ヴィレッジランターンに翳りあり!

獣脂はあるかい?
なければランプを

蝋燭は灯してもいいが
ノクターンの香りを邪魔するな

月を見上げるときには
一緒に呪いを唱えて幸福になろう

早すぎる朝がくるつもりなら
ときに太陽を殺してもいい

ヴィレッジランターンに翳りあり!

ああ、青春のコンスタンティノポリス
帝国の終焉を前に

僕はひとり祖国へ帰るのか
ともしびは消えかかっているが

風はやまないが
ただちに薄れゆく意識というのは、ほら

どうしても罪悪感がともなうもの
信じつつける偽善も必要

悪になってもいい
匂い立つ衣のぬくもりに心酔わせたなら

明日はきっと晴天の光のもと
草原に立つ牝馬のように

猛々しく怒れるだろう

ヴィレッジランターンに翳りあり

だから、だからさ
今日を忘れ

放蕩の旅に苦いこの身をやつし
どこまでもゆこう

明日ともしれず夕日を眺め
日々を風に暮らし

草のしとねに横たわり
星空に呪いをとなえよう

目に見えぬ精霊たちが
騒ぎはじめたならば

もうすぐときはきたる

ヴィレッジランターンに翳りあれ



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