メロディアスハード/プログレハード/ソロアーティスト
〜Melodious Hard/Prog Hard/Solo Artists
                        by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

M XYZ

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

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*メロディアスハード傑作特集   *プログレハード特集




A.C.T 「Today's Report」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハード、アクトの1st。1999年作
この作品を初めて聴いたときの衝撃というのは、それは凄いものだった。
ただのメロハーかと思いきや、1曲目のイントロでもう「これはプログレだ!」と直感的に感じると、
そのキャッチーでやわらかなメロディと優雅な変則リズム、そして細かなアレンジの妙にすっかり魅了されたのです。
いつ聴いても素晴らしい宝石のような楽曲…透明感のある優しいメロディはもちろん、その抜群の演奏力。
とくにドラムを中心にしたリズム面でのアプローチなどは、ProgMetal好きにもぜひ聴いてもらいたい。
どのアルバムも素晴らしいですが、まずはやはりこの驚異のデビュー作から。必聴というのはまさにこのこと。
メロディアス度・・9 隠れプログレ度・・9 楽曲センス・・10 総合・・9
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A.C.T「IMAGINARY FRIENDS」
スウェーデンのプログレハードバンド、アクトの2nd。2001年作
このバンドの凄いところは、楽曲は一聴してキャッチ−でポップなメロディアスハードなのだが、
その実、非常にプログレ受けするサウンドなのだ。クイーンやヴァレンタインを想起させる歌メロとコーラスハーモニーを
起伏のある緻密なアレンジで構成、リズム面も非常によく練られており、この自然な変拍子はプログレファンを唸らせるもの。
全曲作り込まれ高密度な上に今作では生のストリングスも導入し、さらに壮大さも増している。
純粋にメロディを楽しめ、なおかつ複雑音楽としても高得点、というまったく恐ろしいバンドである。
メロディアス度・・10 プログレ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・9 ◆メタル名盤特選入り
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A.C.T「LAST EPIC」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハード・バンド、アクトの3rd。2003年作
今作からドラムが交代したことで多少心配されたが、内容はやはり期待通りだ。
QUEENにも通じるやわらかな歌メロ、コーラスワークを現代的な楽曲アレンジで作り込み、
リズム面にもこだわりと意外性を盛り込んで、緩急自在に展開する楽曲はもはやACT節といっても良い。
今回はギターのリフ、メロディにメタリックな部分が増した印象で、その分、むしろ硬質な部分と
ピアノを含むやわらかなメロディとの対比がくっきりとした。歌入りのメロディアスさ、キャッチーさとは対照的に
インストパートの部分には一瞬「プログレメタル」とさえいってよいところもあり、そこがこのバンドの大きな魅力となっている。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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A.C.T「SILENCE」
スウェーデンのプログレ・メロディアスハードバンド、アクトの4th。2006年作
技巧的な音楽を作り出せる知性とテクニックがありながら、難解さよりもあえて分かりやすさと
キャッチーなメロディを前に出すというやり方はかつてのIT BITESの精神性を継承するバンドといえる。
3年ぶりの新作となったこのアルバムは、まさしく彼らのそうしたセンスが爆発した傑作となった。
前作から参加のトーマス・レヨンも、楽曲の方向性を完璧に理解したプレイぶりがさすがである。
キャッチーでありながら哀愁の叙情を感じさせるメロディはいっそう引き立ち、ちょっとした細かなアレンジにも、
その類まれな知性を感じさせるのがやはり素晴らしく、歌メロにかぶさる絶品のストリングスアレンジなども、
泣きのつぼを刺激しまくりだ。ラストの9パートに分かれた20分の組曲は、ドラマティックでそしてしっかりとプログレしており、
これまでの彼らの大曲では最高の出来映え。メロディの充実という点でまさに傑作アルバムに仕上がっている。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 楽曲センス・・10 総合・・9
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A.C.T 「CIRCUS PANDEMONIUM」
スウェーデンのプログレ・ハードロック、アクトの2014年作

前作から8年ぶりとなる5作目で、サーカスを舞台にしたミュージカル仕立てのコンセプト作。
きらびやかなアレンジと軽妙なアンサンブル、そしてキャッチーなメロディで聴かせる
そのサウンドはまったく変わっておらず、長いこと待たされたファンもひと安心だろう。
もちろん、随所にプログレ的な知的なセンスを垣間見せる、緻密な構築センスとともに、
シンフォニックな美麗さと、優雅かつユーモラスなパートを含めて、緩急自在に描かれる楽曲は
変化に富んだエンターテイメントを見せつける、まさにサーカスの舞台のようである。
壮麗にしてゴージャス、やさしくメロディックな、期待通りの傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 きらびやか度・・9 総合・・8.5
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A.C.T 「Trifles and Pandemonium」
スウェーデンのプログレハードロック、アクトのライブ作品。2016年作
1999年にデビュー、現在までに5作のアルバムを発表。キャッチーなメロディアス性と知的な展開力で、
ProgMetalのリスナーからも支持されるこのバンド。本作は2014年、スウェーデンでのライブ音源を収録。
2014年作「CIRCUS PANDEMONIUM」からのみならず、1stを含む初期のナンバーもたっぷりと演奏。
美麗なシンセアレンジとマイルドなヴォーカルによるシンフォニックな感触に、随所に変則リズムを含んだ
プログレッシブな構築美が冴えていて、ライブにおいてもその演奏力の高さと、楽曲アレンジの妙が楽しめる。
1st収録“The Wandering”、“Waltz With Mother Nature”あたりは、15年以上前の楽曲なのだが、その豊穣なメロディと
緻密なアレンジにあらためて聴き惚れる。バンドのファンはもちろん、初めて聴く方にもオススメしたい素晴らしいライブ作品だ。
メロディック度・・9 ライブ演奏・・9 楽曲センス・・9 総合・・9
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A.C.T 「Rebirth」
スウェーデンのプログレ・ハード、アクトの2019年作
1999年にデビュー、スタジオ作品としては、2014年以来となる5曲入りのミニアルバム。
美麗なシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せた、軽妙で優雅なサウンドは健在で、
変拍子入りのリズムとキャッチーなメロディアス性に包まれた、まさにアクト節炸裂である。
流麗なギターフレーズを盛り込みつつ、シンフォニックなシンセに優しい歌声が包み込む、
スタイリッシュな構築性と繊細な美意識は、Moon Safariあたりのファンにも楽しめるだろう。
ハードな感触は控えめなので、ほぼプログレといっても良い内容で、全5曲どれもが素晴らしい。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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A.C.T. 「Heatwave」
スウェーデンのプログレハード、アクトの2021年作
1999年にデビュー、スタジオ作品としては、2014年までに5作のアルバムを発表。本作は前作EPに続く、
6曲入りのミニアルバムで、EP四部作の2作目。ほどよくハードなギターに優美なシンセワーク、
キャッチーなヴォーカルメロディを乗せた、いかにもA.C.T.らしい華麗なプログレハードを展開する。
インストパートでの軽やかなリズム展開はさすがで、スタイリッシュなプログレといった感触もあり、
きらびやかなシンセとともに楽曲をカラフルに彩ってゆく。ゆったりとしたバラード風ナンバーでは、
泣きのギターとマイルドなヴォーカルも耳心地良い。繊細なメロディのラスト曲も素晴らしい。次作も期待。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 優雅度・・9 総合・・8 
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AFFAIR 「NO SUBSTITUTE」
ドイツのハードロックバンド、アフェアーの2nd。2002作
ごく正統的なメロディアスハードロックで、かつてのAXXISあたりにも通じる力強さがある。
ただ、北欧産メロディアスハードとは違い、ややイモ臭いというか、どっしり感があって
さほどメロディが爽やかでないのがミソ。Voは以前ベルギーのMYSTERYというバンドに在籍。
メロディアス度・・7 骨太度・・8 楽曲・・7 総合・・7


AGNES 「WHEN THE NIGHT FALLS」
フィンランドの女性Voメタルバンド、アグネスの2006年作
ジャケのイメージとはやや異なり、ほんのちょっぴりゴシック風味のハードポップです。
写真を見るかぎりけっこうオネエサマなアグネス嬢の歌唱は、どっちかというと一昔前の女性Voメタル風のハスキーさで、
曲自体はメロディアスだし、まあまあよく出来ているのですが、ゴス風のジャケのイメージで買うとたぶん後悔するので注意。
メロディアス度・・8 正統HR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Agnes「Redemption」
フィンランドの女性Voメタルバンド、アグネスの2nd。2009年作
前作は普通のハードロックだったが、本作もどこか古き良き雰囲気を持った正統派のHRサウンド。
アグネス嬢の歌唱は前作よりぐっと表現力が増していて、ハスキーな声の中にも、
ほのかに妖艶さをかもしだしたりと成長が窺える。ギターやシンセのアレンジも
よりメロディアスになり、楽曲的にも叙情性が強まって、全体的にメリハリがついた。
女性声ハードロック好きは聴いてみて損のないアルバムです。
メロディアス度・・8 正統HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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AINA「LIVING IN A BOY'S WORLD」
ノルウェーの女性シンガー、アイナの2005作
このジャケからしてもう、女性Voファンなら即食いつきそうだが、
内容もメロディアスなハードポップで、HEARTあたりを思わせる聴きやすさがある。
彼女の歌声は、十代という若さとは思えないほど堂々としていて、今後が楽しみな逸材。
ジャケのイメージでぴんと来たら聴いて損はしないだろう。曲にもう少しひねりが欲しい気がするが。
メロディアス度・・7 北欧ハードポップ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Alan Case 「Wide Aware」
オランダのミュージシャン、アランケイスの1997年作
美麗なシンセアレンジにマイルドなヴォーカルで聴かせる、ASIAを思わせるプログレハードサウンド。
QUEENルーツの優美な感触に、ときにKANSAS的でもあるキャッチーな雰囲気もあり、
シンセ奏者であり歌もこなすという点では、VALENTINEなどにも通じる美意識を感じさせる。
全体的にハードさがない分、メロハーというよりは、やはりプログレ方面のリスナー向けだと思う。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優美度・・8 総合・・8
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Aldo Nova
カナダのメロディアスハード、アルド・ノヴァの1982年作
ケベック出身のギタリストで、キーボードやヴォーカルもこなすマルチミューシャン、本作はデビュー作で、
ほどよくハードな巧みなギターにきらびやかなシンセ、自身のハイトーンヴォーカルを乗せて、
TOTOなどにも通じるキャッチーなメロディックロックを聴かせる。80年代的なポップのビート感と、
流麗なソロも含めた見事なギタープレイが同居していて、楽曲ごとのアレンジの質も高い。
リマスター盤では音質も向上していて古臭さを感じさせない。アメリカン・メロハーの好盤である。
メロディック度・8 キャッチー度・8 ギター度・8 総合・8
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ALIEN 「Into The Future」
スウェーデンのメロディックハードロック、エイリアンの2020年作
1987年デビューのベテランで、1995年までにアルバム4枚を残して休止するも、2005年に復活し、
本作は6年ぶりとなる7作目。のっけからヘヴィなギターを乗せたモダンな感触に包まれるが、
ジム・ジットヘッドのマイルドなヴォーカルにうっすらとシンセアレンジ、キャッチーなメロディのフックには、
北欧らしい空気感もしっかり感じられる。叙情的なギターの旋律などにもかつてのエイリアンらしさも残していて
ベテランらしい枯れた味わいも含みながら、メロディックハードとしての成熟した説得力はさすがというところ。
サビのメロディが爽快なタイトル曲をはじめ、かつてよりも骨太になった分、むしろ新たな魅力が備わったように思う。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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ALLEN LANDE「The Battle」
ヨルン・ランデとラッセル・アレンによるユニット、アレン・ランデの2005作
それぞれMASTERPLANSYMPHONY Xで活躍する二人のメタルシンガーに、
曲を手がけるのはLAST TRIBEのマグナス・カールソン。これで出来が悪かろうはずはない。
どちらかというとメロディアスハード風の楽曲に、適度なクラシカルなエッセンスを加え、
そこに二人のヴォーカルを乗せたサウンドは、派手さよりもむしろどっしりとした説得力で
普遍的なハードロックとしての聴きやすさがある。ロドニー・マシューズによるジャケもよい。
メロディアス度・・8 メロハー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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ALLEN LANDE「The Revenge」
ヨルン・ランデとラッセル・アレンによるユニット、アレン・ランデの2nd。2007年作
実力ある二人のヴォーカルに、才人マグナス・カールソンの楽曲センスで聴かせる
キャッチーなメロディアス・ハードロックサウンドは前作同様。美しいシンセワークとともに、
どこか古き良きプログレハード色も覗かせ、ロドニー・マシューズのジャケが良く似合っている。
随所にテクニカルなギターを織り込んだり、音には軽すぎない重厚さがあるので、
ドラマティックなメタルとしてもしっかり楽しめる。バラード曲の泣きの叙情もよいですわ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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Aloha from Hell 「No More Days to Waste」
ドイツの女性声ロックバンド、アロハ・フロム・ヘルの2009年作
キュートな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるノリのよいキャッチーなハードロック。
3分前後の楽曲はしごくシンプルで、アメリカンロック的でもある爽快なポップ感覚と、
適度にモダンなヘヴィさを同居させている。聴き心地の良いメジャー感に包まれたサウンドは
多くのロックリスナーにアピールするだろうが、反面、新鮮なインパクトというものは薄いか。
随所に覗かせるヨーロピアンな叙情性はよい感じなので、個人的にはそのあたりを伸ばしてもらいたい。
メロディック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ALYSON AVENUE「-PRESENCE OF MIND-」
スウェーデンのロディアスハード、アリソン・アヴェニューの1st。2000年作
この手の女性声ハードポップとしてはもっとも有名なのはHEARTなのだろうが、
DANTE FOXYANKEE HEAVENといった、無名だが素晴らしいバンドがいることも忘れてほしくない。
さてこのバンドもそのDANTE FOXあたりに通じる、伸びやかな女性ヴォーカルの歌唱をメインにした
素敵で爽やかなメロディアスハードロックをやっている。メロディやアレンジにはフックがあり、
決して一本調子にならないし、きらきらとした北欧らしいキーボードにセンス抜群のギターが
サウンドに説得力をもたせている。そして、そこに乗るアネット嬢(のちにNightwishに加入)の絶品の歌声がとても心地よい。
ジャケは地味だが内容はじつに高品質。そのへんもDANTE FOX的かもしれない。
メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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ALYSON AVENUE「OMEGA」
スウェーデンのメロディアスハード、アリソン・アヴェニューの2nd。2007年作
後にNightwishに加入する、アネット・オルソンの伸びやかな歌声に、きらびやかなシンセアレンジ、
そして北欧らしいキャッチーなメロディで聴かせる、女性声ハードポップの王道というサウンド。
前作のジャケが地味だったので、今回はけっこう派手になったが、かえってどんなジャンルのバンドなのか分からない気も…(^^;)
売れるには見た目も大事なので、次はもう少し爽やかなジャケを希望。リマスター盤では、「OMEGA II」のタイトルになっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Alyson Avenue「Changes」
スウェーデンのメロディアスハード、アリソン・アヴェニューの2011年作
Nightwishのアネットが在籍していたバンドで、これが新Voを迎えての再スタート作となる。
サウンドの方は、キャッチーなメロディと美麗なシンセを使用した北欧ハードポップの王道で、
新Voのアラベラ嬢(というにはややお歳のようだが)の歌声は、アネットよりも繊細でむしろキュート。
楽曲が素直すぎて、これだというインパクトは薄いいのだが、北欧的な叙情性と
伸びやかな女性Voで聴かせる、古き良きメロディアスハードとして安心して楽しめる出来だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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AMBEON「FATE OF A DREAMER」
AYREONのアンソニー・ルカッセンによる女性Voロックユニット、アンべオンの2002年作
シンフォニックかつメロウなサウンドは、モダンでありつつ古き良きプログレ心をもほのかに感じさせる。
ケイト・ブッシュかジュリアンヌ・リーガンか、というフィメールヴォーカルには年に似合わぬ艶もあって、
これで本当に14歳なのかという、実に堂々とした歌唱を聴かせる。ルカッセン自身もギターで参加。
楽曲にもう少し突き抜けた爽快さが欲しい気がするが、この歌声のアンニュイな表現力は
同郷のTHE GATHERINGあたりの浮遊感を思い出させる部分もある。女性声ロック好きはどうぞ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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ANDERSEN/LAINE/READMAN「Three」
ROYAL HUNTのアンドレ・アンダーセン、元DANGER DANGERのポール・レイン、
PINK CREAM 69のデヴィット・リードマンによるユニットのアルバム。2006作
きらびやかなシンセワークと、メロディアスハード的なキャッチーな歌メロが合わさった
いわばアンドレ・アンダーセン風味のハードロックサウンド。ときおりROYAL HUNT的なメロディも顔を出すが、
楽曲自体は実力のあるヴォーカリストの歌声を中心にした割合シンプルなもの。ロイハンファンであれば聴いてみて損はない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ロイハン風度・・8 総合・・7.5
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Andy James「In The Wake of Chaos.」
イギリスのギタリスト、アンディ・ジェイムスの2007年作
最近は一時期のメタル系のテクニカルギタリストブームも過ぎた感があるが、
久しぶりにこうした正統派のギター?インストアルバムを聴いた気がする。
ギター、ベース、シンセを一人でこなすあたりは、トニー・マカパインなどをも思わせるが、
この方の場合、ネオクラシカルというよりは、ジャズ/フュージョンなどからの素養も感じさせ、
それをメロディアスなフレーズで聴かせるセンスにはジョン・ペトルーシなどに通じるものもある。
自己満足に陥りがちのこうしたインストプレイを、力まず軽やかな楽曲で楽しませてくれる作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 爽やかギター度・・9 総合・・7.5
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Anette Olzon 「Shine」
スウェーデンの女性シンガー、アネット・オルソンの2014年作
元Nightwishということで、ずいぶん知名度が増した彼女だが、本作はメタル色はあまりなく、
ストリングスを含んだシンフォニックなアレンジと、透き通るような美しい歌声で聴かせるサウンド。
打ち込みを多用したバックの演奏は、耳触りはいいものの奥深さには欠けるのだが、
しっとりとしたポップロックとして聴けば、それなりに楽しめる。アネットの伸びやかな歌声は、
Alyson Avenueの頃もそうだったように、キャッチーなハードポップでこそより活きるのだと思う。
ソロとしての限界はすでに本作で感じるので、今後はバンド路線での復活を期待したい。
メロディック度・・8 メタル度・・5 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ANGELICA
アメリカの作曲家にしてプロデューサー、クリフ・マグネスによるロックオペラプロジェクト、アンジェリカのアルバム。1998作。
ゲストギタリストに、スティーヴ・ヴァイ、スティーブ・スティーヴンス、エリック・ジョンソンなどそうそうたる顔ぶれを迎えた本作は、
4人の女性ソプラノ歌手の美しい歌声で、プッチーニ、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ヴェルディなどのオペラ曲を
モダンなロックアレンジで聴かせるというもの。ハードロックというには、サウンドにはポップな質感が強いが、
美しいシンセワークに女性ヴォーカルのオペラティック歌声が合わさると、クラシカルな優雅さに引き込まれる。
ヴァイがギターを弾く4曲目などはじつに感動的なロックオペラだし、S.スティーヴンスのフラメンコギターが光る7曲目などはプログレ的な味わいもある。
クラシカル度・・8 メタル度・・5 女性Vo度・・9 総合・・7.5
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ANGELICA「Thrive」
スウェーデンのメロディアスハード、アンジェリカの2013年作
THE MURDER OF MY SWEETの女性シンガー、アンジェリカ・ライリンをフロントにしたユニットで
壮麗なシンセアレンジと伸びやかなアンジェリカ嬢の歌声でキャッチーに聴かせるメロディアスハード。
楽曲はどれも3〜4分台とコンパクトであるが、どの曲にも魅力的なメロディのフックがあって、
古き良き北欧メロハーの感触を受け継いだ爽快なサウンドが楽しめる。しっとりと美しいバラードなども含めて、
彼女の歌声の魅力がたっぷり詰まっている好作品。ISSAなどが好きな方にもお薦めですね。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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Angelica 「All I Am」
スウェーデンの女性シンガー、アンジェリカの2020年作
THE MURDER OF MY SWEETのAngelica Rylinのソロで、2013年作「Thrive」以来となる2作目。
モダンできらびやかなシンセアレンジにほどよくハードなギター、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて
キャッチーな女性声ハードロックを聴かせる。ルックスも含めてフェミニンなお色気もたっぷりながら、
艶めいた歌声も魅力的で、WITHIN TEMPTATIONのシャロンや、DELAINのシャーロットにもひけをとらない。
楽曲は3〜4分前後ながら、爽快なメロディのフックとシンフォニックな音の厚みで、耳心地よく楽しめる。
表現力あるアンジェリカの歌声と、ゴシックメタル寄りの泣きのメロディが感動的なラスト曲まで、高品質な完成度。
メロディック度・8 キャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・8 
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Anrian Von ZieglerAcross Acheron」
スイス出身のアーティスト、アンリアン・フォン・ジーグラーの2011年作
打ち込みのインストで、ファンタジックで幻想的な世界観を描いたサウンドは、
映画かゲームサントラのような雰囲気で、ヴォーカルなしの壮麗なシンフォニック作品である。
随所に民俗調のメロディやゴシック的な耽美なダークさもあって、曲によってはメタル色も多少あるので、
あるいはRHAPSODYNightwishなどのファンにも楽しめるかもしれない。ただ大半はシンセなので、
メタル作品として聴くにはややつらいかもしれない。幻想的でシンフォニックなサントラが好きな方はぜひ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・2 壮麗度・・8 総合・・7.5
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A Perfect Day

イタリアのハードロックユニット、ア・パーフェクト・デイの2012年作
Labyrinthのアンドレア・カンタレッリ、ロベルト・ティランティ、アレッサンドロ・ビッサによるユニットで、
サウンドはミドルテンポ主体のモダンなハードロック。単なるメロハーにとどまらないセンスのよいギターワークと、
伸びやかなヴォーカルとともに、哀愁を含んだメロディアスさで聴かせる耳心地の良さが光っている。
随所にProgMetal的でもある知的な構築センスも感じさせつつ、楽曲はあくまでシンプルでメロウである。
実質的には「ラビリンスの別プロジェクト」といってもいいのかもしれない。なかなかの好作品だ。
メロディック度・・8 哀愁度・・8 モダンHR度・・8 総合・・8
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ArcAngel
アメリカのプログレハードバンド、アークエンジェルの1983作
マルチプレイヤー、ジェフ・カンナタ率いるバンド名義の唯一のアルバム。
のっけから美しいシンセを使用したキャッチーなナンバーで、これぞアメリカン・プログレハードというサウンド。
きらびやかなコーラスに、間奏部のギターワークもなにげに見事だし、
この質の高さを思えば、バンドとして本作のみで終わってしまったことが惜しまれる。
なお、ジェフ・カンナタはこの後CANNATA名義でソロ作を発表してゆくことになる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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ArcAngel-Cannata 「Tamorok」
アメリカのプログレハード、アークエンジェルのジェフ・カンナタの2002年作
ギターにシンセ、ドラム、ヴォーカルをこなすカンナタ氏によるいわばベストアルバムで、
過去のソロ作やアークエンジェル時代の楽曲のリメイクなどを14曲収録している。
メロウなギターにやわらかなヴォーカル、うっすらとしたシンセとともに描かれる、
キャッチーなプログレハードサウンドは、TOTOなどを思わせる80年代風味のポップ感に包まれて、
耳心地よく楽しめる。ゲストによるギターソロやきらびやかにシンセワークも楽曲に彩りを添える。
ドラマティック度・・7 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8



ARC ANGEL
アメリカのプログレハード、アークエンジェルの2013年作
シンセ奏者でマルチプレイヤーのジェフ・カンナタが率いるバンドの1983年作以来、じつに30年ぶりとなる2作目。
CANNATA名義のソロは多数あるものの、まさかこのユニットでの復活とは驚きであるが、サウンドの方も、
美麗なシンセアレンジと枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、往年を思わせる古き良きメロディック・ハード。
総じてキャッチーな感触ながら、MAGNUMあたりに通じるドラマティックな雰囲気と、キャリアをへたミュージシャンの醸し出す
哀愁の叙情も素晴らしい。随所にプログレ風味のシンセや泣きのギターフレーズもよろしく、カンナタファンは必聴の仕上がり。
メロディック度・・9 キャッチー度・・8 枯れた叙情度・・9 総合・・8
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Art of Illusion 「X Marks The Spot」
スウェーデンのメロディアスハード、アート・オヴ・イリュージョンの2021年作
Grand Illusionのアンダース・リドホルムと、Work Of ArtLionvilleのラーズ・サフサンドによるユニット
かつてのグランド・イリュージョンを思わせる、キャッチーでドラマティックな雰囲気とドライブ感に、
サフサンドのエモーショナルな歌声とコーラスハーモニーで聴かせる、王道のメロハースタイル。
心地よいメロディと涼やかな叙情が、90年代らしい空気感になっていて、どこか抜けきらないところも含めて、
わりとなつかしい感じで鑑賞できる。ゆったりとしたバラードやノリのよいアップテンポまで、しっかりとクオリティがあるのは
実力あるヴォーカルのおかげだろう。全体的に新鮮味はさほどないが、心地よく楽しめる好作です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 涼やかな叙情度・・8 総合・・8
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ASIA「ARMED TO THE TEETH/ASIA」
ASIAといってもあの英の超有名バンドとは同名別バンドで、こちらはアメリカのエイジア
2枚のアルバムを残して消えたバンドの1st/2ndカップリング。1978/1980年作。
英のASIAのようにポップ路線ではなく、こちらは正統派のプログレハードロック。
キャッチーな歌メロにメロディアスなフレーズを奏でるギター、オルガンやメロトロンを含むシンセと
楽曲はどれも叙情味にあふれていて、70'sハードロックとしてもなかなかの出来である。
とくに前半に収録されている2ndのクオリティは単なるマイナーバンド以上のものがある。
陽の目を当たらずに消えてしまったのが惜しまれるバンドであった。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Audrey Horne
ノルウェーのハードロックバンド、オードリー・ホーンの3rd。2010年作
ブラックメタルバンド、ENSLAVEDのアイス・デイルをはじめ、エクストリーム系バンドの
メンバーたちによる古き良き正統派ハードロックバンド。のっけからメロトロンの音色が鳴り
適度にヘヴィなギターとともに、枯れた味わいと大人の哀愁を漂わせたHRを聴かせる。
やわらかなオルガンの音色にマイルドなヴォーカルの歌声、そして知的で巧みな演奏力は
ある種、プログレッシブ・ハードロック的な感触でも楽しめ、たとえばOPETHの持つような
70年代英国的なセピア調の情緒が感じられる。古めかしくも聴き心地のいい作品だ。
メロウ度・・8 英国調ロック度・・8 古き良き情緒度・・9 総合・・8
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Audrey Horne 「Youngblood」
ノルウェーのハードロックバンド、オードリー・ホーンの2013年作
前作も古き良き感触に包まれた魅力的なハードロックサウンドだったが、
本作もアナログ感たっぷりのアンサンブルと適度にキャッチーなHR楽しめる。
ブルージーなワイルドさと随所にメロディックなフレーズも含んだツインギターは
ENSLAVEDのアイス・デイルが参加しているだけあって、さすがというプレイを覗かせる。
楽曲は3〜4分台中心で比較的シンプルな聴き心地であるが、センスあるメンバーたちが生み出す
グルーブ感と北欧ハードロックとしてのノリの良さが詰まった好作品に仕上がっている。
メロディック度・・8 古き良き度・・8 北欧HR度・・8 総合・・8
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Audrey Horne 「Pure Heavy」
ノルウェーのハードロックバンド、オードリー・ホーンの2014年作
ENSLAVEDのアイス・デイルがギターで参加することでも知られるバンドで、
5作目となる本作は古き良きHRの感触に包まれながら、よりキャッチーな聴き心地となっている。
ブリティッシュロック風味が感じられた3作目あたりに比べると、今回は80'sアメリカンHR的なノリで、
骨太のロックでありながら軽快なメロディアス性を含んだ、いわば確信犯的なサウンドで幕を開ける。
味わいのあるヴォーカルの声質もこの作風によくマッチしていて、ときに顔を覗かせるオルガンなどのアレンジも絶妙だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 古き良きHR度・・8 総合・・8
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Audrey Horne 「Waiting For The Night」
ノルウェーのヴィンテージ・ハードロック、オードリー・ホーンのライブ。2020年作
2018年のノルウェー、ベルゲンでのステージで、同年作「Black Out」からのナンバーをー主体に、全16曲を収録。
オールドな感触のツインギターを乗せたノリのよいリズムに、朗々としたヴォーカルで、古き良きハードロックを聴かせる。
ロックとしての躍動感あるアンサンブルに包まれながら、ゆったりと歌い上げる大人の叙情を描くバラードナンバーや、
曲によってはオルガンも加わって、メロディアスなツインギターとともに、ヴィンテージメタル的な味わいでも楽しめる。
Blu-Rayの映像ではバックステージ映像をはさみつつ、盛り上がる観客たちとの一体感あるステージが鑑賞できる。
ライブ演奏・8 オールドHR度・8 新鮮度・7 総合・8 
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Audrey Horne 「Devil's Bell」
ノルウェーのヴィンテージ・ハードロック、オードリー・ホーンの2022年作
2005年にデビュー、本作は7作目となる。オールドな味わいの適度な叙情性を含んだツインギターに
かつてのオジー・オズボーンを思わせる味のあるヴォーカルで、80年代ルーツのHR/HMを聴かせる。
爽快なコーラスを含めてキャッチーなメロディのフックも随所にあり、初心者にもわりと対応したスタイル。
曲によっては、いかにも70年代ルーツの英国ハードロック風でもあったりして、ここにオルガンでも入れば
個人的にはもっと楽しめそうなのだが。キャリアのあるメンバーなので、しっかり安定の完成度ですな。
ドラマティック度・7 オールドHR度・8 新鮮度・7 総合・8 
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Automatic Loveletter「Truth Or Dare」
アメリカの女性Voロックバンド、オートマティック・ラブレターの2010年作
紅一点、ジュリエット・シムズ嬢のワイルドでハスキーな歌声を中心に、
古き良きハードロックの感触を残した、ソウルフルなサウンドを聴かせる。
曲によってはシンセによる味付けも美しく、キャッチーなメジャー感もあって、
一般のロックファンにも充分楽しめるクオリティだ。ジュリエット嬢の歌声には、
整いすぎない原石の表現力が備わっていてなかなか魅力的。今後も楽しみだ。
メロディアス度・・7 古き良きロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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AUTUMN'S CHILD
スウェーデンのメロディアスハード、オータムズ・チャイルドの2019年作
Last Autumn's Dreamのミカエル・アーランドソンによる新バンドで、日本のマーキーレーベルの提案により結成。
サウンドの方も、ミカエルの甘い歌声に適度にハードで叙情的なギターを中心にした、まさにLADを受け継ぐような、
北欧らしい哀愁に包まれたメロディック・ハードロック。H.E.A.T.にも参加するヨナ・ティーの美麗なシンセワークと、
泣きのメロディを奏でるギターも随所に光る。ちなみに、ギターの片割れはMOON SAFARIのポンタス・オーケソンで、
叙情的なフレージングのセンスもさすがに素晴らしい。LADの後期は正直いくぶん食傷気味であったのだが、
本作での楽曲の充実の仕上がりは、以前からのリスナーはもちろん、新たなファンを獲得するに足るものだろう。
ノリのよいキャッチーなロックナンバーも挟みつつ、ゆったりとしたバラードなども魅力的。至福の傑作です。
メロディック度・・9 哀愁度・・9 北欧度・・8 総合・・8.5
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AUTUMN'S CHILD「Angel's Gate」
スウェーデンのメロディアスハード、オータムズ・チャイルドの2020年作
ミカエル・アーランドソンによる、Last Autumn's Dreamの続編というべきバンドの2作目。
キャッチーでありながら、哀愁を含んだ叙情メロディというのは前作の同路線で、
メロウなギターの旋律や美しいシンセアレンジと、味わいのあるヴォーカルで、
北欧らしい涼やかさをまとった日本人好みのメロディアスハードが楽しめる。
ゆったりとしたバラードでは、伸びやかなミカエルの歌声がよく映えていて、
前作同様、かつてのLADのファンならばとても楽しめる好曲多数の傑作です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁度・・9 総合・・8 
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AVIARY
アメリカのプログレハード、アヴィアリーの1979年作
NEW ENGLAND、AMERICAN TEARSなどと並ぶ、知る人ぞ知る傑作の2013年再発盤。
やわらかなヴォーカルとピアノを含む美しいシンセワークに、QUEENを思わせるコーラスワークで、
繊細かつキャッチーに聴かせる、じつにクオリティの高いプログレハードサウンド。
シンフォニックなストリングスによる叙情や、いかにもアメリカンロック的な爽快さもありつつ、
遊び心に富んだノリの良さに、STYX+QUEENというような楽曲のアレンジセンスも抜群だ。
幻の傑作にしておくには惜しい、多くのリスナーに聴かれるべきメジャー感をともなった傑作である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 プログレハー度・・9 総合・・8
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AVIARY 「Ambition」
アメリカのプログレハード、アヴィアリーの2003年作
1979年に1作のみを残して消えたバンドの、1977〜79年の間に録音された未発音源集のCD化作品。
正規アルバムで聴けたキャッチーな味わいはもちろん健在で、QUEENなどを思わせるやわらかな歌メロとコーラスに、
シンセによるほどよい味付けによる優雅なアレンジセンスはさすが。メロトロンやムーグシンセなどを含んだプログレ性と
やわらかなポップ性が融合したサウンドは、じつに玄人好みのクオリティである。10分を超える大曲などもあり、
バンドとしての意欲と力量は、当時にしては相当高かったと思われる。つくづく1作のみで消えたのが惜しい逸材だった。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 プログレハー度・・9 総合・・8
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AXE「THE CROWN」
アメリカのメロディアスハードバンド、アックスの2000作
1979年にデビュー、80〜90年代にかけて活動していたバンドの復活2作め。
恥ずかしながら往年のアルバムは未聴なのだが、ここで聴けるのは
キャッチーでありながら哀愁の叙情美が散りばめられたサウンド。
古き良きプログレハードを感じさせる楽曲に、枯れた味わいのヴォーカル
派手すぎないシンセにギターワークが一体となった、大人のメロメディアスハードである。
アメリカのバンドでありながら、むしろ英国的な湿りけを感じさせるところが良い。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 プログレハー度・・8 総合・・8
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AYREON「The Final Experiment」
元VENGENCEのアルイエン・ルカッセンによるプロジェクト、エイリオンの1作目。1995年作
アーサー王伝説を壮大なSF仕立てにした本作は、元VENGENCEのレオン・グーヴィー、イアン・パリーをはじめ
多数のゲストを招いて、組曲仕立てに繰り広げられる壮大なロックオペラとなっている。
物語を語るナレーションから、スペイシーなシンセワーク、ドラマティックに盛り上げるギター、
そして映画の配役のようなヴォーカルの歌声で、ときに重厚に、そしてプログレッシブな香りを乗せて展開する。
女性コーラスも含んだシンフォニックな美麗さと、静と動のメリハリのついたシアトリカルな構成力は圧巻である。
メタルとプログレの垣根を超えた世界規模の壮麗なプロジェクト…その記念の一作目がこれである。
シンフォニック度・・8 壮大度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5

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Ayreon 「Actual Fantasy」
アルイエン・ルカッセンによるロックオペラ、エイリオンの2作目。1996年作
多数のゲストを迎えての、壮麗なるシンフォニックハードであった前作に比べて、
本作はバンド編成を基本に作られた作品で、当初はやや地味な印象があったのだが、
2004年バージョンで聴き直してみれば、楽曲のクオリティもスケール感も、決して前作にひけをとらない。
やわらかなフルートに美麗なシンセアレンジ、適度にハードなギターとマイルドなヴォーカルを乗せて、
重厚なサウンドを描いてゆく。ゆったりとした叙情ナンバーも含めて、ゆるやかななドラマ性に浸れる力作だ。
2004年の「Revisited」盤には、5.1ch音源や1996年Ver、PVなどを収録したボーナスDVDが付属。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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AYREON「Into the Electric Castle」
アルイエン・アンソニー・ルカッセンのシンフォニックプロジェクト、エイリオンの3作目。1998年作
1st「The Final Experiment」において多数のゲストを迎えた壮大かつファンタジックな一大コンセプト作を作り上げ
ルカッセンはいよいよその本領を発揮。本作は「光の宮殿」と題されたCD2枚組の大作となった。
今回も、フィッシュ(元MARILLION)、エドワード・リーカース(元KAYAK)、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(元Gathering)、
シャロン・デル・アデル(WITHIN TEMPTATION)、ロビー・ヴァレンタイン、クライブ・ノーラン(ARENA)、
タイス・ファン・リール(FOCUS)といった名うてのゲストたちが集結。ヴォーカルやソロプレイなどで華を添えている。
SFストーリーに基づいた映画的な流れでプログレッシブに楽曲が連なる。部分ごとにはスリリングさは薄いものの、
CD2枚全体を通して鑑賞すれば、ひとつの物語を読み終えたような気分になる。壮大なプログレハードロック作品である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・10 総合・・8
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AYREONUniversal Migrator PartT&U」
アルイエン・アンソニー・ルカッセンのロックオペラプロジェクト、エイリオンの2000年作
前作「光の宮殿」に続き、今作もCD2枚に分かれての超大作で、参加メンバーを見るだけでも豪華きわまりない。
パート1「THE DREAM SEQUENCER」がメロウなシンフォニック的なアルバムとなっていて、
ヨハン・エドルンド(TIAMAT)、フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)、ラナ・レーン、エドワード・リーカース(KAYAK)
ダミアン・ウィルソン(THRESHOLD)、ニール・モーズ(SPOCK'S BEARD)、エリク・ノーランダーらが参加、
パート2「FLIGHT OF THE MIGRATOR」がハード寄りのメロディックメタル・アルバムとなっていて、
ラッセル・アレン(SYMPHONY X)、ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)、アンディ・デリス(HELLOWEEM)
ブルース・ディッキンソン(IRON MAIDEN)、ファビオ・リオーネ(RHAPSODY)、ティモ・コティペルト(STRATOVARIUS)、
イアン・パリー(ELEGY)、マイケル・ロメオ(SYMPHONY X)、エリク・ノーランダー、クライブ・ノーラン(PENDRAGON)
熊谷桂子(ARSNOVA)らが参加。それぞれの配役ごとにヴォーカルを当てて、物語的な語りやSEなどを含んだ、
SF的な壮大なストーリーを描いてゆく。パート1の方はゆったりとしたナンバー主体なので、メタルファンにはやや退屈かもしれないが、
パート2はアグレッシブなシンフォニックメタル要素が強く、プログレ&メタル両刀の人間にはどちらも楽しめるだろう。
なんにしても、ここまでの巨大な音楽世界を多くのメンバーを集めて作り上げたルカッセンの試みは素晴らしく、
これはまさに「国境を越えた地球規模のシンフォニック大作」と呼ぶにふさわしい。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 壮大度・・10 総合・・8
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AYREON「AYREONAUTS ONLY」
オランダのシンフォニックプロジェクト、エイリオンの未発表&デモ曲集。2000作
過去のアルバムに収められた曲のバージョン違い、ヴォーカル違いやデモなどを集めた企画アルバム。
まず一曲目からハードなシンフォニックナンバーで、歌を乗せるのはラナ・レーン
他にもイアン・パリーゲイリー・ヒューズら豪華メンバーが名を連ねる。
楽曲はもともとアルバム中のコンセプトストーリーの一曲というものが多いが
単体として聴いても良質のシンフォニックハードなのには変わりがない。
たった一人のギタリストが立ち上げたこの壮大華麗なプロジェクト。
それに呼応した世界中のメンバーたち。彼らの音楽への愛情が伝わってくる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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AYREON「THE HUMAN EQUATION」
アルイエン・ルカッセンによるメタルオペラプロジェクト、エイリオンの通算6作目。2004作
今回のテーマは人間の内的精神世界らしく、サウンドの方はややシリアスで硬質感のあるもので
例によって豪華なゲスト陣…ジェイムス・ラブリエをはじめ、デヴィン・タウンゼント、
MOSTLY AUTUMNのヘザー嬢らによる歌唱がこの壮大な世界観にしっかり説得力をもたせている。
メタリックでエッジが効いた部分と歌唱をメインにしたメロディアスな部分のメリハリがよく、
ヴァイオリン、チェロなどを導入したクラシカルでシンフォニックなパートなどが交錯し、
全体の空間的な曲構成はDREAM THEATERの「METROPOLIS PT2」を思わせる雰囲気もある。
ルカッセン自身のギター、キーボードも今回は実にメロウにやわらかに鳴り響いており
メタリックなトラッドメロディやデス声なども効果的で、最後まで密度のあるアルバムだ。
シンフォニック度・・8 壮大度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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Ayreon 「01011011」
アルイエン・ルカッセンによるロック・オペラ・プロジェクト、エイリオンの7作目。2008作
ゲストに、ハンズィ・キアシュ(BLIND GUARDIAN)、ヨルン・ランデ、スティーヴ・リー(GOTTHARD)、
ボブ・カトレイ(MAGNUM)、タイ・テイバー(KINGS X)、ダニエル・ギルデンロウ(PAIN OF SALVATION)
ヨナス・レンクセ(KATATONIA)、アネク・ヴァン・ガスバーゲン(元THE GATHERING)、フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)、
シモーネ・シモンズ(EPICA)、他の豪華メンバーが参加。ルカッセンのこれまでの音楽キャリアを集結させたような雰囲気で、
メロディアスハード風、プログレメタル風、ゴシックメタル風というように、様々な要素が入りつつ
SFファンタジー的なコンセプトを映画的な壮大さで構築している。全体的には派手な展開よりは、
むしろゆるやかに聴かせる部分が多く、とくに女性ヴォーカルの曲ではゴシック的な雰囲気が強いかもしれない。
Disc2の方が少しプログレ度が高く、後半に向かってじわじわと盛り上がってゆく。
なにせ長篇なので、気の短い方や即効性の刺激を求めるメタルリスナーには向かないだろうが、
映画的に楽しめる壮大、壮麗なシンフォニック・プログレ・ハードロック作品である。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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AYREON「Timeline」
オランダのシンフォニックオペラ、エイリオンのベストアルバム。2008作
アルイエン・ルカッセンによるこの壮大なプロジェクトも活動10年を超え、その歴史を総括するような時期にきたということか。
CD3枚には1995年〜2008年までの各アルバムからの曲を抜粋して収録。SFとファンタジーを融合させた、壮大なストーリーに基づき、
多数のゲストを迎え配役ごとにヴォーカルを変えるなど、ロックオペラとしての重厚さにもこだわったその作品群は、
どれをとってもルカッセン節ともいえるメロディアスでシンフォニック、そして劇的なものだ。ブルース・ディッキンソンをはじめ、
フィッシュ、ボブ・カトレイ、ジェイムズ・ラブリエ、ハンズィ・キアシュ、ヨルン・ランデ、デヴィン・タウンゼンド、ミカエル・オーカーフェルド、
ダニエル・ギルデンロウニール・モーズ、シャロン・デン・アデル、イレーネ・ヤンセン、アネク・ヴァン・ガースバーゲン等々…
ゲスト陣の名前を一部挙げるだけでも、メタル、プログレ、ゴシックなどから名だたるメンバーが集結しているのが分かる。
インターネットの広がりによる世界規模での参加が可能になった、そのひとつの象徴的プロジェクトがこのエイリオンであると言ってもよいだろう。
あらためて順をおって各作品を俯瞰するように聴いてみても、どれもが作り込まれた世界観を持ちそしてプログレ、メタル、ゴシックなどの要素を
巧みに融合させたそのサウンドは、聴き手である我々を、映画のように壮麗なファンタジー世界へと再び誘ってくれる。
壮大度・・9 劇的度・・9 エイリオンの歴史度・・10 総合・・8.5
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AYREON 「The Theory of Everything」
アルイエン・ルカッセンによるロックオペラ、エイリオンの2013年作
AYREON名義では2008年以来となる8作目で、今作ではプログレ系の大物ゲストが多数参加。
リック・ウェイクマン、キース・エマーソン、スティーブ・ハケット、ジョン・ウェットン、というビッグネームをはじめ、
ジョーダン・ルーデス、クリスティーナ・スカビア(LACUNA COIL)、サラ・スクワドラーニ(ANCIENT BARDS)、
JB(Grand Magus)、マルコ・ヒエタラ(Nightwish)、トロイ・ドノックリーといったメンバーが集結。
4つのパートに分かれた各20分を超える組曲で構成され、いつになくプログレ的なシンセアレンジに
配役ごとに分かれた男女ヴォーカルの歌声で描かれる、ドラマティックなサウンドが広がってゆく。
フルートやヴァイオリン、バグパイプなどが鳴り響く、ケルティックなテイストなども含ませながら、
ゆるやかな流れの中に起伏に富んだ構成力を見せつけるのは、さすがのキャリアというべきだろう。
ハードプログレ、シンフォニックロック的にも楽しめる、まさに壮大かつ劇的なる大作である。
ドラマティック・・9 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Ayreon 「The Theater Equation」
アルイエン・ルカッセンによるロックオペラ・プロジェクト、エイリオンのライブ作品。2016年作
本作は2004年作「Human Equation」を再現する2CD+DVDのライブ作品で、大がかりなステージ上で演劇的なドラマ性を描きながら
壮大なロックオペラが繰り広げられる。主人公であるジェイムス・ラブリエ(Dream Theater)をはじめ、マルセラ・ボヴィオ(Stream of Passion)、
アネン・ヴァン・ガースバーゲン、イレーネ・ヤンセン、ヘザー・フィンドレイ(元Mostly Autumn)、マグナス・エクウォール(The Quill)、
マイク・ミルズ(TOEHIDER)、デヴォン・グレイヴス(Psychotic Waltz〜Deadsoul Tribe)、Jermain van der Bogt(Wudstik)など、
10人の男女ヴォーカル(アクター)が参加配役ごとにそれぞれの歌声を響かせる。演奏陣はツインギター、ツインシンセに、ヴァイオリン、
チェロ、フルート奏者も含んだ編成で、ときにメタリックに、ときにシンフォニックに雄大なサウンドを構築する。CDで音だけを聴くよりも、
やはりDVDで各キャストの演技や表情を見ながら、華やかな映像とともに味わうべき作品だろう。
これだけのメンバーを集めて、壮大なロックオペラのライブを完成させたその偉業に拍手を贈りたい。
ドラマティック度・・9 壮大度・・9 ライブ映像・・9 総合・・8.5
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Ayreon 「The Source」
アルイエン・ルカッセンによるロックオペラ、エイリオンの2017年作
1995年から始まった壮大なロックオペラ・プロジェクト。壮麗なステージを再現した「Theater Equation」も素晴らしい内容だったが、
スタジオ作品としては2013年以来となる9作目である。今回もジェイムス・ラブリエ(Dream Theater)を筆頭に、フロール・ヤンセン(Nightwish)
ラッセル・アレン(Symphony X)、トビアス・サメット(Avantasia)、ハンズィ・キアシュ(Blind Guardian)、シモーネ・シモンズ(Epica)、
トミー・ロジャース(Between The Burried And Me)、トミー・カレヴィック(Kamelot)、マイケル・エリクセン(Circus Maximus)らのヴォーカリストに、
ポール・ギルバート(Mr.BIG)、ガスリー・ゴーヴァンといった名だたるギタリストも参加、4つの章に分かれたSFストーリーに沿って
配役ごとのヴォーカルと壮麗なアレンジにメタリックな重厚さを合わせた、ドラマティックなロックオペラが広がってゆく。
オルガンなどを含んだオールドなハードロック風味や、メロパワ的な激しさも覗かせるなど、全体的にもメタル寄りの作風で、
楽曲ごとの新鮮なインパクトはさほどないが、ファンであれば安心して楽しめる充実作だろう。
ドラマティック度・・8 壮大度・・9 新鮮度・・7 総合・・8 
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Ayreon 「Ayreon Universe」
オランダのシンフォニックハード・プロジェクト、エイリオンのライブ作品。2018年作
1995年の1作目から始まったアルイエン・ルカッセンによる壮大なロックオペラの集大成的なライブ作品で、
フロール・ヤンセン、マルコ・ヒエタラ(Nightwish)、ダミアン・ウィルソン、ハンズィ・キアシュ(Blind Guardian)、
トミー・カレヴィック(Kamelot)、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(VUUA)、マルセラ・ボヴィオ(Stream of Passion)
ヨナス・レンクス(Katatonia)、エドワード・リーカース(Kayak)といった、世界各国のメンバーが集結、
過去作からのナンバーを新たに再構成、多数の男女ヴォーカルの歌声を乗せ、シンフォニックな壮麗さで
ドラマティックなロックオペラを描いてゆく。この豪勢なステージはDVDでの映像でも楽しむべきだろう。
ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・8 壮麗度・・9 総合・・8
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Ayreon 「Electric Castle Live」
アルイエン・ルカッセンによるロックオペラ、エイリオンのライブ作品。2020年作
1998年作「Into The Electric Castle」を完全再現した、2019年オランダでのステージを2CD+DVDに収録。
アネク・ヴァン・ガースバーゲン、シモーネ・シモンズ(EPICA)、ダミアン・ウィルソン、フィッシュ(元MARILLION)、
エドワード・リーカース(元KAYAK)など、多くのシンガーが参加、CD2枚組の大作であった「光の宮殿」を、
男女ヴォーカルの歌声と見事な演奏でドラマティックに再現、まさに壮大華麗なるロックオペラが繰り広げられる。
随所に活躍するタイス・ヴァン・レアー(FOCUS)のフルートや、ロビー・ヴァレンタインの優美なピアノパートも聴きどころ。
Disc2後半では、ルカッセン関連のプロジェクトから、アネクの歌うGENTLE STORM、シモーネの歌うAMBEON
マルセラの歌うSTREAM OF PASSIONと、美声の女性シンガーにウットリ。さらには、GUILT MACHINE
フィッシュの歌うMARILLIONなども。DVDではこのゴージャスなステージ映像を楽しめる。ファン必見のライブ作品。
ドラマティック度・・9 壮大度・・9 豪華メンバー度・・9 総合・・8.5 
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Ayreon「Transitus」
オランダのシンフォニック・ロックオペラ、エイリオンの2020年作
1995年にスタートしたアルイエン・ルカッセンによる壮大なプロジェクトも、本作で通算10作目を数える。
19世紀を舞台にしたゴシック・ホラーストーリーに基づく、CD2枚組の大作で、KAMELOTのトミー・カレヴィック、
OCEANS OF SLUMBERのカミー・ギルバート、元STREAM OF PASSIONのマルセラ・ボヴィオ、EPICAのシモーネ・シモンズ、
アマンダ・サマーヴィル、ディー・スナイダー、ARENAのポールマンズィ、THRESHOLDのジョアンヌ・ジェームスなど、
配役ごとのシンガーに、ジョー・サトリアーニ、マーティー・フリードマンなど演奏陣にも多数のメンバーが参加している。
トム・ベイカーによるナレーションから、壮麗なシンセアレンジにギターを重ね、男女ヴォーカルの歌声を乗せて、
随処にプログレ的な展開力も含んだ、ドラマティックなサウンドを描いてゆく。楽曲自体は3〜4分前後とわりとシンプルながら、
曲間のナレーションが多く、長尺に感じるかもしれないが、プログレのコンセプト作が好きな方ならじっくり楽しめるだろう。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 壮麗度・・8 総合・・8 
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ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S STAR ONE - SPACE METAL
アルイエン・アンソニー・ルカッセンのプロジェクト、スターワンの2002年作
壮大なシンフォニックプロジェクトを精力的に作り続け、世界中のミュージシャンを巻き込んで活動を続けるルカッセンであるが、
今作では「宇宙」をテーマにした、ハードエッジなシンフォニックメタルに焦点を当てている。ラッセル・アレン(Symphony X)、
フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)、ダン・スワノ(元EDGE OF SANITY)、ゲイリー・ワーカンプ(SHADOW GALLERY)、ヤンス・ヨハンソン、
エリク・ノーランダー(LANA LANE)、デイブ・ブロック(HAWKWIND)といった多彩なゲストが参加、ほどよくメタリックでスペイシー、
ときにネオクラシカル風味なども加えた濃密なサウンドを聴かせる。AYREONのドラマティックな作風とはやや趣を異にしたサウンドは
メタリックなスペースサイケというべきか。Disc2では、HAWKWINDのメドレーも披露。本作は現代版メタリック・ホークウインドだったのだ。
シンフォニック度・・8 スペース度・・8 サイケメタル度・・8 総合・・8
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ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S STAR ONE「LIVE ON EARTH」
アルイエン・アンソニー・ルカッセンによるプロジェクト、スター・ワンのライブ作品CD+DVD。2003年作
メタリックなHAWKWINDというべきプロジェクトのライブを、2CD+DVDに収録、ラッセル・アレン(SYMPHONY X)、
ダミアン・ウィルソン(元THRESHOLD)、フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)らの豪華ヴォーカル陣に、
ベースにはFINCHのメンバーだったピーター・ヴィンクが参加。オルガンを含むシンセにハードなギターを重ね
男女ヴォーカルの歌声とともに、ノリのよいスペース・ハードロックを聴かせる。STAR ONEのナンバーを中心に、AYREONの曲も披露。
映像で見ると、ステージにはスクリーンやら高台などがあり、いろいろ凝っているのだが案外に狭く、仕掛けのわりにはどうもせせこましい感じ。
気になるのがカメラワークの悪さで、正面からの固定カメラをメインに、ときどきヴォーカルメインのアップ映像が入るというつまらなさで、
こんな映像ならDVDはいらなかったような気も。また、メンバーが多いので、とくにヴォーカル陣の動きの統一感のなさはどうにも。
ライブ映像・・6 ライブ演奏・・8 壮麗度・・8 総合・・7.5
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ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S STAR ONEVictims of the Modern Age
AYREONのアルイエン・ルカッセンによるスペースメタル、スターワンの2010年作
AYREONシリーズに一区切りをつけたルカッセンだが、STAR ONE名義としては2002年以来となる。
ラッセル・アレン、ダミアン・ウィルソン、ダン・スヴァノ、フロール・ヤンセン、ゲイリー・ワーカンプなどがゲスト参加、
スペイシーなシンセワークと、複数のヴォーカル、コーラスが合わさった壮麗さで、まさに宇宙版エイリオンというような
濃密なスペースメタルを聴かせる。前作でも聴かれたスペースサイケ的な浮遊感にメタリックなヘヴィさを加えた作風は、
SF小説かスペースオペラのようで、広がりのあるスケール感が見事。今作はHAWKWIND色はなく、むしろAYREONの延長上の作品として楽しめる。
ドラマティック度・・8 スペース度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S STAR ONE 「Revel In Time」
アルイエン・ルカッセンによるスペースロック・プロジェクト、スター・ワンの2022年作
AYREONでの活動で知られるルカッセンだが、こちらSTAR ONE名義では12年ぶりの作品。ジョー・リン・ターナーをはじめ、
ダミアン・ウィルソン、ロイ・カーン、トニー・マーティン、ジェフ・スコット・ソート、ダン・スワノ、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、
ジョン・カイペルス、フロール・ヤンセン、イレーネ・ヤンセン、ブリトニー・スラヤス、マルセラ・ボヴィオなど名だたるシンガーに、
エイドリアン・ヴァンデンバーグ、スティーヴ・ヴァイ、マイケル・ロメオ、ロン・サール、イェンス・ヨハンソンなど、多数のゲストが参加している。
Disc1と2では、楽曲は同じだが、それぞれ別のシンガーを配置するというこだわりよう。「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、
時空をテーマにしたSF系映画からインスパイアされたという楽曲は、ほどよい疾走感もあり、キャッチーなメロディアス性とシンフォニックな壮麗さ、
力量のある男女ヴォーカルにより、じつにゴージャスな聴き心地である。AYREONにも通じる、ロックオペラ的なスケール感で描かれる力作。
ドラマティック度・8 壮麗度・9 豪華ゲスト度・9 総合・8
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ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S Lost in the New Real
AYREON、STAR ONEのアルイエン・アンソニー・ルカッセンによる2012年作
エイリオンのシリーズに一区切りをつけたルカッセン、2010年のスター・ワン名義以来の作品で
本作はSF映画的なコンセプトとなっている。俳優、ルトガー・ハウアーによるナレーションから、
ストーリー的な流れとともに楽曲は始まってゆく。初期のAYREONにも近いゆるやかな聴き心地で、
キャッチーなヴォーカルメロディとプログレ的なシンセアレンジ、フルートやヴァイオリンなどの
アコースティカルな牧歌性も含みつつ、映画的なドラマ性とともに繊細に世界観を構築してゆく。
Disc2ではPINK FLOYD、LED ZEPPELINなどのカヴァーも上手にコンセプトに取り込んでいる。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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BAD HABIT「ADULT ORIENTATION」
スウェーデンのメロディアス・ハードバンド、バッド・ハビットの3rd。1998年作
ZEROレーベルから出ていた2ndも良かったが、今作も爽快な叙情ハードポップ全開の快作だ。
前作にはいくつかの捨て曲らしきものもあり、全体として完璧なアルバムではなかったが、
今回はもう全曲良い。全14曲、北欧らしい叙情メロハーサウンドを堪能できる。
泣きの歌メロと心地よいギターメロディ、そして美しいキーボードアレンジにうっとりだ。
すべてのメロハーファンへ贈る、捨て曲なしの大傑作アルバムである。
メロディアス度・・9 爽快度・・9 捨て曲・・0 総合・・9 ◆メタル名盤特選入り
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BAD HABIT
「Hear-Say」
スウェーデンのメロディアスハード、バッド・ハビットの4th。2005年作
1998年の傑作「ADULT ORIENTATION」から7年ぶりとなるアルバムで、
相変わらずキッャチーなメロディとともに叙情あふれるサウンドを聴かせてくれる。
リズム面を含めて、いくぶんモダンな感触になった感じもあるが、根っこの部分は不変。
適度に骨太のギターサウンドと、うるさすぎないシンセアレンジ、かすれたヴォーカルの歌声で
3、4分台とシンプルな曲調の中に、哀愁を含んだメロディをたっぷり含んだ作品である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁と叙情度・・8 総合・・8
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BAD HABIT「Above And Beyond 」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、バッド・ハビットの5th。2009作
前作から4年ぶりとなる本作は、期待を上回る素晴らしい出来となった。
爽快な1曲目から、2曲めでは哀愁の叙情が炸裂、その後も我々日本人の琴線に触れまくる叙情と、
絶品のメロディが押し寄せて来る。ピアノを使用したシンセワークは北欧的な透明感をもたらし、
マイルドな歌声とセンスの良いギターが重なって、曲によってはFAIR WARNING以上の素晴らしいメロディが味わえる。
メンバーが大人になったからだろうか、以前よりもその哀愁の情感はとても優しく耳に響くのである。これは見事な傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・8.5
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Bad Habit 「Timeless」
スウェーデンのメロディアスハード、バッド・ハビットのベストアルバム。2010年作
1989年にアルバムデビュー、以来、現在までに6枚のアルバムを発表し
どれも非常にクオリティの高いサウンドで、いまや北欧メロハーを代表するこのバンド。
本作は2008年の「Above And Beyond 」までの楽曲に未発表音源を加えた全16曲を収録。
1987年のデモ音源や、現在入所困難な1st「AFTER HOURS」からの曲も聴けるのが嬉しい。
キャッチーなメロディの軽快さと、いくぶん哀愁を含んだバドハビ節がたっぷり楽しめる。
全曲リマスターで音質も良好。ファンはぜひ手に入れましょう!
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 バドハビ度・・9 総合・・8

Bad Habit 「Atmosphere」
スウェーデンのメロディアスハードロック、バッド・ハビットの2011年作
北欧メロハーの歴史的傑作といえる3rd「ADULT ORIENTATION」の素晴らしさ、
そして前作「Above And Beyond」で聴かせてくれた輝きを継承し、
6作目となる本作も、彼ららしいキャッチーな叙情をふんだんにまぶした力作に仕上がっている。
印象としてはギター面でのヘヴィさがサウンドの輪郭を太くしていて、シンセを含んだ北欧らしい透明感との
ほどよいバランスになっている。哀愁を含んだメロディラインはこのバンドの持ち味で、
その泣きの情感は我々日本人の琴線にぴたりと触れる。バドハビ健在の傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・8
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BALANCE
アメリカのメロディックロック、バランスの1981年作
ニューヨーク出身のギター、シンセ、ヴォーカルというトリオ編成で、
「TOTOに対する東からの回答」と言われたように、美しいシンセアレンジに、
キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる、王道のAORサウンド。
往年のTOTOのきらびやかな部分を抽出したようなクオリティの高さで、
3〜4分前後にコンパクトにまとまった楽曲は、どれもメロディックなフックで楽しめる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 TOTO度・・8 総合・・8
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BALANCE OF POWER
「BOOK OF SECRETS」
イギリスのメロディアスハードロックバンド、バランス・オブ・パワーの2nd。1998作
イギリスらしく正統派のメロディアスハードで、日本での知名度はさほどではないが
すでに中堅〜ベテランの域にあるバンド。聴きやすい歌メロに、プログレハード的な雰囲気も感じさせる楽曲、
そこにクラシカルなギターときらびやかなキーボードがシンフォニックに重なる、なかなかにドラマティックなサウンドである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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BALANCE OF POWER
「Ten More Tales Of Grand Illusion」
イギリスのプログレハードバンド、バランス・オブ・パワーの3rd。1999作
伝統あるブリティッシュメタルを継承する数少ないバンド。英国の誇りただようドラマティックなサウンドは、
もっと評価されていい。このアルバムは、プログレハード的だった2ndに比べ様式美メタル色と骨太の質感が強くなっている。
オリジナルメンバーであったKeyの脱退の影響もあるだろうが、やわらかみよりも重厚さが前に出ていて
個人的には、2ndでのキャッチーなメロディアスハード色が好みだっただけにやや残念。
ただ、この後バンドは4thにて大胆なプログレメタル方向へのシフトで傑作を作り上げることになる。
なんにしても、貴重な英国ドラマティックハードの希望をになうバンドである。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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BALANCE OF POWER
「PERFECT BALANCE」
イギリスのメロディアスメタルバンド、バランス・オブ・パワーの4th。2001作
英国バンドとして地道に活動を続けているこのバンドはもっと多くの人々に評価されていい。
シンフォニックなキーボードを散りばめたメロディアスな楽曲には、プログレッシブな知性とブリテイッシュの誇りを感じさせる。
4作目となるこのアルバムでは、さらにメタリックな音の迫力が増しており、メロディアスハード的でありながら、
ネオクラシカル風味もあり、そしてプログレメタルとしてもしっかり楽しめるくらいの見事なサウンドになっている。
ときにDREAM THEATERを想起させるドラマティックさに加え、しっとりと聴かせるたおやかなピアノも美しく、
全体的に隙のないクオリティの高いアルバムである。このバンドをまだ聴き逃している方は要チェック!
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 けっこうプログレメタル度・・8 総合・・8
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BALANCE OF POWER
「Heathen Machine」
イギリスのメロディックメタルバンド、バランス オブ パワーの5th。2003作
ヴォーカルを代えてアルバムで、雰囲気も初期からは大きく代わり重厚な部分が増している。
曲は6〜8分代のものを中心で、前作のプログレメタル色よりは様式美色が前に出ており、
正統的な作りの楽曲に、サビでのドラマティックな音像は英国的な威厳を感じさせる。
ここが素晴らしいという部分はとりたててないが、全体的によくまとまったアルバムだ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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Beggars & Thieves 「We Are the Brokenhearted」
アメリカのメロディアスハード、ベガーズ・アンジ・シーブスの2011年作
90年代に元オジー・オズボーン・バンドのフィル・スーザンを中心に結成されたバンドの12年ぶりの復活作。
現在は、ルイ・マリーノ、ロニー・マンキューソによる二人組ユニットとして活動していて、サウンドは
マイルドなヴォーカルとメロウなギターワークを乗せた、古き良き感触の正統派ハードロック。
楽曲にはこれといって新鮮味はないものの、じっくりと聴かせる耳心地の良さと、枯れた味わいは、
どこかなつかしい感じがする。うっすらとしたシンセアレンジに泣きのギターが重なる、
日本人好みのウェットな叙情性もよいですね。全体的にもクオリティの高い好作品です。
メロディック度・・8 古き良きHR度・・8 大人の叙情度・・9 総合・・8
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BLACK ROSE MAZE
イタリアのハードロック、ブラック・ローズ・メイズの2020年作
カナダ出身の女性シンガー、ローザ・ラリキュータをフロントに、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオがプロデュース。
ほどよくヘヴィなギターに、ハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、80〜90年代ルーツのハードロックサウンド。
エモーショナルに歌い上げるローザの歌唱と、キャッチーなメロディのフックで聴きやすい反面、
楽曲自体は3〜4分前後でわりとオーソドックス。新鮮さやインパクトはあまり感じないのだが、
DANTE FOXあたりに通じる、正統派の女性声メロディアスハードとしては、高水準な出来である。
ジャケのイメージからシンフォニックメタルかなと勘違いしそうだが、シンプルな女性声HRの好作です。
メロディック度・8 キャッチー度・7 女性Vo度・8 総合・8
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Black Symphony 「Tears of Blood」
アメリカのハードロックバンド、ブラック・シンフォニーの2001年作
シンセを含む5人編成で、基本は古き良き正統派のHRサウンドであるが、いくぶん知的な構築力や
多少のプログレメタル風味もあります…という感じの作品。サウンド的には、正直なところ新鮮味はなく、
オルタナ色もあったり、90年代の生き残りのような古くささがあって、メタルとしてもプログレとしても中途半端な印象。
まったく知らない存在でしたが、知らなくても別によかった。ボーナスCDには、The WHO、Deep Purple、
Black Sabbath、Queensrycheのカヴァーを収録。こちらの方がまだ楽しめた。
ドラマティック度・・7 新鮮度・・6 楽曲・・6 総合・・7




BLAME ZEUS「SEETHE」
ポルトガルの女性声メタル、ブレイム・ゼウスの2019年作
ヘヴィなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せ、緩急ある展開とともに、モダンな味わいのメタルを描きつつ、
曲によってはブルージーな雰囲気もあったりして、オールドな女性声ハードロックとしても楽しめるという。
紅一点、Sandra嬢の歌声は、ほどよくシリアスで、いくぶん魔女めいたところもあって表現力も充分。
ときおりプログレッシブな雰囲気も漂わせつつ、楽曲は4〜5分前後と長すぎず、わりとシンプルに聴けるが、
メロパワでもゴシックでもシンフォニックでもないので、展開にさほど引っ掛かりがなく、全体的にもプログレメタルなのか、
ヴィンテージハードなのか、ややどっちつかずという印象も。女性声の実力はあるので、今後は方向性の確立を願いたい。
ドラマティック度・・7 ヴィンテージ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Blood Red Saints「Speedway」
イギリスのハードロック、ブラッド・レッド・セインツの2015年作
IN FAITHのメンバーを中心に結成されたバンドで、古き良き味わいのギターワークに、
中音域やや高めのヴォーカルを乗せた、80年代から受け継がれる王道のハードロックサウンド。
キャッチーなメロディのフックと、どっしりとした骨太のグルーブ感のバランスもよろしく、
適度にウェットで哀愁を含んだ大人の叙情性が、TENなどにも通じる英国らしいドラマ性を描いていて、
これという目新しさはないが安心して楽しめる。ヴォーカルの表現力も含めて、キャリアのあるメンバーらしい
落ち着きのある演奏がサウンドの説得力となっていて、スローテンポのナンバーなどにも渋い味わいがある。
メロディック度・・8 王道HR度・・8 大人の叙情度・・8 総合・・8
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BLOOM
スウェーデンの女性Voロックバンド、ブルームのアルバム。2006作
ヨハンナ嬢のキュートな歌声で聴かせるキャッチーな北欧ロックで、
シンプルながらもその素直なメロディはなかなか耳に心地よい。
ProgMetalバンドANDROMEDAのメンバーがギターで参加していることもあり、
メタルファンにも聴きやすいだろう。 あまり飾りたてない彼らのサウンドは、
昨今の音楽シーンにおいてはむしろ貴重といってよいかもしれない。
メロディアス度・・8 素直度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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BLUE OYSTER CULT 「THE SYMBOL REMAINS」
アメリカのハードロック、ブルー・オイスター・カルトの2020年作
1971年デビュー、元祖「ヘヴィメタル」とも言われるカルトなHRバンド。スタジオ作としては2001年以来、
じつに19年ぶりとなる新作。エリック・ブルーム、ドナルド・バックダーマ・ローザーの2人のオリジナルメンバーは健在で、
オールドな味わいのギターにエリック・ブルームのクセのあるヴォーカルが乗ると、まさにかつてのBOCサウンドが甦る。
2曲目以降は、ポップな味わいのキャッチーなロックナンバーや大人の哀愁を漂わせるバラードなども味わいがあり、
オルガンを含むシンセとともに、新たに加入したリッチー・カステラーノの叙情的なギタープレイも随所に光っている。
ブギウギ調のナンバーからサバス風HRまで、バラエティに富んだ内容で、新たにBOCを聴く方には、つかみどころがないかもしれないが
オールドなファンにとっては新作が出るだけでも嬉しいだろう。初心者の方はまず、70年代の傑作「Secret Treaties」
「Fire of Unknown Origin」、最高のライブ作「On Your Feet Or on Your Knees」あたりから入ることをオススメしたい。
ドラマティック度・・7 大人のロック度・・9 BOC度・・8 総合・・8
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BOB CATLEY「THE TOWER」
MAGNUMのヴォーカル、ボブ・カトレイの1stソロ。1998作
ゲイリー・ヒューズがプロデュース、演奏陣もヴィニー・バーンズらTENのメンツであるので
当然サウンドもTENに通じるメロディアスなハードロックであるが、落ち着いたボブの声質や、
時折聴かれるケルト風のメロディなどもあって、重厚でありながら清涼感のある壮大なロック作品になっている。
おそらくこの作品の成功があったから、ボブはソロ作品を今もなお続けられているのだろう。
そういう点でもゲイリー・ヒューズの果たした功績は大きい。ライブCD付きの2枚組もある。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 TEN度・・8 総合・・8
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BOB CATLEY「LEGENDS」
MAGNUMのヴォーカリスト、ボブ・カトレイのソロアルバム2作目。2000年作
1stに続きTENゲイリー・ヒューズがプロデュース、作曲も手がけている。
今回は、曲ごとに歴史上の人物や、文芸作品などをテーマに取り上げている。
プレスリー、マリリン・モンロー、「ヘンリー五世」、「ドラキュラ」、「嵐が丘」、「オペラ座の怪人」等。
サウンドの方は、1st「THE TOWER」のケルト色に比して、こちらはドラマティックハードロック路線で、
やはりTENに通じるような哀愁とメロディアスさを、重厚なサウンドで仕上げている。
ボブ・カトレイの落ち着いた、味わい深い歌唱が、英国ロックの空気をかもしだしている。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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BOB CATLEY「MIDDLE EARTH」
MAGNUMのヴォーカリスト、ボブ・カトレイのソロアルバム3作目。2001年作
同じ英国の叙情派ハードロックバンド、TENゲイリー・ヒューズがプロデュース、作曲も手がけている。
ボブ・カトレイのしっとりとした歌声をメインにしたドラマティックで落ち着きのあるサウンド。
「指輪物語」をコンセプトにし、キーボードとギターの重ねでシンフォニックな音像は
ボブの声質ともあいまって、押し付けがましさのない繊細なドラマ性を構築している。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 しっとり度・・9 総合・・8
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BOB CATLEY「WHEN EMPIRES BURN」
MAGNUMのヴォーカリスト、ボブ・カトレイの4thソロ。2003作
前作まではTENのゲイリー・ヒューズとのコンビだったが、今回はTENのKEY、ポール・ホドソンが曲を書き、プロデュース。
ゲイリーの作るメロディ展開が好きだった私としてはちょっと残念だが、鍵盤奏者の作曲ということで、
従来よりもシンフォニック度と重厚度が増している感じがする。3曲目あたりの流れるようなアレンジ、
5曲目のきらきらとしたイントロなんかはじつに心地よく、やや歌メロが普通すぎる曲もいくつかある気がするが、
全体としては堂々たる完成度。相変わらず見事なボブの「大人の歌唱」はやはり安心して聴け、音に浸れる。、
メロディアス度・・・・8 シンフォニック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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BOB CATLEY「Spirit Of Man」
MAGNUMのヴォーカリスト、ボブ・カトレイの通算5作目のソロ。2006作
今回はTEN人脈ではなく、Lost WeekendのVince O'Reganを中心に、今までよりも古典的な英国ハードロックの質感が増している。
メロディにはかつてのMAGNUMも思わせる雰囲気もあり、当然ながらボブ・カトレイの歌声も楽曲に自然にマッチしている。
過去作での壮大さが薄まったのは個人的にはやや不満だが、聴きやすく英国的な湿りけのあるハードロックであるには変わりない。
メロディアス度・・8 英国度・・8 マグナム度・・8 総合・・8
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Bob Catley「Immortal」
MAGNUMのヴォーカリスト、ボブ・カトレイのソロ6作目。2008年作
1998年の「THE TOWER」以降、本家MAGNUMの復活も含めて、旺盛に活動を続けるボブだが、
本作ではデニス・ワード、マグナス・カールソンという実力あるメンバーが参加、オーケストラルで壮麗なイントロから始まり、
メロウなギターに衰えぬヴォーカルの表現力で、重厚かつドラマティックなメロディアスハードが広がってゆく。
雰囲気としてはTENのゲイリー・ヒューズと組んでいた頃のような古き良き、そして英国的な誇りを感じさせるサウンドで、
MAGNUMではおなじみロドニー・マシューズのジャケもとてもいい感じだ。英国の叙情とプライドに包まれた好作品だ。
ドラマティック度・・8 正統派メロハー度・・8 英国度・・8 総合・・8
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Broke[N]Blue 「The Waiting」
スウェーデンのメロディアスハード、ブロークン・ブルーの2005年作
うっすらとしたシンセアレンジを含んだ古き良き感触を残した北欧メロハースタイルで、
男女のツインヴォーカルによる歌声を乗せた、キャッチーなサウンドが耳心地よい。
基本的には女性Voがメインなのだが、曲によっては男性声がメインとなったりする。
全体的に平均点以上の聴き心地なのだが、欲を言えば1曲ごとのメロディの魅力がもう少し欲しい。
ともかく、Alyson AvenueやDante Foxなどが好きな方にもアピールするだろう好作品です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 北欧メロハー度・・8 総合・・7.5
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CANADA 「Afterimage」
イタリアのプログレハード、カナダの2010年作
マッシオ・シロー氏の一人ユニットで、80〜90年代の未発音源をまとめた作品。
サウンドはいくぶんプログレ的な感じもあるAOR風味のもので、演奏はともかくとして歌の下手さと
デモレベルの音質にげんなりとなる。日本のアマチュアでもこれよりいい音のデモは作れるだろう。
シンセアレンジも入ったキャッチーな曲調は、ときにASIAなどに通じるような雰囲気もあるが、
せめてまともなヴォーカルを入れて、まともに録音してから作品にして欲しかったというのが正直なところ。
メロディック度・・7 音質・・3 楽曲・・7 総合・・6.5




CANNATA 「Images of Forever
アメリカのプログレハード、ArcAngelのジェフ・カンナタのソロ1作目。1988年作
きらびやかなシンセとマイルドなヴォーカルで聴かせる、80年代スタイルのプログレハード。
TOTOあたりを思わせるポップな感触と耳触りのよいキャッチーなメロディで、
3、4分台の比較的シンプルな曲調は、むしろハードポップという作風であるが、
美しいシンセアレンジなどはさすがのセンス。クオリティの高い好作品です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 ポップ度・・8 総合・・8

CANNATA「Watching the World」
80年代にARCANGELというバンドで活躍したジェフ・カンナタの1993年作
美しいシンセワークと、かすれたヴォーカルの歌声で聴かせる、
古き良き味わいのメロディアスハードサウンド。ハードロックというよりは
プログレハードの音作りなので、あくまで耳に心地よいキャッチーさが持ち味で、
BOSTONあたりに通じる感触もある。これだというインパクトはないが安心の好作である。
メロディアス度・・8キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・7.5
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CANNATA 「MYSTERIUM MAGNUM」
ジェフ・カンナタの2006年作
美しいシンセにゆるやかなギターワーク、枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、80年代風のプログレハードサウンド。
TOTOKANSASなどを思わせるいかにもアメリカ的なキャッチーさに加え、プログレ的なフルートなども加わって、
ときにシンフォニックに聴かせたり、コーラスハーモニーはYESを思わせるような感触もある。
総じて新鮮味はないのだが、楽曲の質は高く、安心して楽しめるメロディアスな作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 プログレハー度・・8 総合・・8
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CAP OUTRUN 「High On Deception」
スウェーデンのプログレ・ハードロック、キャップ・アウトランの2021年作
マルチミュージシャン、アンドレー・テアンダーを中心にしたバンドで、OUTLOUDのシンガー、チャンドラー・モーゲルが参加。
メロディックなギターに優美なシンセと伸びやかなヴォーカルを乗せて、カラフルなジャケのイメージのようなキャッチーなメロディックロックを聴かせる。
きらびやかなシンセアレンジやリズム面でのテクニカルな感触はプログレ寄りながら、メロハー寄りの抜けの良さを感じさせる点では、A.C.T.などのファンにも楽しめるだろう。
随所に流麗なギタープレイも覗かせる演奏力の高さも含めて、優雅で軽妙なセンスとクオリティの高さは、さすがキャリアのあるミュージシャンたちである。
メロディック度・8 プログレ度・7 優雅度・8 総合・8
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Carmen Gray「The Portrait of Carmen Gray」
フィンランドのハードロックバンド、カルメン・グレイの2007作
ヴィジュアル重視の色物バンドかと思いましたが、どっこいサウンドの質はけっこう高かった。
フィンランドらしい倦怠と哀愁の叙情をまとわせた楽曲はあくまでメロディアス。
キーボード入りの美しいアレンジもいかにも北欧的だし、かすかに土着性を含んだメロディを織り込むセンスもいい。
ゴシック色を薄くしたHIMという感じもあって、フィンランド好きならチェックする価値はあり。
メジャー志向のキャッチーさとオーセンティックなHRとしてのバランスが見事なサウンドだ。
メロディアス度・・8 キャッチーな哀愁度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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Carmen Gray「WELCOME TO GRAYLAND」
フィンランドのハードロックバンド、カルメン・グレイの2nd。2008作
今作も同郷の偉大な先輩であるHIMからの影響を感じさせる雰囲気に
欧米のモダンなロックスタイルを取り入れたサウンドで楽しませてくれる。
ハモンド風のレトロなシンセの音色なども使用して、古き良きハードロックの質感と
フィンランドらしいメランコリックな叙情とともに、なかなか巧みなアレンジが光る。
この絶妙のバランス感覚は若手にしては類まれな部類といっていいだろう。
一聴したインパクトはさほどではないのだが、音がうるさすぎない、派手すぎないことが
何度でも聴ける心地よさになっていて、メタル以外の一般ロックリスナーにも聴かせられる。
メロディアス度・・8 新鮮度・・7 フィンラン度・・8 総合・・8
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CASANOVA「BeautyMust Die」
ドイツのメロディアスハードロックバンド、カサノヴァの2004作
1991年にアルバムデビューしてから1999年までに3作を発表、
その後音沙汰がなかったが5年ぶりに4作目となる本作を出してきた。
色っぽいジャケから惹きつけられるが、サウンドはキャッチーかつポップな
正統派のメロディアスハードで、そこにドイツらしい哀愁のメロディも感じられる。
ヴォーカルの甘い歌声をメインに、ときに聴かせるメロウなギターワークもいい。
ベテランらしくよく練られた聴き心地のいいメロディックロックが楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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CASKET「TOMORROW」
ドイツの男女Voハードロックバンド、カスケットの1st。1997作
男女Voということやジャケの雰囲気から、その手のゴシックメタルを想像しそうだが
このバンドのサウンドは耽美色、ゴシック色はほぼ皆無で、女Vo入りの普通のメタルという印象。
キーボードも添え物程度に入ってはいるが、基本はゆったりとした女性声のハードロックで
曲によってはメタルでさえないような(ビートルズみたいなメロの曲もあるし)ロックをやっている。
メロディアス度・・7 ゴシック風度・・2 女性Vo度・・7 総合・・7


CAUGHT IN THE ACT 「Heat of Emotion」
アメリカのメロディアスハードバンド、コート・イン・ジ・アクトの2nd。1996作
ZEROレーベルから出ていたメロハー系アルバムの中でも当たりの1枚。
1st同様にジャケも地味な雰囲気だが、1曲目から流麗なメロディの洪水で、
思わずにんまりとなるはずだ。美しいシンセワークに泣きのギターがかぶさって、
サビでのキャッチーなヴォーカルメロディもじつに爽や。のちにGUILD OF AGESと改名する彼らだが、
CITA時代のこのアルバムこそが、個人的にはバンドとしての最高作であったように思う。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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CHANGE OF HEART「CONTINUUM」
イギリスのハードポップバンド、チェンジオブハートの2nd。2000作
キャッチーな歌メロとキーボード入りの爽快サウンド、というこの手のバンドではお約束の音。
曲のクオリティもなかなか高く、同郷のHEARTLANDを思わせるメロディアスサウンドだ。
個人的にはもう少しだけ「劇的」さが欲しい気はするが。全編爽やかさに包まれた楽曲は心地よい。
メロディアス度・・8 爽快度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5


Chasing Violets 「Jade Hearts」
フランスのメロディアスハード、チェイシング・ヴァイオレッツの2013年作
セクシーな女性二人のジャケには大変そそられるものがあるが、サウンドの方は80年代テイストたっぷりの
古き良き正統派のAOR。二人の女性ヴォーカルの歌声を中心に、きらびやかなシンセアレンジ、
キャッチーなポップ性も含んだ楽曲は、これという新鮮味はないのだが、いかにもありがちなコーラスや、
派手すぎない音の作りなどが、なんだか確信犯的な作りで、これがどこかなつかしく聴けてしまう。
ただ、肝心の二人の歌声にさほど表現力がないのと、楽曲のメロディのフックの物足りなさが残念。
フレデリック・スラマやポール・サブーが楽曲を手がけ、ヨラン・エドマンがコーラスで参加している。
キャッチー度・・8 古き良きAOR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5


Chernyshev/Bulgakov 「Ocean of Fantasies」
ロシアのメロディックメタル、ЛегионのVo、Alexey BulgakovとG、Alexey Chernyshevによるユニットの2013年作
ジャケのイメージカらは壮大なシンフォニックメタルを想像したのだが、実際はキャッチーなメロディアスハード風のサウンド。
やわらかなシンセアレンジとそこそこハードなギターに、枯れた味わいのヴォーカルを乗せた感触で、
オルガンも鳴り響くという古き良き大人のHRスタイル。ギターはブルージーな味わいを含んだ泣きの叙情フレーズも奏でたりと、
なんとなく英国の80年代HR風味を漂わせる。かと思うと、RAINBOWのキルキン風に疾走したり、ネオクラ風や、
ヴァン・ヘイレン風味もあったりと、けっこう節操がない。オッサンの趣味臭ただようメロディアス・ハードロックです。
Disc2には1997〜98年に録音されたデモ8曲と、Легионの初期作品のニューリミックス音源を収録。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5


CHEZ KANE
イギリスの女性シンガー、シェイ・ケインの2021年作
CRAZY LIXXのダニー・レクソンがプロデュース、ほどよくハードなギターにきらびやかなシンセ、
伸びやかな女性ヴォーカルで聴かせる、80年代ルーツのメロディックロックサウンド。
リー・アローロンやリタ・フォードなどに通じる、古き良きアメリカン女性声ロックの系譜にありつつ、
ケイン嬢の歌声はもう少しフェミニンな魅力があり、艶めいたハスキーさは日本人好みだろう。
楽曲はキャッチーなメロディのフックでどれも爽快でハッピーな聴き心地。実力ある女性ヴォーカルを乗せた、
オールドスタイルのメロハーという点では、DANTE FOXなどのファンにもアピールする出来だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Circle of Light 「Rebirth」
アメリカのハードロック、サークル・オブ・ライトの2012年作
LILLIAN AXEのスティーヴ、ブレイズが元メンバーたちと組んだバンドで、
サウンドは古き良き感触の正統派のアメリカン・ハードロック。
いまのリリアン・アクスに比べると、楽曲はよりシンプルな印象であるが、
もちろん、随所にかつてのリリアン節ともいうべき叙情も覗かせる。
そしてスティーヴ・ブレイズのギターワークはさすがというべきセンスだ。
メロディック度・・7 正統派HR度・・8 リリアン度・・8 総合・・7.5




CITADEL「THE CITADEL OF CYNOSURE & OTHER TALES」
幻のアメリカンプログレハードロックバンド、シタデルの唯一のアルバム。1990作。
内容はハードロック的音像の中にもキャッチーな歌メロ、キーボードワークが光る良質のプログレハード。
コーラスも兼ねる女性ベーシスト、ギター&ヴォーカルの甘い性質、そしてセンスの良いキーボードと、
内容充実。とてもなごやかで、さわやかなメロディ満載の好作です。
シンフォニックプログレハードとして、1作で消えてしまうにはまったく惜しいバンドでした。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 さわやかキャッチー度・・9 総合・・8
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CLEARLAND 「Gift from Time」
ブルガリアのメロディアスハード、クリアランドの2004年作
マルチミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバソフとシンガーのニコライ・ライコフのユニットで、2020年版のリマスター仕様。
きらびやかなシンセとメロディックなギター、マイルドなヴォーカルで聴かせるキャッチーかつ爽快なサウンドで、
古き良きハードポップ的感触の中にも、随所に流麗なギターフレーズが光っていて、ギタリストとしての技巧も覗かせる。
きらびやかなシンセアレンジはプログレ的な雰囲気もあって、曲によってはASIAのような優美な味わいもあり、
伸びやかなヴォーカルの実力も含めて、叙情的なバラードなども耳心地よい。英語歌詞を基本にしつつ、
ジャンバゾフ自身が歌う母国語によるナンバーなども異国的な聴き心地で、ゆったりと鑑賞できる。
大人のプログレハードというべき逸品です。ダウンロード版ではボーナスとして新たにデモ音源を8曲追加。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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CLEARLAND 「The Right Direction」
ブルガリアのメロディアスハード、クリアランドの2020年作
2004年に唯一の作品「Gift from Time」を発表したユニットの発掘音源集というべき作品で、
1999〜2003年までに録音されたデモ音源を新たにリマスターしたもの。きらびやかなシンセアレンジに
叙情的なギターの旋律を乗せ、伸びやかなヴォーカルで聴かせるサウンドは、デモといえども高品質で
シンフォニックといってよい優美な味わいに包まれている。打ち込みなのでドラムはどうしても薄っぺらいが、
プログレ的でもある優雅な展開力に、メインヴォーカルのニコライ・ライコフに、Virtuelのローセン・アンゲロフも参加していて、
表現力ある歌声がエモーショナルに楽曲を彩り、むしろ正規アルバム以上にシンフォプログレ寄りで、日本人好みといってよい。
コンスタンティン・ジャンバソフの巧みなギタープレイも聴きどころで、9分を超える大曲での構築センスも見事である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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COASTLINE
スウェーデンの女性Voメロディアスハードバンド、コーストラインのアルバム。
この手のメロハーとしては久々に女性Voをフロントに置いたバンドの登場だ。
キーボード入りの北欧らしい爽やかな曲調にヘレナ嬢のややハスキーな明朗な歌声、
メロディラインもキャッチーで(かつてのYANKEE HEAVENなどを思わせ)実に耳に心地よい。
特に新しさはないが、女性ヴォーカルのHRが好きな方なら要チェック。
メロディアス度・・8 爽やかメロハー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CODE「The Enemy Within」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、コードの2007作
GRAND ILLUSIONのメンバーによる新たなユニットということだが、
サウンドはいたって正統派の北欧ハードロック。曲調は、キャッチーなきらびやかさよりも
TNTあたりの80年代風味を感じさせるもので、正直言って新鮮味はほとんどない。
もちろん、演奏のレベルも高いし、アルバムの完成度もそれなりにはあるのだが、いかんせん
今聴くには古めかしいまでのハードロックなので、若いリスナーには厳しいかもしれない。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 北欧度・・8 総合・・7
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Code of Silence「Dark Skies Over Babylon」
ドイツのメロディアスハード、コード・オブ・サイレンス2013年作
十字軍兵士のジャケがいかにもエピックメタル的で勇壮な感じなのだが、サウンドの方はというと、
キャッチーなメロディで聴かせる正統派のハードロックなのでした。伸びやかなハイトーンヴォーカルと
美しいシンセアレンジ、優美なコーラスハーモニーにツインギターによる厚みのあるサウンドで、
随所にメタル的などっしりとした感触もある。6分、7分というこの路線のバンドにしては曲が長めなのだが、
ゆったりとしたバラードナンバーも含め、TENあたりにも通じるドラマティックな雰囲気でじっくりと鑑賞できる。
メロデッィク度・・8 キャッチー度・・8 メロハー度・・8 総合・・8
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CONSTANCIALOST AND GONE
スウェーデンのメロディアスハード、コンスタンシアの2009年作
メロハー大国スウェーデンからの期待の新鋭。美しいシンセと適度にテクニカルなギターワークで構築される楽曲は、
単なるメロハーというよりはプログレメタリックな質感もあるサウンドだ。
随所に泣きのフレーズを散りばめたギターのセンスもなかなかのもので、
手数の多いドラムとともに、重厚かつダイナミックなアンサンブルを聴かせる。
「メログレッシヴ・メタル」と彼ら自身が標榜するように、メロディックロックと
プログレッシブ・メタルをミックスした聴き心地で、クオリティの高さが光る作品である。
メロディアス度・・8 プログレメタリック度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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Cori Yarckin
アメリカの女性Voハードロック、コリー・ヤーキンの2009年作
適度にヘヴィなモダンさも含んだキャッチーなハードロックサウンドで、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声とともに聴かせる、クオリティの高さが光る。
曲はどれも3分前後とコンパクトなので、これだというインパクトやメロディのフックはないのだが、
EVANESCENCE以後に活発となった女性声ヘヴィロックの流れにあって、
メジャーなポップ感とハードさのバランスのとれた作風で楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CORI YARCKINPart of Me
アメリカの女性Voハードロック、コリー・ヤーキンの2012年作
元々はスター発掘番組でデビューしたというシンガーで、本作が2作目となる。
サウンドは、ポップなフィーリングをまとったキャッチーなメロディックロックで、
伸びやかな彼女の歌声とメジャー感ある作風で、一般向けにも聴きやすい作風。
楽曲自体にさほど新鮮味はないが、適度なヘヴィーさを含んだアレンジの質も高く、
90年代風味の女性声ハードポップとモダンなヘヴィロックを同居させたような好作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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CRAZY LIXXNew Religion」
スウェーデンのハードロックバンド、クレイジー・リックスの2010年作
かつてのLAメタルを思わせるキャッチーなメロディのハードロック。
RATTやMOTLEY CRUEなど80年代の輝きを現代に持ちかえったようなスタイルで、
アリーナロック的な大衆性も含めて、メジャー級のクオリティがあるといっていい。
叙情的なギターのフレーズや哀愁を感じさせるメロディもあり、じっくりと聴けるアルバムだ。
メロディアス度・・8 往年のLAメタル度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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CREYE 「II」
スウェーデンのメロディックロック、クレイの2021年作
2018年にデビュー、本作は2作目となる。美麗なシンセアレンジにマイルドでエモーショナルなヴォーカル、
キャッチーでありながら、涼やかな叙情美に包まれたサウンドは、まさに北欧メロハーの理想郷だ。
楽曲は3分前後とシンプルであるが、フックの効いたメロディやメロウな泣きのギターソロもアクセントになって、
伸びやかなヴォーカルの実力も含めて、日本人好みの透明感ある魅力的なサウンドを描いている。
80年代の産業ロックやハードポップを思わせる耳心地の良さで、ハードロックファンでなくても楽しめ、
全12曲を爽快に聴き終えるという。ここまで良質の楽曲を揃えたという点でも傑作に値するだろう。
メロディック度・・9 キャッチー度・・9 優美な叙情度・・9 総合・・8.5
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Crimson Chrysalis「Crimson Passion Cry」
南アフリカのシンフォニック・ハードロック、クリムゾン・クリサリスの2012年作
ストリングスを含む美しいアレンジと男女ヴォーカルの歌声で聴かせる、シンフォニックハードサウンド。
マイルドな男性ヴォーカルにハスキーな女性ヴォーカルの歌声が絡み、キャッチーかつ壮麗な聴き心地で、
辺境的な雰囲気というのはほとんどない。随所にゴシック的な耽美なロマンティシズムも感じられ、
情感的な女性声の魅力も含めて、これはなかなか素晴らしい。プログレハードのリスナーから
女性Voハードロック、シンフォニックメタルのファンにも楽しめそうな好作品です。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Crimson Chrysalis「Enraptured」
南アフリカのシンフォニック・ハード、クリムゾン・クリサリスの2015年作
前作はシンフォニックなアレンジと女性ヴォーカルで聴かせるプログレハード的な好作であったが、
本作では、1曲目からいくぶんメタル的な質感を増した印象ながら、レン・ヴァン・デン・バーグ嬢のハスキーな歌声と
美麗なシンセアレンジを乗せて、適度な薄暗さとオペラティックな優雅さで描かれるサウンドは、
プログレハード、シンフォニックロックのリスナーなどにも楽しめるだろう。さらに今作では、ジャズやタンゴ、
シャンソン的なポップ感を含んだナンバーもあり、大人の哀愁を感じさせるウェットな聴き心地である。
より情感を増したレン嬢の歌唱の表現力も素晴らしく、オーケストレーションを含む壮麗なアレンジに、
バンドサウンドが融合したシンフォニックナンバーにもうっとり。地域性をまったく感じさせない高品質な傑作です。
シンフォニック度・・9 オペラティック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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CRUCIFIED BARBARA「'Til Death Do Us Party」
スウェーデンのガールズハードロックバンド、クルシファイド・バーバラの2009年作
ハスキーかつパワフルな女性ヴォーカルの歌声とヘヴィなギターワークで聴かせる
本格派のハードロックサウンド。古き良きロックのブルージーなラフさも含めて
女性4人組による音とは思えないくらいに骨太のロックをやっている。
ただメロディックな部分は薄いので、何度も聴きたくなるようなアルバムではないかな。
メロディック度・・7 骨太ロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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CRUCIFIED BARBARAThe Midnight Chase
クルシファイド・バーバラの2012年作
基本は前作同様、パワフルかつダーティに聴かせる正統派HRサウンド。
ミア嬢のハスキーな歌声を乗せた、オールドスタイルのロックンロールを
ヘヴィに追求したシンプルな楽曲は、女版SKID ROWというような味わいで、
潔いまでにストレートな聴き心地だ。一方で、前作よりも楽曲の幅が広がり
フックのあるメロディが備わってきたことで、作品としての完成度が高まっている。
メロディック度・・8 骨太ロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Crucified Barbara 「In the Red」
スウェーデンのガールズハードロック、クルシファイド・バーバラの2014年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声とヘヴィなギターで聴かせる本格派のガールズ・ハードロックバンド、
4作目となる本作も、古き良きテイストのオールドロックをパワフルに聴かせる強力なサウンドだ。
楽曲は3〜4分というシンプルながら、うなるベースと渋いギターリフ、そして迫力を増したミア嬢の歌声で、
女性だけのバンドとは思えない、骨太のハードロックが楽しめる。甘すぎない程度にメロディックなフックもありつつ、
バックの演奏は70〜80年代をルーツにしたブルージーな味わいも増してきている。
お姉さま系ロックバンドとして今後とも頑張ってほしかったが、残念ながら2016年に解散を発表。涙
メロディック度・・7 古き良きHR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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CRY OF DAWN
ヨラン・エドマン率いるメロディアスハードロック、クライ・オブ・ドーンの2016年作
きらびやかなシンセとヨラン・エドマンの伸びやかな歌声を乗せて聴かせる、爽快なメロディアスハードロック。
北欧らしい涼やかでキャッチーなメロディアス性に、表現力ある歌声が合わさった、まさに北欧メロハーの王道。
マイケル・パレス(PALACE)のギターも随所にテクニカルなプレイを覗かせる様式美感を出していてよい感じだし、
ドラムはMINDS EYEなどに参加したダニエル・フローレスで、安定した演奏と歌唱力とメロディのフックが一体となり、
これという新しさはないのだが、クオリティの高さで最後まで楽しめてしまう。どことなく90年代的な空気感にもにやり。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 北欧メロハー度・・9 総合・・8
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Crystal Ball「Virtual Empire」
スイスのメロディアスハード、クリスタル・ボールの2002年作
SF的なイントロから始まる本作は3作目で、美しいシンセアレンジと泣きのギターメロディで聴かせる、
正統派のヨーロピアン・メロディアスハード。かすれたハイトーンヴォーカルの歌声は好みを分けるかもしれないが、
どこか北欧的な透明感と美旋律は日本人好みで、様式美HR的な感触もある。クオリティの高い好作品です。
メロディック度・・8 正統派度・・8 様式美HR度・・8 総合・・8
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CYANIDE
ロシアのハードロック、サイアナイドの2011年作
古き良き感触のギターに女性ヴォーカルを乗せた、ヴィンテージな味わいのハードロック。
女性ヴォーカルは英語なので、ロシアっぽさはさほどなく、かつてのVIXENのような
キャッチーなノリの女性声ロックとして普通に楽しめる。楽曲は3〜4分前後で、
濃密さやメロディのフックとも新鮮味は薄く、もう少しインパクトのあるナンバーが欲しい。
女性声もキュートな感じではないので、全体的に骨太の印象で、ジャケも含めて地味なのが残念。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7



DAMNED NATION「ROAD OF DESIRE」
スウェーデンのメロディアス・ハードロックバンド、ダムド・ネイションの2nd。1999年作
ジャケを見るかぎりクサメタ路線かと思われたが、れっきとした正統派の骨太メロディアスハードです。
透明感や甘いメロディというよりは、どっしりとした重厚なハードロックという印象で、曲も正統派ながら悪くない。
個性という点ではメロディアスハード愛好者ではない私に膝を叩かせるほどのインパクトはないが、
アルバム全体的に演奏、曲ともにクオリティ高い作品だとは思う。
メロディアス度・・7 骨太度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5


DANTE FOX「UNDER SUSPICION」
イギリスのメロディアスハードロックバンド、ダンテ・フォックスの1st。 1996年作
知名度こそあまり高くないのだが、これが実に素敵な女性ヴォーカルロックバンドなのである。
伸びやかな声質のスー・ウィレッツ嬢の歌声を中心に、軽快なアンサンブルとフックに富んだメロディで、
クオリティの高い爽やかでキャッチーなナンバーが全篇につまっている。かといってポップにはならず
メロディには適度にヨーロピアンな湿り気もありのが素晴らしい。本作がデビュー作だがすでに完成されている。
歌唱力のある女性ヴォーカルで聴かせる、正統派のメロディアス・ハードロックとしては最高の部類だろう。
メロディアス度・・8 爽快度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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DANTE FOX「THE FIRE WHITHIN」
イギリスの女性Voメロディアスハードロックバンド、ダンテフォックスの2nd。1999年作
1st「UNDER SUSPICION」から大好きなバンドだったが、今回も1曲目からガッツポーズだ。
綺麗な声質の女性Voスーの歌う爽やかなメロディラインを中心に、極上のハードポップが全篇で展開。
バックのキーボードとギターもうるさ過ぎず、あくまでシンプル。それでこそ歌メロのフックが生きるというもの。
爽快でキャッチ−なメロディの女性ヴォーカルものという点では傑作の名に値する
さわやかメロディアス度・・9 女性Vo度・・9 楽曲度・・8 総合・・8.5
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DANTE FOX「Under the Seven Skies」
イギリスの女性Voメロハーバンド、ダンテ・フォックスの3rd。2007年作
中心人物のティム・マンフォードと女性Voスー・ウィレッツを残してメンバーも変わったが
サウンドの方は変わらぬ爽快なメロディアスハード。8年もたってスー嬢はすっかりお姉さんになっているが、
ややハスキーがかった歌声で楽曲をしっかりと彩ってくれている。もはや新鮮味は薄い作風ながら、
こうした良質なバンドが生き残っていることが嬉しくもある。女性声HR好きならぜひ。
メロディアス度・・8 爽快度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Dante Fox 「Lost Man's Ground」
イギリスのメロディアスハード、ダンテ・フォックスの2012年作
1996年にデビュー、2作を残して休止するも2007年に復活し、本作は通算4作目となる。
古き良きハードロックの感触を残しながら、シンセを含んだ美麗なアレンジと
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せたキャッチーなサウンドは健在。
叙情的なバラードから爽快なメロハーナンバーまで、シンフォニックな音の厚みと
スー・ウィレッツの表現力ある歌声で、じっくりと楽しめる質の高さはさすがですな。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 
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DANTE FOX 「Breathless」
イギリスのメロディアスハード、ダンテ・フォックスの2016年作
1996年にデビュー、当時はまだ女性声のHR/HMはそう多くはなかったが、爽快なメロディアス性で聴かせる、
質の高いアルバムを2作発表、その後沈黙するが、2007年に復活。通算5作目となる本作も、
女性ヴォーカルの伸びやかな歌声を乗せたキャッチーかつ爽快なメロディアスハードが楽しめる。
20年をへても、スー・ウィレッツのハスキーな歌声の魅力は不変で、その表現力はいっそう増している。
随所にきらびやかなシンセアレンジも含みつつ、古き良きハードロック感触を基本にした楽曲も耳心地よく、
シンプルながらしっかりとしたアレンジとメロディの心地よいフックも含めて、キャリアのあるバンドらしい堂々たるクオリティ。
女性声メロハーとしては最高のバンドですな。より多くのリスナーが楽しめるだけの傑作に仕上がっている。
メロディック度・・9 爽快度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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DANTE FOX 「SIX STRING REVOLVER」
イギリスのメロディアスハード、ダンテ・フォックスの2017年作
1996年にデビュー、女性声メロハーとしてはすでにキャリア20年を超えるこのバンド、
本作は過去の楽曲をリレコーディングしたアルバムで、1st、2ndのナンバーを中心に全10曲を収録。
透明感のあるシンセアレンジに、適度にハードなギターとスー・ウィレッツの伸びやかなヴォーカルを乗せ、
キャッチーなメロディのフックで聴かせる、爽快なメロディアスハードサウンドは年季を経た大人の味わいに。
楽曲はどれも魅力的なメロディがあり、ヴォーカルの素晴らしい表現力とアレンジも含めたクオリティも高く、
最後まで安心して楽しめる。はじめてこのバンドを知る方にも、うってつけのアルバムだろう。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8 
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DARE 「Out Of The Silence」
アイルランドのハードロック、デアーの1988年作
THIN LIZZYのダーレン・ワートンを中心としたバンドで、ギターにはこの後TENに加入するヴィニー・バーンズが参加、
マイルドでウェットなダーレンの歌声に、80年代らしいきらびやかなシンセワークとキャッチーなコーラスハーモニーで聴かせる、
クオリティの高いハードロックサウンドだ。英米のバンドとはいくぶん異なる湿り気のある叙情性が素晴らしく、
ヴィニー・バーンズのギターも随所にさすがという輝きを放っている。次作以降に比べるとアイリッシュな香りはまださほど強くないが、
むしろシンセを含んだやわらかな聴き心地では本作が一番かもしれない。まさに叙情ハードロックの傑作です。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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DAREBlood From Stone
アイルランドのメロディアスハードロックバンド、デアーの2nd。1991年作
THIN LIZZYRENAGEDEのダーレン・ワートンを中心としたバンドで、
ヴィニー・バーンズが奏でる古き良きハードロック質感を含んだギターに
キャッチーなメロディ、随所にアイリッシュな旋律を含んだメロディアスハードサウンド。
前作に比べると、かつてのTHIN LIZZYを思わせる骨太なロック感触を増していて、
大人の味わいの叙情ハードロックが楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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DARE「CALM BEFORE THE STORM」
アイルランドのメロディアスハードロックバンド、デアーの3rd。1998作
ダーレン・ワートンを残してメンバーががらりと交代した、新生デアーの1作目である。
ダーレンのマイルドな歌声を中心とした大人のメロディアスハードは前作同様であるが、
楽曲ごとの完成度はさらにひとつ上がっていて、随所に感じられるケルト風味のメロディと哀愁の叙情がじつに心地よい。
しっとりとした大人の泣きの美学がアルバム全体を通して堪能できるような見事な傑作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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DARE「BELIEF」
アイルランドのメロディアスハードロック、デアーの4th。2001作
かつてTHIN LIZZYのKEYでもあった、ダーレン・ワートンをリーダーに、美しきアイリッシュメロディが炸裂するメロディアスハード。
基本は叙情派のハードロックなのだが、ヴァイオリンやホイッスルなどを使用し、今回はより大胆にケルトメロディを導入している。
ゲイリー・ムーアの「WILD FRONTIER」を思わせる雄大さ。叙情派メロディアスハード、アイリッシュロック好きにはお薦めだ。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・9 叙情度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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DARE「Beneath the Shining Water」
アイルランドのメロディアスハードバンド、デアーの5th。2004年作
伝統的なケルティックメロディをハードロックサウンドに取り入れ、質の高いアルバムを作り続けているこのバンド。
今作もうっすらとしたシンセに、ゆるやかなギターワーク、そこに乗るダーレン・ワートンのマイルドなヴォーカルが
実に耳に心地よい。ゆったりとした曲調がメインなので、爽やかなメロハーが好きな方には向かないが、
アイリッシュな叙情と哀愁がただようサウンドにはうっとりとなる。デアーに外れなし!
メロディアス度・・8アイリッシュ度・・9 ゆったり叙情度・・9 総合・・8
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DARE 「LIVE IN MUNCH」
イギリスのケルティック・メロディアスハードロックバンド、デアーのライブDVD。2005作
かつてかつてTHIN LIZZYに在籍していたダーレン・ワートンを中心にしたバンド。ライブの方もアルバム同様、
アイリッシュの伝統的メロディをハードロックに融合させた演奏を聴かせてくれ、伸び伸びとした爽快な音楽が楽しめる。
雨の中のライブというのもいい感じだし、曲間に折り込まれる海や自然の映像も美しいが、
ステージ映像の方はダーレンのアップが多すぎて、どうもかなり見づらい印象。
普通のカメラワークで撮ってくれていれば良かったのに、と思わずにいられない。
ケルティック度・・7 ライブ映像・・6 ライブ演奏・・7 総合・・7
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DARE「Arc of the Dawn」
アイルランドのメロディアスハードバンド、デアーの2009年作
本作は6作目で、ケルティックな叙情でしっとりと聴かせるハードロックサウンド。
ダーレン・ワートンのやわらかな歌声と、哀愁漂うメロディが今作もじつに耳に心地よい。
アコースティカルなアレンジとキャッチーな歌メロがとても爽やかで、
アイリッシュな風を感じさせるギターフレーズにうっとりです。さすがの好作。
Thin Lizzyの名曲“Emerald”と、Cheap Trickの“Flame”のカヴァーも収録。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・9 哀愁叙情度・・9 総合・・8
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DARECalm Before the Storm 2
アイルランドのハードロックバンド、デアーの2012年作
7作目となる本作は、タイトルのように1998年の3rdのリメイク作品となった。
ダーレン・ワートンのマイルドな歌声と、ケルティックなメロディを含んだギターフレーズで
大人の哀愁を感じさせながら、やわらかな叙情性が広がってゆくサウンドは、
ダイナミックなアレンジとともにいっそうの叙情性をまとって甦っている。リメイクとはいえ
メロディと楽曲の充実という点では、ここ数作の中では一番の出来というべきかもしれない。
メロディアス度・・8 アイリッシュ度・・8 哀愁叙情度・・9 総合・・8.5
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DARE 「Sacred Ground」
アイルランドのメロディアスハードロック、デアーの2016年作
THIN LIZZYのダーレン・ワートンを中心に1988年にデビュー、前作は3rdのリメイクだったが、
オリジナル作品としては2009年以来。オリジナルギタリストで、元TENのヴィニー・バーンズが復帰している。
ダーレン・ワートンの深みのある歌声と、アイリッシュの風を感じさせるような哀愁のメロディを乗せた、
叙情的なハードロックが楽しめる。ヴィニー・バーンズのギターも随所に泣きのフレーズを奏で、
シンセを含んだ美しいバラードなど、曲によってはTENのような味わいもあったり、ときにケルティックなメロディも含みつつ、
大人の美学というべきどっしりと優しい聴き心地である。まさにアイリッシュ・ハードの傑作だ。
メロディック度・・8 叙情度・・9 哀愁度・・9 総合・・8
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DARE 「OUT OF THE SILENCE II」
アイルランドのメロディアスハードロック、デアーの2018年作
THIN LIZZYのダーレン・ワートンを中心に1988年にデビュー。本作はその1stの30周年リメイクアルバム。
うっすらとしたシンセアレンジに、元TENのヴィニー・バーンズの骨太のギターワーク、
そして哀愁を感じさせるマイルドなヴォーカルを乗せて、オリジナルの良さを生かしつつ、
より厚みのあるサウンドで、キャッチーなアイリッシュ・ハードロックを聴かせてくれる。
ジェントルな哀愁に包まれたメロディックでウェットな耳心地は、TENなどが好きな方にもお薦め。
こうしたリメイクには賛否両論あるだろうが、年代をへた録音で別物として新たに楽しめます。
メロディック度・・8 哀愁度・・8 アイリッシュハー度・・9 総合・・8 
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Dead Venus「Bird Of Paradise」
スイスの女性声ハードロック、デッド・ヴィーナスの2020年作
女性Vo、ベース、ドラムという3人組で、優美なピアノのイントロから、ベースとドラムのグルーヴィなリズムに
シンセとピアノを重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声で、しっとりとアンニュイなサウンドを聴かせる。
エレキギターを使わず歪ませたベースでハードな部分を表現していて、エモーショナルな女性声を引き立てる。
Seraina嬢の歌声はほどよくパワフルなロック感があって、どっしりとしたサウンドにもよくマッチしている。
一方では、エキセントリックな味わいやジャズタッチのナンバー、アコースティックギターを使った優雅さなど、
なかなか多彩な作風で、クラシカルな感触のピアノも含めて、プログレッシブといってもよい雰囲気も覗かせる。
単なる女性声ハードロックという以上に、ボーダーレスの個性が光っている。今後のさらなる深化を楽しみにしたい。
ドラマティック度・・7 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DEEP PURPLE 「Infinite」
ブリティッシュ・ハードロックのベテラン、ディープ・パープルの2017年作
前作「NOW What?!」の出来も良かったが、本作はさらに往年のスタイルに回帰したようなサウンドになっている。
鳴り響くオルガンに、スティーブ・モーズの巧みなギター、イアン・ギランの枯れた味わいの歌声で、70年代スタイルのハードロックが味わえる。
ドン・エイリーのオルガンさばきもさすがの説得力で、若手では決して出せない優雅さと、真のヴィンテージなサウンドを聴かせてくれる。
ゆったりとレイドバックしたナンバーも、モーズのブルージーなギターとギランの衰えぬ歌声で、哀愁の美学に包まれる。
まさに大ベテラン健在である。オールドファンも納得の、これぞブリティッシュ・ハードいうべき会心の内容です。
ドラマティック度・8 ヴィンテージ度・8 英国度・9 総合・8
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DEF LEPARDSongs From the Sparkle Lounge
イギリスのベテラン・ハードロックバンド、デフ・レパードの2008年作
自分は正直、熱心なファンではないので、他のアルバムとの比較云々を抜きにして聴いてみる。
まず、思ったよりもヘヴィでモダンなサウンドにびっくり。ときにテクニカルなギターフレーズをまぶした
グラムロック的な味わいのあるアダルトな質感である。もちろんハードロックの王道的なキャッチーさも健在。
シンプルさの中に味わいを出せるのはさすがベテランならでは。往年のファンから若いリスナーまで楽しめる好作。
メロディアス度・・8 王道ハードロック度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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DEPARTURE
アメリカのメロディアスハードバンド、ディパーチャーの1998作
美しいキーボードとキャッチーなメロディで聴かせる、
かつてのJOURNEYなどを思わせる良質のハードポップサウンド。
ヴォーカルの繊細な歌声も耳に心地よく、美麗なシンセのアレンジとともに、
バラード曲などはとても感動的な仕上がりだ。メロディアスなギターフレーズに
きらびやかなシンセが合わさる、爽快ハードポップのお手本のような作品。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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DEPARTURE「OPEN YOUR MIND」
アメリカのメロディアスハードバンド、ディパーチャーの2nd。1999作
前作も相当素晴らしいメロディアスハード作だったが、元TRADIAのVoを迎えての本作も同様の出来。
美しいシンセをバックにキャッチーなコーラスワーク、そして適度にメタリックなギターワークも絶品。
さして新鮮味はないのに、さりとて決して古くさくはなく…ということはきっとアレンジが良いのだな。
ハードすぎずポップすぎずと、このバランスが見事。爽快、爽快。そしてときおり哀愁。うう…いいバンドじゃあ!
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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DEPARTURE「CORPORATE WHEEL」
アメリカのメロディアスハードバンド、ディパーチャーの3rd。2002年作
またヴォーカルが代わっているが、爽やかな声質はこのバンドのサウンドにぴったりで、まったく違和感がない。
キャッチーなメロディにきらきらとしたキーボード、センスあるギターワークと、この手のハードポップでは隙のない完成度。
もはや新鮮味はないのだが、安心二重丸で楽しめる良質のアルバムと言える。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Diamond Head 「Borrowed Time」
イギリスのハードロックバンド、ダイヤモンド・ヘッドの1982年作/邦題「偽りの時」
NWOBHMを代表するバンドのひとつで、METALLICAがカヴァーで取り上げたことでも知られる。
本作は2作目でメジャーデビューのアルバム。ロドニー・マシューズのジャケも含めて日本でも人気が高い作品だ。
叙情的なギターの旋律にハイトーンヴォーカルで、英国らしいウェットなHR/HMサウンドを聴かせる。
70年代の香りを残した感触に、7分を超える曲では知的な構築力も覗かせて、プログレハード的にも楽しめる。
ドラマティック度・・8 叙情度・8 英国度・・8 総合・・8
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Diamond Head 「The Coffin Train」
イギリスのメタルバンド、ダイヤモンド・ヘッドの2019年作
1980年デビュー、NWOBHMを代表するベテランバンドで、本作は8作目。オールドなツインギターのリフに、
パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、ほどよく疾走感あるブリティッシュ・メタルサウンドを聴かせる。
オリジナルメンバーであるブライアン・タトラーのギターはもちろんのこと、2014年に加入したデンマーク人シンガー、
ラスマス・ボム・アンダーセンの表現力ある歌唱が、楽曲に新たなパワーと息吹をともしていて、
単なるオールドメタルという以上の力強さを感じさせる。枯れないベテランバンドの堂々たる力作だ。
ドラマティック度・8 疾走度・6 古き良き度・8 総合・8
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Diamond Head
イギリスのベテランバンド、ダイアモンド・ヘッドの2016年作
1980年にデビュー、NWOBHMを象徴するバンドのひとつで、1985年にいったん解散するも、90年代に復活しまた解散、
その後、2005年になると復活のアルバムを発表し、本作は2007年以来、9年ぶりとなる7作目。デンマーク出身のシンガー、
ラスマス・ボム・アンダーセンを新たに迎え、ブライアン・タトラーのオールドな味わいのギターにパワフルなヴォーカルを乗せた、
英国らしい古き良きHM/HRサウンドを聴かせる。ほどよい疾走感も含んだ、いかにも80年代ルーツのスタイルで、
シャウトし過ぎない中音域の歌声もよくマッチしている。派手さはないが、往年のブリティッシュメタルが甦ったような好作だ。
ドラマティック度・7 古き良き度・8 英国HM度・8 総合・8 
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DIE HAPPY「Beautiful Morning」
ドイツで活躍するチェコ出身の女性Voロックバンド、ダイ・ハッピーの2nd。2002作
4thを聴いて、ややドライになったサウンドにがっかりしたのだが、初期のこのアルバムは
しっかりと薄暗さの残った雰囲気が耳に心地よい。ヘヴィロック調の楽曲にマルタ嬢の翳りのある歌唱がマッチし、
音はモダンであるのだが、ヨーロピアンな情緒がちゃんと感じ取れる。
出来は傑作3rdほどではないが、少し暗めの女性Voロックが好きな方にはお勧め。
メロディアス度・・7 薄暗度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DIE HAPPY「The Weight of the Circumstances」
ドイツで活躍するチェコ出身の女性Voロックバンド、ダイ・ハッピーの3rd。2003作
ヘヴィロック風の曲調に、女性シンガー、マルタ・ヤンドヴァ嬢の表現力豊かな歌声が乗る。
一聴してEVANESCENCEあたりに近いものを感じる音だが、サビでのキャッチーなメロディの中に
ほのかな翳りを感じるところは、やはり欧州産のバンドならでは。曲によってはLACUNA COILなどを思わせる
ゴシックロック的な味わいもあり、薄暗いメロディアスハードとしても楽しめるので、女性Voロック好きは要チェックだ。
メロディアス度・・8 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DIE HAPPY「Bitter To Better」
ドイツで活躍するチェコ出身の女性Voロックバンド、ダイ・ハッピーの4th。2005作
前作を聴いて、このバンドが気に入ったのだが、前作にあった欧州の翳りはすっかり消え失せて、
EVANESCENCEをさらにドライにしたような、オルタナ系ヘヴィロックサウンドになってます。
うーむ、ここのヴォーカルさんはとても上手いので、こういうモダンなアレンジよりは
もっと正統派の曲調のほうが引き立つと思うんですが。この後の5thで日本盤デビューしますが、
ゴシックロックファンには、まずは前作3rdから聴くのをオススメします。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・5 女性Vo度・・7 総合・・7
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DIE HAPPY「Four and More-Unplugged」
女性Voロックバンド、ダイ・ハッピーのライブアルバム。2005作
アコースティックセットによるライブなので、アルバムでのヘヴィロックぶりとは
だいぶ雰囲気が異なる。マルタ嬢のヴォーカルの表現力はさすがという感じで、
ロックというよりも、ときにジャズかブルースのシンガーのような歌声を披露する。
個人的にはもう少ししっとりとした、薄暗いサウンドを期待していたので、この力の抜けた
ソフトロック路線にはやや物足りないが、やはりバラード曲などはうっとりと聴ける。
メロディアス度・・7 ゆったりソフト度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7

DIE HAPPY「No Nuts No Glory」
ドイツで活躍するチェコ出身の女性Voロックバンド、ダイ・ハッピーの5th。2006作
最初に聴いた3rdがゴシックロック寄りのスタイルで気に入ったのだが、
基本的にはノリの良い、モダンな女性Voヘヴィロックバンドである。
日本デビュー盤となった今作もマルタ嬢のパワフルで表現豊かな歌声を中心に、
ときにヘヴィに、ときに軽快に聴かせる表情豊かな楽曲が詰まっている。
EVANESCENCE的な部分と、ラフなロック感覚が合わさった聴きやすさが魅力だろう。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DIE HAPPY「Y」
ドイツの女性Vオルタナロックバンド、ダイ・ハッピーの6th。2008作
前作「No Nuts No Glory」で日本デビューも果たしたが、本作は未発売のよう。
音の方は、傑作3rd「The Weight of the Circumstances」でのゴシックロック的な翳りが戻ってきていて、
個人的にはこの作風は嬉しい。相変わらず絶品の表現力のマルタ嬢の魅力的な歌声を中心に、
しっとりとした大人のメロディを聴かせつつ、ハードな曲はよりハードになっていて、
アルバムとしての質は過去最高といってよい。EVANESCENCEなどのファンもぜひ。
メロディアス度・・8 薄暗度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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DIE HAPPY「Most Wanted」
ドイツの女性Voオルタナ・ロックバンド、ダイ・ハッピーのベストCD+2DVD。2009作
現在までに6枚のアルバムを出し、欧州盤EVANESCENCEともいうべきサウンドで、コアなファンからの支持を得ている。
モダンなヘヴィロックでありつつも、欧州的な翳りとダークさをいくぶん含んだ雰囲気は、やはりアメリカのバンドとはやや異なる。
CDではデビューから現在までの17曲をたっぷり収録。激しいロック曲から叙情的なパラードまで、
曲ごとにその表現力を使い分けるマルタ嬢の絶品の歌唱はじつに素晴らしい。
初めて聴く方でも、本作から入ればこのバンドの魅力を充分感じられるはず。
2枚のDVDではハンブルグでのライブ映像と、過去から現在までのシングルPVを全収録。
グラマラスなマルタ嬢のパワフルな歌唱と勢いあるステージングに惹きつけられます。
ベストCD・・9 ライブDVD・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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Die Happy 「Red Box」
ドイツのオルタナ・ハードロック、ダイ・ハッピーの2010年作
チェコ出身の女性シンガー、マルタ・ヤンドヴァをフロントに、2000年にデビュー、本作は7作目となる。
ヘヴィなギターに美しい女性ヴォーカルを乗せ、倦怠の翳りを漂わせたサウンドは前作の延長の作風で、
うっすらとしたシンセアレンジや、サビでのキャッチーなフックとともに、ゴシックロック的な味わいでも楽しめる。
エモーショナルなマルタの歌声は伸びやかな表現力で、ほどよくハードなノリのナンバーからしっとりとしたパートまで、
楽曲に艶やかな彩りを加えている。楽曲は、3〜4分前後とシンプルで、ストレートにメロディアスで聴きやすく、
EVANESCENCEなどのゴスロック系ファンから、女性声メロハーのリスナーまで幅広く楽しめるだろう。
メロディック度・8 倦怠の翳り度・8 女性Vo度・8 総合・8 
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Die Happy 「EVERLOVE」
ドイツのオルタナ・ハードロック、ダイ・ハッピーの2014年作
隠れた実力派バンドの8作目。本作も、紅一点マルタさんのハスキーで情感的な歌声とともに、適度にヘヴィで翳りを帯びた
キャッチーなオルタナ・ハードロックを聴かせる。キャリアのあるバンドらしい安定の演奏や、メジャー感のある叙情性はもとより、
マルタ嬢の円熟の歌唱力はいよいよ際立って、シンプルなナンバーはもちろん、しっとりとしたバラードでもその存在感は抜群。
世界的に見ても素晴らしい実力派女性シンガーであろう。重すぎないギターは随所に叙情的で、キャッチーな耳心地の良さは、
オルタナのみならず多くのリスナーが楽しめる普遍性がある。バンドの実力とシンガーのレベルの高さが発揮された傑作である。
メロディック度・8 倦怠の翳り度・8 女性Vo度・9 総合・8
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DIEMONDS「TheBad Pack」
カナダのハードロックバンド、ダイアモンズの2012年作
80年代を思わせる古き良きHR/HMの感触に、ハスキーな
女性ヴォーカルの歌声を乗せ
パワフルに聴かせるサウンド。楽曲そのものもいたってオーソドックスで、ノリのよいロックンロールを基盤に
ハードに仕上げたという感じで、とりたてて新鮮なものはないのだが、シンプルな聴き心地で素直に楽しめる。
プリーヤ嬢の歌声も適度にダーティでありつつ女性的な部分も残していて、今後の成長が期待される。
Sister SIN
SPIDERSなど、最近は女性声の正統派が増えてきているが、そうしたバンドが好きなら本作も楽しめるだろう。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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DIEMONDS 「NEVER WANNA DIE」
カナダのハードロック、ダイアモンズの2015年作
前作は80年代的なオールドスタイルの女性声ハードロックの好作であったが、
本作もパワフルな女性ヴォーカルを乗せた、古き良き感触の骨太のHRが炸裂する。
ジャケのイメージはスラッシュかデスメタルのようだが、むしろメロディはキャッチーで
プリーヤ嬢の歌唱も含め、かつてのアメリカンHRを思わせるメジャー感も漂わせている。
楽曲はほとんどが3分台で、展開やフックの点ではさして新鮮味はないが、
シンプルなノリの良さという点では多くのリスナーが楽しめるサウンドだろう。
メロディック度・・7 骨太HR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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DIZZY MIZZ LIZZY
デンマークのハードロックバンド、ディジー・ミズ・リジーの1994作
若干20歳という3人組みが、デビューアルバムにして、後々まで語り継がれるハードロックの傑作を生み出した。
音自体はまったくシンプルなのだが、トリオ編成が生み出すケミストリーが、
演奏面での絶妙の均衡と緊張感を生み出していて、LED ZEPPELINなどを思わせる、
ロックとしての普遍的なグルーブが、サウンドを見事なまでに輝かせている。
メロディだ、楽曲だと、小難しいことを言う前に、まず音だけで聴き手をノセられる作品だ。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・7 ロック度・・10 総合・・8
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DOOMSDAY OUTLAW「Hard Times」
イギリスのハードロック、ドゥームズデイ・アウトローの2018年作
2016年にデビューし、本作が2作目となる。オールド味わいのツインギターに、
伸びやかなヴォーカルを乗せた、70年代ルーツの正統派のハードロックを聴かせる。
楽曲自体はわりとシンプルながら、随所にLED ZEPPELINあたりを思わせるノリの良さと、
ジェントルなヴォーカルの魅力とともに、ヴィンテージなロック好きにはじっくりと味わえる作風である。
RIVAL SONSGENTLEMANS PISTOLSなどに比べると、全体的なアナログ感を出しすぎない
どっしりとした聴き心地で、ピアノやストリングスなどを加えた叙情的なバラードなどもなかなか魅力的だ。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 どっしり重厚度・・8 総合・・8
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DREAMTIDE「HERE COMES THE FLOOD」
FAIR WARNINGのヘルゲ・エンゲルケによる、ドリームタイドの1st。2001年作
FWの活動停止にともなって立ち上げられたこのバンドだが、スカイギターを駆使した、
キャッチーでメロディアスなハードロックが楽しめる点ではこちらも負けていない。
個人的にはトミー・ハートの伸びやかな歌唱が恋しいが、このVoもなかなかの実力の持ち主。
なによりもヘルゲのあくまで叙情メロディにこだわった曲作りは相変わらず素晴らしく、
ツインギターの音の厚みではFWにやや譲るが、キーボードを正式メンバーにすえたことで
全体としてやわらかみのあるアンサンブルが保たれている。じつに見事な傑作だ。
メロディアス度・・9 爽快度・・8 楽曲・・8 総合・・8.5
◆メタル名盤特選入り
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DREAMTIDE「DREAMS FOR THE DARLING」
ドイツのメロディアスハードロックバンド、ドリームタイドの2nd。2003作
FEAR WARNINGの音楽性を受け継ぐバンドとして、一躍メロディアスハードファンの琴線をつかんだ1stに続き、
本作も期待通りの内容。ヘルゲ・エンゲルケのソングライティング、そして流麗なスカイギターの音色は輝きを増し、
Voのオラフのそのマイルドかつ腰の入った歌唱も前作よりも「聴かせる」部分が増えている。
FEAR WARNINGにあったキャッチーさと哀愁に加え、専任Keyがいることでアレンジに
厚みとシンフォニックな要素もうかがえ、どの曲もじつに聴き応えがある。
難を言えば、曲調がいかにもFEAR WARNING的で、売れることを意識しすぎている気がするが
ファンにとってはこの路線の堅守こそが望むところでもあるのには違いない。
メロディアス度・・8 爽快度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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DREAMTIDE「DREAM AND DELIVER」
ドイツのメロディアスハードバンド、ドリームタイドの3rd。2008作
5年ぶりとなる本作のサウンドは、古き良きメロディアスハードの質感とともに、ややブルージーな風味も取り入れた、
大人の味わいで聴かせる。キャッチーなコーラスワークに美しいシンセアレンジの、彼ららしいナンバーもあれば、
素朴なレトロロック風味もあり、これまでよりも楽曲の幅が広がっている印象だ。
スカイギターの活躍がやや減ったこともあり、前作までの爽快な勢いは薄れて
全体的に、落ち着いた大人の渋みを感じさせる作品となっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 大人の落ち着き度・・8 総合・・8
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DRIVE SHE SAID「Real Life」
アメリカのメロディアスハードバンド、ドライヴ・シー・セッドの2003作
アメリカンプログレハードの雄、TOUCHのキーボード奏者マーク・マンゴールド率いるバンド。
キャッチーなメロディとほのかな哀愁を乗せた楽曲は、オーソドックスながら
かつての80年代産業ロック全盛期を思わせる質の高さが見事だ。マンゴールドのシンセワークは古き良き質感をともなって、
やわらかみのある歌メロもサウンドを彩っている。往年のプログレハードファンならば、きっと満足の1枚だろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 往年のプログレハー度・・9 総合・・8
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DYNAZTYSultans of Sin
スウェーデンのハードロックバンド、ダイナスティの2012年作
昨今、80年代の香りをまとったHRバンドが北欧からたくさん出てくるが
このバンドは骨太のギターサウンドをまとったパワフルなスタイルで、
キャッチーなメロディアスさとダーティなワイルドさをかね揃えた作風だ。
同郷のPoodlesなどもそうだが、根底にあるロックンロールへの愛情と普遍的なメロディ、
そして若々しい躍動感に溢れていて、オーソドックスな音ながらも勢いの良さで楽しめる。
メロディアス度・・8 骨太度・・8 古き良きHR度・・9 総合・・8
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ECLIPSE「Are You Ready to Rock」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、エクリプスの2008年作
キャッチーなヴォーカルメロディに、シンセによる北欧らしい爽やかな味付けと、
ツインギターを軸にした骨太のハードロックを聴かせる80年代を思わせるサウンド。
メロディアスハードというよりは北欧メタルとしてのハードさも残しているのが嬉しい。
アリーナロック的な爽快なノリの良さと、しっかりとしたヘヴィさを併せ持った痛快作。
メロディアス度・・8 北欧メタル度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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EDEN LOST 「Breaking The Silence」
スペインのメロディアスハードバンド、エデン・ロストの2012年作
2005年のデビュー作から7年ぶりとなる2作目のアルバム。
ツインギターにシンセアレンジを含んだ正統派のメロディアスハードで、
ヨーロピアンな哀愁を感じさせる叙情性とキャッチーさのバランスもよい。
かすれたヴォーカルの歌声は古き良きHR的な味になっているのだが、
曲によってはいくぶん歌の弱さが気になるのが惜しい。いかにもチープなジャケも含め、
今後は他のバンドと差別化できるくらいに楽曲の魅力を上げていって欲しい。
キャッチー度・・8 王道メロハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5


EDEN'S CURSE
メロディアスハードロックバンド、エデンズ・カースの2007作
アメリカ人Vo、マイケル・エデンにPINK CREAM 69とも親交のあるポール・ローグ、
ROUGH SILK、DOMAINなどで活躍したフェルディ・デルンバーグらを中心に結成。
サウンドは比較的オーソドックスなメロディアスハードロックで、アメリカ的なキャッチーさとドイツ的な叙情性が半々。
ときにテクニカルなフレーズを弾くギターや、うっすらとしたのシンセワーク、サビでのコーラスなど、
総合的にクオリティは高く、たとえばPINK CREAM 69の諸作品にも引けをとらないだろう。
反面、楽曲やメロディにおける新鮮味は薄く、現在においてここまで正統派のサウンドでは、
とくに若い聴き手に印象を与えるのはやや厳しいかもしれない。
メロディアス度・・8 正統派HR度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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EDEN'S CURSE「THE SECOND COMING」
メロディアスハードロックバンド、エデンズ・カースの2nd。2008作
前作も実に正統的な本格派メロディアスハードの好作だったが、今回も同様。
マイケル・エデンの艶のあるヴォーカルを中心に、目新しさはないがオーセンティックでテクニックもあるギターと
ときにややレトロに聴かせるシンセによる王道のメロハーだ。相変わらず質は高いし、
適度なヘヴィさを保ったメロディアスハードとして日本人好みの音なのは確かだが、
ボーナストラックを入れて全15曲、70分聴きつづけるのはさすがに飽きるか。ドライブなどにはきっと最適ですな。
メロディアス度・・8 王道メロハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Edge of Forever「Native Soul」
イタリアのハードロック、エッジ・オブ・フォーエヴァーの2019年作
Eden's CurseISSAなど多くの作品に関わるシンセ奏者でプロデューサー、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ率いるバンドで、
本作は、10年ぶりとなる4作目。キャッチーなコーラスハーモニーのイントロから、ほどよくヘヴィなギターを乗せた
どっしりとしたアンサンブルに、アレッサンドロの伸びやかなハイトーンヴォーカルにオルガンを含むシンセで、
80年代ルーツの古き良きハードロックサウンドを聴かせる。メロハーらしいキャッチーな爽快感も覗かせつつ、
ときにテクニカルで流麗なギターフレーズとともに、様式美HRというべき、きらびやかな雰囲気もかもしだす。
どっしりとしたリズムに骨太のハードロックとイタリアらしい優美なメロディが同居した高品質な作品です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 王道HR度・・8 総合・・8
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EMERALD RAIN「Age of Innocence」
カナダのメロディアスハードバンド、エメラルド・レインの2nd。1999年作
カナダのメロハーといえば、まず思いつくのはHAREM SCAREMであるが、このバンドも質の高い楽曲とメロディで勝負している。
落ち着いたヴォーカルの歌声とキャッチーなコーラスワーク、ギターのメロディアスなフレーズもなかなか素晴らしい。
これという新鮮味はないのだが、メロハー好きならば押さえて損のないアルバムだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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EMERALD RAIN「Short Sighted」
カナダのメロディアスハードバンド、エメラルド・レインの4th。2003作
古き良きハードロックの質感を残しつつ、甘すぎないメロディで聴かせる好作。
これだというキラーチューンはないが安心して楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 叙情度・・7 総合・・7.5
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THE END MACHINE 「PHASE 2」
DOKKENのメンバーを中心にしたハードロック、ジ・エンド・マシーンの2021年作
ジョージ・リンチ、ジェフ・ピルソン、ロバート・メイソンに、本作では引退したミック・ブラウンに替わり、
実弟のスティーブ・ブラウンがドラムで参加、サウンドは前作に続き、80年代のドッケンを思わせる
ノリの良い王道のハードロックで、ジョージ・リンチの巧みなギタープレイもたっぷりと楽しめる。
ドラムも含めて音が重すぎないところも、80年代スタイルを感じさせ、オールドリスナーには嬉しいだろう。
ロバート・メイソンの伸びやかな歌声は、スローテンポの叙情ナンバーにも似合っていて、
日本人好みのキャッチーな哀愁に包まれるナンバーは、新鮮味はなくとも、とても耳心地良い。
メロディック度・8 王道HR度・9 ドッケン度・9 総合・8
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ERIKA 「COLD WINTER NIGHT」
当時イングヴェイの奥さんであったことでも知られる、エリカの1st。1990年作
インギー参加という話題性もあって、女性声北欧ハードポップの傑作ともされていた。
音のほうは今となってはとくに特筆すべきものもないが、北欧らしいキーボードに、
間奏部でのときにクラシカルなギターが耳を引く。エリカの歌声は今でいう萌え系のフィメール声ではなく、
どちらかというと80年代ガールズロック的な印象で、なかなか聴かせる好作だ。
メロディアス度・・7 北欧ハードポップ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Erik Norlander「Threshold
LANA LANEのコンポーザーでもある、エリク・ノーランダーのソロ、1997年作
オルガンやメロトロンなどヴィンデージなシンセの音色を中心に聴かせるサウンドで、
そのキャッチーなメロディセンスはELPというよりはRICK WAKEMANに近いかもしれない。
オールインストという点からもメタルよりはプログレのリスナー向けで、彼の一連の作品の中では
聴き手を選ぶかもしれない。エリク自身のプログレへのオマージュを示すような作品だ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 キーボー度 総合・・7.5
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Erik Norlander「Music Machine」
LANA LANEのパートナーでもあるエリク・ノーランダーのソロ。2003年作
作られたスーパー・スター“ジョニー・アメリカ”を主役にした、2枚組の壮大なコンセプト作。
マーク・ボールズ、ケリー・キーリング、ヴァージル・ドナーティ他、多くのゲストが参加した
サウンドは、壮麗かつシンフォニックなシンセとメタリックなギターを融合させた
ProgMetal的な質感で、ストーリーにそった歌詞とともにドラマティックに構築されてゆく。
古き良きプログレの感触を残しつつ、単なる懐古主義にはならないセンスが見事で、
メタリックな作品だった「Into The Sunset」よりも広がりのある楽曲を聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 ProgMetal度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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Erik Norlander「Stars Rain Down」
エリク・ノーランダーのライブ作。2004作
2001〜2003年のヨーロッパツアーからのライブテイクを集めたもので、
自身のこれまでのソロ作やROCKET SCIENTISTSでの曲を中心に演奏。
シンフォニックなシンセワークに、メタリックなギターが重なり、そこにケリー・キーリングのかすれた声質の歌声が乗る。
ラナ・レーンもゲスト参加。美しいコーラスに、何曲かでは歌声も披露してくれる。
古き良きプログレ感性を感じさせるエリクのキーボードの音色とともに、
メタルとプログレの垣根を超えた、シンフォニックハードとも言うべき演奏が楽しめる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8
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Erik Norlander「Hommage Symphonique」
LANA LANEを率いるエリク・ノーランダーのソロ。2006年作
なにかと企画ものの多いアーティストだが、本作はプログレをメインにしたカヴァー曲集。
ハモンドを鳴り響きアグレッシブに仕上げたPROCOL HALMの“征服者”
RICK WAKEMANの“湖の騎士ラーンスロットと黒騎士”は比較的忠実な雰囲気。
YESの“世紀の曲がり角”、ELPの“海賊”、さらにはJETHRO TULLELOなど
通好みの選曲でにやりとさせられるが、原曲への敬意を感じさせつつも
どれもしっかりエリク流のシンフォニックに料理されているのがさすが。
ラストはKING CRIMSONの“Starless”で、サックス入りのジャズロック風アレンジで聴かせる。
シンフォニック度・・8 プログレ愛度・・9 アレンジ・・8 総合・・8
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ERIK NORLANDER 「The Galactic Collective」
LANA LANEでおなじみのシンセ奏者、エリク・ノーランダーの2010年作
過去のソロ作や、LANA LANE、Rocket Scientistsなどからの楽曲を新たにレコーディングした
いわば新録ベストという作品。ムーグをたっぷりと使った、いかにもプログレ的なシンセを中心に、
スペイジーなインストサウンドを描いている。きらびやかさとレトロなヴィンデージ感覚のはざまで、
エリク・ノーランダー版ハードシンフォニックが炸裂する。むしろプログレファン向けの作りである。
シンフォニック度・・8 プログレ風味度・・8 スペイシー度・・8 総合・・8
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EYEWITNESS
ラルフ・サントーラ率いるメロディアスハードロックバンド、アイウィットネスの1997年作
まず耳につくのはメロハーとは思えないようなテクニカルでヘヴィなギターと、
パワフルでタイトなドラム。もうこれだけでただものではないという感じであるが、
トッド・プラントの力強い歌声と、甘すぎないメロディの楽曲の質の高さも加わって、
ある種奇跡的な均衡をなしているといってもいい。次作以降ではメロディの良さがなくなってしまい
やがてバンドは解散、そうして後のMILLENIUMへとつながってゆくわけだが、
今作の成功が下地になっていることを思えば、忘れてはいけない作品だろう。
ZENOUFOのカヴァーも見事な出来だ。メロハーなのにカーカスのTシャツを着ているメンバー写真も可笑しい
メロディアス度・・7 パワフル度・・9 テクニカルギター度・・8 総合・・8
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EYEWITNESS「EYEWITNESS/MESSIAH COMPLEX」
アメリカのハードロック、アイウィットネスの1st/2ndカップリング。2007年作
のちにMILLENIUMを結成するラルフ・サントーラの最初のバンド。どっしりとしたドラムに技巧的なギターと、
パワフルなヴォーカルを乗せた骨太のハードロックで、その辺のメロハーとはボトムの重さが違う。
硬質なリフから、テクニカルなフレーズまでこなす、サントーラのギターワークは当然ながら素晴らしい。
日本盤では、1、2曲目の順番が入れ替わっているので、やや印象が異なるが、UFOのカヴァーなども含めて、
本格派メロハーの傑作であるには違いない。2作目の方は、キャッチーな部分が薄れ、ややダークな作風となり、
一聴した感じは地味であるが、クールなリフと叙情フレーズを弾きこなすサントーラのギターはさすがというところ。
のちのミレニアムへとつながるバンドとして、とても意義深い2作品であったといえるだろう。
メロディック度・・8 骨太度・・8 サントーラ度・・9 総合・・8 
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FAIR WARNING「RAIN MAKER」
ドイツのメロディアスハードバンド、フェア・ウォーニングの2nd。1995作
とても良いです。さすがにアレンジ/メロディセンス抜群の彼ら、じわじわと効いてくるその叙情。
次作である3rd「GO!」のKey入りのシンフォニックアレンジとは別の曲そのもののクオリティを感じます。
ううむ。ということは彼らの残した4枚のアルバムは全て歴史的傑作、ということになる。
なんというバンドだったのだろう。なくなってから初めてその凄さに気づいた次第。
メロディアス度・・9 爽快度・・9 楽曲・・9 総合・・9
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FAIR WARNING
 「GO!」
ドイツのメロディアスハードバンド、フェア・ウォーニングの3rd。1997作
メロハーが嫌いだった自分を目覚めさせてくれたのがこのアルバムだった。
もちろん1st、2ndともにいいのだが、本作はメロディといい曲といい、すべてが素晴らしい。
トミー・ハートの力強い歌声と、ヨーロピアンな哀愁を感じさせるサウンドは、
キャッチーでいてドラマティック。そしてスカイ・ギターが鳴り響くソロパートで昇天だ。
彼らの残した4枚のアルバムはどれもが名作クラス。2006年の復活作はいわばオマケにすぎない。
メロディアス度・・10 スカイギター度・・9 楽曲・・10 総合・・9.5
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FAIR WARNING「FOUR」
ドイツの叙情派メロディアスハードロックバンド、フェアウォーニングの4th。2000年作
前作「GO!」の楽曲の素晴らしさ、メロディアスさは大変なものだったが、それに続くこの4thもそれに
勝るとも劣らない傑作。なにしろ全曲捨て曲がない。どの曲も叙情に溢れ、曲として練られている。
トミー・ハートの伸びやかな歌唱を聴いていると、彼の脱退今更ながらに残念に思われるほど。
キーボードアレンジ、スカイギターのソロプレイ、メロディの扇情度と、すべてにおいて隙のない傑作。
この得がたい感性と叙情はG/ヘルゲ・エンゲルケのDREAM TIDEに受け継がれることとなる。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 楽曲・・9 総合・・9◆メタル名盤特選入り
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FAIR WARNING「BROTHER'S KEEPER」
ドイツのメロディアスハードバンド、フェア・ウォーニングの2006年作
どれもが素晴らしい4枚のアルバムを残し、惜しまれつつも解散したこのバンド、
Voのトミー・ハートはSOUL DOCTORを、Gのヘルゲ・エンゲルケはDREAMTIDE
アンディ・マレツェクはLAST AUTUMN's DREAMと、それぞれの道を歩みはじめたが、
ウリ・リトゲンとC.C.ベレーンズとともに、ここにバンドは再結成、アンディを除く4人による
新生FWが誕生した。あくまでメロティにこだわった楽曲はそのままながら、全体的には
ぐっと大人の雰囲気を増し、トミーの歌声とともに落ち着いたFWサウンドが楽しめる。
8曲めの泣きのバラードをはじめ、さすがのクオリティは期待通りの出来であるが、
過去の名作を思えば、我々がこのバンドに求めるハードルの高さは尋常でなく高い。
メロディアス度・・8 楽曲・・8 FW度・・8 総合・・8
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FAIR WARNING「AURA」
ドイツのメロディアスハードバンド、フェア・ウォーニングの2009作
復活作となった前作「BROTHER'S KEEPER」は、予想の範囲内の好作という印象であったが、
本当の復活のための勝負作は本作だということになるだろう。その点では期待通りの出来だ。
スカイギターによる泣きのメロディをふんだんに盛り込みつつ、爽快かつキャッチーに聴かせる
メロディアスなFW節は1曲目から健在で、誰もが「これだよ」と膝を叩くに違いない。
トミー・ハートの伸びやかな歌声はかつてと変わらぬバンドのカラーを蘇らせながら、
哀愁ただよう3拍子のバラード曲などにおいて、その成熟した魅力をあらためて感じさせる。
リスナーのツボをつくギターワークも含めて、ヘルゲ・エンゲルケの作り出す楽曲には
いくぶん泣かせるためのあざとさも感じられるのだが、質の高いアルバムなのは間違いない。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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FAITH CIRCUS
ノルウェーのメロディアスハードバンド、フェイス・サーカスの2009年作
ジャケはまるで女性ヴォーカルメタルのようだが、内容はしごく正統派のメロハー。
美しいキーボードに、メロディアスなギター、そしてキャッチーかつ爽快なコーラスワークと、
80年代風のレトロさと北欧的なスタイリッシュなセンスを同居させた質の高いサウンドだ。
どの曲にもメロディにフックがあり、ときに泣きの叙情も聴かせるあたりはじつに我々
日本人好みと言えるだろう。この手のメロハーに食傷ぎみの方にもぜひ聴いて欲しい出来だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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FAITH CIRCUS「Turn Up The Band」
ノルウェーのメロディアスハードバンド、フェイス・サーカスの2013年作
この手のメロディアスハードとしては、前作はかなりのクオリティの傑作であったが、
4年ぶりとなる今作も、80年代を思わせる古き良きハードロックのテイストがたっぷりで、
キャッチーであってもポップにはならない骨太のサウンドは、THE POODLESなどにも通じる聴き心地だ。
軽快なロックナンバーから叙情的なパラードまで、どれもしっかりとしたクオリティとメロディの作りで楽しめる。
前作のようなシンセ入りのきらびやかさはなくなったが、よりオールドなロック色を強めた好作品。
メロディック度・・8 キャッチー度・・7 古き良き度・・8 総合・・8
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FELIX MARTIN「CARACAS」
ヴェネズエラ出身のギタリスト、フェリックス・マーティンの2019年作
ダブルネックの16弦ギターを操るバークリー卒のギタリストで、2020年にデビュー、本作はソロ4作目となる。
ラテンフレーバーたっぷりのギターフレーズに、テクニカルな技巧を織り交ぜた軽妙なインストサウンドで、
適度にヘヴィな感触も含んだ、ラテン風ジャズメタルという聴き心地。14弦アコースティックギターによる
叙情的なアルペジオから、メタル寄りのリフまで自在に弾きこなしつつ、あくまで優雅なリズム感に包まれるのは
南米らしいラテンの血だろうか。キャッチーというよりは哀愁を感じさせるフレージングなので、爽快感はやや薄い。
いわゆるシュレッド系のギタリストの中でも、地域的な個性をプレイスタイルにする異色の若手だろう。
ドラマティック度・6 テクニカル度・8 ラテン度・9 総合・8
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FINAL FRONTIER「THE SECOND WAVE」
カナダのメロディアスハードバンド、ファイナル・フロンティアの2nd。2003作
BOSTONJOURNEYなどを思わせるキャッチーなメロディで聴かせるサウンドは
ヴォーカルの声質も含めて、いかにも80年代を思わせるAORといったところ。
ギターの音にしてもやや軽すぎる気はするが、良質なハードポップとして楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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FIONA 「UNBROKEN」
アメリカの女性シンガー、フィオナ、ことフィオナ・フラナガンの2012年作
1985年にデビューし、92年までに4作を発表するも、その後シーンから姿を消していた彼女の
なんと20年ぶりとなる復活作。80年代の1st、2ndはハードロック色のある作風だったと思うが、
本作も80年代風味の古き良きハードロック風味で、アダルトな女性声ロックが楽しめる。
フィオナの歌声にはいくぶんかつての艶がなくなったような気もするが、
とくにキャッチーな曲においては、ロックシンガーとしての魅力は伝わってくるし、
オールドファンにとってはこの復活は嬉しいだろう。今後のさらなる活躍にも期待したい。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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FOREIGN 「The Symphony of the Wandering Jew, Pt. II」
フランスのメタルオペラプロジェクト、フォーレインの2020年作
元SAVATAGEのザッカリー・ス ティーヴンス、EVERGREYのトム・イングランド、VANDEN PLASのアンディ・クンツ
STEVE HACKETT BANDのアマンダ・レーマン、SYMPHONY Xのマイケル・レポン ド、PAIN OF SALVATIONのレオ・マーガリットなど、
多数のゲストが参加。磔にされたキリストを侮辱した報いとして、「最後の審判」が訪れる日まで永遠に世界をさすらう運命を背負った
ユダヤ人にまつわる伝承を題材に したロックオペラの続編で、男女ヴォーカルの歌声と叙情的なギターに、ピアノやストリングスを加え
じっくりと優雅でドラマティックなサウンドを描いてゆく。ときにケルティックな雰囲気も織り込みつつ、メタル的な激しさはさほどないので、
AYREONなどのシンフォニックロック的な味わいでも楽しめる。楽曲自体に派手なインパクトはないので、トータルで鑑賞する作品ですね。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 壮大度・・8 総合・・8
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Fortune 「Making Gold」
スウェーデンのメロディアスハード、フォーチュンの1992年作
アメリカにも同名のバンドがいるがこちらは北欧のバンド。適度にハードなギターと透明感あるシンセアレンジ、
そしてハイトーンヴォーカルの歌声で湿り気のある叙情性を含んだ、メロディック・ハードロックの逸品。
ギターのフレーズややシンセのメロディには北欧らしいクラシカルな雰囲気もあって、キャッチーであっても
どこかローカルな薄暗さを含んだ、そのヨーロピアンなテイストがじつに日本人好みなのである。
2nd以降は、いくぶん方向性が変わってしまうのだが、美旋律たっぷりのこの1stはそれだけに我々の心に残る。
メロディック度・・8 キャッチー度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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40FT.RINGOFunny Thing」
アメリカのメロディアスハードバンド、フォーティフット.リンゴの2003年作
TRIXTERのギタリスト、STEVE BROWNを中心にしたバンドで、
古き良き質感のいかにもアメリカンなメロディアスロックが詰まっている。
けっこうヘヴィなギターワークと、ヴォーカルの歌うキャッチーなメロディの感触は
LILLIAN AXEあたりに通じるものも感じさせる。聴き心地のいい爽快ハードロック!
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 王道HR度・・8 総合・・8
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4BITTEN 「Rewind & Erase」
ギリシャのハードロック、フォービトゥンの2015年作
ヘヴィなギターリフにパワフルな女性ヴォーカルで聴かせるハードロックで、
随所にシンセアレンジを含んだ厚みのあるサウンドは、適度にモダンな感触もある。
Fori嬢の歌声は、女性らしいフェミニンなところはなく、あまり魅力は感じないのだが、
80年代スタイルの王道のハードロックをモダンヘヴィネスに仕上げた作風には似合っている。
楽曲そのものにメロディックなフックは希薄でも、全体的にも、これというナンバーがないので、
むしろもっとヘヴィでスラッシーにしても、このパワフルな女性声が引き立つ気もする。
メロディック度・・7 正統派HR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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FRONTLINECircles
ドイツのメロディアスハードバンド、フロントラインの6th。2006作
90年代から活躍するベテランで、日本盤も出た1stはなかなか良質の作品であったが、
今作もかつてとまったく変わらず、キャッチーなメロディ満載の好作だ。
うっすらとしたキーボードをバックに、哀愁を感じさせる歌声で、
まるで90年代にトリップしたかのような王道のメロハーを聴かせてくれる。
今後も正統派メロディアスハードの生き残りとして頑張ってほしいものだ。
メロディアス度・・8 王道メロハー度・・9 新鮮度・・7 総合・・7.5
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GALACTIC COWBOYS
ギャラクティック・カウボーイズの1991年作
ヘヴィなギターリフとキャッチーなヴォーカルメロディを同居させ、
KING'S Xにも通じる知的なセンスと、牧歌的な浮遊感に包まれたサウンドは、
本作の時点でもすでに確立されている。楽曲自体はやや荒削りな感じだが、
本作を起点に、より極端なメタルとポップの対比を見せつける次作へと深化してゆく。
メロディック度・・8 ヘヴィ度・・7 極端度・・8 総合・・8
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GALACTIC COWBOYS「SPACE IN YOUR FACE」
アメリカのメロディアスメタルバンド、ギャラクティック・カウボーイズの2nd。1993年作
確かに初期メタリカ並のヘヴィなギターリフで押しまくり、かと思うと唐突なまでに
キャッチーかつポップなメロディが現れて、思わずズッコケそうになるのだ。
だが、それに慣れてくると、ヘヴィさの後にやってくる爽快なメロディが実に心地よい。
ジャケのインパクトも大きいが、サウンドのインパクトもまた素晴らしい。
「メタリカ、ミーツ、ビートルズ」と評されたのもうなずける、じつにユニークな傑作だ。
メロディアス度・・8 ヘヴィのちキャッチー度・・9 極端度・・9 総合・・8
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GALACTIC COWBOYSAt the End of the Day
アメリカの個性派メタルバンド、ギャラクティック・カウボーイズの5th。1998年作
キャッチーなポップ感覚と、ヘヴィメタリックな相反するベクトルを混ぜこんだ個性的なサウンドで、
傑作となった彼らの1st、2ndは、変態メタル好きやプログレファンには評価されるべきものである。
3rdでのドライな変化にややがっかりしたのだが、本作はこれまでのジャケを登場させたデザインからして、
バンドの集大成的な匂いがする。ヘヴィでありながら随所に聴かせるキャッチーな歌メロは実によい感じで、
とくに組曲方式でつながった24分にもおよぶ“THE MACHINE FISH SUITE”はなかなか圧巻だ。
プログレでいえばNEAL MORSEあたりのメロディセンスにも通じる聴きやすさと、
知的でありながらロックとしてのノリもしっかり備えた、彼らの独特のサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 知的アレンジ度・・9 ヘヴィのちキャッチー度・・9 総合・・8
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GALACTIC COWBOYSLet It Go
アメリカの個性派メタルバンド、ギャラクティック・カウボーイズの6th。2000作
1991年にデビューして以来、ヘヴィメタリックなリフとキャッチーなポップセンスを同居させて
センス溢れる独自のサウンドを追求してきたこのバンドであるが、ついにこれがラスト作となった。
その音楽の質の高さに反してここまで注目されずに終わってしまうというバンドというのもなかなかないだろう。
まだ聴いたことがないという方は、2nd「SPACE IN YOUR FACE」と、前作5th「AT THE END OF DAY」 をお薦めしたい。
その哀愁ただようメロディには、ある時間をへてきたバンドのみがかもし出せる本物の泣きがある。
そして、ヘヴィかつアグレッシブな押しと、キャッチーなメロティとの絶妙なコントラストに悶絶すべし。
本作でも、楽曲の聴きやすさは一貫して守られており、極端さはなくなったものの、その分自然体のサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 知的アレンジ度・・8 ヘヴィのちキャッチー度・・8 総合・・8
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GALACTIC COWBOYS 「Long Way Back to the Moon」
アメリカの個性派メタルバンド、ギャラクティック・カウボーイズの2017年作
メタリックなヘヴィネスとポップなキャッチーさの融合から、「メタリカ、ミーツ、ビートルズ」とも評され、
2000年までに6作を残して消えたこのバンドが、17年ぶりにまさかの復活。マイク・ポートノイも大喜びだ。
ヘヴィなギターリフを乗せたオルタナ風味に、キャッチーなコーラスを乗せたこのバンドならではのサウンドは健在。
ただもミクスチャーなバンドが多様を極めるいまとなっては、楽曲そのものにさほど新しさがない分、
90年代を思わせる作風にむしろなつかしい感じもする。復活は嬉しいが、もう少し極端なインパクトが欲しいか。
このバンドを初めて知るという若いリスナーには、かつての2nd、5thあたりをまず聴いていただきたい。
ドラマティック度・・9 ヘヴィ&キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8 
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GARY HUGHS「same」
TENのVo、ゲイリー・ヒューズのソロアルバム。1992作
現在も精力的に活動し、素晴らしいソロ作を発表している彼であるが、
これはTENでデビューする前の作品なので、全体的にやや地味な印象。
ゲイリーの歌声もTENに比べるとやや瑞々しさに欠ける気がする。
マイルドで、ややブルージーな大人のロックアルバム。
メロディアス度・・7 TEN度・・6 楽曲・・7 総合・・7

GARY HUGHES「PRECIOUS ONES」
TENのヴォーカリスト、ゲイリー・ヒューズのソロアルバム。
ZEROレーベル倒産と、CD再発によってTENの旧規格CDが激安になっている…
それはどうでもいいが、このソロアルバムで聴けるのはまぎれもなくTENの延長線の音。
TENのドラマティック哀愁サウンドをそのままポップでムーディにした感じ。
バックも全てTENのメンバー。やさしき叙情ロックに酔いしれる。
メロディアス度・・8 ポップ度・・7 TEN度・・8 総合・・8

GARY HUGHES「ONCE AND FUTURE KING PART T」
TENのVoにしてソングライターである、ゲイリー・ヒューズのソロ作。2003年作
アーサー王伝説をモチーフにしたロックオペラ。BOB CATLEYのソロ作をプロデュースしながら、
この作品のアイディアを温めていたようで、TENにおいても、もともとメロディセンスと楽曲作りには
定評があったゲイリーだが、こうした壮大なコンセプトでソロ作を作るのはこのシリーズが初めてとなる。
TENのメンバーを演奏陣に据え、配役ごとにゲストヴォーカルを多数迎えた豪華な作品に仕上がっている。
サウンドの基本はTENにも通じる叙情味溢れる正統派のメロディアスなハードロックであるのだが
シンフォニックなバラードや、時折ケルト風のメロディを用いるなど、アーサー王の世界観を見事に描き出している。
ゲスト参加のラナ・レーンやイレーネ・ヤンセン(AFTER FOREVER)といった、美しき女性ヴォーカル陣に加え、
ボブ・カトレイの落ち着いた声の存在感もさすがで、ゲイリーのマイルドな歌唱を引き立てている。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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GARY HUGES「ONCE AND FUTURE KING PART U」
イギリスのメロディアスハード、TENのシンガーであるゲイリー・ヒューズのソロ2003年作。
アーサー王伝説をテーマにしたロックオペラ第二弾。本作もまたゲスト陣が豪華で、前作に引き続き参加のボブ・カトレイをはじめ
D.D.クーパー(ROYAL HUNT)、ラナ・レーンイレーレヤンセン(AFTER FOREVER)、サビーネ・エデルスバッカー(EDENBRIDGE)、
シンセにはアルイエン・ルカッセン(AYREON)、ポール・ホドソン(TEN)なども参加している。
歌い手それぞれに配役を定め、物語にそって楽曲が進むというロックオペラ的な手法はAYREONなどにも通じるが、
基本は歌もののメロディアスハードロックをシンフォニックに仕立てたというサウンドで、全編に英国的な気風と伝統、
そしてTENにも通じる哀愁とウェットな叙情が漂っている。正統派ロックオペラとしても、
多様なヴォーカルの歌唱がが味わえるメロディアスハードとしてもすこぶる出来が良い。
メロディアス度・・8 英国度・・9 豪華メンバー度・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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GARY HUGHES「VERITAS」
英国メロディアスハードの重鎮TENを率いる、ゲイリー・ヒューズのソロ2007年作
キャリアは優に10年を超え、TENのアルバムの他、自身のソロやBOB CATLEYのソロアルバムをプロデュースしたりと、
トレンドに流されることなく良質のハードロックを創造しつづけてきたその貢献は大きい。
メロディアスハードの人気はかつての90年代よりも明らかに落ちてきていて、
日本でのTENの人気も以前よりも翳りはじめているのは残念ながら事実だろう。
個人的には、彼の作る英国らしい気品とドラマティシズムを感じさせるメロディは好きだし、
もちろん今後ともTENとともに応援してゆきたいと思っている。本作で聴けるのも
そんなゲイリー節が満載の楽曲たちで、TENを思わせるナンバーからキャッチーなものまで、
メロディと叙情にこだわったサウンドが堪能できる。予算がなかったのかチープなジャケを含め、
録音面の弱さがもったいないが、彼の変わらぬ信念を、音楽の中にしっかり感じ取ることができる。
メロディアス度・・8 テン度・・8 サウン度・・7 総合・・7.5
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Gary Hughes 「Waterside」
イギリスのメロディアスハード、TENのシンガー、ゲイリー・ヒューズの2021年作
ソロ名義としては14年ぶりの作品で、やわらかなピアノやシンセをギターに重ね、
深みを増したゲイリーのマイルドな歌声を乗せた、英国らしい叙情的なサウンド。
メロディはキャッチーでありながら、ウェットな哀愁を含んでいるという点では、
やはりTENに通じる聴き心地であるが、本作ではよりパーソナルな歌詞とともに、
ゆったりとしたナンバーを主体に、ゲイリーの内面的な暖かさを感じさせる作風だ。
随所にメロウなギターの旋律も覗かせながら、大人の叙情ロックを描く好作品である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8 
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Gene The Werewolf「Rock N' Roll Animal
アメリカのハードロックバンド、ジーン・ザ・ウェアウルフの2012年作
自らをマッチョなローカルヒーローになぞらえる、ジョン・ベランのパワフルなヴォーカルとともに
勢い溢れるハードロックを聴かせる爽快作。かつてのLAメタルにあったきらびやかな質感と、
80年代の古き良きHRの感触を継承したスタイルで、全編キャッチーなロックサウンドが楽しめる。
3分前後の楽曲はどれもシンプルでオーソドックスなものだが、ただ古くさいだけでない本気の勢いと、
ロックスターになりきる楽しげなメンバーたちの姿が浮かんで、聴いていてにやりとなる。
QUEENを思わせるようなラストのバラード曲もなかなか感動的だ。
メロディック度・・8 古き良き度・・9 ロックスター度・・9 総合・・8
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The Gentle Storm 「The Diary」
AYREONのアルイエン・ルカッセンのユニット、ジェントル・ストームの2015年作
16世紀を舞台にした海洋ストーリーに基づいたコンセプトアルバム。オランダ東インド会社の帆船の航海日誌が元になっているようだ。
ヴォーカルには元The Gatheringのアネク・ヴァン・ガースバーゲンを据え、2枚組のCDそれぞれに、フォークアレンジのGentleバージョンと、
メタルアレンジのSTORMバージョンを収録。Disc1は、フルートやヴァイオリン、ピアノなどの柔らかな音色に、しっとりとしたアネクの歌声が美しい、
ケルティックな雰囲気も取り入れたしっとりとした聴き心地で、KarnatakaやMostly Autumnなどのファンもにも楽しめるだろう。
Disc2は、エレキギターも加わったよりきらびやかなアレンジで、ケルティックなシンフォニックメタルという趣で鑑賞できる。
ケルトフォーク風の「Gentle」、シンフォニックハードな「STROM」と、それぞれに歌の表現を変えるアネクさんもさすがです。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GIUFFRIA「SILK + STEEL」
元エンジェルのシンセ奏者、グレッグ・ジェフリアの1984年作
きらびやかなシンセアレンジと、AOR風味を含んだキャッチーな感触で聴かせる
メロディックなハードロックサウンド。4分前後の楽曲はいかにも80年代的なコンパクトさで、
TOTOあたりにも通じるポップな質感もありながら、優雅なメロディセンスはさすがジェフリア。
泣きのギターにかぶさる美しいシンセや、情感的なヴォーカルの歌声もいい感じです。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 80's度・・8 総合・・8
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GLENN PROUDFOOT 「FIRE & RAIN」
オーストラリアのギタリスト、グレン・プラウドフットの2018年作
ソロとしては3作目。メタリックなギターにかすれた味わいのヴォーカルを乗せたハードロックで、
随所にシュレッド的なテクニカルなプレイを織り込みながら、派手すぎないキャッチーな作風。
自身のエモーショナルな歌声も、わりとオーソドックスなハードロックによくマッチしていて、
楽曲自体にこれというインパクトはないのだが、随所に叙情なギターフレーズをまぶしつつ、哀愁を描くところは
LILLIAN AXEなどにも通じるかもしれない。ギタリストのソロというよりは、メロハーとしても普通に楽しめる。
メロディアス度・8 哀愁度・8 ギタリスト度・8 総合・8


GOODBYE THRILL
アメリカのメロディアスハード、グッバイ・スリルの2007年作
表現力あるハスキーなヴォーカルの歌声と、アメリカらしい抜けの良いメロディアス性で聴かせる
正統派のメロディアスハード。いくぶんプログレハード風味の知的なアレンジも含んでいて、
爽快なコーラスワークやメロディックなフックが詰まった質の高いサウンドだ。
メロウなギターソロもアクセントになっていて、新鮮味は薄いが、心地よく聴き通せる好作品。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GOTTHARD「HOMERUN」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードの2001作
スイスでの大変な人気にくらべて、日本などでの知名度はいま一つといった感があった
このバンドであるが、これはそれを覆す、まさに会心のホームランとも言うべきアルバム。
ボトムのしっかりとしたリズムにキャッチーなメロディを乗せた、極上のメロディアスハード。
初期のリスナーにとってはソフトになったという見方もあるようだが、
この溢れ出るメロディと楽曲の充実の前には、それはたいしたことではない。
大人の哀愁を漂わせながら、じっくりと聴かせる見事な作品である。
メロディアス度・・9 哀愁度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GOTTHARD「ONE LIFE ONE SOUL」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードのバラードベスト。2002作
1992年のデビュー作から2001年の「HOMERUN」までのアルバムから選ばれたバラード曲を収録。
叙情に溢れた楽曲の数々は、このバンドのソフトサイドを俯瞰するには充分だ。
全17曲、珠玉のメロディアスロックバラードに酔いしれよう。
メロディアス度・・9 叙情度・・9 哀愁・・9 総合・・8
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GOTTHARD「Human Zoo」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードの7th。2003作
スイス国内では国民的人気バンドであるが、日本での知名度は2001年の「Homerun」で
ようやく高まりだした。本作はそれに続くアルバムで、時代に流されない強さを感じさせる
スティーヴ・リーのアダルトな味わいの歌声を中心にした、質の高いメロディアスロックが満載。
ベテランバンドのみがかもしだせるアコースティカルな叙情にも枯れた味わいがある。
メロディアス度・・8 大人の叙情度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GOTTHARD「Lipservice」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードの8th。2005作
アメリカン・ハードポップ風の軽快なナンバーから始まる本作は
キッャチーなメロディをたっぷり聴かせる好アルバムだ。
オルガンの音色も使ったやや古めかしいシンセアレンジとともに
80年代風のサウンドがやわらかな質感を生み出している。
それでいてロックとしての骨太な力強さを併せ持っているのが見事。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GOTTHARD「Domino Effect」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードの2007年作
すでにデビュー15年を誇るスイスのベテランバンド。
本作が何作目になるのか、熱心なファンではないので分からないのだが、
今作もベテランらしく、さすがに質の高い絶品のハードロックアルバムである。
枯れた味わいのかすれたヴォーカルの歌唱を中心に、メロディックかつ哀愁溢れるサウンドは、
初期のFAIR WARNINGにも通じる雰囲気だ。どの曲にもしっかりとフックがあり、
演奏にも軽すぎない骨太さがバンドとしての年輪を感じさせる。充実の傑作だ。
メロディアス度・・8 骨太度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GOTTHARD「NEED TO BELIEVE」
スイスのメロディアスハードバンド、ゴットハードの10th。2009作
前作「Domino Effect」が楽曲充実の見事な傑作だっただけに、
それ以上のものが聴けるかと少し心配だったが、それはただの杞憂だった。
長年培われたこのバンドの音楽的な実力は、本当にすごいものがある。
オリエンタルなムードをかもし出しながら、それを叙情メロディで包み込んだ
1曲目からしてじつに見事だし、それ以降も自身に満ちあふれた不変のメロディと
大人の哀愁を感じさせる、力強いメロディアスハードがたっぷり楽しめる。
メロディアス度・・8 大人の叙情度・・9 楽曲・・9 総合・・8
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GOTTHARD「Firebirth」
スイスのハードロックバンド、ゴットハードの2012作
デビューから20年以上活動を続けるベテランバンド、11作めとなる本作は2010年に事故で急逝した
スティーブ・リーに代わり、新ヴォーカル、ニックメーダーが加入しての初作品となる。
大人の味わいのある骨太のハードロックサウンドはそのままに、より渋みを増した作風で
バンドとしての確かな年輪を感じさせる。突き抜けたメロディの爽快さはあまり感じないが、
じわじわとくる哀愁の叙情はベテランならではの味わいだ。ともかく、バンドの再出発に乾杯。
メロディック度・・7 正統派HR度・・8 大人の渋さ度・・9 総合・・8
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GPSWindow to the Soul
アメリカのプログレハードバンド、GPSの2006年作
J.ペイン、G.ゴーヴァンの元ASIA組みを中心に、SPOCK'S BEARDのリョウ・オクモトも参加。
ややハードめの質感とキャッチーなメロディが合わさった、現代風のプログレハード作だ。
ギターはメタリックなほどに重厚で、ややかすれた声質のジョン・ペインの歌声が乗ると
やはり70年代を通過した大人のサウンドに聴こえる。MAGNUMとかTENなどと同様、
どこか英国然とした誇りが音には感じられ、新鮮味はあまりないが質の高さで聴き通せる。
HRになりそうなサウンドをリョウ・オクモトの流麗なシンセワークが引き戻しているのもポイント。
メロディアス度・・8 英国度・・8 けっこうハー度・・8 総合・・8
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GPS 「Two Seasons : Live In Japan Volume I」
ジョン・ぺイン、ガスリー・ゴーヴァン、ジェイ・シェレンに、SPOCK'S BEARDの奥本亮を加えた編成で、
2006年に唯一のアルバムを残したバンドのライブ作。2012年作
2007年の来日公演を2CD+DVDに収録。アルバム「WINDOW TO THE SOUL」からのナンバーを中心に、
各メンバーのソロパートやASIAのナンバーも披露。枯れた味わいのジョン・ペインの歌声に、
ガスリーの巧みなギターと奥本亮のプログレなシンセワークで、キャッチーなプログレ・ハードロックを聴かせる。
哀愁漂うアコースティックなナンバーも含めて、大人の渋みを感じさせる味わいで、
オフィシャル・ブートレグということもあり、加工されていない生々しいライブサウンドが楽しめる。
ライブ演奏・・8 音質・・7 プログレハー度・・8 総合・・7.5
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GRAND ILLUSION「THE BOOK OF HOW TO MAKE IT」
スウェーデンのメロディアスハードロックバンド、グランド・イリュージョンの2001作。
雑誌等では高評価のようだが、音の方はまったく予想通りの良質の産業ロック。
録音のレベルが良いという点以外は、80年代のハードポップとなんら変わらない。
とくに北欧らしさも感じないし、このバンドならではの個性もそうあるとは思えない。
メロディは美しく、ポップで、安心して聴けるメロハー。ドライブするときにはうってつけでしょう。
メロディアス度・・8 新鮮度・・6 楽曲・・8 総合・・7.5

GRAND ILLUSION「VIEW FROM THE TOP」
スウェーデンのメロディアスハードロックバンド、グランド・イリュージョンの2nd。2002作
前作は質は高いものの楽曲的にはさほど新鮮味がなかったのだが、この2ndはずっといい。
まず、いかにも北欧らしい透明感のあるサウンドプロデュースが好印象で、
曲はメロディアスでキャッチー、そして適度にポップでさらりと聴けるのだが、
短いギターソロのフレーズなども効果的でいいし、なによりバックに鳴るキーボードが
サウンドをやわらかく、そして涼やかに彩っているのが耳に心地よいのである。
コーラスハーモニーも実に美しく、これはメロディアスハードとしては傑作の部類だと思う。
メロディアス度・・8 北欧メロハー度・・9 楽曲・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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GRAND ILLUSION「Brand New World」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、グランド・イリュージョンの4th。2010作
前作3rdは未聴なのだが、今作は傑作であった2nd「View From The Top」の流れを組む、
爽快かつキャッチーな復活作だ。北欧らしい透明感あるメロディ、コーラスワークと、
適度にヘヴィさを保ったギターアレンジ、そしてメリハリのあるドラムもなかなか見事だ。
これぞ日本人の好む北欧メロハーサウンド。新鮮味はないが、安心して楽しめる一枚です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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The Greatest Show on Earth
イギリスのプログレハードプロジェクト、グレイテスト・ショウ・オン・アースの1998年作
マーティン・ダービルを中心にしたバンド、MOONのメンバーに、ジョン・ウェットン、
ニック・バレット、マーティン・オーフォード、クライブ・ノーラン、ミック・ポインター、ジョン・ミッチェル他、多数の有名ゲストが集結。
ストーリーに基づいたコンセプト作のようだが、サウンドには難解な部分はなく、キャッチーなメロディで聴ける、
上質のプログレハードサウンドである。シンフォニックなシンセワークに、耳に心地よいメロディアスなギター、
そしてマイルドなヴォーカルで聴かせる、スケールの大きな力作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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GUILD OF AGES「CITADEL」
アメリカの叙情派ハードロックバンド、ギルド・オブ・エイジスの3rd。2001作
改名前のCAUGHT IN THE ACT時代を含めると5作目となる。邦題は「神聖なる城塞」
キーボードを効果的に使った、さわやかで哀愁たっぷりの楽曲を作り続ける彼ら。
今作でもそれは変わらず、全編クオリティの高いメロディアスなサウンドを堪能できる。
彼らの音にはどこか70〜80年代のプログレハード的な雰囲気があり、それが聴いていてどこか心温まる懐かしさを誘う。
この手のバンドとしては私好みの音なのだ。まず聴くのなら、CITA名義の2nd「HEAT OF EMOTION」をお薦めしたい。
メロディアス度・・8 爽快度・・8 新鮮度・・6 総合・・7.5

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Guild Of Ages「Rise」
アメリカのメロディアスハード、ギルド・オブ・エイジスの2018年作
Caught in the Actとして1995年にデビュー、1998年からGuild Of Agesと改名するが、2001年作を最後に解散。
本作はじつに、17年ぶりとなる復活作となった。ドラマティックで重厚なイントロ曲で幕を開けつつ、
美しいシンセアレンジにメロディックなギター、マイルドなヴォーカルを乗せたキャッチーなサウンドはかつてのまま。
心地よいコーラスハーモニーとともに、爽快なメロディアス・ハードロックが広がってゆく。アメリカのバンドながら、
ウェットな叙情性に包まれるところは、LILLIAN AXEなどにも通じる感触もあり、フックのあるメロディと確かな演奏力で、
キャリアのあるバンドらしい良質のメロハーが楽しめる。重すぎず軽すぎずというサウンド作りも絶妙。意義ある復帰作だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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Guilt Machine「On This Perfect Day」
アルイエン・アンソニー・ルカッセンの新プロジェクト、ギルト・マシンの2009作
AYREONの活動にひと区切りをつけたルカッセンが、元STREAM OF PASSIONの女性ギタリスト、
ロリ嬢らとタッグを組んで作り上げたコンセプトアルバム。これまでのAYREONの作品同様、
映画的なSEやナレーションなども使いながらも、基本的にはバンド編成のサウンドで、
6曲中10分以上が4曲という大作志向。サウンドの方は、Porcupine Treeにも通じる
薄暗系のゆるやかなモダンロックという趣で、ドラマーは実際に元PTのメンバーらしい。
もちろんルカッセンらしいシンフォニックでスペイシーなアレンジなども随所に現れ、エイリオンを思わせる
ドラマティックな雰囲気も漂わせている。ゲストによるヴァイオリンやチェロなども効果的に導入され、
しっとりとした美しさとともにRiversideあたりにも通じるモダンなハードプログレの感覚が楽しめる。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Guitar Force 「Different Universe」
ポーランドのメロディアスハード、ギター・フォースの2016年作
ギタリストのソロ作のようなバンド名だが、女性G/Vo、女性B/Vo、女性ヴァイオリン奏者を含む6人編成で、
伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、古き良き感触のハードロックサウンドを聴かせる。
トリプルギター編成なので、ときに様式美色も含んだ厚みのあるギターサウンドに加え、
随所にヴァイオリンが鳴り響き、単なるキャッチーなメロハーという以上の優雅な味わい。
楽曲そのものに新鮮味はさほどないのだが、女性Voの力量もしっかりとしていて、
ゆったりとしたナンバーでは東欧らしい湿り気のある叙情も覗かせる。女性声HR好きはチェック。
メロディック度・・8 キャッチー度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Halestorm
アメリカのハードロックバンド、ヘイルストームの2009作
ここのところ女性ヴォーカルをフロントにしたバンドが続々と出てきているが
このバンドは、古き良き正統派のハードロックスタイルという点で、むしろ新鮮だ。
紅一点Lzzy Hale嬢の歌声は、かつてのVIXENあたりを思わせる力強い表現力が魅力的で、
80年代的な曲調を現代風にアップデートしたという感触の楽曲に見事にマッチしている。
HEART風のパラード曲の叙情性もぐっとくる。これは女性声HRの期待の星の登場である。
メロディアス度・・8 正統派HR度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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HALESTORMStrange Case of」
アメリカのハードロックバンド、ヘイルストームの2012年作
表現力豊かな女性ヴォーカルで聴かせるHRサウンドは本作でも健在で
のっけからパワフルな疾走感で痛快なハードロックを聴かせてくれる。
リジー嬢の力強い歌唱力にはさらに磨きがかかり、さらに今作では
スクリーム気味の歌唱を取り入れたモダンなヘヴィさも加わっている。
一方では、スローな曲による叙情的で女性らしい歌声もまた魅力的だ。
古き良き正統派の女性Voロックを受け継ぐ存在として、今後とも期待したい。
メロディアス度・・8 古き良きロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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HARDLINE「U」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハードラインの2nd。2002作
元BRUNETTのジョニー・ジョエリがJOURNEYのニール・ショーンと結成した伝説のバンド、
これは10年ぶりとなる復活作だ。シンセは味付け程度で、基本は二本のギターと
アダルトなヴォーカルでブルージーに聴かせる、枯れた味わいのハードロックサウンド。
爽快なキャッチーさは抑え目なので、正直今のリスナーには古くさく感じるかもしれない。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・7 アダルト度・・8 総合・・7
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Harem Scarem 「Mood Swings」
カナダのメロディアスハードバンド、ハーレム・スキャーレムの2nd。1993作
オーセンティックなロックとしての躍動感と、甘すぎないほどの哀愁の叙情でもって
日本人の心をつかんだこのバンド。今もなお、最高作として語られるのが本作である。、
センスあるギターを中心に、抜群の演奏力で聴かせる本格派のハードロックサウンドだ。
バンドは本作の日本での成功から勢いにのるが、その後、商業音楽との狭間で方向性を失い、
いったんは活動の危機に立つが、2002年に復活し5枚のアルバムを残して解散する。
このアルバムの輝きは、我々の心の中に永遠に封じこめられた。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 ロック度・・9 総合・・8
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HAREM SCAREM「weight of the world」
カナダのハードロックバンド、ハーレム・スキャーレムの2002作
1993年の2nd「mood swings」は、その抜群の演奏力とメロディアスなサウンドで、今なお
名作として語られる作品だが、バンドはその後目指す方向性と商業音楽との狭間に揺れ、
その音楽性を変化させてゆく。一時はRubberとバンド名すら変えて迷走の時期に入るが、
ここにきてついにバンド名を戻し、HAREM SCAREM名義では6作めの本作を発表する。
ここで聴けるのはあくまでメロディにこだわった、かつてのHSのスタイルだ。
サビでのキャッチーなメロディや哀愁の叙情はもちろんのこと、彼らの場合は、
抜群のギタープレイをはじめとするインスト部分の演奏力、その充実こそが魅力であり、
それが他のメロハー系バンドとは一線を画したアルバムの密度につながっている。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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HAREM SCAREMLive at the Gods 2002
ハーレム・スキャーレムのライヴアルバム。2002作
イギリスで行われたGODS FESTIVALでのステージを収録。
もともと演奏力には定評があったバンドだけに、このライブにおいても安定したサウンドを聴かせてくれる。
「weight of the world」からの楽曲を中心に、過去のアルバムからもセレクトされた全16曲を収録。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲・・8 総合・・8
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HAREM SCAREM「The Early Years」
ハーレム・スキャーレムのデビュー前の音源集。2003作
やはりファン向けの音源だろうが、デビュー前にしてすでに演奏、楽曲の質は高く、
キャッチーなメロディで聴かせる、原石の輝きをもったサウンドがここには詰まっている。
1991年のデビュー作、そして1993年の2nd「mood swings」あたりが好きならば、
ここに収められたデモ音源集は、完成度云々を別にして充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 初期ハーレム度・・10 デモとはいえ完成し度・・8 総合・・8
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HAREM SCAREM「HIGHER」
カナダのハードロック、ハーレム・スキャーレムの2003年作
かつてを思わせるサウンドで復活を印象づけた前作から基本的には同路線。
哀愁漂うヴォーカルメロディで、じっくりと聴かせる心地よい大人のロックである。
流行りのUKロック的な質感も感じさせつつ、キャッチーさとのバランスを上手くとっている。
全体的には前作よりも落ち着いたメロウな雰囲気であるが、安定した質の高さで楽しめる。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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HAREM SCAREM「OVERLOAD」
ハーレム・スキャーレムの2005作
前作で聴かせた「哀愁ロック」の質感をさらにスタイリッシュにした雰囲気で、
もはやメロディアスハードというよりはメロウな叙情ロックというべきだろう。
ベテランらしい枯れた味わいとともに、やや薄暗さを増したメロディが耳に心地よい。
メロディアス度・・8 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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HAREM SCAREMHuman Nature
ハーレム・スキャーレムの2006作
前作での哀愁路線から、ややキャッチーさを取り戻したサウンドで一安心。
彼ららしいコーラスワークに、テクニカルなギターワークも戻ってきて、
爽やかできらびやかなメロディアスハードを聴かせてくれる。
これぞ我々日本人が求めるHAREM SCAREMサウンドだろう。
メロディアス度・・9 哀愁度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Harem Scarem  「United」
カナダのハードロック、ハーレム・スキャーレムの2017年作
1991年デビュー。2008年作を最後に解散するも、2013年にリメイク作である「Mood Swings II」を契機に復活を果たす。
本作は「THIRTEEN」に続く復活2作目で、アラビックな旋律のハードなギターで幕を開け、オールドロックなアンサンブルに味わいのあるヴォーカルを乗せた、キャッチーな大人のハードロックが広がってゆく。
耳に心地良いメロディのフックは、往年のサウンドを受け継ぐもので、このストレートな爽快さはじつに日本人好みだろう。
ノリのいいナンバーから、ゆったりとしたバラードまで、どの曲もサビでは叙情が溢れ出す。ハレスキャ健在、楽曲充実の傑作です。
メロディック度・9 キャッチー度・9 大人の叙情度・9 総合・8
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Harem Scarem  「Change the World」
カナダのハードロック、ハーレム・スキャーレムの2020年作
通算15作目となる本作も、ほどよくハードでメロディックなギターと、ハリー・ヘスのジェントルでエモーショナルな歌声で、哀愁の叙情味たっぷりの王道のハードロックを聴かせる。
キャッチーで爽快な歌メロと、骨太のロック感のバランスもさすがで、ベテランらしい堂々たる自信を感じさせる。
この路線を求めている我々からすれば、新鮮味の薄さなどは贅沢な言葉か。
スローテンポの叙情ナンバーなども、巧みなギタープレイを盛り込んだ、オールドスタイルの説得力があり、ストレートなノリの爽快なナンバーを引き立てている。前作に比べるとロックなハードさ強めている。
メロディック度・8 キャッチー度・8 大人の叙情度・9 総合・8 
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Harlan Cage
アメリカのメロディアスハードバンド、ハーラン・ケージの1st。1996作
80年代に活動していたFORTUNEのメンバーらによるバンドで、
美しいキーボードに湿りけを含んだ哀愁のメロディがじつに素晴らしい。
耳あたりの良いマイルドな質感は、良質のプログレハードとしても鑑賞できる。
メロディアス度・・9 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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HARLAN CAGE「DOUBLE MEDICATION TUESDAY」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハーラン・ケージの2nd。1998作
基本的にこの手のジャンルに対しては、よほど素晴らしくなければ褒めないのですが
このバンドは私にとってメロディアスハード/プログレハードの最高峰であります。
その叙情的で、美しさと暖かさを感じる人間的なメロディはじつに耳に心地よく、
哀愁の中に希望を輝かせるギターとキーボードのメロディハーモニーはうるうるもの。
むろん捨て曲などはなし。メロディ愛好家は必聴のバンドですぞ。
メロディアス度・・9 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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HARLAN CAGE「FORBIDDEN COLORS」
アメリカの叙情派ハードポップバンド、ハーランケージの3rd。1999作
この種のメロディアスハードの中で私がその素晴らしさを認める数少ないバンドのひとつである。
その徹底した叙情へのこだわりは今作でも健在で、全編捨て曲なしの哀愁ロックが満載だ。
メロディアスなギター、キーボードワークに美しいサビメロのハーモニーにうっとりとなる。
このバンドは音的に尖ったところがないので、メタル系のリスナーよりもむしろ
叙情派プログレハード、シンフォニック愛好家にこそ好まれるものだろう。
メロディアス度・・9 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5
◆メタル名盤特選入り
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HARLAN CAGE「TEMPLE OF TEARS」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハーラン・ケージの4th。2002作
80年代、幻のハードポップバンドFORTUNEで活動していたメンバーが再び集って結成したこのバンド、
哀愁感ただようキャッチーなそのサウンドは、いつ聴いても耳に心地よい。
バックを彩るキーボードのアレンジに、かつてのメロディアスハードの王道をゆく爽快感のある歌メロは、
しっとりとしていてどこかなつかしい。セールス的には今のアメリカでこのサウンドはきついだろうが、
彼らの素晴らしさを知る我々日本人がずっと応援してゆきたいバンドである。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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HARTMAN「Out In The Cold」
AT VANCEのヴォーカリスト、オリヴァー・ハートマンのソロ・アルバム。2005作
AT VANCEでの実績はもとより、トビアス・サメットのAVANTASIAへの参加などからも
その実力を認められるメタルヴォーカリスト。初のソロ作となる本作はアダルトな香りのする
メロディアスなハードロックで、AT VANCEのような派手さはないが、その分オリヴァーの
歌唱の表現力が引き立っていて、じっくりと味わえる好作品となっている。
メロディアス度・・8 大人のハードロック度・・8 歌唱度・・8 総合・・7.5
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Headrush
LABYRINTHのVo、ロベルト・ティランティを中心としたユニット、ヘッドラッシュの2005作
ギターを弾くのはDOKKENのツアーギタリストを務めたこともあるアレックス・デ・ロツソ。
サウンドはロベルトの伸びやかなハイトーンヴォーカルを活かしたハードロックで、
ギターのリフ、フレーズを含めて古き良きHRのエッセンスを随所に感じさせる。
新鮮味は薄いが、実力あるメンバーたちによる正統派のハードロック作品だ。
メロディアス度・・7 正統派HR度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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THE HEARD 「THE ISLAND」
スウェーデンの女性声ハードロック、ヘルドの2018年作
CRUCIFIED BARBARAのメンバーを中心にしたバンドで、DEATHSTARSのギターを含む、女4人男1人という編成。
重厚なツインギターにハスキーな女性ヴォーカルで聴かせる、古き良き感触のハードロックサウンドで、
メロディックな部分よりは、妖しい魔女感に包まれた雰囲気に、ときにメロトロンも鳴り響くなど、
ヴィンテージなドゥームロック感触もある。PEPPER嬢の歌声も、艶めいた妖しさと伸びやかな表現力が、
ほどよく同居していて、このサウンドにはよくマッチしている。ノリのあるハードロックナンバーの一方で、
ゆったりとしたバラードなども幻想的な魅力があって、魔女系ロックとオールドなHRの中間という聴き心地。
適度にキャッチーなナンバーもよい感じで、多くの女性声HR好きのリスナーに楽しめる出来です。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Heart of Cygnus 「Utopia」
アメリカのハードロックユニット、ハート・オブ・シグナスの2007年作
ヴォーカル、ギター、ベース、キーボードをこなすマルチミュージシャン、ジェフ・レーンによるプロジェクトで、
近未来SF的なコンセプトを感じさせる作品。楽曲は2、3分台が中心であるが、
古き良きHRの感触とともに、シンセアレンジを含ませたプログレッシブなスケール感もある。
1曲ごとのインパクトはさほどないが、トータルな流れで楽しめる作品だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5

HEART OF CYGNUS「Over Mountain, Under Hill」
アメリカのハードロックユニットハート・オブ・シグナスの2009年作
マルチミュージシャン、ジェフ・レーンによるプロジェクトで、適度なハードさとキャッチーなメロディで、聴かせるサウンド。
物語的なコンセプト作品らしいが、楽曲自体はメロディアスなHR/HMとして普通に楽しめ、曲間のSEなどを含めて
ストーリーに沿ったドラマティックな雰囲気を描きながら、いくぶんProgMetal風味の展開もある。
うっすらとしたシンセアレンジや、随所に聴かせる泣きのギターフレーズもなかなかよい感じで、
古き良きエピックメタルの叙情性も感じられる。マイク・ポートノイが選ぶ2009年のベスト10に入っていた
というアルバムだが、なるほど、ややラウドな音質を除けば、総じてクオリティの高い作品である。
ドラマティック度・・8 メロディック度・・8 古き良きHR/HM度・・8 総合・・8
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HEART of CYGNUSTales from Outer Space」
アメリカのハードロックユニット、ハート・オブ・シグナスの2009年作
マルチミュージシャン、ジェフ・レーンによるプロジェクトで、今作はジャケからして古き良きSF映画的なコンセプト作品。
キャッチーなヴォーカルメロディを乗せて、適度なハードさを含んだ楽曲は、
随所にシンセアレンジも含んだプログレッシブな雰囲気もある。ただトータルで30分というのが、やや物足りなさを残すが…。
ドラマティック度・・8 重厚度・・7 SF度・・8 総合・・7.5
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Heart of Cygnus 「Voyage of Jonas」
アメリカのプログレハードユニット・ハート・オブ・シグナスの2012年作
ヴォーカル、ギター、ベース、キーボードをこなすマルチミュージシャン、ジェフ・レーンによるプロジェクトで、
本作は物語的なファンタジックなストーリーに基づいたコンセプト作。シンフォニックなイントロから始まり、
メタル色の強いメロディックなギターワークと美麗なシンセアレンジによる厚みのあるサウンドで、
ドラマティックな雰囲気を描いてゆく。アメリカのバンドらしいキャッチーな抜けの良さもあり、
テクニカルなリズムやスリリングな要素はあまりないのだが、全体的に安心して楽しめる完成度である。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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H.e.a.t
スウェーデンのメロディアスハードバンド、ヒートの2009作
メロディアスなギターにうっすらとしたシンセワーク、そしてキャッチーなメロディ、
北欧メロディアスハードの王道ともいうべきサウンドを聴かせる新人バンドである。
古き良き往年のハードポップの質感を残しつつ、適度にテクニカルなギターなど
若者らしいセンスも随所に聴かせる楽曲はどれもなかなか質が高い。
反面、曲調はどこかで聴いたようなものが多く、新鮮味は薄いかもしれない。
メロディアス度・・8 往年のメロハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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H.e.a.t 「Address The Nation」
スウェーデンのメロディアスハードロック、ヒートの2012年作
デビュー作はまさに古き良き北欧メロディアスハードの王道ともいうべき好作であったが、
本作ではソロシンガーとしての地位を確立していた、エリク・グロンウォールを新たに迎え、
色気のある見事な歌声を乗せた、骨太のハードロックを聴かせる。北欧らしい透明感あるシンセアレンジに、
うるさすぎず軽すぎない抜群のギターワークとともに、メロディックかつキャッチーなフックに包まれている。
かつてのEUROPEにも匹敵するクオリティとセンスを感じさせる、これは楽曲充実の傑作だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 正統派HR度・・9 総合・・8
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HELLDORADOS
ドイツのハードロック、ヘルドラドスの2012年作
ギター、ペース、ヴォーカル、ドラムという、オーソドックスな4人編成で、
古き良きロックン・ロールのノリで聴かせる、えらくストレートなハードロック。
歌メロはそこそこキャッチーだが、これというインパクトや新鮮味はなく、
今どきやるかというようなシンプルなロックサウンドに思わず苦笑いするという。
オールドスタイルの正統派ロックが好きな方はチェックしてみてもよいかと。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 ロック度・・9 総合・・7
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Hell in the Club 「Devil On My Shoulder」
イタリアのハードロック、ヘル・イン・ザ・クラブの2014年作
ELVENKINGのシンガーとSECRET SPHEREのベース、ドラムを中心にしたバンドで
80年代アメリカンHRを思わせる雰囲気の古き良きキャッチーな王道ロックサウンド。
楽曲は3〜4分台がほとんどで、歌を中心にしたわりとシンプルな聴き心地ながら、
メロディックなフックにはいくぶんヨーロピアンなセンスをまとわせているところが絶妙だ。
エアロやモトリー風味から、ブギウギ調の軽快なナンバーもあったりして、曲調はポップですらあるのだが
いうなれば完全なメジャー路線ではない、B級気味のローカルさをあえて出しているようなところも感じられ、
WIG WAMやSTEEL PANTHERなどに比べると、イタリアらしい怪しさが濃密な味わいになっている。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 古き良きHR度・・8 総合・・8
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HELLOISE「A Time & A Place for Everything」
オランダのメロディアスハードバンド、エロイーズの1998作
オリジナルメンバーによる12年ぶりの復活作で、かつてのファンには嬉しい限りだろう。
正統派のスタイルでありながら、メロディアスで叙情的なそのサウンドは
ツインギターの音色とともに、いかにも古き良きヨーロピアンなHRを聴かせてくれる。
楽曲的には新鮮さや驚きはないものの、安心して楽しめる大人のハードロック作だ。
ちなみに「エロイーズ」というのは神学者アベラールの妻で修道女であった女性の名。
往復書簡において夫への変わらぬ愛と信頼を捧げ続けた女性とされる。
メロディアス度・・8 正統派度・・9 ヨーロピアンHR度・・9 総合・・8
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HELLOISEFata Morgana」
エロイーズの復活二作目。2001作
一聴して前作よりもテクニカルでモダンになった。曲も5〜6分と長めになり、
ロビー・ヴァレンタインによるきらびやかなシンセワークと、軽やかなギターが絡み、
間奏部でのテクニカルな質感が増している。ただ、オーソドックスな泣きの叙情という魅力はやや薄まり、
往年のファンよりも若いリスナー向けのサウンドに変化している気がする。
ラナ・レーンがゲストで歌うラスト曲などは、プログレメタル的なドラマティックさもある。
メロディアス度・・7 正統派度・・7 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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HIRSH GARDNER「WASTELAND FOR BROKEN HEARTS」
NEW ENGLANDハーシュ・ガードナーのソロ作。2002年作
伝説のプログレハードバンドとして3枚のアルバムを残して消えたニュー・イングランドのドラマーで、
本作のサウンドはキャッチーな叙情とポップなフィーリングに満ちたメロディアスハード。
やはりかつてのNEW ENGLANDを彷彿とさせる部分もしばしばあり、
ドラムはもちろん、作曲にヴォーカルもこなすハーシュの能力も素晴らしい。
NEW ENGLANDのメンバーたちが参加したナンバーもあって、ファンは歓喜。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ニューイングラン度・・8 総合・・8
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HIRSH GARDNER 「MY BRAIN NEEDS A HOLIDAY」
NEW ENGLANDのハーシュ・ガードナーのソロ。2017年作
伝説のプログレハードバンドとして3枚のアルバムを残して消えたニュー・イングランドのドラマーで、
ソロとしては2002年以来、15年ぶりとなるアルバム。サウンドはキャッチーなポップ性を含んだメロディックロックで、
これという新鮮味はないのだが、ゲストによるテクニカルなギターソロや、美しいシンセアレンジも覗かせて、
かつてのNEW ENFLANDに通じるような叙情性もある。ラスト2曲は、TAI PHONG「シスター・ジェーン」、
PROCOL HARUM「青い影」のカヴァーで、枯れた味わいのヴォーカルとともにしっとりと楽しめる。
Disc2には、2002年のソロ「Wasteland for Broken Hearts」のリマスター音源を収録。
キャッチー度・・8 プログレハー度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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HOUSE OF LORDS
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの1st。1988作
GIUFFRIAのグレッグ・ジェフリア率いるバンドで、
きらびやかなシンセにWHITESNAKEを思わせるハードなギターワーク、
そして情熱的なヴォーカルで聴かせる、メロディアスなハードロック。
実力のあるメンバーたちによる演奏は素晴らしく、オーソドックスなサウンドながら
その高い完成度には時代を超えるだけの魅力を感じさせる。
メロディアス度・・8 王道度・・9 メロハー度・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「Sahara」
ハウス・オブ・ローズの2nd。1990作
前作に比べると、ややブルージーなメロディが耳に付くが、基本は同様に質の高いメロディアスハードが全開。
ジェフリアの流麗なシンセワークに、ジェイムズ・クリスチャンのパワフルな歌声で、
メジャー感のある伸びやかなサウンドを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 王道度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「DEMONS DOWN」
ハウス・オブ・ローズの3rd。1992作
リーダーのジェフリアとVo以外のメンバーが代わり、心機一転で制作されたアルバム。
キャッチーなメロディと哀愁を感じさせる、ドラマティックなサウンドは健在。
古き良きハードロックの質感を守りながら、今作ではオーケストラを導入するなど、
楽曲に厚みを持たせていて、泣きのバラードなども美しく、出来としては前作を上回る。
この後、バンドは長い活動停止をへて2003年に復活するが、ジェフリアは脱退。
メロディアス度・・8 王道度・・9 ドラマティック度・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「World Upside Down」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハウス・オブ・ローズの2006年作
1988年にデビューしてから3枚のアルバムを発表、その後バンドは活動休止状態となるが、
2004年に復活、本作は復活後の2作目で、かつてのリーダーであったジェフリアも参加している。
きらびやかなイントロから曲が始まると、大人の味わいのあるかすれたヴォーカルと、
哀愁をただよわせたメロディで、かつてのを思わせる骨太のメロディアスハードが楽しめる。
英国でいえばTENにも通じるだろう、誇り高き男の美学を詰まった叙情ハードロック。
時代に流されない信念がドラマティックな香りを運んでくる。これぞHOLである。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 骨太度・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDSLive in the UK」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハウス・オブ・ローズのライブ作。2007作
2005年イギリスでのライブを収録。1988年にデビューしてから3枚のアルバムを発表、
その後いったんバンドは活動休止状態となるが、2004年に復活作を発表する。
かつてのリーダーでKey奏者ジェフリアはいないものの、オリジナルメンバーが復帰、
このライブでは1st、2ndの曲も披露していて、往年のファンも喜ばせてくれる。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 往年度・・8 総合・・7.5
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HOUSE OF LORDS「Come to My Kingdom」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハウス・オブ・ローズの2008年作
2004年に12年ぶりの復活作を発表、本作は復活後3作目の作品ということになる。
かつての中心人物であったジェフリアはもうメンバーにはいないが、
楽曲の質は高く、まるで英国のバンドのような哀愁を漂わせた叙情が素晴らしい。
往年のような華麗なシンセワークはないものの、キャッチーなコーラスワークとヴォーカルメロディ
叙情的なギターで聴かせる、本格派のメロディアスハードの傑作だ。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「Cartesian Dreams」
アメリカのメロディアスハードバンド、ハウス・オブ・ローズの2009年作
本作は復活後4作目で、サウンドの方はグレッグ・ジェフリアが在籍した頃とは
やや変わったが、哀愁のメロディで聴かせる大人のメロディアスハードとしては絶品の出来。
ジェイムズ・クリスチャンの味わいのあるヴォーカルを中心に、ベテランバンドのみがかもしだせる
重厚な叙情と誇り高きアンデンティティが楽曲に詰まっている。TENなどが好きな方もきっと気に入るだろう。
メロディアス度・・8 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「Big Money」
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2011年作
1988年にデビューしてから3枚のアルバムを残し、その後バンドは活動休止状態となるが、
2004年に復活、本作は復活後5作目。前作もドラマティックな傑作であったが、
本作も枯れた味わいの大人のハードロックを聴かせる。どっしりとした重厚さと、
アメリカンHR的な哀愁の叙情、かすれ気味の歌声もアダルトな魅力を放っている。
このバンドの魅力であるキャッチーな聴き心地と、古き良き骨太のロックスタイルは健在だ。
メロディアス度・・8 古き良きHR度・・8 大人のメロハー度・・9 総合・・8
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House of Lords 「Precious Metal」
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2014年作
本作は復活後6作目で通算9作目のアルバム。アダルトな味わいのハードロックをベースに
キャッチーに聴かせるそのサウンドは本作も健在。ジェームス・クリスティアンの伸びやかな歌声を軸に
ときに軽快かつハードに、ときに哀愁を含んだドラマティックな作風は、ベテランらしいさすがという安定感。
さすがに新鮮味はないものの、じっくりと大人のメロディアスハードが楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 大人のメロハー度・・9 総合・・8 
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House Of Lords 「Indestructible」
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2015年作
1988年にデビューしてから3枚のアルバムを発表、その後バンドは活動休止状態となるが、
2004年に復活し順調に作品を発表し続ける。本作は復活後の7作目、通算10枚目のアルバム。
キャッチーなメロディアス性と、どっしりとした王道のハードロックサウンドを両立させた安定の聴き心地で、
オリジナルメンバーである、ジェイムズ・クリスチャンの歌声はやはりバンドの顔といってもよいだろう。
これという新鮮さはないのだが、80年代から受け継がれる往年の空気を残した正統派HRバンドとしての
確かな誇りを感じさせる堂々たるクオリティのアルバムだと思う。ラウドパーク2015にて来日!
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 正統派HR度・・8 総合・・8
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HOUSE OF LORDS 「Saints of the Lost Soul」
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2017年作
1988年にデビューしてから3枚のアルバムを残し、活動休止をへて2004年に復活、
2015年には来日も果たし旺盛に活動を続けている。本作は復活後8作目で通算11作目のアルバム。
美麗なシンセアレンジと大人の味わいのヴォーカルを乗せた、メロディックなハードロックは健在。
やはりTENなどにも通じる、英国ルーツのウェットなドラマ性をコンパクトに表現した王道のスタイルで、
もはやこれという新鮮味はないのだが、キャッチーなフックのある高品質な楽曲は安心して楽しめる。
ロビン・ベックがコーラスでゲスト参加、何故かミケーレ・ルッピがシンセで1曲参加している。
メロディック度・・8 王道メロハー度・・9 アダルトHR度・・9 総合・・8 
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House Of Lords 「New World - New Eyes」
アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2020年作
1988年にデビュー、3枚のアルバムを残し、活動休止をへて2004年に復活、本作は通算12作目のアルバム。
ジェイムズ・クリスチャンの味のある歌声とともに、哀愁の美学に包まれた王道のハードロックは健在。
きらびやかなシンセはときにプログレハード風でもあり、随所に聴かせる流麗なギタープレイとともに、
アメリカンロックらしいキャッチーなナンバーから叙情的なバラードなども、ベテランらしい巧みなアレンジで聴かせる。
全体的にはドラマティックなナンバーが減ったため、突き抜けきらないもどかしさもあるが、出来がそう悪いわけではない。
クリスチャンの妻であるロビン・ベックがゲスト参加、前作に続き、ミケーレ・ルッピもシンセで1曲参加している。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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HUGO
アメリカ人ヴォーカリスト、ヒューゴのソロアルバム。1997年作
今はなきZEROレーベルから出ていたアルバムだが内容はまさにメロディアスハードの理想郷
ギター、ベース、キーボードに英国のドラマティックハードロックバンドTENのメンバーを起用し、
甘い声質のヒューゴの歌声が、キャッチーでさわやかな楽曲にじつによく映えている。
TENをよりマイルドにしたようなサウンドで、この手のメロディアスハード好きにはたまらない一枚。
しっとりとしたキーボードと、時折聴かせるダイナミックなギターワークも絶品だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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HUGO「Time on Earth」
メロディアスハード系Vo、ヒューゴの2nd。2000年作
1stは、爽やか系ハードポップの傑作として語り継がれるべきクオリティの内容だったが、
今作相変わらずのキャッチーなメロディと爽やかな歌声で聴かせるメロディアスハードで、
ほっとひと安心という内容だが、さすがに今どきになると曲自体に古くささも感じられる。
全編、爽やかすぎるほどのハードポップサウンドなので、お好きな方はいかが。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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HUGO「FIRE IN THE NIGHT」
メロディアスハード系 ヴォーカリスト、ヒューゴの3作目。2004作
1997年のソロ1作目は、絶品のメロディが散りばめられた傑作として今も名高いが、
2nd、そして本作3rdと、かつての輝きを感じるまでには至っていない。
もちろんキャッチーなメロディとともに、ヒューゴのマイルドな歌声は変わらず耳に心地よいが、
ジャケの安っぽさや録音面での平坦さも含めて、どうも胸にぐっとくるものがない。
曲調もややありきたりで、メロディアスハードとしてはそこそこの好作どまり。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Hugo Bistolfi「Machupicchu」
RATA BLANCAのシンセ奏者、ヒューゴ・ビストルフィのソロ作。2006作
タイトル通り、世界遺産である空中都市、マチュピチュ遺跡をテーマにした作品で、
メタル色はほとんどなく、シンセによるオーケストレーションや、美しいピアノ、
さらにはチャランゴ、ケーナといった民族的な素朴な音色も聴かせながら、
シンフォニックかつミステリアスに聴かせるサウンドはむしろプログレ的だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・1 民族度・・7 総合・・7.5


HUSH「IF YOU SMILE」
ノルウェーのメロディアスハードロックバンド、ハッシュの1998作
先に2ndを聴いていたので、クオリティの高さは分かっていたが、この1stの方も同様によろしい出来。
キャッチーなヴォーカルメロディに伸びやかなギター、そしてバックのキーボードは北欧的で
爽やかさとポップな風味が合わさった、じつに良質のメロディアスハード作である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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HUSH「U」
ノルウェーのメロディアスハードロックバンド、ハッシュの2nd。2001作
1st「IF YOU SMILE」は雑誌での評価も高く、マニアの間ではけっこう話題になっていたと思う。
専任KEYを迎えてのこの2ndも、相変わらずの良質のメロディアスハードで愛好家はまずひと安心。
北欧らしい爽やかな雰囲気の曲調に実力のあるヴォーカルが伸びやかな歌をのせる、
涼しげな風のようなサウンド。新鮮味はないが純粋に耳に心地よい。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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I

IndicaIkuinen Virta
フィンランドの女性5人組ロックバンド、インディカの2004年作
軽快なロックのノリとコケティッシュな女性ヴォーカルで聴かせるフィメールロックサウンド。
デビュー作となる本作では、のちの作品に比べて楽曲がよりキャッチーで、
フィンランド語の歌声も土着的というよりは、まだポップな響きに聞こえる。
クオリティとしては3rd以降にはまだ及ばないものの、一般のリスナーにも聴けるメジャー感がすでにある。
メロディアス度・・8 メタル度・・5 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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INDICA 「TUULISET TIENOOT」
フィンランドのガールズロック、インディカの2005年作
女性5人組によるバンドで、フィンランド語によるヴォーカルとキャッチーかつポップなメロディで聴かせるサウンド。
メロディにはフィンランドらしい土着性があるのがいい感じで、ハードロックとして聴くには物足りないが、
むしろ母国語を乗せた北欧トラッド・ポッフ的にも楽しめる好作品。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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IndicaKadonnut Puutarha」
フィンランドの女性5人組ロックバンド、インディカの3rd。2007年作
日本デビュー盤となる5thA Way Awayは英語作品であったが、
本3作めでは母国フィンランド語で歌われる土着的な質感がぐっと魅力になった。
適度にキャッチーで適度にハードという絶妙のサウンドは、キュートな歌声とコーラスで
華やかに彩られつつも、ヨーロピアンな叙情を匂わせているのがまたよろしい。
メロディアス度・・8 メタル度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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INDICA 「VALOISSA」
フィンランドのガールズロック、インディカの4th。2008年作
女性5人組によるバンドで、フィンランド語による歌声と適度なヘヴィさに、
シンセによる味付けとキャッチーかつ北欧らしい涼やかな聴き心地のサウンド。
土着的なメロディを含ませながら、美しい歌声でしっとりと聴かせる曲もあり、
フィメールHRやゴシックメタルのリスナーにも楽しめるだろう。
次作では英語歌詞による世界的なデビューを果たすことになるのだが、
バンドとしてのアイデンティティは母国語で歌われている本作の方がより強く出ている。
メロディック度・・8 女性Vo度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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INDICA 「Pahinta Tanaan-Kokoelma」
フィンランドのガールズロック、インディカのベスト。2009年作
2004年にデビューした女性5人組で、フィンランド語によるキュートなヴォーカルを乗せた
キャッチーな感触と北欧らしい涼やかな土着性を合わせた、トラッド・ポップ的なサウンド。
未発曲にライブ音源を含む12曲入りのベストアルバムで、世界デビュー前の初期4作からセレクトされた楽曲は、
のちの作品に比べるとまだ素朴な雰囲気を残していて、フィンランド語独特の発音が耳心地よい。
随処にヴァイオリンも加わった優雅なアレンジセンスも含めて、単なるメロディックロックともハードロックとも異なる、
フィメール・フィニッシュ・ロックというべきサウンドが味わえる。インディカ初体験の方にもお薦めのコンピですね。
メロディック度・・8 フィンラン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8 
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IndicaA Way Away
フィンランドの女性5人組ロックバンド、インディカの5th。2010年作
本作は英語による世界デビュー盤。Nightwishばりのシンフォニックな美麗さに、
コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声、キャッチーなメロディで聴かせる比較的コンパクトな楽曲は、
ヘヴィさよりもポップな感触でハードロック/メタルのリスナーにとどまらない、一般にも受けるだけの聴きやすさがある。
ただ、雰囲気にはフィンランドらしい翳りある叙情性もあって、ゴシックロック的な世界観とともに
女性バンドならではの耽美さも垣間見える。ヨーロピアン・フィメールロックの期待の星である。
メロディアス度・・8 メタル度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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Indica 「Shine」
フィンランドのガールズロック、インディカの2014年作
女性5人組のバンドで、2004年にデビューしてから、すでに本作が6作目となる。
世界デビューとなった前作に続き、今作も英語歌詞によるキュートなヴォーカルと、
キャッチーなメロディを含んだ、シンフォニックなアレンジで聴かせるサウンド。
ヴァイオリンを含むオーケストラルな美しさと、ヨーロピアンな美意識を
3分前後の楽曲に溶け込ませた、いわばシンプルな耳心地のよさが魅力的だ。
メロディック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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INDIGO DYING
女性Voのハードロックユニット、インディゴ・ダイングの2007年作
イタリア系のメタルレーベルに発掘された、チリ出身の女性ヴォーカリスト、ギザ・ヴァッキーを中心にしたユニット、
サウンドはメロディアスでありながらもけっこうヘヴィで骨太のハードロック。
名前に似合わず伸びやかなギザ嬢の歌声はハスキーで、これがなかなか素晴らしく、
女性らしい繊細さとともに、メタル的なパワフルさをしっかりと兼ね揃えている。
曲調も明るすぎずヘヴィすぎずといった感じで聴きやすく、カヴァー曲も多いモダンな質感の中にも、
LOS ANGELESのメンバーでもあるGとKeyが、メタリックさを付加しつつ叙情的な部分を支えている。
イタリア、スイス、ドイツ、イギリスの血を受け継ぐというこのヴォーカリストには、その確かな実力とともに、
今後とも注目すべき輝きがある。本作にはゲストに、マイケル・キスク、マーク・ボールズが参加している。
メロディアス度・・8 モダンハー度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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INGLORIOUS 「II」
イギリスのハードロック、イングロリアスの2017年作
ウリ・ジョン・ロートの「SCORPIONS REVISITED」にも参加したシンガー、ネイサン・ジェイムスを中心にしたバンドの2作目。
オールドな味わいのツインギターに表現豊かなヴォーカルを乗せた、正統派のハードロックサウンドで、
ブルージーな70年代性と、キャッチーな80年代風味が同居したような、どっしりとした聴き心地。
3〜4分前後の楽曲には、これという新鮮さはないものの、パワフルな演奏と歌唱力で、
メジャー感のある堂々たる作風だ。個人的にはマイナーな叙情性がもっと欲しい気もするが。
日本盤に付属のDVDには、2016年、ドニントンでのライブ映像やPVなどを収録。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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In-Side 「Out-Side」
イタリアのメロディアスハード、イン・サイドの2017年作
優美なシンセアレンジにほどよくハードなギター、エモーショナルなヴォーカルを乗せた
80年代ルーツのキャッチーなAORサウンドを聴かせる。楽曲は4〜5分前後を主体にした、
ストレートなメロディックロックであるが、シンフォニックなシンセワークが前に出ていて、
随所にメロディアスなギターの旋律も覗かせるなど、耳触りの良さは日本人好みだろう。
全33分という短さがやや物足りないのだが、プログレハードとしても楽しめる優美な好作品だ。
メロディック度・8 キャッチー度・8 優美度・8 総合・7.5
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INTO THE UNKNOWN 「Out of the Shadows」
イギリスの女性声ハードロック、イントゥ・ジ・アンノウンの2017年作
古き良き感触のギターワークにシンセアレンジ、ハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、
VIXENなどにも通じるような、80年代感覚に包まれた女性声のハードロックサウンド。
わりとキャッチーな聴き心地で悪くないのだが、ラフな音質がいかにも自主制作然とした
アマチュア臭さとなっているので、今後は録音面も含めての向上を期待したい。
ラストは13分の大曲で、その意気込みは買うが、だらだらとした長尺感がいかんともしがたく、
アレンジの質も含めて、歌唱や演奏自体も、DANTE FOXのレベルへゆくにはまだまだ。
メロディック度・・7 古き良きHR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・6.5
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INTRUDER「DENGEROUS NIGHTS」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、イントルーダーの1998作
バンドの主要人物は、あのBONJOVIの名曲を手伝ったギタリスト。
それだけに曲の水準はさすがに高く、定番のメロディアスハードであるが
透明感のあるキーボードを効果的に使い、弾き所を押さえたギター、つやのあるヴォーカル、と
この手の一流のバンド群と比較しても遜色ない。目新しさがないのは否めないものの、
BONJOVI以降の正統派のハードポップ継承者として堂々たるクオリティ。
メロディアス度・・8 新鮮度・・6 楽曲・・8 総合・・8
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IOANNIS ANASTASSAKIS「Orbital Attempt」
ギリシャのギタリスト、イオアニス・アナスタサキスの2009年作
7弦ギターを操るテクニカルギタリストで、いくぶんのメタル色とともにメロディックなギターで聴かせるインスト作品。
フレーズにおけるクラシカルな素養を含んだ軽やかなメロディ運びは、トニー・マカパインあたりに通じる感触で
ハードフュージョン的にも楽しめる音作りだ。あくまでメロディ主体なのでメタル的なヘヴィさはさほどでもなく、
ときにシンセを含んだ美麗なアレンジや、フラメンコ風のアコースティック曲など、自己満足で終わらない素養の広さが窺え、
8分、11分という大曲も構築するプログレッシブな知的なセンスも光る。全74分の力作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 クラシカル度・・7 総合・・7.5
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ISIS CHILDStrange Days」
アメリカのメロディアスハード、イシス・チャイルドの2011年作
ギタリストFreddy Mazzuccoと女性ヴォーカリストのユニットで、
かつてのHEARTを思わせるような古き良きハードポップサウンド。
80年代を思わせるオーソドックスな曲調はちょっと古くさいし、新鮮味は皆無。
ハスキーがかったナタリー嬢の歌声も、正直さほど好みではないのだが、
古き良きフィメールロックが好きな方ならなつかしく楽しめるかもしれない。
メロディアス度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Issa「Sign Of Angels」
ノルウェーの女性ヴォーカルハードロック、イッサの2010年作
女性Voで聴かせるキャッチーなメロディに北欧の叙情を感じさせるメロディアスハード作。
イッサことイサベル嬢の伸びやかな歌声は、メタルのフィールドよりはもっと普遍的な感触で
メジャーなロック、ポップのリスナーでも楽しめるだけの表現力と普遍性がある。
メンバーや作曲者はメタル人脈で固められているが、最近のシンフォニックメタル系のリスナーには
やや地味で物足りないかもしれない。むしろ古き良きハードロックの味わいが魅力なのである。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ISSA「The Storm」
ノルウェーの女性ロックシンガー、イッサの2011年作
キャッチーなメジャー感と北欧の叙情を感じさせる好作だったデビュー作に続く2作目。
本作ものびやかな彼女の歌声と、ポップなメロディで聴かせる正統派メロハーサウンド。
前作での古き良き北欧HRの味わいから、本作ではよりハードポップ路線の聴き心地で、
3〜5分台のシンプルな楽曲はどれもメロディアスで耳心地のよい作風だ。
シンセやギターのアレンジも前に出過ぎることなくあくまで彼女の歌声を引き立たせている。
もちろん彼女自身の歌唱の表現力という点でも成長が感じられる。女性Vo好きは必聴ですね。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Issa「Can't Stop」
ノルウェー出身の女性ヴォーカル、イッサの2012年作
過去2作はキャッチーなメジャー感に北欧的な爽やかな叙情を感じさせる好作であったが、
本作はカヴァーアルバムで、それもマイナー系バンドのカヴァーという、正直微妙なコンセプト。
AVIATOR、ATLANTIC、REGATTA、21 GUNS、MYSTIC HEALER、BOULEVARD、TANGIER、WORRALL、
TOWER CITYなど…あまり知られていないバンドばかりであるが、キャッチーなメロディの曲調は彼女の歌声と
違和感なくマッチしている。反面、単なる聴き心地のいいハードポップ風味ということでインパクトは薄いが。
キャッチー度・・8 女性Vo度・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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ISSA 「Crossfire」
ノルウェーの女性シンガー、イッサの2015年作
2010年にデビュー、本作はカヴァーアルバムをはさんで3作目となる。
イッサことイサベル嬢の伸びやかな歌声を乗せた、爽やかなハードポップ路線は本作も同じで
きらびやかなシンセワークと随所にメロディックなギターもまじえた、どこかなつかしいような
80年代ルーツのメロディックロックが楽しめる。どの曲もキャッチーな爽快さが耳心地よく、
叙情的なバラードなども含め、彼女の歌唱の魅力を最大限に引き立てている。
女性声ロック好きにはたまらない、楽曲粒ぞろいの好作品ですな。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ISSA 「RUN WITH THE PACK」
ノルウェー出身の女性シンガー、イッサの2018年作
2010年にデビューし、4作目のオリジナルアルバム。きらびやかなシンセにほどよくハードなギター、
そして伸びやかな彼女のヴォーカルを乗せた、爽快なハードポップにはますます磨きがかかっている。
楽曲は3〜4分前後とシンプルながら、厚みのあるサウンドはなかなかゴージャスな聴き心地で、
アレッサンドロ・デル・ヴェッキオの華やかなシンセにシモーネ・ムラーニ(DGM)の叙情的なギターが楽曲を彩る。
REVOLUSION SAINTSのディーン・カストロノヴォが参加しての男女Voのナンバーもよいアクセントになっていて、
全体的にもフックのあるメロディと優美な味わいの好ナンバーが揃っている。女性Voメロハー好きは必聴の出来。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8 
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ISSA 「Queen of Broken Hearts」
ノルウェーの女性シンガー、イッサの2021年作
2010年にデビューし、本作はすでに5作目となる。今作もアレッサンドロ・デル・ヴェッキオがプロデュース
ギターにシモーネ・ムラーニ(DGM)、ベースにアンドレア・トリッチーニ(VISION DIVINE)らが参加している。
美麗なシンセアレンジと適度にメタル感のあるギター、そして彼女の美しいヴォーカルを乗せた、
華やかなメロディアスハードは本作も健在。楽曲は3〜4分前後とコンパクトにまとまっているが、
随所に聴かせる流麗なギータプレイも見事で、ハードポップ寄りのライトでキャッチーなナンバーから
ゆったりとしたバラード風味なども含めて、表現力あるイッサの歌声に優美に包まれる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8 
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IT BITES「THE BIG LAD IN THE WINDMILL」
イギリスのプログレ・ハードバンド、イット・バイツの1st。1986作
コマーシャルな大衆性とテクニック、キャッチーでポップなメロディをプログレ的に仕上げたというサウンド。
全体として2ndの完成度には及ばぬものの、すでにこの時点で方向性が固まっていたところが凄い。
個々の演奏力はもちろん、この時代のバンドとしてはしっかりとした商業意識をもっていた
ことが伺えるサウンドで、「ポップ=軟弱」という認識を覆すだけのクオリティ。
もしかしたら現代プログレバンドの影の立役者はこのバンドだったのかもしれない。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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IT BITES「ONCE AROUND THE WORLD」
イギリスのプログレ・ハードバンド、イット・バイツの2nd。1988作
以前にこのバンドの3rd「EAT ME IN ST LOUIS」を聴いたときには
「これのどこがプログレだ?」と感じてしまい、じつのところまったく気に入らなかったのだが、
最近はACTなどの良質なバンドに感化されたおかげでポップな音に昔ほどの嫌悪を感じなくなった。
キャッチーかつポップ味溢れる楽曲のなかにときおりかいま見えるプログレなセンス。
これはACTそのままではないか…いや逆だ。ACTの原点はやはりこのバンドにあったのだなと納得。
3曲目の3連リズムの曲調なんかかなりACTっぽいぞ。うう・・良いな、良いな。
聴きやすく、メロディに溢れた、ポップで、プログレが隠し味のアルバムである。
メロディアス度・・8 隠れプログレ度・・7 キャッチーな楽曲センス・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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IT BITES「EAT ME IN ST LOUIS」
イット・バイツの3rd。1989作
2ndあたりに比べるとやや音がドライで、単なる「キャッチーなHR」にしか聴こえなくても無理ない。
ただ、こうしてポップなものが許せる年齢になって聴き直すと、まあけっこう悪くないんですなぁ。
もちろんこのバンドの最高作はACTにも通じるキャッチーなプログレセンスが心地よい2nd
「ONCE AROUND THE WORLD」だと思うけれど、最後のアルバムという意味合いを込めて聴くと、
バンドとしてのスタンスと商業的な要素との兼ね合いということまで考えてしまう。
ちょうどこのアルバムが出た年にDREAM THEATERが1stを発表しているというのも暗示的で興味深い。
DTのように「好きなことをやって売れる」という時代が、彼らには訪れなかったのが惜しい。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・8 プログレ度・・5 総合・・8
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IT BITES「CALLING ALL THE HEROES -THE BESTOF IT BITES-」
イット・バイツのベストアルバム。1995作
1st〜3rdまでまんべんなく選曲されているが、基本的にシングルカットされたものが多いため、
曲がフェードアウトされるなどアレンジ的にもアルバム版とやや異なり、これここれでけっこう楽しめる。
2nd収録の長めの曲が入れられていないものの、総じて良い選曲だと思う。
こうして聴くと、やはりキャッチーで軽快なセンスという点では抜群のバンドだった。
いかにも適当に撮ったというジャケのメンバー写真が、「解散後のベストアルバム」という悲哀と皮肉を感じます。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 プログレ度・・6 総合・・8
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IT BITES「THANKYOU AND GOODNIGHT」
1987〜1989年に3枚のアルバムを残し解散したイギリスのイット・バイツのライブアルバム。1991作
プログレ衰退期の80年代に「新しいプログレの形」を提示してくれたこのバンド、
このアルバムはバンド解散後に出されたものでレコード会社とのアルバム契約履行のために作られた。
しかしながら、内容の方は彼らのステージでの魅力を余すところなく伝えてくれ音質はややラウドであるものの、
おそらくまったく手直しがされていないだけにダイレクトにライブでの躍動的な演奏が伝わってくる。
この楽曲と演奏力があれば、今の時代であればもしかしたらDREAM THEATER並の評価を
勝ち得ていたかもしれないと思うと、あらためてこのバンドの解散が惜しまれると同時に、
彼らは時代に早すぎたバンドだったのだな、という感慨が沸いてくる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・9 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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IT BITES「Live in Montreux」
英国のプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。
録音は1987年スイスでのライブからのもので、まさにバンドの絶頂期。
メロディアスでキャッチー、そしてさりげなくテクニカルであるという、心憎いアレンジの楽曲が
巧みな演奏でたっぷりと堪能できる。公式ライブアルバム「THANKYOU AND GOODNIGHT」よりも
むしろ音質はこちらが上でアレンジ的にもアルバムを意識した丁寧な演奏が光る。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 音質・・8 総合・・8
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IT BITESWhen the Lights Go Down
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2006作
2008年の復活アルバムは素晴らしい出来だったが、これはその先駆けとなった2006年のライブ作。
フランシス・ダナリーは不在であるが、代わりに歌うジョン・ミッチェルのヴォーカルも
なかなかアダルトな味わいで、過去曲に関してもさほど違和感なく聴ける。かつてのライブアルバムに比べて、
みずみずしい勢いの代わりに大人のプログレハード的な質感が前にでていて、これはこれでよい。
メンバーもかぶることで、むしろKINOの雰囲気をプラスしたとも言えるか。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 大人のイットバイツ度・・9 総合・・8
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IT BITESThe Tall Ships
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツの2008作
先に出た復活ライブアルバムから期待していたが、それを裏切らない出来。
そう、まるであの当時のIT BITESが甦ったようなサウンドだ。涙、涙。
キャッチーなメロディに、テクニカルな隠し味とセンス溢れるアレンジ、
そして泣きの叙情も盛り込んだ、素晴らしきプログレハードを聴かせてくれる。
フランシス・ダナリーは不参加ながら、KINOでも活躍するジョン・ミッチェルの歌声は
まったく違和感がなく、むしろ往年以上の瑞々しさとドラマティックな感触が見事。
過去をなぞるだけでない意義のある復活作だ。ACTなどのファンも絶対にチェック。
メロディアス度・・8 イット・バイツ度・・9 楽曲・・9 総合・・8.5
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IT BITES「It's Live」
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2010年作
2008年に復活アルバムThe Tall Shipsを発表し、2009年に来日を果たした。そのステージをCD2枚に収録。
キャッチーなメロディをテクニックアルアンサンブルで聴かせるイット・バイツサウンドは再結成後でも不変。
きらびやかなシンセに軽快なリズムとギターワーク、楽しそうなメンバーたちの顔が目に浮かぶようだ。
ジョン・ミッチェルのヴォーカルは大人の味わいがあって、フランシス・ダナリーとはまた違った魅力がある。
“Kiss Like Judas”、“All in Red”、“Yellow Christian”といった往年の楽曲が甦る様はファンには感涙だろうし
新曲の雰囲気も違和感なくセットリストに溶け込んでいる。20年のときをまたいだ来日公演の記録である。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 イット・バイツ度・・9 総合・・8
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IT BITESMap of the Past
イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツの2012年作
2008年の復活作に続く、通算5作目のスタジオアルバムで、ある英国家族の人生をテーマにしたコンセプト作。
流れにそって聴かせるストーリー的な作風でありながら、一曲ごとは彼ららしい
明快なメロディをもったキャッチーな聴き心地なので難解さはまったくない。
大人の味わいをかもしだすジョン・ミッチェルのヴォーカルはいよいよ円熟味を増し
随所に美麗なシンセアレンジや適度なテクニカル性をまじえつつ、ゆるやかに盛り上がり、
MAGELLANあたりにも通じる緩急のついたドラマティックなサウンドが展開してゆく。
後半はむしろシンフォニック・プログレ的な構築性も見せ、叙情的なドラマ性が素晴らしい。
聴きやすさと完成度が両立した、シンフォニックなプログレハードとして楽しめる力作。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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IT BITES「Live in Tokyo」
英国のプログレハードバンド、イット・バイツのライブDVD。
1986〜1989年のあいだに3枚のアルバムを残し、キャッチーなメロディとテクニカルな融合で
プログレとHRを組み合わせたバンドとしては先駆けでもあったこのバンド。
その全盛期の彼らのライブ映像…しかも伝説の1989年の日本公演の模様が見られるDVDだ!
この手のプログレ系バンドにしては、女性の黄色い声が多いのにも驚きだが、
ヴォーカルをとりながらギターをこなすフランシス・ダナリーを見れば
彼らは確かに四人編成でやっていたのだということが改めて実感できる。
普段着の自然体で、ときに日本語のMCもまじえながらのステージは実に楽しそうで、
演奏の方もさすがに安定しているので、肩の力を抜いて楽しめる。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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Jakob Samuel 「CoExist」
スウェーデンのミュージシャン、ヤコブ・サミュエルの2021年作
惜しくも2018年に解散した、The Poodlesの元ヴォーカリストで、ソロとしては2012年以来となる2作目。
ほどよくヘヴィなギターに、味わいのあるヴォーカルを乗せて、キャッチーなノリの良さと哀愁の叙情が同居した、
骨太のハードロツクを聴かせる。オーケストラアレンジが美しいバラードナンバーや、わりとモダンな雰囲気のナンバー、
プードルズを思わせる爽快なメロディアスハードから、LAメタル寄りのポップ感や、ファンキーなアレンジまで、
なかなかバラエティに富んでいる。全体としては大人のハードロックというべき雰囲気に包まれていて、
シンガーとしてのヤコブの表現力もさすが。ボーナス含めて36分ほどながら、プードルズファンには楽しめる内容です。
メロディック度・8 プードルズ度・8 大人のHR度・9 総合・8
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Javan 「Somewhere in the Night」
ドイツのメロディアスハード、ジャヴァンの1991年作
うっすらとしたシンセアレンジに、メロディックなツインギター、伸びやかなヴォーカルを乗せた
キャッチーなメロディアスハード。随所にツインリードの叙情フレーズを聴かせつつ、
北欧の正統派メロハーを思わせる透明感のあるサウンドは、年代を考えてもクオリティが高い。
ジャケは地味だが、内容的には90年代メロハー隠れた傑作の1枚といえる逸品だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 正統派メロハー度・・9 総合・・8
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JET TRAIL「Edge Of Existence」
スウェーデンの女性Voハードロック、ジェット・トレイルの2007年作
パワフルな正統派HRサウンドに、ハスキーな女性ヴォーカルで聴かせるスタイル。
ギターフレーズは古き良きロックの質感もあり、オールドなHRが好きな方にも楽しめる。
キャロライナ嬢の歌声もなかなか声量豊かで、適度なキャッチーさを含んだ骨太な感触は、
Nubian Roseなどが好きな方にもオススメだ。これといった新鮮味はないが正統派HR好きの方へ。
メロディック度・・7 パワフル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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JIM MATHEOS 「FIRST IMPRESSIONS」
アメリカのギタリスト、ジム・マテオスの1993年作
FATES WARNINGのギタリストとして知られ、ARCH/MATHEOSとしても活動するミュージシャン、
本作はアコースティックギターを中心にした優雅なインスト作品で、艶やかなヴァイオリンの音色が
クラシカルに彩りを添える。メタル色は皆無なので、ProgMetalを期待すると肩透かしだが、
物悲しいチェロの音色にアコギのつまびきを重ねて、ゆったりと哀愁の美を描く。
こうした素朴なアコースティックサウンドも、マテオスのルーツのひとつなのだろう。
アコースティック度・・9 メタル度・・0 優雅度・・8 総合・・7.5
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Joel Hoekstra's 13 「Running Games」
アメリカのギタリスト、ジョエル・ホークストラのプロジェクト、13の2021年作
元ナイト・レンジャー、現ホワイトスネイクのギタリストとして知られるミュージシャンで、13名義としては2作目となる。
ラッセル・アレン、ヴィニー・アピス、トニー・フランクリン、ジェフ・スコット・ソート、デレク・シェリニアンといった凄腕メンバーが参加、
骨太のリフとメロディを弾きこなすギターに、パワフルで伸びやかなラッセル・アレンの歌声を乗せ、ほどよくメロディックなフックのある
王道のハードロックを聴かせる。80年代的でもあるブルージーな古き良きHR感触から、キャッチーで爽快なメロハーナンバー、
スローテンポの叙情ナンバーまで、確かな実力の演奏陣と歌唱も含めて、非常に聴きごたえがある。ギターも目立ちすぎることなく、
リフを主体に楽曲を活かしつつ、随所に味のあるメロディとフレーズを奏で、サウンドを彩ってゆく。まさに大人の王道ハードロック。
メロディック度・8 王道HR度・8 大人のHR度・9 総合・8
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Jupiter SocietyFirst Contact//Last Warning
スウェーデンのCARPTREEのKey奏者によるプロジェクトバンド、ジュピター・ソシエティの2008作
スペイシーなシンセワークで幕を開ける、SF的なストーリーのシンフォニックメタルオペラ。
マッツ・レヴィン(AT VANCE)をはじめ多数のヴォーカルが参加していて、
AYREONを思わせるような重厚かつ壮大な世界観を描き出している。
男女Voで聴かせるパートや、ミステリアスな雰囲気はなかなか悪くないが、
全体的には耳を惹くような展開は少なく、もっとドラマティックな大仰さが欲しい気もする。
シンフォニック度・・7 壮大度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Jupiter Society「Terraform」
スウェーデンのプログレハードプロジェクト、ジュピター・ソシエティの2009年作
前作はAYREONを思わせるような重厚なシンフォニックオペラ作であったが、
本作もタイトル通り、宇宙を舞台にしたSF的なコンセプトストーリーがあるようで、
スペイシーなシンセを中心にしつつ、前作以上に厚みのあるサウンドを展開。
前作に引き続きマッツ・レヴィンをはじめ多数のゲストが参加しており、
ときに壮麗なコーラスワークなどとともに重厚に盛り上げる。SFシンフォニックハードの力作だ。
シンフォニック度・・8 重厚度・・9 スペース度・・9 総合・・8
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Kharma「Wonderland」
スウェーデンのメロディアスハードロック、カーマの2000年作
北欧HR/HMシーンを代表するシンガーというべき、ヨラン・エドマンが参加するバンドで、
美しいシンセにキャッチーなコーラスワークを乗せた、クオリティの高いメロディアスハードで、
ヨラン・エドマンの歌声もさすがの存在感である。 軽快なアンサンブルにゴージャスなきらびやかさ、
そして古き良き普遍性を盛り込んだ楽曲アレンジの質も高く、ゲストによるサックスやフルート、トロンボーンなども
効果的に使われている。しっとりとしたピアノの音色とともに、QUEENあたりを思わせるポップな感覚もあり
爽やかさと適度な哀愁を含んで、ハードすぎず軽すぎずというバランス感覚も絶妙な傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・9 楽曲・・9 総合・・8.5
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KHYMERA
EGENIUSなどで活躍するダニエレ・リヴェラーニによる、キメラの1st。2003作
Mr.BIGやHARDLINE等、80年代のメロディアスハードのカヴァーを主体にした作品。
本作でヴォーカルをとるのはKANSASのスティーヴ・ウォルシュ。
正直、ウォルシュの歌唱はカンサス以外の曲にマッチしているとは言えないのだが、
どの曲も華麗なシンセアレンジによって80年代の香りを残しながらしっかりと今のサウンドになっているのはさすが。
2ndからはデニス・ワードが参加し、オリジナル主体の作品となっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 80's度・・8 総合・・7.5
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KHYMERA「A NEW PROMISE」
イタリアのプログレメタルバンドEMPTY TREMORやロックオペラGENIUSなどで活躍する
ダニエレ・リヴェラーニを中心にした、メロディアスハードバンドキメラの2nd。2005作
今作はVoにデニス・ワードを迎えて、きらびやかなメロハーサウンドが全開の好作。
曲は3、4分台のコンパクトなものがほとんどで難解さは皆無。さらりと聴ける。
ダニエレのシンフォニックなキーボードにメロディックなギターワーク(弾くのはなんと若干14歳!)、
サビでのコーラスハーモニーも美しく、デニス・ワードのやや渋めの歌声もなかなか良い。
キャッチーなメロハーながら欧州的な湿りけも若干感じるあたりも、なかなか好感が持てる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 メロハー度・・9 総合・・8
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KHYMERA「The Greatest Wonder」
GENIUSなどで活躍するダニエレ・リヴェラーニ率いる、メロディアスハード、キメラの3rd。2008作
きらびやかなシンセワークに、テクニックのあるギター、そして深みのあるデニス・ワードの歌声で
キャッチーに聴かせるサウンドは相変わらず高品質。アメリカのバンドとは違って、
メロディにはどことなく湿りけのあるドラマ性が感じられるのもいいですね。
なにも目新しいところはないが、安心して身を委ねられる心地よいアルバムです。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 メロハー度・・9 総合・・8
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KIKO LOUREIRONo Gravity
ANGRAのギタリスト、キコ・ルーレイロのソロ、2005年作
ANGRAでの活躍から、名実共にメロディックメタル界のギターヒーローの一人となった彼であるが、
本ソロアルバムにおいても、テクニカルかつメロディックなその魅力はたっぷりと感じられる。
メタリックインスト曲を中心にしながらも、そのメロディにはラテンの香り漂う気品があり、
ただのテクニック大会にならないところが見事。インストながらも飽きさせない作品に仕上げている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ギターインスト度・・9 総合・・8
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Kings of Mercia
FATES WARNINGのジム・マテオスとFMのスティーヴ・オーヴァーランドによるユニット、キングス・オブ・メルシアの2022年作
ドラムにはサイモン・フィリップス、ベースにはジョーイ・ヴェラ(FATES WARNING、Armored Saint)が参加していて、
わりとオーソドックスなギタープレイに、味わいのあるスティーヴのヴォーカルを乗せたキャッチーなハードロックを聴かせる。
巧みなギターワークには、ときおりFW的な部分も覗かせ、いくぶん変拍子も含んだ楽曲は、単なるブルージーなHRという以上に
知的なセンスを感じさせる。モダンなヘヴィロック風味や、叙情的なバラードなどでも、力量あるヴォーカルがサウンドに説得力を付加していて、
職人的なサイモンのドラムも含めて、質の高いハードロックに仕上がっている。派手さはないが、実力あるメンハーによる大人のHRが味わえる。
ドラマティック度・7 大人のHR度・8 実力派度・8 総合・8
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King's X 「Ogre Tones」
アメリカのハードロック、キングス・エックスの2005年作
デビューは80年代のベテランバンドで、骨太のハードロックにRUSHを思わせる知的なセンスを融合したり、
時代的なグランジ色を取り入れたりと、玄人好みのバンドとして密かに人気を得ながら地道に活動を続けている。
本作はもういったい何作目なのかは分からないが、今作はレーベルがプログレ系のINSDE OUTなので買ってみた。
ヘヴィなリフと叙情的なクリーントーンを使い分けるタイ・テイバーの絶妙なギターワークを中心にした、
トリオ編成らしいどっしりとしたアンサンブルに、キャッチーなコーラスワークを含んだメロディック性で、
落ち着いた味わいの聴き心地だ。かつてのGALACTIC COWBOYSあたりにも通じるセンスの良さと
適度なユルさが心地よい、いわば大人の叙情ロックが楽しめる好作品。
メロディック度・・8 知的センス・・8 大人のロック度・・9 総合・・8
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KISS THE GUN 「NIGHTMARES」
イギリスの女性声ハードロック、キス・ザ・ガンの2017年作
英国の女性声メロハーといえば、DANTE FOXが思い浮かぶが、このバンドもハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた
キャッチーなサウンドで、古き良き80年代の香りを漂わせた聴き心地。古き良き感触のギターワークに、
うっすらとしたシンセアレンジを重ねたウェットな感触も、ダンテ・フォックスに通じるところがある。
紅一点の美女シンガー、ナディン嬢の歌声は、適度にフェミニンでパワフル過ぎず、なかなか魅力的。
楽曲は3〜4分前後と、わりとシンプルながら、随所に聴かせるメロディックなギターフレーズもいい感じで
全体的にはこれという新鮮味はないものの、爽快な女性声ハードが楽しめるなかなかの好作品だ。
キャッチー度・・8 王道HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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KISS THE GUN 「WE SEE YOU」
イギリスの女性声ハードロック、キス・ザ・ガンの2020年作
3年ぶりとなる2作目で、今回は自主制作のCDR仕様。今作では女性シンガーが交替しているが、
古き良きハードロックを感じさせるギターにシンセを重ね、キュートな女性ヴォーカルを乗せた
キャッチーなサウンドは前作からの路線のまま。新加入のアビゲイル嬢の歌声は、
前任者以上にフェミニンな声質の魅力があって、楽曲に華やかな艶を加えている。
キャッチーで爽快なナンバーを主体にしつつ、曲によってはシンフォニックなアレンジも覗かせて、
叙情的なギターのフレーズも随所に耳心地よい。前作以上にバラエティが増したという好作品です。
キャッチー度・・8 王道HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Konstantin Jambazov 「Emotion in Motion」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2009年作
ClearLand、Virtulなどでも活躍するギタリストで、シンセやベースもこなすマルチミュージシャン。
本作は、2008年〜2009年の間にレコーディングされた楽曲を収録したインストアルバムで、
随所にジャズやクラシックの素養を覗かせた、テクニカルな展開美にメロディアスなキャッチーさも含ませた、
クオリティの高いギターインスト作品である。リフというよりも、フレーズ主体のギタープレイは、
ときにトニー・マカパイン的であったり、イングヴェイを思わせるピロピロ系のスウィープ奏法でネオクラシカルな旋律も覗かせる。
一方では、クラシックギターによるアコースティックナンバーなどもあり、アルバム後半ではテクニカルな
プログレメタル的な楽曲も楽しめる。彼のギタリストとしてのセンスとテクニックがたっぷり味わえる一枚だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ギター度・・9 総合・・8
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Konstantin Jambazov 「Humans and Gods」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2009年作
2002年〜2009年の間にレコーディングされた作品で、プログレメタル的なテクニカルな構築性と
クラシカルな美意識に包まれたサウンドは、コンセプト風味のドラマ性を感じさせる。
ヴォーカルが入っているのでメロディアスな聴き心地が前に出た正統派HMのテイストもあって、
ときにネオクラシカルなプレイなども織り交ぜながら、緩急に富んだ濃密な楽曲を描いてゆく。
キッャチーなプログレハード風味の楽曲などもまじえつつ、全体的にも耳心地のいいサウンドで、
ドラマティックな重厚さとメロディアス性のバランスのとれた力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 構築度・・8 総合・・8
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Konstantin Jambazov 「Matter in the Nothingness」
ブルガリアのギタリスト、コンスタンティン・ジャンバゾフの2015年作
TOTALやVirtulなどにも参加する、ブルガリアきってのマルチミュージシャンのソロ作品。
シンセとオーケストレーションによるミステリアスなイントロから、曲が始まるとヘヴィで硬質なギターに
モダンなシンセアレンジが合わさって、プログレメタル的なテクニカル性を含んだスリリングなサウンドが広がってゆく。
クラシック色を取り込んだアカデミックな優雅さと、随所にエキセントリックなセンスを盛り込んだ意外性のある展開や
変則リズムのキメとともに知的でアヴァンギャルドな感性を見せつける。ドラムが打ち込みなのとオールインストという点が
いくぶん好みを分けるかもしれないが、クラシック、ジャズ、フュージョン、プログレ、メタルなどの要素が巧みに混合された、
いわば、Symphony X + MEKONG DELTAというようなアーティスティックなプログレメタルが楽しめる濃密な力作です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 スリリング度・・8 総合・・8
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Konstantin Jambazov 「Talking to Myself」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2017年作
本作は、YESQUEENのようなキャッチーなメロディアス性と、GENTLE GIANTのようなテクニカルなリズムチェンジに、
とぼけた味わいの知的な展開力で聴かせる、これまで以上にプログレ、シンフォニックロック色を強めたサウンドだ。
ギター、ベース、シンセ、さらにはヴォーカルもこなし、すべてのパートで技巧性と表現力を兼ねそろえた、
彼の非凡な音楽センスが結集されたというべき聴き心地で、ときに唐突ともいえるスリリングな展開力を
優雅なメロディアス性で昇華。適度にハードなパートも織り込みつつ、マイルドなヴォーカルを乗せた
あくまでキャッチーな感触が前に出ている点でも、今作はより多くのリスナーにアピールするだろう。
A.C.Tあたりを好むリスナーにも勧められる、会心のプログレッシブ・ハード作品に仕上がっている。
メロディック度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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Konstantin Jambazov 「Fate」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2019年作
VirtulHadesなど多数のバンドで活躍する、ブルガリアきってのマルチミュージシャンのソロ作品。
前作「Talking to Myself」はキャッチーなメロディと技巧が合わさった見事な傑作であったが、
今作は軽快なリズムに、メロディックで流麗なギターを乗せた、オールインストの作品。
ドラムは打ち込みのようだが、巧みなベースプレイにシンセアレンジも加えた厚みのあるサウンドで、
優雅なプログレフュージョン的にも楽しめつつ、テクニカル過ぎないキャッチーな感触に包まれている。
ゆったりとしたバラード的なナンバーも、叙情豊かなギターフレーズに彩られて、ゆったりと鑑賞できる。
ギタリストとしてのジャンバゾフの技巧とメロディセンスが存分に味わえる、高品質な作品です。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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Konstantin Jambazov 「Daga (Дъга)」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2019年作
VirtulHadesなど多数のバンドで活躍する、ブルガリアきってのマルチミュージシャンのソロ。
これまでも多数のソロを発表しているが、今作は全22曲で合計107分という大ボリュームの大作である。
アコースティックを含む優美なギターに、やわらかなシンセと母国語によるマイルドなヴォーカルを乗せた
AOR風味のサウンドで、優雅なコーラスハーモニーが耳心地よい。3〜5分前後の楽曲は比較的シンプルながら、
随所に流麗なギタープレイとともにテクニカルな側面も覗かせて、ギターインスト的なナンバーなども魅力的だ。
ブルガリア語の響きが異国的な味わいを加える、キャッチーなメロディックロックが楽しめる逸品です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 優雅度・・9 総合・・8 
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Konstantin Jambazov 「Reborn」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2020年作
本作は、のっけからネオクラシカル風のギターを乗せた疾走メタルナンバーで、
トニー・マカパインを思わせるような優雅でテクニカルなギターフレーズを聴かせる。
きらびやかなシンセアレンジに流麗なギタープレイを重ねたスタイルで、
クラシカルなメロディセンスとリズムチェンジを含む知的な構築力も見事。
全66分、マカパイン好きにはオススメの高品質なギターインストアルバムです。
メロディック度・・8 ギターインスト度・・9 優雅度・・9 総合・・8
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Konstantin Jambazov 「A Look Over My Shoulder」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2021年作
VirtulHadesなどでも活躍する、ブルガリアきっての多彩なマルチミュージシャン。
本作は全パートを一人でこなしている、まさに完全なソロアルバムで、巧みなギターワークに
美しいシンセアレンジ、自身の味のあるヴォーカルを乗せた、キャッチーなメロディックロックを聴かせる。
ドラムはプログラミングであるが、随所にテクニカルなリズムやプログレッシブなアレンジを覗かせながら、
あくまで優雅なメロディアス性に包まれていて、ときにトニー・マカパインばりの流麗なギタープレイから、
ゲイリー・ムーアのような哀愁の旋律も弾きこなすところはさすが。10分近い大曲はプログレよりの構築センスで
じっくりと楽しめる。キャッチーな大人のメロディックロックにプログレハード的な味わいが加わった好作品だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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Konstantin Jambazov 「Faith and Philosophy」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフの2022年作/邦題「信仰と哲学」
DEYAN ANGELOFFとのユニットをはじめ、ソロや多くのバンドで活躍する、ブルガリアきってのマルチミュージシャン。
本作は、ストライパーからの影響を受けて作られたというクリスチャンメタル作品。王道のギターリフとハイトーンヴォーカルで
80年代ルーツ正統派のメタルサウンドを聴かせつつ、爽快なコーラスハーモニーなどのキャッチーな味わいと、
随所に覗かせる流麗なギタープレイは、さすがというところ。エピックメタル風味のスローナンバーをはさみつつ、
ストライパー的王道のクリスチャンメタルが炸裂する5曲目などは、オールドなHMを好むリスナーにはニンマリだろう。
哀愁の叙情を描くラストのバラードナンバーは、エモーショナルな歌声と泣きのギターメロディが味わい深い。
ウェットな大人のヘヴィメタルが味える全6曲入りのEPである。この路線でのフルアルバムも聴いてみたい。
ドラマティック度・8 古き良きHM度・8 叙情度・8 総合・・7.5 

DEYAN ANGELOFF & KONSTANTIN JAMBAZOV「Ne Spirai」
ブルガリアのミュージシャン、デヤン・アンゲロフとコンスタンティン・ジャンバゾフによるユニット作品。2019年作
きらびやかでシンフォニックなアレンジに伸びやかなヴォーカルを乗せた、キャッチーな味わいのメロディックロックで、
AOR的でもあるハードポップの感触ながら、爽快なヴォーカルハーモニーが心地よく、ときに往年のTOTO
JOURNEYあたりを思わせるような雰囲気もある。楽曲そのものはわりとストレートでポップな感触ながら、
プログレやクラシックの素養を活かした繊細な音の重ねと美麗なシンセアレンジ、随所にテクニカルなギタープレイも覗かせるなど、
爽快にして濃密な味わいで、サウンドには辺境臭さはほとんど感じられない。英語版、ブルガリア語版をそれぞれ収録した2枚組仕様で、
堂々たるメジャー感に包まれたメロディックロックとしても、優れたシンガーの歌うハードポップとしても楽しめる高品質な作品だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 高品質度・・9 総合・・8
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KONSTANTIN JAMBAZOV & DEYAN ANGELOFF 「Fly Again」
ブルガリアのミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフとデヤン・アンゲロフによるユニット作品。2022年作
この2人のユニットとしては、2019年作「ネ・スピーライ!」に続く2作目となる。1曲目から、キャッチーなノリのメロディックロックで、
母国語による表現力豊かな歌声とコーラスハーモニーが耳に心地よい。存在感のあるベースときらびやかなシンセアレンジ、
ソロ名義でも活躍するジャンバゾフの巧みなギタープレイも随所に光っていて、爽快なメロディアス性に包まれつつ、
随所にプログレッシブなセンスも含んだ優雅なサウンドが味わえる。打ち込みによるドラムがやや軽いのだが、
テクニックあるギターとともに、メジャーレーベルと契約した経歴を持つ実力あるヴォーカルが、サウンドに説得力をもたらしている。
細やかなアレンジのAOR風のプログレハードというべき聴き心地で楽しめる。ボーナス含む全17曲、78分という力作だ。
メロディック度・8 キャッチー度・8 優雅度・8 総合・8 
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KRUK 「Before」
ポーランドのハードロック、クラクの2014年作
レトロなオルガンが鳴り響く、オールドスタイルのハードロックスタイルで、
適度にヘヴィなギターと朗々としたヴォーカルで聴かせる正統派のHRサウンド。
アナログ感に富んだ味のあるギターソロにやわらかなオルガンが加わると
70年代英国ハードロックのテイストが広がってゆく。随所に女性声も加わったりと、
決して一本調子ではないアレンジと、確かな演奏力によるマイルドな感触もよろしい。
ヴィンテージな懐古主義をセンスよく形にしたというような好作品だ。
ボーナストラックの母国語によるナンバーもよい感じですよ。
メロディック度・・8 古き良き度・・8 正統派HR度・・8 総合・・8
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KRUK 「Be There」
ポーランドのハードロック、クラックの2021年作
2006年にDeep Purpleなどのカヴァー作品でデビュー、本作は5作目のオリジナルアルバムで、
オールドな味わいのギターにオルガンが鳴り響き、枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、
URIAH HEEPなどを思わせるヴィンテージなハードロックサウンド。英語歌詞による渋みのある歌声は、
70年代英国ロックの哀愁に包まれていて、確かな演奏力も含めて、辺境臭さはほとんど感じられない。
10分を超える大曲では、メロウなギターや優美なピアノ、ときにプログレ的なシンセワークも覗かせて、
ほどよく叙情的な味わいで楽しめる。後半の大曲では、MAGNUMのようなウェットな雰囲気も現れる。
ドラマティック度・7 オールドロック度・8 英国ロック風度・9 総合・8 
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LANA LANE「Live in Japan」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのライブ作品。1998作
1998年の日本ツアーの音源を収録。1st「Love Is an Illusion」、3rd「Garden of the Moon」からの楽曲を中心に全11曲を収録。
エリク・ノーランダーの巧みなシンセワークと、古き良きロックやプログレ、ハードロック要素を取り込んだアレンジで、
伸びやかなラナの歌声を引き立たせる。録音も良好でライブバンドとしても堂々とした演奏が見事です。
ライブ演奏・・8 メロディック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANA LANE「BALLAD COLLECTION」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのバラードアルバム。1998年作
この日本のハードロック界でまたたくまに認知度を増した彼女だが、アルバムにおいてはメタル色が強く、
肝心の美しい美声を活かしきっていないという気がしていた。シンフォ好きの私が強く推すのがこの企画盤アルバムである。
全篇叙情的なスローナンバーを収めたこのアルバムは、アレンジもずっと優美なシンフォニックハード寄りで、
ラナの歌唱がじっくりと楽しめる素晴らしい作り。メタラーのみならずシンフォニックロック好きも黙って聴き入るしかない。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 歌唱度・・10 総合・・8.5
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LANA LANE「Queen of the Ocean」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンの4th。1999作
前作3rd「Garden of Moon」で、その人気を確固たるものにした彼女だが、
今作はさらにシンフォニックなシンセアレンジが素晴らしい好作だ。
初期よりもしっとりとした楽曲が増え、いっそうの表現力を身に付けたラナの歌唱が
エリク・ノーランダーの見事な楽曲アレンジに映えている。とくに10分にもおよぶタイトル曲は、
その見事なシンセワークとともにプログレリスナーの耳にも響く美しさだ。
シンフォニックな美麗さの点では、初期3作を上回る傑作といっていいだろう。
シンフォニック度・・8 しっとり美麗度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANA LANE「BEST OF LANA LANE 1995-1999」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのベストアルバム。1999作
初期の4枚のアルバムを中心に選曲された全12曲を収録で、
曲調はハードロックメタルよりのものからシンフォニックなバラードまで、
彼女のヴォーカリストとしての力量を遺憾なく発揮しています。
ボーナストラックにKING CRIMSONの名曲も入っていて、プログレファンも満足。
私はメタリックな曲よりもしっとりとしたバラードの方が好みですかね。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 メタル度・・7 総合・・8
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LANA LANE「Secrets of Astrology」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンの5th。2000作
4th「Queen of the Ocean」は、シンフォニックロックという点では間違いなく最高傑作と呼べるアルバムであった。
続く本作は、バンドメンバーを大幅に変更し、前作の流れを引き継ぎつつもよりメタリックなテイストを増したサウンドになっている。
AYREONのアルイエン・ルカッセンも参加し、オランダで録音されたこともあってか
ヨーロピアンなメタル色と、シンフォニックかつ爽快なキャッチーさが融合されている。
これまでにないメタル的な疾走曲も折り込みつつ、美しいバラード曲などは
全体のバランスを保っていて、シンフォニックハードとしても女性Voメタルとしても楽しめる。
シンフォニック度・・8 メタリック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANA LANEBallad Collection U
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのバラードアルバム第二弾。2000年作
初期のアルバムはもっとメタリックな要素が強いのだが、ここで聴けるサウンドは、叙情的なバラード曲で、
やわらかみのあるシンフォニックな質感が心地よく楽しめる。エルトン・ジョンの名曲“Goodbye Yellow Brick Road”の感動的なカヴァーをはじめ、
トムウェイツ、スーパートランプなどのカヴァー曲も、エリク・ノーランダーの手による見事なシンフォニックアレンジと、
ラナの美しい歌声でゆったりと聴かせてくれる。個人的にはラナの代表作と言いたいほどのアルバムだ。
シンフォニック度・・8 しっとり美麗度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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LANA LANE「PROJECT SHANGRI-RA」
シンフォニック・ハードロックの女王ラナ・レーンの6th。2002作
実力のある女性Voに、いくぶんプログレ的でもあるシンフォニックなアレンジ、そこに70年代的イディオムをまぶし
センスよく料理したサウンドは完全に確立されている。ハードな曲では北欧メタル調を取り入れたり、バラードはよりメロディアスに
シンフォニックにと、多様な幅を感じさせながらも、全体としては見事に「ラナ・レーン」という刻印の入った整合性を保っている。
力まずにアルバムを作ってもこれくらいのクオリティは当然、というラナとエリクの才能はさすが。
もはや劇的な高揚は感じないが、安心して聴ける佳作、といっていいだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 新鮮度・・6 総合・・7.5

LANA LANE「COVERS COLLECTION」
ラナ・レーンのカヴァーアルバム。2002作
本作は、70's〜80'sロックのカヴァー集。KANSASの名曲“The Wall”をはじめ、Led ZeppelinQueen
SCORPIONS
URIAH HEEPTNTといった大御所バンドのカヴァーに加え、AVIARYあたりの選曲もなかなか心憎い。
どの曲も、元曲の良い部分を残しながら、ラナの歌声を活かすようにシンフォニックなアレンジがなされ、
エリク・ノーランダーのこだわりが感じられる。ラストはRAINBOWの“Stargazer”でドラマティックに締めくくる。
凝り性のエリクとラナの歌唱能力が一体となった、まさにカヴァーの達人である。
ドラマティック度・・8 アレンジセンス・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANA LANE「WINTER SESSIONS」
ラナ・レーンのクリスマスアルバム。2003作
毎年のように作品を出し続ける多作な彼女だが、これは冬をテーマにした企画アルバム。
ラナの歌声をしっとりと聴かせるバラード曲が中心で、ピアノやサックスなどの使い方も
ジャズ的な渋さを含んでいて、どこか大人の渋い味わいを感じさせる。2曲のジャズナンバーや、
PROCOL HALMの“青い影”、 THE PAPASの“夢のカルフォルニア”といったカヴァー曲も、
やわらかなハモンドの音色とともにアルバム全体の中で違和感なくなじんでおり、
企画ものとはいえ統一感のある作品に仕上がっているのはさすが。
シンフォニック度・・7 大人の味わい度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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LANA LANE「Storybook -Tales From Europeand Japan」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのDVD作品。
1997年〜2003年までのライブ映像を中心に、各楽曲をメンバーの解説つきで振り返る。
映像的には年度によってバラつきがあり、ライブ作品としてのみ考えると物足りないが
日本を中心にブレイクしたこの実力派のシンガーと、バンドのコンポーサーたるエリク・ノーランダーのコンビによる、
このバンドの歴史が俯瞰できて興味深い。音質の方は非常に良好で、実力者ぞろいのメンバーによる演奏はさすが。
1997年前後の古い映像では、まだ垢抜けないラナの雰囲気も新鮮だ。古き良きプログレ感覚と、
ハードロック要素をシンフォニックなアレンジに包み込み表現豊かな女性ヴォーカルが歌い上げる、
このアーティストのスタイルを多くの映像とともにあらためて感じ取れる作品だ。
シンフォニックハー度・・8 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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LANA LANEReturn to Japan
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのライブ音源集。2004作
これまでの日本ツアーからの音源をまとめたもので、Disc1には1999年と2002年のライブを収録。
音質的にはややダイナミズムに欠けるが、彼らの持ち味であるシンフォニックでキャッチー、
そしてハードかつメロディックな演奏をたっぷりと16曲、75分も堪能できる。
Disc2には1998〜2002年のプロモーションでのアコースティックライブの模様を収録していて、
ファンにはむしろこちらの方が貴重かもしれない。エリク・ノーランダーのシンセをバックに
伸びやかなラナの歌声が響きわたる。そしてラストはフルバンドによるカヴァー曲、
“クリムゾンキングの宮殿”と“Long Live Rock'n Roll”のライブ音源が楽しめる。
シンフォニックハー度・・8 ライブ音質・・7 ファン向け度・・9 総合・・7.5
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LANA LANE「Lady Macbeth」
シンフォニック・ハードロック界の歌姫、ラナ・レーンの7th。2005作
純粋なスタジオ作としては7作目で、本作はマクベス夫人をテーマにしたコンセプト作だ。
ストーリー性を持たせたせいか、サウンドにはシリアスな雰囲気が漂い、
壮麗なシンフォニック性とメタリックな勢いとのメリハリがついた力作に仕上がっている。
全体的にも重厚感とドラマティックな要素が強くなっている。エリク・ノーランダーのアレンジ力も冴えを見せ、
パワフルなメタル曲からラナの歌声をじっくりと聴かせるシンフォニックなバラードなど、変幻自在。
これはハードシンフォニックファンにも勧められる、聴き応えのあるの濃密作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANA LANE「GEMINI」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのカヴァーアルバム。2006年作
Cream、Pink Floyd、The Moody Blues、Heart、Jefferson Airplane、Foreigner
といったアーティストの楽曲をエリク・ノーランダーお得意のアレンジ力で仕上げている。
元曲をリスペクトしてのことだろうが、比較的オーソドックスなロックアプローチが多く
個人的にはもっとシンフォニックにリアレンジして欲しかった気もしないでもない。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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LANA LANE「10th Anniversary Concert」
シンフォニックハードの女王、ラナ・レーンのデビュー10週年を記念したライブDVD+CD。2006年作
2005年の日本公演を完全収録し、同音源のCD付きの2枚組。これまでにも日本でのライブ音源をまとめた作品を出すなど、
彼らにとっては日本は最初にアルバムがブレイクした国でもあり、やはり特別な思いがあるのだろう。
さすがデビュー10年のキャリアからか、このステージも落ち着いた堂々としたもので、
ツインギター編成で音の厚みもばっちり。ラナも見事な歌唱力を披露している。
エリク・ノーランダーのヴィンテージなキーボードワークもプログレファンには見どころだろう。
過去のスタジオ作から19曲をたっぷり聴かせてくれる。ツアードキュメント映像も収録。
シンフォニックハー度・・8 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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LANA LANERed Planet Boulevard
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンの8th。2007作
壮麗なる傑作であった前作「Lady Macbeth」に続く本作は、曲調がいくぶんストレートになり、メタリックな質感が増している。
全体的に硬質なギターリフを盛り込みつつも、叙情性とのバランスの取り方にはエリク・ノーランダーの手腕が発揮され、
どこか哀愁を感じさせるサウンドになっている。これまでの作風よりもわりとシンプルなハードロック色が
全体を包み込んでいるが、そんな中でもラナの表現力を増した歌声はさすがに見事だ。
シンフォニック度・・7 メタリック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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LANA LANE「El Dorado Hotel」
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンの2012年作
オリジナルアルバムとしては9作目。前作でのストレートなハードロック路線から、本作ではシンフォニックな作風へと戻っている。
8分の大曲から幕を上げ、美麗なシンセアレンジとともに、艶のあるラナの歌声がしっとりと響いてゆき、
巧みなギターワークによる適度なハードさとともに、壮大なサウンドが広がる。
インスト部分のアレンジもとても細やかで、歌パートとのよいコントラストになっていて、
やわらかな聴き心地はプログレッシブ・ハードロックというような作風だ。
ラストの11分の大曲は、変拍子も含めた展開美でプログレリスナーも楽しめる。
シンフォニック度・・8 プログレハー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Lana Lane 「Neptune Blue」
アメリカの女性シンガー、ラナ・レーンの2022年作
1995年にデビュー、本作は、2012年以来、10年ぶりとなるオリジナルアルバムとしての12作目。
エリク・ノーランダーによるきらびやかなシンセアレンジと伸びやかなラナの歌声は本作も不変で、
キャッチーでウェットなメロディに包まれた、まさにラナ・レーンらしいサウンドだ。
オルガンなどを含むシンセとともに、どこか懐かしいような優しく暖かな耳心地で、
ほどよくハードなギターワークも含めて、初期の作品に近いイメージで楽しめる。
中盤以降は、ゆったりとした大人の叙情を描くナンバーやオールドなロック風味など、
わりと落ち着いた内容で、シンフォニックな抜けの良さは抑え目だが、ともかく復活を祝いますか。
メロディック度・8 優雅度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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Land of Tales
フィンランドのメロディアスハードバンド、ランド・オブ・テイルズの2008作
北欧メロディアスハードというと、これまではスウェーデンというイメージだったが、
久々にフィンランドからも若手が現れた。北欧らしい爽やかさと叙情美あふれるメロディで、
ゆったりと聴かせるサウンドは、やはりフィンランド特有のメランコリックな味わいがあり、
シンフォニックとさえいってもいい美しいシンセワークは、サウンドに美麗な厚みをもたらしている。
日本人好みの叙情性をたっぷりと聴かせる質の高いアルバムだ。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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LANVALL「MELOLYDIAN GARDEN」
オーストリアのギタリスト、ランヴァルのソロ1作目。1994年作
シンフォニックメタルバンド、EDENBRIDGEのギタリストとして知られるミュージシャンで、
こちらのソロの方は全篇インスト。メタル色はほとんどなく、美しいキーボードに包まれて、
ゆったりとメロディアスにかなでられるギターフレーズで、実に耳に心地よいのです。
むしろ、GANDALFあたりにも通じるファンタジックなギターインストとして楽しめる。
2005年の再発盤ではジャケが変更された。この後の2枚のソロも同様に美しくて良いですぞ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 ゆったりたおやか度・・10 総合・・8
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LANVALL「AURAMONY」
オーストリアギタリスト、ランヴァルのソロ2作目。1996年作
自身が弾くギター、キーボード、パイプオルガンに加え、今作ではゲストにフルートや
合唱隊を迎えた荘厳かつ静謐なサウンドを聴かせる。ランヴァルの奏でるやわらかで
キャッチーなギターメロディが心地よく響きわたり、クラシカルでシンフォニックな美しさは
筆舌に尽くしがたいものがある。なお、同郷の大先輩であるGANDALFもゲスト参加している。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 ゆったりたおやか度・・10 総合・・8
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LAST AUTUMN'S DREAM
FEAR WARNINGのG、アンディ・マレツェクとスウェーデンの名ヴォーカリスト、
ミカエル・アーランドソンによるバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの1st。2003作
B、Dr、Keyは再結成EUROPEの面々とあって、楽曲のメロディには北欧的な哀愁が漂う。
そして、そこに乗るミカエルのハスキーかつ繊細な歌声も素晴らしい。
一方、アンディのギターワークは、FW時代よりもむしろ生き生きとして聴こえ、サウンドに説得力を付加している。
メロディ、楽曲、そしてプレイヤーの質が見事に合わさった、実にクオリティの高いアルバム。
哀愁の北欧HR、FEAR WARNING風味…つまりその手のファンには必聴ということである。
メロディアス度・・9 哀愁度・・9 楽曲・・8 総合・・8.5
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LAST AUTUMN's DREAM「Winter in Paradise」
FEAR WARNINGアンディ・マレツェクとスウェーデン人Vo、ミカエル・アーランドソンによる
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの3rd。2005作
素晴らしかった1stから、続く2ndでやや評価を落としたようだが、今作は再び哀愁のメロディ満載の好盤。
枯れた味わいのあるミカエル・アーランドソンの歌声は、キャッチーでありながらもの悲しい叙情の楽曲にマッチしていて、
もはや予定調和めいていても、その泣きのメロディアスハードサウンドにはうっとりだ。
ハードポップ的な軽さはメタルファンにはやや軽薄に感じられるかもしれないが、
うっすらとしたシンセのアレンジも含めて、いかにも北欧メロハー的な音作りが耳に優しい。
メロディアス度・・8 ハードポップ度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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LAST AUTUMN's DREAM「HUNTING SHADOWS」
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの5th。2007作
哀愁の叙情とキャッチーなメロディで、毎回質の高いアルバムを聴かせてくれるこのバンド。
今作も安心の完成度だ。ミカエル・アーランドソンのかすれ気味の歌声はじつに味わい深く、
アンディ・マレツェクの泣きのギターも、見事なまでに大人の哀愁をかもしだしている。
今作ではややレトロな雰囲気のシンセアレンジとともに、古き良きメロディアスハードの原点ともいうべき質感が味わえる。
まさに大人のためのメロディアスハード。冬枯れのような哀愁がただよっている。
メロディアス度・・8 大人のメロハー度・・9 古き良き度・・8 総合・・8
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LAST AUTUMN's DREAM「Dreamcatcher」
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2008作
毎作クオリティの高いアルバムで、安心二重丸のこのバンドも早6作目。
ミカエル・アーランドソンのハスキーな歌声と、元FEAR WARNINGのアンディ・マレツェクの
泣きのギターを中心にした、美しくも叙情美溢れる楽曲は、まさに円熟の域にある。
うっすらとしたシンセアレンジに、冬に聴くにはぴったりな哀愁のメロディが合わさって、
予定調和といえどもこの絶品のサウンドは聴き手をうっとりとさせるに足る。
NEW ENGLANDのカヴァーも違和感がないし、全体的にも隙のない完成度だ。
メロディアス度・・9 哀愁度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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Last Autumns Dream「A Touch of Heaven」
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの7th。2009作
2003年のデビュー以来、毎年欠かさず冬になると新作が出てくるこのバンド。
レコーディング直前に、ベーシストのマルセル・ヤコブを自殺という形で失ったが、
そのサウンドは決して変わることはない。ミカエル・アーランドソンの素晴らしい歌声は
ますます枯れた味わいをかもしだし、アンディ・マレツェクの見事なギターワークとともに、
LAD節ともいうべき哀愁の叙情を存分に聴かせてくれる。本作も安心して買いの傑作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 哀愁叙情度・・8 総合・・8
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LAST AUTUMN'S DREAM「Yes」
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2010年作
ミカエル・アーランドソンとアンディ・マレツェクによるコンビも早8作目。
毎年の冬に届けられる叙情ハードロックサウンドにまた浸ろう。
キャッチーなコーラスとともに哀愁を振りまくミカエルの絶品の歌声と、
適度なシンセワークを含んだ聴き心地のよい楽曲は、いつものLAD節だ。
ポップすぎず、ハードすぎず、時代に流されないメロディアスハードの息吹、
お決まりの高品質であるが、ここでそれを楽しめる幸せをあらためて感じよう。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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LAST AUTUMN'S DREAM「Nine Lives」
メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2011年作
もはや冬の風物詩となったこのバンドの9作目。ミカエル・アーランドソンとアンディ・マレツェクによる
質の高いメロディアスハードは当然ながら今作も不変で。哀愁の叙情を含んだメロディと
古き良きハードポップの感触をより強くしたサウンドで、安心して浸れる一枚に仕上がっている。
新鮮味がどうのという野暮なことは言わず、冬になったら暖かななつかしさとともに耳を傾ければいい。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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LAST AUTUMN's DREAM「Ten Tangerine Tales」
メロディアス・ハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2012年作
冬の風物詩というべきバンドの10作目。ミカエル・アーランドソンの枯れた味わいの歌声と
キャッチーな叙情で聴かせる哀愁のメロディを含んだメロハースタイルは本作も不変。
初期の楽曲に比べるとよりアレンジはストレートでシンプルになってきた感があり、
泣きの美旋律という点では物足りなさもあるのだが、質は高いのでそれなりには楽しめる。
メロディック度・・8 哀愁度・・8 新鮮度・・6 総合・・8
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LAST TRIBEThe Ritual
スウェーデンのメロディアスハードバンド、ラスト・トライブの1st。2001作
MIDNIGHT SUNSTARBREAKERなどにも参加するギタリスト、マグナス・カールソン率いるバンドで、
メロディックな正統派のハードロックに、ネオクラシカルなテイストも織り込んだスタイル。
キャッチーな聴き心地と、随所ににテクニカルなギターフレーズが合わさった楽曲は、
単なるメロハーという以上に濃密な作風だ。ときにProgMetal風味の感触もあり、
きらびやかなネオクラシカル風味も含んだ骨太のHRが楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ネオクラ度・・7 総合・・8
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LAST TRIBE「Witch Dance」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、ラスト・トライブの2nd。2002作
基本はオーソドックスなメロディアスハードであるが、ギター主導の楽曲はキャッチーながらも
しっかりとメタリックな質感を保っていて、そういう点でMILLENIUMあたりにも通じる骨太さがある。
ときおりネオクラシカル風味を聴かせるマグナス・カールソンのギターワークも聴き所で、
曲調の古めかしさはあるが、北欧的な叙情性とキャッチーさのバランスのとれたサウンドだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ネオクラ度・・7 総合・・7.5
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LAST TRIBE「THE UNCROWNED」
スウェーデンのメロディアスハードバンド、ラスト・トライブの3rd。2003作
メロディアスハード的なキャッチーさに、マグナス・カールソンのクラシカルなギターワークと、
きらびやかなシンセアレンジが加わって、北欧らしい豊穣なHRサウンドを形作っている。
基本的には、楽曲、メロディともに正統派といってよいもので、目新しさはなにもないが
どの曲をとっても構築された予定調和が耳に心地よく、クオリティが高い。
リカルド・ベンソンの大人の味わいのあるヴォーカルが、サウンドを軽すぎないものにしており
全体的にきらきらとした雰囲気ながら、同時にどっしりとした落ち着きも有した作品になっている。
メロディアス度・・8 北欧度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Lauren Harris「Calm Before The Storm」
スティーブ・ハリスの娘、ローレン・ハリスの2008年作
IRON MAIDENのスティーブ・ハリスの娘の作品という話題性で評判を呼んだが
サウンドの方はごく普通の古き良きハードロックで、ローレン嬢の歌声にしてもあまり派手さはない。
正直インパクトはない、ノリのよいロック作品。当然のように親父ハリスもベースで参加している。
メロディアス度・・7 正統派ロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Lauri Porra
STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリ・ポラーのソロ作。2006作
作曲家シベリウスを先祖にもつ彼は音楽院で学んだ才人でもある。
本作で聴けるのはメタルではなく、クラシカルなピアノやジャズテイストなどを織りまぜた
幅広い音楽性で、北欧的な涼やかな情緒も含めて、むしろプログレに近い感触である。
トランペットやサックスの音色などはいかにもジャズ調であるが、型にはまらない柔軟な感性と
フィンランドらしい土着性と哀愁を音に感じさせるあたりは、たとえばPEKKAあたりにも通じる
天才肌のセンスがあるかもしれない。彼の音楽的才能の豊かさを楽しめる一枚だ。
フィンラン度・・8 メタル度・・1 むしろプログレ度・・8 総合・・8
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LAURI PORRA「All Children Have Super Powers」
STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリ・ポラーのソロアルバム。2008作
2005年からストヴァリに加わったこのベーシストは、実は音楽院出身で
あのシベリウスを先祖に持つ、ジャズやクラシックの素養もある才人であった。
一見して地味なジャケットながら、このアルバムにおける音楽性はじつに幅広く、
薄暗い叙情を聴かせるしっとりとした曲調はPINK FLOYD的でもあり、
アコースティカルな素朴さとメロディには北欧的な土着性も感じられて耳に優しい。
トランペットの音色やクラシカルなピアノ、美しいシンセにメロウなギターが加わると
北欧シンフォニックロックの質感にもなる。女性コーラスの入ったヒーリング調の曲などもあり、
プログレリスナーにも勧められる繊細でやわらかな作品である。
むしろプログレ度・・8 メタル度・・3 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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LEGIONShadow of the King
アメリカの様式美メタルバンド、レギオンの2006年作
まるで80年代を思わせる古き良き様式美ハードロックだ。アルカトラスとか、
初期のイングヴェイとか、あんな感じの曲調で、線の細いハイトーンヴォーカルと、
叙情的なツインギターもなかなか耳心地がよい。音質の甘さも手伝ってか
本当に昔のバンドのように聴こえてしまうが、今のバンドとしてはどうなんだろう。笑
なかなかドラマティックでテクニカルにすぎないメロディアスさも、むしろ味になっている。
メロディアス度・・8 音質・・7 古き良き様式美度・・9 総合・・7
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LILLIAN AXE
アメリカのメロディアスハードバンド、リリアン・アクスの1st、1988年作
アメリカのバンドでありながら、通好みのメロディアスハードリスナーを虜にする叙情を有するこのバンド。
1988年〜1993年までに質の高い4枚のアルバムを残し、いったん活動を休止、
1999年に復活の兆しを見せ、その後2007年、2009年と完全復活をとげる作品を発表している。
本作は彼らの記念すべきデビューアルバムで、2ndとともに2008年に2000枚限定で再発されたもの。
アルバムとしての完成度としては2nd「Love and War」、そして名作「Poetic Justice」には及ばないものの、
スティーヴィー・ブレイズの抜群のギターワークとともに、すでにリリアンアクス節ともいうべきキャッチーさと
叙情性のバランスのとれたメロディアスロックが楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・7.5
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LILLIAN AXE「Love and War」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、リリアン・アクスの2nd。1989年作
アメリカのバンドらしからぬ哀愁漂うメロディセンスを折り込んだHRサウンドは、
とても日本人好みだし、彼らの残したアルバムはもっと評価されていいはずだ。
最高傑作は質の高い楽曲が詰まった3rd「Poetic Justice」だと思うが、
この2ndもジャケの美しさや名曲“Ghost of Winter”が入っていることもあって評価が高い。
ややダーティなロン・タイラーの歌声に、スティーヴィー・ブレイズのウェットなギターワークが絡み、
アメリカンロック的なドライさと、ヨーロピアンな叙情とが奇跡的に融合している。
湿りけのあるメロディアスハード愛好者はぜひ。2008年リマスター盤は2000枚限定!
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE「Poetic Justice」
アメリカのメロディアスハード、リリアン・アクスの3rd。1992年作
長いこと廃盤だったこの名作が、2022年についに日本盤SHM-CD仕様で待望の再発を果たした。
この一見ダメそうなジャケにだまされないで欲しい。メロディアスハードロック史に輝く名盤がこれなのだ。
2nd「Love + War」も日本人好みのウェットなハードロックであったが、、本作はさらに楽曲充実の内容である。
アメリカのバンドらしいキャッチーなロック感触の中に、スティーヴィー・ブレイズの叙情的なギターワークとともに、
哀愁を漂わせるメロディフレーズが散りばめられており、どこかヨーロピアンな翳りを感じさせるのが見事。
ノリのよい叙情ロックナンバー「True Believer」から、最高の泣きのパラードである「See You Someday」、
とどめは「The Promised Land」の優美な叙情である。再発盤には1989年のデモ音源を2曲追加収録。さあ買え!
メロディアス度・8 キャッチー度・8 哀愁の叙情度・8 総合・・8.5
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LILLIAN AXE「Psychoschizopherenia」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、リリアン・アクスの4th。1993作
前作「Poetic Justice」で、叙情派ハードロックとしての頂点を極めたが、
本作ではいくぶんモダンなヘヴィさを前に出して、よりギターサウンドが強調されている。
2007年の復活以後のスタイルに近い作風で、もちろん彼ららしいキャッチーな叙情を含んだ
哀愁のメロディが満載。耳心地のいいだけの軽めのメロハーバンドとは一線を画する力作だ。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE「FIELDS OF YESTERDAY」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、リリアン・アクスの1999年作
かつて「POETIC JUSTICE」という傑作アルバムを筆頭に、その叙情的なサウンドで
日本のメロディアスハードファンの心をとらえたこのバンド。
93年の4th「PSYCHOSCHIZOPHRENIA」以来6年ぶりとなるこのアルバムでも
アメリカンロックでありながら、どこか哀愁を感じるというリリアンアクス節は健在で、
スティーヴィー・ブレイズの奏でる巧みなリフとメロディを中心にした素晴らしいサウンドを聴かせてくれる。
ギター主導のメロハーとしては最高のバンドなので、できれば3rd「POETIC JUSTICE」をまず聴いて欲しい。
2枚組みのライブアルバムも出ているので、哀愁あるHRが好きな方はぜひ!
メロディアス度・・8 ギターセンス・・8 アメリカンなれど哀愁度・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE「LIVE 2002」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、リリアン・アクスのライブアルバム。CD2枚組。
3rd「POETIC JUSTICE」はメロディアスハードの名盤として語り継がれるべきアルバムであったが、
4枚目のアルバムを出してから解散状態にあったこのバンドが、なんと1999年に復活を遂げた。
といってもコンスタントにアルバムを出してゆくのは財政的にもレーベル的にも難しいだろう。
このライブアルバムにしてもセルフプロデュースによるもので、おそらく日本盤が出ることはないだろうが、
こうして彼らのかつての曲が鮮明なライブ音源で聴けることは大変嬉しいかぎりである。
演奏には熱気と勢いがあり、ロン・タイラーのヴォーカルはかつての瑞々しさを若干失っているものの
要である、スティーブ・ブレイズのギターは相変わらず見事で、そのテクニックはもちろん
キャッチーかつ叙情的なメロディを作るセンスはやはり素晴らしい。3rdからの曲が少ないのは残念だが、
1st、2ndからはたっぷりと選曲されていて、名曲“GHOST OF WINTER”はじつに美しい。
メロディアス度・・8 アメリカンだけど叙情度・・8 演奏・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE「Water Rising」
アメリカのメロディアスハードバンド、リリアン・アクスの2007作
スタジオ作としては1999年の「FIELDS OF YESTERDAY」以来の作品となる。
リーダーであるスティーブ・ブレイズの他のメンバーはがらりと変わっていて、
とくにVoのロン・タイラーが抜けたことで、少なからず戸惑うファンもいるかもしれない。
しかし、蓋を開けてみれば、若干ヘヴィでダークめになったものの、哀愁のメロディを聴かせるリリアン節は健在。
軽めのメロハーではお目にかかれない有機的なツインギターによる叙情的な絡みは相変わらず耳に心地よく響く。
過去曲のリメイクや、以前の曲で聴いたようなメロディも出てくるが、まずは二度目の復活を素直に喜びたい。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・9 リリアン度・・9 総合・・8
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LILLIAN AXE「Sad Day on Planet Earth」
アメリカの叙情メロディアスハード、リリアン・アクスの2009作
前作「Warter Rising」でメンバーを一新し8年ぶりの復活を果たしたこのバンド、
本作はのっけからややダークなイントロ、そして曲に入ると一聴してモダンでヘヴィな作風で
「おや」と思うが、2曲目以降は彼ららしく叙情的でキャッチーなメロディもあって一安心。
なにより、バンドの核であるスティーヴィー・ブレイズのギタープレイは、
もはやリリアン節ともいっていいような哀愁溢れるフレーズを聴かせてくれる。
6曲目の3拍子バラードや、8曲目あたりのメロディアスさはさすがであるし、
全体的に聴くと、いろいろな曲調でリリアンの魅力が楽しめる好作である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE「Deep Red Shadows」
アメリカのメロディアスハードバンド、リリアン・アクスの2010年作
1988年〜1993年までに4枚のアルバムを残し活動を休止するも、2007年に復活、そして2009年に
新作が出たばかりであるのだが、本作はレーベルを離脱し自主制作に立ち返っての1枚となった。
ゴシックメタル的なジャケが印象的ながら、サウンドの方は哀愁の叙情を含んだ彼ららしいもので
スティーブ・ブレイズの流麗なギターワークとともに聴かせるメロディアスなリリアン節が満載。
いくぶんダークなヘヴィさを感じさせる曲もあるが、アルバム後半のアコースティック曲では
その繊細な美しさにうっとりである。日本人好みの叙情派として今後とも応援してゆきたいものだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 哀愁の叙情度・・9 総合・・8
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Lillian Axe「The Days Before Tomorrow
アメリカのメロディアスハード、リリアン・アクスの2012年作
2007年の復活作から数えて4作目となる。前作は企画ものアルバムであったので、
実質的には3年ぶりとなる作品であるが、その哀愁の叙情メロディは本作でも不変で
軽すぎずヘヴィすぎす、ときに泣きのフレーズも奏でるスティーブ・ブレイズの絶品のギターワークと、
新加入のブライアン・ショーンズのマイルドなヴォーカルのフィーリングもなかなかよい。
そこいらのメロハーバンドには真似のできない、リリアン節の叙情ハードロックが冴え渡る力作。
アメリカというよりはむしろ英国的な誇りを感じさせる今作は、TENなどのファンにもぜひ聴いて欲しい。
メロディアス度・・8 むしろ英国HR的度・・8 哀愁の叙情度・・9 総合・・8
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LILLIAN AXE「One Night in the Temple」
アメリカのメロディアスハード、リリアン・アクスのライブ作品。2014年作
90年代から活動し、2007年にメンバーを一新して復活、その後も地道に活動を続けるこのバンド、
本作は、2013年に行われたアコースティックライブを収録した2CD+DVDの3枚組。
寺院の中で行われたライブのようで、音質はさほど良くないのだが、アコースティックアレンジされた楽曲は
このバンドのキャッチーなメロディアス性を引き立たせていて、まったく違和感なく楽しめる。
近年の楽曲を中心にしつつも、“Ghost of Winter”、“See You Someday”、“Promised Land”、
“True Believer”といったかつての名曲が素朴なアレンジで再現されるのは感動的だ。
ゲストにオリジナルシンガーであるジョニー・ヴァインズも参加している。
メロディック度・・8 叙情度・・8 アコースティックアレンジ度・・8 総合・・8
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LILLIAN AXE 「From Womb To Tomb」
アメリカのハードロック、リリアン・アクスの2022年作
1988年にデビュー、本作は10作目で、スタジオ作としては10年ぶりとなる。ギターの2人以外のメンバーが交替しているが、
ステーヴィー・プレイズの奏でるメロウなギターフレーズと、日本人好みのウェットでキャッチーなサウンドは継承していて、
いくぶん翳りを帯びた叙情とともに、人間の生誕から死までを描くというコンセプトでドラマティックなハードロックを展開する。
随所に優美なシンセアレンジも効いていて、ブレント・グラハムによるマイルドなヴォーカルも楽曲によくマッチしている。
ときにProgMetal的な感触や、しっとりとしたスローナンバーに小曲も織り交ぜながら大きな流れで楽しめる、全72分の力作だ。
ドラマティック度・8 キャッチー度・8 叙情度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
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LIONVILLE 「Magic Is Alive」
イタリアのメロディアスハード、ライオンヴィルの2020年作
ギターのステファノ・リネッティを中心に、2011年にデビュー、本作は4作目となる。
キャッチーなコーラスハーモニーと優美なシンセアレンジで聴かせるメロディックロックで、
北欧系メロハーにも通じるようなウェットな泣きの叙情は、とても日本人好みだろう。
Work Of Artでも活躍する、ラーズ・サフサンドのエモーショナルな歌声も楽曲によくマッチしていて
どの曲も哀愁を含んだメロディのフックに包まれており、全体的な質の高さという点では、
Autumn's Childなどにも通じるだろう。キャッチーな爽快さと優雅なロマンで聴かせる逸品です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 優雅で爽快度・・9 総合・・8
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LITA FORDWicked Wonderland
アメリカの女性シンガー、リタ・フォードの2009年作
80〜90年代にソロとして活躍していた彼女の14年ぶりとなる復活作。
サウンドの方は、モダンなテイストを含んだヘヴィロック風味で流行りを狙おうとしてイマイチ外している感が、やや残念。
リタ姐さんの歌声はエフェクトかかったり、男ヴォーカルが絡んだりと、ヴォーカルアルバムとしてもあまり楽しめない。
メロディアス度・・7 ヘヴィロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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LITA FORDLiving Like a Runaway
アメリカの女性シンガー、リタ・フォードの2012年作
久々の復活作であった前作Wicked Wonderlandはモダンなヘヴィロック調で
ややガッカリの出来であったが、本作ではかつてのロックな曲調が戻ってきている。
彼女のハスキーな歌声とともに、随所にはかつてを思わせるメロディックなフックもあり、
ツインギターのフレーズもHRそのものである。ロックシンガーとしてのリタの本当の復活作だろう。
メロディック度・・7 ちゃんとHR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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THE LONELY HARPS CLUB 「LONG GAME」
イギリスの女性ハープ奏者によるプロジェクト、ロンリィ・ハープス・クラブの2022年作
打ち込みによるリズムにデジタルなシンセ、優美なハープの音色を重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルとともに、
しっとりと翳りを帯びたキュートなポップサウンドを聴かせる。ケイト・ブッシュに影響を受けたという通り、
エキセントリックな可愛らしさが、繊細なハープのつまびきと合わさり、ドリーミィな浮遊感に包まれる。
曲によってはエレキギターとドラムも加わったロック感触もあったり、ヴィオラや三味線を使ったナンバーなど、
ハープの音色が前に出すぎず、アレンジ的にもなかなか面白い。楽曲は3〜4分前後で、ライトに楽しめる好作だ。
優雅度・8 ロック度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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LOST WEEKEND「PRESENCE OF MIND」
イギリス出身のメロディアスハードバンド、ロスト・ウイークエンドの2000年作
美しいシンセワークと、メロウなギター、やわらかみのあるキャッチーなメロディで聴かせる
とても高品質なメロハーサウンド。聴きやすさの中に哀愁を感じさせるところは、
HARLAN CAGEなども思い出させるが、こちらはもっとシンフォニックな感触だ。
新鮮味はやや薄いものの、このクオリティの高さは必聴級。美麗系メロハーの傑作。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 楽曲・・9 総合・・8.5
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LOST WEEKEND「New Religion」
イギリス出身のメロディアスハードバンド、ロスト・ウイークエンドの2002年作
前作「PRESENCE OF MIND」がなかなか素晴らしい出来であったが、3作目となる本作も
王道のメロディアスハードの好盤だ。キャッチーなヴォーカルメロディと適度なハードさをもった
ギターワークもさすがで、うっすらとしたシンセとともにサウンドにしっかりと厚みを与えている。
やはり新鮮味はないが、安心して楽しめる高品質なメロハー作品である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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LOST WEEKEND「Fear And Innocence」
イギリス出身のメロディアスハードバンド、ロスト・ウイークエンドの2008年作
キャッチーなメロディで聴かせるじつに正統派のメロディアスハードサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジに、随所に聴かせるメロディアスなギターもいい感じ。
全体的な聴き心地はよいのだが、これといった個性がないのでインパクトには欠ける。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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LOVEKILLWERS
元TNTのシンガー、トニー・ハーネルをフロントにしたプロジェクト、ラヴキーズの2019年作
TNTをはじめ、WESTWORLD、STARBRAKERなどが活躍、日本でも人気の高いトニー・ハーネルをヴォーカルに
プロデューサー&ソングライターのアレッサンドロ・デルヴェッキオをブレインに、イタリア人のメンバーが参加、
伸びやかなトニー・ハーネルのヴォーカルをメインにした、キャッチーなハードロックサウンドを聴かせる。
うっすらとしたシンセにほどよくハードなギターほ重ねた、かつてのTNTを思わせる涼やかな味わいは、
往年のファンが求めるスタイルだろう。しっとりとしたバラードナンバーでの甘い歌声は、彼の魅力を引き出していて、
楽曲的な新鮮味は薄いものの、どこをきってもメロディックな叙情に包まれている。ハーネルのファンはチェック。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 ハーネル度・・8 総合・・8
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LOVEX「Divine Insanity」
フインランドのハードロックバンド、ラヴXの2007年作
HIMあたりに通じる艶のある男性ヴォーカルの歌声で、キャッチーなメランコリーを聴かせる、
ノリのよいフィニッシュ・ハードロック。ゴシックとまではいかない哀愁をまとわせつつ、
メタルとしてのヘヴィネスも適度にあって、デビュー作にしてはなかなかクオリティが高い。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 フィンラン度・・8 総合・・8
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LOVEX「PRETEND OR SURRENDER」
フインランドのハードロックバンド、ラヴXの2nd。2008作
ヴィジュアル系のようなジャケから音の想像がつかないが、HIMなどを思わせるようなむメランコリックなメロディを
もう少しキャッチーに聴かせるスタイル。それでいてシンフォニックなアレンジなどは、むしろNIGHTWISH的であったり、
きらきらとしたメロディがなかなか耳に心地よかったりする。モダンなヘヴィロック風味も今の若者受けするだろうし、
北欧独特の哀愁もある。そしてなにより、このルックスからして多くの女性ファン獲得は間違いないだろう(笑)
いかにも若手らしく、メタル、ロック、ゴシックの垣根を超えるような、こだわりのない方向性の好作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フィンラン度・・8 総合・・8
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LUNDEN REIGN 「AMERICAN STRANGER」
アメリカのハードロック、ルンデン・レインの2015年作
女性Vo、女性Gを含む編成で、適度にハードなギターに女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
リタ・フォードやヴィクセンといった、80年代風味のオールドな香りが漂うハードロックサウンド。
楽曲は3〜4分前後とシンプルな感触であるが、ツインギターにシンセやコーラスを含んだ
厚みのあるアレンジで、どの曲もキャッチーなメロディのフックをしっかりと感じさせる。
ニッキ・ルンデン嬢のヴォーカルは、艶めいた大人の色気も含んだハスキーなところが魅力的で、
堂々たる歌声と質の高い楽曲は、マイナー臭さをまったく感じさせない。今後が楽しみな逸材です。
メロディック度・・8 古き良きHR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Lydian Fortune「Songs from Afar」
アメリカのハードロックバンド、リディアン・フォーチュンの2007作
なんの情報もなくなんとなく買ってみたのだが、これが正統派の骨太なハードロック。
自主制作っぽいのだが、古き良き渋さとメロウなセンスが光るギターワークと、
中低音で歌うずっしりとしたヴォーカルで、なかなか重厚に聴かせるサウンドだ。
いくぶんダークな曲調とあいまって、この歌声はなんとなくRAGEのピーヴィなどを思わせる。
アメリカというよりは英国の80年代メタル、さらにはCATHEDRALなどのドゥーム、
ストーナー的なアナログ質感も強く、今聴くとかえって新鮮な音かもしれない。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 ストーナー度・・8 総合・・7
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MADAME MAYHEM 「READY FOR ME」
アメリカの女性声ハードロック、マダム・メイヘムの2017年作
自らマダム・メイヘムを名乗る女性シンガーのソロ作品で、彼女の伸びやかな歌声を乗せ、
Evanescenceなどにも通じるモダンな感触と、わりと王道のハードロックを合わせたサウンド。
ほどよくキャッチーで聴きやすく、ヴォーカルも含めて全体的にも高品質なのだが、
どの曲もなんとなくどこかで聴いたような感じがして、新鮮さやインパクトはやや希薄。
この手のエヴァネッセンス風の女性声ヘヴィロックがお好きならどうぞ。
ドラマティック・・7 エヴァ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Mageia
国籍不明の女性SSW、Liza Kayによるプロジェクト、マジェイアの2021年作
適度にハードなギターにシンセを重ね、やわらかな女性ヴォーカルの歌声で、
妖しい浮遊感に包まれた、シンフォニックメタル風のハードロックを聴かせる。
メタル的なヘヴィさはさほどなく、キャッチーな歌メロとウェットな翳りを帯びた、
女性声のプログレ・ハードという感じでも楽しめる。一方では、アコースティック楽器を用いた
フォークルーツの牧歌的な叙情性も覗かせていて、アーティストとしての懐の深さが窺える。
全7曲35分というのが少し物足りないが、次作ではより濃密に手の内を明かして欲しい。
メロディック度・8 妖しさ度・7 女性Vo度・8 総合・7.5
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The Magnificent
北欧のメロディアスハードユニット、マグニフィセントの2011年作
CIRCUS MAXIMUSのシンガーとLEVERAGEのギタリストを中心にしたバンドで
キャッチーなメロディで聴かせる古き良き感触のメロディアスハード作品。
マイケル・エリクセンの伸びやかな歌声と、シンセアレンジを含めた北欧らしい爽やかさに、
プログレハード的な知的センスも感じられて、じつにクオリティの高いサウンドになっている。
全体的にはこれといった目新しさはないものの、安心して楽しめる好アルバムだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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MAGNUMKingdom of Madness」
英国のプログレハードバンド、マグナムの1st。1978/2005作
まだ若々しいボブ・カトレイの歌声に、ムーグを使ったシンセの音などにはまだプログレ的な余韻を感じさせる。
楽曲はハードロック的な質感は抑えめで、キャッチーなメロディとゆるやかな英国風味の叙情を聴かせるプログレハード。
ときにフルートやアコギを織りまぜたり、QUEEN風のコーラスが入ったりと次作以降に比べてややとりとめがないのも本作の特徴か。
逆に言うと、もっともプログレ的な聴き方ができるアルバムだろう。再発盤のDisc2には初期のデモ音源やシングル曲など11曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 英国度・・8 総合・・8
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MAGNUM「U」
英国のプログレハードバンド、マグナムの2nd。1979年作
1stに比べてドラマテイックなハードさが増し、ボブ・カトレイの歌声とともに、
QUEENを思わせるキャッチーなコーラスがメロディアスに響きわたる。
ときにプログレ的な美しいシンセワークも聴かせてくれ、派手さはないが質の高さの点では傑作と言い得る出来だ。
リマスター盤ボーナストラックにはシングルB面曲など5曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・9 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUM「Marauder」
英国のプログレハードバンド、マグナムのライブアルバム。1980年作
1979年のライブ音源で、おそらく2nd「U」発表後のステージだろう。
この頃はまだシンセの音などに古き良きプログレハードの色が濃く
まだ瑞々しいボブ・カトレイの歌声とともに、メロディアスな演奏が楽しめる。
初期マグナムの唯一の公式ライブという点では、ファンは必聴です。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・9 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUM「Chase the Dragon」
英国のプログレハードバンド、マグナムの3rd。1982年作
ロドニー・マシューズによる幻想的なアートワークとともに、サウンドの方にもファンタジックな世界観が反映され、
ここに彼ら独自のドラマティック・プログレハードが完成する。前作までのキャッチーさに加え、重厚な部分にも磨きがかかり、
代表曲といえる“The Spirit”をはじめ、シンセの美しい“Sacred Hour”など聴きどころも多い。
英国的美意識に彩られた傑作アルバムだ。リマスター盤ボーナスにはシングル曲やライブ音源など8曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・9 英国度・・10 総合・・8
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MAGNUMThe Eleventh Hour !」
英国のプログレハードバンド、マグナムの4th。1983年作
傑作「Chase the Dragon」On a Storyteller's Night」に挟まれて地味なイメージのある本作だが、
内容的には決して劣らない。前作で確立したドラマティックなプログレハード路線を踏襲し、
適度にヘヴィなギターも取り入れつつ、シンセを絡ませてメロディアスに聴かせる。
これだという曲は少ないが、安心して楽しめるマグナムサウンドである。
ボーナスにはBBCでのライブ音源や、バージョン違いなどを8曲収録
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUMOn a Storyteller's Night」
マグナムの5th。1985年作
一般的にマグナムの最高作というと本作になるのだろう。1曲めの“How Far Jerusalem”から、ドラマティックなプログレハードが炸裂、
よりキャッチーになったメロディに、絶妙のシンセワークが彩りをそる。英国らしい湿りけのある雰囲気と、
いっそう表現力を増したボブ・カトレイの歌声で、まさに語り部が物語るファンタジーを聞いているような気分になれる。
英国のプログレハードシーンを代表する1枚といえるだろう。2枚組みEXPANDED EDITIONではDisc2に貴重なデモ音源を収録。
メロディアス度・・9 プログレハー度・・9 英国度・・9 総合・・8.5
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MAGNUM「LONG DAYS BLACK NIGHTS」
ブリティッシュ・プログレハードの雄、マグナムのCD3枚組セレクション。2004作
KINGDOM OF MADNESS(1978) MAGNUMU(1979) MARAUDER(1980) CHASE THE DRAGON(1982)
THE ELEVENTH HOUR(1983) ON A STORYTELLER'S NIGHT(1985) あたりまでの選曲にライブトラック
リミックなどを加えた230分を超える大ボリュームの3枚組。これを聴けばMAGNUMのすべてがわかる。
メロディを重視したドラマティックな楽曲をコンパクトにまとめあげたサウンドは非常に聴きやすく、
年齢をへた今になって聴くと(笑)、これがとても爽やかで心地よい。QUEENURIAH HEEPあたりに通じるキャッチーさ、
ハードロック要素をよりドラマティックに、そして英国的に表現したのがこのバンドだったのではないかと思う。
ボブ・カトレイの落ち着いた声質が、ピアノ、キーボード入りのメロディアスサウンドに哀愁を加え、
アメリカ産プログレハードとはまったく異なる「英国特有の風」のようなものを聴くものに感じさせる。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 英国度・・10 総合・・8
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MAGNUM「Brand New Morning」
英国プログレハードのベテラン、マグナムの2004作
再結成後2作目となる今作は、往年を彷彿とさせるような好作だ。
英国の誇りをたっぷり含んだ湿りけのある叙情に、ボブ・カトレイのヴォーカルが重なると、
これぞマグナムと膝を叩きたくなる。ドラマティックな重厚さと、キャッチーなメロディが融合した、プログレハードサウンドは、
いまだ輝きを失わなず生き残っていた。完全復活を告げる次作「Princess Alice〜」へとつながるアルバム。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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MAGNUM「Princess Alice & the Broken Arrow」
ブリティッシュ・プログレハードのベテラン、マグナムの2007作
通算13作めとなる今作は、ロドニー・マシューズによるジャケからして往年のファンタジックな世界観を感じさせる。
美しいシンセに導かれて、ボブ・カトレイの歌声が流れだすと、まぎれもなくあのマグナムサウンドがよみがえる。
ベテランバンドらしい落ち着いた味わいでゆるやかに盛り上げてゆく楽曲は、英国ならではのウェットな質感とともに、
正統派のドラマティックロックとしての誇りが感じられ、まるで歳を重ねたワインのように芳醇で、そしてあたたかなぬくもりがある。
「On a Storyteller's Night」を彷彿とさせる、これぞファンタジー・プログレハードの傑作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・10 総合・・8
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MAGNUM「Into the Valley of the Moon King」
ブリティッシュ・プログレハードのベテラン、マグナムの2009年作
前作「Princess Alice & the Broken Arrow」が久しぶりにファンタジックな世界観の傑作であったので
ロドニー・マシューズのジャケの本作も同様に期待していた。まずもうタイトルからして幻想的ではないか。
ストーリー的な広がりを感じさせるイントロから曲が始まると、ボブ・カトレイの枯れた味わいの歌声とともに
往年を思わせるやわらかみのあるプログレハードサウンドで思わずにんまりだ。
サウンド的にもいくぶんレトロな味わいがあり、派手すぎないシンセの使い方もいかにもこのバンドらしく、
キャッチーなメロディとファンタジックな雰囲気が合わさって、耳心地のいい楽曲にじっくり耳を傾けられる。
DVD付きの限定盤には、1985、1992年のライブ映像やインタビューなどを収録。
メロディアス度・・8 往年のサウン度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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MAGNUMThe Visitation
英国ドラマティックハードのベテラン、マグナムの2011年作
1978年のデビューから80年代の全盛期をへて、いったんの解散、そして2002年に再結成、
その後は順調に作品を発表し、本作は復活後5作目のアルバムとなる。
重厚なイントロで幕を上げ、いつになくヘヴィめのギターと美麗なシンセが合わさって
ドラマティックな世界観があふれだす。ボブ・カトレイの味わいのある歌声とともにMAGNUM節ともいうべき、
その変わらぬサウンドに嬉しくなる。ときにプログレ風味のシンセワークも覗かせながら
単なるメロディアスハードではない、英国の誇りと叙情に満ちたプログレハード作品として楽しめる。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUM「On the 13th Day」
英国ドラマティックハードのベテラン、マグナム2012年作
2002年に再結成されてからは精力的にアルバムを発表、本作は復活後の6作目となる。
デビューから30年以上を経ても、いまだ変わらぬ姿勢で作品を作り続けるこのバンド、
本作も大人の哀愁を感じさせる、じつに英国らしいメロディックハードを聴かせてくれる。
ボブ・カトレイの枯れた味わいのヴォーカルと、古き良きプログレハードのキャッチーな感触とともに
時の流れの中でも揺るがない、このバンドの強さとその世界観をじっくりと楽しむことができる。
ベテランにしかかもし出せない誇り高き美意識と、マイルドなドラマ性に包まれた傑作である。
ドラマティック度・・8 安心度・・9 英国度・・9 総合・・8.5
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Magnum「Escape From The Shadow Garden」
英国ドラマティックハードのベテラン、マグナムの2014年作

1978年デビューという英国プログレハードの大ベテラン、2002年の再結成後は精力的に作品を発表し続け、
本作は復活後早くも7作目となる。ロドニー・マシューズのジャケの雰囲気も往年の世界観を思わせるが、
サウンドの方も、英国らしいウェットな叙情にあふれた、ドラマティックなハードロックが詰まっている。
枯れた味わいのボブ・カトレイのヴォーカルと、美しいシンセアレンジに哀愁を含んだギタートーン、
キャッチーなメロディを含ませた聴き心地は、これぞマグナムというベテランならではの美学に包まれている。
新鮮味はないものの、渋みのあるアダルトな英国ハードの空気を味わいたい方にはぜひオススメしたい。
日本盤は、ベスト盤「EVOLUTION」が付いた2CD仕様でお買い得です。
メロディック度・・8 英国度・・9 マグナム度・・9 総合・・8
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MAGNUM 「ESCAPE FROM THE SHADOW GARDEN LIVE 2014」
イギリスのドラマティックハード、マグナムのライブ。2015年作
2014年に行われたヨーロッパツアーの音源を収録。「Escape from the Shadow Garden」からのナンバーに
過去のナンバーもたっぷり演奏。枯れた味わいのボブ・カトレイの歌声を乗せて、哀愁を帯びた英国らしい
メロディックハードを聴かせる。トニー・クーキンの叙情的なギターフレーズも随所に光っていて、
やわらかなシンセワークとともに、ベテランらしい安定した演奏が味わえる。「How Far Jerusalem」
「Vigilante」「Kingdom Of Madness」あたりはオールドなファンにも嬉しいだろう。全74分の好ライブ作。
ライブ演奏度・・8 叙情度・・8 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUM 「Sacred Blood Divine Lies」
イギリスのドラマティックハード、マグナムの2016年作
今作もロドニー・マシューズによるファンタジックなジャケからして心躍る。ボブ・カトレイの枯れた味わいの歌声と
適度にハードかつ古き良き味わいのギターとともに、英国らしい空気感に包まれたサウンドは健在。
随所にシンフォニツクなアレンジを含んだ優雅さと、往年のプログレハード的な雰囲気もよろしく、
メロウなギターの旋律も楽曲を芳醇に彩っている。ここまで来ると新鮮味がどうとかという指摘は、
このバンドには無意味なわけで、どこを切ってもマグナム節の佳曲が満載の好作品。
これからもずっと、この変わらぬマグナムサウンドを聴かせて欲しい。DVD付き限定盤もあり。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 英国度・・9 総合・・8
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MAGNUM 「Lost on the Road to Eternity」
イギリスのドラマティックハード、マグナムの2018年作
1978年デビューの大ベテラン、2002年の再結成後も旺盛な活動を続け、本作は通算19作目となる。
おなじみ、ロドニー・マシューズのファンタジックなジャケも素晴らしいが、内容もまた充実の極地。
オルガンやピアノを含むオールドなシンセにほどよくハードなギター、そしてボブ・カトレイの歌声を乗せて、
古き良き英国の空気を継承するサウンドを聴かせてくれる。ここ数作の中では、プログレハード風味の強いウェットな作風で、
往年のファンにはたまらない。オリジナルメンバーである、トニー・クラーキンのギターも渋い味わいのブルージーな旋律を聴かせ、
レイドバックしたサウンドに確かな説得力を付加している。AVANTASIAで共演したトビアス・サメットが参加したシンフォニックなナンバーなど、
アルバムとしての聴かせどころも多く、誇り高き英国の香りに包まれた、大人の哀愁と叙情が味わえる。これぞベテラン健在の傑作だ。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・9 英国度・・9 総合・・8.5 
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Magnum 「Live At The Symphony Hall」
イギリスのドラマティックハード、マグナムのライブ作品。2019年作
1978年デビューという大ベテラン。本作は、2018年、イギリス、バーミンガムでのステージを2CDに収録。
素晴らしい傑作となった2018年作「Lost on the Road to Eternity」や、前作「Sacred Blood Divine Lies」など
近年のアルバムからのナンバーに加え、「Vigilante」や「The Spirit」 、「How Far Jerusalem」をはじめ
80年代のオールドナンバーも披露。枯れた味わいのボブ・カトレイの歌声に、トニー・クラーキンの哀愁のギター、
ときにシンフォニックでもある美しいシンセを重ねて、英国らしいウェットな叙情を帯びたプログレハードが楽しめる。
アルバムにも参加した、トビアス・サメットがここでもゲスト参加。2CDで全98分の大人の哀愁&叙情祭りです。
ライブ演奏・・8 ドラマティックハー度・・9 哀愁と叙情度・・9 総合・・8 
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Magnum 「The Serpent Rings」
イギリスのドラマティックハード、マグナムの2020年作
1978年デビューのベテラン、2002年の再結成後は旺盛な活動を続け、本作は通算20作目となる。
ほどよくハードなギターに美麗なシンセアレンジ、ボブ・カトレイの味わいのあるヴォーカルを乗せた
英国らしいドラマティックなプログレハードは健在。オルガンを使ったオールドなブリティッシュロック風味や
リック・ベントンのきらびやかなシンセによるシンフォニックな味わいも魅力的で、楽曲を壮麗に彩っている。
ベテランらしいにじみ出る音の説得力で、プログレハード、英国ハードロック、どちらの耳に聴いても見事な出来。
ロドニー・マシューズによるファンタジックなジャケの世界観も含めて、王道のマグナムサウンドが詰まった傑作だ。
ドラマティック度・・8 叙情度・・9 英国度・・9 総合・・8 
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Marc Bonilla 「EE Ticket」
アメリカのギタリスト、マーク・ボニーラの1991年作
近年ではKeith Emerson Bandへの参加で知られるギタリストだが、本作では聴かせるのは
フュージョンロック的な軽やかさのテクニカルなプレイ。トニー・マカパインばりの正確なピッキングと
優雅なメロディセンスは見事なもので、インストであってもキャッチーな聴き心地で楽しめる。
実力あるギタリストのメロディックなプレイが詰まったギターアルバムの好作です。
ケヴィン・ギルバート、レニー・モントローズ、キース・エマーソンなどがゲスト参加。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 軽妙度・・8 総合・・8




Mathias Holm「pictures of a dream」
スウェーデンのギタリスト、マティアス・ホルムの1997作
イングヴェイ的なネオクラシカルなスタイルを基本にしながらも、メロディはもっとキャッチーで
フュージョン的なライトな感覚がある。全編ギターインストの作品だが、北欧らしい爽やかさに包まれたサウンドは
音が濃密すぎないこともあって嫌味のない爽快さで気持ちよく聴き通せる。
メタリックな重さがない分、プログレ・フュージョン好きの方などにも楽しめると思う。
メロディアス度・・8 北欧度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5


Meat LoafBat Out of Hell 3-Th Monster Is Loose」
アメリカのヴォーカリストにして、ロックオペラの代名詞、ミート・ローフの2006年作
世界的な大ヒットを記録した前作「地獄のロックライダー2」から13年ぶりとなる本作は
「最後の聖戦」と題されたシリーズ完結編となる77分の大作。Julie Bellによるジャケからしてもう濃いのだが、
内容もオーケストレーションを含めた壮麗なハードロックオペラで、よりシンフォニックな作風になっている。
ミート・ローフのオペラティックな歌声はもちろん、ときに女性ヴォーカルを含んだ美しいバラードも感動的で、
デスモンド・チャイルドとジム・スタインマンによる鉄壁の楽曲コンポーズによるメジャー志向の聴きやすさで、
メタル的な重厚さこそ薄いものの、メロディアスかつダイナミックに切り広げられる壮大なる傑作となっている。
壮麗度・・9 メタル度・・7 ロックオペラ度・・9 総合・・8.5
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Meat Loaf 「3 Bats Live」
アメリカのヴォーカリスにして、ロックオペラの代名詞、ミート・ローフのライブ。2007年作
1977年作「地獄のロック・ライダー」、1993年作「同2」、2006年作「同3」、3部作の楽曲を再現するライブで、
サックスが鳴り響くキャッチーなイントロ曲から幕を開け、ほどよく軽快なロックアンサンブルに、
ミート・ローフの朗々としたパワフルなヴォーカルに女性ヴォーカルも加わった、ゴージャスなサウンドで、
10分を超える大曲を優雅に描いてゆく。楽曲自体には、わりとポップな感触もあるのだが、
優美なピアノやシンセに男女ヴォーカルを乗せて、ときにQUEENのような華麗さで、
ロックオペラらしい感動的な盛り上がりを見せる。音質も素晴らしく、臨場感あるライブが楽しめる。
ドラマティック度・8 ライブ演奏・8 音質・9 総合・8
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Meat Loaf 「Hang Cool Teddy Bear」
アメリカのヴォーカリスにして、ロックオペラの代名詞、ミート・ローフの2010年作
1977年の1作目から数えて何作目になるのか分からないが、本作は前作「地獄のロックライダー3」から4年ぶりとなるアルバムで、
やはりSFファンタジー的なストーリーがあるのだろう、壮大な雰囲気のイントロから、曲が始まるとオーケストラアレンジをバックに、
渋みのあるヴォーカルを乗せた古き良き感触のハードロックサウンドが広がってゆく。オルガンを含むシンセアレンジに、
ときにブギウギ調だったりと、70年代的なオールドロック味わいも感じさせつつ、ピアノをバックにじっくりと歌い上げるパートや、
曲によっては女性ヴォーカルも加わって、壮麗なロックオペラを描き出す。メジャー感のあるキャッチーなメロディアス性もさすがで、
多くのファンが楽しめるサウンドの普遍性を感じさせる。シンフォニックなスケール感と、古き良きロックが合わさったという力作である。
ドラマティック度・・8 ゴージャス度・・9 オールドロック度・・8 総合・・8
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METAL MAJESTY「THIS IS NOT A DRILL」
オランダの貴公子VALENSIAのユニット、メタル・マジェスティーの2003年作
あのヴァレンシアが弟と一緒にハードロックバンドを組んだ。…といっても、音楽性自体はそう変わっているわけでなく、
これまでのポップな作品をそのままHRにシフトしたという感じのもので、結果として、VALENTINE度…というか
QUEEN度がいっそう高まっている。メロディアスかつキャッチーな楽曲群は、ロック度を高めたせいでいっそう華麗に輝き、
HRファンにとっても、これは非常に馴染みやすい音になっていて嬉しい限り。ヴァレンシアのアルバムでここまでギターが鳴っていたものはないものな。
尚、先行発売されている日本盤とはジャケやタイトルも異なりこちらヨーロッパ盤の方が4曲も多く入っていてお得である。
メロディアス度・・8 華麗度・・9 QUEEN/VALENTINE度・・9 総合・・8
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Metal Majesty 「2005」
オランダの貴公子、Valensiaとその弟によるハードロックユニット、メタル・マジェスティーの2004年作
前作は日本盤も出ていたが、今作は輸入盤のみで、リリースされたことも気づかなかった。
サウンドの方は、より正統派のハードロック色が強まっていて、そこにキャッチーなメロディを乗せたスタイルは、
北欧系のメロディアスハード系などにも近い聴き心地。ギターは随所にテクニカルなプレイを覗かせるなど、
ドラム以外のすべてを担当するヴァレンシアの才能の豊かさが改めて知れ、ときおりQueenを思わせるポップなメロディや
アレンジも出てくるのも彼らしい。全体的にはこれという新鮮味はないのだが、良質のメロハーとして楽しめる好作品だ。
メロディック度・・8 正統派HR度・・8 QEEN風味度・・8 総合・・8
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Michael Kiske「KISKE」
ドイツ人シンガー、マイケル・キスクのソロ作。2006作
いまだに元HELLOWEENのヴォーカリストとして語られることの多い彼であるが、
本作で聴けるのはハードさのかけらもない、ゆったりとしたメロディアスなロックである。
シンプルな楽曲の上に乗るキスクの歌唱は繊細で優しく、かつてよりもぐっと表現力を増している。
もはやメタルシンガーとしての面影はないが、ヒューマンな温かさに満ちた歌声で聴かせる好作だ。
メロディアス度・・8 ハードロック度・・2 繊細度・・8 総合・・8
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Michael Kiske「Past in Different Ways」
HELLOWEENのシンガー、マイケルキスクのソロアルバム。2008作
ティモ・トルキの新バンドへのゲスト参加などで、ファンの間ではメタル界への復帰も
待望されているキスクだが、今回はなんとHELLOWEENのアコースティックカヴァー集。
飛び出してきた音はまぎれもなくアコースティカルな響きのサウンドであるが、
「守護神伝」時代の曲、“You Always Walk Alone”、“We Got The Right”では、
なつかしいメロディとキスクの歌声はそのままで、オールドリスナーには感慨もひとしおだろう。
反対に思い入れのない曲だとまったく退屈になってしまうのが、こういう企画の弱点か。
ともかく、久々にハロウィンを歌うキスクが聴けるというだけでも、本作の価値はあるだろう。
メロディアス度・・8 アコースティカル度・・8 楽曲アレンジ・・7 総合・・7.5
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Kiske Somerville
マイケル・キスクと女性Vo、アマンダ・サマーヴィルによるユニット。2010年作
アマンダはAVANTASIAをはじめ、KAMELOT、EPICAなどにも参加した経緯もある実力派女性シンガーで
ベースにマット・シナー、ギターはマグナス・カールソンをはじめとするそうそうたる顔ぶれが揃う。
サウンドの方は比較的オーソドックスなメロディアスハードで、いくぶんのモダンさを含んだ
シンセによるシンフォニックな味付けが付加されている。キスクの歌声に絡むアマンダの歌唱は、
大人の落ち着きと艶があって、とくに叙情的な曲においては二人の歌声がよく映えている。
キャッチーな曲においては、正直キスクだけで充分であったり、反対にアマンダだけで聴きたかったり、
曲自体が平凡であったりして、アルバム全体がいかにもプロジェクト的な雰囲気なのが評価の分かれるところか。
メロディアス度・・7 男女Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Kiske Somerville「City of Heroes」
マイケル・キスクとアマンダ・サマーヴィルのユニットの2015年作
ギターにマグナス・カールソン、ベースにマット・シナーという前作からのメンツに加え、新鋭の女性ドラマーが参加。
前作はキャッチーな好作ではあったが少し物足りなさも感じさせたのだが、5年ぶりとなる本作では、
1曲目からメタリックなギターを乗せたパワフルなサウンドで、キスクとアマンダ、実力あるツインヴォーカルを乗せた、
ゴージャスな聴き心地が楽しめる。シンフォニックなアレンジのアマンダの歌声にぴったりの壮麗なナンバーや、
キスクの歌声を活かしたキャッチーなナンバーなど、適度に疾走する爽快なシンフォニックメタル寄りの作風で、
前作以上に二人の歌声を活かした作風だ。キスクとアマンダそれぞれの歌声をパートごとに楽しみつつ、
男女ツインヴォーカルが合わさった魅力も味わえるという、クオリティの高い作品に仕上がっている。
メロディック度・・8 ゴージャス度・・9 ツインヴォーカル度・・9 総合・・8.5 
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MICHAEL PINNELLA「ENTER BY THE TWELFTH GATE」
SYMPHONY XのKEY、マイケル・ピネラのソロ作。2004作
ギターはなし、キーボードメインのインストアルバムで。メタル色は無し。
クラシカルなピアノプレイや、変拍子入りのキーボードサウンドはシンフォニック・プログレ的な質感もある。
メタルファンからすると少々聴き通すのが退屈なアルバムかもしれないが、
たおやかなキーボードシンフォという聴き方ができれば、なかなか楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
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Michele Luppi's Heaven「Strive」
元VISION DIVINEのVo、ミケーレ・ルッピによるユニット、ヘヴンの2005年作
伸びやかな歌唱力には定評のあるミケーレだが、このアルバムでは正統派のメロハーということで、
その絶品の歌声がたっぷりと堪能できる仕上がりになっている。美しいシンセワークに
ときにネオクラシカル風味のギターも加わり、キャッチーに聴かせる楽曲の上に乗る彼の歌唱は、
全盛期のマイケル・キスクに匹敵するくらい、ワールドレベルにおいても上位にくるだろう見事さだ。
しっとりとしたバラードなども素晴らしく、アルバムとしても完成度の高さが光っている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 歌唱力・・9 総合・・8
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Midnight City 「 Itch You Can't Scratch」
イギリスのハードロック、ミッドナイト・シティの2021年作
2017年にデビューし、すでに3作目。正統派のギターにきらびやかなシンセアレンジ、
伸びやかなヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのキャッチーなハードロック。
80年代ルーツのグラムロックや、LAメタルの華やかな雰囲気もまとわせていて、
デンジャー・デンジャーやモトリー・クルーのイギリス版という感じもあるが、わりと骨太のギターと
シンセによる厚みのあるアレンジは聴きごたえ充分。これという新鮮味はないものの、曲によっては
メロハー寄りの叙情とフックもあって、ゴージャスさとウェットな味わいが同居した高品質なアルバムだ。
メロディック度・8 キャッチー度・8 80年代スタイル度・9 総合・8
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MIKEYLA「Glorious」
スウェーデンの女性ヴォーカル、ミキーラの2006年作
19歳という若さでアルバムデビューを飾ることとなった期待の新人だが、
ゲストとして参加するメンツがまたすごい。ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)、
トビアス・サメット(EDGUY)、ティモ・コティペルト(STRATOVARIUS)、エドゥ・ファラスキ(ANGRA)、
ヨアヒム・カンス(HAMMERFALL)、ローランド・グラポウ(MASTERPLAN)他。
これらの名だたるメタルアーティストたちの協力のもと、作られた今作のサウンドは
北欧らしい透明感のあるメロディと、しっかりとした骨太さも備えたHR/HMで、
19歳とは思えないミキーラ嬢の表現力豊かな歌唱がまた見事だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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MILLENIUM
アメリカのメロディアスハード、ミレニアムの1997年作
EYEWITNESSのラルフ・サントーラ、トッド・プラントを中心にしたバンドで、
1作目である本作は、次作ほどの強力なクオリティはまだ感じさせないものの、
伸びやかなトッド・プラントの歌声と、流麗なラルフ・サントーラのギターワークで、
キャッチーなメロディアス性と骨太のハードロックを合わせた、まさしくアイウィットネスの続編というべきサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチ―度・・8 楽曲度・・7 総合・・8.
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MILLENIUM「ANGEL FIRE」
アメリカのメロディック・ハードロックバンド、ミレニアムの2nd。1999年作
ギタリストのラルフ・サントーラの非凡な作曲能力はアイウィットネス時代から立証されていたが、
このバンドにおいてはそのメロディアスな部分を全面的に打ち立てた作風となっている。
楽曲はどれも魅力的なメロディに彩られて、センスが良く、しかもシンフォニックでありながら骨太という
この手のメロディアスハードとしては最高峰のクオリティだ。続く3作目ではよりパワーアップする。
メロディアス度・・9 キャッチ―度・・8 楽曲度・・8 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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MILLENIUM「HOURGLASS」
アメリカのメロディアス・ハードロックバンド、ミレニアムの3rd。2000年作
EYEWITNESSのメンバーが結成したバンドで、ギターのラルフ・サントーラを中心にした叙情的で高品質なメロディアスハード。
今作ではARKなどでも活躍するヨルン・ランデをヴォーカルに迎え、さらなるクオリティアップを図っている。
とにかく、その辺のメロディアスハードと比べると、このバンドは圧倒的に音が厚く、ギターがテクニカルなのだ。
キャッチーなメロディアス性に、いくらかの様式美的色合いもあって、曲はどれも捨て曲無しときている。
この「どうだ」とばかりに開き直ったようなクオリティは、いまひとつ爆発しなかったEYEWITNESS時代の教訓か。
メロディアスな骨太の爽快ハードロックという点では日本のBLINDMANにも通じる部分がある。まさに爽快傑作!
メロディアス度・・9 爽快度・・9 楽曲度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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MILLENIUM「JERICHO」
アメリカのメロディアス・ハードロックバンド、ミレニアムの4th。2004作
前作は素晴らしい、傑作アルバムであったが、ヨルン・ランデが脱退MASTERPLANに行ってしまったことで、
今作では初代Voのトッドプラントが復帰している。また、レコーディング中にベースとドラムも脱退し、
このアルバムは2人のベースとドラムによる録音という、変則的な形でやっと完成したわけだ。
サウンドの方は前作にあったきらきらとした勢いの良さがやや蔭を潜めかつてのEYEWITNESSに近い雰囲気となっている。
そんな中、ラルフ・サントーラの重厚かつセンスあるギターワークは健在で、ただのメロハー以上のテクニカルな印象を加味している。
メロディアス度・・8 メロハー度・・8 楽曲度・・7 総合・・8
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MILLENIUM「THE BEST OF ..AND MORE」
テクニカルギタリスト、ラルフ・サントーラ率いるミレニアムのベスト。2004作
このアルバムは彼らの1stから3rdまでのベスト選曲に、未発表のカヴァー曲、デモ等を収録したCD2枚組み。
たぶん普通のメロディアスハードを想像する人々なら1曲めを聴いただけでノックアウトだろう。
ヨルン・ランデの伸びやかなヴォーカルに、爽やかなメロディと陽性の勢いがマッチした素晴らしい曲である。
ハードロックの枠には収まり切れない、ラルフ・サントーラのセンス溢れるギターワークは楽曲に輝きを与え
メロディアスさとテクニカルさの両立を、メロハーというジャンルの中で成し遂げてしまっている。
すでにバンドのファンである者にとっては、現在入手が難しい1stの曲やお蔵入りとなったカヴァー曲
(RAINBOWの“I Surrender”やMSGの“On and On”等)が聴けるのが嬉しい。
メロディアス度・・8 テクニカルギター度・・9 カヴァー曲&未発も良い度・・9 総合・・8
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MILLENNIUM (Милениум)「Съдба」
ブルガリアのメロディアスハード/プログレハード、ミレニウムの2017年作
敬虔なクリスチャンであるマルチプレイヤー、トニー・グレイプスを中心に、社会主義体制下の80年代に結成され、
本作は1995年作以来、じつに22年ぶりとなる5作目である。メロディックなギターのトーンと透明感のあるシンセアレンジが
80年代的なプログレハードの感触をかもしだし、母国語によるハスキーなヴォーカルを乗せたキャッチーなメロディアスハード。
随所にサックスの音色なども絡んだ大人の哀愁も感じさせるなど、キャッチーなポップ性とウェットな叙情性のバランスは、
アメリカンな爽快さとヨーロピアンなマイナーな空気が融合されたという感触だ。しっとりとした叙情性の讃美歌的なバラード曲から、
モダンな感触のナンバーなど色彩豊かな印象であるが、アルバム後半にはシンフォニックメタル風のドラマティックな大曲や、
KANSASなどにも通じるシンフォニックなプログレハードナンバーもあり、単なるメロハーという以上に聴きごたえがある。
マスタリングに数年も費やしたというだけあって音質も素晴らしい。キャッチーなクリスチャンHR好作品。ライナー解説は緑川です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 音質・・9 総合・・8
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M.ILL.ION1991-2006 the Best,So Far
スウェーデンのメロディアスハードバンド、ミリオンのベストアルバム。2006作
90年代初頭から地道に活動を続けるベテランで、この時点までの5枚のアルバムから
14曲に、ライブテイクを1曲収録。2ndまではしごく普通のハードポップだったのが、
3rdあたりからメタリックなパワフルさが増して楽曲の質が向上、若干の様式美色をまとい
ブリティッシュハード的なシンセワークとともに、キャッチーかつメロディアスに聴かせてくれる。
取り立てて個性や新鮮味の薄いサウンドながら、あくまで正統派であることにこだわって
15年以上も活動を続けているこのバンドに敬意を表したい。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 正統派度・・9 総合・・7.5
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MISSA MERCURIA
PINK CREAM 69デニス・ワードによるロックオペラ作品、ミサ・マーキュリア。2002作
PINK CREAM 69のメンバーに加え、SILENT FORCEのD.Cクーパー、
EDENBRIDGEサビーネ嬢等をゲストに、壮大なハードロック絵巻が展開される。
ロックオペラとはいってもAYREONのようにシンフォニック、プログレな部分は薄く
一曲づつはメロディアスハードといってよい分かりやすい曲が並ぶ。
間奏部や曲などにはコンセプトアルバムらしいインスト曲などが配され、雰囲気を盛り上げている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ハードロック度・・8 総合・・8
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Mister Kite 「All in Time」
スウェーデンのメロディック・オルタナロック、ミスター・カイトの2002年作
ヘヴィなギターリフにハイトーンヴォーカルを乗せた、モダンでキャッチーなサウンド。
オルタナ的なヘヴィネスとノリのよいメタル感触に知的な構築性が同居した、
KINGS X
GALACTIC COWBOYSあたりにも通じる聴き心地ともいえる。
ときにアコースティックパートなどのやわらかな叙情性も覗かせつつ、全体的には
メロディアスになり過ぎず、さりとてテクニカルでもなく、耳を引くような展開や派手さはないので、
パッと聴きには地味なのだが、玄人好みのセンスを感じさせる好作品といえる。
メロディック度・・7 キャッチー度・・8 モダン度・・8 総合・・7.5
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MONARCK
アメリカのメロディアスハード、モナークの1997年作
アメリカ人ヴォーカリスト、ジム・ドリアンをフロントにしたユニットで、ラルフ・サントーラがギターで参加、
プロデュースとしても全面サポートした作品。伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せたキャッチーなハードロックで、
ラルフの流麗なギターフレーズが随所に輝きを放つ、EYEWITNESSMILLENIUMをつなぐような作風だ。
よりキャッチーなコーラスハーモニーを乗せた、AOR風味も含んでいるが、やはり巧みなギターの存在感で、
軽すぎない味わいは、さすがサントーラである。楽曲は4分前後とシンプルで、ドラマティックな濃密さがもっと欲しい気もするが、
ほどよくライトなメロディアスハードが抜群のギターワークで楽しめるという、なかなかの好盤であるのは確かです。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 サントーラ度・・8 総合・・8
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Moon Madness「All in Between」
フィンランドのハードロックバンド、ムーン・マッドネスの2008年作
レトロなオルガンの音色を使ったシンセワークと、70年代テイストのギターに、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、古き良き雰囲気の正統派ハードロックサウンド。
パワフルなヘイディ嬢のヴォーカルもなかなか魅力的で、骨太でありつつキャッチーなサウンドが楽しめる。
単に古くさいだけでなく、ちゃんと今のバンドとしてのタイトな側面もあって、
オールドなリスナーはにんまり、若いリスナーには案外新鮮な音かもしれない。
女性ヴォーカルにオルガン入りの、オールドテイストなメロディアスハードの傑作です。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MoonStone
フランスの女性声ハードロック、ムーンストーンの2000年作
女性Voに女性Bを擁する4人編成で、様式美色を感じさせるギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
80年代ルーツのマイナーな香りを含んだメタルサウンド。どことなく、古き良きジャパメタ風の雰囲気もあって、
ほどよく伸びやかな女性声に、いくぶん翳りを帯びた叙情性とともに、Fatima Hillなどが好きな方にもお薦めだ。
ミドルテンポの正統派ナンバーを主体に、しっとりとしたバラードや、ときにキャッチーなロック感触もあって、
軽めの音質も含めてメロハー寄りのわりとライトな聴心地。全体的にはもう少しメロディのフックが欲しいが、
オールドスタイルの女性声HRの好作品です。バンドは2003年に2作目「The Second Rune」を発表して消える。
メロディック度・7 古き良き度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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Moonstone 「The Second Rune」
フランスの女性声ハードロック、ムーンストーンの2003年作
2000年作に続く2作目で、前作は80年代ルーツの様式美風HRという印象であったが、本作もその路線の延長で
ほどよく叙情的な古き良き味わいのギターに、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、キャッチーなメタルサウンド。
激しすぎない重すぎないという中庸感に、メロディのフックも盛り上げきらないというのが、絶妙というか、むしろ微妙であるが、
オールドスタイルの女性声ハードロックとしても普通に楽しめる。悪くはないのに、これというキラーチューンがないのが残念。
メロディック度・7 80'sHM度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
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MOZART
アメリカのハードロック、モーツァルトの1994年作
バンド名からしていかにもクラシカルなサウンドを想像するが、じっさいは初期QUEENのような
キャッチーでオーソドックスなハードロック。ポップなコーラスなどは70〜80年代のおおらかな感触で、
ハードロック的な疾走感とオルガンを含んだシンセなどにも、やはりかつての英国ロック風味がある。
演奏や音質面でのB級臭さはいかんともしがたいのだが、マイナー臭いマニアックな魅力というか、
好きなことをやってるというゴッタ煮感も含めて、QUEENルーツのハードロックが好きな方なら、けっこう楽しめるかもしれない。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 音質・・6 総合・・7
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MY ENDLESS WISHES「MY ENDLESS WISHES」
スウェーデンのハードロック、マイ・エンドレス・ウィッシィズの2013年作
女性Voにツインギターを含む5人編成で、伸びやかな女性ヴォーカルの歌声と
キャッチーなメロディで聴かせる、なかなか高品質のハードロックサウンド。
楽曲は3、4分と比較的シンプルであるが、ゴシックロック的な雰囲気もいくぶんあったりと
ただのハードロック以上に楽しめる。深みの点ではやや物足りないが今後に期待したいバンドだ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5


MY INDIGO
WITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデルのユニット、マイ・インディゴの2018年作
ウィズインのシャロンが歌う作品と聴いて、飛びついた方も多いだろうが、
サウンドの方は、打ち込みとシンセアレンジを中心としたけっこうポップな作風で、
メタルはおろかロック色も希薄。たしかにシャロンさんのヴォーカルは上手いのだが、
この路線なら別に誰がやっても…というね。トランペットやヴァイオリンなどを使ったアレンジや、
ピアノをバックにしっとりとした歌声を聴かせる部分などはわりとよい感じなんですがね。
女性Voを乗せたモダンなポップスというべき内容は、WTのファンには物足りないでしょう。
ポップ度・・8 メタル度・・1 女性Vo度・・8 総合・・7
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MYLANDNo Man's Land
イタリアのメロディアスハードバンド、マイランドの2008年作
イタリアというとシンフォニックメタルやプログレメタルの印象が強い国だが、このバンドはシンセを含む5人組みで、
しごく正統派のメロハーをやっている。きらびやかなシンセアレンジにメロディアスなフレーズを奏でるギター、
そしてハイトーンのヴォーカルが歌い上げるサウンドはかなりの高品質。
80年代のプログレハード的なキャッチーさと、現代的なシンフォニックな音の厚みが合わさって
あまり古くささをあまり感じさせないセンスもまたよろしい。ときにいかにもイタリア的な
ほのかにイモ臭いメロディが出てきたりしてにやり。若いメロハーリスナーにもオススメ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Nera Luce 「Luci Nell'ombra」
イタリアのハードロック、ネラ・ルースの2010年作
適度にヘヴィなギターにオルガンを重ね、イタリア語のヴォーカルを乗せたハードロックサウンド。
3〜5分前後の楽曲は、ジャケのイメージのような耽美な雰囲気はなく、パワフルなハイトーンヴォーカルと
オールドな味わいのギターで、わりとストレートな聴き心地。一方では、ゆったりとした叙情的なナンバーもあったり、
プログレ寄りの部分も覗かせるが、全体的にはメロディアスにもなり切らず、どこか中途半端な印象だ。
メロディック度・7 キャッチー度・7 叙情度・7 総合・7
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NEW ENGLAND「1978」
アメリカのプログレハード、ニューイングランドの1978作
70年代後半から80年代にかけて3枚の質の高いアルバムを残したこのバンド、
そのキャッチーにして壮麗なサウンドは、アメリカンプログレハードの最高峰であり、今も根強いファンが多い。
これは彼らのデビュー前の音源で、1st収録曲のデモ6曲に、2nd収録曲のデモ1曲と未発曲3曲をまとめたもの。
デモといっても音質は良好で、むしろ正規アルバムよりも彼らの志向するやわらかな質感が、そのままの形で詰まっている。
メロトロンにハモンドも使った美しいシンセワークにキャッチーなメロディ、そして流麗なコーラスワークは
今聴いても素晴らしく、アメリカのバンドでありながら、どこか欧州的な湿りけがあるのもまた日本人好みだろう。
バンドのファンなら必聴であろうし、まだ彼らを知らない方にもぜひ聴いて欲しい。
メロディアス度・・10 プログレ度・・7 キャッチー度・・9 総合・・8.5
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NEW ENGLAND「EXPLORER SUITE」
アメリカのメロディアスハード、ニュー・イングランドの2nd。1980年作
このバンドの魅力はなんといってもQUEENの如き絶品のコーラスワーク、きらびやかなキーボード、
キャッチーなメロディに温かみのあるポップセンスと、今でいうとACTあたりにも通じるかもしれない。
メロディの宝庫として名高い1stにつづき、この2ndではよりプログレ的な盛り上げかたを取り入れ
ポップさとシンフォニックなアレンジが絶妙の配分で、どこを切っても耳に心地よい。
そして楽しさの中にも一握りの哀愁と泣きがある点がさらに日本人好みといえる。
4曲目あたりを聴いてガッツボーズをしないメロディアスファンはいまい。アメリカン・プログレハード最高の一枚。
メロディアス度・・9 プログレハー度・・9 キャッチー度・・8 総合・・8.5
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NEW ENGLAND「WALKING WILD」
アメリカのメロディアスハードバンド、ニュー・イングランドの3rd。1981作
バンドのラスト作となったトッド・ラングレンプロデュースのこの3rdであるが、
前2作よりはストレートな産業ロックとなっていて、プログレ性は薄い。
しかしながらそれでも分かりやすいメロディと美しいコーラスハーモニーは健在で
きらきらとした音作りとポップ感覚が心地よい。バンドは今作発表後解散し、
その後ベースとキーボードはALCATRAZZに抜擢されたというのは有名な話。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・6 キャッチー度・・9 総合・・7.5
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NEXX「Another Dawn」
スペインの女性Voメロディアスハードバンド、ネックスの2nd。2006作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を中心に聴かせる、正統派メロハースタイル。
キャッチーなメロディが耳に心地よく、英語で歌われているのこともあって、スペインという地域性はほとんど感じない。
うるさすぎないシンセアレンジにギターのフレーズにもセンスがある。軽すぎず重すぎない音のパランスもよろしい。
DANTE FOXあたりが好きな方にもぜひ聴いて欲しい。女性声メロハーの好作品。
メロディアス度・・8 正統派メロハー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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NICK JOHNSTON 「Remarkably Human」
カナダのギタリスト、ニック・ジョンストンの2016年作
2011年にデビュー、本作は4作目のソロ作品で、いかにも新時代のギターヒーローという感じのジャケであるが、
クラシカルなピアノで幕を開け、優雅なメロディを奏でるギタープレイは、トニー・マカパインもかくやという聴き心地。
ドラムにギャヴィン・ハリソン(Porcupine Tree)、ベースにブライアン・ベラーが参加した、軽妙かつ緻密なアンサンブルに、
メロウなフレージングのギターが重なり、泣きの叙情を含んだ耳心地の良さで、インストながらも楽曲性の高さも感じさせる。
HRに寄り過ぎないオールドロック色もあるギタープレイは、アラン・ホールズワースやヤン・アッカーマンなどのファンにも楽しめそうで、
肩の力の抜けた大人のギターインストという味わいだ。マルコ・ミンネマン、ポール・ギルバート、ガスリー・ゴーヴァンなどがゲスト参加。
ドラマティック度・7 テクニカル度・8 優雅度・9 総合・8
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THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA 「Amber Galactic」
スウェーデンのハードロック、ナイト・フライト・オーケストラの2017年作
SOILWORKのビョーン・ストリッド、デヴィッド・アンダーソン、ARCH ENEMYのシャーリー・ダンジェロらによるバンドで、
本作が3作目となる。きらびやかなシンセアレンジにほどよくハードなギターを重ね、パワフルなヴォーカルで聴かせる、
オールドなテイストのメロディアスハードロック。80年代ルーツのキャッチーな味わいに包まれつつ、
随所に聴かせる流麗なギターフレーズなどは、さすがの実力者による演奏力である。
かつてのLAメタルのようなグラマラスな味わいで、軽すぎないどっしりとしたアンサンブルは、
「メタリックなAOR」という聴き方もできる。単なるサイドプロジェクトという以上の完成度が素晴らしい。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 古き良きHR度・・9 総合・・8
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NORWAY「ARRIVAL」
アメリカのメロハーバンド、ノルウェーの2nd。2000作
バンド名やジャケからして、てっきりノルウェーのヴァイキングメタルバンドかと思いきや、
そうではなくアメリカ出身のれっきとしたメロディアスハードのグループだった。
爽やかなキーボードとギター、そしてキャッチーな歌メロの3拍子揃った爽快ハードポップサウンドで、
とても分かりやすく聴きやすい。今の時代からするとやや古めかしいような方向性ではあるが、
このような古典的メロディアスハードロックを継承するバンドがいることにふと安心を覚えたりもする。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽やかメロハー度・・9 総合・・8
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NORWAY「Rising」
アメリカのメロディアスハードバンド、ノルウェーの2006作
前作「ARRIVAL」から6年ぶりとなる3作目であるが、相変わらずキャッチーなメロディと叙情で聴かせる高品質なサウンド。
うっすらとしたシンセワークに、やわらかなコーラスハーモニーが絶品で、実に耳に心地よい爽やかなメロハーサウンドが楽しめる。
大人の哀愁を感じさせるヴォーカルメロディと泣きのギターが合わさった傑作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽やか度・・9 総合・・8
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NOVAK「Forever Endeavour」
スウェーデンのProgMetalバンド、MIND'S EYEのヴォーカルでもある
アンドレアス・ノヴァックが立ち上げたプロジェクトバンド、ノヴァックの2005作
マインズ・アイのサウンドとは違って、ここで聴けるのは80年代的な産業ロックを思わせるキャッチーなメロディのハードポップ。
メンバーは、MIND'S EYEのダニエル・フローレス他、XSAVIOR、THERION、DYONUSUSなどで活躍する実力者が集まっており、
演奏のクオリティも非常に高い。曲は3、4分台のコンパクトさで、どれも明快でじつにメロディアス。
そこに乗るノヴァックの歌声は爽やかで優しく、サウンドにぴったりとマッチしている。
もう少しプログレッシブなアレンジがあると嬉しいが、アルバム後半になっても曲の質が落ちないのはさすがだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・9 総合・8
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NOVI 「Залишатися Справжнiм」
ウクライナの女性ミュージシャン、Daria Naumenko (Lady Dea) のソロ作品。2018年作
SUNRISEの女性シンガー&シンセ奏者でもある、きらびやかなシンセアレンジに伸びやかな歌声を乗せた
キャッチーなメロディアス・ハードロックサウンド。母国語による歌声が辺境的な味わいを醸し出しつつ、
楽曲はあくまでメロディックな聴き心地。ときにプログレ的でもある優美なシンセワークもよい感じで、
なよやかな彼女のヴォーカルも魅力的。曲によってはほどよくヘヴィなギターによるメタリックな味わいもあり、
女性声のシンフォニックメタルとしても楽しめる。女性声の母国語メロディアスハードが好きな方はいかが。
メロディック度・・8 優美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Nubian Rose「Mountain」
スウェーデンのハードロックバンド、ヌビアン・ローズの2012年作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のハードロックサウンド。
楽曲にはキャッチーでメロディックなフックがあり、うっすらとしたシンセアレンジも含めて
爽やかな耳心地がなかなかよろしい。一方ではかつてのVIXENのようなパワフルさもあって、
古き良きHR/HMのマインドを受け継いでいる感触も嬉しい。ソフィア嬢の歌唱は、ハイトーンながら芯が通っていて
ゆったりとしたバラードでの表現力も見事だ。ゲストにマッツ・レヴィン、キー・マルセロ(元Europe)が参加している。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Nubian Rose 「Mental Revolution」
スウェーデンのハードロックバンド、ヌビアン・ローズの2014年作
アフリカ生まれのルーツを持つという女性シンガー、ソフィア嬢をフロントに擁するこのバンド、
前作は古き良きHR感触の好作だったが、本作はパワフルな疾走感のメタリックな楽曲で始まり、
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、正統派のハードロック/メタルサウンドが広がってゆく。
情感豊かなソフィア嬢の歌声と、キャッチーな爽快感を含んだメロディで、しごく普通のHR曲でも
なにやらカラフルな耳心地で楽しめる。女性声のインパクトでさらりと聴き通せてしまうのだが、
今後はメタル路線か、キャッチーな路線でゆくのか、どちらにしろもっと魅力的な曲を増やしていって欲しい。
メロディック度・・8 正統派HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Oblivious Signal 「Exordium」
アメリカの女性声ハードロック、オブリヴィアス・シグナルの2014年作
ヘヴィなギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、モダンなメタルサウンドで
適度にキャッチーな味わいと、ときにスクリームヴォイスも加えたヘヴィロック的な雰囲気も覗かせる。
ヴォーカル嬢の歌声は伸びやかで表現力もあるのだが、肝心の楽曲の魅力がいまひとつで、
これという新鮮味はなく、メロディのフックも物足りない。EVANESCENCEのような翳りを帯びた叙情性か、
もしくは、よりキャッチーでメロディックな路線か、もう少し方向性を絞り込んでいってもらいたい。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7
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On The RiseDream Zone」
ノルウェーのメロディアスハードバンド、オン・ザ・ライズの2009年作
2003年のデビュー作以来となるアルバムで、うっすらとしたシンセにメロディックなギターワークが重なり、
キャッチーな歌声で叙情的に聴かせる、なかなか質の高い正統派のメロディアスハード。
やわらかな歌声が映えるバラードの美しさも絶品で、新鮮味は薄いものの北欧らしい爽快な好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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Osukaru 「Salvation」
スウェーデンのメロディアスハード、オスカルの2012年作
シンセに女性ベースを含む5人編成で、美麗なシンセにかすれた味わいの男性ヴォーカルを乗せ、
キャッチーなメロディアス性と北欧らしい透明感に包まれた、しごく正統派のメロハーサウンド。
随所にメロウなフレーズを聴かせるギターもなかなかよろしく、シンセを含んだ厚みのあるアレンジで
全体的にこれという新鮮味はないが、クオリティもそれなりに高い。力みがちのヴォーカルが好みを分ける点か。
次作以降は、女性ヴォーカルが加わった男女Voの体制になるので、本作の時点ではまだ物足りなさも。
メロディック度・・8 メロハー度・・9 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PAUL GILBERT「Get Out of My Yard
Mr.BIGのギタリスト、ポール・ギルバートのソロ作。2006作
ポール・ギルバートというと、「Mr.BIGのギタリスト」という認識しかなかったが、
私のような不届き者にもそれを改めさせてくれるテクニカルなプレイが満載。
ライナーにもある通り、これまでは歌ものが好きでインストアルバムはあえて作ろうとしなかったということだが、
ときおりRUSHを思わせるようなプログレ的なアプローチから、イングヴェイのようなネオクラシカルなフレーズまで、
実に楽しそうに弾きまくっている。これまでのファンからすると楽曲的にも硬質感が漂っていてとっつきにくいかもしれないが、
私には充分楽しめた。素晴らしいテクニカルギタリストによる、弾きまくりのソロアルバムだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ギターインスト度・・9 総合・・8
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Perfect World
アメリカのメロディアスハードバンド、パーフェクト・ワールドのアルバム。2003作
かつてHURRICANEで活躍したケリー・ハンセンとイタリア人のマルチプレイヤーらによるプロジェクトバンドで
ジェニファー・ペイジ、ポール・アラン、アマンダ・マーシャルなど、ポップミュージシャンの楽曲をハードロックアレンジで聴かせるという作品。
センスのよいアレンジと演奏、そして哀愁漂うヴォーカルで聴かせるサウンドはオリジナリティ云々を問題にしなければかなりの高品質。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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PETE SANDBERG'S JADE「ORIGIN」
スウェーデンのシンガー、ピート・サンドベリによるバンド、ジェイドの2nd。2001作
ALIENMIDNIGHT SUNといったバンドで活躍してきたシンガーだが、
このバンドではキャッチーなメロディのハードポップサウンドが全開。
北欧らしいうっすらとしたシンセをバックに、甘い歌声を聴かせてくれる。
新鮮味はないが、やわらかなメロディで安心して聴ける北欧ハードポップ作。
メロディアス度・・8 北欧ハードポップ度・・9 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PHANTOM'S OPERA「same」
SYMPHONY Xのマイケル・ロメオが在籍した、ファントムズ・オペラの1st。1995作
VALENTINE的なきらびやかさが素晴らしい傑作の3rdを先に聴いていたが、この1stもなかなかよろしい。
キャッチーな歌メロときらきらしたキーボードが心地よく、QUEEN、VALENTINE的な世界観を彩っている。
マイケル・ロメオのギターはSYMPHONY Xよりもいくぶん控えめであるが、弾きどころではしっかりとネオクラシカルしている。
ハスキーなヴォーカルと、それに絡むコーラスハーモニーも美しく、アメリカのバンドらしからぬ絢爛さとメロディアス感覚で聴かせてくれる
メロディアス度・・8 きらびやか度・・8 ロビヴァレ度・・8 総合・・8
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PHANTOM'S OPERA「So Long to Broadway」
アメリカのメロディアスハードバンド、ファントムズ・オペラの2nd。1997作
SYMPHONY Xのマイケル・ロメオが在籍していたことでも知られるこのバンドだが、
楽曲のクオリティの高さでは、むしろマイケル・ロメオ脱退後の2nd以降が素晴らしい。
最初に聴いた3rdの出来があまりにも良かったので、このバンドを再評価することになったのだが、
この2ndは1stで聴かれたクラシカルなギタープレイはなくなったが、その分コーラスハーモニーの重厚さと
メロディに磨きがかかっていて、QUEENVALENTINEかというほどの壮麗な美しさが耳に響く。
たおやかなピアノやシンセのアレンジに、優しいコーラスメロディにうっとりとなり、優雅な気分に浸れる。
メロディアス度・・8 壮麗度・・8 QUEEN度・・8 総合・・8
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PHANTOM'S OPERA「FOLLOEING DREAMS」
アメリカのメロディアスハードロックバンド、ファントムズ・オペラの3rd。1998作
かつてはSYMPHONY X、のマイケル・ロメオも在籍していたバンドだが、
音の方はキャッチーなメロディとロマンティックな雰囲気のメロディアスハードで
QUEEN的なコーラスハーモニーなどはオランダのVALENTINEなどを思わせる。
バンド名どおりオペラティックできらびやかなサウンドは、この手のメロディアスハードとしては濃いめの部類で、
楽曲のクオリティも相当に高い。プログレッシブなものを感じさせる9分の大曲も見事な出来だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 きらきら度・・9 総合・・8
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PHANTOM'S OPERA「ACT W」
アメリカのメロディアスハードバンド、ファントムズ・オペラの4th。2003年作
密かにまだ活動していたのだが、作品としてのクオリティは今作もまったくもって高い。
彼らの持ち味である壮麗なシンセワークとQUEEN的なコーラスワークはそのままに、
ハードな質感と楽曲としての密度が加わって、これまで以上に聴きごたえがある。
6分〜9分といった長めの曲でも、ドラマティックな世界観とともに聴き手をぐいぐいと引き込む力強さがあり、
シンフォニックなメロディアスハードとしては並ぶものない質の高さを持ったバンドといえるだろう。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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PLACE VENDOME
PINK CREAM 69のデニス・ワードを中心に、マイケル・キスクも参加する
メロディアスロックユニット、プラス・ヴァンドームのアルバム。2005作
久々にバンドの中でのマイケル・キスクの声を聴いた気がするが、ここで歌われるのは
ごく自然体のハードロックで、AOR的なキャッチーかつポップなサウンド。
しっかりとテクニックのあるギターに、メロディには欧州的な質感もあるので、一級のメロディアスバードとして
充分楽しめるクオリティだ。VANDEN PLASのシンセ奏者もさりげなくいい仕事をしていて、
楽曲を爽やかに彩っている。キスクの伸びやかな歌声を堪能できる好作である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 キスケ度・・8 総合・・8
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PLACE VENDOME「Streets Of Fire」
マイケル・キスクとデニス・ワードのユニット、プラス・ヴァンドームの2nd。2009年作
前作もキスクの歌声を活かした素晴らしいメロディアスハード作品であったが、
本作も基本的には同路線。キャッチーなメロディと哀愁の叙情を含んだ楽曲に、
キスクの伸びやかな歌声が響きわたる。泣きのギターやシンセアレンジの美しさも見事で
聴きやすいだけでないドラマティックな雰囲気は、デニス・ワードのプロデュース力だろう。
HELLOWEEN時代からのファンもあらためてキスク健在を確認できる、見事な作品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 キスク度・・9 総合・・8
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Place Vendome 「Thunder in the Distance」
PINK CREAM 69のデニス・ワードとマイケル・キスクによるユニット、プラス・ヴァンドームの2013年作
過去2作もクオリティの高いメロディアスハード作品だったが、3作目となる本作もマイケル・キスクのヴォーカルを
全面に押し出した、クオリティの高いサウンドが楽しめる。うっすらとしたシンセアレンジも含めて厚みのある音作りで、
随所にかつてのピンク・クリーム69に通じる叙情性を含んだ、メロディックなフックもじつに見事だ。
キスクのヴォーカルもこれまで以上に伸びやかでエモーショナル。全体的にハードさよりもキャッチーな感触で、
往年のAOR的なフィーリングにシンフォニックなアレンジと哀愁の叙情を加えたという作風もハマっている。
反面、新鮮なインパクトというのはないのだが、実力あるヴォーカルで安心して楽しめる高品質な作品である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 キスク度・・8 総合・・8 
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Planet Alliance
スウェーデンのメンバーを中心にしたプロジェクト、プラネット・アライアンスの作品。2007作
CLOUDSCAPEのマイク・アンダーソンを中心に、LAST TRIBEのマグナス・カールソン、
HAMMERFALLのアンダース・ヨハンソン、マグナス・ローゼンなどが参加。
サウンドは古き良き北欧メタルの質感を残したメロディアスなHR/HMで、
きらびやかなシンセとメロウなギター、キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる。
とくに新鮮なものはないのだが、楽曲、アレンジの質も高く、北欧ハードロック好きなら楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧メタル度・・8 総合・・7.5
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Platens 「Out Of The World」
イタリアのメロディアスハードロック、プラテンズの2014年作
THY MAJESTIEの初代シンガー、ダリオ・グリロをフロントにしたバンドの、2004年以来となる2作目で、
メロディックなギターにシンセを重ね、ハイトーンなヴォーカルを乗せた、キャッチーなメロハーサウンド。
オルガンを含むシンセアレンジなど、80年代ルーツの古き良き感触とともに、楽曲自体はわりとシンプルに
爽快なメロディアス性で楽しめる。楽曲自体にさほど新鮮味はないものの、叙情的なバラードなど、
ダリオの歌唱をじっくりと聴けるナンバーは魅力的だし、随所にシンフォニックメタル的なアレンジや、
テクニカルなギターフレーズをも覗かせて、単なるメロハーという以上の壮麗な好作品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・8 総合・・7.5
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the Poodles「Sweet Trade」
スウェーデンのハードロックバンド、プードルズの2nd。2007年作
先に3rdを聴いて、そのクオリティの高さに脱帽したのだが、本作も素晴らしい。
古き良き往年の北欧ハードロックの感触を絶妙に現代的にアップデートした、
きらびやかでキャッチーにして骨太、というまさしくメロディアスハードの理想的なサウンド。
LAメタル的なコーラスハーモニーと北欧の哀愁が合体した、ヨーロピアンハードロックの傑作。
メロディアス度・・8 北欧HR度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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the Poodles「Clash of the Elements」
スウェーデンのハードロックバンド、プードルズの3rd。2010作
80年代のLAメタルを思わせるファッショナブルなメロディックロックという点では
ノルウェーのWIG WAMに続く期待のバンドといってよい存在だろうこのバンド。
本作では、シンセによるアレンジも美しくよりドラマティックで重厚なサウンドを聴かせる。
LAメタルというよりは、むしろ本格派の北欧メタルという方が正しいのかもしれない。
表現力あるヴォーカルの歌声に、ときに叙情的なフレーズを聴かせるギター、
単なるメロディアスハードのレベルを超えた、素晴らしき北欧ハードロックの傑作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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the Poodles「No Quarter」
スウェーデンのハードロックバンド、プードルズのライブアルバム。2010年作
表現力あるヴォーカルとセンスあるギターメロディで、メロディアスかつ骨太に聴かせるサウンドは、
アルバムにおいても実証済みだが、このライブ演奏においても哀愁を感じさせるメロディと
北欧的な叙情美を含めて、そのパフォーマンスじつに素晴らしい。ただキャッチーなメロハーとは違い
大人の深みと渋みを、往年の北欧メタルの質感に加えたというべき彼らのスタイルは、
より多くのリスナーに聴かれるべき普遍的な魅力を有している。付属のDVDで映像も楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 本格派北欧HR度・・9 総合・・8
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the PoodlesPERFORMOCRACY
スウェーデンのハードロックバンド、プードルズの4th。2011年作
2006年にデビューし、80年代を思わせるメロディアスかつ骨太のサウンドで
素晴らしいアルバムを作り続けるこのバンド。早くもこれが4作目である。
キャッチーでありながらハードロックとしての力強さを保ったサウンドは
アダルトな哀愁の叙情ととに、爽快なエナジーに満ちていてじつにロックである。
古き良き質感と現代的なクオリティが融合した、伝統を受け継ぐHR作品である。
メロディアス度・・8 骨太度・・8 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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PRAYER「WRONG ADDRESS」
フィンランドのメロディアスハードバンド、プレイヤーの2005年作
ツインギターにキーボード入りの6人組。メロハーというとスウェーデンというイメージが強いが、
フィンランドにもこんなキャッチーで爽やかな音楽をやる若い連中が出てきたようだ。
キラキラとしたシンセに、ツインギターのフレーズを乗せて、メロディアスな歌メロで聴かせる
古き良きメロディアスハードサウンド。現時点ではとくに目新しい個性は感じられないが、
若手にしては80年代風味を研究していて、サウンドの質はなかなか高い。
メロディアス度・・8 オールドメロハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PRAYING MANTISForever in Time」
英国メロディアスーハードのベテラン、プレイング・マンティスの1998作
再結成後4作目となるアルバムだが、これまで何枚か聴いた中で一番気に入った。
美しいツインギターとシンセが絡み、哀愁メロディの連続にやられます。
今作から加わったトニー・オホーラの歌唱も素晴らしく、楽曲に説得力をもたらしている。
キャッチーな音ながら英国らしいドラマティックさと泣きの叙情に溢れた作品だ。
メロディアス度・・9 ドラマティック度・・8 哀愁度・・9 総合・・8
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The Pretty RecklessLight Me Up
アメリカの女性Voハードロック、プリティ・レックレスの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせる正統派のハードロックサウンド。
同時期にデビューのに比べると、よりシンプルなロック感触が強く
オルタナ風味のヘヴィさもある。個人的にはもう少しキャッチーなメロディが欲しい気がするが、
テイラー嬢の力強い歌声はなかなかのもので、女性声ロックが好きな方なら楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 古き良きロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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PRIDE「FAR FROM THE EDGE」
英国のメロディアスハードバンド、プライドの2001年作
BALANCE OF POWERのKeyを中心としたバンドで、美しいメロディ重視の正統派のメロディアスハードをやっている。
テクニックのあるツインギターとシンセを軸にした演奏陣も音に厚みがあり、枯れた味わいのあるヴォーカルもなかなかの実力者だ。
目新しい部分はなにもないが、英国でもこうして正統的な叙情HRがまだ生き残っているというのが、なんとも嬉しいかぎりだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・6 総合・・7.5
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PRIDESigns of Purity
英国のメロディアスハードバンド、プライドの2003年作
BALANCE OF POWERのKeyを中心としたバンドで、前作もまずまずの出来であったが、
本作ではよりキャッチーなメロディに磨きをかけた爽快なサウンドに仕上がっている。
味わいのあるかすれたヴォーカルに、美しいシンセワークをふんだんに使ったアレンジで、
メロディックでテクニカルなギターワークもクリアな音色が耳心地よい。
古き良きAORテイストを残した、爽快なメロディアスハードの好作品である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・9 総合・・8
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PRIDE OF LIONS「Roaring of Dreams」
アメリカのメロディアスハードバンド、プライド・オブ・ライオンズの3rd。2007作
SuvivorのKey奏者ジム・ピートリックと、トビー・ヒッチコックを中心にしたバンドで、
キャッチーなメロディとコーラスハーモニーで聴かせる爽やかなサウンド。
ヴォーカルの力量も素晴らしく、軽快なロックナンバーからバラードまで、
巧みに歌い上げ、80年代風味の質の高い産業ロックの味わいを蘇らせる。
やや古めかしいがQUEENあたりを思わせるきらびやかなポップセンスも見事で、
哀愁のメロディと泣きの叙情で盛り上げるラスト曲などは、じつに感動的だ。
ハードさよりもキャッチーさを求めるリスナーにとっては珠玉のアルバムと言えるだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 80's産業ロック度・・9 総合・・8
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RADIANT
ドイツのメロディアスハード、ライディアントの2018年作
Sinbreedのハービー・ランガンスに、かつての盟友である元Seventh AvenueのG、Bらによるバンドで、
パワフルなヴォーカルとキャッチーなメロディで聴かせる、いわばジャーマンメタル風のハードロック。
ギターのリフやフレーズにはメロパワ的な香りも残しつつ、随所に美しいシンセアレンジも加わって、
かすれた味わいのヴォーカルが大人の哀愁をかもしだす。楽曲は3〜4分前後がメインで、わりとシンプルながら、
かつてのSeventh Avenueのメンバーが揃っているので、どの曲も爽快なメロディと叙情性に包まれていて、
ゆったりと聴かせるバラードもナンバーなどもとても聴き心地が良い。派手さはないが安心して楽しめる好作です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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RADIOACTIVE「TAKEN」
スウェーデン出身のギタリスト、トミー・デナンダーを中心にした
メロディアスハードプロジェクト、レディオアクティヴの3rd。2006作
TOTOへのオマージュ的な意味合いで始まったプロジェクトであるが、そのクオリティは素晴らしく高い。
美しいシンセをバックに、メロディアスなギター、キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる、アダルトな香りのメロディックロック。
往年のTOTOのサウンドに北欧的な透明感を加えたという作風で、じつに耳心地がいい。
本作にはスティーブ・ルカサーやイングヴェイ・マルムスティーンをはじめ、多数のゲストが参加。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 TOTO度・・8 総合・・8
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RAINGOLD「Universe」

スウェーデンのベーシスト、ヨナス・レインゴールドのソロ。1999年作
MIDNIGHT SUNThe Flower Kingsなどで活躍する北欧ロックシーンを代表するベーシストで、
本作はいかにも北欧らしい叙情がたっぷりのHR作品となっている。ヨラン・エドマンのヴォーカルに
ネオクラシカルなテイストを盛り込んだサウンドは、古き良き様式美の香りに包まれている。
当然ながら、ヨナスのベースもいつも以上に存在感を放っていて、この手の作品としては重厚な音作り。
一方では、楽曲にはしっかりとメロディを含んており、普遍的なロックの躍動感とともに最後まで楽しめる。
メロディック度・・8 ネオクラ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Rainstorm ProjectPurple Eyes
ドイツのメロディアスハードユニット、レインストーム・プロジェクトのアルバム。2007作
ギタリストのThomas Pihaleによるプロジェクトバンドで、ゲストヴォーカルやミュージシャンたちが集まって作られた作品。
サウンドの方はどうということのないロック曲から始まったかと思うと、女性声によるしっとりとしたバラードが美しく
なかなかよいと思っていると、またヴォーカルが変わって男声のバラードになり…とややとりとめがなく、
むしろ女性ヴォーカルメインのアルバムにして欲しかった気がする。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Raintimes
カナダのメロディアスハード、レインタイムズの2017年作
VON GROOVEのマイケル・ショットンを中心としたバンドで、ツインギターにシンセを含む6人編成。
叙情的なギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、JOURNEYなど、80年代ルーツの
キャッチーな王道のメロハーを聴かせる。あくまでメロディックな泣きのギターソロも日本人好みで、
哀愁の叙情に包まれたバラードから、爽快なメロディックロックまで、魅力的なメロディのフックと
楽曲の質の高さで、かつてのFAIR WARNINGなどにも通じるような雰囲気もある。
実力あるヴォーカルとギターの叙情メロディで、どこを切っても耳心地の良い傑作だ。
メロディック度・・9 キャッチー度・・9 哀愁度・・8 総合・・8.5
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Ralph Santlla 「Shaolin Monks in the Temple of Metal」
アメリカのギタリスト、ラルフ・サントーラのソロ。2002年作/邦題「悟道」
EYEWITNESSMILLENIUMなどで活動、2018年に51歳の若さで死去した技巧派ギタリスト。
本作は初のソロ作であり、最後のソロ作となった。「メタル少林寺」というアルバムタイトルはさておき、
マイケル・シェンカーやランディ・ローズ、ウリ・ジョン・ロート、ゲイリー・ムーア、アラン・ホールズワースといった、
偉大な先達から影響を受けたという、サントーラのメロディックで叙情的なギターがたっぷり楽しめる。
ただテクニックをひけらかすのではなく、あくまで楽曲に合わせてのフレージングは変幻自在のセンスで、
歌うようにメロディを奏でるギターワークは絶品。オールインストで、全34分とコンパクトながら、素晴らしい出来だ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 サントーラ度・・9 総合・・8
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Reb Beach 「Masquerade」
WINGERのギタリストとして知られる、レブ・ビーチのソロ。2001年作
キャッチーなナンバーから、ブルージーなオールドロックまで、バラエティに富んだ曲調で、
多彩なリフやテクニカルなフレージングを織り交ぜたギタープレイもさすがに見事。
曲によっては適度なモダンさも匂わせつつ、古き良きロックから受け継がれた枯れた味わいが、
オールドロックファンには受け入れられるだろう。自身のヴォーカルもなかなか頑張っている。
個人的には、キャッチーな路線なのか、オールド路線なのか、もっと極端でもよい気がした。
メロディック度・・7 ロック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Reb Beach 「A View From The Inside」
アメリカのミュージシャン、レブ・ビーチの2020年作
WINGER、WHITESNAKEのギタリストとして知られるミュージシャンで、ソロとしては2001年以来、19年ぶりの作品。
テクニカルで流麗なギターを軽快なリズムに乗せたインストサウンドで、優雅なフュージョン風味と
ハードロック感触が融合した聴き心地。随所にスウィープやタッピングなどの巧みなプレイを披露しつつ、
肩の力の抜けたベテランらしい自然体の作風で、インストながらもキャッチーな味わいで楽しめる。
フィリップ・バイノ、ジョン・ホールというベーシストのプレイも、ギターを引き立ててながら、存在感を発揮。
軽妙なアンサンブルとともに、レブの卓越したギタープレイをたっぷりと鑑賞できる逸品です。
メロディック度・8 テクニック度・8 優雅度・8 総合・8
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RECKLESS LOVE
フィンランドのハードロックバンド、レックレス・ラヴの2010年作
ここのところ、ノルウェーのWIG WAMをはじめ、スウェーデンからはthe Poodles、H.e.a.t
CRAZY LIXX、ECLIPSEなど、古き良きハードロックのスタイルを持つバンドが続々と出てきているが
フィンランドから現れたこのバンドも、まさしく80年代的なLAロックのキャッチーさを体現している。
シンセなしのシングルギターということで、サウンド自体は比較的シンプルなロックでありながら、
アメリカンロックのポップ感覚にHANOI ROCKSを思わせるグラマラスな雰囲気が加わっていて、
古くささと若さの勢いを両方感じさせるのが絶妙だ。上記したバンドに興味がある方はチェック♪
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 古き良きLAロック度・・8 総合・・8
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RED ROSE 「On the Cusp of Change」
イスラエルのハードロックバンド、レッド・ローズの2013年作
シンセによる美しいアレンジと、マイルドなヴォーカルで聴かせるメロディアスなサウンド。
ミドルテンポを主体にしたメロハー風味に、いくぶんシンフォニックメタル的な質感も含んだ
キャッチーなやわらかさで、スリリングなところはないのだが、とても耳心地のよい作風だ。
適度にモダンな疾走感もありつつ、全体的にイスラエルという地域性は感じさせない、
センスのよいアレンジが光っている。きらびやかで軽快なハードロックが楽しめる好作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 むしろメロハー度・・8 総合・・7.5




REVOLUTION SAINTS
アメリカのメロディアスハードロック、レヴォリューション・セインツの2015年作
元JOURNEYのディーン・カストロノヴォ、NIGHT RANGERのジャック・ブレイズ、元WHITE SNAKEのダグ・アルドリッチによるバンドで、
EDEN'S CURSEのアレッサンドロ・デル・ヴェッキオがシンセで参加。古き良き王道のHRをキャッチーに聴かせるサウンドで、
ディーン・カストロノヴォの味わいのあるヴォーカルとともに、大人の哀愁を感じさせるメロディックなフックが心地よい。
前に出すぎないが随所に技巧的なプレイを奏でるダグのギターに、ほどよいシンセの味付けも含めて、派手すぎないところが、
80年代的なマイルドな聴き心地にもなっていて、ゆったりとしたバラードナンバーなども、やわらかな叙情に包まれる。
一流の演奏陣と爽快なコーラスハーモニーが合わさった、抜群のクオリティで楽しめるメロディアスハードの逸品です。
メロディック度・・8 王道HR度・・8 大人の叙情度・・9 総合・・8
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REVOLUTION SAINTS 「LIGHT IN THE DARK」
アメリカのメロディアスハードロック、レヴォリューション・セインツの2017年作
前作でのキャッチーなサウンドはそのままに、ダグ・アルドリッチのギターがさらに楽しげにメロディを奏で、
ディーン・カストロノヴォの伸びやかなヴォーカルの魅力とともに、爽快なメロディアスハードが楽しめる。
前作に比べると、よりレイドバックしたようなオールドテイストのHR感触を強めた雰囲気で、
アレッサンドロ・デル・ヴェッキオによる、オルガンを含むシンセアレンジも巧みに楽曲を彩っている。
様式美HR的でもあるノリのよい疾走ナンバーから、バラードナンバーでの泣きのギターフレーズなど、
アルバムとしてのメリハリも前作以上で、メロディックな楽曲の充実ぶりも素晴らしい。
メロディック度・・8 王道HR度・・9 大人の叙情度・・9 総合・・8
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ROBERTA/Роберта 「Wizards/Магьосници」
ブルガリアの女性シンガー、ロベルタ の1999年作/邦題「魔法使いたち」
優美なシンセアレンジに適度にハードなギター、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、
キャッチーなメロディアスロックで、FSBのメンバー、R.ボヤジェフが前面参加している。
母国語で歌われるエモーショナルな歌声が魅力的で、叙情的なギタープレイとともに、
哀愁のに包まれたナンバーなども良い感じだ。全体的にはハードさはあまりないので、
歌ものAORという感じで、楽曲自体も3〜4分前後と比較的シンプルな味わい。しっとりとしたバラードなども
かすれた女性声がアダルトな叙情美をかもしだしていて、優雅な母国語プログレハード的にも楽しめる。
メロディック度・・7 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5


Robin McAuley 「Standing on the Edge」
アイルランド出身のシンガー、ロビン・マッコーリーの2021年作
MSG/MSF、Black Swanなどで活躍するシンガーで、本作はアレッサンドロ・デル・ヴェッキオがプロデュース、
きらびやかなシンセとほどよくハードで叙情的なギターに、エモーショナルなヴォーカルを乗せた、
キャッチーなメロディアスハード作品。うるさすぎない伸びやかな歌声と透明感あるシンセアレンジが、
北欧系メロハーのような耳心地で、楽曲自体は3〜4分前後と比較的オーソドックスな作風ながら、
全体的に優雅なメロディアス性に包まれて、軽すぎず重すぎずというバランスのとれた味わいで楽しめる。
オルガンの音色を使った暖かみのあるアレンジなども含め、オールドなメロハーファンにお薦めの好作品。
メロディック度・8 キャッチー度・8 メロハー度・9 総合・8
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Rob Moratti「Paragon」
カナダのシンガー、ロブ・モラッティの2020年作
SAGAやFinal Frontierにも在籍していたヴォーカリストで、ソロとしては2011年作から数えて5作目。
流麗なギターに美しいシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、透明感のあるサウンドを描く。
キャッチーなメロディのフックと涼やかな叙情性は、北欧系メロディアスハードにも通じる感触で、
どの曲もじつに耳心地良く楽しめる。SECTION Aなどでも活躍するトーベン・エネヴォルドのギターも、
随所に泣きのフレーズを奏でて、楽曲を支えている。どこを切ってもまさに王道メロハーという傑作です。
メロディック度・9 キャッチー度・9 王道メロハー度・9 総合・8
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Room Experience
メロディアスハードバンド、ルーム・エクスペリエンスの2015年作
PINK CREAM69のデイヴィッド・リードマンをヴォーカルに、イタリアのCHARMING GRACEなどのメンバーが参加、
きらびやかなシンセアレンジとメロディックなギターワーク、キャッチーな歌メロで聴かせる
高品質な正統派メロディアスハード。泣きのギターフレーズにプログレハード的なシンセが重なり、
ヨーロピアンでウェットな叙情性を含んだ楽曲は、かつてのFair Warningなどにも引けを取らない完成度。
新鮮味はさほどないのだが、それぞれの楽曲ごとにフックのあるメロディアス性が詰め込まれていて、
耳心地の良さという点ではこの手のバンドの中でもトップクラスだろう。叙情美に浸れる傑作です。
メロディック度・・9 キャッチー度・・8 正統派メロハー度・・9 総合・・8
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ROSWELL SIX「Terra Incognita: Beyond the Horizon
作家のKevin Andersonによるロックオペラプロジェクト、ロズウェル・シックスの2009年作
ソングライターはErik Norlanderで、参加メンバーは、ラナ・レーン、ジェイムズ・ラブリエ(DREAM THEATER)、
マイケル・サドラー(SAGA)ゲイリー・ワーカンプ(SHADOW GALLERY)、デイヴィッド・ラグスデール(KANSAS)、他多数。
エリク・ノーランダーによるきらびやかでシンフォニックなシンセワークに、ストーリーに基づいたドラマティックな展開美で聴かせるプログレッシブな作品。
それと分かる美しいラナの歌声に、艶やかなヴァイオリンの音色が重なり、ときに繊細な叙情パートやプログレメタル的な質感をともない、
壮大な世界観を描き出してゆく。各ヴォーカリストの歌声も、あくまで曲にそって使用されていて、誰かの色が強くなることもない。
誤解を恐れずに言えば、ラナ・レーンのアルバムに多くのゲストが集結して壮麗に仕上げたという雰囲気もある。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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ROSWELL SIXTerra Incognita: A Line in the Sand
SF小説家Kevin J. Andersonの小説と連動したロックオペラプロジェクト、ロズウェル・シックスの2010年作
前作ではエリク・ノーランダーが中心となっていたが、今回はCHAINやFRAMESHIFTで活躍する
ヘニング・ポウリーをソングライターに迎えている。サウンドの方はダイナミックなProgMetal色が増して
ヘヴィなメタリックさと壮麗なシンフォニックアレンジでドラマティックに聴かせる。
スティーヴ・ウォルシュ(KANSAS)、マイケル・サドラー(SAGA)、チャーリー・ドミニシなどが参加、
楽曲ごとにそれぞれの魅力的なヴォーカルが楽しめる。AYREONなどのファンにもお勧めだ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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ROSY VISTA 「UNBELIEVABLE」
ドイツのレディース・ハードロック、ロージー・ヴィスタの2019年作
1985年にEPを残して消えたバンドの復活作。叙情的なギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せ、
かつてのVIXENのような、どっしりとした骨太のロック感に包まれたサウンドを聴かせる。
メロディックなフレーズを随所に奏でるギタリストは、YARGOSというプログレメタルバンドにも在籍し、
そのテクニックは女性としてはかなりのもの。楽曲は3〜4分前後ながら、じっくりと聴かせるバラードナンバーなども、
やはりアメリカのバンドとは異なる、ウェットな叙情性に包まれている。アンドレアさんの歌声の表現力と、
巧みなギタープレイが楽曲を輝かせていて、ステッペンウルフの名曲「Born to Be Wild」のカヴァーも
なかなかハマっている。まさにオールドスタイルの女性ハードロックが味わえる強力作だ。
メロディック度・8 王道HR度・8 女性Vo度・8 総合・8
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SALUTE「Toy Soldier」
スウェーデンのシンガー、ミカエル・アーランドソン率いる、サルートの2009年作
LAST AUTUMN'S DREAMでの活動がメインであったミカエルだが、
よりパーソナルなソロプロジェクト的にスタートさせたかったのが、これなのだろう。
けっこう骨太のギターワークに美しいシンセで、古き良き北欧メタルの感触を残した
透明感に溢れたサウンドを聴かせる。ミカエルの味わい深いかすれ気味のヴォーカルと
メロディックなギターとともに、キャッチーな爽やかさに包まれた楽曲は、新鮮味は薄いが質は高い。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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SARACENMarilyn
イギリスのハードロックバンド、サラセンの2012年作
80年代のNWOBHM時代から活動するバンドで、復活後の3作目となるアルバム。
勇ましいジャケとは裏腹に、本作はマリリン・モンローの生涯をテーマにした作品で、
メロウなギターワークと美しいシンセアレンジの叙情的なハードロックサウンド。
哀愁漂うサックスの音色や枯れた味わいのヴォーカルとともに、アダルトな聴き心地は
さすがベテランらしい。ゲスト参加のロビン・ベックやイッサが歌う、女性ヴォーカル曲は美しく、
同じくゲストのスティーブ・オーヴァーランドなども実力ある歌声で楽曲を彩っている。
メロディック度・・8 叙情度・・8 アダルトHR度・・9 総合・・8
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SARAQUSTA 「Injusta Condena」
スペインのハードロック、サラクスタの2015年作
アンダルシア地方のバンドということで、偉大なる先輩であるMEDINA AZAHARAが思い浮かぶが
このバンドもスペイン語による濃密なヴォーカルに、美麗なシンセアレンジを含んだキャッチーなサウンドで、
スパニッシュな哀愁を漂わせたメロディラインが耳心地よい。叙情的な泣きのギターフレーズに、
ときにプログレ的なきらびやかなシンセワークも覗かせる。メディナ・アザーラに比べるともう少しライトで、
モダンな感触もあるのだが、やはりヴォーカルのスパニッシュな歌いまわしは独特の味わいがあり、
土着的なスパニッシュハードとしての魅力が勝っている。アンダルシアロックを受け継ぐ新鋭として期待したい。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 スパニッシュ度・・9 総合・・8
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SARIS 「Curse of Time」
ドイツのプログレハードロック、サリスの2009年作
80年代から活動するバンドで、きらびやかなシンセと適度にハードなギターで聴かせる、
メロディックなプログレハード。シンセを除けばいたって普通のハードロックなのだが、
随所に女性ヴォーカルも加わったり、17分の大曲ではドラマティックな構築力も覗かせる。
全体的にこれといった目新しさはないのだが、たとえばMAGNUMやPallasなど、
古き良き感触の正統派プログレハードがお好きならいかが。
メロディック度・・8 プログレハー度・・8 新鮮度・・6 総合・・7.5




SCORPIONS with the Berlin Philharmonic「Moment of Glory」
スコーピオンズのオーケストラとの競演アルバム。2000年作
オーケストラとロックの融合作品は数あれど、ここまで楽曲のメロディとシンフォニーが
一体となっているものは稀だろう。世界的にも評価の高いベルリンフィルをバックに
高々と歌い上げるクラウス・マイネの歌唱力もじつに見事で、楽曲はひときわスケール感をともなって壮麗に輝いている。
オケのダイナミズムが泣きのメロディと組み合わさった、感動的なアルバムに仕上がっている。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・10 クラシカル度・・8 総合・・8
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SCORPIONS「Sting in the Tail」
ドイツのベテランハードロックバンド、スコーピオンズの2010年作
1972年のデビュー以来、ドイツのハードロックバンドとしては初めてといっていい世界的な成功を収め、
マイケル・シェンカーや、ウリ・ジョン・ロートなど伝説的なプレイヤーが在籍していたことでも知られる。
日本での人気も高く、1978年の来日ステージを収録した「Tokyo Tapes」は今なお燦然と輝くライブアルバムの名盤である。
個人的には初期のウリ在籍時のサウンドが好みであるが、HRリスナーからはパワフルになった80年代作品の人気が高い。
さて、前作「Humanity Hour 1」もかなりの力作であったが、本作もベテランらしい見事なハードロック作品だ。
62歳になっても衰えを知らないクラウス・マイネのヴォーカルと、味わいを深めたルドルフ・シェンカーのギターワーク、
まさに80年代初頭のスコーピオンズが甦ったかのような躍動感に満ちた、これぞ最高のロックアルバムである。
これがロックだ度・・9 往年の蠍団度・・9 とどめの一撃度・・10 総合・・8
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Scorpions「Return To Forever」
結成50周年を迎えるドイツのベテランバンド、スコーピオンズの2015年作
解散を宣言した2010年作「Sting in the Tail」から、あっさりカムバックした2011年作「Comeback」に続く、復活2作目。
古き良き味わいのギターに衰え知らずのクラウス・マイネのヴォーカルを乗せた、王道のハードロックは健在だ。
キャッチーな味わいのフックのあるメロディに、随所に叙情的なツインギターも交えながら、大人の哀愁を含んだ
味わいのあるロックサウンドは、年季を感じさせるとともに、まだまだ現役としてのパワーにみなぎっている。
ゆったりとしたバラード曲や、爽快なロックナンバー、厚みのあるコーラスなど、楽曲ごとのクオリティも高く、
往年のファンから若いリスナーまで、現在形の蠍団の魅力を伝えるに十分な力作に仕上がっている。
メロディック度・・8 王道HR度・・8 大人の哀愁度・・9 総合・・8
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Scorpions 「Rock Believer」
ドイツのベテランバンド、スコーピオンズの2022年作
1972年にデビュー、2010年にバンド解散がアナウンスされるも、翌年には復活、本作は2015年作に続く、7年ぶりのアルバム。
ドラムにスウェーデン人のミッキー・ディーが加入、マティアス・ヤプス、ルドルフ・シェンカーの奏でる古き良き味わいのギターに
伸びのあるクラウス・マイネのヴォーカルを乗せ、キャッチーでありつつもどっしりと骨太のハードロックサウンドを聴かせる。
ほどよい疾走のドライブ感とオールドロックのヴィンテージ感触に、哀愁の叙情も含んだ大人のスコーピオンズという作風だが、
ゆったりとしたナンバーでも魅力的なギタープレイと衰え知らずの歌声が素晴らしく、粒揃いの楽曲がベテラン健在を示している。
ジャケのインパクトに比して内容は大人の叙情ロックです。ボーナスDiscには、未発曲、アコースティックバージョンなど、5曲を収録。
キャッチー度・8 古き良きHR度・9 ベテラン健在度・9 総合・8 
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Scorpion Child
アメリカのハードロック、スコーピオン・チャイルドの2013年作
アナログ感たっぷりのギターに枯れた味わいのヴォーカルを乗せた、いかにも70年代を思わせる、
ブルージーなハードロックサウンドで、まさしくLED ZEPPELINが蘇ったような聴き心地である。
4〜5分前後のわりとシンプルなロックナンバーを中心に、現時点では個性的とは到底言えないが、
オールドロック、ツェッペリンへの愛を感じさせるという点では、その筋のロックファンには受けるだろう。
ラストのゆったりとした叙情ナンバーまで、ブルージーな哀愁に包まれたなかなかの好作品だ。
よりキャッチーで爽快な味わいになって進化&パワーアップする2作目も良いですぞ。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・9 ツェッペリン度・・8 総合・・7.5
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Scorpion Child 「ACID ROULETTE」
アメリカのハードロック、スコーピオン・チャイルドの2016年作
アナログ感たっぷりのギターにどっしりとしたドラム、パワフルなヴォーカルを乗せた、
いかにも70年代的なサウンドで、まるでレッド・ツェッペリンが蘇ったような聴き心地。
ただ古めかしいだけではなく、ヴォーカルの歌メロにはキャッチーなテイストがあって、
良い意味でのアメリカンなテイストを付加していて、オルガンなどのシンセによる味付けも
うるさすぎないほどにサウンドに厚みを持たせている。楽曲も3〜5分前後とコンパクトで、
爽快なロック感触はもちろん、叙情的なバラードナンバーなども魅力的。オールドHR好きは必聴!
メロディック度・・8 古き良き度・・9 ツェッペリン度・・8 総合・・8
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SERPENTINE「A Touch of Heaven」
SHY〜TNTのVo、トニー・ミルズ率いるメロディアスロックバンド、サーペンタインの2010年作
かつての北欧ハードロックを感じさせるきらびやかなシンセに、AOR的なキャッチーなメロディ、
そしてトニー・ミルズの伸びやかな歌声で聴かせるサウンドは、どこをとっても非常に高品質。
目新しさはないものの、往年の産業ロック、正統派のメロディアスハード好きにはたまらない内容だろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 北欧風度・・8 総合・・8
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Seven TearsIn Every Frozen Tears
スウェーデンのメロディアスハードバンド、セブン・ティアーズの2007年作
シンセを含む5人組で、美麗なシンセとキャッチーなメロディで聴かせる
なかなか質の高いメロディアスハード作。ギターは随所にテクニカルなプレイを聴かせ
いくぶんProgMetal風味も感じるサウンドは、軽すぎず重すぎず聴き心地がよい。
北欧らしい透明感もよいのだが、メロディや楽曲にこれだというインパクトや個性は希薄。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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Seventh Crystal 「Dellium」
スウェーデンのメロディアスハード、セヴンス・クリスタルの2020年作
マルチプレイヤーでヴォーカルのクリスティアン・フィールを中心にしたバンドで、これがデビュー作。
ハード過ぎないギターとうっすらとしたシンセ、マイルドなヴォーカルを乗せた、透明感のある
メロディックロックを聴かせる。楽曲は3〜4分前後と比較的シンプルで、王道のAORというような
キャッチーなポップ性に包まれつつ、北欧らしい涼やかなメロディアス性もしっかり感じさせる。
かつてのFORTUNEなどにも通じる、古き良き北欧メロハーの感触を基本にしながらも、
随所にほどよくモダンなテイストも覗かせる。単にオールドなだけではないセンスもある好作品。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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SHAKRA「Fall」
スイスのメロディアスハードバンド、シャクラのアルバム。2005作
キャリアはすでに10年にもなり、スイスではGOTHARDに次ぐ存在として通好みに知られるバンド。
味わいのあるかすれたヴォーカルが歌い上げる、哀愁漂うハードロックサウンドは、
古き良きロック魂を感じさせつつ、しっかりとした骨太さと叙情美を両立させている。
目新しさはなにもないのだが、ロックとしての躍動感と耳心地のよさで最期まで聴き通せる。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 王道ハードロック度・・9 総合・・8
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The Sign「Signs of Life」
マーク・マンゴールドらによるメロディアスハードバンド、ザ・サインの1st。2000作
AMERICAN TEARSTOUCHDRIVE SHE SAIDという経歴で、
もはやメロハー/プログレハード職人ともいうべきマイク・マンゴールドを中心に、テリー・ブロック、ボビー・ロンディネリといった
名うての実力者が集結。サウンドも、キャッチーかつアダルトなメロディアスハードの王道といった感じで、
マンゴールドの美しいシンセワークに、渋みのあるテリー・ブロックの歌唱が映える。
往年のプログレハード的な泣きの叙情と、絶妙のハードポップ感覚で聴かせる好作だ。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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THE SIGN「The Second Coming」
アメリカのメロディアスハードユニット、ザ・サインの2nd。2004作
TOUCHのMark Mangoldをはじめ、STRANGEWAYSのTerry Brock、Trans Siberian OrchestraのJon Bivonaらが名を連ねる。
サウンドはQUEEN+KANSASといったメロディアスなプログレハード風で、QUEEN風のキャッチーなコーラスに、
繊細なキーボードワークが美しい。枯れた味わいのヴォーカルも耳に優しく、全体的に大人のメロディアスロックといった感じ。
メタル色はあまりないので、ハードロックファンよりはむしろプログレファン向きかもしれない。
メロディアス度・・8 むしろプログレハー度・・8 大人の味わい度・・8 総合・・8
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SKARLETT RIOT 「We Are the Brave」
イギリスのハードロック、スカーレット・ライオットの2015年作
本作は5曲入りのミニ。女性ヴォーカルをフロントに、モダンなヘヴィネスと、
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、キャッチーなノリのサウンド。
バックの演奏力やヴォーカル嬢の歌唱はそこそこしっかりしているので、
今後はヘヴィ路線かキャッチーな路線か、方向性を絞って曲のクオリティを上げて行って欲しい。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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SMOKING MARTHA 「IN DEEP」
オーストラリアのハードロック、スモーキング・マーサの2018年作
コケティッシュな女性ヴォーカルの歌声を乗せ、80年代からの流れの正統派ハードロックを聴かせる。
楽曲は3〜4分前後とシンプルで、適度なヘヴィさとキャッチーな感触で、HALESTORMなどにも通じる、
古き良きスタイルの女性声HRが楽しめる。紅一点、ターシャ嬢の歌声は、いくぶんかすれたハスキーさで、
大人のロックというようなサウンドによくマッチしている。全体的には、オールドな雰囲気は悪くないものの
どの曲もいまひとつ突き抜けきらないのが残念。もう少しメロディのフックが欲しい。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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SNAKECHARMER
イギリスのハードロックユニット、スネイクチャーマーの2012年作
WHITESNAKEのミッキー・ムーディ、ニール・マーレイ、MAGNUMのハリー・ジェイムズ、
HEARTLANDのクリス・ウーズィ、RICK WAKEMANの息子であるアダム・ウェイクマンといった
ベテラン主体のメンバーによるバンドで、サウンドはかつてのホワイトスネイクから受け継がれた、
ブリティッシュハードロックの王道。ブルージーな感触とキャッチーな聴き心地が合わさって、
哀愁を漂わせたアダルトな味わいに包まれている。ベテランらしいギターにかぶさるように、
うっすらとしたオルガンやシンセアレンジもいい味を出していて、まさに古き良き大人のHRが楽しめる。
メロディック度・・7 古き良きHR度・・9 大人の渋さ度・・10 総合・・8
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SON OF MAN 「STATE OF DYSTOPIA」
イギリスのハードロック、サン・オブ・マンの2020年作
MANのギター、ドラム、Sassafrasのヴォーカル、シンセなどのメンバーで2016年にデビュー、本作は2作目となる。
オードなテイストのギターにオルガンなどのシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルを乗せた、
70年代ルーツのヴィンテージなハードロックサウンド。これという新鮮味はないのだが、
きらびやかなシンセとキャッチーなメロディで聴かせるナンバーなどは耳心地よく、
叙情的なギターソロなども随所に光っている。哀愁も含んだ大人のハードロック作品です。
メロディック度・7 叙情度・7 オールドHR度・8 総合・7.5
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Sound of Eternity 「Visions & Dreams」
スペインのメロディアスハード、サウンド・オブ・エターニティの2014年作
美貌の女性シンガーをフロントに、キュートな歌声ときらびやかなシンセアレンジで聴かせる、
キャッチーなハードロックサウンド。爽やかなメロディアス性とともに、ベアトリス嬢のフェミニンな歌唱が
楽曲に艶めいた心地を加えていて、フィメールメタルが好きな方ならばぐっと来ることしばしばだろう。
また、ECLIPSEなどでも活躍する、エリク・マーテンソンの美麗なシンセワークもじつに素晴らしく、
シンフォニックメタルのリスナーにも楽しめるレベルである。魅力的な女性声にウットリの傑作ですわ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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Spider Rockets
アメリカの女性Voハードロック、スパイダー・ロケッツの2009年作
ヘヴィなギターにハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せたハードロックサウンドで、
適度にキャッチーな感触と、古き良きメタルの骨太さが合わさったという聴き心地。
楽曲は3〜4分前後とシンプルで、ミドルテンポ中心のどっしりとした感触であるが、
曲によってはオルガンが入った魔女系ロック風味などもあって、わりと楽しめる。
個人的にはこのオールドなアナログロック路線をさらに伸ばしていって欲しい気がする。
全体的には、もう少しインパクトのあるナンバーがあればと思うが、Crucified Barbara
DIEMONDSなど、骨太の女性声ハードロックがお好きな方はいかが。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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STAN BUSH「In This Life」
アメリカのメロディアスロック職人、スタン・ブッシュの2007年作
キャリアとしては25年を数えるベテランアーティスト。熱心なファンではないので、
これが何作目になるのかは知らないが、本作はじつに上質な産業ロックサウンドだ。
透明感のあるシンセとメロディアスなギターに、キャッチーなメロディを歌い上げる絶品の歌声、
楽曲にはどれもフックがあり、ポップすぎない哀愁の叙情も覗かせるのがとてもいい。
目新しさはなにもないのだが、耳心地のよいメロディックロックが目一杯楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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STAN BUSHDREAM THE DREAM
アメリカのメロディアスロック職人、スタン・ブッシュの2010年作
2007年作は素晴らしかったが、本作もキャッチーなメロディで聴かせる、さすがというべき出来だ。
しっかりとしたギターワークを軸に、美しいシンセアレンジと美麗なコーラスハーモニーで、
高品質なメロディアスハードを構築。ポップすぎない哀愁も含んだ大人のロックであり、
どこをきっても聴き心地がよい、じつに素敵なサウンドである。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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STARBREAKER
TNTのVo、トニー・ハーネルが歌う北欧メロディアスハード、スターブレイカーの2005作
ギターはMIDNIGHT SUNLAST TRIBEのマグナス・カールソン。
ノリの良いグルーヴィーなメタルサウンドに、トニー・ハーネルの歌声がキャッチーなメロディを乗せる。
ギターも適度にヘヴィなので、メロハー特有の軽さはなく音の説得力があるのポイント。
ややドライなサウンドだが、楽曲、演奏ともにクオリティが高い良質のハードロック作品だ。
メロディアス度・・8 北欧度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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STARBREAKERLove's Dying Wish
TNTのVo、トニー・ハーネル率いるメロディアスハードバンド、スターブレイカーの2007年作
前作も正統派の力強さをもったハードロックの傑作であったが、
本作ではメロディに翳りある叙情性が増していて、聴きようによってはゴシックロック的な
メランコリックさも感じられる。トニー・ハーネルの表現豊かな歌声と、モダンなヘヴィさのギター、
シンセワークも含めたマグナス・カールソンのアレンジセンスはさすがである。
マイルドなメロディと絶品の歌声、この感触はむしろHIMなどのリスナーにも受け入れられるだろう。
メロディアス度・・8 翳りある叙情度・・8 ゴシックロック風味度・・8 総合・・8
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Steel Panther「Feel the Steel」
アメリカのハードロック/メタルバンド、スティール・パンサーのアルバム。2009作
メンバーのファッションからしてもう、80年代のLAメタルの香りがぷんぷんであるが、
サウンドの方もかつてのMOTLEY CRUEなどを思わせる、キャッチーなハードロック。
狙っているとしか思えない曲名やセクシャルさを押し出した歌詞などもいかにもであるが、
単なる古き良きロックともいえない質の高さとノリがあって、案外素直に楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 LA風度・・9 総合・・8
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STEEL PANTHER「BALLS OUT」
アメリカのLAメタルバンド、スティール・パンサーの2011年作
ド派手なファッションやケバいまでのセクシーさを押し出した、まさに80年代LAメタルのきらびやかさを
再現したというべきこのバンド、2作目となる本作も古き良きアメリカンハードロックが炸裂。
勢いの良さとキャッチーなメロディ、ハスキーなヴォーカルまでもがどこか往年の雰囲気漂わせる。
曲は2〜3分台がほとんどでシンプルで明快なのもいいし、かつてのモトリーなどの作風を継承した
爽やかでエロティックという感じがなつかしくもまた新鮮である。安定した演奏力とメロディ志向が、
単なる焼き直しという以上の魅力あるハードロックにしている。いかにも「セカンドアルバム」という感じの好作品。
メロディアス度・・8 往年のLA度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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STEVEN ANDERSON「MISSA MAGICA」
スウェーデンの天才ギタリスト、スティーブン・アンダーソンの2nd。1996年作
かつてのZEROコーポレーションから日本盤も出ていたが、このまま再発もされず忘れ去られてしまうのが惜しい。
基本はイングヴェイに通じるクラシカルでテクニカルなギターインストものなのだが、
この人の場合は好き勝手に弾き倒すのではなく、曲全体を自然な流れに沿って実に流麗にメロディをつむぐのだ。
東洋風味のオリエンタルなメロディの導入、壮大な組曲形式の楽曲、ヴァイオリン、チェロ、フルートも参加し、
実にアーティスティックな作風。1st「GIPSY POWER」も見事だったが、本作はプログレ的に練られた傑作アルバムです。
メロディアス度・・8 叙情旋律度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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The StormEye of the Storm」
アメリカのメロディアスハード、ザ・ストームの2nd。1996作
JOURNEYのGregg Rolie、Ross Valoryを中心にしたバンドで、キャッチーなメロディとコーラスワーク、
そしてメロディックなギターにうっすらとしたシンセで聴かせる、まさにハードポップの理想郷というべきサウンド。
全編メロディックな佳曲揃いで、80年代の産業ロックを通ってきたリスナーはまさに必聴の出来だ!
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 王道AOR度・・9 総合・・8
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Stormzone「Caught in the Act」
イギリスのハードロック、ストームゾーンの2006年作
ロドニー・マシューズのジャケがいかにもな感じだが、オルガンを含むシンセに適度にハードなギターと
ハイトーンヴォーカルを乗せて、古き良き味わいのメロディックなハードロックを聴かせる。
英国らしいウェットな叙情とキャッチーなフックのパランスもよく、オールドなスタイルではあっても、
技巧的なギターパートやわりとヘヴィな部分もあって、全体的にも地味すぎない感触で楽しめる。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 古き良きHR度・・8 総合・・8
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StormzoneDEATH DEALER
イギリスの正統派ハードロックバンド、ストームゾーンの2nd。2010年作
前作もまるで80年代のブリティッシュハードを甦らせたかのようなサウンドであったが、
2作目となる本作もロドニー・マシューズのアートワークとともに、往年の英国HRサウンドを聴かせる。
ツインギターによるヘヴィすぎないリフと、パワフルすぎないハイトーンヴォーカルで、
マイナー臭すぎず、かといって決してメジャーにはなれない中庸なサウンドがある意味泣かせる。
あくまで古き良きというサウンドであるから、刺激を求める方には向かないが、前作が気に入った方ならどうぞ。
メロディアス度・・8 英国度・8 古き良きHR度・・9 総合・・7.5
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Storyteller「Corridor of Windows」
アメリカのメロディアスハードバンド、ストーリーテラーのアルバム。2000作
80年代から活動しながらアルバムリリースまでは至らず、90年代までに書きためていた曲が
MTMレーベルからのリリースによってこうして日の目を見た。サウンドは典型的なハードポップで、
きらびやかなシンセとメロウなギター、キャッチーなコーラスワークに彩られた爽やかなもの。
新鮮味は薄いものの、どれも耳心地がよく質の高い楽曲が楽しめる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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STRANDED 「Long Way To Heaven」
カナダのメロディアスハード、ストランデッドの1999年作
DISTANCEのケニー・ケイオスとAGENTのトロイ・リードを中心にしたユニットで、
枯れた味わいのヴォーカルと大人の叙情性で聴かせる、正統派のメロディック・ハードロック。
これという新鮮味はないが、オルガンを含むシンセアレンジや随所にメロウなギターも含んで
アダルトな味わいのロックサウンドが楽しめる好作品。
メロディック度・・7 キャッチー度・・7 大人の叙情度・・8 総合・・7.5
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STREET LEGALBITE THE BULLET」
ノルウェーのハードロックバンド、ストリート・リーガルの2009年作
DA VINCIのビヨルン・ボーグを中心にしたバンドで、1999年の1stから10年ぶりとなった2作目。
サウンドとしては80年代を思わせる古き良き正統派のハードロックで、
かすれたヴォーカルの歌声とともに大人の哀愁をただよわせた雰囲気はTHIN LIZZYを思わせる。
元CONSEPTION、ARKのトゥーレ・オストビーも参加、巧みなギタープレイを披露している。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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Jimi Jamison's SURVIVIOREmpires
80年代に活動していたサバイバーをシンガーのジミ・ジェイソンが甦らせた復活作。1999作
サウンドはかつてのキャッチーさよりもややヘヴィな方向となり、
HAREM SACREMあたりを思わせる甘すぎないサウンドになっている。
90年代的なドラマティック性と骨太のギターサウンドは、往年のファンよりも
むしろ最近のメロハーリスナーにこそアピールする雰囲気だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 往年度・・7 総合・・7.5
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Survivor「REACH」
アメリカのメロディアスハードバンド、サバイバーの2006作
映画「ロッキー」や「ベストキッド」などに曲を提供したことで、80年代に人気があったバンドであるが、
オリジナルメンバーによるアルバムとしてはじつに18年ぶりとなるらしい。
本作はまさに往年を再現したかのような王道メロディアスハードのど真ん中で、
キャッチーなヴォーカルハーモニーを中心に、年季を感じさせるギターワークと
哀愁のメロディの詰まった、大人の産業ロックをたっぷり聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 往年度・・8 総合・・8
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TAKARA「Taste of Heaven」
アメリカのメロディアスハードバンド、タカラの1995年作
プロデューサーであるJEFF SCOTT SOTOがヴォーカルを務める今作は、適度にハードなギターワークと
美しいシンセ、そして哀愁を漂わせたヴォーカルメロディで聴かせる質の高い作品だ
メロディアスハードとしてのキャッチーさに、湿りけのある叙情が加わったサウンドは、
ときにストリングスなどのアレンジも入り、ただ爽快なだけのメロハーよりも深みを感じさせる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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TAKING DAWN「Time to Burn」
アメリカのハードロック/メタルバンド、テイキング・ドーンの2010作
80年代のLAメタルを思わせるきらびやかさとキャッチーなメロディで聴かせるサウンドだが、
そこに現代的なヘヴィさやテクニックが加わっているので、古めかしさをあまり感じさせない。
若手にしてはどっしりとした安定感があって、楽曲、演奏ともになかなかレベルは高い。
LAメタルの現代的解釈というべきか、これもひとつのヴィンテージメタルの形だろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 LA風度・・8 総合・・8
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TALISMAN「7」
スウェーデンのメロディアスハード、タリスマンの8th。2006作
1990年にデビューして以来、地道に活動を続け、不遇の扱いを乗り切りながらバンドは復活。
今作でもシンセとギターの重なるきらびやかなメロディアスハードロックを存分に聴かせてくれる。
Journeyへの加入が決定したジェフ・スコット・ソートの堂々たる歌声はもちろん、
ARCH ENEMYに加入した、フレドリック・オーケソンのテクニカルなギターワークも聴き所だ。
古き良き80〜90年代の質感とともに、随所にモダンさを取り入れたアレンジには
テクノロジーに頼らないロックとしての普遍的な魅力に溢れている。
アダルトな香りをただよわせ、抜群のグルーブ感が味わえる好アルバムだ。
メロディアス度・・8 実力度・・9 北欧度・・7 総合・・8
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Tango Down「Damage Control」
アメリカのメロディアスハード、タンゴ・ダウンの2009年作
ジャケのイメージからして、もう「メロハーです」と言っているようなものだが、
サウンドの方もかつてのBON JOVIを受け継ぐような、正統派のハードロック。
いくぶんかすれ気味のヴォーカルと、キャッチーなコーラスワークに
メロディックなギターフレーズを散りばめた作風。80年代の香りを感じさせる
グラマラスな感触もグッド。王道メロハー好きはぜひチェックしてください。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 古き良きHR度・・9 総合・・8
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Tarja「Henkays Ikuisuudesta」
NIGHTWISHターヤ・トゥルネンのソロ作。2006作
NIGHTWISHを脱退したターヤが、どんなアルバムを作るのかと興味深かったが、
本作はメタル色の少ないしっとりとした作品で、ゆるやかなピアノやシンセをバックに、
オペラティックな歌声が乗る。NIGHTWISHでの歌唱よりは落ち着いたやわらかみのある歌声で、
フィンランドの森を思わせる透明感のあるサウンドは、ヒーリングミュージック的でもある。
クリスマスアルバムでもあるので、それ系のカヴァー曲も入っていてほっと和めます。
メタルファンが聴くには向かないが、ターヤの歌唱が好きだという方はしっとりと楽しめるかと。
メロディアス度・・8 メタル度・・1 ターヤの歌声度・・9 総合・・7.5
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Tarja「My Winter Storm」
NIGHTWISHターヤ・トゥルネンソロの2作目。2007年作
しっとりと聴かせるクリスマスアルバムであった前作に続く本作は、
冬をテーマにしたシンフォニックな作風で、どこか童話的な世界観を感じさせる。
ターヤの歌声はもちろん素晴らしく、オーケストラルな壮麗さにギターも入ったメタル色もあって、
部分的にはNightwishを思わせるところもある。全体を通して冬のイメージを構築した好作品だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Tarja 「The Seer EP」
元Nightwishのシンガー、ターヤ・トゥルネンの2008年作
2007年のMy Winter Storm」収録曲のリミックスやバージョン違い、ライブ音源など、合計11曲を収録したEP。
ドロ・ペッシュが参加したデュエットのシングル曲をはじめ、シンフォニックで壮麗なアレンジと
適度なヘヴィさが合わさった楽曲にターヤのオペラティックな美声が加わると、
メタル度が低かろうが別バージョンだろうが、なんだかんだで楽しめてしまう。
しっとりとしたバラード曲などもじつに美しい。4曲のライブ音源もファンには嬉しいだろう。
シンフォニック度・・7 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TarjaWhat Lies Beneath」
NIGHTWISHターヤ・トゥルネンの3作目。2010年作
本作はクラシカルなアレンジとともにメタリックなギターも入ったサウンドで、
オペラティックなターヤの歌声に、コーラスワークが壮麗に重なる雰囲気は、
かつてのNightwishともやや異なる作風だが、これはこれでハマっている。
クラシカルな要素が入ったヘヴィロックといってしまえばそれまでだが、
なんといっても、この唯一無二のヴォーカルを楽しめるだけでも聴く価値はある。
クラシカル度・・7 メタル度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Tarja 「ACT I」
元Nightwishのシンガー、ターヤ・トゥルネンのライブ作品。2012年作
ナイトウィッシュ脱退後も精力的にソロ作品を作っている彼女、本作は2012年アルゼンチンでのステージをCD2枚に収録。
2010年のソロ「What Lies Beneath」からの楽曲を中心にしつつ、“Nemo”をはじめNightwish時代の曲も披露、
“オペラ座の怪人”やゲイリー・ムーアのカヴァー“Over The Hills and Far Away”なども含め
その変わらぬオペラティックな美声を遺憾なく聴かせてくれる。バンド編成ではあるがメタル的な激しさはあまりなく、
あくまでヴォーカルをメインにしたシンフォニックなロックという印象なので、スリリングな部分は少なく優雅な聴き心地。。
全体的に音質がややラウドなのが惜しいが、ターヤの魅力がたっぷり詰まったライブ作品だ。
シンフォニック度・・7 メタル度・・5 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Tarja「Colors in the Dark」
元Nightwishの女性シンガー、ターヤ・トゥルネンのソロ。2013年作
ナイトウィッシュ脱退後のソロとしては3作目、クラシックとメタルを融合させた前作からの路線で
適度なヘヴィさと壮麗なアレンジを含んだ楽曲に、オペラティックなターヤの歌声が響きわたる。
ギターにはSINNERのアレックス・スコルプ、ドラムにはマイク・テラーナが参加、安定した演奏陣をバックに
ミドルテンポを主体にしながら、ゆったりとしたクラシカルな優雅さを覗かせた作風は耳に心地よく、
強いインパクトはないのだが、その分、美しい歌声をじっくり味わえる。ピーター・ガブリエルのカヴァーも含め、
歌唱の表現力によって説得力ある世界観を描き出せる、彼女はやはり屈指の女性シンガーなのである。
シンフォニック度・・9 優雅度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Tarja Turunen & Mike Terrana 「Beauty & the Beat」
元Nightwishのターヤ・トゥルネンとマイク・テラーナのユニットのライブ作品。2014年作
いったいどういう経緯でこのコンビが誕生したのかは不明だが、オーケストラをバックに、ターヤが優雅な歌を乗せるというスタイルで、
歌の入らない曲ではマイク・テラーナがオケをバックにドカドカとドラム叩きまくるという、なんともミスマッチな感じが面白いといえなくもない。
CD2枚組で、前半はバッハやシュトラウス、ロッシーニ、ドヴォルザーク、モーツァルトといった、すべてクラシック曲。
クラシックを歌うターヤは、その声楽的な声質もあってか、オペラ歌手のそれと遜色ない美しい歌声を披露。
音質的にはドラムが薄っぺらい印象なのが残念だが、クラシックホールだから仕方ないのかもしれない。
後半は自身のソロ曲やツェッペリンのメドレー、Nightwishの曲も披露してくれる。同DVDも出ています。
クラシカル度・・9 メタル度・・3 ターヤの歌唱度・・9 総合・・8
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Tarja Turunen 「Ave Maria」
フィンランドの女性シンガー、ターヤ・トゥルネンの2015年作
Nightwishのシンガーとして知られる彼女であるが、本作はメタル色のない純クラシックを歌うアルバムで、
フランチェスコ・パオロ・トスティ、アクセル ・フォン・コーテン、サン・サーンス、シャルル・グノー、バッハ、
ピエトロ・マスカーニ、ジュリオ・カッチーニなどによる、それぞれの「アヴェ・マリア」を集めたという内容。
ストリングスやオーケストラをバックに、オペラティックなターヤの歌声が優美に響き渡る。
当然ながらメタル色は皆無で、しっとりと美しいヴォーカルで讃美歌を鑑賞するという趣だ。
高音質のSACDハイブリッド盤で聴くと、彼女の歌声がより鮮明な響きで味わえます。
クラシカル度・・8 メタル度・・0 女性Vo度・・9 総合・・8 過去作のレビューはこちら
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Tarja 「ACT II」
元Nightwishの女性シンガー、ターヤ・トゥルネンのライブ作品。2018年作
2012年の「ACT I」に続くライブ作品で、2016年のイタリア公演のステージを2CDに収録。
2016年作「SHADOW SELF」からのナンバーを中心に、オペラティックな彼女の歌声を中心に、
シンフォニックなシンセにほどよくヘヴィなギターで、壮麗なハードロックサウンドを繰り広げる。
どこか演劇的な歌い方も含めて、ミュージカル的な世界観というのは、彼女の目指すところなのだろう。
Disc1のラストでは、Nightwishのメドレーも披露。全体的にはメタル的な高揚感はさほどないが、
その分、優雅なオペラティック・ヘヴィロックというべき味わいで、ターヤの歌声が楽しめる。
ライブ演奏・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8 
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Tarja 「In The Raw」
フィンランドの女性シンガー、ターヤの2019年作
Nightwish脱退後も旺盛に活動を続ける彼女、ソロとしても本作ですでに7作目となる。
メタリックなギターに、ビヨーン・ストリッド(SOILWORK)による男性声も加わった1曲目から、
ほどよいヘヴィネスとシンフォニックなアレンジに、ターヤの美声を乗せたキャッチーなサウンドで、
クリスティーナ・スカビア(Lacuna Coil)が参加した2曲目は、モダンなヘヴィロックとポップ感が同居した
優雅なゴシックロック風のナンバー。その後も、キャッチーでオペラティックな歌ものナンバーをメインに、
しっとりとしたバラードや、トミー・カレヴィック(KAMELOT)が参加したドラマティックなナンバーなども含め、
彼女の安定した実力ある歌声を堪能できる。まるで写真集のようなブックレットもゴージャスです。
壮麗度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8 
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TAROT 「To Live Forever」
フィンランドのハードロック、タロットの1993年作
のちにNightwishに加入する、マルコ・ヒエタラがヴォーカル&ベースを務めるバンド。
1986年デビューで本作が3作目。日本盤のZEROレーベルから出ていたので、本作で知った方も多いだろう。
のっけから変拍子で始まる1曲目からして玄人好みで、オルガンが鳴る古き良きHRスタイルに
随所に現代的なドラマティックなアレンジも含んだ、北欧らしい叙情性を感じさせるサウンドである。
マルコの弟である、サシャリー・ヒエタラのギターワークもリフやソロプレイも含めてなかなか素晴らしい。
中期サバス的などっしりとした聴き心地もある。大人の渋さを感じさせる北欧風味の正統派ハードロック作品だ。
ドラマティック度・・8 キヤッチー度・・7 古き良きHR度・・8 総合・・8
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TEN 「The Name of the Rose」
イギリスのメロディアスハードバンド、テンの2nd。1996作
英国から久々に本格派のバンドが現れたと話題になったデビュー作も捨てがたいが
なんといっても、このバンド最高の名曲“The Name Of The Rose”が入った本作が好きなのだ。
その哀愁のイントロが流れ始めるやもう、そのドラマティックな世界観にどっぷりと浸れる。
ゲイリー・ヒューズのマイルドな歌声に、ヴィニー・バーンズの骨太のギターワーク、
そして英国の誇りを感じさせるシリアスさと、ロマン溢れる叙情。すべてが日本人好みである。
彼らのアルバムはどれもが質が高いのだが、まず聴くのなら本作をお薦めする。
メロディアス度・・9 哀愁の叙情度・・9 英国度・・9 総合・・9
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TEN 「The Robe」
イギリスのメロディアスハードバンド、テンの3rd。1997年作
素晴らしい傑作となった前作の流れを受けて、1曲めから9分をもってくるというのは、
バンドとしての自信の現れだろう。ゲイリー・ヒューズのマイルドな歌声と、
きらびやかなシンセアレンジ、ときにしっとりとした叙情性も盛り込んだ、
ゴージャスなハードロックサウンドは、どこをとってもTENの音だと分かる。
豊穣なメロディと濃密さでは前作にも引けをとらない傑作である。
メロディアス度・・9 哀愁の叙情度・・9 英国度・・9 総合・・8.5
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TEN 「Never Say Good Bye」
イギリスのメロディアスハードバンド、テンのライブ作品。1998作
1st〜3rdまでの曲をメインに聴かせるCD2枚組のライブアルバム。
“The Robe”からスタートし、彼ららしい叙情に満ちた英国ハードロックがたっぷり楽しめる。
音質的には低音のラウドさが気になるものの、ライブとしての臨場感が味わえ、
Disc2のラスト“The Name of the Rose”まで、このバンドの魅力的な楽曲が詰まっている。
ライブ演奏・・8 音質・・7 楽曲・・8 総合・・8
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TEN「SPELLBOUND」

英国のドラマティック・ハードロックバンド、テンの4th。1998年作
シンフォニックなイントロからして耳を引くが、楽曲もこれまで以上にドラマティックな作りで、
ジャケットイラストのファンタジックなイメージとともに、随所にケルティックなメロディを散りばめた美しいアレンジが光る。
キャッチーかつ哀愁を感じさせる歌メロと、メロディアスなギターワーク、そして随所にシンフォニックな味付けが効果的で、
メロハーというよりも、むしろドラマティックなシンフォニック・ハードという趣である。なんだかんだで傑作です。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 楽曲・・8 総合・・8

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TEN「BABYLON」
英国のメロディアスハードロックバンド、テンの5th。2000作
メロディアスハードとしての理想的なサウンドで我々を狂喜させたデビュー作、
さらなるドラマティックな重厚さで聴かせた2ndと、素晴らしい作品によって
その地位を確実なものとした彼らであるが、今作ではコンセプト作を打ち出してきた。
楽曲自体は3rd以降、ややマンネリ化している感は否めないが、本作でのシンフォニックなバラード曲などは
なかなか素晴らしく、随所で聴かせるシンセワークなども、これまで以上のドラマ性を生み出している。
コンセプトうんぬんを抜きにして、アルバムとしてのクオリティもいつも通り高い。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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TEN「FAR BEYOND THE WORLD」
英国のハードロックバンド、テンの6th。2001年作
3作目以降は、質が高いながらもどこかマンネリぎみの作風であったのだが、
今作はいつになく爽快なサウンドで、キッャチーかつ流麗な歌メロが増した好作となった。
要となるのは、やはりゲイリー・ヒューズの歌唱と、ヴィニー・バーンズの湿りけのあるギターサウンド。
随所に彼ららしい哀愁のメロディを聴かせながらも、心地よい爽やかささが同居するTENサウンドが全開だ。
ドラマ性という点では前作以前をとるが、曲のクオリティでは文句なしの充実作である。
メロディアス度・・8 爽快度・・9 楽曲・・8 総合・・8◆メタル名盤特選入り
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TEN「RETURN TO EVERMORE」
英国メロディアスハードのベテラン、テンの7th。2004作
2年ぶりのテンとしての新作であるが、片腕ともいえるギターのヴィニー・バーンズの脱退もあり
その内容が心配されたが、基本は同じ、あの英国(と書くのがふさわしい)王道のメロハー路線だ。
歌メロなどにはさすがに新鮮味はないが、いかにも英国らしい湿りけをまとわせたメロディは健在で、
ソロ作「ONE AND FUTURE KING」でも見せた、アイリッシュメロディも随所に現れる。
前作が「爽快路線」だとすると今作は「しっとり路線」というところか。バラードでのピアノも美しい。
メロディアス度・・8 爽快度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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TEN「the Essential collection 1995-2005」
英国メロディアスハードの雄、テンの10周年を記念したベストアルバム。2005年作
現行メンバーにより新たにレコーディングされた全19曲をCD2枚組で収録。
Disc1のロックサイドは、名曲中の名曲“The Name of th Rose”幕を開ける。
プロダクションは若干軽ラウドながら、新バージョンでこの大曲が楽しめるのは嬉しい。
このバンドの場合、この手のハードロックにしては曲が7〜8分と長いのだが、
英国の誇りを感じさせるドラマティックなサウンドはやはり彼らならではのものだ。
Disc2はバラードサイドで、哀愁ただよう叙情美に溢れた楽曲の数々に、
あらためてゲイリー・ヒューズのメロディメイカーとしての才能が窺える。
バンドのファンには新バージョンとして、まだTENを未聴の方にはベストアルバムとして楽しめる。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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TEN「The Twilight Chronicles」
イギリスのメロディアスハードロックバンド、テンの8th。2006作
今回も英国の誇りを感じさせる雰囲気と、湿りけのある叙情メロディに溢れた好盤だ。
前作からヴィニー・バーンズが抜け、ギターサウンドにはやや物足りなさはあるものの、
そこはゲイリー・ヒューズのソングライティングにはしっかりとした世界観があり、
今作ではコンセプト作風のシリアスさも伝わってくる重厚なサウンドが楽しめる。
ゲイリーのマイルドなヴォーカルにも、ストーリィを歌い上げる語り部的な表現力が加わり、
このバンドにしかできないドラマティックなハードロックは、今や円熟の境地にある。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・9 総合・・8
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TEN「Stormwarning」
イギリスのメロディアスハードバンド、テンの2011年作
ルイス・ロヨの美麗なジャケを久々に使用した本作は5年ぶりとなる9作目で、
ベテランらしい安定感で、さすがというべき力作に仕上がっている。
効果的にシンセを使った美麗なアレンジとメロウなギターワーク、
そして渋みのあるマイルドなヴォーカルで、湿りけのあるドラマ性を感じさせる
ハードロックを描き出している。強いインパクトはないが落ち着いた味わいだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・9 総合・・8
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TEN「Heresy and Creed」
イギリスのメロディアスハード、テンの2012年作
10作目となる本作も、じつに英国らしい正統派のメロディアスHRを聴かせてくれる。
ゲイリー・ヒューズの歌声とともに、マイルドかつ叙情的な味わいはいつも通りで、
そこに大人の渋みも含んだ感触は、じつに耳に心地よい。なにも新鮮なところはないのだが、
その変わらぬアイデンティティに安心する。これぞ誇り高き英国のHRサウンドだ。
メロディアス度・・8 英国度・・8 大人のHR度・・8 総合・・8
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TEN 「Albion」
イギリスのメロディアスハード、テンの2014年作
1995年にデビューしてから、20年にわたってクオリティの高い作品を出し続けるこのバンド、本作は通算11作目となる。
ゲイリー・ヒューズのマイルドなヴォーカルとともに、哀愁を漂わせた叙情ハードロックには一片の曇りもない。
古き良き正統派のHRを感じさせるギターワークと、美しいシンセアレンジを重ねた重厚にしてキャッチーなサウンドは
まさに安心のテンブランドである。渋いアダルトなロック感触とドラマティックな質感を巧みに同居させ、
随所にケルティックなメロディなども盛り込んだアレンジセンスもさすが。安定&安心、円熟の傑作です。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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TEN 「Isla De Muerta」
イギリスのメロディアスハード、テンの2015年作
前作からわずか半年でのリリースされた12作目で、バンド20周年記念アルバムの第二弾ということらしい。
DAREあたりを思わせるアイッリシュなメロディを含んだ歌ものハードロックという趣で始まり、
その後も前作に比べると落ち着いた味わいのアダルトな聴き心地でゆったりと鑑賞できる。
古き良きロック感触のギターにきらびやかなシンセアレンジを含んだキャッチーなサウンドは、
肩の力を抜いて味わえる作風であるが、中盤にはいかにもテンらしいドラマティックなナンバーもあり、
結局のところファンにはちゃんと楽しめる好作となっている。前作の続編的な感覚で受け止るのがよいのだろう。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 哀愁度・・7 総合・・8
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TEN 「Battlefield」
イギリスのメロディアスハード、テンの2016年作
バンド20周年の記念作である、2014年作「Albion」、2015年作「Isla De Muerta」に加え、
ミニアルバム「The Dragon & Saint George」の楽曲を2CDに収録した、いわば完全版。
サウンドの方は、ゲイリー・ヒューズのマイルドな歌声とともに哀愁の叙情に包まれた、
王道のテンサウンドがたっぷり詰まっていて、もはや新鮮味はないが、英国の香りを運ぶ
耳心地の良いメロディアスハードが全編で楽しめる。EP収録曲もキャッチーかつメロウな佳曲揃い。
メロディック度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・9 総合・・8
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TEN 「GOTHICA」
イギリスのメロディアスハード、テンの2017年作
1995年にデビューしてから、英国らしいウェットなHR作品を作り続けるバンド。
通算13作目となる本作は、シャケやタイトルからしてダークな雰囲気だが、メロディックなギターにシンセを重ね、
ゲイリー・ヒューズのマイルドな歌声を乗せたサウンドは、オールドなHRの美学を重厚にアレンジしたという聴き心地。
厚みのあるツインギターにシンセやピアノによるシンフォニックなテイストを加えたことで、ときに耽美な味わいも感じさせる。
もちろん、これまでのTENのようにキャッチーで軽快なナンバーもあり、バラート的なウェットな叙情曲も魅力的だ。
打ち込みを使ったモダンなアレンジなどは新機軸で、古さと新しさを巧みに同居させた意欲的な力作になっている。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 英国度・・8 総合・・8 
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TEN 「ILLUMINATI」
イギリスのハードロック、テンの2018年作
1995年にデビュー、変わらぬスタイルの美学で作品を作り続けるこのバンド。14作目となる本作も、
美麗なイントロで幕を開け、ケルティックな香りを感じさせるメロウなギターの旋律に、
ジェントルなヴォーカルを乗せ、ウェットな叙情に包まれた王道のハードロックを聴かせる。
ゲイリー・ヒューズの歌声は、愁いを帯びた大人の哀愁をまとい、トリプルギターにシンセを重ねた
厚みのあるサウンドは、ときにシンフォニックなスケール感に包まれて、ドラマティックな味わいだ。
ゆったりとした美メロのナンバーからキャッチーなノリのナンバーまで、ベテランらしい緻密なアレンジで
じっくりと楽しめる好曲が多数。新鮮味云々という野暮なことは言わずに、高品質な英国叙情HRを楽しみたい。
メロディック度・・8 叙情度・・9 英国度・・9 総合・・8 
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TEN 「Here Be Monsters」
イギリスのメロディアスハード、テンの2022年作
1995年デビュー、本作は15作目となる。優美なシンセのイントロから、ブルージーなギターリフとともにオールドなロック風味に包まれる。
ゲイリー・ヒューズの枯れた味わいのヴォーカルが加わると、そこは英国らしい哀愁に包まれた、TENのサウンドが広がってゆく。
前にも聴いたような歌メロも含めて、これぞゲイリー流のブリティッシュハードであり、全体的に落ち着いたミドルテンポを主体に
くレイドバックしたような優しい懐かしさを感じさせる。随所に奏でられる叙情的なギターの旋律が泣きの美学を感じさせつつ、
決して派手にはならない大人のハードロックを描きつつ、シンセをたっぷり使った、キャッチーなAOR風味のナンバーなど、
ライトな耳心地の良さもベテランの余裕というところか。新鮮味こそさほどないが、安定のゲイリー節が楽しめる好作だ。
メロディック度・8 哀愁度・8 英国度・9 総合・8 
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TEN 「Something Wicked This Way Comes」
イギリスのメロディアスハード、テンの2023年作
1995年デビューのベテラン、前作からわずか1年で発表された16作目。ツインギターにシンセを重ね、ゲイリー・ヒューズのジェントルな歌声を乗せた、英国らしい叙情に包まれたハードロックは本作も健在。
かつての名作「The Name Of The Rose」の続編のような1曲目から、翳りを帯びたウェットなメロディで、哀愁のゲイリー節が全開。
きらびやかなシンセアレンジによるシンフォニックなテイストも合わさり、ゆったりとしたパラードナンバーなども耳に優しく、全体的にも落ち着いた優雅な聴き心地。
前にも聴いたような歌いまわしもけっこうあるのだが、そこも含めて安心の出来ですね。
メロディック度・8 キャッチー度・8 哀愁の叙情度・8 総合・8 
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Terraex「SOMNIA」
ノルウェーのプログレハードロック、テライーエックスの2009年作
女性ヴォーカルのキュートな歌声と、適度なモダンさとゴシックロック的な質感もありつつ、
メタリックなヘヴィさはあまりなく、あくまでキャッチーな聴き心地のサウンド。
楽曲は3、4分台中心で、あくまで歌もの的なシンプルさが前にでているが、
メロトロンやオルガンの音色も含めたシンセのセンスもなかなかよい感じで、
オルタナロック風味にお洒落なポップ性や、ときにプログレ的なエキセントリックさも覗かせる。
魅力的な女性声のハードロックであり、ハードプログレ的にも楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 モダンでキュート度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」
オランダのメロディアスハード、テラ・ノヴァの1996年作
FAIR WARNINGなどの人気を受けて、オランダからも日本人好みのバンドが現れた。
きらびやかなシンセアレンジと適度にハードなギター、かすれた味わいのヴォーカルを乗せた
キャッチーなサウンドは、北欧系のハードポップバンドに通じるような爽快な聴き心地だ。
リーダーでもあるフレッド・ヘンドリックスの歌声とともに、メロディックなギターソロも魅力の一つで、
透明感のあるシンセワークとともに楽曲を彩っている。ポップなメロディック性に包まれつつも、
ゆったりとしたナンバーなどではヨーロピアンな繊細な叙情も含ませているのが、我々日本人に受けるところだろう。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 爽快度・・9 総合・・8
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TERRA NOVA「BREAK AWAY」
オランダのメロディアスハード、テラ・ノヴァの1997年作
デビュー作のクオリティの高さを受けて、1年たらずにして早くも2作目が登場。
キャッチーなメロディがたっぷりの、ポップなメロディアスハードサウンドはそのままに、
今作ではオルガンを多く使ったシンセアレンジがじつにやわらかな耳心地である。
フレッド・ヘンドリックスのヴォーカルの表現力も前作から確実に成長が窺え、
アメリカンな感じのポップなナンバーや、大人の哀愁を感じさせるバラード曲などもじっくりと楽しめる。
メロディックなフックの魅力は前作のまま、いくぶん大人っぽさを加えたような好作です。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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TERRA NOVA「Best of +5」
オランダのメロディアスハードバンド、テラ・ノヴァのベストアルバム。2006作
1996年にデビューし、そのメロディアスでポップな質の高いサウンドは日本でも人気を博すが
レーベルとのトラブルからバンド名前を使用出来なくなり、以後AQUILAとして活動を続ける。
そして2005年になって正式にTERRA NOVA名義で復活を果たした。
これはその彼らの、初期の3作からのベスト選曲に、未発曲を加えたアルバム。
このバンドの魅力は、きらきらとしたシンセにキャッチーなメロディの楽曲、そして
ヨーロッパというよりはアメリカの産業ロックを思わせる爽やかなコーラスハーモニーにある。
個人的には明るめのポップさよりも、バラードなどで聴ける哀愁の叙情が好きなのだが。
ともかく、初めて触れる方にもバンドのベストとして楽しめる企画アルバムだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 新鮮・・7 総合・・7.5
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TERRY BROCK「Diamond Blue」
アメリカのシンガー、テリー・ブロックの2010年作
復活したGIANTのヴォーカルであり、THE SIGNPHANTOM'S OPERAなどにも参加した
実力派のシンガーで、本作のサウンドもキャッチーなメロディのハードポップを基本に、
その伸びやかな歌声を聴かせてくれる。やわらかなバラード曲なども含めて
全体的に爽やかなプログレハード風で、ハードロックというにはやや軽めなのだが、
その分ゆったりと耳心地よく楽しめる。80年代的な雰囲気もなつかしい好作です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ハードポップ度・・8 総合・・7.5
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TESKA INDUSTRIJA 「Nazovi Album Pravim Imenom」
ボスニアのハードロック、テスカ・インダストリヤの2010年作
70年代旧ユーゴスラビア時代から活動するベテランで、ほどよくハードなギターにシンセを重ね、
母国語によるハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、キャッチーなハードロックを聴かせる。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルで、ストレートなロック感触から、ゆったりとしたバラードナンバーまで、
エモーショナルな女性ヴォーカルとともに、どこか東欧らしい翳りを帯びた哀愁を漂わせている。
メロディック度・8 キャッチーな哀愁度・8 女性Vo度・8 総合・8
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Theodore Ziras「Monster 5」
ギリシャのギタリスト、テオドレ・ジラスの2011年作
テクニカルなギターインスト系の作品で、ネオクラシカルテイストもあるものの、
リフやフレーズ自体にはむしろ正統派メタルの感触が強いか。
適度なモダンさも含ませたメタルコア風味もいくぶんあったりするが、
メロディや楽曲そのものはインストにしては少し退屈で、全体的にも平凡な印象。
メロディック度・・7 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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THREE LIONS
イギリスのハードロックバンド、スリー・ライオンズの2014年作
元TENのヴィニー・バーンズ率いる新たなバンドで、英国らしい叙情を聴かせる古き良きスタイルのHR。
渋みのあるヴォーカルを含めてやはりTENを思わせる部分も多いが、よりギターオリエンテッドな感触で、
キャッチーな聴き心地でありながら、大人の枯れた味わいを漂わせる正統派のサウンドだ。
オルガンなどが入った70年代風味のアレンジもよい感じで、哀愁を感じさせる叙情メロディも随所に光っている。
そして、ヴィニー・バーンズのギターワークは、これまでのうっぷんを晴らすかのように冴えわたっている。
これという新鮮味はないのだが、オールドなハードロックリスナー、そしてTENのファンはチェックすべし。
メロディック度・・8 正統派HR度・・9 大人のHR度・・9 総合・・8
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TIKTAK 「SINKUT 99-07」
フィンランドのガールズロック、ティクタクのベスト。2007年作
女性6人組で、1999年にデビューしてから、アルバム3枚にシングルは多数発表。
同郷のINDICAに比べると、ぐっとポップ寄りのサウンドで、フィンランド語の歌声に
キャッチーなコーラスハーモニーで聴かせる、いわばメジャー感を漂わせた作風。
3分前後の曲を22曲収録していて、正直、ハードロックとして聴くには少しつらいのだが、
母国語系のガールズロックが好きな方なら、聴いてみて損はないかと。
キャッチー度・・8 メタル度・・5 フィンラン度・・8 総合・・7.5


TINKICKER 「The Playground at the Edge of the Abyss」
デンマークのハードロックバンド、ティンキッカーの2011年作
70年代の感触を含んだ古き良きHR風味と、けっこうヘヴィなギターが合わさった、
メタル的な重厚さもあるプログレハード…というような作風だろうか。
楽曲は3〜5分台と比較的シンプルであるが、随所にシンセを含んだプログレ風味や
牧歌的な叙情もかもしだしていて、単なるハードロックともやはり違う。
正直、メタルにするのか、プログレにするのか中途半端な印象で楽曲ごとの魅力もいまひとつ。
メロディック度・・7 プログレ度・・6 楽曲・・7 総合・・7


TONY MACALPINE「EVOLUTION」
技巧派ギタリスト、トニー・マカパインの7作目のアルバム。1995作
クラシカルなメタルギターアルバムの傑作を生み出してきた天才マカパインだったが、
新たな方向性の模索とともにメタルファンの心もしだいに離れ始めた頃、1994年のアルバム「PREMONISION」にて
原点回帰ともいうべきテクニカルかつ流麗なクラシカルサウンドを取り戻した。それに続くのが本作である。
メロディアスな旋律はそのままに、よりメタリックなパワフルさも加わっているが、
曲によっては、後に開花するプログレ的アプローチの萌芽が時折垣間見える。
前作のような伝統的なクラシカルさは薄らいだが、そこにシンセなどの使用も含めてモダンさを加味したアレンジで、
メタル、ジャズ、クラシック、フュージョンと、多様な質感が混在している。複雑な味のある好作だ。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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TONY MACALPINE「LIVE INSANITY」
テクニカルギタリスト、トニー・マカパインのライブアルバム。1998作
1997年L.Aでのライブを収録。ドラムは現RAGEのマイク・テラーナ
さて、マカパインの1st、2ndはネオクラシカル系ギタリストのアルバムとしては歴史的傑作であり、
その凄まじいテクニックに加え、本物のクラシックの素養を感じさせるたおやかな音には驚嘆したものだった。
このライブ作であるが、残念ながら音質が完璧とは言えず、プロダクションのせいもあっか
肝心のギターの音色に艶がなく、演奏もスタジオアルバムよりはややラフな印象である。
名盤である2nd「Maxmum Security」からの曲を3曲やってくれていて嬉しいのだが、
ライブアルバムとして考えると普通の出来か。まずはスタジオ盤から聴くべし。尚、輸入盤はジャケが違う。
マカパイン度・・8 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7.5
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TONY MACALPINE「MASTER OF PARADISE」
アメリカの技巧派ギタリスト、トニー・マカパインの9作目。1999作
マカパインといえば、1st「EDGE OF INSANITY」、2nd「MAXIMUM SECURITY」
頂点を究めたクラシカルなインスト作が記憶に残るが、今作ではプログレッシブな構築センスが炸裂。
マカパインはギターの他にキーボードも弾き、自らヴォーカルもとっているが、これが意外にハマっていて
変拍子を多用したリズムに、テクニカルリフとハイトーンの歌が乗り、プログレ的なシンセが曲を彩る。
この後デレク・シェリニアンのPLANET Xへ参加するのだが、これはその布石となった作品だったのだろう。
メロディアスでクラシカルな部分を残しつつ、プログレアプローチを始めた進化が感じられるアルバムである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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TONY MACALPINEChromaticity
技巧派ギタリスト、トニー・マカパインの10作目。2001作
前作「MASTER OF PARADISE」ではテクニカルなプログレメタルに目覚めたと思いきや、
今作ではソチラ系の活動はPLANET Xで満足したのか、再び初期のクラシカル路線に戻っている。
とはいえ、所々に変拍子のキメを取り入れるなど、にやりとさせられる部分も多々ある。
楽曲の出来そのものは初期の流麗さよりは、テクニック指向の比重が増していて新鮮味はないが、
やはりその超絶と言ってよい正確無比なプレイの数々には感心させられる。
メタルというよりも、クラシカルでテクニカルなハードフュージョンとして聴くと耳に心地よい。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・7 テクニカル度・・9 総合・・8
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TONY MACALPINE
テクニカルギタリスト、トニー・マカパインの2011年作
PLANET XCABなどでの活躍はご存じの通りだが、ソロ名義のアルバムとしては
2001年のChromaticity以来、じつに10年ぶりとなる。セルフタイトルを冠した本作は、
メタリックなヘヴィネスとテクニカルでプログレッシブな質感が融合された力作となった。
自身でギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーぶりは相変わらずであるが、
ドラムにはヴァージル・ドナーティ、マルコ・ミネマンという凄腕を迎え、タイトで硬質感のある
技巧的なアンサンブルを描き出している。随所に高度なクラシカルフレーズを織りまぜつつ、
プログレメタリックなモダニズムを卓越したテクニックで作り上げる。マカパイン健在の強力作だ。
メロディアス度・・7 プログレメタリック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Tony Macalpine 「Concrete Gardens」
アメリカの技巧派ギタリスト、トニー・マカパインの2015年作
衝撃のデビュー作「EDGE OF INSANITY」でのクラシカルな超絶技巧から、しだいにジャズやフュージョンなども取り入れ、
PLANET Xへの参加などでも知られる希代のギタリスト。10年ぶりの復活作となった前作から4年ぶりのアルバムとなる。
今作ではドラムに元ANGRAのアキレス・プリースターが参加、骨太のベースを聴かせるピート・グリフィンとともに
強力なアンサンブルを形成、技巧的かつパワフルなサウンドとなっている。マカパインのギターは、ヘヴィでメタリックなリフから、
テクニカルなクラシカルフレーズ、フュージョン的な軽やかさまで変幻自在で、年季を経た経験値に裏打ちされたプレイを聴かせてくれる。
全体的には前作以上にメタリックな勢いを感じさせる。一方では知的でプログレッシブな構築感覚も溶け込ませた強力なアルバムだ。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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Tony Macalpine「Death of Roses」
アメリカのテクニカルギタリスト、トニー・マカパインの2017年作
1985年にデビュー、元祖シュレッド系ギタリストの重鎮。本作は12作目のアルバムで、硬質なギターリフと流麗なフレージングを同居させた、マカパインらしいインスト作品。
CABPLANET Xでも活躍した経験値からの、メタルフュージョン的な軽妙なテクニカル性に、よりソリッドなヘヴィネスも加えた作風で、巧みなギタープレイとヘヴィなメタルリフが同時に味わえる。
自身によるクラシカルなピアノも織り込みつつ、優雅さと激しさを対比させたような、巧みなギターインストを繰り広げる。全7曲30分というのがやや物足りないが、ベテラン健在を感じさせる好作である。
メロディック度・8 テクニカル度・8 優雅度・8 総合・8
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TOP LEFT CORNER「MYSTERY BOOK」
イタリアのプログレハード、トップ・レフト・コーナーの1994作
なにやら物語的なSEで幕を開け、曲が始まるとメロウなギターフレーズと
うっすらとしたシンセ、キャッチーなヴォーカルメロディでポンプロック的に聴かせる。
ややマイナー臭いがファンタジックな世界観と、シンフォニックロック的な叙情性が
なかなか耳に心地よく、爽やかなコーラスハーモニーとともにゆったりと楽しめる。
メタリックな硬質さはあまりなく、むしろプログレハード的に聴ける作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・6 キャッチー度・・8 総合・・7.5

Top Left Corner 「Nowhere」
イタリアのプログレハード、トップ・レフト・コーナーの2nd。1996作
ずいぶん前に聴いた1st「Mystery Book」はポンプロック風味のキャッチーなサウンドで、
なかなか悪くなかった印象がある。本作もシンフォニックなシンセワークとメロウなギターを軸に
ゆったりとした楽曲で聴かせるハードプログレだ。メタリックな緊張感や硬質感はあまりなく、
聴きようによっては退屈で中庸な音楽性なのだが、ヨーロピアンな情緒をまぶしたメロディと
ファンタジックな世界観をかもしだすドラマティックな雰囲気はやはり嫌いではない。
とくに泣きのメロディを奏でるギターは、プログレ/シンフォニック系のリスナーに好まれるものだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりメロウ度・・8 総合・・7.5


TOUCH「THE COMPLETE WORKS I & II」
アメリカのメロディアスハードバンド、タッチの1st、2ndカップリング盤。
マーク・マンゴールドを中心に活動したバンドの1979年の1stと、1981年に出るはずだった幻の2ndをカップリングした再発盤。
きらびやかなシンセに包まれたキャッチーなメロディとコーラスワークアメリカンロックのポップ感覚とQUEEN的な壮麗さが合わさった、
メジャー感のあるじつに質の高いサウンドだ。マンゴールドのシンセにはプログレハード的な味わいが感じられ、
Journey
STYXあたりが好きな方はもちろん後期のYESASIAなどにも通じるやわらかな美しさがある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・9 総合・・8
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TRAVELIN JACK「COMMENCING COUNTDOWN」
ドイツの女性声ハードロック、トラヴェリン・ジャックの2017年作
古き良き感触のギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、ヴィンテージなハードロック・サウンドで、
70〜80年代テイストのグラムロック的なノリも感じさせる。紅一点、ALIA嬢のパワフルな歌声とともに、
HALESTORMのような骨太の感触と確かな演奏力もあって、しっかりと音の説得力を感じさせる。
曲によってはオルガンも鳴り響く、70年代ブリティッシュロックの雰囲気やブルージーな味わいもありつつ、
古臭いだけでないロックとしての普遍的な魅力も備えている。表現力ある女性声ブルーズHRの好作品。
ドラマティック度・・7 古き良き度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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TREAT「Coup De Grace」
スウェーデンのハードロックバンド、トリートの2010年作
80年代に活動していたバンドの実に18年ぶりとなる復活作で、かつてを思わせるキャッチーなメロディと
ハードロックとしての骨太さを合わせた爽快なサウンド。存在感のあるベースに古き良き王道のギターリフ、
そして美しいシンセアレンジが合わさり、そこに乗るヴォーカルラインとコーラスハーモニーも耳心地よい。
随所に聴かせる北欧らしい美旋律を含んだメロディとともに、これぞ80年代北欧メタルという感触で、
オールドなファンもにんまりだろう。ブランクを感じさせない楽曲充実の力作に仕上がっている。
メロディック度・・9 王道HR度・・9 北欧HR度・・9 総合・・8.5
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TREAT 「Ghost of Graceland」
スウェーデンのメロディアス・ハードロック、トリートの2016年作
2010年の復活作「Coup De Grace」は素晴らしい傑作であったが、復活2作目となる本作も
美しいシンセワークに、ほどよくヘヴィなギターと伸びやかなヴォーカルを乗せた、厚みのあるサウンドで
正統派の北欧ハードロックを聴かせる。キャッチーな歌メロにシンフォニックといってもよいシンセアレンジ、
ときに泣きのギターを含んだ涼やかな叙情性 とともに、ベテランらしいどっしりとした説得力も感じさせる。
音作りがいくぶんモダンになった感じはあるものの、古き良き部分と現在形を同居させたバランスというべきか。
ジャケのイメージはいくぶんダークであるが、日本人好みのメロディのフックは健在。王道の北欧HR好作品です。
メロディック度・・8 どっしり度・・8 北欧HR度・・9 総合・・8
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TREAT 「Tunguska」
スウェーデンのメロディアス・ハードロック、トリートの2018年作
2010年作「Coup De Grace」で見事に復活をはたし、本作は復活3作目。どっしりとしたドラムに正統派のギター、
ロバート・アーンルンドの伸びやかなヴォーカルを乗せた、重厚にしてキャッチーなサウンドを聴かせる。
うっすらとしたシンセアレンジを含む、80年代ルーツの北欧メタルとしての涼やかなメロディアス性もさすがで、
サビでの優美なコーラスハーモニーに叙情的なギターフレーズが重なるところなどは、思わずにんまりだ。
ノリのよいHRからバラード、キャッチーなポップ感に包まれたきらびやかなナンバーまで、どの曲もメロディのフックと
ハードロックとしての骨太な音の厚みでベテランらしい説得力に包まれている。見事な高品質作である。
メロディック度・・8 キャッチー度・8 どっしり正統派度・・8 総合・・8 
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TREAT 「The Endgeme」
スウェーデンのメロディアス・ハードロック、トリートの2022年作
1985年デビューのベテラン。1993年に解散するも2006年に復活、復活後は往年を超えるような質の高いアルバムを連発し、本作は復活後の4作目、通算9作目のアルバムとなる。
重すぎないギターにシンセを重ね、伸びやかなヴォーカルとともに北欧らしい透明感のあるハードロックを聴かせる。
80年代の北欧メタルをルーツにした優美な叙情性と、ベテランらしい骨太のサウンドが同居したスタイルは健在で、どの曲もキャッチーなメロディのフックが現れて北欧メロディアスハード好きにとってはたまらない。中盤のバラードナンバーも大人の叙情性に包まれたよい味わいだ。
メロディック度・9 北欧HR度・9 大人の叙情度・9 総合・8.5 
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TRILLION 
アメリカのプログレバード、トリリオンの1978年作
アメリカらしいキャッチーなメロディとQUEENを思わせるコーラスハーモニーで、
ポップな大衆性とプログレハードとしてのきらびやかなサウンドを両立させたスタイル。
全体的には爽快な作風だが、ときに泣きのギターソロを聴かせる叙情性も見事。
続く2作目もよりスタイリッシュになったクオリティの高さが光る傑作である。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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TRILLION 「CLEAR APPROACH」
アメリカのプログレバード、トリリオンの1980年作
1978年の1作目の人気も高いが、2作目となる本作ではよりスタイリッシュなサウンドで、
キャッチーなメロディックロックを聴かせてくれる。いかにも80年代らしいポップ性と
きらびやかなシンセアレンジで、まさにタイトル通りのクリアな聴き心地のアプローチである。
やわらかな叙情のバラードなども含めて、JourneyやTOTOなどにも通じるメジャーな感触は、
この手のマイナー系プログレハードとしては出色の完成度。随所に聴かせる泣きのギターもよい感じです。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 プログレハー度・・8 総合・・8
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Trillium「Alloy」
女性シンガー、アマンダ・サマーヴィルを中心にしたのユニット、トリリアムの2011年作
マイケル・キスクとのデュオやAVANTASIAなどにも参加したことでも知られる実力派シンガーで、
サシャ・ピートがプロデュース、彼の片腕であるミロがシンセにアレンジを担当している。
サウンドの方は、アマンダの歌声をメインにした、ゴシック風味のハードロックという感じで、
EVANESCENCEなどにも通じるキャッチーさと適度なヘヴィさ、シンフォニックな叙情性もあって普通に聴きやすい。
全体的にしっとりとした薄暗い曲調であるが、ゴシックメタルというほどでもなく、楽曲のインパクトという点でも
いくぶん中途半端な気もするが、フィメールメタル好きのリスナーはどうぞ。ヨルン・ランデがゲスト参加。
メロディアス度・・7 ゴシック風HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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The Trophy「the gift of life」
ドイツのメロディアスハードバンド、トロフィーの2009作
元JADED HEARTのマイケル・ボーマン、HUMAN FORTRESSのトッド・ウルフらによるバンドで
いくぶんモダンなヘヴィさのあるメロディアスハードをやっている。
キャッチーなヴォーカルメロディを中心に、けっこうハードめのギターと
シンセによる美しいアレンジで聴かせるサウンドはキャッチーでありながらも軽すぎず、
どっしりとした骨太の質感がある。楽曲自体は比較的正統派のハードロック。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 骨太度・・8 総合・・8
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Tuomas Holopainen 「The Life and Times of Scrooge」
Nightwishのシンセ奏者、ツォーマス・ホロパイネンの2014年作
ディズニーのキャラクターのために作られたサントラ作品で、メタル色はほとんどなく
シンセによるオーケストレーションと、随所に女性声も加わった優美なサウンド。
Nightwishの優雅な部分を思わせるシンフォニックな美意識に包まれながら、
ときにケルティックなメロディなども含んだ作風は、単なるサントラという以上に
ファンタジックなドラマ性を感じさせる。ツォーマスの作曲センスが発揮された好作品。
シンフォニック度・・8 メタル度・・1 壮麗度・・8 総合・・7.5
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TURNING POINT「RIVER DANCE」
スウェーデンのハードロックバンド、ターニング・ポイントの1994作
10年以上前ではなかなか珍しい、ケルティックなメロディを取り入れたHRで、
かすれた声質のヴォーカルといい、やや薄っぺららギターサウンドといい、
時代を感じさせるものがあるが、そこに顔を出すフォーキーなメロディはなかなかなごめる。
GARY MOORDAREあたりが好きな方ならそこそこ気に入るだろう。
メロディアス度・・7 ケルティック度・・7 楽曲・・7 総合・・7


TWO FIRES「IBNITION」
アメリカのメロディアスハードバンド、トゥー・ファイアーズの2nd。2002作
JOURNEYTHE STORMという流れで聴ける、キャッチーなハードポップサウンド。
メロディアスなギターと美しいシンセワーク、そして80年代的なヴォーカルメロディは
さすがの質の高さを誇り、日本人好みの爽やかなメロディアスハードが味わえる。
全体的に新鮮味はやや薄いものの、安心して楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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Two of a Kind
オランダのメロディアスハードバンド、トゥー・オブ・ア・カインドの2007作
二人の女性Voをフロントに TERRA NOVAのメンバーがバックアップするユニットで、
爽やかでキャッチーなメロディ満載の楽曲に、エスターとアニータ、二人の伸びやかな歌声が乗る。
女性二人の美しいコーラスハーモニーは、やはりHEARTを思い浮かべるが、
こちらの方がシンセなどによる曲アレンジが前に出ていて、若いリスナーにも聴けるだろう。
ただ質は高い反面、意外性は薄いので、女性Voフリークでないと途中で飽きるかもしれない。
メロディアス度・・8 爽やかキャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TWO OF A KIND 「RISE」
オランダのメロディアスハードロック、トゥー・オブ・ア・カインドの2018年作
二人の女性Voをフロントに TERRA NOVAのメンバー3人がバックアップするユニットで、
2007年以来となる11年ぶりの2作目。きらびやかなシンセアレンジに適度にハードなギター、
そして、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で、キャッチーなメロディアスハードを聴かせる。
本作では、オールドなHR感触が強まっていて、オルガンが鳴り響く三連リズムのナンバーなど、
80年代ルーツの雰囲気も漂わせつつ、かつてのテラ・ノヴァのような爽快なナンバーもよいですな。
DANTE FOXなどが好きな方にもお薦めの、女性声メロハーの好作品です。
メロディック度・・8 古き良きHR度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Tygers Of Pan Tang 「Tang Animal Instinct」
イギリスのハードロック、タイガーズ・オブ・パンタンの2008年作
1979年にデビュー、NWOBHMシーンを代表するバンドのひとつ。ジョン・サイクスが加入した2nd「SPELLBOUND」は、
バンドの代表作として知られる。1982年、4作目「The Cage」を最後にバンドは解散するが、2001年になって再結成を果たし、
本作は復活3作目となる。オリジナルメンバーはギターのロブ・ウェイのみだが、1曲目からメロディックなギターとともに、
80年代のNWOBHM臭を感じさせる古き良きハードロックサウンドで、往年のファンもにんまりだろう。
イタリア人シンガー、ヤコポ・メイレの伸びやかな歌声も、キャッチーで爽快なノリを含んだ楽曲によくマッチしている。
かつてのスタイルをしっかりと継承しつつ、現代的にクオリティをアップさせたというべき見事な力作に仕上がっている。
メロディック度・・8 爽快度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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Tygers Of Pan Tang 「Ritual」
イギリスのメタルバンド、タイガーズ・オブ・パンタンの2019年作
1979年にデビュー、80年代のNWOBHMシーンで活躍、二度の解散をへて、2001年の再々復活以降は意欲的に活動を続けている。
セルフタイトルの力作であった前作から3年ぶり、復活後6作目となる本作は、デビュー40周年を飾るアルバムとなった。
イントロのギターリフからして、すでに往年のブリティッシュメタル臭がぷんぷんで、往年のファンはにんまりだろう。
オリジナルメンバーであるロブ・ウィアーを含むツインギターに、2008年から参加する、ジャック(ヤコポ)・メイレの
伸びやかなヴォーカルも魅力的で、適度にキャッチーでいて骨太なHR/HMサウンドによくマッチしている。
ジャケこそダークなイメージであるが、ノリのよいメタルナンバーから、哀愁を含んだ叙情を描くナンバーまで、
英国らしい誇りとベテランの味わいに包まれた、オールドスタイルのブリティッシュメタルが詰まった強力作。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 ブリティッシュメタル度・・9 総合・・8
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ULI JON ROTH/ELECTRIC SUN 「EARTHQUAKE/FIRE WIND」
天才仙人ギタリスト、ウリ・ジョン・ロートのかつてのバンド、エレクトリックサンの1stと2ndのカップリングCD。
個人的にはやはりスカイギター導入後の作品「BEYOND THE ASTRAL SKIES」
「PROLOGUE TO THE SYMPHONIC LEGENDS」あたりが白眉だと思うが、
このELECTRIC SUN時代の79年から80年の音もなかなかに味わい深い。
メロディのつむぎ方、その自然な音の流れはやはり天才としかいいようがない。
メロディアスギター度・・9 なめらか度・・9 歌はオマケ度・・8 総合・・7.5

ULI JON ROTH「Sky of Avalon」
ドイツのギター仙人、ウリ・ジョン・ロートの1996年作
壮大なスケールで構想された「The Symphonic Legends」三部作の序章として作られた作品で、
のっけから美麗なオーケストラとコーラスワーク、スカイギターの優美な音色で、
まさに天上の音楽を描くような感動的な世界が広がってゆく。伸びやかなトミー・ハートのヴォーカルに
オペラティックなソプラノ女性ヴォーカルもを楽曲に花添える。序章というにはあまりにも素晴らしい出来に、
否が応にも本編の期待が高まるのだが、本作のあと、第一部が完成するまで10年以上待たされることになるという。涙
シンフォニック度・・8 壮大度・・9 これから待たされます度・・10 総合・・8.5
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ULI JON ROTH「Transcendental Sky Guitar」
ドイツのギター仙人、ウリ・ジョン・ロートの2枚組アルバム。2000年作
「天上の至楽」と題されたライブ作品で、1曲目“スカイ序曲”から、うっとりとするような
スカイギターの甘美な音色を満喫できる。その後も“トルコ行進曲”、ショパンの“望郷”、
ヴィヴァルディの“雷鳴と稲妻”、ムソルグスキーの“ババ・ヤーガの小屋”、パガニーニ、
メンデルスソーンの“妖精の踊り”、そしてベートーヴェンといったクラシック曲を
優雅なギターサウンドで表現。まさに生ける芸術家ともいうべきその音色に聴き惚れる。
クラシック度・・9 スカイギター度・・10 ロック度・・5 総合・・9
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ULI JON ROTH「METAMORPHOSIS」
ドイツのギター仙人、ウリ・ジョン・ロートの2003年作
仙人、久々のスタジオ作はヴィヴァルディの「四季」をロックアレンジしたクラシカルなアルバムとなった。
いったい「SKY OF AVALON」シリーズはいつになったら発表するのか、というファンの懸念を蹴散らし、
仙人はわが道を行くのであった…。ヴァイオリンの音域を出すスカイギターの音色は相変わらず優美で、
おなじみの「四季」の曲調にもマッチしていてよろしいのだが、ロックというよりはクラシカル度が高いので、
メタラーの受けはあまりよろしくないであろう。プログレファンはカナリオスの「四季」あたりと比べたりして楽しめるかもしれない。
ブックレットが分厚く豪華で、自身による細かな解説も入っている。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 ロック度・・6 総合・・8
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ULI JON ROTH「the BEST of」
ドイツのギター仙人、ウリ・ジョンロートのベストアルバム。2007年作
天上の音色を奏でるスカイギターを手に、クラシカルなギターサウンドで数々の珠玉の音楽をつくり続けてきた
彼自身の30年にもおよぶキャリアから選曲された2枚組のベストアルバム。
Disc1は、ソロ一作目である傑作「Beyond the Astral Skies」(1984)
壮大なスケールの「Prologue to the Symphonic Legends-Sky of Avalon」(1995)
スカイギターのための組曲「Transcendental Sky Guitar」(2000)
ヴィバルディの“四季”を独自に解釈した「Metamorphosis」(2003)、からの曲を中心に収録。
この上ない美しさで聴かせる泣きのギターと壮麗なオーケストラなどが一体となり、大自然と地球、
大宇宙をも想起させるスケール感溢れるシンフォニックなロックサウンドがこれでもかと繰り広げられる。
Disc2は、Electric Sun名義のバンド作、「Earthquake」(1978)、「Fire Wind」(1980)、
ジャック・ブルース、マイケル・シェンカーらをゲストに向かえたライブ作「Legends of Rock」(2001)
さらには未発表の「Suite 12 Arpeggio Concert Etudes For Solo Piano」(1991)からも収録。
ウリ・ロートというこの偉大なるアーティストの足跡を知る絶好のベスト作だし、
まだ万が一にもスカイギターの優美な音色を知らないという方はまず必聴だ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 スカイギター度・・10 総合・・8.5
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Uli Jon Roth「Under A Dark Sky」
スカイギターを操るギター仙人、ウリ・ジョン・ロートの2008年作
序章から12年待った。待望のシンフォニック・レジェンズの第一部の完成である。
人類への警告を含んだメッセージとともにクラシカルに幕を開ける本作は、壮麗なオーケストラをバックにした
ロックオペラ風のアルバムだ。バンドパートでの男性Voはマーク・ボールズが、女性Voは元SAHARAのリズ・ヴァンダルがつとめる。
古き良きロック風味とオーケストラアレンジが融合した、優雅でクラシカルな作風であるが、
そこに人間的で温かみのある演奏を聴かせるのはさすが。ウリの奏でるスカイギターはときに優しく、
ときに人類を叱咤するように激しく、宇宙における地球の物語を悲しみと希望の音によって織りなしてゆく。
メタル的なモダンさを求める若いリスナーには、あるいは古くさく感じるかもしれない。しかしこれがロックであり、
これが本物の音楽なのだ。音の向こうに世界が見えるかどうか。紡がれるメロディの意味を感じるかどうか。
18分の大曲のラストは唐突だが。類まれな天才の手による、音楽と世界の融合がここにまたひとつ完成した。
ブックレットにおけるウリ自身の解説も、人類と地球に対する奥深い指針をはらんだ内容で必読である。
シンフォニック度・・9 壮大度・・10 人類と地球度・・10 総合・・9
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Uli Jon Roth 「Scorpions-revisited Vol.1」
ドイツのギター仙人、ウリ・ジョン・ロートのライヴ作品。2015年作
スコーピオンズの40周年ツアーの間に、無観客ホールでレコーディングしたというライヴ音源で、
1973〜78年の間にウリが参加した5枚のアルバムから選曲された楽曲をCD2枚組に収録。
1曲目から“カロンの渡し船”で、ウリのスカイギターが雄たけびを上げる。トリプルギターにシンセを含んだ
厚みのあるアレンジに、ヴォーカルのネイサン・ジェームスの歌声もパワフルで楽曲に新たな息吹をもたらしている。
Electric Sun時代からの盟友で、元ZENO、FAIR WARNINGのウレ・リトゲンもベースで全面参加。
ライブらしい躍動感とともに、“ヴァージン・キラー”、“イン・トランス”など往年の楽曲が再現される。
ウリのギターは60歳とは思えない切れ味とさすがの表現力で、古さと新しさを合わせ持ったプレイを
たっぷりと楽しませてくれる。スコーピオンズファン、そしてウリのファンならば必聴の作品だろう。
ドラマティック度・・8 ウリのギター度・・9 スコーピオンズ度・・9 総合・・8.5
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Under Suspicion
アメリカのメロディアスハードロック、アンダー・サスピションの2001年作
キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせる正統派のメロハーサウンド。
これといって新鮮な部分や特徴があるわけではないが、
たとえば北欧系のバンドとは違って、シンセがうるさすぎることもなく。
しっかりしとたギターリフも含めたどっしりとしたロック感触がある。
いうなれば大人のハードロックとしての枯れた味わいも魅力の好作品だ。
メロディック度・・8 正統派HR度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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UNISONIC「UNISONIC」
マイケル・キスクとカイ・ハンセンによる新バンド、ユニソニックの2012年作
カイ・ハンセンがHELLOWEENを脱退したのはあの「守護神伝 2」の直後であるから、
この二人が同じバンドに在籍するというのは、じつに20年以上ぶりということになる。
サウンドはキャッチーなメロディで聴かせる正統派のHRで、メンバーにデニス・ワードがいることからも、
HELLOWEENというよりはむしろ、PLACE VENDOMEの延長上のサウンドに、カイ・ハンセンのテイストが
加わったというような印象だ。キスクの堂々たる歌声には、かつての黄金時代の雰囲気も漂わせ、
長く彼らを見つめてきたファンにとっては感無量だろう。元ASIAの経歴を持つマンディ・メイヤーと
カイとのツインギターも、爽やかなコラボを生み出していて、力みすぎない大人の余裕が感じられる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 正統派HR度・・8 総合・・8
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UNIVERSOUND 「MOONLIGHT DRIVE」
イタリアのメロディックロック、ユニヴァーサウンドの2022年作
グルーヴィなリズムにやわらかなシンセ、艶めいた女性ヴォーカルを乗せた大人のAOR的なサウンドで、
ゆったりとしたジャズタッチの雰囲気や、美麗なシンセやピアノによる優雅なアレンジが耳心地よい。
紅一点、Cecilia嬢の歌声は、LANA LENEのようなエモーショナルな魅力とフェミニンな表現力があり
80年代的なポップ感を漂わせるタイトルナンバーなども、コケティッシュなヴォーカルがよく映えている。
全8曲、31分という短めの作品であるが、優雅な女性声ハードポップが好きな方には楽しめるだろう。
ポップ度・8 キャッチー度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
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URIAH HEEPWake the Sleeper
ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの2008年作
1998年の「SONIC ORIGAMI」以来10年ぶりのアルバムであるが、のっけから激しく疾走する勢いの良さに、
オールドなオルガンの音色が絡む、まさに全盛期のヒープサウンドを彷彿とさせる作風で、むしろびっくりである。
古き良きブリティッシュハードの香りをしっかりと残しつつ、ただ古臭いだけではない、パワフルな演奏はさすがベテランである。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 ヒープ度・・9 総合・・8
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Uriah Heep
「Celebration」
ブリティッシュ・ハードのベテラン、ユーライア・ヒープの2010年作
2008年の復活作に続く本作は、過去曲のセルフカヴァーをメインにしたアルバム。
1st収録の“Gypsy”や、2nd収録の“Bird Of Prey”、“Lady in Black”をはじめ、
代表作である3rdからの、“Look at Yourself”、“July Morning”、4thの“The Wizards”など、
70年代ヒープの魅力が詰まったナンバーを再現。オリジナルメンバーはギターのミック・ボックスのみだが、
バーニィ・ショウの力強い歌声とともに、オルガン鳴り響く古き良きブリティッシュハードサウンドが楽しめる。
往年のヒープファンはもちろん、若いリスナーの入門用にもうってつけの作品だろう。
メロディック度・・8 英国度・・8 ヒープ度・・9 総合・・8
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URIAH HEEP「Into The Wild」
ブリティッシュ・ハードのベテラン、ユーライア・ヒープの2011年作
復活作である2008年の「Wake the Sleeper」から、さらにレイドバックしたようなサウンドで、
鳴り響くオルガンとともに、まさに70年代を思わせる古き良きヒープ節が炸裂している。
唯一のオリジナルメンバーはギターのミック・ボックスのみだが、そのアナログ感たっぷりのギターワークと
バーニー・ショウの朗々たる歌声がよくマッチしており、これぞブリティッシュ・ハードロックという聴き心地だ。
全体の完成度という点では、彼らの歴史の中でも屈指の出来と言ってよいだろう。
メロディック度・・8 王道HR度・・8 ヒープ度・・9 総合・・8
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URIAH HEEP 「Outsider」
ブリティッシュ・ハードのベテラン、ユーライア・ヒープの2014年作
復活した2008年以降、旺盛な活動で質の高い作品を出し続けている大ベテランバンド、
見事な傑作であった前作に続き、今作もまたオルガンが鳴り響く古き良きスタイルで、
唯一のオリジナルメンバーであるミック・ボックスのブルージーなギターワークと
味わいのあるバーニー・ショウのヴォーカルとともに、新生ヒープの美学を貫くサウンドが楽しめる。
前作に比べるといくぶんストレートな印象で、HRリスナー向きの分かり安い曲が多いのも受けるだろう。
キャッチーなメロディとオールドなハードロック感触を同居させた、バンドとして新たな安定期を感じさせる好作品。
キャッチー度・・8 ヒープ度・・8 英国ハー度・・8 総合・・8
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Uriah Heep 「Living the Dream」
ブリティッシュ・ハードのベテラン、ユーライア・ヒープの2018年作
1970年デビューのベテラン、オリジナルメンバーは、ギターのミック・ボックスのみであるが、
適度なハードなギターにオルガンが鳴り響き、バーニー・ショウの味のあるヴォーカルを乗せて、
往年のヒープをしっかりと受け継いだサウンドは本作も健在。反面、これだという目新しさはないのだが、
ドラムを中心にした演奏陣の安定感はさすがで、ミックによる泣きのギタープレイも随所に覗かせつつ、
哀愁の叙情を含んだ大人の英国ハードに浸れる。オールドファンからヒープ初心者にも楽しめる好作品。
ドラマティック度・8 古き良き度・8 英国ハー度・8 総合・8 
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Uriah Heep 「Chaos & Colour」
イギリスのハードロック、ユーライア・ヒープの2022年作
1970年デビューの大ベテラン。本作は通算25作目あたり。メンバーは前作から変化なしで、サウンドの方も、ほどよくハードなギターにオルガンを重ね、バーニー・ショウの伸びやかな歌声とともに、キャッチーなノリのあるヒープらしいハードロックは健在。
叙情的な
ミック・ボックスの奏でる叙情的なギタープレイも随所にアクセントになっていて、フィル・ランゾンのオルガンも、もはやヒープの一部というべき見事なアレンジで楽曲を彩っている。
ヴィンテージなスタイルであるが、古めかしさではなく現在形のレイドバックというような、大人の優雅さに包まれていて、今作はどの曲もメロディのフックが秀逸だ。ここにきて最高のアルバムが完成。
ドラマティック度・8 ヴィンテージ度・8 英国度・9 総合・8.5 
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VALENSIA「GAIA」
オランダの貴公子、ヴァレンシアの1st。1993作
同郷のVALENTINEと同様QUEENから絶大な影響を受けたと公言する通り、
ポップセンスやコーラスハーモニーなどには、キャッチーさと壮大さが同居している。この1stでは民族的な色合いもあり、
やわらかみのあるサウンドにケイト・ブッシュ的な無邪気さ、神秘性も部分的に感じられる。
メタル性はほぼ皆無で、ヴァレンタインまでが限界のHRファンにはつらいかもしれないが、
それを度外視すれば、力を抜いて聴ける良質の音楽であると思う。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 ゴージャス度・・7 総合・・7.5




VALENSIA「VALENSIA '98MUSICAL BLUE PARAPHERNALIAN DREAMS OF EARTH'S EVENTIDE WHITER FUTURE & DARKER PRESENT SOUNDSPHERES FROM NEW DIAMOND AGE SYMPHONIAN ARTWORKS TO YESTERDAY'S WESTERNWORLD ROCKCRAFT UNDER THE RAGIING NINETIES' SILVER PROMISE OF THE HAPPY HUNDREDS ON THE BREAK OF THE NEW MILLENNIUM'S HAZY MISTY DAWN.
というとんでもなく長いタイトルのヴァレンシアの3rd。略称は「V」(だったらそう書きゃいいって?)1998作
なんでもこのアルバムは彼自身あまり気に入っていないようで、あとになってレコード会社から
強制されて作った、というようなことを雑誌のインタビューなどに語っている。
内容は彼独特のポップ性を保ちつつも、よりロックっぽさを増した音づくり。
確かに「GAIA」などと比べるとより乾いた印象で、キーボードアレンジなども控えめ。
得意のQUEEN度も抑え気味で、一聴して地味な印象もあるが、アコースティックギターなどを用いたり、
普通っぽい歌を聴かせるなど新境地もかいま見せていて、そう悪くはない。「らしい」曲もいくつかあるし。
メロディアス度・・7 ポップ度・・8 ゴージャス度・・5 総合・・7

VALENSIA「GAIAU」
オランダの貴公子、ヴァレンシアの4th。2000年作
やや中途半端だった前作の反省からか「やりたいものをやろう」と開き直ったかのように
今作はのっけからQUEEN度全開のゴージャスなサウンドとなった。
壮大なコーラスハーモニーに絶妙のポップセンスが絡まり、カラフルな音が乱舞する。
しがらみから開放されたかのような彼自身の「楽しさ」が音を通じて感じられ、聴いていて思わず嬉しくなる。
もちろんメタルでもハードロックでもないのだが、このクオリティの高さはやはり見事。
「現代版QUEEN」、あるいは「男版KATE BUSH」という言葉を、彼には賛辞とともに送りたい。
VALENSIAとはどんな音楽か?…という問いにはこのアルバムをまず聴くことをお勧めする。
メロディアス度・・8 ポップ度・・9 ゴージャス度・・9 総合・・8
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VALENSIA 「QUEEN TRIBUTE」
オランダの貴公子、ヴァレンシアクイーン・トリビュートアルバム。2004作
かつて日本盤で出たものと同様のフィンランド盤。きらびやかなジャケにつられて購入。
大のクイーン好きがたたって、ついに全曲クイーンのカヴァーというアルバムを作ってしまった彼だが、
それだけにオリジナルへの愛を感じる歌いっぷりで、どの曲も忠実かつ丁寧にアレンジされている。
とくに、名曲“BOHEMIAN RHAPSODY”などはオリジナルを超えようかという壮麗な出来だ。
元曲と聴き比べるだけでなく、単体としても濃密なトリビュートアルバムです。
メロディアス度・・8 アレンジ度・・8 女王なりきり度・・9 総合・・7.5
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Valensia 「Gaia III・Aglaea・Legacy」
オランダのミュージシャン、ヴァレンシアの2014年作
1993年にデビュー、QUEENKATE BUSHからの影響を感じさせるポップフィーリングと端正なルックスで、
VALENTINEと並んで日本でも人気を博したアーティスト。その20年のキャリアを総括するラストアルバムである。
アコースティックな繊細さと優美なコーラスワークを含んで、QUEENばりにドラマティックに展開させるサウンドは、
アレンジャーとしてもすでに職人の域だろう。自身の愛する音楽のテイストをそこここに散りばめながら、
己の宇宙に取り込んで優雅に昇華するスタイルは、ロック、ポップというカテゴライズをひらりと華麗に飛び越える。
ケイト・ブッシュ的な小曲もいつも通り、気負うことなくポップで楽しげ。一貫した彼の愛する音楽への美学を感じさせる。
今後は映像方面を進みたいと志す、アーティストとしての音楽制作を締めくくる60分の力作だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 優雅度・・9 総合・・8 
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Robby Valentine
オランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタインの1st。1992年作
シンガーにして自らピアノも弾く美貌のアーティスト、ヴァレンタイン衝撃のデビュー作である。
1曲目の“The Magic Breaze”の壮麗な世界観からしてもう引き込まれる。
どこか中性的な甘い歌声と、QUEENをルーツにしたきらびやかでドラマティックな展開美、
単なるハードロックの枠を超えたゴージャスなサウンドは、男女問わず楽しめるポップな普遍性がある。
クラシカルでシンフォニックな“The Gift of Life”、PVにもなった美しいバラード曲“Over And Over Again”
そしてダイナミックな展開美が素晴らしい“I Believe in You”と、楽曲的にも充実した見事な傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・9 華麗度・・9 総合・・8
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Robby Valentine 「The Magic Infinity」
オランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタインの2nd。1993年作
衝撃のデビューを飾った1991年の1作目も見事な出来であるが、本作ではいっそう楽曲の充実をはたし、
後の作品への土台ともいうべききらびやかなヴァレンタインサウンドが完成されたアルバムだ。
冒頭を飾るナンバー“The Magic Infinity”から、もうその華麗な世界に引き込まれるが、
その後も、繊細なピアノを聴かせるパラードやキャッチーなポップ曲など、楽曲の幅も広い。
そして、名曲、“No Turning Back”、この究極的なドラマティックサウンドには今も圧倒される。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 華麗度・・9 総合・・8.5
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Valentine
オランダの貴公子、ヴァレンタインこと、ロビー・ヴァレンタインの通算3作目。1995作
Robby Valentine名義として2枚の作品を発表後、新たにVALENTINEとして活動をスタート、
本作は彼の持ち味である、きらびやかで優雅なメロディが目一杯詰まった傑作となった。
1曲目の“God”からして、QUEENを思わせる華麗さと、展開の多いドラマティックな作風で
聴き手の心を鷲づかみにしてくる。シンフォニックな美しさと流麗なコーラス、繊細なピアノなど、
これぞヴァレンタイン・ワールドというべきじつに華麗なサウンドである。
メロディアス度・・9 華麗度・・9 クイーン度・・8 総合・・8.5
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VALENTINE「BELIEVING IS SEEING」
オランダのメロハー貴公子、ヴァレンタインこと、ロビー・ヴァレンタインの6th。2000作
個人的にはRobby Valentine名義から数えての3作目までが素晴らしいと思っていて、
4thはややまとまりすぎだし、5thはいま一つ気に入らなかったのであるが、今作は美麗メロディが炸裂の3rd以来の傑作だ。
QUEEN
を思わせるコーラスハーモニーに、クラシカルかつキャッチーなアレンジで聴かせるヴァレンタイン節は健在。
美しいピアノの音色に、少し鼻にかかったようなロビー王子の歌声は、どこかナルシスティックで
ロマンティックなお花畑にいざなってくれます。ややマンネリ気味なメロディや予定調和の美学をちらほらさせていますが、
シンフォニックかつ壮麗に盛り上げるラスト曲などは素直にうっとりとなれますネ♪
メロディアス度・・8 壮麗度・・9 新鮮度・・7 総合・・8
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VALENTINEMost Beautiful Pain
オランダの貴公子、ヴァレンタインの7th。2006作
翼の生えたピアノに乗って羽ばたくロビー様という…少々恥ずかしいジャケですが、
サウンドの方はいつになくヘヴィなギターが入ってきて、モダンな感触が増している。
もちろんヴァレンタイン節ともいうべきキャッチーなきらびやかさは随所に健在ではあるが、
かつてのような壮麗な華やかさはやや薄まり、貴公子も大人になって落ち着いたかなという印象。
…と思っていたら、バック・トゥ・ザ・フューチャーのテーマを含むラスト4曲は素晴らしい叙情美。
全体的にもメロディックロックとしての質は相変わらず高いので、ファンであれば十分楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 壮麗度・・7 総合・・8
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VALENTINE「Falling Down In Misanthropolis」
オランダの貴公子、ヴァレンタインの8th。2007作
前作で聴かれたヘヴィな質感と適度なモダンさを踏襲しつつ、随所にしっかりと彼らしいキャッチーなメロディをまぶして聴かせる好作。
お得意のQUEEN風味のコーラスハーモニーや、ポップなノリとともにヴァレンタインワールド健在を感じさせる、
きらびやかで軽快なサウンドが楽しめる。彼の愛してやまないQUEENやABBAのカヴァーもさすがにハマっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 軽快度・・8 総合・・8
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VALENTINE 「Andrognius」
オランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタインの2008年作
1993年にデビュー、ここまでのキャリア15年を総括する、2枚組ベスト版で、Disc1「Future?」、Disc2「Past」と、
それぞれ未来へ向かう現在系のナンバーと、過去の楽曲からセレクトされた、全28曲を収録している。
Disc1は、初期に比べると、モダンなヘヴィネスがいくぶん強まっているが、きらびやかなアレンジで聴かせる
壮麗なハードロックとして普通に楽しめるが、名曲「Over & Over...Again」の新バージョンはいかがなものか。
Disc2は、「バックトゥ・ザ・フューチャー」のテーマでタイムスリップ、「The Magic Breeze」をはじめとした、
過去のメロディックな美麗なナンバーがたっぷり楽しめて、往年のファンにはこちらが嬉しいだろう。
メロディック度・8 壮麗度・8 ベスト度・7 総合・8 
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VALENTINE 「The Alliance」
オランダの貴公子、ヴァレンタインの2018年作
1992年に「ロビー・ヴァレンタイン」としてデビュー、オリジナル作品としてはおそらく10作目となる。
久しぶりの復活作化と思いきや、2014年に「Bizarro World」というアルバムを出していたんですな。
時代を超えても、甘くキャッチーなヴォーカルハーモニーと壮麗にしてゴージャスなアレンジは、
かつてのヴァレンタインそのままのサウンドで、長年のファンはほっと安心することだろう。
80〜90年代にレイドバックしたような作風は、繊細で暖かな聴き心地で、どこかなつかしく楽しめ、
もともとQUEENや70年代ロックからの影響を受けていた作風なので、新鮮味はさほどなくとも、
どの曲もしっかり「ロビヴァレ節」に昇華されているのがさすが。優しくナルシスな歌声もいまだ魅力十分。
日本盤ライナーでの、緑内障や鬱と戦いながら創作を続ける、彼自身の文章による楽曲解説も必読だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・9 壮麗度・・8 総合・・8 
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Veil Of Obscurity 「In The Beginning」
女性シンガー、ミッシェル・レイチェンをフロントにしたユニット、ヴェール・オブ・オブスキュリティの2018年作
バックを務めるのは、ROYAL HUNTのメンバーで、アンドレ・アンダーセンはゲスト扱い。
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声をメインにした、キャッチーなポップ性のあるサウンドで、
ドラムはツーバスながら、メタル色はあまり感じさせない音作りは、あくまで歌を前面に出した作風。
艶めいた彼女の歌声はなかなか魅力的で、随所に美麗なシンセアレンジも覗かせつつ、
わりとメジャー感のあるモダンなポップ性とともに、4〜5分前後の楽曲をきらびやかに聴かせる。
この路線なら、別にロイハンがバックでなくてもよい気もするのだが、人脈的なつながりなのだろう。
キャッチー度・・8 メタル度・・2 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VENGENCE「Soul Collector」
オランダのベテランハードロックバンド、ヴェンジェンスの2009年作
かつてはAYREONのアルイエン・ルカッセンも在籍していたバンドで、
1984〜1997年まで活動、その後いったん休止するも2006年に復活、
本作はその復活二作目となる。サウンドの方は良くも悪くも古き良きHRで、
ブルージーなロック色とヨーロピアンなメタル要素が融合されたもの。
アダルトな渋さで聴かせるヴォーカルも含め、これが大人のハードロックだ。
日本盤には2007年のライブを収録したボーナスCD付き。往年の名曲が楽しめる。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 渋いね度・・9 総合・・7.5
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Vengeance 「Crystal Eye」
オランダのベテランバンド、ヴェンジェンスの2012年作
1997年からバンドは活動休止するも2006年に復活、復活3作目となる本作は
Chris Slade(AC/DC)、Keri Kelli(Alice Cooper)、Chris Glen(MSG)、といったメンバーが参加し
結成30年周年記念のアルバムとなった。ヨーロッパのバンドらしいメロディを含みながら、
80年代HRの王道をゆく質感と、ベテランらしい哀愁をまとったサウンドは説得力充分。
随所にツインギターの叙情性をまぶしつつ、パワフルなノリの良さを押し出した力作だ。
メロディック度・・7古き良きHR度・・8 ベテランの味度・・9 総合・・8
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VERALIN「Opposites」
オランダのプログレ・ハードバンド、ベラリンの1996年作
ハスキーで伸びやかな女性ヴォーカルの歌声と、キャッチーなメロディで聴かせるサウンド。
FINCHのシンセ奏者によるシンフォニックなシンセワークも素晴らしく、
それにハードロック的な明快さが合わさって、なかなか耳心地のよい音作りだ。
これだという叙情や盛り上がりはないものの、安心して楽しめる女性Voロック作。
AYREONのアルイエン・ルカッセンもゲストで参加している。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Vinnie Moore 「Soul Shifter」
アメリカのギタリスト、ヴィニー・ムーアの2019年作
1985年にVicious Rumorsへの参加からキャリアをスタート、1986年にソロとなってデビューし、
2003年にはUFOへ加入する。本作はソロとして9作目となる。初期のネオクラシカル路線から、
近年は肩の力の抜けた、キャッチーなギターインストいう方向性になってきているが、
本作も前作からの路線で、メロディックで技巧的なギタープレイをたっぷりと聴かせてくれる。
ときにブルージーな大人の叙情をまぶした歌心のあるギターフレーズで、ゆったりとしたナンバーなども、
メロウな味わいでじつに耳心地良い。ハードな部分はほとんどないので、メタル系が苦手な方でも、
巧みなロックギターの名手として楽しめるだろう。ジョーダン・ルーデスやルディ・サードなどがゲスト参加。
メロディック度・・8 テクニカル度・・7 ギタープレイ度・・9 総合・・8
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VIOLET JANINE 「Between Red and Blue」
スウェーデンのメロディアスハード、ヴァイオレット・ジェニンの2016年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、80〜90年代を思わせる古き良き味わいのハードロック。
LITA FORDVIXEN、最近ではHALESTORMあたりにも通じる、わりと骨太のスタイルで、
シンセなどを使っていない分、パワフルでブルージーなロックテイストが前に出ている。
楽曲は3〜4分前後と比較的シンプルで、全35分というのもいっそ潔いが、派手なきらびやかさがないので、
若いリスナーにはやや物足りなさもあるかも。紅一点、ジェニン嬢の歌声は表現豊かで魅力的なので、
今後の活躍が楽しみではある。トニー・マーティンなどがゲスト参加している。
メロディック度・・7 古き良き度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Virtuel 「I」
ブルガリアのプログレハード、ヴィルチュエルの2011年作
1992年にJekyll Hydeの名で結成、本作は新たにVirtuelとして再録音された作品の2019年リミックス版。
近年は八面六臂に活躍するマルチ・ミュージシャン、コンスタンティン・ジャンバゾフを中心にしたバンドで、
きらびやかなシンセアレンジにマイルドなヴォーカルを乗せた、キャッチーな味わいのメロディックロック。
クラシカルかつシンフォニックな優雅さと、適度にハードで随所に流麗なフレーズも聴かせるギターワークに、
リズムチェンジも含んだProgMetal的な構築性で、単なるメロハーという以上に美意識を感じさせるサウンドを描いてゆく。
80年代的なAORの味わいを、優雅な技巧性と厚みのあるアレンジで包み込んだような高品質なアルバムです。
2作目となる、2013年作「Conception of Perception」も、同様にメロディ充実の好作品なのでチェックすべし。
メロディック度・・8 プログレハー度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Virtuel 「Conception of Perception」
ブルガリアのプログレハード、ヴィルチュエルの2013/2019年作
1992年にJekyll Hydeという名で結成され、活動休止後にメンバー三人のうち二人は、アメリカ、イギリスへと移住、
インターネットでのデータ共有により2010年に新たにVirtuelとしての1stを発表し、本作はそれに続く2作目となる。
美麗なシンセアレンジと、大人の味わいのヴォーカルで聴かせる、キャッチーなプログレハードサウンドで、
随所にテクニカルなギターフレーズなどを盛り込んだり、メリハリのあるインストパートもなかなか充実している。
ドラムは打ち込みながら、優雅なシンセワークを中心にしたやわらかな聴き心地で、古き良きプログレハードと
シンフォニックプログレの壮麗さが合わさったという傑作です。2019年リミックス版でDL購入が可能になりました。
ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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Vitalij Kuprij 「Progression」
ウクライナ出身のミュージシャン、ヴィタリ・クープリの2020年作
Artensionのシンセ奏者として知られる彼の、ソロとしては、2008年のピアノ作品以来となるアルバム。
マイケル・ハリス(Thought Chamber)、ロジャー・スタフルバッハ(Artension)、ビル・ハドソン(NORTHTALE)、
クリスチャン・ミュンツナー(Eternity's End、PARADOX)、アンガス・クラーク、レオナルド・ポルケッドゥ、
ハヴィエ・リール、スティーヴ・ドーマンなど、多数のギタリストが参加。きらびやかなシンセワークに
流麗なギターフレーズが絡む、インストによるネオクラシカル・メタルを聴かせる。テクニカルな構築力は
ときにプログレメタル的な感触もあり、クラシカルなピアノも含めて、優美なシンセアレンジが素晴らしい。
PLANET Xのようなフュージョン色はなく、あくまでクラシカルな様式美メタルを基盤にしたサウンドが楽しめる。
クラシカル度・8 テクニカル度・8 優雅度・8 総合・8
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VOLBEATThe Strength /The Sounds /The Songs」
デンマークのメタルバンド、ヴォルビートの2005年作
ヘヴィなギターリフで聴かせる骨太さに、いくぶんキャッチーな感触をまじえたサウンドで、
古き良きHR/HMの素朴な聴き心地を、アダルトなロックンロールで再現したという感じか。
のちのアルバムに比べるとロカビリー風味はさほどなく、本ツクではわりとスラッシュ的でもある激しさもある。
メロディアス度・・7 古き良き度・・7 骨太度・・8 総合・・7.5
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VOLBEAT 「Beyond Hell/Above Heaven」
デンマークのハードロックバンド、ヴォルビートの2010年作
すでに4作目ということだが聴くのは初めて。サウンドは古き良きロカビリーロックを
HR/HMに味付けしたという感じで、アナログ的な質感をモダンに表現しているという、
なかなか面白いスタイル。キャッチーなメロデイと渋みのあるマイルドさが聴き心地よい。
今の時代においてなにか安心して聴けるような、大人のロックとしての味わいがある。
なにげなく随所にMETALLICAっぽさなどもあったりして、にやりとさせられる。マイスペ
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 ロカビリーメタル度・・8 総合・・8
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VOLBEAT「Outlaw Gentlemen & Shady Ladies」

デンマークのロカビリーメタル、ヴォルビートの2013年作
古き良きメタルサウンドとロカビリーロックを融合させたスタイルで人気を誇るこのバンド、本作はすでに5作目となる。
今作も伝統的なHRと、どこかキャッチーな牧歌的なノリを合わせた彼らならではのサウンドは健在。
アナログ的なギターと渋みのあるヴォーカルの歌声とともに、これまで以上にロック的な普遍性が強まっていて、
適度なヘヴィさを残した聴き心地は、より多くのリスナーにアピールするだろう。一方では哀愁を漂わせたナンバーや
メタリックなリフで聴かせるハードなナンバーもあり、最後まで飽きさせない。
ゲストにKING DIAMONDが参加。
メロディック度・・8 古き良き度・・8 ロカビリーHR度・・8 総合・・8
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Volbeat 「Seal the Deal & Let's Boogie」
デンマークのハードロック、ヴォルビートの2016年作
オールドなロカビリーのノリを正統派のメタルサウンドに落とし込んだスタイルで人気を博すこのバンド。
6作目となる本作は、前作からの流れからの、70年代ロックのアナログ感をメタルに融合させたという雰囲気で、
普遍的なHR/HMとしての聴きやすさを強めている。古き良き感触のギターリフにジェントルなヴォーカルの歌声も
よくマッチしていて、キャッチーなハードロックナンバーが増えつつも、アダルトで骨太な質感はちゃんと保っている。
パワフルな部分が後退しつつメロディックな感触が増したことで、メロディアスハード系のリスナーにも楽しめるだろう。
メロディック度・・8 骨太度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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WALTARI「YEAH! YEAH! DIE! DIE! DEATH METAL SYMPHONY IN DEEP C
フィンランドが誇るミクスチャーメタルバンド、ワルタリの1996年作。
これは彼らがデスメタルとオーケストラを融合させて完成させた一大叙事詩である。す・・すごすぎる。
いや、本物のオーケストラを使用したデスメタルと言えばセリオンなどを筆頭にいくつか挙げることはできるが
このアルバムに関してはそんな次元をはるかに超越している。つまり、「本物」なのだ。
これはシンフォニーであり、映画サントラ並みの雄大さがあり、しかもデスメタルだ。
チープさのかけらもない壮大かつ大掛かりな音響。デスメタルの疾走激速パートですらも
完全にオーケストラと融合されている。これは…ある意味とてつもないキワモノ的傑作だ。
デスメタルを真摯に取り入れ(もちろんデス声&ブラスト入り)それをオーケストラと完璧に一体化させた。
これはスラッシュをクラシック化させたメコンデルタに匹敵する偉業・・かもしれない。
デスメタル度・・8 オーケストラ度・・10 楽曲融合度・・9 総合・・9
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WALTARI「Space Avenue」
ワルタリの6th。1997年作
デスメタル的な異色作だった「Yeah! Yeah! Die! Die!〜」の次のアルバムで、
前作から一転、デジタルなビートによるインダストリアルな質感とときにラップノリのヴォーカル、
そこにメタル的なギターが合わさって、ミックスされるとキャッチーなロックになるという不思議な感覚。
メタルとして聴くのではなく、知的ないたずら心と浮遊感のあるミクスチャーロックとして鑑賞すべし。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARIRare Species」
フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの8th。2004年作
キャッチーなメロディと適度なハードさに北欧的な美しいシンセアレンジ、
デジタルなミクスチャー感覚に知的な構築センスをただよわせた作風は
単なるハードロックとも言えない、メタル的なギターとテクノ感覚を合わせたような聴き心地。
ひとつところにとどまらない個性的なサウンドであるが、このとぼけた感じを楽しめるかどうかで
作品への評価が変わりそうだ。ラストは何故かメガデスになる。笑
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARI「Blood Sample」
ワルタリの2005年作
今作はなにやらゴシックロック風のメランコリックな作風で始まる。
ギターにしろシンセにしろ、それっぽいことがすぐ出来てしまう、なんとも芸達者なバンドだ。
ブラックメタルばりのブラストビートやメロパワ風の疾走など、なんでもありながら、
ロックとしての軽快なキャッチーさがあるので難解さはない。アルバムをPART1、2に分けた構成で、
全17曲で75分以上という力作であるが、アルバム後半は一転してダンサブルなサウンドになったり、
サイケロック風味などもあり、このつかみ所のなさが長尺に感じられてしまうかもしれない。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARIRelease Date」
ワルタリの2007年作
いつになくメタリックで重厚な始まりからして耳を引かれるがキャッチーな聴き心地はいつも通り。
なんと36分の大曲も含めて、ProgMetal的な構築性も感じさせつつ、ときにサイケ調の浮遊感や
哀愁のメロディなども含んで展開する楽曲は、これまで以上にギターリフが前に出ていることもあって、
メタルとしての濃密さが感じられる。ブラスト入りで激しく疾走したり、絶叫するヴォーカルなど、
アレンジの極端さはむしろヘンタイ系メタルとしても鑑賞可能だ。モダンなメタルコア風味もいくらかあり、
その多様なミクスチャーセンスとスケール感に、このバンドの器の大きさをあらためて知る思い。
キャッチー度・・8 メタル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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WALTARI「Below Zero」
フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの2009年作
すでにキャリア20年以上のベテランであるが、アルバムごとに探求的なアプローチで楽しませてくれる。
本作も、従来のモダンなミクスチャー感覚とキャッチーなメロディで、雰囲気のあるサウンド作りがさすが。
ヘヴィなギターリフと、ときにシンフォニックなまでのシンセアレンジ、そして独自の浮遊感の中に
フィンランドらしい哀愁の叙情も散りばめている。楽曲は4、5分台と比較的シンプルにまとまっているので、
以前のアルバムのように聴き疲れもしない。メロディアスさと知的な構築センスを合わせた傑作です。
メロディアス度・・8 知的アレンジ度・・8 フィンラン度・・8 総合・・8
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WALTARI 「Global Rock」
フィンランドのミクスチャーロック、ワルタリの2020年作
1991年デビューのベテランで、本作は通算14作目となる。ほどよくメタリックなギターにモダンなシンセアレンジ、
キャッチーなヴォーカルメロディで聴かせるナンバーから、オルタナ風味、エモーショナルロック風と、
つかみどころのないロックサウンド。楽曲は3〜5分前後で、ときにメタルコアやデスメタル風味などの
アグレッシブな部分も覗かせつつ、全体的にはストレートなノリのロックとしてわりと普通に楽しめる。
ポストロック風のスケール感のラスト曲などは、ベテランらしい深みを感じさせる。自然体の好作品だ。
メロディック度・7 キャッチー度・8 モダンロック度・8 総合・7.5 
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WESTWORLD
TNTのトニー・ハーネルとRIOTのマーク・リアリらによる、ウエストワールドの1st。1998作
曲の方はあまり派手さのない、いたって正統派のメロディアスハードで、キャッチーでアメリカンな雰囲気を感じさせつつ適度に叙情もある。
RIOTのような流麗なツインギターなどはまったく聴かれないが、実力あるトニー・ハーネルの歌声を中心にじっくりと聴かせる。
肩の力が抜けた大人のハードロックとして普通に楽しめる。
メロディアス度・・7 メロハー度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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W.E.T.「RETRANSMISSION」
スウェーデンのメロディックロック、ウェットの2021年作
Work Of Artのロバート・サール、ECLIPSEのエリック・モーテンソン、TALISMANのジェフ・スコット・ソート、
3人が属するバンドの頭文字をとった名前で、2009年にデビュー、本作は4作目となる。
存在感あるジェフ・スコット・ソートの歌声にキャッチーなコーラスハーモニーで、80年代産業ロックをルーツにした
王道のメロディックロックを聴かせる。壮麗なシンセアレンジに随所に流麗なギタープレイを含ませた、
往年のプログレハード的な優雅さとドラマティックな雰囲気は、さすが実力者たちによるサウンドで、
ときにTENMAGNUMのように英国的な空気も感じさせる。哀愁と叙情が心地よい大人のメロハーだす。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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WHITE LION 「PRIDE」
アメリカのメロディアスハードバンド、ホワイト・ライオンの2nd。1987作
名は体を表す、このシンプルなジャケからは想像もできない素晴らしきメロディアスハード作。
キャッチーでありながら、どこかヨーロピアンな哀愁を漂わせたメロディと、
ヴィト・ブラットの奏でるメロディアスで、ときにテクニカルなギターワークもじつに見事。
枯れた味わいのあるヴォーカルとともに、アメリカのバンドでありながら、しっとりとした叙情溢れるサウンドを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・7 哀愁度・・9 総合・・8
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WHITE LION「Return of the Pride」
アメリカのハードロックバンド、ホワイト・ライオンの2008年作
なんと17年ぶりとなる復活作で、タイトルからしてかつてを思わせる雰囲気だが、
内容もいきなり8分の大曲をもってくるなど、ベテランバンドとしての自信が窺える。
80〜90年代を思わせる王道のハードロックに、枯れた味わいのヴォーカルを乗せて
ときにキャッチーに、そして哀愁を漂わせて、大人のHRサウンドを聴かせてくれる。
メロディック度・・8 哀愁度・・8 枯れた味わい度・・8 総合・・8
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WHITE VOID 「ANTI」
ノルウェーのプログ・ハードロック、ホワイト・ヴォイドの2021年作
SOLEFALD、BORKNAGARのラーズ・ネッドランド、IN VAINのトビアス・ソルバックらによるユニットで、
オールドなギターにシンセを重ね、朗々としたヴォーカルで、70〜80年代ルーツのハードロックを展開。
ヴォーカルメロディや叙情的なギターフレーズ、オルガンを含むシンセが、北欧らしい涼やかな空気を描きつつ、
SOLEFALDのようなプログレッシプな知的さとミステリアスなスケール感もかもしだしている。
サウンドは重すぎずキャッチーな聴き心地で、どことなく土着的な味わいとマイルドな歌声も含めて、
VINTERSORGあたりを思わせるところや、日本のSIGHなどに通じるミクスチャー的センスも素晴らしい。
ブラックメタルルーツの北欧ヴィンテージロックであり、プログレ寄りのHRとしても楽しめる傑作である。
ドラマティック度・・8 ヴィンテージ度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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White Widow 「Serenade」
オーストラリアのメロディアスハードロック、ホワイト・ウィドウの2011年作
シンセを含む5人編成で、80年代のアメリカン・プログレハード的でもある、とてもキャッチーな聴き心地。
伸びやかなヴォーカルにきらびやかなシンセアレンジ、適度にハードなギターによる厚みのあるサウンドは、
メジャー過ぎない感触とともに、ときにTOUCHGIUFFURIAといった、往年のバンドを彷彿とさせる。
随処に泣きのフレーズや流麗なテクニカル性も覗かせるギターにゴージャスなシンセが楽曲を彩り、
やわらかなコーラスハーモニーが重なってゆく。どのナンバーも爽快でメロディアスなフックがあって魅力十分。
これだという強烈なインパクトはないが、耳心地の良さはピカイチ。大変高品質なアルバムだ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 80'sメロハー度・・8 総合・・8
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White Widdow 「Crossfire」
オーストラリアのメロディアスハード、ホワイト・ウィドウの2014年作
2010年にデビュー、本作は3作目。前作も80年代メロハーを蘇らせたような好作であったが、
本作も適度にハードギターにシンセを重ね、マイルドなヴォーカルとともに、80年代ルーツの
キャッチーでアダルトな王道のメロディアスハードを聴かせる。ゴージャス過ぎないサウンドや
随所に聴かせる流麗なギターソロなども、どこか80年代の様式美風だったりしてにやりとなる。
これという新鮮味はないのだが、耳心地の良いコーラスハーモニーにやわらかなシンセが重なり、
優美なメロディアス性に包まれたナンバーが並び、じつに高品質な王道メロハーが堪能できる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 王道メロハー度・・9 総合・・8 
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WHITE WOLFVictim of the Spotlight
カナダのメロディアスハードバンド、ホワイト・ウルフの2007作
かつて80年代に2枚のアルバムを残して消えたバンドの、なんと20年ぶりとなる新作。
泣きのギターに彩られたメロディアスなサウンドは、80年代の空気をそのまま蘇らせたかのよう。
絶品のツインギターとシンセの絡みを軸にしながら、キャッチーなポップさに流されることなく、
あくまでドラマティックに聴かせるあたりには、正統派の気概がひしひしと伝わってくる。
楽曲そのものは80年代に書かれたものが多く、アルバムとしてのまとまりには欠けるが、
復活作としては十分な質の高さで、かつてのファンには嬉しいかぎりだろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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WIG WAM 「Wig Wamania」
ノルウェーのハードロックバンド、ウィグ・ワムの2nd。2006作
どう考えても、このジャケ、ケバいルックスからして正統派のHRファンからは白い目で見られること必至だろうが、
実際のサウンドはずっと骨太でびっくり。かつてのグラム・ロックを思わせる色気に、まるでLAメタルのような華やかさ、
そしてキャッチーなメロディで聴かせる楽曲にはなんの迷いも感じられない。
まず音を聴けば、それまでの偏見も吹き飛んでしまうだけのクオリティがあるのだ。
曲によっては美しいシンセアレンジに表現力ある歌声で北欧的な叙情をまとわせてくれる。
これは現代の北欧版MOTLEY CRUEなのか。そう言うにはどこか作り上げられた
エンターテイメントの世界観がぷんぷんするが…ともかくも、あなどれないバンドだ。
メロディアス度・・8 ちゃんとHR度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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WIG WAM 「Non Stop Rock'N' Roll」
ノルウェーのハードロック、ウィグ・ワムの2010年作
まさに80年代LAメタルを現代に甦らせたような前作に続き、3作目となる本作も
ポップで爽快なメロディと古き良きロックンロールが合わさった、質の高いサウンドが楽しめる。
キャッチーなコーラスとともに、どこを切ってもメロハーの王道という安定した聴き心地で
反面、楽曲にはスリリングな意外性というものはあまりないのだが、それはそれでいいのだろう。
前作ほどのあからさまなLAっぽさは薄まったが、人によってはむしろこちらの方があざとすぎずに
気に入るのではないだろうか。ジャケのイメージ通り、ノリのよい爽快ハードロックが楽しめる1枚だ。
メロディック度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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WIG WAM「Never Say Die」
ノルウェーのハードロック、ウィグ・ワムの2021年作
2004年にデビュー、80年代のLAメタルを甦らせたようなサウンドで人気を博すも、21014年に解散。
本作は、2012年以来となる5作目で、8年ぶりの復活作。メンバーのヴィジュアルはずいぶん変ったが、
サウンドの方も、キャッチーな叙情性に大人の哀愁も含んだ、どっしりとした聴きこ心地になっている。
流麗なメロディとヘヴィなリフを弾きこなすギターワークは、キャリアを感じさせる堂々たるもので、
メタル寄りの重厚さも描きつつ、パワフルなグラムの歌声がサウンドを華やかに彩ってゆく。
叙情的なバラードやメロウなギターを聴かせるインストナンバーなども、アクセントになっていて
アルバムとしてのバランスもいい。全体的には、爽快なメロディのフックがもっと欲しい気もするが、それは今後に期待。
メロディック度・8 キャッチー度・7 どっしり骨太度・8 総合・8 
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WILL WALLNER & VIVIEN VAIN 「The Battle of Clyst Heath」
イギリス人ギタリスト、ウィル・ウォールナーとアメリカ人女性シンガー、ヴィヴィアン・ヴェインのユニット。2015年作
1曲目は意外にもヴァンゲリスのカヴァーで、うっすらとしたシンセをバックにメロウなギターを乗せたインストナンバー。
2曲目からはハスキーな女性ヴォーカルの歌声を乗せた、古き良きHR/HM色を感じさせるサウンドで、
随所にテクニックのあるギターフレーズも含んだ、どっしりとしたパワフルな聴き心地だ。
ヴィヴィアンさんの歌声は派手やかさではなく、かつてのVIXENのような中音域で聴かせるタイプで、
楽曲自体も目新しさがなさ過ぎて、80〜90年代の未発作品と言われれば信じてしまいそうなほど。笑
もう少しキャッチーなメロディがあるとよいのだが。ラストはゲイリー・ムーアのカヴァーというのも渋いです。
ドラマティック度・・7 古き良き度HR・・8 女性Vo度・・8 総合・・7
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WINGER「W」
アメリカのハードロックバンド、ウインガーの2006作
80年代後半にデビューしアルバムを3枚出したあと、キップ・ウインガーはソロを発表していたが、
バンド名義としては1993年以来となる4作目である。マルチプレイヤーのキップ・ウインガーを中心に、
レブ・ビーチ、ロッド・モーゲンステインといった実力あるメンバーが演奏を支える。
サウンドは意外とヘヴィなギターリフを使った、プログレ的な質感のあるハードロックで、
キャッチーな歌メロを聴かせつつ、KINGS X的な知的なアレンジが光っている。
中盤以降はかつてのようなグラム色のあるハードロック曲も聴け、往年のファンも満足するだろう。
個人的には、モダンなプログレ・ハードロック風味をもっと突き詰めた作品も聴いてみたい。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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Kip Winger「Songs from the Ocean Floor」
WINGERの中心人物、キップ・ウインガーのソロ作。2001作
個人的にはWinger時代にさほどの思い入れはないので、本作は冷静に聴けたのだが、
ハードロックというよりは、薄暗い叙情の大人のメロディアスロックという趣である。
PINK FLOYDあたりにも通じるメロウな質感に、モダンなポップ感覚も合わさって、
ゆったりとしていながら、どこか広がりを感じさせる知的なアレンジはさすが。
レブ・ビーチ、ロッド・モーゲンステインが参加していることもあり、
このソロ作が後のWINGERの復活につながる布石であったことは確かだろう。
メロディアス度・・7 モダンロック度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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Kip Winger「From the Moon to the Sun」
WINGERの中心人物、キップ・ウインガーのソロ作。2008作
2006年のWINGERの復活アルバム「W」もなかなかの好作だったが、本作はソロ名義としては8年ぶりの作品。
本家WINGERよりもぐっとメロウで、ある種プログレ的な世界観とともに、ゆるゆかに聴かせるサウンドになっている。
歌ものが中心であるが、メロディのやわらかさとモダンロック的なアレンジに薄暗い質感をまじえた、
いわばアダルトな味わいがとても耳に心地よい。音に派手さはないが、ヴァイオリンの美しいクラシカルなインスト曲や、
民族風味の曲などもあって飽きずにじっくりと楽しめる好作品となっている。
メロウ度・・8 モダンロック度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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XYZ

XSAVIOR「caleidoscope」
ヨラン・エドマン率いるメロディックハードロックバンド、エクスセイヴィアーの2005作
サウンドは、KANSASACTあたりに通じるキャッチーで伸びやかなメロディと
QUEEN的なコーラスハーモニーが素晴らしく、リズムアプローチなどにはプログレ的な要素もあり、
メロディアスなプログレハード
としても楽しめる。ギターもときにかなりテクニカルだったり、
シンセのアレンジもとても凝っていて、完成度抜群の一枚。ヨランの歌声も曲の中で実に瑞々しく映えている。
きらきらとしたキャッチーなメロディアスさが実に耳に気持ちいい。
メロディアス度・・9 プログレハード・・8 キャッチー度・・9 総合・・8.5◆メタル名盤特選入り
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YNGWIE MALMSTEEN「INSPIRATION」
イングヴェイ・マルムスティーンによるカヴァーアルバム。1996作
自身のルーツをたどるようなアーティストの楽曲を取り上げていて、いきなり意外やKansasの“伝承”で始まるが、
これがハードめのなかなかの出来。Deep purpleRainbowはまあ妥当なところで、出来が悪かろうはずもない。
Jimi Hendrixに、ウリ・ジョンロート時代のScorpionsという先達の天才に敬意を表しつつ、
UKRushというプログレッシブなバンドも取り上げているのもなかなかに心憎い。
どの曲もオリジナルの良さを残しつつ、独自の解釈でソロパートなどを挿入している。
ヴォーカルにはジョー・リン・ターナー、マーク・ボールズ、ジェフ・スコット・ソートが参加。
プログレ曲においてはヤンス・ヨハンソンのシンセワークも光っている。
メロディアス度・・8 名曲度・・8 ネオクラになってます度・・8 総合・・8
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YNGWIE MALMSTEEN「Facing The Animal」
孤高のギターヒーロー、イングヴェイ・マルムスティーンの1997作
このアルバムはコージー・パウエルが参加しているということもあって、なかなか気に入っています。
ギターソロパートはリハ中に自然に録音されていたということもあってか、派手なネオクラプレイは控えめで
あまり押しつけがましくないのも聴きやすいし、楽曲的にもバランスのとれた作風に好感が持てます。
ゲイリー・ムーア的なメロディを盛り込んだ1曲目から、2曲目以降は普遍的なハードロック曲に、
4曲目はSTRATOVARIUSの“Out of the Shadows”(1993年)みたいな歌メロが入ってきたり、
メロウなバラードもあり、キャッチーなナンバーありと幅広い作風で楽しめる。
ボトムのしっかりとしたコージーのドラムの存在感はもちろん、マッツ・レヴィンのパワフルな歌声もなかなか。
アルバムの完成度としてはインギーの作品の中でも屈指の出来といえるのだはないだろうか。
メロディアス度・・8 ネオクラ度・・7 ハードロック度・・9 総合・・8
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YNGWIE MALMSTEEN「Concerto Suite for Electric Guitarand Orchestra in E Flat Minor Op.1-Millenium-
イングヴェイによるオーケストラとの共演アルバム。1998作
自らが作曲した楽曲をオーケストラとギターとで協奏するという、イングヴェイの長年の構想が実現した作品。
その名も『エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ短調「新世紀」』である。
チェコのフィルハーモニー管弦楽団の演奏をバックに、いつになく繊細なインギーのギターが
クラシカルな調和をともなって鳴り響く。感触としてはウリ・ジョン・ロートの方法論にも近いか。
あくまでオーケストラとギターの融合なので、メタル色はほぼ皆無だが、孤高の天才ギタリストが
自作曲にてオーケストラとの調和を果たした作品という、大いなる意義ある内容であると思う。
クラシカル度・・9 メタル度・・2 優雅度・・9 総合・・8.5
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Yngwie J. Malmsteen's Rising Force「War to End All Wars」
イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォースの2000作
本作では珍しくジャケに自身の写真を使っていないのも良いが、
サウンド的にもなにかが吹っ切れたようなネオクラシカル・メタルが全開。
インギー先生のギターも随所に確信犯的なクラシックのテイストを盛り込むなど、
バロックとメタルの融合がなされ、かと思えばオリエンタルな風味もあったりと、変幻自在。
前作「Alchemy」に続きヴォーカルをつとめるマーク・ボールズの歌唱とともに、
これまでの数作の中ではもっとも濃密かつ様式美色の強い作品となっている。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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YOSO「ELEMENTS」
アメリカ&イギリスのメロディアスハード、ヨソの2010年作
TOTOのボビー・キンボールと元YESのビリー・シャーウッド、トニー・ケイらよるユニットで、
美しいシンセアレンジにキャッチーなメロディとコーラスハーモニーで聴かせる、古き良きプログレハードサウンド。
随所にTOTOを思わせるポップセンスと、Yesに通じる優雅な雰囲気もあって、往年のファンならにやにやするだろう。
楽曲自体に新鮮味は薄いものの、80年代YesやTOTOのような、なつかしい聴き心地で楽しめる好作である。
ボーナスのDisc2には、TOTOの名曲“Rosanna”やYesのメドレーなども含んだライブ音源を収録。
キャッチー度・・8 往年のトト風度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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ZENO
ウリ・ジョン・ロートの弟、ジーノ・ロートが率いるジーノのデビュー作。1986作
じつのところ以前聴いたときには、それほどまでによいとは思えなかったのだが、
このリマスター盤であらためて聴くと、音質の向上もあって、かつて感じたポップすぎる感じが一転、
ジーノ・ロートの抜群のギターワークとともにキャッチーなメロディが引き立っている。
やわらかなヴォーカルと美しいコーラスワーク、そして兄顔負けのギターの泣きが素晴らしい。
2005年盤のボーナスには初期のデモ音源など5曲を追加収録。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 ギター度・・9 総合・・8.5
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ZENO 「Zenology」
ウリ・ジョン・ロートの弟である、ジーノ・ロートの1995年作
1986年の1stから9年して届けられたジーノの2作目で、これまでに録音されていた楽曲を集めた作品。
トミー・ハートをはじめ、ウレ・リトゲン、ヘルゲ・エンゲルケといったFAIR WARNINGのメンバーが参加、
メロディックかつ哀愁の叙情を感じさせるナンバーをたっぷり聴かせてくれる。
兄にも負けない素晴らしいギタープレイも随所に光る。メロディアスな傑作です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 メロハー度・・8 総合・・8
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ZENOListen to the Light
ウリ・ジョン・ロートの弟であるギタリスト、ジーノ・ロートの1998年作
兄のウリがクラシックを基盤に壮大な宇宙を描くのに対して、ジーノのスタイルはあくまで明快なメロディアスハード路線である。
このアルバムではキャッチーなメロディの中に東洋的な旋律を盛り込んでおり、スカイギターによる泣きの叙情は
FAIR WARNING
にも通じる感触だ。感動的なバラード曲など、兄譲りの泣きのギターはさすがといったところだし、
美しいシンセによるオーケストレーションも効果的だ。実力あるヴォーカルとともにとても質の高い作品になっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 メロハー度・・8 総合・・8
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ZENO「Runway to the Gods」
ウリ・ジョン・ロートの弟である、ジーノ・ロートの2006年作
1998年のListen to the Lightから8年ぶりとなるアルバム。
参加予定であったトミー・ハート、ウレ・リトゲンはFAIR WARNING再結成のため不参加となったが、
マイケル・ボーマンをヴォーカルにすえて、メロディアスかつキャッチーな力作に仕上がっている。
テクニックと渋さをそなえたジーノのギターワークは兄譲りの絶品のメロディセンスで、
美しいシンセアレンジも含めて、きらびやかにサウンドを彩っている。マイケル・ボーマンの歌声は
かすれた大人の魅力があって、これまでのアルバムと比べなければ、普通にHRとして格好よいと思える。
もしもこれでトミー・ハートが歌っていたら、ほとんどFWのような作品になっていたかもしれない。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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