英国フォーク、アシッド・フォーク
〜70's British folk,Acid Folk
by Tosei Midorikawa
掲載バンドは上からABC順になっています
■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。
音楽ページTOP *ブリティッシュフォーク名作選
Anne Briggs「The Time Has Come」
英国フォークの女性Vo、アン・ブリッグスの1971作
邦題は「森の妖精」で、英フォークの中でもマニア好みの逸品とされる。
素朴なアコースティックギターの音色に、ややけだるげな彼女の歌声が乗る。
森の中にただ一人で弾き語りをしているようなイメージで、曲うんぬんというよりも、
こののんびりとたゆたうような牧歌的雰囲気を感じるのが良いのだろう。
あまりに素朴すぎてプログレファンにはやや眠くなる作品かもしれないが。
アコースティック度・・10 素朴度・・10 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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BRANDYWINE BRIDGE 「An English Meadow」
イギリスのフォークバンド、ブランディワイン・ブリッジの1978年作
アコースティックギターやマンドリン、バンジョーのつまびきにやわらかな女性ヴォーカルの歌声で、
素朴で優雅な味わいのフォークを聴かせる。リコーダーやホイッスルの牧歌的な音色も加わって、
ジェントルな男性ヴォーカルとともに、AMAZING BLONDELにも通じる中世音楽の感触もある。
楽曲は2〜3分前後とシンプルで、ほどよいマイナー感と比較的キャッチーな味わいが同居した好作品。
アコースティック度・・9 素朴度・・9 英国度・・9 総合・・7.5
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Bridget St. John 「Songs for the gentle man」
英国のフォークシンガー、ブリジット・セント・ジョンの2nd。1971作
アコースティックギターとたおやかなフルートが鳴り響き、英国の森を思わせるような
ゆったりとした牧歌性に包まれたサウンド。ブリジットの歌声は女性としては太い方で、
少し好みを分けるところかもしれないが、ストリングスを使ったクラシカルなアレンジなど、
楽曲には優雅な美意識が感じられ、しっとりと落ち着いた叙情美が堪能できる好作といえる。
なお、彼女はMike Oldfieldの「Ommadown」にコーラスで参加した経歴もあり、
PINK FLOYDの「原子心母」を手がけたロン・ギーシンがアレンジで参加しているということも、
本作がプログレファンからは隠れた名盤とされる所以だろう。
アコースティック度・・8 英国度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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CAEDMON 「LIVE」
スコットランドのフォークバンド、カエドモンのライブ作品。
1978年に唯一のアルバムを残して消えたバンドで、本作には1977、78年のライブ音源を収録。
1977年の音源は、わりとラウドなエレキギターにブズーキの音色、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
幻想的なフォークサウンドで、アコースティックギターやマンドリンの牧歌的なつまびきにときにシンセも加えて、
SPRIGUNSのように、ほどよくロック風味の感触もある。エレキギターをメインにしたナンバーでは、
普通にブリティッシュロックのリスナーにも楽しめそうで、70年代のフォークバンドではプログレ寄りといってよい作風だ。
後半の1978年の音源は、うって変わってアコースティック主体で、ゆったりと優雅な聴き地です。全14曲、70分収録。
わりとエレキ度・・8 牧歌的度・・7 英国フォーク度・・8 総合・・7.5
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CATHERINE HOWE「What A Beautiful Place」
英国のフォークシンガー、キャサリン・ハウの1st。1971作
これまでCD化されておらず、幻のフォークアイテムとされていたらしい。
ジャケからして美しいですが、内容も美声の女性Voを聴かせる素晴らしいもの。
ピアノやオーケストラの美しいゆったりとした楽曲に、やわらかな歌声が自然と調和するかのように
耳に優しく響きます。フォーク特有の土着性はあまりなく、あくまでヴォーカル主体の作品なので
曲調はどれも似たような感じですが、しっとりとした女性Voが存分に楽しめます。
アコースティカル度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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CLAIRE HAMILL「OCTOBER」
英国のフォーク系女性シンガー、クレア・ハミルの2nd。1973作
フォーク系といっても、本格派ではなくポップとフォークの中間的な立ち位置で
プログレ、フォークという垣根を超えてもっと多くに聴かれるべきアーティストである。
どこか可愛らしく、ときに浮遊感のある彼女の歌声は、しっとりとしながら哀愁も感じられ
自身の弾くピアノとともに古き良き英国の香りをかもしだしている。
またアコースティック一辺倒ではなく、プログレ的なメロトロンや美しいストリングスなども入って、
70'sブリティッシュロックのファンにも充分楽しめるだろう。ラストのブギウギ調の曲はなんだが。
英国度・・9 フォーク度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Contraband「same」
スコットランド出身のトラッド/フォークバンド、コントラバンドの1974作
ブリティッシュフォークの名作のひとつに数えられる本作は、メイ・マッケンナの美しい歌声と、
ギターとフィドルを中心とした巧みな演奏による正統的なトラッドソング聴かせる。
ロック的なドラムも入っていることで、SPRIGUNSあたりに通じる質感もあるが、
こちらの方がもう少し牧歌的でケルティック、またやわらかなカントリー調の趣もある。
STEELEYE SPANあたりのシリアスさともまた違う、のんびりと楽しめる好作といってよい。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Eclection
イギリスのフォークロック、エクレクションの1968年作
後にFOTHERINGAY、FAIRPORT CONVENTIONに参加するトレヴァー・ルーカスとジェリー・コンウェイによるバンドで、
唯一の作品がリマスターで再発された。12弦ギターのつまびきにストリングスアレンジを重ね、男女ヴォーカルの歌声とともに、
牧歌的なフォークロックを聴かせる。ドラムやエレキギター、オルガンなども加わったわりとロック寄りの感触は、
のちのSPRIGUNSなどにも通じる雰囲気で、オーストラリア人の女性シンガー、Kerrilee嬢のやわらかな歌声も魅力的。
牧歌的でキャッチーなポップ性とともに、ときにRenaissanceにも通じるような優美なクラシカル性も感じさせる。
曲によってはブラスも入ったり、オーケストラルなアレンジも含めて厚みのあるサウンドが優雅なフォークロックの逸品。
アコースティック度・7 ロック度・7 英国度・8 総合・8
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Fairport Convention「What We Did on Our Holidays」
英国フォークの名バンド、フェアポート・コンベンションの2nd。1968作
サンディー・デニーが加入しての最初の作品。
次作「Unhalfbricking」と同様アコースティカルで牧歌的なフォークサウンドが楽しめる。
瑞々しいサンディの歌声も素晴らしく、バンドとしての地位を築いた一作だろう。
英国風の田舎臭さが強い3rdよりも、もう少しポップな質感があり、個人的にはこちらが好み。
アコースティカル度・・8 牧歌的英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Fairport Convention「Unhalfbricking」
英国フォークの名バンド、フェアポート・コンベンションの3rd。1968作
サンディー・デニーが加入しての二作目となる本作は、英国らしい牧歌的なフォークサウンドが満喫できるアルバムだ。
次作で聴ける緊張感と完成度に比べると、いくぶんゆったりとしていてのんびりとまどろみながら聴けるサウンドである。
名曲とされる“Who Knows Where The Time Goes?”や11分におよぶ大曲も含まれ
非トラッド系フォークファンにはこちらが最高傑作との呼び声も高い。
アコースティカル度・・8 牧歌的英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Fairport Convention「Liege & Lief」
フェアポート・コンベンションの4th。1969作
バンドの代表作であり最高作とも言われているこのアルバム、
歌姫サンディ・デニーの表現豊かな歌声に、アコースティックギターと
ヴァイオリンが絡みつつ、ドラムも入ってくると聴きやすいフォークロック風にもなる。
今で言うBLACKMORE'S NIGHTにも通じる雰囲気があり、年代的な古くささは感じさせない。
名作というにふさわしい内容のアルバムだ。リマスター盤にはボーナス曲も追加収録。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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Fairport Convention「FULL HOUSE」
英国フォークの名バンド、フェアポート・コンベンションの5th。1970作
前作と並んでバンドの代表作とされるアルバムだが、サンディ・デニーの脱退によって
今作からは全編が男性Voものになっているので、ぱっと聴いた印象はだいぶ異なる。
アコーステイックギターとフィドルの絡みを中心に、軽やかに聴かせる楽曲は
英国の愉快なのどかさを感じさせ、力まずにのんびりと楽しめる。
コンパクトにまとまった中にも、長い曲も組み入れるなどメリハリもついていて
アルバムとしての完成度の点では決して前作にもひけをとらない。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 男性Voですが良いですよ度・・8 総合・・8
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Fairport Convention「Rising For The Moon」
フェアポート・コンベンションの1975年作
バンド離脱後、Fotheringayやソロ活動で作品を出していたサンディ・デニーが復帰、
彼女の歌声を中心にしっとりと聴かせる、ソロ作に通じる雰囲気のサウンドだが、
バックの演奏はさすがの切れ味で、キャッチーで牧歌的な作りながらも音のメリハリがしっかりとしている。
随所にヴァイオリンなども聴かせるトラッド風味も残していて、じっくりと楽しめる好アルバムだ。
アコースティカル度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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FLIBBERTIGIBBET「Whistling Jigs to the Moon」
ブリティッシュフォークの名バンド、MELLOW CANDLEのメンバーであったウィリアムス夫妻が
南アフリカ移住後に発表した作品、フリバーティギベットの1978年゜作
アコースティックギターにマンドリンの響きに、牧歌的な男女ヴォーカルの歌声を乗せた
メロウキャンドルを思わせる素朴なフォークサウンドで、しっとりとした英国的な趣というよりは、
もっとおおらかでリラックスした雰囲気だ。アリソン・ウィリアムスのしっとりとした歌声はここでも不変で、
女性声の英国フォーク好きにはやはりたまらない。ただ36分で14曲ということもあり、
カントリー調の曲やハープやリコーダーを使った古楽など、作品としての統一感にはやや欠ける。
アコースティカル度・・9 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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FLIBBERTIGIBBET「My Lagan Love」
MELLOW CANDLEの解散後、ギターのデヴィッドとヴォーカルのアリソンが南アフリカへ渡って結成したユニット。
1978年に「WHISTLING JIGS TO THE MOON」を発表して消えたが、本作はその前後に録音された未発表音源。
アコースティックギターのつまびきに美しい女性ヴォーカルを乗せた、優美なフォークサウンドで、
フィドルやリコーダー、素朴なマンドリンの音色が土着的な牧歌性を描きながら、70年代の香りに包まれる。
トラッドのカヴァーを中心にした、1〜3分前後の小曲で、ライブ音源なども含んだ雑多な内容ながら、
アリソン嬢のやわらかな歌声にはやはりウットリとなる。メロキャン好きならチェックすべき音源ですね。
アコースティック度・・9 素朴度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Forest
イギリスのフォークバンド、フォレストの1969年作
幻想的なジャケが印象的だが、サウンドの方もアコースティック楽器を主体にした牧歌的なフォークで、
12弦ギターやマンドリンのつまびきに、やわらかなヴォーカルハーモニーが重なり、
随所にオルガンの音色も加わった、古楽的な味わいも含んだ優雅な聴き心地。
演奏にしろ歌にしろ、ほどよくヘタウマなマイナー臭さが、むしろ幻想的なユルさになっていて、
のんびりと鑑賞できる。英国のアシッドフォークとしては、幻想サイケフォーク寄りの好作品。
アコースティック度・・8 牧歌的度・・8 優雅度・・8 総合・・7.5
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Forest 「Full Circle」
イギリスのフォークバンド、フォレストの1970年作
牧歌的なフォークサウンドは前作のまま、いくぶんごちゃごちゃとしていた前作に比べて、
音の重なりがすっきりとして、ひとつ焦点が定まったような耳心地のよい作風となった。
アコースティックギターに絡むヴァイオリン、マイルドなヴォーカルの歌声も含めて、
前作のB級臭さがいくぶん払拭されて、よく言えばまとまりのある音になった。
反面、英国フォークとしてはわりと正統的なサウンドになったので、一般的には聴きやすいが、
個性的かというとそうでもなくなったかもしれない。マニアックな幻想フォーク好きは前作をどうぞ。
アコースティック度・・8 牧歌的度・・8 優雅度・・8 総合・・7.5
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FOTHERINGAY
Fairport Conventionを脱退したサンディ・デニーが、後の伴侶となる
トレヴァー・ルーカスらと組んだフォークバンド、フォザリンゲイのアルバム。1970作
アコースティカルでありながら、ブリティッシュロック的なアプローチもあり、
キャッチーで聴き安い楽曲と、やわらかな男女ヴォーカルの歌声。
憂いを含んだサンディーの歌唱は、まさに彼女の全盛期というにふさわしく
哀愁漂うメロディと牧歌的なやわらかさが一体となった傑作だ。
フォークロック度・・8 ブリティッシュ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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FUCHSIA
イギリスのフォークロック、フューシャの1971年作
アコースティックギターに、エレキやドラムを加えたロック感触にヴァイオリンやチェロを加えた、
壮麗な味わいのフォークロック。ジェントルな男性ヴォーカルに美しい女性ヴォーカルの歌声と、
優美なストリングスが合わさり、メディーヴァルで華やかなロマンの香りを描き出す。
ヴァイオリン奏者でもある二人の女性ヴォーカルが、メインの男性声との美しい対比で、
素朴なフォーク感触を優雅に彩っていて、SPRIGUNSのようにプログレ的にも味わえる。
ドラマティック度・・8 優美度・・9 英国度・・8 総合・・8
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HERON「Upon Reflection」
英国のフォークバンド、ヘロンの1st、2ndカップリング。1970/72作
鳥のさえずりが聞こえる。のんびりとした英国の田園風景が目に浮かぶ。
野外録音で作られた彼らのアルバムは、どこにでもありそうな素朴なフォークなのだが、
この自然と一体となったようなおおらかさは、なんとも耳に優しい。
アコーステイックギターにマンドリン、オルガンの音色すらもやわらかだ。
マイルドな歌声に耳を傾けつつ、おだやかな風や日差しすらも感じる気がする。
2ndの方はややカントリー的なフォークロックとなっていて聴きやすいが、
牧歌的な魅力という点では、やはりほのぼのとした1stのサウンドがよろしい。
アコースティック度・・8 のんびりゆったり度・・10 英国度・・9 総合・・8
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Ian Matthews 「 If You Saw Thro' My Eyes」
英国のフォークシンガー、イアン・マシューズの1971年作
初期のFairport Conventionにも参加したシンガーの1stソロ。アコーステッィクギターのつまびきに、
エレキギターやドラムの入ったロック色も含んだ作風で、マイルドなヴォーカルが耳心地よい。
キース・ティペット、リチャード・トンプソン、サンディ・デニーなどが参加していて、
随所に男女ヴォーカルを乗せた、英国らしい優雅な牧歌性に包まれている。
優美なピアノのつまびきに、アコースティックギターがかさなるナンバーなどもじつに美しい。
全体的に素朴な味わいながら、優しい歌声と繊細な感性にあふれた逸品です。
アコースティック度・・7 フォーク度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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Ian Matthews 「Tigers Will Survive」
イアン・マシューズの1972年作
前作同様にやわらかなヴォーカルと、エレキギターを含んだ適度なロック色で聴かせる、
いわゆる非トラッド系のフォークサウンドに、今作ではいくぶんカンタトリー風味が加わっていて、
ゆったりとしたおおらかな雰囲気に包まれている。ゲストのリチャード・トンプソンによる
アコーディオンのやわらかな音色も耳に心地よく、繊細で温かみのある叙情性は、
古き良き英国の田舎の空気を感じさせる。サックスが入った哀愁を感じさせるナンバーもありつつ
あくまで素朴な情緒を大切にする作風に、彼の人柄がにじみ出ているように思う。
アコースティック度・・7 フォーク度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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11.59 「This Our Sacrifice of Praise」
イギリスのフォークバンド、イレヴン:フィフティー・ナインの1974年作
1作のみを残して消えた幻のブリティッシュ・フォークバンド。カモメの鳴き声から始まり、
アコースティックギターに美しいメロトロン絡むシンフォニックな味わいに、ジェントルな男性ヴォーカルと
美しい女性ヴォーカルのハーモニーで、うっとりとするような繊細な叙情サウンドが広がってゆく。
曲によってはドラムやエレキギターも入ったフォークロックの味わいに、適度にポップな要素も加わっていて、
いわゆるトラッド的な感触というのはほとんどない。1曲目の方向性でまとめられていたらプログレ寄りの傑作だったことだろう。
オリジナルRENAISSANCEのジェーン・レルフのような女性声の魅力も含めて、いかにも英国らしい牧歌的な好作品だ。
シンフォニックフォーク度・・8 繊細度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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ITHACA「Game for All Who Know」
イギリスのアシッド・フォーク系バンド、イサカの1973年作
女性Voを含む3人編成で、本作が唯一の作品。美しいピアノに導かれて、
アコースティックギターにマンドリンでゆったりと聴かせるサウンド。
そこに男女ヴォーカルが夢見ごちな歌声を乗せてゆく。たおやかなフルートの音色に女性ヴォーカル、
不思議な浮遊感といかにも英国らしい優しい叙情性に包まれた
牧歌的な耳心地の良さ。CD化にあたって3曲が追加収録されている。
アコースティカル度・・8 牧歌的度・・9 英国度・・8 総合・・7.5
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JADE 「Fly on Strangewings」
英国フォークバンド、ジェイドの1971年作
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、非トラッド系のフォークサウンド。
マリアン・シーガルの可憐な歌声を中心に、男性ヴォーカルが絡み、ときにオルガンやハープシコード、
ピアノなどの鍵盤も入った、クラシカルなテイストもある。素朴な味わいながらも、
英国らしい優雅な気品を感じさせる点では、TUDOR LODGEにも通じる感触である。
ストリングスが加わるところは、SPRIGUNSなども思わせる。優雅でやわらかな好作品。
アコースティカル度・・8 英国度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Jancis Harvey 「Distance of Doors」
ブリティッシュフォーク、ヤンシス・ハーヴェイの1972年作
クリスチャン・フォークシンガーとも呼ばれ、知る人ぞ知る女性フォークアーティスト。
アコースティックギターのつまびきに彼女の歌声が乗るというシンプルなスタイルであるが、
そのやわらかな歌声は母性的で優しく耳心地が良い。2〜3分前後の小曲中心であるが、
これぞ英国フォークという湿り気と叙情に、いくぶんこもり気味の音質も、
教会などで演奏していたという当時の空気感が伝わってくるようだ。弾き語りフォークの好作品。
アコースティック度・・9 英国度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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THE JOHN RENBOURN GROUP「A Maid in Bedlam」
イギリスの古楽フォークバンド、ジョン・レンボーン・グループの1st。1977作
「ベドラムの乙女」というタイトルと、ロセッティの絵画を使ったジャケが印象的。
アコースティックギターにフルート、リコーダーというシンプルな音数の上に
二人の女性Voの歌声が優しく響きわたる、じつに典雅な雰囲気。
パーカッシブなタブラの響きは、伝統的なトラッドメロディをどこか異国的で、
古き良き空気とともに運んできてくれるようだ。ジョン・レンボーンの作品の中でも傑作とされる一枚。
メロディアス度・・8 古楽度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Linda Perhacs「Parallelograms」
ハワイの女性フォーク・シンガー、リンダ・パーハクスの1970作
アシッド・フォーク幻の傑作とされ、最近再発されるまではレアなアルバムだった。
内容の方は、しっとりとした彼女の歌声を中心に、夢見ごこちで聴かせるサウンド。
楽曲うんぬんというよりも、まるで水の上をたゆたうような雰囲気を楽しむ感じで、
悪くいえば薄ぼんやりとした印象。ヒッピーの香りただようサイケ風の曲もあり、
70年代特有のゆるさと翳りが感じられる方にはたまらないものがあるだろう。
アコースティカル度・・8 ゆるゆる度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Magna Carta 「Seasons」
イギリスのフォークバンド、マグナ・カルタの1970年作
アコースティックギターのつまびきに、やわらかな男性ヴォーカルの歌声をメインに随所に女性ヴォーカルも絡んで、
ゆったりとした叙情を聴かせる、とても英国らしい雰囲気の素朴で牧歌的なフォークサウンド。
ときにオルガンやドラムも加わった(リック・ウェイクマンが参加)フォークロック色も適度にあって、
リコーダーやフルート、チェロなどによる味付けもよい感じだ。プログレファンにも楽しめるフォーク作品です。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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Marie Celeste 「And Then Perhaps」
イギリスのフォークバンド、マリー・セレストの1971年作
幻のブリティッシュ・アシッドフォークバンド、唯一の作品で、航海中に無人船として発見された
謎の事件、マリー・セレスト号を名前にしていることからも、ミステリアスなイメージであるが、
サウンドの方はアコースティックギターを主体に、男女ヴォーカルの歌声を乗せた牧歌的な聴き心地。
シンプルな音数の中にも、英国らしいウェットな空気感を漂わせるところは、マニア好みの雰囲気で、
二人の女性ヴォーカルの美しいハーモニーにはウットリとなる。まさにレアアイテムの奇跡のCD化ですな。
アコースティック度・・9 牧歌的度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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MELLOW CANDLE「SWADDLING SONGS」
ブリティッシュフォークバンド、メロウ・キャンドルの1972年作/邦題は「抱擁の歌」
スパイロジャイラ、チューダーロッジと並び賞されるこのバンドであるが、
個人的な好みで言えば、メロディアスなフォークという点ではこのメロキャンが最高である。
素朴でありながらもピアノやハープシコードで格調高く彩られた楽曲に、たおやかな女性ヴォーカル。
まさにフォークの理想形。ロック的なリズム感覚もあってクラシカルな部分はRENAISSANCEをも思わせる。
ブリティッシュフォークってどんなのだろう?という方には、まずはコレから聴くことを強くお勧めする。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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MELLOW CANDLE「THE VIRGIN PROPHET」
英国三大フォークバンドの1つ、メロウキャンドルのアウトテイクス。
スパイロジャイラ、チューダーロッジと並び称される彼らですが、私はスパイロよりこっちが好きです。
まだ聴いたことのない方はぜひ「抱擁の歌」を聴いてください。
さて、このアルバムですが、その「抱擁の歌」のデモバージョンといってよい内容です。
完成前の素朴なアレンジで、聴き比べるとなかなか味が合ってこちらもよいです。
フォークでありながら実に当たりのよいメロディで、ようするにイモくさくなく、曲としてのアレンジも絶妙。
女性Voものとしても素晴らしく、ルネッサンスあたりのリスナーが聴いても違和感なく楽しめます。
メロディアス度・・8 フォーク度・・9 楽曲度・・8 総合・・8
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Miriam Backhouse「Gypsy Without a Road」
英国のフォークシンガー、ミリアム・バックハウスの1977作
かつてはブリティッシュフォークのレアアイテムとしてマニアに珍重されていたアルバム。
ジャケのようにややほの暗い、翳りをおびたトラッド/フォークサウンドで
女性ヴォーカルとアコースティックギターを主体にしたシンプルな楽曲が並ぶ。
マイナー調のサンディ・デニーという雰囲気で、あまりインパクトはないが
オーソドックスなフォークアルバムとして普通に楽しめる。メロトロン入りの曲もあり。
メロディアス度・・7 普通フォーク度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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THE PENTANGLE「The Pentangle」
英国フォークの名バンド、ペンタングルの1st。1968作
バート・ヤンシュとジョン・レンボーンという二人による見事なアコースティックギターと、
歌姫ジャッキー・マクシーの美しき歌声が重なり、時代を考えればとても質の高いサウンドだ。
ブラシを使ったドラムにウッドベースを含むアンサンブルはジャズ的な色合いもありつつ、
曲によってはトラッド/古楽的なミステリアスな雰囲気も聴かせる。
決して派手ではないが、適度な緊張感を漂わせた演奏には
プロのミュージシャンとしての誇りと音楽に対する真摯な姿勢が感じ取れる。
通好みのリスナーにとってはこの1stこそが最高の名盤だと言われるのもうなずける。
アコースティカル度・・9 ジャズ色もあり度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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THE PENTANGLE「Basket of Light」
ペンタングルの3rd。1970作
一般的には最高作とされ、特集記事などではこのジャケを目にすることが多い。
1stに比べて、やわらかみのある音作りはやや聴きやすくなっており、
ジャッキー・マクシーの素晴らしい歌唱を前に出したことも成功している。
もちろんバックの巧みな演奏も見事で、バンドの核となる二人の名ギタリストは
単なるフォークの枠を超えた中近東的な色合いも匂わせる音色を聴かせる。
美しい女性声にうっとりとなりつつ、類まれなアコースティック演奏を楽しめる傑作だ。
アコースティカル度・・9 中近東色もあり度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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PENTANGLE「Cruel Sister」
ペンタングルの4th。1970作
前作に比べてぐっと牧歌的になり、緻密だったギターの絡みは控えめになった。
素朴な音数の上にしっとりとした女性ヴォーカルが歌い上げ、
中世を思わせる雰囲気でじっくりと聴かせてくれる。
ラストは18分の大曲で、古楽的に展開する楽曲に男女Voの歌声が乗る。
とっつきは悪いが、ゆったりとした落ち着きという点では1番のアルバムかもしれない。
アコースティカル度・・9 ゆったり牧歌的度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Richard And LindaThompson「I Want to See the Bright Lights Tonight」
元Fairport Conventionのギタリスト、リチャード・トンプソンと妻のリンダによる1974年作。
アコースティックとエレキを絡めた巧みなギターワークに、男女ヴォーカルの歌声が牧歌的に響きわたる。
アコーディオンやクラムホルンの音色も重なって、トラッド色を含んだフォークロックを聴かせる。
全体的には爽やかな雰囲気だが、しっとりとした女性Voのバラード曲などにはうっとり。
アコースティカル度・・8 牧歌的英国度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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SANDY DENNY「The North Star Grassman and the Ravens」
元Fairport Conventionのサンディ・デニーのソロ1作目。1971年作
SPRIGUNSの「時空綺譚」を思わせるようなジャケですが、キーフの手によるこちらが元祖。
内容は小曲中心のたおやかな雰囲気で、ゆったりと彼女の歌声を堪能できるアルバムで、
しっとりとしたピアノやストリングスを使った曲などはとても美しい。
ただ、やはりフェアポート時代の名作に比べると曲がやや地味なので、
素晴らしいジャケのイメージからするといくぶん音は弱いか。
フォーク度・・7 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SANDY DENNY「SANDY」
サンディ・デニーのソロ2作目。1972年作
ソロ1作目の前作よりもいくぶんトラッド的な質感が増している。
エレキギターにハモンドも使ったフォークロック的な2曲目にまずうっとり。
サックスなども取り入れた2曲目はポップな雰囲気で、4曲めまではカントリー風味だが
5曲目からはシリアスなトラッド路線となり、彼女の歌唱の魅力が発揮される。
艶やかなストリングスにピアノの美しい7曲目なども感動的で、全体的にも
ジャケで人気があった前作より、むしろ内容としてはこちらが上回っている。
フォーク度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SANDY DENNY「Like an Old Fashioned Waltz」
Fairport Conventionのサンディ・デニーのソロ3作目。1973年作
全体として力の抜けた素朴で温かみのある作風で、すでにフォークというよりは、
美しいシンセやオーケストラの入った素朴なブリティッシュロックという雰囲気。
アニー・ハズラムを思わせような美しい歌声もあってRENAISSANCEあたりにも通じる
優雅な質感があり、軽やかなピアノで聴かせるしっとりとしたジャズタッチの曲もあれば、
いっそうの深みを増した彼女の歌声が響きわたるシンフォニックなナンバーもあり、
メジャー感の増したアレンジもあって、総じてとても聴きやすい作品になっている。
しっとり優雅度・・9 英国度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SANDY DENNY「Rendezvous」
サンディ・デニーのソロ4作目。1977作
前作よりもロック色が強くなり、ギターにオルガンの入ったサウンドは
フォーク色の薄まった普通の英国ポップロックという趣である。
ジャケのような都会的なモダンさと、サンディの歌声にある大人の翳りが
ただのポップスとは異なる味わいになっている。2作目3作目のような優雅で
感動的な叙情はないが、そう悪い作品でもない。この作品を最後に彼女は亡くなる。
ポップ度・・9 英国度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SANDY DENNY「Gold Dust,Live At The Royalty」
Fairport Conventionの女性Vo、サンディ・デニーのライブアルバム。1998作
1977年、生前の彼女の最後のライブ音源となるアルバム。
フェアポート時代から含めて、ほぼすべてがサンディー自身の手で書かれた曲を披露。
30歳を過ぎて、アルバム以上に成熟した歌唱力で歌い上げる様はまさに、英国史上に残る歌姫というにふさわしい。
フォークうんぬんというよりも、まるで人生の美しさとはかなさが込められた歌声には
むしろブルースがかったスタンスをも感じさせる。この翌年彼女は亡くなった。
全17曲、77分間はやや長いが、サンディーの最後の熱唱をたっぷり堪能できる。
フォーク度・・7 ブルース色もあり度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Sandy Denny「The Music Weaver」
Fairport Conventionなどで活躍したシンガー、サンディ・デニーの2枚組ベスト。2008年作
60年代から活動し、78年にこの世を去るまで、その情感豊かな歌声でファンを魅了した。
本作には、FAIRPORT CONVENTIONやFOTHERINGAYをはじめ、ソロ各作品収録の代表曲に加え、
1966年のBBC音源、67年Alex Campbell & Friends名義の発掘音源、1972、73年のBBCライブ音源、
更にはゲスト参加では最も有名な、LED ZEPPELINの“The Battle Of Evermore”なども収録、
英国の叙情味豊かなフォーク曲から、オーケストらの加わったクラシカルな曲、
大人のジャズ風味まで、サンディの軌跡をたどれる通好みのベストアルバムとなっている。
英国の香り度・・9 サンディの歌声度・・9 サンディの歴史度・・9 総合・・8.5
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Shelagh McDonald「Let No Man Steal Your Thyme」
英国の女性フォークシンガー、シェラ・マクドナルドの1970/1971作
彼女の1stと2ndをカップリングし、未発曲やライブなどを加えたお得な2枚組み。
サンディー・デニーを少しハスキーにしたような彼女の歌声を中心に、
ギターにベース、ピアノ、ドラムといった割合シンプルな演奏で聴かせる。
1stの「Album」は比較的普通のフォークロック的なサウンドであるが、
2nd「Stargazer」になると、彼女の歌声もいくぶん垢抜けてきていて、
しっとりとした音の中にも世界観を聴かせるだけの説得力がついている。
なかでも、とくにオーケストラ入りのタイトル曲“Stargazer”は感動的。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SPIROGYRA「St. Radigunds」
英国フォークの名バンド、スパイロジャイラの1st。1972作
2nd以降に比べ、この時点ではまだロック色は薄く、案外純粋なトラッド/フォークをやっている。
アコースティックギターに絡むサイケぎみに鳴り響くヴァイオリンが個性的で、
そこに男女ヴォーカルの歌声が加わるが、せっかくのバーバラ・ガスキンの美声を、
よくいえばシアトリカルなマーティン・コーカーハムの男性声がかき消している。
全体的にもラフな印象で、勢いを感じる演奏はバンドとしての若さに溢れているが
曲によっては牧歌的な美しさもちゃんとあり、そのあたりは2ndよりもむしろ上かもしれない。
思えば構築された3rdのクールさよりも、彼らの本質はこれだったのかもしれない。
アコースティック度・・7 サイケぎみトラッ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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SPIROGYRA「Old Boot Wine」
英国フォークの名バンド、スパイロジャイラの2nd。1972作
一般に最高作とされる3rdに比べると、今作は肩の力が抜けているような
フォーク風味のブリティッシュロックサウンドで、普通に聴きやすい。
バーバラ・ガスキンのキュートな歌唱には惚れ惚れするものの、
翳りあるドラマ性が見事な次作に比べると、楽曲的にも完成度の点でひとつ落ちるか。
個人的にマーティン・コッカーハムの男声が好みでないのもひとつの理由。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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SPIROGYRA「Bells Boots & Shambles」
英国フォークの名バンド、スパイロジャイラの3rd。1973年作
Mellow Candle、Tudor Lodgeとともにブリティッシュフォーク三種の神器とも呼ばれ、
バンドの最高傑作と言われるのが本作である。アコースティックギターからフルートの音色で始まる1曲目は、
哀愁のトランペットにクラシカルなピアノも加わって、翳りのあるドラマティックさとともに
プログレといってもよい展開で聴かせる名曲。8分もあるこの曲だけでも聴く価値ありです。
バーバラ・ガスキンの美しくもはかない歌声にうっとりとなる2曲目や、叙情的な5曲目、
それにラストの13分にもおよぶ大曲も見事で、このアルバムの価値を高めている。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SPIROGYRA 「BURN THE BRIDGES」
イギリスのフォークバンド、スパイロジャイラの2000年作
1971〜73年に3枚のアルバムを残した英国フォークを代表するバンドの初期音源集。デビュー前の1970年から、
1作目を出した後あたりまでのデモ音源を17曲収録。アコースティックギターにヴァイオリンが鳴り響き
男女ヴォーカルを乗せた、牧歌的なフォークサウンドで、バーバラ・ガスキンの初々しい歌声が美しい。
2〜4分前後の小曲を主体にした、比較的シンプルな作風で、正規の1stアルバムに比べると、
マーティン・コッカーハムの歌声が力み過ぎていない分、素朴な味わいで楽しめる曲が多い。
英国フォークの歴史を彩るバンドの貴重音源集ということで、ファンの方は手に入れるべきでしょう。
アコースティック度・・8 優雅度・・8 英国フォーク度・・8 総合・・7.5
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SPIROGYRA 「5」
イギリスのアシッドフォークバンド、スパイロジャイラの2011/2014年作
70年代に3作を残し、とくに3作目「Bells, Boots And Shambles」は英国フォーク三種の神器とも言われるほど、
プログレファンの間でも知名度が高いバンド。本作は、2011年にLPのみで限定リリースした通算5枚目のアルバム。
かき鳴らされるアコースティックギターとマーティン・コッカーハムの枯れた味わいの歌声を中心にした作風で、
バーバラ・ガスキンは不参加ながら、随所にピアノや女性コーラスなども加わって、かつての牧歌的な叙情を
受け継ぐ雰囲気はいくぶん残っている。アシッドというかヒッピー的というか、70年代的なユルさに包まれた聴き心地ながら、
15曲目などのデジタリィなモダンさは意味不明。CD化にあたって一部再録が行われ、未発曲なども収録している。
アコースティック度・・8 スパイロ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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SPRIGUNS「Revel Weird and Wild」
イギリスのフォークロック、スプリガンスの1st。1975年作
2nd「時空綺譚」、3rd「マジック・レディ」はブリティッシュフォークロックの傑作で、
その中世や騎士などを歌った幻想的な歌詞、世界観なども非常に好みであった。
この1stは、オーケストレイションなどを使った2ndのような壮麗さはなく、
アコースティックギターとヴァイオリンを中心に、まだ素朴なトラッド然としている。
サンディ・デニーからの影響を感じさせるマンディ・モートンの翳りを帯びた歌声とともに、
ただのフォークバンドとは違う、どこかファンタジックな感触と耳心地の優しい好作品である。
アコースティカル度・・8 幻想フォーク度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SPRIGUNS「Time Will Pass」
イギリスのフォークロック、スプリガンスの2nd。1977年作
サンディ・デニーに影響を受けたという女性シンガー、マンディ・モートンの伸びやかな歌声に
ロック的なドラムとエレキギター、ストリングスなども加わり、ドラマティックなサウンドを作り出している。
中世の魔女や騎士などを歌った世界観もファンタジックで魅力的だ。
フォーク的な土臭さが薄いのでプログレリスナーにもお勧めできる英国フォークロックの逸品。
アコースティカル度・・7 幻想フォーク度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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SPRIGUNS「Magic Lady」
イギリスのフォークロック、スプリガンスの3rd。1978年作
アコースティックギターのつまびきにマンディ・モートンの美しい歌声を乗せ、
英国フォークの牧歌性に、ドラムやエレキギターも加わった適度なロック色が心地よい。
随所にヴァイオリンも入ったりと、前作同様にプログレ寄りの感触もあって、
しっとりとした幻想性に包まれているのがこのバンドの魅力だろう。ラスト作にして最高傑作。
アコースティカル度・・8 幻想フォーク度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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STEELEYE SPAN「Hark! The Village Wait」
ブリティッシュトラッドバンド 、スティーライ・スパンの1st。1970年作
Fairport Conventionを脱退したアシュレイ・ハッチングスらによるバンドで英国トラッドの大御所のひとつ。
次作では硬派の中世トラッドになるが、この1stの時点では牧歌的なブリティッシュフォークの色合いが強い。
アコースティックな感触の上にマディ・プライアのやわらかな歌声が響く。
ときにロック的なドラムが入ってくるのでプログレファンにも聴きやすいだろう。
アコースティカル度・・8トラッ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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STEELEYE SPAN「Please to See the King」
ブリティッシュトラッドバンド 、スティーライ・スパンの2nd。1971作
彼らの最高作との声も高いアルバムで、ジャケのように古楽風の雰囲気をかもしだすサウンドは、
アコースティックギターとフィドルを中心に、女性Voが歌を乗せる比較的シンプルなもの。
個人的には、ここでのマディ・プライアの歌声は抑えぎみのトーンであまり好みではない。
また、男性コーラスも加わって、やや宗教的でおごそかな部分もあったり
全体的にもこの手の有名バンドの中では硬派な部類に入る音だろう。
アコースティカル度・・9 トラッ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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STEELEYE SPAN「Ten Man Mop or Mr. Reservoir Butler Rides Again」
ブリティッシュトラッドバンド、スティーライ・スパンの3rd。1971作
最高作は1st〜3rdで分かれているようだが、このアルバムは中世古楽的だった前作よりも大衆的な質感が増している。
今作を最後に脱退するマディ・プライアの歌唱は控えめで、どちらかというとインスト曲や男Voがリードをとる曲が中心。
素朴なアコギにヴァイオリンの音色は、イギリスの田舎町を感じさせる
カントリーチックなトラッドサウンドが素朴な哀愁をかもしだしている。
アコースティカル度・・9 トラッ度・・8 女性Vo度・・6 総合・・7.5
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STEELEYE SPAN「Below the Salt」
英国フォークの名バンド、スティーライ・スパンの4th。1972作
このバンドの初期5作は、ファンにとってはどれも甲乙つけがたい好作なのだろうが、
本作も前作までの古楽的なトラッド要素をたっぷりとまとったアルバムだ。
個人的にはリズムセクションのないサウンドは、とても地味に聴こえてしまうのだが、
アコースティックギターに絡むヴァイオリン、そして部分的にエレキギターも使用し、
前2作に比べると若干聴きやすさが増しているようだ。
アコースティック度・・9 トラッ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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STEELEYE SPAN「Parcel of Rogues」
ブリティッシュトラッドバンド、スティーライ・スパンの5th。1973作
初期の3枚からすると、だいぶ音にやわらかみがついてきているが、
しっかりとトラッドメロディを聴かせてくれることには変わりはない。
エレキギターやドラムが入る曲もあり、今後の変化を感じさせる内容になっている。
マディ・プライアの歌声もいよいよ成熟してきており、艶やかなヴァイオリンも美しい。
この5作目までは初期のファンにも受け入れられる作品だろう。
アコースティカル度・・7 トラッ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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STEELEYE SPAN「Bedlam Born」
ブリティッシュトラッドバンド、スティーライ・スパンの17th。2000作
長い間活動し、多くの作品を出していればメンバーとともに方向性も変わってゆくのが自然なこと。
ぐっとモダンさを増した今作のサウンドは、キャッチーなロック的なビートの中にも、
トラッドバンドとしてのアイデンティティはしっかりと残っていて、
艶やかなヴァイオリンの響きにシンセが重なり、男女Voが爽やかにコーラスを乗せる。
ニューエイジ的な聴きやすさとポップセンスは、今の若いリスナーにもアピールするだろう。
モダンなエレクトリック・トラッドロックとして聴けばなかなか楽しめる。
アコースティカル度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・6 総合・・7.5
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Steeleye Span 「Lark in the Morning」
イギリスのトラッドフォークバンド、スティーライ・スパンの初期3作カップリング2枚組。2003年作
英国を代表するトラッドバンドの1970〜71年の初期の3作を2CDに収めたもの。
「Hark! The Village Wait」 (1970)、「Please To See The King」(1971)、
「Ten Man Mop Or Mr. Reservoir Butler Rides Again」(1971)どれもが初期の傑作として名高い。
男女ヴォーカルの歌声で聴かせる土の香り漂うフォークサウンドは、
英国の田園地帯を思わせるような、のどかな牧歌性を味わえる。
本格派のトラッドにシフトした2作目からは、中世を思わせる世界観が描き出され、
単なるフォークバンドではない神秘的な土着サウンドが味わえる。
ゆったりフォーキー度・・9 のんびり牧歌度・・9 英国トラッ度・・9 総合・・8
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Steeleye Span「A Parcel of Steeleye Span」
イギリスのトラッドフォークバンド、スティーライ・スパンの3枚組。2009作
1972〜1975年のクリサリス時代の5作を3CDに収めたもので、
「Below The Salt」 (1972) は歌をメインに静謐に聴かせる中世風味の好作。
マディ・プライアの歌声がより魅力的になり、バンドの全盛期を感じさせる。
「Parcel Of Rogues」 (1973) はドラムも加わった、トラッドロック的な作品。
「Now We Are Six」 (1974) 以降はキャッチーさが増して、土着的な質感が薄まって
一般的なフォークリスナーにも聴きやすくなっている。「Commoners Crown」 (1975)
、
「All Around My Hat」 (1975) ともに落ち着いた牧歌性が楽しめる好作だ。
ゆったりフォーキー度・・9 のんびり牧歌度・・9 英国トラッ度・・9 総合・・8
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STONE ANGE
イギリスのフォークバンド、ストーン・エンジェルの1975年作
アコースティックギターにやわらかなリコーダーとハープの音色が絡み
少し田舎くさい女性ヴォーカルが牧歌的に歌声を乗せる。
どことなくマイナーな薄暗さが魅力といえば魅力になっており、
この垢抜けなさがサウンドに英国の中世を感じさせる要因でもあろう。
素朴なヴァイオリンの音色に、どこか気の抜けたような男性ヴォーカルの歌声も、
「ゆったり生きてます」的な、ほのぼのとした雰囲気をかもし出している。
アコースティック度・・9 ゆったり英国度・・10 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Stone Angel「East of The Sun」
イギリスのフォークバンド、ストーン・エンジェルの2nd。2000作
なにしろ1stが出たのが1975年であるから、なんと25年ぶりのアルバムだ。
しかし、内ジャケのメンバー写真を見なければ、70年代の作品と思ってしまうほど
前作からの音の違和感がない。繊細なアコースティックギターにうっすらとしたシンセ、
そしてそこに乗る女性ヴォーカルの歌声も、瑞々しさとかつての幻想性を保ったままで、
70年代から抜け出てきたようなイメージだ。たおやかなフルート、オーボエなども美しい。
シンセとともにエレキギターも効果的に使われていて、シンフォニックな雰囲気もGood。
メロディアス度・・8 70's英フォーク度・・9 幻想度・・9 総合・・8
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STONE ANGEL「Lonely Waters」
イギリスのフォークバンド、ストーン・エンジェルの2004年作
1975年に1枚のアルバムを残したこのバンドだが、2000年に復活作を発表、
本作は復活2作目となる。美しい女性ヴォーカルの歌声を中心に、
アコースティックギターと牧歌的なマンドリンの音色でゆったりと聴かせる。
クラムホルンやリコーダー、オーボエなどがやわらかに鳴りつつ、
シンセやエレキギターなども使用していて、フォークロック的な味わいもある。
かつての英国フォークの幻想性を今なお維持した素晴らしいアルバムだ。
メロディアス度・・8 70's英フォーク度・・9 幻想度・・9 総合・・8
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Stone Angel 「Circle of Leaves」
イギリスのフォークバンド、ストーン・エンジェルの2007年作
1975年に1作を残して消え、その後、2000年に25年ぶりとなる復活作を出し、本作は復活後の3作目となる。
うっすらとしたシンセアレンジに、美しい女性ヴォーカルの歌声に、英国らしい湿り気を帯びた空気感に包まれた
幻想的なフォークサウンド。フルートやリコーダーのやわらかな音色に、アコースティックギターが絡む
素朴な牧歌性を残しながらも、ドラムの入った適度なフォークロック風味もあって初心者にも聴きやすい、
マイルドな男性ヴォーカルも加わった、男女声の古き良き伝統的な英国フォークとしても楽しめ、
アコーディオンやダルシマーなど、中世風味のトラッド要素も含んだ、優雅な味わいの好作品だ。
アコースティック度・・8 素朴で優雅度・・9 英国度・・9 総合・・8
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TICKAWINDA「Rosemary Lane」
英国のトラッド/フォークバンド、ティカウィンダの1978作
これまでCD化はされず、英国トラッドの幻の傑作とされてきた。
内容の方は、二人の女性ヴォーカルと、アコースティックギター、
そしてマンドリンを中心にした、静謐感のあるトラッド曲を演奏している。
男女計4人によるコーラスのみで聴かせるシンプルな曲もあり、
ジャケのイメージ通り、古き良き英国を感じさせる素朴なサウンドだ。
アコースティック度・・9 素朴トラッ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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TRADER HORNE「Morning Way」
英国のフォークバンド、トレイダー・ホーンの1970年作
元Fairport ConventionのJudy DybleとThemなどで活躍したJackie McAuley
を中心としたバンドで、これが唯一のアルバム。おとぎ話のようなジャケ同様、
内容も牧歌的なフォークサウンドで、男女Voの歌声に、アコーステイックギターやフルートなどが
やわらかにメロディをつむいでゆきます。典雅なハープシコードの音色は古楽的でもあり、
古き良き英国の風を届けてくれ、うっとりと夢見心地で楽しめるアルバムです。
リマスター盤に収録の2曲のボーナストラックも素晴らしい。
アコースティカル度・・9 牧歌的度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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TREES「The Garden of Jane Delawney」
英国のフォークバンド、トゥリーズの1st。1970年作
2ndの水撒きジャケの方が有名だが、出来としてはこちらも捨てがたい。
エレキギターを使用したフォークロック的サウンドに美声の女性ヴォーカルの歌声、
楽曲には適度な湿りけと泣きがあり、暗すぎず明るすぎずというバランスが心地よい。
しっとりとした曲には、英国特有の翳りが感じられる。たった2枚を残して消えたバンドだが、
その両作とも出来がよく、普通にブリティッシュロックファンにも勧められるアルバムだと思う。
アコースティカル度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TREES「On the Shore」
イギリスのフォークロックバンド、トゥリーズの2nd。1970年作
ヒプノシスによる水撒き少女のジャケで有名な英国幻想フォークの傑作。
サウンドの方は、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるフォークロックで、
アコースティックを主体にしつつも、随所にエレキギターやドラムも入ってきて、
Renaissanceあたりを好むプログレファンなどにも聴きやすい作品だろう。
牧歌的でたゆたうような曲調の中に、翳りのあるミステリアスな質感が同居しているのも魅力。
1st「ジェーン・ドゥロウニーの庭」も同様に質の高い作品だが、ジャケのインパクトではやはり本作か。
再発盤2CDのDisc2には最新のリミックスバージョンや、貴重なデモ等の音源を収録。
フォークロック度・・8 英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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TUDOR LODGE
英国のフォークバンド、チューダー・ロッジの1971年作
SPIROGYRA、MELLOW CANDLEとともに英国フォーク三種の神器とされる本作であるが、
以前聴いたときには、あまりにも牧歌的すぎて好きになれなかったのだが、
2500枚限定というリ三面開きジャケのマスターバージョンで購入し直して聴いてみる。
艶やかなアコギの音色に美しい女性Vo、そこに加わる男性Voも優しいコーラスを乗せる。
音質がよくなっているせいか前に聴いたときよりもサウンドに広がりが感じられ、
全編がほとんどアコースティックながらピアノやフルートの音色もじつに美しい。
しっとりとソフトなフォークアルバムとしては、やはり屈指の作品であると思い直させられた。
まだ未聴の方はぜひリマスター盤で、うっとりとしながら耳を傾けて欲しい。
アコースティカル度・・9 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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TUDOR LODGE「let's talk」
英国フォーク伝説のバンド、チューダーロッジの2作目。1997作
1971年に名作とされるアルバム1枚を残し、その後解散したかに思えたこのバンドだが、
新たにリン・ホワイトランドという女性Voが加入、ジョン・スタンナードとのデュオとなって復活した。
サウンドの方は、もううっとりとするほどの英国フォークの王道で、繊細なアコースティックギターの調べに、
美しい女性Voが歌い上げる。かつてのような70年代独特の清涼感と空気は薄れたが、
リラックスして楽しめる女性Voフォークとして充分楽しめる。
アコースティカル度・・8 ゆったり英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
Tudor Lodge「Dream」
英国のフォークユニツト、チューダー・ロッジの3rd。1999作
かつてSPIROGYRA、MELLOW CANDLEとともに英国フォーク三種の神器といわれた
27年ぶりの復活作となった前作「let's talk」に引き続き、ジョン・スタンナードのパートナーとなった
リン・ホワイトランドの歌声を中心に、アコースティカルで牧歌的なフォークを聴かせる。
かつてのような英国的な香りは薄まり、ほのぼのとしたカントリー的なサウンドが楽しめる。
アコースティカル度・・9 ほのぼの度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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VASHTI BUNYAN「JUST ANOTHER DIAMOND DAY」
英国フォークの名作、ヴァシティ・ブニヤンの1970作
とにかくこの素敵なジャケ。いかにも田園的なほのぼのとした雰囲気が良い。
音の方はしっとりとしたやわらかな女性Voがごくシンプルな音数の演奏に歌を乗せている。
けっして盛り上がったり、情感がこもり過ぎない、とにかく耳に優しい音。
アコギにマンドリン、リコーダー(縦笛)や控えめなピアノなどが、繊細に歌を包みます。
ほんわかと癒されたい方には最適のアルバム。イメージはセピア色。
しっとり度・・9 ゆったり度・・9 やさしい女性Vo度・・9 総合・・8
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VASHTI BUNYAN「Lookafrering」
英国フォークの名作として知られた、ヴァシティ・ブニアンの2nd。2005作
1970年作は、素朴ながらしっとりとした素敵なフォークだったが、
35年ぶりとなる本作も、音が鳴り出した瞬間、まったく変わらない優しい歌声にうっとりとなる。
アコースティックギターとピアノのバックに、彼女のたうたうような歌声が乗ると
不思議に時を超えたような感覚で、まどろむように聴き入ってしまう。
せわしないこの現代の中で、このアルバムは最高の癒し系サウンドになるだろう。
リコーダーやハープの音色も美しい。目を閉じれば英国の田園が広がる。
しっとり度・・10 ゆったり度・・10 やさしい女性Vo度・・10 総合・・8.5
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Vashiti Bunyan「Some Things Just Stick in You Mind」
イギリスのフォーク系シンガー、ヴァシュティ・バニヤンの未発音源集。2007年作
1970年作「JUST ANOTHER DIAMOND DAY」英国フォークの名作として名高いが、
2005年に、じつに35年ぶりとなる新作「Lookafrering」を発表した彼女の、さらなる秘蔵音源集。
1964年から1967年までに録音した、デモやシングルなどを含む音源をCD2枚に収録していて、
若かりし頃の彼女の歌声が瑞々しく聴こえてくる。Disc1でのピアノやアコースティックギターによる
キャッチーなフォークポップというような楽曲は、ほとんどが2分前後で、シンプル歌ものといった印象。
古いテープがマスターであるため、ノイズは多いのだが、60年代当時の空気がよく感じとれる。
Disc2には、1964年の発掘デモを収録。アコースティックギターのみの静かな弾き語りで、
透き通るような彼女の優しい歌声とその息遣いまでもが感じられる。ファンならば必聴の音源だろう。
貴重音源度・・9 音質・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Vikki Clayton 「In Flight」
英国のフォークシンガー、ヴィッキィ・クレイトンの1993年作
サンディー・デニーに憧れてフォークシンガーとなったという彼女だが、
その歌唱の実力はサンディに劣らない。本作はFred Thelonious Bakerとのデュオという形で
アコースティックギターのゆるやかなつまびきに、美しい歌声を乗せた、しっとりと聴かせる作品。
広げると中世を思わせるタペストリー風になるジャケも印象的だ。
アコースティカル度・・9 ゆったりしっとり度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VIKKI CLAYTON「It Suits Me Well」
英国のフォークシンガー、ヴィッキィ・クレイトンの1994作
全曲サンディ・デニーのカヴァーで、のっけから名曲“Who Knows Where The Time Goes?”を
聴かせてくれる。アコースティックギターの音色に、豊かな声量をもつ彼女の歌声が響きわたり、
艶やかなヴァイオリンも加わって、ゆったりとサンディの曲を楽しめるアルバムだ。
アコースティカル度・・9 サンディ・デニー度・・9 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Vikki ClaytonAmazon.co.jpで詳細を見る