ブルーランドマスター  あとがき



こんにちは、緑川とうせいです。
小説楽しんでいただけましたか?

今回は海を舞台にした海賊もの小説になりました。
海賊といえば、昨年はなにやら「パイレーツ・オブ・カリビアン」なる映画が公開されたり、
アニメでは「キャプテン・ハーロック」の新シリーズを放映したりと、
思わぬ海賊ブームに(?)ちょっとばかり「先にやられた」感がありましたが(^^;)、
じっさいには私がこの小説を書きたい、と思っていたのは一昨年の夏ごろからでしたので、
構想という点では先取りしていたのかも、とも思ったりもします(勝手な解釈)。

この作品を書くに当たってはいろいろと苦労がありました。
まずは帆船の構造や、部分的な名称、次に実際に存在した歴史上の海賊たちの史実等を調べ
話の中でいかにそれらを組み入れて説得力を盛り込むか、という部分。
そしてさらに重要なのは、「自分が船に乗ったつもりになる」という点です。
これに関しては、まさに天の助けともいうべきものがありました。
折しも小説を書き始めようかというときに、NHKのBSで見た海洋ドラマ、「ホーンプロワー」です。
このドラマは19世紀を舞台にした、海の男たちを描いたもので
雄大な海をゆく帆船の姿や戦闘、航海での苦しみなどがドラマとして見事に描かれていたのです。
このドラマのおかげで資料本だけではなかなか分からなかった細かな部分が、
実際の船員の視点から見えてきたのでした。

こうして書き上げてみると、私の小説というのはやはり、
激しい戦いやハリウッド的な冒険活劇、というよりは、
人間の心理を描いたり、細かな感情の移り変わり、そして人と人との接触、コミュニケーション
というものをメインにした物語なのだなぁ、と改めて思いました。

また、はじめは女海賊を主役にするつもりでしたが、
書いているうちに「これはグリンの物語だな」と分かり、あえて視点は変えずにおきました。
視点というのは、簡単に言えば、原則的な心情描写を誰の目で行うか、ということで、
つまりカッコ( )つきの心のセリフは、視点のある小説においては一人のものしか書けない、ということです。
セリフと描写のみで女海賊ジェーンレーンの雰囲気が、分かっていただけたなら、
まあ上手くいったかな、というところでしょうか。

しかし、私はこういう気が強くてクールで、ときどき女性らしいというキャラクターがとても好きなようです(笑)
マジメなグリン青年の方は(後半ではたくましくなりましたが)、どこか微笑ましいというか
もちょっとくだけたら?と作者ながら言いたくもなりますが(笑)、まあ、それが彼の持ち味ということで。

最後に、小説の感想などありましたら(もちろん誤字脱字のご報告も)、
ぜひメールなどでお寄せくださいm(__)m


                                         2004.1/3 緑川とうせい


●作者にメールしてみる

 HPのTOPへ       小説のページTOPへ