土壇場で列をなす殺戮兵器を前に
かすかな油断と憐憫を胸に咲く花のように
耕して肥やし、ともに吐き捨てるのならば
一生その境界線上に依存し続ければいい。

サンタ・クルスのこわもての髭面を叩きのめし
両手をふさがれて立ちすくむ産婆がいくら嘆こうが
ロスト・エンドの表示にも臆することなくただ、
また歩いて谷底へ進んでゆけばいい。

ファナティックな付き合いを、
やみくもに課せられるならひっきょう、
ローゼンタール家の末代の運転手にまで
罵倒され続けることになるだろう。

だとすれば、かすかなため息とともに腰を上げ
戦場へ赴くあの勇敢な令嬢のように、
空を見上げ、灰色の天に祈り、渇望するように
かの者を求めればいい。

さすればたとえ、誘われる七番めの煉獄に入り込んだとしても
あの6月のような後悔はもうないだろう。
花が咲くなんてうそだ。
花はすぐに散るだろう。

忘れな忘れな忘れな草
知らない方がいいことは知らない方がいい。
ハッピーハッピーソーハッピー
ユングもサルトルも優雅にフォックストロットを踊ってしまえば
選別の恐怖から解放された挙げ句、勢い込んでリヴァイアサンの餌食だ。 
クリシュナもいらない。ビシュヌの平和も、シヴァの破壊もいらない。
白い光も、闇と無からの再構成も、その後のさしたるアドヴァイスもいらない。
むしろ、差し支えなければ、服のしわを直すかのように、
ただじっくりと汗をふき、そして重たい兜をかぶり直すのだ。

さあ、いざいかん
忘却の城へ

時間のながれとともに、
彼方へと黒く、また黒く広がる

あの忘却の城へと


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