古き良きスタイルの女性ヴォーカルメタル特集 〜 姐御系&魔女系バンド
NightwishやEVANESCENCEなどの登場以後、フィメールメタルのブームは世界的にもずいぶんと定着しつつあるが、
一方では、
◆正統派 メタル
SINERGY「To Hell and Back」
フィンランドのメタルバンド、シナジーの2nd。2000年作
CHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホと女性シンガー、キンバリー・ゴスを中心にしたバンド、
1stもかなりのクオリティだったが、本作はさらにオールドスタイルのメタルに回帰したようなサウンドで、
キンバリー嬢の伸びやかな歌声が、いっそうメタルクイーン然として引き立っている。
正統派のリフを基本にしながら、そこはアレキシ、随所にテクニカルなギタープレイも覗かせつつ、
全体的には、1stに比べていくぶんシンプルになった分、メタルとしてのストレートなノリが強まっている。
思えば、このバンドがのちの姐御系メタルブームの火付け役となったと言ってよいのかもしれない。
メロディック度・・8 正統派度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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DORO「Raise Your Fist」
ドイツ出身のメタルクイーン、ドロ・ペッシュの2012年作
ソロ名義としては11作目となる本作も、前作同様、頑固なまでの正統派HR/HMを聴かせてくれる。
そのかすれたハスキーヴォイスは、年を重ねた分だけさらに凄味が増していて、
古き良きメタルサウンドをパワフルに歌い上げている。MOTORHEADのレミーとのデュエット曲や、
興味深いところとしては、元AFTER FOREVERのG、バス・マースなどが参加している。
さすがに新鮮味はもうないものの、ノリのいいナンバーも多いので、安心して楽しめる力作だ。
メロディアス度・・7 正統派度・・9 メタルクイーン度・・10 総合・・8
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Crystal Viper「Crimen Excepta」
ポーランドのメロディックメタル、クリスタル・ヴァイパーの2012年作
女性ヴォーカル、マルタ嬢のハスキーな歌声で、パワフルに聴かせる正統派サウンドは
4作目となる本作でも健在。ツインギターのレーズにはIRON MAIDENなどからの影響も思わせる
オールドなテイストをたっぷりと感じさせ、軟弱すぎない適度なメロディックな感触もよろしく、
80〜90年代にさらに回帰したような、古き良きヨーロピアンメタルの雰囲気を漂わせている。
いくぶんマイナー臭い妖しさも魅力的で、楽曲のクオリティの点でも過去最高の出来だろう。
ドラマティック度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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THE MYSTERY「Apocalypse」
ドイツのメタルバンド、ザ・ミステリーの2012年作
ツインギターのリフでパワフルに聴かせる正統派メタルのスタイルに、ダーティで骨太な女性ヴォーカルを乗せたサウンド。
一聴して、女版ウド・ダークシュナイダーか、はたまた、激しさを増したドロ・ツェペシュかというようなイリス嬢の歌声に圧倒される。
楽曲は 随所にジャーマンメタル的なギターメロディも配した聴き心地は、
古き良きパワーメタルの質感で、甘すぎないくらいにメロディアス。CRYSTAL VIPERあたりのファンにも楽しめる作品だろう。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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BATTLE BEAST「STEEL」
フィンランドのメロパワバンド、バトル・ビーストの2012年作
このシンプルなジャケと4つ打ちのカウントから始まるそのサウンドは、
強力にパワフルな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のヘヴィメタルだ。
JUDAS PRIESTやACCEPT、MANOWARから影響を受けたというように
古き良きメタルの質感を、キャッチーといってもよいメロディックさで再現している。
王道のギターリフを主体にしながらも、随所にテクニックあるフレージングも効かせたり
ときにシンセアレンジも含んで、古くさいだけではない質の高さもフィンランドのバンドらしい。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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KOBRA and The LOTUS
カナダのメタルバンド、コブラ・アンド・ザ・ロータスの2012年作
カナダにはCauldronやStrikerといった、オールドな味わいのメタルバンドがいるが、
このバンドは女性ヴォーカルをフロントにした正統派のメタルをやっている。
ソリッドなギタープレイはヘヴィでありつつ随所にテクニカルなフレーズも入れたり、
古き良きメタルの質感とモダンな構築性を両立させているという感触で、
パワフルなコブラ・ペイジ嬢のヴォーカルも含めて、勢いあるサウンドを描いている。
メロディック度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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VAINGLORY
アメリカのメタルバンド、ヴェイングローリーの2007年作
元Chastainの女性ヴォーカル、ケイト嬢のパワフルかつハスキーな歌声と
ザクザクのギターリフで聴かせる正統派のヘヴィメタルサウンド。
いかにも80年代的な雰囲気に、いくぶんモダンなヘヴィさが加わった楽曲は
目新しさは皆無だが、ダーティなメタルヴォイスで歌う女性Voメタルとしてはなかなか。
曲によってはチャステインばりのネオクラシカル風味もあったりする。
メロディアス度・・7 正統派メタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Fire Strike 「Slaves of Fate」
ブラジルのメタルバンド、ファイアー・ストライクの2017年作
2014年にデビュー、本作はフルアルバムとしての1作目で、いかにもオールドなツインギターに
ハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、Crystal Viperなどにも通じる正統派の女性声メタルを聴かせる。
疾走感のあるナンバーからほどよくキャッチーなミドルテンポまで、80〜90年代ルーツのトラディショナルな味わいに包まれ
紅一点、Aline嬢のパワフル過ぎない歌声も、この激しすぎないメタルサウンドによくマッチしている。
これという新鮮味はないものの、IRON MAIDEN風のラスト曲まで、オールドメタラーは心地よく楽しめる好作だ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 正統派度・8 総合・7.5
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ElvenStorm「THE CONJURING」
フランスのメロディックメタル、エルヴェンストームの2018年作
2011年にデビューし、本作が3作目となる。正統派のギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、
古き良きジャーマンメタルスタイルのメロディック・パワーメタルを聴かせる。パワフルに疾走しつつも、
ほどよいクサメロ感とともに、いくぶんマイナーな雰囲気もあって、紅一点、Laura嬢の歌声も力強過ぎず、
女性としての艶っぽさを残しているのもなかなか魅力的だ。楽曲も4〜5前後と長すぎず、わりとシンプルでありながら
エピックな味わいとウェットな空気感を描いていて、ときにRUNNING WILDを思わせるギターリフを乗せて
爽快に疾走するところもたまらない。もちろん、Crystal Viper、VANDROYAなどが好きな方も必聴です。
メロディック度・・8 疾走度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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◆オールドHRスタイル系
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FIONA 「UNBROKEN」
アメリカの女性シンガー、フィオナ、ことフィオナ・フラナガンの2012年作
1985年にデビューし、92年までに4作を発表するも、その後シーンから姿を消していた彼女の
なんと20年ぶりとなる復活作。80年代の1st、2ndはハードロック色のある作風だったと思うが、
本作も80年代風味の古き良きハードロック風味で、アダルトな女性声ロックが楽しめる。
フィオナの歌声にはいくぶんかつての艶がなくなったような気もするが、
とくにキャッチーな曲においては、ロックシンガーとしての魅力は伝わってくるし、
オールドファンにとってはこの復活は嬉しいだろう。今後のさらなる活躍にも期待したい。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Christian Mistress 「Possession」
アメリカのメタルバンド、クリスチャン・ミストレスの2012年作
アナログ感たっぷりのギターに、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、古き良き感触のHR/HM。
ドゥーム色はさほどなく、ツインギターを乗せたノリのあるリズムで、正統派のNWOTHMとしても楽しめる。
80年代を感じさせるオールドなカルトメタル風味と、英国HRルーツのブルージーな味わいに
ほどよくメロディアスな叙情性を同居させた聴き心地で、艶めいた女性声もなかなか魅力的な好作品だ。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Bad Pack」
カナダのハードロックバンド、ダイアモンズの2012年作
80年代を思わせる古き良きHR/HMの感触に、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せ
パワフルに聴かせるサウンド。楽曲そのものもいたってオーソドックスで、ノリのよいロックンロールを基盤に
ハードに仕上げたという感じで、とりたてて新鮮なものはないのだが、シンプルな聴き心地で素直に楽しめる。
プリーヤ嬢の歌声も適度にダーティでありつつ女性的な部分も残していて、今後の成長が期待される。
Sister SINやSPIDERSなど、最近は女性声の正統派が増えてきているが、そうしたバンドが好きなら本作も楽しめるだろう。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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HUNTRESS「Spell Eater」
アメリカのメタルバンド、ハントレスの2012年作
妖しい衣装に身を包んだ美女ヴォーカル、ジル・ジェイナス嬢擁するこのバンド、
サウンドは思いの外激しく疾走しつつ、古き良きメタルのテイストをたっぷり含ませて
KING DIAMONDにも通じるオカルト、ホラー的な世界観とともに聴かせるスタイル。
ときにヒステリックであったり、ややダーティなジル嬢の歌唱もどこかシアトリカルで、
ほのかなアンダーグラウンド臭さと、いうなればB級オカルト映画的な雰囲気を漂わせる。
80年代的なスラッシュ風味も含めて、NWOTHMの流れで楽しむバンドなのだろうと思う。
メロディック度・・7 オカルトメタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Sign of the Jackal 「Mark of the Beast」
イタリアのメタルバンド、サイン・オブ・ジャッカルの2013年作
ツインギターに女性シンガーを含む5人編成で、オールドな味わいのギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、
ほどよい疾走感のある、80年代ルーツのヴィンテージなメタルサウンドを聴かせる。フロントのローラ嬢の歌声は、
中性的でパワフル過ぎないヘタウマ感もあり、アナログ感たっぷりの音質と、適度なスカスカな耳心地も含めて、
Angel Witchなど、NWOBHMのファンにも楽しめるだろう。楽曲も3〜4分前後とシンプルで、わりとキャッチーで
軽快な味わいなので、メンバーが嗜好しているというホラー映画的なカルトな怪しさがもっとあっても良いかもしれない。
ドラマティック度・7 疾走度・7 オールドメタル度・9 総合・7.5
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◆魔女系ドゥーム&サイケ系
Jess & The Ancient Ones
フィンランドのサイケハード、ジェス・アンド・ジ・エンシェント・ワンズの2012年作
70年代ハードロック的なアナログ感と、オルガンの音色を響かせるサイケな怪しさに、
女性ヴォーカルの歌声を乗せたスタイル。紅一点、
10分を超える大曲もあったりと、プログレ方面のリスナーにもアピールしそうなレトロなヴィンテージロックです。
ドラマティック度・・7 アナログ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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Blood CeremonyやDevil's Bloodなどに通じる、
Purson「The Circle & The Blue Door」
イギリスの女性Voサイケロック、プルソンの2013年作
最近は、Blood CeremonyやCastleといった、女性声のサイケ・ハードロックが出てきているが、
Cathdralのリー・ドリアン主催のレーベルからのデビューしたこのバンドも、レトロかつサイケな世界観で
ジャケのように妖しさたっぷりのサウンドを聴かせる。つまびかれるアコースティックギターにメロトロンの響き、
そこにけだるげな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、ヴィンテージなアナログ感覚に包まれた世界観である。
70年代のブリティッシュ・サイケの浮遊感とBlack Widowのような魔術的な妖しさ、メロトロンやオルガンを使った
プログレッシブな雰囲気も合わさった聴き心地で、全体的にハードさより叙情性が強いので、ゆったりと楽しめる。
ロザリー嬢の歌声も上手すぎず下手すぎず、適度にアンダーグラウンドな香りをかもしだしていて、じつによいですな。
ドラマティック度・・8 アナログ度・・9 妖しげ度・・9 総合・・8
Witch Mountain 「Cauldron of the Wild」
アメリカのドゥームメタル、ウィッチ・マウンテンの2013年作
サバスルーツのヘヴィなギターリフとけだるげな女性ヴォーカルの歌声を乗せたスタイルは
CASTLEやBlood Ceremonyなどを思わせるが、こちらはより正統派ドゥームの感触で
古き良きアナログ感覚とともにスローで妖しげで、かつ重厚なサウンドが楽しめる。
随所に低音ダミ声も聴かせるウタ嬢のヴォーカルがいかにも魔女っぽいのもよいですな。
9分、11分という大曲では、薄暗く叙情的な部分もあって、じっくりと世界観浸れます。
ドラマティック度・・7 ドゥーム度・・9 妖しげ度・・8 総合・・8
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GOLD 「Interbellum」
オランダのヴィンテージロック、ゴールドの2012年作
元Devil's Bloodのギターが在籍するバンドで、女性ヴォーカルの歌声とともにアナログ感たっぷりのサウンドを聴かせる。
PURSONやCASTLEなどに比べると、サイケやドゥーム色は薄く、英国ロックルーツのブルージーな雰囲気が前に出ていて、
より正統派の70'sロックスタイルと言える。楽曲は3〜4分台中心と比較的シンプルで、個人的には、もう少し妖しさがあった方が好みなのだが、
適度にキャッチーな聴き心地とともに、最近の装飾過多の音楽に疲れるオールドロックファンには耳に心地よいことだろう。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Blues Pills
スウェーデンのロックバンド、ブルーズ・ピルズの2014年作
アナログ感あふれるアンサンブルに、ソウルフルな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる
70年代スタイルのブルーズロックサウンド。やはり引き合いに出されるのはジャニス・ジョプリンだろうが、
本ヴォーカルのエリン嬢の方が、いくぶんキュートなはかなさを感じさせるのがけっこう好みである。
PURSONあたりの魔女系ロックに比べるとよりストレートな作風なので、うるさすぎない音圧も含めて、
多くのオールドロックリスナーにアピールするだろう。サイケデリックな感じのジャケもよいですね。
ドラマティック度・・8 70'sロック度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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The OATH
スウェーデンのヴィンテージハードロック、オースの2014年作
スウェーデン人女性ギタリスト、リネア・オルソンとドイツの女性シンガー、ジョアンナ・サドニスを中心にしたバンドで、
古き良きドゥームメタルルーツのギターに女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、アナログ感たっぷりのサウンド。
Cathedralのリー・ドリアンが主催するレーベルからのデビューということで、随所にサバス風味というかカテドラル風味というか、
妖しげなドゥーム感触と秘教的な匂いを含んだ世界観がよいですね。どこかけだるげな倦怠感を含んだジョアンな嬢の歌声も、
むしろ上手すぎないところがかえって浮遊感と妖しさをかもしだしていて、このサウンドによくマッチしている。
適度なアンダーグラウンドなB級感もたまらない。Blood CeremonyやCastle、Pursonあたりが好きならぜひ聴くべし。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Lucifer 「Lucifer I」
スウェーデンのヴィンテージハードロック、ルシファーの2015年作
The Oathは1作のみで解散したようだが、ヴォーカルのジョアンナとドラムのアンドリューはそのまま残り、
ギターに元Cathedralのギャリー・ジェニングスが参加して、この新バンドを結成した。
古き良きドゥームメタルをルーツにしたスタイルはそのままに、よりソリッドになったギターリフと
倦怠の浮遊感をかもしだすジョアンナの歌声で、浮遊感のあるヴィンテージハードロックを聴かせる。
The Oathに比べるとギターがよりヘヴィになった分、メタル感触が強まっていて、個人的には痛しかゆし。
ギターの圧が大きいので、ここにオルガンなどが入るとさらによいなと思ってしまう。もちろん好きは好きですが。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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Avatarium 「The Girl With the Raven Mask」
スウェーデンのドゥームメタル、アヴァタリアムの2015年作
CANDLEMASSの元ベーシスト、レイフ・エドリングが率いるバンドで、
女性ヴォーカルの歌声と重厚なギターリフに、オルガンが鳴り響く、
前作同様の70年代スタイルのヘヴィなドゥームロックサウンド。
同じく魔女系ドゥームのPURSON、Blood Ceremonyに比べると、
メタリックな感触が強く、カルトな妖しさも含みつつどっしりとした聴き心地。
随所に湿り気を含んだ叙情性も覗かせる、前作以上に強力な傑作です。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ROYAL THUNDER 「Crooked Doors」
アメリカのストーナー・ハードロック、ロイヤル・サンダーの2015年作
女性Vo&B、G、Drという3人編成となった本作は、前作に比べてオールドロックとしての空気感がぐっと強まった。
Mlny嬢の歌声はパワフルでありつつぐっと魔女めいた妖しさをまとっていて、アナログ感たっぷりの演奏によくマッチしている。
ときにギターはメロディアスなフレーズを奏で、ゆったりとした3拍子のナンバーや、いくぶんノリのよいナンバーなど、
楽曲ごとのフックという点でも成長が窺える。70年代テイストを独自に昇華しつつ、雰囲気で聴かせられるバンドになってきた。
サイケ寄りの魔女系バンド、PursonやBlood Ceremonyというよりは、KadavarやLuciferなど骨太なスタイルが好きな方にオススメの好作。
ドラマティック度・・8 アナログ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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*レトロなヴィンテージメタル特集
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