ヨーロピアン・ロック・フェス 2013 特集
           〜北欧神話降臨“時は満ちたり”〜

まさに奇跡ともいうべき、2013年の北欧プログレ祭りを記念して、The Flower Kingsを中心に、その間連作と、
ANEKDOTEN、MOON SAFARI、TRETTIOARIGA KRIGET といった参加バンドの作品を紹介します。



■フラワー・キングス〜ロイネ・ストルトの絶品のギターに導かれた北欧プログレの花王

ROINE STOLT「The Flower King」
The Flower Kingsを率いるロイネ・ストルトだが、その原点は1994年に発表したこのアルバムである。
個人的にもかつてのKAIPAを愛していた自分にとっては、ロイネが長き沈黙を破って
プログレ、シンフォニックロックへと帰って来たことが嬉しかったし、このアルバムの素晴らしさには当時いたく感激した。
とくに1曲めのタイトル曲の泣きのギターフレーズとキャッチーなヴォーカルメロディは、この後のフラキンへの
大きなイメージとなった、それだけの名曲である。全体的にはプログレというよりは
メロウなロックという趣ではあるが、20分の大曲など後の作品につながる大作思考もあり、
ともかく、ここに花王が誕生したという歴史的意義の大きな作品である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 ロイネのギター度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「Back in the World of Adventures」
Roine Stoltのソロ名義の作品「The Flower King」からバンド名をとり、
新たにフラワー・キングスとしてのバンド体勢となっての1作目。1995年作
1曲目の13分のタイトル曲がまず素晴らしい。希望に満ちたキャッチーなメロディと
ロイネ・ストルトの泣きの叙情ギターが合わさった、まさにユートピア的なシンフォニックロック。
トマス・ボディーンによる温かみのあるシンセワークも随所に光っていて、北欧らしいメロディを盛り込んだ“Thema For A Hero”や、
美しい叙情が詰まったラストの大曲“The Big Puzzle”まで、大人の構築センスと深みのあるメロディの流れが楽しめる。
新たなバンドのスタートを感じさせる、まさに爽快な傑作に仕上がっている。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「Retropolis」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの2nd。1996作
前作とともに初期のフラキンを代表する傑作。ロイネ・ストルトのメロウなギターワークと、
トマス・ボディーンのシンセを中心に、ファンタジックな香りとともにゆるやかに構築されるサウンドで、
北欧的な素朴さとシンフォニックな質感が合わさった楽曲は、ゆったりと楽しめる聴き心地。
とくにタイトル曲を含め10分を超す大曲が素晴らしく、全体的には地味に思えるものの、
やわらかな叙情という点においては、フラキンの作品中でも屈指の出来だと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「STARDUST WE ARE」
北欧を代表するシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの3rd。1997年作
本作ではCD2枚組の大作となって、そのサウンドにはさらに雄大さが増している。
トマス・ボディーンの華麗なシンセワークにロイネ・ストルトのメロディアスなギターも全開。
とくにDisc2の楽曲がいい感じで、キャッチーなメロディとじわじわくる盛り上げ方が心憎い。
ラストを飾る25分のタイトル曲まで、トータルな流れで楽しめる見事なシンフォニック作品である。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Flower Power」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの4th。1998年作
のっけからなんと59分の組曲“Garden of Dreams”で幕を開けるCD2枚組の大作。
1995年の1作目から毎年のように作品を作り続けるのも凄いが、それも内容の質あってのこと。
18パートに分かれた長大な組曲は、流れるような展開の中で、シンフォニックな美しさと
クラシカルな華麗さ、ときにジャズ的な軽やかさも含みながら、じわじわと盛り上がってゆく。
ロイネ・ストルトの絶品のギタートーンはもちろん、トマス・ボディーンの繊細なシンセワークも素晴らしく、
メンバーたちの伸びやかなアンサンブルは、確かな音の説得力と適度な緊張感を生み出している。
Disc1が68分、Disc2が73分という、相当な大作だが、心地よいサウンドに浸って聴き通せてしまう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大作度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「SPACE REVOLVER」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの5th。2000年作
前作「フラワー・パワー」が濃密なる大作だったのに対し、本作はゆったりとしたメロディアスなシンフォ作。
一聴するとやや地味な印象ながら、トマス・ボディーンのシンセワークがいつも以上に美しく、
アルバムの冒頭と最後に分けられた“I'am The Sun”をはじめ、ゆったりとした歌もの系のシンフォニックナンバーが楽しめる。
本作から加入のヨナス・レインゴールドのベースもアンサンブルの中に上手く溶け込んでいて、
ロイネのギターはいつもより控えめに思えるのだが、むしろ美しいシンセワークでゆるやかに聴ける好作だといえる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 トマス・ボーディン度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「THE RAIN MAKER」
スウェーデンのシンフォニックバンド、フラワー・キングスの6th。2001年作
今作は、一言で言うと自然体なアルバムで、そのサウンドにはなんの気負いも感じられない。
1曲目冒頭のダークなメタリックなリフに驚くが、その後は適度に余裕のある楽曲がバンドの年季を感じさせる。
メロディの流れ、流麗な楽曲アレンジには無理や誇張がなく、演奏者の楽しさが伝わってくるようだ。
アルバムを重ねるごとに、細やかなアレンジとメロディの洗練度を上げ、ついにここまでの域に到達した。
現在シンフォニックの大作をここまでさらりと作ってしまえるバンドは、この「花王」をおいていまい。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲アレンジ・・9 総合・・9
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THE FLOWER KINGS「UNFOLD THE FUTURE」
北欧シンフォニックの代表、フラワー・キングスの7th。2002年作
今作もCD2枚組の大作で、いかにもプログレな、ある意味では難解なサウンドといえるかもしれない。
CD1枚目の冒頭から堂々と30分の大曲をもってくるあたり、円熟の極みにあるこのバンドらしい。
曲の方は自然体の弾きまくりアンサンブルと構築性とが融合したいつものフラキン節だが、
2枚目の方はよりジャズ風味の演奏で(今回ベースがとても効いている)、いくぶん評価が分かれるかもしれない。
とにかくも、やりたいことをやっているというロイネ・ストルトの奔放な音楽創造の楽しさが伝わってくるような作品だ。
シンフォニック度・・7 大作度・・9 CD2はジャズロック的度・・9 総合・・8
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The Flower KingsMeet the Flower Kings
現在形北欧シンフォの代表、フラワー・キングスのライブCD。2003年作
同タイトルのDVDと同じく、2003年のスウェーデンウプサラでのステージを収録した2枚組。
アルバム 「Unfold the Future」収録の大曲“The Truth will Set You Free”で幕を開け、
トマス・ボディーンのきらびやかなシンセワークとロイネ・ストルトのギターワーク、
ソルタン・チョースの巧みなドラムとヨナス・レインゴールどの存在感あるベースが合わさり、
見事なアンサンブルを聴かせてくれる。「Flowerpower」収録の組曲“Garden of Dreams”では、
ハンス・フローベルグのマイルドな歌声とともに、起伏に富んだ展開力が楽しめる。
Disc2はソロ名義でのデビュー作「The Flower King」収録の“Humanizzimo”から始まり
ラストの“Stardust We Are”まで、大曲ばかりの素晴らしい演奏が楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「ADAM & EVE」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの8th。2004年作
今作は「世界の始まり、ときの流れ」といった壮大なテーマを組み入れた80分近い大作。
前回から加わったドラマー、ゾルタン・チョースの支える抜群のリズムはしっかりとサウンドの重心を支え
ロイネのメロウなギターフレーズと、トマス・ボディーンの多彩なKEYワークがいつも以上にしっとりと心地よい。
ライブのツアーメンバーであったPAIN OF SALVATIONのダニエル・ギルデンロウも引き続き参加。
また、DVDでも感じたがハッセ・フロバーグのVoの表現力も格段に増していて、楽曲のドラマ性を高めている。
全体的に力の抜け具合が落ち着いた印象のアルバムで、スリリングな要素は希薄ながらじっくりと聴ける。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「PARADOX HOTEL」
北欧シンフォニックロックの代表、フラワー・キングスの2006年作
今回はジャケからしてコミック調で、架空のホテルを舞台にしたファンタジックなコンセプト作品。
全体的にゆったりとした優雅なサウンドで、ロイネ・ストルトのメロウなギターフレーズに
トマス・ボディーンの包み込むような優しいキーボードワークが美しい。
CD2枚組みの大作ながら、かつての「RETROPOLIS」のような、自然体で聴かせる好作品だ。
たたみかけるような演奏ではないし、disc2ではややブルーズ色が入っているが
メロディアスな質感とシンフォニックさの点では近年一番のアルバムといってよいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・9 総合・・8.5
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The Flower Kings「The Road Back Home」
フラワー・キングスのベストアルバム。2007年作
1994年のロイネ・ストルトのソロ名義「The Flower King」から、2006年の「Paradox Hotel」までから
セレクトされた2枚組で、合計153分という大ボリューム。比較的コンパクトな曲がセレクトされていて、
このバンドのキャッチーな軽やかさが味わえる内容となっている。GENESISのカヴァー“Cinema Show”などもじつに美しく、
Disc2ラストでの“The Flower king”〜“Stardust We Are”という流れは、このバンドのドラマティックな側面を覗かせる。
ロイネ・ストルトがプロデュース、全曲リミックスしてあるので、アルバム盤よりも音質が良く、
大曲は入っていないが、そのぶんゆるやかな聴き心地で、フラキンファンならば楽しめる内容になっている。
メロディック度・・8 コンパクトな選曲度・・8 ある意味フラキンのユルさ度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGSThe Sum of No Evil
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの10th。2007年作
今回はやや原点回帰したような シンフォニックロックサウンドが復活している。トマス・ボディーンの絶品のシンセアレンジに
枯れた味わいも加わったロイネ・ストルトのギターワーク、そしてマイルドなハッセの歌声は、
バンドとしての一体感と、ゆるやかな希望的メロディを、陽光のように楽曲にもたらしている。
また、前ドラマーであったゾルタンの復帰も個人的には嬉しく、リズム面でのタイトさも素晴らしい。
13分の大曲から始まり、24分、13分、12分と、どれもシンフォニックロックとしての魅力を
詰め込んだ長曲を連ねた、まさにベテランバンドとしての充実ぶりを感じさせる力作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The Flower Kings「Banks of Eden」
スウェーデンのプログレバンド、フラワー・キングスの2012年作
ロイネ・ストルトはAgents of MercyTRANSATLANTICなどの活動もあって、
TFKをすっかり忘れていたのかと思ったら、こうしてしっかりと5年ぶりとなる作品を完成させた。
のっけから25分の大曲であるが、聴けば安心のフラキン印。マイルドなハッセの歌声に、
トマス・ボディーンの美しいシンセワーク、ロイネのメロウなギターで描かれる、
まさに桃源郷ともいうべき自然体のシンフォニックロックサウンドは不変である。
力みのない大人の余裕と豊穣なセンスで構築された、フラキン現在形の好作品。
メロディック度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「MEET THE FLOWER KINGS」
現在形北欧シンフォの代表、フラワー・キングスのライブDVD。2003作
ライブにおいても見事なロイネのギターは当然として、改めて素晴らしいと思えるのがZ・チョースのドラムで、
手数の多さと確かなテクニックに加え、独自のセンスを持ったドラミングは楽曲の核を担っている。
また、もう一人のG/Voであるハンス・フレベリは、歌のみならずフロントマンとしてのルックス的にもバンドの「顔」となっている。
そしてツアー参加しているダニエル・ギルデンロウ(PAIN OF SALVATION)も、曲によってギター・キーボード・パーカッションと器用にこなし
裏方で大活躍。とにかく、この演奏とバンドアンサンブルを見ていれば、いかに彼かの音が緻密な重なりと
心地よい空間の構築で構成されているのかが再確認できるはず。まだフラキンを知らない方にも、
このDVDを見ることでこのバンドの素晴らしさがどこにあるかが理解できよう。必見のライブ作品。
ライブ映像・・9 ライブ演奏・・9 シンフォニック度・・8 総合・・9
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THE FLOWER KINGSInstant Delivery
フラワー・キングスのライブDVD。2006作
今回はメンバー5人による純粋なバンドサウンドで、「Paradox Hotel」からの曲を中心に、
ときおりブルーズロック色を感じさせるのは、現在のロイネの趣味なのだろうか、
ベテランとしての枯れた味わいをかもしだしつつも、ハンス・フローベルグのやわらかな歌声や
トマス・ボディーンのキーボードとともに、聴かせるところでは感動的に盛り上げる。
音の厚みやサウンドの厚みでは前作DVDよりもやや落ちるものの、 演奏は以前よりも自然体で、
バンドとしての成熟された境地を表している。新ドラマーのプレイもなかなかのものだ。
二度めのアンコールでは“Stardust We Are”を披露。MC入りのライブステージ完全収録。
同タイトルのCD付き4枚組みもあるのでファンはチェック。
シンフォニック度・・7 ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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■フラキンメンバー関連作 〜どれもクオリティ高いんです

ROINE STOLT「HYDROPHONIA」
THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトのソロアルバム。1998作
KAIPA解散後、長いブランクを経て、90年代に入りプログレ界に復活。フラワーキングスを結成し、
その後たてつづけにアルバムを発表、これは彼がフラキンのアルバム発表の合間に制作したソロ作だ。
内容は歌なしのインストアルバム。つまりはロイネのメロディアスなギタープレイが全編楽しめる。
自身ギター以外にベース、キーボードも弾きこなす。基本は盛り上がり形シンフォニックだが、
ときにジャジーに時に繊細に鳴り響くロイネのギターは、それだけでひとつの表現者たりえている。
北欧的な叙情メロディは70年代彼自身か在籍したかつてのKAIPAの音を思わせ、
パッショネイディブな時の熱いプレイは、オランダの名バンドFINCHなどをも想起させる。傑作。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲度・・8 総合・・8
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ROINE STOLT「WALL STREET VOODOO」
THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトのソロ作。2005作
ソロ名義のアルバムということでは1998年の「HYDROPHONIA」以来、
今作はCD2枚組みの大作で、ウォール街を舞台にした物語的なコンセプト作らしい。
音のほうは、プログレでシンフォニックなものを期待すると肩すかしを食う、
肩の力が抜けたジャズロック風の雰囲気で、TFKの新ドラマーMarcus Liliequistや、
おなじみのNeal Morseも参加。全体的にリラックスした大人のコンセプトロック作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 大人のロック度・・8 総合・・7.5
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THE NEW GROVE PROJECT「FOOLS JOURNEY」
THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトパル・リンダー、さらにはENGLANDのドラマーが参加した
プロジェクトバンド、ニュー・グローヴ・プロジェクトの1997作
メンバーがメンバーなだけに物凄いシンフォニックな音かと思いきや曲の雰囲気は意外と素朴で、
素直な流れるようなサウンド。無理に盛り上げようとはしていない分、さわやかさや雄大さ、
自然体の心地よさが伝わってくる。ロイネのギター、P.リンダーのKeyはさすがに流麗かつハイセンス。
ENGLANDのドラマーもさすがに見事な腕前で、全体としてのびのびとした演奏で楽しませてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 のびのび度・・9 総合・・7.5
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KAIPA「NOTES FROM THE PAST」
北欧伝説のプログレバンド、カイパの復活作。2002作
往年のKAIPAのメンバーが集ったという形ではないが、キーボードのハンス・ルンディンが参加、
非常に北欧的な土着めいた温かみのある彼らしいキーボードワークを聴かせてくれる好作。
そこにからむロイネ・ストルトのギターはフラワーキングスでの活動を経て洗練された音であるせいか、
全体としてはかつてのKAIPAにあった「田舎めいた雰囲気」「湿り気のある薄暗さ」はさほど感じない。
ドラムがMATS/MORGANのモルガン・アグレンであることも手伝って非常にリズムの切れがよく、
70年代の叙情美よりは現代的シンフォニックの作りである。90年代以降の作品でロイネを知り、
このアルバムでカイパという存在を知った方は、次にはぜひ70年代のKAIPAのアルバムを聴いてみて欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「KEYHOLDER」
新生カイパの第二弾。2003作
前作と同じくドラムはMATS/MORGANのモルガン・アグレン、
ベースはTHE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドという豪華な編成。
今回はよりいっそうロイネ・ストルトとハンス・ルンディンの融合度が増した印象で、
サウンド的にもよりしっくりと聴ける絶品のシンフォニックロックである。
メロトロンなどを多用したゆるやかなキーボードワークもあって、北欧らしさとシンフォ度は
むしろフラキンの近作よりも上かもしれない。全体的にゆったりと楽しめる雰囲気の傑作だ。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「MINDREVOLUTIONS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、復活カイパの3作目。2005作
本も、全79分、シンフォニックサウンドが目一杯詰まっている。
初期のフラキンにあった陽性のメロディと聴きやすさを発揮しつつも、
決して古くさくならない現代風のポップセンスも取り込んでいるのもポイント。
前作に引き続きRITUALの男Voと女性Voのダブルボーカルはいっそう曲に馴染んでいて、
しっとりとしたパートでの柔らかみがじつに心地よい。ゆるやかな盛り上がりと爽やかさは北欧プログレ特有の質感で、
そこに乗るハンスの懐かしい音色のするキーボード、そして鳴きまくるロイネのギターを久しぶりにたっぷりと堪能出来る。
もしかしたら近年のフラキンよりメロ度は上かも…とすら思える、会心のシンフォニックロック作品である。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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TRANSATLANTIC「SMPTe THE ROINE STOLT MIXES」
スーパーバンド、トランスアトランティックの1stのロイネ・ストルトによるリミックス作品。2003作
収録曲、曲順ともに正規盤と同じなのだが、それにギターパートを追加したバージョンで、
音質的にも各パートの分離が良くなり、リズムは切れ良くその上ロイネによるギターパートが追加されている。
また、ギターのもならずメロトロン、キーボードなどにもずいぶんと変化が聴かれ
全体としてはよりダイナミックに、かつメリハリのあるサウンドになっている。
ファンはもちろん、THE FLOWER KINGS、そしてロイネのファンにもたまらない出来だ。
むしろ正規盤より完成度上だろう。傑作がさらに素晴らしい作品に生まれ変わった!
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 正規盤より良いわぁ度・・9 総合・・8.5
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THE TANGENT「U:The World That We Drive Through」
Parallel Or 90 Degreesのメンバーによる、シンフォニックロックバンド、ザ タンジェントの2nd。2004作
いわゆるスーパーバンドとして話題になった1stの好評を受けて発表された2nd。
ロイネ・ストルトはじめ、ベース、ドラムが元あるいは現フラキンのメンバーたちなので、
音のほうも当然ながらフラキン度が高い。ジャズロック的なアンサンブルとリズムの跳ね具合が、
メンバーの技量の高さを感じさせるがその中でも女性ピアニストのしっとりとしたピアノタッチが素晴らしく
またたおやかなフルートの音色も優雅に楽曲に華を添えている。
前作の軽快なシンフォニック性よりは、今回は落ち着いた大人のジャズロック風なパートが増した。
もちろんテクニカルでシンフォニックではあるが、肩の力を抜いてくつろぎながら楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 フラキン度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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TOMAS BODIN「PINUP GURU」
THE FLOWER KINGSのキーボード奏者、トマス・ボディーンのソロアルバム。2002作
ソロ第2作となる今作も、自身の叙情的なキーボードを駆使した美しいシンフォニックロック作品となっている。
ベース、ドラムとも現フラワーキングスのメンバーなので、音的にはギター抜きのフラキンサウンドだが
その分トマスの繊細なキーボードワークがたっぷりと堪能できる。美しいクラシカル&シンフォニックな曲でうっとり。
全体的には静謐さとジャズタッチの軽やかさが同居した現在系シンフォニックロックの好作といえる。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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TOMAS BODIN「SONIC BOULEVARD」
THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボディーンのソロ2作目。2003作
同時期に3枚めの「IAM」を聴いていたので、どうしてもそちらの壮大華麗さが
耳に残ってしまうが、ちゃんと聴けばこの作品もなかなかの傑作。
北欧らしいゆるやかな叙情と、ほのかな薄暗さを感じつつ、トマスの繊細なキーボード(メロトロン)に、
JOCKE JJ のメロウなギターも実に良い。部分的にはあるいは再編KAIPAに対抗したような雰囲気もあり、
北欧らしいシンフォ作品としてゆったりと鑑賞可能なアルバム。
シンフォニック度・・8 メロウ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN 「IAM」
THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボディーンのソロ4作目。2005作
23分、21分、18分の組曲3曲。参加メンバーは、TFKでおなじみのヨナス・レインゴールドに、
前作に続き、メインヴォーカルにアンダース・ヨハンソン、ギターにJOCKE JJ MARSHを迎えて
1曲めから爽快なシンフォニックロックが全開の快作。久々にトマスの弾きまくりのキーボードが堪能できる。
グレン・ヒューズバンドのメンバーでもあるJOCKEのギターもなかなか素晴らしく、
また二人の女性Voも効果的に楽曲を彩っていて、いいアクセントになっている。
サウンド的にはむしろフラキンの近作よりも分かりやすいので、曲は長いが初心者の方にも勧められる。
ソロ作というよりは、むしろ“作り込まれたシンフォ大作”というべき見事な作品だ。
シンフォニック度・・8 爽快度・・8 フラキンよりも聴きやすいかも度・・9 総合・・8.5
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TOMAS BODIN「cinematograaf」
The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボディーンのソロ作。2008作
今作はバンドではなく、トマス一人によるシンセの多重録音作品で、
全編ゆるやかなサントラのようなしっとりと聴かせるシンセアルバムとなっている。
もちろんプログレ的な雰囲気もしっかりあって、美しく優雅な旋律を響かせつつ、
壮大な広がりを感じさせるドラマ性とともに、全3曲という大作志向の中に、
トマスのアーティストとしての確かなセンスが感じ取れる作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりシンセ度・・9 総合・・8

EGGS&DOGS「you are」
The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボディーンの2009作
前作「IAM」の続編である本作は、エッグス・アンド・ドッグスというバンド名義となっていて、
前作にも参加のJocke"JJ"Marshに加え、元TFKのMichael Stolt、Marcus Lilijenquistという4人編成。
シンフォニックの王道という作風であった前作に対し、本作ではより深みのある大人のロックサウンドで、
ロイネの実弟であるマイケル・ストルトの渋みのある歌声とともに、アナログ的な叙情を聴かせる。
トマスのシンセワークも含めて、かつてのフラキン風味を感じさせる部分も多い見事な力作だ。
シンフォニック度・・7 フラキン度・・8 大人のサウン度・・9 総合・・8.5
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SWEDISH FAMILY「VINTAGE PROG」
TFKのトマス・ボディーンを中心としたユニット、スウェディッシュ・ファミリーの2004年作
“1969〜1979年に活動していた架空のバンドのベストアルバム”という設定で
サウンドもその通り、ハモンドやムーグ、アコーディオンなどヴィンテージ楽器を使用した
70年代スウェーデン風のプログレ。ジャケも低予算風の紙ジャケというこだわり。
もの悲しくもなつかしいようなアコーディオンの音色や、所々に漂う土着性が耳心地よく、
ゆったりとした叙情的な北欧70'sサウンドが堪能できます。異色のヴィンテージプログレ作品。
シンフォニック度・・7 ほのぼの70's度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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KARMAKANIC「ENTERING THE SPECTRA」
THE FLOWER KINGSヨナス・レインゴールドを中心とした、カーマカニックの1st。2002年作
参加メンバーは、ロイネ・ストルト、トマス・ボディーン、ゾルタン・チョースらTFK組が中心で、
2ndの方を先に聴いていたが、こちらの1stの方がシンフォニック度が高い。
銀河をテーマにしたコンセプト作らしく、雄大なシンセが鳴り響き、
時折フラキン的なメロディラインを感じさせながら、ギターにはハードなエッジ色がある。
シンフォニックハード/プログレメタル的な味わいかたもでき、もちろんフラキンファンにもお薦め。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 ProgMetal風味度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「WHEEL OF LIFE
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2nd。2003作
軽快なジャズロック調に、メロディアスなシンフォの味付けをした雰囲気で
フラキンでも見事なドラムを叩いているゾルタン・チョーズと、ヨナスのリズム隊は
息の合ったアンサンブルを生み出し、長い曲でも意外にさらりと聴かせてくれる。
メロディの新鮮味という点ではさほどのものはないが、気軽な感覚で聴ける
北欧シンフォ・ジャズロックの良作。ヴォーカル入りの曲はまるでフラキンのようでもある。
ロイネ・ストルト、トマス・ボーディンらもゲスト参加している。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KARMAKANIC「Who's the Boss in the Factory」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの3rd。2008作
1stはProgMetal風、2ndはジャズロック寄りのサウンドであったが、本作はよりメロディアスさを前に出して、
結果としてフラキンに近い雰囲気になった。少しレトロなプログレ的シンセワークにたおやかなピアノも美しく、
曲は適度にテクニカルでありつつ、じっくりと歌を聴かせる部分も多く、全体的にはやはりシンフォニック。
存在感あるヨナスのベースにゾルタン・チョースのタイトなドラムも見事で、バンドの核をになっている。
テクニカルな演奏力と、メロディ聴かせるバランスのとれた高品質作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 演奏度・・9 総合・・8
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KARMAKANIC「In a Perfect World」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2011年作

THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心に、前作はよりフラキンに近いイメージの
傑作であったが、本作も美麗なシンセワークでしっとりと始まりつつ、ジャズロック的な軽やかさと
キャッチーなメロディも含んで、大人のシンフォニックロックというべきクオリティの高さで聴かせる。
楽曲のアレンジや盛り上げ方など、フラキンとの差別化が難しいくらいに相通ずるものがあるのだが、
そこも含めての雰囲気が好きな方なら、今作も充分楽しめる作品だろうとは思うし、
やはりジャスロック風味の軽妙さには、余裕とウイットに富んだ演奏が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC & AGENTS OF MERCY「THE POWER OF TWO」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックエージェンツ・オブ・マーシーのライブアルバム。
ヨナス・レインゴールド率いるKARMAKANICと、ロイネ・ストルトのAgents of Mercyの合体バンドによる
2009年アメリカLAでのライブを収録。前半がエージェンツ、後半がカーマの曲という構成で、
ドラムにはSPOCK'S BEARDのニック・ディヴァージリオが参加、しっとりと聴かせるGENESISタイプの
Agents of Mercyはまさにシンフォニックの王道という感じで、叙情豊かな聴き心地はライブでも素晴らしい。
一転してKARMAKANICでは、軽妙な躍動感とアンサンブルの妙で、実力者たちの演奏にじっくり聞き入る。
とくに、ラレ・ラーソンの絶品の鍵盤さばきは、クラシカルにしてテクニカルな驚嘆のプレイぶりである。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Agents of Mercy「The Fading Ghosts Of Twilight」
The Flower Kingsのロイネ・ストルト率いる、エージェンツ・オヴ・マーシーの2009年作
メンバーには、GENESIS系シンフォバンド、UnifaunのヴォーカルにTFKのヨナス、レインゴールド、
ドラムにはゾルタン・チョーズ(元TFK、KARMAKANIC)、Pat Mastelotto(KING CRIMSON)などが参加。
楽曲は、ガブリエルそっくりのヴォーカルの歌声に、フラキンのやわらかな部分が合わさったような雰囲気で、
ぱっと聴きの派手さはないが、じっくりと作り込まれた大人のシンフォニックロックという趣だ。
往年のGENESISの質感を、ロイネのセンスで色付けしたという感触の好アルバム。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フラキン度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCY「Dramarama」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、エージェンツ・オブ・マーシーの2010年作
TFKのロイネ・ストルトとヨナス・レインゴールド、Unifaunのナッド・シルヴァンに加え、
本作ではシンセにラレ・ラーションらが加わった。前作はいかにも往年のGENESISを思わせる
ゆったりとした作風で案外地味であったのだが、今作では古き良き70年代風味に加えて
よりダイナミックなシンフォニック路線…つまりはThe Flower Kingsのイメージに近づいている。
一方では、牧歌的でゆるやかな叙情曲も素晴らしく、ロイネのギターワークはもちろんのこと、
ラレのシンセワークもなかなか見事で、まんまGENESISなVoの歌声がなにやら微笑ましいが、
ただレトロなだけではないセンスを感じさせる力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCYBlack Forest
スウェーデンのシンフォニックロックユニット、エージェンツ・オブ・マーシーの2011年作
ロイネ・ストルト、ナッド・シルヴァン、ラレ・ラーションらによるGENESIS懐古風サウンドというべき
このバンドもすでに3作目となる。本作はこれまで以上にミスティックな雰囲気とシアトリカルな作風になっていて、
メロトロンを含んだ表情豊かなシンセワークと叙情たっぷりのギター、P.ガブリエルばりのヴォーカルで、
物語的なコンセプトを感じさせるほの暗いミステリアスさとともにゆったりと楽曲を盛り上げてゆく。
まさに、The Flower KingsGENESISを合わせたような、ドラマティックなシンフォニックの傑作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ミスティック度・・8 総合・・8
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3rd World Electric「Kilimanjaro Secret Brew」
ロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールド、ソルタン・チョース、レイル・ラーソンといった
The Flower KingsKARMAKANIC関連のメンバーによる、サード・ワールド・エレクトリックの2009年作
パーカッションを含めた軽やかなリズムに、サックスが鳴り響く、フュージョン、ジャズロック風味のサウンド。
さすがに実力あるメンバーだけに、余裕あるアンサンブルで、随所にテクニカルさも折り込みつつ、
肩の力を抜いたような、楽しげで軽快な演奏を聴かせてくれる。シンフォニックなテイストは薄めなので、
フラキンなどのイメージで聴くと拍子抜けかもしれないが、のんびりと大人のジャズ/フュージョンロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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Hasse Frberg & Musical Compation「Future Past」
The Flower Kingsハッセ・フレベリのプロジェクト作。20011年作
TFKにおいても、ロイネ・ストルトと並んでフロントマンであるから、本作のサウンドも当然ながら、
随所にフラキン風味を感じさせるもので、メロディックなギタープレイとキャッチーな歌メロを中心にしつつ、
そこに古き良きハードポップ/ロック要素も付加したという作風になっている。
シンフォニックなシンセアレンジやしっとりと叙情的なパートも含み、
10分台の大曲も4曲と、普通にフラキンクラスの力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン風味度・・8 総合・・8
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Felix Lehrmann「Rimjob」
ドイツ人のドラマー、フェリックス・レーマンの2011年作
The Flower Kingsのドラムでもあるテクニカルなプレイヤーで、、
本作はヘヴィなギターと変則リズムで聴かせる、メタルフュージョン的な作風から、
軽やかなジャズロック風味まで、細かな手技とキレ味鋭いドラムプレイが楽しめる。
シンセやサックスがリードをとるところは、プログレ/ジャズロックとしても聴けるが、やはりオールインストなので、
ドラムにあまり興味がない方には向かないか。PLANET Xなどのテクニカル系バンドが好きならどうぞ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ドラム度・・9 総合・・7.5
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VA/A Flower Full of Stars - A Tribute to the Flower Kings
北欧プログレを代表するバンド、フラワー・キングスのトリビュートアルバム。2011年作
参加しているのは、Final Conflict、Flamborough Head、Mist Season、Sky Architect、Soniq Circus、
Pandora、Supernal Endgame、Unitopia、YesterdaysExpedition Delta、Forgotten Sunsなど、
なかなかマニアックなメンツで、CD4枚、合計4時間弱というフラキン祭りが繰り広げられる。
基本は比較的元曲に忠実なアレンジながら、各バンドそれぞれのフラキン愛が感じられる「ユルさ」もポイントで、
ロイネのソロ名義時代の名曲“The Flower King”や“ In the Eyes of the World”、“Stardust We Are”
そして、“World of Adventures”といったバンドの代表曲も入っているので、TFKファンならば充分楽しめるだろう。
シンフォニック度・・7 ユル度・・9 フラキン愛度・・9 総合・・8
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■アネクドテン〜幽玄なるメロトロンの響き

ANEKDOTEN 「vemod」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの1st。1993作
のっけからメロトロンの音色で始まり、続いてクリムゾン的なギターの重ねでレトロな質感とともに、
ヘヴィシンフォニックサウンドが始まってゆく。この薄暗さと、ある種の終末的な雰囲気は、この後のバンドたちに
大きく影響を与え、懐古主義的な70年代へのオマージュとともに、北欧プログレの叙情性の指針ともなった。
バンドは2nd、3rdと、そのサウンドの密度を高めながら深化してゆき、現在ではゆるやかな叙情美を追求してゆくことになるが、
一聴してのインパクトの点では、本作を最高作と挙げるファンも多いだろう。90年代北欧シーンの原点となる1枚だ。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANEKDOTEN「NUCLEUS」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの2nd。1995作
1st「VEMOD/暗鬱」はリフの繰り返しの多さも含めて、いくぶん粗削りな作風であったのだが、
この2ndになると、楽曲アレンジが緻密になり、展開にドラマティックな起伏がついてきた。
ほとんどスタジオ一発録りだったという1stに比べて、計算されたダイナミズムにより、
メタルファンにも聴けるヘヴィパートがあるかと思うと一転、北欧的な静寂パートへの切り返しが見事。
そして、ここぞとばかりに盛り上がるメロトロンパートでは、「北欧のクリムゾン」と呼ばれる
面目躍如たる寒々しい叙情が襲いかかってくる。次作と並んでバンドの代表作である。
北欧叙情度・・8 重厚度・・8 メロトロン度・・8 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「From Within」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの3rd。1999作
ANGLAGARDに続いて現れたこのバンドは、北欧のクリムゾンとも呼ばれるそのサウンドで
コアなリスナーからの支持とともに90年代プログレの復興に大きな存在感を示した。
本作は、傑作だあった2nd「NUCLEUS」のドラマティックさに加え、1st「vemod」の
ヘヴィなダークさを併せたような最高傑作。鳴り響くメロトロンによる寒々しい叙情美と、
ゆるやかなダイナミズムが融合され、これぞアネクドテンというサウンドが展開される。
4th以降はゆったりとした薄暗系シンフォニックになってゆき、それはそれで好きなのだが
ぐいぐいと押し寄せてくる音のインパクトの点では、本作が絶頂期だったとも言えるだろう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「GRAVITY」
スウェーデンのヘヴィシンフォバンド、アネクドテンの4th。2003作
初期〜中期クリムゾン的ヘヴィネスに北欧的な寒々しい叙情を付加し、独自の地位を築いてきたこのバンド。
本作はかつてのヘヴィさ、ダークさをやや抑え目に、バンドとして自然体で作り上げたという印象で、
いつも以上に心地よい歌メロは、プログレファンのみならず一般のリスナーにもアピールできるはず。
もちろん、彼らの最大の持ち味であるメロトロンもここぞという時には盛大に鳴らされ、
楽曲の叙情性に拍車をかけている。ヘヴィで暗鬱さを求めるリスナーには肩すかしだろうが、
純粋に気持ちよく聴けるという点で、評価できる好アルバムであると思う。
シンフォニック度・・8 ヘヴィ度・・6 メロトロン度・・9 総合・・8
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ANEKDOTEN「Waking The Dead Live In Japan 2005」
スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのライブ作。2005作
2005年2月の二度めの来日公演のベストテイクを収録したというだけあって、
その音の迫力と演奏のテンションは彼らのディスコグラフィー中でも最高のもの。
鳴り響くメロトロンの美しさ。北欧らしい薄暗いサウンドの中に聴きやすいメロディを封じ込め、
クリムゾン的なヘヴィさと、サイケロック的な浮遊感を同居させたこのバンドの神髄が味わえる。
曲は「From Within」「Gravity」からのものを中心にしており、ステージ全体の統一感もあるので
アネクドテンをこれから聴くという方の入門用にもうってつけ。見事なライブ作品だ。
ヘヴィシンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「A Time Of Day」
スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンの2007作
5作目となる本作は、前作の延長上の音作りで、マイルドな薄暗さのある
メロトロン入りロックという趣だ。プログレ的な要素はさらに減少していて、
初期のファンからするとおとなしすぎるサウンドに思えるだろうが、むしろ独特の内的な叙情美はさらに深まっており、
このモダンさとゆるやかな音が心地よい人にはたまらないだろう。今回は曲によって、ハモンドやピアノ、
フルートなども効果的に使われ、暗がりのなかに漂う哀愁と、うすもやのような耽美な質感が巧みに表現されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 メロトロン度・・8 総合・・8
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ANEKDOTEN「Chapters」
スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンのベストアルバム。2009作
1993年の衝撃のデビューから15年、これはバンドの歴史を綴る2枚組みのベストで、
Disc1には3rd「From Within」以降のアルバムから11曲を収録。
メロトロンが鳴り響くレトロな感覚を北欧的な叙情性と合体させたサウンドは、多くのバンドに大きな影響を与えることとなる。
Dusc2には未発音源や別バージョン、初期のデモなどの貴重なテイクを収録。現在よりもクリムゾン色の強かった、
初期の楽曲がまた違った雰囲気で楽しめる。このバンドの入門用にはもちろん、コアなファンにも対応したベストである。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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■ムーン・サファリ
〜爽やかな泣きの叙情メロディ

MOON SAFARI「A Doorway To Summer」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2005年作
若手バンドのデビュー作。自主盤ながらもプロデュースはTHE FLOWER KINGSトマス・ボーディン
サウンドの方もそのTFKからの影響が大きく感じられる、メロディアスシンフォ作。
アコースティック色もけっこう強く、全体的にゆったり、しっとりとした作風で、最近のフラキンよりも分かりやすく、
純粋で素朴な雰囲気
に好感がもてる。若者らしからぬレトロな質感が叙情性とともに哀愁をかもしだしているのは、
最近のバンドの特徴かもしれない。フラキンのメロウな部分が好きな方にはオススメ。
シンフォニック度・・8 ゆったりメロディアス度・・9 フラキン度・・8 総合・・8
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Moon Safari「Blomljud」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2nd。2008作
彼らの1stはThe Flower Kingsのメロディアスさを抽出したような、シンフォニックの好作だったが、
今作も牧歌的なコーラスや、 アコースティカルな素朴さを取り入れた、じつに美しく繊細なアルバムだ。
つややかなピアノの音色にオルガンが重なり、どこかなつかしいようなレトロさとともに
温かみのあるヴォーカルメロディが爽やかに響く。大曲の盛り上げ所ではロイネ・ストルトばりのギターに思わずにんまりだし、
Disc1のラスト曲などはじつに感動的だ。派手さよりもフォーク的な素朴な情感で聴かせる、とても素敵なメロディアスシンフォ。
鳥の鳴き声を聴きながら日だまりでまどろむような優しい気分になれる作品です。CD2枚組みで曲も長いが何度でも聴きたくなる。
メロディアス度・・10 繊細度・・9 素朴度・・9 総合・・9
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MOON SAFARI「Lover's End」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2010年作
前作の2枚組アルバムが泣くほど素晴らしかったのだが、今作も繊細な叙情美が
素晴らしい傑作となった。やわらかなヴォーカルハーモニーと、美しいピアノとシンセワーク、
そして、ロイネ・ストルトかアンディ・ラティマーかという泣きのギターフレーズ、
涼やかな北欧の風を運ぶようなこの耳心地の良さには、またしてもうっとりとなる。
誤解を恐れずにいえば、かつての70年代のヒッピー世代におけるユートピア志向を、
感動的なまでの叙情性を込めて、心温まる青春偶像ドラマに仕立て上げたというべき、
ちょっぴり甘酸っぱい思い出を脳裏に甦らせるような、どこかなつかしいメロディがたまらない。
フラキンファンもきっと泣く。優しい叙情に感動。北欧繊細系シンフォニックの大傑作。
メロディアス度・・9 繊細度・・9 青春度・・9 総合・・9
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MOON SAFARI「The Gettysburg Address」
スウェーデンのプログレバンド、ムーン・サファリのライブアルバム。2012年作
まるでThe Flower Kingsをより牧歌的にしたようなデビュー作から、2nd「Blomljud」の繊細なる絶品の叙情美、
それを押し進めた傑作「Lover's End」と、3枚のアルバムで美メロ系シンフォニックファンの心を虜にしたこのバンド。
本作は2011年のアメリカRosfestでのライブステージを収録したCD2枚組。
やわらかなギターメロディと繊細なシンセワークで、しっとりと楽曲を組み立てる
そのサウンドは、ライブにおいても魅力充分で、30分を超える大曲においても、
あくまでメロディックな明快さを忘れないところが素晴らしい。インストパートでは、
よりギターフレーズに輪郭を当てた音作りでアルバムとはまた違った聴き心地で楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MOON SAFARI
「Lover's End Pt. III - Skelleftea Serenade」
スウェーデンのプログレバンド、ムーン・サファリのEP。2012年作
1曲24分というシングルであるが、このバンドの魅力が凝縮された素晴らしい作品。
美しいシンセアレンジとノスタルジーを感じさせる甘やかなヴォーカルメロディーで、
心洗われるような爽やかなサウンドが広がってゆく。きらびやかなキーボードとメロウなギター、
つまびかれるピアノの繊細さ、長曲を構築する起伏のある展開力とアレンジセンスで、
優しくドラマティックなシンフォニックロックを聴かせてくれる。アルバムを気に入った方なら必聴。
メロディック度・・9 プログレ度・・8 爽やか度・・9 総合・・8.5
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■トレッティオアリガ・クリゲット〜オルガン鳴り響くブルージーな70年代的HR感覚

TRETTIOARIGA KRIGET「ELDEN AV AR」
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2004年作
70年代後半〜80年代に2枚のアルバムを残したこのバンドがなんと復活。
かつてを思わせるハード寄りのギターといくぶんのブルージーな質感に
メロトロンなどの美しい叙情を加えたサウンドで、母国語のヴォーカルが歌を乗せる。
古き良き70'ロック的な質感に加え、年季を経たバンドとしての温かみがあって、
プログレうんぬんというよりはレトロなロックとして楽しめる力作である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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TRETTIOARIGA KRIGET「I BORJAN OCH SLUTET」
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2007年作
1974〜1980年にかけて5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが、2004年に復活、
本作は再結成後の2作目で、前作同様に、ブルージーなハードプログレを聴かせてくれる。
美しいメロトロンの響きに、古き良きハードロック的なギターが重なり、
枯れた味わいの見事なアンサンブルを形成。そこにヴォーカルが加わると
70年代ブリティッシュロック的な雰囲気も漂わせる。スウェーデン語の土着的な質感もいい。
ドラマティック度・・8 ブルーズプログレ度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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Trettioariga KrigetEfter Efter
スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの20011年作
1974〜1980年にかけて活動したのち休止、本作は2004年の復活作から数えて3作目である。
70年代を思わせる、古き良きブルージーなプログレ・ロックサウンドは本作も同様で、
オルガンやメロトロンなどの音色にメロウなギター、枯れた味わいのヴォーカルも含めて、
どっしりとした大人の雰囲気を漂わせている。また今作では8分、10分という大曲で、
よりプログレ的な構築が聴けるのも嬉しい。派手さはないがベテランらしい好作品だ。
メロディック度・・7 プログレ度・・7 大人の味わい度・・9 総合・・8
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*北欧シンフォニック特集ページ
*CDレビュープログレ・北欧ページも併せてご覧ください。


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