くの神社とも」
「は、はい。ウチの先祖は昔は、氷川神社の巫女をやっていたみたいです」
「へえ、そうなんだ」
「ここ大宮の地名は、大きな宮、つまり氷川神社が由来なんですよ。関東近隣にたくさんある、すべての氷川神社の大元でもあるんです」
 私は誇らしげに、親から受け売りの説明をした。おばあちゃんは、「お氷川さま」って呼ぶくらいだったし。私も地元LOVEなのである。
「立派な神社だもんねえ。巫女さんかあ。いまはもうやってないの?」
「いまは、はい。プリン屋です」
「けっこう有名なんですよ、レモン堂のプリンって」
 あかねんの言葉に、今度はたーや先輩が目をきらりとさせた。
「私、プリン大好き!」
「じゃあ、今度みんなで買いに行こうよ」
「ありがとうございます」
「そんなに、かしこまらなくていいよ。ところで、みずみちゃんは、ドラムやりたいんだってね」
「はい。ええと、やりたいというか、ちょっと叩いてみたいというか」
 私はもじもじとして、
「あの、レックスの……」
「あー、YOSHIね。恰好いいよね。私も好き」
「ですよね。恰好いいですよね!」
 私は両手を組み合わせた。先輩もレックス好きで良かった。
「うんうん、あのツーバスドコドコとかさ、激しいタム回しとかさ」
「タム回し?」
「うん、ほら、ドラムってさ、バスドラ、スネア、タム、ハイハット、シンバルってのがあるんだよ。タムってのは、オカズで鳴らしたりするやつで」
「オカズ?」
(てことは、ゴハンもあるのかな)
 私は首をひねった。所詮はただの素人である。
「まあじゃ、ちとやってみるか」
「えっ、なつき先輩はドラムも出来るんですか?」
「いやまあ、できるってほどじゃないけどさ」
 先輩はドラムセットの椅子に座り、おもむろにスティックを握った。そして、私は生まれて初めて、生のドラムの音を聴いたのだ。
「……とまあ、こんな感じかな」
「おおー、す、すごいです。ドラムって、大きい音が出るんですね」
「まあね。でも、カオル先輩の方があたしより断然うまいよ。もう三年だからめったに来ないけどね。あたしも先輩のドラム見てたから、ちょっとやりたくなっちゃったんだ。でもまあ、やっぱりギターなんだけどさ、あたしは」
 なっき先輩はそう言って、にやっと笑った。
「浅間先輩のギターはほんとすごいんだよ。一年の時にさ、二年の先輩が学際でやった、パープルのバーニンはしびれたね」
「そうなんですね。そんなすごい先輩が」
「うん。そのうち来てくれるんじゃないかな」
 それからなっき先輩は、私をドラムの前に手招いた。
「さーて、じゃあ次は、みずみちゃんの番ね。そこ座って」
「は、はい……」
「スティック持って。右足はペダルの上、左足はハイハットのペダルにかけて」
 私はおそるおそるスティックを握り、生まれて初めてドラムの前に座った。
(ドラムってけっこう大きいな。タムだっけ、こんなのよく速く叩けるな)
「手を軽く交差して、右手でハイハットを鳴らしてみて」
「こ、こうですか」
 私は、演奏するYOSHIの姿を思い出して、右手のスティックでハイハットを叩いてみた。シャンシャンと、意外にいい音が出る。
「左足を軽く踏んでみて。そうするとハイハットがクローズになるから。そう、また開けてみて。自分でかげんを調節するの」
「な。なるほど」
「ゆっくりでいいから、今度は右手でハイハットを叩きながら、左手でスネアを叩いてみて」
「は、はい」
 シャンシャン、ダン……おお、なんかドラムっぽい。カンドー!
 シャンシャン、ドン、シャンシャンドン。
「おお、いいじゃん。上出来、上出来」
「次は、それやりながら、右足でバスドラ踏んでみて」
「ええ、と……それは、む、難しい……」
「慣れだよ。慣れ。それじゃあ、先にバスドラだけ踏んでみよっか」
「は、はい」
(そうか、ドラムは足も使うんだよね。バスドラも……難しい)
「そうそう。ドンドンドンって。それやりながら、同じリズムでハイハット鳴らしてみて」
「いいよ。できるじゃない」
「そんで、三回目に、左手でスネアを叩く。一、二、三!、四、一、二、三!、四……って感じで」
「いち、に、さんっ、よん、いち、に、さんっ、よん」
「おお、それそれ。できるじゃない」
 ドンタン、ドンタン……そうか。あのドスドスした重たい音は、やっぱり全部バスドラだったんだな。
「いいよ。それを基本に、あとはテンポ早めたり、一のところで右手でシンバル叩いたりさ、いろいろ変えてみながら練習すると、そのうち楽しくなってくるから」
「は、はい」
 難しいけど、なにやら少しずつ謎が解ける感じで、しだいに私は音を鳴らすのが楽しくなってきた。「ドン」がバスドラで、「タン」がステアで、「シャンシャン」がハイハット、「カンカン」がライドシンバル……
 すごい、これがドラムなんだ。


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