とめどなくアフロディーテ的に
嵐が丘はまだ?

ヒースクリフは便所に
蜘蛛の巣だらけの城門に

かんぬきが開かないので
淫らなふりをして女王さま

ロックはいい
ともかく腐らないのなら、発酵だってあるはず

シベリウスのシンフォニーで
足元をひっつかんでみろ

さすればそう、
天上の調べにのたうち

甘美なる至福の夢に浸り
余すところなく

ビロードの絨毯に
濃密なるラム酒をこぼしてしんぜよう

などという誓約は無視して
はにかんだ笑いを浮かべながら

手持て、足持て、担ぎ上げ
はがいじめの猿ぐつわで

自由はなんだと叫ばせて
車裂きに処すればいいのに

しかして実態は、
大なり少なり、権力と

中なり少なり、抑圧で
繰り返される街角の法律

難破船は明日にも月を見る
ならばと、漕ぎだせ

荒波を一呑みして酔い
甲板に穴をうがち、帆を詰め開き

座礁ののち余興となるは
苦し紛れのナイフ投げ

ロープを切れ、樽を転がせ
マスケット銃のしなびた火薬が輝いたら

痛みとともに夢からさめよ
たとえ、もう少しだけゆるやかな難破がしたくとも

地下室のおもちゃ箱には秘密がいっぱい
子ども時代の剣もある

海賊は夢を
少年は明日のテレビ番組を

心ない説教に革命を志して
ただ、見上げればいい

ポート・ロイヤルはそこだ



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