ゲーム・アニメサントラ

〜game music/anime sound track
            by Tosei Midorikawa

掲載バンドは上からABC順になっています

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

  音楽ページTOP    *サントラ系プログレ特集



ギルティギアX HEAVY ROCK TRACKS〜The Original Sound Track of Dreamcast!!
人気ゲームGUILTY GEAR Xのサントラ。2000作
とにかくこのシリーズはメタル!このアルバムも全編ギターばりばりの疾走メタルで、
メタリックなBGMとして爽快に聴けてしまえるのがポイント。
ドラムが打ち込みなので、GUILTY GEAR XXのサントラに比べるとゲームっぽいか。
なんとなくROYAL HUNTっぽいキーボードアレンジなども聴き所。
メロディアス度・・8 メタル度・・8 楽曲度・・7 総合・・7.5
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ギルティギア イグゼクスオリジナルサウンドトラック
GUILTY GEAR XXシリーズのサントラ。2002作
最近のゲーム音楽は凄いのだということを知らしめる1枚。
ギターはもちろん、なんとドラムまで生演奏で、そしてしっかりとメタルしている!
ネオクラシカルな色も入ったメタリックなギターに疾走するドラム、
間違いなく王道のメタルサウンドで、ここに歌が入れば普通のメタルCDになりそう。
ゲームの内容を知らなくとも、メタルっぽいBGMとして充分に楽しめる。
メロディアス度・・8 メタル度・・9 生演奏度・・9 総合・・8
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ギルティギア イグゼクス#RELORD オリジナルサウンドトラック KOREAN VERSION
GUILTY GEAR XXシリーズのサントラ。2003作
このギルティギアシリーズはゲーム音楽でありながらも、HR/HM要素をかなり取り入れている。
さて、このKOREAN VERSIONだが、なんと作曲は韓国伝説のHRバンド
N.EX.Tのシン・ヘチョルが手がけている。演奏陣も現N.EX.Tのメンバー。
のっけからサントラとは思えぬハードロック全開の楽曲で、N.EX.Tを思わせるような
華麗なシンセも入っていて、シンフォニックな味付けがなされているのが嬉しい。
ゲームサントラなので1曲ごとが短いのだが、メロディアスなロック音楽としても純粋に楽しめる。
メロディアス度・・8 メタル度・・8 ヘチョル度・・8 総合・・8
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ギルティギア イグゼクス サウンドアライブ
同名のゲーム音楽を制作したA.S.H.によるライブアルバム。2003作
ゲーム音楽のライブ音源ということだが、なんのことはない全編メタルな生演奏
元のゲームを知らなくとも、メタルインストCDとしてもそこそこ楽しめる。
ただ、なんというか、ヴォーカルが欠席したメタルバンドのライブを聴いているような、
そんな感じもしなくもない(笑)それだけ、生音のメタルライブだということだ。
ときにネオクラシカル調に弾きまくり、ときに泣きの叙情を奏でるギターはなかなかだが、
しかし、ここまでメタルにするんだったら、いっそのこと歌を入れてしまっても良かったのでは?
メタル度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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グインサーガ「光の公女」「氷雪の女王/時の封土」
栗本薫の大河長編小説のサントラ。作曲者は淡海悟郎
まず「光の公女」の方は、のっけからハードロックなギターに、ハモンドオルガン、
切れのいいリズムセクション(変拍子入り)という、ほとんどハードプログレ状態。
楽曲も実によく出来ていて、歌はないが、サントラうんぬんを感じさせない出来。
「氷雪の女王/時の封土」は2枚組で、1枚がハード色の強いバンド演奏。
もう1枚がピアノのみによるバラードアルバムという構成である。
グインサーガのサントラはこれ以外にも多数出ていているが、どれも淡海悟郎のセンスの良い
キーボードワークが堪能できる。サントラプログレのプロ、難波弘之にも負けていない。
ハードロック度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5


幻想水滸伝音楽集
難波弘之による同名ゲームタイトルのアレンジアルバム。1995作
参加しているのは、是方博邦、鳴瀬喜博はじめ野獣王国のメンバーに、ゲストに大木理紗も参加。
1曲めからヴァイオリン入りの民族色ある軽快なナンバーで、すでにゲーム音楽とは思えない演奏。
元のゲーム内容はまったく知らないので、原曲からのアレンジの具合も計れないのだが
年季の入ったメンバーたちによる演奏はそれだけでも見事なもので、
プログレ的な感性を織りまぜつつも適度に力の抜けた、大仰すぎない音作りがむしろ新鮮だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 サントラ度・・7 総合・・8
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桜庭統「Force of Light」
ゲーム「シャイニングフォースIII」のサントラとして作られた作品。1998年作
「ビヨンド・ザ・ビヨンド」、「シャイニング・ホーリー・アーク」に続く桜庭ゲームサントラプログレの3作目で、
今作も期待にたがわぬ壮麗な鍵盤プログレを展開、変拍子リズムに乗る美麗なシンセワークと
クラシカルかつキャッチーなメロディアスさは、まさに桜庭節全開である。ファンタジックな世界観を描きながら、
生のドラムによるアンサンブルを含めて、しっかりとバンド的なキーボードプログレとして楽しめるのが素晴らしい。
日本が世界に誇るキーボーディストというべきだろう。現在では「Force of Light」として再販されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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桜庭統「スターオーシャン・セカンドストーリー アレンジアルバム」
プレステ用ゲーム、スターオーシャン2のアレンジサントラアルバム。1998年作
プログレバンドDEJA-VUのKEY桜庭統はバンド解散後、早い時期からゲーム音楽界に入り、
ウルフチームのアークスシリーズをはじめ、数々のゲームサントラを手がけていた。
契機になったのは1996の「ビヨンド・ザ・ビヨンド」で、ここで制作されたアレンジCDは
バンド形態による生演奏のアレンジサントラで、シンフォニック&プログレを前面に押し出した傑作となった。
つづいて「シャイニング・ザ・ホーリィ・アーク」「シャイニングフォースV」と立て続けに、
どう考えてもドシンフォニックプログレ…という見事なゲームサントラ・アルバムを発表。
このアルバムは98年作というから、「シャイニングフォースV」とほぼ同時期の作品。
内容は宇宙を舞台にしたゲームだけあって、雄大でスペイシーな広がりのあるサウンド。
プログレ度は薄・・・と思っていたところ、3曲目あたりからロック色のある楽曲が登場、
ドラムによるロックビートが入るとたんにプログレっぽくなり、思わずにやり。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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ヴァルキリープロファイル アレンジアルバム
桜庭統によるゲームサントラ・アレンジアルバム。2000年作
「スターオーシャン」シリーズと並び、プログレ桜庭サウンドの代表というべき作品。
北欧神話をテーマにした作品ということで、荘厳な世界観を感じさせるイントロから始まり、
楽曲も涼やかな感触の雰囲気で、派手さはないがじっくりと聴き入れる。
名作「ビヨンド・ザ・ビヨンド」に比べると、プロクレ度はやや薄めながら、
桜庭節というべきメロディとドラマティックなアレンジが冴える傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 荘厳度・・8 総合・・8
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バテン・カイトス オリジナルサウンドトラック
桜庭統によるゲームサントラ作品。2003年作
CD2枚組。オーケストラルなアレンジを用いて壮大なファンタジー世界を描きつつ、
艶やかなヴァイオリンが鳴り響くクラシカルな優雅さと、オルガンやギターを加えた、
ノリのあるプログレハードロック曲まで、場面ごとに変化のあるサウンドで楽しめる。
楽曲自体は2〜3分前後であるが、バンド演奏に近いナンバーもあり、ゲームミュージックながらも、
シンフォニックロックとしても十分鑑賞可能。ケームはやってなくとも、桜庭サウンドを感じ取れる好作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮麗度・・8 総合・・8
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桜庭統「STAR OCEAN 3-Till the End of Time アレンジアルバム
ゲーム「スターオーシャン3」のアレンジアルバム。2003年作
むろんプログレファンなら知っておられるだろうが、作曲者はプログレバンドDEJA VUのキーボーディスト。
たぐいまれなる楽曲センスとリズム、アレンジセンスにより、バンド解散後は数々のサントラ作を発表。
ゲーム「ビヨンドザビヨンド」「シャイニングシリーズ」「ヴァルキュリープロファイル」
アニメ「最遊記」「スターオーシャンEX」その他SFドラマ等、私はゲームはまったくやらないが、
どれもプログレ好きにはたまらないシンフォニックアルバムの名作といっていい出来なのである。
今作も荘厳なイントロから、バンド演奏が始まるや、たたみかける変拍子、雄大なオーケストレーション、
ときにELPかUKかというアンサンブルを見せながら、起伏に富んだ曲が織りなされてゆく。
シンフォニック・プログレ者を喜ばす全てがここにある。これは単なるゲームサントラなどではない。
素晴らしいクオリティと密度のシンフォニックロック作品だ。壮大なシンフォニックプログレ作品が好きな方は必聴。
シンフォニック度・・9 こりゃプログレ!度・・10 オケ入り&ドラムは生度・・10 総合・・9
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桜庭統ライブコンサート スターオーシャン&ヴァルキュリープロファイル
日本が誇るプログレキーボーディスト、桜庭統のライブアルバム。CD2枚組。2003年作
2003年の7月に行われたライブの音源で、私も会場で生の桜庭サウンドに触れ感動した記憶も新しい。
とにかく、これがゲーム音楽でいいのか?というほどのプログレぶりです(笑)。
この時の会場はゲームのファンであろう少年少女たちが大半だったが、EL&Pもかくやという
アグレッシヴなプレイと変則リズムの嵐に、「プログレ」という言葉すら知らぬであろう彼らが、
いったいどのように感じたのかアンケートをとって、聞いてみたいくらいであった(笑)。
DEJA-VU以来のファンにとっては、桜庭統の初のライブ作品というわけで、
それがゲームサントラの名を借りていようと、いっこうにかまわないのであるが。
ヴィンテージ音色使いまくりの楽曲は、アルバム盤よりもさらに数段プログレ寄り。
ラスト近くのMCもちゃんと収録されていて、「間違ってもいいから人間の弾く音を聴かせたい」
「今後もスリーピースバンドでいく」という自身の言葉にバンドマン魂を見る思い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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桜庭統 ライブコンサート スターオーシャン&ヴァルキリープロファイル
今やゲーム音楽界で活躍する桜庭統(元DEJA-VU)のライブDVD。2003作
私は実際このライブに足を運んだのだが、客席には若い少年少女のゲームファンが9割で、
私のようにゲームをやったことのないプログレファンはごく少数だったように思う。
しかしながら、演奏が始まると、そこにはELPばりのキーボードプログレが展開し、
おそらく、変拍子やプログレという言葉すら知らないゲームファンたちはさぞ驚いたことだろう。
ムーグやハモンドなど、ヴィンテージキーボードの音色に少年たちがどう感じたかは分からないが
ときに即興をまじえて弾きまくる桜庭氏の姿は、まさしくプログレキーボーディストだし、
GERARDの長谷川氏のテクニカルなベースも圧巻で、モヒカンのドラム中村氏ともども見事に変拍子を構築する。
ゲームミュージックのコンサートというだけあって、曲間に画面に映し出されるゲームのデモシーンは
私などには意味不明なのだが、たぶんゲームを知っているファンには思い入れがあるのだろう。
なんにしても、ゲーム云々を抜きにしても、純粋にキーボードトリオのプログレライブとして楽しめる。
DVDにはボーナスとしてスタジオライブの映像や、メンバーへのインタビューが入っていて、
控えめで物静かな桜庭氏の言葉の中に、ロックやプログレへの熱い思いが感じられる。
ライブ映像・・7 ライブ演奏・・8 「コレ、ゲーム音楽?」度・・9 総合・・8
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ヴァルキリープロファイル2-シルメリア-アレンジアルバム
桜庭統による同タイトルのゲームサントラ・アレンジアルバム。2006作
ゲームサントラの名を借りたプログレアルバムを作り続けている同氏だが、
前作が人気であったこのタイトルも、ファンには待望の音楽作品だ。
今回も自身のキーボードはらもちろん、ドラム、ギター、ベースとすべてが生演奏
さらには生のストリングス隊やフルート、オーボエなども導入している。
私自身はゲーム内容はまったく知らないので、曲に関しては思い入れもなく
場面ごとのイメージも沸かないのだが、音楽のみを取り出してもしっかり作品になっているのがさすが。
今回は曲によってはギターが意外と効果的に使用されていたり、ストリングスとキーボードの絡みなど、
全体的に重厚な質感をともなったシリアスな雰囲気のサウンドとなっている。
プログレ度、シンフォニック度という点では、やや地味で物足りない気もするが、
神話的な崇高さを感じさせるストリングスアレンジなどは素晴らしく、ゲーム音楽とあなどるなかれ。
桜庭ファンはもとより、ファンタジー系のキーボードシンフォ好きにも自信をもって勧められる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 荘厳ストリングス度・・9 総合・・8
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桜庭統ライブ2006-ヴァルキリープロファイル2-
桜庭統(さくらば・もとい)による同名ゲームタイトルのアレンジアルバム。2006作
今回もベースに長谷川淳(GERARD)、ドラムに中村俊彦という3ピースによるバンド編成でのライブで、
相変わらずゲーム音楽とは思えないプログレ魂爆発のステージを繰り広げる。
ELPばりにハモンドやピアノを弾き慣らす桜庭氏のあふれるロック魂とともに、
バンドとしてより一体感を増したような熱い演奏でたたみかける。
楽曲はVP2からの曲をメインにしつつ、前作1や、STAR OCEANシリーズからの曲も聴ける。
2枚組みのライブ完全収録だった前作に比べて、今回はCD1枚にまとめられているが、
録音状態がよいこともあって、生き生きとしたベースとドラムの生音が心地よく、
各パートのソロ演奏を含め、ライブのダイナミズムがしっかりと伝わって来るのも嬉しい。
尚、ラスト近くでハモンドの音色が不自然な箇所があるのは、演奏中に鍵盤が折れるというアクシデントがあったらしい。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・9 これはプログレです度・・9 総合・・8.5
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バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子 オリジナルサウンドトラック
桜庭統によるゲームサントラ作品。2006年作
同タイトルの続編で、前作も桜庭サウンドがたっぷり楽しめる好内容だったが、今回はCD3枚組。
桜庭氏の娘が歌うヴォーカルナンバーで幕を開け、ヴァイオリンを含むストリングスアレンジと
シンセの重ねによるオーケストラルなシンフォニック性に包まれた壮麗な世界観が広がってゆく。
バトルシーンでのノリのよいナンバーでは、オルガンにヴァイオリンが絡むプログレな感触も健在。
ゲーム自体は未体験なので、ダンサブルな4つ打ちビートのナンバーなどは場違いにも感じるが、
ギターの入ったハードロック調のナンバーからしっとりとしたピアノ曲まで、幅の広い曲調が楽しめる。
さすがに曲が多いのでCD3枚聴くのは大変だが、サントラとしてのクオリティはさすがです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮麗度・・8 総合・・7.5
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ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者 アレンジアルバム
ゲーム界のプログレ職人、桜庭統によるアレンジアルバム。2008作
今作はしっとりとしたピアノと美しいシンセサウンドによるいつになく上品な曲で始まる。
2曲目はハモンドオルガンの音色とともに、打ち込みながらもバンドアレンジによる
プログレ/ロック色が出てきてひと安心。ただし、全体的には「ピアニスト桜庭統」としての顔が
これまでよりも強く感じられる作風で、バンドアレンジとして聴くとやや物足りないか。
多重録音によるオーケストレーションなど、アレンジャーとしてのセンスはさすがとは思うが。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ロック度・・6 総合・・7.5
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桜庭統STAR OCEAN 4 -THE LAST HOPE-
桜庭統によるスターオーシャン4のアレンジサウンドトラック。2009年作
例によってゲームの内容はまったく知りません。桜庭さんの音楽作品としての感想を。
シンフォニックかつ壮大なイントロはいつになくオペラティックでオーケストラ的で、
その後はオルガンにピアノを掻き鳴らす、変拍子入りのプログレサウンドが炸裂。
全体的には、しっとりとしたクラシック風味の曲がけっこうあって、以前の作品のような
シンフォニックプログレ全開のアルバムとまではいかないが、桜庭ファンならまず聴くべし!
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・8 総合・・8
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桜庭統「Tales of Series Battle Arrang Tracks」
RPG「テイルズ・オブ」シリーズのバトル曲を桜庭統がアレンジしたアルバム。2008年作
ゲーム界で活躍するプログレアーティスト、ゲームについてはまったく知らないので音だけのレビューを。
オルガンやムーグシンセをたっぷりと使った、いかにもプログレらしいシンセサウンドを中心に、
ドラムやベースもわりと生音に近い音色なので、バンド演奏的に楽しめる作風である。
オールインストのBGMになりがちながら、全体的にもノリのよいナンバーが主体なので、
きらびやかなシンセの重ねとともに、キーボードプログレ寄りのサウンドとして鑑賞できる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・8
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桜庭統「Tales of Series Battle Arrang Tracks 2」
RPG「テイルズ・オブ」シリーズのバトル曲を桜庭統がアレンジしたアルバム。2011年作
第二弾となる本作は、のっけからギターを加えたハードロック風のアレンジで、ドラムもツーバスという、
わりと激しめのサウンドを聴かせる。演奏的にも生音に近いので、これでヴォーカルが入ったら、
普通にハードロック、メタルのリスナーにも楽しめそうである。もちろんシンセアレンジも入るが、
前作でのキーボードプログレ的な感触はやや薄れていて、鍵盤ワーク的には物足りないかも。
オルガン弾きまくりのラスト曲は、桜庭氏のさすがの面目躍如といったところだが。
ドラマティック度・・7 ハードロック度・・8 キーボー度・・7 総合・・7.5
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少女革命ウテナ
「ENGAGE-TOI A MES CONTES」

もはやプログレ好きには伝説のアニメ「少女革命ウテナ」のサントラ2枚組。
同タイトルのCD作品としては、J.Aシーザーの合唱曲集をはじめ多数を数えるが、
これは1枚目がアニメのドラマ入りのサントラ作、2枚目がミュージカル形式の物語組曲となっている。
プログレファンからするとド級の傑作「天地創造すなわち光」「薔薇卵蘇生録ソフィア」といった
J.Aシーザー作曲メインの作品に比べ、このアルバムはさほどの価値を有しないかもしれない。
確かに1枚目のドラマアルバムは退屈で曲のほうもただのアニメBGMに過ぎないが、2枚目が意外と良い。
もちろんプログレでもないし、シーザーの曲は一部のみなのだが、楽曲はきちんと練りこまれ、
その物語的な歌詞世界も含めて、従来のアニメにはないアヴァンギャルドで演劇的なものを感じる。
この少女漫画的(または宝塚的)華やかさには、なんともいえぬ不思議さがある。演奏も一流。
プログレ度・・3 少女漫画度・・9 クオリティ・・8 総合・・7


「新・北斗の拳」音楽集・壱
OVA「新・北斗の拳」のサントラ。2003作
和風ハードロックバンド、六三四のG、B、Keyと和太鼓奏者からなるユニット、yaibaによる演奏で、
全編まごうことなきハードロックサウンドが炸裂のアルバムとなっている。
六三四でもおなじみ、飯塚氏のメロディアスなロックギターに、
高梨氏のシンフォニックなキーボードが壮大な世界観を作り出す。
そして、そこに違和感なく溶け込む和太鼓の音色が、また独特の雰囲気を生み出している。
単なるサントラではない、和風HRプログレとしても鑑賞可能の傑作。六三四のファンの方もぜひ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 和風HR度・・8 総合・・8
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地獄少女オリジナルサウンドトラック/同U
「いっぺん死んでみる?」が決め台詞の、スカパーで放映していたアニメーションのサントラ作。
コンポーザーには、和風ロックバンド六三四のキーボーディストでもある高梨康治氏の名前がある。
サウンドはアニメの雰囲気を伝えるような暗いものが中心で、そこにしっとりと和旋律を奏でる叙情性もある。
サントラであるから曲の方はどれも短めなのだが、作る人間に豊かな才能があれば、こうも説得力が出るものかと感心させられる。
シンセのみならず、ピアノにストリングス、ギター、そして曲によっては琴まで使っており、生楽器の良さを引き立たせるアレンジが嬉しい。
六三四で培ったであろう和太鼓風のドラムアプローチも効果的で、もの悲しい女性スキャットもなかなかいい味を出している。
全体を通して聴いても、単なるサントラというよりは雰囲気ものの音楽としても成立している。エンディング曲もはかなげで美しい。
サントラ2作目では、日本的な闇を感じさせる部分はやや減少し、代わりにより肩の力が抜けた生楽器サウンドの要素が増している。
韓国の弦楽器であるヘグムとともに、ピアノ、ヴァイオリンなどによるアコースティカルな情緒がしっとりと美しい。
雰囲気ものとしては1枚めが上だが、音楽として聴くには2枚めか。
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宇宙をかける少女 オリジナルサウンドトラック Vol,1LEOPARD
アニメ「宇宙(そら)をかける少女」のサントラ。2009年作
正直、アニメの方はアキバ系のSFものという感じで、どうということもないのだが、
このサントラは凄い。もう完全なるプログレへのオマージュといってもよい内容で、
ときにELPばりにオルガンやムーグシンセの音色が掻き鳴らされ、
変拍子入りのリズムは、GERARDばりの本格派プログレの感触である。笑
サントラという性質上、曲ごとは短いし、曲によっての出来、不出来はあるのだが、
とくに前半は一貫してキーボードロック的な聴き心地を保っているのが素晴らしい。
最後の“SORAKAKE GIRL”なんて、モロにTOTOの“Child's Anthem”だし。笑
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 どんなアニメだ!?度・・9 総合・・7.5
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宇宙をかける少女 オリジナルサウンドトラック Vol,2 P.O.D.
アニメ「宇宙(そら)をかける少女」のサントラ第二弾。2009年作
前作に引き続き、今作もプログレまくり。きらびやかなシンセワークとともに
ELPやU.K.風味の軽やかさや、結果的に桜庭統風味になっている曲もあったりで、
マニアックに楽しめる。中には単なるサントロにすぎないような曲もあるので、
いっそのことアレンジアルバムとか出して、プログレしまくって欲しい気もするが。
メロディアス度・・7 プログレ風味度・・8 どんなアニメだ!?度・・9 総合・・7.5
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創竜伝「オリジナルサウンドトラック」
田中芳樹原作のアクション伝奇小説のOVAのサントラ。じつは私はコレ、小説もOVAも(TVで)見ていました。
歌入りのテーマ曲以外は全てあの難波弘之先生の作曲、センスオブワンダーのメンバーも参加しています。
難波さんといえばマニアも黙るプログレのプロ。「ダロス」「DTエイトロン」等々数々のアニメ系サントラがありますが、
これはそのなかでも「真幻魔大戦」と並び、ひさびさのプログレであります(嬉)!
なんでも「プログレにして」とのプロデューサーの言葉に、そのとおりに「好き勝手にやった」そうですから。
たたみかけるキーボード群、タイトなリズム隊。インスト曲はどれもしっかりと「曲に」なっています。
短めの「流し」の曲もありますが。おおむね出来は良いです。
はたしてプログレファンでない方はこのサントラをどう聴くのでしょうか、と思ってしまいます。
メロディアス度・・8プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・8
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ソーサリアン 「スーパーアレンジバージョン」 「スーパーアレンジバージョンU」
ファルコムのパソゲー、ソーサリアンのゲームミュージック、アレンジバージョン。
演奏は難波弘之!イース2のアレンジバージョンなども手がけた同氏のアレンジが冴える。
「スーパーアレンジバージョンU」はアレンジ曲は7曲であとは原曲音源。
お薦めはやはり「1」の方。全14曲がアレンジ、生演奏による録音だ。
難波氏のKEYはもちろん、ベース、ドラムも一流プレーヤー。ほぼプログレ、という内容。
シンフォニック曲から、エマーソンばりの攻撃的キーボード曲、バラードまで質は高い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アレンジ力・・8 総合・・8


ダーククロニクルプレミアムアレンジ
同名RPGのサントラアレンジアルバム。2004作
参加アーティストは桜庭統をはじめ光田康典、伊藤賢治、THE BLACK MAGES他、豪華な面々。
自分はゲームはやったことはないので、内容はまったく知らないが、
各アーティストの色がちゃんと反映されていて普通の音楽アルバムとして楽しめる。
とくに耳を惹くのは、民族色のある浮遊感が素晴らしい光田康典のアレンジ、
キーボードプログレ的な躍動感ににんまりとなる、おなじみの桜庭統
そしてメタル色を前面に出したTHE BLACK MAGESあたりに加え、
菅野よう子の音楽のようなシリアスかつデジタリィな質感が白眉な下村陽子の曲もなかなか。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゲームサントラ度・・7 総合・・7.5
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中島優貴 「孔雀王〜幾千億の煌」
元ヘヴィメタル・アーミー〜イースタン・オービットの中島優貴によるコミックのイメージアルバム。1988年作
作詩にアン・ルイス、浜田麻里、ギターに竹中尚人(Char)、うじきつよし、平山照継、ドラムにラウドネスの樋口宗孝
ヴォーカルに元クリスタルキングの田中昌之、喜屋武マリー(Marie)、結城梨紗(「赤い光弾ジリオン」のOPなど)
といった豪華メンバーが参加、同じく中島氏が手がけた「力王」に比べると、よりキャッチーなロック色が強いが、
美麗なシンセアレンジとともに、実力ある演奏陣によるクオリティの高いサウンドが楽しめる好作品だ。
メロディアス度・・8 ロック度・・8 シンセ度・・8 総合・・8
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中島優貴「力王〜哀しみの戦士」
元HEAVY METAL ARMY〜EASTERN ORBITのシンセ奏者、中島優貴によるOVA「力王」のイメージアルバム。1989年作
OVAというジャンルだからこそ好き勝手が出来たのでしょうが、コリャプログレだあ!
それもけっこう変拍子入りです。しかもシンフォニックで美しい!
「力王」というのは名前だけで、マンガもアニメも見たことありませんが、そんなのどうでもいいのです。
だってこれ、音楽だけで成立してます。立派なキーボードプログレの傑作。
このままジャケと曲名だけ代えれば、間違いなくプログレ売り場行きですよ
テーマソングの方はやっぱり坂本英三…コレはまあ普通のハードロック曲です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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中島優貴「力王2〜炎のレクイエム」
OVA「力王2」のイメージアルバム。1990作年
作曲者は伝説のプログレハードバンド、ヘヴィメタルアーミー〜イースタンオービットのKey中島優貴。
これはプログレサントラの傑作だぞ。もともと中島優貴の作曲能力はバンドの方でも折り紙つきだったが、
このアニメサントラというジャンルにおいても難波弘之同様、自身のプログレな感性を生かした
まさに手抜きなしの高品質の楽曲を聴かせる。歌入りのOP/ED以外は全て中島氏の曲で
シンフォニックなキーボードを満喫できる。実に美しいのである。
ちなみに「歌」入り曲のVoは坂本英三(アンセム/アニメタル)で、こちらも熱い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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THE BLACK MAGES

人気ゲーム「F.F」ことファイナルファンタジーシリーズのアレンジアルバム。2003作
さて、このアルバムは、そのFFシリーズのバトルシーンのBGMをピックアップし、
それをハードロック風にアレンジした、というゲームサントラとしては少々異色のもので、
一聴した印象としては・・普通に歌のないシンフォニック・ハードロックとして聴けます。
曲によってはトニー・マカパインの1stあたりにも通じる雰囲気もあり、
分かりやすいキャッチーなフレーズを奏でるギターに、キーボードが絡まって
なかなか心地よいものがあります。キーボードはときどきプログレ系の音色になったりするのが
いかにもその筋のマニアな方が作ったという感じです。ただやはり元曲を知らないので、
こうしたインスト曲を続けて10曲聞かされるとさすがに飽きてきますが・・・。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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美狂乱「魁!!クロマティ高校 オリジナルサウンドトラック」
テレ東で放映していた不条理学園ギャグアニメのサントラ作。2004作
なにげなくこのアニメを見ていて、エンディングで美狂乱の文字を見たときにはぶったまげた(笑)
まさか、日本プログレを代表するバンドの1つである彼らが、アニメの…それも、
こんなバカアニメの音楽を担当するとは。しかもこのCDには堂々と美狂乱の文字がジャケにあり
いわば彼らの作品の1枚ですらあることを暗に表明しているのだ。
音の方は、すでに1曲め(ED曲“トラスト・ミー”)からしてヘヴィなプログレ曲で、
2曲めでは変拍子の上をヴァイオリンとギターが絡む、これはクリムゾンばりの緊張感ですよ。
これはサントラというよりも、まさに美狂乱のアルバムといってよいかと。1曲ずつが短いのが難点だが、
むしろ濃密な演奏では美狂乱中でもピカイチのアルバム(ホントかよ)かもしれない。凄すぎるサントラだ。
このアニメを見て美狂乱に興味をもった方は(いるのか?)、2nd「パララックス」あたりをまず聴いてみては?
美狂乱度・・10 サントラなのにプログレ度・・10 これでいいの?度・・10 総合・・8.5
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美狂乱 「魁!! クロマティ高校 オリジナルサウンドトラック 2」
テレ東で放送していた同タイトルのギャグアニメのサントラ第二弾。2004作
1作目にして、すでにサントラという名を借りたプログレという雰囲気だったが
今回も同様、美狂乱によるプログレ演奏が炸裂している。いいのか?これで(笑)。
のっけからヘヴィなギターにヴァイオリンが絡みつく戦慄クリムゾン曲でしかも歌入り。
全体的には前作に比べるとややチェンバーロック的な即興風の曲が多く、
プログレとしての完成度では…というかアニメサントラなんですケドね…1枚目に譲るが、
凄いのはボーナストラックで、これが美狂乱アルバムデビュー前の1979年のライブ音源!
こんなものを、こんなサントラに…と言っては失礼だが…入れてよいのかはともかく、
即興を含む14分の熱演には、コアな美狂乱ファンはこれだけでもクロ高CDを買うことに…(爆)
ブックレットには当時のライブセットリストを含め、バンドについての解説が詳しく載っている始末。
美狂乱度・・9 サントラなのにプログレ度・・9 これでいいの?度・・9 総合・・8
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妖精国の騎士 ローゼリィ物語
中山星香原作の長篇ファンタジーコミックのサントラ。1989作
おそらく同タイトルのサントラ作としてはこれが第一弾。
音の方はなかなかシリアスで、ストリングスオーケストラ入りでクラシカルにして壮大。
サックス、マリンバの音色やしっとりとした女性Vo曲などには、大人の雰囲気が感じられるが
ファンタジーコミックのサントラとしては、ちょっとイメージから外れるかも。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・5 しっとりクラシカル度・・8 総合・・7

妖精国の騎士T「THE WAY TO THE LIGHT」
妖精国の騎士U「PRIMONITION OF THE DARKNESS」
月刊プリンセスで連載中の中山星香原作「妖精国(アルフヘイム)の騎士」のサントラの1と2。1994作
この作品私も大好きな壮大系ファンタジーまんがでしたが、26巻あたりから読むのをやめてしまっていました。
「T」の方はのっけから3拍子のアコースティック系トラッド曲。2曲目はたおやかな女性Voとハープが美しい。
全編が作品どおりの「森」や「光と闇」をイメージする雰囲気で、これはほとんどシンフォニックトラッドの部類。
「U」の方はまずは繊細なタッチのピアノ曲から始まる。バックのうっすらとしたシンセが幻想的。
続いて生のストリングスによるクラシカルな曲。ヴァイオリンとハープシコードが典雅に鳴ります。
その他今で言う「癒し系」女性Vo曲、壮大なシンフォニックなど、なんとも高品質。ううむ。少女まんが恐るべし。
いやむしろ時代に流されないこうした大河ロマン作品だからこそできた音なのかも。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・8 ファンタジー度・・9 総合・・8
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ルパン三世 トリビュートアルバム「You's Explosion」
名うてのミュージシャンが集結したルパン三世のカヴァー集。1999作
Charをはじめ、影山ヒロノブ、厚見玲衣、樋口宗孝らのハードロッカーたちも参加、
さらにはコンチェルト・ムーンによる様式美メタルなルパンもなかなか凄い。
プログレ的には平山照継とテルズ・シンフォニアらよるシンフォニックな“ルパン三世 愛のテーマ”も聴きどころ。
“銭形マーチ”を熱唱するのは坂本英三だし、大野雄二の“炎のたからもの”まで幅広いアレンジ曲が楽しめる。
ルパンファンでハードロック、プログレなども聴くというコアなロックファンは必携だ。
ロック度・・8 アレンジ度・・9 ルパン度・・9 総合・・8
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