
〜HEAVY METAL CD REVIEW 2026 by 緑川 とうせい
★2026年に聴いたメタルCDレビュー
*過去のレビューはCDレビューTOPから各ジャンル別に見られます
*プログレ最新レビュー *特集ページ一覧
4/17
ブラックメタル&フォークメタル(61)
Darkened Nocturn Slaughtercult 「Saldorian Spell」
ドイツのブラックメタル、ダークエンド・ノクターン・スローターカルトの2009年作
女性Vo&GのOnielarを擁し、1999年にデビュー、本作は4作目となる。トレモロ含むオールドなギターにダミ声ヴォーカルを乗せて激しくブラスト疾走する、ミスティックなブラックメタルを聴かせる。
リズムチェンジを含む展開力と暗黒の空気に包まれたサウンドは、まさにブラックメタルの真骨頂で、Onielar嬢の妖しく邪悪なダミ声もじつによい感じだ。
激烈なブラストを叩き出すドラムをはじめ演奏力もしっかりしていて、MARDUKばりの荒涼とした圧殺感も迫力充分である。これぞブラックメタル!
ドラマティック度・8 暴虐度・9 暗黒度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Darkened Nocturn Slaughtercult 「Necrovision」
ドイツのブラックメタル、ダークエンド・ノクターン・スローターカルトの2013年作
5作目となる本作も、怪しげなイントロから、ノイジーなギターとともにブラスト疾走、Onielar嬢のダミ声を乗せて、激しくプリミティブなブラックメタルを聴かせる。
ゆったりとしたミドルテンポのパートから激烈なブラストビートへという展開もバンドの真骨頂で、暴虐かつブラッケンでありながら、確かな演奏力も含めての構築力も備えている。
過去作から楽曲的に新鮮なものはないのだが、叙情パートを織り込んだラスト曲なども圧巻で、まさに真性ブラックメタルを貫く強力作である。
ドラマティック度・8 暴虐度・8 暗黒度・9 総合・8
Amazonで購入する
Chaos Invocation 「Wherever We Roam...」
ドイツのブラックメタル、ケイオス・インヴォケイションの2024年作
2009年にデビューし、5作目となる。叙情的なギターのイントロから、トレモロのリフに吐き捨てヴォーカルを乗せて激しくブラスト疾走する、オールドスタイルのブラックメタル。
初期のEMPERORにも通じる幻想的な神秘性に、随所にメロディックな叙情性も覗かせて、激烈なブラスト疾走で突進する迫力は、ファスト・ブラック好きにも対応。
メンバーはそれぞれキャリアのある実力者なので、リズム隊をはじめ演奏のレベルも高く、荘厳な暗黒性をまとったサウンドは、まさにブラックメタルの真骨頂だろう。
ドラマティック度・8 暴虐度・8 荘厳度・8 総合・8
AmazonMusic
FERNDAL
ドイツのブラックメタル、フェルンダルの2017年作
チェロとシンセによるもの悲しいイントロから、ツインギターとダミ声ヴォーカルを乗せてブラスト疾走する、オールドなメロディック・プラックメタルを聴かせる。
随所に甘すぎないメロディのギターフレーズと、アナログ感あるドラムによる暴虐過ぎない疾走感で、プリミティブなメロブラが好きな方にもお薦めだ。
8分、9分という大曲では、スローパートでの幻想的な叙情も含む、緩急のあるドラマティックな聴き心地で、チェロとヴァイオリンが鳴り響き、クラシカルピアノが重なるブラックメタルらしからぬナンバーもあったりと、なかなか優雅に楽しめる。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 チェロも優雅度・8 総合・8
Amazonで購入する
Belenos 「Egor 」
フランスのペイガン・ブラックメタル、ベレノスの2025年作
2000年にデビュー、ドラム、ギター、ベース、シンセと、すべてを手掛ける、Loic Cellier氏のワンマンプロジェクトで、本作は9作目となる。
叙情性を含んだギターに迫力ある吐き捨てヴォーカルを乗せ、激しいブラストでたたみかける、荘厳なブラックメタルを聴かせる。
トレモロのギターでブラスト疾走するオールドなブラックメタルの質感と、涼やかに神秘的な空気感が幻想的な耳心地となっていて、初期のEMPERORなどが好きな方にも対応。
どっしりとしたミドルテンポのパートも、叙情的なツインギターとともに、キャリアのあるバンドらしい重厚な世界観を描いていて、サウンドは強固な説得力に包まれている。
ドラマティック度・8 暴虐度・8 神秘的度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
OBSIDIAN TONGUE 「Eclipsing Worlds Of Scorn」
アメリカのブラックメタル、オブシティアン・トングの2025年作
2012年にデビューし、4作目となる。ノイジーなギターに吐き捨てヴォーカルをアナログ感あるドラムに乗せ、アトモスフェリックなブラックメタルを聴かせる。
随所に激しいブラスト疾走も含んだ緩急あるリズムに、叙情的なギターの重ねとともに、幻想的な神秘性をまとわせたサウンドに引き込まれる。
適度にプログレッシブなリズムチェンジに、朗々としたヴォーカルやメランコリックなスローパートなど、緩急ある構築力でじっくりと楽しめる。
アコースティックギターの小曲もあったりと、優雅で幻想的な世界観は、カスカディアンブラックのファンにもお薦めだ。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 神秘的度・8 総合・8
Amazonで購入する
Svartsot 「Vaeldet」
デンマークのペイガンメタル、スヴァートソットの2015年作
2007年にデビューし、4作目となる。アコースティックギターを用いた牧歌的なイントロから、ヘヴィなギターリフにバグパイプの音色、低音デスヴォイスを乗せて、どっしりとしたフォークメタルを聴かせる。
ツインギターによる叙情的なフレーズに、優雅にホイッスルが鳴り響き、迫力あるデスヴォイスとともに、ペイガンな勇壮さと土着的な空気が融合したスタイルは説得力充分。
どっしりとした重厚さに包まれながら、曲によってはノリのよいナンバーもあり、アグレッシブな突進力も覗かせるなど、武骨なフォークメタルが楽しめる力作だ。
ドラマティック度・8 フォーキー度・8 重厚度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
VIIKATE 「PETAJAVERAJAT」
フィンランドのフォークメタル、ヴィケートの2012年作
2000年にデビュー、9作目となる。土着的なギターの旋律にマイルドな母国語による歌声を乗せ、AMORPHISにも通じる優雅なトラッドメタルを聴かせる。
北欧らしい涼やかな叙情に包まれたサウンドは、メタル的な激しさは控えめで、メロウなギターの旋律はときに北欧プログレの感触もあったりする。
ゆったりとしたナンバーから、キャッチーなノリの土着的なゴシックロック風、そして哀愁の叙情美でじっくりと聴かせる、まさしく北欧の空気に浸れる好作品である。
ドラマティック度・8 フォーキー度・7 北欧度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Subway to Sally 「Schwarz in Schwarz」
ドイツのフォークメタル、サブウェイ・トゥ・サリーの2011年作
1994年にデビュー、ゲルマンな古楽トラッドとメタルを融合させたスタイルで、本作は11作目あたりだろう。
メタリックなギターにツーバスのドラム、ドイツ語による猛々しいドラムに、ヴァイオリンが鳴り響く、ヘヴィなゲルマンメタルというサウンド。
モダンなヘヴィロックの感触が増しているが、優雅なヴァイオリンの旋律や、ときにアコースティックギターなどの叙情性も覗かせる。
随所に、アラビックな雰囲気も取り入れていて、ゲルマンな勇壮さと中近東風味が融合したナンバーなども異国的に楽しめる。
ドラマティック度・7 フォーキー度・7 ゲルマン度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Subway to Sally 「Himmelfahrt」
ドイツのフォークメタル、サブウェイ・トゥ・サリーの2023年作
15作目。重厚なギターにヴァイオリン、ハーディ・ガーディの音色が鳴り響き、勇壮なドイツ声の歌声とともに、ゲルマンなトラッドメタルが炸裂。
ノリのよいメタル感から、アコースティックギターも用い、じっくりとヴォーカルを聴かせる、エピックなバラード風ナンバーなども壮大な味わいだ。
ストリングスアレンジを重ねたシンフォニックなナンバーも壮麗な聴き心地で、艶やかなヴァイオリンやチェロなどのクラシカルな優雅さと、ハーディ・ガーディやバグパイプによるフォーキーな土着性が巧みに融合されている。
ヘヴィなメタル感触もちゃんとあり、ベテランらしい説得力で描かれる幻想的な中世トラッドメタルが楽しめる力作だ。
ドラマティック度・8 フォーキー度・8 ゲルマン度・8 総合・8
Amazonで購入する
Subway To Sally 「Post Mortem」
ドイツのフォークメタル、サブウェイ・トゥ・サリーの2024年作
16作目となる本作は、ホイッスルやバグパイプの音色に少女の歌声を乗せたイントロから、メタリックなギターにヴァイオリンが重なり、ドイツ語のヴォーカルとともに重厚なサウンドを描く。
ヘヴィなメタル感とキャッチーなノリの中に、優雅なフォーク要素や壮麗なストリングスを融合させたスタイルは、すでに円熟の域と言っていい。
楽曲は3〜4分前後とわりとシンプルながら、シンフォニックなスケール感のナンバーや、ゲストシンガーを迎えてのストレートなメタルナンバーなど、楽曲ごとのアレンジもさすが。
ゲルマンな武骨さにも哀愁の叙情を含んだ味わいで、、さすがの高品質作と言える。
ドラマティック度・8 フォーキー度・8 ゲルマン度・8 総合・8
Amazonで購入する
In Extremo 「QUID PRO QUO」
ドイツのフォークメタル、イン・エクストレモの2016年作
1997年にデビューし、本作は14作目となる。バグパイプやニッケルハルパの音色にメタリックなギターが重なり、ドイツ語のヴォーカルを乗せて、ノリのよいフォークメタルを聴かせる。
Blind Guardianのハンズィ・キアシュがゲスト参加。ほどよくキャッチーな味わいと、古楽的な土着性が合わさった哀愁の叙情も覗かせる。
楽曲は3〜4分前後とシンプルで、わりとモダンなヘヴィロック感触もあったり、一方では、武骨なゲルマン・ハードロック風にも楽しめたりする。
フォーク要素が前に出すぎないので、幻想的な土着感は希薄。フォークメタルとしては物足りないが、ゲルマンロック好きはどうぞ。
ドラマティック度・7 フォーキー度・7 ゲルマン度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
In Extremo 「QUID PRO QUO LIVE」
ドイツのフォークメタル、イン・エクストレモのライブ。2016年作
2CD限定盤は、Disc1に、2016年作「QUID PRO QUO」アルバム音源を、Disc2に同アルバムからの楽曲をメインにしたライブを収録。
アルバムのレビューは、別上に参照。ライブ音源は、メタルなギターをドラムに乗せて、ドイツ語の武骨なヴォーカルで、どっしりとしたサウンドを演奏。
鳴り響くバグパイプにニッケルハルパの音色で、中世ゲルマンな雰囲気を描きつつ、ベテランらしい安定した演奏とともに過去作からのナンバーも楽しめる。
哀愁の叙情に包まれながら、重すぎないメタル感触を融合させたサウンドで、全17曲70分じっくりと鑑賞できる。
ライブ演奏度・6 フォーキー度・8 ゲルマン度・8 総合・8
Amazonで購入する
Saltatio Mortis 「Heptessenz」
ドイツのフォークメタル、サルタティオ・モーティスの2003年作
2001年にデビューし、3作目。パーカッションのリズムに、フルートが鳴り響き、バグパイプの音色も加わって、中世古楽サウンドが広がってゆく。
ドイツ語によるヴォーカルとエピックなコーラスも重なりつつ、ギターがあまり入らないので、メタル感触は薄めのトラッドロックという耳心地である。
楽曲は3〜5分前後で、インストナンバーも多いので、5作目以降のドラマティックな作風に比べると、フォークメタルとしてはやや物足りないか。
ドラマティック度・7 古楽トラッ度・9 ゲルマン度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Saltatio Mortis 「10 Jahre Wild Und Frei」
ドイツのフォークメタル、サルタティオ・モーティスのライブ2011年作
ドイツ、ヴッパータールで行われたデビュー10周年となるライブをCD+DVDに収録。CDには全17曲、DVDにはフルステージとなる全29曲の映像をたっぷりと収録。
重すぎないギターにパグパイプが鳴り響き、ドイツ語のヴォーカルとともに、優雅でメディーヴァルなトラッドメタルを演奏する。
古楽的なメロディには哀愁の空気をまとわせ、パワフル過ぎない朗々としたヴォーカルもサウンドによくマッチしている。
ゲストによるヴァイオリンやチェロ、ピアノやハーディ・ガーディも加わった優美なバラッドナンバーや、DOROを迎えて男女Voのエキゾチックなナンバーも魅力的だ。
DVDでは、ヒストリック・シティーホールの歴史的な佇まいと満員の観客の熱気の中で、民族的な衣装のメンバーたちが繰り広げる熱いステージが視覚的に楽しめる。
ライブ演奏・8 古楽トラッ度・8 ゲルマン度・8 総合・8
Amazonで購入する
4/3
新年度のメタル(56)
LOKHEIRA 「Dark of the Night」
アメリカのモダンメタル、ロヘイラの2024年作
スペイシーな雰囲気のイントロから、メタリックなギターに伸びやかな女性ヴォーカルを乗せて、うっすらとしたシンセにデスヴォイスもまじえて、重厚なサウンドを展開する。
ときにスピードメタル的な疾走感や、グルーヴィなヘヴィロック感触、シンフォニックなアレンジが合わさって、結果としてモダンな女性Voメタルとして楽しめる感じである。
楽曲は6〜7分前後の長めのものも多く、リズムチェンジを含んだ知的な構築センスも覗かせたり、サイケ風のユルめのナンバーもあったりと、わりとつかみどころがない。
後半は、アグレッシブなヘヴィネスを聴かせるナンバーが多く、女性Voの実力はあるので、個人的にはもっとシンフォニックメタル寄りの作風へシフトしてもらいたい。
メロディック度・7 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
Trick Or Treat「Ghosted」
イタリアのメロディックメタル、トリック・オア・トリートの2025年作
2006年にデビューし、7作目となる。王道のツンギターに伸びやかなアレッサンドロ・コンティのヴォーカルを乗せて疾走する、HELLOWEENルーツのメロパワサウンドは本作も不変。
Seven Spiresのエイドリアン・カワンがゲスト参加して、美しい女性ヴォーカルとグロウルを乗せた、激しくも優雅な疾走ナンバーも爽快な味わいで、キャッチーなメロディが際立つライトなハッピーメタル感触や、ホラーコミックやゲームなどをコンセプトにした世界観もバンドによくマッチしている。
クサメロ感に包まれた抜けの良いサビメロにはニヤリとなるし、流麗なツインギターのフレーズも随所にアクセントになっている。
新鮮味こそないものの、往年のハロウィン直系のスタイルは円熟の安定感である。
メロディック度・8 疾走度・8 優雅でキャッチー度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Lay Of The Autumn 「Of Love And Sorrow」
イタリアのシンフォニックメタル、レイ・オブ・ザ・オータムの2024年作
美麗なピアノのイントロから、重すぎないギターにきらびやかなシンセを重ね、コケティッシュな女性ヴォーカルとともに、優雅なシンフォニックメタルを聴かせる。
随所にメロスピ的な疾走感も覗かせつつ、流麗なギターとシンセワークが楽曲を鮮やかに彩り、Iryna嬢のキュートな歌声も魅力的で、しっとりとしたバラード曲では、そのエモーショナルな歌唱にウットリとなる。
男性グロウルの加わるナンバーは、Leaves' Eyesにも通じる壮麗にして重厚な味わいで、華麗なインストナンバーなども含めて、シンフォニックメタルとしての美意識がすべてに散りばめられている。
シンフォニック度・8 優雅度・9 女性Vo度・9 総合・8.5
Amazonで購入する
Tystnaden 「The Black Swan」
イタリアのゴシックメタル、ティストナデンの2024年作
2006年にデビュー、本作は12年ぶりとなる復活の4作目。ミステリアスなイントロから、硬質なギターにうっすらとしたシンセ、伸びやかな女性ヴォーカルを乗せた、モダンなゴシック・シンフォニックメタル。
楽曲は3〜4分前後とコンパクトで、ヘヴィながらもほどよくキャッチーなノリと翳りを帯びたオルタナ感が合わさり、わりとストレートに聴きやすい。
モダンなヘヴィネスと硬質感の一方で、バラード的でもある優美なナンバーは、美しい女性声とともにしっとりと楽しめてアクセントになっている。
全体的には、シンフォニック性も耽美なゴシック性もそこそこで、メロディのフックもさほどでもないという、悪くはないのに中庸なもどかしさが残る。
シンフォニック度・7 ゴシック度・7 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
AmazonMusic
RAGE 「Aftelifelines」
ジャーマンメタルのベテラン、レイジの2024年作
1986年にデビュー、正規アルバムとしては通算24作目となる本作は、結成40周年記念、Disc1を「Afterlife」、Disc2を「Lifelines」とタイトルを付けた、2枚組の大作となった。
クラシカルなイントロから、メタリックなギターにかすれた味わいのヴォーカルを乗せて疾走するアグレッシブなサウンドで、随所に巧みなギタープレイと哀愁の叙情を盛り込んだスタイル。
再びトリオ編成に戻ったことで、往年の勢いあるパワーメタル感触が戻り、ダークな翳りをまぶしたヘヴィネスが同居した、ベテランらしい迫力ある作風となった。
前作から加入のジーン・ボーマンのギタープレイも、ときに硬質に、ときにメロディックに楽曲を彩っていて、決して一本調子にならないセンスが見事。
スラッシーな疾走ナンバーの一方で、Disc2では華麗なオーケストラアレンジも取り入れたりと、スタイリッシュなシンフォニックメタル風味もあって楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・8 パワフル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Black & Domned 「Resurrection」
ドイツのパワーメタル、ブラック・アンド・ダムドの2025年作
2008年にデビュー、本作は12年ぶりとなる復活の4作目。メタリックなギターにうっすらとシンセを重ね、パワフルなヴォーカルとともに、重厚なパワーメタルを展開。
Judas Priestあたりをルーツにしたオールドなヘヴィメタルの感触に、ジャーマンメタルらしい叙情性を取り込んだサウンドが楽しめる。
どっしりとしたミドルテンポを主体に、アコースティックを用いたメタルバラードや、ほどよくノリのあるメロディックなメタルナンバーなど、正統派ながらバランスのとれた作風だ。
楽曲は4分前後とわりとストレートで、パワフルでいて甘すぎない叙情性という点では、RAGEなどが好きな方にも楽しめるだろう。
ドラマティック度・7 疾走度・6 重厚度・8 総合・8
Amazonで購入する
Majesty 「Keep It True」
ドイツのメロディックメタル、マジェスティの2000年作
2023年までにすでに11作を発表しているジャーマン・メロパワの中堅バンドで、本作は自主制作によるデビューアルバム。
オールドなギターリフにパワフルなヴォーカルを乗せて、MANOWARをルーツにした勇壮な正統派メタルを聴かせる。
のちのアルバムに比べると、良い意味でのローカルな80年代風味が残っていて、エピックな世界観とウェットな叙情性が同居したスタイルは、すでに日本人好みである。
“Son of Metal”、“Metal Force”など、いかにもなタイトルにもニンマリしつつ、フックのあるメロディやうっすらとシンセを使ったアレンジも含めて、メロパワとしての聴きやすさがある。
楽曲はミドルテンポがメインながら、エピックなパワーバラードなど、エリック・アダムス風の歌いまわしも含めて、マノウォー好きのファンにはアピールする好作です。
ドラマティック度・8 正統派度・8 マノウォー度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Morax 「The Amulet」
ノルウェーのミュージシャン、レミ・アンドレ・ニガルドによるプロジェクト、モラックスの2025年作
2023年にデビューし、2作目となる。アナログ感たっぷりのドラムにオールドなギターリフ、パワフル過ぎないヴォーカルで、疾走感のあるヴィンテージメタルを聴かせる。
適度に叙情的なツインギターとともに、80年代のNWOBHMや、ジャーマンメタルのマイナー感触を受け継いだサウンドで、オールなドメタラーはニンマリである。
曲によってはリズムチェンジによる展開力も覗かせたり、スラッシーな激しさもあったりと、緩急あるドラマティックなヨーロピアンメタルが楽しめる。全62分の力作。
ドラマティック度・8 疾走度・8 ヴィンテージ度・8 総合・8
Amazonで購入する
ALESTORM 「THE THUNDERFIST CHRONICLES」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2025年作
2008年にデビューし、本作は8作目となる。アコーディオン風のシンセをギターに重ね、ダミ声ヴォーカルとともに、武骨にしてキャッチーなパイレーツ・メロパワを描く。
軽快な疾走感から、曲によってはモダンなヘヴィネスも覗かせたりと、アレンジの幅も広がりつつ、酒飲み系の愉快なノリは、コルピクラニーニなどのファンにも楽しめる。
アイリッシュパンク風の小曲から、リズムチェンジの目まぐるしいテクニカルなナンバー、そしてラストは17分の大曲で、ヴァイオリンを含むオーケストラルなアレンジを加えた、壮麗なサウンドを展開。
ブラストも含む激しい疾走パートから、女性ヴォーカルも加わった起伏のあるドラマ性とともに、スケールの大きなサウンドが味わえる。
ドラマティック・8 疾走度・7 勇壮度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
ALESTORM 「LIVE AT THE END OF THE WORLD」
スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームのライブ。2013年作
2013年オーストラリア、メルボルンでのライブをCD+DVDに収録。2011年作「Back Through Time」からのナンバーを主体に、過去作からの楽曲も含む全15曲。
正統派のギターリフにアコーディオン風のシンセ、しゃがれたなヴォーカルを乗せて、ヴァイキングメタル風味もある海賊メロパワを聴かせる。
壮麗なシンセを重ねたエピックな勇壮さは、TURISASあたりに通じる感じもあるが、ヴォーカルの迫力という点ではやや物足りないか。
DVDでは、ハンディキーボードを弾きつつヴォーカルもこなす、クリストファー・ボウズをフロントにした、バンドの演奏が視覚的にも楽しめる。
ライブ演奏・7 疾走度・7 勇壮度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
KATAGORY V 「AWAKEN A NEW AGE OF CHAOS」
アメリカのプログレメタル、カタゴリーVの2025年作
2001年にデビュー、本作は10年ぶりとなる6作目。メタリックなツインギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、疾走する激しさとテクニカルなリズム展開で、FATES WARNINGにも通じる硬派なProgMetalを聴かせる。
パワーメタル的な疾走感と重厚な感触に、随所に甘すぎない叙情や、オールドなスラッシュルメタル質感もブレンドされたスタイルはなかなか面白い。
シンセを使わないので、クールなギターリフが主導する硬質な部分は、MEGADETHなどを思わせるインテレクチュアルメタルという趣もある。
ドラマティック度・8 テクニカル度・7 重厚度・8 総合・8
Amazonで購入する
VENDEL「OUT IN THE FIELDS」
ロシアのエピックドゥームメタル、ヴェンデルの2024年作
重厚なツインギターにパワフルなヴォーカルを乗せ、CANDLEMASSをルーツにした、オールドなエピック・ドゥームメタルを聴かせる。
甘すぎない叙情を含んだウェットな空気と、正統派メタル寄りの勇壮な感触は、イタリアのDOOMSWORDなどにも通じるだろう。
後半は、13分、11分という大曲で、メタリックなギターと朗々とした歌声で、どっしりとした重厚さに包まれた、王道のエピックドゥームを展開する。
ラスト曲でのメロパワ寄りのドラマティックな感触は、エピックなヘヴィメタル好きならぐっとくることだろう。
ドラマティック度・8 勇壮度・8 重厚度・8 総合・8
Amazonで購入する
3/14
ホワイトデーはメタルで(44)
The Storyteller 「The Final Stand」
スウェーデンのメロディックメタル、ストーリーテラーの2025年作
2000年にデビュー、本作は11年ぶりとなる6作目で、オリジナルメンバー、L-G.パーソンに、元Scar Symmetryのドラム、Blazon Stoneのギターが加入。
アコースティックギターとシンセによる優美なイントロから、クサメロたっぷりのギターに伸びやかなヴォーカル乗せて疾走する、キャッチーな北欧メロスピを展開。
ファンタジックで勇壮な世界観を描きながら、重すぎない優雅な疾走感は、90年代のヨーロピアン・メロパワをルーツにした、どことなくなつかしい味わいだ。
随所にフォーキーなメロディも覗かせるなど、かつての面影もしっかりと感じられる。クサメタラーには嬉しい復活作だろう。
ドラマティック度・8 疾走度・8 クサメロ度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Black Majesty 「Oceans Of Black」
オーストラリアのメロディックメタル、ブラック・マジェスティーの2025年作
2003年にデビューし、8作目となる。メロディックなツインギターにシンセを重ね、ハイトーンヴォーカルとともに、ドラマティックな味わいのメロパワを聴かせる。
ほどよいクサメロ感とエピックな勇壮さも含んで疾走するメロスピナンバーは、90年代ジャーマンメタルやオールドなメロパワをルーツにした聴き心地の良さが光る。
ときにどっしりとしたミドルテンポから疾走へというリズムチェンジも堂に入っていて、ベテラらしい説得力がサウンドや演奏からもにじみ出ている。
後半には叙情的なバラードもあるが、基本は爽快な疾走につぐ疾走で、メロパワとしての完成度では、HammerFallを軽く凌駕するレベルだろう。
ドラマティック度・8 疾走度・9 クサメロ度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
AmazonMusic
Adamantis 「Reforged」
アメリカのメロディックメタル、アダマンティスの2025年作
2020年にデビューし、2作目となる。オールドなツインギターに、朗々としたヴォーカルをのせい疾走する、HammerFallにも通じるエピックな正統派メロパワ。
随所に流麗なギタープレイとクサメロなフレーズも現れて、ほどよいマイナーな味わいを残したスタイルも、いかにもクサメタラー好みである。
疾走するメロスピナンバーから、ミドルテンポでのウェットな叙情性まで、重厚すぎずキャッチーになりすぎない中庸感がむしろよい塩梅だ。
クサメロの疾走感という点では前作を超えるものではないが、オールドな正統派エピック・メロパワとして今後も期待したい。
ドラマティック度・8 疾走度・7 クサメロ度・7 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Fenyx Rising 「Manimal」
フィンランドのメタルバンド、フェニックス・ライジングの2025年作
メタリックなギターにハイトーンのヴォーカルを乗せ、モダンなヘヴィネスと適度に疾走感のパワーメタルを聴かせる。
北欧のバンドながら、ヨーロピアンなメロパワ感触は薄めで、エッジの効いたギターリフで疾走するナンバーから、キャッチーなミドルテンポはLAメタル的でもあったりと、むしろ90年代アメリカ系のメタルサウンドを描いている。
楽曲は3〜4前後とわりとストレートで、新鮮味はあまりないが、重厚なメタル感にロックンロールなノリも合わさったスタイルで、普通に聴きやすい。
ドラマティック度・7 疾走度・6 重厚度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
Bloodorn 「Let The Fury Rise」
多国籍メタルバンド、ブラッドーンの2024年作
Sireniaのギター、ドラマー、Freedom Callのベース、Prydain、Silent Winterなどで活躍するシンガーによるバンドで、巧みなギターリフにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、本格派のパワーメタルを聴かせる。
随所に流麗なギタープレイにうっすらとしたシンセアレンジも加わり、勇壮なバトル感とネオクラシカルな華麗さが同居したスタイルで、ジャーマンメタルと北欧メタル、エピックメタルが合わさったという濃密な聴き心地。
曲によっては、ブラストを含むアグレッシブな疾走感にデスヴォイスも加わって、Children Of Bodom的なメロデス風のメロパワという趣も覗かせる。
ドラマティック度・7 疾走度・8 濃密度・8 総合・8
Amazonで購入する
WarWolf 「The Apocalyptic Waltz」
ドイツのメタルバンド、ワーウルフの2023年作
2022年にデビューし、2作目となる。正統派のツインギターに、朗々としたヴォーカルを乗せた王道のパワーメタルを聴かせる。
Judas Priestなどに通じるオールドなヘヴィメタルと、ジャーマンメタルのウェットな叙情が同居したサウンドで、どっしりとしたミドルテンポを主体に、疾走するメロパワナンバーもあり、派手さはないが90年代ルーツのメロパワが楽しめる。
パワフルなヴォーカルも含めた勇壮で濃密なメタル感触は、SABATONあたりのリスナーにもお薦めだ。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・8 総合・8
Amazonで購入する
Spitfire 「Heroes In The Storm」
イタリアのエピックメタル、スピットファイアの2002年作
1984年のデビューEP、1986年のカセット音源、1982年の貴重なライブ音源を収録した、マイナーバンドのレアなコンピレーション作品。
翳りを帯びたギターに朗々としたヴォーカルを乗せ、MANOWARにも通じるような勇壮な世界観で、ほどよい疾走感も含んだヘヴィメタルを聴かせる。
全体的に演奏も安定していて、エリック・アダムスばりのシャウトも含んだヴォーカルも、エピックなメタルサウンドにマッチしている。
わりとキャッチーなハードロック風味もありつつ、マイナーな空気に包まれたヨーロピアンな美学は、WARLORDあたりを思わせる部分もある。
ライブ音源も年代を考えれば音質もわとり良好で、82年当時のステージの空気を味わえる。バンドは2010年に復活作を発表している
ドラマティック度・8 エピック度・8 古き良き度・8 総合・7.5
Temptress 「Catch The Endless Dawn」
イタリアのメタルバンド、テンプトレスの2025年作
G、B、Dr&Voというトリオ編成で、オールドなギターにヘタウマなヴォーカルを乗せた、80年代ルーツのヴィンテージメタルを聴かせる。
アナログ感たっぷりのドラムも含めて、いかにもマイナー感触に包まれたサウンドで、随所に叙情的なギタープレイも覗かせる。
4〜5分前後の楽曲をメインに、7分という長めのナンバーもあり、リズムチェンジをを含むわりとドラマティックな展開もあったりする。
全体的には、疾走するスピード感も、メロディアスなフックも中途半端で、突き抜け切らないもどかしさがあるが、それがB級の醍醐味なのか。
ドラマティック度・7 疾走度・6 ヴィンテージ度・8 総合・7
Amazonで購入する
Witch Blade 「Mansken」
スウェーデンのエピックメタル、ウィッチ・ブレイドの2022年作
G、B&Vo、Drのトリオ編成で、2015年にデビューし、2作目となる。重すぎないギターにマイナー感あるヴォーカルを乗せ、80年代ルーツのメタルサウンドを聴かせる。
随所に叙情的なツインギターや、リズムチェンジによる疾走パートなど、ドラマティックな聴き心地は、初期のIRON MAIDENのような味わいもあったりする。
アナログなやヘタウマなヴォーカルなど、とにかくマイナーな空気に包まれているが、カルトなメタルが好きなら楽しめるかと。楽曲は3〜5分前後で、全32分というのも潔い。
ドラマティック度・7 疾走度・7 ヴィンテージ度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
CHRISTIAN MISTRESS 「CHILDREN OF THE EARTH」
アメリカのヴィンテージメタル、クリスチャン・ミストレスの2025年作
女性シンガーのクリスティン・デイヴィスを中心に、2010年にデビューし、本作は10年ぶりとなる4作目。
アナログ感たっぷりのギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、80年代的なヴィンテージなメタルサウンドは本作も健在。
クリスティン嬢のパワフル過ぎない歌声とオールドなメタル感触のミスマッチが独特の浮遊感を描いていて、マイナーな妖しさもまた魅力。
叙情的なギターの重ねによるヨーロピアンメタル的な味わいも覗かせつつ、突き抜け切らないローカルさというのは、マニア好みと言っていいだろう。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
2/13
ヴァレンタインはメタルで(34)
Nightwish 「Yesterwynde」
フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2024年作
マルコ・ヒエタラが脱退しての新たな編成となった本作は、2枚組の大作だった前作から、4年ぶりとなる10作目で、3部作の完結編。
厳かな混声コーラスから幕を開け、華麗なシンセとオーケストラアレンジをギターに重ね、フロール・ヤンセンの伸びやかなヴォーカルで、「ONCE」の頃のような疾走感のあるシンフォニックメタルを展開する。
トロイ・ドノクリーによるイーリアンパイプが響き渡るケルティックで幻想的な世界観もよろしく、トロイのマイルドな歌声も随所にアクセントになっている。
重すぎないサウンドメイキングもあってか、優雅なシンフォニック性が前に出ていて、メロディアスで叙情的な楽曲は初期からのファンも聴きやすいだろう。
ゆったりとしたナンバーも多いが、美麗なアレンジによる重厚さとシネマティックなスケール感に包まれたサウンドの説得力はさすがという他ない。全71分の力作だ。
シンフォニック度・8 壮麗度・9 女性Vo度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
EXIT EDEN 「FEMMES FATALES」
多国籍の女性シンフォニックメタル、イグジット・エデンの2024年作
女性4人によるユニットとして2017年にデビュー、前作に参加していたアマンダ・ソマーヴィルは脱退し、Visions Of Atlantisのクレメンタイン・デラウネ、Battle
Beastのマリア・ラ・トラーカ含む3人のユニットとなった。
全てカヴァーだった前作から、本作ではオリジナル6曲に、PET SHOP BOY、JOURNEY、MYLENE FARMER、ALICE COOPER、HEART、MARILIONのカヴァーを収録。
元Nightwishのマルコ・ヒエタラをゲストシンガーに迎えたナンバーは、男女Voにフルートやイーリアンパイプの音色も加わり、フォーキーなシンフォニックメタルが味わえ、ジャーニーの名曲“Separate
Ways”は壮麗にしてキャッチーな仕上がり。
フランス語で歌われるミレーヌ・ファルメールのカヴァーも個人的には萌えますな。マリリオン“追憶のケリー”も美麗で素晴らしい。一方でオリジナル曲の個性がもう少し欲しいという気もする。
シンフォニック度・8 優雅度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
AD INFINITUM 「ABYSS」
スイスのシンフォニックメタル、アド・インフィニトゥムの2024年作
2020年にデビューし、4作目となる。ヘヴィなギターに壮麗なシンセアレンジを重ね、伸びやかな女性ヴォーカルで、DELAINなどにも通じるスタイリッシュなシンフォニックメタルを聴かせる。
THE DARK SIDE OF THE MOONにも参加する、メリッサ・ボニーは、コケティッシュな歌声から、ときにデスヴォイスも使い分け表現豊かに楽曲を彩る。
楽曲は3〜4分前後と、わりとシンプルであるが、メタリックなヘヴィネスと、シンフォニックな重厚さ、ほどよいキャッチーなフックも覗かせて、近年のWITHIN TEMPTATIONなどが好きな方にも楽しめろるだろう。
シンフォニック度・8 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
WALK IN DARKNESS 「LEAVES ROLLING IN TIME」
イタリアのシンフォニックメタル、ウォーク・イン・ダークネスの2023年作
2017年にデビューし、4作目となる。壮麗なシンセとコーラスによるイントロから、メタリックなギターに伸びやかな女性ヴォーカルと、Winterageのシンガーが参加した1曲目は、男女ヴォーカルの重厚なサウンドが広がってゆく。
ゴシックメタル的でもあるしっとりとメランコリックなナンバーから、ゲストによるデスヴォイスも加えたヘヴィな部分も覗かせて、The Erinyesにも参加するニコレッタ嬢の歌声は、ときにパワフル、ときに美しいソプラノも使い分ける。
広がりを感じるサウンドメイキングも見事で、シンフォニックなスケール感とメタリックなヘヴィネスのバランスよく楽しめる。ゴシック風シンフォニックメタルの逸品。
シンフォニック度・8 重厚度・8 女性Vo度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Lankester Merrin 「Dark Mother's Child」
ドイツのメタルバンド、ランカスター・メリンの2024年作
2021年にデビューし、3作目となる。ヘヴィなギターにハスキーな女性ヴォーカルを乗せた、パワフルな正統派ヘヴィメタル。
美貌のCAT嬢の歌声も含め、DOROをより激しくしたようなイメージで、随所にジャーマンメタルらしいツインギターメロディアス性も覗かせる。
楽曲は3〜4前後でストレートでシンプル。ミドルテンポを主体に、スラッシーな疾走パートもあって、ほどよく激しい女性声パワーメタルが楽しめる。
美しい歌声を乗せ、しっとりとした叙情を織り込んだシンフォニックメタル寄りのラストナンバーもよろしく、いっそこの路線で行ってもらいたい気もする。
ドラマティック度・7 正統派度・7 女性Vo度・7 総合・7.5
AmazonMusic
Deathless Legacy 「Rituals Of Black Magic」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2018年作
DEATH SSのトリビュートバンドから派生したバンドで、2013年にデビュー、本作は4作目。語りの入った怪しげなイントロから、メタリックなギターに美麗なシンセ、ハスキーな女性ヴォーカルで、耽美でゴシカルなシンフォニックメタルを聴かせる。
クラシカルなピアノにオーケスラルなアレンジにエモーショナルな女性ヴォーカル、ときにほどよくアグレッシブな疾走感もまじえて、重厚で濃密なサウンドが楽しめる。
サタニックなモチーフを世界観にしながら、ダーク過ぎることない、いわばエンタメホラー的な雰囲気もイタリアのバンドらしい。
2024年再発盤は、Type O Negativeのカヴァーやライブ音源など、ボーナス3曲を追加しての2CD仕様となっている。
シンフォニック度・8 重厚度・8 耽美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Royal Hunt「Dystopia」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2020年作
1993年にデビュー、本作は15作目で、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」をテーマにしたコンセプト作。シンフォニックなイントロから、アンドレ・アンダーセンによる華麗なシンセワークにギターを重ね、D.C.クーパーの伸びやかなヴォーカルで、王道の様式美メタルを展開する。
重厚なクワイアとオーケストラルなアレンジ、ドラマティックな曲の連なりと、SEを挿入しながら壮大なストーリーを描くという、いつになくシネマティックな聴き心地。
マッツ・レヴィン、マーク・ボールズ、ヘンリック・ブロックマンがゲスト参加、女性シンガーをゲストに迎えて、オペラティックな男女Voナンバーなども優美な味わいだ。
良い意味で、初期に回帰したようなキャッチーなメロディのフックに、ほのかなダークな翳りをまとわせた、壮麗なロイハン・サウンドが楽しめる。
ドラマティック度・8 重厚度・8 壮麗度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Royal Hunt 「Dtstopia Part II」
デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2022年作
前作「ディストピア」の続編となる作品で、壮麗なシンセアレンジに叙情的なギター、エモーションナルな歌声とエピックなコーラスを重ねた、シンフォニックメタルを繰り広げる。
年季を経たD.C.クーパーの歌声も、ときにパワフルにときに伸びやかに楽曲を彩り、アンドレ・アンダーセンのきらびやかなシンセワークもさすがのひとこと。
インストによる華麗な小曲もありつつ、14分という大曲ではクラシカルなシンフォニック性と、ロイハンらしい様式美色が合わさって、濃密に構築される。
前作に続き、マッツ・レヴィン、マーク・ボールズ、ヘンリック・ブロックマンがゲスト参加。ドラマティックなシンフォニックメタルとして楽しめる力作です。
ドラマティック度・8 重厚度・8 壮麗度・9 総合・8
Amazonで購入する
Tucana
スウェーデンのプログレメタル、トゥカーナの2012年作
本作が唯一のアルバムで、重すぎないギターに美麗なシンセとピアノ、エモーショナルなヴォーカルを乗せて、優雅でシンフォニックなサウンドを構築。
ほどよくテクニカルなリズム展開と叙情的なギターの旋律、ストリングスアレンジやクラシカルなシンセワークで、オーケストラルなハードプログレとしても楽しめる。
シアトリカルに情感を込めるヴォーカルの好みは分かれるところだが、北欧らしい涼やかさと、ネオクラシカルな濃密さが融合したサウンドによくマッチしている。
後半には、7〜8分の大曲が続き、優美なピアノやストリングスを重ねて、軽やかな展開するクラシカルなProgMetalが味わえる。全65分の力作です。
クラシカル度・9 テクニカル度・7 優雅度・9 総合・8
Amazonで購入する
ARS VENEFICIUM「THE LURKING SHADOW OF DEATH」
ベルギーのブラックメタル、アルス・ベネフィシウムの2024年作
2016年にデビューし3作目となる。トレモロを含むギターに吐き捨てヴォーカルを乗せて激しく疾走する、初期EMPERORタイプのブラックメタルを聴かせる。
重すぎない激しすぎないというスタイルは、90年代のプリミティブなブラックメタルをルーツにしていて、ブラスト疾走するパートでもほのかな優雅さも覗かせる。
ギターフレーズにはほどよい叙情性もあって、翳りを帯びた幻想的なメロブラとして、DISSECTIONなどが好きな方にも楽しめるだろう。全7曲、40分というのもスッキリ潔い。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 王道ブラメタ度・8 総合・8
Amazonで購入する
Mythraeum「Oblivion Aeternam」
アメリカのメロディック・ブラックメタル、ミスラウムの2024年作
クラシカルなイントロから、不穏なギターリフと吐き捨てヴォーカルで激しく疾走、随所に叙情的なメロディも覗かせてダークな世界観を描く。
ミドルテンポからブラスト疾走まで、緩急あるリズムチェンジに、ツインギターの流麗なフレーズも盛り込んで、うっすらとシンセが加わると、Dimmu Borgirあたりにも通じる荘厳な空気に包まれる。
ときにテクニカルブラック的な構築力も覗かせつつ、暴虐過ぎない涼やかな幻想性や、3拍子リズムでの優雅な疾走感なども、オールドなメロブラ好きに受けるだろう。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 叙情度・8 総合・8
Amazonで購入する
Watain「Die in Fire - Live in Hell」
スウェーデンのブラックメタル、ヴァーティンの2023年作
2000年にデビュー、オールドスタイルに回帰したブラックメタルを追求するバンドで、本作は2022年スウェーデンのライブを収録。
トレモロを含むギターリフにかすれたダミ声ヴォーカルを乗せて、ブラストを含む激しい疾走感で、オールドなスウェディッシュブラックメタルを展開。
かつてのDISSECTIONにも通じるダークな叙情性も覗かせつつ、アナログ感たっぷりの音質でラウドにたたみかける迫力は圧巻だ。
2022年作「The Agony & Ecstasy Of Watain」からのナンバーを主体に、過去作からのナンバーもたっぷり演奏。
ライブ演奏・8 暴虐度・8 ブラメタ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
1/23
衆院解散のメタル(22)
LANCER 「Tempest」
スウェーデンのメタルバンド、ランサーの2023年作
2013年にデビュー、前作はHELLOWEEN+JUDAS PRIESTというような力作であったが、4作目となる本作も、正統派のギターにパワフルなハイトーンヴォーカルを乗せた、オールドスタイルのメロパワを聴かせる。
エピックメタル的な勇壮な力強さと、ツイギターの奏でる甘すぎない叙情は、HAMMER FALLあたりを思わせ、疾走ナンバーから、ミドルテンポまで、伸びのあるヴォーカルとメロディのフックで爽快に楽しめる。
アナログ感あるドラムをはじめ、90年代的なパワーメタルを継承した、日本人好みの濃密なる強力作である。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Melodius Deite 「Demonology」
タイのメロディックメタル、メロディアス・ダイテの2024年作
2008年に、Melodiusとしてデビュー、2作目から現バンド名に変更し、本作は5作目となる。前作は元GALNERYUSのYama-Bが参加していたが、本作は不参加。
クラシカルなイントロから、きらびやかなシンセをクサメロなギターに重ねて疾走、マイルドなハイトーンヴォーカルとともに、華麗なメロスピサウンドを展開する。
テクニカルなリズムを含むインストパートは、ネオクラシカルなProgMetal風だったりと、緩急ある楽曲アレンジにも磨きがかかってきた。
女性シンガーも加わった男女Voのナンバーや、ネオクラなギタープレイのインストなど、単なるクサメロスピ以上の出来ですよ。
日本のメタルバンド、 ILLUSION FORCEのJINNや、Mornig Dwellのシンガーなどがゲスト参加。
メロディック度・8 疾走度・8 華麗度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Vanden Plas 「The Empyrean Equation Of The Long Lost Things」
ドイツのプログレメタル、ヴァンデン・プラスの2024年作
1994年にデビュー、本作は12作目となる。キーボードにアレッサンドロ・デル・ヴェッキオが参加、優美なシンセアレンジをギターに重ね、伸びやかなヴォーカルとともに、重厚なサウンドを構築。
随所にほどよいテクニカル性の展開力も含ませつて、アンディ・カンツのエモーショナルなヴォーカルとともに、コンセプト的なドラマティックな流れを描いてゆくスタイルは、いかにもベテランらしい説得力に包まれている。
ラストは15分の大曲で、巧みなギターフレーズときらびやかなシンセワークをまじえつつ、歌い上げるヴォーカルでじわりと盛り上げる。シンフォニックかつ重厚なる濃密な力作です。
ドラマティック度・8 テクニカル度・7 重厚度・8 総合・8.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
AFTER LAPSE 「PATHWAYS」
スペインのプログレメタル、アフター・ラプスの2024年作
2022年にデビューし、2作目となる。ツインギターにシンセを含む6人編成で、軽やかなリズムに巧みにヘヴィーなギターを乗せ、パワフルなヴォーカルと美麗なシンセアレンジで、スタイリッシュなProgMealを描く。
いくぶんDjent的でもあるモダンな硬質感も覗かせつつ、キャッチーなヴォーカルメロディや流麗なギターによる爽快な味わいは、多くのリスナーに楽しめるだろう。
楽曲は4〜5分前後と、ほどよくテクニカルでありながら難解さはなく、わりとストレートにエモーショナルなモダンメタルとしても聴けたりする。
ドラマティック度・7 テクニカル度・8 スタイリッシュ度・8 総合・8
AmazonMusic
PROPHECY「ILLUSION OF TIME」
フランスのプログレメタル、プロフェシーの2010年作
美麗なシンセのイントロから、テクニカルなリズムに叙情的なギターときらびやかなシンセアレンジ、マイルドなヴォーカルとともに、DREAM THEATERタイプのProgMetalを聴かせる。
インストの小曲をまじえて連なる楽曲構成はコンセプト的で、緩急あるドラマティックな展開とともに、壮大なストーリーを描くようなサウンドが楽しめる。
ときにクラシックの旋律を盛り込むなど、優雅な美意識も覗かせながら、変則リズムを含んだテクニカル性と、壮麗な叙情美を同居させている。
後半は、14分、11分という大曲が続き、起伏のある展開力と、美麗なシンセワーク、歌い上げるヴォーカルでじわりと盛り上げる。全79分の力作です。
ドラマティック度・8 テクニカル度・8 優雅度・8 総合・8
Amazonで購入する
Chalice of Sin
多国籍メタルバンド、チャリス・オブ・シンの2021年作
元Crimson Gloryのウェイド・ブラックと、プロデューサーとてたも名高い、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオによるプロジェクトで、デンマーク人ギタリスト、マーティン・イェプセン・アンダーセンが参加。
メタリックなギターリフにシンフォニックなシンセを重ね、パワフルなハイトーンヴォーカルを乗せて、正統派の華麗なメロパワサウンドを聴かせる。
ミドルテンポのキャッチーなナンバーや、Judas Priest風の80年代ルーツのメタルナンバーなども、ケレン味ある歌声の迫力で楽しめてしまう。
巧みなギタープレイやきらびやかなシンセとの絡み、ほどよい疾走感もあって、様式美系メロパワが好きな方もどうぞ。
ドラマティック度・7 疾走度・7 王道メロパワ度・8 総合・8
Amazonで購入する
Gallileous 「Dancing Ash」
ポーランドのヴィンテージロック、ガリレオスの2024年作
2008年にデビュー、7作目となる。オールドな感触のギターにオルガンが重なり、中性的な女性ヴォーカルの歌声で、ヴィンテージなハードロックを聴かせる。
ゆったりとした叙情パートでは、Anna嬢の歌声がエモーショナルに響き渡り、前作以上にロックとしての普遍的な魅力も増している。
今作では、8〜9分の大曲も多く、プログレ寄りのシンセワークとともに、優雅なサイケプログ風の味わいもあって、なかなか楽しめる。
80年代的なポップなビート感も取り入れたり、一転して激しく疾走するパートなど、緩急あるアレンジも冴えている。
ドラマティック度・8 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・7 総合・8 過去作のレビューはこちら
LIVGONE 「ALMOST THERE」
フランスのドゥームメタル、リヴゴーンの2024年作
女性Vo含むトリオ編成で、ヘヴィなギターにうっすらとしたシンセ、はかなげな女性ヴォーカルを乗せて、涼やかでメランコリックなゴシック・ドゥームを聴かせる。
重厚なドゥーム感触、アコースティックを用いた静謐パートの緩急がコントラストになっていて、知的な構築センスは、The 3rd And The Mortalにも通じるところもある。
10分を超える大曲も、ゆったりとしたドゥーミィな翳りともの悲しい叙情に包まれて、美しい女性声とランドスケープ的なシンセやノイズが神秘的に響き渡る。
曲によっては、激しいブラスト疾走も現れるなど、ポストブラックとしての側面も覗かせる。ノイジーなラスト曲も含め、エクスペリメンタルな異色作である。
ドラマティック度・7 メランコリック度・8 神秘的度・8 総合・8
Amazonで購入する
GRIMA 「NIGHTSIDE」
ロシアのペイガンブラックメタル、グリマの2025年作
2015年にデビューし、6作目となる。アコーディオン鳴り響くもの悲しいイントロから、トレモロを含む叙情的なギターにシンセを重ね、ダミ声ヴォーカルとともに、涼やかなペイガンブラックメタルを聴かせる。
アコーディオンやギターの土着的なフレーズを乗せたミドルテンポから、激しいブラスト疾走へと展開する、ドラマティックな構築力もなかなかのもの。
全体的に、暴虐パートよりも叙情性重視なのど聴きやすく、寒々しくも優雅な世界観に浸れる。幻想的なペイガンブラックが好きならぜひ。
ドラマティック度・8 暴虐度・7 幻想度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
FAR BEYOND 「THE END OF MY ROAD」
ドイツのシンフォニック・デスメタル、ファー・ビヨンドの2024年作
Eugen Dodenhoft氏による個人プロジェクトで、2005年にデビューし、8年ぶりとなる3作目。アコースティックギターとヴァイオリンによるイントロから、メロディックなギターに美麗なシンセを重ね、朗々としたヴォーカルとかすれたダミ声とともに、涼やかなメロディック・デスメタルを展開する。
楽曲は8〜10分前後の大曲主体で、ときにオーケストラルでシンフォニックな音の厚みと、メロディにはペイガンな土着性も感じさせ、激しすぎない優雅なメロデスという点では、Eternal Tears Of Sorrowあたりのファンにも楽しめる。
シンフォニック度・8 暴虐度・7 優雅な叙情度・8 総合・8
Amazonで購入する
1/9
本年もメタルでよろしくお願いいたします(12)
2025年間ベストはこちら
TURBOKILL 「Champion」
ドイツのメタルバンド、ターボキルの2025年作
2019年にデビュー、前作はROIT+ENFORCERというようなオールドメタルの強力作であったが、6年ぶりとなる本作は、叙情的なギターのイントロで幕を開け、オールドなギターリフに伸びやかなハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、HELLOWEENルーツのほどよいクサメロ感のメロディック・パワーメタルを聴かせる。
間奏部での流麗なギターソロも含めて、随所に演奏力の高さも光っていて、単なるオールドなジャーマンメタルという以上に洗練された味わいだ。
前作にもあったRIOT風の爽快な疾走ナンバーや、HELLOWEEENやGAMMA RAY風のキャッチーなミドルテンポなど、どの曲もメロディアスなフックと力量あるヴォーカルの歌声で耳心地よく楽しめる。
ドラマティック度・8 疾走度・7 ジャーマン度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
DEATHLESS LEGACY 「DAMNATIO AETERNA」
イタリアのシンフォニックメタル、デスレス・レガシーの2025年作
DEATH SSのトリビュートバンドとして結成され、2013年にオリジナルバンドとして再デビュー、本作は6作目となる。
混声コーラスを乗せた、THERIONばりの導入から、重厚なギターにオルガンを含むシンセアレンジに、妖しい女性ヴォーカルで、ゴシック寄りの耽美なシンフォニックメタルを聴かせる。
サタニックな世界観を標榜しつつも、サウンドは壮麗で、イタリアらしいシアトリカルな濃密さとともに、ドラマティックなスケール感に包まれている。
どっしりとしたミドルテンポを主体に、随所にアグレッシブなパートもあって、妖艶にしてほどよくキャッチーで重厚なゴシック・シンフォニックメタルが味わえる。
ドラマティック度・8 重厚度・8 耽美度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
KILMARA 「Journey To The Sun」
スペインのメロディックメタル、キルマラの2025年作
2007年にデビューし、5作目となる。シンセによる壮麗なイントロから、シンフォニックなアレンジをギターに重ねて、マイルドなヴォーカルとともに、KAMELOTなどにも通じるスタイリッシュなメロパワを展開する。
叙情的なギターとキャッチーなメロディ、きらびやかなモダンさがブレンドされ、ミドルテンポを主体の楽曲は、硬質すぎない聴きやすさで、伸びのあるヴォーカルで爽快に聴かせるあたりは、近年のDARK MOORなどにも通じる優雅さで楽しめる。
華麗な疾走ナンバーや、元LOST HORIZONのダニエル・ハイマンがゲスト参加したツインヴォーカルのナンバー、ラストはゲーム音楽風のアレンジで締めくくるのも面白い。
メロディック度・8 疾走度・7 優雅度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
JACK STARR 「OUT OF THE DARKNESS PART II」
アメリカのミュージシャン、ジャック・スターの2025年作
元VIRGIN STEELE、Jack Starr's Burning Starrでも活躍するギタリストで、本作は1984年のデビュー作から、40年ごしの続編というべき作品。
元MANOWARのライノがドラム、Alcatrazzのギルス・リヴェリーがシンガーで参加、メタリックなギターとパワフルなハイトーンヴォーカルで、古き良きヘヴィメタルを聴かせる。
勇壮なコーラスも加わるところは、MANOWAR的で、巧みなギタープレイも交えつつ、どっしりとしたミドルテンポを主体にした正統派のエピックメタルが味わえる。
WARLORDにも参加する、ギルス・リヴェリーの朗々としたヴォーカルは、メタルバラードなどでも説得力充分で、オールドなハードロック感触の叙情的なギターも随所によい感じ。
ラスト曲などは、MANOWAR“March for Revenge”のオマージュというべきナンバーで思わずニヤり。80年代ルーツの勇壮なヘヴィメタルが好きな方は聴くべし。
ドラマティック度・8 正統派度・8 オールドメタル度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
DEMON BITCH 「MASTER OF THE GAMES」
アメリカのメタルバンド、デモン・ビッチの2024年作
2016年にデビューし、8年ぶりの2作目となる。フォーキーで牧歌的なイントロから、ドカドカとしたドラムにクサメロ感あるギターとハイトーンヴォーカルをを乗せて疾走する、B級のスピードメタルを展開。
いかにもアナログなスカスカ感ある音質も確信犯的で、重さのかけらもないがメロディアスなギターに、声が裏返るヘナチョコ気味のヴォーカルもじつにいい味を出している。
唐突なリズムチェンジで疾走からスローテンポ、また疾走と、せわしない楽曲アレンジも微笑ましく、80〜90年代のマイナーバンドの香りに包まれているが、よくよく聴けば演奏はわりとしっかりしている。
NWOBHM風のローカルさも覗かせつつ、初期ENFORCERやPORTRAITなど、ヨーロピアンなヴィンテージメタルが好きな方にも対応。
ドラマティック度・7 疾走度・8 マイナー度・8 総合・7.5
Amazonで購入する
BROTHERS OF METAL 「FIMBULVINTER」
スウェーデンのメロディックメタル、ブラザーズ・オブ・メタルの2024年作
男女トリプルVoの編成で、2017年にデビューし、本作は3作目となる。メタリックなギターに凛とした女性ヴォーカル、男性Voにダミ声を重ね、勇壮でエピックなメタルサウンドを描く。
壮麗なシンセアレンジやときにネオクラシカルな旋律も覗かせつつ、RHAPSODYばりにシネマティックなスケール感に包まれて、シンフォニックメタルとしても楽しめる。
女性ヴォーカルをメインにしたフォーキーなナンバーでは、北欧らしい涼やかな土着性に包まれて、キャッチーなミドルテンポではオールドなメタル感触も覗かせる。
勇壮でシンフォニック、フォーキーで重厚、男女ヴォーカルと、ヘヴィメタルの各方面の魅力を散りばめた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・8 壮麗度・8 勇壮度・8 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Hammerfall 「Hammer of Dawn」
スウェーデンのメロディックメタル、ハンマーフォールの2022年作
1997年デビュー、いまやメロパワ界を代表するバンド。ここ数作の完成度には目を見張るものがあったが、12作目となる本作も、ヨアキム・カンスの朗々とした歌声とともに、王道のメロパワが炸裂している。
勇壮なコーラスとキャッチーなメロディのフックを、オールドなジャーマンメタルルーツの疾走感に重ね、まさに「ハンマーフォール節」というべきサウンドが楽しめる。
1stや2ndの頃のような、爽快なメロディの疾走ナンバーには、ファンはニヤりとかするだろう。新鮮味はなくとも、まさに安定の充実作である。
ドラマティック度・8 疾走度・7 王道メロパワ度・9 総合・8 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
DISTANT PAST 「SOLARIS」
スイスのメロディックメタル、ディスタント・パストの2024年作
2010年にデビュー、5作目の本作は、スタニスワフ・レムのSF小説「ソラリス」をテーマにしたコンセプト作。
メロディックなツインギターにハイトーンヴォーカル乗せて疾走する、古き良きジャーマンメタル風の正統派メロパワを聴かせる。
初期BLIND GUARDIANにも通じるアグレッシブなパワーメタルの一方で、ノリのよいミトルテンポのナンバーもあり、ほどよくキャッチーな感触もある。
楽曲自体には、このバンドならではの新鮮さはないが、メタルらしい疾走感とハイトーンヴォーカルで、どっしりとした味わいの好作である。
ドラマティック度・7 疾走度・8 ジャーマン風度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
AmazonMusic
Crystallion「Heads Or Tails」
ドイツのメロディックメタル、クリスタリオンの2021年作
2006年にデビュー、2nd「Hattin」はクサメロ満載の傑作であったが、5作目となる本作は、フロントが女性シンガーに替わっている。
イントロに続いて、重すぎないギターリフにハスキーな女性ヴォーカルを乗せて疾走する、ヨーロピアンなメロスピサウンドを聴かせる。
楽曲はメロディアスでありながら、どこかローカルで垢ぬけないB級っぽさに包まれていて、パワフル過ぎない女性Voもこれはこれでよし。
ミドルテンポのメロハー風のナンバーなども、キャッチーな古き良き味わいで、しっとりとしたバラードなどは、女性声によくマッチしている。
全体的にはクサメロと疾走感が薄まっていて、わりと普通の女性声ジャーマンメタルという印象になったか。
ドラマティック度・7 疾走度・7 女性Vo度・7 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
DARK NIGHTMARE 「BEYOND THE REALMS OF SORROW」
ギリシャのメロディックメタル、ダーク・ナイトメアの2022年作
2009年にデビューし4作目。メタリックなギターにハイトーンヴォーカルを乗せ、どっしりとした正統派のメロパワを聴かせる。
ツインギターの叙情性とうっすらとしたシンセ、朗々としたヴォーカルで、エピックメタル的な勇壮な世界観を描き出す。
楽曲はミドルテンポ主体で疾走感はあまりないが、ほどよいマイナー感触がヨーロピアンメタルの翳りを感じさせる。
全体的に派手さはないものの、オールドスタイルのエピック・メロパワが好きなら、なかなか楽しめる好作である。
ドラマティック度・8 正統派度・8 エピック度・7 総合・7.5
AmazonMusic
BLUES PILLS 「BIRTHDAY」
スウェーデンのヴィンテージロック、ブルーズ・ピルズの2024年作
2014年にデビューし、4作目。妊娠したシンガーのエリンの姿が、ジャケやブックレットから見て取れるが、ハード過ぎないギターにハスキーな女性ヴォーカルで、70年代的なノリのヴィンテージロックのスタイルは変わらず。
ほどよいポップ感触に、わりとユルめのサイケロック感もまじえて、母となったエリンのエモーショナルな歌声とともに、肩の力の抜けたサウンドが楽しめる。
3分前後の楽曲はシンプルで、これといって新鮮味はないのだが、ブルージーなギターと女性声による、オールドなロックンロールに浸りましょう。
ドラマティック度・7 ヴィンテージ度・8 女性Vo度・8 総合・7.5 過去作のレビューはこちら
Amazonで購入する
Demon Incarnate 「Key Of Solomon」
ドイツのヴィンテージ・ハードロック、デモン・インカーネイトの2018年作
2015年にデビューし、3作めとなる。オールドなギターに妖しい女性ヴォーカルを乗せて、ヴィンテージなドゥーム・ハードロックを聴かせる。
適度なノリのあるナンバーから、ドゥーミィなスローテンポまで、ほどよくヘヴィなメタル感触と女性声による艶めいた魔女感が耳心地よい。
アコースティックを用いた小曲も挟みつつ、楽曲はオールドなハードロックにウェットな妖しさが混じりつつも、わりとストレートな味わい。
全36分というのもいかにもアナログ的だ。全体的にはもう少し、神秘性というか、濃密な広がりが欲しいか。
ドラマティック度・7 ドゥーム度・8 魔女系ロック度・8 総合・7.5
Amazonで購入する