水晶剣伝説 Z
あとがき


おまたせしましたー!
水晶剣伝説第7話「大森林の行軍」をお届けします。

いやー、やっとできた…長かった。しんどかった。でもよかった。
前作からなんとか半年以内で完成させようと思っていましたが、
結局8カ月以上も過ぎてしまいました…気付けばもう秋。
うう…しかし、10月なのに日差しが暑いぞ!
今年の猛暑はハンパなく酷かったが、爽やかな秋までも奪うつもりなのか!
などと、襲いくる温暖化の魔の手に嘆きつつ、なんとかこの夏を乗り切りましたが…
しかし、やはり夏の間の執筆は厳しかったですね。創作はやはり夏より冬のほうがはかどる。

気付けばまたひとつ歳をとり、水晶剣を本格的に書き始めてから10年がたっておりました。
構想自体は高校生の頃からあって、それから何度も書き直したり、必要な勉強をしたりして、
少しずつ設定を考え続けたりしていたのですが、ようやく「行けそうだ」とスタートしたのが、
2000年くらいだったと。載せてあるリクライア大陸の手書きの地図もその頃に作りました。
これで、ようやく7話ですよ!第一部が10話の予定で、第二部がまた10話の予定ですから、
すべてが完成するのには、少なくともまだ10年以上はかかりそうです。笑

さて、今回は「ロサリイト草原戦」へのつなぎ的な話数で、もっと地味な話になる予定だったのですが、
そこは面白いもの、冒険好きの作者のこと、いっそ森林を踏破しちまえ!と無理やり彼らを森にやり、
霧の谷を降りさせ、川に流されかかり、あまつさえ森の巨人まで襲いかかってくるという、
なんとも冒険活劇的な内容になってます。笑
最初は予定のなかった、森の地中の部屋に住む怪しげな老人まで出てきたり、
なんだかんだで、退屈せずに読める感じになっていると思います。

一番好きなのは、序盤でレークがクリミナに別れを告げる場面。
彼女の性格から「連れていって」とは口が裂けても言えない、
そのせつないもどかしさが、少しでも伝わってくだされば、作者として嬉しく思います。
人生には別れがつきもの。別れあればまた出会いもある。
そうしてときを重ね、互いに別々の経験をしてから、また出会うかもしれない。
この二人には思い入れがありますから、できれば幸せになって欲しいですがね。
しかし、レークにもクリミナにも、次々に試練が降りかかるんですよ〜わはははは。
意地の悪い作者でスミマセン、キャラたちを苦しませることで、僕自身も苦しむのですが、
それもまた物語の醍醐味であり、書き手としての喜びであるのです。
さまざまな感情…喜びも悲しみも、怒りも絶望も、すべて受け止めること、
それが執筆の楽しさであり、物語を読むことの楽しさ、なんですよね。

さあて、次回からはいよいよ大草原の戦いが始まりますよ。
大切な人々の運命が、また大きく変わってゆく、長く、激しい戦い……
第一部のクライマックが始まります。
どうぞ、気を長くしてお待ちくださいね。笑
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それでは、
すべては、ときのながれのなかで


                 2010.10/11 緑川 とうせい






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